JP7041870B2 - 周波数選択板付きrfidタグ及び電子レンジ加熱用容器 - Google Patents

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Description

本開示は、アンテナ及びICチップを備え無線通信を行うRFIDタグが、マイクロ波加熱又はマイクロ波乾燥により焼損する恐れをなくす技術に関する。
食品に関する様々な情報を収容するために、食品容器にバーコードを貼付している。食品に関する様々な情報として、例えば、食品管理情報(食品を保存する方法等)、食品価格情報及び食品加熱情報(電子レンジ加熱を行う方法等)が挙げられる。
最近は、食品に関する様々な情報が膨大になっている。すると、食品容器にバーコードを貼付したとしても、食品に関する様々な情報をバーコードに収容しきれなくなっている。そこで、食品容器にRFIDタグを貼付することにより、食品に関する様々な情報をRFIDタグに十分に収容することができる(例えば、非特許文献1等を参照)。
"「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を策定しました~サプライチェーンに内在する社会課題の解決に向けて~" 、[online]、平成29年4月18日、経済産業省商務情報政策局、[平成29年9月13日検索]、インターネット<URL:http://www.meti.go.jp/press/2017/04/20170418005/20170418005.html>
ところで、RFIDタグは、アンテナ等に導電性物質(例えば、金属材料、炭素材料及び導電性高分子材料等)を含み、ICチップに半導体を含む。すると、食品が電子レンジ加熱されるときに、RFIDタグが焼損する恐れがある。そして、食品容器が焼損の発熱で融解する恐れがあり、導電性物質や半導体が電子レンジ内で飛散する恐れがある。むろん、食品を電子レンジに入れる前に、RFIDタグを食品容器から外すならば、RFIDタグが焼損する恐れはなくなる。しかし、RFIDタグを食品容器から外す手間がかかり、RFIDタグを食品容器から外し忘れる恐れがある。
そこで、前記課題を解決するために、本開示は、アンテナ及びICチップを備え無線通信を行うRFIDタグが、マイクロ波加熱又はマイクロ波乾燥により焼損する恐れをなくすことを目的とする。
前記課題を解決するために、RFIDタグに周波数選択板を付けることとした。周波数選択板は、RFIDタグの無線通信用の周波数を有する電磁波を透過させ、マイクロ波加熱用又はマイクロ波乾燥用の周波数を有する電磁波を遮断する。
具体的には、本開示は、アンテナ及びICチップを備え、無線通信を行うRFIDタグと、前記RFIDタグの無線通信用の周波数を有する電磁波を透過させ、マイクロ波加熱用又はマイクロ波乾燥用の周波数を有する電磁波を遮断する周波数選択板と、を備えることを特徴とする周波数選択板付きRFIDタグである。
この構成によれば、アンテナ及びICチップを備え無線通信を行うRFIDタグが、マイクロ波加熱又はマイクロ波乾燥により焼損する恐れをなくすことができる。
また、本開示は、前記周波数選択板は、フラクタル形状を有する素子パターンを格子状に複数個備えることを特徴とする周波数選択板付きRFIDタグである。
また、本開示は、前記周波数選択板は、前記RFIDタグの無線通信用の周波数と、マイクロ波加熱用又はマイクロ波乾燥用の周波数と、のうちの高い方の周波数において設計されることを特徴とする周波数選択板付きRFIDタグである。
これらの構成によれば、周波数選択板を小型化することができる。よって、マイクロ波加熱装置又はマイクロ波乾燥装置の電磁波発生器から見て、容器の内容物を覆う位置に周波数選択板付きRFIDタグが配置されるときであっても、容器の内容物がマイクロ波加熱又はマイクロ波乾燥されない領域を低減することができる。
また、本開示は、前記周波数選択板は、マイクロ波を吸収しない部材に印刷されることを特徴とする周波数選択板付きRFIDタグである。
この構成によれば、周波数選択板を簡便に製造することができる。
また、本開示は、以上に記載の周波数選択板付きRFIDタグを備え、前記周波数選択板は、電子レンジの電磁波発生器から見て、前記RFIDタグの手前に配置されることを特徴とする電子レンジ加熱用容器である。
この構成によれば、アンテナ及びICチップを備え無線通信を行うRFIDタグが、電子レンジ加熱により焼損する恐れをなくすことができる。
