第1の例では、医療装置システムは、長尺状のシャフトの近位端から長尺状のシャフトの遠位端まで延びるルーメンを有する長尺状のシャフトと、長尺状のシャフトの近位端に隣接して長尺状のシャフトの内面から外面に延びる少なくとも1つのスロットと、長尺状のシャフトのルーメン内に配置されたリリースワイヤであって、医療装置を長尺状のシャフトの遠位端に離脱可能に取り付けるリリースワイヤと、近位部分と遠位部分とを有する固定部材であって、近位部分はリリースワイヤの近位端に固定され、遠位部分は、拡張姿勢と圧縮姿勢との間で移動可能である少なくとも1つのクリップであって、長尺状のシャフトの少なくとも1つのスロット内に離脱可能に連結される少なくとも1つのクリップを有する、固定部材とを備える。固定部材は、長尺状のシャフトが固定位置に保持された状態で、固定部材の近位部分に近位方向に作用する力が加えられるとともに少なくとも1つのクリップが圧縮姿勢に移動した時、長尺状のシャフトの近位端から離間して近位方向に移動する。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、別例では、少なくとも1つのクリップの圧縮姿勢への移動は、少なくとも1つのクリップに対する径方向内方に作用する力の付与である。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、別例では、少なくとも1つのクリップに対する径方向内方に作用する力は、操作者によって付与される。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、別例では、少なくとも1つのクリップに対する径方向内方に作用する力は、長尺状のシャフトの内面によって付与される。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、別例では、少なくとも1つのクリップは、近位部分と遠位インターロック部分とを含む。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、別例では、少なくとも1つのクリップの遠位インターロック部分は、少なくとも1つのスロット内に配置される。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、別例では、拡張姿勢にある時、少なくとも1つのクリップの遠位インターロック部分の少なくとも一部は、長尺状のシャフトの内径よりも大きな径方向寸法を有する。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、別例では、圧縮姿勢にある時、少なくとも1つのクリップの遠位インターロック部分は、長尺状のシャフトの内径とほぼ等しい又は長尺状のシャフトの内径より小さな径方向の寸法を有する。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、別例では、少なくとも1つのクリップの遠位インターロック部分は、遠位方向に先細りする表面を含む。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、少なくとも1つのクリップの遠位インターロック部分は、近位方向に先細りする表面を含む。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、別例では、少なくとも1つのスロットは、第1のスロットと、周方向において同第1のスロットに対向して配置された第2のスロットとを含む。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、別例では、少なくとも1つのクリップは、第1のクリップと第2のクリップとを備える。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、別例では、長尺状のシャフトの近位端から離間する固定部材の近位部分の近位方向への移動は、リリースワイヤを長尺状のシャフトに対して軸方向に移動させる。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、別例では、医療装置システムは、長尺状のシャフトの遠位端に近接して配置された医療装置と、リリースワイヤは、医療装置を長尺状のシャフトの遠位端に離脱可能に固定することと、医療装置を治療部位に送達するマイクロカテーテルと、長尺状のシャフトと医療装置はマイクロカテーテルのルーメン内に摺動可能に配置されることとをさらに含む。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、別例では、長尺状のシャフトは、長尺状のシャフトの遠位端に取り付けられた離脱機構の第1の部分を含み、医療装置は、医療機器の近位端に取り付けられた離脱機構の第2の部分を含む。リリースワイヤは、固定部材の近位部分が固定部材の遠位部分によって遠位方向に付勢されている時、離脱機構の第1の部分を離脱機構の第2の部分に連結する。
別例では、医療装置システムは、長尺状のシャフトの近位端から長尺状のシャフトの遠位端まで延びるルーメンを有する長尺状のシャフトと、第1のスロット及び同第1のスロットに対して周方向において対向して配置された第2のスロットであって、それぞれ長尺状のシャフトの近位端に隣接した長尺状のシャフトの内面から外面まで延びる第1のスロット及び第2のスロットと、長尺状のシャフトのルーメン内に配置されて医療器具を長尺状のシャフトの遠位端に離脱可能に取り付けるリリースワイヤと、固定部材とを備える。固定部材は、リリースワイヤの近位端に堅固に固定された近位部分と、近位部分から遠位方向に延びて第1のスロットに離脱可能に連結される第1のクリップと、近位部分から遠位方向に延びて第2のスロットに離脱可能に連結される第2のクリップとを備える。第1及び第2のクリップは、拡張姿勢と圧縮姿勢との間で移動可能である。長尺状のシャフトが固定位置に維持された状態で、固定部材の近位部分に近位方向の力が加えられるとともに、第1、第2のクリップが圧縮姿勢に移動されると、固定部材は、長尺状のシャフトの近位端から離間して近位方向に移動される。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、別例では、第1、第2のクリップが第1、第2のスロットに離脱可能に連結された時、リリースワイヤは、長尺状のシャフトに対して軸方向及び回転方向に固定される。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、別例では、第1、第2のクリップが第1、第2のスロットから外された時、リリースワイヤは、長尺状のシャフトに対して軸方向及び回転方向に移動できる。
上記例に代替的に又は追加的に、別例では、固定部材の近位部分がシャフトの近位端から離間して近位方向に移動されることにより、リリースワイヤは長尺状のシャフトに対して軸方向に移動される。
上記例のいずれか1つに代替的に又は追加的に、別例では、長尺状のシャフトは、長尺状のシャフトの遠位端に取り付けられた離脱機構の第1の部分を含み、医療装置は、医療機器の近位端に取り付けられた離脱機構の第2の部分を含む。固定部材の近位部分が固定部材の遠位部分によって遠位方向に付勢される時、リリースワイヤは、離脱機構の第1の部分を離脱機構の第2の部分に接合する。
別例では、医療装置を治療部位に送達する方法は、マイクロカテーテルを患者の体内に挿入することと、マイクロカテーテルの遠位端を治療部位に隣接する部位に進行させることと、長尺状のシャフトの遠位端に配置された医療装置をマイクロカテーテル内に配置されたルーメンの近位端の中に挿入することとを含む。医療装置は、長尺状のシャフト内のルーメン内を通って延びるプルワイヤによって長尺状のシャフトの遠位端に離脱可能に取り付けられ、固定部材は、長尺状のシャフトから近位方向に延び、長尺状のシャフトに離脱可能に連結されるとともにプルワイヤに固着される。方法は、医療機器をマイクロカテーテル内を通って治療部位まで進行させることと、長尺状のシャフトが固定位置に保持された状態で径方向において内方に作用する力を加えるとともに固定部材の近位部を長尺状のシャフトの近位端から離間して近位方向に移動させることにより固定部材を長尺状のシャフトから切り離してプルワイヤを長尺状のシャフトに対して移動させることと、それにより医療装置を長尺状のシャフトから離脱させることとを含む。
上記例に代替的に又は追加的に、別例では、固定部材の近位部は、プルワイヤに固着され、固定部材の遠位部は長尺状のシャフトに離脱可能に連結される。
上記例に代替的に又は追加的に、別例では、離脱機構の第1の部分は長尺状のシャフトの遠位端に取り付けられ、離脱機構の第2の部分は医療装置の近位端に取り付けられる。
上記例に代替的に又は追加的に、別例では、プルワイヤは、長尺状のシャフト、離脱機構の第1の部分、及び離脱機構の第2の部分の内部に摺動可能に配置される。
上記例に代替的に又は追加的に、別例では、付与された径方向内方に作用する力は、固定部材の遠位部分を、長尺状のシャフトの内径より大きな径方向寸法を有する拡張姿勢から長尺状のシャフトの内径とほぼ等しい、又はそれより小さな径方向寸法を有する圧縮姿勢に移動させることができる。
いくつかの実施形態、態様及び/又は実施例についての上記概要は、本発明の各実施形態又はすべての実装を説明することを意図していない。以下の図及び詳細な説明がこれらの実施形態をより具体的に例示する。
本発明は、添付の図面と合わせて以下の様々な実施形態についての詳細な説明を考慮することにより、より完全に理解され得る。
本発明の態様は、様々な変更形態及び代替形態が可能であるが、それらの特別なものが例として図面に示され、詳細に説明されている。しかし、それは、本発明の態様を説明する特定の実施形態に限定することを意図したものではないことを理解されたい。むしろ、その意図は、本発明の趣旨及び範囲に含まれるすべての変更物、均等物、及び代替物を網羅することにある。
以下の説明は、図面を参照して読まれたい。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、同一の参照符号は、いくつかの図面にわたって同一要素を示す。詳細な説明及び図面は、特許請求の範囲に記載された発明を例示することを意図したものであり、限定することを意図したものではない。当業者であれば、記載及び/又は示されている様々な要素は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な組み合わせ及び構成で配置され得ることが理解できる。詳細な説明及び図面は、特許請求の範囲に記載の発明の例示的な実施形態を示す。しかし、明確さ及び理解を容易にするために、すべての特徴や要素が各図面に表示されていない場合があるが、特に指定されていない限り、特徴や要素は存在すると理解できる。
