JP7052733B2 - 情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにプログラム - Google Patents

Description

本開示は、情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。さらに詳細には、放送波等における今後のデータ伝送規格として規格化が進められているＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを入力して、メディアに記録し、さらにメディア記録データのコピー処理を行う場合のコピー制御等を実行する情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。

現在、４Ｋ画像や８Ｋ画像等の放送等、高画質画像のデータ伝送を実現するための規格化が進められており、その一つとして、ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットを利用したデータ配信方式についての検討が進められている。

ＭＭＴフォーマットは、画像（Ｖｉｄｅｏ）、音声（Ａｕｄｉｏ）、字幕（Ｓｕｂｔｉｔｌｅ）等、コンテンツを構成する符号化データや、制御情報や属性情報等の様々な管理情報からなる制御情報（ＳＩ：Ｓｉｇｎａｌｉｎｇ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ（シグナリング情報））等のデータを、放送波やネットワークを介して伝送するデータ転送方式（トランスポートフォーマット）を規定したものである。

ＭＭＴフォーマットは、例えば４Ｋ画像、高ダイナミックレンジ（ＨＤＲ：Ｈｉｇｈ Ｄｙｎａｍｉｃ Ｒａｎｇｅ）画像等の次世代コンテンツの放送等に利用される予定となっている。

なお、現行の画像（Ｖｉｄｅｏ）、音声（Ａｕｄｉｏ）、字幕（Ｓｕｂｔｉｔｌｅ）等の伝送フォーマット、あるいは、メディアに対するデータ記録フォーマットとしては、ＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットが多く利用されている。
また、このＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマット対応の記録再生アプリケーション規格（フォーマット）としてＢＤＭＶやＢＤＡＶ規格（フォーマット）が広く利用されている。

なお、ＢＤＭＶやＢＤＡＶは、主にＢＤ（Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ）を利用したデータ記録再生のアプリケーション規格であるが、これらの規格はＢＤに限らず、フラッシュメモリやＨＤなど、その他のＢＤ以外のメディアを利用したデータ記録再生にも適用可能である。
ＢＤを利用したデータ記録再生処理構成については、例えば特許文献１（特開２０１１－０２３０７１号公報）等に記載がある。

ＢＤＭＶは、例えば映画コンテンツなどを予め記録したＢＤ－ＲＯＭ向けに開発されたアプリケーション規格であり、主に、パッケージコンテンツ等の書き換え不能なＢＤ－ＲＯＭで広く使われている。
一方、ＢＤＡＶは、主に書き換え可能なＢＤ－ＲＥ型ディスクや、一回のみ記録可能なＢＤ－Ｒ型ディスク等を利用したデータ記録再生処理に適用することを目的として開発された規格である。ＢＤＡＶは、例えばユーザがビデオカメラなどで撮影した映像の記録再生やテレビ放送を記録し再生するために利用される。

上述のＭＭＴフォーマットに従った配信コンテンツを、情報記録媒体（メディア）に記録し、メディアからのコンテンツ再生処理をＢＤＡＶフォーマット対応の再生アプリケーションを利用して行なうためには、このＢＤＡＶフォーマットに従ってデータ記録を行うことが必要である。

現在、ＢＤＡＶフォーマットを拡張し、ＭＭＴフォーマットデータを記録、再生可能とするための構成について議論が進められている。
例えば、放送局等が送信するＭＭＴフォーマットに従った配信データをテレビ等の情報処理装置が受信し、受信データをＢＤやフラッシュメモリ、あるいはＨＤ（ハードディスク）等の記録メディアに記録する場合、画像、音声、字幕データや、制御情報（ＳＩ）等のデータを、ＭＭＴフォーマットに従ったデータを格納したパケットのパケット列としてメディアに記録する方向で議論が進んでいる。

具体的には、ＭＭＴＰ（ＭＭＴ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）パケット、あるいはＭＭＴＰパケットの上位パケットであるＴＬＶ（Ｔｙｐｅ Ｌｅｎｇｔｈ Ｖａｌｕｅ）パケットのパケット列をメディアに記録する方向で議論が進んでいる。

ＭＭＴＰパケットやＴＬＶパケットには、再生データである画像、音声、字幕、さらに、様々な管理情報からなる制御情報（ＳＩ：Ｓｉｇｎａｌｉｎｇ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）等が格納されている。

例えばＢＤ（Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ）やフラッシュメモリやＨＤ（ハードディスク）等の記録メディアに、画像、音声、字幕等のコンテンツを格納したＭＭＴＰパケットやＴＬＶパケットを記録し、メディアからのコンテンツ再生を上述のＢＤＡＶフォーマット対応の再生アプリケーションを利用して行なうためには、このＢＤＡＶフォーマットに従ってデータ記録を行うことが必要である。

ＢＤＡＶフォーマットは、再生制御情報ファイルとして、プレイリストファイルやクリップ情報ファイル等のデータベースファイルを規定しており、ＢＤＡＶ対応再生アプリケーションはこれらの再生制御情報ファイル（データベースファイル）を参照してデータ再生処理を実行する。
従って、ＭＭＴフォーマットデータについても、これらのプレイリストファイルやクリップ情報ファイルに記録された再生制御情報を利用して再生処理を行うことが必要となる。

しかし、ＢＤＡＶフォーマット規定のプレイリストファイルやクリップ情報ファイル等のデータベースファイルは、もともと、ＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットデータに対応した再生制御情報を記録している。
従って、ＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットとはフォーマットの異なるＭＭＴフォーマットデータを再生する場合に、現行のＢＤＡＶフォーマット規定のプレイリストファイルやクリップ情報ファイルに記録された再生制御情報が適用できない場合がある。
この問題を解決するためには、ＭＭＴフォーマットデータ対応のプレイリストファイルやクリップ情報ファイルを生成してメディアに記録する処理を行うことが必要となる。

さらに、例えばＢＤ（Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ）やフラッシュメモリやＨＤ（ハードディスク）等の記録メディアに、画像、音声、字幕等のコンテンツを格納したＭＭＴＰパケットやＴＬＶパケットを記録した場合、ユーザは、さらにそのメディア記録データを、他の第２メディアにコピーする場合がある。

しかし、放送コンテンツの多くは著作権により保護されたコンテンツであり、番組等のコンテンツ単位で様々なコピー制御情報が設定されている。
例えば、コピー許容コンテンツ、コピー禁止コンテンツ、コピーの許容回数や個数を設定したコンテンツ等、コンテンツ（番組）単位で様々なコピー制御情報が設定されている。
放送コンテンツに関するこれらのコピー制御情報は、番組コンテンツとともに放送波を介して送信されるパケット（ＴＬＶパケット／ＭＭＴＰパケット）に格納されてユーザ側の受信装置に送信される。

これらのデータをＢＤ等のメディアに記録した後は、例えば、ＢＤＡＶフォーマット対応のアプリケーションを利用してコピー処理が行われる。
しかし、現行のＢＤＡＶフォーマット対応のアプリケーションには、ＭＭＴＰパケットに格納されたコピー制御情報を参照してコピー処理の可否を判断するといった処理を行うアルゴリズムは含まれていない。
従って、何らかの対策を行わないと、放送波によって送信されるコピー制御情報を無視した無秩序なコピー処理が行われる可能性がある。

特開２０１１－０２３０７１号公報

本開示は、例えば、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ＭＭＴフォーマットに従った配信データを入力して、ＢＤ等の記録メディアに記録し、さらに、その記録データを他メディアにコピーする場合に、元のＭＭＴフォーマットデータに設定されたコピー制御情報を順守した確実なコピー制御を可能とした情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。

本開示の第１の側面は、
コピー制御情報の設定されたＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを入力し、情報記録媒体に対するデータ記録フォーマットであるＢＤＡＶフォーマット、またはＳＰＡＶフォーマットに従った記録データを生成するデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、前記記録データとして、
（ａ）前記ＭＭＴフォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
（ｂ）入力データに含まれるＭＭＴフォーマットデータ対応のコピー制御情報を反映した前記ストリームファイル対応のコピー制御情報、
を生成する情報処理装置にある。

さらに、本開示の第２の側面は、
第１メディアの記録データを、第２メディアにコピーするデータ処理部を有し、
前記第１メディアは、
ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
前記ストリームファイル対応のコピー制御情報を記録したメディアであり、
前記データ処理部は、
前記コピー制御情報を参照して、参照情報に従って前記ストリームファイルのコピー制御を実行する情報処理装置にある。

さらに、本開示の第３の側面は、
ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを格納したＭＭＴＰパケット列、またはＴＬＶパケット列によって構成されるストリームファイルと、
ＭＭＴＰパケット、またはＴＬＶパケット単位のコピー制御情報を各パケットの追加ヘッダ中に記録した構成を有する情報記録媒体であり、
前記情報記録媒体の記録データのコピー処理を実行する情報処理装置が、前記ストリームファイルを構成するパケット単位で、コピー制御を実行可能とした記録データを有する情報記録媒体にある。

さらに、本開示の第４の側面は、
情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
前記情報処理装置は、
コピー制御情報の設定されたＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを入力し、情報記録媒体に対するデータ記録フォーマットであるＢＤＡＶフォーマット、またはＳＰＡＶフォーマットに従った記録データを生成するデータ処理部を有し、
前記データ処理部が、前記記録データとして、
（ａ）前記ＭＭＴフォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
（ｂ）入力データに含まれるＭＭＴフォーマットデータ対応のコピー制御情報を反映した前記ストリームファイル対応のコピー制御情報、
を生成する情報処理方法にある。

さらに、本開示の第５の側面は、
情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
前記情報処理装置は、
第１メディアの記録データを、第２メディアにコピーするデータ処理部を有し、
前記第１メディアは、
ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
前記ストリームファイル対応のコピー制御情報を記録したメディアであり、
前記データ処理部が、
前記コピー制御情報を参照して、参照情報に従って前記ストリームファイルのコピー制御を実行する情報処理方法にある。

さらに、本開示の第６の側面は、
情報処理装置において情報処理を実行させるプログラムであり、
前記情報処理装置は、
コピー制御情報の設定されたＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを入力し、情報記録媒体に対するデータ記録フォーマットであるＢＤＡＶフォーマット、またはＳＰＡＶフォーマットに従った記録データを生成するデータ処理部を有し、
前記プログラムは、前記データ処理部に、
前記記録データとして、
（ａ）前記ＭＭＴフォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
（ｂ）入力データに含まれるＭＭＴフォーマットデータ対応のコピー制御情報を反映した前記ストリームファイル対応のコピー制御情報、
を生成させるプログラムにある。

さらに、本開示の第７の側面は、
情報処理装置において情報処理を実行させるプログラムであり、
前記情報処理装置は、
第１メディアの記録データを、第２メディアにコピーするデータ処理部を有し、
前記第１メディアは、
ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
前記ストリームファイル対応のコピー制御情報を記録したメディアであり、
前記プログラムは、前記データ処理部に、
前記コピー制御情報を参照して、参照情報に従って前記ストリームファイルのコピー制御を実行させるプログラムにある。

なお、本開示のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な情報処理装置やコンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、情報処理装置やコンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。

本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本開示の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。

本開示の一実施例の構成によれば、ＭＭＴフォーマットデータをＢＤＡＶフォーマットとしてメディアに記録し、元のコピー制御情報に従ったコピー制御を可能とする構成が実現される。
具体的には、コピー制御情報の設定されたＭＭＴフォーマットデータを入力し、情報記録媒体にＢＤＡＶフォーマットとして記録する。記録データとして、（ａ）ＭＭＴフォーマットデータを格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、（ｂ）ＭＭＴフォーマットデータ対応のコピー制御情報を反映させたストリームファイル対応のコピー制御情報をストリームファイル構成パケットの追加ヘッダ、または別ファイルとして生成して記録する。
ＭＭＴフォーマットデータをＢＤＡＶまたはＳＰＡＶフォーマットデータとしてメディアに記録して再生可能とする構成が実現される。
本構成により、ＭＭＴフォーマットデータをＢＤＡＶフォーマットとしてメディアに記録し、元のコピー制御情報に従ったコピー制御を可能とする構成が実現される。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。

本開示の処理を実行する情報処理装置の利用構成例について説明する図である。 ＭＭＴフォーマットについて説明する図である。 ＭＭＴフォーマットに従った画像データ格納構成例について説明する図である。 ＢＤＡＶフォーマットについて説明する図である。 ＢＤＡＶフォーマットに従ったデータ再生処理例について説明する図である。 ＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットについて説明する図である。 ＭＭＴフォーマットについて説明する図である。 ＳＰＡＶフォーマットについて説明する図である。 放送局等からの受信データをＭＭＴフォーマットデータであるＭＭＴＰパケット列として、情報記録媒体（メディア）に記録する処理例について説明する図である。 放送局等からの受信データをＭＭＴフォーマットデータであるＭＭＴＰパケットを格納したＴＬＶパケット列として、情報記録媒体（メディア）に記録する処理例について説明する図である。 ＭＭＴフォーマットデータを、ＢＤＡＶフォーマットデータとして記録する場合の処理例について説明する図である。 記録メディアにＭＭＴフォーマットデータを記録し、その記録データを他メディアにコピーする処理の具体例について説明する図である。 放送局等から番組コンテンツとともに送信されるコピー制御情報について説明する図である。 放送局等から番組コンテンツとともに送信されるコピー制御情報について説明する図である。 ＭＭＴＰパケットに格納されるサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）のデータ構成（シンタクス）を示す図である。 コンテンツコピー制御記述子のデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）について説明する図である。 コンテンツ利用制御記述子のデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）について説明する図である。 デジタルコピー制御態様の種類（５種類）と、ＭＭＴフォーマットにおいて規定される３種類の制御情報の設定を一覧としてまとめた図である。 メディアに記録するパケット列がＭＭＴＰパケット列である場合の処理例を示す図である。 メディアに記録するパケット列がＴＬＶパケット列である場合の処理例を示す図である。 ＭＭＴＰパケット追加ヘッダのデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）の一例を示す図である。 ＴＬＶパケット追加ヘッダのデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）の一例を示す図である。 ＭＭＴＰパケット追加ヘッダのデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）の一例を示す図である。 ＴＬＶパケット追加ヘッダのデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）の一例を示す図である。 ＭＭＴＰパケットヘッダのデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）を示す図である。 ＭＭＴＰパケットヘッダのヘッダ拡張バイト（ｈｅａｄｅｒ＿ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ）領域に記録されるデータの一例を示す図である。 ＭＭＴＰパケットヘッダのヘッダ拡張バイト（ｈｅａｄｅｒ＿ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ）領域に記録されるデータの一例を示す図である。 コピー制御情報を記録したＴＬＶパケット追加ヘッダをＴＬＶパケットに追加して情報記録媒体（メディア）に記録する場合の暗号化処理について説明する図である。 コピー制御情報を記録したＭＭＴＰパケット追加ヘッダをＭＭＴＰパケットに追加して情報記録媒体（メディア）に記録する場合の暗号化処理について説明する図である。 メディアに記録するパケット列と追加ヘッダの設定例について説明する図である。 ＭＭＴＰパケット追加ヘッダのデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）の一例を示す図である。 ＴＬＶパケット追加ヘッダのデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）の一例を示す図である。 メディアに記録するパケット列と追加ヘッダの設定例について説明する図である。 メディアに記録するパケット列と追加ヘッダの設定例について説明する図である。 利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）を生成して、この利用制御情報ファイルにコピー制御情報を記録してメディアに記録する処理について説明する図である。 利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）の記録データについて説明する図である。 利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）の記録データについて説明する図である。 利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）の記録データについて説明する図である。 利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）の記録データについて説明する図である。 情報記録媒体（メディア）に対するデータ記録処理を実行する情報処理装置の構成例についてを説明する図である。 情報記録媒体（メディア）に対するデータ記録処理を実行する情報処理装置の構成例についてを説明する図である。 情報記録媒体（メディア）に対するデータ記録処理を実行する情報処理装置の構成例についてを説明する図である。 情報記録媒体（メディア）に対するデータ記録処理の処理シーケンスを説明するフローチャートを示す図である。 情報記録媒体（メディア）に対するデータ記録処理の処理シーケンスを説明するフローチャートを示す図である。 情報記録媒体（メディア）間のデータコピー処理を実行する情報処理装置の構成例についてを説明する図である。 情報記録媒体（メディア）間のデータコピー処理の処理シーケンスを説明するフローチャートを示す図である。 情報記録媒体（メディア）間のデータコピー処理の処理シーケンスを説明するフローチャートを示す図である。 本開示の処理に適用される報処理装置のハードウェア構成例について説明する図である。

以下、図面を参照しながら本開示の情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにプログラムの詳細について説明する。なお、説明は以下の項目に従って行なう。
１．通信システムの構成例について
２．ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットについて
３．ＢＤＡＶフォーマットとＳＰＡＶフォーマットについて
４．ＭＭＴフォーマットデータをＢＤＡＶフォーマットに従って記録する場合の処理について
５．コピー処理の態様と、ＭＭＴフォーマットデータにおけるコピー制御情報について
６．コピー処理を実行する情報処理装置が、メディアに記録されたＭＭＴフォーマットデータのコピー制御情報を取得可能とした構成について
６－１．コピー制御情報を記録した追加ヘッダについて
６－２．コピー制御情報を記録した追加ヘッダの一例（例１）について
６－３．コピー制御情報を記録した追加ヘッダの一例（例２）について
７．追加ヘッダを設定してメディアに記録するデータの暗号化処理について
８．複数パケットに対して１つのコピー制御情報を記録した追加ヘッダを設定する例について
８－１．（例１）Ｎ個のパケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）に対して１つのコピー制御情報記録追加ヘッダを設定する例について
８－２．（例２）固定長のパケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）構成データに対して１つのコピー制御情報記録追加ヘッダを設定する例について
８－３．（例３）可変長のパケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）構成データに対して１つのコピー制御情報記録追加ヘッダを設定する例について
９．利用制御情報ファイルにコピー制御情報を記録する実施例について
１０．利用制御情報ファイルにコピー制御情報とともに、暗号化関連情報を記録する実施例について
１１．情報記録媒体に対するデータ記録処理を実行する情報処理装置の構成と処理について
１２．情報記録媒体間のデータコピー処理を実行する情報処理装置の構成と処理について
１３．情報処理装置の構成例について
１４．本開示の構成のまとめ

［１．通信システムの構成例について］
まず、図１を参照して本開示の処理を実行する情報処理装置の一つの利用構成例である通信システムの例について説明する。
図１に示す情報処理装置３０は、ＢＤ（Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ）や、フラッシュメモリ、ハードディスク（ＨＤＤ）などのメディアを装着し、これらの装着メディアに対するデータ記録処理や、装着メディアからのデータ再生処理、さらに、他メディアに対するデータコピー処理等を実行する。

情報処理装置３０がメディアに記録するデータは、例えば放送局（放送サーバ）２１や、データ配信サーバ２２等の送信装置２０の提供する送信コンテンツである。具体的には、テレビ局の提供する放送番組等である。
これらの送信コンテンツは、放送波、あるいはインターネット等のネットワークを介して送信装置２０から情報処理装置３０に送信される。

情報処理装置３０は、例えば記録再生装置３１、テレビ３２、ＰＣ３３、携帯端末３４等である、これらの情報処理装置は、例えば、ＢＤ（Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ）４１、ＨＤＤ（ハードディスク）４２、フラッシュメモリ４３等の様々なメディアを装着し、これらのメディアに対するデータ記録処理や、メディアからのデータ再生処理、さらに、メディア間のデータコピー処理等を実行する。

送信装置２０から情報処理装置３０に対するデータ送信は、ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットに従って実行される。
ＭＭＴフォーマットは、画像（Ｖｉｄｅｏ）、音声（Ａｕｄｉｏ）、字幕（Ｓｕｂｔｉｔｌｅ）等、コンテンツ構成データである符号化データを放送波やネットワークを介して伝送する際のデータ転送方式（トランンスポートフォーマット）を規定したものである。

送信装置２０は、コンテンツデータを符号化し、符号化データおよび符号化データのメタデータを含むデータファイルを生成し、生成した符号化データをＭＭＴにおいて規定されるＭＭＴＰ（ＭＭＴ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）パケットに格納して放送波、またはネットワークを介して送信する。

送信装置２０が情報処理装置３０に提供するデータは、画像、音声、字幕等の再生対象データの他、番組ガイド等の案内情報や通知情報、制御メッセージ等の様々な管理情報によって構成される制御情報（ＳＩ：Ｓｉｇｎａｌｉｎｇ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ（シグナリング情報））によって構成される。

［２．ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットについて］
上述したように、送信装置２０から情報処理装置３０に対するデータ送信は、ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットに従って実行される。
図２以下を参照して、ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットについて説明する。

図２は、ＭＭＴフォーマットのスタック・モデルを示す図である。
図２に示すＭＭＴスタック・モデルにおいて、最下層には、物理レイヤ（ＰＨＹ）がある。物理レイヤは、放送系の処理を行なうブロードキャスト（Ｂｒｏａｄｃａｓｔｉｎｇ）レイヤと、ネットワーク系の処理を行なうブロードバンド（Ｂｒｏａｄｂａｎｄ）レイヤに分割されている。
ＭＭＴは放送系、ネットワーク系の２つの通信網を利用した処理を可能としている。

物理レイヤ（ＰＨＹ）の上位レイヤとして、ＴＬＶ（Ｔｙｐｅ Ｌｅｎｇｔｈ Ｖａｌｕｅ）レイヤがある。ＴＬＶはＩＰパケットの多重化方式を規定したフォーマット規定レイヤである。複数のＩＰパケットが多重化されてＴＬＶパケットとして送信される。ＴＬＶ－ＳＩは、ＴＬＶフォーマットに従った制御メッセージ等の制御情報（ＳＩ）の伝送レイヤである。

制御情報（ＳＩ）は、情報処理装置３０側においてコンテンツ（番組）を受信、再生するために必要となる設定情報や、番組ガイド等の案内情報や通知情報、制御情報、管理情報によって構成される。
ＴＬＶレイヤで処理が生成されるＴＬＶパケットに格納される制御情報（ＳＩ）がＴＬＶ－ＳＩであり、主に受信処理に関する制御情報によって構成されている。
ＭＭＴプロトコル（ＭＭＴＰ）に従って生成されるパケットであるＭＭＴＰパケットに格納される制御情報（ＳＩ）は最上位レイヤに示すＭＭＴ－ＳＩであり、主に再生制御に関する制御情報によって構成されている。

ＴＬＶレイヤ上には、ＵＤＰ／ＩＰレイヤが設定される。
ＵＤＰ／ＩＰレイヤは、詳細にはＩＰレイヤとＵＤＰレイヤに分割可能であるが、ＩＰパケットのペイロードにＵＤＰパケットを格納する伝送を規定するレイヤである。
ＵＤＰ／ＩＰレイヤ上にＭＭＴレイヤ、およびＦｉｌｅ ｄｅｌｉｖｅｒｙ ｍｅｔｈｏｄレイヤ が設定される。
ＭＭＴＰパケットをＩＰパケットに格納して送信する場合と、ＭＭＴＰパケットを用いないデータ伝送方式であるＦｉｌｅ ｄｅｌｉｖｅｒｙ ｍｅｔｈｏｄを利用してＩＰパケットとしてデータ送信する方式が併用可能な設定となっている。

ＭＭＴレイヤ上には、以下のレイヤが設定される。
画像符号化規格であるＨＥＶＣ（Ｈｉｇｈ Ｅｆｆｉｃｉｅｎｃｙ Ｖｉｄｅｏ Ｃｏｄｉｎｇ）に従った符号化画像データである画像（Ｖｉｄｅｏ）データ、
音声符号化規格であるＡＡＣ（Ａｄｖａｎｃｅｄ Ａｕｄｉｏ Ｃｏｄｉｎｇ）に従った符号化音声データである音声（Ａｕｄｉｏ）データ、
字幕符号化規格であるＴＴＭＬ（Ｔｉｍｅｄ Ｔｅｘｔ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ）に従った符号化字幕データである字幕（Ｓｕｂｔｉｔｌｅ）データ、
ＭＭＴＰパケットを利用して送信される制御情報（ＭＭＴ－ＳＩ）、
さらに、ＨＴＭＬ５（Ｈｙｐｅｒ Ｔｅｘｔ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ ５）に従って記述された様々なアプリケーション、
これらの各データがＭＭＴＰパケットに格納されて送信される。

