JP7031085B1 - 検出方法、検出システム、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

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Abstract

交流の励起磁場を用いて検出対象磁気粒子を検出する検出方法は、候補磁気粒子に対して、ニール緩和時間と粒子径との関係を示すニール緩和曲線を取得するステップ(S1)と、候補磁気粒子に対して、ブラウン緩和時間と粒子径との関係を示すブラウン緩和曲線を取得するステップ(S2)と、ニール緩和曲線とブラウン緩和曲線との交点に対応する粒子径を交点粒子径として特定するステップ(S3)と、交点粒子径よりも大きい粒子径を有する候補磁気粒子を検出対象磁気粒子として選択するステップ(S4)と、を備える。

Description

本開示は、磁気粒子を検出するための検出方法、検出システム、プログラムおよび記録媒体に関する。
近年、新たな免疫血清検査として、磁気粒子を用いた磁気的免疫検査の開発が進められている。磁気的免疫検査は、蛍光式を代表とする従来の免疫検査に必要な洗い工程を必要とせず、かつ、感度も高いというメリットを有する。さらに、人体に対する磁気信号の透明性から、被検査体を取り出すことのない体内診断へ磁気的免疫検査を適用することが期待されている。
磁気的免疫検査では、標的物質と抗原抗体反応で結合するタンパク質等の物質を磁気粒子に事前に付着させておくことで、磁気粒子からの磁気信号に基づいて標的物質の量及び位置を特定することが可能となる。
特開2013-228280号公報(特許文献1)には、交流磁場を用いた磁気的免疫検査方法及び検査装置が記載されている。特許文献1に記載の検査方法では、標的物質と結合した磁気粒子(以下、「結合粒子」と称する。)を永久磁石で沈殿させ、上澄みに存在する、標的物質と結合していない磁気粒子(以下、「未結合粒子」と称する。)のみを励磁して未結合粒子からの磁気信号を取得する。取得された磁気信号と標的物質を全く含まない試料中の磁気粒子からの磁気信号との差分をとることにより、結合粒子の量が間接的に検出される。
特開2013-228280号公報
R. Matthew Ferguson、他2名、「Optimization of nanoparticle core size for magnetic particle imaging」、J. Magn. Magn. Mater.、321 (2009)、pp1548-1551
特許文献1に記載の技術では、間接的な定量検査のため直接的な定量検査に比べて検出精度が低い。さらに、永久磁石を用いて結合粒子と未結合粒子とを分離する必要があるため、被検査体を体外に取り出さない体内検査には適用できない。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、体内検査に適用可能であり、かつ、結合粒子を精度良く検出可能な検出方法、検出システム、プログラムおよび記録媒体を提供することである。
本開示のある局面の検出方法は、交流の励起磁場を用いて検出対象磁気粒子を検出する。検出方法は、候補磁気粒子に対して、ニール緩和時間と粒子径との関係を示す第1曲線を取得するステップと、候補磁気粒子に対して、ブラウン緩和時間と粒子径との関係を示す第2曲線を取得するステップと、第1曲線と第2曲線との交点に対応する粒子径を交点粒子径として特定するステップと、交点粒子径よりも大きい粒子径を有する候補磁気粒子を検出対象磁気粒子として選択するステップと、を備える。
本開示のある局面の検出システムは、励起磁場を用いて検出対象磁気粒子を検出する。検出システムは、候補磁気粒子から検出対象磁気粒子を選択するための情報処理を実行するプロセッサを備える。プロセッサは、候補磁気粒子に対して、ニール緩和時間と粒子径との関係を示す第1曲線を取得し、候補磁気粒子に対して、ブラウン緩和時間と粒子径との関係を示す第2曲線を取得する。さらに、プロセッサは、第1曲線と第2曲線との交点に対応する粒子径を交点粒子径として特定し、交点粒子径よりも大きい粒子径を有する候補磁気粒子を検出対象磁気粒子として選択する。
本開示のある局面のコンピュータプログラムは、励起磁場を用いて検出対象磁気粒子を検出する検出システムを支援する。コンピュータプログラムは、候補磁気粒子に対して、ニール緩和時間と粒子径との関係を示す第1曲線を取得するステップと、候補磁気粒子に対して、ブラウン緩和時間と粒子径との関係を示す第2曲線を取得するステップと、第1曲線と第2曲線との交点に対応する粒子径を交点粒子径として特定するステップと、交点粒子径よりも大きい粒子径を有する候補磁気粒子を検出対象磁気粒子として選択するステップと、をコンピュータに実行させる。
本開示のある局面のコンピュータ読取り可能な記録媒体は、上記のコンピュータプログラムを記録する。
本開示によれば、交点粒子径よりも大きい粒子径を有する検出対称磁気粒子からの磁気信号の位相は、主にブラウン緩和時間に対応する。ブラウン緩和時間は、検出対象磁気粒子と標的物質との結合の有無に応じて異なる。そのため、結合粒子と未結合粒子とが存在する被検査体に励起磁場を印加したとき、ブラウン緩和時間の違いから結合粒子を精度良く検出できる。さらに、結合粒子と未結合粒子とを分離する必要がないため、体内検査にも適用可能である。