以下の定義された用語については、請求項又は本明細書の別の場所で異なる定義が与えられない限り、以下の定義が適用されるものとする。
本明細書では、数値はすべて、明示的に示されているか否かに関係なく、「約」という用語で修飾されることが想定されている。「約」という用語は、数値の文脈において、一般に、当業者が列挙された値と同等であると考える(例えば、同じ機能又は結果を有する)数値範囲を指す。多くの場合、「約」という用語には、最も近い有効数字に四捨五入される数値が含まれる。「約」という用語の他の用法(例えば、数値以外の文脈で)は、特に特定されない限り、明細書の文脈から理解され且つそれと一致する通常の慣習的な定義を有することが想定されている。
終点による数値範囲の列挙には、終点を含むその範囲内のすべての数値が含まれる(例えば、1から5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5が含まれる)。
様々な構成要素、特徴及び/又は仕様に関するいくつかの適した寸法、範囲及び/又は値が開示されているが、本開示を参照した当業者であれば、明示的に開示されたものから所望の寸法、範囲及び/又は値が逸脱する場合があることが理解できる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「ひとつ(a)」、「ひとつ(an)」、及び「その(the)」は、内容が明らかに別のことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合には、「又は(or)」という用語は、内容が明確に別のことを指示しない限り、「及び/又は(and/or)」を含む意味で一般に使用される。理解を容易にするために、本明細書の特定の特徴は、開示された実施形態内で複数又は繰り返されている場合であっても、単数形で説明されている場合があることに留意されたい。特徴の各例は、反対に明確に述べられていない限り、単数又は複数の開示を含み、包含され得る。簡潔化及び明確化の目的で、開示された発明の全ての要素が必ずしも各図面に示されたり以下で詳細に説明されてはいない。しかし、以下の説明は、反対に明確に述べられていない限り、複数の構成要素の任意に及び/又は全てに等しく適用され得ることが理解できる。さらに、明確化の為に、要素又は特徴の必ずしも全ての例は各図面に示されてはいない。
「近位」、「遠位」、「前進」、「後退」、それらの変形などの相対的な用語は、使用者/操作者/操縦者に対する様々な要素の配置、方向及び/又は操作に関して一般に考慮され、「近位」及び「後退」という用語は、使用者に近い又は向かっていることを示し、「遠位」及び「前進」という用語は、使用者から遠ざかる又は離間することを示す。いくつかの場合には、「近位」及び「遠位」という用語は、発明の理解を容易にするために任意に割り当てられてもよく、そのような場合は当業者であれば容易に理解できる。「上流」、「下流」、「流入」、及び「流出」などの他の相対的な用語は、体管腔、血管などのルーメン内、又は装置内の流体の流れの方向を指す。「軸方向」、「周方向」、「長手方向」、「横方向」、「径方向」などのさらなる別の相対的な用語及び/又はそれらの変形は、開示された構造又は装置の中央の長手方向軸線に対する方向や方位を一般に指す。
「範囲」という用語は、特に最小範囲と呼ばれない限り、指定又は識別された寸法の最大の測定値を意味すると理解できる。例えば、「外側範囲」は最大外側寸法を意味し、「径方向範囲」は最大径方向寸法を意味し、「長手方向範囲」は最大長手方向寸法を意味することが理解できる。「範囲」の例はそれぞれ、異なる場合があるが(例えば、軸方向、長手方向、横方向、径方向、周方向など)、当業者であれば、個々の使用されている文脈から理解できる。一般に、「範囲」は、意図された使用法に従って測定された最大の可能な寸法と考えられる。ただし、「最小範囲」と呼ばれる場合には、「範囲」は、意図された使用法に従って測定された可能な最小寸法を指すものとする。いくつかの場合には、「範囲」は一般に平面及び/又は横断面内で直交に測定されるが、特定の文脈から明らかなように、限定ではないが、斜め方向、径方向、周方向(例えば、円弧に沿って)など、異なって測定され得る。
本明細書における「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「別の実施形態」などについての記載は、記載された実施形態が特定の要素、構造、又は特性を含むことを示すが、全ての実施形態が、特定の要素、構造、又は特性を含むとは限らない。さらに、そのような言い回しは、必ずしも同一の実施形態を指してはいない。さらに、特定の要素、構造、又は特性が、一実施形態に関連して説明されている場合には、別の実施形態に関連して特定の要素、構造、又は特性をもたらすことは、明示的に説明されているか否かに拘わらず、反対に明確に述べられていない限り、当業者の知識の範囲内である。つまり、当業者であれば理解できるだろうが、特定の組み合わせで明示されていない場合でも、以下で説明する様々な個々の要素は、別のさらなる実施形態を形成するため、又は説明した実施形態を補完したり強化したりするために互いに組み合わせたり配置したりすることができると考えられる。
明確化を目的として、明細書の記載や請求項の記載の全体にわたって、識別用の数字による命名法(たとえば、第1、第2、第3、第4など)を使用して明細書や請求項に記載された様々な要素を命名したり区別したりする場合がある。数字による命名法は、限定を意図したものではなく、単なる例示であると理解されたい。いくつかの実施形態では、簡潔化及び明確化を目的として、以前に使用された数字による命名法の変更や逸脱が行われる場合がある。すなわち、「第1」要素として識別された要素が、後で「第2」要素、「第3」要素などと呼ばれたり、完全に省略される場合があったり、異なる要素が「第1」要素と呼ばれる場合もある。各例における意味及び/又は指定は、当業者であれば理解できる。
心臓血管系に悪影響を与えたり、影響を受ける疾患や医学的症状が、世界中で蔓延している。例えば、いくつかの形態の動脈静脈奇形(AVM)は、血管系を通過する正常な血流を「得る」ことがある。理論に束縛されることなく、正常な血流、酸素や栄養豊富な血流からそれらを飢餓状態にして成長や拡大を制限することにより、動脈静脈奇形及び/又は別の疾患又は症状を少なくとも部分的に治療することができると考えられている。血管閉塞の効果が得られる可能性のある疾患又は症状の別例には、限定ではないが、出血、動脈瘤、静脈不全、臓器切除前の血流の遮断、又は肝臓の分岐血管への塞栓ビーズの逆流の防止がある。本明細書では、いくつかの動脈静脈奇形及び/又は別の疾患又は症状を治療したり、修復したりするために心臓血管系の一部内で使用することのできる医療装置について説明する。本明細書で説明する装置は、以下でさらに詳細に説明するように、多くの更なる望ましい特徴や利点を提供し得る。
図1,2は、例示的な医療装置システム100の態様を示す。医療装置システム100は、長尺状のシャフト110の近位端114から長尺状のシャフト110の遠位端116まで延びるルーメン112(例えば図2)を有する長尺状のシャフト110を含む。いくつかの実施形態では、長尺状のシャフト110は、カテーテル、ハイポチューブ又は別の類似する管状構造である。いくつかの実施形態では、長尺状のシャフト110の少なくとも一部は、蛇行した脈管構造を進行するために長尺状のシャフト110の長さに沿って柔軟性を高める目的で、微細機械加工、複数の切り込み又は脆弱領域、ある程度の材料の除去などを含む。長尺状のシャフト110のためのいくつかの適しているが非限定的な材料、例えば金属材料、ポリマー材料、複合材料などについては以下で説明する。
医療装置システム100は、長尺状のシャフト110のルーメン112内に摺動可能に配置されたリリースワイヤ120(例えば、図2)を含む。医療装置130は、長尺状のシャフト110の遠位端116に近接して配置される。リリースワイヤ120は、接合位置と離脱位置との間で軸線方向に摺動可能である。リリースワイヤ120は、長尺状のシャフト110の遠位端116に医療装置130を離脱可能に取り付ける。医療装置130は、送達姿勢から展開姿勢に拡張するように構成されている。簡潔化の為に、医療装置130は本明細書では血管閉塞装置として示すが、限定ではないが、塞栓コイル、ステント、塞栓フィルター、置換心臓弁、他の閉塞装置及び/又は別の医療用インプラントなどの同様の方法で輸送、送達、使用、離脱される別の適した医療装置も考えられる。いくつかの実施形態では、リリースワイヤ120は、代替的に及び/又は交換可能に、プルワイヤ、駆動ワイヤ及び/又はロッキングワイヤとも呼ばれる。リリースワイヤ120は、一般に、中実ワイヤ又はシャフトであるが、いくつかの実施形態では、管状であってもよい。リリースワイヤ120のためのいくつかの適しているが非限定的な材料、例えば金属材料、ポリマー材料、複合材料などについては以下で説明する。
いくつかの実施形態では、医療装置システム100は、医療装置130を送達姿勢で治療部位に送達するように寸法に形成され及び構成されたマイクロカテーテル190を含む。長尺状のシャフト110及び医療装置130は、マイクロカテーテル190のルーメン192(例えば図2)内に摺動可能に配置される。いくつかの実施形態では、マイクロカテーテル190は、医療装置130の治療部位への経皮送達を容易にする。参照のみを目的として、医療装置130を、展開姿勢又は少なくとも部分的に展開された姿勢で図面(例えば、図1~2、図7~9)に示す。当業者であれば、医療装置130は、マイクロカテーテル190のルーメン192内に配置された時、医療装置130は送達姿勢に径方向に拘束されることが理解できる。マイクロカテーテル190のためのいくつかの適しているが非限定的な材料、例えば金属材料、ポリマー材料、複合材料などについては以下で説明する。
図1,2に示すように、医療装置システム100は、長尺状のシャフト110の近位端114に離脱可能に取り付けられ、及び/又は長尺状のシャフト110の近位端114から延び、且つリリースワイヤ120の近位端に固着される固定部材140を含む。固定部材140は、近位部分142と、遠位部分144と、その内部を貫通して軸線方向に延びるルーメン148(例えば図2)とを含む。遠位部分144は、第1のクリップ146a及び第2のクリップ146b(まとめて146)を含む。遠位部分144は、2つのクリップ146を含むものとして説明されているが、遠位部分144は、必要に応じて、2つより少ない又は2つより多いクリップ146を含み得ると考えられる。
