JP7040780B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機や回胴式遊技機(パチスロ遊技機)等の遊技機に関する。
従来より遊技機の一つであるパチンコ遊技機では、例えば下記特許文献1に記載されているように、演出制御手段(演出制御用マイコン)が、可動体等の演出手段を用いた可動体演出を実行するようになっている。この可動体演出では、可動体を動作させるために、演出制御手段がタイマシナリオを予めセットしている。そして、演出制御手段は、可動体演出の開始タイミングになるとタイマシナリオに基づく駆動データにより可動体を動作させるようになっている。なおタイマシナリオは、モータ等の演出手段を、どのタイミングで且つどのくらいの時間間隔で制御するのか等が指定されたデータのことである。
特開2017-29356号公報
ところで、上記特許文献1では、演出制御手段は、演出手段の駆動制御において、タイマシナリオを1つだけ進行させるようになっている。これに対して、複数のタイマシナリオを並行に進行させる新たな方法が考えられる。しかしながらこの方法の場合、誤って、複数のタイマシナリオに含まれる駆動データ同士が重複してしまう可能性がある。つまり誤って、或るタイマシナリオに基づく駆動データにより演出手段を駆動させる状況と、別のタイマシナリオに基づく駆動データにより演出手段を駆動させる状況とが同時に生じる場合があり得る。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、複数のタイマシナリオを並行に進行させつつ、不測の事態が生じた場合でも対応することが可能な遊技機を提供することにある。
本発明の遊技機は、
変動演出を実行可能な演出制御手段を備える遊技機において、
前記変動演出での区間が、複数の演出区間に区分けされていて、
前記演出制御手段は、
前記複数の演出区間のうちの特定の演出区間において、第1予告演出を実行した後に、第2予告演出を実行可能であり、
前記第1予告演出の実行中に所定の演出手段を駆動させる第1駆動動作を実行可能であり、
前記第2予告演出の実行中に前記演出手段を駆動させる第2駆動動作を実行可能であり、
前記特定の演出区間で前記第1予告演出と前記第2予告演出とを実行する場合には、前記第1駆動動作を実行するための第1タイマシナリオと前記第2駆動動作を実行するための第2タイマシナリオとを並行に進行させつつ、
前記第1タイマシナリオに基づく第1駆動データにより前記第1駆動動作を実行して、前記第2タイマシナリオに基づく第2駆動データにより前記第2駆動動作を実行可能であり、
記第1駆動データにより前記演出手段を駆動させる状況と前記第2駆動データにより前記演出手段を駆動させる状況とが生じた場合には、前記第1タイマシナリオ又は前記第2タイマシナリオのうち優先度が高い方のタイマシナリオに基づく駆動データにより前記演出手段を駆動させることが可能であることを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機によれば、複数のタイマシナリオを並行に進行させつつ、不測の事態が生じた場合でも対応することが可能である。
本発明の実施形態に係る遊技機の斜視図である。 同遊技機が備える遊技機枠の分解斜視図である。 同遊技機の正面図である。 同遊技機の右側面図である。 同遊技機が備える遊技盤の正面図である。 キャラ可動体及びボール可動体を移動可能に取付ける機構板を示す図である。 図5に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機が備える上側装飾ユニットとベース枠との関係を示す斜視図である。 同遊技機が備える中央上部ユニットが上昇位置にあるときの正面図である。 (A)は中央上部ユニットが下降位置にあるときの右側面図であり、(B)は中央上部ユニットが上昇位置にあるときの右側面図である。 (A)は中央上部ユニットが下降位置にあるときの昇降ユニットの駆動機構を示す図であり、(B)は中央上部ユニットが上昇位置にあるときの昇降ユニットの駆動機構を示す図である。 同遊技機が備える左側可動体及び右側可動体が開放位置にあるときの正面図である。 左側可動体の駆動機構を示す図である。 同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機のサブドライブ基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 当たり種別判定テーブルである。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当たり判定テーブルであり、(B)はリーチ判定テーブルであり、(C)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 特図変動パターン判定テーブルである。 電チューの開放パターン決定テーブルである。 (A)はノーマルシュート予告演出を示す図であり、(B)はボレーシュート予告演出を示す図であり、(C)はオーバーヘッドシュート予告演出を示す図である。 変動演出の演出区間を説明するための図である。 (A)はSPリーチ前半演出区間においてノーマルシュート予告演出を実行する場合のシナリオ制御を説明するための図であり、(B)はSPリーチ前半演出区間においてボレーシュート予告演出を実行する場合のシナリオ制御を説明するための図である。 SPリーチ前半演出区間においてオーバーヘッドシュート予告演出を実行する場合のシナリオ制御を説明するための図である。 従来において、SPリーチ前半演出区間においてノーマルシュート予告演出とボレーシュート予告演出とを実行する場合のシナリオ制御を説明するための図である。 本形態において、SPリーチ前半演出区間においてノーマルシュート予告演出とボレーシュート予告演出とを実行する場合のシナリオ制御を説明するための図である。 (A)は駆動データを説明するための図であり、(B)はノーマル用タイマシナリオを説明するための図である。 本形態においてシナリオ制御における調停機能を説明するための図である。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 サブ側1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 サブ側10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 駆動制御処理のフローチャートである。 第2形態においてシナリオ制御における調停機能を説明するための図である。 第3形態においてシナリオ制御における調停機能を説明するための図である。 第4形態においてシナリオ制御における調停機能を説明するための図である。 第5形態においてシナリオ制御における調停機能を説明するための図である。 第6形態においてシナリオ制御における調停機能を説明するための図である。 第7形態においてシナリオ制御における調停機能を説明するための図である。
1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、当該パチンコ遊技機PY1の外郭を構成する遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、図2に示すように、外枠22と内枠21と前扉(前枠)23とを備えている。外枠22は、パチンコ遊技機PY1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠21は、外枠22の内側に配置されていて、後述の遊技盤1を取付ける縦長方形状の枠体である。前扉23は、外枠22及び内枠21の前面側に配置されていて、遊技盤1を保護する縦長方形状のものである。前扉23は、遊技者に正対する部分であり、種々の飾り付けがなされている。
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えて構成されている。このヒンジ部24により、前扉23は、外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は、外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。前扉23の中央には開口部23aが形成されていて、遊技者が後述の遊技領域6を視認できるように透明の透明板23tが開口部23aに取付けられている。開口部23aに取付けられた透明板23tのうち開口部23aの内側に位置する部分を、窓部23m(図1参照)と称する。透明板23tは、本形態ではガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。すなわち、透明板23tは、前方から遊技領域6を視認可能なものであればよい。
図1、図3、及び図4に示すように、前扉23は、上側装飾ユニット200と、左側装飾ユニット210と、右側装飾ユニット220と、操作機構ユニット230とを備えている。なお、これらの各ユニットは、前扉23のベース枠23w(図2参照)の前面側に取付けられている。
操作機構ユニット230は、前扉23の下側に配されるものである。操作機構ユニット230は、右下部に、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(発射操作部)を備えている。また操作機構ユニット230の上側部38には、遊技球(貸球や賞球)を貯留する上皿34が設けられているとともに、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る入力部(演出ボタン)40kやセレクトボタン(十字キー)42kが設けられている。更に、操作機構ユニット230の上側部38のうち、入力部40kの右側には、展開解除ボタン44kが設けられている。展開解除ボタン44kの機能については後述する。また操作機構ユニット230の下側には、上皿34に収容しきれない遊技球を貯留する下皿35が設けられている。
また操作機構ユニット230の上側部38の左前部には、左下装飾部231が設けられている。左下装飾部231は、透光可能な合成樹脂部材からなり、内蔵されている後述の枠ランプ212が放つ光を透過させる。また操作機構ユニット230の上側部38の右前方には、右下装飾部233が設けられている。右下装飾部233は、透光可能な合成樹脂部材からなり、内蔵されている後述の枠ランプ212が放つ光を透過させる。
左側装飾ユニット210は、前扉23における窓部23mの左側に配されるものである。左側装飾ユニット210は、透光可能な合成樹脂部材からなる左中装飾部211と、左中装飾部211に後方から光を入射させる枠ランプ212を備えている。左中装飾部211は、前扉23における窓部23mの左側を上下方向に沿って装飾している。なお、左側装飾ユニット210の下部には、左中装飾部211と比べて後方に奥まっている逃げ部219(左中装飾部211よりも前方に突出していない部分)が設けられている。この逃げ部219は、上皿34に遊技球を供給するためにホールに設置される装置(「象の鼻」と通称される装置)を配するスペースを確保するためのものである。
右側装飾ユニット220は、前扉23における窓部23mの右側に配されるものである。右側装飾ユニット220は、透光可能な合成樹脂部材からなる右中装飾部221と、右中装飾部221に後方から光を入射させる枠ランプ212を備えている。右中装飾部221は、前扉23における窓部23mの右側を上下方向に沿って装飾している。
上側装飾ユニット200は、前扉23の上側に配されており、左側装飾ユニット210、右側装飾ユニット220、操作機構ユニット230よりも前方に突出している(図4参照)。上側装飾ユニット200は、左右方向中央に配された中央上部ユニット400と、中央上部ユニット400の左方に配された左上部ユニット500と、中央上部ユニット400の右方に配された右上部ユニット550とを有している。
左上部ユニット500の前方部分には、透光可能な合成樹脂部材からなる左上装飾部525が設けられていて、左上装飾部525に後方から光を入射させる枠ランプ212が設けられている。また、右上部ユニット550の前方部分には、透光可能な合成樹脂部材からなる右上装飾部575が設けられていて、右上装飾部575に後方から光を入射させる枠ランプ212が設けられている。
各種の枠ランプ212を発光させると、前扉23の右上から右下までの上下のライン(詳細には、上下方向の中央が上端や下端よりも後方に位置するように湾曲したライン、図4参照)と、前扉23の左上から左下までの上下のライン(逃げ部219を除く)が強調されて発光する。なお、逃げ部219を設けることなく、左側の各装飾部が形状的に繋がるように構成してもよい。
遊技機枠2には、図5に示す遊技盤1が取付けられている。図5に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、後述の盤ランプ54(特定駆動手段)が多数設けられている。また遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。なお遊技盤1は、前方側にて遊技領域6を形成する板状部材と、この板状部材の後方にて各種制御基板や後述する画像表示装置50等がユニット化された裏ユニットとを備えて構成されている。
また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段)が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄EZ(装飾図柄)の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの演出図柄表示領域からなる。左演出図柄表示領域には左演出図柄EZ1が表示され、中演出図柄表示領域には中演出図柄EZ2が表示され、右演出図柄表示領域には右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」~「8」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組み合わせによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数や、後述の第2特図保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠(内側壁部)61が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ61sへ遊技球を流出させるワープ61wが設けられている。
またセンター枠61の上部には、上下方向に移動可能なキャラ可動体55kが設けられている。キャラ可動体55kは、本パチンコ遊技機PY1のキャラクタを模した演出可動体であり、表示画面の50aの上部に位置する待機位置(図5参照)と、表示画面50aの中央と前後方向に重なる駆動位置(図6の二点鎖線参照)との間で移動可能である。またセンター枠61の右下部には、左右方向且つ上下方向に移動可能なボール可動体56kが設けられている。ボール可動体56kは、サッカーボールを模した演出可動体であり、表示画面50aよりも右下で遊技者から視認不可能な退避位置(図5参照)から、左方且つ上方に移動可能である(図6の二点鎖線参照)。なおボール可動体56kが退避位置から移動して遊技者が視認可能になっている任意の位置を、「露出位置」と呼ぶことにする。
ここで図6は、キャラ可動体55k及びボール可動体56kを移動可能に取付ける機構板1Aを示す図である。なお機構板1Aは、遊技盤1のうち前方側に配置されている板状部材を取外すと視認できるようになっていて、裏ユニットのうち画像表示装置50よりも前方に配置されている。図6に示すように、機構板1Aは、上下移動機構51と、XY移動機構52とを備えている。
上下移動機構51は、キャラ可動体55kを上下方向に移動可能にするための機構である。上下移動機構51は、キャラ可動体55kを保持するホルダ53と、ホルダ53の左側を上下方向に移動可能に支持する左側駆動軸57Lと、ホルダ53の右側を上下方向に移動可能に支持する右側駆動軸57Rと、左側駆動軸57Lと右側駆動軸57Rとをそれぞれ回転可能にするキャラ移動モータ58とを備えている。キャラ移動モータ58は、機構板1Aの左右両側で且つ下側にそれぞれ設けられていて、左側駆動軸57Lと右側駆動軸57Rとをそれぞれ回転させることで、ホルダ53の左右両側を上下方向に移動させるものである。
こうして上下移動機構51では、図6に示す状態から各キャラ移動モータ58が駆動すると、ホルダ53が下方向に移動して、キャラ可動体55kは待機位置から図6の二点鎖線で示す駆動位置へ移動可能である。その後、キャラ移動モータ58が上記と反対に駆動すると、ホルダ53が上方向に移動して、キャラ可動体55kは図6の二点鎖線で示す駆動位置から待機位置へ移動(復帰)可能である。
XY移動機構52は、ボール可動体56kを上下方向且つ左右方向に移動可能にするための機構である。そしてXY移動機構52は、ボール可動体56kを左右方向に移動(スライド)可能にするラックピニオン機構91と、ボール可動体56kに取付けられているボール左右移動モータ92とを備えている。ラックピニオン機構91では、左右方向に延びるラック91aと、ボール左右移動モータ92の回転軸に取付けられているピニオン(図示省略)とが噛合している。そのため、ボール左右移動モータ92が駆動すると、ボール可動体56kは、ラック91aに沿って左右方向に移動可能である。
またXY移動機構52は、ラックピニオン機構91の左側を上下方向に移動可能に支持する左側回転軸93Lと、ラックピニオン機構91の右側を上下方向に移動可能に支持する右側回転軸93Rと、左側回転軸93Lと右側回転軸93Rとをそれぞれ回転可能にするボール上下移動モータ94とを備えている。ボール上下移動モータ94は、機構板1Aの左下部に設けられていて、左側回転軸93Lに連結していると共に、機構板1Aの下側に設けられている回転連係機構95を介して右側回転軸93Rに連結している。よって、ボール上下移動モータ94は、左側回転軸93Lと右側回転軸93Rとをそれぞれ回転させることで、ラックピニオン機構91及びボール可動体56kを一体的に上下方向に移動可能である。
こうして上下移動機構51では、図6に示す状態から各ボール左右移動モータ92が駆動すると共に、ボール上下移動モータ94が駆動すると、ボール可動体56kは退避位置から例えば図6の二点鎖線で示す露出位置へ移動可能である。その後、ボール可動体56kは、各ボール左右移動モータ92及びボール上下移動モータ94が上記と反対に駆動すると、退避位置へ移動(復帰)可能である。本形態では、各ボール左右移動モータ92の駆動時間と回転方向、及びボール上下移動モータ94の駆動時間及び回転方向を調整することで、後述するように、ボール可動体56kを図6の二点鎖線で示す露出位置以外にも、様々な位置(露出位置)へ移動させることが可能である。またボール可動体56kは、各ボール左右移動モータ92又はボール上下移動モータ94の何れか一方だけが駆動すれば、上下方向又は左右方向の何れか一方向だけに移動可能である。
図5の説明に戻る。図5に示すように、遊技領域6における画像表示装置50の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー12Dは、開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(入球口開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、大入賞口14を備えた大入賞装置(特別電動役物)14Dが設けられている。大入賞口14を、特別入賞口ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとるAT開閉部材14k(特別入賞口開閉部材)を備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、後述のATソレノイド14sにより駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、センター枠61の右方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口11への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、大入賞装置14Dと、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート13への通過や、第2始動口12及び大入賞口14への入賞を狙うことができる。
また図5に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図7に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81(図柄表示手段)ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図7参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.上側装飾ユニットの構成
次に図3及び図8~図13に基づいて、上側装飾ユニット200の構成を説明する。図8に示すように、上側装飾ユニット200は、前扉23のベース枠23wの上部に取付けられている。上側装飾ユニット200は、昇降ユニット300と、中央上部ユニット400と、左上部ユニット500と、右上部ユニット550とを備えている。中央上部ユニット400、左上部ユニット500、右上部ユニット550は、昇降ユニット300の前面側に配された取付ベース331に組付けられている。
昇降ユニット300は、上側装飾ユニット200の昇降動作を行うものである(図3及び図9参照)。左上部ユニット500および右上部ユニット550は、開閉動作を行うものである(図9及び図12参照)。なお以下では、左上部ユニット500及び右上部ユニット550をまとめて説明する場合には、「開閉ユニット600」ということがある。開閉ユニット600は、中央上部ユニット400に対して組付けられている。
先ず、上側装飾ユニット200での昇降動作について説明する。上側装飾ユニット200のうち可動側である中央上部ユニット400及び開閉ユニット600は、昇降ユニット300により、図3に示す下降位置(原点位置)から図9に示す上昇位置(動作位置)へ上昇(移動)することが可能である。なお側面図において、中央上部ユニット400及び開閉ユニット600は、図10(A)に示す下降位置から図10(B)に示す上昇位置へ移動することが可能である。勿論、中央上部ユニット400及び開閉ユニット600は、下降位置へ下降(移動)できるようになっている。
昇降ユニット300は、図11(A)(B)に示すように、ステッピングモータである昇降モータ310(二点鎖線参照)と、第1ギヤ311と、第2ギヤ312と、第3ギヤ313とを備えている。そのため、昇降モータ310が駆動すると、第1ギヤ311、第2ギヤ312、第3ギヤ313が順番に回転する。また昇降ユニット300には、上下方向に長く伸びる円弧状の長孔314(二点鎖線参照)が形成されている。長孔314には、後述するスライド部材410の軸ピン411が上下方向にスライド可能に挿通されている。
中央上部ユニット400は、図3に示すように、中央に演出可動物として中央可動体401を備え、図11(A)(B)に示すように、後方の左右両側に、スライド部材410を備えている。スライド部材410の下端には、上述した長孔314に挿通される軸ピン411が設けられている。また中央上部ユニット400には、リンク機構420が設けられている。リンク機構420は、スライド部材410を組付けていて、上述した第3ギヤ313が回転することで、スライド部材410を長孔314に沿って移動させることが可能になっている。
こうして、中央上部ユニット400(中央可動体401)及び開閉ユニット600が、図3に示す下降位置にあるときに、昇降モータ310が駆動すると、第1ギヤ311と第2ギヤ312と第3ギヤ313とが回転する。これによりリンク機構420が作動して、スライド部材410の軸ピン411が図11(A)に示す位置から図11(B)に示す位置まで、長孔314に沿って上方にスライドする。その結果、スライド部材410を組付けている中央上部ユニット400(中央可動体401)と、開閉ユニット600とが、図9に示す上昇位置へ上昇するようになっている。
