JP7050465B2 - 全固体二次電池用固体電解質、全固体二次電池、および固体電解質の製造方法 - Google Patents

全固体二次電池用固体電解質、全固体二次電池、および固体電解質の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、全固体二次電池用固体電解質、全固体二次電池、および固体電解質の製造方法に関する。
非水電解質二次電池に代わる新たな二次電池として、電解質を固体化した全固体二次電池が注目されている。全固体二次電池は、電池全体が固体化されているので、電池内に可燃性の有機溶媒が含まれない。このため、非水電解質二次電池に比べて安全性がより優れていると考えられている。
全固体二次電池に使用される固体電解質は、非水電解質に比べてイオン伝導度が低い傾向にある。このため、固体電解質のイオン伝導度を高めるための研究が鋭意行われている。近年、アージロダイト(Argyrodite)型結晶構造を有する固体電解質(以下、「Argyrodite型固体電解質」とも称する)が注目されている。Argyrodite型固体電解質は、比較的高いイオン伝導度(例えば、10-4~10-3S/cm程度)を有するからである。特許文献1~7には、Argyrodite型固体電解質が開示されている。
特開2016-24874号公報 国際公開第2016/009768号 特許第5957144号 国際公開第2015/011937号 国際公開第2015/012042号 特開2011-96630号公報 特開2015-72783号公報
しかし、Argyrodite型固体電解質は、活性化エネルギーが高い(例えば、30kJ/mol以上)という問題があった。活性化エネルギーが高いことは、温度安定性が悪いことを意味する。つまり、Argyrodite型固体電解質は、使用温度に応じて特性が大きく変動するという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、Argyrodite型固体電解質が有する高いイオン伝導度を維持しつつ、活性化エネルギーを低下させることが可能な、新規かつ改良された全固体二次電池用固体電解質、全固体二次電池、および固体電解質の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、以下の組成式(1)で示される組成を有し、
Li7-xPS6-xBr (1.2<x<1.75) (1)
Argyrodite型結晶構造を有し、CuKα線を用いたX線回折測定によって得られるX線回折スペクトルが、少なくとも2θ=29.65±0.50°の位置にピークを有し、2θ=29.65°±0.50°のピーク強度をIAとし、2θ=33.65°±0.50°のピーク強度をIBとした場合に、IB/IAの値が0.5未満であることを特徴とする、全固体二次電池用固体電解質が提供される。
本観点によれば、Argyrodite型固体電解質が有する高いイオン伝導度を維持しつつ、活性化エネルギーを低下させることができる。
ここで、X線回折スペクトルが、2θ=25.16°±0.50°、29.65°±0.50°、30.94°±0.50°、44.36°±0.50°、47.22°±0.50°、51.75°±0.50°の位置にピークを有してもよい。
本観点によれば、Argyrodite型固体電解質が有する高いイオン伝導度を維持しつつ、活性化エネルギーを低下させることができる。
本発明の他の観点によれば、上記の全固体二次電池用固体電解質を含むことを特徴とする、全固体二次電池が提供される。
本観点によれば、全固体二次電池の温度安定性を高めることができる。
本発明の他の観点によれば、上記の固体電解質を製造する固体電解質の製造方法であって、メカニカルミリング処理によりLiS、P、およびLiBrを組成式(1)に相当する混合比で混合することで、ガラス体を得る工程と、ガラス体を当該ガラス体のガラス転移点以上の温度で熱処理することで固体電解質を得る工程と、を含むことを特徴とする、固体電解質の製造方法が提供される。
本観点によれば、Argyrodite型固体電解質が有する高いイオン伝導度を維持しつつ、活性化エネルギーを低下させることができる固体電解質をより容易に作製することができる。
ここで、メカニカルミリング処理が、遊星型ボールミルを用いて、50~600回転/分、0.1~50時間、1~100kWh/原料混合物1kgの条件下で行われてもよい。
本観点によれば、Argyrodite型固体電解質が有する高いイオン伝導度を維持しつつ、活性化エネルギーを低下させることができる固体電解質をより容易かつ確実に作製することができる。
以上説明したように本発明によれば、固体電解質が上述した要件を満たすため、高いイオン伝導度を維持しつつ、活性化エネルギーを低下させることが可能となる。
本発明の実施形態に係る固体電解質のX線回折スペクトルの一例を示すグラフである。 同実施形態に係る全固体二次電池の概略構成を示す説明図である。 比較例に係る固体電解質のX線回折スペクトルの一例を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.固体電解質の構成>
まず、本実施形態に係る固体電解質の構成について説明する。本実施形態に係る固体電解質は、以下の組成式(1)で示される組成を有する。
Li7-xPS6-xBr (1.2<x<1.75) (1)
ここで、xの下限値は、好ましくは1.25以上であり、より好ましくは1.5以上である。xがこれらの条件を満たす場合に、イオン伝導度がより高くなるからである。