図3は、固定部材140が長尺状のシャフト110にロックされた姿勢にある時における、長尺状のシャフト110の近位端114と固定部材140とを示す拡大図である。図4は、固定部材140が長尺状のシャフト110にロックされていない姿勢にある時における、長尺状のシャフト110の近位端114と固定部材140とを示す斜視図である。いくつかの実施形態では、固定部材140の近位部分142は、固定部材140の遠位部分144に固着される。いくつかの実施形態では、固定部材140の近位部分142は、単一の一体構造として固定部材140の遠位部分144と一体形成される。固定部材140の近位部分142は、限定ではないが、ほぼ中実の部材、管状部材、又はそれらの組み合わせなどを含む1つ以上の異なる形態を取り得る。例えば、固定部材140の近位部分142は、医療装置システム100の中心長手方向軸線に沿って延びる軸方向ルーメン148、長尺状のシャフト110、リリースワイヤ120及び/又は固定部材140を含み、軸方向ルーメン148は、リリースワイヤ120の近位端を受承する。軸方向ルーメン148は、リリースワイヤ120が、例えば接着剤、結合剤、溶接、又は別の取り付け手段152を用いて固定部材140の近位部分142に固着される部位である固定部材140の近位端150まで延びる。しかし、リリースワイヤ120は、必要に応じて、その長さに沿った任意の場所で固定部材140に固定されてもよい。
クリップ146は、その近位端114に隣接する長尺状のシャフト110の第1のスロット154a及び第2のスロット154b(まとめて、スロット154)内に離脱可能に配置される。スロット154は、長尺状のシャフト110の内面から長尺状のシャフト110の外面まで延びる。長尺状のシャフト110は、2つのスロット154を含むものとして説明されているが、長尺状のシャフト110は、必要に応じて、2つより少ない又は2つより多いスロット154を含み得ると考えられる。いくつかの場合では、スロット154の数は、クリップ146の数と一致するように選択されるが、これは必須ではない。スロット154は、長尺状のシャフト110の周囲に均一に配置されるが、これは必須ではない。一例では、スロット154は、周方向に互いに対向して配置される。
クリップ146がスロット154内に配置、又はスロット154に係合されると、固定部材140は、長尺状のシャフト110に対して回転方向に及び/又は長手方向に移動することが防止される。例えば、スロット154は、長尺状のシャフト110に対する固定部材140の動きを制限するような寸法及び形状に形成される。例えば、スロット154a,154bはそれぞれ、長尺状のシャフト110の周囲にそれぞれ180度未満で延びるため、固定部材140の回転は、クリップ146とスロット154の側壁との間の接触(例えば、径方向の)によって制限される。スロット154の長さ(長尺状のシャフト110の長手方向軸に平行な方向)は、本明細書でさらに詳細に説明するように、装置使用者が指又は器具でクリップ146を押したり、接触したりできるように選択される。いくつかの例では、クリップ146を押し下げるためのより大きな接触面積を設けるために、スロット154及び/又はクリップ146の長さは、長尺状のシャフト110に沿って軸方向に延伸される。固定部材140の近位方向の移動は、クリップ146とスロット154の近位の壁との間の接触により制限される。固定部材140の遠位方向の移動は、近位部分242と長尺状のシャフト110の近位端114との接触により制限される。いくつかの実施形態では、図5,6に示すように、固定部材140は、長尺状のシャフト110が固定位置に維持された状態で、固定部材140の近位部分142に近位方向の力が加えられると同時にクリップ146に径方向内方の力が加えられると、長尺状のシャフト110の近位端114から離間して近位方向に移動される。
いくつかの実施形態では、クリップ146は、拡張姿勢(例えば図3,4)と圧縮姿勢(例えば図5,6)との間で移動できる。クリップ146は、拡張姿勢に向かって付勢され、付与された力の下で圧縮姿勢をとることができる。いくつかの場合には、クリップ146は、限定ではないが、ニチノールなどの形状記憶材料で形成される。しかしながら、クリップ146は、一時的に付勢又は変形可能な任意の材料で形成されてもよい。クリップ146のためのいくつかの適しているが非限定的な材料、例えば金属材料、ポリマー材料、複合材料などについては、以下で説明する。
クリップ146はそれぞれ、固定部材140の近位部分142から遠位インターロック部分158a,158b(まとめて、インターロック部分158)に向かって延びる近位アーム部分156a,156b(まとめて、近位アーム部分156)を含む。遠位インターロック部分158は、長尺状のシャフト110のスロット154内に受承されて、長尺状のシャフト110に対して固定部材140とリリースワイヤ120とを固定する。遠位インターロック部分158の近位端160a,160b(まとめて、近位端160)は、長尺状のシャフト110の内径よりも大きな外径又は径方向寸法を有する。したがって、遠位インターロック部分158がスロット154内に配置されて拡張姿勢にあるとき、少なくとも近位端160は、長尺状のシャフト110の内径を超えて径方向に延びる。これにより、遠位インターロック部分158がスロット154に係合された時、固定部材140が近位方向に駆動されると、クリップ146の近位端160は、スロット154の近位縁又は近位表面162a,162b(まとめて、近位表面162)に係合する。いくつかの実施形態では、遠位インターロック部分158は、近位端160からその遠位端164a,164b(まとめて、遠位端164)に向かって直径が縮小、又は先細りする。いくつかの場合には、必須ではないが、クリップ146の内面168a,168b(まとめて、内面168)は、クリップ146が圧縮姿勢にあるとき、リリースワイヤ120と噛み合う、把持する、又は囲むように構成された凹部又は溝を有する。例えば、内面168はそれぞれ、クリップ146が圧縮姿勢にあるとき、リリースワイヤ120と整合して少なくとも部分的にリリースワイヤ120を囲むように構成された半球状の凹部を含む。
近位アーム部分156及び/又は遠位インターロック部分158の寸法及び/又は形状は、早すぎる分離又は長尺状のシャフト110から固定部材140を分離するための過剰な力を緩和するように調整され得ると考えられる。一例では、クリップ146は、長尺状のシャフト110の小さな穴に整合するように隆起したバンプで置き換えることができる。
傾斜面166a,166b(まとめて、傾斜面166)が、長尺状のシャフト110との固定部材140のアセンブリを容易にし得る。例えば、傾斜面166は、固定部材140の遠位部分144が長尺状のシャフト110のルーメン112内に圧入されることを可能にする。遠位インターロック部分158の傾斜面166は、アセンブリするためにクリップ146を圧縮姿勢にガイドすることがさらに考えられる。例えば、本明細書で説明するように、クリップ146は、拡張姿勢(例えば、ロック姿勢)に向かって付勢される。組立中には、遠位インターロック部分158がルーメン112内で遠位方向に進められると、クリップ146は、外力(例えば、長尺状のシャフト110の内径)によって圧縮姿勢に付勢される。遠位インターロック部分158の近位端160が長尺状のシャフト110のスロット154に整合すると、付勢する力が取り除かれて、クリップ146は、拡張姿勢に復帰する。いくつかの実施形態では、必須ではないが、固定部材140の近位部分142及び長尺状のシャフト110の近位端114は、遠位インターロック部分158をスロット156に整合させるのを助ける視覚的な標識を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、固定部材140の近位部分142は、固定部材140の遠位部分144及び/又は長尺状のシャフト110の近位端114から視覚的に判別できる。例えば、固定部材140の近位部分142は、固定部材140の遠位部分144及び/又は長尺状のシャフト110とは異なる色、固定部材140の遠位部分144及び/又は長尺状のシャフト110とは異なる外部標識スキーム、固定部材140の遠位部分144及び/又は長尺状のシャフト110とは異なる外部テクスチャ又は表面処理、及び/又は固定部材140の近位部分142を固定部材140の遠位部分144及び/又は長尺状のシャフト110の近位端114から視覚的に判別する更なる手段を有したり、含んだりすることができる。固定部材140、近位部分142及び/又は遠位部分144のためのいくつかの適しているが非限定的な材料、例えば金属材料、ポリマー材料、複合材料などについては、以下で説明する。
固定部材140のクリップ146は、ルーメン148の一部を形成し、リリースワイヤ120は、固定部材140のルーメン148内に配置される。固定部材140のルーメン148は、長尺状のシャフト110のルーメン112と同軸であり、及び/又はそれに連通する。本明細書でより詳細に説明するが、長尺状のシャフト110の近位端114から離間する方向及び/又は長尺状のシャフト110の近位端114に対する固定部材140の近位部分142の近位への軸方向の移動と、遠位インターロック部分158に対する径方向内方の力との組み合わせにより、リリースワイヤ120を長尺状のシャフト110に対して接合位置から離脱位置に移動させて、医療装置130を長尺状のシャフト110の遠位端116から離脱させる。
図5~図8は、例えば、治療部位などで、長尺状のシャフト110から離脱された医療装置130を示す。使用時には、医療装置システム100のマイクロカテーテル190は、患者の体内に挿入され、マイクロカテーテル190の遠位端は、治療部位に隣接する部位に進められたり、進行されたりする。長尺状のシャフト110の遠位端116に及び/又はその近位に配置された医療装置130は、ルーメン192の近位端(例えば、図2)に挿入され、マイクロカテーテル190内に配置され、マイクロカテーテル190内を通って及び/又はマイクロカテーテル190とともに治療部位まで進行される。いくつかの実施形態では、医療装置130は、マイクロカテーテル190の遠位端に近接するマイクロカテーテル190のルーメン192内に配置される。いくつかの実施形態では、医療装置130は、使用前及び/又は患者の体内にマイクロカテーテル190を挿入する前に、マイクロカテーテル190の遠位端に近接してマイクロカテーテル190のルーメン192内に配置される。医療装置130の配備及び/又は離脱は、医療装置の種類及び/又は所望する治療工程又は方法に応じて選択的に実行される。医療装置130を配備する準備ができると、長尺状のシャフト110は、図7に示すように、医療装置130がマイクロカテーテル190の遠位に露出され及び/又は配置されるまで、マイクロカテーテル190に対して遠位方向に進行及び/又は移動される。代替的には、マイクロカテーテル190は、医療装置130がマイクロカテーテル190の遠位に露出され及び/又は配置されるまで、長尺状のシャフト110に対して引き抜かれてもよい。
