JP7043589B2 - ステント - Google Patents
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Description
しかし、ステントを血管内に長期間留置した場合には、ステントに血栓が付着し、それによって血栓閉塞を引き起こす虞がある。また、治療部位が完治した後にも、役目を終えたステントが異物として体内に残ってしまい、それによって異物反応を引き起こす虞もある。
(1)中空の可撓管の内部を通して送達され、生体内管腔内に留置された状態で前記生体内管腔の内壁を内側からサポートする形状のステントであって、
長手方向に引っ張ることで前記可撓管の内部に沿った細長い形状をとり、放すことで前記生体内管腔の内壁を内側からサポート可能なサポート形状をとるように構成され、
回収用のフック部を備え、前記フック部を回収用スネアで引っ掛けて前記可撓管の内部へ引き込むことで、前記ステントは前記サポート形状から前記細長い形状に変形しながら前記可撓管の内部を後退し、生体外に回収可能であり、
前記フック部は、前記ステントの一端に形成されており、
前記サポート形状をとった状態で、
前記フック部から長手方向に第1のパルス形状で延びる、長手方向端部から見て略半円形状の第1のパルス形状部と、
前記第1のパルス形状部の、前記フック部と反対側の端に形成された折り返し部と、
前記折り返し部から前記フック部に向かって前記第1のパルス形状と略面対称な第2のパルス形状で延び、前記フック部に連結された第2のパルス形状部と、を備えた形状となり、
円周方向で近接するパルス形状部同士が、交差した状態で円周方向にスライド可能に係合していることを特徴とする。
このように、本発明のステントの上記(1)の構成によれば、生体内管腔の内壁を内側から十分にサポートすることができ、かつ、役目を終えた後に生体外に簡単に回収することができる。
また、前記フック部は、前記ステントの一端に形成されており、
前記サポート形状をとった状態で、
前記フック部から長手方向に第1のパルス形状で延びる、長手方向端部から見て略半円形状の第1のパルス形状部と、
前記第1のパルス形状部の、前記フック部と反対側の端に形成された折り返し部と、
前記折り返し部から前記フック部に向かって前記第1のパルス形状と略面対称な第2のパルス形状で延び、前記フック部に連結された第2のパルス形状部と、を備えた形状となるため、生体内管腔内の治療部位に留置する際、あるいは留置した後に、長手方向に横倒れしにくい。また、ステントを構成する線材の方向が一方向ではないため、生体内管腔内で滑りにくく、位置ずれを起こしにくい。さらに、ステントを構成する線材の半円形状部が円周方向に延び、互いに平行であるため、外周からの圧力で潰れにくい。その結果、生体内管腔の内壁を内側から確実にサポートすることが可能となる。
さらに、円周方向で近接するパルス形状部同士が、交差した状態で円周方向にスライド可能に係合(交差係合)しているため、2つのパルス形状部が長手方向逆向きに互いにずれることを防止して、ステントを円筒形状に保持することができる。その結果、生体内管腔の内壁を内側からさらに確実にサポートすることが可能となる。そして、このように、円周方向で近接するパルス形状部同士を、溶着ではなく交差係合させることで、ステントの外径を生体内管腔の内径に合わせることができるので、生体内管腔の内壁を内側からしっかりとサポートすることが可能となる。特に、ステントの外径よりも生体内管腔の内径が小さい場合には、交差係合部が生体内管腔の内壁に食い込み気味となることでステントにテンションがかかり、生体内管腔の内壁を内側からしっかりとサポートすることができる。
(2)中空の可撓管の内部を通して送達され、生体内管腔内に留置された状態で前記生体内管腔の内壁を内側からサポートする形状のステントであって、
長手方向に引っ張ることで前記可撓管の内部に沿った細長い形状をとり、放すことで前記生体内管腔の内壁を内側からサポート可能なサポート形状をとるように構成され、
回収用のフック部を備え、前記フック部を回収用スネアで引っ掛けて前記可撓管の内部へ引き込むことで、前記ステントは前記サポート形状から前記細長い形状に変形しながら前記可撓管の内部を後退し、生体外に回収可能であり、
前記フック部は、前記ステントの一端に形成されており、
前記サポート形状をとった状態で、
前記フック部から長手方向に第1のジグザグ形状で延びる、長手方向端部から見て略半円形状の第1のジグザグ形状部と、
前記第1のジグザグ形状部の、前記フック部と反対側の端に形成された折り返し部と、
前記折り返し部から前記フック部に向かって前記第1のジグザグ形状と略面対称な第2のジグザグ形状で延び、前記フック部に連結された第2のジグザグ形状部と、を備えた形状となり、
