以下、本発明の一実施形態による情報処理システム、情報処理装置、及び情報処理方法について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態による情報処理システム1の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10と、サーバ装置20とを備える。また、情報処理装置10と、サーバ装置20とは、ネットワークNW1を介して、接続可能である。なお、本実施形態では、情報処理システム1及び情報処理装置10を使用するユーザをユーザU1として説明する。
サーバ装置20は、例えば、ウェブサイトを実現するウェブサーバであり、例えば、ネットワークNW1を介して接続された情報処理装置10(ユーザU1)の正当性を判定する認証処理を実行する。サーバ装置20は、NW(ネットワーク)通信部21と、サーバ記憶部22と、サーバ制御部23とを備える。
NW通信部21は、ネットワークNW1に接続し、ネットワークNW1を介して、各種通信を行う。NW通信部21は、例えば、情報処理装置10からのユーザID及びパスワードやOTP(One Time Password)の受信や、電子メールやSMS(Short Message Service)によるOTP及びチェック情報のユーザU1(情報処理装置10)への送信などに利用される。
サーバ記憶部22は、サーバ装置20が利用する各種情報を記憶する。サーバ記憶部22は、例えば、ユーザ情報記憶部221と、OTP記憶部222とを備える。
ユーザ情報記憶部221は、サーバ装置20に登録されているユーザU1に関する情報であるユーザ情報を記憶する。ここで、ユーザ情報には、例えば、ユーザU1を識別する識別情報であるユーザIDやパスワードなどが含まれる。ここで、図2を参照して、ユーザ情報記憶部221のデータ例について説明する。
図2は、本実施形態におけるユーザ情報記憶部221のデータ例を示す図である。
図2に示すように、ユーザ情報記憶部221は、ユーザIDと、パスワードと、メールアドレスと、携帯電話番号とを対応付けて記憶する。
ここで、ユーザID及びパスワードは、予め登録されており、ユーザU1のパスワード認証の際に利用される。なお、ユーザID及びパスワードは、二段階認証の1段階目の認証に使用される第1認証情報の一例である。
また、メールアドレスは、ユーザU1の電子メールアドレスであり、携帯電話番号は、ユーザU1が保有する携帯電話の携帯電話番号である。電子メールアドレスは、二段階認証の2段階目の認証において、チェック情報及びOTPを送付する際のユーザ宛先情報として使用される。
例えば、図2に示す例では、ユーザIDが“U0001”であるユーザU1のパスワードが“12345678”であり、メールアドレスが“abcd@efgh.com”であることを示している。また、このユーザU1の携帯電話番号が“080-XXX-XXXX”であることを示している。
図1の説明に戻り、OTP記憶部222は、後述するOTP生成部234が生成したOTPを記憶する。ここで、図3を参照して、OTP記憶部222のデータ例について説明する。
図3は、本実施形態におけるOTP記憶部222のデータ例を示す図である。
図3に示すように、OTP記憶部222は、ユーザIDと、OTPとを対応付けて記憶する。なお、OTPは、二段階認証の2段階目の認証に使用される第2認証情報の一例である。
例えば、図3に示す例では、ユーザIDが“U0001”に対応するOTPが“XXXXXXXX”であることを示している。
再び、図1の説明に戻り、サーバ制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサであり、サーバ装置20を統括的に制御する。サーバ制御部23は、情報処理装置10に対して、各種取引処理、及びサービスを提供するウェブサイトを実現するとともに、ユーザU1(情報処理装置10)の認証処理を実行する。サーバ制御部23は、例えば、ウェブ処理部231と、認証処理部232と、チェック情報生成部233と、OTP生成部234とを備える。
ウェブ処理部231は、URL(Uniform Resource Locator)に基づいて接続された情報処理装置10に対して、ウェブサービスを提供する処理を実行する。
認証処理部232は、ユーザU1が所有する情報処理装置10に対する認証処理を実行する。認証処理部232は、例えば、ユーザID及びパスワードによる認証処理と、OTPによる認証処理とによる二段階認証の処理を実行する。
認証処理部232は、ユーザID及びパスワードによる認証処理を実行する場合に、NW通信部21を介して取得したユーザID及びパスワードの組と、ユーザ情報記憶部221が記憶しているユーザID及びパスワードの組とが一致するか否かを判定する。なお、認証処理部232は、ネットワークNW1を介した伝送経路RT1(第1伝送経路)により、ユーザID及びパスワードの組を取得する。認証処理部232は、取得したユーザID及びパスワードの組と、記憶しているユーザID及びパスワードの組とが一致しない場合に、ユーザU1及び情報処理装置10が正当でない不正アクセスであると判定する。
また、認証処理部232は、取得したユーザID及びパスワードの組と、記憶しているユーザID及びパスワードの組とが一致した場合に、OTPによる認証処理を実行する。認証処理部232は、OTPによる認証処理において、まず、後述するOTP生成部234が生成したOTPを取得し、当該OTPと、ユーザIDとを対応付けて、OTP記憶部222に記憶させる。また、認証処理部232は、後述するチェック情報生成部233が生成したチェック情報を取得し、当該チェック情報とOTPとを、上述した伝送経路RT1(第1伝送経路)とは異なる伝送経路RT2(第2伝送経路)によりユーザU1が所有する情報処理装置10に送信する。
認証処理部232は、例えば、ユーザID及びパスワードによる認証処理を実行したユーザIDに対応するユーザ宛先情報(メールアドレス、又は携帯電話番号)をユーザ情報記憶部221から取得し、当該ユーザ宛先情報に基づく伝送経路RT2(第2伝送経路)によりユーザU1が所有する情報処理装置10に、チェック情報及びOTPを送信する。具体的には、認証処理部232は、例えば、ユーザU1のメールアドレス宛に、チェック情報及びOTPを含む電子メールを送信する。また、認証処理部232は、例えば、ユーザU1の携帯電話番号宛に、チェック情報及びOTPを含むSMSを送信してもよい。
