[1.パチンコ遊技機の全体構造]
本発明の一実施形態である遊技機としてのパチンコ遊技機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図9を参照して本実施形態のパチンコ遊技機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機の正面図である。図2はパチンコ遊技機の右側面図であり、図3はパチンコ遊技機の平面図であり、図4はパチンコ遊技機の背面図である。図5はパチンコ遊技機を前から見た斜視図であり、図6はパチンコ遊技機を後ろから見た斜視図である。図7は本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ遊技機の斜視図である。図8はパチンコ遊技機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図9はパチンコ遊技機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技ホールのパチンコ島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
パチンコ遊技機1の外枠2は、図8及び図9等に示すように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3が開閉可能に取付けられている。
パチンコ遊技機1の扉枠3は、正面視の外形が四角形で前後に貫通している貫通口111を有した枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202を有した皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられ上皿201に貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット500と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ遊技領域内へ打ち損じた遊技球を受けて皿ユニット200の下皿202へ排出するファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ上皿201の遊技球を球発射装置680へ送るための球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
パチンコ遊技機1の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しないパチンコ島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びた2条の球誘導通路を有するタンクレール803と、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する2条の球誘導通路を有する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820の2条の球誘導通路により誘導されたそれぞれの遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951からの指示に基づいて1つずつ払出す払出装置830と、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット200における上皿201での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口又は満タン放出口の何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路及び満タン放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口528へ誘導する満タン誘導路を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。なお、球誘導ユニット820に形成される2条の球誘導通路内には、遊技球の有無を検出する球切れスイッチ821が設けられている。
また、本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられており払出装置830から球抜きされた遊技球をパチンコ遊技機1の外部へ排出するための球排出通路865と、本体枠ベース600の後側に取付けられており本体枠ベース600の後側に取付けられるロック部材870と、を備えている。なお、球タンク802内の遊技球は、2条の球誘導通路を有するタンクレール803、そして2条の球誘導通路を有する球誘導ユニット820を通って、払出装置830に流入する。そして、2条で払出装置830に流入した遊技球を賞球として払い出す場合には2条で流入した遊技球を1つずつ1条として払出して上部満タン球経路ユニット850に流入させる一方、2条で払出装置830に流入した遊技球を払出装置830から球抜きする場合には2条で流入した遊技球を1条として球排出通路865を通過させてパチンコ遊技機1の外部へ排出させる。(パチンコ遊技機1の外部へ排出された遊技球は、図示しないパチンコ島設備に設置される球揚送装置へ供給されるようになっている)。このように、本実施形態における払出装置830においては、2条1条変換という機能も有している。
本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音スピーカを有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板931が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
なお、払出制御基板951には、各種機能を兼用する操作スイッチ952、パチンコ遊技機1の状態を表示するエラーLED表示器953等が実装されている。操作スイッチ952の操作部は、払出制御基板ボックス950から露出されており、遊技ホールの店員等の係員により操作されるようになっている。これに対して、エラーLED表示器953は、払出制御基板ボックス950から露出されていない。遊技ホールの店員等の係員は、払出制御基板ボックス950を構成する透明なカバー体を通してエラーLED表示器953に表示される内容を視認することができるようになっている。
操作スイッチ952は、電源投入時において払出制御基板951のマイクロプロセッサに内蔵されるRAMと、遊技盤5に備える主制御基板ボックスに収容される遊技の進行を制御する図示しない主制御基板のマイクロプロセッサに内蔵されるRAMをクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラーLED表示器953によりエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっており、電源投入時におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。
パチンコ遊技機1の遊技盤5は、図8及び図9等に示すように、遊技球が打込まれる遊技領域5aの外周を区画し球発射装置680から発射された遊技球を遊技領域5aの上部に案内する案内レール1001を有した前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられると共に遊技領域5aの後端を区画する平板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側の下部に取付けられており上方に開放された箱状の基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後側に取付けられておりパチンコ遊技機1の遊技を制御するための主制御基板を内部に収容した主制御基板ボックス1300と、遊技パネル1100の前側で遊技領域5a内に取付けられ遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能な複数の入賞口を有した表ユニット(図示は省略)と、基板ホルダ1200の上側で遊技パネル1100の後側に取付けられ遊技パネル1100を通して遊技者側から視認可能な液晶表示装置を有した裏ユニット(図示は省略)と、を備えている。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、上皿201に遊技球を貯留した状態で、遊技者がハンドルレバー504を回転操作すると、球発射装置680によってハンドルレバー504の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、図示しない入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿201に払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができるため、上皿201内の遊技球を遊技領域5a内へ打込ませることができ、遊技者に遊技を楽しませることができる。
[2.扉枠の全体構成]
パチンコ遊技機1の扉枠3について、図10乃至図16を参照して説明する。図10はパチンコ遊技機における扉枠の正面図であり、図11は扉枠の背面図である。図12は扉枠を右前から見た斜視図であり、図13は扉枠を左前から見た斜視図であり、図14は扉枠を後ろから見た斜視図である。図15は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図16は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、正面視の外形が四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられる皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられるハンドルユニット500と、を備えている。
また、扉枠3は、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられるファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられる球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100は、図15及び図16に等に示すように、外形が縦長の長方形で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の前面で正面視右下隅に取付けられておりハンドルユニット500を取付けるための筒状のハンドル取付部材120と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており前方へ突出して本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640に回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット560を着脱可能に取付けるためのガラスユニット取付部材160と、を備えている。
扉枠3の皿ユニット200は、詳細は後述するが、上下に列設されており前方へ膨出しており遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202と、上皿201及び下皿202が取付けられていると共に扉枠ベースユニット100の前面に取付けられる板状の皿ユニットベース210と、上皿201の前側で皿ユニットベース210に取付けられ画像を表示可能な上皿液晶表示装置244、遊技者が操作可能なタッチパネル246及び上皿演出ボタン257を有している演出操作ユニット220と、上皿201及び下皿202を前側から覆う皿ユニットカバー260と、正面視上皿201の右側に配置されており遊技状態に応じて回転する扉右下回転体270Aを有している扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270を前側から覆う透明な演出ユニットカバー300と、上皿201に貯留されている遊技球を下皿202へ抜くための上皿球抜きユニット310と、下皿202に貯留されている遊技球を下方へ抜くための下皿球抜きユニット320と、遊技ホールのパチンコ島設備においてパチンコ遊技機1と隣接して設置される球貸機(図示は省略する。CRユニットとも称す)を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、を主に備えている。
扉枠3のトップユニット350は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面において上辺に沿って取付けられる一部が透光性を有したユニットベース360と、ユニットベース360の前面で左右の中央に取付けられており前方へ膨出している透光性を有したトップ装飾部材370と、トップ装飾部材370内に取付けられており高音域のサウンドを出力するトップスピーカ(図示は省略)と、ユニットベース360の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられている扉枠上装飾基板380と、を備えている。
扉枠3の左サイドユニット400は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で貫通口111の左側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース410と、ユニットベース410の前面に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の左端まで延びている透光性を有した左サイド装飾部材420と、左サイド装飾部材420の前側で正面視扉枠3の左上隅となる位置に取付けられており左スピーカ(図示は省略)を有した左スピーカユニット430と、ユニットベース410の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠左装飾基板440と、を備えている。
扉枠3の右サイドユニット450は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で貫通口111の右側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース460と、ユニットベース460の前側に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の右端まで延びている透光性を有した右サイド装飾部材470と、右サイド装飾部材470の前面で正面視扉枠3の右上隅となる位置に取付けられており右スピーカ(図示は省略)を有した右スピーカユニット480と、ユニットベース460と右サイド装飾部材470との間に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠右装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
扉枠3のハンドルユニット500は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120に取付けられるハンドル本体502と、ハンドル本体502に回動可能に取付けられており遊技者が回動操作可能なハンドルレバー504と、ハンドルレバー504の前側からハンドル本体502に取付けられておりハンドル本体502と協働してハンドルレバー504を回動可能に支持しているハンドルカバー506と、を備えている。また、ハンドルユニット500は、図示は省略するが、ハンドル本体502内に取付けられておりハンドルレバー504の回転角度を検知するハンドル操作センサと、ハンドル本体502に取付けられており遊技者が操作可能なストップボタンと、ハンドル本体502内に取付けられており遊技者とハンドルレバー504との接触を検知する接触検知センサと、を備えている。
扉枠3のファールカバーユニット520は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体522と、ユニット本体522の前面に取付けられている平板状の蓋部材524と、を主に備えている。ファールカバーユニット520は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路と皿ユニット200の上皿球供給口210aとを連通させる貫通球通路526と、貫通球通路526の正面視右側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路と連通可能な満タン球受口528と、満タン球受口528の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口530と、正面視右下隅で前方へ向かって開口しており満タン球受口528及びファール球受口530に受入れられた遊技球を放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口210cと連通する球放出口532と、を備えている。
扉枠3の球送りユニット540は、図15及び図16等に示すように、左右に延びており後側が開放された箱状のユニット本体542と、ユニット本体542の後側に取付けられており前側が開放された箱状でファールカバーユニット520の正面視右側で扉枠ベースユニット100の後側に着脱可能に取付けられるユニットカバー544と、前方へ向かって開口しており皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球が進入する球進入口546と、球進入口546に進入した遊技球を放出可能とされており後方へ向かって開口している球放出口548と、球進入口546に進入した遊技球を排出可能とされており球進入口546の下側で前方へ向かって開口している球排出口550と、を備えている。また、球送りユニット540は、図示は省略するが、球進入口546から進入した遊技球を一つずつ球放出口548から放出させるための球送りソレノイドと、球進入口546から進入した遊技球を球放出口548側又は球排出口550側の何れかに切換える切換機構と、を備えている。
扉枠3のガラスユニット560は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも大きい枠状のユニット枠562と、ユニット枠562の前後両側に取付けられておりユニット枠562の枠内を閉鎖する一対のガラス板564と、を備えている。
[2-1.皿ユニットの全体構成]
扉枠3の皿ユニット200について、図17乃至図33を参照して詳細に説明する。図17は扉枠の皿ユニットを前から見た斜視図であり、図18は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図19は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図20は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図21は皿ユニットの演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、図22は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図23は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して上から見た斜視図であり、図24は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して下から見た分解斜視図である。図25は演出操作ユニットの取付ベースユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図26は取付ベースユニットを分解して下から見た分解斜視図である。
また、図27は演出操作ユニットのタッチユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図28はタッチユニットを分解して下から見た分解斜視図である。図29は演出操作ユニットのボタンユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図30はボタンユニットを分解して下から見た分解斜視図である。図31は皿ユニットの平面図であり、図32は図31におけるAーA断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図であり、図33は図31におけるB-B断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。
更に、図34(a)は皿ユニットの扉右下演出ユニットの正面図であり、(b)は扉右下演出ユニットの右側面図であり、図35は扉右下演出ユニットを前から見た斜視図であり、図36は扉右下演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図37は、図34(b)の扉右下演出ユニットにおけるC-C断面図である。図38は扉右下演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図39は扉右下演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図40は扉右下演出ユニットの回転体内部ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図41は回転体内部ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図42(a)は扉右下演出ユニットの扉右下回転体が前を向いた状態の正面図であり、(b)は扉右下回転体が後ろを向いた状態の正面図である。
また、図43(a)は皿ユニットの上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で前から見た斜視図であり、(b)は上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で後ろから見た斜視図である。図44は上皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図45は上皿球抜きユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図46(a)は皿ユニットの下皿球抜きユニットを前から見た斜視図であり、(b)下皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図である。
皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100から前方へ膨出している。この皿ユニット200は、払出装置830から払出され遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201から供給される遊技球を貯留可能な下皿202と、を備えている。また、皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100に取付けられる平板状の皿ユニットベース210と、皿ユニットベース210の前面上部に取付けられると共に左右中央より左側が前方へ大きく膨出しており上皿201を形成している上皿本体212と、皿ユニットベース210の前面下部で左右中央に取付けられると共に前方へ大きく膨出しており下皿202を形成している下皿本体214と、を備えている。
また、皿ユニット200は、上皿本体212の前側及び皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出操作ユニット220と、上皿本体212、下皿本体214、及び演出操作ユニットの前側及び下側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる皿ユニットカバー260と、演出操作ユニット220の右側に配置されており皿ユニットベース210の前面右部に取付けられる扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270の前側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出ユニットカバー300と、皿ユニットベース210を前後から挟むように取付けられており上皿本体212の上皿201内に貯留されている遊技球を下皿202へ抜き取るための上皿球抜きユニット310と、下皿本体214の下側に取付けられており下皿202に貯留されている遊技球を下方へ排出するための下皿球抜きユニット320と、を備えている。
更に、皿ユニット200は、演出操作ユニット220の上面に取付けられており遊技ホールのパチンコ島設備においてパチンコ遊技機1と隣接して配置される球貸機を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、皿ユニットカバー260の後側で皿ユニットベース210の前面左側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット左装飾基板345と、演出ユニットカバー300の後側且つ扉右下演出ユニット270の下側で皿ユニットベース210の前面右側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット右装飾基板346と、皿ユニットベース210の後側に取付けられており後述する上皿前装飾基板233、上皿後装飾基板235、上皿液晶基板241、加振装置242、タッチパネル246、演出ボタン装飾基板251、演出ボタン押圧センサ258、扉右下中継基板281、皿ユニット左装飾基板345、及び皿ユニット右装飾基板346と遊技盤5の図示しない周辺制御基板との接続を中継する皿ユニット中継基板347と、を備えている。
[2-1a.皿ユニットベース]
皿ユニット200の皿ユニットベース210は、図19及び図20に示すように、扉枠ベースユニット100の全幅に亘って左右に長く延びている。皿ユニットベース210は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口210aと、上皿球供給口210aの下側で前後に貫通していると共に上下に延びている複数の長穴からなるスピーカスリット210bと、正面視左右中央の下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口210cと、下皿球供給口210cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送り口210dと、を備えている。
また、皿ユニットベース210は、上皿球送り口210dの正面視左側で前後に貫通している内周が四角形の透口210eと、透口210eの下辺から前方へ板状に突出している受片210fと、上皿球送り口210dの正面視右上側で前後に貫通している逃し口210gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120が挿通されるハンドル挿通口210hと、正面視右隅付近で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口210iと、筒状の下皿球供給口210cの正面視右側の側面において後端から前方へ向かって切欠かれている切欠部210jと、を備えている。
[2-1b.上皿本体]
皿ユニット200の上皿本体212は、図19及び図20に示すように、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出しており、上方及び後方へ開放された容器状に形成されている。上皿本体212は、正面視右端側に左方及び後方へのみ開放されており遊技球が流通可能な誘導通路部212aを備えている。この上皿本体212は、底面が全体的に右端が低くなるように傾斜している。詳述すると、上皿本体212を皿ユニットベース210に取付けた状態で、上皿本体212の底面が、上皿球供給口210aの下側の位置から上皿球送り口210dの上端から遊技球の外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口210aから前方へ放出された遊技球を、上皿本体212内に受けて貯留することができると共に、受けた遊技球を誘導通路部212aの右端側から上皿球送り口210dへ供給することができる。
また、上皿本体212は、底面の後端側で左右の中央から右端付近まで延びている金属製のアース金具212bを備えている。このアース金具212bは、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球が接触することで、遊技球に帯電した静電気を除去することができる。
[2-1c.下皿本体]
皿ユニット200の下皿本体214は、図19及び図20に示すように、前端辺に対して後端辺が長い平面視台形で、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。下皿本体214は、底面に上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖可能とされている球抜き孔214aを備えており、球抜き孔214aへ向かって低くなるように底面が傾斜している。この下皿本体214は、皿ユニットベース210の下皿球供給口210cから前方へ放出された遊技球を受けて貯留することができると共に、球抜き孔214aから遊技球を皿ユニット200の下方へ排出することができる。
[2-1d.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200の演出操作ユニット220は、図21乃至図24に示すように、正面視左右の中央で皿ユニットベース210及び上皿本体212に取付けられる取付ベースユニット220Aと、取付ベースユニット220Aに取付けられるタッチユニット220Bと、タッチユニット220Bの正面視左側で取付ベースユニット220Aに取付けられるボタンユニット220Cと、タッチユニット220Bと取付ベースユニット220Aとの間に介装される円筒状の複数のダンパ222と、タッチユニット220B及びボタンユニット220Cの外周を上側から覆うように取付ベースユニット220Aに取付けられるユニットカバー224と、取付ベースユニット220Aの正面視右端に取付けられる装飾部材226と、を備えている。
演出操作ユニット220のダンパ222は、円筒状に形成されており、外周面における軸方向の中央に溝222aが全周に亘って形成されている。本実施形態におけるダンパ222は、合成ゴムによって形成されている。複数のダンパ222によって、タッチユニット220Bが叩かれた時の衝撃を緩和させて取付ベースユニット220Aや皿ユニットベース210側へ作用する負荷(衝撃)を低減させることができると共に、タッチユニット220Bの後述する加振装置242による振動が、取付ベースユニット220Aや皿ユニットベース210側へ伝達されるのを低減させることができる。
[2-1d-1.取付ベースユニット]
演出操作ユニット220の取付ベースユニット220Aは、図23乃至図26に示すように、皿ユニットベース210の前面に取付けられ上方が開放された浅い箱状の取付ベース230と、取付ベース230の上側に取付けられると共に後端が上皿本体212の前端に取付けられ上側からタッチユニット200Bを収容可能な上方が開放された浅い箱状のユニットケース231と、ユニットケース231の前端に取付けられる横長の上皿前レンズ部材232と、上皿前レンズ部材232とユニットケース231との間に配置され前面に複数のLEDを備えた上皿前装飾基板233と、上皿前レンズ部材232の前側を覆いユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿前装飾部材234と、を備えている。
