詳細な説明
表面上の反応生成物の堆積に関連するシステムおよび方法が、概して、説明される。本明細書に説明されるシステムおよび方法は、流体(例えば、水)を保持する表面の能力を増大させる反応生成物(例えば、高分子電解質沈殿物)の堆積を可能にし得る。例えば、ある場合には、2つまたはそれを上回る組成物(例えば、2つまたはそれを上回るタイプの高分子電解質)の反応生成物が表面上で形成されるように、2つまたはそれを上回る組成物が、疎水性表面(例えば、超疎水性表面)上に堆積させられてもよい。ある場合には、反応生成物は、2つまたはそれを上回る組成物の堆積および/もしくは反応生成物の形成に応じて、表面が親水性になるように、表面の疎水性を改変する。いくつかの実施形態では、流体(例えば、キャリア流体)が、反応生成物の堆積および/または形成後に表面上に保持されてもよく、これは別様に、反応生成物の堆積および/または形成の前には表面上に保持されていないであろう。
そのようなシステムおよび方法は、例えば、(例えば、植物の葉の上の)農薬保持、植物の防霜、森林火災の処置および/または予防、ならびに氷結防止噴霧を含む、種々の用途で有用であり得る。いくつかの実施形態では、本システムおよび方法は、植物の葉の上に残留する農薬の量を増進し得る。従来の農薬調合物および農薬を付与するための従来の方法の有効性は、葉の表面上に保持される代わりに、農薬調合物を跳ねて葉から転がり落とし得る植物の葉の高い疎水性によって限定され得る。有利なこととして、本明細書に説明される方法は、ある場合には、液滴後退を引き止める沈殿物を形成することによって、超疎水性表面等の表面からの液滴の跳ね返り、および転動を抑制し得る。例えば、表面は、反応生成物(例えば、沈殿物)が表面上で形成されるように、本質的に同時に、第1の電荷を伴う第1の種を含む第1の組成物と、第1の電荷と反対の符号の電荷を伴う第2の種を含む第2の組成物とに暴露されてもよい。理論によって拘束されることを所望するわけではないが、反応生成物は、液滴運動エネルギーの十分な部分が、表面からの液滴除去を防止するために後退中に消散されるような様式で、液滴と相互作用することが可能であり得る(例えば、親水性反応生成物は、液滴が後退するときにエネルギー消散をもたらす、引力を親水性液滴に印加することが可能であり得る)。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る反応生成物が、本質的に同時に、キャリア中の反対電荷の2つの高分子電解質を表面に付与し、2つの高分子電解質が表面に近接して反応することを可能にすることによって、生成される。ある実施形態では、高分子電解質のうちの1つまたはそれを上回るものが、噴霧によって表面に付与されてもよい。
例示的実施形態では、キャリア流体(例えば、農薬等の活性剤を含む)第1の組成物(例えば、正味の正電荷を有する第1の高分子電解質を含む)、および第2の組成物(例えば、正味の負電荷を有する第2の高分子電解質を含む)は、第1の組成物および第2の組成物が反応生成物を形成するように、かつキャリア流体(および/または活性剤)が疎水性表面上に保持されるように、疎水性表面上で堆積させられる。
いくつかの実施形態では、表面上で1つまたはそれを上回る反応生成物を形成することは、表面の湿潤性質を改変し得る。例えば、いくつかの実施形態では、超疎水性表面上の1つまたはそれを上回る反応生成物の存在は、超疎水性表面が水性流体によって少なくとも部分的にコーティングされることを可能にし得る。ある実施形態では、表面上の1つまたはそれを上回る反応生成物の存在は、異なる領域が異なる表面エネルギーを有する、表面をもたらし得る。例えば、低い表面エネルギーの表面が、高い表面エネルギーの反応生成物によって少なくとも部分的にコーティングされてもよい。ある場合には、表面は、高い表面エネルギーの領域と、低い表面エネルギーの領域とを有してもよい。そのような領域のための長さスケールは、比較的小さくあり得る(例えば、約数十または数百ナノメートル)。
図1Aに図示されるように、いくつかの実施形態では、第1の種(例えば、第1の高分子電解質)110および第1の種110と異なる第2の種(例えば、第2の高分子電解質)120が、表面100上に堆積させられてもよい。いくつかの実施形態では、図1Bで例証的に示されるように、第1の種110および第2の種120は、実質的に同時に表面100上に堆積させられてもよい。ある実施形態では、第1の種および第2の種は、異なる時間に堆積させられてもよい(例えば、第1の種が、表面上に堆積させられ、その後に続いて、第2の種が、表面上に堆積させられる)。例えば、ある場合には、第1の種および第2の種は、交互に表面上に堆積させられてもよい。
ある実施形態では、第1の種および/または第2の種は、第1の種および/または第2の種が表面と結合を形成するように、表面(例えば、表面の少なくとも一部)に接触してもよい。ある場合には、第1の種および第2の種は、相互と結合を形成してもよい。例えば、結合(例えば、表面との結合、第1の種と第2の種との間の結合)は、イオン結合、共有結合(例えば、炭素・炭素、炭素・酸素、酸素・シリコン、硫黄・硫黄、リン・窒素、炭素・窒素、金属・酸素、または他の共有結合)、水素結合(例えば、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、チオール、および/または類似官能基の間)、配位結合(例えば、金属イオンと単座配位性リガンドまたは多座配位性リガンドとの間の錯体形成もしくはキレート化)、ファン・デル・ワールス相互作用、ハロゲン結合、生体特異的相互作用(例えば、糖・レクチン相互作用)、カチオン・双極子相互作用、および同等物等の結合を含んでもよい。
ある実施形態では、図1Cに示されるように、第1の種110および第2の種120は、反応生成物130が形成されるように、表面に近接(例えば、隣接、直接隣接)して反応してもよい。いくつかの実施形態では、反応生成物130は、第1の種110と、第2の種120(例えば、第2の種120に結合された第1の種110)とを含む。ある実施形態では、反応生成物は、第1の種および第2の種の反応から形成される。
表面上の第1の種および/または第2の種の付与は、任意の好適な方法を含んでもよい。いくつかの実施形態では、種のうちの少なくとも1つは、表面上に種を含む組成物を噴霧することによって、表面に付与されてもよい。ある実施形態では、種のうちの少なくとも1つは、種を含む組成物に表面を浸漬することによって、表面に付与されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の種を含む第1の組成物および/または第2の種を含む第2の組成物が、表面に付与されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の種および第2の種は両方とも、第1の種を含む第1の組成物ならびに第2の種を含む第2の組成物を噴霧することによって、付与されてもよい。ある実施形態では、第1の種が、第1の種を含む第1の組成物に表面を浸漬することによって、付与されてもよく、第2の種が、表面上に第2の種を含む第2の組成物を噴霧することによって、付与されてもよい。ある実施形態では、第2の種が、第2の種を含む第2の組成物に表面を浸漬することによって、付与されてもよく、第1の種が、表面上に第1の種を含む第1の組成物を噴霧することによって、付与されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の組成物が、第1の種を含む第1の組成物に表面を浸漬することによって、付与されてもよく、第2の組成物が、第2の種を含む第2の組成物に表面を浸漬することによって、付与されてもよい。本明細書で使用されるように、組成物または種への表面の暴露は、組成物または種を表面に付与することと等価であると理解されたい。
ある実施形態によると、表面の全体は、第1の組成物および第2の組成物の両方に暴露される(例えば、直接接触している)。いくつかの実施形態では、表面の第1の部分が、第1の組成物に暴露される。いくつかの実施形態では、表面の第2の部分が、(例えば、第1の組成物への表面の暴露後に)第2の組成物に暴露される。ある実施形態では、第1の部分および第2の部分は、少なくとも部分的に重複してもよい。ある実施形態では、第1の部分および第2の部分は、完全に重複してもよい。
いくつかの実施形態では、表面は、本質的に同時に第1の組成物および第2の組成物の両方に暴露されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の組成物および第2の組成物への表面の同時暴露は、表面からの第1の組成物の除去の前の第2の組成物への表面の暴露(または第2の組成物の除去の前の第1の組成物の暴露)を包含する。除去は、表面から摺動すること、もしくは跳ね返ること、表面から吹き飛ばされること、および/または表面から蒸発すること等の任意の手段によって起こり得る。ある実施形態では、第1の組成物および第2の組成物への表面の同時暴露は、第1の表面上への第1の組成物の堆積の前の第2の組成物への表面の暴露(または第2の組成物の任意の成分の堆積の前の第1の組成物への暴露)を包含する。堆積は、キャリア流体の蒸発、種と表面との間の化学反応、または同等物等の任意の手段によって起こり得る。
ある実施形態では、表面の少なくとも一部は、第3の組成物に暴露されてもよい。いくつかの実施形態では、第3の組成物は、第1の種も第2の種も備えなくてもよい。例えば、第3の組成物は、第1の種および第2の種と異なる第3の種(例えば、農薬等の活性剤)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第3の組成物および/または第3の種は、表面上の第1の種ならびに第2の種の堆積(および/または表面上の反応生成物の形成)の前には表面上に保持されないであろう。ある実施形態では、第3の組成物および/または第3の種は、表面上の第1の種ならびに第2の種の堆積(および/または表面上の反応生成物の形成)後に表面上に保持される。ある場合には、第3の種は、表面上の第1の種および第2の種の堆積(ならびに/または表面上の反応生成物の形成)の前の量と比較して、表面上の第1の種および第2の種の堆積(ならびに/または表面上の反応生成物の形成)後に、より多くの量で表面上に保持されてもよい。
いくつかの実施形態では、表面は、第1の種および第2の種のうちの1つ以上へのその暴露と少なくとも部分的に重複する時間にわたって、第3の組成物に暴露されてもよい。例えば、第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物は、実質的に同時に表面上に堆積させられてもよい。いくつかの実施形態では、表面は、第1の種および第2の種へのその暴露と重複しない時間にわたって、第3の組成物に暴露されてもよい。例えば、第3の組成物は、表面上の第1の種および第2の種の堆積後に、表面上に堆積させられてもよい。
第1の種および第2の種は、任意の好適な元素、分子、または化合物を備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1の種および第2の種は、反対電荷を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の種および第2の種のうちの少なくとも1つは、高分子電解質を備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1の種および第2の種は両方とも、高分子電解質を含む。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の種は、核酸、ポリ(L-リジン)、ポリ(L-グルタミン酸)、カラギーナン、ヘパリン、アルギネート、アルギン酸およびヒアルロン酸などの天然高分子電解質を含んでもよい。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の種は、ペクチン、キトサン、セルロース系高分子電解質、デンプン系高分子電解質およびデキストラン系高分子電解質などの化学修飾されたバイオポリマーを含んでもよい。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の種は、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム)、ポリ(4-ビニル-N-アルキルピリジニウム)、ポリ(アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウム)、ポリ(アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(イタコン酸)、およびリンゴ酸ジアリルアミンコポリマーなどの合成高分子電解質を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1または第2の種のうちの1つもしくはそれを上回るものは、生分解性高分子電解質、非毒性高分子電解質、および/または多糖を備えてもよい。
いくつかの実施形態では、第1の組成物および第2の組成物は、非毒性材料のみを含む。例えば、ある実施形態では、組成物、種(例えば、高分子電解質)、および/または活性剤のうちの1つもしくはそれを上回るものは、FDAの「食品医薬品局合格証」物質データベース上に含まれ、および/または21C.F.R.§182に列挙されるもの以外の物質を実質的に含まない。
「毒性」という用語は、物質を対象に投与すること、または組織もしくは細胞を物質と接触させることの前に、対象、組織、または細胞と比較して、物質を対象に投与するか、または組織もしくは細胞を物質と接触させるとき、またはその後に、対象、組織、もしくは細胞への有害影響、悪影響、有毒影響、または別様に負の影響を示す、物質を指す。ある実施形態では、影響は、対象、組織、または細胞の死滅もしくは破壊である。ある実施形態では、影響は、対象、組織、または細胞の代謝への有害影響である。ある実施形態では、毒性物質は、200~300グラムを含む体重のアルビノラットに経口投与されたときに、1キログラムの体重につき多くても500ミリグラムの半数致死量(LD50)を有する、物質である。ある実施形態では、毒性物質は、2~3キログラムを含む体重のアルビノウサギの地肌との24時間(または死亡が24時間以内に起こる場合はそれ未満)にわたる連続接触によって投与されたときに、1キログラムの体重につき多くても1,000ミリグラムのLD50を有する、物質である。ある実施形態では、毒性物質は、200~300グラムを含む体重のアルビノラットへの1時間(または死亡が1時間以内に起こる場合はそれ未満)にわたる連続吸入によって投与されたときに、ガスまたは蒸気の体積で2,000パーツ・パー・ミリオンを超えない、または1リットルの霧、煙霧、もしくは粉末につき20ミリグラムを超えない空気中LC50を有する、物質である。
「非毒性」という用語は、毒性ではない物質を指す。毒性化合物は、例えば、酸化的ストレス因子、ニトロソ化ストレス因子、プロテアソーム阻害剤、ミトコンドリア機能の阻害剤、イオノフォア、液胞ATPアーゼの阻害剤、小胞体(ER)ストレスの誘導剤、および小胞体関連分解(ERAD)の阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、毒物は、神経系組織への損傷を選択的に引き起こす。毒性化合物は、直接毒性である化合物と、直接毒性である物質に代謝されるか、またはそれを生じさせる作用物質とを含む。「毒性化合物」という用語は、典型的には、検出可能な損傷効果を及ぼすような十分なレベルで細胞の通常環境内に通常は存在しない化合物を指すことが理解され得る。しかしながら、ある場合には、毒性化合物は、細胞の通常環境内に存在し得るが、本明細書に説明される補助材料中に存在するよりも有意に少ない濃度で存在し得る。典型的には、毒性化合物は、例えば、1mMまたはそれを下回る、例えば、500マイクロモルまたはそれを下回る、例えば、100マイクロモルまたはそれを下回る、比較的低い濃度で存在するときに損傷効果を及ぼす。毒性化合物は、典型的には、それを下回ると検出可能な損傷効果を及ぼさない閾値濃度を有することが理解され得る。特定の閾値濃度は、作用物質、潜在的には、細胞型、環境内に存在する他の作用物質等の他の因子に応じて変動し得る。
上記で説明されるように、ある実施形態は、表面に隣接する(例えば、表面に直接隣接する)反応生成物の形成に関する。本明細書で使用されるように、構成要素(成分)(例えば、反応生成物)が別の構成要素(例えば、表面)に「隣接」すると称されるとき、これは、構成要素に直接隣接し得るか、または介在構成要素(例えば、流体)も存在してもよい。別の構成要素に「直接隣接」する構成要素は、介在構成要素が存在しない(例えば、構成要素および別の構成要素が相互に接触している)ことを意味する。ある実施形態では、反応生成物の少なくとも一部が、(例えば、ファン・デル・ワールス力、共有結合、イオン結合、および同等物によって)表面に結合される。
反応生成物は、任意の好適な手段によって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、反応生成物は、第1の組成物と第2の組成物との間、または第1の種と第2の種との間の相互作用に起因して形成してもよい。いくつかの実施形態によると、反応生成物は、1つまたはそれを上回るキャリア流体からの第1の種および第2の種の沈殿反応に起因して形成してもよい。ある実施形態では、反応生成物は、第1の種と第2の種との間の静電相互作用に起因して形成してもよい。いくつかの実施形態によると、反応生成物は、酸塩基反応に起因して形成してもよい。ある実施形態では、反応生成物は、コアセルベーション反応に起因して形成してもよい。他の反応もまた、反応生成物を生成するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、反応生成物を形成するステップは、高分子電解質錯体を形成するステップを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、反応生成物は、第1の種および第2の種を両方とも含んでいてもよい。
ここで図2を参照すると、ある実施形態では、反応生成物130は、表面100上に堆積させられる流体140の挙動を改変することが可能であり得る。例えば、反応生成物130がない場合、流体140は、表面100上に保持されないかも知れない。いくつかの実施形態では、反応生成物130は、表面100に隣接(例えば、直接隣接)し、流体140は、表面100によって保持される(例えば、表面との接触を維持する)。いくつかの実施形態では、反応生成物の非存在下では、流体140は、表面から後退するであろう(例えば、流体は、表面によって反発されるであろう)が、反応生成物の存在下では表面から後退しないであろう。