制御情報（ＭＭＴ－ＳＩ）は、ＭＭＴＰパケットで送信される制御情報（シグナリング情報）であり、情報処理装置３０側においてコンテンツ（番組）を再生するために必要となる設定情報や、番組ガイド等の案内情報や通知情報、制御情報等の様々な管理情報によって構成される。

なお、時刻情報（ＮＴＰ：Ｎｅｔｗｏｒｋ Ｔｉｍｅ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）は絶対時刻情報であり、ＵＤＰパケットに直接格納され送信される。
その他のデータ配信を行うデータサービス（Ｄａｔａ ｓｅｒｖｉｃｅ）、コンテンツダウンロード等（Ｃｏｎｔｅｎｔｄｏｗｎｌｏａｄ，ｅｔｃ．）がＭＭＴと異なるファイル配信メソッド（Ｆｉｌｅ ｄｅｌｉｖｅｒｙ ｍｅｔｈｏｄ）を利用して配信可能な構成を有している。

図２に示すように、画像、音声、字幕、さらに、様々な通知情報や制御情報等の様々な管理情報からなる制御情報（ＭＭＴ－ＳＩ）やアプリケーションは、ＭＭＴＰパケットによって送信される。

図３を参照してＭＭＴＰパケットの具体的構成例について説明する。
図３には以下の４種類のデータ構成例を示している。
（ａ）ＭＰＵ（Ｍｅｄｉａ Ｐｒｅｓｅｎｔａｔｉｏｎ Ｕｎｉｔ）
（ｂ）ＭＭＴＰペイロート
（ｃ）ＭＭＴＰパケット
（ｄ）ＴＬＶパケット

（ｄ）ＴＬＶパケットが放送波やネットワークを介して送信されるパケットであり、ＴＬＶパケットには、ＵＤＰヘッダ、ＩＰヘッダ、ＴＬＶヘッダの各ヘッダ情報が設定される。ＴＬＶパケットは、データ種類ごとに個別のパケットとして設定される。

すなわち、１つのＴＬＶパケットのＴＬＶペイロードには、１つの種類のデータが格納される。具体的には、例えば、画像（Ｖ）、音声（Ａ）、字幕（Ｓ）、あるいは、様々な管理情報からなる制御情報（ＳＩ）が個別に格納される。
なお、制御情報（ＳＩ）については、ＭＭＴＰパケットに格納する制御情報（ＭＭＴ－ＳＩ）と、ＴＬＶパケットで送信される制御情報（ＴＬＶ－ＳＩ）があり、それぞれ異なる個別のＴＬＶパケットに格納される。

ＴＬＶパケットのペイロードであるＴＬＶペイロートの一例が、図３（ｃ）に示すＭＭＴＰパケットである。
図３（ｃ）に示すＭＭＴＰパケットは、ＭＭＴＰヘッダと、ＭＭＴＰペイロードによって構成される。

１つのＭＭＴＰパケットのＭＭＴＰペイロードには、１つの種類のデータが格納される。具体的には、例えば、画像（Ｖ）、音声（Ａ）、字幕（Ｓ）、さらにＭＭＴＰパケットに格納する制御情報（ＭＭＴ－ＳＩ）、これらのいずれか一種類のデータが、個別のＭＭＴＰパケットに格納される。

図３（ａ），（ｂ）は、図３（ｃ）に示すＭＭＴＰパケットのＭＭＴＰペイロードに格納される画像データの詳細構成を示している。
図３（ｂ）は、図３（ｃ）に示すＭＭＴＰパケット中、ＭＭＴＰペイロードが画像データ（Ｖ）であるもののみを選択して示している。
図３（ｂ）に示すＭＭＴＰペイロードは、ヘッダとデータユニットによって構成される。

データユニットには、図３（ａ）に示すように、画像データおよび、以下の各種のパラメータが格納される。
ＡＵ Ｄｅｌｉｍｉｔｅｒ（Ａｃｃｅｓｓ Ｕｎｉｔ Ｄｅｌｉｍｉｔｅｒ）
ＳＰＳ（Ｓｅｑｕｅｎｃｅ Ｐａｒａｍｅｔｅｒ Ｓｅｔ）
ＰＰＳ（Ｐｉｃｔｕｒｅ Ｐａｒａｍｅｔｅｒ Ｓｅｔ）
ＳＥＩｓ（Ｓｕｐｐｌｅｍｅｎｔａｌ Ｅｎｈａｎｃｅｍｅｎｔ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）
これらのパラメータは、画像表示に利用されるパラメータである。

図３（ａ）に示すＭＰＵ（Ｍｅｄｉａ Ｐｒｅｓｅｎｔａｔｉｏｎ Ｕｎｉｔ）は、ＭＭＴフォーマットにおける画像、音声、字幕等の再生対象データの１つのデータ処理単位である。図３（ａ）に示す例は、画像データのＭＰＵの例であり、いわゆる符号化、復号処理単位としてのＧＯＰ（Ｇｒｏｕｐ ｏｆ Ｐｉｃｔｕｒｅｓ）と同じ単位である。

このように、例えば画像データは、図３（ａ）に示すように、ＭＭＴフォーマットにおいて規定されたパラメータと画像構成データに分割され、図３（ｂ）に示すＭＭＴＰペイロードに格納され、図３（ｃ）に示すＭＭＴＰパケットとして構成される。
さらに、ＭＭＴＰパケットは、図３（ｄ）に示すＴＬＶパケットのペイロードとして設定されて、ＴＬＶパケットが放送波やネットワークを介して送信される。

なお、音声、字幕等の各データ、ＭＭＴ－ＳＩの各データについても、それぞれデータ種類単位のＭＭＴＰパケット、ＴＬＶパケットが設定されて送信される。
ＴＬＶ－ＳＩは、ＭＭＴＰパケットに格納されることなくＴＬＶパケットに格納されて送信される。

［３．ＢＤＡＶフォーマットとＳＰＡＶフォーマットについて］
次に、上述のＭＭＴフォーマットに従った配信コンテンツを例えばＢＤ（Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ）やフラッシュメモリ、あるいはＨＤ（ハードディスク等のメディアに記録して再生する場合の記録データフォーマットであるＢＤＡＶフォーマットとＳＰＡＶフォーマットについて図４以下を参照して説明する。

例えばＢＤ（Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ）やフラッシュメモリやＨＤ等のメディアから、画像、音声、字幕等のコンテンツを再生する場合には、これらのコンテンツの再生処理を行なうための再生制御情報やインデックス情報が必要となる。再生制御情報やインデックス情報は一般的にデータベースファイルと呼ばれる。
これらの再生制御情報やインデックス情報は、メディアの記録データの再生処理を実行する再生アプリケーションに応じて異なるものとなる。

前述したように、現行の記録再生アプリケーション規格（＝データ記録フォーマット）としてＢＤＭＶやＢＤＡＶ規格（データ記録フォーマット）がある。これらのアプリケーション規格は、主にＢＤ（Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ）を利用したデータ記録再生アプリケーション規格として策定されたものである。

なお、ＢＤＭＶやＢＤＡＶは、主にＢＤを利用したデータ記録再生のアプリケーション規格であり、データ記録フォーマット（規格）であるが、これらの規格はＢＤに限らず、フラッシュメモリなど、その他のＢＤ以外のメディアを利用したデータ記録再生にも適用可能である。
ＢＤＭＶは、例えば映画コンテンツなどを予め記録したＢＤ－ＲＯＭ向けに開発されたアプリケーション規格であり、主に、パッケージコンテンツ等の書き換え不能なＢＤ－ＲＯＭで広く使われている。
一方、ＢＤＡＶは、主に書き換え可能なＢＤ－ＲＥ型ディスクや、一回のみ記録可能なＢＤ－Ｒ型ディスク等を利用したデータ記録再生処理に適用することを目的として開発された規格である。ＢＤＡＶは、例えばユーザがビデオカメラなどで撮影した映像の記録再生やテレビ放送を記録し再生するために利用される。

上述のＭＭＴフォーマットに従った配信コンテンツを記録したメディアからのコンテンツ再生処理を、ＢＤＡＶフォーマット対応の再生アプリケーションを利用して行なうためには、このＢＤＡＶフォーマットに従ってデータ記録を行うことが必要である。
前述のように、ＢＤＡＶフォーマットは、再生制御情報の記録ファイルとして、プレイリストファイルやクリップ情報ファイル等を規定しており、ＢＤＡＶ対応再生アプリケーションはこれらの再生制御情報ファイル（データベースファイル）の記録情報を利用してデータ再生処理を実行する。

図４は、情報記録媒体（メディア）４０にＢＤＡＶフォーマットに従って記録されたデータのディレクトリ構成例を示す図である。
ディレクトリには、図４に示すように様々な管理情報、再生制御情報、再生対象データの格納ファイルが設定される。

管理情報ファイルは、例えば、図４に示すインフォファイル（ｉｎｆｏ）、メニューファイル（ｍｅｎｕ）、マークファイル（ｍａｒｋ）等によって構成される。これらは、主にユーザに見せるタイトルの管理情報等を格納する。
また、再生制御情報ファイルとして、
プレイリストファイル（ｐｌａｙｌｉｓｔ）、
クリップ情報ファイル（ｃｌｉｐｉｎｆ）
例えば、これらのファイルが記録される。
さらに、再生データ格納ファイルとして、クリップＡＶストリームファイル（ｓｔｒｅａｍ）が記録される。

プレイリストファイルは、タイトルによって指定される再生プログラムのプログラム情報に従ってコンテンツの再生順等を規定したファイルであり、例えば、再生位置情報等を記録したクリップ情報ファイルの指定情報等を有する。
クリップ情報ファイルは、プレイリストファイルによって指定されるファイルであり、クリップＡＶストリームファイルの再生位置情報等を有する。

クリップＡＶストリームファイルは、再生対象となるＡＶストリームデータや管理情報を格納したファイルである。クリップＡＶストリームファイルは、再生対象となる画像、音声、字幕等の各データや、管理情報を格納したパケットによって構成される。
なお、ＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットにおいて規定され、クリップＡＶストリームファイルに記録される管理情報として、例えば、ＰＳＩ／ＳＩ（Ｐｒｏｇｒａｍ Ｓｐｅｃｉｆｉｃ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ／Ｓｅｒｖｉｃｅ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）がある。

なお、従来の放送データや、ネットワーク配信データは、ＴＳ（Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ Ｓｔｒｅａｍ）パケットによって構成されたＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットデータであるが、今後の４Ｋ，８Ｋ画像等の高精細画像等を含むデータは前述したＭＭＴＰパケットによって構成されるＭＭＴフォーマットデータとなることが予想される。

図４にはクリップＡＶストリームファイル（ｓｔｒｅａｍ）として、
ＴＳパケットによって構成されたＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットデータからなるストリームファイル（ｎｎｎｎｎ．ｍ２ｔｓ）、
ＭＭＴＰパケットによって構成されるＭＭＴフォーマットデータ（ｎｎｎｎｎ．ｍｍｔｖ）、
これらの２種類のストリームファイルを示している。

図４に示すディレクトリ例は、情報処理装置３０が受信したデータがＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットデータである場合は、そのまま、ＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットデータとしてメディアに記録し、受信データがＭＭＴフォーマットデータである場合は、ＭＭＴフォーマットデータとしてメディアに記録する設定の場合のディレクトリ例である。

なお、ＭＭＴフォーマットデータをメディアに記録する場合のクリップＡＶストリームファイルは、ＭＭＴフォーマットに従ったデータを格納したパケットのパケット列として記録する方向で議論が進んでいる。
具体的には、ＭＭＴＰ（ＭＭＴ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）パケット、あるいはＭＭＴＰパケットの上位パケットであるＴＬＶ（Ｔｙｐｅ Ｌｅｎｇｔｈ Ｖａｌｕｅ）パケットのパケット列として記録する方向で議論が進んでいる。
この具体例については後段で詳細に説明する。

管理情報ファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイル、これらのデータファイルは、クリップＡＶストリームファイルに格納された再生データである画像、音声、字幕等の再生処理に適用する管理情報の格納ファイルである。これらは、再生制御情報や、再生データの属性情報等を格納したファイルであり、データベースファイルと呼ばれる。

情報記録媒体に記録されたコンテンツを再生するシーケンスは以下の通りである。
（ａ）まず、再生アプリケーションによって管理情報ファイルから特定のタイトルを指定する。
（ｂ）指定されたタイトルに関連付けられたプレイリストが選択される。
（ｃ）選択されたプレイリストに規定されたクリップ情報によって、コンテンツ実データとしてのＡＶストリームあるいはコマンドが読み出されて、ＡＶストリームの再生や、コマンドの実行処理が行われる。

図５は、情報記録媒体（メディア）４０に記録される以下のデータ、すなわち、
プレイリストファイル、
クリップ情報ファイル、
クリップＡＶストリームファイル、
これらのデータの対応関係を説明する図である。

実際の再生対象データである画像、音声、字幕等の再生対象データからなるＡＶストリームはクリップＡＶストリーム（Ｃｌｉｐ ＡＶ Ｓｔｒｅａｍ）ファイルとして記録され、さらに、これらのＡＶストリームの管理情報、再生制御情報ファイルとして、プレイリスト（ＰｌａｙＬｉｓｔ）ファイルと、クリップ情報（Ｃｌｉｐ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）ファイルが規定される。

これら複数のカテゴリのファイルは、図５に示すように、
プレイリスト（ＰｌａｙＬｉｓｔ）ファイルを含むプレイリストレイヤ、
クリップＡＶストリーム（Ｃｌｉｐ ＡＶ Ｓｔｒｅａｍ）ファイルと、クリップ情報（Ｃｌｉｐ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）ファイルからなるクリップレイヤ、
これらの２つのレイヤに区分できる。

なお、一つのクリップＡＶストリーム（Ｃｌｉｐ ＡＶ Ｓｔｒｅａｍ）ファイルには一つのクリップ情報（Ｃｌｉｐ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）ファイルが対応付けられ、これらのペアを一つのオブジェクトと考え、これらをまとめてクリップ（Ｃｌｉｐ）、あるいはクリップファイルと呼ぶ。
クリップＡＶストリームファイルに含まれるデータの詳細情報、例えばＭＰＥＧデータのＩピクチャ位置情報などを記録したＥＰマップなどの管理情報がクリップ情報ファイルに記録される。

なお、クリップＡＶストリーム（Ｃｌｉｐ ＡＶ Ｓｔｒｅａｍ）ファイルは、ＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットデータである場合はＴＳパケットによって構成される。
また、ＭＭＴフォーマットデータである場合はＭＭＴＰパケットによって構成される。

クリップ情報（Ｃｌｉｐ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）ファイルは、例えば、クリップＡＶストリームファイルのバイト列データのデータ位置と、時間軸上に展開した場合の再生開始ポイントである（エントリポイント：ＥＰ）等の再生時間位置等の対応データ等、クリップＡＶストリームファイルの格納データの再生開始位置などを取得するための管理情報を格納している。

プレイリストは、クリップ（Ｃｌｉｐ）の再生開始位置や再生終了位置に対応するアクセスポイントを時間軸上の情報であるタイムスタンプで指し示す情報を有する。
例えば、コンテンツの開始点からの再生時間経過位置を示すタイムスタンプに基づいてクリップ情報ファイルを参照して、クリップＡＶストリームファイルのデータ読み出し位置、すなわち再生開始点としてのアドレスを取得することが可能となる。
クリップ情報ファイル（Ｃｌｉｐ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ ｆｉｌｅ）は、このタイムスタンプから、クリップＡＶストリームファイル中のストリームのデコードを開始すべきアドレス情報を見つけるために利用される。

このように、プレイリスト（ＰｌａｙＬｉｓｔ）ファイルは、クリップ（＝クリップ情報ファイル＋クリップＡＶストリームファイル）レイヤに含まれる再生可能データに対する再生区間の指定情報を有する。
プレイリスト（ＰｌａｙＬｉｓｔ）ファイルには、１つ以上のプレイアイテム（ＰｌａｙＩｔｅｍ）が設定され、プレイアイテムの各々が、クリップ（＝クリップ情報ファイル＋クリップＡＶストリームファイル）レイヤに含まれる再生可能データに対する再生区間の指定情報を有する。

なお、再生対象データを格納したクリップＡＶストリーム（Ｃｌｉｐ ＡＶ Ｓｔｒｅａｍ）ファイルは、前述したように、従来型のＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットデータである場合はＴＳパケットによって構成される。
また、今後、利用が拡大されると予想される４Ｋ，８Ｋ画像等の高精細画像データの場合は、ＭＭＴフォーマットデータである場合はＭＭＴＰパケットによって構成される。
図６、図７を参照して、ＭＭＴフォーマットと、ＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットについて説明する。

まず、図６を参照して、ＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットについて説明する。
ＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットは画像（Ｖｉｄｅｏ）、音声（Ａｕｄｉｏ）、字幕（Ｓｕｂｔｉｔｌｅ）等、コンテンツ構成データである符号化データや管理情報（ＰＳＩ／ＳＩ）を記録媒体（メディア）に格納、または放送波やネットワークを介して伝送する際の符号化データ等のデータ格納形式（コンテナフォーマット）を規定したフォーマットである。

ＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットは、ＩＳＯ１３８１８－１において標準化されたフォーマットであり、例えばＢＤ（Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ）に対するデータ記録や、デジタル放送等に用いられている。

図６（ａ）～（ｃ）はＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットデータの構成を示す図である。
最下段に示す図６（ａ）は、ＭＰＥＧ－２ＴＳのフォーマットデータの全体構成を示す図である。
図６（ａ）に示すように、ＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットデータは、複数のエレメンタリストリーム（Ｅｌｅｍｅｎｔａｒｙ ｓｔｒｅａｍ）によって構成される。
エレメンタリストリーム（Ｅｌｅｍｅｎｔａｒｙ ｓｔｒｅａｍ）は、例えば画像、音声、字幕等の１つの単位として設定されるユニットである。

１つのエレメンタリストリーム（Ｅｌｅｍｅｎｔａｒｙ ｓｔｒｅａｍ）は、図２（ｂ）に示すように、１つまたは複数のＰＥＳ（Ｐａｃｋｅｔｉｚｅｄ Ｅｌｅｍｅｎｔａｒｙ ｓｔｒｅａｍ）パケットによって構成される。
具体的には、１つのエレメンタリストリーム（Ｅｌｅｍｅｎｔａｒｙ ｓｔｒｅａｍ）は、ペイロードタイプ（Ｐａｙｌｏａｄ＿ｔｙｐｅ）＝０ｘ０で、かつ同じパケット識別子（Ｐａｃｋｅｔ＿ｉｄ）を持つＰＥＳパケットの１つ、または複数から構成される。

１つのＰＥＳパケットは、図６（ｃ）に示すように、１つまたは複数のＴＳパケットによって構成される。
具体的には、１つのＰＥＳパケットは、ペイロードタイプ（Ｐａｙｌｏａｄ＿ｔｙｐｅ）＝０ｘ０で、かつ同じパケット識別子（Ｐａｃｋｅｔ＿ｉｄ）を持つＴＳパケットの１つ、または複数から構成される。
ＴＳパケットは、前述のＭＭＴＰパケットと異なり、固定長であり、１つのＴＳパケットのパケットサイズは、１８８バイトに固定されている。

次に、図７を参照してＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットについて説明する。
ＭＭＴフォーマットについては、先に図３を参照しているが、図７に示すＭＭＴフォーマットの説明図は、図６を参照して説明したＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットとの対応関係を分かり易く説明した図である。

先に説明したように、ＭＭＴフォーマットは、画像（Ｖｉｄｅｏ）、音声（Ａｕｄｉｏ）、字幕（Ｓｕｂｔｉｔｌｅ）等、コンテンツ構成データである符号化データを放送波やネットワークを介して伝送する際のデータ転送方式（トランスポートフォーマット）を規定したものである。
図７は、ＩＳＯ／ＩＥＣ ２３００８－１に規定されるファイルフォーマットであるＭＭＴフォーマットについて説明する図である。

図７（ａ）～（ｃ）にはＭＭＴフォーマットデータの構成を示している。
最下段に示す図７（ａ）は、ＭＭＴフォーマットデータの全体構成を示す図である。
図７（ａ）に示すように、ＭＭＴフォーマットデータは、複数のメディアプレゼンテーションユニット（ＭＰＵ：Ｍｅｄｉａ ｐｒｅｓｅｎｔａｔｉｏｎ ｕｎｉｔ）によって構成される。
ＭＰＵは、例えば画像、音声、字幕等の１つの単位として設定されるユニットである。例えば、画像の場合、１ＭＰＵが１つのＭＰＥＧ圧縮画像単位である１ＧＯＰ（Ｇｒｏｕｐ ｏｆ ｐｉｃｔｕｒｅ）に相当する。

１つのＭＰＵは、図７（ｂ）に示すように、１つまたは複数のメディアフラグメントユニット（ＭＦＵ：Ｍｅｄｉａ Ｆｒａｇｍｅｎｔ ｕｎｉｔ）によって構成される。
具体的には、１つのＭＰＵは、ペイロードタイプ（Ｐａｙｌｏａｄ＿ｔｙｐｅ）＝０ｘ０（ＭＰＵ）で、かつ同じパケット識別子（Ｐａｃｋｅｔ＿ｉｄ）を持つＭＦＵの１つ、または複数から構成される。

１つのＭＦＵは、図７（ｃ）に示すように、１つまたは複数のＭＭＴＰパケットによって構成される。
具体的には、１つのＭＦＵは、ペイロードタイプ（Ｐａｙｌｏａｄ＿ｔｙｐｅ）＝０ｘ０（ＭＰＵ）で、かつ同じパケット識別子（Ｐａｃｋｅｔ＿ｉｄ）を持つＭＭＴＰパケットの１つ、または複数から構成される。
ＭＭＴＰパケットは可変長であり、様々なパケットサイズに設定可能である。
ＭＭＴＰパケットの各々は、属性情報等を格納するヘッダ（ＭＭＴＰヘッダ）と、符号化画像の実データ等を格納するペイロード（ＭＭＴＰペイロード）により、構成される。

なお、ＢＤＡＶフォーマットに類似するフォーマットとしてＳＰＡＶフォーマットがある。前述したように、ＢＤＭＶやＢＤＡＶは、主にＢＤを利用したデータ記録再生のアプリケーション規格である。これに対して、ＳＰＡＶフォーマットは、主にハードディスクに対するデータ記録再生のアプリケーション規格である。
ただし、ＢＤＡＶフォーマット、ＳＰＡＶフォーマットのいずれも、ＢＤ，フラッシュメモリ、ＨＤ等、様々なメディアを利用した記録再生に利用可能なフォーマットである。

ＳＰＡＶフォーマットデータは、ＢＤＡＶフォーマットにおけるデータ記録再生処理と同様の処理でデータ記録再生を実行することが可能である。ただし、ＳＰＡＶフォーマットは、ファイル名設定が、ＢＤＡＶフォーマットと一部、異なっている。
図８にＳＰＡＶフォーマットのディレクトリ構成例を示す。

図８に示すＳＰＡＶフォーマットのディレクトリには、先に図４を参照して説明したＢＤＡＶフォーマットと同様、様々な管理情報、再生制御情報、再生対象データの格納ファイルが設定される。

管理情報ファイルは、例えば、図８に示すインフォファイル（ＩＮＦＯ）、メニューファイル（ＭＥＮＵ）、マークファイル（ＭＡＲＫ）等によって構成される。これらは、主にユーザに見せるタイトルの管理情報等を格納する。
また、再生制御情報ファイルとして、
プレイリストファイル（ＰＬＡＹＬＩＳＴ）、
クリップ情報ファイル（ＣＬＩＰＩＮＦ）
例えば、これらのファイルが記録される。
さらに、再生データ格納ファイルとして、クリップＡＶストリームファイル（ＳＴＲＥＡＭ）が記録される。