また、取付ベースユニット220Aは、ユニットケース231の後端に取付けられており上方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えた上皿後装飾基板235と、上皿後装飾基板235の上側に配置されユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿後装飾部材236と、上皿後装飾部材236の前側においてユニットカバー224とユニットケース231とによって挟持され上皿後装飾基板235からの光を導いて上端が線状に発光可能な線状発光レンズ部材237と、上皿後装飾部材236の正面視右側でユニットカバー224に取付けられる筒状のボタン取付部材238と、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられる上皿球抜きボタン239と、を備えている。
取付ベース230は、前後の略中央から前側に、前方へ向かうに従って低くなるように傾斜している平板状の取付側受部230aと、取付側受部230aを貫通しており左右に離間した二つの貫通口230bと、貫通口230bの周縁から下方へ延出している筒状の筒状受部230cと、を備えている。貫通口230bは、内周が四角形に形成されている。筒状受部230cは、下方へ向かうに従って窄まるように角錐筒状に形成されている(図33を参照)。詳述すると、筒状受部230cは、前側の内周壁が取付側受部230aの面に対して略垂直に延びており、後側の内周壁が取付側受部230aの面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、筒状受部230cは、左右両側の内周壁が取付側受部230aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。
ユニットケース231は、上方へ開放されておりタッチユニット220Bを収容可能な収容凹部231aと、収容凹部231aの底面の正面視左右両端付近から夫々前後に離間して一対ずつ上方へ円柱状に突出している横支持ピン231bと、収容凹部231aの底面の前端付近から左右に離間して上方へ円柱状に突出している一対の前支持ピン231cと、収容凹部231aにおいて底面の前後端側の左右中央から上方へ突出している中央支持突起231dと、収容凹部231aの底面の下側から下方へ向かうに従って窄まるように角錐状に突出しており左右に離間した二つの受突部231eと、を備えている。
また、ユニットケース231は、収容凹部231aよりも正面視左側で上下に円形に貫通しておりボタンユニット220Cの下部が挿通される挿通孔231fと、上面における挿通孔231fの周りに配置されておりボタンユニット220Cを取付けるためのボタンユニット取付部231gと、収容凹部231aの後側の外周壁において左右に延びていると共に上端から下方へ窪み線状発光レンズ部材237の線状発光部237bが配置される切欠部231hと、を備えている。
ユニットケース231の収容凹部231aは、平面視の形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の左右両辺から外側へ突出した台形とを組合せた形状に形成されている。また、収容凹部231aは、左右両側の台形の部位の底面に対して、四角形の部位の底面が、下方へ低く形成されている。この収容凹部231aの底面の段差は、ダンパ222の高さ(軸方向の長さ)よりも若干低く形成されている。
四つの横支持ピン231bは、収容凹部231aにおける台形の部位の底面から上方へ突出しており、筒状のダンパ222内へ挿入可能に形成されている。また、横支持ピン231bは、上端側に、上端側へ向かうに従って直径が小さくなる円錐台状のテーパ部231iを備えている(図32を参照)。横支持ピン231bは、収容凹部231aの底面からテーパ部231iの中間までの距離が、ダンパ222の長さと同じとされており、全体がダンパ222よりも長く形成されている。一対の前支持ピン231cは、筒状のダンパ222内へ挿入可能とされており、ダンパ222の半分の長さよりも若干長く形成されている。
中央支持突起231dの上端は、収容凹部231aにおける台形の部位の底面と同じ高さまで突出している。受突部231eは、外周が四角形の円錐台状に形成されている。二つの受突部231eは、取付ベース230の二つの貫通口230bと対応した位置に形成されている。受突部231eは、前側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して略垂直に延びており、後側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、受突部231eは、左右両側の外周壁が収容凹部231aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。受突部231eの外周壁の形状は、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁の形状と対応している。この受突部231eは、組立てた状態で、下端が取付ベース230の貫通口230b内に挿入されると共に、筒状受部230cの内周壁との間に僅かな隙間が形成される。
上皿前装飾部材234は、皿ユニット200が組立てられた状態で、前面が外部に露出する。上皿後装飾基板235は、上皿後装飾部材236を発光装飾させるための複数の装飾用LED235aと、線状発光レンズ部材237を発光装飾させるための複数の周縁用LED235bと、を備えている。
線状発光レンズ部材237は、上皿後装飾部材236よりも左右が長く形成されており、上皿後装飾基板235の複数の周縁用LED235bの上側に配置される受光部237aと、受光部237aと連続しユニットケース231の切欠部231hに嵌め込まれる平板状の線状発光部237bと、を備えている。線状発光レンズ部材237は、線状発光部237bをユニットケース231の切欠部231hに嵌め込むことで、線状発光部237bの前面が収容凹部231aの内周壁の一部を形成する。また、線状発光レンズ部材237は、皿ユニット200が組立てられた状態で、線状発光部237bの上端が外部に露出する。この線状発光レンズ部材237は、周縁用LED235bからの光を受光部237aで受光することができ、受光部237aで受光した光を線状発光部237bへ導光して線状発光部237bの上端全体を(線状に)発光させることができる。
上皿球抜きボタン239は、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられ、ボタン取付部材238よりも下方へ延出している延出片239aを備えている。この上皿球抜きボタン239を下方へ押圧することで、上皿球抜きユニット310を動作させて上皿201内に貯留されている遊技球を、上皿201から下皿202へ排出する(抜く)ことができる。
取付ベースユニット220Aは、四つの横支持ピン231bと二つの前支持ピン231cに夫々挿入されたダンパ222によって、タッチユニット220Bを弾性的に支持することができる。また、タッチユニット220Bが取付けられるユニットケース231の下方へ突出している二つの受突部231eの外周面と、ユニットケース231の下側で受突部231eの下端が挿入されている取付ベース230の筒状受部の内周面との間に僅かな隙間を形成している。これにより、タッチユニット220B側からユニットケース231が下方へ移動するような力(衝撃)が作用した時に、その力が直ちに取付ベース230の取付側受部230aに伝達されず、ユニットケース231の収容凹部231aの底面が下方へある程度撓んで受突部231eの下端の外周面が筒状受部230cの内周面に当接することで、取付ベース230側へ力が伝達される。つまり、ユニットケース231から取付ベース230へ力を伝達させる際に、ユニットケース231が撓むため、その撓みによって力をある程度減衰させて取付ベース230へ伝達させることができる。
また、ユニットケース231の受突部231e及び取付ベース230の筒状受部230cは、それらが形成されている面(タッチユニット220Bの上面と平行な面)に対して傾斜した外周面及び内周面を備えているため、受突部231eから筒状受部230cへ伝達される力の一部が、筒状受部230cが備えられている取付側受部230aの底面に沿った方向へ作用する。これにより、受突部231e(ユニットケース231)側からの力が分散し、取付ベース230に対して一方向へ大きな力が作用するのを回避させることができ、取付ベース230が破損し難くなる。
[2-1d-2.タッチユニット]
演出操作ユニット220のタッチユニット220Bは、図27及び図28に示すように、上方が開放された浅い箱状の下ケース240と、下ケース240内に上側から取付けられる上皿液晶基板241と、下ケース240内において上皿液晶基板241の左右両外側に配置される一対の加振装置242と、一対の加振装置242及び上皿液晶基板241の上側を覆うと共に下ケース240に取付けられ上方が開放された浅い箱状のベース部材243と、ベース部材243内に上側から挿入され上皿液晶基板241によって制御され画像を表示可能な上皿液晶表示装置244と、上皿液晶表示装置244の外周を覆う薄い金属板からなる枠状のアース金具245と、アース金具245及び上皿液晶表示装置244の上面を覆う透明なタッチパネル246と、タッチパネル246の外周を上側から覆いベース部材243を通して下ケース240に取付けられる枠状の上カバー247と、を備えている。
また、タッチユニット220Bは、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247を組立てた状態で、それらの後端面において、下ケース240の下端から上カバー247の上端まで上下に延びていると共に、下ケース240等の後端面の左右の略全長に亘って延びており、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247の後端面に貼付けられている防水性を有したシート状の防水シール248を備えている。
下ケース240は、外形がユニットケース231の収容凹部231aの内形と対応しており、収容凹部231a内に収容可能に形成されている。下ケース240は、左右に延びた長方形状の基板取付部240aと、基板取付部240aの左右両側から夫々台形に突出している平板状の突出部240bと、各突出部240bをダンパ222の外径と同じ内形で上下に貫通していると共に一部が左右方向外側へ開放されており前後に離間して形成された一対のダンパ取付凹部240cと、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dと、突出部240bにおける一対のダンパ取付凹部240cの間で基板取付部240a寄りに配置され加振装置242が取付けられる加振装置取付部240eと、を備えている。
下ケース240のダンパ取付凹部240cは、平面視の形状がC字状に形成されており、C字の開放されている側からダンパ222を挿入させることができる。また、フランジ部240dは、ダンパ取付凹部240cの上下の略中央で、ダンパ取付凹部240cのC字状の内周面の全周に亘って備えられている。このフランジ部240dは、ダンパ222の溝222a内に挿入可能とされている。
加振装置242は、小型の加振駆動モータ242aと、加振駆動モータ242aの回転軸に重心が偏芯して取付けられる錘242bと、を備えている。この加振装置242は、加振駆動モータ242aによって錘242bを回転させることで、振動を発生させることができる。
ベース部材243は、上皿液晶表示装置244が上側から挿入され浅い箱状に形成された液晶取付凹部243aと、液晶取付凹部243aの左右両側から外方へ延出している延出部243bと、延出部243bの先端で下ケース240のダンパ取付凹部240cと対応する位置で上下に貫通しており上側が大径に座グリされたネジ孔243cと、ネジ孔243cの下端側に形成されており下端へ向かうに従って直径が大きくなるC面取り状のテーパ部243d(図32を参照)と、を備えている。
ベース部材243のネジ孔243cの下側の内径は、ユニットケース231における横支持ピン231bのテーパ部231iよりも先端側が通過することができると共に、テーパ部231iよりも基端側(下側)が通過することができない大きさに形成されている。
タッチパネル246は、衝撃に強く割れ難い強化ガラスと、強化ガラスの上面に備えられた静電容量方式の透明なセンサシート246bと、強化ガラス及びセンサシートの外周を覆う枠状の保護カバー246cと、を備えている。
タッチユニット220Bは、下ケース240の左右に夫々一対ずつ備えられたダンパ取付凹部240c内に、C字の開放されている側からダンパ222を挿入して、ダンパ222を取付けることができる。この際に、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dが、ダンパ222の溝222a内に挿入される。これにより、ダンパ取付凹部240c内のダンパ222が、軸方向へ移動するのが規制される。ダンパ取付凹部240cにダンパ222を取付けた状態では、ダンパ222の上端がベース部材243の延出部243bの下面に当接すると共に、ダンパ222の下端が下ケース240の下端(下面)よりも下方へ突出する。
また、タッチユニット220Bは、一対の加振装置242の加振駆動モータ242aが、下ケース240とベース部材243との間に挟持されている。一対の加振装置242は、夫々独立して振動を発生させることができる。
また、タッチユニット220Bは、タッチパネル246を通して上皿液晶表示装置244に表示される画像を上側から視認することができる。そして、上皿液晶表示装置244にボタン等の画像を表示させ、遊技者がその画像のボタンを操作するようにタッチパネル246に触れることで、画像のボタンを操作することができる。
更に、タッチユニット220Bは、後側の外周面に防水シール248が貼付けられているため、皿ユニット200上で飲み物等の液体をこぼした時に、その液体がタッチユニット220B内に浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bが液体の浸入によって破損するのを防止することができる。
[2-1d-3.ボタンユニット]
演出操作ユニット220のボタンユニット220Cは、図29及び図30に示すように、取付ベースユニット220Aにおけるユニットケース231のボタンユニット取付部231gに取付けられる円筒状のユニット本体250と、ユニット本体250の下側に配置され上面にLEDが備えられた演出ボタン装飾基板251と、演出ボタン装飾基板251の下側を覆いユニット本体250の下側に取付けられる基板カバー252と、を備えている。
また、ボタンユニット220Cは、ユニット本体250内に上側から上下へスライド可能に挿入される筒状のボタンベース253と、ボタンベース253とユニット本体250との間に配置されボタンベース253を上方へ付勢するバネ部材254と、ボタンベース253内に挿入され演出ボタン装飾基板251のLEDからの光を上方へ導くことが可能な導光部材255と、導光部材255の上側に配置され複数の微小なプリズムを備えたシート状の拡散レンズ部材256と、拡散レンズ部材256の上側を覆いボタンベース253に取付けられる透光性を有した上皿演出ボタン257と、演出ボタン装飾基板251の上面に取付けられておりボタンベース253の下降端への移動を検知する演出ボタン押圧センサ258と、を備えている。
ユニット本体250は、外周面の下端から外方へ延出しボタンユニット取付部231gに取付けられる三つの取付片250aと、内周面の下端から内方へ延出しているフランジ状の棚部250bと、内周面に沿って棚部250bを貫通している一対の貫通口250cと、を備えている。
ボタンベース253は、棚部250bの内周に挿入される筒状の下筒部253aと、下筒部253aの上端から上方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状の上筒部253bと、上筒部253bの上端から下方へ延出しており下端がユニット本体250の貫通口250cを貫通可能とされていると共に下端から外方へ突出しユニット本体250の下面と係合(当接)可能な爪を有する一対の係合爪部253cと、上筒部253bの外周面から上端の外径よりも短く外方へ放射状に突出しており下端がユニット本体250の棚部250bの上面と当接可能な複数の平板状の当接片253dと、下筒部253a及び上筒部253bの外周面から外方へ平板状に延出しており演出ボタン押圧センサ258に検知される検知片253eと、を備えている。
バネ部材254は、図示するように、コイルバネとされている。このバネ部材254は、下端がユニット本体250の棚部250bの上面に当接され、上端がボタンベース253における複数の当接片253dによって支持される。
導光部材255は、ボタンベース253における上筒部253bの上部に嵌め込まれる円盤状の本体部255aと、本体部255aの下面から下方へボタンベース253の下筒部253aの下端付近まで延びている円柱状の複数の導光部255bと、を備えている。複数の導光部255bは、演出ボタン装飾基板251のLEDと対応するように備えられており、LEDからの光を導いて本体部255aの上面全体から放出させることができる。
このボタンユニット220Cは、ボタンベース253、導光部材255、拡散レンズ部材256、及び上皿演出ボタン本体が一体的に組立てられており、それらが一緒にユニット本体250内を上下にスライドすることができる。これらボタンベース253等は、バネ部材254の付勢力によって、上皿演出ボタン257の上面がユニット本体250の上端よりも上方へ突出すると共に、ボタンベース253の一対の係合爪部253cがユニット本体250の下面と係合することで、これ以上の上昇が規制され、上皿演出ボタン257等が上昇端に位置した状態となる。
バネ部材254の付勢力に抗して上皿演出ボタン257を下方へ押圧すると、上皿演出ボタン257等が下降し、ボタンベース253の検知片253eが、演出ボタン押圧センサ258によって検知され、上皿演出ボタン257の押圧操作が検知される。上皿演出ボタン257の押圧により、ボタンベース253が下降すると、ボタンベース253の複数の当接片253dの下端が、ユニット本体250の棚部250bの上面に当接し、これ以上の下降が規制され、上皿演出ボタン257等が下降端に位置した状態となる。
また、ボタンユニット220Cは、演出ボタン装飾基板251のLEDを発光させることで、上皿演出ボタン257を発光装飾させることができる。演出ボタン装飾基板251のLEDは、フルカラーLEDとされており、上皿演出ボタン257を様々な色に発光装飾させることができる。
[2-1d-4.演出操作ユニットの特徴]
本実施形態の演出操作ユニット220は、図32に示すように、組立てた状態で、タッチユニット220Bの下ケース240のダンパ取付凹部240cに取付けられたダンパ222の下端が、下ケース240の下面よりも下方へ突出していることから、取付ベースユニット220Aのユニットケース231の収容凹部231aの底面と、タッチユニット220Bの下ケース240の下面との間に、隙間が形成される。また、ユニットケース231の四つの横支持ピン231bの先端面(上端面)は、ベース部材243のネジ孔243cの座グリの底面と一致しており、横支持ピン231bに対するタッチユニット220Bの上方へ移動が、横支持ピン231bの上端にねじ込まれたビス227の頭部の平座金によって規制されている。また、横支持ピン231bの上端側に形成されたテーパ部231iと、ベース部材243のネジ孔243cの下端側に形成されたテーパ部243dとは、互いに離間している。
また、演出操作ユニット220は、図33に示すように、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されているダンパ222の上面は、収容凹部231aの底面における横支持ピン231b側の底面よりも若干上方へ突出している。また、ユニットケース231の収容凹部231aの底面と、下ケース240の下面との間に隙間が形成されていることから、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されたダンパ222の上面と、下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。また、ユニットケース231の中央支持突起231dの上面と下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。つまり、タッチユニット220Bは、左右両側の横支持ピン231bに挿入されたダンパ222によって、下面が宙に浮いた状態で取付ベースユニット220Aに取付けられている。
更に、演出操作ユニット220は、取付ベースユニット220Aの取付ベース230における下方へ窄まる角錐筒状の筒状受部230c内に、上側からタッチユニット220Bが取付けられているユニットケース231における下方へ窄まる角錐状の受突部231eの下端が挿入されている。この筒状受部230cの内周壁と、受突部231eの外周壁との間には、僅かな隙間が形成されている。これにより、通常の状態では、取付ベース230には、ユニットケース231の内側(収容凹部231aの中央側)が宙に浮いた状態で、ユニットケース231の外周付近のみが取付けられている。
また、演出操作ユニット220は、図21等に示すように、タッチユニット220Bにおいて遊技領域5aに近い後側の辺に沿って線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端が線状(帯状)に露出している。線状発光部237bの上端の長さは、タッチユニット220Bの後辺の長さの約2/3である。このタッチユニット220Bの後辺に沿って露出している線状発光部237bの上端の後側に、上皿後装飾部材236が配置されている。また、上皿後装飾部材236の正面視右側に、上皿球抜きボタン239が配置されている。更に、タッチユニット220Bの正面視左側に、ボタンユニット220Cが配置されている。
この演出操作ユニット220は、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて、遊技者に対して様々な演出を提示することができる。例えば、タッチユニット220Bの上皿液晶表示装置244に画像を表示させることで、透明なタッチパネル246を通して画像(演出画像)を遊技者に提示して楽しませることができる。
この上皿液晶表示装置244に表示される画像として、操作ボタンを模した画像を表示させると共に、タッチパネル246のセンサシート246bによるタッチの検知を受付可能とすることで、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作させることができ、タッチパネル246を用いた演出を楽しませることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に上皿液晶表示装置244に表示される画像は、操作ボタンに限定するものではなく、様々な画像を表示させることができる。
また、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によってユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、遊技状態に応じて加振装置242を動作させることで、タッチユニット220Bを振動させることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に、加振装置242によってタッチパネル246(タッチユニット220B)を振動させることで、加振装置242による振動をタッチパネル246に接触している遊技者の指や手等に伝達させて、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作しているにも関わらず恰も実体のある操作ボタンを操作しているように錯覚させて驚かせることができ、タッチパネル246と振動による演出を遊技者に楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bの正面視左側にボタンユニット220Cを備えているため、遊技状態に応じて遊技者に上皿演出ボタン257を押圧操作させて、上皿演出ボタン257の操作を楽しませることができる。詳述すると、タッチパネル246における画像の操作ボタンでは、タッチパネル246に触れるだけであるため実際の操作ボタンと比較して操作感に欠ける嫌いがあるが、上皿演出ボタン257では現実に押圧操作することができるため、上皿演出ボタン257の操作に違和感を与えてしまうことがなく、上皿演出ボタン257の操作を快適に楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
この演出操作ユニット220は、前方へ膨出している皿ユニット200において上皿201が備えられている部位に配置されているため、タッチユニット220Bやボタンユニット220Cを用いた演出中以外においても、遊技者をタッチユニット220B等を上から叩く虞がある。これに対して、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bをダンパ222によって下側のユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、タッチユニット220Bが上から叩かれても、ダンパ222の弾性力によってその衝撃をある程度吸収することができる。詳述すると、タッチユニット220Bが叩かれたり等して上から衝撃(荷重)が作用すると、左右の横支持ピン231bが挿入されているダンパ222に伝達され、タッチユニット220Bが下降しながらダンパ222が圧縮される。横支持ピン231bに支持されたダンパ222が圧縮されることで、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
そして、更に、衝撃によってタッチユニット220Bが下降すると、下ケース240の下面が前支持ピン231cが挿入されているダンパ222の上端に当接し、タッチユニット220Bの下降に伴って前支持ピン231cに支持されているダンパ222が下方へ圧縮される。これにより、横支持ピン231bに支持されているダンパ222に加えて、前支持ピン231cに支持されているダンパ222によっても、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
タッチユニット220Bに作用する衝撃によってタッチユニット220Bが更に下降すると、タッチユニット220Bの下ケース240の下面がユニットケース231における収容凹部231aの左右両側の底面と中央支持突起231dの上面とに当接する。これにより、タッチユニット220Bからの衝撃が、複数のダンパ222介さず、タッチユニット220Bからユニットケース231へ直接作用することとなる。
更に、タッチユニット220Bが下降すると、中央支持突起231dからの荷重によってユニットケース231の収容凹部231aの底面が、その中央が下方へ移動するように撓むこととなる。この収容凹部231aの底面の撓みによる弾性力によって、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。この収容凹部231aの底面が撓むことで、収容凹部231aの底面の下側から下方へ突出している一対の受突部231eが下降する。そして、タッチユニット220Bからの衝撃によって受突部231eが更に下降すると、受突部231eの外周壁の下端側が、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁に当接し、タッチユニット220Bからの衝撃が、ユニットケース231から取付ベース230へ伝達されることとなる。
受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、夫々が下方へ窄まる角錐状に形成さていることから、受突部231eから筒状受部230c(取付ベース230側)へ伝達される荷重が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に沿った方向と底面に垂直な方向とに分散されて伝達される。このように、タッチユニット220Bに作用した衝撃が、取付ベース230に伝達されるまでに、その衝撃を吸収する構成が幾重にも配置されているため、タッチユニット220Bに作用した衝撃を十分に吸収して緩和させることができ、その衝撃によって、タッチユニット220B、ユニットケース231、取付ベース230等を破損し難くすることができる。
また、演出操作ユニット220は、遊技状態に応じて上皿後装飾基板235の周縁用LED235bによりタッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って延びている線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端を線状に発光させることができる。これにより、遊技者の関心をタッチユニット220Bへ引付けることができ、タッチユニット220Bにおける上皿液晶表示装置244に表示される画像や、タッチパネル246を用いたタッチ演出等を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技状態に応じて、上皿後装飾基板235の装飾用LED235aによりタッチユニット220Bの後側(線状発光部237bよりも後側)に配置されている上皿後装飾部材236を発光装飾させることができる。この上皿後装飾部材236を発光装飾させることで、線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの発光と同様に、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、上皿液晶基板241や上皿液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の後述する上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置していると共に、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けている。これにより、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
また、図33に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
[2-1e.皿ユニットカバー]
皿ユニット200の皿ユニットカバー260は、図17乃至図20に示すように、左右に延びていると共に、左右の中央が前方へ膨出しており、後方へ開放された殻状に形成されている。皿ユニットカバー260は、左右の略中央で前方へ開口しており後端が皿ユニットベース210によって閉鎖される下皿開口部261と、下皿開口部261の内周壁における天板側(上側)を形成しており上皿本体212及び演出操作ユニット220の下側を覆う上皿下被覆部262と、下皿開口部261の正面視左側に配置されており本体枠4のスピーカユニット920の低音スピーカからの音を透過させるスピーカグリル263と、スピーカグリル263の上側に配置され皿ユニット左装飾基板345によって発光装飾される皿ユニット左装飾部材264と、下皿開口部261の正面視右側に配置されておりハンドルユニット500のハンドル本体502の後部が通過するハンドル口265と、皿ユニットカバー260の底面を形成しており下皿本体214の下側を覆う底板部266と、左右の中央で底板部266を上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖される底板開口部267と、を備えている。
下皿開口部261は、内周壁の底板側(下側)が下皿本体214によって閉鎖される。スピーカグリル263及び皿ユニット左装飾部材264は、金属板に複数の孔を設けたパンチングメタルによって構成されている。
