以下、本発明による成形装置の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
〈成形システムの構成〉
図1は、本実施形態に係る成形システムの概略構成図である。成形システムは、金属パイプ材料を膨張させて金属パイプを成形するシステムである。図1に示すように、成形システム200は、予備成形装置1と、加熱装置2と、成形装置10と、を備える。予備成形装置1は、金属パイプ材料の予備成形を行うことで、当該金属パイプ材料の断面形状を変形させる装置である。加熱装置2は、予備成形された金属パイプ材料を加熱する装置である。成形装置10は、加熱された金属パイプ材料を金型内に配置し、金属パイプ材料を膨張させて金属パイプを成形する装置である。以降の説明では、まず成形装置10について説明し、その後、予備成形装置1について説明する。なお、本実施形態では、加熱装置2は、成形装置10に組み込まれている。
〈成形装置の構成〉
図2は、本実施形態に係る成形装置の概略構成図である。図2に示されるように、金属パイプを成形する成形装置10は、上型(第1の金型)12及び下型(第2の金型)11からなる成形金型(金型)13と、上型12及び下型11の少なくとも一方を移動させる駆動機構80と、上型12と下型11との間に配置される金属パイプ材料14を保持するパイプ保持機構30と、パイプ保持機構30で保持されている金属パイプ材料14に通電して加熱する加熱機構50と、上型12及び下型11の間に保持され加熱された金属パイプ材料14内に高圧ガス(気体)を供給するための気体供給部60と、パイプ保持機構30で保持された金属パイプ材料14内に気体供給部60からの気体を供給するための一対の気体供給機構40,40と、成形金型13を強制的に水冷する水循環機構72とを備えると共に、上記駆動機構80の駆動、上記パイプ保持機構30の駆動、上記加熱機構50の駆動、及び上記気体供給部60の気体供給をそれぞれ制御する制御部70と、を備えて構成されている。
成形金型13の一方である下型11は、駆動機構80を構成する後述のスライド130に固定されている。また、下型11及びスライド130は、基台15に支持されている。下型11は、大きな鋼鉄製ブロックで構成され、その上面に例えば矩形状のキャビティ(凹部)16を備える。下型11には冷却水通路19が形成されている。
更に、下型11の左右端(図2における左右端)近傍にはスペース11aが設けられており、当該スペース11a内には、パイプ保持機構30の可動部である後述する電極17,18(下側電極)等が、上下に進退動可能に配置されている。そして、下側電極17,18上に金属パイプ材料14が載置されることで、下側電極17,18は、上型12と下型11との間に配置される金属パイプ材料14に接触する。これにより、下側電極17,18は金属パイプ材料14に電気的に接続される。
下型11と下側電極17との間及び下側電極17の下部、並びに下型11と下側電極18との間及び下側電極18の下部には、通電を防ぐための絶縁材91がそれぞれ設けられている。それぞれの絶縁材91は、パイプ保持機構30を構成するアクチュエータ(不図示)の可動部である進退ロッド95に固定されている。このアクチュエータは、下側電極17,18等を上下動させるためのものであり、アクチュエータの固定部は、下型11と共に基台15側に保持されている。
成形金型13の他方である上型12は、駆動機構80を構成する後述のスライド81に固定されている。上型12は、大きな鋼鉄製ブロックで構成され、内部に冷却水通路25が形成されると共に、その下面に例えば矩形状のキャビティ(凹部)24を備える。このキャビティ24は、下型11のキャビティ16に対向する位置に設けられる。
上型12の左右端(図2における左右端)近傍には、下型11と同様に、スペース12aが設けられており、当該スペース12a内には、パイプ保持機構30の可動部である後述する電極17,18(上側電極)等が、上下に進退動可能に配置されている。そして、下側電極17,18上に金属パイプ材料14が載置された状態において、上側電極17,18は、下方に移動することで、上型12と下型11との間に配置された金属パイプ材料14に接触する。これにより、上側電極17,18は金属パイプ材料14に電気的に接続される。
上型12と上側電極17との間及び上側電極17の上部、並びに上型12と上側電極18との間及び上側電極18の上部には、通電を防ぐための絶縁材99がそれぞれ設けられている。それぞれの絶縁材99は、パイプ保持機構30を構成するアクチュエータの可動部である進退ロッド96に固定されている。このアクチュエータは、上側電極17,18等を上下動させるためのものであり、アクチュエータの固定部は、上型12と共に駆動機構80のスライド81側に保持されている。
