JP7033022B2 - 繊維強化パネル及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、繊維シートを複数枚積層してなる繊維質基材と、上記繊維質基材を内包するとともに当該繊維質基材に含浸されたマトリックス樹脂とを備えた繊維強化パネルに関する。
特許文献1には、繊維シートを複数枚積層してなる繊維質基材と、上記繊維質基材を内包するとともに当該繊維質基材に含浸されたマトリックス樹脂とを備えた繊維強化樹脂製品の製造方法として、上記繊維質基材を成形型にセットしてバッグ材で覆って密封し、上記成形型と上記バッグ材との間に成形空間を形成した準備状態で、上記成形空間を減圧するとともに、上記成形空間に上記マトリックス樹脂を注入し、上記繊維質基材に上記マトリックス樹脂を含浸させて硬化させるものが開示されている。
特開2013-154494号公報
ところで、特許文献1の製造方法によって薄肉な繊維強化パネルを製造すると、繊維強化パネルの端縁部の端面が狭くなるので、端縁部に手で触れた際、端縁部の端面から手に作用する圧力が大きくなる。したがって、繊維強化パネルの端縁部の手触りが悪い。
また、繊維強化パネルの端縁部の端面が狭くなるので、端縁部の角部に丸みを持たすためにサンディングによる端末仕上げ作業を行うようにすると、当該端末仕上げ作業が繊細な作業となり、手間及び製造コストが増大する。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、手間及び製造コストを増大させることなく、繊維強化パネルの端縁部の手触りを良くすることにある。
上記の目的を達成するため、本発明は、繊維強化パネルの端縁部に線材を埋設したことを特徴とする。
具体的には、第1の発明は、繊維シートを複数枚積層してなる繊維質基材と、上記繊維質基材を内包するとともに当該繊維質基材に含浸されたマトリックス樹脂とを備えた繊維強化パネルを対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、上記繊維質基材は、1枚以上の繊維シートからなる第1及び第2の繊維層を備え、上記第1及び第2の繊維層の端縁部には、線材が介在していることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明に係る繊維強化パネルの製造方法であって、上記第1及び第2の繊維層を、両繊維層の端縁よりも内側の部分に上記線材を介在させた状態で成形型にセットしてバッグ材で覆って密封し、上記成形型と上記バッグ材との間に成形空間を形成した準備状態で、上記成形空間を減圧するとともに、上記成形空間に上記マトリックス樹脂を注入し、上記第1及び第2の繊維層に上記マトリックス樹脂を含浸させて硬化させることにより、上記第1及び第2の繊維層の間に上記線材を介在させた繊維強化パネルを取得し、上記線材よりも外側の部分をその後切除することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明に係る繊維強化パネルの製造方法において、上記準備状態で、上記線材は、保持シート材が巻き付けられた状態で湾曲又は屈曲し、上記保持シート材は、上記線材に巻き付いた状態に固定手段によって固定されていることを特徴とする。
第1及び第2の発明によれば、繊維強化パネルの端縁部を第1及び第2の繊維層とマトリックス樹脂だけで構成した場合に比べ、繊維強化パネルの端縁部が線材断面の幅だけ分厚くなっているので、繊維強化パネルの端縁部の端面を広くし、端縁部に手で触れた際に端縁部の端面から手に作用する圧力を小さくできる。したがって、繊維強化パネルの端縁部の手触りを良好にできる。
また、繊維強化パネルの端縁部を第1及び第2の繊維層とマトリックス樹脂だけで構成した場合に比べ、繊維強化パネルの端縁部の端面が広くなっているので、端縁部の角部に丸みを持たすためのサンディングによる端末仕上げ作業が容易になり、手間及び製造コストを削減できる。
また、繊維強化パネルが線材配設箇所、すなわち端縁部だけで分厚くなっているので、第1及び第2の繊維層の間に板材を介在させる場合に比べ、繊維強化パネルの分厚い領域を狭くでき、当該繊維強化パネルを備えた製品のレイアウトの自由度を高めることができる。
また、繊維強化パネルの端縁部を第1及び第2の繊維層とマトリックス樹脂だけで構成した場合に比べ、繊維強化パネルの端縁部の断面積が線材の分だけ大きくなるので、、繊維強化パネルの端縁部の剛性を高められる。
第3の発明によれば、線材に保持シート材を巻き付けて保持シート材の形状を固定手段に固定させるだけで、線材を湾曲又は屈曲させた状態に保持できるので、線材の成形型へのセットが容易になる。