また、本開示は、前記周波数選択板付きRFIDタグは、電子レンジの電磁波発生器から見て、内容物を覆わない位置に配置されることを特徴とする電子レンジ加熱用容器である。
この構成によれば、周波数選択板が小型化されないときであっても、容器の内容物がマイクロ波加熱又はマイクロ波乾燥されない領域を低減することができる。
このように、本開示は、アンテナ及びICチップを備え無線通信を行うRFIDタグが、マイクロ波加熱又はマイクロ波乾燥により焼損する恐れをなくすことができる。
本開示の電子レンジ加熱用容器の構成を示す図である。 本開示の周波数選択板付きRFIDタグの配置を示す図である。 本開示の周波数選択板の構成を示す図である。 本開示の周波数選択板の構成を示す図である。 本開示の周波数選択板の透過係数及び反射係数を示す図である。 本開示の周波数選択板の電界分布を示す図である。 本開示の周波数選択板の電界分布を示す図である。 本開示の周波数選択板の電流分布を示す図である。 本開示の周波数選択板の電流分布を示す図である。
添付の図面を参照して本開示の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本開示の実施の例であり、本開示は以下の実施形態に制限されるものではない。
本開示の電子レンジ加熱用容器の構成を図1に示す。電子レンジ加熱用容器Cは、周波数選択板付きRFIDタグR及び容器3から構成される。周波数選択板付きRFIDタグRは、周波数選択板1及びRFIDタグ2から構成される。
RFIDタグ2は、アンテナ及びICチップを備え、無線通信を行う。ここで、RFIDタグ2のアンテナパターンは、マイクロ波を吸収しない部材(例えば、プラスチックフィルム2’)に印刷される。よって、RFIDタグ2を簡便に製造することができる。そして、プラスチックフィルム2’付きのRFIDタグ2は、容器3の表面に貼付される。
周波数選択板1は、RFIDタグ2の無線通信用の周波数920MHzを有する電磁波を透過させ、電子レンジ加熱用の周波数2.45GHzを有する電磁波を遮断する。ここで、周波数選択板1は、マイクロ波を吸収しない部材(例えば、プラスチックフィルム1’)に印刷される。よって、周波数選択板1を簡便に製造することができる。そして、プラスチックフィルム1’付きの周波数選択板1は、RFIDタグ2に重ねて貼付される。
つまり、周波数選択板1は、電子レンジの電磁波発生器から見て、RFIDタグ2の手前に配置される。よって、アンテナ及びICチップを備え無線通信を行うRFIDタグ2が、電子レンジ加熱により焼損する恐れをなくすことができる。
本開示の周波数選択板付きRFIDタグの配置を図2に示す。
図2の左上欄では、周波数選択板付きRFIDタグRは、電子レンジの電磁波発生器から見て、内容物4を覆う位置に配置される。例えば、周波数選択板付きRFIDタグRは、容器3の蓋の片隅に貼付されるか、電子レンジ加熱すべきでない内容物4を覆う位置に貼付される。つまり、図3及び図4に示すように周波数選択板1が小型化されることにより、内容物4がマイクロ波加熱又はマイクロ波乾燥されない領域を低減することができる。図2の左下欄では、図2の左上欄において、RFIDタグ2は、2枚の周波数選択板1により挟み込まれる。よって、容器3が電子レンジの電磁波発生器から見て裏返されたとしても、RFIDタグ2が電子レンジ加熱により焼損する恐れをなくすことができる。
図2の右上欄では、周波数選択板付きRFIDタグRは、電子レンジの電磁波発生器から見て、内容物4を覆わない位置に配置される。例えば、周波数選択板付きRFIDタグRは、容器3の底の片隅に貼付されるか、容器3の底の中央に貼付される。つまり、図3及び図4に示すように周波数選択板1が小型化されないときであっても、内容物4がマイクロ波加熱又はマイクロ波乾燥されない領域を低減することができる。図2の右下欄では、図2の右上欄において、RFIDタグ2は、2枚の周波数選択板1により挟み込まれる。よって、容器3が電子レンジの電磁波発生器から見て裏返されたとしても、RFIDタグ2が電子レンジ加熱により焼損する恐れをなくすことができる。
本開示の周波数選択板の構成を図3及び図4に示す。
図3では、周波数選択板1は、電子レンジ用の周波数2.45GHzにおいて設計される。図3の左欄では、周波数選択板1は、十字模様を有する導体パターンを、紙面左右方向及び紙面上下方向に格子状にそれぞれ5個ずつ備える。それぞれの十字模様を有する導体パターンは、2.45GHzの電磁波の約半波長58.2mmのサイズを有し、周波数選択板1は、58.2mm×5=291mmのサイズを有する。
図3の中欄では、周波数選択板1は、ヒルベルト模様のフラクタル形状を有する導体パターンを、紙面左右方向及び紙面上下方向に格子状にそれぞれ5個ずつ備える。それぞれのヒルベルト模様のフラクタル形状を有する導体パターンは、58.2mmより小さい22.4mmのサイズを有し、周波数選択板1は、22.4mm×5=112mmのサイズを有する。このように、周波数選択板1を小型化することができる。
図3の右欄では、周波数選択板1は、4回回転対称のフラクタル形状を有する導体パターンを、紙面左右方向及び紙面上下方向に格子状にそれぞれ5個ずつ備える。4回回転対称のフラクタル形状の形成方法として、例えば、中央の正方形スロットの頂点の近傍から4回回転対称に第1の4枝スロットを延ばし、第1の各枝スロットの根元の近傍から4回回転対称に第2の各枝スロットを延ばし、・・・、第1~n(図3では、n=6)の4枝スロットにより全体の正方形を埋める。それぞれの4回回転対称のフラクタル形状を有する導体パターンは、58.2mmより小さい18.4mmのサイズを有し、周波数選択板1は、91.2mmのサイズを有する。このように、周波数選択板1の偏波依存性をなくすことができる。
図4では、周波数選択板1は、無線通信用の周波数920MHzにおいて設計される。図4の左欄では、周波数選択板1は、十字模様を有するスロットパターンを、紙面左右方向及び紙面上下方向に格子状にそれぞれ5個ずつ備える。それぞれの十字模様を有するスロットパターンは、920MHzの電磁波の約半波長174mmのサイズを有し、周波数選択板1は、869mmのサイズを有する。
図4の中欄では、周波数選択板1は、ヒルベルト模様のフラクタル形状を有するスロットパターンを、紙面左右方向及び紙面上下方向に格子状にそれぞれ5個ずつ備える。それぞれのヒルベルト模様のフラクタル形状を有するスロットパターンは、174mmより小さい80.0mmのサイズを有し、周波数選択板1は、80.0mm×5=400mmのサイズを有する。このように、周波数選択板1を小型化することができる。
図4の右欄では、周波数選択板1は、4回回転対称のフラクタル形状を有するスロットパターンを、紙面左右方向及び紙面上下方向に格子状にそれぞれ5個ずつ備える。4回回転対称のフラクタル形状の形成方法として、例えば、中央の正方形導体の頂点の近傍から4回回転対称に第1の4枝導体を延ばし、第1の各枝導体の根元の近傍から4回回転対称に第2の各枝導体を延ばし、・・・、第1~n(図4では、n=6)の4枝導体により全体の正方形を埋める。それぞれの4回回転対称のフラクタル形状を有するスロットパターンは、174mmより小さい65.7mmのサイズを有し、周波数選択板1は、65.7mm×5=329mmのサイズを有する。このように、周波数選択板1の偏波依存性をなくすことができる。
ここで、図3に示したように周波数選択板1を電子レンジ用の周波数2.45GHzにおいて設計するときには、図4に示したように周波数選択板1を無線通信用の周波数920MHzにおいて設計するときより、周波数選択板1のサイズは小さくなる。
このように、周波数選択板1を小型化することができる。よって、電子レンジの電磁波発生器から見て、内容物4を覆う位置に周波数選択板付きRFIDタグRが配置されるときであっても、内容物4が電子レンジ加熱されない領域を低減することができる。
本開示の周波数選択板の透過係数及び反射係数を図5に示す。
図5の左欄では、周波数選択板1は、電子レンジ用の周波数2.45GHzにおいて設計され、4回回転対称のフラクタル形状を有する導体パターンを、紙面左右方向及び紙面上下方向に格子状にそれぞれ5個ずつ備える。確かに、電子レンジ用の周波数2.45GHzにおいて、周波数選択板1の透過係数は極小値になり、周波数選択板1の反射係数は極大値になる。そして、無線通信用の周波数920MHzにおいて、周波数選択板1の透過係数は十分に大きい値になり、周波数選択板1の反射係数は十分に小さい値になる。
図5の右欄では、周波数選択板1は、無線通信用の周波数920MHzにおいて設計され、4回回転対称のフラクタル形状を有するスロットパターンを、紙面左右方向及び紙面上下方向に格子状にそれぞれ5個ずつ備える。確かに、無線通信用の周波数920MHzにおいて、周波数選択板1の透過係数は極大値になり、周波数選択板1の反射係数は極小値になる。そして、電子レンジ用の周波数2.45GHzにおいて、周波数選択板1の透過係数は十分に小さい値になり、周波数選択板1の反射係数は十分に大きい値になる。
