以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED(Light Emitting Diode)等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。
さらに、上皿21の上縁部には、遊技演出への介入操作等に用いられる演出ボタン25が設けられている。なお、演出ボタン25は、遊技演出への介入操作を受け付ける演出操作受付部として機能するとともに、所要の態様(たとえば、発光態様や振動や突出等の動作態様等)で演出可能な演出部としても機能する。また、上皿21の左縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部29が設けられている。オプション設定部29は、4方向の入力操作を受け付け可能な十字カーソルスイッチと、十字カーソルスイッチの中央部に決定操作等を受け付け可能な中央スイッチと、十字カーソルスイッチの周縁部にあって音量操作等に用いられる2つの付属スイッチとが設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、遊技機10は、演出ボタン25(プッシュボタン)の操作(たとえば押下操作)を検出する演出ボタンスイッチ25a(図4参照)から受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。なお、このような遊技者の操作介入には、演出ボタン25のみならずオプション設定部29のスイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちの何れか一つまたは複数が使用される構成でもよい。後述する図4では、オプション設定部29の各スイッチをまとめて設定スイッチ29aと表している。
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者がオプション設定部29の前述した設定スイッチ29a(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちの何れか一つまたは複数を操作することによって、たとえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口2)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下路91の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜面とされており、下方へ流下する遊技球を上面94で受け止め、後述する特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(大入賞口)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(第1特別遊技状態)中や、特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
また、特別変動入賞装置38は、入賞口内に入賞した遊技球を誘導する誘導流路と、誘導流路から分岐して形成されたV流路を備える。特別変動入賞装置38は、V流路の流入部分となる位置にV扉が設けられる。V扉は、特定領域ソレノイド38d(図3参照)によって前後方向にスライド移動してV流路への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後方へ退避してV流路への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっている。また、特別変動入賞装置38は、V流路に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38e(図3参照)が設けられている。
なお、第1の実施形態の遊技機10では、特別遊技状態の終了後の確率状態が大当り図柄で決定されるのではなく、特別遊技状態においてV流路に遊技球が流入して特定領域スイッチ38eで検出されることにもとづき高確率状態となるようにされている。
また、特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配設されてもよい。また、特別変動入賞装置38は、1個に限らず、2個設けられるものであってもよく、大入賞口スイッチ38aは、大入賞口が複数個あるときには、それぞれに1個又は2個程度、全体としてx個(図3参照)設けられるものであってもよい。
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36に入賞しやすくなる。
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(特別変動入賞装置38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
次に、遊技機の制御システムについて図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)-DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能であって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになっている。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLEDであって基板上に実装される。
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができる設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機のカードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38a、特別変動入賞装置38の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V-11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図3では入賞口スイッチ35aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I/F121に入力されている。また、図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、および特定領域スイッチ38eの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a,始動口2スイッチ37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)については、図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キースイッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップイネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したときに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)とアウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当たりの遊技性能(たとえば、ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとなる稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示することができる。
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口ソレノイド38bの開閉データ、特別変動入賞装置38のV扉を開閉させる特定領域ソレノイド38dの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート134dが設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報をフォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイド38b、特定領域ソレノイド38d、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号を受けて性能表示装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コマンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0~nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、演出ボタン25の演出ボタンスイッチ25aやオプション設定部29の設定スイッチ29aと、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。なお図4では、オプション設定部29の各スイッチを便宜上まとめて設定スイッチ29aと表しているが、詳細には、前述した各スイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)の状態がスイッチ入力回路336によりそれぞれ個別に検出されるように接続されており、各スイッチの各状態を示す検出信号がそれぞれ主制御用マイコン311へ入力される。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄~第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)と称することもできる。
次に、一括表示装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにおける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲームにおける図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲームにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、およびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示する。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LED_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主にメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこなわれるタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、第1の実施形態の遊技制御装置のメイン処理について図6から図10を用いて説明する。図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。図8は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。図9は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。図10は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
メイン処理は、電源が投入されることで制御部(遊技用マイコン111)によって開始される。このメイン処理においては、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をおこなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。RAM111Cのアドレスの範囲は、0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをとる。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセットする。
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を第1レジスタ(たとえばBレジスタ)に読み込み(ステップS6)、続けて入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を第2レジスタ(たとえばCレジスタ)に読み込む(ステップS7)。
ここで、第1レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS8)。たとえば、RAM初期化スイッチ112からの検出信号に対応するBレジスタの第2ビットだけを保持し、第0ビットと第1ビットと、第3ビットから第7ビットをクリアする。そして、第2レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS9)。たとえば、設定キースイッチ127からの検出信号に対応するCレジスタの第4ビットだけを保持し、第0ビットから第3ビットと第5ビットから第7ビットをクリアする。
第1レジスタの情報を第2レジスタに統合し、第2レジスタが保持する情報をRAM111Cに頼らない参照用の情報として保持する(ステップS10)。たとえば、BレジスタとCレジスタの論理和をCレジスタに格納し、Cレジスタを状態参照用レジスタとして保持する。
たとえば、状態参照用レジスタ(Cレジスタ)の値「00000000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定変更状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)であるRAM初期化状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定確認状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)である復電(停電復旧)状態を示す。
これにより、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号とがCレジスタに保持される。なお、RAM初期化スイッチ112からの検出信号のBレジスタにおける格納位置(第2ビット)と設定キースイッチ127からの検出信号のCレジスタにおける格納位置(第4ビット)とが異なるためBレジスタとCレジスタの論理和によっても、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号は、失われずに保存される。
その後、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS11)。この処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や演出制御装置300等の従制御装置)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御手段が立ち上がる前にコマンドを従制御手段へ送ってしまい、従制御手段がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第2レジスタ(Cレジスタ)には、RAM初期化スイッチ112の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、RAM初期化スイッチ112の操作を確実に保存できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
また、第2レジスタ(Cレジスタ)には、設定キースイッチ127の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、設定キースイッチ127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ127の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ127を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ127を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった設定変更操作あるいは設定確認操作が受け付けられないような事態を防止できる。
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS11)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS12からS16)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS12)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ステップS13)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS13;Y)は、ステップS12で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS14)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS14;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS13)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS14;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS13;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを「-1」更新し(ステップS15)、タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS16)。タイマの値が0でない場合(ステップS16;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS12)に戻される。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS16;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許可をし(ステップS17)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)する(ステップS18)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS19)。
ステップS20では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC回路を起動する処理をおこなう。
ステップS21では、RAM異常フラグをセットする処理をおこなう。なお、RAM異常フラグのセットは、暫定的なものであって後で実行されるRAMの異常を検査する処理において更新され得る。
ステップS22では、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する。停電検査領域1の値が正常であれば(ステップS22;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS23)、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS23;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS24)をおこなう。
なお、チェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域である。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作業領域である。
次に、ステップS24で算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定(ステップS25)し、チェックサムが一致する(正常である)と判定された場合(ステップS25;Y)は、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグをクリアする(ステップS26)。
なお、チェックサムが一致しない(正常でない)と判定された場合(ステップS25;N)は、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。停電検査領域のチェックデータが正常なデータでない(ステップS22;NまたはステップS23;N)と判定された場合も、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。
ステップS27では、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合には、ステップS33に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合には、ステップS28に進む。
なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを同時に判定することができる。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、RAMの正当性判定をおこなう以前の設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを判定対象にすることができる。
ステップS28では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合(すなわち、RAM異常フラグがセットされている場合)にステップS30に進み、RAM異常フラグがオンでない場合(すなわち、RAM異常フラグがクリアされている場合)にステップS29に進む。
ステップS29では、制御部は、設定変更モード中フラグがオンか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中フラグがオンである場合にステップS48に進み、設定変更モード中フラグがオンでない場合にステップS30に進む。
ステップS30からステップS32は、RAM異常時、あるいは設定中に電源遮断があったときにRAMクリアされずに再起動された時に実行される処理である。ステップS30では、制御部は、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、RAMクリアを伴う再起動を案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44によりメイン異常エラーを報知する。
ステップS31では、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを性能表示装置135に出力する。このとき、制御部は、性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するステータスを表示することができる。また、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを確率設定値表示装置136に出力する。このとき、制御部は、確率設定値表示装置136に確率設定値にない数値や文字を表示することができる。なお、制御部は、遊技停止時のLED表示データを含む7セグ表示データを一括表示装置50に出力するようにしてもよい。このとき、制御部は、一括表示装置50を全消灯あるいは全点灯としてもよい。
ステップS32では、制御部は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子板71から出力する。このとき、制御部は、外部情報端子板71から出力するその他の信号の出力データをオフにする。制御部は、ステップS31とステップS32とを繰り返し実行して電源遮断を待つ。すなわち、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号を出力する。また、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号以外の信号を出力しない。
なお、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止していない。これにより、遊技機10は、NMI(Non-Maskable Interrupt)発生時に戻りアドレスをRAMに格納可能にして、プログラム暴走の危険を低減している。このように、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行中のRAMの記憶内容をRAMアクセス禁止により保護しないが、再起動時のRAMクリアが遊技制御開始の条件となるため、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にしている。すなわち、遊技機10は、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にして引き受けながら、プログラム暴走の危険低減効果を得る。また、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止しないことにより、ステップS31やステップS32においてサブルーチンを呼出可能にしてプログラム効率の向上を図ることができる。
ステップS33からステップS36は、設定変更準備に関する処理であり、ステップS27において、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合に実行される処理である。
ステップS33では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合にステップS34に進み、RAM異常フラグがオンでない場合にステップS35に進む。
ステップS34では、制御部は、RAM異常フラグがオンであることから設定値をクリアする。なお、設定値のクリアは、設定値として無効な値をセットすることによってもよいし、不正対策の観点から遊技者にとって最も不利な値をセットすることによってもよい。
ステップS35では、制御部は、設定変更モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定変更モード中フラグは、遊技機10が設定変更中か否かを示すフラグであって、設定変更中であるときに設定変更モード中フラグがセットされ、設定変更中でないときに設定変更モード中フラグがクリア(リセット)される。
ステップS36では、制御部は、設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
ステップS37は、設定変更準備(ステップS33からステップS36)の後、または設定確認準備(ステップS49、ステップS50)の後に実行される処理である。ステップS37では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマに128msを設定する。これにより、遊技機10は、少なくともセキュリティ信号制御タイマがタイムアップされるまでの間、セキュリティ信号を出力する。
ステップS38からステップS40は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理である。遊技機10は、ステップS37でセキュリティ信号を出力セットしていることにより設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理の実行を外部から把握可能にしている。