この皿ユニットカバー260は、正面視左側の表面が滑らかな感じに形成されているのに対して、右側の表面がゴツゴツした感じに形成されている。また、正面視の右側は、略全体的に透光性を有している。
皿ユニットカバー260は、皿ユニット200に組立てた状態で、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間が、片手で掴むことが可能な間隔に形成されている。これにより、遊技者が、タッチユニット220Bをタッチ操作する際に、下皿開口部261の上側を掴むことで、タッチする指(手や腕)を安定させることができ、タッチユニット220Bのタッチ操作を行い易くできる。
[2-1f.扉右下演出ユニット]
皿ユニット200の扉右下演出ユニット270は、図34乃至図42に示すように、ハンドルユニット500の上側、且つ、演出操作ユニット220の右側に配置されており、遊技状態に応じて回転すると共に発光装飾する球状の扉右下回転体270Aを備えている。扉右下演出ユニット270は、皿ユニットベース210の前面で逃し口210gを閉鎖するように取付けられ扉右下回転体270Aを回転可能に支持するユニットベース271と、ユニットベース271に取付けられている扉右下駆動モータ272と、扉右下駆動モータ272の回転軸に固定されている駆動ギア273と、駆動ギア273と噛合し扉右下回転体270Aに取付けられている従動ギア274と、従動ギア274を回転可能に支持しておりユニットベース271に取付けられている軸部材275と、を備えている。
また、扉右下演出ユニット270は、従動ギア274とは扉右下回転体270Aの反対側に取付けられておりユニットベース271に回転可能に支持されている回転体側軸受部材276と、扉右下回転体270Aの従動ギア274とは反対側をユニットベース271と協働して回転可能に支持しているベース側軸受部材277と、ユニットベース271に取付けられており扉右下回転体270Aの回転位置を検知可能な二つの回転検知センサ278と、扉右下回転体270Aの正面視左側でユニットベース271に取付けられている装飾部材279と、ユニットベース271の後側に取付けられており前面に複数のLEDを備えた扉右下ベース装飾基板280と、ユニットベース271の後側に取付けられており扉右下駆動モータ272、回転検知センサ278、扉右下ベース装飾基板280、及び後述する扉右下回転体装飾基板291と周辺制御基板(図示は省略)との接続を中継する扉右下中継基板281と、を備えている。
扉右下回転体270Aは、外殻を構成し夫々が半球殻状の前外殻部材285及び後外殻部材286と、前外殻部材285と後外殻部材286との間に配置される回転体内部ユニット290と、を備えている。前外殻部材285及び後外殻部材286は、回転軸を中心に半円形状の切欠部285a,286aが夫々形成されている。前外殻部材285は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾285bと、帯装飾285bの中央に配置されているハート形のハート装飾285cと、を備えている。一方、後外殻部材286は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾286bを備えている。前外殻部材285と後外殻部材286とを合わせた時に、前外殻部材285の帯装飾285bと後外殻部材286の帯装飾286bとが繋がるように形成されている。
回転体内部ユニット290は、図40及び図41に示すように、円盤状で両面に複数のLEDが備えられている扉右下回転体装飾基板291と、扉右下回転体装飾基板291の中心に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端が軸部材275に取付けられる円柱状の第一固定軸部材292と、第一固定軸部材292とは扉右下回転体装飾基板291の反対側に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端がユニットベース271及びベース側軸受部材277に取付けられる円筒状の第二固定軸部材293と、を備えている。図示は省略するが、第二固定軸部材293の内部には、扉右下中継基板281と扉右下回転体装飾基板291とを接続する配線コードが挿入されている。
また、回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291の両側に配置されており前外殻部材285及び後外殻部材286の内側に取付けられる平板で円環状の透明なリフレクタベース294と、リフレクタベース294に取付けられており円環状で軸方向外側へ開いた朝顔状の第一リフレクタ295と、第一リフレクタ295の円環内を通してリフレクタベース294に取付けられており中心に六角形の貫通孔296aを有した第二リフレクタ296と、を備えている。第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296は、表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられており、扉右下回転体装飾基板291からの光を反射させることができる。また、第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296には、放射状に延びた平板状のリブが複数備えられている。
この回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291、第一固定軸部材292、及び第二固定軸部材293と、リフレクタベース294、第一リフレクタ295、及び第二リフレクタ296とが、相対回転可能に互いに分離している。
ユニットベース271は、扉右下回転体270Aの後側に配置される環状のリング部271aと、リング部271aの外周におけるリング部271aの中心に対して正面視斜め右上の部位から前方へ平板状に突出している第一突出片271bと、リング部271aの外周における第一突出片271bとは反対側の部位から前方へ平板状に突出している第二突出片271cと、第二突出片271cの前端から後方へ向かってU字状に窪み第二固定軸部材293の先端が挿入される軸受溝271dと、を備えている。
扉右下駆動モータ272は、第一突出片271bの外側の側面(右側の側面)に、回転軸が貫通した状態で取付けられる。従動ギア274は、駆動ギア273よりも大径に形成されている。軸部材275は、第一突出片271bの前端に取付けられる取付部275aと、取付部275aから筒状に突出している筒状軸部275bと、を備えている。この軸部材275は、筒状軸部275bの外周によって従動ギア274を回転可能に支持できると共に、筒状軸部275bの内周によって第一固定軸部材292の先端を回転不能に支持できる。
回転体側軸受部材276は、第二固定軸部材293が回転可能に挿入される軸受孔276aと、外方へ延出している平板状の検知片276bと、を備えている。ベース側軸受部材277は、ユニットベース271における第二突出片271cの前端のU字状の軸受溝271dの開放されている前端側を閉鎖するように、第二突出片271cの前端に取付けられる。二つの回転検知センサ278は、扉右下回転体270Aの回転軸を挟んで対称に第二突出片271cに取付けられる。二つの回転検知センサ275は、扉右下回転体270Aのハート装飾285cが前方を向く回転位置(図42(a)を参照)と、ハート装飾285cが後方を向く回転位置(図42(b)を参照)とを、夫々検知することができる。
本実施形態の扉右下演出ユニット270は、遊技状態に応じて、扉右下駆動モータ272によって扉右下回転体270Aを回転させることができると共に、ハート装飾285cが前方を向くように停止するか否かで、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、扉右下演出ユニット270は、扉右下回転体270A内部の扉右下回転体装飾基板291が回転不能に取付けられていることから、扉右下回転体270Aの回転中に、扉右下回転体装飾基板291(のLED)を発光させると、扉右下回転体270Aの回転につれて扉右下回転体装飾基板291から照射される光の位置が移動すると共に、第一リフレクタ295や第二リフレクタ296によって反射誘導される光の方向が変化するため、扉右下回転体装飾基板291のLEDを点滅させなくても、光が点滅しているように扉右下回転体270Aを発光装飾させたり、LEDから多様な色の光を照射することで扉右下回転体270Aを虹色に発光装飾させたりすることができ、遊技者を楽しませることができる。
[2-1g.演出ユニットカバー]
皿ユニット200の演出ユニットカバー300は、図19及び図20に示すように、扉右下演出ユニット270における球状の扉右下回転体270Aの前側を覆う半球状で透明な回転体カバー部301と、回転体カバー部301の外周に形成されており皿ユニットカバー260の正面視右側の装飾と連続した装飾部302と、回転体カバー部301の下部右側において前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口303と、を備えている。
演出ユニットカバー300は、全体が後方が開放された容器状で、透光性を有している。この演出ユニットカバー300は、回転体カバー部301の上側が扉右下演出ユニット270の扉右下ベース装飾基板280によって発光装飾されると共に、回転体カバー部301の下側が皿ユニット右装飾基板346によって発光装飾される。
[2-1h.上皿球抜きユニット]
皿ユニット200の上皿球抜きユニット310は、図43乃至図45に示すように、皿ユニットベース210の透口210e及び受片210fを前側から覆うように皿ユニットベース210の前面に取付けられ後方が開放された縦長箱状で上部に上皿球抜きボタン239の延出片239aが挿通可能な挿通口311aを有しているカバー311と、カバー311内における皿ユニットベース210の透口210eの正面視左上となる位置に取付けられている前ベース部材312と、前ベース部材312によって回転可能に支持されており上皿球抜きボタン239の押圧により回動する押圧伝達部材313と、押圧伝達部材313を上皿球抜きボタン239が上昇する方向へ付勢している第一バネ部材314と、を備えている。
また、上皿球抜きユニット310は、皿ユニットベース210の上皿球送り口210dを後側から閉鎖するように皿ユニットベース210の後側に取付けられている後ベース部材315と、後ベース部材315と皿ユニットベース210との間に配置されていると共に後ベース部材315によって昇降可能に取付けられており上側から押圧伝達部材313が接触している上皿球抜きスライダ316と、上皿球抜きスライダ316を上方へ付勢している第二バネ部材317と、を備えている。
前ベース部材312は、皿ユニットベース210の前面と平行に延びておりカバー311に取付けられる平板状のベース部312aと、ベース部312aの左右両辺から前方へ平板状に延出している一対の延出片312bと、延出片312bの前端から後方へU字状に凹んだ軸支部312cと、ベース部312aの前面下端付近に備えられており第一バネ部材314の後端が係止される鉤状のバネ係止部(図示は省略)と、を備えている。
押圧伝達部材313は、両端が前ベース部材312の一対の軸支部312c内へ回転可能に挿入される横長円柱状の軸部313aと、軸部313aから後方へ平板状に延出している後方延出片313bと、後方延出片313bの上面における正面視左端付近から上方へ平板状に延出しており上皿球抜きボタン239の延出片239aの下端が当接可能な上方延出片313cと、後方延出片313bの下面における正面視右端から下方へ平板状に延出している下方延出片313dと、軸部313aにおける正面視左端付近の下側から下方へ突出しており第一バネ部材314の前端が係止される鉤状のバネ係止部313eと、を備えている。下方延出片313dは、後方へ向かうに従って下方へ延びる三角形に形成されており、下端が上皿球抜きスライダ316と当接可能とされている。
後ベース部材315は、皿ユニットベース210の後面と平行に平板状に延びており皿ユニットベース210に取付けられるベース部315aと、ベース部315aの前面で左右に離間して備えられており上皿球抜きスライダ316の左右両端をスライド可能に支持するスライダ支持部315bと、ベース部315aの上端における皿ユニットベース210の上皿球送り口210dの上部と対応する位置に前方へ開口していると共にベース部315aの後側で下方へ開口し遊技球が流通可能な上部入口315cと、を備えている。
また、後ベース部材315は、ベース部315aの後側で上部入口315cと連続して下方へ延びていると共に後方へ開放されており下端が後方へ湾曲している第一誘導路315dと、第一誘導路315dの下側から下方へ延びた後に正面視左方へ延びて左端が左方へ開放されており全体が後方へ開放されているL字状の第二誘導路315eと、第二誘導路315eにおける左方へ延びた部位の後端側を閉鎖している平板状の通路蓋315fと、L字状の第二誘導路315eに二辺が囲まれるようにベース部315aを前後に貫通している開口部315gと、ベース部315aの前面から前方へボス状に突出しており第二バネ部材317の上端が係止されるバネ係止部315hと、を備えている。
後ベース部材315におけるL字状の第二誘導路315eは、左方へ延びた部位が、左方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。この第二誘導路315eの左端は、図43(b)に示すように、皿ユニットベース210における筒状の下皿球供給口210cの切欠部210jに挿入されており、第二誘導路315eと下皿球供給口210cとが互いに連通している。
上皿球抜きスライダ316は、平板状で左右両端が後ベース部材315のスライダ支持部315bにスライド可能に支持されるスライダベース316aと、スライダベース316aの上端における正面視中央より左側から前方へ皿ユニットベース210の透口210eを通って受片210fの上側へ延出し上面に押圧伝達部材313の下方延出片313dの下端が当接可能な伝達片316bと、伝達片316bの下側でスライダベース316aの後側から下方へ向かうに従って後方へ突出している三角状の作動伝達部316cと、スライダベース316aの前面から突出しており第二バネ部材317の下端が係止される鉤状のバネ係止部316dと、を備えている。
上皿球抜きユニット310は、皿ユニット200を組立てた状態で、後ベース部材315の上部入口315cが、上皿本体212の誘導通路部212aの正面視右端側となる下端に開口している。これにより、上皿201内の遊技球を、上部入口315cからベース部315aの後側の第一誘導路315dを介して球送りユニット540へ供給することができる。
また、上皿球抜きユニット310は、上皿球抜きボタン239を下方へ押圧すると、上皿球抜きボタン239の延出片239aによって押圧伝達部材313が、第一バネ部材314の付勢力に抗して軸部313aを中心に、下方延出片313dの下端が下方へ移動する方向へ回動する。押圧伝達部材313の回動に伴って下方延出片313dの下端が下方へ移動すると、下方延出片313dの下端が当接している上皿球抜きスライダ316の伝達片316bによって上皿球抜きスライダ316が第二バネ部材317の付勢力に抗して下方へスライドする。
この上皿球抜きスライダ316が下方へスライドすることで、作動伝達部316cが、球送りユニット540の切換機構を動作させて球送りユニット540内での流路が切換えられて、第一誘導路315d側が第二誘導路315e側と連通した状態となる。これにより、上皿201内の遊技球が、上部入口315c、第一誘導路315d、球送りユニット540、及び第二誘導路315eを通って、下皿球供給口210cから下皿202へ排出され、上皿201内の遊技球を抜くことができる。
なお、上皿球抜きボタン239の下方への押圧を解除すると、第一バネ部材314及び第二バネ部材317の付勢力によって、上皿球抜きスライダ316や上皿球抜きボタン239が上昇し、元の状態に復帰することができる。
[2-1i.下皿球抜きユニット]
皿ユニット200の下皿球抜きユニット320は、図46等に示すように、皿ユニットカバー260の底板開口部267を閉鎖するように下皿本体214の下側に取付けられ下皿本体214の球抜き孔214aと一致する開口部321aを有している平板状の下皿球抜きベース321と、下皿球抜きベース321上を左右にスライドし開口部321aを閉鎖可能な平板状のスライド蓋322と、スライド蓋322の前端に取付けられており皿ユニットカバー260の前面から外部へ露出する摘み部323と、スライド蓋322によって開口部321aを閉鎖する方向へスライド蓋322を付勢しているバネ部材324と、バネ部材324の付勢力に抗してスライド蓋322を開口部321aを開放している位置に保持する保持装置325と、を備えている。
下皿球抜きベース321の開口部321aは、正面視左右中から右寄りの位置に形成されている。この下皿球抜きベース321は、下皿本体214に取付けることで、下皿球抜きベース321と下皿本体214との間でスライド蓋322を左右へスライド可能に支持することができる。スライド蓋322は、正面視左端側に保持装置325によって保持される保持突起322aを備えている。
保持装置325は、下皿球抜きベース321に取付けられる本体325aと、本体325aから開閉可能に突出しており保持突起322aを掴むことができる一対の保持爪325bと、を備えている。保持装置325は、開いている一対の保持爪325bの間に、保持突起322aを挿入して本体325a側へ押圧すると、一対の保持爪325bが閉じて保持突起322aを保持すると共に、一対の保持爪325bが閉じた状態で維持される。この状態で、保持突起322aを本体325a側へ移動させると、一対の保持爪325bが開いた状態となり、保持突起322aの保持が解除される。
この下皿球抜きユニット320は、摘み部323(スライド蓋322)が正面視右側へ移動している状態では、開口部321aと下皿本体214の球抜き孔214aとの間にスライド蓋322が位置し、下皿202内の遊技球が、球抜き孔214aから下方へ抜けることがなく、下皿202内に遊技球を貯留させることができる。
この状態から、摘み部323を左側へ操作することでスライド蓋322が左方へスライドし、開口部321aと球抜き孔214aとが連通する。これにより、下皿202内の遊技球が球抜き孔214a及び開口部321aを通って皿ユニット200の下方へ抜けるようになり、下皿202内の遊技球を抜くことができる。この際に、スライド蓋322の保持突起322aが、保持装置325の一対の保持爪325bによって保持されるため、摘み部323の操作をやめてもスライド蓋322が開いたままの状態となり、下皿202内の遊技球を抜き続けることができる。
スライド蓋322を閉めるには、摘み部323を左側へ僅かに操作すると、一対の保持爪325bが開いて保持突起322aの保持が解除され、バネ部材324の付勢力によってスライド蓋322が右側へスライドして、球抜き孔214aを閉鎖する。このように、下皿球抜きユニット320の摘み部323を操作することで、下皿202に遊技球を貯留させたり、下皿202に貯留された遊技球を抜いたりすることができる。
[2-1j.球貸操作ユニット]
皿ユニット200の球貸操作ユニット330は、図19及び図20等に示すように、演出操作ユニット220における正面視右端付近の上面に取付けられ透光性を有しているユニットケース331と、ユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な球貸ボタン332と、球貸ボタン332の後側でユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な返却ボタン333と、返却ボタン333の後側でユニットケース331の上面を通して遊技者側から視認可能とされている表示部334と、を備えている。なお、表示部334の近傍には、CRユニットランプが配置されており、CRユニットランプの発光態様をユニットケース331の上面を通して遊技者側から視認可能とされている。
この球貸操作ユニット330は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられた球貸機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン332を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット200の上皿201内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン333を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却される。また、表示部334には、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数、或は、球貸機が故障した時のエラーコード等、が表示される。
[2-1k.上皿トップ装飾部材]
皿ユニット200の上皿トップ装飾部材340は、図19及び図20等に示すように、皿ユニットベース210の上端における左右中央に取付けられ左右に帯状に延びた透光性を有する上皿トップレンズ340aと、上皿トップレンズ340aの下側に取付けられており上面に複数のLEDが取付けられた上皿トップ装飾基板340bと、を備えている。
この上皿トップ装飾部材340は、上皿トップ装飾基板340bのLEDを発光させることで、上皿トップレンズ340aを帯状に発光させることができる。この上皿トップ装飾部材340は、演出操作ユニット220の後側に配置されていることから、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237等の発光装飾と同様に、上皿トップ装飾部材340を発光装飾させることで、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
[3.本実施形態と本発明の関係]
本実施形態の皿ユニット200における上皿201は本発明の貯留皿に、本実施形態の皿ユニット200は本発明の膨出部に、本実施形態の演出操作ユニット220のタッチユニット220B(上皿液晶表示装置244)は本発明の演出提示手段に、本実施形態の上皿後装飾基板235、上皿後装飾部材236、線状発光レンズ部材237、及び上皿トップ装飾部材340は本発明の発光体に、夫々相当している。
[4.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1によると、遊技領域5aの下側の遊技球を貯留する上皿201を有した皿ユニット200の上面における演出操作ユニット220のタッチユニット220Bに、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて上皿液晶表示装置244に画像を表示させる際に、上皿液晶表示装置244の遊技領域5aに近い側の後側の外周縁に沿って帯状の線状発光レンズ部材237、上皿後装飾部材236、及び上皿トップ装飾部材340等を発光させるようにしているため、遊技者の視線が遊技領域5a内に集中していても、視線(視界)の外側から入る線状発光レンズ部材237等の光に気付くことができ、遊技者の視線(関心)を線状発光レンズ部材237等つまり上皿液晶表示装置244側へ引き付けることができる。従って、上皿液晶表示装置244において、遊技状態に応じて画像等の演出を提示する際に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者に対して上皿液晶表示装置244による演出の提示に気付かせることができ、上皿液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、皿ユニット200に遊技状態に応じて画像を表示可能な上皿液晶表示装置244を備えていることから、チャンスの到来を示唆する画像を表示させるようにした場合、遊技領域5a外に配置されている上皿液晶表示装置244によってチャンスの到来が示唆されることとなるため、遊技者に対して遊技領域5a内での遊技と、遊技領域5a外の上皿液晶表示装置244での演出との両方を気に掛けさせることができる。従って、遊技領域5a内と遊技領域5a外(上皿液晶表示装置244)とを気に掛けさせることで、スピード感のあるタイトな遊技を楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿液晶表示装置244においてチャンスの到来を示唆する画像を表示する時に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者を上皿液晶表示装置244に注目させることができ、チャンスの到来を確実に認識させて遊技者を楽しませることができる。この場合、遊技者によっては、遊技領域5a内と遊技領域5a外との両方が気になることで、どちらにも集中できなくなって興趣を低下させてしまう虞があるが、遊技状態(チャンスの到来)に応じて線状発光レンズ部材237等が発光するため、線状発光レンズ部材237等が発光するまでは遊技領域5a内へ集中することができ、遊技領域5a内での遊技を楽しませることができると共に、線状発光レンズ部材237等の発光時には上皿液晶表示装置244での演出を楽しませることができ、遊技にメリハリを付けて飽き難くすることができる。
また、遊技領域5aの下側で遊技者側へ膨出した皿ユニット200に上皿液晶表示装置244を備えているため、上皿液晶表示装置244が遊技者から近い位置に配置されることとなる。これにより、本パチンコ遊技機1の正面に位置している遊技者によって上皿液晶表示装置244が隠れ易くなり、上皿液晶表示装置244を隣や後ろの他の遊技者からは見え難くなるため、上皿液晶表示装置244により提示される演出を当該遊技者のみに楽しませることができる。従って、上皿液晶表示装置244による演出を楽しんでいる時に、他の遊技者によって覗かれることで、不快に感じて興趣を低下させてしまうのを低減させることができると共に、上皿液晶表示装置244による演出の提示の際に線状発光レンズ部材237等が発光することで、上皿液晶表示装置244による演出を見逃し難くすることができ、上皿液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるようにしているため、点状に発光させる場合と比較して、線状発光レンズ部材237等の発光を目立ち易くすることができ、遊技者の意識が遊技領域5a内に集中していても、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、上皿液晶表示装置244やタッチパネル246等による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるため、他の発光装飾体等の発光とは異なる発光態様となり、発光装飾体等の発光と誤認してしまうのを低減させることができ、確実に線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせることができる。
また、上皿液晶表示装置244の外周縁のうち遊技領域5aに近い後側の位置に線状発光レンズ部材237等を配置しているため、線状発光レンズ部材237等を発光させた時に、線状発光レンズ部材237等の光を遊技者の視界に入り易くすることができ、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせて上皿液晶表示装置244の演出を楽しませることができる。
また、上皿201等を有している皿ユニット200の上面に上皿液晶表示装置244等を有した演出操作ユニット220を備えており、皿ユニット200の上皿201は遊技領域5a内に打込むための遊技球の量を確認するための遊技者がある程度の頻度で視線を向けることから、上皿201へ視線を向けた際に上皿液晶表示装置244や線状発光レンズ部材237等が視界に入り易く、線状発光レンズ部材237の発光に気付き易くなる。また、遊技者が上皿201へある程度の頻度で視線を向けることから、視線を遊技領域5a内から上皿201(上皿液晶表示装置244)へ向け易い。従って、線状発光レンズ部材237等の発光に気付いた時に、即座に視線を上皿液晶表示装置244へ移すことができ、上皿液晶表示装置244により提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技領域5aの下側に演出操作ユニット220を配置しており、下側から遊技者へ線状発光レンズ部材237等からの光が照射されるため、遊技領域5aの上側に配置した場合と比較して、遊技者の目に入り易く線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、遊技者を上皿液晶表示装置244に確実に注目させることが可能となり、演出操作ユニット220による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技領域5aの左右方向の中央と対応する位置に演出操作ユニット220(上皿液晶表示装置244)を配置しているため、遊技者の視線の中心が遊技領域5a内のどの位置にあっても、線状発光レンズ部材237等からの光に気付き易くすることができ、遊技者を確実に上皿液晶表示装置244へ注目させることが可能となり、演出操作ユニット220による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、演出操作ユニット220にタッチパネル246を備えているため、画像による演出の他に、遊技者にタッチパネル246を操作させる演出も行うことができ、多彩な演出によって遊技者を楽しませることができると共に、遊技者にタッチパネル246を操作させることで、演出に参加させることができ、遊技者に対して能動的に演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って配置された線状発光レンズ部材237(線状発光部237b)が、上皿201における遊技球を球送りユニット540(球発射装置680)へ送る誘導通路部212aに沿って配置されていると共に、誘導通路部212aとの間に上皿球抜きユニット310を動作させる上皿球抜きボタン239を配置されている。つまり、遊技者が遊技に必要な遊技球を確認する場所の近傍に線状発光レンズ部材237が備えられており、遊技中でも遊技者が気にする位置に線状発光レンズ部材237を配置した構成としているため、線状発光レンズ部材237の発光に気付かせることができ、遊技者の関心をタッチユニット220Bに引付けてタッチユニット220Bによる演出(上皿液晶表示装置244による演出画像、タッチパネル246のタッチ操作、等)のタイミングに気付き易くすることができる。
また、上皿液晶基板241や上皿液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置していると共に、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けているため、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
また、図33に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
つまり、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ遊技機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
[5.払出装置]
次に、図4に示した球誘導ユニット820の下流側に配置される払出装置830について、主として図47~図54を参照して説明する。図47は払出装置を正面上側から見た斜視図(a)、正面下側から見た斜視図(b)であり、図48は払出装置を正面側から見た分解斜視図であり、図49は払出装置を背面側から見た分解斜視図であり、図50は払出装置の右側面図であり、図51は図50のX-X線に沿って賞球表箱を切断した払出装置の正面側から見た非球抜き時における斜視図(a)、球抜き時(b)における斜視図であり、図52は図50のY-Y線に沿って賞球裏箱を切断した払出装置の背面側から見た非球抜き時における斜視図(a)、球抜き時(b)における斜視図であり、図53は図50のX-X線に沿って賞球表箱を切断した払出装置の非球抜き時における正面図(a)、図50のY-Y線に沿って賞球裏箱を切断した払出装置の非球抜き時における背面図(b)であり、図54は払出装置のメンテナンスの説明図である。なお、図51(a),(b)、及び図53(a)では、図面の見やすさから賞球中間ギヤ及び検出円盤等を想像線で示している。
