JP7041742B2 - 自動検体調製システムのための廃棄物排出装置 - Google Patents

自動検体調製システムのための廃棄物排出装置 Download PDF

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Description

本発明は、概して細胞学的検体の調製に関し、より詳細には、サンプル容器から細胞学的検体を収集して、その検体を分析要素に与えることにより、細胞学的検体を自動的に調製するシステムおよび方法に関する。
細胞学は、細胞の形成、構造および機能の研究を扱う生物学の一分野である。実験室の環境において適用されるように、細胞学者、細胞検査士および他の医療専門家は、患者の細胞の検体の目視検査に基づいて患者の疾病の医学的診断を行う。「パップテスト」は典型的な細胞学的手法であり、この手法では、女性の子宮頸部から細胞を擦り採って分析することにより、子宮頸部がんの発症の前駆体である異常細胞の存在が検出される。細胞学的手法は、人体の他の部分の異常な細胞や疾患を検出するためにも使用される。
細胞学的手法は広く採用されている。それは通常、分析のための細胞検体の収集が生検などの従来の外科病理学的処置よりも侵襲性が低く、組織検体が、バネ荷重式の並進可能なスタイレット、固定カニューレなどを有する特殊な生検針を使用して患者から切除されるためである。細胞サンプルは、様々な手法によって患者から得ることができ、そのような手法には、例えば、ある領域を擦り採るか、綿球で採取すること、あるいは針を使用して胸腔、膀胱、脊柱管または他の適切な領域から体液を吸引することが含まれる。細胞サンプルは溶液中に入れられた後、収集されて、拡大して見るためにガラススライドに移される。検体を保管目的で保存したり、検査を容易にしたりするために、固定液および染色液をガラススライド上の細胞に加えることができる。
一般的には、個々の細胞を検査できるように、スライド上の細胞が適切な空間分布を有することが望ましい。典型的には、単層の細胞が好ましい。このため、多くの細胞を含む流体サンプルから検体を調製するには、通常、最初に細胞を、機械的分散、流体剪断または他の手法によって互いに分離し、細胞の薄い単層を収集してスライド上に載せる必要がある。このようにして、細胞検査士は異常細胞をより容易に識別することができる。十分な数の細胞を評価したことを確認するために、細胞をカウントすることもできる。
目視検査に有利なスライド上に細胞の薄い単層を生成するための具体的な方法および装置が、Lapidus等による「Method and Apparatus for Preparing Cells for Examination」という名称の米国特許第5,143,627号、Lapidus等による「Apparatus for Preparing Cells for Examination」という名称の米国特許第5,240,606号、Lapidus等による「Clinical Cartridge Apparatus」という名称の米国特許第5,269,918号、並びに、Polk,Jr.等による「Specimen Processor Method and Apparatus」という名称の米国特許第5,282,978号に開示されている。それらはすべて、本発明の譲受人に譲渡されており、それらの開示はすべて、引用により全体が本明細書に援用されるものとする。
これらの特許に開示された検体調製プロセスによれば、サンプル容器内の保存液中の患者の細胞は、その中に配置された回転検体収集器を使用して分散される。所望の量および空間分布の細胞がフィルタに収集されるまで、制御された真空が検体収集器に供給されて、そのスクリーンフィルタを通して流体が引き込まれる。その後、検体収集器がサンプル容器から取り出され、正圧を加えながらフィルタ部分がスライドガラスに押し付けられて、収集した細胞が、収集したときと実質的に同じ空間分布でスライドに移される。検体調製プロセス中の圧力は、それが効果的に実行されるようにモニタリングされる場合もある。
これらの特許の1または複数の教示に従って製造された装置、例えばマサチューセッツ州ボックスボロー所在のCytyc Corporationによって製造および販売されたThinPrep(登録商標)2000システムは商業的に成功しているが、かかる装置は検体の調製中に、廃液を完全に排出しないことがある。検体の調製中に液体が蓄積すると、圧力モニタリングでエラーが発生し、細胞の移送やスポットの品質に問題が生じる可能性がある。