図８に示すようにＳＰＡＶフォーマットのディレクトリ名や各ファイルの拡張子の設定が、図４を参照して説明したＢＤＡＶフォーマットと異なっている。
ただし、各ファイルに格納されるデータや、各ファイルの役割は、ＢＤＡＶフォーマットと同様である。

以下の実施例の説明では、ＭＭＴフォーマットデータをＢＤＡＶフォーマットデータとして記録し、再生する処理例について説明するが、以下に説明する実施例は、ＭＭＴフォーマットデータをＳＰＡＶフォーマットデータとして記録し、再生する処理にも適用可能である。

［４．ＭＭＴフォーマットデータをＢＤＡＶフォーマットに従って記録する場合の処理について］
次に、ＭＭＴフォーマットデータをＢＤＡＶフォーマットに従って記録する場合の処理について説明する。

先に説明したように、ＭＭＴフォーマットは、今後、放送局等によって配信が予定される４Ｋ画像等に利用されるデータ配信フォーマットであり、図３を参照して説明したプロトコルスタックに従ったフォーマットである。
一方、ＢＤＡＶフォーマットはメディアに対するデータ記録フォーマットであり、図４を参照して説明したようにプレイリストファイルやクリップ情報ファイル等の再生制御情報ファイルを含むデータベースファイルが規定されている。
なお、ＢＤＡＶフォーマットはデータ記録フォーマットであるとともにデータ記録再生アプリケーション規格にも対応しており、ＢＤＡＶフォーマットに従ってメディアに記録されたデータ再生は、ＢＤＡＶフォーマット対応の再生アプリケーションを利用して再生処理が実行される。

従って、ＭＭＴフォーマットに従った配信コンテンツをメディアに記録し、記録したメディアからのコンテンツ再生処理をＢＤＡＶフォーマット対応の再生アプリケーションを利用して行なうためには、ＢＤＡＶフォーマットに従ったデータ記録を行うことが必要である。

前述したように、現在、ＢＤＡＶフォーマットを拡張し、ＭＭＴフォーマットデータを記録、再生可能とするための規定について議論が進められている。
例えば、放送局等が送信するＭＭＴフォーマットに従った配信データをテレビ等の情報処理装置が受信し、受信データをＢＤやフラッシュメモリ、あるいはＨＤ（ハードディスク）等のメディアに記録する処理を行う場合、画像、音声、字幕データや管理情報（ＳＩ）等のデータについては、ＭＭＴフォーマットに従ったデータを格納したパケットのパケット列としてそのまま記録する方向で議論が進んでいる。

すなわち、図４に示すＢＤＡＶフォーマット、あるいは図８に示すＳＰＡＶフォーマットに設定されるクリップＡＶストリームファイル［０２００１．ｍｍｔｖ等］に、ＭＭＴフォーマットに従ったデータを格納したパケットのパケット列を記録する。
なお、ＭＭＴフォーマットデータを格納したクリップＡＶストリームファイル［０２００１．ｍｍｔｖ等］に対応する再生制御情報ファイルであるプレイリストファイルやクリップ情報ファイルについては、ＭＭＴフォーマットデータ対応の制御情報を設定したプレイリストファイルやクリップ情報ファイルを記録装置が生成してメディアに記録することになる。

ＭＭＴフォーマットデータを格納したクリップＡＶストリームファイルは、ＭＭＴＰ（ＭＭＴ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）パケット、あるいはＭＭＴＰパケットの上位パケットであるＴＬＶ（Ｔｙｐｅ Ｌｅｎｇｔｈ Ｖａｌｕｅ）パケットのパケット列として記録する方向で議論が進んでいる。

ＭＭＴフォーマットデータを格納したクリップＡＶストリームファイルの具体的な記録構成例について図９、図１０を参照して説明する。
図９は、ＢＤやフラッシュメモリ、あるいはＨＤ（ハードディスク）等の記録メディアに、ＭＭＴフォーマットに従ったＭＭＴＰ（ＭＭＴ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）パケット列を記録する処理例を説明する図である。

図９には、以下の３つのデータを示している。
（Ａ）放送配信データであるＴＬＶパケット列
（Ｂ）受信再生データとして処理される１つのＴＬＶパケット
（Ｃ）メディア記録用データの構成として提案されているＭＭＴＰパケット列

（Ａ）放送配信データであるＴＬＶパケット列は、先に図２を参照して説明したＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットを有するＴＬＶパケットの列（シーケンス）である。
このＴＬＶパケット列が、放送局等の送信装置２０から送信される。

（Ｂ）受信再生データとして処理される１つのＴＬＶパケットは、テレビや録画機等の情報処理装置３０が受信し、再生処理を行う１つのＴＬＶパケットである。（Ａ）に示すＴＬＶパケット列を構成する１つのＴＬＶパケットの詳細構成を示している。
先に図２を参照して説明したＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットを有するＴＬＶパケットである。

（Ｃ）メディア記録用データの構成として示すＭＭＴＰパケット列は、現在、メディアに対する記録データとして提案されているＭＭＴＰパケット列である。
メディアに記録されるＭＭＴＰパケットは、図９（Ｂ）との対応関係を示す点線から理解されるように、ＴＬＶパケットの一部の構成データであるＭＭＴＰパケットであり、以下の要素から構成される。
（ａ）ＭＭＴＰパケットヘッダ（ＭＭＴＰ＿ｐａｃｋｅｔ＿ｈｅａｄｅｒ）
（ｂ）ＭＭＴＰパケットデータ（ＭＭＴＰ＿ｐａｃｋｅｔ＿ｄａｔａ）（＝ペイロード）

なお、ＭＭＴＰパケットデータ（ＭＭＴＰ＿ｐａｃｋｅｔ＿ｄａｔａ）（＝ペイロード）は以下の要素によって構成される。
（ｂ１）ＭＭＴＰペイロードヘッダ（ＭＭＴＰ＿ｐａｙｌｏａｄ＿ｈｅａｄｅｒ）
（ｂ２）ＭＭＴＰペイロードデータ（ＭＭＴＰ＿ｐａｙｌｏａｄ＿ｄａｔａ）

現在、情報記録媒体（メディア）に対する記録データとして提案されている一つの構成が、この図９（Ｃ）に示すような、ＴＬＶパケットの構成要素であるＭＭＴＰパケットのみを取り出して、一列に並べて記録する構成である。

図１０は、ＢＤやフラッシュメモリ、あるいはＨＤ（ハードディスク）等の記録メディアに、ＭＭＴＰ（ＭＭＴ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）パケットではなく、ＭＭＴＰパケットを格納した上位のＴＬＶパケットのパケット列を記録する処理例を説明する図である。

図１０には、図９と同様、以下の３つのデータを示している。
（Ａ）放送配信データであるＴＬＶパケット列
（Ｂ）受信再生データとして処理される１つのＴＬＶパケット
（Ｃ）メディア記録用データの構成として提案されているＴＬＶパケット列

（Ａ），（Ｂ）は、図９を参照して説明したと同様のデータである。
（Ｃ）メディア記録用データの構成として示すＴＬＶパケット列は、現在、メディアに対する記録データとして提案されているもう１つの例であるＴＬＶパケット列である。
メディアに記録されるＴＬＶパケットは、図１０（Ｂ）との対応関係を示す点線から理解されるように、ＭＭＴＰパケットを含むＴＬＶパケットであり、以下の要素から構成される。
（ａ）ＴＬＶパケットヘッダ（ＴＬＶ＿ｈｅａｄｅｒ）
（ｂ）ＴＬＶパケットデータ（ＴＬＶ＿ｄａｔａ）（＝ペイロード）

このように、現在、ＢＤ等のメディアに対するＭＭＴフォーマットデータの記録態様として、
図９を参照して説明したＭＭＴＰ（ＭＭＴ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）パケットのパケット列、あるいは、
図１０を参照して説明したＴＬＶ（Ｔｙｐｅ Ｌｅｎｇｔｈ Ｖａｌｕｅ）パケットのパケット列、
これらいずれかのパケット列として記録する方向で議論が進んでいる。

図９、または図１０に示すような設定でＭＭＴフォーマットデータをメディアに記録して、ＭＭＴフォーマットデータの再生処理をＢＤＡＶフォーマット対応の再生アプリケーションを利用して行う場合、ＢＤＡＶフォーマット対応の再生制御情報ファイル、すなわち、プレイリストファイルやクリップ情報ファイルを利用して再生を行うことになる。
なお、ＢＤＡＶフォーマットはデータ記録フォーマットであるとともにデータ記録再生アプリケーション規格にも対応しており、ＢＤＡＶフォーマットに従ってメディアに記録されたデータの再生は、ＢＤＡＶフォーマット対応の再生アプリケーションを利用して実行される。

ＢＤＡＶフォーマットは、再生制御情報ファイルであるプレイリストファイルやクリップ情報ファイル等のＢＤＡＶフォーマット固有のデータベースファイルを規定しており、ＢＤＡＶ対応再生アプリケーションはこれらの再生制御情報ファイル（データベースファイル）の記録情報を利用してデータ再生処理を実行する。

前述したように、ＢＤＡＶフォーマット規定のプレイリストファイルやクリップ情報ファイル等のデータベースファイルは、もともと、ＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットの配信データに基づいて生成可能なファイルとして規定されたものである。
従って、ＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットとはフォーマットの異なるＭＭＴフォーマットに従った配信データは、現行のＢＤＡＶフォーマット規定のプレイリストファイルやクリップ情報ファイルにそのまま記録しても、現行のＢＤＡＶ対応再生アプリケーションが利用できないデータとなる場合がある。

ＭＭＴフォーマットデータをメディアに記録し、ＢＤＡＶフォーマット対応アプリを利用してコンテンツ再生を行うことを可能とするためには、メディアに対するＭＭＴフォーマットデータの記録処理に際して、ＭＭＴフォーマットデータ対応のプレイリストファイルやクリップ情報ファイルを生成してメディアに記録することが必要となる。
また、メディアに記録されたＭＭＴフォーマットデータの再生時には、ＭＭＴフォーマットデータ対応のプレイリストファイルやクリップ情報ファイルを利用して再生を行うことが必要となる。

具体的には、図１１に示すように、ＭＭＴフォーマットデータ格納クリップＡＶストリームファイル５１対応のクリップ情報ファイル（ｎｎｎｎｎ．ｃｌｐｉ）５２と、プレイリストファイル（ｎｎｎｎｎ．ｒｐｌｓ）５３を生成して、メディア（ＢＤ，フラッシュメモリ，ＨＤＤ等）に記録して再生に利用する処理が必要となる。

メディアに記録されたＭＭＴフォーマットデータ格納クリップＡＶストリームファイル５１を再生する場合には、このＭＭＴフォーマットデータ格納クリップＡＶストリームファイル５１対応のクリップ情報ファイル（ｎｎｎｎｎ．ｃｌｐｉ）５２と、プレイリストファイル（ｎｎｎｎｎ．ｒｐｌｓ）５３を利用して再生処理を行うことができる。

しかし、前述したように、放送局の配信データであるＭＭＴフォーマットに従って配信されるデータは、ＢＤＡＶフォーマットで規定するプレイリストファイルやクリップ情報ファイルの記録用データを全て含むようには構成されていない。
また、ＭＭＴフォーマットデータ格納クリップＡＶストリームファイル７１は、ＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットデータとは異なるデータ形式となり、ＭＰＥＧ－２ＴＳフォーマットデータ対応のプレイリストファイルやクリップ情報ファイルと同一形式のデータを持つプレイリストファイルやクリップ情報ファイルを利用しても、正しい再生処理は実行できないという問題がある。

従って、このＭＭＴフォーマットデータをメディアに記録して、ＢＤＡＶフォーマット対応アプリを利用してコンテンツ再生を行うためには、ＭＭＴフォーマットデータ格納クリップＡＶストリームファイル７１の再生制御を行うことができるＭＭＴフォーマットデータ固有のデータ形式を持つプレイリストファイルやクリップ情報ファイルを生成してメディアに記録することが必要となる。

［５．コピー処理の態様と、ＭＭＴフォーマットデータにおけるコピー制御情報について］
次に、メディアに記録されたデータのコピー処理の態様と、ＭＭＴフォーマットデータにおけるコピー制御情報について説明する。

例えばＢＤ（Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ）やフラッシュメモリやＨＤ（ハードディスク）等の記録メディアに、画像、音声、字幕等のコンテンツを格納したＭＭＴＰパケットやＴＬＶパケットを記録した場合、ユーザは、さらにそのメディア記録データを、他の第２メディアにコピーする場合がある。

しかし、前述したように放送コンテンツの多くは著作権により保護されたコンテンツであり、番組等のコンテンツ単位で様々なコピー制御情報が設定されている。
例えば、コピー許容コンテンツ、コピー禁止コンテンツ、コピーの許容回数や個数を設定したコンテンツ等、コンテンツ（番組）単位で様々なコピー制御情報が設定されている。
放送コンテンツに関するこれらのコピー制御情報は、番組コンテンツとともに放送波を介して送信されるパケット（ＴＬＶパケット／ＭＭＴＰパケット）に格納されてユーザ側の情報処理装置に送信される。

これらのデータをＢＤ等のメディアに記録した後は、例えば、ＢＤＡＶフォーマット対応のアプリケーションを利用してコピー処理が行われる。
しかし、現行のＢＤＡＶフォーマット対応のアプリケーションには、ＭＭＴＰパケットに格納されたコピー制御情報を参照してコピー処理の可否を判断するといった処理を行うアルゴリズムは含まれていない。
従って、何らかの対策を行わないと、放送波によって送信されるコピー制御情報を無視した無秩序なコピー処理が行われる可能性がある。

この問題を解決し、ＭＭＴフォーマットデータに設定されたコピー制御情報を順守した確実なコピー制御を可能とした本開示の構成について、後段で説明する。
この本開示の構成の説明の前に、メディアに記録されたデータのコピー処理の態様と、ＭＭＴフォーマットデータに記録されたコピー制御情報について説明する。

まず、図１２を参照して、ＢＤ等の記録メディアにＭＭＴフォーマットデータを記録し、その記録データを他メディアにコピーする処理の具体例について説明する。
図１２には、以下の３つの処理を示している。
（Ａ）放送受信データの初期記録
（Ｂ）第１世代コピー
（Ｃ）第２世代コピー

（Ａ）放送受信データの初期記録は、放送局等の送信装置から受信するデータを記録再生装置６１に入力して、メディアＡ６２に記録する処理である。
メディアＡ６２は、例えばＢＤであり、先に図１１等を説明したように、ＢＤＡＶフォーマットデータとして記録される。

メディアＡ６２に記録されるＢＤＡＶフォーマットデータを構成するクリップＡＶストリームファイルは、先に図９、図１０を参照して説明したように、ＭＭＴＰパケット列、またはＴＬＶパケット列によって構成される。
図１２の下部に示すように、
（ａ１）ＭＭＴＰパケット列
（ａ２）ＴＬＶパケット列
これらのいずれかのパケット列によって構成されるクリップＡＶストリームファイルがメディアＡ６２に記録される。

記録再生装置６１、あるいはその他の記録再生装置は、メディアＡ６２の記録データを他のメディアにコピーすることができる。
このコピー処理によって、図１２（Ｂ）に示すように、第１世代コピーデータを記録したメディアであるメディアＢ１，６３、メディアＢ２，６４等を生成することができる。

さらに、記録再生装置６１、あるいはその他の記録再生装置は、メディアＢ１，６３、メディアＢ２，６４等に記録された第１世代コピーデータを、さらに他のメディアにコピーすることができる。
このコピー処理によって、図１２（Ｃ）に示すように、第２世代コピーデータを記録したメディアであるメディアＣ１，６５、メディアＣ２，６６等を生成することができる。
図には、第１世代、第２世代のみ、示しているが、さらに、第３世代、第４世代・・・、これら多数世代のコピーデータを作成することも可能である。

しかし、前述したように、放送コンテンツの多くは著作権により保護されたコンテンツであり、番組等のコンテンツ単位で様々なコピー制御情報が設定されている。
例えば、コピー許容コンテンツ、コピー禁止コンテンツ、コピーの許容回数や個数を設定したコンテンツ等、コンテンツ（番組）単位で様々なコピー制御情報が設定されている。
放送コンテンツに関するこれらのコピー制御情報は、番組コンテンツとともに放送波を介して送信されるパケット（ＴＬＶパケット／ＭＭＴＰパケット）に格納されてユーザ側の受信装置に送信される。

図１３を参照して、放送局等から番組コンテンツとともに送信されるコピー制御情報について説明する。
図１３には、放送局等の送信装置が送信するＴＬＶパケット列と、ＴＬＶパケットの構成、および、ＴＬＶパケットの各々に含まれるＭＭＴＰパケットを抽出して並べたＭＭＴＰパケット列を示している。

ＭＭＴＰパケット列に含まれる各ＭＭＴＰパケットは、画像、音声、字幕と上の再生対象データや、制御情報（ＳＩ：Ｓｉｇｎａｌｉｎｇ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）等を、データ種類単位で格納したパケットとして構成される。
ＭＭＴＰパケットの各々にどのような種類のデータが格納されているかについては、ＭＭＴＰパケットのヘッダに記録されたパケットＩＤ（ＰＩＤ）によって識別可能となる。

例えばコピー制御情報は、ＭＭＴフォーマットにおいて規定される制御情報記録テーブルであるサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）に記録されている。
なお、ＭＭＴフォーマットには、記録された制御データの種類に応じた様々な制御情報記録テーブルがある。具体的には、例えば、以下のようなテーブルがある。
（ａ）ＴＬＶ－ＮＩＴ（ネットワーク情報テーブル）
（ｂ）ＭＨ－ＢＩＴ（ブロードキャスタ情報テーブル）
（ｃ）ＭＨ－ＳＤＴ（サービス記述テーブル）
（ｄ）ＭＨ－ＥＩＴ（イベント情報テーブル）
（ｅ）ＭＨ－ＴＯＴ（タイムオフセットテーブル）
（ｆ）ＭＰＴ（ＭＭＴパッケージテーブル）

サービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）は、これらのテーブルの一つであり、例えば、チャンネル名や、放送事業者名等のチャンネル関連情報を記録したテーブルである。
コピー制御情報は、このサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）に含まれる。
図１３に示すように、サービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）を格納したＭＭＴＰパケットにはパケットＩＤ（ＰＩＤ）として、
ＰＩＤ＝０ｘ８００４
が記録されている。

ユーザ側の装置は、このＰＩＤ＝０ｘ８００４の設定パケットからサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）を取り出して、その記述データからコピー制御情報を取得する。
なお、図１４に示すように、サービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）を格納したＭＭＴＰパケットは、数秒間隔で送信され、１つのＭＨ－ＳＤＴ格納パケットに格納されたコピー制御情報は、後続する再生対象データ格納パケットに格納されたコンテンツに適用される。

例えば、図１４に示すサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）を格納した制御情報格納パケット７１は、次の制御情報格納パケット７２までの期間内の後続ＭＭＴＰに格納された画像、音声、字幕等のコンテンツに関するコピー制御情報として利用される。
制御情報格納パケット７２は、次の制御情報格納パケット７３までの期間内の後続ＭＭＴＰに格納されたコンテンツに関するコピー制御情報として利用される。
このように、ＭＭＴＰに格納されたコンテンツに関するコピー制御情報は、制御情報格納パケットに格納されたサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）を参照して確認することができる。

次に、図１５以下を参照して、サービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）の具体的データ構成について説明する。
図１５は、ＭＭＴＰパケットに格納されるサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）のデータ構成（シンタクス）を示す図である。
なお、データ構成（Ｓｙｎｔａｘ）に併せて、ビット数（Ｎｏ． ｏｆ ｂｉｔｓ）、データ表記（Ｍｎｅｍｏｎｉｃ）を示している。
なお、データ表記中の「ｕｉｍｓｂｆ」は「符号無し整数、最上位ビットが先頭」（ｕｎｓｉｇｎｅｄ ｉｎｔｅｇｅｒ ｍｏｓｔ ｓｉｇｎｉｆｉｃａｎｔ ｂｉｔ ｆｉｒｓｔ）表記を意味する。
「ｂｓｌｂｆ」は、「ビット列、左ビットが先頭（ｂｉｔ ｓｔｒｉｎｇ，ｌｅｆｔ ｂｉｔ ｆｉｒｓｔ）を意味する。

なお、ＭＭＴフォーマットデータに関する制御情報は、その制御情報の種類（カテゴリ）に応じて複数のテーブルに記録される。
前述したように、例えば、以下のテーブルがある。
（ａ）ＴＬＶ－ＮＩＴ（ネットワーク情報テーブル）
（ｂ）ＭＨ－ＢＩＴ（ブロードキャスタ情報テーブル）
（ｃ）ＭＨ－ＳＤＴ（サービス記述テーブル）
（ｄ）ＭＨ－ＥＩＴ（イベント情報テーブル）
（ｅ）ＭＨ－ＴＯＴ（タイムオフセットテーブル）
（ｆ）ＭＰＴ（ＭＭＴパッケージテーブル）

さらに、これらのテーブルには、特定のカテゴリに含まれる下位の細分類された制御情報の各々が、記述子（ｄｅｓｃｒｉｐｔｏｒ）単位で記録される。
図１５に示すサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）の記述子（ｄｅｓｃｒｉｐｔｏｒ）記録領域には、
（１）コンテンツコピー制御記述子、
（２）コンテンツ利用制御記述子、
これらの記述子が記録される。
これらの２つの記述子の具体的なデータ構成について、図１６、図１７を参照して説明する。

まず、図１６を参照して「（１）コンテンツコピー制御記述子」のデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）について説明する。
図１６に示すコンテンツコピー制御記述子には、図に示すように、例えば以下の各データが記録される。
記述子タグ（ｄｅｓｃｒｉｐｔｏｒ＿ｔａｇ）
デジタル記録制御データ（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）
コンポーネント制御フラグ（ｃｏｍｐｏｎｅｎｔ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｆｌａｇ）

記述子タグ（ｄｅｓｃｒｉｐｔｏｒ＿ｔａｇ）には、
この記述子（ｄｅｓｃｒｉｐｔｏｒ）がコンテンツコピー制御記述子であることを示す識別タグ（０ｘ８０３８）が記録される。
デジタル記録制御データ（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）には、
デジタル記録としてのコピー処理を実行してよいか否かを示す値が記録される。
具体例については、図１８以下を参照して後段で説明する。

コンポーネント制御フラグ（ｃｏｍｐｏｎｅｎｔ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｆｌａｇ）には、この記述子（コンテンツコピー制御記述子）が有効であるか否かを示す値が記録される。例えば以下の１ビットが記録される。
有効＝０
無効＝１

次に、図１５に示すサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）の記述子（ｄｅｓｃｒｉｐｔｏｒ）として記録されるもう一つの記述子である「コンテンツ利用制御記述子」のデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）について、図１７を参照して説明する。
図１７に示すように、「コンテンツ利用制御記述子」には、例えば以下の各データが記録される。
コピー数制限モード（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
暗号化モード（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）

コピー数制限モード（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）には、
コピー可能な数であるコピー数の制限があるか否かのデータが記録される。
例えば、
コピー数制限あり＝１
コピー数制限なし＝０
これらのデータが記録される。

暗号化モード（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）には、
コピー処理を行う場合の出力データを、暗号化データとして出力することが必要か否かのデータが記録される。
例えば、
出力データの暗号化要＝０
出力データの暗号化不要＝１
これらのデータが記録される。

図１５に示すサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）には、図１６、図１７を参照して説明したように、以下の３種類のコピー制御関連情報が記録される。
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）