ある実施形態では、反応生成物を含む表面は、液滴(例えば、水液)をピン留めすることが可能であり得る。本明細書で使用されるように、液滴をピン留めすることは、液滴が表面から跳ね返らないか、そして/または転がり落ちないような液滴との表面の相互作用を指す。液滴をピン留めするステップは、表面上の液滴中に存在する液体の少なくとも一部(または実質的にすべて)を保持するステップを含んでもよい(例えば、いくつかの実施形態では、全体としての液滴が、表面によって保持されてもよく、いくつかの実施形態では、液滴の一部が、表面から跳ね返ってもよく、または転がり落ちてもよく、そして液滴の一部が、表面によって保持されてもよい)。ある場合には、表面上の反応生成物の形成の前に、液滴は、表面から転がり落ちてもよく、表面上の反応生成物の形成後に、液滴は、表面にピン留めされてもよい。いくつかの実施形態では、液滴は、液滴が表面と相互作用した後に、液滴からの流体を含む一筋が表面上に形成されるように、表面に部分的にピン留めされる。ある実施形態では、液滴は、液滴の全体が表面上に保持されるように、表面に完全にピン留めされる。本明細書で使用されるように、液滴をピン留めしないことは、液滴が表面と相互作用した後に、液滴残留物が表面上に存在しないように、液滴と相互作用することを指す。
いくつかの実施形態では、液滴をピン留めする表面の能力は、ピン留め数によって定量化されてもよい。すなわち、いくつかの実施形態では、(例えば、2つまたはそれを上回る高分子電解質の反応によって形成される)反応生成物を含む表面は、液滴に関する特定のピン留め数を有してもよい。本明細書で使用されるように、ピン留め数は、以下の式によって定義される。
式中、Piは、ピン留め数であり、
、m
bは、別の液滴との衝突後の液滴の質量であり、m
iは、別の液滴との衝突前の液滴の質量であり、v
bは、別の液滴との衝突後の液滴の速度であり、v
iは、別の液滴との衝突前の液滴の速度であり、ρは、液滴の密度であり、Vは、液滴のその衝突速度であり、σは、液滴の表面張力であり、lは、反応生成物サイズであり、φは、衝突中に沈殿する高分子電解質の割合であり、Cは、反応基の体積モル濃度(例えば、ポリマー種に関しては、モノマーの体積モル濃度)であり、N
avogadroは、アボガドロ数であり、N
reactivegroups/defectは、平均して各欠陥に存在する反応基の数である。ある特定の実施形態では、表面上の反応生成物の形成後の液滴のピン留め数は、0.01を上回るまたはそれと等しい、0.02を上回るまたはそれと等しい、0.05を上回るまたはそれと等しい、0.1を上回るまたはそれと等しい、0.2を上回るまたはそれと等しい、0.5を上回るまたはそれと等しい、1を上回るまたはそれと等しい、2を上回るまたはそれと等しい、5を上回るまたはそれと等しい、10を上回るまたはそれと等しい、20を上回るまたはそれと等しい、あるいは50を上回るまたはそれと等しくあり得る。ある特定の実施形態では、表面上の液滴のピン留め数は、100未満またはそれと等しい、50未満またはそれと等しい、20未満またはそれと等しい、10未満またはそれと等しい、5未満またはそれと等しい、2未満またはそれと等しい、1未満またはそれと等しい、0.5未満またはそれと等しい、0.2未満またはそれと等しい、0.1未満またはそれと等しい、0.05未満またはそれと等しい、あるいは0.02未満またはそれと等しくあり得る。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、0.01を上回るまたはそれと等しく、かつ100未満またはそれと等しい、もしくは0.01を上回るまたはそれと等しく、かつ10未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。
いくつかの実施形態では、表面上の流体の接触角は、反応生成物の存在によって改変され得る。例えば、ある実施形態では、表面上の流体(例えば、水)の接触角は、反応生成物の非存在下では比較的高くあり得る。いくつかの実施形態では、反応生成物に隣接する表面上の流体(例えば、水)の接触角は、比較的低くあり得る。ある場合には、表面に隣接する反応生成物は、表面上の流体(例えば、水)の接触角を低下させ得る。例えば、いくつかの実施形態では、表面上の流体(例えば、水)の接触角は、表面に隣接する反応生成物の形成の前は90°を上回るが、表面に隣接する反応生成物の形成後は90°未満である。
ある実施形態では、表面上の流体のロールオフ角は、反応生成物の存在によって改変され得る。本明細書で使用されるように、ロールオフ角は、重力の影響下で液滴が表面から転がり落ちる、表面傾転の角度を指す。ある実施形態では、表面上の流体(例えば、水)のロールオフ角は、反応生成物の非存在下では比較的低くあり得る。いくつかの実施形態では、反応生成物に隣接する表面上の流体(例えば、水)のロールオフ角は、比較的高くあり得る。ある場合には、表面に隣接する反応生成物は、表面上の流体(例えば、水)のロールオフ角を増加させ得る。
いくつかの実施形態によると、表面上の反応生成物の存在は、表面上の流体(例えば、第1、第2、および第3の組成物のうちのいずれか1つ)の保持される体積を増加させることが可能であり得る。ある実施形態では、表面上の反応生成物の存在は、表面が反応生成物の非存在下で保持するであろうよりも大量の流体(例えば、第1、第2、および第3の組成物のうちのいずれか1つ)を表面が保持することを可能にするであろう。ある実施形態では、流体は、反応生成物(例えば、第3の組成物)を形成する反応を受ける種を備えない、組成物であってもよい。いくつかの実施形態では、反応生成物によって少なくとも部分的にコーティングされた表面は、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の100%を上回る、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の150%を上回るまたはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の200%を上回るまたはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の500%を上回るまたはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の1000%を上回るまたはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の1500%を上回るまたはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の2000%を上回るまたはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の2500%を上回るまたはそれと等しい、あるいは反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の5000%を上回るまたはそれと等しい第3の組成物の体積を保持することが可能であり得る。いくつかの実施形態では、反応生成物によって少なくとも部分的にコーティングされた表面は、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の10000%未満またはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の5000%未満またはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の2500%未満またはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の2000%未満またはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の1500%未満またはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の1000%未満またはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の500%未満またはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の200%未満またはそれと等しい、あるいは反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する体積の150%未満またはそれと等しい第3の組成物の体積を保持することが可能であり得る。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、100%を上回る、かつ10000%未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。ある実施形態では、第3の組成物の最小体積が、反応生成物の非存在下で保持されるであろう、またはいかなる体積も保持されないであろう一方で、第3の組成物のある程度の体積または実質的な体積が、反応生成物を含む表面上に保持される。ある場合には、保持される体積のさらに大きいパーセント増加が可能であり得る。表面によって保持される流体の体積は、暴露が起こる前および後の表面の重量を量り、暴露プロセス中に発生した付加的重量を流体の密度で除算することによって、判定されることができる。
いくつかの実施形態では、反応生成物によって少なくとも部分的にコーティングされた表面は、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の100%を上回る、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の150%を上回るかまたはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の200%を上回るかまたはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の500%を上回るかまたはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の1000%を上回るかまたはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の1500%を上回るかまたはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の2000%を上回るかまたはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の2500%を上回るかまたはそれと等しい、あるいは反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の5000%を上回るかまたはそれと等しい第3の組成物の重量を保持することが可能であり得る。いくつかの実施形態では、反応生成物によって少なくとも部分的にコーティングされた表面は、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の10000%未満またはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の5000%未満またはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の2500%未満またはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の2000%未満またはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の1500%未満またはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の1000%未満またはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の500%未満またはそれと等しい、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の200%未満またはそれと等しい、あるいは、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面が保持する重量の150%未満またはそれと等しい第3の組成物の重量を保持することが可能であり得る。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、100%を上回る、かつ10000%未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。ある実施形態では、第3の組成物の最小重量が、反応生成物の非存在下で保持されるであろう、またはいかなる重量も保持されないであろうが、第3の組成物のある程度の重量または実質的な重量が、反応生成物を含む表面上に保持される。この場合、保持される重量のさらに大きいパーセント増加が可能であり得る。表面によって保持される流体の重量は、暴露が起こる前および後の表面の重量を量ることによって、判定されることができる。
いくつかの実施形態では、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面の第3の組成物による表面被覆率に対する、反応生成物によって少なくとも部分的に被覆された表面の第3の組成物による表面被覆率の比は、1を上回り、1.5を上回るまたはそれと等しく、2を上回るまたはそれと等しく、5を上回るまたはそれと等しく、10を上回るまたはそれと等しく、15を上回るまたはそれと等しく、20を上回るまたはそれと等しく、25を上回るまたはそれと等しく、もしくは50を上回るまたはそれと等しくあり得る。いくつかの実施形態では、反応生成物によってコーティングされていないそうでなければ同じ表面の第3の組成物による表面被覆率に対する、反応生成物によって少なくとも部分的に被覆された表面の第3の組成物による表面被覆率の比は、100未満またはそれと等しい、50未満またはそれと等しい、25未満またはそれと等しい、20未満またはそれと等しい、15未満またはそれと等しい、10未満またはそれと等しい、5未満またはそれと等しい、2未満またはそれと等しいあるいは1.5未満またはそれと等しくあり得る。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、1を上回る、かつ100未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。ある実施形態では、第3の組成物による最小表面被覆率が、反応生成物の非存在下で生じるであろうし、またはいかなる表面被覆率も生じないであろうが、第3の組成物によるある程度の表面被覆率または実質的な表面被覆率が、反応生成物を含む表面上で生じる。この場合、表面被覆率のさらに大きいパーセント増加が可能であり得る。表面被覆率は、光学顕微鏡法によって判定されることができる。
いくつかの実施形態では、第1の組成物および第2の組成物のうちの1つまたはそれを上回るものは、流体であってもよい。あるそのような実施形態では、第1および第2の組成物への表面の暴露中の反応生成物の形成は、表面による(第1の組成物および第2の組成物のいずれか一方または両方を含む)流体の保持の増加をもたらし得る。いくつかの実施形態では、本質的に同時に、第1の組成物および第2の組成物の両方への表面の暴露は、いずれかの組成物のみへの表面の暴露、連続的な第1の組成物および第2の組成物への暴露、またはいずれの組成物にも表面を暴露しないことよりも高いレベルの表面による流体保持をもたらし得る。ある実施形態によると、表面が第1の組成物または第2の組成物のいずれかの等価な量に暴露されるときに表面によって保持される流体の体積に対する、表面が第1の組成物および第2の組成物の両方に本質的に同時に暴露されるときに表面によって保持される流体の体積の比は、1を上回る、1.5を上回るまたはそれと等しい、2を上回るまたはそれと等しい、5を上回るまたはそれと等しい、10を上回るまたはそれと等しい、15を上回るまたはそれと等しい、20を上回るまたはそれと等しい、25を上回るまたはそれと等しい、もしくは50を上回るまたはそれと等しい。いくつかの実施形態では、表面が第1の組成物または第2の組成物のいずれかの等価な量に暴露されるときに表面によって保持される流体の体積に対する、表面が第1の組成物および第2の組成物の両方に本質的に同時に暴露されるときに表面によって保持される流体の体積の比は、100未満またはそれと等しい、50未満またはそれと等しい、25未満またはそれと等しい、20未満またはそれと等しい、15未満またはそれと等しい、10未満またはそれと等しい、5未満またはそれと等しい、2未満またはそれと等しいあるいは1.5未満またはそれと等しい。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、1を上回る、かつ100未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。ある実施形態では、流体の最小体積が、表面が第1の組成物もしくは第2の組成物のいずれかのみに暴露されるときに保持されるであろうし、またはいかなる体積も保持されないであろうが、流体のある程度の体積または実質的な体積が、第1の組成物および第2の組成物に本質的に同時に暴露されるときに表面上に保持される。この場合、体積のさらに大きいパーセント増加が可能であり得る。
ある特定の実施形態によると、表面が第1の組成物または第2の組成物のいずれかの等価な量に暴露されるときに表面によって保持される流体の重量に対する、表面が第1の組成物および第2の組成物の両方に本質的に同時に暴露されるときに表面によって保持される流体の重量の比は、は、1を上回る、1.5を上回るかまたはそれと等しい、2を上回るかまたはそれと等しい、5を上回るかまたはそれと等しい、10を上回るかまたはそれと等しい、15を上回るかまたはそれと等しい、20を上回るかまたはそれと等しい、25を上回るかまたはそれと等しいあるいは50を上回るかまたはそれと等しい。いくつかの実施形態では、表面が第1の組成物または第2の組成物のいずれかの等価な量に暴露されるときに表面によって保持される流体の重量に対する、表面が第1の組成物および第2の組成物の両方に本質的に同時に暴露されるときに表面によって保持される流体の重量の比は、は、100未満またはそれと等しい、50未満またはそれと等しい、25未満またはそれと等しい、20未満またはそれと等しい、15未満またはそれと等しい、10未満またはそれと等しい、5未満またはそれと等しい、2未満またはそれと等しいあるいは1.5未満またはそれと等しい。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、1を上回る、かつ100未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。ある実施形態では、流体の最小重量が、表面が第1の組成物もしくは第2の組成物のいずれかのみに暴露されるときに保持されるであろう、またはいかなる重量も保持されないであろうが、流体のある程度の重量または実質的な重量が、第1の組成物および第2の組成物に本質的に同時に暴露されるときに表面上に保持される。この場合、保持される重量のさらに大きいパーセント増加が可能であり得る。