このため、廃液を完全かつ効率的に排出する自動検体調製システムが必要とされている。
本発明の第1の態様によれば、サンプル容器内のサンプル(例えば、細胞学的サンプル)から検体(例えば、細胞学的検体)を調製するための自動検体調製システムが提供される。自動検体調製システムは、検体収集器を保持し、サンプル容器内に配置されるように構成された検体移送デバイスを含む。検体収集器は、中空円筒体と、検体のための所望の粒子を捕捉し、より小さな粒子と流体を通過させるように選択されたサイズの細孔を有する膜とを備えることができる。この場合、検体移送デバイスは、使い捨て検体収集器の中空円筒体を受け入れることができる。
検体移送デバイスは、開放遠位端および閉鎖近位端を有する中央ボアと、中央ボアの近位端で中央ボアに流体結合された圧力監視ポートと、中央ボアの近位端に流体結合された廃液排出ポートとを備える。圧力監視ポートは、中央ボアに直接結合された縮径部分を含む。縮径部分は、中央ボアから圧力監視ポートに液体が入るのを防ぐように構成することができる。例えば、縮径部分は、0.04インチ~0.08インチの直径を有することができる。廃液排出ポートは、中央ボアの底壁と連続する底壁を有することができる。
自動検体調製システムは、廃液排出ポートに流体的に結合された真空源と、圧力監視ポートに流体的に結合された圧力監視デバイスとをさらに備える。自動検体調製システムは、任意選択的に、圧力監視ポートに流体的に結合された正圧の供給源を備えるようにしてもよい。一実施形態では、自動検体調製システムが、検体移送デバイスが取り付けられた回転ツールヘッドをさらに含む。回転ツールヘッドは、第1の角度位置に回転軸を中心に回転可能であり、それにより検体収集器をサンプル容器内に配置する。自動検体調製システムは、分析要素をさらに含むことができ、その場合、回転ツールヘッドは、第2の角度位置に回転軸を中心に回転可能であり、それにより検体を分析要素に移すように検体収集器を配置することができる。
本発明の第2の態様によれば、サンプル容器内のサンプルから検体を調製するためのシステムと共に使用するための検体移送デバイスが提供される。この検体移送デバイスは、円筒状部材と、円筒状部材内の中央ボアであって、開放遠位端および閉鎖近位端を有する中央ボアと、中央ボアの近位端で中央ボアに流体結合された圧力監視ポートとを備える。圧力監視ポートは、中央ボアに直接結合された縮径部分を含む。縮径部分は、中央ボアから圧力監視ポートに液体が入るのを防ぐように構成することができる。例えば、縮径部分は、0.04インチ~0.08インチの直径を有することができる。検体移送デバイスはさらに、中央ボアの近位端に流体結合された廃液排出ポートを備える。一実施形態では、廃液排出ポートが、中央ボアの底壁と連続する底壁を有する。
本発明の第3の態様によれば、サンプル容器内のサンプル(例えば、細胞学的サンプル)から検体(例えば、細胞学的検体)を調製する方法が提供される。この方法は、検体収集器をその上に保持する検体移送デバイスを含むシステムを使用する。検体移送デバイスは、開放遠位端および閉鎖近位端を有する中央ボアと、中央ボアの近位端で中央ボアに流体結合された圧力監視ポートと、中央ボアの近位端に流体結合された廃液排出ポートとを備える。圧力監視ポートは、中央ボアに直接結合された縮径部分を含む。縮径部分は、0.04インチ~0.08インチの直径を有することができ、廃液排出ポートは、中央ボアの底壁に連続する底壁を有することができる。
この方法は、検体収集器をサンプル容器内に配置するステップと、検体収集器でサンプル容器から検体を収集するステップと、縮径部分によって、廃液が圧力監視ポートに入るのを防止または最小化するステップと、サンプル容器から検体が収集されている間に、圧力監視ポートを介して中央ボア内の圧力を検出するステップと、分析要素と接触するように検体収集器を再配置するステップと、分析要素に検体を移すステップと、廃液排出ポートを介して中央ボアから廃液を排出するステップとを含む。この方法は、任意選択的に、圧力監視ポートに正圧を加えて、圧力監視ポートから液体を排出するステップを含むことができる。一実施形態では、この方法が、検体収集器をサンプル容器内に配置するために、第1の角度位置に回転軸を中心に検体収集器を回転させるステップと、検体収集器を分析要素と接触するように再配置するために、第2の角度位置に回転軸を中心に検体収集器を回転させるステップとをさらに含む。
