JP7020047B2 - スピーカ用キャビネット、およびスピーカシステム - Google Patents
スピーカ用キャビネット、およびスピーカシステム Download PDFInfo
- Publication number
- JP7020047B2 JP7020047B2 JP2017198531A JP2017198531A JP7020047B2 JP 7020047 B2 JP7020047 B2 JP 7020047B2 JP 2017198531 A JP2017198531 A JP 2017198531A JP 2017198531 A JP2017198531 A JP 2017198531A JP 7020047 B2 JP7020047 B2 JP 7020047B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cabinet
- frequency
- resonance
- standing wave
- wall
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Details Of Audible-Bandwidth Transducers (AREA)
- Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
Description
図1は、本発明の一実施形態のスピーカシステム1の外観を表す斜視図である。スピーカシステム1は、図示を省略した音源から供給される音信号により駆動されるスピーカユニット20と、スピーカユニット20を収納するキャビネット10と、を備える。キャビネット10は中空立方体であり、6つの壁を有する。壁によって外部とキャビネット内部空間とが仕切られる。以下では、図1のX方向において対向する2つの壁を右側壁100Rおよび左側壁100と呼び、X方向と直交するY方向において対向する2つの壁を正面壁100Fおよび背面壁100Bと呼び、X方向およびY方向の両方と直交するZ方向において対向する2つの壁を天面壁100Tおよび底面壁100Sと呼ぶ。図1では、キャビネット10の6つの壁のうち、右側壁100R、正面壁100Fおよび天面壁100Tのみが図示されている。キャビネット10の正面壁100Fには、スピーカユニット20が嵌め込まれる取付孔が設けられており、この取付孔にスピーカユニット20を嵌め込むことでスピーカシステム1が形成される。
M/D2は壁100の内側壁110における単位面積当たりの貫通孔150の数であり、n=M/D2とすると、図6に示すヘルムホルツ共鳴器500Bの共鳴周波数f0は以下の数(4)で表される。なお、式(4)におけるPは貫通孔150の設けられた面の開口率であり、貫通孔150の開口断面積sと、壁100の内側壁110における単位面積当たりの貫通孔150の数nとを用いてP=s×nと表される。
以上の実施態様は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は相矛盾しない限り適宜に併合され得る。
上記実施形態では、一次元モードの定在波のうち次数の最も低い定在波、すなわち、m=1の定在波を抑制する場合について説明したが、m≧2の定在波、すなわち高次の定在波についても式(4)にしたがって算出される共鳴周波数f0が当該m次の定在波の周波数fmの近傍の値となるように貫通孔150の開口断面積sと単位面積当たりの数nの少なくとも一方を調整することで抑制可能である。
上記実施形態のキャビネット10は、6つの壁100の一部または全部が二重壁構造の中空立方体であったが、6つの壁100の一部または全部が二重壁構造の中空直方体であるキャビネット10Aにスピーカユニット20を収納したスピーカシステム1A(図9参照)に本発明を適用しても良い。図9は、本変形例のスピーカシステム1Aの外観を示す斜視図である。キャビネット10Aは、キャビネット内部空間におけるX方向の長さがDx、Y方向の長さがDy(Dy≠Dx)、Z方向の長さがDz(Dz≠DxかDz≠Dy)の中空直方体である。
図9のスピーカシステム1Aにおけるキャビネット10Aの壁100の一部または全部に形成する共鳴気室の共鳴周波数f0を、以下の式(5)にしたがって算出される周波数fの近傍の値となるように、貫通孔150の開口断面積sを調整しておくことで二次元モード以上の高次元モードの定在波の発生を抑制することも可能である。なお、式(5)におけるmx、myおよびmzは何れも0以上の任意の整数であり、上記高次元モードの定在波のX方向、Y方向およびZ方向の節の数を表す。前述した一次元モードの定在波とは、mx、myおよびmzのうちの何れか2つが0で、残りの1つが0以外の値の定在波であり、高次元モードの定在波とはmx、myおよびmzのうちの何れか1つが0である定在波、またはmx、myおよびmzの何れも0でない定在波のことを言う。
上記実施形態では、壁100に設けられる気室140の数と貫通孔150の数が同じであった。しかし、内側壁110を2つの領域に分け、一方の領域にのみ気室140に対応する貫通孔150を設ける等、壁100における貫通孔150の数が気室140の数よりも少なくても良い。この場合、壁100に設けられる気室140に設けられた気室140は、貫通孔150を有さない気室140と貫通孔140を有する気室140とに大別され、貫通孔150を有する気室140のみが共鳴気室として機能する。
また、貫通孔150を有する気室140、すなわち共鳴気室は、キャビネット10の6つの壁100の内側面のどこにあってもよいが、音圧が高い箇所に設けることが好ましい。例えば、壁100の内側面の角(コーナー)部分のみに貫通孔150を有する気室14を設けても良い。
上記実施形態では、スピーカユニットと当該スピーカユニットを収納するキャビネットとからなるスピーカシステムへの本発明の適用例を説明したが上記実施形態におけるキャビネット10或いは変形例2におけるキャビネット10Aを単体で製造・販売しても良い。要は、外部とキャビネット内部空間とを仕切る壁の一部または全部に設けられた二重壁構造と、二重壁構造のキャビネット内部空間に接する面に設けられ、キャビネット内部空間と二重壁構造の内部空間とを連通する一または複数の貫通孔と、二重壁構造と一または複数の貫通孔とを有し、共鳴周波数が前記キャビネット内部空間に発生する定在波の周波数の近傍となる共鳴気室と、を備えるスピーカ用キャビネット、を提供する態様であっても良い。
