JP7018482B1 - ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、ホップに由来する苦味は若者のビール離れの原因の一つといわれており、ホップの使用量を制限するビールテイスト飲料が求められている。他方、ホップに由来する苦味を抑制するためにホップの使用量を一定量以下に制限すると、ホップ特有の苦味がなくなるため風味のシマリ感がなくなり、甘みを感じやすくなり、もったりした風味の飲料となってしまう(特開2017-6077号公報(特許文献1))。
[1]
イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、およびプリン体の含有量が5.0mg/100mL以下であり、カラメル色素を含有する、ビールテイスト飲料。
[2]
プリン体の含有量が2.0mg/100mL以下である、上記[1]に記載のビールテイスト飲料。
[3]
プリン体の含有量が0.5mg/100mL以下である、上記[1]又は[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]
カラメル色素を1300mg/L以下で含有する、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[5]
苦味価が5.0BU以下である、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[6]
オリジナルエキスが、5.0~20.0(w/w)%である、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[7]
発酵ビールテイスト飲料である、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[8]
総ポリフェノール量が10~160質量ppmである、上記[1]~[7]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[9]
麦芽比率が15~100質量%である、上記[1]~[8]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[10]
上記[1]~[9]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料を製造する方法であって、
水および麦芽を含む原料に、酵母を添加して、アルコール発酵を行う工程を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。
[11]
ホップを配合する工程を有しない、上記[10]に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
本発明のビールテイスト飲料は、イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、および、プリン体の含有量が5.0mg/100mL以下であり、カラメル色素を含有する、ビールテイスト飲料である。
本発明のビールテイスト飲料は、原料として麦芽を用いた麦芽使用ビールテイスト飲料であってもよく、麦芽を用いない麦芽不使用ビールテイスト飲料であってもよいが、麦芽使用ビールテイスト飲料が好ましく、大麦麦芽使用ビールテイスト飲料がより好ましい。
本発明のビールテイスト飲料は、発酵工程を経て得られた発酵ビールテイスト飲料であってもよく、発酵工程を経ずに得られた非発酵ビールテイスト飲料であってもよいが、発酵ビールテイスト飲料が好ましく、発酵麦芽ビールテイスト飲料がより好ましく、発酵大麦麦芽ビールテイスト飲料が更に好ましい。
また、本発明のビールテイスト飲料は、スピリッツ、ウイスキー、焼酎などの蒸留酒を含有する、蒸留酒含有ビールテイスト飲料であってもよく、その中でも、スピリッツ含有ビールテイスト飲料が好ましい。
このような健康志向の要求に対して、本発明のビールテイスト飲料では、プリン体の含有量を5.0mg/100mL以下となるように調整している。
しかしながら、このようなプリン体の含有量を低減させたビールテイスト飲料は、ホップの苦味が強くなりすぎてしまうと共に、ビールテイストらしい味わいが低下してしまうという問題を有する。
このような低プリン体のビールテイスト飲料に特有の問題に対して、本発明のビールテイスト飲料では、イソα酸の含有量を0.1質量ppm以下にすると共に、カラメル色素を含有している。
イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下であるビールテイスト飲料は、原料としてホップを実質的に使用していない飲料であるといえ、ホップに由来する成分を実質的に含まない飲料といえる。つまり、イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下であるビールテイスト飲料は、製造する際に、原材料として、ホップおよびホップに由来する成分をいずれも積極的に添加しないことによって製造できる。