円周方向で近接するジグザグ形状部同士が、交差した状態で円周方向にスライド可能に係合していることを特徴とする。
このように、本発明のステントの上記(1)の構成によれば、生体内管腔の内壁を内側から十分にサポートすることができ、かつ、役目を終えた後に生体外に簡単に回収することができる。
また、前記フック部は、前記ステントの一端に形成されており、
前記サポート形状をとった状態で、
前記フック部から長手方向に第1のジグザグ形状で延びる、長手方向端部から見て略半円形状の第1のジグザグ形状部と、
前記第1のジグザグ形状部の、前記フック部と反対側の端に形成された折り返し部と、
前記折り返し部から前記フック部に向かって前記第1のジグザグ形状と略面対称な第2のジグザグ形状で延び、前記フック部に連結された第2のジグザグ形状部と、を備えた形状となるため、コイル形状のものと比較して、生体内管腔内の治療部位に留置する際、あるいは留置した後に、長手方向に横倒れしにくい。また、ステントを構成する線材の方向が一方向ではないため、生体内管腔内で滑りにくく、位置ずれを起こしにくい。さらに、ステントが長手方向にジグザグ形状で延びているため、上記(1)の構成のものよりもさらに横倒れしにくい。その結果、生体内管腔の内壁を内側から確実にサポートすることが可能となる。
さらに、円周方向で近接するジグザグ形状部同士が、交差した状態で円周方向にスライド可能に係合(交差係合)しているため、2つのジグザグ形状部が長手方向逆向きに互いにずれることを防止して、ステントを円筒形状に保持することができる。その結果、生体内管腔の内壁を内側からさらに確実にサポートすることが可能となる。そして、このように、円周方向で近接するジグザグ形状部同士を、溶着ではなく交差係合させることで、ステントの外径を生体内管腔の内径に合わせることができるので、生体内管腔の内壁を内側からしっかりとサポートすることが可能となる。特に、ステントの外径よりも生体内管腔の内径が小さい場合には、交差係合部が生体内管腔の内壁に食い込み気味となることでステントにテンションがかかり、生体内管腔の内壁を内側からしっかりとサポートすることができる。
体温を下回る温度まで冷却されたときに前記可撓管の内部に沿った前記細長い形状をとり、体温まで加熱されたときに前記生体内管腔の内壁を内側からサポート可能な前記サポート形状をとるように構成されている。上記(3)の好ましい構成によれば、形状記憶合金製であるため、厚み(太さ)を小さくしても、十分な強度を維持することができる。そして、このように厚み(太さ)を小さくすることにより、血栓が付着しにくくなる。また、体温を下回る温度まで冷却されたときに可撓管の内部に沿った細長い形状をとるように構成されているため、可撓管の内部を通過しやすく、治療部位へ送達されやすい。また、治療部位へ送達された後、体温まで加熱されたときに生体内管腔の内壁を内側からサポート可能なサポート形状をとるように構成されているため、血管内壁の内側からのサポート等、ステント本来の役割を果たすことができる。また、上記のように、体温を下回る温度まで冷却されたときに可撓管の内部に沿った細長い形状をとるように構成されているため、生体内管腔内に留置された状態で生体内管腔の内壁を内側からサポートしているサポート形状のステントのフック部を回収用スネアで引っ掛けて可撓管の内部へ引き込むことで、生体外に簡単に回収することができる。
(5)前記フック部は、2つの湾曲部を設けた形状であり、前記2つの湾曲部は、長手方向において互いに逆方向に湾曲している。上記(5)の好ましい構成によれば、ステントを太もも側、鎖骨側のどちらの方向から回収する場合にも、容易に回収することができる。
前記線材の線径が0.3~0.7mmであり、
前記線材の引張り強さが900~1500MPaであり、
前記線材の材質が、ニッケルチタン合金、ステンレス鋼、チタン及びチタン合金のうちのいずれか一つである。上記(6)の好ましい構成によれば、サポート形状をとるときのステントの外径が、生体内管腔である大動脈の内径とほぼ同じ、30~55mmであることにより、大動脈解離の治療のために大動脈内に留置した際に、血管内壁に適切なテンションをかけることができ、過度なテンションがかかることはないので、大動脈解離のエントリー部の治癒を適切に促進させることができる。また、サポート形状をとるときのステントの外径が、長手方向で変化することにより、留置する部位の内径が長手方向で変化する場合にも、留置部位の内径の変化に合わせたステントの外径とすることができ、適切な治療を行うことができる。例えば、部分的に生体内管腔の内径が大きくなる場合にも、しっかりとステントでサポートできる。また、部分的に生体内管腔の内径が小さくなる場合にも、過度なテンションをかけないようにすることができる。また、線材の線径が0.3~0.7mmであることにより、ステントの強度を維持しつつ、血栓の付着を効果的に抑制することができる。また、線材の引張り強さが900~1500MPaであることにより、ステントの強度を維持しつつ、生体内管腔の内壁に適切なテンションをかけることができる。また、線材の材質が、ニッケルチタン合金、ステンレス鋼、チタン及びチタン合金のうちのいずれか一つであることにより、生体適合性の条件を満たし、細径な可撓管内を通過しても潰れや折り癖などの変形が生じ難いステントを実現することができる。