制御部は、割込みを許可(ステップS38)した後、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオフであるか否かを判定する(ステップS39)。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオフである場合にステップS55に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオフでない場合にステップS40に進む。
ステップS40では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS39に進む。すなわち、制御部は、ステップS38で割込みを許可した状態で、停電発生までの間、設定キーのオフを待ち受ける。
制御部は、停電が発生していると判定した場合、割込みを禁止する処理(ステップS41)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS42)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS43)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS44)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS45)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS46)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS47)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することができる。
ステップS48は、ステップS29で設定変更モード中フラグがオンであると判定された場合に実行される。ステップS48では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオンである場合にステップS49に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンでない場合にステップS51に進む。
ステップS49、ステップS50は、設定確認準備に関する処理である。ステップS49では、制御部は、設定確認モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定確認モード中フラグは、遊技機10が設定確認中か否かを示すフラグであって、設定確認中であるときに設定確認モード中フラグがセットされ、設定確認中でないときに設定確認モード中フラグがクリア(リセット)される。ステップS50では、制御部は、設定確認中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、設定確認中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により設定確認中であることを報知する。この後、制御部は、ステップS37に進む。
一方、制御部は、ステップS48において設定キースイッチ127の検出信号がオンでないと判定した場合に、ステップS51を実行する。ステップS51では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合にステップS52に進み、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合にステップS58に進む。すなわち、遊技機10は、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴う起動検出によりRAM初期化(RAMクリア)に関する処理の実行に進み、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴わない起動検出により停電復旧に関する処理の実行に進む。
次に、ステップS52以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。RAM初期化に関する処理では、制御部は、設定値以外のRAM領域を0クリア(ゼロクリア)し(ステップS52)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS53)。たとえば、制御部は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMクリア先頭アドレス2を設定し、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象領域(遊技制御用ワーク領域)のデータをゼロクリアする。
なお、設定変更モード中フラグ、および設定確認モード中フラグは、クリア対象領域のデータに含まれることから、クリア対象領域のデータのゼロクリアによってクリアされる。
ステップS54では、制御部は、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、RAM初期化のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
また、制御部は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理(ステップS38からステップS40)の実行後に、設定キースイッチ127の検出信号がオフであることを検出した場合に、ステップS55を実行する。制御部は、割込みを禁止(ステップS55)した後、報知終了のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップS56)。
これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドの受信により開始した設定変更中であることの報知、あるいは設定確認中のコマンドの受信により開始した設定確認中であることの報知を終了する。
次に、制御部は、設定変更モード中フラグを参照して、設定変更モード中であるか否かを判定する(ステップS57)。制御部は、設定変更モード中である場合にステップS52に進み、RAM初期化に関する処理を実行する。一方、制御部は、設定変更モード中でない場合にステップS58に進み、停電復旧に関する処理を実行する。
ステップS58では、制御部は、停電復旧処理を実行する。停電復旧処理は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブし、特図ステータスを参照して特図ゲームが高確率中であるか否かを判定し、特図ゲームが高確率中である場合に高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし、高確率報知LEDのオンデータをセグメント領域にセーブする処理を含む。
なお、停電復旧処理における初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域、設定変更モード中フラグ、設定確認モード中フラグ、およびエラー不正監視に係る領域である。なお、停電復旧処理では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
次に、制御部は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS59)、ステップS60へ進む。なお、ステップS59では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令するコマンドである。
ステップS60では、制御部は、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう。その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS61)、割込みを許可する(ステップS62)。
続いて、制御部は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS63)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数をたとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、遊技機10は、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
ここで、制御部は、一旦、割込みを禁止(ステップS64)して、性能表示編集処理を実行(ステップS65)し、性能表示編集処理の実行後に、割込みを許可する(ステップS66)。性能表示編集処理は、ベースの算出と表示に関する処理である。制御部は、性能表示編集処理の処理負荷が比較的高いため、割込みを禁止してより速やかな処理結果導出を図っている。これにより、遊技機10は、タイマ割込みにより遊技状態が更新されるまでに、性能表示編集処理の処理結果導出を担保する。
ステップS67では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS63に進む。
すなわち、制御部は、停電が発生しない限り、ステップS63からステップS67までの処理を繰り返し実行する。詳しくは、制御部は、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返しおこなう。
そして、初期値乱数更新処理(ステップS63)の前に割込みを許可する(ステップS66)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
同様に、性能表示編集処理(ステップS65)の前に割込みを禁止する(ステップS64)ことによって、タイマ割込みに優先して性能表示編集処理が実行されるようになり、性能表示編集処理が圧迫されるのを回避することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
なお、遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実現できる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な設定操作部(設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、設定操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶された設定値を変更する設定変更手段(遊技制御装置100)とを備えることで設定変更を可能にするとともに、設定表示部(確率設定値表示装置136)を備えることで設定(設定値)を確認可能にしている。また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、RAM(RAM111C)へのアクセスを禁止(ステップS47)してすべての処理の実行停止を待機する停電発生時待機処理(ステップS47の後のループ)と、RAM(RAM111C)へのアクセスを許可(ステップS17)しながらすべての処理の実行停止を待機するRAM異常時待機処理(ステップS31、ステップS32のループ)と、を実行可能にしている。
ここで、停電発生時待機処理とRAM異常時待機処理について説明する。停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS47でRAMへのアクセスを禁止された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS41で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。ただし、停電発生時待機処理は、停電発生時に実行される処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が小さい。また、停電発生時待機処理は、異常報知を伴わない待機処理である。これにより、遊技機10は、電源遮断までの電力を停電処理に振り向けることができる。なお、遊技機10は、停電発生時待機処理にRAMへのアクセスを禁止することで、不安定な電圧によりRAMの記憶内容が変化する危険を低減している。
RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS17でRAM(RWM)へのアクセスを許可された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS1で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。RAM異常時待機処理は、電源遮断を待つ処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が停電発生時待機処理よりも大きい。しかしながら、RAM異常時待機処理は、NMI割込みが発生してもRAMへのアクセスが許可されていることから戻りアドレスをRAMに格納可能であって、NMI割込み発生によるプログラム暴走の危険が小さい。また、遊技機10は、ステップS30においてメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信することから、RAM異常時待機処理の実行中に、演出制御装置300による異常報知を並行しておこなうことができる。これにより、遊技機10は、速やかな再起動が期待できる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について図11を用いて説明する。図11は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるまでの間(ステップS38からステップS41まで、ステップS38からステップS55まで、ステップS66からステップS64まで、ステップS66からステップS41まで)に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111において、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS71)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS72)。ステップS72では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS73)をおこなう。ステップS74では、制御部は、設定変更モード中フラグと設定確認モード中フラグとを参照し、設定変更モード中または設定確認モード中であるか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中である場合にステップS75に進み、設定変更/確認処理を実行し、タイマ割込み処理を終了する。一方、制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中のいずれでもない場合にステップS76に進む。
ステップS76では、制御部は、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御等をおこなうための出力処理を実行する。
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、制御部は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS77)、乱数更新処理1(ステップS78)、乱数更新処理2(ステップS79)を実行する。ここで、乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、乱数更新処理1、あるいは乱数更新処理1に加えて乱数更新処理2は、設定変更中の乱数更新の停止や更新周期の変更をおこなうようにしてもよい。
次に、制御部は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、特定領域スイッチ38eから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS80)をおこなう。また、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップS81)をおこなう。なお、始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、または第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変動表示ゲームの開始前の段階で当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定をおこなう。
次に、制御部は、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ステップS82)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステップS83)、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS84)を実行する。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特図1図柄表示部53等のLED)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS85)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう磁石不正監視処理(ステップS86)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS87)をおこなう。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS88)、性能表示装置制御処理(ステップS89)をおこなって、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、第1の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこなわれる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を図12を用いて説明する。図12は、第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、遊技機10の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、VDP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセスをおこない、表示データを生成することを許可する。
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるようにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセーブする。
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は、演出ボタン25(演出ボタンスイッチ25a)が有効時に操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしないので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である。
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばrand関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこなう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづいて乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができる。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウンタを乱数として用いてもよい。
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチェック処理は、遊技制御装置100から受信したコマンドを所定数単位で解析する処理である。
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンドをテーブル状に設定する。
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備が終了したことを設定する処理である。
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(たとえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たとえば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込みが2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブランク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよいし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至ステップD30、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次送信して、VDP312に画面描画を指示する。
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理である。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理である。
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこなう処理である。
[ステップD31]制御部は、情報開示処理を実行する。情報開示処理は、遊技者に対して遊技性能に関する性能情報を開示する処理である。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD31は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(場合によりメインループ処理という)を構成している。
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
次に、遊技機10の遊技中に演出制御装置300が実行する表示について図13を用いて説明する。図13は、第1の実施形態の遊技中の表示画面の例を示す図である。ここで表示画面(単に「画面」という場合もある)とは、表示装置41の表示領域に表示される一つ又は複数の画像からなる画面であり、原則的に表示内容が異なるごとに異なる符号を付している。
図13(1)に示す表示画面500は、図柄停止中の表示画面であり、変動表示ゲームにおける変動表示終了後(次の変動表示ゲーム開始前)に変動表示ゲームの結果態様である図柄を所定期間停止表示するものである。表示画面500は、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506とを表示する。
大図柄群501は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群501は、表示装置41の略中央部に変動表示領域を設定して大きく表示される。大図柄群501は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。
表示画面500では、左図柄は、図柄が「3」で停止していることを示し、中図柄は、図柄が「5」で停止していることを示し、右図柄は、図柄が「7」で停止していることを示す。すなわち、表示画面500では大図柄群501は、特図変動表示ゲームが停止状態(図柄停止中)であることを示す。
小図柄群502は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群502は、大図柄群501による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群502は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面500では、小図柄群502を構成する左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群501は、小図柄群502と比較して、大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群502は、大図柄群501と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「4」であることを示す。特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。保留表示505が表示する保留記憶数は、特図1保留数表示503が表示する保留記憶数と特図2保留数表示504が表示する保留記憶数の和に相当する。
たとえば、表示画面500に示すように特図1保留数表示503が「4」を表示し、特図2保留数表示504が「0」を表示するとき、保留表示505は、4つの保留記憶表示により保留記憶数が「4」であることを示す。なお、保留数または保留記憶数とは、特図の変動表示ゲームが未実行である始動記憶の数を意味する。
保留表示505は、その表示態様(保留表示505に表示した保留記憶表示)により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。
保留消化表示506は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあるか否かを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。表示画面500では保留消化表示506は、枠内をブランク(空白)にして、特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。この後、遊技機10は、変動表示を開始する。
図13(2)に示す表示画面510は、変動表示開始した後の表示画面である。表示画面510は、表示画面500の後の画面であって、変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。表示画面510では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面510では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
表示画面510では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「3」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示505は、特図変動表示ゲームの保留記憶数が「3」であることを示す。また、表示画面510では、保留消化表示506は、消化中の保留記憶表示を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
