<第1実施形態>
図1に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12の下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体80を備える。遊技盤本体80は木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体80の前面には、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及び外周壁(ガイドレール)31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、外周壁31で囲まれた遊技領域32内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、演出画像として静止画や動画を表示可能であり、例えば、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ流路を形成するワープ流路形成部材614と、当該ワープ流路を通過した遊技球が転動可能なステージ部620とが設けられている。センターケース40のステージ部620は、始動入賞口36の上方に配置されているため、ステージ部620上で転動した遊技球は始動入賞口36に入賞し易くなっている。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
センターケース40の右方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の右上方の遊技領域32には、一つの一般入賞口351が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32には、一つの一般入賞口352が配置されている。また、センターケース40の左下方の遊技領域32には、二つの一般入賞口353、354が配置されている。一般入賞口351への遊技球の入賞は入賞口スイッチ35a(図3参照)によって検出され、一般入賞口352への遊技球の入賞は入賞口スイッチ35b(図3参照)によって検出される。また、一般入賞口353、354へ入賞した遊技球は、合流した後に入賞口スイッチ35c(図3参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)によって検出される。
センターケース40の右部には、特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。
普通変動入賞装置37は、可動部材(図示省略)を備えており、この可動部材は、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定結果となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
なお、本実施形態において、普通変動入賞装置37の可動部材は、普電ソレノイド37cによって前後方向に進退(スライド)することで開閉する所謂ベロ型の普通電動役物であるが、普通変動入賞装置37の可動部材は、これに限定されない。普通変動入賞装置37の可動部材は、例えば、普電ソレノイド37cによって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放するアタッカ形式の普通電動役物であっても良いし、普電ソレノイド37cによって逆「ハ」の字状に開放するチューリップ型の普通電動役物であっても良い。
また、普通変動入賞装置37は、可動部材が閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としても良い。
センターケース40の右方の遊技領域32のうち、普図始動ゲート34と普通変動入賞装置37との間には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(上大入賞口)38が設けられている。第1特別変動入賞装置38は、開閉部材(図示省略)が前後方向に進退(スライド)することで、上大入賞口を遊技球が流入可能な状態に変換する。第1特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって、上大入賞口を閉じた閉状態から開状態に変換し、上大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)によって検出される。
上大入賞口の内部(入賞領域)には、遊技球が流入可能な特定領域が設けられているとともに、当該特定領域への遊技球の流入確率を変化させるようにレバーソレノイド38f(図3参照)により動作するレバー部材が設けられている。特定領域には遊技球の流入を検出可能な特定領域スイッチ38d(図3参照)が設けられており、当該特定領域スイッチ38dで遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態が発生する(本実施形態では、特別遊技状態の終了後に高確率状態が発生する)ようになっている。特定領域に流入した遊技球は第1特別変動入賞装置38の外部へ排出される。
また、上大入賞口の内部には、特定領域に流入せずに第1特別変動入賞装置38の外部へ排出される遊技球を検出する残存球排出口スイッチ38e(図3参照)が設けられている。上大入賞口の内部に設けられた大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数(上大入賞口に流入した遊技球数)と、特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数(上大入賞口から排出される遊技球数)とが一致することにより上大入賞口内の遊技球が全て排出されたことを確認でき、基本的にはこの確認が終了するまでは新たな上大入賞口の開放が行われないようになっている。
センターケース40の下方の遊技領域32のうち、始動入賞口36の右方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(下大入賞口)39が設けられている。第2特別変動入賞装置39は、開閉部材(図示省略)が前後方向に進退(スライド)することで、下大入賞口を遊技球が流入可能な状態に変換する。第2特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって、下大入賞口を閉じた閉状態から開状態に変換し、下大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)39a(図3参照)によって検出される。
始動入賞口36の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体80の右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図1変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51及び特図2変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52と、LEDランプで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の第1記憶表示部53と、LEDランプで構成された特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の第2記憶表示部54とを備える。
また、一括表示装置50には、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38,39の開閉回数)を表示するラウンド表示部55、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部56、特図変動表示ゲームの確率状態(高確率状態又は低確率状態)を報知する確率表示部57が設けられている。なお、一括表示装置50には、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する確率状態表示部、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
更に、普図変動表示ゲームを表示する普図表示部58や、普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示部59、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する時短状態報知部60等が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームにおいては、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1と特図2との区別が可能なように構成されている。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメント(特図1であれば加えて右方下側の8番目のセグメント)を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
第1記憶表示部53は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点灯(点滅)により表示する。
第2記憶表示部54は、特図2表示器52の変動開始条件となる普通変動入賞装置37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点灯(点滅)により表示する。
ラウンド表示部55はLEDランプ等で構成され、特別遊技状態中でない場合には全てのLEDを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応してLEDを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部55は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
第1遊技状態表示部56はLEDランプ等で構成され、例えば右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)には全てのLEDを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)には全てのLEDを点灯状態にする。
確率表示部57はLEDランプ等で構成され、例えば大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合には全てのLEDを消灯状態にし、大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合には全てのLEDを点灯状態にする。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC-DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、停電が発生し当該遊技機への電源供給が停止しても遊技に関する情報を記憶保持可能であるとともに、停電復旧後には記憶保持された情報に基づき遊技を再開可能とする遊技情報記憶保持手段をなす。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1~3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(低確率状態或いは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、一般入賞口351~354内の入賞口スイッチ35a、35b、35c、第1特別変動入賞装置38内の大入賞口スイッチ38a、第2特別変動入賞装置39内の大入賞口スイッチ39a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、第1特別変動入賞装置38内に配設される特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38e、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するアウト球検出スイッチ32aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V-11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124又は第4入力ポート126へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39a及びゲートスイッチ34aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、特定領域スイッチ38d、残存球排出口スイッチ38e及びアウト球検出スイッチ32aの検出信号は第4入力ポート126へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。
また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。
さらに、第3入力ポート124には、設定キー操作部の操作を検出する設定キースイッチ152からの信号が入力される。設定キー操作部は、設定キーを差し込む鍵穴を備え、対応する設定キーを差し込んだ場合にのみ第1位置から第2位置(所定状態)へ当該設定キーを回すことができるように構成されている。設定キースイッチ152は、第2位置へ回した状態となっていることを検出可能なセンサであり、第2位置に回した状態である場合にオン状態となり、第2位置に回していない状態である場合にオフ状態となる。
RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を複数から選択するための操作部であり、これらの操作部を操作することで、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を選択することができ、選択された確率設定値に対応する確率値が遊技で使用されるようになっている。ここでは確率設定値として“設定1”~“設定6”の6つが用意されている。
確率設定値を選択する際には、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態でRAM初期化スイッチ112を操作(押下)しながら遊技機の電源を投入することで確率設定値を変更可能な確率設定値変更モードとなり、確率設定値変更モード中にRAM初期化スイッチ112を操作(押下)することで確率設定値を変更することができるようになっている。選択されている確率設定値は、算出されたベース値や役物比率を表示するための性能表示装置153に表示される。具体的には、性能表示装置153には、確率設定値に関する操作をしている間(確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである間)は確率設定値の情報が表示され、それ以外では算出されたベース値や役物比率が表示されるようになっている。
また、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態(RAM初期化スイッチ112は操作しない)で遊技機の電源を投入することで、現在選択されている確率設定値が性能表示装置153に表示されるが確率設定値の変更はできない確率設定値確認モードとなる。なお、RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、前面枠12を開状態としなければ操作できないようにされている。
性能表示装置153は7セグメント式のディスプレイであり、確率設定値を1~6の数字で表示するようになっている。もちろん表示態様はこれに限られず、確率設定値を認識できる表示態様であれば良い。また、液晶表示装置など他の形式の表示装置でも良いし、一又は複数のLEDの点灯態様や発光色等により確率設定値を示すものであっても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力及び第4入力ポート126への出力(アウト球検出スイッチ32aの検出信号は除く)は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124,126には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62や振動センサ65のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続された第2出力ポート134が設けられている。第2出力ポート134は、第1特別変動入賞装置38を開成させる第1大入賞口ソレノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、第2特別変動入賞装置39を開成させる第2大入賞口ソレノイド(大入賞口ソレノイド2)39b、第1特別変動入賞装置38内のレバー部材を動作させるレバーソレノイド38f及び普通変動入賞装置37を開成させる普電ソレノイド37cの動作データを出力するとともに、現在選択されている確率設定値を表示する性能表示装置153の表示データを出力するためのポートである。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38b,39bやレバーソレノイド38fや普電ソレノイド37cの動作データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第2出力ポート134から出力される性能表示装置153の表示データ信号を受けて駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。なお、第2出力ポート134から第5ドライバ138eへは、シリアル通信でデータが送信される。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。第5ドライバ138eには、5Vで動作する性能表示装置153を駆動できるようにするため、電源電圧としてDC5Vが電源装置400から供給される。
また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。
外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。
なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124,126のようなポートは設けられていない。
なお、特に限定されるわけではないが、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39a、ゲートスイッチ34aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
図5には、大当り確率、転落確率、小当り確率、大当りに当選した場合の大当り種類の振分確率を示した。なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果(第1特別結果)であり、小当りは条件装置の作動を伴わない特別結果(第2特別結果)である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38,39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
大当り(第1特別結果)となる確率である大当り確率の値(確率値)は特図1と特図2で共通であり、低確率状態での確率値と高確率状態での確率値はそれぞれ図5(a)に示すような確率値となっている。
なお、本実施形態では、図5(a)に示すように、“設定1”~“設定6”の全てに高確率状態での確率値として同一の確率値が割り当てられているが、異なる確率値が割り当てられていても良い。すなわち、高確率状態での確率値は、多段階に切り替え可能であっても良い。
また、本実施形態では、図5(a)に示すように、“設定1”と“設定2”に低確率状態での確率値として同一の確率値が割り当てられているが、異なる確率値が割り当てられていても良い。“設定3”と“設定4”、“設定5”と“設定6”についても同様である。すなわち、低確率状態での確率値は、多段階に切り替え可能であれば、その段数は限定されない。また、“設定1”~“設定6”の全てに低確率状態での確率値として同一の確率値が割り当てられていても良い。すなわち、低確率状態での確率値は、多段階に切り替え不可能であっても良い。
また、割り当てられた低確率状態での確率値が同一の“設定1”と“設定2”で、演出振り分け等を異ならせても良い。“設定3”と“設定4”、“設定5”と“設定6”についても同様である。
また、本実施形態では、図5(a)に示すように、3種類の確率値(低確率状態での確率値及び高確率状態での確率値)に対し6つの確率設定値(“設定1”~“設定6”)を割り当てているが、例えば、3種類の確率値に対し3つの確率設定値(例えば“設定1”~“設定3”)を割り当てて残り3つの確率設定値(例えば“設定4”~“設定6”)は不使用としても良い。
本実施形態の遊技機では、大当りに基づく特別遊技状態(第1特別遊技状態)において第1特別変動入賞装置38の特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入して特定領域スイッチ38dで検出されること(V通過)により、当該特別遊技状態の終了後に高確率状態となり、特図変動表示ゲームの実行毎に行われる転落抽選に当選すると低確率状態となるように構成されている。転落抽選に当選する確率は図5(b)に示すような確率となっている。
また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
小当り(第2特別結果)となる確率である小当り確率は図5(c)に示すような確率となっている。この小当り確率は特図1よりも特図2の方が高くなっている。また、小当り確率は遊技状態や大当り確率にかかわらず常に一定である。大当りと小当りの抽選においては大当りと小当りは重複して当選しない。なお、本実施形態では、小当りを特図1に設けず特図2のみに設けるようにした、すなわち特図1の小当り確率は0であるが、これに限定されず、例えば、小当りを特図1と特図2の両方に設けても良い。また、小当りを特図1と特図2の両方に設ける場合、小当り確率は、特図1と特図2とで同じであっても良いし、特図1よりも特図2の方が高くても良いし、特図2よりも特図1の方が高くても良い。
また、図5(d)には特図1と特図2で選択可能な大当り種類と、各大当り種類の振分確率を示した。
特図1変動表示ゲームでの大当り(第1特別結果)の種類には、10R確変大当りと4R確変大当りと10R通常大当りの3種類がある。同様に、特図2変動表示ゲームでの大当り(第1特別結果)の種類には、10R確変大当りと4R確変大当りと10R通常大当りの3種類がある。これらの大当り種類は大当り図柄乱数に基づき選択される。各大当り種類の数字は実質ラウンド数を示し、確変とは特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入する可能性が高く特別遊技状態の終了後に高確率状態(確変状態)となりやすいことを示し、通常とは特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入する可能性が低く特別遊技状態の終了後に高確率状態(確変状態)となりにくいことを示している。
ここで、実質ラウンド数とは、特別変動入賞装置38,39の開放によって実際に入賞球が発生するような開放制御を行うラウンド数のことである。なお、各大当り種類の数字は、大当り時のラウンド数(実質ラウンド数+特別変動入賞装置38,39の開放時間が短く実際には入賞球が発生しないような開放制御を行うラウンド数)であっても良い。
また、確変大当りよりも特定領域に遊技球が流入する可能性が低いが通常大当りよりも特定領域に遊技球が流入する可能性が高い第1特別結果を設けても良い。
また、本実施形態の遊技機では、特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入するか否かにより高確率状態となるか否かが決定されるので、大当り種類が確変であっても特定領域に遊技球が流入しなければ高確率状態とはならず、大当り種類が通常であっても特定領域に遊技球が流入すれば高確率状態となる。
図6(a)~(c)には、各大当り種類での各ラウンドにおける開放態様を示した。なお、開放態様の詳細は図7に示している。
図6(a)に示すように10R確変大当りでは、1ラウンド目で第1特別変動入賞装置38を開放するとともに特定領域(確変作動領域)を開放するVありロング開放を行う。Vありロング開放は特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入する可能性の高い開放態様である。そして、2ラウンド目以降は第1特別変動入賞装置38を開放するが特定領域は開放しないVなしロング開放を行う。
図6(b)に示すように4R確変大当りでは、1ラウンド目で第1特別変動入賞装置38を開放するとともに特定領域(確変作動領域)を開放するVありロング開放を行う。そして、2ラウンド目から4ラウンド目までは第1特別変動入賞装置38を開放するが特定領域は開放しないVなしロング開放を行い、5ラウンド目以降は第1特別変動入賞装置38を開放するが特定領域は開放しないVなしショート開放を行う。Vなしショート開放は大入賞口に遊技球が流入する可能性がVなしロング開放よりも低い開放態様である。すなわち、Vなしロング開放は実際に入賞球が発生するような開放態様であり、Vなしショート開放は開放時間が短く実際には入賞球が発生しないような開放態様である。
図6(c)に示すように10R通常大当りでは、1ラウンド目で第1特別変動入賞装置38を開放するとともに特定領域(確変作動領域)を開放するVありショート開放を行う。Vありショート開放は特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入する可能性がVありロング開放よりも低い開放態様である。そして、2ラウンド目以降は第1特別変動入賞装置38を開放するVなしロング開放を行う。
特定領域(確変作動領域)へ遊技球が流入可能とされるのは1ラウンド目に行われるVありロング開放及びVありショート開放のみである。すなわち、本実施形態の遊技機では、特定領域に遊技球が流入する可能性があるラウンドである特定ラウンドは1ラウンド目である。なお、特定ラウンドは、1ラウンド目に限定されず適宜変更可能である。また、特定ラウンドは、1ラウンド目と5ラウンド目など、複数回あっても良い。
図7(a)に示すようにVなしロング開放では、ラウンドの開始に伴い第1特別変動入賞装置38を開放し(t11)、25000m秒の開放可能時間が経過するか所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立すると第1特別変動入賞装置38を閉鎖してラウンドを終了する(t12)。その後、上大入賞口残存球処理時間が開始され(t12)、上大入賞口残存球処理時間が終了するとインターバル時間が開始され(t13)、インターバル時間が終了すると次ラウンドが開始される(t14)。なお、最終ラウンドである場合はラウンドの終了に伴い残存球処理時間が設定され、その後エンディング時間が設定される。
図7(b)に示すようにVありロング開放では、ラウンドの開始に伴い第1特別変動入賞装置38を開放する(t31)。さらに、ラウンドの開始に伴いレバーソレノイド38fをON状態とするとともに、特定領域スイッチ38dを有効とする。レバーソレノイド38fがOFFである状態ではレバー部材が特定領域を覆って遊技球が流入できない状態となり、レバーソレノイド38fがONである状態ではレバー部材が特定領域から退避して遊技球が流入可能な状態となる。また、特定領域スイッチ38dが有効である状態とは、特定領域スイッチ38dでの遊技球の検出を有効なものとして扱う状態である。これに対して特定領域スイッチ38dが無効である状態は、特定領域スイッチ38dでの遊技球の検出があっても無効なものとして扱う状態である。
レバーソレノイド38fはラウンドの開始から64m秒経過することでOFF状態となる(t32)。そして、レバーソレノイド38fがOFF状態となってから100m秒経過すると特定領域スイッチ38dが無効となる(t33)。すなわち、第1特別変動入賞装置38が開放した直後に入賞した遊技球は特定領域に流入する可能性がある。
ラウンドの開始から200m秒経過すると第1特別変動入賞装置38が閉鎖される(t34)。そして、2700m秒経過すると再び第1特別変動入賞装置38が開放される(t35)、25000m秒の開放可能時間が経過するか所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立すると第1特別変動入賞装置38を閉鎖してラウンドが終了する(t39)。その後、上大入賞口残存球処理時間が開始され(t39)、上大入賞口残存球処理時間が終了するとインターバル時間が開始され(t41)インターバル時間が終了すると次ラウンドが開始される(t42)。なお、最終ラウンドである場合はラウンドの終了に伴い残存球処理時間が設定され、その後エンディング時間が設定される。
また、第1特別変動入賞装置38の2回目の開放(t35)の後、レバーソレノイド38fも所定の時間に亘りON状態となる(t36~t37、t38~t39)。また、特定領域スイッチ38dも有効となる(t36)。この第1特別変動入賞装置38の2回目の開放は十分に長い時間の開放であるとともに、レバーソレノイド38fのON状態も長時間継続するので、ほぼ確実に特定領域に遊技球が流入することとなる。よって、大当り種類が確変である場合はほぼ確実に高確率状態となる。
また、レバーソレノイド38fは第1特別変動入賞装置38が閉鎖した後も所定の時間に亘りON状態とすることが可能であり(t40~t43)、閉鎖間際に第1特別変動入賞装置38に流入した遊技球についても特定領域への流入が可能となっている。なお、開放可能時間の経過又は所定個数の遊技球が入賞することにより第1特別変動入賞装置38が閉鎖し、当該第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球が上大入賞口残存球処理時間内に全て排出された場合には、残存球処理時間の終了(t41)に伴いレバーソレノイド38fがOFF状態となって動作を終了するとともに、特定領域スイッチ38dが無効となる。
また、開放可能時間の経過又は所定個数の遊技球が入賞することにより第1特別変動入賞装置38が閉鎖し、第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球が上大入賞口残存球処理時間内に全て排出されなかった場合であって、レバーソレノイド38fがON状態となる期間の終了(t43)までに全て排出された場合は、当該排出の完了時にレバーソレノイド38fがOFF状態となって動作を終了するとともに、特定領域スイッチ38dが無効となる。
また、開放可能時間の経過又は所定個数の遊技球が入賞することにより第1特別変動入賞装置38が閉鎖し、第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球が上大入賞口残存球処理時間内に全て排出されなかった場合であって、レバーソレノイド38fがON状態となる期間の終了(t43)までに全て排出されなかった場合は、レバーソレノイド38fがON状態となる期間の終了(t43)をもってレバーソレノイド38fがOFF状態となって動作を終了する。この場合には、レバーソレノイド38fがOFF状態となってから(t43)、100m秒経過すると特定領域スイッチ38dが無効となる(t44)。
図7(c)に示すようにVありショート開放では、Vありロング開放における第1特別変動入賞装置38の1回目の開放と同様の開放を行い(t51~t54)、当該開放が終了することに基づきラウンドを終了する(t54)。この第1特別変動入賞装置38の開放は非常に短い時間の開放であるとともに、レバーソレノイド38fのON状態も短時間であるので、特定領域に遊技球が流入する可能性は低い。よって大当り種類が通常である場合に高確率状態となることはまれである。
なお、レバーソレノイド38fの動作及び特定領域スイッチ38dの有効、無効の切り替えは、第1特別変動入賞装置38内に遊技球が残存している限りはVありロング開放の場合と同じ動作を行う(t55~t63)。よって、上大入賞口残存球処理時間が経過しても第1特別変動入賞装置38内に遊技球が残存している場合は、当該残存球の排出が完了した時点でレバーソレノイド38fがOFF状態となって動作を終了するとともに、特定領域スイッチ38dが無効となる。また、レバーソレノイド38fがON状態となる期間の終了(t62)までに全ての遊技球が排出されなかった場合は、レバーソレノイド38fがON状態となる期間の終了(t62)をもってレバーソレノイド38fがOFF状態となって動作を終了し、レバーソレノイド38fがOFF状態となってから(t62)、100m秒経過すると特定領域スイッチ38dが無効となる(t63)。
また、図7(b)に示すVありロング開放における第1特別変動入賞装置38の1回目の開放(t31~t34)や、図7(c)に示したVありショート開放における第1特別変動入賞装置38の開放(t51~t54)は、第1特別変動入賞装置38に遊技球を最低でも1個は入賞させることができる程度の開放時間とする。
図7(d)に示すようにVなしショート開放では、ラウンドの開始に伴い第1特別変動入賞装置38を開放し(t71)、200m秒の開放可能時間が経過するか所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立すると第1特別変動入賞装置38を閉鎖してラウンドを終了する(t72)。ただし、開放可能時間が短いため閉鎖条件となる所定個数の入賞が発生することは稀であり、開放可能時間の経過に伴い閉鎖されることがほとんどである。その後、上大入賞口残存球処理時間が開始され(t72)、上大入賞口残存球処理時間が終了するとインターバル時間が開始され(t73)、インターバル時間が終了すると次ラウンドが開始される(t74)。なお、最終ラウンドである場合はラウンドの終了に伴い残存球処理時間が設定され、その後エンディング時間が設定される。
また、図6(d)には、第2特別遊技状態(小当りに基づく特別遊技状態)における開放態様を示した。第2特別遊技状態では、まず、小当りファンファーレ時間が開始され、小当りファンファーレ時間が終了すると、第2特別変動入賞装置39が開放され、1600m秒の開放可能時間が経過するか所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立すると第2特別変動入賞装置39が閉鎖される。その後、小当り残存球処理時間が開始され、小当り残存球処理時間が終了すると、小当りエンディング時間が開始され、小当りエンディング時間が終了すると、第2特別遊技状態が終了する。なお、第2特別遊技状態における開閉態様(開放時間と開放回数)は複数種類あっても良く、その場合、例えば、小当り図柄に基づいていずれの開閉態様を設定(採用)するかを決定する。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)〕
次に、遊技制御装置100の遊技制御による遊技状態の遷移(移行)について説明する。図8は、本実施形態における遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図(ゲームフロー)を例示する図である。
遊技状態には、通常遊技状態ST1、第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3がある。なお、この他に特別遊技状態として、第1特別結果(大当り)に基づく第1特別遊技状態と第2特別結果(小当り)に基づく第2特別遊技状態があるがここでは省略する。各遊技状態では、遊技制御装置100で制御されることとなる第1特別結果が導出される特図確率、演出制御装置300で制御されて遊技の演出態様を定める演出モード、当該遊技状態において主に狙うべき始動領域である主始動領域、主として実行するべき特図変動表示ゲームの種類である主変動特図、及び遊技球の発射方向が定められている。
本実施形態の遊技機10においては、左打ちにより始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右打ちにより普通変動入賞装置37への入賞を狙うことができるようになっている。すなわち、遊技者の意思により狙う始動領域を選択可能となっている。また、各遊技状態では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち、いずれか一方を主として遊技を進行することを想定して設計されており、この設計に従い遊技者が遊技を進行するように、設計上で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームを主として遊技を進行した方が遊技者にとって有利となるように構成されている。なお、以下の説明では、各遊技状態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームをメイン変動と称し、他方の特図変動表示ゲームをイレギュラー変動と称することがある。
通常遊技状態ST1は、特図確率が低確率状態であり、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがなく、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もない状態である。また、演出態様を規定する演出モードは通常モードとされる。主変動特図は特図1変動表示ゲームであり、主始動領域は始動入賞口36であって、この始動入賞口36を狙うため発射方向は左打ちとされている。すなわち、特図1変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。この通常遊技状態ST1では、特図2変動表示ゲームについて非常に長い変動時間が設定されるようになっている。これにより、特図2変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となり、通常遊技状態ST1における小当りの獲得を狙った特図2変動表示ゲームの実行を遊技者が選択しないようにしている。
第2特定遊技状態ST3は、特図確率が基本的には低確率状態である。ただし、通常大当りに基づく特別遊技状態において第1特別変動入賞装置38の特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入した場合(V通過ありの場合)は高確率状態となる。また、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがある状態である。普電サポートがある場合は特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もありとなる。演出態様を規定する演出モードはチャンスモードとされる。また、主変動特図は特図2変動表示ゲームであり、主始動領域は普通変動入賞装置37であって、この普通変動入賞装置37を狙うため発射方向は右打ちとされている。すなわち、特図2変動表示ゲームをメイン変動とし、特図1変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。
第1特定遊技状態ST2は、特図確率が高確率状態であり、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートはなしとなり、特図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短はありとなる状態である。演出態様を規定する演出モードは小当りRUSHとされる。また、主変動特図は特図2変動表示ゲームであり、主始動領域は普通変動入賞装置37であって、この普通変動入賞装置37を狙うため発射方向は右打ちとされている。すなわち、特図2変動表示ゲームをメイン変動とし、特図1変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。
なお、本実施形態では、普電サポートがある状態における普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を、普電サポートがない状態と同じ確率(通常確率)とするが、これに限定されず、普電サポートがある状態においては、普図確率を、通常確率(普図低確率状態)よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。
また、本実施形態において、普電サポートがない状態とは、普通変動入賞装置37は開放するが、普電サポートがある状態よりも普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間が短い状態である。
第1特定遊技状態ST2及び第2特定遊技状態ST3では、特図2変動表示ゲームの変動時間が通常遊技状態ST1の場合よりも短縮される時短状態となり、右打ちを行って普通変動入賞装置37を狙い、特図2変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利となる。特図2変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームよりも小当りの確率が高く(本実施形態の場合、特図1の小当り確率は0)、かつ、大当りよりも小当りの方が当選する確率が高いため、第1特定遊技状態ST2及び第2特定遊技状態ST3では小当りが高頻度で発生する。
第2特定遊技状態ST3において特図変動表示ゲームの結果が小当りとなった場合には、当該小当りに基づく特別遊技状態でも普電サポートがある状態が継続し、第1特定遊技状態ST2において特図変動表示ゲームの結果が小当りとなった場合には、当該小当りに基づく特別遊技状態でも普電サポートがない状態が継続する。また、小当りに基づく特別遊技状態では、第2特別変動入賞装置39は開放するが、第1特別変動入賞装置38は開放しない(図6(d)参照)。
したがって、第2特定遊技状態ST3において特図変動表示ゲームの結果が小当りとなった場合には、当該小当りに基づく特別遊技状態において、右打ちされた遊技球の大部分は、普通変動入賞装置37に入賞し、普通変動入賞装置37の下方に配設されている第2特別変動入賞装置39まで流下しない。よって、第2特定遊技状態ST3では、小当りが高頻度で発生するが、小当りにより遊技者の持球を増加させることが困難である。
一方、第1特定遊技状態ST2において特図変動表示ゲームの結果が小当りとなった場合には、当該小当りに基づく特別遊技状態において、右打ちされた遊技球の大部分は、普通変動入賞装置37に入賞せずに、普通変動入賞装置37の下方に配設されている第2特別変動入賞装置39まで流下する。よって、第1特定遊技状態ST2では小当りにより遊技者の遊技球を増加させることが容易である。すなわち、第1特定遊技状態ST2では小当りが高頻度で発生して遊技者の持球が増加することから、演出モードは小当りRUSHと称するモードとされている。
これら3つの遊技状態のうち、通常遊技状態ST1が最も遊技者にとって不利な状態である。第2特定遊技状態ST3は普電サポートがあるので通常遊技状態ST1よりも遊技者にとって有利な状態である。第1特定遊技状態ST2は、高確率状態であり、さらに、小当りの頻発により遊技者の持球が増加する状態であるので、通常遊技状態ST1及び第2特定遊技状態ST3よりも遊技者にとって有利な状態である。
