以下、図面を参照して、本実施形態に係る遊技機について説明する。なお、本実施形態では、遊技機としてパチスロ機を例に挙げて説明する。
[1.パチスロ機の構造]
まず、図1及び図2を参照して、パチスロ機1の構造について説明する。なお、図1は、パチスロ機1の外部構造を示す図であり、図2は、パチスロ機1の内部構造を示す図である。また、説明の便宜上、以下の外部構造の説明において、内部構造の一部を説明する場合があり、内部構造の説明において、外部構造の一部を説明する場合がある。
[1-1.外部構造]
[1-1-1.筐体]
パチスロ機1は、矩形箱状の筐体2により構成されている。また、筐体2は、遊技機本体として前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。
キャビネットGは、中間支持板G1と、左右一対の側面壁G2と、背面壁G3と、上面壁G4と、底面壁G5とを有している。なお、図1及び図2においては、背面壁G3及び底面壁G5の図示を省略している。また、キャビネットGの上面壁G4には、左右方向に所定の間隔を空けて、上下方向に貫通する2つの開口G4aが形成されている。そして、この2つの開口G4aそれぞれを塞ぐように木製の板部材G4bが上面壁G4に取付けられている。
なお、板部材G4bは、パチスロ機1を遊技店に設置する際に遊技島(不図示)に固定するために用いられるが、このような固定の方法が確保される限り、金属材や樹脂材で構成することもできるし、上面壁G4と一体に形成することもできる。また、キャビネットGについて一定の強度が確保される限り、各構成部材の一部又は全部を木材や樹脂材で構成することもできる。
また、キャビネットGは、その内部において、中間支持板G1を挟んで上側に、前方に開口する上側開口部G101が形成されており、中間支持板G1を挟んで下側に、前方に開口する下側開口部G102が形成されている。すなわち、キャビネットG内は、中間支持板G1を挟んで上部空間と下部空間とに仕切られており、中間支持板G1は、キャビネットG内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板として機能している。上部空間は、キャビネットG内の上ドア機構UDの後側となる空間であり、後述のメイン表示装置210等が収容される。また、下部空間は、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる空間であり、後述のリールユニットRUや主制御基板71等が収容される。
なお、キャビネットGは、必ずしも中間支持板G1を含んで構成されていなくともよい。すなわち、キャビネットG内において各装置等が適切に収容される限り、上部空間と下部空間を仕切らない構成としてもよい。また、キャビネットGは、単に「箱体」や「本体」と称することもできるし、上ドア機構UD及び下ドア機構DDを支持、あるいは固定する枠体として機能するため、「本体枠」、「支持体」、「支持枠」、あるいは「固定枠」等と称することもできる。
[1-1-2.前面扉]
上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成され、キャビネットGにおける開口の上部空間及び下部空間を閉塞可能に設けられている。すなわち、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、パチスロ機1の前面側に設けられた前面扉(フロントドア)として機能している。
また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのそれぞれは、例えば、左側の側面壁G2に設けられたヒンジ等の開閉機構(不図示)によって、キャビネットGに対して開閉自在に取付けられている。なお、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのいずれか一方については上述の開閉機構によって開閉自在とし、他方については一方のドア機構が開放状態となったときにのみ着脱可能となるように構成することもできる。
上ドア機構UDは、その中央部に設けられた演出表示窓UD1と、演出表示窓UD1の上部に設けられた上部ランプ23とを有している。演出表示窓UD1は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、その背面側に設けられた後述のメイン表示装置210を構成するスクリーン装置Cに表示された演出画像を視認可能としている。なお、本実施形態では、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を、メイン演出表示部21として説明する場合がある。
下ドア機構DDは、その上部の略中央部に設けられたメイン表示窓4と、メイン表示窓4の背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたリールユニットRUとを有している。
リールユニットRUは、3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。各リール3L,3C,3Rは、例えば、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のリール帯から構成され、リール帯には、複数(例えば、20個)の図柄がリールの回転方向に沿って所定の間隔を空けて描かれている。また、各リール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。メイン表示窓4は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、各リール3L,3C,3Rの周面上の図柄について少なくとも一部(例えば、3個)を視認可能としている。また、各リール3L,3C,3Rの内部には、少なくともメイン表示窓4から図柄が視認される位置に光源(後述のランプ・LED類に含まれるリールランプ)が設けられ、少なくとも各リール3L,3C,3Rが回転中であるときにはこれらを内部から一定の輝度で照明することで、図柄の視認性を確保している。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の左側に設けられたサブ演出表示部22と、メイン表示窓4の右側に設けられた演出用ボタン10bとを有している。サブ演出表示部22は、後述のサブ表示装置220に表示された演出画像を表示する。なお、サブ演出表示部22をタッチパネルとして構成し、演出表示を行う機能のみならず、演出用ボタンの1つとして機能させることもできる。演出用ボタン10bは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の下方に形成された略水平面の台座部において、左側に設けられたMAXベットボタン6a,1ベットボタン6b,精算ボタン9と、略中央部に設けられた演出用ボタン10aと、右側に設けられたメダル投入口5とを有している。
MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bは、パチスロ機1の内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者の遊技操作(ベット操作。「投入操作」や「掛け操作」等と称することもできる)を受付ける操作部である。MAXベットボタン6aが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数(例えば、3枚)未満であり、クレジットされているメダルがその差分以上ある場合には、最大ベット数のメダルがベットされる。一方、クレジットされているメダルがその差分以上ない場合には、メダルはベットされない。また、1ベットボタン6bが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数未満であり、クレジットされているメダルが1枚以上ある場合には、1枚のメダルがベットされる。
精算ボタン9は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の遊技操作(精算操作)を受付ける操作部である。なお、クレジットされているメダルがない状態で精算ボタン9が操作された場合、投入され、あるいは払出されるメダルに関し、クレジット可能数(例えば、50枚)の範囲内において、当該メダルをクレジットするクレジットモード(Cモード)と、当該メダルをクレジットしないペイモード(Pモード)とのいずれかのモードを選択可能とするための遊技者の遊技操作(C/Pモード選択操作)を受付可能としてもよい。すなわち、精算ボタン9をいわゆるC/Pボタンとして機能させることもできる。演出用ボタン10aは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
メダル投入口5は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受入れる。受入れたメダルは、後述のセレクタ31によって検出されるとともに、適正なメダルであるか否かが判定される。受入れた1枚のメダルが適正なものでない場合、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。また、受入れた1枚のメダルが適正なものである場合、現在のベット数が最大ベット数未満である場合には、1枚のメダルがベットされる。現在のベット数が最大ベット数であり、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達していない場合には、1枚のメダルがクレジットされる。一方、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達している場合には、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4と上述の台座部との間に設けられた情報表示装置14を有している。情報表示装置14は、複数のランプ(LED)や7セグメントLEDを含んで構成され、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する。
また、下ドア機構DDは、上述の台座部の下方において、左側に設けられたスタートレバー7と、略中央部に設けられた3個のストップボタン8L,8C,8Rと、右側に設けられた施錠機構15とを有している。スタートレバー7は、所定の角度範囲で傾動自在に取付けられ、遊技を開始させるための遊技者の遊技操作(開始操作)を受付ける操作部である。各ストップボタン8L,8C,8Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の遊技操作(停止操作)を受付ける操作部である。
施錠機構15は、例えば、キーシリンダー錠から構成され、下ドア機構DDが閉鎖状態であるとき、遊技店側の管理者(例えば、遊技店の店員等。以下同じ)が鍵穴にドアキー(不図示)を挿入した状態で右に回すと解錠し、下ドア機構DDが開放状態となる。なお、施錠機構15には、ドア機構の開閉を管理する機能のみならず、リセットスイッチとしての機能をもたせてもよい。例えば、遊技店側の管理者が鍵穴にドアキーを挿入した状態で左に回した場合には、後述のリセットスイッチ53と同様のリセット操作を検出可能としてもよい。また、本実施形態では、下ドア機構DDが開放状態となったとき、これに連動して上ドア機構UDも開放状態となるように構成することもできるし、上ドア機構UDに対応する施錠機構を別途設けるようにし、それぞれ独立して開閉を管理可能とすることもできる。
また、下ドア機構DDは、その下部の中央部に設けられた腰部パネル13と、腰部パネル13の下方に設けられたメダル受皿12と、メダル受皿12の上方に設けられたメダル払出口11と、メダル払出口11の左右に設けられた透音孔24a,24bとを有している。
腰部パネル13は、例えば、機種の名称を表すロゴやモチーフを表すキャラクタ等の機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光源(後述のランプ・LED類に含まれる腰部ランプ)から構成される。メダル受皿12は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留する。メダル払出口11は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出する。なお、メダル払出口11から排出されるメダルは、後述のホッパー装置32から払出されたものと、後述のセレクタ31からキャンセルシュート(不図示)を通って返却されたものとがある。透音孔24a,24bは、それぞれの背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたスピーカ35a,35b(スピーカ35aは図2において符号省略)から出力される効果音やBGM等の音声をパチスロ機1の前面側に向かって透過する。
なお、本実施形態では、キャビネットG内が上部空間と下部空間とに仕切られていることに対応して上ドア機構UD及び下ドア機構DDを設けることとしているが、キャビネットGにおける開口を適切に開閉可能とする限り、単一のドア機構として構成することもできるし、3つ以上のドア機構として構成することもできる。また、前後方向に二重に構成されたドア機構(例えば、外扉と内扉等)として構成することもできる。また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、単に「扉」や「ドア」と称することもできるし、キャビネットGにおける開口を開閉可能とする部材として機能するため、「開閉部材」、「扉部材」、あるいは「ドア部材」等と称することもできる。
[1-1-3.変動表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4を備える。各リール3L,3C,3Rは、スタートレバー7が操作されると(遊技者によって開始操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることにより回転を開始する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が変動表示される。また、各リール3L,3C,3Rは、各ストップボタン8L,8C,8Rが操作されると(遊技者によって停止操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることによりそれぞれの回転を停止する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が停止表示される。
すなわち、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4は、複数の図柄を複数列に変動表示(及び停止表示)可能な変動表示部(手段)、あるいは複数の図柄を変動表示(及び停止表示)可能な複数の変動表示部(手段)を構成する。なお、変動表示部(手段)は、「図柄表示部(手段)」や「可変表示部(手段)」等と称することもできる。また、図柄は、「絵柄」や「柄」等と称することもできるし、遊技者が視認により識別可能な情報であればよいことから、その意味において「識別情報」等と称することもできる。
また、メイン表示窓4は、各リール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、それぞれについて連続して配置された3個の図柄がその枠内に表示されるように構成されている。すなわち、メイン表示窓4は、各列において上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する(メイン表示窓4の枠内には、3行×3列の態様で図柄が表示される)。なお、メイン表示窓4は、「図柄表示領域」や「窓部」等と称されることがある。
また、メイン表示窓4には、有効ラインが定義される。有効ラインは、遊技者の停止操作に応じて全ての列の図柄が停止表示されたときに、規定された図柄の組合せが表示されたか否かを判定するためのラインである。その意味において、有効ラインは、「入賞ライン」や「判定ライン」等と称することもできる。また、有効ラインは、各列の各領域のいずれかを結ぶラインとして構成される。すなわち、メイン表示窓4が3行×3列の態様で図柄を表示するように構成される場合、最大27通りの有効ラインを定義することが可能である。もっとも、実際には、そのうちの一又は複数通りのラインを有効ラインとして定義し、他のラインは有効ラインではない無効ラインとして定義することができる。
なお、例えば、リール3Lの中段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの中段領域を結ぶラインは「センターライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの上段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「トップライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの下段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「ボトムライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「クロスアップライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「クロスダウンライン」等と称され、これらは各列の各領域を一直線で結ぶラインであることから、これらのうちの一又は複数通りのラインが有効ラインとして定義されることが多い。もっとも、上述のとおり、各列の各領域を折れ線で結ぶ、いわゆる変則ラインを有効ラインとして定義することもできる。
また、有効ラインが有効化されるためには、遊技者の開始操作に先立って、今回の遊技に必要な分の(遊技開始可能枚数分の)メダルがベットされている必要があるが、有効化される有効ライン数は、ベット数にかかわらず同じであってもよいし、ベット数に応じて変動してもよい。例えば、上述の「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」の3通りのラインが有効ラインとして定義されているとした場合、前者の場合には、ベット数が1~3のいずれであっても「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。一方、後者の場合には、ベット数が1であれば「センターライン」のみが有効化され、ベット数が2であれば「センターライン」及び「トップライン」が有効化され、ベット数が3(最大ベット数)であれば「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。
なお、本実施形態では、変動表示部が、3個のリール3L,3C,3Rと、各列において3個ずつの図柄を表示可能とするメイン表示窓4とを有することで、3行×3列の態様で図柄を表示するものとしていたが、変動表示部における図柄表示態様はこれに限られない。例えば、リール数を1個、2個、あるいは4個以上とし、また、例えば、各列における図柄の表示数を1個、2個、あるいは4個以上とすることで上述の態様とは異なる態様で図柄を表示することもできる。また、この場合、定義可能な有効ライン数も適宜増減する。
また、本実施形態では、変動表示部が、各リール3L,3C,3Rを回転させることによって図柄を変動表示するものとしていたが、変動表示部の構成はこれに限られない。例えば、後述のメイン表示装置210やサブ表示装置220と同様の画像表示装置を用いた構成としてもよいし、その他の表示装置(例えば、有機ELや7セグメントLED等)を用いた構成としてもよい。また、例えば、その他の物理的装置(例えば、ベルト等)を用いた構成としてもよい。また、変動表示部の配置や大きさ等は適宜変更可能である。
また、本実施形態では、変動表示部が、後述の主制御回路100によって制御される、遊技に直接関連するメイン側表示部として機能とするものとしていたが、これとともに、後述の副制御回路200によって制御される、遊技に直接関連しない演出に関連するサブ側表示部としての変動表示部を設けるようにしてもよい。なお、サブ側表示部は、例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220を用いた構成とすることができる。すなわち、遊技者の開始操作(あるいは、その他開始条件の成立)に応じて図柄を変動表示させ、遊技者の停止操作(あるいは、その他停止条件の成立)に応じて図柄を停止表示させる変動表示部として、メイン側表示部のみならず、サブ側表示部を設けるようにしてもよい。なお、この場合、遊技者が変動表示部について遊技に直接関連するものであるか否かを識別可能とするため、メイン側表示部の近傍には、「回胴」ないし「メインリール」といった文字が表示された識別表示を付しておき、当該変動表示部がメイン側表示部であることを識別可能とすればよい。なお、このような識別表示は、メイン表示装置210やサブ表示装置220において表示されるようにしてもよい。
[1-1-4.メダル投入口]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受け入れるメダル投入口5を備える。なお、メダル投入口5及び後述のセレクタ31は、MAXベットボタン6aや1ベットボタン6bと同様に、1回の遊技に必要なメダル数をベットする機能を有することから、このような投入動作は、例えば、ベット操作と換言することもできる。したがって、メダル投入口5は、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)であるともいえる。なお、メダル投入口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
なお、本実施形態では、遊技に使用し、あるいは遊技結果に応じて付与される遊技価値として、遊技媒体としてのメダルを用いることを一例として説明しているが、このように用いられる遊技価値はこれに限られない。例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を用いることもできる。また、遊技価値は、単に「価値」、あるいは「遊技用価値」等と称することもできる。
[1-1-5.操作部]
パチスロ機1は、遊技者が操作可能な操作部として、例えば、以下に示す各操作部を備える。なお、以下に示す各操作部はあくまで一例であって、これらとは異なる操作部を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない操作部については、これを備えない構成としてもよい。
[1-1-5-1.ベットボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、その内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者のベット操作を受付けるMAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを備える。また、このようなベット操作は、後述のベットスイッチ6Sによって検出される。したがって、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6b、並びにベットスイッチ6Sは、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)を構成する。なお、ベットボタンは、あくまで遊技者のベット操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを設けているが、1ベットボタン6bを設けることなくMAXベットボタン6aのみを設けるようにしてもよい。また、2枚のメダルがベットされる2ベットボタンを別途設けるようにしてもよい。
[1-1-5-2.スタートレバー]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を開始させるための遊技者の開始操作を受付けるスタートレバー7を備える。また、このような開始操作は、後述のスタートスイッチ7Sによって検出される。したがって、スタートレバー7及びスタートスイッチ7Sは、遊技者の開始操作を検出可能な開始操作検出部(手段)を構成する。なお、スタートレバーは、あくまで遊技者の開始操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-3.ストップボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の停止操作を受付ける各ストップボタン8L,8C,8Rを備える。また、このような開始操作は、後述のストップスイッチ8Sによって検出される。したがって、各ストップボタン8L,8C,8R及びストップスイッチ8Sは、遊技者の停止操作を検出可能な停止操作検出部(手段)を構成する。なお、ストップボタンは、あくまで遊技者の停止操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-4.精算ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の精算操作(返却操作)を受付ける精算ボタン9を備える。また、このような精算操作は、後述の精算スイッチ9Sによって検出される。したがって、精算ボタン9及び精算スイッチ9Sは、遊技者の精算操作を検出可能な精算操作検出部(手段)を構成する。なお、精算ボタンは、あくまで遊技者の精算操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-5.演出用ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者の演出操作を受付ける演出用ボタン10a,10bを備える。なお、このような演出操作は、それぞれの演出用ボタンに対応して設けられた検出スイッチ(不図示)によって検出される。したがって、演出用ボタン10a,10b及び当該検出スイッチは、遊技者の演出操作を検出可能な演出操作検出部(手段)を構成する。なお、演出用ボタンは、あくまで遊技者の演出操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、2個の演出用ボタン10a,10bを設けているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出用ボタンを設けるように構成することもできる。
なお、演出用ボタンの主な用途としては、特定の演出(例えば、後述の操作連動演出)実行時に演出態様を変化させること、後述のユーザーメニューにおいて選択・決定操作を行うこと等である。したがって、用途に応じた演出用ボタンを設けるように構成することもできる。例えば、前者の用途では演出用ボタン10a,10bが使用されるものとし、後者の用途では上述のタッチパネルを使用するように構成することもできる。なお、後者の用途で用いるために、別の演出用ボタンとして、選択・決定操作を受付可能なジョグダイヤルや十字キー等を設けるように構成することもできる。
[1-1-6.メダル払出口]
上述のとおり、パチスロ機1は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出するメダル払出口11を備える。なお、入賞が発生してメダルを払出す場合、メダル払出口11は、後述のホッパー装置32から払出されたメダルを遊技者に付与するものであることから、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、メダル払出口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-1-7.メダル受皿]
上述のとおり、パチスロ機1は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留するメダル受皿12を備える。すなわち、メダル受皿12は、付与された遊技価値を貯留可能な貯留部(手段)を構成する。なお、メダル受皿の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-1-8.腰部パネル]
上述のとおり、パチスロ機1は、例えば、機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための腰部ランプから構成される腰部パネル13を備える。なお、腰部パネル13は、基本的にはそのパチスロ機1がどういった機種であるかを遊技者にわかりやすく示すものであるが、例えば、腰部ランプの点灯態様により、あるいは、腰部パネル13そのものを画像表示装置等で構成することにより演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成することもできる。
[1-1-9.情報表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する情報表示装置14を備える。すなわち、情報表示装置14は、遊技に関する情報を表示可能な情報表示部(手段)を構成する。
情報表示装置14は、例えば、インサートランプと、スタートランプと、リプレイランプと、ベット数ランプと、クレジットランプと、払出数ランプと、指示モニタと、リミットランプ等を含んで構成される。
インサートランプは、点灯することでメダルの投入が可能であることを表示する。スタートランプは、点灯することでスタートレバー7の操作にともなって遊技の開始が可能であることを表示する。リプレイランプは、点灯することで再遊技の作動によりメダルが自動投入されたことを表示する。ベット数ランプは、点灯することでベットされたメダル数を表示する。クレジットランプは、その点灯態様によりクレジットされているメダル数を表示する。払出数ランプは、その点灯態様により遊技結果に応じて払出されたメダル数(払出数)を表示する。
また、指示モニタは、報知ランプ(停止操作表示部)と、区間ランプ(状態表示部)と、を含んで構成される。報知ランプは、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下(例えば、AT状態)において、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で点灯することで、停止操作の情報を表示する。なお、「報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様」とは、例えば、押し順(本実施形態では、これを「打順」として説明する場合がある)「1st(第1停止操作をリール3Lに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作をリール3Cに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作をリール3Rに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「3」を表示する等の態様のことである。なお、報知ランプは、クレジットランプや払出数ランプとは必ずしも別に設けられていなくともよい。例えば、クレジットランプ又は払出数ランプのいずれかを用いて、停止操作の情報を表示してもよい。
このように、本実施形態では、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下においては、後述の副制御回路200によって制御されるサブ側報知手段(例えば、メイン演出表示部21)のみならず、後述の主制御回路100によって制御されるメイン側報知手段としての指示モニタにおいても停止操作の情報が報知される。なお、メイン側報知手段における報知の態様と、サブ側報知手段における報知の態様とは、互いに異なる態様であってもよい。すなわち、メイン側報知手段では、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない。例えば、押し順「1st」を報知する場合、指示モニタにおいて数値「1」が表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もある。一方、サブ側報知手段では、停止操作の情報を直接的に報知すればよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合、メイン演出表示部21では、リール3Lに対して第1停止操作を行わせるための指示情報を直接的に報知すればよい。
また、区間ランプは、点灯することで現在の状態が後述の有利区間中であることを表示する。区間ランプは、例えば、後述の非有利区間から有利区間に移行するとき、当該有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯し、当該有利区間が終了して非有利区間に移行するとき、当該非有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで消灯する。なお、区間ランプの点灯タイミングはこれに限られない。例えば、非有利区間又は有利区間における後述の演出区間(通常有利区間)から最初に有利区間における後述の増加区間(AT状態)に移行するとき、当該増加区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯するものとしてもよい。すなわち、区間ランプは、演出区間であるか増加区間であるかを問わず有利区間中であることを報せるものであってもよいし、少なくとも最初の増加区間の開始からこれを含めた有利区間が終了するまでの期間を報せるものであってもよい。
また、リミットランプは、その点灯態様により後述のリミット処理が実行されたこと、あるいはその可能性を表示する。例えば、リミット処理が実行された場合に点灯することで遊技者に有利な状態(例えば、AT状態)がリミット処理の実行によって強制的に終了されたことを報せる。また、例えば、リミット処理の実行が近い場合に点滅することで当該有利な状態がリミット処理の実行によって強制的に終了される可能性が高いことを報せる。なお、これら以外にも点灯、点滅又は消灯の契機を設けることで、リミット処理に関するその他の情報を適宜報せることもできる。
[1-1-10.演出表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、演出画像を表示するメイン演出表示部21及びサブ演出表示部22を備える。メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22は、演出表示を行うことが可能な演出表示部(手段)を構成する。また、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。
メイン演出表示部21は、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を含んで構成される。また、メイン表示装置210は、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置された表示ユニットAと、画像表示用の照射光を出射する照射ユニットBと、照射ユニットBからの照射光が照射されることにより画像を出現させるスクリーン装置Cとを有するいわゆるプロジェクションマッピング装置として構成される。なお、本実施形態では、メイン表示装置210をこのように構成することで、高度で、かつ迫力のある演出表示を可能としているが、メイン表示装置210の構成はこれに限られない。すなわち、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能であればよく、液晶表示装置や有機EL等の画像表示装置や7セグメントLED等の表示装置として構成することもできるし、サブリール等の変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、例えば、いわゆる出目によって楽しませることを主体とする遊技性である等の場合には、メイン演出表示部21を設けないように構成することもできる(サブ演出表示部22も同様)。
サブ演出表示部22は、サブ表示装置220を含んで構成される。また、サブ表示装置220は、液晶表示装置として構成される。なお、サブ表示装置220もメイン表示装置210と同様に、他の画像表示装置や表示装置として構成することができるし、変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、メイン演出表示部21は、大画面で構成されていることから、押し順の報知や当り報知、あるいは連続演出等といった今回の遊技と密接に関連する演出を主として表示し、サブ演出表示部22は、小画面で構成されていることから、遊技履歴等といった今回の遊技とはそこまで密接に関連しない演出を主として表示するといったように、目的に応じて表示内容を分けて表示することが可能である。また、本実施形態では、メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22の2個の演出表示部を設けるように構成しているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出表示部を設けるように構成することもできる。
[1-1-11.ランプ]
上述のとおり、パチスロ機1は、一例として挙げた上部ランプ23のように、その発光態様(点灯、点滅、あるいは消灯のみならず、フルカラーLEDとして構成される場合にはその輝度や発光色を含む)によって演出を行うことが可能な一又は複数のランプ(発光手段)を備える。また、このような発光手段は、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
なお、後述のランプ・LED類に含まれるその他のランプとしては、例えば、上ドア機構UDの両側端面や下ドア機構DDの両側端面に設けられたサイドランプや各操作部内に設けられた操作部ランプ等を挙げることができる。なお、後者は、それぞれの操作部が操作可能であるか否かを遊技者に報せる機能を含むことから、このような機能を発揮させる場合には演出内容に応じて発光態様を変動させず、一義的な発光態様によって発光するように制御することができる。
[1-1-12.スピーカ]
上述のとおり、パチスロ機1は、効果音やBGM等の音声を出力するスピーカ35a,35bを備える。スピーカ35a,35bは、音声の出力によって演出を行うことが可能な音声出力手段を構成する。また、遊技者に対し聴覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
[1-1-13.その他演出装置]
なお、パチスロ機1では、上述の各種演出装置(演出実行手段)以外の演出装置を設けることもできる。例えば、いわゆる役物といった可動演出装置、振動により演出を行う振動演出装置、あるいは空気を噴射することで演出を行うエアー演出装置等の演出装置を設け、演出を実行することも可能である。すなわち、遊技者の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のいずれかに訴えかけることができる(遊技者に演出が実行されていることを認識可能とさせる)演出を実行可能な演出装置であれば、それらのうちいずれを用いることもできる。したがって、本実施形態において「演出を実行する」とは、特段の説明がない限り、上述の各種演出装置(演出実行手段)のうち、一又は複数の演出装置のいずれの演出装置を用いて演出を実行してもよいこと示している。
[1-2.内部構造]
[1-2-1.セレクタ]
セレクタ31(図2において符号省略)は、メダル投入口5から投入されたメダルの流下路であって、下ドア機構DDの背面側に設けられている。セレクタ31は、例えば、後述のメダルセンサ31Sと、振分装置とを有している。
メダルセンサ31Sは、メダル投入口5から投入されたメダルを検出するとともに、検出されたメダルが適切なメダルであるか否かを判定する。振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルであると判定された場合であって、メダルの受入れが可能な状態である場合、当該メダルが後述のホッパー装置32側に案内されるように駆動制御される。なお、この場合、ベット数あるいはクレジット数が1加算される。一方、振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルでないと判定された場合、及びメダルの受入れが可能な状態でない場合、当該メダルがキャンセルシュートを通ってメダル払出口11から返却されるように駆動制御される。メダルセンサ31Sによるメダルの検出に異常が発生した場合にはセレクタエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、セレクタ31は、投入された遊技媒体を検出可能な遊技媒体検出部(手段)を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正であるか否かを判定可能な判定手段を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正である場合には内部に貯留する一方、投入された遊技媒体が適正でない場合には外部に排出する振分手段を構成する。また、セレクタ31の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-2.ホッパー装置]
ホッパー装置32は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。ホッパー装置32は、例えば、メダル投入口5から投入され、セレクタ31によって案内されたメダルを貯留するバケット部と、バケット部の底部に設けられ、バケット部に貯留されたメダルを撹拌するとともに、1枚ずつ排出部に案内するディスク部と、ディスク部によって案内されたメダルを1枚ずつ排出する排出部と、排出部から排出されたメダルをカウントするカウントセンサとを有している。
バケット部は、一定数のメダルを貯留可能に構成される。一定数を超えたメダルは、上面側に設けられた案内通路を通って後述のメダル補助収納庫33に案内される。なお、バケット部に貯留されたメダルが空となった場合にはホッパーエンプティエラーが発生する。なお、この場合、メダルを補充した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
ディスク部は、中心から放射状にメダル形状のくり抜き部が複数形成され、駆動信号にしたがって中心軸が回転駆動されることで、くり抜き部に嵌ったメダルを1枚ずつ排出部に案内する。なお、ディスク部が回転することでバケット部に貯留されたメダルが撹拌される。また、ディスク部の回転に異常が発生した場合にはホッパージャムエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
カウントセンサは、排出部から排出されたメダルを検出するとともに、その枚数をカウントする。例えば、1枚のメダルを払出す場合、ディスク部が回転を開始し、続いてカウントセンサが1枚のメダルの払出をカウントしたことに応じてディスク部の回転が停止する。このようにして、適正枚数のメダルが払出されるようにしている。
すなわち、ホッパー装置32は、遊技媒体を払出可能な遊技媒体払出部(手段)を構成する。また、上述のとおり、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、ホッパー装置32の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-3.メダル補助収納庫]
メダル補助収納庫33は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。メダル補助収納庫33は、例えば、ホッパー装置32のバケット部から案内されたメダルを収納する収納部と、収納部の近傍に設けられ、収納部に収納されたメダルの容量を検出するメダル補助収納庫スイッチ33Sとを有している。
収納部は、一定数のメダルを収納可能に構成される。メダル補助収納庫スイッチ33Sにより、当該一定数以上のメダルが収納されたと判定された場合にはメダル補助収納庫エラーが発生する。なお、この場合、収納部に収納されたメダルを少なくとも一定数未満に減らした上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、メダル補助収納庫33は、余剰の遊技媒体を貯留可能な余剰遊技媒体貯留部(手段)を構成する。なお、メダル補助収納庫33の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-4.電源装置]
電源装置34は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。電源装置34は、例えば、電源基板34aと、電源スイッチ34bとを有しており、電源スイッチ34bがオンされることに応じてパチスロ機1に電力を供給する。なお、電源装置34は、家庭用電気製品等と同じく電源ケーブル(不図示)から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。すなわち、電源装置34は、必要な電力を遊技機に供給可能な電源部(手段)を構成する。なお、電源装置34の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
なお、本実施形態では、後述の設定用鍵型スイッチ52やリセットスイッチ53が主制御基板71(より詳細には後述の主制御基板ケース上)に設けられるように構成しているが、これらのスイッチを電源装置34に設けるように構成することもできる。
[1-2-5.基板]
パチスロ機1は、各種制御に必要な基板として、例えば、以下に示す各基板を備える。なお、以下に示す各基板はあくまで一例であって、これらとは異なる基板を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない基板については、これを備えない構成としてもよい。
[1-2-5-1.主制御基板]
主制御基板71は、キャビネットG内において、リールユニットRUの背面側に取付けられている。なお、主制御基板71は、遊技に関する制御を行う遊技制御基板であり、その状態が視認可能となるように透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製の主制御基板ケース(不図示)内に収容されている。主制御基板71の電気的構成については後述する。
なお、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、基本的に各種電子部品がDIP実装されて構成されるものとなっているが、各種電子部品の一部又は全部についてSMT実装(表面実装)されて構成されるものとしてもよい。また、この場合、テスターやオシロスコープを用いて動作確認を行うためのテストポイントを設けるようにしてもよい。また、各種電子部品の一部又は全部について6平方mmを超えない小さい電子部品を使用してもよい。また、主制御基板71の基板面を多層化して構成してもよい。
[1-2-5-2.副制御基板]
副制御基板72は、キャビネットG内において、中間支持板G1の裏面側に取付けられている。なお、副制御基板72は、演出に関する制御を行う演出制御基板であり、樹脂製の副制御基板ケース(不図示)内に収容されている。なお、副制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成することもできるし、不透明(あるいは略不透明)に構成された他の材料を用いたケースとして構成することもできる。副制御基板72の電気的構成については後述する。
[1-2-5-3.その他基板]
(主中継基板)
主中継基板73(図2において符号省略)は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、主中継基板73に接続された各種デバイス等と主制御基板71との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、主中継基板73は、制御効率や配線効率の便宜から主制御基板71とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ主中継基板73の機能を全て主制御基板71にもたせ、主中継基板73を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、主中継基板73をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、主中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(副中継基板)
副中継基板74は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、副中継基板74に接続された各種デバイス等と副制御基板72との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、副中継基板74は、制御効率や配線効率の便宜から副制御基板72とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ副中継基板74の機能を全て副制御基板72にもたせ、副中継基板74を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、副中継基板74をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、副中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(外部集中端子板)
外部集中端子板55は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下部空間の奥側)に取付けられており、例えば、メダル投入信号、メダル払出信号、外部信号1~4及びセキュリティ信号等の信号をパチスロ機1の外部へ出力する。なお、外部信号1~4は、その出力開始条件及び出力終了条件を適宜設定可能であり、その遊技性に応じてパチスロ機1の内部状態(例えば、ボーナス状態やAT状態)の遷移を外部に報せることを可能としている。そして、外部集中端子板55は、通常、外部のデータ表示機やホールコンピュータに接続されることから、これらの機器においても、パチスロ機1におけるメダルの投入・払出状況やエラーの発生状況のみならず、そのような内部状態の遷移状況が認識可能となっている。
(試験機用インターフェースボード)
試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302は、ともにパチスロ機1の検定試験(試射試験)において、遊技に関する各種信号を試験機に出力する際に用いられる中継基板である(なお、販売用のリリース製品としてのパチスロ機1にはこれらの中継基板は搭載されていないので、販売用の主制御基板71には、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302に接続するために必要な各種電子部品もまた実装されていない)。例えば、遊技に係る主要な動作(例えば、内部抽籤、リール停止制御等)を制御するための試験信号は、試験機用第1インターフェースボード301を介して出力され、また、主制御基板71で決定された押し順ナビに係る試験信号等は、試験機用第2インターフェースボード302を介して出力される。
[2.パチスロ機の電気的構成]
続いて、図3を参照して、パチスロ機1の電気的構成について説明する。なお、図3は、パチスロ機1の電気的構成を示すブロック図である。
上述のとおり、パチスロ機1は、主制御基板71と、副制御基板72と、主中継基板73と、副中継基板74とを有している。主制御基板71と主中継基板73、主中継基板73と副中継基板74、及び副中継基板74と副制御基板72は、それぞれ電気的に接続されている。また、主制御基板71と副制御基板72は、主中継基板73及び副中継基板74を介して、主制御基板71から副制御基板72に対して一方向のシリアル通信が可能となるように電気的に接続されている。
主制御基板71には、遊技に関する制御を行う遊技制御部としての主制御回路100が実装されている。主制御回路100は、例えば、メインCPU101、メインROM102、メインRAM103、クロックパルス発生回路(不図示)、乱数回路(不図示)等を含んで構成される。メインROM102には、メインCPU101により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、副制御回路200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM103には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。クロックパルス発生回路は、メインCPU101作動用のクロックパルス信号を生成する。乱数回路は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~65535又は0~255等)を発生させる。メインCPU101は、生成されたクロックパルス信号に基づいて各種制御プログラムを実行する。また、発生された乱数の中から必要に応じて一又は複数の値を乱数値として抽出する。このようにして、遊技動作全般に係る制御を行う。
副制御基板72には、演出に関する制御を行う演出制御部としての副制御回路200が実装されている。副制御回路200は、例えば、サブCPU201、サブRAM203等を含んで構成される。また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202が接続されている。ロムカートリッジ基板202には、サブCPU201により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、各種演出データ(例えば、メイン表示装置210に係る映像データや駆動データ、サブ表示装置220に係る映像データ、ランプ・LED群に係るランプデータ、スピーカ群に係るサウンドデータ等)等が記憶される。サブRAM203には、制御プログラムの実行により決定された演出内容や各種演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される各種制御指令(コマンド)に係るデータを格納する格納領域等が設けられる。なお、演出に係る演出用乱数値については、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~32767等)の中から、サブCPU201内で発生及び抽出が行われるようにしてもよいし、主制御回路100と同様に乱数回路を設けることでその発生及び抽出が行われるようにしてもよい。また、ロムカートリッジ基板202ではなく、副制御回路200内にサブROMが含まれるようにし、各種制御プログラム等はサブROMに記憶されるように構成してもよい。また、ロムカートリッジ基板202に各種演出データを記憶させ、副制御回路200内のサブROMに各種制御プログラム及び各種データテーブルを記憶させるように構成してもよい。また、副制御回路200には、GPU等の画像専用のマイクロプロセッサ(例えば、「VDP」とも称される)が含まれるようにし、これによってメイン表示装置210やサブ表示装置220で表示される映像を生成(編集)するように構成してもよい。
主制御基板71には、ステッピングモータ51L,51C,51R、設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、役比モニタ装置54、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34が電気的に接続されている。また、主制御基板71には、主中継基板73を介して、ドア開閉監視スイッチ56、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14が電気的に接続されている。なお、仮に試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302が搭載される場合には、例えば、主中継基板73を介して主制御基板71に電気的に接続される。
なお、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
各ステッピングモータ51L,51C,51Rは、それぞれ所定の減速比をもったギアを介して各リール3L,3C,3Rに接続され、その駆動により各リール3L,3C,3Rを回転及び停止させる。なお、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、各リール3L,3C,3Rが一定の角度で回転することから、メインCPU101は、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対してパルスを出力した回数をカウントし、このカウント結果に基づいて各リール3L,3C,3Rの図柄位置を管理する。また、各リール3L,3C,3Rには、このような管理を行うための初期位置を定めるリールインデックス(不図示)と、リールインデックスの位置を検出するためのインデックスセンサ(不図示)が設けられる。
設定用鍵型スイッチ52は、パチスロ機1の設定値(例えば、6段階の設定1~設定6)を変更するとき(設定変更)、もしくは、パチスロ機1の設定を確認するとき(設定確認)に使用される。ここで、設定値は、遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示すものであり、通常は、設定値が低いほど(例えば、設定1に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に低くなり、設定値が高いほど(例えば、設定6に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に高くなる。設定用鍵型スイッチ52は、例えば、遊技店側の管理者が鍵穴に設定キー(不図示)を挿入して初期位置から左に回すとオン状態となり、左に回した状態から初期位置に戻すとオフ状態となる。なお、パチスロ機1の電源がオフ状態のとき、設定用鍵型スイッチ52をオン状態としてから電源をオン状態とすると設定変更が可能な状態となり、パチスロ機1の電源がオン状態のままで設定用鍵型スイッチ52をオン状態とすると設定確認が可能な状態となる。
リセットスイッチ53は、遊技店側の管理者によるリセット操作を検出可能としている。リセット操作は、各種のエラー状態を解除するための操作である。また、リセットスイッチ53は、設定変更が可能な状態において、遊技店側の管理者による設定値決定操作を検出可能としている。なお、設定変更が可能な状態においてリセットスイッチ53が操作されると、操作される度に設定値が順次1ずつ増加する(設定6まで到達すると次は設定1に戻る)。このようにして、設定値決定操作が行えるようになっている。また、このように決定された設定値は、その後スタートレバー7が1回操作されると確定する。すなわち、スタートスイッチ7Sは、遊技店側の管理者による設定値確定操作を検出可能としている。このように、設定変更を行う場合には、設定用鍵型スイッチ52をオン状態とし、リセットスイッチ53を操作して設定値を選択し、スタートレバー7を操作して選択した設定値を確定させた後、設定用鍵型スイッチ52をオフ状態とするといった設定変更操作が必要となっている。なお、これは、設定変更操作の一例であり、他の操作によって設定変更を行い得るように構成することもできる。また、設定変更や設定確認に際しては、例えば、上述のクレジットランプあるいは払出数ランプにおいて現在の設定値が表示されるものすればよい。
役比モニタ装置54は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、主制御基板ケースの内部に設けられる。役比モニタ装置54は、メインCPU101によって集計・算出された遊技に関する各種割合情報を順次表示する。これらの割合情報は、遊技店の管理者がパチスロ機1に不正改造がないかを確認する際等に使用される。なお、役比モニタ装置54は、主制御基板71上に実装されるようにしてもよいし、主制御基板71に接続された他の基板(例えば、割合表示基板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、主制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、役比モニタ装置54における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に上述の各種割合情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14を役比モニタ装置54と兼用して用いる構成としてもよい。また、電源投入直後又は電源投入から所定時間(例えば、10秒程度。主制御回路100及び副制御回路200の立ち上げに要する時間を考慮したバッファとなる時間)の経過後に、役比モニタ装置54の4桁の7セグメントLEDが正常に機能していることを確認可能とするため、例えば、「8.8.」といったようなテストパターン(全てのセグ及びデシマルのLEDが点灯するパターン)で所定期間点灯(ないし点滅)させる構成とすることが望ましい。
役比モニタ装置54では、例えば、上位2桁にはその割合情報の種類が表示され、下位2桁にはその割合情報を示す値(%)が表示される。ここで、役比モニタ装置54に表示される各種割合情報には、例えば、累計の特定区間割合情報、直近6000ゲーム間の連続役物割合情報及び役物割合情報、累計の連続役物割合情報及び役物割合情報等がある。
特定区間割合情報とは、対象の遊技数(例えば、「累計」であれば175000ゲーム。「直近6000ゲーム」であれば6000ゲーム。以下同じ)の遊技区間のうち、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)の遊技数(あるいは、単に有利区間中の遊技数であってもよい)の割合を示す情報である。また、連続役物割合情報とは、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)の作動中(第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む)に払出されたメダル数の割合を示す情報である。また、役物割合情報は、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)、第二種特別役物(CB)、及び普通役物(SB)の作動中に払出されたメダル数の割合を示す情報であり、ここでの第一種特別役物(RB)の作動中とは、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む概念であり、また、第二種特別役物(CB)の作動中とは、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)が作動している状態における第二種特別役物(CB)の作動中を含む概念である。
なお、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)を役物の作動中、あるいは役物連続作動装置の作動中としてとらえ、それぞれの割合情報において集計・算出の対象とすることもできる。すなわち、役比モニタ装置54は、必要な割合情報を適切に表示するものであればよく、表示可能な各種割合情報はこれらに限定されない。また、例えば、第一種特別役物(RB)が搭載されていない機種において連続役物割合情報を表示する場合、あるいは有利区間機能(AT機能)が搭載されていない機種において特定区間割合情報を表示する場合等、該当する数値情報(対応情報)が存在しない機種においては、当該項目の表示時に、4桁の7セグメントLEDのうちの数値情報(割合を示す%情報)を表示する下2桁の7セグメントLEDにおいて、例えば、「- -」といったように、中央の縦棒2本を点灯表示させる等の非対応情報用識別表示を行うことで、対応情報が存在しない機種である点を確認者が一目で認識可能とすることが望ましい。
ドア開閉監視スイッチ56は、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの背面側に設けられるように構成してもよいし、キャビネットG側に設けられるように構成してもよい。また、上ドア機構UDにも同様のドア開閉監視スイッチが設けられるように構成してもよい。ドア開閉監視スイッチ56は、下ドア機構DDが開放状態となったときにオン状態となり、閉鎖状態となったときにオフ状態となることで、下ドア機構DDの開閉を監視する。なお、ドア開閉監視スイッチ56がオン状態となるとドア開放エラーが発生する。この場合、下ドア機構DDを閉鎖状態とすると当該エラー状態が解除される。
副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220が電気的に接続されている。また、副制御基板72には、副中継基板74を介して、24hドア監視ユニット61、演出用ボタン10a,10b等の演出用ボタン群、上部ランプ23等のランプ・LED類、スピーカ35a,35b等のスピーカ群が電気的に接続されている。
なお、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220、演出用ボタン群、ランプ・LED類及びスピーカ群についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
24hドア監視ユニット61は、ドア開閉監視スイッチ56と同様に、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの開閉を監視するという機能を有する点においてはドア開閉監視スイッチ56と同じであるが、このような監視を副制御回路200側でも行い得るようにすることで、さらに下ドア機構DDの開閉履歴を一定期間保存することができるようにしている。なお、この開閉履歴は、後述のホールメニューから確認することができる。したがって、例えば、営業時間外であって、遊技店の管理者が退出した後に開放履歴があった場合や、営業時間内において長時間にわたって開放された開閉履歴があった場合には、これにより不正行為が行われた可能性が高いことを認識できるようになっている。
[3.パチスロ機の機能フロー]
続いて、図4を参照して、パチスロ機1の機能フローについて説明する。なお、図4は、パチスロ機1の機能フローを説明するための図である。
遊技者によりパチスロ機1にメダルが投入され(ベット操作が行われ)、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、予め定められた範囲(例えば、0~65535)の乱数から1つの乱数値(本実施形態では、これを「内部抽籤用乱数値」として説明する場合がある)が抽出される。
内部抽籤手段(後述の内部抽籤処理を行うメインCPU101)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、有効ライン上に表示されることが許可される図柄の組合せが事前に決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「はずれ」に係るものとが設けられる。なお、メダルの払い出しに係る役を「小役」と称し、再遊技(リプレイ)の作動に係る役を「リプレイ役」と称し、ボーナス(ボーナス状態)の作動に係る役を「ボーナス役」と称する。また、内部当籤し得る役(すなわち、成立が許可される図柄の組合せ)は、単に「役」と称されることがある。また、内部当籤役は、「当籤役」、「事前決定結果」、あるいは「導出許容条件」等と称されることがある。また、内部抽籤手段は、「役決定手段」、「当籤役決定手段」、「事前決定手段」、あるいは「導出許容条件決定手段」等と称されることがある。
また、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者によりリール(各リール3L,3C,3R)に対応するストップボタン(各ストップボタン8L,8C,8R)が操作される(停止操作が行われる)と、リール停止制御手段(後述のリール停止制御処理を行うメインCPU101)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミング(あるいはその押し順を含む)とに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。なお、開始操作を行うための操作手段は、スタートレバー7のようにレバー形状をしたものに限られず、遊技者が開始操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。また、停止操作を行うための操作手段は、各ストップボタン8L,8C,8Rのようにボタン形状をしたものに限られず、遊技者が停止操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。
パチスロ機1では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転にともなって移動する図柄の数を「滑り駒数」という。そして、本実施形態では、規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4駒分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ライン上に極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ライン上に表示されないようにリールの回転を停止させる。なお、リールの回転が停止したときに表示された図柄は、「停止表示」、あるいは「表示結果」等と称されることがある。また、リールの回転が停止したときに図柄が表示されることは、「停止表示の導出」、あるいは「表示結果の導出」等と称されることがある。
また、リール停止制御手段は、リールが回転してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合には、遊技者が停止操作を行っていない場合でも、自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の停止操作を介さずにリールが停止することとなるため、いずれかの内部当籤役が決定されている場合であっても、いずれの入賞に係る図柄の組合せも有効ラインに沿って表示されていないようにリールの回転を停止させることが望ましい。
このようにして、複数のリールの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述の入賞作動判定処理を行うメインCPU101)は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)であるか否かの判定を行う。すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立したか否かの判定を行う。そして、表示された図柄の組合せが、入賞判定手段により入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)である(すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立した)と判定されると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられ、あるいは、それを契機として各種の制御が行われる。パチスロ機1では、一例として、以上のような一連の流れで1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、入賞判定手段は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、単に予め定められた複数の図柄の組合せのうちのいずれかの図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよいし、内部抽籤手段によって決定された内部当籤役に係る図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよい。すなわち、前者では、内部当籤役と切り離して、入賞に係る図柄の組合せであるか否かを判定するものであってもよい。この場合、リール停止制御手段によって適切に停止制御が行われる限り、誤入賞の発生の防止は十分に担保され得ることから、誤入賞検知に係る制御負担を低減させることが可能となる。一方、後者では、入賞に係る図柄の組合せが、入賞が許可されていた図柄の組合せであるか否かも判定可能とすることで、リールの不具合等により誤入賞が発生した場合に、その誤入賞を検知することができるため、セキュリティ性を向上させることが可能となる。
また、パチスロでは、前述した一連の遊技動作の流れの中で、表示装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220等)による映像の表示、各種ランプ(例えば、上部ランプ23等)による光の出力、スピーカ(例えば、スピーカ35a,35b等)による音の出力、或いは、これらの組合せを利用して様々な演出が行われる。すなわち、これらは演出を実行する演出実行手段である。なお、演出実行手段により実行される演出の内容は、主制御回路100側(メイン側)で決定される場合もあれば、副制御回路200側(サブ側)で決定される場合もある。すなわち、これらはそのいずれもが演出内容決定手段となり得る。
例えば、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、内部抽籤用乱数値とは別に、演出用乱数値が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応付けられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出を抽籤によって(あるいは予め定められた決定条件にしたがって)決定する。
次いで、演出内容決定手段により演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機1では、例えば、内部当籤役に対応付けられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(狙うべき図柄の組合せや操作すべき押し順等と換言することもできる)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[4.パチスロ機の遊技性に関する基本仕様]
続いて、パチスロ機1の遊技性に関する基本仕様について説明する。
[4-1.図柄配置]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数の図柄が変動表示及び停止表示されることで遊技が行われる仕様となっている。したがって、主制御回路100は、各リール3L,3C,3Rにおいて、どの図柄がどの位置に配置されているかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、少なくとも各リール3L,3C,3Rそれぞれの各図柄位置にある図柄の種類を識別するためのデータが記憶されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄配置テーブル(図9参照)を用いている。
図柄配置テーブルには、各リール3L,3C,3Rそれぞれの回転方向における各図柄位置を示す図柄位置データ(例えば、「0」~「19」)が規定されている。また、各図柄位置データに対して図柄の種類を特定するためのデータ(例えば、図柄コード)が対応付けられている。また、図柄配置テーブルでは、リールインデックスが検出されたときにメイン表示窓4の枠内における各リールの中段領域に位置する図柄の位置を「0」と規定している。なお、各列の図柄数、図柄の種類数、あるいは最大滑り駒数等は適宜変更して規定可能である。
[4-2.図柄組合せ]
上述のとおり、パチスロ機1では、表示された図柄の組合せが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、表示された図柄の組合せに応じて、各種特典を付与したり、現在の状態から相対的に有利な状態に移行させたり、現在の状態から相対的に不利な状態に移行させたりすることを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような図柄の組合せについて把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような図柄の組合せを特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄組合せテーブル(図11~図14参照)を用いている。
図柄組合せテーブルには、有効ライン上に表示され得る図柄の組合せのうちで予め定められた複数の図柄の組合せの種類を示すデータ(例えば、「表示役」あるいは「入賞作動フラグ」)が規定されている。なお、それぞれの図柄の組合せを構成する図柄は、例えば、上述の図柄コード等を用いて特定することができる。また、各図柄の組合せに対して特典等の種類を示すデータ(例えば、「払出等」)が対応付けられている。また、図柄組合せテーブルは、基本的に後述の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域(図17参照)と対応するデータ構成となっている。なお、図柄の組合せの種類数、あるいは特典の付与内容等は適宜変更して規定可能である。
[4-3.内部当籤役]
上述のとおり、パチスロ機1では、いずれの図柄の組合せが表示されることが許可されるか(事前に決定されるか)が遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、遊技者の停止操作に先立って(事前に)、内部当籤役(すなわち、表示され得る図柄の組合せの種類(あるいは、付与され得る特典の種類))を決定することを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような内部当籤役について把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような内部当籤役を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の内部抽籤テーブル(図10参照)を用いている。
内部抽籤テーブルには、予め定められた複数の内部当籤役の種類を示すデータ(例えば、「No.」あるいは「当籤番号」)と、各遊技状態において各内部当籤役が決定される抽籤値とが規定される。なお、抽籤値は、設定された設定値によっても変動する場合がある。また、各内部当籤役に対して表示が許可される(対応する)図柄の組合せの種類が対応付けられている。なお、パチスロ機1では、1つの内部当籤役に対して複数の図柄の組合せを対応付けることを可能としており、このような内部当籤役が決定された場合、いずれの図柄の組合せが表示されるかは停止制御によって決定されるものとなっている。
ここで、例えば、本実施形態の後述の内部抽籤処理(図26参照。より詳細には、S64の内部当籤役決定処理)では、まず、乱数回路によって予め定められた数値の範囲(例えば、0~65535)から抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次加算更新する。次いで、抽籤結果(抽籤値+乱数値)が65535を超えたか否か(抽籤結果がオーバーフローしたか否か)の判定を行う。そして、所定の内部当籤役において、当該判定の結果が65535を超えた場合、当該内部当籤役に当籤させる(当該内部当籤役を決定する)。もっとも、全ての内部当籤役について当該判定を行っても65535を超えるものがなかった場合、今回の遊技における内部当籤役は「はずれ」となる。なお、これはあくまで内部抽籤処理の一例であり、抽籤値(当籤確率)に応じて適切な抽籤が行われる限り、その抽籤処理の手法は種々の手法を採用することができる。例えば、抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次減算更新し、次いで、減算結果(抽籤結果)が0を下回ったか否か(抽籤結果がアンダーフローしたか否か)を判定して、内部当籤役を決定してもよい。
このように、内部抽籤テーブルにおいては、規定されている抽籤値の数値が大きい内部当籤役ほど決定される確率(当籤確率)が高くなる。なお、各内部当籤役の当籤確率は、「各当籤番号に規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:65536)」によって表すことができる。
[4-4.停止制御]
上述のとおり、パチスロ機1では、内部当籤役の決定によって表示されることが許可された図柄の組合せのうち、遊技者の停止操作によって最終的にいずれの図柄の組合せを表示させるかが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、決定された内部当籤役の種類のみならず、遊技者の停止操作タイミングや押し順(「停止操作態様」や「停止操作手順」とも称される)によって最終的に表示される図柄の組合せの種類を変動させる(決定する)制御(停止制御)を行うことを可能としている。したがって、主制御回路100は、各内部当籤役に対して、遊技者の停止操作態様に応じてどのような態様で停止制御を行うかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような停止制御の態様を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として停止テーブルや引込優先順位テーブル(不図示)等を用いている。
停止テーブルには、各リール3L,3C,3Rの各図柄位置データに対して、図柄の移動量を示すデータ(例えば、「滑り駒数」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の停止テーブルが選択されたとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置(停止操作が行われたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データ)が「0」であったとする。そして、所定の停止テーブルにおいて、図柄位置データ「0」に規定された滑り駒数が「4」であったとする。そうすると、主制御回路100は、4図柄分移動した図柄位置(図柄位置データ「4」の位置)でリール3Lを停止させる(停止予定位置が「4」となる)ように制御を行う。このように、停止テーブルには、停止させる位置を直接的に決定することを可能とするデータ(滑り駒数)が規定されている。なお、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような停止テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「テーブル制御」と称される。
引込優先順位テーブルには、表示されることが許可された図柄の組合せが複数ある場合に、いずれの図柄の組合せを優先的に表示させるか(引込むか)を示すデータ(例えば、「引込優先順位」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の引込優先順位テーブルが選択されたとする。ここで、所定の内部当籤役は、図柄組合せAと図柄組合せBの表示を許可するものとし、所定の引込優先順位テーブルは、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるように引込優先順位が規定されているものとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置が「0」であったとする。
そうすると、主制御回路100は、停止開始位置を含めた最大滑り駒数(例えば、「4」)の範囲内の各図柄位置について、図柄組合せAを構成する図柄と図柄組合せBを構成する図柄があるかどうかを検索する。双方の図柄がなければ、予め定められたルール(例えば、より近い位置で停止させる、より遠い位置で停止させる等)にしたがって停止させる位置を決定する。図柄組合せAを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。図柄組合せBを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。双方の図柄があれば、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるのであるから、図柄組合せBを構成する図柄に対応する位置で停止させることを決定する。なお、引込優先順位は、選択された引込優先順位テーブルにしたがって、対象となるリールの回転中に全図柄位置について格納されるようにしてもよいし、対象となるリールに対して停止操作が行われたときに、停止開始位置を含めた最大滑り駒数の範囲内の各図柄位置について格納されるようにしてもよい。また、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような引込優先順位テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「コントロール制御」と称される。
なお、本実施形態では、「テーブル制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできるし、「コントロール制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできる。あるいは、まず「テーブル制御」を行うことによって停止させる位置を仮決定し、次に「コントロール制御」を行うことによってより適切な停止位置があるかを検索し、検索結果によっては停止させる位置を変更することを可能とする停止制御を実行する構成とすることもできる。
このように、パチスロ機1では、最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せがどの図柄の組合せとなるかは、例えば、以下の3つの要素に基づいて決定される。
第1の要素は、決定された内部当籤役(内部抽籤処理の抽籤結果)である。例えば、内部抽籤処理の結果が「はずれ」であった場合、いずれかのリプレイ役に係る図柄の組合せ、小役に係る図柄の組合せ又はボーナス役に係る図柄の組合せが最終的に有効ライン上に表示されることはない。なお、「はずれ」は、内部当籤役の1つであると捉えることもできるし、内部当籤役が決定されなかった抽籤結果であると捉えることもできる。
第2の要素は、遊技者の停止操作タイミング(遊技者がいずれかのストップボタンを操作したときの図柄の位置(押下位置))である。例えば、本実施形態においては、最大滑り駒数として図柄4個分が定められているため、内部抽籤処理の結果、いずれかの内部当籤役に当籤していたとしても、表示が許可されている図柄の組合せを構成する図柄が有効ライン(複数ある場合には各有効ライン)に対して図柄4個分を超えて配置されていた場合には、遊技者の停止操作タイミングによっては当該図柄の組合せが表示されない場合がある。これをいわゆる「取りこぼし」という。
第3の要素は、遊技者の押し順(遊技者がストップボタンを操作した順番)である。例えば、本実施形態においては、複数の図柄の組合せが対応付けられた内部当籤役が決定される場合があり、この場合には、遊技者の押し順に応じて最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せが変動する場合がある。なお、このような内部当籤役を「押し順役」といい、それがリプレイ役の場合には「押し順リプレイ」と称されることがあり、小役の場合には「押し順小役」と称されることがある。
[4-5.遊技状態]
パチスロ機1では、遊技者の有利度合いを変動させるため、あるいは企図した遊技性とするために、遊技を行う状態として種々の遊技状態を設けることが可能となっている。以下、その遊技状態の一例について説明する。
[4-5-1.ボーナス状態]
パチスロ機1では、ボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、ボーナス状態に移行させる(ボーナス状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなボーナス状態を設けないように構成することもできる。また、複数種類のボーナス役を設けることで、複数のボーナス状態を設けるように構成することもできる。ボーナス役に当籤すると、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまで複数回の遊技にわたって当該ボーナス役が内部当籤役として持越された状態(持越状態)が発生する。このようなボーナス役は「持越役」と称されることがある。また、このような持越状態は「(ボーナス)フラグ間」や「(ボーナス)内部中」等と称されることがある。
ボーナス状態は、ボーナス状態が作動していない状態(非ボーナス状態)に対して小役の抽籤態様(当籤確率やその内容、あるいは停止制御の態様等も含む。以下同じ)を変動させることが可能な状態となっている(リプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態ともなっているため、ボーナス状態を後述のRT状態の一態様として捉えることもできる)。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも不利な遊技状態となる。
ボーナス役としては、例えば、第一種特別役物(RB)、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)、第二種特別役物(CB)(ただし持越役ではない)、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)、及び普通役物(SB)(ただし持越役ではない)等を挙げることができる。また、例えば、各ボーナス役に対応するボーナス状態は以下のように構成される。RB状態は、予め定められた任意の入賞回数(例えば、上限は8回)又は予め定められた任意の遊技回数(例えば、上限は12回)の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。BB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は285枚)を超えるメダルの払出があった場合に終了する遊技状態として構成される。
CB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。MB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は153枚)を超えるメダルの払出があった場合、あるいはMB状態中にRBやSBに当籤した場合に終了する遊技状態として構成される。SB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。
なお、ボーナス状態の作動条件は、ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことのみに限られない。例えば、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動中においては、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動開始時、第一種特別役物の作動中ではない場合の遊技開始時、あるいは第一種特別役物の作動終了時等において自動的に第一種特別役物(RB)を作動させるように構成することもできる。すなわち、RBに係る図柄の組合せを規定することなく、BBの作動中は常にRBの作動中となるように制御することもできる。ここで、BB作動中のRBは「JAC」等と称されることがあり、このように自動的にBB作動中のRBが作動する仕様は「オートJAC」等と称されることがある。また、BBの作動中においては、規定されたRBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってRBの作動中となるように制御することもできる。このように対応する図柄の組合せの表示に基づいてRBが作動する仕様は「マニュアルJAC」等と称されることがある。また、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)と、第二種特別役物(CB)との関係も同様である。すなわち、CBに係る図柄の組合せを規定することなく、MBの作動中は常にCBの作動中となるように制御することもできるし、MBの作動中においては、規定されたCBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってCBの作動中となるように制御することもできる。
[4-5-2.RT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、RT状態に移行させる(RT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなRT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のRT状態を設けるように構成することもできる。RT状態は、RT状態が作動していない状態(非RT状態)に対してリプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態となっている。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも不利な遊技状態となる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。なお、この場合、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に有利なRT状態は「高RT状態」や「高確率再遊技状態」等と称され、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に不利なRT状態は「低RT状態」や「低確率再遊技状態」等と称されることがある。
RT状態は、例えば、以下のいずれの移行条件の成立によって移行させることができる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。
(1)RB、BB又はMBに当籤したとき
(2)RB、BB又はMBに係る図柄の組合せが表示されたとき
(3)RB状態、BB状態又はMB状態が終了したとき
(4)RB、BB又はMBに当籤しておらず(持越されておらず)、RB状態、BB状態又はMB状態中でもない場合において、特定の図柄の組合せが表示されたとき
(5)(3)又は(4)の移行条件成立後に予め定められた回数の遊技が行われたとき
[4-5-3.AT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、AT状態に移行させる(AT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなAT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のAT状態を設けるように構成することもできる。AT状態は、例えば、上述の押し順役に当籤したときに、遊技者に有利な停止操作の情報が報知されることにより、AT状態が作動していない状態(非AT状態)よりも有利な状態として構成される遊技状態である。
なお、複数のAT状態を設ける場合、それぞれのAT状態の遊技期間(当該期間の延長(あるいは「上乗せ」ともいう。以下同じ)を可能とする場合には延長のされやすさ等を含む)、停止操作の情報が報知される報知対象役の種類、あるいは停止操作の情報の報知が発生する発生確率等をそれぞれ異なるものとすることで、遊技者の有利度合いを変動させることができる。また、AT状態の移行条件及び終了条件は、遊技性に応じて適宜設定可能である(ただし後述のリミット処理の実行による終了を除く)。また、AT状態は、あたかも上述のボーナス状態と同様に扱われる場合があり、この場合には「疑似ボーナス状態」等と称されることがある。
また、AT状態の遊技期間は、当該期間が適切に管理される限り、ゲーム数(遊技回数)によって管理されるようにしてもよく(ゲーム数管理)、所定ゲーム数を1セットとし、セット数によって管理されるようにしてもよい(セット数管理)。また、AT状態中の払出数や純増数(差枚数)によって管理されるようにしてもよい(払出数管理、差枚数管理)。また、AT状態においてメダルの払出に影響を与える報知(例えば、押し順小役当籤時の押し順ナビ)を行った回数(ナビ回数)によって管理されるようにしてもよい(ナビ回数管理)。また、AT状態が延長される場合も同様である。また、AT状態に移行したときに付与される遊技期間と、AT状態が延長されるときに付与される遊技期間とは異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。また、複数のAT状態を設ける場合、同じ管理手法によって管理されるようにしてもよく、異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。
[4-5-4.ART状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、上述の高RT状態とAT状態を組合せたART状態に移行させる(ART状態を作動させる)ことが可能となっている。すなわち、ART状態とは、高RT状態において行われるAT状態を意味するものであるから、RT状態として少なくとも低RT状態と高RT状態とを設け、高RT状態に移行させる(あるいは低RT状態に移行することが回避される)制御が行われる点でAT状態と相違するものの、基本的な制御はAT状態と同様である(遊技者に有利な停止操作の情報が報知される結果として高RT状態に移行する(あるいは低RT状態に移行することが回避される)ものであれば、AT状態と同義であるともいえる)。なお、ART状態の移行条件が成立した場合、まずAT状態に移行し、その後高RT状態に移行することでART状態に移行するものであってもよいし、高RT状態及びAT状態に同時(あるいは略同時)に移行することでART状態に移行するものであってもよい。
[4-5-5.その他遊技状態]
なお、パチスロ機1では、上述の各種遊技状態以外の遊技状態を設けることもできる。例えば、後述の有利区間中の各モード(図5及び図6参照)であるが、これらも遊技者が遊技を行う状態であって、疑似ボーナス状態としてのAT状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得るものであることから、これらを遊技状態として捉えることができる。また、同様の観点より、例えば、ボーナス状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得る遊技状態を設けることができる。例えば、ボーナス役に当籤している(持越されている)場合に、停止制御によってボーナス役に係る図柄の組合せが表示されやすい遊技状態と、これよりも当該ボーナス役に係る図柄の組合せが相対的に表示されにくい遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。また、例えば、ボーナス役が所定の確率で当籤する(当籤しやすい)遊技状態と、当該ボーナス役が当該所定の確率よりも低い確率で当籤する(相対的に当籤しにくい)遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。
また、AT状態に移行するか否か(AT状態において当該AT状態の遊技期間を延長するか否かも含み得る。以下同じ)の有利度合いを変動させ得る手法としては、以下のような手法を採用することもできる。例えば、内部当籤役として「特定役」が決定され得るようにする。当該特定役は、遊技者の停止操作態様(停止操作タイミングであってもよいし、押し順であってもよいし、これらの組合せであってもよい)に応じて付与されるメダル数が変動するものとする(例えば、停止操作態様が適切(正解)であれば8枚の払出、不適切(不正解)であれば1枚の払出又は払出なし)。
そして、特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技においてAT状態に移行するか否かの有利度合いを有利なものに変動させるか否かの決定(直接AT状態に移行させるか否か、あるいは直接当該AT状態の遊技期間を延長するか否かの決定も含み得る。以下「有利決定」として説明する)を行わない。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。あるいは、上述の特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行わない。
このように、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行った場合に、その遊技結果として今回の遊技において有利決定が行われる場合と、当該有利決定が行わない(有利決定が行われることが制限される)場合とがあるように構成することもできる。なお、今回の遊技と次回の遊技で遊技者が替わる場合もあり、このような制限が次回の遊技以降も継続する場合には、(次の)遊技者が著しい不利益を被るおそれがあることから、このような制限は今回の遊技限りとし、次回の遊技以降には継続しないものとすることが望ましい。また、このような制限は「ペナルティ」と称されることがある。
[4-6.遊技区間]
パチスロ機1では、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、上述の遊技状態とは異なる概念で遊技を行う状態として種々の遊技区間を設けることが可能となっている。以下、その遊技区間の一例について説明する。なお、遊技区間は、大別すると非有利区間と有利区間から構成される。
(非有利区間)