ここで、「苦味価」とは、イソフムロンを主成分とするホップ由来成分により与えられる苦味の指標である。苦味価は、「改訂BCOJビール分析法1998年改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:財団法人日本醸造協会)」の「8.15 苦味価」に記載された測定法よって測定することができる。
そして、プリン体の含有量は、LC-MS/MSを用いて検出する方法(「酒類のプリン体の微量分析のご案内」、財団法人日本食品分析センター、インターネット(https://www.jfrl.or.jp/storage/file/news_vol4_no23.pdf、平成27年8月検索))により測定することができる。
本発明の一態様で用いるカラメル色素は、製法によって分類されるクラスI、II、III、IVのいずれを用いてもよく、これらを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、カラメル色素のクラスI~IVの分類は、第9版食品添加物公定書2018(厚生労働省 消費者庁)で規定に従う。
また、ビールテイスト飲料として不適な甘味を抑制したビールテイスト飲料とする観点から、カラメル色素の含有量は、好ましくは1300mg/L以下、より好ましくは1200mg/L以下、より好ましくは1100mg/L以下、より好ましくは1000mg/L以下、更に好ましくは800mg/L以下、更に好ましくは600mg/L以下、より更に好ましくは500mg/L以下、より更に好ましくは300mg/L以下、特に好ましくは150mg/L以下である。
(i)測定対象となる飲料500μLを遠心分離(14000G、60分)し、フィルターに捕捉物を取得する。
(ii)上記(i)で取得した捕捉物を200μLの水にて溶出し、逆相カラムにて遠心分離(5000G、2分)をし、取得した溶液部分に1200μLの水を添加したものを測定試料とする。
(iii)上記(ii)で取得した測定試料について、波長420nmでの吸光度を測定する。
(iv)予め、異なる含有量となるようにカラメル色素を配合してなる標準溶液を複数用意しておき、同様に波長420nmでの吸光度を測定する。
そして、複数の標準溶液のうち、上記(iii)で測定した測定試料の吸光度と近い標準溶液を特定し、その標準溶液のカラメル色素の濃度を、その対象となる飲料のカラメル色素の含有量と推定することができる。
また、水っぽさを抑えて、ビールテイスト飲料らしい良好な味わいを有するビールテイスト飲料とする観点から、本発明のビールテイスト飲料のオリジナルエキスは、5.0(w/w)%以上が好ましく、6.0(w/w)%以上がより好ましく、7.0(w/w)%以上がさらに好ましく、7.5(w/w)%以上がよりさらに好ましく、8.0(w/w)%以上が特に好ましい。
他方、飲料の混濁安定性を良好とし、飲みやすいビールテイスト飲料とする観点から、本発明のビールテイスト飲料の総ポリフェノール量は、160質量ppm以下が好ましく、150質量ppm以下がより好ましく、140質量ppm以下がより好ましく、130質量ppm以下が更に好ましく、120質量ppm以下がより更に好ましく、110質量ppm以下が特に好ましい。
本発明のビールテイスト飲料の総ポリフェノール量は、例えば、大麦麦芽、麦芽のハスク(穀皮)などのポリフェノール含有量の多い原材料の使用量を調整することによって制御できる。具体的には、ポリフェノール含有量の多い麦芽等の原材料の使用量を増やすことにより総ポリフェノール量を増加させることができる。
本発明のビールテイスト飲料がアルコール含有ビールテイスト飲料である場合、当該飲料のアルコール度数は、特に制限は無いが、好ましくは1~20(v/v)%、より好ましくは1~15(v/v)%、さらに好ましくは2~12(v/v)%、さらに好ましくは3~10(v/v)%、特に好ましくは4~9(v/v)%である。
また、本発明のビールテイスト飲料がノンアルコールビールテイスト飲料である場合、当該飲料のアルコール度数は、1(v/v)%未満であればよく、0.9(v/v)%以下、0.5(v/v)%以下、0.3(v/v)%以下、または0.1(v/v)%以下としてもよい。
なお、本明細書において、飲料のアルコール度数は、体積/体積基準の百分率(v/v%)で示されるものとする。また、飲料のアルコール含有量は、振動式密度計によって測定することができる。
本明細書において、スピリッツとは、麦、米、そば、とうもろこし等の穀物を原材料として、麦芽または必要により酵素剤を用いて糖化し、酵母を用いて発酵させた後、さらに蒸留して得られる酒類を意味する。スピリッツの原材料である穀物としては、麦が好ましい。
アルコール含有ビールテイスト飲料のpHは、好ましくは3.0~4.5であり、さらに好ましくは3.0~4.0であり、特に好ましくは3.2~3.8である。また、ノンアルコールビールテイスト飲料のpHは、好ましくは4.0未満であり、さらに好ましくは3.8以下である。
なお、無色透明のビンやペットボトルを使用する場合、通常の缶や有色のビンでの場合と異なり、太陽光や蛍光灯の光にさらされることになる。しかしながら、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、ホップに由来する成分を実質的に含有していないため、日光の照射に起因した日光臭の発生が抑制される。そのため、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、このような無色透明のビンやペットボトルに充填することもできる。
