JP7044480B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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本発明は、湾曲型の液晶表示パネルを含む液晶表示装置に関するものである。
従来、液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)は、例えば、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)素子を含む画素電極部が多数形成されたTFTアレイ側基板と、カラーフィルタ及びブラックマトリクスが形成されたカラーフィルタ側基板とを互いに対向させて、それらの基板を所定の間隔でもって貼り合わせ、それらの基板間に液晶を充填、封入させた液晶表示パネルを有している。また、一般的に、カラーフィルタ側基板は、TFT素子及び画素電極に対向する側の主面(第1の主面)の全面に、画素電極との間で液晶に印加する垂直電界を形成するための基準電極(共通電極)が形成されている。さらに、カラーフィルタ側基板の第1の主面には、それぞれの画素に対応する赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが形成されており、それぞれの画素を通過する光が相互に干渉することを防ぐブラックマトリクスがカラーフィルタの外周を囲むように形成されている。
このようなLCDは、視認者側と反対の裏面側に、液晶表示パネルに画像を形成するための透過光を、液晶表示パネルの裏面側から入射するバックライト装置が設けられている。このバックライト装置には2つの方式がある。1つの方式は、発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)素子が光導光板の端面に配置されているエッジライト方式である。このエッジライト方式においては、液晶表示パネルの画面領域の端部に配置されたLEDからの光を導光板によって画面全体に導いて均一に分散させている。エッジライト方式は、最大60インチ程度までの画面において良好な光学的均一性を保持することができ、5~10mm程度の厚さのバックライト装置が実現できる。
もう1つの方式は、直下型方式であり、液晶表示パネルの画面領域の直下にLED素子を配置して、LED素子からの光を画素に入射させる方式である。この直下型方式は、それが適用される液晶表示パネルの画面サイズに制限はなく、低消費電力、良好な熱放散性を有している。また、直下型方式は、エッジライト方式に比べてバックライト装置が厚くなる傾向があるが、10mm程度以下の厚さに抑えることもできる。
一般に、液晶表示装置は、矩形状の液晶表示パネルを平面的に配置して、フラットパネルディスプレイを形成しているが、液晶表示パネル湾曲させて固定する曲面形状の形態を有するものも存在する。図5に示す従来の液晶表示装置は、光源素子4が液晶表示パネル1の裏面に対向して配置されている直下型方式のバックライトを有している。バックライトは、整列配置された光源素子4と、光源素子4に信号を供給する光源基板5とから形成されている。バックライトの表面側である上方には液晶表示パネル1が配置されており、液晶表示パネル1は図中の矢印Aを湾曲軸とする湾曲面が形成された透明支持体2に接着固定されている。透明支持体2はガラス基板等の板状体であり、裏面側に張り出すように湾曲した形状を有している。液晶表示パネル1は透明支持体2の湾曲形状に沿うように湾曲形状となっている。
特開2005-91873号公報
図4は、光源素子4を拡大した拡大図である。光源基板5上に光源素子であるLEDパッケージ11が接続、配置されている。LEDパッケージ11は、その中央部にLED素子12を持ち、LED素子12の上面から光を照射している。LED素子12の種類によっては、蛍光体を配置しているものもある。LED素子12から照射される光は、LEDパッケージの光照射面13からさまざまな光照射角θで照射される。その中でも最も広角で照射される光が光照射最大角θmである。この光照射最大角θmで照射された光が図5に示される積層体3の湾曲端部に照射されると、湾曲していることもあり、その表面で反射されやすくなり、液晶表示パネル1の上面の面輝度が小さくなることがある。すなわち、液晶表示装置の輝度が不均一となり、液晶表示に悪影響を及ぼすおそれがあった。なお、図5中のBで示す矢印は照射光の密度を概念的に示すものである。