パイプ保持機構30の右側部分において、電極18,18が互いに対向する面のそれぞれには、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝18aが形成されていて(図3参照)、当該凹溝18aの部分に丁度金属パイプ材料14が嵌り込むように載置可能とされている。パイプ保持機構30の右側部分において、絶縁材91,99が互いに対向する露出面には、上記凹溝18aと同様に、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝が形成されている。また、電極18の正面(金型の外側方向の面)には、凹溝18aに向って周囲がテーパー状に傾斜して窪んだテーパー凹面18bが形成されている。よって、パイプ保持機構30の右側部分で金属パイプ材料14を上下方向から挟持すると、丁度金属パイプ材料14の右側端部の外周を全周に渡って密着するように取り囲むことができるように構成されている。
パイプ保持機構30の左側部分において、電極17,17が互いに対向する面のそれぞれには、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝17aが形成されていて(図3参照)、当該凹溝17aの部分に丁度金属パイプ材料14が嵌り込むように載置可能とされている。パイプ保持機構30の左側部分において、絶縁材91,99が互いに対向する露出面には、上記凹溝18aと同様に、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝が形成されている。また、電極17の正面(金型の外側方向の面)には、凹溝17aに向って周囲がテーパー状に傾斜して窪んだテーパー凹面17bが形成されている。よって、パイプ保持機構30の左側部分で金属パイプ材料14を上下方向から挟持すると、丁度金属パイプ材料14の左側端部の外周を全周に渡って密着するように取り囲むことができるように構成されている。
図2に示されるように、駆動機構80は、上型12及び下型11同士が合わさるように上型12を移動させるスライド81と、上記スライド81を移動させるための駆動力を発生するシャフト82と、該シャフト82で発生した駆動力をスライド81に伝達するためのコネクティングロッド83とを備えている。シャフト82は、スライド81上方にて左右方向に延在していると共に回転自在に支持されており、その軸心から離間した位置にて左右端から突出して左右方向に延在する偏心クランク82aを有している。この偏心クランク82aと、スライド81の上部に設けられると共に左右方向に延在している回転軸81aとは、コネクティングロッド83によって連結されている。駆動機構80では、制御部70によってシャフト82の回転を制御することにより偏心クランク82aの上下方向の高さを変化させ、この偏心クランク82aの位置変化をコネクティングロッド83を介してスライド81に伝達することにより、スライド81の上下動を制御できる。ここで、偏心クランク82aの位置変化をスライド81に伝達する際に発生するコネクティングロッド83の揺動(回転運動)は、回転軸81aによって吸収される。なお、シャフト82は、例えば制御部70によって制御されるモータ等の駆動に応じて回転又は停止する。また、駆動機構80は、下型11を移動させるスライド130を備えている。スライド130は、図示されない駆動力伝達機構を介して、シャフト82で発生した駆動力を利用して駆動してよい。あるいは、スライド130は、上型12とは独立した駆動力発生部の駆動力を利用して駆動してもよい。
加熱機構50は、電力供給部55と、電力供給部55と電極17,18とを電気的に接続するブスバー52と、を備える。電力供給部55は、直流電源及びスイッチを含み、電極17,18が金属パイプ材料14に電気的に接続された状態において、ブスバー52、電極17,18を介して金属パイプ材料14に通電可能とされている。なお、ブスバー52は、ここでは、下側電極17,18に接続されている。
この加熱機構50では、電力供給部55から出力された直流電流は、ブスバー52によって伝送され、電極17に入力される。そして、直流電流は、金属パイプ材料14を通過して、電極18に入力される。そして、直流電流は、ブスバー52によって伝送されて電力供給部55に入力される。なお、加熱機構50及び電極17,18の組み合わせによって、加熱装置2が構成される。このように、本実施形態では、成形装置10に加熱装置2が組み込まれている。
一対の気体供給機構40の各々は、シリンダユニット42と、シリンダユニット42の作動に合わせて進退動するシリンダロッド43と、シリンダロッド43におけるパイプ保持機構30側の先端に連結されたシール部材44とを有する。シリンダユニット42はブロック41上に載置固定されている。シール部材44の先端には先細となるようにテーパー面45が形成されており、電極17,18のテーパー凹面17b,18bに合わさる形状に構成されている(図3参照)。シール部材44には、シリンダユニット42側から先端に向かって延在し、詳しくは図3(a),(b)に示されるように、気体供給部60から供給された高圧ガスが流れるガス通路46が設けられている。
