JP7038230B2 - 細胞数を推定する方法および細胞数を推定する装置 - Google Patents

細胞数を推定する方法および細胞数を推定する装置 Download PDF

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Description

本発明は、細胞数を推定する方法および細胞数を推定する装置に関する。
たとえば、がんや白血病の治療方法として、患者の免疫に関わる細胞を患者の体内から取り出して、患者の体外で人工的に培養した後、再び患者の体内に戻す方法が知られている。その際、培養中の細胞数を、非侵襲的方法で、かつ連続的に推定したいという製造における要望が存在する。なお、本明細書において、「非侵襲的方法」とは、対象である細胞をサンプリングしない方法をいう。
細胞代謝物の濃度と細胞数とは、相関性があることが知られている。そこで、培養中の細胞数を推定する方法として、細胞の培養に伴い経時で変化する培地中の細胞代謝物の濃度を推定し、推定した濃度を、既存のデータベースと照合する方法が考えられる(たとえば特許文献1参照)。データベースには、細胞代謝物の濃度と細胞数との関係情報が格納されている。なお、本明細書において、「細胞代謝物」とは、細胞の代謝に使用される細胞消費物および細胞産生物を意味する。細胞消費物は、細胞の代謝の過程で消費される物質である。したがって、細胞の培養に伴い経時で減少する。細胞消費物は、たとえばグルコースである。細胞産生物は、細胞の代謝の過程で産生される物質である。したがって、細胞の培養に伴い経時で増加する。細胞産生物は、たとえばラクテートである。
細胞代謝物の濃度と細胞数との関係情報は、細胞数を推定する前提となることから、高い精度を有することが必要とされる。細胞代謝物の濃度と細胞数との関係情報を高い精度で取得する方法として、バイオアッセイ法が挙げられる。具体例としては、まず、細胞を培養している培地の一部を採取する。採取した培地に特定の細胞代謝物のみと反応する試薬を加え、試薬を培地中の細胞代謝物と反応させることにより生成される反応物の発光シグナルを検出する。ここで、発光シグナルは、検出可能であれば、可視光、蛍光、リン光等の種類を問わない。
ここで、発光シグナルの強度と細胞代謝物の濃度とは比例関係にある。したがって、発光シグナルを検出することによって、採取した培地中の細胞代謝物の濃度を測定することができる。培地中の細胞数は、細胞計算盤の使用等による公知の方法で測定することができる。これによって、細胞代謝物のある濃度における細胞数の情報を得ることができる。同様にして細胞代謝物の様々な濃度における細胞数の情報を得ることによって、細胞代謝物の濃度と細胞数との関係情報を取得することができる。また、試薬として、細胞代謝物の濃度に依存した呈色を示す呈色試薬等を用いてもよい。
しかしながら、バイオアッセイ法は、侵襲的な方法であり、採取器具等が培地と接触することが避けられない。従って、培地の汚染などの問題が存在する。また、培養中において多数回にわたりサンプリングすることは困難であるから、細胞数の情報を断続的にしか得ることができない。
そこで、バイオアッセイ法とは別に、分光法によるアプローチが考えられる。具体的には、培地に、細胞に悪影響を与えない波長の光線を照射し、その吸光度や散乱度を測定する。得られた測定値に対して多変量解析などの解析手段を用いることによって、細胞代謝物の濃度を推定することができる。このようにして推定した細胞代謝物の濃度を、バイオアッセイ法を用いて取得された関係情報と照会することにより、推定した細胞代謝物の濃度における細胞数を推定することが可能である。分光法は、非侵襲的であり、かつ連続的に細胞代謝物の濃度を推定できる利点がある。
特開2014-45663号公報
しかしながら、分光法では一般的に、細胞代謝物の濃度が高い場合にしか正確な濃度を推定することができない。たとえば、グルコースとラクテートを例に説明すると、グルコースの濃度は、細胞の培養に伴って低下するため、一定の培養期間が経過すると正確に推定することができなくなる。逆に、ラクテートの濃度は、細胞の培養に伴って上昇するため、一定の培養期間が経過しなければ正確に推定することができない。
本発明は、非侵襲的、かつ連続的に細胞数を推定する方法および装置を提供することを目的とする。
解決を解決するための手段