実施の形態1に係る検出システムの全体構成の一例を示す図である。 検出システムの一部を示す斜視図である。 情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 実施の形態1に係る磁気粒子の検出方法の流れを示すフローチャートである。 ニール緩和曲線及びブラウン緩和曲線の一例を示す図である。 結合粒子と未結合粒子との実効緩和曲線の一例を示す図である。 結合粒子と未結合粒子との実効緩和曲線の他の例を示す図である。 図4に示すステップS8のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。 ステップS83,S84の処理内容を示す図である。 図4に示すステップS10のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。 実施の形態2に係る検出システムの全体構成の一例を示す図である。 実施の形態2における図4のステップS8のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。 実施の形態3に係る検出方法の処理の流れを示すフローチャートである。 ステップS11を実行するための装置の一例を示す図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則として繰り返さない。以下の図は各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
(検出システムの全体構成)
図1は、実施の形態1に係る検出システムの全体構成の一例を示す図である。図1に示す検出システム100は、励起磁場印加器1と、ゼロ磁場発生器2と、磁気センサ3と、信号増幅器5と、第1電源7と、第2電源8aと、第3電源8bと、情報処理装置9と、を備える。
励起磁場印加器1は、被検査体6が置かれる領域に交流の励起磁場を印加する。具体的には、励起磁場印加器1は、第1電源7に接続されるコイルによって構成される。第1電源7から励起磁場印加器1に電流が流されることにより、被検査体6が置かれる領域に励起磁場が印加される。
被検査体6に励起磁場が印加されることにより、被検査体6に含まれる磁気粒子は、励起磁場と同じ周波数の基本波f0の磁気信号とその高次高調波(n×f0)の磁気信号(高次高調波信号)とを発生する。
磁気粒子には、被検査体6に含まれる標的物質と抗原抗体反応で結合するタンパク質等の物質が付着されている。
ゼロ磁場発生器2は、被検査体6が置かれる領域にゼロ磁場領域を形成する。具体的には、ゼロ磁場発生器2は、磁化の方向が逆になるように対向配置された一対の電磁石2a,2bを含む。電磁石2a,2bは、第2電源8aおよび第3電源8bにそれぞれ接続される。第2電源8aおよび第3電源8bから電磁石2a,2bにそれぞれ電流が流されることにより、ゼロ磁場領域が発生する。
本実施の形態では、ゼロ磁場発生器2が電磁石2a,2bを含む場合について説明するが、ゼロ磁場発生器2は、電磁石2a,2bの代わりに、対向配置された2つの永久磁石あるいは永久磁石と電磁石との組み合わせを用いてもよい。2つの永久磁石によってゼロ磁場領域が形成される場合、第2電源8aおよび第3電源8bが省略される。
磁気センサ3は、励起磁場が印加された被検査体6に含まれる磁気粒子からの磁気信号を検出する。磁気信号は、磁気粒子の磁気モーメントの変化を示す。信号増幅器5は、磁気センサ3から出力される磁気信号を増幅する。
情報処理装置9は、バスを介して、検出システム100の各部に接続される。情報処理装置9は、検出システム100の動作を制御するための各種の情報処理を実行する。情報処理装置9は、体内検査に適用可能であり、かつ、標的物質と結合したときに精度良く検出可能な磁気粒子を検出対象磁気粒子として選択する処理を実行する。さらに、情報処理装置9は、信号増幅器5から磁気信号を取得するとともに、第1電源から励起磁場と同じ周波数及び位相の参照信号を取得する。情報処理装置9は、磁気信号および参照信号を用いて、標的物質と結合した検出対象磁気粒子を検出する処理を実行する。
(ゼロ磁場領域)
図2は、検出システムの一部を示す斜視図である。図2に示す例では、ゼロ磁場発生器2に含まれる一対の電磁石2a,2bによって、線状のゼロ磁場領域(Field Free Line(FFL))4が発生している。しかしながら、本実施の形態において、ゼロ磁場領域4の形状は線状に限定されない。例えば、ゼロ磁場領域4は、点状ゼロ磁場領域(Field Free Point(FFP))あるいは面状などであってもよい。
電磁石2a,2bの電流バランスを変えることによって、線状のゼロ磁場領域4の位置及び方向が走査される。具体的には、電磁石2a,2bの位置に応じて定められる座標系の原点と線状のゼロ磁場領域4との距離(以下、「並進位置r」と称する。)、及び、当該座標系に設定される軸と線状のゼロ磁場領域4との角度(以下、「角度θ」と称する。)は、電磁石2a,2bの電流バランスに応じて変化する。なお、ゼロ磁場領域4を走査させる方法は、これに限定されない。例えば、電磁石2a,2bの物理的移動によってゼロ磁場領域4を走査させてもよい。あるいは、ゼロ磁場領域4の位置を固定し、被検査体6を移動させることにより、被検査体6に対してゼロ磁場領域4を相対的に走査させてもよい。
(情報処理装置のハードウェア構成)