気体供給部60は、ガス源61と、このガス源61によって供給されたガスを溜めるアキュムレータ62と、このアキュムレータ62から気体供給機構40のシリンダユニット42まで延びている第1チューブ63と、この第1チューブ63に介設されている圧力制御弁64及び切替弁65と、アキュムレータ62からシール部材44内に形成されたガス通路46まで延びている第2チューブ67と、この第2チューブ67に介設されている圧力制御弁68及び逆止弁69とからなる。圧力制御弁64は、シール部材44の金属パイプ材料14に対する押力に適応した作動圧力のガスをシリンダユニット42に供給する役割を果たす。逆止弁69は、第2チューブ67内で高圧ガスが逆流することを防止する役割を果たす。第2チューブ67に介設されている圧力制御弁68は、制御部70の制御により、金属パイプ材料14を膨張させるための作動圧力を有するガスを、シール部材44のガス通路46に供給する役割を果たす。
制御部70は、気体供給部60の圧力制御弁68を制御することにより、金属パイプ材料14内に所望の作動圧力のガスを供給することができる。また、制御部70は、図2に示す(A)から情報が伝達されることによって、熱電対(不図示)から温度情報を取得し、駆動機構80及び電力供給部55等を制御する。
水循環機構72は、水を溜める水槽73と、この水槽73に溜まっている水を汲み上げ、加圧して下型11の冷却水通路19及び上型12の冷却水通路25へ送る水ポンプ74と、配管75とからなる。省略したが、水温を下げるクーリングタワーや水を浄化する濾過器を配管75に介在させることは差し支えない。
〈成形金型及び金属パイプについて〉
次に、成形金型13及び金属パイプ100について説明する。図5は、完成品に係る金属パイプ100、及びそれに対応した形状の成形面を有する下型11及び上型12を示す断面図である。なお、図5は上型12及び下型11が開いた状態であるため、厳密にはメインキャビティ部MC、サブキャビティ部SC1,SC2は形成されていない状態であるが、説明のためにこれらのキャビティ部を形成する金型形状に対応する部分に符号「MC」「SC1」「SC2」を付しておく。なお、図5は、成形直後の金属パイプ100の姿勢を示している。以降の説明においては、当該姿勢を基準として「上」「下」「水平」などの語を用いるものとする。また、金属パイプ100に対しては中心点CPが設定されている。この中心点CPは、金属パイプ100の成形前の金属パイプ材料14の断面形状の中心点を示している。また、中心点CPを通過して水平方向に延びる基準線SL1、中心点CPを通過して鉛直方向に延びる基準線SL2が設定される。
図5に示すように、金属パイプ100は、内部空間を有するパイプ部101と、押しつぶされて平面状に構成されたフランジ部102,103と、を有する。フランジ部102,103は、パイプ部101の両端側から突出するように設けられる。フランジ部102は、パイプ部101の水平方向における一方側(図5の紙面右側)の端部に形成される。フランジ部103は、パイプ部101の水平方向における他端側(図5の紙面左側)の端部に形成される。フランジ部102とフランジ部103との間のパイプ部101の領域のうち、上側に配置される領域を上側領域104とし、下側に配置される領域を下側領域106とする。
上側領域104は、上型12によって成形され、下側領域106は、下型11によって成形される。パイプ部101は、複数の平板状の辺部によって構成されている。上側領域104は、辺部104a,104b,104cと、辺部104a,104b間の湾曲部104dと、辺部104b,104c間の湾曲部104eと、を有する。辺部104aは、フランジ部102から基準線SL2側へ向かって上方へ傾斜する。辺部104bは、辺部104aから基準線SL2側へ向かって上方へ傾斜する。辺部104bの水平方向に対する傾斜角は、辺部104aよりも小さい。辺部104cは、フランジ部103から基準線SL2側へ向かって上方へ傾斜する。
下側領域106は、辺部106a,106bと、辺部106a,106b間の湾曲部106cと、を有する。辺部106aは、フランジ部102から基準線SL2側へ向かって下方へ傾斜する。辺部106bは、フランジ部103から基準線SL2側へ向かって下方へ傾斜する。
フランジ部102,103は、金属パイプ材料14の両端部を下型11及び上型12で挟み込んで押し潰すことによって成形される。フランジ部102,103は、金属パイプ材料14の板厚の略2枚分の厚さを有している。フランジ部102の基端部(すなわち辺部104aと辺部106aとの交差部)は、基準線SL1よりも上側に配置される。フランジ部102は、基端部から幅方向外側へ向かって下方へ向かうように傾斜する。フランジ部103の基端部(すなわち辺部104cと辺部106bとの交差部)は、基準線SL1よりも下側に配置される。フランジ部103は、基端部から幅方向外側へ向かって下方へ向かうように傾斜する。
