JP7034244B1 - 滑走路運用支援装置、滑走路運用支援方法及び滑走路運用支援プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
滑走路の運用形態の変更を行うと、滑走路上の航空機だけでなく、空港近傍の航空機への針路指示変更等が発生し、管制官への業務負担が大きい。現状、滑走路の運用形態の変更を実施するか否かの判断は、管制官によって過去の経験に基づき実施されている。
本開示は、滑走路の運用形態を変更するか否かの判断の支援を行うことを目的とする。
制御対象となる航空機数を示す交通量データと、空港及び前記空港の近傍における気象を示す気象データとを取得する取得部と、
滑走路の複数の運用形態それぞれを対象の運用形態として、前記対象の運用形態で運用された場合における管制可能な航空機数を表す処理容量と、前記取得部によって取得された前記交通量データが示す航空機数とから、前記対象の運用形態についての交通量評価値を計算する交通量評価部と、
滑走路の複数の運用形態それぞれを対象の運用形態として、前記対象の運用形態で過去に運用された場合における気象と、前記取得部によって取得された前記気象データが示す気象とから、前記対象の運用形態についての気象評価値を計算する気象評価部と、
前記交通量評価部によって計算された前記交通量評価値と、前記気象評価部によって計算された前記気象評価値とから、現在の運用形態から他の運用形態へ変更することの推奨度を特定する推奨度特定部と
を備える。
***構成の説明***
図1を参照して、実施の形態1に係る滑走路運用支援装置10のハードウェア構成を説明する。
滑走路運用支援装置10は、コンピュータである。
滑走路運用支援装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14とのハードウェアを備える。プロセッサ11は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
滑走路運用支援装置10は、機能構成要素として、取得部21と、交通量評価部22と、気象評価部23と、推奨度特定部24と、表示部25とを備える。取得部21は、センサ受信部211と、飛行計画受信部212と、交通量予測部213と、気象受信部214と、ユーザ受信部215とを備える。滑走路運用支援装置10の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ13には、滑走路運用支援装置10の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ11によりメモリ12に読み込まれ、プロセッサ11によって実行される。これにより、滑走路運用支援装置10の各機能構成要素の機能が実現される。
図3から図37を参照して、実施の形態1に係る滑走路運用支援装置10の動作を説明する。
実施の形態1に係る滑走路運用支援装置10の動作手順は、実施の形態1に係る滑走路運用支援方法に相当する。また、実施の形態1に係る滑走路運用支援装置10の動作を実現するプログラムは、実施の形態1に係る滑走路運用支援プログラムに相当する。
(ステップS1:取得処理)
取得部21は、制御対象となる航空機数を示す交通量データ31と、対象の空港(以下、単に空港と呼ぶ)における気象を示す気象データ32といった各種データを取得する。空港における気象とは、空港近傍の空域における気象と空港面における気象とを含む。
交通量評価部22は、滑走路の複数の運用形態それぞれを対象の運用形態として設定する。交通量評価部22は、対象の運用形態で運用された場合における管制可能な航空機数を表す処理容量と、ステップS1で取得された交通量データ31が示す航空機数とから、対象の運用形態についての交通量評価値を計算する。
ここで、交通量データ31は、予測された将来の航空機数を示している。交通量評価部22は、現在時刻と将来の複数の時刻それぞれとを対象の時刻として設定する。交通量評価部22は、交通量データ31が示す対象の時刻の航空機数から、対象の運用形態及び対象の時刻についての交通量評価値を計算する。
気象評価部23は、滑走路の複数の運用形態それぞれを対象の運用形態として設定する。気象評価部23は、対象の運用形態が過去に運用された場合における気象と、ステップS1で取得された気象データが示す気象とから、対象の運用形態についての気象評価値を計算する。
ここで、気象データ32は、予測された将来の気象を示している。気象評価部23は、現在時刻と将来の複数の時刻それぞれとを対象の時刻として設定する。気象評価部23は、気象データ32が示す対象の時刻の気象から、対象の運用形態及び対象の時刻についての気象評価値を計算する。