次に、設定示唆演出の選択確率について図14を用いて説明する。図14は、第1の実施形態の設定示唆演出の選択確率の例を示す図である。設定示唆演出は、設定変更可能ないずれかの遊技性能の現在の設定内容または設定状態を遊技者に示唆する演出である。遊技者に示唆するとは、遊技者が認知可能または推定可能となるようにすることを意味する。本実施形態では、前述した設定変更モードにおいて遊技制御装置100に設けられた設定値変更スイッチ126を操作することにより、特図の当り確率(特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの当り確率)を「1」~「6」の6段階に変更可能である。すなわち、設定値変更スイッチ126を含む遊技制御装置100は、2以上の異なる遊技性能のうちの少なくとも1の遊技性能(本実施形態の場合は、特図の当り確率)を設定可能な設定手段を構成する。なお、設定変更可能で設定示唆演出がおこなわれる遊技性能は、特図の当り確率に限定されず、たとえば普図の当り確率などであってもよい。
遊技制御装置100は、前述したようにメイン処理のステップS54においてRAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信し、ステップS59において停電復旧時のコマンドを演出制御装置300に送信するが、これらのコマンド(RAM初期化時のコマンドと停電復旧時のコマンド)には、いずれも遊技性能(特図の当り確率)の現在の設定値(「1」~「6」のうちのいずれか)を示す設定値というコマンド名のコマンド(以下、設定値コマンドという)が含まれている。そして演出制御装置300は、たとえば前述したステップD23の演出表示編集処理において、実行する設定示唆演出の種類を、受信した設定値コマンドが示す設定値に応じた所定の選択確率で選択して決定する。
図14は、このように演出制御装置300が実行する設定示唆演出の種類の選択(設定示唆演出の振分)における選択確率を示した表である。図14における縦方向の並び(行)は設定示唆演出の種類A~Zに対応し、図14における横方向の並び(列)は遊技性能の設定値「1」~「6」に対応する。
図14における、たとえば一番左の列(設定値「1」の列)の各行に示された選択確率は、遊技性能の設定値が「1」の場合の設定示唆演出振分テーブルに対応する選択確率であり、設定示唆演出の種類Aは0%、設定示唆演出の種類Bは0%、設定示唆演出の種類Cは0%、設定示唆演出の種類Dは1%、設定示唆演出の種類E~Yは図示省略、設定示唆演出の種類Zは5%となっており、これら同じ列の選択確率を全て合計すると100%になる(他の列も同様)。
同様に、図14における左から2番目の列は遊技性能の設定値が「2」の場合の選択確率であり、図14における左から3番目の列は遊技性能の設定値が「3」の場合の選択確率であり、図14における左から4番目の列は遊技性能の設定値が「4」の場合の選択確率であり、図14における左から5番目の列は遊技性能の設定値が「5」の場合の選択確率であり、図14における左から6番目の列は遊技性能の設定値が「6」の場合の選択確率である。
なお、設定示唆演出の種類(大分類)の数は、一例としてA~Zの26個ある場合を図14に示したが、これに限定されず26個未満でもよいし、26個より多い数でもよい。
また、設定示唆演出振分テーブルは、設定示唆演出の種類の選択(振分)に使用する乱数の値の数値範囲のデータが設定示唆演出の種類ごとに設定されたものであり、演出制御装置300の不揮発性記憶手段(たとえばPROM321)に、たとえば遊技性能の設定値ごとに記憶されたテーブルである。演出制御装置300は、この設定示唆演出振分テーブルを使った乱数抽選によって、実行する設定示唆演出の種類を選択する。たとえば、設定示唆演出の種類選択のために抽出した乱数値が、現時点の設定値に対応する設定示唆演出振分テーブルにおける種類Dに対応する数値範囲内の値であった場合には、設定示唆演出の種類Dを選択する。このため、この設定示唆演出振分テーブルの数値範囲のデータに応じて各種類の選択確率が決まるのであり(数値範囲が広ければ選択確率は高くなる)、このような設定示唆演出振分テーブルのデータに応じた選択確率の一例を図示したのが図14である。
そして、設定示唆演出振分テーブルは遊技性能の設定値に応じて内容が異なり、図14の例に示すように、設定示唆演出の各種類の選択確率は遊技性能の設定値に応じて異なっている。このため、実行された設定示唆演出の種類によって遊技性能の現在の設定値を遊技者は推定または認知することができる。すなわち本実施形態の遊技機は、実行する設定示唆演出の種類によって遊技性能の現在の設定値を遊技者に示唆する(報知する場合を含む)ことができる。
たとえば図14に示すように、設定示唆演出の種類Aの選択確率は、設定値が「1」~「5」のいずれかである場合には0%であり、設定値が最高の「6」である場合にのみ0.01%である。また設定示唆演出の種類Bの選択確率は、設定値が「1」~「4」のいずれかである場合には0%であり、設定値が「5」~「6」のいずれかである場合に0.1%である。また設定示唆演出の種類Cの選択確率は、設定値が「1」~「3」のいずれかである場合には0%であり、設定値が「4」~「6」のいずれかである場合に1%である。また設定示唆演出の種類Dの選択確率は、設定値が「1」~「3」のいずれかである場合には1%であり、設定値が「4」~「6」のいずれかである場合に5%である。また設定示唆演出の種類Zの選択確率は、設定値が「1」~「6」のいずれであっても同じ5%である。
このため、図14に示した例であると、大きな傾向としては、図14において上側にある設定示唆演出の種類は、下側にある設定示唆演出の種類に比較して、遊技性能が高い設定値である場合にしか選択されないか、遊技性能が高い設定値である場合の方が選択される確率が高い。このため、図14において上側にある設定示唆演出の種類が実行されることにより、遊技者に現在の設定値が高いことが示唆される。
図14に示した例について詳細に説明すれば、以下のようになる。すなわち、設定示唆演出の種類Aが実行された場合は、設定値が「6」であることを遊技者は確信できる(すなわち、設定値が「6」であることが遊技者に示唆される)。また、設定示唆演出の種類Bが実行された場合は、設定値が「5」、「6」のいずれかであることを遊技者は確信できる(すなわち、設定値が「5」、「6」のいずれかであることが遊技者に示唆される)。また、設定示唆演出の種類Cが実行された場合は、設定値が「4」、「5」、「6」のいずれかであることを遊技者は確信できる(すなわち、設定値が「4」、「5」、「6」のいずれかであることが遊技者に示唆される)。また、設定示唆演出の種類Dが実行された場合は、設定値が「4」、「5」、「6」のいずれかである確率が高いことを遊技者は知ることができる(すなわち、設定値が「4」、「5」、「6」のいずれかである可能性が高いことが遊技者に示唆される)。また、設定示唆演出の種類Zについては、いずれの設定値の場合も選択確率が同じなので、設定示唆演出の種類Zが実行された場合は、遊技者は現在の設定値について何も知ることができない(設定値についての示唆は実質的におこなわれない)。
次に、設定示唆演出の種類や内容について図15を用いて説明する。図15は、第1の実施形態の設定示唆演出の種類と内容の一例を示す図である。前述の図14で説明した設定示唆演出の種類A~Zは大分類であり、この大分類の種類A~Zのそれぞれには、さらに細かな小分類がある。たとえば、種類Aには小分類として種類A1,A2,A3などがあり、種類Bには小分類として種類B1,B2などがある。
また、設定示唆演出の内容(小分類の設定示唆演出を構成する一つ又は複数の演出であって、演出手段などが限定された演出の態様)としては、たとえば表示A、表示B、ランプA、ランプB、音A、音Bなどがある。表示Aは、たとえば表示装置41の表示部(表示領域)における特定のキャラクタやセリフなどの表示である。表示Bは、たとえば表示装置41の表示部における特定の背景画像などの表示である。ランプAは、たとえば枠側(遊技盤30でない側、すなわち前面枠12やガラス枠15など)に設けられた発光手段の所定の発光動作などである。ランプBは、たとえば盤側(遊技盤30)に設けられた発光手段の所定の発光動作などである。音Aは、たとえば上スピーカ19aからの所定の音声の出力、音Bは、たとえば下スピーカ19bからの所定の音声の出力である。そして、各小分類に対応して何れか一つまたは複数の内容の演出が実行される。
図15では、各小分類に対して実行される演出を丸印(「○」)によって示し、実行されない演出を横線(「―」)で示している。すなわち図15の例では、設定示唆演出の種類A1が選択された場合には表示Aが実行され、設定示唆演出の種類A2が選択された場合にはランプAが実行され、設定示唆演出の種類A3が選択された場合には音Aが実行され、設定示唆演出の種類B1が選択された場合には表示AとランプAと音Aが実行され、設定示唆演出の種類B2が選択された場合には表示BとランプBと音Bが実行される。図15は一例にすぎず、設定示唆演出の内容や小分類ごとの組合せは、その態様や数を限定されるものではない。
なお、これら小分類のうちのいずれの演出を実行するかは、たとえば大分類の選択とは別におこなわれる乱数抽選によって選択されてもよいし、あるいは設定示唆演出を実行する際の遊技状態やカスタマイズの状態によって選択されてもよいし、乱数抽選と遊技状態等の両者によって決定されてもよい。たとえば、前述の設定示唆演出振分テーブルによって設定示唆演出の大分類である種類Aが選択された場合、種類Aに属する小分類(種類A1,A2,A3…)のうちで、その時点の遊技状態やカスタマイズの状態によって実行可能なもののうちから乱数抽選によって選択してもよい。またさらに、表示A、表示B、ランプA、ランプB…などの個々の細かな演出として、どのような内容の演出をおこなうか(たとえば、表示するキャラクタの具体的態様や、表示するセリフの具体的内容や、出力する音声の具体的態様など)を、それぞれ乱数抽選等によって別途選択してもよい。
次に、客待ち状態でのオプションの設定変更画面について図16から図18を用いて説明する。図16は、第1の実施形態の客待ち状態における設定変更画面の一例を示す図(その1)である。図17は、第1の実施形態の客待ち状態における設定変更画面の一例を示す図(その2)である。図18は、第1の実施形態の客待ち状態における設定変更画面の一例を示す図(その3)である。
図16(1)に示す画面511は、客待ち状態における表示装置41の表示画面の1つである。画面511は、所要の客待ち画面を表示する。たとえば、遊技機10は、客待ち画面として、変動表示ゲームに関する遊技演出の一場面を表示したり、客待ち用のムービーを表示したり、機種名やメーカー名等の表示、遊技性の案内や、のめり込みに注意等の注意喚起表示をおこなう。なお、このような客待ち画面が表示されている状態において、たとえばプッシュボタン(演出ボタン)25(あるいはオプション設定部29のいずれかのスイッチ)が押下操作されると、演出制御装置300は設定変更画面(たとえば後述するモード設定操作中における表示画面512)を表示する。
図16(2)に示す画面512は、客待ち状態における表示装置41の表示画面の1つであり、モード設定操作中における表示画面である。画面512は、設定表示513とオプション設定部イメージ表示514と操作案内表示515とを含む。画面512の各表示は、画面511に重畳表示するものであってもよい。ここで、モードとは、たとえば演出のテーマなどが複数あるうちの特定の態様となる遊技機の状態であり、このモードが異なるとたとえば演出のテーマなどが異なる。本実施形態の遊技機は、客待ち状態において遊技開始前に遊技者がモードを選択すること(デフォルトのモードから異なるモードへ設定変更することを含む)ができるが、遊技中(たとえば大当り中)にその後に進行する遊技(発展先の遊技)のモードを同様に選択できる構成でもよい。
設定表示513は、複数の設定項目ごとにある設定ページのうちのモード設定用のページが前面にある状態を表す。設定表示513は、上辺部に横並びに配置された、音量タブ表示516a、明るさタブ表示516b、モードタブ表示516c、及びカスタマイズ1タブ表示516dを含み、上辺部の下側の上辺部よりも大きな領域に配置されたモード設定ページ表示513aを含む。設定表示513では、設定項目としてモードが選択されていること(いいかえると、モードタブ表示516cによって表されたモードタブが選択されていること)を示すため、モードタブ表示516cとモード設定ページ表示513aの背景の色や塗りつぶしの態様を同じものとして一体化しているように見せている。なお、モードタブ表示516cとモード設定ページ表示513aは、一体の画像として表示してもよい。
モード設定ページ表示513aは、前述したモード設定用のページを表すものであり、モードタブ表示516cと一体に表示される背景と、この背景内に表示されるモード表示とを含む。モード表示は、モード名称(モードAなど)を示す文字が付された画像(この場合、横長矩形画像)であり、選択可能なモードを表す。画面512では、モード表示として、モードA、モードB、モードC、モードDの4個のモードにそれぞれ対応するものが上から順番に並んで配置されている。また、画面512はモードAが選択されている状態(モードA選択状態)であり、モードAが選択されていることを示すため、画面512ではモードAのモード表示が他のモード表示よりも目立つ色あるいは目立つ態様で塗りつぶされた画像となっている。なおモード表示は、4個に限らず、4個未満でもよいし、5個以上でもよい。また、一度に表示される数以上のものがスクロールアップまたはスクロールダウンされて表示される態様でもよい。
オプション設定部イメージ表示514は、設定変更の操作部となるオプション設定部29のイメージを表示する。操作案内表示515は、設定項目に対応した設定変更の操作案内や操作説明等を表示する。なお、オプション設定部イメージ表示514は、操作案内表示515と対応する表示態様でオプション設定部29の各スイッチのイメージを表示する。
画面512が表示された状態(客待ち状態におけるモード設定可能状態)において可能な操作と、当該操作を受け付けた演出制御装置300がおこなう動作(表示の切り替えなど)について説明すると、以下のようになる。まず、オプション設定部29の十字カーソルスイッチのうちの上下方向のスイッチを操作すると、たとえばモードA選択状態からモードB選択状態へと、選択されているモードの設定が順に切り替わり、これに対応してモード設定ページ表示513aにおいて目立つ状態に表示されているモード表示が切り替わる。また、オプション設定部29の中央スイッチを操作すると、その時点で選択されている設定が確定し、たとえば画面511を表示する状態に戻る。また、オプション設定部29の十字カーソルスイッチのうちの左右方向のスイッチを操作すると、設定項目が他の設定項目である音量、明るさ(光量)、カスタマイズ1のうちのいずれかに切り替わり、モード設定ページ表示513aが他の設定項目のページ表示に切り替わる(たとえば後述する図18に示す画面518のような表示状態に切り替わる)。
図17(1)に示す画面512aと図17(2)に示す画面512bは、前述した図16(2)に示す画面512と同じモード設定操作中における表示画面(すなわち、画面512に代えて表示される画面)である。画面512との相違点は、画面512aではモード設定ページ表示513aにおけるモード表示が全てモードAであり、画面512bではモード設定ページ表示513aにおけるモード表示の表示位置(表示順)が上下逆である点である。
本実施形態では、制御手段を構成する演出制御装置300が、モード設定操作中における表示画面として、このように複数ある表示画面の態様のうちのいずれかを前述した乱数抽選等によって選択して表示することにより、モード設定操作中における表示画面の内容や態様によっても設定示唆演出をおこなう。たとえば、前述した図15に示した設定示唆演出の内容には、モード設定操作中における表示画面も含まれ、これによりモード設定操作中における表示画面によって遊技性能の設定を示唆する。一例としては、選択可能なモード数が多く特殊な画面512bが、遊技性能の設定が「5」や「6」などの高確率である場合に選択されて表示される確率を高くし、一方選択可能なモード数が極端に少ない画面512aが、遊技性能の設定が「1」や「2」などの低確率である場合に選択されて表示される確率を高くする、といった構成とする。これにより、遊技者はたとえば経験的に、モード設定操作中における表示画面の内容や態様から遊技性能の現在の設定を認知したり推定したりすることができる(すなわち、モード設定操作中における表示画面によって遊技性能の設定を示唆できる)。
モード設定操作中における表示画面としては、上述した画面512、画面512a、画面512bに限定されず、これ以外にも各種の態様があり得る。たとえば、モード表示として、上から順にモードA、モードB、モードB、モードDと表示されるもの(モードBが連続し、モードCの表示がないもの)などであってもよい。
図18に示す画面518は、客待ち状態における表示装置41の表示画面の1つであり、カスタマイズ1設定操作中における表示画面である。画面518は、設定表示519とオプション設定部イメージ表示514と操作案内表示520とコメント表示521を含む。画面518の各表示は、画面511に重畳表示するものであってもよい。
ここで、カスタマイズ1は、設定示唆演出のデフォルトの演出(前述した図15で説明した演出)に対して、遊技者が任意に設定示唆演出の内容を付加できるカスタマイズである。なお、付加ではなく、デフォルトの演出に代えてカスタマイズによる演出をおこなうよう設定可能な構成でもよい。本実施形態は、カスタマイズによる演出として、一例としてプッシュボタン25(以下、単にボタンという場合がある)の振動をおこなう構成である。カスタマイズによる演出とは、遊技者操作(カスタマイズ)により、実行することを指定可能な演出(演出の態様)を意味する。一方、デフォルトの演出とは、遊技者操作によらずに予め設定された演出であって、遊技者操作による設定が無くても実行される可能性のある演出(演出の態様)を意味する。
設定表示519は、複数の設定項目ごとにある設定ページのうちのカスタマイズ1設定用のページが前面にある状態を表す。設定表示519は、前述した設定表示513と同様に上辺部に横並びに配置された、音量タブ表示516a、明るさタブ表示516b、モードタブ表示516c、及びカスタマイズ1タブ表示516dを含む。また設定表示519は、上辺部の下側の上辺部よりも大きな領域に配置されたカスタマイズ1設定ページ表示519aを含む。設定表示519では、設定項目としてカスタマイズ1が選択されていること(いいかえると、カスタマイズ1タブ表示516dによって表されたカスタマイズ1タブが選択されていること)を示すため、カスタマイズ1タブ表示516dとカスタマイズ1設定ページ表示519aの背景の色や塗りつぶしの態様を同じものとして一体化しているように見せている。なお、カスタマイズ1タブ表示516dとカスタマイズ1設定ページ表示519aは、一体の画像として表示してもよい。
カスタマイズ1設定ページ表示519aは、前述したカスタマイズ1設定用のページを表すものであり、カスタマイズ1タブ表示516dと一体に表示される背景と、この背景内に表示される各種の演出項目表示とを含む。演出項目表示は、演出内容(表示Aなど)を示す文字とチェック欄としての円形部が付された画像(この場合、横長矩形画像)であり、カスタマイズ可能な演出内容を表す。画面518では、演出項目表示として、設定示唆演出(表示A)、設定示唆演出(表示B)、設定示唆演出(ランプA)、設定示唆演出(ランプB)の4個の演出内容にそれぞれ対応するものが上から順番に並んで配置されている。また、画面518は設定示唆演出(表示A)が選択されている状態(表示A選択状態)であり、設定示唆演出(表示A)が選択されていることを示すため、画面518では設定示唆演出(表示A)の演出項目表示が他の演出項目表示よりも目立つ色あるいは目立つ態様で塗りつぶされた画像となっている。なお演出項目表示は、4個に限らず、4個未満でもよいし、5個以上でもよい。また、一度に表示される数以上のものがスクロールアップまたはスクロールダウンされて表示される態様でもよい。
操作案内表示520は、設定項目に対応した設定変更の操作案内や操作説明等を表示するものであるが、前述した画面512などの操作案内表示515とは一部異なる。大きな違いとしては、操作案内表示520は、オプション設定部29の2つの付属スイッチ(「+」または「-」の文字が付されたスイッチ)について、「カスタマイズ切替」に使用できることを示す文字表示を含む。なお、オプション設定部イメージ表示514は、操作案内表示520と対応する表示態様でオプション設定部29の各スイッチのイメージを表示する。
コメント表示521は、後述するチェックを入れることの意味の説明として、たとえば「チェックを入れるとカスタマイズ有りになりボタンが振動します」という文字を含む画像を表示する。
画面518が表示された状態(客待ち状態におけるカスタマイズ1設定可能状態)において可能な操作と、当該操作を受け付けた演出制御装置300がおこなう動作(表示の切り替えなど)について説明すると、以下のようになる。まず、オプション設定部29の十字カーソルスイッチのうちの上下方向のスイッチを操作すると、たとえば表示A選択状態から表示B選択状態へと、選択されている演出の内容が順に切り替わり、これに対応してカスタマイズ1設定ページ表示519aにおいて目立つ状態に表示されている演出項目表示が切り替わる。また、オプション設定部29の2つの付属スイッチ(「+」または「-」の文字が付されたスイッチ)を操作すると、選択されている演出項目表示におけるチェック欄(円形部)にチェックが入った状態とチェックが外れた状態とに切り替わる。たとえば、「+」の文字が付された付属スイッチを操作すると、選択されている演出項目表示におけるチェック欄(円形部)にチェックが入り、「-」の文字が付された付属スイッチを操作すると、選択されている演出項目表示におけるチェック欄(円形部)のチェックが消える(チェックが外れる)。
また、オプション設定部29の中央スイッチを操作すると、その時点で選択されている設定が確定し、たとえば画面511を表示する状態に戻る。また、オプション設定部29の十字カーソルスイッチのうちの左右方向のスイッチを操作すると、設定項目が他の設定項目である音量、明るさ(光量)、モードのうちのいずれかに切り替わり、カスタマイズ1設定ページ表示519aが他の設定項目のページ表示に切り替わる(たとえば前述した図16に示す画面512のような表示状態に切り替わる)。
なお、演出制御装置300は、たとえば前述したステップD20のホール・遊技者設定モード処理において、上述したオプション設定操作を受け付ける。たとえば、画面518が表示された状態での操作によって、設定示唆演出(表示A)の演出項目表示におけるチェック欄にチェックが入った状態で、オプション設定部29の中央スイッチがオン操作されて設定を確定させる操作がされると、設定示唆演出(表示A)に対してカスタマイズ有りの設定がなされたことを示すフラグ(以下、カスタマイズフラグという)をセットする。
次に、演出制御装置300の設定示唆演出切替処理を図19を用いて説明する。図19は、第1の実施形態の演出制御装置における設定示唆演出切替処理のフローチャートを示す図である。
設定示唆演出切替処理は、たとえば前述したステップD23の演出表示編集処理などにおいて、設定示唆演出(デフォルトの設定示唆演出)についての振分(乱数抽選などによる実行する演出の選択)を含む設定処理がおこなわれた場合、この設定処理のたとえば最後に呼び出されて実行される処理である。
この設定示唆演出切替処理においては、まず、設定示唆演出として実行される演出が有るか否か判定する(ステップD101)。そして、設定示唆演出として実行される演出が有る場合(ステップD101;Yes)は、設定示唆演出として実行される演出についてカスタマイズ設定が有効か否か判定する(ステップD102)。このステップD102では、設定示唆演出として実行される演出について、前述したカスタマイズフラグがセットされていれば有効と判定する。また、設定示唆演出として実行される演出が無い場合(ステップD101;No)は、設定示唆演出切替処理を終了する。
そして、設定示唆演出として実行される演出についてカスタマイズ設定が有効である場合(ステップD102;Yes)は、カスタマイズに対応した演出の設定(ステップD103)をおこなう。一方、設定示唆演出として実行される演出についてカスタマイズ設定が有効でない場合(ステップD102;No)は、デフォルトの演出の設定(ステップD104)をおこなう。
なお、ステップD104の設定では、カスタマイズ設定が有効でない設定示唆演出(カスタマイズフラグがセットされていない演出)について、デフォルトの演出のみを実行する設定をおこなう。また本実施形態の場合、ステップD103の設定では、カスタマイズ設定が有効である設定示唆演出(カスタマイズフラグがセットされた演出)について、デフォルトの演出に付加して、カスタマイズによる演出(本実施形態の場合はプッシュボタン25の振動による演出)を実行する設定をおこなうが、デフォルトの演出に代えてカスタマイズによる演出を実行する設定をおこなってもよい。
次に、カスタマイズに対応した演出の設定(ステップD103)あるいはデフォルトの演出の設定(ステップD104)をおこなった後は、設定示唆演出として実行される全ての演出についてカスタマイズ設定が有効か否かの判定(ステップD102)といずれかの設定(ステップD103またはステップD104)が実行されたか否か判定する(ステップD105)。
そして、設定示唆演出として実行される全ての演出についていずれかの設定(ステップD103またはステップD104)が実行された場合(ステップD105;Yes)には、設定示唆演出切替処理を終了する。一方、いずれの設定(ステップD103またはステップD104)も実行されていない実行予定の設定示唆演出がある場合(ステップD105;No)は、ステップD102に戻って処理を繰り返す。
以上説明した設定示唆演出切替処理により、たとえば前述の画面518で遊技者がチェックを入れて設定を確定させた設定示唆演出については、デフォルトの演出に加えて(あるいはデフォルトの演出に代えて、でもよい)カスタマイズによる演出であるプッシュボタン25の振動による演出が実行される。
なお、ステップD103の設定では、図14で説明したデフォルトの演出の選択と同様に、カスタマイズによる演出についても、遊技性能の設定に応じて異なる内容の演出を選択して実行する設定をおこなうことが望ましい。具体的には、たとえば、実行されるプッシュボタン25の振動パターンとして、複数あるうちのいずれかの振動パターンが遊技性能の設定値に応じた異なる選択確率で選択されて設定される。たとえば、プッシュボタン25が所定時間振動する動作が1回だけおこなわれる第1パターン、プッシュボタン25が所定時間振動して所定時間停止する動作が2回繰り返しおこなわれる第2パターン、プッシュボタン25が所定時間振動して所定時間停止する動作が3回繰り返しおこなわれる第3パターン、などのように複数の演出パターンがあり、たとえば遊技性能の設定値が高い場合ほど繰り返し回数の多い振動パターンがカスタマイズによる演出の演出パターンとして選択される確率が高い、といった構成である。これにより、カスタマイズによる演出の演出パターン(本実施形態の場合はプッシュボタン25の振動パターン)によって遊技性能の現在の設定値についての遊技者への示唆が実現できる。
但し、カスタマイズによる演出のパターンは1種類だけの構成でもよい。たとえば本実施形態の場合、同時期に実行されるデフォルトの設定示唆演出によって遊技性能の現在の設定値についての遊技者への示唆が実現できるからである。また、カスタマイズによる演出を実行するタイミングによって遊技性能の設定値の示唆をおこなう構成もあり得るからである。
また、カスタマイズによる演出としての振動パターンには、振動回数は同じでも振動時間の異なる複数のパターン(たとえば、2秒、3秒、4秒など)があってもよいし、振動回数と振動時間の両者が異なる複数のパターンがあってもよい。また一つの振動パターンにおける振動回数は、1回でもよいし、複数回でもよい。
次に、遊技機10の遊技中に演出制御装置300が実行する設定示唆演出の具体例について図20を用いて説明する。図20は、第1の実施形態の遊技中の設定示唆演出の一例を示す図(その1)である。