上型12のキャビティ24は、フランジ部102,103及びパイプ部101の上側領域104に対応する形状を有する。上型12は、フランジ部102を形成するためのフランジ成形面F1,F2を有する。上型12は、パイプ部101の上側領域104を形成するためのパイプ成形面F3,F4,F5,F6,F7を有する。パイプ成形面F3,F4,F5,F6,F7は、それぞれ上側領域104の辺部104a,104b,104c及び湾曲部104d,104eを成形する。下型11のキャビティ16は、フランジ部102,103及びパイプ部101の下側領域106に対応する形状を有する。下型11は、フランジ部102を形成するためのフランジ成形面F11,F12を有する。下型11は、パイプ部101の下側領域106を形成するためのパイプ成形面F13,F14,F15を有する。パイプ成形面F13,F14,F15は、それぞれ下側領域106の辺部106a,106b及び湾曲部106cを成形する。フランジ成形面F1,F11は、互いに対向し、サブキャビティ部SC1を構成する面である。フランジ成形面F2,F12は、互いに対向し、サブキャビティ部SC2を構成する面である。パイプ成形面F3,F4,F5,F6,F7とパイプ成形面F13,F14,F15は、メインキャビティ部MCを構成する面である。
〈成形装置を用いた金属パイプの成形方法〉
次に、成形装置10を用いた金属パイプの成形方法について説明する。最初に、焼入れ可能な鋼種の円筒状の金属パイプ材料14を準備する。金属パイプ材料14は、予備成形装置1で予備成形されることで、楕円状の断面形状を有している(図6参照)。この金属パイプ材料14を、例えばロボットアーム等の移送装置を用いて、下型11側に備わる電極17,18上に載置(投入)する。すなわち、移送装置は、金属パイプ材料14を加熱装置2へ配置する。このとき、移送装置は、型開状態とされた下型11及び上型12に対する金属パイプ材料14の姿勢も調整する(図6)。電極17,18には凹溝17a,18aが形成されているので、当該凹溝17a,18aによって金属パイプ材料14が位置決めされる。
次に、制御部70は、駆動機構80及びパイプ保持機構30を制御することによって、当該パイプ保持機構30に金属パイプ材料14を保持させる。具体的には、駆動機構80の駆動によりスライド81側に保持されている上型12及び上側電極17,18等が下型11側に移動すると共に、パイプ保持機構30に含まれる上側電極17,18等及び下側電極17,18等を進退動可能としているアクチュエータを作動させることによって、金属パイプ材料14の両方の端部付近を上下からパイプ保持機構30により挟持する。この挟持は電極17,18に形成される凹溝17a,18a、及び絶縁材91,99に形成される凹溝の存在によって、金属パイプ材料14の両端部付近の全周に渡って密着するような態様で挟持されることとなる。
なお、このとき、図3(a)に示されるように、金属パイプ材料14の電極18側の端部は、金属パイプ材料14の延在方向において、電極18の凹溝18aとテーパー凹面18bとの境界よりもシール部材44側に突出している。同様に、金属パイプ材料14の電極17側の端部は、金属パイプ材料14の延在方向において、電極17の凹溝17aとテーパー凹面17bとの境界よりもシール部材44側に突出している。また、上側電極17,18の下面と下側電極17,18の上面とは、それぞれ互いに接触している。ただし、金属パイプ材料14の両端部全周に渡って密着する構成に限られず、金属パイプ材料14の周方向における一部に電極17,18が当接するような構成であってもよい。
続いて、制御部70は、加熱機構50を制御することによって、金属パイプ材料14を加熱する。具体的には、制御部70は、加熱機構50の電力供給部55を制御し電力を供給する。すると、ブスバー52を介して下側電極17,18に伝達される電力が、金属パイプ材料14を挟持している上側電極17,18及び金属パイプ材料14に供給され、金属パイプ材料14に存在する抵抗により、金属パイプ材料14自体がジュール熱によって発熱する。すなわち、金属パイプ材料14は通電加熱状態となる。金属パイプ材料14は、下型11及び上型12から離間した状態にて、通電加熱状態となる(図6参照)。
続いて、成形装置10は、成形金型13の下型11と上型12を互いに離間させた状態で膨張成形を行う一次ブロー工程と、下型11と上型12とを型閉した状態で膨張成形を行う二次ブロー工程と、を行う。まず、制御部70による駆動機構80の制御によって、加熱後の金属パイプ材料14に対して成形金型13を閉じる。このとき、下型11及び上型12は、金属パイプ材料14に対して上下方向に相対的に移動し、一次ブロー工程を行うための位置関係に設定される(図7参照)。上型12は、スライド81の移動に伴って下方へ移動する。下型11は、スライド130の移動に伴って上方へ移動する。
一次ブロー工程を行うときの下型11と上型12との間の隙間は、金属パイプ材料14を設置するとき(図6参照)よりも大きく、二次ブロー工程の型閉されたとき(図8参照)よりも小さい。当該状態では、フランジ成形面F1,F11との間の隙間及び、フランジ成形面F2,F12との間の隙間は、金属パイプ材料14の板厚2枚分の厚みよりも大きい。なお、下型11及び上型12の一次ブロー工程における状態を「第1の型閉」と称する場合がある。
