JP7030350B2 - パルプ回収装置 - Google Patents

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Description

本発明は、使用済み衛生用品を複数種の素材に分解し、パルプが溶解した状態の排水内からパルプを回収するパルプ回収装置に関する。
近年、病院や老人ホーム等では、衛生用品である使い捨てのおむつとして紙製のおむつ(紙おむつ)が使用されている。この紙おむつは、パルプ等からなる吸収体と、吸収体が吸収した水分を保持する高分子吸収体(高分子ポリマー)と、これらを包む防水材(プラスチック)などの素材から構成されている。また、尿漏れパッド等もパルプ等からなる吸収体と、吸収体が吸収した水分を保持する高分子吸収体(高分子ポリマー)と、これらを包む防水材(プラスチック)などの素材から構成されている。これらの使用した後の使用済みの紙おむつや尿漏れパッド等の衛生用品は、現状では一般廃棄物として処理(処分)されている。
これらの使用済み紙おむつや尿漏れパッド等の衛生用品をそのまま一般廃棄物として、例えば焼却処分すると有害物質が生成されたり、埋め立て処分すると感染物質等により土壌が悪化する可能性がある。
このため、衛生的、環境的な観点から、衛生用品として使用済み紙おむつを素材ごとに分解して処理する使用済み紙おむつの処理装置が、特許文献1、2、3において提案されている。同文献1、2、3にて提案されている使用済み紙おむつの処理装置では、回転するドラム内で、使用済み紙おむつを処理液と混合させることで、パルプ、高分子ポリマー、プラスチックの素材に分解している。
上記使用済み紙おむつの処理装置では、パルプ、高分子ポリマー、プラスチックに分離・解体する場合、プラスチックをドラム内に残したまま、汚物と高分子ポリマーとパルプを処理液中に散在させて、この処理液を濾過することによりパルプと高分子ポリマーを残して、汚物を含んだ処理液を下水処理施設側へ排出している。しかし、汚物を含んだ消毒後の処理液中には、多くのパルプが残存している。
使用済み紙おむつを分離・解体した後の処理液中に残存している多くのパルプを回収するパルプ回収装置が特許文献4に提案されている。このパルプ回収装置は、裁断または破砕した使用済み紙おむつを反応槽、溶解分離機を用いてビニールとそれ以外の原液(パルプ溶解液)に分離する。次にパルプ溶解液中からポリマー除去装置を用いてポリマーを除去し、ポリマーを除去したパルプ溶解液中から異物除去装置によって異物を除去する。異物が除去されたパルプ溶解液をパルプ洗浄槽を用いて洗浄し、洗浄されたパルプ溶解液を成型乾燥機により脱水して成型乾燥してパルプを回収している。
特許第3895081号公報 特許第3597492号公報 特許第3569260号公報 特開2013-132600号公報
しかしながら、上記パルプ回収装置では、使用済み紙おむつに含まれるビニールと分離されたパルプ溶解液からパルプを回収するために、ポリマー除去装置、異物除去装置、パルプ洗浄槽、成型乾燥機を用いてそれぞれ処理する必要がある。このため、使用済み紙おむつからパルプを回収するための設備が大掛かりとなり、パルプを回収するのに手間がかかる。
また、パルプを回収するための設備が大掛かりとなるため、パルプを回収するためのコストも高くなる。
そこで、本発明は、使用済み衛生用品を複数種の素材に分解水により分解した状態の排水内から、排水内に含まれるパルプを簡単な設備によって回収することができて、パルプを回収するためのコストの低減を図ることができるパルプ回収装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、使用済み衛生用品を複数種の素材に分解水により分解した状態の排水内からパルプを回収するパルプ回収装置であって、筐体と、前記筐体内に回転状態で配置され、一側から導入された前記排水から水分とパルプとに分離するとともに他側に向けて前記パルプが移動し他側から水分と分離されたパルプが回収されるドラムスクリーンと、前記ドラムスクリーンを回動駆動する駆動機構と、前記ドラムスクリーン内で排水から水分と分離されつつ他側へ移動し水分と分離したパルプにすすぎ液を噴射するすすぎ液噴射部と、前記ドラムスクリーン内で排水から水分と分離されるパルプにすすぎ液を噴射するすすぎ液噴射部と、前記筐体内で前記ドラムスクリーンの下部側に設けられて前記パルプと分離された水分と前記すすぎ液を受ける受水槽と、を備え、前記ドラムスクリーンは、円筒状で外周に複数のスリットが形成され回転自在とされた筒状本体と、この筒状本体の軸方向の一側に設けられ前記排水が導入される導入口側端面と、前記筒状本体の軸方向の他側に設けられ前記パルプが回収される回収口側端面と、からなり、前記筒状本体は、リング状の複数個のウエッジワイヤと、これらのウエッジワイヤを多段に固定して筒状に形成するサポートロッドとで形成され、前記ウエッジワイヤ間に前記スリットが形成され、前記筒状本体は、前記導入口側端面より前記回収口側端面が下方に位置するように、水平に対して傾斜して配置されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様では、前記受水槽は、前記ドラムスクリーンの下部に開口する幅広の上部側受け口と、設置面側に設けられた貯留槽と、前記貯留槽の底部の後板部側に設けられた排水口と、で形成され、前記排水から分離された分解水と、前記すすぎ液噴射部から噴射されたすすぎ液とが前記後板部側であってパルプを回収するパルプ回収口側の排水口に貯まることを特徴とする。
本発明によれば、回動駆動するドラムスクリーン内で排水中のパルプが水分と分離されつつ、一側から他側に向けて移動するため、使用済み衛生用品を複数種の素材に分解水により分解した状態の排水内から、排水内に含まれるパルプを簡単な設備によって回収することができて、パルプを回収するためのコストの低減を図ることができる。
本発明の実施の形態に係るパルプ回収装置を示す内部を透過した正面図。 本発明の実施の形態に係るパルプ回収装置にパルプを含む排水が排出される使用済み紙おむつの分離機を示す概略構成図。 本発明の実施の形態に係るパルプ回収装置を示し、図1の左側面図。 本発明の実施の形態に係るパルプ回収装置を示し、図1の右側面図。 本発明の実施の形態に係るパルプ回収装置を示し、図1の平面図。 本発明の実施の形態に係るパルプ回収装置のドラムスクリーンの一部を拡大した断面図。
以下、本発明に係るパルプ回収装置の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるパルプ回収装置は、使用済み衛生用品としての使用済み紙おむつを、分離機内で、水と分解水により複数種の素材に分解し、水と分解水を排出する際の排水内から、この排水内に含まれるパルプを回収する。
また、本実施の形態のパルプ回収装置によって回収されるパルプを含む使用済み紙おむつは、表面材、漏れ防止の立体ギャザー、吸水材、防水材、その他によって構成されている。表面材は、ポリエステルやポリプロピレンの不織布などが使用されている。漏れ防止の立体ギャザーは不織布と伸縮性素材が使用されている。吸水材は、吸水紙、綿状パルプ、高分子吸収材などの組み合わせで構成されている。防水材は、紙おむつの外側を覆う防水シートで合成繊維等からなる不織布が使用されている。
その他に、紙おむつを止める粘着テープ、止着材等が使用されている。本実施の形態において、素材とは、紙おむつの高分子吸収体、表面材、立体ギャザー等に用いられているプラスチック、吸水紙等に用いられているパルプ、粘着テープやゴム等のその他を意味する。
また、本実施の形態において、分離機内で水とともに使用済み紙おむつを分解する分解水は、分解剤としての石灰と、消毒剤としての次亜塩素酸と、水とを混合したものであり、処理する使用済み紙おむつの種類、処理する使用済み紙おむつの量によって、石灰、次亜塩素酸、水の配合量が設定されている。また、必要に応じて、洗浄剤や漂白剤等を加えても良い。
なお、分解水として石灰と水とを混合したものを用い、消毒剤としての次亜塩素酸は、
石灰と水とを混合した分解水とは別に処理装置に供給しても良い。本実施の形態では、分解剤としての石灰と、水と、消毒剤としての次亜塩素酸とを混合したものを分解水としている。
以下に、本実施の形態のパルプ回収装置、このパルプ回収装置によって回収されるパルプを使用済み紙おむつから分解する分離機について、図面を用いて説明する。初めに使用済み紙おむつを水と分解水により、紙おむつを構成する複数種の素材に分解する分離機について説明する。パルプ回収装置は、この分離機によって分解されて排水内に含まれるパルプを回収する。