図3は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示されるように、情報処理装置9は、プロセッサ12と、RAM(Random Access Memory)13と、読取部14と、内部記憶部15と、表示部16と、操作部17と、通信インターフェイス18と、を含む。
プロセッサ12は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、演算処理を実行する。RAM13は、プロセッサ12の演算処理に伴って発生する一時的な情報を記憶する。プロセッサ12は、内部記憶部15に格納されたプログラム(検出プログラム10を含む)を読み出して、RAM13に展開して実行する。
読取部14は、例えばCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体11に記録された情報を読み取る。
内部記憶部15は、例えばハードディスクドライブであり、検出プログラム10などの各種のプログラムおよび各種のデータを記憶する。
表示部16は、例えば液晶ディスプレイであり、プロセッサ12の演算処理に応じて生成される画面を表示する。操作部17は、例えばキーボード、マウスなどを含み、オペレータによる操作入力を受け付ける。
通信インターフェイス18は、ネットワークを介して、外部の装置(例えばサーバ装置19)と通信する。
検出プログラム10は、磁気粒子の検出に関する処理の命令群を含む。検出プログラム10は、例えば光学記録媒体11に記録され、読取部14によって読み取られ、内部記憶部15に格納される。あるいは、検出プログラム10は、通信インターフェイス18によってサーバ装置19からダウンロードされ、内部記憶部15に格納されてもよい。
(磁気粒子の検出方法の流れ)
図4は、実施の形態1に係る磁気粒子の検出方法の流れを示すフローチャートである。図4に示すフローは、RAM13に展開した検出プログラム10に従って、プロセッサ12によって実行される。
まずステップS1において、情報処理装置9のプロセッサ12は、候補磁気粒子に対して、ニール緩和時間と粒子径との関係を示すニール緩和曲線を計算して取得する。さらにステップS2において、プロセッサ12は、候補磁気粒子に対して、ブラウン緩和時間と粒子径との関係を示すブラウン緩和曲線を計算して取得する。次にステップS3において、プロセッサ12は、ニール緩和曲線とブラウン緩和曲線との交点に対応する粒子径を交点粒子径として特定する。ステップS4において、プロセッサ12は、交点粒子径よりも大きい粒子径を有する候補磁気粒子を検出対象磁気粒子として選択する。
候補磁気粒子は、被検査体6に与えられ磁気粒子の候補である。候補磁気粒子は、被検査体6に含まれる標的物質と結合可能な粒子であり、標的物質に応じて予め設計される。
磁気粒子の体積が小さい場合、当該磁気粒子の磁気特性は、熱の影響を受けやすい。熱の影響として、ニール緩和とブラウン緩和とが知られている。ニール緩和は、磁気粒子内において磁気モーメントが熱によりランダムに回転し、その結果、磁化が小さくなる現象である。ブラウン緩和は、磁気粒子自体の回転により、磁化が小さくなる現象である。
プロセッサ12は、以下の式(1)及び式(2)を用いて、コア粒子半径rnとニール緩和時間τnとの関係を示すニール緩和曲線を計算する。なお、τ0は緩和時間定数(s)であり、Kは磁気粒子の異方性エネルギー(J/m3)であり、kBはボルツマン定数(J/K)であり、Tは磁気粒子の温度(K)である。プロセッサ12は、候補磁気粒子および被検査体6に応じてオペレータによって入力された値を各パラメータに入力することにより、ニール緩和曲線を計算する。
Figure 0007031085000001
Figure 0007031085000002
プロセッサ12は、以下の式(3)及び式(4)を用いて、流体力学的半径rfとブラウン緩和時間τbとの関係を示すブラウン緩和曲線を計算する。流体力学的半径rfは、磁気粒子のコアの外側の被膜、修飾基(標的物質と抗原抗体反応するタンパク質)、標的物質などを含んだ粒子の半径である。そのため、コア以外の構成により流体力学的半径が変化した場合、ブラウン緩和曲線のオフセットや傾きが変化する。なお、ηは磁気粒子の存在する媒体の粘度(Js/m3)である。プロセッサ12は、候補磁気粒子および被検査体6に応じてオペレータによって入力された値を各パラメータに入力することにより、ブラウン緩和曲線を計算する。
Figure 0007031085000003
Figure 0007031085000004
図5は、ニール緩和曲線及びブラウン緩和曲線の一例を示す図である。なお、図5の横軸は、コア粒子半径rn及び流体力学的半径rfから換算される粒子径としてコア粒径が示される。プロセッサ12は、式(1)及び式(2)から計算されたニール緩和曲線のコア粒子半径rnをコア粒径に換算すればよい。同様に、プロセッサ12は、式(3)及び式(4)から計算されたブラウン緩和曲線の流体力学的半径rfをコア粒径に換算すればよい。
図5に示されるように、ニール緩和曲線21の傾きはブラウン緩和曲線22の傾きよりも大きく、コア粒径が小さいときに、ニール緩和時間はブラウン緩和時間よりも小さい。そのため、ニール緩和曲線21とブラウン緩和曲線22とは交わる。プロセッサ12は、ニール緩和曲線21とブラウン緩和曲線22との交点に対応するコア粒径を交点粒子径として特定する。
