JP7042681B2 - 放熱防止体 - Google Patents
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Description
このため、処理槽に貯留した処理液の液面から蒸気分が上昇流動すること等により、処理液の液面からの放熱が多く、その放熱を防止するために放熱防止体を設けることが行われている。
ちなみに、処理槽においては、定期的に処理液を抜いて、内部の点検清掃を行うことになるが、その際に、多数の球状体を処理槽から取出す手間が掛かるものであり、この点からも、実用し難いものであった。
前記液面を全体的に覆う大きさに形成され且つ前記処理液が内外に通流自在にかつ前記処理液に浮上可能に構成された収納体に、前記処理液に浮上可能な放熱防止用の塊状体が層を形成するように並べた状態で収納され、
前記収納体が、扁平状の箱体である点にある。
さらには、放熱防止用の塊状体が、収納体の内部にて層を形成するように並べられるものであるから、被処理物を脱出状態に上昇させながら処理槽の外部に移動する際に、塊状体が被処理物に付着した状態で処理槽の外部に持ち出されてしまうことがなく、処理液の液面を覆う状態に適切に維持できることになる。
つまり、収納体の内部に処理液が滞留しない場合には、塊状体を収納しかつ箱体として構成された収納体の浮力が大き過ぎて、被処理物を浸漬状態に下降させる際に、塊状体を収納した収納体を処理液中に浸漬させるのに要する押圧力が大きくなって、収納体を早期に損傷させる等の不都合を発生する虞があるが、塊状体を収納した収納体の浮力を適度の浮力にすることができるため、収納体の早期損傷を抑制することができる。
尚、板状体に上下方向に貫通する貫通孔を形成すれば、板状体を処理液中に浸漬させるために要する押圧力を小さくすることができるが、この場合、貫通孔を通して液面からの蒸気分が流動する等に起因して、処理液の液面からの放熱を適切に防止することができないものとなる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(処理槽の全体構成)
図1及び図2に示すように、貯留した処理液Kの液面Kmを通して被処理物Bが浸漬状態に下降されかつ脱出状態に上昇される処理槽1が設けられている。
処理槽1は、上部が開口した直方体状に形成されるものであって、底壁部1d及び側壁部1sを備えている。
つまり、図1及び図2においては、1つの処理槽1を例示するが、処理設備においては複数の処理槽1が並設されて、各種の薬液処理や洗浄処理が順次行われる。
つまり、処理液Kが、薬液処理の薬液である場合には、例えば50~90℃に加熱され、洗浄処理の温水である場合には、例えば80~90℃に加熱されるように構成されている。
ちなみに、処理設備が、例えば、昼間は処理作業を行い、夜間は作業を停止する形態で操業する場合には、一般には、夜間には、加熱器による処理液Kの加熱が停止されることになる。
図1及び図2に示すように、処理液Kの液面Kmを浮遊して、液面Kmからの放熱を防止する放熱防止体Hが設けられている。
例示する放熱防止体Hは、処理液Kの液面Kmを全体的に覆う大きさの扁平な直方体状であって、処理液Kの液面Kmを浮遊する状態で位置することにより、その液面Kmを全体的に覆うことにより、処理液Kの液面から蒸気分が上昇流動することを抑制する等により、処理液Kの液面Kmからの放熱を防止することになる。
図3~図5に示すように、放熱防止体Hは、処理液Kの液面Kmを全体的に覆う大きさに形成され且つ処理液Kが内外に通流自在にかつ処理液Kに浮上可能に構成された収納体2と、処理液Kに浮上可能な放熱防止用の塊状体3とを備え、収納体2の内部に、塊状体3が層を形成するように並べた状態で収納されている。
具体的には、上壁2u及び左右及び前後の側壁2sを備える形状に、ポリプロピレン製の樹脂にて成型加工された本体部に対して、ポリプロピレン製の樹脂にて板状に成型加工された下壁2dを溶着することによって形成されている。
ちなみに、上壁2u、下壁2d、左右及び前後の側壁2sの厚さは、例えば、10mm程度であり、上壁2uの裏面と下壁2dの裏面との間隔は、例えば、80mm程度であり、前後長が、例えば、1450mm程度、左右長が、例えば、950mm程度である。
具体的には、1つの側壁2sに、6つの通流孔4が間隔を隔てて形成されている。通流孔4の直径は、例えば、20mm程度であり、かつ、通流孔4の形成位置が、側壁2sにおける上方側に偏った位置に定められている。
本実施形態においては、補強用の壁体2hが、左右の側壁2s及び前後の側壁2sを接続する十字状に形成され、その高さは、上壁2uの裏面と下壁2dの裏面との間隔に相当する高さ(例えば、80mm)に設定されている。
また、補強用の壁体2hが、下壁2dに対して溶着により接続されている。
具体的には、塊状体3は、ポリプロピレン製の樹脂にて球状に成型加工されており、その直径は、例えば、40mm程度であり、収納体2の内部に、1層を形成する状態で、その全体に亘って並べられている。
つまり、収納体2の内部に処理液Kが滞留しない場合には、塊状体3を収納しかつ箱体として構成された収納体2の浮力が大き過ぎて、被処理物Bを浸漬状態に下降させる際に、塊状体3を収納した収納体2(放熱防止体H)を処理液中に浸漬させるのに要する押圧力が大きくなって、収納体2(放熱防止体H)を早期に損傷させる等の不都合を発生する虞があるが、塊状体3を収納した収納体2(放熱防止体H)の浮力を適度の浮力にすることができるため、収納体2(放熱防止体H)の早期損傷を抑制することができる。
その結果、電気ヒータ等の加熱器にて処理液Kを加熱するための消費電力が、大幅に削減できる。
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態においては、収納体2が、上壁2u、下壁2d、左右や前後の側壁2sを備える箱体として形成される場合を例示したが、下壁2d又は上壁2uを多孔板状に形成する形態で実施してもよく、この場合、下壁2d又は上壁2uが備える孔が、通流孔4と機能することになる。
2 収納体
2h 補強用の壁体
3 塊状体
4 通流孔
B 被処理物
K 処理液
Km 液面
Claims (5)
- 貯留した処理液の液面を通して被処理物が浸漬状態に下降されかつ脱出状態に上昇される処理槽における放熱防止体であって、
前記液面を全体的に覆う大きさに形成され且つ前記処理液が内外に通流自在にかつ前記処理液に浮上可能に構成された収納体に、前記処理液に浮上可能な放熱防止用の塊状体が層を形成するように並べた状態で収納され、
前記収納体が、扁平状の箱体である放熱防止体。 - 前記塊状体が、球状である請求項1記載の放熱防止体。
- 前記収納体が、側壁に通流孔が形成された扁平状の箱体である請求項1又は2記載の放熱防止体。
- 前記収納体としての前記箱体の上壁の裏面に、補強用の壁体が形成されている請求項3に記載の放熱防止体。
- 前記収納体及び前記塊状体がポリプロピレン製である請求項1~4のいずれか1項に記載の放熱防止体。
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