推奨度特定部24は、ステップS2で計算された交通量評価値と、ステップS3で計算された気象評価値とから、現在の運用形態から他の運用形態へ変更することの推奨度を特定する。
この際、推奨度特定部24は、現在時刻と将来の複数の時刻それぞれとを対象の時刻として設定する。推奨度特定部24は、対象の時刻から評価時間先の時刻までにおける交通量評価値及び気象評価値から、対象の時刻において現在の運用形態から他の運用形態へ変更することの推奨度を特定する。
表示部25は、ステップS4で特定された、現在時刻と将来の複数の時刻それぞれとにおける推奨度を通信インタフェース14を介して表示装置に送信し、表示装置に表示する。
取得処理は、センサ受信処理と、飛行計画受信処理と、交通量予測処理と、気象受信処理と、ユーザ受信処理とを含む。
(ステップS11:センサ受信処理)
センサ受信部211は、センサから、航空機の位置を示す位置情報41を受信する。ここでは、センサ受信部211は、空港の近傍の空域にいる航空機と、空港を移動中の航空機との位置を示す位置情報41を受信する。具体的には、図5に示すように、位置情報41には、各航空機について、その航空機の識別子と、その航空機の位置とが含まれる。
なお、駐機中の航空機はトランスポンダの電源がオフであり、センサによって位置が特定されない。そのため、駐機中の航空機の情報は、位置情報41には含まれない。
センサ受信部211は、ステップS11で受信された位置情報41を、交通量予測部213に引き渡す。
(ステップS21:飛行計画受信処理)
飛行計画受信部212は、外部の統合管制システムから、航空機の飛行計画を示す飛行計画情報42を受信する。ここでは、飛行計画受信部212は、空港から離陸する航空機及び空港に着陸する航空機についての飛行計画情報42を受信する。具体的には、図7に示すように、飛行計画情報42には、各航空機について、その航空機の識別子と、飛行計画とが含まれる。飛行計画は、国土交通省で決められた形式の情報である。飛行計画には、出発地と、出発予定時刻と、到着地と、到着予定時刻と、飛行経路といった情報が含まれる。
飛行計画受信部212は、ステップS21で受信された飛行計画情報42を、交通量予測部213に引き渡す。
飛行計画受信部212は、ステップS21で受信された第1気象情報43を、ストレージ13の気象データ32に加える。
図9に示すように、気象データ32には、現在の空域の気象及び空港面の気象の実績情報と、現在から15時間後といった時間範囲について、時刻毎の空域の気象の予測情報とが含まれる。ここでは、飛行計画受信部212は、現在の空域の気象の実績情報と、現在から15時間後といった時間範囲について、時刻毎の空域の気象の予測情報とを加える。
(ステップS31:交通量予測処理)
交通量予測部213は、ステップS12で引き渡された位置情報41と、ステップS22で引き渡された飛行計画情報42とに基づき、現在時刻と、将来の複数の時刻それぞれとについての制御対象となる航空機数を示す交通量データ31を生成する。
図11を参照して具体的に説明する。位置情報41から現在時点において空域及び空港面にいる航空機数が特定される。また、位置情報41が示す各航空機の位置と飛行計画情報42が示す各航空機の飛行計画とから将来の複数の時刻それぞれにおいて空域及び空港面にいる航空機数が推定される。交通量予測部213は、現在時刻と、将来の複数の時刻それぞれとを対象の時刻として、対象の時刻について、空域の航空機数と空港面の航空機数から管制対象となる航空機数を計算する。ここでは、交通量予測部213は、空域の航空機数に係数Aを乗じた値と、空港面の航空機数に係数Bを乗じた値とを加算することにより、制御対象となる航空機数を計算する。係数A及び係数Bは、例えば、空港の管制官等によって、空域と空港面とのどちらの航空機を重視して運用形態の変更を行うか等に基づき決定される。
交通量予測部213は、ステップS31で計算された、現在時刻と、将来の複数の時刻それぞれとについての制御対象となる航空機数を示す交通量データ31をストレージ13に書き込む。
(ステップS41:第2気象受信処理)
気象受信部214は、外部の気象データ管理システムから、空港面における気象を示す第2気象情報44を受信する。第2気象情報44は、現在の気象を示す。具体的には、図13に示すように、第2気象情報44は、現在の空港面の気象が含まれる。ここでは、気象には、東西方向、南北方向の風成分および高度情報が含まれる。風成分は、風向及び風速を示すベクトルである。