遊技状態の移行は、第1特別結果の導出に基づく第1特別遊技状態が終了すること、規定ゲーム数を消化すること、低確率状態への移行抽選である転落抽選に当選することにより行われる。基本的には、確変大当りが導出されて第1特別遊技状態となり、当該第1特別遊技状態において第1特別変動入賞装置38の特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入して特定領域スイッチ38dで検出された場合(V通過ありの場合)は、当該第1特別遊技状態の終了後に第1特定遊技状態ST2に移行する。一方、確変大当りが導出されて第1特別遊技状態となり、当該第1特別遊技状態において第1特別変動入賞装置38の特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入しなかった場合(V通過なしの場合)は、当該第1特別遊技状態の終了後に通常遊技状態ST1に移行する。また、通常大当りが導出されて第1特別遊技状態となり、当該第1特別遊技状態においてV通過なしの場合は、当該第1特別遊技状態の終了後に第2特定遊技状態ST3(特図低確率の第2特定遊技状態ST3)に移行する。一方、通常大当りが導出されて第1特別遊技状態となり、当該第1特別遊技状態においてV通過ありの場合は、当該第1特別遊技状態の終了後に第2特定遊技状態ST3(特図高確率の第2特定遊技状態ST3)に移行する。
また、第2特定遊技状態ST3において特別遊技状態の終了から100回(サポート回数)の特図変動表示ゲームを実行した場合は通常遊技状態ST1に移行する。また、第1特定遊技状態ST2において転落抽選に当選した場合は、通常遊技状態ST1に移行する。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。また、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に飾り特図変動表示ゲームと称する。また、大当り(第1特別結果)と小当り(第2特別結果)を区別しない場合は、単に当り(特別結果)と称する。また、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態と、小当りに基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態と、を区別しない場合は、単に特別遊技状態と称する。
本実施形態の遊技機10では、図示しない打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口351~354、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口351~354、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や、当該始動入賞口36の左方に配設された一般入賞口353、354への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39、一般入賞口351、352への入賞を狙うことができるようになっている。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34aが設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1)してROM111Bに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置50に設けられた普図表示部58に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。なお、普図表示部58を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示部58に特別の結果態様となる点灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材を所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示部58にはずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
また、始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、始動入賞口36への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶するとともに、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。始動入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Bに記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の第1記憶表示部53(特図1保留表示器)や第2記憶表示部54(特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、第1始動記憶に基づいて特図1表示器51(第1変動表示装置)で特図1変動表示ゲームを行い、第2始動記憶に基づいて特図2表示器52(第2変動表示装置)で特図2変動表示ゲームを行う。特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行可能であるが、一方の特図変動表示ゲームの実行中に、他方の特図変動表示ゲームが第1特別結果(大当り)となった場合には、当該一方の特図変動表示ゲームを特別結果以外の結果(はずれ結果)として終了させるようにしている。また、一方の特図変動表示ゲームの実行中に、他方の特図変動表示ゲームが第2特別結果(小当り)となった場合には、当該小当りに基づく特別遊技状態の終了まで当該一方の特図変動表示ゲームを中断するようにしている。
すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、始動入賞口36(第1始動入賞領域)への遊技球の入賞に基づいて特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う第1実行制御手段をなす。また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、普通変動入賞装置37(第2始動入賞領域)への遊技球の入賞に基づいて特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う第2実行制御手段をなす。
特図1表示器51及び特図2表示器52では、変動表示を行った後、所定の結果態様を停止表示する。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当り結果態様)となって大当りとなり、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)となる。また、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態様)となって小当りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち、特図1表示器51が、始動入賞口36への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。また、特図2表示器52が、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)を表示可能な第2変動表示手段をなす。
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、大当り遊技状態(第1特別遊技状態)の終了後、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状況(当り確率が高確率であることや普電サポートがあること)で遊技を進行可能な遊技状態(特定遊技状態)を発生させる制御を行うことが可能である。すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100が特定遊技状態発生手段をなす。
また、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの実行に対応して、表示装置41にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。表示装置41での飾り特図変動表示ゲームには、特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームと、特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームとがあり、これらは別々の表示領域に表示される。そして、対応する特図変動表示ゲームの変動に伴い変動表示が行われ、対応する特図変動表示ゲームでの結果態様の導出に伴い結果に対応した表示が行われる。
すなわち、表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)及び第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動表示する飾り変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段をなす。なお、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームで別々の表示装置を使用するとしても良いし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしても良い。また、遊技機10に特図1表示器51及び特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
本実施形態の遊技機では特図2変動表示ゲームの方が小当りの確率が高い(特図1変動表示ゲームの小当りの確率が0である)が、通常遊技状態である場合には特図2変動表示ゲームの変動パターンとして変動時間が非常に長い(約10分)長変動が選択される。これにより、通常遊技状態では特図2変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となり、通常遊技状態における小当りの獲得を狙った特図2変動表示ゲームの実行を遊技者が選択しないようにしている。よって、通常遊技状態では、左打ちを行って始動入賞口36を狙い、特図1変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利となる。
なお、長変動の時間は約10分としたがこれより長くても良いし、短くても良い(5分、50分、10時間など)。また、特図2変動表示ゲームの結果に応じて長変動の時間を異ならせても良い。具体的には、例えば、特図2変動表示ゲームの結果がはずれ又は小当りである場合には、当該特図2変動表示ゲームの変動パターンとして変動時間が約10分の長変動が選択され、特図2変動表示ゲームの結果が大当りである場合には、当該特図2変動表示ゲームの変動パターンとして変動時間が約5分の長変動が選択されるようにしても良い。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図9及び図10に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図11に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図9に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップX1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップX2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップX3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップX4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップX5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ152の状態を読み込み(ステップX6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行う。ステップX7の処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行った後、停電が発生しているか判定し(ステップX8)、停電が発生している場合(ステップX8;Y)には、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。
具体的には、ステップX8では、例えば、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し、停電監視信号がオンであるかの判定を行う。そして、停電監視信号がオンである場合は、設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか判定する。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合は、停電監視信号がオンであるかの判定に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合には、停電が発生していると判定する。後述するステップX34,X57においても同様である。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電が発生していない場合(ステップX8;N)には、電源投入ディレイタイマを-1更新し(ステップX9)、タイマの値が0であるか判定する(ステップX10)。タイマの値が0でない場合(ステップX10;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、停電が発生しているか判定する処理(ステップX8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップX10;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップX11)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップX12)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップX13)、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動
する処理(ステップX14)を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
次いで、RAM異常フラグをセットする(ステップX15)。ここでは、RAMに異常があるか否かにかかわらずRAMに異常があることを前提として、一旦、RAM異常フラグを所定のレジスタにセットする。
次いで、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるか判定し(ステップX16)、正常であれば(ステップX16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるか判定する(ステップX17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップX17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップX18)を行い、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか判定する(ステップX19)。チェックサムが一致する場合(ステップX19;Y)
には、RAMに異常がないためRAM異常フラグをクリアして(ステップX20)、ステップX21へ移行する。
また、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップX16;NもしくはステップX17;N)、チェックサムが一致しないと判定された場合(ステップX19;N)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいて設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態であるか判定する(ステップX21)。そして、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフ状態である場合(ステップX21;N)には、RAM異常フラグがセットされているか判定する(ステップX22)。RAM異常フラグがセットされている場合(ステップX22;Y)には、RAMに異常があるため、遊技制御装置100が異常であることを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX24)。
一方、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップX22;N)には、確率設定変更中フラグがセットされているか判定する(ステップX23)。そして、確率設定変更中フラグがセットされている場合(ステップX23;Y)には、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX24)。ここでセットされている確率設定中フラグは、停電発生前にセットされた確率設定中フラグである。すなわち、確率設定値の変更中に遊技機の電源が遮断して再起動した場合には、遊技制御装置100の動作が停止するのでステップX24の処理を行う。
次いで、遊技停止時の7セグ表示データを、第2出力ポート134を介して第5ドライバ138eに出力する(ステップX25)。これにより、性能表示装置153において、図13(h)に示すような表示が行われる。その後、セキュリティ信号のオンデータを出力するとともにセキュリティ信号以外の信号のオフデータを出力して(ステップX26)、ステップX25に戻る。
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態である場合(ステップX21;Y)には、RAM異常フラグがセットされているか判定する(ステップX27)。そして、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップX27;N)には、確率設定変更中フラグをセットする(ステップX29)。これにより確率設定値変更モードに移行する。その後、確率設定変更中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップX30)、ステップX31へ移行する。演出制御装置300では、確率設定変更中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更中である旨を示す報知を行う。
一方、RAM異常フラグがセットされている場合(ステップX27;Y)には、確率設定値をクリアする処理(ステップX28)を行う。これにより、RWM内の確率設定値用の領域に0がセットされて、確率設定値が“設定1”となる。その後、ステップX29,X30の処理を行って、ステップX31へ移行する。
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフ状態であり(ステップX21;N)、RAM異常フラグも確率設定変更中フラグもセットされていない場合(テップX22;N及びステップX23;N)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいて設定キースイッチ152がオン状態であるか判定する(ステップX35)。そして、設定キースイッチ152がオン状態でない場合(ステップX35;N)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいてRAM初期化スイッチ112がオン状態であるか判定する(ステップX44)。
RAM初期化スイッチ112がオン状態でないと判定した場合(ステップX44;N)、すなわち設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオフ状態である場合には、ステップX41へ移行して停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
一方、RAM初期化スイッチ112がオン状態であると判定した場合(ステップX44;Y)には、ステップX45へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、RAM初期化スイッチ112が外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
また、設定キースイッチ152がオン状態である場合(ステップX35;Y)には、確率設定確認中フラグをセットする(ステップX36)。これにより確率設定値確認モードに移行する。その後、確率設定確認中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX37)。演出制御装置300では、確率設定確認中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の確認中である旨の報知を行う。
そして、50m秒間以上のセキュリティ信号の出力を保証するために、セキュリティ信号制御タイマ領域に128m秒に対応する値をセーブする(ステップX31)。セキュリティ信号は、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである場合にはタイマ割込み処理の確率設定変更/確認処理(ステップX126)で出力され、それ以外の場合はタイマ割込み処理の外部情報編集処理(ステップX120)で出力される。したがって、128m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認モードが終了する場合には、タイマ割込み処理の外部情報編集処理(ステップX120)によってセキュリティ信号が継続して出力される。すなわち、128m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認モードが終了する場合であっても、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行してから128m秒間はセキュリティ信号が出力される。なお、ステップX31においてセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする値は128m秒に対応する値に限定されない。ただし、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行してから少なくとも50m秒間はセキュリティ信号を出力する必要があるため、50m秒以上に対応する値をセーブする必要がある。
そして、割込みを許可し(ステップX32)、設定キースイッチ152がオフ状態であるか判定する(ステップX33)。ステップX33では、ステップX6で読み込んだ状態(電源投入時の状態)に基づいて判定するのではなく、タイマ割込み処理(図11)の入力処理(ステップX103)で読み込んだ状態(現時点の状態)に基づいて判定する。ステップX33で設定キースイッチ152がオフ状態である判定された場合に、確率設定値が確定される。
設定キースイッチ152がオフ状態でない場合(ステップX33;N)には、停電が発生しているか判定し(ステップX34)、停電が発生していない場合(ステップX34;N)には、ステップX33に戻り、停電が発生している場合(ステップX34;Y)には、ステップX58へ移行する。確率設定変更中フラグがセットされている状態でステップX34にて停電が発生していると判定された場合に、当該停電から復旧した後のメイン処理(図9及び図10)のステップX23において、確率設定変更中フラグがセットされていると判定される。
一方、設定キースイッチ152がオフ状態である場合(ステップX33;Y)には、割込みを禁止する処理(ステップX38)を行う。割込みを許可する処理(ステップX32)を行ってから割込みを禁止する処理(ステップX38,X58)を行うまでの間は、タイマ割込み処理(図11)が所定時間周期(例えば4m秒)で行われる。当該タイマ割込み処理では、確率設定値に関する処理である確率設定変更/確認処理(ステップX126)が行われる。すなわち、確率設定値の変更や確認が終了するまで(あるいは停電が発生するまで)の間、メイン処理は待機していることとなる。
次いで、報知終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX39)。演出制御装置300では、報知終了のコマンドを受信することに基づき、実行中の報知(確率設定値の変更中である旨を示す報知又は確率設定値の確認中である旨の報知)を終了する。
次いで、確率設定変更中フラグがセットされているか判定し(ステップX40)、確率設定変更中フラグがセットされていない場合(ステップX40;N)、すなわち確率設定確認中フラグがセットされている場合には、初期化すべき領域(例えば、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域)に停電復旧時の初期値をセーブする処理等を行う停電復旧処理(ステップX41)を行う。確率設定確認中フラグは、このステップX41でクリアされる。
その後、電源投入時に性能表示装置153に初期表示を行わせるための初期表示設定フラグを格納する初期表示設定フラグ領域の内容を参照(読み出し)して、未設定の状態であれば初期表示設定フラグをセット(書き込み)する(ステップX42)。これにより、初期表示設定フラグがオン状態となる。そして、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップX43)、ステップX50へ移行する。本実施形態の場合、ステップX43では、機種指定コマンド、確率設定情報コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、演出回数情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。画面指定のコマンドとしては、特図1及び特図2について何れも後述する普段処理中である場合、すなわち特図変動表示ゲームの実行中でもなく特別遊技状態中でもない場合である客待ち中であれば客待ちデモ画面のコマンドを送信し、それ以外であれば復旧画面のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、高確率回数情報コマンド等も送信する。
一方、確率設定変更中フラグがセットされている場合(ステップX40;Y)には、確率設定値以外のRAM領域を0クリアする(ステップX45)。ステップX45では、確率設定値用のRAM領域(ワーク領域(確率設定値の1バイト領域))と性能表示(ベース値や役物比率の表示)用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)はクリアせず、遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)を0クリアする。したがって、確率設定変更中フラグは、このステップX45でクリアされる。なお、ステップX45では、スタック領域や未使用領域をクリアしてもしなくても良い。
そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップX46)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。次に、特別遊技状態でも特定遊技状態でもない通常遊技状態であることを示す通常ベース状態情報を格納する通常ベース状態判定フラグ領域に、通常ベース状態情報をセーブ(書き込み)し(ステップX47)、初期表示設定フラグ領域の内容を参照(読み出し)して、未設定の状態であれば初期表示設定フラグをセット(書き込み)する(ステップX48)。これにより、初期表示設定フラグがオン状態となる。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信する(ステップX49)。本実施形態の場合、ステップX49では、機種指定コマンド、確率設定情報コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、演出回数情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや普電サポートありとした特図変動表示ゲームの実行回数の情報であるサポート回数情報コマンド等も送信する。
次いで、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップX50)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、転落抽選に当選か否かを決定する乱数(転落抽選乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップX51)、割込みを許可する(ステップX52)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップX53)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは-1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
なお、本実施形態では、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)を設けていないため、普図の当り図柄は1種類しかないが、当り図柄乱数を設けて普図の当り図柄を複数種類の中から選択するようにしても良い。
ステップX53の初期値乱数更新処理の後、割込みを禁止する処理(ステップX54)を行って、性能表示編集処理(ステップX55)を行う。そして、割込みを許可する処理(ステップX56)を行った後、停電が発生しているか判定し(ステップX57)、停電が発生していない場合(ステップX57;N)には、初期値乱数更新処理(ステップX53)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視を繰り返し行うループ処理を行う。初期値乱数更新処理(ステップX53)の前に割込みを許可する(ステップX52)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、ステップX53での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、停電が発生している場合(ステップX57;Y)には、一旦割込みを禁止する処理(ステップX58)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップX59)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップX60)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップX61)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップX62)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップX63)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップX64)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理はクロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。すなわち、所定周期で開始される割込みルーチンである。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図11のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップX101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX102)。ステップX102では、メイン処理におけるステップX4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップX103)を行う。
次いで、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされているか判定し(ステップX104)、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされている場合(ステップX104;Y)には、確率設定変更/確認処理(ステップX126)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
一方、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグの両方がセットされていない場合(ステップX104;N)には、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b,39b、レバーソレノイド38f、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップX105)を行う。なお、メイン処理におけるステップX5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップX106)、乱数更新処理1(ステップX107)、乱数更新処理2(ステップX108)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a~35c、大入賞口スイッチ38a,39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、賞球の設定、前面枠やガラス枠の開放や、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38,39への不正入賞などのエラーの監視を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX109)を行う。
次に、異常排出発生中であるか判定する(ステップX110)。異常排出とは、第1特別変動入賞装置38において、第1特別変動入賞装置38から排出される遊技球数(特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数)が、第1特別変動入賞装置38に流入した遊技球数(大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数)を上回ることである。なお、異常排出発生中である場合には異常排出フラグがセットされている。そして、異常排出発生中である場合(ステップX110;Y)には、ステップX116へ移行する。すなわち、遊技が進行しないようにする。
一方、異常排出発生中でない場合(ステップX110;N)には、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップX111)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36や普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行う。そして、特図1変動表示ゲームに関する処理を行う特図1ゲーム処理(ステップX112)、特図2変動表示ゲームに関する処理を行う特図2ゲーム処理(ステップX113)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップX114)を行って、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップX115)を行う。
次いで、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップX116)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップX117)、振動センサ65からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う振動不正監視処理(ステップX118)、異常排出が発生していないか判定する処理を行う異常排出監視処理(ステップX119)を行う。さらに、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップX120)を行い、フラグレジスタを退避して(ステップX121)、性能表示装置153の制御に関する性能表示モニタ制御処理(ステップX122)を行う。
その後、フラグレジスタを復帰し(ステップX123)、初期表示設定フラグがオンであるかを判定する(ステップX124)。初期表示設定フラグがオンでない場合(ステップX124;N)は、タイマ割込み処理を終了する。初期表示設定フラグがオンである場合(ステップX124;Y)は、初期表示設定フラグをクリア(オフ状態に設定)して(ステップX125)、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔確率設定変更/確認処理〕
図12には、上述のタイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理(ステップX126)を示した。この確率設定変更/確認処理では、まず、RWM内の確率設定値用の領域の値が正常範囲(本実施形態では0~5の範囲)内であるか判定する(ステップX131)。
RWM内の確率設定値用の領域の値が正常範囲内である場合(ステップX131;Y)には、RWM内の確率設定値用の領域の値(現在の確率設定値)に対応する確率設定値表示データを設定して(ステップX132)、当該確率設定値表示データを、第2出力ポート134を介して第5ドライバ138eに出力する(ステップX134)。これにより、性能表示装置153において、図13(a)~(f)に示すような表示が行われる。
一方、RWM内の確率設定値用の領域の値が正常範囲内でない場合(ステップX131;N)には、確率設定値表示データとして消灯データを設定して(ステップX133)、当該確率設定値表示データを、第2出力ポート134を介して第5ドライバ138eに出力する(ステップX134)。これにより、性能表示装置153において、図13(g)に示すような表示が行われる。
図13に示すように、性能表示装置153は、左右に並んだ4つの7セグ表示器(7セグメント型の表示器)で構成されている。確率設定値変更モード中又は確率設定値確認モード中には、これら4つの7セグ表示器のうち、右端の7セグ表示器で現在の確率設定値を示し、残りの7セグ表示器で「SET」という文字を示すようになっている。
具体的には、RWM内の確率設定値用の領域の値が「0」である場合は現在の確率設定値が“設定1”であるため、図13(a)に示すように右端の7セグ表示器に「1」が表示され、RWM内の確率設定値用の領域の値が「1」である場合は現在の確率設定値が“設定2”であるため、図13(b)に示すように右端の7セグ表示器に「2」が表示され、RWM内の確率設定値用の領域の値が「2」である場合は現在の確率設定値が“設定3”であるため、図13(c)に示すように右端の7セグ表示器に「3」が表示され、RWM内の確率設定値用の領域の値が「3」である場合は現在の確率設定値が“設定4”であるため、図13(d)に示すように右端の7セグ表示器に「4」が表示され、RWM内の確率設定値用の領域の値が「4」である場合は現在の確率設定値が“設定5”であるため、図13(e)に示すように右端の7セグ表示器に「5」が表示され、RWM内の確率設定値用の領域の値が「5」である場合は現在の確率設定値が“設定6”であるため、図13(f)に示すように右端の7セグ表示器に「6」が表示される。また、RWM内の確率設定値用の領域の値が正常範囲外(異常値)である場合には、図13(g)に示すように右端の7セグ表示器が消灯状態となる。
例えば、RWM内の確率設定値用の領域の値が「0」である場合には、確率設定値表示データとして、1桁目に「1」、2桁目に「T」、3桁目に「E」、4桁目に「S」を表示するよう指示する確率設定値表示データが第5ドライバ138eに出力される。
次いで、セキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ-1更新する(ステップX135)。なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値はメイン処理のステップX31において設定され、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。
次いで、セキュリティ信号のオンデータを出力するとともにセキュリティ信号以外の信号のオフデータを出力する(ステップX136)。ステップX136では、セキュリティ信号制御タイマがタイムアップしているか否かにかかわらず、セキュリティ信号のオンデータが出力される。したがって、確率設定値変更モード中や確率設定値確認モード中(確率設定変更中フラグや確率設定確認中フラグがセットされている間)は、セキュリティ信号が出力され続けることとなる。
次いで、確率設定変更中フラグがセットされているか判定し(ステップX137)、確率設定変更中フラグがセットされていない場合(ステップX137;N)、すなわち確率設定確認中フラグがセットされている場合には、確率設定変更/確認処理を終了する。一方、確率設定変更中フラグがセットされている場合(ステップX137;Y)には、実行中の確率設定変更/確認処理が、遊技機10の電源投入後最初のタイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理であるか判定する(ステップX138)。
電源投入後最初のタイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理である場合(ステップX138;Y)には、確率設定変更/確認処理を終了する。一方、電源投入後最初のタイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理でない場合(ステップX138;N)には、RAM初期化スイッチ112からの入力があるか判定する(ステップX139)。ステップX139では、直前の入力処理(ステップX103)でRAM初期化スイッチ112の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)が検知された場合に、RAM初期化スイッチ112からの入力があると判定する。RAM初期化スイッチ112からの入力がない場合(ステップX139;N)には、確率設定変更/確認処理を終了する。
一方、RAM初期化スイッチ112からの入力がある場合(ステップX139;Y)、すなわちRAM初期化スイッチ112が新たに操作された場合には、RWM内の確率設定値用の領域の値を0~5の範囲で+1更新して(ステップX140)、確率設定変更/確認処理を終了する。ステップX140で更新された値(更新後の確率設定値)は、次回の確率設定変更/確認処理によって性能表示装置153に表示される。
なお、本実施形態では、図5(a)に示すように、3種類の確率値(低確率状態での確率値及び高確率状態での確率値)に対し“設定1”~“設定6”を割り当てているが、例えば、3種類の確率値(低確率状態での確率値及び高確率状態での確率値)に対し“設定1”~“設定3”を割り当てても良い。この場合、ステップX140では、RWMの確率設定値用の領域の値を0~2の範囲で+1更新することとなる。
遊技機10の電源投入時に設定キースイッチ152及びRAM初期化スイッチ112を操作することで確率設定値変更モードに移行することができ、確率設定値変更モード中にRAM初期化スイッチ112を操作することで確率設定値を変更することができる。