さらに、固体電解質は、Argyrodite型結晶構造を有する。固体電解質がArgyrodite型結晶構造を有するか否かは、CuKα線を用いたX線回折測定により確認することができる。
具体的には、CuKα線を用いて固体電解質のX線回折測定を行った場合に、X線回折スペクトルが、少なくとも2θ=29.65±0.50°の位置にピークを有する。さらに、X線回折スペクトルが、2θ=25.16°±0.50°、29.65°±0.50°、30.94°±0.50°、44.36°±0.50°、47.22°±0.50°、51.75°±0.50°の位置にピークを有することが好ましい。固体電解質のX線回折スペクトルがこれらの位置にピークを有する場合に、固体電解質の結晶構造がArgyrodite構造であると言える。
さらに、2θ=29.65°±0.50°のピーク強度をIAとし、2θ=33.65°±0.50°のピーク強度をIBとした場合に、IB/IAの値が0.5未満である。IB/IAの値は、好ましくは0.1未満である。この要件が満たされる場合に、固体電解質の特性がさらに向上する。ここで、IAのピークは上述したようにArgyrodite型結晶構造に対応するピークとなる。IBのピークは不純物相のピークである。したがって、IB/IAの値が小さいほど固体電解質の特性(具体的には、イオン伝導度等)が向上する。したがって、IBはゼロであってもよい。固体電解質のX線回折スペクトルの一例を図1に示す。
このように、本実施形態に係る固体電解質は、Argyrodite型結晶構造を有しており、かつ、組成式(1)で示される組成を有する。これにより、本実施形態に係る固体電解質は、優れたイオン伝導度を有し、かつ活性化エネルギーが低くなっている。
<2.全固体二次電池の構成>
つぎに、図2に基づいて、本実施形態に係る全固体二次電池1の構成について説明する。
(2-1.正極層10の構成)
正極層10は、正極集電体11及び正極活物質層12を含む。正極集電体11としては、例えば、インジウム(In)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、ステンレス鋼、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、リチウム(Li)またはこれらの合金からなる板状体または箔状体等が挙げられる。正極集電体11は省略されても良い。
正極活物質層12は、正極活物質及び固体電解質を含む。なお、正極活物質層12に含まれる固体電解質は、本実施形態に係る固体電解質であることが好ましい。正極活物質層12に含まれる固体電解質は、本実施形態に係る固体電解質と他の固体電解質との混合物であってもよい。他の固体電解質の例は後述する。なお、本実施形態に係る固体電解質は、正極層10、負極層20、および固体電解質層30のいずれかに含まれていればよいが、すべての層の固体電解質を本実施形態に係る固体電解質で構成することが好ましい。
正極活物質は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出することが可能な正極活物質であればよい。
例えば、正極活物質は、コバルト酸リチウム(以下、LCOと称する)、ニッケル酸リチウム(Lithium nickel oxide)、ニッケルコバルト酸リチウム(lithium nickel cobalt oxide)、ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム(以下、NCAと称する)、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(以下、NCMと称する)、マンガン酸リチウム(Lithium manganate)、リン酸鉄リチウム(lithium iron phosphate)等のリチウム塩、硫化ニッケル、硫化銅、硫黄、酸化鉄、または酸化バナジウム(Vanadium oxide)等を用いて形成することができる。これらの正極活物質は、それぞれ単独で用いられてもよく、また2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
また、正極活物質は、上述したリチウム塩のうち、層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物のリチウム塩を含んで形成されることが好ましい。ここで、「層状」とは、薄いシート状の形状を表す。また、「岩塩型構造」とは、結晶構造の1種である塩化ナトリウム型構造のことを表し、具体的には、陽イオンおよび陰イオンの各々が形成する面心立方格子が互いに単位格子の稜の1/2だけずれて配置された構造を表す。
このような層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物のリチウム塩としては、例えば、LiNiCoAl(NCA)、またはLiNiCoMn(NCM)(ただし、0<x<1、0<y<1、0<z<1、かつx+y+z=1)などの三元系遷移金属酸化物のリチウム塩が挙げられる。
正極活物質が、上記の層状岩塩型構造を有する三元系遷移金属酸化物のリチウム塩を含む場合、全固体二次電池1のエネルギー(energy)密度および熱安定性を向上させることができる。
正極活物質は、被覆層によって覆われていても良い。ここで、本実施形態の被覆層は、全固体二次電池の正極活物質の被覆層として公知のものであればどのようなものであってもよい。被覆層の例としては、例えば、LiO-ZrO等が挙げられる。