本発明の一態様のビールテイスト飲料の原材料は特に限定されないが、好ましい態様のビールテイスト飲料の主な原材料は、窒素、ポリフェノール等を含有する麦芽等の麦由来成分および水である。イソα酸の含有量を0.1質量ppm以下にするために、ホップを実質的に使用しないことが好ましい。また、その他に、甘味料、水溶性食物繊維、苦味料または苦味付与剤、酸化防止剤、香料、酸味料等を用いてもよい。
これらの糖類の形態は、溶液等の液体であってもよく、粉末等の固体であってもよい。
また、デンプンの原料穀物の種類、デンプンの精製方法、および酵素や酸による加水分解等の処理条件についても特に制限はない。例えば、酵素や酸による加水分解の条件を適宜設定することにより、マルトースの比率を高めた糖類を用いてもよい。その他、スクロース(ショ糖)、フルクトース、グルコース、マルトース、トレハロース、マルトトリオース等を用いてもよい。なお、本発明においては、原料として、これらの糖類を含む糖液を用いることが好ましい。
また、人工甘味料としては、例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、スクラロース、ネオテーム等が挙げられる。
これらの酸味料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一態様の非甘味飲料は炭酸飲料でもよい。炭酸飲料のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスは、原材料に含まれる炭酸ガスを利用してもよく、また、炭酸水との混和または炭酸ガスの添加等で溶解させてもよい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、アルコール発酵を行うため、この発酵工程で生じた炭酸ガスをそのまま用いることができるが、適宜炭酸や炭酸水を加えて、炭酸ガスの量を調製してもよい。
本明細書において、ガス圧とは、特別な場合を除き、容器内におけるガス圧をいう。
圧力の測定は、当業者によく知られた方法、例えば20℃にした試料をガス内圧計に固定した後、一度ガス内圧計の活栓を開いてガスを抜き、再び活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達したときの値を読み取る方法を用いて、または市販のガス圧測定装置を用いて測定することができる。
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、様々な添加物を添加してもよい。
そのような添加物としては、例えば、保存料、着色料、泡形成剤、発酵促進剤、酵母エキス、ペプチド含有物等のタンパク質系物質、アミノ酸等の調味料が挙げられる。
保存料として用いる化合物は、特に限定されないが、安息香酸、安息香酸塩類、安息香酸エステル類および二炭酸ジメチルからなる群から選択される少なくとも一種の化合物が好ましい。これらの化合物は、単独で用いられても2種以上を併用されてもよい。併用の具体例としては、安息香酸、安息香酸塩類または安息香酸エステルと二炭酸ジメチルとの併用が挙げられる。安息香酸塩類としては安息香酸ナトリウム等が挙げられ、安息香酸エステル類としてはパラオキシ安息香酸プロピルおよびパラオキシ安息香酸ブチル等が挙げられる。また、市販の保存料として、強力サンプレザー(三栄源社製;安息香酸ナトリウムと安息香酸ブチルの混合品)もよく用いられる。
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、容器に詰められた容器詰飲料であってもよい。容器詰飲料にはいずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、ビン、缶、樽またはペットボトルが挙げられるが、特に持ち運びが容易であるとの観点から、缶、ビンやペットボトルが好ましい。
2.1 発酵ビールテイスト飲料の製造方法
本発明の一態様の発酵ビールテイスト飲料の製造方法は特に限定されないが、水および麦芽を含む原材料に酵母を添加してアルコール発酵(1)を行う工程を有することが好ましく、具体的には、下記工程(1)~(4)を有する方法がより好ましい。
・工程(1):水および麦芽を含む原材料に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程。
・工程(2):酵母が資化可能な原材料を1種以上配合する工程。
・工程(3):カラメル色素の含有量を調整する工程。
・工程(4):プリン体の含有量を調整する工程。
また、本発明の製造方法は、ホップを配合する工程を有さないことが好ましいが、静菌効果があるホップを用いずに得られた飲料は、微生物が発生して増殖するリスクがある。そこで、本発明の製造方法は、微生物の発生と増殖を抑制するために、殺菌工程を有することが好ましい。殺菌工程の順序は特に限定されないが、工程(4)の後に行われることが好ましい。殺菌工程は、加熱によって行ってもよく、殺菌剤の投入によって行ってもよい。
麦芽比率を上記の範囲内とすることにより、味わいおよび風味がより優れたビールテイスト飲料を製造できる。