RAM初期化スイッチ112は押圧操作のみ可能であるため、確率設定値変更モードに移行するための移行操作と、確率設定値を変更するための変更操作とを区別することができない。したがって、確率設定値変更モード中も移行操作(当該確率設定値変更モードへの移行の起因となったRAM初期化スイッチ112の操作)が継続している場合、すなわち電源投入時からRAM初期化スイッチ112が押されっぱなしである場合には、当該操作が移行操作であるにもかかわらず当該操作に応じて確率設定値が更新(変更)されてしまう。
具体的には、タイマ割込み処理の入力処理(ステップX103)では、前回の入力処理で読み込んだRAM初期化スイッチ112の状態がオフ状態であり、今回の入力処理で読み込んだRAM初期化スイッチ112の状態がオン状態である場合に、RAM初期化スイッチ112の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)が検知される。電源投入後最初のタイマ割込み処理における入力処理(ステップX103)では、電源遮断直前の入力処理が前回の入力処理となり、電源投入直後の入力処理が今回の入力処理となるが、電源遮断直前の入力処理で読み込んだRAM初期化スイッチ112の状態はオフ状態である可能性が高い。すなわち、確率設定値変更モード中も移行操作が継続している場合には、電源投入後最初のタイマ割込み処理における入力処理(ステップX103)でRAM初期化スイッチ112の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)が検知される可能性が高い。したがって、この場合、電源投入後最初のタイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理でステップX139,140の処理を行うと、移行操作に基づきRAM初期化スイッチ112からの入力があると判定されて、RWM内の確率設定値用の領域の値が更新されてしまう不都合が生じ得る。
そこで、本実施形態では、このような不都合を回避するために、ステップX138の処理を行って、電源投入後最初のタイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理ではステップX139,X140の処理を行わないこととする。これにより、確率設定値の更新(変更)に関しては、電源投入時から継続しているRAM初期化スイッチ112の操作(すなわち、確率設定値変更モードへの移行の起因となったRAM初期化スイッチ112の操作)に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)は無視されることになるため、意図せぬ更新を防ぐことができる。
以上のことから、本実施形態の遊技機10は、ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、第1操作部(設定キー操作部)及び第2操作部(RAM初期化スイッチ112)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた複数の確率設定値のうち一の確率設定値を記憶する記憶手段(遊技制御装置100(RAM111C))と、遊技機の電源投入時における第1操作部及び第2操作部の操作に応答して、確率設定値を変更可能な確率設定値変更モードに移行するモード移行手段(遊技制御装置100)と、確率設定値変更モード中における第2操作部の操作に応答して、記憶手段に記憶されている確率設定値(RWM内の確率設定値用の領域の値)を変更する設定変更手段(遊技制御装置100)と、を備え、確率設定値変更モードに移行するための第2操作部の操作(移行操作)と、確率設定値を変更するための第2操作部の操作(変更操作)と、は同一操作(本実施形態の場合、押圧操作)であり、設定変更手段は、確率設定値変更モード中であっても、遊技機の電源投入時から継続している第2操作部の操作には応答しないよう構成されている。
したがって、遊技機の電源投入時に行う第2操作部の操作(移行操作)が確率設定値変更モードに移行した後も継続している場合には、その間は確率設定値が変更されないため、意図しない確率設定値の変更を防止することができる。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図14には、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX109)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、第1特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル1を準備し(ステップX301)、第1特別変動入賞装置38が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップX302)を実行する。その後、第2特別変動入賞装置39内の大入賞口スイッチ39aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップX303)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップX304)を実行する。
入賞口監視テーブルには、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルには、監視の繰り返し回数(スイッチの数)に加えて、各スイッチ毎に、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1の下位アドレス、入賞数カウンタ領域2の下位アドレスの情報が定義されている。入賞口監視テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
次に、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップX305)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップX306)を実行する。そして、常時入賞可能(不正監視処理が不要)な入賞口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a、一般入賞口351~354の入賞口スイッチ35a~35c)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップX307)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップX308)を行って、始動口エラー監視処理(ステップX309)を行う。
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップX310)。本実施形態の場合、状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップX311)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップX312)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常1信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が「2」である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップX313)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップX314)を行う。本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はガラス枠開放検出スイッチ63から出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は本体枠開放検出スイッチ64から出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が「2」である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるかを判定し(ステップX315)、エラースキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップX315;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップX315;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップX316)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップX317)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常2信号に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが「1」から「3」の場合は定義されていない。
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号をチェックする払出ビジー信号チェック処理(ステップX318)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、ステップX316からX318の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が「0」の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4m秒毎に行われる場合は、16m秒毎にステップX316からX318の処理が行われることとなる。
〔不正&入賞監視処理〕
図15には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ステップX302,X304,X306)を示した。この不正&入賞監視処理は、第1特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39a及び普通変動入賞装置37の始動口2スイッチ37aに対して行われる処理である。大入賞口(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)や普電(普通変動入賞装置37)については、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行われ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップX321)、不正監視期間中であるかを判定する(ステップX322)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが大入賞口スイッチ38aである場合は第1特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中以外の期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが大入賞口スイッチ39aである場合は第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中以外の期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は普図の当りに基づき普通変動入賞装置37の開放制御を実行している状態以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップX322;Y)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップX323)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップX323;N)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップX332)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップX323;Y)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップX324)、更新後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上であるかを判定する(ステップX325)。
本実施形態の場合、エラー監視対象の入賞口スイッチの種類にかかわらず、不正発生判定個数を5個に設定しているが、不正発生個数は、入賞口スイッチの種類毎に異なる個数を定義することもできる。判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球が大入賞口スイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上でない場合(ステップX325;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(ステップX330)。入賞口スイッチ/状態監視処理にて準備された入賞口監視テーブル(不正監視テーブル)には、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。
また、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上である場合(ステップX325;Y)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップX326)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば、60000m秒)をセーブする(ステップX327)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップX328)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(ステップX329)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップX340)。
一方、不正監視期間中でない場合(ステップX322;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備し(ステップX330)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップX331)を行う。そして、対象の報知タイマ更新情報をロードし(ステップX332)、対象の報知タイマが0でなければ-1更新する(ステップX334)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップX335)、値が0でない場合(ステップX335;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップX335;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップX336)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップX337)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップX338)。
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップX338;Y)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリアし(ステップX339)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップX340)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップX338;N)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップX340)。
そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップX340;Y)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップX340;N)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップX341)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX342)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図16には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップX308,X331)を示した。この入賞数カウンタ更新処理においては、まず、入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(ステップX351)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるかを判定する(ステップX352)。入賞口スイッチ/状態監視処理にて準備された入賞口監視テーブル(不正監視テーブル)のうちの入賞テーブルには、監視の繰り返し回数(スイッチの数)に加えて、スイッチ毎に、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1の下位アドレス、入賞数カウンタ領域2の下位アドレスの情報が定義されている。
対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップX352;N)は、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップX363)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップX364)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップX352;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(ステップX353)、ロードした値を+1更新して(ステップX354)、オーバーフローするか判定する(ステップX355)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップX355;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブし(ステップX356)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップX357)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップX355;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップX357)。本実施形態の場合、ステップX354では、賞球(払出コマンド送信)のためのカウンタを更新している。カウンタサイズは2バイト(0~65535の範囲)である。
対象の入賞数カウンタ領域2の値をロード(ステップX357)した後、ロードした値を+1更新して(ステップX358)、オーバーフローするか判定する(ステップX359)。本実施形態の場合、ステップX358では、メイン賞球信号のためのカウンタを更新している。カウンタサイズは1バイト(0~255の範囲)である。そして、オーバーフローが発生した場合(ステップX359;Y)は、ステップX361に移行する。また、オーバーフローが発生していない場合(ステップX359;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブし(ステップX360)、ステップX361に移行する。
次に、対象の入賞通知コマンドを準備し(ステップX361)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX362)。対象の入賞通知コマンドは、それぞれの入賞口に入賞があったことを演出制御装置300に通知するためのコマンドである。このコマンドにより、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39及び一般入賞口351~354への入賞があったことを演出制御装置300に通知することができ、演出制御装置300では、このコマンドに基づき入賞に対応した演出を実行可能となる。
その後、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップX363)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップX363)。全スイッチの監視が終了していない場合(ステップX364;N)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する処理(ステップX352)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合(ステップX364;Y)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞領域への入賞に基づき入賞数カウンタ領域1及び2が更新されて入賞の情報が記憶されることとなる。また、入賞口に応じた入賞の情報が演出制御装置300に送信されることとなる。
なお、一般入賞口351~354については、検出する入賞口スイッチ35a~35cごとに異なる入賞通知コマンドが送信されるようになっている。これにより、演出制御装置300では、入賞口スイッチ35aで検出される一般入賞口351への入賞と、入賞口スイッチ35bで検出される一般入賞口352への入賞と、入賞口スイッチ35cで検出される一般入賞口353、354への入賞と、を区別でき、それぞれに応じた演出を実行可能となる。また、後述するように本実施形態では、一般入賞口353,354への入賞に基づく演出は行わないため、入賞口スイッチ35cでの検出に基づく入賞通知コマンドは送信しないようにしても良い。
すなわち、機能が同じである入賞口(賞球のみを発生させる一般入賞口351~354)については、2つの遊技領域32のうち一方の遊技領域32(右側の遊技領域、第2領域)にある複数の入賞口についてはそれぞれ入賞した入賞口を区別可能な情報を送信し、他方の遊技領域32(左側の遊技領域、第1領域)にある複数の入賞口については入賞した入賞口を区別できない情報を送信又は情報を送信しないようにしたと言える。また、機能が同じである入賞口について、2つの遊技領域32のうち一方の遊技領域32(右側の遊技領域)にある入賞口への入賞に基づく情報と、他方の遊技領域32(左側の遊技領域)にある入賞口への入賞に基づく情報を異なる情報とした又は一方の遊技領域32からのみ情報を送信するようにしたとも言える。2つの遊技領域32のそれぞれに少なくとも1つずつ機能が同じである入賞口が配されていれば良い。
また、機能が同じである入賞口について、分岐した複数の流下経路のうち一方の流下経路(右側の流下経路)にある入賞口への入賞に基づく情報と、他方の流下経路(左側の流下経路)にある入賞口への入賞に基づく情報を異なる情報とした又は一方の流下経路からのみ情報を送信するようにしたとも言える。また、遊技領域32が2つある又は流下経路が2つあるとしたが、遊技領域32又は流下経路が3つ以上あっても良く、この場合に各遊技領域32又は各流下経路に設けられた機能が同じである入賞口について、遊技領域32や流下経路に応じて異なる情報が送信されるようにしても良い。また、各遊技領域32又は各流下経路のうち特定の遊技領域32又は流下経路に設けられた入賞口のみ情報を送信するようにしても良い。
また、機能が同じである入賞口について異なる入賞通知コマンドを送信するとしたが、付与する遊技価値(賞球数など)が同じである入賞口について異なる入賞通知コマンドを送信するとも言える。また、同時に入賞可能である入賞口について異なる入賞通知コマンドを送信するとも言える。また、機能や付与する遊技価値が同じである入賞口としては、一般入賞口351~354の他に、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39が挙げられる。ただし、この第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39は、同時に開放されることはないため同時に入賞可能なものではない。
また、入賞があったことを常に入賞通知コマンドとは別のコマンドにより演出制御装置300に送信することが可能な入賞口については、入賞通知コマンドを送信しないようにしても良い。ただし、入賞があった場合に必ずコマンドが送信されない場合には入賞通知コマンドを送信するようにする。例えば、普通変動入賞装置37については、入賞に基づく第2始動記憶の発生に伴い飾り特図保留数コマンドが送信されるが、第2始動記憶が上限に達している状態で入賞があった場合には第2始動記憶が発生しないため飾り特図保留数コマンドが送信されない。このような入賞口の場合、入賞があった場合には常に入賞通知コマンドを送信するようにしても良いし、飾り特図保留数コマンドが送信される場合には入賞通知コマンドを送信せず、飾り特図保留数コマンドが送信されない場合にのみ入賞通知コマンドを送信するようにしても良い。
〔始動口スイッチ監視処理〕
図17には、上述のタイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(ステップX111)を示した。この始動口スイッチ監視処理では、まず、始動口1(始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップX491)、ハード乱数取得処理(ステップX492)を行う。そして、当該ハード乱数取得処理で始動入賞口36への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるか判定する(ステップX493)。
始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX493;N)には、ステップX499へ移行する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。
一方、始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX493;Y)には、特図低確率&時短なし中(通常遊技状態中)であるか判定する(ステップX494)。そして、特図低確率&時短なし中である場合(ステップX494;Y)には、ステップX497へ移行する。また、特図低確率&時短なし中でない場合(ステップX494;N)には、右打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX495)、演出コマンド設定処理(ステップX496)を行う。
演出制御装置300では、右打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音声等により遊技者に対して右打ちをするように指示する右打ち指示報知を行う。特定遊技状態中や特別遊技状態中である場合は右打ちの方が遊技者にとって有利であり、左打ちでなければ入賞しないようになっている始動入賞口36で特定遊技状態中や特別遊技状態中において入賞を検出した場合に右打ち指示報知を行うようにしている。
そして、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX497)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップX498)を行う。次いで、始動口2(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップX499)、ハード乱数取得処理(ステップX500)を行って、普通変動入賞装置37への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるか判定する(ステップX501)。
普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX501;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。
一方、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX501;Y)には、普電(普通変動入賞装置37)が作動中であるか、すなわち普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否か判定し(ステップX502)、普電が作動中である場合(ステップX502;Y)には、ステップX504へ移行する。一方、普電が作動中でない場合(ステップX502;N)には、普電不正発生中であるか判定する(ステップX503)。
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
普電不正発生中である場合(ステップX503;Y)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。また、普電不正発生中でない場合(ステップX503;N)には、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX504)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップX505)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
図18には、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップX498,X505)を示した。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
この特図始動口スイッチ共通処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップX521)、ロードした値を+1更新して(ステップX522)、出力回数がオーバーフローするか判定する(ステップX523)。
出力回数がオーバーフローしない場合(ステップX523;N)には、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブし(ステップX524)、監視対象の始動口スイッチに対応する特図保留(始動記憶)数、すなわち更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値(ここでは4)未満か判定する(ステップX525)。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップX523;Y)には、ステップX525へ移行する。ここでは出力回数を255まで記憶できるが、上限まで記憶している場合には+1更新によりループして0となってしまうため、更新後の値のセーブを行わない。
そして、更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップX525;N)には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップX525;Y)には、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップX526)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップX527)。次に、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップX528)、ハード乱数取得処理で準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップX529)。
その後、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップX530)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX531)。次に、監視対象の始動口スイッチの転落抽選乱数を抽出して準備し(ステップX532)、RWMの転落抽選乱数格納領域にセーブする(ステップX533)。
次いで、始動口2(普通変動入賞装置37)への入賞であるか判定し(ステップX534)、始動口2への入賞でない場合(ステップX534;N)には、ステップX537へ移行する。一方、始動口2への入賞である場合(ステップX534;Y)には、小当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップX535)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX536)。
そして、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブし(ステップX537)、先読み処理である特図保留情報判定処理(ステップX538)を行う。次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップX539)、演出コマンド設定処理(ステップX540)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100(RAM111C)が、始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、該所定の乱数を第1始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な第1始動記憶手段をなす。また、遊技制御装置100(RAM111C)が、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、該所定の乱数を第2始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な第2始動記憶手段をなす。
〔特図保留情報判定処理〕
図19及び図20には、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップX538)を示した。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
この特図保留情報判定処理では、まず、大当り中(第1特別遊技状態中)であるか判定し(ステップX541)、大当り中である場合(ステップX541;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。一方、大当り中でない場合(ステップX541;N)には、特図始動口スイッチ共通処理のステップX527にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、始動口1(始動入賞口36)への入賞であるか判定する(ステップX542)。
始動口1への入賞である場合(ステップX542;Y)には、ステップX544へ移行して先読みを行う。一方、始動口1への入賞でない場合(ステップX542;N)には、特図低確率&時短なし中(通常遊技状態中)であるか判定する(ステップX543)。そして、特図低確率&時短なし中である場合(ステップX543;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、通常遊技状態である場合には特図2変動表示ゲームの変動パターンとして変動時間が非常に長い(約10分)長変動が選択されるが、この場合には先読みを行わない。一方、特図低確率&時短なし中でない場合(ステップX543;N)には、特図高確率中であるか判定する(ステップX544)。
特図高確率中でない場合(ステップX544;N)には、ステップX548へ移行する。一方、特図高確率中である場合(ステップX544;Y)には、特図始動口スイッチ共通処理のステップX532にて準備した転落抽選乱数の値は転落当選の判定値の範囲内であるか判定する(ステップX545)。次いで、判定結果に対応する先読み転落抽選情報コマンドを準備し(ステップX546)、演出コマンド設定処理(ステップX547)を行って、低確率判定フラグを準備する(ステップX548)。
そして、大当り乱数値が大当り判定値(大当り低確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるか判定する先読み大当り判定処理(ステップX549)を行う。判定結果が大当りである場合(ステップX550;Y)には、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップX551)、特図始動口スイッチ共通処理のステップX530にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップX552)、ステップX559へ移行する。一方、判定結果が大当りでない場合(ステップX550;N)には、特図始動口スイッチ共通処理のステップX527にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、始動口2(普通変動入賞装置37)への入賞であるか判定する(ステップX553)。
始動口2への入賞でない場合(ステップX553;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップX558)、ステップX559へ移行する。一方、始動口2への入賞である場合(ステップX553;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか判定する小当り判定処理(ステップX554)を行う。そして、判定結果が小当りである場合(ステップX555;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップX556)、特図始動口スイッチ共通処理のステップX535にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップX557)、ステップX559へ移行する。一方、判定結果が小当りでない場合(ステップX555;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップX558)、ステップX552又はX557にて取得した停止図柄情報、あるいはステップX558にて設定した停止図柄情報を図柄情報領域にセーブする(ステップX559)。
その後、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(低確率)を準備して(ステップX560)、演出コマンド設定処理(ステップX561)を行う。
次いで、高確率判定フラグを準備して(ステップX562)、大当り乱数値が大当り判定値(大当り高確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるか判定する先読み大当り判定処理(ステップX563)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップX564;Y)には、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップX565)、特図始動口スイッチ共通処理のステップX530にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップX566)、ステップX573へ移行する。一方、判定結果が大当りでない場合(ステップX564;N)には、特図始動口スイッチ共通処理のステップX527にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、始動口2(普通変動入賞装置37)への入賞であるか判定する(ステップX567)。
始動口2への入賞でない場合(ステップX567;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップX572)、ステップX573へ移行する。一方、始動口2への入賞である場合(ステップX567;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか判定する小当り判定処理(ステップX568)を行う。そして、判定結果が小当りである場合(ステップX569;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップX570)、特図始動口スイッチ共通処理のステップX535にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップX571)、ステップX573へ移行する。一方、判定結果が小当りでない場合(ステップX569;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップX572)、特図高確率中であるか判定する(ステップX573)。
そして特図高確率中でない場合(ステップX573;N)には、ステップX575へ移行する。一方、特図高確率中である場合(ステップX573;Y)には、ステップX559にて停止図柄情報をセーブした図柄情報領域に、ステップX566又はX571にて取得した停止図柄情報、あるいはステップX572にて設定した停止図柄情報を上書きしてセーブする(ステップX574)。なお、図柄情報領域にセーブされる停止図柄情報は、変動パターンの先読み等で使用される。
次いで、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(高確率)を準備して(ステップX575)、演出コマンド設定処理(ステップX576)を行う。このように、本実施形態では、特図保留情報判定処理を実行する度に、大当り低確率判定値で判定した結果と、大当り高確率判定値で判定した結果とが、演出制御装置300に送信される。
次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップX577)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップX578)を行う。
そして、特図変動表示ゲームの変動態様における変動パターンを示す変動パターン番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備し(ステップX579)、演出コマンド設定処理(ステップX580)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップX577における特図情報設定処理、ステップX578における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに対する転落抽選の抽選結果を含む先読み転落抽選情報コマンドと、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(転落するか(大当りの確率状態が高確率状態から低確率状態(通常確率状態)へ移行するか)否かや、大当り又は小当りか否かや、変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づき、変動表示ゲームの結果及び変動態様情報を当該変動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶手段に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば、特別結果となるか否か等を判定する)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔先読み大当り判定処理〕