離脱機構170は、医療装置130を長尺状のシャフト110の遠位端116に離脱可能に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、長尺状のシャフト110は、長尺状のシャフト110の遠位端116に固着された離脱機構170の第1の部分172を含み、医療装置130は、医療装置130の近位端に固着された離脱機構170の第2の部分174を含む。図7に示すように、リリースワイヤ120の遠位端は、接合位置で、離脱機構170の第1の部分172及び離脱機構170の第2の部分174と摺動可能に係合する。リリースワイヤ120は、固定部材140のクリップ146の遠位インターロック部分158が長尺状のシャフト110のスロット154内に配置され又はそれに係合された時、離脱機構170の第1部分172を離脱機構170の第2部分174に接合する。図5の矢印180で示すように、クリップ146の遠位インターロック部分158が内方に付勢されると、遠位インターロック部分158の近位端160は、近位端160が長尺状のシャフト110の内径とほぼ等しい又はそれより小さな外寸法を有するように輪郭が縮小される。これにより、固定部材140の遠位部分144は、矢印182で示すように、加えられた近位方向の力の下で長尺状のシャフト110のルーメン112内で近位方向に摺動可能になる。
例えば、固定部材140の近位部分142が、図6,8に示すように、長尺状のシャフト110の近位端114から離間して近位方向に移動されると、図9により詳細に示すように、リリースワイヤ120は、離脱位置に向かって長尺状のシャフト110に対して近位方向に移動されて、離脱機構170の第2の部分174及び/又は医療装置130を、離脱機構170の第1の部分172及び/又は長尺状のシャフト110から離脱させる。離脱機構170は、固定部材140が離脱機構170の長さと等しい長さ又はその長さより長い長さだけ近位方向に駆動されるまで、接合姿勢にあると考えられる。例えば、離脱機構170の長さよりも短い長さの固定部材140の近位方向の駆動は、医療装置130を離脱させるのに十分ではない。少なくともいくつかの実施形態では、リリースワイヤ120は、長尺状のシャフト110内を貫通して延びるルーメン112、離脱機構170の第1の部分172内を貫通して延びる第1の軸方向ルーメン、及び離脱機構170の第2の部分174内を貫通して延びる第2の軸方向ルーメン内に摺動可能に配置される。医療装置130の離脱は、接合姿勢と完全な離脱姿勢(図8,9)との間の固定部材140の任意の軸方向位置で反転されると考えられる。
第1の部分172の第1の軸方向ルーメン及び第2の部分174の第2の軸方向ルーメンは、医療装置130が長尺状のシャフト110の遠位端116に離脱可能に取り付けられたとき、中心の長手方向軸及び/又はリリースワイヤ120とほぼ同軸にある。離脱機構170、第1の部分172、及び第2の部分174のためのいくつかの適しているが非限定的な材料、例えば金属材料、ポリマー材料、複合材料などについては、以下で説明する。
図7,8を参照すると、長尺状のシャフト110は、医療装置130がマイクロカテーテル190の遠位に配置されたとき、長尺状のシャフト110の近位端114及び/又は固定部材140がマイクロカテーテル190の近位に留まる(例えば、そこから近位に延びる)のに十分な長さを有する。使用中には、長尺状のシャフト110は、治療部位から、医療装置システム100が操作者(例えば、臨床医、医師、使用者など)により操作される患者の体外の部位に到達するのに十分な長さを有する。医療装置システム100を治療部位に挿入した後、医療装置システム100の操作者は、固定部材140の近位部分142及び/又は遠位部分144及び/又はリリースワイヤ120を操作して医療装置130を離脱するために、第1の手を長尺状のシャフト110の近位端114に置き、第2の手を固定部材140の近位部分142に置くことができる。例えば、操作者は、第2の手の一部(例えば、手のひら及び/又は指)で固定部材140の近位部分142を握り、第2の手の2本以上の指を使用してクリップ146の遠位インターロック部分158を押し下げる。医療装置130がマイクロカテーテル190の遠位に配置されたとき、固定部材140の遠位部分144は、マイクロカテーテル190の近位端の近位に配置され、遠位インターロック部分158及び/又はスロット156へのアクセスが可能になる。
少なくともいくつかの実施形態では、固定部材140の遠位部分144は、クリップ146が圧縮され及び/又は固定部材140の近位部分142が長尺状のシャフト110に対して近位方向に移動される間に弾性変形を受ける。クリップ146への付勢力(例えば、操作者に付与された力又は長尺状のシャフト110の内径の力)を取り除くと、クリップ146は、外力が加えられていない、拡張姿勢に復帰する(例えば図6,8)。
明示されていないが、医療装置システム100は、医療装置130をマイクロカテーテル190に装填するように構成されたイントロデューサを含む。イントロデューサは、近位端から遠位端まで延びるルーメンを有する管状部材であってよい。イントロデューサは、マイクロカテーテル190の中に装填するために、医療装置130を縮小された直径に保持したり、送達姿勢に保持したりする。マイクロカテーテル190内に医療装置130を装填した後、イントロデューサは、長尺状のシャフト110及び固定部材140の上から及びそれに対して近位方向に引き抜かれ、医療装置システム100から除去される。
使用時には、医療装置130を治療部位(例えば、静脈、動脈など)に送達する方法は、マイクロカテーテル190を患者の体内に挿入することと、マイクロカテーテル190の遠位端を治療部位に隣接する部位に進めることとを含む。この方法は、長尺状のシャフト110の遠位端116及び/又はその近位に配置された医療装置130を、マイクロカテーテル190内に配置されたルーメン192の近位端内に挿入することを含む。いくつかの実施形態では、医療装置130は、マイクロカテーテル190が患者の体内に挿入された後、マイクロカテーテル190のルーメン192内に挿入される。この方法は、医療装置130をマイクロカテーテル190内を通って治療部位まで進行させることを含む。医療装置130は、長尺状のシャフト110内のルーメン112の中を貫通して延びるプルワイヤ(例えば、リリースワイヤ120など)によって長尺状のシャフト110の遠位端116に離脱可能に取り付けられる。本明細書で説明するように、固定部材140は、長尺状のシャフト110から近位方向に延び、固定部材140は、長尺状のシャフト110に離脱可能に連結され、プルワイヤ(例えば、リリースワイヤ120など)に堅固に連結される。代替的には、いくつかの実施形態では、医療装置130は、マイクロカテーテル190が患者の体内に挿入される前にマイクロカテーテル190のルーメン192の近位端の中に挿入され、マイクロカテーテル190内を通ってマイクロカテーテル190の遠位端に進められてもよい。
本明細書で説明するように、固定部材140の近位部分142は、プルワイヤ(例えば、リリースワイヤ120など)の近位端に固着され、固定部材140の遠位部分144は、長尺状のシャフト110の近位端114に離脱可能に連結される。離脱機構170の第1の部分172は、長尺状のシャフト110の遠位端116に取り付けられ、離脱機構170の第2の部分174は、医療装置130の近位端に固着される。プルワイヤ(例えば、リリースワイヤ120など)は、長尺状のシャフト110のルーメン112、離脱機構170の第1の部分172の第1の軸方向ルーメン、及び離脱機構170の第2の部分174の第2の軸方向ルーメンの内部に摺動可能に配置される。
この方法は、固定部材140の遠位部分144の遠位インターロック部分158を圧縮しながら、固定部材140の近位部分に近位方向の力を加えて、固定部材140の遠位部分144を長尺状のシャフト110から切り離すことを含む。方法は、長尺状のシャフト110が治療部位に対して固定位置に維持されている間、固定部材140の近位部分142を長尺状のシャフト110の近位端114から離間する近位方向に移動させて、プルワイヤ(例えば、リリースワイヤ120など)を長尺状のシャフト110及び/又は離脱機構170に対して移動させて、プルワイヤ(例えばリリースワイヤ120など)を接合位置から離脱位置にシフトさせることにより、医療装置130を長尺状のシャフト110から離脱させることを含む。
この方法はまた、長尺状のシャフト110及び/又はマイクロカテーテル190を治療部位から近位に引き抜くことを含む。例えば、いくつかの実施形態では、長尺状のシャフト110がマイクロカテーテル190のルーメン192内を通って近位に引き出されて除去され、次に、マイクロカテーテル190が患者の体内から引き出されたり除去されたりする。いくつかの実施形態では、長尺状のシャフト110は、長尺状のシャフト110の遠位端116及び/又は離脱機構170の第1の部分172がマイクロカテーテル190の遠位端及び/又はルーメン192内に配置されるように十分に近位に引き出される。次に、長尺状のシャフト110及びマイクロカテーテル190がともに、患者の体内から引き抜かれる。
いくつかの実施形態では、長尺状のシャフト110は、マイクロカテーテル190のルーメン192内を通って除去され、マイクロカテーテル190は、患者の体内の適所に残され、及び/又は保持される。次に、必要に応じて、第2の長尺状のシャフト及び対応する第2の医療装置をマイクロカテーテル190のルーメン192の近位端の中に挿入して、配備のために治療部位まで前進させる。本明細書で説明する装置及び説明方法の工程の更なる繰り返しは、特定の処置での必要に応じて、又は所望に応じて使用され得る。