気象受信部214は、ステップS41で受信された第2気象情報44をストレージ13の気象データ32に加える。ここでは、気象受信部214は、現在の空港面の気象の実績情報を加える。
(ステップS51:ユーザ受信処理)
ユーザ受信部215は、外部の管制支援システムから、ユーザ情報33と、実績情報34と、定義情報35とを受信する。
交通量重みαは、後述する交通量評価値に対する重みであり、気象重みβは、後述する気象評価値に対する重みである。
ユーザ重み定義は、管制官に応じた補正値を決定するために使用される定義である。ここでは、ユーザ重み定義は、管制官の管制資格維持期間及び年齢の組合せ毎に、管制官の評価値が定義されている。具体例としては、図18に示すように、ユーザ重み定義は、管制資格維持期間が長くなるほど評価が高くなり、かつ、年齢が中程度である場合に評価が高くなるように、管制官の評価値が定義されている。図18では、管制官の評価値の値が小さいほど、評価が高いことを示している。
交通量定義は、後述する交通量評価値毎の滑走路の運用形態の推奨レベルを示す。具体例としては、図19に示すように、交通量定義は、交通量評価値が0.2以下の場合には推奨レベルが低であり、交通量評価値が0.2より高く0.8以下の場合には推奨レベルが中であり、交通量評価値が0.8より高い場合には推奨レベルが高であることを示す。
ユーザ受信部215は、ステップS51で受信されたユーザ情報33と実績情報34と定義情報35とをストレージ13に書き込む。
(ステップS61:交通量評価値計算処理)
交通量評価部22は、滑走路の複数の運用形態それぞれを対象の運用形態として設定し、現在時刻と将来の複数の時刻それぞれとを対象の時刻として設定する。そして、交通量評価部22は、対象の時刻に対象の運用形態で運用された場合における管制可能な航空機数を表す処理容量と、ステップS1で取得された交通量データ31が示す対象の時刻の航空機数とから、対象の運用形態及び対象の時刻についての交通量評価値を計算する。
この際、具体的には、交通量評価部22は、処理容量が示す航空機数が交通量データ31が示す航空機数よりも多いほど、交通量評価値が示す評価が高く、処理容量が示す航空機数が交通量データ31が示す航空機数よりも少ないほど、交通量評価値が示す評価が低くなるように、交通量評価値を計算する。
なお、図21に示す式と交通量評価値との関係は一例であり、これに限定されるものではない。
交通量評価部22は、ステップS61で計算された交通量評価値から交通量推奨度を特定する。交通量推奨度は、交通量評価値のみに基づく、滑走路の複数の運用形態それぞれについての推奨度である。
具体的には、交通量評価部22は、ストレージ13に記憶された定義情報35に含まれる交通量定義を参照して、交通量評価値に対応する推奨レベルを交通量推奨度として特定する。
図22の(A)に示す処理容量Capacityと、図22の(B)に示す航空機数Requestとの関係から、図22の(C)に示すように、滑走路の複数の運用形態それぞれについて、現在時刻と将来の複数の時刻それぞれとの交通量評価値が計算される。その結果、図23に示すように、10:00~10:20の時間帯であれば、運用形態Aの交通量推奨度は中であり、運用形態Bの交通量推奨度は低であり、運用形態Cの交通量推奨度は高であると特定される。
なお、ここでは、対象の時刻から次の時刻までの時間帯については、対象の時刻と同じ条件であるとしている。具体的には、対象の時刻は20分刻みになっており、10:00~10:20の時間帯は、10:00と同じ条件であるとしている。つまり、10:00についての運用形態Aの交通量推奨度は中を表しているため、図23では10:00~10:20の時間帯の運用形態Aの交通量推奨度は中となっている。
(ステップS71:運用パターン特定処理)
気象評価部23は、滑走路の複数の運用形態それぞれを対象の運用形態として設定する。気象評価部23は、対象の運用形態で過去に運用された場合における気象の基準値を特定する。
具体的には、気象評価部23は、実績情報34を参照して、対象の運用形態に変更された時点を特定し、対象の運用形態に変更された時点における風向及び風速の平均値を基準値として特定する。ここでは、図25に示すように、気象評価部23は、東西方向の風成分と南北方向の風成分とを軸とするグラフ上に、対象の運用形態に変更された時点における風向及び風速の平均値を中心とし、対象の運用形態に変更された回数を半径とする円または楕円を描いたバブルチャートを生成する。