磁気粒子の磁化の実効的な緩和時間(実効緩和時間)は、ニール緩和時間及びブラウン緩和時間のうち短い方に従う。図5において、実効緩和曲線23は、候補磁気粒子におけるコア粒径と実効緩和時間との関係を示す。実効緩和曲線23が示すように、交点粒子径よりも小さいコア粒径を有する候補磁気粒子では、ニール緩和時間に従って磁化が緩和され、交点粒子径よりも大きいコア粒径を有する候補磁気粒子では、ブラウン緩和時間に従って磁化が緩和される。
図6は、結合粒子と未結合粒子との実効緩和曲線の一例を示す図である。図7は、結合粒子と未結合粒子との実効緩和曲線の他の例を示す図である。図6,7において、符号23aは、標的物質を結合した候補磁気粒子(結合粒子)の実効緩和曲線を示す。符号23bは、標的物質を結合していない候補磁気粒子(未結合粒子)の実効緩和曲線を示す。図6には、候補磁気粒子が標的物質と結合した後も回転運動可能であるときの実効緩和曲線23a,23bが示される。図7には、候補磁気粒子が標的物質と結合した後に回転運動不可能であるときの実効緩和曲線23a,23bが示される。
図6,7に示されるように、交点粒子径よりも小さいコア粒径では、結合粒子の実効緩和曲線23aと未結合粒子の実効緩和曲線23bとの差異がほとんど見られない。これに対し、交点粒子径よりも大きいコア粒径では、結合粒子の実効緩和曲線23aと未結合粒子の実効緩和曲線23bとの差が大きくなる。すなわち、交点粒子径よりも大きいコア粒径を有する候補磁気粒子の緩和時間は、標的物質に結合しているか否かによって異なる。そのため、交点粒子径よりも大きいコア粒径を有する候補磁気粒子に励起磁場を印加したとき、標的物質に結合しているか否かによって、候補磁気粒子からの磁気信号の位相が異なる。すなわち、位相情報を用いることにより結合粒子と未結合粒子とを弁別することが可能となる。そこで、図6,7に示されるように、プロセッサ12は、交点粒子径よりも大きいコア粒径を有する候補磁気粒子を検出対象磁気粒子として選択する。
図4に戻って、ステップS5以降の処理を説明する。ステップS5において、プロセッサ12は、電磁石2a,2bへの電力供給を制御する指令を生成し、生成した指令を第2電源8aおよび第3電源8bに出力する。これにより、第2電源8aおよび第3電源8bは、指令に応じて、電磁石2a,2bへの電力供給を開始する。その結果、被検査体6にゼロ磁場領域が発生する。なお、被検査体6には、候補磁気粒子が注入されている。
次にステップS6において、プロセッサ12は、励起磁場印加器1への電力供給を制御する指令を生成し、生成した指令を第1電源7に出力する。これにより、第1電源7は、指令に応じて、励起磁場印加器1への電力供給を開始する。その結果、被検査体6に交流の励起磁場が印加される。
次にステップS7において、プロセッサ12は、第2電源8aおよび第3電源8bから電磁石2a,2bへの電流バランスを調整することにより、被検査体6におけるゼロ磁場領域を走査する。なお、ステップS5においてゼロ磁場領域が1回目の走査位置に位置している場合、1回目のステップS7は省略される。
次にステップS8において、プロセッサ12は、励起磁場による検出対象磁気粒子の磁気モーメントの変化を検出し、検出結果を記憶する。
次にステップS9において、プロセッサ12は、被検査体6におけるゼロ磁場領域の走査が終了したか否かを判定する。走査が終了していない場合(ステップS9でNO)、処理は、ステップS7に戻る。これにより、ゼロ磁場領域の各走査位置について、ステップS7およびステップS8が実施される。
走査が終了した場合(ステップS9でYES)、ステップS10において、プロセッサ12は、記憶している検出結果を用いて、被検査体6において標的物質が存在している空間分布を示す画像を生成する処理(空間分布イメージング)を実行する。
なお、ステップS5とステップS6との順序は逆であってもよい。また、ステップS7とステップS8との順序は逆であってもよい。
(ステップS8のサブルーチン)
図8は、図4に示すステップS8のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。図8に示されるように、ステップS81において、プロセッサ12は、励磁磁場に応じた、ゼロ磁場領域に存在する検出対象磁気粒子の磁気モーメントの変化を示す磁気信号を信号増幅器5から取得する。次にステップS82において、プロセッサ12は、磁気信号をフーリエ変換する。基本波信号の大部分は、励起磁場による。そのため、ステップS82において、プロセッサ12は、磁気モーメントの変化に応じて発生する高次高調波信号の位相を検出することが好ましい。
次にステップS83において、プロセッサ12は、結合粒子の信号位相を基準位相として、磁気信号を回転変換する。ステップS84において、プロセッサ12は、回転変換後の磁気信号における基準位相の成分を結合粒子の信号として取得する。すなわち、プロセッサ12は、磁気信号の位相に基づいて、検出対象磁気粒子と標的物質との結合の有無を判定し、結合粒子の信号を取得する。プロセッサ12は、取得した結合粒子の信号とゼロ磁場領域の走査位置を示す情報(上記の並進位置r及び角度θ)とを対応付けて記憶する。
図9は、ステップS83,S84の処理内容を示す図である。図9において、X軸は、検出対象磁気粒子の磁気モーメントの変化のうち、交流の励起磁場に対する追随成分を示す。Y軸は、検出対象磁気粒子の磁気モーメントの変化のうち、交流の励起磁場に対する遅れ成分を示す。遅れ成分は、追随成分に対して90°ずれている。