すなわち本発明は、培地中に含まれる細胞代謝物の濃度に応じた値を取得可能な方法を用いて、ある細胞を培養する培地に含まれる、第一の細胞代謝物の濃度を推定する工程と、推定した前記第一の細胞代謝物の濃度が、閾値以上である場合、推定した前記第一の細胞代謝物の濃度を、予め得られている前記第一の細胞代謝物の濃度と前記ある細胞の細胞数との関係を示す第一の関係情報に当てはめることにより、前記ある細胞の細胞数を推定する工程と、推定した前記第一の細胞代謝物の濃度が、閾値未満である場合、前記方法を用いて、前記培地に含まれる第二の細胞代謝物の濃度を推定する工程と、推定した前記第二の細胞代謝物の濃度が、閾値以上である場合、推定した前記第二の細胞代謝物の濃度を、予め得られている前記第二の細胞代謝物の濃度と前記ある細胞の細胞数との関係を示す第二の関係情報に当てはめることにより、前記ある細胞の細胞数を推定する工程と、を有する細胞数の推定方法である。
また、本発明は、ある細胞の細胞数を推定する装置であって、培地中に含まれる細胞代謝物の濃度に応じた値を取得可能な方法を用いて測定されたデータに基づいて、ある細胞を培養する培地に含まれる、細胞代謝物の濃度を推定する第一の推定部と、推定した前記細胞代謝物の濃度が、閾値以上であるかどうかを判定する判定部と、前記判定部による判定結果に応じて、推定した前記細胞代謝物の濃度を、予め得られている前記細胞代謝物の濃度と前記ある細胞の細胞数との関係を示す関係情報に当てはめることにより、ある細胞の細胞数を推定する第二の推定部と、を有し、前記第二の推定部は、前記第一の推定部により推定した第一の細胞代謝物の濃度が、閾値以上であると判定された場合、推定した前記第一の細胞代謝物の濃度を、予め得られている前記第一の細胞代謝物の濃度と前記ある細胞の細胞数との関係を示す第一の関係情報に当てはめることにより、前記ある細胞の細胞数を推定し、前記第一の推定部は、推定した前記第一の細胞代謝物の濃度が、閾値未満であると判定された場合、前記培地に含まれる第二の細胞代謝物の濃度を推定し、前記第二の推定部は、推定した前記第二の細胞代謝物の濃度が、閾値以上であると判定された場合、推定した前記第二の細胞代謝物の濃度を、予め得られている前記第二の細胞代謝物の濃度と前記ある細胞の細胞数との関係を示す第二の関係情報に当てはめることにより、前記ある細胞の細胞数を推定する、装置である。
本発明によれば、非侵襲的、かつ連続的に細胞数を推定することができる。
第1の例に係る、細胞の細胞数を推定する装置を示す図である。 第1の例に係る、制御部を示す図である。 第1の例に係る、細胞の細胞数を推定する方法を示すフローチャートである。 第2の例に係る、細胞の細胞数を推定する装置を示す図である。 第2の例に係る、制御部を示す図である。 第2の例に係る、細胞の細胞数を推定する方法を示すフローチャートである。 細胞数と培養日数との関係を表すグラフである。 グルコースの濃度と培養日数との関係を表すグラフである。 ラクテートの濃度と培養日数との関係を表すグラフである。 多変量解析を用いて推定したグルコースの濃度とバイオアッセイ法を用いて得られた濃度との関係を表すグラフである。 多変量解析を用いて推定したラクテートの濃度とバイオアッセイ法を用いて得られた濃度との関係を表すグラフである。
以下、本発明の形態について説明するが、本発明の範囲は、実施例を含めた当該記載に限定されるものではない。
<関係情報の取得について>
関係情報は、細胞代謝物の濃度とある細胞の細胞数との関係を示す情報である。関係情報は、細胞代謝物毎に存在する。
関係情報は、様々な方法により取得することができる。特に、精度の高い関係情報を取得できる点からバイオアッセイ法が好ましい。バイオアッセイ法としては、生物学的な応答を取得・分析する方法であれば、上述したような試薬を用いた方法に限定されず、質量分析法、抗体法等、様々な方法を用いることができる。
<培地中に含まれる細胞代謝物の濃度に応じた値を取得する方法について>
非侵襲的かつ連続的に測定結果が得られる方法であることが好ましい。培地中に含まれる細胞代謝物の濃度に応じた値としては、光学的もしくは電気的な値が挙げられる。これらの値は、たとえば公知のセンサーを用いて取得することができる。
例として、上述のような分光法が挙げられる。分光法は、培地に対して細胞に悪影響を与えない波長の光線を照射し、吸光度や散乱度を測定する方法である。さらに、非侵襲的かつ連続的に測定結果が得られる方法である。得られた測定結果に対して多変量解析などの解析手段を用いることによって、細胞代謝物の濃度を推定することができる(後述)。