本発明は、上記の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、湾面型の液晶表示装置において、均一な面輝度、良好な液晶表示を実現することである。
本発明の液晶表示装置は、表面側および裏面側に偏光板がそれぞれ配設されている液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルが載置される透明保持体と、前記透明保持体の裏面側に配置され、複数の光源素子が載置されている光源基板と、を含む液晶表示装置において、前記透明保持体は裏面側に張り出すように湾曲した形状であり、前記液晶表示パネルは前記透明保持体の湾曲形状に対応した形状で前記透明保持体に固定され、前記複数の光源素子の光照射面と前記透明保持体の裏面とが最短距離になるように対向配置されており、前記透明保持体の厚みが、前記表面側の偏光板および前記裏面側の偏光板を含む前記液晶表示パネルの厚みよりも厚く、複数の前記光源素子と前記光源基板との間に、それぞれの前記光源素子を載置する傾斜部材を複数配置させて、前記光源素子の前記光照射面を前記透明保持体の裏面に対向させる。このような構成をとることで、液晶表示装置の湾曲端部の部位における輝度が上昇し、面一な表示を得ることができる。また、光源素子と光源基板との間に傾斜部材を介在させることで、光源素子の光照射面の角度を正確に調整することができ、より光の利用効率を向上させることができる。
また本発明の液晶表示装置は、好ましくは、前記透明保持体の湾曲端部に対応する傾斜部材の傾斜角度は、前記透明保持体の湾曲中央部に対応する傾斜部材の傾斜角度よりも大きいことを特徴としている。傾斜部材の配置部位に対応して傾斜部材の傾斜角度を変更することによって、光源素子の光照射面の角度を簡易に調整することができる。
また本発明の液晶表示装置は、好ましくは、前記透明保持体の湾曲端部に対応する位置にある前記光源素子の数が、前記透明保持体の湾曲中央部に対応する位置にある前記光源素子の数よりも多いことを特徴としている。このような構成をとることで、湾曲端部の光照射量を多くすることができ、拡散する光によって輝度が低下しやすい液晶表示パネルの周縁部が暗くなることを抑えて、面一な表示となるよう制御することができる。
本発明の液晶表示装置は、湾曲型の液晶表示装置であっても、表示輝度を均一に保ち、均一な表示が実現できる。
図1は、本発明の液晶表示装置について実施の形態の第1例を示す図であり、液晶表示装置の断面概念図である。 図2は、光源素子と透明保持体の位置関係を示す概念図である。 図3は、本発明の液晶表示装置について実施の形態の第2の例を示す図であり、液晶表示装置の断面概念図である。 図4は、光源素子の拡大断面図である。 図5は、従来の液晶表示装置の断面概念図である。
以下、本発明の液晶表示装置の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、本発明の液晶表示装置の実施の形態における構成部材のうち、本発明の液晶表示装置を説明するための主要部を示している。従って、本発明に係る液晶表示装置は、図に示されていない光学シート、導光板等の周知の構成部材を備えていてもよい。なお、本発明の液晶表示装置の構成を示す図1~図4において、従来の液晶表示パネルの構成を示す図5と同じ部位には同じ符号を付しており、それらの詳細な説明は省く。
図1は、本発明の液晶表示装置について実施の形態の第1の例を示す図であり、液晶表示装置の概念断面図である。本発明の液晶表示装置10は液晶表示パネル1を有している。液晶表示パネル1は、アレイ側基板及びカラーフィルタ側基板と、両基板間に挟持される液晶と、液晶を取り囲むとともに両基板を接合するシール部材とを有している。また、両基板の外側には偏光板が配設されている。
液晶表示パネル1は裏面側に張り出すように湾曲した形状の透明保持体2に固定され、液晶表示パネルも透明保持体2に沿うように湾曲形状となっている。液晶表示パネル1と透明保持体2とは接着層で固着されている。接着層は液晶表示パネルの全面に配設されていても良いし、部分的に周辺部に配置されていても良い。但し、屈折率の設計を容易にするためには、接着層は全面の方が好ましい。また、接着層の屈折率は、透明保持体2の屈折率と同じような屈折率を持つ材料とすることが好ましい。