チェック情報及びOTPを伝送経路RT2により送信した後に、認証処理部232は、上述した伝送経路RT1によりNW通信部21を介して情報処理装置10からOTPを取得し、取得した当該OTPと、OTP記憶部222が記憶するOTPとが一致するか否かを判定する。認証処理部232は、取得した当該OTPと、OTP記憶部222が記憶するOTPとが一致する場合に、ユーザU1及び情報処理装置10が正当である(正当なアクセスである)と判定する。また、認証処理部232は、取得した当該OTPと、OTP記憶部222が記憶するOTPとが一致しない場合に、ユーザU1及び情報処理装置10が正当でない不正アクセスであると判定する。
チェック情報生成部233は、ユーザID及びパスワードの送信時刻と、ユーザID及びパスワードの送信元を示す送信元情報と、セッションIDとの少なくともいずれか1つに基づいて、所定の生成処理により、伝送経路RT1の異常を検出するためのチェック情報を生成する。ここで、送信時刻及び送信元情報は、ユーザID及びパスワードを受信する際のパケットに含まれる送信時刻(タイムスタンプ)及び送信元IPアドレスなどである。また、セッションIDは、情報処理装置10とサーバ装置20との間の状態を含む一意性を保証する識別情報であり、送信路の一意性を保証する送信路識別情報の一例である。
所定の生成処理は、例えば、ハッシュ関数(一方向関数)を用いた生成処理であり、チェック情報生成部233は、例えば、送信時刻及び送信元情報をまとめた情報をハッシュ関数により変換して、チェック情報を生成する。チェック情報生成部233は、生成したチェック情報を認証処理部232に供給する。
なお、本実施形態によいて、サーバ装置20が生成したチェック情報を第1チェック情報とし、後述する情報処理装置10が生成したチェック情報を第2チェック情報とする。
また、チェック情報の生成方法である所定の処理は、情報処理装置10とサーバ装置20との間で共有されているものとする。
OTP生成部234は、例えば、乱数値などに基づいて、毎回異なるOTPを生成する。OTP生成部234は、生成したOTPを認証処理部232に供給する。
情報処理装置10は、ユーザU1が所有する装置であり、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末装置、スマートフォンなどである。情報処理装置10は、例えば、サーバ装置20が提供するウェブサービスを利用する際に、認証処理を実行する。情報処理装置10は、NW通信部11と、入力部12と、表示部13と、記憶部14と、制御部15とを備える。なお、本実施形態では、サーバ装置20がユーザU1に提供するサービスをウェブサイトとし、サーバ装置20が提供するウェブサイトを認証処理の対象のウェブサイトである対象ウェブサイトとする。
NW通信部11は、無線LAN(Local Area Network)通信、有線LAN通信、4G(第4世代移動通信システム)などを利用してネットワークNW1に接続し、ネットワークNW1を介して各種通信を行う。NW通信部11は、例えば、ネットワークNW1を介して、サーバ装置20に接続し、サーバ装置20との間で、各種通信を行う。
NW通信部11は、例えば、伝送経路RT1により、サーバ装置20と接続し、ユーザID、パスワード、及びOTPなどをサーバ装置20に送信する。また、NW通信部11は、例えば、伝送経路RT2により、サーバ装置20が生成したOTP及びチェック情報や、サーバ装置20によって実現されるウェブサイトから提供される各種情報を受信する。
入力部12は、例えば、キーボードやタッチパネルなどの入力装置であり、ユーザU1による操作によりユーザU1による各種入力情報を受け付ける。入力部12は、例えば、ユーザID、パスワード、OTPなどの入力を受け付ける。入力部12は、受け付けた各種入力情報を制御部15に出力する。
表示部13(出力部の一例)は、例えば、液晶ディスプレイ装置などであり、各種情報を表示する。表示部13は、例えば、サーバ装置20によって実現されるウェブサイトの種情報や、伝送経路RT1に異常があることを検知した場合の警告などを表示する。
記憶部14は、情報処理装置10が利用する各種情報を記憶する。記憶部14は、例えば、サーバ装置20にユーザID及びパスワードを送信する際に付与された、送信時刻、送信元情報、及びセッションIDを記憶する。
制御部15は、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、情報処理装置10を統括的に制御する。制御部15は、例えば、サーバ装置20の対象ウェブサイトの閲覧及び各種処理を実行するとともに、対象ウェブサイトに対するユーザU1(ユーザU1が所有する情報処理装置10)の認証処理を実行する。制御部15は、例えば、パスワード認証部151と、取得処理部152と、チェック情報生成部153と、OTP認証部154とを備える。
パスワード認証部151(第1認証処理部の一例)は、二段階認証のうちのユーザID及びパスワード(第1認証情報)による1段階目の認証処理を実行する。パスワード認証部151は、予め定められたユーザID及びパスワードを第1認証情報として、対象ウェブサイト宛(サーバ装置20のウェブサイト宛)に送信する。パスワード認証部151は、例えば、入力部12がユーザU1から受け付けたユーザID及びパスワードを、NW通信部11を介して、サーバ装置20のウェブサイト宛に送信する。
また、パスワード認証部151は、ユーザID及びパスワードを送信した際の送信時刻、送信元情報(例えば、送信元IPアドレス)、及びセッションIDを記憶部14に記憶させる。
取得処理部152は、対象ウェブサイトが受信したチェック情報(第1チェック情報)と、OTP(第2認証情報)とを伝送経路RT2(第2伝送経路)により取得する。取得処理部152は、例えば、NW通信部11を介してチェック情報及びOTPを取得する。
なお、伝送経路RT2は、例えば、電子メールのメールサーバや、SMSのメールサーバを経由した経路である。また、伝送経路RT2は、ユーザU1の入力部12の操作による受け付ける経路を含んでもよい。すなわち、取得処理部152は、例えば、電子メール又はSMSのメッセージに含まれるチェック情報及びOTPを自動的に取得するようにしてもよいし、ユーザU1が電子メール又はSMSのメッセージを見て、入力部12の操作により受け付けたものを取得するようにしてもよい。
また、以下の説明において、伝送経路RT2により取得(受信)したチェック情報(第1チェック情報)を受信チェック情報とする。
チェック情報生成部153は、記憶部14が記憶する送信時刻、送信元情報、及びセッションIDの少なくともいずれか1つに基づいて、所定の生成処理により、チェック情報(第2チェック情報)を生成する。チェック情報生成部153は、サーバ装置20と同一の生成方法により、チェック情報を生成する。チェック情報生成部153は、例えば、送信時刻及び送信元情報をまとめた情報をハッシュ関数により変換して、チェック情報を生成する。チェック情報生成部153は、生成したチェック情報をOTP認証部154に供給する。なお、以下の説明において、チェック情報生成部153が生成したチェック情報(第2チェック情報)を生成チェック情報とする。