また、正極活物質が、NCAまたはNCMなどの三元系遷移金属酸化物のリチウム塩にて形成されており、正極活物質としてニッケル(Ni)を含む場合、全固体二次電池1の容量密度を上昇させ、充電状態での正極活物質からの金属溶出を少なくすることができる。これにより、本実施形態に係る全固体二次電池1は、充電状態での長期信頼性およびサイクル(cycle)特性を向上させることができる。
ここで、正極活物質の形状としては、例えば、真球状、楕円球状等の粒子形状を挙げることができる。また、正極活物質の粒径は特に制限されず、従来の全固体二次電池の正極活物質に適用可能な範囲であれば良い。なお、正極層10における正極活物質の含有量も特に制限されず、従来の全固体二次電池の正極層に適用可能な範囲であれば良い。
また、正極層10には、上述した正極活物質および固体電解質に加えて、例えば、導電助剤、バインダ、フィラー(filler)、分散剤、イオン導電助剤等の添加物が適宜配合されていてもよい。
正極層10に配合可能な導電助剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、金属粉等を挙げることができる。また、正極層10に配合可能なバインダとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride)、ポリエチレン(polyethylene)等を挙げることができる。さらに、正極層10に配合可能なフィラー、分散剤、イオン導電助剤等としては、一般に全固体二次電池の電極に用いられる公知の材料を用いることができる。
(2-2.負極層)
負極層20は、負極集電体21と、負極活物質層22とを備える。負極集電体21としては、例えば、インジウム(In)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、ステンレス鋼、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、リチウム(Li)またはこれらの合金からなる板状体または箔状体等が挙げられる。負極集電体21は省略されても良い。
負極活物質層22は、負極活物質および固体電解質を含む。負極活物質は、正極活物質と比較して充放電電位が低く、リチウムとの合金化、またはリチウムの可逆的な吸蔵および放出が可能な負極活物質材料にて構成される。負極活物質としては、例えば、金属活物質またはカーボン(carbon)活物質等を挙げることができる。金属活物質としては、例えば、リチウム(Li)、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、ケイ素(Si)等の金属やこれらの合金等を挙げることができる。また、カーボン活物質としては、例えば、人造黒鉛、黒鉛炭素繊維、樹脂焼成炭素、熱分解気相成長炭素、コークス(coke)、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、フルフリルアルコール(furfuryl alcohol)樹脂焼成炭素、ポリアセン(polyacene)、ピッチ(pitch)系炭素繊維、気相成長炭素繊維、天然黒鉛、難黒鉛化性炭素等を挙げることができる。これらの負極活物質は、単独で用いられてもよく、また2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
負極活物質層22に含まれる固体電解質は、本実施形態に係る固体電解質であることが好ましい。負極活物質層22に含まれる固体電解質は、本実施形態に係る固体電解質と他の固体電解質との混合物であってもよい。負極層20には、上述した負極活物質および固体電解質に加えて、例えば、導電剤、バインダ、フィラー、分散剤、イオン導電剤等の添加剤が適宜配合されていてもよい。負極層20に配合する添加剤としては、上述した正極層10に配合される添加剤と同様のものを用いることができる。
(2-3.固体電解質層)
固体電解質層30は、正極層10および負極層20の間に形成され、固体電解質を含む。固体電解質層30は、さらにバインダ等を含んでいても良い。固体電解質層30に含まれる固体電解質は、本実施形態に係る固体電解質であることが好ましい。固体電解質層30に含まれる固体電解質は、本実施形態に係る固体電解質と他の固体電解質との混合物であってもよい。
他の固体電解質は、例えば硫化物系固体電解質である。硫化物系固体電解質としては、例えば、LiS-P、LiS-P-LiX(Xはハロゲン元素、例えばI、Cl)、LiS-P-LiO、LiS-P-LiO-LiI、LiS-SiS、Li2-SiS-LiI、LiS-SiS-LiBr、LiS-SiS-LiCl、LiS-SiS-B-LiI、LiS-SiS-P-LiI、LiS-B、LiS-P-Z(m、nは正の数、ZはGe、ZnまたはGaのいずれか)、LiS-GeS、LiS-SiS-LiPO、LiS-SiS-LiMO(p、qは正の数、MはP、Si、Ge、B、Al、GaまたはInのいずれか)等を挙げることができる。ここで、硫化物系固体電解質は、硫化物系固体電解質の出発原料(例えば、LiS、P等)を溶融急冷法やメカニカルミリング(mechanical milling)法等によって処理することで作製される。また、これらの処理の後にさらに焼成を行っても良い。
本実施形態に係る全固体二次電池1は、本実施形態に係る固体電解質を含むので、より広い温度範囲で高い特性を発揮することができる。
<3.全固体二次電池の製造方法>
つぎに、全固体二次電池1の製造方法について説明する。全固体二次電池1は、正極層10、負極層20、および固体電解質層30を以下に説明する方法で作製した後に、これらを積層することで作製される。
(3-1.固体電解質作製工程)