非有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能でない遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことはできない。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することはできない。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、初期状態として非有利区間が設定される。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合(すなわち、有利区間中の遊技の進行にともなって更新される所定値(例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタや有利区間払出数カウンタの値)が規定値(例えば、1500ゲームや2400枚)となった場合)、初期状態として非有利区間が設定される。なお、当該所定値を参照し、当該所定値が規定値となる前であっても特定の更新値となっている場合にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。また、有利区間中に所定終了条件が成立して終了決定された場合(例えば、有利区間終了抽籤が行われるように構成した場合であって、これに当籤した場合等)にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。
(4)非有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間に移行させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能であって、導出された結果表示(図柄の組合せ)や非有利区間(あるいは移行前の有利区間)中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことはできない。なお、いずれの内部当籤役が決定されたかは、当籤番号等の直接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできるし、内部当籤役のデータから生成あるいは変換されたサブフラグ(複数の役を1つの判定対象データとしたもの)等の間接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできる。
(5)非有利区間は基本的に1の状態であり、非有利区間内で複数の状態を設定することはできない。例えば、有利区間終了後の非有利区間を非有利区間A、設定変更後の非有利区間を非有利区間Bというように異なる状態として設定することはできない。
(有利区間)
有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能である遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことができる。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することができる。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、その初期状態として有利区間を設定することはできない。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合、当該有利区間を終了させる必要がある。
(4)有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間中に遊技状態(モード)を移行させるか否か、あるいは特定の遊技状態(モード)を延長させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみならず、導出された結果表示(図柄の組合せ)や有利区間中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことができる。なお、参照可能な各種パラメータの他の例としては、例えば、上述の各種パラメータに応じて付与可能なポイント等の特典情報、ボーナス状態の種類、RT状態の種類、いずれかのリールの停止操作タイミング、あるいは押し順等を挙げることができる。
(5)有利区間内で複数の状態を設定することができる。例えば、遊技者にとって不利な通常状態、AT状態へ移行しやすいCZ状態、あるいは報知にしたがって停止操作を行った場合にメダル増加の期待値がプラスとなるAT状態等の状態を設定可能である。また、例えば、通常状態においてCZ状態移行が決定されたことに応じ、実際にCZ状態に移行するまでの待機状態として設定され、CZ状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るCZ前兆状態、あるいは通常状態若しくはCZ状態においてAT状態移行が決定されたことに応じ、実際にAT状態に移行するまでの待機状態として設定され、AT状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るAT前兆状態等の状態も遊技性に応じて設定可能である。
(6)非有利区間及び有利区間のいずれの区間であるかを報知可能な区間ランプ(状態表示部)の点灯により、有利区間中であることを報知することができる(区間ランプが消灯していれば非有利区間中であることを報知することができる)。なお、区間ランプの点灯開始タイミングについては、上述のとおり、ある程度任意のタイミングに設定することが可能である。基本的に非有利区間から有利区間に移行したときに点灯を開始し、非有利区間に移行するまで点灯を継続するものとしてもよいし、非有利区間から有利区間に移行した(有利区間が開始された)が、移行した有利区間が通常状態であれば点灯を開始せず、最初にAT状態となったときから点灯を開始するものとしてもよい。なお、移行した有利区間がAT状態であれば、そのときから点灯を開始すればよい。
[4-7.リミッタ]
パチスロ機1では、有利区間が長く継続し過ぎることに起因して射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、有利区間が連続して継続する期間について上限(制限)を設けることが可能となっている。このような上限は「リミッタ」と称される。また、本実施形態では、このようなリミッタにより有利区間を終了することを、リミット処理の実行、あるいはリミッタの作動として説明している。以下、そのリミッタの一例について説明する。
(ゲーム数リミッタ)
ゲーム数リミッタは、有利区間中のゲーム数(遊技回数)が「1500」回となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、1回の遊技が消化される度に1ずつカウントを加算していく。そして、有利区間ゲーム数カウンタの値が規定値(例えば、「1500」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、ゲーム数リミッタが作動するゲーム数は、上限である「1500」回以下のゲーム数であれば任意のゲーム数を設定可能である。また、このようなゲーム数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のゲーム数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
(払出数リミッタ)
払出数リミッタは、有利区間中のメダルの払出数が「2400」枚となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、メダルの払出がある度に対応する枚数分(より詳細には、払出数からベット数を減じた純増数分)カウントを加算していく。そして、有利区間払出数カウンタの値が規定値(例えば、「2400」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、払出数リミッタが作動する払出数は、上限である「2400」枚以下の払出数であれば任意の払出数を設定可能である。また、このような払出数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のメダルの払出数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間の開始時から最もメダル数の絶対値が減った地点を最下点(起点)として、直近の最下点からのプラス分をカウントする(すなわち、払出がなかった場合にはカウントを減算していく等)ように構成してもよい。すなわち、払出数リミッタは、有利区間中においてメダルが増加することとなったとき(例えば、AT状態が開始されたとき)から最大「2400」枚のメダルの払出があったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成することもできる。また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、上述の純増数ではなく、単に実払出数(すなわち、払出数からベット数を減じないもの)をカウントするものであってもよい。
なお、パチスロ機1は、ゲーム数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、払出数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、ゲーム数リミッタと払出数リミッタの双方を用いて有利区間のリミット処理を実行してもよい。なお、双方のリミッタを用いる場合、有利区間が開始してから何れか一方のリミッタの作動条件を満たした場合に、有利区間を終了させることが望ましい。
また、リミッタの種類も、上述のゲーム数リミッタ及び払出数リミッタのみに限られない。例えば、AT状態中の押し順小役のナビ回数(すなわち、メダルの払出に係る役について遊技者に有利な停止操作の情報が報知された回数)が所定回数(例えば、「400」回)となったときにリミット処理が実行されるナビ回数リミッタを設けるようにしてもよい。すなわち、射幸性を適切に抑制することができる限り、遊技に関する各種の条件を用いてリミット処理を実行することが可能である。
[4-8.外部信号]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類の外部信号を外部に出力可能な仕様となっている。例えば、ボーナス状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、ボーナス状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したボーナス状態中演出を行うことができる。また、例えば、BB状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、BB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、MB状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、MB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のボーナス状態中演出を行うのみならず、ボーナス回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、AT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したAT状態中演出を行うことができる。また、例えば、所定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、所定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、特定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、特定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のAT状態中演出を行うのみならず、AT回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態をセット数管理のAT状態として構成し、最初の1セット目のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、2セット目以降は当該セットが開始される度に外部信号2をオン状態とすれば、外部のデータ表示機においてもAT状態の初当り回数と、AT状態の延長回数とをカウントすることができる。なお、各外部信号についてオン状態とするタイミングとオフ状態とするタイミングは適宜設定可能である。すなわち、外部のデータ表示機やホールコンピュータ等によって状況が適切に認識される限り、各外部信号の出力態様は適宜設定可能である。例えば、オフ状態からオン状態となって再度オフ状態なるまでの期間は、所定時間、1回の遊技の間、状態が変化するまで等の種々の条件を採用することができる。
[4-9.コマンド]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類のコマンドを主制御回路100から副制御回路200に送信可能な仕様となっている。なお、パチスロ機1では、主制御回路100と副制御回路200とが相互に通信を行うことはできず、主制御回路100から副制御回路200の一方向にのみ通信を行うことが要件となっている。したがって、主制御回路100は、パチスロ機1における状態の変化等を報せるための情報(コマンド)を適時副制御回路200に送信する必要がある。以下にこのようなコマンドの一例について説明する。
主制御回路100は、副制御回路200に対し、例えば、設定変更操作が行われたときには初期化コマンドを送信する。初期化コマンドは、設定値や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ベット操作が行われたときにはメダル投入コマンドを送信する。メダル投入コマンドは、ベット数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。また、例えば、開始操作が行われたときにはスタートコマンドを送信する。スタートコマンドは、内部当籤役や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ロック演出が行われるときにはロックコマンドを送信する。ロックコマンドは、ロック演出の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、各リール3L,3C,3Rの回転が開始するときにはリール回転開始コマンドを送信する。リール回転開始コマンドは、リールの回転が開始されたこと等を特定するパラメータを含んで構成される。
また、例えば、停止操作が行われたときにはリール停止コマンドを送信する。リール停止コマンドは、停止されるリールや当該リールが停止される位置等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、全てのリールが停止され、表示役(入賞作動フラグ)が確定したときには入賞作動コマンドを送信する。入賞作動コマンドは、表示役の種類や付与される特典の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を開始するときには有利区間開始コマンドを送信する。有利区間開始コマンドは、有利区間を開始することやモード(遊技状態)等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を終了するときには有利区間終了コマンドを送信する。有利区間終了コマンドは、有利区間を終了することやその終了要因等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、精算操作が行われたときには精算コマンドを送信する。精算コマンドは、返却数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。なお、これらはあくまで一例であり、これら以外のコマンドを必要に応じて送信することもできるし、これらのうち不要なコマンドについては送信しないようにすることもできる。
[4-10.演出]
上述のとおり、パチスロ機1では、遊技の興趣を高めるため、有益な情報を遊技者に報せるため、あるいは企図した遊技性とするために、種々の演出を種々の演出装置を用いて実行することが可能となっている。以下、そのような演出の一例について説明する。
[4-10-1.メイン側演出]
パチスロ機1では、主制御回路100側(メイン側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、指示モニタによって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(ロック演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技の進行を所定期間停止させる(遊技者の遊技操作を所定期間無効にする)演出を行い得る。このような演出は、「ロック演出(あるいは単に「ロック」)」と称される他、「フリーズ演出(あるいは単に「フリーズ」)」等とも称される。なお、このようなロック演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のロック演出を行い得るように構成することもできる。
また、無効とする対象の遊技操作は、例えば、開始操作であってもよいし、停止操作であってもよいし、他の操作であってもよい。例えば、開始操作が所定期間無効にされる場合には、全ての停止操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、例えば、停止操作が所定期間無効にされる場合には、開始操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、複数種類のロック演出を設ける場合には、ロック演出ごとに、遊技の進行が停止される期間(遊技者の遊技操作を無効にする期間)や無効とする遊技操作の種類等が設定されるようにすればよい。
(リール演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において各リール3L,3C,3Rの演出表示態様(変動表示態様のみならず、停止表示態様との組合せを含む)による演出を行い得る。このような演出は、「リール演出」と称される他、「図柄演出」等とも称される。なお、このようなリール演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のリール演出を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えてリール演出が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれるものとする。
リール演出は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作によらずして各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。したがって、回転速度や最大滑り駒数等を考慮することなく、このような演出動作を行わせる動作パターンを設定することができる。また、動作パターンを複数設定すれば、複数種類のリール演出を設けることができる。また、複数種類のリール演出と複数種類のロック演出との組合せによって、さらに多岐にわたる演出パターンを設定することができる。なお、リール演出に用いられるのは、各リール3L,3C,3Rのうちの任意の1個のみでもよいし、任意の2個であってもよいし、3個全てであってもよい。
(疑似遊技)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において疑似的な遊技を行わせる演出を行い得る。このような演出は、「疑似遊技」と称される。なお、このような疑似遊技が行われないように構成することもできるし、複数種類の疑似遊技を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えて疑似遊技が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれる。
疑似遊技は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作を疑似的に受付け、これによって各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。すなわち、上述のリール演出について、さらに遊技者の遊技操作を介在させて演出を行うものである。なお、例えば、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、スタートレバー7、各ストップボタン8L,8C,8R、及び精算ボタン9等は、基本的に遊技操作に使用されること目的として設けられるものであることから、これ以外の目的で使用されることは本来的には望ましくない。しかしながら、疑似遊技においては、実際の遊技中であると遊技者が誤認しないための措置がなされることを前提として、これらの操作を受付けることを可能としている。
ここで、疑似遊技の流れについて、一例を挙げて説明する。疑似遊技は、例えば、以下のような流れで行われる。
(1)遊技者の実際の開始操作(ここで実行条件が成立して疑似遊技開始)
(2)疑似的に各リールが回転(疑似遊技中)
(3)疑似的に停止操作を受付け、これによって各リールが仮停止(疑似遊技中)
(4)ランダム遅延処理を経てから実際に各リールが回転開始(疑似遊技が終了して実際の遊技開始)
なお、ランダム遅延処理とは、例えば、上述の(3)の状況で特定の図柄が並んで表示された状態となり、そのまま上述の(4)の状況で各リールが通常回転を開始すると、遊技者が特定の図柄を目印として停止操作しやすくなってしまう(いわゆる「目押し」の補助となってしまう)場合があることから、これを是正するために各リールそれぞれに対してランダムに遅延期間を発生させてから回転を開始させるための処理である(このような遅延期間は「再配置期間」とも称される)。また、上述の(3)及び(4)の状況で各リールが仮停止している場合には、完全に停止していると誤認されないように、各ステッピングモータの励磁制御における位相信号は必ず所定時間(例えば、500ms)未満としてリールを順方向と逆方向とに交互に変化させるようにすることが望ましい。
上述の措置の1つとしては、例えば、上述の(3)の状況で任意の図柄の組合せが仮停止した場合(3個目のリールが仮停止して全てのリールが仮停止した場合)、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、各リールを上下に微振動させる(揺動させる)ことが挙げられる。なお、位相信号が上述の所定時間未満で変化するものである限り、1個目のリールが仮停止したとき、2個目のリールが仮停止したときには、このような揺動は行われないようにしてもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技ランプを設け、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、当該疑似遊技ランプを点灯させることが挙げられる。なお、疑似遊技ランプは、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に設置されることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、他の用途に使用しない独立したランプであり、当該疑似遊技ランプの表示部全体は単色の縁で覆われていることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、当該疑似遊技ランプの説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超え、かつ表面積が642平方mmを超えること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技ランプの説明部分は、当該疑似遊技ランプが疑似遊技中であることを報せるためのランプであることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、このような記載部分は、表面積の1/3以上を占めることが望ましい。なお、疑似遊技ランプを制御するのは、主制御回路100であってもよいし、副制御回路200であってもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技中表示を、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、メイン表示装置210又はサブ表示装置220(あるいはその双方)で行うことが挙げられる。なお、疑似遊技中表示は、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に表示されることが望ましい(本実施形態では、メイン表示装置210及びサブ表示装置220のいずれもが操作部よりも上方となっているため、いずれを使用してもよい)。また、疑似遊技中表示は、その説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超えること、表示画面が7インチ未満である場合には表面積が642平方mmを超えること、表示画面が7インチ以上である場合には表面積が画面全体の8.2%以上となること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技中表示の説明部分は、当該疑似遊技中表示が疑似遊技中であることを報せるための表示であることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、隠蔽等されることなく遊技者が読み取れる大きさであることが望ましい。
また、例えば、疑似遊技中(例えば、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間)は、指示モニタにおいて停止操作の情報が報知されないように構成する(当該遊技で指示モニタに停止操作の情報を表示する必要がある場合には、ランダム遅延処理が開始されるタイミングで表示を開始する)ことが望ましい。このようにすれば、疑似遊技中において実際の遊技中であると遊技者が誤認してしまうことをさらに抑制することができる。なお、上述のいずれかの措置がなされていれば、疑似遊技中において、サブ側の演出装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220)では停止操作の情報が報知されるようにしてもよい。また、同様に、疑似遊技中において、サブ側の演出装置では疑似遊技の遊技結果にしたがった(疑似的な遊技操作に連動した)演出が行われるようにしてもよい。
また、実際の遊技では、試験機用第1インターフェースボード301を介して遊技者の遊技操作、あるいは当該遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号が出力されるが、疑似遊技中は、遊技者の疑似的な遊技操作あるいは当該疑似的な遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号は出力されない。したがって、疑似遊技中は、試験機側で疑似遊技中であることを認識可能とするための試験信号(疑似遊技信号)が出力されるようにしてもよい。なお、試験機用第1インターフェースボード301は、主制御基板71から疑似遊技信号を受信した場合、疑似遊技進行制御用の信号を主制御基板71に出力することで、主制御基板71側で疑似遊技が進行されるようにしてもよい(すなわち、試験機用第1インターフェースボード301に疑似遊技進行機能をもたせてもよい)。また、試験機用第1インターフェースボード301にこのような疑似遊技進行機能をもたせる場合、当該機能のオン・オフを切替え可能な切替スイッチを設けるようにしてもよい。これにより、パチスロ機1の検定試験(試射試験)において、疑似遊技の演出内容を確認するか否かを任意に設定することが可能となる。
[4-10-2.サブ側演出]
パチスロ機1では、副制御回路200側(サブ側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、メイン表示装置210等によって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(通常演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、今回の遊技において完結する(すなわち、1ゲームで終了する)演出を行い得る。このような演出は、「通常演出」と称される他、「単発演出」等とも称される。なお、このような通常演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の通常演出を行い得るように構成することもできる。
(連続演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、複数回の遊技にわたって連続する(すなわち、複数ゲームの間継続する)演出を行い得る。このような演出は、「連読演出」と称される他、「継続演出」等とも称される。なお、このような連続演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の連続演出を行い得るように構成することもできる。
(操作連動演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技者の演出操作に応じて演出内容を変化させることが可能な演出を行い得る。このような演出は、「操作連動演出」と称される他、「ボタン演出」等とも称される。なお、このような操作連動演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の操作連動演出を行い得るように構成することもできる。また、操作連動演出は、通常演出として構成することもできるし、連続演出として構成することもできる。また、演出操作は、演出用ボタン群に対する操作のみならず、各種遊技操作を含むものとすることができる。
なお、上述の各種演出は、種々の用途に用いることができる。例えば、設定値、内部当籤役、遊技状態、遊技区間、特典の付与内容、特典が付与されるまでの期間等の示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの有利度合いの示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの用途もあくまで一例である。
(その他演出)
パチスロ機1では、上述の各種演出以外の演出を行うこともできる。例えば、上述の用途以外に用いられるものとして、遊技者又は遊技店に対する各種の報知(例えば、のめり込み防止報知や忘れ物防止報知、エラー状態報知、デモ状態報知等)も広義の意味において演出に含まれる。なお、のめり込み防止報知は、例えば、有利区間が終了したときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、忘れ物防止報知は、例えば、有利区間が終了したときや精算操作が行われたときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、エラー状態報知は、エラーが発生してから解消されるまで、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、デモ状態報知は、遊技されていない期間が所定期間となったときや精算操作が行われたときに、空き台であること等が報知されるものとすることができる。
[5.第1の遊技機]
続いて、図5~図22を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の一具体例について、これを「第1の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第1の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第1の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
まず、第1の遊技機では、有効ラインが、上述の「センターライン」の1ラインのみと定義される。また、第1の遊技機では、遊技状態として、非ボーナス状態と、ボーナス状態とが設けられる。また、非ボーナス状態は、後述の「F_2BB」(2枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「2BB」として説明する場合がある)が持越されている2BBフラグ間と、後述の「F_3BB」(3枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「3BB」として説明する場合がある)が持越されている3BBフラグ間と、いずれのボーナス役も当籤していない(持越されていない)非フラグ間とを含んで構成される。また、ボーナス状態は、2BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する2BB状態と、3BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する3BB状態とを含んで構成される。
また、第1の遊技機では、2枚のメダルをベットした状態(2枚ベット状態)と、3枚のメダルをベットした状態(3枚ベット状態)とで遊技を行うことが可能となっている。なお、「ベット」とは、遊技に供するため、遊技者が2枚又は3枚のメダルをメダル投入口5に対して投入すること、遊技者がMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してクレジットから2枚又は3枚分のメダルを掛けること、及びリプレイ役の入賞によって自動的に2枚又は3枚分のメダルが掛けられることのいずれもが含まれる。
[5-1.第1の遊技機の遊技性]
続いて、図5~図8を参照して、第1の遊技機における遊技の流れについて説明する。なお、図5は、第1の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図であり、図6は、第1の遊技機における各モードの一例を説明するための図であり、図7及び図8は、第1の遊技機における各種テーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、第1の遊技機では、遊技者が遊技を行う状態として、非有利区間及び有利区間に大別され、有利区間には、さらに演出区間(有利区間・通常遊技)及び増加区間(有利区間・疑似ボーナス)が設けられる。非有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。演出区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である点は非有利区間と同様であるが、後述するように、モード移行が行われる点において非有利区間とは異なる。
すなわち、非有利区間は、有利区間での遊技が終了したとき、設定変更操作が行われたとき、その他の初期化条件が成立したとき、あるいは工場出荷時等の場合に制御される初期状態としての制御状態であり、演出区間は、モード移行等によって増加区間移行(付与)の期待度を変動可能とし、遊技者が通常遊技を行う通常状態としての制御状態である。
一方、増加区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技状態(AT状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。すなわち、増加区間は、遊技者がメダルを増加させることができる有利状態としての制御状態である。なお、演出区間と増加区間とはともに有利区間であり、これらの区間を相互に移行することで一連の有利区間として構成されるものである。
なお、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、非有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての非有利区間サブフラグが決定される。なお、サブフラグは、主制御回路100による遊技性に関する各種抽籤(有利区間に関連する各種処理)において、同様の役割(抽籤対象役であるか否かやその当籤確率等)を担う内部当籤役をグループ化して同じ情報を割り当てることで、そのグループを識別可能とするための情報である。これにより、内部当籤役ごとに各種データテーブルを設ける必要がなくなることから、データ量を圧縮することができ、メインROM102の容量の圧迫を回避することができる。非有利区間では、この非有利区間サブフラグを用いた抽籤が行われる。
非有利区間サブフラグ「リプベル」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)、「F_リプレイB」(No.「4」)、及び「F_ベル123A1」~「F_ベル321B2」(No.「10」~No.「33」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。なお、非有利区間においても、有利区間と同様に、当籤時サブフラグと入賞時サブフラグが決定され得るように構成することもできる。また、これらの対応関係も上述のものに限られない。
また、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間当籤時サブフラグが決定される。さらに、有利区間においては、表示された図柄の組合せに応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間入賞時サブフラグが決定される。有利区間では、これらの有利区間当籤時サブフラグ及び有利区間入賞時サブフラグを用いた抽籤が行われる。
有利区間当籤時サブフラグ「ベル」は、内部当籤役が「F_ベル123A1」~「F_ベル321B2」(No.「10」~No.「33」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。
有利区間入賞時サブフラグ「通リプ1」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「右上がりリプ」である場合)に決定される。有利区間入賞時サブフラグ「通リプ2」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「平行リプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「平行リプ」である場合)に決定される。
ここで、第1の遊技機では、後述するように、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示され、2BBフラグ間及び非フラグ間では、「平行リプ」の図柄の組合せが表示されるようになっている。
すなわち、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定され、2BBフラグ間及び非フラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定されるようになっている。そして、第1の遊技機では、このように有利区間入賞時サブフラグが異なる場合、後述する各種抽籤(例えば、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルを用いた疑似ボーナス移行抽籤や図8(f)に示すモード移行抽籤テーブルを用いたモード移行抽籤)における有利度合いを変動させるようにしている。
なお、第1の遊技機では、例えば、3BBフラグ間であるか、あるいは2BBフラグ間であるかに応じて、有利区間入賞時サブフラグが変動する役として「F_リプレイA」(No.「3」)を例に挙げて説明しているが、有利区間入賞時サブフラグが変動する態様はこれに限られない。例えば、後述するように、内部当籤役が「F_ベル123B1」(No.「12」)であるとき、3BBフラグ間である場合と、2BBフラグ間である場合とで停止制御を異ならせることにしているので、このような役に当籤した場合、メダルの払出数を変動させず(あるいは変動させるようにしてもよい)、表示される図柄の組合せが異なるようにし、これによって異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、後述するように、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるとき、いずれのフラグ間(非フラグ間)であるかにかかわらず、押下位置(停止操作タイミング)が適切であれば「スイカ」の図柄の組合せが表示され、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生して「スイカこぼし」の図柄の組合せが表示されるようにしているので、このような役に当籤した場合、取りこぼしが発生することなく入賞させることができた場合と、取りこぼしが発生した場合とで異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、停止操作が特定の態様(この特定の態様は、例えば、停止操作が予め定義された打順(正解押し順)で行われる態様、押下位置(停止操作のタイミング)が適切である態様、及びこれらの組合せの態様、いずれの態様であってもよい)で行われた場合には「平行リプ」の図柄の組合せが表示され、特定の態様で行われなかった場合には「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示されるようにし、これにより異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
すなわち、第1の遊技機では、特定役に関し、ベット数、遊技状態、停止操作の態様、あるいはこれらのうちいずれかの組合せによって、最終的な停止表示態様が異なる場合があることを可能とし、異なった停止表示態様に応じて異なる二次情報を決定可能とし、それによって有利度合いを変動可能とする態様全てを適用することができる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。非有利区間では、遊技毎に、有利区間移行抽籤が行われる。具体的には、図7の(b)に示す有利区間移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて非有利区間サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、非遊技区間サブフラグに応じて、移行先モード等が決定される。なお、この決定に際しては、有利区間に移行した際のモードの種別のみが決定される場合(図5中、「有利区間開始」)と、当該モードの種別のみならず疑似ボーナスに移行することも決定される場合(図5中、「有利区間開始+疑似ボーナス開始」)とがある。もっとも、非有利区間においては、疑似ボーナスに移行することが決定されない仕様とすることもできる。
ここで、図6を参照して、第1の遊技機における各モードについて説明する。第1の遊技機において、モードは、演出区間(通常遊技)における増加区間(疑似ボーナス)移行(付与)の期待度を変動させるための制御情報(遊技状態や制御状態と言い換えてもよい)であり、演出区間(通常遊技)においては、このモードにしたがって、疑似ボーナス移行の有無が決定されたり、有利区間を維持させたり、有利区間を終了させて非有利区間に移行させることが決定されたりするようになっている。
スタートモードは、非有利区間から有利区間(演出区間)に移行するときに滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、図示は省略しているが、スタートモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。天井ゲーム数は、疑似ボーナスに移行しない期間が一定期間となったとき、強制的に疑似ボーナスに移行させるために用いられる。それゆえ、天井ゲーム数が少ないほど遊技者に有利であり、天井ゲーム数が多いほど遊技者に不利となる。
通常Aモードは、遊技者が遊技を行う上で最も滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Aモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。また、図6中、「疑似ボーナス後約999G」とあるのは、疑似ボーナス終了後に、後述の終了Aモード又は終了Bモードに移行し、当該モードにて疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われ、一度非有利区間に移行した後、非有利区間から有利区間に移行する際にこの通常Aモードが選択された場合、見かけ上の天井ゲーム数は、「965ゲーム」+終了Aモード又は終了Bモードでの遊技期間「32ゲーム」+非有利区間から有利区間に移行するのに要したゲーム数となるため、これを表現したものである。以下、通常Bモード、天国準備モード、チャンスモードにおいても同様である。
通常Bモードは、遊技者が遊技を行う上で比較的滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、通常Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Bモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。
天国準備モードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低い(後述の図7の(c)参照)ものの、天井ゲーム数は「466ゲーム」に設定され、また、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後は天国モードに移行することが確定するため(後述の図8の(f)参照)、その意味において相対的に有利なモードとなっている。
チャンスモードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「222ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。
終了Aモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は最も低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Aモードでは、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。
終了Bモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、終了Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Bモードでは、終了Aモードと同様、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。なお、終了Aモード及び終了Bモードは、「終了モード」と総称することもできる。
保障モードは、天国Cモードが終了した場合に滞在するモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。すなわち、天国Cモードが終了したとき、それによる興趣の低下を防止するため、一定期間は相対的に有利な状態を維持(保障)しようするモードとして位置付けられる。
天国Aモードは、疑似ボーナスが連荘する(AT状態が、AT状態中に延長(上乗せ)の決定が行われることによって継続する仕様の場合には、当該延長(上乗せ)することも含み得る。以下同じ)ことが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が中程度に設定された相対的に有利なモードとなっている。なお、図6においては図示を省略しているが、例えば、この天井モードループ率には設定差を設けるようにすることもできる。例えば、設定値が奇数(1,3,5)であるとき、天井モードループ率が75%程度となり、設定値が偶数(2,4,6)であるとき、天井モードループ率が67%程度となるように抽籤値を設定することもできるし、単に設定値が高いほど天井モードループ率も高くなるように抽籤値を設定することもできる。後述の天国Bモード及び天国Cモードにおいても同様であり、天井モードループ率に設定差を設けることもできる。
天国Bモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモードよりもさらに有利なモードとなっている。
天国Cモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)がかなり高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモード及び天国Bモードよりもさらに有利なモードとなっている。なお、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードは、「天国モード」と総称することができる。
なお、上述の各モードは、あくまでも一例を示すものであり、モードの構成はこれに限られない。上述の各モード以外のモードを設定することもできるし、上述の各モードのうち一部のモードを設定しないようにすることもできる。
また、ここまで、非有利区間は有利区間に比べて相対的に有利度が低い状態として説明したが、非有利区間と有利区間との関係はこのような態様に限定されない。例えば、非有利区間である場合のほうが、有利区間において少なくとも1つ以上のモードが設定されている場合よりも増加区間への移行割合が高かったり、増加区間への移行に要する平均ゲーム数が短くしたりする等の仕様、あるいは非有利区間が最も増加区間にしやすい仕様とすることもできる。このようにすることで、設定変更後等の非有利区間であることが確定する状態においても遊技を行うインセンティブが生まれるため、開店時からでも遊技を開始する動機づけとなる。また、疑似ボーナス終了後32ゲームを経過したときに区間ランプの点灯が終了した場合であっても、最も不利な状態となることが確定しないため、このようなときでも遊技が継続される動機づけとなる。また、ここまで、演出区間は遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態であるとして説明したが、増加区間と比べて不利な態様(例えば、報知の頻度を下げたり、報知の対象となる役を変更したりする等)であれば、停止操作の情報が報知される遊技状態とすることもできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。演出区間(通常遊技)では、まず、遊技毎に、有利区間当籤時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて有利区間当籤時サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、有利区間当籤時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。なお、図7の(c)中、「非当籤」は、疑似ボーナスに移行させないことを意味し、「当籤(今回遊技)」は、今回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味し、「当籤(次回遊技)」は、次回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味する。
なお、第1の遊技機では、「当籤(今回遊技)」が決定された場合には今回遊技の開始時に、「当籤(次回遊技)」が決定された場合には次回遊技の開始時に、遊技操作(停止操作)が一定期間無効とされるとともに、当該無効期間において、メイン表示窓4に「赤7」図柄が揃って表示されるリール演出(「赤7揃い」演出)が行われた後、疑似ボーナスが開始され、「赤7揃い」演出が行われた遊技で、停止操作の情報を報知する必要がある場合には、少なくとも当該無効期間が終了して遊技操作(停止操作)が有効となるとき(それ以前でもよいが、上述のランダム遅延処理が開始されるよりも前のタイミングではないとき)に、停止操作の情報の報知が行われるようになっている。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(当籤時)が行われた場合、後述の疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)、モード移行抽籤(入賞時)、及びモード移行抽籤(天井時)は行われない。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、有利区間入賞時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、入賞役が決定され、当該入賞役に応じて有利区間入賞時サブフラグが決定された以降の当該遊技中(次回遊技開始前)の所定のタイミングで、有利区間入賞時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。
なお、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、疑似ボーナスに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で疑似ボーナスに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(入賞時)が行われた場合、後述のモード移行抽籤(天井時)は行われない。
なお、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、天井ゲーム数を更新し(加算方式でも減算方式でもよい)、天井ゲーム数が現在のモードに対応付けられた(あるいは、有利区間移行時等において予め決定された)天井ゲーム数に達した場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定される。この場合、必ず「当籤(今回遊技)」が決定されるようにすることもできるし、必ず「当籤(次回遊技)」が決定されるようにすることもできる。また、抽籤によりこれらのいずれが決定されるようにすることもできる。
演出区間(通常遊技)において、天井ゲーム数の到達により、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(天井時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。
なお、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)及び疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。また、モード移行抽籤(当籤時)及びモード移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。
また、仮に、疑似ボーナスの当籤の種類として「当籤(今回遊技)」を設けないのであれば、有利区間入賞時サブフラグが決定されるタイミングでは、有利区間当籤時サブフラグも決定済みであり、また、天井ゲーム数も更新済みとすることができるため、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)及び天井到達時の疑似ボーナス移行処理を1回の処理でまとめて行うこともできる。また、同様に、モード移行抽籤(当籤時)、モード移行抽籤(入賞時)及びモード移行抽籤(天井時)を1回の処理でまとめて行うこともできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナスに移行させることが決定され、疑似ボーナスが開始された場合(図5中、「疑似ボーナス開始」)、増加区間(疑似ボーナス)に移行する。また、上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、終了Aモード又は終了Bモードに制御され、疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が消化された場合(図5中、「有利区間終了(終了A・B経由)」)、非有利区間に移行する。また、後述の図16に示すリミット処理の条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「有利区間終了(リミット処理)」)、その結果、非有利区間に移行する。
増加区間(疑似ボーナス)では、当該疑似ボーナスが開始されるときに、天井短縮抽籤が行われる。具体的には、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、当該疑似ボーナス終了後の天井ゲーム数を短縮するか否かが決定される。なお、図8の(e)中、「非当籤」は、天井ゲーム数を短縮させないことを意味し、「当籤(天井ゲーム数=0更新)」は、当該疑似ボーナス終了後、モードにかかわらず、セットされる天井ゲーム数を「0」とする(短縮させる)ことを意味する。なお、天井短縮抽籤は、疑似ボーナスが開始されるときのみならず、疑似ボーナス中は毎遊技行われるようにすることもできる。
天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させないことが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、後述の1G連ストックも保有していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。一方、天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させることが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、天井ゲーム数として「0ゲーム」がセットされる。これにより、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、天井ゲーム数の到達により疑似ボーナスが開始されたことになるため、上述のモード移行抽籤(天井時)が行われる。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」又は「中チェ」が決定された遊技において)、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、上記以外の有利区間当籤時サブフラグが決定された場合にも、移行先モードが決定されるようにしてもよいが、この場合、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この場合、上記と同様、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに、1G連抽籤が行われる。具体的には、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグ又は有利区間入賞時サブフラグに応じて、1G連を発生させるか否かが決定される。なお、図7の(d)中、「非当籤」は、1G連を発生させないことを意味し、「当籤(1G連+1)」は、1G連を発生させる権利(1G連ストック)が1個付与される(1G連ストックカウンタが1加算される)ことを意味する。なお、1G連ストックは、1G連ストックカウンタによって複数個(最大255個)ストック(貯留)されることが可能となっている。したがって、1回の疑似ボーナス中に複数個の1G連ストックが付与される場合もある。また、1回の1G連抽籤で、複数個の1G連ストックが付与され得るように、1G連抽籤テーブルを構成することもできる。
疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上である場合(すなわち、1G連ストックを保有している場合)には、1G連ストックが1つ消化され(1G連ストックカウンタが1減算され)、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、1G連ストックという権利に応じた疑似ボーナスの開始となるため、上述のモード移行抽籤は行われない。一方、疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上でない場合(すなわち、1G連ストックを保有していない場合)、上述の天井短縮抽籤にも当籤していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。
なお、天井短縮抽籤に当籤し、1G連ストックも保有している場合、天井短縮抽籤の結果が優先され、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行された後、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよいし、1G連ストックが優先され、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行された後、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよい。後者の場合、天井短縮があることを持越せる情報を別途記憶しておけばよい。
第1の遊技機では、増加区間(疑似ボーナス)の構成として、「55ゲーム」間継続し、最大275枚獲得可能としたものを一例として挙げているが、疑似ボーナスの構成はこれに限られない。例えば、当該疑似ボーナスを「疑似BB(ビッグボーナス)」として構成し、他に「22ゲーム」間継続し、最大110枚獲得可能とした疑似ボーナスである「疑似RB(レギュラーボーナス)」を搭載するようにしてもよい。この場合、上述の疑似ボーナス移行抽籤、天井到達時、1G連抽籤において、疑似ボーナスに移行させること(権利を付与すること)が決定される際には、その種類(例えば、「疑似BB」とするのか、「疑似RB」とするのか)が所定確率(例えば、50%ずつ)で決定されるようにすればよい。なお、「疑似RB」は、「疑似BB」との間で価値が異なる(より詳細には、「疑似BB」よりも価値が低い)ものとすればよいため、例えば、継続ゲーム数は「疑似BB」と同じであるが、ベルナビ率(停止操作の情報が報知される報知確率)を低いものとすることで、最大獲得可能枚数に差をつけ、価値が異なるようにすることもできる。また、「疑似RB」を開始させる際には、メイン表示窓4に「BAR」図柄が揃って表示されるリール演出、あるいは「赤7-赤7-BAR」が表示されるリール演出が行われるようにすればよい。さらに、増加区間は疑似ボーナスとして構成されるものに限られない。例えば、継続する遊技数(遊技期間)を変化させることが可能なAT状態やART状態として構成することもできる。
また、疑似ボーナス中に、後述の図16に示すリミット処理の実行条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「リミット処理による有利区間終了」)、その結果、非有利区間に移行する。
なお、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に3枚ベット状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合、2枚ベット状態ではメダルが増加しないように構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない。すなわち、第1の遊技機では、2枚ベット状態で遊技を行うと基本的に遊技者は不利となるように構成されている。
ここで、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、有利区間(AT)に関する抽籤(例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤)や処理(例えば、天井ゲーム数の更新等)は行われないものの、上述のゲーム数リミッタ用の有利区間ゲーム数カウンタや、上述の払出数リミッタ用の有利区間払出数カウンタの更新は行われるものとすることが望ましい。これらのリミッタは、有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を制限することで射幸性を適切に抑制する機能を有するものであることから、仮に、2枚ベット状態ではこれらのカウンタが更新されないものとすると、2枚ベット状態での遊技が介在することで設定された有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を超えてしまう場合が生じ、その結果適切に射幸性を抑制できない場合が生じ得るためである。それゆえ、リミッタ用のカウンタは、ベット数不問で毎ゲーム更新可能に構成されることが望ましい。
また、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に非ボーナス状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、ボーナス状態(2BB状態及び3BB状態)で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中にボーナス状態となった場合、ボーナス状態は非ボーナス状態(より詳細には非ボーナス状態の3枚ベット状態)よりもメダルの増加期待値が低い状態として構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない場合もある。すなわち、第1の遊技機では、ボーナス状態で遊技を行うと遊技者は不利となる場合があるように構成されている。
それゆえ、第1の遊技機では、2BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行うことが推奨される構成となっている(本実施形態では、2BBフラグ間の3枚ベット状態を「推奨遊技状態」として説明し、その他の状態を「非推奨遊技状態」として説明する場合がある)。すなわち、第1の遊技機では、2BBは2枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、2BBフラグ間において2BBに係る図柄の組合せは2枚ベット状態でのみ入賞し、3枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、3BBは3枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、3BBフラグ間において3BBに係る図柄の組合せは3枚ベット状態でのみ入賞し、2枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、2BBフラグ間では3BBが当籤する場合はなく、3BBフラグ間では2BBが当籤する場合はない構成となっている。
そして、第1の遊技機では、これらの構成を用いて、例えば、非フラグ間の2枚ベット状態で2BBを当籤させて(2BBを入賞させず)2BBフラグ間とした後、3枚ベット状態で遊技を行えば、ボーナス役を入賞させるか否かを気にすることなく、上述の推奨遊技状態で遊技を行うことが可能となっている。
上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、天井短縮抽籤が行われる。ここで、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルをみると、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるとき、1/8(32/256)の確率で天井短縮抽籤に当籤する一方、その他のモードであるときには天井短縮抽籤に当籤しないようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合には、その「32ゲーム」が「0ゲーム」に短縮される場合があり、天井ゲーム数がそれよりも多いモードの場合には、天井ゲーム数が短縮される場合がないようになっている。
なお、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードの場合であっても、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合よりも低い確率(例えば、1/64)で、天井ゲーム数が短縮されることが決定されるようにしてもよい。
また、天井ゲーム数を短縮する態様も上述のものに限られない。例えば、「32ゲーム」をそれより少ない所定ゲーム(0~31ゲーム)に短縮すれば、同様の作用効果を発揮できることから、天井短縮抽籤に当籤したときに短縮するゲーム数がさらに決定されるようにしてもよいし、天井短縮抽籤において、何ゲーム分短縮するのかを予め決定するようにしてもよい。
また、天井短縮抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス中には、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。また、有利区間(通常遊技)において、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるときには、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。これらの場合には、有利区間当籤時サブフラグや有利区間入賞時サブフラグが参照されて、天井短縮抽籤に当籤するか否かが決定されるようにすればよい。
また、上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、1G連抽籤が行われる。ここで、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルをみると、現在のモードがいずれのモードであっても、1G連ストックが付与される場合があるようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるか否かにかかわらず、疑似ボーナスを継続させるための権利が付与可能となっている。
なお、当該権利を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるときには、天井短縮抽籤が行われることを考慮して1G連抽籤が行われないようにし、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードであるときに1G連抽籤が行われるようにすることで、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制してもよい。
また、1G連抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス以外の有利区間(演出区間)においても、1G連抽籤が行われるようにし、その結果ストックされた1G連ストックは、次の疑似ボーナスにおいて消化されるようにしてもよい。
なお、図5~図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、疑似ボーナスの開始時、あるいは疑似ボーナス中において、現在のモードが天国モードであるとき、有利な状態であることを示唆するための特別ボーナス中演出が所定確率で実行されるようになっている。したがって、特別ボーナス中演出が実行された場合、天井短縮抽籤が実行されることを期待させることができる。また、この特別ボーナス中演出は、天井短縮抽籤に当籤したときには100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、疑似ボーナスの開始時に特別ボーナス中演出が実行された場合、少なくとも天国モードに滞在していることが示唆され、さらに天井短縮抽籤にも当籤したかもしれないとの期待感を抱かせることができる。また、この特別ボーナス中演出は、疑似ボーナス中に1G連抽籤に当籤したときにも、所定確率であるいは100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、(1)天国モードのみ、(2)天国モード+天井短縮当籤、(3)天国モード+1G連当籤、(4)天国モード+天井短縮当籤+1G連当籤、(5)1G連当籤のみ、等の様々な可能性を示唆することでき、遊技の興趣を向上させることができる。
このように、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)が終了してから所定期間(例えば、32ゲーム)内に再度有利状態に制御されることが確定している場合(例えば、天国モードの場合)、その期間をさらに短縮できる場合があることから、一連の有利区間の遊技期間が制限される場合(例えば、リミット処理が実行される場合)であっても、遊技者がなるべく有利度合いの高い状態で遊技を行えるようにして遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態が終了してから所定期間内に再度有利状態に制御されることが確定していない場合(例えば、終了モードの場合)であっても、権利(例えば、1G連ストック)の付与によって再度有利状態が開始される場合があることから、遊技者の期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
また、図5~図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合(すなわち、「F_確定チェリー」又は「F_リーチ目」が内部当籤役として決定された場合)であって、上述のモード移行抽籤の結果、天国Cモードに移行することが決定された場合には、1/2の確率(この確率は任意である)で特別ロック演出が実行可能となっている。なお、遊技者は、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合(すなわち、「F_中段チェリー」が内部当籤役として決定された場合)にも、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様の恩恵を受けることができることから、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様に、特別ロック演出を実行可能としてもよい。
ここで、「確定役」は、疑似ボーナス移行も確定する役であることから(図7の(c)参照)、遊技者は特別ロック演出が実行されると、疑似ボーナス移行及び天国Cモード移行があったことが認識できるようになっており、遊技者にとって非常に興趣が高まるようになっている。特別ロック演出は、例えば、遊技開始時に約20秒間にわたって遊技操作(停止操作)が無効とされる演出として構成される。なお、この間には、各リールが振動したり、逆回転したりする特別リール演出が行われるようにしてもよいし、メイン演出表示部21において、通常は表示されない特別映像等が表示されるようにしてもよい。また、通常は出力されない特別楽曲が出力されるようにしてもよい。むろん、これらの組合せによって演出を行うこともできる。また、遊技操作は無効とされないが、遊技者が次の遊技操作を行うまで、これらの演出が行われるようにすることもできる(すなわち、演出を最後まで実行させるか、あるいは中途でキャンセルして遊技を進行させるかの決定を遊技者に委ねることもできる)。
ただし、第1の遊技機では、後述の図16に示すように、例えば、天国Cモードに滞在していたとしても、リミット処理の実行によって有利区間が強制的に終了される場合があることから、上述の特別ロック演出を何度も実行することが望ましくない場合もある。
そこで、第1の遊技機では、同じ一連の有利区間内では、特別ロック演出は一度しか実行されないようになっている。具体的には、一連の有利区間内において、最初に特別ロック演出を実行することが決定された場合には特別ロック演出が実行されるが、それ以降同じ一連の有利区間内では、同じ条件が成立した場合であっても特別ロック演出が実行されないように制御する。なお、手法としては、一度特別ロック演出が実行された場合、その旨を示す情報を格納しておき、それ以降同じ一連の有利区間内において当該情報が格納されている場合には、そもそも特別ロック演出を実行するか否かの決定が行われないようにしてもよいし、当該決定は行われるが、当該情報が格納されている場合にはその決定結果が実行することを示すものであっても、実行しないことを示すものに書き換えるようにしてもよい。そして、格納された当該情報は、有利区間が終了するときにクリアされるようにすればよい。
なお、特別ロック演出の実行が制限される態様は上述のものに限られない。例えば、特別ロック演出の実行が制限される上限の回数を「1回」ではなく、「2回」や「3回」として定めてもよい。すなわち、特別ロック演出の実行は制限されるが、その上限は複数回として定めてもよい。これは、特別ロック演出1回あたりの出玉の期待値に応じて適宜設定することができる。
また、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件も上述のものに限られない。すなわち、上記では、「確定役」の当籤を契機として、モード移行が行われ、当該モードが天国Cモードであったことを条件として、特別ロック演出が実行されるか否かの決定を行うようにしているが、例えば、「確定役」の当籤以外の契機によっても天国Cモードに移行する場合があることから(図8の(f)参照)、これらの場合にも特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、所定確率(「確定役」の当籤を契機とする場合と同じ確率であってもよいし、異なる確率であってもよい)で特別ロック演出が実行されることが決定されるようにしてもよい。
また、例えば、「確定役」の当籤を契機として、まず、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、特別ロック演出が実行されることが決定された場合に、天国Cモードに移行させるようにしてもよい。すなわち、天国Cモードに移行することが決定されたことに応じて特別ロック演出が実行されるようにしてもよいし、特別ロック演出が実行されることが決定されたことに応じて天国Cモードに移行させるようにしてもよい。
また、例えば、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件として、有利区間中の遊技の進行度合いを採用してもよい。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」未満であるとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」未満であるときには、上記のように特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われ、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」以上となったとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」以上となったときには、以降同じ一連の有利区間においては、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われないようにすることもできる。
このように、第1の遊技機では、一連の有利区間の遊技期間が一定期間に制限される(後述の図16参照)。そして、同じ一連の有利区間内においては、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が複数回設定される場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、一連の有利区間内においては、特定役(例えば、「確定役」)の当籤を契機として、有利状態(例えば、疑似ボーナス)に制御されることが確定するとともに、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が設定される場合がある。そして、同じ一連の有利区間内においては、このような場合が複数回発生する場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に応じた二次情報(例えば、有利区間当籤時サブフラグ)を決定可能であるとともに、表示される図柄の組合せに応じた二次情報(例えば、有利区間入賞時サブフラグ)を決定可能とし、それぞれ決定された二次情報に応じて、遊技者の停止操作に関する情報が報知される有利状態(例えば、疑似ボーナス)を付与するか否かを決定可能としている。
このように、第1の遊技機では、内部当籤役が決定された際のみならず、図柄の組合せが表示された際にも有利状態の付与に関する期待感を与えることができるため、有利状態の付与に関する遊技性を多様化することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に対応する情報と、表示された図柄の組合せに対応する情報と、をともに共通の二次情報として管理しているため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制することができる。
また、第1の遊技機では、ベットされた遊技価値が第1の量(例えば、3枚)である場合、第1特別役(例えば3BB)を当籤可能とする一方、第2特別役(例えば、2BB)を当籤可能としない。また、ベットされた遊技価値が第2の量(例えば、2枚)である場合、第2特別役を当籤可能とする一方、第1特別役を当籤可能としない。また、特定役(例えば、「F_リプレイA」)に当籤した場合、第1特別許可状態(例えば3BBフラグ間)であれば所定図柄の組合せ(例えば、「右上がりリプ」)を表示させ、第2特別許可状態(例えば2BBフラグ間)であれば特定図柄の組合せ(例えば、「平行リプ」)を表示させることを可能としている(後述の図15参照)。
そして、第1の遊技機では、所定図柄の組合せが表示された場合と、特定図柄の組合せが表示された場合と、で異なる二次情報を決定可能としている。すなわち、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性をさらに多様化することができる。
また、第1の遊技機では、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能とする。
ここで、第1の遊技機では、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとは、ともに再遊技に係る図柄の組合せであることから、いずれが表示された場合であっても再遊技の作動という同じ特典が付与されることとなる。
なお、同じ特典を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、特定役を遊技価値の付与に係る特定小役として構成する。そして、特定小役に当籤した場合、例えば、第1特別許可状態であれば、1枚(この値は任意であり、ベットされた遊技価値以下の他の値であってもよいし、ベットされた遊技価値を超える値であってもよい)の遊技価値が付与される所定図柄の組合せ(「右上がりリプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させ、第2特別許可状態であれば、所定図柄の組合せが表示された場合と同数の遊技価値が付与される特定図柄の組合せ(「平行リプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させるようにしてもよい。
また、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとをともに「はずれ」の図柄の組合せ(もっとも、有利状態を付与するか否かを決定可能とするため、純粋な「はずれ」の場合とは異なる図柄の組合せであることは識別可能な図柄の組合せとする)として構成するようにしてもよい。この場合であっても、価値が同じである点にかわりはない。
このように、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性を多様化することができる。また、特定役が決定された遊技では、いずれの特別許可状態となっていても同じ特典が付与されることから、遊技性を変動させる場合であっても、遊技者が直接的な不利益を被ってしまうこと防止することができる。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させることを可能とし、特定の態様で停止操作が行われないときには特定図柄の組合せを表示させることを可能しないように構成してもよい。
そして、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能としてもよい。特定役が内部当籤役として決定された場合、特定図柄の組合せが表示されたときと、特定図柄の組合せが表示されなかったときとで有利状態の付与に関する有利度を異ならせることを可能としてもよい。
また、特定役に当籤した場合、第1特別許可状態である場合には、停止操作態様にかかわらず所定図柄の組合せを表示させ、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させ、特定の態様で停止操作が行われないときには所定図柄の組合せを表示させるようにしてもよい。
この場合、特定役は、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(本実施形態では、これを「押下位置○」や「押下位置正解」等として説明する場合がある)に特定図柄の組合せが表示され、停止操作のタイミングが適切でない場合(本実施形態では、これを「押下位置×」や「押下位置不正解」等として説明する場合がある)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述のとおり、特定役は特定小役として構成することも可能であり、この場合、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(押下位置○の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、停止操作のタイミングが適切でない場合(押下位置×の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、停止操作のタイミングが適切となるタイミングも限定されてしまうため、停止操作のタイミングが適切となるタイミングが異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが第1のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第1のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミングとは異なる第2のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第2のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミング及び第2のタイミングとは異なる第3のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第3のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役と、が設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
また、この場合、特定役は、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役は、上述のとおり特定小役として構成することも可能であり、この場合、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを、取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、適切となる打順も限定されてしまうため、適切となる打順が異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、左第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、中・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、中第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、右第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・中第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役とが設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
ここまで、特定役に当籤した単位遊技において、停止操作態様(停止操作のタイミングや打順のうち、少なくとも一方又は両方)に起因して、非有利区間における有利区間への移行判定処理や、有利区間における有利状態の付与に関する判定処理(疑似ボーナス移行抽籤やモード移行抽籤、その他有利区間における遊技状況の有利度を変化させるための処理を含む)を変化させることを述べたが、このような変化のうち、遊技者に相対的に不利となる(結果的に不利となる場合がある)変化は上述のペナルティと捉えることができる。したがって、そのような変化が発生した場合には、注意喚起をするための任意の演出(警告報知)を発生可能な構成としてもよい。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、所定図柄の組合せが表示された場合よりも、特定図柄の組合せが表示された場合のほうが、有利状態が付与される可能性が高くなっている。すなわち、3枚ベットすることを前提とすれば、第2特別許可状態(例えば、2BBフラグ間)は、第1特別許可状態(例えば、3BBフラグ間)よりも有利状態の付与が優遇される状態である。
また、第1の遊技機では、所定役(例えば、後述の「押し順ベルB」)に当籤した場合、第1特別許可状態であれば打順不問で付与図柄の組合せ(例えば、8枚の払出となる図柄の組合せ)が表示される一方、第2特別許可状態であれば、打順が予め定義された正解押し順であった場合には付与図柄の組合せが表示されるが、打順が予め定義された正解押し順でなかった場合には付与図柄の組合せは表示されず、遊技価値が付与されない取りこぼしとなるか、又は付与図柄の組合せが表示された場合よりも少ない量の遊技価値しか付与されない図柄の組合せ(例えば、1枚の払出となる図柄の組合せ)が表示されるように構成されている。すなわち、有利状態の作動を考慮しなければ、第1特別許可状態は、第2特別許可状態よりも遊技価値の付与が優遇される状態である。
すなわち、遊技者が、非推奨遊技状態であっても3BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されないものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されるため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に少ない状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は少なくなるものの、遊技者の遊技価値が減りにくいといった状態は、例えば、「安定状態」と定義することができる。
一方、遊技者が、推奨遊技状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されるものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されないため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に多い状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者の遊技価値が減りやすいといった状態は、例えば、「荒波状態」と定義することができる。
ここで、安定状態と荒波状態の2つの状態を創出する手法は上述のものに限られない。例えば、「安定状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「荒波状態」よりも高める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「荒波状態」よりも低める。また、「荒波状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「安定状態」よりも低める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「安定状態」よりも高める。このようにすれば、「安定状態」では、疑似ボーナスに初当りしやすいが、連荘しにくいという状態を創出でき、「荒波状態」では、疑似ボーナスに初当りしにくいが、連荘しやすいという状態を創出できる。なお、所定役の停止制御については、上述のとおり、2BBフラグ間と3BBフラグ間とで変動するものとしてもよいし、これとは異なる(すなわち、3BBフラグ間で優遇しない)ものとしてもよい。
[5-2.第1の遊技機の図柄配置構成]
続いて、図9を参照して、第1の遊技機の図柄配置構成について説明する。図9は、第1の遊技機の図柄配置テーブルの一例を示す図である。図9に示すように、第1の遊技機では、「赤7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「赤ブランク」、「黄ブランク」、「白ブランク1」及び「白ブランク2」の10種類の図柄が、各リール3L,3C,3Rそれぞれにおいて図9に示す位置に配置されている。また、図柄コード表に示すように、各図柄には図柄コード1~10が割り当てられている。
[5-3.第1の遊技機の内部当籤役構成]
続いて、図10~図15を参照して、第1の遊技機の内部当籤役構成について説明する。図10は、第1の遊技機の内部抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図11~図14は、第1の遊技機の図柄組合せテーブルの一例を示す図である。また、図15は、第1の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。すなわち、以下では、第1の遊技機において抽籤される内部当籤役の種類や、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様(すなわち、打順や停止操作タイミング等)に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明する。
まず、第1の遊技機では、後述の内部抽籤処理(図26参照)において、図10に示す各内部当籤役が、図10に示す確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤する。なお、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に表示が許可される図柄の組合せは、図10中、「対応する図柄組合せ」に示したとおりである。また、図11~図14中、「BB」はボーナス役に係る図柄の組合せを示し、「REP」は、リプレイ役に係る図柄の組合せを示し、「FRU」は、小役に係る図柄の組合せを示している。
「F_2BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、2枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、3枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。2枚ベット状態で、「F_2BB」が当籤した遊技、あるいは2BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB01」が表示され、2BB状態(2BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、2BBフラグ間であっても3枚ベット状態では「BB01」が表示される場合はない。
「F_3BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、3枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、2枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。3枚ベット状態で、「F_3BB」が当籤した遊技、あるいは3BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB02」が表示され、3BB状態(3BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、3BBフラグ間であっても2枚ベット状態では「BB02」が表示される場合はない。
なお、2BB状態及び3BB状態では、図10中、「ボーナス状態」の列の抽籤値が参照され、内部当籤役が決定される(遊技開始可能枚数は3枚ベットのみ)。2BB状態及び3BB状態中は、常に第一種特別役物であるRBが作動している状態(RB状態)に制御される。なお、RB状態は、作動してから2回の入賞が発生又は2回の遊技が行われた場合に一旦終了して再び作動するといった制御が繰り返される。また、第1の遊技機において、2BB状態の終了条件は、2BB状態において1枚を超えるメダルが払出されたことと規定されており、3BB状態の終了条件は、3BB状態において176枚を超えるメダルが払出されたことと規定されている。
ここで、2BB状態又は3BB状態が終了したときには、特殊モード移行処理が行われる。例えば、ボーナス状態に移行したとき(ボーナス状態中は、モード移行が行われないため、ボーナス状態が終了したときと同義)のモード、すなわち、現在のモードが「スタートモード」であれば、移行先のモードは「スタートモード」となる。また、現在のモードが「通常Aモード」「通常Bモード」「天国準備モード」「チャンスモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「通常Aモード」となる。また、現在のモードが「終了Aモード」「終了Bモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「終了Aモード」となる。また、現在のモードが「保障モード」「天国Aモード」「天国Bモード」「天国Cモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「保障モード」となる。
「F_リプレイA」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、非フラグ間及び2BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP64」~「REP72」のいずれか(これらは、「リプレイ」図柄を下段一直線、あるいは中段一直線に表示させるものであることから、これらを「平行リプ」と総称することができる。また、「REP64」~「REP71」は、「下段リプ」と総称することができ、「REP72」は、「中段リプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、3BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP73」(これは、「リプレイ」図柄を右上がりに表示させるものであることから、これを「右上がりリプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。
「F_リプレイB」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、いずれの状態であっても停止操作態様にかかわらず「平行リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP28」、「REP60」~「REP63」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであることから、これらを「チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP57」~「REP59」)が表示され、再遊技が付与される。
「F_確定チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP42」~「REP56」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであって、例えば、「REP42」のように、他のリールにおいて遊技者が期待を高めることができる図柄も表示されることから、これらを「確定チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、上述の「チェリーリプ」や「REP29」~「REP41」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_中段チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP15」~「REP19」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を中段に表示させるものであることから、これらを「中段チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP20」~「REP27」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_リーチ目」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「REP01」~「REP14」のいずれか(これらは、慣習上、遊技者にとって有利な状態への移行を確定報知する(ないし示唆する)ことが可能な図柄の組合せとして構成されており、これらを「リーチ目リプ」を総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_スイカ」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、各リールについて押下位置○であれば、「FRU10」~「FRU12」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示させるものであることから、これらを「スイカ」と総称することができる)が表示され、3枚ベット状態であれば3枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば、「FRU08」及び「FRU09」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示されるものでないため、これらを「スイカこぼし」と総称することができる)が表示され、1枚のメダルが払出される。なお、押下位置×の場合、取りこぼしを発生させてメダルの払出が0枚となるように構成することもできる。