その後、気体供給機構40のシリンダユニット42を作動させることによってシール部材44を前進させて金属パイプ材料14の両端をシールする。このとき、図3(b)に示されるように、金属パイプ材料14の電極18側の端部にシール部材44が押し付けられることによって、電極18の凹溝18aとテーパー凹面18bとの境界よりもシール部材44側に突出している部分が、テーパー凹面18bに沿うように漏斗状に変形する。同様に、金属パイプ材料14の電極17側の端部にシール部材44が押し付けられることによって、電極17の凹溝17aとテーパー凹面17bとの境界よりもシール部材44側に突出している部分が、テーパー凹面17bに沿うように漏斗状に変形する。シール完了後、高圧ガスを金属パイプ材料14内へ吹き込んで、加熱により軟化した金属パイプ材料14をキャビティ部の形状に沿うように成形する(一次ブロー)。
金属パイプ材料14は高温(950℃前後)に加熱されて軟化しているので、金属パイプ材料14内に供給されたガスは、熱膨張する。このため、例えば供給するガスを圧縮空気とし、950℃の金属パイプ材料14を熱膨張した圧縮空気によって容易に膨張させることができる。これにより、図7に示すように、金属パイプ材料14は、第1の型閉の状態の下型11及び上型12各成形面の形状に合わせて変形する。このとき、金属パイプ材料14のうちフランジ部102,103となる部分は、フランジ成形面F1,F11との間の隙間、及びフランジ成形面F2,F12との間の隙間に入り込むように膨張する。
図8に示すように、制御部70は、駆動機構80を制御して、第1の型閉の状態から更に成形金型13を閉じて、下型11及び上型12を完全に型閉(第2の型閉)した状態とする。これにより、下型11のキャビティ16と上型12のキャビティ24とが組み合わされ、下型11と上型12との間のキャビティ部内に金属パイプ材料14が配置され、密閉される。このとき、サブキャビティ部SC1内では、フランジ成形面F1,F11が、金属パイプ材料14の一部を押し潰してフランジ部102を成形する。サブキャビティ部SC2内では、フランジ成形面F2,F12が、金属パイプ材料14の一部を押し潰してフランジ部103を成形する。制御部70は、気体供給機構40を制御して、高圧ガスを金属パイプ材料14内へ吹き込んで、加熱により軟化した金属パイプ材料14をキャビティ部の形状に沿うように成形する(二次ブロー)。これにより、メインキャビティ部MC内にパイプ部101が成形される。
ブロー成形されて膨らんだ金属パイプ材料14の外周面が下型11のキャビティ16に接触して急冷されると同時に、上型12のキャビティ24に接触して急冷(上型12と下型11は熱容量が大きく且つ低温に管理されているため、金属パイプ材料14が接触すればパイプ表面の熱が一気に金型側へと奪われる。)されて焼き入れが行われる。このような冷却法は、金型接触冷却又は金型冷却と呼ばれる。急冷された直後はオーステナイトがマルテンサイトに変態する(以下、オーステナイトがマルテンサイトに変態することをマルテンサイト変態とする)。冷却の後半は冷却速度が小さくなったので、復熱によりマルテンサイトが別の組織(トルースタイト、ソルバイト等)に変態する。従って、別途焼戻し処理を行う必要がない。また、本実施形態においては、金型冷却に代えて、あるいは金型冷却に加えて、冷却媒体を例えばキャビティ24内に供給することによって冷却が行われてもよい。例えば、マルテンサイト変態が始まる温度までは金型(上型12及び下型11)に金属パイプ材料14を接触させて冷却を行い、その後型開きすると共に冷却媒体(冷却用気体)を金属パイプ材料14へ吹き付けることにより、マルテンサイト変態を発生させてもよい。
上述のように金属パイプ材料14に対してブロー成形を行った後に冷却を行い、型開きを行うことにより、金属パイプを得る。
〈予備成形装置による予備成形について〉
次に、予備成形装置1によって予備成形された金属パイプ材料14の形状、及び成形時における成形金型13に対する金属パイプ材料14の姿勢について説明する。図4に示すように、予備成形装置1は、上型3と下型4で金属パイプ材料14を所望の形状に成形する。予備成形装置1は、金属パイプ材料14のうち、長手方向の両端に対する予備成形を行うことなく、長手方向の中央部分に対する予備成形を行う。従って、予備成形後の金属パイプ材料14は、長手方向の両端に非予備成形部14Bを有し、中央部分を含む非予備成形部14B以外の部分に予備成形部14Aを有する。非予備成形部14Bは、正円の断面形状を有している。従って、電極17,18は、正円の断面形状である非予備成形部14Bを把持することができる。