ここで図3及び図9に示すように、中央可動体401の正面側には、環状のタッチ電極430が取付けられている。タッチ電極430は、中央可動体401の内部に設けられているタッチセンサ431(図3及び図8では不図示)に電気的に接続されている。タッチセンサ431は、タッチ電極430に対する人体(遊技者等)の接触を検出するものであり、具体的には高周波発振回路を利用する静電容量式のタッチセンサである。つまり、人体がタッチ電極430に接触すると、人体の大地に対する静電容量(人体容量)に基づいて、高周波発振回路が発振する高周波正弦波電圧が減少する。タッチセンサ431は、この高周波正弦波電圧の減少を検知することにより、人体がタッチ電極430に接触したことを検出するようになっている。なおタッチセンサ431は、設定で感度を調整することにより、タッチ電極430に対する人体の接触だけでなく、タッチ電極430に対する人体の接近も検出可能である。
本形態では、タッチセンサ431による検出がなされると、中央可動体401(中央上部ユニット400)を停止させることが可能である。従って、中央可動体401の移動中に、人体(遊技者等)がタッチ電極430に接触すると、中央可動体401を停止させることが可能である。これにより、移動中の中央可動体401とその他の演出物との間で、人体が挟み込まれるのを回避することが可能である。なお人体がタッチ電極430に接触していれば、待機位置にある中央可動体401が駆動位置へ駆動し始めるタイミングであっても、中央可動体401は待機位置で停止し続けることになる。また人体がタッチ電極430に接触していれば、駆動位置にある中央可動体401が待機位置へ駆動し始めるタイミングであっても、中央可動体401は駆動位置で停止し続けることになる。
また図3及び図9に示すように、中央可動体401のうちタッチ電極430の上方には、接触用報知ランプ432が設けられている。接触用報知ランプ432は、タッチセンサ431による検出がなされているときに、発光可能なものである。従って遊技者がタッチ電極430に接触したときに、接触用報知ランプ432が発光することで、タッチ電極430に接触しない方が良いこと(中央可動体401によって人体が挟み込まれるおそれがあること)を遊技者に把握させ易くすることが可能である。
次に、上側装飾ユニット200での開閉動作について説明する。開閉ユニット600(具体的には後述する左側可動体510及び右側可動体560)は、図9に示す閉鎖位置(原点位置)から図12に示す開放位置(動作位置)へ開く(移動する)ことが可能である。なお開閉ユニット600は、中央上部ユニット400に対して開閉するものである。そのため、図9及び図12では、中央上部ユニット400が上昇位置にあるときに開閉ユニット600の開閉動作が示されているが、中央上部ユニット400が下降位置にあっても開閉ユニット600は開閉動作可能である。左上部ユニット500と右上部ユニット550は、左右対称の形状をしており、構成要素は同じである。よって以下では、左上部ユニット500について説明し、右上部ユニット550については詳細な説明を省略する。
図13に示すように、左上部ユニット500は、左側可動体510(可動体,駆動手段)と、左側可動体510を駆動させるための開閉駆動部530とを備えている。開閉駆動部530は、ステッピングモータである左上部モータ531と、左上部モータ531の回転軸に取付けられた駆動ギヤ532と、駆動ギヤ532と噛み合っている従動ギヤ533と、従動ギヤ533と噛み合っている扇形ギヤ部534とを備えている。扇形ギヤ部534は、左側可動体510に固定されている。よって、左上部モータ531が駆動すると、駆動ギヤ532、従動ギヤ533、扇形ギヤ部534が連動し、左側可動体510は、軸部材511を回転中心として回転する。
左側可動体510は、閉鎖位置(図9参照)にあるときに遊技者に視認されない内側部材512と、閉鎖位置にあるときに遊技者に視認される外側部材520とが組合わされたものである。内側部材512は、円形状の内側レンズ部513と、内側レンズ部513を囲う内側本体部515とを備えており、外側部材520は、円形状の外側レンズ部521(図9参照)と、外側レンズ部521を囲う外側本体部523とを備えている。内側本体部515および外側本体部523は、透光性を有する合成樹脂からなる。
右上部ユニット550については、左側可動体510に対応する構成を右側可動体560と称し、左上部モータ531に対応する構成を右上部モータ581と称し、残りの構成を左上部ユニット500における構成と同様の名称および符号とする。なお本形態では、左側可動体510と右側可動体560とが同時に開閉動作を行ったり、何れか一方だけ開閉動作を行うことがある。更に、左側可動体510の開放動作(閉鎖位置から開放位置への移動)⇒右側可動体560の開放動作⇒左側可動体510の閉鎖動作(開放位置から閉鎖位置への移動)⇒右側可動体560の閉鎖動作の順番に左側可動体510と右側可動体560とが動作することもある。
ここで展開解除ボタン44kの機能について説明する。本形態では、SPリーチの中でも特に当選期待度が高いSPリーチ(強SPリーチ)の実行中において、中央上部ユニット400及び開閉ユニット600による展開駆動演出が実行され得る。展開駆動演出が実行される場合、先ず中央可動体401(中央上部ユニット400)が、図3に示す下降位置から図9に示す上昇位置へ移動する。その後、左側可動体510及び右側可動体560が、図9に示す閉鎖位置から図12に示す開放位置へ移動する。こうして展開駆動演出が実行されることにより、当選期待度が高い演出としての演出効果を一層高めることが可能である。
しかしながら、展開駆動演出が実行されると、図12に示すように、遊技者にとってパチンコ遊技機PY1よりも上方が見え難くなる。具体的には、パチンコ遊技機PY1よりも上方にて大きく展開している中央可動体401と左側可動体510と右側可動体560とが邪魔になって、パチンコ遊技機PY1よりも上方に配置されているデータカウンタ等が見え難くなるおそれがある。そこで本形態では、展開解除ボタン44kを押下操作することで、左側可動体510及び右側可動体560(開閉ユニット600)を閉鎖位置へ移動(復帰)させると共に、中央可動体401(中央上部ユニット400)を下降位置へ移動させることが可能である。これにより遊技者は、展開駆動演出の実行中であっても、展開解除ボタン44kを押下操作することで、パチンコ遊技機PY1よりも上方(データカウンタ等)を見え易くすることが可能である。
3.遊技機の電気的構成
次に図14~図16に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図14及び図15に示すようにパチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、盤ランプ54、枠ランプ212、中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560、キャラ可動体55k、ボール可動体56k等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
図14に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106とが設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、および一般入賞口センサ10aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10内に設けられて一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図15に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また図15に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)が接続されている。画像制御基板140には画像表示装置50が接続され、音声制御基板161にはスピーカ610が接続されている。また図15及び図16に示すように、演出制御基板120には、サブドライブ基板162(サブドライブ回路)が接続されている。
サブドライブ基板162には、図16に示すように、枠ランプ212、盤ランプ54、キャラ移動モータ58(キャラ可動体55k)、ボール左右移動モータ92及びボール上下移動モータ94(ボール可動体56k)が接続されている。またサブドライブ基板162には、枠上中継基板180を介して、昇降ユニット300に設けられている昇降モータ310と、中央可動体401に設けられている接触用報知ランプ432及びタッチセンサ431に接続されている。更にサブドライブ基板162には、枠上中継基板180を介して、左上部ユニット500の左上部モータ531と、右上部ユニット550の右上部モータ581に接続されている。
図15に示すように、演出制御基板120の演出制御用マイコン121(演出制御手段)は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
また図15および図16に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162、枠上中継基板180を介して、各種の枠ランプ212、盤ランプ54、接触用報知ランプ432等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、発光用の駆動データともいう)を作成し、発光用の駆動データに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
枠ランプ212、盤ランプ54、接触用報知ランプ432は、具体的には、回路基板に実装されているLEDのことである。これら枠ランプ212、盤ランプ54、接触用報知ランプ432は、回路基板のLED回路に流れる駆動電流の大きさに応じて発光可能である。即ち、回路基板のLED回路に流れる駆動電流が大きいほど、枠ランプ212、盤ランプ54、接触用報知ランプ432は、明るく発光できるようになっている。本形態では、演出制御用マイコン121が、サブドライブ基板162に送信するランプデータに基づいて、枠ランプ212及び盤ランプ54の回路基板のLED回路に流れる駆動電流の大きさを調整可能になっている。なおLED回路では、LEDの色を変化させずに明るさを変更するため、PWM(Pulse Width Modulation)信号に基づくPWM制御(パルス幅変調制御)が実行される。
ここで本形態では、タッチセンサ431がタッチ電極430に対する人体の接触を検出すると、タッチセンサ431から検出信号が枠上中継基板180とサブドライブ基板162とを介して演出制御基板120に入力される。このとき演出制御用マイコン121は、接触報知ランプデータをサブドライブ基板162に送信する。これにより、接触報知ランプデータを受信したサブドライブ基板162は、枠上中継基板180を介して接触用報知ランプ432を発光させるようになっている。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介してキャラ可動体55k(演出手段)及びボール可動体56k(演出手段)の駆動制御を行うと共に、サブドライブ基板162及び枠上中継基板180を介して中央可動体401、左側可動体510、及び右側可動体560の駆動制御を行う。詳細には、後述するように、演出制御用マイコン121は、各可動体の動作態様を決めるタイマシナリオを作成し、タイマシナリオに基づく駆動データによって、キャラ移動モータ58、ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94、昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581の駆動制御を行う。タイマシナリオの作成には、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
本形態では、昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581、キャラ移動モータ58、ボール左右移動モータ92、及びボール上下移動モータ94は、ステッピングモータであり、演出制御用マイコン121によるステップ数の管理によって駆動する。そのため演出制御用マイコン121は、ステップ数の管理によって、昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581、キャラ移動モータ58、ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94をどのくらい回転駆動させたかを把握している。つまり、演出制御用マイコン121は、ステップ数の管理によって、中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560、キャラ可動体55k、及びボール可動体56kが現在どの位置にいるのかを把握できるようになっている。
また本パチンコ遊技機PY1では、安全性を高めるため、中央可動体401と左側可動体510と右側可動体560の位置を検出するフォトセンサをそれぞれ設けている。即ち、図示を省略するが、中央可動体401の下降位置を検出するフォトセンサ、中央可動体401の上昇位置を検出するフォトセンサ、左側可動体510の閉鎖位置を検出するフォトセンサ、左側可動体510の開放位置を検出するフォトセンサ、右側可動体560の閉鎖位置を検出するフォトセンサ、右側可動体560の開放位置を検出するフォトセンサが設けられている。こうして演出制御用マイコン121は、ステップ数の管理以外に、フォトセンサによっても、中央可動体401と左側可動体510と右側可動体560の位置を把握することが可能である。
なお、サブドライブ基板162にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や、可動体の駆動制御を行わせてもよい。さらにこの場合、サブドライブ基板162にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また演出制御基板120には、図15に示すように、入力部検知センサ40a(演出ボタン検知センサ)、セレクトボタン検知センサ42a、展開解除ボタン検知センサ44aが接続されている。入力部検知センサ40aは、入力部40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。入力部40kが押下操作されると入力部検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検知するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
展開解除ボタン検知センサ44aは、展開解除ボタン44k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。展開解除ボタン44kが押下操作されると展開解除ボタン検知センサ44aから演出制御基板120に対して検出信号が出力される。これにより演出制御用マイコン121は、上述したように、下降位置にいない中央可動体401を下降位置へ移動させると共に、閉鎖位置にいない左側可動体510及び右側可動体560を閉鎖位置へ移動させることが可能である。
なお図14~図16は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図14~図16に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図14~図16に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図14~図16に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図17に示す通りである。図17に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。確変大当たりと通常大当たりである。確変大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に制御する大当たりである。通常大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(低確率状態)に制御する大当たりである。
より具体的には、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから8Rまでは大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから16Rまでは大入賞口14を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。これらの大当たりでは9Rから16Rまでは、大入賞口14の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、特図1の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから16Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。特図2の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_通常図柄」が停止表示される。
いずれの大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技後には後述する電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。電サポ制御状態は、高確率状態に伴って制御される場合には次回の大当たり当選まで継続する。一方、通常確率状態(低確率状態)に伴って制御される場合には、電サポ回数(時短回数)が100回に設定される。電サポ回数とは、電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
なお図17に示すように、特図1の抽選および特図2の抽選における大当たりの振分率は、共に確変大当たりが65%、通常大当たりが35%となっている。但し、特図1の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が8ラウンドの大当たり遊技が実行される一方、特図2の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が16ラウンドの大当たり遊技が実行される点で、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図18(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図18(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図19(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図20参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図19(C)参照)。つまり、普図表示器82の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普図表示器82による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では7秒であるが、時短状態では1秒である(図19(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図21参照)。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図21参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、確変大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確高ベース状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確高ベース状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
また、通常大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することとする。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図5参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域6L(図5参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.予告演出
本形態では、変動演出の実行中で大当たりか否かが示される前に、大当たりへの当選期待度を示唆する予告演出が実行されることがある。この予告演出の一つとして、表示画面50aにシュート画像が表示されると共に、ボール可動体56kがシュート画像に対応する位置に移動するシュート予告演出がある。本形態では、図22(A)に示すノーマルシュート予告演出(第1演出)、図22(B)に示すボレーシュート予告演出(第2演出)、図22(C)に示すオーバーヘッドシュート予告演出が実行される場合がある。
具体的に、図22(A)に示すノーマルシュート予告演出では、表示画面50aに、主人公キャラが通常のシュート姿勢でグランドシュートを放つことを示すノーマルシュート画像YE1が表示される。更に、ボール可動体56kが退避位置(図5参照)から、左方へ移動した後に上方に移動して、図22(A)に示す第1露出位置へ移動するようになっている。第1露出位置は、ノーマルシュート画像YE1で示されている主人公キャラの足先に重なる位置である。なおボール可動体56kは、ノーマルシュート予告演出が終了する直前に、図22(A)に示す第1露出位置から、下方へ移動した後に右方に移動して、退避位置へ戻ることになる。以下では、ボール可動体56kが、図5に示す退避位置から図22(A)に示す第1露出位置へ移動して再び退避位置まで戻る一連の演出を、「ノーマル可動体駆動演出」と呼ぶことにする。
また図22(B)に示すボレーシュート予告演出では、表示画面50aに、主人公キャラが横向きの姿勢でボレーシュートを放つことを示すボレーシュート画像YE2が表示される。更に、ボール可動体56kが退避位置(図5参照)から、左方へ移動した後に上方に移動して、図22(B)に示す第2露出位置へ移動するようになっている。第2露出位置は、ボレーシュート画像YE2で示されている主人公キャラの足先に重なる位置である。なおボール可動体56kは、ボレーシュート予告演出が終了する直前に、図22(B)に示す第2露出位置から、下方へ移動した後に右方に移動して、退避位置へ戻ることになる。以下では、ボール可動体56kが、図5に示す退避位置から図22(B)に示す第2露出位置へ移動して再び退避位置まで戻る一連の演出を、「ボレー可動体駆動演出」と呼ぶことにする。
また図22(C)に示すオーバーヘッドシュート予告演出では、表示画面50aに、主人公キャラが逆さまの姿勢でオーバーヘッドシュートを放つことを示すオーバーヘッドシュート画像YE3が表示される。更に、ボール可動体56kが退避位置(図5参照)から、左方へ移動した後に上方に移動して、図22(C)に示す第3露出位置へ移動するようになっている。第3露出位置は、オーバーヘッドシュート画像YE3で示されている主人公キャラの足先に重なる位置である。なおボール可動体56kは、オーバーヘッドシュート予告演出が終了する直前に、図22(C)に示す第3露出位置から、下方へ移動した後に右方に移動して、退避位置へ戻ることになる。以下では、ボール可動体56kが、図5に示す退避位置から図22(B)に示す第3露出位置へ移動して再び退避位置まで戻る一連の演出を、「オーバーヘッド可動体駆動演出」と呼ぶことにする。
これら3つのシュート予告演出では、演出制御用マイコン121が、それぞれボール可動体56kを移動させるために、ボール左右移動モータ92の駆動制御と、ボール上下移動モータ94の駆動制御を行うことになる。モータの駆動制御は、タイマシナリオを用いたシナリオ制御に基づいて実行される。本形態のタイマシナリオは、後述するように、どのモータを用いて、どのタイミングで、どのくらいの時間間隔で制御するか、励磁の強弱、モータの回転方向等が指定された駆動データである。よって、演出制御用マイコン121は、シュート予告演出を実行する際には、実行するシュート予告演出に対応したタイマシナリオを作成する。そして、時間の経過に伴ってタイマシナリオに基づく駆動データにより、ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94の駆動制御を行い、ボール可動体56kを適宜移動させることになる。以下では、タイマシナリオを用いたシナリオ制御について、更に詳細に説明する。