本発明の実施形態1に係る繊維強化パネルとしてのアウターパネルを備えたボンネットを裏側から見た図である。 図1のII-II線における断面図である。 成形装置の概略構成図である。 第1の繊維層、線材、及び保持シート材を成形型にセットし、接着用樹脂を保持シート材に散布した状態を示す製造工程図である。 保持シート材を線材に巻き付ける工程を示す製造工程図である。 図5のVI-VI線における断面図である。 第2の繊維層を第1の繊維層、線材及び保持シート材に上方から重ねた状態を示す製造工程図である。 成形型の成形面とバッグ材との間に成形空間を形成した準備状態を示す製造工程図である。 第1及び第2の繊維層にマトリックス樹脂を含浸させた状態を示す製造工程図である。 アウターパネルの不要部分を切除して、切除箇所周りに端末仕上げを施した後の状態を示す製造工程図である。 実施形態2の図9相当図である。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1及び図2は、車両のボンネット1を示す。このボンネット1は、車幅方向に長い板状に形成されている。このボンネット1は、本発明の実施形態1に係る繊維強化パネルとしてのアウターパネル3と、当該アウターパネル3の車両内側の面における外周端縁よりも若干内側に接合された樹脂製インナーパネル5とを備えている。上記アウターパネル3の前端縁は、車幅方向中央部に向かって車体Bd前方に膨らむように若干湾曲している。
上記インナーパネル5の車体Bd前側幅方向中央には、車体Bdに取り付けられたラッチ機構(図示せず)に係止可能なストライカStが取り付けられている。また、インナーパネル5の車体前側には、ゴム製のシール材Ceがインナーパネル5の前側端縁に沿ってファスナF1により締結されている。シール材Ceには、金属製の補強プレートPが埋設されている。また、上記インナーパネル5の車体Bd後側幅方向両端には、ヒンジブラケット(図示せず)が締結され、これらヒンジブラケットが、それぞれヒンジ(図示せず)を介して車体Bdに取り付けられている。
上記アウターパネル3は、繊維シート7を4枚(複数枚)積層してなる繊維質基材9と、上記繊維質基材9を内包するとともに当該繊維質基材9に含浸されたマトリックス樹脂11とを備えている。繊維質基材9は、2枚の繊維シート7からなる第1の繊維層9aと、2枚の繊維シート7からなる第2の繊維層9bとを表側から順に備え、アウターパネル3の前端縁部における第1及び第2の繊維層9a,9bの間には、断面が直径1~4mmの真円形状をなす線材13が、保持シート材15が巻き付けられた状態でアウターパネル3の前端縁に沿って介在している。この線材13は、テフロン(登録商標)、シリコーン、金属等、マトリックス樹脂11の硬化時の温度(100-130℃)に耐えうる耐熱性(耐熱温度130℃以上)を有する材質で構成されている。保持シート材15は、線材13の外周面に全長に亘って巻き付いて密着する巻付部15aと、当該巻付部15aの周方向両端部から延出して線材13の全長に亘って互いに接着された延出部15bとで構成されている。当該保持シート材15にもマトリックス樹脂11が含浸されている。アウターパネル3の前側の外周端縁部を除く領域、すなわち線材13が配設されていない領域の厚さは、0.6~2mmに設定されている。
繊維シート7としては、強化繊維の織物、不織布、NCF(Non-Crimp Fabric)等が用いられる。強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等の無機繊維、ステンレス繊維、スチール繊維等の金属繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維等の有機繊維等が用いられる。強化繊維は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
マトリックス樹脂11としては、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられる。
保持シート材15としては、炭素繊維、ガラス繊維等の織物、不織布等が用いられる。
次に、上記のような構成のアウターパネル3をVaRTM(Vacuum-assisted Resin Transfer Molding)法により製造する製造方法について説明する。