ある実施形態では、表面を第1の組成物および第2の組成物の両方に本質的に同時に暴露することは、表面をいずれかの組成物のみに暴露すること、または表面を組成物に非同時に暴露することよりも大きい表面被覆率(すなわち、第1の組成物および第2の組成物のいずれか一方または両方を含む流体によって被覆される表面の面積の割合)をもたらし得る。いくつかの実施形態では、表面が第1の組成物または第2の組成物のいずれか単独の等価な量に暴露されるときの表面被覆率に対する、表面が第1の組成物および第2の組成物の両方に本質的に同時に暴露されるときの表面被覆率の比は、1を上回る、1.5を上回るかまたはそれと等しい、2を上回るかまたはそれと等しい、5を上回るかまたはそれと等しい、10を上回るかまたはそれと等しい、15を上回るかまたはそれと等しい、20を上回るかまたはそれと等しい、25を上回るかまたはそれと等しいあるいは50を上回るかまたはそれと等しい。いくつかの実施形態では、表面が第1の組成物または第2の組成物のいずれかの等価な量に暴露されるときの表面被覆率に対する、表面が第1の組成物および第2の組成物の両方に本質的に同時に暴露されるときの表面被覆率の比は、100未満またはそれと等しい、50未満またはそれと等しい、25未満またはそれと等しい、20未満またはそれと等しい、15未満またはそれと等しい、10未満またはそれと等しい、5未満またはそれと等しい、2未満またはそれと等しいあるいは1.5未満またはそれと等しい。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、1を上回る、かつ100未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。ある実施形態では、最小表面被覆率が、表面が第1の組成物もしくは第2の組成物のいずれかのみに暴露されるときに達成され、またはいかなる表面被覆率も達成されないが、ある程度の表面被覆率または実質的な表面被覆率が、第1の組成物および第2の組成物に本質的に同時に暴露されるときに表面上で達成される。この場合、表面被覆率のさらに大きいパーセント増加が可能であり得る。
反応生成物は、任意の好適な形態を有してもよい。ある実施形態では、それらから反応生成物が形成される少なくとも2つの種は、表面に近接し得るか、または表面をコーティングしてもよい。いくつかの実施形態では、反応生成物は、反対電荷の2つの高分子電解質を備えてもよく、両方の高分子電解質は、表面に近接し得るか、または表面をコーティングしてもよい。
ある実施形態では、反応生成物は、表面と垂直な方向に実質的に不変の組成を有してもよい。例えば、表面に隣接する反応生成物の一部の組成は、反応生成物の内部内にある反応生成物の一部に実質的に類似する組成を有してもよい。ある実施形態では、反応生成物の組成は、その内部の全体を通して実質的に不変であり得る。いくつかの実施形態では、湿潤層が、反応生成物の外面のうちの1つまたはそれを上回るものの上に存在し得る。そのような湿潤層は、より低い表面エネルギーを有するか、または基板の表面との有利な表面相互作用を有するか、分子もしくは分子の部分を備えてもよい。いくつかの実施形態では、湿潤層は、存在する場合、比較的薄くあり得、例えば、湿潤層の厚さは、数オングストロームのオーダー(例えば、1nm未満またはそれと等しい)であってもよい。
ある実施形態では、反応生成物は、表面の比較的小さい割合を被覆してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、反応生成物は、表面の100%未満またはそれと等しい、表面の75%未満またはそれと等しい、表面の50%未満またはそれと等しい、表面の25%未満またはそれと等しい、表面の20%未満またはそれと等しい、表面の15%未満またはそれと等しい、表面の10%未満またはそれと等しい、表面の5%未満またはそれと等しい、表面の2.5%未満またはそれと等しい、表面の1%未満またはそれと等しいあるいは表面の0.5%未満またはそれと等しい部分を被覆し得る。いくつかの実施形態では、反応生成物は、0%を上回る、表面の1%を上回るかまたはそれと等しい、表面の2.5%を上回るかまたはそれと等しい、表面の5%を上回るかまたはそれと等しい、表面の10%を上回るかまたはそれと等しい、表面の15%を上回るかまたはそれと等しい、表面の20%を上回るかまたはそれと等しい、表面の25%を上回るかまたはそれと等しい、表面の50%を上回るかまたはそれと等しいあるいは表面の75%を上回るかまたはそれと等しい部分を被覆し得る。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、表面の0%を上回る、かつ表面の100%未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。
いくつかの実施形態では、反応生成物は、表面に近接する、もしくは表面をコーティングする、1つまたはそれを上回る粒子を備えてもよい。粒子は、任意の好適な形態(例えば、球形、円筒形、フラクタル等)を有してもよく、任意の好適なサイズであってもよい。ある実施形態では、粒子は、平均直径によって特徴付けられてもよい。本明細書で使用されるような平均直径は、粒子の総数にわたって平均される、各粒子の重心から粒子の表面までの平均距離の2倍である。いくつかの実施形態では、反応生成物は、50nmを上回るかまたはそれと等しい、100nmを上回るかまたはそれと等しい、200nmを上回るかまたはそれと等しい、500nmを上回るかまたはそれと等しい、1ミクロンを上回るかまたはそれと等しい、2ミクロンを上回るかまたはそれと等しい、5ミクロンを上回るかまたはそれと等しい平均直径を有する粒子を含む。いくつかの実施形態では、反応生成物は、10ミクロン未満またはそれと等しい、5ミクロン未満またはそれと等しい、2ミクロン未満またはそれと等しい、1ミクロン未満またはそれと等しい、500nm未満またはそれと等しい、200nm未満またはそれと等しいあるいは100nm未満またはそれと等しい平均直径を有する粒子を含む。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、50nmを上回るかまたはそれと等しい、かつ10ミクロン)未満またはそれと等しい。他の範囲もまた、可能である。
いくつかの実施形態によると、反応生成物は、表面上の層の形態であってもよい。層は、連続的(例えば、層の各部分が位相幾何学的的に接続される)であり得るか、または不連続的(例えば、層のいくつかの部分が他のものに位相幾何学的に接続されない)であり得る。層は、存在する場合、任意の好適な厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、反応生成物は、1nmを上回るかまたはそれと等しい、5nmを上回るかまたはそれと等しい、10nmを上回るかまたはそれと等しい、25nmを上回るかまたはそれと等しい、50nmを上回るかまたはそれと等しい、100nmを上回るかまたはそれと等しい、200nmを上回るかまたはそれと等しい、500nmを上回るかまたはそれと等しい、1ミクロンを上回るかまたはそれと等しい、2ミクロンを上回るかまたはそれと等しい、5ミクロンを上回るかまたはそれと等しい厚さの層の形態であり得る。いくつかの実施形態では、反応生成物は、10ミクロン未満またはそれと等しい、5ミクロン未満またはそれと等しい、2ミクロン未満またはそれと等しい、1ミクロン未満またはそれと等しい、500nm未満またはそれと等しい、200nm未満またはそれと等しい、100nm未満またはそれと等しい、50nm未満またはそれと等しい、25nm未満またはそれと等しい、10nm未満またはそれと等しい、あるいは5nm未満またはそれと等しい厚さの層の形態であり得る。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、5nmを上回るかまたはそれと等しい、かつ10ミクロン未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。
いくつかの実施形態では、反応生成物は、比較的高い表面エネルギーを有してもよい。ある実施形態では、反応生成物は、表面よりも高い表面エネルギーを有してもよい。いくつかの実施形態では、反応生成物は、20mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、25mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、30mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、35mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、40mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、45mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、50mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、55mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、60mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、65mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、70mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、75mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、80mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、100mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、105mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、110mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、115mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、120mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、125mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、130mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、135mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、140mJ/m2を上回るかまたはそれと等しいあるいは145mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい表面エネルギーを有してもよい。ある特定の実施形態では、反応生成物は、150mJ/m2未満またはそれと等しい、140mJ/m2未満またはそれと等しい、135mJ/m2未満またはそれと等しい、130mJ/m2未満またはそれと等しい、125mJ/m2未満またはそれと等しい、120mJ/m2未満またはそれと等しい、115mJ/m2未満またはそれと等しい、110mJ/m2未満またはそれと等しい、105mJ/m2未満またはそれと等しい、100mJ/m2未満またはそれと等しい、95mJ/m2未満またはそれと等しい、90mJ/m2未満またはそれと等しい、85mJ/m2未満またはそれと等しい、80mJ/m2未満またはそれと等しい、75mJ/m2未満またはそれと等しい、70mJ/m2未満またはそれと等しい、65mJ/m2未満またはそれと等しい、60mJ/m2未満またはそれと等しい、55mJ/m2未満またはそれと等しい、50mJ/m2未満またはそれと等しい、45mJ/m2未満またはそれと等しい、40mJ/m2未満またはそれと等しい、35mJ/m2未満またはそれと等しい、30mJ/m2未満またはそれと等しい、あるいは25mJ/m2未満またはそれと等しい表面エネルギーを有してもよい。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、20mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、かつ150mJ/m2未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。
反応生成物は、任意の好適な成分を備えてもよい。いくつかの実施形態では、反応生成物は、反対電荷を有する、2つの種を備えてもよい。ある実施形態では、反応生成物は、イオン相互作用を通して結合される、2つの種を備えてもよい。いくつかの実施形態では、反応生成物は、塩を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、反応生成物は、コアセルベートを含んでいてもよい。ある実施形態では、反応生成物は、水を含んでいてもよい。
上記で説明されるように、ある実施形態は、反応生成物によって少なくとも部分的に被覆される表面および複数の表面に関する。本明細書の表面の言及は、反応生成物によってコーティングされていない表面、反応生成物によって少なくとも部分的にコーティングされる表面(表面は、反応生成物ではなく基礎表面を含むと理解される)、およびそれらの面積の少なくとも一部をコーティングする反応生成物を含む表面(表面は、基礎表面と、反応生成物とを含むと理解される)を包含すると理解されるべきである。本明細書の基板の言及は、第1の種および第2の種に暴露される表面を含む材料に対応すると理解されるべきである。本明細書の基礎表面の言及は、反応生成物によってコーティングされているか、またはコーティングされていないかのいずれかである、表面の部分(すなわち、反応生成物ではない表面の部分)に対応すると理解されるべきである。
いくつかの実施形態では、表面は、疎水性表面であってもよい。ある実施形態では、表面は、超疎水性表面であってもよい。いくつかの実施形態では、表面は、第1の組成物または第2の組成物のいずれかへの表面の暴露の前には超疎水性表面であってもよい。そのような表面は、必ずではないが、典型的には、反応生成物を備えない表面である。本明細書で使用されるように、角度測定法を使用して測定されると、疎水性表面は、表面上の水の接触角が90°を上回る表面であり、超疎水性表面は、表面上の水の接触角が150°を上回るまたはそれと等しい表面であり、親水性表面は、表面上の水の接触角が90°未満またはそれと等しい表面である。いくつかの実施形態では、表面は、疎水性である領域(すなわち、表面の全体が疎水性領域と同一の親水性を有する場合、90°を上回るまたはそれと等しい水の接触角を有するであろう領域)と、親水性である領域(すなわち、表面の全体が親水性領域と同一の親水性を有する場合、90°未満またはそれと等しい水の接触角を有するであろう領域)との両方を備えてもよい。そのような表面は、必ずではないが、典型的には、反応生成物を含む表面である。表面のコーティングされていない領域は、疎水性であり得、反応生成物は、親水性であり得る。全体としての表面、またはその上に水滴が配置されることができる表面の領域の親水性もしくは疎水性は、表面上の水の巨視的接触角によって測定されてもよい。水滴の配置のためには小さすぎる表面の領域の親水性または疎水性は、表面化学を判定し、同じ表面化学を伴う巨視的表面上の水滴の接触角を測定することによって、判定されてもよい。
ある実施形態では、表面は、反応生成物が形成された後に水性流体に接触することも可能である一方で、超疎水性であり、および/または比較的低い表面エネルギーを有してもよい。いくつかの実施形態では、そのような表面は、巨視的に疎水性であり得る(すなわち、150°を上回るまたはそれと等しい水接触角を有する)が、親水性領域または水を引き付けることが可能である他の領域を有してもよい。ある特定の実施形態では、水性流体は、1%を上回るかまたはそれと等しい、超疎水性表面の5%を上回るかまたはそれと等しい、超疎水性表面の10%を上回るかまたはそれと等しい、超疎水性表面の25%を上回るかまたはそれと等しい、超疎水性表面の50%を上回るかまたはそれと等しい、超疎水性表面の75%を上回るかまたはそれと等しいあるいは超疎水性表面の95%を上回るかまたはそれと等しい部分をコーティングし得る。ある特定の実施形態では、水性流体は100%未満またはそれと等しい、超疎水性表面の95%未満またはそれと等しい、超疎水性表面の75%未満またはそれと等しい、超疎水性表面の50%未満またはそれと等しい、超疎水性表面の25%未満またはそれと等しい、超疎水性表面の10%未満またはそれと等しい、超疎水性表面の5%未満またはそれと等しい部分をコーティングし得る。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、超疎水性表面の1%を上回るかまたはそれと等しい、かつ超疎水性表面の99%未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。
いくつかの実施形態によると、表面は、親水性領域を備えてもよく、親水性領域は、比較的小さい特徴的な長さスケールを有してもよい。本明細書で使用されるように、表面の親水性領域のための特徴的な長さスケールは、親水性領域の数にわたって平均される、各親水性領域の中心からその領域の周辺までの平均距離の2倍である。ある特定の実施形態では、親水性領域のための特徴的な長さスケールは、1nmを上回るかまたはそれと等しい、5nmを上回るかまたはそれと等しい、10nmを上回るかまたはそれと等しい、25nmを上回るかまたはそれと等しい、50nmを上回るかまたはそれと等しい、100nmを上回るかまたはそれと等しい、200nmを上回るかまたはそれと等しい、500nmを上回るかまたはそれと等しい、1ミクロンを上回るかまたはそれと等しい、2ミクロンを上回るかまたはそれと等しい、5ミクロンを上回るかまたはそれと等しくあり得る。いくつかの実施形態では、表面の親水性領域のための特徴的な長さスケールは、10ミクロン未満またはそれと等しい、5ミクロン未満またはそれと等しい、2ミクロン未満またはそれと等しい、1ミクロン未満またはそれと等しい、500nm未満またはそれと等しい、200nm未満またはそれと等しい、100nm未満またはそれと等しい、50nm未満またはそれと等しい、25nm未満またはそれと等しい、10nm未満またはそれと等しいあるいは5nm未満またはそれと等しくあり得る。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、1nmを上回るかまたはそれと等しい、かつ10ミクロン未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。