図9の左側には、フーリエ変換後の磁気信号30がXY平面にプロットされた状態が示される。結合粒子の信号位相31および未結合粒子の信号位相32は、予め測定され、情報処理装置9に登録されている。情報処理装置9は、結合粒子の信号位相31が基準位相となるように、磁気信号30を回転変換する。これにより、X軸がX’軸に回転変換され、Y軸がY’軸に回転変換される。なお、プロセッサ12は、図6,7に示される結合粒子の実効緩和曲線23aの緩和時間から結合粒子の信号位相31を計算し、計算結果に応じて回転変換行列を算出すればよい。
プロセッサ12は、回転変換後の磁気信号30のX’軸成分を結合粒子の信号として取得する。
(ステップS10のサブルーチン)
図10は、図4に示すステップS10のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。図10には、公知の逐次近似画像再構成法を用いて、結合粒子の空間分布を示す画像を生成する方法が示される。
図10に示されるように、ステップS101において、プロセッサ12は、ステップS8において記憶した結合粒子の信号及びゼロ磁場領域の走査位置を示す情報からサイノグラム(以下、「測定サイノグラム」と称する。)を生成する。サイノグラムは、横軸を角度θ、縦軸を並進位置rとする信号マップである。
次にステップS102において、プロセッサ12は、結合粒子の分布を仮定する。ステップS103において、プロセッサ12は、ステップS102において仮定した分布を用いて、仮定サイノグラムを生成する。ステップS104において、プロセッサ12は、ステップS101において生成した測定サイノグラムとステップS103において生成した仮定サイノグラムとの誤差を算出する。ステップS105において、プロセッサ12は、誤差が予め定められた収束条件以下であるか否かを判定する。ステップS105においてNOの場合、処理はステップS102に戻る。
プロセッサ12は、ステップS102からステップS104の処理を誤差が収束条件以下になるまで繰り返す。
ステップS105においてYESの場合、ステップS106において、プロセッサ12は、収束条件を満たす仮定サイノグラムに対応する、結合粒子の空間分布を示す画像を示すデータ(空間分布イメージデータ)を生成し、生成したデータを出力する。例えば、プロセッサ12は、結合粒子の空間分布を示す画像を表示部16に表示させる。
「R. Matthew Ferguson、他2名、「Optimization of nanoparticle core size for magnetic particle imaging」、J. Magn. Magn. Mater.、321 (2009)、pp1548-1551」(非特許文献1)に記載されているように、従来の磁気粒子イメージング装置では、緩和遅れの影響が最小となるように励磁周波数や磁気粒子のコアサイズが選定されることが一般的であった。しかしながら、緩和遅れにより信号強度が多少小さくなったとしても、磁気信号の位相から結合粒子と未結合粒子とを弁別することによって、結合粒子の空間分布をイメージングすることができる。これにより、結果的に画像のコントラストを向上できる。
なお、ここでは、ゼロ磁場領域4が線状である場合について説明した。しかしながら、上述したように、ゼロ磁場領域の形状は線状に限定されない。ゼロ磁場領域4の形状が線状でない場合であって、ゼロ磁場領域4の走査位置とその走査位置での信号強度との対応を表す情報を用いて、仮定の分布から得られる仮定値と測定値との誤差が収束条件以下になるように仮定の分布を決定する処理が実施されればよい。
実施の形態2.
図11は、実施の形態2に係る検出システムの全体構成の一例を示す図である。図11に示されるように、実施の形態2に係る検出システム100Aは、実施の形態1に係る検出システム100と比較して、信号増幅器5および情報処理装置9の代わりにロックインアンプ20及び情報処理装置9Aをそれぞれ備える点で相違する。
ロックインアンプ20は、入力信号の中から既知の周波数および位相を有する信号を抽出する。ロックインアンプ20には、入力信号として、磁気センサ3によって測定された磁気信号が入力される。さらに、ロックインアンプ20には、第1電源7から、交流の励起磁場と同じ周波数及び位相を有する参照信号が入力される。ロックインアンプ20は、予め定められた設定に従って、結合粒子からの磁気信号の位相と一致するように参照信号の位相を調整する。ロックインアンプ20は、入力信号と調整後の参照信号との同期検波を行なうことにより、磁気センサ3によって測定された磁気信号の中から、結合粒子に特有の位相の高次高調波信号を抽出し、抽出した信号を情報処理装置9Aに出力する。
情報処理装置9Aは、実施の形態1に係る情報処理装置9と同様のハードウェア構成を有する。プロセッサ12は、実施の形態1と同様に、図4に示すフローチャートに従って、処理を実行する。
図12は、実施の形態2における図4のステップS8のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。
図12に示されるように、ステップS85において、プロセッサ12は、ロックインアンプ20の同期検波によって得られる信号を受ける。当該信号は、上述したように、結合粒子に特有の位相を有する高次高調波信号である。次にステップS86において、プロセッサ12は、ステップS85において受信した信号を、結合粒子の信号として取得する。
実施の形態3.