分光法は、濃度を推定する細胞代謝物に応じて、近赤外分光法、可視分光法、蛍光分光法、およびラマン分光法等を用いることができる。たとえば蛍光分光法は、細胞代謝物と特異的に結合することで蛍光を発するプローブを培地に加え、その蛍光強度を計測する方法である。なお、蛍光分光法を用いる場合、センサーとして機能する基質にプローブを固定化し、保護膜で覆った状態とすることがより好ましい。このように保護膜で覆うことにより、プローブの流出を防止し、非侵襲的な測定が可能となる。分光法は、細胞に悪影響を与えないものである限り、これらに限定されるものではない。
また、分光法の代わりに電気化学方式が挙げられる。電気化学方式は、分析物を基質とする酵素を用いて電気的な値を取得する方法である。電気的な値は、分析物の濃度に対応している。電気化学方式は、非侵襲的かつ連続的に測定結果が得られる方法である。ここで、分析物を細胞代謝物とすることにより、細胞代謝物の濃度に対応した電気的な値を取得することができる。
電気化学方式に用いるセンサーとしては、たとえば、グルコースを連続的に測定できる酵素センサー、乳酸を連続的に測定できる酵素センサーを用いることができる。なお、これらの酵素センサーは、細胞をサンプリングする必要の無い非侵襲的なセンサーである一方、測定時には培地にセンサーを接地させる必要がある。そこで、電気化学方式を使用する場合、酵素センサーの接地面には保護膜を設けることが好ましい。保護膜により、酵素センサーの接地による細胞への悪影響を低減できる。なお、電気化学方式に用いるセンサーは、細胞に悪影響を与えない限り、保護膜を設けた酵素センサーに限定されるものではない。
<細胞代謝物の濃度の推定>
細胞代謝物の濃度は、上記方法によって得られた吸光度や散乱度の値、或いは電気的な値を、統計的手法を用いて解析することにより得られる。
統計的手法は、上記方法により測定したデータの数、照射した波長等の条件に応じて、公知の技術を利用することができる。
==第1の例==
ここで、第1の例として、培地中に含まれる細胞代謝物の濃度に応じた値を取得する方法として分光法を用い、統計的手法として多変量解析を用いることにより、細胞代謝物の濃度の推定を行う例について述べる。
(細胞数の推定)
推定した細胞代謝物の濃度を、当該細胞代謝物に対応する関係情報に当てはめることにより、細胞数を推定することができる。
一方で、分光法を用いる場合には、細胞代謝物の濃度が高い場合にしか正確な濃度を推定することができない。
ここで、細胞代謝物のうち、細胞消費物は、細胞の培養に伴って経時で減少する。一方、細胞代謝物のうち、細胞産生物は、細胞の培養に伴って経時で増加する。
すなわち、培養後期には細胞消費物の濃度を正確に推定することができない。また、培養初期には細胞産生物の濃度を正確に推定することができない。
そこで、本実施形態に係る方法は、細胞消費物の濃度または細胞産生物の濃度のいずれかに基づいて、細胞数の推定を行う。
具体的には、推定した細胞消費物の濃度が、閾値以上である場合、推定した細胞消費物の濃度を、予め得られている細胞消費物の濃度とある細胞の細胞数との関係を示す関係情報に当てはめることにより、ある細胞の細胞数を推定する。
一方、推定した細胞消費物の濃度が、閾値未満である場合、細胞産生物の濃度を推定する。推定した細胞産生物の濃度が、閾値以上である場合、推定した細胞産生物の濃度を、予め得られている細胞産生物の濃度とある細胞の細胞数との関係を示す関係情報に当てはめることにより、ある細胞の細胞数を推定する。
閾値は、細胞代謝物において、分光法を用いて細胞代謝物の実際の濃度を正確に推定することができる濃度の下限値である。閾値を求める方法としては、たとえば交差検証法が用いられる。具体的には、まず、近赤外分光法を用い、既知の細胞代謝物の濃度(「実測濃度」とする)を有する培地の吸光度を測定し、多変量解析を用いて吸光度から細胞代謝物の濃度を推定する。この工程を多数回繰り返して、実測濃度と推定した細胞代謝物の濃度との関係のデータを蓄積する。次に、交差検証法を用いて、実測濃度と推定した細胞代謝物の濃度との相関係数が0.7以上になるまで前記蓄積した測定データから低い濃度のデータを削除し、相関係数が0.7以上になった時の測定データの最低濃度を閾値とする等の方法が考えられる。
細胞代謝物としては、細胞消費物および細胞産生物の組み合わせであることが好ましい。上述したように、細胞消費物は、濃度が高い培養初期~中期において、実際の濃度を正確に推定することができる。一方、細胞産生物は、濃度が高くなる培養中期~終期において、実際の濃度を正確に推定することができる。したがって、細胞消費物の濃度または細胞産生物の濃度を用いることにより、培養のいずれの段階であっても、細胞数を推定することができる。
細胞消費物と細胞産生物の組み合わせとしては、グルコースとラクテートの組合せ、或いはグルタミンとグルタミン酸の組み合わせなどが挙げられる。たとえば、T細胞は、グルコースを消費し、ラクテートを産生する。