6.タイマシナリオを用いたシナリオ制御
本形態のシナリオ制御を説明する前に、先ず変動演出の演出区間について説明する。本形態では図23に示すように、変動演出の演出区間は、演出図柄EZの変動表示が開始されてから演出図柄EZの停止表示が終了するまでの間に、5つの演出区間に区分けされている。具体的に、リーチ前前半演出区間と、リーチ前後半演出区間と、発展演出区間と、SPリーチ前半演出区間と、SPリーチ後半演出区間とがある。
変動演出においてリーチが形成される前の演出区間として、リーチ前前半演出区間と、リーチ前後半演出区間とが設けられている。変動演出においてSPリーチに発展する際の演出区間として、発展演出区間が設けられている。変動演出において、SPリーチが実行されているときの演出区間として、SPリーチ前半演出区間(特定の演出区間)と、SPリーチ後半演出区間とが設けられている。予告演出は、5つの演出区間のうちの何れかの演出区間において、実行される。即ち、本形態の予告演出は、2つ以上の演出区間に跨って実行されることはないように設定されている。但し変形例として、2つ以上の演出区間に跨って予告演出が実行されることがあるようにしても良い。
本形態では、図22(A)に示すノーマルシュート予告演出は、SPリーチ前半演出区間で実行され得るようになっている。そこで、図24(A)に基づいて、SPリーチ前半演出区間で、ノーマルシュート予告演出が実行される場合のシナリオ制御について説明する。後述するように、予告演出選択処理(図34に示すステップS1204参照)では、変動演出パターン等に基づいて、予告演出が実行されるか否かが選択される。このとき、ノーマルシュート予告演出を実行すると決定されると、演出制御用マイコン121は、ノーマルシュート予告演出を実行するためのタイマシナリオとして、ノーマル用タイマシナリオ(第1タイマシナリオ)を作成する。そして、SPリーチ前半演出区間になるとノーマル用タイマシナリオを設定して、ノーマル用タイマシナリオを時間の経過に従って進行させる。
ここで図24(A)に示すように、ノーマル用タイマシナリオには、SPリーチ前半演出区間において、開始タイミングから10秒経過時点までの待機データ(「待機」の駆動データ)が含まれ、10秒経過時点から20秒経過時点までのノーマル用駆動データ(第1駆動データ)が含まれ、20秒経過時点から40秒経過時点までの待機データが含まれている。そこで、演出制御用マイコン121は、SPリーチ前半演出区間の開始タイミングにおいて、ノーマル用タイマシナリオに基づいてノーマル用駆動データの駆動設定を行う。そして、開始タイミングから10秒経過時点まで待機データをサブドライブ基板162に出力して、ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94を駆動させない。
続いて、図24(A)に示すように、演出制御用マイコン121は、SPリーチ前半演出区間において10秒経過時点になると、駆動設定されているノーマル用駆動データに基づいて、ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94を駆動するための出力データ(以下「ノーマル用駆動出力データ」と呼ぶ)を、サブドライブ基板162に逐次出力することになる。このノーマル用駆動出力データは、SPリーチ前半演出区間における20秒経過時点まで出力される。これにより、ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94の駆動が制御されて、ノーマル可動体駆動演出(ボール可動体56kが退避位置から図22(A)に示す第1露出位置へ移動して再び退避位置まで戻るまでの演出)が実行される。
また図24(A)に示すように、SPリーチ前半演出区間において、10秒経過時点から20秒経過時点までの間、表示画面50aには、図22(A)に示すノーマルシュート画像YE1が表示される。こうして、ノーマルシュート画像YE1の表示と、ノーマル可動体駆動演出の実行とにより、ノーマルシュート予告演出が実行されることになる。その後、演出制御用マイコン121は、20秒経過時点から40秒経過時点まで、待機データをサブドライブ基板162に出力して、ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94を駆動させない。
また本形態では、図22(B)に示すボレーシュート予告演出は、SPリーチ前半演出区間で実行され得るようになっている。そこで、図24(B)に基づいて、SPリーチ前半演出区間で、ボレーシュート予告演出が実行される場合のシナリオ制御について説明する。後述する予告演出選択処理(図34に示すステップS1204参照)で、ボレーシュート予告演出を実行すると決定されると、演出制御用マイコン121は、ボレーシュート予告演出を実行するためのタイマシナリオとして、ボレー用タイマシナリオ(第2タイマシナリオ)を作成する。そして、SPリーチ前半演出区間になるとボレー用タイマシナリオを設定して、ボレー用タイマシナリオを時間の経過に従って進行させる。
ここで図24(B)に示すように、ボレー用タイマシナリオには、SPリーチ前半演出区間において、開始タイミングから30秒経過時点までの待機データが含まれ、30秒経過時点から40秒経過時点までのボレー用駆動データ(第2駆動データ)が含まれている。そこで、演出制御用マイコン121は、SPリーチ前半演出区間の開始タイミングにおいて、ボレー用タイマシナリオに基づいてボレー用駆動データの駆動設定を行う。そして、開始タイミングから30秒経過時点まで待機データをサブドライブ基板162に出力して、ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94を駆動させない。
続いて、演出制御用マイコン121は、SPリーチ前半演出区間において30秒経過時点になると、駆動設定されているボレー用駆動データに基づいて、ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94を駆動するための出力データ(以下「ボレー用駆動出力データ」と呼ぶ)を、サブドライブ基板162に逐次出力することになる。このボレー用駆動出力データは、SPリーチ前半演出区間における40秒経過時点(SPリーチ前半演出区間の終了時点)まで出力される。これにより、ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94の駆動が制御されて、ボレー可動体駆動演出(ボール可動体56kが退避位置から図22(B)に示す第2露出位置へ移動して再び退避位置まで戻るまでの演出)が実行される。
また図24(B)に示すように、SPリーチ前半演出区間において、30秒経過時点から40秒経過時点までの間、表示画面50aには、図22(B)に示すボレーシュート画像YE2が表示される。こうして、ボレーシュート画像YE2の表示と、ボレー可動体駆動演出の実行とにより、ボレーシュート予告演出が実行されることになる。
また本形態では、図22(C)に示すオーバーヘッドシュート予告演出は、SPリーチ前半演出区間で実行され得るようになっている。そこで、図25に基づいて、SPリーチ前半演出区間で、オーバーヘッドシュート予告演出が実行される場合のシナリオ制御について説明する。後述する予告演出選択処理(図34に示すステップS1204参照)で、オーバーヘッドシュート予告演出を実行すると決定されると、演出制御用マイコン121は、オーバーヘッドシュート予告演出を実行するためのタイマシナリオとして、オーバーヘッド用タイマシナリオを作成する。そして、SPリーチ前半演出区間になるとオーバーヘッド用タイマシナリオを設定して、オーバーヘッド用タイマシナリオを時間の経過に従って進行させる。
ここで図25に示すように、オーバーヘッド用タイマシナリオには、SPリーチ前半演出区間において、開始タイミングから5秒経過時点までの待機データが含まれ、5秒経過時点から35秒経過時点までのオーバーヘッド用駆動データが含まれ、35秒経過時点から40秒経過時点までの待機データが含まれている。そこで、演出制御用マイコン121は、SPリーチ前半演出区間の開始タイミングにおいて、オーバーヘッド用タイマシナリオに基づいてオーバーヘッド用駆動データの駆動設定を行う。そして、開始タイミングから5秒経過時点まで待機データをサブドライブ基板162に出力して、ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94を駆動させない。
続いて、図25に示すように、演出制御用マイコン121は、SPリーチ前半演出区間において5秒経過時点になると、駆動設定されているオーバーヘッド用駆動データに基づいて、ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94を駆動するための出力データ(以下「オーバーヘッド用駆動出力データ」と呼ぶ)を、サブドライブ基板162に逐次出力することになる。このオーバーヘッド用駆動出力データは、SPリーチ前半演出区間における35秒経過時点まで出力される。これにより、ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94の駆動が制御されて、オーバーヘッド可動体駆動演出(ボール可動体56kが退避位置から図22(C)に示す第3露出位置へ移動して再び退避位置まで戻るまでの演出)が実行される。
また図25に示すように、SPリーチ前半演出区間において、5秒経過時点から35秒経過時点までの間、表示画面50aには、図22(C)に示すオーバーヘッドシュート画像YE3が表示される。こうして、オーバーヘッドシュート画像YE3の表示と、オーバーヘッド可動体駆動演出の実行とにより、オーバーヘッドシュート予告演出が実行されることになる。その後、演出制御用マイコン121は、35秒経過時点から40秒経過時点まで、待機データをサブドライブ基板162に出力して、ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94を駆動させない。
ところで、1つの演出区間であっても、2つ以上の予告演出(可動体駆動演出)を実行する場合がある。例えば、SPリーチ前半演出区間において、ノーマルシュート予告演出とボレーシュート予告演出とを実行する場合があり得る。この場合、従来においては、図26に示すように、シナリオ制御を行っていた。
即ち、後述する予告演出選択処理(図34に示すステップS1204参照)で、ノーマルシュート予告演出とボレーシュート予告演出とを実行すると決定されると、演出制御用マイコン121は、ノーマルシュート予告演出とボレーシュート予告演出とを実行するためのタイマシナリオとして、ノーマルボレー用タイマシナリオを作成する。そして、SPリーチ前半演出区間になるとノーマルボレー用タイマシナリオを設定して、ノーマルボレー用タイマシナリオを進行させる。
但し、SPリーチ前半演出区間という1つの演出区間において、2つの予告演出(可動体駆動演出)を実行する状況であるため、演出制御用マイコン121は、SPリーチ前半演出区間を、SPリーチ前半A演出区間とSPリーチ前半B演出区間という2つの演出区間に仮想的に分ける。そして、演出制御用マイコン121は、SPリーチ前半A演出区間でノーマルシュート予告演出を実行するためのノーマル用駆動データと、SPリーチ前半B演出区間でボレーシュート予告演出を実行するためのボレー用駆動データとを含むノーマルボレー用タイマシナリオを作成するようになっている。
この場合のノーマルボレー用タイマシナリオには、SPリーチ前半演出区間(SPリーチ前半A演出区間)において10秒経過時点から20秒経過時点までにノーマル可動体駆動演出を実行するためのノーマル用駆動データと、SPリーチ前半B演出区間の開始タイミングを把握するためのデータと、SPリーチ前半B演出区間において10秒経過時点から20秒経過時点までにボレー可動体駆動演出を実行するためのボレー用駆動データとが含まれている。なおノーマルボレー用タイマシナリオには、上述した待機データが含まれているわけではない。
こうして、従来のシナリオ制御においては、図26に示すように、SPリーチ前半演出区間(SPリーチ前半A演出区間)になるとノーマルボレー用タイマシナリオを設定するものの、SPリーチ前半演出区間の開始タイミングでノーマル用駆動データの駆動設定を行わない。つまり本形態のように、SPリーチ前半演出区間の開始タイミングでノーマル用駆動データの駆動設定を予め行って(図24(A)参照)、ノーマルシュート予告演出が開始されるまでに待機データを出力するわけではない。そして、SPリーチ前半A演出区間において10秒経過時点になると、ノーマル用駆動データの駆動設定を行う。続いて、SPリーチ前半A演出区間において、10秒経過時点から20秒経過時点までの間、ノーマル用駆動出力データをサブドライブ基板162に逐次出力することで、ノーマル可動体駆動演出を実行する。
その後、演出制御用マイコン121は、ノーマルボレー用タイマシナリオに基づいて、SPリーチ前半演出区間の開始タイミングから20秒経過時点で、SPリーチ前半B演出区間の開始タイミングを把握する。このときに、ボレー用駆動データの駆動設定を行わない。そして、SPリーチ前半B演出区間において10秒経過時点になると、ボレー用駆動データの駆動設定を行う。続いて、SPリーチ前半B演出区間において、10秒経過時点から20秒経過時点までの間、ボレー用駆動出力データをサブドライブ基板162に逐次出力することで、ボレー可動体駆動演出を実行する。
ところで、上述した従来のシナリオ制御においては、以下の問題点がある。即ち、1つのタイマシナリオが進行している状況では、駆動データの駆動設定は1つしか実行することができず、複数の駆動データの駆動設定を実行することはできない。従って、図26に示すように、演出制御用マイコン121は、SPリーチ前半A演出区間においてノーマル用駆動データの駆動設定を実行する。そしてSPリーチ前半B演出区間の開始タイミングを把握した上で、SPリーチ前半B演出区間においてボレー用駆動データの駆動設定を実行しなければならない。こうして、ノーマル用駆動データの駆動設定と、ボレー用駆動データの駆動設定とを別々のタイミングで行うため、駆動データの設定処理が煩雑になる。この問題点は、1つの演出区間において、可動体駆動演出を伴う予告演出の数が3つ以上になって、駆動データの駆動設定の数が多くなるほど顕著になる。
ここで、例えばSPリーチ前半演出区間を、予め、SPリーチ前半A演出区間とSPリーチ前半B演出区間という2つの演出区間に分けておく方法が考えられる。しかしながら、この方法の場合、図25に示すように、演出時間が長いオーバーヘッドシュート予告演出を実行する場合には、オーバーヘッドシュート予告演出が、SPリーチ前半A演出区間又はSPリーチ前半B演出区間の何れか一方の演出区間に納まらず、2つの演出区間に跨ってしまう。こうして、演出区間を細かく分けると、2つの演出区間に跨る演出が生じてしまい、演出の管理が複雑になる。つまり、演出の抽選結果によって、1つの演出区間に納まる演出と、2つの演出区間に跨る演出とが生じてしまい、演出区間が一様に定まらなくなる。以上により、演出区間を予め細かく分け過ぎることは好ましくない。
また、例えば演出制御用マイコン121が、ノーマル用駆動データとボレー用駆動データとを複合させた複合駆動データを作成する方法も考えられる。つまり、ノーマル用駆動データとボレー用駆動データとを複合させた複合駆動データに基づいて、ノーマル可動体駆動演出とボレー可動体駆動演出とを実行する方法が考えられる。しかしながら、この方法の場合、演出制御用マイコン121にとっては、ノーマル用駆動データという1つの駆動データと、ボレー用駆動データという1つの駆動データ以外に、ノーマル用駆動データとボレー用駆動データとを複合させた複合駆動データを新たに作成することになり、作成する駆動データのデータ量が多くなってしまう。この問題点は、1つの演出区間において、可動体駆動演出を伴う予告演出の数が3つ以上になり、複合させる駆動データの組合せが多くなるほど顕著になる。よって、複合データを作成せずに、予告演出(可動体駆動演出)と駆動データとの関係は、1対1にしておく方が好ましい。
そこで本形態では、1つの演出区間で複数の予告演出(可動体駆動演出)を実行する場合には、以下のようにシナリオ制御を実行する。後述する予告演出選択処理(図34に示すステップS1204参照)で、ノーマルシュート予告演出及びボレーシュート予告演出を実行すると決定されると、図27に示すように、演出制御用マイコン121は、ノーマルシュート予告演出を実行するためのノーマル用タイマシナリオと、ボレーシュート予告演出を実行するためのボレー用タイマシナリオとを作成する。そして、SPリーチ前半演出区間になると、ノーマル用タイマシナリオを設定して、ノーマル用タイマシナリオを時間の経過に従って進行させると共に、ボレー用タイマシナリオを設定して、ボレー用タイマシナリオを時間の経過に従って進行させる。こうして、従来のように1つのタイマシナリオ(図26に示すノーマルボレー用タイマシナリオ)を進行させるわけではなく、複数のタイマシナリオ(ノーマル用タイマシナリオとボレー用タイマシナリオ)を並行して進行させることになる。
そして本形態では、演出制御用マイコン121は、SPリーチ前半演出区間の開始タイミングにおいて、ノーマル用タイマシナリオに基づいてノーマル用駆動データの駆動設定を行うと共に、ボレー用タイマシナリオに基づいてボレー用駆動データの駆動設定を行う。即ち、従来のシナリオ制御のように、ノーマル用駆動データの駆動設定とボレー用駆動データの駆動設定とを、別々のタイミングで行うわけではなく、SPリーチ前半演出区間の開始タイミングにおいて同時に行う。これにより、駆動データの駆動設定のタイミングが画一的で且つ簡易なものになり、駆動データの設定処理を簡易にすることが可能である。
図27に示すように、SPリーチ前半演出区間において、演出制御用マイコン121は、ノーマル用タイマシナリオ及びボレー用タイマシナリオに基づいて、開始タイミングから10秒経過時点までは、待機データをサブドライブ基板162に出力する。これにより、ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94が駆動しない。ここで、10秒経過時点から20秒経過時点までは、ノーマル用タイマシナリオにノーマル用駆動データが含まれているのに対して、ボレー用タイマシナリオに待機データが含まれている。本形態では、後述するように待機データ(「待機」の駆動データ)と異なる駆動データ(コモン出力が有る駆動データ)の方が優先されるため、演出制御用マイコン121は、10秒経過時点から20秒経過時点まで、ノーマル用駆動出力データをサブドライブ基板162に逐次出力する。これにより、ノーマル可動体駆動演出が実行される。
続いて、ノーマル用タイマシナリオ及びボレー用タイマシナリオに基づいて、20秒経過時点から30秒経過時点までは、待機データをサブドライブ基板162に出力する。これにより、ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94が駆動しない。次に、30秒経過時点から40秒経過時点までは、ボレー用タイマシナリオにボレー用駆動データが含まれているのに対して、ノーマル用タイマシナリオに待機データが含まれている。そのため、演出制御用マイコン121は、30秒経過時点から40秒経過時点まで、ボレー用駆動出力データをサブドライブ基板162に逐次出力する。これにより、ボレー可動体駆動演出が実行される。
以上により本形態のシナリオ制御では、複数のタイマシナリオ(ノーマル用タイマシナリオ、ボレー用タイマシナリオ)を並行して進行させながら、1つの演出区間(例えばSPリーチ前半演出区間)において、同じモータ(ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94)を駆動させる複数の予告演出(ノーマルシュート予告演出、ボレーシュート予告演出)を実行することが可能である。そのため、従来のシナリオ制御のように、1つの演出区間を更に2つの演出区間を分ける必要がない(図26参照)。更に、演出区間を分けた時点(SPリーチ前半B演出区間の開始タイミング)を把握できるようなタイマシナリオ(ノーマルボレー用タイマシナリオ)を作成する必要がない。従って、ノーマル用タイマシナリオとボレー用タイマシナリオという単純なタイマシナリオを用いつつ、1つの演出区間において複数の予告演出を実行することが可能である。言い換えれば、ノーマルボレー用タイマシナリオのような複雑なタイマシナリオを作成する必要がなくなり、タイマシナリオの作成を簡易にすることが可能である。
特に、本形態のシナリオ制御では、演出区間の開始タイミング(例えばSPリーチ前半演出区間の開始タイミング)で、複数のタイマシナリオに基づく駆動データ(例えばノーマル用タイマシナリオ、ボレー用タイマシナリオ)を同時に駆動設定する(図27参照)。そのため、従来のシナリオ制御のように、各予告演出(ノーマルシュート予告演出、ボレーシュート予告演出)の開始タイミングの度に、駆動データの駆動設定を行う必要がない(図26参照)。従って、駆動データの設定処理をより簡易にすることが可能である。
ここで、複数のタイマシナリオに基づく駆動データを、演出区間の開始タイミングで同時に駆動設定することには、以下のメリットもある。近年の遊技機では、多くの可動体やLEDが設けられているため、電源基板によって供給可能な電流の上限値(ピーク電流)を超えるおそれがあると共に、電源基板によって定まる許容損失を超えるおそれがある。なお許容損失とは、電源基板の性能を維持できる温度を超えないように許容できる消費電力のことである。本形態のパチンコ遊技機PY1では、上述したように、中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560という比較的大きな枠可動体が複数あって、キャラ可動体55k、ボール可動体56kという盤可動体も複数ある。以上により、パチンコ遊技機PY1全体として消費電力(電流)が大きくなっていて、電源基板190による性能を超えるおそれがあった。
そこで従来から、設計開発の段階で、変動演出の開始時点から終了時点まで、どのくらいの消費電流になっているかをチェックするようになっている。ここで、可動体を駆動させるモータの消費電流や、LEDの消費電流は予め定まっている。従って、変動演出での消費電流の大きさをチェックするには、どの演出の組合せが各演出区間で実行されるのかを把握することがポイントになる。
従来のシナリオ制御では、上述したように、演出の抽選結果によって、演出区間を分けない場合と、演出区間を分ける場合(例えばSPリーチ前半A演出区間とSPリーチ前半B演出区間とに分ける場合、図26参照)とが生じていた。従って、変動演出の開始時点から終了時点までに実行される全ての演出の駆動データの組合せを、演出区間毎にタイムチャートとして並べることが実質的に不可能であった。よって従来においては、目視によって演出の組合せを確認していて、消費電流に対するチェックの時間を大幅に費やしていた。
これに対して本形態のシナリオ制御では、演出の抽選結果によって、演出区間を分けることがない(図27参照)。そして、複数のタイマシナリオに基づく駆動データを、演出区間の開始タイミングで同時に駆動設定する。従って、変動演出の開始時点から終了時点までに実行される全ての演出の駆動データの組合せを、演出区間毎にタイムチャートとして並べることができる。よって、設計開発の段階で、演出制御用マイコン121は、変動演出の開始時点で、実行される演出の駆動データの組合せを、演出区間毎にタイムチャートとして並べて、消費電流が過度に大きくなるか否かをチェックすることが可能である。なお演出制御用マイコン121は、消費電流が過度に大きいと判断した場合、スピーカ610からアラームを鳴らすようになっている。こうして設計開発者は、変動演出の開始時点で、アラームの有無によって、消費電流のチェックを行うことができる。その結果、従来のように目視によって演出の組合せを確認する必要がなくなり、消費電流に対するチェック負担が大きくなるのを防ぐことが可能である。
ここで、タイマシナリオに含まれる駆動データの種類について、図28(A)に基づいて、説明する。図28(A)に示すように、駆動データには、コモン出力の情報、回転方向の情報、時間の情報、モータの情報等が含まれている。コモン出力の情報は、モータを駆動させるためのコモン信号を出力するか否かの情報である。なお図28(A)で示されている(有)は、コモン信号が出力されることを意味している。一方、図28(A)で示されている(無)は、コモン信号が出力されないことを意味していて、モータを駆動(動作)させないことになる。またコモン出力の情報には、コモン信号を出力する場合に、モータを強励磁(モータを駆動させる際に大きな励磁を発生させている状態)又は弱励磁(モータを駆動させる際に小さい励磁を発生させている状態)の何れにするかの情報も含まれている。