払出装置830は、一対の屈曲通路壁831aによって球通路を構成する屈曲通路831b、賞球通路831c、及び球抜通路831dが形成される後方が開口される箱状の賞球表箱831と、この賞球表箱831の後面を覆うとともに、一対の屈曲通路壁832aによって球通路を構成する屈曲通路832b、賞球通路832c、及び球抜通路832dが形成される前方が開口される箱状の賞球裏箱832と、賞球表箱831に賞球裏箱832を取り付ける際に賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球と賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球とが相互に侵入することを防止するための賞球中仕切板833と、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球を賞球表箱831に形成される球抜通路831dへ排出するとともに、賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球を賞球裏箱832に形成される球抜通路832dへ排出するための賞球球抜きレバー834と、賞球表箱831の前面を覆うとともに、賞球表箱831の表面領域に設けられるギヤ群(後述する、賞球モータギヤ840、賞球中間ギヤ841、及び検出円盤842から構成されている。)を被覆する後方が開口される箱状の賞球ギヤカバー835と、から構成されている。賞球裏箱832に形成される屈曲通路832b、賞球通路832c、及び球抜通路832dは、賞球表箱831に形成される屈曲通路831b、賞球通路831c、及び球抜通路831dと対応する位置にそれぞれ設けられている。ここでは、賞球表箱831、賞球裏箱832、賞球中仕切板833、賞球球抜きレバー834、そして賞球ギヤカバー835の構成について説明し、続いてスプロケットの定位置、そして払出装置のメンテナンスについて説明する。
[5-1.賞球表箱]
まず、賞球表箱831の構成について説明すると、賞球表箱831は、後方が開口される長方形状の箱状に形成され、賞球表箱831の底面から賞球裏箱832側へ向かって突設される一対の屈曲通路壁831aによって屈曲通路831bが形成されている。一対の屈曲通路壁831aのうち、一方の屈曲通路壁831aは、賞球表箱831を前方から見て、賞球表箱831の上部中央から下流側のほぼ中程から下流側に大きく左に曲がって下流端の手前から下流端までに亘って賞球表箱831の左端辺の側壁を兼ねているのに対して、他方の屈曲通路壁831aは、賞球表箱831を前方から見て、賞球表箱831の上部中央から下流側のほぼ中程から下流側に大きく右に曲がる部分に切欠部831eが形成されてほぼ中程から下流端までに亘って賞球表箱831の右端辺の側壁を兼ねている。
他方の屈曲通路壁831aに形成される切欠部831eの上端には、賞球表箱831の底面から賞球裏箱832側へ向かって支軸831fが突設され、この支軸831fに軸支されることにより揺動することができる球抜き片836が取り付けられている。この球抜き片836は、一端に支軸831fが挿入される軸部836aと、他方の屈曲通路壁831aの側壁の上流側と下流側とを同一面となるように湾曲して形成されて切欠部831eを塞ぐことができる側壁部836bと、が一体に形成されるとともに、他方の屈曲通路壁831aの側壁の上流側と下流側を遊技球が転動する側壁部836bの転動面と反対側の面に補強リブ836cが形成されている。なお、球抜き片836の他端には、後述する賞球裏箱832に突設される支軸832fが挿入され、球抜き片836の側壁部836bは、後述する賞球裏箱832に突設される、他方の屈曲通路壁832aの側壁の上流側と下流側とを同一面となるように湾曲して形成されている。
他方の屈曲通路壁831aに形成される切欠部831eの下方には、賞球表箱831の中程から下流端までに左右に分かれた屈曲通路壁831aの対をなすように通路区画壁831gが形成されている。つまり、賞球表箱831の中程から左右方向へ曲がる屈曲通路壁831aと通路区画壁831gとによって2つの通路が構成され、一方の通路が屈曲通路831bを構成し、他方の通路が球抜通路831dを構成している。この通路区画壁831gは、後述するスプロケット837の回転位置を検出するための回転角スイッチ846が実装される賞球ケース内基板847を収容して取り付けるための基板取付収容空間831hを構成する凹部空間が賞球表箱831の表面から後方へ向かって形成されることにより構成されるものである。基板取付収容空間831hは、屈曲通路831bを構成する通路区画壁831gであって、屈曲通路831bの下流側に、この屈曲通路831bを通る遊技球を受け入れて賞球通路831cへ送り出すスプロケット837を配置するための球送出空間831kを構成するように形成されている。
球送出空間831kの下部から賞球表箱831の下流端までに亘って通路区画壁831iが賞球表箱831の底面から賞球裏箱832側へ向かって突設形成されている。つまり、賞球表箱831の中程から左へ曲がった下流側の屈曲通路壁831aに沿ってスプロケット837の凹部837aで受け入れた遊技球を送り出す通路と、賞球表箱831の中程から左へ曲がった下流側の屈曲通路壁831aと通路区画壁831iとによる通路と、が連通して形成され、この通路が賞球通路831cを構成している。
球送出空間831kには、上述したように、スプロケット837が回転自在に配置されている。スプロケット837の外周部には、球送出空間831kにおいて、遊技球が嵌り合う3つの凹部837aが120度ごとに等分されて形成されている。なお、賞球表箱831の後面を覆う賞球裏箱832にも後述する球送出空間832kが形成され、この球送出空間832kにおいても、スプロケット837が回転自在に配置されている。スプロケット837の外周部には、球送出空間832kにおいて、遊技球が嵌り合う3つの凹部837bが120度ごとに等分されて形成されている。つまり、賞球表箱831に形成される球送出空間831kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837aは、賞球表箱831の後面を覆う賞球裏箱832に形成される球送出空間832kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837bよりも前側に配置されている。また、賞球表箱831に形成される球送出空間831kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837aと、賞球裏箱832に形成される球送出空間832kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837bと、は相互に60度ずつズラして配置されている。
賞球通路831cの下流側には、スプロケット837により送り出された遊技球を図4に示した上部満タン球経路ユニット850に設けられる図示しない球取入口へ誘導する誘導突片831mが賞球表箱831の底面から賞球裏箱832側へ向かって突設されている。この誘導突片831mの下方には、誘導突片831mで誘導された遊技球を検出する計数スイッチ838が配置されている。計数スイッチ838は、先端部に遊技球が通過する円形状の通過穴が形成された直方体状の磁気センサからなり、球送出空間831kを構成する屈曲通路壁831aの下側と通路区画壁831iの下側とにそれぞれに形成されるセンサ取付部831nにより計数スイッチ838が狭持支持されている。なお、通路区画壁831iの下側に形成されるセンサ取付部831nの近傍であって賞球表箱831の下側には、計数スイッチ838への電気配線を通すための配線口831oが開設され、この配線口831oは、上述した基板取付収容空間831hと連通されている。
また、賞球表箱831の上側であって、賞球表箱831を前方から見て、一対の屈曲通路壁831aのうち左側の屈曲通路壁831aと、賞球表箱831の左側壁と、の間には、払出モータ839を収納するモータ収容空間831pが形成されている。このモータ収容空間831pの内部に払出モータ839の円筒状本体が収容されるようになっている。払出モータ839は、その前面に形成される一対の取付片839bによって賞球表箱831の底面側に図示しないネジで螺着して固定されるようになっている。払出モータ839の出力軸839aには、賞球モータギヤ840が固着されるものの、賞球モータギヤ840が払出モータ839の出力軸839aに固着された状態で払出モータ839を賞球表箱831の底面に取り付けることができるように、賞球モータギヤ840の外形よりも大きいな形状で軸挿通穴831qが賞球表箱831の底面に穿設されている。なお、払出モータ839の円筒状本体の上方近傍であって、賞球表箱831の上側には、払出モータ839への電気配線を通すための配線口831oが開設されている。
また、賞球表箱831の上側であって、賞球表箱831を前方から見て、一対の屈曲通路壁831aのうち右側の屈曲通路壁831aと、賞球表箱831の右側壁と、の間であって、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球を賞球表箱831に形成される球抜通路831dへ排出するとともに、賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球を賞球裏箱832に形成される球抜通路832dへ排出するための球抜き片836を作動させる機構が形成されている。右側の屈曲通路壁831a寄りには、賞球表箱831の上壁から上述した支軸831f近傍にまでに亘って賞球表箱831の底面から賞球裏箱832側へ向かって位置規定壁831rが突設されている。この位置規定壁831rの賞球表箱831の右側壁寄り側には、賞球球抜きレバー834を球抜き作動させない状態を維持する位置と、賞球球抜きレバー834を球抜き作動させる状態を維持する位置と、をそれぞれ規定するための凹部831sが上下方向に離間して形成されている。賞球表箱831の右側壁寄りには、賞球球抜きレバー834を上下方向へスライド移動させるための案内片831tが賞球表箱831の底面から賞球裏箱832側へ向かって突設されている。賞球表箱831の右側壁の後方上側には、後述する賞球球抜きレバー834の操作部834aaを賞球表箱831の右側壁から突出させるための切欠部831uが形成されている。
賞球表箱831の表面領域に設けられるギヤ群は、賞球モータギヤ840、賞球中間ギヤ841、及び検出円盤842から構成されている。払出モータ839の出力軸839aの先端は、上述したように、賞球表箱831の底面に穿設される軸挿通穴831qを貫通して賞球表箱831の表面に突出し、その突出した部分に賞球モータギヤ840(本実施形態では、歯数Z1=12)が固着されている。賞球モータギヤ840の下方には、賞球モータギヤ840と噛合する賞球中間ギヤ841(本実施形態では、歯数Z2=60)が賞球中間ギヤ軸843に回転自在に設けられ、賞球中間ギヤ841の下方には、賞球中間ギヤ841と噛合する賞球スプロケットギヤ844(本実施形態では、歯数Z3=54)を有する検出円盤842がスプロケット837を軸支する賞球スプロケット軸845に回転自在に設けられている。賞球中間ギヤ軸843は、その一端が後述する賞球ギヤカバー835の底面に突設される軸受筒835aに支持されるとともに、その他端が賞球表箱831の表面に突設される軸受筒831vに支持されるようになっている。賞球スプロケット軸845は、その一端が後述する賞球ギヤカバー835の底面に突設される軸受筒835bに支持されるとともに、その他端が後述する賞球裏箱832の底面に突設される軸受筒832vに支持されるようになっているが、ギヤ領域の下側(賞球表箱831を正面から見て、上述した基板取付収容空間831hの左方)に形成される軸貫通穴831wを貫通して上述した球送出空間831kにおいてスプロケット837を回転自在に軸支し、賞球ギヤカバー835と賞球表箱831とによって形成される空間において検出円盤842を回転自在に軸支している。
検出円盤842の中心後面部に凹凸状の継手部842aが形成されるとともに、スプロケット837の前端部に凸凹状の被継手部837cが形成され、検出円盤842に形成される継手部842aとスプロケット837に形成される被継手部837cと係合した状態となることで、検出円盤842とスプロケット837とは、賞球スプロケット軸845を中心として一体的に回転することができるようになっている。したがって、払出モータ839の出力軸839aが回転すると、出力軸839aに固着される賞球モータギヤ840が回転することにより、この回転が賞球中間ギヤ841、そして検出円盤842の賞球スプロケットギヤ844を介してスプロケット837を回転するように伝達される。
検出円盤842の外周は、賞球スプロケットギヤ844の円よりも一回り大きく形成されており、賞球スプロケットギヤ844よりも外側に突出している外周部分には、スプロケット837の凹部837a,837bと同じ数(本実施形態では、凹部837aが3個、凹部837bが3個、計6個)の検出切欠842bが形成されている。この検出切欠842bは、上述した基板取付収容空間831hに形成される基板取付部831ha(図53(a)を参照)に挟持支持される賞球ケース内基板847に実装される投受光方式の回転角スイッチ846によって検出されるものである。そして、回転角スイッチ846は、払出動作時において所定時間内に検出切欠842bの検出個数を検出することにより、スプロケット837が正常に回転しているか否かを監視するためのものである。仮に、回転角スイッチ846により、異常回転が検出されたとき(多くは、スプロケット837による球ガミ状態)には、スプロケット837を所定回数正逆回転させて異常状態(例えば、球ガミ状態)を解消するものである。実際に払い出された遊技球の球数は、上述した計数スイッチ838によって検出されるようになっている。なお、賞球ケース内基板847の他端辺も後述する賞球ギヤカバー835に形成される基板取付部835cに挟持されるようになっている。
賞球スプロケットギヤ844には、挿入孔844aが60ごとに等分配されて同一円周上に穿設されている。賞球表箱831の底面には、これらの挿入孔844aが配置される同一円周上と対応する位置に円弧状の工具挿入長穴831zzが穿設されている。この円弧状の工具挿入長穴831zzは、賞球スプロケットギヤ844を回転させることにより、賞球モータギヤ840、賞球中間ギヤ841、及び検出円盤842から構成されるギヤ群の回転具合を確認したり、スプロケット837の回転具合を確認したりするために、ピアノ線や針金などの工具を円弧状の工具挿入長穴831zzを介して賞球スプロケットギヤ844の一の挿入孔844aに挿入するためのものである。円弧状の工具挿入長穴831zzの円弧長さとしては、少なくとも、賞球スプロケットギヤ844の一の挿入孔844aを工具で円弧状の工具挿入長穴831zzの一端へ向かって回転させると、一の挿入孔844aと隣接する他の挿入孔844aがその回転方向と反対側における円弧状の工具挿入長穴831zzの他端から出現して視認することができるものとなっている。
[5-2.賞球裏箱]
次に、賞球表箱831の後面を覆う賞球裏箱832の構成について説明すると、賞球裏箱832は、前方が開口される長方形状の箱状に形成され、賞球裏箱832の底面から賞球表箱831側へ向かって突設される一対の屈曲通路壁832aによって屈曲通路832bが形成されている。一対の屈曲通路壁832aのうち、一方の屈曲通路壁832aは、賞球裏箱832を前方から見て、賞球裏箱832の上部中央から下流側のほぼ中程から下流側に大きく左に曲がって下流端の手前から下流端までに亘って賞球裏箱832の左端辺の側壁を兼ねているのに対して、他方の屈曲通路壁832aは、賞球裏箱832を前方から見て、賞球裏箱832の上部中央から下流側のほぼ中程から下流側に大きく右に曲がる部分に切欠部832eが形成されてほぼ中程から下流端までに亘って賞球裏箱832の右端辺の側壁を兼ねている。
他方の屈曲通路壁832aに形成される切欠部832eの上端には、賞球裏箱832の底面から賞球表箱831側へ向かって支軸832fが突設され、この支軸832fに軸支されることにより揺動することができる球抜き片836が取り付けられている。球抜き片836の軸部836aの一端は、上述したように、賞球表箱831に突設される支軸831fが挿入されるとともに、球抜き片836の軸部836aの他端は、賞球裏箱832に突設される支軸832fが挿入されることにより、支軸831f,832fにより揺動することができるようになっている。また、球抜き片836の側壁部836bは、上述したように、賞球表箱831に突設される他方の屈曲通路壁831aの側壁の上流側と下流側とを同一面となるように湾曲して形成されて切欠部831eを塞ぐことができるとともに、賞球裏箱832に突設される他方の屈曲通路壁832aの側壁の上流側と下流側とを同一面となるように湾曲して形成されて切欠部832eを塞ぐことができ、滑らかな1つの面として形成されている。
他方の屈曲通路壁832aに形成される切欠部832eの下方には、賞球裏箱832の中程から下流端までに左右に分かれた屈曲通路壁832aの対をなすように賞球裏箱832の底面から賞球表箱831側へ向かって通路区画壁832gが形成されている。つまり、賞球裏箱832の中程から左右方向へ曲がる屈曲通路壁832aと通路区画壁832gとによって2つの通路が構成され、一方の通路が屈曲通路832bを構成し、他方の通路が球抜通路832dを構成している。この屈曲通路832bの下流側は、この屈曲通路832bを通る遊技球を受け入れて賞球通路832cへ送り出すスプロケット837を配置するための球送出空間832kを構成するように形成されている。
球送出空間832kの下部から賞球裏箱832の下流端までに亘って通路区画壁832iが賞球裏箱832の底面から賞球表箱831側へ向かって突設形成されている。つまり、賞球裏箱832の中程から左へ曲がった下流側の屈曲通路壁832aに沿ってスプロケット837の凹部837bで受け入れた遊技球を送り出す通路と、賞球裏箱832の中程から左へ曲がった下流側の屈曲通路壁832aと通路区画壁832iとによる通路と、が連通して形成され、この通路が賞球通路832cを構成している。
球送出空間832kには、スプロケット837が回転自在に配置されている。スプロケット837の外周部には、球送出空間832kにおいて、遊技球が嵌り合う3つの凹部837bが120度ごとに等分されて形成されている。なお、上述したように、賞球裏箱832の前方に配置される賞球表箱831に形成される球送出空間831kにも、スプロケット837が回転自在に配置されている。スプロケット837の外周部には、球送出空間831kにおいて、遊技球が嵌り合う3つの凹部837aが120度ごとに等分されて形成されている。つまり、賞球裏箱832に形成される球送出空間832kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837bは、賞球裏箱832の前方に配置される賞球表箱831に形成される球送出空間831kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837aよりも後側に配置されている。また、上述したように、賞球表箱831に形成される球送出空間831kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837aと、賞球裏箱832に形成される球送出空間832kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837bと、は相互に60度ずつズラして配置されている。
賞球通路832cの下流側には、スプロケット837により送り出された遊技球を図4に示した上部満タン球経路ユニット850に設けられる図示しない球取入口へ誘導する誘導突片832mが賞球裏箱832の底面から賞球裏箱832側へ向かって突設されている。この誘導突片832mの下方には、誘導突片832mで誘導された遊技球を検出する計数スイッチ838が配置されている。計数スイッチ838は、上述したように、先端部に遊技球が通過する円形状の通過穴が形成された直方体状の磁気センサからなり、計数スイッチ838の一端辺が球送出空間831kを構成する屈曲通路壁831aの下側と通路区画壁831iの下側とにそれぞれに形成されるセンサ取付部831nに狭持支持され、計数スイッチ838の他端辺が球送出空間832kを構成する屈曲通路壁832aの下側と通路区画壁832iの下側とにそれぞれに形成されるセンサ取付部832nに狭持支持されている。
また、賞球裏箱832の底面には、上述した賞球スプロケット軸845の他端が挿入されて賞球スプロケット軸845を支持する軸受筒832vが賞球裏箱832の底面から賞球表箱831へ向かって突設されている。
また、賞球裏箱832の上側であって、賞球裏箱832を前方から見て、一対の屈曲通路壁832aのうち左側の屈曲通路壁832aと、賞球裏箱832の左側壁と、の間には、払出モータ839を収納するモータ収容空間832pが形成されている。このモータ収容空間832pの内部に払出モータ839の円筒状本体が収容されるようになっている。払出モータ839の裏面(出力軸839aが設けられている面と反対側の面)と対面する賞球裏箱832の底面には、払出モータ839から発せられる熱を外部へ逃がすための放熱口832rが複数穿設されている。
また、賞球裏箱832の上側であって、賞球裏箱832を前方から見て、一対の屈曲通路壁832aのうち右側の屈曲通路壁832aと、賞球裏箱832の右側壁と、の間であって、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球を賞球表箱831に形成される球抜通路831dへ排出するとともに、賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球を賞球裏箱832に形成される球抜通路832dへ排出するための球抜き片836を作動させる機構が形成されている。右側の屈曲通路壁832a寄りには、賞球裏箱832の上壁から上述した支軸832f近傍にまでに亘って賞球裏箱832の底面から賞球表箱831側へ向かって位置規定壁832sが突設されている。この位置規定壁832sの賞球裏箱832の右側壁寄り側には、賞球球抜きレバー834を球抜き作動させない状態を維持する位置と、賞球球抜きレバー834を球抜き作動させる状態を維持する位置と、をそれぞれ規定するための凹部832tが上下方向に離間して形成されている。賞球裏箱832の右側壁寄りには、賞球球抜きレバー834を上下方向へスライド移動させるための案内片832uが賞球裏箱832の底面から賞球表箱831側へ向かって突設されている。賞球裏箱832の右側壁の上側後方には、後述する賞球球抜きレバー834の操作部834aaを賞球裏箱832の右側壁から突出させるための切欠部832xが形成されている。
また、賞球裏箱832の上端面には、図4に示した球誘導ユニット820の下端面側に形成される図示しない一対の位置決め凹部と対応する位置に、一対の挿入片832yが上方へ向かって突設されている。
また、賞球裏箱832の下壁の中央よりに、図4に示した本体枠ベース600に形成される図示しないロック用凸部を挿入するための切欠部832zが形成されている。
また、賞球裏箱832の底面には、球抜き片836の揺動具合を確認するために、ピアノ線や針金などの工具を挿入するための工具挿入長穴832zzが球抜き片836の側壁部836bの形状に沿って湾曲して穿設されている。
[5-3.賞球中仕切板]
次に、賞球表箱831に賞球裏箱832を取り付ける際に賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球と賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球とが相互に侵入することを防止するための賞球中仕切板833の構成について説明すると、賞球中仕切板833は、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bの形状と、賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bの形状と、に沿って屈曲した板状に形成されている。
賞球中仕切板833の上面は、賞球表箱831と賞球裏箱832とにより狭持された状態において、賞球表箱831の上面と賞球裏箱832の上面とが同一面となる。賞球中仕切板833の前面上端部と後面上端部とには、球誘導ユニット820の前側球誘導通路と後側誘導通路とを通る遊技球がそれぞれスムーズに流入することができるように(流入し易いように)、賞球中仕切板833の上端部から下方へ向かって所定距離寸法内において、賞球中仕切板833の前後方向における断面積が徐々に大きくなるように傾斜部833aがそれぞれ形成されている。
賞球中仕切板833の下面は、賞球中仕切板833が賞球表箱831と賞球裏箱832とにより狭持された状態において、賞球表箱831に形成される球送出空間831kにおけるスプロケット837の前側の3つの凹部837aと、賞球裏箱832に形成される球送出空間832kにおけるスプロケット837の後側の3つの凹部837bと、の間であって、スプロケット837本体よりやや上方までに達している。そして、賞球中仕切板833の前面下端部と後面下端部とには、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球が賞球表箱831に形成される球送出空間831kにおけるスプロケット837の前側の3つの凹部837aへスムーズに流入することができるように(流入し易いように)、かつ、賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球が賞球裏箱832に形成される球送出空間832kにおけるスプロケット837の後側の3つの凹部837bへスムーズに流入することができるように(流入し易いように)、賞球中仕切板833の下端部から上方へ向かって所定距離寸法内において、賞球中仕切板833の前後方向における断面積が徐々に大きくなるように傾斜部833bがそれぞれ形成されている(つまり、賞球中仕切板833の下端部へ向かって、賞球中仕切板833の前後方向における断面積が徐々に小さくなるように傾斜部833bがそれぞれ形成されている)。
[5-4.賞球球抜きレバー]
次に、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球を賞球表箱831に形成される球抜通路831dへ排出するとともに、賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球を賞球裏箱832に形成される球抜通路832dへ排出するための賞球球抜きレバー834の構成について説明すると、賞球球抜きレバー834は、前後方向に長い直方体に形成されるレバー本体834aと、レバー本体834aの上面に上方へ向かって細長い板状の弾性片834bが突設されるとともに、弾性片834bの上端であって左方へ向かって凸部834baが突設されている。レバー本体834aの右面上側には、操作部834aaが右方へ向かって突設されている。レバー本体834aの左面下側には、賞球球抜きレバー834に形成される補強リブ836cと当接することができる凸部834ab(図53(a),(b)を参照)が左方へ向かって突設されている。レバー本体834aの前面側と後面側とには、スライド案内溝834ac,834adがそれぞれ形成されている。
賞球球抜きレバー834が賞球表箱831と賞球裏箱832とにより狭持された状態において、レバー本体834aの前面側に形成されるスライド案内溝834acは、賞球表箱831に突設される案内片831tに挿入されるとともに、レバー本体834aの後面に形成されるスライド案内溝834adは、賞球裏箱832に突設される案内片832uに挿入されることにより、賞球球抜きレバー834が案内片831t,832uに沿って上下方向へスライド移動することができる。そして賞球球抜きレバー834の操作部834aaを上下方向へスライド移動させる場合において、弾性片834bに突設される凸部834baが賞球表箱831に突設される位置規定壁831rに形成される下側の凹部831sと、賞球裏箱832に突設される位置規定壁832sに形成される下側の凹部832tと、にそれぞれ係合する状態では、レバー本体834aの左面下側に突設される凸部834abが賞球球抜きレバー834に形成される補強リブ836cと当接した状態が維持されることにより、球抜き片836の側壁部836bは、賞球表箱831に突設される他方の屈曲通路壁831aの側壁に形成される切欠部831eと、賞球裏箱832に突設される他方の屈曲通路壁832aに形成される切欠部832eと、をそれぞれ塞ぐことができる状態が維持されるとともに、賞球中仕切板833の右側面と当接した状態が維持される。このような状態においては、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球及び/又は賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球の自重で球抜き片836を賞球表箱831に突設される支軸831fと、賞球裏箱832に突設される支軸832fと、に対して揺動させることができないため、球抜き片836を球抜き作動させることができず、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球を賞球表箱831に形成される球抜通路831dへ排出することができない状態となるとともに、賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球を賞球裏箱832に形成される球抜通路832dへ排出することができない状態となる。
これに対して、賞球球抜きレバー834の操作部834aaを上下方向へスライド移動させる場合において、弾性片834bに突設される凸部834baが賞球表箱831に突設される位置規定壁831rに形成される上側の凹部831sと、賞球裏箱832に突設される位置規定壁832sに形成される上側の凹部832tと、にそれぞれ係合する状態では、レバー本体834aの左面下側に突設される凸部834abが賞球球抜きレバー834に形成される補強リブ836cと当接した状態が解除されることにより、球抜き片836の側壁部836bは、賞球表箱831に突設される他方の屈曲通路壁831aの側壁に形成される切欠部831eと、賞球裏箱832に突設される他方の屈曲通路壁832aに形成される切欠部832eと、をそれぞれ塞ぐことができる状態が解除されるとともに、賞球中仕切板833の右側面と当接した状態が解除される。このような状態においては、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球及び/又は賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球の自重で球抜き片836を支軸831fと、賞球裏箱832に突設される支軸832fと、に対して揺動させることができるため、球抜き片836を球抜き作動させることができ、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球を賞球表箱831に形成される球抜通路831dへ排出することができる状態となるとともに、賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球を賞球裏箱832に形成される球抜通路832dへ排出することができる状態となる。なお、球抜通路831d,832dから排出される遊技球は、図4に示した本体枠4に備える本体枠ベース600の後側に取付けられる球排出通路865を通ってパチンコ遊技機1の外部へ排出されて、図示しないパチンコ島設備に設置される球揚送装置へ供給される。