図10は、医療装置システム200の別例の態様を示す。医療装置システム200は、長尺状のシャフト210の近位端214から長尺状のシャフト210の遠位端まで延びるルーメン212を有する長尺状のシャフト210を含む。長尺状のシャフト210は、本明細書で説明した長尺状のシャフト110と形態及び機能の点で類似している。いくつかの実施形態では、長尺状のシャフト210は、カテーテル、ハイポチューブ、又は他の類似の管状構造である。いくつかの実施形態では、長尺状のシャフト210の少なくとも一部は、微細機械加工、複数の切り込み又は脆弱領域、ある程度の材料除去などを含み、蛇行した脈管構造を進むために長尺状のシャフト210の長さに沿って柔軟性を高める。長尺状のシャフト210のためのいくつかの適しているが非限定的な材料、例えば金属材料、ポリマー材料、複合材料などについては、以下で説明する。
医療装置システム200は、長尺状のシャフト210のルーメン212内に摺動可能に配置されたリリースワイヤ220を含む。医療装置(明示されていない)は、長尺状のシャフト210の遠位端に近接して配置される。リリースワイヤ220は、接合位置と離脱位置との間で軸線方向に摺動可能である。リリースワイヤ220は、医療装置を長尺状のシャフト210の遠位端に離脱可能に取り付ける。医療装置は、送達姿勢から配備姿勢に拡張するように構成される。医療装置は血管閉塞装置であるが、限定ではないが、塞栓コイル、ステント、塞栓フィルター、置換心臓弁、別の閉塞装置及び/又は別の医療用インプラントなど、同様の方法で輸送、送達、使用、解放される別の適した医療装置でもよいと考えられる。いくつかの実施形態では、リリースワイヤ220は、代替的に及び/又は交換可能に、プルワイヤ、駆動ワイヤ、及び/又はロッキングワイヤと呼ばれる。リリースワイヤ220は、一般に中実ワイヤ又はシャフトであるが、いくつかの実施形態では、管状であってもよい。リリースワイヤ220のためのいくつかの適しているが非限定的な材料、例えば金属材料、ポリマー材料、複合材料などについては、以下で説明する。
いくつかの実施形態では、医療装置システム200は、医療装置を送達姿勢で治療部位に送達するような寸法に形成及び構成にされたマイクロカテーテル290を含む。長尺状のシャフト210及び医療装置130は、マイクロカテーテル290のルーメン292内に摺動可能に配置される。いくつかの実施形態では、マイクロカテーテル290は、治療部位への医療装置の経皮送達を容易にし得る。マイクロカテーテル290のためのいくつかの適しているが非限定的な材料、例えば金属材料、ポリマー材料、複合材料などについは以下で説明する。
図10に示すように、医療装置システム200は、長尺状のシャフト210の近位端214に離脱可能に取り付けられ、及び/又は長尺状のシャフト210の近位端214から近位方向に延びる固定部材230であって、リリースワイヤ220の近位端に固着された固定部材230を含む。固定部材230は、近位部分232と、遠位部分234と、その内部を貫通して軸線方向に延びるルーメン250とを含む。遠位部分234は、第1のクリップ236a及び第2のクリップ236b(まとめて、クリップ236)を含む。遠位部分234は、2つのクリップ236を含むものとして説明されているが、遠位部分234は、必要に応じて、2つより少ない又は2つより多いクリップ236を含み得ると考えられる。
図10は、長尺状のシャフト210とともにロック姿勢の固定部材230を示す。いくつかの実施形態では、固定部材230の近位部分232は、固定部材230の遠位部分234に固着される。いくつかの実施形態では、固定部材230の近位部分232は、単一の一体構造として固定部材230の遠位部分234と一体形成される。固定部材230の近位部分232は、限定ではないが、ほぼ中実の部材、管状部材、又はそれらの組み合わせ等の1つ以上の異なる形態を取り得る。例えば、固定部材230の近位部分232は、医療装置システム200と、長尺状のシャフト210と、リリースワイヤ220及び/又は固定部材230の中央長手方向軸に沿って延びる軸方向ルーメン250を含み、軸方向ルーメン250は、リリースワイヤ220の近位端を受承する。軸方向ルーメン250は、固定部材230の近位端248まで延び、リリースワイヤ220は、例えば接着剤、結合剤、溶接、又は別の取り付け手段252を用いて固定部材230の近位部分232に固着される。しかしながら、リリースワイヤ220は、必要に応じて、その長さに沿った任意の部位で固定部材230に固定されてもよい。
クリップ236は、その近位端214に隣接する長尺状のシャフト210の1つ以上のスロット216a、216b(まとめて、スロット216)内に離脱可能に配置される。長尺状のシャフト210は、2つのスロット216を含むものとして記載されているが、長尺状のシャフト210は、必要に応じて、2つより少ない又は2つより多いスロット216を含んでもよいと考えられる。いくつかの場合では、スロット216の数は、クリップ236の数と一致するように選択されるが、これは必須ではない。クリップ236がスロット216内に配置され又はスロット216に係合されると、固定部材230は、長尺状のシャフト210に対して回転方向及び/又は長手方向に移動することが防止される。例えば、スロット216は、長尺状のシャフト210に対する固定部材230の動きを制限するような寸法及び形状に形成される。例えば、スロット216a、216bはそれぞれ、長尺状のシャフト210の外周囲にそれぞれ180度未満で延びるため、固定部材230の回転は、クリップ236とスロット216の側壁との間の接触(例えば、径方向の)によって制限される。スロット216の長さ(長尺状のシャフト210の長手方向軸に平行な方向)は、装置使用者が指や器具でクリップ236を押したり接触したりできるように選択することができるが、これは必須ではない。いくつかの例では、スロット216及び/又はクリップ236の長さは、クリップ236を押し下げるためのより大きな接触面積を設けるために、長尺状のシャフト210に沿って軸方向に延伸される。固定部材230の近位方向の移動は、クリップ236とスロット216の近位の壁254a、254b(まとめて、近位の壁254)との間の接触によって制限される。固定部材230の遠位方向の移動は、近位部分232と長尺状のシャフト210の近位端214との接触により制限される。いくつかの実施形態では、固定部材230は、固定部材230の近位部分232に近位方向の力が加えられると、長尺状のシャフト210の近位端214から離間して近位に移動する。
いくつかの実施形態では、クリップ236は、拡張姿勢と圧縮姿勢(明示されていない)との間で移動可能である。クリップ236は、拡張姿勢に向かって付勢され、付与された力の下で圧縮姿勢をとることができる。いくつかの場合には、クリップ236は、限定ではないが、ニチノールなどの形状記憶材料から形成される。しかし、クリップ236は、一時的に付勢又は変形可能な任意の材料から形成されてもよい。クリップ236のためのいくつかの適しているが非限定的な材料、例えば金属材料、ポリマー材料、複合材料などについては、以下で説明する。
クリップ236はそれぞれ、固定部材230の近位部分232から遠位インターロック部分240a、240b(まとめて、遠位インターロック部分240)に向かって延びる近位アーム部分238a、238b(まとめて、近位アーム部分238)を含む。遠位インターロック部分240は、長尺状のシャフト210のスロット216内に受承され、固定部材230とリリースワイヤ220とを長尺状のシャフト210に固定する。遠位インターロック部分240の近位端領域242a、242b(まとめて、近位端領域242)は、その近位端から遠位インターロック部分240の中間領域246a、246b(まとめて、中間領域246)に向かって外径(又は外形)が増大する傾斜面を有する。中間領域246は、長尺状のシャフト210の内径よりも大きな外径又は外側寸法を有する。したがって、遠位インターロック部分240がスロット216内に配置され、拡張姿勢にあるとき、少なくとも中間領域246は、長尺状のシャフト210の内径を超えて径方向に延びる。これにより、遠位インターロック部分240がスロット216に係合された時、固定部材230が近位方向に駆動されると、クリップ236の近位端領域242の少なくとも一部は、スロット216の近位縁又は近位表面254a、254b(まとめて、近位表面254)に係合される。いくつかの実施形態では、遠位インターロック部分240は、中間領域246から傾斜した遠位端領域244a、244b(まとめて遠位端領域244)を画定する遠位端に向かって直径が縮小、又は先細りする。いくつかの実施形態では、中間領域246は、ほぼ均一な外径を有する領域である。別の実施形態では、中間領域246は、近位端領域242と遠位端領域244の間の部分である。
いくつかの場合には、クリップ236の内面256a、256b(まとめて内面256)は、クリップ236が圧縮姿勢にあるとき、リリースワイヤ220と噛み合う、把持する、又は囲む窪み又は溝を有するが、これは必須ではない。例えば、内面256はそれぞれ、クリップ236が圧縮姿勢にあるとき、リリースワイヤ220と整合して少なくとも部分的にそれを囲むように構成された半球状の窪みを含む。
遠位インターロック部分240の遠位端領域244は、長尺状のシャフト210との固定部材230のアセンブリを容易にし得る。例えば、傾斜面244は、固定部材230の遠位部分234が長尺状のシャフト210のルーメン212内に圧入されることを可能にする。遠位インターロック部分240の傾斜面244は、アセンブリのためにクリップ236を圧縮姿勢にガイドすることがさらに考えられる。例えば、本明細書で説明するように、クリップ236は、拡張された姿勢(例えば、ロックされた)に向かって付勢される。アセンブリ中には、遠位インターロック部分240がルーメン212内で遠位方向に進められると、クリップ236は、外力(例えば、長尺状のシャフト210の内径)によって圧縮姿勢に付勢される。遠位インターロック部分240の近位端領域242及び/又は中間領域246が長尺状のシャフト210のスロット216に整合して付勢力が取り除かれると、クリップ236は拡張姿勢に復帰する。いくつかの実施形態では、固定部材230の近位部分232及び長尺状のシャフト210の近位端214は、遠位インターロック部分240をスロット238と整合させるのを助ける視覚的な標識を含むが、これは必須ではない。
いくつかの実施形態では、固定部材230の近位部分232は、固定部材230の遠位部分234及び/又は長尺状のシャフト210の近位端214から視覚的に判別可能である。例えば、固定部材230の近位部分232は、固定部材230の遠位部分234及び/又は長尺状のシャフト210とは異なる色、固定部材230の遠位部分234及び/又は長尺状のシャフト210とは異なる外部標識スキーム、固定部材230の遠位部分234及び/又は長尺状のシャフト210とは異なる外部テクスチャ又は表面処理、及び/又は固定部材230の近位部分232を固定部材230の遠位部分234及び/又は長尺状のシャフト210の近位端214から視覚的に判別する別の更なる手段を有したり、含んだりすることができる。固定部材230、近位部分232及び/又は遠位部分234のためのいくつかの適しているが非限定的な材料、例えば金属材料、ポリマー材料、複合材料などについては以下で説明する。