本実施形態に係る固体電解質は、以下の製造方法により作製される。まず、メカニカルミリング処理によりLiS、P、およびLiBrを上述した組成式(1)に相当する混合比で混合する。これにより、ガラス体を得る。ここで、メカニカルミリング処理は、遊星型ボールミルを用いて、50~600回転/分、0.1~50時間、1~100kWh/原料混合物1kgの条件下で行われることが好ましい。これにより、固体電解質をより容易かつ確実に作製することができる。
ついで、得られたガラス体を当該ガラス体のガラス転移点以上の温度で熱処理することでイオン伝導性ガラスセラミックスに変換する。このイオン伝導性ガラスセラミックスが本実施形態に係る固体電解質に相当する。ついで、イオン伝導性ガラスセラミックスを冷却することで、本実施形態に係る固体電解質を得る。得られた固体電解質は、所望の粒度まで粉砕された後に、全固体二次電池1の作製に使用される。熱処理温度は、ガラス体のガラス転移点以上の温度であれば特に制限されない。本実施形態のガラス体のガラス転移点は概ね200℃前後であるので、熱処理温度は、250~450℃程度であることが好ましく、350~450℃であることがより好ましい。熱処理温度が高いほどイオン伝導度が高くなる傾向があるからである。
(3-2.正極層の製造方法)
正極層10は、公知の製造方法により作製される。例えば、正極活物質層12を構成する材料(正極活物質、固体電解質、バインダ等)を非極性溶媒に添加することで、スラリー(slurry)(スラリーはペースト(paste)であってもよい。他のスラリーも同様である。)を作製する。ついで、得られたスラリーを正極集電体11上に塗布し、乾燥する。ついで、得られた積層体を圧延することで、正極層10を作製する。正極活物質層12を構成する材料の混合物をペレット(pellet)状に圧密化成形するか、あるいはシート状に引き伸ばすことで正極層10を作製してもよい。これらの方法により正極層10を作製する場合、正極集電体11は省略されても良い。
(3-3.負極層作製工程)
まず、負極活物質層22を構成する材料(負極活物質、固体電解質、バインダ等)を非極性溶媒に添加することで、スラリーを作製する。ついで、得られたスラリーを負極集電体21上に塗布し、乾燥する。ついで、得られた積層体を圧延することで、負極層20を作製する。負極活物質層22を構成する材料の混合物をペレット(pellet)状に圧密化成形するか、あるいはシート状に引き伸ばすことで負極層20を作製してもよい。これらの方法により負極層20を作製する場合、負極集電体21は省略されても良い。
(3-4.固体電解質層作製工程)
固体電解質を、例えば、ブラスト(blast)法、エアロゾルデポジション(aerosol deposition)法、コールドスプレー(cold spray)法、スパッタ法、CVD法、溶射法等の公知の成膜法を用いて成膜することにより、固体電解質層30を作製することができる。なお、固体電解質層30は、固体電解質単体を加圧することにより作製されてもよい。また、固体電解質層30は、固体電解質と、溶媒、バインダまたは支持体とを混合し、加圧することにより固体電解質層30を作製してもよい。ここで、バインダまたは支持体は、固体電解質層30の強度を補強したり、固体電解質300の短絡を防止したりする目的で添加されるものである。
(全固体二次電池の製造)
上記の方法で作製した正極層10、負極層20、および固体電解質層30を、正極層10と負極層20とで固体電解質層30を挟持するように積層し、圧延することにより、本実施形態に係る全固体二次電池1を作製することができる。
<1.実施例1>
(1-1.固体電解質の作製)
まず、試薬LiS、P、LiBrを目的組成であるLi5.75PS4.75r1.25が得られるように秤量した。ついで、これらの原料を遊星型ボールミルにて20時間混合するメカニカルミリング処理を行った。メカニカルミリング処理は、380rpmの回転速度、室温、アルゴン雰囲気内で行った。
上記メカニカルミリング処理により得られたLi5.75PS4.75Br1.25組成の粉末試料(ガラス体)300mgをプレス(圧力400MPa/cm)することで直径13mm、厚さ約0.8mmのペレットを得た。得られたペレットを金箔で覆い、さらにカーボンルツボに投入することで、熱処理用試料の作製を行った。得られた熱処理用試料を石英ガラス管内に真空封入した。ついで、熱処理用試料を電気炉に投入し、電気炉内を室温から450℃まで1.0℃/分で昇温した。ついで、450℃6時間熱処理を行った。ついで、電気炉内を1.0℃/分で室温まで冷却することで固体電解質の塊状体を得た。回収された塊状体をメノウ乳鉢で粉砕することで、評価用の試料(固体電解質)を得た。得られた固体電解質のX線結晶回折を行い、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。図1にX線回折スペクトルを示す。実施例1のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。
さらに、本方法により測定されたX線回折パターン(回折スペクトル)を用いてベースライン除去を行った。ついで、2θ=29.6°±0.5°のピーク強度をIAとし、2θ=28.0°±0.5°のピーク強度をIBとした場合のIB/IAの値を測定した。IB/IAは、0.07であった。
(1-2.固体電解質の特性評価)