図21には、上述の特図保留情報判定処理における先読み大当り判定処理(ステップX549,X563)を示した。この先読み大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップX581)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満か判定する(ステップX582)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップX582;Y)、すなわち大当りでない場合には、判定結果としてはずれを設定し(ステップX587)、先読み大当り判定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、大当りの抽選にはずれたことを示すものである。
一方、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップX582;N)には、判定フラグが高確率判定フラグであるか判定する(ステップX583)。判定フラグが高確率判定フラグである場合(ステップX583;Y)には、現在の確率設定値に対応する高確率中の上限判定値を設定し(ステップX584)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか判定する(ステップX586)。一方、判定フラグが高確率判定フラグでない場合(ステップX583;N)、すなわち低確率判定フラグである場合には、現在の確率設定値に対応する低確率中の上限判定値を設定し(ステップX585)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか判定する(ステップX586)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップX586;Y)、すなわち大当りでない場合には、判定結果としてはずれを設定し(ステップX587)、先読み大当り判定処理を終了する。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップX586;N)、すなわち大当りである場合には、判定結果として大当りを設定し(ステップX588)、先読み大当り判定処理を終了する。
〔特図1ゲーム処理〕
図22には、上述のタイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(ステップX112)を示した。特図1ゲーム処理では、特図1変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図1の表示の設定を行う。この特図1ゲーム処理では、まず、特図1変動表示ゲームが中断されている場合にセットされる特図1中断フラグがセットされているか判定する(ステップY99)。特図1変動表示ゲームは、当該特図1変動表示ゲームの実行中に特図2変動表示ゲームの結果が第2特別結果(小当り)となって第2特別遊技状態が実行される場合に、当該第2特別遊技状態の実行中において中断される。
特図1中断フラグがセットされていない場合(ステップY99;N)、すなわち特図1変動表示ゲームの中断が行われていない場合には、ステップY100へ移行して、以降の特図1変動表示ゲームに関する処理を行う。一方、特図1中断フラグがセットされている場合(ステップY99;Y)、すなわち特図1変動表示ゲームが中断されている場合には、ステップY100~Y115の特図1変動表示ゲームに関する処理を行わず、ステップY116へ移行する。これにより、特図1変動表示ゲームの中断中は特図1変動表示ゲームが進行せず(特図1ゲーム処理タイマの更新が行われず)、変動表示のみが継続するようになる。
特図1変動表示ゲームに関する処理では、まず、特図2の大当り/小当り中であるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるか判定する(ステップY100)。そして、特図2の大当り/小当り中である場合(ステップY100;Y)には、ステップY103へ移行する。一方、特図2の大当り/小当り中でない場合(ステップY100;N)には、大入賞口スイッチ監視処理(ステップY101)を行い、特定領域スイッチ監視処理(ステップY102)を行う。
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38a及び第2特別変動入賞装置39内に設けられた大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視し、大入賞口への入賞に基づいて演出制御装置300に送信する大入賞口カウントコマンドを設定する処理や、大入賞口へ規定数の入賞があった場合に大入賞口を閉鎖するための処理を行う。特図1ゲーム処理では、特図1変動表示ゲームの結果が大当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイッチ監視処理を行うようにしており、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態については後述する特図2ゲーム処理において大入賞口スイッチ監視処理を行う。
特定領域スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた特定領域スイッチ38dでの遊技球の検出を監視し、特定領域(確率作動領域)への遊技球の流入に基づいて特定領域通過フラグをセットする処理を行う。この特定領域通過フラグがセットされていることに基づき特別遊技状態を発生させる処理が行われることとなる。
次いで、特図1ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新し(ステップY103)、特図1ゲーム処理タイマの値が0であるか判定する(ステップY104)。そして、特図1ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY104;N)、すなわちタイムアップしていない場合には、ステップY116へ移行する。また、特図1ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY104;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、特図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために、まず、参照する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに準備し(ステップY105)、特図1ゲーム処理番号をロードして準備して(ステップY106)、2バイトデータ取得処理を行う(ステップY107)。これにより、特図1ゲームシーケンス分岐テーブルから特図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し、特図1ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY108)。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図1変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図1変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1普段処理(ステップY109)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図1の停止表示時間の設定や、特図1表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1変動中処理(ステップY110)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図1変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1表示中処理(ステップY111)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップY112)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップY113)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図1大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップY114)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図1普段処理(ステップY109)を行うために必要な情報の設定等を行う特図1大当り終了処理(ステップY115)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備し(ステップY116)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップY117)を行い、レバーソレノイド38fの動作を制御するレバーソレノイド制御処理(ステップY118)を行って、特図1ゲーム処理を終了する。この特図1ゲーム処理が第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。
〔特図2ゲーム処理〕
図23及び図24には、上述のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(ステップX113)を示した。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図2の表示の設定を行う。特図2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行うものである。
この特図2ゲーム処理では、まず、特図1の大当り中であるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果が大当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるか判定する(ステップY130)。そして、特図1の大当り中である場合(ステップY130;Y)には、ステップY133へ移行する。また、特図1の大当り中でない場合(ステップY130;N)には、大入賞口スイッチ監視処理(ステップY131)を行い、特定領域スイッチ監視処理(ステップY132)を行う。
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38a及び第2特別変動入賞装置39内に設けられた大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視し、大入賞口への入賞に基づいて演出制御装置300に送信する大入賞口カウントコマンドを設定する処理や、大入賞口へ規定数の入賞があった場合に大入賞口を閉鎖するための処理を行う。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイッチ監視処理を行うようにしており、特図1変動表示ゲームの結果が大当りになることに基づき実行される特別遊技状態については上述した特図1ゲーム処理において大入賞口スイッチ監視処理を行う。
特定領域スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた特定領域スイッチ38dでの遊技球の検出を監視し、特定領域(確率作動領域)への遊技球の流入に基づいて特定領域通過フラグをセットする処理を行う。この特定領域通過フラグがセットされていることに基づき特別遊技状態を発生させる処理が行われることとなる。
次いで、特図2ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新し(ステップY133)、特図2ゲーム処理タイマの値が0であるか判定する(ステップY134)。そして、特図2ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY134;N)、すなわちタイムアップしていない場合には、ステップY153へ移行する。また、特図2ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY134;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であるか判定する(ステップY135)。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0でない場合(ステップY135;N)には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を-1更新し(ステップY136)、特図2ゲーム処理タイマ領域に長変動用タイマ値(例えば60000m秒)をセーブして(ステップY137)、ステップY153へ移行する。
小当りの発生確率が高い特図2変動表示ゲームを通常遊技状態で遊技者が意図的に実行することを防止するため、通常遊技状態における特図2変動表示ゲームの変動時間は非常に長い時間(例えば10分)とされている。しかし、特図2ゲーム処理タイマとして利用できる領域は限られているため、タイマ初期値として上限値を設定しても変動時間を一度で計時することは困難である。そこで、規定時間(例えば60000m秒)の計時を行う回数である繰り返し回数を用いて複数回の計時により変動時間を計時するようにしている。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である場合(ステップY135;Y)には、特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために、まず、参照する特図2ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに準備し(ステップY138)、特図2ゲーム処理番号をロードして準備して(ステップY139)、2バイトデータ取得処理を行う(ステップY140)。これにより、特図2ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し、特図2ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY141)。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図2変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図2変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2普段処理(ステップY142)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図2の停止表示時間の設定や、特図2表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2変動中処理(ステップY143)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図2変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2表示中処理(ステップY144)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップY145)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップY146)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図2大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップY147)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図2普段処理(ステップY108)を行うために必要な情報の設定等を行う特図2大当り終了処理(ステップY148)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY149)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップY150)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY151)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図2普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2小当り終了処理(ステップY152)を行う。
その後、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備し(ステップY153)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップY154)を行い、レバーソレノイド38fの動作を制御するレバーソレノイド制御処理(ステップY155)を行って、特図2ゲーム処理を終了する。この特図2ゲーム処理が第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。以上の特図2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行うものであり、以降の説明では特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理とで対応する処理を並行して説明する。
〔特図1普段処理〕
図25には、上述の特図1ゲーム処理における特図1普段処理(ステップY109)を示した。この特図1普段処理では、まず、特図1が変動開始可能であるか判定する(ステップY201)。この判定における特図1が変動開始可能である状態とは、大当り又は小当りとなる特図2変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でないことである。なお、特図1変動表示ゲームの実行中や特図1変動表示ゲームに基づく特別遊技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図1普段処理が実行されていない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図1が変動開始可能でない場合(ステップY201;N)には、特図1ゲーム処理番号として「0」を設定し(ステップY216)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(ステップY217)、特図1普段処理を終了する。また、特図1が変動開始可能である場合(ステップY201;Y)には、左打ち指示報知済みであるか、すなわち左打ち指示報知フラグがセットされているか判定する(ステップY202)。
左打ち指示報知済みである場合(ステップY202;Y)には、ステップY206へ移行する。また、左打ち指示報知済みでない場合(ステップY202;N)には、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップY203)、演出コマンド設定処理(ステップY204)を行って、左打ち指示報知フラグをセットする(ステップY205)。左打ち指示報知フラグは、特定遊技状態が終了する際にクリアされるようになっており、これにより通常遊技状態に移行する際に左打ち指示報知が行われることとなる。
次いで、特図1保留数が0であるか判定し(ステップY206)、特図1保留数が0である場合(ステップY206;Y)には、ステップY216へ移行する。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY206;N)には、現在の確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY207)、演出コマンド設定処理(ステップY208)を行う。その後、特図1変動表示ゲームに関する情報の設定等を行う特図1変動開始処理(ステップY209)を行い、特図1保留数に対応する飾り特図1保留数コマンドを準備して(ステップY210)、演出コマンド設定処理(ステップY211)を行う。なお、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップY210)を行う時点では特図1変動表示ゲームの開始に基づく特図1保留数の減算は行われておらず、現在の特図1保留数から-1した特図1保留数に対応する保留数コマンドを準備している。その後、時間短縮変動回数に対応する残り遊技回数コマンドを準備して(ステップY212)、演出コマンド設定処理(ステップY213)を行う。
次に、特図ステータス領域に特図1変動中をセット(情報加算)する(ステップY214)。ここで特図ステータスとは、特図変動表示ゲームの状態を示すものであり、0~5の何れかがセットされる。特図ステータス0は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示し、特図ステータス1は特図1変動表示ゲームのみが実行されている状態を示し、特図ステータス2は特図2変動表示ゲームのみが実行されている状態を示す。また、特図ステータス3は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方が実行されている状態を示し、特図ステータス4は大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態であることを示し、特図ステータス5は小当りに基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態であることを示す。ここでは特図1変動表示ゲームが開始されるので、特図ステータスとして1又は3がセットされる。その後、特図1変動中処理移行設定処理(ステップY215)を行って、特図1普段処理を終了する。
〔特図2普段処理〕
図26には、上述の特図2ゲーム処理における特図2普段処理(ステップY142)を示した。この特図2普段処理では、まず、特図2が変動開始可能であるか判定する(ステップY221)。この判定における特図2が変動開始可能である状態とは、大当りとなる特図1変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でないことである。なお、特図2変動表示ゲームの実行中や特図2変動表示ゲームに基づく特別遊技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図2普段処理が実行されていない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図2が変動開始可能でない場合(ステップY221;N)には、特図2ゲーム処理番号として「0」を設定し(ステップY238)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(ステップY239)、特図2普段処理を終了する。また、特図2が変動開始可能である場合(ステップY221;Y)には、特図2保留数が0であるか判定する(ステップY222)。
そして、特図2保留数が0でない場合(ステップY222;N)には、現在の確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY223)、演出コマンド設定処理(ステップY224)を行う。その後、特図2変動表示ゲームに関する情報の設定等を行う特図2変動開始処理(ステップY225)を行い、特図2保留数に対応する飾り特図2保留数コマンドを準備して(ステップY226)、演出コマンド設定処理(ステップY227)を行う。なお、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップY226)を行う時点では特図2変動表示ゲームの開始に基づく特図2保留数の減算は行われておらず、現在の特図2保留数から-1した特図2保留数に対応する保留数コマンドを準備している。その後、時間短縮変動回数に対応する残り遊技回数コマンドを準備して(ステップY228)、演出コマンド設定処理(ステップY229)を行う。
次に、特図ステータス領域に特図2変動中をセット(情報加算)する(ステップY230)。ここでは特図2変動表示ゲームが開始されるので、特図ステータスとして2又は3がセットされる。その後、特図2変動中処理移行設定処理(ステップY231)を行って、特図2普段処理を終了する。
一方、特図2保留数が0である場合(ステップY222;Y)には、特図1保留数が0であるか判定する(ステップY232)。そして、特図1保留数が0である場合(ステップY232;Y)には、特図1が変動中であるか判定する(ステップY233)。そして、特図1が変動中でない場合(ステップY233;N)には、客待ちデモが開始済みであるか判定し(ステップY234)、開始済みでない場合(ステップY234;N)には、客待ち状態の設定に関する処理を行う。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY232;N)、特図1が変動中である場合(ステップY233;Y)又は客待ちデモが開始済みである場合(ステップY234;Y)には、ステップY238へ移行する。
客待ち状態の設定に関する処理では、まず、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットし(ステップY235)、現在の確率状態に対応する客待ちデモコマンドを準備して(ステップY236)、演出コマンド設定処理(ステップY237)を行い、ステップY238へ移行する。客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものとすることで、確率状態に応じて異なる客待ち画面を表示することが可能となる。
また、何らかの原因により演出制御装置300が再起動した場合、バックアップ機能を備えない演出制御装置300は遊技状態の情報を喪失してしまうため、適切な演出を行うことができなくなってしまうが、客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものとすることで、このコマンドの受信からは遊技状態に応じた演出を行うことができ、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つよりも早く遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。
また、本実施形態の遊技機では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとが同時に実行可能であり、特図1変動表示ゲームについての処理によって確率状態が変化することも考えられるので、特図変動表示ゲームの開始ごとに変動開始確率情報コマンドを送信するようにしている(ステップY207,Y223)。これにより、演出制御装置300において遊技状態に応じた適切な演出を行うことが可能となる。
また、変動開始確率情報コマンドを特図変動表示ゲームの開始ごとに送信するようにしたことで、演出制御装置300が再起動した場合でもこのコマンドの受信からは遊技状態に応じた演出を行うことができ、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つよりも早く遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。なお、客待ちデモコマンドや変動開始確率情報コマンドに、演出制御装置300が再起動した場合に遊技状態に応じた演出に復帰できるようにするためのその他の情報を含ませるようにしても良い。
〔特図1変動開始処理〕
図27(a)には、上述の特図1普段処理における特図1変動開始処理(ステップY209)を示した。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。この特図1変動開始処理では、まず、特図保留情報判定処理において変動パターンの振り分けに用いる特図1情報設定フラグをセットする(ステップY241)。次いで、RWMの特図1転落抽選乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードして準備し(ステップY242)、特図1転落抽選乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップY243)、高確率状態から低確率状態への移行を抽選する転落抽選処理(ステップY244)を行う。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。
次に、特図1変動表示ゲームの結果情報としてはずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップY245)を行い、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップY246)を行う。そして、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図1情報設定処理(ステップY247)を行い、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップY248)。
その後、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図1変動パターン設定処理(ステップY249)を行い、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY250)を行って、時間短縮変動回数更新処理(ステップY251)を行う。次いで、処理番号として特図1変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップY252)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY253)。
次に、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY254)、特図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY255)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップY256)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100m秒)をセーブし(ステップY257)、特図1変動中図柄番号領域に初期値(ここではブランク図柄を示す「0」)をセーブして(ステップY258)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
図27(b)には、上述の特図2普段処理における特図2変動開始処理(ステップY225)を示した。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理である。この特図2変動開始処理では、まず、特図保留情報判定処理において変動パターンの振り分けに用いる特図2情報設定フラグをセットする(ステップY261)。次いで、RWMの特図2転落抽選乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードして準備し(ステップY262)、特図2転落抽選乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップY263)、高確率状態から低確率状態への移行を抽選する転落抽選処理(ステップY264)を行う。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。
次に、特図2変動表示ゲームの結果情報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップY265)を行い、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップY266)を行う。そして、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図2情報設定処理(ステップY267)を行い、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップY268)。
その後、特図2変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図2変動パターン設定処理(ステップY269)を行い、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY270)を行って、時間短縮変動開始更新処理(ステップY271)を行う。次いで、処理番号として特図2変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップY272)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY273)。
次に、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY274)、特図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY275)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップY276)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100m秒)をセーブし(ステップY277)、特図2変動中図柄番号領域に初期値(ここではブランク図柄を示す「0」)をセーブして(ステップY278)、特図2変動開始処理を終了する。
なお、上述の特図1変動開始処理や特図2変動開始処理において特図変動表示ゲームの変動パターンを選択する際に、設定されている確率設定値の情報を参照するようにしても良い。これにより、確率設定値に応じた変動パターンを選択することや、確率設定値に応じて変動パターンの選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実行可能となる。
〔転落抽選処理〕
図28には、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理で行われる転落抽選処理(ステップY244,Y264)を示した。この転落抽選処理では、まず、特図高確率中であるか判定し(ステップY581)、特図高確率中でない場合(ステップY581;N)には、転落抽選処理を終了する。また、特図高確率中である場合(ステップY581;Y)には、対象の転落抽選乱数の値が転落抽選下限判定値未満か判定する(ステップY582)。なお、転落抽選に当選するとは転落抽選乱数が転落抽選判定値と一致することである。転落抽選判定値は連続する複数の値であり、転落抽選乱数が、転落抽選判定値の下限の値である転落抽選下限判定値以上で、かつ、転落抽選判定値の上限の値である転落抽選上限判定値以下である場合に、転落抽選に当選したと判定される。
転落抽選乱数の値が転落抽選下限判定値未満である場合(ステップY582;Y)、すなわち転落抽選に当選していない場合には、転落抽選処理を終了する。この場合は高確率状態が維持される。一方、転落抽選乱数の値が転落抽選下限判定値未満でない場合(ステップY582;N)には、対象の転落抽選乱数の値が転落抽選上限判定値より大きいか判定する(ステップY583)。
転落抽選乱数の値が転落抽選上限判定値より大きい場合(ステップY583;Y)、すなわち転落抽選に当選していない場合には、転落抽選処理を終了する。この場合は高確率状態が維持される。一方、転落抽選乱数の値が転落抽選上限判定値より大きくない場合(ステップX583;N)、すなわち転落抽選に当選した場合には、低確率状態に移行するための処理を行う。
低確率状態に移行するための処理では、まず、高確率終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY584)。ここでは、大当り2信号をON、大当り4信号をOFFに設定する。次いで、高確率&時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY585)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
そして、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY586)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブする(ステップY587)。その後、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブして(ステップY588)、転落抽選処理を終了する。これにより、低確率状態かつ普電サポートなし状態となって通常遊技状態に移行することとなる。なお、高確率状態の終了や普電サポートの終了の情報は、演出制御装置300に送信されるようになっており、演出制御装置300ではこの情報に基づき演出モードの変更などの処理を行う。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図29(a)には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップY245)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップY281)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードして準備し(ステップY282)、特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップY283)。
その後、実行中の特図2変動表示ゲームの大当り判定の結果である大当りフラグ2は大当りであるか判定し(ステップY284)、大当りである場合(ステップY284;Y)には、大当りフラグ1設定処理を終了する。すなわち、同時に実行される特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方を大当りとしないようにしている。また、大当りでない場合(ステップY284;N)には、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか判定する大当り判定処理(ステップY285)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップY285)の判定結果が大当りである場合(ステップY286;Y)には、ステップY281にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップY287)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップY285)の判定結果が大当りでない場合(ステップY286;N)には、大当りフラグ1設定処理を終了する。この場合は、大当りフラグ1領域には、はずれ情報がセーブされた状態となる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図29(b)には、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップY265)を示した。この大当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブし(ステップY291)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップY292)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードして準備し(ステップY293)、特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップY294)。
その後、実行中の特図1変動表示ゲームの大当り判定の結果である大当りフラグ1は大当りであるか判定し(ステップY295)、大当りである場合(ステップY295;Y)には、ステップY299へ移行する。すなわち、同時に実行される特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方を大当りとしないようにしている。また、大当りでない場合(ステップY295;N)には、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか判定する大当り判定処理(ステップY296)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップY296)の判定結果が大当りである場合(ステップY297;Y)には、ステップY292にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップY298)、大当りフラグ2設定処理を終了する。
一方、大当り判定処理(ステップY296)の判定結果が大当りでない場合(ステップY297;N)には、取得した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか判定する小当り判定処理(ステップY299)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップY299)の判定結果が小当りである場合(ステップY300;Y)には、ステップY291にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ2領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップY301)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップY299)の判定結果が小当りでない場合(ステップY300;N)には、大当りフラグ2設定処理を終了する。この場合は、大当りフラグ2領域及び小当りフラグ2領域には、はずれ情報がセーブされた状態となる。
〔大当り判定処理〕
図30には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップY285,Y296)を示した。この大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップY311)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満か判定する(ステップY312)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップY312;Y)、すなわち大当りでない場合には、判定結果としてはずれを設定し(ステップY317)、大当り判定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、大当りの抽選にはずれたことを示すものである。一方、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップY312;N)には、特図高確率中であるか判定する(ステップY313)。