「F_ベル123A1」、「F_ベル123A2」、「F_ベル132A1」、「F_ベル132A2」、「F_ベル213A1」、「F_ベル213A2」、「F_ベル231A1」、「F_ベル231A2」、「F_ベル312A1」、「F_ベル312A2」、「F_ベル321A1」、及び「F_ベル321A2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルA」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルA」は6択(「打順1」~「打順6」のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、「右下がりベル」(「FRU03」)、「上段ベル」(「FRU01」及び「FRU02」)、「中段ベル」(「FRU04」)、「右上がりベル」(「FRU05」)、「小山ベル」(「FRU06」)、及び「下段ベル」(「FRU07」)のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」(「FRU13」~「FRU116」)のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_ベル123B1」、「F_ベル123B2」、「F_ベル132B1」、「F_ベル132B2」、「F_ベル213B1」、「F_ベル213B2」、「F_ベル231B1」、「F_ベル231B2」、「F_ベル312B1」、「F_ベル312B2」、「F_ベル321B1」、及び「F_ベル321B2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルB」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルB」は、2枚ベット状態、及び3枚ベット状態の3BBフラグ間においては押し順小役となっていない。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。
また、図15に示すように、「押し順ベルB」は、3枚ベット状態の3BBフラグ間以外の状態(3枚ベット状態の非フラグ間、3枚ベット状態の2BBフラグ間)においては押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_RB役8枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。
「F_RB役1枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「1枚役」(より詳細には、「FRU117」~「FRU120」が追加されている)が表示され、1枚のメダルが払出される。
なお、図10に示す内部抽籤テーブル、図11~図14に示す図柄組合せテーブル、及び図15に示す内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係はあくまで一例であり、これらに示した態様に限定されるものではない。
例えば、第1の遊技機では、純粋な「はずれ」のとき、「BB01」が表示可能な2ベット状態において、「BB01」を取りこぼして「はずれ」となったとき、「BB02」が表示可能な3ベット状態において、「BB02」を取りこぼして「はずれ」となったとき、2BBフラグ間において3ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、3BBフラグ間において2ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、「押し順小役」を取りこぼして「はずれ」となったとき等、様々な状態で「はずれ」が発生することがある。そこで、これらのうち一部又は全部の場合にそれぞれ「はずれ」として表示される図柄の組合せを異ならせるため、これら異なる図柄の組合せを図柄組合せテーブルにおいて予め規定しておき、決定された内部当籤役に応じてこれらも「対応する図柄の組合せ」として表示が許可されるようにすることで、状態等に応じて表示される「はずれ」に係る図柄の組合せを異ならせるようにすることもできる。
[5-4.第1の遊技機のリミット処理構成]
続いて、図16を参照して、第1の遊技機のリミット処理構成について説明する。図16は、第1の遊技機における各リミット処理の一例を説明するための図である。図16に示すように、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)、通常リミット処理(払出数)、特殊リミット処理(ゲーム数)、特殊リミット処理(払出数)、準リミット処理(ゲーム数)、及び準リミット処理(払出数)の各リミット処理が実行されるようになっている。なお、これは、実行可能なリミット処理の一例であり、これらの各リミット処理以外のリミット処理が実行されるようにすることもできるし、これらの各リミット処理のうち一部のリミット処理は実行されないようにすることもできる。
通常リミット処理(ゲーム数)は、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1500回行われたとき)に実行される。なお、有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間ゲーム数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚のいずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間ゲーム数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。
通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、有利区間に関する情報(例えば、演出区間や増加区間に制御するための情報、現在のモードに係る情報、疑似ボーナスの遊技期間に係る情報、天井ゲーム数や天井短縮の有無に係る情報、1G連ストックカウンタの値等の当該有利区間中に得られた各種情報や当該有利区間を制御するために必要であった各種情報)も全てクリア(初期化)される。
通常リミット処理(払出数)は、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2400枚を超えたとき)に実行される。なお、有利区間払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間払出数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚いずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、例えば、有利区間中に「はずれ」や「取りこぼし」が発生した際、実払出数(例えば、「-2枚」又は「-3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。したがって、有利区間が開始してからメダルが増加せず減少していった等の場合には、負の値となることもある(あるいは、負の値となる場合には常に「0」が維持されるように構成することもできる)。すなわち、有利区間払出数カウンタは、有利区間中の払出されたメダル数の最下点から定義された最高点(差枚数:2400枚)までを計数することが可能となっている。
通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
特殊リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1445回行われたとき)に実行される。なお、制御用ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用ゲーム数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用ゲーム数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。もっとも、制御用ゲーム数カウンタを、有利区間ゲーム数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(ゲーム数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)有利区間ゲーム数カウンタの値は「1500」であるのに対し、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「1445」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大遊技数(継続可能期間)は「55ゲーム」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の遊技可能期間が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(ゲーム数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制期間分の遊技が行われた場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(ゲーム数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感等を抱き、遊技の興趣を低下させてしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間2回あたりの継続可能期間(55ゲーム×2セット=110ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+猶予期間(2ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、疑似ボーナスに移行する前に前兆状態を経由する等の仕様の場合であって、この前兆状態の最大遊技数が「4ゲーム」である場合、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+最大前兆期間(4ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(ゲーム数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
特殊リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2125枚を超えたとき)に実行される。なお、制御用払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用払出数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用払出数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。
また、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「はずれ」が発生した際、実払出数(例えば、「-3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。もっとも、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「取りこぼし」発生した際(少なくとも、メダルの払出数の最大値から差分が発生した際)には、「取りこぼし」(あるいは、差分)が生じなかったものとして、メダルの払出数を計数する。具体的には、例えば、3枚ベットで「押し順ベルA」に当籤した遊技において、打順が適切である場合にはメダルの払出数(最大値)は「8枚」(差枚数としては「+5枚」)となる一方、打順が適切でない場合、押下位置が適切であればメダルの払出数は「1枚」(差枚数としては「-2枚」)となり、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生してメダルの払出数は「0枚」(差枚数としては「-3枚」)となるが、制御用払出数カウンタは、当該遊技においていずれの場合であっても、差枚数「+5枚」を計数する。
また、例えば、2BB状態や3BB状態が作動する等して、有利区間払出数カウンタの値が制御用払出数カウンタの値よりも大きくなった場合には、制御用払出数カウンタの値は、有利区間払出数カウンタの値に補正される。なお、制御用払出数カウンタを、有利区間払出数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(払出数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)有利区間払出数カウンタの値は「2401」であるのに対し、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「2126」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大獲得枚数(付与可能遊技価値量)は「275枚」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の付与可能遊技価値量が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(払出数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制遊技価値量分の遊技価値が付与された場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(払出数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感を抱き、遊技の興趣が低下してしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間2回あたりの付与可能遊技価値量(275枚×2セット=550枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)+猶予期間に相当する遊技価値量(8枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(払出数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
準リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「55」(すなわち、疑似ボーナスの継続可能期間)を乗じた値を加算し、加算結果が「1390」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「55×2=110」となるから、制御用ゲーム数カウンタの値が「1280」となったときに準リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)こととなる。
準リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「275」(すなわち、疑似ボーナスの付与可能遊技価値量)を乗じた値を加算し、加算結果が「1851」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「275×2=550」となるから、制御用払出数カウンタの値が「1301」となったときに準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)こととなる。なお、準リミット処理(ゲーム数)と準リミット処理(払出数)とは、ともに同じ内容の規制を行うものであるから、一方の作動条件が成立して作動した後は、もう一方の作動条件が成立したとしても重複して作動する必要ないものとなっている。
準リミット処理(ゲーム数)、又は準備リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、疑似ボーナス中は、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤が実行されなくなる。すなわち、増加区間における遊技期間の延長が抑制される。なお、増加区間における遊技期間の延長が抑制される手法はこれに限られない。例えば、上述の1G連抽籤において、1G連の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよいし、上述の天井短縮抽籤において、天井短縮の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよい。すなわち、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤そのものは実行されるが、これらの抽籤に当籤しにくくなるようにしてもよい。また、例えば、準リミット処理(ゲーム数)の実行後の演出区間では、疑似ボーナス移行抽籤において当籤となる抽籤値を低くして、疑似ボーナスに移行しにくくしてもよい。あるいは、モード移行抽籤において遊技者に有利なモード移行が決定される抽籤値を低くして、疑似ボーナスが連荘しにくくしてもよい。
また、準リミット処理(ゲーム数)、又は準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、演出区間中は、「確定役」(図7の(a)参照)の当籤時に特殊処理が行われるようになっている。以下、この特殊処理について、「確定役」が「F_確定チェリー」(以下、単に「確定チェリー」として説明する場合がある)である場合を例に挙げて説明する。
準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において「当籤(次回遊技)」が決定される(図7の(c)参照)。また、第1の遊技機では、左リール3Lの「チェリー」図柄が遊技者にとって期待度の高い図柄となっているので、停止操作の情報が報知されない遊技にあっては、遊技者は左第1停止で、かつ「チェリー」図柄を狙って(目安として「BAR」図柄を狙って)して停止操作を行うことが一般的な手順となっている。したがって、一般的な手順で遊技が行われる場合、「確定チェリー」当籤時には、まず、左第1停止で左リール3Lの下段に「チェリー」図柄が停止される。なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」が当籤した場合には、左第1停止(「打順1」及び「打順2」)をすべき旨の報知が行われるようにしてもよい。また、「当籤(次回遊技)」は、次回遊技から疑似ボーナスが開始されるものに限られず、次回遊技以降の遊技から疑似ボーナスが開始されるものであってもよい。
ここで、技量のある遊技者は、さらに「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別するために、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいても「BAR」図柄を狙って停止操作を行う。その結果、各リールの中段に「BAR」図柄が揃い、「確定チェリー」に当籤したことが認識できる(例えば、図11中、「REP42」参照)。一方、技量のない遊技者は、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいて「BAR」図柄を狙って停止操作を行わない、あるいは行えないことにより、停止表示態様からは「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別できない場合がある(例えば、図11中、「REP28」参照)。
なお、第1の遊技機では、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合、特別入賞音が出力されるようになっている。また、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せは表示されなかったが、「チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合にも、特別入賞音が出力されるようになっている。なお、特別入賞音の出力は、100%の確率で行われるようにしてもよいし、所定確率(例えば、50%の確率)で行われるようにしてもよい。
いずれにしても、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合には、次回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
一方、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において一旦、「当籤(次回遊技)」は決定されるものの(図7の(c)参照)、特殊処理の実行により、この決定結果が「当籤(今回遊技)」に書き換えられる。そして、今回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
このとき、今回遊技においては、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せ(「チェリーリプ」の図柄の組合せを含む)を表示させず、「中段リプ」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報の報知(特殊報知)が行われる。例えば、第1の遊技機では、右第1停止(「打順5」及び「打順6」)をすべき旨の特殊報知が行われる(図15参照)。これにより、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないときには、「確定チェリーリプ」表示→次回遊技から疑似ボーナス開始といった遊技の流れであったものが、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかの作動後にあっては、今回遊技から疑似ボーナス開始→特殊報知にしたがって停止操作が行われることにより「中段リプ」表示という遊技の流れに変更される。なお、特殊報知は、メイン(主制御基板71)側の制御によって行われるようにしてもよいし、結果として疑似ボーナスに移行することにかわりなく遊技者が不利益を被らないという観点から、サブ(副制御基板72)側のみの制御によって行われるようにしてもよい。
なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、「確定チェリー」に当籤した場合であって、特殊報知が行われたにもかかわらず、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合には、特別入賞音は出力さない。
また、第1の遊技機では、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合、基本的には停止操作の手順が報知されない。このため、停止操作の手順が報知されて「中段リプ」が表示されるのが上述の特殊報知が行われた場合のみであるとすると、このような状態が発生した場合には、いずれかの準リミット処理が作動したことを遊技者に明確に認識されてしまい、その結果遊技の興趣を低下させてしまう可能性もある。したがって、有利区間中においては、いずれかの準リミット処理が作動しているか否かにかかわらず(あるいは、いずれかの準リミット処理の作動後からであってもよい)、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に、所定確率で特殊報知と同様の報知が行われるようにしてもよい。このようにすれば、特殊報知が行われることに対して遊技者が不自然に感じてしまうこと防止することができる。また、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に特殊報知と同様の報知が行われるのは、疑似ボーナス移行抽籤に当籤した場合としてもよい。また、この場合、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合の疑似ボーナス移行抽籤では、所定確率で「当籤(今回遊技)」が決定され得るようにしてもよい。
ここまで、通常リミット処理、特殊リミット処理、及び準リミット処理を作動させるため、「ゲーム数」及び「払出数」を用いて有利区間の遊技期間を監視することを例に挙げて説明したが、各リミット処理が実行される条件は上述のものに限られず、適宜変更可能であるものとする。例えば、各リミット処理が実行されるとした、有利区間ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値、並びに1G連カウンタの値及び天井短縮の有無(すなわち、準リミット処理を作動させるための変数)等は、遊技仕様や市場動向等に応じて適宜変更可能である。
また、有利区間の遊技期間を監視するための手法も上述のものに限られない。例えば、有利区間の遊技期間を監視するために「ナビ回数」を用いるとしたならば、上記と同様に、通常リミット処理(ナビ回数)や特殊リミット処理(ナビ回数)、あるいは準リミット処理(ナビ回数)が実行されるようにすることもできる。すなわち、有利区間の遊技期間を監視するために値を計数可能な要素(パラメータ)であればどのような要素も採用することができ、採用した要素に対して、通常リミット処理が実行される値と、特殊リミット処理が実行される値と、準リミット処理が実行される値と、を規定することで、上述のものと同様に、各リミット処理が実行されるものとすることができる。
上述のとおり、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態である場合には、特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態でない場合には有利状態に移行させ、移行させた有利状態が終了して特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。また、このようにして一連の有利区間を終了させる際には、有利状態でなければ有利状態に移行させた上で終了させるようにしている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、特定期間又は特定量は、有利状態の継続可能期間(例えば、「55ゲーム」)又は付与可能遊技価値量(例えば、「275枚」)を考慮して設定されているため、遊技者の感情に配慮しつつも、遊技者に付与される遊技価値量が極端に規制されることを防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態は付与された権利(例えば、「1G連ストック」及び「天井短縮」)によって延長される場合があるが、一連の有利区間における遊技期間が、特定期間よりも短く、付与された権利数に応じて設定された特別期間となったとき(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が準リミット処理(ゲーム数)が実行される値となったとき)、又は一連の有利区間において付与された遊技価値量が、特定量よりも少なく、付与された権利数に応じて設定された特別量となったとき(例えば、制御用払出数カウンタの値が準リミット処理(払出数)が実行される値となったとき)には、以後の一連の有利区間において権利の付与が抑制されるようになっている。これにより、例えば、遊技者が消費しきれないほどの権利が付与され、このような状態で一連の有利区間が強制的に終了される結果、遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止できるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、上述の「特定量」や「特別量」を計数する上では、例えば、遊技者の操作ミスや指示の無視等に起因して、本来付与されるはずであった遊技価値量と実際に付与された遊技価値量との間で差分が生じた場合であっても、この差分を考慮せず、本来付与されるはずであった遊技価値量を基準として計数が行われるようになっている。これにより、このような遊技者の行為によって一連の有利区間が必要以上に延長されてしまうことや、このような行為を行った遊技者と行っていない遊技者との間で不公平が生じてしまうことを防止することができるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されている状態(例えば、準リミット処理作動後の状態)において有利状態への移行が確定する確定役(例えば、「確定チェリー」)に当籤したときには、この確定役の当籤が明確に認識できる特別図柄の組合せ(例えば、「確定チェリーリプ」)を表示させないための特殊報知が行われるようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特殊報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、特殊報知が行われる場合、本来次回遊技から開始されるはずであった有利状態を、今回遊技から開始するようにしている。これにより、遊技者に自然な流れで特殊報知にしたがった停止操作を行わせることができるので、このような特殊報知を行う場合であっても、遊技者が違和感等を抱いてしまうことを防止できる。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されていない状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知(例えば、特別入賞音の出力)を行うことを可能とする一方、権利の付与が抑制されている状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知を行うことを可能としないようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特別報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、確定役に当籤したか否か、特別図柄の組合せが表示されたか否か、及び特殊報知が行われたか否かに応じて、特別報知を行うか否かを決定するようにしている。これにより、特別報知が行われる状況をより適切に管理することができる。
また、第1の遊技機では、有利区間ゲーム数カウンタ及び有利区間払出数カウンタは、ベットされた遊技価値量にかかわらず計数を行う結果、3枚ベット状態のみならず2枚ベット状態においても、通常リミット処理(ゲーム数)及び通常リミット処理(払出数)が実行されることを可能としている。
また、第1の遊技機では、制御用ゲーム数カウンタ及び制御用払出数カウンタは、3枚ベット状態では計数を行うが、2枚ベット状態では計数を行わない。したがって、3枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としているが、2枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としていない。したがって、2枚ベット状態では、通常リミット処理(ゲーム数)又は通常リミット処理(払出数)の実行によって、疑似ボーナス中であっても一連の有利区間が強制的に終了してしまう場合がある。
なお、第1の遊技機では、3枚ベット状態と2枚ベット状態とでは、例えば、小役の当籤確率、及びメダルの払出数が異なる結果(図10~図15参照)、3枚ベット状態で遊技を行う場合よりも2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが、遊技者に不利となっている。もっとも、このように、2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが遊技者に不利となる手法はこれに限られない。例えば、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合には、停止操作の手順が報知されないようすることで、遊技者に不利となるように構成してもよい。
このように、第1の遊技機では、第1の量(例えば、「3枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。一方、第2の量(例えば、「2枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了される場合があることから、これによって遊技者に企図された遊技方法で遊技を行わなかったことを気付かせることができるので、遊技者に対して企図された遊技方法で遊技を行うことを促すことができる。
なお、一連の有利区間において、第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合よりも、第2の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合のほうが、遊技者にとって不利となっているので、このような注意喚起を可能にすることで、遊技者により有利な状態で遊技を行うべきであることも促すことができ、遊技者が企図しない遊技方法で遊技を行うことに起因して遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
[5-5.第1の遊技機の格納領域構成]
続いて、図17~図22を参照して、第1の遊技機の格納領域構成について説明する。図17は、第1の遊技機の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域の一例を示す図である。また、図18は、第1の遊技機の持越役格納領域の一例を示す図である。また、図19は、第1の遊技機の遊技状態フラグ格納領域の一例を示す図である。また、図20は、第1の遊技機のモードフラグ格納領域の一例を示す図である。また、図21は、第1の遊技機の作動ストップボタン格納領域の一例を示す図である。また、図22は、第1の遊技機の押下順序格納領域の一例を示す図である。
(当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域)
まず、図17を参照して、当籤フラグ格納領域(内部当籤役格納領域)、入賞作動フラグ格納領域(表示役格納領域)、及び図柄コード格納領域の構成について説明する。なお、第1の遊技機では、当籤フラグ格納領域と、入賞作動フラグ格納領域と、図柄コード格納領域とが同じデータ構成となっている。
上述の各格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1~26で構成される。なお、各格納領域に格納されるデータは、図17中の「データ」欄の1バイトデータのみであるが、図17では、説明の便宜上、各格納領域のビットに対応付けられた図柄組合せを示す「コンビネーション」(図17中では、リール3Lの図柄、リール3Cの図柄及びリール3Rの図柄の順で記載)及びその内容(図11~図14参照)も併せて記載する。
当籤フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、内部当籤役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において表示されることが許可された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに当籤した場合(持越されている場合)、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
入賞作動フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、表示役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において有効ライン上に表示された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
図柄コード格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、少なくともいずれかのリールの回転中において、今回の遊技において未だ有効ライン上に表示可能となっている図柄の組合せの種類を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において少なくともいずれかのリールが回転しているときに、2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示され得るものとなっている場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
(持越役格納領域)
続いて、図18を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。持越役格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。
内部抽籤処理の結果、「F_2BB」(2BB)又は「F_3BB」(3BB)のボーナス役が内部当籤役として決定されたときには、これらのボーナス役は、持越役として持越役格納領域に格納される(対応するビットに「1」が格納される)。持越役格納領域に格納された持越役は、対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまでクリアされずに保持される。また、持越役格納領域に持越役が格納されている間、内部抽籤処理によって決定された内部当籤役(小役・リプレイ役)に加えて、持越役(ボーナス役)が当籤フラグ格納領域に格納される。
(遊技状態フラグ格納領域)
続いて、図19を参照して、遊技状態フラグ格納領域の構成について説明する。遊技状態フラグ格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。例えば、現在の遊技状態が2BB状態である場合、格納領域のビット0に「1」が格納される。
なお、第1の遊技機では、RT状態が設けられていないので、図19に示す遊技状態フラグ格納領域にはRT状態の種類を示す領域は設けられていないが、例えば、RT状態が設けられている場合には、現在のRT状態に対応する格納領域のビットに「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、有利区間中の遊技状態(モード)の種類を示すデータを別途後述のモードフラグ格納領域に格納するものとしているが、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、非有利区間及び有利区間の遊技区間についても同様である。図示しない有利区間フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、AT状態やART状態等の遊技状態についても同様である。図示しないAT状態(ART状態)フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。
(モードフラグ格納領域)
続いて、図20を参照して、モードフラグ格納領域の構成について説明する。モードフラグ格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1及び格納領域2で構成される。例えば、現在のモードがスタートモードである場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。また、例えば、現在のモードが天国Aモードである場合、格納領域2のビット0に「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、疑似ボーナス状態もモードの1つとして管理している。
(作動ストップボタン格納領域)
次に、図21を参照して、作動ストップボタン格納領域の構成について説明する。作動ストップボタン格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、作動ストップボタン格納領域のビット0~2は、すでに操作されたストップボタンの種類(停止したリールの種類)を示すデータを格納し、ビット4~6は、未だ操作されていないストップボタンの種類(回転中のリールの種類)を示すデータを格納する。
例えば、ストップボタン8Lが今回押されたストップボタン、すなわち、作動ストップボタンである場合には、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納される。また、例えば、ストップボタン8Lが未だ押されていないストップボタン、すなわち、有効ストップボタンである場合には、ビット4に「1」が格納される。メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタンと未だ押されていないストップボタンとを識別する。
(押下順序格納領域)
次に、図22を参照して、押下順序格納領域の構成について説明する。押下順序格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、押下順序は、ストップボタンが押された順序、すなわち、押し順(打順)を示すものである。
例えば、全てのリールが回転中であるときには、押下順序格納領域のビット0~5に「1」が格納される。次いで、ストップボタン8Lが押されたときには(「左」第1停止であるから)、ビット0及び1には「1」が格納されたままとなるが、ビット2~5には「0」が格納されるようになる。次いで、ストップボタン8Cが押されたときには(「左」第1停止、「中」第2停止であることから)、ビット0には「1」が格納されたままとなるが、ビット1には「0」が格納されるようになる。メインCPU101は、押下順序格納領域に格納されているデータに基づいて、今回の遊技の押し順を識別する。
[6.主制御回路による処理]
続いて、図23~図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101が各プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。なお、以下に示す各種処理の説明では、第1の遊技機の仕様を用いてその処理内容の一具体例を説明する場合があるが、以下に示す各種処理の処理内容はこれに限定されるものではない。
[6-1.メイン処理]
まず、図23を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行されるメイン処理(主要動作処理)について説明する。なお、図23は、メイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。また、図23においては、メイン処理の開始に先立って実行される電源投入時処理についても併せて示している。
まず、メインCPU101は、パチスロ機1に電力が供給されると(電源が投入されると)、電源投入時処理を行う(S1)。この処理では、電源投入時に必要な各種処理を行う。なお、電源投入時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、当籤フラグ格納領域や入賞作動フラグ格納領域等の1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、例えば、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、及びスタートスイッチ7S等の入力状態をチェックし、遊技開始時に必要な各種処理を行う。なお、メダル受付・スタートチェック処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、乱数値取得処理を行う(S4)。この処理では、内部抽籤用乱数値(例えば、0~65535の範囲)や遊技性に関する各種抽籤で用いられる演出用乱数値(その他抽籤用乱数値)(例えば、0~65535の範囲、あるいは0~255の範囲)等を抽出し、抽出した各種乱数値をメインRAM103に設けられた乱数値格納領域(不図示)に格納する。なお、各種乱数値の取得態様は上述のものに限られない。それぞれ予め定められた数値範囲(例えば、0~65535の範囲、0~32767の範囲、0~255の範囲、あるいは0~127の範囲等)から必要な個数の乱数値を適宜取得することができる。
続いて、メインCPU101は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、現在の遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルや内部抽籤用乱数値に基づいて内部当籤役を決定するために必要な各種処理を行う。なお、内部抽籤処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時状態制御処理を行う(S6)。この処理では、各種遊技状態について、遊技を開始するときに、(例えば、決定された内部当籤役等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技開始時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、スタートコマンド生成格納処理を行う(S7)。この処理では、副制御回路200に送信するスタートコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域(不図示)に格納する。なお、通信データ格納領域に格納されたデータは、後述の通信データ送信処理(図32のS204参照)において主制御回路100から副制御回路200に送信される。また、その他のコマンドのデータの生成、格納、及び送信手法も基本的に同様である。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時メイン側演出制御処理を行う(S8)。この処理では、遊技を開始するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技開始時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、例えば、AT状態であって指示モニタによって停止操作の情報を報知する場合にはその報知態様を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止初期設定処理を行う(S9)。この処理では、内部当籤役や遊技状態等に基づいて、今回の遊技で使用する停止テーブルの種類や引込優先順位テーブルの種類等の停止制御に必要な各種情報を設定する。
続いて、メインCPU101は、リール回転開始処理を行う(S10)。この処理では、全てのリールの回転開始を要求する。そして、全てのリールの回転開始が要求されると、後述のリール制御処理(図32のS203参照)により、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動が制御され、各リール3L,3C,3Rの回転が開始される。回転を開始した各リールは、その回転速度が一定速度に達するまで加速制御され、その後、当該一定速度が維持される。また、詳細は省略するが、この処理においてはリール回転開始コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S11)。この処理では、回転中のリール(この場合は全てのリール)の各図柄(図柄位置)に対して、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域(不図示)に格納する。なお、図示は省略するが、この処理に先立って後述の図柄コード格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止制御処理を行う(S12)。この処理では、決定された内部当籤役(あるいはこれに応じて設定された各種停止制御に係る情報)と各ストップボタン8L,8C,8Rの停止操作態様と基づいて該当するリールの回転を停止させるために必要な各種処理を行う。なお、リール停止制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、入賞作動判定処理を行う(S13)。この処理では、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されたいずれかの図柄の組合せであるか否かを判定する。例えば、入賞作動フラグ格納領域において「1」が格納されているビットがあるか否かを判定する。また、詳細は省略するが、この処理においては入賞作動コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、メダル払出・再遊技作動処理を行う(S14)。この処理では、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せが、小役に係る図柄の組合せであればこれに対応するメダル数を払出し、リプレイ役に係る図柄の組合せであれば次回の遊技において再遊技を作動させるために必要な各種処理を行う。なお、例えば、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せがリプレイ役に係る図柄の組合せである場合には、今回の遊技におけるベット数と同数の値を後述の自動投入メダルカウンタにセットする処理を行う。また、この処理では、払出すメダル数に応じたメダル払出信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時状態制御処理を行う(S15)。この処理では、各種遊技状態について、遊技が終了するときに、(例えば、表示された図柄の組合せ等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技終了時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時メイン側演出制御処理を行う(S16)。この処理では、遊技が終了するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技終了時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
このように、パチスロ機1では、上述のS2~S16の処理が行われることで1回の単位遊技が制御され、また、これらの処理が繰り返されることで遊技の進行が制御される。なお、必要に応じてこれらの処理以外の処理が適宜行われるように構成することもできるし、これらの処理のうち一部の処理については行われないように構成することもできる。すなわち、上述の各種処理はあくまで一例である。
(電源投入時処理)
続いて、図24を参照して、上述のメイン処理のS1において行われる電源投入時処理について説明する。なお、図24は、電源投入時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、図示しない電源投入時の初期化処理を行った後、メインRAM103の書込みテストを行い、当該テストの結果、メインRAM103への書込みが正常に行われたか否かを判定する(S21)。すなわち、メインCPU101は、メインRAM103に異常が発生していないか否かを判定する。
メインCPU101は、メインRAM103への書込みが正常に行われたと判定した場合(S21がYES)、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であるか否かを判定する(S22)。すなわち、メインCPU101は、設定変更が可能な状態であるか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であると判定した場合(S22がYES)、設定変更時の初期化処理を行う(S23)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、持越役格納領域、遊技状態フラグ格納領域やモードフラグ格納領域等の設定変更時にデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、初期化コマンド生成格納処理を行う(S24)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が開始されたことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。
続いて、メインCPU101は、設定変更処理を行う(S25)。この処理では、上述の設定値決定操作や設定値確定操作を受付けることにより、メインRAM103が初期化された後、新たな設定値がメインRAM103の設定値格納領域(不図示)に設定(格納)される。続いて、メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったか否かを判定する(S26)。すなわち、メインCPU101は、新たに設定値が設定された後、設定変更が可能な状態が終了したか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となっていないと判定した場合(S26がNO)、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となるまで処理を待機する。一方、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったと判定した場合(S26がYES)、初期化コマンド生成格納処理を行う(S27)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S22において、設定用鍵型スイッチ52がオン状態でないと判定した場合(S22がNO)、バックアップデータが正常であるか否かを判定する(S28)。すなわち、メインCPU101は、パチスロ機1への電力の供給が断たれたとき(電断時)にバックアップされた各種情報が正常であるか否かを判定する。
メインCPU101は、バックアップデータが正常であると判定した場合(S28がYES)、遊技復帰処理を行う(S29)。この処理では、パチスロ機1を電断前の状態に復帰させる処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S21において、メインRAM103への書込みが正常に行わなかったと判定した場合(S21がNO)、及びS28において、バックアップデータが正常でないと判定した場合(S28がNO)、電源投入時エラー処理を行う(S30)。なお、この電源投入時エラー処理によって発生したエラーは、上述のリセット操作によっては解消されず、新たに設定値が設定されたことに応じて解消するものとなっている。したがって、メインCPU101は、電源投入時エラー処理の後、一度パチスロ機1の電源がオフとなり、その後、新たに設定値が設定されるまで(上述のS22~S26の処理が行われるまで)通常の処理(図23のS2以降)に移行しない。
(メダル受付・スタートチェック処理)
続いて、図25を参照して、上述のメイン処理のS3において行われるメダル受付・スタートチェック処理について説明する。なお、図25は、メダル受付・スタートチェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S41)。すなわち、メインCPU101は、前回の単位遊技でリプレイ役に入賞したか(再遊技が作動したか)否かを判定する。
メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S41がNO)、自動投入処理を行う(S42)。この処理では、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルが自動投入される。また、詳細は省略するが、自動投入が行われる場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
メインCPU101は、S41において、自動投入メダルカウンタの値が「0」であると判定した場合(S41がYES)、及びS42の処理の後、メダル補助収納庫スイッチチェック処理を行う(S43)。この処理では、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっているか(すなわち、メダル補助収納庫33に一定数以上のメダルが収納されているか)否かを判定し、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていると判定した場合にはメダル補助収納庫エラーを発生させる。この場合、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。また、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていないと判定した場合には、この処理を終了する。
続いて、メインCPU101は、メダル投入状態チェック処理を行う(S44)。この処理では、現在のベット数やクレジット数のチェックを行うとともに、メダルの受付が禁止されているか、あるいはセレクタエラーが発生しているか等も判定し、メダルの受付が可能であれば、メダルの受付が可能な状態(ベット操作を受付可能な状態)とする(メダルの受付を許可する)。なお、セレクタエラーが発生している場合には、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。
続いて、メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であるか否かを判定する(S45)。メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であると判定した場合(S45がYES)、メダル投入チェック処理を行う(S46)。この処理では、メダルセンサ31Sの検出結果やベットスイッチ6Sの検出結果に基づいてベット数やクレジット数を更新する。また、詳細は省略するが、ベット操作が行われた場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であるか否かを判定する(S47)。すなわち、メインCPU101は、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっていないか否かを判定する。メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態でない(すなわち、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっている)と判定した場合(S49がNO)、メダルの受付を禁止する(S48)。すなわち、メインCPU101は、メダルの受付が可能でない状態(ベット操作を受付可能としない状態)とする。
メインCPU101は、S45において、メダルの受付が可能な状態でないと判定した場合(S45がNO)、S47において、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であると判定した場合(S47がYES)、及びS48の処理の後、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判定する(S49)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、現在のベット数が「2」又は「3」枚であるか否かが判定される。
メインCPU101は、投入枚数が遊技開始可能枚数であると判定した場合(S49がYES)、スタートスイッチ7Sがオン状態となったか否かを判定する(S50)。すなわち、メインCPU101は、遊技者によって開始操作が行われたか否かを判定する。
メインCPU101は、スタートスイッチ7Sがオン状態となったと判定した場合(S50がYES)、メダルの受付を禁止する(S51)。そして、メインCPU101は、この処理の後、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
メインCPU101は、S49において、投入枚数が遊技開始可能枚数でないと判定した場合(S49がNO)、及びS50において、スタートスイッチ7Sがオン状態となっていないと判定した場合(S50がNO)、処理をS44に戻す。
(内部抽籤処理)
続いて、図26を参照して、上述のメイン処理のS5において行われる内部抽籤処理について説明する。なお、図26は、内部抽籤処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、設定値・メダル投入枚数チェック処理を行う(S61)。この処理では、今回の単位遊技における設定値及びベット数のチェックを行う。続いて、メインCPU101は、設定値、ベット数及び遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S62)。続いて、メインCPU101は、乱数値格納領域から内部抽籤用乱数値を取得する(S63)。すなわち、メインCPU101は、上述のメイン処理のS4で取得した内部抽籤用乱数値のデータを取得する。なお、この処理において、設定値が「1」~「6」以外又はベット数が「1」~「3」以外であると判定された場合には、メインCPU101は、重篤なエラーが発生したと判断し、上述の電源投入時エラー処理(図24のS30参照)を実行する。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役決定処理を行う(S64)。この処理では、取得した内部抽籤用乱数値を、セットされた内部抽籤テーブルに規定された各内部当籤役の抽籤値を用いて順次更新(例えば、加算更新)し、更新結果が所定結果となったか(例えば、オーバーフローしたか)否かを判定する。所定結果となった場合にはその内部当籤役を今回の単位遊技の内部当籤役として決定する。なお、全ての内部当籤役について判定しても所定結果とならなかった場合には、今回の単位遊技の結果は「はずれ」となる(内部当籤役として「はずれ」が決定される)。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役が決定されたか否かを判定する(S65)。メインCPU101は、内部当籤役が決定されなかったと判定した場合(S65がNO)、処理をS64に戻す。すなわち、メインCPU101は、判定対象となる内部当籤役を順次更新し(内部抽籤用乱数値も順次更新し)、全ての内部当籤役について判定が行われるまで(あるいは、その中途で内部当籤役が決定されるまで)S64の処理を繰り返す。
メインCPU101は、内部当籤役が決定されたと判定した場合(S65がYES)、決定された内部当籤役が持越非対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役でなく、小役又はリプレイ役であるか)否かを判定する(S66)。メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越非対象役であると判定した場合(S66がYES)、当籤フラグ格納領域を更新する(S67)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて当籤フラグ格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、当籤フラグ格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S66において、決定された内部当籤役が持越非対象役でないと判定した場合(S66がNO)、及びS67の処理の後、決定された内部当籤役が持越対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役であるか)否かを判定する(S68)。
メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越対象役であると判定した場合(S68がYES)、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S69)。すなわち、メインCPU101は、未だいずれのボーナス役も持越されていないか否かを判定する。メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S69がYES)、持越役格納領域を更新する(S70)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて持越役格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、持越役格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S68において、決定された内部当籤役が持越対象役でないと判定した場合(S68がNO)、S69において、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S69がNO)、及びS70の処理の後、再度、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S71)。
メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S71がNO)、当籤フラグ格納領域を更新する(S72)。この処理では、持越役格納領域に格納されているデータを当籤フラグ格納領域のデータに反映させる。すなわち、メインCPU101は、ボーナス役が持越されている(あるいは今回の単位遊技で当籤した)場合、当籤フラグ格納領域において、当該ボーナス役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S71において、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S71がYES)、及びS72の処理の後、サブフラグ等設定処理を行う(S73)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、内部当籤役に基づいて非有利区間サブフラグや有利区間当籤時サブフラグが設定される。なお、この処理では、例えば、AT状態であるとき、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報等が設定されるようにしてもよい。そして、メインCPU101は、この処理の後、内部抽籤処理を終了する。
(遊技開始時状態制御処理)
続いて、図27を参照して、上述のメイン処理のS6において行われる遊技開始時状態制御処理について説明する。なお、図27は、遊技開始時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S81)。この処理では、遊技を開始するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定のボーナス役に当籤したことに基づいて所定のRT状態としてのフラグ間に移行させる場合、この処理において所定のボーナス役に当籤したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、フラグ間はRT状態として(すなわち、遊技状態フラグ格納領域に格納される遊技状態として)構成されていないため、ここでのチェックは不要となる。また、例えば、特定の移行条件の成立から特定の遊技数の遊技を行ったことにより開始又は終了する特定のRT状態がある場合、この処理においてこの特定の遊技数を管理することもできる。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S82)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S82がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S83)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S84)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。
メインCPU101は、S82において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S82がNO)、及びS84の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S85)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S85がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S86)。この処理では、遊技を開始するときに、非有利区間から有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の開始条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤を行い、この抽籤結果が有利区間を開始させるものであるか否かがチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S87)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S87がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S87がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S88)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を開始させる(セットする)。この処理では、有利区間が開始したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)のカウントを開始する(すなわち、一連の有利区間の遊技期間の監視を開始する)等の設定処理を適宜行う。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S89)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S90)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、セットされた移行先モードにしたがい、疑似ボーナスに移行する場合にはその遊技期間として「55ゲーム」が設定され、終了モードに移行する場合にはその遊技期間として「32ゲーム」が設定され、それ以外のモードに移行する場合にはそれぞれに対応する天井ゲーム数が設定される。また、各種抽籤(図7及び図8等参照)における抽籤値(抽籤テーブル)が設定される。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。
メインCPU101は、S85において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S85がNO)、有利区間中遊技開始時処理を行う(S91)。なお、有利区間中遊技開始時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S92)。この処理では、遊技を開始するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S93)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S93がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S94)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S93がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技開始時処理)
続いて、図28を参照して、上述の遊技開始時状態制御処理のS91において行われる有利区間中遊技開始時処理について説明する。なお、図28は、有利区間中遊技開始時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技開始時)を行う(S101)。この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、1ゲームにつき1ずつ減算(加算)する等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S102)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S102がYES)、AT期間管理処理(遊技開始時)を行う(S103)。この処理では、例えば、遊技開始時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS101の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、ナビ設定処理を行う(S104)。この処理では、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報やスタートコマンドに含ませる停止操作の情報に対応する情報等を設定する。なお、この処理では、ナビを発生させるか否かを決定可能としてもよい。すなわち、AT状態において報知対象役が当籤した場合に、必ずしもナビが発生しない場合があってもよく、この処理においてナビ発生の可否を所定条件(例えば、報知対象役の種類や予め定められたナビ発生確率)にしたがって決定するようにしてもよい。
メインCPU101は、S102において、特定モード中でないと判定した場合(S102がNO)、及びS104の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S105)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S105がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S106)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S107)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS90の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技開始時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S105がNO)、有利区間中遊技開始時処理を終了する。
なお、図27に示す遊技開始時状態制御処理と図30に示す遊技終了時状態制御処理、及び図28に示す有利区間中遊技開始時処理と図31に示す有利区間中遊技終了時処理は、基本的にほとんど同様の処理構成となっている。これは、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで処理を行ってもよいもの(例えば、遊技状態やモードの移行等、決定された内部当籤役を参照する処理であるが、処理結果が今回の遊技が終了するまで(あるいは、次回の遊技が開始されるまで)に反映されればよい処理等)については、いずれか一方で行われればよいことを意味し、双方で同様の処理が重複して行われることを意味するものではない。したがって、このような処理については、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで行われるようにしてもよい。
これに対し、遊技を開始するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、上述のナビ設定処理等)については、遊技を開始するときに行われるものとし、また、遊技が終了するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、表示された図柄の組合せを参照する処理等)については、遊技が終了するときに行われるものとすればよい。また、例えば、遊技開始後であって遊技終了前の所定時期に処理が行われる必要があるもの、あるいは処理を行ったほうがよいもの(例えば、第1停止操作の停止操作態様を参照する処理等)については、そのときに行われるものとすればよい。
(リール停止制御処理)
続いて、図29を参照して、上述のメイン処理のS12において行われるリール停止制御処理について説明する。なお、図29は、リール停止制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、全てのリールの回転速度が所定の一定速度(例えば、80回転/1分)に到達したか(すなわち、定速回転しているか)否かを判定する(S111)。メインCPU101は、全てのリールが定速回転していないと判定した場合(S111がNO)、全てのリールが定速回転するまで処理を待機する。一方、全てのリールが定速回転していると判定した場合(S111がYES)、各リールの停止を許可する(S112)。すなわち、メインCPU101は、各ストップボタンを有効化する。また、これにともなって作動ストップボタン格納領域が更新される(第1の遊技機の場合、例えば、作動ストップボタン格納領域のビット4~6に「1」が格納される)。
続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたか否かを判定する(S113)。メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されていないと判定した場合(S113がNO)、有効なストップボタンが操作されるまで処理を待機する。なお、自動停止制御を行う場合には、この待機時間を計測し、計測結果が所定時間となったときに自動停止制御を行うように構成することができる。
メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたと判定した場合(S113がYES)、作動ストップボタン格納領域及び押下順序格納領域を更新する(S114)。なお、第1の遊技機の場合、例えば、リール3Lに対して第1停止操作が行われた場合(ストップボタン8Lが押された場合)には、この処理では、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納され、ビット4が「0」に更新される。また、押下順序格納領域のビット2~5が「0」に更新される。
続いて、メインCPU101は、作動ストップボタンから制御対象リールを決定する(S115)。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、リール3Lを制御対象リールとして決定する。
続いて、メインCPU101は、図柄カウンタから停止開始位置を格納する(S116)。図柄カウンタは、図柄位置データ(例えば、「0」~「19」)を把握するためのカウンタとして構成される。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、ストップボタン8Lが押されたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データを停止開始位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、滑り駒数決定処理を行う(S117)。この処理では、例えば、上述の停止テーブルに規定された滑り駒数や上述の引込優先順位データ格納領域のデータ等を参照し、最も適切な滑り駒数(図柄の移動量)を決定する。
続いて、メインCPU101は、停止開始位置及び滑り駒数から停止予定位置を格納する(S118)。この処理では、上述のS116の処理で格納された停止開始位置と、上述のS117の処理で決定された滑り駒数から最終的に図柄が停止する位置の図柄位置データを停止予定位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、リール停止コマンド生成格納処理を行う(S119)。この処理では、副制御回路200に送信するリール停止コマンドコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に格納する。なお、リール停止コマンドは、停止予定位置のみならず、停止開始位置や滑り駒数が特定できるパラメータを含んで構成することができる。
続いて、メインCPU101は、図柄コード格納処理を行う(S120)。この処理では、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類(図柄コード)も参照しながら、図柄コード格納領域を更新する。続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンがあるか否かを判定する(S121)。すなわち、メインCPU101は、未だ回転中のリールがあるか(全てのリールに対して停止操作が行われていないか)否かを判定する。
メインCPU101は、有効なストップボタンがあると判定した場合(S121がYES)、制御変更処理を行う(S122)。この処理では、ここまでの遊技者の停止操作態様に応じて、例えば、上述のリール停止初期設定処理で設定された停止テーブルや引込優先順位テーブル等の変更が必要である場合に、このような停止制御に必要な各種情報を再設定する。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S123)。この処理では、回転中のリールの各図柄(図柄位置)に対して、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類も参照しながら、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、処理をS113に戻す。また、メインCPU101は、有効なストップボタンがないと判定した場合(S121がNO)、リール停止制御処理を終了する。
(遊技終了時状態制御処理)
続いて、図30を参照して、上述のメイン処理のS15において行われる遊技終了時状態制御処理について説明する。なお、図30は、遊技終了時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S131)。この処理では、遊技が終了するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定の図柄の組合せが表示されたことに基づいて所定のRT状態や所定のボーナス状態に移行させる場合、この処理において所定の図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、所定のRT状態や所定のボーナス状態である場合、この処理においてこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合、メダルの払出によってこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S132)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S132がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S133)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示された場合、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1に「1」を格納し、2BB状態又は3BB状態をセットする。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合に、これらの遊技状態の終了条件が成立した場合には、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1を「0」に更新する。
続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S134)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「1」を設定し、3BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「176」を設定する。
メインCPU101は、S132において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S132がNO)、及びS134の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S135)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S135がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S136)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS86の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S137)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S137がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S137がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S138)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS88の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S139)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS89の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S140)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS90の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
メインCPU101は、S135において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S135がNO)、有利区間中遊技終了時処理を行う(S141)。なお、有利区間中遊技終了時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S142)。この処理では、遊技が終了するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S143)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S143がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S144)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S143がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技終了時処理)
続いて、図31を参照して、上述の遊技終了時状態制御処理のS141において行われる有利区間中遊技終了時処理について説明する。なお、図31は、有利区間中遊技終了時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技終了時)を行う(S151)。この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、払出数、所定の図柄の組合せの表示回数や停止操作態様等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S152)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S152がYES)、AT期間管理処理(遊技終了時)を行う(S153)。この処理では、例えば、遊技終了時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS151の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
メインCPU101は、特定モード中でないと判定した場合(S152がNO)、及びS153の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S154)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S154がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S155)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S156)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS140の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技終了時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S154がNO)、有利区間中遊技終了時処理を終了する。
[6-2.定期割込処理]
まず、図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行される定期割込処理について説明する。なお、図32は、定期割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ここで、本実施形態では、定期割込処理の周期(1割込時間)を「1.1172ms」としている。もっとも、定期割込処理の周期はこれに限られない。例えば、これとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよいし、あるいは、これと同じ周期が設定されていても、一部又は全部の処理について実際に処理が行われる割込回数を「2」以上とすることにより、結果的にこれとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよい。
まず、メインCPU101は、レジスタの退避処理を行う(S201)。続いて、メインCPU101は、入力ポートチェック処理を行う(S202)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)各種センサやスイッチの入力状態(オン状態又はオフ状態)のチェックを行う。例えば、前回の割込時の入力状態と今回の割込時の入力状態とを比較し、入力状態に変化があったか否かのチェックを行い、入力状態に変化があった場合、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)にその変化を格納し、変化にかかわらない入力状態についてはそのままメインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)に格納する。
続いて、メインCPU101は、リール制御処理を行う(S203)。この処理では、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動を制御し、各リール3L,3C,3Rの回転及び停止を制御する。続いて、メインCPU101は、通信データ送信処理を行う(S204)。この処理では、通信データ格納領域に格納された各コマンドの各パラメータを副制御回路200に送信する。なお、この処理では、通信データ格納領域にコマンドデータが格納されていない場合、入力ポート格納領域0及び入力ポート格納領域1に格納されているデータを入力状態コマンドとして副制御回路200に送信する。
なお、本実施形態では、各種コマンドデータが一旦通信データ格納領域に格納された後、定期割込処理において副制御回路200に送信する構成としているが、例えば、各種コマンドデータを通信データ格納領域に格納することなく、主制御回路100内に設けられた通信回路(不図示)に直接格納して副制御回路200に送信する構成としてもよい。また、本実施形態では、詳細な説明は省略しているが、各種コマンドデータがシリアル通信によって副制御回路200に送信される構成としているが、例えば、各種コマンドデータがパラレル通信によって副制御回路200に送信される構成としてもよい。
続いて、メインCPU101は、7セグLED駆動処理を行う(S205)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)、例えば、情報表示装置14等の表示内容を制御する。続いて、メインCPU101は、タイマ更新処理を行う(S206)。この処理では、主制御回路100で管理される各種タイマを更新する。
続いて、メインCPU101は、エラー検知処理を行う(S207)。この処理では、上述のS202でチェックされた入力状態等に基づいて、各種エラー状態が発生しているか否かを検知する。続いて、メインCPU101は、ドア開閉チェック処理を行う(S208)。この処理では、例えば、ドア開閉監視スイッチ56の入力状態に基づいて、下ドア機構DD開閉状態のチェックを行う。なお、各種エラー状態が発生している場合、及びドア開閉監視スイッチ56の入力状態が開状態(オフ状態)の場合、外部集中端子板55からセキュリティ信号が出力される。
続いて、メインCPU101は、レジスタの復帰処理を行う(S209)。そして、メインCPU101は、この処理の後、定期割込処理を終了する。
[7.副制御回路による処理]
続いて、図33を参照して、副制御回路200のサブCPU201が各プログラムを用いて実行するサブ側制御処理の概要について説明する。図33は、サブ側制御処理の概要の一例を示すフローチャートである。
なお、パチスロ機1では、不正行為や不正改造防止の観点より、主制御回路100側(主制御基板71及び主制御基板ケースを含む)には種々の制約が設けられているが、副制御回路200側(副制御基板72及び副制御基板ケースを含む)にはそれほどの制約は設けられていない。したがって、副制御基板72(及び副制御回路200)は、接続される演出装置の種類、その数、あるいはその演出装置によって行われる演出の種類等と、製造コスト等との兼ね合いに応じて種々の構成を用いることが可能となっている。図33において「概要」としているのはそのためである。
まず、サブCPU201は、電源投入時にはメインCPU101と同様、電源投入時処理を行う(S301及びS302)。この処理では、電源投入時に異常が発生しているか否かを検知したり、サブRAM203に格納されているデータを初期化したり、また、後述の各種演出実行制御処理を行うために必要な各種タスクを起動させたりする等の処理が行われる。
また、サブCPU201は、主制御回路100から送信されたコマンドを受信した場合、コマンド受信時演出実行制御処理を行う(S303及びS304)。この処理では、例えば、初期化コマンドを受信した場合、受信した初期化コマンドのパラメータの情報を参照し、設定変更がされていればサブ側でも適宜初期化処理が実行され、設定変更されていなければサブ側でも電断前の状態に復帰させる処理が実行される。
また、例えば、スタートコマンドを受信した場合、受信したスタートコマンドのパラメータの情報を参照し、非AT状態であれば、内部当籤役や遊技状態等を示唆ないし報知する演出の内容を(必要に応じて抽籤により)決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、AT状態であれば、これに加え、有利な停止操作態様を報知する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、例えば、ロックコマンドを受信した場合、受信したロックコマンドのパラメータの情報を参照し、ロック演出の内容と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、リール停止コマンドを受信した場合、受信したリール停止コマンドのパラメータの情報を参照し、停止開始位置や停止予定位置(あるいは、単に何番目の停止操作が行われたか等)と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、入賞作動コマンドを受信した場合、受信した入賞作動コマンドのパラメータの情報を参照し、特典が付与される場合に、付与される特典と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、サブCPU201は、副制御基板72に接続された(副中継基板74を介して接続されたものを含む)、例えば、演出用ボタン10a,10bが操作された場合、演出ボタン操作時演出実行制御処理を行う(S305及びS306)。この処理では、例えば、操作連動演出の実行中に、当該演出に沿った演出用ボタンが操作された場合、操作連動演出の内容が変化するように各種演出装置を制御する。また、例えば、非遊技中に、後述のユーザーメニュー呼出のために演出用ボタンが操作された場合、ユーザーメニューを表示するための制御を行う。また、ユーザーメニューの表示中に、選択・決定操作のために演出用ボタンが操作された場合、これらの操作にしたがった制御を行う。
また、サブCPU201は、上述の契機以外の契機が成立した場合、その他演出実行制御処理を行う(S307)。この処理では、例えば、遊技に関する操作及びユーザーメニューに関する操作が行われていない非操作期間が所定期間(例えば、30秒程度)となった場合、デモ状態報知に係る演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
[8.パチスロ機のその他の機能]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を制御する各種機能及び演出を制御する各種機能、並びにこれらの機能を実現するための各種構成を備えるものであるが、例えば、以下に示すようなその他の機能を備えることもできる。なお、以下では、遊技者側のその他の機能の一例と、遊技店側のその他の機能の一例について説明する。
[8-1.遊技者側]
例えば、遊技者の演出操作によってユーザーメニューが表示され、当該ユーザーメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「配列・配当表」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における図柄配列と、規定された図柄組合せ及びその入賞時の配当(特典の内容)等を示す遊技情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「音量・光量調整」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種表示装置の輝度、スピーカ群から出力される音の音量、あるいはランプ・LED群の光量等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「カスタム」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における演出態様(例えば、演出に用いられるキャラクタの種類(当該キャラクタ(表示態様)自体の種類、当該キャラクタに対応する音声の種類、あるいは当該キャラクタに係る衣装やアイテム(個別表示態様)の種類等も含む)、演出発生確率(演出発生時の期待度の種類等も含む)、あるいは示唆ないし報知の態様(演出実行タイミング等も含む)等)が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「ユニメモ」が選択・決定された場合には、遊技者の携帯端末(例えば、携帯電話やスマートフォン等)を利用した情報提供サービスを受けること可能となっている。このような情報提供サービスでは、例えば、遊技者がログイン操作して遊技を開始し(ログイン操作なしに遊技を開始させた場合でもよい)、遊技終了時にログアウト操作することで、遊技履歴情報(例えば、累計何ゲーム遊技したか、有利な遊技状態を何回発生させたか、最高獲得枚数は何枚かなど種々の遊技の結果に応じた情報)を確認、あるいは取得できる。
また、例えば、遊技履歴情報には、遊技の結果(開放条件の成立)に応じて、遊技中に表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報、遊技者の携帯端末上で表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報など、付帯する特典に関する情報も含まれる。
なお、このような情報提供サービスにおけるログイン・ログアウトの手法は種々の手法を採用することができる。例えば、遊技者の端末を利用し、遊技者に演出表示部上に表示される二次元コードを読み取らせることでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよいし、また、遊技者にパスワードを入力させ、あるいはパスワードを記憶させる(具体的には、例えば、遊技終了時のログアウト時には、二次元コードにかえて、4ケタ~10ケタ程度の文字列を次回入力用パスワードとして表示可能とし、それを遊技者が紙媒体でメモしたり、携帯端末で写真として撮影したり等によって取得可能とし、次回の遊技開始前のログイン時には、このようにして取得されたパスワードを入力可能とする)ことでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよい。また、これらの手法を適宜組み合わせてログイン・ログアウトが行われるようにすることもできる。