上記実施形態では、二重壁構造の内部空間は仕切り130によって複数の気室140に分割されたが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つの内部空間を有する二重壁構造であってもよい。この場合、二重壁構造にはスピーカユニットを収納する空間と連通する貫通孔150が設けられ、共鳴気室として機能する。
また、上述した実施形態では、一つの共鳴気室に貫通孔150を一つ設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、一つの共鳴気室に2以上の貫通孔150を設けても良い。
上述した各実施形態及び各変形例の少なくとも1つから以下の態様が把握される。
スピーカ用キャビネットは、外部とキャビネット内部空間とを仕切る壁の一部または全部に設けられた二重壁構造と、前記二重壁構造の前記キャビネット内部空間に接する面に設けられ、前記キャビネット内部空間と前記二重壁構造の内部空間とを連通する一または複数の貫通孔と、前記二重壁構造と前記一または複数の貫通孔とを有し、共鳴周波数が前記キャビネット内部空間に発生する定在波の周波数の近傍となる共鳴気室と、を備える。
この態様によれば、上記二重壁構造によりスピーカ用キャビネットの剛性を高めることができ、かつキャビネット内部空間での定在波の発生を上記共鳴気室の共鳴により抑制することができる。
この態様によれば、共鳴気室が設けられた壁と当該壁に対向する壁との間に定在波が発生することを抑制できる。
この態様によれば、共鳴気室が設けられた壁と当該壁に対向する壁との間における一次元モードの定在波の発生と高次元モードの定在波の発生の両方を抑制できる。
この態様によれば、一次元モードの定在波と高次元モードの定在波とを、各々の大きさに応じて別箇に抑制することができる。
この態様によれば、立方体形状或いは直方体形状のキャビネットにおける内部空間側の壁面の全てを、定在波の抑制に寄与させることができる。
この態様によれば、第一、第二および第三の各方向毎に定在波の発生を別箇に抑制することができる。
この態様によれば、スピーカシステムにおけるスピーカ用キャビネットの剛性を高めつつ、キャビネット内部空間での定在波の発生を抑制することができる。
Claims (7)
- 外部とキャビネット内部空間とを仕切る壁の一部または全部に設けられた二重壁構造と、
前記二重壁構造の前記キャビネット内部空間に接する面に設けられ、前記キャビネット内部空間と前記二重壁構造の内部空間とを連通する一または複数の貫通孔と、
前記二重壁構造と前記一または複数の貫通孔とを有し、共鳴周波数が前記キャビネット内部空間に発生する定在波の周波数の近傍となる共鳴気室と、
を備え、
前記共鳴周波数は、前記キャビネット内部空間で発生する定在波のうち一次元モードの定在波の周波数の近傍の周波数と二次元以上の高次元モードの定在波の周波数の近傍の周波数とを含むことを特徴とする、
スピーカ用キャビネット。 - 前記二重壁構造は、仕切りによって分割された複数の気室を備え、
前記複数の気室の一部または全部に前記貫通孔が設けられて複数の共鳴気室が形成され、
前記複数の共鳴気室は、それぞれ異なる周波数に対応する請求項1に記載のスピーカ用キャビネット。 - 外部とキャビネット内部空間とを仕切る壁の一部または全部に設けられた二重壁構造と、
前記二重壁構造の前記キャビネット内部空間に接する面に設けられ、前記キャビネット内部空間と前記二重壁構造の内部空間とを連通する一または複数の貫通孔と、
前記二重壁構造と前記一または複数の貫通孔とを有し、共鳴周波数が前記キャビネット内部空間に発生する定在波の周波数の近傍となる共鳴気室と、
を備え、
前記共鳴周波数は、前記共鳴気室が設けられた壁と当該壁に対向する壁との間で発生する定在波の周波数の近傍となり、
前記共鳴気室の共鳴周波数は、前記共鳴気室が設けられた壁と当該壁に対向する壁との間で発生する定在波のうち一次元モードの定在波の周波数の近傍の周波数と二次元以上の高次元モードの定在波の周波数の近傍の周波数とを含むことを特徴とする、
スピーカ用キャビネット。 - 前記二重壁構造は、仕切りによって分割された複数の気室を備え、
前記複数の気室の一部または全部に前記貫通孔が設けられて複数の共鳴気室が形成され、
前記複数の共鳴気室の共鳴周波数は、前記一次元モードの定在波の周波数と前記高次元モードの定在波の周波数とに少なくとも対応しており、
前記一次元モードの定在波に対応する共鳴気室の数および前記高次元モードの定在波に対応する共鳴気室の数は、前記一次元モードの定在波の振幅と前記高次元モードの定在波の振幅とに応じた数であることを特徴とする請求項3に記載のスピーカ用キャビネット。 - 6つの壁を有し、前記6つの壁の全てに前記二重壁構造が設けられていることを特徴と
する請求項1乃至4の何れか1項に記載のスピーカ用キャビネット。 - 前記6つの壁のうち第一面と第二面は第一の方向に対向し、第三面と第四面は前記第1
の方向と直交する第二の方向に対向し、第五面と第六面は前記第一および第二の方向の両
方に直交する第三の方向に対向し、
前記第一面と前記第二面の各々における前記共鳴気室の共鳴周波数は、前記第一の方向
の定在波の周波数の近傍となり、
前記第三面と第四面の各々における前記共鳴気室の共鳴周波数は、前記第二の方向の定
在波の周波数の近傍となり、
前記第五面と前記第六面の各々における共鳴気室の共鳴周波数は、前記第三の方向の定
在波の周波数の近傍となることを特徴とする請求項5に記載のスピーカ用キャビネット。 - スピーカユニットと、
請求項1乃至6の何れか1項に記載のスピーカ用キャビネットと、
を有するスピーカシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017198531A JP7020047B2 (ja) | 2017-10-12 | 2017-10-12 | スピーカ用キャビネット、およびスピーカシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017198531A JP7020047B2 (ja) | 2017-10-12 | 2017-10-12 | スピーカ用キャビネット、およびスピーカシステム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019075612A JP2019075612A (ja) | 2019-05-16 |
JP7020047B2 true JP7020047B2 (ja) | 2022-02-16 |
Family
ID=66545222