OTP認証部154(第2認証処理部の一例)は、二段階認証のうちのOTP(第2認証情報)による2段階目の認証処理を実行する。OTP認証部154は、取得処理部152が取得した受信チェック情報と、チェック情報生成部153が生成した生成チェック情報とが一致する場合に、取得処理部152が取得したOTPを伝送経路RT1により対象ウェブサイト宛に送信する。
また、OTP認証部154は、受信チェック情報と、生成チェック情報とが一致しない場合に、OTPの送信を中止し、伝送経路RT1に異常があることを示す警告を出力する。OTP認証部154は、例えば、伝送経路RT1に異常があることを示す警告メッセージを表示部13に表示させる。
次に、図面を参照して、本実施形態による情報処理システム1の動作について説明する。
図4は、本実施形態におけるサーバ装置20の認証処理の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、サーバ装置20は、認証処理の際に、まず、ユーザID及びパスワードを取得する(ステップS101)。サーバ装置20の認証処理部232は、例えば、NW通信部21を介して、伝送経路RT1により、情報処理装置10から受信したユーザID及びパスワードを取得する。
次に、認証処理部232は、ユーザID及びパスワードが登録されているユーザID及びパスワードと一致するか否かを判定する(ステップS102)。すなわち、認証処理部232は、取得したユーザID及びパスワードの組が、ユーザ情報記憶部221が記憶するユーザID及びパスワードの組と一致するか否かを判定する。認証処理部232は、ユーザID及びパスワードが一致する場合(ステップS102:YES)に、処理をステップS103に進める。また、認証処理部232は、ユーザID及びパスワードが一致しない場合(ステップS102:NO)に、処理をステップS109に進める。
ステップS103において、サーバ装置20は、送信時刻及び送信元情報に基づいて、チェック情報を生成する。サーバ装置20のチェック情報生成部233は、例えば、ユーザID及びパスワードを含むパケットに含まれる送信時刻及び送信元情報を取得し、当該送信時刻及び送信元情報をまとめた情報を、ハッシュ関数により変換して、チェック情報を生成する。
次に、サーバ装置20は、OTPを生成し、OTP記憶部222に記憶させる(ステップS104)。すなわち、サーバ装置20のOTP生成部234は、例えば、乱数値などを利用して、OTPを生成する。そして、認証処理部232は、OTP生成部234が生成したOTPを取得し、当該OTPと、ユーザIDとを対応付けて、OTP記憶部222に記憶させる。
次に、認証処理部232は、OTP及びチェック情報を、パスワードとは別の伝送経路RT2でユーザU1宛に送信する(ステップS105)。認証処理部232は、ユーザ情報記憶部221から取得したユーザIDに対応するユーザ宛先情報(例えば、メールアドレスや携帯電話番号)を取得し、ユーザ宛先情報に基づいて、OTP生成部234が生成したOTPと、チェック情報生成部233が生成したチェック情報とを、ユーザU1宛に送信する。例えば、認証処理部232は、電子メール又はSMSにより、OTP及びチェック情報を、NW通信部21を介して、ユーザU1宛に送信する。
次に、認証処理部232は、OTPを取得する(ステップS106)。認証処理部232は、例えば、NW通信部21を介して、伝送経路RT1により、情報処理装置10から受信したOTPを取得する。
次に、認証処理部232は、受信したOTPと、生成したOTPとが一致するか否かを判定する(ステップS107)。認証処理部232は、情報処理装置10からOTPと、OTP記憶部222が記憶する当該ユーザIDに対応するOTPとが一致するか否かを判定する。認証処理部232は、2つのOTPが一致する場合(ステップS107:YES)に、処理をステップS108に進める。また、認証処理部232は、2つのOTPが一致しない場合(ステップS107:NO)に、処理をステップS109に進める。
ステップS108において、認証処理部232は、正当なユーザであると判定する。すなわち、認証処理部232は、ユーザU1及び情報処理装置10が、受信したユーザIDに対応する正当なユーザであると判定し、以降の処理(例えば、取引処理や登録情報の変更などの処理)の実行を許可する。ステップS108の処理後に、認証処理部232は、認証処理を終了する。
また、ステップS109において、認証処理部232は、不正なユーザであると判定する。すなわち、認証処理部232は、ユーザU1及び情報処理装置10が、受信したユーザIDに対応する正当なユーザではなく、不正なユーザであと判定し、以降の処理(例えば、取引処理や登録情報の変更などの処理)の実行を禁止する。ステップS109の処理後に、認証処理部232は、認証処理を終了する。
このように、サーバ装置20は、情報処理装置10から対象ウェブサイト宛に送信されたユーザID及びパスワードの正当性が確認された場合に、チェック情報と、OTPとを伝送経路RT2により送信し、伝送経路RT2により送信したOTPを、情報処理装置10から伝送経路RT1により受信した場合に、情報処理装置10(ユーザU1)が正当であると判定する。
次に、図5を参照して、本実施形態における情報処理装置10の動作について説明する。
図5は、本実施形態における情報処理装置10の認証処理の一例を示すフローチャートである。
図5に示すように、情報処理装置10は、認証処理の際に、まず、ユーザID及びパスワードを対象ウェブサイト宛に送信する(ステップS201)。情報処理装置10のパスワード認証部151は、例えば、入力部12がユーザU1から受け付けたユーザID及びパスワードを、NW通信部11を介して、サーバ装置20のウェブサイト宛に送信する。
次に、パスワード認証部151は、送信時刻、送信元情報、及びセッションIDを記憶部14に記憶させる(ステップS202)。パスワード認証部151は、ユーザID及びパスワードをサーバ装置20のウェブサイト宛に送信した送信時刻、送信元情報(例えば、送信元IPアドレス)、及びセッションIDを、記憶部14に記憶させる。
次に、情報処理装置10は、OTP及びチェック情報をパスワードとは別の伝送経路RT2で受信する(ステップS203)。情報処理装置10の取得処理部152は、NW通信部11を介して、サーバ装置20から受信したOTP及び受信チェック情報を取得する。取得処理部152は、例えば、電子メール又はSMSのメッセージに含まれるチェック情報及びOTPを取得する。