上記説明における、細胞消費物は「第一の細胞代謝物」の一例であり、細胞産生物は「第二の細胞代謝物」の一例である。また、細胞消費物の濃度とある細胞の細胞数との関係を示す関係情報は「第一の関係情報」の一例であり、細胞産生物の濃度とある細胞の細胞数との関係を示す関係情報は「第二の関係情報」の一例である。なお、細胞消費物より先に細胞産生物の濃度を閾値と比較する場合、細胞産生物が「第一の細胞代謝物」に相当し、細胞消費物が「第二の細胞代謝物」に相当する。
(細胞数を測定する装置)
図1を参照して、第1の例に係る細胞数を推定する装置10について説明する。
装置10は、記憶部11、分光測定部12、制御部13、表示部14、及び操作部15を備える。
[記憶部]
記憶部11は、装置10に関する各種情報を記憶する。本実施形態に係る記憶部11は、予め得られた複数の細胞代謝物の濃度とある細胞の細胞数との関係を示す関係情報を記憶する。
[分光測定部]
分光測定部12は、培地に対して所定波長の帯域を持つ光を照射し、吸収光、反射光および散乱光を受光する。分光測定部12は、受光した光を制御部13に出力する。
[制御部]
制御部13は、CPUおよびメモリ(図示なし)を備える。CPUは、メモリに記憶された動作プログラムを実行することにより各種の制御機能を実現する。メモリは、CPUに実行されるプログラムを記憶したり、プログラムの実行時に各種情報を一時的に記憶したりする記憶装置である。本実施形態において、制御部13は、分光解析部13a、第一の推定部13b、判定部13c、第二の推定部13d、及び表示制御部13eとして機能する(図2参照)。
分光解析部13aは、分光測定部12より受光した光から、吸光度や散乱度を測定する。吸光度や散乱度の測定は、公知の手法を利用することができる。
第一の推定部13bは、分光法を用いて測定されたデータに基づいて、ある細胞を培養する培地に含まれる、細胞代謝物の濃度を推定する。データは、分光解析部13aにより得られた吸光度等である。また、細胞代謝物の濃度の推定には、上述の方法を用いることができる。
判定部13cは、推定した細胞代謝物の濃度が、閾値以上であるかどうかを判定する。
第二の推定部13dは、判定部13cによる判定結果に応じて、推定した細胞代謝物の濃度を、記憶部11に記憶されている関係情報に当てはめることにより、ある細胞の細胞数を推定する。
ここで、本実施形態に係る具体的な処理について説明を行う。まず、第一の推定部13bは、第一の細胞代謝物の濃度を推定する。判定部13cは、推定した第一の細胞代謝物の濃度が、閾値以上であるかどうかを判定する。
推定した第一の細胞代謝物の濃度が、閾値以上であると判定された場合、第二の推定部13dは、推定した第一の細胞代謝物の濃度を、記憶部11に記憶されている第一の関係情報に当てはめることにより、ある細胞の細胞数を推定する。
一方、推定した第一の細胞代謝物の濃度が、閾値未満であると判定された場合、第一の推定部13bは、培地に含まれる第二の細胞代謝物の濃度を推定する。判定部13cは、推定した第二の細胞代謝物の濃度が、閾値以上であるかどうかを判定する。
推定した第二の細胞代謝物の濃度が、閾値以上であると判定された場合、第二の推定部13dは、推定した第二の細胞代謝物の濃度を、記憶部11に記憶されている第二の関係情報に当てはめることにより、ある細胞の細胞数を推定する。
表示制御部13eは、装置10における各種表示制御を行う。表示制御部13eは、たとえば、細胞数を推定した結果を表示部14に表示させる。
[表示部・操作部]
表示部14は、ディスプレイ等、各種情報を表示する構成である。操作部15は、マウスやキーボード、或いは表示部14に表示されるタッチパネル等、装置10に対して各種指示入力を行うための構成である。なお、装置10は、表示部14に表示された情報をプリントアウトする機能や、外部のプリンタから出力する機能を持っていてもよい。
(細胞数を推定する方法について)
次に、図3を参照して、装置10を利用して細胞Cの細胞数を推定する方法について説明する。この例では、細胞Cが細胞消費物Xを消費し、細胞産生物Yを産生する例について述べる。また、細胞消費物Xの濃度を先に推定するものとする。さらに、細胞消費物Xの濃度と細胞Cの細胞数との関係を示す第一の関係情報、及び細胞産生物の濃度と細胞Cの細胞数との関係を示す第二の関係情報は、バイオアッセイ法を用いて予め求められているものとする。
まず、装置10に、細胞Cを培養している培地を載置する。