いくつかの実施形態では、表面(例えば、第1の組成物または第2の組成物のいずれかへの暴露の前の表面)は、疎水性(例えば、超疎水性)であり得る。いくつかの実施形態では、表面(例えば、第1の組成物または第2の組成物のいずれかへの暴露の前の表面)は、親水性であり得、ある条件下で液滴が転がり落ちることを受け得る。ある特定の実施形態では、表面(例えば、第1の組成物または第2の組成物のいずれかへの暴露の前の)に対する水の接触角は、10°を上回るかまたはそれと等しい、20°を上回るかまたはそれと等しい、30°を上回るかまたはそれと等しい、40°を上回るかまたはそれと等しい、50°を上回るかまたはそれと等しい、60°を上回るかまたはそれと等しい、70°を上回るかまたはそれと等しい、80°を上回るかまたはそれと等しい、90°を上回るかまたはそれと等しい、100°を上回るかまたはそれと等しい、110°を上回るかまたはそれと等しい、120°を上回るかまたはそれと等しい、130°を上回るかまたはそれと等しい、140°を上回るかまたはそれと等しい、150°を上回るかまたはそれと等しい、160°を上回るかまたはそれと等しい、170°を上回るかまたはそれと等しい、175°を上回るかまたはそれと等しいあるいは179°を上回るかまたはそれと等しい。いくつかの実施形態では、水の接触角は、180°未満またはそれと等しい、179°未満またはそれと等しい、175°未満またはそれと等しい、170°未満またはそれと等しい、160°未満またはそれと等しい、150°未満またはそれと等しい、140°未満またはそれと等しい、130°未満またはそれと等しい、120°未満またはそれと等しい、110°未満またはそれと等しい、100°未満またはそれと等しい、90°未満またはそれと等しい、80°未満またはそれと等しい、70°未満またはそれと等しい、60°未満またはそれと等しい、50°未満またはそれと等しい、40°未満またはそれと等しい、30°未満またはそれと等しいあるいは20°未満またはそれと等しい。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、90°を上回るかまたはそれと等しい、かつ180°未満またはそれと等しい、あるいは10°を上回るかまたはそれと等しい、かつ180°未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。ある実施形態では、表面は、上記で説明される1つまたはそれを上回る範囲内の第1の組成物および第2の組成物への暴露中ならびに/もしくは後の接触角を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、表面は、第1の組成物および第2の組成物への暴露後に疎水性であり得る。いくつかのそのような実施形態では、第1の組成物および/または第2の組成物のいずれかへの暴露の前の表面の接触角は、第1の組成物ならびに第2の組成物への暴露後の表面の接触角を上回り得る。
いくつかの実施形態では、表面は、(例えば、第1の組成物または第2の組成物のいずれかへの暴露の前に、第1の組成物および第2の組成物への暴露中に、ならびに/もしくは第1の組成物および第2の組成物の両方への暴露後に)親水性であり得る。
ある実施形態では、表面は、第1の組成物および第2の組成物への暴露の前に流体(例えば、水)の比較的低いロールオフ角を有してもよい。いくつかの実施形態では、表面は、第1の組成物および第2の組成物への暴露の前に、90°未満またはそれと等しい、80°未満またはそれと等しい、70°未満またはそれと等しい、60°未満またはそれと等しい、50°未満またはそれと等しい、40°未満またはそれと等しい、30°未満またはそれと等しい、20°未満またはそれと等しい、10°未満またはそれと等しい、5°未満またはそれと等しい、2°未満またはそれと等しいあるいは1°未満またはそれと等しいロールオフ角を有してもよい。いくつかの実施形態では、表面は、第1の組成物および第2の組成物への暴露の前に、0°を上回るかまたはそれと等しい、1°を上回るかまたはそれと等しい、2°を上回るかまたはそれと等しい、5°を上回るかまたはそれと等しい、10°を上回るかまたはそれと等しい、20°を上回るかまたはそれと等しい、30°を上回るかまたはそれと等しい、40°を上回るかまたはそれと等しい、50°を上回るかまたはそれと等しい、60°を上回るかまたはそれと等しい、70°を上回るかまたはそれと等しいあるいは80°を上回るかまたはそれと等しい流体(例えば、水)のロールオフ角を有してもよい。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、0°を上回るかまたはそれと等しい、かつ90°未満またはそれと等しい、あるいは0°を上回るかまたはそれと等しい、かつ20°未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。
ある実施形態では、表面は、第1の組成物および第2の組成物への暴露後に流体(例えば、水)の比較的高いロールオフ角を有してもよい。いくつかの実施形態では、表面は、第1の組成物および第2の組成物への暴露後に、0°を上回るかまたはそれと等しい、1°を上回るかまたはそれと等しい、2°を上回るかまたはそれと等しい、5°を上回るかまたはそれと等しい、10°を上回るかまたはそれと等しい、20°を上回るかまたはそれと等しい、30°を上回るかまたはそれと等しい、40°を上回るかまたはそれと等しい、50°を上回るかまたはそれと等しい、60°を上回るかまたはそれと等しい、70°を上回るかまたはそれと等しい、80°を上回るかまたはそれと等しいあるいは90°を上回るかまたはそれと等しいロールオフ角を有してもよい。いくつかの実施形態では、表面は、第1の組成物および第2の組成物への暴露後に、180°未満またはそれと等しい、90°未満またはそれと等しい、80°未満またはそれと等しい、70°未満またはそれと等しい、60°未満またはそれと等しい、50°未満またはそれと等しい、40°未満またはそれと等しい、30°未満またはそれと等しい、20°未満またはそれと等しい、10°未満またはそれと等しい、5°未満またはそれと等しい、2°未満またはそれと等しいあるいは1°未満またはそれと等しい流体(例えば、水)のロールオフ角を有してもよい。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、20°を上回るかまたはそれと等しい、かつ180°未満またはそれと等しい、あるいは90°を上回るかまたはそれと等しい、かつ180°未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。
いくつかの実施形態では、第1の組成物および第2の組成物へ表面を暴露する前の同じ流体のロールオフ角に対する、第1の組成物および第2の組成物へ表面を暴露した後の流体(例えば、水)のロールオフ角の比は、1を上回る、1.5を上回るかまたはそれと等しい、2を上回るかまたはそれと等しい、5を上回るかまたはそれと等しい、10を上回るかまたはそれと等しい、20を上回るかまたはそれと等しい、50を上回るかまたはそれと等しい、100を上回るかまたはそれと等しい、200を上回るかまたはそれと等しい、500を上回るかまたはそれと等しい、1000を上回るかまたはそれと等しい、2000を上回るかまたはそれと等しいあるいは5000を上回るかまたはそれと等しい。いくつかの実施形態では、第1の組成物および第2の組成物へ表面を暴露する前の同じ流体のロールオフ角に対する、第1の組成物および第2の組成物へ表面を暴露した後の流体(例えば、水)のロールオフ角の比は、10000未満またはそれと等しい、5000未満またはそれと等しい、2000未満またはそれと等しい、1000未満またはそれと等しい、500未満またはそれと等しい、200未満またはそれと等しい、100未満またはそれと等しい、50未満またはそれと等しい、20未満またはそれと等しい、10未満またはそれと等しい、2未満またはそれと等しいあるいは1.5未満またはそれと等しい。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、1を上回る、かつ10000未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。また、超疎水性表面のロールオフ角もまた、反応生成物の存在によって増加させられ得ることも理解されたい。そのような表面は、典型的には、0°に近い、または同等に0°の水等の流体のロールオフ角を有する。この場合、ロールオフ角の小さい増加でさえも上記の比の大きい値をもたらす。故に、そのような比は、ある実施形態を指すと理解されるべきであり、限定的であると理解されるべきではない。
ある実施形態では、表面(または表面の基礎)は、比較的低い表面エネルギーを有してもよい。いくつかの実施形態では、表面は、150mJ/m2未満またはそれと等しい、140mJ/m2未満またはそれと等しい、130mJ/m2未満またはそれと等しい、120mJ/m2未満またはそれと等しい、110mJ/m2未満またはそれと等しい、100mJ/m2未満またはそれと等しい、90mJ/m2未満またはそれと等しい、80mJ/m2未満またはそれと等しい、70mJ/m2未満またはそれと等しい、60mJ/m2未満またはそれと等しい、50mJ/m2未満またはそれと等しい、40mJ/m2未満またはそれと等しい、30mJ/m2未満またはそれと等しい、20mJ/m2未満またはそれと等しいあるいは10mJ/m2未満またはそれと等しい表面エネルギーを有し得る。いくつかの実施形態では、表面は、0mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、10mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、20mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、30mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、40mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、50mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、60mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、70mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、80mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、90mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、100mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、110mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、120mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、130mJ/m2を上回るかまたはそれと等しいあるいは140mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい表面エネルギーを有し得る。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、0mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、かつ50mJ/m2未満またはそれと等しい、あるいは0mJ/m2を上回るかまたはそれと等しい、かつ150mJ/m2未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。上記の値は、任意の時点における(例えば、第1の組成物または第2の組成物のいずれかへの暴露の前、第1の組成物および第2の組成物への暴露中、ならびに/もしくは第1の組成物および第2の組成物の両方への暴露後の)表面の表面エネルギーを指すと理解されるべきである。
いくつかの実施形態では、表面は、実質的に非荷電であり得る(例えば、表面は、ゼロのゼータ電位、もしくは10mV未満またはそれと等しい絶対値を伴うゼータ電位を有してもよい)。ある実施形態では、表面は、正電荷または負電荷のいずれかを有してもよい。
表面は、任意の好適な材料を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、表面は、正味中性に帯電している。有利なこととして、本明細書に説明される組成物および方法は、概して、荷電表面上で生じる、層毎の堆積等の他の方法と比較して、(例えば、堆積の前に表面を帯電させる必要なく)正味中性に帯電した表面上に反応生成物を堆積させること、および/または形成することが可能であり得る。
いくつかの実施形態では、表面は、ガラスを備えてもよい。ある実施形態では、表面は、シリカを備えてもよい。いくつかの実施形態では、表面は、湿潤層(すなわち、表面をコーティングする薄い層)を備えてもよい。湿潤層は、表面の少なくとも一部を湿潤させるために好適である任意の好適な化学性質を有してもよい。いくつかの実施形態では、湿潤層は、オクタデシルトリクロロシラン等のシランを備えてもよい。
ある実施形態では、表面は、葉の表面、根の表面、果物の表面、野菜の表面、または花の表面等の植物の表面であってもよい。いくつかの実施形態では、表面は、農産物の表面または植生の形態の表面を含んでいてもよい。ある実施形態では、表面は、食料品等の食用非毒性品目を含んでいてもよい。
上記で説明されるように、ある実施形態は、表面を第1の種および第2の種に暴露することに関する。いくつかの実施形態では、第1の種は、第1の組成物中に存在し得、第2の種は、第2の組成物中に存在し得る。組成物は、水等の好適なキャリア流体を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、キャリア流体は、酸性水または塩基性水であってもよい。ある実施形態では、キャリア流体は、塩を含む水溶液であってもよい。
いくつかの実施形態では、第1の種および第2の種は、反対の符号のゼータ電位を有してもよい。本明細書で使用されるように、流体中の種のゼータ電位は、流体中の種を取り囲む界面二重層の最外表面における電位である。第1の種のゼータ電位は、正または負のいずれかであり得、任意の絶対値を有し得る。いくつかの実施形態では、第1の種のゼータ電位の絶対値は、0mVを上回るかまたはそれと等しい、5mVを上回るかまたはそれと等しい、10mVを上回るかまたはそれと等しい、15mVを上回るかまたはそれと等しい、20mVを上回るかまたはそれと等しい、30mVを上回るかまたはそれと等しい、40mVを上回るかまたはそれと等しい、50mVを上回るかまたはそれと等しい、60mVを上回るかまたはそれと等しい、70mVを上回るかまたはそれと等しい、80mVを上回るかまたはそれと等しいあるいは90mVを上回るかまたはそれと等しい。いくつかの実施形態では、第1の種のゼータ電位の絶対値は、100mV未満またはそれと等しい、90mV未満またはそれと等しい、80mV未満またはそれと等しい、70mV未満またはそれと等しい、60mV未満またはそれと等しい、50mV未満またはそれと等しい、40mV未満またはそれと等しい、30mV未満またはそれと等しい、20mV未満またはそれと等しい、10mV未満またはそれと等しいあるいは5mV未満またはそれと等しい。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、0mVを上回るかまたはそれと等しい、かつ100mV未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。種のゼータ電位は、市販のゼータサイザを使用することによって測定されてもよい。
いくつかの実施形態では、第2の種のゼータ電位の絶対値は、0mVを上回るかまたはそれと等しい、5mVを上回るかまたはそれと等しい、10mVを上回るかまたはそれと等しい、15mVを上回るかまたはそれと等しい、20mVを上回るかまたはそれと等しい、30mVを上回るかまたはそれと等しい、40mVを上回るかまたはそれと等しい、50mVを上回るかまたはそれと等しい、60mVを上回るかまたはそれと等しい、70mVを上回るかまたはそれと等しい、80mVを上回るかまたはそれと等しいあるいは90mVを上回るかまたはそれと等しい。いくつかの実施形態では、第2の種のゼータ電位の絶対値は、100mV未満またはそれと等しい、90mV未満またはそれと等しい、80mV未満またはそれと等しい、70mV未満またはそれと等しい、60mV未満またはそれと等しい、50mV未満またはそれと等しい、40mV未満またはそれと等しい、30mV未満またはそれと等しい、20mV未満またはそれと等しい、10mV未満またはそれと等しいあるいは5mV未満またはそれと等しい。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、0mVを上回るかまたはそれと等しい、かつ100mV未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。
いくつかの実施形態では、第1の組成物および第2の組成物のうちの1つまたはそれを上回るものは、正味電荷を有してもよい(すなわち、全体としての組成物は、ゼロではない電荷を有する)。ある実施形態では、第1の組成物の正味電荷は、第2の組成物の正味電荷と異なり得る。いくつかの実施形態では、第1の組成物の正味電荷は、第2の組成物の正味電荷と符号が反対であり得る。
第1の種は、任意の好適な量で第1の組成物中に存在し得る。ある実施形態では、第1の種は、上記で説明されるような反応生成物を形成する反応に参加することができる、1つを上回る反応基を備えてもよい(例えば、第1の種は、高分子電解質を含んでいてもよく、高分子電解質は、反応生成物を形成する化学反応に参加することが可能である、1つを上回るモノマーを備えてもよい)。いくつかの実施形態では、第1の種の反応基は、0.001mMを上回るかまたはそれと等しい、0.002mMを上回るかまたはそれと等しい、0.005mMを上回るかまたはそれと等しい、0.01mMを上回るかまたはそれと等しい、0.02mMを上回るかまたはそれと等しい、0.05mMを上回るかまたはそれと等しい、0.1mMを上回るかまたはそれと等しい、0.5mMを上回るかまたはそれと等しい、1mMを上回るかまたはそれと等しい、2mMを上回るかまたはそれと等しい、5mMを上回るかまたはそれと等しい、10mMを上回るかまたはそれと等しい、20mMを上回るかまたはそれと等しい、50mMを上回るかまたはそれと等しい、100mMを上回るかまたはそれと等しい、200mMを上回るかまたはそれと等しい、500mMを上回るかまたはそれと等しい、1Mを上回るかまたはそれと等しい、2Mを上回るかまたはそれと等しい、5Mを上回るかまたはそれと等しいあるいは10Mを上回るかまたはそれと等しい濃度で第1の組成物中に存在し得る。いくつかの実施形態では、第1の種の反応基は、20M未満またはそれと等しい、10M未満またはそれと等しい、5M未満またはそれと等しい、2M未満またはそれと等しい、1M未満またはそれと等しい、500mM未満またはそれと等しい、200mM未満またはそれと等しい、100mM未満またはそれと等しい、50mM未満またはそれと等しい、20mM未満またはそれと等しい、10mM未満またはそれと等しい、5mM未満またはそれと等しい、2mM未満またはそれと等しい、1mM未満またはそれと等しい、0.5mM未満またはそれと等しい、0.2mM未満またはそれと等しい、0.1mM未満またはそれと等しい、0.05mM未満またはそれと等しい、0.02mM未満またはそれと等しい、0.01mM未満またはそれと等しい、0.005mM未満またはそれと等しいあるいは0.002mM未満またはそれと等しい濃度で第1の組成物中に存在し得る。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、0.001mMを上回るかまたはそれと等しい、かつ20M未満またはそれと等しい、0.5mMを上回るかまたはそれと等しい、かつ500mM未満またはそれと等しい、あるいは2mMを上回るかまたはそれと等しい、かつ50mM未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。本明細書に説明される濃度範囲は、限定的であることを意図せず、当業者は、本明細書の教示に基づいて、活性剤のために好適な濃度を選択することが可能であり、他の濃度も可能であることを理解するであろう。