また回転方向の情報は、モータを正方向に回転させる情報、又はモータを逆方向に回転させる情報、或いはモータを回転させない情報のことである。時間の情報は、どのタイミングでモータを駆動させるかの情報と、どのくらいの期間でモータを駆動させるかの情報とを含んでいる。モータの情報は、どのモータを駆動させるかの情報である。なお駆動データには、図28(A)に示す情報以外にも、励磁方法(2相励磁、1-2相励磁)の情報や、回転速度(ppm)の情報等も含まれている。
こうして本形態の駆動データは、図28(A)に示すように、5種類に分類することができる。即ち、図28(A)に示す「待機」の駆動データ(待機データ)は、コモン信号を出力せず、モータを回転させないため、モータを駆動させない駆動データを意味している。なお「待機」の駆動データは、モータを駆動させないことから、駆動データの1種類に分類しないで、駆動データとは異なるデータとして用いるようにしても良い。
また図28(A)に示す「弱励磁」の駆動データは、モータを弱励磁にするものの、モータを回転させないため、弱励磁の停止励磁にする駆動データを意味している。ここで停止励磁とは、モータに接続された可動体の停止状態を保持するため、モータが当該可動体に停止保持力を付与するための励磁を発生させていることを意味する。よって、弱励磁の停止励磁では、相対的に弱い励磁によって、モータに相対的に小さい停止保持力が付与されている状態になる。
また図28(A)に示す「強励磁」の駆動データは、モータを強励磁にするものの、モータを回転させないため、強励磁の停止励磁にする駆動データを意味している。よって、強励磁の停止励磁では、相対的に強い励磁によって、モータに相対的に大きい停止保持力が付与されている状態になる。また図28(A)に示す「正回転」の駆動データは、モータを強励磁にして、モータを正方向に回転させる駆動データを意味している。また図28(A)に示す「逆回転」の駆動データは、モータを強励磁にして、モータを逆方向に回転させる駆動データを意味している。
次に、図28(B)に基づいて、ノーマル可動体駆動演出を実行するためのノーマル用タイマシナリオを、一例として説明する。図28(B)に示すように、ノーマル用タイマシナリオには、ボール左右移動モータ92に対するタイマシナリオと、ボール上下移動モータ94に対するタイマシナリオとに分かれている。
ボール左右移動モータ92に対するタイマシナリオには、図28(B)に示すように、SPリーチ前半演出区間の開始タイミングから10秒経過時点まで「待機」の駆動データが含まれている。また10秒経過時点から11秒経過時点まで「正回転」の駆動データが含まれている。また11秒経過時点から12秒経過時点まで「待機」の駆動データが含まれている。また12秒経過時点から18秒経過時点まで「強励磁」の駆動データが含まれている。また18秒から19秒経過時点まで「待機」の駆動データが含まれている。また19秒経過時点から20秒経過時点まで「逆回転」の駆動データが含まれている。また20秒経過時点から40秒経過時点まで「待機」の駆動データが含まれている。これにより、SPリーチ前半演出区間において、10秒経過時点から11秒経過時点までボール左右移動モータ92が正方向に回転して、ボール可動体56kを左方に移動させる。そして、12秒経過時点から18秒経過時点まで、ボール左右移動モータ92がボール可動体56kに強励磁に基づく停止保持力を付与する。続いて、19秒経過時点から20秒経過時点までボール左右移動モータ92が逆方向に回転して、ボール可動体56kを右方に移動させる。
またボール上下移動モータ94に対するタイマシナリオには、図28(B)に示すように、SPリーチ前半演出区間の開始タイミングから11秒経過時点まで「待機」の駆動データが含まれている。また11秒経過時点から12秒経過時点まで「正回転」の駆動データが含まれている。また12秒経過時点から18秒経過時点まで「強励磁」の駆動データが含まれている。また18秒経過時点から19秒経過時点まで「逆回転」の駆動データが含まれている。また19秒経過時点から40秒経過時点まで「待機」の駆動データが含まれている。これにより、SPリーチ前半演出区間において、11秒経過時点から12秒経過時点までボール上下移動モータ94が正方向に回転して、ボール可動体56kを上方に移動させる。そして、12秒経過時点から18秒経過時点まで、ボール上下移動モータ94がボール可動体56kに停止保持力を付与する。続いて、18秒経過時点から19秒経過時点までボール左右移動モータ92が逆方向に回転して、ボール可動体56kを下方に移動させる。以上により、ボール可動体56kが退避位置から図22(A)に示す第1露出位置へ移動して、再び退避位置へ戻るボール可動体駆動演出が実行されることになる。
ところで、複数のタイマシナリオが並行して進行する場合、各タイマシナリオに含まれる駆動データのうち、どの駆動データを出力データとして出力するかが問題になる。そこで本形態では、演出制御用マイコン121が、駆動データ同士を調整するための調停機能を備えている。図29は、本形態のシナリオ制御における調停機能を説明するための図である。
図29では、第1予告タイマシナリオ、第2予告タイマシナリオ、第3予告タイマシナリオ、第4予告タイマシナリオが設定されている例が示されている。4つの予告タイマシナリオは、同じモータ(ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94)を駆動させるためのものであるが、それぞれ異なる予告演出を実行するためのタイマシナリオである。そして、4つの予告タイマシナリオに基づく駆動データは、それぞれSPリーチ前半演出区間の開始タイミングで同時に、駆動設定されている。なお各予告タイマシナリオに含まれている駆動データについては、図29に示す通りであるため、説明を省略する。
本形態の調停機能において、演出制御用マイコン121は、駆動データ同士が重複する場合、先ず、コモン出力(図28(A)参照)が有る駆動データであるか否かを判断する。コモン出力が有る駆動データの場合には、その駆動データを出力データとして出力することになる。即ち、コモン出力が無い駆動データ(「待機」の駆動データ)と、コモン出力が有る駆動データ(「弱励磁」の駆動データ、「強励磁」の駆動データ、「正回転」の駆動データ、「逆回転」の駆動データ)とが重複した場合、コモン出力が有る駆動データの方が優先されることになる。
従って、図29に示す本形態の例では、SPリーチ前半演出区間において、開始タイミングから10秒経過時点までは、第1予告タイマシナリオに基づく「正回転」の駆動データが出力される。また10秒経過時点から15秒経過時点までは、第1予告タイマシナリオに基づく「強励磁」の駆動データが出力される。また15秒経過時点から20秒経過時点までは、第2予告タイマシナリオに基づく「逆回転」の駆動データが出力される。また20秒経過時点から30秒経過時点までは、第3予告タイマシナリオに基づく「弱励磁」の駆動データが出力される。そして、30秒経過時点から40秒経過時点までは、何れのタイマシナリオにおいても「待機」の駆動データであるため、「待機」の駆動データが出力される。
6.パチンコ遊技機の制御動作
次に、図30に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明し、図31~図35に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン101の動作について説明する。
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン101は、図30に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン101は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、演出図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン101に内蔵されていてもよい。
次に、遊技制御用マイコン101は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、パチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a(図14参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする。また入力処理(S102)では、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン101は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)、および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ11a又は第2始動口センサ12aによる入賞検知があれば、入賞検知のあった始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数(図21(A)参照))を取得する。また、ゲートセンサ13aによる通過検知があれば、普図保留が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図21(B)参照)を取得する。
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した大当たり乱数等の乱数を所定の判定テーブル(図17,図19(A)(B),図20参照)を用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を示すための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の変動表示を開始する際には、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また特別図柄の停止表示を開始する際には、変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種別に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図17参照)に従って大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。この大当たり遊技の実行において、オープニングを開始する際には、当選した大当たり図柄の種別の情報を含むオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。またラウンド遊技を開始する際には、ラウンド指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。またエンディングを開始する際には、エンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また特別動作処理(S104)において、大当たり乱数等の乱数の記憶がない場合には、演出制御用マイコン121に客待ち演出を実行させるための客待ちコマンドをセットする。
なお、変動パターンは、大当たり乱数等の各種乱数の判定に基づき、図20に示す特図変動パターン判定テーブルを用いて決定される。図20に示すように、変動パターンが決まれば、特別図柄の変動表示が実行される変動時間も決まる。図20の備考欄に示すSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。SPリーチの方がノーマルリーチよりも、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)が高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。ここでSPリーチの中には、弱SPリーチA、弱SPリーチB、強SPリーチという種類が設けられている。弱SPリーチA⇒弱SPリーチB⇒強SPリーチの順番に、大当たりへの当選期待度が高くなるように、各種の変動パターンの振分率が設定されている。
図30に示すように、普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した普通図柄乱数を普通図柄当たり判定テーブル(図19(C)参照)を用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図21参照)に従って電チュー12Dを開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン101は、上述の各処理においてセットしたコマンド等を演出制御基板120等に出力する出力処理(S106)を行う。
以上の遊技制御用マイコン101における処理と並行して、演出制御用マイコン121は図31~図35に示す処理を行う。以下、演出制御用マイコン121の動作について説明する。
[サブ側1msタイマ割り込み処理]演出制御用マイコン121は、図31に示すサブ側1msタイマ割り込み処理を1msecといった短時間毎に繰り返す。なお演出制御用マイコン121は、サブ側1msタイマ割り込み処理を実行すると共に、後述するようにサブ側10msタイマ割り込み処理(図32参照)を実行するようになっている。図31に示すように、サブ側1msタイマ割り込み処理ではまず、入力処理を行う(S201)。入力処理(S201)では、入力部検知センサ40a、セレクトボタン検知センサ42a、展開解除ボタン検知センサ44a(図15参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、後述する駆動制御処理を行う(S202)。駆動制御処理(S202)は、各種モータ(昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581、キャラ移動モータ58、ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94)の駆動を制御して、各種可動体(中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560、キャラ可動体55k、ボール可動体56k)を移動させるための処理である。次いで、ランプデータ出力処理を行う(S203)。ランプデータ出力処理(S203)は、演出に合うタイミングで、枠ランプ212、盤ランプ54、接触用報知ランプ432を発光させるためのランプデータ(発光手段の発光を制御する駆動データ)をサブドライブ基板162に出力する処理である。なおランプデータは、電源投入時に客待ち用として演出用RAM124にセットされたり、変動演出パターンに応じて演出用RAM124にセットされるようになっている。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S204)を行って、本処理を終える。
[サブ側10msタイマ割り込み処理]演出制御用マイコン121は、図32に示すサブ側10msタイマ割り込み処理を10msecといった短時間毎に繰り返す。図32に示すように、サブ側10msタイマ割り込み処理ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S1001)。次いで、サブ側1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S1002)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて画像表示装置50の表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S1003)。
続いて、演出制御用マイコン121は、音声制御処理を行う(S1004)。音声制御処理(S1004)では、音声データ(スピーカ610から音声を出力するためのデータ)の作成、音声制御基板161への音声データの出力、及び音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ610から出力される。なおスピーカ610は、上側装飾ユニット200(昇降ユニット300)のうち後方の下側に設けられている。その後、客待ち用のランプデータを作成したり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S1005)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図33に示すように、受信コマンド解析処理(S1001)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S1101)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S1102)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S1103)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S1104)。変動演出終了処理(S1104)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から大当たり遊技のオープニングの実行開始を示すオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S1105)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S1106)。オープニング演出選択処理(S1106)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から大当たり遊技のラウンド遊技の実行開始を示すラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S1107)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S1108)。ラウンド演出選択処理(S1108)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から大当たり遊技のエンディングの実行開始を示すエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S1109)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S1110)。エンディング演出選択処理(S1110)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S1111)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(客待ち演出を実行するための処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理(S1001)を終える。
[変動演出開始処理]図34に示すように、変動演出開始処理(S1102)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S1201)。変動開始コマンドには、変動パターン(図20参照)の情報や、大当たりの判定等に基づく特図停止図柄データの情報が含まれている。次に演出制御用マイコン121は、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄EZの選択を行う(S1202)。そして、変動開始コマンドの解析結果に基づいて、変動演出の内容である変動演出パターンを選択する(S1203)。変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
続いて、演出制御用マイコン121は、予告演出選択処理を実行する(S1204)。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。更に、ノーマル可動体駆動演出を伴うノーマルシュート予告演出、ボレー可動体駆動演出を伴うボレーシュート予告演出、オーバーヘッド可動体駆動演出を伴うオーバーヘッドシュート予告演出の有無が決定される。予告演出が決定されると、どの演出区間のどのタイミングで実行されるのかも併せて決定される。
続いて、演出制御用マイコン121は、決定された予告演出(可動体駆動演出)に基づいて、タイマシナリオを作成するタイマシナリオ処理を実行する(S1205)。このタイマシナリオ処理(S1205)では、演出制御用マイコン121は、作成した1又は複数のタイマシナリオを演出用RAM124の所定の記憶領域に設定(セット)する。そして、予告演出が実行される演出区間の開始タイミングになると、設定されている1又は複数のタイマシナリオを進行させるようになっている。なお演出制御用マイコン121は、作成したタイマシナリオをすぐに設定せずに、予告演出が実行される演出区間になるまで設定及び進行を待機(予約)しておくようにしても良い。
続いて、選択した変動演出パターンに応じてランプデータ(発光タイマシナリオ)を設定するためのランプデータ設定処理を実行する(S1206)。このランプデータ設定処理(S1206)により、客待ち用のランプデータと異なる枠ランプデータ、盤ランプデータ等が演出用RAM124にセットされ得るようになっている。特に、当選期待度が高い演出(SPリーチ等)を実行する変動演出パターンが選択された場合には、枠ランプ212及び盤ランプ54を特に明るい発光態様で発光させるための枠ランプデータ、盤ランプデータが演出用RAM124にセットされることになる。
その後、演出制御用マイコン121は、選択した演出図柄、変動演出パターン、及び予告演出にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S1207)、変動演出開始処理(S1102)を終了する。ステップS1207でセットされた変動演出開始コマンドが、画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、所定の演出画像を画像用ROM142から読み出して、画像表示装置50の表示画面50aにて変動演出を行う。
[駆動制御処理]図35に示すように、駆動制御処理(S202)では、演出制御用マイコン121は、1又は複数のタイマシナリオが演出用RAM124の所定の記憶領域に設定されているか否かを判定する(S301)。タイマシナリオが1つも設定されていなければ(S301でNO)、モータの駆動制御を行う必要がないため、本処理を終える。一方、タイマシナリオが設定されていれば(S301でYES)、続いて、設定されているタイマシナリオに基づいて駆動データの駆動設定が既に行われているか否かを判定する(S302)。駆動データの駆動設定が行われていなければ(S302でNO)、演出区間の開始タイミングであるか否かを判定する(S303)。即ち、図23に示すように、リーチ前前半演出区間の開始タイミング、リーチ前後半演出区間の開始タイミング、発展演出区間の開始タイミング、SPリーチ前半演出区間の開始タイミング、SPリーチ後半演出区間の開始タイミングのうちの何れかであるかを判定する。
演出区間の開始タイミングでなければ(S303でNO)、未だ駆動データの駆動設定のタイミングでないため、本処理を終える。一方、演出区間の開始タイミングであれば(S303でYES)、設定されているタイマシナリオに基づいて駆動データの駆動設定を行うタイミングであるか否かを判定する(S304)。例えば、ノーマル用タイマシナリオ(図24(A)参照)、ボレー用タイマシナリオ(図24(B)参照)、オーバーヘッド用タイマシナリオ(図25参照)が設定されている場合には、これらのタイマシナリオに基づく駆動データはSPリーチ前半演出区間の開始タイミングで駆動設定されるように定められている。従ってこの場合には、ステップS304において、SPリーチ前半演出区間の開始タイミングであるか否かを判定することになる。
ステップS304において、駆動データの駆動設定を行うタイミングでなければ(S304でNO)、本処理を終える。一方、駆動データの駆動設定を行うタイミングであれば(S304でYES)、駆動データ駆動設定処理を実行する(S305)。駆動データ駆動設定処理(S305)では、設定されているタイマシナリオに基づいて、駆動データの駆動設定を行う。例えば、設定されているタイマシナリオが複数である場合には、各タイマシナリオに基づく駆動データの駆動設定を演出区間の開始タイミングで同時に行うことになる。駆動データ駆動設定処理(S305)の後、設定されている1又は複数のタイマシナリオを進行させるタイマシナリオ進行処理を実行して(S306)、本処理を終える。