[5-5.賞球ギヤカバー]
次に、賞球表箱831の前面を覆うとともに、賞球表箱831の表面領域に設けられるギヤ群(賞球モータギヤ840、賞球中間ギヤ841、及び検出円盤842から構成されている。)を被覆する賞球ギヤカバー835の構成について説明すると、賞球ギヤカバー835は、後方が開口される長方形状の箱状に形成され、賞球表箱831の前面に配置されるギヤ群(賞球モータギヤ840、賞球中間ギヤ841、及び検出円盤842から構成されている。)へ電気配線が巻き込まれないようにギヤ区画壁835dが賞球ギヤカバー835の底面から賞球表箱831へ向かって突設されることにより、ギヤ保護空間835eが形成されるとともに、ギヤ保護空間835eを除く他の空間を電気配線を引き回すための配線空間835fとして形成されている。
ギヤ保護空間835eには、上述した賞球中間ギヤ軸843の一端が挿入されて賞球中間ギヤ軸843を支持する軸受筒835aが賞球ギヤカバー835の底面から賞球ギヤカバー835の前面に突設されるとともに、軸受筒835aの下方に、上述した賞球スプロケット軸845の一端が挿入されて賞球スプロケット軸845を支持する軸受筒835bが賞球ギヤカバー835の底面から賞球ギヤカバー835の前面へ向かって突設されている。また、ギヤ保護空間835eには、上述した賞球表箱831の基板取付収容空間831hに形成される基板取付部831ha(図53(a)を参照)に挟持支持される賞球ケース内基板847の他端辺を挟持支持する基板取付部835cが賞球ギヤカバー835の底面から賞球表箱831へ向かって突設されている。
配線空間835fには、ギヤ保護空間835eの底面上側及び底面右側に、払出モータ839の円筒状本体の上方近傍に開設される賞球表箱831の配線口831oを介して通す賞球表箱831の底面側に図示しないネジで螺着して固定される払出モータ839への電気配線を掛け留めて纏める配線処理片835gが賞球ギヤカバー835の底面から賞球表箱831へ向かって突設されている。
配線処理片835gで纏められる払出モータ839への電気配線に加えて、賞球表箱831の裏面側に取り付けられる計数スイッチへの電気配線(計数スイッチ838への電気配線は、計数スイッチ838の近傍に開設される賞球表箱831の配線口831oを介して賞球表箱831の基板取付収容空間831hを通すことができるようになっている。)と、賞球表箱831の基板取付収容空間831hに収容される賞球ケース内基板847への電気配線と、を配線空間835fからギヤ保護空間835eの外側へ通す(つまり、払出装置830の払出制御を行う、図4に示した払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951と払出装置830とを電気的に接続する電気配線を通す)ための配線切欠部835hがギヤ保護空間835eの右側壁の下側に形成されている。
なお、賞球裏箱832に複数突設される取付ボス832wの先端部と対応する位置に貫通穴831yが賞球表箱831に穿設されるとともに、貫通穴831yと対応する位置に取付穴835iが賞球ギヤカバー835に穿設されている。取付穴835iと貫通穴831yと取付ボス832wとを一致させた状態で賞球ギヤカバー835の前面から図示しないネジで螺着することにより、賞球表箱831、そして賞球中仕切板833を挟持する状態で賞球ギヤカバー835と賞球裏箱832とが一体的に固定されるようになっている。
また、賞球ギヤカバー835には、払出装置830を図4に示した本体枠4に備える本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801の後面側に着脱自在に取り付けるための鉤状係合部835kが複数突設されるとともに、払出装置830を払出ユニットベース801の後面に押し当てて上方へスライドさせる際に、払出ユニットベース801の後面に上下方向に沿って形成される図示しないガイド溝に挿入されるガイド突起835mが突設されている。これらの鉤状係合部835kは、本体枠ベース600に形成される図示しない係合突片とそれぞれ係合するものであり、払出装置830を払出ユニットベース801の後面に押し当てて上方へ向かってスライドさせて押し上げることにより、鉤状係合部835kと図示しない係合突片とがそれぞれ係合する。そして、賞球裏箱832の上端面に形成される一対の挿入片832yが図4に示した球誘導ユニット820の下端面側に形成される図示しない一対の位置決め凹部に挿入されて、払出装置830の上端面と球誘導ユニット820の下端面とが当接する状態となり、このとき、図4に示した本体枠4に備える本体枠ベース600の後側に取付けられるロック部材870を上方へ押し上げることにより、このロック部材870に形成される図示しないロック用凸部が賞球裏箱832の下壁に形成される切欠部832zに挿入されて図示しないロック用凸部と切欠部832zとが係合する。これにより、払出装置830を払出ユニットベース801の後面側に固定することができる。
[5-6.スプロケットの定位置]
次に、スプロケット837の定位置について説明すると、スプロケット837の回転角度は、上述したように、検出円盤842の外周に形成される検出切欠842bを回転角スイッチ846により検出することができるように構成されている。回転角スイッチ846からの検出信号は、払出モータ839を駆動制御する図4に示した払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951へ伝わり、払出制御基板951が回転角スイッチ846からの検出信号に基づいて、スプロケット837の回転位置を把握することができるようになっている。払出制御基板951は、スプロケット837の回転位置を定位置に停止させる場合には、回転角スイッチ846からの検出信号に基づいて、検出切欠842bを検出すると、払出モータ839の出力軸839aを予め定めた回転角度だけ回転させた後に、駆動停止した状態を維持することによりスプロケット837を定位置で待機する状態を維持する。
スプロケット837の外周部には、上述したように、賞球表箱831に形成される球送出空間831kにおいて、遊技球が嵌り合う3つの凹部837aが120度ごとに等分されて形成されるとともに、賞球裏箱832に形成される球送出空間832kにおいて、遊技球が嵌り合う3つの凹部837bが120度ごとに等分されて形成され、賞球表箱831に形成される球送出空間831kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837aと、賞球裏箱832に形成される球送出空間832kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837bと、は相互に60度ずつズレて配置されている。スプロケット837が1回転するごとに、それぞれ3つの凹部837a,837bで受け入れた遊技球を最大で6球の遊技球を下流側へ送り出すことができる。
払出モータ839の出力軸839aが回転すると、上述したように、出力軸839aに固着される賞球モータギヤ840が回転することにより、この回転が賞球中間ギヤ841、そして検出円盤842の賞球スプロケットギヤ844を介してスプロケット837を回転するように伝達される。払出モータ839は、小型のステッピングモータであり、その出力軸839aを15ステップ回転させると、スプロケット837が60度回転することにより、上述した凹部837a,837bのいずれか1つの凹部で受け入れた遊技球を下流側へ1球送り出すことができるとともに、その出力軸839aを90ステップ回転させると、スプロケット837が360度、つまり1回転することにより、上述した凹部837a,837bで受け入れた遊技球をすべて下流側へ送り出すことができる。
スプロケット837が定位置で停止した状態においては、賞球表箱831に形成される球送出空間831kにおいて、図53(a)に示すように、スプロケット837の外周部と凹部837aとの境界部分である稜線上で賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球を受け止める状態となるとともに、賞球裏箱832に形成される球送出空間832kにおいて、図53(b)に示すように、スプロケット837の外周部と凹部837bとの境界部分である稜線上で賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球を受け止める状態となるように払出制御基板951により制御されている。
本実施形態では、払出モータ839として、遊技盤5の各種可動体を作動させるために設けられる小型のステッピングモータと同一のものを用いている。この小型のステッピングモータは、その円筒状本体の外径は20mmであり、長さは18.9mmという寸法距離を有した極めて小型のものである。このような小型のステッピングモータである払出モータ839では、静止トルクが極めて小さいため、スプロケット837の凹部837aへ受け入れた遊技球に対して賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る後続の遊技球の自重やスプロケット837の凹部837bへ受け入れた遊技球に対して賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る後続の遊技球の自重により、払出モータ839の静止トルクを超えてスプロケット837を回転停止させた状態を維持することができず、スプロケット837を回転させるおそれがある。
そこで、本実施形態では、スプロケット837の定位置として、上述したように、賞球表箱831に形成される球送出空間831kにおいて、図53(a)に示した、スプロケット837の外周部と凹部837aとの境界部分である稜線上で賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球を受け止める状態とするとともに、賞球裏箱832に形成される球送出空間832kにおいて、図53(b)に示した、スプロケット837の外周部と凹部837bとの境界部分である稜線上で賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球を受け止める状態とすることにより、スプロケット837が定位置に維持されている状態では、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球の自重がスプロケット837の外周部と凹部837aとの境界部分である稜線上に対してスプロケット837を、払出装置830を正面側から見て、時計回りに回転させる方向(図53(a)では、時計回り方向)へ負荷を付与することができる状態となるのに対して、賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球の自重がスプロケット837の外周部と凹部837bとの境界部分である稜線上に対してスプロケット837を、払出装置830を正面側から見て、反時計回りに回転させる方向(図53(b)では、時計回り方向)へ負荷を付与することができる状態となる。このような、スプロケット837の外周部と凹部837aとの境界部分である稜線上と、スプロケット837の外周部と凹部837bとの境界部分である稜線上と、に遊技球の自重による負荷がバランス良く付与されてつり合った状態とすることができる。
これにより、スプロケット837を定位置として、遊技球の自重による負荷がバランス良く付与されてつり合った状態とすることにより、静止トルクが極めて小さい小型のステッピングモータである払出モータ839を採用しても、スプロケット837を定位置において停止した状態を維持することができる。また、スプロケット837が定位置に停止した状態においては、遊技球の自重による負荷がバランス良く付与されてつり合った状態となっているため、小型のステッピングモータである払出モータ839の駆動開始時における払出モータ839の出力軸839aへの負荷が著しく大きくなることを抑制することができて脱調を防ぐことができるとともに、スプロケット837をスムーズに回転させることができる。
また、上述したように、スプロケット837の外周部と凹部837aとの境界部分である稜線上と、スプロケット837の外周部と凹部837bとの境界部分である稜線上と、に遊技球の自重による負荷がバランス良く付与されてつり合った状態とすることができるようになっているため、遊技ホールの営業終了後にパチンコ遊技機1への電源を遮断した後に、仮に地震が発生したとしても、スプロケットの回転位置が定位置からズレる蓋然性を小さく抑えることができる。
また、本実施形態では、上述したように、払出モータ839として、遊技盤5の各種可動体を作動させるために設けられる小型のステッピングモータと同一のものを用いている。これにより、払出装置830の奥行き方向の距離寸法を小さくすることにより払出装置830と対応する位置における遊技盤5の奥行き方向の距離寸法を大きく確保することができため、この払出装置830と対応する位置における遊技盤5後面における奥行き方向の空間を大きく確保することができて複数の電気的駆動源を有する大型の可動体装置を配置することができる。
なお、例えば、スプロケット837の凹部837aにおいて賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球を受け入れて止めた状態とするとともに、スプロケット837の凹部837bにおいて賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球を受け入れずにスプロケット837の外周部で受け止める状態とする場合には、スプロケット837の凹部837bにおいて賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球を受け入れずにスプロケット837の外周部で受け止めると、賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る後続の遊技球の自重がスプロケット837の軸心方向、つまりスプロケット837を軸支する賞球スプロケット軸845の軸心方向へ負荷として付与される一方、スプロケット837の凹部837aへ受け入れた遊技球に対して、スプロケット837を回転させる負荷として、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る後続の遊技球の自重が付与されることとなるため、スプロケット837の外周部と凹部837aとの境界部分である稜線上と、スプロケット837の外周部と凹部837bとの境界部分である稜線上と、に遊技球の自重による負荷がバランス良く付与されてつり合った状態が崩れるという欠点があり、スプロケット837の定位置として好ましくない。
[5-7.払出装置のメンテナンス]
次に、払出装置830のメンテナンスについて説明すると、賞球モータギヤ840、賞球中間ギヤ841、及び検出円盤842から構成されるギヤ群の回転具合を確認したり、スプロケット837の回転具合を確認したりする場合には、図54(a)に示すように、ピアノ線や針金などの工具を、払出装置830の正面側(賞球表箱831の正面側)から賞球表箱831に穿設される円弧状の工具挿入長穴831zzを介して、賞球スプロケットギヤ844の一の挿入孔844aに挿入して円弧状の工具挿入長穴831zzに沿って回転させて行うことができる。これにより、賞球モータギヤ840、賞球中間ギヤ841、及び賞球スプロケットギヤ844のいずれかに歯の折損が発生して回転が伝達されていない不具合を確認することができるし、屈曲通路831b,832bに遊技球を入れて賞球スプロケットギヤ844を有する検出円盤842が回転しているにもかかわらず、賞球通路831c,832cから遊技球が送り出されない場合には、検出円盤842に形成される継手部842aとスプロケット837に形成される被継手部837cとの係合状態に不具合が発生していることを確認することもできる。
また、球抜き片836の揺動具合を確認する場合には、図54(b)に示すように、賞球球抜きレバー834の操作部834aaを上方へ向かってスライド移動させて球抜き片836が揺動することができる状態にした後に、ピアノ線や針金などの工具を、払出装置830の背面側(賞球裏箱832の背面側)から賞球裏箱832に穿設される湾曲した工具挿入長穴832zzを介して、球抜き片836の側壁部836bや球抜き片836の補強リブ836cに触れ、湾曲した工具挿入長穴832zzに沿って動かすことにより、球抜き片836を揺動させることができる。これにより、例えばタバコのヤニやホコリによって球抜き片836が揺動することができない状態又はスムーズに揺動することができない状態となっていることを確認することができるとともに、繰り返しピアノ線や針金などの工具を湾曲した工具挿入長穴832zzに沿って動かすことにより、このような状態を解消することができる。
[6.払出制御基板]
次に、遊技球の払い出し等を制御する払出制御基板951について、図55及び図56を参照して説明する。図55は払出制御基板のブロック図であり、図56は払出装置の払出モータに駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路を示す回路図である。
払出制御基板951は、図4に示した、各種機能を兼用する操作スイッチ952と、パチンコ遊技機1の状態を表示するエラーLED表示器953と、のほかに、図55に示すように、払い出しに関する各種制御を行う払出制御部954を備えている。ここでは、払出制御部954、払出制御基板951へ供給される各種電源、払出モータ駆動回路954d、払出モータ839の励磁方式、払出モータ839への駆動電圧の切替回路、電源投入時と電源断時とにおける払出モータ839への駆動電圧、払出モータ839への駆動電圧の切替タイミング、そして払出モータ駆動回路954dの不具合判定について説明する。
[6-1.払出制御部]
払い出しに関する各種制御を行う払出制御部954は、図55に示すように、各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU954aと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路954bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための払出制御出力回路954cと、図48に示した払出装置830の払出モータ839に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路954dと、パチンコ遊技機1に隣接して遊技ホールのパチンコ島設備に設置される図示しないCRユニットとの各種信号をやり取りするためのCRユニット入出力回路954eと、を備えている。払出制御MPU954aには、その内蔵されているRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
払出制御入力回路954bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、払出制御入力回路954bは、図示しないリセット信号を出力する専用ICである払出制御システムリセットIC(以下、「払出制御システムリセットIC」と記載する。)からのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、払出制御入力回路954bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が払出制御システムリセットICによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出制御出力回路954cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き払出制御出力回路954caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし払出制御出力回路954cbと、から構成されている。リセット機能付き払出制御出力回路954caは、払出制御システムリセットICからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き払出制御出力回路954caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし払出制御出力回路954cbは、払出制御システムリセットICからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし払出制御出力回路954cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が払出制御システムリセットICによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
図4に示した球誘導ユニット820に形成される2条の球誘導通路内に遊技球の有無を検出する球切れスイッチ821、図53(a),(b)に示した払出装置830の賞球通路831c,832c内を流下する遊技球を検出する計数スイッチ838からの検出信号は、払出制御入力回路954bを介して払出制御MPU954aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。図53(a)に示した払出装置830の検出円盤842の外周に形成された検出切欠842bを検出するための回転角スイッチ846からの検出信号は、まず払出装置830の賞球ケース内基板847、そして払出制御入力回路954bを介して払出制御MPU954aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する図示しない扉枠開放スイッチからの検出信号と、外枠2に対する本体枠4の開放を検出する図示しない本体枠開放スイッチからの検出信号と、は払出制御入力回路954bを介して払出制御MPU954aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、図16に示した扉枠3の満タン球受口528へ誘導する図4に示した下部満タン球経路ユニット860に形成される満タン誘導路内が遊技球で満タンであるか否かを検出する図示しない満タンスイッチからの検出信号は、払出制御入力回路954bを介して払出制御MPU954aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
払出制御MPU954aは、遊技盤5に備える主制御基板ボックスに収容される遊技の進行を制御する図示しない主制御基板(以下、「主制御基板」と記載する。)からの払い出しに関する各種コマンドを、払出制御入力回路954bを介して、そのシリアル入力ポートの入力端子で受信するようになっている。払出制御MPU954aは、主制御基板からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路954caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路954caから主制御基板に信号(払主ACK信号)を出力する。
また、払出制御MPU954aは、そのシリアル出力ポートの出力端子から、パチンコ遊技機1の状態を示すための各種コマンドをシリアルデータとしてリセット機能なし払出制御出力回路954cbに送信することにより、リセット機能なし払出制御出力回路954cbから主制御基板に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。主制御基板は、払出制御基板951からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を払出制御基板951に出力する。この信号(主払ACK信号)が払出制御入力回路954bを介して払出制御MPU954aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、払出制御MPU954aは、その所定の出力ポートの出力端子から、払出装置830の払出モータ839を駆動するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路954caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路954caから駆動信号を払出モータ駆動回路954dに出力し、払出モータ駆動回路954dから駆動信号を払出モータ839に出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から、パチンコ遊技機1の状態をエラーLED表示器953に表示するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路954caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路954caから駆動信号をエラーLED表示器953に出力したりする。
エラーLED表示器953は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ遊技機1の状態を表示している。エラーLED表示器953が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「-」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板と払出制御基板951との基板間において電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れスイッチ821からの検出信号に基づいて球誘導ユニット820に形成される2条の球誘導通路内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転角スイッチ846からの検出信号に基づいて、図53(a),(b)に示した払出装置830の屈曲通路831b,832bと球送出空間831k,832kと連通する入り口においてスプロケット837と遊技球とがその入り口近傍でかみ合ってスプロケット837が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、計数スイッチ838からの検出信号に基づいて計数スイッチ838に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、図示しない満タンスイッチからの検出信号に基づいて扉枠3の満タン球受口528へ誘導する下部満タン球経路ユニット860に形成される満タン誘導路内が遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板951からパチンコ遊技機1に隣接して遊技ホールのパチンコ島設備に設置される図示しないCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知し、英字「H」が表示されているときには「払出モータ駆動回路の不具合発生」である旨(具体的には、払出モータ駆動回路954dに何らかの原因により不具合が発生している旨)を報知している。
また、払出制御MPU954aは、その所定の出力ポートの出力端子から、実際に払い出した遊技球の球数等をリセット機能付き払出制御出力回路954caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路954caから図示しない抵抗を介して遊技ホールに設置されるホールコンピュータと電気的に接続される図示しない外部端子板に、実際に払い出した遊技球の球数等を出力したりする。
また、払出制御基板951は、主制御基板からの遊技に関する各種情報(遊技情報)を図示しない抵抗を介して遊技ホールに設置されるホールコンピュータと電気的に接続される図示しない外部端子板に出力している。この外部端子板は、図示しない複数のフォトカプラ(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)が設けられており、これらの複数のフォトカプラを介して、遊技ホールに設置されたホールコンピュータに遊技球の球数等及び各種情報(遊技情報)をそれぞれ伝えるようになっている。外部端子板とホールコンピュータとは、複数のフォトカプラにより電気的に絶縁された状態となっており、パチンコ遊技機1の外部端子板を経由してホールコンピュータへ異常な電圧が印加されてホールコンピュータが誤動作したり故障したりしないようになっているし、ホールコンピュータからパチンコ遊技機1の外部端子板を経由して遊技を進行する主制御基板や払出等を制御する払出制御基板951に異常な電圧が印加されて誤動作したり故障したりしなしようになっている。ホールコンピュータは、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数等やパチンコ遊技機1の遊技情報を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
図12に示した貸球操作ユニット330の球貸ボタン331からの遊技球の球貸要求信号、及び返却ボタン333からのプリペイドカードの返却要求信号は、パチンコ遊技機1に隣接して遊技ホールのパチンコ島設備に設置される図示しないCRユニットに入力されるようになっている。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、払出制御基板951にシリアル方式で送信し、この信号がCRユニット入出力回路954eを介して払出制御MPU954aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。また、CRユニットは、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を貸球操作ユニット330の表示部334に表示するための信号を出力し、この信号が表示部334に入力されるようになっている。また、表示部334の近傍に配置される図示しないCRユニットランプは、CRユニットからの供給電圧が供給されることにより発光するようになっている。
なお、払出制御基板951や主制御基板等に各種電圧を供給する電源基板931は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板951と主制御基板とに電力を供給するためのバックアップ電源としての図示しないキャパシタをそれぞれ備えている。払出制御基板951用のキャパシタにより払出制御MPU954aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。また、主制御基板用のキャパシタにより主制御基板に実装されるマイクロプロセッサ(以下、「主制御MPU」と記載する。)は、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御MPUに内蔵されるRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶することができるようになっている。払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ952が操作されると、その操作信号が払出制御入力回路954bを介して、払出制御MPU954aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、払出制御MPU954aは払出制御内蔵RAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号として判断し、これを契機として、払出制御MPU954aによって払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。この操作信号(RAMクリア信号)は、リセット機能なし払出制御出力回路954cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路954cbから主制御基板に出力される。電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ952が操作されると、この操作信号が払出制御基板951を介して主出制御MPUの所定の入力ポートの入力端子に入力されると、主制御MPUは、主制御内蔵RAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号として判断し、これを契機として、主制御MPUによって主制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[6-2.払出制御基板へ供給される各種電源]