製造に先立ち、図3に示す成形装置100と、2枚の繊維シート7からなる第1の繊維層9a、及び2枚の繊維シート7からなる第2の繊維層9bと、線材13と、保持シート材15とを用意する。成形装置100は、成形型101と、フィルム状のバッグ材102とを備えている。成形型101の上面には、図4~9に示すように、凹所103を有する成形面105が形成されている。上記凹所103は、上記アウターパネル3の表面を成形する底面部103aと、上記アウターパネル3の前側端面を成形する第1側面部103bと、上記アウターパネル3の車幅方向両側及び後側の端面を成形する第2側面部(図示せず)を有している。なお、図3では、凹所103の図示を省略している。第1側面部103bは、長手方向中央部に向かって凹所103外側に凹むように湾曲している。上記凹所103の第1側面部103bの凹所103開放側端部には、凹所103開放側に向けて外周側に傾斜する傾斜面部103cが形成されている一方、上記第1側面部103bの底面部103a側端部には、開放方向(上方)に向けて外周側に湾曲する湾曲面部103dが形成されている。成形型101には、成形面105を囲むようにシール部材107が設けられている。バッグ材102は、ナイロン、シリコーンゴム等の柔軟性を有する材料からなり、その外周端縁部を図示しない固定部材によりシール部材107に押圧することで、成形面105との間に密封された成形空間(キャビティ)Cを形成できるようになっている。
成形装置100はさらに、成形空間Cに液状のマトリックス樹脂11を注入する樹脂供給装置109と、成形空間Cを減圧して液状のマトリックス樹脂11を吸引する吸引装置111とを備えている。
樹脂供給装置109は、液状のマトリックス樹脂11を貯留する樹脂貯留タンク113を備えている。樹脂貯留タンク113には、バッグ材102の内部に連通する樹脂供給配管115の一端が接続されている。樹脂供給配管115の途中には開閉弁117が設けられている。樹脂供給配管115の他端は、バッグ材102の内部で成形面105の一辺に沿わせて配置された吐出レール119を有している。
吐出レール119は、その長手方向に間隔をあけて設けられた複数箇所の吐出孔119aから液状のマトリックス樹脂11を吐出するようになっている。樹脂供給配管115は、液状のマトリックス樹脂11をバッグ材102の内部に注入する注入ポート121を構成している。注入ポート121は、成形型101にセットされる繊維質基材9のシート面方向における一方向側に位置するように設けられている。詳しくは、上記第2側面部(図示せず)のうち、アウターパネル3の後側の端面を成形する面側に設けられている。
吸引装置111は、真空ポンプ123を備えている。真空ポンプ123には、バッグ材102の内部に連通する減圧配管125の一端が接続されている。減圧配管125の途中には、マトリックス樹脂11を回収するトラップとして機能する樹脂回収タンク127と開閉弁129とが設けられている。減圧配管125の他端は、バッグ材102の内部で吐出レール119の対面に位置する成形面105の一辺に沿わせて配置された吸引レール131を有している。
吸引レール131は、その長手方向に間隔をあけて設けられた複数箇所の吸引孔131aを通じて減圧作用によりマトリックス樹脂11を吸引するようになっている。減圧配管125は、バッグ材102内部の成形空間Cを減圧する減圧ポート132を構成している。減圧ポート132は、成形型101にセットされる繊維質基材9のシート面方向における他方側、つまり第1側面部103b側に位置し、注入ポート121との間に繊維質基材9を介在させるように設けられている。
そして、図4に示すように、2枚の繊維シート7からなる第1の繊維層9aを、第1の繊維層9aの外周端縁よりも内側の部分を凹所103に対応させた状態で成形型101にセットし、当該第1の繊維層9aの上面に帯状の保持シート材15を、当該保持シート材15の幅方向中央部が上記凹所103の第1側面部103bに対応するように、当該第1側面部103bに沿って載置する。次いで、保持シート材15の凹所103内側に載置された部分の上面に線材13を上記第1側面部103bに沿って載置するとともに、保持シート材15における線材13よりも内側の領域に粉末状の固定手段としての接着用樹脂17を散布する。このとき、線材13には外力が作用しておらず、線材13は湾曲することなく直線状に延びている。その後、図5で示すように、保持シート材15の凹所103外側に載置された部分を持ち上げて保持シート材15の凹所103内側に載置された部分に上方から重ねる。次いで、この状態で、アイロン(図示せず)のベースの側面で線材13を上記第1側面部103bに向けて図5中矢印Xで示す方向に保持シート材15を介して押圧するとともに、アイロンのベースのかけ面を保持シート材15の重なった部分に上方から押し当てることにより、線材13を第1側面部103bに沿って湾曲させるとともに、アイロンの熱で接着用樹脂17を溶融させて保持シート材15の重なった部分を互いに接着する。