〔分離機〕
図2に示すように、分離機1は、筐体2と、外胴分離槽3と、内胴分離槽4と、分解水供給部5とで構成されている。外胴分離槽3は筐体2に固定されている。内胴分離槽4は、外胴分離槽3内に回転自在に配置されている。分解水供給部5は、内胴分離槽4内の使用済み紙おむつ6に分解水7を供給する。
筐体2は、箱形形状で、前面側には円形の投入・取出口8が設けられている。この投入・取出口8からは、使用済み紙おむつ6が内胴分離槽4内に投入され、使用済み紙おむつ6を分解処理(解体)した後には、内胴分離槽4内に残った固形物が取り出される。投入・取出口8には、円形状の投入・取出扉9が回動自在に設けられている。この筐体2の内部に外胴分離槽3が固定されている。
外胴分離槽3は、円筒形状で、一方の端面に筐体2の投入・取出口8に連通する開口部10が形成され、他方の端面は閉塞されている。このため、投入・取出扉9が投入・取出口8を閉塞している状態では、外胴分離槽3は内部が密封されている。この外胴分離槽3内に内胴分離槽4が回転自在に配置されている。
内胴分離槽4は、外胴分離槽3の内径より小さい内径の円筒形状で、外周面(側面)全体に小径の穴が、パンチング等によって形成されている。内胴分離槽4の一方の端面側が筐体2の前面側に位置し、他方の端面が筐体2の後面側に位置している。一方の端面側には、筐体2の投入・取出口8とを連通する開口部11が形成されている。他方の端面からは、回転駆動軸12が突出している。この回転駆動軸12には、図しない駆動モータからの回転駆動力が伝達され、内胴分離槽4が回転駆動する。この内胴分離槽4内には、使用済み紙おむつ6が投入されるとともに、分解水供給部5により分解水が供給される。
分解水供給部5は、分解剤タンク13と、洗剤タンク14と、分解水供給口15と、供給ポンプ16と、管路17、18とで構成されている。分解剤タンク13には、所定の割合に配合された分解剤と水と消毒剤とを混合した分解水7が貯留されている。供給ポンプ16は、分解剤と水と消毒剤とが混合された分解水7を内胴分離槽4内に供給する分解水供給口15に送る。
そして、分解水7が使用済み紙おむつ6の上部から降り注がれる状態で内胴分離槽4が回転駆動されることにより、供給された分解水7によって、使用済み紙おむつ6は、構成する複数種の素材と、使用済み紙おむつ6に吸収されている汚物(汚水)とが分離される。この場合、分解水が使用済み紙おむつ6に満遍なく浸漬(浸透)し、使用済み紙おむつ6が複数種の素材と汚物(汚水)とに分離される。
分解水7に溶けることのない固形物(分解水に溶けなかったパルプ、プラスチック)は内胴分離槽4内に残り、分解水に溶けたパルプや汚物(汚水)は、排出部19に排出される。排出部19は、外胴分離槽3内の分解水が排出される排水受け槽20と、排水を濾過して一旦貯留する排水ピット21と、排水ピット21内から排水をパルプ回収装置23に送るポンプ22とで形成されている。排水ピット21からパルプ回収装置23に送られる排水内には、パルプが溶解して含まれており、パルプ回収装置23によって排水内のパルプが回収される。
図1、図3、図4,図5に示すように、本実施の形態のパルプ回収装置23は、使用済み紙おむつ6を複数種の素材に分解水により分解した状態の排水内からパルプ24を回収する。パルプ回収装置23は、筐体25と、筐体25内に回転状態で配置され、一側から導入された排水を水分とパルプ24とに分離するとともに他側に向けてパルプ24が移動し他側から水分と分離されたパルプ24が回収されるドラムスクリーン26と、ドラムスクリーン26を回動駆動する駆動機構27と、ドラムスクリーン26内で排水中の水分と分離されるパルプ24にすすぎ液28を噴射するすすぎ液噴射部29と、筐体25内でドラムスクリーン26の下部側に設けられて排水から分離された水分とすすぎ液28を受ける受水槽30と、を備えている。
筐体25は、前板部31と、後板部32と、上板部33と、一対の側板部34、34とで形成されている。前板部31は、ドラムスクリーン26の一側35に対向している。後板部32は、ドラムスクリーン26の他側36に対向している。上板部33は、ドラムスクリーン26の上部を覆っている。一対の側板部34、34は、ドラムスクリーン26の両側部を覆うように対向配置されている。また、前板部31と後板部32は、他側36すなわちパルプ24が回収される側に、設置面37に対して傾斜している。
さらに、前板部31と後板部32の下部側には、設置面37に固定される固定部38、
38が設けられている。また、前板部31には排水をドラムスクリーン26の一側35に導入する排水導入口39が設けられている。また、後板部32には水分と分離されたパルプ24がドラムスクリーン26の他側36から回収されるパルプ回収口40が設けられている。
ドラムスクリーン26は、筒状本体42と、導入口側端面43と、回収口側端面44とで形成されている。筒状本体42は、円筒状で外周に複数のスリット41が形成され、回転自在とされている。導入口側端面43は、筒状本体42の軸方向の一側に設けられ、排水が筒状本体42内に導入される。回収口側端面44は、筒状本体42の軸方向の他側に設けられ、パルプ24が回収される。また、筒状本体42は、導入口側端面43より回収口側端面44が下方に位置するように傾斜して設けられている。
筒状本体42は、図6に示すように、リング状の複数個のウエッジワイヤ45を、複数本のサポートロッド46で多段に固定して筒状に形成されている。ウエッジワイヤ45間には、それぞれスリット41が形成されている。また、筒状本体42には、軸方向の両端側に回転用リング47、47がそれぞれ設けられている。これらの回転用リング47、47には、駆動機構27のローラ51が挿入される溝48が周方向の全域に設けられている。
筒状本体42の一側には、排水導入管49が設けられている。この排水導入管49は、
筒状本体42の導入口側端面43を貫通して、筒状本体42内に突出している。筒状本体42内に突出している排水導入管49は、筒状本体42の傾斜と同角度に、すなわち、先端側が下方に位置するように傾斜している。また、排水導入管49の先端側は、下向きに開口している。そして、筒状本体42内に、排水ピット21から送られた排水が、排水導入管49によって導入される。排水が排水導入管49により導入された筒状本体42は、駆動機構27によって回転しており、排水が水分とパルプに分離される。すなわち、筒状本体42のスリット41から水分が排出され、筒状本体42には、スリット41を通り抜けることができなかったパルプ24が残る。
駆動機構27は、一対の駆動シャフト50、50と、ローラ51、51と、モータ52と、駆動伝達部53とで形成されている。一対の駆動シャフト50、50は、ドラムスクリーン26の軸方向に沿ってドラムスクリーン26の下部側で前板部31と後板部32間に平行に配置されている。また、一対の駆動シャフト50、50は、両端部が前板部31と後板部32にそれぞれ回転可能に支持されている。ローラ51、51は、一対の駆動シャフト50、50の前板部31側と後板部32側にそれぞれ固定されて筒状本体42の外周に当接し、ドラムスクリーン26を支持している。モータ52は、前板部31の外側に配置され前板部31に固定され、一方の駆動シャフト50を回転駆動する。駆動伝達部53は、一方の駆動シャフト50に伝達されたモータ52の回転駆動力を他方の駆動シャフト50に伝達する。なお、モータ52は、ギヤボックスがモータ本体と一体に設けられており、モータ本体の駆動軸に対してギヤボックスからの出力軸は直交している。
駆動伝達部53は、一対の駆動シャフト50、50の前板部31を貫通した先端部にそれぞれ固定されたスプロケット54、54と、スプロケット54、54間に巻き掛けられて、一方の駆動シャフト50に伝達されたモータ52の回転駆動力をスプロケット54、54を介して他方の駆動シャフト50に伝達するローラチェーン56と、で形成されている。
そして、駆動機構27の回転駆動力によって回転しているドラムスクリーン26内に、
排水導入管49から排水が導入されると筒状本体42のスリット41から水分が排出され、筒状本体42内に固形物としてパルプ(スリット41を通り抜けることがなかったパルプ)24が残る。この場合、ドラムスクリーン26は、回収口側端面44側に傾斜しているので、筒状本体42内に残ったパルプ24は、次第にパルプ回収口40側へ移動する。パルプ回収口40側へ移動するパルプ24には、すすぎ液噴射部29によって上部からすすぎ液28が噴射される。