[8-2.遊技店側]
例えば、遊技店側の管理者の設定確認操作(設定変更操作、あるいは遊技店側の管理者によるその他の操作であってもよい)によってホールメニューが表示され、当該ホールメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技店側の管理者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「時刻設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における日時等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、日時は、例えば、上述のサブ側電源投入時処理(図33のS302参照)において自動的に更新されるように構成することもできる。
また、例えば、「トータルメダル情報」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の投入枚数及び払出枚数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。
また、例えば、「設定変更・確認履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の設定変更操作及び設定確認操作回数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「エラー情報履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のエラー発生日時やその内容等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「監視履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のドア開放日時やその期間等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「警告設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種警告報知の態様や頻度等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「省電力モード設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における省電力機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。また、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「打ち止め設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における打ち止め機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、打ち止め機能は、所定の作動条件が成立した場合に、遊技店の管理者の解除操作(例えば、リセット操作)がなされるまで遊技不能状態とする機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、打ち止め機能がオン状態に設定された場合、これに連動して後述の自動精算機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
また、例えば、「自動精算設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における自動精算機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、自動精算機能は、所定の作動条件が成立した場合に、自動的にクレジットが精算される(すなわち、クレジットされていた遊技価値全てが自動的に返却される)機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、自動精算機能がオン状態に設定された場合、これに連動して上述の打ち止め機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
なお、打ち止め機能や自動精算機能の設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。もっとも、この場合、いたずらに受付可能とする操作部を増加させることも望ましくないので、特定の操作部(例えば、ストップボタン)のみを当該設定に係る操作を受付ける操作部の一部として使用することができるものとしてもよい。
[9.拡張例]
ここまで、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機として、パチスロ機1を一例に挙げて説明したが、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機はこれに限定されない。例えば、いわゆる「パチンコ機」や「スロットマシン」等と称される遊技機にも適用可能であり、同様の作用効果が得られる。すなわち、本実施形態に係る発明は、遊技者の遊技動作(操作)に応じて遊技を行う(遊技制御を行う)ことが可能な遊技機であれば、その全てに適用することができる。また、パチスロ機1を含む遊技機について、その構成やその機能等も上述のものに限定されず、種々の変更・拡張が可能である。以下、あくまで一例であるが、このような拡張例について説明する。
(パチンコ機)
パチンコ機は、例えば、遊技球が転動流下可能な遊技領域を有する遊技盤、遊技領域を外部から視認可能としつつ保護する保護ガラスを含むガラスドア、遊技領域の所定領域に設けられる演出表示装置(遊技領域外に設けられるものであってもよい)、遊技球を払出す払出ユニット、及び、遊技や演出に関する各種制御を行う各種制御基板を含む基板ユニット等を有し、これらは枠体(単に「枠」等と称される場合もある)によって支持される。
また、パチンコ機の前面側には、例えば、遊技者の操作手段の一つとしての発射ハンドル、遊技に供する遊技球を貯留可能な上皿、及び、払出された遊技球を貯留可能な下皿等が設けられている。なお、上述した演出用ボタンや可動演出装置が設けられているものも多い。また、遊技領域には、例えば、遊技球が通過可能な始動領域(「始動口」等と称される場合もある)や特定領域(「V入賞口」等と称される場合もある)、遊技球が入賞しやすい状態と入賞しにくい状態との間で変移可能な可変入賞装置(「大入賞口」等と称される場合もある)、及び、識別情報(「図柄」等と称される場合があり、「特別図柄」と「普通図柄」を含む)を可変表示可能な可変表示装置等が設けられる。
そして、パチンコ機では、遊技者は発射ハンドルを操作し、遊技球を遊技領域に発射することで遊技を行う。例えば、発射された遊技球が始動領域を通過すると、可変表示が開始される。また、このとき、現在の状態(例えば、当り確率が相対的に高い確変遊技状態であるか等)や始動領域の種類等に応じた確率で、遊技状態を移行させるか否か(例えば、遊技者に有利な大当り遊技状態や小当り遊技状態に移行させるか否か)が決定される(すなわち、遊技状態を移行させるか否かが抽籤(あるいは、判定)される)。その後、可変表示の停止条件(例えば、設定された変動時間が終了したこと)が成立すると、上記決定結果に応じた停止態様で可変表示が停止する。このとき、上記決定結果が遊技状態を移行させるもの(当り)であれば、停止される停止態様も当該当りに対応する表示結果となり、当該表示結果が表示されたことに応じて当該当りに対応する遊技状態に移行する。一方、上記決定結果が遊技状態を移行させないもの(はずれ)であれば、停止される停止態様もはずれに対応する表示結果となり、遊技状態は移行しない。なお、例えば、発射された遊技球が特定領域を通過すると(特定領域は、通常は遊技球の通過が困難な状態におかれていることが多い)、可変表示装置によらず、遊技状態を移行させることが決定される。
すなわち、パチスロ機1は、必要なメダルをベットし、遊技者が開始操作することを開始契機として遊技が開始されるのに対し、パチンコ機は、遊技者が必要な遊技球を発射ハンドルの操作によって発射し、例えば、これによって始動領域を遊技球が通過したことを開始契機として遊技が開始される点においては異なるものの、ともに遊技者の遊技動作によって遊技が開始される点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、その開始契機が成立したときに、最終的に表示が許可される停止態様(換言すれば、付与される特典の内容)が決定される点において共通する。
また、パチスロ機1は、基本的には遊技者の停止操作によって可変表示が停止されるのに対し、パチンコ機は、停止条件が成立したことによって(遊技者の停止操作によらずして)可変表示が停止される点においては異なるものの、ともに事前の決定結果にしたがって可変表示を停止させ、停止した停止態様に応じた特典を付与する点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、遊技に関連する演出を実行可能な点において共通する。例えば、上記演出表示装置は、上述した演出表示部や情報表示部として機能する。また、パチンコ機においても、上述したランプ、スピーカ、あるいはその他演出装置等の演出実行手段を設け、これらによって演出を実行してもよいことはもちろんである。
なお、パチンコ機では、上記演出表示装置において、装飾図柄(これも「識別情報」等と称される場合がある)が変動表示されるものが多い。上述のとおり、本来の遊技結果は上記可変表示装置にて表示されるものであるが、上記可変表示装置は小型に構成され、また、その表示結果も複数個のLEDの点灯パターンで表示されるため、遊技者が遊技結果を認識し難くなっているものが多い。このため、パチンコ機では、上記可変表示装置の可変表示に連動するように、上記演出表示装置上で装飾図柄を変動表示(及び停止表示)させることで遊技を行うようにしたものが主流である。そして、このような装飾図柄の変動表示は、(演出上、開始契機が成立したときに一定期間遅延してから変動表示を開始したり、あるいは停止条件の成立前に仮停止したりする場合もあるが)基本的には上記可変表装置と同様、遊技の進行にしたがって識別情報を変動表示あるいは停止表示するものである(例えば、当りの場合には装飾図柄が特別停止態様(例えば、図柄揃い)で停止表示される一方、はずれの場合には装飾図柄が非特別停止態様(例えば、バラケ目)で停止表示される)ことから、これを上述した変動表示部の一態様であるとして、本実施形態に係る発明を適用することも可能である。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の外部構造あるいは内部構造の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、メダルを必須とし、遊技球には置き換えできないもの等)を除き、パチンコ機の外部構造あるいは内部構造の構成として適用することができる。
また、パチンコ機においても、遊技に関する各種制御は、主制御基板に実装された遊技制御部としての主制御回路によって行われ(一部、払出に関する制御は、主制御基板に電気的に接続された払出制御基板に実装された払出制御回路によって行われる場合があるが、これを含む)、演出に関する各種制御は、副制御基板に実装された演出制御部としての副制御回路によって行われることから、パチスロ機1の電気的構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、停止操作に関するもの等)を除き、パチンコ機の電気的構成として適用することができる。
また、パチスロ機1においては、上述のとおり、遊技者に相対的に有利な(あるいは、その構成内容によっては不利となる場合もあり得るが)遊技状態として、ボーナス状態、RT状態、AT状態、これらを組み合わせたART状態等を設けることが可能となっている。例えば、ボーナス状態では、小役の抽籤態様を非ボーナス状態よりも有利とすることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能とし、RT状態では、リプレイ役の抽籤態様を非RT状態よりも有利とすることで、はずれが発生しにくい(結果として、メダルが減少しにくい)状態を一定期間継続させることを可能とし、AT状態では、有利な停止操作態様が報知されることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。
これに対し、パチンコ機においても、これらと同様の性質を有する各種遊技状態を設けることが可能となっている。例えば、大当り遊技状態や小当り遊技状態では、上記可変入賞装置について通常とは異なる制御が行われることで、遊技球が入賞しやすい状態に変移することを可能とし、これによって遊技球が付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、時短遊技状態(「電サポ状態」等と称される場合がある)では、普通図柄について通常とは異なる制御が行われることで、始動領域を遊技球が通過しやすい状態とすることを可能とし、これによって上記可変表示装置による抽籤頻度を高めるとともに、遊技球が減少しにくい状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、確変遊技状態では、特別図柄について通常とは異なる制御が行われることで、上記可変表示装置による当籤確率が高まる(結果として、遊技球が増加しやすい)状態を一定期間継続させることを可能としている。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の遊技性として、遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、遊技区間の移行をともなうもの等)を除き、パチンコ機の遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として適用することができる。また、パチスロ機1の遊技性として他に説明する各種事項についても同様である。
なお、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中の遊技回数が規定回数となったことに応じて、時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、天井機能(有利状態(例えば、大当り遊技状態)に移行することなく不利状態(例えば、通常遊技状態)が所定期間(例えば、900ゲーム(回転))継続した場合に、ハマリ救済として有利状態(例えば、時短遊技状態)に移行させることができる機能)を搭載することができるため、パチスロ機1の天井機能に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の天井機能に関する構成として適用することができる。
また、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中において、上記可変表示装置の停止態様が特定のはずれに対応する表示結果となった場合には、これを契機として時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、特定の表示結果(特定の図柄の組合せ)の表示による(大当り遊技状態等への移行を契機としない)遊技状態の遷移(移行)が可能となっているため、例えば、パチスロ機1の特定の図柄の組合せの表示によるRT状態の遷移(移行)に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の特定の表示結果の表示による時短遊技状態の遷移(移行)に関する構成として適用することができる。
(メダルレス遊技機)
本実施形態のパチスロ機1では、遊技者のベット操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口5に対して投入してベットする操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してベットする操作)があることを開始条件の1つとして遊技を開始し、遊技が終了したときにメダルの払出がある場合には、ホッパー装置32を駆動させてメダル払出口11からメダルを払出し、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、パチスロ機1の構成はこれに限られない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技価値がベットされ、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、遊技価値が付与される)形態全てについて、本実施形態に係る発明を適用可能である。すなわち、遊技者の動作によって物理的にメダルが投入され(掛けられ)、メダルが払出される形態のみならず、パチスロ機1の内部で、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理し(あるいは、電磁的でなくとも、少なくとも遊技者が遊技価値に直接接触できない態様で管理し)、メダルレスで遊技を可能とするものにも適用可能である。ここでは、このようなパチスロ機1を「メダルレス遊技機」と称する。なお、メダルレス遊技機は、「管理遊技機」や「封入式遊技機」等と称されることがある。
なお、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理するのは、主制御回路100(主制御基板71)自体であってもよいし、主制御回路100(主制御基板71)に装着される(接続される)遊技価値管理装置(以下では、このような管理装置を「メダル数制御基板」として説明する場合がある)であってもよい。以下では、この遊技価値管理装置が設けられる一例を説明する。
遊技価値管理装置は、少なくともROM及びRWM(あるいは、RAM)を備え、パチスロ機1に設けられる装置であって、通信装置(以下では、このような通信装置を「接続端子板」として説明する場合がある)を介して外部の遊技価値提供装置(以下では、このような遊技価値提供装置を「通信専用ユニット」として説明する場合がある)と双方向通信可能に接続される。遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置との間で必要な通信を行うことにより、遊技価値の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技価値のベット操作を行う上で必要な遊技価値を提供する動作)、遊技価値の付与動作(すなわち、遊技価値の付与に係る役に入賞(当該役が成立)した等の場合に遊技者に対して付与に係る遊技価値を提供する動作)、及びこれらの動作によって提供された遊技価値を電磁的に記録する動作等を行い得るものとする。なお、遊技価値提供装置は、「遊技価値(遊技媒体)取扱装置」、「遊技価値(遊技媒体)貸出装置」あるいは「サンド」等と称されることがある
また、外部の遊技価値提供装置は、外部の出玉管理装置(出玉管理サーバ)に接続されており、遊技価値管理装置は、外部の出玉管理装置に対し、通信装置及び外部の遊技価値提供装置を介して出玉管理情報を送信可能に構成される。ここで、出玉管理情報は、外部の出玉管理装置が出玉の管理を可能とするために必要な各種の情報で構成される。なお、出玉管理情報の一例については後述する。また、外部の遊技価値提供装置と外部の出玉管理装置との間は、例えば、インターネット回線によって接続される。
ここで、「出玉」とは、直接的には払出された遊技媒体数を意味するものであるが、本実施形態では、例えば、払出数からベット数を減じた差枚数(純増数)等の遊技者に対する特典の付与度合い(例えば、遊技者がどの程度プラスとなったか(遊技店がどの程度マイナスとなったか)、あるいは遊技者がどの程度マイナスとなったか(遊技店がどの程度プラスとなったか等)や、有利状態(例えば、ボーナス状態、AT状態、あるいは一連の有利区間等)の継続度合い、あるいはこれらの組合せによって想定される射幸性の程度等も含む概念となっている。
また、例えば、パチスロ機1の前面側に、保有する遊技価値数を表示する保有遊技価値数表示装置(不図示)を設けることとし、遊技価値管理装置は、その遊技価値数の管理結果に基づいてこの保有遊技価値数表示装置に表示される遊技価値数を管理するようにしてもよい。すなわち、遊技価値管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技価値の総数を電磁的方法により記録するのみならず、当該記録結果の表示を制御可能なものとして構成してもよい。なお、この場合、遊技価値管理装置は、遊技者が、記録された遊技価値数を示す信号を外部の遊技価値提供装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合以外には記録された遊技価値数を減ずることができない性能を有し、また、記録された遊技価値数を示す信号は、通信装置を介してでなければ送信できない性能を有することが望ましい。
なお、遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置を用いて遊技者の遊技価値を電磁的に管理する機能のみならず、遊技者の物理的動作によってベットされる遊技価値数やパチスロ機1の物理的動作によって払出される遊技価値数を管理する機能を有していてもよい。すなわち、従来のパチスロ機1における実際のメダルの投入や払出の管理をも可能とするものであってもよい。このようにすれば、パチスロ機1を従来の手法によって制御することもできるし、上述のメダルレス遊技機のような手法によって制御することもできるため、パチスロ機1がいずれの仕様となった場合であっても共通の構成とすることができる。また、この場合、遊技価値管理装置が、上述のセレクタ31やホッパー装置32を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路100(主制御基板71)によって制御され、その制御結果が送信されることにより間接的に制御する方式を採用することもできる。
また、パチスロ機1には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却(精算)操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい。また、遊技価値提供装置には、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等の各種装置に加え、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい(いずれも不図示)。なお、挿入可能な記録媒体には、遊技店で当日発行される非会員記録媒体のみならず、遊技店の会員が保有する会員記録媒体も含まれる。非会員記録媒体に記録された遊技価値は当日限り有効となる(翌日以降は無効となる)が、会員記録媒体に記録された遊技価値は翌日以降も有効となる。
この場合の遊技の流れの一例を説明する。例えば、まず、遊技者は遊技価値提供装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金する。遊技価値提供装置は、遊技者のいずれかの貸出操作手段への操作に応じて、所定数の有価価値を減算し、減算した有価価値に対応する遊技価値をパチスロ機1に提供する。そして、遊技者は遊技を行い、さらに遊技価値が必要となった場合には上記操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果によって所定数の遊技価値を獲得してから遊技を終了する際には、遊技者はいずれかの返却操作手段を操作する。遊技価値管理装置は、遊技者のいずれかの返却操作手段への操作に応じて、遊技価値提供装置に対し遊技価値数を送信する。遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録した記録媒体を排出する。遊技価値管理装置は、遊技価値数を送信したときに自身が記憶する遊技価値数をクリアする。遊技者は、排出された記録媒体を景品に交換するために景品交換所等に持っていくこともできるし、また、排出された記録媒体を他のパチスロ機1に対応する遊技価値提供装置に挿入することで、台移動して遊技を続けることもできる。また、排出された記録媒体が会員記録媒体であれば、翌日以降も有効であるため、ここで遊技をやめることもできる。
なお、上記の一例では、遊技者の返却操作に応じて、遊技価値管理装置が遊技価値提供装置に対して全遊技価値数を送信するものとしていたが、遊技者の返却操作の態様により、遊技者が所望する遊技価値数のみを送信可能に構成してもよい。すなわち、遊技者が保有する遊技価値を分割できるようにしてもよい。また、遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録媒体に記録して排出するものとしていたが、上述の非接触通信アンテナ等を用いて遊技者の携帯端末にこれと同様の価値となる情報を送信してもよいし、また、同等の価値となるものを遊技者に提供するものである限り、例えば、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよい。
また、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、遊技者が操作可能なロック操作手段を設け、このロック操作手段への操作に応じて、遊技価値管理装置と遊技価値提供装置との間で通信できない状態(ロック状態)に制御可能としてもよい。なお、この場合、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、例えば、暗証番号の設定(及び設定した暗証番号の入力)、ワンタイムパスワードの発行(及び発行したワンタイムパスワードの入力)、あるいは生体認証等の認証処理が行い得るようにし、当該認証処理の結果が正常である場合に当該ロック状態が解除されるように構成すればよい。
ここまで説明したメダルレス遊技機によれば、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、例えば、メダル投入口5やメダル払出口11等の一部の外部構造、あるいはセレクタ31やホッパー装置32等の一部の内部構造についてはこれを設ける必要がなくなることから、遊技機の原価や製造コストを削減することができるのみならず、遊技機の消費電力を減らすことができる。また、遊技機の内部にアクセスすることがより困難となることから、遊技機に対する不正行為を防止することができる。さらに、遊技者が遊技媒体に直接的に接触しないことから、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
(メダルレス遊技機の構成例)
続いて、図34を参照して、パチスロ機1をメダルレス遊技機として構成した場合の構成例について説明する。図34は、メダルレス遊技機の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、メダル数制御基板(遊技価値管理装置)が設けられた場合の構成例について説明する。
上述のとおり、メダル数制御基板は、主制御基板71に接続され、遊技者が保有するメダル数(遊技価値数)を管理する。また、メダル数制御基板は、接続端子板(通信装置)を介して通信専用ユニット(遊技価値提供装置)に接続される。また、メダル数制御基板は、接続端子板及び通信専用ユニットを介し、出玉管理装置に対して出玉管理情報を送信する。また、メダル数制御基板には、メダル数制御回路(不図示)が搭載される。また、メダル数制御回路は、例えば、メダル数制御CPU(不図示)と、メダル数制御ROM(不図示)と、メダル数制御RWM(不図示)とを含んで構成される。
なお、出玉管理装置は、例えば、遊技機メーカが加入する組合(の情報センタ)が管理する出玉管理用のサーバであり、送信された出玉管理情報が出玉管理装置に蓄積されることで、各遊技機の射幸性が適切なものであるか否か(出玉性能)を監視可能にする目的で設けられるものである。
したがって、このような観点より、メダル数制御基板及び接続端子板は、主制御基板71と同様にパチスロ機1において重要な機能を担うものであることから、不正行為や不正改造を防止できる態様でパチスロ機1の内部に設けられている必要がある。図34に示す構成例1及び構成例2は、そのような態様の一例を示している。
<構成例1>
図34に示す構成例1は、メダル数制御基板及び接続端子板が、主制御基板71と同様に、主制御基板ケース内に収容されていることを示している。ここで、主制御基板ケースには、通常、その開放(あるいは取り外し)を困難とするため、あるいは開放された痕跡(あるいは開放された回数)を認識できるようにするための種々の封印処理が施されている(例えば、かしめによる封印や封印シールの貼付、あるいはかしめを切断した記録を記載するかしめシールの貼付等)。
したがって、メダル数制御基板及び接続端子板を主制御基板ケース内に収容すれば、主制御基板71と同様のセキュリティ効果を得ることができ、不正行為や不正改造を適切に防止できる。
<構成例2>
図34に示す構成例2は、メダル数制御基板及び接続端子板が、上述の構成例1とは異なり、主制御基板ケースとは別体に設けられたメダル数制御基板ケース内に収容されていることを示している。なお、メダル数制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成されるものとし、その内部に収容されたメダル数制御基板及び接続端子板が、容易に視認可能な状態で収容されるものとする。
ここで、構成例2のメダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様の封印処理が施される構成とすることもできるし、少なくともその一部の封印処理のみが施される構成とすることもできる。例えば、メダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様にかしめによる封印は行われるが、封印シールは貼付されないといった構成としてもよい。また、例えば、主制御基板ケースでは、予め定められたかしめシールを使用することが義務付けられるが、メダル数制御基板ケースでは、かしめシールとして任意のシールを使用することができるようにしてもよい。
<蓄積データ例>
図34に示す蓄積データ例は、出玉管理装置に蓄積される各種データの一例を示している。すなわち、メダル数制御基板が、接続端子板及び通信専用ユニットを介して出玉管理装置に送信する出玉管理情報の一例を示している。なお、これはあくまで一例であり、図34に示す各種の情報のうち、その一部を送信しない構成とすることもできるし、図34に示す各種の情報以外の情報を送信する構成とすることもできる。
また、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングも任意であるし、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングも任意である。出玉管理装置により、少なくとも一単位(例えば、遊技店の1営業日)ごとに各遊技機の出玉性能を監視可能とする態様であれば、いずれのタイミングで送信されるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングと、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングとは異なるタイミングであってもよい。また、例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングは、情報の種類に応じて異なるタイミングであってもよい。
蓄積データ「総投入枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積投入枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によってベットされたものを除き、遊技者のベット操作によってベットされた遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によって付与されたものを除き、遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「MY」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位中に発生した最大差枚数(要するに、一単位中において最も遊技価値が増加した期間で得られた差枚数。これを「MY」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、このような最大差枚数を算出し、算出した情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、各種役物の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、各種役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、各種役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「連続役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、連続役物(RB。BB作動中のRBを含む)の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、連続役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、連続役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
また、メダル数制御基板は、役比モニタ装置54に表示可能な各種の情報を所定のタイミング(例えば、役比モニタ装置54での算出時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、メダル数制御基板からの送信時点)で出玉管理装置に送信する。なお、蓄積データ「役物比率」は、例えば、上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「連続役物比率」は、例えば、上述の連続役物割合情報に相当し、蓄積データ「有利区間比率」は、例えば、上述の特定区間割合情報に相当し、蓄積データ「指示込役物比率」は、例えば、AT状態中も集計・算出の対象とした上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「役物等状態比率」は、例えば、各種役物の作動中も集計・算出の対象とした上述の特定区間割合情報に相当するものである。
蓄積データ「遊技回数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積遊技回数である。例えば、メダル数制御基板は、遊技が行われた遊技数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「主制御チップID番号」は、各遊技機の主制御回路100の個体識別番号(「CPUID」ともいう。これを「チップID番号」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップメーカコード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップ製品コード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。
蓄積データ「メダル数制御チップID番号」は、各遊技機のメダル数制御回路の個体識別番号である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップメーカコード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップ製品コード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
このように、出玉管理装置は、遊技機から送信された各種の情報(出玉管理情報)を蓄積可能としている。また、出玉管理情報には、遊技機の個体を識別可能な複数の個体識別情報(例えば、上述の「主制御チップID番号」~「メダル数制御チップ製品コード」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの個体識別情報によって送信元の遊技機を特定することができるとともに、例えば、あるときから、「主制御チップID番号」と「メダル数制御チップID番号」との対応関係が異なるものとなった場合には、いずれかの制御基板が交換された可能性(すなわち、不正行為や不正改造が行われた可能性)を認識することができる。
また、出玉管理情報には、一単位あたりの出玉性能を識別可能な複数の出玉情報(例えば、上述の「総投入枚数」~「遊技回数」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの出玉情報によって送信元の遊技機の射幸性が適切な範囲のものとなっているかを認識することができる。例えば、あるときから、「総払出枚数」や「指示込役物比率」が著しく高い値となった場合には、不正行為や不正改造が行われた可能性、あるいはそもそもの仕様設計に何らかの不備があった可能性等を認識することができる。
そして、出玉管理装置によって上述のような可能性が認識された場合には、遊技店あるいは遊技機メーカ等にその結果が知らされ、適切な対処が行われることが期待できる。すなわち、複数の管理遊技機と、管理遊技機から送信された出玉管理情報を出玉管理装置に送信する遊技価値提供装置(通信専用ユニット)と、送信された出玉管理情報に基づいて各管理遊技機の出玉性能を管理する出玉管理装置とを含む管理システムが構築されることで、管理下にある全ての管理遊技機を適切に管理することを可能としている。
<変形例1>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板によって、遊技者の保有する遊技価値数が管理されるように構成することができる。したがって、このような管理状況、あるいはその他の情報を遊技店の管理者が把握できるように、メダル数制御基板には、メダル数モニタ装置(不図示)が設けられるようにしてもよい。
メダル数モニタ装置は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、メダル数制御基板ケースの内部に設けられる。メダル数モニタ装置は、メダル数制御CPU(あるいは、メインCPU101であってもよい)によって集計・算出された遊技価値数に関する各種の情報(例えば、上述の出玉管理情報の一部又は全部)を順次表示する。なお、メダル数モニタ装置によって役比モニタ装置54の表示内容が全て表示されるのであれば、役比モニタ装置54を設けないようにしてもよい。あるいは、役比モニタ装置54をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
また、メダル数モニタ装置は、メダル数制御基板上に実装されるようにしてもよいし、メダル数制御基板に接続された他の基板(例えば、接続端子板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、メダル数モニタ装置における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に各種の情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
なお、メダル数モニタ装置は、自身に関連する各種エラー状態が発生したとき、発生したエラー状態の種類を表示するものとしてもよい。例えば、主制御基板71との通信エラーが発生した場合、接続端子板との通信エラーが発生した場合、遊技価値提供装置との通信エラーが発生した場合、あるいはメダル数制御RWMに異常が発生した場合等の場合には、これに対応する数値を表示するものとしてもよい。なお、この場合、表示された数値がいずれのエラー状態に対応するものであるかを遊技店の管理者が容易に認識可能とするため、メダル数制御基板ケース又はその近傍に、その対応関係を示す説明部(シールの貼付や印字等)を設けるようにすればよい。
<変形例2>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板は接続端子板を介して外部に出玉管理情報を送信するように構成することができる。ここで、本実施形態では、外部に情報を送信するものとして他に外部集中端子板55が設けられている。したがって、接続端子板と外部集中端子板55とを、例えば、以下のように構成することができる。
例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを共通の端子板として構成する。これにより、部品点数を削減することができるのみならず、外部に向けた配線も削減することができるため、セキュリティ効果を高めることができる。
また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを1つのユニットとして構成する。また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを少なくともキャビネットG内において近傍に配置する。これにより、接続時の作業効率を高めることができる。また、配線の長さを一定のものとすることができ、また、配線箇所を限定することもできるため、セキュリティ効果を高めることができる。
<変形例3>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、出玉管理装置に対して出玉管理情報が送信されるように構成することができる。また、出玉管理装置では、送信された出玉管理情報によって各メダルレス遊技機の出玉性能を適切に管理することができる。したがって、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
また、出玉性能を適切に管理する機能をメダル数制御基板にもたせるようにし、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
例えば、メダル数制御基板が、出玉監視用RWM(上述のメダル数制御RWMであってもよいし、別のRWMであってもよい)を含んで構成されるようにする。出玉監視用RWMは、例えば、設定変更時には初期化されるが、有利区間終了時には初期化されないようにして出玉を監視する。そして、監視した出玉が一定の閾値を超えた場合には、例えば、有利区間自体は強制的に終了させないが、ナビ発生確率を低下させたり、AT状態が延長される確率を低下させたり、あるいはAT状態自体は終了させたりして出玉性能を低下させる制御を行い得るものとする。このようにしても、出玉性能を適切に管理することが可能となる。なお、この場合、このような制御結果を出玉管理情報として出玉管理装置に送信可能としてもよい。すなわち、メダル数制御基板と出玉管理装置との双方において、各メダルレス遊技機の出玉性能を管理し得る構成としてもよい。
(パチスロ機の主制御基板の構成例)
続いて、図35を参照して、パチスロ機1の主制御基板71の構成例について説明する。図35は、主制御基板71の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、主制御基板71のリユース(再利用)の構成例について説明する。
上述のとおり、パチスロ機1では、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、その1つとして、主制御基板71上には、製造業者名及び基板管理番号を印字することが必要となっている。製造業者名は、パチスロ機1を製造する遊技機メーカ名であり、管理番号は、主制御基板71の型式を特定するための番号である。
<構成例1>
図35に示す構成例1は、主制御基板71において、製造業者名及び基板管理番号を従来のように文字にて印字していることを示している。ここで、図35に示す構成例1では、まず、株式会社BBによって当該主制御基板71が搭載されたパチスロ機1(以下、「機種A」として説明する)が製造されたものとする。このとき、当初は、下段の製造業者名「株式会社BB」及び基板管理番号「BB-00-11-22」しか印字されていない。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種B」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社AAは、印字されていた下段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号(例えば、図35に示す構成例1の上段の製造業者名「株式会社AA」及び基板管理番号「AA-00-11-22」)を新たに印字しなければならない。
そして、その後、機種Bが遊技店から撤去され、仮に、例えば、株式会社BBが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種C」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社BBは、印字されていた上段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号を新たに印字しなければならないわけであるが、図35に示す構成例1ではもう空きスペースがないため、ハードウェア的にはまだ十分にリユースが可能であるにもかかわらず、上述のような制約のために当該主制御基板71をリユースできない場合があるという問題があった。
なお、これは、当初から複数の製造業者名及び基板管理番号を印字していた場合であっても同様である。例えば、株式会社AAと株式会社BBの双方に係る製造番号及び基板管理番号が予め印字されていたとしても、機種Aを製造する時点で株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号はレーザー刻印で削除されてしまうからである。よって、株式会社BBではリユースできる可能性はあるものの、株式会社AAではリユースできなくなってしまう。これに対し、以下の構成例2及び構成例3では上述のような問題を解消することが期待できる。すなわち、主制御基板71のような遊技の制御に用いる基板について、そのリユース性を高めることができる。
<構成例2>
図35に示す構成例2は、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号の一例として、二次元コードであるQRコード(登録商標)を用いているが、JANコード(バーコード)や他のコードを用いることができる。すなわち、符号(コード)は、確認者が何らかの手段(例えば、携帯端末等)によって一義的に製造業者名及び基板管理番号を特定可能な情報を含むものであれば、どのようなものであってもよい。
図35に示す構成例2では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号が印刷される。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号が印刷され、右から1番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号が印刷され、右から2番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から3番目の符号をレーザー刻印で削除し、右から4番目の符号を印刷し、右から4番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれるようにすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
すなわち、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することで、主制御基板71の表面において、製造業者名及び基板管理番号の1個あたりの印字(印刷)スペースを節約することができるので、図35に示す構成例1と比べて、そのリユース性を高めることが可能となっている。
<構成例3>
図35に示す構成例3は、上述の構成例2と同様に、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例3では、当初から複数(例えば、4個)の符号が印刷されている。例えば、株式会社AA分及び株式会社BB分がそれぞれ2個ずつ印刷されているものとする。また、主制御基板71の表面(あるいは、これに対応する主制御基板ケース上であってもよい)において、各符号に対応する箇所を、例えば、帯状部材等によってかしめることにより、符号を読み取り不可能な状態に固定することを可能としている。また、例えば、帯状部材等を切断することにより、固定を解除して符号を読み取り可能な状態とすることを可能としている。
図35に示す構成例3では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から2番目~4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、3番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、2番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から4番目の符号のみを読み取り可能な状態とし、右から1番目~3番目の符号を読み取り不可能な状態とすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
また、図35に示す構成例3では、少なくとも1つの符号を読み取り可能な状態とし、それ以外の符号読み取り不可能な状態とすればよいのであるから、さらなるリユースも可能であり、また、より多くの遊技機メーカでリユースすることも可能である。なお、図35に示す構成例3においても、かしめ穴だけを設けておき、リユースの度にかしめ穴に対応する箇所に符号を印刷していくように構成することもできる。
(停止操作態様の報知)
本実施形態のパチスロ機1では、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する際に、停止操作の順序(押し順)を報知することとしているが、パチスロ機1において報知する停止操作の態様は、停止操作の順序(押し順)に限られるものではない。すなわち、パチスロ機1では、停止操作の態様に応じて表示される図柄の組合せが異なる複数の報知対象役を有し、報知手段として機能する主制御回路100(指示モニタ)、及び副制御回路200(メイン演出表示部21)は、報知対象役が内部当籤役として決定された場合に、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知すればよい。なお、停止操作の態様には、停止操作の順序(押し順)の他、停止操作のタイミング(狙うべき図柄)も含まれ、また、停止操作の順序(押し順)と停止操作のタイミング(狙うべき図柄)との組合せも含まれる。
また、報知する停止操作の態様は、必ずしも遊技者にとって有利ものである必要はなく、遊技者にとって不利な停止操作の態様を報知することとしてもよい。すなわち、主制御回路100等は、所定の停止操作の態様を報知可能であればよい。
(停止操作態様とATに関する抽籤との関係)
また、主制御回路100は、有利区間においてATに関する抽籤を行う場合、遊技者の停止操作の態様に応じて当該抽籤を異ならせることとしてもよい。この点、図36(A)を参照して、本実施形態のパチスロ機1における停止操作の態様とATに関する抽籤との関係について説明する。なお、図36では、停止操作の態様として停止操作の順序(押し順)を用いることとしているが、停止操作の態様は、停止操作の順序(押し順)に限るものではなく、停止操作のタイミング(狙うべき図柄)、及び、停止操作の順序(押し順)と停止操作のタイミング(狙うべき図柄)との組み合わせを含む。また、ATに関する抽籤は、例えば、有利区間の演出区間(有利区間・通常遊技)において行う有利区間の演出区間から有利区間の増加区間(有利区間・疑似ボーナスや有利区間・AT)への移行に関する抽籤であってもよく、また、有利区間中にチャンスゾーンを設ける場合、有利区間・通常遊技において行う有利区間・通常遊技から有利区間中のチャンスゾーンへの移行に関する抽籤であってもよく、また、チャンスゾーンや増加区間への移行期待度が異なる複数の内部情報(モード)に関する抽籤であってもよく、また、有利区間の増加区間において行う増加区間の継続期間を延長する上乗せ抽籤であってもよい。
初めに、同図(a)を参照して、仕様例1について説明する。なお以下では、停止操作の態様に応じて表示される図柄の組合せが異なる役として、押し順3択の押し順ベル(「F_押し順ベル1」「F_押し順ベル2」「F_押し順ベル3」)を用いて停止操作の態様とATに関する抽籤との関係について説明する。なお、停止操作の態様に応じて表示される図柄の組合せが異なる役は、3択の役に限られるものではない。
仕様例1では、「F_押し順ベル1」は、第1停止操作が左リール3Lに対して行われると、1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、第1停止操作が中リール3C又は右リール3Rに対して行われると、8枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される。なお、同図では、メダルの払出枚数が不利な場合を1枚としているが、0枚を含むものであってもよい。すなわち、図31等に示すように、押下位置に応じて1枚又は0枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されることとしてもよい。
そのため、「F_押し順ベル1」は、メダルの払い出しの観点からは、第1停止操作が左リール3Lに対して行われると不利になり、第1停止操作が中リール3C又は右リール3Rに対して行われると有利になる。同様に、「F_押し順ベル2」は、メダルの払い出しの観点からは、第1停止操作が中リール3Cに対して行われると不利になり、第1停止操作が左リール3L又は右リール3Rに対して行われると有利になり、「F_押し順ベル3」は、メダルの払い出しの観点からは、第1停止操作が右リール3Rに対して行われると不利になり、第1停止操作が左リール3L又は中リール3Cに対して行われると有利になる。
ATに関する抽籤は、メダルの払い出しの有利/不利とは逆の関係になっており、メダルの払い出しが有利な停止操作の順序は、ATに関する抽籤が不利になり、メダルの払い出しが不利な停止操作の順序は、ATに関する抽籤が有利になっている。なお、ATに関する抽籤が不利とは、当該抽籤に当籤する確率が低いことであってもよく、また、当該抽籤を行う頻度が低いことであってもよく、また、当該抽籤を一切行わないことであってもよい。
なお、主制御回路100は、停止操作の態様を参照して、ATに関する抽籤を行うこととしてもよく、また、停止表示された図柄の組合せを参照して、ATに関する抽籤を行うこととしてもよい。すなわち、主制御回路100は、例えば、「F_押し順ベル1」が内部当籤役として決定された遊技において第1停止操作が左リール3Lに対して行われると、ATに関する抽籤として有利な抽籤を実行し、第1停止操作が中リール3C又は右リール3Rに対して行われると、ATに関する抽籤として不利な抽籤を実行することとしてもよい。また、主制御回路100は、例えば、「F_押し順ベル1」が内部当籤役として決定された遊技において1枚(又は0枚)のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されると、ATに関する抽籤として有利な抽籤を実行し、8枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されると、ATに関する抽籤として不利な抽籤を実行することとしてもよい。
また、停止操作の態様を参照してATに関する抽籤を行う場合、主制御回路100は、全ての停止操作が終了したタイミングでATに関する抽籤を行うこととしてもよく、また、停止操作の態様を判別可能なタイミングでATに関する抽籤を行うこととしてもよい。すなわち、同図に示す第1停止操作の順序を用いる場合、第2停止操作及び第3停止操作を待つことなく停止操作の態様を判別することができる。そこで、主制御回路100は、第3停止操作が終了した後(全ての停止操作が終了したタイミング)にATに関する抽籤を行うこととしてもよく、また、第1停止操作が終了した後(停止操作の態様を判別可能なタイミング)にATに関する抽籤を行うこととしてもよい。
また、停止表示された図柄の組合せを参照してATに関する抽籤を行う場合、主制御回路100は、1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される場合と、0枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される場合とで、ATに関する抽籤を異ならせることとしてもよく、また、同一としてもよい。異ならせる場合には、1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるときよりも、0枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるときの方が、有利な抽籤を行うこととしてもよく、また、不利な抽籤を行うこととしてもよい。
また、報知手段として機能する主制御回路100(指示モニタ)、及び副制御回路200(メイン演出表示部21)は、有利区間において、メダルの払い出しにおいては不利であるものの、ATに関する抽籤においては有利な停止操作の態様を報知することとしてもよい。すなわち、主制御回路100等は、例えば、「F_押し順ベル2」が内部当籤役として決定された遊技において、中リール3Cに対して第1停止操作を行うことを促す報知を行うこととしてもよい。なお、遊技者は、通常、左リール3Lから順に停止操作を行うことになるため、主制御回路100等は、第1停止操作が左リール3Lに対して行われた場合にATに関する抽籤が有利になる役については、ATに関する抽籤が有利な停止操作の態様を報知せずに(言い換えると、何らの停止操作の態様も報知せずに)、第1停止操作が中リール3C又は右リール3Rに対して行われた場合にATに関する抽籤が有利になる役について、ATに関する抽籤が有利な停止操作の態様を報知することとしてもよい。もちろん、主制御回路100等は、第1停止操作が左リール3Lに対して行われた場合にATに関する抽籤が有利になる役についても、ATに関する抽籤が有利な停止操作の態様を報知することとしてもよい。
続いて、同図(b)を参照して、仕様例2について説明する。仕様例1では、複数の停止操作の態様のうちの1つの停止操作の態様を、メダルの払い出しが不利、かつ、ATに関する抽籤が有利な停止操作の態様とし、それ以外の停止操作の態様を、メダルの払い出しが有利、かつ、ATに関する抽籤が不利な停止操作の態様としているが、これに限られるものではなく、仕様例2のように、複数の停止操作の態様のうちの1つの停止操作の態様を、メダルの払い出しが有利、かつ、ATに関する抽籤が不利な停止操作の態様とし、それ以外の停止操作の態様を、メダルの払い出しが不利、かつ、ATに関する抽籤が有利な停止操作の態様としてもよい。もちろん、メダルの払い出しが有利、かつ、ATに関する抽籤が不利な停止操作の態様、及び、メダルの払い出しが不利、かつ、ATに関する抽籤が有利な停止操作の態様の双方を複数設けるものであってもよい。
続いて、同図(c)を参照して、仕様例3について説明する。仕様例1では、メダルの払い出し、及び、ATに関する抽籤を有利/不利の2段階にしているが、これに限られるものではなく、3段階以上の複数段階にしてもよい。なお、同図に示す仕様例3は、メダルの払い出し、及び、ATに関する抽籤を高/中/低の3段階にしたものを例示している。すなわち、例えば、「F_押し順ベル1」が内部当籤役として決定された遊技では、第1停止操作が左リール3Lに対して行われると、メダルの払い出しは最も多い8枚となるものの、ATに関する抽籤は最も不利な抽籤となり、第1停止操作が中リール3Cに対して行われると、メダルの払い出しは次に多い3枚となるものの、ATに関する抽籤は次に不利な抽籤となり、第1停止操作が右リール3Rに対して行われると、メダルの払い出しは最も少ない1枚となるものの、ATに関する抽籤は最も有利な抽籤となる。
続いて、同図(d)を参照して、仕様例4について説明する。仕様例4は、停止操作の態様に応じて表示される図柄の組合せが異なる複数の役について、内部当籤役として決定される確率(当籤確率)に偏りを持たせるものである。仕様例4では同図に示すように、「F_押し順ベル1」の当籤確率を約1/100とし、「F_押し順ベル2」及び「F_押し順ベル3」の当籤確率を約1/10としている。なお、同図に示す例では、複数の役のうちの1つの役のみ当籤確率を他の役と異ならせることとしているが、2以上の複数の役の当籤確率を他の役と異ならせることとしてもよい。また、同図に示す例では、異ならせる当籤確率を2種類のみとしているが、これに限られるものではなく、3種類(役の種類が3種類以上ある場合には3種類以上)としてもよく、また、複数の役のうちの全ての役において当籤確率を異ならせることとしてもよい。
なお、同図では、第1停止操作が左リール3Lに対して行われた場合にATに関する抽籤が有利(すなわち、メダルの払い出しが不利)になる役の当籤確率を高くし、第1停止操作が左リール3Lに対して行われた場合にATに関する抽籤が不利(すなわち、メダルの払い出しが有利)になる役の当籤確率を低くしている。遊技者は、通常、左リール3Lから順に停止操作を行うことになるため、同図のように設計することで、停止操作の態様を報知しなくても、遊技者が普通に遊技を行うだけで、有利なATに関する抽籤を受けることができる。もちろん、このような設計においても、主制御回路100等は、有利区間において、メダルの払い出しにおいては不利であるものの、ATに関する抽籤においては有利な停止操作の態様を報知することとしてもよい。
なお、メダルの払い出しの有利/不利と、ATに関する抽籤の有利/不利とを逆の関係にした場合、「当該遊技の払出枚数」と「AT抽籤による払出枚数の期待値」との合算期待値は、任意に設計することができる。例えば、当該遊技の払出枚数が多く、かつ、AT抽籤に当籤する確率が低い場合の払出枚数の合算期待値と、当該遊技の払出枚数が少なく、かつ、AT抽籤に当籤する確率が高い場合の払出枚数の合算期待値と、では、前者の方が高くなるように設計することとしてもよく、また、後者の方が高くなるように設計することとしてもよく、また、両者が同一となるように設計することとしてもよい。
さて、ここまで説明した図36(a)~(d)の例では、第一停止に左中右のどのリールを止めるかの3択に正解するか否かで払出枚数が異なる押し順役として「F_押し順ベル1」「F_押し順ベル2」「F_押し順ベル3」の3種類を備えるものとして説明した。なお、同図(a)~(d)に関する以下の説明では、メダルの払出枚数の少なくなる押し順を正解の押し順として説明する。例えば、同図(d)では「F_押し順ベル1」は、第1停止操作が左リール3Lに対するものである場合を正解の押し順、「F_押し順ベル2」は、第1停止操作が中リール3Cに対するものである場合を正解の押し順、「F_押し順ベル3」は、第1停止操作が右リール3Rに対するものである場合を正解の押し順としている。
前述の通り遊技者は、通常、左リール3Lから停止させることが多いため、同図(d)のように「F_押し順ベル1」の当籤確率を他の押し順役よりも高くすることで左第一停止操作時はAT抽籤が優遇され、普通に打つだけでAT抽籤の性能が十分に発揮されるものとなる。そのため、複数の押し順役のうち「F_押し順ベル2」を備えない、または、「F_押し順ベル3」を備えない、または、「F_押し順ベル2」及び「F_押し順ベル3」の双方を備えないこととしてもよい。例えば、「F_押し順ベル2」及び「F_押し順ベル3」の双方を備えないようにした場合は、AT抽籤において有利な停止操作態様が左第一停止の押し順となり、遊技者は一般的な打ち方をするだけで正解の押し順となる。このようにAT抽籤が優遇される停止操作態様を1パターンに限定して、遊技者に分かりやすい仕様としてもよい。また、同図(a)~(d)の仕様例1~4についても左正解の押し順役のみを備えるものとしてもよく、あるいは、所定の停止操作態様が正解となる押し順役(例えば、中正解の押し順役)を備えず、正解となり得る停止操作態様が全通りの押し順(又は押下位置、または押し順及び押下位置の組合せ)のうちの一部(例えば、左第一停止と右第一停止の2通り)に限定されるものとしてもよい。
なお、メダルの払い出しを不利にする代わりにATに関する抽籤の有利にする制御は、以下のような仕様におけるATに関する抽籤においても用いることができる。
仕様例1:直接的にAT移行を許容する権利(以下、「ATストック」と称する場合がある)を付与する抽籤
仕様例1では、ATに関する抽籤においてATストックを付与するか否かを決定する。当該抽籤でATストックが付与される旨が決定された場合は、当該ゲームにおいて即座にATに当籤した旨を報知してもよいし、所定期間(例えば、ATストック付与が決定されたゲームの次ゲームから1~32G程度)の前兆期間においてAT当籤を示唆する演出を行った後にATに当籤した旨を報知するものとしてもよい。
仕様例1の場合、払出枚数が多い停止操作態様で停止操作が行われると、(1)ATに関する抽籤を行わない、(2)ATに関する抽籤に当籤する確率を低下させる、(3)ATに関する抽籤自体は、払出枚数が少ない停止操作態様で停止操作が行われた場合と同じ確率で行うが、ATに関する抽籤に当籤した場合の恩恵を小さくする(ATの初期ゲーム数、セット数や継続率などATでの獲得期待値に関する値を低下させる)、(4)AT当籤確率の低下とAT当籤時の獲得期待値低下との両方((2)及び(3)の両方)のペナルティを課す、などしてもよい。なお、(1)~(4)はあくまで例示であり、払出枚数が多い停止操作態様で停止操作が行われた場合のATに関する有利度合いが、払出枚数が少ない枚数に対応する停止操作態様で停止操作が行われた場合のATに関する有利度合いよりも低下していれば、どのようなペナルティ(抽籤なしを含む)としてもよい。
仕様例2:事後的にAT等の付与判定に用いられるポイントを付与
仕様例2では、通常遊技(非ATあるいはメダルが減少するAT期間)において所定の期間(例えば、100ゲーム)を1周期として、当該周期の開始から終了までに貯めたポイントに応じてAT等(ATや、CZなどATに当籤しやすい状態など)に関する抽籤を行う。この場合に、押し順役の当籤ゲームにおいて、メダルの払い出しにおいて不利な停止操作態様で停止操作が行われた場合は、ポイント付与抽籤あるいはポイントの付与を行い、メダルの払い出しにおいて有利な停止操作態様で停止操作が行われた場合は、当該ポイント付与抽籤あるいはポイントの付与を行わない又は相対的にポイントの付与に関して不利な態様でのポイント付与抽籤が行われるものとしてもよい。例えば、メダルの払い出しにおいて不利な停止操作が行われた場合は、1P・5P・10Pのいずれかが付与される抽籤を行い、メダルの払い出しにおいて有利な停止操作が行われた場合は、ポイントが付与されないものとすることができる。なお、必ずしもポイント付与に抽籤を介在させずに固定値で3P付与などと一義的に処理してもよい。
なお、このような仕様、かつ、付与されたポイントが遊技者に報知される場合、1周期内でポイントが上限値(例えば、100ポイント)に到達した後は、敢えてメダルの払い出しが有利な停止操作を行ってポイントよりも当該遊技でのメダルを多く獲得した方が有利となる。状況に応じて打ち方を変化させるのはゲーム性が煩雑となるため、ポイントが所定値(上限値、あるいは、ATやCZ等の所定の特典が確定する値など)に到達した場合は、そこでポイント蓄積期間たる当該周期を終了させてATやCZなどに移行させるものとしてもよい。または、ポイントが所定値に到達した場合は、それ以降の当該周期においては、ポイント付与抽籤に変えて、AT等の内容の有利度合いを拡張するための抽籤(AT・CZの初期ゲーム数の増加抽籤、ATストック数の増加抽籤、CZをよりATに当籤しやすい上位CZに変更するための抽籤、AT等の開始時に特化ゾーンへ移行するための権利を付与するための抽籤など)を行うものとして、当該周期中はメダルの払い出しが不利な停止操作を一貫して続けた方が、ATに関する興趣が高まる仕様としてもよい。
仕様例3:AT付与判定を受けるためのポイントを付与する抽籤
仕様例3では、所定の初期値(例えば、100ポイント)を周期開始時に設定し、遊技の進行に応じてポイントの減算処理が行われ、当該ポイントが0となったときにAT等の抽籤(CZ移行抽籤なども含む)が行われるといった仕様である。このような仕様において、押し順役が内部当籤役として決定された遊技でメダルの払い出しが不利な停止操作が行われた場合には、ポイント減算処理(例えば、5ポイント、10ポイント、100ポイントのいずれかを抽籤で減算する、又は固定値を減算)を行い、メダルの払い出しが有利な停止操作が行われた場合には、当該ポイント減算値の決定抽籤を行わない(又は当該抽籤が不利になる)ものとしてもよい。
なお、押し順役が内部当籤役として決定された遊技以外では、毎遊技所定値ずつポイント(例えば、1ポイント)を減算したり、いわゆるレア役(当籤確率が比較的低い役)が内部当籤役として決定された遊技では所定値よりも多い特定値(特定値は固定値でも抽籤で決めても良い)を減算することとしてもよい。このような仕様とした場合は、メダルの払い出しが不利な停止操作態様で遊技者が遊技を進行することで、ポイント減算の速度が速くなりAT等抽籤を受ける頻度が高まり、ATに関する遊技の興趣を高めることができるとともに、遊技者に低ベースの打ち方を推奨させることができるため、メダルの消費が速くなり店側の収益性も高めることができる。なお、ポイントは初期値から減算して0ポイントをゴールとする減算タイプを前提で説明したが、初期値を0ポイント又は任意の値(10ポイント、50ポイントなど抽籤で決めてもよい)として、ゲームの進行に応じてポイントの加算処理を行い100ポイントに到達したらAT等抽籤という加算タイプとしてもよい。
仕様例4:AT付与判定の有利度合いを高めるためのポイントを付与する抽籤
仕様例4では、有利区間の開始時にゲーム数テーブルによる抽籤などを用いて規定ゲーム数(天井ゲーム数ともいう)を設定し、当該規定ゲーム数を消化したときに、AT又はCZ等へ移行させる。規定ゲーム数消化後は、基本的にほぼCZへ移行し、まれにATに直接移行する。なお、CZは規定確率でCZ成功となりATに移行する(例えば、50%の確率でCZ成功となりATに当籤し、残りの50%はCZ失敗となり非有利区間へ移行する)。一例として、仕様例4では、CZ成功となる確率を上昇させるためのポイントを、停止操作態様に応じて制御する。
具体的には、規定ゲーム数消化までの非ATの有利区間(通常有利)において押し順役が内部当籤役として決定された場合に、メダルの払い出しが不利な停止操作態様であれば、CZの有利度合いを高めるためのポイント付与に関する抽籤を行うものとし、メダルの払い出し有利な停止操作態様でれば、当該抽籤を行わないか、あるいはポイントが付与され難い抽籤として行うか、当たったとしても付与されるポイントが相対的に少ない抽籤とするものとしてもよい。例えば、メダルの払い出し不利な停止操作態様であれば、CZ成功率の値を加算するためのポイントを付与する抽籤を行ってもよい。なお、ポイントの扱いについては、1ポイントにつきCZ成功率+1%としてもよいし、あるいは所定数のポイントの蓄積でCZ成功率を所定値加算(10ポイント貯めるごとにCZクリア率+1%等)とするようなものでもよい。また、CZが継続抽籤に3回連続して当籤することで成功となる仕様であれば、当該継続抽籤に1回当籤する権利などを、メダルの払い出しが不利な停止操作態様とした場合の抽籤において付与し得るものとしてもよい。また、ポイントを100ポイント貯めた場合にCZの有利度合いを高めるアイテム(成功率加算アイテムや継続抽籤に1回当籤アイテム等)の獲得抽籤を行うようなものとしてもよい。遊技者は払出枚数の少ない打ち方を続けることで、規定ゲーム数消化後にATに移行する確率を高めることができる。なお、ポイントの用途はあくまで一例であり、CZの成功しやすさやATへの移行しやすさを有利にする用意であれば他の態様としてもよい。
仕様例5:押し順役に当籤した遊技における高確・低確状態
ここまでに説明した押し順役に当籤した遊技においてメダルの払い出しが不利な停止操作態様を行った場合に行われるATに関する抽籤については、設定値(設定1~6)や有利区間開始時に設定されたモード等により予め定められた一定の確率で行っても良いが、抽籤内容を状態により変化させるものとしてもよい。
例えば、第1状態(低確状態)と第2状態(高確状態)を行き来可能な状態として備えるものとする。第1状態は第2状態よりも、ATに関する抽籤が不利な状態(AT当籤確率が低い、ポイントが付与されにくい、ポイントが付与されたとしても付与期待値が低いなど)であり、第2状態は第1状態と比べてATに関する抽籤が有利な状態(AT当籤確率が高い、ポイントが付与されやすい、ポイントが付与された場合の付与期待値が高いなど)とすることができる。なお、状態は2つに限られず、任意の数の状態を設けるものとしてもよい。
また、状態により変化するのはメダルの払い出しが不利な停止操作態様の停止操作を行った場合の抽籤に限られず、メダルの払い出しが有利な停止操作態様の停止操作を行った場合に抽籤が行われる仕様の場合は、当該抽籤の内容も状態に応じて適宜変化させるものとしてもよい。また、これらの状態に関しては演出実行手段(画面、ランプ、スピーカー等)により、所定の状態に滞在していることを示唆又は報知するものとしてよいし、状態移行の発生を示唆又は報知するものとしてもよい。また、これらの状態は、所定の内部当籤役(例えば、レア役や押し順役の当籤)などに基づいて移行可能としてもよいし、所定ゲーム数の消化に基づいて状態移行を行うようにしてもよい。また、押し順役に当籤した遊技においてメダルの払い出しにおいて不利な停止操作を行った場合に、有利な状態移行(低確状態から高確状態への移行など)の発生が許容されるものとしてもよい。また、有利区間開始直後(AT当籤まで遠い状態であることが多い)においては、ポイント等が相対的に貯まりやすい状態(前述の高確状態や、さらに有利な超高確状態など)やAT直撃抽籤が優遇される状態としてもよい。
(AT当籤後の本前兆中の制御)
ところで、AT機の場合は、AT当籤後、即座にAT当籤を報知する仕様ではなく、所定期間(例えば、最大32ゲームなど)の前兆ゲームを経由して、その間でAT当籤の期待度を示唆する演出を行って、最終的にAT当籤を報知する(ガセ前兆の場合は最終的にAT非当籤が報知される)という仕様の場合がある。このような前兆期間中の演出において、本前兆(AT当籤状態)が確定する演出が出る場合、及び、本前兆が確定する状況(例えば、天井ゲーム数が1000Gである場合に、968Gより後の状態など)では、払出枚数が不利な停止操作を行ってAT抽籤を受けるよりも、払出枚数が有利な停止操作を行って当該遊技でのメダルを多く獲得した方が有利となる。しかしながら、状況に応じて打ち方を変化させた方が得な仕様とするとゲーム性が煩雑となり、遊技者を混乱させるおそれがある。
そこで、本前兆の期間中は、払出枚数が不利な停止操作を行った場合に行われる抽籤をAT付与に関する抽籤ではなく、AT等の内容の有利度合いを拡張するための抽籤(AT・CZの初期ゲーム数の増加抽籤、ATストック数の増加抽籤、CZをよりATに当籤しやすい上位CZに変更するための抽籤、AT等の開始時に特化ゾーンへ移行するための権利を付与するための抽籤など)を行うこととしてもよい。これにより、いわゆる通常遊技においては、払出枚数が不利な打ち方を一貫して続けた方が、ATに関する興趣が高まる仕様とすることができる。
(押し順役に当籤した遊技における演出)
なお、遊技者の停止操作によりATに関する抽籤の有利度合いが異なる押し順役が内部当籤役として決定された遊技においては、遊技者の行った停止操作の態様が払出枚数において不利な停止操作の態様であることが確定した時点で、その旨を報知又は示唆する演出を行っても良い。例えば、3リール機で第1停止リールの3択で払出枚数の有利不利が異なるような場合(図36参照)では、第1停止操作の検出時又は当該検出に応じた第1リール(3つのリールのうち最初に停止するリールのこと)の停止時に、払出枚数が不利な停止操作がされた旨、つまりAT抽籤において当該遊技で有利な抽籤を受けられた(あるいはこれから受けられる)ということの報知又は示唆演出を行うものとして、停止操作時の遊技の興趣を高めるものとしてもよい。なお、6択である場合には第二停止時でもいいし、択数に関係なく全停止時に報知又は示唆演出を行うものとしてもよい。また、これらの演出は押下位置情報や停止した図柄を示すコマンドを主制御回路100から副制御回路200へ送ることで副制御回路200の制御により実行することとしてもよく、停止操作順を示すコマンドを主制御回路100から副制御回路200へ送ることで副制御回路200の制御により実行することとしてもよい。
(状態に応じた停止制御の変更)
また、主制御回路100は、状態に応じて停止制御を異ならせることとしてもよい。そこで、図36(B)を参照して、本実施形態のパチスロ機1における状態に応じた停止制御の変更について説明する。なお、停止制御を変更する状態は任意であり、例えば、RT状態のような有利区間とは関係のない状態であってもよく、また、有利区間中の状態(演出区間、増加区間)であってもよい。
初めに、同図(a)を参照して、比較例について説明する。比較例に示すように、従来の制御では、停止操作の態様に応じて表示される図柄の組合せが異なる複数の役を設け、有利区間中は停止制御を異ならせずに、停止操作の態様の報知の有無を制御することで、メダルの払い出しが多い図柄の組合せの表示頻度を異ならせている。すなわち、同図に示す比較例では、報知が行われない場合には、3択の第1停止操作に正解した場合にメダルの払い出しが多い図柄の組合せが表示され(1/3)、報知が行われる場合には、報知に従うことで必ずメダルの払い出しが多い図柄の組合せが表示される(3/3)。
これに対して、同図(b)に示す仕様例では、有利区間の増加区間(有利区間・疑似ボーナスや有利区間・ATなど)において停止制御を異ならせることで、メダルの払い出しが多い図柄の組合せの表示頻度を異ならせる。すなわち、同図に示すように、非有利区間及び有利区間の増加区間以外(有利区間・通常遊技など)では、「F_3択ベル1」「F_3択ベル2」「F_3択ベル3」のうちの1つの役においてメダルの払い出しが多い図柄の組合せが表示される(1/3)。一方で、有利区間の増加区間では停止制御が異なり、停止操作の態様に関わらず「F_3択ベル1」「F_3択ベル2」「F_3択ベル3」のうちの全ての役においてメダルの払い出しが多い図柄の組合せが表示される(3/3)。
比較例の場合、増加区間中に報知に従って遊技を行わなければならないものの、仕様例のように増加区間中に停止制御を異ならせることで、メダルの払い出しが多い図柄の組合せを表示させるための報知が必要なくなる。このように仕様例のように制御した場合であっても、増加区間中にメダルの払い出しが多い図柄の組合せの表示される頻度(3/3)と、増加区間中以外の状態においてメダルの払い出しが多い図柄の組合せの表示される頻度(1/3)とは、比較例の制御と変わらず、遊技者の利益が過大になってしまうことはない。
なお、仕様例のように制御する場合、非有利区間及び有利区間の増加区間以外では、「F_3択ベル1」「F_3択ベル2」「F_3択ベル3」は、停止操作の態様に応じて表示される図柄の組合せが異なるものであってもよく、また、停止操作の態様に関わらず表示される図柄の組合せが同一であってもよい。例えば、「F_3択ベル1」を、停止操作の態様に関わらずメダルの払い出しが多い図柄の組合せが表示される役とし、「F_3択ベル2」「F_3択ベル3」を、停止操作の態様に関わらずメダルの払い出しが少ない図柄の組合せが表示される役としても、増加区間中以外の状態においてメダルの払い出しが多い図柄の組合せの表示される頻度は、1/3になる。そのため、比較例のように停止操作の態様に応じて表示される図柄の組合せが異なる役とする必要はない。
なお、同図では、メダルの払い出しが多い図柄の組合せの表示される頻度を1/3にするために、非有利区間及び有利区間の増加区間以外においてメダルの払い出しが多い図柄の組合せが表示される役を1つ、非有利区間及び有利区間の増加区間以外においてメダルの払い出しが多い図柄の組合せが表示される役を2つ設けることとしている。この点、役の数ではなく、役の当籤確率によりメダルの払い出しが多い図柄の組合せの表示される頻度を異ならせることとしてもよい。例えば、非有利区間及び有利区間の増加区間以外においてメダルの払い出しが多い図柄の組合せが表示され、かつ、有利区間の増加区間においてもメダルの払い出しが多い図柄の組合せが表示される第1役と、非有利区間及び有利区間の増加区間以外においてメダルの払い出しが少ない図柄の組合せが表示され、かつ、有利区間の増加区間においてメダルの払い出しが多い図柄の組合せが表示される第2役とを有する。そして、第1役が内部当籤役として決定される確率を第1確率(例えば、10%)とし、第2役が内部当籤役として決定される確率を第2確率(例えば、20%)とすることで、増加区間中以外の状態においてメダルの払い出しが多い図柄の組合せの表示される頻度を1/3にすることができる。すなわち、メダルの払い出しが多い図柄の組合せの表示される頻度は、内部当籤役として決定される確率が同一の役を、1対Nの関係を満たす数だけ設けることで実現することができ、また、それぞれ同じ数の役を、内部当籤役として決定される確率が1対Nの関係を満たすように内部当籤役として決定することでも実現することができる。
また、本制御は、状態に応じて停止制御を異ならせることで、メダルの払い出しが多い図柄の組合せの表示頻度を異ならせるものであればよい。そのため、非有利区間及び有利区間の増加区間以外(有利区間・通常遊技など)においてメダルの払い出しが多い図柄の組合せが表示される役は設けずに、有利区間の増加区間においてメダルの払い出しが多い図柄の組合せが表示される役のみを設けることとしてもよい。例えば、同図に示す「F_3択ベル2」「F_3択ベル3」を設け、「F_3択ベル1」を設けないこととしてもよい。もちろん、このように設計する場合には、「F_3択ベル2」「F_3択ベル3」の双方を設ける必要は必ずしもなく、少なくとも何れか一方を設けていればよい。
また、非有利区間及び有利区間の増加区間以外と、増加区間とで停止制御を異ならせることとして本制御について説明したが、異ならせる状態はこれに限られるものではない。すなわち、有利区間の増加区間以外の状態として、第1の状態と第2の状態とを有し、これら第1の状態と第2の状態とで停止制御を異ならせることとしてもよい。同様に、有利区間の増加区間の状態として、第1の状態と第2の状態とを有し、これら第1の状態と第2の状態とで停止制御を異ならせることとしてもよい。
例えば、一般中(ボーナス非持越し状態)、内部中(ボーナス持越し状態)、ボーナス作動中の3つの状態を持つAT機において、状態ごとにリール停止操作を異ならせることが可能である。このとき、遊技者の停止操作によりATに関する抽籤の有利度合いが異なる押し順役について、一般中における払出枚数が不利な停止操作の態様と、内部中における払出枚数が不利な停止操作の態様とを同じものとしてもよい。例えば、一般中及び内部中は、第1停止操作が左リール3Lに対して行われた場合に、メダルの払い出しが少ない図柄の組合せが表示されるものの、ATに関する抽籤が優遇される一方で、第1停止操作が中リール3C又は右リール3Rに対して行われた場合に、メダルの払い出しが多い図柄の組合せがされるものの、ATに関する抽籤が冷遇される。また、ボーナス作動中は、押し順制御がなくなり、停止操作の態様に関わらずメダルの払い出しが多い図柄の組合せが表示される(なお、ボーナス作動中は、当該役に当籤した場合にATに関する抽籤を行わないこととしてもよく、また、行うこととしてもよい)。
また、一部の状態は、停止操作の態様によりメダルの払出枚数が異なるものの、他の状態は、停止操作の態様によりメダルの払出枚数が変化しないものとしてもよい。例えば、一般中は、押し順制御がなくなり、停止操作の態様に関わらずメダルの払い出しが多い図柄の組合せが表示される(なお、ATに関する抽籤は、一般中に行わないこととしてもよく、また、停止操作の態様に影響されない抽籤を行うこととしてもよい)。また、内部中は、第1停止操作が左リール3Lに対して行われた場合に、メダルの払い出しが少ない図柄の組合せが表示されるものの、ATに関する抽籤が優遇される一方で、第1停止操作が中リール3C又は右リール3Rに対して行われた場合に、メダルの払い出しが多い図柄の組合せがされるものの、ATに関する抽籤が冷遇される。また、ボーナス作動中は、押し順制御がなくなり、停止操作の態様に関わらずメダルの払い出しが多い図柄の組合せが表示される(なお、ボーナス作動中は、当該役に当籤した場合にATに関する抽籤を行わないこととしてもよく、また、行うこととしてもよい)。
なお、一般中における払出枚数が不利な停止操作の態様と、内部中における払出枚数が不利な停止操作の態様を異なるものとしてもよい。例えば、一般中は左第一停止が払出枚数が不利、内部中は中第1停止が払出枚数が不利などとした場合は、遊技性が複雑となるというデメリットがあるものの、このような仕様としてもよい。
また、メダルの払い出しに係る小役についてのみ説明したが、再遊技の作動に係るリプレイ役やボーナス状態の作動に係るボーナス役について本制御を適用することとしてもよい。例えば、リプレイ役に対応する図柄の組合せとして「リプレイ-リプレイ-リプレイ」という図柄の組合せと、「7-7-7」という図柄の組合せとを設け、主制御回路100は、ある状態では、リプレイ役が内部当籤役として決定されると「リプレイ-リプレイ-リプレイ」という図柄の組合せが表示されるように停止制御を行い、他の状態では、リプレイ役が内部当籤役として決定されると「7-7-7」という図柄の組合せが表示されるように停止制御を行うこととしてもよい。
[10.第2の遊技機]
続いて、図37~図60を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の他の一具体例について、これを「第2の遊技機」として説明する。なお、以下では、第2の遊技機は、3BET専用のパチスロ機であるとして説明する。すなわち、第2の遊技機においてスタートレバー7及びスタートスイッチ7Sは、3枚のメダルがベットされることで開始操作の検出が可能になる。また、第2の遊技機では、有効ラインが、リール3Lの上段領域、リール3Cの下段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶライン(上-下-下)のみと定義される。
[遊技状態の遷移フロー]
初めに、図37を参照しながら、第2の遊技機の主制御回路100により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。なお、図37(A)は、第2の遊技機における遊技状態及びその遷移フローであり、図37(B)(C)は、拡張例における遊技状態及びその遷移フローである。拡張例における遊技状態及びその遷移フローについては、後述する。
第2の遊技機では、主制御回路100は、ボーナスの当籤/作動の有無に基づいて遊技状態を管理する。図37(A)に示すように、主制御回路100は、ボーナスの当籤/作動の有無に基づいて、一般状態(非フラグ間)、RB内部中(RBフラグ間)及びRB状態を区別する。具体的には、一般状態は、ボーナスに係る役(「F_RB」)が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、RB内部中は、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定され、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、RB状態は、ボーナスが作動している状態である。なお、第2の遊技機では、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、ボーナスが作動するまで複数回の遊技にわたりボーナスに係る役を内部当籤役として持ち越す。RB内部中は、ボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越されている状態である。
図37(A)に示すように、主制御回路100は、一般状態においてボーナス役(F_RB)が内部当籤役として決定されると、一般状態からRB内部中に遊技状態を移行させる。そして、主制御回路100は、RB内部中においてボーナス役に対応する図柄の組合せが停止表示されて、ボーナス役が入賞すると、RB内部中からRB状態に遊技状態を移行させる。また、主制御回路100は、RB状態において終了条件(例えば、12回の遊技が行われること又は8回の入賞が発生することの何れか早い方)を満たすと、RB状態を終了して、RB状態から一般状態に遊技状態を移行させる。
[主制御側の各種のデータテーブル]
次に、図38~図41を参照して、メインROM102に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<図柄配置テーブル>
図38に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」~「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。図柄位置「0」~「19」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」~「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図38に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときにメイン表示窓4の中段に位置する図柄(メイン表示窓4の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リール3L、3C、3Rの回転方向に移動する順に、20個の図柄の各々に対して図柄位置「0」~「19」を割り当てた対応関係を規定する。このように、メイン表示窓4の中段を基準にすることで、メイン表示窓4の中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3Rごとに特定することができる。
<図柄コード表>
また、図38に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図38に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。第2の遊技機で用いる図柄は、「黒BAR」「白BAR」「セブン」「上シンボル」「下シンボル」「ベル」「リプレイ1」「リプレイ2」「ブランク1」及び「ブランク2」の10種類である。図柄コード表では、「黒BAR」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。同様に、「白BAR」「セブン」「上シンボル」「下シンボル」「ベル」「リプレイ1」「リプレイ2」「ブランク1」及び「ブランク2」の各図柄(図柄コード2~10)に対しても、データとして「00000010」から「00001010」が割り当てられている。
<内部抽籤テーブル>
続いて、図39を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。同図の「一般」欄は、一般状態において参照される内部抽籤テーブルであり、「内部中」欄は、RB内部中において参照される内部抽籤テーブルであり、「RB」欄は、RB状態において参照される内部抽籤テーブルである。
内部抽籤テーブルには、予め定められた複数の内部当籤役の種類を示すデータ(例えば、「No.」あるいは「当籤番号」)と、各遊技状態において各内部当籤役が決定される抽籤値とが規定される。なお、抽籤値は、設定された設定値によっても変動する場合がある。また、各内部当籤役に対して表示が許可される(対応する)図柄の組合せの種類が対応付けられており、例えば、「F_通常RP2」に対しては、「RP02」「RP06」「RP07」「RP10」が対応付けられている。このことは、「F_通常RP2」が、「RP02」「RP06」「RP07」「RP10」という個々の役が重複して当籤することを意味する。すなわち、「F_名称」とは、RP01~RP10、NM01~NM66及びRBが重複して内部当籤役として決定される場合の略称(総称)である。なお、RP01~RP10は、再遊技(リプレイ)の作動に係るリプレイ役(又はリプレイ役に応じた図柄の組合せ)であり、NM01~NM66は、メダルの払い出しに係る小役(又は小役に応じた図柄の組合せ)であり、RBは、ボーナス(ボーナス状態)の作動に係るボーナス役(又はボーナス役に応じた図柄の組合せ)である。なお、第2の遊技機におけるボーナス役は、入賞しなかった場合に次遊技以降も内部当籤役として持ち越される役である。
<図柄組合せテーブル>
次に、図40及び図41を参照して、第2の遊技機における入賞等に係る図柄の組合せを規定する図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルには、有効ライン上に表示され得る図柄の組合せのうちで予め定められた複数の図柄の組合せの種類を示すデータが規定されている。また、図柄組合せテーブルには、各図柄の組合せに対して特典等の種類を示すデータが対応付けられている。
主制御回路100は、図柄組合せテーブルにおいて規定する図柄の組合せが有効ライン上に表示されると、入賞を発生させて、対応する特典を付与する。例えば、RP01~RP10に対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合には、リプレイ役の入賞を発生させて、再遊技の作動という特典を付与する。また、RBに対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合には、ボーナス役の入賞を発生させて、ボーナスの作動という特典を付与する。また、NM01~NM66に対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合には、小役の入賞を発生させて、メダルの払い出しという特典を付与する。
ここで、第2の遊技機では、複数種類の小役を有するとともに、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数(3枚)よりも少ない小役(NM01~NM57)と、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも多い小役(NM58~NM66)とを有する。図39に示す内部抽籤テーブルを参照すると、「F_黒BAR1」~「F_共通9枚」及び「F_ATベルA1」~「F_ATベルF2」には、NM58~NM66の何れかが対応付けられている。そのため、「F_黒BAR1」~「F_共通9枚」及び「F_ATベルA1」~「F_ATベルF2」は、内部当籤役として決定された小役のうち入賞時に払い出されるメダルの枚数が最も多くなる小役が入賞すると仮定した場合に、メダルが増加(+6枚)する。一方で、「F_共通1枚」~「F_打順1枚F」には、NM58~NM66の何れも対応付けられておらず、NM01~NM57しか対応付けられていない。そのため、「F_共通1枚」~「F_打順1枚F」は、内部当籤役として決定された小役のうち入賞時に払い出されるメダルの枚数が最も多くなる小役が入賞すると仮定したとしても、メダルが減少(-2枚)する。
そして、内部抽籤テーブルを参照すると、ボーナス役(「F_RB」)を内部当籤役として持ち越していない一般状態では、主制御回路100は、ボーナス役を内部当籤役として決定する場合、「F_共通1枚」~「F_打順1枚F」の何れかを重複して内部当籤役として決定する。すなわち、主制御回路100は、一般状態においてボーナス役のみを単独で内部当籤役として決定することはない。なお、第2の遊技機では、一般状態において、ボーナス役に加えて「F_共通1枚」「F_チャンス」「F_択1枚A」「F_択1枚B」を重複して内部当籤役として決定可能にしているが、ボーナス役に重複させる役は「F_打順1枚A」「F_打順1枚B」「F_打順1枚C」「F_打順1枚D」「F_打順1枚E」「F_打順1枚F」の何れかのみとしてもよい。
また、内部抽籤テーブルを参照すると、RB内部中では、内部当籤役として「はずれ」が決定されることがない。RB内部中は、ボーナス役(「F_RB」)を内部当籤役として持ち越しているため、RB内部中の「はずれ」とは、ボーナス役が単独で内部当籤役として決定されることを意味する。そのため、RB内部中に「はずれ」とならない第2の遊技機では、主制御回路100は、RB内部中に内部当籤役として持ち越しているボーナス役のみを単独で内部当籤役として決定せずに、常に、当該ボーナス役に加えて当該ボーナス役以外の役を重複して内部当籤役として決定する。なお、第2の遊技機では、リプレイ役、小役、ボーナス役の引込優先順位を、リプレイ役を最も優先的に引き込み、小役を次に優先的に引き込み、ボーナス役を次に優先的に引き込むように規定している。すなわち、主制御回路100は、ボーナス役と他の役とが重複して内部当籤役として決定される場合、当該他の役に対応する図柄の組合せが、ボーナス役に対応する図柄の組合せよりも優先的に表示されるように、リール3L,3C,3Rの停止制御を行う。
また、主制御回路100は、ボーナスが作動していないボーナス非作動状態(一般状態又はRB内部中)では、内部当籤役として決定された小役のうち入賞時に払い出されるメダルの枚数が最も多くなる小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1(100%)を超えるように内部当籤役を決定する。具体的には、ボーナス非作動状態では、「F_黒BAR1」~「F_共通9枚」及び「F_ATベルA1」~「F_ATベルF2」の何れかが約1/2の確率で当籤し、「F_共通1枚」~「F_打順1枚F」の何れかが約1/3の確率で当籤し、その他の確率でメダルが増減しないリプレイ役が当籤する。入賞時に払い出されるメダルの枚数が最も多くなる小役が入賞すると仮定した場合、「F_黒BAR1」~「F_共通9枚」及び「F_ATベルA1」~「F_ATベルF2」は、6枚のメダルが増加し、「F_共通1枚」~「F_打順1枚F」は、2枚のメダルが減少する。そのため、ボーナス非作動状態では、内部当籤役として決定された小役のうち入賞時に払い出されるメダルの枚数が最も多くなる小役が入賞すると仮定すると、出玉率が1を超える。
なお、出玉率は、イン(投入枚数)とアウト(払出枚数)との比であり、インとは、投入した全てのメダルの枚数であり、アウトとは、払い出した全てのメダルの枚数である。アウトをインで除算することで出玉率を算出することができる。
出玉率=OUT/IN(×100)
また、主制御回路100は、ボーナスが作動しているボーナス作動状態(RB状態)では、ボーナス非作動状態における確率よりも高い確率で複数の小役のそれぞれを内部当籤役として決定するが、内部当籤役として決定された小役のうち入賞時に払い出されるメダルの枚数が最も多くなる小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように内部当籤役を決定する。具体的には、内部抽籤テーブルに示すように、第2の遊技機では、RB状態において「F_共通9枚」又は「F_共通1枚」を内部当籤役として決定する。ここで、「F_共通9枚」には、NM01~NM66が対応付けられ、「F_共通1枚」には、NM01~NM57が対応付けられているため、RB状態では、NM01~NM57のそれぞれが約1/1.15の確率で当籤し、NM58~NM66のそれぞれが約1/1.5の確率で当籤する。一方で、ボーナス非作動状態(一般状態又はRB内部中)では、NM01~NM66のそれぞれは、限定的に重複し、例えば、NM03は、「F_共通9枚」「F_共通1枚」「F_択1枚A」「F_ATベルA1」「F_ATベルB1」「F_ATベルC1」「F_ATベルE1」が内部当籤役として決定された場合に当籤し、その当籤確率は、約1/3.4である。そのため、ボーナス作動状態(RB状態)では、複数の小役のそれぞれは、ボーナス非作動状態における確率よりも高い確率で当籤する。
一方で、ボーナス作動状態では、「F_共通9枚」が約1/5の確率で当籤し、「F_共通1枚」が約1/1.5の確率で当籤し、「はずれ」が約1/7.3の確率で当籤する。入賞時に払い出されるメダルの枚数が最も多くなる小役が入賞すると仮定した場合、「F_共通9枚」は6枚のメダルが増加するため、メダル増減の期待値は約+1.2/G(=6枚×当籤確率約1/5)となり、「F_共通1枚」は2枚のメダルが減少するため、メダル増減の期待値は約-1.3/G(=-2枚×当籤確率約1/1.5)となり、「はずれ」は3枚のメダルが減少するため、メダル増減の期待値は約-0.4/G(=-3枚×当籤確率約1/7.3)となる。そのため、ボーナス作動状態(RB状態)では、内部当籤役として決定された小役のうち入賞時に払い出されるメダルの枚数が最も多くなる小役が入賞すると仮定した場合の1遊技当たりのメダルの増減は、約-0.5枚(=1.2(「F_共通9枚」の期待値)-1.3(「F_共通1枚」の期待値)-0.4(「はずれ」の期待値))となり、出玉率は1よりも低くなる。
[内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係]
続いて、図42及び図43を参照して、内部当籤役として決定された役と実際に停止表示される図柄の組合せ(表示役)との対応関係について説明する。図42(A)は、一般状態(非フラグ間)における内部当籤役と表示役との対応関係を示す図であり、図43(B)は、RB内部中(RBフラグ間)における内部当籤役と表示役との対応関係を示す図であり、図43(C)は、RB状態における内部当籤役と表示役との対応関係を示す図である。