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017198531A Active JP7020047B2 (ja) | 2017-10-12 | 2017-10-12 | スピーカ用キャビネット、およびスピーカシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7020047B2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000125387A (ja) | 1998-10-14 | 2000-04-28 | Pioneer Electronic Corp | スピーカ装置 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5580988U (ja) * | 1978-11-28 | 1980-06-04 | ||
JPS57155893A (en) * | 1981-03-20 | 1982-09-27 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Speaker system |
JPS5896385U (ja) * | 1981-12-21 | 1983-06-30 | パイオニア株式会社 | スピ−カキヤビネツト |
-
2017
- 2017-10-12 JP JP2017198531A patent/JP7020047B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000125387A (ja) | 1998-10-14 | 2000-04-28 | Pioneer Electronic Corp | スピーカ装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019075612A (ja) | 2019-05-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5471019A (en) | Multiple chamber loudspeaker system | |
KR101819733B1 (ko) | 스피커 모듈 | |
US6496586B1 (en) | Thin Loudspeaker | |
US9378721B2 (en) | Low frequency acoustic attenuator and process for making same | |
US20130142373A1 (en) | Array speaker system | |
JP2009198902A (ja) | 吸音構造、吸音構造群、音響室、吸音構造の調整方法及び騒音低減方法 | |
US2917127A (en) | Acoustic enclosure for loudspeakers | |
US20190035377A1 (en) | Low thickness perforated mille-feuille acoustic resonator for absorbing or radiating very low acoustic frequencies | |
US9602928B2 (en) | Speaker system having a sound collection unit for combining sound waves | |
CN108781315B (zh) | 具有不同模块壳体几何形状和相似声学特性的扬声器模块 | |
JP7020047B2 (ja) | スピーカ用キャビネット、およびスピーカシステム | |
US9014408B2 (en) | Subwoofer structure and adjusting method | |
EP2568718B1 (en) | Audio apparatus | |
JP5611068B2 (ja) | スピーカ用エンクロージャおよびスピーカシステム | |
US4933982A (en) | Bass reflex type speaker system duct having multiple sound paths | |
US20170289700A1 (en) | Loudspeaker arrangement | |
CN104782144B (zh) | 双膜片动态麦克风换能器 | |
EP1201102B1 (en) | Loudspeaker | |
US4027115A (en) | Electroacoustic sound generator | |
JP7459325B2 (ja) | スピーカシステム | |
WO2020054692A1 (ja) | スピーカキャビネット、および板材 | |
JP2008067375A (ja) | 音響伝送路型スピーカーシステム | |
US20170325018A1 (en) | Acoustic baffle | |
JP2009204836A (ja) | 吸音構造、吸音構造群、音響室、吸音構造の調整方法及び騒音低減方法 | |
US6108429A (en) | Speaker adapted for use as a center woofer in 3-dimensional sound system |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180320 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20180320 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200821 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210616 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210629 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210820 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220104 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220117 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7020047 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |