JP7032725B2 - 粒子捕捉用マイクロデバイス、及びそれを用いた粒子の捕捉、濃縮、又は分離方法 - Google Patents
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Description
また、本開示は、一態様において、流路の断面積が拡大する拡大部を有する流路チャンバーと細胞の誘電泳動力とを利用することによって、細胞の濃縮効率を向上できるという、本発明者らが見出した新たな知見に基づく。
拡大部を有する流路チャンバー内に試料を導入すると、拡大部において流路断面積が拡大することにより試料の流速が低下する。その結果、試料の流速を低下させた状態で、試料中の粒子に誘電泳動力を及ぼすことができるため、粒子が捕捉しやすくなると考えられる。特に、流路チャンバーの高さが低い拡大部前の部分から流路チャンバーの高さを高さ方向に拡大する拡大部を形成することで、電界発生手段(例えば、電極)に近い状態(つまり粒子が受ける誘電泳動力を高めた状態にした上)で粒子の流速を低下させることができ、それにより、粒子の捕捉率をより向上できると考えられる。
流路内では、流路中央部と比べて、流路の壁面側(例えば、上面側及び底面側)の方が流速が遅いという流速の分布が生じるため、流速の遅い底面側に近づいた状態で粒子が拡大部または近傍に到達するように、拡大部前の流路の高さを低くして物理的に粒子が底面側に近づいた状態を作っておく。さらに、誘電泳動力は電界発生手段との距離が近いほど強く作用するので、流路の底面に電界発生手段を設置しておくことにより、底面に近づけておいた粒子には強い誘電泳動力が作用する。このような状態から、流路チャンバー内の流路断面積を拡大させると、試料全体の流速が低下し、底面近傍の試料の流速もさらに低下する。その結果、効率良く粒子を捕捉することができる。つまり、拡大部を設けていない構成より、拡大部を設けた構成の方が捕捉効率が高く、高さ方向への拡大の方が幅方向への拡大よりも効果的に上記効果が得られる。
ただし、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本開示は、一態様において、誘電泳動によって試料中の粒子を捕捉するためのマイクロデバイス(本開示のマイクロデバイス)に関する。本開示のマイクロデバイスは、流入口と、流出口と、前記流入口と前記流出口とを連通する流路チャンバーとを有し、前記流路チャンバーは、流入口から流出口に向かって流路の断面積が拡大する拡大部を有し、前記流路チャンバーには、電界発生手段が、少なくとも前記拡大部又は前記拡大部の近傍に配置されている。
本開示において、拡大部が流入口から流出口に向かって高さ方向及び/又は幅方向に直線的又は曲線的に拡大する場合、上記拡大が開始した部分から、高さが最も高い部分及び/又は幅が最も広い部分までの領域を拡大部という。
拡大部が流路チャンバーの底面に対して高さ方向に拡大する形態において、拡大部の高さ(He)と拡大部直前(拡大変化点)の高さ(Hb)との比(He/Hb)は、捕捉粒子、試料及び流速などに応じて適宜決定すればよいが、一又は複数の実施形態において、1.5以上であり、拡大部において流速を低下させ捕捉率をより向上させる点から、1.5以上、2以上、2.5以上、3以上、3.5以上、4以上、4.5以上、5以上、5.5以上又は6以上が好ましい。また、上記比(He/Hb)の上限は、一又は複数の実施形態において、10以下、9以下、8以下又は7以下である。本開示において「拡大部の高さ(He)」とは、拡大部において流路チャンバーの高さが最も高い部分の高さをいう。本開示において「拡大部直前の高さ(Hb)」とは、拡大部よりも上流側であって、流路断面積が大きくなる直前の流路チャンバーの高さをいう。
拡大部が流路チャンバーの底面に対して幅方向に拡大する形態において、拡大部の幅(We)と拡大部直前の幅(Wb)との比(We/Wb)は、一又は複数の実施形態において、1.5以上であり、拡大部において流速を低下させ捕捉率をより向上させる点から、1.5以上、2以上、2.5以上、3以上、3.5以上、4以上、4.5以上、5以上、5.5以上又は6以上が好ましい。また、上記比(We/Wb)の上限は、一又は複数の実施形態において、10以下、9以下、8以下又は7以下である。本開示において「拡大部の幅(We)」とは、拡大部における流路チャンバーの幅が最も広い部分の幅をいう。本開示において「拡大部直前の幅(Wb)」とは、拡大部よりも上流側であって、流路断面積が大きくなる直前の流路チャンバーの幅をいう。