図13は、実施の形態3に係る検出方法の処理の流れを示すフローチャートである。図13に示すフローチャートは、図4に示すフローチャートと比較して、ステップS11及びステップS12を含む点で相違する。
図13に示されるように、ステップS4の後のステップS11において、交点粒子径よりも小さいコア粒径を有する磁気粒子を削減するために、候補磁気粒子の中から、交点粒子径よりも大きいコア粒径を有する検出対象磁気粒子が抽出される。
図14は、ステップS11を実行するための装置の一例を示す図である。図14に示されるように、装置は、候補磁気粒子41を通すためのカラム45と、カラム45の外部に配置された永久磁石40と、を含む。
候補磁気粒子41は、交点粒子径よりも大きいコア粒径を有する検出対象磁気粒子42と、交点粒子径よりも小さいコア粒径を有する対象外磁気粒子43と、を含む。検出対象磁気粒子42の方が磁化しやすいため、磁場の力をより大きく受ける。したがって、カラム45に候補磁気粒子41を投入すると、検出対象磁気粒子42は磁場に引き寄せられ、対象外磁気粒子43はカラム45内を通過する。これにより、検出対象磁気粒子42と対象外磁気粒子とが分離され、検出対象磁気粒子42が抽出される。なお、永久磁石の代わりに、コイル及び磁性体で構成される電磁石を用いてもよい。あるいは、メッシュ状の篩を用いて、物理的に検出対象磁気粒子42を抽出してもよい。
図13に示されるように、ステップS11の後のステップS12において、抽出された検出対象磁気粒子42が被検査体6に注入される。ステップS12の後、図4と同じステップS5~S10が実施される。
交点粒子径よりも小さいコア粒径を有する候補磁気粒子の信号は、標的物質に結合しているか否かに依らず同位相となる。そのため、結合粒子と未結合粒子との弁別には利用できない。候補磁気粒子から交点粒子径よりも小さいコア粒径を有する候補磁気粒子を削減しておくことによって、弁別には寄与しない余分な信号が信号増幅器5あるいはロックインアンプ20に入力される割合を低減できる。これにより、検出対称磁気粒子による信号をより増幅することが可能となり、S/Nが改善される。
変形例.
上記の説明では、検出システムは、結合粒子の空間分布を示す画像を生成するものとした。しかしながら、空間分布イメージングの必要のない総量検査の場合、図4に示すステップS5及びステップS7からステップS10を省略できる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 励起磁場印加器、2 ゼロ磁場発生器、2a,2b 電磁石、3 磁気センサ、4 ゼロ磁場領域、5 信号増幅器、6 被検査体、7 第1電源、8a 第2電源、8b 第3電源、9,9A 情報処理装置、10 検出プログラム、11 光学記録媒体、12 プロセッサ、13 RAM、14 読取部、15 内部記憶部、16 表示部、17 操作部、18 通信インターフェイス、19 サーバ装置、20 ロックインアンプ、21 ニール緩和曲線、22 ブラウン緩和曲線、23,23a,23b 実効緩和曲線、40 永久磁石、41 候補磁気粒子、42 検出対象磁気粒子、43 対象外磁気粒子、45 カラム、100,100A 検出システム。

Claims (18)

  1. 交流の励起磁場を用いて検出対象磁気粒子を検出する検出方法であって、
    前記検出対象磁気粒子の候補となる候補磁気粒子に対して、ニール緩和時間と粒子径との関係を示す第1曲線を取得する第1ステップと、
    前記候補磁気粒子に対して、ブラウン緩和時間と粒子径との関係を示す第2曲線を取得する第2ステップと、
    前記第1ステップで取得した前記第1曲線と前記第2ステップで取得した前記第2曲線との交点に対応する粒子径を交点粒子径として特定する第3ステップと、
    前記第3ステップで特定した前記交点粒子径よりも大きい粒子径を前記候補磁気粒子が有する場合に前記第1ステップおよび前記第2ステップでの取得の対象であった前記候補磁気粒子を前記検出対象磁気粒子として選択し、前記第3ステップで特定した前記交点粒子径よりも大きい粒子径を前記候補磁気粒子が有していない場合に前記第1ステップおよび前記第2ステップでの取得の対象であった前記候補磁気粒子を前記検出対象磁気粒子として選択しない第4ステップと、を備える、検出方法。
  2. 前記検出対象磁気粒子に前記励起磁場を印加する第5ステップと、
    前記励起磁場による前記検出対象磁気粒子の磁気モーメントの変化を検出する第6ステップと、をさらに備える、請求項1に記載の検出方法。
  3. 前記検出対象磁気粒子は、標的物質と結合可能であり、
    前記第6ステップは、
    前記磁気モーメントの変化に応じて発生する高次高調波信号の位相を検出するステップと、
    前記位相に基づいて、前記検出対象磁気粒子と前記標的物質との結合の有無を判定するステップと、を含む、請求項2に記載の検出方法。
  4. 前記検出対象磁気粒子および前記標的物質が存在する被検査体にゼロ磁場領域を発生させる第7ステップと、
    前記被検査体において前記ゼロ磁場領域を走査する第8ステップと、
    前記被検査体において、前記標的物質と結合していると判定された前記検出対象磁気粒子の空間分布を示す画像を生成する第9ステップと、をさらに備える、請求項3に記載の検出方法。