分光測定部12は、培地に所定の波長の光を照射して、吸収光等を受光し、受光した光を制御部13に出力する。
分光解析部13aは、細胞Cを培養する培地に含まれる、細胞消費物Xの吸光度及び散乱度を測定する(S101)。
第一の推定部13bは、S101で測定された吸光度及び散乱度のデータを解析して、細胞消費物Xの濃度を推定する(S102)。
判定部13cは、S102で推定した細胞消費物Xの濃度が、閾値以上であるか否かを判定する。閾値以上である場合(S103でYESの場合)、第二の推定部13dは、S102で推定した細胞消費物Xの濃度を、記憶部11に記憶されている第一の関係情報に当てはめることにより、細胞Cの細胞数を推定する(S104)。
一方、推定した細胞代謝物の濃度が、閾値未満である場合(S103でNOの場合)、分光解析部13aは、細胞Cを培養する培地に含まれる、細胞産生物Yの吸光度及び散乱度を測定する(S105)。
第一の推定部13bは、S105で測定された吸光度及び散乱度のデータを解析して、細胞産生物Yの濃度を推定する(S106)。
第二の推定部13dは、S106で推定した細胞産生物Yの濃度を、記憶部11に記憶されている第二の関係情報に当てはめることにより、細胞Cの細胞数を推定する(S107)。このようにして、培養のいずれの段階であっても、細胞数を推定することができる。なお、細胞の種類や培養の状態によっては、細胞消費物及び細胞産生物のいずれの濃度も閾値未満となる可能性がある。そのような場合には、細胞数の推定ができないため、処理を終了する。
グルコースとラクテートのように、細胞消費物の減少と細胞産生物の増加との関係が明確である細胞代謝物を対象とする場合、S106で推定した細胞産生物Yの濃度について、S107のステップを経ることなく、第二の推定部13dで、S106で推定した細胞産生物Yの濃度を、記憶部11に記憶されている第二の関係情報に当てはめることにより、細胞Cの細胞数を推定してもよい。
==第2の例==
次に、第2の例として、培地中に含まれる細胞代謝物の濃度に応じた値を取得する方法として電気化学方式を用い、細胞代謝物の濃度と取得した電気的な値との相関性を解析することにより、細胞代謝物の濃度の推定を行う例について述べる。
(細胞数の推定)
第1の例と同様であるため詳細な説明を省略する。
(細胞数を測定する装置)
図4を参照して、第2の例に係る細胞数を推定する装置20について説明する。装置20は、記憶部21、電気測定部22、制御部23、表示部24、及び操作部25を備える。
[記憶部・表示部・操作部]
記憶部21、表示部24、及び操作部25は、第1の例における記憶部11、表示部14、及び操作部15と同様の構成であるため詳細な説明を省略する。
[電気測定部]
電気測定部22は、特定の細胞代謝物の変化に伴う電気的な値を測定する。電気測定部22は、上述の酵素センサーを用いることができる。電気測定部22は、測定した値を制御部23に出力する。
[制御部]
本実施形態における、制御部23は、第一の推定部23a、判定部23b、第二の推定部23c、及び表示制御部23dとして機能する(図5参照)。
第一の推定部23aは、電気化学方式を用いて測定された電気的な値に基づいて、ある細胞を培養する培地に含まれる、細胞代謝物の濃度を推定する。細胞代謝物の濃度の推定には、上述の方法を用いることができる。
判定部23bは、推定した細胞代謝物の濃度が、閾値以上であるかどうかを判定する。
第二の推定部23cは、判定部23bによる判定結果に応じて、推定した細胞代謝物の濃度を、記憶部21に記憶されている関係情報に当てはめることにより、ある細胞の細胞数を推定する。
ここで、本実施形態に係る具体的な処理について説明を行う。まず、第一の推定部23aは、第一の細胞代謝物の濃度を推定する。判定部23bは、推定した第一の細胞代謝物の濃度が、閾値以上であるかどうかを判定する。
推定した第一の細胞代謝物の濃度が、閾値以上であると判定された場合、第二の推定部23cは、推定した第一の細胞代謝物の濃度を、記憶部21に記憶されている第一の関係情報に当てはめることにより、ある細胞の細胞数を推定する。
一方、推定した第一の細胞代謝物の濃度が、閾値未満であると判定された場合、第一の推定部23aは、培地に含まれる第二の細胞代謝物の濃度を推定する。判定部23bは、推定した第二の細胞代謝物の濃度が、閾値以上であるかどうかを判定する。
推定した第二の細胞代謝物の濃度が、閾値以上であると判定された場合、第二の推定部23cは、推定した第二の細胞代謝物の濃度を、記憶部21に記憶されている第二の関係情報に当てはめることにより、ある細胞の細胞数を推定する。