第2の種は、任意の好適な量で第2の組成物中に存在し得る。ある実施形態では、第2の種は、上記で説明されるような反応生成物を形成する反応に参加することができる、1つを上回る反応基を含んでいてもよい(例えば、第2の種は、高分子電解質を含んでいてもよく、高分子電解質は、反応生成物を形成する化学反応に参加することが可能である、1つを上回るモノマーを含んでいてもよい)。いくつかの実施形態では、第2の種の反応基は、0.001mMを上回るかまたはそれと等しい、0.002mMを上回るかまたはそれと等しい、0.005mMを上回るかまたはそれと等しい、0.01mMを上回るかまたはそれと等しい、0.02mMを上回るかまたはそれと等しい、0.05mMを上回るかまたはそれと等しい、0.1mMを上回るかまたはそれと等しい、0.2mMを上回るかまたはそれと等しい、0.5mMを上回るかまたはそれと等しい、1mMを上回るかまたはそれと等しい、2mMを上回るかまたはそれと等しい、5mMを上回るかまたはそれと等しい、10mMを上回るかまたはそれと等しい、20mMを上回るかまたはそれと等しい、50mMを上回るかまたはそれと等しい、100mMを上回るかまたはそれと等しい、200mMを上回るかまたはそれと等しい、500mMを上回るかまたはそれと等しい、1Mを上回るかまたはそれと等しい、2Mを上回るかまたはそれと等しい、5Mを上回るかまたはそれと等しいあるいは10Mを上回るかまたはそれと等しい濃度で第2の組成物中に存在し得る。いくつかの実施形態では、第2の種は、20M未満またはそれと等しい、10M未満またはそれと等しい、5M未満またはそれと等しい、2M未満またはそれと等しい、1M未満またはそれと等しい、500mM未満またはそれと等しい、200mM未満またはそれと等しい、100mM未満またはそれと等しい、50mM未満またはそれと等しい、20mM未満またはそれと等しい、10mM未満またはそれと等しい、5mM未満またはそれと等しい、2mM未満またはそれと等しい、1mM未満またはそれと等しい、0.5mM未満またはそれと等しい、0.2mM未満またはそれと等しい、0.1mM未満またはそれと等しい、0.05mM未満またはそれと等しい、0.02mM未満またはそれと等しい、0.01mM未満またはそれと等しい、0.005mM未満またはそれと等しいあるいは0.002mM未満またはそれと等しい濃度で第2の組成物中に存在し得る。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、0.001mMを上回るかまたはそれと等しい、かつ20M未満またはそれと等しい、0.5mMを上回るかまたはそれと等しい、かつ500mM未満またはそれと等しい、あるいは2mMを上回るかまたはそれと等しい、かつ50mM未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。本明細書に説明される濃度範囲は、限定的であることを意図せず、当業者は、本明細書の教示に基づいて、活性剤のために好適な濃度を選択することが可能であり、他の濃度も可能であることを理解するであろう。
いくつかの実施形態では、第1の組成物(存在する場合)、第2の組成物(存在する場合)、および第3の組成物(存在する場合)のうちの1つまたはそれを上回るものは、活性剤を含んでいてもよい。活性剤は、病虫害抵抗性、着色、香味等の有益な性質を表面上に与える、任意の好適な種であってもよい。好適な活性剤の非限定的実施例は、農薬、除草剤、肥料、農業用化学物質、顔料、塗料、香味料、薬学的活性成分、化粧品、および難燃性種を含む。いくつかの実施形態では、活性剤は、ジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT)、ヘキサクロロシクロヘキサン(HCH)、およびペンタクロロフェノール(PCP)のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、農薬であってもよい。
活性剤は、第3の組成物の任意の好適な量を構成してもよい。いくつかの実施形態では、第3の組成物は、バルク活性剤(例えば、純粋な活性剤または実質的に純粋な活性剤)であってもよい。ある実施形態では、第3の組成物は、活性剤を含む溶液であってもよい。
いくつかの実施形態では、有限時間量が、第1の組成物への表面の暴露の開始と第2の組成物への表面の暴露の開始との間(または第2の組成物への表面の暴露の開始と第1の組成物への表面の暴露の開始との間)で経過してもよい。本時間は、数分または秒のオーダーであってもよい。いくつかの実施形態では、0秒を上回るかまたはそれと等しい、15秒を上回るかまたはそれと等しい、30秒を上回るかまたはそれと等しい、1分を上回るかまたはそれと等しい、2分を上回るかまたはそれと等しい、5分を上回るかまたはそれと等しい、10分を上回るかまたはそれと等しい、15分を上回るかまたはそれと等しい、30分を上回るかまたはそれと等しい、1時間を上回るかまたはそれと等しい、2時間を上回るかまたはそれと等しい、6時間を上回るかまたはそれと等しいあるいは12時間を上回るかまたはそれと等しい時間が、第1の組成物への表面の暴露の開始と第2の組成物への表面の暴露の開始との間(または第2の組成物への表面の暴露の開始と第1の組成物への表面の暴露の開始との間)で経過してもよい。いくつかの実施形態では、1日未満またはそれと等しい、12時間未満またはそれと等しい、6時間未満またはそれと等しい、2時間未満またはそれと等しい、1時間未満またはそれと等しい、30分未満またはそれと等しい、15分未満またはそれと等しい、10分未満またはそれと等しい、5分未満またはそれと等しい、2分未満またはそれと等しい、1分未満またはそれと等しい、30秒未満またはそれと等しいあるいは15秒未満またはそれと等しい時間が、第1の組成物への表面の暴露の開始と第2の組成物への表面の暴露の開始との間(または第2の組成物への表面の暴露の開始と第1の組成物への表面の暴露の開始との間)で経過してもよい。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、0秒を上回るかまたはそれと等しい、かつ1日未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。
ある実施形態では、有限時間量が、第1の組成物への表面の暴露の終了と第2の組成物への表面の暴露の開始との間(または第2の組成物への表面の暴露の終了と第1の組成物への表面の暴露の開始との間)で経過してもよい。本時間は、数分または秒のオーダーであってもよい。いくつかの実施形態では、0秒を上回るかまたはそれと等しい、15秒を上回るかまたはそれと等しい、30秒を上回るかまたはそれと等しい、1分を上回るかまたはそれと等しい、2分を上回るかまたはそれと等しい、5分を上回るかまたはそれと等しい、10分を上回るかまたはそれと等しい、15分を上回るかまたはそれと等しい、30分を上回るかまたはそれと等しい、1時間を上回るかまたはそれと等しい、2時間を上回るかまたはそれと等しい、6時間を上回るかまたはそれと等しい,あるいは12時間を上回るかまたはそれと等しい時間が、第1の組成物への表面の暴露の終了と第2の組成物への表面の暴露の開始との間(または第2の組成物への表面の暴露の終了と第1の組成物への表面の暴露との間)で経過してもよい。いくつかの実施形態では、1日未満またはそれと等しい、12時間未満またはそれと等しい、6時間未満またはそれと等しい、2時間未満またはそれと等しい、1時間未満またはそれと等しい、30分未満またはそれと等しい、15分未満またはそれと等しい、10分未満またはそれと等しい、5分未満またはそれと等しい、2分未満またはそれと等しい、1分未満またはそれと等しい、30秒未満またはそれと等しいあるいは15秒未満またはそれと等しい時間が、第1の組成物への表面の暴露の終了と第2の組成物への表面の暴露の開始との間(または第2の組成物への表面の暴露の終了と第1の組成物への表面の暴露の開始との間)で経過してもよい。上記で参照された範囲の組み合わせも可能である(例えば、0秒を上回るかまたはそれと等しい、かつ15分未満またはそれと等しい)。他の範囲もまた、可能である。いくつかの実施形態では、表面を第1の組成物に暴露するステップおよび表面を第2の組成物に暴露するステップは、少なくとも部分的に時間的に重複する。いくつかの実施形態では、表面を第1の組成物に暴露するステップおよび表面を第2の組成物に暴露するステップは、時間的に重複しない。
2015年10月20日に出願され、「Spray Retention UsingPre-Mixed Polyelectrolyte Solutions」と題された米国仮特許出願第62/243,736号は、あらゆる目的のために参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
(実施例1)
本実施例は、液滴衝突の間の高分子電解質の原位置(in-situ)沈殿および噴霧の保持効率を増進させる際のその用途の研究を提示する。大量の農業用噴霧が、疎水性植物上の不良な保持に起因して、世界中で無駄にされている。(特に)農薬の有害影響が、ますます認識されるにつれて、それらの使用を低減させ、それらの噴霧をより効率的にする圧力が高まっている。主に界面活性剤に基づく、現在の解決策は全て、制限を有する。ここでは、植物の表面の改変に基づく新規の構想が提示される。原位置で反対の高分子電解質を沈殿させることによって、噴霧からの衝突液滴の接触線をピン留めし、それらが跳ね返らないように防止する、わずかなピン留め部位が作成される。第1に、疎水性表面上の逆の荷電の高分子電解質を含む2つの液滴の衝突挙動が分析された。次いで、2つの高分子電解質の沈殿プロセスが研究された。二重液滴衝突の結果を予測するモデルが開発された。最終的に、上記で取得される結果は、同時噴霧を行うことによって巨視的付与に拡張された。超疎水性表面上に希薄な反対の高分子電解質を同時に噴霧することは、液体保持および表面の被覆率の増加につながることが見出された。挙動は、異なる高分子電解質および表面に当てはまることが示され、本方法を広範な用途のために好適にした。
農薬の悪影響に起因して、それらの使用を低減させること、および/または噴霧の堆積非効率性の原因を低減させることが望ましくあり得る。1つの非効率性は、ある植物の疎水性に起因する、噴霧からの衝突液滴の跳ね返りおよび転動である。そのような疎水性植物は、一般的であり、それらの葉の表面上のワックスおよび毛の存在により、本性質を有し得る。これらの植物に関して、噴霧された液体の大部分は、最終的に土壌の中に至り、植物の利益にならない。したがって、植物に粘着する、および葉の表面の被覆率を増加させる、農薬液滴の傾向を増加させることによって、農薬噴霧プロセスの効率を増加させることが有利であり得る。いくつかのパラメータは、液体の表面張力および粘度ならびに液滴のサイズ等の表面上の液滴衝突の結果に影響を及ぼす。
農薬噴霧における別の重要な問題は、風に起因する農薬液滴の漂流である。これらの液滴は、約100ミクロンのオーダーのサイズを有し得、したがって、風によって大きい距離にわたって容易に運搬されることができる。保持問題と異なり、風の表面流は、液滴サイズの減少によって悪化する。これらの現象の両方は、農薬保持の問題に着手するときに考慮されなければならない。
第3の問題は、それらのサイズが小さいときに起こり得る、農薬液滴の急速蒸発である。本蒸発は、空気中で起こり得、堆積の際に起こり得、植物によって実際に吸収される農薬の量を限定し得る。
インド等の発展途上国内の農薬保持を増加させるための方法および物品は、付加的採用課題に対面している。多くのインドの農民は、1ヘクタール未満の畑を持つ最低限の農民である。これらの農民の多くは、農薬の健康被害を認識していないか、および/またはより良好な噴霧装備に大金を自発的に投資しない。彼らの優先順位は、通常、新しい機械、高品質の種、肥料、および必要であるときに農薬を入手することである。健康の懸念に対する多くの農薬ユーザの非感受性に起因して、費用の有意な削減が、新しい噴霧組成物または技の採用を補助するであろう。ある場合には、農薬は、全体的栽培費用の実質的な部分を表し得、例えば、農薬は、それぞれ、綿花、稲、およびキャベツ収穫のための栽培費用の40~50%、25%、および38%を占め得る。一部の農民は、農薬の不良な保持の問題を認識し、市販の界面活性剤溶液、またはより良好に農薬を粘着させるように蜂蜜もしくは「ラッシー」をそれらに添加すること等のより素朴な解決策のいずれかを使用する。一部の農民は、農薬保持を自分たちの優先順位のうちの1つと見なさない。
液滴は、平滑表面上に堆積させられるとき、異なる形状をとり得る。挙動は、重力および異なる界面張力の平衡によって決定付けられる。2つの相の間のすべての界面は、エネルギー費用を伴い、定性的に、界面における分子は、塊の中のものよりも少ない隣接物を有し、したがって、あまり有利ではないエネルギー状態である。界面面積を増大させることは、したがって、エネルギー的に不利であり、面積を増大させるために費やされる必要がある単位面積あたりのエネルギーは、界面張力γである。単位面積あたりの本エネルギーはまた、任意の所与の接触線にたいして垂直に引っ張る、単位長あたりの力と見なされてもよい。
十分に小さい液滴に関して、半径の3乗として拡大する重力の影響は、半径として拡大する表面張力と比較して、ごくわずかになる。この場合、液滴は、所与の体積のためにそれらの体積を最小限にするように球形を採用する傾向がある。
液滴が固体表面上に堆積させられるとき、3つの界面張力、すなわち、液体/空気、液体/固体、および固体/空気界面張力が競合する。図3に示されるように、3つの異なる結果が、これらの張力の大きさに応じて生じ得る。液体が表面上で拡散するとき、固体/液体および液体/気体面積を増大させながら、固体/気体面積を減少させる。拡散パラメータがS=γ
SG-γ
SL-γ
LGとして定義される場合、液体による固体表面の完全な湿潤は、S>0について起こる。S<0である場合、液滴は、略球形のキャップを形成し、接触線上の単純な力の平衡が、接触角のためのヤング・デュプレ方程式、すなわち、
を生じる。
液体が水である場合、θe<90°を伴う表面は、親水性と呼ばれ得、θe>90°を伴う表面は、疎水性と呼ばれ得る。超疎水性表面は、θe>150を伴う表面であり得る。理論上、γSG-γSL+γLG<0に関して、ヤング・デュプレ方程式は、解を有しておらず、完全なディウェッティングが存在するはずである。しかしながら、本挙動は、実践では滅多にまたは全く観察されない。
殆どの実際の表面は、マイクロまたはナノスケールである程度の不均一性および粗度を有し、平滑表面のために開発された以前のモデルは、水の存在下のそれらの挙動を完全には説明しない場合がある。不均一性により、接触角は、複数の値を呈することが可能であり得る。最小接触角が、後退角θrと呼ばれ得る一方で、最大角は、前進角θaと呼ばれ得る。差θa-θrは、接触角ヒステリシスと呼ばれ得る。
表面の粗度は、ヤング角と異なる見掛け接触角につながり得る。湿潤の1つの事例が、図4Aに示され、ウェンツェルモデルによって説明される。この場合、水は、表面上の突出の内側に貫入し得、固体/液体および固体/空気接触面積を平滑な場合よりも大きくし得る。単純な偏差が、ウェンツェル関係
につながり、式中、粗度rは、実際の面積と見掛け面積との間の比である。この場合、粗度は、表面の固有の湿潤挙動を増進し得る。親水性表面は、より親水性になり得、非親水性表面は、より低い親水性になり得。本方程式によって捕捉されないが、ウェンツェル状態はまた、高接触角ヒステリシスに対応し得る。液滴は、表面の局所構造特徴の内側にピン留めされ得、それが移動することを困難にし得る。
第2の事例は、図4Bに示されるように、その下に閉じ込められたエアポケットを伴って、表面の局所構造特徴の上に着座する液滴から成る。エネルギー最小限化は、見掛けの接触角のためのキャシー・バクスター方程式を生じる。
式中、fは、液滴の下の固相の割合である。
キャシー・バクスター状態は、ヤング接触角が
によって求められる臨界角θ
cよりも大きいときに、安定し得る。本状態はまた、多くの場合、臨界角よりも小さい角度について観察され、準安定状態であり得る。キャシー状態は、ピン留めに関与し得る、固体との接触面積が有意に縮小され得るため、低接触角ヒステリシスを有し得る。これはまた、液滴の高速飛散および低付着を助長し得る。
液滴が準安定キャシー状態であるとき、これは、適切な条件が満たされるときに安定したウェンツェル状態に向かった可逆的遷移を受け得る。具体的には、液滴中の圧力が十分に増加させられるとき、液体は、表面特徴に貫入し得る。例えば、液滴は、速度Vで表面に衝突するとき、ρV2(ベルヌーイ圧力)として拡大する、付加的動的圧力項を有する。速度が十分に高い場合、衝突液する滴は、たとえ穏やかに堆積させられた場合にキャシー状態になったであろうとしても、衝突に応じてウェンツェル状態で不可逆的にピン留めされ得る。本遷移が起こるとき、衝突挙動は、有意に改変され得る。
固体表面上の液滴衝突は、固体、流体、および衝突の性質に応じて、異なる結果につながり得る。例えば、結果は、堆積、敏速な飛散、冠状の飛散、後退分解、部分反発、および完全反発を含んでもよい。堆積および完全反発の事例の高速ビデオのスナップショットが、親水性および超疎水性表面について図5に示されている。堆積は、次いで、表面上の液体拡散が停止するときに起こる。飛散は、液滴が衝撃に応じて直接小さな液滴に噴霧化されるときである。後退分解は、液滴全体としての拡散に続く、後退相における液滴の断片化である。反発は、液滴全体またはその一部が、残留する過剰なエネルギーに起因して表面から放出されるときに、後退相の終わりに起こる。液体の保持が求められるとき、液滴が表面上で拡散して表面上に残留する、堆積結果が好ましくあり得る。逆に、完全反発は、望ましくなく、最小限の液体保持をもたらし得るか、または全くもたらし得ない。
水平表面上の液滴の通常の衝突を説明するために、密度ρ、粘度μ、および表面張力σの流体の直径Dおよび速度V0の液滴の衝突を考慮することができる。固体は、その粗度によって、および液体と生じる接触角(平衡、前進および後退)によって特徴付けられてもよい。dが衝突の際の拡散フィルムの半径である場合、d*=d/Dの拡散係数が定義されることができる。