開示発明の実施形態の他のおよび更なる態様および特徴は、添付の図面を考慮して、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
開示発明の実施形態の他のおよび更なる態様および特徴は、添付の図面を考慮して、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
図面は、本発明の好ましい実施形態の設計および有用性を示しており、それら図面にいて、類似の要素は、共通の符号によって引用される。なお、図面は一定の縮尺で描かれておらず、同様の構造または機能の要素は、図面全体を通して同様の符号によって表されていることに留意されたい。また、図面は、実施形態の説明を容易にすることのみを目的としていることにも留意されたい。それらは、本発明の網羅的な説明として、または本発明の範囲の限定として意図されたものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物のみによって規定されるものである。さらに、開示発明の例示した実施形態は、示すすべての態様または利点を有する必要はない。開示発明の特定の実施形態に関連して説明される態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されるものではなく、そのように示されていなくても、他の任意の実施形態で実施することができる。本発明の上記および他の利点および目的が如何にして得られるのかをより良く理解するために、簡潔に上述した本発明のより具体的な説明を、添付の図面に示されるその特定の実施形態を参照することによって行う。これらの図面は本発明の典型的な実施形態のみを示しており、よって本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解されたい。それを踏まえて、本発明を、添付の図面の使用により、追加の特定および詳細とともに記述および説明することとする。
図1は、本発明の一実施形態に従って構成された自動検体調製システムの正面斜視図である。 図2は、図1の自動検体調製システムの別の正面斜視図である。 図3は、図1の自動検体調製システムの正面斜視図であり、特に、検体収集位置に回転した自動検体調製システムの検体移送デバイスを示している。 図4は、図1の自動検体調製システムの正面斜視図であり、特に、検体移送位置に回転した検体移送デバイスを示している。 図5は、図1の自動検体調製システムで使用するための検体移送デバイスの典型的な一実施形態の断面図を示している。 図6は、図1の自動検体調製システムで使用するための検体移送デバイスの改良した一実施形態の断面図を示している。 図7は、自動検体調製システムを使用してサンプルから検体を調製する一方法を示す流れ図である。
開示発明の実施形態の他のおよび更なる態様および特徴は、添付の図面を考慮して、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に従って構成された自動検体調製システム10を説明する。
このシステム10は、サンプル容器ホルダ16(図2に示される)を含み、このサンプル容器ホルダが、円筒状サンプル容器12を載置または受け入れるための円筒状レセプタクルまたは凹部を含む。サンプル容器ホルダ16は、円筒状、矩形箱状または他の形状などの、システム12と共に利用されるサンプル容器12を受け入れるのに適した任意の形状とすることができる。
システム10は、回転ツールヘッド30およびツールヘッドアクチュエータ32をさらに備え、このツールヘッドアクチュエータに、回転ツールヘッド30が取り付けられている。ツールヘッド30は、回転軸33を中心に回転可能であり、この実施形態では、回転軸が、横方向の水平軸(図1に示す方向において、y軸)となっている。ツールヘッドアクチュエータ32は、ツールヘッド30の回転運動を駆動および制御するツールヘッド30に結合された回転アクチュエータ34を有する。また、ツールヘッドアクチュエータ32は線形アクチュエータ36も有し、この線形アクチュエータに、回転アクチュエータ34が取り付けられている。線形アクチュエータ36は、ツールヘッドアクチュエータ32およびツールヘッド30を垂直方向に上下に移動させて、ツールヘッド32の垂直位置を制御する。線形アクチュエータ36は、シャーシ14の後壁に取り付けられ、これにシステムが取り付けられている。