なお、ここでは、気象評価部23は、対象の運用形態に変更された時点における風向及び風速として、対象の運用形態に変更された時点における空港面における風向及び風速を用いる。これは、空港面における風向及び風速が滑走路の運用形態に与える影響が大きいと想定されるためである。しかし、これに限定されるものではなく、空域の風向及び風速が用いられてもよい。
気象評価部23は、滑走路の複数の運用形態それぞれを対象の運用形態として設定し、現在時刻と将来の複数の時刻それぞれとを対象の時刻として設定する。気象評価部23は、対象の運用形態で過去に運用された場合における気象と、ステップS1で取得された気象データ32が示す対象の時刻の気象とから、対象の運用形態及び対象の時刻についての気象評価値を計算する。
具体的には、気象評価部23は、ステップS71で特定された対象の運用形態についての基準値(ここでは、平均値)と、気象データ32が示す対象の時刻の気象である風向及び風速との差異を計算する。そして、気象評価部23は、ステップS71で特定された対象の運用形態についての平均値と気象データ32が示す気象である風向及び風速との差異が大きくなるほど、気象評価値が示す評価が低くなるように、気象評価値を計算する。
なお、気象評価部23は、現在の気象については空港面の気象を用い、将来の気象については空域の気象を用いる。
具体的には、気象評価部23は、中心点(xA,yA)と気象データ32が示す風向及び風速(x,y)との間の距離CurrentDisを、数1により計算する。ここで、xは、東西の風成分を表し、yは、南北の風成分を表す。
なお、図26に示す式と気象評価値との関係は一例であり、これに限定されるものではない。
図27の(A)に示す中心点(xA,yA)と、図27の(B)に示す気象データ32が示す風向及び風速(x,y)との間の距離は、図27の(C)に示すように計算される。その結果、図26に示す関係から、図28に示すように、滑走路の複数の運用形態それぞれについて、現在時刻と将来の複数の時刻それぞれとの気象評価値が計算される。
なお、ここでも、図22及び図23の例と同様に、対象の時刻から次の時刻までの時間帯については、対象の時刻と同じ条件であるとしている。
(ステップS81:評価値計算処理)
推奨度特定部24は、滑走路の複数の運用形態それぞれを対象の運用形態として設定し、現在時刻と将来の複数の時刻それぞれとを対象の時刻として設定する。推奨度特定部24は、対象の運用形態及び対象の時刻についての交通量評価値及び気象評価値から、対象の運用形態及び対象の時刻について、運用形態の評価値を計算する。
具体的には、推奨度特定部24は、交通量評価値tと、気象評価値wと、ストレージ13に記憶された定義情報35に含まれる交通量重みα及び気象重みβとから、数2のように評価値Zを計算する。
交通量重みαが0.8、気象重みβが0.2であるとする。この場合には、図30の(A)に示す交通量評価値と、図30の(B)に示す気象評価値とから、図30の(C)に示すように、滑走路の複数の運用形態それぞれについて、現在時刻と将来の複数の時刻それぞれとの評価値が計算される。例えば、運用形態Aの10:00~10:20の時間帯であれば、t(0.6)×α(0.8)+w(0.8)×β(0.2)=0.64と計算される。計算された評価値をプロットすると、図31のように表される。
なお、ここでも、図22及び図23の例と同様に、対象の時刻から次の時刻までの時間帯については、対象の時刻と同じ条件であるとしている。
推奨度特定部24は、滑走路の複数の運用形態それぞれを対象の運用形態として設定し、現在時刻と将来の複数の時刻それぞれとを対象の時刻として設定する。推奨度特定部24は、対象の運用形態について、対象の時刻から評価時間先の時刻までにおけるステップS81で計算された評価値から、対象の運用形態及び対象の時刻の適正値を計算する。適正値は、運用形態の適正度合いを示す。
具体的には、推奨度特定部24は、対象の運用形態について、対象の時刻から評価時間先の時刻までにおける評価値の積分を、対象の運用形態及び対象の時刻の適正値として計算する。つまり、図32に示すように、評価値をプロットして得られたグラフにおける評価時間分の面積が適正値に相当する。図32では、評価時間が60分に設定されている。
つまり、図33に示すように、対象の時刻から交通量復旧時刻までは、補正された交通量評価値が用いられ、交通量復旧時刻から対象時刻から評価時間先の時刻までは補正されていない交通量評価値が用いられて、積分され適正値が計算される。すなわち、図33の領域X分だけ適正値が低くなる。図33では、交通量減衰時間が20分間に設定されている。
