JP7050275B2 - 臓器モデルの製造方法および管状弾性部材の製造方法 - Google Patents

臓器モデルの製造方法および管状弾性部材の製造方法 Download PDF

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Description

本明細書の技術分野は、医者が手術のシミュレーションに用いる臓器モデル製造方法および管状弾性部材の製造方法に関する。
近年、医療技術が高度化および複雑化している。それに伴って、外科医に要求される技術も高度化および多様化している。そのため、手術シミュレーターが用いられることがある。これにより、若手執刀医は訓練を行うことができる。また、熟練の執刀医も手術前のリハーサルを行うことができる。
手術シミュレーターには、CG等を駆使したバーチャルシミュレーターと、臓器の形状を模った実体モデルを用いたシミュレーターと、の2種類がある。バーチャルシミュレーターは、仮想的に様々な環境および条件を設定できる点で優れている。実体モデルを用いたシミュレーターは、手術中の感触等を体験できる点で優れている。特許文献1には、実体モデルを用いたシミュレーターとして、人体モデルが開示されている。
このような実体モデルを用いたシミュレーターでは、より現実的な造形および質感が求められている。実体モデルの形状については、3Dプリンターの発展により、高精度な臓器モデルを製造できるようになってきている。
特開2006-267565号公報
一方、人体に損傷を与えるおそれのある手術についてシミュレーションをする場合には、より現実的な反応を実体モデルから得られることが好ましい。人体に損傷を与えるおそれのある手術として、例えば、カテーテルアブレーション治療のような熱処理を実施する手術が挙げられる。カテーテルアブレーション治療では、例えば、心臓の不整脈の原因となっている箇所を高周波で焼き切る。その場合には、目的箇所のみを焼き切ることが好ましい。そしてそのためには、血管および心臓をなるべく傷つけないようにカテーテルを送る必要がある。
このような実体モデルを用いたシミュレーションをより有意義なものにするために、実体モデルには高い精度が求められる。しかし、血管や心臓といった臓器の形状をつくることは決して容易ではない。例えば、中子を用いれば、臓器の内部の空洞を形成することはできる。しかし、中子の位置にわずかなずれが生ずれば、管状の血管のうち膜厚の厚いところと薄いところとが生じてしまう。それは単なる形状の問題ではなく、熱容量と熱の拡散の度合いにも影響してしまう。さらには、血管や臓器は複雑に分岐しているところもあり、決して単純な構造ではない。また、血管の膜厚が薄いことを考慮すれば、3Dプリンターを用いて実体モデルを高精度に造型することも困難であると考えられる。さらには、材料の弾性といった性質や、熱伝導率といった問題を考慮すると、材料が限られる。すなわち、3Dプリンターによる造型はさらに困難を極める。
本明細書の技術は、前述した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは、空洞部を有する複雑な形状を高精度に造型することのできる臓器モデルの製造方法よび管状弾性部材の製造方法を提供することである。
第1の態様における臓器モデルの製造方法は、空洞部を有する第1の型に第1の材料を流し込む工程と、第1の型の中で第1の材料を硬化させる工程と、を有する。第1の材料は、紫外線硬化樹脂と、紫外線吸収材料と、を含有する。第1の型は、少なくとも一部の紫外線を透過する材料で形成されたものである。第1の材料を硬化させる工程では、第1の型の外部から第1の材料に紫外線を照射する。そして、第1の材料の外縁部分である第1の領域を硬化して構造体とするとともに、第1の領域の内部に位置する第1の材料の第2の領域を硬化しない。
この臓器モデルの製造方法は、空洞部を有するとともに複雑な形状を有する臓器モデルを高精度で製造することができる。例えば血管のように膜厚が非常に薄いものであっても、非常によく再現することができる。