システム10は、検体および/またはアリコートサンプルを調製する際にシステム10によって使用されるサンプルおよび様々な消耗品を操作するためにツールヘッド30上に配置されるいくつかのツールを備える。これらツールの各々は、回転軸33を中心に異なる角度位置でツールヘッド30上に配置され、その結果、ツールヘッドアクチュエータ32によってツールヘッド30が回転軸33を中心に回転すると、ツールヘッド30と共に回転および移動する。よって、ツールヘッド30の作動は、それらツールの各々を、本明細書で説明するように、それぞれの機能を実行する位置に配置する。
それらのツールのうちの一つは、病理学などの細胞学的分析に使用することができる細胞学的検体(例えば、サンプルの検体が与えられた顕微鏡スライド)を調製するように構成される検体移送デバイス40(図2に示される)である。検体移送デバイス40は、サンプル容器12内のサンプルから検体を収集し、収集した検体を分析要素50(例えば、スライド)に移送する。ここに記載の実施形態では、検体移送デバイス40が、ツールヘッド30から半径方向外向きに延びる円筒状部材52を含む。円筒状部材52は、使い捨ての検体収集器54(図3および図4に示される)を受け入れるように構成され、それが円筒状部材52に滑り込む。
検体収集器54は、円筒状本体を含み、この本体は、開放近位端と、その遠位端に跨がる膜とを有する。膜は、検体のための所望の粒子を捕捉して、より小さな粒子および流体を通過させるように選択されたサイズの細孔を有するスクリーンフィルタまたは他の適切な膜とすることができる。検体収集器54は、円筒状部材52に取り付けられると、円筒状部材52(または検体移送デバイス40の任意の部分)をサンプルに接触させることなく検体収集器54のみがサンプルに接触するように、検体収集器54をサンプル容器12のサンプル内に挿入して検体収集器54の膜上に検体を収集するのに十分な距離だけ、円筒状部材52の端部を超えて延びる。これにより、検体移送デバイス40がサンプル容器12から検体を収集するときに、検体移送デバイス40がサンプル材料によって汚染されないことが保証される。検体移送デバイス40が検体を検体収集器54上に集めると、後で詳述するように、検体収集器54から分析要素50まで検体を移送するようにそれが操作される。
ツールヘッド30は、第1の角度位置に回転軸33を中心に回転して、サンプル容器12内に検体収集器54を配置し(図3)、第2の角度位置に回転して、検体収集器54から分析要素50に検体を移送することができる(図4)。
具体的に、図3に示すように、ツールヘッド30は、回転および平行移動されて、サンプル容器12から検体収集器54の膜上に検体を収集する位置に、検体移送デバイス40上の検体収集器54が配置される。検体移送デバイス40は、循環真空によって、かつ/または例えばツールヘッドアクチュエータ32を介してツールヘッド30を動かす等して検体収集器54を上下に動かすことによって、膜を通してサンプルを前後に押し進めることにより検体収集器54の膜上に検体を収集するように操作される。このプロセスにより、細胞などの粒子の薄層または単層を、検体収集器54の膜上に収集することができる。
図4に示すように、ツールヘッド30は回転および平行移動されて、検体移送デバイス40上の検体収集器54が、膜上の検体を分析要素50に移送する位置に配置される。その後、検体移送デバイス40および/または分析要素ポジショナ56が操作されて、検体を有する膜が分析要素50に接触する。ツールヘッド30は、検体移送デバイス40を操作するために、ツールヘッドアクチュエータ32により動かされる。
自動検体調製システム10を説明する更なる詳細は、米国特許出願第××/×××,×××号(弁護士整理番号DIA-0039-01)に記載されている。この出願は、引用によりその全体が本明細書に明示的に援用されるものとする。
上記検体調製プロセス中、検体移送デバイス40は、検体収集位置(図3に示される)から検体移送位置(図4に示される)まで回転する。この回転中に、廃液が重力によって検体移送デバイス40に閉じ込められる可能性がある。
例えば、図5を参照すると、検体移送デバイス40の典型的な配置構成は、円筒状部材52と、検体移送デバイス40の近位閉鎖端62から遠位開口部64まで延びる中央ボア60とを含む。円筒状部材52は、その上に検体収集器54(上述)を保持するように構成されている。検体収集の前に、使い捨て検体収集器54を、円筒状部材52の遠位端に滑り込ませる。