ましい。
本開示のマイクロデバイスは、例えば、基板上に電極を形成すること、及び電極を形成した基板と上流側から下流側に向かって流路の断面積が拡大する拡大部を含む流路チャンバー(流路)が形成された基板とを接合することにより製造することができる。よって、本開示は、その他の態様において、基板上に電極を形成すること、及び電極を形成した基板と上流側から下流側に向かって流路の断面積が拡大する拡大部を含む流路チャンバー(流路)が形成された基板とを接合することを含むマイクロデバイスの製造方法に関する。基板の接合は、一又は複数の実施形態において、流路チャンバー(流路)が基板に形成された電極を覆うように行う。
本開示は、その他の態様において、上流側から下流側に向かって流路の断面積が拡大する拡大部を有する流路チャンバー内に、粒子に誘電泳動力を作用させる電場を発生させること、及び粒子を含有する試料を、前記流路チャンバーの上流側から前記流路チャンバー内に導入することを含む、試料中の粒子を捕捉する方法(本開示の捕捉方法)に関する。なお、電場の発生と、試料の注入口への導入の開始タイミングは、同時であってもよいし、試料が拡大部に到達する前であれば、試料導入後に電場を発生させてもよい。本開示の捕捉方法によれば、上流側から下流側に向かって流路の断面積が拡大する拡大部を有する流路チャンバー内に、該流路チャンバーの上流側から、粒子を含有する試料を導入することから、精度よく粒子を捕捉することができるとともに、簡便に粒子の濃縮を行うことができる。本開示の捕捉方法は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロデバイスを用いて行うことができる。よって、本開示は、その他の態様において、マイクロデバイスの流路チャンバー内で試料中の粒子を捕捉する方法であって、前記マイクロデバイスは、本開示のマイクロデバイスであり、前記マイクロデバイスの前記電界発生手段に、電場を発生させること、及び前記マイクロデバイスの前記流入口から前記流路チャンバー内に前記試料を導入することを含む、前記粒子を捕捉する方法に関する。
本実施形態において、拡大部14は、流路の高さ(流路の断面積)が急激に拡大している。拡大変化点の高さ(Hb)は、拡大部14に達することによって細胞の流速が急激に減速した際の電極との距離をできる限り近くでき、その結果、細胞の捕捉率をより向上させるために、できる限り低いことが好ましい。拡大部14の高さ(He)は、拡大変化点の高さ(Hb)に応じて適宜決定することができる。
櫛形電極13は、流路チャンバー11の底面を構成する基板の上面に形成されている。
〔1〕 誘電泳動によって試料中の粒子を捕捉するためのマイクロデバイスであって、
流入口と、
流出口と、
前記流入口と前記流出口とを連通する流路チャンバーとを有し、
前記流路チャンバーは、流入口から流出口に向かって流路の断面積が拡大する拡大部を有し、
前記流路チャンバーには、電界発生手段が、少なくとも前記拡大部又は前記拡大部の近傍に配置されている、マイクロデバイス。
〔2〕 前記拡大部は、前記流路チャンバーの底面に対して高さ方向に流路の断面積が拡大する、〔1〕記載のマイクロデバイス。
〔3〕 前記拡大部は、前記流路チャンバーの底面に対して、幅方向に階段状に流路の断面積が拡大する、〔1〕記載のマイクロデバイス。
〔4〕 前記流路チャンバーの底面は、平面である、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のマイクロデバイス。
〔5〕 前記電界発生手段は、前記流路チャンバーの底面に配置されている、〔1〕から〔4〕のいずれかに記載のマイクロデバイス。
〔6〕 上流側から下流側に向かって流路の断面積が拡大する拡大部を有する流路チャンバー内の少なくとも前記拡大部又は前記拡大部の近傍に、粒子に誘電泳動力を作用させる電場を発生させること、及び