本明細書では、空洞部を有する複雑な形状を高精度に造型することのできる臓器モデルの製造方法よび管状弾性部材の製造方法が提供されている。
第1の実施形態における人体モデルの概略構成を示す図である。 第1の実施形態における心臓モデルを示す図である。 第1の実施形態における血管モデルの外観構造を示す図である。 第1の実施形態における血管モデルの断面構造を示す断面図である。 第1の実施形態における血管モデルの製造方法を説明するための図(その1)である。 第1の実施形態における血管モデルの製造方法を説明するための図(その2)である。 第1の実施形態における血管モデルの製造方法を説明するための図(その3)である。 第1の実施形態における血管モデルの製造方法を説明するための図(その4)である。 図2の拡大図である。
以下、実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、臓器モデルとその製造方法および管状弾性部材の製造方法について説明する。臓器モデルは、例示であり、実施形態に示されているものに限定されない。
(第1の実施形態)
1.人体モデル(手術シミュレーター)
図1は、本実施形態の人体モデル100を示す図である。人体モデル100は、使用者が手術のシミュレーションを実施するための手術シミュレーターである。ここで、使用者とは、若手執刀医や熟練した執刀医等の外科医である。人体モデル100は、心臓モデル110と、血管モデル120と、を有している。
人体モデル100と、心臓モデル110と、血管モデル120とは、透明性の樹脂からできている。また、人体モデル100と、心臓モデル110と、血管モデル120とは、不透明な樹脂からできていてもよい。
2.心臓モデル
図2に示すように、心臓モデル110は、人間の心臓を模った臓器モデルである。血管モデル120は、人間の血管を模った臓器モデルである。血管モデル120には、血液に近い流体を流すことができる。心臓モデル110の材質は、シリコーン系樹脂もしくはハイドロゲル系樹脂である。
心臓モデル110は、カテーテルアブレーション等の熱処理を伴う手術シミュレーションを実施するための目標となる臓器モデルである。心臓モデル110は、温度インジケータ111を有する。温度インジケータ111は、温度に応じて色が変化する顔料などの材料を樹脂に分散させたものである。温度インジケータ111は、膜状である。温度インジケータ111は、心臓モデル110の内側の表面に貼り付けられている。温度インジケータ111は、もちろん、心臓モデル110の外側の表面に貼り付けられていてもよい。また、温度インジケータ111は、心臓モデル110の樹脂材料の全体に分散されていてもよい。そのため、心臓モデル110の構造体の少なくとも一部は、構造体の温度に応じて色が変化する。
温度インジケータ111の熱伝導率は、実際の人体の熱伝導率に近い。例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)の熱伝導率は、0.27W/mKである。皮膚の熱伝導率(代表値)は、0.21W/mKである。筋肉の熱伝導率(代表値)は、0.40W/mKである。
3.血管モデル
3-1血管モデルの形状
図3は、血管モデル120の外観構造を示す図である。図3に示すように、血管モデル120は、人間の血管を模った臓器モデルである。そのため、血管モデル120は、臓器を模った構造体と、少なくとも一部を構造体に覆われている空洞部と、を有する。血管モデル120は、第1の血管部121と、第2の血管部122と、第3の血管部123と、分岐部124と、を有する。第1の血管部121と第2の血管部122と第3の血管部123とは、互いに連通している。分岐部124は、第1の血管部121が第2の血管部122と第3の血管部123とに分岐する部分である。