評価時間は、運用形態を変更した場合に、空域及び空港面が混雑した後、一時的な混雑が解消し、平常状態に戻るまでの時間が設定される。例えば、運用形態を変更すると、20分程度混雑した後、徐々に混雑が解消して、運用形態を変更した60分後には平常状態に戻るのであれば、評価時間として60分が設定される。
推奨度特定部24は、現在の運用形態の適正値と、他の運用形態の適正値とを比較することによって、現在の運用形態から他の運用形態へ変更することの推奨度を計算する。
具体的には、推奨度特定部24は、滑走路の複数の運用形態のうち、現在の運用形態以外の運用形態それぞれを対象の運用形態として設定し、現在時刻と将来の複数の時刻それぞれとを対象の時刻として設定する。推奨度特定部24は、対象の時刻における現在の運用形態の適正値よりも対象の時刻における対象の運用形態の適正値の方が大きいほど、対象の時刻において対象の運用形態へ変更することの推奨度が高くなるように、推奨度を計算する。具体例としては、図35に示すように、推奨度特定部24は、対象の時刻において対象の運用形態へ変更することの推奨度を計算する。図35では、推奨度は、〇(推奨度高)と△(推奨度中)と×(推奨度低)との3段階で推奨度が計算されている。なお、図35に示す式と適正値との関係は一例であり、これに限定されるものではない。
(ステップS91:情報取得処理)
表示部25は、ステップS4で特定された現在時刻と将来の複数の時刻それぞれとにおける推奨度を取得する。また、表示部25は、ステップS1で取得された交通量データ31及び気象データ32を取得する。また、表示部25は、ステップS2で特定された交通量推奨度を取得する。
表示部25は、ステップS91で取得された情報を通信インタフェース14を介して表示装置に送信し、表示装置に表示する。
具体例としては、図37に示すように、表示部25は、時刻毎に、図19が示す交通量推奨レベルと、図26が示す気象評価値とを表示するとともに、各運用形態について、時刻毎に推奨度及び交通量推奨度を表示する。
以上のように、実施の形態1に係る滑走路運用支援装置10は、気象状況及び航空機の交通量とから現在の運用形態から他の運用形態へ変更することの推奨度が特定される。これにより、管制官は、推奨度を参照して、滑走路の運用形態を変更するか否かの判断を行うことが可能である。
つまり、滑走路の運用形態を変更するか否かの判断材料を定量化、可視化することができ、管制官の経験だけに依存せず、適切な判断に基づく空港運用が可能になる。
<変形例1>
実施の形態1では、各機能構成要素がソフトウェアで実現された。しかし、変形例1として、各機能構成要素はハードウェアで実現されてもよい。この変形例1について、実施の形態1と異なる点を説明する。
各機能構成要素を1つの電子回路で実現してもよいし、各機能構成要素を複数の電子回路に分散させて実現してもよい。
変形例2として、一部の各機能構成要素がハードウェアで実現され、他の各機能構成要素がソフトウェアで実現されてもよい。
Claims (12)
- 制御対象となる航空機数を示す交通量データと、空港における気象を示す気象データとを取得する取得部と、
滑走路の複数の運用形態それぞれを対象の運用形態として、前記対象の運用形態で運用された場合における管制可能な航空機数を表す処理容量と、前記取得部によって取得された前記交通量データが示す航空機数とから、前記対象の運用形態についての交通量評価値を計算する交通量評価部と、
滑走路の複数の運用形態それぞれを対象の運用形態として、前記対象の運用形態で過去に運用された場合における気象と、前記取得部によって取得された前記気象データが示す気象とから、前記対象の運用形態についての気象評価値を計算する気象評価部と、
前記交通量評価部によって計算された前記交通量評価値と、前記気象評価部によって計算された前記気象評価値とから、現在の運用形態から他の運用形態へ変更することの推奨度を特定する推奨度特定部と
を備える滑走路運用支援装置。 - 前記交通量評価部は、前記処理容量が示す航空機数が前記交通量データが示す航空機数よりも少ないほど、前記交通量評価値が示す評価が低くなるように、前記交通量評価値を計算する
請求項1に記載の滑走路運用支援装置。 - 前記気象評価部は、過去に運用された場合における気象の基準値と前記気象データが示す気象との差異が大きくなるほど、前記気象評価値が示す評価が低くなるように、前記気象評価値を計算する
請求項1又は2に記載の滑走路運用支援装置。 - 前記推奨度特定部は、滑走路の複数の運用形態それぞれを対象の運用形態として、前記対象の運用形態についての前記交通量評価値及び前記気象評価値から、前記対象の運用形態の適正値を計算し、現在の運用形態の適正値と他の運用形態の適正値とから、現在の運用形態から他の運用形態へ変更することの推奨度を特定する