これにより、線材13は、保持シート材15が巻き付けられた状態で湾曲し、図6に示すように、保持シート材15が線材13に巻き付いた状態に接着用樹脂17によって固定される。なお、図6~10において、接着用樹脂17の図示を省略している。このように、線材13に保持シート材15を巻き付けて保持シート材15の形状を接着用樹脂17に固定させるだけで、線材13を保持シート材15から作用する力によって湾曲させた状態に保持できるので、線材13の成形型101へのセットが容易になる。次いで、図7に示すように、2枚の繊維シート7からなる第2の繊維層9bをその外周端縁が第1の繊維層9aの外周端縁に一致するように、上記第1の繊維層9a、線材13及び保持シート材15に上方から重ねる。これにより、第1及び第2の繊維層9a,9bの外周端縁よりも内側の部分に線材13及び保持シート材15が介在する。なお、第1及び第2の繊維層9a,9bには、マトリックス樹脂11と強化繊維との接着性(馴染み)を良くするためのサイジング剤が塗布されている。サイジング剤としては、例えば、ビスフェノールAエポキシと不飽和ポリエステルの混合物やビスフェノールAエステルが用いられる。そしてこの状態で、図3及び図8に示すように、ピールフライと呼ばれる剥離シート133と、パスメディアやフローメディアと呼ばれる樹脂拡散媒体135を、下側から順に上記第1及び第2の繊維層9a,9bに上方から被せ、これら剥離シート133、樹脂拡散媒体135及び第1及び第2の繊維層9a,9bをバッグ材102で上方及び側方から覆い、バッグ材102の外周端縁部を固定部材(不図示)によりシール部材107に押し付けた状態で固定する。これにより、成形型101の成形面105とバッグ材102との間に密封された成形空間Cが形成された準備状態となる。なお、図8中、剥離シート133及び樹脂拡散媒体135の図示を省略している。
そして、上記準備状態で、吸引装置111の開閉弁129を開状態として真空ポンプ123を作動させることにより、樹脂回収タンク127内と共に成形空間Cを減圧ポート132を通じて真空吸引により減圧する。その後、樹脂供給装置109の開閉弁117を開状態にすると、樹脂貯留タンク113内と樹脂回収タンク127内との気圧差により、樹脂貯留タンク113に貯留された液状のマトリックス樹脂11が樹脂供給配管115を通じて成形空間Cに注入され、減圧ポート132に向かって流れることで、図9に示すように、第1及び第2の繊維層9a,9b、及び保持シート材15全体に浸透する。このとき、成形空間Cの上部に樹脂拡散媒体135が配設されているので、マトリックス樹脂11は、成形空間Cの上部で早く拡散し、成形空間Cの上部から下方に向けても流れる。
その後、加熱装置(図示せず)を作動させて成形型101をマトリックス樹脂11が硬化する所定の温度まで加熱することにより、第1及び第2の繊維層9a,9b、及び保持シート材15に含浸されたマトリックス樹脂11を硬化させる。これにより、第1及び第2の繊維層9a,9bを備え、上記第1及び第2の繊維層9a,9bの間に線材13及び保持シート材15が介在したアウターパネル3を取得する。その後、成形型101からバッグ材102を取り外し、アウターパネル3を成形型101から取り出し、図10に示すように、線材13よりも外側の不要部分を切除し、切削面19周りにサンディングによる端末仕上げ作業を施す。これにより、切削面19端縁に形成される角部に丸みを持たせることができる。このとき、アウターパネル3の前端縁部を第1及び第2の繊維層9a,9bとマトリックス樹脂11だけで構成した場合に比べ、アウターパネル3の前端縁部の端面が広くなっているので、上記端末仕上げ作業が容易になり、手間及び製造コストを削減できる。
したがって、本実施形態1によると、アウターパネル3の前端縁部を第1及び第2の繊維層9a,9bとマトリックス樹脂11だけで構成した場合に比べ、アウターパネル3の前端縁部が線材13断面の幅及び保持シート材15の厚さ分だけ分厚くなっているので、アウターパネル3の前端縁部の端面を広くし、ボンネット1の開閉時等にアウターパネル3の前端縁部に手で触れた際に前端縁部の端面から手に作用する圧力を小さくできる。したがって、アウターパネル3の前端縁部の手触りを良好にできる。
また、アウターパネル3が線材13配設箇所、すなわち前端縁部だけで分厚くなっているので、第1及び第2の繊維層9a,9bの間に車体前後方向に長い板材を介在させる場合に比べ、アウターパネル3の分厚い領域を狭くでき、ボンネット1のレイアウトの自由度を高めることができる。
また、アウターパネル3の前端縁部を第1及び第2の繊維層9a,9bとマトリックス樹脂11だけで構成した場合に比べ、アウターパネル3の前端縁部の断面積が線材13の分だけ大きくなるので、アウターパネル3の前端縁部の剛性を高められる。