次に、払出制御基板951へ供給される各種電源について説明する。各種基板のグランド(GND)や各種端子板のグランド(GND)は、電源基板931のグランド(GND)と電気的に接続されており、同一グランド(GND)となっている。
電源基板931は、図56に示すように、同期整流回路931a、力率改善回路931b、平滑化回路931c、電源作成回路931dを備えて構成されている。パチンコ島設備から供給されているAC24Vは、同期整流回路931aに供給されている。この同期整流回路931aは、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を整流して力率改善回路931bに供給している。この力率改善回路931bは、整流された電力の力率を改善して直流+37V(DC+37V、以下、「+37V」と記載する。)を作成して平滑化回路931cに供給している。この平滑化回路931cは、供給される+37Vのリップルを除去して+37Vを平滑化させて電源作成回路931dに供給している。
電源作成回路931dは、平滑化回路931cから供給される+37Vから直流+5V(DC+5V、以下、「+5V」と記載する。)、直流+12V(DC+12V、以下、「+12V」と記載する。)、及び直流+24V(DC+24V、以下、「+24V」と記載する。)をそれぞれ作成している。
電源基板931の電源作成回路931dで作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、払出制御基板951に供給され、これら3種類の電圧のうち、+12V及び+24Vという2種類の電圧は、払出制御基板951を介して遊技盤5に備える主制御基板に供給されている。また電源基板931の電源作成回路931dで作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、遊技盤5に備える周辺制御基板(周辺制御基板は、主制御基板からのコマンドに基づいて、各種演出の進行を制御している。)、扉枠3側に備える各種基板等にそれぞれ供給されている。
払出制御基板951に供給される+5Vは、まず払出制御フィルタ回路951aに供給され、ノイズが除去されている。ノイズが除去された+5Vは、払出制御基板951に備える図示しないダイオードを介して、電源基板931に備える図示しない払出制御基板951用のキャパシタに供給されるほかに、払出制御MPU954a、払出モータ駆動回路954d等にも供給されている。払出制御基板951に供給される+12Vは、払出制御入力回路954bに供給されるほかに、払出モータ駆動回路954d等にも供給されるとともに、払出制御基板951を介して、遊技盤5に備える主制御基板に供給されている。遊技盤5に備える主制御基板は、図示しない+5V作成回路を備えており、この+5V作成回路では、払出制御基板951を介して供給される+12から+5Vの電源を作成して図示しない主制御フィルタ回路に供給する。この主制御フィルタ回路では、+5V作成回路で作成した+5Vからノイズを除去している。ノイズが除去された+5Vは、主制御基板に備える図示しないダイオードを介して、電源基板931に備える図示しない主制御基板用のキャパシタに供給されるほかに、主制御MPU等に供給されている。
このように、本実施形態では、払出制御基板951と、遊技盤5に備える主制御基板と、においては、それぞれ+5Vという電源が供給されているものの、払出制御基板951では、電源基板931の電源作成回路931dで作成された+5Vが払出制御フィルタ回路951aを介して払出制御MPU954aや払出モータ駆動回路954d等に供給されているのに対して、遊技盤5に備える主制御基板では、図示しない+5V作成回路において、電源基板931の電源作成回路931dで作成された+12Vから+5Vという電源を作成し、遊技盤5に備える主制御基板において作成した+5Vが主制御フィルタ回路を介して主制御MPUに供給されるという電源システムとなっている。
[6-3.払出モータ駆動回路]
次に、図48に示した払出装置830の払出モータ839に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路954dについて説明する。払出モータ駆動回路954dは、図56に示すように、電圧切替回路954da、ドライブICPIC60を主として構成されている。電圧切替回路954daの電源入力端子1,2は、電源基板931の電源作成回路931dで作成された+12Vの直流電源が供給される+12V電源ラインと、電源基板931の電源作成回路931dで作成された+5Vの直流電源が払出制御フィルタ回路951aを介して供給される+5V電源ラインと、がそれぞれ電気的に接続され、+12Vと+5Vとがそれぞれ印加されている。電圧切替回路954daの接地端子は、グランド(GND)と接地されている。電圧切替回路954daの電源切替入力端子は、電圧切替信号が入力される。この電圧切替信号は、払出制御MPU954aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路954caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路954caから電圧切替回路954daの電源切替入力端子に出力されるようになっている。電圧切替回路954daの電源出力端子は、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子とそれぞれ電気的に接続されるとともに、払出モータ839の電源端子と電気的に接続され、電圧切替回路954daの電圧切替入端子に入力される電圧切替信号に基づいて、+12V又は+5Vを、モータ駆動電圧として、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子にそれぞれ供給するとともに、払出モータ839に供給する。なお、+12Vをモータ駆動電圧として払出モータ839に供給する場合と、+5Vをモータ駆動電圧として払出モータ839に供給する場合と、を切り替える制御を行う点についての詳細な説明を後述する。
ドライブICPIC60は、4つのダーリントンパワートランジスタを備えており、本実施形態では、ドライブICPIC60のエミッタ端子である6番端子及び7番端子は、それぞれグランド(GND)と接地され、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子は、払出モータ駆動信号が抵抗PR60~PR63を介してそれぞれ入力される。ドライブICPIC60のコレクタ端子である2番端子、4番端子、9番端子、そして11番端子は、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子とそれぞれ対応しており、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子に払出モータ駆動信号が抵抗PR60~PR63を介してそれぞれ入力されると、励磁信号である駆動パルスを払出モータ839と対応する各相(/B相、B相、A相、/A相)にそれぞれ出力する。この払出モータ駆動信号は、払出制御MPU954aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路954caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路954caから抵抗PR60~PR63を介してドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子にそれぞれ出力されるようになっている。これらの駆動パルスは、払出モータ839の各相(/B相、B相、A相、/A相)に流す励磁電流のスイッチングにより行われ、払出モータ839を回転させる。なお、このスイッチングにより各相(/B相、B相、A相、/A相)の駆動パルス(励磁信号)を遮断したときには逆起電力が発生する。この逆起電力がドライブICPIC60の耐圧を超えると、ドライブICPIC60が破損するため、保護として、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子の前段に上述したツェナーダイオードPZD60を電気的に接続する回路構成を採用した。
[6-4.払出モータの励磁方式]
次に、払出装置830の払出モータ839の励磁方式について説明する。本実施形態では、上述したように、払出モータ839として、遊技盤5の各種可動体を作動させるために設けられる小型のステッピングモータと同一のものを用いている。この小型のステッピングモータは、その円筒状本体の外径は20mmであり、長さは18.9mmという寸法距離を有した極めて小型のものである。このような小型のステッピングモータである払出モータ839においては、小型のステッピングモータのコイルを1相ずつ励磁することができる1相励磁方式による制御を行うと、発生するトルクが極めて小さくなる。そこで、本実施形態においては、払出モータ839に駆動トルクと静止トルクとを発生させる際に、小型のステッピングモータである払出モータ839のコイルを2相ずつ励磁することができる2相励磁方式による制御を採用した。この2相励磁方式では、小型のステッピングモータである払出モータ839のコイルを2相ずつ励磁することができるため、小型のステッピングモータである払出モータ839のコイルを1相ずつ励磁するという1相励磁方式と比べると、約2倍のトルクを得ることができる。
このように、本実施形態においては、小型のステッピングモータである払出モータ839の制御を2相励磁方式により行うことによって、駆動トルクと静止トルクとを大きくすることに寄与することができるようになっている。
[6-5.払出モータへの駆動電圧の切替回路]
次に、払出装置830の払出モータ839のモータ駆動電圧の切替回路について説明する。本実施形態では、上述したように、払出モータ839として、遊技盤5の各種可動体を作動させるために設けられる小型のステッピングモータと同一のものを用いている。この小型のステッピングモータは、その円筒状本体の外径は20mmであり、長さは18.9mmという寸法距離を有した極めて小型のものである。このような小型のステッピングモータである払出モータ839では、無励磁状態において、つまり払出モータ839の各相(/B相、B相、A相、/A相)に電圧が全く印加されていない状態においては、極めて小さいトルクで出力軸839aを回転させることができる(各相のうち、一の相から次の相へ回転させるごとに、カクカクと出力軸839aを回転させることができる)。
払出モータ839の出力軸839aには、上述したように、賞球モータギヤ840が固着されており、出力軸839aに固着される賞球モータギヤ840が回転することにより、この回転が賞球中間ギヤ841、そして検出円盤842の賞球スプロケットギヤ844を介してスプロケット837を回転するように伝達される。つまり、払出モータ839が無励磁状態においては、払出モータ839の各相(/B相、B相、A相、/A相)に電圧が印加されず電流が流れない状態となると、極めて小さいトルクで出力軸839aを回転させることができる状態となる。このため、例えば、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る複数の遊技球の自重がスプロケット837に形成される凹部837aに負荷されることにより、この負荷がスプロケット837を回転させる方向へ働いてトルクを発生させ、このトルクによって払出モータ839の出力軸839aが回転させられることとなる。これを防止するために、払出モータ839の出力軸839aを回転させていない状態においても、払出モータ839の静止トルクを得るために、払出モータ839の各相(/B相、B相、A相、/A相)に電圧を印加して電流を流す必要がある。
払出モータ839の静止トルクを得る場合には、予め定めた相(例えば、B相とA相)に対して、常にモータ駆動電圧を印加して電流を流した状態を維持する必要があり、払出モータ839の出力軸839aを回転させていないにもかかわらず(換言すると、遊技者に賞球として遊技球を払い出す動作を行っていない状態であるにもかかわらず)、払出モータ839の出力軸839aを回転させているときと同様に電力を消費することとなる。
このため、モータ駆動電圧として常に低い電圧(例えば、+5V)とすると、電力の消費を抑えることができるものの、これでは、払出モータ839の駆動トルクが小さくなることにより、例えば、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る複数の遊技球の自重がスプロケット837に形成される凹部837aに負荷されることにより、この負荷がスプロケット837を回転させる方向へ働いて、これにより発生するトルクに払出モータ839の駆動トルクが負けるため、スプロケット837を回転させることができずに、払出モータ839が脱調することとなるという問題がある。これに対して、モータ駆動電圧として常に高い電圧(例えば、+12V)とすると、払出モータ839の駆動トルクが大きくなることにより、上述したような脱調が生ずることがなく(つまり、上述した例では、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る複数の遊技球の自重がスプロケット837に形成される凹部837aに負荷されることにより、この負荷がスプロケット837を回転させる方向へ働いても、これにより発生するトルクに払出モータ839の駆動トルクが勝るため)、払出モータの出力軸839aの回転をスプロケット837へ伝達させてスプロケット837をスムーズに回転させることができるものの、これでは、電力の消費を抑えることができないという問題がある。
そこで、本実施形態では、払出制御基板951における払出モータ駆動回路954dに電圧切替回路954daを設けるとともに、払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得る場合には、払出制御MPU954aが電圧切替信号の論理(例えば、HI)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する制御を行う一方、払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得る場合には、払出制御MPU954aが電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に供給する制御を行うようになっている。
これにより、払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得る場合には、モータ駆動電圧として+12Vより極めて小さい+5Vを払出モータ839に供給するようになっているため、払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態における電力の消費の抑制に寄与することができる。また、払出モータ839の発熱を小さく抑えることができることによりパチンコ島設備内の温度上昇を防止することに寄与することもできる。
[6-6.電源投入時と電源断時とにおける払出モータへの駆動電圧]
次に、電源投入時と電源断時とにおける払出モータ839への駆動電圧について説明する。払出制御基板951の払出制御MPU954aは、上述したように、払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得る場合には、電圧切替信号の論理(例えば、HI)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する制御を行う一方、払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得る場合には、電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に供給する制御を行うようになっている。
払出制御MPU954aは、パチンコ遊技機1の電源投入時(パチンコ遊技機1に電源を投入する場合のほかに、パチンコ遊技機1への電源が停電により遮断された後に電力が回復したり、パチンコ遊技機1への電源が瞬間的に発生した停電により遮断された後に電力が回復したりする復電も含む。)に払出制御プログラムである電源投入時処理を行う。この電源投入時処理が開始されると、払出制御MPU954aは、まずモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に供給するために、電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して電圧切替回路954daに出力し、払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを発生させる制御を行う。これは、パチンコ遊技機1の電源投入時において、モータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に強制的に供給せずに、モータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する状態においては、払出モータ839により消費される電力が極めて大きくなるためである。つまり、電源基板931の電源作成回路931dで作成された+12Vの直流電源が供給される遊技盤5に備える主制御基板では、この+12Vから主制御MPUの作動制御電圧となる+5Vを+5V作成回路で作成しているため、パチンコ遊技機1の電源投入時において、モータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する状態においては、払出モータ839により消費される電力が極めて大きくなることで+12Vの電圧レベルが上昇することが困難となることによって、これに伴い、遊技盤5に備える主制御基板では、この+12Vから主制御MPUの作動制御電圧となる+5Vを+5V作成回路で作成することが困難となって主制御MPUが動作開始することができなくなることを防止することができるという仕組みとなっている。
また、パチンコ遊技機1の電源投入時においては、電圧が不安定となっている場合があるため、モータ駆動電圧として低い電圧が設定されている+5Vを払出モータ839に供給することにより、電源投入時において仮に+5Vが不安定となっても、払出モータ839に印加できる最大許容電圧を超えることがないようになっている。つまり、電源投入時による不安定な電源による払出モータ839の故障を防止することができるという仕組みともなっている。
続いて、払出制御MPU954aは、ドライブICPIC60への初期設定処理を行う。このドライブICPIC60への初期設定処理では、ドライブICPIC60の初期値を設定する。この初期値としては、払出モータ839の静止トルクを得るために、予め定めた相(例えば、B相とA相)に対して、モータ駆動電圧を印加するための払出モータ駆動信号を出力する情報を払出制御MPU954aに内蔵される出力ポートの内部レジスタにセットする。
続いて、払出制御MPU954aは、電源投入後に電源が安定状態となるまで予め定めた時間が経過するまで待機するというウェイトタイマ処理を行った後に、スプロケット837の定位置設定処理を行う。このスプロケット837の定位置設定処理では、スプロケット837が上述した定位置に位置しているか否かを判定する。具体的には、払出制御MPU954aは、回転角スイッチ846からの検出信号に基づいて、検出切欠842bを検出していない状態であるときには、スプロケット837が上述した定位置に位置している状態にないと判定し、モータ駆動電圧として+5Vから+12Vへ切り替えるために、電圧切替信号の論理(例えば、LOWからHI)を設定して電圧切替回路954daに出力する。そして、払出制御MPU954aは、払出モータ839の出力軸839aを回転させるために払出モータ駆動信号を出力する情報を払出制御MPU954aに内蔵される出力ポートの内部レジスタにセットする。この出力ポートから出力される払出モータ駆動信号に従って払出モータ839の出力軸839aが回転する。そして、払出制御MPU954aは、検出切欠842bを検出すると、払出モータ839の出力軸839aを予め定めた回転角度だけ回転させた後に、払出モータ839の出力軸839aを停止させるために払出モータ駆動信号を出力する情報を払出制御MPU954aに内蔵される出力ポートの内部レジスタにセットする。この出力ポートから出力される払出モータ駆動信号に従って払出モータ839の出力軸839aが停止する。そして、払出制御MPU954aは、モータ駆動電圧として+12Vから+5Vへ切り替えるために、電圧切替信号の論理(例えば、HIからLOW)を設定して電圧切替回路954daに出力することにより、スプロケット837を定位置で待機する状態を維持する。そして、払出制御MPU954aは、2msごとに払出制御メイン処理(遊技盤5に備える主制御基板からのコマンドを受信して解析する処理、遊技球の払い出しに関する主要動作を設定する処理(払出モータ839の出力軸839aを回転駆動したり、停止したりする制御が行われる処理)、払出モータ駆動回路954dの不具合の有無を判別する処理、エラーLED表示器953への表示データを作成する処理、エラーLED表示器953に表示される内容を伝えるコマンドを遊技盤5に備える主制御基板へ送信する処理など)を繰り返し行う。なお、払出制御MPU954aは、回転角スイッチ846からの検出信号に基づいて、検出切欠842bを検出している状態であるときには、スプロケット837が上述した定位置に位置している状態にあると判定し、このスプロケット837の定位置設定処理をそのまま終了して、2msごとに払出制御メイン処理を繰り返し行う。
パチンコ遊技機1の電源断時(パチンコ遊技機1への電源を遮断する場合のほかに、停電や瞬停により電源が遮断される場合も含む。)において、払出制御MPU954aは、2msごとに繰り返し行う払出制御メイン処理から払出制御電源断時処理へ移行する。この払出制御電源断時処理では、払い出しに関する各種情報をバックアップ情報として払出制御内蔵RAMに格納するとともに、モータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に強制的に供給するために、電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して電圧切替回路954daに出力し、払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを発生させる制御を行う。+5Vは、上述したように、電圧切替回路954daのほかに、払出制御MPU954aにも供給されているため、パチンコ遊技機1の電源断時において、払出モータ839という駆動系と、払出制御MPU954aという制御系と、が同時にダウンするという仕組みとしている。これは、パチンコ遊技機1の電源断時において、モータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に強制的に供給せずに、モータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する状態においては、払出モータ839により消費される電力が極めて大きくなるためである。つまり、電源基板931の電源作成回路931dで作成された+12Vの直流電源が供給される遊技盤5に備える主制御基板では、この+12Vから主制御MPUの作動制御電圧となる+5Vを+5V作成回路で作成しているため、パチンコ遊技機1の電源断時において、モータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する状態においては、払出モータ839により消費される電力が極めて大きくなることで+12Vの電圧レベルが急激に低下することによって、これに伴い、主制御MPUが主制御プログラムの一処理である主制御電源断時処理を行って主制御内蔵RAMに遊技に関する各種情報を格納完了するまえに、作動制御電圧レベルも急激に低下して主制御MPUが動作不能となることを防止することができるという仕組みとなっている。
このように、本実施形態では、パチンコ遊技機1の電源断時において、払出制御基板951の払出制御MPU954aがモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839へ強制的に供給するために電圧切替回路954daへ電圧切替信号の論理(例えば、LOW)を出力することにより、払出制御基板951の払出制御MPU954aという制御系と、払出モータ839という駆動系と、に対して、パチンコ遊技機1の電源断時において同一の+5Vが供給されることにより(つまり、払出制御基板951の払出制御MPU954aという制御系に対しては、作動制御電圧である+5Vが供給されるとともに、払出モータ839という駆動系に対してはモータ駆動電圧として+5Vが供給されることにより)、払出制御基板951の払出制御MPU954aという制御系が作動停止する時期と、払出モータ839という駆動系が作動停止する時期と、を一致させることができるようになっている。これにより、払出制御基板951の払出制御MPU954aが払出モータ839の出力軸839aの回転位置を把握した状態でパチンコ遊技機1の電源が遮断された状態とすることができる。つまり、パチンコ遊技機1への電源が遮断される直前まで、払出モータ839を払出制御基板951の払出制御MPU954aの制御下とすることができる。したがって、パチンコ遊技機1の電源断時による影響を受けて払出モータ839の出力軸839aが回転することを防止することに寄与することができる。
[6-7.払出モータへの駆動電圧の切替タイミング]
次に、払出装置830の払出モータ839のモータ駆動電圧の切替タイミングについて説明する。払出制御基板951の払出制御MPU954aは、上述したように、払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得る場合には、電圧切替信号の論理(例えば、HI)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する制御を行う一方、払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得る場合には、電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に供給する制御を行うようになっている。
払出モータ839の出力軸839aが回転すると、上述したように、出力軸839aに固着される賞球モータギヤ840が回転することにより、この回転が賞球中間ギヤ841、そして検出円盤842の賞球スプロケットギヤ844を介してスプロケット837を回転するように伝達される。スプロケット837の外周部には、上述したように、賞球表箱831に形成される球送出空間831kにおいて、遊技球が嵌り合う3つの凹部837aが120度ごとに等分されて形成されるとともに、賞球裏箱832に形成される球送出空間832kにおいて、遊技球が嵌り合う3つの凹部837bが120度ごとに等分されて形成され、賞球表箱831に形成される球送出空間831kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837aと、賞球裏箱832に形成される球送出空間832kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837bと、は相互に60度ずつズレて配置されている。スプロケット837が1回転するごとに、それぞれ3つの凹部837a,837bで受け入れた遊技球を最大で6球の遊技球を下流側へ送り出すことができる。
賞球表箱831に形成される球送出空間831kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837aで受け入れた遊技球は、賞球通路831cへ送り出されて、上述したように、計数スイッチ838により検出される。賞球裏箱832に形成される球送出空間832kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837bで受け入れた遊技球は、賞球通路832cへ送り出されて、上述したように、計数スイッチ838により検出される。
払出制御MPU954aは、電圧切替信号の論理(例えば、HI)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する制御を行うことにより払出モータ839の出力軸839aを回転駆動してスプロケット837を回転させて遊技球を払い出している場合であって、払出モータ839の出力軸839aを停止させるときには、払出モータ839の出力軸839aを回転駆動してスプロケット837の凹部837a,837bにおいて受け入れた遊技球を賞球通路831c,832cへ最後に送り出した後、この最後に送り出した遊技球が賞球通路831c,832cを通って計数スイッチ838により検出されるまでに要する時間(予め設定された時間であって、例えば、数百ミリ秒に設定されている。)が経過するまで払出モータ839の出力軸839aを回転駆動し続け、この時間が経過すると、払出モータ839の出力軸839aの回転駆動を停止して払出モータ839の出力軸839aを停止させ、これを契機として、電圧切替信号の論理を切り替えるために(例えば、HIからLOWへ切り替えるために)、この電圧切替信号の論理(例えば、LOW)を設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に供給する制御を行うことにより、払出モータ839に静止トルクを発生させて払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持している。
具体的には、例えば、遊技者が図7に示したハンドルレバー504を回転操作すると、図7に示した球発射装置680によってハンドルレバー504の回転角度に応じた強さで遊技球が図7に示した遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、図示しない入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿201に払出される。入賞口として始動入賞口に遊技球が受入れられると、賞球として遊技球を3球だけ払出装置830によって上皿201に払出すためのコマンド(賞球コマンド)が遊技盤5に備える遊技の進行を制御する図示しない主制御基板から払出制御基板951へ送信される。払出制御基板951の払出制御MPU954aは、電圧切替信号の論理(例えば、HI)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する制御を行うことにより払出モータ839の出力軸839aを回転駆動してスプロケット837を回転させて、1球目の遊技球、2球目の遊技球、そして最後に3球目の遊技球を1球ずつスプロケット837の凹部837a,837bにおいて受け入れた遊技球を賞球通路831c,832cへ送り出した後、この最後に送り出した3番目の遊技球が賞球通路831c,832cを通って計数スイッチ838により検出されるまでに要する時間(予め設定された時間であって、例えば、数百ミリ秒に設定されている。)が経過するまで払出モータ839の出力軸839aを回転駆動し続け、この時間が経過すると、払出モータ839の出力軸839aの回転駆動を停止して払出モータ839の出力軸839aを停止させ、これを契機として、電圧切替信号の論理を切り替えるために(例えば、HIからLOWへ切り替えるために)、この電圧切替信号の論理(例えば、LOW)を設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に供給する制御を行うことにより、払出モータ839に静止トルクを発生させて払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持している。