  5. 前記候補磁気粒子から前記検出対象磁気粒子を抽出する第10ステップと、
    前記第10ステップによって抽出された前記検出対象磁気粒子を、前記検出対象磁気粒子と結合可能な標的物質が存在する被検査体に注入する第11ステップと、をさらに備える、請求項1または2に記載の検出方法。
  6. 励起磁場を用いて検出対象磁気粒子を検出する検出システムであって、
    前記検出対象磁気粒子の候補となる候補磁気粒子から前記検出対象磁気粒子を選択するための情報処理を実行するプロセッサを備え、
    前記プロセッサは、
    前記候補磁気粒子に対して、ニール緩和時間と粒子径との関係を示す第1曲線を取得する第1処理と
    前記候補磁気粒子に対して、ブラウン緩和時間と粒子径との関係を示す第2曲線を取得する第2処理と
    前記第1処理で取得した前記第1曲線と前記第2処理で取得した前記第2曲線との交点に対応する粒子径を交点粒子径として特定する第3処理と
    前記第3処理で特定した前記交点粒子径よりも大きい粒子径を前記候補磁気粒子が有する場合に前記第1処理および前記第2処理での取得の対象であった前記候補磁気粒子を前記検出対象磁気粒子として選択し、前記第3処理で特定した前記交点粒子径よりも大きい粒子径を前記候補磁気粒子が有していない場合に前記第1処理および前記第2処理での取得の対象であった前記候補磁気粒子を前記検出対象磁気粒子として選択しない第4処理と、を実行する、検出システム。
  7. 前記励起磁場を前記検出対象磁気粒子に印加する印加器と、
    前記励起磁場による前記検出対象磁気粒子の磁気モーメントの変化を示す磁気信号を検出するセンサと、をさらに備える、請求項6に記載の検出システム。
  8. 前記検出対象磁気粒子は、標的物質と結合可能であり、
    前記プロセッサは、さらに、
    前記磁気信号に基づいて、前記磁気モーメントの変化に応じて発生する高次高調波信号の位相を検出する第5処理と
    前記位相に基づいて、前記検出対象磁気粒子と前記標的物質との結合の有無を判定する第6処理と、を実行する、請求項7に記載の検出システム。
  9. 前記検出対象磁気粒子は、標的物質と結合可能であり、
    前記検出システムは、
    前記磁気信号から、前記検出対象磁気粒子のうち前記標的物質と結合した粒子に対応する位相の高次高調波信号を抽出するロックインアンプをさらに備え、
    前記プロセッサは、
    前記高次高調波信号に基づいて、前記検出対象磁気粒子と前記標的物質との結合の有無を判定する第7処理を実行する、請求項7に記載の検出システム。
  10. 前記検出対象磁気粒子および前記標的物質が存在する被検査体にゼロ磁場領域を発生さるゼロ磁場発生器と、
    前記被検査体において前記ゼロ磁場領域を走査する走査部と、をさらに備え、
    前記プロセッサは、
    前記ゼロ磁場領域の走査位置と前記結合の有無の判定結果とに基づいて、前記被検査体において、前記標的物質と結合していると判定された前記検出対象磁気粒子の空間分布を示す画像を生成する第8処理を実行する、請求項8または9に記載の検出システム。
  11. 励起磁場を用いて検出対象磁気粒子を検出する検出システムを支援するコンピュータプログラムであって、
    前記検出対象磁気粒子の候補となる候補磁気粒子に対して、ニール緩和時間と粒子径との関係を示す第1曲線を取得する第1ステップと、
    前記候補磁気粒子に対して、ブラウン緩和時間と粒子径との関係を示す第2曲線を取得する第2ステップと、
    前記第1ステップで取得した前記第1曲線と前記第2ステップで取得した前記第2曲線との交点に対応する粒子径を交点粒子径として特定する第3ステップと、
    前記第3ステップで特定した前記交点粒子径よりも大きい粒子径を前記候補磁気粒子が有する場合に前記第1ステップおよび前記第2ステップでの取得の対象であった前記候補磁気粒子を前記検出対象磁気粒子として選択し、前記第3ステップで特定した前記交点粒子径よりも大きい粒子径を前記候補磁気粒子が有していない場合に前記第1ステップおよび前記第2ステップでの取得の対象であった前記候補磁気粒子を前記検出対象磁気粒子として選択しない第4ステップと、をコンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
  12. 前記検出対象磁気粒子は、標的物質と結合可能であり、
    前記コンピュータプログラムは、
    前記励起磁場による前記検出対象磁気粒子の磁気モーメントの変化に応じて発生する高次高調波信号の位相に基づいて、前記検出対象磁気粒子と前記標的物質との結合の有無を判定する第5ステップを前記コンピュータにさらに実行させる、請求項11に記載のコンピュータプログラム。
  13. 前記検出システムは、
    前記検出対象磁気粒子および前記標的物質が存在する被検査体にゼロ磁場領域を発生さるゼロ磁場発生器と、
    前記被検査体において前記ゼロ磁場領域を走査する走査部と、を備え、
    前記コンピュータプログラムは、