表示制御部23dは、装置20における各種表示制御を行う。表示制御部23dは、たとえば、細胞数を推定した結果を表示部24に表示させる。
(細胞数を推定する方法について)
次に、図6を参照して、装置20を利用して細胞Cの細胞数を推定する方法について説明する。この例では、細胞Cが細胞消費物Xを消費し、細胞産生物Yを産生する例について述べる。また、細胞消費物Xの濃度を先に推定するものとする。さらに、細胞消費物Xの濃度と細胞Cの細胞数との関係を示す第一の関係情報、及び細胞産生物の濃度と細胞Cの細胞数との関係を示す第二の関係情報は、バイオアッセイ法を用いて予め求められているものとする。
まず、装置20に、細胞Cを培養している培地を載置する。
電気測定部22は、細胞代謝物Xの変化に伴う電気的な値を測定し、制御部23に出力する。
第一の推定部23aは、電気測定部22から出力された電気的な値を解析して、細胞消費物Xの濃度を推定する(S201)。
判定部23bは、S201で推定した細胞消費物Xの濃度が、閾値以上であるか否かを判定する。閾値以上である場合(S202でYESの場合)、第二の推定部23cは、S201で推定した細胞消費物Xの濃度を、記憶部21に記憶されている第一の関係情報に当てはめることにより、細胞Cの細胞数を推定する(S203)。
一方、推定した細胞代謝物の濃度が、閾値未満である場合(S202でNOの場合)、第一の推定部23aは、電気測定部22から出力された細胞代謝物Yの変化に伴う電気的な値を解析して、細胞Cを培養する培地に含まれる、細胞産生物Yの濃度を推定する(S204)。
第二の推定部23cは、S204で推定した細胞産生物Yの濃度を、記憶部21に記憶されている第二の関係情報に当てはめることにより、細胞Cの細胞数を推定する(S205)。このようにして、培養のいずれの段階であっても、細胞数を推定することができる。なお、細胞の種類や培養の状態によっては、細胞消費物及び細胞産生物のいずれの濃度も閾値未満となる可能性がある。そのような場合には、細胞数の推定ができないため、処理を終了する。
<その他>
なお、図3及び図6の例では細胞代謝物が2つの例について述べたがこれに限られない。すなわち、細胞代謝物が3つ以上の場合も利用できる。たとえば図3において、S106で推定した細胞産生物Yの濃度が、閾値未満である場合(S107でNOの場合)、細胞Cを培養する培地に含まれる、細胞消費物Xおよび細胞産生物Yとは別の細胞代謝物Zについて、上記と同様の手法により濃度を推定する。そして、推定した細胞代謝物Zの濃度を、予め得られている細胞代謝物Zの濃度とある細胞の細胞数との関係を示す関係情報に当てはめることにより、細胞Cの細胞数を推定する。
本発明における細胞の推定方法の対象となる細胞は、患者の免疫に関わる細胞のみならず、他の細胞にも用いることができる。さらには、人間の細胞に限られず、他の動植物の細胞にも用いることができる。
==実施例==
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるべきものではない。
バイオアッセイ法により、細胞代謝物の濃度と細胞数との関係を求める実施例、及び分光法により、細胞代謝物の濃度を推定する実施例について説明する。本実施例において、培養する細胞はT細胞である。また、培地に摂取したT細胞の数は、5.0×106個である。本実施例における細胞代謝物としては、培地に含まれる細胞消費物であるグルコースおよび細胞産生物であるラクテートを対象とした。以下、詳述する。
<細胞代謝物の濃度と細胞数との関係について>
(実験条件、方法)
グルコース及びラクテートを、それぞれ個別に下記の試薬を用いて反応させ、発光シグナルを検出することによって濃度を測定した。細胞数は、コロニー数の測定等による公知の方法で測定した。なお、再現性を確認するため、同じ条件で3つのサンプルを用意し、実験を行った。
(試薬)
グルコース:Glucose-Glo Assay(プロメガ株式会社製)
ラクテート:Lactate-Glo Assay(プロメガ株式会社製)
(発光検出機器)
SpectraMax iD3(モレキュラーデバイスジャパン株式会社製)
(結果)
図7は、バイオアッセイ法を用いて得られたT細胞の細胞数と培養日数との関係を表すグラフである。具体的には、図7中のマーカーの通り、T細胞の播種直後、播種から3日後、4日後、5日後、6日後、7日後、および10日後に測定を行っている。