(ステントの構成)
まず、本発明の実施形態1におけるステントの構成について、図1~図3を参照しながら説明する。
そして、フック部1bを回収用スネア4(図11,図12を参照)で引っ掛けてカテーテル2の内部へ引き込むことで、ステント1はコイル形状から細長い形状に変形しながらカテーテル2の内部を後退し、生体外に回収可能である。
このように、本実施形態のステント1の構成によれば、生体内管腔の内壁を内側から十分にサポートすることができ、かつ、役目を終えた後に生体外に簡単に回収することができる。
なお、図1に示す「掴み部」は、ステント1を生体内管腔内の治療部位に留置する際に、後述するステント挿入用鉗子で掴む部分である。なお、掴み部の位置は図1の位置に限定するものではなく、ステント1の先端側であればよい。例えば、フック部1bを掴み部としてもよい。
また、この場合、ステント1がコイル形状をとるときのコイルの外径は、長手方向で変化することが好ましい。かかる好ましい構成によれば、留置する部位の内径が長手方向で変化する場合にも、留置部位の内径の変化に合わせたコイルの外径とすることができ、適切な治療を行うことができる。例えば、部分的に生体内管腔の内径が大きくなる場合にも、しっかりとコイルでサポートできる。また、部分的に生体内管腔の内径が小さくなる場合にも、過度なテンションをかけないようにすることができる。
なお、樹脂層は、1種類に限定されるものではない。例えば、生体内管腔との摩擦力の大きなPU(ポリウレタン)等の樹脂で線材全体を覆い、さらに、生体内管腔との摩擦力が小さく、血栓の付着しにくいフッ素樹脂をコイル内側部分にのみコーティングしてもよい。これにより、ステント1を生体内管腔の適切な位置に留置しやすく、血栓の付着も効果的に抑制することができる。
薬剤は、生理活性物質であることが好ましく、特に細胞修復剤、抗炎症剤又は抗癌剤であることが好ましい。具体的には、例えば、スタチン、ラパマイシン、アスピリン、ジピリダモール、ヘパリン、抗トロンビン製剤、魚油等の抗血小板薬、低分子ヘパリン、アンギオテンシン変換酵素阻害薬等の平滑筋増殖抑制薬、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンデシン、塩酸イリノテカン、パクリタキセル、ドセタキセル水和物、メトトレキサート、シクロフォスファミド等の抗癌剤、マイトマイシンC等の抗生物質、シロリムス、タクロリムス水和物等の免疫抑制剤、ステロイド等の抗炎症剤、アトルバスタチンカルシウム、ロバスタチン等の脂質改善薬、プラスミドDNA、遺伝子、siRNA、囮型核酸医薬(デコイ)、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、アプタマー、インターロイキン、細胞間情報伝達物質(サイトカイン)、グリベックやPTK787等が挙げられる。しかし、ステント1の表面に塗布される薬剤は、これらの物質に限定されるものではない。なお、上記生理活性物質のうちのいずれか1種のみを塗布してもよいが、効能や作用機序の異なる成分を複数種塗布しておけば、各成分の相乗効果によって薬効の促進が期待できる。
次に、本発明の実施形態1におけるステントの留置・回収方法について、大動脈解離の治療に用いられるステントを留置・回収する場合を例に挙げて、図4~図18を参照しながら説明する。
ステントの留置作業は、血管造影で確認しながら行われる。また、ステントの留置には、図5,図6に示すカテーテルイントロジューサ、及び、ステント挿入用鉗子(図示せず)が使用される。
図5,図6に示すカテーテルイントロジューサは、中空の可撓管であるカテーテル2と、カテーテル2の内部にその基端部から挿入されるダイレータ3と、からなっている。そして、ダイレータハブ3aがカテーテル2の基端面に当接したとき、ダイレータ3の先端部はカテーテル2の先端から突出するようにされている(図6の状態)。
なお、ステント挿入用鉗子は、カテーテルイントロジューサの構成部材であるカテーテル2と一緒に使用される。