またステップS302において、設定されているタイマシナリオに基づいて駆動データの駆動設定が既に行われていると判定すれば(S302でYES)、続いて、駆動データの重複があるか否かを判定する。即ち、複数のタイマシナリオが進行していて、これらタイマシナリオの駆動データ同士が重複している状況か否かを判定する。駆動データが重複していれば(S307でYES)、シナリオ間調停処理を実行して(S308)、ステップS309に進む。本形態のシナリオ間調停処理(S308)では、重複している駆動データにおいて、コモン出力(図28(A)参照)が有る駆動データ、又はコモン出力が無い駆動データ(待機データ)のどちらであるかを判断して、コモン出力が有る駆動データを優先するようになっている(図29参照)。一方、駆動データが重複していなければ(S307でNO)、シナリオ間調停処理(S308)が必要でないため、ステップS308をパスして、ステップS309に進む。
ステップS309では、駆動データ出力処理を実行する。駆動データ出力処理(S309)では、演出制御用マイコン121が、駆動データをサブドライブ基板162への出力データとして出力する。ここでシナリオ間調停処理(S308)が実行されている場合には、優先された1つの駆動データだけをサブドライブ基板162への出力データとして出力する。続いて、ステップS310では、演出区間の終了タイミングであるか否かを判定する。演出区間の終了タイミングでなければ(S310でNO)、本処理を終える。一方、演出区間の終了タイミングであれば(S310でYES)、駆動データの駆動設定の解除を行って(S311)、本処理を終える。なお設定されているタイマシナリオは、変動演出の終了時点でクリアされることになる。
7.本形態の効果
図26に示すように、従来のシナリオ制御においては、図26に示すように、例えばSPリーチ前半演出区間にてノーマルシュート予告演出とボレーシュート予告演出とを実行しようとする場合、1つのタイマシナリオであるノーマルボレー用タイマシナリオが設定される。そして、SPリーチ前半演出区間において、ノーマルシュート予告演出の開始タイミングで、ノーマルボレー用タイマシナリオに基づくノーマル用駆動データの駆動設定が実行される。そして、ノーマル用駆動データに基づいて、ノーマルシュート予告演出(図22(A)に示すノーマル可動体駆動演出)を実行する。その後、ボレーシュート予告演出の開始タイミングで、ノーマルボレー用タイマシナリオに基づくボレー用駆動データの駆動設定が実行される。そして、ボレー用駆動データに基づいて、ボレーシュート予告演出(図22(B)に示すボレー可動体演出)が実行される。しかしながら、このシナリオ制御においては、SPリーチ前半演出区間を、SPリーチ前半A演出区間とSPリーチ前半B演出区間という2つの演出区間に分けた上で、ノーマルボレー用タイマシナリオには、ノーマルシュート予告演出の開始タイミングと、ボレーシュート予告演出の開始タイミングを設ける必要があった。そのため、ノーマルボレー用タイマシナリオの作成が複雑になるという問題点があった。
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図27に示すように、ノーマル用タイマシナリオとボレー用タイマシナリオとを並行に進行させる。そして、ノーマルシュート予告演出の開始タイミングになると、既に駆動設定されているノーマル用駆動データにより、ノーマルシュート予告演出(図22(A)に示すノーマル可動体駆動演出)を実行する。その後、ボレーシュート予告演出の開始タイミングになると、既に駆動設定されているボレー用駆動データにより、ボレーシュート予告演出(図22(B)に示すボレー可動体駆動演出)を実行する。こうして、SPリーチ前半演出区間という1つの演出区間の中で、ボール左右移動モータ92及びボール上下移動モータ94を駆動させる2種類の予告演出(ノーマルシュート予告演出、ボレーシュート予告演出)を実行する場合に、ノーマル用タイマシナリオとボレー用タイマシナリオという単純なタイマシナリオの組合せで、ノーマル可動体駆動演出とボレー可動体駆動演出を実行可能である。その結果、従来のようにノーマルボレー用タイマシナリオという複雑なタイマシナリオを作成する必要がなくなり、タイマシナリオの作成を簡易にすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図27に示すように、例えばSPリーチ前半演出区間でノーマルシュート予告演出とボレーシュート予告演出とを実行する場合に、画一的に、SPリーチ前半演出区間の開始タイミングで、ノーマル用駆動データの駆動設定とボレー用駆動データの駆動設定とを実行する。これにより、駆動データの設定処理をより簡易にすることが可能である。そして、上述したように演出区間の開始タイミングで、複数の駆動データの駆動設定を同時に行うことで、変動演出の開始時点から終了時点までに実行される全ての演出の駆動データの組合せを、演出区間毎にタイムチャートとして並べることができる。よって、設計開発の段階で、演出制御用マイコン121は、変動演出の開始時点で、実行される演出の駆動データの組合せを、演出区間毎にタイムチャートとして並べて、消費電流が過度に大きくなるか否かをチェックすることが可能である。
8.変形例
以下、変形例について説明する。なお、変形例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変形例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変形例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
<第2形態>
上記第1形態では、複数の予告タイマシナリオ(第1予告タイマシナリオ~第4予告タイマシナリオ)が並行に進行して、各駆動データが重複した場合に、図29に示すように、シナリオ制御における調停機能を用いて、出力データを決定するようにした。これに対して、第2形態では、図36に示すように、シナリオ制御における調停機能を用いて、出力データを決定できるようにした。
図36では、第2形態の第1予告タイマシナリオ(第1タイマシナリオ)、第2形態の第2予告タイマシナリオ(第2タイマシナリオ)、第3形態の第3予告タイマシナリオ、第4形態の第4予告タイマシナリオが設定されている例が示されている。そして、4つの予告タイマシナリオに基づく駆動データは、それぞれSPリーチ前半演出区間の開始タイミングで同時に、駆動設定されている。なお各予告タイマシナリオに含まれている駆動データについては、図36に示す通りであるため、説明を省略する。
第2形態では、演出制御用マイコン121は、設定するタイマシナリオに対して、実行優先度を設けるようになっている。図36に示す例では、第1予告タイマシナリオの実行優先度を1番にしていて、第2予告タイマシナリオの実行優先度を2番にしていて、第3予告タイマシナリオの実行優先度を3番にしていて、第4予告タイマシナリオの実行優先度を4番にしている。こうして、実行優先度を決めた後、実行優先度が高い方のタイマシナリオから順番に、駆動データを確認していく。そして、コモン出力が有る駆動データ(「弱励磁」の駆動データ、「強励磁」の駆動データ、「正回転」の駆動データ、「逆回転」の駆動データ)であるか否かを判断し、コモン出力が有る駆動データであれば、その駆動データを出力データとして決定して出力する。ここで第2形態の調停機能においては、コモン出力が有る駆動データを出力データとして決定した場合、実行優先度の低いタイマシナリオについては駆動データを確認しないで、その時点で決定された出力データを出力することになる。
図36に示すように、SPリーチ前半演出区間において、開始タイミングから10秒経過時点まで、先ず、実行優先度が1番である第1予告タイマシナリオを確認する。そして、第1予告タイマシナリオに含まれている駆動データが「正回転」の駆動データであるため、「正回転」の駆動データを出力データとして出力することになる。ここで、第2予告タイマシナリオに含まれている駆動データは、コモン出力が有る「逆回転」の駆動データである。よって、第1予告タイマシナリオに基づく「正回転」の駆動データ(第1駆動データ)によりモータを駆動させる状況と、第2予告タイマシナリオに基づく「逆回転」の駆動データ(第2駆動データ)によりモータを駆動させる状況とが生じていることになる。しかしながら、実行優先度が高い第1予告タイマシナリオに含まれている駆動データが「正回転」の駆動データであるため、実行優先度が低い第2予告タイマシナリオ以降の予告タイマシナリオの確認を行なわずに、「正回転」の駆動データを出力する。こうして誤って、「正回転」の駆動データと「逆回転」の駆動データとが重複するような場合が生じても、第2形態の調停機能により、実行優先度が低い第2予告タイマシナリオに基づく「逆回転」の駆動データを出力しない。
以上により、開始タイミングから10秒経過時点までにおいては、第1予告タイマシナリオに含まれる「正回転」の駆動データが出力データとして逐次出力されることになる。そして、10秒経過時点から15秒経過時点まででは、同様の調停機能により、第1予告タイマシナリオに含まれる「強励磁」の駆動データが出力データとして逐次出力されることになる。
ここで、15秒経過時点から20秒経過時点までにおいては、第1予告タイマシナリオに含まれる駆動データが、コモン出力が無い「待機」の駆動データになる。従って、この場合には、実行優先度が2番である第2予告タイマシナリオを確認し、第2予告タイマシナリオに含まれる駆動データが、「逆回転」の駆動データであるため、この「逆回転」の駆動データが出力データとして決定されて、出力される。なおこのときには、実行優先度の低い第3予告タイマシナリオ、及び第4予告タイマシナリオについては確認しない。以上により、15秒経過時点から20秒経過時点までにおいては、第2形態の調停機能により、第2予告タイマシナリオに含まれる「逆回転」の駆動データが出力データとして逐次出力されることになる。
そして、20秒経過時点から40秒経過時点までにおいては、第1予告タイマシナリオに含まれる駆動データが「待機」の駆動データである一方、第2予告タイマシナリオに含まれる駆動データが「弱励磁」の駆動データである。このときには、第2形態の調停機能により、第2予告タイマシナリオに含まれる「弱励磁」の駆動データが出力データとして逐次出力されることになる。
ここで図36に示すように、コモン出力が有る駆動データ(「正回転」の駆動データ、「逆回転」の駆動データ、「強励磁」の駆動データ、「弱励磁」の駆動データ)において、出力データとして決定(出力)されなかった駆動データが斜線部分として示されている。このように、コモン出力が有る駆動データにも拘わらず、出力されなかった駆動データについては、以後説明する図37、図38、図39、図40についても、同様に斜線部分として示されている。
以上、第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図36に示すように、SPリーチ前半演出区間において、例えば開始タイミングから10秒経過時点まででは、第1予告タイマシナリオに含まれる「正回転」の駆動データと、第2予告タイマシナリオに含まれる「逆回転」の駆動データとが重複する。しかしながらこの場合、第2形態の調停機能により、実行優先度が高い第1予告タイマシナリオに含まれる「正回転」の駆動データにより、モータ(ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94)を駆動させる一方、実行優先度が低い第2予告タイマシナリオに含まれる「逆回転」の駆動データにより、モータを駆動させない。以上により、第1予告タイマシナリオから第4予告タイマシナリオまでの4つの予告タイマシナリオを並行に進行させつつ、コモン出力が有る駆動データが重複するような不測な事態が生じた場合でも対応することが可能である。第2形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と同様であるため、説明を省略する。なお第2形態のシナリオ制御の調停機能は、図35に示すステップS308にて実行される。
<第3形態>
上記第1形態では、複数の予告タイマシナリオ(第1予告タイマシナリオ~第4予告タイマシナリオ)が並行に進行して、各駆動データが重複した場合に、図29に示すように、シナリオ制御における調停機能を用いて、出力データを決定するようにした。これに対して、第3形態では、図37に示すように、シナリオ制御における調停機能を用いて、出力データを決定できるようにした。
図37では、第3形態の第1予告タイマシナリオ(第1タイマシナリオ)、第2形態の第2予告タイマシナリオ(第2タイマシナリオ)、第3形態の第3予告タイマシナリオ、第4形態の第4予告タイマシナリオが設定されている例が示されている。そして、4つの予告タイマシナリオに基づく駆動データは、それぞれSPリーチ前半演出区間の開始タイミングで同時に、駆動設定されている。なお各予告タイマシナリオに含まれている駆動データについては、図37に示す通りであるため、説明を省略する。
第3形態では、演出制御用マイコン121は、設定するタイマシナリオに対して、実行優先度を設けるようになっている。図37に示す例では、第1予告タイマシナリオの実行優先度を2番にしていて、第2予告タイマシナリオの実行優先度を3番にしていて、第3予告タイマシナリオの実行優先度を1番にしていて、第4予告タイマシナリオの実行優先度を4番にしている。こうして、実行優先度が決められた状態で、演出制御用マイコン121は、実行優先度が高い方のタイマシナリオから順番に、駆動データを確認していく。そして、コモン出力が有る駆動データ(「弱励磁」の駆動データ、「強励磁」の駆動データ、「正回転」の駆動データ、「逆回転」の駆動データ)があるか否かを判断し、コモン出力が有る駆動データであれば、その駆動データを出力データとして仮決定する。
ここで第3形態の調停機能においては、コモン出力がある駆動データの中に、優先度が設けられている。具体的に、図37に示すように、「正回転」の駆動データが1番優先度が高く、「逆回転」の駆動データが2番目に優先度が高く、「強励磁」の駆動データが3番目に優先度が高く、「弱励磁」の駆動データが4番目に優先度が高く(1番優先度が低く)設定されている。なお第3形態の調停機能においても、コモン出力が有る駆動データの方が、コモン出力が無い駆動データ(「待機」の駆動データ)よりも優先されるとうい関係は、第1形態及び第2形態の調停機能と同様である。
但し、第3形態の調停機能では、実行優先度が高いタイマシナリオから順に確認して、コモン出力が有る駆動データを出力データとして仮決定しても、残った実行優先度が低いタイマシナリオデータについても順に確認していく。つまり、第3予告タイマシナリオ⇒第1予告タイマシナリオ⇒第2予告タイマシナリオ⇒第4予告タイマシナリオを順番に確認していく中で、より優先度が高い駆動データがあった場合には、その駆動データが仮決定の出力データとして更新されていく。そして全てのタイマシナリオが確認された状態で、仮決定されている駆動データが出力データとして出力される。なお、全てのタイマシナリオが確認された状態で、「待機」の駆動データしかなければ、「待機」の駆動データが出力データとして出力される。
図37に示すように、SPリーチ前半演出区間において、開始タイミングから10秒経過時点まで、先ず、実行優先度が1番である第3予告タイマシナリオを確認する。そして、第3予告タイマシナリオに含まれている駆動データが「待機」の駆動データであるため、次に、実行優先度が2番目である第1予告タイマシナリオを確認する。このとき第1予告タイマシナリオに含まれている駆動データが、「弱励磁」の駆動データ(第1駆動データ)であるため、「弱励磁」の駆動データを仮決定する。
続いて、実行優先度が3番目である第2予告タイマシナリオに含まれている駆動データが「正回転」の駆動データ(第2駆動データ)になっている。ここで、「正回転」の駆動データは、仮決定されている「弱励磁」の駆動データよりも優先度が高いため、このときに「正回転」の駆動データが仮決定される。最後に、実行優先度が4番目である第4予告タイマシナリオを確認すると、第4予告タイマシナリオに含まれている駆動データが「待機」の駆動データになっている。従って、仮決定された駆動データは「正回転」の駆動データのままである。こうして全てのタイマシナリオを確認した後、仮決定されている「正回転」の駆動データを出力データとして出力する。
また10秒経過時点から15秒経過時点までにおいては、第1予告タイマシナリオに「強励磁」の駆動データが含まれている一方、第2予告タイマシナリオに「弱励磁」の駆動データが含まれている。従って、「強励磁」の駆動データの方が、「弱励磁」の駆動データよりも優先度が高いため、「強励磁」の駆動データが仮決定されることになる。なお10秒経過時点から15秒経過時点までにおいて、第3予告タイマシナリオ及び第4予告タイマシナリオに含まれている駆動データは、「待機」の駆動データであるため、これらが仮決定されることはない。こうして全てのタイマシナリオを確認した後、仮決定されている「強励磁」の駆動データを出力データとして出力する。
こうして、第3形態の調停機能により、図37に示すように、15秒経過時点から20秒経過時点までは、第2予告タイマシナリオに含まれている「逆回転」の駆動データが仮決定されて、出力データとして出力される。また20秒経過時点から30秒経過時点までは、第1予告タイマシナリオに含まれている「正回転」の駆動データが仮決定されて、出力データとして出力される。また30秒経過時点から40秒経過時点までは、第2予告タイマシナリオに含まれている「弱励磁」の駆動データが仮決定されて、出力データとして出力される。
以上、第3形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図37に示すように、SPリーチ前半演出区間において、例えば開始タイミングから10秒経過時点まででは、第1予告タイマシナリオに含まれる「弱励磁」の駆動データと、第2予告タイマシナリオに含まれる「正回転」の駆動データとが重複する。しかしながらこの場合、第3形態の調停機能により、優先度が高い「正回転」の駆動データにより、モータ(ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94)を駆動させる一方、優先度が低い「弱励磁」の駆動データにより、モータを駆動させない。以上により、第1予告タイマシナリオから第4予告タイマシナリオまでの4つの予告タイマシナリオを並行に進行させつつ、コモン出力が有る駆動データが重複するような不測な事態が生じた場合でも対応することが可能である。第3形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と同様であるため、説明を省略する。なお第3形態のシナリオ制御の調停機能は、図35に示すステップS308にて実行される。
<第4形態>
上記第1形態では、複数の予告タイマシナリオ(第1予告タイマシナリオ~第4予告タイマシナリオ)が並行に進行して、各駆動データが重複した場合に、図29に示すように、シナリオ制御における調停機能を用いて、出力データを決定するようにした。これに対して、第4形態では、図38に示すように、シナリオ制御における調停機能を用いて、出力データを決定できるようにした。
図38では、第4形態の第1予告タイマシナリオ(第1タイマシナリオ)、第2形態の第2予告タイマシナリオ、第3形態の第3予告タイマシナリオ、第4形態の第4予告タイマシナリオ(第2タイマシナリオ)が設定されている例が示されている。そして、4つの予告タイマシナリオに基づく駆動データは、それぞれSPリーチ前半演出区間の開始タイミングで同時に、駆動設定されている。なお各予告タイマシナリオに含まれている駆動データについては、図38に示す通りであるため、説明を省略する。
第4形態では、演出制御用マイコン121は、コモン出力が有る駆動データ(「弱励磁」の駆動データ、「強励磁」の駆動データ、「正回転」の駆動データ、「逆回転」の駆動データ)が重複する場合には、コモン出力が有る駆動データを出力データとして出力しないようにする。従って、この場合には、「待機」の駆動データを出力データとして出力することになる。こうして第4形態の調停機能では、コモン出力が有る駆動データが重複した場合、異常な状態であると判断して、モータ(ボール左右移動モータ92及びボール上下移動モータ94)を駆動させない(可動体駆動演出を実行しない)。これにより、上述した第1形態から第3形態の調停機能よりも、より安全に不測の事態に対処することが可能である。
図38に示すように、SPリーチ前半演出区間において、開始タイミングから10秒経過時点まででは、第1予告タイマシナリオに「正回転」の駆動データ(第1駆動データ)が含まれていて、第4予告タイマシナリオに「逆回転」の駆動データ(第2駆動データ)が含まれている。そのため、コモン出力が有る駆動データが重複していることになる。従ってこのときには、異常な状態が生じていることとして、演出制御用マイコン121は、重複している駆動データ(「正回転」の駆動データ、「逆回転」の駆動データ)のうち何れも出力データとして出力しない。従ってこのときには、「待機」の駆動データを出力データとして出力する。
なお、10秒経過時点移行では、コモン出力が有る駆動データが重複していない。そのため、10秒経過時点から15秒経過時点までにおいては、第1予告タイマシナリオに含まれている「強励磁」の駆動データが出力され、15秒経過時点から20秒経過時点までにおいては、第2予告タイマシナリオに含まれている「逆回転」の駆動データが出力され、20秒経過時点から30秒経過時点までにおいては、第3予告タイマシナリオに含まれている「弱励磁」の駆動データが出力され、30秒経過時点から40秒経過時点までにおいては、何れのタイマシナリオにおいてもコモン出力が有る駆動データが含まれていないため、「待機」の出力データが出力される。
以上、第4形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図38に示すように、SPリーチ前半演出区間において、例えば開始タイミングから10秒経過時点まででは、第1予告タイマシナリオに含まれる「正回転」の駆動データと、第4予告タイマシナリオに含まれる「逆回転」の駆動データとが重複する。この場合、異常な状態が生じていることとして、第4形態の調停機能により、「待機」の駆動データが出力される。従ってこのときには、「正回転」の駆動データ又は「逆回転」の駆動データの何れの駆動データでも、モータ(ボール左右移動モータ92及びボール上下移動モータ94)を駆動させない。以上により、第1予告タイマシナリオから第4予告タイマシナリオまでの4つの予告タイマシナリオを並行に進行させつつ、コモン出力が有る駆動データが重複するような不測な事態が生じた場合により安全に対応することが可能である。第4形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と同様であるため、説明を省略する。なお第4形態のシナリオ制御の調停機能は、図35に示すステップS308にて実行される。
<第5形態>
上記第1形態では、複数の予告タイマシナリオ(第1予告タイマシナリオ~第4予告タイマシナリオ)が並行に進行して、各駆動データが重複した場合に、図29に示すように、シナリオ制御における調停機能を用いて、出力データを決定するようにした。これに対して、第5形態では、図39に示すように、シナリオ制御における調停機能を用いて、出力データを決定できるようにした。
図39に示すように、第5形態では、第1予告タイマシナリオから第4予告タイマシナリオまでの各予告タイマシナリオには、サブシナリオ1とサブシナリオ2とが含まれている。サブシナリオ1には、「一連データ」の情報、又は「待機」の駆動データが含まれている。「一連データ」の情報は、サブシナリオ2に含まれる複数の駆動データが一連であることを示すものである。一方、サブシナリオ2には、上述した第1形態から第4形態までに説明した予告タイマシナリオと同様、コモン出力が有る駆動データ(「正回転」の駆動データ、「逆回転」の駆動データ、「強励磁」の駆動データ、「弱励磁」の駆動データ)、又は「待機」の駆動データが含まれる。