検体移送デバイス40は、圧力監視ポート66をさらに備え、この圧力監視ポートが、検体移送デバイス40の近位閉鎖端62における中央ボア60と、中央ボア60内の圧力をモニタリングするための圧力モニタ(図示省略)との間に流体的に結合されている。図示のように、圧力監視ポート66は、その長さ方向に沿って一定の直径を有する。検体移送デバイス40は、廃液排出ポート68をさらに備え、この廃液排出ポートが、検体移送デバイス40の近位閉鎖端62における中央ボア60と、廃液排出のための真空源(図示省略)との間に流体的に結合されている。廃液排出ポート68は、検体移送デバイス40の近位端62よりも僅かに遠位側に配置されている。
検体収集中、殆どの廃液は、排出ポート68を通って排出される。しかしながら、検体移送デバイス40が検体収集位置(図3に示される)から検体移送位置(図4に示される)まで回転されるときに、廃液70が重力により検体移送デバイス40の閉鎖近位端62および圧力監視ポート66に集まる可能性がある。背景技術で述べたように、圧力監視ポート66内の流体は圧力監視エラーを引き起こし、検体移送デバイス40の閉鎖近位端62に蓄積する流体は、細胞の移送やスポットの品質に関する問題を引き起こす可能性がある。
ここで図6を参照すると、改良した検体移送デバイス40’は、検体移送デバイス40’の近位閉鎖端62’から遠位開口部64’まで延びる中央ボア60’を備えるとともに、圧力監視ポート66’および廃液排出ポート68’をさらに備え、圧力監視ポートが、検体移送デバイス40’の近位閉鎖端62’における中央ボア60’と、中央ボア60’内の圧力をモニタリングするための圧力モニタ(図示省略)との間に流体的に結合され、廃液排出ポートが、検体移送デバイス40’の近位閉鎖端62’における中央ボア60’と、廃液を排出するための真空源(図示省略)との間に流体的に結合されるという点で、図5に示す検体移送デバイス40と同様である。図6に示す検体移送デバイス40’は、図5に示す検体移送デバイス40と同じ外形寸法および形状を有する。このため、検体移送デバイス40’は、検体移送デバイス40の代わりに容易に使用することができる。
図6に示す検体移送デバイス40’は、圧力監視ポート66’が内径の小さくなった部分67’を有するという点で、図5に示される検体移送デバイス40とは異なる。換言すれば、中央ボア60’と直接流体連通している圧力監視ポート66’の部分は、内径が小さくなっている。内径の小さくなった部分67’の内径は、流体分子の表面張力により流体が圧力監視ポート66’に入るのを防ぐのに十分な小さとすることができる。例えば、内径の小さくなった部分67’は、直径0.04~0.08インチ、好ましくは直径0.06インチとすることができる。さらに、正圧は、正圧の供給源(図示省略)により圧力監視ポート66’を介して加えることができ、それにより圧力監視ポート66’に入る廃液を排出することができる。廃液が中央ボア60’の閉鎖近位端62’に溜まるのを最小化または防止するために、廃液排出ポート68’は、可能な限り低く配置されるようにしてもよい。図6に示すように、廃液排出ポート68’の底壁69’は、中央ボア60’の底壁61’と連続している。このため、図6に示す検体移送デバイス40’は、図5に示す検体移送デバイス40と比較して、廃液の排出においてより効率的であることが理解されよう。
自動検体調製システム10の構造、配置および機能について説明してきたが、以下に、自動検体調製システム10を操作してサンプル容器12に含まれる細胞学的サンプルから検体を調製する1つの方法100を、図7を参照しながら説明する。
先ず、検体収集器54を検体移送デバイス40’に設置し(ステップ102)、検体収集器54を第1の角度位置(検体収集位置)に回転軸33を中心に回転させて、サンプル容器12内に検体収集器54を配置する(ステップ104)。次に、検体収集器54により、サンプル容器12から検体を採取する(ステップ106)。この特定の実施形態では、これは、検体移送デバイス40’の中央ボア60’を通して真空を循環させて、検体収集器54の膜上に検体を収集することによって達成される。検体がサンプル容器12から収集されている間に、圧力監視ポート66’を介して検体移送装置40’の中央ボア60’内の圧力が検出される(ステップ108)。