遠位インターロック部分240の近位端領域242は、遠位インターロック部分240に付与される外部径方向力を必要とせずに、長尺状のシャフト210からの固定部材230の取り外しを容易にすることができる。例えば、近位方向の力が固定部材230に加えられると、傾斜面242により、長尺状のシャフトが遠位インターロック領域240に力を及ぼし、中間領域246及び/又は遠位端領域244は、内方に付勢又は圧縮されて、中間領域246は、長尺状のシャフト210の内径とほぼ等しい又はそれよりも小さな外寸法を有するようになる。例えば、近位端領域242は、長尺状のシャフト210のルーメン212との圧入を形成する。これにより、固定部材230の遠位部分234が、付与された近位方向の力の下で長尺状のシャフト210のルーメン212内で近位方向に摺動することが可能になる。近位端領域242の角度及び/又は長さは、固定部材230が不注意に駆動されることがないが、固定部材230を駆動させるために過剰な量の力を必要としないように選択されると考えられる。
固定部材230のクリップ236は、ルーメン250の一部を画定し、リリースワイヤ220は、固定部材230のルーメン250内に配置される。固定部材230のルーメン250は、長尺状のシャフト210のルーメン212と同軸をなし、及び/又は長尺状のシャフト210のルーメン212に連通する。本明細書でさらに詳細に説明するように、長尺状のシャフト210の近位端214から離間する固定部材230の近位部分232の近位方向の軸方向の移動及び/又は長尺状のシャフト210の近位端214に対する固定部材230の近位部分232の近位方向の軸方向の移動は、遠位インターロック部分240に対する径方向において内方に作用する力と相まって、長尺状のシャフト210に対してリリースワイヤ220を接合位置から離脱位置へと移動させて、医療装置を長尺状のシャフト210の遠位端から離脱させる。
医療装置は、本明細書で説明した医療装置130と同様の方法で、長尺状のシャフト210から離脱される。使用時には、医療装置システム200のマイクロカテーテル290は、患者の体内に挿入され、マイクロカテーテル290の遠位端は、治療部位に隣接する部位にガイド及び/又は進められる。長尺状のシャフト210の遠位端及び/又は長尺状のシャフト210の遠位端の近位に配置された医療装置は、ルーメン292の近位端の中に挿入され、マイクロカテーテル290内に配置されて、マイクロカテーテル290内を通って及び/又はマイクロカテーテル290とともに治療部位に進められる。いくつかの実施形態では、医療装置は、マイクロカテーテル290の遠位端に近接するマイクロカテーテル290のルーメン292内に配置される。いくつかの実施形態では、医療装置は、使用前及び/又は患者の体内にマイクロカテーテル290を挿入する前に、マイクロカテーテル290の遠位端に近接してマイクロカテーテル290のルーメン292内に配置される。医療装置の配備及び/又は離脱は、医療装置の種類及び/又は所望の治療工程又は方法に応じて選択的に実行される。医療装置を配備する準備ができたら、長尺状のシャフト210は、医療装置がマイクロカテーテル290の遠位に露出及び/又は配置されるまで、マイクロカテーテル290に対して遠位に進行及び/又は移動される。代替的には、マイクロカテーテル290が、医療装置がマクロカテーテル290の遠位に露出及び/又は配置されるまで、長尺状のシャフト210に対して引き抜かれてもよい。
離脱機構(明示されていない)は、長尺状のシャフト210の遠位端に医療装置を離脱可能に取り付けることができる。離脱機構は、本明細書で説明した離脱機構170と形態及び機能の点で類似している。いくつかの実施形態では、長尺状のシャフト210は、長尺状のシャフト210の遠位端に固着された離脱機構の第1の部分を含み、医療装置は、医療装置の近位端に固着された離脱機構の第2の部分を含む。リリースワイヤ220の遠位端は、接合位置で、離脱機構の第1の部分と離脱機構の第2の部分と摺動可能に係合する。リリースワイヤ220は、固定部材230のクリップ236の遠位インターロック部分240が長尺状のシャフト210のスロット216内に配置又は係合されたとき、離脱機構の第1の部分を離脱機構の第2の部分にインターロックする。クリップ236の遠位インターロック部分240が、固定部材230の近位方向への後退によって(及び/又は付与された径方向内方の力によって)内方に付勢されると、遠位インターロック部分240の近位端領域242及び中間領域246は、近位端領域242及び/又は中間領域246が長尺状のシャフト210の内径とほぼ等しい又はそれより小さな外寸法を有するように外形が縮小される。これにより、固定部材230の遠位部分234が、付与された近位方向の力の下で長尺状のシャフト210のルーメン212内で近位に摺動可能になる。
例えば、固定部材230の近位部分232が長尺状のシャフト210の近位端214から離間して近位方向に移動されると、リリースワイヤ220は、離脱位置に向かって長尺状のシャフト210に対して近位方向に移動され、離脱機構の第1の部分及び/又は長尺状のシャフト210から、離脱機構の第2の部分及び/又は医療装置を離脱させる。離脱機構は、固定部材230が離脱機構の長さに等しい又はそれよりも長い長さだけ近位方向に駆動されるまで、接合姿勢の状態であると考えられる。例えば、離脱機構の長さよりも短い長さの固定部材230の近位方向の駆動は、医療装置を離脱させるのに十分でない。少なくともいくつかの実施形態では、リリースワイヤ220は、長尺状のシャフト210内を貫通して延びるルーメン212、離脱機構の第1の部分内を貫通して延びる第1の軸方向ルーメン、及び離脱機構の第2の部分内を貫通して延びる第2の軸方向ルーメンの内部に摺動可能に配置される。医療装置の離脱は、接合姿勢と完全な離脱姿勢との間で固定部材230の任意の軸方向位置で反転されると考えられる。
長尺状のシャフト210は、医療装置がマイクロカテーテル290の遠位に配置されたとき、長尺状のシャフト210の近位端214及び/又は固定部材230がマイクロカテーテル290の近位に留まる(例えば、そこから近位に延びる)のに十分な長さを有する。使用時には、長尺状のシャフト210は、治療部位から装置操作者(例えば、臨床医、医師、使用者など)が医療装置システム200を操作する患者の体外の部位まで到達するのに十分な長さを有する。医療装置システム200を治療部位に挿入した後、医療装置システム200の操作者は、固定部材230の近位部分232及び/又は遠位部分234、及び/又はリリースワイヤ220を操作して医療装置130を離脱させるために、第1の手を長尺状のシャフト210の近位端214に置き、第2の手を固定部材230の近位部分232に置くことができる。第1の例では、操作者は、固定部材230の近位部分232への近位方向の力のみで固定部材230を駆動できる。別例では、操作者は、第2の手の一部(例えば、手のひら及び/又は指)で固定部材230の近位部分232を握り、第2の手の2本以上の指を使用してクリップ236の遠位インターロック部分240を押し下げる。医療用装置がマイクロカテーテル290の遠位に配置されたとき、固定部材230の遠位部分234は、マイクロカテーテル290の近位端の近位に配置され、遠位インターロック部分240及び/又はスロット238にアクセス可能になる。
少なくともいくつかの実施形態では、固定部材230の遠位部分234は、クリップ236が圧縮され、及び/又は長尺状のシャフト210に対して固定部材230の近位部分232が近位方向に移動される間に弾性変形を受ける。クリップ236に対する付勢力(例えば、操作者が加えた力又は長尺状のシャフト210の内径の力)を取り除くと、クリップ236は、外力の付与がなくなり拡張姿勢に復帰する。
明示されていないが、医療装置システム200は、医療装置をマイクロカテーテル290に装填するように構成されたイントロデューサを含んでもよい。イントロデューサは、近位端から遠位端まで延びるルーメンを有する管状部材であってもよい。イントロデューサは、医療装置をマイクロカテーテル290の中に装填するために縮小された直径及び/又は送達姿勢に保持することができる。医療装置をマイクロカテーテル290に装填した後、イントロデューサは、長尺状のシャフト210と固定部材230の上を及びそれらに対して近位方向に引き出されて医療装置システム200から除去される。
使用時には、医療装置(明示されていない)を治療部位(例えば、静脈、動脈など)に送達する方法は、マイクロカテーテル290を患者の体内に挿入することと、マイクロカテーテル290の遠位端を治療部位に隣接する場所に進めることを含む。この方法は、長尺状のシャフト210の遠位端及び/又はその近位に配置された医療装置を、マイクロカテーテル290内に配置されたルーメン292の近位端の中に挿入することを含む。いくつかの実施形態では、マイクロカテーテル290が患者の体内に挿入された後、医療装置は、マイクロカテーテル290のルーメン292内に挿入される。この方法は、医療装置をマイクロカテーテル290内を通って治療部位まで進行させることを含む。医療装置は、長尺状のシャフト210内のルーメン212内を貫通して延びるプルワイヤ(例えば、リリースワイヤ220など)によって長尺状のシャフト210の遠位端に離脱可能に取り付けられる。本明細書で説明するように、固定部材230は長尺状のシャフト210から近位方向に延び、固定部材230は、長尺状のシャフト210に離脱可能に連結され、プルワイヤ(たとえば、リリースワイヤ220など)に堅固に連結される。代替的には、いくつかの実施形態では、医療装置は、マイクロカテーテル290が患者の体内に挿入される前に、マイクロカテーテル290のルーメン292の近位端の中に挿入され、マイクロカテーテル290内を通ってマイクロカテーテル290の遠位端に進められる。
本明細書で説明するように、固定部材230の近位部分232は、プルワイヤ(例えば、リリースワイヤ220など)の近位端に固着され、固定部材230の遠位部分234は、長尺状のシャフト210の近位端214に離脱可能に連結される。離脱機構の第1の部分は、長尺状のシャフト210の遠位端に取り付けられ、離脱機構の第2の部分は、医療装置の近位端に固着される。プルワイヤ(例えば、リリースワイヤ220など)は、長尺状のシャフト210のルーメン212、離脱機構の第1の部分の第1の軸方向ルーメン、及び離脱機構の第2の部分の第2の軸方向ルーメンの内部に摺動可能に配置される。