経時的に拡散係数の発展を観察することによって、衝突プロセスにおける4つの相を識別することが可能である。第1は、運動相である。拡散係数は、t1/2として増加し、挙動は、全ての衝突結果について同一である。この相は、迅速であり、拡散相の約10分1持続する。後続の相は、拡散である。この相は、衝突速度が非常に小さくない限り、液滴の運動エネルギーによって駆動され得、その場合、分子間力が拡散を駆動し得る。拡散相の終わりに、拡散係数は、極大値に達する。以降の相(弛緩相)では、液滴が後退し始め得る。概して、表面のより多くが疎水性であるほど、液滴のより多くが後退する傾向があり、全ての他のものは等しいままである。後退相の終わりに、表面エネルギーおよび拡散相からの残留運動エネルギーは、完全には消散されない場合がある。この場合、垂直ジェットが形成され得る。ジェットは、表面に付着されたままであり、レイリー・プラトー不安定性に起因して、1つもしくはいくつかの液滴を放出することができる(部分反発)、または無傷液滴として脱離することができる(完全反発)。液滴が反発するために十分なエネルギーがない場合、液滴は、弛緩相(平衡相)の終わりに表面上に残留し得る。
液滴衝突を特徴付けるために使用され得る無次元数は、レイノルズ数=ρV0D/μ、ウェーバ数We=ρV0
2D/σ、および後退接触角を含む。これらの数は、プロセスに関与する力、すなわち、慣性、粘度、毛管現象、および接触線ピン留めの間の比である。しかしながら、これらの数は、液滴衝突の物理を特徴付けるために十分ではない。表面欠陥、表面粗度、および液滴ならびにそれらの発生における内部不安定性等の液滴衝突に影響を及ぼす他の特徴も存在し得る。さらに、液体層ラメラの拡散は、複数の速度および長さスケールを伴い得る。これらの速度および長さスケールは、初期速度および長さスケールと異なり得、時間とともに急速に変動し得、これは、力の平衡を修正し、任意の特定の時間における液滴を最良に説明するモデルに影響を及ぼし得る。一般に、衝突速度を増加させ、液滴サイズを増加させ、および/または表面張力を減少させることによってウェーバ数を増加させることは、表面が疎水性であるときに、さらなる跳ね返りおよびより少ない堆積を助長し得る。しかしながら、速度が十分に大きい場合、キャシー・ウェンツェル遷移が起こり得、部分反発のみが観察され得、液滴の一部が堆積させられる。液体の粘度を増加させることは、衝突中により多くのエネルギーを消散させ得、跳ね返りの機会を減少させ得る。しかしながら、粘性力は、通常、慣性および表面張力と比較して小さく、粘度の影響は、制限され得る。後退接触角はまた、液滴挙動に影響を及ぼし得、一般に、より大きい後退接触角は、液滴が反発する確率を増加させる。
液滴が跳ね返る傾向はまた、表面疎水性による影響を受け得る。そのような挙動が、いくつかの条件下では親水性表面上で観察されない場合がある一方で、超疎水性表面上では、跳ね返りが、非常に低いウェーバ数にさえも観察され得る。
傾斜表面上の液滴衝突は、部分または完全反発につながり得る。
噴霧された液滴のサイズは、液滴保持に影響を及ぼし得る。固定されたノズルに関して、本サイズは、噴霧された液滴の粘度および表面張力に依存し得る。噴霧された液滴に関して、優勢な発振波長は、
であり得、液滴サイズは、本波長に比例し得る。液滴サイズはまた、表面張力にも比例し得る。
本実験は、液滴が衝突に応じて堆積させられる傾向がさらにあるように、液滴の表面性質を変化させることによって、衝突液滴を拘束することを対象とする。これは、ピン留め部位として作用し、後退接触角を局所的に低減させ得る、親水性粒子を表面上に堆積させることによって、達成されることができる。さらなる目標は、噴霧プロセス中に行われることができる、これらの粒子を堆積させる単純な方法を開発することである。
これを行う1つの方法は、粒子が衝突中に表面に付着し、液滴をピン留めするであろうと仮定して、親水性粒子を噴霧される液体に添加することである。約10ミクロンのオーダーのサイズを伴う親水性シリカ粒子が、噴霧される液体に添加され、超疎水性表面上のその液体の液滴の衝突が、高速カメラを用いて観察された。衝突のスナップショットが、図6に示されている。衝突挙動は、これらの粒子の添加によって変化されず、完全反発が観察される。親水性であるシリカ粒子は、表面上に堆積するよりも液体の体積中に留まる傾向にあり得、したがって、液滴をピン留めしない場合がある。
別のアプローチは、わずかな親水性欠陥を堆積させることである。これらの欠陥は、衝突液滴の接触線のためのピン留め部位として作用し、それらが跳ね返らないように防止することができる。欠陥は、噴霧プロセス中に化学化合物の原位置沈殿を通して作成され得る。これを達成するために、少量の逆の荷電の高分子電解質分子が、噴霧溶液に添加され、これらの高分子電解質は、相互作用し、溶液から沈殿し得る。各タイプの高分子電解質が、別個の溶液に添加されてもよく、2つの溶液は、次いで、図7Aで概略的に示されるように、同時に噴霧されてもよい。水または他方の非存在下の一方の高分子電解質溶液の液滴が超疎水性表面に衝突するとき、それらは、図7Bの漫画で見られ得るように跳ね返る。しかしながら、同時噴霧プロセスでは、逆の荷電の高分子電解質を含む2つの液滴が接触するときに、沈殿反応が起こり得る。これは、液滴をピン留めすること、および/または跳ね返りを抑制することが可能である、表面上の親水性残留物の堆積をもたらし得る。
少数の沈殿化合物のみを表面上に形成することが可能である。高分子電解質分子の多くは、短い反応時間に起因して、溶液中で溶解されたままであり得る。しかしながら、少数の欠陥が形成されるときでさえも、生成される欠陥の数は、液滴を拘束するために十分であり得る。図7Cに示されるように、接触線が後退相中の堆積させられた欠陥のうちの1つに遭遇するとき、これは、ピン留めされてもよい。本プロセスは、ある程度のエネルギーを消散し得、そして/または後退相を減速し、最終的に、液滴を表面に粘着させ得る。
高分子電解質は、イオン化可能であり得るか、イオン基を備え得るか、または両方の種を備え得る単位を含む巨大分子である。それらは、水溶性であり得、それらの荷電基は、溶液中で解離し得る。正に帯電した高分子電解質は、ポリカチオンと呼ばれ、負に帯電したものは、ポリアニオンと呼ばれる。高分子電解質は、ポリマーおよび塩の性質のうちのいくつかを組み合わせ得、それらの溶液は、粘性であり得、かつ伝導性であり得る。多糖およびDNA等の多くの生物学的高分子電解質がある。
高分子電解質は、それらが完全または部分的に溶液中で解離するかどうかに応じて、強くもしくは弱くあり得る。弱い高分子電解質は、溶液中で完全には帯電されず、それらの電荷は、pHを変化させることによって調整されることができる。高分子電解質の電気的相互作用を定量化するために、ゼータ電位が一般的に使用される。ゼータ電位は、分子に付着した流体の静止層の場所において高分子電解質を取り囲む、界面二重層内の電位である。
逆の荷電の高分子電解質の2つの溶液が混合されるとき、かつそれらのゼータ電位の絶対値が十分に高いとき、逆の荷電の高分子電解質は、相互を引き付けてともに結合し、溶液中でバルク沈殿物を形成し得る。
2つの高分子電解質、すなわち、線状ポリエチレンイミン(LPEI)(図8A参照、正に帯電し、溶液中でNH2
+基を備え得る)およびポリアクリル酸(PAA)(図8B参照、負に帯電し、溶液中でCOO-基を備え得る)が、本実験で採用された。pHは、2つの高分子電解質の間に実質的な相互作用が存在するために、両方のゼータ電位が十分に高いように選択された。本pH(約4.5)では、これら2つの高分子電解質の溶液を混合することは、不溶性沈殿物を溶液中で自発的に形成させた。これは、溶液中に浮動する非晶質の白っぽい残留物を備え、液体をより粘性にした。そのような液体は、粘性溶液が噴霧化されるためにより高いエネルギー入力を要求し得るため、他の液体ほど噴霧するために好適ではあり得ない。
代わりに、本実施例は、衝突プロセス中の表面上の高分子電解質の沈殿を通した、直接原位置での親水性欠陥の形成を実証する。それぞれ、逆の荷電の高分子電解質のうちの1つを含む、2つの噴霧が、同時に噴霧される。各噴霧の液滴が表面上で接触するとき、それらは、表面特徴の間および/または表面の上で沈殿物を形成する。ある場合には、高分子電解質溶液は、希薄であり、したがって、純水に類似する(粘度および表面張力のような)物理的性質を有し得る。
約200nmの平均サイズおよび間隔を伴い、疎水性改変剤でコーティングされた、無作為な特徴から成るナノグラステクスチャを伴う表面が、超疎水性表面として採用された。表面は、5°未満のヒステリシスを伴って165°の接触角を有していた。図8Cは、ナノテクスチャが見える、表面の走査型電子顕微鏡画像を示す。2つの高分子電解質溶液を噴霧した後、表面が再び撮像され(図8D)、高分子電解質沈殿物のわずかな欠陥が、表面上で観察されることができた。これらの欠陥は、液滴の後退接触線のためのピン留め部位としての役割を果たすことができた。
表面に同時に衝突する逆の荷電の高分子電解質を含む、2つの液滴の局所挙動を判定するために、超疎水性表面上の別の静止した液滴上の液滴の衝突を伴う実験が、異なる半径、速度、および高分子電解質濃度を伴う液滴について行われた(簡単にするために、高分子電解質の濃度は、常に、実験では両方の液滴について同一であった)。毎秒10,000フレームで高速カメラを用いて撮影された、2液滴衝突プロセスのスナップショットが、高分子電解質濃度の低い値および高い値について、図9Aに示されている。
観察される挙動は、単一液滴衝突のものに類似し、すなわち、液滴は、合体し、膨張相を受け、最大側方半径に達し、次いで、後退し始める。純水または低い高分子電解質濃度に関して、後退相は、液滴が跳ね返るまで継続する。より高い高分子電解質濃度に関して、後退相は、阻害され、液滴は、衝突中に形成される欠陥に起因して表面上にピン留めされたままである。図に見られるように、本プロセスは、類似半径の単一液滴の接触時間と同程度である、約20ミリ秒持続する。
図9Bは、異なる濃度を伴う溶液の噴霧によって形成された欠陥を示す。欠陥密度、したがって、衝突液滴を拘束する能力は、直観的であるように、濃度とともに増加する。
液滴が粘着することを可能にするであろう濃度を判定するために、液滴衝突の後退相中に作用する力を分析することが有用であり得る。3つのそのような力は、慣性、毛管現象、および粘度である。以下で行われる分析では、粘性の大きさおよび毛管力を比較する毛管数が約10-3のオーダーであるため、粘度は、無視されることができ、慣性および毛管現象が、以下で考慮される。液滴は、次いで、膨張相において表面エネルギーに変換される、運動エネルギーを伴って表面に衝突する。後退相では、表面エネルギーは、運動エネルギーに戻るように変換され、後退相の終わりに、液滴は、十分な運動エネルギーを有する場合に跳ね返り得る。液滴がエネルギーを失い得る1つの方法は、それが表面上でピン留め力を受ける場合である。本モデルでは、後退相中のピン留めの仕事量が初期運動エネルギーよりも低い場合には、液滴が跳ね返り、別様に逆が当てはまる場合には粘着することが仮定される。
運動エネルギーは、以下の方程式によって求められてもよい。
ピン留めの仕事量は、以下の方程式によって求められてもよい。
式中、Rは、液滴の半径であり、Vは、その初期速度であり、ρは、密度であり、σは、表面張力であり、Δθは、接触角ヒステリシスである。
超疎水性表面に関して、天然接触角ヒステリシスは、ごくわずかであり得る。欠陥に起因する追加ヒステリシスは、以下の方程式のように、接触線上の欠陥の数に比例し得る。
噴霧プロセスの結果は、したがって、プロセス中に形成される欠陥の数に依存し得る。
本節では、2つの液滴が合体するときの高分子電解質沈殿物の形成が分析される。合体実験が、逆の荷電の高分子電解質を含む2つの液滴の間で行われた。合体プロセス中に、撮像が高速カメラを用いて行われた。一方は、空気中の液滴を用いて、他方は疎水性オクタデシルトリクロロシラン(OTS)でコーティングされたガラス表面上の液滴で、2つのセットの実験が行われた。図10Aは、空気中および表面上の合体する液滴中の沈殿物形成のスナップショットを示す。白っぽい残留物が、液滴の内側に出現し、成長し始める。同一の実験が、異なる液滴サイズおよび濃度のために繰り返された。τ
exp、すなわち、初期合体と沈殿物の第1の観察との間の時間量が測定された。本パラメータは、沈殿反応の速度の尺度V
precipを求めることができる。
式中、Nは、形成された欠陥の数である。
τexpは、1つまたはそれを上回る撮像条件(例えば、光、角度、レンズ、フレームレート)とともに変動し得るが、実質的に類似する撮像条件下で取得されるτexpの相対値は、濃度および液滴サイズが変動されるときの沈殿速度を比較するために使用されることができる。各実験が数回繰り返され、τexpの一定の値が取得された。
結果は、図10B-10Eに提示されている。図10Bおよび図10Dのプロットは、沈殿速度が、空気中およびガラス表面上の両方で、高分子電解質の濃度に比例することを示す。図10Cおよび図10Eのプロットは、ln(τexp)が両方の場合に(-3/2)の傾斜でRとともに直線的に変動することを示す。これは、反応速度が3/2の累乗まで液滴半径として変動することを含意する。
したがって、沈殿速度の実験的スケーリング法則は、以下のように公式化されてもよい。
上記の結果に照らして、短い時間で、沈殿物形成率は、2つの液体の混合率によって限定され得ると仮定される。2つの液滴が合体するとき、それらは、図11で概略的に示されるように、完全に混合されるためにある程度の時間を必要とし得る。混合の初期段階中に、高分子電解質分子の一部のみが接触し、相互作用することが可能であり得る。混合は、慣性および毛管力によって駆動されてもよく、したがって、およそ慣性・毛管時間スケール
の時間にわたって起こってもよい。図11Aおよび図11Bの場合、この時間スケールは、観察された沈殿時間と同じオーダーである、約100ミリ秒である。
沈殿速度は、「沈殿部位」の数または他方の高分子電解質と相互作用することができる一方の高分子電解質の分子の数に比例し得る。この数は、液滴の濃度および体積に比例し得る。沈殿速度はまた、反対高分子電解質が一体となって沈殿することを可能にするであろう、液滴混合のための時間スケールに反比例し得る。沈殿速度は、以下の方程式によって表されてもよい。
τ
iを代入した後、以下のスケーリング方式が導出されることができる。
上記の方程式はまた、跳ね返り/粘着限界を判定するように、以前に開発されたエネルギー平衡モデルに適用されることもできる。
接触線上のピン留め部位の数は、以下であることが見出される。
R
2は、体積全体における欠陥の数ではなく、接触線上の欠陥の数を説明するため、上記の方程式の分母の中に出現する。
τ
contactは、接触時間である。上記のように、2液滴衝突の機構は、単一液滴衝突の機構に類似する。具体的には、これは、慣性および毛管現象による影響を受け得、接触時間は、単一の液滴について以前に示された同一のスケーリング法則に従い、すなわち、
であると仮定される。
ピン留めの仕事量は、次いで、以下のように表されることができる。
式中、βは、実験的に判定されることができる、比例定数である。
液滴は、以下の方程式が当てはまるときに粘着し得る。
これはまた、以下の条件と等価であり得る。
式中、Weは、流体の表面張力に対するその慣性の無次元比である、ウェーバ数(We=ρRV
2/σ)である。
図12は、(任意単位の)CRの関数としてのウェーバ数のプロットである。実線は、傾斜βを有し、跳ね返り型と粘着型との間の遷移を表す。線の上方の任意の点は、そうするために十分な運動エネルギーを有するため、跳ね返ることが予測される一方で、線の下方の点は、初期運動エネルギーを完全に消散する大きなピン留め力を受けることが予測される。上記で詳述される実験結果は、それらの多くが図11に示されるような予測挙動を呈するため、概して、本法則に従う。
したがって、βを判定するように初期実験を行い、次いで、付加的液滴が跳ね返るか、または粘着するかについて予測を生み出すことによって、2つの液滴のセットの跳ね返りおよび粘着挙動を理解することが可能である。より大規模に、噴霧に関して、噴霧された液体が疎水性表面上に保持されるかどうか、または噴霧された液体が殆ど跳ね返るかどうかを判定するために、類似基準を使用することが可能である。
上記で開発される概念を逆の荷電の高分子電解質の同時噴霧に適用することが可能である。上記で示されるように、ともに表面に衝突する2つの液滴は、接触線をピン留めし得る沈殿物を表面上に形成してもよく、濃度が十分に高い場合、液滴の反発を防止し得る。反対電荷の2つの高分子電解質が同時に噴霧されるとき、高分子電解質のうちの1つを含む多数の液滴は、表面上の反対電荷の高分子電解質を含む液滴に接触し、沈殿物を形成してもよい。これは、噴霧された液体が表面上で粘着することを可能にし得、噴霧の保持を向上させ得る。
噴霧された液体の保持が、異なる表面および液体について測定された。一定の噴射速度および円錐角において、細かい液滴の噴射の形態で固定量の液体を表面に送達するために、噴霧器が使用された。2つの測定基準が、保持を定量化するために使用された。第1に、サンプルによって保持された液体の質量が、サンプルの重量を量ることによって、毎噴霧後に測定された。第2の測定基準は、サンプルの被覆率、すなわち、基板の全面積で除算された、液体によって被覆された面積であった。第1は、液体が表面に粘着することができる量を特徴付け、第2は、被覆の一様性を定量化する。
図12Aは、異なる液体が噴霧される際の表面の画像を示す。蛍光染料が、可視化を増進するように全ての噴霧された液体に添加された。予期される通り、超疎水性表面は湿潤されることができないため、非常に少ない水が本表面に粘着した。高分子電解質が超疎水性表面上で同時に噴霧されたとき、液体のさらに多くが表面上に残留した。図12Bは、先の写真の画像処理によって判定されるようなこれら2つの事例における表面の被覆率を示す。水に関して、被覆率は、3mLが超疎水性表面上に噴霧された後に7%を超えなかった。逆の荷電の高分子電解質が同時に噴霧されたとき、被覆率は、1mLが被覆された後に70%であり、3mLの液体が噴霧されたときに80%に達した。
保持された体積は、類似動向を呈した(図12C参照)。水のみを噴霧することが、少ない流体保持をもたらした一方で、逆の荷電の高分子電解質を含む溶液を噴霧することは、有意な流体保持(水のみと比較して10倍以上の増加)をもたらした。高分子電解質溶液を噴霧した後に取得される保持された質量もまた、(別個の実験で測定される)超親水性表面上の水の保持された質量に類似する。噴霧の初期段階中の保持された質量の線形増加後、保持された質量は、サンプルがより多くの液体を保持することができないため、最終的に限界に達する。本時点で、付加的噴霧は、前もって蓄積された液体の除去を引き起こし得る。本現象は、最後のデータ点で観察される減少を説明し得る。
先に導出されたモデルもまた、跳ね返りから粘着への遷移が起こる高分子電解質濃度を推定するために、噴霧の実験パラメータ(液滴サイズおよび速度)と組み合わせて使用されることができる。本実験に関して、その濃度は、10mMであり、実際に、収集の大きな増進が、20mMの濃度について観察された一方で、わずかな収集が、2mMにおいて取得された。
現象の一般性および本プロセスにおける反対の高分子電解質沈殿の役割を確認するために、類似実験もまた、異なる高分子電解質を用いて行われた。超疎水性表面は、上記と同一であった。高分子電解質溶液は、10mMにおけるキトサンまたは10mMにおけるアルギネートのいずれかを含んでいた。キトサンおよびアルギネートは、農業用途のために特に好適であり得る、生体適合性高分子電解質である。3つの実験、すなわち、(1)水のみを噴霧すること、(2)キトサンのみを噴霧すること、および(3)キトサン(正に帯電した高分子電解質)およびアルギネート(負に帯電した高分子電解質)を同時に噴霧することが、実施された。図13は、3つの事例のそれぞれについて、噴霧された体積の関数として保持された体積を示す。超疎水性表面上でキトサン溶液のみを噴霧することは、水の保持にほぼ等しい、小さい保持につながることが明白である。上記で観察されるように、逆の荷電の高分子電解質が噴霧されたとき、はるかに大きい保持が取得された。噴霧が行われると、保持は、初期段階で直線的に増加し、水またはキトサンのいずれかを噴霧することから取得されるものよりも10倍大きい保持された質量につながった。