次に、検体収集器54を第2の角度位置(検体移送位置)に回転軸33を中心に回転させて、検体収集器54を分析要素50と接触するように再配置し(ステップ110)、検体を検体収集器54から分析要素50に移送する(ステップ112)。圧力監視ポート66’の直径の小さくなった部分67’により、圧力監視ポート66’に廃液が流入するのが防止または最小化される(ステップ114)。任意選択的には、正圧を圧力監視ポート66’に加えることにより、そこから液体を排出することができる(ステップ116)。その後、廃液排出ポート69’を介して、検体移送デバイス40’の中央ボア60’から廃液を排出する(ステップ118)。
特定の実施形態を示して説明してきたが、上記説明はそれら実施形態の範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。本発明の多くの態様の実施形態および変形例を本明細書で開示および説明してきたが、そのような開示は、説明および例示のみを目的として提供されている。このため、特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を加えることが可能である。例えば、実施形態に記載の構成要素のすべてが必ずしも必要であるわけではなく、本発明は記載した構成要素の任意の適切な組合せを含むことができ、本発明の構成要素の全体的な形状および相対的なサイズは変更することが可能である。システムおよび方法は細胞学的サンプルについて記載しているが、それらは任意のタイプのサンプルで構成および利用することができる。
さらに、本発明の方法は、方法のすべてのステップを必ずしも必要とするのではなく、方法全体のサブプロセスの任意の組合せを含むことができることを理解されたい。さらに、本発明の方法は、ロジックまたは記載がステップを特定の順序で実行することを明示的に要求しない限り、ステップを特定の順序で実行することを必要としない。例えば、1または複数のステップを別の1または複数のステップの前または後に行うことを説明している場合、そのような順序を明示的に必要としている訳ではなく、説明を単に明確かつ好都合にするためにその順序を説明している。
すなわち、実施形態は、特許請求の範囲内に含まれる代替物、修正物および均等物を例示することを意図している。よって、本発明は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物を除いて、限定されるべきではない。

Claims (20)

  1. サンプル容器内のサンプルから検体を調製するための自動検体調製システムであって、
    検体収集器を保持し、かつ前記サンプル容器内に配置されるように構成された検体移送デバイスであって、前記検体移送デバイスが、開放遠位端および閉鎖近位端を有する中央ボアと、前記中央ボアの近位端で前記中央ボアに流体結合された圧力監視ポートと、前記中央ボアの近位端に流体結合された廃液排出ポートとを有し、前記圧力監視ポートが、前記中央ボアに直接結合された縮径部分を含む、検体移送デバイスと、
    前記廃液排出ポートに流体結合された真空源と、
    前記圧力監視ポートに流体結合された圧力監視デバイスとを備えることを特徴とするシステム。
  2. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記縮径部分が、前記中央ボアから前記圧力監視ポートに液体が入るのを防ぐように構成されていることを特徴とするシステム。
  3. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記縮径部分が、0.04インチ~0.08インチの直径を有することを特徴とするシステム。
  4. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記廃液排出ポートが、前記中央ボアの底壁と連続する底壁を有することを特徴とするシステム。
  5. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記圧力監視ポートに流体結合された正圧の供給源をさらに備えることを特徴とするシステム。
  6. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    検体が細胞学的検体であり、サンプルが細胞学的サンプルであることを特徴とするシステム。