すすぎ液噴射部29は、すすぎ液供給管57と、すすぎ液供給管57に設けられた複数個の噴射ノズル58とからなる。すすぎ液供給管57は、図4及び図5に示すように、筒状本体42の上部の両側部に、筒状本体42の軸方向に沿ってそれぞれ配置されている。これらのすすぎ液供給管57に、所定の間隔を空けて複数個の噴射ノズル58が設けられている。これらの噴射ノズル58は、筒状本体42内のパルプ24に向けてすすぎ液28を扇状に拡散して噴射する。噴射ノズル58から噴射されるすすぎ液28は、水に限らず、消毒水としても良い。
そして、ドラムスクリーン26内で水分と分離されつつパルプ回収口40側へ移動するパルプ24には、すすぎ液噴射部29の噴射ノズル58からすすぎ液28が噴射され、すすぎ洗いが行われる。この場合、すすぎ液28はパルプ24をすすぎ洗いした後に、スリット41から受水槽30内に分解水とともに排出される。
受水槽30は、ドラムスクリーン26の下部に配置されている。この受水槽30はドラムスクリーン26の下部に開口する幅広の上部側受け口59と、設置面37側に設けられた貯留槽60と、貯留槽60の底部の後板部32側に設けられた排水口61とで形成されている。この受水槽30も、ドラムスクリーン26と同角度(略5度)に傾斜しており、排水から分離された分解水とすすぎ液噴射部29から噴射されたすすぎ液28とが、後板部32側、すなわちパルプ回収口40側の排水口61側に貯まるようになっている。
次に、使用済み紙おむつ6からパルプを回収する回収手順について説明する。パルプ回収装置23に導入される排水は、分離機1によって使用済み紙おむつ6を分解することで生成される。分離機1によって使用済み紙おむつ6を分解するには、内胴分離槽4内に使用済み紙おむつ6を投入し、内胴分離槽4を所定の回転数で回転させ、この状態で供給ポンプ16により分解水を分解水供給口15から内胴分離槽4内に供給する。これとともに、洗剤を内胴分離槽4内に供給する。
内胴分離槽4を回転させながら分解水を内胴分離槽4内に供給すると、分解水が使用済み紙おむつ6に染みこんでいく。これにより使用済み紙おむつ6がパルプ、プラスチック、その他に分離される。これとともに、分解水中の水と石灰により高分子ポリマーが分解され、高分子ポリマーに吸収されている尿等の汚物(汚水)が水分となって内胴分離槽4内に出てくる。
したがって、使用済み紙おむつ6は、分解水中に溶け込んだパルプ、尿等の汚物(水分)、プラスチック、その他に分離される。パルプや汚物(汚水)を含んだ分解水は排出部19の排水ピット21に排出され、一旦貯留される。分解水に溶け込まなかったパルプ、プラスチック、その他の素材は、内胴分離槽4内に固形物として残る。なお、分解水に溶け込まなかったパルプ、プラスチック、その他の素材は内胴分離槽4内から取り出されて、パルプとプラスチックに選別されてそれぞれ回収され、再利用される。
そして、分離機1から排水ピット21に排出されたパルプを含む分解水(以下「排水」
という)がパルプ回収装置23にポンプ22によって送られる。パルプ回収装置23は、
モータ52の回転駆動力でドラムスクリーン26が所定の回転速度で回転している。この状態のパルプ回収装置23に、排水導入管49から排水がドラムスクリーン26内に導入される。排水がドラムスクリーン26に導入されると、ドラムスクリーン26の回転によって、水分がスリット41から受水槽30に落下し、ドラムスクリーン26内に水分と分離されたパルプ24が残る。
ドラムスクリーン26内に残ったパルプ24は、ドラムスクリーン26が傾斜した状態で回転しているので、自重によりパルプ回収口40側へ移動する。パルプ回収口40側へ移動したパルプ24には、噴射ノズル58からすすぎ液28が吹き付けられる。パルプ24吹き付けられたすすぎ液28は、パルプをすすいで洗浄した後に受水槽30に落下する。すすぎ液28によってすすぎ洗いされながらパルプ24は、パルプ回収口40側へさらに移動し、最終的にパルプ回収口40から取り出され、回収される。この場合、回収されるパルプ24は、排水から連続して水分と分離され、すすぎ洗いされ、脱水された状態で回転するドラムスクリーン26によって簀巻き状となって回収される。
受水槽30内に集められた分解水、すすぎ液28は、ある程度の量が貯留されたら、排水口61から外部へ排出する。この場合、排水口61から排出される分解水、すすぎ液28は水処理を行った後に下水に放出される。