粒子を含有する試料を、前記流路チャンバーの上流側から前記流路チャンバー内に導入することを含む、試料中の粒子を捕捉する方法。
〔7〕 前記拡大部において、前記粒子に誘電泳動力を作用させることを含む、〔6〕記載の捕捉方法。
〔8〕 前記拡大部の上流側から拡大部にかけて、前記粒子に誘電泳動力を作用させることを含む、〔6〕又は〔7〕に記載の捕捉方法。
〔9〕 前記流路チャンバーは、〔1〕から〔5〕のいずれかに記載のマイクロデバイスの流路チャンバーである、〔6〕から〔8〕のいずれかに記載の捕捉方法。
〔10〕 マイクロデバイスの流路チャンバー内に試料中の粒子を捕捉する方法であって、
前記マイクロデバイスは、〔1〕から〔5〕のいずれかに記載のマイクロデバイスであり、
前記マイクロデバイスの前記電界発生手段に、電場を発生させること、及び
前記マイクロデバイスの前記流入口から前記流路チャンバー内に前記試料を導入することを含む、前記粒子を捕捉する方法。
〔11〕 前記試料の導入は、前記流路チャンバーの容量を超える量の前記試料を導入することをにより行う、〔10〕に記載の捕捉方法。〔12〕 〔6〕から〔11〕のいずれかに記載の捕捉方法によって試料中の粒子を捕捉することを含む、試料中の粒子を濃縮する方法。
〔13〕 前記流路チャンバーに回収液を導入し、前記流路チャンバーに捕捉した粒子を前記流路チャンバーから回収することを含む、〔12〕記載の濃縮方法。
〔14〕 〔6〕から〔11〕のいずれかに記載の捕捉方法によって、前記流路チャンバー内に試料中の粒子を捕捉すること、及び
前記流路チャンバーに回収液を導入して前記流路チャンバーに捕捉した粒子を前記流路チャンバーから回収することを含む、試料の濃縮方法。〔15〕 〔6〕から〔11〕のいずれかに記載の捕捉方法によって試料中の粒子を前記流路チャンバーに捕捉すること、及び
前記流路チャンバーに捕捉した粒子を観察又は分析することを含む、粒子を観察又は分析する方法。
〔16〕 〔6〕から〔11〕のいずれかに記載の捕捉方法によって試料中の粒子を前記流路チャンバーに捕捉すること、及び
前記流路チャンバーに回収液を導入し、前記流路チャンバーに捕捉した粒子を前記流路チャンバーから回収することを含む、試料中の粒子を回収する方法。
〔17〕 試料中の粒子を分離する方法であって、
上流側から下流側に向かって流路の断面積が拡大する拡大部を有する流路チャンバー内の少なくとも前記拡大部又は前記拡大部の近傍に、粒子に誘電泳動力を作用させる電場を発生させること、及び
粒子を含有する試料を、前記流路チャンバーの上流側から前記流路チャンバー内に導入し、前記試料中に含まれる複数種類の粒子を分離することを含む、粒子の分離方法。
[マイクロデバイスの作製]
図1に示すマイクロデバイスを以下の手順で作製した。
1) ITO基板にウェットエッチングで電極をパターニングした。
2) シリコンウェハ上に、リソグラフィー技術を用いてSU-8で流路のモールドを作製した。
3) 上記モールドを用いて、PDMSで流路を作製した。
4) 電極をパターニングしたITO基板と、PDMSで作製した流路とを、酸素プラズマで表面を活性化し、ITO基板上にパターニングされた電極が流路と向き合うように貼りあわせた。
なお、拡大部の上流側(流入口側)(拡大部直前)の高さは約50μm、拡大部の高さは約100μm、流路チャンバー体積は約4μlとした。
Celltracker greenで染色済みのSNU-1細胞を下記誘電泳動用バッファーに添加し、下記条件でマイクロデバイスに送液し、細胞の捕捉を行った。送液終了後、流路チャンバー内に捕捉された細胞の数を顕微鏡を用いて計測し、その値を添加した細胞数で除することによって捕捉率を求めた。その結果を下記表1に示す。
<送液条件>
流量:200μL/分
処理液量:200μL
印加条件:20Vp-p,1MHz,正弦波,AC電圧
細胞:SNU‐1(ヒト胃癌細胞、生細胞)
分散液:10mM HEPES,0.1mM CaCl2,59mM D-グルコース,236mM スクロース,0.2% BSA(約40μS/cm(4mS/m))