図20(1)に示す表示画面523は、変動表示中のリーチ状態の表示画面であり、前述した表示画面500や表示画面510と同様に、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506とを表示し、加えて設定示唆演出用のキャラクタ表示524を表示する。表示画面523は、前述した表示画面510の後の画面であって、大図柄群501の左図柄と右図柄が同じ図柄で停止し、大図柄群501の中図柄のみが低速で変動表示される一般的なリーチアクション(ノーマルリーチの演出)を実行中の画面である。
キャラクタ表示524は、たとえば前述した設定示唆演出(表示A)に相当し、表示画面523では女の子の画像を一例として示している。
演出制御装置300は、このようなキャラクタ表示524の制御処理において、キャラクタ表示524の表示をおこなうか否か、表示するキャラクタの種類(たとえば女子、男子、虎、武将など)、表示するキャラクタの態様(色、模様、明るさ、大きさ、衣装など)、表示するキャラクタの範囲(たとえばキャラクタの右半分のみ、左半分のみ、上半分のみ、全体など)、キャラクタを表示開始または表示終了するタイミング(リーチ開始前か、リーチ開始時点か、リーチ開始から所定時間経過後かなど)、キャラクタを表示する時間の長さ、キャラクタを表示する画面上の位置(画面の隅か、画面の中央か、左図柄の近傍か、右図柄の近傍か、中図柄の近傍か、など)、表示するキャラクタの他の画像(大図柄群など)との位置関係(前後関係含む)、キャラクタに付随するセリフ(表示または音声)の有無や内容、などの各種選択項目のうちのいずれか一つまたは複数を、前述した設定示唆演出振分テーブルを用いた乱数抽選などによって選択して異ならせることによって、遊技性能の現在の設定値を遊技者に示唆する。
図20(2)に示す表示画面525は、前述した表示画面500と同様に図柄停止中の表示画面であり、変動表示ゲームにおける変動表示終了後(次の変動表示ゲーム開始前)に変動表示ゲームの結果態様である図柄を所定期間停止表示するものである。
表示画面525は、大図柄群501等に加えて設定示唆演出用のキャラクタ表示524と、このキャラクタ表示524に付随するセリフ表示524aを表示する。キャラクタ表示524とセリフ表示524aは、たとえば前述した設定示唆演出(表示A)に相当し、表示画面525では、セリフ表示524aの一例として、「100回転よ!」という文字と4個の星印を表示している。
演出制御装置300は、このようなキャラクタ表示524の制御処理において、表示画面523について説明した場合と同様に、各種選択項目のうちのいずれか一つまたは複数を、前述した設定示唆演出振分テーブルを用いた乱数抽選などによって選択して異ならせることによって、遊技性能の現在の設定値を遊技者に示唆可能である。設定示唆演出にかかわる選択項目には、この表示画面525のように図柄停止に際してキャラクタを表示するか否か、図柄停止によって到達した回転数(特図1または特図2の変動表示ゲームの実行回数)を表示するか否か、所定回転数ごとにキャラクタを表示するか否か、キャラクタを表示する所定回転数を何回転にするか、などの選択項目があり得る。
また、セリフ表示524aの星印のような、キャラクタに付属して表示されるマークの数や態様が、上記選択項目に含まれて、このマークの数や態様によって遊技性能の示唆が実現される構成でもよい。たとえば、星印が6個あれば遊技性能の設定値が「6」であることが示唆され、星印が4個あれば遊技性能の設定値が「5」または「6」であることが示唆され、星印が2個あれば遊技性能の設定値が「4」から「6」のいずれかであることが示唆され、星印が1個あれば遊技性能の設定値が「1」から「3」である可能性が高いことが示唆され、星印が0個あれば遊技性能の設定値が「1」から「2」である可能性が高いことが示唆される、といった設定示唆演出が可能な構成でもよい。
図20(3)は、カスタマイズによる演出として、プッシュボタン(演出ボタン)25が振動する演出を示す。たとえば前述の画面518で遊技者が設定示唆演出(表示A)についてチェックを入れて設定を確定させた場合は、上述した画面523や画面525におけるキャラクタ表示524等によるデフォルトの演出に付加して(あるいはデフォルトの演出に代えて)、このデフォルトの演出の実行時期と同時期(開始タイミングや終了タイミングに所定の時間差があってもよい)にカスタマイズによる演出であるプッシュボタン25の振動による演出が実行される。図20(3)に示した例では、プッシュボタン25が所定時間振動して所定時間停止する動作が3回繰り返しおこなわれる第3パターンの演出がおこなわれている。
このようにカスタマイズによる演出がおこなわれることにより、設定示唆演出のデフォルトの演出について詳しく知らない初心者や情報弱者でも、少なくとも設定示唆演出が開始されて実行されていることを確実に認知できるようになり、設定示唆演出の多様化と、遊技者を選ばない遊技の興趣向上とを両立できる。
なお本実施形態では、上述した画面523等に示すようなキャラクタ表示による設定示唆演出をデフォルトの演出の一例として説明しているが、カスタマイズによる演出として、画面523等に示すようなキャラクタ表示(たとえばオプション設定時に遊技者に知らされる特定のキャラクタの画像の表示)による設定示唆演出を遊技者が設定できる構成であってもよい。但し、本実施形態のようにカスタマイズによる演出がプッシュボタン25の振動であると、プッシュボタン25の振動は初心者等にも分かり易いので、設定示唆演出の出現を見逃しにくくなり、演出の内容が分かり易くなるなどの効果がより顕著になる。
次に、設定示唆演出の実行タイミング(デフォルトの演出とカスタマイズによる演出の実行タイミングの関係)について、図21を用いて説明する。図21は、第1の実施形態の設定示唆演出の実行タイミングの一例を示す図である。好ましい一例としては、図21に示すように、設定示唆演出が実行される際には、まずタイミングT1でカスタマイズによる演出(たとえばプッシュボタン振動)が開始され、タイミングT1から所定の時間差が経過したタイミングT2でデフォルトの演出(たとえば設定示唆演出(表示A))が開始される。その後、タイミングT3でカスタマイズによる演出が終了し、タイミングT3から所定の時間差が経過したタイミングT4でデフォルトの演出が終了する。
このように開始と終了に所定の時間差があると、初心者等の遊技者でもデフォルトの演出を見逃すことがなくなり、設定示唆演出の示唆内容を把握し易くなるとともに、デフォルトの演出とカスタマイズによる演出の両方を容易に楽しむことができる。遊技者は、プッシュボタン振動に気付いて所定時間経過した後でも、またプッシュボタン振動の演出が終了した後でも、上記時間差の範囲内であれば、たとえば表示装置41の表示部を見て設定示唆演出(表示A)を探して認知することができ、余裕をもって両方の演出を鑑賞できるからである。
なお、設定示唆演出の実行タイミングは、デフォルトの演出とカスタマイズによる演出の開始(開始タイミング)と終了(終了タイミング)を全く同一にしてもよいし、開始と終了のうちのいずれか一方のみを同一としてもよい。すなわち、タイミングT1とタイミングT2を一致させるとともにタイミングT3とタイミングT4も一致させた構成でもよいし、タイミングT1とタイミングT2を一致させてタイミングT3とタイミングT4は一致させない構成でもよいし、タイミングT1とタイミングT2は一致させずにタイミングT3とタイミングT4を一致させた構成でもよい。
次に、設定示唆演出(デフォルトの演出、あるいはカスタマイズによる演出として実行される演出)の別の具体例について、図22を用いて説明する。図22は、第1の実施形態の遊技中の設定示唆演出の一例を示す図(その2)である。なお図22以降では、図20と同じ表示要素の一部の符号(保留表示505等)について図示省略する場合がある。
図22に示す表示画面527は、リーチ状態(たとえばスペシャルリーチ)で出現した発展演出の開始時の画面である。表示画面527は、縮小した大図柄群501が上方に後退した分だけ空いた表示領域の部分に配置された発展演出表示528を表示内容に含む。発展演出表示528は、たとえば、キャラクタ同士のバトル演出の開始を示す表示である。このとき、大図柄群501は、左図柄と右図柄とが図柄「3」でリーチを形成する。
図22に示す表示画面529は、表示画面527の後の表示画面であって発展演出の結果としての大当り報知演出がおこなわれている状態の表示画面を示す。表示画面529は、発展演出表示528からバトル演出のバトル実行中の表示(図示省略)を経て変化した発展演出表示530を表示内容に含む。発展演出表示530は、たとえば、キャラクタ同士のバトル演出の結果(遊技者側のキャラクタが勝利した結果)を示す表示である。発展演出表示530は、所定の背景の前面に各キャラクタと「勝ち!!」などの文字や「まいった!」などのセリフを表示する。
この表示画面529では、たとえば発展演出表示530の背景が前述した設定示唆演出(表示B)に相当し、この背景の態様(色、模様、明るさなど)によって遊技性能の設定値を示唆する。また、発展演出表示530のキャラクタやセリフなどの表示が、図20に示したキャラクタ表示524と同様に、たとえば前述した設定示唆演出(表示A)に相当して遊技性能の設定値を示唆する構成でもよい。
図22に示す表示画面531は、表示画面527の後の表示画面であって発展演出の結果としての外れ報知演出がおこなわれている状態の表示画面を示す。表示画面531は、発展演出表示528からバトル演出のバトル実行中の表示(図示省略)を経て変化した発展演出表示532と、キャラクタ表示524と、このキャラクタ表示524に付随するセリフ表示524aを表示内容に含む。
発展演出表示532は、たとえば、キャラクタ同士のバトル演出の結果(遊技者側のキャラクタが負けた結果)を示す表示である。発展演出表示532は、所定の背景の前面に各キャラクタと「負け~」などの文字を表示する。発展演出表示532は、発展演出表示530と同様に、相手側のキャラクタ(たとえば虎のキャラクタ)やセリフも表示する構成でもよい。
この表示画面531では、たとえば発展演出表示532の背景が前述した設定示唆演出(表示B)に相当し、この背景の態様(色、模様、明るさなど)によって遊技性能の設定値を示唆する。また、発展演出表示532のキャラクタやセリフなどの表示が、図20に示したキャラクタ表示524と同様に、たとえば前述した設定示唆演出(表示A)に相当して遊技性能の設定値を示唆する構成でもよい。
また、表示画面531に表示したキャラクタ表示524とセリフ表示524aが、図20に示したキャラクタ表示524等と同様に、たとえば前述した設定示唆演出(表示A)に相当して遊技性能の設定値を示唆する構成でもよい。表示画面531では、外れ報知演出におけるセリフ表示524aの一例として、「残念!」という文字と6個の星印を表示している。
次に、設定示唆演出(デフォルトの演出、あるいはカスタマイズによる演出として実行される演出)の別の具体例について、図23を用いて説明する。図23は、第1の実施形態の遊技中の設定示唆演出の一例を示す図(その3)である。
図23(1)に示す表示画面534は、いわゆる疑似連(1回の変動表示ゲームを複数回に見せる演出)における仮停止時の画面である。画面534では、左図柄を「2」、右図柄を「4」、中図柄を「継続」という図柄で仮停止表示している。ここで、仮停止表示は、完全には停止していない表示であり、たとえば上下に小さな振幅で図柄を往復移動させて揺れているように見せる表示である。図柄の表示角度が時計回り・反時計回りに変化して振動する表示であってもよい。
この表示画面534では、たとえば大図柄群501の左図柄と右図柄で遊技性能の設定値を示唆する。演出制御装置300は、たとえば現在の遊技性能の設定値が「2」~「4」のいずれかである場合には、表示画面534のように仮停止時の大図柄群501の左図柄と右図柄の一方を「2」とし他方を「4」とするように制御する。仮停止表示が複数回おこなわれる場合、毎回同じ図柄を表示してもよいし、異なる図柄を表示してもよい。また仮停止表示が複数回おこなわれる場合、遊技性能の設定値の示唆は、毎回おこなわれてもよいし、特定の回(初回、最終回など)のみでおこなわれてもよい。演出制御装置300は、たとえば現在の遊技性能の設定値が「2」~「4」のいずれかである場合には、1回目の仮停止表示では大図柄群501の左図柄と右図柄の一方を「2」とし他方を「4」とし、2回目の仮停止表示では大図柄群501の左図柄と右図柄の一方を「3」とし他方を「4」とする、といったように制御する構成でもよい。
このように仮停止時の飾り図柄により遊技性能の設定値を示唆すれば、遊技者が常に注目する飾り図柄であるので、分かり易く効果的な設定示唆演出が実現できる。
図23(2)に示す表示画面535は、これも疑似連における仮停止時の画面であるが、大図柄群501のうちの一つの図柄(この場合、左図柄)を他の図柄よりも強調表示することによって、遊技性能の設定示唆をおこなっている。
図23(3)に示す表示画面536は、これも疑似連における仮停止時の画面であるが、大図柄群501のうちの一つの図柄(この場合、右図柄)を他の図柄よりも強調表示することによって、遊技性能の設定示唆をおこなっている。
強調表示は、たとえば図柄の文字や線を太くする、図柄の輝度を高くする、図柄の色を目立つ色に切り替える、図柄の揺れの方向を他の図柄と異ならせる、図柄の揺れの振幅を他の図柄よりも大きくする、などのうちのいずれか一つまたは複数によっておこなう。表示画面535では、一例として左図柄「2」を他の図柄よりも大きく振動させている。表示画面536では、一例として右図柄「4」を他の図柄よりも大きく振動させている。
これらの表示画面535,536では、たとえば大図柄群501の強調表示した図柄で遊技性能の設定値を示唆する。演出制御装置300は、たとえば現在の遊技性能の設定値が「2」である場合には、表示画面535のように仮停止時の大図柄群501の図柄のうちの一つを「2」として強調表示するように制御する。また演出制御装置300は、たとえば現在の遊技性能の設定値が「2」~「4」のいずれかである場合には、1回目の仮停止表示では大図柄群501の図柄の一つを「2」として強調表示し、2回目の仮停止表示では大図柄群501の図柄の一つを「3」として強調表示し、3回目の仮停止表示では表示画面536のように大図柄群501の図柄の一つを「4」として強調表示する、といったように制御する構成でもよい。
このように仮停止時の飾り図柄の強調表示により遊技性能の設定値を示唆すれば、遊技者が常に注目する飾り図柄であり、しかも特定の一部の図柄が他の図柄よりも強調されるので、設定示唆演出が比較的分かり易くなり、発見し易くもなる。
次に、設定示唆演出(デフォルトの演出、あるいはカスタマイズによる演出として実行される演出)の別の具体例について、図24を用いて説明する。図24は、第1の実施形態の遊技中の設定示唆演出の一例を示す図(その4)である。
図24(1)に示す表示画面538は、前述した表示画面500と同様に、図柄停止中の表示画面であり、変動表示ゲームにおける変動表示終了後(次の変動表示ゲーム開始前)に変動表示ゲームの結果態様である図柄を所定期間停止表示するものである。この場合、演出制御装置300は、大図柄群501の左図柄、中図柄、右図柄をたとえば「1、2、3」で停止表示させ、小図柄群502の左図柄、中図柄、右図柄も同じ「1、2、3」で停止表示させることによって、遊技性能の設定示唆をおこなっている。すなわち、演出制御装置300は、たとえば現在の遊技性能の設定値が「1」~「3」のいずれかである場合には、表示画面538のように停止時の大図柄群501と小図柄群502の各図柄を同じ「1、2、3」で停止表示させる。
図24(2)に示す表示画面539は、これも図柄停止中の表示画面である。この場合、演出制御装置300は、大図柄群501の左図柄、中図柄、右図柄をたとえば「3、4、3」などの特定の停止図柄の組合せで停止表示させる一方で、小図柄群502の左図柄、中図柄、右図柄を現在の遊技性能の設定値に対応した図柄の組合せ(たとえば「4、5、6」で停止表示させることによって、遊技性能の設定示唆をおこなっている。すなわち、演出制御装置300は、たとえば現在の遊技性能の設定値が「4」~「6」のいずれかである場合には、表示画面539のように停止時の大図柄群501を特定の図柄の組合せとする一方で、小図柄群502を現在の遊技性能の設定値に対応した「4、5、6」で停止表示させる。
なお、特定の停止図柄の組合せとは、たとえば「3、4、3」などのように図柄の順番や数字が1個分ずれた組合せや、「4、5、6」などのように図柄の順番や数字が連続する組合せ、などがある。
このように大図柄群501と小図柄群502とで連携して遊技性能の設定示唆をおこなうと、設定示唆演出の興趣向上、多様化が実現できる。特に、表示画面539で説明したような、やや複雑な仕組みの設定示唆演出であると、プッシュボタン25の振動による演出などに比べると、初心者等には分かり難い虞があるという短所がある一方で、熱心な遊技者にとっては、そのような設定示唆演出の仕組みを経験的に自分で発見したり、雑誌やインターネット上の記事で調べて実機で確認したりする楽しみが増えて興趣が向上する。
次に、設定示唆演出(デフォルトの演出、あるいはカスタマイズによる演出として実行される演出)の別の具体例について、図25及び図26を用いて説明する。図25は、第1の実施形態の遊技中の設定示唆演出の一例を示す図(その5)である。図26は、第1の実施形態の遊技中の設定示唆演出の一例を示す図(その6)である。
図25(1)に示す表示画面541は、大当り遊技状態において出現した確変昇格演出開始時の画面である。確変昇格演出は、特図の確率状態が高確率状態(確変状態)になるか否かを報知する演出であり、たとえば、大当り図柄が高確率状態となる図柄ではなく大当り遊技後の状態が低確率状態であると遊技者がいったん認識した場合でも、演出結果によっては大当り遊技後の状態が高確率状態になる可能性があること、またその演出結果を遊技者に見せる演出である。なお、この第1実施形態の遊技機10では、既述したように特別遊技状態においてV流路に遊技球が流入して特定領域スイッチ38eで検出されることにもとづき高確率状態となるように構成されているが、この構成の場合でも、確変昇格演出をおこなってもよい。たとえば、確変昇格演出を開始し、所定期間内(たとえば、大当り遊技終了までの期間)にV流路に遊技球が流入すれば(確変昇格演出開始前の流入でもよい)、演出結果として確変昇格成功(確変確定)を報知する演出を最後におこない、所定期間内にV流路に遊技球が流入しなければ、演出結果として確変昇格失敗(確変ならず)を報知する演出を最後におこなうよう、演出制御装置300が制御する構成とすればよい。
表示画面541は、このような確変昇格演出開始時の画面であり、大当り中表示542と、大当り中表示542の前面側に大当り中表示542を遮蔽(隠蔽含む)するように表示される左遮蔽表示543及び右遮蔽表示544とを表示する。
大当り中表示542は、一例として、図示省略した所定の背景と、大当り遊技の発生に係わる大当り図柄(たとえば「2、2、2」)の表示と、大当り遊技状態であることや大当りの現在のラウンド数を示す表示などを含む。
左右の遮蔽表示543,544は、奥側に配置された大当り中表示542を視認不能または視認困難に遮蔽するものであり、いわゆるシャッターやカットインなどと呼ばれる表示の一種といえる。これら遮蔽表示543,544の前面には、図に示すように確変昇格演出の実行を報知する文字など(たとえば、「確変昇格」、「チャンス」など)の画像が付帯的に表示されてもよい。
また表示画面541では、左遮蔽表示543は、表示装置41の表示部の左側から扉が横方向にスライドして出てくるように出現して、表示装置41の表示部の左端部を覆っている。また右遮蔽表示544は、表示装置41の表示部の右側から扉が横方向にスライドして出てくるように出現して、表示装置41の表示部の右端部を覆っている。
図25(2)に示す表示画面545は、表示画面541の後の画面であり、遮蔽表示543,544が中央まで移動して表示装置41の表示部の略全体を遮蔽した画面であり、キャラクタ表示524と、このキャラクタ表示524に付随するセリフ表示524aを表示内容に含む。キャラクタ表示524と、このキャラクタ表示524に付随するセリフ表示524aは、たとえば図に示すように遮蔽表示543,544の前面側に配置されるが、遮蔽表示543,544の奥側に配置されて遮蔽表示543,544の移動状況によっては一部または全体が見えなくなる構成でもよい。
図26(1)に示す表示画面547は、表示画面545の後の画面であり、遮蔽表示543,544が中央から再び左右に後退して表示装置41の表示部の左端部と右端部を遮蔽した状態の画面であり、確変昇格ミッションを実行するキャラクタ表示548と、このキャラクタ表示548に付随するセリフ表示548aを表示内容に含む。キャラクタ表示548とセリフ表示548aは、たとえば図に示すように大当り中表示542より手前側であって遮蔽表示543,544よりも奥側に配置される。また表示画面547では、大当り中表示542の大当り図柄が、確変大当り図柄になる可能性のあるリーチ状態(たとえば「3、2、3」)に変化する。
図26(2)に示す表示画面549は、表示画面547の後の画面であり、確変昇格ミッションが成功した状態を示す画面であり、キャラクタ表示548が大当り中表示542における図柄に作用して、図柄の組合せを確変大当り図柄(たとえば、「3、3、3」)に変化させた状態を示す画面である。この表示画面549も、キャラクタ表示524と、このキャラクタ表示524に付随するセリフ表示524aを表示内容に含む。また表示画面549では、左遮蔽表示543及び右遮蔽表示544に付帯する文字が確変昇格時のものに変化している。たとえば、左遮蔽表示543では「確変確定」となり、右遮蔽表示544では「電サポモード突入」となっている。一般的に、確変中(高確率状態)においては同時に電サポモード(普電サポート状態)になることが多く、表示画面549はそのような遊技機の仕様を想定した表示画面の例である。
表示画面541、545、547、549に示した一連の演出は、遮蔽表示543,544により表される扉が出現していったん閉じて開くと、確変昇格ミッションを遂行するキャラクタ(キャラクタ表示548が表すもの)が登場して確変昇格ミッションがおこなわれ、確変昇格ミッションが成功するというものであるが、高確率状態への切替がおこなわれない場合には、表示画面549の代わりに確変昇格ミッション失敗を示す画面が表示される。
上述した表示画面541、545、547、549のいずれか一つまたは複数において演出制御装置300は、たとえば遮蔽表示543,544の態様(色、模様、明るさ、付帯する文字の内容や形態など)によって遊技性能の設定値を示唆する。また、このようなシャッターやカットインの表示に対応させて出現させたキャラクタ表示524、548とセリフ表示524a、548aが、図20に示したキャラクタ表示524等と同様に、たとえば前述した設定示唆演出(表示A)に相当して遊技性能の設定値を示唆する構成でもよい。表示画面545では、確変昇格演出の開始時におけるセリフ表示524aの一例として、「チャレンジ!」という文字と4個の星印を表示している。表示画面549では、確変昇格演出の成功時におけるセリフ表示524aの一例として、「やったね」という文字と2個の星印を表示している。
このように遊技者が大当り時に熱心に注目する確変昇格演出において設定示唆演出をおこなえば、設定示唆演出の興趣向上、多様化などが実現できる。特に、表示画面549で説明したような、確変確定や電サポモード突入を報知する画像や文字(特に、シャッターやカットインに関連するもの)などによっておこなう設定示唆演出であると、設定示唆演出が比較的分かり易く、発見し易くもなり、初心者等でない遊技者でも確変確定や電サポモード突入の喜びと同時に設定示唆演出を楽しむことができて興趣が向上する。
以上説明した第1の実施形態の遊技機によれば、設定示唆演出としてのデフォルトの演出に対して、遊技者が指定した演出を付加した状態に切り替えること(あるいは、遊技者が指定した演出に置き換えた状態に切り替えること)ができるため、初心者等の遊技者であっても設定示唆演出を見逃したり設定示唆演出を理解できなかったりする不具合が無くなるか、少なくともそのような不具合が生じる可能性が格段に低下する。一方で、前述したチェックを入れなければ、たとえば全てデフォルトの演出のみの状態でも遊技できるので、デフォルトの演出としての前述した具体例に示したような各種の態様や複雑なものを複数所定タイミングで実行可能にしておくことで、設定示唆演出の多様化が実現でき、初心者ではない熱心な遊技者でも楽しめるようになる。したがって、設定示唆演出の多様化と、遊技者を選ばない遊技の興趣向上とを両立できる。
なお従来は、設定示唆演出はどのタイミングでどのような態様でおこなわれるか一般には分からないし、短時間の一瞬の演出であることも多いため、特に初心者や情報弱者にとっては、出現していても気付かずに見逃してしまったり、設定示唆演出が実行されていない普段との違いに若干気付いたとしても示唆内容がよく認識できなかったりする問題があり、情報弱者が設定示唆演出機能のある遊技機を敬遠する虞があった。一方で、機種ごとに設定示唆演出がどのようなものであるか、雑誌やインターネット上の記事などを熱心に調べて遊技機の情報に詳しい遊技者にとっては、設定示唆演出によって遊技性能の設定を推定して遊技機台選びなどに役立てることで有利になるため、設定示唆演出を利用しかつ楽しむことができる。この結果、興趣向上のために設定示唆演出を多様化させ複雑化させると、情報弱者とそうでない遊技者との間の格差がより拡大し、情報弱者の不公平感が増大して、情報弱者が設定示唆演出機能のある遊技機を敬遠する傾向が強まる虞があった。
しかし第1の実施形態の遊技機によれば、遊技者が操作して選択したデフォルトの演出に対して、遊技者が操作して指定した特定の分かり易い演出(好ましくは、演出の手段や内容が操作時に遊技者に知らされる演出、たとえば前述した操作部の振動)を付加できる(または置き換えることができる)。このため、わざわざ機種ごとに設定示唆演出がどのようなものであるか調べる必要が必ずしもなくなり、年配層などの情報弱者等であっても不公平感無く安心して遊技をすることが可能となる。また一方で、上述したように、全てデフォルトの演出のみの状態でも遊技できるので、情報弱者ではない熱心な遊技者も楽しめる。したがって、本実施形態によれば、上記問題が解消され、設定示唆演出の多様化と、遊技者を選ばない遊技の興趣向上とを両立でき、遊技場における遊技機の稼働率向上にも貢献できる。
また第1の実施形態の遊技機(デフォルトの演出に代えてカスタマイズによる演出をおこなうタイプ)によれば、複数あるデフォルトの設定示唆演出のうちのいずれかを自由に特定の演出に置き換えることができるので、他の遊技者や他人の遊技状況を観察する観察者に設定示唆演出の出現を悟られることがなく、自分が遊技している遊技機の遊技性能を自分だけが分かる優越感に浸ることができる。また遊技者にとって、他人の遊技状況を観察する観察者が遊技中の自分の周囲に張り付いて不快な思いをする問題も改善される利点がある。
次に、第1の実施形態の変形例1について図27を用いて説明する。図27は、第1の実施形態の変形例1の客待ち状態における設定変更画面の一例を示す図である。この変形例1の遊技機10は、客待ち状態において、前述したモード設定ページ表示513aを表示させた状態でのモード設定や、前述したカスタマイズ1設定ページ表示519aを表示させた状態でのカスタマイズ1設定などに加えて、カスタマイズ2設定が可能である点に特徴を有し、その他は第1の実施形態と同じ構成である。
図27に示す画面551は、前述した画面512、518と同様に客待ち状態における表示装置41の表示画面の1つであり、カスタマイズ2設定操作中における表示画面である。画面551は、設定表示552とオプション設定部イメージ表示514と操作案内表示553とコメント表示554を含む。
ここで、カスタマイズ2は、設定示唆演出のデフォルトの演出(前述した図15で説明した演出)のうちのいずれかを、遊技者が削除する(実行されない設定とする)ことができるカスタマイズである。