そして、特図高確率中である場合(ステップY313;Y)には、現在の確率設定値に対応する高確率中の上限判定値を設定し(ステップY314)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか判定する(ステップY316)。また、特図高確率中でない場合(ステップY313;N)には、現在の確率設定値に対応する低確率中の上限判定値を設定し(ステップY315)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか判定する(ステップY316)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップY316;Y)、すなわち大当りでない場合には、判定結果としてはずれを設定し(ステップY317)、大当り判定処理を終了する。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップY316;N)、すなわち大当りである場合には、判定結果として大当りを設定し(ステップY318)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
図31には、上述の大当りフラグ2設定処理における小当り判定処理(ステップY299)を示した。この小当り判定処理では、まず、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満か判定する(ステップY321)。なお、小当りであるとは大当り乱数(大当り判定と同一の乱数)が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。また、大当り判定値と小当り判定値とが重なることはない。
大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップY321;Y)、すなわち小当りでない場合には、判定結果としてはずれを設定し(ステップY323)、小当り判定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、小当りの抽選にはずれたことを示すものである。また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップY321;N)には、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいか判定する(ステップY322)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップY322;Y)、すなわち小当りでない場合には、判定結果としてはずれを設定し(ステップY323)、小当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップY322;N)、すなわち小当りである場合には、判定結果として小当りを設定し(ステップY324)、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図32には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップY246)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りか判定し(ステップY331)、大当りである場合(ステップY331;Y)には、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップY332)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(ステップY333)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄退避領域にセーブする(ステップY334)。この処理により大当り種類が選択される。なお、特図1変動表示ゲームの停止図柄を特図1停止図柄領域ではなく特図1停止図柄退避領域にセーブするようにしたのは、特図2変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に強制的にはずれ結果に変更される可能性があるためである。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップY335)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図1停止図柄パターン領域にセーブする(ステップY336)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して時間短縮判定データ領域にセーブし(ステップY337)、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得して特図1ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY338)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して特図1大入賞口開放情報領域にセーブして(ステップY339)、ステップY340へ移行する。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。
一方、大当りでない場合(ステップY331;N)には、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄退避領域にセーブして(ステップY344)、はずれ停止図柄パターンを特図1停止図柄パターン領域にセーブする(ステップY345)。次いで、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備して飾り特図1コマンド領域にセーブする(ステップY340)。これにより、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。その後、演出コマンド設定処理(ステップY341)を行う。これにより、飾り特図1コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY342)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップY343)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図33には、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップY266)を示した。なお、特図2停止図柄設定処理は、特図1停止図柄設定処理と同じ処理を、特図2を対象として行うものである。この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りか判定し(ステップY361)、大当りである場合(ステップY361;Y)には、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップY362)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定し(ステップY363)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄退避領域にセーブする(ステップY364)。この処理により大当り種類が選択される。なお、特図2変動表示ゲームの停止図柄を特図2停止図柄領域ではなく特図2停止図柄退避領域にセーブするようにしたのは、特図1変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に強制的にはずれ結果に変更される可能性があるためである。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップY365)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図2停止図柄パターン領域にセーブする(ステップY366)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して時間短縮判定データ領域にセーブし(ステップY367)、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得して特図2ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY368)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して特図2大入賞口開放情報領域にセーブして(ステップY369)、ステップY370へ移行する。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。
一方、大当りでない場合(ステップY361;N)には、小当りフラグ2が小当りか判定し(ステップY375)、小当りである場合(ステップY375;Y)には、特図2小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップY376)。次に、特図2小当り図柄テーブルを設定し(ステップY377)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄退避領域にセーブする(ステップY378)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図2停止図柄パターン領域にセーブし(ステップY379)、ステップY370へ移行する。
また、小当りフラグ2は小当りでない場合(ステップY375;N)には、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄退避領域にセーブして(ステップY380)、はずれ停止図柄パターンを特図2停止図柄パターン領域にセーブする(ステップY381)。次いで、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備して飾り特図2コマンド領域にセーブする(ステップY370)。これにより、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。その後、演出コマンド設定処理(ステップY371)を行う。これにより、飾り特図2コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY372)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(ステップY373)、特図2小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップY374)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、第1始動記憶手段に記憶された第1始動記憶に基づき、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の結果及び変動態様情報を当該第1変動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な第1決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段に記憶された第2始動記憶に基づき、第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果及び変動態様情報を当該第2変動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な第2決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
以上のことから、始動入賞口36は、遊技領域32の一側に発射した遊技球が入賞可能な位置に配設され、普通変動入賞装置37は、遊技領域32の他側に発射した遊技球が入賞可能な位置に配設され、変動表示ゲームの変動態様情報には、当該変動表示ゲームの実行時間を特定可能な変動時間に関する情報が含まれ、通常状態(通常遊技状態)において第2決定手段によって第2変動表示ゲームの変動時間として決定されることが可能な変動時間は、第1決定手段によって第1変動表示ゲームの変動時間として決定されることが可能な変動時間よりも長いこととなる。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドなどが挙げられる。なお、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1決定手段の決定結果に基づいて第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能な第1変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図1ゲーム処理の全体から、第1変動表示ゲーム実行制御手段が第1変動表示ゲームに関する一連の実行制御を行うものとも言える。
さらに、遊技制御装置100が、第2決定手段の決定結果に基づいて第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能な第2変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図2ゲーム処理の全体から、第2変動表示ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームに関する一連の実行制御を行うものとも言える。
また、遊技制御装置100が、第1決定手段によって決定された第1変動表示ゲームの結果及び変動態様情報並びに第2決定手段によって決定された第2変動表示ゲームの結果及び変動態様情報を制御情報として演出制御手段(演出制御装置300)へ送信することが可能な送信手段をなす。また、遊技制御装置100が、第1変動表示ゲーム及び第2変動表示ゲームのそれぞれについて、変動表示ゲームの開始に応じて変動時間の計測を開始し、当該計測時間が変動時間を経過した場合に当該変動表示ゲームの変動時間の計測を終了する計測手段をなす。
なお、通常遊技状態における特図2変動表示ゲームでは変動時間が非常に長い長変動が設定されるが、この場合には、変動時間についての情報を演出制御装置300には送信せず、長変動であることのみを示すコマンドを送信するようにしても良い。長変動の場合は単に変動表示を行えばよく詳細に演出を決定する必要がないので、演出制御装置300では長変動であることのコマンドを受信することに基づき変動表示を開始するようにする。変動時間の管理は遊技制御装置100のみで行い、変動時間が終了することに基づき停止コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300では停止コマンドを受信することに基づき変動表示を停止するようにする。このようにすれば、演出制御装置300での制御の負担を軽減することができる。
〔特図1情報設定処理〕
図34には、上述の特図1変動開始処理における特図1情報設定処理(ステップY247)を示した。この特図1情報設定処理では、まず、変動パターン選択情報テーブルを設定し(ステップY401)、特図1停止図柄パターンに対応する前半オフセットデータ、後半オフセットデータを取得して(ステップY402)、特図1大当り、すなわち特図1停止図柄パターンが大当りの停止図柄パターンであるか判定する(ステップY403)。特図1大当りである場合(ステップY403;Y)には、ステップY405へ移行する。
また、特図1大当りでない場合(ステップY403;N)には、前半オフセットデータに特図1保留数を加算して値を変換する(ステップY404)。そして、前半オフセットデータを変動振分情報1領域にセーブする(ステップY405)。これにより、変動振分情報1領域には変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。
その後、後半オフセットデータを変動振分情報2領域にセーブして(ステップY405)、特図1情報設定処理を終了する。これにより、変動振分情報2領域には変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。
このように、特図1変動表示ゲームにおいては、はずれの場合には前半変動パターンのみ特図1保留数を考慮して変動パターンが決定され、大当りの場合には特図1保留数を考慮せずに変動パターンが決定される。
〔特図2情報設定処理〕
図35には、上述の特図2変動開始処理における特図2情報設定処理(ステップY267)を示した。この特図2情報設定処理では、まず、特図低確率&時短なし中(通常遊技状態中)であるか判定する(ステップY421)。特図低確率&時短なし中でない場合(ステップY421;N)には、時間短縮最終変動であるか判定する(ステップY427)。ここでは、これから開始する特図2変動表示ゲームが、特別遊技状態の終了から100回(サポート回数)目の特図変動表示ゲームである場合に、時間短縮最終変動であると判定する。
そして、時間短縮最終変動である場合(ステップY427;Y)には、ステップY428へ移行する。また、時間短縮最終変動でない場合(ステップY427;N)には、変動パターン選択情報テーブルを設定し(ステップY423)、特図2停止図柄パターンに対応する前半オフセットデータ、後半オフセットデータを取得して(ステップY424)、ステップY425へ移行する。
一方、特図低確率&時短なし中である場合(ステップY421;Y)には、高確率最終変動であるか判定する(ステップY427)。ここでは、これから開始する特図2変動表示ゲームに対する転落抽選に当選した場合に、高確率最終変動であると判定する。
そして、高確率最終変動である場合(ステップY427;Y)には、最終変動用の前半オフセットデータ、後半オフセットデータを設定して(ステップY428)、ステップY425へ移行する。
また、高確率最終変動でない場合(ステップY427;N)には、特図2大当りであるかを判定する(ステップY429)。そして、特図2大当りでない場合(ステップY429;N)には、低確率時特図2はずれ・小当り用の前半オフセットデータを設定し(ステップY430)、特図2長変動用の後半オフセットデータを設定して(ステップY432)、ステップY425へ移行する。
また、特図2大当りである場合(ステップY429;Y)には、低確率時特図2大当り用の前半オフセットデータを設定し(ステップY431)、特図2長変動用の後半オフセットデータを設定する(ステップY432)。そして、前半オフセットデータを変動振分情報1領域にセーブする(ステップY425)。これにより、変動振分情報1領域には変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。
その後、後半オフセットデータを変動振分情報2領域にセーブして(ステップY426)、特図2情報設定処理を終了する。これにより、変動振分情報2領域には変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。
このように、特図2変動表示ゲームにおいては、特図2保留数を考慮せずに変動パターンが決定される。
〔特図1変動パターン設定処理〕
図36には、上述の特図1変動開始処理における特図1変動パターン設定処理(ステップY249)を示した。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
この特図1変動パターン設定処理では、まず、変動グループアドレステーブルを設定し(ステップY451)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備し(ステップY452)、特図1の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップY453)。
次に、特図1はずれ、すなわち停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるか判定し(ステップY454)、特図1はずれである場合(ステップY454;Y)には、2バイト振り分け処理(ステップY455)を行う。また、特図1はずれでない場合(ステップY454;N)には、振り分け処理(ステップY456)を行う。
本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多彩な演出を可能とするために、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップY457)、特図1の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードして準備する(ステップY458)。次いで、振り分け処理(ステップY459)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得して後半変動番号領域にセーブする(ステップY460)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップY461)、変動振分情報1と決定された後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップY462)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップY463)、特図1の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップY464)。
その後、振り分け処理(ステップY465)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(ステップY466)、特図1変動パターン設定処理を終了する。この処理により前半変動パターンが設定され、これから開始される特図1変動表示ゲームの全期間の変動パターンが設定されることとなる。
〔特図2変動パターン設定処理〕
図37には、上述の特図2変動開始処理における特図2変動パターン設定処理(ステップY269)を示した。この特図2変動パターン設定処理では、まず、変動グループアドレステーブルを設定し(ステップY471)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備し(ステップY472)、特図2の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップY473)。
次に、特図2はずれ、すなわち停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるか判定し(ステップY474)、特図2はずれである場合(ステップY474;Y)には、2バイト振り分け処理(ステップY475)を行う。また、特図2はずれでない場合(ステップY474;N)には、振り分け処理(ステップY476)を行う。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップY477)、特図2の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードして準備する(ステップY478)。次いで、振り分け処理(ステップY479)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得して後半変動番号領域にセーブする(ステップY480)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップY481)、変動振分情報1と決定された後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップY482)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップY483)、特図2の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップY484)。
その後、振り分け処理(ステップY485)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(ステップY486)、特図2変動パターン設定処理を終了する。この処理により前半変動パターンが設定され、これから開始される特図2変動表示ゲームの全期間の変動パターンが設定されることとなる。
〔変動開始情報設定処理〕
図38には、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップY250,Y270)を示した。この変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1~3の乱数格納領域(保留数1用)をクリアする(ステップY551)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップY552)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップY553)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップY554)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップY555)。そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップY556)、加算値を対象の特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY557)。
なお、通常遊技状態における特図2変動表示ゲームでは変動時間が非常に長い長変動が設定される。この場合における上記の加算値としては、規定時間(ここでは60000m秒)の計時を行う回数である繰り返し回数を用いて計時可能な時間を除いた余りの時間(60000m秒未満の時間)が加算値として算出されるようになっている。
その後、特図1の情報設定中であるか判定し(ステップY558)、特図1の情報設定中である場合(ステップY558;Y)には、ステップY562へ移行する。また、特図1の情報設定中でない場合(ステップY558;N)、すなわち特図2の情報設定中である場合には、特図2の長変動の開始であるか判定する(ステップY559)。長変動とは、特図2変動表示ゲームについて通常遊技状態である場合に設定される変動パターンであり、設定された変動パターンの番号により判定する。
そして、特図2の長変動の開始でない場合(ステップY559;N)には、0を特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域にセーブする(ステップY560)。また、特図2の長変動の開始である場合(ステップY559;Y)には、9を特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域にセーブする(ステップY561)。
その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップY562)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップY563)、演出コマンド設定処理(ステップY564)を行う。次に、対象の保留数を-1更新し(ステップY566)、対象の乱数格納領域の内容をシフトし(ステップY566)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップY567)、変動開始情報設定処理を終了する。
本実施形態では、2バイトのタイマでは足らない時間を変動させるために、特図2の長変動には繰り返し回数が設定される。変動開始情報設定処理では、加算結果として60000m秒のタイマ、9の繰り返し回数をセーブし、タイマ割込み処理でタイマを減算していき、タイムアップした時に繰り返し回数を1減算してゲーム処理タイマに60000m秒をセットする。これにより、特図2の長変動の変動時間は10分(=60000m秒×10)になる。タイマ割込みの周期は4m秒であるため、2バイトでは約262秒まで設定できるが、理解しやすさのために60秒の掛け算で表せる形としている。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
図39には、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における時間短縮変動回数更新処理(ステップY251,Y271)を示した。この時間短縮変動回数更新処理では、まず、特図高確率中(高確率状態中)であるか判定し(ステップY571)、特図高確率中である場合(ステップY571;Y)には、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、特図高確率中でない場合(ステップY571;N)には、特図時短中であるか判定する(ステップY572)。そして、特図時短中でない場合(ステップY572;N)には、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、特図時短中である場合(ステップY572;Y)には、時間短縮変動回数を-1更新して(ステップY573)、時間短縮変動回数が「0」となったか判定する(ステップY574)。
時間短縮変動回数が「0」でない場合(ステップY574;N)には、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、時間短縮変動回数が「0」となった場合(ステップY574;Y)には、時短終了に関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップY575)、時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、普通電動役物1開放延長状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY576)。
次いで、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(ステップY577)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(ステップY578)、普図ゲームモードフラグ領域に普図時短なしフラグをセーブする(ステップY579)。そして、通常遊技状態に戻ることから通常ベース状態判定フラグ領域に通常ベース状態情報をセーブして(ステップY580)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
〔特図1変動中処理〕
図40には、上述の特図1ゲーム処理における特図1変動中処理(ステップY110)を示した。この特図1変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新する(ステップY621)。そして、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY622)、演出コマンド設定処理(ステップY623)を行う。
次に、飾り特図1停止コマンドを準備して(ステップY624)、演出コマンド設定処理(ステップY625)を行う。本実施形態の遊技機では、変動開始時に設定した変動時間よりも前に強制的に停止する場合もあるため、変動を停止する際には停止コマンドを演出制御装置300に送信するようにしている。そして、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定する(ステップY626)。本実施形態では、例えば、はずれの場合に600m秒、大当りの場合に2000m秒の表示時間が設定される。
その後、特図1はずれであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果がはずれであるか判定する(ステップY627)。特図1はずれである場合(ステップY627;Y)には、ステップY642へ移行する。また、特図1はずれでない場合(ステップY627;N)、すなわち大当りである場合には、特図2変動表示ゲームも実行中であるか判定する(ステップY628)。なお、特図2変動表示ゲームが実行中であるか否かは特図ステータスを参照することで把握できる。
そして、特図2変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップY628;Y)には、ステップY639へ移行する。また、特図2変動表示ゲームが実行中である場合(ステップY628;Y)には、特図2表示中処理中であるか判定する(ステップY629)。すなわち、この場合は、特図1変動表示ゲームが大当りになることに基づき、実行中の特図2変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止させられる場合である。なお、特図2変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も強制停止の対象となる。
特図2表示中処理中である場合(ステップY639;Y)には、ステップY631へ移行する。また、特図2表示中処理中でない場合(ステップY629;N)には、図柄確定回数出力回数を+1更新して(ステップY630)、特図2の表示時間として上記で設定した特図1の表示時間+4m秒の表示時間を設定する(ステップY631)。特図2の表示時間として特図1の表示時間+4m秒の表示時間を設定することで、特図1と特図2の表示時間が同時に終了するようになる。なお、すでに特図2変動表示ゲームが表示時間中であった場合にも表示時間が再設定され、新たに表示時間が開始されるようになる。この再設定によって、停止表示の時間は延長されるが、場合によっては短くなる可能性もある。
次に、特図2ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブして(ステップY632)、飾り特図2はずれ図柄コマンドを設定して準備する(ステップY633)。そして、飾り特図2コマンド領域に図柄コマンドをセーブして(ステップY634)、演出コマンド設定処理(ステップY635)を行う。その後、飾り特図2停止コマンドを準備して(ステップY636)、演出コマンド設定処理(ステップY638)を行い、特図2表示中処理移行設定処理2(ステップY638)を行う。
そして、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセーブし(ステップY639)、特図1ラウンド数上限値情報領域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY640)、特図1大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY641)。その後、特図1停止図柄退避領域から情報をロードして特図1停止図柄領域にセーブし(ステップY642)、特図1表示中処理移行設定処理1(ステップY643)を行って、特図1表示中処理を終了する。
〔特図2変動中処理〕
図41には、上述の特図2ゲーム処理における特図2変動中処理(ステップY143)を示した。この特図2変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新する(ステップY651)。そして、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY652)、演出コマンド設定処理(ステップY653)を行う。
次に、飾り特図2停止コマンドを準備して(ステップY654)、演出コマンド設定処理(ステップY655)を行う。そして、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定する(ステップY656)。本実施形態では、例えば、はずれの場合に600m秒、大当りの場合に600m秒、小当りの場合に136m秒の表示時間が設定される。
その後、特図2はずれであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果がはずれであるか判定する(ステップY657)。特図2はずれである場合(ステップY657;Y)には、ステップY677へ移行する。また、特図2はずれでない場合(ステップY657;N)、すなわち大当り又は小当りである場合には、特図1変動表示ゲームも実行中であるか判定する(ステップY658)。なお、特図1変動表示ゲームが実行中であるか否かは特図ステータスを参照することで把握できる。
そして、特図1変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップY658;N)には、ステップY673へ移行する。また、特図1変動表示ゲームが実行中である場合(ステップY658;Y)には、特図2大当りであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が大当りであるか判定する(ステップY659)。特図2大当りでない場合(ステップY659;N)、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が小当りである場合には、特図1ゲーム中断フラグをセットし(ステップY670)、飾り特図1中断コマンドを準備して(ステップY671)、演出コマンド設定処理(ステップY672)を行い、ステップY673へ移行する。
すなわち、この場合は、特図2変動表示ゲームが小当りとなることに基づき、実行中の特図1変動表示ゲームが中断させられる場合である。なお、特図1変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も中断の対象となる。中断された特図1変動表示ゲームは小当り(第2特別結果)に基づく特別遊技状態(第2特別遊技状態)の終了に伴い再開される。
一方、特図2大当りである場合(ステップY659;Y)には、特図1表示中処理中であるか判定する(ステップY660)。すなわち、この場合は、特図2変動表示ゲームが大当りになることに基づき、実行中の特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止させられる場合である。なお、特図1変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も強制停止の対象となる。
特図1表示中処理中である場合(ステップY660;Y)には、ステップY662へ移行する。また、特図1表示中処理中でない場合(ステップY660;N)には、図柄確定回数出力回数を+1更新して(ステップY661)、特図1の表示時間として上記で設定した特図2の表示時間+4m秒の表示時間を設定する(ステップY662)。特図1の表示時間として特図2の表示時間+4m秒の表示時間を設定することで、特図1と特図2の表示時間が同時に終了するようになる。なお、すでに特図1変動表示ゲームが表示時間中であった場合にも表示時間が再設定され、新たに表示時間が開始されるようになる。この再設定によって、停止表示の時間は延長されるが、場合によっては短くなる可能性もある。
次に、特図1ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブして(ステップY663)、飾り特図1はずれ図柄コマンドを設定して準備する(ステップY664)。そして、飾り特図1コマンド領域に図柄コマンドをセーブして(ステップY665)、演出コマンド設定処理(ステップY666)を行う。その後、飾り特図1停止コマンドを準備して(ステップY667)、演出コマンド設定処理(ステップY668)を行い、特図1表示中処理移行設定処理2(ステップY669)を行う。
そして、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセーブし(ステップY673)、特図2小当りであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が小当りであるか判定する(ステップY674)。特図2小当りである場合(ステップY674;Y)には、ステップY677へ移行する。また、特図2小当りでない場合(ステップY674;N)、すなわち大当りである場合には、特図2ラウンド数上限値情報領域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY675)、特図2大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY676)。その後、特図2停止図柄退避領域から情報をロードして特図2停止図柄領域にセーブし(ステップY677)、特図2表示中処理移行設定処理1(ステップY678)を行って、特図2表示中処理を終了する。
〔特図1表示中処理〕
図42には、上述の特図1ゲーム処理における特図1表示中処理(ステップY111)を示した。この特図1表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて大当りフラグ1領域に設定された大当りフラグ1ロードし(ステップY751)、大当りフラグ1領域をクリアする(ステップY752)。そして、特図1は大当りか、すなわちロードされた大当りフラグ1が大当り情報か判定し(ステップY753)、特図1が大当りである場合(ステップY753;Y)には、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、特別図柄1当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY754)。
次に、特図1停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域からロードして準備し(ステップY755)、演出コマンド設定処理(ステップY756)を行う。その後、ファンファーレコマンドを準備して(ステップY757)、演出コマンド設定処理(ステップY758)を行う。
次に、大入賞口開放情報と特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY759)。本実施形態の場合、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば100m秒)を設定して(ステップY760)、設定した大当りファンファーレ時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY761)。次に、処理番号として3を設定し(ステップY762)、特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY763)。さらに、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY764)を行って、特図1表示中処理を終了する。
一方、特図1が大当りでない場合(ステップY753;N)、すなわち大当りフラグ1がはずれ情報である場合には、高確率最終変動であるか判定し(ステップY765)、高確率最終変動でない場合(ステップY765;N)には時間短縮最終変動であるか判定する(ステップY766)。ここでは、実行中の特図1変動表示ゲームに対する転落抽選に当選した場合に、高確率最終変動であると判定する。また、実行中の特図1変動表示ゲームが、特別遊技状態の終了から100回(サポート回数)目の特図変動表示ゲームである場合に、時間短縮最終変動であると判定する。
そして、高確率最終変動でない場合(ステップY765;N)及び時間短縮最終変動でない場合(ステップY766;N)には、ステップY774へ移行する。また、高確率最終変動である場合(ステップY765;Y)又は時間短縮最終変動である場合(ステップY766;Y)には、確率情報コマンド(低確率)を準備して(ステップY767)、演出コマンド設定処理(ステップY768)を行う。次いで、停電復旧時送信コマンド領域に確率状態コマンド(低確率)をセーブし(ステップY769)、左打ち指示報知フラグをクリアして(ステップY770)、特図2の小当り中であるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるか判定する(ステップY771)。
特図2の小当り中である場合(ステップY771;Y)には、ステップY774へ移行する。一方、特図2の小当り中でない場合(ステップY771;N)には、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY772)。ここでは発射位置指定信号1をOFFにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップY773)。これにより、第1遊技状態表示部56が消灯状態となり、左打ちを指示する表示となる。その後、特図ステータス領域の特図1変動中をクリア(情報減算)し(ステップY774)、特図1ゲーム処理番号領域に特図1普段処理番号をセーブして(ステップY775)、特図1表示中処理を終了する。