以上説明したように、本実施の形態のパルプ回収装置23では、排水内に含まれるパルプを、ドラムスクリーン26によって回収することができるので、簡単な設備によってパルプ24を回収することができる。これにより、パルプ24を回収するためのコストの低減を図ることができる。
また、本実施の形態のパルプ回収装置23では、ドラムスクリーン26を傾斜させることにより、ドラムスクリーン26内で水分と分離されたパルプ24が自重によってパルプ回収口40側へ移動するので、水分と分離したパルプをパルプ回収口40側へ移動させるための手段が不要となり、その分簡単な設備となる。
また、本実施の形態のパルプ回収装置23では、排水を水分とパルプ24に分離するとともに、水分と分離したパルプ24をすすぎ液噴射部29によってすすぎ液を噴射してすすぎ洗いするので、洗浄後のきれいな(上質の)パルプ24を得ることができる。
また、本実施の形態のパルプ回収装置23では、ドラムスクリーン26の上部に、2列のすすぎ液供給管57が配置され、これらのすすぎ液供給管57に直列的に複数の噴射ノズル58が配置されている。これにより、噴射ノズル58から出た水は扇状に拡散し、筒状本体42のスリット41から筒状本体42内に入ったすすぎ液がパルプ24に降りかかり、すすぎ効果を得ることができる。なお、すすぎ液は清水に限らず、消毒水でもよい。
上述の通り、本発明の実施の形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
本発明に係る使用済み衛生用品の処理装置は、使用済みの紙おむつの処理以外に、高分子ポリマーによって尿等の汚物を吸収させる衛生用品、例えば生理用ナプキンや、尿漏れパッド等を処理する際にも利用可能である。
23 パルプ回収装置
24 パルプ
25 筐体
26 ドラムスクリーン
27 駆動機構
28 すすぎ液
29 すすぎ液噴射部

Claims (2)

  1. 使用済み衛生用品(6)を複数種の素材に分解水により分解した状態の排水内からパルプ(24)を回収するパルプ回収装置(23)であって、
    筐体(25)と、
    前記筐体(25)内に回転状態で配置され、一側から導入された前記排水から水分とパルプ(24)とに分離するとともに他側に向けて前記パルプ(24)が移動し他側から水分と分離されたパルプ(24)が回収されるドラムスクリーン(26)と、
    前記ドラムスクリーン(26)を回動駆動する駆動機構(27)と、
    前記ドラムスクリーン(26)内で排水から水分と分離されつつ他側へ移動し水分と分離したパルプ(24)にすすぎ液(28)を噴射するすすぎ液噴射部(29)と、
    前記筐体(25)内で前記ドラムスクリーン(26)の下部側に設けられて前記パルプと分離された水分と前記すすぎ液(28)を受ける受水槽(30)と、を備え、
    前記ドラムスクリーン(26)は、円筒状で外周に複数のスリット(41)が形成され回転自在とされた筒状本体(42)と、この筒状本体(42)の軸方向の一側に設けられ前記排水が導入される導入口側端面(43)と、前記筒状本体(42)の軸方向の他側に設けられ前記パルプ(24)が回収される回収口側端面(44)と、からなり、
    前記筒状本体(42)は、リング状の複数個のウエッジワイヤ(45)と、これらのウエッジワイヤ(45)を多段に固定して筒状に形成するサポートロッド(46)とで形成され、前記ウエッジワイヤ(45)間に前記スリット(41)が形成され、
    前記筒状本体(42)は、前記導入口側端面(43)より前記回収口側端面(44)が下方に位置するように、水平に対して傾斜して配置されていることを特徴とするパルプ回収装置(23)。
  2. 前記受水槽(30)は、前記ドラムスクリーン(26)の下部に開口する幅広の上部側受け口(59)と、設置面(37)側に設けられた貯留槽(60)と、前記貯留槽(60)の底部の後板部(32)側に設けられた排水口(61)と、で形成され、前記排水から分離された分解水と、前記すすぎ液噴射部(29)から噴射されたすすぎ液(28)とが前記後板部(32)側であってパルプを回収するパルプ回収口(40)側の排水口(61)に貯まることを特徴とする請求項1に記載のパルプ回収装置。
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