透明保持体2はガラス基板であっても良いし、アクリル樹脂等の樹脂体であっても良い。ガラス基板の屈折率は約1.5であるので、接着層の屈折率も同等の1.5近傍の材料を選択することが好ましい。また、アクリル樹脂の屈折率は1.49~1.53であり、ポリカーボネートは1.59である。ガラス基板と同様に、樹脂体を用いた場合も接着層はその樹脂体の屈折率に近い材料を用いることが好ましい。透明保持体2は板状体であり、中央部、端部ともに同一材料で形成されており、部位による屈折率の差もない。
透明保持体2を湾曲させ、湾曲させた透明保持体2に液晶表示パネル1を沿わせて積層体3を形成したが、場合によっては、湾曲させた液晶表示パネル1を準備し、透明保持体2を沿わせて積層体3を形成しても良い。湾曲させる部材の剛性を沿わせる部材の剛性よりも高くすることを考えると、材料選定の自由度の高い透明保持体2で剛性を高くし、湾曲させて、液晶表示パネルを沿わせるようにすることが好ましい。このとき、液晶表示パネルの両基板をスリミングして、湾曲させやすくすることが好ましい。スリミングの場合、両基板をそれぞれ0.3mm~0.1mmの板厚にすることが好ましい。
また、積層体3は液晶表示パネル1を表面側、透明保持体2を裏面側に配置しているが、透明保持体2を表面側、液晶表示パネル1を裏面側にしても良い。このとき、透明保持体2として、強化ガラスを用いれば、カバーガラスとしての機能も有する。カバーガラスとして用いる場合は、表面側に光反射防止膜や、汚れ防止膜を形成することが好ましい。液晶表示の好適な美観性の観点からは、液晶表示パネル1を表面側に配置することが良い。観察者と液晶表示面とを離せば離すほど、表示に奥行き感が出て、表示かはっきり見えなくなるとともに、視差の関係で、周辺の額縁等を広く形成する必要が出てくる。
図1にAで示す矢印は湾曲軸であり、軸方向で湾曲していることを示している。この軸方向Aに沿って、裏面側に湾曲している。湾曲の度合いとしては、曲率半径R1000mmから100mmが好ましい。曲率半径Rが小さいほど湾曲端部における光出射量が少なくなる傾向になり、輝度の面均一性において、曲率半径Rを小さくしすぎないことが好ましい。図1の下方に示している領域は、湾曲軸A方向における部位を示しており、中央に位置する部位を湾曲中央部Cとし、端部に位置する部位を湾曲端部Eとしている。
本発明において、湾曲端部Eに位置する光源素子4は、湾曲中央部Cに位置する光源素子4よりも光源基板5に対する傾斜角度が大きくなっている。これは、光源素子4の光照射面であるLEDパッケージの光照射面13と透明保持体2の裏面とを正対させることを目的としている。すなわち、湾曲端部Eでは透明保持体2の裏面が光源基板5に対して大きく傾いており、湾曲中央部Cでは透明保持体2の裏面が光源基板5に対して傾きが小さくなっている。このように透明保持体2の裏面に正対するように、光源素子4と光源基板5との間に、傾斜部材6を介在させている。
傾斜部材6を介在させることによって、透明保持体2の裏面と光源素子4の光出射面13との距離を最短距離にすることを容易にさせている。湾曲端部Eに位置する傾斜部材6の傾斜角度は湾曲中央部Cに位置する傾斜部材6の傾斜角度よりも大きく設定されている。このように透明保持体2の位置に応じて介在物である傾斜部材6の傾斜角度を調整するだけである。なお、本実施の形態では、傾斜部材6を配設しているが必須の構成要件ではない。光源素子4を配置する光源基板5を透明保持体2の曲率に合わせて湾曲させ、光源素子4の光出射面13と透明保持体2の裏面とを最短距離になるように正対させればよい。
図2は、透明保持体2の裏面と光源素子4の光出射面13とを最短距離とする位置関係、定義を説明する概念図である。最短距離Dとは、光源素子4の中央部から透明保持体2の裏面に向かって垂線を下ろしたときの垂線の長さが光出射面13と裏面との最短距離Dであり、複数の光源素子4夫々において最短距離Dは異なっているが、同じとすることもできる。
図3は、本発明の液晶表示装置の第2の実施形態を示している。本実施の形態において、透明保持体2の裏面の形状は、光源素子4の位置の夫々において、光源素子4の光出射面13と平行状態になるように、複数の平面を構成している。光源素子4の光出射面13と透明保持体2の裏面とが夫々で平行となるように構成されていることで、光源素子4からの光の入射角が一定となり、光の有効活用ができ、面一な光を出射することができる。また、光源素子4から照射される光の制御を効率よく行うことができる。
光源基板5に配置される光源素子4は均等配列させていても良いし、湾曲端部側光を集めるために、湾曲端部に位置する部位に光源素子4を多く配置しても良い。このように端部側の光源素子4の数を多く配置することで、積層体3の裏面における湾曲端部の光照射量を多くすることができ、積層体3の表面から出射される光を効率よく制御することができる。