いったん沈殿物が表面上で形成されると、表面は、たとえ衝突液滴が高分子電解質を含有しなくても液滴堆積を起こしやすくなり得る。単一水滴が表面に衝突する場合、液滴は、二重液滴衝突について観察されるものと同様に、衝突の後退相中にピン留めを受け得る。十分な欠陥がある場合、反発が可能ではない場合があり、代わりに、液滴が堆積させられ得る。キトサンおよびアルギネートを含む溶液の同時噴霧によって、欠陥が堆積させられた、超疎水性表面上の水滴の衝突のスナップショットが、図14aに示されている。
欠陥が形成された後の水の保持が、試験された。使用された超疎水性表面は、上記で説明されるものであり、高分子電解質溶液は、キトサン(10mM)およびアルギネート(10mM)であった。2つの実験、すなわち、(1)超疎水性表面上に水のみを噴霧すること、および(2)同時高分子電解質噴霧が前もって行われた表面上に水を噴霧することが、実施された。図14Bは、これら2つの事例について、噴霧された体積の関数として保持された体積を示す。高分子電解質噴霧を受けていなかった超疎水性表面上に水のみを噴霧することは、わずかな流体保持につながった。高分子電解質噴霧によって前駆体層を形成した後に純水を噴霧することは、超疎水性表面の直接上の水のものより6倍大きい傾斜を伴って、保持された質量の線形増加につながった。これは、水を噴霧することに先立って、反対高分子電解質を噴霧することによって堆積させられた、ピン留め部位に起因し得る。
モデル超疎水性表面(OTSコーティングされたナノグラス)上の実験に加えて、実験はまた、類似プロセスが本用途に有用であり得ることを実証するように、植物の葉の上でも行われた。予期される通り、類似結果が取得された。図15は、その上に高分子電解質を同時に噴霧した後のハスの葉の写真を示す。ハスの葉は、自然の最も超疎水性の表面の1つであり、ここでは、それの上に逆の荷電の高分子電解質を同時に噴霧することが、噴霧された領域の完全な湿潤をもたらすことが見られ得る。理論によって拘束されることを所望するわけではないが、他の植物または表面が噴霧保持をさらに起こしやすくあり得ることが考えられる。
本実験では、高分子電解質の原位置沈殿を通して疎水性表面上の噴霧堆積を増進する新しい機構が実証された。表面上に形成された欠陥は、衝突液滴をピン留めし得ることが示され、原位置でこれらの欠陥を作成することの利点が議論された。合体液滴中の沈殿物形成の機構が、次いで、解明され、液滴衝突挙動への沈殿物形成の影響が判定された。これは、跳ね返る液滴と粘着する液滴または噴霧との間の遷移を特徴付ける基準の開発につながった。本方法は、単一のステップで着目液体の表面改変および堆積を可能にする。本技法は、それらのゼータ電位が相互作用するために十分に高い限り、異なるタイプの高分子電解質と連動することができる。また、キトサンおよびアルギネートを噴霧された溶液に添加することは、噴霧保持を大いに増進したことが示された。これらの高分子電解質は、それらを植物処理のための候補にする、非毒性、生体適合性、および生分解性である、多糖である。
疎水性植物上の農薬の低い保持が、農業において主要な問題であることが公知である。少量の高分子電解質を噴霧に添加することによって、使用される農薬の量が有意に低減され得る一方で、被覆率が増加され、完全保護を植物に提供し、農薬の毒性効果を限定する。水噴霧もまた、着霜を防止するために種々の領域中で一般的に使用され、植物の完全被覆もまた、本用途のために有益である。本解決策は、したがって、大量の水を節約することができる。本方法はまた、他の農業用噴霧、塗料、および噴霧または液滴堆積を伴う任意の他のプロセスに使用されることもできる。
種々のタイプの噴霧および液体に使用され得る、単純かつ容易に実可能な解決策が得られた。本技法は、発展途上および先進国世界の両方で使用され得、それをリバースイノベーション(発展途上国の必要性のために開発される製品が、より経済的に発展した設定において実行可能な解決策であることが判明する)の実施例にする。
O2およびSF6を用いたプラズマエッチングが、シリコンナノグラステクスチャを作製するようにシリコン基板上で行われた。本材料は、約0°の接触角を伴う超親水性表面である。それをより疎水性にするために、表面は、次いで、疎水性改変剤(オクタデシルトリクロロシラン)でコーティングされた。疎水性改変剤で処理されたナノグラスシリコン表面上の脱イオン水の前進および後退接触角が、25℃において角度計(モデル500、rame-hart)を用いて、それぞれ、165°±2°および160°±3°であると測定された。
4つの高分子電解質分子が、使用された。高分子電解質の全ては、Sigma-Aldrichから入手され、受容されたままで使用された。使用された溶液の性質が、表1の中にある。
エアブラシが、水平サンプルの上方21cmで垂直に固定された。エアブラシへの空気供給の圧力は、同一の噴射速度および円錐角を保つよう、実験のセット全体を通して一定に維持された。液体が、シリンジを使用した500マイクロリットルの投入によって、エアブラシに送達された。サンプル(2インチ×2インチ)は、噴霧円錐よりも大きいように選定された(噴霧された液体の98%を上回るものがサンプルに衝打した)。
少量の蛍光染料(フルオレセインナトリウム塩)が、噴霧される溶液に添加された。紫外線下の撮像が、各噴霧後に行われ、ImageJを使用した画像処理が、液体によって被覆された表面の割合を判定するように行われた。
実施例2
植物表面上の農業用噴霧の保持は、重要な課題である。葉からの噴霧された農薬液滴の跳ね返りは、土壌および地下水汚染ならびに農薬の過度の使用の原因である。本実施例は、衝突中に液滴を拘束することができる、親水性表面欠陥の原位置形成を通して液滴堆積を増加させる方法を説明する。欠陥は、2つの液滴が接触するときに表面沈殿を誘発する、逆の荷電の高分子電解質を同時に噴霧することによって作成される。高速撮像を使用して、液滴衝突および表面沈殿物形成の結合された動力学が観察される。物理的モデルが、欠陥によるエネルギー消散を推定し、跳ね返りから粘着への遷移を予測するように開発される。噴霧保持および表面被覆率における巨視的増進が、天然ならびに合成非湿潤表面について示される。
噴霧は、農業、塗料、コーティング、化粧品、および医療を含む、広範囲の用途で使用される。農業では、噴霧は、農薬、いくつかの栄養素、および他の化学物質を植物に送達するための最も一般的な手段である。これらの化学物質、特に、農薬のうちのいくつかは、毒性であるため、それらの使用を低減させる需要の増大がある。したがって、噴霧の堆積非効率性の原因を排除すること、または実質的に低減させることが、有益であり得る。1つの非効率性は、それらの疎水性/超疎水性質に起因する、植物表面上の噴霧された液体の低い保持から生じ、植物表面に衝突する噴霧からの液滴は、植物表面から跳ね返るか、または転がり落ちることができる。そのような植物は、一般的であり、それらの表面上のろう様特徴の存在から、それらの非湿潤性質を獲得し得る。結果として、農業用噴霧からの液体の多くは、最終的に土壌の中に行き、それを汚染し、地下水を汚染し得る。同様に、噴霧された水の低い保持は、植物の防霜における有意な水消費量につながり得る。
本実験は、基板上にわずかな親水性欠陥を形成することによって、噴霧プロセス中に原位置で標的表面性質を改変することによって液滴保持を増進するアプローチを説明する。これらの欠陥は、衝突液滴の接触線をピン留めするように作用することができ、跳ね返りを抑制することができる。これらのピン留め欠陥は、図7Aで概略的に示されるように、少量の逆の荷電の高分子電解質を別個の溶液に添加し、2つのノズルを使用してそれらを同時に噴霧することによって、作成される。逆の荷電の高分子電解質を含有する液滴が接触するとき、図7Bで液滴を表面にピン留めし、保持を増進する親水性表面欠陥の形成をもたらす、沈殿反応が起こる。本実施例では、噴霧実験を用いて概念を実証した後、逆の荷電の高分子電解質溶液の液滴の間の可能性として考えられる相互作用が、個々の液滴上液滴実験によって研究される。表面上の堆積させられた沈殿物は、顕微鏡検査によって観察される。基準が、次いで、2つの衝突液滴の跳ね返りと粘着との間の遷移を予測するために導出され、本問題のための特徴的な無次元数が定義される。最終的に、これらの個々の液滴結果は、噴霧に拡張され、合成および天然超疎水性表面上の高分子電解質溶液の同時噴霧が、液体の堆積ならびに保持の実質的な増加につながり得ることが観察される。
液滴衝突への沈殿の影響を研究するために、2つの高分子電解質分子が使用された。線状ポリエチレンイミン(LPEI)は、溶液中でNH2
+基を含む、正に帯電した高分子電解質であった。ポリアクリル酸(PAA)は、溶液中でCOO-基を含む、負に帯電した高分子電解質であった。両方の高分子電解質の分子量は、約20,000g/モルであった。これらの高分子電解質は、異なる濃度において水中で溶解された。各溶液中で、高分子電解質は、非常に希薄であり、溶液は、純水に近い物理化学的性質を有する。具体的には、使用される全ての溶液の表面張力は、水のものの13%以内であることが測定された(図16参照)。溶液中のイオンの間の電気的相互作用は、それらのゼータ電位に依存する。高分子電解質のゼータ電位は、溶液のpHに依存し得、本実験に関して、両方の高分子電解質のポテンシャルが十分に高いように、かつ高分子電解質の間に実質的な相互作用があるように、pH約4.5が使用された。本pHでは、これら2つの高分子電解質の溶液を混合することが、溶液中の不溶性沈殿物の自発的形成をもたらした。沈殿物は、白っぽい残留物として観察され、それらは、溶液の大部分の中および液体が堆積させられた表面の上の両方で形成された。表面沈殿物は、親水性であり、衝突中に衝突液滴を強くピン留めし得ることが観察された。
約200nmの特徴的サイズおよび間隔を伴う無作為な特徴を含む、シリコンナノグラス表面が、疎水性改変剤でコーティングされた。本表面は、本実験ではモデル超疎水性表面として使用された。165°の接触角および5°よりも小さい接触角ヒステリシスが、本表面について測定された。高分子電解質の有無別の水滴の同時噴霧が、これらの表面上で行われ、相互作用が、高速カメラを使用して捕捉された(図17Aおよび図17B)。純水滴が噴霧されたとき、それらは、表面から跳ね返り、表面は、図17Aに示されるようにクリアなままの状態のままであった。いくつかの小液滴が、表面に粘着したが、それらは、別の衝突液滴によって衝突されるとすぐに跳ね返った。対照的に、逆の荷電の高分子電解質を含む水滴を噴霧することは、図17Bに示されるように液体保持を増加させた。噴霧の綿密な調査は、表面に衝突する全ての液滴が表面によって保持されるわけではないことを明らかにした。単一液滴が表面に衝突したとき、それらは、純水滴と同様に跳ね返った。いずれかの高分子電解質の単一液滴の衝突を用いたさらなる実験は、それらが跳ね返り(図18)、高分子電解質溶液のうちの1つのみを噴霧することが最小保持をもたらした、または全く保持をもたらさなかったことを示した。したがって、同時噴霧における保持は、少なくとも2つの液滴の間の相互作用に由来し得る。実際、複数の液滴が表面上で衝突したとき、形成した合体液滴が拘束された。液滴は、次いで、表面において係留され、付加的液滴がそれの上で衝突したときでさえも脱離しなかった。係留された液滴は、後続の衝突液滴の合体に起因して成長し続けた。時間が進むにつれて、表面は、成長し続ける多くの係留された液滴で被覆されるようになり、噴霧の約3秒後に、表面の多くが液体で被覆された。2液滴相互作用の1つの頻繁な事例は、小さい単一液滴が衝突に応じて表面上に残留し、続いて、別の衝突液滴によって衝突されたときに起こった。
図19では、2液滴相互作用の5つの可能性として考えられる事例、すなわち、正に帯電した高分子電解質を含む別の液滴に衝突する、正に帯電した高分子電解質(例えば、LPEI)を含む液滴、負に帯電した高分子電解質を含む別の液滴に衝突する、負に帯電した高分子電解質(例えば、PAA)を含む液滴、空中で衝突して合体し、次いで、表面に衝突する、正に帯電した高分子電解質を含む液滴および負に帯電した高分子電解質を含む液滴、負に帯電した高分子電解質を含む液滴に衝突する、正に帯電した液滴を含む液滴、ならびに正に帯電した高分子電解質を含む液滴に衝突する、負に帯電した高分子電解質を含む液滴が、提示されている。これらの事例のそれぞれに関して、液滴上液滴衝突実験が、毎秒10,000フレームで高速カメラを用いて撮影され、乾燥表面の衝突場所が、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して撮像された。
図19の結果は、同一の高分子電解質を含む2つの液滴を伴う衝突が、単一の液滴の衝突に類似する一連の拡散相および後退相において跳ね返りをもたらすことを示す。測定された接触時間はまた、単一の液滴のものに近く(15%以内)、いかなる堆積物もSEM画像内で見られることができない。衝突前に正および負の高分子電解質を前もって混合することによって、事前に沈殿物を形成することもまた、液滴を表面に粘着させない。バルク沈殿物のうちのいずれも、この場合、表面上に残留しない。したがって、事前形成された沈殿物を含有する溶液を噴霧することは、液体保持を増加させないかも知れない。同一の跳ね返り挙動が、他の親水性粒子が液滴に添加されるときに観察される。図6に示されるように、3ミクロンシリカ粒子を含む液滴が、いかなる粒子残留物も残すことなく、超疎水性表面から跳ね返る。しかしながら、逆の荷電の高分子電解質を含む液滴の液滴上液滴衝突が、液滴を表面に粘着させ得る。液滴は、表面上の逆の荷電の高分子電解質の原位置沈殿に起因して形成し得る、ピン留め部位によって拘束されることができる。
1つの溶液の十分に小さい液滴は、表面の天然ヒステリシスに起因するピン留め力が慣性力を克服するときに、表面に粘着し得る。別の到着液滴との衝突に応じて、合体液滴は、2つの液滴が逆の荷電の高分子電解質を含有し、合体液滴を拘束する付加的表面ピン留め部位を形成するように反応することができる場合に、粘着し得る。
逆の荷電の高分子電解質を含む2つの液滴が合体するとき、溶液中に逆の荷電の巨大分子がある。電荷が完全にはふるい分けられないように、これらの分子が近接近しているとき、それらは、相互に付着し得、続いて、図7Cに示されるように、沈殿物を形成するように他の分子を引き付け得る。表面に近い分子は、表面に引き付けられ得、表面沈殿物のための核形成部位としての役割を果たし得る。これらの沈殿物は、欠陥として作用することができ、後退液滴の接触線をピン留めし得る。本ピン留めは、エネルギーを消散し、液滴が跳ね返らないように防止することができる。図20Aの上面図画像に示されるように、水滴の場合の後退正面は、最小限のピン留めに起因して、主に軸対称である。しかしながら、負の高分子電解質上の正の高分子電解質の液滴衝突に関して、後退正面は、接触線ピン留めを示し得る、複数の鋭いコーナーおよび繊維から構成されることができる。
液滴上液滴衝突をさらに特徴付けるために、1つの液滴の初期直径D0で除算されたその最大膨張に達するときの合体液滴の直径として定義される、正規化最大直径が測定された。図20Bは、種々の液滴サイズ、衝突速度、および高分子電解質濃度の正規化最大直径を示す。ここで調査される実験条件(4<We<40)に関して、Dmax/D0は、We1/4とともに拡大した。結果は、高分子電解質の有無別の事例についてと同じである。図20Cは、異なる高分子電解質濃度の正規化接触長D(t)/D0の時間発展を示す。正規化最大直径と同様に、合体液滴がその最大膨張に達するまでの時間として定義される膨張時間は、接触線が膨張相においていかなる表面欠陥にも遭遇しないため、高分子電解質の添加による影響を受けなかったことが観察された。
液滴は、後退相において異なって挙動する。図20Cは、高分子電解質濃度を増加させることが、液滴が表面に粘着するにつれて、高い濃度については無限になる接触時間とともに増加したことを示す。収縮率は、種々の液滴サイズ、衝突速度、および高分子電解質濃度とともに、液滴上液滴衝突について図21に示されている。収縮率は、衝突速度に依存せず、高分子電解質濃度とともに減少することが観察された。
収縮率の減少は、高分子電解質沈殿によって形成される欠陥上の接触線のピン留めから生じ得る。接触線は、収縮相中に数回、ピン留めおよびピン留め解除されてもよく、これらの事象はそれぞれ、ある程度のエネルギーを消散させてもよく、後退を減速する。衝突の最終結果は、ピン留めおよびピン留め解除によって消散されるエネルギーの量に依存し得る。高分子電解質の低い濃度に関して、跳ね返りが依然として起こり得る一方で、より高い濃度に関して、液滴が拘束されて得ることが観察される。欠陥密度、したがって、衝突液滴を拘束する能力は、濃度とともに増加し得る。生成された欠陥の数が表面上で衝突液滴を拘束する最小濃度を判定するために、衝突中のエネルギー平衡が考慮される。粘性効果は、ここでは、オーネゾルゲ数(
)が約10
-3であり、したがって、1よりもはるかに小さいため弱い。非湿潤表面に衝打する衝突液滴は、膨張相中に表面エネルギーに変換され得る、その十分な初期運動エネルギーが、後退相中に回収される場合に、反発し得る。粘性消散がごくわずかであるため、液滴がエネルギーを失うための有意な機構は、表面上のピン留め力による。しかしながら、初期運動エネルギーの一部はまた、液滴発振に起因して、内部振動エネルギーに変換され得る。振動エネルギーに変換される初期運動エネルギーの割合の1つの推定値は、(1-e
0
2)E
kであり、式中、e
0は、ごくわずかなピン留めがある、純水滴の液滴上液滴衝突の基礎事例のための反発係数である。反発係数は、以下の方程式、すなわち、
を適用することによって計算されることができ、式中、m
i、m
bは、液滴の質量であり、v
i、v
bは、衝突の前および後の質量中心の速度である(ここでは、m
b/m
i=2)。図20Dに示されるように、純水滴の反発係数は、衝突液滴のウェーバ数に強く依存せず、これは、衝突実験については約0.4である。液滴の内部振動が高分子電解質による影響を有意に受けないと仮定して、水滴の本測定された反発係数は、高分子電解質を含む液滴の振動エネルギーを推定するために使用されることができる。故に、高分子電解質を含む液滴は、後退相中のピン留めの仕事量が残存運動エネルギーe
0
2E
kを超える場合に、表面に粘着し得る。
定量的に、液滴の初期運動エネルギーは、
として表されることができ、単一の欠陥上のピン留めの仕事量は、
として表されることができ、式中、Rは、液滴の半径であり、Vは、その衝突速度であり、ρは、密度であり、σは、表面張力であり、lは、欠陥サイズである。後退相中のピン留めの全仕事量は、次いで、
して表されることができ、式中、N
defectsは、衝突中の液滴の下の欠陥の総数である。欠陥の平均表面濃度C
sが、次いで、定義されることができ、以下の関係、すなわち、