(実施形態2)
図11は、本発明の実施形態2の図9相当図である。本実施形態2では、アウターパネル3が、車両前方に引き出した展延状態で車体Bdの開口部を上方から覆う一方、車両後方に引き戻した折り畳み状態で上記開口部を上方に開放する車両用ルーフの外側の面を構成する。当該アウターパネル3の線材13は金属製であり、当該線材13には、保持シート材15が巻き付けられていない。線材13は、直線状の線材13を成形型101の凹所103内に載置し、第1側面部103bに向けて押圧することにより、湾曲した状態に塑性変形させたものである。
したがって、本実施形態2によると、アウターパネル3を成形する際、保持シート材15を線材13に巻き付ける必要がないので、部品点数を削減するとともに成形作業を簡素化し、製造コストを削減できる。
その他のアウターパネル3の構成及び成形方法は、上記実施形態1と同じであるので同一の構成には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
なお、上記実施形態1,2では、本発明を車両用のボンネット1及びルーフのアウターパネル3に適用したが、本発明は、その他の車両用パネルにも適用できる。
また、上記実施形態1では、上記準備状態で、保持シート材15を接着用樹脂17により固定したが、接着剤、両面テープ等、他の固定手段により固定するようにしてもよい。
また、上記実施形態1,2では、上記準備状態で、線材13を湾曲させたが、繊維強化パネルの外周端縁部の形状によっては、線材13を屈曲させるようにしてもよい。
また、上記実施形態1,2では、第1及び第2の繊維層9a,9bを2枚の繊維シート7で構成したが、1枚の繊維シートで構成してもよいし、3枚以上の繊維シートで構成してもよい。
また、上記実施形態1,2では、第1及び第2の繊維層9a,9bの前端縁部に線材13を介在させたが、後端縁部等、外周端縁部における他の部分に介在させてもよい。また、第1及び第2の繊維層9a,9bに開口を設け、開口端縁部に線材13を介在させてもよい。
また、上記実施形態1,2では、断面が真円形状をなす線材13を用いたが、断面が楕円形状、三角形状、矩形状等、他の形状をなす線材13を用いてもよい。
また、上記実施形態1,2では、中実形状の線材13を用いたが、中空形状の線材13を用いてもよい。
本発明は、繊維シートを複数枚積層してなる繊維質基材と、上記繊維質基材を内包するとともに当該繊維質基材に含浸されたマトリックス樹脂とを備えた繊維強化パネルとして有用である。
3 アウターパネル(繊維強化パネル)
7 繊維シート
9 繊維質基材
9a 第1の繊維層
9b 第2の繊維層
11 マトリックス樹脂
13 線材
15 保持シート材
17 接着用樹脂(固定手段)
101 成形型
102 バッグ材
C 成形空間

Claims (3)

  1. 繊維シート(7)を複数枚積層してなる繊維質基材(9)と、上記繊維質基材(9)を内包するとともに当該繊維質基材(9)に含浸されたマトリックス樹脂(11)とを備えた繊維強化パネルであって、
    上記繊維質基材(9)は、1枚以上の繊維シート(7)からなる第1及び第2の繊維層(9a,9b)を備え、上記第1及び第2の繊維層(9a,9b)の端縁部には、線材(13)が介在していることを特徴とする繊維強化パネル。
  2. 請求項1に記載の繊維強化パネルの製造方法であって、
    上記第1及び第2の繊維層(9a,9b)を、両繊維層(9a,9b)の端縁よりも内側の部分に上記線材(13)を介在させた状態で成形型(101)にセットしてバッグ材(102)で覆って密封し、上記成形型(101)と上記バッグ材(102)との間に成形空間(C)を形成した準備状態で、上記成形空間(C)を減圧するとともに、上記成形空間(C)に上記マトリックス樹脂(11)を注入し、上記第1及び第2の繊維層(9a,9b)に上記マトリックス樹脂(11)を含浸させて硬化させることにより、上記第1及び第2の繊維層(9a,9b)の間に上記線材(13)を介在させた繊維強化パネル(3)を取得し、上記線材(13)よりも外側の部分をその後切除することを特徴とする繊維強化パネルの製造方法。
  3. 請求項2に記載の繊維強化パネルの製造方法において、
    上記準備状態で、上記線材(13)は、保持シート材(15)が巻き付けられた状態で湾曲又は屈曲し、
    上記保持シート材(15)は、上記線材(13)に巻き付いた状態に固定手段(17)によって固定されていることを特徴とする繊維強化パネルの製造方法。
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