次に、情報処理装置10は、送信時刻及び送信元情報に基づいて、チェック情報を生成する(ステップS204)。情報処理装置10のチェック情報生成部153は、送信時刻及び送信元情報を記憶部14から取得し、例えば、送信時刻及び送信元情報をまとめた情報をハッシュ関数により変換して、チェック情報(生成チェック情報)を生成する。
情報処理装置10は、受信したチェック情報と、生成したチェック情報とが一致するか否かを判定する(ステップS205)。情報処理装置10のOTP認証部154は、上述した受信チェック情報と生成チェック情報とが一致するか否かを判定する。OTP認証部154は、受信チェック情報と生成チェック情報とが一致する場合(ステップS205:YES)に、処理をステップS206に進める。また、OTP認証部154は、受信チェック情報と生成チェック情報とが一致しない場合(ステップS205:NO)に、処理をステップS207に進める。
ステップS206において、OTP認証部154は、OTPを対象ウェブサイト宛に送信する。すなわち、OTP認証部154は、伝送経路RT2によりサーバ装置20から受信(取得)したOTPを、NW通信部11を介して、伝送経路RT1により、サーバ装置20のウェブサイト宛に送信する。ステップS206の処理後に、OTP認証部154は、認証処理を終了する。
また、ステップS207において、OTP認証部154は、伝送経路RT1に異常があるり判定し、伝送経路RT1の異常を示す警告を出力する(ステップS208)。OTP認証部154は、OTPの送信を中止し、例えば、伝送経路RT1に異常があることを示す警告メッセージを表示部13に表示させる。ステップS208の処理後に、OTP認証部154は、認証処理を終了する。
次に、図6を参照して、伝送経路RT1が正常な場合の情報処理システム1の動作について説明する。
図6は、本実施形態による情報処理システム1の正常な伝送経路RT1における動作の一例を示す図である。
なお、伝送経路RT1は、情報処理装置10が、不図示のDNSサーバやDNSキャッシュサーバを利用することで、サーバ装置20の対象ウェブサイトのURLから対象ウェブサイトのIPアドレスを取得して、当該IPアドレスにより対象ウェブサイトした伝送経路である。
図6において、伝送経路RT1は、正常なDNSサーバやDNSキャッシュサーバを利用した場合であり、正常な伝送経路RT1-OKとする。
図6に示すように、情報処理システム1の情報処理装置10は、ユーザID及びパスワードを、伝送経路RT1-OKによりサーバ装置20に送信する(ステップS11)。
次に、サーバ装置20が、OTP及びチェック情報を、伝送経路RT1-OKとは異なる伝送経路RT2により、情報処理装置10に送信する(ステップS12)。ここで、サーバ装置20は、受信したユーザID及びパスワードの組と、ユーザ情報記憶部221が記憶するユーザID及びパスワードの組とが一致した場合に、OTP及びチェック情報を生成し、生成したOTP及びチェック情報を伝送経路RT2により、情報処理装置10に送信する。
次に、情報処理装置10は、OTPを、伝送経路RT1-OKによりサーバ装置20に送信する(ステップS13)。すなわち、情報処理装置10は、受信チェック情報と生成チェック情報とが一致する場合に、伝送経路RT1-OKが正常であると判定し、サーバ装置20から伝送経路RT2により受信したOTPを、伝送経路RT1-OKによりサーバ装置20に送信する。これにより、情報処理システム1における二段階認証処理が完了する。
次に、図7及び図8を参照して、本実施形態による情報処理システム1における不正な伝送経路RT1における動作(マン・イン・ザ・ミドル攻撃における動作)について説明する。
ここでは、本実施形態による情報処理システム1との比較のために、図7を参照して、従来技術による不正な伝送経路における動作(マン・イン・ザ・ミドル攻撃における動作)について説明する。
図7は、従来技術の情報処理システムの不正な伝送経路における動作の一例を示す図である。
図7おいて、従来技術の情報処理装置30と、従来技術のサーバ装置40との間に、不正サーバ50が存在する場合について説明する。
この場合、不図示のDNSサーバやDNSキャッシュサーバが乗っ取られており、情報処理装置30は、不図示のDNSサーバやDNSキャッシュサーバを利用することで、サーバ装置40の対象ウェブサイトのURLから不正サーバ50のIPアドレスを取得して、当該IPアドレスによ対象ウェブサイトを偽装した偽装ウェブサイトに接続する。また、不正サーバ50は、偽装ウェブサイトを利用して取得した情報(例えば、ユーザID、パスワード、OTPなど)を、サーバ装置40に送信する。そのため、この図における伝送経路RT1は、不正な伝送経路RT1-NGとする。
図7に示すように、従来技術の情報処理装置30は、まず、ユーザID及びパスワードを伝送経路RT1-NGにより送信すると(ステップS21)、不正サーバ50が、ユーザID及びパスワードを、従来技術のサーバ装置40に転送する(ステップS22)。
次に、サーバ装置40は、OTPを生成し、生成したOTPを、伝送経路RT2により、情報処理装置30に送信する(ステップS23)。
次に、情報処理装置30は、受信したOTPを伝送経路RT1-NGにより送信すると(ステップS24)、不正サーバ50が、OTPを、従来技術のサーバ装置40に転送する(ステップS25)。
これにより、従来技術の情報処理システムにおける認証処理が完了し、不正サーバ50は、サーバ装置40に対して不正アクセスが可能になる。
次に、図8を参照して、本実施形態による情報処理システム1の不正な伝送経路における動作(マン・イン・ザ・ミドル攻撃における動作)について説明する。
図8は、本実施形態による情報処理システム1の不正な伝送経路における動作の一例を示す図である。
図8において、伝送経路RT1は、上述した図7と同様に、不正サーバ50を経由する不正な伝送経路RT1-NGである。
図8に示す本実施形態による情報処理システム1では、情報処理装置10は、まず、ユーザID及びパスワードを伝送経路RT1-NGにより送信すると(ステップS31)、不正サーバ50が、ユーザID及びパスワードを、サーバ装置20に転送する(ステップS32)。
次に、サーバ装置20は、OTP及びチェック情報を生成し、生成したOTP及びチェック情報を、伝送経路RT2により、情報処理装置10に送信する(ステップS33)。
次に、情報処理装置10は、OTPの送信を中止し(ステップS34)、伝送経路RT1-NGに異常があることを示す警告を出力する(ステップS35)。
この場合、不正サーバ50がユーザID及びパスワードをサーバ装置20に送信しているため、サーバ装置20が受信した送信時刻及び送信元情報が、情報処理装置10の記憶部14が記憶するものと異なる。そのため、受信チェック情報と生成チェック情報とが不一致になり、情報処理装置10のOTP認証部154は、伝送経路RT1-NGに異常があると判定する。