  7. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    検体収集器をさらに含み、前記検体収集器が、中空円筒体と、検体のための所望の粒子を捕捉して、より小さな粒子および流体を通過させるように選択されたサイズの細孔を有する膜とを有し、前記検体移送デバイスが、使い捨ての検体収集器の中空円筒体を受け入れることを特徴とするシステム。
  8. 請求項7に記載のシステムにおいて、
    回転ツールヘッドをさらに備え、この回転ツールヘッドに前記検体移送デバイスが取り付けられ、前記回転ツールヘッドは、回転軸を中心に第1の角度位置に回転可能であり、それにより前記検体収集器を前記サンプル容器内に配置することを特徴とするシステム。
  9. 請求項8に記載のシステムにおいて、
    分析要素をさらに備え、前記回転ツールヘッドが、回転軸を中心に第2の角度位置に回転可能であり、それにより検体を前記分析要素に移すように前記検体収集器を配置することを特徴とするシステム。
  10. サンプル容器内のサンプルから検体を調製するためのシステムと共に使用するための検体移送デバイスであって、
    円筒状部材と、
    前記円筒状部材内の中央ボアであって、開放遠位端および閉鎖近位端を有する中央ボアと、
    前記中央ボアの近位端で前記中央ボアに流体的に結合された圧力監視ポートであって、前記中央ボアに直接結合された縮径部分を含む圧力監視ポートと、
    前記中央ボアの近位端に流体的に結合された廃液排出ポートとを備えることを特徴とする検体移送デバイス。
  11. 請求項10に記載の検体移送デバイスにおいて、
    前記縮径部分は、前記中央ボアから前記圧力監視ポートに液体が入るのを防止するように構成されていることを特徴とする検体移送デバイス。
  12. 請求項10に記載の検体移送デバイスにおいて、
    前記縮径部分が、0.04インチ~0.08インチの直径を有することを特徴とする検体移送デバイス。
  13. 請求項10に記載の検体移送デバイスにおいて、
    前記廃液排出ポートが、前記中央ボアの底壁と連続する底壁を有することを特徴とする検体移送デバイス。
  14. 請求項1に記載の前記システムを使用してサンプル容器内のサンプルから検体を調製する方法であって
    記方法が、
    前記検体収集器を前記サンプル容器内に配置するステップと、
    前記検体収集器で前記サンプル容器から検体を収集するステップと、
    前記縮径部分によって、廃液が前記圧力監視ポートに入るのを防止または最小化するステップと、
    前記サンプル容器から検体を収集している間に、前記圧力監視ポートを介して前記中央ボア内の圧力を検出するステップと、
    分析要素と接触するように前記検体収集器を再配置するステップと、
    前記分析要素に検体を移すステップと、
    前記廃液排出ポートを介して前記中央ボアから廃液を排出するステップとを含むことを特徴とする方法。
  15. 請求項14に記載の方法において、
    前記縮径部分が、0.04インチ~0.08インチの直径を有することを特徴とする方法。
  16. 請求項14に記載の方法において、
    前記廃液排出ポートが、前記中央ボアの底壁と連続する底壁を有することを特徴とする方法。
  17. 請求項14に記載の方法において、
    前記圧力監視ポートに正圧を加えて、前記圧力監視ポートから液体を排出するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  18. 請求項14に記載の方法において、
    検体が細胞学的検体であり、サンプルが細胞学的サンプルであることを特徴とする方法。
  19. 請求項14に記載の方法において、
    前記検体収集器をサンプル容器内に配置するために、回転軸を中心に前記検体収集器を第1の角度位置に回転させるステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  20. 請求項19に記載の方法において、
    前記検体収集器を前記分析要素と接触するように再配置するために、回転軸を中心に前記検体収集器を第2の角度位置に回転させるステップをさらに含むことを特徴とする方法。
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