請求項1から3までのいずれか1項に記載の滑走路運用支援装置。 - 前記推奨度特定部は、前記対象の運用形態についての前記交通量評価値及び前記気象評価値を重み付けした上で加算することにより、前記対象の運用形態の適正値を計算する
請求項4に記載の滑走路運用支援装置。 - 前記推奨度特定部は、現在の運用形態の適正値よりも他の運用形態の適正値の方が適正度合いが高いほど、前記推奨度を高くする
請求項4又は5に記載の滑走路運用支援装置。 - 前記交通量データは、現在の航空機数と、予測された将来の航空機数とを示し、
前記気象データは、現在の気象と、予測された将来の気象とを示し、
前記交通量評価部は、現在時刻と、将来の複数の時刻それぞれとを対象の時刻として、前記交通量データが示す前記対象の時刻の航空機数から、前記対象の運用形態及び前記対象の時刻についての交通量評価値を計算し、
前記気象評価部は、現在時刻と、将来の複数の時刻それぞれとを対象の時刻として、前記気象データが示す前記対象の時刻の気象から、前記対象の運用形態及び前記対象の時刻についての気象評価値を計算し、
前記推奨度特定部は、現在時刻と、将来の複数の時刻それぞれとを対象の時刻として、前記対象の時刻から評価時間先の時刻までにおける前記交通量評価値及び前記気象評価値から、前記対象の運用形態及び前記対象の時刻の適正値を計算し、前記対象の時刻において現在の運用形態から他の運用形態へ変更することの推奨度を特定する
請求項4から6までのいずれか1項に記載の滑走路運用支援装置。 - 前記推奨度特定部は、前記他の運用形態については、前記対象の時刻から交通量減衰時間先の交通量復旧時刻であって、前記対象の時刻から評価時間先の時刻よりも前の交通量復旧時刻までにおける前記交通量評価値を補正値で補正した上で、前記対象の時刻から前記評価時間先の時刻までにおける前記交通量評価値及び前記気象評価値から、前記他の運用形態及び前記対象の時刻の適正値を計算する
請求項7に記載の滑走路運用支援装置。 - 前記推奨度特定部は、前記補正値として、運用形態の変更を実施する管制官に応じて異なる値を用いて、前記対象の時刻から前記交通量復旧時刻までにおける前記交通量評価値を補正値で補正する
請求項8に記載の滑走路運用支援装置。 - 前記滑走路運用支援装置は、さらに、
前記推奨度特定部によって特定された、前記将来の複数の時刻それぞれにおける前記推奨度を表示する表示部
を備える請求項7から9までのいずれか1項に記載の滑走路運用支援装置。 - 取得部が、制御対象となる航空機数を示す交通量データと、空港における気象を示す気象データとを取得し、
交通量評価部が、滑走路の複数の運用形態それぞれを対象の運用形態として、前記対象の運用形態で運用された場合における管制可能な航空機数を表す処理容量と、前記交通量データが示す航空機数とから、前記対象の運用形態についての交通量評価値を計算し、
気象評価部が、滑走路の複数の運用形態それぞれを対象の運用形態として、前記対象の運用形態で過去に運用された場合における気象と、前記気象データが示す気象とから、前記対象の運用形態についての気象評価値を計算し、
推奨度特定部が、前記交通量評価値と前記気象評価値とから、現在の運用形態から他の運用形態へ変更することの推奨度を特定する滑走路運用支援方法。 - 制御対象となる航空機数を示す交通量データと、空港における気象を示す気象データとを取得する取得処理と、
滑走路の複数の運用形態それぞれを対象の運用形態として、前記対象の運用形態で運用された場合における管制可能な航空機数を表す処理容量と、前記取得処理によって取得された前記交通量データが示す航空機数とから、前記対象の運用形態についての交通量評価値を計算する交通量評価処理と、
滑走路の複数の運用形態それぞれを対象の運用形態として、前記対象の運用形態で過去に運用された場合における気象と、前記取得処理によって取得された前記気象データが示す気象とから、前記対象の運用形態についての気象評価値を計算する気象評価処理と、
前記交通量評価処理によって計算された前記交通量評価値と、前記気象評価処理によって計算された前記気象評価値とから、現在の運用形態から他の運用形態へ変更することの推奨度を特定する推奨度特定処理と
を行う滑走路運用支援装置としてコンピュータを機能させる滑走路運用支援プログラム。
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