また、払出制御基板951の払出制御MPU954aは、上述したように、スプロケット837の回転位置を定位置に停止させる場合には、回転角スイッチ846からの検出信号に基づいて、検出切欠842bを検出すると、払出モータ839の出力軸839aを予め定めた回転角度だけ回転させた後に、駆動停止した状態を維持することによりスプロケット837を定位置で待機する状態を維持するようになっている。つまり、払出制御MPU954aは、スプロケット837の回転位置を定位置に停止させる場合には、回転角スイッチ846からの検出信号に基づいて、検出切欠842bを検出すると、払出モータ839の出力軸839aを予め定めた回転角度だけ回転させているが、この「予め定めた回転角度」とは、電圧切替信号の論理(例えば、HI)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する制御を行うことにより払出モータ839の出力軸839aを回転駆動してスプロケット837を回転させて遊技球を払い出している場合であって、払出モータ839の出力軸839aを停止させる際に、払出モータ839の出力軸839aを回転駆動してスプロケット837の凹部837a,837bにおいて受け入れた遊技球を賞球通路831c,832cへ最後に送り出した後に、この最後に送り出した遊技球が賞球通路831c,832cを通って計数スイッチ838により検出されるまでに要する時間(予め設定された時間であって、例えば、数百ミリ秒に設定されている。)が経過するまで払出モータ839の出力軸839aを回転駆動し続け、そして、この時間が経過すると、払出モータ839の出力軸839aの回転駆動を停止して払出モータ839の出力軸839aを停止させるまでに亘ってスプロケット837を回転させた回転角度に相当する。
[6-8.払出モータ駆動回路の不具合判定]
次に、払出モータ駆動回路954dの不具合判定について説明する。払出制御基板951の払出制御MPU954aは、上述したように、払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得る場合には、電圧切替信号の論理(例えば、HI)に設定して払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する制御を行う一方、払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得る場合には、電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に供給する制御を行うようになっている。
払出制御MPU954aは、電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に供給する制御を行っている場合には、払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得ることができるようになっている。これにより、スプロケット837を停止させた状態を維持することができるようになっているものの、払出制御MPU954aが静止トルクを得るために電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに出力している状態であるにもかかわらず、払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに何らかの原因により不具合が発生してモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に供給することが困難な状態となっている場合には、静止トルクを得ることができなくなる。このような状態となると、払出モータ839は、無励磁状態となるため、払出モータ839の各相(/B相、B相、A相、/A相)に電圧が全く印加されていない状態となることにより、極めて小さいトルクで出力軸839aを回転させることができる状態となる(各相のうち、一の相から次の相へ回転させるごとに、カクカクと出力軸839aを回転させることができる状態となる)。
そうすると、例えば、図53(a)に示した賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る複数の遊技球の自重がスプロケット837に形成される凹部837aに負荷されることにより、この負荷がスプロケット837を回転させる方向へ働いて、これにより発生するトルクにより無励磁状態となっている払出モータ839のトルクが負けるため、スプロケット837が回転することとなるという問題がある。
このため、払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに何らかの原因により不具合が発生しているか否かを監視するための制御が必要となる。上述したように、検出円盤842とスプロケット837とは、賞球スプロケット軸845を中心として一体的に回転することができるようになっているため、払出モータ839の出力軸839aが回転すると、出力軸839aに固着される賞球モータギヤ840が回転することにより、この回転が賞球中間ギヤ841、そして検出円盤842の賞球スプロケットギヤ844を介してスプロケット837を回転するように伝達されるようになっている。つまり、払出制御MPU954aは、静止トルクを得るために電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに出力している状態であるにもかかわらず、スプロケット837が回転すると、スプロケット837と一体的に検出円盤842も回転するため、検出円盤842の外周に形成される検出切欠842bを検出する回転角スイッチ846からの検出信号に基づいて、検出円盤842が回転している状態、つまりスプロケット837が回転している状態であるか否かを判別する制御を行っている。
この制御は、上述した2msごとに繰り返し行われる払出制御メイン処理における払出モータ駆動回路954dの不具合の有無を判別する処理において行われるようになっている。つまり、上述した2msごとに繰り返し行われる払出制御メイン処理における払出モータ駆動回路954dの不具合の有無を判別する処理において、払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに何らかの原因により不具合が発生しているか否かを監視することができるようになっている。
払出制御MPU954aは、上述した2msごとに繰り返し行われる払出制御メイン処理における遊技球の払い出しに関する主要動作を設定する処理において、静止トルクを得るために電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに出力している状態であるにもかかわらず、払出モータ駆動回路954dの不具合の有無を判別する処理において、回転角スイッチ846からの検出信号に基づいて、検出円盤842の外周に形成される検出切欠842bから検出円盤842の外周へ変化した状態を検出すると(又は検出円盤842の外周から検出円盤842の外周に形成される検出切欠842bへ変化した状態を検出すると)、検出円盤842が回転している状態、つまりスプロケット837が回転している状態であると判別して、払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに何らかの原因により不具合が発生していると判別する。そして、払出制御MPU954aは、払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに何らかの原因により不具合が発生していると判別すると、上述した2msごとに繰り返し行われる払出制御メイン処理におけるエラーLED表示器953への表示データを作成する処理において、その旨を報知するために、英字「H」となる表示データを作成してリセット機能付き払出制御出力回路954caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路954caから駆動信号をエラーLED表示器953に出力する。そして、払出制御MPU954aは、上述した2msごとに繰り返し行われる払出制御メイン処理におけるエラーLED表示器953に表示される内容を伝えるコマンドを遊技盤5に備える主制御基板へ送信する処理において、払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに何らかの原因により不具合が発生している旨を伝えるコマンド(状態コマンド)を遊技盤5に備える主制御基板へ送信する。遊技盤5に備える主制御基板は、このコマンドを受信すると、遊技盤5に備える周辺制御基板へ送信するようになっている。遊技盤5に備える周辺制御基板は、遊技盤5に備える液晶表示装置及び/又は扉枠3に備える上皿液晶表示装置244においてその旨を伝える「払出モータ駆動回路に不具合が発生しています。係員をお呼びください。」というメッセージを表示したり、扉枠3に備えるトップユニット350、左サイドユニット400、右サイドユニット450に収容される発光部材(発光部材は、図示しない複数のLEDから構成されている。)を所定の発光態様で発光したり、本体枠4のスピーカユニット920、扉枠3の左サイドユニット400に備える左スピーカユニット430、扉枠3のトップユニット350に備えるトップスピーカ、そして扉枠3の右サイドユニット450に備える右スピーカユニット480からその旨を伝える「払出モータ駆動回路に不具合が発生しています。係員をお呼びください。」という音声が繰り返し流れたりする。
このように、上述した2msごとに繰り返し行われる払出制御メイン処理における払出モータ駆動回路954dの不具合の有無を判別する処理において、払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに何らかの原因により不具合が発生しているか否かを監視することができるとともに、電圧切替回路954daに何らかの原因により不具合が発生している場合には、その旨を、ホールの店員等の係員に報知することができるようになっている。
以上説明した本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技球を払い出す小型のモータである図48の払出モータ839の出力軸の回転による払出制御を行う、図4の払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951を備えている。このパチンコ遊技機1では、さらに、電圧切替制御部としての図56の払出モータ駆動回路954dにおける電圧切替回路954da、検出部としての図48の払出装置830に収容される賞球ケース内基板847に実装される回転角スイッチ846、報知手段として遊技盤5に備える液晶表示装置及び/又は扉枠3に備える上皿液晶表示装置244等を備えている。電圧切替回路954daは、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動するための駆動用電圧としての+12Vと、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための電圧であって駆動用電圧と比べて電圧が低い停止用電圧としての+5Vと、を相互に切り替えることができるものである。検出部としての回転角スイッチ846は、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aの回転を検出することができるものである。報知手段としての遊技盤5に備える液晶表示装置及び/又は扉枠3に備える上皿液晶表示装置244は、所定の情報を報知することができるものである。
具体的には、払出モータ839の出力軸839aが回転すると、出力軸839aに固着される賞球モータギヤ840が回転することにより、この回転が賞球中間ギヤ841、そして検出円盤842の賞球スプロケットギヤ844を介してスプロケット837を回転するように伝達されるようになっているため、検出円盤842の外周に形成される検出切欠842bを回転角スイッチ846が検出することによりスプロケット837の回転、換言すると、上述した複数のギヤを介して払出モータ839の出力軸839aの回転を検出することができる。報知手段としての遊技盤5に備える液晶表示装置及び/又は扉枠3に備える上皿液晶表示装置244は、演出の進行によりさまざまな画像を所定の情報として表示して遊技者に報知することができる。報知手段としては、上記した遊技盤5に備える液晶表示装置及び/又は扉枠3に備える上皿液晶表示装置244のほかに、扉枠3に備えるトップユニット350、左サイドユニット400、右サイドユニット450に収容される発光部材(発光部材は、図示しない複数のLEDから構成されている。)、本体枠4のスピーカユニット920、扉枠3の左サイドユニット400に備える左スピーカユニット430、扉枠3のトップユニット350に備えるトップスピーカ、そして扉枠3の右サイドユニット450に備える右スピーカユニット480も挙げることができる。
払出制御基板951は、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得る場合には駆動用電圧としての+12Vを小型のモータである払出モータ839へ供給するために電圧切替回路954daへ制御信号である電圧切替信号を出力する制御を行う一方、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得る場合には停止用電圧としての+5Vを小型のモータである払出モータ839へ供給するために電圧切替回路954daへ制御信号である電圧切替信号を出力する制御を行うことができるようになっている。払出制御基板951は、停止用電圧としての+5Vを小型のモータである払出モータ839へ供給するために電圧切替回路954daへ制御信号を出力する状態において、検出部としての回転角スイッチ846からの検出信号に基づいて、小型のモータである払出モータ839の出力軸が回転している状態であると判別すると、電圧切替回路954daに不具合が発生している旨を上述した報知手段で報知する制御を行うことができるようになっている。
具体的には、払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得る場合には、払出制御基板951の払出制御MPU954aが電圧切替信号の論理(例えば、HI)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する制御を行う一方、払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得る場合には、払出制御基板951の払出制御MPU954aが電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に供給する制御を行うようになっている。
そして、払出制御基板951の払出制御MPU954aは、静止トルクを得るために電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに出力している状態であるにもかかわらず、回転角スイッチ846からの検出信号に基づいて、検出円盤842の外周に形成される検出切欠842bから検出円盤842の外周へ変化した状態を検出すると、検出円盤842が回転している状態、つまりスプロケット837が回転している状態であると判別して、払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに何らかの原因により不具合が発生していると判別する。
そして、払出制御基板951の払出制御MPU954aは、払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに何らかの原因により不具合が発生している旨を伝えるコマンド(状態コマンド)を遊技盤5に備える主制御基板へ送信する。遊技盤5に備える主制御基板は、このコマンドを受信すると、遊技盤5に備える周辺制御基板へ送信するようになっている。遊技盤5に備える周辺制御基板は、遊技盤5に備える液晶表示装置及び/又は扉枠3に備える上皿液晶表示装置244においてその旨を伝える「払出モータ駆動回路に不具合が発生しています。係員をお呼びください。」というメッセージを表示したり、扉枠3に備えるトップユニット350、左サイドユニット400、右サイドユニット450に収容される発光部材(発光部材は、図示しない複数のLEDから構成されている。)を所定の発光態様で発光したり、本体枠4のスピーカユニット920、扉枠3の左サイドユニット400に備える左スピーカユニット430、扉枠3のトップユニット350に備えるトップスピーカ、そして扉枠3の右サイドユニット450に備える右スピーカユニット480からその旨を伝える「払出モータ駆動回路に不具合が発生しています。係員をお呼びください。」という音声が繰り返し流れたりする。
このように、払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに入力される制御信号(具体的には、電圧切替信号の論理)に基づいて、駆動用電圧として+12Vを小型のモータである払出モータ839へ供給することによって小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得ることができるとともに、停止用電圧として+5Vを小型のモータである払出モータ839へ供給することによって小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得ることができるようになっている。
また、停止用電圧として+5Vを小型のモータである払出モータ839へ供給するために払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daへ制御信号として電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して出力する状態において、回転角スイッチ846からの検出信号に基づいて、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aが回転している状態であると判別すると、払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに不具合が発生している旨を上述した報知手段で報知することができるようになっているため、ホールの店員等の係員へ払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daの不具合の発生を伝えることできる。
これにより、払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに入力される制御信号(具体的には、電圧切替信号の論理)に基づいて、駆動トルクと静止トルクとを得ることができるとともに、駆動トルクと静止トルクとを得ることができる重要な払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daの不具合の発生を監視して払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに不具合が発生すると、その旨を、ホールの店員等の係員へ報知することができるようになっている。したがって、払出モータ839として小型のモータを採用することができる。
因みに、従来より、払出装置に備える払出モータを駆動するための駆動用電圧として+12Vや払出制御基板(払出制御手段)への作動制御電圧としてロジック用の+5Vなどを作成して、払出制御基板(払出制御手段)等に対して供給する遊技機が提案されている(例えば、特開2013-013677号公報(段落[0117]、及び図15))。
ところが、この文献に記載される遊技機においては、払出制御基板(払出制御手段)という制御系に対して作動制御電圧としてロジック用の+5Vが供給され、払出モータという駆動系に対して駆動用電圧として+12Vが供給されているため、遊技機の電源断時において、払出制御基板(払出制御手段)という制御系が払出モータという駆動系に対して先に作動停止する状態となると、払出モータが払出制御基板(払出制御手段)による制御下でなくなることにより払出モータの出力軸が回転するおそれがあるという問題があった。
そこで、本実施形態においては、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電源断時による影響を受けて払出モータの出力軸が回転することを防止することに寄与することができるようにもなっている。
具体的に説明すると、以上説明した本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技球を払い出す小型のモータである図48の払出モータ839の出力軸の回転による払出制御を行う、図4の払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951を備えている。このパチンコ遊技機1では、さらに、図56の払出モータ駆動回路954dにおける電圧切替回路954da、図4の電源基板ボックス930に収容された電源基板931を備えている。電圧切替回路954daは、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動するための駆動用電圧としての+12Vと、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための電圧であって駆動用電圧と比べて電圧が低い停止用電圧としての+5Vと、を相互に切り替えることができるものである。電源基板931は、駆動用電圧としての+12Vと、停止用電圧としての+5Vと、を作成することができるものである。
払出制御基板951は、停止用電圧としての+5Vが作動制御電圧として供給されることで作動することができるようになっている。払出制御基板951は、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得る場合には駆動用電圧としての+12Vを小型のモータである払出モータ839へ供給するために電圧切替回路954daへ制御信号である電圧切替信号を出力する一方、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得る場合には停止用電圧としての+5Vを小型のモータである払出モータ839へ供給するために電圧切替回路954daへ制御信号である電圧切替信号を出力することができるようになっている。払出制御基板951は、電源断時において、停止用電圧としての+5Vを払出モータ839へ強制的に供給するために電圧切替回路954daへ制御信号を出力することができるようになっている。
具体的には、払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得る場合には、払出制御基板951の払出制御MPU954aが電圧切替信号の論理(例えば、HI)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する制御を行う一方、払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得る場合には、払出制御基板951の払出制御MPU954aが電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に供給する制御を行うようになっている。そして、払出制御基板951の払出制御MPU954aは、電源断時(パチンコ遊技機1への電源を遮断する場合のほかに、停電や瞬停により電源が遮断される場合も含む。)において、モータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に強制的に供給するために、電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して電圧切替回路954daに出力し、払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを発生させる制御を行うようになっている。
このように、電圧切替回路954daに入力される制御信号(具体的には、電圧切替信号の論理)に基づいて、駆動用電圧として+12Vを小型のモータである払出モータ839へ供給することによって小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得ることができるとともに、停止用電圧として+5Vを小型のモータである払出モータ839へ供給することによって小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得ることができるようになっている。
ところで、パチンコ遊技機1の電源断時において、払出制御基板951の払出制御MPU954aという制御系が払出モータ839という駆動系に対して先に作動停止する状態となると、払出モータ839が払出制御基板951の払出制御MPU954aによる制御下でなくなることにより払出モータ839の出力軸839aが回転するおそれがある。そこで、パチンコ遊技機1の電源断時において、払出制御基板951の払出制御MPU954aがモータ駆動電圧としての停止用電圧として+5Vを払出モータ839へ強制的に供給するために電圧切替回路954daへ制御信号である電圧切替信号の論理(例えば、LOW)を出力することにより、払出制御基板951の払出制御MPU954aという制御系と、払出モータ839という駆動系と、に対して、パチンコ遊技機1の電源断時において同一の+5Vが供給されることにより(つまり、払出制御基板951の払出制御MPU954aという制御系に対しては、作動制御電圧である+5Vが供給されるとともに、払出モータ839という駆動系に対してはモータ駆動電圧としての停止用電圧として+5Vが供給されることにより)、払出制御基板951の払出制御MPU954aという制御系が作動停止する時期と、払出モータ839という駆動系が作動停止する時期と、を一致させることができるようになっている。これにより、払出制御基板951の払出制御MPU954aが払出モータ839の出力軸839aの回転位置を把握した状態でパチンコ遊技機1の電源が遮断された状態とすることができる。つまり、パチンコ遊技機1への電源が遮断される直前まで、払出モータ839を払出制御基板951の払出制御MPU954aの制御下とすることができる。したがって、パチンコ遊技機1の電源断時による影響を受けて払出モータ839の出力軸839aが回転することを防止することに寄与することができる。
因みに、従来より、待機位置と作動位置との間を往復移動する可動体をモータにより作動させる遊技機が提案されている(例えば、特開2010-119670号公報(段落[0056]、図12、及び図13))。
ところで、最近の遊技機では、複数の可動体を遊技盤に備えることにより各可動体を作動させることで可動体による迫力ある演出を遊技者に提供している。このため、最近の遊技機では、各可動体を作動させるモータも遊技盤に複数設ける必要があり、遊技盤の奥行き方向の距離寸法が大きくならないように小型のステッピングモータを採用するとともに、各小型のステッピングモータを同一種類に統一することでコストを抑えている。
遊技盤のほかに、例えば遊技球を払い出す払出装置にも払出モータが備えられている。払出モータは、その出力軸の回転が賞球として遊技者に遊技球を払い出すスプロケットに伝達されるようになっており、払出制御基板(払出制御手段)により制御されている。
払出モータとして小型のステッピングモータを採用すると、小型のステッピングモータに電圧が印加されていない状態においては、極めて小さいトルクで小型のステッピングモータの出力軸を回転させることができる状態となるため、遊技球の自重によるスプロケットへの負荷により小型のステッピングモータの出力軸が回転することとなる。これを防止するために、小型のステッピングモータの出力軸を回転させていない状態においても、小型のステッピングモータの静止トルクを得るために、小型のステッピングモータに電圧を印加して電流を流す必要がある。
ところが、小型のステッピングモータに印加する電圧として低い電圧とすると、電力の消費を抑えることができるものの、これでは、小型のステッピングモータの駆動トルクが小さくなることにより、遊技球の自重によるスプロケットへの負荷がスプロケットを回転させる方向へ働いて、これにより発生するトルクに小型のステッピングモータの駆動トルクが負けるため、スプロケットを回転させることができなくなるし、これに対して、小型のステッピングモータに印加する電圧として高い電圧とすると、小型の払出モータの駆動トルクが大きくなることにより、遊技球の自重によるスプロケットへの負荷がスプロケットを回転させる方向へ働いても、これにより発生するトルクに小型のステッピングモータの駆動トルクが勝るため、小型のステッピングモータの出力軸の回転をスプロケットへ伝達させてスプロケットを回転させることができるものの、これでは、電力の消費を抑えることができなくなり、払出モータとして小型のステッピングモータを採用することが極めて困難であった。
そこで、本実施形態においては、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、払出モータとして小型のステッピングモータを採用することができるようにもなっている。
具体的に説明すると、以上説明した本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技球を払い出す小型のステッピングモータである図48の払出モータ839の出力軸の回転による払出制御を行う、図4の払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951を備えている。このパチンコ遊技機1では、さらに、図56の払出モータ駆動回路954dにおける電圧切替回路954daを備えている。電圧切替回路954daは、小型のステッピングモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動するための駆動用電圧としての+12Vと、小型のステッピングモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための電圧であって駆動用電圧と比べて電圧が低い停止用電圧としての+5Vと、を相互に切り替えることができるものである。
払出制御基板951は、小型のステッピングモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得る場合には駆動用電圧としての+12Vを小型のステッピングモータである払出モータ839へ供給するために電圧切替回路954daへ制御信号である電圧切替信号を出力するとともに、小型のステッピングモータである払出モータ839のコイルを2相ずつ励磁する2相励磁方式による制御を行う一方、小型のステッピングモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得る場合には停止用電圧としての+5Vを小型のステッピングモータである払出モータ839へ供給するために電圧切替回路954daへ制御信号である電圧切替信号を出力するとともに、小型のステッピングモータである払出モータ839のコイルを2相ずつ励磁する2相励磁方式により制御を行うようになっている。