なお、同図において「上段リプ」とは、図40及び図41における「S_上段リプ(RP02)」が対応し、「白BAR揃い」とは、図40及び図41における「S_中段白BAR(RP10)」~「S_チリ(RP13)」の何れかが対応し、「セブン揃い」とは、図40及び図41における「S_中段セブン(RP07)」~「S_右下セブン(RP09)」の何れかが対応する。また、「中段リプ」とは、図40及び図41における「S_中段リプ(RP01)」が対応し、「フェイクリプ」とは、図40及び図41における「S_セブンFK1(RP03)」~「S_セブンFK4(RP06)」の何れかが対応する。
また、「黒BAR揃い」とは、図40及び図41における「S_中段黒BAR(NM62)」~「S_上段黒BAR(NM66)」の何れかが対応し、「右下ベル」とは、図40及び図41における「S_右下ベル(NM61)」が対応し、「右上ベル」とは、図40及び図41における「S_右上ベル(NM60)」が対応し、「中段ベル」とは、図40及び図41における「S_中段ベル(NM59)」が対応し、「ベル」とは、図40及び図41における「S_下段ベル(NM58)」~「S_右下ベル(NM61)」の何れかが対応する。
また、「1枚」とは、図40及び図41における「S_失敗1A(NM03)」~「S_失敗15D(NM48)」「S_特殊1枚A(NM50)」~「S_特殊1枚H(NM57)」の何れかが対応し、「フェイク1枚A」とは、図40及び図41における「S_フェイク1(NM01)」が対応し、「フェイク1枚B」とは、図40及び図41における「S_フェイク2(NM02)」が対応し、「チャンス」とは、図40及び図41における「S_チャンス(NM49)」が対応し、「RB」とは、図40及び図41における「S_RB(RB)」が対応する。また、「0」とは、図40及び図41に規定していな図柄の組合せ(はずれ)に対応する。
第2の遊技機では、ボーナス役を持ち越していない一般状態では、ボーナス役は、「F_共通1枚」~「F_打順1枚F」の何れかと重複して当籤するが、主制御回路100は、ボーナス役よりも他の役を優先的に引き込むため、図42(A)に示すように、ボーナス役と「F_共通1枚」~「F_択1枚B」の何れかとが重複して当籤した遊技では、ボーナス役に対応する図柄の組合せを表示させない。一方で、主制御回路100は、ボーナス役と「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の何れかとが重複して当籤した遊技では、ボーナス役に対応する図柄の組合せを表示させることがある。
ここで、第2の遊技機では、押し順小役として「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」を有している。これら押し順小役は、内部当籤役として決定された遊技における停止操作の態様が特定態様である場合に入賞する役であり、例えば、「F_打順1枚A」は、停止操作の順序(押し順)が左中右である場合に1枚役(NM03~NM48、NM50~NM57の何れか)に対応する図柄の組合せが引き込まれて、1枚役が入賞し、それ以外の押し順である場合には、1枚役に対応する図柄の組合せを引き込むことができずに1枚役が入賞しないことがある。主制御回路100は、このような1枚役が入賞しない場合に、ボーナス役に対応する図柄の組合せを引き込むことで、ボーナス役を入賞させる。
なお、以下では、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」において必ず1枚役が入賞する押し順を「正解の押し順」と呼び、1枚役が入賞しないことがある押し順を「不正解の押し順」と呼ぶ。
図42(A)に示すように、主制御回路100は、ボーナス役と「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の何れかとが重複して当籤している遊技では、当該遊技における停止操作の態様が特定態様(正解の押し順)である場合にはボーナス役に対応する図柄の組合せを表示させずに、1枚役に対応する図柄の組合せを表示させ、当該遊技における停止操作の態様が特定態様とは異なる停止操作の態様(不正解の押し順)である場合にボーナス役に対応する図柄の組合せを表示させることがある。すなわち、一般状態では、ボーナス役と「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の何れかとが重複して当籤し、かつ、不正解の押し順で停止操作が行われた場合に限り、ボーナス役は入賞することがある。
続いて、RB内部中(RBフラグ間)では、ボーナス役(「F_RB」)を内部当籤役として持ち越しているため、ボーナス役と他の役とが必ず重複して当籤するが、図43(B)に示すように、主制御回路100は、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」以外の他の役がボーナス役と重複している場合には、当該他の役に対応する図柄の組合せを引き込むことで当該他の役を入賞させて、ボーナス役に対応する図柄の組合せを表示させないように制御する。一方で、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」がボーナス役と重複して当籤している場合には、主制御回路100は、一般状態と同様に、不正解の押し順である場合にボーナス役に対応する図柄の組合せを表示させることがある。すなわち、RB内部中も一般状態と同様に、ボーナス役と「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の何れかとが重複して当籤し、かつ、不正解の押し順で停止操作が行われた場合に限り、ボーナス役は入賞することがある。
[ボーナス役の入賞パターン数]
続いて、図44を参照して、ボーナス役を入賞可能な場合におけるボーナス役の入賞パターン数について説明する。第2の遊技機では、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに20図柄を配置しているため、停止操作のパターンの総数は、8000通り(=20×20×20)となる。図44は、総パターン数(8000)のうち対応する役が入賞する停止操作のパターン数が何通りであるかを示す図である。なお、同図において「打順1」とは左中右の押し順であることを意味し、「打順2」とは左右中の押し順であることを意味し、「打順3」とは中左右の押し順であることを意味し、「打順4」とは中右左の押し順であることを意味し、「打順5」とは右左中の押し順であることを意味し、「打順6」とは右中左の押し順であることを意味する。
一例として、「F_RB」と「F_打順1枚A」とが重複して当籤した場合について説明する。打順1(左中右)は「F_打順1枚A」にとっての正解の押し順であるため、1枚役が入賞する。同図に示すように、この場合、NM19又はNM20が入賞することになる。ここで、図41を参照すると、NM19に対応する図柄の組合せは「白BAR/ブランク2-セブン/上シンボル-ベル」であり、NM20に対応する図柄の組合せは「下シンボル/ブランク1-セブン/上シンボル-ベル」である。なお、NM19及びNM20に対応する図柄の組合せのうち、中のリール3Cに対応する図柄は「セブン」又は「上シンボル」であり、右のリール3Rに対応する図柄は「ベル」であり、共通する。そして、中のリール3Cにおいて、図柄「セブン」又は図柄「上シンボル」は、最大滑り駒数以内の範囲に配置され、右のリール3Rにおいて、図柄「ベル」は、最大滑り駒数以内の範囲に配置されているため、リール3C,3RにおいてNM19及びNM20を取りこぼすことはない。
一方で、NM19に対応する図柄の組合せのうち、左のリール3Lに対応する図柄は、「白BAR(図柄位置13)」又は「ブランク2(図柄位置3)」であるため、図柄位置「9」~「13」又は図柄位置「19」「0」~「3」のタイミング(計10パターン)で停止操作が行われた場合に、NM19に対応する図柄を引き込むことができ、それ以外のタイミングで停止操作が行われた場合には、NM19に対応する図柄を引き込むことができない。そのため、NM19に対応する図柄の組合せを引き込むことができる停止操作のパターン数は、4000通り(=10×20×20)となる。
また、NM20に対応する図柄の組合せのうち、左のリール3Lに対応する図柄は、「下シンボル(図柄位置18)」又は「ブランク1(図柄位置8)」であるため、図柄位置「14」~「18」又は図柄位置「4」~「8」のタイミング(計10パターン)で停止操作が行われた場合に、NM20に対応する図柄を引き込むことができ、それ以外のタイミングで停止操作が行われた場合には、NM20に対応する図柄を引き込むことができない。そのため、NM20に対応する図柄の組合せを引き込むことができる停止操作のパターン数は、4000通り(=10×20×20)となる。そのため、打順1(左中右)で停止操作が行われた場合には、NM19又はNM20が入賞することになる。
続いて、「F_RB」と「F_打順1枚A」とが重複して当籤し、打順2(左右中)で停止操作が行われた場合、打順2(左右中)は「F_打順1枚A」にとっての不正解の押し順であるため、1枚役又はボーナス役が入賞する。同図に示すように、この場合、NM51、NM57又はRBが入賞することになる。ここで、図41を参照すると、NM51に対応する図柄の組合せは「白BAR/下シンボル/ブランク1/ブランク2-リプレイ2-黒BAR」であり、NM57に対応する図柄の組合せは「白BAR/下シンボル/ブランク1/ブランク2-セブン/上シンボル-下シンボル」である。また、RBに対応する図柄の組合せは「白BAR/下シンボル/ブランク1/ブランク2-白BAR/下シンボル/ブランク1-黒BAR」である。
第2の遊技機では、ボーナス役(RB)よりも小役(NM51、NM57)を優先して引き込むため、打順2(左右中)に伴い最初に左のリール3Lに対する停止操作が行われると、NM51、NM57を優先して引き込む。NM51及びNM57に対応する図柄の組合せのうち、左のリール3Lに対応する図柄は、「白BAR(図柄位置13)」「下シンボル(図柄位置18)」「ブランク1(図柄位置8)」「ブランク2(図柄位置3)」であるため、図柄位置「9」~「13」、図柄位置「14」~「18」、図柄位置「4」~「8」又は図柄位置「19」「0」~「3」のタイミング、すなわち、図柄位置「0」~「19」のタイミング(計20パターン)で停止操作が行われた場合に、NM51及びNM57に対応する図柄を引き込むことができる。
続いて、打順2(左右中)に伴い右のリール3Rに対する停止操作が行われると、主制御回路100は、NM51、NM57を優先して引き込む。まず、NM57に対応する図柄の組合せのうち、右のリール3Rに対応する図柄は、「下シンボル(図柄位置15)」であるため、図柄位置「11」~「15」のタイミング(計5パターン)で停止操作が行われた場合に、NM57に対応する図柄を引き込むことができ、それ以外のタイミングで停止操作が行われた場合には、NM57に対応する図柄を引き込むことができない。そして、NM57に対応する図柄の組合せのうち、中のリール3Cに対応する図柄「セブン」又は図柄「上シンボル」は、最大滑り駒数以内の範囲に配置されているため、中のリール3CにおいてNM57を取りこぼすことはない。そのため、NM57に対応する図柄の組合せを引き込むことができる停止操作のパターン数は、2000通り(=20×20×5)となる。
なお、右のリール3Rには、図柄位置「10」にも図柄「下シンボル」が配置されているものの、主制御回路100は、図柄位置「10」の図柄「下シンボル」を引き込み可能なタイミングで停止操作が行われた場合には、図柄位置「8」「13」の図柄「黒BAR」を引き込むように制御する。右のリール3Rにおいて図柄「黒BAR」は、NM51に対応しているため、このように制御した場合であっても、ボーナス役よりも小役(NM51)を優先して引き込むことができる。
次に、NM51に対応する図柄の組合せのうち、右のリール3Rに対応する図柄「黒BAR」は、最大滑り駒数以内の範囲に配置されているため、右のリール3RにおいてNM51を取りこぼすことはない。ただし、右のリール3Rにおいて図柄位置「11」~「15」のタイミングで停止操作が行われた場合には、NM57が引き込まれるため、右のリール3RにおいてNM51に対応する図柄を引き込むことができるタイミングは、図柄位置「0」~「10」「16」~「19」のタイミング(計15パターン)となる。
続いて、右のリール3Rに図柄「黒BAR」が停止された後、打順2(左右中)に伴い中のリール3Cに対する停止操作が行われた場合について考える。NM57に対応する図柄の組合せのうち右のリール3Rに対応する図柄は図柄「黒BAR」ではなく、NM57は既に引き込むことが不可能なため、右のリール3Rに図柄「黒BAR」が停止している場合、主制御回路100は、NM51を優先して引き込むことになる。NM51に対応する図柄の組合せのうち、中のリール3Cに対応する図柄は、「リプレイ2(図柄位置5)」であるため、図柄位置「1」~「5」のタイミング(計5パターン)で停止操作が行われた場合に、NM51に対応する図柄を引き込むことができ、それ以外のタイミングで停止操作が行われた場合には、NM51に対応する図柄を引き込むことができない。そのため、NM51に対応する図柄の組合せを引き込むことができる停止操作のパターン数は、1500通り(=20×5×15)となる。
このように打順2の押し順で停止操作が行われ、かつ、右のリール3Rに図柄「黒BAR」が停止されている場合、中のリール3Cに対する停止操作のタイミングが図柄位置「1」~「5」以外のタイミングである場合、小役を取りこぼす。第2の遊技機では、このような場合に、ボーナス役(RB)を引き込むことができる。ここで、RBに対応する図柄の組合せのうち、中のリール3Cに対応する図柄は、「白BAR(図柄位置10)」「下シンボル(図柄位置0)」「ブランク1(図柄位置15)」であるため、図柄位置「6」~「10」、図柄位置「16」~「19」「0」又は図柄位置「11」~「15」のタイミング、すなわち、図柄位置「6」~「19」「0」のタイミング(計15パターン)で停止操作が行われた場合に、RBに対応する図柄を引き込むことができる。そして、この図柄位置「6」~「19」「0」は、ボーナス役よりも優先する小役(NM51)の図柄位置「1」~「5」と重複していない。そのため、RBに対応する図柄の組合せを引き込むことができる停止操作のパターン数は、4500通り(=20×15×15)となる。
そのため、「F_RB」と「F_打順1枚A」とが重複して当籤し、打順2(左右中)で停止操作が行われた場合、1500通りの停止操作パターンでNM51が入賞し、2000通りの停止操作パターンでNM57が入賞し、4500通りの停止操作パターンでRBが入賞する。なお、これら停止操作パターンの合計は、8000通りであるため、「F_RB」と「F_打順1枚A」とが重複して当籤し、打順2(左右中)で停止操作が行われた場合、NM51,NM57又はRBの何れかが必ず入賞し、はずれとなることはない。
以上、「F_RB」と「F_打順1枚A」とが重複して当籤し、打順2(左右中)で停止操作が行われた場合についてのみ説明したが、その他の押し順や、その他の役(「F_打順1枚B」~「F_打順1枚F」)についても同様であり、第2の遊技機は、図44に示すパターン数になるように設計されている。すなわち、第2の遊技機では、ボーナス役(「F_RB」)と「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の何れかとが重複して内部当籤役として決定されている遊技において正解の押し順で停止操作が行われた場合、ボーナス役に対応する図柄の組合せが表示されることなく小役が必ず入賞する。一方で、ボーナス役と「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の何れかとが重複して内部当籤役として決定されている遊技において不正解の押し順で停止操作が行われた場合、ボーナス役に対応する図柄の組合せが表示されてボーナス役が入賞する割合(4500通り)は、ボーナス役に対応する図柄の組合せが表示されずに小役が入賞する割合(3500通り)よりも高い。言い換えると、第2の遊技機は、ボーナス役と「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の何れかとが重複して内部当籤役として決定されている遊技において、不正解の押し順で無作為な停止操作が行われると、ボーナス役が入賞する割合が50%よりも高くなるように設計されている。具体的には、不正解の押し順、かつ、無作為な停止操作が行われた場合、56.25%の割合でボーナス役が入賞する。
[第2の遊技機の遊技性]
続いて、図45を参照して、第2の遊技機における遊技の流れについて説明する。なお、図45は、第2の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図である。
図45に示すように、第2の遊技機では、遊技者が遊技を行う状態として、非有利区間(非有利区間・通常遊技)及び有利区間とを有し、有利区間には、さらに演出区間(有利区間・通常遊技、及び、有利区間・CZ)及び増加区間(有利区間・AT1、及び、有利区間・AT2)が設けられる。非有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知可能な遊技状態である。
有利区間の演出区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される頻度が相対的に低く、遊技者にとって不利な遊技状態である一方で、有利区間の増加区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される頻度が相対的に高く、遊技者にとって有利な遊技状態である。すなわち、増加区間は、メイン側報知手段(指示モニタ)やサブ側報知手段(メイン演出表示部21)による報知に従って遊技者が停止操作を行った場合に出玉率が1を超える遊技者にとって有利な遊技状態であり、演出区間は、メイン側報知手段やサブ側報知手段による報知に従って遊技者が停止操作を行ったとしても出玉率が1以下(より詳細には、1未満)となる遊技者にとって不利な遊技状態である。
具体的には、メイン側報知手段及びサブ側報知手段は、演出区間であるか増加区間であるかに関係なく有利区間中に「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の何れかが内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順を報知する。一方で、メイン側報知手段及びサブ側報知手段は、「F_ATベルA1」~「F_ATベルF2」の何れかが内部当籤役として決定された場合、演出区間中は正解の押し順を報知せず、増加区間中は正解の押し順を報知する。なお、「F_ATベルA1」「F_ATベルA2」における正解の押し順は左中右であり、「F_ATベルB1」「F_ATベルB2」における正解の押し順は左右中であり、「F_ATベルC1」「F_ATベルC2」における正解の押し順は中左右であり、「F_ATベルD1」「F_ATベルD2」における正解の押し順は中右左であり、「F_ATベルE1」「F_ATベルE2」における正解の押し順は右左中であり、「F_ATベルF1」「F_ATベルF2」における正解の押し順は右中左である。
「F_ATベルA1」~「F_ATベルF2」は、正解の押し順で停止操作が行われた場合に「ベル」の図柄の組合せが表示されて、9枚(投入枚数が3枚のため+6枚)のメダルが払い出されるため、「F_ATベルA1」~「F_ATベルF2」に対して正解の押し順が報知される増加区間では、メダルが増加するものの、「F_ATベルA1」~「F_ATベルF2」に対して正解の押し順が報知されない演出区間では、メダルの増加が期待し難い。なお、増加区間である有利区間・AT1と有利区間・AT2とでは、「F_ATベルA1」~「F_ATベルF2」の当籤時に正解の押し順を報知する頻度を異ならせることとしてもよく、例えば、有利区間・AT1では、「F_ATベルA1」~「F_ATベルF2」の当籤時の2分の1の確率で正解の押し順を報知し、有利区間・AT2では、「F_ATベルA1」~「F_ATベルF2」の当籤時に必ず正解の押し順を報知する等してもよい。
一方で、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」は、正解の押し順で停止操作が行われた場合に「1枚」の図柄の組合せが表示されて、1枚(投入枚数が3枚のため-2枚)のメダルが払い出されるため、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」に対して正解の押し順が報知されても、メダルの増加は期待できない。ただし、上述したように第2の遊技機においてボーナス役は、ボーナス役と「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の何れかとが重複して当籤し、かつ、不正解の押し順で停止操作が行われた場合に限り、入賞することがあり、他の場合には入賞することがない。そのため、有利区間(演出区間及び増加区間の双方)中に「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」に対して正解の押し順を報知することで、遊技者は、有利区間・通常遊技などにおいてもボーナス役の入賞を回避することができる。
図45に戻り、非有利区間・通常遊技は、有利区間での遊技が終了したとき、設定変更操作が行われたとき、その他の初期化条件が成立したとき、あるいは工場出荷時等の場合に制御される初期状態である。主制御回路100は、非有利区間・通常遊技では、内部当籤役に応じて有利区間に移行するか否かを制御する。ここで、図46に示すように、第2の遊技機では、役毎に有利区間に移行するか否かが予め定められている。なお、同図の「有利区間移行」欄において丸印が付された役は、有利区間に移行することが定められた役であり、バツ印が付された役は、有利区間に移行しないことが定められた役である。主制御回路100は、非有利区間・通常遊技において有利区間に移行することが定められた役が内部当籤役として決定された場合、非有利区間から有利区間(基本的には、有利区間・通常遊技)に遊技状態を制御し、非有利区間・通常遊技において有利区間に移行しないことが定められた役が内部当籤役として決定された場合、非有利区間のまま遊技状態を維持する。
図45に戻り、有利区間・通常遊技は、遊技者にとって不利な遊技状態である点は非有利区間・通常遊技と同様であるが、内部状態(通常モード)の移行が行われることで、増加区間への移行期待度が変動する点において非有利区間・通常遊技とは異なる。なお、以下では、有利区間・通常遊技のことを「通常有利」と呼ぶことがある。通常有利は、通常モードに応じて大別される。ここで、通常モードは、“低確”“通常”“天国準備”“天国”“特殊”の5種類からなるが、通常有利中の遊技は、通常モードが“特殊”の状態と、通常モードが“特殊”以外の状態とに分けられる。“特殊”以外の通常モード“低確”“通常”“天国準備”“天国”は、通常有利中に互いに行き来する一方で、通常モード“特殊”は、他の通常モードから移行することなく、有利区間・AT1の終了時の一部に移行することがある特殊なモードである。
「特殊以外」の通常有利では、内部当籤役として決定された役に応じて、通常モード(低確、通常、天国準備、天国)を上げながら、増加区間(有利区間・AT1及び有利区間・AT2)への移行を目指す遊技性を有している。有利区間・AT1及び有利区間・AT2への移行期待度は、“天国”が最も高く、“天国準備”が次に高く、“通常”が次に高く、“低確”が最も低い。なお、「特殊以外」の通常有利において、ATへの移行抽籤に当籤した場合、基本的には、まず、有利区間・AT1に移行し、その後、有利区間・AT1においてAT2に当籤した場合に有利区間・AT2に移行するが、ATへの移行抽籤に当籤した場合の一部では、有利区間・AT1を経由することなく、有利区間・AT2に直接移行することもある。
また、「特殊以外」の通常有利では、「F_共通9枚役」が内部当籤役として決定された場合に、有利区間・CZへの移行抽籤が行われ、この移行抽籤に当籤した場合に通常有利から有利区間・CZに遊技状態が移行する。また、「特殊以外」の通常有利では、規定回数(555回)の遊技が行われると天井到達となり、通常有利から有利区間・AT1遊技状態が移行する。なお、天井は、有利区間に移行してから非有利区間に移行するまでの「特殊以外」の通常有利及び「特殊以外」の通常有利から移行した有利区間・CZの双方の遊技回数の合計が規定回数に達した場合に到達することとしてもよく、また、有利区間に移行してから非有利区間に移行するまでの「特殊以外」の通常有利の遊技回数の合計が規定回数に達した場合に到達することとしてもよい。
「特殊」の通常有利は、有利区間・AT1の終了時の一部で移行し、内部当籤役として決定された役に応じて、有利区間・CZ及び有利区間・AT2への移行を目指す遊技性を有している。特に、「特殊」の通常有利は、「特殊以外」の通常有利に比べて、有利区間・CZへの移行確率が大幅に上がっている。具体的には、「特殊以外」の通常有利では、「F_共通9枚役」が内部当籤役として決定された場合にのみ有利区間・CZへの移行抽籤を行っていたが、「特殊」の通常有利では、「F_共通9枚」の他、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」及びレア役(「F_中段RP」「F_フェイク」「F_右上ベル」「F_中段ベル」「F_チャンス」)の何れかが内部当籤役として決定された場合も有利区間・CZへの移行抽籤を行う。
また、「特殊」の通常有利では、レア役が内部当籤役として決定された場合にATへの移行抽籤を行うが、「特殊」の通常有利においてATへの移行抽籤に当籤した場合には、基本的には、有利区間・AT1を経由することなく、有利区間・AT2に直接移行する。また、「特殊」の通常有利では、規定回数(100回)の遊技が行われると天井到達となり、通常有利から有利区間・AT2遊技状態が移行する。なお、天井は、有利区間に移行してから非有利区間に移行するまでの「特殊」の通常有利及び「特殊」の通常有利から移行した有利区間・CZの双方の遊技回数の合計が規定回数に達した場合に到達することとしてもよく、また、有利区間に移行してから非有利区間に移行するまでの「特殊」の通常有利の遊技回数の合計が規定回数に達した場合に到達することとしてもよい。
有利区間・CZは、増加区間(有利区間・AT1及び有利区間・AT2)への移行期待度が通常有利よりも高いチャンスゾーンであり、以下では、「CZ」と呼ぶことがある。CZは、規定回数(5回、10回又は15回)の遊技において継続し、内部当籤役及びCZレベルに応じてATへの移行抽籤を行う。CZレベルは、CZ中のATへの移行抽籤の当籤期待度及び当籤時の特典を管理する情報であり、CZレベルが高いほど、ATへの移行抽籤の当籤期待度が高くなり、また、当籤時の特典が大きくなる。CZにおいてATへの移行抽籤に当籤した場合には、基本的には、有利区間・AT1を経由することなく、有利区間・AT2に直接移行する。なお、CZから有利区間・AT1に移行する場合には、その後、有利区間・AT2に移行することも確定している有利区間・AT1(AT1(特殊))に移行するため、CZにおいてATへの移行抽籤に当籤した場合には、有利区間・AT2まで必ず移行する。
有利区間・AT1は、真の増加区間である有利区間・AT2への入り口となる状態であり、以下では、「AT1」と呼ぶことがある。非有利区間及び有利区間の演出区間では、増加区間への移行を目指して遊技を行うが、第2の遊技機では、AT1に移行しただけでは増加区間は直ぐに終了してしまいメダルはあまり増加せず、AT1から有利区間・AT2に移行できた場合に、増加区間が継続しメダルが増加することになる。AT1には、AT1(通常)、AT1(高確A)、AT1(高確B)及びAT1(特殊)が設けられ、それぞれ有利区間・AT2への移行期待度が異なる。非有利区間や演出区間からAT1に移行した場合、基本的には、AT1(通常)、AT1(高確A)又はAT1(高確B)の何れかになるが、特殊な条件を満たしている場合には、AT1(特殊)になる。なお、特殊な条件とは、確定役(「F_セブン」「F_白BAR」「F_黒BAR1」「F_黒BAR2」)のうち「F_黒BAR1」又は「F_黒BAR2」が内部当籤役として決定されること、又は、CZにおいて「7揃い」に当籤することである。
AT1(通常)は、有利区間・AT2への移行期待度が低いAT1であり、規定回数(13回)の遊技において継続する。AT1(通常)では、内部当籤役として決定された役に応じてランクを昇格させていき、規定回数の遊技が終了した時点のランクに応じて有利区間・AT2への移行が制御される。なお、ランクには、ランク1、ランク2及びランク3が設けられ、ランク1は有利区間・AT2に移行せず、ランク2は有利区間・AT2に移行し、ランク3は有利区間・AT2に移行するとともに更なる特典として後述の特化ゾーンBが付与される。
AT1(高確A)及びAT1(高確B)は、有利区間・AT2への移行期待度が高いAT1であり、規定回数(15回)の遊技において継続する。AT1(高確A)及びAT1(高確B)では、内部当籤役として決定された役に応じて有利区間・AT2への移行抽籤を行う。また、AT1(高確A)では、有利区間・AT2への移行抽籤の結果に応じて図柄「セブン」を遊技者に狙わせる演出を行い、AT1(高確B)では、有利区間・AT2への移行抽籤の結果に応じて図柄「白BAR」を遊技者に狙わせる演出を行うことがある。有利区間・AT2への移行抽籤に当籤している場合には、図柄「セブン」や図柄「白BAR」が揃い、有利区間・AT2への移行抽籤に当籤していない場合には、図柄「セブン」や図柄「白BAR」が揃わない。なお、AT1(高確A)及びAT1(高確B)において有利区間・AT2への移行抽籤に当籤した場合には、その後、有利区間・AT2へ移行することになるが、有利区間・AT2への移行抽籤に当籤した場合の特典をAT1(高確A)とAT1(高確B)とで異ならせることとしてもよい。例えば、AT1(高確A)において有利区間・AT2への移行抽籤に当籤した場合には、有利区間・AT2に移行するとともに特化ゾーンAを付与し、AT1(高確B)において有利区間・AT2への移行抽籤に当籤した場合には、有利区間・AT2に移行するとともに特化ゾーンBを付与することとしてもよい。
AT1(特殊)は、有利区間・AT2に移行することが確定しているAT1であり、規定回数(100回)の遊技において継続する。AT1(特殊)に移行した場合、特化ゾーンAのストックが3つ付与されるとともに、AT1(特殊)では、レア役が内部当籤役として決定された場合に、特化ゾーンAのストック付与抽籤が行われ、この抽籤結果に応じて特化ゾーンAのストックが更に付与される。
有利区間・AT2への移行抽籤に非当籤のままAT1が終了すると、基本的には、有利区間が終了し、非有利区間・通常有利に遊技状態が移行するものの、有利区間・AT2への移行抽籤に非当籤のままAT1が終了した場合の一部では、有利区間が終了することなく、「特殊」の通常有利に遊技状態が移行することがある。一方で、有利区間・AT2への移行抽籤に当籤した上でAT1が終了した場合、有利区間・AT2に遊技状態が移行する。
有利区間・AT2は、継続期間が遊技回数により管理されるゲーム数管理タイプのATであり、以下では、「AT2」と呼ぶことがある。AT2が終了すると、有利区間が終了し、非有利区間・通常有利に遊技状態が移行する。AT2には、通常AT、AT中CZ、特化ゾーンA、特化ゾーンB、引き戻し及びエンディングが設けられる。
通常ATは、AT2の継続期間を管理するための残りゲーム数の減算が行われるAT2であり、残りゲーム数が0になるとAT2が終了する。通常AT中は、内部当籤役として決定された役に応じて、AT中CZ、特化ゾーンA及び特化ゾーンBへの移行抽籤が行われ、この抽籤結果に応じてAT中CZ、特化ゾーンA又は特化ゾーンBに移行する。
AT中CZは、特化ゾーンA及び特化ゾーンBへの移行期待度が通常ATよりも高いチャンスゾーンであり、基本的な遊技性は、有利区間・CZと同様である。特化ゾーンAは、通常ATの残りゲーム数の上乗せ期待度が高いゲーム数の上乗せ特化ゾーンであり、終了条件を満たすまで、内部当籤役として決定された役に応じて通常ATの残りゲーム数を上乗せする。特化ゾーンBは、特化ゾーンAのストック付与期待度が高い特化ゾーンAの上乗せ特化ゾーンであり、終了条件を満たすまで、内部当籤役として決定された役に応じて特化ゾーンのストックを上乗せする。
引き戻しは、通常ATが終了した場合の一部において移行するAT2であり、規定回数(5回)の遊技において継続する。通常ATの終了後に引き戻しに移行した場合には、通常ATへの復帰が確定する。引き戻しの最終遊技では、引き戻し抽籤が行われ、この抽籤の結果に応じて、通常AT復帰時の特典が異なる。一例として、引き戻し抽籤に当籤した場合には、通常ATの残りゲーム数に所定値(20)が加算されるとともに、特化ゾーンAのストックが1つ付与され、引き戻し抽籤に非当籤した場合には、単に通常ATの残りゲーム数に所定値(20)が加算される。
エンディングは、AT2が長期間継続し、有利区間のリミッタに到達する場合に移行するAT2である。具体的には、AT2においてゲーム数リミッタのためのゲーム数カウンタの値がエンディング移行条件(「1486」以上)を満たした場合、又は、AT2において払出数リミッタのための有利区間払出数カウンタの値がエンディング移行条件(「2330」以上)を満たした場合にエンディングに移行する。エンディングは、有利区間のリミッタに到達するまで継続する。
以上、図45を参照して、第2の遊技機における遊技の流れについて説明したが、同図に示す流れは、第2の遊技機における遊技の流れの一部に過ぎない。一例として、第2の遊技機では、確定役(「F_セブン」「F_白BAR」「F_黒BAR1」「F_黒BAR2」)を有するが、確定役が内部当籤役として決定された場合には、AT2やAT1(特殊)に直接移行する。具体的には、「F_セブン」又は「F_白BAR」が内部当籤役として決定された場合には、AT2に移行するとともに、特化ゾーンAのストックが1つ付与される。また、「F_黒BAR1」又は「F_黒BAR2」が内部当籤役として決定された場合には、AT1(特殊)に移行するとともに、特化ゾーンAのストックが3つ付与される。
[内部当籤役と抽籤種別等との対応関係]
続いて、図46を参照して、第2の遊技機における内部当籤役として決定され得る役に対して設定されたナビパターン、抽籤種別A,B及び有利区間への移行の有無について説明する。
ナビパターンは、メイン側報知手段(指示モニタ)が有利区間において報知する内容を示し、「ナビなし」は、メイン側報知手段が何らの報知も行わないことを示し、「左中右」「左右中」「中左右」「中右左」「右左中」「右中左」は、メイン側報知手段が対応する押し順を報知することを示す。主制御回路100は、有利区間(通常有利、CZ、AT1及びAT2)では、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」が内部当籤役として決定された場合に、ナビパターンに応じた押し順を報知することで正解の押し順を報知する。また、主制御回路100は、AT1及びAT2では、「F_ATベルA1」~「F_ATベルA2」が内部当籤役として決定された場合に、ナビパターンに応じた押し順を報知することで正解の押し順を報知する。
なお、サブ側報知手段(メイン演出表示部21)は、基本的には、メイン側報知手段に応じた内容の報知を行うが、サブ側報知手段は、メイン側報知手段のナビパターンが「ナビなし」の場合であっても、演出としての所定の報知を行うことがある。例えば、「F_通常RP2」が内部当籤役として決定された場合に、サブ側報知手段は、中のリール3Cを第1停止操作として図柄「白BAR」を狙うことを遊技者に促す演出や、右のリール3Rを第1停止操作として図柄「セブン」を狙うことを遊技者に促す演出を行うことがある。
抽籤種別A及び抽籤種別Bは、各種の抽籤に用いられる情報である。第2の遊技機では、主制御回路100は、内部当籤役に基づいて各種の抽籤を行うが、複数の役を抽籤種別としてグループ化して各種の抽籤を行うことで抽籤に要するデータ量を抑える。このようなグループ化のパターンとして、第2の遊技機では、2種類のグループ(抽籤種別A及び抽籤種別B)を有し、状況に応じて抽籤種別A又は抽籤種別Bの何れか一方を使って各種の抽籤を行う。なお、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」が内部当籤役として決定された場合には、基本的には、抽籤種別A「打順1枚」又は抽籤種別B「その他」により各種の抽籤が行われるが、後述する変換抽籤(図58参照)に当籤した場合には抽籤種別A「チャンス目」又は抽籤種別B「チャンス目」により各種の抽籤が行われる。
有利区間移行は、非有利区間・通常遊技において対応する役が内部当籤役として決定された場合に、有利区間に移行するか否かを示す情報であり、丸印は有利区間に移行することを示し、バツ印は有利区間に移行しないことを示す。パチスロ機1では、主制御回路100は、内部当籤役が「はずれ」である場合、及び、ボーナス役を持ち越していない一般状態とボーナス役を持ち越しているRB内部中とで当籤確率が変わる役である場合には、有利区間に移行せず、内部当籤役がそれ以外の役である場合には、有利区間に移行する。ただし、一般状態とRB内部中との何れかの当籤確率が0であり、他方の当籤確率が0以外である役については、確率は変動するものの有利区間に移行する役としてもよい。
そのため、第2の遊技機では、有利区間への移行に関して複数の役は以下の分類1から分類3のように分けられる。一般状態においてボーナス役と重複しない役(分類1)、一般状態においてボーナス役と重複してのみ当籤する役(分類2)、及び、一般状態においてボーナス役と重複して当籤するとともにボーナス役と重複せずに単独でも当籤する役(分類3)。
分類1の役は、「F_通常RP1(No.1)」~「F_中段ベル(No.12)」「F_ATベルA1(No.24)」~「F_ATベルF2(No.35)」が該当する。このような分類1の役は、一般状態中もRB内部中も当籤確率が変わらないため、非有利区間において内部当籤役として決定されると有利区間に移行する。
分類2の役は、「F_RB+F_チャンス(No.37)」~「F_RB+F_打順1枚F(No.45)」が該当する。このような分類2の役は、ボーナス役を内部当籤役として持ち越しているRB内部中では、単独で当籤することになる(「F_チャンス(No.15)」~「F_打順1枚F(No.23)」)。ここで、一般状態とRB内部中とで比較すると分類2の役の当籤確率は異なるものの、一般状態とRB内部中との何れかの当籤確率が0である。一般状態とRB内部中との何れかの当籤確率が0である場合には、当籤確率が遊技状態(一般状態、RB内部中)において変わらないため、一般状態においてボーナス役と重複してのみ当籤する分類2の役は、非有利区間において内部当籤役として決定されると有利区間に移行する。
分類3の役は、「F_共通1枚(No.14)」「F_RB+F_共通1枚(No.36)」が該当する。このような分類2の役は、RB内部中では抽籤係数が合算されることになるが、RB内部中の合算した抽籤係数と一般状態中のそれぞれの役(「F_共通1枚(No.14)」「F_RB+F_共通1枚(No.36)」)の抽籤係数とが比較対象になる。例えば、RB内部中の抽籤係数は10417であるのに対して、一般状態における「F_共通1枚(No.14)」の抽籤係数は5720であり、また、一般状態における「F_RB+F_共通1枚(No.36)」の抽籤係数は4697であり、遊技状態(一般状態、RB内部中)に応じて当籤確率が変わる。そのため、一般状態においてボーナス役と重複して当籤するとともにボーナス役と重複せずに単独でも当籤する分類3の役は、非有利区間において内部当籤役として決定された場合であっても有利区間に移行しない。
後述するように、第2の遊技機では、シミュレーション試験対策として、ボーナス役の当籤確率を高める必要がある。一方で、有利区間移行については、一般状態においてボーナス役と重複して当籤するとともにボーナス役と重複せずに単独でも当籤する分類3の役は、有利区間に移行できないという制約がある。そこで、第2の遊技機では、分類2の役の当籤確率を高くすることで、高いボーナス当籤確率と、高い有利区間移行率との双方を両立させることを可能としている。
また、同図に示すように、第2の遊技機では、主制御回路100は、非有利区間の一般状態又はRB内部中において「F_打順1枚役」をボーナス役と重複して内部当籤役として決定した場合、非有利区間から有利区間に遊技状態を移行させる。上述したように、ボーナス役(RB)は、「F_打順1枚役」が内部当籤役として決定された遊技においてのみ入賞することがあるため、ボーナス役(RB)が入賞した場合には、有利区間となる。なお、同図では、「F_共通9枚(No.13)」は有利区間に移行する役としているため、非有利区間の一般状態及びRB内部中において内部当籤役として決定されると有利区間に移行する。ただし、非有利区間のRB状態中に「F_共通9枚(No.13)」が内部当籤役として決定された場合には、有利区間に移行しないこととしてもよい。
[有利区間及び非有利区間において用いる各種データテーブル]
続いて、有利区間及び非有利区間において用いる各種のデータテーブルの構成について説明する。なお、以下に示す各種のデータテーブルは、メインROM102に記憶されており、主制御回路100は、これら各種のデータテーブルを参照して、各種の抽籤を行う。
[有利区間移行時_通常モード抽籤テーブル]
初めに、図47(A)を参照して、有利区間移行時_通常モード抽籤テーブルについて説明する。有利区間移行時_通常モード抽籤テーブルは、非有利区間・通常遊技において有利区間に移行する役が内部当籤役として決定され、遊技状態が非有利区間・通常遊技から通常有利に移行した場合に参照され、通常有利中の通常モードを抽籤するために用いられる。有利区間移行時_通常モード抽籤テーブルは、通常有利への移行時にセットする通常モードの種別についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、非有利区間・通常遊技から通常有利に移行すると、有利区間移行時_通常モード抽籤テーブルを参照して通常モードを抽籤し、抽籤の結果得られた通常モードをセットする。なお、セットした通常モードは、通常有利中に行う移行抽籤により通常有利中に変動することがある。
[有利区間移行時_AT1モード抽籤テーブル]
続いて、図47(B)を参照して、有利区間移行時_AT1モード抽籤テーブルについて説明する。有利区間移行時_AT1モード抽籤テーブルは、非有利区間・通常遊技において有利区間に移行する役が内部当籤役として決定され、遊技状態が非有利区間・通常遊技から通常有利に移行した場合に参照され、通常有利中のAT1モードを抽籤するために用いられる。ここで、AT1モードとは、通常有利中のAT抽籤の当籤期待度や通常有利からAT1に移行する場合のAT1の種別を決定するために用いられる情報である。有利区間移行時_AT1モード抽籤テーブルは、通常有利への移行契機となった役(抽籤種別A)ごとに通常有利への移行時にセットするAT1モードの種別についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、非有利区間・通常遊技から通常有利に移行すると、有利区間移行時_AT1モード抽籤テーブルを参照してAT1モードを抽籤し、抽籤の結果得られたAT1モードをセットする。なお、セットしたAT1モードは、有利区間が終了するまで変動することなく維持される。
[通常有利及びCZの遊技性]
続いて、通常有利及びCZにおいて用いられる各種の抽籤テーブルを説明する前に、図48を参照して、通常有利及びCZの遊技性について説明する。図48(A)は、通常有利の遊技の流れを示す図である。通常有利では、AT2を目指して遊技を行うが、同図に示すように通常有利からAT2へのルートは、通常有利からAT1を経由してAT2に移行するルートと、通常有利からCZを経由してAT2に移行するルートとがある。そのため、通常有利では、主制御回路100は、内部当籤役として決定された役(及び各種のモード)に応じてATへの移行抽籤を行うとともに、「F_共通9枚」が内部当籤役として決定された場合にCZへの移行抽籤を行う。そして、主制御回路100は、ATへの移行抽籤に当籤した場合には、通常有利からAT1に遊技状態を移行し(AT2に直接移行することもあり)、CZへの移行抽籤に当籤した場合には、通常有利からCZに遊技状態を移行する。
続いて、図48(B)は、CZの遊技の流れを示す図である。CZでは、主制御回路100は、内部当籤役として決定された役(及びCZレベル)に応じてATへの移行抽籤を行う。そして、主制御回路100は、ATへの移行抽籤に当籤した場合には、CZからAT2(又はAT1(特殊))に遊技状態を移行する。また、CZは、規定回数の遊技が行われるまで継続し、ATへの移行抽籤に非当籤のままCZにおいて規定回数の遊技が行われると、主制御回路100は、CZを終了して通常有利に遊技状態を移行する。なお、規定回数の遊技が行われる前にATへの移行抽籤に当籤した場合、当籤した時点でAT2に移行することとしてもよく、また、CZにおいて規定回数の遊技が行われるまで待ってからAT2に移行することとしてもよい。後者の場合、規定回数の遊技が行われるまで更にATへの移行抽籤に当籤した場合には、更なる特典を付与することとしてもよい。
続いて、図48(C)は、CZ中の演出例を示す図である。CZ中は、副制御回路200によりメイン表示装置210において3つの図柄(縦1、横3)が変動及び停止表示する演出が行われる。この3つの図柄は、CZにおいて行うATへの移行抽籤の結果に応じて制御され、ATへの移行抽籤に当籤している場合には同じ図柄が3つ揃うように制御され、ATへの移行抽籤に当籤していない場合には同じ図柄が3つ揃わないように制御される。3つの図柄は、遊技者の開始操作に応じて変動を開始し、遊技者の停止操作に応じて停止する。具体的には、遊技者が第1停止操作を行うと左の図柄が停止し、遊技者が第2停止操作を行うと中央の図柄が停止し、遊技者が第3停止操作を行うと右の図柄が停止する。なお、第2の遊技機では、3つの図柄は、ATへの移行抽籤の結果に応じて制御されるが、遊技者の停止操作のタイミングに応じて制御されることとしてもよい。
ここで、メイン表示装置210において変動する図柄は、最大で図柄「1」「3」「5」「H」「V」「7」の6種類である。メイン表示装置210において図柄「1」「3」「5」の何れかが3つ揃った場合、ATへの移行抽籤に当籤したことを意味する。なお、パチスロ機1における実際の制御では、ATへの移行抽籤において「奇数揃い」に当籤した場合に、メイン表示装置210において図柄「1」「3」「5」の何れかが3つ揃う。ATへの移行抽籤において「奇数揃い」に当籤した場合には(すなわち、メイン表示装置210において図柄「1」「3」「5」の何れかが3つ揃った場合には)、特化ゾーンAのストックが1つ付与され、遊技状態がCZからAT2に移行する。
また、メイン表示装置210において図柄「H」が3つ揃った場合、ATへの移行抽籤に当籤したことを意味する。なお、パチスロ機1における実際の制御では、ATへの移行抽籤において「H揃い」に当籤した場合に、メイン表示装置210において図柄「H」が3つ揃う。ATへの移行抽籤において「H揃い」に当籤した場合には(すなわち、メイン表示装置210において図柄「H」が3つ揃った場合には)、特化ゾーンAのストックが1つ付与されるとともに、特化ゾーンBのストックが1つ付与され、遊技状態がCZからAT2に移行する。
また、メイン表示装置210において図柄「V」が3つ揃った場合、ATへの移行抽籤に当籤したことを意味する。なお、パチスロ機1における実際の制御では、ATへの移行抽籤において「V揃い」に当籤した場合に、メイン表示装置210において図柄「V」が3つ揃う。ATへの移行抽籤において「V揃い」に当籤した場合には(すなわち、メイン表示装置210において図柄「V」が3つ揃った場合には)、特化ゾーンAのストックが3つ付与され、遊技状態がCZからAT2に移行する。
また、メイン表示装置210において図柄「7」が3つ揃った場合、ATへの移行抽籤に当籤したことを意味する。なお、パチスロ機1における実際の制御では、ATへの移行抽籤において「7揃い」に当籤した場合に、メイン表示装置210において図柄「7」が3つ揃う。ATへの移行抽籤において「7揃い」に当籤した場合には(すなわち、メイン表示装置210において図柄「7」が3つ揃った場合には)、特化ゾーンAのストックが3つ付与されるとともに、遊技状態がCZからAT1(特殊)に移行する。
これら変動する6種類の図柄は、CZレベルに応じて減少する。具体的には、CZレベル1では、図柄「1」「3」「5」「H」「V」「7」の6種類の図柄が変動し、CZレベル2では、図柄「1」が除かれて図柄「3」「5」「H」「V」「7」の5種類の図柄が変動する。また、CZレベル3では、更に図柄「3」が除かれて図柄「5」「H」「V」「7」の4種類の図柄が変動し、CZレベル4では、更に図柄「5」が除かれて図柄「H」「V」「7」の3種類が変動し、CZレベル5では、更に図柄「H」が除かれて図柄「V」「7」の2種類が変動し、CZレベル6では、更に図柄「V」が除かれて図柄「7」の1種類が変動する。その結果、遊技者からするとCZレベルが上がるほど、3つの図柄が揃いやすくなるように見え、実際のATへの移行抽籤もCZレベルが上がるほど当籤し易くなっている。
なお、CZレベルは、有利区間が終了するまで維持される。すなわち、ATへの移行抽籤に非当籤のままCZが終了した場合であっても、CZレベルはクリアされることなく維持される。そのため、有利区間が終了する前に再びCZに移行できた場合には、CZレベルが高い状態で新たなCZが開始されることになり、CZを繰り返すほどATへの移行抽籤に当籤しやすくなる。
[通常有利_通常モード移行抽籤テーブル]
続いて、図49(A)を参照して、通常有利_通常モード移行抽籤テーブルについて説明する。通常有利_通常モード移行抽籤テーブルは、「特殊以外」の通常有利において通常モードの移行抽籤のために参照され、内部当籤役(抽籤種別A)及び現在の通常モード(移行元の通常モード)ごとに移行抽籤の抽籤結果(移行先の通常モード)についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、抽籤の結果得られた通常モードを移行先の通常モードとしてセットする。
[RB作動時_通常モード移行抽籤テーブル]
続いて、図49(B)を参照して、RB作動時_通常モード移行抽籤テーブルについて説明する。RB作動時_通常モード移行抽籤テーブルは、RBの作動時に参照され、現在の通常モード(移行元の通常モード)ごとに移行抽籤の抽籤結果(移行先の通常モード)についての抽籤値の情報を規定する。ボーナス役(RB)が入賞してボーナス(RB)が作動すると、主制御回路100は、RB作動時_通常モード移行抽籤テーブルを参照して通常モードの移行抽籤を行い、抽籤の結果得られた通常モードを移行先の通常モードとしてセットする。同図を参照すると、RB作動時の通常モードの移行抽籤では、現在よりも遊技者にとって不利な通常モードに移行することがない。第2の遊技機では、ボーナス状態(RB状態)を不利な状態とする一方で、ボーナス役が入賞し難いように設計されているが、ボーナス役が入賞しボーナスが作動した場合、通常モードを昇格可能にすることで、ボーナス役が入賞した場合であっても増加区間への移行期待度が高くなるという特典を付与することができる。なお、第2の遊技機では、RBの作動時に限り、現在よりも不利な通常モードに移行することのない移行抽籤を行うこととしているが、RB作動中(RB状態中)の毎遊技(又は一部の遊技)において現在よりも不利な通常モードに移行することのない移行抽籤を行うこととしてもよい。すなわち、主制御回路100は、RB状態中に通常モードを昇格するという増加区間に関する特典を付与可能としてもよい。
また、第2の遊技機では、有利区間において「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」が内部当籤役として決定されると、正解の押し順を報知することでボーナス役の入賞を回避させることとしているが、このような報知は非有利区間においては行うことができない。第2の遊技機では、基本的にはRB内部中を維持したまま遊技が行われることになるが、非有利区間では遊技者はボーナス役の入賞を確実には回避することができないため、RBの作動時やRB作動中をイレギュラーな状態とせずに、通常モードの移行抽籤などを行うこととしている。もっとも、有利区間では、ボーナス役の入賞を回避するための報知が発生するため、有利区間においてボーナス役が入賞した場合にまで、特典を付与する必要はない。そこで、主制御回路100は、非有利区間においてRBが作動した場合には、増加区間に関する特典を付与する一方で、有利区間においてRBが作動した場合(すなわち、遊技者が報知とは異なる停止操作を行った結果としてRBが入賞した場合)には、イレギュラーな状態であるとして増加区間に関する特典を付与しないこととしてもよい。報知に反した停止操作を意図的に行うことで増加区間に関する特典が得られてしまうと、設計者が想定していない攻略要素となってしまう可能性があるためである。
[RB作動時、RB作動中及びRB終了時の演出について]
また、第2の遊技機では、RB状態に移行させずにRB内部中を維持したまま遊技が行われるが、RB状態(RB作動時、RB作動中及びRB終了時)に関する演出制御は任意である。RB状態に関する演出制御の設計思想としては、例えば、RB状態であることを遊技者に意識させる設計思想1と、RB状態であることを遊技者に意識させない設計思想2と、RB状態であることを遊技者には意識させずに、遊技店の店員に対しては報せる設計思想3とが考えられる。なお、RB状態に関する演出制御は、主制御回路100が行うこととしてもよく、また、副制御回路200が行うこととしてもよく、また、主制御回路100及び副制御回路200の双方において行うこととしてもよいが、以下では、副制御回路200が行うものとして説明する。
RB状態であることを遊技者に意識させる設計思想1の場合、副制御回路200は、RB状態においてもRB内部中と同様の演出を行う。例えば、副制御回路200は、RBの作動時に何らの演出も行わない(ファンファーレなどの効果音を出力せず、また、メイン表示装置210や装飾ランプでの演出を行わない)。また、副制御回路200は、RB状態中もメイン表示装置210の表示画面を通常(RB内部中)の演出ステージのまま維持する。なお、副制御回路200は、RB状態においてRB内部中と同様の演出を行うこととしてもよく、また、何らの演出も行わないこととしてもよい。例えば、副制御回路200は、RB状態において内部当籤役として決定された役に応じて所定の演出を行うこととしてもよく、また、RB状態中は演出無しとしてもよい。また、副制御回路200は、小役などの入賞時の効果音(入賞音や払い出し音)を、RB内部中と同様に制御することとしてもよい。また、BGMを出力している状態でRBが入賞した場合、副制御回路200は、BGMの出力を止めずに維持し続けることとしてもよい。また、副制御回路200は、RBの終了時に何らの演出も行わないこととしてもよい。このような設計思想1によれば、RB作動を契機として遊技者が遊技を止めてしまうことを抑制することができ、稼働率の低下を抑制することができる。
RB状態であることを遊技者に意識させない設計思想2の場合、副制御回路200は、RB状態においてRB内部中とは異なる特有の演出を行う。例えば、副制御回路200は、RBの作動時に特有の演出を行う(ファンファーレなどの効果音の出力や、メイン表示装置210や装飾ランプでの演出を行う)。また、副制御回路200は、RB状態中にメイン表示装置210において通常(RB内部中)とは異なる演出を行うこととしてもよい。実行する演出は、RB状態であることを明瞭に報知する演出でもよく、また、RB状態であることを示唆する演出であってもよい。また、副制御回路200は、RB状態において通常(RB内部中)においても実行され得る演出と同じ演出を実行することとしてもよい。また、副制御回路200は、RB状態において内部当籤役として決定された役に応じて所定の演出を行うこととしてもよく、また、RB状態中は内部当籤役に応じた演出は行わないこととしてもよい。また、副制御回路200は、RBの終了時に特有の演出(RB終了時のフリーズや、RBの終了画面など)を行うこととしてもよい。また、RB状態に関連して通常モードの移行抽籤を行う場合、副制御回路200は、その抽籤結果を示唆又は報知する演出を、RB状態(RB作動時、RB作動中及びRB終了時)において実行することとしてもよい。また、連続演出などの実行中にRBを入賞させてしまった場合は、副制御回路200は、RB状態が終了するまで「RB作動のため復帰中。復帰後に連続演出を再開します」という趣旨の内容を表示し、遊技者に状況を把握させることとしてもよい。この場合において、RB状態の終了条件「残り12ゲームまたは残り8回入賞」などの内容をRB状態中に表示し、副制御回路200は、遊技の進行及び入賞の発生に応じて当該表示を更新していくこととしてもよい。このような設計思想2によれば、遊技者に対して現在の状況を正確に把握させることができる。
RB状態であることを遊技者には意識させずに、遊技店の店員に対しては報せる設計思想3の場合、副制御回路200は、RB状態においてRB内部中とは異なる特有の演出を、一部の演出手段において行う。例えば、副制御回路200は、パチスロ機1の装飾ランプの一部を、RB状態中にのみ発生する発光態様(色や消灯、点灯パターン)で制御する。また、例えば、コンパネ部に特定のLEDを設け、副制御回路200は、RB状態ではこの特定のLEDを点灯させることで、RB状態中であることを遊技店の店員に対しては報せる。また、RB状態では、外部集中端子板55からパチスロ機1の内部状態としてRB状態中であることを示す信号をデータ表示器やホールコンピュータなどに出力することとしてもよい。また、メイン表示装置210やサブ表示装置220の一部に遊技者には気づかれ難いマークを表示、例えば、表示画面の端に小さくRB状態であることを示すマークを表示することとしてもよい。RB状態は、遊技者に忌避される可能性があるため遊技者には報せたくないが、遊技店の店員に報せることで、閉店後または開店前の確認作業時に店員がRB状態をクリアすることができる。そのため、設計思想3のように、店員に対してRB状態であることを報せることで、店員はパチスロ機1の状況を容易に把握することができ、結果、店員の管理業務負担を軽減することができる。
[通常有利_AT抽籤テーブル]
続いて、図50を参照して、通常有利_AT抽籤テーブルについて説明する。通常有利_AT抽籤テーブルは、「特殊以外」の通常有利におけるATへの移行抽籤のために参照され、内部当籤役(抽籤種別A)、通常モード及びAT1モードごとにATへの移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、通常有利_AT抽籤テーブルを用いたATへの移行抽籤に当籤した場合には、続いて、図51に示す通常有利_AT当籤時AT種別抽籤テーブルを用いてATの種別を抽籤し、通常有利_AT抽籤テーブルを用いたATへの移行抽籤に非当籤した場合には、遊技状態を通常有利のまま維持する。なお、同図では確定役に対しては必ず非当籤となるように抽籤値の情報が規定されているが、確定役が内部当籤役として決定された場合には、本移行抽籤とは別個の上述した処理により増加区間に移行することになる。
[通常有利_AT当籤時AT種別抽籤テーブル]
続いて、図51を参照して、通常有利_AT当籤時AT種別抽籤テーブルについて説明する。通常有利_AT当籤時AT種別抽籤テーブルは、通常有利_AT抽籤テーブルを用いたATへの移行抽籤に当籤した場合に参照され、AT1モードごとにATの種別に関する抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、抽籤結果が「AT1(通常)」である場合、通常有利からAT1(通常)に遊技状態を移行し、抽籤結果が「AT1(高確A)」である場合、通常有利からAT1(高確A)に遊技状態を移行し、抽籤結果が「AT1(高確B)」である場合、通常有利からAT1(高確B)に遊技状態を移行する。また、主制御回路100は、抽籤結果が「AT2当籤A」である場合、特化ゾーンAのストックを1つ付与するとともに、特化ゾーンBのストックを1つ付与した上で、通常有利からAT2に遊技状態を移行し、抽籤結果が「AT2当籤B」である場合、特化ゾーンAのストックを3つ付与した上で、通常有利からAT2に遊技状態を移行する。
[通常有利_CZ抽籤テーブル]
続いて、図52を参照して、通常有利_CZ抽籤テーブルについて説明する。通常有利_CZ抽籤テーブルは、「特殊以外」の通常有利におけるCZへの移行抽籤のために参照され、CZへの移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、通常有利において「F_共通9枚」が内部当籤役として決定されると、通常有利_CZ抽籤テーブルを用いたCZへの移行抽籤を行う。そして、主制御回路100は、CZへの移行抽籤において当籤した場合には、通常有利からCZに遊技状態を移行し、CZへの移行抽籤において非当籤した場合には、遊技状態を通常有利のまま維持する。
[CZ_レベル昇格抽籤テーブル]
続いて、図53を参照して、CZ_レベル昇格抽籤テーブルについて説明する。CZ_レベル昇格抽籤テーブルは、CZ中のCZレベルの昇格抽籤のために参照され、現在のCZレベルごとに昇格抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、CZ中の各遊技においてCZ_レベル昇格抽籤テーブルを用いたCZレベルの昇格抽籤を行い、抽籤結果に応じてCZレベルを更新(昇格)する。
[CZ_AT抽籤テーブル]
続いて、図54を参照して、CZ_AT抽籤テーブルについて説明する。CZ_AT抽籤テーブルは、CZにおけるATへの移行抽籤のために参照され、内部当籤役(抽籤種別A)及び現在のCZレベルごとにATへの移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、抽籤結果に応じて遊技状態を制御する。なお、抽籤結果に応じた遊技状態の制御は、上述した通りである。また、同図では確定役に対して必ず「7揃い」となるように抽籤値の情報が規定されている。CZでは、確定役が内部当籤役として決定された場合には、確定役の当籤に伴う上述の処理ではなく、抽籤結果「7揃い」に応じて遊技状態が制御される。
CZ中に行うこれらの抽籤により、CZ中にメイン表示装置210において3つの図柄を変動及び停止表示し、同じ図柄が3つ揃うことでATへの移行抽籤に当籤したことを報せる演出を実行することができる。なお、CZでは、CZレベルが昇格すると、変動及び停止表示する図柄を減少させていく。このとき、第2の遊技機では、図柄が3つ揃ったときの特典の大きさが小さい図柄から順(1、3、5、H、Vの順)に変動及び停止表示する図柄を減少させることとしているが、減少させる図柄の順序は任意である。例えば、図柄が3つ揃ったときの特典の大きさが大きい図柄から順(7、V、H、5、3の順)に変動及び停止表示する図柄を減少させることとしてもよく、また、予め定められた所定の順序で変動及び停止表示する図柄を減少させることとしてもよい。
また、この予め定める順序は、1つの順序に限るものではなく、予め定められた順序として複数の順序を有するものであってもよい。そして、主制御回路100は、予め定められた複数の順序の中から抽籤により決定した順序に応じて、変動及び停止表示する図柄を減少させることとしてもよい。なお、複数の順序の中から実際に用いる順序を決定するタイミングは任意であり、例えば、主制御回路100は、非有利区間から有利区間への移行時に決定することとしてもよく、また、有利区間に移行した後の1回目のCZ移行時に決定することとしてもよい。
また、変動及び停止表示する図柄を減少させる順序は、予め定められた順序に限られるものではなく、ランダムな順序で変動及び停止表示する図柄を減少させることとしてもよい。一例として、主制御回路100は、CZレベルを昇格した場合に残っている図柄の中から減少させる図柄を抽籤により決定することで、ランダムな順序で変動及び停止表示する図柄を減少させることができる。
なお、予め定められた複数の順序を有する場合や、ランダムな順序で図柄を減少させる場合、残っている全図柄パターンに応じたCZ_AT抽籤テーブルを設けることで、CZレベルに応じたAT抽籤を行うことができる。
また、残っている図柄の種類を、CZ中に限らず任意のタイミングで遊技者が確認可能に制御することとしてもよい。一例として、副制御回路200は、演出区間中は常時、残っている図柄の種類をサブ表示装置220に表示することとしてもよく、また、遊技者による所定の操作(例えば、メニュー画面からのCZ情報の呼び出し)が行われると、副制御回路200は、残っている図柄の種類をサブ表示装置220に表示することとしてもよい。
[AT1の遊技性]
続いて、AT1において用いられる各種の抽籤テーブルを説明する前に、図55を参照して、AT1の遊技性について説明する。なお、AT2の遊技性及びAT2において用いられる各種の抽籤テーブルについては説明を省略する。
図55(A)は、AT1の遊技の流れを示す図である。AT1では、主制御回路100は、内部当籤役として決定された役に応じてAT2への移行抽籤を行う。そして、主制御回路100は、AT2への移行抽籤に当籤した場合には、AT1からAT2に遊技状態を移行する。また、AT1は、規定回数の遊技が行われるまで継続し、AT2への移行抽籤に非当籤のままAT1において規定回数の遊技が行われると、主制御回路100は、通常モード「特殊モード」への移行抽籤を行う。そして、主制御回路100は、「特殊モード」への移行抽籤に当籤すると、AT1を終了しても有利区間のまま維持して、「特殊」の通常モードに遊技状態を移行し、「特殊モード」への移行抽籤に非当籤すると、AT1の終了に伴い有利区間を終了して、非有利区間・通常遊技に遊技状態を移行する。なお、規定回数の遊技が行われる前にAT2への移行抽籤に当籤した場合、当籤した時点でAT2に移行することとしてもよく、また、AT1において規定回数の遊技が行われるまで待ってからAT2に移行することとしてもよい。後者の場合、規定回数の遊技が行われるまで更にAT2への移行抽籤に当籤した場合には、更なる特典を付与することとしてもよい。
続いて、図55(B)は、AT1(通常)の遊技性を示す図である。AT1(通常)では、主制御回路100は、AT2への移行抽籤に加えて、内部当籤役として決定された役に応じてランクの昇格抽籤を行う。なお、AT1(通常)では、AT2への移行抽籤では基本的に非当籤となるものの、ランクの昇格抽籤の結果、ランクをランク2以上に昇格できた場合に、AT2への移行が確定する。ランクによるAT2への移行は、AT1(通常)の最終遊技において判定され、ランク1である場合にはAT2に移行せず、ランク2である場合にはAT2に移行し、ランク3である場合にはAT2に移行するとともに特化ゾーンBのストックが1つ付与される。
続いて、図55(C)は、AT1(高確A)及びAT1(高確B)の遊技性を示す図である。AT1(高確A)及びAT1(高確B)では、主制御回路100がAT2への移行抽籤を行うとともに、副制御回路200は、この移行抽籤の結果に応じて所定の演出を行うようにメイン表示装置210を制御する。具体的には、抽籤種別B「リプレイ2」に応じた役(「F_通常RP2」~「F_通常RP4」)が内部当籤役として決定された遊技においてAT2への移行抽籤に当籤した場合、AT1(高確A)では同図(a)に示すように、副制御回路200はメイン表示装置210を制御して、所定の押し順(右左中又は右中左)で図柄「セブン」を狙うことを促す演出を行う。図42に示すように、「F_通常RP2」~「F_通常RP4」が内部当籤役として決定された遊技において右左中又は右中左の押し順で停止操作が行われると、「セブン揃い」の図柄の組合せを表示可能であるため、遊技者は、「セブン揃い」の図柄の組合せからAT2への当籤を把握することができる。同様に、抽籤種別B「リプレイ2」に応じた役が内部当籤役として決定された遊技においてAT2への移行抽籤に当籤した場合、AT1(高確B)では図55(C)(b)に示すように、副制御回路200はメイン表示装置210を制御して、所定の押し順(中左右又は中右左)で図柄「白BAR」を狙うことを促す演出を行う。図42に示すように、「F_通常RP2」~「F_通常RP4」が内部当籤役として決定された遊技において中左右又は中右左の押し順で停止操作が行われると、「白BAR揃い」の図柄の組合せを表示可能であるため、遊技者は、「白BAR揃い」の図柄の組合せからAT2への当籤を把握することができる。
また、「F_共通1枚」が内部当籤役として決定された遊技では、AT2への移行抽籤に必ず非当籤となるものの、主制御回路100は、逆転抽籤を行う。この逆転抽籤において当籤した場合には、AT2への移行抽籤に当籤したことになる。なお、逆転抽籤には、当籤及び非当籤の他に、1段階煽り及び2段階煽りという抽籤結果を有する。1段階煽り及び2段階煽りは、AT2には当籤していないことを意味するものの、所定のリール演出が行われる。なお、リール演出は、主制御回路100により行われることとしてもよく、また、副制御回路200により行われることとしてもよいが、以下では、主制御回路100によりリール演出が行われるものとして説明する。
AT1(高確A)において「F_共通1枚」が内部当籤役として決定された場合、副制御回路200は、所定の押し順(右左中又は右中左)で図柄「セブン」を狙うことを促す演出を行う。同様に、AT1(高確B)において「F_共通1枚」が内部当籤役として決定された場合、副制御回路200は、所定の押し順(中左右又は中右左)で図柄「白BAR」を狙うことを促す演出を行う。図42に示すように、「F_通常RP2」~「F_通常RP4」が内部当籤役として決定された遊技において右左中又は右中左の押し順で停止操作が行われると、「フェイク1枚B」の図柄の組合せを表示され、中左右又は中右左の押し順で停止操作が行われると、「フェイク1枚A」の図柄の組合せを表示される。なお、「フェイク1枚A」の図柄の組合せは図柄「白BAR」が3つ揃わない図柄の組合せであり、「フェイク1枚B」の図柄の組合せは図柄「セブン」が3つ揃わない図柄の組合せである。
主制御回路100は、AT1(高確A)及びAT1(高確B)において「F_共通1枚」が内部当籤役として決定された場合、逆転抽籤を行う。この逆転抽籤において当籤した場合、主制御回路100は、逆転のリール演出を行う。具体的には、図55(C)(c)に示すように、主制御回路100は、AT1(高確A)では図柄「セブン」が3つ揃うようにリール演出を行い、AT1(高確B)では図柄「白BAR」が3つ揃うようにリール演出を行う。その結果、遊技者は、リール演出の結果として表示された図柄の組合せからAT2への当籤を把握することができる。一方で、逆転抽籤において非当籤である場合、主制御回路100は、何らのリール演出も行わず、逆転抽籤において1段階煽りである場合、主制御回路100は、逆転のリール演出が行われることの期待感を持たせる1段階目の煽り演出を行い、逆転抽籤において2段階煽りである場合、主制御回路100は、逆転のリール演出が行われることの期待感を持たせる2段階目の煽り演出を行う。
[AT1(通常)_ランクアップ抽籤テーブル]
続いて、図56(A)を参照して、AT1(通常)_ランクアップ抽籤テーブルについて説明する。AT1(通常)_ランクアップ抽籤テーブルは、AT1(通常)中に行うランクの昇格抽籤のために参照され、内部当籤役(抽籤種別A)及び現在のランクごとに昇格抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、この抽籤に当籤した場合には現在のランクを1つ上げ、非当籤した場合には現在のランクのまま維持する。
[AT1共通_AT2抽籤テーブル]
続いて、図56(B)を参照して、AT1共通_AT2抽籤テーブルについて説明する。AT1共通_AT2抽籤テーブルは、AT1中に行うAT2への移行抽籤のために参照され、内部当籤役(抽籤種別B)及びAT1の種別ごとにAT2への移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、AT1共通_AT2抽籤テーブルを用いたAT2への移行抽籤に当籤した場合には、遊技状態をAT2に移行し、AT2抽籤テーブルを用いたAT2への移行抽籤に非当籤した場合には、遊技状態をAT1のまま維持する。なお、同図では確定役に対しては必ず当籤となるように抽籤値の情報が規定されているが、確定役が内部当籤役として決定された場合には、本移行抽籤に当籤するとともに、内部当籤役として決定された役が「F_セブン」又は「F_白BAR」である場合には、AT2更に特化ゾーンAのストックが1つ付与され、また、内部当籤役として決定された役が「F_黒BAR1」又は「F_黒BAR2」である場合には、AT1(特殊)に移行するとともに、特化ゾーンAのストックが3つ付与される。
[AT1(高確A,B)_逆転抽籤テーブル]
続いて、図56(C)を参照して、AT1(高確A,B)_逆転抽籤テーブルについて説明する。AT1(高確A,B)_逆転抽籤テーブルは、AT1(高確A)及びAT1(高確B)における上述の逆転抽籤のために参照され、逆転抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、AT1(高確A)及びAT1(高確B)において「F_共通1枚」が内部当籤役として決定されると、AT1(高確A,B)_逆転抽籤テーブルを用いた逆転抽籤を行う。そして、主制御回路100は、逆転抽籤において当籤した場合には、上述のリール演出を行うとともに、AT1からAT2に遊技状態を移行し、逆転抽籤に非当籤した場合には、何らのリール演出を行うことなく、遊技状態をAT1のまま維持し、逆転抽籤において1段階煽り又は2段階煽りに当籤した場合には、上述の1段階目の煽り演出又は1段階目の煽り演出のリール演出を行うとともに、遊技状態をAT1のまま維持する。
[AT1失敗時_特殊モード移行抽籤テーブル]
続いて、図57(A)を参照して、AT1失敗時_特殊モード移行抽籤テーブルについて説明する。AT1失敗時_特殊モード移行抽籤テーブルは、AT2に移行せずにAT1が終了した場合に参照され、有利区間が開始してから現在までに経過した遊技回数及びAT1モードごとに「特殊モード」への移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、「特殊モード」への移行抽籤に当籤すると、AT1を終了しても有利区間のまま維持して、「特殊」の通常モードに遊技状態を移行し、「特殊モード」への移行抽籤に非当籤すると、AT1の終了に伴い有利区間を終了して、非有利区間・通常遊技に遊技状態を移行する。
[特殊モード中_AT・CZ抽籤テーブル]
続いて、図57(B)を参照して、特殊モード中_AT・CZ抽籤テーブルについて説明する。特殊モード中_AT・CZ抽籤テーブルは、「特殊」の通常有利におけるAT又はCZへの移行抽籤のために参照され、内部当籤役(抽籤種別A)ごとにATへの移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、抽籤結果が「CZ当籤」である場合には「特殊」の通常有利からCZに遊技状態を移行し、抽籤結果が「AT当籤」である場合には、続いて、図57(B)に示す特殊モード中_AT当籤時AT種別抽籤テーブルを用いてATの種別を抽籤し、抽籤結果が「非当籤」である場合には「特殊」の通常有利のまま維持する。なお、「特殊」の通常有利から移行したCZが増加区間に移行することなく終了した場合、遊技状態は「特殊」の通常有利に戻る。また、同図では確定役に対しては必ず非当籤となるように抽籤値の情報が規定されているが、確定役が内部当籤役として決定された場合には、本移行抽籤とは別個の上述した処理により増加区間に移行することになる。
[特殊モード中_AT当籤時AT種別抽籤テーブル]
続いて、図57(C)を参照して、特殊モード中_AT当籤時AT種別抽籤テーブルについて説明する。特殊モード中_AT当籤時AT種別抽籤テーブルは、特殊モード中_AT・CZ抽籤テーブルを用いた抽籤において「AT当籤」の抽籤結果が得られた場合に参照され、ATの種別に関する抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、抽籤結果が「AT2当籤A」である場合、特化ゾーンAのストックを1つ付与するとともに、特化ゾーンBのストックを1つ付与した上で、「特殊」の通常有利からAT2に遊技状態を移行し、抽籤結果が「AT2当籤B」である場合、特化ゾーンAのストックを3つ付与した上で、「特殊」の通常有利からAT2に遊技状態を移行する。
[有利区間_打順1枚チャンス目変換抽籤テーブル]
続いて、図58を参照して、有利区間_打順1枚チャンス目変換抽籤テーブルについて説明する。有利区間_打順1枚チャンス目変換抽籤テーブルは、有利区間中に「F_打順1枚役A」~「F_打順1枚役F」の何れかが内部当籤役として決定された場合に参照され、変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、抽籤結果が「非当籤」である場合、当該遊技の各種抽籤を抽籤種別A「打順1枚」又は抽籤種別B「その他」に基づいて行う。また、主制御回路100は、抽籤結果が「当籤」である場合、当該遊技の各種抽籤を抽籤種別A「チャンス目」又は抽籤種別B「チャンス目」に基づいて行う(すなわち、打順1枚をチャンス目に変換して各種抽籤を行う)。
このように打順1枚をチャンス目に変換することで、各種の抽籤が遊技者にとって有利になる。すなわち、主制御回路100は、有利区間においてボーナス役(「F_RB」)と「F_打順1枚役A」~「F_打順1枚役F」の何れかとが重複して内部当籤役として決定された遊技のうちの一部の遊技では、有利区間においてボーナス役(「F_RB」)と「F_打順1枚役A」~「F_打順1枚役F」の何れかとが重複して内部当籤役として決定された遊技のうちの当該一部の遊技以外の他の遊技よりも、各種の抽籤(増加区間に関する特典付与の期待度)が遊技者にとって有利となるように制御する。なお、この変換抽籤に当籤した場合には、所定の演出を行うことで変換抽籤に当籤したことを遊技者に対して報せることとしてもよい。
[第2の遊技機における出玉設計]
以上、第2の遊技機の構成について説明したが、このような第2の遊技機によれば、出玉設計の自由度を高めることができる。パチスロ機のような遊技機では、射幸性が高くなりすぎないように、市場に提供する前に所定の型式に適合しているかの試験(型式試験)を受ける必要がある。型式試験は、所定の期間における出玉率が所定の範囲に収まるか否かを試験するものであり、パチスロ機を実際に動作させて試験を行う試射試験(遊技機規則第6条別表第五(1)ロ(ホ))と、パチスロ機を実際に動作させることなくシミュレーション上でのみ試験を行うシミュレーション試験(遊技機規則第6条別表第五(1)ロ(ヘ))とがあり、基本的には、試射試験により出玉率の下限に適合するか試験し、シミュレーション試験により出玉率の上限に適合するか試験する。なお、シミュレーション試験は、パチスロ機を動作させることなく仮想的に行われるため、実際のリール制御などは関係なく試験が行われる一方で、試射試験では、パチスロ機を実際に動作させるため、実際のリール制御などと反する結果になることはない。
(シミュレーション試験)
シミュレーション試験は、遊技機規則において「内部抽せんを行い、条件装置が作動した場合には当該条件装置に係る図柄の組合せが表示され、当該図柄の組合せにより獲得することができる遊技メダル等の最大数が獲得されること」と定義される試験である(遊技機規則第6条別表第五(1)ロ(ヘ))。シミュレーション試験は、遊技機メーカーから申請された遊技機について、コンピュータ上で内部当籤役の抽籤をシミュレートしたプログラムを用いて各遊技の投入枚数と払出枚数とを算出するものであり、実際のリール制御は無視して行われる。
シミュレーション試験では、内部当籤役の取りこぼし(非入賞)は発生せずに、1の役が内部当籤役として決定された場合、その内部当籤役は必ず入賞するものとして試験が行われる。また、複数の役が重複して内部当籤役として決定された場合には、原則として当該遊技の利益が最も大きくなるように内部当籤役が入賞すると仮定して試験が行われる。例えば、15枚役と1枚役が重複して当籤した場合は、当該遊技では15枚役が入賞し15枚の払い出しがあるものとして扱われ、また、高RTに移行する高RT移行リプレイと低RTに移行する低RT移行リプレイとが重複当籤した場合は、高RT移行リプレイが入賞するものとして扱われる。このようにシミュレーション試験では、当該遊技の利益が最も大きくなるように試験が行われるため、シミュレーション試験は、出玉率の上限を判定するために用いられ易い。
(試射試験:ランダム打ち試験)
シミュレーション試験とは別に、パチスロ機を実際に動作させて試験を行う試射試験があり、このような試射試験としてランダム打ち試験といった試験が行われている。ランダム打ち試験とは、内部当籤役に関係なくストップボタン8L,8C,8Rをランダムなタイミングで押下することによって行う試験であり、内部当籤役の取りこぼし(非入賞)が発生する。ランダム打ち試験では、AT状態でのナビ発生時もナビを無視してランダムな押下で試験が進行するため、出玉率が低下しやすく、ランダム打ち試験の場合は、出玉率の下限を判定するために用いられ易い。
(AT機とシミュレーション試験との関係)
ところで、ナビをするか否かに応じてメダルの増減を制御するAT機では、AT期間をメダルが増加する増加区間とする以上、当該遊技の利益が最も大きくなるように試験するシミュレーション試験では常にメダルが増加することになってしまう。そこで、AT機では、メダルが減少する不利なボーナス状態を設け、シミュレーション試験では、この不利なボーナス状態に移行させることで、全体の出玉率を下げる一方で、遊技者が遊技店において行う実際の遊技では、不利なボーナス状態に移行させずにボーナス持越状態(フラグ間)のまま遊技させることで、ナビの有無の制御により出玉率を調整することとしている。
ここで、図59(A)は、ボーナス役を持ち越していない一般状態とボーナス役を持ち越しているボーナス持越状態(フラグ間)との抽籤係数(0~65535)の関係を示す図である。同図(a)に示すパターン1のように、一般状態においてボーナス役を単独で内部当籤役として決定可能な場合、フラグ間では、一般状態におけるボーナス役の当籤確率分の抽籤係数が空いてしまい、ボーナス役が単独で当籤する状況が生じてしまう。このようなパターン1の場合、シミュレーション試験では、不利なボーナス状態に移行するため全体の出玉率を下げることができる。一方で、ボーナス役が単独で当籤してしまうと、遊技者が遊技店において行う実際の遊技では、フラグ間中も(すなわち、常時)不利なボーナス役の入賞を回避するように停止操作を行わなければならず、操作性が落ち煩わしい。
そこで、同図(b)に示すパターン2のように、一般状態においてボーナス役を単独で内部当籤役として決定するとともに、フラグ間ではリプレイ役の当籤確率を上げて、一般状態におけるボーナス役の当籤確率分の抽籤係数をリプレイ役で埋めてしまう方法がある(いわゆる、フラグ間RT)。このようなパターン2の場合、シミュレーション試験では、一般状態において不利なボーナス状態に移行するため(すなわち、フラグ間に移行することがないため)全体の出玉率を下げることができる。また、遊技者が遊技店において行う実際の遊技でも、フラグ間中にボーナス役が単独で当籤することがないため、遊技者は、不利なボーナス役の入賞を回避するように停止操作を行う必要がない。
しかしながら、このような方法では、フラグ間中のリプレイ役の当籤確率を高くしなければならず、設計の自由度が低くなってしまう。また、いずれの型式試験においても出玉率の算出において、リプレイ役が入賞(作動)した遊技では0枚の払い出しと扱われ、次遊技では、自動投入により投入枚数が0枚として扱われる可能性があり、リプレイ役の当籤確率が高くなってしまうと算出される出玉率と設計者が想定する出玉率との間にズレが生じてしまう可能性がある。すなわち、リプレイ役を0枚投入0枚払出とする出玉率の算出では、リプレイ役が入賞した遊技は無かったものとして計算が行われるため、「出玉率=払出枚数/投入枚数」における払出枚数及び投入枚数の双方の値が小さくなる。その結果、リプレイ役が入賞(作動)した遊技の払出枚数を3枚とし、次遊技の投入枚数を3枚として計算する場合に比べて、出玉率が100%から乖離してしまう。
例えば、払出枚数が90枚であり投入枚数が100枚である場合に、リプレイ役が10回入賞していた場合について考える。リプレイ役を3枚投入、3枚払い出しとして計算した場合、出玉率は、90/100=0.9(90%)となる一方で、リプレイ役を0枚投入、0枚払い出しとして計算した場合、出玉率は、60(=90-30)/70(100-30)=0.85(85%)となってしまい、出玉率が100%から乖離する。
また、払出枚数が110枚であり投入枚数が100枚である場合に、リプレイ役が10回入賞していた場合について考える。リプレイ役を3枚投入、3枚払い出しとして計算した場合、出玉率は、110/100=1.1(110%)となる一方で、リプレイ役を0枚投入、0枚払い出しとして計算した場合、出玉率は、80(=110-30)/70(100-30)=1.14(114%)となってしまい、出玉率が100%から乖離する。
そのため、パターン2のようにボーナス役の当籤確率分の抽籤係数をリプレイ役で埋めてしまうと、型式試験における計算上の出玉率と、パチスロ機の設計者が想定する出玉率とのズレが大きくなってしまい、設計者が想定する遊技性を実現することが困難になってしまう。そこで、ボーナス役の当籤確率分の抽籤係数をリプレイ役ではなく、小役で埋めることが考えられる。なお、リプレイ役とは異なり小役の当籤確率は、一般状態とフラグ間とで変えることができないため、小役で埋める場合、一般状態においてボーナス役と小役とを重複させておき、実際のリール制御では、ボーナス役よりも小役を優先して引き込むように設計することになる。
ボーナス役よりも小役を優先するリール制御であっても、シミュレーション試験では、実際のリール制御は関係なく試験されるため、不利なボーナス状態に移行させることができる。また、一般状態においてボーナス役と小役とを重複させるため、一般状態におけるボーナス役の当籤確率分の抽籤係数が空いてしまうことがなく、フラグ間においても小役が当籤する。そして、遊技店における実際の遊技では、小役とボーナス役とが重複している場合にボーナス役を入賞させ難くリール制御を行うため、遊技者は、不利なボーナス役の入賞を回避するように停止操作を行う必要がない。
ところで、特別役物又は特別役物に係る連続作動装置を作動させる役(ボーナス役)と、メダルの払い出しに係る小役とが重複当籤した場合のシミュレーション試験における動作は不明であるが、1つの考え方として、以下のルール1及び2に沿って試験を進めているものと考えられる。
ルール1:小役の払出枚数が当該遊技の投入枚数よりも少ない場合には、当該小役が仮に入賞したとしても、遊技者に有利な結果であるとは必ずしも言えないため、ボーナスの作動及び当該小役の入賞の両方が発生したと仮定して試験を進める(又は当該小役の入賞は発生せずに、ボーナスの作動のみが発生したと仮定して試験を進める)。
ルール2:小役の払出枚数が当該遊技の投入枚数よりも多い場合には、当該小役の入賞のみで十分に利益が付与されているため、当該小役の入賞のみが発生し、ボーナスは作動せず、次遊技からボーナス持越状態(フラグ間)に移行すると仮定して試験を進める。
同図(c)に示すパターン3は、ルール2に対応する抽籤係数のパターン例である。パターン3では、一般状態においてボーナス役を単独で内部当籤役として決定することなく、ボーナス役と増加小役とを重複して内部当籤役として決定する。なお、増加小役とは、入賞時の払出枚数が当該遊技の投入枚数よりも多い小役を少なくとも含む小役である(なお、シミュレーション試験において入賞時の払出枚数が当該遊技の投入枚数よりも多い小役が入賞すればよいため、実際の遊技において入賞時の払出枚数が当該遊技の投入枚数よりも多い小役が入賞するか否かは関係ない)。パターン3では、一般状態においてボーナス役と増加小役とを重複させるため、一般状態におけるボーナス役の当籤確率分の抽籤係数が空いてしまうことがなく、フラグ間では、ボーナス役の当籤確率分だけ増加小役が当籤することになる。
このようなパターン3の場合、一般状態においてボーナス役と増加小役とが重複して内部当籤役として決定されると、シミュレーション試験ではルール2により、増加小役の入賞のみが発生し、ボーナスは作動せず、次遊技からフラグ間に移行してしまう。その結果、シミュレーション試験においても不利なボーナス状態への移行が抑制されてしまうため、全体の出玉率が下がらず、シミュレーション試験に適合し難くなってしまう。
そこで、第2の遊技機では、同図(d)に示すパターン4のように、一般状態においてボーナス役を単独で内部当籤役として決定することなく、ボーナス役と減少小役とを重複して内部当籤役として決定する。なお、減少小役とは、入賞時の払出枚数が当該遊技の投入枚数よりも多い小役を含まずに、入賞時の払出枚数が当該遊技の投入枚数よりも少ない小役のみからなる小役である。具体的には、第2の遊技機では、一般状態においてボーナス役は、入賞時の払出枚数が1枚であるNM01~NM57のみに対応する「F_共通1枚」「F_チャンス目」「F_択1枚A」「F_択1枚B」「F_打順1枚A」「F_打順1枚B」「F_打順1枚C」「F_打順1枚D」「F_打順1枚E」「F_打順1枚F」の何れかと重複して当籤する(図39参照)。なお、ボーナス役と減少小役とが重複していればよいため、一般状態においてボーナス役と重複する小役は、リール制御においてボーナス役を入賞可能な「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の何れかのみであってもよい。
このようなパターン4では、一般状態においてボーナス役と減少小役とを重複させるため、一般状態におけるボーナス役の当籤確率分の抽籤係数が空いてしまうことがなく、フラグ間では、ボーナス役の当籤確率分だけ減少小役が当籤することになる。そして、一般状態においてボーナス役と減少小役とが重複して内部当籤役として決定されると、シミュレーション試験ではルール1により、ボーナスの作動及び減少小役の入賞の両方が発生(又は減少小役の入賞は発生せずに、ボーナスの作動のみが発生)する結果、シミュレーション試験では、ボーナス役に当籤した遊技において不利なボーナス状態に移行することになるため、全体の出玉率を下げることができる。
続いて、図59(B)は、第2の遊技機における打ち方ごとの出玉率の概要を示す図である。第2の遊技機では、一般状態やRB内部中というボーナス非作動状態では、内部当籤役として決定された小役のうち入賞時に払い出されるメダルの枚数が最も多くなる小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超える。そのため、シミュレーション試験では、一般状態(RB内部中には移行しない)の出玉率が1を超えて約1.8(180%)となる。
また、第2の遊技機では、ボーナスが作動しているボーナス作動状態(RB状態)では、ボーナス非作動状態における確率よりも高い確率で複数の小役のそれぞれを内部当籤役として決定するが、内部当籤役として決定された小役のうち入賞時に払い出されるメダルの枚数が最も多くなる小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えない。そのため、シミュレーション試験であっても、RB状態中の出玉率は1よりも低く約0.8(80%)となる。
シミュレーション試験では、このような出玉率が1を超える一般状態と、出玉率が1を超えないRB状態との間で遊技状態を遷移させるため、遊技状態ごとの滞在割合を考慮した全体の出玉率を約1.1(110%)まで下げることができる。ここで、図59(C)は、シミュレーション試験における出玉推移を示す図であり、同図(a)は、比較例としてのRB状態に移行しない場合の出玉推移を示し、同図(b)は、第2の遊技機における出玉推移を示す。なお、RBの当籤確率と終了条件は、型式試験に適合するような出玉率を実現するための遊技状態の滞在割合を満たすように設計される。
同図(a)に示すように、一般状態においてボーナス役と減少小役とを重複させた場合に、減少小役が入賞し、かつ、ボーナス役が入賞しないと仮定すると、RB内部中のはずれ確率が0であるため、常に一般状態及びRB内部中において遊技が行われRB状態に移行することはない。そのため、このような仮定の下では、シミュレーション試験における出玉率が約1.8(180%)になってしまう。
一方で、同図(b)に示すように、一般状態においてボーナス役と減少小役とを重複させた場合に、減少小役が入賞し、かつ、ボーナス役も入賞すると仮定すると(又は少なくともボーナス役が入賞すると仮定すると)、出玉率が1を超える一般状態と出玉率が1を超えないRB状態との間で遊技状態が遷移する。そのため、このような仮定の下では、出玉推移の傾斜を抑えることができ、シミュレーション試験における全体の出玉率を低く抑えることができる。このように第2の遊技機では、主制御回路100は、ボーナス役と入賞時の払出枚数が当該遊技の投入枚数よりも少ない小役のみからなる小役とが重複して内部当籤役として決定された場合に、当該小役が入賞し、かつ、ボーナス役も入賞すると仮定した場合の出玉率が、当該小役が入賞し、かつ、ボーナス役は入賞しないと仮定した場合の出玉率よりも、1に近くなるように内部当籤役を決定する。
図59(B)に戻り、第2の遊技機におけるランダム打ち試験による出玉率について説明する。第2の遊技機では、一般状態及びRB内部中に「F_ATベルA1」~「F_ATベルF2」の何れかが内部当籤役として決定された場合に、不正解の押し順(5通り)で停止操作が行われてもメダルは増加せず、正解の押し順(1通り)で停止操作が行われることでメダルが増加する。ランダム打ち試験では、無作為(ランダム)な停止操作が行われる結果、不正解の押し順になり易いため、ランダム打ち試験における一般状態及びRB内部中の出玉率は1よりも低く約0.5(50%)となる。一方で、RB状態中は停止操作の態様が出玉に影響を与えないため、ランダム打ち試験におけるRB状態中の出玉率は、シミュレーション試験と同様に約0.8(80%)となる。
ここで、第2の遊技機では、ボーナス役(RB)の入賞を完全には封じ込めずに一定の条件を満たした場合にボーナス役(RB)の入賞を可能にしている。そのため、ランダム打ち試験では、遊技状態は、一般状態及びRB内部中だけでなくRB状態に移行することもある。RB状態中の出玉率は、一般状態及びRB内部中の出玉率よりも高いため、一般状態及びRB内部中だけでなくRB状態に遊技状態を移行させることで、出玉率を引き上げることができ、結果、ランダム打ち試験における全体の出玉率は約0.6(60%)になる。このように実際のリール制御においても不利なボーナス状態に移行可能にすることで、全体の出玉率を引き上げることができ、型式試験における出玉率の下限に適合させることができる。
特に、第2の遊技機では、ボーナス役の入賞を、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」が内部当籤役として決定された遊技において不正解の押し順で停止操作が行われた場合に、可能にしているが、このような不正解の押し順で停止操作が行われた場合には、ボーナス役が入賞する割合は、ボーナス役が入賞しない割合よりも高い(56.25%)。そのため、ランダム打ち試験における全体の出玉率をRB状態中の出玉率に近づけ易くなり、出玉設計が容易になる。
続いて、遊技店において遊技者が実際に遊技を行う場合の出玉率について説明する。非ATの状態では、一般状態及びRB内部中に「F_ATベルA1」~「F_ATベルF2」に対して正解の押し順が報知されないため、実際の遊技における一般状態及びRB内部中の出玉率は、ランダム打ち試験と概ね一緒の約0.5(50%)となる。また、RB状態中は停止操作の態様が出玉に影響を与えないため、非ATの状態では、実際の遊技におけるRB状態中の出玉率は、シミュレーション試験及びランダム打ち試験と同様に約0.8(80%)となる。
また、ATの状態では、一般状態及びRB内部中に「F_ATベルA1」~「F_ATベルF2」に対して正解の押し順が報知されるため、実際の遊技における一般状態及びRB内部中の出玉率は、シミュレーション試験と概ね一緒の約1.8(180%)となる。また、RB状態中は停止操作の態様が出玉に影響を与えないため、ATの状態では、実際の遊技におけるRB状態中の出玉率は、シミュレーション試験及びランダム打ち試験と同様に約0.8(80%)となる。
ここで、第2の遊技機では、有利区間において「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」が内部当籤役として決定された場合、増加区間(AT)であるか演出区間(非AT)であるかに関係なく正解の押し順を報知する。第2の遊技機では、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」が内部当籤役として決定された遊技において不正解の押し順で停止操作が行われた場合に限りボーナス役が入賞するため、実際の遊技では、基本的にはRB状態に移行することがない。そのため、実際の遊技では、基本的には、一般状態、RB内部中及びRB状態のうちのRB内部中にのみ滞在することになり、RB内部中において報知の有無が制御されることで出玉の増減が制御される。その結果、第2の遊技機を遊技店において遊技者が実際に遊技する場合の出玉率は、非AT状態では約0.5(50%)となり、AT状態では約1.8(180%)となる。これにより、型式試験に適合しつつもメリハリのある出玉性能を有する遊技機を提供することができる。
このように第2の遊技機では、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」が内部当籤役として決定された遊技において正解の押し順を報知することで、実際の遊技においてRB状態に移行してしまうことを防止するが、遊技者にとってみれば、1枚のメダルの払い出し(すなわち、マイナス2枚という結果)を受けるために所定の押し順で停止操作を行わなければならず、煩わしさを感じてしまう可能性もある。特に、シミュレーション試験やランダム打ち試験を考慮した場合、RB状態の滞在比率を上げることで、全体の出玉率を均すことができるため、一般状態におけるボーナス役の当籤確率や、RB内部中における「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の当籤確率を調整することで、自由度の高い出玉設計が可能になるものの、シミュレーション試験やランダム打ち試験におけるRB状態の滞在比率を上げてしまうと、実際の遊技においてRB状態への移行を封じ込めるための停止操作の要求頻度が高くなってしまう。そこで、第2の遊技機では、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」が内部当籤役として決定された遊技の一部を、チャンス目として扱うことで(図58参照)遊技者が感じる煩わしさを軽減可能にしている。
また、第2の遊技機では、RB状態への移行を完全には封じ込めずに移行可能にしているため、実際の遊技においても出玉的に不利なRB状態に移行してしまうことがある。このような場合、主制御回路100は、RB状態への移行時に(又はRB状態中の各遊技において)、遊技者にとって不利な結果にはならない通常モードの移行抽籤を行うため(図49(B)参照)、出玉的に不利なRB状態に移行してしまったことに伴う興趣の低下を抑制することができる。なお、ボーナス役(RB)の入賞が可能な「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」は、有利区間への移行が確定する役であるため、RBの作動時が非有利区間という状況は発生し得ない。その結果、RB状態に関連して行う通常モードの移行抽籤が無意味になってしまうことがない。
[第2の遊技機における中押しチャンス演出]
続いて、図60を参照して、第2の遊技機における中押しチャンス演出について説明する。第2の遊技機では、確定役として「F_セブン」「F_白BAR」「F_黒BAR1」「F_黒BAR2」を有しているが、これら確定役は、内部当籤役として決定された場合にセンターライン、トップライン、ボトムライン、クロスアップライン、クロスダウンラインといった直線状のラインの何れかに図柄「セブン」「白BAR」又は「黒BAR」を3つ並んで表示可能な役である。例えば、「F_セブン」は、内部当籤役として決定された場合に図柄「セブン」を一直線上に並んで表示可能な役であり、「F_白BAR」は、内部当籤役として決定された場合に図柄「白BAR」を一直線上に並んで表示可能な役であり、「F_黒BAR」は、内部当籤役として決定された場合に図柄「黒BAR」が一直線上に並んで表示可能な役である。
パチスロ機では、停止操作に関する報知がない場合、左のリール3Lに対する停止操作を第1停止操作として行うことが一般的であるが、第2の遊技機では、確定役が内部当籤役として決定された場合に中のリール3Cに対する停止操作を第1停止操作として行った場合に、左のリール3Lに対する停止操作を第1停止操作として行った場合とは異なる特別な出目を表示可能にしている。
なお、主制御回路100は、「F_セブン」が内部当籤役として決定された場合に第1停止操作が左のリール3Lに対して行われると、センターライン又はクロスダウンラインに沿って図柄「セブン」が並ぶように停止制御可能であり、「F_セブン」が内部当籤役として決定された場合に第1停止操作が中のリール3Cに対して行われると、トップラインに沿って図柄「セブン」が並ぶように停止制御可能である。また、主制御回路100は、「F_白BAR」が内部当籤役として決定された場合に第1停止操作が左のリール3Lに対して行われると、ボトムラインに沿って図柄「白BAR」が並ぶように停止制御可能であり、「F_白BAR」が内部当籤役として決定された場合に第1停止操作が中のリール3Cに対して行われると、センターラインに沿って図柄「白BAR」が並ぶように停止制御可能である。また、主制御回路100は、「F_黒BAR1」又は「F_黒BAR2」が内部当籤役として決定された場合に第1停止操作が左のリール3Lに対して行われると、センターラインに沿って図柄「黒BAR」が並ぶように停止制御可能であり、「F_黒BAR1」又は「F_黒BAR2」が内部当籤役として決定された場合に第1停止操作が中のリール3Cに対して行われると、ボトムラインに沿って図柄「白BAR」が並ぶように停止制御可能である。