得られた固体電解質のイオン伝導度を以下の方法で測定した。固体電解質をプレス(圧力400MPa/cm)することでペレットを作製した。ついで、ペレットの両面にIn箔(厚さ500μm)を貼り付けることでイオン伝導度測定用ペレットを作製し、室温において交流インピーダンス測定装置を用い、室温(27℃)におけるイオン伝導度を測定した。27℃におけるイオン伝導度は1.8×10-3S/cmを示した。また、温度を27℃、および40℃、50℃、60℃、70℃、80℃に変えながらイオン伝導度測定を行い、得られた結果から活性化エネルギーを算出した。この結果、活性化エネルギーは、26.4kJ/molであった。
<2.実施例2>
熱処理の温度を350℃とした他は実施例1と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図1に示す。実施例2のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.08であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は3.1×10-3S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、25.2kJ/molであった。
<3.実施例3>
目的の組成をLi5.50PS4.50Br1.50とした他は実施例1と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図1に示す。実施例3のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.08であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は5.5×10-3S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、28.4kJ/molであった。
<4.実施例4>
熱処理の温度を350℃とした他は実施例3と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図1に示す。実施例4のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.09であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は3.6×10-3S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、28.4kJ/molであった。
<5.実施例5>
熱処理の温度を250℃とした他は実施例3と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図1に示す。実施例5のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.43であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は2.3×10-3S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、28.8kJ/molであった。
<6.実施例6>
目的の組成をLi5.77PS4.77Br1.23とした他は実施例1と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図1に示す。実施例6のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.07であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は1.7×10-3S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、27.1kJ/molであった。
<7.実施例7>
熱処理の温度を350℃とした他は実施例6と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図1に示す。実施例7のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.05であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は1.6×10-3S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、26.0kJ/molであった。
<10.比較例1>
目的の組成をLi6.00PS5.00Br1.00とし、熱処理温度を550℃とした他は実施例1と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図3に示す。比較例1のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.04であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は5.7×10-4S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、35.4kJ/molであった。
<11.比較例2>
熱処理の温度を450℃とした他は比較例1と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図3に示す。比較例2のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.03であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は1.7×10-3S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、31.2kJ/molであった。