ここで、予備成形部14Aの形状について説明を行う前に、図9を参照して、正円の断面形状を有する金属パイプ材料14Cを成形したと仮定した場合について説明する。なお、図9では、上型12及び下型11は、一次ブロー工程を行うための第1の型閉の位置に配置されている。また、第1の型閉の位置に配置された上型12及び下型11と、正円の金属パイプ材料14Cとの位置関係を説明するために、上型12及び下型11は仮想線で示され、且つ、金属パイプ材料14Cは、変形していない状態のものが示されている。ただし、実際には、上型12及び下型11を第1の型閉の位置へ配置した場合、金属パイプ材料14Cのうち、上型12及び下型11と接触する部分は変形する。
図9に示すように、金属パイプ材料14Cの周方向における六箇所の領域EA1,EA2,EA3,EA4,EA5,EA6について説明する。領域EA1は、金属パイプ材料14Cの管壁のうち、中心点CPとパイプ成形面F7との間に配置される領域である。領域EA1は、パイプ成形面F7から内周側へ大きく離間している。領域EA2は、金属パイプ材料14Cの管壁のうち、中心点CPとパイプ成形面F15との間に配置される領域である。領域EA2は、パイプ成形面F15から内周側へ大きく離間している。領域EA3は、金属パイプ材料14Cの管壁のうち、フランジ成形面F2とフランジ成形面F12との間に配置される領域である。領域EA3の外周側へ離間した位置には、フランジ部103の端部を規制する部分(不図示)が設けられている。領域EA4は、金属パイプ材料14Cの管壁のうち、フランジ成形面F1とフランジ成形面F11との間に配置される領域である。領域EA4の外周側へ離間した位置には、フランジ部102の端部を規制する部分(不図示)が設けられている。領域EA5は、金属パイプ材料14Cの管壁のうち、中心点CPから見て、パイプ成形面F5よりも外周側へ配置される領域である。領域EA5は、上型12と重なるため、金属パイプ材料14Cと上型12との位置関係が第1の型閉の位置となる途中の段階にて、パイプ成形面F5と接触する。領域EA6は、金属パイプ材料14Cの管壁のうち、中心点CPから見て、パイプ成形面F13よりも外周側へ配置される領域である。領域EA13は、下型11と重なるため、金属パイプ材料14Cと下型11との位置関係が第1の型閉の位置となる途中の段階にて、パイプ成形面F13と接触する。
上述のような領域EA1,EA2,EA3,EA4,EA5,EA6のうち、領域EA1,EA2は、上型12及び下型11を第1の型閉の位置に配置した状態では、上型12及び下型11には接触しない。領域EA1,EA2は、一次ブローを行ったときに、上型12及び下型11に接触する。領域EA3,EA4は、一次ブローを行ったときも、上型12及び下型11に接触せず、上型12及び下型11を完全に型閉するときに、上型12及び下型11に接触する。領域EA1,EA2は、上型12及び下型11を第1の型閉の位置に配置した時点では、上型12及び下型11に接触し、且つ、当該接触によって変形している。すなわち、領域EA1,EA2は、第1の型閉の位置へ移動する途中の上型12及び下型11に接触する。このように、領域EA5,EA6は、断面形状が正円である金属パイプ材料14Cに対して成形装置10での膨張成形を実行すると仮定した場合に、断面視において、他の部分よりも早期に成形金型13との接触により変形を開始する部分に該当する。なお、本実施形態では、金属パイプ材料14Cと上型12及び下型11とを重ねて見た時、領域EA5の上型12内に入り込む量は、領域EA6の下型11に入り込む量よりも大きい。すなわち、領域EA5の上型12との接触による変形量(中心点CP寄りに変形する量)は、領域EA6の下型11との接触による変形量よりも大きい。領域EA5が、断面視において最も早期に金型との接触により変形を開始する部分に該当する。ただし、上型12及び下型11が第1の型閉の位置へ移動する際に、上型12及び下型11の中心点CPからの上下方向の離間距離が等しく、移動開始のタイミングが等しく、且つ、移動速度も等しいことが条件となる。
これに対し、予備成形装置1は、図10に示すような断面形状を有するように予備成形部14Aを成形する。予備成形部14Aは、長手方向に延びるような形状を有しており、全体的に楕円形状を有している。また、予備成形部14Aは、互いの離間距離が大きくなっているパイプ成形面F4とパイプ成形面F14との間で長手方向が延びるに配置される。予備成形部14Aの中心点CPは、図9に示す正円の断面形状を有する仮想的な金属パイプ材料14Cの中心点CPと同位置となる。