図中に示される湾曲軸Aは一方向のみを示しているが、左右方向の湾曲軸Aに直交する方向に湾曲軸を有していても良いし、直交する2つの湾曲軸を有しても良い。また、傾斜部材6の材質としては、金属であっても良いし、セラミック、樹脂であっても良い。特に、光源素子4の発熱による輝度低下や発光効率低下を防ぐために、高熱伝導性材料が好ましい。高熱伝導性材料としては、アルミニウム等の金属を採用することもできるし、アルミニウム等の金属材を、絶縁性の放熱シートで覆う形態であっても良い。また、金属材の一部に放熱フィンを設けても良い。
また本発明の液晶表示装置は、積層体3と光源素子4との間に、拡散フィルムや輝度向上フィルムを配置しても良い。このようなフィルム類は、積層体3の内部、液晶表示パネル1と透明保持体2との間に配置することが好ましい。そして、湾曲面に沿うように接着固定することが好ましい。また、光源基板5の表面側に光反射層を設けることが、光の再利用のためにも好ましい。
なお、本発明の液晶表示装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜の設計的な変更、改良が施されていてもよい。例えば、光源基板5は矩形状でなくても、円形状、楕円形状であっても良いし、液晶表示パネル1も矩形状でなくても良い。また、光源素子4はLEDパッケージでなくても、光を照射できるものであれば良い。
本発明の液晶表示装置は各種の電子機器に適用できる。その電子機器としては、スマートウォッチ等のデジタル表示式腕時計、自動車経路誘導システム(カーナビゲーションシステム)、船舶経路誘導システム、航空機経路誘導システム、スマートフォン端末、携帯電話、タブレット端末、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電子手帳、電子書籍、電子辞書、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム機器の端末装置、テレビジョン、商品表示タグ、価格表示タグ、産業用のプログラマブル表示装置、カーオーディオ、ヘッドアップディスプレイ、デジタルオーディオプレイヤー、ファクシミリ、プリンター、コピー機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機、頭部装着型画像表示装置(Head Mounted Display device :HMD)、列車等の車両内の広告表示器などがある。
1 液晶表示パネル
2 透明保持体
3 積層体
4 光源素子
5 光源基板
6 傾斜部材
10 液晶表示装置
11 LEDパッケージ
12 LED素子
13 LEDパッケージ照射面

Claims (3)

  1. 表面側および裏面側に偏光板がそれぞれ配設されている液晶表示パネルと、
    前記液晶表示パネルが載置される透明保持体と、
    前記透明保持体の裏面側に配置され、複数の光源素子が載置されている光源基板と、を含む液晶表示装置において、
    前記透明保持体は裏面側に張り出すように湾曲した形状であり、
    前記液晶表示パネルは前記透明保持体の湾曲形状に対応した形状で前記透明保持体に固定され、
    前記複数の光源素子の光照射面と前記透明保持体の裏面とが最短距離になるように対向配置されており、
    前記透明保持体の厚みが、前記表面側の偏光板および前記裏面側の偏光板を含む前記液晶表示パネルの厚みよりも厚く、
    複数の前記光源素子と前記光源基板との間に、それぞれの前記光源素子を載置する傾斜部材を複数配置させて、前記光源素子の前記光照射面を前記透明保持体の裏面に対向させることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記透明保持体の湾曲端部に対応する前記傾斜部材の傾斜角度は、前記透明保持体の湾曲中央部に対応する前記傾斜部材の傾斜角度よりも大きいことを特徴とする請求項に記載の液晶表示装置。
  3. 前記透明保持体の湾曲端部に対応する位置にある前記光源素子の数が、前記透明保持体の湾曲中央部に対応する位置にある前記光源素子の数よりも多いことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
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