設定表示552は、複数の設定項目ごとにある設定ページのうちのカスタマイズ2設定用のページが前面にある状態を表す。設定表示552は、前述した設定表示513、519と同様に上辺部に横並びに配置された、音量タブ表示516a、明るさタブ表示516b、モードタブ表示516c、及びカスタマイズ1タブ表示516dと、カスタマイズ2タブ表示516eとを含む。また設定表示552は、上辺部の下側の上辺部よりも大きな領域に配置されたカスタマイズ2設定ページ表示552aを含む。設定表示552では、設定項目としてカスタマイズ2が選択されていること(いいかえると、カスタマイズ2タブ表示516eによって表されたカスタマイズ2タブが選択されていること)を示すため、カスタマイズ2タブ表示516eとカスタマイズ2設定ページ表示552aの背景の色や塗りつぶしの態様を同じものとして一体化しているように見せている。なお、カスタマイズ2タブ表示516eとカスタマイズ2設定ページ表示552aは、一体の画像として表示してもよい。
カスタマイズ2設定ページ表示552aは、前述したカスタマイズ2設定用のページを表すものであり、カスタマイズ2タブ表示516eと一体に表示される背景と、この背景内に表示される各種の演出項目表示とを含む。演出項目表示は、演出内容(表示Aなど)を示す文字とチェック欄としての円形部が付された画像(この場合、横長矩形画像)であり、カスタマイズ可能な演出内容を表す。画面551では、演出項目表示として、設定示唆演出(表示A)、設定示唆演出(表示B)、設定示唆演出(ランプA)、設定示唆演出(ランプB)の4個の演出内容にそれぞれ対応するものが上から順番に並んで配置されている。また、画面551は設定示唆演出(ランプA)が選択されている状態(ランプA選択状態)であり、設定示唆演出(ランプA)が選択されていることを示すため、画面551では設定示唆演出(ランプA)の演出項目表示が他の演出項目表示よりも目立つ色あるいは目立つ態様で塗りつぶされた画像となっている。なお演出項目表示は、4個に限らず、4個未満でもよいし、5個以上でもよい。また、一度に表示される数以上のものがスクロールアップまたはスクロールダウンされて表示される態様でもよい。
操作案内表示553は、設定項目に対応した設定変更の操作案内や操作説明等を表示するものであるが、前述した画面512などの操作案内表示515とは一部異なる。大きな違いとしては、操作案内表示553は、オプション設定部29の2つの付属スイッチ(「+」または「-」の文字が付されたスイッチ)について、「演出削除切替」に使用できることを示す文字表示を含む。
コメント表示554は、後述するチェックを入れることの意味の説明として、たとえば「チェックを入れると該当の演出内容が削除されます」という文字を含む画像を表示する。
画面551が表示された状態(客待ち状態におけるカスタマイズ2設定可能状態)において可能な操作と、当該操作を受け付けた演出制御装置300がおこなう動作(表示の切り替えなど)について説明すると、以下のようになる。まず、オプション設定部29の十字カーソルスイッチのうちの上下方向のスイッチを操作すると、たとえば表示A選択状態から表示B選択状態へと、選択されている演出の内容が順に切り替わり、これに対応してカスタマイズ2設定ページ表示552aにおいて目立つ状態に表示されている演出項目表示が切り替わる。また、オプション設定部29の2つの付属スイッチ(「+」または「-」の文字が付されたスイッチ)を操作すると、選択されている演出項目表示におけるチェック欄(円形部)にチェックが入った状態とチェックが外れた状態とに切り替わる。たとえば、「+」の文字が付された付属スイッチを操作すると、選択されている演出項目表示におけるチェック欄(円形部)にチェックが入り、「-」の文字が付された付属スイッチを操作すると、選択されている演出項目表示におけるチェック欄(円形部)のチェックが消える(チェックが外れる)。
また、オプション設定部29の中央スイッチを操作すると、その時点で選択されている設定が確定し、たとえば画面511を表示する状態に戻る。また、オプション設定部29の十字カーソルスイッチのうちの左右方向のスイッチを操作すると、設定項目が他の設定項目である音量、明るさ(光量)、モード、カスタマイズ1のうちのいずれかに切り替わり、カスタマイズ2設定ページ表示552aが他の設定項目のページ表示に切り替わる(たとえば前述した画面512、518のような表示状態に切り替わる)。
なお、演出制御装置300は、たとえば前述したステップD20のホール・遊技者設定モード処理において、上述したオプション設定操作を受け付ける。たとえば、画面551が表示された状態での操作によって、画面551のように設定示唆演出(表示A)と設定示唆演出(ランプA)の演出項目表示におけるチェック欄からチェックが外れた状態で、オプション設定部29の中央スイッチがオン操作されて設定を確定させる操作がされると、設定示唆演出(表示A)と設定示唆演出(ランプA)に対して演出削除の設定がなされたことを示すフラグ(以下、演出削除フラグという)をセットする。
そして、演出制御装置300は、たとえば前述したステップD23の演出表示編集処理において、実行する設定示唆演出の種類を受信した設定値コマンドが示す設定値に応じた所定の選択確率で選択して決定する際(すなわち、演出振分テーブルによって実行する演出を決定する際)に、上記演出削除フラグがセットされている演出内容については、選択対象から除外する。なお、この演出内容の除外によって選択確率(すなわち、各演出種類の出現率)のバランス(図14に例示したような遊技性能の設定値と各設定示唆演出種類の選択確率との関係)が崩れる場合には、設定示唆演出振分テーブルのデータを変更するなどして調整する構成とすればよい。
この変形例1の構成であると、遊技者が自分の好みによって設定示唆演出の演出内容を絞ることができるので、設定示唆演出の多様化と、遊技者を選ばない遊技の興趣向上とを両立できる。すなわち、多様な設定示唆演出が分かり難いと感じる初心者等は自分が分かり易いと考える演出のみに絞ることによって、設定示唆演出が分かり易くなり、設定示唆演出を自分なりに楽しむことができる。一方、多様で複雑な演出を好む遊技者にとっては、演出内容を絞ることなく、各種の設定示唆演出を楽しむことができる。
次に、第1の実施形態の変形例2について図28及び図29を用いて説明する。図28は、第1の実施形態の変形例2の客待ち状態における設定変更画面の一例を示す図(その1)である。図29は、第1の実施形態の変形例2の客待ち状態における設定変更画面の一例を示す図(その2)である。この変形例2の遊技機10は、発射ハンドル(打球発射装置の操作部24)の全体または一部が振動可能な構成であり、また客待ち状態において、前述したカスタマイズ1設定ページ表示519aを表示させた状態でのカスタマイズ1設定において、カスタマイズによる演出を複数ある中から選択できる点に特徴を有し、その他は第1の実施形態または第1の実施形態の変形例1と同じ構成である(図28等は第1の実施形態の変形例1の特徴も含むものとして図示している)。
図28(1)に示す画面556は、前述した画面518等と同様に客待ち状態における表示装置41の表示画面の1つであり、カスタマイズ1設定操作中における表示画面である。画面556は、設定表示557とオプション設定部イメージ表示514と操作案内表示558とコメント表示559を含む。
ここで、カスタマイズ1は、設定示唆演出のデフォルトの演出(前述した図15で説明した演出)に対して、遊技者が任意に設定示唆演出の内容を付加できるカスタマイズである。なお、付加ではなく、デフォルトの演出に代えてカスタマイズによる演出をおこなうよう設定可能な構成でもよい。そしてこの変形例2は、カスタマイズによる演出として、プッシュボタン25の振動による演出と、発射ハンドル(打球発射装置の操作部24)の振動による演出のうちのいずれかを遊技者が選択できる構成である。
設定表示557は、前述の設定表示519と同様に複数の設定項目ごとにある設定ページのうちのカスタマイズ1設定用のページが前面にある状態を表す。設定表示557は、上辺部に配列された前述の音量タブ表示516a、明るさタブ表示516b、モードタブ表示516c、カスタマイズ1タブ表示516d、及びカスタマイズ2タブ表示516eを含む。また設定表示557は、上辺部の下側の上辺部よりも大きな領域に配置されたカスタマイズ1設定ページ表示557aを含む。
カスタマイズ1設定ページ表示557aは、前述したカスタマイズ1設定用のページを表すものであり、カスタマイズ1タブ表示516dと一体に表示される背景と、この背景内に表示される各種の演出項目表示とを含む。各種の演出項目表示のうちの最上段の演出項目表示は、カスタマイズによる演出であることを示す文字と、カスタマイズによる演出として選択されている演出を表示する欄としての横長状の窓部が付された画像(この場合、横長矩形画像)であり、カスタマイズによる演出の種類の選択状態を表す。最上段を除く演出項目表示は、演出内容(表示Aなど)を示す文字とチェック欄としての円形部が付された画像(この場合、横長矩形画像)であり、カスタマイズ可能な演出内容を表す。
画面556では、最上段を除く演出項目表示として、設定示唆演出(表示A)、設定示唆演出(表示B)、設定示唆演出(ランプA)の3個の演出内容にそれぞれ対応するものが上から順番に並んで配置されている。また、画面556は最上段の演出項目表示が選択されている状態(カスタマイズ演出選択状態)であり、この状態であることを示すため、画面556では最上段の演出項目表示が他の演出項目表示よりも目立つ色あるいは目立つ態様で塗りつぶされた画像となっている。なお、最上段を除く演出項目表示は、3個に限らず、3個未満でもよいし、4個以上でもよい。また、一度に表示される数以上のものがスクロールアップまたはスクロールダウンされて表示される態様でもよい。
操作案内表示558は、設定項目に対応した設定変更の操作案内や操作説明等を表示するものであるが、前述した画面512などの操作案内表示515とは一部異なる。大きな違いとしては、操作案内表示558は、オプション設定部29の2つの付属スイッチ(「+」または「-」の文字が付されたスイッチ)について、「演出切替」(カスタマイズによる演出の切替)に使用できることを示す文字表示を含む。
コメント表示559は、後述するカスタマイズ演出選択状態での操作の説明として、たとえば「+-ボタンによりカスタマイズによる演出が切り替わります」という文字を含む画像を表示する。
図28(2)に示す画面561は、前述した画面556から、カスタマイズによる演出として選択されている演出が切り替わった状態の表示画面である。すなわち、前述した画面556が表示されている状態において、オプション設定部29の2つの付属スイッチ(「+」または「-」の文字が付されたスイッチ)のいずれかが操作されると、カスタマイズによる演出として選択されている演出が、プッシュボタン25の振動による演出から、発射ハンドル(打球発射装置の操作部24)の振動による演出に切り替わる。このため、画面561のカスタマイズ1設定ページ表示557aにおける最上段の演出項目表示の窓部には、「発射ハンドル振動」という文字表示がおこなわれ、これに対して前述の画面556の同窓部には「プッシュボタン振動」という文字表示がおこなわれている。
図29に示す画面563は、前述した画面561から、カスタマイズ1設定ページ表示557aにおける演出項目表示の選択が最上段よりも下の演出項目表示に切り替わって、前述したチェックを入れる操作がおこなわれた状態の表示画面である。すなわち、前述した画面561が表示されている状態において、オプション設定部29の十字カーソルスイッチのうちの上下方向のスイッチと付属スイッチを操作することによって、設定示唆演出(表示A)と設定示唆演出(ランプA)にチェックを入れた状態である。
以上説明した画面556、561、563のように、この変形例2のカスタマイズ1設定可能状態では、第1の実施形態のカスタマイズ1設定可能状態(図18の画面518で説明した状態)と同様に、デフォルトの設定示唆演出の各演出のいずれか一つまたは複数に対してカスタマイズ有りのチェックを入れて該当の演出についてのカスタマイズフラグをセットさせる操作が可能であり、しかも、カスタマイズの演出として、チェックを入れたデフォルトの演出と同時期(前述したような時間差があってもよい)に実行される演出の内容を、二つの種類(プッシュボタンの振動と発射ハンドルの振動)から遊技者が選択することができる。
なお、演出制御装置300は、たとえば前述したステップD20のホール・遊技者設定モード処理において、上述したオプション設定操作を受け付ける。たとえば、画面563のように発射ハンドル振動が選択され、かつ設定示唆演出(表示A)と設定示唆演出(ランプA)の演出項目表示におけるチェック欄に対してチェックが入った状態で、オプション設定部29の中央スイッチがオン操作されて設定を確定させる操作がされると、設定示唆演出(表示A)と設定示唆演出(ランプA)に対してカスタマイズが有効であることを示すフラグ(カスタマイズフラグ)をセットし、さらに発射ハンドル振動が選択されたことを示すフラグをセットする。
そして演出制御装置300は、上記各フラグに基づいて、設定示唆演出(表示A)あるいは設定示唆演出(ランプA)を実行する場合には、たとえば前述したステップD103の処理において、これらデフォルトの設定示唆演出と同時期に、これらデフォルトの設定示唆演出に加えて(あるいは代えて)発射ハンドルの振動による演出が実行される設定をおこなう。
これにより、たとえば前述した図20(3)や図21に示したカスタマイズによる演出として、プッシュボタンの振動ではなく、発射ハンドルの振動による設定示唆演出がおこなわれる。
この変形例2の構成であると、カスタマイズによる演出として実行される演出内容を遊技者が自分好みのものに切り替えられるので、設定示唆演出がより分かり易くなり、より楽しめるようになる。
なお、発射ハンドル(打球発射装置の操作部24)の振動は、発射ハンドルの全体が振動してもよいが、発射ハンドルの一部が振動する態様でもよい。たとえば発射ハンドルをつかむ遊技者の指ではなく手のひらに当たる部分のみが独立に振動する構成であると、発射ハンドルの操作に支障が生じ難い。
次に、第1の実施形態の他の変形例について説明する。
図18に示した表示画面518の例では、図15に示した設定示唆演出の小分類の一つ一つを構成する内容(表示A、表示B、ランプAなどの演出手段や演出内容が限定された細かな範囲での演出態様)に対して、カスタマイズの有無(チェックの有無)をそれぞれ設定して、このような細かな範囲での演出態様のそれぞれに対してカスタマイズ(カスタマイズによる演出の付加、またはカスタマイズによる演出への置き換え)をおこなえる構成であり、遊技者がきめ細かく自分なりの設定がおこなえる。
しかし、このような構成に限定されず、上述した具体例よりも大きな範囲での演出態様ごとに上記カスタマイズをおこなう構成でもよい。たとえば、演出内容を光によるもの、音によるもの、表示によるもの、といったように大きくグループ分けして、このグループごとに上記カスタマイズをおこなう構成でもよい。また、図15に示した設定示唆演出の小分類ごとに上記カスタマイズをおこなう構成や、図15に示した設定示唆演出の大分類ごとに上記カスタマイズをおこなう構成でもよい。
上述のカスタマイズによる演出(デフォルトの演出に対して、遊技者操作により付け加えたり、置き換えたりする演出)は、演出ボタン25などの操作部の振動に限られず、特定のキャラクタやマークなどの画像(たとえば、遊技者操作により遊技者が選択または指定したキャラクタやマークなどの画像)を所定の態様で表示する演出でもよいし、特定の音声(たとえば、遊技者操作により遊技者が選択または指定した音声)を所定の態様で出力する演出でもよいし、特定の発光部(たとえば、遊技者操作により遊技者が選択または指定したLEDなどの発光部)を所定のパターンで発光させる演出でもよいし、特定の可動部(たとえば、遊技者操作により遊技者が選択または指定した演出装置の可動部)が所定のパターンで動く演出でもよいし、遊技者に物理的に作用するなんらかの手段(たとえば、遊技者に空気を吹きかける装置、遊技者の体を揺らす椅子などであって、遊技者が選択または指定した手段)が所定のパターンで作動する演出でもよい。
また、設定示唆演出として実行される操作部等の振動は、操作部全体の振動でもよいし、操作部の一部分(独立振動部)のみが振動する構成でもよいし、操作部が取り付けられた遊技機の部位(たとえば上皿21)全体が振動する構成でもよい。また、操作部ではない遊技機の特定の部位が振動する演出であってもよい。
また、設定示唆演出が実行されるタイミングを遊技者が選択または指定できる構成としてもよい。また、特定のタイミング(たとえば特定の期間内)に遊技者が特定の操作をおこなうと、これを契機として設定示唆演出がおこなわれる構成としてもよい。
また設定示唆演出(特にカスタマイズによる演出)は、好ましくは目立つ部位、遊技者が注目する部位でおこなわれることが望ましく、具体例としては、たとえば演出ボタンや発射ハンドルなどの操作部での発光や、センターケースのロゴ部分での発光や、始動口や大入賞口での発光などがある。
また設定示唆演出(特にデフォルトの演出)は、1機種の中で多数(たとえば10個以上)の種類や態様(パターン)がそれぞれの実行条件に基づいて実行可能な構成が望ましい。図示したものも含めて具体例を挙げると、特定の予告演出の出現による設定示唆演出(たとえば、設定値が高い値であるほど特定の予告演出が出現し易いという示唆演出)、特定のリーチ演出の出現による設定示唆演出(たとえば、設定値が高い値であるほど特定のリーチ演出が出現し易いという示唆演出)、特図の変動回数が所定回転数で出現するキャラクタやセリフなどによる示唆演出、いわゆる連荘(レンチャン)回数(大当りなどが連続した場合の大当りなどの発生回数)による示唆演出、変動表示ゲームが外れた時やスペシャルリーチ終了時等のアイキャッチタイミング(シャッターやカットインなどの演出がおこなわれるタイミング)でのシャッターやふすま等の表示態様による示唆演出、エラーメッセージ出力時(たとえば下皿からの球抜きを催促する球抜きエラー報知時)の文字やキャラクタや音声などの態様による示唆演出、などがある。
さらに別の具体例を挙げると、飾り特図などのいわゆるチャンス目予告演出による示唆演出、飾り特図の大図柄または小図柄の停止図柄(仮停止図柄でもよい)の数字の語呂合わせにより示唆演出(たとえば、チャンス目「3、1、5」ならサイコー(遊技性能の設定が最高)であることを示唆など)、飾り特図の大図柄または小図柄の停止図柄(仮停止図柄でもよい)の特定の組合せにより示唆演出(たとえばチャンス目「1、2、3」と連続していれば遊技性能の設定が「6」であることを示唆、あるいはチャンス目「5、6、5」と左右図柄が「5」である場合に中図柄が「6」であるならば遊技性能の設定が「6」であることを示唆など)、飾り特図の大図柄と小図柄で連携して示唆演出(たとえば大図柄と異なる小図柄の停止図柄によって示唆する、或いは小図柄と異なる大図柄の停止図柄によって示唆するなど)、確変報知演出のミッション失敗時の背景等による示唆演出、特定の状態やモード突入時の文字や背景等による示唆演出、モード選択画面(客待ち状態で演出モードなどを設定する画面でもよいし、たとえば大当り遊技中などの遊技中にその後に発展するモードを遊技者が選択する画面であってもよい)における選択肢の数や配列や内容によっておこなう示唆演出、始動口や大入賞口などの入賞口への入賞時に実行される発光手段の発光態様や入賞音の態様による示唆演出、などがある。
また、デフォルトの演出に対してカスタマイズによる演出を付加して同時期におこなう場合、両者の時間的関係は図21に示した態様に限定されない。デフォルトの演出が先に開始してカスタマイズによる演出が所定の時間差だけ遅れて開始してもよいし、デフォルトの演出が先に終了して所定の時間差だけ遅れてカスタマイズによる演出が終了してもよい。あるいは、カスタマイズによる演出が実行されている期間内の一部の期間において対応するデフォルトの演出が実行される構成でもよい。また、同時期におこなうとは、望ましくは、少なくとも部分的に両者の実行期間が時間的に重複するか、両者の実行時間が連続することである。極端な例を挙げれば、たとえばカスタマイズによる演出が終了した直後に、対応するデフォルトの演出が開始される構成(すなわち、図21におけるタイミングT2とタイミングT3が等しいか略等しい構成)でもよい。このような条件で同時期に実行されれば、デフォルトの演出とカスタマイズによる演出とが対応していることを遊技者が把握し易い効果がある。
また、前述の変形例1の構成は、デフォルトの設定示唆演出の種類や内容を絞る(数を減らす)ことが遊技者操作により可能な構成であるが、この構成に限定されず、デフォルトの設定示唆演出がおこなわれる場所(遊技機における部位)の数を減らす操作が可能な構成としてもよいし、デフォルトの設定示唆演出がおこなわれるタイミングの数を減らす操作が可能な構成としてもよい。このように設定示唆演出について絞る(数を減らす)操作が可能であると、遊技者にとって設定示唆演出を見逃さないように注意する箇所やタイミングが減って、遊技者が常に各部を見まわしたり、集中力を長く持続したりする必要がなくなり、初心者等にとっては分かり易く楽になる。なお、このような遊技者操作については、前述の具体例のように選択肢を遊技者に提示して選択肢の中から遊技者が選択する構成が分かり易い。
また、客待ち状態で表示する静止画やムービーにおける文字情報(たとえばキャラクタのセリフ)などによって、あるいは遊技中の特定の演出やエラー報知で表示する文字情報(たとえばキャラクタのセリフ)などによって、設定示唆演出についての説明を実行する構成としてもよい。設定示唆演出についての説明とは、たとえば、カスタマイズが可能であること、カスタマイズのための操作方法、カスタマイズによる演出の種類や態様や実行タイミング、カスタマイズによる演出と遊技性能の設定値の関係、デフォルトの設定示唆演出の種類や態様や実行タイミング、デフォルトの設定示唆演出と遊技性能の設定値の関係、などのうちのいずれか一つまたは複数を知らせるものである。
また、図17や図18などに示すオプションの設定変更画面(すなわち、遊技者がカスタマイズをおこなうカスタマイズ画面)では、この設定変更画面が表示されている時点の遊技状態に応じて、客待ち演出あるいは変動表示ゲームの演出としての飾り特図の表示(大図柄や小図柄の表示)がおこなわれてもよい。この場合の大図柄や小図柄の表示構成としては、設定変更画面の端などの空いているスペース(設定変更画面を構成する前述の図18の設定表示519などの画像と重ならない表示領域)に小図柄を表示することにより小図柄が遊技者から視認可能となる構成(1)、設定変更画面を構成する前述の設定表示519などの画像の奥側に大図柄を表示して設定変更画面の端などの空いているスペースからこの大図柄の一部が遊技者から視認可能となる構成(2)、これら構成(1)の表示と構成(2)の表示の両方をおこなう構成(3)などがある。またこの場合、大図柄と小図柄の何れか一方または両方を半透明状として表示し(透過性を施して表示し)、設定変更画面を構成する前述の設定表示519などの画像と大図柄または小図柄の画像が重なっても、重なった画像の両者が視認可能となるように表示してもよい。あるいは、設定変更画面を構成する前述の設定表示519などの画像を半透明状として表示し、この画像が大図柄または小図柄の画像と重なっても、重なった画像の両者が視認可能となるように表示してもよい。
また、設定示唆演出として、設定を特定し易い演出と特定し難い演出とが、重複して実行される場合に、少なくとも特定し易い演出に対して遊技者がカスタマイズを実行できる(たとえば演出をデフォルトの演出からカスタマイズによる演出に置きかえるか、デフォルトの演出にカスタマイズによる演出を付け加えることができる)構成とし、特定し難い演出についてはたとえば遊技者がカスタマイズ不可能で必ずデフォルトの演出が実行される構成であってもよい。たとえば、飾り特図などのいわゆるチャンス目予告演出による設定示唆演出と、キャラクタによる設定示唆演出とが重複しておこなわれる場合、キャラクタによる設定示唆演出はデフォルトの演出が実行され、チャンス目予告演出については遊技者の設定操作に応じてカスタマイズによる演出に置きかえるか、カスタマイズによる演出を付け加える構成としてもよい。ここで、「重複して実行される場合」には、同時期におこなわれる場合と、たとえば同一の変動表示ゲームにおいて両方が異なるタイミングでおこなわれる場合などを含む。チャンス目予告演出は、数字などの識別情報であるため直感的に特定し易い。遊技者にとっては有利な情報ほど分かり易くなった方がよいため、遊技者に有利な情報(たとえば、設定を特定し易い演出により得られる情報)がカスタマイズにより分かり易くなれば、遊技者に有利となる。
また、複数の設定示唆演出を実行する媒体(演出手段)が同じである場合には、これら複数の設定示唆演出を複合させる(関連させる、対応付ける、あるいは一体化させる)構成としてもよい。たとえば、キャラクタの種類で設定を示唆する演出Aと、特定の文字の色で設定を示唆する演出Bとが、重複して実行される場合、演出Bの特定の文字の色と同じ色を演出Aのキャラクタに付加することにより、両演出を複合させる構成としてもよい。より具体的には、たとえば主人公キャラクタを登場させて設定を示唆する演出Aと、赤色文字で設定を示唆する演出Bとが、重複して実行される場合、演出Aの主人公キャラクタの少なくとも一部の色を、演出Bの文字の色と同じ赤色で表示することにより、両演出を複合させる構成としてもよい。
また、複数の設定示唆演出を実行する媒体(演出手段)が異なる場合でも、これら複数の設定示唆演出を複合させる(関連させる、対応付ける、あるいは一体化させる)構成としてもよい。たとえば、ランプの色で設定を示唆する演出Aと、プッシュボタンなどの振動回数で設定を示唆する演出Bとが、重複して実行される場合、演出Aのランプの色と同じ色で演出Bのプッシュボタンなどを発光させることにより、両演出を複合させる構成としてもよい。より具体的には、ランプを青色に発光させて設定を示唆する演出Aと、プッシュボタンを4回振動させて設定を示唆する演出Bとが、重複して実行される場合、演出Aのランプの色と同じ青色で演出Bのプッシュボタンも発光させるとともに、演出Bのプッシュボタンを4回振動させることにより、両演出を複合させる構成としてもよい。
また、複数の設定示唆演出を重複して実行する場合(実行する媒体は同じでも異なってもよい)、示唆する設定値が設定示唆演出によって異なっていてもよく、この場合、遊技者は何れか一つの設定示唆演出(なんらかの条件や規則性で決まる一つの設定示唆演出)によって遊技性能の設定値を推測できる構成であってもよいし、複数の設定示唆演出がそれぞれ示唆する設定値の組合せによって遊技者が遊技性能の設定値を推測できる構成であってもよい。
たとえば、示唆する設定値が4乃至6である演出と、示唆する設定値が1乃至3である演出とが重複した場合、遊技者にとって有利な方の演出(たとえば、示唆する設定値が4乃至6である演出)が推測要素となり、この有利な方の演出によって遊技者が遊技性能の設定値を推測できる構成であってもよい。
また、示唆する設定値が1である演出と、示唆する設定値が5である演出とが重複した場合、これらの値を加え合わせた6(=1+5)が遊技性能の設定値であると遊技者が推測できる構成であってもよい。
また、媒体Aによる設定示唆演出と、媒体Aよりも物理的な大きさ(遊技者が視認できる大きさ)が大きい媒体Bによる設定示唆演出とが重複した場合、たとえば遊技者にとって大きい媒体Bによる設定示唆演出の方が推測要素となり、この媒体Bによる設定示唆演出によって遊技者が遊技性能の設定値を推測できる構成であってもよい。
また、媒体A(たとえば表示装置)による設定示唆演出と、媒体Aよりも遊技者に対して近い距離に位置する媒体B(たとえばプッシュボタン)による設定示唆演出とが重複した場合、たとえば遊技者にとって近い距離にある媒体Bによる設定示唆演出の方が推測要素となり、この媒体Bによる設定示唆演出によって遊技者が遊技性能の設定値を推測できる構成であってもよい。
また、設定示唆演出は、総合獲得遊技球数(賞球として獲得した遊技球の合計数)の表示態様によって設定示唆をおこなうものであってもよい。すなわち、大当り中や電サポ中における総合獲得遊技球数が所定数に到達すると、表示装置41の表示領域に、たとえば、遊技機10は、「○○玉獲得」といったような文字を含む画像(総合獲得遊技球数が所定数に到達したことを報知する画像)を表示する場合に、この画像の表示態様によって設定示唆をおこなうようにしてもよい。より具体的には、設定示唆演出は、総合獲得遊技球数が1000個増えるごとに、表示される画像の色・形状・文字の種類(漢字や数字の種類など)によって遊技性能の設定値を示唆するものであってもよい。