〔特図2表示中処理〕
図43及び図44には、上述の特図2ゲーム処理における特図2表示中処理(ステップY144)を示した。なお、特図2表示中処理は、上述の特図1表示中処理と同等の処理を、特図2を対象として行うものである。この特図2表示中処理では、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて小当りフラグ2領域に設定された小当りフラグ2をロードして(ステップY811)、小当りフラグ2領域をクリアする(ステップY812)。
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて大当りフラグ2領域に設定された大当りフラグ2ロードして(ステップY813)、大当りフラグ2領域をクリアする(ステップY814)。そして、特図2は大当りか、すなわちロードされた大当りフラグ2が大当り情報か判定し(ステップY815)、特図2が大当りである場合(ステップY815;Y)には、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、特別図柄2当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY816)。
次に、特図2停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域からロードして準備し(ステップY817)、演出コマンド設定処理(ステップY818)を行う。その後、ファンファーレコマンドを準備して(ステップY819)、演出コマンド設定処理(ステップY820)を行う。
次に、大入賞口開放情報と特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY821)。本実施形態の場合、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば100m秒)を設定して(ステップY822)、設定した大当りファンファーレ時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY823)。次に、処理番号として3を設定し(ステップY824)、特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY825)。さらに、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY826)を行って、特図2表示中処理を終了する。
一方、特図2が大当りでない場合(ステップY815;N)、すなわち大当りフラグ2がはずれ情報である場合には、ロードした小当りフラグ2が小当り(小当り情報)か判定する(ステップY827)。そして、小当りフラグ2が小当りである場合(ステップY827;Y)には、高確率最終変動であるか判定し(ステップY828)、高確率最終変動でない場合(ステップY828;N)には時間短縮最終変動であるか判定する(ステップY829)。ここでは、実行中の特図2変動表示ゲームに対する転落抽選に当選した場合に、高確率最終変動であると判定する。また、実行中の特図2変動表示ゲームが、特別遊技状態の終了から100回(サポート回数)目の特図変動表示ゲームである場合に、時間短縮最終変動であると判定する。
そして、高確率最終変動でない場合(ステップY828;N)及び時間短縮最終変動でない場合(ステップY829;N)には、ステップY834へ移行する。また、高確率最終変動である場合(ステップY828;Y)又は時間短縮最終変動である場合(ステップY829;Y)には、確率情報コマンド(低確率)を準備して(ステップY830)、演出コマンド設定処理(ステップY831)を行う。次いで、停電復旧時送信コマンド領域に確率状態コマンド(低確率)をセーブし(ステップY832)、左打ち指示報知フラグをクリアする(ステップY833)。
本実施形態の遊技機10においては、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態である場合には、小当りの発生で大入賞口は開くが、小当りの発生を遊技者に意識させないようにするために、表示装置41に表示される画面を変化させないようになっている。
次に、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY834)、演出コマンド設定処理(ステップY835)を行う。さらに、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップY836)、演出コマンド設定処理(ステップY837)を行って、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY838)。ここでは発射位置指定信号1をONにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY839)。これにより第1遊技状態表示部56が点灯状態となり、右打ちを指示する表示となる。
その後、下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY840)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY841)、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY857)を行い、特図2表示中処理を終了する。
また、小当りフラグ2が小当りでない場合(ステップY827;N)には、高確率最終変動であるか判定し(ステップY843)、高確率最終変動でない場合(ステップY843;N)には時間短縮最終変動であるか判定する(ステップY844)。ここでは、実行中の特図2変動表示ゲームに対する転落抽選に当選した場合に、高確率最終変動であると判定する。また、実行中の特図2変動表示ゲームが、特別遊技状態の終了から100回(サポート回数)目の特図変動表示ゲームである場合に、時間短縮最終変動であると判定する。
そして、高確率最終変動でない場合(ステップY843;N)及び時間短縮最終変動でない場合(ステップY844;N)には、ステップY850へ移行する。また、高確率最終変動である場合(ステップY843;Y)又は時間短縮最終変動である場合(ステップY844;Y)には、確率情報コマンド(低確率)を準備して(ステップY845)、演出コマンド設定処理(ステップY846)を行う。次いで、停電復旧時送信コマンド領域に確率状態コマンド(低確率)をセーブし(ステップY847)、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY848)。ここでは発射位置指定信号1をOFFにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップY849)。これにより第1遊技状態表示部56が消灯状態となり、左打ちを指示する表示となる。その後、特図ステータス領域の特図2変動中をクリア(情報減算)し(ステップY850)、特図2ゲーム処理番号領域に特図2普段処理番号をセーブして(ステップY851)、特図2表示中処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームが第1特別結果となったことに基づき、条件装置の作動を伴って特別変動入賞装置を開放する第1特別遊技状態を発生させる第1特別遊技発生手段をなすとともに、変動表示ゲームが第2特別結果となったことに基づき、条件装置の作動を伴わずに特別変動入賞装置を開放する第2特別遊技状態を発生させる第2特別遊技発生手段をなす。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理〕
図45には、上述の特図1表示中処理及び特図2表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY764、Y826)を示した。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理では、まず、大当り(第1特別遊技状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY871)。ここでは大当り又は小当りで出力する大当り1信号をONに設定し、大当りで出力する大当り4信号をONに設定する。
次に高確率状態と時短状態(特別図柄の変動時間短縮状態)の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY872)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、普通電動役物1開放延長状態信号をOFFに設定する。
その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップY873)、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブして(ステップY874)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率、時短なしフラグをセーブする(ステップY875)。そして、普図ゲームモードフラグ領域に普図時短なしフラグをセーブし(ステップY876)、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(ステップY877)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常状態となる。
次に、時短状態とするゲーム数を管理する時間短縮変動回数領域をクリアし(ステップY878)、特図ステータス領域に大当り中情報をセーブする(ステップY879)。さらに、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY880)、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY881)。その後、特別遊技状態となることから通常ベース状態判定フラグ領域に通常ベース状態以外情報をセーブして(ステップY882)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
図46及び図47には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップY112,Y145)を示した。このファンファーレ/インターバル中処理では、まず、残存球カウンタが0であるか判定し(ステップY939)、残存球カウンタが0でない場合(ステップY939;N)には、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。一方、残存球カウンタが0である場合(ステップY939;Y)には、初回ラウンドであるか判定する(ステップY940)。
初回ラウンドでない場合(ステップY940;N)には、ステップY950へ移行する。一方、初回ラウンドである場合(ステップY940;Y)には、普図始動ゲート34への遊技球の通過があったか判定する(ステップY941)。ここで、本実施形態では、特図変動表示ゲームにおいて大当り(第1特別結果)が導出された後に遊技球が普図始動ゲート34を通過することにより特別遊技状態が開始されるようになっている。なお、普図始動ゲート34とは別に設けたゲートを遊技球が通過することにより特別遊技状態の開始条件が成立するようにしても良い。
普図始動ゲート34への遊技球の通過がない場合(ステップY941;N)には、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。一方、普図始動ゲート34への遊技球の通過があった場合(ステップY941;Y)には、ラウンド数上限値テーブルを準備し(ステップY942)、ラウンド数上限値情報をロードして準備して(ステップY943)、2バイトデータ取得処理を行う(ステップY944)。これにより取得したラウンド数上限値(本実施形態の場合、10)をラウンド数上限値領域にセーブする(ステップY945)。さらに、取得したラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタをラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップY946)。
次いで、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY947)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップY948)。その後、役物連続作動装置作動中信号のオン出力データを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップY949)、特別遊技状態のラウンド数を+1更新する(ステップY950)。そして、大入賞口開放情報とラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップY951)、演出コマンド設定処理(ステップY952)を行う。
次に、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大当り中処理制御ポインタ初期値を設定し(ステップY953)、ポインタ初期値を大当り中処理制御ポインタ領域にセーブして(ステップY954)、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大入賞口開放時間を設定する(ステップY955)。大当り中処理制御ポインタ初期値としては、一のラウンドにおいて開閉を繰り返す場合には0を設定する。本実施形態では、Vありロング開放が相当する。また、一のラウンドにおいて1回の開放を行う場合には、大当り動作終了値(本実施形態の場合、2)を設定する。なお、一のラウンドにおける開閉回数に応じて初期値を0以外に設定しても良い。
次に、レバーソレノイド動作ラウンドであるか判定する(ステップY956)。レバーソレノイド動作ラウンドとは、レバーソレノイド38fを動作してレバー部材を動作させるラウンドであり、本実施形態の場合は1ラウンド目の特定ラウンドのみである。そして、レバーソレノイド動作ラウンドである場合(ステップY956;Y)には、レバーソレノイドの動作データを設定する(ステップY957)。これにより、レバーソレノイド制御ポインタ領域にデータが設定されるとともに、レバーソレノイド制御タイマがクリアされる。一方、レバーソレノイド動作ラウンドでない場合(ステップY956;N)には、レバーソレノイドの停止データを設定する(ステップY958)。
その後、処理番号として4を設定し(ステップY959)、特図1の大当りであるか判定する(ステップY960)。そして、特図1の大当りである場合(ステップY960;Y)には、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY961)、大入賞口開放時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY962)。一方、特図1の大当りでない場合(ステップY960;N)、すなわち特図2の大当りである場合には、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY963)、大入賞口開放時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY964)。
そして、上大入賞口の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY965)。ここでは特別電動役物1作動中信号をONに設定する。次に、第1特別変動入賞装置38の開閉部材を開放するために大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブし(ステップY966)、大入賞口への入賞数を計数する大入賞口カウント数をクリアして(ステップY967)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
本実施形態では、例えば図6及び図7に示すように、大当りに基づく特別遊技状態(第1特別遊技状態)においては、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)のみが開放し、小当りに基づく特別遊技状態(第2特別遊技状態)においては、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)のみが開放するが、これに限定されない。例えば、第1特別遊技状態における開閉態様は、1ラウンド目は上大入賞口が開放し、2ラウンド目以降は下大入賞口が開放するような態様であって良い。
〔特図1大当り終了処理〕
図48には、上述の特図1ゲーム処理における特図1大当り終了処理(ステップY115)を示した。この特図1大当り終了処理では、まず、時間短縮判定データによるサブルーチンコールを行う(ステップY1101)。ステップY1101にて時間短縮判定データが時短なしの場合には、大当り終了設定処理1(ステップY1102)を行い、ステップY1101にて時間短縮判定データが時短ありの場合には、大当り終了設定処理2(ステップY1103)を行う。
次いで、特定領域通過情報があるか判定する(ステップY1104)。本実施形態では、特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入した際に特定領域通過フラグがセットされ、この特定領域通過フラグがセットされている場合に、特定領域通過情報があると判定する。特定領域通過情報がない場合(ステップY1104;N)には、ステップY1106へ移行する。一方、特定領域通過情報がある場合(ステップY1104;Y)には、大当り終了設定処理3(ステップY1105)を行う。そして、停電復旧時送信コマンド領域から確率情報コマンドをロードし(ステップY1106)、通常大当り(本実施形態の場合、10R通常大当り)に基づく特別遊技状態における特定領域(確変作動領域)への遊技球の流入である特定領域イレギュラー通過であるか判定する(ステップY1107)。
特定領域イレギュラー通過でない場合(ステップY1107;N)には、ステップY1109へ移行する。一方、特定領域イレギュラー通過である場合(ステップY1107;Y)には、確率情報コマンドにイレギュラー確変情報を上乗せして(ステップY1108)、演出コマンド設定処理(ステップY1109)を行う。ステップY1109の処理によって、確率情報コマンドが演出制御装置300に送信される。ここで送信される確率情報コマンドとしては、「高確率・時短あり」、「低確率・時短あり」、「低確率・時短なし」の何れかに演出モードの情報が含まれた複数のコマンドがあり、確変作動領域イレギュラー通過の場合はイレギュラー確変情報が上乗せされる。
次に、処理番号として特図1普段処理に係る「0」を設定し(ステップY1110)、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1111)。次に、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1112)。ここでは、大当り1信号及び大当り3信号をOFFに設定する。そして、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1113)。ここでは、条件装置作動中信号、役物連続作動装置作動中信号、特別図柄1当り信号及び特別図柄2当り信号をOFFに設定する。
次に、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1114)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップY1115)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1116)。なお、特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。そして、特図2ゲームウェイト時間値(例えば8m秒)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1117)、特図1大当り終了処理を終了する。
この特図1大当り終了処理を行うことで特図1及び特図2の何れについても特図変動表示ゲームを開始可能となるが、タイマ割込み処理においては特図1ゲーム処理の後に特図2ゲーム処理を行うため、特図1大当り終了処理を行ったタイマ割込みで特図2ゲーム処理において特図変動表示ゲームを開始する処理が行われて特図1変動表示ゲームよりも特図2変動表示ゲームの方が先に開始可能となってしまう。そこで、ステップY1117において特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブすることで、特図2変動表示ゲームについての開始処理を次回のタイマ割込み処理まで遅らせるようにし、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同一のタイマ割込みで処理されるようにしている。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に、第1変動表示ゲーム実行制御手段が第1変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能となるまで、第2変動表示ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能な状態としないようにするゲーム処理待機手段をなす。
〔特図2大当り終了処理〕
図49には、上述の特図2ゲーム処理における特図2大当り終了処理(ステップY148)を示した。特図2大当り終了処理は、上述の特図1大当り処理でのステップY1109を行わない以外は同等の処理である。この特図2大当り終了処理では、まず、時間短縮判定データによるサブルーチンコールを行う(ステップY1131)。ステップY1131にて時間短縮判定データが時短なしの場合には、大当り終了設定処理1(ステップY1132)を行い、ステップY1131にて時間短縮判定データが時短ありの場合には、大当り終了設定処理2(ステップY1133)を行う。
次いで、特定領域通過情報があるか判定し(ステップY1134)、特定領域通過情報がない場合(ステップY1134;N)には、ステップY1136へ移行する。一方、特定領域通過情報がある場合(ステップY1134;Y)には、大当り終了設定処理3(ステップY1135)を行う。そして、停電復旧時送信コマンド領域から確率情報コマンドをロードし(ステップY1136)、通常大当り(本実施形態の場合、10R通常大当り)に基づく特別遊技状態における特定領域(確変作動領域)への遊技球の流入である特定領域イレギュラー通過であるか判定する(ステップY1137)。
特定領域イレギュラー通過でない場合(ステップY1137;N)には、ステップY1139へ移行する。一方、特定領域イレギュラー通過である場合(ステップY1137;Y)には、確率情報コマンドにイレギュラー確変情報を上乗せして(ステップY1138)、演出コマンド設定処理(ステップY1139)を行う。ステップY1139の処理によって、確率情報コマンドが演出制御装置300に送信される。ここで送信される確率情報コマンドとしては、「高確率・時短あり」、「低確率・時短あり」、「低確率・時短なし」の何れかに演出モードの情報が含まれた複数のコマンドがあり、確変作動領域イレギュラー通過の場合はイレギュラー確変情報が上乗せされる。
次に、処理番号として特図2普段処理に係る「0」を設定し(ステップY1140)、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1141)。次に、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1143)。ここでは、大当り1信号及び大当り3信号をOFFに設定する。そして、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1143)。ここでは、条件装置作動中信号、役物連続作動装置作動中信号、特別図柄1当り信号及び特別図柄2当り信号をOFFに設定する。
次に、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1144)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1145)、特図ステータス領域をクリアして(ステップY1146)、特図2大当り終了処理を終了する。なお、特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
〔大当り終了設定処理1〕
図50(a)には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大当り終了設定処理1(ステップY1102,1132)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、時短なしの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1151)。ここでは、大当り2信号をOFFに設定する。この時点では、データの設定のみで出力はされない。
次に、時短なしの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1152)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号、特別図柄2変動時間短縮状態信号、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号をOFFに設定する。
その後、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップY1153)、普図ゲームモードフラグ領域に普図時短なしフラグをセーブする(ステップY1154)。次いで、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率及び時短なしフラグをセーブし(ステップY1155)、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための時間短縮変動回数領域を0クリアする(ステップY1156)。
次に、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1157)。ここでは発射位置指定信号1をOFFに設定する。次いで、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップY1158)。これにより第1遊技状態表示部56が消灯状態となり、左打ちを指示する表示となる。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップY1159)、大当り終了設定処理1を終了する。この処理により、通常遊技状態となる。
〔大当り終了設定処理2〕
図50(b)には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大当り終了設定処理2(ステップY1103,1133)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1161)。ここでは、大当り2信号をONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中もONとなっており、これを継続するようにしている。
次に、時短ありの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1162)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号、特別図柄2変動時間短縮状態信号、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号をONに設定する。
その後、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(ステップY1163)、普図ゲームモードフラグ領域に普図時短ありフラグをセーブする(ステップY1164)。次いで、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率及び時短ありフラグをセーブし(ステップY1165)、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための時間短縮変動回数領域に初期値をセーブする(ステップY1166)。本実施形態の場合、サポート回数が100回であるため、ステップY1166では初期値として100がセーブされる。
そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブして(ステップY1167)、大当り終了設定処理2を終了する。この処理により、特図低確率の第2特定遊技状態となる。なお、本実施形態の場合、時短状態中は右打ちモードであるが、大当り中から右打ちモードが設定されているので、大当り終了設定処理2では右打ちに関する設定を行わない。
〔大当り終了設定処理3〕
図51には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大当り終了設定処理3(ステップY1105,Y1135)を示した。この大当り終了設定処理3では、まず、特図時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1171)。ここでは、大当り2信号をONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中もONとなっており、これを継続するようにしている。
次に、高確率&時短ありの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1172)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号をONに設定する。その後、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(ステップY1173)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率及び時短ありフラグをセーブする(ステップY1174)。
次に、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1175)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。次いで、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY1176)。これにより第1遊技状態表示部56が点灯状態となり、右打ちを指示する表示となる。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブして(ステップY1177)、大当り終了設定処理3を終了する。この処理により、高確率状態となる。すなわち、大当り終了設定処理1の後に大当り終了設定処理3を実行することで、第1特定遊技状態となり、大当り終了設定処理2の後に大当り終了設定処理3を実行することで、特図高確率の第2特定遊技状態となる。
以上の処理により、第1特別遊技状態の終了後に高確率状態である特定遊技状態が設定可能となる。すなわち、遊技制御装置100が、特変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率を通常状態よりも高めた特定遊技状態(第1特定遊技状態ST2、特図高確率の第2特定遊技状態ST3)を発生可能な特定遊技状態発生手段をなす。
〔小当りファンファーレ中処理〕
図52には、上述の特図2ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステップY149)を示した。この小当りファンファーレ中処理では、まず、下大入賞口開放の小当り開放中コマンドを準備し(ステップY1201)、演出コマンド設定処理(ステップY1202)を行う。次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1203)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1204)。
次いで、小当り開放時間(例えば1600m秒)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1205)、小当り動作の開始に関する信号(特別電動役物2作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1206)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1207)、大入賞口への入賞数を計数する大入賞口カウント数領域をクリアして(ステップY1208)、小当りファンファーレ中処理を終了する。
〔特図2小当り終了処理〕
図53には、上述の特図2ゲーム処理における特図2小当り終了処理(ステップY152)を示した。この特図2小当り終了処理では、まず、処理番号として特図2普段処理にかかる0を設定し(ステップY1331)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1332)。
次に、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1333)。ここでは、特別図柄2小当り信号をOFFに設定する。そして、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1334)、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブして(ステップY1335)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1336)。特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
次に、特図低確率&時短なし中(通常遊技状態中)であるか判定し(ステップY1337)、特図低確率&時短なし中でない場合(ステップY1337;N)には、ステップY1340へ移行する。また、特図低確率&時短なし中である場合(ステップY1337;Y)には、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1338)。ここでは、発射位置指定信号1をOFFに設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップY1339)、特図1変動表示ゲームが中断中であるか判定する(ステップY1340)。
そして、特図1変動表示ゲームが中断中でない場合(ステップY1340;N)には、特図1ゲーム中断フラグ領域をクリアし(ステップY1343)、特図2小当り終了処理を終了する。一方、特図1変動表示ゲームが中断中である場合(ステップY1340;Y)には、飾り特図1再開コマンドを準備し(ステップY1341)、演出コマンド設定処理(ステップY1342)を行う。その後、特図1ゲーム中断フラグ領域をクリアして(ステップY1343)、特図2小当り終了処理を終了する。これにより、特図1変動表示ゲームでの小当りに基づく特別遊技状態の終了に伴い、中断されていた特図2変動表示ゲームが再開されるようになる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)のいずれか一方の変動表示ゲーム実行制御手段によって一方の変動表示ゲームの実行制御を行っている場合に、他方の変動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている他方の変動表示ゲームが特別結果となった場合に、一方の変動表示ゲームを中断し、他方の変動表示ゲームに基づく特別遊技状態が終了したのちに中断していた一方の変動表示ゲームを再開する再開制御を実行可能な再開制御手段をなす。
〔普図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップX114)の詳細について説明する。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
図54に示すように、普図ゲーム処理では、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行い、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。次に、普図ゲーム処理タイマが「0」でなければ-1更新する(ステップB3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、普図ゲーム処理タイマの値が「0」となったかを判定する(ステップB4)。
普図ゲーム処理タイマの値が「0」である(ステップB4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていたと判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに準備し(ステップB5)、普図ゲーム処理番号をロードして準備して(ステップB6)、2バイトデータ取得処理を行う(ステップB7)。これにより、普図ゲームシーケンス分岐テーブルから普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し、普図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップB8)。
ステップB8にて、普図ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB9)を行う。
また、ステップB8にて、普図ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB10)を行う。
また、ステップB8にて、普図ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB11)を行う。
また、ステップB8にて、普図ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB12)を行う。
また、ステップB8にて、普図ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB13)を行う。
また、ステップB8にて、普図ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB14)を行う。
その後、普図表示器による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備した後(ステップB15)、普図表示部58による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB16)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマの値が「0」でない(ステップB4;N)、すなわちタイムアップしていないと判定すると、ステップB15の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB11)の詳細について説明する。図55に示すように、普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(ステップB501)、RWMの当りフラグ領域をクリアして(ステップB502)、ロードされた当りフラグが当り情報かを判定する(ステップB503)。
当りフラグが当り情報でない場合(ステップB503;N)は、処理番号として普図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップB520)、当該処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB521)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB522)、普図表示中処理を終了する。
一方、当りフラグが当り情報である場合(ステップB503;Y)は、当り中処理設定テーブルを準備し(ステップB504)、普図停止図柄情報をロードして準備して(ステップB505)、2バイトデータ取得処理を行う(ステップB506)。これにより、当り中処理設定テーブルから普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタ値及び当り終了ポインタ値が取得される。
そして、取得した当り開始ポインタの値(例えば、「0」又は「5」)を、普図当り中制御ポインタ領域にセーブし(ステップB507)、取得した当り終了ポインタの値(例えば、「4」又は「7」)を、普図当り終了ポインタ領域にセーブする(ステップB508)。次いで、普電開放時間テーブルを準備し(ステップB509)、普図停止図柄情報をロードして準備して(ステップB510)、2バイトデータ取得処理を行う(ステップB511)。これにより、普電開放時間テーブルから普図停止図柄情報に対応する普電開放時間が取得される。そして、取得した普電開放時間(例えば、1700m秒又は2600m秒)を、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB512)。
次いで、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(ステップB513)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB514)。その後、普図変動表示ゲームの当りの開始に関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をON)と、普電作動開始に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB515)、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップB516)。
さらに、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアして(ステップB517)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(ステップB518)。そして、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグ(不正監視期間外フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB519)、普図表示中処理を終了する。
〔2バイトデータ取得処理〕
図56には、上述の特図1ゲーム処理、特図2ゲーム処理、ファンファーレ/インターバル中処理、普図ゲーム処理及び普図表示中処理における2バイトデータ取得処理(ステップY107、Y140、Y944、B7、B506、B511)を示した。この2バイトデータ取得処理では、まず、ポインタとして入力したレジスタの値を2倍し(ステップY971)、基準アドレスとして入力したレジスタに算出後の値を加算する(ステップY972)。そして、加算後のアドレスから2バイト分のデータを取得し(ステップY973)、2バイトデータ取得処理を終了する。
〔図柄変動制御処理〕