ここで、図38に示す図柄配置テーブルを参照すると、中のリール3Cには、確定役に応じた図柄の組合せを構成する図柄が並んで配置される個所がある。具体的には、図柄位置「9」には図柄「黒BAR」が配置され、図柄位置「10」には図柄「白BAR」が配置され、図柄位置「11」には図柄「セブン」が配置されている。中押しチャンス演出では、中のリール3Cにおける図柄位置「9」~「11」の図柄(上から「セブン-白BAR-黒BAR」の塊)を狙わせる演出である。なお、中押しチャンス演出は、確定役が内部当籤役として決定されていることを示唆する演出であり、確定役又は「F_フェイク」が内部当籤役として決定された場合に実行され易い演出である。なお、「F_フェイク」が内部当籤役として決定された場合には、主制御回路100は、図柄「セブン」「白BAR」又は「黒BAR」の何れかが直線状に3つ並んで表示されないように停止制御を行う。
中押しチャンス演出では、副制御回路200はメイン表示装置210において、まず、図60(A)に示すように、リール3L,3C,3Rの全てが回転している全リール回転中に中のリール3Cに対して「セブン-白BAR-黒BAR」の塊を狙って停止操作を行うことを促す表示を行う。
この表示に従い遊技者が中のリール3Cに対して第1停止操作を行った結果、中のリール3Cに対して「セブン-白BAR-黒BAR」の塊を停止表示できた場合、確定役の何れかが内部当籤役として決定されていることが確定する。すなわち、主制御回路100は、確定役の何れかが内部当籤役として決定されている場合に中のリール3Cに対して第1停止操作が行われると、中のリール3Cに対して「セブン-白BAR-黒BAR」の塊を停止表示可能である。一方で、主制御回路100は、「F_フェイク」が内部当籤役として決定されている場合に中のリール3Cに対して第1停止操作が行われると、中のリール3Cに対して「セブン-白BAR-黒BAR」の塊を停止表示することができず、この場合には、中のリール3Cには上から「ベル-セブン-白BAR」が停止表示される。
そのため、中のリール3Cに対して「セブン-白BAR-黒BAR」の塊を停止表示できた場合には、副制御回路200はメイン表示装置210において、続いて、図60(B)に示すように、確定役の何れかの当籤が確定していることを報せる表示を行うとともに、左のリール3L又は右のリール3Cに対して図柄「白BAR」を狙って停止操作を行うことを促す表示を行う。また、中のリール3Cに対して「セブン-白BAR-黒BAR」の塊が停止表示された場合、副制御回路200は、スピーカ35a,35bから確定役の当籤が確定していることを報せる所定の確定音を出力する。
確定役として「F_黒BAR1」又は「F_黒BAR2」が内部当籤役として決定されている場合、続いて、左のリール3Lに対して第2停止操作が行われると、左のリール3Lには上から「白BAR-リプレイ1-黒BAR」という図柄が停止表示される。その結果、2つのリールを停止した時点で、図柄「白BAR」がクロスダウンラインに沿ってテンパイし、図柄「黒BAR」がボトムラインに沿ってテンパイするというWテンパイの停止形が得られる。このような場合、副制御回路200はメイン表示装置210において、図60(C)に示すように、「F_白BAR」「F_黒BAR1」又は「F_黒BAR2」の何れかの当籤が確定していることを報せる表示を行うとともに、右のリール3Cに対して図柄「白BAR」を狙って停止操作を行うことを促す表示を行う。また、図柄「白BAR」と図柄「黒BAR」とのWテンパイの停止形が得られた場合、副制御回路200は、スピーカ35a,35bから「F_白BAR」「F_黒BAR1」又は「F_黒BAR2」の何れかの当籤が確定していることを報せる所定のWテンパイ音を出力する。
その後、右のリール3Rに対して第3停止操作が行われると、右のリール3Rの下段には図柄「黒BAR」が停止表示される。その結果、ボトムラインに沿って図柄「黒BAR」が3つ並んで表示される。このような場合、副制御回路200はメイン表示装置210において、図60(D)に示すように、「F_黒BAR1」又は「F_黒BAR2」の入賞に伴うAT1(特殊)が確定していることを報せる表示を行うとともに、スピーカ35a,35bから「F_黒BAR1」又は「F_黒BAR2」の入賞が発生したことを報せる所定の入賞音を出力する。
なお、同図に示す例では、停止操作を行うべきリールの種別や狙うべき図柄位置を演出表示することとしているが、これに限られるものではなく、確定役が内部当籤役として決定されている確率が高いことを示す演出を単に行うだけでもよい。遊技者にとってみれば、確定役が内部当籤役として決定されている確率が高いことを示す演出(いわゆる、熱い演出)が行われた場合に、第1停止操作を中のリール3Cに対して行うか左のリール3Lに対して行うか選択することができれば足りるためである。
また、中押しチャンス演出は、期待度を示唆する特定出目(「セブン-白BAR-黒BAR」の塊)の停止を促す演出であり、遊技の結果に影響を与えるものではない。そのため、副制御回路200は、有利区間中だけでなく、非有利区間においても中押しチャンス演出を実行することとしてもよい。なお、RBが入賞するおそれのある単位遊技(RBと「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の何れかとが重複して内部当籤役として決定された遊技)では、中押しチャンス演出は行わない。そのため、遊技者は、RBが誤って入賞してしまうというリスクなく、中押しチャンス演出を楽しむことができる。
[第2の遊技機の拡張例]
以上、第2の遊技機について説明したが、続いて、第2の遊技機の拡張例について説明する。なお、以下において説明する拡張例は、他の遊技機に対しても適用可能である。
第2の遊技機では、有効ラインとしてリール3Lの上段領域、リール3Cの下段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶライン(上-下-下)を有しているが、有効ラインの種類はこれに限るものではない。また、第2の遊技機では、有効ラインとして1つのラインのみを有しているが、2本以上の複数のラインを有効ラインとして有することとしてもよい。
また、第2の遊技機では、ボーナスとして第一種特別役物(RB)を用いることとしているが、ボーナスの種類は第一種特別役物(RB)に限るものではなく、図37(B)(C)に示すように、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)を用いることとしてもよく、また、第一種特別役物(RB)と第一種特別役物にる役物連続作動装置(BB)との双方を用いることとしてもよい。また、第一種特別役物にる役物連続作動装置(BB)を用いる場合、図37(B)に示すようにマニュアルJACの仕様を採用することとしてもよく、また、図37(C)に示すようにオートJACの仕様を採用することとしてもよい。
BB中のRBの作動にマニュアルJACを採用する場合、図37(B)に示すように、主制御回路100は、RBの当籤/作動の有無に基づいてBB状態中の遊技状態をBB中一般状態、BB中RB内部中及びBB中RB状態として区別する。具体的には、BB中一般状態は、RBに係る役が内部当籤役として決定されておらず、かつ、RBが作動していない状態であり、BB中RB内部中は、RBに係る役が内部当籤役として決定され、かつ、RBが作動していない状態であり、BB中RB状態は、RBが作動している状態である。BB中RB内部中は、RBに係る役が内部当籤役として持ち越されている状態である。
マニュアルJAC仕様の第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)を用いる場合、図37(B)に示すように、主制御回路100は、一般状態においてボーナスに係る役(BB)が内部当籤役として決定されると、一般状態からBB内部中に遊技状態を移行させる。そして、主制御回路100は、BB内部中においてボーナスに係る役に対応する図柄の組合せが停止表示されて、ボーナスに係る役が入賞すると、BB内部中からBB状態のBB中一般状態に遊技状態を移行させる。
また、主制御回路100は、BB中一般状態においてRBに係る役が内部当籤役として決定されると、BB中一般状態からBB中RB内部中に遊技状態を移行させる。そして、主制御回路100は、BB中RB内部中においてRBに係る役に対応する図柄の組合せが停止表示されて、RBに係る役が入賞すると、BB中RB内部中からBB中RB状態に遊技状態を移行させる。また、主制御回路100は、BB中RB状態においてBB中RB状態の終了条件(例えば、12回の遊技が行われること又は8回の入賞が発生することの何れか早い方)を満たすと、BB中RB状態を終了して、BB中RB状態からBB中一般状態に遊技状態を移行させる。また、主制御回路100は、BB状態においてBB状態の終了条件(規定枚数を超えるメダルの払い出し)を満たすと、BB状態を終了して、BB状態から一般状態に遊技状態を移行させる。
すなわち、主制御回路100は、ボーナスに係る役(BB)が入賞した場合に、BB状態というボーナス作動状態を開始し、ボーナス作動状態において終了条件(規定枚数を超えるメダルの払い出し)を満たすと、当該ボーナス作動状態を終了して一般状態というボーナス非作動状態に制御可能である。また、主制御回路100は、BB状態というボーナス作動状態のうちのBB中一般状態又はBB中RB内部中において開始条件(RBに係る役の入賞)を満たした場合にBB中RB状態という特定ボーナス作動状態を開始し、特定ボーナス作動状態において終了条件(例えば、12回の遊技が行われること又は8回の入賞が発生することの何れか早い方)を満たすと、当該特定ボーナス作動状態を終了して、ボーナス作動状態のうちのBB中一般状態に制御可能である。
また、RBの作動にオートJACを採用する場合、図37(C)に示すように、BB状態中は、常にRBの作動条件が満たされているため、BB状態中の遊技状態は、常にBB中RB状態となる。
このようにボーナスとして第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)を用いる場合、BB中RB状態では、図39の「RB」欄に示す内部抽籤テーブルを用いることとしてよい。このようにすることで、主制御回路100は、BB中RB状態では、ボーナス非作動状態における確率よりも高い確率で複数の小役のそれぞれを内部当籤役として決定するが、内部当籤役として決定された小役のうち入賞時に払い出されるメダルの枚数が最も多くなる小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように内部当籤役を決定する。
なお、BB中一般状態及びBB中RB内部中において参照する内部抽籤テーブルは任意である。すなわち、BB中一般状態及びBB中RB内部中において参照する内部抽籤テーブルは、内部当籤役として決定された小役のうち入賞時に払い出されるメダルの枚数が最も多くなる小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超えるように内部当籤役を決定するテーブルであってもよく、また、出玉率が1を超えないように内部当籤役を決定するテーブルであってもよい。一例として、BB中一般状態及びBB中RB内部中において参照する内部抽籤テーブルは、図39の「一般」欄に示す内部抽籤テーブル及び「内部中」欄に示す内部抽籤テーブルよりもリプレイ役の当籤確率を下げて「はずれ」となるテーブルとすることで、BB中一般状態及びBB中RB内部中における「はずれ」の確率を上げることができ、一般状態及びBB内部中よりも出玉率を下げることができる。
このようにボーナスとして第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)を用いる場合であっても、ボーナス非作動状態(一般状態又はBB内部中)においてボーナス役の入賞が実現されるのは、ボーナス役と「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の何れかとが重複して内部当籤役として決定された遊技において不正解の押し順で停止操作が行われた場合に限る。すなわち、拡張例においても主制御回路100は、ボーナス役と入賞時の払出枚数が当該遊技の投入枚数よりも少ない小役のみからなる小役とが重複して内部当籤役として決定された場合に、当該小役が入賞し、かつ、ボーナス役も入賞し、更にBB状態においてBB中RB状態への移行条件が成立する(又は当該小役は入賞せずにボーナス役が入賞し、更にBB状態においてBB中RBへの移行条件が成立する)と仮定した場合の出玉率が、当該小役が入賞し、かつ、ボーナス役は入賞しないと仮定した場合の出玉率よりも、1に近くなるように内部当籤役を決定する。これにより、第2の遊技機と同様に出玉設計の自由度を高めることができる。
また、ボーナスとして第一種特別役物(RB)と第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)との双方を用いることとしてもよい。なお、このように双方を用いる場合には、何れか一方のボーナス状態中の出玉率が1を超え、他のボーナス状態中の出玉率が1を超えないようにしてもよい。例えば、第一種特別役物(RB)は、作動中に出玉率が1を超える一方で、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)は、作動中に出玉率が1を超えないようにしてもよい。
また、第2の遊技機では、第一種特別役物(RB)を1つのみ有することとしているが、第一種特別役物(RB)を2系統以上(例えば、RB1、RB2など)有することとしてもよい。この場合において、一部の第一種特別役物(RB)は、作動中に出玉率が1を超える一方で、残りの第一種特別役物(RB)は、作動中に出玉率が1を超えないようにしてもよい。同様に、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)を2系統以上有することとしてもよい。
また、第2の遊技機では、3つのリール3L,3C,3Rを用いて遊技を行うこととしているが、遊技に用いるリールは、4つ以上であってもよい。ここで、第2の遊技機では、特に、第2の遊技機では、ボーナス役の入賞を、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」が内部当籤役として決定された遊技において不正解の押し順で停止操作が行われた場合に、可能にしているが、このような不正解の押し順で停止操作が行われた場合には、ボーナス役が入賞する割合は、ボーナス役が入賞しない割合よりも高い(56.25%)。3つのリール3L,3C,3Rを用いる場合、このような設計は、ボーナスとして第一種特別役物(RB)を用いることとしているために実現可能であり、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)を用いる場合には実現することができないものの、4つ以上のリールを用いることで、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)に対してもこのような設計を実現することができる。
また、ボーナスとして、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)を用いることとしてもよい。なお、MB状態中は、2枚の投入枚数で遊技し、毎遊技必ず2枚のメダルが払い出されるように設計することとしてもよい。また、MB状態中の第二種特別役物(CB)の作動は、マニュアルCBを採用することとしてもよく、また、オートCBを採用することとしてもよい。
また、第2の遊技機は、遊技店における実際の遊技では、基本的にはRB内部中にのみ滞在することとしているため、常にボーナス役を持ち越した状態となっている。ここで、パチスロ機1に対する設定変更が行われた場合、持ち越しているボーナス役は消去することとしてもよく、また、持ち越した状態のまま維持することとしてもよい。
また、有利区間のリミッタとして、ゲーム数リミッタを有さないこととしてもよい。払出数リミッタを有していれば、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制することができるため、ゲーム数リミッタを有さず、払出数リミッタを有することで、有利区間中の演出区間と増加区間とのバランスを調整し易くなる。
[11.第3の遊技機]
続いて、図61~図64を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の他の一具体例について、これを「第3の遊技機」として説明する。なお、第3の遊技機は、所定数のメダルがベットされることで遊技可能なパチスロ機であって、第3の遊技機における図柄の配列などは任意である。以下では第2の遊技機と同様の構成を有するものとして、第2の遊技機と異なる部分についてのみ説明する。
[遊技状態の遷移フロー]
初めに、図61を参照しながら、第3の遊技機の主制御回路100により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。なお、図61(A)は、第3の遊技機における遊技状態及びその遷移フローであり、図61(B)は、第3の遊技機における報知に関する遊技状態及びその遷移フローであり、図61(C)は、第3の遊技機における報知に関する遊技状態とボーナスにより管理される遊技状態との対応関係を示す図である。
第3の遊技機では、主制御回路100は、ボーナスの当籤/作動の有無に基づいて遊技状態を管理する。同図(A)に示すように、第3の遊技機では、第2の遊技機とは異なり、ボーナス役として2系統のRB(RB1,RB2)を有する。主制御回路100は、ボーナスの当籤/作動の有無に基づいて、一般状態(非フラグ間)、RB1内部中(RB1フラグ間)、RB2内部中(RB2フラグ間)及びRB状態を区別する。具体的には、一般状態は、ボーナス役(RB1、RB2)が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、RB1内部中は、ボーナス役(RB1)が内部当籤役として決定され、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、RB2内部中は、ボーナス役(RB2)が内部当籤役として決定され、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、RB状態は、ボーナスが作動している状態である。なお、第3の遊技機では、ボーナス役(RB1、RB2)が内部当籤役として決定されると、ボーナスが作動するまで複数回の遊技にわたりボーナスに係る役を内部当籤役として持ち越す。RB1内部中及びRB2内部中は、ボーナス役(RB1又はRB2)が内部当籤役として持ち越されている状態である。
主制御回路100は、一般状態においてボーナス役(RB1)が内部当籤役として決定されると、一般状態からRB1内部中に遊技状態を移行させ、一般状態においてボーナス役(RB2)が内部当籤役として決定されると、一般状態からRB2内部中に遊技状態を移行させる。そして、主制御回路100は、RB1内部中においてボーナス役(RB1)に対応する図柄の組合せが停止表示されて、ボーナス役が入賞すると、RB1内部中からRB状態に遊技状態を移行させ、RB2内部中においてボーナス役(RB2)に対応する図柄の組合せが停止表示されて、ボーナス役が入賞すると、RB2内部中からRB状態に遊技状態を移行させる。また、主制御回路100は、RB状態において終了条件(例えば、12回の遊技が行われること又は8回の入賞が発生することの何れか早い方)を満たすと、RB状態を終了して、RB状態から一般状態に遊技状態を移行させる。
なお、第3の遊技機においても、第2の遊技機と同様に、RB1内部中又はRB2内部中では、遊技者の停止操作の態様に応じてボーナス役が入賞してしまうことを回避することができる。ボーナス役の入賞回避のための停止操作の態様は任意であるが、特定のタイミングで停止操作を行うことであってもよく、また、第2の遊技機と同様に、特定の押し順(正解の押し順)で停止操作を行う限り、ボーナス役の入賞を回避することができるものであってもよい。すなわち、第3の遊技機においても「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」を有し、ボーナス役と「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の何れかとが重複して当籤した遊技に限り、ボーナス役を入賞可能とし、ボーナス役とそれ以外の役とが重複して当籤した遊技では、ボーナス役を入賞不可能としてもよい。そして、ボーナス役と「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の何れかとが重複して当籤している遊技では、当該遊技における停止操作の態様が特定態様(正解の押し順)である場合にはボーナス役を入賞させずに1枚役を入賞させ、当該遊技における停止操作の態様が特定態様とは異なる停止操作の態様(不正解の押し順)である場合にボーナス役を入賞可能にしてもよい。
そのため、第3の遊技機においても、複数の役として、メダルの払い出しに係る複数の小役を有するとともに、複数の小役として、入賞時に払い出されるメダルの枚数が投入枚数よりも多い小役と、入賞時に払い出されるメダルの枚数が投入枚数よりも少ない小役とを有する。また、第2の遊技機と同様に、主制御回路100は、ボーナス役(RB)を内部当籤役として持ち越していない一般状態においてボーナス役を内部当籤役として決定する場合、ボーナス役のみを単独で内部当籤役として決定することなく、ボーナス役と減少小役とを重複して内部当籤役として決定することとしてもよい。
なお、第3の遊技機では、第2の遊技機と同様に、主制御回路100は、ボーナスが作動していないボーナス非作動状態(一般状態、RB1内部中又はRB2内部中)では、内部当籤役として決定された小役のうち入賞時に払い出されるメダルの枚数が最も多くなる小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1(100%)を超えるように内部当籤役を決定する。また、主制御回路100は、ボーナスが作動しているボーナス作動状態(RB状態)では、ボーナス非作動状態における確率よりも高い確率で複数の小役のそれぞれを内部当籤役として決定するが、内部当籤役として決定された小役のうち入賞時に払い出されるメダルの枚数が最も多くなる小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように内部当籤役を決定する。そして、主制御回路100は、ボーナス役と入賞時の払出枚数が当該遊技の投入枚数よりも少ない小役のみからなる小役とが重複して内部当籤役として決定された場合に、当該小役が入賞し、かつ、ボーナス役も入賞すると仮定した場合の出玉率が、当該小役が入賞し、かつ、ボーナス役は入賞しないと仮定した場合の出玉率よりも、1に近くなるように内部当籤役を決定する。
続いて、同図(B)を参照して、第3の遊技機における報知に関する遊技状態について説明する。第3の遊技機も第2の遊技機と同様に遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知可能な報知状態(AT)を有するAT機である。すなわち、第3の遊技機も、メイン側報知手段としての指示モニタと、サブ側報知手段としてのメイン演出表示部21を有する。
同図に示すように、第3の遊技機では、報知に関する遊技状態として非AT、AT当籤状態、AT及び特化ゾーンといった遊技状態を有する。非ATは、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知しない遊技状態であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。また、AT当籤状態は、ATへの移行抽籤に当籤し、ATに移行することが確定している遊技状態である。すなわち、非ATは、ATに制御不可能な遊技状態であり、AT当籤状態は、ATに制御可能な遊技状態である。また、ATは、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知可能な遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。また、特化ゾーンは、ATの継続期間の延長期待度が高い(すなわち、ATに関する特典の付与期待度が高い)、遊技者にとって有利な遊技状態である。
続いて、同図(C)を参照して、報知に関する遊技状態と一般状態、RB1内部中、RB2内部中及びRB状態との対応関係について説明する。非ATには、RB1内部中が対応する。すなわち、第3の遊技機は、RB1内部中を通常の状態として遊技が行われる。また、AT当籤状態には、RB1内部中、RB状態、一般状態(及びRB2内部中)が対応する。すなわち、第3の遊技機では、非ATではRB1内部中のまま遊技が行われ、その後、非ATにおいてATに当籤しAT当籤状態になると、RB1を入賞させてRB状態に移行するとともに、RB状態が終了すると一般状態に移行する。また、ATには、RB1内部中が対応し、特化ゾーンには、RB2内部中が対応する。なお、同図に示すもの以外はイレギュラーな状態であり、詳細な説明は省略する。イレギュラーな状態である場合には、例えば、同図に示す対応関係になるまで報知に関する遊技状態を待機させればよい。
続いて、図62を参照して、第3の遊技機における報知に関する遊技状態の遷移フローについて説明することで、第3の遊技機の遊技性について説明する。
図62(A)を参照して、非ATのRB1内部中では、主制御回路100は、ATへの移行抽籤を行う。なお、ATへの移行抽籤の抽籤方法は任意である。非ATのRB1内部中では、主制御回路100及び/又は副制御回路200は、内部当籤役として持ち越しているボーナス役(RB1)の入賞が発生しないように停止操作を行うことを促す演出を実行する。一例として、第3の遊技機における使用の場合、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の何れかが内部当籤役として決定された場合に、内部当籤役として決定されている「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」における正解の押し順を報知する。もちろん、持ち越しているボーナス役の入賞が発生しないように促す演出はこれに限るものではなく、主制御回路100及び/又は副制御回路200は、ボーナス役の入賞封じ込めの仕様に応じた演出を実行する。
非ATにおいてATへの移行抽籤に当籤すると、主制御回路100は、非ATからAT当籤状態に遊技状態を移行する。このとき、非AT中はRB1内部中が維持されるように遊技が進められ、RB1は入賞せずに持ち越したままであるため、RB1内部中のAT当籤状態となる。RB1内部中のAT当籤状態では、主制御回路100及び/又は副制御回路200は、内部当籤役として持ち越しているボーナス役(RB1)の入賞の発生が発生するように停止操作を行うことを促す演出を実行する。一例として、第3の遊技機における使用の場合、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」の何れかが内部当籤役として決定された場合に、内部当籤役として決定されている「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」における不正解の押し順で、RB1に応じた図柄の組合せを狙うように促す。もちろん、持ち越しているボーナス役の入賞が発生するように促す演出はこれに限るものではなく、主制御回路100及び/又は副制御回路200は、ボーナス役が入賞可能な停止操作の態様に応じた演出を実行する。
RB1内部中のAT当籤状態においてRB1が入賞しボーナス(RB)が作動すると、主制御回路100は、RB1内部中のAT当籤状態からRB状態のAT当籤状態に遊技状態を移行する。その後、RB状態において終了条件を満たすと、主制御回路100は、ボーナス(RB)の作動を終了して、RB状態のAT当籤状態から一般状態のAT当籤状態に遊技状態を移行する。ここで、一般状態のAT当籤状態では、ボーナス役を持ち越していないため、ボーナス役に新たに当籤可能である。第3の遊技機では、一般状態のAT当籤状態において先に当籤したボーナス役の種類に応じて、その後の遊技状態をAT又は特化ゾーンに制御する。
具体的には、一般状態のAT当籤状態においてRB1が内部当籤役として決定され、一般状態からRB1内部中に遊技状態が移行すると、主制御回路100は、一般状態のAT当籤状態からRB1内部中のATに遊技状態を移行する。RB1内部中のATでは、基本的には、主制御回路100及び/又は副制御回路200は、内部当籤役として持ち越しているボーナス役(RB1)の入賞が発生しないように停止操作を行うことを促す演出を実行する。そのため、AT中は、基本的にはRB1内部中のまま維持される。そして、RB1内部中のATにおいてATの終了条件を満たすと、主制御回路100は、RB1内部中のATからRB1内部中の非ATに遊技状態を移行する。
また、一般状態のAT当籤状態においてRB2が内部当籤役として決定され、一般状態からRB2内部中に遊技状態が移行すると、主制御回路100は、一般状態のAT当籤状態からRB2内部中の特化ゾーンに遊技状態を移行する。RB2内部中の特化ゾーンでは、主制御回路100及び/又は副制御回路200は、内部当籤役として持ち越しているボーナス役(RB2)の入賞が発生しないように停止操作を行うことを促す演出を実行する。そのため、特化ゾーン中は、RB2内部中のまま維持される。
RB2内部中の特化ゾーンにおいて特化ゾーンの終了条件を満たすと、主制御回路100は、RB2内部中の特化ゾーンからRB2内部中のAT当籤状態に遊技状態を移行する。なお、特化ゾーンの終了条件は、例えば、所定回数の遊技が行われること、上乗せが行われた遊技の回数が所定回数に達すること、所定の終了抽籤において終了が決定されること等の任意の条件であってよい。RB2内部中のAT当籤状態では、RB1内部中のAT当籤状態と同様に、主制御回路100及び/又は副制御回路200は、内部当籤役として持ち越しているボーナス役(RB2)の入賞が発生するように停止操作を行うことを促す演出を実行する。
RB2内部中のAT当籤状態においてRB2が入賞しボーナス(RB)が作動すると、主制御回路100は、RB2内部中のAT当籤状態からRB状態のAT当籤状態に遊技状態を移行する。その後、RB状態において終了条件を満たすと、主制御回路100は、ボーナス(RB)の作動を終了して、再び一般状態のAT当籤状態に遊技状態を移行する。そして、主制御回路100は、この一般状態のAT当籤状態においてRB1とRB2との何れが内部当籤役として決定されるかに応じて、その後の遊技状態をAT又は特化ゾーンに制御する。
このように第3の遊技機では、遊技者にとって不利な非ATは、RB1内部中を維持したまま制御され、非ATにおいてATに当籤しAT当籤状態となると、維持していたRB1内部中を終了して、何らのボーナス役も持ち越していない一般状態に制御する。そして、一般状態のAT当籤状態において先に当籤したボーナス役の種類に応じて、その後の遊技状態をAT又は特化ゾーンに制御する。
続いて、図62(B)を参照して、第3の遊技機における報知に関する遊技状態の遷移フローの別例について説明する。図62(A)では、非ATからAT又は特化ゾーンに移行する場合の遊技状態の遷移例を示しているが、特化ゾーンへの移行はAT中に行うこともできる。図62(B)では、AT中に特化ゾーンに移行する場合の遊技状態の遷移フローを示す。
ATのRB1内部中では、主制御回路100は、特化ゾーンへの移行抽籤を行う。なお、特化ゾーンへの移行抽籤の抽籤方法は任意である。なお、ATのRB1内部中では、主制御回路100及び/又は副制御回路200は、内部当籤役として持ち越しているボーナス役(RB1)の入賞が発生しないように停止操作を行うことを促す演出を実行する。
ATにおいて特化ゾーンへの移行抽籤に当籤すると、主制御回路100は、ATから特化当籤状態に遊技状態を移行する。RB1内部中の特化当籤状態では、主制御回路100及び/又は副制御回路200は、内部当籤役として持ち越しているボーナス役(RB1)の入賞の発生が発生するように停止操作を行うことを促す演出を実行する。
RB1内部中の特化当籤状態においてRB1が入賞しボーナス(RB)が作動すると、主制御回路100は、RB1内部中の特化当籤状態からRB状態の特化当籤状態に遊技状態を移行する。その後、RB状態において終了条件を満たすと、主制御回路100は、ボーナス(RB)の作動を終了して、RB状態の特化当籤状態から一般状態の特化当籤状態に遊技状態を移行する。そして、第3の遊技機では、一般状態の特化当籤状態において先に当籤したボーナス役の種類に応じて、その後の遊技状態をAT又は特化ゾーンに制御する。
具体的には、一般状態の特化当籤状態においてRB1が内部当籤役として決定され、一般状態からRB1内部中に遊技状態が移行すると、主制御回路100は、一般状態の特化当籤状態からRB1内部中のATに遊技状態を移行する。
また、一般状態の特化当籤状態においてRB2が内部当籤役として決定され、一般状態からRB2内部中に遊技状態が移行すると、主制御回路100は、一般状態の特化当籤状態からRB2内部中の特化ゾーンに遊技状態を移行する。RB2内部中の特化ゾーンでは、主制御回路100及び/又は副制御回路200は、内部当籤役として持ち越しているボーナス役(RB2)の入賞が発生しないように停止操作を行うことを促す演出を実行する。そのため、特化ゾーン中は、RB2内部中のまま維持される。
RB2内部中の特化ゾーンにおいて特化ゾーンの終了条件を満たすと、主制御回路100は、RB2内部中の特化ゾーンからRB2内部中の特化当籤状態に遊技状態を移行する。RB2内部中の特化当籤状態では、主制御回路100及び/又は副制御回路200は、内部当籤役として持ち越しているボーナス役(RB2)の入賞が発生するように停止操作を行うことを促す演出を実行する。
RB2内部中の特化当籤状態においてRB2が入賞しボーナス(RB)が作動すると、主制御回路100は、RB2内部中の特化当籤状態からRB状態の特化当籤状態に遊技状態を移行する。その後、RB状態において終了条件を満たすと、主制御回路100は、ボーナス(RB)の作動を終了して、再び一般状態の特化当籤状態に遊技状態を移行する。そして、主制御回路100は、この一般状態の特化当籤状態においてRB1とRB2との何れが内部当籤役として決定されるかに応じて、その後の遊技状態をAT又は特化ゾーンに制御する。
このように第3の遊技機では、AT中もRB1内部中を維持したまま制御されるものの、AT中に特化ゾーンへの移行抽籤に当籤した場合には、維持していたRB1内部中を終了して、何らのボーナス役も持ち越していない一般状態に制御する。そして、一般状態の特化当籤状態において先に当籤したボーナス役の種類に応じて、その後の遊技状態をAT又は特化ゾーンに制御する。なお、ATにおいて特化ゾーンへの移行抽籤に当籤したにも関わらず、一般状態の特化当籤状態においてRB1が内部当籤役として決定され、特化ゾーンではなくATに移行してしまった場合には、特化ゾーンへの移行抽籤に当籤したことを消去することとしてもよい。もちろん、特化ゾーンへの移行抽籤に当籤した場合に特化ゾーンへの移行を規定回数以上保証するものであってもよい。すなわち、特化ゾーンへの移行抽籤に当籤したにも関わらず、特化ゾーンへの移行回数が保証回数に達する前に一般状態の特化当籤状態からATに移行してしまった場合であっても、特化ゾーンへの移行回数が保証回数に達するまでは特化ゾーンへの移行抽籤に当籤したことを維持したままとしてもよい。例えば、主制御回路100は、一般状態の特化当籤状態においてRB1が内部当籤役として決定された場合に、一般状態の特化当籤状態からRB1内部中の特化当籤状態に遊技状態を移行することとしてもよい。なお、この点は、非ATにおいてATへの移行抽籤に当籤した場合も同様であり、ATに移行する前に特化ゾーンへの移行を規定回数分だけ保証するものであってもよい。
[第3の遊技機のリール制御]
続いて、図63を参照して、第3の遊技機における主制御回路100によるリール3L,3C,3Rの停止制御の概要について説明する。図63は、第3の遊技機における内部当籤役として決定された役と実際に停止表示される図柄の組合せ(表示役)との対応関係を示す図であり、図63(A)は、RB1内部中における内部当籤役と表示役との対応関係を示す図であり、図63(B)は、RB2内部中における内部当籤役と表示役との対応関係を示す図である。同図に示すように、第3の遊技機では、ATに対応するRB1内部中と、特化ゾーンに対応するRB2内部中とでリール3L,3C,3Rの停止制御を異ならせる。なお、RB1内部中とRB2内部中とで停止制御が異なっていればよく、一般状態(非フラグ間)における停止制御は任意である。例えば、一般状態とRB1内部中とでは、停止制御が同一であってもよい。
図63(A)に示すように、RB1内部中では、「F_通常RP1」~「F_通常RP4」の何れも押し順に関係なく「上段リプ」の図柄の組合せが表示される。一方で、図63(B)に示すように、RB1内部中では、「F_通常RP1」は、押し順に関係なく「上段リプ」の図柄の組合せが表示されるものの、「F_通常RP2」~「F_通常RP4」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる。具体的には、「F_通常RP2」は、左中右又は左右中の押し順では「上段リプ」の図柄の組合せが表示され、中左右、中右左、右左中又は右中左の押し順では「セブン揃い」の図柄の組合せが表示される。また、「F_通常RP3」は、左中右又は左右中の押し順では「上段リプ」の図柄の組合せが表示され、中左右又は中右左の押し順では「白BAR揃い」の図柄の組合せが表示され、右左中又は右中左の押し順では「セブン揃い」の図柄の組合せが表示される。また、「F_通常RP4」は、左中右又は左右中の押し順では「上段リプ」の図柄の組合せが表示され、中左右、中右左、右左中又は右中左の押し順では「白BAR揃い」の図柄の組合せが表示される。
このように第3の遊技機では、主制御回路100は、特化ゾーンに対応するRB2内部中に一般状態やRB1内部中とは異なる特別な図柄の組合せが停止表示されるようにリール3L,3C,3Rの停止制御を行う。これにより特化ゾーン中は、特別な図柄の組合せを表示させることができ、ATの継続期間の延長(上乗せ)という特典の付与と表示される図柄の組合せとを関連付けることができる。なお、同図に示す例では、リプレイ役に付いてのみRB1内部中に表示される図柄の組合せとRB2内部中に表示される図柄の組合せとを異ならせているが、リプレイ役に限らず、小役に対してRB1内部中に表示される図柄の組合せとRB2内部中に表示される図柄の組合せとを異ならせることとしてもよい。また、同図に示す例では、複数の役のうちの一部の役についてのみRB1内部中に表示される図柄の組合せとRB2内部中に表示される図柄の組合せとを異ならせることとしているが、これに限るものではなく、複数の役のうちの全ての役についてRB1内部中に表示される図柄の組合せとRB2内部中に表示される図柄の組合せとを異ならせることとしてもよい。
また、同図に示す例では、停止操作の態様が特定の態様である場合(左中右又は左右中以外の押し順)に限り、RB1内部中に表示される図柄の組合せとRB2内部中に表示される図柄の組合せとを異ならせ、停止操作の態様が特定の態様ではない場合(左中右又は左右中の押し順)には、RB1内部中に表示される図柄の組合せとRB2内部中に表示される図柄の組合せとを共通としているが、これに限られるものではない。すなわち、主制御回路100は、停止操作の態様に関係なく、RB1内部中に表示される図柄の組合せとRB2内部中に表示される図柄の組合せとを異ならせることとしてもよい。
なお、停止操作の態様が特定の態様である場合に限り、RB1内部中に表示される図柄の組合せとRB2内部中に表示される図柄の組合せとを異ならせることで、特化ゾーン中にのみ特別な図柄の組合せ(セブン揃いや白BAR揃い)を表示可能にし、特化ゾーンが終了してからRB2が入賞するまでの待機中(RB2内部中のAT当籤状態)には通常の図柄の組合せ(上段リプ)を表示させることができ、ATに関する特典の付与と表示される図柄の組合せとの関連付けをより明確にすることができる。すなわち、主制御回路100及び/又は副制御回路200は、RB2内部中の特化ゾーンにおいて「F_通常RP2」~「F_通常RP4」の何れかが内部当籤役として決定されると、特別な図柄の組合せが表示されるように停止操作を行うことを促す演出(例えば、「F_通常RP2」の場合、左中右又は左右中以外の押し順で図柄「セブン」を狙うように促す演出)を行い、特化ゾーン終了後のRB2内部中のAT当籤状態において「F_通常RP2」~「F_通常RP4」の何れかが内部当籤役として決定されると、通常の図柄の組合せが表示されるように停止操作を行うことを促す演出(例えば、左中右又は左右中の押し順で停止操作を行うことを促す演出)を行う。
[特化ゾーン_上乗せ抽籤テーブル]
続いて、図64を参照して、特化ゾーン_上乗せ抽籤テーブルについて説明する。特化ゾーン_上乗せ抽籤テーブルは、特化ゾーン中に行うATの継続期間の上乗せ抽籤のために用いられ、内部当籤役として決定された役ごとに上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
ここで、第3の遊技機では、ATに関する特典の付与と表示される図柄の組合せとを関連付ける。一例として、上乗せ抽籤の結果が「50ゲーム上乗せ」である場合、「セブン揃い」の図柄の組合せを表示させ、上乗せ抽籤の結果が「100ゲーム上乗せ」である場合、「白BAR揃い」の図柄の組合せを表示させる。図63(B)に示すように、「セブン揃い」の図柄の組合せは、「F_通常RP2」又は「F_通常RP3」が内部当籤役として決定された場合に表示可能であり、図64に示すように、これら「F_通常RP2」又は「F_通常RP3」に対しては上乗せ抽籤の結果として「50ゲーム上乗せ」が設定されている。また、図63(B)に示すように、「白BAR揃い」の図柄の組合せは、「F_通常RP3」又は「F_通常RP4」が内部当籤役として決定された場合に表示可能であり、図64に示すように、これら「F_通常RP2」又は「F_通常RP3」に対しては上乗せ抽籤の結果として「100ゲーム上乗せ」が設定されている。
主制御回路100及び/又は副制御回路200は、「F_通常RP2」又は「F_通常RP3」が内部当籤役として決定された遊技において上乗せ抽籤の結果として「50ゲーム上乗せ」が決定された場合には、「セブン揃い」の図柄の組合せが表示されるように停止操作を行うことを促す演出(例えば、「F_通常RP2」の場合、左中右又は左右中以外の押し順で図柄「セブン」を狙うように促す演出)を行う。また、主制御回路100及び/又は副制御回路200は、「F_通常RP3」又は「F_通常RP4」が内部当籤役として決定された遊技において上乗せ抽籤の結果として「100ゲーム上乗せ」が決定された場合には、「白BAR揃い」の図柄の組合せが表示されるように停止操作を行うことを促す演出(例えば、「F_通常RP4」の場合、左中右又は左右中以外の押し順で図柄「白BAR」を狙うように促す演出)を行う。
なお、同図に示す例では、「F_通常RP2」~「F_通常RP4」が内部当籤役として決定された場合、上乗せ抽籤の結果が「非当籤」になることはないが、「F_通常RP2」~「F_通常RP4」に対する上乗せ抽籤の結果として「非当籤」を含めることとしてもよい。「F_通常RP2」~「F_通常RP4」が内部当籤役として決定された遊技において上乗せ抽籤の結果として「非当籤」が決定された場合には、主制御回路100及び/又は副制御回路200は、通常の図柄の組合せ(上段リプ)が表示されるように停止操作を行うことを促す演出(例えば、左中右又は左右中の押し順で停止操作を行うことを促す演出)を行うことで、ATに関する特典の付与と表示される図柄の組合せとを関連付けることができる。
また、同図に示す例では、「F_通常RP1」~「F_通常RP4」以外の役については省略しているが、「F_通常RP1」~「F_通常RP4」以外の役に付いての上乗せ抽籤の結果については任意である。また、特化ゾーン以外の遊技状態における上乗せ抽籤についても任意であり、AT中にも上乗せ抽籤を行うこととしてもよい。ただし、特化ゾーン中は、ATに比べて上乗せの期待度が高い。言い換えると、主制御回路100は、RB1を内部当籤役として持ち越しているRB1内部中に対応するAT中よりも、RB2を内部当籤役として持ち越しているRB2内部中に対応する特化ゾーン中の方が、遊技者にとって有利度の高いATに関する特典を付与可能である。すなわち、主制御回路100は、持ち越しているボーナス役の種類を除き、内部当籤役として決定された役が同一である場合、AT中よりも特化ゾーン中の方が、遊技者にとって有利度の高いATに関する特典を付与可能である。具体的には、主制御回路100は、RB1内部中に「F_通常RP2」~「F_通常RP4」の何れかが内部当籤役として決定された遊技よりも、RB2内部中に「F_通常RP2」~「F_通常RP4」の何れかが内部当籤役として決定された遊技の方が、遊技者にとって有利度の高いATに関する特典を付与可能である。
[12.第4の遊技機]
続いて、図65~図66を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の他の一具体例について、これを「第4の遊技機」として説明する。なお、以下では第4の遊技機は、3BET専用のパチスロ機であるとして説明する。また、第4の遊技機における図柄の配列などは任意であり、以下では第4の遊技機に特有の遊技性を説明するために必要な部分についてのみ説明する。
[遊技状態の遷移フロー]
初めに、図65(A)を参照しながら、第4の遊技機の主制御回路100により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。なお、以下では、ボーナスとして第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)を用いることとしているが、ボーナスの種類は任意である。
第4の遊技機では、主制御回路100は、ボーナスの当籤/作動の有無に基づいて遊技状態を管理する。図65(A)に示すように、主制御回路100は、ボーナスの当籤/作動の有無に基づいて、一般状態(非フラグ間)、BB内部中(BBフラグ間)及びBB状態を区別する。具体的には、一般状態は、ボーナスに係る役(「F_BB」)が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、BB内部中は、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定され、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、BB状態は、ボーナスが作動している状態である。なお、第4の遊技機では、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、ボーナスが作動するまで複数回の遊技にわたりボーナスに係る役を内部当籤役として持ち越す。BB内部中は、ボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越されている状態である。
ここで、第4の遊技機において、ボーナスが作動している状態(BB状態)は、出玉率が1を超える遊技者にとって有利な遊技状態である。一方で、ボーナスが作動していない状態(一般状態及びBB内部中)は、遊技者が実際に遊技する場合には、出玉率が1を超えない遊技者にとって不利な遊技状態である。
主制御回路100は、一般状態においてボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、一般状態からBB内部中に遊技状態を移行させる。そして、主制御回路100は、BB内部中においてボーナスに係る役に対応する図柄の組合せが停止表示されて、ボーナスに係る役が入賞すると、BB内部中からBB状態に遊技状態を移行させる。また、主制御回路100は、BB状態において終了条件(例えば、規定枚数のメダルが払い出されること)を満たすと、BB状態を終了して、BB状態から一般状態に遊技状態を移行させる。
[内部抽籤テーブル]
続いて、図65(B)を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。同図の「一般」欄は、一般状態において参照される内部抽籤テーブルであり、「内部中」欄は、BB内部中において参照される内部抽籤テーブルであり、「BB」欄は、BB状態において参照される内部抽籤テーブルである。
内部抽籤テーブルには、予め定められた複数の内部当籤役の種類を示すデータ(例えば、「No.」あるいは「当籤番号」)と、各遊技状態において各内部当籤役が決定される抽籤値とが規定される。なお、抽籤値は、設定された設定値によっても変動する場合がある。また、各内部当籤役に対して表示が許可される(対応する)図柄の組合せの種類が対応付けられ手織り、例えば、「F_1枚役」に対しては、「NM02」「NM03-1」~「NM03-n(なお、nは任意の値である)」が対応付けられている。このことは、「F_1枚役」が、「NM02」「NM03-1」~「NM03-n」という個々の役が重複して当籤することを意味する。
なお、RP01~RP02は、再遊技(リプレイ)の作動に係るリプレイ役(又はリプレイ役に応じた図柄の組合せ)であり、NM01、NM02、NM03-1~NM03-nは、メダルの払い出しに係る小役(又は小役に応じた図柄の組合せ)であり、BBは、ボーナス(ボーナス状態)の作動に係るボーナス役(又はボーナス役に応じた図柄の組合せ)である。第4の遊技機におけるボーナス役は、入賞しなかった場合に次遊技以降も内部当籤役として持ち越される役である。
[図柄組合せテーブル]
次に、図65(C)を参照して、第4の遊技機における入賞等に係る図柄の組合せを規定する図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルには、有効ライン上に表示され得る図柄の組合せのうちで予め定められた複数の図柄の組合せの種類を示すデータが規定されている。また、図柄組合せテーブルには、各図柄の組合せに対して特典等の種類を示すデータが対応付けられている。
主制御回路100は、図柄組合せテーブルにおいて規定する図柄の組合せが有効ライン上に表示されると、入賞を発生させて、対応する特典を付与する。例えば、RP01、RP02に対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合には、リプレイ役の入賞を発生させて、再遊技の作動という特典を付与する。また、BBに対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合には、ボーナス役の入賞を発生させて、ボーナスの作動という特典を付与する。また、NM01、NM02、NM03-1~NM03-nに対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合には、小役の入賞を発生させて、メダルの払い出しという特典を付与する。
ここで、第4の遊技機では、複数種類の小役を有するとともに、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数(3枚)よりも少ない小役(NM03-1~NM03-n)と、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも多い小役(NM01~NM02)とを有する。なお、NM02は、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも最少枚数だけ多い小役(4枚)である。図65(B)に示すように、主制御回路100は、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも少ない小役(NM03-1~NM03-n)を内部当籤役として決定する場合、NM03-1~NM03-nに加えて必ずNM02を重複して内部当籤役として決定する。例えば、「F_1枚役」は、NM03-1~NM03-nを含むため、NM02も重複して当籤するように規定されている。一方で、「F_ベル」は、NM03-1~NM03-nを含まないため、NM02を重複して当籤させる必要はない。
ただし、主制御回路100は、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも少ない小役と、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも最少枚数だけ多い小役とが重複して内部当籤役として決定された遊技では、後者よりも前者が優先して入賞するようにリール3L,3C,3Rを制御する。具体的には、「F_1枚役」が内部当籤役として決定された遊技では、主制御回路100は、NM03-1~NM03-nが優先して入賞するようにリール制御を行う(NM02は入賞しない)。そのため、第4の遊技機では、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも少ない小役と、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも最少枚数だけ多い小役とが重複して内部当籤役として決定された遊技では、前者(NM03-1~NM03-n)が必ず入賞し、後者(NM02)が入賞することはない。
ここで、パチスロ機では、引込優先制御のルールとして、図柄数を優先する制御と払出枚数を優先する制御とがある。前者の図柄数を優先する制御とは、停止操作が行われたタイミングから引込可能な範囲において、内部当籤役に基づき引込可能な図柄が複数存在する場合に、これら複数の図柄のうち、内部当籤役として決定された複数の役のそれぞれに対応する図柄の組合せの中において、これら複数の図柄を構成図柄とする図柄の組合せの数が多い図柄を優先して引き込む制御である。具体的には、引込可能な範囲において、図柄位置1の図柄Aと図柄位置2の図柄Bが存在するものとし、内部当籤役として決定された役には、図柄Aを構成図柄とする図柄の組合せに対応する役が2種類、図柄Bを構成図柄とする図柄の組合せに対応する役が3種類あるものとする。この場合、図柄数を優先する制御では、対応する役が3種類ある図柄Bを優先して引き込む。
一方で、後者の払出枚数を優先する制御とは、停止操作が行われたタイミングから引込可能な範囲において、内部当籤役に基づき引込可能な図柄が複数存在する場合に、これら複数の図柄のうち、内部当籤役として決定された複数の役のそれぞれに対応する図柄の組合せの中において最も払出枚数が多い図柄の組合せを構成する図柄を優先して引き込む制御である。具体的には、引込可能な範囲において、図柄位置1の図柄Aと図柄位置2の図柄Bが存在するものとし、内部当籤役として決定された役には、図柄Aを構成図柄とする図柄の組合せに対応する役が2種類、図柄Bを構成図柄とする図柄の組合せに対応する役が3種類あるものの、図柄Aを構成図柄とする図柄の組合せは「10枚」のメダルが払い出される図柄の組合せであり、図柄Bを構成図柄とする図柄の組合せは「1枚」のメダルが払い出される図柄の組合せであるものとする。この場合、払出枚数を優先する制御では、払出枚数が「15枚」と多い図柄Aを優先して引き込む。
そのため、引込優先制御のルールとして、図柄数を優先する制御を採用することで、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも少ない小役と、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも最少枚数だけ多い小役とが重複して内部当籤役として決定された遊技において、後者よりも前者が優先して入賞するようにリール3L,3C,3Rを制御することができる。
なお、第4の遊技機では、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも少ない小役として、入賞時に払い出されるメダルの枚数が最少の枚数(1枚)であるNM03-1~NM03-nのみを有しているが、入賞時に払い出されるメダルの枚数が2枚の小役を有する場合も、当該小役は、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも少ない小役であるため、主制御回路100は、当該小役を内部当籤役として決定する場合、必ずNM02を重複して内部当籤役として決定する。そして、このような場合も、主制御回路100は、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも少ない小役を優先して引き込む(NM02を入賞させることがない)。
第4の遊技機では、このように入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも少ない小役に対して、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも最少枚数だけ多い小役(NM02)を必ず重複させることで、シミュレーション試験においてボーナス状態に移行しないようにボーナスを封じ込める。すなわち、第2の遊技機では、シミュレーション試験において不利なボーナス状態に移行させる一方で、遊技者による実際の遊技ではボーナス状態への移行を封じ込めることとしていたが、第4の遊技機では、シミュレーション試験において有利なボーナス状態への移行を封じ込める一方で、遊技者による実際の遊技ではボーナス状態への移行を可能にする。
上述したように、シミュレーション試験においてボーナス役と小役とが重複当籤した場合にはルール1及び2に沿って試験が進められるが、第2の遊技機ではルール1に着目して、シミュレーション試験において不利なボーナス状態に移行させる一方で、第4の遊技機ではルール2に着目して、シミュレーション試験における有利なボーナス状態への移行を封じ込める。すなわち、ルール2によると、小役の払出枚数が当該遊技の投入枚数よりも多い場合には、当該小役の入賞のみが発生し、ボーナスは作動せず、次遊技からボーナス持越状態(フラグ間)に移行する。そのため、図65(B)に示すように、第4の遊技機では、「はずれ」の当籤確率を低くする一方で、「F_1枚役」の当籤確率を高くすることで、ボーナス役と小役とが重複して当籤する確率を高くして、シミュレーション試験において有利なボーナス状態への移行を封じ込める。
[内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係]
続いて、図66を参照して、内部当籤役として決定された役と実際に停止表示される図柄の組合せ(表示役)との対応関係について説明する。図66(A)は、一般状態(非フラグ間)における内部当籤役と表示役との対応関係を示す図であり、図66(B)は、BB内部中(BBフラグ間)における内部当籤役と表示役との対応関係を示す図であり、図66(C)は、BB状態における内部当籤役と表示役との対応関係を示す図である。
なお、第4の遊技機では、リプレイ役、小役、ボーナス役の引込優先順位を、リプレイ役を最も優先的に引き込み、ボーナス役を次に優先的に引き込み、小役を次に優先的に引き込むように規定している。すなわち、主制御回路100は、ボーナス役と小役とが重複して内部当籤役として決定される場合、ボーナス役に対応する図柄の組合せが、小役に対応する図柄の組合せよりも優先的に表示されるように、リール3L,3C,3Rの停止制御を行う。これにより、遊技者が実際に行う遊技では、遊技者の停止操作に応じてボーナス役を入賞させることができる。
図66(A)に示すように、主制御回路100は、「F_通常RP」が内部当籤役として決定された遊技では、通常リプ(RP01)に対応する図柄の組合せを表示させ、「F_特殊RP」が内部当籤役として決定された遊技では、特殊リプ(RP02)対応する図柄の組合せを表示させる。また、主制御回路100は、「F_ベル」が内部当籤役として決定された遊技では、ベル(NM01)に対応する図柄の組合せを表示させ、「F_スイカ」が内部当籤役として決定された遊技では、スイカ(NM02)に対応する図柄の組合せを表示させる。
また、主制御回路100は、「F_1枚役」が内部当籤役として決定された遊技では、1枚役(NM03-1~NM03-nの何れか)に対応する図柄の組合せを表示させる。すなわち、主制御回路100は、NM02とNM03-1~NM03-nとが重複する「F_1枚役」が内部当籤役として決定された場合、NM02に対応する図柄の組合せを表示させることなく、NM03-1~NM03-nの何れかに対応する図柄の組合せを表示させる。
また、主制御回路100は、「F_BB」と「F_特殊RP」とが重複して内部当籤役として決定された遊技では、特殊リプ(RP02)に対応する図柄の組合せを表示させる。また、主制御回路100は、「F_BB」と「F_スイカ」とが重複して内部当籤役として決定された遊技では、BBに対応する図柄の組合せを引き込み可能である場合には、BBに対応する図柄の組合せを表示させ、BBに対応する図柄の組合せを引き込み可能でなく、かつ、スイカ(NM02)に対応する図柄の組合せを引き込み可能である場合には、スイカに対応する図柄の組合せを表示させる。また、主制御回路100は、「F_BB」と「F_1枚役」とが重複して内部当籤役として決定された遊技では、BBに対応する図柄の組合せを引き込み可能である場合には、BBに対応する図柄の組合せを表示させ、BBに対応する図柄の組合せを引き込み可能でなく、かつ、1枚役(NM03-1~NM03-nの何れか)に対応する図柄の組合せを引き込み可能である場合には、1枚役に対応する図柄の組合せを表示させる。
続いて、図66(B)に示すように、主制御回路100は、「F_BB」と「F_通常RP」とが重複して内部当籤役として決定された遊技では、通常リプ(RP01)に対応する図柄の組合せを表示させ、「F_BB」と「F_特殊RP」とが重複して内部当籤役として決定された遊技では、特殊リプ(RP02)に対応する図柄の組合せを表示させる。
また、主制御回路100は、「F_BB」と「F_ベル」とが重複して内部当籤役として決定された遊技では、BBに対応する図柄の組合せを引き込み可能である場合には、BBに対応する図柄の組合せを表示させ、BBに対応する図柄の組合せを引き込み可能でなく、かつ、ベル(NM01)に対応する図柄の組合せを引き込み可能である場合には、スイカに対応する図柄の組合せを表示させる。また、主制御回路100は、「F_BB」と「F_スイカ」とが重複して内部当籤役として決定された遊技では、BBに対応する図柄の組合せを引き込み可能である場合には、BBに対応する図柄の組合せを表示させ、BBに対応する図柄の組合せを引き込み可能でなく、かつ、スイカ(NM02)に対応する図柄の組合せを引き込み可能である場合には、スイカに対応する図柄の組合せを表示させる。また、主制御回路100は、「F_BB」と「F_1枚役」とが重複して内部当籤役として決定された遊技では、BBに対応する図柄の組合せを引き込み可能である場合には、BBに対応する図柄の組合せを表示させ、BBに対応する図柄の組合せを引き込み可能でなく、かつ、1枚役(NM03-1~NM03-nの何れか)に対応する図柄の組合せを引き込み可能である場合には、1枚役に対応する図柄の組合せを表示させる。
続いて、図66(C)に示すように、主制御回路100は、「F_BB中小役」が内部当籤役として決定された遊技では、ベル(NM01)に対応する図柄の組合せを表示させる。
このように第4の遊技機では、小役よりもボーナス役を優先的に引き込むようにリール制御を行うため、遊技者が実際に遊技を行う場合には、遊技者は、ボーナス役と小役とが重複して当籤した遊技においてボーナス役を狙って停止操作を行うことで、ボーナス役を入賞させることができる。一方で、シミュレーション試験においては、ボーナス役を入賞させずに、ボーナス状態への移行を封じ込める。
具体的には、一般状態においてボーナス役(BB)を内部当籤役として決定する場合、主制御回路100は、ボーナス役を単独で内部当籤役として決定することなく、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも多い小役(NM02)、又は、再遊技の作動に係るリプレイ役(RP02)を必ず重複して内部当籤役として決定する。
入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも多い小役(NM02)と重複させることで、上述のルール2により、シミュレーション試験ではボーナス役が入賞することがなく、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも多い小役(NM02)が入賞する結果、一般状態におけるボーナス役の当籤遊技においてボーナス状態への移行を封じ込めることができる。
また、リプレイ役は、シミュレーション試験においても必ず入賞するものと扱われていると考えられるため、ボーナス役とリプレイ役とを重複させることで、シミュレーション試験ではボーナス役が入賞することがなく、リプレイ役が入賞する結果、一般状態におけるボーナス役の当籤遊技においてボーナス状態への移行を封じ込めることができる。
また、BB内部中では、主制御回路100は、持ち越しているボーナス役のみを単独で内部当籤役として決定することなく、常に、当該ボーナス役に加えて他の役を重複して内部当籤役として決定する。具体的には、第4の遊技機では、BB内部中における「はずれ」の当籤確率を0にしている(その分を「F_1枚役」で埋めている)。その結果、BB内部中では、ボーナス役に加えてリプレイ役又は小役が重複して当籤する。このとき、第4の遊技機では、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも少ない小役に対して、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも最少枚数だけ多い小役(NM02)を必ず重複させているため、シミュレーション試験におけるBB内部中のボーナス状態への移行を、リプレイ役又はルール2により封じ込めることができる。
[シミュレーション試験における動作と実際の遊技における動作との比較]
続いて、図66を参照して、シミュレーション試験における動作と実際の遊技における動作とを比較することで、第4の遊技機における出玉の推移について説明する。
初めに、図66(A)を参照して、シミュレーション試験における一般状態及びBB内部中の内部当籤役と表示役等との対応関係について説明する。なお、BB内部中は、同図に示す役以外にボーナス役(「F_BB」)も重複して当籤するが、図66(A)(C)では、図示は省略している。
シミュレーション試験では、「F_通常リプ」が内部当籤役として決定されると、ボーナス役の当籤の有無に関係なく、通常リプ(RP01)が入賞し、「F_特殊リプ」が内部当籤役として決定されると、ボーナス役の当籤の有無に関係なく、特殊リプ(RP02)が入賞する。そして、これらの場合、再遊技の作動という特典が付与される。また、シミュレーション試験では、「F_ベル」が内部当籤役として決定されると、ボーナス役の当籤の有無に関係なく、ベル(NM01)が入賞し、「F_スイカ」が内部当籤役として決定されると、ボーナス役の当籤の有無に関係なく、スイカ(NM02)が入賞する。そして、これらの場合、今回の遊技において用いたメダルの枚数よりも多い枚数のメダルが払い出されるという特典が付与される。
また、シミュレーション試験では、「F_1枚役」が内部当籤役として決定されると、ボーナス役の当籤の有無に関係なく、スイカ(NM02)が入賞する。すなわち、「F_1枚役」には、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも多い小役(NM02)が含まれるため、シミュレーション試験では「F_1枚役」に含まれる小役のうちの払出枚数が最も多いNM02が入賞する。
ここで、第4の遊技機では、「はずれ」の当籤確率を0にするため、「F_1枚役」で埋め尽くしている。その結果、シミュレーション試験では、毎遊技概ね1枚ずつメダルが増加していくことになり、出玉の推移は、図66(B)に示すように遊技回数に応じて緩やかに増加していく。なお、シミュレーション試験では、ボーナス役の入賞が封じ込められているため、ボーナス役に一度当籤するとその後の遊技状態はBB内部中のまま維持される。
初めに、図66(C)を参照して、実際の遊技における一般状態及びBB内部中の内部当籤役と表示役等との対応関係について説明する。
「F_通常リプ」及び「特殊リプ」は、シミュレーション試験と実際の遊技とにおいて変わらず、「F_通常リプ」又は「特殊リプ」が内部当籤役として決定されると、ボーナス役の当籤の有無に関係なく、通常リプ(RP01)又は特殊リプ(RP02)が入賞する。
また、実際の遊技では、「F_ベル」が内部当籤役として決定されると、ボーナス役が当籤していない場合(一般状態)には、ベル(NM01)が入賞し、ボーナス役が当籤している場合(BB内部中)には、ボーナス役の方が優先して入賞する。同様に、実際の遊技において「F_スイカ」が内部当籤役として決定されると、ボーナス役が当籤していない場合(一般状態)には、スイカ(NM02)が入賞し、ボーナス役が当籤している場合(BB内部中)には、ボーナス役の方が優先して入賞する。
また、実際の遊技において「F_1枚役」が内部当籤役として決定されると、ボーナス役が当籤している場合(BB内部中)には、ボーナス役の方が優先して入賞する一方で、ボーナス役が当籤していない場合(一般状態)には、スイカ(NM02)よりも1枚役(NM03-1~NM03-nの何れか)を優先して引き込むため、1枚役が入賞し、1枚のメダルが払い出される。
第4の遊技機では、「F_1枚役」の当籤確率が非常に高いため、実際の遊技では、非ボーナス状態中に毎遊技概ね2枚ずつメダルが減少していくことになる。一方で、実際の遊技では、遊技者の停止操作に応じて、遊技者にとって有利なボーナス状態(BB状態)に移行可能であるため、出玉の推移は、図66(D)に示すように減少(非ボーナス状態)と増加(ボーナス状態)とを繰り返し推移することになる。
以上、第4の遊技機について説明した。なお、第4の遊技機では、シミュレーション試験においてボーナス状態への移行を完全に封じ込めることとしているが、第4の遊技機は完全に封じ込めるものに限定されず、シミュレーション試験におけるボーナス状態への移行を困難にするものについても適用可能である。
例えば、主制御回路100は、一般状態においてボーナス役を内部当籤役として決定する場合、当該ボーナス役をシミュレーション試験において優先する他の役と重複して内部当籤役として決定可能であるとともに、当該ボーナス役をシミュレーション試験において優先しない他の役と重複して又は当該ボーナス役のみを単独で内部当籤役として決定可能としてもよい。このようにすることで、シミュレーション試験において優先する他の役と重複する分は、ボーナス状態への移行を封じ込めることができる一方で、シミュレーション試験において優先しない他の役と重複又は当該ボーナス役のみを単独で当籤する分は、ボーナス状態への移行を可能にすることができる。
また、BB内部中における「はずれ」の当籤確率を「0」では無くすこととしてもよく、また、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも多い小役を含まずに、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも少ない小役のみからなる小役を設けることとしてもよい。このようにすることで、BB内部中に「はずれ(ボーナス役のみが単独で当籤)」や、入賞時に払い出されるメダルの枚数が遊技に用いるメダル数よりも少ない小役のみからなる小役に当籤可能になり、シミュレーション試験においてボーナス状態への移行を可能にすることができる。
また、第4の遊技機では、遊技価値としてメダルを用いる遊技機を例にとり説明した。ここで、メダルを用いて遊技を行う遊技機では、投入枚数は基本的に3枚であるため、シミュレーション試験においてボーナス状態への移行を封じ込めるためのNM02は、最低でも払出枚数が4枚以上での小役である必要がある。その結果、シミュレーション試験では、毎遊技概ね1枚ずつメダルが増加していくことになるため、シミュレーション試験における出玉率は、約1.33(=4/3)となってしまい、型式試験の上限値である1.15(115%)を超えてしまう。
そこで、メダル換算ではなく、遊技玉換算の遊技機(パロットと称することもある)に対して第4の遊技機を適用することとしてもよい。メダルと遊技玉とは1対5の関係であるため、メダル換算の遊技機の投入枚数3枚は、遊技玉換算の遊技機における15玉となる。そのため、シミュレーション試験においてボーナス状態への移行を封じ込めるためのNM02は、払出数が16玉以上の小役であればよく、シミュレーション試験における出玉率を約1.06(=16/15)に抑えることができ、型式試験の上限値を満たすことができる。
また、メダル換算の遊技機の場合、実際の遊技では、毎遊技概ね2枚ずつメダルが減少するものの、遊技玉換算の遊技機に適用した場合、NM03-1~NM03-nの払出数を1玉とすることで、毎遊技概ね14玉ずつ遊技玉を減少させることができる。そのため、遊技玉換算の遊技機に適用することで、実際の遊技において非ボーナス状態(一般状態及びBB内部中)におけるベースを下げることができ、よりメリハリのある出玉設計が可能になる。
ただし、遊技玉を用いる遊技機では、払い出す遊技玉の数がメダルに比べて多くなるため、玉詰まりが発生し易い。そこで、実際の遊技玉ではなくデータで遊技できる上述のメダルレス遊技機に第4の遊技機を適用することとしてもよい。メダルレス遊技機のように物理的な遊技媒体を用いずに遊技玉換算の電子データを用いて遊技可能にすることで、玉詰まりの問題を解消しつつ、出玉設計の自由度を高めることができる。
[13.第5の遊技機]
続いて、図68~図105を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の他の一具体例について、これを「第5の遊技機」として説明する。なお、以下では、第5の遊技機は、3BET専用のパチスロ機であるとして説明する。
また、第5の遊技機は、第2の遊技機と同様に、RBが作動しているRB作動状態(BB中RB)では、RB非作動状態における確率よりも高い確率で複数の小役のそれぞれを内部当籤役として決定するが、内部当籤役として決定された小役のうち入賞時に払い出されるメダルの枚数が最も多くなる小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えない。すなわち、RB作動状態(BB中RB)を遊技者にとって不利な遊技状態としている。そして、RBの作動が行われるBBの作動契機となるBB役を、第2の遊技機と同様に、非ボーナス状態において減少小役と重複させるとともに、実際のリール制御においては、停止操作の態様が特定の態様である場合に減少小役を入賞させ、特定の態様以外の態様である場合にBB役を入賞可能にする。これにより、実際の遊技では、非ボーナス状態におけるBB役の入賞を困難にする一方で、シミュレーション試験では、RB作動状態に移行させることで、シミュレーション試験における出玉率を抑えることができる。この点は、第2の遊技機と同様であるため、詳細な説明は省略する。
[リール及びストップボタンの構成]
初めに、図68を参照して、第5の遊技機における複数のリールと複数のストップボタンについて説明する。図68(A)は、第5の遊技機における複数のリールの概要を示す図である。
同図に示すように、第5の遊技機では、左から順に第1リール3-1、第2リール3-2、第3リール3-3、第4リール3-4という4つのリールを有する。これら4つのリールは、水平方向に並んで設けられている。メイン表示窓4は、これら4つのリールに描かれた図柄の一部を遊技者が視認可能に形成されている。具体的には、メイン表示窓4には、第1リール3-1、第2リール3-2及び第3リール3-3に対しては、それぞれのリールに描かれた3つの図柄(上段、中段、下段)を遊技者が視認可能に透明な窓領域が形成されている。すなわち、メイン表示窓4には、一つの図柄を表示する単位図柄表示領域として、第1リール3-1、第2リール3-2及び第3リール3-3に対しては、上段の単位図柄表示領域と中段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域とが設けられている。
一方で、第4リール3-4については、有効ラインが通る位置の図柄のみを遊技者が視認可能(又は視認し易く)に透明な窓領域が形成され、有効ラインが通る位置以外の図柄は遊技者が視認不可能(又は視認し難く)に窓領域が形成されている。
なお、第5の遊技機では、有効ラインが、同図(B)に示すように、第1リール3-1の上段の単位図柄表示領域、第2リール3-2の中段の単位図柄表示領域、第3リール3-3の上段の単位図柄表示領域、第4リール3-4の中段の単位図柄表示領域を結ぶラインL1(上-中-上-中)と、第1リール3-1の下段の単位図柄表示領域、第2リール3-2の中段の単位図柄表示領域、第3リール3-3の上段の単位図柄表示領域、第4リール3-4の中段の単位図柄表示領域を結ぶラインL2(下-中-上-中)と定義される。
そのため、メイン表示窓4の第4リール3-4に対応する透明な窓領域は、中段の単位図柄表示領域に対してのみとなっている。なお、第4リール3-4における上段の単位図柄表示領域及び下段の単位図柄表示領域については、中段の単位図柄表示領域に対して視認性が低下するように形成されていれば足り、必ずしもメイン表示窓4の対応箇所が不透明であることに限らない。例えば、メイン表示窓4の、第4リール3-4における上段の単位図柄表示領域及び下段の単位図柄表示領域に対応する箇所についても透明にしつつ、リールの背後に設けられたバックランプを、第1リール3-1、第2リール3-2及び第3リール3-3においては上段、中段、下段の全てにおいて点灯する一方で、第4リール3-4においては中段のみ点灯し、上段、下段においては消灯することで、第4リール3-4における上段の単位図柄表示領域及び下段の単位図柄表示領域の視認性を低下させることとしてもよい(なお、バックランプの制御は所定の制御手段により行われる)。また、メイン表示窓4の、第4リール3-4における上段の単位図柄表示領域及び下段の単位図柄表示領域に対応する箇所を不透明にすることとしてもよく、また、当該箇所の前面に部材を配置することで、当該箇所を物理的に視認できないようにしてもよい。
続いて、同図(C)は、第5の遊技機における複数のストップボタンの概要を示す図である。同図に示すように、第5の遊技機では、左から順に第1ストップボタン8-1、第2ストップボタン8-2、第3ストップボタン8-3、第4ストップボタン8-4という4つのストップボタンを有する。これら4つのストップボタンは、水平方向に並んで設けられている。
第1ストップボタン8-1は、第1リール3-1に対応して設けられ、第2ストップボタン8-2は、第2リール3-2に対応して設けられ、第3ストップボタン8-3は、第3リール3-3に対応して設けられ、第4ストップボタン8-4は、第4リール3-4に対応して設けられる。ストップボタン8-1~8-4は、ストップスイッチ8Sに接続されており、ストップスイッチ8Sは、4つのストップボタン8-1~8-4のそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。主制御回路100は、ストップスイッチ8Sが停止操作を検出すると、操作されたストップボタン8-1~8-4に対応する種別のリール3-1~3-4の回転を停止する。
このように、第5の遊技機では、4つのリール3-1~3-4を用いて遊技を行うが、第4リール3-4については、遊技者からは有効ラインが通る位置の図柄のみが見える(見え易い)ことになるため、遊技者には3リールの遊技機と同様の感覚で遊技を行わせることができる。すなわち、遊技者からすると、第1リール3-1、第2リール3-2及び第3リール3-3という3つのリールにおける上段、中段、下段の3つの単位図柄表示領域(3×3)を用いて遊技が行われているという印象を受け、第4リール3-4の中段の単位図柄表示領域はおまけ程度に過ぎず、従来の3×3のパチスロ機と似通った出目感覚を抱くことになる。
なお、以下において説明する第5の遊技機の遊技性は、3つのリール3L,3C,3R又は5つ以上のリールを有する遊技機についても適用可能であり、また、他の遊技機の遊技性は、4つのリール3-1~3-4又は5つ以上のリールを有する遊技機についても適用可能である。
[遊技状態の遷移フロー]
次に、図69を参照しながら、第5の遊技機の主制御回路100により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。
第5の遊技機では、主制御回路100は、ボーナスの当籤/作動の有無に基づいて遊技状態を管理する。図69(A)に示すように、主制御回路100は、ボーナスの当籤/作動の有無に基づいて、一般状態(非フラグ間)、BBフラグ間及びBB状態を区別する。具体的には、一般状態は、ボーナス役(「F_BB」)が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、BBフラグ間は、ボーナス役が内部当籤役として決定され、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、BB状態は、ボーナスが作動している状態である。なお、第5の遊技機では、ボーナス役が内部当籤役として決定されると、ボーナスが作動するまで複数回の遊技にわたりボーナス役を内部当籤役として持ち越す。BBフラグ間は、ボーナス役が内部当籤役として持ち越されている状態である。
図69(A)に示すように、主制御回路100は、一般状態においてボーナス役(F_BB)が内部当籤役として決定されると、一般状態からBBフラグ間に遊技状態を移行させる。そして、主制御回路100は、BBフラグ間においてボーナス役に対応する図柄の組合せが停止表示されて、ボーナス役が入賞すると、BBフラグ間からBB状態に遊技状態を移行させる。
ここで、第5の遊技機では、ボーナス役として、マニュアルJAC仕様のBB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)を用いることとしている。そのため、主制御回路100は、BB状態中の遊技状態を、RBの当籤/作動の有無に基づいて、BB中一般、BB中RBフラグ間及びBB中RBとして区別する。具体的には、BB中一般は、BB状態においてRB役(「F_BB中RBA」~「F_BB中RBD」)が内部当籤役として決定されておらず、かつ、RBが作動していない状態であり、BB中RBフラグ間は、BB状態においてRB役が内部当籤役として決定され、かつ、RBが作動していない状態であり、BB中RBは、RBが作動している状態である。
RB役は、内部当籤役として決定されると、RBが作動するまで又はBB状態が終了するまで、複数回の遊技にわたり内部当籤役として持ち越される役であり、第5の遊技機では、「F_BB中RBA」「F_BB中RBB」「F_BB中RBC」「F_BB中RBD」という4つのRB役を有している。BB中RBフラグ間は、RB役が内部当籤役として持ち越されている状態であり、RB役のうち「F_BB中RBA」が内部当籤役として持ち越されている状態をBB中RBAフラグ間と呼び、RB役のうち「F_BB中RBB」が内部当籤役として持ち越されている状態をBB中RBBフラグ間と呼び、RB役のうち「F_BB中RBC」が内部当籤役として持ち越されている状態をBB中RBCフラグ間と呼び、RB役のうち「F_BB中RBD」が内部当籤役として持ち越されている状態をBB中RBDフラグ間と呼ぶ。
図69(A)に示すように、主制御回路100は、BB状態が開始されると、まず、BB中一般に遊技状態を移行させる。そして、主制御回路100は、BB中一般においてRB役が内部当籤役として決定されると、BB中一般からBB中RBフラグ間に遊技状態を移行させる。そして、主制御回路100は、BB中RBフラグ間においてRB役に対応する図柄の組合せが停止表示されて、RB役が入賞すると、BB中RBフラグ間からBB中RBに遊技状態を移行させる。また、主制御回路100は、BB状態の終了条件が満たされると、BB状態を終了して一般状態に遊技状態を移行させる。
なお、第5の遊技機では、ボーナスとして第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)を用いることとしているが、ボーナスの種類は、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)に限るものではない。また、第5の遊技機では、マニュアルJACの仕様を採用することとしているが、オートJACの仕様を採用することとしてもよい。
続いて、図69(B)は、それぞれの遊技状態における出玉率の概要を示す図である。第5の遊技機は、所謂AT機であり、基本的には、BBフラグ間が維持された状態で遊技が行われる。そのため、同図に示すように、非AT中及びAT中の双方において、BBフラグ間の出玉率が基準となる。具体的には、BBフラグ間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない(又は、当該報知の頻度が低い)非AT中では、単位遊技当たりのメダルの増減の期待値がマイナス(減少)になる遊技状態であり、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される(又は、当該報知の頻度が高い)AT中では、単位遊技当たりのメダルの増減の期待値がプラス(増加)になる遊技状態である。
また、BB中一般及びBB中RBフラグ間は、非AT中では、単位遊技当たりのメダルの増減の期待値が概ね増減なしになる遊技状態であり、AT中では、単位遊技当たりのメダルの増減の期待値がBBフラグ間のAT中よりも少し低い遊技状態である。なお、第5の遊技機では、BB中一般及びBB中RBフラグ間の非AT中の出玉率が、基準であるBBフラグ間の非AT中の出玉率よりも高くなるように設計されているが、これに限られるものではなく、BBフラグ間の非AT中の出玉率よりも低くなるように設計されることとしてもよい。
また、一般状態及びBB中RBは、非AT中では、単位遊技当たりのメダルの増減の期待値がBBフラグ間の非AT中よりも低い遊技状態である。なお、一般状態及びBB中RBでは、メダルの払い出し枚数が停止操作の態様により変動しないため、出玉率は、AT中であるか否かに関係がない。
続いて、図69(C)は、RT状態の遷移フローを示す図である。同図に示すように、主制御回路100は、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なるRT状態としてRT0状態とRT1状態とを有する。なお、RT0状態は、工場出荷時、設定変更後又はRAMクリア後などの初期状態においてのみ移行するRT状態であり、RT0状態からRT1状態に移行した後は設定変更などが行われない限り移行することがない。
同図に示すように、主制御回路100は、RT0状態の一般状態においてボーナス役(F_BB)が内部当籤役として決定されると、一般状態からBBフラグ間に遊技状態を移行させるとともに、RT0状態からRT1状態にRT状態を移行させる。そして、主制御回路100は、BBフラグ間においてボーナス役が入賞するとBB状態に遊技状態を移行させるが、このBB状態が終了した後は、RT0状態の一般状態ではなく、RT1状態の一般状態にRT状態を移行させる。その後、RT状態はRT1状態のまま維持され、一般状態(RT1)、BBフラグ間(RT1)及びBB状態(リプレイ無抽籤)を行き来する。
[主制御側の各種のデータテーブル]
次に、メインROM102に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
図70に示す図柄配置テーブルは、第1リール3-1、第2リール3-2、第3リール3-3及び第4リール3-4の各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」~「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。図柄位置「0」~「19」は、リール3-1~3-4の各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」~「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図70に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときにメイン表示窓4の中段に位置する図柄(メイン表示窓4の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リール3-1~3-4の回転方向に移動する順に、20個の図柄の各々に対して図柄位置「0」~「19」を割り当てた対応関係を規定する。このように、メイン表示窓4の中段を基準にすることで、メイン表示窓4の中段に位置する図柄の種別を、4つのリール3-1~3-4ごとに特定することができる。
[図柄コード表]
また、図70に示すように、リール3-1~3-4に配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図70に示す図柄コード表は、4つのリール3-1~3-4の表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。第5の遊技機で用いる図柄は、「赤7」「BAR」「スイカ」「チェリー」「ベル1」「ベル2」「リプレイ」「橙」「桃」「白」の10種類である。図柄コード表では、「赤7」(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。同様に、「BAR」「スイカ」「チェリー」「ベル1」「ベル2」「リプレイ」「橙」「桃」及び「白」の各図柄(図柄コード2~10)に対しても、データとして「00000010」から「00001010」が割り当てられている。なお、「ベル1」及び「ベル2」は、外観が共に鈴(ベル)を表す形状であり、以下では総称して「ベル」と呼ぶことがある。
[内部抽籤テーブル]
続いて、図71~図74を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。図71(A)は、一般状態(RT1)において参照される内部抽籤テーブルであり、図71(B)は、BBフラグ間において参照される内部抽籤テーブルであり、図72(C)は、BB中一般において参照される内部抽籤テーブルであり、図72(D)は、BB中RBにおいて参照される内部抽籤テーブルであり、図73(E)は、BB中RBAフラグ間において参照される内部抽籤テーブルであり、図73(F)は、BB中RBBフラグ間において参照される内部抽籤テーブルであり、図74(G)は、BB中RBCフラグ間において参照される内部抽籤テーブルであり、図74(H)は、BB中RBAフラグ間において参照される内部抽籤テーブルである。
なお、同図では、一般状態(RT0)において参照される内部抽籤テーブルについては省略している。一般状態(RT0)において参照される内部抽籤テーブルは、一般状態(RT1)において参照される内部抽籤テーブル(図71(A))と比較して、「No.11」の「F_リプレイC」が「F_リプレイB」となる点で異なるのみである。また、一般状態(RT0)における「F_リプレイB」の抽籤値は、一般状態(RT1)における「F_リプレイC」の抽籤値と同じ「4」である。すなわち、RT0状態は、「F_リプレイB」の抽籤値が「4」であり、「F_リプレイC」の抽籤値が「0」である一方で、RT1状態は、「F_リプレイB」の抽籤値が「0」であり、「F_リプレイC」の抽籤値が「4」である。
内部抽籤テーブルには、予め定められた複数の内部当籤役の種類を示すデータ(例えば、「No.」あるいは「当籤番号」)と、各遊技状態において各内部当籤役が決定される抽籤値とが規定される。なお、抽籤値は、設定された設定値によっても変動する場合がある。また、各内部当籤役に対して表示が許可される(対応する)図柄の組合せの種類は、図77~図85に示す。
ここで、一般状態(RT0)と一般状態(RT1)との関係について説明する。第5の遊技機では、設定変更後などの初期状態においてのみRT0状態に滞在する。詳細については省略するが、第5の遊技機では、非有利区間から有利区間への移行がされた有利区間の1ゲーム目に行われる抽籤として、RT0、RT1のいずれに滞在するかを参照して、ATに関する有利度合いが高いモード(モーニングモード)への移行抽籤を行う。この移行抽籤は、RT0状態の場合は約1/2の確率でモーニングモードへ移行する旨が決定され、RT1状態の場合は約1/256の確率でモーニングモードへ移行する旨が決定される。このような仕様により、設定変更直後の可能性がある開店直後から遊技した方がモーニングモード経由でATに関しての有利度合いが高まるため、集客に貢献することができる。また、設定変更直後であっても、有利区間に移行する前にボーナス役に当籤してしまった場合はRT0状態からRT1状態にRT状態が移行してしまうため、必ずしも遊技者に特典を与えることがなく、遊技者に設定変更を看破されにくくなるとともに、店側と遊技者の利益調整もとりやすくなっている。
なお、設定変更直後に行きやすい特典モードであるため便宜上モーニングモードと称して説明したが、RT1状態であっても有利区間の1ゲーム目の抽籤に当籤すれば移行するため、開店直後以外の状態であっても移行し得るモードである。また、モーニングモードへの移行または滞在を示唆ないし報知する演出を実行可能な構成として、遊技者に設定変更されたか否かのヒントを与えることで遊技の興趣を高めてもよい。また、極端に当籤確率が低い役を持たせて、その役に巨大な特典(AT等の獲得期待値が著しく高い)を付与することを抑制するため、内部当籤役については、1/16384を下回る確率での抽籤は行わないものとなっている。そして、RT状態の遷移により確率が変動する内部当籤役については非有利区間から有利区間への移行判定を行えない(後述の図95参照)。そのため、当籤確率が高い「F_リプレイA」はRTの遷移により確率が変動せず、当籤係数の下限値である抽籤値「4(1/16384)」の「F_リプレイB」「F_リプレイC」のみをRT0状態とRT1状態とで変化させることでモーニングのためのRT状態を複数持つことができつつ、有利区間へ移行可能な内部当籤役の抽籤係数を下げずに済む(換言すれば、有利区間への移行確率を高く設計できる)というメリットがある。
[図柄組合せテーブル]
次に、図75及び図76を参照して、第5の遊技機における入賞等に係る図柄の組合せを規定する図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルには、有効ライン上に表示され得る図柄の組合せのうちで予め定められた複数の図柄の組合せの種類を示すデータが規定されている。また、図柄組合せテーブルには、各図柄の組合せに対して特典等の種類を示すデータが対応付けられている。
主制御回路100は、図柄組合せテーブルにおいて規定する図柄の組合せが有効ライン上に表示されると、入賞を発生させて、対応する特典を付与する。なお、内容欄「JACIN」は、RBの作動に係るRB役(又はRB役に応じた図柄の組合せ)であり、内容欄「BB」は、BBの作動に係るBB役(又はBB役に応じた図柄の組合せ)である。また、内容欄「REP」は、再遊技(リプレイ)の作動に係るリプレイ役(又はリプレイ役に応じた図柄の組合せ)であり、内容欄「FRU」は、メダルの払い出しに係る小役(又は小役に応じた図柄の組合せ)である。主制御回路100は、例えば、JACINに対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合には、RB役の入賞を発生させて、RBの作動という特典を付与し、BBに対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合には、BB役の入賞を発生させてBBの作動という特典を付与する。また、主制御回路100は、REPに対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合には、リプレイ役の入賞を発生させて、再遊技の作動という特典を付与し、FRUに対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合には、小役の入賞を発生させて、メダルの払い出しという特典を付与する。
[内部当籤役と図柄組合せの対応表]
次に、図77~図85を参照して、それぞれの役が内部当籤役として決定された場合に有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)について説明する。図77~図85は、内部当籤役として決定された役と表示可能な図柄の組合せとの対応関係を示す表である。各対応表における丸印は、内部当籤役として決定された役において、有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)を示す。
例えば、「F_スイカ」に対しては、「C_スイカ」「C_スイカKBA」「C_スイカKBB」という3つの図柄の組合せが対応付けられている。このことは、「F_スイカ」が「C_スイカ」「C_スイカKBA」「C_スイカKBB」という個々の役が重複して当籤することを意味する。
パチスロ機1では、主制御回路100は、内部当籤役及び遊技状態に応じて停止制御を異ならせ、所定の役が内部当籤役として決定された場合に、図77~図85に示す対応関係の図柄の組合せ(コンビネーション)を表示可能にリール3-1~3-4の回転を停止する。ここで、図77~図85に示す対応表では、役が内部当籤役として決定された場合に表示される可能性のある全ての図柄の組合せを列挙しているが、役に対応して丸印が付された図柄の組合せであっても、表示されないことがある。
すなわち、パチスロ機1では、停止表示可能な図柄の組合せや現在の遊技状態に応じて停止制御(例えば、優先して引き込む図柄)を異ならせることとしており、優先して引き込む図柄の関係上、丸印が付された図柄の組合せであっても表示されないことがある。そこで、役の種別と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を、図86~図93に示す。
[内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係]
続いて、図86~図93を参照して、内部当籤役として決定された役と実際に停止表示される図柄の組合せ(表示役)との対応関係について説明する。図86及び図87は、一般状態における内部当籤役と表示役との対応関係を示す図であり、図88及び図89は、BBフラグ間における内部当籤役と表示役との対応関係を示す図であり、図90は、BB中一般における内部当籤役と表示役との対応関係を示す図であり、図91及び図92は、BB中RBフラグ間における内部当籤役と表示役との対応関係を示す図であり、図93は、BB中RBにおける内部当籤役と表示役との対応関係を示す図である。なお、非フラグ間においてボーナスに係る役(BB役又はRB役)に当籤した遊技は、フラグ間の対応関係が参照されるものとする。すなわち、一般状態においてBB役が内部当籤役として決定された場合、図86及び図87に示す一般状態における内部当籤役と表示役との対応関係ではなく、図88及び図89に示すBBフラグ間における内部当籤役と表示役との対応関係が参照される。
同図において「中段リプ」とは、図75及び図76における「C_リプ_01~08」の何れかが対応し、「CUリプ」とは、図75及び図76における「C_変リプB_01~04」「C_変リプA_01~04」の何れかが対応する。また、「チェリー」とは、図75及び図76における「C_チェKB_01~02」「C_変チェ」「C_チェ_01~04」の何れかが対応し、「スイカ」とは、図75及び図76における「C_スイカKBB」「C_スイカKBA」「C_スイカ」の何れかが対応する。また、「1枚」とは、図75及び図76における「C_BB中段」~「C_12XXKB_01~08」の何れかが対応し、「特殊1枚」とは、図75及び図76における「C_リーチ目B_01~16」~「C_確チェA_01~04」の何れかが対応する。また、「11枚」及び「特殊11枚」とは、図75及び図76における「C_4321ベル_01~02」~「C_1234ベル_01~02」の何れかが対応する。また、「BB」とは、図75及び図76における「C_BB_01~03」の何れかが対応し、「RB」とは、図75及び図76における「C_BB中RBD」~「C_BB中RBA」の何れかが対応する。
(BB入賞)
ここで、第5の遊技機におけるBB役が入賞する場合の停止制御の概要について説明する。上述したように、第5の遊技機では、第2の遊技機と同様に、BB役の入賞を困難に制御する。具体的には、図88及び図89に示すように、BB役は、BBフラグ間において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定され、かつ、停止操作の態様が特定の態様以外の態様である場合に限り入賞する可能性がある。すなわち、同図に示すように、BBフラグ間において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定され、かつ、停止操作の順序が不正解である場合に、「1枚」又は「BB」の何れかの図柄の組合せが停止表示されることになる。言い換えると、BB役は、BBフラグ間において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定され、かつ、「1枚」の図柄の組合せが停止表示されない場合に入賞するということができる。
なお、停止操作の順序が不正解である場合に、停止表示される図柄の組合せ(「1枚」又は「BB」)は、特定のリールにおける停止操作のタイミングに応じて異なり、図柄位置「0」~「19」のうちの約1/2の図柄位置において停止操作が行われると、「1枚」の図柄の組合せが停止表示され、他の図柄位置において停止操作が行われると、「BB」の図柄の組合せが停止表示される。このとき、停止表示する図柄の組合せを異ならせるために対象となるリールの種別、及び、停止操作のタイミングは、「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」ごとに異なる。そのため、停止操作の順序を間違えてしまった場合には、BB役の入賞を意図的に回避できるわけではなく、約1/2の確率でBB役が入賞してしまう。なお、詳細な説明は省略するものの、RB役については、第1リール3-1、第2リール3-2、第3リール3-3の何れかにおいて図柄「BAR」を狙って停止操作を行うことで、RB役の入賞を意図的に回避することができる。