    前記ゼロ磁場領域の走査位置と前記結合の有無の判定結果とに基づいて、前記被検査体において、前記標的物質と結合していると判定された前記検出対象磁気粒子の空間分布を示す画像を生成する第6ステップを前記コンピュータにさらに実行させる、請求項12に記載のコンピュータプログラム。
  14. 交流の励起磁場を用いて検出対象磁気粒子を検出する検出方法であって、
    候補磁気粒子に対して、ニール緩和時間と粒子径との関係を示す第1曲線を取得するステップと、
    前記候補磁気粒子に対して、ブラウン緩和時間と粒子径との関係を示す第2曲線を取得するステップと、
    前記第1曲線と前記第2曲線との交点に対応する粒子径を交点粒子径として特定するステップと、
    前記交点粒子径よりも大きい粒子径を有する前記候補磁気粒子を前記検出対象磁気粒子として選択するステップと、
    前記検出対象磁気粒子に前記励起磁場を印加するステップと、
    前記励起磁場による前記検出対象磁気粒子の磁気モーメントの変化を検出するステップと、を備え、
    前記検出対象磁気粒子は、標的物質と結合可能であり、
    前記検出するステップは、
    前記磁気モーメントの変化に応じて発生する高次高調波信号の位相を検出するステップと、
    前記位相に基づいて、前記検出対象磁気粒子と前記標的物質との結合の有無を判定するステップと、を含む、検出方法。
  15. 励起磁場を用いて検出対象磁気粒子を検出する検出システムであって、
    候補磁気粒子から前記検出対象磁気粒子を選択するための情報処理を実行するプロセッサを備え、
    前記プロセッサは、
    前記候補磁気粒子に対して、ニール緩和時間と粒子径との関係を示す第1曲線を取得し、
    前記候補磁気粒子に対して、ブラウン緩和時間と粒子径との関係を示す第2曲線を取得し、
    前記第1曲線と前記第2曲線との交点に対応する粒子径を交点粒子径として特定し、
    前記交点粒子径よりも大きい粒子径を有する前記候補磁気粒子を前記検出対象磁気粒子として選択し、
    前記検出システムは、
    前記励起磁場を前記検出対象磁気粒子に印加する印加器と、
    前記励起磁場による前記検出対象磁気粒子の磁気モーメントの変化を示す磁気信号を検出するセンサと、をさらに備え、
    前記検出対象磁気粒子は、標的物質と結合可能であり、
    前記プロセッサは、さらに、
    前記磁気信号に基づいて、前記磁気モーメントの変化に応じて発生する高次高調波信号の位相を検出し、
    前記位相に基づいて、前記検出対象磁気粒子と前記標的物質との結合の有無を判定する、検出システム。
  16. 励起磁場を用いて検出対象磁気粒子を検出する検出システムであって、
    候補磁気粒子から前記検出対象磁気粒子を選択するための情報処理を実行するプロセッサを備え、
    前記プロセッサは、
    前記候補磁気粒子に対して、ニール緩和時間と粒子径との関係を示す第1曲線を取得し、
    前記候補磁気粒子に対して、ブラウン緩和時間と粒子径との関係を示す第2曲線を取得し、
    前記第1曲線と前記第2曲線との交点に対応する粒子径を交点粒子径として特定し、
    前記交点粒子径よりも大きい粒子径を有する前記候補磁気粒子を前記検出対象磁気粒子として選択し、
    前記検出システムは、
    前記励起磁場を前記検出対象磁気粒子に印加する印加器と、
    前記励起磁場による前記検出対象磁気粒子の磁気モーメントの変化を示す磁気信号を検出するセンサと、をさらに備え、
    前記検出対象磁気粒子は、標的物質と結合可能であり、
    前記検出システムは、
    前記磁気信号から、前記検出対象磁気粒子のうち前記標的物質と結合した粒子に対応する位相の高次高調波信号を抽出するロックインアンプをさらに備え、
    前記プロセッサは、
    前記高次高調波信号に基づいて、前記検出対象磁気粒子と前記標的物質との結合の有無を判定する、検出システム。
  17. 励起磁場を用いて検出対象磁気粒子を検出する検出システムを支援するコンピュータプログラムであって、
    候補磁気粒子に対して、ニール緩和時間と粒子径との関係を示す第1曲線を取得するステップと、
    前記候補磁気粒子に対して、ブラウン緩和時間と粒子径との関係を示す第2曲線を取得するステップと、
    前記第1曲線と前記第2曲線との交点に対応する粒子径を交点粒子径として特定するステップと、
    前記交点粒子径よりも大きい粒子径を有する前記候補磁気粒子を前記検出対象磁気粒子として選択するステップと、をコンピュータに実行させ、
    前記検出対象磁気粒子は、標的物質と結合可能であり、
    前記コンピュータプログラムは、
    前記励起磁場による前記検出対象磁気粒子の磁気モーメントの変化に応じて発生する高次高調波信号の位相に基づいて、前記検出対象磁気粒子と前記標的物質との結合の有無を判定するステップを前記コンピュータにさらに実行させる、コンピュータプログラム。
  18. 請求項11から請求項13および請求項17のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記録した、コンピュータ読取り可能な記録媒体。
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