また、遊技機10は、遊技球が入賞口に入賞したときに表示される画像の表示態様によって設定示唆演出をおこなうものであってもよい。たとえば、遊技機10は、大入賞口や一般入賞口に遊技球が1個入賞した時に「+3」や「+15」などの画像が表示する場合、この画像の表示態様によって遊技性能の設定値を示唆する設定示唆演出をおこなうようにしてもよい。このような遊技機10は、設定示唆演出の試行回数を多くする(実行頻度が多くなる)ことができるため、遊技性能(設定値)の推測や特定機会を拡大し、遊技性能の推測や特定を容易にすることができる。
また、遊技機10は、大当り期待度を示唆する予告演出と設定示唆演出の両方をおこなう場合(たとえば大当り期待度を示唆する予告演出において設定示唆演出もおこなう場合、あるいは両方を同時期におこなう場合)、示唆する遊技性能の設定値と大当り期待度とに所定の関係性を持たせた演出をおこなうようにしてもよい。
たとえば、遊技機10は、大当り期待度が高い場合の演出態様A(例:赤色背景で特定のキャラクタがカットイン)と、大当り期待度が低い場合の演出態様B(例:青色背景で特定のキャラクタがカットイン)と、大当り確定の場合の演出態様C(例:レインボー背景で特定のキャラクタがカットイン)と用意し、これら演出態様A~Cのうちのいずれかを大当り期待度に応じて選択して実行する予告演出において、上記特定のキャラクタの種類や表示態様によって設定示唆演出をおこなうようにしてもよく、その場合に予告演出の演出態様の種類によって設定示唆の内容(たとえば示唆される設定値の数値範囲)を異ならせてもよい。
具体的には、上記演出態様Cがおこなわれる場合(大当り確定の場合)の設定示唆演出によって示唆される設定値「6」のみであり、上記演出態様Aがおこなわれる場合(大当り期待度が高い場合)に設定示唆演出によって示唆される設定値は「6」または「4」であり、上記演出態様Bがおこなわれる場合(大当り期待度が低い場合)に設定示唆演出によって示唆される設定値は「6」、「5」、または「4」である、というように大当り期待度が高くなるほど設定値を特定し易くする構成があり得る。また逆に、上記演出態様Cがおこなわれる場合(大当り確定の場合)に設定示唆演出によって示唆される設定値は、「6」、「5」、または「4」であり、上記演出態様Aがおこなわれる場合(大当り期待度が高い場合)の設定示唆演出によって示唆される設定値は6または4であり、上記演出態様Bがおこなわれる場合(大当り期待度が低い場合)に設定示唆演出によって示唆される設定値は「6」のみである、というように大当り期待度が高くなるほど設定値を特定し難くする構成でもよい。
また、設定示唆演出の態様は、上述したように大当り期待度を示唆する予告演出において(あるいはこの予告演出と同時期に)設定示唆もおこなう構成であってもよいが、大当り期待度ではなく特定の演出の実行期待度(たとえば疑似連が実行される期待度)を示唆する予告演出において(あるいはこの予告演出と同時期に)設定示唆もおこなう構成であってもよい。
たとえば、遊技機10は、疑似連が実行される期待度が高い場合の演出態様A(例:「疑似連!?」という文字を含む画像の表示)と、疑似連が実行される期待度が低い場合の演出態様B(例:「疑似連?」という文字を含む画像の表示)と、疑似連を実行することが確定している場合の演出態様C(例:「疑似連!!」という文字を含む画像の表示)とを用意し、これら演出態様A~Cのうちのいずれかを疑似連演出の期待度に応じて選択して実行する予告演出において、たとえば上記「疑似連?」などの文字を含む画像の態様(文字の種類や色など)によって設定示唆演出をおこなってもよい。そしてこの場合に、設定示唆演出は、示唆する遊技性能(設定値)と特定の演出(たとえば疑似連)の実行期待度とに所定の関係性を持たせるようにしてもよい。具体的には、設定示唆演出は、疑似連の実行期待度を示唆する予告演出の演出態様の種類によって設定示唆の内容(たとえば示唆される設定値の数値範囲)が異なるものであってもよい。
また、設定示唆演出について遊技者におこなわせる設定は、大当り期待度ごとに可能な設定や、特定演出の実行期待度ごとに可能な設定であってもよい。たとえば、大当り期待度50%のスペシャルリーチ中に実行される設定示唆演出をデフォルトの演出からプッシュボタンの振動による演出に切り替えて、大当り期待度100%のスペシャルリーチ中に実行される設定示唆演出についてはデフォルトの演出のままの設定にする、というように遊技者が大当り期待度ごとに設定内容を選ぶことができる構成であってもよい。あるいは、疑似連の実行期待度50%の予告演出中に実行される設定示唆演出をデフォルトの演出のみからプッシュボタンの振動による演出もおこなわれる内容に切り替えて、疑似連の実行期待度100%の予告演出中に実行される設定示唆演出についてはデフォルトの演出のみの設定にする、といったように遊技者が特定演出の実行期待度ごとに設定内容を選ぶことができる構成でもよい。
また、遊技機10は、遊技機における複数の異なる場所において設定示唆演出をおこなってもよく、また複数の異なる媒体(表示装置、役物、発光装置など異なる演出手段)によっておこなってもよい。また、遊技機10は、設定示唆演出を複数の異なる場所や複数の異なる媒体でおこなう場合、複数の場所や複数の媒体で異なるタイミングで設定示唆演出を実行してもよいが、複数の場所や複数の媒体で同じタイミングで設定示唆演出を実行してもよい。
また、遊技機10は、既述したように設定示唆演出をおこなう場所を遊技者の操作により選択可能として、遊技者が設定示唆演出をおこなう場所を絞る(数を減らす)ことができる構成としてもよいし、設定示唆演出をおこなう媒体(演出手段)を遊技者の操作により選択可能として、遊技者が設定示唆演出をおこなう媒体を絞る(数を減らす)ことができる構成としてもよい。
なお、遊技機10は、ホール・遊技者設定モード処理において、オプション設定操作を遊技者より受け付けるとしたが、遊技者を除く第三者(たとえば、遊技場の管理者)より受け付けるものであってもよい。また、遊技機10は、オプション設定操作を遊技者を除く第三者より受け付けることができるとする場合に、遊技者によるオプション設定操作を受け付けることができないようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、オプション設定操作の受付条件として、遊技者に公開しないパスワード入力を求めたり、前面枠12やガラス枠15の開放を求めたり、遊技機10の裏面側操作を求めたりして、遊技者によるオプション設定操作を排除するものであってもよい。
また、オプション設定操作の受付条件は、RTCが出力する情報が所定値となること、すなわち所定日時となることとしてもよいし、遊技機10の稼働量を監視して稼働量が所定量となることとしてもよい。
なお、遊技機10は、演出手段が複数の演出部(表示装置41、演出ボタン(プッシュボタン)25、枠装飾装置18、スピーカ19a,19b、操作部(発射ハンドル)24、盤演出装置44、盤装飾装置46)を含む場合に、各演出部における演出態様の作動率を、遊技者または非遊技者によるカスタマイズ設定により変更可能にしてもよい。たとえば、遊技機10は、遊技者または非遊技者から各演出部における演出態様の作動率に関する作動情報(カスタマイズ設定における選択肢)の設定を受け付けることで、各演出部における演出態様の作動率を変更可能にする。これにより、遊技機10は、各演出部における演出態様の出現許可(たとえば、作動率≠「0」)や出現禁止(たとえば、作動率=「0」)を設定可能にする。また、遊技機10は、各演出部における演出態様の出現率(たとえば、作動率=A(ただし、「0」以上「1」未満))や作動率=B(ただし、「A」以上「1」以下))を設定可能にする。
上述した第1の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、ゲームを演出可能な演出手段(表示装置41、演出ボタン(プッシュボタン)25、枠装飾装置18、スピーカ19a,19b、操作部(発射ハンドル)24、盤演出装置44、盤装飾装置46)と、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能を設定可能な設定手段(遊技制御装置100、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、演出手段において遊技性能を示唆する示唆演出を第1の態様でおこなう第1示唆演出状態と、示唆演出を第1の態様と異なる第2の態様でおこなう第2示唆演出状態とを、遊技者操作を受け付けて切替制御可能な制御手段(演出制御装置300)と、を含む。
(2)(1)の遊技機10は、変動表示ゲームの結果が特別結果態様になった場合に遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技状態など)を発生可能であり、(1)の遊技性能には、特別遊技状態が発生する確率に関する性能が含まれる。
(3)(1)の第1の態様は、遊技者操作によらずに予め設定された示唆演出の態様(デフォルトの演出)を含み、遊技者操作により指定可能な示唆演出の態様(カスタマイズによる演出)を含まない。(1)の第2の態様は、遊技者操作により指定可能な示唆演出の態様(カスタマイズによる演出)を含む。
(4)(3)の遊技者操作により指定可能な示唆演出の態様(カスタマイズによる演出)には、遊技者が操作する操作部(演出ボタン(プッシュボタン)25、操作部(発射ハンドル)24)の振動による示唆演出の態様を含む。
(5)(3)の遊技者操作により指定可能な示唆演出の態様(カスタマイズによる演出)は、複数の中から遊技者操作により選択可能である。
(6)(1)の第2示唆演出状態は、遊技者操作によらずに予め設定された示唆演出の複数の態様(たとえばデフォルトの各種演出内容に相当する態様であり、前述した表示A,表示Bなど)の中から遊技者操作により選択した特定態様(たとえば前述したチェックを入れたデフォルトの演出態様)に対して、遊技者操作により指定可能な示唆演出の態様(カスタマイズによる演出)を、特定態様の実行時期と同時期に(少なくとも実行時期が一部重複または連続する時間的関係で)特定態様に加えておこなう状態である。
(7)(6)の特定態様の実行時期は、遊技者操作により指定可能な示唆演出の態様よりも、所定の時間差だけ遅れて開始する。
(8)(1)の第2示唆演出状態は、遊技者操作によらずに予め設定された示唆演出の複数の態様(たとえばデフォルトの各種演出内容に相当する態様であり、前述した表示A,表示Bなど)の中から遊技者操作により選択した特定態様(たとえば前述したチェックを入れたデフォルトの演出態様)に対して、遊技者操作により指定可能な示唆演出の態様(カスタマイズによる演出)を、特定態様の実行時期と同時期に特定態様に代えておこなう状態である。
(9)(3)の遊技者操作によらずに予め設定された示唆演出の態様(デフォルトの演出)は、遊技者操作により複数ある中から選択して実行しないように設定可能(デフォルトの演出内容の一部を削除可能)である。
(10)遊技機10は、ゲームを演出可能な演出手段(表示装置41、演出ボタン(プッシュボタン)25、枠装飾装置18、スピーカ19a,19b、操作部(発射ハンドル)24、盤演出装置44、盤装飾装置46)と、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能を設定可能な設定手段(遊技制御装置100、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、演出手段において遊技性能を示唆する示唆演出を第1の態様でおこなう第1示唆演出状態と、示唆演出を第1の態様と異なる第2の態様でおこなう第2示唆演出状態とを、遊技者以外の操作を受け付けて切替制御可能な制御手段(演出制御装置300)と、を含む。
(11)遊技機10は、ゲームを演出可能な演出手段(表示装置41、演出ボタン(プッシュボタン)25、枠装飾装置18、スピーカ19a,19b、操作部(発射ハンドル)24、盤演出装置44、盤装飾装置46)と、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能を設定可能な第1の設定手段(遊技制御装置100、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、演出手段において遊技性能を示唆する示唆演出を第1の態様でおこなう第1示唆演出状態と、示唆演出を第1の態様と異なる第2の態様でおこなう第2示唆演出状態とを、切替制御可能な制御手段(演出制御装置300)と、制御手段における切替制御規則(カスタマイズ設定)を設定可能な第2の設定手段と、を含む。
(12)遊技機10は、ゲームを演出可能な演出手段(表示装置41、演出ボタン(プッシュボタン)25、枠装飾装置18、スピーカ19a,19b、操作部(発射ハンドル)24、盤演出装置44、盤装飾装置46)と、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能を設定可能な第1の設定手段(遊技制御装置100、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、演出手段において遊技性能を示唆する示唆演出を第1の態様でおこなう第1示唆演出状態と、示唆演出を第1の態様と異なる第2の態様でおこなう第2示唆演出状態とを、切替制御可能な制御手段(演出制御装置300)と、制御手段における切替制御規則(カスタマイズ設定)を遊技者以外によって設定可能な第2の設定手段と、を含む。
(13)遊技機10は、ゲームを演出可能な第1の演出部(たとえば、表示装置41)と第2の演出部(たとえば、盤演出装置44)とを含む演出手段と、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能を設定可能な第1の設定手段(遊技制御装置100、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、第1の演出部において遊技性能を示唆する示唆演出を第1の態様でおこない、第2の演出部において示唆演出を第1の態様と異なる第2の態様でおこなう制御手段と、所定の操作を受け付けて第1の態様でおこなう示唆演出と第2の態様でおこなう示唆演出との作動率に関する作動情報を設定可能な第2の設定手段(演出制御装置300)と、を含む。
(14)(13)の第2の設定手段は、遊技者操作を受け付けて作動情報を設定可能にする。
(15)(13)の第2の設定手段は、遊技者以外によって作動情報を設定可能にする。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態を図面にもとづいて説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と異なる遊技盤を備える点で相違する。また、第2の実施形態の遊技機10は、遊技性能を設定変更可能な設定機能を有し、遊技履歴にもとづいて設定中の設定値を示唆する設定示唆機能を有する。まず、第2の実施形態の遊技盤について図30を用いて説明する。図30は、第2の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。
遊技盤600の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤600の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央にセンターケース(遊技演出構成体)601が配置されている。センターケース601は、表示装置(特図1変動表示装置)602、盤演出装置604、表示装置(特図2変動表示装置)609、特図普図保留LED610、表示装置(セット数表示装置)611、特図2演出保留LED612、右打ち表示613を備える。センターケース601は、盤演出装置604、表示装置(特図2変動表示装置)609、特図普図保留LED610、表示装置(セット数表示装置)611、特図2演出保留LED612、右打ち表示613の周囲を囲い、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
また、センターケース601の左側にある左側遊技領域には、入賞振分装置620が配置され、入賞振分装置620の下方に2つの一般入賞口615が配置されている。また、センターケース601の右側にある右側遊技領域には、上から順に、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)626、一般入賞口614、第1特別変動入賞装置(大入賞口1)627、第2特別変動入賞装置(大入賞口2)628、普通変動入賞装置(普通電動役物、普電)629が配置されている。
入賞振分装置620は、受入口621と、振分装置622と、特図1演出保留LED625を備える。入賞振分装置620は、受入口621から受け入れた遊技球を振分装置622に案内する。振分装置622は、いわゆるクルーンと呼ばれる皿状の振分装置であって、皿状の凹面に遊技球が入り得る3つの穴623,624を有し、凹面を転動する遊技球を3つの穴623,624のいずれかに振り分ける。振分装置622は、手前側に位置する1つの穴623を当り穴とし、奥側に位置する2つの穴624をはずれ穴(アウト口)とする。穴623は、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口(始動口1)に連通している。穴623(第1始動入賞口)に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。すなわち、穴623は、賞球の払い出しを伴う第1始動入賞口として機能する。穴624は、遊技球を回収するアウト口に連通している。すなわち、穴624は、賞球の払い出しを伴わないアウト口として機能する。
特図1演出保留LED625は、第1特図変動表示ゲームの保留表示(始動記憶表示)部として機能するとともに、第1特図変動表示ゲームの始動記憶の当り期待度を先読み予告等により報知する演出表示部としても機能する。特図1演出保留LED625は、振分装置622の近傍に設けられることで、遊技者が振分装置622から視線を外す機会を低減可能にしている。
一般入賞口615は、入賞振分装置620に受入れられなかった遊技球に入賞機会を与える位置に設けられる。一般入賞口615に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。また、一般入賞口615の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
普図始動ゲート626は、普図変動表示ゲームの開始条件を与える。普図始動ゲート626に入賞した遊技球(普図始動ゲート626を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
一般入賞口614は、第1特別変動入賞装置627、第2特別変動入賞装置628、普通変動入賞装置629への遊技球の入賞機会に先立って遊技球の入賞機会を与える位置に設けれる。すなわち、一般入賞口614は、第1特別変動入賞装置627、第2特別変動入賞装置628、普通変動入賞装置629の作動状況から独立した入賞率を有する。一般入賞口614に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
第1特別変動入賞装置627は、一般入賞口614よりも下方位置であって、センターケース601の右部に設けられている。第1特別変動入賞装置627は、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能である。第1特別変動入賞装置627は、開閉部材を有しており、開閉部材が大入賞口1を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材が大入賞口1を開いた開状態(遊技者にとって有利な開放状態)に変換して、遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能にする。第1特別変動入賞装置627の開閉部材は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)相当の大入賞口1ソレノイド(図示せず)により駆動される。なお、大入賞口1の内部(入賞領域)には、当該大入賞口1に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)に相当する大入賞口1スイッチ(図示せず)が配設され、遊技球の検出にもとづいて遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
第2特別変動入賞装置628は、第1特別変動入賞装置627よりも下方位置であって、センターケース601の右部に設けられている。第2特別変動入賞装置628は、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能である。第2特別変動入賞装置628は、開閉部材を有しており、開閉部材が大入賞口2を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材が大入賞口2を開いた開状態(遊技者にとって有利な開放状態)に変換して、遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能にする。第2特別変動入賞装置628の開閉部材は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)相当の大入賞口2ソレノイド(図示せず)により駆動される。なお、大入賞口2の内部(入賞領域)には、当該大入賞口2に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)に相当する大入賞口2スイッチ(図示せず)が配設され、遊技球の検出にもとづいて遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
また、遊技機10は、当りが2R(ラウンド)の場合、先に大入賞口1を開放(1R)し、大入賞口1の閉塞後、速やかに大入賞口2を開放(2R)することで、当りの消化時間の短縮を図っている。なお、遊技機10は、3R以上の当り(たとえば、4R)の場合、大入賞口1と大入賞口2の交互開放を繰り返す。
普通変動入賞装置629は、第2特別変動入賞装置628よりも下方位置であって、センターケース601の右部に設けられている。普通変動入賞装置629は、普図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能である。普通変動入賞装置629は、開閉部材を有しており、開閉部材が普通変動入賞装置629を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材が普通変動入賞装置629を開いた開状態(遊技者にとって有利な開放状態)に変換して、遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能にする。普通変動入賞装置629の開閉部材は、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)により駆動される。
普通変動入賞装置629は、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口(始動口2)となっている。なお、普通変動入賞装置629の内部(入賞領域)には、当該普通変動入賞装置629に入った遊技球を検出する検出手段としての始動口2スイッチ37a(図3参照)が配設され、遊技球の検出にもとづいて遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、普通変動入賞装置629が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態より入賞しにくいものとしても良い。また、普通変動入賞装置629の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
表示装置602は、特図1変動表示ゲーム(飾り特図1変動表示ゲーム)を表示可能である。たとえば、表示装置602は、LED等の発光態様により表示態様を変更可能な複数の表示セグメント603,607,608を含む。なお、表示装置602は、LCD、CRT等の表示画面を有する装置で構成されるものであってもよい。
表示装置602は、表示セグメント607(表示セグメント「GO!」)の点灯により特図1変動表示ゲームの変動開始を案内し、表示セグメント607(表示セグメント「GO!」)の消灯により特図1変動表示ゲームの変動終了を案内する。また、表示装置602は、表示セグメント603(表示セグメント「1」から表示セグメント「15」)の点灯態様により変動表示中の表示態様と変動表示結果とを表示する。たとえば、表示装置602は、表示セグメント603を表示セグメント「1」から順次点灯させ、表示セグメント「15」に至らない場合にはずれを導出し、表示セグメント「15」に至った場合に当りを導出する。また、表示装置602は、表示セグメント608(表示セグメント「CHANCE」)の点灯態様により変動表示結果に対する期待度を演出する。また、表示装置602は、遊技の進行にもとづく演出表示(たとえば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)に対応する表示態様で、表示セグメント603,607,608を点灯可能である。
盤演出装置604は、センターケース601の上部に備えられる。盤演出装置604は、たとえばハイビスカスの花を模したような外観であり、LED等の発光態様により表示態様を変更可能な複数の表示セグメント605,606を含む。表示セグメント605は、花弁を模した5つの表示セグメントからなる。また、表示セグメント606は、花芯を模した1つの表示セグメントからなる。なお、盤演出装置604は、表示セグメント605,606を一体または別体にして回転動作や離散集合動作等の演出動作を可能にしてもよい。また、盤演出装置604は、遊技の進行にもとづく演出表示(たとえば、変動表示、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)に対応する表示態様で、表示セグメント605,606を点灯可能である。
表示装置609は、特図2変動表示ゲーム(飾り特図2変動表示ゲーム)を表示可能である。たとえば、表示装置609は、LED等の発光態様により表示態様を変更可能な2つの7セグメント表示器を含む。なお、表示装置609は、LCD、CRT等の表示画面を有する装置で構成されるものであってもよい。
表示装置609は、7セグメント表示器が表示する数字等の図柄変動により特図2変動表示ゲームの変動開始を案内し、7セグメント表示器が表示する数字等の図柄停止により特図2変動表示ゲームの変動終了を案内する。また、表示装置609は、7セグメント表示器が停止表示する図柄により変動表示結果を表示する。たとえば、表示装置609は、特図2変動表示ゲームの変動表示結果が当りの場合に7セグメント表示器で所定の当り図柄(たとえば、「2,2」や「4,4」)を導出表示し、はずれの場合に7セグメント表示器で所定のはずれ図柄(たとえば、「1,7」や「2,4」)を導出表示する。
特図普図保留LED610は、6つのLEDからなり、2つのLEDを1組にして第1組のLEDが特図1の保留表示部として機能し、第2組のLEDが特図2の保留表示部として機能し、第3組のLEDが普図の保留表示部として機能する。2つのLEDは、全消灯で保留表示「0」を示し、点灯と消灯で保留表示「1」を示し、全灯で保留表示「2」を示し、点灯と点滅で保留表示「3」を示し、全点滅で保留表示「4」を示す。
表示装置611は、1セットを構成する当り数の進行(セット数)を表示する。たとえば、表示装置611は、リミッタ作動により50回の当りを1セットとするときに、30回の当りを消化時点で消化済みの当り数「30」を表示するようにしてもよいし、30回の当りを消化時点でリミッタが作動するまでの当り数「20」を表示するようにしてもよい。