以上により、大動脈解離の治療に用いられるステント1の留置作業が完了する。
治療部位が完治した後の、役目を終えたステント1は、以下のようにして回収される。この回収作業も、血管造影で確認しながら行われる。また、ステントの回収には、図11,図12に示す回収用スネア4、中空の可撓管であるカテーテル2が使用される。
操作ワイヤ5は、中空の可撓管であるカテーテル2の内部に進退可能に挿通される(図12の両矢印Eを参照)。操作ワイヤ5の基端には操作リング5aが形成されており、操作リング5aを持って操作ワイヤ5をカテーテル2の内部で進退させたり回転させたりすることができる(図12の両矢印E,Fを参照)。
スネアワイヤ6は、操作ワイヤ5の先端に設けられている。スネアワイヤ6は、1本の線材からなり、外力がかからない自然状態において、基端側の第1ループ部6aと、先端側の第2ループ部6bと、第1ループ部6aと第2ループ部6bとの交点6cと、からなる二重ループ状に形成されている。スネアワイヤ6は、形状記憶合金製の線材からなり、内腔内でカテーテル2の先端から押し出されて体温まで加熱されたときに、第1ループ部6aと第2ループ部6bが近接してほぼ同心円状に配置される形状をとるようにすることができる。
操作ワイヤ5は、ステンレス鋼等の金属線材を複数撚り合わせた撚線からなっている。
以上により、大動脈解離の治療に用いられたステント1の回収作業が完了する。
以下、本発明のステントの他の実施形態について、図20~図26を参照しながら説明する。なお、下記実施形態では、上記実施形態1と比べて、サポート形状をとった状態のステントの構成だけが異なり、ステントの材質、線径等や留置・回収方法は上記実施形態1と同じである。このため、これら同じ事項についての詳細な説明は省略する。
まず、本発明の実施形態2におけるステントの構成について、図20を参照しながら説明する。
そして、フック部7bを回収用スネア4(図11,図12を参照)で引っ掛けてカテーテル2の内部へ引き込むことで、ステント7はサポート形状から細長い形状に変形しながらカテーテル2の内部を後退し、生体外に回収可能である。上記のように、フック部7bは、互いに逆方向に湾曲した2つの湾曲部7b1,7b2を備えた形状となっているので、ステント7を太もも側、鎖骨側のどちらの方向から回収する場合にも、容易に回収することができる。
次に、本発明の実施形態3におけるステントの構成について、図21,図22を参照しながら説明する。
第2のパルス形状部8a2は、第3の半円形状部13と第3の長手形状部14と第4の半円形状部15と第4の長手形状部16とからなる基本パルス形状部が4つ連続した構成となっている。第3の半円形状部13は、折り返し部8cから第2の半円形状部11と線対称となる半円形状で延びる。第3の長手形状部14は、第3の半円形状部13の、折り返し部8cと反対側の端から第1の長手形状部10と略並行に延びる。第4の半円形状部15は、第3の長手形状部14の、第3の半円形状部13と反対側の端から第1の半円形状部9と線対称となる半円形状で延びる。第4の長手形状部16は、第4の半円形状部15の、第3の長手形状部14と反対側の端から第2の長手形状部12と略並行に延びる。
なお、半円形状部と長手形状部の折り曲げ部分等の形状は、丸みを帯びたR形状となっており、治療中にステント8によって生体内管腔の内壁を傷つけてしまうことはない。
また、第1及び第2のパルス形状としては、図22(a)~(d)に示すような、いろいろな繰り返し形状のものを採用することができる。
次に、本発明の実施形態4におけるステントの構成について、図23を参照しながら説明する。なお、本実施形態のステントは、上記実施形態3と比べて、円周方向で近接するパルス形状部同士が、交差した状態で係合している点だけが異なり、その他の構成は上記実施形態3と同じである。このため、上記実施形態3と同一の部材には同一の参照符号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
次に、本発明の実施形態5におけるステントの構成について、図24,図25を参照しながら説明する。
また、第1及び第2のジグザグ形状としては、図25(a)~(d)に示すような、いろいろな繰り返し形状のものを採用することができる。
次に、本発明の実施形態6におけるステントの構成について、図26を参照しながら説明する。なお、本実施形態のステントは、上記実施形態5と比べて、円周方向で近接するジグザグ形状部同士が、交差した状態で係合している点だけが異なり、その他の構成は上記実施形態5と同じである。このため、上記実施形態5と同一の部材には同一の参照符号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