図4は、血管モデル120の断面構造を示す断面図である。図4に示すように、血管モデル120は、構造体S1と、少なくとも一部を構造体S1に覆われている空洞部T1と、を有する。構造体S1は、血管モデル120の本体である。図4に示すように、第2の血管部122と第3の血管部123とに分岐する箇所に、屈曲部125がある。この屈曲部125では、血管が急激に折れ曲がっている。本実施形態における血管モデル120の屈曲部125は、薄く均等な膜厚を備えている。
3-2.血管モデルの材質
血管モデル120の構造体S1は、紫外線硬化樹脂と、紫外線吸収材料と、を含有する。血管モデル120の構造体S1は、弾性を示す。そのため、血管モデル120の構造体S1は、硬化後に弾性を示す材料から形成されている。血管モデル120を含む臓器モデルは、可能な限り現実の臓器に近いことが要求されているからである。また、血管モデル120は、温度インジケータ111を有していてもよい。この場合の温度インジケータ111は、血管モデル120の内壁に貼り付けられていてもよいし、血管モデル120の樹脂材料の全体に分散されていてもよい。
血管モデル120の材質は、シリコーン系樹脂もしくはハイドロゲル系樹脂である。そして上記のように、紫外線硬化樹脂と、紫外線吸収材料と、を含有している。紫外線硬化樹脂は、例えば、光硬化性のポリジメチルシロキサンである。紫外線吸収材料は、例えば、2-ベンゾイル安息香酸メチルである。
4.臓器モデルの製造方法
臓器モデルの製造方法を説明するために、血管モデル120を例に挙げて説明する。
4-1.第1の模型成形工程
図5に示すように、まず、空洞部を有さない第1の模型M1を成形する。血管の外形を再現出来れば良いため、第1の模型M1の材料は何でもよい。第1の模型M1を成形するために、例えば、3Dプリンターを用いればよい。また、3Dプリンターにより製造された後で第1の模型M1の外形形状を整えてもよい。もちろん、その他の技術を用いて、第1の模型M1の外形形状を形成してもよい。
4-2.第1の型成形工程
図6に示すように、第1の模型M1の周囲に第1の型D1を成形する。この工程においては、第1の模型M1の外形形状に基づいて、第1の模型M1の外形形状に沿って第1の型D1を成形する。第1の型D1は、少なくとも一部の紫外線を透過する材料で形成されたものである。第1の型D1の材料は、例えば、樹脂である。第1の型D1の材料として液体状のものを第1の模型M1に塗布した後に、加熱等で固化することにより第1の型D1を形成してもよい。そして、第1の型D1から第1の模型M1を取り除く。そのために、例えば、第1の型D1を2つに割る。もちろん、その他の処理を行ってもよい。
4-3.材料供給工程
図7に示すように、空洞部を有する第1の型D1に第1の材料L1を流し込む。第1の材料L1は、紫外線硬化樹脂と、紫外線吸収材料と、を含有するゾルまたは液状の材料である。
4-4.硬化工程
図8に示すように、第1の型D1の内部で第1の材料L1を硬化させる。図8は、硬化工程における第1の材料L1の断面を示している。この硬化工程では、第1の型D1の外部から第1の材料L1に向かって紫外線(UV)を照射する。紫外線を照射する方向は、第1の型D1の外部のあらゆる方向であるとよい。構造体S1のあらゆる位置において、ほぼ一定の膜厚の血管モデル120を製造することができるからである。なお、図8では、上下方向からの紫外線の強度は弱めにしてある。血管の端部を塞がないようにするためである。
このとき、紫外線は、第1の型D1を透過し、液体の第1の材料L1の外側から照射される。そのため、第1の材料L1のうち第1の型D1に接触している箇所から硬化する。そして、第1の材料L1の外縁部分である第1の領域R1を硬化して構造体S1とするとともに、第1の領域R1の内部に位置する第1の材料L1の第2の領域R2を硬化しない。そのため、図8の段階で、第1の領域R1は固体であり、第2の領域R2は液体である。
これは、第1の材料L1が紫外線硬化樹脂と紫外線吸収材料とを含有しているからである。そのため、紫外線の強度は、第1の型D1を透過し、第1の材料L1から内側に進入するほど吸収される。つまり、第1の領域R1では紫外線の強度は高く、第2の領域R2では紫外線の強度は低い。このような紫外線の強度分布が形成されるため、第1の領域R1では第1の材料L1は固化し、第2の領域R2では第1の材料L1は固化せず液体のままである。