特図2演出保留LED612は、第2特図変動表示ゲームの保留表示(始動記憶表示)部として機能するとともに、第2特図変動表示ゲームの始動記憶の当り期待度を先読み予告等により報知する演出表示部としても機能する。特図2演出保留LED612は、表示装置609の近傍に設けられることで、遊技者が表示装置609から視線を外す機会を低減可能にしている。また、特図2演出保留LED612は、表示装置611の近傍に設けられることで、遊技者が表示装置611から視線を外す機会を低減可能にしている。
第2の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース601の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース601の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで受入口621や一般入賞口615への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート626、一般入賞口614、第1特別変動入賞装置627、第2特別変動入賞装置628、普通変動入賞装置629への入賞を狙うことができるようになっている。右打ち表示613は、点灯と消灯を切り替え可能な表示灯であって、左打ち遊技を案内するときに消灯し、右打ち遊技を案内するときに点灯または点滅する。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤600の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム、および普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57と、特図2保留表示部58とを備える(図5参照)。
次に、第2の実施形態の遊技機10の遊技状態遷移について図31を用いて説明する。図31は、第2の実施形態の遊技状態遷移の一例を示す図である。遊技機10は、特図1変動表示ゲーム(特図1ゲーム)または特図2変動表示ゲーム(特図2ゲーム)に関して第1遊技状態、第2遊技状態、第3遊技状態、および第4遊技状態を有する。
第1遊技状態は、客待ち状態とも称される遊技状態であり、特図1ゲームまたは特図2ゲームの始動記憶発生を待つ遊技状態である。第2遊技状態は、特図1ゲームまたは特図2ゲームの当り確率を低確率にして変動表示する遊技状態である。遊技機10は、第1遊技状態および第2遊技状態において遊技者に左打ち遊技を案内する。
第3遊技状態は、特図1ゲームまたは特図2ゲームの当りに関する遊技状態と、特図1ゲームおよび特図2ゲームの当り確率を高確率にして変動表示する遊技状態とを含む。第4遊技状態は、第3遊技状態において発生した特図2ゲームの始動記憶について当り確率を低確率にして変動表示する遊技状態である。遊技機10は、第3遊技状態および第4遊技状態において遊技者に右打ち遊技を案内する。なお、遊技機10は、第4遊技状態において遊技者に左打ち遊技を案内するものであってもよい。
遊技機10は、遊技を実行可能になったら第1遊技状態に遷移する。遊技機10は、特図1ゲームまたは特図2ゲームの始動記憶がない場合に第1遊技状態を保持する。遊技機10は、特図1ゲームまたは特図2ゲームの始動記憶がある場合に第2遊技状態に遷移する。なお、遊技機10は、第1遊技状態および第2遊技状態において、普通変動入賞装置629への遊技球の入賞が期待できないので特図2ゲームの始動記憶の発生も期待できない。
遊技機10は、第2遊技状態において特図1ゲームまたは特図2ゲームの当りが発生したら、第3遊技状態に遷移する。遊技機10は、第2遊技状態において特図1ゲームまたは特図2ゲームの始動記憶がなくなったら、直ちに第1遊技状態に遷移する。なお、遊技機10は、第2遊技状態において特図1ゲームまたは特図2ゲームの始動記憶がなくなったら、所定の猶予期間を設けて第1遊技状態に遷移するようにしてもよい。
遊技機10は、第3遊技状態においてリミッタが作動するまで第3遊技状態を保持する。遊技機10は、第3遊技状態においてリミッタが作動したら第4遊技状態に遷移する。なお、遊技機10は、第3遊技状態において、特図1ゲームまたは特図2ゲームの始動記憶の有無を状態遷移条件としない。
遊技機10は、第4遊技状態において特図2ゲームの始動記憶がなくなるまで第4遊技状態を保持する。遊技機10は、第4遊技状態において特図2ゲームの始動記憶がなくなったら第1遊技状態に遷移する。また、遊技機10は、第4遊技状態において特図2ゲームの当りが発生したら、第3遊技状態に遷移する。
ここで、第3遊技状態について図32を用いて説明する。図32は、第2の実施形態の第3遊技状態の一例を示す図である。遊技機10は、第2遊技状態において特図1ゲームまたは特図2ゲームで当り(特図当り)を導出することで、第3遊技状態に遷移する。遊技機10は、第3遊技状態への遷移により当り回数「50回」をリミッタにセットする。1回の当りは2Rであるが、たとえば4R等の2Rを超える当りを含むものであってもよい。遊技機10は、当り終了後にリミッタが未作動であれば、特図1ゲームおよび特図2ゲームの当り確率を高確率にして変動表示する。このとき、遊技機10は、普電サポートのある右打ち遊技による遊技進行であるため、特図2ゲームの始動記憶の発生が容易であり、特図1ゲームの始動記憶の発生が容易でない。したがって、遊技機10は、第3遊技状態において特図2ゲームの変動表示と特図2ゲームの当りを繰り返すことが普通である。
遊技機10は、第3遊技状態において当り回数「50回」に至るとリミッタが作動し、当り終了後に第4遊技状態に遷移する。このようにして、遊技機10は、当り回数「50回」を1セットとする特別遊技状態(第3遊技状態)を演出することができる。
なお、遊技機10は、第4遊技状態においても特図1ゲームまたは特図2ゲームで当り(特図当り)を導出することで、第3遊技状態に遷移する。遊技機10は、第3遊技状態への遷移により当り回数「50回」をリミッタにセットする。すなわち、遊技機10は、第4遊技状態における当り導出についても、当り回数「50回」を1セットとする特別遊技状態(第3遊技状態)を演出することができ、この場合に2セットで当り回数「100回」となる、いわゆる保留セット連を演出することができる。同様にして、遊技機10は、第4遊技状態で当りを繰り返し導出した場合に3セット以上の保留セット連を演出することができる。
次に、特図1ゲームと特図2ゲームの当り確率について図33を用いて説明する。図33は、第2の実施形態の特図1ゲームと特図2ゲームの設定別当り確率の一例を示す図である。
遊技機10は、特図1ゲームと特図2ゲームの当り確率について6段階で設定可能にしている。設定「6」は、特図1ゲームと特図2ゲームの当り確率が低確率で「1/20」、高確率で「1/10」である。また、設定「5」は、特図1ゲームと特図2ゲームの当り確率が低確率で「1/22」、高確率で「1/11」である。また、設定「4」は、特図1ゲームと特図2ゲームの当り確率が低確率で「1/24」、高確率で「1/12」である。また、設定「3」は、特図1ゲームと特図2ゲームの当り確率が低確率で「1/26」、高確率で「1/13」である。また、設定「2」は、特図1ゲームと特図2ゲームの当り確率が低確率で「1/28」、高確率で「1/14」である。また、設定「1」は、特図1ゲームと特図2ゲームの当り確率が低確率で「1/30」、高確率で「1/15」である。遊技機10は、設定されている設定値を遊技中に演出により示唆する示唆演出機能を有する。
〔ゲームフロー〕
ここで、ゲームフローについて図34を用いて説明する。図34は、第2の実施形態のゲームフローの一例を示す図である。なお、以下に示すゲームフローF1からゲームフローF5は、第1遊技状態に対応し、ゲームフローF6からゲームフローF8は、第2遊技状態に対応し、ゲームフローF9からゲームフローF12は、第3遊技状態に対応し、ゲームフローF13からゲームフローF15は、第4遊技状態に対応する。
[ゲームフローF1]遊技機10は、特図1ゲームの始動記憶(保留記憶)の有無を判定し、始動記憶がある場合にゲームフローF6に進み、始動記憶がない場合にゲームフローF2に進む。
[ゲームフローF2]遊技機10は、客待ち状態となる。遊技機10は、客待ち状態において表示装置602、盤演出装置604を消灯し、入賞振分装置620、第1特別変動入賞装置627、第2特別変動入賞装置628を淡い白色光で点灯する。
[ゲームフローF3]遊技機10は、受入口621への遊技球の入球(広義の入賞、ただし賞球を伴わない)をセンサにより検出して、入賞振分装置620を含む遊技盤600の装飾演出(たとえば、発光演出)と音演出とをおこなう。これにより、遊技機10は、穴623(第1始動入賞口)への入賞期待感を演出する。
[ゲームフローF4]遊技機10は、穴624(アウト口)への遊技球の入球(広義の入賞、ただし賞球を伴わない)をセンサにより検出して、入賞振分装置620を含む遊技盤600の装飾演出と音演出とをおこなう。これにより、遊技機10は、遊技者にとって残念な結果を案内する。なお、遊技機10は、穴624への遊技球の入球検出後も所定の余韻時間だけ装飾演出と音演出とをおこなう。これにより、遊技機10は、遊技者にとって退屈な時間を低減するとともに、次の受入口621への入賞期待感を演出する。なお、遊技機10は、余韻時間の装飾演出や音演出と特図変動中における特図変動演出とが重複する場合、特図変動演出を優先して、余韻時間の装飾演出や音演出をキャンセルする。
[ゲームフローF5]遊技機10は、穴623(第1始動入賞口)への遊技球の入球(狭義の入賞、賞球を伴う)を始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出して、入賞振分装置620を含む遊技盤600の装飾演出と音演出とをおこなう。これにより、遊技機10は、特図1ゲームの当りへの期待感を演出する。
なお、遊技機10は、特図1ゲームが導出する結果に対する先読み予告機能を有しており、特図1演出保留LED625の表示態様や、穴623(第1始動入賞口)への入賞検出時の効果音によって特図1ゲームが導出する結果に対する期待感を演出することができる。たとえば、遊技機10は、特図1演出保留LED625が表示する保留表示のうち期待感が大きい保留表示ついて、点滅の有無や点滅速度、発光色を変化させることができる。また、遊技機10は、穴623(第1始動入賞口)への入賞検出時の効果音を、デフォルトで「ピュイッ」とし、期待感演出時に「ピッキーン」とし、当り確定時に「キュイーン」等とすることができる。
なお、遊技機10は、先読み予告機能を複数モードで構成してもよく、たとえば、通常モードと特別モードを有してもよい。遊技機10は、特図1ゲームが導出する結果に対する報知割合を、通常モードにおいて低頻度(たとえば10%程度)とし、特別モードにおいて高頻度(たとえば50%程度)とする。遊技機10は、先読み予告機能のデフォルトを通常モードとし、所定期間だけ特別モードとするようにしてもよい。たとえば、特別モードとする所定期間は、当り後の特図変動10回や、遊技者によるプッシュボタン25の押下操作後の特図変動10回等がある。
[ゲームフローF6]遊技機10は、穴623(第1始動入賞口)への入賞検出から所定時間(たとえば、1秒)経過後に、表示セグメント607(表示セグメント「GO!」)を点灯させ、特図1変動表示ゲームの変動開始を案内する。なお、遊技機10は、表示セグメント607の発光態様により先読み予告をおこなうようにしてもよく、たとえば表示セグメント607の発光色や発光タイミング、点滅等により先読み予告をおこなうことができる。
また、遊技機10は、表示セグメント607の点灯後に、表示セグメント603を表示セグメント「1」から順次点灯させて(15連メータ変動)、特図1変動表示ゲームの変動表示をおこなう。なお、遊技機10は、表示セグメント603の発光態様により先読み予告をおこなうようにしてもよく、たとえば表示セグメント603の発光色や発光タイミング、点滅等により先読み予告をおこなうことができる。
[ゲームフローF7]遊技機10は、表示セグメント603を表示セグメント「1」から順次点灯させ、表示セグメント「15」に至らない場合(はずれ停止)に、特図1変動表示ゲームの変動表示結果としてはずれを導出する。遊技機10は、はずれを導出して、入賞振分装置620を含む遊技盤600の装飾演出と音演出とをおこなう。これにより、遊技機10は、遊技者にとって残念な結果を案内する。遊技機10は、はずれを導出した場合にゲームフローF1に進む。
[ゲームフローF8]遊技機10は、表示セグメント603を表示セグメント「1」から順次点灯させ、表示セグメント「15」に至った場合(当り停止)に、特図1変動表示ゲームの変動表示結果として当りを導出する。このとき、遊技機10は、表示セグメント「15」を表示するタイミングで、盤演出装置604の表示セグメント605,606を当りを示す表示態様で発光させる。なお、遊技機10は、表示セグメント605,606の発光態様により先読み予告をおこなうようにしてもよく、たとえば表示セグメント605,606の発光色や発光タイミング、点滅等により先読み予告をおこなうことができる。
[ゲームフローF9]遊技機10は、装飾演出や音演出により大当り発生の案内を含むファンファーレ制御をおこなう。また、遊技機10は、音出力装置(スピーカ19a,19b)より右打ちを指示する音声案内を出力するととともに、右打ち表示613を点灯させて右打ち遊技を案内する。
遊技機10は、ゲームフローF8またはゲームフローF15からの遷移の場合に、表示装置(セット数表示装置)611の表示を「0」からカウントアップさせて「50」を表示させる。遊技機10は、ゲームフローF12からの遷移の場合に、表示装置611の表示を保持する。
[ゲームフローF10]遊技機10は、3カウント×2Rの大入賞口開放動作(インターバル動作を含む)を含むラウンド制御をおこなう。遊技機10は、先に大入賞口1を開放(1R)し、大入賞口1の閉塞後、速やかに大入賞口2を開放(2R)する。なお、遊技機10は、大入賞口開放動作中に当りを演出する楽曲を音出力する。遊技機10は、楽曲を3部構成にして、残りセット回数によって順次に楽曲を切り替える。これにより、遊技機10は、表示装置(セット数表示装置)611によらずともおおよその残りセット回数を遊技者に案内することができる。
[ゲームフローF11]遊技機10は、装飾演出や音演出によりエンディングを案内するエンディング制御をおこなう。遊技機10は、表示装置(セット数表示装置)611が表示するセット数を「1」デクリメントする。遊技機10は、エンディング時間を短時間にして当りの消化時間の短縮を図る。遊技機10は、リミッタが未作動の場合にゲームフローF12に進み、リミッタが作動の場合にゲームフローF13に進む。
[ゲームフローF12]遊技機10は、普電サポートと特図ゲームの確率変動(低確率から高確率に変動)とにより通常状態よりも遊技者にとって有利に遊技進行可能である。遊技機10は、普電サポートのある右打ち遊技のため始動口2への入賞が頻回となる特図2ゲームを主とした遊技進行となる。なお、遊技機10は、始動口1へも入賞し得るが、特図1の始動記憶と特図2の始動記憶とがあった場合に特図2の始動記憶が優先消化されるようになっている。遊技機10は、表示装置609において特図2変動表示ゲームのはずれ変動を、変動表示時間(たとえば、0.6秒)と停止表示時間(たとえば、0.6秒)を短時間表示にして当りの消化時間の短縮を図る。また、遊技機10は、表示装置609において特図2変動表示ゲームの当り変動を変動表示時間(たとえば、1秒または4秒)とし、停止表示時間(たとえば、0.6秒)とする。遊技機10は、表示装置609に当り図柄「2,2」を表示したときに2R当りとし、当り図柄「4,4」を表示したときに4R当りとする。遊技機10は、当り図柄「2,2」を表示するときに変動表示時間を1秒とし、当り図柄「4,4」を表示するときに変動表示時間を4秒とする。このとき、遊技機10は、変動表示時間「1秒」で当り図柄「2,2」を表示し、当り図柄「2,2」の仮停止表示時間を含む変動表示時間「3秒」で当り図柄「4,4」を表示する。遊技機10は、当りを導出するとゲームフローF9に進む。
[ゲームフローF13]遊技機10は、リミッタ作動により普電サポートを終了し、特図ゲームの確率変動を終了する(高確率から低確率に復帰)。遊技機10は、普電サポート中に蓄積した特図2変動表示ゲームの始動記憶を消化する。なお、遊技機10は、特図2変動表示ゲームの複数の始動記憶にもとづく変動表示を1回の変動表示であるかのように演出しながら実行する。なお、特図2変動表示ゲームの始動記憶の保留上限値は、「2」であるが、「2」以外の数(たとえば「4」)であってもよい。
遊技機10は、2つの始動記憶のうち1つ目の始動記憶にもとづく変動表示を長時間変動にして、2つ目の始動記憶を先読みすることで、1回目の変動表示が2回分の変動表示結果を示すような変動表示演出をおこなう。また、遊技機10は、2つの始動記憶のうち2つ目の始動記憶にもとづく変動表示を短時間変動にすることで、2つの始動記憶にもとづく変動表示が注目されないようにして、1回の変動表示であるかのように演出する。遊技機10は、2つの始動記憶のいずれもがはずれの場合にゲームフローF14に進み、いずれかが当りの場合にゲームフローF15に進む。
[ゲームフローF14]遊技機10は、装飾演出や音演出によりはずれ停止を案内する。また、遊技機10は、音出力装置より右打ちから左打ちに戻すよう指示する音声案内を出力するととともに、右打ち表示613を消灯させて左打ち遊技を案内する。遊技機10は、ゲームフローF1に進む。
[ゲームフローF15]遊技機10は、当りを示す表示態様で盤演出装置604の表示セグメント605,606を発光させる等して、装飾演出や音演出により当り停止を案内する。遊技機10は、当りを導出するとゲームフローF9に進む。
〔示唆演出処理〕
次に、演出制御装置300の示唆演出処理について図35を用いて説明する。図35は、第2の実施形態の示唆演出処理のフローチャートの一例を示す図である。
示唆演出処理は、遊技履歴にもとづいて設定中の設定値を示唆する設定示唆機能を実現する処理である。示唆演出処理は、メイン処理(図12参照)のステップD31の情報開示処理中で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される。
[ステップD111]制御部は、履歴収集処理を実行する。履歴収集処理は、所定期間の遊技履歴を収集する処理である。履歴収集処理については、図36を用いて後で説明する。
[ステップD112]制御部は、履歴評価処理を実行する。履歴評価処理は、履歴収集処理において収集した遊技履歴を評価し、設定値を推定する処理である。履歴評価処理については、図38を用いて後で説明する。
[ステップD113]制御部は、実設定補正処理を実行する。実設定補正処理は、履歴評価処理において推定した設定値(設定評価)を、設定中の設定値(実設定)を参照して補正する処理である。実設定補正処理については、図40を用いて後で説明する。
[ステップD114]制御部は、示唆演出設定処理を実行する。示唆演出設定処理は、履歴評価処理において推定した設定値(設定評価)または実設定補正処理において補正した設定値(実設定)にもとづいて示唆演出を設定する処理である。示唆演出設定処理については、図42を用いて後で説明する。
[ステップD115]制御部は、示唆タイミング設定処理を実行する。示唆タイミング設定処理は、示唆演出設定処理において設定した示唆演出の実行タイミングを設定する処理である。示唆タイミング設定処理については、図44を用いて後で説明する。制御部は、示唆タイミング設定処理を実行後に、示唆演出処理を終了する。
遊技機10は、ゲームフローを用いて説明したように、リミッタ作動まで大当りを繰り返す遊技性を有する。このような遊技機10は、1回の当りのラウンド数を小さくし(たとえば、2R)、1セットの当り回数を大きく(たとえば、50回)することで、遊技者が獲得可能な賞球数を大きく(たとえば、5000個)している。しかしながら、遊技機10は、1セットの消化時間も大きくなる(たとえば、15分程度)ために1セットの消化中(第3遊技状態)における遊技性が単調になるおそれがある。これについて、特図変動に多様性を持たせて興趣性を高めることもできるが、特図ゲームの1回の変動表示時間を短くする(たとえば、0.6秒)ことで1セットの消化時間を短くしているので特図変動の長時間はこれに反する。このような観点から、遊技機10は、1セットの消化中に設定示唆機能を設けることで、1セットの消化時間を冗長にすることなく興趣向上を図ることを実現している。また、遊技機10は、1セットの当り回数が大きいことから1セットの遊技のうちに遊技結果の当り確率が設定確率に収束することが期待できる。また、遊技機10は、1セットの進行過程で遊技結果の当り確率が設定確率に収束していくので、1セット中に複数回の設定示唆演出機会を設けたときに、遊技者に対して遊技が進行するほどに信頼度の高い設定示唆演出を提供できる。したがって、遊技機10は、1セットの消化時間中に設定示唆演出が複数回あっても、その都度の設定示唆演出による興趣向上を図ることができる。このような遊技機10は、遊技者の遊技意欲を刺激可能な設定示唆をおこなうことができる。
〔履歴収集処理〕
次に、履歴収集処理について図36を用いて説明する。図36は、第2の実施形態の履歴収集処理のフローチャートの一例を示す図である。履歴収集処理は、示唆演出処理(図35参照)のステップD111で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される。
[ステップD121]制御部は、遊技状態が第3遊技状態であるか否かを判定する。制御部は、遊技状態が第3遊技状態である場合にステップD122に進み、遊技状態が第3遊技状態でない場合に履歴収集処理を終了する。すなわち、遊技機10は、履歴収集対象となる遊技状態を第3遊技状態に制限している。なお、履歴収集対象となる遊技状態は、その用途に応じて任意に設定されるものであってもよい。
[ステップD122]制御部は、第3遊技状態が第2遊技状態からの状態遷移であるか否かを判定する。制御部は、第3遊技状態が第2遊技状態からの状態遷移である場合にステップD123に進み、第3遊技状態が第2遊技状態からの状態遷移でない場合にステップD124に進む。
[ステップD123]制御部は、収集済みの履歴をクリアする。すなわち、遊技機10は、第2遊技状態から第3遊技状態への状態遷移を契機にして遊技履歴の収集を開始する。
[ステップD124]制御部は、特図変動の有無を判定する。制御部は、特図変動があればステップD125に進み、特図変動がなければステップD126に進む。
[ステップD125]制御部は、特図変動回数を「1」インクリメントして更新する。なお、遊技機10は、1回の特図変動で特図変動回数更新を1回に限ることで、特図変動回数をカウントする。
[ステップD126]制御部は、当りの有無を判定する。制御部は、当りがあればステップD127に進み、当りがなければ履歴収集処理を終了する。
[ステップD127]制御部は、当り回数を「1」インクリメントして更新する。なお、遊技機10は、1回の当りで当り回数更新を1回に限ることで、当り回数をカウントする。制御部は、当り回数更新後に履歴収集処理を終了する。
これにより、遊技機10は、当り中の特図変動回数と当り回数を遊技履歴として収集することができる。また、遊技機10は、第2遊技状態から第3遊技状態への状態遷移を契機にして遊技履歴をクリアして収集を開始するので、1セットの当りを収集単位として遊技履歴を収集することができる。また、遊技機10は、第4遊技状態から第3遊技状態への状態遷移によっては遊技履歴をクリアしないので、特図保留による当り引き戻しの場合に継続して遊技履歴を収集することができる。また、遊技機10は、第2遊技状態から第3遊技状態への状態遷移を契機にして遊技履歴をクリアして収集を開始するので、設定変更を跨いで遊技履歴を収集することがない。
次に、遊技機10が収集する遊技履歴について図37を用いて説明する。図37は、第2の実施形態の遊技履歴の一例を示す図である。
図37(1)に示す履歴情報(初期値)は、履歴収集処理のステップD123でクリアした後の履歴情報を示す。クリアした後の履歴情報は、変動回数(特図変動回数)が「0」、当り回数が「0」である。
図37(2)に示す履歴情報(中間値)は、1セットの当りを収集単位として遊技履歴を収集する際の収集途中の履歴情報を示す。収集途中の履歴情報は、たとえば、変動回数が「120」、当り回数が「10」である。
図37(3)に示す履歴情報(リミッタ作動時)は、1セットの当りを収集単位として遊技履歴を収集する際の1収集単位の履歴情報を示す。1収集単位の履歴情報は、たとえば、変動回数が「580」、当り回数が「49」である。なお、当り回数が「50」でないのは、第2遊技状態(特図低確率状態)において導出された最初の当りが除外されるためである。
図37(4)に示す履歴情報(リミッタ作動時)は、1セットの当りを収集単位として遊技履歴を収集する際の2収集単位の履歴情報を示す。遊技機10は、特図保留による当り引き戻しがあった場合に2収集単位以上の履歴情報を収集可能である。2収集単位の履歴情報は、たとえば、変動回数が「1090」、当り回数が「98」である。なお、当り回数が「100」でないのは、第2遊技状態(特図低確率状態)において導出された最初の当りと、第4遊技状態(特図低確率状態)において導出された引き戻しの当りとが除外されるためである。
なお、遊技機10は、1セットの当りを収集単位として遊技履歴を収集するとしたが、収集単位を任意に設定可能にしてもよく、たとえば当り回数10回を収集単位としてもよい。図37(5)に示す履歴情報(収集範囲制限)は、収集範囲を当り回数10回に制限して遊技履歴を収集する際の履歴情報を示す。収集範囲制限のある履歴情報は、たとえば、変動回数が「115」、当り回数が「10」である。なお、収集範囲制限のある履歴情報は、当り回数10回を収集単位として1収集単位に達するごとに履歴情報をクリアするようにしてもよい。また、収集範囲制限のある履歴情報は、当りごとに当りに至った変動回数を区別可能に保持して、直近の当り回数10回の変動回数を算出可能にして収集するようにしてもよい。この場合、収集範囲制限のある履歴情報は、古い履歴情報が順次クリアされるものであってもよい。
〔履歴評価処理〕
次に、履歴評価処理について図38を用いて説明する。図38は、第2の実施形態の履歴評価処理のフローチャートの一例を示す図である。履歴評価処理は、示唆演出処理(図35参照)のステップD112で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される。
[ステップD131]制御部は、収集中の履歴情報から当り確率を算出する。
[ステップD132]制御部は、設定評価テーブルを取得する。なお、制御部は、あらかじめ用意された1つの設定評価テーブルを用いるようにしてもよいし、あらかじめ用意された2以上の設定評価テーブルのうちから1つを選択して用いるようにしてもよい。たとえば、制御部は、2以上の設定評価テーブルがあるときに無作為に1つを選択するようにしてもよいし、選択条件に応じて1つを選択するようにしてもよい。たとえば、制御部は、1セットの当りの進行度や、蓄積した履歴情報の大きさ、引き戻しの有無、RTCの値等を、選択条件とすることができる。
[ステップD133]制御部は、履歴情報から算出した当り確率と設定評価テーブルとから設定評価を決定する。制御部は、設定評価を決定後に、履歴評価処理を終了する。
ここで、履歴評価処理において設定評価の決定に用いた設定評価テーブルについて図39を用いて説明する。図39は、第2の実施形態の設定評価テーブルの一例を示す図である。
図39(1)に示す設定評価テーブルAは、履歴情報から算出した当り確率が1/12以上のときに設定評価「6,5,4」とし、履歴情報から算出した当り確率が1/12未満のときに設定評価「3,2,1」とする。