方法は、固定部材230の近位部分232に近位方向に力を付与して、固定部材230の遠位部分234を長尺状のシャフト210から切り離すことを含む。いくつかの場合には、方法は、固定部材230の近位部分232に近位方向に力を加えるとともに固定部材230の遠位部分234の遠位インターロック部分240を圧縮することを含むが、これは必須ではない。方法は、長尺状のシャフト210が治療部位に対して固定位置に維持されている状態で、固定部材230の近位部分232を長尺状のシャフト210の近位端214から離間して近位方向に移動させて、長尺状のシャフト210及び/又は離脱機構に対してプルワイヤ(例えば、リリースワイヤ220など)を移動させて、プルワイヤ(例えば、リリースワイヤ220など)を接合位置から離脱位置にシフトさせることにより、長尺状のシャフト210から医療装置を離脱させることをさらに含む。
方法は、長尺状のシャフト210及び/又はマイクロカテーテル290を治療部位から近位に引き抜くことを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、長尺状のシャフト210は、マイクロカテーテル290のルーメン292内を通って近位に引き出されて取り除かれ、その後、マイクロカテーテル290が、患者の体内から引き出されたり取り除かれたりする。いくつかの実施形態では、長尺状のシャフト210は、長尺状のシャフト210の遠位端及び/又は離脱機構の第1の部分がマイクロカテーテル290の遠位端及び/又はルーメン292内に配置されるのに十分に近位方向に引かれる。次に、長尺状のシャフト210及びマイクロカテーテル290は、患者の体内からともに引き抜かれる。
いくつかの実施形態では、長尺状のシャフト210は、マイクロカテーテル290のルーメン292を介して除去されてもよく、マイクロカテーテル290は、患者の体内の適所に残されたり保持されてもよい。必要に応じて、次に、第2の長尺状のシャフト及び対応する第2の医療装置を、マイクロカテーテル290のルーメン292の近位端に挿入して、配備のために治療部位まで前進させることができる。本明細書で説明する装置及び方法の工程の更なる繰り返しは、特定の処置での必要又は所望に応じて使用され得る。
医療装置システム100,200、長尺状のシャフト110,210、リリースワイヤ120,220、医療装置130、固定部材140,230、離脱機構170、イントロデューサ及び/又はマイクロカテーテル190,290など(及び/又は本明細書に開示する別のシステム)及び本明細書で説明するそれらの様々な要素に用いられる材料は、医療装置に一般的に対応するものを含み得る。簡潔化を目的として、以下の説明は、医療機器システム100,200、長尺状のシャフト110,210、リリースワイヤ120,220、医療装置130、固定部材140,230、離脱機構170、イントロデューサ及び/又はマイクロカテーテル190,290などを参照して行う。しかし、これは、本明細書で説明する装置及び方法を限定することを意図していない。なぜなら、説明は、本明細書で説明した別の要素、部材、構成要素、又は装置、例えば、限定ではないが、医療装置システム100,200、長尺状のシャフト110,210、リリースワイヤ120,220、医療装置130、固定部材140,230、離脱機構170、イントロデューサ及び/又はマイクロカテーテル190,290など及び/又はそれらの要素又は構成要素にも適用可能である為である。
いくつかの実施形態では、医療装置システム100,200、長尺状のシャフト110,210、リリースワイヤ120,220、医療装置130、固定部材140,230、離脱機構170、イントロデューサ及び/又はマイクロカテーテル190,290など及び/又はそれらの構成要素(近位部分142,232、遠位部分144,244、第1の部分172、第2の部分174などであるが、これらに限定されない)は、金属、金属合金、ポリマー(そのいくつかの例は以下で説明する)、金属-ポリマー複合材料、セラミック、それらの組み合わせなど、又は別の適した材料で作られる。適した金属及び金属合金の例には、444V、444L、及び314LVステンレス鋼などのステンレス鋼;軟鋼;線形弾性及び/又は超弾性ニチノールなどのニッケルチタン合金;ニッケルクロムモリブデン合金(例えば、INCONEL(登録商標)625などのUNS:N06625、HASTELLOY(登録商標)C-22(登録商標)などのUNS:N06022、HASTELLOY(登録商標)C276(登録商標)などのUNS:N10276、その他のHASTELLOY(登録商標)合金)、ニッケル銅合金(例えばMONEL(登録商標)400、NICKELVAC(登録商標)400、NICORROS(登録商標)400などのUNS:R04400)、ニッケルコバルトクロムモリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)などのR44035)、ニッケルモリブデン合金(例えば、HASTELLOY(登録商標)ALLOYB2(登録商標)などのUNS:N10665)、他のニッケルクロム合金、他のニッケルモリブデン合金、他のニッケルコバルト合金、他のニッケル鉄合金、他のニッケル銅合金、他のニッケルタングステン又はタングステン合金などの別のニッケル合金;コバルトクロム合金;コバルトクロムモリブデン合金(例えばELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)などのUNS:R44003);白金強化ステンレス鋼;チタン;白金;パラジウム;金;それらの組み合わせなど;又は別の適した材料などが含まれる。
本明細書で言及したように、市販のニッケルチタン又はニチノール合金のファミリーには、「線形弾性」又は「非超弾性」と命名されたカテゴリがあり、化学的には従来の形状記憶や超弾性の種類と似ているが、明確で有用な機械的特性を示す場合がある。線形弾性ニチノール及び/又は非超弾性ニチノールは、線形弾性ニチノール及び/又は非超弾性ニチノールが、超弾性ニチノールのように、応力/ひずみ曲線に実質的な「超弾性プラトー」又は「フラグ領域」を示さない点で超弾性ニチノールと判別され得る。代わりに、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールでは、回復可能なひずみが増加するにつれて、応力は、ほぼ直線状、すなわちいくらか線形であるが、必ずしも塑性変形が始まるまでずっと線形関係ではなく、又は少なくとも超弾性ニチノールで見られる超弾性プラトー及び/又はフラグ領域よりもより直線的な関係で増加し続ける。したがって、本開示の目的では、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールは、「ほぼ」線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールと呼ばれる。
いくつかの場合には、線形弾性ニチノール及び/又は非超弾性ニチノールは、実質的に弾性を維持しながら(例えば、塑性変形する前に)、最大約2~5%のひずみを受け入れる一方で、超弾性ニチノールは、塑性変形する前に最大約8%のひずみを受け入れるという点で、線形弾性ニチノール及び/又は非超弾性ニチノールは、超弾性ニチノールと判別され得る。これらの両方の材料は、塑性変形する前に約0.2~0.44%のひずみしか受け入れないステンレス鋼(その組成に基づいて区別することもできる)などの他の線形弾性材料と区別することができる。
いくつかの実施形態では、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケルチタン合金は、広い温度範囲にわたって、示差走査熱量測定(DSC)及び動的金属熱分析(DMTA)によって検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相変化を示さない合金である。例えば、いくつかの実施形態では、線形弾性ニッケルチタン合金及び/又は非超弾性ニッケルチタン合金では、約-60摂氏度(℃)から約120℃の範囲で、DSC及びDMTA分析によって検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相変化がない。したがって、そのような材料の機械的曲げ特性は、この非常に広い温度範囲にわたって温度の影響に対して一般に不活性である。いくつかの実施形態では、周囲温度又は室温での線形弾性ニッケルチタン合金及び/又は非超弾性ニッケルチタン合金の機械的曲げ特性は、例えば、それらが超弾性プラトー及び/又はフラグ領域の性質及び/又は特性を示さないという点で、体温での機械的特性と実質的に同一である。例えば、広い温度範囲にわたって、線形弾性ニッケルチタン合金及び/又は非超弾性ニッケルチタン合金は、その線形弾性及び/又は非超弾性の性質及び/又は特性を維持する。
いくつかの実施形態では、線形弾性ニッケルチタン合金及び/又は非超弾性ニッケルチタン合金は、約50~約60重量パーセントのニッケルの範囲であり、残りは本質的にチタンである。いくつかの実施形態では、組成は、約54~約57重量パーセントのニッケルの範囲である。適したニッケルチタン合金の一例は、日本の神奈川県の古河テクノマテリアル社から市販されているFHP-NT合金である。別の適した材料には、ULTANIUM(登録商標)(Neo-Metrics社から入手可能)及びGUMMETAL(登録商標)(トヨタ社から入手可能)が含まれる。他のいくつかの実施形態では、超弾性合金、例えば超弾性ニチノールを使用して所望の特性を達成することができる。
少なくともいくつかの実施形態では、医療装置システム100,200の一部又は全て、長尺状のシャフト110,210、リリースワイヤ120,220、医療装置130、固定部材140,230、離脱機構170、イントロデューサ及び/又はマイクロカテーテル190,290など、及び/又はそれらの構成要素はまた、放射線不透過性材料でドープされ、放射線不透過性材料から作られ、又は放射線不透過性材料を含有し得る。放射線不透過性材料は、医療処置中に蛍光透視スクリーン又は別の画像化技術で比較的明るい画像を生成することができる材料であると理解されている。この比較的明るい画像は、医療装置システム100,200、長尺状のシャフト110,210、リリースワイヤ120,220、医療装置130、固定部材140,230、離脱機構170、イントロデューサ、及び/又はマイクロカテーテル190,290などの場所を特定する際に装置使用者を支援する。放射線不透過性材料の例には、金、白金、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過性充填剤が充填されたポリマー材料などが含まれ得るが、これらに限定されない。さらに、同一の効果を得るために、他の放射線不透過性マーカーバンド及び/又はコイルが、医療装置システム100,200、長尺状のシャフト110,210、リリースワイヤ120,220、医療装置130、固定部材140,230、離脱機構170、イントロデューサ及び/又はマイクロカテーテル190,290の設計に組み込まれてもよい。