具体的には、払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得る場合には、払出制御MPU954aが電圧切替信号の論理(例えば、HI)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する制御を行うとともに、小型のステッピングモータである払出モータ839のコイルを2相ずつ励磁する2相励磁方式による制御を行う一方、払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得る場合には、払出制御MPU954aが電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に供給する制御を行うとともに、小型のステッピングモータである払出モータ839のコイルを2相ずつ励磁する2相励磁方式による制御を行うようになっている。
このように、電圧切替回路954daに入力される制御信号(具体的には、電圧切替信号の論理)に基づいて、駆動用電圧として+12Vを小型のステッピングモータである払出モータ839へ供給することによって小型のステッピングモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得ることができるとともに、停止用電圧として+5Vを小型のステッピングモータである払出モータ839へ供給することによって小型のステッピングモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得ることができるようになっている。そして、駆動用電圧として+12Vを小型のステッピングモータである払出モータ839へ供給することによって小型のステッピングモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得る場合や、停止用電圧として+5Vを小型のステッピングモータである払出モータ839へ供給することによって小型のステッピングモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得る場合においても、小型のステッピングモータである払出モータ839のコイルを2相ずつ励磁するという2相励磁方式により小型のステッピングモータである払出モータ839の制御を行うことにより、例えば、小型のステッピングモータである払出モータ839のコイルを1相ずつ励磁するという1相励磁方式と比べると、小型のステッピングモータである払出モータ839が発生させるトルクを大きくすることができるため、駆動トルクと静止トルクとを大きくすることができる。
これにより、2相励磁方式により小型のステッピングモータである払出モータ839の制御を行うことにより駆動トルクを大きくすることに寄与することができるため、例えば、図53(a)に示した、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る複数の遊技球の自重がスプロケット837に形成される凹部837aに負荷されることにより、この負荷が、スプロケット837が払出モータ839の出力軸839aによって回転駆動される回転方向と反対となる回転方向へ働いても、これにより発生するトルクに払出モータ839の駆動トルクが勝るため、払出モータの出力軸839aの回転をスプロケット837へ伝達させてスプロケット837をスムーズに回転させることができる。そして、2相励磁方式により小型のステッピングモータである払出モータ839の制御を行うことにより静止トルクを大きくすることに寄与することができるため、例えば、図53(a)に示した、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る複数の遊技球の自重がスプロケット837に形成される凹部837aに負荷されることにより、この負荷がスプロケット837を回転させる方向へ働いても、これにより発生するトルクに払出モータ839の静止トルクが勝るため、払出モータの出力軸839aを停止させた状態を維持することができ、スプロケット837を停止させた状態を維持することができる。したがって、払出モータ839として小型のステッピングモータを採用することができる。また、払出モータ839として遊技盤5に備える可動体を作動させる小型のステッピングモータと同一種類のものを採用することにより遊技機のコストを抑えることに寄与することもできる。
因みに、従来より、待機位置と作動位置との間を往復移動する可動体をモータにより作動させる遊技機が提案されている(例えば、特開2010-119670号公報(段落[0056]、図12、及び図13))。
ところで、最近の遊技機では、複数の可動体を遊技盤に備えることにより各可動体を作動させることで可動体による迫力ある演出を遊技者に提供している。このため、最近の遊技機では、各可動体を作動させるモータも遊技盤に複数設ける必要があり、遊技盤の奥行き方向の距離寸法が大きくならないように小型のモータを採用するとともに、各小型のモータを同一種類に統一することでコストを抑えている。
遊技盤のほかに、例えば遊技球を払い出す払出装置にも払出モータが備えられている。払出モータは、その出力軸の回転が賞球として遊技者に遊技球を払い出すスプロケットに伝達されるようになっており、払出制御基板(払出制御手段)により制御されている。
払出モータとして小型のモータを採用すると、小型のモータに電圧が印加されていない状態においては、極めて小さいトルクで小型のモータの出力軸を回転させることができる状態となるため、遊技球の自重によるスプロケットへの負荷により小型のモータの出力軸が回転することとなる。これを防止するために、小型のモータの出力軸を回転させていない状態においても、小型のモータの静止トルクを得るために、小型のモータに電圧を印加して電流を流す必要がある。
ところが、小型のモータに印加する電圧として低い電圧とすると、電力の消費を抑えることができるものの、これでは、小型のモータの駆動トルクが小さくなることにより、遊技球の自重によるスプロケットへの負荷がスプロケットを回転させる方向へ働いて、これにより発生するトルクに小型のモータの駆動トルクが負けるため、スプロケットを回転させることができなくなるし、これに対して、小型のモータに印加する電圧として高い電圧とすると、小型の払出モータの駆動トルクが大きくなることにより、遊技球の自重によるスプロケットへの負荷がスプロケットを回転させる方向へ働いても、これにより発生するトルクに小型のモータの駆動トルクが勝るため、小型のモータの出力軸の回転をスプロケットへ伝達させてスプロケットを回転させることができるものの、これでは、電力の消費を抑えることができなくなり、払出モータとして小型のモータを採用することが極めて困難であった。
そこで、本実施形態においては、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、払出モータとして小型のモータを採用することができるようにもなっている。
具体的に説明すると、以上説明した本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技球を払い出す小型のモータである図48の払出モータ839の出力軸の回転による払出制御を行う、図4の払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951を備えている。このパチンコ遊技機1では、さらに、図48の計数スイッチ838と、図56の払出モータ駆動回路954dにおける電圧切替回路954daと、を備えている。計数スイッチ838は、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aが回転されて払い出された遊技球を検出することができるものである。電圧切替回路954daは、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動するための駆動用電圧としての+12Vと、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための電圧であって駆動用電圧と比べて電圧が低い停止用電圧としての+5Vと、を相互に切り替えることができるものである。
払出制御基板951は、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得る場合には駆動用電圧としての+12Vを小型のモータである払出モータ839へ供給するために電圧切替回路954daへ制御信号である電圧切替信号を出力する一方、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得る場合には停止用電圧としての+5Vを小型のモータである払出モータ839へ供給するために電圧切替回路954daへ制御信号である電圧切替信号を出力するようになっている。
具体的には、払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得る場合には、払出制御MPU954aが電圧切替信号の論理(例えば、HI)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する制御を行う一方、払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得る場合には、払出制御MPU954aが電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に供給する制御を行うようになっている。
また、払出制御基板951は、電圧切替回路954daへ制御信号を出力して駆動用電圧としての+12Vを小型のモータである払出モータ839へ供給して小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出している場合であって、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させるときには、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して最後に払い出した遊技球が計数スイッチ838により検出されるまでに要する時間が経過するまで小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動し続け、この時間が経過すると、これを契機として、電圧切替回路954daへ制御信号を出力して駆動用電圧としての+12Vから停止用電圧としての+5Vへ切り替えて小型のモータである払出モータ839へ供給するようになっている。
具体的には、払出制御MPU954aは、電圧切替信号の論理(例えば、HI)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する制御を行うことにより払出モータ839の出力軸839aを回転駆動してスプロケット837を回転させて遊技球を払い出している場合であって、払出モータ839の出力軸839aを停止させるときには、払出モータ839の出力軸839aを回転駆動してスプロケット837の凹部837a,837bにおいて受け入れた遊技球を賞球通路831c,832cへ最後に送り出した後(例えば、遊技者が図7に示したハンドルレバー504を回転操作すると、図7に示した球発射装置680によってハンドルレバー504の回転角度に応じた強さで遊技球が図7に示した遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、図示しない入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿201に払出される。入賞口として始動入賞口に遊技球が受入れられると、賞球として遊技球を3球だけ払出装置830によって上皿201に払出すためのコマンド(賞球コマンド)が遊技盤5に備える遊技の進行を制御する図示しない主制御基板から払出制御基板951へ送信される。払出制御基板951の払出制御MPU954aは、電圧切替信号の論理(例えば、HI)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する制御を行うことにより払出モータ839の出力軸839aを回転駆動してスプロケット837を回転させて、1球目の遊技球、2球目の遊技球、そして最後に3球目の遊技球を1球ずつスプロケット837の凹部837a,837bにおいて受け入れた遊技球を賞球通路831c,832cへ送り出した後)、この最後に送り出した遊技球(上述した例において、賞球として遊技球を3球だけ払出す場合には、最後に送り出した遊技球は3番目の遊技球)が賞球通路831c,832cを通って計数スイッチ838により検出されるまでに要する時間(予め設定された時間であって、例えば、数百ミリ秒に設定されている。)が経過するまで払出モータ839の出力軸839aを回転駆動し続け、この時間が経過すると、払出モータ839の出力軸839aの回転駆動を停止して払出モータ839の出力軸839aを停止させ、これを契機として、電圧切替信号の論理を切り替えるために(例えば、HIからLOWへ切り替えるために)、この電圧切替信号の論理(例えば、LOW)を設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に供給する制御を行うことにより、払出モータ839に静止トルクを発生させて払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持している。
このように、電圧切替回路954daに入力される制御信号(具体的には、電圧切替信号の論理)に基づいて、駆動用電圧として+12Vを小型のモータである払出モータ839へ供給することによって小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得ることができるとともに、停止用電圧として+5Vを小型のモータである払出モータ839へ供給することによって小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得ることができるようになっている。そして、電圧切替回路954daへ制御信号(具体的には、電圧切替信号の論理)を出力して駆動用電圧として+12Vを小型のモータである払出モータ839へ供給して小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出している場合であって、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させるときには、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して最後に払い出した遊技球が計数スイッチ838により検出されるまでに要する時間が経過するまで小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動し続け、この時間が経過すると、これを契機として、電圧切替回路954daへ制御信号(具体的には、電圧切替信号の論理)を出力して駆動用電圧として+12Vから停止用電圧として+5Vへ切り替えて小型のモータである払出モータ839へ供給するようになっている。したがって、払出モータ839として小型のモータを採用することができる。また、払出モータ839として遊技盤5に備える可動体を作動させる小型のモータと同一種類のものを採用することにより遊技機のコストを抑えることに寄与することもできる。
また、具体的に説明すると、以上説明した本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技球を払い出す小型のモータである図48の払出モータ839の出力軸の回転による払出制御を行う、図4の払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951を備えている。このパチンコ遊技機1では、さらに、図56の払出モータ駆動回路954dにおける電圧切替回路954daを備えている。この電圧切替回路954daは、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動するための駆動用電圧としての+12Vと、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための電圧であって駆動用電圧と比べて電圧が低い停止用電圧としての+5Vと、を相互に切り替えることができるものである。
払出制御基板951は、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得る場合には駆動用電圧としての+12Vを小型のモータである払出モータ839へ供給するために電圧切替回路954daへ制御信号である電圧切替信号を出力する一方、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得る場合には停止用電圧としての+5Vを小型のモータである払出モータ839へ供給するために電圧切替回路954daへ制御信号である電圧切替信号を出力するようになっている。
具体的には、払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得る場合には、払出制御MPU954aが電圧切替信号の論理(例えば、HI)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する制御を行う一方、払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得る場合には、払出制御MPU954aが電圧切替信号の論理(例えば、LOW)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に供給する制御を行うようになっている。
このように、電圧切替回路954daに入力される制御信号(具体的には、電圧切替信号の論理)に基づいて、駆動用電圧として+12Vを小型のモータである払出モータ839へ供給することによって小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを回転駆動して遊技球を払い出すための駆動トルクを得ることができるとともに、停止用電圧として+5Vを小型のモータである払出モータ839へ供給することによって小型のモータである払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持するための静止トルクを得ることができるようになっている。したがって、払出モータ839として小型のモータを採用することができる。また、払出モータ839として遊技盤5に備える可動体を作動させる小型のモータと同一種類のものを採用することにより遊技機のコストを抑えることに寄与することもできる。
因みに、従来より、待機位置と作動位置との間を往復移動する可動体をモータにより作動させる遊技機が提案されている(例えば、特開2010-119670号公報(段落[0056]、図12、及び図13))。
ところで、最近の遊技機では、複数の可動体を遊技盤に備えることにより各可動体を作動させることで可動体による迫力ある演出を遊技者に提供している。このため、最近の遊技機では、各可動体を作動させるモータも遊技盤に複数設ける必要があり、遊技盤の奥行き方向の距離寸法が大きくならないように小型のモータを採用するとともに、各小型のモータを同一種類に統一することでコストを抑えている。
遊技盤のほかに、例えば遊技球を払い出す払出装置にも払出モータが備えられている。払出モータは、その出力軸の回転が賞球として遊技者に遊技球を払い出すスプロケットに伝達されるようになっており、払出制御基板(払出制御手段)により制御されている。スプロケットを回転停止させる制御が払出制御基板(払出制御手段)により行われている状態においては、スプロケットで受け止めた遊技球に後続の遊技球が連なることにより遊技球の自重による負荷がスプロケットに付与された状態が維持されることとなる。
ところが、払出モータとして小型のモータを採用すると、小型のモータの静止トルクが極めて小さいため、スプロケットを回転停止させる制御が払出制御基板(払出制御手段)により行われている状態であっても、遊技球の自重によるスプロケットへの負荷が小型のモータの静止トルクを超えると、スプロケットが遊技球の自重による負荷により回転するおそれがあった。このため、従来より遊技機においては、払出モータとして静止トルクが大きい大型のモータを採用する必要があり、小型のモータを採用することが極めて困難であった。
そこで、本実施形態においては、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、払出モータとして小型のモータを採用することができるようにもなっている。
具体的に説明すると、以上説明した本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技球を払い出す図4の払出装置830の払出制御を行う、図4の払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951を備えている。払出装置830は、前方に形成される球通路としての図51(a),(b)の一対の屈曲通路壁831aによって球通路を構成する屈曲通路831bと、後方に形成される球通路としての図52(a),(b)の一対の屈曲通路壁832aによって球通路を構成する屈曲通路832bと、をそれぞれ通る遊技球を払い出すことができる2条に構成されている。
払出装置830は、少なくとも、小型のモータである図48の払出モータ839、図48のスプロケット837を備えている。小型のモータである払出モータ839は、電気的駆動源であり、スプロケット837は、小型のモータである払出モータ839の出力軸839aの回転が伝達されて回転することができるものである。
スプロケット837の外周部には、前方に形成される球通路としての図51(a),(b)の一対の屈曲通路壁831aによって球通路を構成する屈曲通路831bを通る遊技球を1球受け入れることができる前凹部が一定個数設けられるとともに、後方に形成される球通路としての図52(a),(b)の一対の屈曲通路壁832aによって球通路を構成する屈曲通路832bを通る遊技球を1球受け入れることができる後凹部が一定個数設けられている。
具体的には、賞球表箱831に形成される球送出空間831kには、スプロケット837が回転自在に配置されている。スプロケット837の外周部には、球送出空間831kにおいて、遊技球が嵌り合う3つの凹部837aが120度ごとに等分されて形成されている。また、賞球表箱831の後面を覆う賞球裏箱832にも球送出空間832kが形成され、この球送出空間832kにおいても、スプロケット837が回転自在に配置されている。スプロケット837の外周部には、球送出空間832kにおいて、遊技球が嵌り合う3つの凹部837bが120度ごとに等分されて形成されている。つまり、賞球表箱831に形成される球送出空間831kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837aは、賞球表箱831の後面を覆う賞球裏箱832に形成される球送出空間832kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837bよりも前側に配置されている。また、賞球表箱831に形成される球送出空間831kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837aと、賞球裏箱832に形成される球送出空間832kに配置されるスプロケット837の3つの凹部837bと、は相互に60度ずつズラして配置されている。
小型のモータである払出モータ839が払出制御基板951により停止制御された状態においては、スプロケット837と前凹部との境界部分である稜線上で、前方に形成される球通路路としての図51(a),(b)の一対の屈曲通路壁831aによって球通路を構成する屈曲通路831bを通る遊技球を受け止める状態とすることによってその遊技球の自重がスプロケット837に一の回転方向へ負荷されるとともに、スプロケット837の外周部と後凹部との境界部分である稜線上で、後方に形成される球通路としての図52(a),(b)の一対の屈曲通路壁832aによって球通路を構成する屈曲通路832bを通る遊技球を受け止める状態とすることによってその遊技球の自重がスプロケット837に一の回転方向と反対方向となる他の回転方向へ負荷されるようになっている。
具体的には、スプロケット837が定位置で停止した状態においては、賞球表箱831に形成される球送出空間831kにおいて、図53(a)に示すように、スプロケット837の外周部と凹部837aとの境界部分である稜線上で賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球を受け止める状態となるとともに、賞球裏箱832に形成される球送出空間832kにおいて、図53(b)に示すように、スプロケット837の外周部と凹部837bとの境界部分である稜線上で賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球を受け止める状態となるように払出制御基板951により制御されている。これにより、図53(a)に示した、スプロケット837の外周部と凹部837aとの境界部分である稜線上で賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球を受け止める状態とするとともに、賞球裏箱832に形成される球送出空間832kにおいて、図53(b)に示した、スプロケット837の外周部と凹部837bとの境界部分である稜線上で賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球を受け止める状態とすることにより、スプロケット837が定位置に維持されている状態では、賞球表箱831に形成される屈曲通路831bを通る遊技球の自重がスプロケット837の外周部と凹部837aとの境界部分である稜線上に対してスプロケット837を、払出装置830を正面側から見て、時計回りに回転させる方向(図53(a)では、時計回り方向)へ負荷を付与することができる状態となるのに対して、賞球裏箱832に形成される屈曲通路832bを通る遊技球の自重がスプロケット837の外周部と凹部837bとの境界部分である稜線上に対してスプロケット837を、払出装置830を正面側から見て、反時計回りに回転させる方向(図53(b)では、時計回り方向)へ負荷を付与することができる状態となる。
このように、小型のモータである払出モータ839が払出制御基板951により停止制御された状態においては、スプロケット837の外周部と前凹部としての凹部837aとの境界部分である稜線上で前方に形成される球通路としての図51(a),(b)の一対の屈曲通路壁831aによって球通路を構成する屈曲通路831bを通る遊技球を受け止める状態とすることによってその遊技球の自重がスプロケット837に一の回転方向(払出装置830を正面側から見て、時計回りに回転させる方向)へ負荷されるとともに、スプロケット837の外周部と後凹部としての凹部837bの境界部分である稜線上で後方に形成される球通路としての図52(a),(b)の一対の屈曲通路壁832aによって球通路を構成する屈曲通路832bを通る遊技球を受け止める状態とすることによってその遊技球の自重がスプロケット837に一の回転方向(払出装置830を正面側から見て、時計回りに回転させる方向)と反対方向となる他の回転方向(払出装置830を正面側から見て、反時計回りに回転させる方向)へ負荷されるようになっている。これにより、スプロケット837は、遊技球の自重によって、一の回転方向(払出装置830を正面側から見て、時計回りに回転させる方向)へ負荷されるとともに、一の回転方向(払出装置830を正面側から見て、時計回りに回転させる方向)と反対方向となる他の回転方向(払出装置830を正面側から見て、反時計回りに回転させる方向)へ負荷されることにより、互いの回転方向への回転がそれぞれ打ち消し合うことができるようになっているため、大型のモータが有する静止トルクと比べて極めて小さい静止トルクを有する小型のモータを払出モータ839として採用しても、払出制御基板951により払出モータ839が停止制御された状態において、スプロケット837を停止した状態を維持することができる。したがって、払出モータ839として小型のモータを採用することができる。また、払出モータ839として、遊技盤5に備える可動体を作動させる小型のモータと同一種類のものを採用することによりパチンコ遊技機1のコストを抑えることに寄与することもできる。
[7.別例]
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、図56に示した払出モータ駆動回路954dに備える電圧切替回路954aとドライブICPIC60とを払出制御MPU954aが制御することにより小型のモータ(小型のステッピングモータ)である払出モータ839の駆動トルクや静止トルクを発生させる制御を行っていたが、このような回路及び制御は、遊技盤5の各種可動体を作動させるために設けられる小型のステッピングモータに対しても適用することができる。
また、上述した実施形態では、払出制御基板951は、停止用電圧としての+5Vを小型のモータである払出モータ839へ供給するために電圧切替回路954daへ制御信号を出力する状態において、検出部としての回転角スイッチ846からの検出信号に基づいて、小型のモータである払出モータ839の出力軸が回転している状態であると判別すると、電圧切替回路954daに不具合が発生している旨を上述した報知手段で報知する制御を行うことができるようになっていたが、検出部として図48の払出装置830に備える計数スイッチ838からの検出信号に基づいて行うこともできる。払出制御MPU954aは、上述したように、電圧切替信号の論理(例えば、HI)に設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+12Vを払出モータ839に供給する制御を行うことにより払出モータ839の出力軸839aを回転駆動してスプロケット837を回転させて遊技球を払い出している場合であって、払出モータ839の出力軸839aを停止させるときには、払出モータ839の出力軸839aを回転駆動してスプロケット837の凹部837a,837bにおいて受け入れた遊技球を賞球通路831c,832cへ最後に送り出した後、この最後に送り出した遊技球が賞球通路831c,832cを通って計数スイッチ838により検出されるまでに要する時間(予め設定された時間であって、例えば、数百ミリ秒に設定されている。)が経過するまで払出モータ839の出力軸839aを回転駆動し続け、この時間が経過すると、払出モータ839の出力軸839aの回転駆動を停止して払出モータ839の出力軸839aを停止させ、これを契機として、電圧切替信号の論理を切り替えるために(例えば、HIからLOWへ切り替えるために)、この電圧切替信号の論理(例えば、LOW)を設定して電圧切替回路954daに出力することでモータ駆動電圧として+5Vを払出モータ839に供給する制御を行うことにより、払出モータ839に静止トルクを発生させて払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持している。
このようは圧切替信号の論理を切り替えて払出モータ839に静止トルクを発生させて払出モータ839の出力軸839aを停止させた状態を維持している状態においては、最後に送り出した遊技球が賞球通路831c,832cを通って計数スイッチ838によりすでに検出された後であり、またスプロケット837が回転することができない状態となっているため、計数スイッチ838か遊技球を検出することがない。ところが、このような状態において、計数スイッチ838が遊技球を検出した場合には、スプロケット837が回転して遊技球が払い出されたこととなるため、計数スイッチ838からの検出信号に基づいて、払出モータ839の出力軸839aが回転している状態であるか否かを判別して、払出モータ駆動回路954dの電圧切替回路954daに不具合が発生しているか否かを監視して判別することができる。
更に、上述した実施形態では、パチンコ遊技機1を例にとって説明したが、本発明が適用できる遊技機はパチンコ遊技機に限定されるものではなく、パチンコ遊技機以外の遊技機、例えばスロットマシン又はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させた融合遊技機(遊技球を用いてスロット遊技を行うもの。)などにも適用することができる。