図１８に、デジタルコピー制御態様の種類（５種類）と、上記のＭＭＴフォーマットにおいて規定される３種類の制御情報の設定を一覧としてまとめた図を示す。
図１８には、デジタルコピー制御態様の種類として、以下の５種類を示している。
（１）制約条件なしでコピー可、ただし、出力コピーデータの暗号化必要
（２）制約条件なしでコピー可、かつ、出力コピーデータの暗号化不要
（３）コピー禁止
（４）１世代のみコピー可、ただし、コピー数制限あり
（５）１世代のみコピー可、かつ、コピー数制限なし

上記の５種類のデジタルコピー制御態様について、上記のＭＭＴフォーマットにおいて規定される３種類の制御情報の設定は、図に示すように、以下の設定となる。
（１）制約条件なしでコピー可、ただし、出力コピーデータの暗号化必要
（Ａ）デジタル記録制御情報＝００（デジタル記録可）
（Ｂ）暗号化情報＝０（出力コピーデータの暗号化必要）
（Ｃ）コピー数制限モード＝Ｄｏｎ'ｔ Ｃａｒｅ（規定なし）

（２）制約条件なしでコピー可、かつ、出力コピーデータの暗号化不要
（Ａ）デジタル記録制御情報＝００（デジタル記録可）
（Ｂ）暗号化情報＝１（出力コピーデータの暗号化不要）
（Ｃ）コピー数制限モード＝Ｄｏｎ'ｔ Ｃａｒｅ（規定なし）

（３）コピー禁止
（Ａ）デジタル記録制御情報＝１１（デジタル記録不可）
（Ｂ）暗号化情報＝Ｄｏｎ'ｔ Ｃａｒｅ（規定なし）
（Ｃ）コピー数制限モード＝Ｄｏｎ'ｔ Ｃａｒｅ（規定なし）

（４）１世代のみコピー可、ただし、コピー数制限あり
（Ａ）デジタル記録制御情報＝１０（一世代のみデジタル記録可）
（Ｂ）暗号化情報＝０（出力コピーデータの暗号化必要）
（Ｃ）コピー数制限モード＝１（コピー数制限あり）

（５）１世代のみコピー可、かつ、コピー数制限なし
（Ａ）デジタル記録制御情報＝１０（一世代のみデジタル記録可）
（Ｂ）暗号化情報＝０（出力コピーデータの暗号化必要）
（Ｃ）コピー数制限モード＝０（コピー数制限なし）

図１８に示す５種類のデジタルコピー制御態様（１）～（５）について、ＭＭＴフォーマットにおいて規定される３種類の制御情報、すなわち、
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
これらの記録データは、図１８に示すように、上述した設定となる。

［６．コピー処理を実行する情報処理装置が、メディアに記録されたＭＭＴフォーマットデータのコピー制御情報を取得可能とした構成について］
次に、コピー処理を実行する情報処理装置が、メディアに記録されたＭＭＴフォーマットデータのコピー制御情報を順守した確実なコピー制御を可能とした構成について説明する。

先に説明したように、放送コンテンツデータをＢＤ等のメディアに記録した後は、例えば、ＢＤＡＶフォーマット対応のアプリケーションを利用してコピー処理が行われる。
しかし、現行のＢＤＡＶフォーマット対応のアプリケーションには、ＭＭＴＰパケットに格納されたコピー制御情報を参照してコピー処理の可否を判断するといった処理を行うアルゴリズムは含まれていない。
従って、何らかの対策を行わないと、放送波によって送信されるコピー制御情報を無視した無秩序なコピー処理が行われる可能性がある。

以下において、この問題を解決する構成について説明する。
すなわち、ＭＭＴフォーマットに従った配信データを入力して、ＢＤ等の記録メディアに記録し、その記録データを他メディアにコピーする場合に、元のＭＭＴフォーマットデータに設定されたコピー制御情報を順守した確実なコピー制御を可能とした構成について説明する。

［６－１．コピー制御情報を記録した追加ヘッダについて］
まず、本開示の構成の概要、すなわちコピー制御情報を記録した追加ヘッダについて、図１９、図２０を参照して説明する。
本開示の構成では、放送局等の送信装置からの送信データを入力して、メディアに対するデータ記録（初期記録）を実行する情報処理装置が、入力ＭＭＴフォーマットデータに含まれるサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）を取得し、サービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）に記録されたコピー制御情報を読み取る。

さらに、情報処理装置は、サービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）から取得したコピー制御情報を記録したヘッダ（追加ヘッダ）を生成して、各ＭＭＴＰパケットの先頭、または各ＴＬＶパケットの先頭に挿入して、メディアに記録する。

図１９は、メディアに記録するパケット列がＭＭＴＰパケット列である場合の処理例を示す図である。
放送局等の送信装置からの送信データを入力して、メディアに対するデータ記録（初期記録）を実行する情報処理装置は、図１９に示すように、メディアに記録する各ＭＭＴＰパケット１００の先頭部分に、追加ヘッダ（ＭＭＴＰパケット追加ヘッダ１０１）を設定して、メディアに記録する。

ＭＭＴＰパケット追加ヘッダ１０１には、後続のＭＭＴＰパケット１００の格納データに対応するコピー制御情報が記録される。
具体的には、例えば、図１８を参照して説明したＭＭＴフォーマット規定の３種類の制御情報、すなわち、
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
これらの各値を記録した追加ヘッダを記録する。

この追加ヘッダをメディアに記録することで、コピー処理を実行するコピー装置（情報処理装置）は、追加ヘッダの記録内容に基づいて後続のＭＭＴＰパケットの格納データについてのＭＭＴフォーマット対応のコピー制御情報、すなわち、
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
これらの各設定値を取得することが可能となる。

この結果、その追加ヘッダに後続するＭＭＴＰパケットの格納データが、図１８に示す５種類のデジタルコピー制御態様（１）～（５）、すなわち、
（１）制約条件なしでコピー可、ただし、出力コピーデータの暗号化必要
（２）制約条件なしでコピー可、かつ、出力コピーデータの暗号化不要
（３）コピー禁止
（４）１世代のみコピー可、ただし、コピー数制限あり
（５）１世代のみコピー可、かつ、コピー数制限なし
これら５種類のいずれに対応するコピー制御対象コンテンツであるかを判断することが可能となる。

コピー処理を実行するコピー装置（情報処理装置）は、この判断に基づいて、ＭＭＴＰパケット単位で、元のＭＭＴフォーマット対応のコピー制御情報を順守して、メディア間のデータコピー処理を行うことが可能となる。

図１９に示す例は、メディアに対する記録データをＭＭＴＰパケット列とした場合の処理例である。
先に図９、図１０を参照して説明したように、メディアに対する記録データは、
ＭＭＴＰパケット列、または、
ＴＬＶパケット列、
これらいずれかの設定とすることが想定されている。

メディアに対する記録データを、ＴＬＶパケット列とした場合の追加ヘッダの設定例について、図２０を参照して説明する。
この場合、放送局等の送信装置からの送信データを入力して、メディアに対するデータ記録（期記録）を実行する情報処理装置は、図２０に示すように、メディアに記録する各ＴＬＶパケット１２０の先頭部分に、追加ヘッダ（ＴＬＶパケット追加ヘッダ１２１）を設定して、メディアに記録する。

ＴＬＶパケット追加ヘッダ１２１には、後続のＴＬＶパケット１２０の格納データに対応するコピー制御情報が記録される。
すなわち、
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
これらの各値が記録される。

この追加ヘッダをメディアに記録することで、コピー処理を実行するコピー装置（情報処理装置）は、追加ヘッダの記録内容に基づいて後続のＴＬＶパケットの格納データについてのＭＭＴフォーマット対応のコピー制御情報、すなわち、
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
これらの各設定値を取得することが可能となる。

この結果、その追加ヘッダに後続するＴＬＶパケットの格納データが、図１８に示す５種類のデジタルコピー制御態様（１）～（５）、すなわち、
（１）制約条件なしでコピー可、ただし、出力コピーデータの暗号化必要
（２）制約条件なしでコピー可、かつ、出力コピーデータの暗号化不要
（３）コピー禁止
（４）１世代のみコピー可、ただし、コピー数制限あり
（５）１世代のみコピー可、かつ、コピー数制限なし
これら５種類のいずれに対応するコピー制御対象コンテンツであるかを判断することが可能となる。

コピー処理を実行するコピー装置（情報処理装置）は、この判断に基づいて、ＭＭＴＰパケット単位で、元のＭＭＴフォーマット対応のコピー制御情報を順守して、メディア間のデータコピー処理を行うことが可能となる。

以下、図１９に示すＭＭＴＰパケット追加ヘッダ１０１、および、図２０に示すＴＬＶパケット追加ヘッダ１２１の記録データのデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）の例について説明する。

［６－２．コピー制御情報を記録した追加ヘッダの一例（例１）について］
まず、図２１以下を参照して、図１９に示すＭＭＴＰパケット追加ヘッダ１０１、および図２０に示すＴＬＶパケット追加ヘッダ１２１の記録データのデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）例の一例（例１）について説明する。

図２１は、図１９に示すＭＭＴＰパケット追加ヘッダ１０１のデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）の一例を示す図である。
図２１に示すように、ＭＭＴＰパケット追加ヘッダには、以下の各データが記録される。
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）２０１、
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２０２、
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２０３、

これらの各データは、先に図１５～図１８を参照して説明したＭＭＴフォーマットにおいて規定される制御情報記録テーブルであるサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）に記録されたデータに相当する。

（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）は、図１８に示すように、
デジタル記録可（設定ビット値＝００）、
デジタル記録不可（１１）、
１世代のみデジタル記録可（１０）、
これらのいずれかの設定を持つ。

（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）は、図１８に示すように、
出力コピーデータの暗号化必要（０）、
出力コピーデータの暗号化不要（１）、
これらのいずれかの設定を持つ。

（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）は、図１８に示すように、
コピー数制限あり（１）
コピー数制限なし（０）
これらのいずれかの設定を持つ。

放送局等の送信装置からの送信データを入力して、メディアに対するデータ記録（初期記録）を実行する情報処理装置は、入力ＭＭＴフォーマットデータに含まれるサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）を取得し、サービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）に記録された上記（Ａ）～（Ｃ）のコピー制御情報を読み取る。

さらに、情報処理装置は、サービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）から取得したコピー制御情報（Ａ）～（Ｃ）を記録したＭＭＴＰパケット追加ヘッダを生成して、各ＭＭＴＰパケットの先頭に設定して、メディアに記録する。
なお、上記（Ａ）～（Ｃ）から選択された少なくともいずれかのデータのみを追加ヘッダに記録する設定も可能である。

図２１に示すＭＭＴＰパケット追加ヘッダの
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）２０１、
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２０２、
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２０３、
これらの各設定値は、後続のＭＭＴＰパケット内に格納されたデータのコピー制御情報である。
このように、本例ではＭＭＴＰパケット単位のコピー制御情報がＭＭＴＰパケット追加ヘッダに記録される。

例えば、メディアに記録されたＭＭＴＰパケット列からなるデータを他メディアにコピーしようとする情報処理装置は、各ＭＭＴＰパケットに設定された追加ヘッダのデータを読み取ることで、後続のＭＭＴＰパケット内のデータのコピー制御情報を取得することが可能となり、元のＭＭＴフォーマットデータ対応のコピー制御情報を順守したコピー処理を行うことが可能となる。

なお、図２１に示すように、ＭＭＴＰパケット追加ヘッダの先頭にはＭＭＴＰパケットのレングス（パケット長）を示すレングスデータも記録される。
これは、ＭＭＴＰパケットに元々設定されている、本来のＭＭＴＰパケットヘッダにＭＭＴＰパケットのレングス（パケット長）を示すレングスデータが記録されていないためである。
この追加ヘッダにレングスデータを記録することで、例えばコピー処理を実行する装置は、メディアに記録されたＭＭＴＰパケット列から、各ＭＭＴＰパケットの区切り位置を把握することが可能となり、ＭＭＴＰパケットの先頭部にあるＭＭＴＰパケット追加ヘッダを、順次、取得して読み取ることが可能となる。

次に、図２２を参照して、先に図２０を参照して説明したＴＬＶパケット追加ヘッダ１２１のデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）について説明する。
図２２に示すように、ＴＬＶパケット追加ヘッダには、以下の各データが記録される。
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）２１１、
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２１２、
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２１３、

これらの各データは、図２１を参照して説明したＭＭＴＰパケット追加ヘッダの記録データと同様のデータである。
すなわち、先に図１５～図１８を参照して説明したＭＭＴフォーマットにおいて規定される制御情報記録テーブルであるサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）に記録されたデータに相当する。
放送局等の送信装置からの送信データを入力して、メディアに対するデータ記録（初期記録）を実行する情報処理装置は、入力ＭＭＴフォーマットデータに含まれるサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）を取得し、サービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）に記録された上記（Ａ）～（Ｃ）のコピー制御情報を読み取る。

さらに、情報処理装置は、サービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）から取得したコピー制御情報（Ａ）～（Ｃ）を記録したＴＬＶパケット追加ヘッダを生成して、各ＴＬＶパケットの先頭に設定して、メディアに記録する。
なお、上記（Ａ）～（Ｃ）から選択された少なくともいずれかのデータのみを追加ヘッダに記録する設定も可能である。

図２２に示すＴＬＶパケット追加ヘッダの
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）２１１、
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２１２、
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２１３、
これらの各設定値は、後続のＴＬＶパケット内に格納されたデータのコピー制御情報である。
このように、本例ではＴＬＶパケット単位のコピー制御情報がＴＬＶパケット追加ヘッダに記録される。

例えば、メディアに記録されたＴＬＶパケット列からなるデータを他メディアにコピーしようとする情報処理装置は、各ＴＬＶパケットに設定された追加ヘッダのデータを読み取ることで、後続のＴＬＶパケット内のデータのコピー制御情報を取得することが可能となり、元のＭＭＴフォーマットデータ対応のコピー制御情報を順守したコピー処理を行うことが可能となる。

なお、図２２に示すＴＬＶパケット追加ヘッダには、先に図２１を参照して説明したパケットのレングス（パケット長）を示すレングスデータは記録されない。
これは、ＴＬＶパケットに元々設定されている、本来のＴＬＶパケットヘッダにＴＬＶパケットのレングス（パケット長）を示すレングスデータが記録されているためである。
例えばコピー処理を実行する装置は、本来のＴＬＶパケットヘッダの記録データにの基づいて、メディアに記録されたＴＬＶパケット列から、各ＴＬＶパケットの区切り位置を把握することが可能であり、ＴＬＶパケットの先頭部にあるＴＬＶパケット追加ヘッダを、順次、取得して読み取ることが可能である。

［６－３．コピー制御情報を記録した追加ヘッダの一例（例２）について］
次に、図２３以下を参照して、図１９に示すＭＭＴＰパケット追加ヘッダ１０１、および図２０に示すＴＬＶパケット追加ヘッダ１２１の記録データのデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）例の第２の例（例２）について説明する。

図２３は、図１９に示すＭＭＴＰパケット追加ヘッダ１０１のデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）の第２の例を示す図である。
図２３に示すように、ＭＭＴＰパケット追加ヘッダには、以下の各データが記録される。
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）２０１、
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２０２、
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２０３、
（Ｄ）暗号化フラグ（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｆｌａｇ）２０４、

（Ａ）～（Ｃ）の情報は、先に図２１を参照して説明した情報と同一の情報である。
すなわち、これらのデータ（Ａ）～（Ｃ）は、先に図１５～図１８を参照して説明したＭＭＴフォーマットにおいて規定される制御情報記録テーブルであるサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）に記録されたデータに相当する。
図２３に示すＭＭＴＰパケット追加ヘッダの
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）２０１、
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２０２、
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２０３、
これらの各設定値は、後続のＭＭＴＰパケット内に格納されたデータのコピー制御情報である。

本実施例では、これら（Ａ）～（Ｃ）の各情報に追加して、以下のデータ、すなわち、
（Ｄ）暗号化フラグ（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｆｌａｇ）２０４、
この暗号化フラグ情報２０４を追加ヘッダに記録する。

この暗号化フラグ２０４は、このＭＭＴＰパケット追加ヘッダの設定されたＭＭＴＰパケットに格納されたデータが暗号化データであるか否かを示すフラグである。
例えば、
暗号化フラグ＝００の場合は、ＭＭＴＰパケットに格納されたデータが非暗号化データ（＝平文データ）であることを意味する。
暗号化フラグ＝１１の場合は、ＭＭＴＰパケットに格納されたデータが暗号化データであることを意味する。
なお、暗号化データには、例えばスクランブルデータも含まれる。

このように、本例ではＭＭＴＰパケット単位のコピー制御情報として、
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）２０１、
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２０２、
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２０３、
これらの情報に加えて、
（Ｄ）暗号化フラグ（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｆｌａｇ）２０４、
この暗号化フラグ情報２０４を追加ヘッダに記録する。

例えば、メディアに記録されたＭＭＴＰパケット列からなるデータを他メディアにコピーしようとする情報処理装置は、各ＭＭＴＰパケットに設定された追加ヘッダのデータを読み取ることで、後続のＭＭＴＰパケット内のデータのコピー制御情報を取得することが可能となり、元のＭＭＴフォーマットデータ対応のコピー制御情報を順守したコピー処理を行うことが可能となる。

さらに、本例においては、ＭＭＴＰパケット追加ヘッダに記録された暗号化フラグ２０４に基づいて、ＭＭＴＰパケットに格納されたデータが暗号化データであるか平文データであるかを即座に判定できるので、例えば、再生処理を行う場合に、復号処理の要否をＭＭＴＰパケット単位で即座に判定することが可能となる。
また、コピー処理に際しても、暗号化フラグ２０４に基づいて、コピー対象データに対する復号処理や、再暗号化処理の要否をＭＭＴＰパケット単位で即座に判定することが可能となる。

次に、図２４を参照して、先に図２０を参照して説明したＴＬＶパケット追加ヘッダ１２１の第２のデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）例について説明する。
図２４に示すように、ＴＬＶパケット追加ヘッダには、以下の各データが記録される。
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）２１１、
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２１２、
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２１３、
（Ｄ）暗号化フラグ（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｆｌａｇ）２１４、

これらのデータは、図２３を参照して説明したＭＭＴＰパケット追加ヘッダの記録データと同様のデータである。
すなわち、上記（Ａ）～（Ｃ）のコピー制御情報は、先に図１５～図１８を参照して説明したＭＭＴフォーマットにおいて規定される制御情報記録テーブルであるサービス記述テーブル（ＭＨ－ＳＤＴ）に記録されたデータに相当する。

（Ｄ）暗号化フラグ（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｆｌａｇ）２１４、
この暗号化フラグ２１４は、このＴＬＶパケット追加ヘッダの設定されたＴＬＶパケットに格納されたデータが暗号化データであるか否かを示すフラグである。
例えば、
暗号化フラグ＝００の場合は、ＴＬＶパケットに格納されたデータが非暗号化データ（＝平文データ）であることを意味する。
暗号化フラグ＝１１の場合は、ＴＬＶパケットに格納されたデータが暗号化データであることを意味する。

このように、本例ではＴＬＶパケット単位のコピー制御情報として、
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）２１１、
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２１２、
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２１３、
これらの情報に加えて、
（Ｄ）暗号化フラグ（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｆｌａｇ）２１４、
この暗号化フラグ情報２１４を追加ヘッダに記録する。

例えば、メディアに記録されたＴＬＶパケット列からなるデータを他メディアにコピーしようとする情報処理装置は、各ＴＬＶパケットに設定された追加ヘッダのデータを読み取ることで、後続のＴＬＶパケット内のデータのコピー制御情報を取得することが可能となり、元のＭＭＴフォーマットデータ対応のコピー制御情報を順守したコピー処理を行うことが可能となる。

さらに、本例においては、ＴＬＶパケット追加ヘッダに記録された暗号化フラグ２１４に基づいて、ＴＬＶパケットに格納されたデータが暗号化データであるか平文データであるかを即座に判定できるので、例えば、再生処理を行う場合の復号処理の要否をＴＬＶパケット単位で即座に判定することが可能となる。
また、コピー処理に際しても、暗号化フラグ２１４に基づいて、コピー対象データに対する復号処理や、再暗号化処理の要否をＴＬＶパケット単位で即座に判定することが可能となる。

なお、放送局等の送信装置からＭＭＴフォーマットデータを受信してメディアにＭＭＴＰパケット列、またはＴＬＶパケット列データを記録（初期記録）する情報処理装置は、図２３、図２４を参照して説明した暗号化フラグの設定値（００、または１１）を決定することが必要となる。

すなわち、図２３、図２４を参照して説明した暗号化フラグをＭＭＴＰパケット追加ヘッダ、またはＴＬＶパケット追加ヘッダに記録するためには、これらの追加ヘッダを設定するＭＭＴＰパケット、またはＴＬＶパケットに格納されたデータが暗号化データであるか否かを確認することが必要である。

この確認処理のために、情報処理装置は、各ＴＬＶパケット内のＭＭＴＰパケットの本来のＭＭＴＰパケットヘッダに記録された情報（ｈｄｒ＿ｅｘｔ＿ｂｙｔｅ）を参照する。
この処理について、図２５以下を参照して説明する。

図２５は、ＭＭＴＰパケットヘッダのデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）を示している。
図２５に示すヘッダデータは、追加ヘッダではなく、放送局等の送信装置から送信されるデータに含まれる本来ののＭＭＴＰパケットヘッダである。
このＭＭＴＰパケットヘッダのヘッダ拡張バイト（ｈｅａｄｅｒ＿ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ）領域にＭＭＴＰパケットに格納されたデータが暗号化データであるか否かの情報が記録される。

図２６は、ＭＭＴＰパケットヘッダのヘッダ拡張バイト（ｈｅａｄｅｒ＿ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ）領域に記録されるデータの一例を示す図である。
このデータ中の拡張情報（ｈｄｒ＿ｅｘｔ＿ｂｙｔｅ）記録領域の具体例を図２７に示す。

ＭＭＴＰパケットヘッダのヘッダ拡張バイト（ｈｅａｄｅｒ＿ｅｘｔｅｎｓｉｏｎ）領域の拡張情報（ｈｄｒ＿ｅｘｔ＿ｂｙｔｅ）記録領域には、例えば、図２７に示すデータが記録される。
この記録データの一部に「ＭＭＴスクランブル制御ビット」が含まれる。
「ＭＭＴスクランブル制御ビット」は２ビットデータであり、ビット値に応じて、以下の意味を示す。
００＝ＭＭＴＰパケットの格納データはスクランブル無しのデータ（非暗号化データ）
０１＝定義無し
１０＝ＭＭＴＰパケットの格納データは、偶数鍵を適用したスクランブル有りのデータ（暗号化データ）
１１＝ＭＭＴＰパケットの格納データは、奇数鍵を適用したスクランブル有りのデータ（暗号化データ）

なお、偶数鍵、奇数鍵は、スクランブル処理（暗号化）に適用する鍵の種類に関する情報である。
放送局等の送信装置からＭＭＴフォーマットデータを受信してメディアにＭＭＴＰパケット列、またはＴＬＶパケット列データを記録（初期記録）する情報処理装置は、この「ＭＭＴスクランブル制御ビット」の設定値を参照して、図２３、図２４を参照して説明した暗号化フラグの設定値（００、または１１）を決定して、追加ヘッダに記録する。

具体的なフラグ設定は以下のようになる。
ＭＭＴスクランブル制御ビット＝００の場合は、暗号化フラグ＝００に設定する。
暗号化フラグ＝００は、ＭＭＴＰパケットに格納されたデータが非暗号化データ（＝平文データ）であることを意味する。
一方、ＭＭＴスクランブル制御ビット＝１０、または１１の場合は、暗号化フラグ＝１１に設定する。
暗号化フラグ＝１１は、ＭＭＴＰパケットに格納されたデータが暗号化データであることを意味する。