これにより、不正サーバ50は、二段階認証処理が完了することができず、サーバ装置20に対して不正アクセスを行うことができない。
なお、上記の説明では、チェック情報を、送信時刻及び送信元情報に基づいて生成する例を説明したが、送信時刻及び送信元情報の代わり、又は送信時刻及び送信元情報のいずれかの代わりに、セッションID(送信路識別情報)を用いてもよい。また、チェック情報を、送信時刻、送信元情報、及びセッションID(送信路識別情報)に基づいて生成するようにしてもよい。
また、サーバ装置20がサービスの一例として、ウェブサイトを提供する例を説明したが、これに限定されるものではなく、FTPサイトやメールなどを提供するものであってもよい。すなわち、サーバ装置20は、httpプロトコルの他に、FTP、POP3プロトコル、SMTPプロトコルなどの他のプロトコルを扱うサーバであってもよい。
以上説明したように、本実施形態にうよる情報処理システム1は、情報処理装置10と、ユーザU1にサービスを提供するサーバ装置20(対象ウェブサイトを実現するサーバ装置20)とを備える。情報処理装置10は、パスワード認証部151(第1認証処理部)と、取得処理部152と、チェック情報生成部153と、OTP認証部154(第2認証処理部)とを備える。パスワード認証部151は、予め定められた第1認証情報(例えば、ユーザID及びパスワード)を、対象ウェブサイト宛(サーバ装置20宛)に送信する。取得処理部152は、受信チェック情報(第1チェック情報)と、第2認証情報(例えば、OTP)とを、伝送経路RT2(第2伝送経路)により取得する。ここで、受信チェック情報は、対象ウェブサイトが受信した、少なくともユーザID及びパスワードの送信時刻と、ユーザID及びパスワードの送信元を示す送信元情報と、セッションID(送信路識別情報)とのいずれかに基づいて、所定の生成処理により生成されたチェック情報である。また、OTPは、対象ウェブサイトが生成した第1認証情報(例えば、ユーザID及びパスワード)とは異なる第2認証情報である。チェック情報生成部153は、少なくともユーザID及びパスワードの送信時刻、送信元情報、及びセッションIDのいずれかに基づいて、所定の生成処理により、生成チェック情報(第2チェック情報)を生成する。OTP認証部154は、取得処理部152が取得した受信チェック情報と、チェック情報生成部153が生成した生成チェック情報とが一致する場合に、OTPを伝送経路RT1により対象ウェブサイト宛に送信する。また、OTP認証部154は、受信チェック情報と、生成チェック情報とが一致しない場合に、伝送経路RT1に異常があると判定する。
これにより、本実施形態による情報処理システム1は、チェック情報を利用して伝送経路RT1に異常があることを検出することができるため、マン・イン・ザ・ミドル攻撃(中間者攻撃)による不正なアクセスを低減することができる。
また、本実施形態では、OTP認証部154は、受信チェック情報と、生成チェック情報とが一致しない場合に、OTPの送信を中止し、伝送経路RT1に異常があることを示す警告を出力する。
これにより、本実施形態による情報処理システム1は、ユーザU1が、伝送経路RT1に異常があることを迅速に認知することができるため、例えば、サーバ装置20が提供するサービスを停止させたり、ユーザID及びパスワードを変更する、等の不正アクセスに対する対応を迅速に行うことができる。
また、本実施形態では、サーバ装置20は、情報処理装置10から対象ウェブサイト宛に送信されたユーザID及びパスワードの正当性が確認された場合に、第1チェック情報と、OTPとを伝送経路RT2により送信する。そして、サーバ装置20は、伝送経路RT2により送信したOTPを、情報処理装置10から伝送経路RT1により受信した場合に、情報処理装置10が正当であると判定する。
これにより、本実施形態による情報処理システム1は、ユーザID及びパスワードと、OTPとの二段階認証処理により、ユーザID及びパスワードが漏洩した場合であっても、不正なアクセスを適切に抑制することができる。
また、本実施形態では、所定の生成処理は、一方向関数(ハッシュ関数)を用いた生成処理である。サーバ装置20は、受信した第1認証情報(ユーザID及びパスワード)の送信時刻、送信元情報、及びセッションIDの少なくともいずれかを含む情報から、一方向関数を用いて、受信チェック情報(第1チェック情報)を生成する。また、チェック情報生成部153は、情報処理装置10が保持する、少なくとも第1認証情報(ユーザID及びパスワード)の送信時刻、送信元情報、及びセッションIDのいずれかを含む情報から、一方向関数を用いて、生成チェック情報(第2チェック情報)を生成する。
これにより、本実施形態による情報処理システム1は、簡易な手法により、一意な(ユニークな)チェック情報を生成することができ、適切に、伝送経路RT1の異常を判定することができる。
また、本実施形態による情報処理装置10は、上述したパスワード認証部151と、取得処理部152と、チェック情報生成部153と、OTP認証部154とを備える。
これにより、本実施形態による情報処理装置10は、上述した情報処理システム1と同様の効果を奏し、マン・イン・ザ・ミドル攻撃(中間者攻撃)による不正なアクセスを低減することができる。
また、本実施形態による情報処理方法は、情報処理装置10と、ユーザU1にサービスを提供するサーバ装置20とを備える情報処理システム1の情報処理方法であって、第1送信ステップと、第2送信ステップと、生成ステップと、判定ステップとを含む。第1送信ステップにおいて、情報処理装置10が、予め定められた第1認証情報(ユーザID及びパスワード)を、対象ウェブサイト宛(サーバ装置20宛)に送信する。第2送信ステップにおいて、サーバ装置20が、少なくとも受信した第1認証情報(ユーザID及びパスワード)の送信時刻と、ユーザID及びパスワードの送信元を示す送信元情報と、セッションID(送信路識別情報)とのいずれかに基づいて、所定の生成処理により生成された第1チェック情報(受信チェック情報)と、対象ウェブサイトが生成した、第1認証情報(ユーザID及びパスワード)とは異なる第2認証情報(OTP)とを、第1認証情報(ユーザID及びパスワード)を送信した伝送経路RT1とは異なる伝送経路RT2により送信する。生成ステップにおいて、情報処理装置10が、少なくとも第1認証情報(ユーザID及びパスワード)の送信時刻、送信元情報、及びセッションIDのいずれかに基づいて、所定の生成処理により、第2チェック情報(生成チェック情報)を生成する。判定ステップにおいて、情報処理装置10が、伝送経路RT2により受信した第1チェック情報(受信チェック情報)と、生成した第2チェック情報(生成チェック情報)とが一致する場合に、第2認証情報(OTP)を伝送経路RT1により対象ウェブサイト宛に送信し、第1チェック情報(受信チェック情報)と、第2チェック情報(生成チェック情報)とが一致しない場合に、伝送経路RT1に異常があると判定する。