本開示の周波数選択板の電界分布及び電流分布を図6から図9までに示す。ここで、周波数選択板1は、電子レンジ用の周波数2.45GHzにおいて設計され、4回回転対称のフラクタル形状を有する導体パターンを、紙面左右方向及び紙面上下方向に格子状にそれぞれ5個ずつ及び10個ずつ備える。そして、周波数2.45GHz及び電力500Wを有する球面波状の電磁波が、周波数選択板1の上30cmから照射される。
図6に示したように、電磁波の偏波の方向が周波数選択板1の短辺方向に平行であるときには、周波数選択板1の直下20mmにおける電界強度(~40dBV/m)は、周波数選択板1の直上20mmにおける電界強度(~65dBV/m)の約25dB落ちであった。図7に示したように、電磁波の偏波の方向が周波数選択板1の長辺方向に平行であるときには、周波数選択板1の直下20mmにおける電界強度(~25dBV/m)は、周波数選択板1の直上20mmにおける電界強度(~60dBV/m)の約35dB落ちであった。つまり、周波数選択板1は、電子レンジ用の周波数2.45GHzを有する電磁波を十分に遮断している。
図8に示したように、電磁波の偏波の方向が周波数選択板1の短辺方向に平行であるときには、周波数選択板1の導体パターンにおける電流分布は、約0mAから約100mAまでであった。図9に示したように、電磁波の偏波の方向が周波数選択板1の長辺方向に平行であるときには、周波数選択板1の導体パターンにおける電流分布は、約0mAから約150mAまでであった。つまり、周波数選択板1は、電子レンジ用の周波数2.45GHzを有する電磁波を照射されて焼損される可能性は十分に低い。
図1~9では、周波数選択板1は、電子レンジ用の周波数2.45GHzを有する電磁波を遮断する。図1~9を一般化して、変形例として、周波数選択板1は、マイクロ波加熱用又はマイクロ波乾燥用の任意の周波数を有する電磁波を遮断してもよい。
図3~5では、周波数選択板1は、RFIDタグ2の無線通信用の周波数920MHzと、電子レンジ用の周波数2.45GHzと、のうちの「いずれか」の周波数において設計されている。図3~5を一般化して、変形例として、周波数選択板1は、RFIDタグ2の無線通信用の任意の周波数と、マイクロ波加熱用又はマイクロ波乾燥用の任意の周波数と、のうちの「高い方」の周波数において設計されてもよい。
本開示の周波数選択板付きRFIDタグ及び電子レンジ加熱用容器を用いて、アンテナ及びICチップを備え無線通信を行うRFIDタグが、マイクロ波加熱又はマイクロ波乾燥により焼損する恐れをなくすことができる。
R:周波数選択板付きRFIDタグ
C:電子レンジ加熱用容器
1:周波数選択板
1’:プラスチックフィルム
2:RFIDタグ
2’:プラスチックフィルム
3:容器
4:内容物

Claims (6)

  1. アンテナ及びICチップを備え、無線通信を行うRFIDタグと、
    前記RFIDタグの無線通信用の周波数を有する電磁波を前記RFIDタグが備えるアンテナに対して透過させ、マイクロ波加熱用又はマイクロ波乾燥用の周波数を有する電磁波を前記RFIDタグが備えるアンテナに対して遮断する周波数選択板と、
    を備えることを特徴とする周波数選択板付きRFIDタグ。
  2. 前記周波数選択板は、フラクタル形状を有する素子パターンを格子状に複数個備えることを特徴とする、請求項1に記載の周波数選択板付きRFIDタグ。
  3. 前記周波数選択板は、前記RFIDタグの無線通信用の周波数と、マイクロ波加熱用又はマイクロ波乾燥用の周波数と、のうちの高い方の周波数において設計されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の周波数選択板付きRFIDタグ。
  4. 前記周波数選択板は、マイクロ波を吸収しない部材に印刷されることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の周波数選択板付きRFIDタグ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の周波数選択板付きRFIDタグを備え、
    前記周波数選択板は、電子レンジの電磁波発生器から見て、前記RFIDタグの手前に配置されることを特徴とする電子レンジ加熱用容器。
  6. 前記周波数選択板付きRFIDタグは、電子レンジの電磁波発生器から見て、内容物を覆わない位置に配置されることを特徴とする、請求項5に記載の電子レンジ加熱用容器。
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