［７．追加ヘッダを設定してメディアに記録するデータの暗号化処理について］
上述したように、ＭＭＴフォーマットデータによって構成される放送波を受信して、情報記録媒体（メディア）にデータを記録する情報処理装置は、ＭＭＴフォーマットデータを格納したＭＭＴＰパケット、またはＴＬＶパケットに対して新たに追加ヘッダ（ＭＭＴＰパケット追加ヘッダ、または、ＴＬＶパケット追加ヘッダ）を追加して、これらの追加ヘッダにコピー制御情報を記録して情報記録媒体（メディア）に記録する。

この情報記録媒体（メディア）に対するデータ記録処理に際して、パケット（ＭＭＴＰパケット、またはＴＬＶパケット）格納データの再暗号化処理が必要となる場合がある。
例えば、ＢＤ（Ｂｌｕ－Ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ）やＨＤ、ＤＶＤ等の情報記録媒体（メディア）の記録データの著作権保護に関する規格はＡＡＣＳ（Ａｄｖａｎｃｅｄ Ａｃｃｅｓｓ Ｃｏｎｔｅｎｔ Ｓｙｓｔｅｍ）によって規定されており、ＢＤ等のメディア記録コンテンツの暗号化態様はＡＡＣＳ規定に従った方式であることが必要となる。
しかし、放送コンテンツについてはＡＡＣＳ規定に拘束されず、ＡＡＣＳ規定の暗号化態様が利用する必要がなく、独自の暗号化態様での配信がなされる。

従って、ＭＭＴフォーマットデータによって構成される放送波を受信して、情報記録媒体（メディア）にデータを記録する情報処理装置は、放送データとして受信する暗号化データ、あるいはその暗号化データをそのまま記録したハードディスク等の第１メディアの記録データを読み出して、一旦、復号し、その後、ＡＡＣＳ規定に従った方式で再暗号化を行ってコピー先の情報記録媒体（第２メディア）に記録することが必要となる。

以下、この暗号化処理例について説明する。
まず、先に図１０を参照して説明したＴＬＶパケット列を情報記録媒体（メディア）に記録する場合の暗号化処理例について、図２８を参照して説明する。

情報処理装置は、コピー制御情報を記録したＴＬＶパケット追加ヘッダをＴＬＶパケットに追加して情報記録媒体（メディア）に記録する。
図２８には、この処理を実行する場合の暗号化処理のシーケンスを示している。

まず、情報処理装置は、コピー制御情報を記録したＴＬＶパケット追加ヘッダ２５１を取得する。
このＴＬＶパケット追加ヘッダ２５１は、１６バイト平文データによって構成される。なお、ＴＬＶパケット追加ヘッダが１６バイト未満である場合は、ＴＬＶパケットの先頭の一部データを平文データとしてＴＬＶパケット追加ヘッダに併せて１６バイトのＴＬＶパケット追加ヘッダ２５１としてもよい。

（ステップＳ１１）
情報処理装置は、上記の１６バイトＴＬＶパケット追加ヘッダ２５１を取得し、ステップＳ１１において、予め乱数生成処理等により生成したタイトル鍵２５２を適用した一方向性関数による演算を実行して、ブロック鍵２５３を生成する。
すなわち、１６バイトＴＬＶパケット追加ヘッダ２５１の構成データを暗号鍵生成用のシード情報として利用して、ブロック単位（暗号処理単位）の暗号鍵であるブロック鍵２５３を生成する。

（ステップＳ１２）
次に、情報処理装置は、ステップＳ１２において、平文ＴＬＶパケット２５４を入力して、ステップＳ１１で生成したブロック鍵を適用した暗号化処理を実行して暗号化ＴＬＶパケット２５５を生成する。
なお、平文ＴＬＶパケット２５４は、放送局等から送信される暗号化データを復号して得た平文ＴＬＶパケット２５４である。再生処理に際して復号された結果と同じデータである。

ブロック鍵を適用した暗号化処理を実行して生成した暗号化ＴＬＶパケット２５５を、ＴＬＶパケット追加ヘッダ２５１の後続データとして設定して、情報記録媒体（メディア）に記録する。
なお、ブロック鍵を適用した暗号化処理は、例えば、ＥＣＢモードやＣＢＣモードを適用した暗号化処理として実行可能である。また、これらの暗号化処理を行う場合にパディングデータを付加する設定としてもよい。例えばＡＥＳ等のブロック暗号との相性を考えて、暗号化ＴＬＶパケットが１６バイトの倍数となるように０００・・・０等のデータ列からなるパディングデータを付加する設定としてもよい。

クリップＡＶストリームファイルを構成するすべてのＴＬＶパケットについて、同様の暗号化処理を実行して、ＴＬＶパケット追加ヘッダと暗号化ＴＬＶパケットの組みからなるデータセットを並べて、ＢＤ等の情報記録媒体に記録する。

次に、先に図９を参照して説明したＭＭＴＰパケット列を情報記録媒体（メディア）に記録する場合の暗号化処理例について、図２９を参照して説明する。

情報処理装置は、コピー制御情報を記録したＭＭＴＰパケット追加ヘッダをＭＭＴＰパケットに追加して情報記録媒体（メディア）に記録する。
図２９には、この処理を実行する場合の暗号化処理のシーケンスを示している。

まず、情報処理装置は、コピー制御情報を記録したＭＭＴＰパケット追加ヘッダ２６１を取得する。
このＭＭＴＰパケット追加ヘッダ２６１は、１６バイト平文データによって構成される。なお、ＭＭＴＰパケット追加ヘッダが１６バイト未満である場合は、ＭＭＴＰパケットの先頭の一部データを平文データとしてＭＭＴＰパケット追加ヘッダに併せて１６バイトの平文ＭＭＴＰパケット追加ヘッダ２６１としてもよい。

（ステップＳ２１）
情報処理装置は、上記の１６バイトＭＭＴＰパケット追加ヘッダ２６１を取得し、ステップＳ２１において、予め乱数生成処理等により生成したタイトル鍵２６２を適用した一方向性関数による演算を実行して、ブロック鍵２６３を生成する。
すなわち、１６バイトＭＭＴＰパケット追加ヘッダ２６１の構成データを暗号鍵生成用のシード情報として利用して、ブロック単位（暗号処理単位）の暗号鍵であるブロック鍵２６３を生成する。

（ステップＳ２２）
次に、情報処理装置は、ステップＳ２２において、平文ＭＭＴＰパケット２６４を入力して、ステップＳ２１で生成したブロック鍵を適用した暗号化処理を実行して暗号化ＭＭＴＰパケット２６５を生成する。
なお、平文ＭＭＴＰパケット２６４は、放送局等から送信される暗号化データを復号して得た平文ＭＭＴＰパケット２６４である。再生処理に際して復号された結果と同じデータである。

ブロック鍵を適用した暗号化処理を実行して生成した暗号化ＭＭＴＰパケット２６５を、ＭＭＴＰパケット追加ヘッダ２６１の後続データとして設定して、情報記録媒体（メディア）に記録する。
なお、ブロック鍵を適用した暗号化処理は、例えば、ＥＣＢモードやＣＢＣモードを適用した暗号化処理として実行可能である。また、これらの暗号化処理を行う場合にパディングデータを付加する設定としてもよい。例えばＡＥＳ等のブロック暗号との相性を考えて、暗号化ＭＭＴＰパケットが１６バイトの倍数となるように０００・・・０等のデータ列からなるパディングデータを付加する設定としてもよい。

クリップＡＶストリームファイルを構成するすべてのＭＭＴＰパケットについて、同様の暗号化処理を実行して、ＭＭＴＰパケット追加ヘッダと暗号化ＭＭＴＰパケットの組みからなるデータセットを並べて、ＢＤ等の情報記録媒体に記録する。

［８．複数パケットに対して１つのコピー制御情報を記録した追加ヘッダを設定する例について］
上述した実施例では、例えば、図１９、図２０を参照して説明したように、コピー制御情報を記録した追加ヘッダを、１つのＭＭＴＰパケット、または１つのＴＬＶパケット単位で個別に設定する構成例として説明した。
しかし、コピー制御情報を記録した追加ヘッダの設定態様は、１つのパケット単位で設定する構成に限らない。
例えば、複数のパケットに対して１つの追加ヘッダを設定する構成としてもよい。
以下、複数パケット、または複数のパケットデータを含む所定長のデータに対して１つのコピー制御情報を記録した追加ヘッダを設定した実施例について説明する。

図３０以下を参照して、以下の３つの追加ヘッダ設定例について説明する。
（例１）Ｎ個のパケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）に対して１つのコピー制御情報記録追加ヘッダを設定する例
（例２）固定長のパケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）構成データに対して１つのコピー制御情報記録追加ヘッダを設定する例
（例３）可変長のパケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）構成データに対して１つのコピー制御情報記録追加ヘッダを設定する例
以下、これらの追加ヘッダ設定例について、順次、説明する。

［８－１．（例１）Ｎ個のパケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）に対して１つのコピー制御情報記録追加ヘッダを設定する例について］
まず、図３０を参照して、Ｎ個のパケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）に対して１つのコピー制御情報を記録した追加ヘッダを設定する例について説明する。

図３０は、先に図１９や図２０を参照して説明したと同様、メディアに対する記録データの構成例を示す図である。
放送局等の送信装置からの受信データをメディアに記録する情報処理装置は、図３０に示すように、複数（Ｎ個）のパケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）に対して１つのコピー制御情報を記録した追加ヘッダを設定して記録する。

図３０には、以下２つのデータ記録例であるパケット列を示している。
（Ａ１）複数（Ｎ個）のＭＭＴＰパケットに対して１つの追加ヘッダを設定したＭＭＴＰパケット列
（Ａ２）複数（Ｎ個）のＴＬＶパケットに対して１つの追加ヘッダを設定したＴＬＶパケット列

（Ａ１）に示す例は、メディアに記録するＭＭＴＰパケット１００をＮ個単位で区切り、Ｎ個のＭＭＴＰパケットの先頭部分に、追加ヘッダ（ＭＭＴＰパケット追加ヘッダ１０１）を設定して、メディアに記録する例である。
（Ａ２）に示す例は、メディアに記録するＴＬＶパケット１２０をＮ個単位で区切り、Ｎ個のＴＬＶパケットの先頭部分に、追加ヘッダ（ＴＬＶパケット追加ヘッダ１２１）を設定して、メディアに記録する例である。
本例において、Ｎは２以上である。
なお、図には、一例として、追加ヘッダ１０１，１２１を平文、ＭＭＴＰパケット１００、ＴＬＶパケット１２０を暗号文として設定した例を示しているが、ＭＭＴＰパケット１００、ＴＬＶパケット１２０を平文として記録する例も可能である。

ＭＭＴＰパケット追加ヘッダ１０１には、後続の複数（Ｎ個）のＭＭＴＰパケット１００の格納データに対応するコピー制御情報が記録される。
ＴＬＶパケット追加ヘッダ１２１には、後続の複数（Ｎ個）のＴＬＶパケット１２０の格納データに対応するコピー制御情報が記録される。

追加ヘッダ１０１，１２１には、例えば、図１８を参照して説明したＭＭＴフォーマット規定の３種類の制御情報、すなわち、
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
これらの各値を記録した追加ヘッダを記録する。

この追加ヘッダをメディアに記録することで、コピー処理を実行するコピー装置（情報処理装置）は、追加ヘッダの記録内容に基づいて後続の複数のＭＭＴＰパケット、またはＴＬＶパケットの格納データについてのＭＭＴフォーマット対応のコピー制御情報、すなわち、
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
これらの各設定値を取得することが可能となる。

この結果、その追加ヘッダに後続する複数パケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）の格納データが、図１８に示す５種類のデジタルコピー制御態様（１）～（５）、すなわち、
（１）制約条件なしでコピー可、ただし、出力コピーデータの暗号化必要
（２）制約条件なしでコピー可、かつ、出力コピーデータの暗号化不要
（３）コピー禁止
（４）１世代のみコピー可、ただし、コピー数制限あり
（５）１世代のみコピー可、かつ、コピー数制限なし
これら５種類のいずれに対応するコピー制御対象コンテンツであるかを判断することが可能となる。

コピー処理を実行するコピー装置（情報処理装置）は、この判断に基づいて、ＭＭＴＰパケット単位で、元のＭＭＴフォーマット対応のコピー制御情報を順守して、メディア間のデータコピー処理を行うことが可能となる。

なお、さらに、先に、図２３、図２４を参照して説明したように、
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）、
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）、
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）、
これらの情報に加えて、
（Ｄ）暗号化フラグ（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｆｌａｇ）、
この暗号化フラグ情報を追加ヘッダに記録する構成としてもよい。
暗号化フラグ情報を追加ヘッダに記録することで、追加ヘッダに後続する複数のパケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）に格納されたデータが暗号化データであるか平文データであるかを即座に判定できるので、例えば、再生処理を行う場合に、復号処理の要否を複数パケット単位で即座に判定することが可能となる。
また、コピー処理に際しても、暗号化フラグに基づいて、コピー対象データに対する復号処理や、再暗号化処理の要否を複数パケット単位で即座に判定することが可能となる。

なお、１つの追加ヘッダ１０１，１２１に後続するパケット数Ｎは、全ての追加ヘッダにおいて一定の数としてもよいし、異なる数としてもよい。
また、追加ヘッダ１０１，１２１の各々には、その追加ヘッダに後続する複数パケットのデータ長（ｌｅｎｇｔｈ）を記録する。
図３１、図３２は、図３０に示す追加ヘッダ１０１、および追加ヘッダ１２１の記録データのデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）例の一例を示す図である。

図３１は、先に図２１を参照して説明したＭＭＴＰパケット追加ヘッダ１０１に記録されるコピー制御情報、すなわち、
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）２０１、
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２０２、
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）２０３、
これらのコピー制御情報を記録している。
図３１に示す例では、さらに、
暗号化ブロックレングス（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｂｌｏｃｋ＿ｌｅｎｇｔｈ）２７１を記録した構成を持つ。

図３２は、ＴＬＶパケット追加ヘッダ１２１のデータ構成（Ｓｙｎｔａｘ）例の一例を示す図である。
図３２に示す例は、先に図２２を参照して説明したＴＬＶパケット追加ヘッダ１２１の記録データに、さらに、
暗号化ブロックレングス（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｂｌｏｃｋ＿ｌｅｎｇｔｈ）２７１を追加して記録した構成を有する。

図３１、図３２に示す暗号化ブロックレングス（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｂｌｏｃｋ＿ｌｅｎｇｔｈ）２７１は、追加ヘッダに後続するパケットのデータ長を示すデータである。
なお、追加ヘッダに後続するパケットが暗号化データでない場合は、
ブロックレングス（ｂｌｏｃｋ＿ｌｅｎｇｔｈ）を記録する構成としてもよい。
なお、追加ヘッダに後続させる複数パケットからなるデータのレングス（データ長）については予め規定してもよい。例えば許容可能な最小レングスや最大レングスを予め規定し、この規定範囲のデータ長に設定するといった設定である。
また、図３１、図３２に示すデータに追加して、先に図２３、図２４を参照して説明したように、
（Ｄ）暗号化フラグ（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｆｌａｇ）、
を記録する構成も可能である。

［８－２．（例２）固定長のパケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）構成データに対して１つのコピー制御情報記録追加ヘッダを設定する例について］
次に、図３３を参照して、固定長のパケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）構成データに対して１つのコピー制御情報記録追加ヘッダを設定する例について説明する。

図３３は、図３０と同様、メディアに対する記録データの構成例を示す図である。
放送局等の送信装置からの受信データをメディアに記録する情報処理装置は、図３３に示すように、複数のパケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）構成データに対して１つのコピー制御情報を記録した追加ヘッダを設定する

本例において、１つの追加ヘッダ１０１，１２１に後続するパケット構成データのデータ長は固定長である。
具体的には、例えば１２８ＫＢの固定長データを１つの追加ヘッダに後続させる設定とする。
この場合、図に示すＭＭＴＰパケット１００ａ，ｂや、ＴＬＶパケット１２０ａ，ｂとして示すように、１つのＭＭＴＰパケットやＴＬＶパケットが、追加ヘッダ１０１，１２１によって分断される場合もある。

図３３には、以下２つのデータ記録例であるパケット列を示している。
（Ｂ１）固定長（例えば１２８ＫＢ）のＭＭＴＰパケットに対して１つの追加ヘッダを設定したＭＭＴＰパケット列
（Ｂ２）固定長（例えば１２８ＫＢ）のＴＬＶパケットに対して１つの追加ヘッダを設定したＴＬＶパケット列
なお、図には、一例として、追加ヘッダ１０１，１２１を平文、ＭＭＴＰパケット１００、ＴＬＶパケット１２０を暗号文として設定した例を示しているが、ＭＭＴＰパケット１００、ＴＬＶパケット１２０を平文として記録する例も可能である。

ＭＭＴＰパケット追加ヘッダ１０１には、後続の固定長のＭＭＴＰパケット１００の格納データに対応するコピー制御情報が記録される。
ＴＬＶパケット追加ヘッダ１２１には、後続の固定長のＴＬＶパケット１２０の格納データに対応するコピー制御情報が記録される。

追加ヘッダに記録するコピー制御情報は、先に図３０を参照して説明した例と同様、
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
これらの情報である。
さらに、
（Ｄ）暗号化フラグ（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｆｌａｇ）、
を記録する構成としてもよい。

なお、本例においては、１つの追加ヘッダ１０１，１２１に後続するパケット構成データのデータ長は固定長であるため、追加ヘッダ１０１，１２１には、先に図３１、図３２を参照して説明したような追加ヘッダに後続するデータのデータ長（ｌｅｎｇｔｈ）を記録する必要はない。

［８－３．（例３）可変長のパケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）構成データに対して１つのコピー制御情報記録追加ヘッダを設定する例について］
次に、図３４を参照して、可変長のパケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）構成データに対して１つのコピー制御情報記録追加ヘッダを設定する例について説明する。

図３４は、図３０と同様、メディアに対する記録データの構成例を示す図である。
放送局等の送信装置からの受信データをメディアに記録する情報処理装置は、図３４に示すように、複数のパケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）構成データに対して１つのコピー制御情報を記録した追加ヘッダを設定する

本例において、１つの追加ヘッダ１０１，１２１に後続するパケット構成データのデータ長は可変長である。
本例でも、先に説明した図３３に示す例と同様、図３４に示すＭＭＴＰパケット１００ａ，ｂや、ＴＬＶパケット１２０ａ，ｂのように、１つのＭＭＴＰパケットやＴＬＶパケットが、追加ヘッダ１０１，１２１によって分断される場合がある。

図３４には、以下２つのデータ記録例であるパケット列を示している。
（Ｃ１）可変長のＭＭＴＰパケットに対して１つの追加ヘッダを設定したＭＭＴＰパケット列
（Ｃ２）可変長のＴＬＶパケットに対して１つの追加ヘッダを設定したＴＬＶパケット列
なお、図には、一例として、追加ヘッダ１０１，１２１を平文、ＭＭＴＰパケット１００、ＴＬＶパケット１２０を暗号文として設定した例を示しているが、ＭＭＴＰパケット１００、ＴＬＶパケット１２０を平文として記録する例も可能である。

ＭＭＴＰパケット追加ヘッダ１０１には、後続の可変長のＭＭＴＰパケット１００の格納データに対応するコピー制御情報が記録される。
ＴＬＶパケット追加ヘッダ１２１には、後続の可変長のＴＬＶパケット１２０の格納データに対応するコピー制御情報が記録される。

追加ヘッダに記録するコピー制御情報は、先に図３０を参照して説明したと同様、
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
これらの情報である。
さらに、
（Ｄ）暗号化フラグ（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｆｌａｇ）、
を記録する構成としてもよい。

なお、本例においては、１つの追加ヘッダ１０１，１２１に後続するパケット構成データのデータ長が可変長であるため、追加ヘッダには、先に図３１、図３２を参照して説明したような追加ヘッダに後続するデータのデータ長（ｌｅｎｇｔｈ）を記録する。
また、追加ヘッダに後続させるデータのレングス（データ長）についても、先に図３０を参照して説明した例と同様、例えば許容可能な最小レングスや最大レングスを予め規定し、この規定範囲のデータ長に設定することが好ましい。

なお、先に、図２８、図２９を参照して説明したように、ＭＭＴフォーマットデータによって構成される放送波を受信して、情報記録媒体（メディア）にデータを記録する情報処理装置は、放送データとして受信する暗号化データ、あるいはその暗号化データをそのまま記録したハードディスク等の第１メディアの記録データを読み出して、一旦、復号し、その後、ＡＡＣＳ規定に従った方式で再暗号化を行ってコピー先の情報記録媒体（第２メディア）に記録することが必要となる。

先に図２８、図２９を参照して説明した例では、コピー処理を実行する情報処理装置は、コピー処理の実行に際して、例えば、放送データとして受信する暗号化データ、あるいはその暗号化データをそのまま記録したハードディスク等の第１メディアの記録データであるパケット（ＴＬＶパケットまたはＭＭＴＰパケット）単位で設定された追加ヘッダの構成データをシード情報として利用して、ブロック単位（暗号処理単位）の暗号鍵であるブロック鍵を生成していた。

これに対して、パケット単位の追加ヘッダではなく、上述したように複数パケット単位の追加ヘッダ、または、固定データ長単位の追加ヘッダ、または可変データ長単位の追加ヘッダを設定した構成である場合は、この複数パケット単位の追加ヘッダ、または、固定データ長単位の追加ヘッダ、または可変データ長単位の追加ヘッダの構成データをシード情報として利用して、ブロック単位（暗号処理単位）の暗号鍵であるブロック鍵を生成する。
このブロック鍵を利用して、追加ヘッダに後続するデータを暗号化して、コピー先メディアに記録する処理を実行する。

［９．利用制御情報ファイルにコピー制御情報を記録する実施例について］
上述した実施例は、ＭＭＴＰパケットに対して新たにＭＭＴＰパケット追加ヘッダ、または、ＴＬＶパケットに対して新たにＴＬＶパケット追加ヘッダを追加して、これらの追加ヘッダにコピー制御情報を記録する実施例である。

次に、これらの追加ヘッダを用いることなく、ＭＭＴＰパケット列や、ＴＬＶパケット列とは独立した利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）を生成して、この利用制御情報ファイルにコピー制御情報を記録してメディアに記録する実施例について説明する。

図３５は、この実施例に従った、情報処理装置３０の実行する処理の概要を説明する図である。
情報処理装置３０は放送局等の送信装置２０から、ＭＭＴフォーマットデータを受信する。受信データはＭＭＴＰパケットを格納したＴＬＶパケット列によって構成される。

情報処理装置３０は、この受信データを情報記録媒体（メディア）４０に記録する。
記録処理は、例えばＢＤＡＶフォーマットデータを生成して行われる。ＢＤＡＶフォーマットデータを構成するクリップＡＶストリームファイルは、先に図９、図１０を参照して説明したように、ＭＭＴＰパケット列、またはＴＬＶパケット列によって構成される。

先に説明した実施例では、これらのパケット列の構成パケットに追加ヘッダを設定して記録していた。
本実施例では、このような追加ヘッダを用いず、図３５の下部に示すように、パケット列とは独立した利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）２８０を生成して、この利用制御情報ファイル２８０にコピー制御情報を記録してメディアに記録する。

利用制御情報ファイル２８０の記録データの例について、図３６を参照して説明する。
図３６に示すように、情報処理装置３０は、利用制御情報ファイル２８０に以下のデータを記録して情報記録媒体（メディア）４０に記録する。
（ａ）ＥＰＮ（１ビット）：コピー処理時の出力データ暗号化要否情報
（ｂ）ＣＣＩ（２ビット）：コピー制御情報
（ｃ）Ｍｏｖｅ＿Ｎｏｔ＿Ａｌｌｏｗｅｄ（１ビット）：ムーブ処理許容情報
（ｄ）Ｔｒｕｓｔｅｄ＿Ｓｏｕｒｃｅ＿Ｍａｒｋ＿Ｓｃｒｅｅｎｉｎｇ＿Ｒｅｑｕｉｒｅｄ（１ビット）：ソース確認処理（電子透かし（Ｗａｔｅｒｍａｒｋ）検出処理）要否情報
（ｅ）Ｄｉｇｉｔａｌ＿Ｏｕｔｐｕｔ＿Ｆｌａｇ（１ビット）：デジタル出力許容規格情報

なお、これらのデータは、例えば番組単位等、所定のコンテンツ区分ごとに記録可能であり、１つの利用制御情報ファイル２８０に複数のコンテンツ（番組）各々に対応する上記（ａ）～（ｅ）のコピー制御情報等のデータを列挙して記録することができる。

利用制御情報ファイル２８０に記録されるデータの具体例について、図３７を参照して説明する。
図３７には、図３６に示す５つのデータ（ａ）～（ｄ）に対応する以下の各情報を示している。
（１）ＭＭＴフォーマットの制御情報（放送波に含まれる制御情報）
（２）利用制御情報ファイルの記録情報（メディア上に記録される制御情報）

放送局等の送信装置からの受信データを情報記録媒体（メディア）４０に記録する情報処理装置３０は、図３７（１）に示す情報を受信データ中の制御情報（ＳＩ）等から取得して、取得情報に基づいて、利用制御情報ファイル２８０に記録すべき図３７（２）に示す情報のいずれかを設定して、情報記録媒体（メディア）４０に記録する。

（ａ）ＥＰＮ（１ビット）：コピー処理時の出力データ暗号化要否情報
この情報についての、
（１）ＭＭＴフォーマットの制御情報は、以下のいずれかの設定である。
０＝暗号化必要
１＝暗号化不要

情報処理装置３０は、この設定値を取得して、利用制御情報ファイル２８０に対して、図３７（２）に示す以下のデータを記録する。
ＭＭＴフォーマットの制御情報＝０（暗号化必要）の場合、
利用制御情報ファイルの記録情報＝０（ＥＰＮ－ａｓｓｅｒｔｅｄ（暗号化必要））
とする。
一方、ＭＭＴフォーマットの制御情報＝１（暗号化不要）の場合、
利用制御情報ファイルの記録情報＝１（ＥＰＮ－ｕｎａｓｓｅｒｔｅｄ（暗号化不要））
とする。

（ｂ）ＣＣＩ（２ビット）：コピー制御情報
この情報についての、
（１）ＭＭＴフォーマットの制御情報は、以下のいずれかの設定である。
００＝制約条件なしにコピー可
１１＝コピー禁止
１０＝１世代のみコピー可

情報処理装置３０は、この設定値を取得して、利用制御情報ファイル２８０に対して、図３７（２）に示す以下のデータを記録する。
ＭＭＴフォーマットの制御情報＝００（制約条件なしにコピー可）の場合、
利用制御情報ファイルの記録情報＝００（ＣＯＰＹ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｎｏｔａｓｓｅｒｔｅｄ（コピー可））
とする。
また、ＭＭＴフォーマットの制御情報＝１１（コピー禁止）の場合、
利用制御情報ファイルの記録情報＝Ｎ／Ａ（コピー禁止）
とする。

また、ＭＭＴフォーマットの制御情報＝１０（１世代のみコピー可）の場合、
利用制御情報ファイルの記録情報＝０１（Ｎｏ Ｍｏｒｅ Ｃｏｐｙ（１世代のみコピー可））
とする。なお、この設定の場合、コピー処理を実行した情報処理装置は、この値を１１（コピー禁止）に変更する。

（ｃ）Ｍｏｖｅ＿Ｎｏｔ＿Ａｌｌｏｗｅｄ（１ビット）：ムーブ処理許容情報
この情報についての、
（１）ＭＭＴフォーマットの制御情報は、現時点では不確定であり、今後、放送記録の運用規定として規定される予定である。

情報処理装置３０は、今後決定される規定値を取得して、利用制御情報ファイル２８０に対して、図３７（２）に示す以下のいずれかのデータを記録する。
利用制御情報ファイルの記録情報＝０（Ｍｏｖｅ ｉｓ Ａｌｌｏｗｅｄ（ムーブ可））
利用制御情報ファイルの記録情報＝１（Ｍｏｖｅ ｉｓ ｎｏｔ Ａｌｌｏｗｅｄ（ムーブ不可））

（ｄ）Ｔｒｕｓｔｅｄ＿Ｓｏｕｒｃｅ＿Ｍａｒｋ＿Ｓｃｒｅｅｎｉｎｇ＿Ｒｅｑｕｉｒｅｄ（１ビット）：ソース確認処理（電子透かし（Ｗａｔｅｒｍａｒｋ）検出処理）要否情報
この情報についても、
（１）ＭＭＴフォーマットの制御情報は、現時点では不確定であり、今後、放送記録の運用規定として規定される予定である。

情報処理装置３０は、今後決定される規定値を取得して、利用制御情報ファイル２８０に対して、図３７（２）に示す以下のいずれかのデータを記録する。
利用制御情報ファイルの記録情報＝０（Ｔｒｕｓｔｅｄ Ｓｏｕｔｒｃｅ Ｍａｒｋ Ｓｃｒｅｅｎｉｎｇ ｉｓ ｒｅｑｕｉｒｅｄ（電子透かし検出要））
利用制御情報ファイルの記録情報＝１（Ｔｒｕｓｔｅｄ Ｓｏｕｔｒｃｅ Ｍａｒｋ Ｓｃｒｅｅｎｉｎｇ ｉｓ ｎｏｔ ｒｅｑｕｉｒｅｄ（電子透かし検出不要））

（ｅ）Ｄｉｇｉｔａｌ＿Ｏｕｔｐｕｔ＿Ｆｌａｇ（１ビット）：デジタル出力許容規格情報
この情報についても、
（１）ＭＭＴフォーマットの制御情報は、現時点では不確定であり、今後、放送記録の運用規定として規定される予定である。

情報処理装置３０は、今後決定される規定値を取得して、利用制御情報ファイル２８０に対して、図３７（２）に示す以下のいずれかのデータを記録する。
利用制御情報ファイルの記録情報＝０（新保護技術のみに出力可）
利用制御情報ファイルの記録情報＝１（新旧保護技術のみに出力可）

なお、上記の新保護技術や、旧保護技術とは、具体的には、例えばデジタルデータの出力を行うＨＤＭＩ（登録商標）などによるデジタルデータ出力に関する著作権保護規格であるＨＤＣＰに相当し、新保護技術は例えばＨＤＣＰ２．２、旧保護技術は例えばＨＤＣＰ１．４である。
利用制御情報ファイルの記録情報＝０の設定の場合、ＨＤＣＰ２．２対応のＨＤＭＩ（登録商標）出力のみを許容する。
一方、利用制御情報ファイルの記録情報＝１の設定の場合、ＨＤＣＰ２．２対応のＨＤＭＩ（登録商標）出力の他、ＨＤＣＰ１．４対応のＨＤＭＩ（登録商標）出力も許容される。

このように、放送局等の送信装置から受信するデータを入力して、情報記録媒体には記録する情報処理装置３０は、図３７に示す情報、すなわち、
（ａ）ＥＰＮ（１ビット）：コピー処理時の出力データ暗号化要否情報
（ｂ）ＣＣＩ（２ビット）：コピー制御情報
（ｃ）Ｍｏｖｅ＿Ｎｏｔ＿Ａｌｌｏｗｅｄ（１ビット）：ムーブ処理許容情報
（ｄ）Ｔｒｕｓｔｅｄ＿Ｓｏｕｒｃｅ＿Ｍａｒｋ＿Ｓｃｒｅｅｎｉｎｇ＿Ｒｅｑｕｉｒｅｄ（１ビット）：ソース確認処理（電子透かし（Ｗａｔｅｒｍａｒｋ）検出処理）要否情報
（ｅ）Ｄｉｇｉｔａｌ＿Ｏｕｔｐｕｔ＿Ｆｌａｇ（１ビット）：デジタル出力許容規格情報
これらの情報を放送波に含まれる情報から取得して、利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）に記録し、情報記録媒体（メディア）に記録する。

なお、図３５を参照して説明したように、情報処理装置３０は、利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）とともに、ＭＭＴＰパケット列、またはＴＬＶパケット列からなるクリップＡＶストリームファイルを生成して情報記録媒体（メディア）４０に記録する。

この情報記録媒体（メディア４０）に記録されたデータを読み出して、他の情報記録媒体（メディア）にデータをコピーしようとする情報処理装置は、利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）を参照し、利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）の記録情報に従ったコピー処理を実行する。
この処理を行うことで、放送局等の送信装置が送信した元々のＭＭＴフォーマットデータ対応のコピー制御情報を順守したメディア間コピー処理が実行される。

［１０．利用制御情報ファイルにコピー制御情報とともに、暗号化関連情報を記録する実施例について］
図３６、図３７を参照して、利用制御情報ファイル２８０の記録データの一例について説明したが、さらに、利用制御情報ファイル２８０に、図３６、図３７を参照して説明したコピー制御情報に追加して、暗号化関連情報を記録することが可能である。
利用制御情報ファイル２８０に暗号化関連情報を記録した例について、図３８以下を参照して説明する。

図３８には、情報処理装置３０が、利用制御情報ファイル２８０に記録するデータ例を示している。図３８には、以下の各データを示している。
（ａ）ＥＰＮ（１ビット）：コピー処理時の出力データ暗号化要否情報
（ｂ）ＣＣＩ（２ビット）：コピー制御情報
（ｃ）Ｍｏｖｅ＿Ｎｏｔ＿Ａｌｌｏｗｅｄ（１ビット）：ムーブ処理許容情報
（ｄ）Ｔｒｕｓｔｅｄ＿Ｓｏｕｒｃｅ＿Ｍａｒｋ＿Ｓｃｒｅｅｎｉｎｇ＿Ｒｅｑｕｉｒｅｄ（１ビット）：ソース確認処理（電子透かし（Ｗａｔｅｒｍａｒｋ）検出処理）要否情報
（ｅ）Ｄｉｇｉｔａｌ＿Ｏｕｔｐｕｔ＿Ｆｌａｇ（１ビット）：デジタル出力許容規格情報
（ｆ）Ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿Ｂｉｔｓ（２ビット）：暗号化有無情報、
（ｇ）Ｓｅｅｄ（１２６ビット）：暗号鍵生成用シード情報、

（ａ）～（ｅ）は、先に図３６、図３７を参照して説明したデータである。
（ｆ），（ｇ）の情報が暗号化関連情報である。
なお、この（ｆ），（ｇ）に示す暗号化関連情報は、例えばメディアに記録するパケットによって構成される暗号化ブロック単位の情報として記録する。

前述したように、１つの利用制御情報ファイル２８０には、複数のコンテンツ（番組）各々に対応する上記（ａ）～（ｅ）のコピー制御情報が記録可能であるが、
（ｆ）Ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿Ｂｉｔｓ（２ビット）：暗号化有無情報、
（ｇ）Ｓｅｅｄ（１２６ビット）：暗号鍵生成用シード情報、
これらの各データについては、さらに細かい暗号化ブロック単位の情報として記録する。

図３８中に「暗号化関連情報記録データ例」として示すように、
（ｆ）Ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿Ｂｉｔｓ（２ビット）：暗号化有無情報、
（ｇ）Ｓｅｅｄ（１２６ビット）：暗号鍵生成用シード情報、
これらの各データは、ブロック数（Ｎｕｍ＿ｏｆ＿Ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿Ｂｌｏｃｋ）を記録した３２ビットデータに続けて、ブロック数に応じたループが設定されて、各ループに各ブロック対応の上記データ（（ｆ）暗号化有無情報、（ｇ）暗号鍵生成用シード情報）が記録される。

これら、ブロック対応の暗号化関連情報、すなわち、
（ｆ）Ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿Ｂｉｔｓ（２ビット）：暗号化有無情報、
（ｇ）Ｓｅｅｄ（１２６ビット）：暗号鍵生成用シード情報、
これらの情報の具体例について、図３９を参照して説明する。

図３９には、メディアに記録されるデータ例としてＴＬＶパケット列を示している。
なお、先に図３５等を参照して説明したようにメディアにはＴＬＶパケット列、またはＭＭＴＰパケット列が記録される。
図３９には一例としてＴＬＶパケット列の記録例を示しているが、本例はＭＭＴＰパケット列を記録した場合も同様に利用可能である。

図３９に示すＴＬＶパケット列は、複数の暗号化ブロックによって構成される。
１つの暗号化ブロックは、１つの暗号化処理単位であり、１つの暗号処理によって生成されるブロックである。
追加ヘッダを適用したブロック暗号化処理については、先に、図２８、図２９を参照して説明したが、図３９に示すＴＬＶパケット列に設定される各暗号化ブロックも、このブロック暗号の処理単位である。
メディア記録データがＭＭＴＰパケット列である場合は、ＭＭＴＰパケットを構成要素とする暗号化ブロックが設定される。

利用制御情報ファイル２８０には、各暗号化ブロック（Ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ ｂｌｏｃｋ）についての、
（ｆ）Ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿Ｂｉｔｓ（２ビット）：暗号化有無情報
（ｇ）Ｓｅｅｄ（１２６ビット）：暗号鍵生成用シード情報
これらの情報が記録される。

（ｆ）暗号化有無情報は、ブロックが暗号化されているか否かを示す情報である。
（ｇ）暗号鍵生成用シード情報（Ｓｅｅｄ）は、ブロック暗号の暗号化、および復号処理に適用するデータとしてのシード情報である。
なお、先に図２８、図２９を参照して説明した追加ヘッダを適用したブロック暗号化処理におけるシード情報は、ＴＬＶパケット追加ヘッダ２５１、ＭＭＴＰパケット追加ヘッダ２６１の構成データに相当する。

追加ヘッダを用いず、利用制御情報ファイル２８０にコピー制御情報を記録する場合、図２８や図２９に示すような追加ヘッダをシード情報として利用した暗号鍵の生成ができない。
このため、利用制御情報ファイルに各ブロック対応の暗号鍵生成用のシード情報を記録する。

なお、暗号化処理（復号処理）に適用する暗号鍵の生成には、例えば、
（ｆ）Ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿Ｂｉｔｓ（２ビット）：暗号化有無情報
（ｇ）Ｓｅｅｄ（１２６ビット）：暗号鍵生成用シード情報
これらの２つの情報を併せた合計１２８ビットのデータを用いる。

利用制御情報ファイル２８０に記録する暗号鍵生成用シード情報（Ｓｅｅｄ）は、例えば、メディアに対するデータ記録を実行する記録装置が、各ブロック単位で乱数生成処理を実行して、生成した乱数を記録する。
これによって、ブロック単位の暗号化または復号処理に適用するブロック鍵が、暗号化ブロック（Ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ ｂｌｏｃｋ）毎に変更されることになり、セキュリティレベルが向上する。

すなわち、先に、図２８、図２９を参照して説明したように、ＭＭＴフォーマットデータによって構成される放送波を受信して、情報記録媒体（メディア）にデータを記録する情報処理装置は、放送データとして受信する暗号化データ、あるいはその暗号化データをそのまま記録したハードディスク等の第１メディアの記録データを読み出して、一旦、復号し、その後、ＡＡＣＳ規定に従った方式で再暗号化を行ってコピー先の情報記録媒体（第２メディア）に記録することが必要となる。

先に図２８、図２９を参照して説明した例では、コピー処理を実行する情報処理装置は、コピー処理の実行に際して、例えば、放送データとして受信する暗号化データ、あるいはその暗号化データをそのまま記録したハードディスク等の第１メディアの記録データであるパケット（ＴＬＶパケットまたはＭＭＴＰパケット）単位で設定された追加ヘッダの構成データをシード情報として利用して、ブロック単位（暗号処理単位）の暗号鍵であるブロック鍵を生成していた。

これに対して、パケット単位の追加ヘッダが設定されていない構成では、上述した利用制御情報ファイルに記録された暗号化処理単位のシード情報を取得して、暗号化処理単位の暗号鍵を生成して、生成した暗号鍵を適用した暗号化処理を、暗号化処理単位で実行して、コピー先メディアに記録する処理を行う。

［１１．情報記録媒体に対するデータ記録処理を実行する情報処理装置の構成と処理について］
次に、図４０以下を参照して、放送局等の送信装置から受信したＭＭＴフォーマットデータを入力して、情報記録媒体に対するデータ記録処理を実行する情報処理装置の構成と処理について説明する。

先に説明したように、本開示の情報処理装置は、ＭＭＴフォーマットに従った入力データを、ＢＤＡＶフォーマットデータとして、ＢＤやＨＤ、あるいはフラッシュメモリ等の情報記録媒体に記録する。
さらに、このデータ記録処理に際して、ＭＭＴフォーマットに従った入力データに含まれるコピー制御情報を取得して、追加ヘッダ、または利用制御情報ファイルに記録する処理を行う。さらに、プレイリストやクリップ情報ファイル等のデータベースファイルに、ＭＭＴフォーマットデータ対応の再生制御情報、属性情報等を記録する処理も行う。

コピー制御情報や、再生制御情報、属性情報等の情報は、例えば、ＭＭＴフォーマットに従った入力データに含まれる制御情報であるＴＬＶ－ＳＩや、ＭＭＴ－ＳＩを構成する様々な情報記録テーブルから取得可能である。
以下、ＢＤ等の情報記録媒体に対するデータ記録処理を実行する情報処理装置の構成と、処理シーケンスについて説明する。

図４０は、ＢＤ等の情報記録媒体に対するデータ記録処理を実行する情報処理装置４００の構成を示す図である。
情報処理装置４００は、情報記録媒体（記録メディア）４２０に、クリップＡＶストリームファイル、さらに、プレイリストやクリップ情報ファイル等のデータベースファイルを記録する。

データ入力部４０１は、情報記録媒体４２０に対するＭＭＴフォーマットデータ４３１、すなわち画像データ、音声データ、字幕データ等を含むＭＭＴフォーマットデータ４３１を入力する。
データ入力部４０１は、ＭＭＴフォーマットデータ４３１を送信する例えば放送局やコンテンツサーバ等からの送信データを受信する受信部、あるいは、ＭＭＴフォーマットデータ４３１を記録したメディアからのデータ読み取りを実行するメディア読み取り部等によって構成される。

データ入力部４０１から入力するＭＭＴフォーマットデータ４３１は、先に図２を参照して説明したデータフォーマットに従ったデータであり、例えばＨＥＶＣ画像等の高精細画像データが含まれている。

ＭＭＴフォーマットデータ４３１は、制御部４０３の制御によって、記憶部４０４に格納される。
ユーザ入力部４０２は、例えば情報記録媒体４２０に対するデータ記録の開始要求等を入力する。

ユーザ入力部４０２から、データ記録開始要求を入力すると、この入力をトリガとして、記憶部４０４に格納されたＭＭＴフォーマットデータ４３１が、デマルチプレクサ（ＤｅＭＵＸ）４０５に入力される。
デマルチプレクサ（ＤｅＭＵＸ）４０５は、ＭＭＴフォーマットデータ４３１から、画像、音声、字幕等の各データを格納したパケットや、通知情報や、再生制御情報、コピー制御情報等を含む制御情報（ＴＬＶ－ＳＩ，ＭＭＴ－ＳＩ）等の補助情報を取得し、データ種別のパケットに分類し、各パケットを、データ種類に応じて、記録データ生成部４０６の字幕データ生成部４１１、画像データ生成部４１２、音声データ生成部４１３、補助情報生成部４１４に入力する。

字幕データ生成部４１１は、データ入力部４０１が入力し、記憶部４０４に格納されたＭＭＴフォーマットデータ３３１から、字幕データを取得し、ＢＤＡＶフォーマットにおいて規定されるストリームファイル格納用データを生成する。
画像データ生成部４１２は、データ入力部４０１が入力し、記憶部４０４に格納されたＭＭＴフォーマットデータ３３１から、画像データを取得し、ＢＤＡＶフォーマットにおいて規定されるストリームファイル格納用データを生成する。
音声データ生成部４１３は、データ入力部４０１が入力し、記憶部４０４に格納されたＭＭＴフォーマットデータ４３１から、音声データを取得し、ＢＤＡＶフォーマットにおいて規定されるストリームファイル格納用データを生成する。

補助情報生成部４１４は、データ入力部４０１が入力し、記憶部４０４に格納されたＭＭＴフォーマットデータ４３１から、通知情報や、再生制御情報、コピー制御情報等を含む制御情報（ＴＬＶ－ＳＩ，ＭＭＴ－ＳＩ）等の補助情報を取得し、ＢＤＡＶフォーマットにおいて規定されるデータベースファイルとしてのプレイリストファイルやクリップ情報ファイル、クリップＡＶストリームファイルに格納すべきデータを生成する。

補助情報生成部４１４は、さらに、コピー制御情報を記録した追加ヘッダ、または利用制御情報ファイルのいずれかを生成する。
このコピー制御情報を記録した追加ヘッダ、または利用制御情報ファイルの生成構成の具体例については、図４１、図４２を参照して後段で説明する。

マルチプレクサ（ＭＵＸ）４１５は、字幕データ生成部４１１、画像データ生成部４１２、音声データ生成部４１３が変換した字幕、画像、音声各データ、および補助情報生成部４１４がＭＭＴフォーマットデータ３３１の制御情報（ＴＬＶ－ＳＩ，ＭＭＴ－ＳＩ）等から取得した様々な情報を入力し、これらのデータを格納したストリームファイルを生成する。

データベースファイル生成部４１６は、補助情報生成部４１４がＭＭＴフォーマットデータ４３１のし制御情報（ＴＬＶ－ＳＩ，ＭＭＴ－ＳＩ）から取得した様々な情報を記録したプレイリストファイルやクリップ情報ファイル等のデータベースファイルを生成する。

記録データ生成部４０６の生成したストリームファイルデータと、プレイリストファイル、クリップ情報ファイル等のデータベースファイルを含む記録データ４３２は、制御部４０３の制御の下、記録部４０６によって、ドライブ４０７を介して情報記録媒体４２０に出力され、記録される。

次に、図４０に示す情報処理装置４００が実行するコピー制御情報を記録した追加ヘッダ、または利用制御情報ファイルの生成構成の具体例について、図４１、図４２を参照して説明する。

まず、図４１を参照して、コピー制御情報を記録した追加ヘッダの生成処理を実行する記録データ生成部４０６の構成について説明する。
図４１に示すように、記録データ生成部４０６は、字幕データ生成部４１１、画像データ生成部４１２、音声データ生成部４１３、補助情報生成部４１４、マルチブレクサ（ＭＵＸ）４１５、データベースファイル生成部４１６を有する。

補助情報生成部４１４は、データ解析部４５１、追加ヘッダ生成部４５２、ストリームファイル記録用制御情報生成部４５３、データベースファイル記録情報生成部４５４を有する。
データ解析部４５１は、デマルチブレクサ（ＤｅＭＵＸ）４０５によって分離されたデータを解析し、情報記録媒体（記録メディア）４２０に記録するコピー制御情報、ストリームファイルに記録する制御情報、さらに、プレイリストファイル、クリップ情報ファイル等に記録するデータを生成するために適用するデータを取得する。

コピー制御情報を生成するために適用するデータは、追加ヘッダ生成部４５２に出力される。ストリームファイルに記録する制御情報は、ストリームファイル記録用制御情報生成部４５３に出力される。また、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルを生成するために適用するデータは、データベースファイル記録情報生成部４５４に出力される。

追加ヘッダ生成部４５２は、コピー制御情報を記録した追加ヘッダを生成する。
情報記録媒体（記録メディア）４２０に記録するストリームファイルがＭＭＴＰパケット列である場合、先に図２１、または図２３を参照して説明したデータを記録した追加ヘッダを生成する。
一方、報記録媒体（記録メディア）４２０に記録するストリームファイルがＴＬＶパケット列である場合、先に図２２、または図２４を参照して説明したデータを記録した追加ヘッダを生成する。

ストリームファイル記録用制御情報生成部４５３は、情報記録媒体（記録メディア）４２０に記録するストリームファイルとして記録する制御情報を生成する。
データベースファイル記録情報生成部４５４は、プレイリストファイル、クリップ情報ファイル等に記録するデータを生成し、データベースファイル生成部４１６に出力する。
データベースファイル生成部４１６は、データベースファイル記録情報生成部４５３の生成データを適用して、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルを生成する。

補助情報生成部４１４の追加ヘッダ生成部４５２の生成した追加ヘッダ、すなわちＭＭＴＰパケット追加ヘッダ、またはＴＬＶパケット追加ヘッダは、マルチプレクサ（ＭＵＸ）４１５のストリームファイル生成部４６１に入力される。
ストリームファイル記録用制御情報生成部４５３の生成した制御情報も、マルチプレクサ（ＭＵＸ）４１５のストリームファイル生成部４６１に入力される。

字幕データ生成部４１１、画像データ生成部４１２、音声データ生成部４１３の生成した記録用データと、ストリームファイル記録用制御情報生成部４５３の生成した制御情報は、データ入力部４０１を介して受信するＭＭＴフォーマットデータ４３１規定のパケット単位のデータである。具体的には、ＭＭＴＰパケット、またはＴＬＶパケットのいずれかのパケットである。

マルチプレクサ（ＭＵＸ）４１５のストリームファイル生成部４６１は、これらのパケットの各々にコピー制御情報を記録した追加ヘッダを追加設定したストリームファイルを生成する。
すなわち、図１９を参照して説明したＭＭＴＰパケット追加ヘッダを設定したＭＭＴＰパケット列、または、図２０を参照して説明したＴＬＶパケット追加ヘッダを設定したＴＬＶパケット列のいずれかを生成する。

なお、ストリームファイル生成部４６１は、このパケット列から構成されるストリームファイルを生成する際に、図２８、図２９を参照して説明したパケット単位の暗号化処理を実行する。

このようにして生成されたストリームファイル、データベースファイルが情報記録媒体（記録メディア）４２０に対する記録データ４３２として記録部４０７に出力される。

次に、図４２を参照して、コピー制御情報を記録した利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）の生成処理を実行する記録データ生成部４０６の構成について説明する。
図４２に示すように、記録データ生成部４０６は、字幕データ生成部４１１、画像データ生成部４１２、音声データ生成部４１３、補助情報生成部４１４、マルチブレクサ（ＭＵＸ）４１５、データベースファイル生成部４１６、および利用制御情報ファイル生成部４６１を有する。

補助情報生成部４１４は、データ解析部４５１、ストリームファイル記録用制御情報生成部４５３、データベースファイル記録情報生成部４５４、さらに利用制御情報ファイル記録データ生成部４５５を有する。
データ解析部４５１は、デマルチブレクサ（ＤｅＭＵＸ）４０５によって分離されたデータを解析し、情報記録媒体（記録メディア）４２０に記録するコピー制御情報、ストリームファイルに記録する制御情報、さらに、プレイリストファイル、クリップ情報ファイル等に記録するデータを生成するために適用するデータを取得する。

コピー制御情報を生成するために適用するデータは、利用制御情報ファイル記録データ生成部４５５に出力される。ストリームファイルに記録する制御情報は、ストリームファイル記録用制御情報生成部４５３に出力される。また、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルを生成するために適用するデータは、データベースファイル記録情報生成部４５４に出力される。

利用制御情報ファイル記録データ生成部４５５は、コピー制御情報を記録した利用制御情報ファイルに記録するデータを生成する。
具体的には、先に、図３６、図３７を参照して説明したコピー制御情報を記録した利用制御情報ファイルに記録するデータを生成する。

ストリームファイル記録用制御情報生成部４５３は、情報記録媒体（記録メディア）４２０に記録するストリームファイルとして記録する制御情報を生成する。
データベースファイル記録情報生成部４５４は、プレイリストファイル、クリップ情報ファイル等に記録するデータを生成し、データベースファイル生成部４１６に出力する。
データベースファイル生成部４１６は、データベースファイル記録情報生成部４５３の生成データを適用して、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルを生成する。

補助情報生成部４１４の利用制御情報ファイル記録データ生成部４５５の生成した利用制御情報ファイル記録データは、利用制御情報ファイル生成部４６１に入力される。
利用制御情報ファイル生成部４６１は、利用制御情報ファイル記録データ生成部４５５の生成した利用制御情報ファイル記録データを格納した利用制御情報ファイルを生成する。

字幕データ生成部４１１、画像データ生成部４１２、音声データ生成部４１３の生成した記録用データと、ストリームファイル記録用制御情報生成部４５３の生成した制御情報は、データ入力部４０１を介して受信するＭＭＴフォーマットデータ規定のパケット単位のデータである。具体的には、ＭＭＴＰパケット、またはＴＬＶパケットのいずれかのパケットによって構成される。

マルチプレクサ（ＭＵＸ）４１５のストリームファイル生成部４６１は、図９を参照して説明したＭＭＴＰパケット列、または、図１０を参照して説明したＴＬＶパケット列のいずれかを生成する。

このようにして生成されたストリームファイル、データベースファイル、および利用制御情報ファイルが情報記録媒体（記録メディア）４２０に対する記録データ４３２ｂとして記録部４０７に出力される。

次に、図４０に示す情報処理装置４００が実行する情報記録媒体４２０に対するデータ記録処理のシーケンスについて、図４３、図４４に示すフローチャートを参照して説明する。
図４３は、追加ヘッダにコピー制御情報を記録して情報記録媒体４２０に記録する処理の処理シーケンスを説明するフローチャートである。
図４４は、利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）にコピー制御情報を記録して情報記録媒体４２０に記録する処理の処理シーケンスを説明するフローチャートである。

まず、図４３を参照して、追加ヘッダにコピー制御情報を記録して情報記録媒体４２０に記録する処理の処理シーケンスについて説明する。
図４３に示すフローに従った処理は、例えば情報処理装置の記憶部に格納されたプログラムに従って、プログラム実行機能を有するＣＰＵを備えたデータ処理部（制御部）の制御の下で実行することができる。
以下、図４３のフローに示す各ステップの処理について、順次、説明する。

（ステップＳ１０１）
まず、情報処理装置４００は、ステップＳ１０１において、データ入力部４０１を介して記録用データであるＭＭＴフォーマットデータを入力する。
なお、この記録用データには画像データ、音声データ、字幕データ、さらに、通知情報や制御情報等を格納した制御情報（ＴＬＶ－ＳＩ，ＭＭＴ－ＳＩ）等が含まれる。

（ステップＳ１０２）
次に、ステップＳ１０２において、情報処理装置４００は、入力したＭＭＴフォーマットデータのデマルチプレクス処理、すなわち、データ種類単位のデータ分離処理を行う。画像、音声、字幕、制御情報等の分離処理を実行する。

（ステップＳ１０３）
次に、ステップＳ１０３において、情報処理装置４００は、ステップＳ１０２で分離した制御情報、例えば制御情報（ＴＬＶ－ＳＩ，ＭＭＴ－ＳＩ）をメモリに格納する。

（ステップＳ１０４）
次に、ステップＳ１０４において、情報処理装置４００は、ステップＳ１０３でメモリに格納した制御情報等から取得したコピー制御情報を記録した追加ヘッダを生成する。

情報記録媒体（記録メディア）４２０に記録するストリームファイルがＭＭＴＰパケット列である場合、先に図２１、または図２３を参照して説明したデータを記録した追加ヘッダを生成する。
一方、報記録媒体（記録メディア）４２０に記録するストリームファイルがＴＬＶパケット列である場合、先に図２２、または図２４を参照して説明したデータを記録した追加ヘッダを生成する。

先に図２１～図２４を参照して説明したように、追加ヘッダには、以下のコピー制御情報が記録される。
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
（Ｄ）暗号化フラグ（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｆｌａｇ）

（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）は、図１８に示すように、
デジタル記録可（設定ビット値＝００）、
デジタル記録不可（１１）、
１世代のみデジタル記録可（１０）、
これらのいずれかの設定を持つ。

（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）は、図１８に示すように、
出力コピーデータの暗号化必要（０）、
出力コピーデータの暗号化不要（１）、
これらのいずれかの設定を持つ。

（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）は、図１８に示すように、
コピー数制限あり（１）
コピー数制限なし（０）
これらのいずれかの設定を持つ。

（Ｄ）暗号化フラグ（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｆｌａｇ）は、先に図２３、図２４を参照して説明したように、
暗号化フラグ＝００の場合は、パケット格納データが非暗号化データ（＝平文データ）であることを意味する。
暗号化フラグ＝１１の場合は、パケット格納データが暗号化データであることを意味する。
この暗号化フラグに基づいて、コピー対象データに対する復号処理や、再暗号化処理の要否をパケット単位で即座に判定することが可能となる。

（ステップＳ１０５）
次に、ステップＳ１０５において、情報処理装置４００は、ステップＳ１０４で生成した追加ヘッダをＭＭＴＰパケット、またはＴＬＶパケット各々に設定したパケット列からなるストリームファイルを生成する。
すなわち、パケットの各々にコピー制御情報を記録した追加ヘッダを追加設定したストリームファイルを生成する。
具体的には、図１９を参照して説明したＭＭＴＰパケット追加ヘッダを設定したＭＭＴＰパケット列、または、図２０を参照して説明したＴＬＶパケット追加ヘッダを設定したＴＬＶパケット列のいずれかを生成する。

（ステップＳ１０６）
次に、ステップＳ１０６において、情報処理装置４００は、入力したＭＭＴフォーマットデータの構成データを利用して、クリップ情報ファイルを生成する。
すなわち、ＭＭＴフォーマットデータを格納したクリップＡＶストリームファイルに対応するクリップ情報ファイルを生成する。

（ステップＳ１０７）
次に、ステップＳ１０７において、情報処理装置４００は、入力したＭＭＴフォーマットデータの構成データを利用して、プレイリストファイルを生成する。
すなわち、ＭＭＴフォーマットデータを格納したクリップＡＶストリームファイルに対応するプレイリストファイルを生成する。

（ステップＳ１０８）
次に、ステップＳ１０８において、情報処理装置４００は、入力したＭＭＴフォーマットデータを利用してその他のデータベースファイルを生成する。

（ステップＳ１０９）
次に、ステップＳ１０９において、情報処理装置４００は、生成したＡＶストリームファイルとデータベースファイルを利用してＢＤＡＶフォーマットデータを生成する。

（ステップＳ１１０）
次に、ステップＳ１１０において、情報処理装置４００は、ステップＳ１０９で生成したＢＤＡＶフォーマットデータを情報記録媒体（メディア）に記録する。

次に、図４４を参照して、利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）にコピー制御情報を記録して情報記録媒体４２０に記録する処理の処理シーケンスについて説明する。
図４４に示すフローに従った処理は、例えば情報処理装置の記憶部に格納されたプログラムに従って、プログラム実行機能を有するＣＰＵを備えたデータ処理部（制御部）の制御の下で実行することができる。
以下、図４４のフローに示す各ステップの処理について、順次、説明する。

（ステップＳ１５１～Ｓ１５３）
ステップＳ１５１～Ｓ１５３の処理は、図４３を参照して説明したステップＳ１０１～Ｓ１０３の処理と同じ処理である。
まず、情報処理装置４００は、ステップＳ１５１において、データ入力部４０１を介して記録用データであるＭＭＴフォーマットデータを入力する。
次に、ステップＳ１５２において、情報処理装置４００は、入力したＭＭＴフォーマットデータのデマルチプレクス処理、すなわち、データ種類単位のデータ分離処理を行う。画像、音声、字幕、制御情報等の分離処理を実行する。
次に、ステップＳ１５３において、情報処理装置４００は、ステップＳ１０２で分離した制御情報、例えば制御情報（ＴＬＶ－ＳＩ，ＭＭＴ－ＳＩ）をメモリに格納する。

（ステップＳ１５４）
次に、ステップＳ１５４において、情報処理装置４００は、ステップＳ１５３でメモリに格納した制御情報等から取得したコピー制御情報を記録した利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）を生成する。
先に図３６、図３７を参照して説明した記録データを有する利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）を生成する。

（ステップＳ１５５）
次に、ステップＳ１５５において、情報処理装置４００は、ストリームファイルを生成する。
具体的には、図９を参照して説明したＭＭＴＰパケット列、または、図１０を参照して説明したＴＬＶパケット列のいずれかによって構成されるストリームファイルを生成する。

（ステップＳ１５６～Ｓ１５８）
ステップＳ１５６～Ｓ１５８の処理は、先に図４３を参照して説明したフローにおけるステップＳ１０６～Ｓ１０８の処理と同様の処理である。
まず、ステップＳ１５６において、情報処理装置４００は、入力したＭＭＴフォーマットデータの構成データを利用して、クリップ情報ファイルを生成する。
次に、ステップＳ１５７において、情報処理装置４００は、入力したＭＭＴフォーマットデータの構成データを利用して、プレイリストファイルを生成する。
次に、ステップＳ１５８において、情報処理装置４００は、入力したＭＭＴフォーマットデータを利用してその他のデータベースファイルを生成する。

（ステップＳ１５９）
次に、ステップＳ１５９において、情報処理装置４００は、生成したＡＶストリームファイルとデータベースファイル、さらに利用制御情報ファイルを構成要素とする記録データを生成する。

（ステップＳ１６０）
次に、ステップＳ１６０において、情報処理装置４００は、ステップＳ１５９で生成した記録データを情報記録媒体（メディア）に記録する。

［１２．情報記録媒体間のデータコピー処理を実行する情報処理装置の構成と処理について］
次に、図４５以下を参照して情報記録媒体間のデータコピー処理を実行する情報処理装置の構成と処理について説明する。

図４５に示す情報処理装置５００は、第１メディア５２１に記録されたデータを第２メディア５２２にコピーして記録する情報処理装置である。

情報処理装置５００は、例えばＢＤ（Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ）等の情報記録媒体である第１メディア５２１に記録されたデータを読み出し、第２メディア５２２に記録する、いわゆるコピー処理を行なう。
あるいは、通信部５０３を介して入力したメディア記録データを第２メディア５２２に記録するコピー処理を行なう。

情報処理装置５００は、図４５に示すように、制御部５０１、入力部５０２、通信部５０３、記憶部５０４、出力部５０５、第１メディアＩＦ（インタフェース）５０６、データバッファ５０７、コピー制御情報確認部５０８、コピー記録データ生成部５０９、第２メディアＩＦ５１０を有する。

制御部５０１は、メディアを利用したデータ記録再生、メディア間のデータコピー処理等、情報処理装置５００において実行するデータ処理の制御を行う、これらの制御は、例えば記憶部５０４に格納されたプログラム従って行われる。

入力部５０２は、ユーザの操作可能なスイッチ、ボタン、タッチパネル等の入力部であり、再生、コピー、記録等の様々な処理の指示入力などを行う入力部である。
また、入力部５０２は、メディアに記録する画像や音声等を入力する撮像部、マイクを持つ構成としてもよい。
通信部５０３は、例えば外部サーバ、あるいは外部機器との通信を行い、メディアに対する記録データや、記録データに関する制御情報、あるいはコピー処理の許可情報の取得など、各種の通信処理に利用される。

記憶部５０４は、制御部５０１の実行するプログラムや、プログラム実行に用いるパラメータ等の記憶領域、さらにプログラム実行時のワーク領域等に利用される。
具体的には、第２メディア５２２に対するデータ記録時に第１メディア５２１から読み出したデータ、あるいは通信部５０３を介して入力したデータを一時的に格納する領域としても利用される。
記憶部５０４は、例えばＲＡＭ、ＲＯＭ等によって構成される。
出力部５０５は、外部装置に対する出力部や、メディアからの再生データの出力部によって構成される。例えば、第２メディア５２２に対するデータ記録処理の進行状況の表示、ユーザに対するメッセージ表示などに利用され、ディスプレイやスピーカ等を含む。

第１メディアインタフェース（ＩＦ）５０６は、例えばＢＤ（Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ）等の第１メディア５２１に対するアクセスを行い、第１メディア５２１に対するデータ記録やデータ読み取りを行なうデータ記録再生部として機能するインタフェースである。

データバッファ５０７は、第１メディア５２１からの読み出しデータや、通信部５０３から入力するデータを一時的に格納するバッファである。例えば第２メディア５２２に記録するデータを一時的に格納する。

コピー制御情報確認部５０８は、第１メディア５２１に記録されたデータのコピー処理において参照すべきコピー制御情報の確認処理を実行する。
コピー制御情報は、ストリームファイルの構成パケット各々に設定された追加ヘッダ、または利用制御情報ファイルから読み取る。

第１メディア５２１に記録されたストリームファイルは、ＭＭＴＰパケット列、またはＴＬＶパケット列によって構成されたデータである。
コピー制御情報は、これらのパケット各々の前段に設定された追加ヘッダ（ＭＭＴＰパケット追加ヘッダ、またはＴＬＶパケット追加ヘッダ）、または、利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）に記録されている。

コピー制御情報確認部５０８は、追加ヘッダ、または利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）のいずれかを参照してコピー処理が許容されるか否かを判定する。
コピー処理が許容されない場合は、コピーを行わず、コピーが許容される場合は、コピーを実行する。
なお、このコピー許容判定は、例えばパケット単位で行うことができる。

コピー記録データ生成部５０９は、コピー制御情報確認部５０８においてコピーが許容されると判定されたデータについてのコピー記録データを生成する。
なお、このコピー記録データ生成処理には、例えば、第２メディア５２２対応のフォーマットへの変換処理や、暗号化処理等も含まれる。

第２メディアインタフェース（ＩＦ）５１０は、第２メディア５２２に対するアクセスを行い、第２メディア５２２に対するデータ記録あるいは読み取り処理を行なうデータ記録再生部として機能するインタフェースである。

このように、情報処理装置５００は、第１メディア５２１、あるいは通信部５０３を介して入力するデータを第２メディア５２２に記録する処理を行なう。
この処理の際に、追加ヘッダ、または利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）のいずれかを参照してコピー処理が許容されるか否かを判定し、さらに、コピー制御情報に記録された制御情報に従ったコピー処理を実行する。
さらに、コピー処理の実行に伴い、コピー制御情報の更新が必要な場合は、更新処理を実行して、更新後のコピー制御情報を第２メディア５２２に記録する。

なお、情報処理装置５００は、第１メディア５２１から第２メディア５２２に対するコピー処理の許可情報を外部のサーバから通信部５０３を介して取得し、この許可情報の取得を条件としたコピー処理を行う構成としてもよい。

次に、図４５に示す情報処理装置５００が実行する第１メディア５２１から第２メディア５２２に対するデータコピー処理のシーケンスについて、図４６、図４７に示すフローチャートを参照して説明する。
図４６は、コピー制御情報がＭＭＴＰパケット追加ヘッダ、またはＴＬＶパケット追加ヘッダに記録されている場合のコピー処理のシーケンスを説明するフローチャートである。
図４７は、コピー制御情報が利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）に記録されている場合のコピー処理のシーケンスを説明するフローチャートである。

まず、図４６を参照して、コピー制御情報がＭＭＴＰパケット追加ヘッダ、またはＴＬＶパケット追加ヘッダに記録されている場合のコピー処理のシーケンスについて説明する。
図４６に示すフローに従った処理は、例えば情報処理装置５００の記憶部に格納されたプログラムに従って、プログラム実行機能を有するＣＰＵを備えたデータ処理部（制御部）の制御の下で実行することができる。
以下、図４６のフローに示す各ステップの処理について、順次、説明する。

（ステップＳ２０１）
まず、情報処理装置５００は、ステップＳ２０１において、例えばユーザの入力したコピーデータ指定情報に従い、指定されたコピー対象のストリームファイル、および、このストリームファイルに対応付けられたプレイリストファイルやクリップ情報ファイル等のコピー対象データを第１メディア５２１から読み取る。

（ステップＳ２０２）
次に、情報処理装置５００は、ステップＳ２０２において、取得したストリームファイルの構成パケット（ＭＭＴＰパケットまたはＴＬＶパケット）を順次、選択する。

（ステップＳ２０３）
次に、情報処理装置５００は、ステップＳ２０３において、選択したパケットの前段に設定された追加ヘッダから、コピー制御情報を読み取る。

（ステップＳ２０４）
次に、情報処理装置５００は、ステップＳ２０４において、選択パケットの追加ヘッダに記録されたコピー制御情報が、選択パケットのコピーを許容しているか否かを判定する。
許容していない場合は、ステップＳ２０５に進む。
許容している場合は、ステップＳ２０６に進む。

（ステップＳ２０５）
ステップＳ２０４において、選択パケットの追加ヘッダに記録されたコピー制御情報に基づいて、選択パケットのコピーが許容されないと判定した場合は、ステップＳ２０５に進み、情報処理装置５００は、選択パケットをコピー対象から排除し、ステップＳ２０７に進む。

（ステップＳ２０６）
一方、ステップＳ２０４において、選択パケットの追加ヘッダに記録されたコピー制御情報に基づいて、選択パケットのコピーが許容されると判定した場合は、ステップＳ２０６に進み、情報処理装置５００は、選択パケットをコピー対象として設定し、さらに、必要に応じて、追加ヘッダのコピー制御情報を更新して、ステップＳ２０７に進む。

コピー制御情報の更新処理は、例えば、元のコピー制御情報が「１回のみコピー許容」である場合、このコピー処理によって許容コピー数が上限に達するので、「コピー禁止」に書き換える処理等である。

（ステップＳ２０７）
情報処理装置はステップＳ２０７において、未処理パケットがあるか否かを判定し、未処理パケットがある場合は、ステップＳ２０２に戻り、次のパケットを選択してステップＳ２０２～Ｓ２０６の処理を繰り返す。
ステップＳ２０７において、未処理パケットが無いと判定するとステップＳ２０８に進む。

（ステップＳ２０８）
情報処理装置は、ステップＳ２０８において、コピー許容パケットから構成されるストリームファイルを、第２メディアにコピーし、さらに、その他、データベースファイル等のコピー処理を実行する。このコピー処理は、コピー制御情報に従ったコピー処理として実行する。

なお、コピー制御情報は、追加ヘッダに記録されたデータであり、例えば、先に図１８や、図２１～図２４を参照して説明した以下のデータである。
（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）
（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）
（Ｄ）暗号化フラグ（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｆｌａｇ）

（Ａ）デジタル記録制御情報（ｄｉｇｉｔａｌ＿ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ＿ｃｏｎｔｒｏｌ＿ｄａｔａ）は、図１８に示すように、
デジタル記録可（設定ビット値＝００）、
デジタル記録不可（１１）、
１世代のみデジタル記録可（１０）、
これらのいずれかの設定を持つ。

（Ｂ）暗号化情報（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）は、図１８に示すように、
出力コピーデータの暗号化必要（０）、
出力コピーデータの暗号化不要（１）、
これらのいずれかの設定を持つ。

（Ｃ）コピー数制限情報（ｃｏｐｙ＿ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｏｎ＿ｍｏｄｅ）は、図１８に示すように、
コピー数制限あり（１）
コピー数制限なし（０）
これらのいずれかの設定を持つ。

（Ｄ）暗号化フラグ（ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ＿ｆｌａｇ）は、先に図２３、図２４を参照して説明したように、
暗号化フラグ＝００の場合は、パケット格納データが非暗号化データ（＝平文データ）であることを意味する。
暗号化フラグ＝１１の場合は、パケット格納データが暗号化データであることを意味する。
暗号化フラグに基づいて、コピー対象データに対する復号処理や、再暗号化処理の要否をパケット単位で即座に判定することが可能となる。

次に、図４７を参照して、コピー制御情報が利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）に記録されている場合のコピー処理のシーケンスについて説明する。
図４７に示すフローに従った処理は、例えば情報処理装置５００の記憶部に格納されたプログラムに従って、プログラム実行機能を有するＣＰＵを備えたデータ処理部（制御部）の制御の下で実行することができる。
以下、図４７のフローに示す各ステップの処理について、順次、説明する。