拡大部を有さず流路チャンバーの高さが一定である以外は、実施例1と同様にマイクロデバイスを作製し、実施例1と同様に細胞の捕捉を行った。その結果を下記表1に示す。
なお、上記実施例1では処理液量を200μlで実験を行ったが、処理液量を1ml以上にしても同様に高い捕捉率で処理することが可能であり、本手法によって250倍以上の濃縮を行うことが可能であった。
Celltracker greenで染色済みのSNU-1細胞を、パラホルムアルデヒド(PFA)及びTween20を用い下記の処理条件で処理して固定化及び膜透過化処理した細胞を使用した以外は、実施例1と同様に行った。その結果を下記表2及び図2に示す。
<固定化・膜透過化処理条件>
1.固定化:1% PFA(PBS溶液)を用いて、室温で15分反応
2.膜透過処理:0.175% Tween20を用いて、室温で20分反応
実施例2の固定化及び膜透過化処理を行った細胞を使用した以外は、比較例1又は2と同様に行った。その結果を下記表2及び図2に示す。
実施例2の固定化・膜透過化処理を行った細胞を含む細胞液を、下記表3に示す流量で、下記表3に示すように拡大部の高さが異なる流路チャンバーを有する2種類のマイクロデバイスに導入した以外は実施例1と同様に行った。その結果を下記表3に示す。
実施例2の固定化・膜透過化処理を行った細胞を含む細胞液1mlを、マイクロ遠心チューブに入れ200×gで5分遠心分離し、細胞を回収した。回収した細胞数を計測しその回収率を求めた。その結果回収率は22%であった。
比較例5と同じ1mlの細胞液を、実施例1と同様に、本開示のマイクロデバイスで濃縮した。その結果、デバイス内に回収された細胞の回収率は98%(処理流量:50μL/分)であった。
つまり、拡大部を備える本開示のマイクロデバイスを使用することによって、遠心分離よりも高い捕捉率で細胞を回収できることが確認できた。
Celltracker greenで染色済みのSW620細胞(ヒト結腸癌細胞)を含む細胞液1mlを、実施例1と同様に、本開示のマイクロデバイスで濃縮した(処理流量:20μL/分)。次に、PBS(-)10μlを、マイクロデバイスの流出口からピペットで送液し、マイクロデバイス内に捕捉された細胞をマイクロデバイスから回収した。回収された細胞数を顕微鏡を用いて計測し、その値を送液前の細胞液中の細胞数(概数)で除することによって回収率を求めた。その結果を下記表4に示す。
下記条件で処理したSW620細胞を含む細胞液1mlを、実施例4と同様に、本開示のマイクロデバイスで濃縮し、デバイス内に捕捉された細胞数を顕微鏡を用いて計測した。次に、PBS(-)20μlを、マイクロデバイスの流出口からピペットで送液し、マイクロデバイス内に捕捉された細胞をマイクロデバイスから回収した。回収された細胞数を顕微鏡を用いて計測し、その値を送液前の細胞液中の細胞数(概数)で除することによって回収率を求めた。その結果を下記表4に示す。
<細胞処理条件>
1.固定化:2% PFA(PBS溶液)を用いて、室温で15分反応
2.膜透過処理:0.1% Tween20を用いて、室温で15分反応
3.染色:抗サイトケラチン抗体とHoechst33342を用い、室温で15分反応
本開示のマイクロデバイスを使用することにより、少量の回収液で細胞のロスを抑えつつ容易に細胞を回収できた。つまり、本開示のマイクロデバイスによれば、容易に細胞の濃縮を行うことができた。
下記条件で処理したSW620細胞と白血球を混合した細胞液を、実施例1と同様に、本開示のマイクロデバイスで濃縮した(処理流量:20μL/分)。
<SW620細胞処理条件>
1.固定化:0.05% PFA(PBS溶液)を用いて、室温で15分反応
2.膜透過処理:0.4% Tween20を用いて、室温で20分反応
3.染色:抗サイトケラチン抗体とHoechst33342を用い、室温で30分反応<白血球処理条件>
1.固定化:0.05% PFA(PBS溶液)を用いて、室温で15分反応
2.一次染色:抗CD45等の抗体を用いて、室温で15分反応
3.二次染色:標識用の二次抗体とHoechst33342を用い、室温で30分反応