いくつかの実施形態では、ある程度の磁気共鳴画像(MRI)適合性が、医療装置システム100,200、長尺状のシャフト110,210、リリースワイヤ120,220、医療装置130、固定部材140,230、離脱機構170、イントロデューサ及び/又はマイクロカテーテル190、290などに付与される。例えば、医療装置システム100,200、長尺状のシャフト110,210、リリースワイヤ120,220、医療装置130、固定部材140,230、離脱機構170、イントロデューサ及び/又はマイクロカテーテル190,290など、及び/又はそれらの構成要素又は部分は、画像をほぼ歪ませず、ほぼアーチファクト(例えば、画像内のギャップ)を生成しない材料で製造される。例えば、特定の強磁性材料は、MRI画像にアーティファクトを生成する可能性があるため、適さない。医療装置システム100,200、長尺状のシャフト110,210、リリースワイヤ120,220、医療装置130、固定部材140,230、離脱機構170、イントロデューサ及び/又はマイクロカテーテル190,290等、又はそれらの一部は、MRI装置が画像化できる材料で製造されてもよい。これらの特性を示すいくつかの材料には、たとえば、タングステン、コバルトクロムモリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)などのUNS:R44003)、ニッケルコバルトクロムモリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)などのUNS:R44035)、ニチノールなどが含まれる。
いくつかの実施形態では、医療装置システム100,200、長尺状のシャフト110,210、リリースワイヤ120,220、医療装置130、固定部材140,230、離脱機構170、イントロデューサ及び/又はマイクロカテーテル190,290など、及び/又はそれらの一部は、ポリマー又は別の適した材料から製造又はそれらを含有し得る。適したポリマーの例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えばデュポン社から入手可能なDELRIN(登録商標)、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えばポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテル-エステル(例えばDSM Engineering Plastics社から入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテル又はエステルベースのコポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタル酸塩及び/又は他のポリエステルエラストマー(デュポン社から入手可能なHYTREL(登録商標)など))、ポリアミド(例えばバイエル社から入手可能なDURETHAN(登録商標)又はElfAtochem社から入手可能なCRISTAMID(登録商標))、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(例えばPEBAX(登録商標)などの商品名で入手可能なPEBA)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、Marlex高密度ポリエチレン、Marlex低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(REXELL(登録商標)など)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(KEVLAR(登録商標)など)、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン-12(EMS American Grilon社から入手できるGRILAMID(登録商標)など)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(たとえば、SIBS及び/又はSIBS50A)、ポリカーボネート、アイオノマー、生体適合性ポリマー、その他の適した材料、又はそれらの混合物、組み合わせ、コポリマー、ポリマー/金属複合材などが含まれ得る。いくつかの実施形態では、シースは、液晶ポリマー(LCP)とブレンドすることができる。例えば、混合物は最大約6パーセントのLCPを含むことができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で説明した、医療装置システム100、200、長尺状のシャフト110,210、リリースワイヤ120,220、医療装置130、固定部材140,230、離脱機構170、イントロデューサ及び/又はマイクロカテーテル190,290などは、その構造を覆って又は構造内部に配置された布地材料を含む。布地材料は、組織の内部成長を促進することに適合するポリマー材料又は生体材料などの生体適合性材料から構成される。いくつかの実施形態では、布地材料は生体吸収性材料を含有し得る。適した布地材料の例には、ポリエチレングリコール(PEG)、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、ePTFE)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、及び/又はそれらのブレンド又はそれらの組み合わせなどのポリオレフィン材料が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、医療装置システム100,200、長尺状のシャフト110,210、リリースワイヤ120,220、医療装置130、固定部材140、230、離脱機構170、イントロデューサ及び/又はマイクロカテーテル190,290などは、織物材料を含んだり、それから形成される。適した織物材料の例には、平坦加工、成形加工、撚り加工、織り目加工、防縮加工された、又は縮まない加工をされた合成糸を含み得る。本発明での使用に適した生体適合性合成糸には、限定ではないが、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)ポリエステル等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリビニル、ポリメチルアセテート、ポリアミド、ナフタレンジカルボキシレン誘導体、天然シルク、及びポリテトラフルオロエチレンが含まれる。さらに、合成糸の少なくとも1つは、金属糸又はガラス糸又はセラミック糸又は繊維であってもよい。有用な金属糸には、ステンレス鋼、白金、金、チタン、タンタル、又はニッケルコバルトクロム系(Ni-Co-Cr)合金から作られた、又はそれらを含む糸が含まれる。糸は、炭素繊維、ガラス繊維又はセラミック繊維をさらに含んでもよい。望ましくは、糸は、限定ではないが、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリナフタレン、ポリテトラフルオロエチレンなどの熱可塑性材料から作られる。糸は、マルチフィラメント、モノフィラメント、又は紡糸タイプのものであってもよい。選択される糸の種類及びデニールは、生体適合性で移植可能なプロテーゼ、より具体的には望ましい特性を有する血管構造、を形成する方法で選択することができる。
いくつかの実施形態では、医療装置システム100,200、長尺状のシャフト110,210、リリースワイヤ120,220、医療装置130、固定部材140,230、離脱機構170、イントロデューサ及び/又はマイクロカテーテル190,290などは、適した治療薬を含んだり、適した治療薬で処理される。適した治療薬の例には、抗血栓薬(ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、及びPPack(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)など);抗増殖剤(エノキサパリン、アンジオペプチン、平滑筋細胞の増殖を阻害可能なモノクローナル抗体、ヒルジン、アセチルサリチル酸など);抗炎症薬(デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、メサラミンなど);抗腫瘍剤/抗増殖剤/抗有糸分裂剤(パクリタキセル、5-フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンジオスタチン及びチミジンキナーゼ阻害剤など);麻酔薬(リドカイン、ブピバカイン、ロピバカインなど);抗凝固剤(D-Phe-Pro-Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、抗トロンビン化合物、血小板受容体拮抗薬、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤、及びダニ抗血小板ペプチド);血管細胞成長プロモーター(成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗薬、転写活性化因子、翻訳プロモーターなど);血管細胞成長阻害剤(成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗薬、転写抑制因子、翻訳抑制因子、複製阻害因子、阻害抗体、成長因子に対する抗体、成長因子と細胞毒素とからなる二機能性分子、抗体と細胞毒素とからなる二機能性分子);コレステロール低下薬;血管拡張剤;内因性の血管作用性機構を妨害する薬剤が含まれる。
本開示は、多くの点で、単なる例示であることを理解されたい。本発明の範囲を超えることなく、詳細において、特に形状、寸法、及び工程の構成の事項に関して変更を加えることができる。これには、適切な範囲で、1つの例示的な実施形態の任意の特徴を別の実施形態で使用することが含まれる。本発明の範囲は、言うまでもないが、添付の請求項で表現される文言で定義される。