なお、本明細書において「麦芽比率」とは、醸造用水を除く全原料の質量に対する麦芽質量の割合をいう。本明細書において、麦芽比率は、平成30年4月1日が施行日の酒税法および酒類行政関係法令等解釈通達に従って計算された値を意味する。
工程(1)は、水および麦芽を含む原材料に、酵母を添加して、アルコール発酵を行う工程である。
原材料の調製方法としては、原材料を仕込釜または仕込槽に投入し、必要に応じてアミラーゼ等の酵素を添加し、糊化、糖化を行わせ、ろ過して煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク等の固形分を取り除く。その後、さらに酵母を添加して発酵させ、ろ過機等で酵母を取り除き、必要に応じて水や香料、酸味料、色素等の添加剤を加えて、原材料を調製することができる。
なお、酸化防止剤、苦味付与剤、香料、酸味料、色素等は、発酵工程後において所定量添加してもよいが、糊化・糖化工程を含む製造工程中の任意のタイミングで添加してもよく、添加タイミングは限定されない。
酵母は、酵母懸濁液のまま原材料に添加しても良いし、遠心分離あるいは沈降により酵母を濃縮したスラリーを原材料に添加してもよい。また、遠心分離の後、完全に上澄みを取り除いたものを添加しても良い。酵母の原液への添加量は適宜設定できるが、例えば、5×106cells/mL~1×108cells/mL程度である。
工程(2)は酵母が資化可能な原材料1種以上を配合する工程である。工程(2)における酵母が資化可能な原材料としては、窒素源および炭素源となる麦芽以外の原材料であり、例えば、エンドウ豆、トウモロコシ、コメ、大豆、酵母エキスなどを用いることができるが、これら以外の原材料を用いることも可能である。なお、これらの原材料も飲用者の嗜好に合わせて適宜選択するのが好ましい。
工程(2)において配合する成分は、発酵前の原材料に対して配合してもよく、発酵後の原材料に対して配合してもよい。また、一度に添加してもよく、複数回に分けて添加してもよい。
さらに、工程(1)および(2)を行う際に、他の添加剤も同時に配合してもよい。
工程(3)は、カラメル色素の含有量を調整する工程である。
本発明のビールテイスト飲料は、カラメル色素の含有量が上述の範囲となるように調整された飲料である。カラメル色素の含有量は、カラメル色素の添加によって調整することができる。
工程(4)は、プリン体の含有量を調整する工程である。
プリン体の含有量の調整方法としては、希釈によって調整する方法でもよく、活性炭やゼオライトを用いてプリン体を吸着除去する吸着処理を施す方法であってもよい。具体的な吸着処理の方法としては、公知の方法を採用することができる。
また、吸着処理を行う前にプリンヌクレオシダーゼ処理を行ってもよい。
プリンヌクレオシダーゼ処理では、予め、発酵前の発酵原料液又は発酵後の発酵液に対して、プリンヌクレオシダーゼを作用させることで、溶液中のアデノシン及びグアノシンを遊離プリン基に変換し、この遊離プリン基の少なくとも一部を酵母非資化性の遊離プリン基であるキサンチンに変換させることができる。
この処理を行った後に、吸着処理を行うことによって、プリン体の中でもキサンチンを優先的に吸着除去することができ、最終的に得られるビールテイスト飲料中のプリン体の含有量を低減させることができる。
なお、プリンヌクレオシダーゼ処理は、吸着処理前であれば行う時期の制限はなく、工程(1)と同時に又は工程(1)の終了後、工程(2)と同時に又は工程(2)の終了後、および、工程(3)と同時に又は工程(3)の終了後のいずれの際に行ってもよい。
本発明の一態様の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法は特に限定されないが、イソα酸の含有量、プリン体の含有量、カラメル色素の含有量を制御すること以外は、非発酵ビールテイスト飲料を製造する一般的な方法と同じである。具体的な製造方法としては、非発酵ビールテイスト飲料を製造する場合、通常の方法を用いてイソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、および、プリン体の含有量が5.0mg/100mL以下の非発酵ビールテイスト飲料の原液を製造し、カラメル色素を添加して、カラメル色素の含有量を調整する方法が挙げられる。
加えられる酒類は特に限定されないが、例えば、原料用アルコール、焼酎、泡盛、ウイスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、テキーラ、ジン等のスピリッツ等を使用することができる。
ビールテイスト飲料の容器詰め方法としては、特に限定されず、当業者に周知の容器詰め方法を用いることができる。容器詰め工程によって、本発明のビールテイスト飲料は容器に充填・密閉される。容器詰め工程には、いずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、「1.4 容器詰飲料」に記載の容器が挙げられる。
粉砕した大麦麦芽を温水120Lが入った仕込槽に投入した後、段階的に温度を上げて保持し、ろ過して麦芽粕を除去した。その後、当該原料液を煮沸釜に投入し、麦芽比率が表1に記載の比率になるように糖液を添加し温水で100Lに調整して熱麦汁を得た。熱麦汁を冷却し、酸素による通気を実施することで酵母添加前の発酵前液60Lを得た。