このように第5の遊技機では、停止操作の順序を間違えてしまった場合には、BB役が入賞してしまう可能性があるため、有利区間中のBBフラグ間において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定された場合には、AT中であるか非AT中であるかに関係なく、正解の押し順を報知してBB役の入賞を回避させる。一方で、非有利区間中は、停止操作の態様を報知することができないため、停止操作の順序を間違えてしまう可能性があり、結果、非有利区間中は、BB役が入賞してしまう可能性がある。
このように、第5の遊技機では、シミュレーション試験における出玉率を抑えるために遊技者にとって不利なボーナス状態を設ける一方で、有利区間中は、ボーナス役の入賞を回避するために必要な停止操作の態様を報知することで、ボーナス状態を封じ込めるものの、非有利区間中は、停止操作の態様を報知することができないため、ボーナス状態を完全に封じ込めることはできない。ボーナス状態は、遊技者にとって不利な状態であるため、ボーナス状態に移行してしまった場合に、遊技の興趣が削がれてしまう可能性がある。そこで、第5の遊技機では、報知を行うことができない非有利区間においてボーナス役が入賞してしまった場合に、当該入賞を契機として作動するボーナス状態において遊技者に対して特典を付与することとしているが、この点については、図97などにおいて後述する。
なお、第5の遊技機では、停止操作の順序を間違えてしまった場合には、BB役の入賞を意図的に回避できないように設計されているが、BB役の入賞を意図的に成立できないようにも設計されている。この点、停止操作の順序を間違えてしまった場合に、BB役の入賞を意図的に回避できるように設計することとしてもよく、また、BB役の入賞を意図的に成立できるように設計することとしてもよい。また、BB役の入賞の回避/成立の何れか一方のみを意図的にできるように設計することとしてもよく、双方を意図的にできるように設計することとしてもよい。なお、BB役の入賞の回避/成立を意図的に行うとは、例えば、特定の図柄位置(BB役の入賞を成立させる場合は、BB役に対応する図柄を停止表示可能な図柄位置、BB役の入賞を回避させる場合は、BB役に対応する図柄を停止表示不可能な図柄位置)で停止操作を行うことであってもよい。
(「1枚」と「特殊1枚」及び「11枚」と「特殊11枚」の関係)
続いて、「1枚」と「特殊1枚」及び「11枚」と「特殊11枚」の関係について説明する。図91及び図92に示すように、第5の遊技機では、BB中RBフラグ間において「特殊1枚」及び「特殊11枚」という図柄の組合せの表示を可能にしている。なお、「特殊1枚」及び「特殊11枚」は、BB中RBフラグ間以外の遊技状態においては表示されることがない。
BB中RBフラグ間では、共通1枚C(「F_共通1枚C1」「F_共通1枚C2」「F_共通1枚C3」)が内部当籤役として決定された場合の停止操作の態様に応じて「1枚」及び「特殊1枚」の何れかが停止表示される。具体的には、第1停止操作が第1リール3-1又は第2リール3-2に対して行われた場合に「特殊1枚」の図柄の組合せが停止表示され、第1停止操作が第3リール3-3又は第4リール3-4に対して行われた場合に「1枚」の図柄の組合せが停止表示される。
また、BB中RBフラグ間では、押し順ベルB(「F_1234ベルB」~「F_4321ベルB」)が内部当籤役として決定された場合の停止操作の態様に応じて「11枚」及び「特殊11枚」の何れかが停止表示される。具体的には、停止操作の順序が特定の順序である場合には「11枚」の図柄の組合せが停止表示され、停止操作の順序が特定の順序以外の順序である場合には「特殊11枚」の図柄の組合せが停止表示される。なお、特定の順序は、「F_1234ベルB」~「F_1432ベルB」においては第1停止操作が第1リール3-1に対して行われることであり、「F_2134ベルB」~「F_2431ベルB」においては第1停止操作が第2リール3-2に対して行われることであり、「F_3124ベルB」~「F_3421ベルB」においては第1停止操作が第3リール3-3に対して行われることであり、「F_4123ベルB」~「F_4321ベルB」においては第1停止操作が第4リール3-4に対して行われることである。
ここで、「1枚」及び「特殊1枚」は、対応する図柄の組合せが異なる一方で、「11枚」及び「特殊11枚」は、対応する図柄の組合せが共通する。第5の遊技機では、有効ラインとしてラインL1(上-中-上-中)と、ラインL2(下-中-上-中)とを有しているが、停止表示させる有効ラインの種別を異ならせることで「11枚」と「特殊11枚」とを区別する。詳細については図99において後述するが、「11枚」は、第1リール3-1、第2リール3-2、第3リール3-3という3つのリールにおける上段、中段、下段の3つの単位図柄表示領域(3×3)において、図柄「ベル」が直線状に並んで表示される図柄の組合せであり、「特殊11枚」は、当該単位図柄表示領域(3×3)において、図柄「ベル」が直線状に表示されない図柄の組合せである。
なお、「1枚」及び「特殊1枚」についても、対応する図柄の組合せを共通にするとともに、停止表示させる有効ラインの種別を異ならせることで区別可能にしてもよく、また、「11枚」及び「特殊11枚」についても、対応する図柄の組合せを異ならせることで区別可能にしてもよい。また、対応する図柄の組合せを異ならせる場合においても、停止表示させる有効ラインの種別を異ならせることとしてもよい。
[第5の遊技機の遊技性]
続いて、図94を参照して、第5の遊技機における遊技の流れについて説明する。なお、図94は、第5の遊技機における非有利区間及び有利区間についての遊技状態の遷移フローの一例を示す図である。
図94に示すように、第5の遊技機では、遊技者が遊技を行う状態として、非有利区間(非有利区間・通常遊技)及び有利区間とを有し、有利区間には、さらに有利区間・通常遊技、有利区間・特化ゾーン、有利区間・AT、及び、有利区間・引き戻しが設けられる。非有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態であり、単位遊技当たりの出玉率が1未満となる遊技者にとって不利な遊技状態である。有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知可能な遊技状態である。
有利区間・通常遊技、及び、有利区間・引き戻しは、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される頻度が相対的に低い状態であり、有利区間・特化ゾーン、及び、有利区間・ATは、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される頻度が相対的に高い状態である。すなわち、有利区間・特化ゾーン、及び、有利区間・ATは、メイン側報知手段(指示モニタ)やサブ側報知手段(メイン演出表示部21)による報知に従って遊技者が停止操作を行った場合に単位遊技当たりの出玉率が1を超える遊技者にとって有利な遊技状態であり、有利区間・通常遊技、及び、有利区間・引き戻しは、メイン側報知手段やサブ側報知手段による報知に従って遊技者が停止操作を行ったとしても単位遊技当たりの出玉率が1以下(より詳細には、1未満)となる遊技者にとって不利な遊技状態である。
具体的には、メイン側報知手段及びサブ側報知手段は、有利区間では、通常遊技、特化ゾーン、AT又は引き戻しであるか否かに関係なく、「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順を報知する。一方で、メイン側報知手段及びサブ側報知手段は、「F_1234ベルA」~「F_4321ベルB」の何れかが内部当籤役として決定された場合、有利区間・通常遊技、及び、有利区間・引き戻しでは、正解の押し順を報知せず、有利区間・特化ゾーン、及び、有利区間・ATでは、正解の押し順を報知する。
なお、「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」は、正解の押し順で停止操作が行われた場合に「1枚」の図柄の組合せが表示されて、1枚(投入枚数が3枚のため-2枚)のメダルが払い出されるため、正解の押し順が報知されても、メダルの増加は期待できない。ただし、第5の遊技機においてBB役は、BB役と「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかとが重複して当籤し、かつ、不正解の押し順で停止操作が行われた場合に限り、入賞することがあり、他の場合には入賞することがない。そのため、有利区間中に「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」に対して正解の押し順を報知することで、遊技者は、有利区間・通常遊技などにおいてもBB役の入賞を回避することができる。
非有利区間・通常遊技は、有利区間での遊技が終了したとき、設定変更操作が行われたとき、その他の初期化条件が成立したとき、あるいは工場出荷時等の場合に制御される初期状態であり、単位遊技当たりの出玉率が1未満となる遊技者にとって不利な遊技状態である。
なお、第5の遊技機では、設定変更操作などの初期化操作が行われた場合に、内部当籤役として持ち越しているBB役を消去するとともに、有利区間を終了して非有利区間に制御する。もちろん、設定変更操作などの初期化操作が行われた場合であっても、内部当籤役として持ち越しているBB役及び有利区間の双方、又はいずれか一方を維持することとしてもよい。また、初期化操作を伴わない単なる電断時には、内部当籤役として持ち越しているBB役及び有利区間の双方を維持することが好ましいが、当然のことながら、内部当籤役として持ち越しているBB役及び有利区間の双方、又はいずれか一方を消去することとしてもよい。
続いて、主制御回路100は、非有利区間・通常遊技では、内部当籤役に応じて有利区間に移行するか否かを制御する。ここで、図95に示すように、第5の遊技機では、役ごとに有利区間に移行するか否かが予め定められている。なお、同図の「有利区間移行」欄において丸印が付された役は、有利区間に移行することが定められた役であり、バツ印が付された役は、有利区間に移行しないことが定められた役である。主制御回路100は、非有利区間・通常遊技において有利区間に移行することが定められた役が内部当籤役として決定された場合、非有利区間から有利区間に遊技状態を制御し、非有利区間・通常遊技において有利区間に移行しないことが定められた役が内部当籤役として決定された場合、非有利区間のまま遊技状態を維持する。
非有利区間・通常遊技からは、有利区間・通常遊技、有利区間・特化ゾーン、及び、有利区間・ATに移行可能である。ここで、第5の遊技機では、有利区間・特化ゾーンの遊技性に特徴を有している。そのため、非有利区間・通常遊技から有利区間・通常遊技、及び、有利区間・ATへの移行制御については詳細な説明を省略する。すなわち、非有利区間・通常遊技から有利区間・通常遊技、及び、有利区間・ATへの移行は、任意の制御により行うこととしてよい。また、非有利区間・通常遊技から有利区間・特化ゾーンへの移行制御については、図97などにおいて後述する。
有利区間・通常遊技は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知される頻度が相対的に低い状態であり、報知に従って停止操作を行った場合であっても単位遊技当たりの出玉率が1未満となる遊技者にとって不利な遊技状態である。なお、有利区間・通常遊技の遊技性は任意である。有利区間・通常遊技からは、基本的には有利区間・ATに移行するが、図98(E)において後述するように、特殊な条件を満たした場合には、有利区間・通常遊技から有利区間・特化ゾーンに移行することがある。
有利区間・特化ゾーンは、遊技者に対して特典を付与する確率が他の遊技状態に比べて高い遊技者にとって有利な遊技状態であり、終了すると有利区間・ATに移行する。なお、遊技者に対して付与する特典は任意であるが、第5の遊技機では、有利区間・ATの継続期間を延長するという特典を用いることとしている。より具体的には、第5の遊技機では、有利区間・ATの継続期間をセット数により管理することとしており、有利区間・特化ゾーンでは、有利区間・ATのセット数を上乗せし易くしている。
ここで、上述したように、第5の遊技機では、基本的にはBBフラグ間が維持されたまま遊技が行われる。すなわち、BB役を入賞可能な「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の当籤時に正解の押し順を報知し、BB役の入賞を封じ込めることで、BBフラグ間を維持する。このような正解の押し順の報知は、有利区間においては行うことができるものの、非有利区間においては行うことができないため、非有利区間において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」が当籤した場合には、BB役が入賞してしまう可能性がある。第5の遊技機では、封じ込めることができない非有利区間において入賞してしまったBB状態を、特典付与の期待度が高い有利区間・特化ゾーンとして用いる。なお、図95の「有利区間移行」欄を参照すると、「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」は、有利区間に移行することが定められた役であるため、非有利区間においてBB役を入賞可能な「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」が内部当籤役として決定された場合には、有利区間に移行することになるため、BB役が入賞した次の遊技から有利区間・特化ゾーンを実行することができる。
このように有利区間・特化ゾーンは、基本的には、停止操作の態様を報知できない非有利区間においてBB役が入賞してしまった場合に、実行される遊技状態である。すなわち、有利区間・特化ゾーンは、図69(A)に示すBB状態が対応する。そのため、報知を無視した場合などのイレギュラーなケースを除いて第5の遊技機における遊技状態の対応関係をまとめると、有利区間・特化ゾーンは、BB状態に対応し、非有利区間・通常遊技、有利区間・通常遊技、有利区間・AT、及び、有利区間・引き戻しは、BBフラグ間に対応する。なお、BB状態が終了した場合には、BB役が持ち越されるまで一般状態(非フラグ間)となるが、この一般状態については、有利区間・特化ゾーンとしてもよく、また、それ以外の遊技状態としてもよい。この点、第5の遊技機では、BB状態及び当該BB状態が終了した後のBB役が持ち越されるまでの一般状態(非フラグ間)を、有利区間・特化ゾーンとしている。そのため、有利区間・特化ゾーンは、BB状態が終了した後の一般状態(非フラグ間)まで継続し、当該一般状態においてBB役が内部当籤役として決定されると終了する。
図94に戻り、有利区間・ATは、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知される頻度が相対的に高い状態であり、報知に従って停止操作を行うことで単位遊技当たりの出玉率が1を超える遊技者にとって有利な遊技状態である。なお、有利区間・ATの遊技性は任意であるが、第5の遊技機では、有利区間・ATとして、AT1、AT2、及び特殊ATを有する。AT1、AT2、及び特殊ATは、それぞれ継続期間が異なるAT状態であり、AT1は、AT2に比べて継続期間が長いAT状態である。なお、特殊ATは、AT1及びAT2に比べて継続期間が非常に長い特別なAT状態(プレミアムAT)である。AT状態の継続期間の管理方法は任意であるが、第5の遊技機では、1セット当たりのAT1の継続期間、及び1セット当たりのAT2の継続期間を、差枚数により管理し、AT1は、差枚数が200枚に達するまで継続し、差枚数が200枚に達すると当該セットのAT1が終了する。また、AT2は、差枚数が70枚に達するまで継続し、差枚数が70枚に達すると当該セットのAT2が終了する。もちろん、有利区間・ATの継続期間は、差枚数やセット数以外の情報に基づいて管理することとしてもよく、また、AT1とAT2とで継続期間を管理する情報を異ならせることとしてもよい。
一方、特殊ATは、セット数とは関係なく予め定められた期間継続するAT状態である。予め定められた期間は任意であり、例えば、有利区間のリミッタを参照する期間であってもよく、また、有利区間のリミッタとは関係のない期間であってもよい。この点、第5の遊技機では、特殊ATは、有利区間のリミッタに達するまで継続する。なお、有利区間のリミッタを参照する期間は、有利区間のリミッタに達するまでの期間(1500ゲームや2400枚)であってもよく、有利区間のリミッタ直前に達するまでの期間(1200ゲームや2000枚など)であってもよい。
有利区間・ATからは、有利区間・引き戻し、又は、非有利区間・通常遊技に移行する。具体的には、1セットのAT1又はAT2が終了すると、セット数が残っている場合には、有利区間・引き戻しに移行し、セット数が残っていない場合には、有利区間が終了して非有利区間・通常遊技に移行する。また、特殊ATが終了した場合には、有利区間が終了して非有利区間・通常遊技に移行する。なお、有利区間のリミッタに到達した場合には、AT1又はAT2の途中であっても、また、セット数が残っている場合であっても、有利区間が終了して非有利区間・通常遊技に移行する。
有利区間・引き戻しは、AT状態の連荘中の待機区間であり、有利区間・ATへの移行条件を満たした場合に、有利区間・ATに移行する。なお、有利区間・引き戻しの遊技性は任意であり、また、有利区間・ATへの移行条件についても任意である。一例として、1~32回の遊技が行われた場合に、有利区間・ATへの移行条件が満たされることとしてもよい。
なお、第5の遊技機では、1セットのAT1又はAT2が終了した場合に、セット数が残っていると有利区間・引き戻しに移行することとしているが、セット数が残っていない場合にも有利区間・引き戻しに移行することとしてもよい。この場合には、有利区間・引き戻しの終了条件を満たす前に有利区間・ATへの移行条件を満たした場合に、有利区間・ATに移行し、有利区間・ATへの移行条件を満たさずに、有利区間・引き戻しの終了条件を満たした場合に、有利区間を終了して非有利区間・通常遊技に移行することとしてもよい。なお、有利区間・引き戻しの終了条件は任意であるが、例えば、セット数が残っていない状況で32回の遊技が行われることであってもよい。このような遊技性とした場合、セット数が残っている場合には、有利区間・引き戻しの終了条件を満たす前に、必ず、有利区間・ATへの移行条件を満たすように設計し、セット数が残っていない場合には、有利区間・引き戻しの終了条件を満たす前に、所定の確率で、有利区間・ATへの移行条件を満たすように設計すればよい。また、セット数が残っていない場合の有利区間・ATへの移行条件も任意であり、例えば、内部当籤役に基づく抽籤に当籤することであってもよく、また、内部当籤役は関係のない役不問の抽籤に当籤することであってもよい。なお、このような抽籤に当籤する確率は、有利区間・引き戻しにおいて一定の確率であってもよく、また、経過遊技数に応じて変化するものであってもよい。
以上のように、第5の遊技機では、非有利区間において完全には封じ込めることができないBB状態を、特典付与の期待度が高い有利区間・特化ゾーンとする遊技性であり、他の遊技状態における遊技性については任意である。また、このような有利区間・特化ゾーンを有するのであれば、他の遊技状態としてどのような遊技状態を有するかは任意であり、図94に示す遊技状態以外の他の遊技状態(例えば、チャンスゾーンなど)を設けることとしてもよい。
[内部当籤役と抽籤種別等との対応関係]
続いて、図95及び図96を参照して、第5の遊技機における内部当籤役として決定され得る役に対して設定された抽籤種別、有利区間への移行の有無、及びナビパターンについて説明する。
抽籤種別は、各種の抽籤に用いられる情報である。第5の遊技機では、主制御回路100は、内部当籤役に基づいて各種の抽籤を行うが、複数の役を抽籤種別としてグループ化して各種の抽籤を行うことで抽籤に要するデータ量を抑える。なお、抽籤種別は、内部当籤役情報(内部当籤役番号)を「メインフラグ」と考えた場合に補助的な情報にあたる情報であるため「サブフラグ」と呼ぶことがある。また、抽籤種別は、内部当籤役情報(内部当籤役番号)を一次情報と考えた場合に、そこから派生する二次的な情報であるため「二次情報」と呼ぶことがある。
有利区間移行は、非有利区間・通常遊技において対応する役が内部当籤役として決定された場合に、有利区間に移行するか否かを示す情報であり、丸印は有利区間に移行することを示し、バツ印は有利区間に移行しないことを示す。なお、第5の遊技機では、BBが作動しているBB状態中は、内部当籤役に関係なく有利区間に移行しないこととしてもよい。また、第5の遊技機では、丸印の役が内部当籤役として決定された場合に必ず有利区間に移行する。このように丸印の役に当籤した場合に必ず有利区間に移行するものとすることで、BB入賞を回避するナビが出せない非有利区間を極力短くすることができる点で有効であるが、丸印の役に当籤した場合であっても、有利区間に移行するか否かを抽籤で決めるようにしてもよい。この場合は、非有利区間から有利区間への移行が遅くなる場合があるため、BB入賞による特化ゾーンへの移行のチャンスがある非有利区間について長続きするかもしれないとの期待感を遊技者に抱かせやすくすることができる。なお、非有利区間において消灯している区間ランプ(状態表示部)は、有利区間に移行することが決定した遊技の全停止後に点灯するものとしても、有利区間に移行後に増加区間(図94参照)が開始したときに点灯するものとしてもよい。
ナビパターンは、メイン側報知手段(指示モニタ)が有利区間において報知する内容を示し、ナビパターン「0」は、メイン側報知手段が何らの報知も行わないことを示し、ナビパターン「1」~「24」は、メイン側報知手段が対応する押し順を報知することを示す。図96に示すように、ナビパターンは、遊技状態に応じて制御され、非有利区間・通常遊技では、「状態1」欄に規定されたナビパターンに基づき停止操作の態様が報知され、有利区間・通常遊技、及び、有利区間・引き戻しでは、「状態2」欄に規定されたナビパターンに基づき停止操作の態様が報知され、有利区間・ATでは、「状態3」欄に規定されたナビパターンに基づき停止操作の態様が報知され、有利区間・特化ゾーンでは、「状態4」欄に規定されたナビパターンに基づき停止操作の態様が報知される。なお、「ナビなし(ナビパターン0)」の場合は、指示モニタのセグにはナビなしを意味する表示態様として数字の「0」を表示するものとしてもよいし、指示態様を示す数字・文字などが一切表示されない非表示状態としてナビなしであることを示すものとしてもよい。
なお、同図においてナビパターン「1~6」とは、ナビパターン「1」「2」「3」「4」「5」「6」の何れかの内容が報知されることを意味する。ナビパターン「7~12」「13~18」「19~24」についても同様である。また、指示モニタのセグには、各ナビパターンに対応するナビ表示としての数字が当該遊技の開始操作直後に表示される。例えば、ナビパターン「1」なら指示モニタに「1」と表示される。なお、開始操作後にロックが発生する場合はロック終了後に指示モニタにナビ表示を開始するものでもよい。そして、ナビパターン「1」~「24」の場合、副制御回路200の制御の下、画面・スピーカー・ランプなどのサブ側報知手段により指示モニタよりも遊技者にとって直感的に分かりやすい形で適切な停止操作の情報が報知される。例えば、ナビパターン「2」の場合には「1・2・4・3」といった順序がメイン表示装置210の表示画面に表示される。
上述したように第5の遊技機では、「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の当籤時にのみBB役を入賞可能にする一方で、有利区間中は、「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の当籤時に正解の押し順を報知することで、BB役の入賞を封じ込めることとしているが、所定の条件を満たしている場合には、有利区間中であっても「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の当籤時に正解の押し順を報知しないことがある。具体的には、図98(F)において後述するが、有利区間・通常遊技(状態2)において、特化ゾーン許可抽籤(図104)に当籤した場合には、「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の当籤時に正解の押し順を報知しない。すなわち、状態2における「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」に対するナビパターンは、基本的には「1~6」「7~12」「13~18」「19~24」の何れかであるが、特化ゾーン許可抽籤に当籤した場合のナビパターンは、「0」となる。
また、有利区間・特化ゾーンに対応するBB中フラグ間では、押し順ベルB(「F_1234ベルB」~「F_4321ベルB」)の当籤時に「11枚」又は「特殊11枚」の図柄の組合せが停止表示される。すなわち、停止操作の順序が特定の順序である場合には「11枚」の図柄の組合せが停止表示され、停止操作の順序が特定の順序以外の順序である場合には「特殊11枚」の図柄の組合せが停止表示される。図99において後述するように、第5の遊技機では、有利区間・特化ゾーン中に「11枚」の図柄の組合せを停止表示させたい場合には、特定の順序を報知する一方で、「特殊11枚」の図柄の組合せを停止表示させたい場合には、特定の順序を報知しない。具体的には、有利区間・特化ゾーン(状態4)において、ナビ発生抽籤(図102(D))において「ナビあり」に当籤した場合には、押し順ベルBの当籤時に特定の順序を報知し、当該ナビ発生抽籤において「ナビなし」に当籤した場合には、押し順ベルBの当籤時に特定の順序を報知しない。そのため、状態4における押し順ベルBに対するナビパターンは、ナビ発生抽籤において「ナビあり」に当籤した場合には「1」~「24」の何れかとなり、「ナビなし」に当籤した場合には「0」となる。
[特化ゾーンの概要]
続いて、図97及び図98を参照して、第5の遊技機における特化ゾーンの概要について説明する。
(有利区間/非有利区間におけるBB入賞)
上述したように第5の遊技機では、封じ込めるBB状態において特化ゾーンを行う。図97(A)は、BB状態の作動契機となるBB役の入賞の成否を説明する図である。第5の遊技機では、BBフラグ間において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定された場合に、不正解の押し順で停止操作が行われると、BB役が入賞する可能性があり、他の役が内部当籤役として決定された場合や正解の押し順で停止操作が行われた場合には、BB役が入賞することがない。
具体的には、BBフラグ間において「F_1枚1stA」「F_1枚1stB」が内部当籤役として決定された場合には、第1停止操作が第1リール3-1に対して行われると、正解の押し順で停止操作が行われたことになり、BB役が入賞することがなく、第1停止操作が第1リール3-1以外のリールに対して行われると、不正解の押し順で停止操作が行われたことになり、BB役が入賞する可能性がある。
同様に、「F_1枚2ndA」「F_1枚2ndB」が内部当籤役として決定された場合には、第1停止操作が第2リール3-2に対して行われると、正解の押し順で停止操作が行われたことになり、第1停止操作が第2リール3-2以外のリールに対して行われると、不正解の押し順で停止操作が行われたことになり、「F_1枚3rdA」「F_1枚3rdB」が内部当籤役として決定された場合には、第1停止操作が第3リール3-3に対して行われると、正解の押し順で停止操作が行われたことになり、第1停止操作が第3リール3-3以外のリールに対して行われると、不正解の押し順で停止操作が行われたことになり、「F_1枚4thA」「F_1枚4thB」が内部当籤役として決定された場合には、第1停止操作が第4リール3-4に対して行われると、正解の押し順で停止操作が行われたことになり、第1停止操作が第4リール3-4以外のリールに対して行われると、不正解の押し順で停止操作が行われたことになる。
同図に示すように、有利区間では、正解の押し順が報知されるため、報知に従い停止操作を行うことで、BB役の入賞を回避することができる。BB状態は、シミュレーション試験対策に設けられており、遊技者にとって不利な遊技状態であるため、BB役の入賞を回避することで、遊技者にとって不利な遊技状態に移行してしまうことを回避することができる。一方で、非有利区間では、停止操作の情報を報知することができず、不正解の押し順で停止操作を行ってしまう可能性があるため、非有利区間は、遊技者にとって不利な遊技状態に移行してしまう可能性がある。第5の遊技機では、このように封じ込めることができない非有利区間において開始されたBB状態を、特典付与期待度の高い特化ゾーンとして用いる。なお、遊技機の型式試験において停止順・押下位置をランダムで行い下限値を見る試験も行われると考えられている。BB状態は、一般状態及びBBフラグ間と停止制御が異なりB系統のベル(略称の末尾がBの打順ベル役)が停止操作態様不問で11枚として入賞するためランダムに停止した場合の出玉率が高くなる。よって、BB状態がある程度発生した方が下限値を下回ることによる不適合が発生しにくいものとなる。この観点からはこのようなBBを搭載することは下限試験対策になるともいえるものである。
(特化ゾーンへの流れ)
続いて、図97(B)に特化ゾーンに移行する場合の遊技の流れを示す。まず、BBフラグ間の非有利区間において、「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定される必要がある。当該遊技において停止操作の順序が正解の順序である場合、「1枚」の図柄の組合せが停止表示される。「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」は、有利区間に移行することが定められた役であるため、次遊技から(又は、今遊技の終了時から)有利区間が開始される。なお、後述するように非有利区間において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定された場合にはAT抽籤が行われるため、「1枚」の図柄の組合せが停止表示された場合の次遊技の遊技状態は、AT抽籤の結果に応じて異なることになる。具体的には、AT抽籤に非当籤の場合には、次遊技の遊技状態は、有利区間・通常遊技となり、AT抽籤に当籤の場合には、次遊技の遊技状態は、有利区間・ATとなる。
一方で、当該遊技において停止操作の順序が不正解の順序である場合、「1枚」又は「BB」の図柄の組合せが停止表示される。このとき、「BB」の図柄の組合せが停止表示されると、次遊技から有利区間・特化ゾーンが開始される。なお、「1枚」の図柄の組合せが停止表示された場合の遊技の流れは、停止操作の順序が正解の順序である場合と同じである。
(BB入賞時のリール制御)
続いて、図97(C)を参照して、BB入賞時のリール制御について説明する。第5の遊技機では、BB役の入賞が成立する図柄の組合せとして「ベル2/チェリー/桃-ベル2-リプレイ-赤7」という「C_BB_01~03」を設けている。また、第5の遊技機では、これら図柄の組合せ「C_BB_01~03」と第1リール3-1、第2リール3-2、及び、第3リール3-3における図柄が共通し、第4リール3-4における図柄が異なる図柄の組合せ「C_BBKBAB_01~06」「C_チェKB_01~02」「C_変チェ」を有している。
例えば、BBフラグ間の非有利区間において図柄「BAR」を狙って第1リール3-1の停止操作を行った場合に、第1リール3-1の下段の単位図柄表示領域に図柄「チェリー」が停止表示されると、BB役が入賞する可能性があり、有利区間・特化ゾーンへの移行についての期待を持つことができる。ただし、第1リール3-1、第2リール3-2、及び、第3リール3-3における図柄は、BB役を入賞可能な「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」に対応する「1枚」の図柄の組合せである「C_BBKBAB_01~06」に共通しているため、第1リール3-1を停止した時点では、まだBB入賞が確定するわけではない。
その後、第2リール3-2、及び、第3リール3-3の停止操作を行った場合に、第2リール3-2の中段の単位図柄表示領域に図柄「ベル2」が停止表示され、また、第3リール3-3の上段の単位図柄表示領域に図柄「リプレイ」が停止表示されることがある。この時点でも、BBだけでなく1枚やチェリーの入賞の可能性があるため、まだBB入賞が確定するわけではなく、第4リール3-4に対する停止操作が更に行われ、第4リール3-4の中段の単位図柄表示領域に停止表示される図柄に応じて入賞の内容が決まる。
このように非有利区間において第1リール3-1に「チェリー」図柄が停止表示された場合、有利区間・特化ゾーンへの移行についての期待を持つことができるものの、BB役の入賞の成否は、第4リール3-4の中段の単位図柄表示領域に停止表示される図柄に応じて決まる。遊技者からすると、有利区間・特化ゾーンへの移行についての期待を持ち続けることができ、遊技の興趣が向上する。
(特化ゾーンとBB状態との関係)
続いて、図98(D)を参照して、有利区間・特化ゾーンとBB状態との関係について説明する。第5の遊技機では、BB状態として、BB中一般、BB中RBフラグ間、及びBB中RBという状態を有する。有利区間・特化ゾーンは、基本的にはBB中RBフラグ間を維持した状態で行われる。上述したように、RB役の入賞は、第1リール3-1、第2リール3-2、第3リール3-3の何れかにおいて図柄「BAR」を狙って停止操作を行うことで、意図的に回避することができるため、遊技者は、BB状態においてBB中RBフラグ間を維持し続けることができる。
ここで、図69(B)に示すように、BB中RBフラグ間は、メダルが増減しない現状維持の状態である。有利区間・特化ゾーンという特典付与期待度の高い状態において、メダルが多く減少してしまうと、有利区間・特化ゾーンのメリットが薄れてしまうものの、BB中RBフラグ間において有利区間・特化ゾーンを行うことで、遊技者は、有利区間・特化ゾーンのメリットを享受することができる。なお、シミュレーション試験では、RB役を入賞させてしまうため、BB中RBに移行してしまう結果、シミュレーション試験における出玉率を抑えることができる。このように第5の遊技機では、BB中RBフラグ間において有利区間・特化ゾーンを行うこととしているが、これに限られるものではなく、BB中一般やBB中RBにおいて有利区間・特化ゾーンを行うこととしてもよい。すなわち、封じ込めることができないボーナス状態において有利区間・特化ゾーンを行うものであればよい。ここで、メダルが増減しないとは、出玉率が概ね1に近い状態であることを意味しており、全く増減が発生しないということではない。目安としては、出玉率0.8~1.05程度の微減~微増程度の状態とすることが望ましく、詳細な値は機種の仕様により適宜設計される。微増するものした場合は、遊技者が意図的にBBを入賞させ続けることが攻略法とならないように、BBを入賞させ続けたとしてもトータルでメダルが増加し続けない程度の値とすることが望ましい。
(有利区間中の特化ゾーンへの流れ)
ここまで、非有利区間においてBB役に入賞した場合に有利区間・特化ゾーンを行うものについて説明したが、有利区間においてBB役に入賞した場合にも有利区間・特化ゾーンを行うこととしてもよい。図98(E)は、有利区間中の有利区間・特化ゾーンへの流れを示す図である。なお、以下では、有利区間・通常遊技から有利区間・特化ゾーンに移行する場合について説明するが、有利区間中の有利区間・特化ゾーンへの移行は、有利区間中の任意の状態(例えば、有利区間・ATや有利区間・引き戻し)から行うこととしてもよい。このとき、有利区間・特化ゾーンに移行しない場合には、元の有利区間中の状態が維持されることが好ましい。もちろん、有利区間・特化ゾーンに移行しない場合に元の有利区間中の状態とは異なる有利区間中の状態に移行するようにしてもよい。
また、有利区間中の有利区間・特化ゾーンへの移行は、有利区間・通常遊技からのみしか行うことができないようにしてもよい。すなわち、主制御回路100は、BBフラグ間の有利区間・ATにおいて「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定されると、必ず、正解の押し順を報知すると決定し、BBフラグ間の有利区間・通常遊技において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定されると、所定の確率で正解の押し順を報知すると決定し、それ以外の確率で正解の押し順を報知しないと決定することとしてよい。
BB役の入賞は、正解の押し順を報知することで封じ込めることができるため、有利区間中の任意の状態から有利区間・特化ゾーンに移行させたい場合、正解の押し順の報知を行わないように制御すればよい。具体的には、BBフラグ間の有利区間・通常遊技において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定されると、主制御回路100は、正解の押し順を報知するか否かを決定する。このとき、正解の押し順を報知すると決定すると、正解の押し順が報知されて「1枚」の図柄の組合せが停止表示される結果、有利区間・通常遊技のまま遊技状態が維持される。なお、正解の押し順を報知した場合であっても、遊技者が報知を無視してしまうと、BB役が入賞してしまうことがあるが、このような場合には、主制御回路100は、有利区間・特化ゾーンに制御することなく、有利区間・通常遊技のまま遊技状態を維持する。
一方で、正解の押し順を報知しないと決定した場合には、正解の押し順が報知されることなく、非有利区間中の遊技の流れと同様になる。すなわち、当該遊技において停止操作の順序が正解の順序である場合、「1枚」の図柄の組合せが停止表示される結果、有利区間・通常遊技のまま遊技状態が維持される。また、当該遊技において停止操作の順序が不正解の順序である場合、「1枚」又は「BB」の図柄の組合せが停止表示される。このとき、「1枚」の図柄の組合せが停止表示されると、有利区間・通常遊技のまま遊技状態が維持され、「BB」の図柄の組合せが停止表示されると、次遊技から有利区間・特化ゾーンが開始される。
(特化ゾーン(BB中RBフラグ間)中のリール制御 その1)
続いて、図98(F)を参照して、特化ゾーン中のリール制御(その1)について説明する。これまで説明したように、第5の遊技機では、BB中RBフラグ間において有利区間・特化ゾーンを行うが、BB中RBフラグ間では、他の遊技状態では表示されることのない「特殊1枚」や「特殊11枚」といった図柄の組合せが表示されることがある。有利区間・特化ゾーンでは、このような「特殊1枚」や「特殊11枚」といった図柄の組合せを用いて、特典が付与されたことを報知する。なお、「特殊1枚」「特殊11枚」を用いた特典付与の報知は、当該遊技において特典が付与されたことを報知することと、他の遊技において特典が付与されたことを報知することを含むものであってもよい。主制御回路100は、特典付与の報知を行わない場合には、「1枚」や「11枚」といった図柄の組合せが表示されるように遊技を行うことを促す一方で、特典付与の報知を行う場合には、「特殊1枚」や「特殊11枚」といった図柄の組合せが表示されるように遊技を行うことを促す(又は、「1枚」や「11枚」といった図柄の組合せが表示されるように遊技を行うこと促さない)。
より具体的には、BB中RBフラグ間では、共通1枚C(「F_共通1枚C1」「F_共通1枚C2」「F_共通1枚C3」)が内部当籤役として決定されると、第1停止操作が第1リール3-1又は第2リール3-2に対して行われた場合に「特殊1枚」の図柄の組合せが表示され、第1停止操作が第3リール3-3又は第4リール3-4に対して行われた場合に「1枚」の図柄の組合せが表示される。そこで、主制御回路100は、特典付与の報知を行わない場合には、「1枚」の図柄の組合せが表示されることになる停止操作の順序(ナビパターン「13~24」の何れか)を報知する。一方で、主制御回路100は、特典付与の報知を行う場合には、停止操作の順序を何も報知しない。停止操作の順序が報知されない場合、遊技者は、左側のリールから順に停止操作を行う傾向が強いため、第1リール3-1に対して第1停止操作が行われ易く、結果、停止操作の順序が報知されない場合には、「特殊1枚」の図柄の組合せが表示され易い。もちろん、主制御回路100は、特典付与の報知を行う場合に停止操作の順序を何も報知しないのではなく、「特殊1枚」の図柄の組合せが表示されることになる停止操作の順序(ナビパターン「1~12」の何れか)を報知することとしてもよい。
ここで、後述するように、有利区間・特化ゾーンにおいて共通1枚Cが内部当籤役として決定されると、特典が必ず付与される。そのため、第5の遊技機では、主制御回路100は、有利区間・特化ゾーンにおいて共通1枚Cが内部当籤役として決定された場合には、常に、停止操作の順序を何も報知しないことになる。このように第5の遊技機では、「特殊1枚」は、共通1枚Cが内部当籤役として決定された当該遊技における特典の付与を報知するために用いられる。
なお、「特殊1枚」を他の遊技における特典の付与を報知するために用いることとしてもよい。このように用いる場合には、例えば、共通1枚Cにおける特典付与の確率を100%以外の確率(0%も含む)とし、それ以外の確率で特典が付与されないこととする。そして、主制御回路100は、共通1枚Cに基づく特典付与に当籤した場合には、停止操作の順序を何も報知することなく「特殊1枚」の図柄の組合せを表示可能にし、また、共通1枚Cに基づく特典付与に非当籤した場合、かつ、他の遊技において付与された特典のうち未だ報知が行われていない特典がある場合には、停止操作の順序を何も報知することなく「特殊1枚」の図柄の組合せを表示可能にする。他方、共通1枚Cに基づく特典付与に非当籤した場合、かつ、他の遊技において付与された特典のうち未だ報知が行われていない特典がない場合又は他の遊技において付与された特典が無い場合には、「1枚」の図柄の組合せが表示されることになる停止操作の順序を報知し、「1枚」の図柄の組合せを表示させる。
また、「特殊1枚」の図柄の組合せが表示されることになる停止操作の順序は任意であり、複数の停止操作の順序のうちの1つ順序のみであってもよく、また、複数の順序であってもよく、また、全ての順序において「特殊1枚」の図柄の組合せが表示されることとしてもよい。また、共通1枚Cの種類に応じて、「特殊1枚」の図柄の組合せが表示されることになる停止操作の順序を異ならせることとしてもよい。
(特化ゾーン(BB中RBフラグ間)中のリール制御 その2)
続いて、図99を参照して、特化ゾーン中のリール制御(その2)について説明する。特化ゾーン中のリール制御(その2)は、「11枚」「特殊11枚」の図柄の組合せに関するリール制御である。
初めに、図99(A)を参照して、BB中RBフラグ間における押し順ベルB(「F_1234ベルB」~「F_4321ベルB」)が内部当籤役として決定された場合に表示される図柄の組合せ(出目)について説明する。上述したように、BB中RBフラグ間では、押し順ベルB(「F_1234ベルB」~「F_4321ベルB」)が内部当籤役として決定された場合に、「11枚」又は「特殊11枚」の図柄の組合せが停止表示される。同図(a)は、「11枚」の図柄の組合せを示し、同図(b)は、「特殊11枚」の図柄の組合せを示す。なお、同図では、図柄「ベル1」と図柄「ベル2」とを区別することなく図柄「ベル」と示している。また、同図では、第4リール3-4については省略している。
「11枚」は、第1リール3-1、第2リール3-2、第3リール3-3という3つのリールにおける上段、中段、下段の3つの単位図柄表示領域(3×3)において、図柄「ベル」が直線状に並んで表示される図柄の組合せである。一方、「特殊11枚」は、「11枚」と図柄の組合せは同一であるものの、有効ラインの種別が異なることで、図柄「ベル」が直線状に表示されない図柄の組合せである。第5の遊技機では、図柄「ベル」が直線状に並んで表示される図柄の組合せとして、右上がりベルと、右下がりベルと、上段ベルと、下段ベルとを有する。
右上がりベルは、図柄「ベル」が右上がりに直線状に並んで表示される図柄の組合せであり、ラインL2に沿って「ベル-ベル-ベル(「C_4123ベル_01~04」など)」が表示される。右上がりベルについて、表示させる有効ラインの種別をラインL2からラインL1に変更すると、表示される図柄の組合せは同一であるものの、遊技者から見た見た目上の形が「右上がり」から「小V字」に変わる。この場合、右上がりベルが「11枚」の図柄の組合せになるのに対して、小Vベルが「特殊11枚」の図柄の組合せになる。
また、右下がりベルは、図柄「ベル」が右下がりに直線状に並んで表示される図柄の組合せであり、ラインL1に沿って「ベル-ベル-チェリー(「C_1234ベル_01~02」など)」が表示される。右下がりベルについて、表示させる有効ラインの種別をラインL1からラインL2に変更すると、表示される図柄の組合せは同一であるものの、遊技者から見た見た目上の形が「右下がり」から「小山」に変わる。この場合、右下がりベルが「11枚」の図柄の組合せになるのに対して、小山ベルが「特殊11枚」の図柄の組合せになる。
また、上段ベルは、図柄「ベル」が上段に直線状に並んで表示される図柄の組合せであり、ラインL1に沿って「ベル-リプレイ-ベル(「C_2134ベル_01~04」など)」が表示される。上段ベルについて、表示させる有効ラインの種別をラインL1からラインL2に変更すると、表示される図柄の組合せは同一であるものの、遊技者から見た見た目上の形が「上段」から「L字」に変わる。この場合、上段ベルが「11枚」の図柄の組合せになるのに対して、L字ベルが「特殊11枚」の図柄の組合せになる。
また、下段ベルは、図柄「ベル」が下段に直線状に並んで表示される図柄の組合せであり、ラインL2に沿って「ベル-リプレイ-チェリー(「C_2314ベル_01~02」など)」が表示される。下段ベルについて、表示させる有効ラインの種別をラインL2からラインL1に変更すると、表示される図柄の組合せは同一であるものの、遊技者から見た見た目上の形が「下段」から「逆L字」に変わる。この場合、上段ベルが「11枚」の図柄の組合せになるのに対して、逆L字ベルが「特殊11枚」の図柄の組合せになる。
このように第5の遊技機では、BB中RBフラグ間において図柄の組合せが表示される有効ラインの種別を異ならせること(言い換えると、第1リール3-1における図柄の表示位置を上段と下段とで異ならせること)で、「特殊11枚」の図柄の組合せを停止表示可能にしている。
続いて、図99(B)は、BB中RBフラグ間における押し順ベルB(「F_1234ベルB」~「F_4321ベルB」)が内部当籤役として決定された場合のリール制御について説明する。BB中RBフラグ間では、押し順ベルBが内部当籤役として決定されると、停止操作の順序が特定の順序以外の順序である場合に「特殊11枚」の図柄の組合せが停止表示され、停止操作の順序が特定の順序である場合に「11枚」の図柄の組合せが停止表示される。具体的には、停止操作の順序のうち第1停止操作が行われるリールの種別が特定のリール以外である場合に「特殊11枚」の図柄の組合せが停止表示され、第1停止操作が行われるリールの種別が特定のリールである場合に「11枚」の図柄の組合せが停止表示される(図91、図92参照)。
なお、第5の遊技機では、停止操作の順序が特定の順序以外の順序である場合に「特殊11枚」の図柄の組合せが停止表示されることとしているが、停止操作の順序が特定の順序である場合に「特殊11枚」の図柄の組合せが停止表示され、停止操作の順序が特定の順序以外の順序である場合に「11枚」の図柄の組合せが停止表示されることとしてもよい。また、特定の順序/特定の順序以外の順序は、押し順ベルBの種別に応じて異なるものであるが、図98(F)に示す共通1枚Cのように押し順ベルBの種別に関係なく共通としてもよい。例えば、BB中RBフラグ間において押し順ベルBが内部当籤役として決定されると、第1停止操作が第1リール3-1又は第2リール3-2に対して行われた場合に「特殊11枚」の図柄の組合せが表示され、第1停止操作が第3リール3-3又は第4リール3-4に対して行われた場合に「11枚」の図柄の組合せが表示されることとしてもよい。
上述したようにBB中RBフラグ間に対応する有利区間・特化ゾーンでは、「特殊11枚」といった図柄の組合せを用いて、特典が付与されたことを報知する。具体的には、主制御回路100は、特典付与の報知を行わない場合には、「11枚」の図柄の組合せが表示されることになる停止操作の順序(図96の状態4に示すナビパターン)を報知する。一方で、主制御回路100は、特典付与の報知を行う場合には、停止操作の順序を何も報知しない。もちろん、主制御回路100は、特典付与の報知を行う場合に停止操作の順序を何も報知しないのではなく、「特殊11枚」の図柄の組合せが表示されることになる停止操作の順序を報知することとしてもよい。
なお、「特殊11枚」も「特殊1枚」と同様に、当該遊技における特典の付与を報知するために用いることとしてもよく、また、他の遊技における特典の付与を報知するために用いることとしてもよい。すなわち、主制御回路100は、押し順ベルBに基づく特典付与に当籤した場合には、停止操作の順序を何も報知することなく「特殊11枚」の図柄の組合せを表示可能にし、また、押し順ベルBに基づく特典付与に非当籤した場合、かつ、他の遊技において付与された特典のうち未だ報知が行われていない特典がある場合には、停止操作の順序を何も報知することなく「特殊11枚」の図柄の組合せを表示可能にする。他方、押し順ベルBに基づく特典付与に非当籤した場合、かつ、他の遊技において付与された特典のうち未だ報知が行われていない特典がない場合又は他の遊技において付与された特典が無い場合には、「11枚」の図柄の組合せが表示されることになる停止操作の順序を報知し、「11枚」の図柄の組合せを表示させる。
(特化ゾーンに関連する演出)
続いて、特化ゾーンに関連する演出について説明する。なお、以下に示す各種の演出は、主制御回路100によって制御されることとしてもよく、また、副制御回路200によって制御されることとしてもよい。また、以下に示す各種の演出は、効果音、LED等の発光、液晶におけるアニメーション表示などの任意の方法により実行することができる。
上述したように、第5の遊技機では、BBフラグ間の非有利区間・通常遊技において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定されると、有利区間・特化ゾーンへの移行チャンスとなる。そこで、主制御回路100等は、BBフラグ間の非有利区間・通常遊技において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定された場合に、有利区間・特化ゾーンへの移行チャンスであることを示唆する演出を実行することとしてもよい。なお、実行する演出は任意であるが、例えば、リール回転開始時に出力するスタート音を通常とは異なる特殊なスタート音とすることが考えられる。このようにすることで、遊技者は、有利区間・特化ゾーンへの移行チャンスであることを把握することができ、当該遊技の結果に強い関心を抱くことになる。もちろん、非有利区間・通常遊技において「F_チェリー」が内部当籤役として決定された場合にも、有利区間・特化ゾーンへの移行チャンスであることを示唆する演出を実行することとしてもよい。
なお、非有利区間において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定された場合にはAT抽籤が行われるため、当該遊技は、有利区間・特化ゾーンへの移行チャンスであるとともに、有利区間・ATへの移行チャンスにもなっている。そこで、主制御回路100等は、BBフラグ間の非有利区間・通常遊技において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定され、かつ、AT抽籤に当籤していた場合(言い換えると、有利区間・ATのストックを付与すると決定された)には、AT抽籤に当籤したことを示唆する演出を実行することとしてもよい。
なお、主制御回路100等は、有利区間・特化ゾーンへの移行チャンスであることを示唆する演出と、AT抽籤に当籤したことを示唆する演出とのうち何れか一方の演出のみを実行し、他方を実行しないこととしてもよい。例えば、BBフラグ間の非有利区間・通常遊技において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定されると、有利区間・特化ゾーンへの移行チャンスであることを示唆する演出のみを実行し、AT抽籤の結果に関わらずAT抽籤に当籤したことを示唆する演出は実行しないこととしてもよい。また、例えば、BBフラグ間の非有利区間・通常遊技において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定され、かつ、AT抽籤に当籤していた場合には、AT抽籤に当籤したことを示唆する演出を実行する一方で、AT抽籤に当籤していない場合には、(有利区間・特化ゾーンへの移行チャンスであることを示唆する演出を含め)何らの演出も実行しないこととしてもよい。
また、主制御回路100等は、有利区間・特化ゾーンへの移行チャンスであることを示唆する演出と、AT抽籤に当籤したことを示唆する演出との双方を実行することとしてもよい。なお、AT抽籤に当籤したことを示唆する演出を実行する条件(「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」当籤時のAT抽籤に当籤)は、有利区間・特化ゾーンへの移行チャンスであることを示唆する演出を実行する条件(「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」当籤時)を含むものであるため、両者の演出を実行する場合は、以下の2パターンの制御が考えられ、どちらの制御であってもよい。
まず1つ目のパターンとしては、BBフラグ間の非有利区間・通常遊技において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定された場合、当該遊技におけるAT抽籤に当籤していないときには、第1の演出を実行し、当該遊技におけるAT抽籤に当籤しているときには、第1の演出を実行せずに、第2の演出を実行する。このとき、第1の演出と第2の演出とは関連する演出であってもよく、関連しない演出であってもよい。関連する演出とする場合、例えば、リール回転開始時に出力するスタート音として、通常のスタート音とは異なる特殊なスタート音1と特殊なスタート音2とを有し、AT抽籤に当籤していないときには特殊なスタート音1を出力し、AT抽籤に当籤している場合には特殊なスタート音2を出力する。また、関連しない演出とは、例えば、リール回転開始時に出力するスタート音とLED等の発光とであってよく、AT抽籤に当籤していないときには通常のスタート音とは異なる特殊なスタート音を出力し、AT抽籤に当籤している場合には特殊なスタート音は出力せずに通常のスタート音を出力した上で、通常の遊技開始時とは異なる態様でLED等を発光させる。
続いて、2つ目のパターンとしては、BBフラグ間の非有利区間・通常遊技において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定された場合には、当該遊技におけるAT抽籤の当否に関わらず第1の演出(有利区間・特化ゾーンへの移行チャンスであることを示唆する演出)を実行し、当該遊技におけるAT抽籤に当籤しているときには、第1の演出に加えて更に第2の演出(AT抽籤に当籤したことを示唆する演出)を実行し、当該遊技におけるAT抽籤に当籤していない場合には、第2の演出を実行しない。例えば、主制御回路100等は、BBフラグ間の非有利区間・通常遊技において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定された場合には、当該遊技におけるAT抽籤の当否に関わらず通常のスタート音とは異なる特殊なスタート音を出力する。そして、当該遊技におけるAT抽籤に当籤している場合には、特殊なスタート音の出力に加えて、通常の遊技開始時とは異なる態様でLED等を発光させ、当該遊技におけるAT抽籤に当籤していない場合には、特殊なスタート音を出力するものの、LED等の発光態様は通常の遊技開始時のものにする。
なお、第5の遊技機では、有利区間・特化ゾーンへの移行は、非有利区間・通常遊技からだけでなく、有利区間中の任意の状態からも可能にしている。そのため、主制御回路100等は、BBフラグ間の非有利区間・通常遊技において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定された場合だけでなく、BBフラグ間の有利区間において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定され、かつ、正解の押し順を報知しない場合にも、上述の演出を実行することとしてもよい。
また、主制御回路100等は、「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」の何れかが内部当籤役として決定されたBBフラグ間の非有利区間・通常遊技の開始時だけでなく、当該遊技の終了時(入賞判定時)に所定の演出を実行することとしてもよい。具体的には、主制御回路100等は、BBフラグ間の非有利区間・通常遊技において「BB」の図柄の組合せが停止表示されると(言い換えると、有利区間・特化ゾーンに移行する場合)、当該遊技において遊技の進行を所定期間遅延させるロック状態を発生させる。そして、主制御回路100等は、このロック状態中に、有利区間・特化ゾーンに移行する旨を報知する所定の演出を実行する。もちろん、このような演出は、有利区間中の任意の状態から有利区間・特化ゾーンに移行する場合にも行うこととしてもよい。
[有利区間及び非有利区間において用いる各種データテーブル]
続いて、有利区間及び非有利区間において用いる各種のデータテーブル、特に、有利区間・特化ゾーンの制御に用いられる各種のデータテーブルの構成について説明する。なお、有利区間・特化ゾーンの制御に関係のないデータテーブルについては説明を省略する。また、以下に示す各種のデータテーブルは、メインROM102に記憶されており、主制御回路100は、これら各種のデータテーブルを参照して、各種の抽籤を行う。
[非有利区間_押し順1枚当籤時AT抽籤(1段階目)抽籤テーブル]
初めに、図100を参照して、非有利区間_押し順1枚当籤時AT抽籤(1段階目)抽籤テーブルについて説明する。非有利区間_押し順1枚当籤時AT抽籤(1段階目)抽籤テーブルは、非有利区間・通常遊技において、抽籤種別「3(押し順1枚)」に対応する役(「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」)が内部当籤役として決定された場合に参照され、「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」に基づき非有利区間から有利区間に移行する際に有利区間・ATのストックを付与するか否かを決定するために用いられる。
非有利区間_押し順1枚当籤時AT抽籤(1段階目)抽籤テーブルは、1段階目のAT抽籤の抽籤結果を示す当籤種別についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、非有利区間・通常遊技において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」が内部当籤役として決定されると、非有利区間_押し順1枚当籤時AT抽籤(1段階目)抽籤テーブルを参照して、当籤種別を抽籤し、抽籤の結果得られた当籤種別を用いて、後述する2段階目のAT抽籤を実行する。
なお、同図では、当籤種別として「当籤種別0」「当籤種別1」「当籤種別2」の何れかのみが決定され、「当籤種別3」~「当籤種別13」は決定されることがないが、これに限られるものではなく、「当籤種別3」~「当籤種別13」も決定されるようにしてもよい。また、図示は省略するが、1段階目のAT抽籤は、非有利区間・通常遊技だけでなく他の遊技状態(有利区間・通常遊技、有利区間・特化ゾーン、有利区間・AT、有利区間・引き戻し)においても行うところ、これらの遊技状態において行う1段階目のAT抽籤では、「当籤種別0」~「当籤種別13」の何れかが決定される。
[共通_2段階目AT抽籤テーブル]
続いて、図101(A)を参照して、共通_2段階目AT抽籤テーブルについて説明する。共通_2段階目AT抽籤テーブルは、1段階目のAT抽籤に続いて行われる2段階目のAT抽籤において参照される。なお、1段階目のAT抽籤は、非有利区間・通常遊技、有利区間・通常遊技、有利区間・特化ゾーン、有利区間・AT、有利区間・引き戻しにおいて行われる。
共通_2段階目AT抽籤テーブルは、1段階目のAT抽籤の抽籤結果である当籤種別ごとに2段階目のAT抽籤の抽籤結果を示すストックパターンについての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、1段階目のAT抽籤を行うと、続いて、1段階目のAT抽籤の抽籤結果として得られた当籤種別を参照して2段階目のAT抽籤を行い、ストックパターンを決定する。ストックパターンは、付与するストックの種別及び個数を規定する情報であり、ストックパターンが決定されると、付与するストックの種別及び個数も一義的に決まる。主制御回路100は、2段階目のAT抽籤を行うと、抽籤結果として得られたストックパターンに応じて、有利区間・ATのストックを付与する。
[共通_ストック種別決定テーブル]
続いて、図101(B)を参照して、共通_ストック種別決定テーブルについて説明する。共通_ストック種別決定テーブルは、2段階目のAT抽籤の抽籤結果として得られたストックパターンから、付与するストックの種別及び個数を決定するために参照される。
共通_ストック種別決定テーブルは、2段階目のAT抽籤の抽籤結果であるストック種別ごとに付与するストックの種別及び個数についての情報を規定する。主制御回路100は、2段階目のAT抽籤によりストックパターンを決定すると、当該ストックパターンに対応付けられた種別のストックを対応付けられた個数分付与する。例えば、ストックパターン1が決定された場合、主制御回路100は、ストックAを8個、ストックBを1つ付与する。なお、ストックパターン13は、何れのストックも付与されない所謂はずれである。
なお、第5の遊技機では、ストックA~ストックFという6種類のストックを有している。図103において後述するように、これら6種類のストックでは、所謂ループ率が異なる。すなわち、第5の遊技機では、付与されたストックを用いて有利区間・ATを実行することになるが、有利区間・ATの実行に用いられたストックは、基本的には消去されるものの、所定の確率で消去されずに維持される場合がある。消去された場合には当該ストックは残っていないため当該ストックを再度用いることはできないものの、消去されずに維持された場合には、当該ストックは残ったままになるため、有利区間・ATが終了した後に、当該ストックを用いて有利区間・ATを再度実行することができる。このようにストックを用いた場合であっても消去されずに維持される割合をループ率と呼ぶ。
[特化ゾーン_AT抽籤テーブル]
続いて、図102(A)を参照して、特化ゾーン_AT抽籤テーブルについて説明する。特化ゾーン_AT抽籤テーブルは、有利区間・特化ゾーンの各遊技において参照され、有利区間・ATのストックを付与するか否かを決定するために用いられる。なお、特化ゾーン_AT抽籤テーブルを用いたAT抽籤は、1段階目のみでストックの有無が決まる(すなわち、2段階目の抽籤は行わない)。
特化ゾーン_AT抽籤テーブルは、抽籤種別ごとに有利区間・特化ゾーン中のAT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、抽籤結果として非当籤が決定された場合には、有利区間・ATのストックを付与せずに、抽籤結果としてストックA加算が決定された場合には、有利区間・ATのストックAを1個付与する。
[特化ゾーン_モード移行抽籤テーブル]
続いて、図102(B)を参照して、特化ゾーン_モード移行抽籤テーブルについて説明する。特化ゾーン_モード移行抽籤テーブルは、特化ゾーン_AT抽籤テーブルを用いたAT抽籤に当籤した場合に参照され、有利区間・特化ゾーン中のモードの移行抽籤を行うために用いられる。第5の遊技機では、有利区間・特化ゾーン中のモードとしてモード1~モード6の6種類のモードを有している。これら6種類のモードは、有利区間・特化ゾーンの最終遊技において行うAT抽籤に用いられ、基本的には(モード1を除いて)、モードが上がるほど遊技者にとって有利な結果が得られるようになっている。
特化ゾーン_モード移行抽籤テーブルは、移行元のモードごとにモード移行抽籤の抽籤結果である移行先のモードについての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、特化ゾーン_AT抽籤テーブルを用いたAT抽籤に当籤すると、現在のモードに基づき移行先のモードを決定し、セットする。なお、モードの初期値(有利区間・特化ゾーン開始時のモード)は、モード1であるものとする。また、モード6まで移行した場合には、主制御回路100は、それ以上のモード移行抽籤を行わない。
なお、同図に示す例では、モードは昇格するものであり降格することがないが、これに限られるものではなく、降格するものであってもよい。また、第5の遊技機では、有利区間・特化ゾーン中の各遊技において行うAT抽籤に当籤した場合に、モード移行抽籤を行うこととしているが、当該AT抽籤とは関係なくモード移行抽籤を行うこととしてもよい。有利区間・特化ゾーン中の各遊技において行うAT抽籤とは関係なくとは、有利区間・特化ゾーン中の各遊技であってもよく、また、所定回数の遊技が行われるごとであってもよく、また、遊技回数とは関係のない何らかの契機であってもよい。
[特化ゾーン_特化ゾーン終了時AT抽籤(1段階目)抽籤テーブル]
続いて、図102(C)を参照して、特化ゾーン_特化ゾーン終了時AT抽籤(1段階目)抽籤テーブルについて説明する。特化ゾーン_特化ゾーン終了時AT抽籤(1段階目)抽籤テーブルは、有利区間・特化ゾーンの最終遊技において参照され、有利区間・ATのストックを付与するか否かを決定するために用いられる。なお、第5の遊技機では、有利区間・特化ゾーンは、BB状態が終了した後の一般状態(非フラグ間)まで継続し、当該一般状態においてBB役が内部当籤役として決定されると終了する。そのため、特化ゾーン_特化ゾーン終了時AT抽籤(1段階目)抽籤テーブルは、BB状態が終了した後の一般状態においてBB役が内部当籤役として決定された遊技において参照される。
特化ゾーン_特化ゾーン終了時AT抽籤(1段階目)抽籤テーブルは、現在のモードごとに1段階目のAT抽籤の抽籤結果を示す当籤種別についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、有利区間・特化ゾーンの最終遊技において現在のモードを参照して、1段階目のAT抽籤を行う。そして、主制御回路100は、抽籤の結果得られた当籤種別を用いて、共通_2段階目AT抽籤テーブル(図101(A))を参照して2段階目のAT抽籤を実行し、抽籤の結果得られたストックパターンに応じて有利区間・ATのストックを付与する。なお、有利区間・特化ゾーンの最終遊技におけるモードがモード6である場合、AT抽籤に非当籤(当籤種別0からストックパターン13が決定され、AT抽籤に非当籤となる)することになるが、モード6である場合には、当該AT抽籤とは別に特殊ATのストックが付与される。その結果、モード6である場合には、有利区間・特化ゾーンが終了した後に、有利区間のリミッタに達するまで継続する特殊ATが実行される。
[特化ゾーン_押し順ベルB当籤時ナビ発生抽籤テーブル]
続いて、図102(D)を参照して、特化ゾーン_押し順ベルB当籤時ナビ発生抽籤テーブルについて説明する。特化ゾーン_押し順ベルB当籤時ナビ発生抽籤テーブルは、有利区間・特化ゾーンにおいて押し順ベルBが内部当籤役として決定された場合に参照され、特定の順序の押し順(言い換えると、「11枚」の図柄の組合せが表示される押し順)を報知するか否かを決定するために用いられる。
特化ゾーン_押し順ベルB当籤時ナビ発生抽籤テーブルは、押し順ベルB当籤時のAT抽籤の結果ごとに、特定の順序の押し順(言い換えると、「11枚」の図柄の組合せが表示される押し順)を報知するか否かの抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、抽籤結果として「ナビあり」が決定されると、図96の状態4に示すナビパターンを報知し、抽籤結果として「ナビなし」が決定されると、何らの押し順も報知しない(ナビパターン「0」)。その結果、「ナビあり」が決定された場合には、報知に従うことで「11枚」の図柄の組合せが表示され、「ナビなし」が決定された場合には、停止操作の順序によっては「特殊11枚」の図柄の組合せが表示されることになる。
[AT_ストック減算抽籤テーブル]
続いて、図103を参照して、AT_ストック減算抽籤テーブルについて説明する。AT_ストック減算抽籤テーブルは、有利区間・ATを実行した場合に、ストックを消去(減算)するか否かを決定するために用いられる。なお、ストックを消去するか否かの決定は、有利区間・ATの開始時に行うこととしてもよく、また、有利区間・ATの終了時に行うこととしてもよく、また、有利区間・ATの途中で行うこととしてもよく、また、有利区間・ATを実行すると決定した遊技において行うこととしてもよい。例えば、ストックに基づく有利区間・ATの開始時に当該ストックを消去するか否かの決定(抽籤)を行うものとしてもよい。
AT_ストック減算抽籤テーブルは、有利区間・ATを実行するために用いたストックの種別ごとに、当該ストックを消去(減算)するか否かの抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、抽籤結果として「減算無し」が決定された場合には、有利区間・ATを実行するために用いたストックを消去せずに維持し、抽籤結果として「減算有り」が決定された場合には、有利区間・ATを実行するために用いたストックを消去(減算)する。また、主制御回路100は、抽籤結果として「減算有り+ストックA加算」が決定された場合には、有利区間・ATを実行するために用いたストックを消去(減算)するとともに、有利区間・ATのストックAを1個付与する。
同図を参照すると、第5の遊技機では、ストックAのループ率は0であり、ストックBのループ率は約33%であり、ストックCのループ率は50%であり、ストックDのループ率は約85%であり、ストックEのループ率は約88%(に加えてストックA付与)であり、ストックFのループ率は約92%(に加えてストックA付与)である。
なお、有利区間・ATのストックを複数種類有している場合に、どの種別のストックを減算対象のストックとするかは任意である。例えば、ループ率が低いストックから順に減算対象のストックとしてもよく、また、ループ率が高い順に減算対象のストックとしてもよく、また、ランダムな順に減算対象のストックとしてもよい。また、ストックが付与された順に減算対象のストックとしてもよく、先に付与されたストックから順に減算対象のストックとしてもよく、後に付与されたストックから順に減算対象のストックとしてもよい。
また、ストックを消去するか否かの決定(すなわち、AT_ストック減算抽籤テーブル)は、有利区間・ATの種別に応じて異ならせることとしてもよい。例えば、AT1とAT2とでは、AT1の方がストックを消去すると決定され易いようにしてもよく、また、AT2の方がストックを消去すると決定され易いようにしてもよい。また、ストックを消去するか否かの決定(すなわち、AT_ストック減算抽籤テーブル)は、有利区間のリミッタまでの残り期間に応じて異ならせることとしてもよい。例えば、有利区間のリミッタまでの残り期間が多いほど、ストックを消去すると決定され易いようにしてもよく、また、有利区間のリミッタまでの残り期間が多いほど、ストックを消去すると決定され難いようにしてもよい。
ここまで説明したストックの減算やループ率に関しては演出により示唆・報知を行うことで遊技の興趣の高めることができる。演出を制御する制御手段(主制御回路100や副制御回路200)は、例えば、特定のループ率(例えば、約92%)であることを示唆又は報知する演出を実行することとしてもよく、また、特定のループ率以上(例えば、約85%以上)であることを示唆又は報知する演出を実行することとしてもよく、また、特定のループ率(例えば、約33%)ではないことを示唆又は報知する演出を実行することとしてもよい。また、演出を制御する制御手段(主制御回路100や副制御回路200)は、例えば、複数のストックを保持していることを示唆又は報知する演出を実行することとしてもよく、また、特定のループ率以上のストックを複数保持していることを示唆又は報知する演出を実行することとしてもよく、また、有利区間・ATが行われたにも関わらずATのストックが減算されなかったこと(つまり、ストックが保持された状態であり、少なくとも後1回はATに当籤すること)を示唆又は報知する演出を実行することとしてもよい。
これらの示唆・報知は、有利区間・AT開始時の演出態様(ランプ・BGM変化・画像)やリールアクションパターンなどで行っても良いし、有利区間・AT消化中や終了時の演出態様(ランプ・BGM変化・画像)やストックがある状態での有利区間・引き戻しにおいて演出を行っても良い。また、偶数設定であればループ率が低いストックが選ばれやすい分、初当たり時にストックAを複数保持する場合が多かったり、奇数設定であればループ率が高いストックが選択される頻度が偶数設定と比べて高かったりするなど設定値に応じたストックとループ率の特徴を持たせることで、上記の示唆・報知演出により設定値を推測するゲーム性を持たせて遊技の興趣を高めることもできる。
[通常有利_特化ゾーン許可抽籤テーブル]
続いて、図104を参照して、通常有利_特化ゾーン許可抽籤テーブルについて説明する。通常有利_特化ゾーン許可抽籤テーブルは、有利区間・通常遊技において抽籤種別「3(押し順1枚)」に対応する役(「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」)が内部当籤役として決定された場合に参照され、正解の押し順を報知するか否かを決定するために用いられる。第5の遊技機では、基本的には、非有利区間・通常遊技から有利区間・特化ゾーンに移行させることとしているが、上述したように、有利区間・通常遊技からも有利区間・特化ゾーンに移行可能にしている。通常有利_特化ゾーン許可抽籤テーブルは、有利区間・通常遊技からも有利区間・特化ゾーンへの移行を許可するか否かを決定するために用いられる。
通常有利_特化ゾーン許可抽籤テーブルは、「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」が内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順を報知するか否かの抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、正解の押し順(図95に示すナビパターン)を報知し、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、正解の押し順を報知しない(ナビパターン「0」)。
正解の押し順が報知された場合には、「1枚」の図柄の組合せが停止表示される結果、有利区間・通常遊技のまま遊技状態が維持される。一方で、正解の押し順が報知されない場合には、停止操作の順序が不正解の順序であるときに「BB」の図柄の組合せが停止表示されることがあり、「BB」の図柄の組合せが停止表示されると、次遊技から有利区間・特化ゾーンが開始される。
[非有利区間のBB入賞を契機とする状態制御]
以上説明したように、第5の遊技機では、非有利区間・通常遊技において「BB」の図柄の組合せが停止表示されると、有利区間・特化ゾーンを開始する。この有利区間・特化ゾーンの開始に関する制御は、非有利区間・通常遊技において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」が内部当籤役として決定されたことを契機に、非有利区間から有利区間に移行させるとともに、非有利区間・通常遊技において「BB」の図柄の組合せが停止表示されたことを契機に、有利区間の特化ゾーンに移行させることに分けられる。しかしながら、規則上、非有利区間では、有利区間への移行制御に内部当籤役しか参照することができず、表示された図柄の組合せを参照することができない。この点、第5の遊技機では、以下の制御を行うことで、非有利区間に表示された図柄の組合せに応じて有利区間中の状態を制御する。
初めに、図105(A)は、非有利区間から有利区間に移行する際の遊技状態の制御の概要を示す図である。同図では、有利区間に移行することになる非有利区間の最終遊技を1G目として示し、非有利区間から有利区間に移行した有利区間の最初の遊技を2G目として示す。
非有利区間(1G目)において遊技開始操作が行われると、内部当籤役が決定される。主制御回路100は、決定された内部当籤役に応じて有利区間の移行制御を行う。第5の遊技機の場合、非有利区間・通常遊技において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」が内部当籤役として決定されると、有利区間・通常遊技又は有利区間・ATに移行することになる。その後、遊技が進行し、非有利区間(1G目)の遊技が終了すると、停止操作の態様によっては、「BB」の図柄の組合せが停止表示され、BB役が入賞することがある。非有利区間・通常遊技において「BB」の図柄の組合せが停止表示された場合には、有利区間・特化ゾーンに制御するものの、非有利区間では、規則上、有利区間への移行制御に表示された図柄の組合せ(表示役)を参照することができないため、非有利区間(1G目)の終了時点では、内部当籤役に応じた移行制御しか反映することができない。そのため、「BB」の図柄の組合せが停止表示された時点では、有利区間・特化ゾーンに制御することができず、当該時点の遊技状態は、内部当籤役に基づき制御された有利区間・通常遊技又は有利区間・ATとなる。
そこで、第5の遊技機では、2G目の有利区間の最初の遊技の遊技開始時に、図105(B)に示す特化ゾーン制御処理を実行することで、有利区間・特化ゾーンに制御する。特化ゾーン制御処理は、有利区間の最初の遊技の遊技開始時に行われる処理であり、主制御回路100は、有利区間の最初の遊技が、BB状態の最初の遊技であるか否かを判定する。第5の遊技機の場合、有利区間の最初の遊技が、BB状態の最初の遊技である場合、非有利区間において「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」が内部当籤役として決定され、かつ、「BB」の図柄の組合せが停止表示されたことを意味する。そこで、主制御回路100は、有利区間の最初の遊技が、BB状態の最初の遊技である場合に、有利区間・特化ゾーンに制御する。その結果、有利区間・特化ゾーンに制御する場合、有利区間の最初の遊技(=BB状態の最初の遊技)から有利区間・特化ゾーンに制御されることになる。言い換えると、有利区間の最初の遊技がBB状態の最初の遊技であるか否か、を判定した当該遊技から、有利区間・特化ゾーンに制御され、当該遊技の内部当籤役(抽籤種別)に応じて有利区間・ATのストックが付与されることになる。
なお、第5の遊技機では、有利区間の最初の遊技の遊技開始時に、有利区間の最初の遊技、かつ、BB状態の最初の遊技であるか否かを判定する特化ゾーン制御処理を実行することとしているが、特化ゾーン制御処理は、非有利区間から有利区間に移行し、かつ、表示された図柄の組合せに応じて遊技状態が移行した後であれば、任意のタイミングで実行することができる。一例として、非有利区間(1G目)の遊技終了後(すなわち、2G目の有利区間の最初の遊技の開始前)において、特化ゾーン制御処理を実行することとしてもよい。この場合は、非有利区間から有利区間に移行した遊技が、BB状態が開始された遊技であるか判定することになる。また、有利区間の最初の遊技の遊技開始時ではなく、有利区間の最初の遊技の任意のタイミングで特化ゾーン制御処理を実行することとしてもよく、また、有利区間・特化ゾーンを開始するタイミングは遅れてしまうものの、有利区間の2ゲーム目以降の任意のタイミングで特化ゾーン制御処理を実行することとしてもよい。
なお、非有利区間では、規則上、有利区間への移行制御に表示された図柄の組合せ(表示役)を参照することができないため、非有利区間は、特化ゾーン制御処理を実行不能な遊技状態ということができ、また、有利区間は、特化ゾーン制御処理を実行可能な遊技状態ということができる。
また、特化ゾーン制御処理は、表示された図柄の組合せが有利区間/非有利区間とは関係のない遊技状態の移行に用いられる点に着目して、非有利区間において表示された当該図柄の組合せを契機として、有利区間中の状態を制御するために用いるものである。この点、第5の遊技機では、有利区間/非有利区間とは関係のない遊技状態として、BB状態を用いることとしているが、これに限られるものではなく、特化ゾーン制御処理は、表示された図柄の組合せに応じて移行制御される遊技状態(例えば、RB状態やRT状態など)に対して適用することができる。
また、第5の遊技機では、有利区間/非有利区間とは関係のない遊技状態が移行しない場合よりも移行した場合(BB状態が開始された場合)の方が、遊技者にとって有利な状態(有利区間・特化ゾーン)としているが、これに限られるものではなく、有利区間/非有利区間とは関係のない遊技状態が移行した場合よりも移行しない場合の方が、遊技者にとって有利な状態(有利区間・特化ゾーン)としてもよい。また、有利区間/非有利区間とは関係のない遊技状態が移行しない場合と移行した場合とで遊技者にとっての有利度合いが同じであってもよい。すなわち、有利区間/非有利区間とは関係のない遊技状態が移行しない場合と移行した場合とで、有利区間中の状態を異ならせるものであればよい。
ここで、第5の遊技機における非有利区間のBB入賞を契機とする状態制御をまとめると以下のようになる。
第1の態様で停止操作が行われると、第1の図柄の組合せが停止表示され、かつ、第2の態様で停止操作が行われると、第2の図柄の組合せが停止表示される所定役を有する。
少なくとも、第1の図柄の組合せが停止表示されると、有利区間/非有利区間とは関係のない遊技状態が現在の遊技状態とは異なる他の遊技状態に移行する(なお、第2の図柄の組合せが停止表示された場合の有利区間/非有利区間とは関係のない遊技状態の制御は任意である)。
非有利区間では、内部当籤役に応じて有利区間への移行が制御され、所定役が内部当籤役として決定された場合には必ず非有利区間から有利区間に移行する。
有利区間の最初の遊技が、第1の図柄の組合せを契機として移行した遊技状態の最初の遊技状態である場合と、第1の図柄の組合せを契機として移行した遊技状態の最初の遊技状態でない場合とで、有利区間中の遊技状態を異ならせる。
[特化ゾーン制御処理]
続いて、図105(B)を参照して、特化ゾーン制御処理について説明する。第5の遊技機では、特化ゾーン制御処理は、有利区間の最初の遊技の遊技開始時に行われる。特化ゾーン制御処理では、主制御回路100は、初めに、BB状態中であるか否かを判定する(S401)。BB状態中である場合、主制御回路100は、続いて、BB状態の1ゲーム目であるか否かを判定する(S402)。特化ゾーン制御処理は、有利区間の最初の遊技の遊技開始時に行われるため、BB状態の1ゲーム目である場合は、有利区間の最初の遊技が、BB状態の最初の遊技であることになる。そのため、BB状態の1ゲーム目である場合、主制御回路100は、続いて、有利区間・特化ゾーンに制御し(S403)、特化ゾーン制御処理を終了する。なお、BB状態中ではない場合や、BB状態の1ゲーム目ではない場合には、主制御回路100は、特化ゾーン制御処理を終了する。
なお、BB状態の1ゲーム目であるか否かの判定(S402)は、任意の方法により行うこととしてよい。5号機以降のパチスロ機では、BB状態中に払い出されたメダルの枚数をBB状態の終了条件として用いることとしているため、BB状態中に払い出されたメダルの枚数を計数する枚数カウンタを有している。そこで、例えば、枚数カウンタの値が初期値であるか否かを判定することで、BB状態の1ゲーム目であるか否かを判定することとしてもよい。このようにすることで、BB状態中のゲーム数を計数するゲーム数カウンタを設けることなく、既に有している枚数カウンタのみを用いてBB状態の1ゲーム目であるか否かを判定することができる。もちろん、BB状態中のゲーム数を計数するゲーム数カウンタを設け、このゲーム数カウンタの値を参照して、BB状態の1ゲーム目であるか否かを判定することとしてもよい。なお、枚数カウンタは、BB状態中に払出のたびに加算してカウントするカウンタ(カウンタ初期値=0)としても良いし、BB終了条件となる払出枚数を基準として払出のたびに減算してカウントするカウンタとしてもよい。後者の場合は、例えば、BB終了条件が“142枚を超える払出で終了”である場合は、カウンタ初期値=143(142枚ちょうどの払出では終了しないので+1の値となる)として、当該カウンタの値が0となったときに、BBを終了させるものとなる。いずれの手法を用いる場合であっても、BB状態において枚数カウンタが初期値である場合にBB状態の1ゲーム目であることが確定するため、枚数カウンタを用いて有利区間開始直後の状態である点を判別可能となる。
また、第5の遊技機では、ボーナス状態としてBB状態を用いるものであるが、BB状態に限るものではなくRB(第一種特別役物)の作動に係るRB状態を用いることとしてもよい。RB状態は、払い出されたメダルの枚数ではなく、所定回数の遊技が実行されることを条件に終了するものであるため、RB状態を用いる場合には、RB状態において実行される遊技の回数に関する数値情報を計数するゲーム数カウンタの値を参照して、RB状態の1ゲーム目であるか否かを判定することができる。また、ボーナス状態ではなくRT状態を用いることとしてもよく、このような場合には、RT状態の残りゲーム数やRT状態が開始されてから経過したゲーム数を計数するゲーム数カウンタの値を参照して、RT状態の1ゲーム目であるか否かを判定することができる。
また、第5の遊技機では、有利区間の最初の遊技の遊技開始時に特化ゾーン制御処理を行うこととしているが、特化ゾーン制御処理において判定したいものは、今回の遊技が、有利区間の最初の遊技、かつ、BB状態の最初の遊技であることである。そのため、有利区間の最初の遊技の遊技開始時ではなく、BB状態の最初の遊技の開始時に特化ゾーン制御処理を行うこととしてもよい。この場合には、有利区間の1ゲーム目であるか否かを判定することになるが、この判定は、有利区間のリミッタに用いられるカウンタを参照することで行うことができる。
ここで、第5の遊技機における特化ゾーン制御処理をまとめると以下のようになる。
特化ゾーン制御処理を実行可能な有利区間(言い換えると、有利区間、かつ、ボーナス状態)と、特化ゾーン制御処理を実行不能な非有利区間とを有する。
有利区間、かつ、BB状態において所定条件(例えば、有利区間の最初の遊技の遊技開始時)を満たすと、特化ゾーン制御処理を実行する。
特化ゾーン制御処理では、BB状態の終了に関するパラメータ(枚数カウンタの値やゲーム数カウンタの値)を参照して、有利区間・特化ゾーンに制御するか否かを制御する。
なお、第5の遊技機では、有利区間の最初の遊技がBB状態の最初の遊技である場合に、有利区間・特化ゾーンとして制御することとしているが、これに限られるものではなく、有利区間の最初の遊技が、BB状態であればBB状態の最初の遊技に限らず有利区間・特化ゾーンとして制御することとしてもよい。すなわち、第5の遊技機では、非有利区間中に封じ込めることができないBB状態を有利区間・特化ゾーンとして制御するものであり、非有利区間中にBB状態に移行し、その後、有利区間に移行した場合も、有利区間・特化ゾーンとして制御することとしてもよい。なお、第5の遊技機では、BB状態中は、非有利区間から有利区間に移行しないように制御しているため、このようなケースは生じ得ないものの、BB状態中も、非有利区間から有利区間に移行可能にすることができる。そして、BB状態中に非有利区間から有利区間に移行可能にするとともに、BB役を入賞可能な遊技を非有利区間から有利区間に移行しないようにする場合(例えば、「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」を有利区間に移行しないことが定められた役とする場合)には、非有利区間のままBB状態に移行することがあり、かつ、その後、BB状態のまま非有利区間から有利区間に移行することがある。このような場合には、有利区間の最初の遊技が、最初の遊技であるか否か関係なくBB状態であるときに有利区間・特化ゾーンに制御することで、封じ込めることができない非有利区間中のBB入賞に伴う興趣の低下を抑制することができる。
なお、特化ゾーン制御処理のように遊技状態の移行の有無を参照して特典を付与するか否かを判定する制御は、本実施形態のパチスロ機1だけでなく、パチンコ機にも適用することができる。すなわち、パチンコ機の確変、小当りRUSH、時短などの終了に関するパラメータを参照して特典の付与に関する判定を実行し、特典を付与すると判定した場合に特典を付与するものであってもよい。例えば、100回転の時短に適用する場合には、時短の残り回数という終了に関するパラメータを参照して、時短の1回転目である場合には特典を付与すると判定し、1回転目以外である場合には特典を付与しないと判定するなどとしてもよい。また、パチンコ機に適用する場合、特化ゾーン制御処理を実行するタイミングは、変動開始時であってもよく、また、大当たり状態の開始時であってもよく、また、アタッカー開放時等であってもよい。
以上、第5の遊技機について説明した。第5の遊技機によれば、非有利区間中に封じ込めることができないボーナス状態を用いて、有利区間・特化ゾーンを行うため、シミュレーション試験における出玉率を抑えつつも、遊技性を多様化することができる。
[14.第6の遊技機]
続いて、図106~図110を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の他の一具体例について、これを「第6の遊技機」として説明する。なお、以下では第6の遊技機は、リール3L,3C,3Rという3つのリールを有する3BET専用のパチスロ機であるとして説明する。また、第6の遊技機における図柄の配列などは任意であり、以下では第6の遊技機に特有の遊技性を説明するために必要な部分についてのみ説明する。なお、第6の遊技機は、所謂AT機であり、有利区間・ATにおいて有利な停止操作の態様を報知することになる報知対象役(押し順ベルなど)を有するものであるが、この点についての説明は省略する。
[遊技状態の遷移フロー]
初めに、図106を参照しながら、第6の遊技機の主制御回路100により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。
第6の遊技機では、主制御回路100は、ボーナスの当籤/作動の有無に基づいて遊技状態を管理する。図106(A)に示すように、主制御回路100は、ボーナスの当籤/作動の有無に基づいて、一般状態(非フラグ間)、BBフラグ間及びBB状態を区別する。具体的には、一般状態は、ボーナスに係る役(BB役)が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、BBフラグ間は、BB役が内部当籤役として決定され、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、BB状態は、ボーナスが作動している状態である。なお、第6の遊技機では、BB役が内部当籤役として決定されると、ボーナスが作動するまで複数回の遊技にわたりBB役を内部当籤役として持ち越す。BBフラグ間は、BB役が内部当籤役として持ち越されている状態である。
図106(A)に示すように、主制御回路100は、一般状態においてボーナス役が内部当籤役として決定されると、一般状態からBBフラグ間に遊技状態を移行させる。そして、主制御回路100は、BBフラグ間においてボーナス役に対応する図柄の組合せが停止表示されて、ボーナス役が入賞すると、BBフラグ間からBB状態に遊技状態を移行させる。
ここで、第6の遊技機では、ボーナス役として、マニュアルJAC仕様のBB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)を用いることとしている。そのため、主制御回路100は、BB状態中の遊技状態を、RBの当籤/作動の有無に基づいて、BB中一般、BB中RBフラグ間及びBB中RBとして区別する。具体的には、BB中一般は、BB状態においてRB役が内部当籤役として決定されておらず、かつ、RBが作動していない状態であり、BB中RBフラグ間は、BB状態においてRB役が内部当籤役として決定され、かつ、RBが作動していない状態であり、BB中RBは、RBが作動している状態である。RB役は、内部当籤役として決定されると、RBが作動するまで又はBB状態が終了するまで、複数回の遊技にわたり内部当籤役として持ち越される役である。
図106(A)に示すように、主制御回路100は、BB状態が開始されると、まず、BB中一般に遊技状態を移行させる。そして、主制御回路100は、BB中一般においてRB役が内部当籤役として決定されると、BB中一般からBB中RBフラグ間に遊技状態を移行させる。そして、主制御回路100は、BB中RBフラグ間においてRB役に対応する図柄の組合せが停止表示されて、RB役が入賞すると、BB中RBフラグ間からBB中RBに遊技状態を移行させる。また、主制御回路100は、BB状態の終了条件が満たされると、BB状態を終了して一般状態に遊技状態を移行させる。
なお、第6の遊技機では、ボーナスとして第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)を用いることとしているが、ボーナスの種類は、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)に限るものではない。また、第6の遊技機では、マニュアルJACの仕様を採用することとしているが、オートJACの仕様を採用することとしてもよい。
ここで、第6の遊技機におけるボーナス状態中の出玉率は任意であり、他の遊技機のように遊技者にとって不利(メダルが減少)なボーナス状態であってもよく、また、遊技者にとって有利(メダルが増加)なボーナス状態であってもよい。なお、以下では、遊技者にとって有利なボーナス状態であるものとして説明する。すなわち、第6の遊技機では、ボーナス状態は、封じ込める必要がなく、積極的に作動させることが遊技者にとって好ましい状態であるものとして説明する。例えば、ボーナス状態は、149枚を超えるメダルが払い出されると終了する状態であり、かつ、ボーナス状態中は、毎遊技、15枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるものとする。
続いて、図106(B)を参照して、第6の遊技機における遊技の流れについて説明する。図106(B)は、第6の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図である。
図106(B)に示すように、第6の遊技機では、遊技者が遊技を行う状態として、非有利区間及び有利区間とを有する。非有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知可能な遊技状態である。
ここで、有利区間が終了して非有利区間に移行した場合、有利区間に関連する情報がすべてクリアされてしまうため、非有利区間では、非有利区間に移行する前の有利区間の状況を参照して制御することはできない。有利区間の継続期間には上限(リミッタ)が設けられているが、例えば、リミッタにより有利区間が終了した場合、遊技者は、その後の遊技において出玉の増加が継続することを望む。しかしながら、非有利区間に移行すると、有利区間がリミッタにより終了したか否かを判別することができないため、リミッタにより有利区間が終了した後の非有利区間と、リミッタとは関係なく有利区間が終了した後の非有利区間とで制御を異ならせることはできない。
第6の遊技機では、非有利区間における制御は異ならせることなく、特別な状況である場合に有利区間の終了後も出玉の増加を継続可能に制御するものである。なお、特別な状況は、有利区間のリミッタに限るものではなく、任意である。
図106(B)に示すように、第6の遊技機では、非有利区間・通常遊技と、有利区間・通常遊技と、有利区間・前兆と、有利区間・CZと、有利区間・ATとを有する。なお、第6の遊技機は、特別な状況である場合に有利区間の終了後も出玉の増加を継続可能であればよく、有利区間中の遊技状態の種類は任意である。
非有利区間・通常遊技は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態であり、単位遊技当たりの出玉率が1未満となる遊技者にとって不利な遊技状態である。非有利区間・通常遊技では、主制御回路100は、内部当籤役に応じて有利区間への移行を制御し、有利区間に移行させる場合には、有利区間・通常遊技に遊技状態を移行させる。なお、非有利区間・通常遊技から有利区間・前兆、有利区間・CZ及び有利区間・ATに移行可能にしてもよい。
有利区間・通常遊技は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される頻度が相対的に低い状態であり、報知に従って停止操作を行った場合であっても単位遊技当たりの出玉率が1未満となる遊技者にとって不利な遊技状態である。有利区間・通常遊技では、主制御回路100は、各種の情報を参照して有利区間・CZや有利区間・ATへの移行を制御する。有利区間・CZや有利区間・ATに移行させる場合には、主制御回路100は、有利区間・前兆を経由して、有利区間・CZや有利区間・ATに移行させる。なお、主制御回路100は、有利区間・前兆を経由せずに直接、有利区間・CZや有利区間・ATに移行させることとしてもよい。また、有利区間・通常遊技は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される頻度が0、つまり報知が発生しない状態であってもよい。また、AT移行抽籤などにおいて非有利区間よりも有利度合いが高い(相対的にATに当籤しやすい)状態であっても、有利度合いが低い(相対的にATに当籤しづらい)状態であってもよい。
有利区間・前兆は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される頻度が相対的に低い状態であり、予め定められた前兆期間に応じた回数分の遊技(例えば、32回の遊技)にわたり継続する。なお、有利区間・前兆は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される頻度が0、つまり報知が発生しない状態であってもよい。有利区間・前兆には、有利区間・CZや有利区間・ATに移行することが決まっている本前兆と、有利区間・CZや有利区間・ATに移行することが決まっていないフェイク前兆とが含まれる。主制御回路100は、本前兆である場合には、予め定められた前兆期間が経過すると、有利区間・CZや有利区間・ATに移行に遊技状態を移行させる。一方で、主制御回路100は、フェイク前兆である場合には、予め定められた前兆期間が経過すると、有利区間を終了して非有利区間・通常遊技に遊技状態を移行させる。なお、主制御回路100は、フェイク前兆中も、各種の情報を参照して有利区間・CZや有利区間・ATに移行するか否かを決定しており、前兆期間が経過する前に有利区間・CZや有利区間・ATに移行すると決定した場合には、フェイク前兆を本前兆に書き換えて、前兆期間が経過した後に有利区間・CZや有利区間・ATに移行に遊技状態を移行させる。
有利区間・CZは、有利区間・ATへの移行期待度が他の遊技状態に比べて高い所謂チャンスゾーンである。第6の遊技機において、有利区間・CZの遊技性は、任意である。例えば、有利区間・CZにおいて主制御回路100は、有利区間・ATへの移行抽籤を行っており、有利区間・CZの終了条件を満たすよりも前に有利区間・ATへの移行抽籤に当籤した場合には、有利区間・ATに遊技状態を移行させ、有利区間・ATへの移行抽籤に当籤することなく有利区間・CZの終了条件を満たした場合には、有利区間・通常遊技に遊技状態を移行させる。
有利区間・ATは、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される頻度が相対的に高い状態であり、報知に従って停止操作を行うことで単位遊技当たりの出玉率が1を超える遊技者にとって有利な遊技状態である。第6の遊技機において、有利区間・ATの遊技性は、任意である。なお、主制御回路100は、有利区間・ATでは、報知対象役(押し順ベルなど)が内部当籤役として決定された場合に遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知する。また、主制御回路100は、有利区間・ATの終了条件を満たした場合には、有利区間を終了して非有利区間・通常遊技に遊技状態を移行させる。
このような遊技フローにおいて、第6の遊技機では、有利区間・ATにおけるボーナス状態を用いて、有利区間の終了後に出玉の増加を継続可能に制御する。なお、以下では、有利区間・通常遊技におけるボーナス状態と、有利区間・ATにおけるボーナス状態とを比較することで、第6の遊技機の遊技性について説明する。他の遊技状態におけるボーナス状態の制御は、説明を省略する。
[有利区間中のボーナス制御]
続いて、図107を参照して、第6の遊技機の遊技性を実現するための有利区間中のボーナス制御について説明する。同図(A)は、有利区間・通常遊技においてボーナス状態が開始される場合の制御例を示し、同図(C)は、有利区間・ATにおいてボーナス状態が開始される場合の制御例を示す。
第6の遊技機では、主制御回路100は、ボーナス状態を契機として有利区間・CZや有利区間・ATへの移行抽籤を行う。なお、ボーナス状態を契機としてとは、ボーナス状態に関連する任意のタイミングであってよく、例えば、ボーナス役が内部当籤役として決定された遊技であってもよく、また、ボーナス状態の開始時であってもよく、また、ボーナス状態中の任意の遊技であってもよく、また、ボーナス状態中の各遊技であってもよく、また、ボーナス状態の終了時であってもよい。