図8Aは、バイオアッセイ法を用いて得られたグルコースの濃度とT細胞の培養日数との関係を表すグラフである。細胞消費物であるグルコースの濃度は、細胞の培養に伴い経時で低下することがわかる。図8Bは、バイオアッセイ法を用いて得られたラクテートの濃度とT細胞の培養日数との関係を表すグラフである。細胞産生物であるラクテートの濃度は、細胞の培養に伴い経時で上昇することがわかる。なお、図中、「uM」は、10-6mol/Lを表す。
図7、図8Aおよび図8Bから、グルコースおよびラクテートの濃度と、細胞の細胞数との関係を示す関係情報が読み取れる。たとえばT細胞の播種から4日後におけるT細胞の細胞数は、図7から3つのサンプルの平均値を取ると、約5×107個である。T細胞の播種から4日後におけるグルコースの濃度は、同様に、図8Aから、約8×10-6mol/L、ラクテートの濃度は、図8Bから、約10×10-6mol/Lと読み取れる。すなわち、T細胞の数が約5×107個であるとき、グルコースの濃度は約8×10-6mol/L、ラクテートの濃度は約10×10-6mol/Lである。
<細胞代謝物の濃度の推定>
本実施例では分光法として近赤外線分光法を用いて、グルコースおよびラクテートの吸光度を測定することにより、T細胞の濃度を推定した。
(実験条件、方法)
(近赤外線波長)
近赤外線の波長帯域幅は、1069~2221nmである。
グルコースの吸収波長は、1600±30nmである。
ラクテートの吸収波長は、1587~1851nm、2083nm~2380nmである。なお、ラクテートについて、2221nmより大きい波長は近赤外線の波長帯域を外れるので、実際に用いられた波長は、1587~1851nm、2083nm~2221nmである。
(分光測定機器)
分光測定部分としてC9914GB(浜松ホトニクス社製)を具備した分光測定機器(PHC株式会社製)を用いた。
細胞培養初期から終期(T細胞の播種から10日後)まで、数回にわたって吸光度の測定を行った。
測定した吸光度の値を、多変量解析を用いて解析することにより、T細胞の濃度を推定した。多変量解析の方法としては、交差検証を用いた。
(結果)
結果を図9Aおよび図9Bに示す。図9Aの横軸は、バイオアッセイ法を用いて得られたグルコースの濃度である。図9Aの縦軸は、多変量解析を用いて推定したグルコースの濃度である。図9Bの横軸は、バイオアッセイ法を用いて得られたラクテートの濃度である。図9Bの縦軸は、多変量解析を用いて推定したラクテートの濃度である。すなわち分光法を用いて推定したグルコースおよびラクテートの濃度の結果が、図9Aおよび図9B中のドットの縦軸である。
分光法によって推定した濃度から、グルコースについては、8×10-6mol/L未満である濃度の値と、ラクテートについては、10×10-6mol/L未満である濃度の値を除くと、多変量解析を用いて推定した濃度とバイオアッセイ法を用いて得られた濃度との相関性がみられることがわかる。なお、相関性を確認するために、再び多変量解析を用いている。多変量解析の方法としては、最小二乗法を用いた。
<まとめ>
上記実施例から明らかなように、グルコースの濃度が8×10-6mol/L以上となるT細胞の培養日数は、T細胞の播種後4日後までである。すなわち、グルコースを用いてT細胞の細胞数を推定することができる期間は、T細胞の播種後4日後までである。一方、ラクテートはグルコースが消費されることにより、産生する細胞代謝物であるため、T細胞の培養日数が経過するにつれて濃度は上昇する。上記実施例によれば、ラクテートの濃度が10×10-6mol/L以上となるT細胞の培養日数は、T細胞の播種後4日後以降である。すなわち、ラクテートを用いてT細胞の細胞数を推定することができる期間は、T細胞の播種後4日後以降から細胞培養終期(上記実施例では10日)までである。
このようにして、細胞培養初期から終期(10日)に至るまでの全ての範囲において、T細胞の細胞数の推定ができることがわかる。

Claims (9)

  1. 培地中に含まれる細胞代謝物の濃度に応じた値を取得可能な分光法または電気化学方式を用いて、ある細胞を培養する培地に含まれる細胞消費物の濃度を推定する工程と、
    推定した前記細胞消費物の濃度が、閾値以上である場合、推定した前記細胞消費物の濃度を、予め得られている前記細胞消費物の濃度と前記ある細胞の細胞数との関係を示す第一の関係情報に当てはめることにより、前記ある細胞の細胞数を推定する工程と、
    推定した前記細胞消費物の濃度が、閾値未満である場合、前記分光法または電気化学方式を用いて、前記培地に含まれる細胞産生物の濃度を推定する工程と、
    推定した前記細胞産生物の濃度を、予め得られている前記細胞産生物の濃度と前記ある細胞の細胞数との関係を示す第二の関係情報に当てはめることにより、前記ある細胞の細胞数を推定する工程と、