したがって、構造体S1のうちのあらゆる箇所で膜厚がほぼ均等な血管モデル120を製造することができる。なお、第1の材料L1が紫外線吸収材料を含有しないと、第1の材料L1の内部で上記のような紫外線強度分布は形成されない。そのため、紫外線は第1の材料L1を透過してしまう。その場合には、空洞部を形成することは困難を極める。
4-5.漏出工程
第1の材料L1の第1の領域R1を硬化させる硬化工程の後に、第1の材料L1の第2の領域R2を漏出させる。このとき、第2の領域R2は液体状のままである。したがって、第2の領域R2の第1の材料L1を漏出させることは容易である。
4-6.離型工程
次に、第1の型D1から血管モデル120を取り出す。そのために、例えば、第1の型D1を2つに割る。もちろん、その他の処理を行ってもよい。
5.人体モデルの製造方法
5-1.造形工程
まず、臓器モデルを造形する。そのために、上記の臓器モデルの製造方法を用いればよい。その他に、3Dプリンターを用いてもよい。ポリエチレングリコールジアクリレートと光重合開始剤、紫外光を吸収する染料の混合物を用いて、心臓モデル110と血管モデル120とを製作する。また、人体モデル100の本体を製作する。これにより、個々のモジュールが製造される。
5-2.温度インジケータ製造工程
次に、ポリジメチルシロキサン(PDMS)と温度により変化する染料または顔料とを混合する。ポリジメチルシロキサン(PDMS)は液体である。染料または顔料は、液体もしくは粉末状である。そして、この混合物を固化する。その際に加熱が必要な場合もあれば自然乾燥でよい場合もある。これにより、温度インジケータ111が製造される。また温度インジケータ111の材料を用いて心臓モデル110や血管モデル120を造型してもよい。
5-3.組立工程
この後、心臓モデル110および血管モデル120を人体モデル100の本体に収容する。また、温度インジケータ111を心臓モデル110に装着する。もちろん、温度インジケータ111を血管モデル120に装着してもよい。これにより、人体モデル100が製造される。
6.人体モデルの使用方法(手術のシミュレーション)
図2に示す心臓モデル110を用いた手術のシミュレーション方法について説明する。このとき、血管モデル120には液体を流す。血液による効果を含めてシミュレーションを実施するためである。図2および図9に示すように、カテーテルC1を心臓モデル110に挿入する。そして、カテーテルC1の先端C1aで目標箇所A1を高周波により加熱する。ここで、目標箇所A1の周囲には温度インジケータ111が形成されている。
そして、図9に示すように、カテーテルC1の先端C1aは、心臓モデル110の目標箇所A1を加熱する。これにより、目標箇所A1の温度は上昇する。そして、熱は目標箇所A1の周囲に伝導する。温度インジケータ111は、その位置における温度に応じて発色する。そのため、使用者は、目標箇所A1およびその周辺の温度を把握しながらシミュレーションを実施することができる。
7.本実施形態の効果
本実施形態では、位置によらず膜厚がほぼ等しい血管モデル120が実現されている。従来技術では、例えば、図4に示す屈曲部125の形状を再現することは非常に困難である。すなわち、本実施形態の臓器モデルの製造方法では、空洞部T1を有する複雑な形状の臓器の形状を備える臓器モデルを高い精度で製造することができる。また、材料選択の幅がある程度あるため、実際の人体に近い熱伝導率を再現する臓器モデルを製造することが可能である。
8.変形例
8-1.臓器モデルの種類
本実施形態において製造方法を説明するために例に挙げた臓器モデルは、血管モデル120である。しかし、もちろん、それ以外の空洞部を有する臓器モデルにも適用することができる。例えば、心臓モデル110である。またその他に、脳モデル、胃モデル、小腸モデル、大腸モデル、咽頭モデル、胚モデル、膀胱モデル等が挙げられる。さらには、上記に列挙したもの以外であってもよい。