図57には、上述の特図1ゲーム処理、特図2ゲーム処理及び普図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップY117、Y154、B16)を示した。図柄変動制御処理は、特図1表示器51や特図2表示器52、普図表示部58での特別図柄の変動の制御と特別図柄の表示データの設定を行う処理である。この図柄変動制御処理では、まず、制御対象の図柄(特図1、特図2又は普図)の変動制御フラグのアドレスを取得し(ステップY1401)、制御対象の図柄が変動中であるかをチェックする(ステップY1402)。
そして、変動制御フラグが変動中である場合(ステップY1403;Y)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得し(ステップY1404)、制御対象の図柄に係る点滅制御タイマ領域を準備し(ステップY1405)、制御対象の図柄に係る点滅制御タイマを-1更新するために1バイト減算処理を行って(ステップY1406)、当該タイマの値が0、すなわちタイムアップしたかを判定する(ステップY1407)。
点滅制御タイマの値が0でない場合(ステップY1407;N)は、ステップY1412に移行する。また、点滅制御タイマの値が0である場合(ステップY1407;Y)は、点滅制御タイマ初期値(ここでは100ms)を制御対象の点滅制御タイマ領域にセーブし(ステップY1408)、制御対象の図柄に係る変動図柄番号領域を準備して(ステップY1409)、変動図柄番号上限判定値(特図・普図で共通)を準備する(ステップY1410)。そして、制御対象の図柄に係る変動図柄番号を+1更新するために1バイト加算処理を行い(ステップY1411)、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップY1412)。その後、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップY1415)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、変動制御フラグが変動中でない場合(ステップY1403;N)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(ステップY1413)。そして、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(ステップY1414)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップY1415)、図柄変動制御処理を終了する。これにより、特図1表示器51、特図2表示器52及び普図表示部58のうち、制御対象となる特図表示器又は普図表示部58に図柄番号に対応した特図又は普図が表示されることとなる。
〔1バイト減算処理〕
図58には、上述の図柄変動制御処理における1バイト減算処理(ステップY1406)を示した。この1バイト減算処理では、まず、対象の領域の内容が0であるかを判定し(ステップY1421)、0である場合(ステップY1421;Y)は1バイト減算処理を終了する。また、0でない場合(ステップY1421;N)は、対象の領域の内容を-1更新して(ステップY1422)、1バイト減算処理を終了する。
〔1バイト加算処理〕
図59には、上述の図柄変動制御処理における1バイト加算処理(ステップY1411)を示した。この1バイト加算処理では、まず、対象の領域の内容をロードし(ステップY1431)、ロードした値を+1更新して(ステップY1432)、更新値が上限判定値よりも小さいかを判定する(ステップY1433)。
更新値が上限判定値よりも小さい場合(ステップY1433;Y)は、対象の領域に更新値をセーブして(ステップY1435)、1バイト加算処理を終了する。また、更新値が上限判定値よりも小さくない場合(ステップY1433;N)は、更新値として0を設定し(ステップY1434)、対象の領域に更新値をセーブして(ステップY1435)、1バイト加算処理を終了する。
〔演出コマンド設定処理〕
次に、タイマ割込み処理中に実行される各処理における演出コマンド設定処理の詳細について説明する。図60に示すように、演出コマンド設定処理では、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップX601)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるかを判定する(ステップX602)。演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップX602;Y)は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む処理(ステップX601)に戻る。また、演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップX602;N)は、コマンドデータ(MODE)を演出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップX603)。
次いで、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップX604)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるかを判定する(ステップX605)。演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップX605;Y)は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む処理(ステップX604)に戻る。また、演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップX605;N)は、コマンドデータ(ACTION)を演出用シリアル送信バッファに書き込んで(ステップX606)、演出コマンド設定処理を終了する。
なお、上述の例では、特別結果が導出された後に普図始動ゲート34を遊技球が通過することを特別遊技状態の開始条件としていたが、変形例として特別結果の導出のみを特別遊技状態の開始条件としても良い。この場合は、図61から図64の処理を行う。
〔特図1表示中処理〕
図42に示した特図1表示中処理に替えて図61に示す特図1表示中処理を行う。この特図1表示中処理では、特図1が大当りである場合(ステップY753;Y)に、図46に示したファンファーレ/インターバル中処理で行っていたステップY942からY946の処理を行う。また、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号を試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップY754)では、条件装置作動中信号をON及び特別図柄1当り信号をONにすることに加えて、役物連続作動装置作動中信号をONにする。
〔特図2表示中処理〕
図43に示した特図1表示中処理に替えて図62に示す特図2表示中処理を行う。この特図2表示中処理では、特図2が大当りである場合(ステップY815;Y)に、図46に示したファンファーレ/インターバル中処理で行っていたステップY942からY946の処理を行う。また、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号を試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップY816)では、条件装置作動中信号をON及び特別図柄2当り信号をONにすることに加えて、役物連続作動装置作動中信号をONにする。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理〕
図63には、図61に示した特図1表示中処理及び図62に示した特図2表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY764、Y826)を示した。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理では、まず、大当り(第1特別遊技状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY871)。ここでは大当り又は小当りで出力する大当り1信号をONに設定する。次に高確率状態と時短状態(特別図柄の変動時間短縮状態)の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY872)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、普通電動役物1開放延長状態信号をOFFに設定する。
その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップY873)、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブして(ステップY874)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率、時短なしフラグをセーブする(ステップY875)。
そして、普図ゲームモードフラグ領域に普図時短なしフラグをセーブし(ステップY876)、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップY877)、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時間短縮変動回数領域をクリアする(ステップY878)。これにより高確率状態及び時短動作状態が終了し、通常確率状態かつ通常動作状態となる。
次に、特図ステータス領域に大当り中情報をセーブし(ステップY879)、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY880)、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY881)。その後、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY882)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY883)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理を終了する。
なお、図42に示した特図1表示中処理及び図43に示した特図2表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY764、Y826)でもステップY871からY882の処理は行っている。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
図46に示したファンファーレ/インターバル中処理に替えて図64に示すファンファーレ/インターバル中処理を行う。このファンファーレ/インターバル中処理では、ステップY940からY949の処理は行わない。これらの処理は図61から図63の処理で行われる。
図65には、遊技制御装置100の遊技用マイコン111に設けられたROM111Bのデータ構造の一例を示した。図65に示すようにROM111Bには、先頭から順に、遊技制御用プログラムエリア111Ba、第1未使用エリア11Bb、遊技制御用データエリア111Bc、第2未使用領域111Bd、性能表示用プログラム及び性能表示用データエリア111Be、第3未使用領域111Bf及びプログラム管理エリア111Bgが設けられている。
遊技制御用プログラムエリア111Baには、上述のメイン処理やタイマ割込み処理などの遊技制御に用いられる遊技制御用プログラムを格納する領域が設けられ、遊技制御用データエリア111Bcには大当り判定の際に使用する上限判定値テーブルが格納される上限判定値テーブル領域などの遊技制御用プログラムが使用する遊技制御用データが格納される領域が設けられている。遊技制御用プログラムは第1プログラムをなし、遊技制御用データは第1データをなすものであって、これらのエリアは第1記憶領域をなすものである。なお、遊技制御用プログラムエリア111Baと遊技制御用データエリア111Bcの間にある第1未使用エリア11Bbを第1記憶領域に含めても良い。
性能表示用プログラム及び性能表示用データエリア111Beには、ベース値や役物比率を算出して性能表示装置153に表示するために必要な後述するプログラムやデータを格納する領域が設けられている。性能表示用プログラムは第2プログラムをなし、性能表示用データは第2データをなすものであって、これらのエリアは第2記憶領域をなすものである。
プログラム管理エリア111Bgには、CALLV命令のサブルーチンの先頭アドレスやタイマ割込処理の先頭アドレスを設定するテーブルが格納されるベクタテーブル領域や、遊技用マイコン111の内部機能をハードウェア的に設定するためのパラメータが格納されるHW(ハードウェア)パラメータ領域、機種名やメーカー名などが格納された領域などが設けられている。このプログラム管理エリア111Bgの情報は遊技制御用プログラムが使用する。
以上のようにROM111Bには、遊技制御装置100が使用するプログラムやデータが記憶されている。すなわちROM111Bが、遊技制御装置100が使用するプログラムやデータを記憶した第1記憶手段をなす。
図66には遊技制御装置100の遊技用マイコン111に設けられたRAM111Cのデータ構造の一例を示した。図66に示すようにRAM111Cには、先頭から順に、遊技制御用プログラムの作業領域をなす遊技制御用ワーク領域111Ca、遊技制御用スタック領域111Cb、未使用領域111Cc、性能表示用プログラムの作業領域をなす性能表示用ワーク領域111Cd、性能表示用スタック領域111Ceが設けられている。なお、性能表示用スタック領域の後に未使用領域が設けられていても良い。
遊技制御用ワーク領域111Caには、先頭から順に確率値設定値を格納する確率設定値領域、停電発生時に停電検査領域チェックデータ1を格納する停電検査領域1、確率設定値の変更モード中である場合に確率設定変更中フラグを格納する確率設定モードフラグ領域が設けられている。また、この他にも、例えば各種乱数の初期値を格納する初期値乱数領域、変動パターン乱数を格納する変動パターン乱数領域などの遊技制御に関する情報を格納する領域が設けられている。
さらに、ベース値の算出を行うために特別遊技状態や特定遊技状態でない状態であることを示す通常ベース状態判定フラグを格納する通常ベース状態判定フラグ領域、性能表示装置153における電源投入時の初期表示を設定するための初期表示設定フラグを格納する初期表示設定フラグ領域が設けられている。また、停電発生時に停電検査領域チェックデータ2を格納する停電検査領域2、停電発生時にチェックサムデータを格納するチェックサム領域が設けられている。この遊技制御用ワーク領域111Caが、第1プログラムをなす遊技制御用プログラムの作業領域である第1作業領域をなす。なお、第1作業領域として遊技制御用スタック領域111Cbも含むようにしても良い。
性能表示用ワーク領域111Cdには、先頭から順に、特別遊技状態と特定遊技状態のいずれでもない通常遊技状態において獲得した賞球数を計数する通常賞球数カウンタ領域と、通常遊技状態で遊技領域32から排出された遊技球数を計数する通常アウトカウンタ領域と、遊技状態にかかわらず遊技領域32から排出された遊技球数を計数する総アウトカウンタ領域と、が設けられている。
さらに、左右に並んだ4つの7セグ表示器からなる性能表示装置153における各7セグ表示器の表示データを格納する領域として、1桁目~4桁目出力データ領域の4つの出力データ領域が設けられている。左右に並んだ4つの7セグ表示器は右から順に1桁目、2桁目、3桁目、4桁目となっている。また、この他にスタックポインタ格納領域が設けられている。この性能表示用ワーク領域111Cdが、第2プログラムをなす性能表示用プログラムの作業領域である第2作業領域をなす。なお、第2作業領域として性能表示用スタック領域111Ceも含むようにしても良い。
以上のようにRAM111Cには、遊技制御装置100が使用するプログラムの作業領域が設けられている。すなわち、RAM111Cが、遊技制御装置100が使用するプログラムの作業領域を提供する第2記憶手段をなす。
図67にはデータの読み書きを模式的に示した。原則として第1作業領域111Caは、第1記憶領域111Baの第1プログラム(遊技制御用プログラム)により読み書きされる。また、第2作業領域111Cdは、第2記憶領域111Beの第2プログラム(性能表示用プログラム)により読み書きされる。また、第1作業領域111Caには第2プログラムから読み出しされる領域が存在し、第2作業領域には第1プログラムから読み出しされる領域が存在する。
第1作業領域111Caには、第1プログラムによってのみ読み書きされる第1専用領域111Ca1と、第1プログラムによって少なくとも書き込まれ、第2プログラムにより読み出される第1共通領域111Ca2が存在する。なお、第1共通領域111Ca2については第1プログラムも読み出すようにしても良い。第1共通領域111Ca2としては、通常ベース状態判定フラグ領域や初期表示設定フラグ領域、大入賞口不正の発生中や普電不正の発生中であることを示すフラグを格納する領域が挙げられ、第1専用領域111Ca1としては、これら以外の第1作業領域の領域が挙げられる。
第1共通領域111Ca2をなす通常ベース状態判定フラグ領域については、第1プログラムがフラグをセーブする際に当該通常ベース状態判定フラグ領域の状態を確認しないので、第1プログラムは書き込むのみであり、第2プログラムは読み出すのみで書き込みを行わない。また、第1共通領域111Ca2をなす初期表示設定フラグ領域、大入賞口不正の発生中や普電不正の発生中であることを示すフラグを格納する領域は、第1プログラムがフラグをセーブする際に、当該領域の状態を読み出して、未設定であればフラグをセーブする。すなわち、第1プログラムは読み書きを行い、第2プログラムは読み出すのみで書き込みは行わない。なお、初期表示設定フラグ領域、大入賞口不正の発生中や普電不正の発生中であることを示すフラグを格納する領域については、第1プログラムがフラグをセーブする際に、当該初期表示設定フラグ領域の状態を読み出さずに書き込むようにしても良い。
第2作業領域111Cdには、第2プログラムによってのみ読み書きされる第2専用領域111Cd1と、第2プログラムによって書き込まれ、第1プログラムにより読み出される第2共通領域111Cd2が存在する。なお、第2共通領域111Cd2については第2プログラムも読み出すようにしても良い。第2共通領域111Cd2としては、1桁目出力データ領域、2桁目出力データ領域、3桁目出力データ領域及び4桁目出力データ領域があり、第2専用領域111Cd1としては、これら以外の第2作業領域の領域が挙げられる。第2共通領域111Cd2をなす1桁目出力データ領域、2桁目出力データ領域、3桁目出力データ領域及び4桁目出力データ領域については、第2プログラムが情報をセーブする際に当該領域の状態を確認しないので第2プログラムは書き込むのみである。また、第1プログラムは読み出すのみで書き込みを行わない。
以上のように遊技制御用プログラムやデータと、性能表示用プログラムやデータと、について、ROM111Bにおける格納領域やRAM111Cにおける作業領域を分けるようにしたことで、開発の効率を高めることができる。特に、遊技制御用プログラムについては機種ごとに異なるものであるが、性能表示用プログラムは各機種で共通のプログラム又は共通のアルゴリズムを持つプログラムであるので、これらを分離して記憶しておくことで開発の過程において改変を加える部分と加えない部分が明確となり、開発の効率を高めることができる。また、RAM111Cについても性能表示用プログラムに対応する領域を分けておくことで、開発の過程で遊技制御用プログラムについて使用可能な領域が明確となり、開発の効率を高めることができる。また、作業領域に対応するプログラムのみが使用する専用領域と、作業領域に対応しないプログラムも使用する共通領域とを分けて設けたことで、他のプログラムから参照される領域が明確となり、開発の効率を高めることができる。
なお、遊技制御用プログラムと性能表示用プログラムの双方からアクセスされる第1共通領域111Ca2や第2共通領域111Cd2は、情報を書き込む側のプログラムに対応する作業領域に設けるようにしたが、情報を読み出す側のプログラムに対応する作業領域に設けるようにしても良い。また、ここでは遊技制御装置100のROM111BとRAM111Cを例として挙げたが、演出制御装置300やその他の制御装置でも同様に領域を区分けして設定することが可能である。また、遊技制御用プログラムと性能表示用プログラムとにより領域を分けるようにしたがこれに限られるものではなく、開発の過程で変更されないプログラムと、開発の過程で変更されるプログラムとで領域を分けるようにしても良い。
〔性能表示モニタ制御処理〕
図68には、図11に示したタイマ割込み処理における性能表示モニタ制御処理(ステップX122)を示した。この性能表示モニタ制御処理は性能表示用プログラムの一つをなすものである。この性能表示モニタ制御処理では、まず、スタックポインタを性能表示用ワークに設けられたスタックポインタ格納領域にセーブし(ステップX201)、スタックポインタに性能表示制御用の初期値を設定する(ステップX202)。
次に、全レジスタ(レジスタバンク0と1の両方)を性能表示用スタック領域に退避し(ステップX203)、RAM111Cの性能表示用ワーク領域のチェックをする第2ワークRAMチェック処理を行う(ステップX204)。第2ワークRAMチェック処理では、性能表示用ワーク領域に異常が発見された場合に性能表示用ワーク領域を0クリアし、0以外の初期値が必要な領域に初期値を設定する。なお、スタックポインタ格納領域と性能表示用スタック領域は0クリアしない。
その後、電源投入時における性能表示装置の表示を行うための初期表示タイマ更新処理を行い(ステップX205)、第1ワーク(遊技制御用ワーク領域)のスイッチ検出情報を第2ワーク(性能表示用ワーク領域)にコピーする。この処理では、入力ポートの情報(立ち上がりエッジ)をコピーする。この際、ベース値の算出に必要のないスイッチの情報は消去する。ベース値の算出に必要なスイッチとしては、一般入賞口351~354の入賞口スイッチ35a、35b、35c、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ38a、39a、始動入賞口36の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37の始動口2スイッチ37a及び遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するアウト球検出スイッチ32aが相当する。
次に、表示内容更新処理を行う(ステップX207)。表示内容更新処理では、性能表示装置に表示する表示態様を管理し、表示データを性能表示用ワーク領域の1~4桁目データ領域に設定する。そして、全レジスタを復帰し(ステップX208)、スタックポインタ格納領域の値をスタックポインタにロードして(ステップX209)、性能表示モニタ制御処理を終了する。
〔初期表示タイマ更新処理〕
図69には、図68に示した性能表示モニタ制御処理における初期表示タイマ更新処理(ステップX205)を示した。この初期表示タイマ更新処理は性能表示用プログラムの一つをなすものである。この初期表示タイマ更新処理では、まず、電源投入時にオンとされる初期表示設定フラグがオンであるかを判定する(ステップX221)。初期表示設定フラグは、第1プログラムである遊技制御用プログラムの作業領域をなす第1作業領域である遊技制御用ワークの初期表示設定フラグ領域に格納されている。よってこの処理は、第2プログラムである性能表示用プログラムが第1作業領域の情報を読み出す処理である。
初期表示設定フラグがオンでない場合(ステップX221;N)、すなわち、電源投入後における初めての初期表示タイマ更新処理の実行でない場合は、ステップX225に移行する。また、初期表示設定フラグがオンである場合(ステップX221;Y)、すなわち、電源投入後における初めての初期表示タイマ更新処理の実行である場合は、初期表示タイマ領域にタイマ初期値をセーブする(ステップX222)。ここでは4800msに相当する値をセーブする。次に、点滅制御タイマ領域にタイマ初期値をセーブする(ステップX223)。ここでは300msに相当する値をセーブする。
その後、点滅制御ポインタ領域に初期値をセーブし(ステップX224)、初期表示タイマが0でなければ-1更新をして(ステップX225)、初期表示タイマ更新処理を終了する。ここでは点滅制御ポインタの値として0と1が用意され、点滅制御タイマがタイムアップするごとに値が切り替えられる。点滅制御ポインタの値が0の場合は性能表示装置の全セグメントを点灯し、点滅制御ポインタの値が1の場合は性能表示装置の全セグメントを消灯する。これにより、4800msにわたり全点灯と全消灯を300msごとに繰り返す初期表示が行われることとなる。
〔性能表示編集処理〕
図70には、図10に示したメイン処理における性能表示編集処理(ステップX55)を示した。この性能表示編集処理は性能表示用プログラムの一つをなすものである。この性能表示編集処理では、まず、スタックポインタをスタックポインタ格納領域にセーブし(ステップX231)、スタックポインタに性能表示制御用の初期値を設定する(ステップX232)。次に、全レジスタを退避し(ステップX233)、RAM111Cの性能表示用ワーク領域のチェックをする第2ワークRAMチェック処理を行う(ステップX234)。
次に、管理区間の切り替わりタイミングであるかを判定する(ステップX235)。管理区間とは、ベース値を算出するための区間であり、ここでは遊技領域32から排出された遊技球数が60000個となるごとに区間を切り替えるようにしている。管理区間の切り替わりタイミングである場合(ステップX235;Y)は、区間切り替わり時の初期設定を行い(ステップX236)、ステップX240に移行する。
区間切り替わり時の初期設定では、特別遊技状態と特定遊技状態のいずれでもない通常遊技状態において獲得した賞球数を計数する通常賞球数カウンタ領域と、通常遊技状態で遊技領域から排出された遊技球数を計数する通常アウトカウンタ領域と、遊技状態にかかわらず遊技領域から排出された遊技球数を計数する総アウトカウンタ領域の値をクリアする。また、終了する区間において最後に算出されたベース値である区間最終データを、過去の区間についてのベース値を保管する領域にシフトする。過去の区間についてのベース値を保管する領域には、少なくとも直近の過去3回分の区間におけるベース値が時系列にそって保管されており、新たに保管するベース値は直近に終了した区間のベース値を保管する領域に保管されるとともに、すでに記憶されているベース値は順次一つずつ古い領域へシフトされるようになっている。
一方、管理区間の切り替わりタイミングでない場合(ステップX235;N)は、監視対象スイッチのいずれかに入力があるかを判定する(ステップX237)。監視対象のスイッチはベース値の算出に必要なスイッチであり、ここでは一般入賞口351~354の入賞口スイッチ35a、35b、35c、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ38a、39a、始動入賞口36の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37の始動口2スイッチ37a及び遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するアウト球検出スイッチ32aが相当する。
これらのスイッチの入力情報は、性能表示モニタ制御処理(図68参照)におけるステップX206で性能表示用ワーク領域にコピーされた情報を用いる。これは、性能表示編集処理がメイン処理のループ処理で行われるのでタイマ割込み処理よりも早い周期で行われるため、タイマ割込み処理において制御に用いるスイッチの入力情報を直接使用すると、一の入力情報を複数回カウントしてしまうおそれがあるからである。
そして、監視対象スイッチのいずれかに入力がある場合(ステップX237;Y)は、賞球加算判定処理を行い(ステップX238)、ステップX240に移行する。賞球加算判定処理では、入力があった入賞スイッチに対応する賞球数を通常賞球数カウンタに加算する。また、アウト球検出スイッチに入力があった場合は通常アウトカウンタ及び総アウトカウンタに加算する。
総アウトカウンタ以外のカウンタは、通常遊技状態かつ大入賞口不正の発生中や普電不正の発生中でない場合にのみ加算が行われる。総アウトカウンタへの加算は遊技状態に関わらず加算される。通常遊技状態であるかは、遊技制御用ワークに記憶された通常ベース状態情報を参照することで判定する。また、大入賞口不正の発生中や普電不正の発生中であるかは、遊技制御用ワークに記憶された対応する不正発生中であることを示すフラグを参照することで判定する。すなわち、遊技制御用ワークにおける通常ベース状態情報、大入賞口不正の発生中や普電不正の発生中を示す情報を格納する領域は、第2プログラムをなす性能表示用プログラムにより読み出される領域となる。
ここで、大入賞口不正は、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39のそれぞれにおいて、当該特別変動入賞装置が開放されていない状態における当該特別変動入賞装置への入賞数である第1異常入賞数を計数し、当該第1異常入賞数が所定数に達した場合に第1異常状態として大入賞口不正の発生中として、フラグがセットされるものである。また、普電不正は、普通変動入賞装置37が開放されていない状態における当該普通変動入賞装置37への入賞数である第2異常入賞数を計数し、当該第2異常入賞数が所定数に達した場合に第2異常状態として普電不正の発生中としてフラグがセットされるものである。
よって、特別変動入賞装置が閉鎖している状態で当該特別変動入賞装置への入賞があっても第1異常入賞数が所定数に達するまでは大入賞口不正ではなく通常ベース値の算出に使用可能である。また、普通変動入賞装置37が閉鎖している状態で当該普通変動入賞装置37への入賞があっても第2異常入賞数が所定数に達するまでは普電不正ではなく通常ベース値の算出に使用可能である。
また、1回の賞球加算判定処理では、1つのスイッチについての処理を行い、処理を行ったスイッチについての情報はクリアするようになっており、複数のスイッチについて順次処理が行われるようになっている。この賞球加算判定処理が行われる性能表示編集処理は、メイン処理におけるループ処理において行われるため、タイマ割込み処理の間隔において複数回実行される。この複数回は少なくとも賞球加算判定処理において監視するスイッチの数以上の回数となっている。
監視対象のスイッチのいずれかに入力がない場合(ステップX237;N)は、除算タスク処理を実行し(ステップX239)、全レジスタを復帰して(ステップX240)、スタックポインタ格納領域の値をスタックポインタにロードして(ステップX241)、性能表示編集処理を終了する。除算タスク処理では、以下の数式に従い通常ベース値を算出する。算出された値は小数点第1位を四捨五入する。
通常ベース値=(通常賞球数カウンタの値)÷(通常アウトカウンタの値)×100
算出されたベース値は、上述の性能表示モニタ制御処理(図68参照)の表示内容更新処理(ステップX207)において1~4桁目出力データ領域に設定されることで性能表示装置に表示されるようになる。
〔出力処理〕
図71には、図11に示したタイマ割込み処理における出力処理(ステップX105)を示した。この出力処理は遊技制御用プログラムの一つをなすものである。この出力処理では、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力する出力ポート135にオフデータを出力(リセット)する(ステップX271)。次に、普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド38b、39b、レバーソレノイド38fのデータを出力する出力ポート134に出力するデータを合成し、出力する(ステップX272)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新して(ステップX273)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(ステップX274)。本実施形態の場合、デジットカウンタの値は0から3の範囲で+1更新される。次いで、取得したデータと外部情報データを合成して(ステップX275)、合成したデータ(例えば、「扉・枠開放」のデータ、「セキュリティ信号」のデータ)をデジット・外部情報出力用の出力ポート136に出力する(ステップX276)。
その後、デジットカウンタの値に対応するRAM111C内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップX277)、ロードしたデータをセグメント出力用の出力ポート135に出力する(ステップX278)。本実施形態では、デジットカウンタの値が0の場合に、特図1表示器51のデジット線及びセグメント線が選択され、デジットカウンタの値が1の場合に、特図2表示器52のデジット線及びセグメント線が選択される。また、デジットカウンタの値が2の場合に、普図表示部58のデジット線及びセグメント線が選択され、デジットカウンタの値が3の場合に、特図1保留表示器53、特図2保留表示器54、普図保留表示部59、第1遊技状態表示部56、時短状態報知部60、確率表示部57、及びラウンド表示部55のデジット線及びセグメント線が選択される。これにより、一括表示装置50に設けられた複数の発光表示部がダイナミック制御によって制御されることとなる。
続いて、外部情報の各種出力データを合成し(ステップX279)、合成したデータ(例えば、「大当り信号1」のデータ、「大当り信号2」のデータ、「大当り信号3」のデータ、「大当り信号4」のデータ、「図柄確定回数信号」のデータ、「始動口信号」のデータ、「メイン賞球信号」のデータ)と発射許可の出力データを合成して(ステップX280)、合成したデータを外部情報・発射許可信号出力用の出力ポート137へ出力する(ステップX281)。
次に、電源投入時にオンとされる初期表示設定フラグがオンであるかを判定する(ステップX282)。初期表示設定フラグがオンである場合(ステップX282;Y)、すなわち、電源投入後における初めての出力処理の実行である場合は、性能表示装置の1~4桁目出力データをロードして出力する処理(ステップX283~X286)を行わずにステップX287へ移行する。この場合は、性能表示装置のデータが設定されていないためである。
また、初期表示設定フラグがオンでない場合(ステップX282;N)、すなわち、電源投入後における初めての出力処理の実行でない場合は、性能表示装置の1~4桁目出力データをロードして出力する処理(ステップX283~X286)を行う。これにより、性能表示装置の各桁の7セグ表示器に表示が行われる。性能表示装置の1~4桁目出力データは、上述の性能表示モニタ制御処理(図68参照)の表示内容更新処理(ステップX207)において1~4桁目出力データ領域に設定される。
すなわち、第2作業領域に設けられた1~4桁目出力データ領域は、第2プログラムである性能表示用プログラムにより書き込まれるとともに、第1プログラムをなす遊技制御用プログラムにより読み出される第2共通領域をなすものである。上述したように、性能表示モニタ制御処理はメイン処理におけるループ処理において行われるものであり、必ずしも実行間隔が一定ではないので、性能表示装置153をダイナミック制御するのに適さない。このため、タイマ割込み処理において行われる出力処理において性能表示モニタ制御処理で設定した表示データを読み込んで性能表示装置153の表示を制御するようにしている。
その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップX287)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップX288)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップX289)。さらに、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップX290)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力して(ステップX291)、出力処理を終了する。
なお、各デジット線に対応するセグメント線の出力データは、後述する処理においてRAM111C(RWM)内に設けられた各表示器用のセグメント領域に設定されるようになっている。具体的には、図27に示す特図ゲーム処理や図56に示す普図ゲーム処理における図柄変動制御処理(図54参照)や、図62に示すセグメントLED編集処理において設定される。一回のタイマ割込み処理においてはこれらの処理の全てが行われるため、RAM111Cにはデジットカウンタの値にかかわらず全てセグメント線に対応する出力データがセグメント領域に設定される。そして、このように設定されたセグメント線の出力データのうち、今回のデジットカウンタの値に応じたセグメント線の出力データが選択されて使用されるようになっている。
また、上述したようにRAM111Cは遊技機への電力の供給が停止されても記憶されたデータを保持することができるようにされている。そして、RAM111Cにおいてセグメント線の出力データを記憶するセグメント領域やデジットカウンタの値を記憶する領域は、遊技機への電力の供給が停止した際に実行されるチェックサム算出処理においてチェックサムの算出対象となる領域に含まれている。よって、遊技機への電力の供給が再開された際に行われる正当性の判定の対象とされる。これにより、停電から正常に遊技機が復旧した場合には停電発生時の状態から一括表示装置50の表示を再開可能となる。
図72(a)~(d)には、性能表示装置153における性能表示の表示方法の一例を示した。なお、ここでは、総アウトカウンタの値が所定値(ここでは60000)となるごとに区切られる区間がすでに3つ以上終了している状態であって、各区間の通常ベース値が記憶されている状態とする。
この性能表示装置153における表示では、図72(a)に示す現在の区間におけるリアルタイムの通常ベース値の表示、図72(b)に示す1回前の区間における通常ベース値の表示、図72(c)に示す2回前の区間における通常ベース値の表示、図72(d)に示す3回前の区間における通常ベース値の表示を5秒ごとに切り替えて表示するようになっている。なお、電源投入後の性能表示装置153の表示開始時には、ドットを含む全てのセグメントの全点灯と全消灯を300msごとに繰り返す初期表示を4800msにわたり行う。
図72(a)に示す現在の区間におけるリアルタイムの通常ベース値の表示では、現在の区間におけるリアルタイムの通常ベース値の表示であることを示す表示として、右から数えた3桁目と4桁目の7セグ表示器から構成される識別セグに「bL.」の表示を行う。そして、1桁目、2桁目の7セグ表示器から構成される比率セグにには、現在の区間におけるリアルタイムの通常ベース値を表示する。ここでは「35」が表示されている。なお、通常ベース値は以下の数式に従い算出され、算出された値は小数点第1位を四捨五入する。
通常ベース値=(通常賞球数カウンタの値)÷(通常アウトカウンタの値)×100
小数点第1位を四捨五入した後の数値が100以上の場合は比率セグには「99.」と表示する。また、通常アウトカウンタの値が0の場合は比率セグには「00」と表示する。
図72(b)に示す1回前の区間における通常ベース値の表示では、1回前の区間における通常ベース値の表示であることを示す表示として3桁目と4桁目の7セグ表示器から構成される識別セグに「b1.」の表示を行う。そして、1桁目、2桁目の7セグ表示器から構成される比率セグには、1回前の区間における通常ベース値を表示する。通常ベース値の算出と表示方法は図72(a)の場合と同様である。
図72(c)に示す2回前の区間における通常ベース値の表示では、2回前の区間における通常ベース値の表示であることを示す表示として識別セグに「b2.」の表示を行う。そして、比率セグには、2回前の区間における通常ベース値を表示する。通常ベース値の算出と表示方法は図72(a)の場合と同様である。図72(d)に示す3回前の区間における通常ベース値の表示では、3回前の区間における通常ベース値の表示であることを示す表示として識別セグに「b3.」の表示を行う。そして、比率セグには、3回前の区間における通常ベース値を表示する。通常ベース値の算出と表示方法は図72(a)の場合と同様である。
図73には、遊技機の初回電源投入からの性能表示の内容の一例を示した。図73(a)には、遊技機の初回電源投入からの区間の区切りを示した。なお、遊技機の初回電源投入とは、当該遊技機に初めて電源を投入した際の他、何らかの異常により性能表示用ワークの内容がリセットされた直後の状態を含む。
初回電源投入から開始される区間Aは、遊技状態にかかわらず遊技領域から排出された全遊技球数(アウト球及びセーフ球)の数が300個となると終了する。この区間Aでは、遊技機の検査や調整などで遊技球の発射や入賞口への入賞が行われることから正確なベース値が算出できないため、この期間の通常ベース値は評価の対象としない。
区間Aが終了すると新たな区間として区間Bが開始される。この区間Bは遊技状態にかかわらず遊技領域から排出された全遊技球数(アウト球及びセーフ球)の数が区間の開始から60000個となると終了する。区間Bが終了すると、当該区間Bでの全期間にわたる計数結果から算出された通常ベース値が保存され、新たな区間として区間Cが開始される。この区間Cは遊技状態にかかわらず遊技領域から排出された全遊技球数(アウト球及びセーフ球)の数が区間の開始から60000個となると終了する。以降、遊技状態にかかわらず遊技領域から排出された全遊技球数(アウト球及びセーフ球)の数が区間の開始から60000個となるごとに、終了する区間での通常ベース値を保存するとともに新たな区間を開始する。
図73(b)には、図73(a)に示した各区間での性能表示装置153における表示の一例を示した。現在の区間におけるリアルタイムの表示であるbL.では、区間Aである場合には識別セグに「bL.」を点滅表示し、比率セグに「――」と表示する。区間Aの値は評価の対象外であるため数値を表示しない。区間B以降である場合には、通常アウトカウンタの値が6000未満の場合は識別セグに「bL.」を点滅表示し、通常アウトカウンタの値が6000以上の場合は識別セグに「bL.」を点灯表示する。比率セグにはリアルタイムで計算した値が表示される。通常アウトカウンタの値が6000未満の場合は値の信頼度が低いためその旨を識別セグの点滅表示により示すようにしている。
1回前の区間における表示であるb1.、2回前の区間における表示であるb2.、3回前の区間における表示であるb3.については、区間Aの値を除き、それぞれ対応する値が記憶されていなければ識別セグに「b1.」、「b2.」又は「b3.」を点滅表示し、比率セグに「――」と表示する。また、それぞれ対応する値が記憶されていれば識別セグに「b1.」、「b2.」又は「b3.」を点灯表示して比率セグに値を表示する。ここで比率セグに表示される値は、対応する区間の最後に算出された通常ベース値である。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技に関する制御を行う制御手段(遊技制御装置100)を備え、制御手段は、当該制御手段が使用するプログラム及びデータを記憶した第1記憶手段(ROM111B)と、プログラムの作業領域を提供する第2記憶手段(RAM111C)と、を備え、第1記憶手段には、プログラムである第1プログラム及びデータである第1データが記憶される第1記憶領域111Baと、プログラムである第2プログラム及びデータである第2データが記憶される第2記憶領域111Beと、があり、第1記憶領域111Baと、第2記憶領域111Beとは、未使用領域111Bdを挟んで設定されており、第2記憶手段には、第1プログラムの作業領域である第1作業領域111Caと、第2プログラムの作業領域である第2作業領域111Cdと、があり、第1作業領域111Caと、第2作業領域111Cdとは、未使用領域111Ccを挟んで設定されており、第1作業領域には、第1プログラムにより読み書きされるが、第2プログラムからは読み書きされない第1専用領域111Ca1と、第1プログラムにより読み書きされるとともに、第2プログラムにより読み出すことが可能な第1共通領域111Ca2と、を備えることとなる。したがって、開発の過程でそれぞれのプログラムについて使用可能な領域が明確となり、開発の効率を高めることができる。