<12.比較例3>
熱処理の温度を350℃とした他は比較例1と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図3に示す。比較例3のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.02であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は1.0×10-3S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、31.1kJ/molであった。
<13.比較例4>
目的の組成をLi6.25PS5.25Br0.75とし、熱処理温度を350℃とした他は実施例1と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図3に示す。比較例4のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.00であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は1.9×10-3S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、31.7kJ/molであった。
<14.比較例5>
熱処理の温度を250℃とした他は比較例1と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図3に示す。比較例5のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.00であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は1.8×10-3S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、30.8kJ/molであった。
<15.比較例6>
目的の組成をLi6.50PS5.50Br0.50とし、熱処理温度を550℃とした他は実施例1と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図3に示す。比較例6のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.00であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は1.3×10-3S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、39.5kJ/molであった。
<16.比較例7>
熱処理の温度を450℃とした他は比較例6と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図3に示す。比較例7のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.00であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は1.2×10-3S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、39.8kJ/molであった。
<17.比較例8>
目的の組成をLi6.75PS5.75Br0.25とし、熱処理温度を550℃とした他は実施例1と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図3に示す。比較例8のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.00であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は6.8×10-4S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、44.7kJ/molであった。
<18.比較例9>
熱処理の温度を450℃とした他は比較例8と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図3に示す。比較例9のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.00であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は7.9×10-4S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、41.1kJ/molであった。
<19.比較例10>
目的の組成をLi5.25PS4.25Br1.75とした他は実施例1と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図3に示す。比較例10のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.29であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は7.9×10-4S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、41.1kJ/molであった。
<20.比較例11>