断面形状が正円である金属パイプ材料14Cに対して成形装置10での膨張成形を実行すると仮定した場合に、少なくとも、断面視において最も早期に成形金型13との接触により変形を開始する部分が、金属パイプ材料14の予備成形部14Aの中心点CPへ近づくように、予備成形部14Aが配置される。具体的には、予備成形部14Aの周方向における領域のうち、仮想的に設定された金属パイプ材料14Cの領域EA1,EA2,EA3,EA4,EA5,EA6と、周方向において同位置(中心点CPを基準としたときの角度が同一)となる領域EB1,EB2,EB3,EB4,EB5,EB6を設定する。前述のように、領域EA5は、断面視において、最も早期に成形金型13との接触により変形を開始する部分に該当する。このような領域EA5に対応する領域EB5は、楕円形状の短辺方向の端部付近の部分であるため、少なくとも領域EA5よりは、中心点CPに近づく位置に配置される。また、領域EA6は、断面視において、他の部分よりも早期に成形金型13との接触により変形を開始する部分に該当する。このような領域EA6に対応する領域EB6は、楕円形状の短辺方向の端部付近の部分であるため、少なくとも領域EA6よりは、中心点CPに近づく位置に配置される。領域EB5,EB6は、第1の型閉の状態の成形金型13と接触しているが、成形金型13との接触による変形量は、領域EA5,EB6よりも小さい。
なお、領域EB1,EB2,EB3,EB4の中心点CPに対する距離は、領域EA1,EA2,EA3,EA4と略同じである。一方、予備成形部14Aのうち、パイプ成形面F4と近接する部分、及びパイプ成形面F14と近接する部分は、いずれも長手方向の端部に該当するため、正円の金属パイプ材料14Cにおける対応部分よりも、成形金型13に近い位置に配置される。以上により、予備成形部14Aの周方向の各部分における成形金型13との接触態様は、正円の金属パイプ材料14Cに比して、全体的に均一化が図られている。
次に、本実施形態に係る成形システム200の作用・効果について説明する。
まず、比較例として、図9に示すように、正円の断面形状を有する金属パイプ材料14Cを膨張成形する場合について説明する。この場合、金属パイプ材料14Cの断面形状のうち、領域EA5,EA6では、他の部分に比して早期に成形金型13に接触し、変形する。このように、金属パイプ材料14Cのうち、成形金型13に接触した部分から冷却が開始されることで、領域EA5,EA6での冷却度合いが大きくなり、当該部分は変形し難くなる。その結果、冷却度合いが大きい部分(変形し難い部分)と、冷却度合いが低い部分(変形し易い部分)とで、膨張時における変形量の差が大きくなる。そして、変形量が大きい部分は、膨張に伴って局所的な減肉する可能性がある。
本実施形態に係る成形システム200は、予備成形装置1で金属パイプ材料14を予備成形し、予備成形された金属パイプ材料14を加熱装置2で加熱し、加熱された金属パイプ材料14を成形装置10の成形金型13内で膨張させることができる。予備成形装置1は、成形装置10の成形金型13の形状に応じて金属パイプ材料14を適切な形状に予備成形することができる。ここで、予備成形装置1は、断面形状が正円である金属パイプ材料14Cに対して成形装置10での膨張成形を実行すると仮定した場合に、少なくとも、断面視において最も早期に成形金型13との接触により変形を開始する部分(領域EA5)を、金属パイプ材料14の中心点CPへ近づけるように、予備成形を行う。断面形状が正円である金属パイプ材料14Cに対して成形装置10での膨張成形を実行すると仮定した場合に、断面視において最も早期に成形金型13との接触により変形を開始する部分(領域EA5)は、成形金型13との接触に伴う冷却度合いが大きくなることによって、他の部分に比して膨張時において変形し難くなる部分である。当該箇所が予備成形によって領域EB5となり、金属パイプ材料14の中心点CPへ近づくことで、成形金型13と接触に伴う冷却度合いを低減することができる。すなわち、当該部分(領域EB5,EB6)と他の部分(領域EB1,EB2,EB3,EB4)との、膨張成形時における変形量の差を小さくすることができる。その結果、膨張成形時における金属パイプ材料14の局所的な減肉を低減することができる。
成形システム200において、予備成形装置1は、金属パイプ材料14のうち、長手方向の両端に対する予備成形を行うことなく、長手方向の中央部分に対する予備成形を行う。加熱装置2が金属パイプ材料14の長手方向の両端を支持することで加熱を行う場合、加熱装置2の支持部である電極17,18を予備成形部14Aの形状に対応させる必要がなくなる。
成形システム200において、成形装置10は、成形金型13の下型11と上型12を互いに離間させた状態で膨張成形を行う一次ブロー工程と、下型11と上型12とを型閉した状態で膨張成形を行う二次ブロー工程と、を行い、予備成形装置1は、断面形状が正円である金属パイプ材料14Cに対して成形装置10での一次ブロー工程を実行すると仮定した場合に、少なくとも最も早期に成形金型13と接触する部分を、金属パイプ材料14の中心点CPへ近づけるように、予備成形を行ってよい。一次ブロー工程での下型11と上型12との間の離間距離は、二次ブロー工程に比して大きい。この場合、例えば、金属パイプ材料14の周方向の一部では、膨張を行う前段階から成形金型13と接触する部分が発生する一方、他の部分では成形金型13と接触しない部分が発生し易い。すなわち、金属パイプ材料の周方向における、膨張時における変形量の差が大きくなりやすい。従って、一次ブロー工程で実施形態に係る成形システム200の構成を採用することで、効果がより顕著となる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、成形装置の全体構成は図1に示すものに限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述の実施形態では、加熱装置2は、成形装置10に組み込まれていた。これに代えて、加熱装置2として、加熱炉のように、成形装置10に組み込まれていないものを採用してもよい。