また、制御手段は、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)であり、第1プログラム及び第1データは、遊技の制御に関する遊技制御プログラム及びデータであり、第2プログラム及び第2データは、遊技機における遊技価値の収支に関する情報を表示するための性能表示プログラム及びデータであることとなる。したがって、遊技制御手段の開発の過程でそれぞれのプログラムについて使用可能な領域が明確となり、開発の効率を高めることができる。
また、第1作業領域には、第1プログラムにより読み書きされるが、第2プログラムからは読み書きされない専用領域111Ca1と、第1プログラムにより少なくとも書き込まれるとともに、第2プログラムにより読み出すことが可能な第1共通領域111Ca2と、を備え、第2作業領域には、第2プログラムにより読み書きされるが、第1プログラムからは読み書きされない第2専用領域111Cd1と、第2プログラムにより少なくとも書き込まれるとともに、第1プログラムにより読み出すことが可能な第2共通領域111Cd2と、を備えることとなる。したがって、遊技制御手段の開発の過程でそれぞれのプログラムについて使用可能な領域が明確となり、開発の効率を高めることができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)を備え、制御手段は、所定の処理を繰り返し行うループ処理と、所定時間ごとに実行されるタイマ割込み処理と、を行い、タイマ割込み処理において設定した情報を、ループ処理において使用するように構成され、ループ処理の周期を、タイマ割込み処理の周期よりも短くしたこととなる。したがって、タイマ割込み処理において設定した情報をループ処理において確実に取得でき、確実な制御処理が可能となる。
また、遊技球が流下可能な遊技領域32と、遊技領域32に設けられ、遊技球が入賞可能な入賞領域(一般入賞口351~354、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)と、を備え、入賞領域には、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球の入賞が容易な開状態と、に変換可能であり、入賞によりゲームの実行権利を発生可能な普通変動入賞装置37が含まれ、制御手段は、普通変動入賞装置37の動作状態を、第1動作状態と、該第1動作状態よりも入賞が容易な第2動作状態と、の何れかの動作状態で制御する普通変動入賞装置制御手段(遊技制御装置100)と、入賞領域への入賞に対して払い出された賞球数と、遊技領域32に発射された遊技球数とからベース値を算出するベース値算出手段(遊技制御装置100)と、を備え、タイマ割込み処理において、特別遊技状態であるかの情報と、第2動作状態であるかの情報と、入賞領域への入賞に基づく賞球数の情報と、遊技領域32に発射された遊技球数である発射数の情報と、を設定し、ベース値算出手段は、ループ処理において、タイマ割込み処理で設定された情報に基づき、特別遊技状態と第2動作状態のいずれでもない状態におけるベース値を算出するようにしたこととなる。したがって、タイマ割込み処理において設定した情報をループ処理において確実に取得でき、確実なベース値の算出が可能となる。
また、入賞領域には、特別遊技状態において開放されて入賞が可能となる特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)が含まれ、制御手段は、特別変動入賞装置が開放されていない状態における当該特別変動入賞装置への入賞数である第1異常入賞数を計数し、当該第1異常入賞数が所定数に達した場合に第1異常状態を設定し、普通変動入賞装置37が開放されていない状態における当該普通変動入賞装置37への入賞数である第2異常入賞数を計数し、当該第2異常入賞数が所定数に達した場合に第2異常状態を設定し、ベース値計数手段は、第1異常入賞数又は第2異常入賞数が所定数に達するまでは、第1異常入賞数又は第2異常入賞数が存在していても賞球数の情報と、発射数の情報と、をベース値の算出に使用可能とし、第1異常入賞数又は第2異常入賞数が所定数に達して第1異常状態又は第2異常状態となった状態である場合には、賞球数の情報と、発射数の情報と、をベース値の算出に使用しないようにすることとなる。したがって、確実なベース値の算出が可能となる。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、図74に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
〔メイン処理〕
図74に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定を受け付けるホール設定モード処理を行い(ステップC10)、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付ける遊技者設定モード処理を行う(ステップC11)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC12)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC13)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC14)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC15)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC16)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC16で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC16;N)には、ステップC16の処理を繰り返して行う。一方、ステップC16で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC16;Y)には、画面描画を指示する(ステップC17)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC18)、盤装飾装置46や枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC19)、盤演出装置44のモータやソレノイド、リール6の制御を行う可動体制御処理(ステップC20)を行い、報知部72やポイント報知部73、累積値報知部74などによる演出を制御する盤演出設定処理(ステップC21)を行って、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図75には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図76には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンド、入賞通知コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
〔変動系コマンド処理〕
図77には、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC236)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC361)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報であり、上述の図柄系コマンド処理のステップC251で設定される情報である。
この特図種別が未確定である場合(ステップC361;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC361;N)、すなわち特図種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(ステップC362)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC363)。
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC363;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC363;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC364)。図柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、16R大当り図柄、10R大当り図柄、小当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、16R大当り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC364)では、受信したコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理を行う(ステップC365)。
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC366)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンファーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼロでなければ先読み演出回数を-1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステップC367)、変動系コマンド処理を終了する。
次に、入賞に対応した演出について説明する。右側の遊技領域32へ遊技球を発射する右打ちをした際に入賞可能な入賞口のそれぞれについて、入賞に伴い表示装置41の対応する位置に賞球数を表示する賞球数表示を実行可能となっている。図78には表示装置41における賞球数表示の表示位置の一例を示した。なお、図78では説明のためにすべての賞球数表示を表示した状態を示したが、実際には入賞があった入賞口に対応する賞球数表示のみが入賞から所定期間だけ表示される。また、この賞球数表示は第1特定遊技状態ST2において表示される。
センターケース40の右上方に設けられた一般入賞口351への入賞があった場合には、当該一般入賞口351に近い表示位置41aに、当該一般入賞口351への入賞に基づく賞球数である3個に対応して賞球数表示を「+3」と表示する。センターケース40の右側方に設けられた第1特別変動入賞装置38への入賞があった場合には、当該第1特別変動入賞装置38に近い表示位置41bに、当該第1特別変動入賞装置38への入賞に基づく賞球数である15個に対応して賞球数表示を「+15」と表示する。
センターケース40の右側方に設けられた普通変動入賞装置37への入賞があった場合には、当該普通変動入賞装置37に近い表示位置41cに、当該普通変動入賞装置37への入賞に基づく賞球数である1個に対応して賞球数表示を「+12」と表示する。センターケース40の右下方に設けられた一般入賞口352への入賞があった場合には、当該一般入賞口352に近い表示位置41dに、当該一般入賞口352への入賞に基づく賞球数である3個に対応して賞球数表示を「+3」と表示する。センターケース40の右下方に設けられた第2特別変動入賞装置39への入賞があった場合には、当該第2特別変動入賞装置39に近い表示位置41eに、当該第2特別変動入賞装置39への入賞に基づく賞球数である15個に対応して賞球数表示を「+15」と表示する。
右側の遊技領域32にある一般入賞口351、一般入賞口352はそれぞれ入賞した遊技球を別のセンサで検出し、入賞通知コマンドも別のコマンドとなっている。よって、演出制御装置300ではいずれの一般入賞口に入賞したかを判別でき、対応した賞球数表示が可能となっている。また、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39及び普通変動入賞装置37についてもそれぞれ別のセンサで入賞を検出するとともに、別の入賞通知コマンドとなっており、演出制御装置300でいずれの入賞装置に入賞したかを判別でき、対応した賞球数表示が可能となっている。
このような賞球数表示を行うことで、第1特定遊技状態ST2において賞球を獲得した事実を明確に示すことができて遊技の興趣を向上することができる。また、どの入賞口に入賞したのかを明確に示すことができるとともに、当該入賞によりどの程度の賞球数を獲得したのかを明確に示すことができ、興趣の高い演出を行うことができる。特に、第1特定遊技状態ST2においては主として第2特別変動入賞装置39への入賞による賞球の獲得が主となるが、これに加えて一般入賞口351,352への入賞に基づく賞球の獲得についても遊技者に示すことで、これまではあまり注目されていなかった一般入賞口への入賞に基づく興趣の向上を図ることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、普通変動入賞装置37や第1特別変動入賞装置38への入賞による賞球の獲得についても明確にすることが可能となる。
また、賞球数表示の対象となっていない左側の遊技領域32にある一般入賞口353,354については、入賞した遊技球が合流した後に入賞口スイッチ35cで検出されるようにしている。これにより使用する入賞口スイッチの数を少なくしてコストを削減している。これに対して賞球数表示の対象となる右側の遊技領域32にある一般入賞口351の入賞口スイッチ35aと、一般入賞口351の入賞口スイッチ35aは、入賞口の近傍に取り付けられている。よって、右側の遊技領域32にある一般入賞口353,354への入賞の場合よりも流入から早いタイミングで検出されるようになっている。これにより、入賞から賞球数表示が表示されるまでのタイムラグを少なくでき、違和感のない賞球数表示が可能となっている。
なお、第2特定遊技状態ST2においても賞球数表示を行うようにしても良い。また、特定遊技状態だけでなく、特別遊技状態や通常遊技状態においても賞球数表示を行うようにしても良い。また、始動入賞口36や左側の遊技領域32にある一般入賞口353,354への入賞についても賞球数表示を行うようにしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からの情報に基づき、演出の制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、遊技球が流下可能な遊技領域32と、遊技領域32に設けられ、遊技球が入賞可能な入賞領域(一般入賞口351~354、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)と、を備え、入賞領域には、ゲームの実行権利を発生可能な始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)と、複数の入賞口(一般入賞口351~354)と、があり、遊技制御手段は、複数の入賞口のうち所定の入賞口(一般入賞口351、352)については、入賞した入賞口を特定可能とする情報を演出制御手段に送信可能であることとなる。したがって、入賞した入賞口に応じた演出が可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御手段は、入賞口を特定可能な情報を受信した場合に、入賞した入賞口に応じて異なる演出を実行可能であることとなる。したがって、遊技の興趣を向上させることができる。
また、複数の入賞口は、特別遊技状態において開放されて入賞が可能となる特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を含んでも良い。また、複数の入賞口は始動入賞口36や普通変動入賞装置37を含んでも良い。また、普図始動ゲート34を含んでも良い。また、複数の入賞口は、始動入賞口及び特別変動入賞装置のいずれでもない入賞口としても良い。また、複数の入賞口は常時入賞が可能な入賞口としていも良い。
また、遊技領域32は、第1領域と、第2領域と、を備え、遊技者が発射勢を調整することでいずれの領域に遊技球を流下させるかを選択可能に構成され、第1領域には、常時入賞可能な始動入賞口36と、一般入賞口353、354と、を備え、第2領域には、特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)と、始動入賞口であって、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球の入賞が容易な開状態と、に変換可能な普通変動入賞装置37と、一般入賞口351、352と、を備え、遊技制御手段は、第2領域に備えられた一般入賞口351、352に遊技球が入賞した場合には、入賞した一般入賞口を特定可能とする情報を演出制御手段に送信することが可能であることとなる。したがって、入賞した一般入賞口に応じた演出が可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、先読み演出について説明する。先読み演出は、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始前に当該特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等の判定を行い、当該判定結果を示唆又は報知する予告演出である。本実施形態の遊技機における先読み演出には、飾り特図始動記憶表示や実行中の特図変動表示ゲームについての始動記憶の情報を表示する実行中保留表示の表示態様により行う保留変化予告と、背景やその他の演出が特定の演出とされるゾーン予告と、報知対象の始動記憶が発生した際に音声や表示による演出が行われる入賞時予告と、対象となる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームよりも前に実行される飾り特図変動表示ゲームの結果態様を特定の結果態様とするチャンス目予告と、がある。
図79、図80には、これらの先読み演出の一例を示した。まず、表示装置41における表示について説明する。図79(a)に示すように表示装置41の表示領域の中央には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第1飾りゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部85が設けられる。ここでは、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。表示領域の左上部には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第2飾りゲームを表示する第2飾りゲーム表示部88が設けられている。この第2飾りゲーム表示部88に表示される第2飾りゲームは、飾り特図変動表示ゲーム表示部85に表示される第1飾りゲームと同様に、左領域、中領域、右領域の各領域で識別情報を変動表示した後に停止して結果を表示するようになっている。
また、表示領域の中央下部には始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する記憶表示部83が設けられる。記憶表示部83には、第1始動記憶を表示する第1記憶表示部83aと、第2始動記憶を表示する第2記憶表示部83bとが設けられている。第1記憶表示部83aに表示される飾り特図始動記憶表示は、第1始動記憶と一対一に対応し、記憶順に並んで表示されるものであり、ここでは3つの第1始動記憶があることを示している。左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行するようになっている。また、第2記憶表示部83bでは第1記憶表示部83aと同様に第2始動記憶と一対一に対応した飾り特図始動記憶表示を表示する。ここでは第2始動記憶が0であることを示している。
第1記憶表示部83aの左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示するための実行中記憶表示を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。この実行中記憶表示部84には、特図変動表示ゲームの開始時に第1記憶表示部83a又は第2記憶表示部83bの左端にある飾り特図始動記憶表示が移行するようになっている。
表示領域の右上部には、始動記憶数を表示する始動記憶数表示部86が設けられる。この始動記憶数表示部86には、第1始動記憶の数を表示する第1始動記憶数表示部86aと、第2始動記憶の数を表示する第2始動記憶数表示部86bとが設けられている。
図79(a)に示す状態から第1始動記憶が消化されて減少すると、図79(b)に示すように第1記憶表示部83aの左端にある飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部84へ流入する表示が行われる。また、始動記憶数表示部86では、第1始動記憶数表示部86aの数値が1つ減少する。そして、飾り特図変動表示ゲーム表示部85では第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始され、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。また、第2飾りゲーム表示部88においても第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始され、左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。
図79(c)、(d)には保留変化予告の一例を示した。保留変化予告は、図79(c)に示す消化順序が3番目の第1始動記憶や、図79(d)に示す実行中記憶表示のように、表示態様を通常の表示態様(ここでは白色)とは異なる態様(ここでは網掛け)とするものである。この保留変化予告の実行時間は、開始後に実行される特図変動表示ゲームの回数や各特図変動表示ゲームの実行時間に依存するものであり不定の時間となる。なお、保留変化予告の表示態様はここに示したものに限られず、形状や大きさを異ならせるものであっても良い。
図79(e)にはゾーン予告の一例を示した。ゾーン予告では背景が通常の背景(ここでは白色)とは異なる背景(ここでは網掛け)とされるとともに、ゾーン予告の実行中であることを示す「チャンスゾーン」との表示もなされる。このゾーン予告の実行時間は、開始後に実行される特図変動表示ゲームの回数や各特図変動表示ゲームの実行時間に依存するものであり不定の時間となる。なお、ゾーン予告の実行態様はここに示したものに限られず、遊技者がゾーン予告の実行中であると認識できる態様であれば良い。例えば飾り特図変動表示ゲーム表示部85の図柄の表示態様を通常とは異ならせるようにしても良いし、BGMなどの音声の出力態様やLEDなどの発光態様を通常とは異ならせるようにしても良い。
図79(f)には入賞時予告の一例を示した。入賞時予告では、予告対象となる始動記憶の発生に伴い、通常とは異なる予告音(ここでは「ピンポーン」という音)を出力する。この予告音は予め定められた音声であり、入賞時予告の実行時間は常に一定の時間となる。なお、入賞時予告の実行態様はここに示したものに限られず、予告態様となる始動記憶の発生に伴い演出表示を行うものであっても良いし、演出ボタンを振動させるものやLEDを特定の発光態様で発光させるものであっても良い。
図80には、チャンス目予告の一例を示した。図80(a)に示すように特図変動表示ゲームを実行している際に、図80(b)に示すように新たな始動記憶として第1始動記憶が発生している。図80(c)に示すようにこの始動記憶が発生した特図変動表示ゲームでは、飾り特図変動表示ゲームの結果態様として特図変動表示ゲームの開始時に設定された結果態様(ここでは「547」)が停止表示される。
その後、図80(d)に示すように次の特図変動表示ゲームが開始される。この際に図80(b)において発生した第1始動記憶が予告対象として設定され、この特図変動表示ゲームからチャンス目予告が開始されている。そして、図80(e)に示すように当該特図変動表示ゲームの飾り特図変動表示ゲームの結果態様がチャンス目である「123」の結果態様とされる。なお、チャンス目の結果態様は、はずれの結果態様である。
さらに、図80(f)に示すように次の特図変動表示ゲームが開始され、図80(g)に示すように当該特図変動表示ゲームの飾り特図変動表示ゲームの結果態様もチャンス目である「123」の結果態様とされる。そして、図80(h)に示すように予告対象である始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始される。この特図変動表示ゲームの結果態様は、当該特図変動表示ゲームの結果に応じたものとされ、結果が大当りであれば図80(i)に示すように特別結果態様となり、結果がはずれであれば図80(j)にしめすようにチャンス目以外のはずれの結果態様となる。
このチャンス目予告の各回の実行時間は、はずれ結果態様を表示する停止時間となっており常に一定の時間となる。なお、チャンス目予告の実行態様はここに示したものに限られず、チャンス目以外では表示されない特別な図柄が停止表示されるものであっても良い。
図81には、各先読み演出の実行の可否を抽選する期間、演出を開始可能な期間及び演出を実行可能な期間を示した。保留変化予告は、予告対象となる始動記憶の発生(t101)から予告対象のゲーム(ゲームD)が終了するまで(t109)の間の任意のタイミング又は期間で抽選、開始及び実行が可能である。よって、常に保留変化予告が開始される期待感を遊技者に持たせることができる。実行可能な期間は、保留変化予告の開始から予告対象となる特図変動表示ゲームの終了(t109)までとなっており、この期間は各特図変動表示ゲームの実行時間によって変化するため、実行期間は不定の期間となっている。
ゾーン予告は、予告対象の始動記憶が発生した特図変動表示ゲーム(ゲームA)の後に開始される特図変動表示ゲーム(ゲームB、C、D)の開始時(t103、t105、t107)に抽選及び開始が可能である。よって、特図変動表示ゲームの開始時にゾーン予告が開始されるか否かの期待感を遊技者に持たせることができる。実行可能な期間は、上記の開始タイミングのうち、いずれかのタイミングから予告対象となる特図変動表示ゲームの終了(t109)までの期間となっており、この期間は各特図変動表示ゲームの実行時間によって変化するため、実行期間は不定の期間となっている。
入賞時予告は、予告対象となる始動記憶の発生時(t101)に抽選、開始及び実行が可能である。よって、始動記憶の発生時に期待感を遊技者に持たせることができる。また、予め定められた音声を発するものであるので、実行可能な期間は予告対象となる始動記憶の発生から予め定められた一定の期間となっている。
チャンス目予告は、予告対象となる始動記憶が発生した特図変動表示ゲームより後であって、予告対象となる特図変動表示ゲームよりも前に開始される特図変動表示ゲーム(ここではゲームB,C)の開始時(t103、t105)に抽選が行われる。チャンス目予告の開始可能タイミングは、予告対象となる始動記憶が発生した特図変動表示ゲームより後であって、予告対象となる特図変動表示ゲームよりも前に開始される特図変動表示ゲーム(ここではゲームB,C)の変動停止時(t104、t106)である。
また、実行可能な期間は、予告対象となる始動記憶が発生した特図変動表示ゲームより後であって、予告対象となる特図変動表示ゲームよりも前に開始される特図変動表示ゲーム(ここではゲームB,C)の停止時間(t104~t105、t106~t107)である。実行可能な期間が複数ある場合に先のゲームで実行された場合には後のゲームでも実行される。このようなチャンス目予告によって、特図変動表示ゲームの終了時に期待感を遊技者に持たせることができる。このチャンス目予告は停止時間という予め定められた一定の期間にわたり行われるものであるので、実行可能な期間は一定の期間となっている。
このように、抽選タイミングや開始タイミング、実行可能な期間が異なる複数種類の先読み演出を実行可能としたことで、予告対象となる始動記憶の発生から予告対象の特図変動表示ゲームの終了までにわたり多彩な先読み演出を実行可能となり、遊技者に先読み演出が開始されることに対する期待感を継続して持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
例えば、保留変化予告は常時開始可能であり、これに加えて入賞時予告が入賞時に、ゾーン予告が特図変動表示ゲームの開始時に、チャンス目予告が特図変動表示ゲームの変動停止時に開始される可能性がある。このように先読み演出の開始可能タイミングを分散することで、次々と開始可能タイミングが到来するようになり、遊技者の期待感を途切れることなく維持することができる。また、入賞の発生や特図変動表示ゲームの開始、変動停止といった遊技者にとってわかりやすいタイミングで開始可能であるので、遊技者が期待感を持って先読み演出の開始を注視することができ、遊技の興趣を向上することができる。
以上の先読み演出は、予告対象となる特図変動表示ゲームの実行中にも継続して実行可能な第1グループと、予告対象となる特図変動表示ゲームの開始までに終了する第2グループと、のいずれかに属するとともに、予告対象となる始動記憶が発生した特図変動表示ゲームから開始可能な第3グループと、予告対象となる始動記憶が発生した特図変動表示ゲームの終了以降から開始可能な第4グループと、のいずれかに属する。
保留変化予告は第1グループ及び第3グループに属し、ゾーン予告は第1グループ及び第4グループに属する。入賞時予告は第2グループ及び第3グループに属し、チャンス目予告は第2グループ及び第4グループに属する。このように、各先読み演出が属するグループの組み合わせが異なるようにしたことで、それぞれの先読み演出の特性が異なり、多彩な先読み演出を実行可能となるとともに、実行する先読み演出を選択する際に属するグループに基づいた選択を行うことで効果的な演出を選択可能となる。
第1グループに属する先読み演出は、遊技者が最も注目する予告対象となる特図変動表示ゲームにおいて遊技者の期待感を効果的に高めることができる。よって、予告対象の特図変動表示ゲームの開始前から結果の導出に至るまでに継続して遊技者の期待感を高めることができる。この第1グループに属する先読み演出は、予告対象の特図変動表示ゲームを開始した際(t107)にも実行の可否を決定する抽選を実行可能となっており、それまでの機会で実行されていなくても予告対象の特図変動表示ゲームにおいて実行される可能性を持たせている。また、この第1グループに属する先読み演出の実行期間は、当該実行期間に含まれる特図変動表示ゲームの実行時間によって変化するため不定の期間となっている。
第2グループに属する先読み演出は、当該特図変動表示ゲームに至るまでの遊技者の期待感を効果的に高めることができる。また、第2グループに属する先読み演出は予告対象の特図変動表示ゲームの演出には関与しないので、予告対象の特図変動表示ゲームの演出を自由に選択できる。例えば、予告対象の特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合には、予告対象の特図変動表示ゲームにおいて先読み演出がなかった場合と同様の期待度の低い演出を選択でき、過度に遊技者の期待感を煽らないようにすることができる。また、期待度の低い先読み演出を実行していても予告対象の特図変動表示ゲームにおいては期待度の高い演出に切り替えることが可能となり、期待度の低い先読み演出を行った場合でも遊技者に期待感を持たせることができる。
また、第2グループに属する先読み演出は、予告対象の特図変動表示ゲームを開始した際(t107)には実行の可否を選択する抽選を行わない。よって、予告対象の特図変動表示ゲームの開始時において抽選する必要のある先読み演出の種類を第1グループの先読み演出のみとして少なくすることができ、選択処理を簡略にして制御の負担を軽減することができる。また、第2グループに属する先読み演出の実行期間は、特図変動表示ゲームの実行時間に依存せず予め定められた一定の期間となっている。
各先読み演出は、第1グループと第2グループのいずれかに属するので、属するグループに基づいた選択を行うことで、状況に応じた効果的な演出が可能となる。例えば、第1グループに属する先読み演出は特に期待度の高い場合に効果的であり、第2グループに属する先読み演出は期待度が低い場合でも効果的な演出を行うことができる。よって、予告対象とした始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、結果がはずれの場合よりも第1グループに属する先読み演出の選択割合を高くし、逆に第2グループに属する先読み演出の選択割合を低くするという選択が可能となる。結果がはずれの場合はこれと逆の選択割合とすることが可能である。つまり、期待度の高低にかかわらず効果的な先読み演出を行うことができる。
第3グループに属する先読み演出は、早い段階から遊技者の期待感を高めることができる。この第3グループに属する先読み演出は、予告対象となる始動記憶が発生したとき(t101)に実行の可否を決定する抽選を実行可能となっており、このタイミングから予告演出の実行が可能となっている。
第4グループに属する先読み演出は、第3グループの先読み演出が実行されなかったとしても先読み演出が行われる可能性を確保することができ、始動記憶が発生した際に先読み演出が行われなくても期待度が低いことが確定しないようにして遊技者の期待感の低下を防止することができる。また、予告対象となる始動記憶がした際に実行中の特図変動表示ゲームの演出に影響を及ぼすことを防止できる。
この第4グループに属する先読み演出は、予告対象となる始動記憶が発生したとき(t101)に実行の可否を決定する抽選を行わない。よって、予告対象となる始動記憶が発生したときにおいて抽選する必要のある先読み演出の種類を第3グループの先読み演出のみとして少なくすることができ、選択処理を簡略にして制御の負担を軽減することができる。このように先読み演出の開始タイミングを異ならせることで、遊技者に先読み演出がいつ開始されるのかを把握しにくくし、長時間遊技を行っていても興趣を維持することができる。
また、各先読み演出は、第3グループと第4グループのいずれかに属するので、属するグループに基づいた選択を行うことで、状況に応じた効果的な演出が可能となる。例えば、予告対象とした始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は結果がはずれの場合よりも、第3グループに属する演出を実行した場合において第4グループに属する先読み演出をさらに実行する割合を高くするという選択が可能となる。また、結果がはずれの場合は結果が大当りの場合よりも、第3グループと第4グループのいずれか一方のみを実行する割合を高くするという選択が可能となる。
なお、第1グループから第4グループの各先読み演出は、重複して実行可能であるが、重複して実行しない組み合わせを設けるようにしても良い。例えば、ゾーン予告とチャンス目予告は重複して実行しないようにしても良い。両者の抽選時期が重なる場合には一方の抽選を先に行って実行することが選択された場合には、他方の抽選を行わないようにしても良い。いずれを優先するかは予め定められていても良いし、別途の抽選により選択するようにしても良い。
また、入賞時予告とチャンス目予告を重複して実行しないようにする場合には、チャンス目予告の抽選時期において入賞時予告が実行されているかを確認し、入賞時予告が実行されていた場合にはチャンス目予告の抽選自体を行わないようにしても良い。すなわち、先の抽選結果に応じて後の抽選の実行の有無を決定するようにしても良い。
さらに、重複して実行可能な先読み演出である場合でも、すでに先読み演出が実行されているか否かや、どのような先読み演出が行われているかに応じて後に開始する先読み演出の実行の可否や実行内容、選択確率などが異なるようにしても良い。この場合は、既に実行されている先読み演出の実行の有無に応じて後の先読み演出の抽選に用いるテーブルを選択するようにする。また、後の先読み演出の実行の可否や実行内容、選択確率などに影響する要素として予告対象の特図変動表示ゲームの結果や変動パターン、現在の遊技状態や始動記憶数などを考慮しても良い。このように多段階で抽選を行うことで、始動記憶の発生時に一度で抽選を行うものに比べて遊技の進行状況に応じた柔軟な選択が可能となり、より興趣の高い先読み演出とすることができる。
また、一つの先読み演出を実行するよりも重複して実行する方が期待度が高いことを示すようにしても良い。また、重複する組み合せにより期待度の高さが異なるようにしても良い。この場合も抽選時期が重なる場合には、予告対象の特図変動表示ゲームの結果や内容に応じて重複を許容するかを選択するようにする。また、先に実行されている先読み演出の内容を参照して後の抽選時期において先読み演出を重複させるかを選択するようにする。
また、予告対象となる始動記憶が発生した時点では実行しない第4グループに属する先読み演出について、当該第4グループに属する先読み演出の開始可能時期までの期間において当該第4グループに属する先読み演出が実行される可能性を示唆する演出を行うようにしても良い。例えば、飾り特図変動表示ゲーム表示部85にチャンス目に対応する図柄を透視可能な透明図柄として重ねて表示したり、ゾーン予告の開始を示唆する演出表示を行ったりすることが考えられる。示唆する演出であるので当該演出の後に示唆した先読み演出が実行されない場合があっても良い。
また、先読み演出の開始を示唆する演出として、保留変化予告の表示において他の先読み演出の実行を示唆又は報知する表示を行うようにしても良い。例えば、保留変化予告として飾り特図始動記憶表示に「ゾーン」と表示してゾーン予告の実行を示唆又は報知するようにしても良い。
また、第3グループに属する先読み演出について、予告対象となる始動記憶が発生した特図変動表示ゲームの状況によっては、抽選により実行することが選択されても即座に先読み演出を開始しないようにしても良い。例えば、予告対象となる始動記憶が発生した特図変動表示ゲームにおいて特定の演出(SPリーチなど)が実行されている場合や、予告対象となる始動記憶が発生した特図変動表示ゲームの終了前の所定期間である場合が考えられる。この場合に保留変化予告のように後のタイミングでも開始可能な先読み演出の場合は、先読み演出を開始できない期間の経過後に先読み演出を開始するように、開始時期を遅延させても良い。
また、各先読み演出の抽選においては、先読み演出の実行の有無や内容の他、開始するタイミングについても選択できるようにしても良い。例えば、保留変化予告について予告対象となる始動記憶が発生したときの抽選において、実行の決定に加えて開始時期について次の特図変動表示ゲームの開始時などと決定できるようにしても良い。また、ゾーン予告やチャンス目予告について実行を決定した特図変動表示ゲームよりも後の特図変動表示ゲームから開始することを選択できるようにしても良い。このような開始時期の指定方法はどのようなものであっても良く、特図変動表示ゲームの実行に関連したタイミング以外であっても指定可能である。例えば、抽選タイミングから所定時間後に開始すると決定し、先読み演出の開始までの時間を示すタイマを表示するタイマ演出を併せて行うようにしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づきゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶に対応するゲームが実行されるよりも前に当該始動記憶についての判定を行う事前判定手段(遊技制御装置100)と、事前判定手段による判定結果を示唆する演出である予告演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、複数種類の予告演出のうちから実行する予告演出を選択して実行するように構成され、予告演出は、予告対象となるゲームの実行中にも継続して実行可能な第1グループと、予告対象となるゲームの開始までに終了する第2グループと、のいずれかに属するとともに、予告対象となる始動記憶が発生したゲームから予告演出を開始可能な第3グループと、予告対象となる始動記憶が発生したゲームの終了以降から予告演出を開始可能な第4グループと、のいずれかに属するようにしたこととなる。したがって、属するグループによって特性の異なる予告演出となり、多彩な予告演出を実現可能となって遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御手段は、複数の予告演出を重複して実行可能であり、先に実行されている予告演出の種類に応じて後に実行する予告演出の内容を選択可能であることとなる。したがって、現在の状況に応じた柔軟な選択が可能となり、より興趣の高い予告演出とすることができる。
また、遊技における予め定められた特定の時期において、各予告演出のうちいずれの予告演出の実行の可否を選択するかを各予告演出が属するグループに応じて定めていることとなる。したがって、実行の可否を決定する時期を分散させることができて予告演出の実行時期が分散されるので、広い期間にわたって遊技者に期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御手段は、特定の時期をなす予告対象となるゲームが開始される際において、第1グループに属する予告演出については、当該予告演出の実行の可否を選択可能であり、第2グループに属する予告演出については、当該予告演出の実行の可否を選択不能であることとなる。したがって、予告対象となるゲームが開始される際に実行の可否を決定可能である予告演出とできない予告演出とを設けることができ、予告演出を多彩なものとすることができて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御手段は、特定の時期をなす予告対象となる始動記憶が発生したときにおいて、第3グループに属する予告演出については、当該予告演出の実行の可否を選択可能であり、第4グループに属する予告演出については、当該予告演出の実行の可否を選択不能であることとなる。したがって、予告対象となる始動記憶が発生したときに実行の可否を決定可能である予告演出とできない予告演出とを設けることができ、予告演出を多彩なものとすることができて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第1グループに属する予告演出は、実行期間が可変であり、第2グループに属する予告演出は、実行期間が不変であることとなる。したがって、予告演出の属性に応じて適切な実行期間とすることができる。すなわち、予告対象となるゲームの実行中にも継続可能な第1グループに属する予告演出については、実行期間を可変とすることで遊技者が最も注目することとなる予告対象となるゲームにおける遊技者の期待感を効果的に高めることができる。また、予告対象となるゲームの開始までに終了する第2グループに属する予告演出については、実行期間を不変とすることで、予告対象となるゲームまでのゲームにおいて一定の時間のみを利用して演出を行うことができ、予告対象ではないゲームの演出を邪魔しないようにすることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。