熱処理の温度を350℃とした他は比較例10と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図3に示す。比較例11のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.66であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は7.1×10-4S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、44.6kJ/molであった。
<21.比較例12>
熱処理の温度を250℃とした他は比較例10と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図3に示す。比較例12のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、2.81であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は5.2×10-4S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、50.1kJ/molであった。
<22.比較例13>
試薬LiS、P、LiClを目的組成であるLi5.75PS4.75Cl1.25が得られるように秤量したこと、熱処理温度を550℃とした他は実施例1と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図3に示す。比較例13のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.00であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は2.3×10-3S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、37.0kJ/molであった。
<23.比較例14>
試薬LiS、P、NaS、LiClを目的組成である(Li5.69Na0.06)PS4.75Cl1.25が得られるように秤量したこと、熱処理温度を550℃とした他は実施例1と同様の処理を行うことで、固体電解質を作製した。固体電解質のX線回折測定を行うことで、固体電解質が目的となるArgyrodite型結晶構造を有していることを確認した。X線回折スペクトルを図3に示す。比較例14のX線回折スペクトルは、上述した位置にピークを有していることがわかる。また、実施例1と同様の方法でIB/IAの値を測定したところ、IB/IAの値は、0.00であった。また、実施例1と同様の方法によりイオン伝導度を測定した。室温でのイオン伝導度は5.1×10-3S/cmであった。また、実施例1と同様の方法により活性化エネルギーを算出したところ、活性化エネルギーは、34.0kJ/molであった。
<24.評価>
実施例および比較例を対比すると、本実施形態に係る固体電解質の要件を満たす実施例では、固体電解質のイオン伝導度が高く、かつ活性化エネルギーが低くなる(いずれも30kJ/mol未満)ことが明らかになった。一方で、比較例では、本実施形態に係る固体電解質の要件を満たさない。これらの比較例では、イオン伝導度がある程度高くなったものの、活性化エネルギーが高くなった(いずれも30kJ/mol超)。したがって、実施例に係る固体電解質は、いずれも広い温度範囲で高い特性を発揮することが期待できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 全固体二次電池
10 正極層
11 正極集電体
12 正極活物質層
20 負極層
21 負極集電体
22 負極活物質層
30 固体電解質層

Claims (5)

  1. 以下の組成式(1)で示される組成を有し、
    Li7-xPS6-xBr (1.2<x<1.75) (1)
    Argyrodite型結晶構造を有し、
    CuKα線を用いたX線回折測定によって得られるX線回折スペクトルが、少なくとも2θ=29.65°±0.50°の位置にピークを有し、
    前記2θ=29.65°±0.50°のピーク強度をIAとし、2θ=28.0°±0.5°のピーク強度をIBとした場合に、IB/IAの値が0.5未満であることを特徴とする、全固体二次電池用固体電解質。
  2. 前記X線回折スペクトルが、2θ=25.16°±0.50°、29.65°±0.50°、30.94°±0.50°、44.36°±0.50°、47.22°±0.50°、51.75°±0.50°の位置にピークを有することを特徴とする、請求項1記載の全固体二次電池用固体電解質。
  3. 請求項1または2記載の全固体二次電池用固体電解質を含むことを特徴とする、全固体二次電池。
  4. 請求項1または2記載の全固体二次電池用固体電解質を製造する固体電解質の製造方法であって、
    メカニカルミリング処理によりLiS、P、およびLiBrを前記組成式(1)に相当する混合比で混合することで、ガラス体を得る工程と、
    前記ガラス体を当該ガラス体のガラス転移点以上の温度で熱処理することで固体電解質を得る工程と、を含むことを特徴とする、固体電解質の製造方法。
  5. 前記メカニカルミリング処理が、遊星型ボールミルを用いて、50~600回転/分、0.1~50時間、1~100kWh/原料混合物1kgの条件下で行われることを特徴とする、請求項4記載の固体電解質の製造方法。
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