例えば、図39に示すように、SPリーチ前半演出区間において、第1予告タイマシナリオのサブシナリオ1では、開始タイミングから15秒経過時点まで、「一連データ」の情報になっている。これに対して、第1予告タイマシナリオのサブシナリオ2では、開始タイミングから10秒経過時点まで「正回転」の駆動データになっていて、10秒経過時点から15秒経過時点まで「強励磁」の駆動データになっている。こうして第1予告タイマシナリオにおいて、開始時点から10秒経過時点までの「正回転」の駆動データと、10秒経過時点から15秒経過時点までの「強励磁」の駆動データとが一連になっている。各予告タイマシナリオのサブシナリオ1及びサブシナリオ2に含まれる駆動データ又は「一連データ」の情報は、図39に示す通りであるため、説明を省略する。
第5形態の調停機能では、演出制御用マイコン121は、或る予告タイマシナリオに基づく駆動データによりモータ(ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94)を既に駆動させている途中で、別の予告タイマシナリオに基づくコモン出力が有る駆動データを確認した場合には、或る予告タイマシナリオに基づく駆動データによりモータを駆動させる状況を優先する。そしてこの場合には、或る予告タイマシナリオに基づいて駆動データによりモータの駆動が終了するまで(或る予告タイマシナリオにコモン出力が有る駆動データがなくなるまで)、別の予告タイマシナリオに基づいてモータを駆動させることはない。このようにして、或る予告タイマシナリオによってモータを既に駆動させている状況で、別の予告タイマシナリオによってモータを駆動させるような不測の事態に対処することが可能である。
そして第5形態の調停機能では、上述した場合において、演出制御用マイコン121は、或る予告タイマシナリオに基づいてモータの駆動を終了した後、別の予告タイマシナリオに基づいてモータを駆動させることはない。即ち、演出制御用マイコン121は、既にモータが駆動している途中で、別の予告タイマシナリオに基づくコモン出力が有る駆動データを確認した場合には、別の予告タイマシナリオが異常なものであるとして、その後に別の予告タイマシナリオに基づく駆動データによりモータの駆動を一切行わないようにする。こうして、別の予告タイマシナリオに不測の事態が生じた場合には、別のタイマシナリオを完全に無視することで、より安全の駆動を保証するようにしている。
但し、上述した場合において、或る予告タイマシナリオに基づくモータの駆動が終了した後、別の予告タイマシナリオを無視するものの、新たに他の予告タイマシナリオに基づく駆動データによりモータの駆動を開始しようとする状況が生じた場合には、当該駆動データによりモータの駆動を開始することは可能である。別の予告タイマシナリオを異常と判断した場合であっても、その他の予告タイマシナリオまで異常であるわけではないため、その他の予告タイマシナリオは正常であるものとして扱う方が適切だからである。
ここで、図39に基づいて、第5形態の調停機能の一例を説明する。図39に示すように、SPリーチ前半演出区間において、開始タイミングから10秒経過時点まででは、第1予告タイマシナリオに「正回転」の駆動データが含まれていて、その他全ての予告タイマシナリオには「待機」の駆動データが含まれている。従ってこのときには、演出制御用マイコン121は、第1予告タイマシナリオに基づく「正回転」の駆動データを出力データとして出力して、モータ(ボール左右移動モータ92及びボール上下移動モータ94)を駆動させる(可動体駆動演出を実行する)。
そして、10秒経過時点から15秒経過時点までは、第1予告タイマシナリオ(第1タイマシナリオ)に「強励磁」の駆動データ(第1駆動データ)が含まれている。しかしながらこのときには、第2予告タイマシナリオ(第2タイマシナリオ)に「逆回転」の駆動データ(第2駆動データ)が含まれている。従って、10秒経過時点においては、第1予行タイマシナリオに基づく「強励磁」の駆動データによりモータを駆動させる状況と、第2予告タイマシナリオに基づく「逆回転」の駆動データによりモータを駆動させる状況とが生じていることになる。そこで演出制御用マイコン121は、調停機能により、既に実行中である第1予告タイマシナリオによるシナリオ制御を優先すべく、第1予行タイマシナリオに基づく「強励磁」の駆動データを出力する一方、第2予告タイマシナリオに基づく「逆回転」の駆動データを出力しない。こうして、第2予告タイマシナリオが異常であると判断して、15秒経過時点まで、第1予告タイマシナリオに基づく「強励磁」の駆動データによりモータが駆動される。
ここで、15秒経過時点において、第1予告タイマシナリオに基づくモータの駆動が終了する。そして、15秒経過時点では、第2予告タイマシナリオには未だ、「逆回転」の駆動データが含まれている。しかしながら、第5形態の調停機能では、一旦第2予告タイマシナリオが異常であると判断すると、その後、第2予告タイマシナリオに基づいてモータを駆動させることはない。従って、15秒経過時点から、第2タイマシナリオに基づいて、「逆回転」の駆動データが出力データとして出力されることはない。こうして、15秒経過時点から20秒経過時点まで、第2予告タイマシナリオ以外の予告タイマシナリオには、「待機」の駆動データが含まれているため、「待機」の駆動データが出力されることになる。
ところで第2予告タイマシナリオには、10秒経過時点から20秒経過時点までの「逆回転」の駆動データと、20秒経過時点から25秒経過時点までの「強励磁」の駆動データとが一連データとして含まれている。従って、20秒経過時点において、第2予告タイマシナリオでは、「逆回転」の駆動データから「強励磁」の駆動データに切替わる。つまり、一連データによって「逆回転」の駆動データから、モータの駆動態様を異ならせる「強励磁」の駆動データに切替わる。しかしながら第5形態の調停機能では、一旦予告タイマシナリオが異常であると判断されると、モータの駆動態様が異なる駆動データに切替わったとしても、その予告タイマシナリオは無視される。よって、20秒経過時点から、第2予告タイマシナリオに基づく「強励磁」の駆動データが出力データとして出力されることはない。
その一方で、20秒経過時点から30秒経過時点まで、第3予告タイマシナリオ(第3タイマシナリオ)には、「正回転」の駆動データ(第3駆動データ)が含まれている。そのためこのときには、第3予告タイマシナリオに基づく「正回転」の駆動データが出力データとして出力されて、モータが駆動される。そして、30秒経過時点において、第3予告タイマシナリオでは「正回転」の駆動データから、一連データである「強励磁」の駆動データに切替わる。これにより、30秒経過時点から35秒経過時点まで、第3予告タイマシナリオに基づく「強励磁」の駆動データが出力データとして出力されて、モータが駆動されることになる。なお35秒経過時点から40秒経過時点までにおいては、何れのタイマシナリオにおいてもコモン出力が有る駆動データが含まれていないため、「待機」の駆動データが出力される。
以上、第5形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図39に示すように、SPリーチ前半演出区間において、開始タイミングから10秒経過時点まででは、第1予告タイマシナリオに含まれる「正回転」の駆動データによりモータ(ボール左右移動モータ92及びボール上下移動モータ94)が駆動している。しかしながら、10秒経過時点において、第1予告タイマシナリオによりモータを駆動しているにも拘わらず、第2予告タイマシナリオに基づく「逆回転」の駆動データにより、モータの駆動を開始しようとする状況が生じ得る。そこでこの場合には、第2予告タイマシナリオが異常なものであることとして、第1予告タイマシナリオに基づくモータの駆動が終了するまで、第2予告タイマシナリオに基づく「逆回転」の駆動データにより、モータの駆動が開始されることがない。以上により、第1予告タイマシナリオから第4予告タイマシナリオまでの4つの予告タイマシナリオを並行に進行させつつ、第2予告タイマシナリオが異常であるという不測の事態が生じた場合でも対応することが可能である。
また第5形態のパチンコ遊技機PY1によれば、上述したように、10秒経過時点において、第1予告タイマシナリオによりモータを駆動しているにも拘わらず、第2予告タイマシナリオに基づく「逆回転」の駆動データにより、モータの駆動を開始しようとする状況が生じた場合、第1予告タイマシナリオに基づくモータの駆動が終了した後(15秒経過時点以降)でも、第2予告タイマシナリオによりモータが駆動することはない。つまり、10秒経過時点から25秒経過時点まで、第2予告タイマシナリオにコモン出力が有る駆動データが含まれていても、その駆動データによりモータが駆動されることはない。こうして、一旦第2予告タイマシナリオに基づく不測の事態が生じた場合には、第2予告タイマシナリオを完全に無視することで、より安全の駆動を保証することが可能である。
また第5形態のパチンコ遊技機PY1によれば、上述したように、10秒経過時点において、第1予告タイマシナリオに基づくモータの駆動が終了するものの、その後に第2予告タイマシナリオによりモータが駆動することがない。その一方で、20秒経過時点において、第3予告タイマシナリオに基づく「正回転」の駆動データにより、モータの駆動を開始しようとする状況が生じた場合には、その「正回転」の駆動データによりモータの駆動を開始することが可能である。こうして、異常と判断された第2予告タイマシナリオを無視した場合でも、その後は第3予告タイマシナリオに基づいてモータを予定通りに駆動させることが可能である。第5形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と同様であるため、説明を省略する。なお第5形態のシナリオ制御の調停機能は、図35に示すステップS308にて実行される。
<第6形態>
上記第5形態のシナリオ制御では、一旦、タイマシナリオ(図39に示す第2予告タイマシナリオ参照)が異常であると判断されると、そのタイマシナリオではモータを駆動させることがないようにした。これに対して第6形態のシナリオ制御では、タイマシナリオが異常であると判断されても、その後、そのタイマシナリオでモータを駆動させることがあり得るようにしている。以下、第6形態の調停機能について、第5形態の調停機能と異なる点を主に説明する。
図40に示すように、第6形態の第1予告タイマシナリオから第4予告タイマシナリオに含まれている駆動データは、上述した第5形態の第1予告タイマシナリオから第4予告タイマシナリオに含まれている駆動データ(図39参照)と同じである。また第6形態の調停機能では、演出制御用マイコン121は、或る予告タイマシナリオに基づく駆動データによりモータ(ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94)を既に駆動させている途中で、別の予告タイマシナリオに基づくコモン出力が有る駆動データを確認した場合には、或る予告タイマシナリオに基づく駆動データによりモータを駆動させる状況を優先する。そしてこの場合に、或る予告タイマシナリオに基づいて駆動データによりモータの駆動が終了するまで(或る予告タイマシナリオにコモン出力が有る駆動データがなくなるまで)、別の予告タイマシナリオに基づいてモータを駆動させることはない。これらの点については、上述した第5形態の調停機能と同じである。
しかしながら第6形態の調停機能では、上述した場合において、演出制御用マイコン121は、或る予告タイマシナリオに基づいてモータの駆動を終了した後、別の予告タイマシナリオに基づいてモータを駆動させる場合がある。具体的には、或る予告タイマシナリオに基づいてモータの駆動を終了した後に、進行している別の予告タイマシナリオにおいてモータ(演出手段)の駆動態様が異なる駆動データに切替わる場合である。この場合には、別の予告タイマシナリオが正常に戻ったことと仮定して、別の予告タイマシナリオを完全に無視しないで、別の予告タイマシナリオによりモータの駆動を開始することが可能である。
ここで、図40に基づいて、第6形態の調停機能の一例を説明する。但し、上述した図39に示す一例と異なる点を主に説明する。図40に示すように、10秒経過時点においては、第1予告タイマシナリオ(第1タイマシナリオ)に基づく「強励磁」の駆動データ(第1駆動データ)によりモータが駆動しているにも拘わらず、第2予告タイマシナリオ(第2タイマシナリオ)に基づく「逆回転」の駆動データ(第2駆動データ)によりモータの駆動を開始しようとする状況が生じている。そのため第5形態の調停機能と同様に、第2予告タイマシナリオが異常であると判断して、第1予告タイマシナリオによりモータの駆動が終了するまで(15秒経過時点まで)、第2予告タイマシナリオによりモータを駆動させることはない。ここで、第2予告タイマシナリオでは、20秒経過時点において、「逆回転」の駆動データ(第1の第2駆動データ)から一連データである「強励磁」の駆動データ(第2の第2駆動データ)に切替わる。
そこで第6形態の調停機能では、20秒経過時点から、第2予告タイマシナリオに基づく「強励磁」の駆動データを出力データとして出力する。これにより、25秒経過時点まで、「強励磁」に基づく駆動データによりモータが駆動される。このようにして、一旦異常と判断した第2予告タイマシナリオであっても、駆動態様が異なる駆動データに切替わることで、第2予告タイマシナリオに基づいてモータの駆動を開始することが可能である。なお20秒経過時点において、第3予告タイマシナリオに基づく「正回転」の駆動データにより、モータの駆動を開始する状況が生じているが、この場合には、第2予告タイマシナリオに基づくシナリオ制御を優先する。これにより、第3予告タイマシナリオが異常であると判断して、第3予告タイマシナリオに基づく「正回転」の駆動データを出力しない。
こうして、第2タイマシナリオによりモータの駆動が終了するまで(25秒経過時点まで)、第3タイマシナリオによりモータの駆動を開始することがない。そして、25秒経過時点から30秒経過時点まで、第3タイマシナリオに含まれている駆動データが「正回転」の駆動データのままであるため、「正回転」の駆動データが出力されることはない。またこのときには、第3予告タイマシナリオ以外の各予告タイマシナリオには、「待機」の駆動データが含まれているため、「待機」の駆動データが出力される。
ここで30秒経過時点では、第3タイマシナリオにおいて、「正回転」の駆動データから一連データである「強励磁」の駆動データに切替わる。これにより、第6形態の調停機能により、30秒経過時点から、第3予告タイマシナリオに基づく「強励磁」の駆動データを出力データとして出力する。これにより、35秒経過時点まで、「強励磁」に基づく駆動データによりモータが駆動される。このようにして、一旦異常と判断した第3予告タイマシナリオであっても、駆動態様が異なる駆動データに切替わることで、第3予告タイマシナリオに基づいてモータを駆動させることが可能である。
以上、第6形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図40に示すように、SPリーチ前半演出区間において、開始タイミングから10秒経過時点まで、第1予告タイマシナリオに含まれる「正回転」の駆動データによりモータ(ボール左右移動モータ92及びボール上下移動モータ94)が駆動している。しかしながら、10秒経過時点において、第1予告タイマシナリオによりモータを駆動しているにも拘わらず、第2予告タイマシナリオに基づく「逆回転」の駆動データにより、モータの駆動を開始しようとする状況が生じ得る。そこでこの場合には、第2予告タイマシナリオが異常なものであることとして、第1予告タイマシナリオに基づくモータの駆動が終了するまで、第2予告タイマシナリオに基づく「逆回転」の駆動データにより、モータの駆動が開始されることがない。その一方で、第1予告タイマシナリオに基づくモータの駆動が終了した後に、第2予告タイマシナリオに基づく「強励磁」の駆動データによりモータの駆動を開始することが可能であり、上述した第5形態のように(図39参照)、第2予告タイマシナリオを完全に無視するわけではない。以上により、第1予告タイマシナリオから第4予告タイマシナリオまでの4つの予告タイマシナリオを並行に進行させつつ、第2予告タイマシナリオが異常という不測の事態が生じた場合でも対応することが可能である。
また第6形態のパチンコ遊技機PY1によれば、SPリーチ前半演出区間において、上述したように、10秒経過時点から20秒経過時点まで、第2予告タイマシナリオに基づく「逆回転」の駆動データにより、モータの駆動を開始することはない。しかしながら、20秒経過時点において、第2予告タイマシナリオでは、「逆回転」の駆動データから一連データである「強励磁」の駆動データに切替わる。こうして、第1予告タイマシナリオに基づくモータの駆動が終了した後に、第2予告タイマシナリオに基づく「強励磁」の駆動データであれば、モータの駆動を開始することが可能である。こうして、第2予告タイマシナリオに含まれる駆動データのうち、「逆回転」の駆動データは異常であるものの、「強励磁」の駆動データは正常であるものとして、第2予告タイマシナリオを部分的に活用することが可能である。第6形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と同様であるため、説明を省略する。なお第6形態のシナリオ制御の調停機能は、図35に示すステップS308にて実行される。
<第7形態>
上記第1形態では、図29に示すように、並行に進行する複数のタイマシナリオは、モータ(ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94)を駆動させるための第1予告タイマシナリオ~第4予告タイマシナリオであった。これに対して第7形態では、図41に示すように、同時に進行する複数のタイマシナリオは、発光手段(枠ランプ212、盤ランプ54)を発光(駆動)させるための第1発光タイマシナリオ~第4発光タイマシナリオになっている。
発光タイマシナリオは、どの発光手段(枠ランプ212、盤ランプ54)を用いて、どのタイミングで、どのくらいの時間間隔で、どの発光色(発光態様)にするか等が指定された駆動データ(発光データ)である。第7形態の第1発光タイマシナリオから第4発光タイマシナリオまでの各発光タイマシナリオには、枠ランプ212に対して、どのタイミングで、どのくらいの時間間隔で、どの発光色(発光態様)にするか等が指定された駆動データが含まれている。
具体的に、図41に示す第1発光タイマシナリオには、SPリーチ前半演出区間において、10秒経過時点から20秒経過時点まで発光状態を制御可能な「SW有効」にして、且つスイッチ電飾を「青点灯(青色発光態様)」にする駆動データが含まれている。なお10秒経過時点から20秒経過時点までの間以外では、「SW有効」にする駆動データが含まれていない。即ち、第1発光タイマシナリオでは、10秒経過時点から20秒経過時点までの間以外において、発光状態を制御しない「SW無効」にすることを意味している。
また図41に示す第2発光タイマシナリオには、SPリーチ前半演出区間において、18秒経過時点から32秒経過時点まで発光状態を制御可能な「SW有効」にして、且つスイッチ電飾を「赤点灯(赤色発光態様)」にする駆動データが含まれている。なお18秒経過時点から32秒経過時点までの間以外では、「SW有効」にする駆動データが含まれていない。即ち、第2発光タイマシナリオでは、18秒経過時点から32秒経過時点までの間以外において、発光状態を制御しない「SW無効」にすることを意味している。
また図41に示す第3発光タイマシナリオには、SPリーチ前半演出区間において、30秒経過時点から40秒経過時点まで発光状態を制御可能な「SW有効」にして、且つスイッチ電飾を「緑点灯(緑色発光態様)」にする駆動データが含まれている。なお30秒経過時点から40秒経過時点までの間以外では、「SW有効」にする駆動データが含まれていない。即ち、第3発光タイマシナリオでは、30秒経過時点から40秒経過時点までの間以外において、発光状態を制御しない「SW無効」にすることを意味している。
また図41に示す第4発光タイマシナリオには、SPリーチ前半演出区間において、5秒経過時点から15秒経過時点まで発光状態を制御可能な「SW有効」にして、且つスイッチ電飾を「消灯(非発光態様)」にする駆動データが含まれている。なお5秒経過時点から15秒経過時点までの間以外では、「SW有効」にする駆動データが含まれていない。即ち、第3発光タイマシナリオでは、30秒経過時点から40秒経過時点までの間以外において、発光状態を制御しない「SW無効」にすることを意味している。
第7形態の調停機能において、演出制御用マイコン121は、駆動データ(発光データ)同士が重複する場合、先ず、「SW有効」の駆動データであるか否かを判断する。「SW有効」の駆動データの場合、その駆動データを出力データとして出力することになる。即ち、「SW有効」の駆動データと、「SW無効」の駆動データとが重複した場合、「SW有効」の駆動データが優先されることになる。
ここで図41に示すように、「SW有効」の駆動データの中には、「青点灯」の駆動データと、「赤点灯」の駆動データと、「緑点灯」の駆動データと、「消灯」の駆動データとがある。「青点灯」の駆動データと「赤点灯」の駆動データと「緑点灯」の駆動データとは、「消灯」の駆動データよりも優先して出力されるようにしている。例えば、後述するように、「青点灯」の駆動データと「消灯」の駆動データとが重複した場合、第7形態の調停機能により、「青点灯」の駆動データが出力データとして出力されることになる。なお、「青点灯」の駆動データと「赤点灯」の駆動データと「緑点灯」の駆動データとの間では、優劣関係はない。
また第7形態の調停機能において、演出制御用マイコン121は、設定する発光タイマシナリオに対して、実行優先度を設けるようになっている。図41に示す例では、第1発光タイマシナリオの実行優先度を2番にしていて、第2発光タイマシナリオの実行優先度を3番にしていて、第3発光タイマシナリオの実行優先度を4番にしていて、第4発光タイマシナリオの実行優先度を1番にしている。こうして、演出制御用マイコン121は、実行優先度が高い方のタイマシナリオから順番に、駆動データを確認していく。そして、「SW有効」の駆動データがあれば、その駆動データを出力データとして仮決定する。こうして、4つの発光タイマシナリオを全て確認した後に、仮決定されている駆動データを出力データとして出力することになる。
ここで、図41に基づいて、第7形態の調停機能の一例を説明する。第1発光タイマシナリオ、第2発光タイマシナリオ、第3発光タイマシナリオ、第4発光タイマシナリオに含まれている駆動データ(発光データ)は、図41に示す通りであるため、説明を省略する。図41に示すように、演出制御用マイコン121は、SPリーチ前半演出区間の開始タイミングにおいて、第1発光タイマシナリオに基づく駆動データのスイッチ設定(駆動設定)、第2発光タイマシナリオに基づく駆動データのスイッチ設定(駆動設定)、第3発光タイマシナリオに基づく駆動データのスイッチ設定(駆動設定)、第4発光タイマシナリオに基づく駆動データのスイッチ設定(駆動設定)を同時に実行する。これにより、駆動データのスイッチ設定を簡易にすることが可能である。そして、SPリーチ前半演出区間の開始タイミングから、第1発光タイマシナリオと第2発光タイマシナリオと第3発光タイマシナリオと第4発光タイマシナリオとが並行に進行することになる。
ここで、開始タイミングから5秒経過時点までにおいて、何れの発光タイマシナリオにも「SW有効」の駆動データが含まれていない。そのためこのときには、「消灯」の駆動データが「出力データ」として出力される。続いて、5秒経過時点から10秒経過時点までにおいて、第4発光タイマシナリオには、「消灯」の駆動データが含まれている一方、その他の発光タイマシナリオには、「SW有効」の駆動データが含まれていない。よってこのときにも、「消灯」の駆動データが出力データとして出力される。
次に、10秒経過時点から15秒経過時点までにおいて、演出制御用マイコン121は、先ず、実行優先度が1番である第4発光タイマシナリオを確認する。そして、第4発光タイマシナリオに含まれている駆動データが「消灯」の駆動データであるため、「消灯」の駆動データを出力データとして仮決定する。次に、実行優先度が2番目である第1発光タイマシナリオを確認する。このとき第1発光タイマシナリオに含まれている駆動データが、「青点灯」の駆動データであり、「青点灯」の駆動データは、仮決定されている「消灯」の駆動データよりも優先度が高いものである。よって、仮決定されている駆動データが、「消灯」の駆動データから「青点灯」の駆動データに切替わる。
続いて、実行優先度が3番目である第2発光タイマシナリオ、実行優先度が4番目である第3発光タイマシナリオには、それぞれ「SW有効」の駆動データが含まれていないため、仮決定された駆動データは「青点灯」のままである。こうして全ての発光タイマシナリオを確認した後、仮決定されている「青点灯」の駆動データを出力データとして出力する。