図39(2)に示す設定評価テーブルBは、履歴情報から算出した当り確率が1/11以上のときに設定評価「6,5」とし、履歴情報から算出した当り確率が1/13以上のときに設定評価「4,3」とし、履歴情報から算出した当り確率が1/13未満のときに設定評価「2,1」とする。
このように、制御部は、履歴情報から算出した当り確率と設定評価テーブルとから設定評価を決定するときに、設定評価を必ずしも1つの設定値に絞ることを要しない。制御部は、設定評価に幅を設けることで遊技者の設定値に対する期待感に持続性を与えることができるし、履歴情報が十分に蓄積されていないときに不十分な精度での設定評価に対応できる。
図39(3)に示す設定評価テーブルCは、履歴情報から算出した当り確率が1/10以上のときに設定評価「6」とし、履歴情報から算出した当り確率が1/11以上のときに設定評価「5」とし、履歴情報から算出した当り確率が1/12以上のときに設定評価「4」とし、履歴情報から算出した当り確率が1/13以上のときに設定評価「3」とし、履歴情報から算出した当り確率が1/14以上のときに設定評価「2」とし、履歴情報から算出した当り確率が1/14未満のときに設定評価「1」とする。このように、制御部は、履歴情報から算出した当り確率と設定評価テーブルとから設定評価を決定するときに、設定評価を1つの設定値に絞るものであってもよい。
図39(4)に示す設定評価テーブルDは、設定評価テーブルCと異なる評価基準を有し、履歴情報から算出した当り確率が1/12以上のときに設定評価「6,5」とし、履歴情報から算出した当り確率が1/14以上のときに設定評価「4,3」とし、履歴情報から算出した当り確率が1/14未満のときに設定評価「2,1」とする。
このように、制御部が2以上の設定評価テーブルのうちから1つを選択して用いるときに、2以上の設定評価テーブルで設定評価基準が異なってもよい。制御部は、設定評価に多様性を設けることで遊技者の設定値に対する期待感に持続性を与えることができるし、履歴情報が十分に蓄積されていないときに不十分な精度での設定評価に対応できる。
〔実設定補正処理〕
次に、実設定補正処理について図40を用いて説明する。図40は、第2の実施形態の実設定補正処理のフローチャートの一例を示す図である。実設定補正処理は、示唆演出処理(図35参照)のステップD113で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される。
[ステップD141]制御部は、履歴評価処理において決定した設定評価を取得する。
[ステップD142]制御部は、取得した設定評価の補正の是非を判定する。設定評価の補正の是非は、あらかじめ定める補正要件にしたがい判定できる。補正要件は、所定条件下での精度向上を目的として任意の要件を設定可能である。たとえば、補正要件は、履歴情報の蓄積量が十分でないときに補正をおこなうこととしてもよいし、遊技者に対する特典として精度の高い設定示唆のために補正をおこなうようにしてもよい。また、補正要件は、履歴評価処理において決定した設定評価と実設定との乖離が大きいときに補正をおこなうようにしてもよい。また、制御部は、遊技場の設定等により一切の補正をおこなわないようにしてもよい。
[ステップD143]制御部は、設定評価の補正をおこなうとした場合にステップD144に進み、設定評価の補正をおこなわないとした場合に設定評価の補正をおこなうことなく実設定補正処理を終了する。
[ステップD144]制御部は、設定値(実設定)を取得する。演出制御装置300は、遊技制御装置100から実設定を通知されることで実設定を取得し得る。
[ステップD145]制御部は、履歴評価処理において決定した設定評価を実設定にもとづいて補正した補正設定評価を生成する。制御部は、補正設定評価を生成後に実設定補正処理を終了する。
ここで、実設定補正処理における設定評価の補正について図41を用いて説明する。図41は、第2の実施形態の設定評価の補正の一例を示す図である。
図41(1)に示す設定評価は、履歴評価処理において決定した設定評価であり、たとえば「3」である。図41(2)に示す設定は、遊技機10に設定されている設定(実設定)であり、たとえば「5」である。すなわち、履歴評価処理において決定した設定評価は、必ずしも十分な精度を有しないことから実設定と乖離する場合がある。ただし、履歴評価処理において決定した設定評価は、遊技履歴にもとづくことから実設定よりも遊技者が体感する設定に近い。
図41(3)に示す補正設定評価は、履歴評価処理において決定した設定評価「3」と実設定「5」との平均値に補正した設定評価であり、たとえば「4」である。なお、平均値による補正は、補正方法の一例であって、その他の補正方法を採用するものであってもよい。
なお、演出制御装置300は、遊技制御装置100から実設定を通知されない場合、示唆演出処理において収集する履歴情報よりも大きな履歴情報にもとづいて高精度の設定を決定するようにしてもよく、当該高精度の設定により履歴評価処理において決定した設定を補正するようにしてもよい。すなわち、制御部は、第1の期間で収集した履歴情報にもとづいて決定した第1の設定推定値を、第1の期間よりも大きな第2の期間で収集した履歴情報にもとづいて決定した第2の設定推定値で補正するものであってもよい。
〔示唆演出設定処理〕
次に、示唆演出設定処理について図42を用いて説明する。図42は、第2の実施形態の示唆演出設定処理のフローチャートの一例を示す図である。示唆演出設定処理は、示唆演出処理(図35参照)のステップD114で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される。
[ステップD151]制御部は、履歴評価処理において決定した設定評価を取得する。なお、制御部は、実設定補正処理で生成した補正設定評価がある場合、履歴評価処理において決定した設定評価に代えて補正設定評価を取得する。
[ステップD152]制御部は、設定評価別設定演出テーブルを取得する。なお、制御部は、あらかじめ用意された1つの設定評価別設定演出テーブルを用いるようにしてもよいし、あらかじめ用意された2以上の設定評価別設定演出テーブルのうちから1つを選択して用いるようにしてもよい。たとえば、制御部は、2以上の設定評価別設定演出テーブルがあるときに無作為に1つを選択するようにしてもよいし、選択条件に応じて1つを選択するようにしてもよい。たとえば、制御部は、1セットの当りの進行度や、蓄積した履歴情報の大きさ、引き戻しの有無、RTCの値等を、選択条件とすることができる。
[ステップD153]制御部は、履歴評価処理において決定した設定評価、または実設定補正処理で生成した補正設定評価と設定評価別設定演出テーブルとから示唆演出を設定する。制御部は、示唆演出を設定後に、示唆演出設定処理を終了する。
ここで、示唆演出設定処理において示唆演出の設定に用いた設定評価別設定演出テーブルについて図43を用いて説明する。図43は、第2の実施形態の設定評価別設定演出テーブルの一例を示す図である。
図43(1)に示す設定評価別設定演出テーブルAは、設定評価(補正設定評価を含む)ごとの設定演出(設定示唆演出)を規定する。設定評価「1」は設定演出Aであり、設定評価「2」は設定演出Bであり、設定評価「3」は設定演出Cであり、設定評価「4」は設定演出Dであり、設定評価「5」,「6」は設定演出Eである。したがって、設定演出Aは実設定「1」を示唆し、設定演出Bは実設定「2」を示唆し、設定演出Cは実設定「3」を示唆し、設定演出Dは実設定「4」を示唆し、設定演出Eは実設定「5」または実設定「6」を示唆する。
これにより、遊技機10は、設定演出の種別から遊技者による設定評価の推定を可能にし、設定評価の推定を介して間接的に実設定の推定を可能にする。このとき、設定評価「1」,「2」,「3」,「4」,「5,6」は、それぞれ異なる設定演出がなされることで設定評価の推定が容易になっている。一方で、設定評価「5」,「6」は、それぞれ共通の設定演出がなされることで設定評価の推定が困難になっている。したがって、遊技機10は、設定評価「5」と設定評価「6」との峻別を遊技者が感得する遊技経験に委ねる。たとえば、遊技者は、設定評価「5」と設定評価「6」とを峻別するために、自ら遊技履歴を収集することを求められるかもしれない。したがって、遊技機10は、他者よりも有利に遊技をおこないたいという探求心の強い遊技者に対して技術介入要素を提供して興趣向上を図ることができる。
なお、設定演出A,B,C,D,Eは、選択肢となる複数の設定示唆演出を含むグループであり、制御部は、各グループに含まれる選択肢のうちから具体的な設定示唆演出を選択可能にしている。なお、制御部は、具体的な設定示唆演出の選択をメイン処理(図12参照)のステップD23の演出表示編集処理においておこなうことができる。
なお、設定演出A,B,C,D,Eは、選択肢となる設定示唆演出のすべてを相互で排他的なものとしてもよいし、選択肢となる設定示唆演出の一部を相互で共用するものであってもよい。たとえば、選択肢となる設定示唆演出のすべてを相互で排他的なものとする場合、設定示唆演出は、一意に設定評価を特定可能にして、遊技履歴が示唆する実設定を遊技者に直接的に感得させることができる。
また、選択肢となる設定示唆演出の一部を相互で共用する場合、設定示唆演出は、設定評価の特定を曖昧にして、遊技履歴が示唆する実設定を遊技者に曖昧に感得させることができる。たとえば、設定評価「3」から「6」が共用する示唆演出は、設定評価「3」以上であることを示唆するし、設定評価「2」,[4],「6」が共用する示唆演出は、偶数設定であることを示唆する。
図43(2)に示す設定評価別設定演出テーブルBは、設定評価(補正設定評価を含む)ごとの設定演出(設定示唆演出)を規定する。設定評価「1」,「2」は設定演出Bであり、設定評価「3」,「4」は設定演出Dであり、設定評価「5」,「6」は設定演出Eである。したがって、設定演出Bは実設定「1」または実設定「2」を示唆し、設定演出Dは実設定「3」または実設定「4」を示唆し、設定演出Eは実設定「5」または実設定「6」を示唆する。このように、遊技機10は、すべての設定評価に固有の設定演出を設定しないことで設定評価の推定を困難にしている。
図43(3)に示す設定評価別設定演出テーブルCは、設定評価(補正設定評価を含む)ごとの設定演出(設定示唆演出)を規定する。設定評価「1」,「2」,「3」は設定演出Cであり、設定評価「4」,「5」,「6」は設定演出Eである。したがって、設定演出Cは実設定「1」、実設定「2」または実設定「3」を示唆し、設定演出Eは実設定「4」、実設定「5」または実設定「6」を示唆する。このように、遊技機10は、すべての設定評価に固有の設定演出を設定しないことで設定評価の推定を困難にしている。
〔示唆タイミング設定処理〕
次に、示唆タイミング設定処理について図44を用いて説明する。図44は、第2の実施形態の示唆タイミング設定処理のフローチャートの一例を示す図である。示唆タイミング設定処理は、示唆演出処理(図35参照)のステップD115で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される。
[ステップD161]制御部は、導出された当りが特定当りか否かを判定する。ここでいう特定当りは、1セット50回のうちで示唆演出をおこなうタイミングとなる当りをいう。たとえば、4R当りが特定当りとなる。なお、特定当りは、20回目の当りや40回目の当りのように当り回数によって規定されるものであってもよい。制御部は、導出された当りが特定当りである場合にステップD164に進み、特定当りでない場合にステップD162に進む。
[ステップD162]制御部は、特図変動が特定変動であるか否かを判定する。ここでいう特定変動は、示唆演出をおこなうタイミングとなる変動をいう。たとえば、特図変動50回ごとに1回の特図変動が特定変動となる。なお、特定変動は、所定回数の特図変動が実行されるごとに設定されるものであってもよいし、所定確率の抽選によって設定されるものであってもよい。制御部は、特図変動が特定変動である場合にステップD164に進み、特定変動でない場合にステップD163に進む。
[ステップD163]制御部は、特定条件が成立したか否かを判定する。ここでいう特定条件の成立は、あらかじめ設定する示唆演出実行条件をいう。示唆演出実行条件は、示唆演出を実行するための条件であり、遊技進行の中で成立可能な条件である。たとえば、示唆演出実行条件は、第3遊技状態に遷移してから所定時間経過(たとえば、7分)を条件としてもよいし、開放から3カウントで閉塞する第1特別変動入賞装置(大入賞口1)627や第2特別変動入賞装置(大入賞口2)628で所定数(たとえば、4つ)の入賞を検出することを条件としてもよい。制御部は、特定条件が成立した場合にステップD164に進み、特定条件が成立していない場合に示唆タイミング設定処理を終了する。
[ステップD164]制御部は、設定示唆演出の実行タイミングを設定する。なお、設定示唆演出の実行タイミングは、特図変動や当り進行から独立して設定されるものであってもよいし、特図変動や当り進行に同期して設定されるものであってもよい。
次に、表示装置602の表示セグメント603(表示セグメント「1」から表示セグメント「6」)の点灯態様による設定示唆演出について図45を用いて説明する。図45は、第2の実施形態の設定示唆演出の一例を示す図(その1)である。
図45(1)に示す表示セグメント603(表示セグメント「1」から表示セグメント「6」)は、設定評価「1」を示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「1」が青色で点灯し、表示セグメント「2」から表示セグメント「6」が消灯することで、設定評価「1」を示唆する。
図45(2)に示す表示セグメント603は、設定評価「2」を示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「1」,[2]が青色で点灯し、表示セグメント「3」から表示セグメント「6」が消灯することで、設定評価「2」を示唆する。
図45(3)に示す表示セグメント603は、設定評価「3」を示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「1」,[2]が青色で点灯し、表示セグメント「3]が黄色で点灯し、表示セグメント「4」から表示セグメント「6」が消灯することで、設定評価「3」を示唆する。
図45(4)に示す表示セグメント603は、設定評価「4」を示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「1」,[2]が青色で点灯し、表示セグメント「3],[4]が黄色で点灯し、表示セグメント「5],「6」が消灯することで、設定評価「4」を示唆する。
図45(5)に示す表示セグメント603は、設定評価「5」,「6」を示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「1」,[2]が青色で点灯し、表示セグメント「3],[4]が黄色で点灯し、表示セグメント「5]が赤色で点灯し、表示セグメント「6」が消灯することで、設定評価「5」,「6」を示唆する。
図45(6)に示す表示セグメント603は、設定評価「5」,「6」を示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「1」,[2]が青色で点灯し、表示セグメント「3],[4]が黄色で点灯し、表示セグメント「5」,「6」が赤色で点灯することで、設定評価「5」,「6」を示唆する。
このように、遊技機10は、設定評価「1」,「2」,「3」,「4」,「5,6」において、それぞれ異なる設定演出がなされることで設定評価の推定が容易になっている。これにより、遊技機10は、設定演出の種別から遊技者による設定評価の推定を可能にし、設定評価の推定を介して間接的に実設定の推定を可能にする。また、設定評価「5」,「6」は、それぞれ共通の設定演出がなされることで設定評価の推定が困難になっている。したがって、遊技機10は、設定評価「5」と設定評価「6」との峻別を遊技者が感得する遊技経験に委ねる。たとえば、遊技者は、設定評価「5」と設定評価「6」とを峻別するために、自ら遊技履歴を収集することを求められるかもしれない。したがって、遊技機10は、他者よりも有利に遊技をおこないたいという探求心の強い遊技者に対して技術介入要素を提供して興趣向上を図ることができる。
なお、設定評価「1」から設定評価「6」までの示唆演出について説明したが、補正設定評価「1」から補正設定評価「6」までの示唆演出についても同様である。遊技機10は、設定評価の示唆演出と、補正設定評価とを区別なしにおこなうが、たとえば、輝度の変更や点滅の有無等により区別可能にしておこなうようにしてもよい。
次に、表示装置602の表示セグメント603(表示セグメント「1」から表示セグメント「6」)の点灯態様による、信頼度報知を含む設定示唆演出について図46を用いて説明する。図46は、第2の実施形態の設定示唆演出の一例を示す図(その2)である。
図46(1)に示す表示セグメント603(表示セグメント「1」から表示セグメント「6」)は、設定評価「1」を信頼度「低」で示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「1」が青色で点灯し、表示セグメント「2」から表示セグメント「6」が消灯することで、設定評価「1」を信頼度「低」で示唆する。
図46(2)に示す表示セグメント603は、設定評価「2」を信頼度「高」で示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「1」,[2]が赤色で点灯し、表示セグメント「3」から表示セグメント「6」が消灯することで、設定評価「2」を信頼度「高」で示唆する。
図46(3)に示す表示セグメント603は、設定評価「3」を信頼度「低」で示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「1」から表示セグメント「3]が青色で点灯し、表示セグメント「4」から表示セグメント「6」が消灯することで、設定評価「3」を信頼度「低」で示唆する。
図45(4)に示す表示セグメント603は、設定評価「4」を信頼度「高」で示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「1」から表示セグメント「4]が赤色で点灯し、表示セグメント「5],「6」が消灯することで、設定評価「4」を信頼度「高」で示唆する。
図45(5)に示す表示セグメント603は、設定評価「5」,「6」を信頼度「低」で示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「1」から表示セグメント「5]が青色で点灯し、表示セグメント「6」が消灯することで、設定評価「5」,「6」を信頼度「低」で示唆する。
図45(6)に示す表示セグメント603は、設定評価「5」,「6」を信頼度「高」で示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「1」から表示セグメント「6」が赤色で点灯することで、設定評価「5」,「6」を信頼度「高」で示唆する。
このように、遊技機10は、設定評価「1」,「2」,「3」,「4」,「5,6」において、それぞれ異なる設定演出(点灯箇所)がなされることで設定評価の推定が容易になっている。また、遊技機10は、信頼度に応じて異なる発光態様(点灯色)がなされることで設定評価の信頼度を案内し、信頼度の推定に対する興趣向上を図っている。
これにより、遊技機10は、設定演出の種別から遊技者による信頼度を加味した設定評価の推定を可能にし、設定評価の推定を介して間接的に実設定の推定を可能にする。また、設定評価「5」,「6」は、それぞれ共通の設定演出がなされることで設定評価の推定が困難になっている。したがって、遊技機10は、設定評価「5」と設定評価「6」との峻別を遊技者が感得する遊技経験に委ねる。たとえば、遊技者は、設定評価「5」と設定評価「6」とを峻別するために、自ら遊技履歴を収集することを求められるかもしれない。したがって、遊技機10は、他者よりも有利に遊技をおこないたいという探求心の強い遊技者に対して技術介入要素を提供して興趣向上を図ることができる。
なお、設定評価「1」から設定評価「6」までの信頼度報知を含む示唆演出について説明したが、補正設定評価「1」から補正設定評価「6」までの信頼度報知を含む示唆演出についても同様である。遊技機10は、設定評価の示唆演出と、補正設定評価とを区別なしにおこなうが、たとえば、輝度の変更や点滅の有無等により区別可能にしておこなうようにしてもよい。
なお、遊技機10は、履歴評価処理で決定した設定評価(真の設定評価)に対応する示唆演出と、その他の設定評価(偽の設定評価)に対応する示唆演出とを、信頼度に対応する確率で選択することで信頼度報知を実現できる。補正設定評価における信頼度報知ついても同様にして実現できる。
次に、ハイビスカスの花を模したような外観の盤演出装置604における5つの花弁に対応する表示セグメント605と、花芯に対応する表示セグメント606の点灯態様による設定示唆演出について図47を用いて説明する。図47は、第2の実施形態の設定示唆演出の一例を示す図(その3)である。
図47(1)に示す表示セグメント605(表示セグメント「左上」,「左下」,「右下」,「右上」,「上」)と表示セグメント606(表示セグメント「花芯」)は、設定評価「1」を示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「左上」が青色で点灯し、表示セグメント「左下」,「右下」,「右上」,「上」,「花芯」が消灯することで、設定評価「1」を示唆する。
図47(2)に示す表示セグメント605と表示セグメント606は、設定評価「2」を示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「左上」,「左下」が青色で点灯し、表示セグメント「右下」,「右上」,「上」,「花芯」が消灯することで、設定評価「2」を示唆する。
図47(3)に示す表示セグメント605と表示セグメント606は、設定評価「3」を示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「左上」,「左下」,「右下」が青色で点灯し、表示セグメント「右上」,「上」,「花芯」が消灯することで、設定評価「3」を示唆する。
図47(4)に示す表示セグメント605と表示セグメント606は、設定評価「4」を示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「左上」,「左下」,「右下」,「右上」が青色で点灯し、表示セグメント「上」,「花芯」が消灯することで、設定評価「4」を示唆する。
図47(5)に示す表示セグメント605と表示セグメント606は、設定評価「5」,「6」を示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「左上」,「左下」,「右下」,「右上」,「上」が青色で点灯し、表示セグメント「花芯」が消灯することで、設定評価「5」,「6」を示唆する。
図47(6)に示す表示セグメント605と表示セグメント606は、設定評価「5」,「6」を示唆する示唆演出を示す。表示セグメント「左上」,「左下」,「右下」,「右上」,「上」が青色で点灯し、表示セグメント「花芯」が赤色で点灯することで、設定評価「5」,「6」を示唆する。
このように、遊技機10は、表示装置602の表示セグメント603に代えて、盤演出装置604の表示セグメント605,606により示唆演出をおこなうようにしてもよい。また、遊技機10は、表示装置602の表示セグメント603と盤演出装置604の表示セグメント605,606とにより示唆演出をおこなうようにしてもよく、その場合に同様の示唆態様で示唆演出をおこなうようにしてもよいし、異なる示唆態様の組合せにより示唆演出をおこなうようにしてもよい。また、盤演出装置604は、表示セグメント605,606の表示態様により示唆演出をおこなうとしたが、表示セグメント605,606に可動機構を設けて可動態様により示唆演出をおこなうようにしてもよい。
次に、表示装置602と盤演出装置604とにおける信頼度報知を含む設定示唆演出について図48を用いて説明する。図48は、第2の実施形態の設定示唆演出の一例を示す図(その4)である。
遊技機10は、盤演出装置604の表示セグメント605,606により設定示唆をおこない、表示装置602の表示セグメント603,607,608により信頼度報知をおこなう。
たとえば、図48(1)に示す表示装置602と盤演出装置604は、盤演出装置604において表示セグメント605のうち表示セグメント「左上」が青色で点灯し、表示セグメント「左下」,「右下」,「右上」,「上」,「花芯」が消灯することで、設定評価「1」を示唆し、表示装置602において表示セグメント603(表示セグメント「1」から表示セグメント「15」),607,608のうち表示セグメント「1」,[2]だけが赤色点灯することで信頼度「低」を示す。
また、図48(2)に示す表示装置602と盤演出装置604は、盤演出装置604において表示セグメント605のうち表示セグメント「左上」,「左下」,「右下」,「右上」が青色で点灯し、表示セグメント「上」,「花芯」が消灯することで、設定評価「4」を示唆し、表示装置602において表示セグメント603,607,608のうち表示セグメント「1」から表示セグメント[13]が赤色点灯することで信頼度「高」を示す。なお、表示装置602は、表示セグメント「14」,[15]、表示セグメント607,608を点灯させることで、より高い信頼度を報知することができる。
このように、遊技機10は、表示装置602の表示セグメント603,607,608と盤演出装置604の表示セグメント605,606とにより示唆演出と信頼度報知とをおこなうようにしてもよく、その場合に表示装置602と盤演出装置604とで役割(示唆機能と信頼度報知機能)を分担するものであってもよいし、協働するものであってもよい。
なお、第2の実施形態の遊技機10は、表示装置602または盤演出装置604、あるいはその両方を用いて示唆演出をおこなうとしたが、これに限らずその他の演出装置(表示装置41、演出ボタン(プッシュボタン)25、枠装飾装置18、スピーカ19a,19b、操作部(発射ハンドル)24、盤演出装置44、盤装飾装置46等)を用いて示唆演出をおこなうようにしてもよい。
上述した第2の実施形態の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機(遊技機10)は、ゲーム制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、設定手段(遊技制御装置100、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、示唆演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300、演出装置(表示装置41,602、演出ボタン(プッシュボタン)25、枠装飾装置18、スピーカ19a,19b、操作部(発射ハンドル)24、盤演出装置44,604、盤装飾装置46))と、を含む。ゲーム制御手段は、ゲーム(特図1ゲーム、特図2ゲーム)を実行制御可能である。設定手段は、ゲームについて2以上の異なる遊技性能(たとえば、設定値「1」から設定「6」)のうち1の遊技性能を設定可能である。示唆演出手段は、ゲームにおいて所定期間に発生した当りを対象にして当り履歴(履歴情報)を評価(設定評価)して、評価にもとづき遊技性能(実設定)を示唆する示唆演出(図45から図48参照)をおこなう(図35参照)。
(2)(1)の設定手段は、3以上の異なる遊技性能(たとえば、設定評価「1」から設定評価「6」)のうち1の遊技性能を設定可能である。示唆演出手段は、3以上の異なる遊技性能のうち2以上の遊技性能(たとえば、設定評価「5」,「6」)について、示唆演出を共通演出とする(図43参照)。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD-RAM、CD(Compact Disk)-ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。