8-2.第1の材料の種類
臓器モデルの製造に用いる第1の材料L1が含有する紫外線硬化樹脂および紫外線吸収材料の種類は、実施形態で説明したもの以外であってもよい。紫外線硬化樹脂は、例えば、光硬化性のポリジメチルシロキサン、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリウレタンアクリレートである。紫外線吸収材料は、例えば、2-ベンゾイル安息香酸メチル、顔料、染料である。
8-3.人体モデル
本実施形態では、人体モデル100が各臓器のモデルを有している。図1の人体モデル100は、人の全身を模った形状を有している。しかし、外科医が手術のシミュレーションをすることができれば十分である。そのため、図1に示すような全身でなく、例えば、胴体部分だけであってもよい。つまり、人体モデルは、人体の少なくとも一部を再現したものであればよい。
8-4.第1の型の製造方法
第1の型D1を3Dプリンター等を用いて直接に製造してもよい。その場合には、第1の模型成形工程は不要である。
8-5.第1の型の材料
第1の型D1の材料を特定の溶媒に溶解するものとしてもよい。例えば、第1の型D1の材料が水溶性のものであれば、第1の型D1から血管モデル120等の臓器モデルの取り出しが容易である。
8-6.膜厚の制御
臓器モデルのうち、膜厚を厚くしたい部分には紫外線の照射時間を長くすればよい。また、膜厚を薄くしたい部分には紫外線の照射時間を短くすればよい。このように紫外線の照射時間を調節することにより、臓器モデルの局所的な膜厚を制御することができる。また、第1の型D1自体の光透過性や屈折性を利用することにより、任意の位置の膜厚を制御することができる。
8-7.組み合わせ
上記の変形例を互いに自由に組み合わせてもよい。
9.本実施形態のまとめ
本実施形態の血管モデル120は、空洞部T1を有するとともに、位置によらず膜厚がほぼ等しい構造体S1を備えている。また、本実施形態の臓器モデルの製造方法では、空洞部T1を有する複雑な形状の臓器の形状を備える臓器モデルを高い精度で製造することができる。また、材料選択の幅がある程度あるため、実際の人体に近い熱伝導率、ヤング率、摩擦係数等の物理特性を再現する臓器モデルを製造することが可能である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は管状弾性部材の製造方法である。
1.管状弾性部材
管状弾性部材は、第1の実施形態の血管モデル120のように、管状の形状と弾性とを備えている。そのため血管モデル120も、管状弾性部材の一種である。また、本実施形態の管状弾性部材は、分岐を有する。このような管状弾性部材は、第1の実施形態の血管モデル120と同様に、均一な膜厚で製造することが容易ではない。
この場合には、第1の模型M1は、図5に示すように、分岐を有する。第1の型D1は、図6に示すように、分岐を有する。本実施形態の管状弾性部材の製造方法は、第1の実施形態と同様の工程を有する。そのため、本実施形態の管状弾性部材の製造方法を用いることにより、複雑な形状の管状弾性部材を製造することができる。また、管状弾性部材の膜厚を、位置に依らずほぼ等しくすることができる。
2.変形例
第1の実施形態の変形例を自由に組み合わせて第2の実施形態に適用することができる。
A.付記
第1の態様における臓器モデルの製造方法は、空洞部を有する第1の型に第1の材料を流し込む工程と、第1の型の中で第1の材料を硬化させる工程と、を有する。第1の材料は、紫外線硬化樹脂と、紫外線吸収材料と、を含有する。第1の型は、少なくとも一部の紫外線を透過する材料で形成されたものである。第1の材料を硬化させる工程では、第1の型の外部から第1の材料に紫外線を照射する。そして、第1の材料の外縁部分である第1の領域を硬化して構造体とするとともに、第1の領域の内部に位置する第1の材料の第2の領域を硬化しない。