    を有する細胞数の推定方法。
  2. 培地中に含まれる細胞代謝物の濃度に応じた値を取得可能な分光法または電気化学方式を用いて、ある細胞を培養する培地に含まれる細胞産生物の濃度を推定する工程と、
    推定した前記細胞産生物の濃度が、閾値以上である場合、推定した前記細胞産生物の濃度を、予め得られている前記細胞産生物の濃度と前記ある細胞の細胞数との関係を示す第一の関係情報に当てはめることにより、前記ある細胞の細胞数を推定する工程と、
    推定した前記細胞産生物の濃度が、閾値未満である場合、前記分光法または電気化学方式を用いて、前記培地に含まれる細胞消費物の濃度を推定する工程と、
    推定した前記細胞消費物の濃度を、予め得られている前記細胞消費物の濃度と前記ある細胞の細胞数との関係を示す第二の関係情報に当てはめることにより、前記ある細胞の細胞数を推定する工程と、
    を有する細胞数の推定方法。
  3. 推定した前記細胞消費物及び前記細胞産生物の濃度が、共に閾値未満である場合、前記分光法または電気化学方式を用いて、前記培地に含まれる他の細胞消費物または他の細胞産生物の濃度を推定する工程と、
    推定した前記他の細胞消費物または前記他の細胞産生物の濃度を、予め得られている前記他の細胞消費物または前記他の細胞産生物の濃度と前記ある細胞の細胞数との関係を示す第三の関係情報に当てはめることにより、前記ある細胞の細胞数を推定する工程と、
    を有する、請求項1または2記載の細胞数の推定方法。
  4. 前記第一の関係情報、前記第二の関係情報、および前記第三の関係情報は、バイオアッセイ法を用いて取得されることを特徴とする、請求項3に記載の細胞数の推定方法。
  5. 前記濃度の推定は、多変量解析を用いて行われることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の細胞数の推定方法。
  6. 前記分光法は、近赤外分光法、可視分光法、蛍光分光法、およびラマン分光法から選択されるものであることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の細胞数の推定方法。
  7. 前記細胞消費物はグルコースであり、前記細胞産生物はラクテートであり、前記分光法は、近赤外分光法であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の細胞数の推定方法。
  8. 前記閾値は、
    既知の細胞代謝物の濃度(「実測濃度」とする)を有する培地の吸光度を近赤外分光法を用いて測定し、
    多変量解析を用いて前記吸光度から細胞代謝物の濃度を推定し、
    前記工程を繰り返すことにより、実測濃度と推定した細胞代謝物の濃度との関係のデータを蓄積し、
    交差検証法を用いて、実測濃度と推定した細胞代謝物の濃度との相関係数が0.7以上になるまで前記測定データから低い濃度のデータを削除し、
    相関係数が0.7以上になった時の測定データの最低濃度の値とする、請求項1または2記載の細胞数の測定方法。
  9. 培地中に含まれる細胞代謝物の濃度に応じた値を取得可能な分光法または電気化学方式を用いて測定されたデータに基づいて、ある細胞を培養する培地に含まれる、細胞消費物及び細胞産生物の濃度を推定する第一の推定部と、
    推定した前記細胞消費物または前記細胞産生物の濃度が、閾値以上であるかどうかを判定する判定部と、
    前記判定部による判定結果に応じて、推定した前記細胞消費物または前記細胞産生物の濃度を、予め得られている前記細胞消費物または前記細胞産生物の濃度と前記ある細胞の細胞数との関係を示す関係情報に当てはめることにより、ある細胞の細胞数を推定する第二の推定部と、
    を有し、
    前記第二の推定部は、
    前記第一の推定部により推定した細胞消費物の濃度が、閾値以上であると判定された場合、推定した前記細胞消費物の濃度を、予め得られている前記細胞消費物の濃度と前記ある細胞の細胞数との関係を示す第一の関係情報に当てはめることにより、前記ある細胞の細胞数を推定し、
    推定した前記細胞産生物の濃度が、閾値以上であると判定された場合、推定した前記細胞産生物の濃度を、予め得られている前記細胞産生物の濃度と前記ある細胞の細胞数との関係を示す第二の関係情報に当てはめることにより、前記ある細胞の細胞数を推定する、
    細胞数を推定する装置。
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