図3に示すように、白血球のほとんどは拡大部よりも上流側(流入口側)(図3の長鎖線で囲まれた領域)で捕捉され、がん細胞の多くは拡大部近傍(図3の破線で囲まれた領域)で捕捉された。これは、白血球は液流れから受ける抗力が小さいため、拡大部よりも上流側で捕捉された一方、がん細胞は液流れから受ける抗力が白血球よりも大きいため拡大部よりも上流側では捕捉されず、拡大部近傍で捕捉されたと考えられる。なお、両細胞が混合した状態で染色等の処理をしたサンプルの場合でも、同様の現象が観察された。
実施例7の結果より、本開示のデバイスによれば、試料に複数の細胞が含まれうる場合、細胞の液流れからの受ける抗力と、受ける誘電泳動力とのバランスの違いを利用して、それぞれの細胞の捕捉位置が分かれるように捕捉できることが示唆された。
Claims (10)
- 誘電泳動によって試料中の粒子を捕捉するためのマイクロデバイスであって、
流入口と、
流出口と、
前記流入口と前記流出口とを連通する流路チャンバーとを有し、
前記流路チャンバーの底面は、平面であり、
前記流路チャンバーは、前記流入口から前記流出口に向かって流路の断面積が拡大する拡大部を有し、前記拡大部は、前記流路チャンバーの底面に対して高さ方向に流路の断面積が拡大し、
前記流路チャンバーの底面には、電界発生手段が、少なくとも前記拡大部又は前記拡大部の近傍に配置されている、マイクロデバイス(但し、拡大部が高さ方向及び幅方向の双方に流路の断面積が拡大する場合を除く)。 - 誘電泳動によって試料中の粒子を捕捉するためのマイクロデバイスであって、
流入口と、
流出口と、
前記流入口と前記流出口とを連通する流路チャンバーと、
電界発生手段とを有し、
前記流路チャンバーの底面は平面であり、
前記流路チャンバーは、前記流入口と前記流出口との間には流路の断面積が拡大する拡大部が形成されており、前記流入口と前記拡大部との間の流路の高さは、前記流路チャンバーに導入された試料中の粒子が前記流路チャンバーの底面近傍で前記流路を移動可能な高さであり、前記拡大部は、前記流路チャンバーの底面に対して高さ方向に流路の断面積が拡大し、
前記電界発生手段は、前記流路チャンバーの底面にのみ配置され、かつ、前記拡大部に対面する位置に少なくとも配置されている、マイクロデバイス。 - 前記粒子は、稀少細胞である、請求項1又は2に記載のマイクロデバイス。
- 前記稀少細胞は、血中循環腫瘍細胞又は免疫細胞である、請求項3記載のマイクロデバイス。
- マイクロデバイスの流路チャンバー内に試料中の粒子を捕捉する方法であって、
前記マイクロデバイスは、請求項1から4のいずれかに記載のマイクロデバイスであり、
前記マイクロデバイスの前記電界発生手段に電場を発生させること、及び
前記マイクロデバイスの前記流入口から前記流路チャンバー内に前記試料を導入することを含む、前記粒子を捕捉する方法。 - 前記試料の導入は、前記流路チャンバーの容量を超える量の前記試料を導入することにより行う、請求項5に記載の捕捉方法。
- 前記粒子は、稀少細胞である、請求項5又は6に記載の捕捉方法。
- 請求項5から7のいずれかに記載の捕捉方法によって、前記流路チャンバー内に試料中の粒子を捕捉すること、及び
前記流路チャンバーに回収液を導入して前記流路チャンバーに捕捉した粒子を前記流路チャンバーから回収することを含む、試料の濃縮方法。 - 試料中の粒子を分離する方法であって、
上流側から下流側に向かって流路の断面積が拡大する拡大部を有し、底面が平面である流路チャンバー内の少なくとも前記拡大部又は前記拡大部の近傍に、粒子に誘電泳動力を作用させる電場を発生させること、及び
粒子を含有する試料を、前記流路チャンバーの上流側から前記流路チャンバー内に導入し、前記試料中に含まれる複数種類の粒子を分離することを含み、
前記拡大部は、前記流路チャンバーの底面に対して高さ方向に流路の断面積が拡大し、
前記電場は、流路チャンバーの底面で発生させる、粒子の分離方法(但し、拡大部が高さ方向及び幅方向の双方に流路の断面積が拡大する場合を除く)。 - 前記粒子は、稀少細胞である、請求項9に記載の分離方法。
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