また、成形金型13の構成、及びそれによって得られる金属パイプの形状は、上述の実施形態に限定されない。例えば、図11~図13に示すような金属パイプ150を成形する際に、金属パイプ材料14を予備成形装置1で予備成形してよい。図11に示すように、金属パイプ150は、水平方向に長手方向を有する矩形状のパイプ部151と、パイプ部151の両端で水平方向に延びるフランジ部152,153を有する。パイプ部151は、上方へ凸となる上側領域154と、下側へ凸となる下側領域156を有する。上型12は、パイプ部151の上側領域154を成形するパイプ成形面F23,F24,F25と、フランジ部152,153を成形するフランジ成形面F21,F22を有する。下型11は、パイプ部151の下側領域156を成形するパイプ成形面F33,F34,F35と、フランジ部152,153を成形するフランジ成形面F31,F32を有する。
図12に示すように、第1の型閉の位置にある成形金型13に対して、正円の断面形状を有する金属パイプ材料14Cを配置した場合、金属パイプ材料14Cの上下方向の両端部の領域EA11,EA12が、最も早期に成形金型13との接触により変形する部分に該当する。従って、図13に示すように、予備成形装置1は、領域EA11,EA12に対応する領域EB11,EB12を、中心点CPへ近付けるように予備成形を行う。ここでは、予備成形装置1は、楕円の断面形状を有し、短手方向の両端部が上下方向の両端部となるような予備成形部14Aを成形する。このとき、予備成形部14Aの長手方向の両端部は、フランジ成形面F41,51に挟まれる部分、及びフランジ成形面F42,F52に挟まれる部分に配置される。
また、例えば、図14~図16に示すような金属パイプ160を成形する際に、金属パイプ材料14を予備成形装置1で予備成形してよい。図14に示すように、金属パイプ160は、上下方向に長手方向を有する矩形状のパイプ部161と、パイプ部161の両端で水平方向に延びるフランジ部162,163を有する。パイプ部161は、上方へ凸となる上側領域164と、下側へ凸となる下側領域166を有する。上型12は、パイプ部161の上側領域164を成形するパイプ成形面F43,F44,F45と、フランジ部162,163を成形するフランジ成形面F41,F42を有する。下型11は、パイプ部161の下側領域166を成形するパイプ成形面F53,F54,F55と、フランジ部162,163を成形するフランジ成形面F51,F52を有する。
図15に示すように、第1の型閉の位置にある成形金型13に対して、正円の断面形状を有する金属パイプ材料14Cを配置した場合、金属パイプ材料14Cのうち、上型12及び下型11の四方の角部に対応する領域EA21,EA22,EA23,EA24が、最も早期に成形金型13との接触により変形する部分に該当する。従って、図16に示すように、予備成形装置1は、領域EA21,EA22,EA23,EA24に対応する領域EB21,EB22,EB23,EB24を、中心点CPへ近付けるように予備成形を行う。ここでは、予備成形装置1は、楕円の断面形状を有し、長手方向の両端部が上下方向の両端部となるような予備成形部14Aを成形する。このとき、予備成形部14Aの短手方向の両端部は、フランジ成形面F41,51に挟まれる部分、及びフランジ成形面F42,F52に挟まれる部分に配置される。これにより、領域EB21,EB22,EB23,EB24と、上型12及び下型11の四方の角部とが重なる量を減らすことができる。
上述の実施形態では、下型11がスライド130によって上下方向に駆動していた。これに代えて、下型11が固定されて移動を行わない構成を採用してもよい。この場合、電極17,18が金属パイプ材料14を保持したままで上方へ移動した状態で通電加熱を行い、一次ブロー工程では、下方へ移動することで、下型11へ金属パイプ材料14を近付ける。
なお、上述の実施形態では、第1の型閉の位置に配置された成形金型13に対して、仮想的な金属パイプ材料14C、及び予備成形された予備成形部14Aは、の何れかの位置が一次ブロー前から接触していた。これに代えて、仮想的な金属パイプ材料14C、及び予備成形された予備成形部14Aのいずれの位置も、一次ブロー前に成形金型13に接触しなくてもよい。この場合、「断面視において最も早期に金型との接触により変形を開始する部分」は、一次ブローによって膨張したときに、成形金型13と接触する部分が該当する。