第2の態様における臓器モデルの製造方法においては、第1の材料を硬化させる工程の後に、第1の材料の第2の領域を漏出させる。
第3の態様における臓器モデルは、臓器を模った構造体と、少なくとも一部を構造体に覆われている空洞部と、を有する。構造体は、紫外線硬化樹脂と、紫外線吸収材料と、を含有する。
第4の態様における臓器モデルにおいては、構造体は、弾性の材料である。
第5の態様における臓器モデルにおいては、構造体の少なくとも一部は、構造体の温度に応じて色が変化する。
第6の態様における管状弾性部材の製造方法は、空洞部を有さない第1の模型を成形する工程と、第1の模型の外形に基づいて第1の型を成形する工程と、第1の型に第1の材料を流し込む工程と、第1の型の中で第1の材料を硬化させる工程と、を有する。第1の材料は、紫外線硬化樹脂と、紫外線吸収材料と、を含有する液体材料である。第1の型は、少なくとも一部の紫外線を透過する材料で形成されたものであるとともに、分岐を有する。第1の材料を硬化させる工程では、第1の型の外部から第1の材料に紫外線を照射する。そして、第1の材料の外縁部分である第1の領域を硬化して構造体とするとともに、第1の領域の内部に位置する第1の材料の第2の領域を硬化しない。
第7の態様における管状弾性部材の製造方法においては、第1の材料を硬化させる工程の後に、第1の材料の第2の領域を漏出させる。
100…人体モデル
110…心臓モデル
120…血管モデル
121…第1の血管部
122…第2の血管部
123…第3の血管部
124…分岐部
125…屈曲部
D1…第1の型
M1…第1の模型
L1…第1の材料
S1…構造体
T1…空洞部
R1…第1の領域
R2…第2の領域

Claims (4)

  1. 空洞部を有する第1の型に第1の材料を流し込む工程と、
    前記第1の型の中で前記第1の材料を硬化させる工程と、
    を有し、
    前記第1の材料は、
    紫外線硬化樹脂と、
    紫外線吸収材料と、
    を含有し、
    前記第1の型は、
    少なくとも一部の紫外線を透過する材料で形成されたものであり、
    前記第1の材料を硬化させる工程では、
    前記第1の型の外部から前記第1の材料に紫外線を照射し、
    前記第1の材料の外縁部分である第1の領域を硬化して構造体とするとともに、前記第1の領域の内部に位置する前記第1の材料の第2の領域を硬化しないこと
    を特徴とする臓器モデルの製造方法。
  2. 請求項1に記載の臓器モデルの製造方法において、
    前記第1の材料を硬化させる工程の後に、
    前記第1の材料の前記第2の領域を漏出させること
    を特徴とする臓器モデルの製造方法。
  3. 空洞部を有さない第1の模型を成形する工程と、
    前記第1の模型の外形に基づいて第1の型を成形する工程と、
    前記第1の型に第1の材料を流し込む工程と、
    前記第1の型の中で前記第1の材料を硬化させる工程と、
    を有し、
    前記第1の材料は、
    紫外線硬化樹脂と、
    紫外線吸収材料と、
    を含有する液体材料であり、
    前記第1の型は、
    少なくとも一部の紫外線を透過する材料で形成されたものであるとともに、
    分岐を有し、
    前記第1の材料を硬化させる工程では、
    前記第1の型の外部から前記第1の材料に紫外線を照射し、
    前記第1の材料の外縁部分である第1の領域を硬化して構造体とするとともに、前記第1の領域の内部に位置する前記第1の材料の第2の領域を硬化しないこと
    を特徴とする管状弾性部材の製造方法。
  4. 請求項に記載の管状弾性部材の製造方法において、
    前記第1の材料を硬化させる工程の後に、
    前記第1の材料の前記第2の領域を漏出させること
    を特徴とする管状弾性部材の製造方法。
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