これにより、本実施形態による情報処理方法は、上述した情報処理システム1と同様の効果を奏し、マン・イン・ザ・ミドル攻撃(中間者攻撃)による不正なアクセスを低減することができる。
なお、本実施形態において、OTPとチェック情報とは、一体化させてもよい。例えば、文字列の特定範囲はOTPを示し、それ以外はチェック情報を表すようにしてもよい。このようにすれば、入力部12を介してコードを入力する場合、ユーザ視点ではこれまでと同様に1つのOTPを入力するような手順となり馴染みがあるため、利便性を向上させることができる。
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態による情報処理システム1aについて説明する。
図9は、本実施形態による情報処理システム1aの一例を示すブロック図である。
図9に示すように、情報処理システム1aは、情報処理装置10aと、サーバ装置20aとを備える。また、情報処理装置10aと、サーバ装置20aとは、ネットワークNW1を介して、接続可能である。なお、本実施形態では、情報処理システム1a及び情報処理装置10aを使用するユーザをユーザU1として説明する。
なお、図9において、上述した図1に示す構成と同一の構成には、同一の符号を付与し、ここではその説明を省略する。
サーバ装置20aは、例えば、ウェブサイトを実現するウェブサーバであり、例えば、ネットワークNW1を介して接続された情報処理装置10a(ユーザU1)の正当性を判定する認証処理を実行する。サーバ装置20aは、NW通信部21と、サーバ記憶部22aと、サーバ制御部23aとを備える。
サーバ記憶部22aは、サーバ装置20aが利用する各種情報を記憶する。サーバ記憶部22aは、例えば、ユーザ情報記憶部221と、OTP記憶部222aとを備える。
OTP記憶部222aは、後述するOTP生成部234aが生成したOTPを記憶する。なお、本実施形態では、OTP生成部234aが2種類のOTPを生成し、OTP記憶部222aは、2種類のOTPを記憶する。ここで、図10を参照して、OTP記憶部222aのデータ例について説明する。
図10は、本実施形態におけるOTP記憶部222aのデータ例を示す図である。
図10に示すように、OTP記憶部222aは、ユーザIDと、正常時用OTPと、異常時用OTPとを対応付けて記憶する。なお、正常時用OTPは、二段階認証の2段階目の認証に使用される第2認証情報の一例であり、異常時用OTPは、伝送経路RT1に異常があった場合に、伝送経路RT1の異常をサーバ装置20aに知らせるための第3認証情報の一例である。
例えば、図10に示す例では、ユーザIDが“U0001”に対応する正常時用OTPが“AAAAAAAA”であり、異常時用OTPが“BBBBBBBB”であることを示している。
図9の説明に戻り、サーバ制御部23aは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、サーバ装置20aを統括的に制御する。サーバ制御部23aは、例えば、ウェブ処理部231と、認証処理部232aと、チェック情報生成部233と、OTP生成部234aとを備える。
OTP生成部234aは、例えば、乱数値などに基づいて、毎回異なる正常時用OTP及び異常時用OTPを生成する。OTP生成部234aは、生成した正常時用OTP及び異常時用OTPを認証処理部232aに供給する。
認証処理部232aの基本的な機能は、上述した第1の実施形態の認証処理部232と同様である。認証処理部232aは、チェック情報生成部233が生成したチェック情報と、正常時用OTP(第2認証情報)と、正常時用OTPとは異なる異常時用OTP(第3認証情報)とを、伝送経路RT2により情報処理装置10aに送信する点が異なる。
また、認証処理部232aは、図10に示すように、ユーザIDと、OTP生成部234aが生成した正常時用OTP(第2認証情報)と、異常時用OTP(第3認証情報)とを対応付けてOTP記憶部222aに記憶させる。
また、認証処理部232aは、情報処理装置10aから正常時用OTPを受信した場合に、伝送経路RT1が正常であり、且つ、情報処理装置10aが正当であると判定する。また、認証処理部232aは、情報処理装置10aから異常時用OTPを受信した場合に、伝送経路RT1に異常があると判定する。
情報処理装置10aは、ユーザU1が所有する装置であり、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末装置、スマートフォンなどである。情報処理装置10aは、NW通信部11と、入力部12と、表示部13と、記憶部14と、制御部15aとを備える。なお、本実施形態では、サーバ装置20aが実現するウェブサイトを認証処理の対象のウェブサイトである対象ウェブサイトとする。
制御部15aは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、情報処理装置10aを統括的に制御する。制御部15aは、例えば、パスワード認証部151と、取得処理部152aと、チェック情報生成部153と、OTP認証部154aとを備える。
取得処理部152aは、サーバ装置20aから伝送経路RT2により、受信チェック情報、正常時用OTP(第2認証情報)、及び異常時用OTP(第3認証情報)を取得する。
OTP認証部154a(第2認証処理部の一例)は、二段階認証のうちのOTP(第2認証情報)による2段階目の認証処理を実行する。OTP認証部154aは、受信チェック情報(第1チェック情報)と、生成チェック情報(第2チェック情報)とが一致した場合に、正常時用OTP(第2認証情報)を、伝送経路RT1により対象ウェブサイト宛(サーバ装置20a)に送信する。
また、OTP認証部154aは、受信チェック情報(第1チェック情報)と、生成チェック情報(第2チェック情報)とが一致しない場合に、異常時用OTP(第3認証情報)を、伝送経路RT1により対象ウェブサイト宛(サーバ装置20a)に送信する。
次に、図面を参照して、本実施形態による情報処理システム1aの動作について、説明する。
図11は、本実施形態におけるサーバ装置20aの認証処理の一例を示すフローチャートである。
図11において、ステップS301からステップS303までの処理は、上述した図4に示すステップS101からステップS103までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