なお、実施例1~14および比較例1~3の製造工程において、原材料にホップは全く使用しておらず、これらの飲料はホップ由来成分を含まず、イソα酸の含有量は0質量ppmであり、苦味価は1.0BU以下であった。
4℃程度まで冷却したビールテイスト飲料を、各パネラーが試飲し、「ビールテイスト飲料らしい味わい」をそれぞれ下記基準によって、3(最大値)~1(最小値)の範囲で、0.1刻みのスコアで評価した。なお、「ビールテイスト飲料らしい味わい」の評価前に、予め、スコアが「3」、「2」、「1」となるサンプルをそれぞれ用意し、各パネラー間での基準の統一を図った。
(ビールテイスト飲料らしい味わい)
・「3」:ビールテイスト飲料らしい味わいが非常に良い。
・「2」:ビールテイスト飲料らしい味わいが良い。
・「1」:ビールテイスト飲料らしい味わいが感じられない。
そして、6人のパネラーのスコアの平均値を算出したものを「ビールテイスト飲料らしい味わい」の評価とし、表1に記載した。当該評価が2.0以上である飲料を合格とした。
4℃程度まで冷却したビールテイスト飲料を、各パネラーが試飲し、「ビールテイスト飲料として不適な甘味の有無」をそれぞれ下記基準によって、3(最大値)~1(最小値)の範囲で、0.1刻みのスコアで評価した。なお、「ビールテイスト飲料として不適な甘味の有無」の評価前に、予め、スコアが「3」、「2」、「1」となるサンプルをそれぞれ用意し、各パネラー間での基準の統一を図った。
(ビールテイスト飲料として不適な甘味の有無)
・「3」:ビールテイスト飲料として不適な甘味を感じない。
・「2」:ビールテイスト飲料として不適な甘味をほとんど感じない。
・「1」:ビールテイスト飲料として不適な甘味を感じる。
そして、6人のパネラーのスコアの平均値を算出したものを「ビールテイスト飲料として不適な甘味の有無」の評価とし、表1に記載した。当該評価が、2.0以上を合格とした。
また、各パネラーが試飲した際の、「ビールテイスト飲料らしい味わい」および「ビールテイスト飲料として不適な甘味の有無」に基づき総合評価を、下記基準によって3段階で評価した。
・「〇」:「ビールテイスト飲料らしい味わい」および「ビールテイスト飲料として不適な甘味の有無」の両者の評価が共に2.4以上。
・「△」:「○」および「×」に該当しない。
・「×」:「ビールテイスト飲料らしい味わい」および「ビールテイスト飲料として不適な甘味の有無」の少なくともどちらか一方の評価が2.0未満。
また、イソα酸の含有量が0質量ppmかつプリン体の含有量が2.0g/100mLの実施例6~10と比較例2のビールテイスト飲料によると、カラメル色素を含まない比較例2の飲料は、ビールテイスト飲料らしい味わいの評価が低い結果となった。これに対して、カラメル色素を含む実施例6~10の飲料は、ビールテイスト飲料らしい良好な味わいを有する飲料であった。
さらに、イソα酸の含有量が0質量ppmかつプリン体の含有量が0.4g/100mLの実施例11~14と比較例3のビールテイスト飲料によると、カラメル色素を含まない比較例3の飲料は、ビールテイスト飲料らしい味わいの評価が低い結果となった。これに対して、カラメル色素を含む実施例11~14の飲料は、ビールテイスト飲料らしい良好な味わいを有する飲料であった。
Claims (9)
- イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、およびプリン体の含有量が5.0mg/100mL以下であり、カラメル色素を50.0mg/L以上1000mg/L以下で含有する、発酵ビールテイスト飲料。
- プリン体の含有量が2.0mg/100mL以下である、請求項1に記載の発酵ビールテイスト飲料。
- プリン体の含有量が0.5mg/100mL以下である、請求項1又は2に記載の発酵ビールテイスト飲料。
- 苦味価が5.0BU以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の発酵ビールテイスト飲料。
- オリジナルエキスが5.0~20.0(w/w)%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の発酵ビールテイスト飲料。
- 総ポリフェノール量が10~160質量ppmである、請求項1~5のいずれか一項に記載の発酵ビールテイスト飲料。
- 麦芽比率が15~100質量%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の発酵ビールテイスト飲料。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の発酵ビールテイスト飲料を製造する方法であって、
水および麦芽を含む原料に、酵母を添加して、アルコール発酵を行う工程を有する、発酵ビールテイスト飲料の製造方法。 - ホップを配合する工程を有しない、請求項8に記載の発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
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