また15秒経過時点から18秒経過時点までにおいては、第1発光タイマシナリオに「青点灯」の駆動データが含まれている一方、その他の発光タイマシナリオには「SW有効」の駆動データが含まれていない。よってこのときには、「青点灯」の駆動データが出力データとして出力される。
また18秒経過時点から20秒経過時点までにおいて、演出制御用マイコン121は、先ず、実行優先度が1番である第4発光タイマシナリオを確認する。しかしながら第4発光タイマシナリオには「SW有効」の駆動データが含まれていないため、次に、実行優先度が2番目である第1発光タイマシナリオを確認する。このとき第1発光タイマシナリオには、「青点灯」の駆動データが含まれているため、「青点灯」の駆動データを出力データとして仮決定する。
続いて、実行優先度が3番目である第2発光タイマシナリオを確認する。このとき第2発光タイマシナリオには「赤点灯」の駆動データが含まれているものの、既に仮決定されている「青点灯」の駆動データと「赤点灯」の駆動データとの間では、優劣関係がない。従って、仮決定された駆動データは「青点灯」の駆動データのままである。そして最後に、実行優先度が4番目である第3発光タイマシナリオを確認するが、第3発光タイマシナリオには「SW有効」の駆動データが含まれていないため、仮決定された駆動データは「青点灯」の駆動データのままである。こうして全ての発光タイマシナリオを確認した後、仮決定されている「青点灯」の駆動データを出力データとして出力する。
なお第7形態の調停機能において、「青点灯」の駆動データ、「赤点灯」の駆動データ、「緑点灯」の駆動データが出力データとして仮決定された時点で、その駆動データを出力データとして決定するようにしても良い。「青点灯」の駆動データ、「赤点灯」の駆動データ、「緑点灯」の駆動データが出力データとして仮決定された場合、その後に確認する発光タイマシナリオにおいてどの駆動データが含まれていても、仮決定された駆動データが切替わることがないためである。つまり上述した例では、2番目の実行優先度である第1発光タイマシナリオを確認して、「青点灯」の駆動データを仮決定した後、3番目の実行優先度である第2発光タイマシナリオ、4番目の実行優先度である第3発光タイマシナリオを確認しないで、「青点灯」の駆動データを出力データとして出力するようにしても良い。
また20秒経過時点から30秒経過時点までにおいては、第2発光タイマシナリオに「赤点灯」の駆動データが含まれている一方、その他の発光タイマシナリオには「SW有効」の駆動データが含まれていない。よってこのときには、「赤点灯」の駆動データが出力データとして出力される。
また30秒経過時点から32秒経過時点までにおいて、実行優先度が1番である第4発光タイマシナリオと、実行優先度が2番である第1発光タイマシナリオには、「SW有効」の駆動データが含まれていない。その一方で、実行優先度が3番目である第2発光タイマシナリオには、「赤点灯」の駆動データが含まれている。従って、演出制御用マイコン121は、第3発光タイマシナリオに含まれている「赤点灯」の駆動データを出力データとして仮決定する。続いて、実行優先度が4番目である第3発光タイマシナリオを確認する。このとき第3発光タイマシナリオには、「緑点灯」の駆動データが含まれているものの、既に仮決定されている「赤点灯」の駆動データと「緑点灯」の駆動データとの間では、優劣関係がない。従って、仮決定された駆動データは「赤点灯」の駆動データのままである。こうして全ての発光タイマシナリオを確認した後、仮決定されている「赤点灯」の駆動データを出力データとして出力する。
また32秒経過時点から40秒経過時点までにおいては、第3発光タイマシナリオに「緑点灯」の駆動データが含まれている一方、その他の発光タイマシナリオには「SW有効」の駆動データが含まれていない。よってこのときには、「緑点灯」の駆動データが出力データとして出力される。なお図41では、「SW有効」の駆動データ(発光データ)のうち、出力されていない駆動データが斜線部分として示されている。
以上、第7形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図41に示すように、SPリーチ前半演出区間において、例えば10秒経過時点から15秒経過時点まで、第1発光タイマシナリオに含まれる「青点灯」の駆動データと、第4予告タイマシナリオに含まれる「消灯」の駆動データとが重複する。しかしながらこの場合、第7形態の調停機能により、優先度が高い「青点灯」の駆動データにより、枠ランプ212を発光(駆動)させる一方、優先度が低い「消灯」の駆動データにより、枠ランプ212を消灯させない。以上により、第1発光タイマシナリオから第4発光タイマシナリオまでの4つの発光タイマシナリオを並行に進行させつつ、「SW有効」の駆動データ(発光データ)が重複するような不測な事態が生じた場合でも対応することが可能である。こうして、上述した第1形態から第6形態までの予告タイマシナリオに替えて、第7形態の発光タイマシナリオを用いるようにしても、モータに対するシナリオ制御が発光手段に対するシナリオ制御に替わるだけであり、実質的に同様の作用効果を奏することが可能である。なお第7形態の発光手段に対するシナリオ制御は、図31に示すランプデータ出力処理(S203)で実行されることになる。
<その他の変形例>
上記各形態において、図23に示すように、変動演出の演出区間を、リーチ前前半演出区間と、リーチ前後半演出区間と、発展演出区間と、SPリーチ前半演出区間と、SPリーチ後半演出区間とに区分けした。しかしながら、変動演出の演出区間の区分けは上記した場合に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、演出図柄EZの変動サイクルを所定回数繰り返す擬似連演出を実行可能なパチンコ遊技機において、擬似連1回用演出区間、擬似連2回用演出区間、擬似連3回用演出区間、擬似連4回用演出区間を設けるようにしても良い。
また上記各形態において、SPリーチ前半演出区間(特定の演出区間)におけるシナリオ制御を例として説明した。しかしながら、その他の演出区間(リーチ前前半演出区間、リーチ前後半演出区間、発展演出区間、SPリーチ後半演出区間)においても、上記各形態で説明したシナリオ制御を実施することは勿論可能である。
また上記各形態において、4つのタイマシナリオ(第1形態から第6形態までは第1予告タイマシナリオ~第4予告タイマシナリオ、第7形態では第1発光タイマシナリオから第4発光タイマシナリオ)を並行に進行させているときに、シナリオ制御の調停機能を行った。しかしながら、2つ又は3つのタイマシナリオ、或いは5つ以上のタイマシナリオを並行に進行させているときに、上述したシナリオ制御の調停機能を行うようにしても良い。
また上記各形態において、SPリーチ前半演出区間(特定の演出区間)の開始タイミングで、複数のタイマシナリオに基づく各駆動データの駆動設定を実行した。しかしながら、各駆動データの駆動設定のタイミングは、演出区間の開始タイミングに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、複数のタイマシナリオに基づいて、最も早く演出手段を駆動させる演出(第1演出)の開始タイミング、又はその演出の開始タイミングよりも前に、各駆動データの駆動設定を同時に実行するようにしても良い。この場合、各駆動データの駆動設定を同時に実行することで、異なるタイミングで駆動データの駆動設定を行う場合に比べて、駆動データの設定処理を簡易にすることが可能である。なお、複数のタイマシナリオに基づく各駆動データの駆動設定を同時ではなく、それぞれ異なるタイミングで実行するようにしても良い。
また上記第1形態から上記第6形態までは、モータ(ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94)に対するシナリオ制御において、複数の予告タイマシナリオを並行に進行させた。また上記第7形態では、発光手段(枠ランプ212)に対するシナリオ制御において、複数の発光タイマシナリオを並行に進行させた。しかしながら、シナリオ制御の対象である演出手段は、ボール左右移動モータ92又はボール上下移動モータ94以外のモータ(例えば昇降モータ310)、枠ランプ212以外の発光手段(例えば盤ランプ54)であっても良い。またモータ又は発光手段に対するシナリオ制御に限られるものではない。例えば、ソレノイド(演出手段)に対するシナリオ制御において、複数の駆動タイマシナリオを並行に進行させるようにしても良い。なお上記した駆動タイマシナリオとは、どのソレノイドを用いて、どのタイミングで、どのくらいの時間間隔でソレノイドをON状態(可動鉄心を突出した状態)にするか等が指定された駆動データのことである。
また上記第1形態では、SPリーチ前半演出区間において、2つのタイマシナリオ(ノーマル用タイマシナリオ、ボレー用タイマシナリオ)を並行に進行させながら、同じモータ(演出手段)を駆動させるノーマルシュート予告演出(第1演出)とボレーシュート予告演出(第2演出)とを実行した。しかしながら、同じモータ(演出手段)を駆動させる演出(第1演出、第2演出)は、ノーマルシュート予告演出とボレーシュート予告演出に限られるものではない。例えば、擬似連演出、カットイン予告演出、ステップアップ予告演出、特別図柄の複数の変動表示に跨って実行される連続予告演出等であっても良い。
また上記第2形態では、図36に示すように、第1予告タイマシナリオの実行優先度を1番にしていて、第2予告タイマシナリオの実行優先度を2番にしていて、第3予告タイマシナリオの実行優先度を3番にしていて、第4予告タイマシナリオの実行優先度を4番にした。しかしながら、タイマシナリオの実行優先度については、上記した場合に限られるものではなく、適宜変更可能である。
また上記第3形態では、図37に示すように、コモン出力がある駆動データの中に、優先度を設けた。具体的には、「正回転」の駆動データが1番優先度が高く、「逆回転」の駆動データが2番目に優先度が高く、「強励磁」の駆動データが3番目に優先度が高く、「弱励磁」の駆動データが4番目に優先度が高く(1番優先度が低く)設定した。しかしながら、駆動データの中の優先度は適宜変更可能である。例えば、コモン出力が無い「待機」の駆動データが1番優先度が低くならないように設定しても良い。また例えば、「正回転」の駆動データと「逆方向」の駆動データ(回転系の駆動データ)が、「強励磁」の駆動データ又は「弱励磁」の駆動データ(励磁系の駆動データ)よりも優先度が高いものの、「正回転」の駆動データと「逆方向」の駆動データとの間では優劣関係がなく、「強励磁」の駆動データと「弱励磁」の駆動データとの間では優劣関係がないようにしても良い。なお第3形態において、設定するタイマシナリオに対して実行優先度を設けたが、設定するタイマシナリオに実行優先度を設けないようにしても良い。基本的には、駆動データの中に優先度があれば、駆動データ同士が重複した場合でも問題ないためである。
また上記第5形態では、図39に示すように、第1予告タイマシナリオに基づく「強励磁」の駆動データによりモータが駆動されているときに、第2予告タイマシナリオに基づく「逆回転」の駆動データによりモータの駆動を開始しようとする状況が生じた場合には、調停機能によって、第2予告タイマシナリオに基づいてモータを駆動させることがないようにした。つまり、第2予告タイマシナリオを完全に無視するようにした。但し、第1予告タイマシナリオに基づくモータの駆動が終了した後、第3予告タイマシナリオに基づくモータの駆動は開始できるようになっている。これに対して変形例として、上記のように、一度モータを駆動させる駆動データ同士が重複した場合には、その演出区間では、何れのタイマシナリオであってもモータの駆動ができないようにしても良い。これにより、駆動の誤作動をより確実に防止できるからである。
また上記第6形態では、図40に示すように、第1予告タイマシナリオに基づく「強励磁」の駆動データによりモータが駆動されているときに、第2予告タイマシナリオに基づく「逆回転」の駆動データによりモータの駆動を開始しようとする状況が生じた場合には、調停機能によって、第1予告タイマシナリオに基づくモータの駆動が終了した後でも、第2予告タイマシナリオに基づく「逆回転」の駆動データ(第1の第2駆動データ)によりモータの駆動を開始できないようにした。しかしながら、第1予告タイマシナリオに基づくモータの駆動が終了した後であれば、第2予告タイマシナリオに基づく「逆回転」の駆動データ(第1の第2駆動データ)によりモータの駆動を開始できるようにしても良い。第1予告タイマシナリオに基づくモータの駆動が終了した後、第2予告タイマシナリオに基づく「逆回転」の駆動データと、コモン出力が有る駆動データとが重複しないため、第2予告タイマシナリオが正常に戻ったとみなすことができるためである。
また上記各形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(特定領域の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成しても良い。大入賞装置として大入賞装置14Dのみが設けられていたが、2つの大入賞装置を設けるようにしても良い。
また上記各形態では、小当たり遊技(大入賞口の総開放時間が所定時間(例えば1.8秒)以下と短い特別遊技)を実行しないパチンコ遊技機PY1であったが、小当たり遊技を実行し得るパチンコ遊技機としても良い。なお小当たり遊技の実行中の状態を、小当たり遊技状態という。
また上記各形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成しても良い。また上記形態では、特図2の変動を特図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域を遊技用RAM104に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定用情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また上記各形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。この場合、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
また上記各形態において、「モータ」、「発光手段」、「ソレノイド」等、演出を実行するために電気的な制御によって駆動可能なものが「演出手段(駆動手段)」に相当する。また「モータの回転駆動」、「モータの停止励磁」、「発光手段の発光」、「ソレノイドの作動」等が、「演出手段の駆動」に相当する。
9.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
所定の演出手段(ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94)を用いる第1演出(ノーマルシュート予告演出)を実行した後に、前記演出手段を用いる第2演出(ボレーシュート予告演出)を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記演出制御手段は、
前記第1演出を実行するための第1タイマシナリオ(ノーマル用タイマシナリオ)と、前記第2演出を実行するための第2タイマシナリオ(ボレー用タイマシナリオ)とを並行に進行させつつ、
前記第1演出の開始タイミングになると前記第1タイマシナリオに基づく第1駆動データ(ノーマル用駆動データ)により前記第1演出を実行可能であり、
前記第2演出の開始タイミングになると前記第2タイマシナリオに基づく第2駆動データ(ボレー用駆動データ)により前記第2演出を実行可能である(図27参照)ことを特徴とする遊技機である。
1つのタイマシナリオを設定して、第1演出の開始タイミングで、1つのタイマシナリオに基づく駆動データにより第1演出を実行し、その後の第2演出の開始タイミングで、そのタイマシナリオに基づく駆動データにより第2演出を実行する方法がある。しかしながらこの方法の場合、1つのタイマシナリオに第2演出の開始タイミングを設ける必要があり、タイマシナリオの作成が複雑になる。そこでこの構成の遊技機によれば、第1タイマシナリオと第2タイマシナリオとを並行に進行させつつ、第1演出の開始タイミングになると第1タイマシナリオに基づく第1駆動データにより第1演出を実行し、その後の第2演出の開始タイミングになると第2タイマシナリオに基づく第2駆動データにより第2演出を実行する。これにより、単純なタイマシナリオの組合せで、第1演出と第2演出とを実行可能である。その結果、タイマシナリオの作成を簡易にすることが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記第1演出の開始タイミングよりも前、又は前記第1演出の開始タイミングで、前記第1タイマシナリオに基づく第1駆動データの駆動設定と、前記第2タイマシナリオに基づく第2駆動データの駆動設定と、を共に実行可能であることを特徴とする遊技機である。
例えば、第1演出の開始タイミングで、第1駆動データの駆動設定を実行し、その後の第2演出の開始タイミングで、第2駆動データの駆動設定を実行する方法が考えられる。しかしながらこの方法の場合、演出の開始タイミングの度に、駆動データの駆動設定をしなければならず、駆動データの設定処理が煩雑になる。そこでこの構成の遊技機によれば、第1演出の開始タイミングよりも前、又は第1演出の開始タイミングで、第1駆動データの駆動設定と第2駆動データの駆動設定とを同時に実行することで、駆動データの設定処理を簡易にすることが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
大当たりであるかの判定結果を示す演出図柄(EZ)を変動表示した後に停止表示可能な変動演出を実行可能であり、
前記変動演出での区間を複数の演出区間に区分けして(図23参照)、前記複数の演出区間のうちの特定の演出区間(SPリーチ前半演出区間)で前記第1演出と前記第2演出を実行する場合には、前記特定の演出区間の開始タイミングで、前記第1タイマシナリオに基づく第1駆動データの駆動設定と前記第2タイマシナリオに基づく第2駆動データの駆動設定と、を共に実行可能である(図27参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の演出区間で第1演出と第2演出とを実行する場合に、画一的に、特定の演出区間の開始タイミングで第1駆動データの設定と第2駆動データの設定とを同時に実行する。これにより、駆動データの設定処理をより簡易にすることが可能である。
ところで、特開2017-29356号公報に記載の遊技機では、演出制御手段は、演出手段の駆動制御において、タイマシナリオを1つだけセットしている。従って、演出手段を用いる第1演出を実行した後に、再びその演出手段を用いる第2演出を実行する場合において、演出制御手段は、予めタイマシナリオをセットしておき、第1演出の開始タイミングでタイマシナリオに基づく駆動データにより第1演出を実行し、第2演出の開始タイミングでタイマシナリオに基づく駆動データにより第2演出を実行する。しかしながら、上述したように1つのタイマシナリオだけを進行させる方法では、その1つのタイマシナリオに、少なくとも第2演出の開始タイミングを設ける必要があり、タイマシナリオの作成が複雑になる。そこで上記したA1~A3に係る発明は、特開2017-29356号公報に記載の遊技機に対して、演出制御手段は、第1演出を実行するための第1タイマシナリオと、第2演出を実行するための第2タイマシナリオとを並行に進行させつつ、第1演出の開始タイミングになると第1タイマシナリオに基づく第1駆動データにより第1演出を実行可能であり、第2演出の開始タイミングになると第2タイマシナリオに基づく第2駆動データにより第2演出を実行可能である点で相違している。これにより、タイマシナリオの作成を簡易にすることが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
所定の演出手段(ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94)を駆動させるための第1タイマシナリオ(第1予告タイマシナリオ)と、前記演出手段を駆動させるための第2タイマシナリオ(第2予告タイマシナリオ)とを並行に進行させることが可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記第1タイマシナリオと前記第2タイマシナリオには、優先度が設けられていて(図36参照)、
前記演出制御手段は、
前記第1タイマシナリオに基づく第1駆動データ(「正回転」の駆動データ)により前記演出手段を駆動させる状況と前記第2タイマシナリオに基づく第2駆動データ(「逆回転」の駆動データ)により前記演出手段を駆動させる状況とが生じた場合には、前記第1タイマシナリオ又は前記第2タイマシナリオのうち優先度が高い方のタイマシナリオ(第1予告タイマシナリオ)に基づく駆動データ(「正回転」の駆動データ)により前記演出手段を駆動させる一方、前記第1タイマシナリオ又は前記第2タイマシナリオのうち優先度が低い方のタイマシナリオ(第2タイマシナリオ)に基づく駆動データ(「逆回転」の駆動データ)により前記演出手段を駆動させないことが可能である(第2形態の調停機能参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1タイマシナリオと第2タイマシナリオとを並行に進行させつつ、第1タイマシナリオに基づく第1駆動データで演出手段を駆動させることが可能であると共に、第2タイマシナリオに基づく第2駆動データで演出手段を駆動させることが可能である。しかしながら誤って、第1駆動データにより演出手段を駆動させる状況と第2駆動データにより演出手段を駆動させる状況とが同時に生じる場合があり得る。そこでこの場合には、第1タイマシナリオ又は第2タイマシナリオのうち優先度が高い方のタイマシナリオに基づく駆動データにより演出手段を駆動させる一方、優先度が低い方のタイマシナリオに基づく駆動データにより演出手段を駆動させない。よって、第1タイマシナリオと第2タイマシナリオとを並行に進行させつつ、不測の事態が生じた場合でも対応することが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記第1タイマシナリオは、所定の第1演出(ノーマルシュート予告演出)を実行するためのタイマシナリオであり、
前記第2タイマシナリオは、前記第1演出の後に実行される第2演出(ボレー用タイマシナリオ)を実行するためのタイマシナリオであり、
前記演出制御手段は、
前記第1演出の開始タイミングよりも前、又は前記第1演出の開始タイミングで、前記第1タイマシナリオに基づく第1駆動データの駆動設定と、前記第2タイマシナリオに基づく第2駆動データの駆動設定と、を共に実行可能であることを特徴とする遊技機である。
例えば、第1演出の開始タイミングで、第1駆動データの駆動設定を実行し、その後の第2演出の開始タイミングで、第2駆動データの駆動設定を実行する方法が考えられる。しかしながらこの方法の場合、演出の開始タイミングの度に、駆動データの駆動設定をしなければならず、駆動データの設定処理が煩雑になる。そこでこの構成の遊技機によれば、第1演出の開始タイミングよりも前、又は第1演出の開始タイミングで、第1駆動データの駆動設定と第2駆動データの駆動設定とを同時に実行することで、駆動データの設定処理を簡易にすることが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
大当たりであるかの判定結果を示す演出図柄(EZ)を変動表示した後に停止表示可能な変動演出を実行可能であり、
前記変動演出での区間を複数の演出区間に区分けして(図23参照)、前記複数の演出区間のうちの特定の演出区間(SPリーチ前半演出区間)で前記第1タイマシナリオと前記第2タイマシナリオとを並行に進行させる場合には、前記特定の演出区間の開始タイミングで、前記第1タイマシナリオに基づく第1駆動データの駆動設定と前記第2タイマシナリオに基づく第2駆動データの駆動設定と、を共に実行可能である(図36参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の演出区間で第1タイマシナリオと第2タイマシナリオとを並行に進行させる場合に、画一的に、特定の演出区間の開始タイミングで第1駆動データの駆動設定と第2駆動データの駆動設定と同時に実行する。これにより、駆動データの設定処理をより簡易にすることが可能である。
ところで、特開2017-29356号公報に記載の遊技機では、演出制御手段は、演出手段の駆動制御において、タイマシナリオを1つだけ進行させるようになっている。これに対して、複数のタイマシナリオを並行に進行させる新たな方法が考えられる。しかしながらこの方法の場合、誤って、複数のタイマシナリオに含まれる駆動データ同士が重複してしまう可能性がある。つまり誤って、或るタイマシナリオに基づく駆動データにより演出手段を駆動させる状況と、別のタイマシナリオに基づく駆動データにより演出手段を駆動させる状況とが同時に生じる場合があり得る。そこで上記したB1~B3に係る発明は、特開2017-29356号公報に記載の遊技機に対して、第1タイマシナリオと第2タイマシナリオには、優先度が設けられていて、演出制御手段は、第1タイマシナリオに基づく第1駆動データにより演出手段を駆動させる状況と第2タイマシナリオに基づく第2駆動データにより演出手段を駆動させる状況とが生じた場合には、第1タイマシナリオ又は第2タイマシナリオのうち優先度が高い方のタイマシナリオに基づく駆動データにより演出手段を駆動させる一方、第1タイマシナリオ又は第2タイマシナリオのうち優先度が低い方のタイマシナリオに基づく駆動データにより演出手段を駆動させないことが可能である点で相違している。これにより、複数のタイマシナリオを並行に進行させつつ、不測の事態が生じた場合でも対応することが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
所定の演出手段(ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94)を駆動させるための第1タイマシナリオ(第1予告タイマシナリオ)と、前記演出手段を駆動させるための第2タイマシナリオ(第2予告タイマシナリオ)とを並行に進行させることが可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記第1タイマシナリオに基づく第1駆動データ及び前記第2タイマシナリオに基づく第2駆動データとして含まれている駆動データには、優先度が設けられていて(図37の下欄参照)、
前記演出制御手段は、
前記第1駆動データ(「弱励磁」の駆動データ)により前記演出手段を駆動させる状況と前記第2駆動データ(「正回転」の駆動データ)により前記演出手段を駆動させる状況とが生じた場合には(図37参照)、前記第1駆動データ又は前記第2駆動データのうち優先度が高い方の駆動データ(「正回転」の駆動データ)により前記演出手段を駆動させる一方、前記第1駆動データ又は前記第2駆動データのうち優先度が低い方の駆動データ(「弱励磁」の駆動データ)により前記演出手段を駆動させない(第3形態の調停機能参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1タイマシナリオと第2タイマシナリオとを並行に進行させつつ、第1タイマシナリオに基づく第1駆動データで演出手段を駆動させることが可能であると共に、第2タイマシナリオに基づく第2駆動データで演出手段を駆動させることが可能である。しかしながら誤って、第1駆動データにより演出手段を駆動させる状況と第2駆動データにより演出手段を駆動させる状況とが同時に生じる場合があり得る。そこでこの場合には、第1駆動データ又は第2駆動データのうち優先度が高い方の駆動データにより演出手段を駆動させる一方、第1駆動データ又は第2駆動データのうち優先度が低い方の駆動データにより演出手段を駆動させない。よって、第1タイマシナリオと第2タイマシナリオとを並行に進行させつつ、不測の事態が生じた場合でも対応することが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記第1タイマシナリオは、所定の第1演出(ノーマルシュート予告演出)を実行するためのタイマシナリオであり、
前記第2タイマシナリオは、前記第1演出の後に実行される第2演出(ボレー用タイマシナリオ)を実行するためのタイマシナリオであり、
前記演出制御手段は、
前記第1演出の開始タイミングよりも前、又は前記第1演出の開始タイミングで、前記第1タイマシナリオに基づく第1駆動データの駆動設定と、前記第2タイマシナリオに基づく第2駆動データの駆動設定と、を共に実行可能であることを特徴とする遊技機である。
例えば、第1演出の開始タイミングで、第1駆動データの駆動設定を実行し、その後の第2演出の開始タイミングで、第2駆動データの駆動設定を実行する方法が考えられる。しかしながらこの方法の場合、演出の開始タイミングの度に、駆動データの駆動設定をしなければならず、駆動データの設定処理が煩雑になる。そこでこの構成の遊技機によれば、第1演出の開始タイミングよりも前、又は第1演出の開始タイミングで、第1駆動データの駆動設定と第2駆動データの駆動設定とを同時に実行することで、駆動データの設定処理を簡易にすることが可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
大当たりであるかの判定結果を示す演出図柄(EZ)を変動表示した後に停止表示可能な変動演出を実行可能であり、
前記変動演出での区間を複数の演出区間に区分けして(図23参照)、前記複数の演出区間のうちの特定の演出区間(SPリーチ前半演出区間)で前記第1タイマシナリオと前記第2タイマシナリオとを並行に進行させる場合には、前記特定の演出区間の開始タイミングで、前記第1タイマシナリオに基づく第1駆動データの駆動設定と前記第2タイマシナリオに基づく第2駆動データの駆動設定と、を共に実行可能である(図37参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の演出区間で第1タイマシナリオと第2タイマシナリオとを並行に進行させる場合に、画一的に、特定の演出区間の開始タイミングで第1駆動データの駆動設定と第2駆動データの駆動設定とを同時に実行する。これにより、駆動データの設定処理をより簡易にすることが可能である。
ところで、特開2017-29356号公報に記載の遊技機では、演出制御手段は、演出手段の駆動制御において、タイマシナリオを1つだけ進行させるようになっている。これに対して、複数のタイマシナリオを並行に進行させる新たな方法が考えられる。しかしながらこの方法の場合、誤って、複数のタイマシナリオに含まれる駆動データ同士が重複してしまう可能性がある。つまり誤って、或るタイマシナリオに基づく駆動データにより演出手段を駆動させる状況と、別のタイマシナリオに基づく駆動データにより演出手段を駆動させる状況とが同時に生じる場合があり得る。そこで上記したC1~C3に係る発明は、特開2017-29356号公報に記載の遊技機に対して、第1タイマシナリオに基づく第1駆動データ及び第2タイマシナリオに基づく第2駆動データとして含まれている駆動データには、優先度が設けられていて、演出制御手段は、第1駆動データにより演出手段を駆動させる状況と第2駆動データにより演出手段を駆動させる状況とが生じた場合には、第1駆動データ又は第2駆動データのうち優先度が高い方の駆動データにより演出手段を駆動させる一方、第1駆動データ又は第2駆動データのうち優先度が低い方の駆動データにより演出手段を駆動させない点で相違している。これにより、複数のタイマシナリオを並行に進行させつつ、不測の事態が生じた場合でも対応することが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段D>
手段D1に係る発明は、
所定の演出手段(ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94)を駆動させるための第1タイマシナリオ(第1予告タイマシナリオ)と、前記演出手段を駆動させるための第2タイマシナリオ(第4予告タイマシナリオ)とを並行に進行させることが可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出制御手段は、
前記第1タイマシナリオに基づく第1駆動データ(「正回転」の駆動データ)により前記演出手段を駆動させる状況と前記第2タイマシナリオに基づく第2駆動データ(「逆回転」の駆動データ)により前記演出手段を駆動させる状況とが生じた場合には(図38参照)、前記第1駆動データ又は前記第2駆動データの何れの駆動データでも前記演出手段を駆動させない(第4形態の調停機能参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1タイマシナリオと第2タイマシナリオとを並行に進行させつつ、第1タイマシナリオに基づく第1駆動データで演出手段を駆動させることが可能であると共に、第2タイマシナリオに基づく第2駆動データで演出手段を駆動させることが可能である。しかしながら誤って、第1駆動データにより演出手段を駆動させる状況と第2駆動データにより演出手段を駆動させる状況とが同時に生じる場合があり得る。そこでこの場合には、第1駆動データ又は第2駆動データの何れの駆動データでも演出手段を駆動させない。よって、第1タイマシナリオと第2タイマシナリオとを並行に進行させつつ、不測の事態が生じた場合でも対応することが可能である。
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
前記第1タイマシナリオは、所定の第1演出(ノーマルシュート予告演出)を実行するためのタイマシナリオであり、
前記第2タイマシナリオは、前記第1演出の後に実行される第2演出(ボレーシュート予告演出)を実行するためのタイマシナリオであり、
前記演出制御手段は、
前記第1演出の開始タイミングよりも前、又は前記第1演出の開始タイミングで、前記第1タイマシナリオに基づく第1駆動データの駆動設定と、前記第2タイマシナリオに基づく第2駆動データの駆動設定と、を共に実行可能であることを特徴とする遊技機である。
例えば、第1演出の開始タイミングで、第1駆動データの駆動設定を実行し、その後の第2演出の開始タイミングで、第2駆動データの駆動設定を実行する方法が考えられる。しかしながらこの方法の場合、演出の開始タイミングの度に、駆動データの駆動設定をしなければならず、駆動データの設定処理が煩雑になる。そこでこの構成の遊技機によれば、第1演出の開始タイミングよりも前、又は第1演出の開始タイミングで、第1駆動データの駆動設定と第2駆動データの駆動設定とを同時に実行することで、駆動データの設定処理を簡易にすることが可能である。
手段D3に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
大当たりであるかの判定結果を示す演出図柄(EZ)を変動表示した後に停止表示可能な変動演出を実行可能であり、
前記変動演出での区間を複数の演出区間に区分けして(図23参照)、前記複数の演出区間のうちの特定の演出区間(SPリーチ前半演出区間)で前記第1タイマシナリオと前記第2タイマシナリオとを並行に進行させる場合には、前記特定の演出区間の開始タイミングで、前記第1タイマシナリオに基づく第1駆動データの駆動設定と前記第2タイマシナリオに基づく第2駆動データの駆動設定と、を共に実行可能である(図38参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の演出区間で第1タイマシナリオと第2タイマシナリオとを並行に進行させる場合に、画一的に、特定の演出区間の開始タイミングで第1駆動データの駆動設定と第2駆動データの駆動設定とを同時に実行する。これにより、駆動データの設定処理をより簡易にすることが可能である。
ところで、特開2017-29356号公報に記載の遊技機では、演出制御手段は、演出手段の駆動制御において、タイマシナリオを1つだけ進行させるようになっている。これに対して、複数のタイマシナリオを並行に進行させる新たな方法が考えられる。しかしながらこの方法の場合、誤って、複数のタイマシナリオに含まれる駆動データ同士が重複してしまう可能性がある。つまり誤って、或るタイマシナリオに基づく駆動データにより演出手段を駆動させる状況と、別のタイマシナリオに基づく駆動データにより演出手段を駆動させる状況とが同時に生じる場合があり得る。そこで上記したD1~D3に係る発明は、特開2017-29356号公報に記載の遊技機に対して、演出制御手段は、第1タイマシナリオに基づく第1駆動データにより演出手段を駆動させる状況と第2タイマシナリオに基づく第2駆動データにより演出手段を駆動させる状況とが生じた場合には、第1駆動データ又は第2駆動データの何れの駆動データでも演出手段を駆動させない点で相違している。これにより、複数のタイマシナリオを並行に進行させつつ、不測の事態が生じた場合でも対応することが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段E>
手段E1に係る発明は、
所定の演出手段(ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94)を駆動させるための第1タイマシナリオ(第1予告タイマシナリオ)と、前記演出手段を駆動させるための第2タイマシナリオ(第2予告タイマシナリオ)とを並行に進行させることが可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出制御手段は、
前記第1タイマシナリオに基づく第1駆動データ(一連データである「正回転」の駆動データ及び「強励磁」の駆動データ)により前記演出手段の駆動をしている場合に、前記第2タイマシナリオに基づく第2駆動データ(一連データである「逆回転」の駆動データ及び「強励磁」の駆動データ)により前記演出手段の駆動を開始しようとする状況が生じた場合には(図39参照)、当該第1タイマシナリオに基づく前記演出手段の駆動が終了するまで、前記第2駆動データにより前記演出手段の駆動を開始することがない(第5形態の調停機能参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1タイマシナリオと第2タイマシナリオとを並行に進行させつつ、第1タイマシナリオに基づく第1駆動データにより演出手段を駆動させることが可能である。しかしながら、第1駆動データにより演出手段を駆動している場合に、誤って、第2タイマシナリオに基づく第2駆動データにより演出手段の駆動を開始しようとする状況が生じる場合があり得る。そこでこの場合には、第1タイマシナリオに基づく演出手段の駆動が終了するまで、第2駆動データにより演出手段の駆動が開始されることがない。よって、複数のタイマシナリオを並行に進行させつつ、不測の事態が生じた場合でも対応することが可能である。
手段E2に係る発明は、
手段E1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記第1駆動データにより前記演出手段の駆動をしている場合に、前記第2駆動データにより前記演出手段の駆動を開始しようとする状況が生じた場合には、
前記第1タイマシナリオに基づく前記演出手段の駆動が終了した後に、
前記第2タイマシナリオに基づいて前記演出手段を駆動することがない(図39に示す斜線部分参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1駆動データにより演出手段を駆動している場合に、第2タイマシナリオに基づく第2駆動データにより演出手段の駆動を開始しようとする状況が生じた場合、第1タイマシナリオに基づく演出手段の駆動が終了した後でも、第2タイマシナリオにより演出手段が駆動することがない。こうして、一旦第2タイマシナリオに基づく不測の事態が生じた場合には、第2タイマシナリオを完全に無視することで、より安全の駆動を保証することが可能である。
手段E3に係る発明は、
手段E2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記第1タイマシナリオと、前記第2タイマシナリオと、前記演出手段を駆動させるための第3タイマシナリオ(第3予告タイマシナリオ)とを並行に進行させることが可能であり、
前記第1タイマシナリオに基づく前記演出手段の駆動が終了した後に、前記第3タイマシナリオに基づく第3駆動データ(「正回転」の駆動データ)により前記演出手段の駆動を開始しようとする状況が生じた場合には(図39参照)、当該第3駆動データにより前記演出手段の駆動を開始することが可能である(第5形態の調停機能参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1駆動データにより演出手段を駆動している場合に、第2タイマシナリオに基づく第2駆動データにより演出手段の駆動を開始しようとする状況が生じた場合、第1タイマシナリオに基づく演出手段の駆動が終了した後でも、第2タイマシナリオにより演出手段が駆動することがない。その一方で、第3駆動データにより演出手段の駆動を開始しようとする状況が生じた場合には、当該第3駆動データにより演出手段の駆動を開始することが可能である。こうして、異常と判断された第2タイマシナリオを無視した場合でも、その後は第3タイマシナリオに基づいて演出手段を予定通りに駆動させることが可能である。
ところで、特開2017-29356号公報に記載の遊技機では、演出制御手段は、演出手段の駆動制御において、タイマシナリオを1つだけ進行させるようになっている。これに対して、複数のタイマシナリオを並行に進行させる新たな方法が考えられる。しかしながらこの方法の場合、誤って、複数のタイマシナリオに含まれる駆動データ同士が重複してしまう可能性がある。つまり誤って、或るタイマシナリオに基づく駆動データにより演出手段を駆動させる状況と、別のタイマシナリオに基づく駆動データにより演出手段を駆動させる状況とが同時に生じる場合があり得る。そこで上記したE1~E3に係る発明は、特開2017-29356号公報に記載の遊技機に対して、演出制御手段は、第1タイマシナリオに基づく第1駆動データにより演出手段の駆動をしている場合に、第2タイマシナリオに基づく第2駆動データにより演出手段の駆動を開始しようとする状況が生じた場合には、当該第1タイマシナリオに基づく演出手段の駆動が終了するまで、第2駆動データにより演出手段の駆動を開始することがない点で相違している。これにより、複数のタイマシナリオを並行に進行させつつ、不測の事態が生じた場合でも対応することが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段F>
手段F1に係る発明は、
所定の演出手段(ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94)を駆動させるための第1タイマシナリオ(第1予告タイマシナリオ)と、前記演出手段を駆動させるための第2タイマシナリオ(第2予告タイマシナリオ)とを並行に進行させることが可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出制御手段は、
前記第1タイマシナリオに基づく第1駆動データ(一連データである「正回転」の駆動データ及び「強励磁」の駆動データ)により前記演出手段の駆動をしている場合に、前記第2タイマシナリオに基づく第2駆動データ(一連データである「逆回転」の駆動データ及び「強励磁」の駆動データ)により前記演出手段の駆動を開始しようとする状況が生じた場合には(図40参照)、当該第1タイマシナリオに基づく前記演出手段の駆動が終了した後に、前記第2駆動データにより前記演出手段の駆動を開始することが可能である(第6形態の調停機能参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1タイマシナリオと第2タイマシナリオとを並行に進行させつつ、第1タイマシナリオに基づく第1駆動データにより演出手段を駆動させることが可能である。しかしながら、第1駆動データにより演出手段を駆動している場合に、誤って、第2タイマシナリオに基づく第2駆動データにより演出手段の駆動を開始しようとする状況が生じる場合があり得る。そこでこの場合には、第1タイマシナリオに基づく演出手段の駆動が終了した後に、第2タイマシナリオに基づく第2駆動データにより演出手段の駆動を開始することが可能であり、第2タイマシナリオを完全に無視するわけではない。よって、複数のタイマシナリオを並行に進行させつつ、不測の事態が生じた場合でも対応することが可能である。
手段F2に係る発明は、
手段F1に記載の遊技機において、
前記第2タイマシナリオには、前記第2駆動データとして、第1の第2駆動データ(「逆回転」の駆動データ)と、前記第1の第2駆動データとは前記演出手段の駆動態様を異ならせる第2の第2駆動データ(「強励磁」の駆動データ))とが含まれていて、
前記演出制御手段は、
前記第1駆動データにより前記演出手段の駆動をしている場合に、前記第2タイマシナリオに基づく前記第1の第2駆動データにより前記演出手段の駆動を開始しようとする状況が生じた場合には、当該第1タイマシナリオに基づく前記演出手段の駆動が終了した後、当該第1の第2駆動データにより前記演出手段の駆動を開始することがない一方(図40に示す斜線部分参照)、前記第2の第2駆動データにより前記演出手段の駆動を開始することが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1駆動データにより演出手段を駆動している場合に、第2タイマシナリオに基づく第1の第2駆動データにより演出手段の駆動を開始しようとする状況が生じる場合があり得る。この場合、第1タイマシナリオに基づく演出手段の駆動が終了した後でも、第1の第2駆動データにより演出手段の駆動を開始することがない。しかしながら、第1タイマシナリオに基づく演出手段の駆動が終了した後、第2タイマシナリオに基づく第2の駆動データであれば、演出手段の駆動を開始することが可能である。こうして、第2タイマシナリオに含まれる駆動データのうち、第1の第2駆動データは異常であるものの、第2の駆動データは正常であるものとして、第2タイマシナリオを部分的に活用することが可能である。
ところで、特開2017-29356号公報に記載の遊技機では、演出制御手段は、演出手段の駆動制御において、タイマシナリオを1つだけ進行させるようになっている。これに対して、複数のタイマシナリオを並行に進行させる新たな方法が考えられる。しかしながらこの方法の場合、誤って、複数のタイマシナリオに含まれる駆動データ同士が重複してしまう可能性がある。つまり誤って、或るタイマシナリオに基づく駆動データにより演出手段を駆動させる状況と、別のタイマシナリオに基づく駆動データにより演出手段を駆動させる状況とが同時に生じる場合があり得る。そこで上記したF1~F2に係る発明は、特開2017-29356号公報に記載の遊技機に対して、演出制御手段は、第1タイマシナリオに基づく第1駆動データにより演出手段の駆動をしている場合に、第2タイマシナリオに基づく第2駆動データにより演出手段の駆動を開始しようとする状況が生じた場合には、当該第1タイマシナリオに基づく演出手段の駆動が終了した後に、第2駆動データにより演出手段の駆動を開始することが可能である点で相違している。これにより、複数のタイマシナリオを並行に進行させつつ、不測の事態が生じた場合でも対応することが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
PY1…パチンコ遊技機
54…盤ランプ
56k…ボール可動体
81…特図表示器
92…ボール左右移動モータ
94…ボール上下移動モータ
121…演出制御用マイコン
212…枠ランプ

Claims (1)

  1. 変動演出を実行可能な演出制御手段を備える遊技機において、
    前記変動演出での区間が、複数の演出区間に区分けされていて、
    前記演出制御手段は、
    前記複数の演出区間のうちの特定の演出区間において、第1予告演出を実行した後に、第2予告演出を実行可能であり、
    前記第1予告演出の実行中に所定の演出手段を駆動させる第1駆動動作を実行可能であり、
    前記第2予告演出の実行中に前記演出手段を駆動させる第2駆動動作を実行可能であり、
    前記特定の演出区間で前記第1予告演出と前記第2予告演出とを実行する場合には、前記第1駆動動作を実行するための第1タイマシナリオと前記第2駆動動作を実行するための第2タイマシナリオとを並行に進行させつつ、
    前記第1タイマシナリオに基づく第1駆動データにより前記第1駆動動作を実行して、前記第2タイマシナリオに基づく第2駆動データにより前記第2駆動動作を実行可能であり、
    記第1駆動データにより前記演出手段を駆動させる状況と前記第2駆動データにより前記演出手段を駆動させる状況とが生じた場合には、前記第1タイマシナリオ又は前記第2タイマシナリオのうち優先度が高い方のタイマシナリオに基づく駆動データにより前記演出手段を駆動させることが可能であることを特徴とする遊技機。
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