ステップS304において、サーバ装置20aは、正常時用OTPと、異常時用OTPとを生成し、OTP記憶部222aに記憶させる。すなわち、サーバ装置20aのOTP生成部234aは、例えば、乱数値などを利用して、正常時用OTPと、異常時用OTPとを生成する。そして、認証処理部232aは、OTP生成部234aが生成した正常時用OTP及び異常時用OTPを取得し、当該正常時用OTP及び異常時用OTPと、ユーザIDとを対応付けて、OTP記憶部222aに記憶させる。
次に、認証処理部232aは、正常時用OTP、異常時用OTP、及びチェック情報を、パスワードとは別の伝送経路RT2でユーザU1宛に送信する(ステップS305)。認証処理部232aは、ユーザ情報記憶部221から取得したユーザIDに対応するユーザ宛先情報(例えば、メールアドレスや携帯電話番号)を取得し、ユーザ宛先情報に基づいて、OTP生成部234aが生成した正常時用OTP及び異常時用OTPと、チェック情報生成部233が生成したチェック情報とを、ユーザU1宛に送信する。
次に、認証処理部232aは、OTPを取得する(ステップS306)。認証処理部232aは、例えば、NW通信部21を介して、伝送経路RT1により、情報処理装置10aから受信したOTP(正常時用OTP及び異常時用OTPのいずれか)を取得する。
次に、認証処理部232aは、受信したOTPと、正常時用OTPとが一致するか否かを判定する(ステップS307)。認証処理部232aは、受信したOTPと、OTP記憶部222aが記憶する正常時用OTPとが一致する場合(ステップS307:YES)に、処理をステップS308に進める。また、認証処理部232aは、受信したOTPと、OTP記憶部222aが記憶する正常時用OTPとが一致しない場合(ステップS307:NO)に、処理をステップS309に進める。
ステップS308において、認証処理部232aは、伝送経路RT1が正常であり、且つ、正当なユーザであると判定する。ステップS308の処理後に、認証処理部232aは、認証処理を終了する。
また、ステップS309において、認証処理部232aは、受信したOTPと、異常時用OTPとが一致するか否かを判定する。認証処理部232aは、受信したOTPと、OTP記憶部222aが記憶する異常時用OTPとが一致する場合(ステップS309:YES)に、処理をステップS310に進める。また、認証処理部232aは、受信したOTPと、OTP記憶部222aが記憶する異常時用OTPとが一致しない場合(ステップS309:NO)に、処理をステップS311に進める。
ステップS310において、認証処理部232aは、伝送経路RT1が異常である判定する。ステップS310の処理後に、認証処理部232aは、認証処理を終了する。
また、ステップS311において、認証処理部232aは、不正なユーザであると判定する。ステップS311の処理後に、認証処理部232aは、認証処理を終了する。
次に、図12を参照して、本実施形態による情報処理装置10aの動作について説明する。
図12は、本実施形態における情報処理装置10aの認証処理の一例を示すフローチャートである。
図12において、ステップS401及びステップS402の処理は、上述した図5に示すステップS201及びステップS202の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
ステップS403において、情報処理装置10aは、正常時用OTP、異常時用OTP、及びチェック情報をパスワードとは別の伝送経路RT2で受信する。情報処理装置10aの取得処理部152aは、NW通信部11を介して、サーバ装置20aから受信した正常時用OTP、異常時用OTP、及び受信チェック情報を取得する。
続く、ステップS404及びステップS405の処理は、上述した図5に示すステップS204及びステップS205の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
なお、ステップS205において、OTP認証部154aは、受信チェック情報と生成チェック情報とが一致する場合(ステップS405:YES)に、処理をステップS406に進める。また、OTP認証部154aは、受信チェック情報と生成チェック情報とが一致しない場合(ステップS405:NO)に、処理をステップS407に進める。
ステップS406において、OTP認証部154aは、正常時用OTPを対象ウェブサイト宛に送信する。ステップS406の処理後に、OTP認証部154aは、認証処理を終了する。
また、ステップS407及びステップS407の処理は、上述した図5に示すステップS207及びステップS208の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
次に、OTP認証部154aは、異常時用OTPを対象ウェブサイト宛に送信する(ステップS409)。ステップS409の処理後に、OTP認証部154aは、認証処理を終了する。
次に、図13及び図14を参照して、情報処理システム1aの動作について説明する。
図13は、本実施形態による情報処理システム1aの正常な伝送経路RT1における動作の一例を示す図である。
図13に示すように、情報処理システム1aの情報処理装置10aは、ユーザID及びパスワードを、伝送経路RT1-OKによりサーバ装置20aに送信する(ステップS41)。
次に、サーバ装置20aが、正常時用OTP、異常時用OTP、及びチェック情報を、伝送経路RT1-OKとは異なる伝送経路RT2により、情報処理装置10aに送信する(ステップS42)。ここで、サーバ装置20aは、受信したユーザID及びパスワードの組と、ユーザ情報記憶部221が記憶するユーザID及びパスワードの組とが一致した場合に、正常時用OTP、異常時用OTP、及びチェック情報を生成し、生成した正常時用OTP、異常時用OTP、及びチェック情報を伝送経路RT2により、情報処理装置10aに送信する。
次に、情報処理装置10aは、正常時用OTPを、伝送経路RT1-OKによりサーバ装置20aに送信する(ステップS43)。すなわち、情報処理装置10aは、受信チェック情報と生成チェック情報とが一致する場合に、伝送経路RT1-OKが正常であると判定し、サーバ装置20aから伝送経路RT2により受信した正常時用OTPを、伝送経路RT1-OKによりサーバ装置20aに送信する。これにより、情報処理システム1aにおける二段階認証処理が完了する。
次に、図14を参照して、本実施形態による情報処理システム1aの不正な伝送経路における動作(マン・イン・ザ・ミドル攻撃における動作)について説明する。
図14は、本実施形態による情報処理システム1aの不正な伝送経路における動作の一例を示す図である。
図14において、伝送経路RT1は、上述した図8と同様に、不正サーバ50を経由する不正な伝送経路RT1-NGである。