図107(A)(a)のパターン1は、ボーナス状態を契機として行う移行抽籤において非当籤である場合の制御例である。パターン1に示すように、有利区間(有利区間・通常遊技)の非ボーナス状態においてボーナス役が入賞すると、有利区間のボーナス状態に移行する。この有利区間のボーナス状態では、有利区間・CZや有利区間・ATへの移行抽籤を行うが、パターン1では、この移行抽籤に非当籤している。このような場合、主制御回路100は、ボーナス状態の終了時に有利区間を終了して非有利区間に移行させる。その結果、ボーナス状態の終了後の遊技状態は、非有利区間(非有利区間・通常遊技)の非ボーナス状態になる。
また、同図(b)のパターン2は、ボーナス状態を契機として行う移行抽籤においてフェイク前兆に当籤した場合の制御例である。フェイク前兆に当籤した場合、主制御回路100は、ボーナス状態の終了後に有利区間・前兆(フェイク前兆)に遊技状態を移行させる。フェイク前兆中は、各種の情報を参照して有利区間・CZや有利区間・ATに移行するか否かを決定しているため、主制御回路100は、フェイク前兆中に有利区間・CZや有利区間・ATに移行すると決定した場合には、前兆期間が経過した後に有利区間・CZや有利区間・ATに移行に遊技状態を移行させる。一方で、有利区間・CZや有利区間・ATに移行すると決定することなく前兆期間が経過した場合、主制御回路100は、有利区間を終了して非有利区間・通常遊技に遊技状態を移行させる。
また、同図(c)は、ボーナス状態を契機として行う移行抽籤において有利区間・CZや有利区間・ATに当籤した場合の制御例である。この場合、主制御回路100は、有利区間・前兆(本前兆)を経由して、有利区間・CZや有利区間・ATに遊技状態を移行させる。
ここで、パターン1とパターン2とを比較すると、パターン1ではボーナス状態が終了すると直ちに有利区間が終了する一方で、パターン2ではボーナス状態が終了しても有利区間が終了することなく、前兆期間が経過した後に有利区間が終了する。すなわち、フェイク前兆を経由する場合、前兆期間分だけ有利区間が維持されることになる。この前兆期間中は有利区間であるため、内部当籤役に限らず各種の情報を参照して有利区間・CZや有利区間・ATへの移行抽籤を実行することができる。
ここで、図107(B)に示すように、第6の遊技機では、有利区間・CZや有利区間・ATへの移行抽籤に用いる情報として複数のモードを設けており、ボーナス状態中は、このモードの移行制御が非ボーナス状態中に比べて遊技者にとって有利になるように制御する。その結果、ボーナス状態の終了時には、有利区間・CZや有利区間・ATへの移行抽籤に当籤する確率が高いモードがセットされ易くなる。しかしながら、パターン1では、ボーナス状態の終了時に有利区間も終了するため、ボーナス状態中に昇格させたモードが、有利区間の終了と共にクリアされてしまう。一方で、パターン2では、ボーナス状態が終了しても前兆期間中は有利区間が維持されるため、ボーナス状態中に昇格させたモードを用いて有利区間・CZや有利区間・ATへの移行抽籤を受けることができ、有利区間・CZや有利区間・ATへの移行期し易くすることができる。
続いて、図107(C)を参照して、有利区間・ATにおいてボーナス状態が開始される場合の制御例を示す。同図(a)は、有利区間・ATにおいて開始されるエンディングボーナス以外のボーナス状態における制御例であり、同図(b)は、有利区間・ATにおいて開始されるエンディングボーナスにおける制御例である。第6の遊技機では、特別な状況である場合に有利区間の終了後も出玉の増加を継続可能に制御するものであるが、エンディングボーナスは、特別な状況である場合に実行されるボーナス状態をいう。
なお、エンディングボーナスの条件は任意であり、有利区間のリミッタを用いてエンディングボーナスであるか否かを判別することとしてもよい。例えば、有利区間・ATにおいて実行されるボーナス状態を含めると有利区間のリミッタに達する場合のボーナス状態をエンディングボーナスとし、それ以外をエンディングボーナスではないボーナス状態としてもよい。また、ボーナス状態の終了時に有利区間のリミッタに達しているか否かは関係なく、有利区間の継続期間が所定期間に達した後に実行されるボーナス状態(又は有利区間の継続期間が所定期間に達した後に当籤したボーナス役に基づくボーナス状態)をエンディングボーナスとし、それ以外をエンディングボーナスではないボーナス状態としてもよい。なお、有利区間の継続期間が所定期間に達するとは、例えば、有利区間が開始されてから所定回数の遊技が実行されることであってもよく、また、有利区間中のメダルの払出数(有利区間払出数カウンタの値)が所定枚数になることであってもよく、何れか一方を満たすことであってもよく、また、双方を満たすことであってもよい。
また、有利区間のリミッタを用いることなくエンディングボーナスであるか否かを判別することとしてもよく、例えば、有利区間中のボーナス回数に応じてエンディングボーナスであるか否かを判別することとしてもよい。一例として、有利区間において行われる所定回数目のボーナス状態をエンディングボーナスとし、それ以外をエンディングボーナスではないボーナス状態としてもよい。また、有利区間中のボーナス回数は、有利区間中の全ての遊技状態におけるボーナス回数であってもよく、また、有利区間中の特定の遊技状態におけるボーナス回数であってもよい。なお、有利区間中の特定の遊技状態は、有利区間中の1つの遊技状態であってもよく、また、有利区間中の複数の遊技状態であってもよい。一例として、有利区間・ATにおいて行われる、所定回数に達するまでのボーナス状態をエンディングボーナスではないボーナス状態とし、所定回数目のボーナス状態をエンディングボーナスとしてもよい。
また、ボーナス状態(言い換えると、ボーナス役)を複数種類有する場合には、ボーナス状態(言い換えると、ボーナス役)の種類に関わらずエンディングボーナスの条件を同一としてもよく、ボーナス状態(言い換えると、ボーナス役)の種類に応じてエンディングボーナスの条件を異ならせることとしてもよい。ボーナス状態の種類に応じてエンディングボーナスの条件を異ならせる場合、遊技者にとっての有利度合いの高いボーナス状態ほど、エンディングボーナスの条件を厳しくすることとしてもよく、また、緩くすることとしてもよい。なお、エンディングボーナスの条件を厳しくするとは、例えば、有利区間の継続期間が所定期間に達した後に対して、有利区間の継続期間が所定期間よりも長い特定期間に達した後とすることであり、また、有利区間においてボーナス状態が所定回数行われることに対して、有利区間においてボーナス状態が所定回数よりも多い特定回数行われることとすることである。また、遊技者にとっての有利度合いの高いボーナス状態とは、例えば、ボーナス状態中に払い出されるメダルの枚数が多いボーナス状態であってよい。
また、ボーナス状態を複数種類有する場合には、複数種類のボーナス状態のうちの一部のボーナス状態のみをエンディングボーナスの対象とし、それ以外のボーナス状態をエンディングボーナスの対象としないこととしてもよい。また、ボーナス状態を複数種類有する場合における有利区間中のボーナス回数は、複数種類のボーナス状態の合算回数であってもよく、また、個々のボーナス状態の回数であってもよい。
なお、後述するように、第6の遊技機では、エンディングボーナスである場合、開始時に有利区間を一度終了して非有利区間に移行させる。ここで、有利区間・ATを実行可能な期間が所定期間以上残っている場合に有利区間を終了してしまうと、当該残り期間が消滅してしまうため、遊技者にとって必ずしも好ましくない。そのため、有利区間・ATを実行可能な残り期間が所定期間以上である場合には、エンディングボーナスの条件を満たさないこととしてもよい。
図107(C)(a)のパターン1は、有利区間・ATにおけるエンディングボーナス以外のボーナス状態の制御例である。パターン1に示すように、有利区間・ATの非ボーナス状態においてボーナス役が入賞すると、有利区間・ATのボーナス状態に移行する。有利区間・ATにおけるエンディングボーナス以外のボーナス状態中の制御は任意であり、例えば、有利区間・ATの継続期間を延長する上乗せなどが行われるものであってよい。その後、ボーナス状態が終了すると、有利区間・ATの非ボーナス状態に移行する。
続いて、同図(b)のパターン2は、有利区間・ATにおけるエンディングボーナスの制御例である。パターン2に示すように、エンディングボーナスの条件を満たしている場合にボーナス役が入賞すると、エンディングボーナスに移行する。主制御回路100は、エンディングボーナスを開始すると、まず、有利区間を終了して非有利区間に移行させる。なお、エンディングボーナスを契機として有利区間を終了するものであればよく、主制御回路100は、エンディングボーナスの開始時(ボーナス役の入賞時)に有利区間を終了することとしてもよく、また、エンディングボーナスが開始されることになるボーナス役が内部当籤役として決定されたタイミング(言い換えると、エンディングボーナスの条件を満たしている状態でのボーナス役の当籤時)で有利区間を終了することとしてもよい。
そのため、エンディングボーナスの1ゲーム目は、非有利区間となるものの、主制御回路100は、当該遊技の内部当籤役に応じて非有利区間から有利区間に移行させる。なお、理解を容易にするため、ボーナス状態は、非有利区間から有利区間に移行する役のみが内部当籤役として決定されるものとする(もちろん、非有利区間から有利区間に移行しない役が内部当籤役として決定されるものであってもよい)。また、非有利区間から移行する有利区間の遊技状態は任意であるが、以下では、有利区間・通常遊技に移行するものとして説明する。
これにより、エンディングボーナス中は、1ゲーム目が非有利区間となり、2ゲーム目が有利区間・通常遊技となる結果、2ゲーム目以降は、図107(A)と同様の流れになる。すなわち、エンディングボーナスの2ゲーム目以降は、主制御回路100は、有利区間・CZや有利区間・ATへの移行抽籤、及び、モードの移行を制御する。そして、ボーナス状態中は、モード移行が優遇されているため、フェイク前兆に当籤することができれば、エンディングボーナスが終了した後の有利区間・前兆(フェイク前兆)において、ボーナス状態中に昇格させたモードを用いて有利区間・CZや有利区間・ATへの移行抽籤を受けることができ、有利区間・CZや有利区間・ATに移行し易くすることができる。
このように第6の遊技機では、出玉が増加する有利区間・ATにおいてボーナス状態が開始された場合、通常は有利区間を維持し続けるものの、特別な状況では敢えて有利区間を終了し、非有利区間に移行させる。非有利区間に移行させることで、リミッタに関する情報もクリアされる結果、リミッタの適用を回避することができる。
一方で、有利区間を終了してしまうと、有利区間・ATも終了してしまうため、通常であれば、ボーナス状態の終了後に出玉の増加を継続させることはできない。この点、第6の遊技機では、ボーナス状態の後に、有利区間・CZや有利区間・ATに移行し易く制御する。具体的には、ボーナス状態中にモードの移行を優遇することで、ボーナス状態終了後の有利区間において有利区間・CZや有利区間・ATに移行し易くしている。なお、第6の遊技機は、ボーナス状態の後に、有利区間・CZや有利区間・ATに移行し易いものであればよく、モードの移行ではなくボーナス状態中に行う有利区間・CZや有利区間・ATへの移行抽籤に当籤する確率を高くすることとしてもよい。
これにより、特別な状況では、ボーナス状態の終了後に出玉が増加する有利区間・ATに再度移行し易くなるため、リミッタの適用を回避しつつ、エンディングボーナスの終了後も出玉の増加を継続可能に制御することができる。
[各種データテーブル]
続いて、第6の遊技機において用いる各種のデータテーブルについて説明する。なお、第6の遊技機の遊技性に関係のないデータテーブルについては説明を省略する。また、以下に示す各種のデータテーブルは、メインROM102に記憶されており、主制御回路100は、これら各種のデータテーブルを参照して、各種の抽籤を行う。
[有利区間_モード移行抽籤テーブル]
初めに、図108(A)を参照して、有利区間_モード移行抽籤テーブルについて説明する。有利区間_モード移行抽籤テーブルは、有利区間・CZ及び有利区間・AT以外の有利区間(例えば、有利区間・通常遊技)において参照され、モードの移行抽籤において用いられる。同図(a)は、非ボーナス状態中に参照される有利区間_モード移行抽籤テーブルであり、同図(b)は、非ボーナス状態中に参照される有利区間_モード移行抽籤テーブルである。
有利区間_モード移行抽籤テーブルは、内部当籤役及び現在のモード(移行元のモード)ごとにモード移行抽籤の抽籤結果(移行先のモード)についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、抽籤の結果得られたモードを移行先のモードとしてセットする。同図(a)(b)を比較すると、ボーナス状態では非ボーナス状態よりもモード移行が優遇されていることが分かる。なお、同図では、モードが降格することはないものの、モードが降格するように設計することとしてもよい。また、ゲーム数に応じてモードが移行するようにしてもよい。また、ボーナス状態中にのみ移行可能なモードであって、他のモードに比べて有利区間・CZや有利区間・ATへの移行抽籤に当籤する確率が高いモードを備えることとしてもよい。
[ボーナス終了時_AT等抽籤テーブル]
続いて、図108(B)を参照して、ボーナス終了時_AT等抽籤テーブルについて説明する。ボーナス終了時_AT等抽籤テーブルは、有利区間中のボーナス状態の終了時に参照され、有利区間・CZや有利区間・ATへの移行抽籤において用いられる。ボーナス終了時_AT等抽籤テーブルは、有利区間・CZや有利区間・ATへの移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、抽籤結果が「非当籤」である場合、ボーナス状態の終了時に有利区間を終了して非有利区間に移行させ、抽籤結果が「フェイク前兆当籤」である場合、ボーナス状態の終了後の遊技状態を有利区間・前兆(フェイク前兆)に制御し、抽籤結果が「CZ当籤」である場合、ボーナス状態の終了後の遊技状態を有利区間・前兆(CZ当籤の本前兆)に制御し、抽籤結果が「AT当籤」である場合、ボーナス状態の終了後の遊技状態を有利区間・前兆(AT当籤の本前兆)に制御する。
なお、有利区間・CZや有利区間・ATへの移行抽籤は、ボーナス状態を契機として行うものであればよく、ボーナス状態の終了時ではなく、ボーナス役が内部当籤役として決定された遊技において行うこととしてもよく、また、ボーナス状態の開始時に行うこととしてもよく、また、ボーナス状態中の任意の遊技において行うこととしてもよく、また、ボーナス状態中の各遊技において行うこととしてもよい。また、有利区間・CZや有利区間・ATへの移行抽籤は、内部当籤役やモードなどの任意の情報を用いて行うこととしてもよい。
[有利区間_CZ抽籤テーブル]
続いて、図108(C)を参照して、有利区間_CZ抽籤テーブルについて説明する。有利区間_CZ抽籤テーブルは、有利区間・通常遊技、又は、有利区間・前兆において参照され、有利区間・CZへの移行抽籤において用いられる。同図(a)は、1段階目の移行抽籤において用いられる有利区間_CZ抽籤テーブルであり、同図(b)は、1段階目の移行抽籤に当籤した場合の2段階目の移行抽籤において用いられる有利区間_CZ抽籤テーブルである。
1段階目の有利区間_CZ抽籤テーブルは、現在のモードごとに1段階目の移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、抽籤結果が「1段階目当籤」である場合、続いて、同図(b)に示す有利区間_CZ抽籤テーブルを参照して、2段階目の移行抽籤を行う。他方、抽籤結果が「非当籤」である場合には、主制御回路100は、遊技状態を移行することなく処理を終了する。
2段階目の有利区間_CZ抽籤テーブルは、2段階目の移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、抽籤結果が「2段階目当籤」である場合には、有利区間・CZへの移行抽籤に当籤したものとして遊技状態を制御する。例えば、主制御回路100は、フェイク前兆中である場合にはフェイク前兆を本前兆に書き換え、有利区間・通常遊技において「2段階目当籤」が得られた場合には、有利区間・前兆(CZ当籤の本前兆)に遊技状態を移行する。他方、抽籤結果が「非当籤」である場合には、主制御回路100は、遊技状態を移行することなく処理を終了する。
同図を参照すると、モードに応じて有利区間・CZへの移行抽籤に当籤する確率が異なることが分かる。同図に示す例では、モードAでは、約1/500の確率で有利区間・CZへの移行抽籤に当籤し、モードBでは、約1/250の確率で有利区間・CZへの移行抽籤に当籤し、モードCでは、約1/170の確率で有利区間・CZへの移行抽籤に当籤し、モードDでは、約1/40の確率で有利区間・CZへの移行抽籤に当籤する。なお、モードDにおいて有利区間・CZへの移行抽籤に当籤した場合、他のモードにおいて有利区間・CZへの移行抽籤に当籤した場合よりも有利に制御することとしてもよい。例えば、モードDにおいて有利区間・CZへの移行抽籤に当籤することで行われる有利区間・CZは、他のモードにおいて有利区間・CZへの移行抽籤に当籤することで行われる有利区間・CZよりも、有利区間・ATへの移行期待度が高い(有利区間・ATへの移行抽籤に必ず当籤することを含む)こととしてもよい。そのため、モードは、有利区間・通常有利から有利区間・ATへの移行確率が異なる情報ということができ、特に、モードDは、他のモードに比べて有利区間・通常有利から有利区間・ATに移行する確率が高いモードということができる。
[第6の遊技機の変形例その1]
図108に示すデータテーブルを用いた制御では、エンディングボーナスとエンディングボーナス以外のボーナス状態とでは、エンディングボーナスである場合に、ボーナス状態の開始時に一度、非有利区間に移行させる点が異なり、ボーナス状態に関連する各種の抽籤処理は共通である。この点、図109に示すように、エンディングボーナスとエンディングボーナス以外のボーナス状態とでボーナス状態に関連する各種の抽籤処理自体を異ならせることとしてもよい。
[ボーナス終了時_AT等抽籤テーブルの別例]
図109(A)は、ボーナス終了時_AT等抽籤テーブルの別例を示す図である。同図(a)は、エンディングボーナス以外のボーナス状態において参照されるボーナス終了時_AT等抽籤テーブルであり、同図(b)は、エンディングボーナスにおいて参照されるボーナス終了時_AT等抽籤テーブルである。同図(a)(b)を参照すると、エンディングボーナス以外のボーナス状態とエンディングボーナスとでは、ボーナス終了時に行うAT等の抽籤結果が異なることになる。同図に示す例では、エンディングボーナスでは、抽籤結果として「フェイク前兆」及び「CZ当籤」が決定され易いものの、「AT当籤」が決定されることがない。このようにエンディングボーナスから有利区間・ATに直接移行させないようにすることで、遊技者に与える利益が過大になってしまうことを防止することができる。
なお、同図では、抽籤値の情報を異ならせる一方で、抽籤結果については共通としているが、抽籤結果についても異ならせることとしてもよい。例えば、フェイク前兆は、前兆期間が経過してしまうと非有利区間に移行してしまうため、エンディングボーナスでは、「フェイク前兆当籤」の替わりに「有利区間・通常遊技に当籤」という抽籤結果を設けることとしてもよい。このとき、抽籤結果が「有利区間・通常遊技に当籤」である場合、主制御回路100は、ボーナス状態の終了後に有利区間・通常遊技に遊技状態を移行させる。これにより、前兆期間という限られた期間に限定されることなく、ボーナス状態中に昇格させたモードを用いて有利区間・CZや有利区間・ATへの移行抽籤を受けることができ、エンディングボーナスの終了後に出玉の増加を継続可能に制御することができる。
また、同図では、ボーナス状態の終了時に行うAT等の移行抽籤に用いるボーナス終了時_AT等抽籤テーブルをエンディングボーナスとエンディングボーナス以外のボーナス状態とで異ならせることとしているが、エンディングボーナスとエンディングボーナス以外のボーナス状態とで異ならせる抽籤処理は、これに限られるものではない。例えば、モード移行抽籤を、エンディングボーナスとエンディングボーナス以外のボーナス状態とで異ならせることとしてもよい。なお、エンディングボーナスとエンディングボーナス以外のボーナス状態とでボーナス状態に関連する各種の抽籤処理を異ならせる場合、エンディングボーナスの方が、エンディングボーナス以外のボーナス状態よりも遊技者にとって有利に制御することが好ましい。もちろん、エンディングボーナス以外のボーナス状態を、エンディングボーナスよりも遊技者にとって有利に制御することとしてもよい。
[エンディングボーナスの判別方法]
ところで、別例のようにエンディングボーナスとエンディングボーナス以外のボーナス状態とでボーナス状態に関連する各種の抽籤処理を異ならせる場合、エンディングボーナスとエンディングボーナス以外のボーナス状態とを区別する必要がある。第6の遊技機では、エンディングボーナスであるか否か(エンディングボーナスの条件)を、エンディングボーナスが開始(又は当籤)するまでの有利区間中の遊技結果に応じて制御することとしている。このとき、エンディングボーナスは、一度、有利区間を終了して非有利区間に移行させるため、有利区間中の遊技結果(エンディングボーナスの条件を満たすか否か)は、非有利区間に移行した時点でクリアされてしまう。そのため、非有利区間から有利区間に移行した後に、現在のボーナス状態がエンディングボーナスであること(有利区間中の遊技結果(すなわち、エンディングボーナスの条件を満たしていること))を直接的に特定することはできない。
そこで、第6の遊技機では、エンディングボーナスであることではなく、エンディングボーナス以外のボーナス状態であることを特定することで、エンディングボーナスとエンディングボーナス以外のボーナス状態とを区別する。具体的には、エンディングボーナスは、ボーナス状態の1ゲーム目が必ず非有利区間になるため、エンディングボーナスではあり得ない有利区間中のボーナス状態の1ゲーム目、に特定の処理を行う。そして、当該特定の処理が行われていた場合をエンディングボーナス以外のボーナス状態として特定し、当該特定の処理が行われていない場合をエンディングボーナス以外のボーナス状態として特定する。
図109(B)は、エンディングボーナスの判別方法の概要を示す図である。同図(a)に示すように、エンディングボーナス以外のボーナス状態では、ボーナス状態が開始してから終了するまで、有利区間が維持される。そこで、主制御回路100は、有利区間、かつ、ボーナス状態の1ゲーム目に、通常ボーナスフラグをONに更新し、ボーナス状態の終了時に、通常ボーナスフラグをOFFに更新する。通常ボーナスフラグは、有利区間中にのみ用いられる情報であり、エンディングボーナス以外のボーナス状態であることを特定するための情報である。すなわち、通常ボーナスフラグ「ON」は、エンディングボーナス以外のボーナス状態であることを意味する。
一方で、同図(b)に示すように、エンディングボーナスでは、ボーナス状態の1ゲーム目が非有利区間になり、2ゲーム目以降が有利区間になる。そのため、エンディングボーナスでは、有利区間、かつ、ボーナス状態の1ゲーム目という状況が存在せず、通常ボーナスフラグがOFFのまま遊技が行われる。
その結果、通常ボーナスフラグのON/OFFから、エンディングボーナス以外のボーナス状態であるか否かを判別することができ、主制御回路100は、通常ボーナスフラグがOFFの場合に、エンディングボーナス以外のボーナス状態ではないこと(言い換えると、エンディングボーナスであること)を判別することができる。
[第6の遊技機の変形例その2]
続いて、第6の遊技機の変形例(その2)について説明する。第6の遊技機では、エンディングボーナスである場合に一度終了した後に再度移行した有利区間において、モードを優遇することで、エンディングボーナスの終了後も出玉の増加を継続させることとしている。これに対して、変形例(その2)は、エンディングボーナスである場合に、有利区間を一度終了すること、その後に有利区間に再度移行させること、ボーナス状態中にモードを優遇することは、第6の遊技機と同じであるが、モードを優遇する制御方法が異なる。すなわち、第6の遊技機では、ボーナス状態中にモードを昇格し易く制御することで、ボーナス状態中のモードを優遇することとしているが、変形例(その2)では、非有利区間から有利区間に移行する時に設定するモードを、非ボーナス状態(一般状態)では不利にする一方で、ボーナス状態中は有利に制御することで、ボーナス状態中のモードを優遇する。なお、理解を容易にするため、変形例(その2)では、モードは、一度設定されると他のモードに移行しないものとして説明するが、当然のことながら、有利区間中にモードが移行するものであってもよい。また、以下において説明しない処理、例えば、ボーナス状態の終了時に行うAT等抽籤や、モードを参照して行うCZ抽籤などは、第6の遊技機や第6の遊技機の変形例(その1)と同じであるため、説明を省略する。
[内部抽籤テーブル]
初めに、図110(A)を参照して、変形例(その2)において内部当籤役を決定するために用いる内部抽籤テーブルについて説明する。同図(a)は、一般状態において参照される内部抽籤テーブルの一例を示す図であり、同図(b)は、ボーナス状態において参照される内部抽籤テーブルの一例を示す図である。なお、同図は一例にすぎず、変形例(その2)において重要な点は、一般状態においては内部当籤役として決定され得るものの、ボーナス状態においては内部当籤役として決定されない役(SIN)と、一般状態及びボーナス状態の双方において内部当籤役として決定され得る役(ベル)とを有することである。
変形例(その2)では、ボーナス役として、BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)と、SIN(シングルボーナス)とを有する。SIN(シングルボーナス)は、入賞すると1ゲームのみボーナス状態を実行可能なボーナス役であり、内部当籤役として決定された遊技において入賞しなかった場合に次遊技以降に持ち越されることのないボーナス役である。
同図(a)(b)に示すように、SIN(シングルボーナス)は、一般状態においては内部当籤役として決定され得るものの、BB状態においては内部当籤役として決定されない一方で、ベルは、一般状態及びBB状態の双方において内部当籤役として決定され得る。
なお、シングルボーナスに基づくボーナス状態は、遊技者にとって有利な状態(メダルが増加)であってもよく、また、遊技者にとって不利な状態(メダルが減少)であってもよい。この点、変形例(その2)では、シングルボーナスに基づくボーナス状態は、内部当籤役として決定された小役のうち入賞時に払い出されるメダルの枚数が最も多くなる小役が入賞すると仮定した場合であっても、単位遊技当たりの出玉率が1未満となる遊技者にとって不利な状態である。また、SINは、内部当籤役として決定された遊技において停止操作の態様に関わらず必ず入賞する役であってもよく、また、内部当籤役として決定された遊技において停止操作の態様に応じて入賞しないことがある役であってもよい。
[非有利区間_有利区間移行抽籤テーブル]
続いて、図110(B)を参照して、非有利区間_有利区間移行抽籤テーブルについて説明する。非有利区間_有利区間移行抽籤テーブルは、非有利区間において参照され、有利区間に移行するか否か、及び、有利区間に移行する場合にセットするモードの種別を決定するために用いられる。非有利区間_有利区間移行抽籤テーブルは、内部当籤役ごとに有利区間への移行抽籤に関する抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路100は、抽籤結果が「非当籤」である場合、有利区間に移行せずに非有利区間のまま維持し、抽籤結果が「モードA」~「モードD」である場合、非有利区間から有利区間・通常遊技に遊技状態を移行させるとともに、抽籤結果として得られたモードをセットする。
ここで、図110(A)(B)を参照すると、「SIN」と「ベル」とでは、一般状態において内部当籤役として決定される確率は、「SIN」の方が高く、また、有利区間への移行抽籤に当籤する確率も、「SIN」の方が高い。一方で、BB状態では「ベル」は内部当籤役として決定され得るものの、「SIN」は内部当籤役として決定されることがない。また、有利区間移行時にセットされるモードは、「ベル」の方が「SIN」よりも優遇されている。なお、「ベル」が内部当籤役として決定された場合に非有利区間から有利区間に移行する確率は、ボーナス状態であるか非ボーナス状態であるかに関わらず、同一の確率である。
そのため、非有利区間が一般状態である場合、基本的には、「SIN」が内部当籤役として決定されたことを契機として、有利区間に移行することになり、結果、有利度合いの低いモードがセットされることになる。一方で、非有利区間がBB状態である場合、「SIN」は当籤することがないため、「ベル」が内部当籤役として決定されたことを契機として、有利区間に移行することになり、結果、有利度合いの高いモードがセットされることになる。変形例(その2)では、このように制御することで、BB状態中のモードを優遇する。
なお、「SIN」と「ベル」とでは、一般状態において内部当籤役として決定される確率は「SIN」の方が高く、かつ、有利区間への移行抽籤に当籤する確率も「SIN」の方が高いこととしているが、これに限られるものではない。すなわち、変形例(その2)は、一般状態において内部当籤役として決定される確率に、有利区間への移行抽籤に当籤する確率を乗算した合算確率が、一般状態においては内部当籤役として決定され得るものの、BB状態においては内部当籤役として決定されない役(SIN)の方が、一般状態及びボーナス状態の双方において内部当籤役として決定され得る役(ベル)よりも高いものであれば適用可能であり、一般状態において内部当籤役として決定される確率と、有利区間への移行抽籤に当籤する確率との双方が、前者の役の方が後者の役よりも高い必要はない。
また、図110(B)に示す非有利区間_有利区間移行抽籤テーブルでは、有利区間移行時にセットされるモードを「ベル」と「SIN」とで異ならせることとしているが、変形例(その2)は、エンディングボーナスの終了後も出玉の増加を継続可能にするものであればよく、有利区間・CZや有利区間・ATに直接移行し易くするようにしてもよい。例えば、非有利区間_有利区間移行抽籤テーブルにおける抽籤結果として「非当籤」「有利区間・通常遊技に当籤」「有利区間・CZに当籤」「有利区間・ATに当籤」を有し、「SIN」が内部当籤役として決定された場合には、必ず「有利区間・通常遊技に当籤」が抽籤結果となるようにし、「ベル」が内部当籤役として決定された場合には、「非当籤」が抽籤結果となり易いものの、「有利区間・CZに当籤」又は「有利区間・ATに当籤」が抽籤結果となる確率も一定確率以上あるようにしてもよい。なお、抽籤結果「非当籤」は、有利区間に移行しないことを意味し、抽籤結果「有利区間・通常遊技に当籤」は、非有利区間から有利区間・通常遊技に移行することを意味し、抽籤結果「有利区間・CZに当籤」は、非有利区間から有利区間・CZに移行することを意味し、抽籤結果「有利区間・ATに当籤」は、非有利区間から有利区間・ATに移行することを意味する。
[有利区間移行とモードとの関係]
続いて、図110(C)を参照して、有利区間移行とモードとの関係について説明する。同図(a)は、エンディングボーナス以外の状態における有利区間移行とモードとの関係を示す図であり、同図(b)は、エンディングボーナスにおける有利区間移行とモードとの関係を示す図である。
同図(a)に示すように、エンディングボーナス以外の状態では、まず、一般状態、かつ、非有利区間の遊技が行われることになる。一般状態では、「SIN」が内部当籤役として決定される確率が高いため、「ベル」よりも先に「SIN」が内部当籤役として決定され易く、また、仮に「SIN」よりも先に「ベル」が内部当籤役として決定された場合であっても、「ベル」は、有利区間への移行抽籤に当籤する確率が低い。そのため、一般状態、かつ、非有利区間では、基本的には内部当籤役として「SIN」が決定されたことを契機として有利区間への移行が行われ、モードAなどの不利なモードがセットされることになる。
有利区間に移行してしまうと、その後、一般状態、かつ、有利区間の遊技において「ベル」が内部当籤役として決定されても、既に有利区間中であるため有利区間への移行抽籤が行われず、有利区間中は「SIN」を契機とするモードAなどの不利なモードが用いられることになる。また、BB状態に移行した場合も同様であり、エンディングボーナス以外のBB状態では有利区間が維持されるため、「SIN」が内部当籤役として決定されるか否かに関係なく、BB状態中やBB状態が終了した後の非ボーナス状態中もモードAなどの不利なモードが用いられることになる。
一方、同図(b)に示すように、エンディングボーナスでは、エンディングボーナスの開始時や当籤時に有利区間を終了し、非有利区間に移行させる。そのため、エンディングボーナスでは、BB状態、かつ、非有利区間という状況が存在することになる。BB状態中は、「SIN」が内部当籤役として決定されることがない一方で、「ベル」は内部当籤役として決定され得るため、BB状態、かつ、非有利区間では、内部当籤役として「ベル」が決定されたことを契機として有利区間への移行が行われ、モードDといった有利なモードがセットされることになる。
その結果、エンディングボーナスが終了した後の有利区間・通常遊技において、有利区間・CZへの移行抽籤に当籤し易くなり、エンディングボーナスの終了後も出玉の増加を継続させることができる。
[付記1]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機には、ボーナスが作動していない一般状態においてナビを行うことで出玉を増加させる遊技性を持つものも知られている。ここで、一般状態において出玉の増加が可能な遊技性では、出玉を減少させる状態がなくなってしまい、遊技機の型式試験に適合し難くなってしまうため、特開2015-202330号公報に示すように、一般状態に変わって、ボーナスが作動しているボーナス状態中に出玉を減少させる遊技機も知られている。AT機能を有する遊技機では、型式試験では、不利なボーナス状態に移行させることで全体の出玉率を抑える一方で、遊技店における実際の遊技では、不利なボーナス状態には移行させずに、ナビの有無を制御することで出玉の増減を制御する。
ところで、ボーナス状態が遊技者にとって不利となる遊技機では、ボーナス役を持ち越している持越し状態(フラグ間)においてボーナス役が入賞し難くなるように配慮して設計する必要がある。この点、従来の遊技機では、持越し状態において再遊技役の当籤確率を高くし抽籤係数を埋め尽くすことで、持越し状態中のハズレ(ボーナス役以外の役が当籤していない状況)を無くし、ボーナス役の入賞を困難にしている。しかしながら、このような方法では、持越し状態中の再遊技役の当籤確率を高くしなければならず、設計の自由度が低くなってしまうという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、出玉設計が容易な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、所定数の遊技価値をベットすることで遊技可能な遊技機であって、前記所定数の遊技価値がベットされた状況で開始操作を検出可能な開始操作検出手段(例えば、スタートレバー7及びスタートスイッチ7S)と、前記開始操作の検出に応じて複数の役の中から当籤役を決定可能な役決定手段(例えば、メインCPU101)と、前記開始操作の検出に応じて図柄の変動表示を行うとともに、前記役決定手段により決定された当籤役に応じて前記図柄の変動表示を停止させることで、前記図柄の停止表示を導出可能な停止制御手段(例えば、メインCPU101)と、前記停止表示に応じた入賞を発生可能な入賞手段(例えば、メインCPU101)と、を備え、前記複数の役として、入賞しなかった場合に次遊技以降も当籤役として持ち越し可能なボーナス役(例えば、「F_RB」)と、入賞時に遊技価値が付与される複数の小役とを少なくとも有するとともに、前記複数の小役として、入賞時に付与される遊技価値の数量が前記所定数よりも少ない所定小役(例えば、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」)を少なくともを有し、前記ボーナス役が入賞した場合にボーナス作動状態を開始し、所定の終了条件を満たした場合に当該ボーナス作動状態を終了してボーナス非作動状態に制御可能なボーナス制御手段(例えば、メインCPU101)を更に備え、前記ボーナス非作動状態として、前記ボーナス役が当籤役として持ち越されていない一般状態(例えば、非フラグ間)と、前記ボーナス役が当籤役として持ち越されているボーナス持越状態(例えば、RBフラグ間)とを少なくとも有し、前記役決定手段は、前記一般状態において前記ボーナス役を当籤役として決定する場合、前記ボーナス役のみを単独で当籤役として決定することなく、前記所定小役を重複して当籤役として決定し、前記ボーナス非作動状態では、当籤役として決定された小役のうち入賞時に付与される遊技価値の数量が最も多くなる小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超えるように当籤役を決定し、前記ボーナス作動状態では、前記ボーナス非作動状態における確率よりも高い確率で複数の小役のそれぞれを当籤役として決定するが、当籤役として決定された小役のうち入賞時に付与される遊技価値の数量が最も多くなる小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように当籤役を決定し、また、前記ボーナス役と前記所定小役とが重複して当籤役として決定された場合に、前記所定小役が入賞し、かつ、前記ボーナス役も入賞すると仮定した場合の出玉率が、前記所定小役が入賞し、かつ、前記ボーナス役は入賞しないと仮定した場合の出玉率よりも、1に近くなるように当籤役を決定することを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機は、所定数の遊技価値をベットすることで遊技可能な遊技機であって、前記所定数の遊技価値がベットされた状況で開始操作を検出可能な開始操作検出手段(例えば、スタートレバー7及びスタートスイッチ7S)と、前記開始操作の検出に応じて複数の役の中から当籤役を決定可能な役決定手段(例えば、メインCPU101)と、前記開始操作の検出に応じて図柄の変動表示を行うとともに、前記役決定手段により決定された当籤役に応じて前記図柄の変動表示を停止させることで、前記図柄の停止表示を導出可能な停止制御手段(例えば、メインCPU101)と、前記停止表示に応じた入賞を発生可能な入賞手段(例えば、メインCPU101)と、を備え、前記複数の役として、入賞しなかった場合に次遊技以降も当籤役として持ち越し可能なボーナス役と、入賞時に遊技価値が付与される複数の小役とを少なくとも有するとともに、前記複数の小役として、入賞時に付与される遊技価値の数量が前記所定数よりも少ない所定小役(例えば、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」)を少なくともを有し、前記ボーナス役が入賞した場合に前記ボーナス作動状態を開始し、所定の終了条件を満たした場合に当該ボーナス作動状態を終了してボーナス非作動状態に制御可能な第1ボーナス制御手段(例えば、メインCPU101)と、前記ボーナス作動状態(例えば、BB中一般やBB中RB内部中)において特定の開始条件を満たした場合に特定ボーナス作動状態(例えば、BB中RB)を開始し、特定の終了条件を満たした場合に当該特定ボーナス作動状態を終了して、前記ボーナス作動状態に制御可能な第2ボーナス制御手段(例えば、メインCPU101)と、を更に備え、前記ボーナス非作動状態として、前記ボーナス役が当籤役として持ち越されていない一般状態(例えば、非フラグ間)と、前記ボーナス役が当籤役として持ち越されているボーナス持越状態(例えば、BBフラグ間)とを少なくとも有し、前記役決定手段は、前記一般状態において前記ボーナス役を当籤役として決定する場合、前記ボーナス役のみを単独で当籤役として決定することなく、前記所定小役を重複して当籤役として決定し、前記ボーナス非作動状態では、当籤役として決定された小役のうち入賞時に付与される遊技価値の数量が最も多くなる小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超えるように当籤役を決定し、前記特定ボーナス作動状態では、前記ボーナス非作動状態における確率よりも高い確率で複数の小役のそれぞれを当籤役として決定するが、当籤役として決定された小役のうち入賞時に付与される遊技価値の数量が最も多くなる小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように当籤役を決定し、また、前記ボーナス役と前記所定小役とが重複して当籤役として決定された場合に、前記所定小役が入賞し、かつ、前記ボーナス役も入賞し、更に前記ボーナス作動状態において特定の開始条件が成立すると仮定した場合の出玉率が、前記所定小役が入賞し、かつ、前記ボーナス役は入賞しないと仮定した場合の出玉率よりも、1に近くなるように当籤役を決定することを特徴とする。
これらの遊技機によれば、ボーナス非作動状態では、当籤役として決定された小役のうち入賞時に付与される遊技価値の数量が最も多くなる小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超える一方で、ボーナス作動状態では、当籤役として決定された小役のうち入賞時に付与される遊技価値の数量が最も多くなる小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないため、不利なボーナス状態を用いて全体の出玉率を抑えることができる。また、本発明に係る遊技機では、一般状態では、ボーナス役を単独で当籤役として決定することなく、所定小役を重複して当籤役として決定する。ここで、ボーナス役を単独で当籤役として決定する場合、単独のボーナス役の当籤確率分だけボーナス持越状態のハズレ確率が上がってしまう。この点、本発明に係る遊技機では、所定小役を重複して当籤役として決定するため、ボーナス持越状態においてハズレの確率が上がることがない。そのため、ボーナス役の入賞を困難にするために、ボーナス持越状態中に再遊技役の当籤確率を上げるなどの特別な措置を取る必要がなく、出玉設計が容易になる。
また、本発明に係る遊技機において、前記停止制御手段は、前記ボーナス役と他の役とが重複して当籤役として決定される場合、当該他の役に対応する停止表示を、前記ボーナス役に対応する停止表示よりも優先的に導出することを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス役の入賞を回避することが容易になるため、遊技者は、設計者が意図した遊技性を楽しむことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記所定小役は、当籤役として決定された遊技における停止操作の態様が特定態様(例えば、正解の押し順)である場合に入賞する役であり、前記停止制御手段は、前記ボーナス役と前記所定小役とが重複して当籤役として決定されている遊技では、当該遊技における停止操作の態様が前記特定態様である場合には前記ボーナス役に対応する停止表示を導出せずに、前記特定態様とは異なる停止操作の態様である場合に前記ボーナス役に対応する停止表示を導出することがあることを特徴とする。
このような遊技機によれば、無作為な停止操作が行われた場合には不利なボーナス状態に移行してしまうことがあるため、型式試験において不利なボーナス状態に移行させることができ、全体の出玉率を1よりも低い値で均すことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記ボーナス役と前記所定小役とが重複して当籤役として決定されている遊技において前記特定態様とは異なる停止操作の態様である場合に、前記ボーナス役に対応する停止表示が導出される割合は、前記ボーナス役に対応する停止表示が導出されない割合よりも高いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、無作為な停止操作を行う型式試験では、不利なボーナス状態に移行し易くなるため、全体の出玉率を1よりも低い値で均すことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記役決定手段は、前記ボーナス持越状態では、当籤役として持ち越している前記ボーナス役のみを単独で当籤役として決定することなく、常に、当該ボーナス役に加えて当該ボーナス役以外の他の役を重複して当籤役として決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス持越状態ではボーナス役よりも他の役の方が入賞し易くなるため、遊技者は、ボーナス持越状態を容易に維持することができ、結果、設計者が意図した遊技性を楽しむことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記停止制御手段は、前記ボーナス役と前記所定小役以外の他の役とが重複して当籤役として決定されている遊技では、前記ボーナス役に対応する停止表示を導出しないことを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス持越状態ではボーナス役が入賞せずに他の役が入賞するため、遊技者は、ボーナス持越状態を容易に維持することができ、結果、設計者が意図した遊技性を楽しむことができる。
また、本発明に係る遊技機において、遊技者に有利な停止操作の態様を報知可能な報知手段(例えば、指示モニタやメイン演出表示部21)を更に備え、前記報知手段による報知が許容される有利状態(例えば、有利区間)と、前記報知手段による報知が許容されない非有利状態(例えば、非有利区間)と、を有するとともに、前記有利状態として、前記報知手段による報知に従って遊技者が停止操作を行った場合に出玉率が1を超える増加状態(例えば、増加区間)と、前記報知手段による報知に従って遊技者が停止操作を行ったとしても出玉率が1以下となる通常状態(例えば、演出区間)と、を有し、前記報知手段は、前記有利状態では前記増加状態であるか前記通常状態であるかに関係なく、前記所定小役が当籤役として決定された場合に前記特定態様を報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、有利状態中は、増加状態であるか通常状態であるかに関係なく、所定小役の当籤時に特定態様が報知されるため、有利状態中は、報知に従うだけでボーナス役の入賞を回避することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記一般状態かつ前記非有利状態において、前記ボーナス役と前記所定小役とが重複して当籤役として決定された場合に、前記非有利状態から前記有利状態に制御可能な報知状態制御手段(例えば、メインCPU101)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定態様が報知されない非有利状態であっても、ボーナス役に当籤することで有利状態に移行可能であるため、ボーナス役の入賞を容易に回避することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記ボーナス作動状態において、前記増加状態に関する特典を付与可能な特典制御手段(例えば、メインCPU101)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、不利なボーナス状態に移行してしまった場合であっても、出玉が増加する増加状態に関する特典が付与されるため、遊技の興趣を損ねることがない。
また、本発明に係る遊技機において、前記ボーナス役と前記所定小役とが重複して当籤役として決定された遊技のうちの一部の遊技を、当該遊技のうちの前記一部の遊技以外の他の遊技よりも前記増加状態に関する特典付与の期待度が遊技者にとって有利になるように制御可能なする有利制御手段(例えば、メインCPU101)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス持越状態のうちの所定小役が当籤した遊技では、ボーナス役の入賞を回避するために特定態様での操作が求められる。遊技者にとってみれば、特定態様での操作が求められる遊技が多いほど煩わしさを感じてしまうが、特定態様での操作が求められる遊技のうちの一部の遊技では、出玉が増加する増加状態に関する特典が付与されるため、遊技の興趣を損ねることがない。
本発明によれば、出玉設計が容易な遊技機を提供することができる。
[付記2]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
AT機能を有する遊技機では、例えば、特開2015-202330号公報のように不利なボーナス状態を有する一方で、この不利なボーナス状態の作動契機となるボーナス役を入賞させずに内部当籤役として持ち越したボーナスフラグ間を維持したまま報知状態と非報知状態とを切り替えることで、AT機能を実現する仕様が知られている。
こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出すメダル量が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。
そこで、本発明は、報知に関する特典の付与について興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の識別情報(例えば、図柄)を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、複数の役の中から当籤役を決定するとともに、決定した当籤役及び遊技者の停止操作に応じて前記可変表示手段による変動表示を制御することで遊技を進行する遊技制御手段(例えば、メインCPU101)とを備える遊技機であって、前記複数の役として、入賞しなかった場合に次遊技以降も当籤役として持ち越し可能な複数のボーナス役を少なくとも有するとともに、前記複数のボーナス役として、第1ボーナス役(例えば、「F_RB1」)と第2ボーナス役(例えば、「F_RB2」)とを少なくとも有し、遊技者に有利な停止操作の情報を報知可能な報知手段(例えば、指示モニタやメイン演出表示部21)と、前記報知手段による報知が行われることで遊技者に有利となる有利状態を制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、前記有利状態に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、メインCPU101)と、を更に備え、前記特典付与手段は、前記第1ボーナス役を当籤役として持ち越している第1持越状態よりも、前記第2ボーナス役を当籤役として持ち越している第2持越状態の方が、遊技者にとって有利度の高い前記特典を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、当籤役として持ち越しているボーナス役の種類に応じて報知が行われる有利状態に関する特典の付与期待度が異なるため、従来にない方法により報知に関する特典の付与を制御することができ、興趣を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記遊技制御手段は、前記第1持越状態において前記第1ボーナス役と重複して特定の役が当籤役として決定された遊技と、前記第2持越状態において前記第2ボーナス役と重複して前記特定の役が当籤役として決定された遊技とでは、異なる結果表示が導出されるように前記可変表示手段による変動表示を制御し、前記特典付与手段は、前記第1持越状態において前記第1ボーナス役と重複して特定の役が当籤役として決定された遊技よりも、前記第2持越状態において前記第2ボーナス役と重複して前記特定の役が当籤役として決定された遊技の方が、遊技者にとって有利度の高い前記特典を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、当籤役として持ち越しているボーナス役の種類に応じて報知が行われる有利状態に関する特典の付与期待度が異なるとともに、当籤役として持ち越しているボーナス役の種類に応じて停止表示される結果表示も異なる。遊技者にとってみれば、結果表示(出目)から当籤役として持ち越しているボーナス役の種類、言い換えると、報知に関する特典の付与期待度を把握することができるため、興趣を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機において、遊技状態として、前記有利状態制御手段により前記有利状態に制御可能な当籤状態と、前記有利状態制御手段により前記有利状態に制御不可能な非当籤状態とを有し、ボーナス非作動状態のうちの前記ボーナス役を当籤役として持ち越していない一般状態の前記当籤状態において、前記第2ボーナス役が当籤役として決定されると、前記特典の付与期待度が高い特別状態に制御可能な特別状態制御手段(例えば、メインCPU101)を更に備え、前記有利状態制御手段は、前記一般状態の前記当籤状態において、前記第1ボーナス役が当籤役として決定されると、前記有利状態に制御可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、有利状態に制御可能な当籤状態では、第1ボーナス役及び第2ボーナス役の何れが先に当籤するかに応じて移行先の状態を異ならせることができる。具体的には、当籤状態において先に第1ボーナス役に当籤した場合には、有利状態に制御される一方で、先に第2ボーナス役に当籤した場合には、特典の付与期待度が高い特別状態に制御される。このようにボーナス役の種類に応じて特別状態に移行することになるため、遊技者にとってみれば、所謂レバーの叩きどころが明確になり、自身の引きに応じて利益度合いが異なることになるため、興趣を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第1持越状態の前記非当籤状態では、当籤役として持ち越している前記第1ボーナス役の入賞が発生しないように促す所定の演出を実行可能である一方で、前記第1持越状態の前記当籤状態では、当籤役として持ち越している前記第1ボーナス役の入賞が発生するように促す特定の演出を実行可能な演出実行手段(例えば、メイン演出表示部21)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、非当籤状態では第1持越状態を維持した状態で遊技が行われ、当籤状態になると第1持越状態を一度終了してボーナス役を持ち越していない一般状態に移行する。そして、一般状態の当籤状態では、先に当籤したボーナス役に応じて移行先の状態を異ならせるため、興趣を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機において、所定数の遊技価値をベットすることで遊技可能な遊技機であって、前記複数の役として、入賞時に遊技価値が付与される複数の小役を少なくとも有するとともに、前記複数の小役として、入賞時に付与される遊技価値の数量が前記所定数よりも少ない所定小役(例えば、「F_打順1枚A」~「F_打順1枚F」)を少なくともを有し、前記遊技制御手段は、ボーナス非作動状態のうちの前記ボーナス役を当籤役として持ち越していない一般状態において前記ボーナス役を当籤役として決定する場合、前記ボーナス役のみを単独で当籤役として決定することなく、前記所定小役を重複して当籤役として決定し、前記ボーナス非作動状態では、当籤役として決定された小役のうち入賞時に付与される遊技価値の数量が最も多くなる小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超えるように当籤役を決定し、ボーナス作動状態では、前記ボーナス非作動状態における確率よりも高い確率で複数の小役のそれぞれを当籤役として決定するが、当籤役として決定された小役のうち入賞時に付与される遊技価値の数量が最も多くなる小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように当籤役を決定し、また、前記ボーナス役と前記所定小役とが重複して当籤役として決定された場合に、前記所定小役が入賞し、かつ、前記ボーナス役も入賞すると仮定した場合の出玉率が、前記所定小役が入賞し、かつ、前記ボーナス役は入賞しないと仮定した場合の出玉率よりも、1に近くなるように当籤役を決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス非作動状態では、当籤役として決定された小役のうち入賞時に付与される遊技価値の数量が最も多くなる小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超える一方で、ボーナス作動状態では、当籤役として決定された小役のうち入賞時に付与される遊技価値の数量が最も多くなる小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないため、不利なボーナス状態を用いて全体の出玉率を抑えることができる。また、本発明に係る遊技機では、一般状態では、ボーナス役を単独で当籤役として決定することなく、所定小役を重複して当籤役として決定する。ここで、ボーナス役を単独で当籤役として決定する場合、単独のボーナス役の当籤確率分だけボーナス持越状態のハズレ確率が上がってしまう。この点、本発明に係る遊技機では、所定小役を重複して当籤役として決定するため、ボーナス持越状態においてハズレの確率が上がることがない。そのため、ボーナス役の入賞を困難にするために、ボーナス持越状態中に再遊技役の当籤確率を上げるなどの特別な措置を取る必要がなく、出玉設計が容易になる。
本発明によれば、報知に関する特典の付与について興趣を向上させることができる。
[付記3]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
このような遊技機では、遊技者の利益・不利益が過大になってしまうことを防止するために、検査機関による型式試験に適合する必要がある。ここで、遊技機の試験方法には、当籤した内部当籤役のうち最も払い出し枚数が多い役が入賞したと仮定して、出玉率を算出するシミュレーション試験があり、このシミュレーション試験により出玉率の上限を規制する。このシミュレーション試験に対する工夫として、特開2015-208505には、シングルボーナス作動中の小役当籤確率を下げ、シングルボーナス作動中の出玉率を抑えることで、出玉設計の自由度を高める遊技機が開示されている。
しかしながら、このような遊技機では、遊技者がシングルボーナスを入賞してしまった場合に出玉面で損をしてしまうため、遊技の興趣が低下してしまうおそれがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、出玉設計の自由度を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、所定数の遊技価値をベットすることで遊技可能な遊技機であって、前記所定数の遊技価値がベットされた状況で開始操作を検出可能な開始操作検出手段(例えば、スタートレバー7及びスタートスイッチ7S)と、前記開始操作の検出に応じて複数の役の中から当籤役を決定可能な役決定手段(例えば、メインCPU101)と、前記開始操作の検出に応じて図柄の変動表示を行うとともに、前記役決定手段により決定された当籤役に応じて前記図柄の変動表示を停止させることで、前記図柄の停止表示を導出可能な停止制御手段(例えば、メインCPU101)と、前記停止表示に応じた入賞を発生可能な入賞手段(例えば、メインCPU101)と、を備え、前記複数の役として、入賞することで再遊技が作動する再遊技役と、入賞することでボーナス状態が作動するボーナス役と、入賞することで遊技価値が付与される複数の小役とを少なくとも有するとともに、前記複数の小役として、入賞時に付与される遊技価値の数量が前記所定数よりも少ない所定小役(例えば、NM03-1~NM03-n)と、入賞時に付与される遊技価値の数量が前記所定数よりも多い特定小役(例えば、NM02)とを少なくとも有し、前記役決定手段は、前記所定小役を当籤役として決定する場合、前記所定小役に加えて必ず前記特定小役を重複して当籤役として決定し、前記停止制御手段は、前記所定小役と前記特定小役とが重複して当籤役として決定された遊技では、前記特定小役よりも前記所定小役が優先して入賞するように前記図柄の変動表示を停止させることを特徴とする。
このような遊技機によれば、入賞時に付与される遊技価値の数量がベット数(所定数)よりも少ない所定小役に対しては、入賞時に付与される遊技価値の数量がベット数(所定数)よりも多い特定小役が必ず重複して当籤する。ここで、シミュレーション試験では、ベット数よりも多い小役とボーナス役とが重複して当籤している場合、小役の入賞により出玉が増加するため、小役を入賞させてボーナス役を入賞させないように動作させる一方で、ベット数よりも少ない小役とボーナス役とが重複して当籤している場合、小役が入賞しても出玉が減少してしまうため、ボーナス役を入賞させるように動作させる。そのため、本発明に係る遊技機のように、所定小役に対して特定小役を重複して当籤させることで、シミュレーション試験においてボーナス役が入賞してしまう頻度を抑えることができ、出玉率を抑えることができる。一方で、遊技者からすると、ボーナス役を入賞させることができればボーナス状態に移行することができるため、出玉面での不満を感じることがない。また、本発明に係る遊技機では、所定小役と特定小役とが重複して当籤している遊技では、所定小役が優先して入賞するように停止制御が行われる。ここで、仮想的に行われるシミュレーション試験では、特定小役を入賞させることでボーナス役の入賞を回避するものの、実際の遊技において特定小役が頻繁に入賞してしまったのでは、遊技者が無限に利益を得ることができてしまい、好ましくない。そこで、実際の遊技では、所定小役と特定小役とが重複して当籤した場合、所定小役が入賞するように停止制御を行うことで、遊技者が得る利益を抑えることができ、利益バランスを調整することができる。その結果、本発明に係る遊技機によれば、出玉設計の自由度を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記ボーナス役が入賞した場合に前記ボーナス状態を開始し、所定の終了条件を満たした場合に当該ボーナス状態を終了して非ボーナス状態に制御可能なボーナス制御手段(例えば、メインCPU101)と、前記ボーナス役が当籤役として決定された遊技において当該ボーナス役が入賞しない場合に、当該ボーナス役を次遊技以降に持ち越し可能な持越手段(例えば、メインCPU101)と、を更に備え、前記非ボーナス状態として、前記ボーナス役が当籤役として持ち越されていない一般状態と、前記ボーナス役が当籤役として持ち越されているボーナス持越状態とを少なくとも有し、前記役決定手段は、前記一般状態において前記ボーナス役を当籤役として決定する場合、前記特定小役を重複して当籤役として決定することを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機において、前記ボーナス役が入賞した場合に前記ボーナス状態を開始し、所定の終了条件を満たした場合に当該ボーナス状態を終了して非ボーナス状態に制御可能なボーナス制御手段(例えば、メインCPU101)と、前記ボーナス役が当籤役として決定された遊技において当該ボーナス役が入賞しない場合に、当該ボーナス役を次遊技以降に持ち越し可能な持越手段(例えば、メインCPU101)と、を更に備え、前記非ボーナス状態として、前記ボーナス役が当籤役として持ち越されていない一般状態と、前記ボーナス役が当籤役として持ち越されているボーナス持越状態とを少なくとも有し、前記役決定手段は、前記一般状態において前記ボーナス役を当籤役として決定する場合、前記再遊技役を重複して当籤役として決定することを特徴とする。
これらの遊技機によれば、ボーナス役を持ち越していない一般状態(非フラグ間)においてボーナス役が当籤役として決定された場合(ボーナス当籤遊技)、特定小役又は再遊技役が必ず重複して当籤役として決定される。これにより、シミュレーション試験では、ボーナス当籤遊技においてボーナス役が入賞してしまうことを防止することができる。なお、ボーナス役を持ち越しているボーナス持越状態(フラグ間)では、特定小役が必ず重複する所定小役によりシミュレーション試験においてボーナス役が入賞してしまうことを回避することができる。その結果、本発明に係る遊技機によれば、出玉設計の自由度を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記役決定手段は、前記一般状態において前記ボーナス役を当籤役として決定する場合、他の役と重複して当籤役として決定可能であるとともに、前記ボーナス役のみを単独で当籤役として決定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス当籤遊技の一部(ボーナス役が単独で当籤)では、シミュレーション試験においてもボーナス状態に移行するものの、当該一部以外の場合には、シミュレーション試験においてもボーナス状態に移行しないため、シミュレーション試験における出玉率を抑えることができ、結果、出玉設計の自由度を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記役決定手段は、前記ボーナス持越状態では、持ち越している前記ボーナス役のみを単独で当籤役として決定することなく、常に、当該ボーナス役に加えて当該ボーナス役以外の他の役を重複して当籤役として決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス持越状態(フラグ間)に移行した後は、シミュレーション試験においてボーナス役が入賞することがないため、シミュレーション試験における出玉率を抑えることができ、結果、出玉設計の自由度を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機において、遊技に用いる遊技価値は、電子データであり、物理的な遊技媒体を用いずに遊技可能であることを特徴とする。
本発明に係る遊技機では、シミュレーション試験においてボーナス役の入賞を回避するために、払い出しがベット数よりも多い特定小役を重複させることとしている。ここで、メダル換算の遊技機では、ベット数を3枚とすると、特定小役の払い出しが最低でも4枚となるため、シミュレーション試験における出玉率が133%(=4/3×100)となってしまい、型式試験の上限値(例えば、115%)を超えてしまう。そこで、本発明に係る遊技機は、遊技玉換算の遊技機に適用することが好ましい。遊技玉換算の遊技機に適用した場合、ベット数を15玉とすると、特定小役の払い出しを16玉とすることができるため、シミュレーション試験における出玉率を106%(=16/15×100)に抑えることができる。一方で、遊技玉を用いた遊技機は、玉詰まりが発生しやすい。そこで、実際の遊技玉ではなくデータで遊技できる管理遊技機で遊技玉換算の電子データを用いることで、玉詰まりの問題を解消しつつ、出玉設計の自由度を高めることができる。
本発明によれば、出玉設計の自由度を高めることができる。
[付記4]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機には、ボーナスが作動していない非ボーナス状態においてナビを行うことで出玉を増加させる遊技性を持つものも知られている。ここで、非ボーナス状態において出玉の増加が可能な遊技性では、出玉を減少させる状態がなくなってしまい、遊技機の型式試験に適合し難くなってしまうため、特許文献1(特開2015-202330号公報)に示すように、一般状態に変わって、ボーナスが作動しているボーナス状態中に出玉を減少させる遊技機も知られている。AT機能を有する遊技機では、型式試験では、不利なボーナス状態に移行させることで全体の出玉率を抑える一方で、遊技店における実際の遊技では、不利なボーナス状態には移行させずに、ナビの有無を制御することで出玉の増減を制御する。
ところで、ボーナス状態が遊技者にとって不利となる遊技機では、ボーナス役を持ち越している持越し状態(フラグ間)においてボーナス役が入賞し難くなるように配慮して設計する必要がある。この点、従来の遊技機では、持越し状態において再遊技役の当籤確率を高くし抽籤係数を埋め尽くすことで、持越し状態中のハズレ(ボーナス役以外の役が当籤していない状況)を無くし、ボーナス役の入賞を困難にしている。しかしながら、このような方法であっても、まれにボーナス役が入賞してしまう場合があり、ボーナス役が入賞してしまうと、不利なボーナス状態により遊技の興趣が低下してしまうおそれがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、出玉において不利なボーナス状態による遊技の興趣の低下を抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、図柄の変動表示が可能な図柄表示手段(例えば、リール3-1~3-4)と、複数の役の中から決定された当籤役及び遊技者の停止操作の態様に応じて前記図柄の変動表示を停止させることで前記当籤役に応じた結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御回路100)と、所定の停止操作の態様を報知可能な報知手段(例えば、指示モニタやメイン演出表示部21)と、を備える遊技機であって、前記複数の役として、対応する結果表示が導出されない場合に次遊技以降も当籤役として持ち越し可能なボーナス役(例えば、「F_BB」)と、対応する結果表示が導出される場合に遊技価値が付与される所定小役(例えば、「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」)とを少なくとも含み、遊技に関する状態として、前記報知手段による報知が許容される有利状態(例えば、有利区間)と、前記報知手段による報知が許容されない非有利状態(例えば、非有利区間)とを少なくとも含み、前記ボーナス役に対応する結果表示が導出されるとボーナス状態を開始し、所定の終了条件を満たすと当該ボーナス状態を終了するボーナス制御手段(例えば、主制御回路100)と、前記有利状態に関する特典(例えば、有利区間・特化ゾーン)を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路100)と、を更に備え、前記停止制御手段は、前記所定小役と前記ボーナス役とが重複して当籤役として決定される遊技において、前記所定小役に対応する結果表示が導出されない場合に前記ボーナス役に対応する結果表示を導出可能であり、前記特典付与手段は、前記所定小役と前記ボーナス役とが重複して当籤役として決定される遊技において、前記報知手段により前記所定小役に対応する結果表示を導出させるための停止操作の態様が報知されずに、前記ボーナス役に対応する結果表示が導出されると、前記有利状態に関する特典を付与可能であり、前記所定小役と前記ボーナス役とが重複して当籤役として決定される遊技において、前記報知手段により前記所定小役に対応する結果表示を導出させるための停止操作の態様が報知されたにも関わらず、前記ボーナス役に対応する結果表示が導出されると、前記有利状態に関する特典を付与しないことを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス役に対応する結果表示は、所定小役とボーナス役とが重複して当籤役として決定される遊技において、所定小役に対応する結果表示が導出されない場合に導出される。ここで、所定小役とボーナス役とが重複して当籤役として決定される遊技では、所定小役に対応する結果表示を導出させるための停止操作の態様が報知されるため、遊技者にとって不利なボーナス状態を用いる場合には、ボーナス状態を一定度合い封じ込めることができる。しかしながら、非有利状態では、停止操作の態様を報知することができないため、ボーナス役に対応する結果表示が導出されてしまう可能性がある。そこで、本発明に係る遊技機では、所定小役に対応する結果表示を導出させるための停止操作の態様が報知されずに、ボーナス役に対応する結果表示が導出された場合に、有利状態に関する特典を付与するため、不利なボーナス状態による遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特典付与手段は、前記所定小役と前記ボーナス役とが重複して当籤役として決定される非有利状態の遊技において、前記ボーナス役に対応する結果表示が導出されると、前記有利状態に関する特典を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、停止操作の態様を報知することができない非有利状態においてボーナス役に対応する結果表示が導出された場合に、有利状態に関する特典を付与することができ、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機は、前記所定小役と前記ボーナス役とが重複して当籤役として決定される有利状態の遊技において、前記所定小役に対応する結果表示を導出させるための停止操作の態様を報知するか否かを決定する報知決定手段(例えば、主制御回路100)を更に備え、前記報知手段は、前記報知決定手段の決定結果に応じて、前記所定小役に対応する結果表示を導出させるための停止操作の態様の報知の有無を制御することを特徴とする。
このような遊技機によれば、停止操作の態様を報知可能な有利状態においても、所定小役に対応する結果表示を導出させるための停止操作の態様を報知しないように制御することができるため、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記有利状態には、前記報知手段による報知に従って停止操作を行うことで単位遊技当たりの出玉率が1を超える第1有利状態(例えば、有利区間・AT)と、前記報知手段による報知に従って停止操作を行うことで単位遊技当たりの出玉率が1未満となる第2有利状態(例えば、有利区間・通常遊技)とが含まれ、前記報知決定手段は、前記所定小役と前記ボーナス役とが重複して当籤役として決定される前記第1有利状態の遊技では、必ず、前記所定小役に対応する結果表示を導出させるための停止操作の態様を報知すると決定し、前記所定小役と前記ボーナス役とが重複して当籤役として決定される前記第2有利状態の遊技では、前記所定小役に対応する結果表示を導出させるための停止操作の態様を報知する、又は当該停止操作の態様を報知しないと決定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、有利状態のうち遊技者にとって不利な第1有利状態においては、ボーナス状態を契機として有利状態に関する特典を付与することができるため、遊技の興趣の低下を抑制することができる。一方で、遊技者にとって有利な第2有利状態では、所定小役に対応する結果表示を導出させるための停止操作の態様が必ず報知されるため、出玉の増加区間である第2有利状態から不利なボーナス状態に移行することがなく、遊技の流れを阻害することがない。
また、本発明に係る遊技機において、前記特典付与手段は、前記有利状態に関する特典として、前記ボーナス状態において前記第1有利状態への移行に関する権利が付与される確率が高い特別遊技を実行するという特典を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、不利なボーナス状態に移行してしまった場合には、第1有利状態への移行に関する権利が付与され易い特別遊技が実行されるため、その後、遊技者にとって有利な第1有利状態に移行し易く制御することができ、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特典付与手段は、前記ボーナス状態に加えて、前記ボーナス状態が終了してから前記ボーナス役が当籤役として決定されるまでの状態において、前記特別遊技を実行するという特典を付与可能であることを特徴とする。
所謂AT機では、基本的には、ボーナス役を当籤役として持ち越している持越状態において遊技が行われるが、このような遊技機によれば、完全には封じ込めることができないボーナス状態に移行してしまった場合、最も基本的な持越状態に移行するまで特別遊技に制御するため、遊技の流れを阻害することがない。
また、本発明に係る遊技機において、前記ボーナス制御手段は、前記ボーナス状態において特定条件を満たすと特定ボーナス状態(例えば、BB中RB)に制御可能であり、前記特定ボーナス状態は、当籤役として決定された役のうち、付与される遊技価値の数が最も多い役に対応する結果表示が導出されると仮定した場合の単位遊技当たりの出玉率が1未満であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス状態のうち特定ボーナス状態を遊技者にとって不利な状態にすることができるため、型式試験における出玉率を抑えることができる。
また、本発明に係る遊技機は、前記所定小役と前記ボーナス役とが重複して当籤役として決定される非有利状態の遊技において、特別演出を実行可能な演出実行手段(例えば、主制御回路100、副制御回路200)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、非有利状態における所定小役とボーナス役との重複当籤時に特別演出を実行するため、遊技者は、ボーナス状態を契機とする有利状態に関する特典付与の可能性がある遊技を把握することができ、興趣の向上を図ることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記有利状態には、前記報知手段による報知に従って停止操作を行うことで単位遊技当たりの出玉率が1を超える第1有利状態と、前記報知手段による報知に従って停止操作を行うことで単位遊技当たりの出玉率が1未満となる第2有利状態とが含まれ、前記所定小役と前記ボーナス役とが重複して当籤役として決定される非有利状態の遊技において、前記第1有利状態への移行に関する権利を付与可能な権利付与手段(例えば、主制御回路100)を更に備え、前記演出実行手段は、前記権利付与手段が前記権利を付与すると決定すると、前記特別演出を実行可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、非有利状態において所定小役とボーナス役とが重複して当籤役として決定された場合には、第1有利状態への移行に関する権利を付与可能であるため、第2有利状態を経由することなく非有利状態から直接、第1有利状態に移行させることができる。また、非有利状態において、第1有利状態への移行に関する権利が付与された場合には、特別演出が実行されるため、興趣の向上を図ることができる。
また、本発明に係る遊技機は、所定の初期化操作が行われると、当籤役として持ち越されている前記ボーナス役を消去するとともに、前記非有利状態に遊技に関する状態を制御可能な初期化手段(例えば、主制御回路100)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、初期化操作が行われた場合には、ボーナス役が消去されるとともに、非有利状態に制御されるため、初期化された状態から遊技を進行させることができる。
本発明によれば、出玉において不利なボーナス状態による遊技の興趣の低下を抑制することができる。
[付記5]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機として、2択などの停止操作順序を遊技者が的中させた場合に、所定の特典を付与する所謂「択当てゲーム」を行う遊技機が知られている。例えば、特許文献1(特開2009-261795号公報)には、正解の順序で停止操作が行われた場合にリプレイ3,4の図柄の組合せが表示されて、ATゲーム数が2倍になる一方で、不正解の順序で停止操作が行われた場合にリプレイ1の図柄の組合せが表示されて、ATゲーム数がクリアされる遊技機が開示されている。
ところで、近年のAT機では、有利区間と非有利区間とを有し、非有利区間においてはATを実行することなく、有利区間においてATを実行することとしているが、規則上、非有利区間では、AT関連処理に内部当籤役しか参照することができず、停止操作の順序や表示された図柄の組合せを参照することができない。そのため、従来の遊技機のように、遊技性を多様化することができないという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、図柄の組合せを参照せずに遊技性を多様化可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、特典の付与に関する判定を実行可能な遊技機であって、前記判定を実行不能な第1遊技状態(例えば、非有利区間や非ボーナス状態)と、前記判定を実行可能な第2遊技状態(例えば、有利区間のボーナス状態)とを少なくとも有し、前記第2遊技状態において所定条件を満たすと、前記第2遊技状態の終了に関するパラメータを参照して、前記判定を実行可能な判定手段(例えば、主制御回路100)と、前記判定手段の判定結果に応じて前記特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路100)と、を備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第2遊技状態において所定条件を満たした場合には、第2遊技状態の終了に関するパラメータを参照して、特典を付与するか否かを判定するため、表示された図柄の組合せを参照することなく特典付与の有無を制御することができ、遊技性を多様化することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記判定手段は、前記第2遊技状態における最初の遊技において前記判定を実行し、前記特典付与手段は、前記判定手段が前記特典を付与すると判定すると、当該遊技において前記特典を付与することを特徴とする。
このような遊技機によれば、第2遊技状態における最初の遊技、すなわち、遊技状態が第2遊技状態に移行した場合に、特典を付与するか否かを判定する。例えば、表示された図柄の組合せに応じて第2遊技状態に移行する場合、当該図柄の組合せを参照するのではなく、移行した第2遊技状態の最初の遊技において第2遊技状態の終了に関するパラメータを参照して特典付与の有無を制御するため、表示された図柄の組合せを参照することなく、遊技性を多様化することができる。
また、本発明に係る遊技機は、図柄の変動表示が可能な図柄表示手段(例えば、リール3-1~3-4)と、複数の役の中から決定された当籤役及び遊技者の停止操作の態様に応じて前記図柄の変動表示を停止させることで前記当籤役に応じた結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御回路100)と、所定の停止操作の態様を報知可能な報知手段(例えば、指示モニタやメイン演出表示部21)と、を備える遊技機であって、前記複数の役として、当籤役として決定されると第1の結果表示(例えば、「BB」の図柄の組合せ)又は第2の結果表示(例えば、「1枚」の図柄の組合せ)を導出可能な所定役(例えば、「F_BB」+「F_1枚1stA」~「F_1枚4thB」)を少なくとも含み、報知遊技に関する状態として、前記報知手段による報知が許容される有利状態(例えば、有利区間)と、前記報知手段による報知が許容されない非有利状態(例えば、非有利区間)とを少なくとも含み、前記報知遊技に関する状態を制御可能な有利状態制御手段(例えば、主制御回路100)と、前記有利状態の最初の遊技において、前記有利状態に関する特典を付与するか否かを判定可能な判定手段(例えば、主制御回路100)と、前記判定手段が前記特典を付与すると判定すると、前記特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路100)と、前記第1の結果表示が導出されると、特定状態(例えば、ボーナス状態)に制御可能な特定状態制御手段(例えば、主制御回路100)と、を更に備え、前記有利状態制御手段は、前記有利状態では、導出される結果表示に応じて前記報知遊技に関する状態を制御可能である一方で、前記非有利状態では、導出される結果表示に応じて前記報知遊技に関する状態を制御不能であり、また、前記非有利状態において前記所定役が当籤役として決定されると、前記報知遊技に関する状態を前記有利状態に制御可能であり、前記判定手段は、前記有利状態の最初の遊技が前記特定状態である場合に、前記判定を実行可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、非有利状態において所定役が当籤役として決定されると、有利状態に制御可能であるが、所定役の当籤に伴い第1の結果表示が導出された場合には、更に、特定状態に制御される。ここで、非有利状態では、導出される結果表示に応じて報知遊技に関する状態を制御不能であるが、本発明に係る遊技機では、非有利状態の最後の遊技において導出された第1の結果表示ではなく、有利状態の最初の遊技において、第1の結果表示に応じて制御される特定状態であるか否かを判別することで、有利状態に関する特典の付与を制御する。これにより非有利状態において表示される図柄の組合せ(導出される結果表示)を参照しないにも関わらず、あたかも非有利状態において表示される図柄の組合せ(導出される結果表示)を参照して制御されたかのように遊技性を多様化することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記判定手段は、前記特定状態の終了に関するパラメータを参照して前記判定を実行可能であることを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定状態制御手段は、前記特定状態において所定数の遊技価値が付与されることを条件に前記特定状態を終了し、前記特定状態において付与される遊技価値の数に関する数値情報を計数可能な計数手段(例えば、主制御回路100)を更に備え、前記特定状態の終了に関するパラメータは、前記計数手段が計数する前記数値情報であることを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定状態制御手段は、前記特定状態において所定回数の遊技が実行されることを条件に前記特定状態を終了し、前記特定状態において実行される遊技の回数に関する数値情報を計数可能な計数手段(例えば、主制御回路100)を更に備え、前記特定状態の終了に関するパラメータは、前記計数手段が計数する前記数値情報であることを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機において、前記判定手段は、前記有利状態の最初の遊技が前記特定状態の最初の遊技である場合に、前記特典を付与すると判定することを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、非有利状態において表示される図柄の組合せ(導出される結果表示)を参照しないにも関わらず、あたかも非有利状態において表示される図柄の組合せ(導出される結果表示)を参照して制御されたかのように遊技性を多様化することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特典付与手段は、前記判定手段が前記特典を付与すると判定する遊技において、前記特典を付与することを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機において、前記特典は、当籤役に応じて前記有利状態に関する権利が付与され易い特別付与状態への移行であり、前記判定手段による前記判定の結果により前記特別付与状態に移行する場合、当該遊技も前記特別付与状態に滞在しているものとして、当籤役に応じた前記権利の付与が行われることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典を付与すると判定された場合には、当該判定が行われた遊技において特典が付与されるため、特典が付与されるまで間が空くことがない。特に、本発明に係る遊技機のように、第1の結果表示に伴い開始する特定状態を特別付与状態とする特典を付与する場合には、間が空いてしまうと特定状態の残り期間も短くなってしまい特別付与状態に制御可能な期間が短くなってしまう。この点、特典を付与すると判定した遊技も特別付与状態に制御することで、興趣を損ねてしまうことを抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特別付与状態に移行する場合、当該遊技において遊技の進行を所定期間遅延させるロック状態を発生可能なロック実行手段(例えば、主制御回路100)と、前記ロック実行手段が前記ロック状態を発生させると、前記特別付与状態に移行する旨を報知する演出を実行可能な演出実行手段(例えば、主制御回路100、副制御回路200)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技者に特典を付与する場合には、ロック状態を発生させるため、遊技者は、特典が付与されることについての期待を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、前記有利状態制御手段は、前記非有利状態の前記特定状態では、前記報知遊技に関する状態を制御しないことを特徴とする。
このような遊技機によれば、非有利状態の特定状態では、報知遊技に関する状態を制御しないため、有利状態の最初の遊技が特定状態である場合は、非有利状態の最後の遊技において特定状態が開始(言い換えると、第1の結果表示が導出)されたことになる。そのため、非有利状態において表示される図柄の組合せ(導出される結果表示)を参照しないにも関わらず、あたかも非有利状態において表示される図柄の組合せ(導出される結果表示)を参照して制御されたかのように遊技性を多様化することができる。
本発明によれば、図柄の組合せを参照せずに遊技性を多様化することができる。
[付記6]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機では、ATを実行可能な遊技区間(所謂、有利区間)とATを実行不可能な遊技区間(所謂、非有利区間)とを有し、有利区間を継続可能な期間に上限(リミット)を設ける遊技機も知られている。例えば、特許文献1(特開2017-169968号公報)には、ATが長期間にわたり継続すると(例えば、1500回)、残りのゲーム数に関わらず強制的に有利区間を終了させるリミット処理を行う遊技機が開示されている。
このようなリミット処理を行う遊技機によれば、遊技者にとって有利な状態が無制限に継続してしまうことを防止できるため、射幸性を抑制することができるものの、有利区間の終了を把握した遊技者が遊技を止めてしまうことが多く、稼働の低下を招いてしまうという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、稼働の低下を抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、図柄の変動表示が可能な図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、複数の役の中から決定された当籤役及び遊技者の停止操作の態様に応じて前記図柄の変動表示を停止させることで前記当籤役に応じた結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御回路100)と、所定の停止操作の態様を報知可能な報知手段(例えば、指示モニタやメイン演出表示部21)と、を備える遊技機であって、前記複数の役として、対応する結果表示が導出されない場合に次遊技以降も当籤役として持ち越し可能なボーナス役を少なくとも含み、報知遊技に関する状態として、前記報知手段による報知が許容される有利状態(例えば、有利区間)と、前記報知手段による報知が許容されない非有利状態(例えば、非有利区間)とを少なくとも含み、前記ボーナス役に対応する結果表示が導出されるとボーナス状態を開始し、所定の終了条件を満たすと当該ボーナス状態を終了するボーナス制御手段(例えば、主制御回路100)と、前記報知遊技に関する状態を制御可能な有利状態制御手段(例えば、主制御回路100)と、前記有利状態制御手段が前記非有利状態から前記有利状態に前記報知遊技に関する状態を制御する場合に、有利度合いの異なる複数のモードの中から一のモードを決定するモード決定手段(例えば、主制御回路100)と、を更に備え、前記有利状態制御手段は、前記有利状態において前記ボーナス状態が開始される場合、所定の条件を満たしているときには前記有利状態から前記非有利状態に前記報知遊技に関する状態を移行する一方で、所定の条件を満たしていないときには前記有利状態のまま前記報知遊技に関する状態を維持し、前記モード決定手段は、前記ボーナス状態において前記非有利状態から前記有利状態に移行する場合には、前記ボーナス状態ではない非ボーナス状態において前記非有利状態から前記有利状態に移行する場合よりも、有利度合いの高いモードを決定し易いことを特徴とする。
このような遊技機では、有利状態においてボーナス状態が開始される場合、所定の条件を満たしているときには非有利状態に移行する一方で、所定の条件を満たしていないときは有利状態のまま維持される。ここで、非有利状態では有利状態への移行が行われるが、ボーナス状態において非有利状態から有利状態に移行する場合には、ボーナス状態ではない非ボーナス状態において非有利状態から有利状態に移行する場合よりも、有利度合いの高いモードが決定される。そのため、所定の条件を満たしている場合には、ボーナス状態の開始に伴い有利状態から非有利状態に移行してしまうが、ボーナス状態中に非有利状態から有利状態に移行させることができれば、ボーナス状態の終了後が有利度合いの高い状態となる。このように本発明に係る遊技機によれば、有利状態が終了した後であっても、有利度合いの高い状態に制御することができるため、有利状態が終了したことによる稼働の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記有利状態には、前記報知手段による報知に従って停止操作を行うことで単位遊技当たりの出玉率が1を超える第1有利状態(例えば、有利区間・通常遊技)と、前記報知手段による報知に従って停止操作を行うことで単位遊技当たりの出玉率が1未満となる第2有利状態(例えば、有利区間・AT)とが含まれ、前記複数のモードとして、所定確率で前記第2有利状態から前記第1有利状態へ移行する第1モード(例えば、モードA~モードC)と、前記所定確率よりも高い確率で前記第2有利状態から前記第1有利状態へ移行する第2モード(例えば、モードD)とを少なくとも含むことを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス状態中に非有利状態から有利状態に移行できた場合のボーナス状態の終了後の状態を、報知に従って停止操作を行うことで単位遊技当たりの出玉率が1を超える第1有利状態への移行期待度が高い状態とすることができるため、有利状態が終了した場合であっても出玉の増加を繋げ易くすることができ、稼働の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記有利状態制御手段は、前記所定の条件を満たしていないときの前記ボーナス状態では、前記第1有利状態に移行可能である一方で、前記所定の条件を満たしているときの前記ボーナス状態では、前記第1有利状態に移行不可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス状態の開始に伴い有利状態から非有利状態に移行させる場合(所定の条件を満たしている場合)、直接、報知に従って停止操作を行うことで単位遊技当たりの出玉率が1を超える第1有利状態には移行させないように制御する。これにより、遊技者に与える利益が過大になってしまうことを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記有利状態制御手段は、前記所定の条件を満たしているときの前記ボーナス状態において前記第2有利状態に移行する場合、当該第2有利状態を、所定期間が経過するまで、又は、前記第1有利状態に移行するまで継続し、当該所定期間において前記第1有利状態に移行しない場合には、前記有利状態から前記非有利状態に移行させることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス状態中に非有利状態から有利状態に移行できた場合のボーナス状態の終了後の有利度合いの高い状態は、所定期間しか継続しないため、遊技者に与える利益が過大になってしまうことを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機は、前記第1有利状態を実行可能な残り期間が所定期間以上である場合は、前記所定の条件を満たすことがないことを特徴とする。
本発明に係る遊技機では、所定の条件を満たしている場合には有利状態を一度終了させ、その後に移行する有利状態(第2有利状態)を有利度合いの高いモードとするものであるが、第1有利状態を実行可能な残り期間が所定期間以上ある場合には、有利状態を終了させてしまうと遊技者にとって不利な結果になってしまう可能性がある。そこで、このような場合には所定の条件を満たさないように制御することで、残り期間が多くある状態で第1有利状態が終了してしまう状況を回避することができ、遊技者に不満感を与えてしまうことを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機は、前記複数の役として、前記ボーナス状態において当籤役として決定されずに、前記非ボーナス状態において当籤役として決定される第1役(例えば、SIN)と、前記ボーナス状態及び前記非ボーナス状態の双方において当籤役として決定される第2役(例えば、ベル)とを更に含み、前記有利状態制御手段は、前記非有利状態において前記第1役又は前記第2役が当籤役として決定されると、前記非有利状態から前記有利状態に前記報知遊技に関する状態を移行可能であり、前記モード決定手段は、前記第2役に応じて前記有利状態に移行される場合には、前記第1役に応じて前記有利状態に移行される場合よりも、有利度合いの高いモードを決定し易いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス状態の開始に伴い有利状態から非有利状態に移行した場合、ボーナス状態中は第1役は当籤せずに第2役が当籤することになるため、第2役に応じて有利状態に移行することになる。そして、第2役に応じて有利状態に移行される場合には、第1役に応じて前記有利状態に移行される場合よりも、有利度合いの高いモードが決定され易いため、有利状態が終了した後であっても、有利度合いの高い状態に制御することができ、稼働の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記非ボーナス状態において前記第1役が当籤役として決定される確率は、前記非ボーナス状態において前記第2役が当籤役として決定される確率よりも高いことを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機において、前記有利状態制御手段は、前記非有利状態において前記第1役が当籤役として決定されると、必ず、前記非有利状態から前記有利状態に前記報知遊技に関する状態を移行することを特徴とする。
このような遊技機によれば、非有利状態の非ボーナス状態では、第2役が当籤するよりも前に第1役に当籤することになるため、有利度合いの低いモードが決定されることになる。一方で、非有利状態のボーナス状態では、第1役は当籤せずに第2役が当籤することになるため、有利度合いの高いモードが決定されることになる。その結果、ボーナス状態の開始に伴い有利状態から非有利状態に移行させることで、有利状態が終了した後のボーナス状態を用いて、有利度合いの高い状態に制御することができ、稼働の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記有利状態制御手段は、前記非有利状態において前記第2役が当籤役として決定されると、所定の確率で、前記非有利状態から前記有利状態に前記報知遊技に関する状態を移行することを特徴とする。
非有利状態の非ボーナス状態において、第1役が当籤するよりも前に第2役に当籤してしまうことがあるものの、このような遊技機によれば、第2役が先に当籤した場合であっても、有利状態に移行するとは限らないため、遊技者に与える利益が過大になってしまうことを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記有利状態制御手段が前記第2役に応じて前記非有利状態から前記有利状態に前記報知遊技に関する状態を移行する確率は、前記ボーナス状態と前記非ボーナス状態とで同一であることを特徴とする。
ボーナス状態中は第1役に当籤することがないため、第2役に応じて有利状態に移行する確率が所定の確率であった場合であっても、第2役に応じた有利状態への移行を実現することができる。そのため、有利状態が終了した後のボーナス状態を用いて、有利度合いの高い状態に制御することができ、稼働の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第1役に対応する結果表示が導出されると特別ボーナス状態を開始し、所定の終了条件を満たすと当該特別ボーナス状態を終了する特別ボーナス制御手段(例えば、主制御回路100)を更に備え、前記特別ボーナス状態は、当籤役として決定された役のうち、付与される遊技価値の数が最も多い役に対応する結果表示が導出されると仮定した場合の単位遊技当たりの出玉率が1未満であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1役を用いて出玉率を抑えることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第1役に対応する結果表示は、前記第1役が当籤役として決定された遊技における遊技者の停止操作の態様に応じて導出されないことがあることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技者が実際に行う遊技においては、第1役を回避することができるものの、型式試験においては第1役に対応する結果表示が導出されるため、型式試験における出玉率を抑えることができる。
本発明によれば、稼働の低下を抑制可能な遊技機を提供することができる。
1…パチスロ機、3L,3C,3R…リール、7…スタートレバー、8L,8C,8R…ストップボタン、100…主制御回路、200…副制御回路、210…メイン表示装置