（ステップＳ２５１）
まず、情報処理装置５００は、ステップＳ２５１において、例えばユーザの入力したコピーデータ指定情報に従い、指定されたコピー対象のストリームファイル、および、このストリームファイルに対応付けられたプレイリストファイルやクリップ情報ファイル等のコピー対象データを第１メディア５２１から読み取る。

（ステップＳ２５２）
次に、情報処理装置５００は、ステップＳ２５２において、取得したストリームファイルに対応する利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）を取得する。

（ステップＳ２５３）
次に、情報処理装置５００は、ステップＳ２５３において、取得した利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）から、コピー制御情報を読み取る。

（ステップＳ２５４）
次に、情報処理装置５００は、ステップＳ２５４において、利用制御情報ファイルの記録情報に従ってコピー処理を実行し、必要に応じて利用制御情報に記録されたコピー制御情報を更新する。
コピー制御情報の更新処理は、例えば、元のコピー制御情報が「１回のみコピー許容」である場合、このコピー処理によって許容コピー数が上限に達するので、「コピー禁止」に書き換える処理等である。

［１３．情報処理装置の構成例について］
次に、情報記録媒体に対するデータ記録、情報記録媒体館のデータコピー処理を実行する情報処理装置として適用可能な情報処理装置のハードウェア構成例について、図４８を参照して説明する。

ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）６０１は、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）６０２、または記憶部６０８に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行するデータ処理部として機能する。例えば、上述した実施例において説明したシーケンスに従った処理を実行する。ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）６０３には、ＣＰＵ６０１が実行するプログラムやデータなどが記憶される。これらのＣＰＵ６０１、ＲＯＭ６０２、およびＲＡＭ６０３は、バス６０４により相互に接続されている。

ＣＰＵ６０１はバス６０４を介して入出力インタフェース６０５に接続され、入出力インタフェース６０５には、各種スイッチ、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部６０６、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部６０７が接続されている。ＣＰＵ６０１は、入力部６０６から入力される指令に対応して各種の処理を実行し、処理結果を例えば出力部６０７に出力する。

入出力インタフェース６０５に接続されている記憶部６０８は、例えばハードディスク等からなり、ＣＰＵ６０１が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部６０９は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介したデータ通信の送受信部、さらに放送波の送受信部として機能し、外部の装置と通信する。

入出力インタフェース６０５に接続されているドライブ６１０は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいはメモリカード等の半導体メモリなどのリムーバブルメディア６１１を駆動し、データの記録あるいは読み取りを実行する。

［１４．本開示の構成のまとめ］
以上、特定の実施例を参照しながら、本開示の実施例について詳解してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。

なお、本明細書において開示した技術は、以下のような構成をとることができる。
（１） コピー制御情報の設定されたＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを入力し、情報記録媒体に対するデータ記録フォーマットであるＢＤＡＶフォーマット、またはＳＰＡＶフォーマットに従った記録データを生成するデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、前記記録データとして、
（ａ）前記ＭＭＴフォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
（ｂ）入力データに含まれるＭＭＴフォーマットデータ対応のコピー制御情報を反映した前記ストリームファイル対応のコピー制御情報、
を生成する情報処理装置。

（２） 前記データ処理部は、
前記ストリームファイルをＭＭＴＰ（ＭＭＴ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）パケット列、またはＴＬＶ（Ｔｙｐｅ Ｌｅｎｇｔｈ Ｖａｌｕｅ）パケット列として生成し、
前記ストリームファイルを構成するパケット各々のコピー制御情報を、各パケット対応の追加ヘッダに格納する（１）に記載の情報処理装置。

（３）前記データ処理部は、
前記ストリームファイルをＭＭＴＰ（ＭＭＴ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）パケット列、またはＴＬＶ（Ｔｙｐｅ Ｌｅｎｇｔｈ Ｖａｌｕｅ）パケット列として生成し、
前記ストリームファイルを構成するパケットのコピー制御情報を、複数パケット単位の追加ヘッダ、または、固定データ長単位の追加ヘッダ、または可変データ長単位の追加ヘッダのいずれかに格納する（１）に記載の情報処理装置。

（４） 前記データ処理部は、
前記ストリームファイル対応のコピー制御情報を格納した利用制御情報ファイルを生成する（１）に記載の情報処理装置。

（５） 前記データ処理部は、
前記利用制御情報ファイルに、前記情報記録媒体に記録するパケット列によって構成される暗号化処理単位であるブロック単位の暗号鍵生成用のシード情報を記録する（４）に記載の情報処理装置。

（６） 前記ストリームファイル対応のコピー制御情報は、
（Ａ）デジタル記録の許容情報を示すデジタル記録制御情報、
（Ｂ）出力コピーデータの暗号化要否情報を示す暗号化情報、
（Ｃ）コピー許容数を示すコピー数制限情報、
上記（Ａ）～（Ｃ）の少なくともいずれかの情報を含む（１）～（５）いずれかに記載の情報処理装置。

（７） 前記ストリームファイル対応のコピー制御情報は、
（Ｄ）パケット格納データが暗号化データであるか否かを示す暗号化フラグ、
を含む（１）～（６）いずれかに記載の情報処理装置。

（８） 前記データ処理部は、
前記ストリームファイルをＭＭＴＰパケット、またはＴＬＶパケットのパケット列として生成し、
前記ストリームファイルを構成するパケット各々のコピー制御情報を、各パケット対応の追加ヘッダに格納し、
前記ストリームファイルを構成するパケット各々を、各パケットの追加ヘッダの構成データに基づいて生成した暗号鍵で暗号化する（１）～（７）いずれかに記載の情報処理装置。

（９） 第１メディアの記録データを、第２メディアにコピーするデータ処理部を有し、
前記第１メディアは、
ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
前記ストリームファイル対応のコピー制御情報を記録したメディアであり、
前記データ処理部は、
前記コピー制御情報を参照して、参照情報に従って前記ストリームファイルのコピー制御を実行する情報処理装置。

（１０） 前記第１メディアは、
前記ストリームファイルをＭＭＴＰ（ＭＭＴ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）パケット列、またはＴＬＶ（Ｔｙｐｅ Ｌｅｎｇｔｈ Ｖａｌｕｅ）パケット列として記録し、
前記ストリームファイルを構成するパケット各々のコピー制御情報を、各パケット対応の追加ヘッダに記録した構成であり、
前記データ処理部は、
前記ストリームファイルを構成するパケット各々に設定された追加ヘッダから、各パケットのコピー制御情報を取得して、取得情報に従って各パケット単位のコピー制御を実行する（９）に記載の情報処理装置。

（１１） 前記第１メディアは、
前記ストリームファイルをＭＭＴＰ（ＭＭＴ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）パケット列、またはＴＬＶ（Ｔｙｐｅ Ｌｅｎｇｔｈ Ｖａｌｕｅ）パケット列として記録し、
前記ストリームファイルを構成するパケットのコピー制御情報を、複数パケット単位の追加ヘッダ、または、固定データ長単位の追加ヘッダ、または可変データ長単位の追加ヘッダのいずれかに記録した構成であり、
前記データ処理部は、
前記追加ヘッダから、コピー制御情報を取得して、取得情報に従って追加ヘッダに後続するデータのコピー制御を実行する（９）に記載の情報処理装置。

（１２） 前記第１メディアは、
前記ストリームファイルをＭＭＴＰパケット列、またはＴＬＶパケット列として記録し、
前記ストリームファイル対応のコピー制御情報を、利用制御情報ファイルに記録した構成であり、
前記データ処理部は、
前記利用制御情報ファイルから、前記ストリームファイルのコピー制御情報を取得して、取得情報に従ってコピー制御を実行する（９）に記載の情報処理装置。

（１３） 前記ストリームファイル対応のコピー制御情報は、
（Ａ）デジタル記録の許容情報を示すデジタル記録制御情報、
（Ｂ）出力コピーデータの暗号化要否情報を示す暗号化情報、
（Ｃ）コピー許容数を示すコピー数制限情報、
上記（Ａ）～（Ｃ）の少なくともいずれかの情報を含み、
前記データ処理部は、
上記（Ａ）～（Ｃ）の各情報に従ったコピー制御を行う（９）～（１２）いずれかに記載の情報処理装置。

（１４） 前記ストリームファイル対応のコピー制御情報は、
（Ｄ）パケット格納データが暗号化データであるか否かを示す暗号化フラグ、
を含み、
前記データ処理部は、
前記暗号化フラグを参照して、パケット格納データが暗号化データであるか否かを判定する（９）～（１３）いずれかに記載の情報処理装置。

（１５） 前記データ処理部は、
コピー処理の実行に際して、前記第１メディアに記録されたコピー制御情報を更新して、前記第２メディアに記録する（９）～（１４）いずれかに記載の情報処理装置。

（１６） 前記データ処理部は、
コピー処理の実行に際して、
前記第１メディアの記録データから取得したシード情報を適用して、暗号化処理単位の暗号鍵を生成して、生成した暗号鍵を適用した暗号化処理を、前記暗号化処理単位で実行して、前記第２メディアに記録する（９）～（１５）いずれかに記載の情報処理装置。

（１７） 前記シード情報は、
各パケット対応の追加ヘッダ、または、複数パケット単位の追加ヘッダ、または、固定データ長単位の追加ヘッダ、または可変データ長単位の追加ヘッダの構成データ、
または、利用制御情報ファイルの記録データである（１６）に記載の情報処理装置。

（１８） ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを格納したＭＭＴＰパケット列、またはＴＬＶパケット列によって構成されるストリームファイルと、
ＭＭＴＰパケット、またはＴＬＶパケット単位のコピー制御情報を各パケットの追加ヘッダ中に記録した構成を有する情報記録媒体であり、
前記情報記録媒体の記録データのコピー処理を実行する情報処理装置が、前記ストリームファイルを構成するパケット単位で、コピー制御を実行可能とした記録データを有する情報記録媒体。

（１９） 情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
前記情報処理装置は、
コピー制御情報の設定されたＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを入力し、情報記録媒体に対するデータ記録フォーマットであるＢＤＡＶフォーマット、またはＳＰＡＶフォーマットに従った記録データを生成するデータ処理部を有し、
前記データ処理部が、前記記録データとして、
（ａ）前記ＭＭＴフォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
（ｂ）入力データに含まれるＭＭＴフォーマットデータ対応のコピー制御情報を反映した前記ストリームファイル対応のコピー制御情報、
を生成する情報処理方法。

（２０） 情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
前記情報処理装置は、
第１メディアの記録データを、第２メディアにコピーするデータ処理部を有し、
前記第１メディアは、
ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
前記ストリームファイル対応のコピー制御情報を記録したメディアであり、
前記データ処理部が、
前記コピー制御情報を参照して、参照情報に従って前記ストリームファイルのコピー制御を実行する情報処理方法。

（２１） 情報処理装置において情報処理を実行させるプログラムであり、
前記情報処理装置は、
コピー制御情報の設定されたＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを入力し、情報記録媒体に対するデータ記録フォーマットであるＢＤＡＶフォーマット、またはＳＰＡＶフォーマットに従った記録データを生成するデータ処理部を有し、
前記プログラムは、前記データ処理部に、
前記記録データとして、
（ａ）前記ＭＭＴフォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
（ｂ）入力データに含まれるＭＭＴフォーマットデータ対応のコピー制御情報を反映した前記ストリームファイル対応のコピー制御情報、
を生成させるプログラム。

（２２） 情報処理装置において情報処理を実行させるプログラムであり、
前記情報処理装置は、
第１メディアの記録データを、第２メディアにコピーするデータ処理部を有し、
前記第１メディアは、
ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
前記ストリームファイル対応のコピー制御情報を記録したメディアであり、
前記プログラムは、前記データ処理部に、
前記コピー制御情報を参照して、参照情報に従って前記ストリームファイルのコピー制御を実行させるプログラム。

また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。

なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。

以上、説明したように、本開示の一実施例の構成によれば、ＭＭＴフォーマットデータをＢＤＡＶフォーマットとしてメディアに記録し、元のコピー制御情報に従ったコピー制御を可能とする構成が実現される。
具体的には、コピー制御情報の設定されたＭＭＴフォーマットデータを入力し、情報記録媒体にＢＤＡＶフォーマットとして記録する。記録データとして、（ａ）ＭＭＴフォーマットデータを格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、（ｂ）ＭＭＴフォーマットデータ対応のコピー制御情報を反映させたストリームファイル対応のコピー制御情報をストリームファイル構成パケットの追加ヘッダ、または別ファイルとして生成して記録する。
ＭＭＴフォーマットデータをＢＤＡＶまたはＳＰＡＶフォーマットデータとしてメディアに記録して再生可能とする構成が実現される。
本構成により、ＭＭＴフォーマットデータをＢＤＡＶフォーマットとしてメディアに記録し、元のコピー制御情報に従ったコピー制御を可能とする構成が実現される。

２０ 送信装置
２１ 放送サーバ
２２ データ配信サーバ
３０ 情報処理装置
３１ 記録再生装置
３２ ＴＶ
３３ ＰＣ
３４ 携帯端末
４０ 情報記録媒体（メディア）
４１ ＢＤ
４２ ＨＤＤ
４３ フラッシュメモリ
２８０ 利用制御情報ファイル（Ｕｓａｇｅ Ｆｉｌｅ）
４００ 情報処理装置
４０１ データ入力部
４０２ ユーザ入力部
４０３ 制御部
４０４ 記憶部
４０５ デマルチプレクサ
４０６ 記録データ生成部
４０７ 記録部
４０８ ドライブ
４１１ 字幕データ生成部
４１２ 画像データ生成部
４１３ 音声データ生成部
４１４ 補助情報生成部
４１５ マルチプレクサ
４１６ データベースファイル生成部
４２０ 情報記録媒体
４５１ データ解析部
４５２ 追加ヘッダ生成部
４５３ ストリームファイル記録用制御情報生成部
４５４ データベースファイル記録用データ生成部
４５５ 利用制御情報ファイル記録用データ生成部
４６１ 利用制御情報ファイル生成部
５００ 情報処理装置
５０１ 制御部
５０２ 入力部
５０３ 通信部
５０４ 記憶部
５０５ 出力部
５０６ 第１メディアＩＦ
５０７ データバッファ
５０８ コピー制御情報確認部
５０９ コピー記録データ生成部
５１０ 第２メディアＩＦ
５２１ 第１メディア
５２２ 第２メディア
６０１ ＣＰＵ
６０２ ＲＯＭ
６０３ ＲＡＭ
６０４ バス
６０５ 入出力インタフェース
６０６ 入力部
６０７ 出力部
６０８ 記憶部
６０９ 通信部
６１０ ドライブ
６１１ リムーバブルメディア

Claims (22)

1. コピー制御情報の設定されたＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを入力し、情報記録媒体に対するデータ記録フォーマットであるＢＤＡＶフォーマット、またはＳＰＡＶフォーマットに従った記録データを生成するデータ処理部を有し、
   前記データ処理部は、前記記録データとして、
   （ａ）前記ＭＭＴフォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
   （ｂ）入力データに含まれるＭＭＴフォーマットデータ対応のコピー制御情報を反映した前記ストリームファイル対応のコピー制御情報、
   を生成する情報処理装置。
2. 前記データ処理部は、
   前記ストリームファイルをＭＭＴＰ（ＭＭＴ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）パケット列、またはＴＬＶ（Ｔｙｐｅ Ｌｅｎｇｔｈ Ｖａｌｕｅ）パケット列として生成し、
   前記ストリームファイルを構成するパケット各々のコピー制御情報を、各パケット対応の追加ヘッダに格納する請求項１に記載の情報処理装置。
3. 前記データ処理部は、
   前記ストリームファイルをＭＭＴＰ（ＭＭＴ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）パケット列、またはＴＬＶ（Ｔｙｐｅ Ｌｅｎｇｔｈ Ｖａｌｕｅ）パケット列として生成し、
   前記ストリームファイルを構成するパケットのコピー制御情報を、複数パケット単位の追加ヘッダ、または、固定データ長単位の追加ヘッダ、または可変データ長単位の追加ヘッダのいずれかに格納する請求項１に記載の情報処理装置。
4. 前記データ処理部は、
   前記ストリームファイル対応のコピー制御情報を格納した利用制御情報ファイルを生成する請求項１に記載の情報処理装置。
5. 前記データ処理部は、
   前記利用制御情報ファイルに、前記情報記録媒体に記録するパケット列によって構成される暗号化処理単位であるブロック単位の暗号鍵生成用のシード情報を記録する請求項４に記載の情報処理装置。
6. 前記ストリームファイル対応のコピー制御情報は、
   （Ａ）デジタル記録の許容情報を示すデジタル記録制御情報、
   （Ｂ）出力コピーデータの暗号化要否情報を示す暗号化情報、
   （Ｃ）コピー許容数を示すコピー数制限情報、
   上記（Ａ）～（Ｃ）の少なくともいずれかの情報を含む請求項１に記載の情報処理装置。
7. 前記ストリームファイル対応のコピー制御情報は、
   （Ｄ）パケット格納データが暗号化データであるか否かを示す暗号化フラグ、
   を含む請求項１に記載の情報処理装置。
8. 前記データ処理部は、
   前記ストリームファイルをＭＭＴＰパケット、またはＴＬＶパケットのパケット列として生成し、
   前記ストリームファイルを構成するパケット各々のコピー制御情報を、各パケット対応の追加ヘッダに格納し、
   前記ストリームファイルを構成するパケット各々を、各パケットの追加ヘッダの構成データに基づいて生成した暗号鍵で暗号化する請求項１に記載の情報処理装置。
9. 第１メディアの記録データを、第２メディアにコピーするデータ処理部を有し、
   前記第１メディアは、
   ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
   前記ストリームファイル対応のコピー制御情報を記録したメディアであり、
   前記データ処理部は、
   前記コピー制御情報を参照して、参照情報に従って前記ストリームファイルのコピー制御を実行する情報処理装置。
10. 前記第１メディアは、
    前記ストリームファイルをＭＭＴＰ（ＭＭＴ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）パケット列、またはＴＬＶ（Ｔｙｐｅ Ｌｅｎｇｔｈ Ｖａｌｕｅ）パケット列として記録し、
    前記ストリームファイルを構成するパケット各々のコピー制御情報を、各パケット対応の追加ヘッダに記録した構成であり、
    前記データ処理部は、
    前記ストリームファイルを構成するパケット各々に設定された追加ヘッダから、各パケットのコピー制御情報を取得して、取得情報に従って各パケット単位のコピー制御を実行する請求項９に記載の情報処理装置。
11. 前記第１メディアは、
    前記ストリームファイルをＭＭＴＰ（ＭＭＴ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）パケット列、またはＴＬＶ（Ｔｙｐｅ Ｌｅｎｇｔｈ Ｖａｌｕｅ）パケット列として記録し、
    前記ストリームファイルを構成するパケットのコピー制御情報を、複数パケット単位の追加ヘッダ、または、固定データ長単位の追加ヘッダ、または可変データ長単位の追加ヘッダのいずれかに記録した構成であり、
    前記データ処理部は、
    前記追加ヘッダから、コピー制御情報を取得して、取得情報に従って追加ヘッダに後続するデータのコピー制御を実行する請求項９に記載の情報処理装置。
12. 前記第１メディアは、
    前記ストリームファイルをＭＭＴＰパケット列、またはＴＬＶパケット列として記録し、
    前記ストリームファイル対応のコピー制御情報を、利用制御情報ファイルに記録した構成であり、
    前記データ処理部は、
    前記利用制御情報ファイルから、前記ストリームファイルのコピー制御情報を取得して、取得情報に従ってコピー制御を実行する請求項９に記載の情報処理装置。
13. 前記ストリームファイル対応のコピー制御情報は、
    （Ａ）デジタル記録の許容情報を示すデジタル記録制御情報、
    （Ｂ）出力コピーデータの暗号化要否情報を示す暗号化情報、
    （Ｃ）コピー許容数を示すコピー数制限情報、
    上記（Ａ）～（Ｃ）の少なくともいずれかの情報を含み、
    前記データ処理部は、
    上記（Ａ）～（Ｃ）の各情報に従ったコピー制御を行う請求項９に記載の情報処理装置。
14. 前記ストリームファイル対応のコピー制御情報は、
    （Ｄ）パケット格納データが暗号化データであるか否かを示す暗号化フラグ、
    を含み、
    前記データ処理部は、
    前記暗号化フラグを参照して、パケット格納データが暗号化データであるか否かを判定する請求項９に記載の情報処理装置。
15. 前記データ処理部は、
    コピー処理の実行に際して、前記第１メディアに記録されたコピー制御情報を更新して、前記第２メディアに記録する請求項９に記載の情報処理装置。
16. 前記データ処理部は、
    コピー処理の実行に際して、
    前記第１メディアの記録データから取得したシード情報を適用して、暗号化処理単位の暗号鍵を生成して、生成した暗号鍵を適用した暗号化処理を、前記暗号化処理単位で実行して、前記第２メディアに記録する請求項９に記載の情報処理装置。
17. 前記シード情報は、
    各パケット対応の追加ヘッダ、または、複数パケット単位の追加ヘッダ、または、固定データ長単位の追加ヘッダ、または可変データ長単位の追加ヘッダの構成データ、
    または、利用制御情報ファイルの記録データである請求項１６に記載の情報処理装置。
18. ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを格納したＭＭＴＰパケット列、またはＴＬＶパケット列によって構成されるストリームファイルと、
    ＭＭＴＰパケット、またはＴＬＶパケット単位のコピー制御情報を各パケットの追加ヘッダ中に記録した構成を有する情報記録媒体であり、
    前記情報記録媒体の記録データのコピー処理を実行する情報処理装置が、前記ストリームファイルを構成するパケット単位で、コピー制御を実行可能とした記録データを有する情報記録媒体。
19. 情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
    前記情報処理装置は、
    コピー制御情報の設定されたＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを入力し、情報記録媒体に対するデータ記録フォーマットであるＢＤＡＶフォーマット、またはＳＰＡＶフォーマットに従った記録データを生成するデータ処理部を有し、
    前記データ処理部が、前記記録データとして、
    （ａ）前記ＭＭＴフォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
    （ｂ）入力データに含まれるＭＭＴフォーマットデータ対応のコピー制御情報を反映した前記ストリームファイル対応のコピー制御情報、
    を生成する情報処理方法。
20. 情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
    前記情報処理装置は、
    第１メディアの記録データを、第２メディアにコピーするデータ処理部を有し、
    前記第１メディアは、
    ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
    前記ストリームファイル対応のコピー制御情報を記録したメディアであり、
    前記データ処理部が、
    前記コピー制御情報を参照して、参照情報に従って前記ストリームファイルのコピー制御を実行する情報処理方法。
21. 情報処理装置において情報処理を実行させるプログラムであり、
    前記情報処理装置は、
    コピー制御情報の設定されたＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを入力し、情報記録媒体に対するデータ記録フォーマットであるＢＤＡＶフォーマット、またはＳＰＡＶフォーマットに従った記録データを生成するデータ処理部を有し、
    前記プログラムは、前記データ処理部に、
    前記記録データとして、
    （ａ）前記ＭＭＴフォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
    （ｂ）入力データに含まれるＭＭＴフォーマットデータ対応のコピー制御情報を反映した前記ストリームファイル対応のコピー制御情報、
    を生成させるプログラム。
22. 情報処理装置において情報処理を実行させるプログラムであり、
    前記情報処理装置は、
    第１メディアの記録データを、第２メディアにコピーするデータ処理部を有し、
    前記第１メディアは、
    ＭＭＴ（ＭＰＥＧ Ｍｅｄｉａ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ）フォーマットデータを再生データとして格納したパケット列から構成されるストリームファイルと、
    前記ストリームファイル対応のコピー制御情報を記録したメディアであり、
    前記プログラムは、前記データ処理部に、
    前記コピー制御情報を参照して、参照情報に従って前記ストリームファイルのコピー制御を実行させるプログラム。

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