1a ステント本体
1b,7b,8b、18b フック部
2 カテーテル
4 回収用スネア
7a1 第1の螺旋形状部
7a2 第2の螺旋形状部
7c,8c,18c 折り返し部
8a1 第1のパルス形状部
8a2 第2のパルス形状部
18a1 第1のジグザグ形状部
18a2 第2のジグザグ形状部
Claims (11)
- 中空の可撓管の内部を通して送達され、生体内管腔内に留置された状態で前記生体内管腔の内壁を内側からサポートする形状のステントであって、
長手方向に引っ張ることで前記可撓管の内部に沿った細長い形状をとり、放すことで前記生体内管腔の内壁を内側からサポート可能なサポート形状をとるように構成され、
回収用のフック部を備え、前記フック部を回収用スネアで引っ掛けて前記可撓管の内部へ引き込むことで、前記ステントは前記サポート形状から前記細長い形状に変形しながら前記可撓管の内部を後退し、生体外に回収可能であり、
前記フック部は、前記ステントの一端に形成されており、
前記サポート形状をとった状態で、
前記フック部から長手方向に第1のパルス形状で延びる、長手方向端部から見て略半円形状の第1のパルス形状部と、
前記第1のパルス形状部の、前記フック部と反対側の端に形成された折り返し部と、
前記折り返し部から前記フック部に向かって前記第1のパルス形状と略面対称な第2のパルス形状で延び、前記フック部に連結された第2のパルス形状部と、を備えた形状となり、
円周方向で近接するパルス形状部同士が、交差した状態で円周方向にスライド可能に係合していることを特徴とするステント。 - 中空の可撓管の内部を通して送達され、生体内管腔内に留置された状態で前記生体内管腔の内壁を内側からサポートする形状のステントであって、
長手方向に引っ張ることで前記可撓管の内部に沿った細長い形状をとり、放すことで前記生体内管腔の内壁を内側からサポート可能なサポート形状をとるように構成され、
回収用のフック部を備え、前記フック部を回収用スネアで引っ掛けて前記可撓管の内部へ引き込むことで、前記ステントは前記サポート形状から前記細長い形状に変形しながら前記可撓管の内部を後退し、生体外に回収可能であり、
前記フック部は、前記ステントの一端に形成されており、
前記サポート形状をとった状態で、
前記フック部から長手方向に第1のジグザグ形状で延びる、長手方向端部から見て略半円形状の第1のジグザグ形状部と、
前記第1のジグザグ形状部の、前記フック部と反対側の端に形成された折り返し部と、
前記折り返し部から前記フック部に向かって前記第1のジグザグ形状と略面対称な第2のジグザグ形状で延び、前記フック部に連結された第2のジグザグ形状部と、を備えた形状となり、
円周方向で近接するジグザグ形状部同士が、交差した状態で円周方向にスライド可能に係合していることを特徴とするステント。 - 1本の形状記憶合金製の線材からなり、
体温を下回る温度まで冷却されたときに前記可撓管の内部に沿った前記細長い形状をとり、体温まで加熱されたときに前記生体内管腔の内壁を内側からサポート可能な前記サポート形状をとるように構成された、請求項1又は2に記載のステント。 - 前記フック部は、前記ステントが前記サポート形状となった際に、前記ステントの外周よりも径方向内側に位置する、請求項1~3のいずれか1項に記載のステント。
- 前記フック部は、2つの湾曲部を設けた形状であり、前記2つの湾曲部は、長手方向において互いに逆方向に湾曲している、請求項1~4のいずれか1項に記載のステント。
- 前記サポート形状をとるときの前記ステントの外径が、前記生体内管腔である大動脈の内径とほぼ同じ、30~55mmであるとともに、長手方向で変化し、
前記線材の線径が0.3~0.7mmであり、
前記線材の引張り強さが900~1500MPaであり、
前記線材の材質が、ニッケルチタン合金、ステンレス鋼、チタン及びチタン合金のうちのいずれか一つである、請求項3に記載のステント。 - 前記線材の表面に樹脂層を備える、請求項3又は6に記載のステント。
- 前記樹脂層の厚みが0.01~3.00mmである、請求項7に記載のステント。
- 前記樹脂層の材質が、PU(ポリウレタン)、PA(ポリアミド)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)及びフッ素樹脂のうちのいずれか一つである、請求項7又は8に記載のステント。
- 表面に薬剤が塗布される、請求項1~9のいずれか1項に記載のステント。
- 前記薬剤が、生理活性物質である、請求項10に記載のステント。
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