図14に示す本実施形態による情報処理システム1aでは、情報処理装置10aは、まず、ユーザID及びパスワードを伝送経路RT1-NGにより送信すると(ステップS51)、不正サーバ50が、ユーザID及びパスワードを、サーバ装置20aに転送する(ステップS52)。
次に、サーバ装置20aは、正常時用OTP、異常時用OTP、及びチェック情報を生成し、生成したOTP及びチェック情報を、伝送経路RT2により、情報処理装置10aに送信する(ステップS53)。
次に、情報処理装置10aは、伝送経路RT1-NGに異常があることを示す警告を出力する(ステップS54)。また、情報処理装置10aは、異常時用OTPを、伝送経路RT1-NGにより送信する(ステップS55)。すなわち、情報処理装置10aは、受信チェック情報と生成チェック情報とが一致しない場合に、伝送経路RT1-NGが異常であると判定し、サーバ装置20aから伝送経路RT2により受信した異常時用OTPを、伝送経路RT1-NGにより送信すると、不正サーバ50が、異常時用OTPを、サーバ装置20aに転送する(ステップS56)。これにより、情報処理システム1aにおける二段階認証処理が完了する。
この場合、サーバ装置20aは、異常時用OTPを受信したことにより、伝送経路RT1-NGに異常があることを検出することができる。
以上説明したように、本実施形態による情報処理システム1aでは、サーバ装置20aは、受信チェック情報(第1チェック情報)と、正常時用OTP(第2認証情報)と、正常時用OTPとは異なる異常時用OTP(第3認証情報)とを、伝送経路RT2により情報処理装置10aに送信する。情報処理装置10aのOTP認証部154aは、受信チェック情報(第1チェック情報)と、生成チェック情報(第2チェック情報)とが一致しない場合に、異常時用OTP(第3認証情報)を伝送経路RT1により対象ウェブサイト宛に送信する。
これにより、本実施形態による情報処理システム1aは、異常時用OTPを受信することで、サーバ装置20a側で、伝送経路RT1に異常があることを検出することができる。そのため、本実施形態による情報処理システム1aは、安全性(セキュリティ)をさらに向上させることができる。
また、本実施形態では、サーバ装置20aは、情報処理装置10aから正常時用OTPを受信した場合に、伝送経路RT1が正常であり、且つ、情報処理装置10aが正当であると判定する。また、サーバ装置20aは、情報処理装置10aから異常時用OTPを受信した場合に、伝送経路RT1に異常があると判定する。
これにより、本実施形態による情報処理システム1aは、容易に伝送経路RT1に異常があることを検出することができ、不正サーバ50により不正なアクセスをサーバ装置20a側で防衛することができる。
また、本実施形態において、本実施形態による情報処理システム1aは、異常時用OTPを別途生成、記憶、及び送信する代わりに、正常時用OTPから、異常時用OTPを生成するようにしてもよい。例えば、異常時用OTPは、正常時用OTPを再度ハッシュ変換して生成することとして、情報処理装置10aとサーバ装置20aとで生成方法を共有しておく。このようにすることで、本実施形態による情報処理システム1aは、ユーザの入力作業を軽減することができる。
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、チェック情報を生成する所定の生成処理が、一方向関数を用いた生成処理である例を説明したがこれに限定されるものではない。例えば、所定の生成処理は、暗号処理を用いた生成処理であってもよい。この場合、サーバ装置20(20a)は、少なくとも受信した第1認証情報(ユーザID及びパスワード)の送信時刻、送信元情報、及び送信路識別情報のいずれかを含む情報から、暗号処理を用いて、第1チェック情報を生成する。また、チェック情報生成部153は、情報処理装置10(10a)が保持する、少なくとも第1認証情報(ユーザID及びパスワード)の送信時刻、送信元情報、及び送信路識別情報のいずれかを含む情報から、暗号処理を用いて、第2チェック情報を生成する。
この場合も、上記の各実施形態と同様に、チェック情報を利用して、容易に伝送経路RT1の異常を検出することができ、マン・イン・ザ・ミドル攻撃(中間者攻撃)による不正なアクセスを低減することができる。
また、サーバ装置20(20a)のウェブ処理部231は、ユーザID及びパスワードに応じて、サーバ装置20aが提供する対象ウェブサイトの表示情報を変更し、少なくとも受信したユーザID及びパスワードの送信時刻と、送信元情報と、送信路識別情報とのいずれかと、表示情報とを含む情報に基づいて、第1チェック情報を生成するようにしてもよい。また、この場合、チェック情報生成部153は、少なくとも第1認証情報(ユーザID及びパスワード)の送信時刻、送信元情報、及び送信路識別情報のいずれかと、伝送経路RT1を介して取得した表示情報(例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)情報)とを含む情報に基づいて、第2チェック情報を生成するようにする。
これにより、チェック情報(第1チェック情報及び第2チェック情報)の生成方法がより複雑になるため、情報処理システム1(1a)は、安全性(セキュリティ)をさらに高めることができる。
また、上記の各実施形態において、サーバ装置20(20a)が、一台の装置である例を説明したが、これに限定されるものではなく、サーバ装置20(20a)は、複数の装置により構成されてもよい。
また、上記の各実施形態において、チェック情報を、送信時刻と送信元情報との両方に基づいて生成する例を説明したが、これに限定されるものではない。チェック情報を、送信元情報、及び送信路識別情報のいずれかに基づいて生成されてもよいし、セッションキーなどの、サーバ装置20(20a)と情報処理装置10(10a)との間で共有する情報に基づいて生成されてもよい。
また、上記の各実施形態において、伝送経路RT2が、電子メールやSMSによる伝送経路である例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、スマートフォンのプッシュ通信による伝送経路であってもよいし、他の伝送経路であってもよい。
なお、上述した情報処理システム1(1a)が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した情報処理システム1(1a)が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した情報処理システム1(1a)が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に情報処理システム1(1a)が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。