、取得されることができる。運動エネルギーおよびピン留めの仕事量の比は、本問題のための特徴的な無次元数を提供し、すなわち、跳ね返りと粘着との間の遷移を統制し得る、ピン留め数
である。
欠陥の表面濃度は、ゼロから、両方の液滴中の全ての高分子電解質が反応して表面沈殿物を形成する事例に対応する値まで変動することができる。本情報に基づいて、以下の仮説が立てられる。すなわち、表面欠陥の数は、液滴中の全ての高分子電解質によって作成されることができる欠陥の総数の割合であるか、または、Cが、モノマーの体積モル濃度として定義され、φが、衝突中に沈殿する高分子電解質の割合である、
である。本割合は、短い接触時間に関して、沈殿時間に対する接触時間の比として推定されることができる。ピン留め数は、したがって、以下である。
Piを推定するために、SEM画像が、約500nmであった平均欠陥サイズlを推定するために使用された。欠陥あたりのモノマーの数を推定するために、半可撓性ポリマー鎖の半径は、lが、欠陥サイズであり、aが、モノマーサイズ(典型的には約1nm)である、l~aN
υを生じる、標準フローリー理論を使用して、そのモノマーの数に関連付けられた。高分子電解質の場合、υ=3/5であり、これは、欠陥あたり約10,000個のモノマーの数Nに至る。
比φを判定するために、沈殿時間が接触時間と比較された。拡散効果が接触時間中にごくわずかであり得る(τ
diffusion>>τ
contact)ため、沈殿は、液滴の混合による影響を強く受け得る。2つの液滴が合体するとき、それらは、図11Aで概略的に示されるように、完全に混合するためにある程度の時間を必要とする。混合相中に、高分子電解質分子の一部のみが、相互に接触し得、相互作用することが可能であり得る。混合は、慣性および毛管力によって駆動され得、混合時間は、
として拡大し得る。沈殿率は、したがって、
として拡大し得る。逆の荷電の高分子電解質を含む2つの合体液滴の沈殿率が、測定され、予測される通り、
として拡大することが見出された。接触時間は、混合時間
と同一であるが、異なる前因子を伴う、スケーリング法則を有し得る。したがって、φは、液滴パラメータから独立し、前因子の比に依存し得ることが予期される。実験的に測定された前因子は、約1桁だけ接触時間よりも混合時間について大きくあり得るため、
である。
いくつかの液滴上液滴衝突実験が、変動する濃度、半径、および速度を用いて行われた。図22では、より高い運動エネルギー(またはより高いPi)を伴う液滴が跳ね返り得るが、より低い運動エネルギー(またはより低いPi)を伴う液滴が粘着し得ることが見られ得る。遷移は、約0.1のピン留め数において起こり得る。
最終的に、噴霧された液体の保持が、異なる表面および液体について測定された。一定の噴射速度および円錐角において、細かい液滴の噴射の形態で固定量の液体を表面に送達するために、噴霧器が使用された。2つの測定基準が、保持を定量化するために使用された。第1に、サンプルによって保持された液体の質量が、サンプルの重量を量ることによって、毎噴霧後に測定された。第2に、表面被覆率(すなわち、基板の全面積で除算された、液体によって被覆された面積)が測定された。第1の測定基準は、液体が表面に粘着した量を特徴付ける一方、第2の測定基準は、被覆の一様性を定量化した。
図12Aは、異なる液体が噴霧される際の表面(2×2インチ)の画像を示す。蛍光染料が、より良好な可視化のために全ての噴霧された液体に添加された。非常に少ない水が、超疎水性表面上で保持され、被覆率は、図12Bに示されるように、3mLが噴霧された後に7%を超えなかった。しかしながら、逆の荷電の高分子電解質(濃度20mM)を含む溶液が、超疎水性表面上に同時に噴霧されたとき、液体のさらに多くが、表面上に残留した。被覆率は、1mLの後に70%であり、3mLの液体が噴霧されたときに80%に達した。保持された体積は、図23に示されるように、類似動向を呈した。高分子電解質が噴霧されたとき、保持された体積が飽和した場合を除いて、保持された体積は、連続的に増加した。水と比較して、保持の10倍の増加があった。保持された体積は、超親水性表面上の水の保持された体積に近かった(図24参照)。
2mMの高分子電解質濃度を用いた噴霧実験が、ゼロの保持をもたらした一方で、20mMを用いた実験は、保持の大きな増進を示した。これらの結果は、ここで使用される実験条件について約10mMの濃度において跳ね返りから粘着への遷移を予測する、上記で説明されるモデルと一致する。
類似保持性質がまた、上記で説明されるものと異なる高分子電解質を含む、溶液についても観察された。キトサン(正に帯電した)と、アルギネート(負に帯電した)とを含む、溶液からの保持された体積もまた、図23に示されるように実質的であった。キトサンおよびアルギネートは、それらを植物処理のための候補にする、非毒性、生体適合性、および生分解性である、多糖である。キトサンと、アルギネートとを含む、溶液が、超疎水性のハスの葉の上に噴霧されたとき、増加した保持が観察された(図25参照)。本実験で説明される方法はまた、疎水性表面上で同様に機能し得(図26参照、上パネルは、液滴上液滴衝突のための時間の関数として正規化接触長を示し、左下パネルは、水を噴霧された後の表面を示し、右下パネルは、逆の荷電の高分子電解質を噴霧された後の表面を示す)、それを実践において多種多様の植物および表面に適用可能にする。
本実験は、表面上の高分子電解質の原位置沈殿を通して疎水性表面上の噴霧堆積を増進する新しい機構を実証した。衝突中に表面上に原位置で形成された欠陥は、衝突液滴をピン留めし得ることが示され、原位置でこれらの親水性湿潤欠陥を作成することの利点が説明された。跳ね返る液滴または噴霧と粘着するものとの間の遷移を特徴付ける基準に至った、運動エネルギーおよびピン留めエネルギーの平衡を保つ単純なモデルが提案された。本実施例に開示される方法は、単一のステップで着目液体の表面改変および液体を可能にし、高分子電解質濃度である、噴霧のための設計空間内の新しい制御パラメータを導入し得る。本方法は、異なる表面上で、異なるタイプの高分子電解質とともに連動し得、天然および/または生分解性である、いくつかの高分子電解質が存在することが示された。少量のこれらの高分子電解質を噴霧に添加することによって、使用される農薬の量が有意に低減され得る一方で、被覆率が増加され、増加した保護を植物に提供し、農薬の毒性効果を限定する。本方法はまた、他の農業用噴霧、塗料、および噴霧または液滴堆積を伴う任意の他のプロセスにも使用され得る。
O2およびSF6を用いたプラズマエッチングが、シリコンナノグラステクスチャを作製するためにシリコン基板上で行われた。後者は、約0°の接触角を伴う超親水性表面である。それを超疎水性にするために、表面は、疎水性改変剤(オクタデシルトリクロロシラン)でコーティングされた。疎水性改変剤で処理されたナノグラスシリコン表面上の脱イオン水の前進および後退接触角が、25℃において角度計(モデル500、rame-hart)を用いて、それぞれ、165°±2°および160°±3°であると測定された。
4つの高分子電解質分子が、使用された。全ての高分子電解質は、Sigma-Aldrichから入手され、受容されたままで使用された。使用された溶液の性質が、表2の中にある。
エアブラシが、水平サンプルの上方21cmで垂直に固定された。エアブラシへの空気供給の圧力は、同一の噴射速度および円錐角を保つよう、実験のセット全体を通して一定に維持された。液体が、シリンジを使用した500マイクロリットルの投入によって、エアブラシに送達された。サンプル(2インチ×2インチ)は、噴霧円錐よりも大きかった(噴霧された液体の98%を上回るものがサンプルに衝打した)。
少量の蛍光染料(フルオレセインナトリウム塩)が、噴霧される溶液に添加された。紫外線下の撮像が、各噴霧後に行われ、ImageJを使用した画像処理が、液体によって被覆された表面の割合を判定するように行われた。
(実施例3)
本実施例は、逆の荷電の高分子電解質を含む溶液を同時に噴霧される際の表面の前進および後退接触角の発展を示す。
超疎水性表面が、キトサンを含む第1の溶液と、ペクチンを含む第2の溶液とを、同時に噴霧された。前進および後退接触角が、図27に示されるように、離散量の2つの溶液で表面を同時に噴霧した後に測定された。
(実施例4)
本実施例は、表面が噴霧される各溶液中の反応基の濃度に対する表面のロールオフ角の依存性を示す。最初に超疎水性表面のロールオフ角が、約2.6mmの平均直径を伴う液滴を形成した逆の荷電の高分子電解質を含む、2つの溶液を噴霧した後に測定された。以下の表3は、反応基(すなわち、モノマー)の異なる濃度を含む溶液が超疎水性表面上に噴霧された後の測定されたロールオフ角を示す。第1および第2の溶液の両方の中の同じ反応基濃度が、各実験で使用され、以下の値は、噴霧に先立った第1の溶液中の第1の反応基および第2の溶液中の第2の反応基の濃度を指す。
本発明のいくつかの実施形態が、本明細書に説明および図示されているが、当業者は、本機能を果たす、および/または結果および/または明細書に説明される利点のうちの1つまたはそれを上回るものを取得するための種々の他の手段および/または構造を容易に想定し、そのような変形例および/または修正はそれぞれ、本発明の範囲内であると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書に説明される全てのパラメータ、寸法、材料、および構成は、例示的となるように意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、本発明の教示が使用される、1つまたは複数の具体的用途に依存するであろうことを容易に理解するであろう。当業者は、日常的にすぎない実験を使用して、本明細書に説明される本発明の具体的実施形態の多くの均等物を認識するであろう、または確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態は、一例のみとして提示され、添付の請求項およびその均等物の範囲内で、具体的に説明および請求される以外の方法で本発明が実践され得ることを理解されたい。本発明は、本明細書に説明される、各個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。加えて、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾していなければ、2つまたはそれを上回るそのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせが、本発明の範囲内に含まれる。
全ての定義は、本明細書で定義されて使用されるように、辞書の定義、参照することによって組み込まれた文書中の定義、および/または定義された用語の通常の意味に優先すると理解されたい。
本明細書および本請求項で使用されるような「1つの(aおよびan)」という不定冠詞は、明確にそれとは反対に示されない限り、「少なくとも1つの」を意味すると理解されたい。
本明細書および本請求項で使用されるような「および/または」という語句は、そのように結合される要素、すなわち、ある場合では接合的に存在し、他の場合では離接的に存在する要素の「いずれか一方または両方」を意味すると理解されたい。「および/または」とともに列挙される複数の要素は、同一の様式で解釈されるべきであり、すなわち、要素のうちの「1つまたはそれを上回る」ものが、そのように結合される。他の要素が、随意に、「および/または」という節によって具体的に識別される要素と関係するか、無関係であるかにかかわらず、具体的に識別されるこれらの要素以外に存在してもよい。したがって、非限定的実施例として、「Aおよび/またはB」の言及は、「~を備える」等の非制約的用語と併せて使用されるときに、一実施形態では、Aのみ(随意に、B以外の要素を含む)を指し、別の実施形態では、Bのみ(随意に、A以外の要素を含む)を指し、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(随意に、他の要素を含む)等を指すことができる。
本明細書および本請求項で使用されるように、「または」は、上記で定義されるような「および/または」と同一の意味を有すると理解されたい。例えば、一覧中のアイテムを分離するときに、「または」または「および/または」は、包括的であるとして解釈されるものとし、すなわち、少なくとも1つを含むが、また、いくつかの要素または要素の一覧のうちの1つを上回るものと、随意に、付加的な列挙されていないアイテムとを含む。「~のうちの1つのみ」または「~のうちの正確に1つ」、または請求項で使用されるときに「~から成る」等の明確にそれとは反対に示される用語のみが、いくつかの要素または要素の一覧のうちの正確に1つの包含を指すであろう。一般に、本明細書で使用されるような「または」という用語は、「いずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、または「~のうちの正確に1つ」等の排他性の用語が先行するとき、排他的代替物を示すもの(すなわち、「一方または他方であるが、両方ではない」)としてのみ解釈されるものとする。「本質的に~から成る」は、請求項で使用されるとき、特許法の分野で使用されるようなその通常の意味を有するものとする。
本明細書および本請求項で使用されるように、1つまたはそれを上回る要素の一覧を参照した「少なくとも1つ」という語句は、要素の一覧中の要素のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものから選択される、少なくとも1つの要素を意味するが、要素の一覧内で具体的に列挙される、あらゆる要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含むとは限らず、要素の一覧中の要素の任意の組み合わせを除外しないことを理解されたい。本定義はまた、「少なくとも1つ」という語句が指す要素の一覧内で具体的に識別される要素と関係するか、無関係であるかにかかわらず、具体的に識別されるこれらの要素以外の要素が、随意に存在し得ることも可能にする。したがって、非限定的実施例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または同等に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に、「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在しない、随意に1つを上回るものを含む、少なくとも1つのA(随意に、B以外の要素を含む)を指し、別の実施形態では、Aが存在しない、随意に1つを上回るものを含む、少なくとも1つのB(随意に、A以外の要素を含む)を指し、さらに別の実施形態では、随意に1つを上回るものを含む、少なくとも1つのA、および、随意に1つを上回るものを含む、少なくとも1つのB(随意に、他の要素を含む)等を指すことができる。
また、明確にそれとは反対に示されない限り、1つを上回るステップまたは作用を含む、本明細書で請求される任意の方法では、方法のステップまたは作用の順序は、必ずしも方法のステップまたは作用が記載される順序に限定されないことを理解されたい。
請求項および上記の明細書では、「~を備える」、「~を含む」、「~を担持する」、「~を有する」、「~を含有する」、「~を伴う」、「~を保持する」、「~から成る」および同等物等の全ての移行句は、非制約的である、すなわち、「~を含むがそれらに限定されない」を意味すると理解されたい。「~から成る」および「本質的に~から成る」という移行句のみが、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures, Section 2111.03に記載されているように、それぞれ、制約的または半制約的な移行句であるものとする。
例えば、1つまたはそれを上回る物品、構造、力、電場、流動、方向/軌道、および/またはそれらの従属構成要素、および/またはそれらの組み合わせ、および/またはそのような用語による特性化に従う上記に記載されていない任意の他の有形または無形要素の形状、配向、整合、および/またはその間の幾何学的関係に関連する、本明細書で使用されるような任意の用語は、別様に定義または指示されない限り、そのような用語の数学的定義への絶対的適合を要求しないと理解されるものであるが、むしろ、そのように特徴付けられる主題に最も密接に関連する当業者によって理解されるように、そのような主題にとって可能な程度に、そのような用語の数学的定義への適合を示すと理解されるものである。形状、配向、および/または幾何学的関係に関連するそのような用語の実施例は、丸い、正方形、円形の/円、長方形の/長方形、三角形の/三角形、円筒形の/円筒、楕円形の/楕円、(n)多角形の/(n)多角形等の形状、鉛直、直交、平行、垂直、水平、同一線上等の角度配向、平面/平面的、同一平面上、半球形、半球、線/線形、双曲線、放物線、平坦、曲線状、直線状、弓状、正弦、正接/接線等の輪郭および/または軌道、北、南、東、西等の方向、平滑、反射性、透過性、透明、不透明、剛性、不透過性、一様な(一様に)、不活性、非湿潤性、不溶性、定常、不変、一定、均質等の表面および/またはバルク材料性質および/または空間/時間分解能および/または分布、および当業者に明白であろう多くの他のものを記述する用語を含むが、それらに限定されない。一実施例として、「正方形」であるものとして本明細書に説明されるであろう、加工された物品は、そのような物品が、完全に平面的または線形であり、正確に90度の角度で交差する面または辺を有することを要求しない(実際に、そのような物品は、数学的概念のみとして存在し得る)であろうが、むしろ、そのような物品の形状は、当業者によって理解されるように、または具体的に説明されるように、記載された加工技法のために典型的に達成可能であり、かつ達成される程度に、数学的に定義されるような「正方形」に近似するものとして解釈されるべきである。別の実施例として、「整合される」ものとして本明細書に説明されるであろう、2つまたはそれを上回る加工された物品は、そのような物品が完全に整合される面または辺を有することを要求しない(実際に、そのような物品は、数学的概念のみとして存在し得る)であろうが、むしろ、そのような物品の配列は、当業者によって理解されるように、または具体的に説明されるように、記載された加工技法のために典型的に達成可能であり、かつ達成される程度に、数学的に定義されるような「整合される」に近似するものとして解釈されるべきである。
本発明の1つの好ましい実施形態において、例えば、以下が提供される。
(項1)
第1の高分子電解質と第2の高分子電解質とを含む層が基板の表面上に堆積されるように、前記第1の高分子電解質を含む第1の組成物および前記第2の高分子電解質を含む第2の組成物を前記基板上に同時に噴霧するステップを含む、方法。
(項2)
表面を改変するための方法であって、
前記表面の少なくとも第1の部分上に、第1のゼータ電位を伴う第1の高分子電解質を含む第1の組成物を噴霧するステップと、
前記表面の少なくとも第2の部分上に、第2のゼータ電位を伴う第2の高分子電解質を含む第2の組成物を噴霧するステップとを含み、前記第1のゼータ電位および前記第2のゼータ電位が反対の符号を有し、前記第1の組成物および前記第2の組成物が前記表面上で、前記第1の高分子電解質と前記第2の高分子電解質とを含む反応生成物を形成するように、前記表面において相互作用する、方法。
(項3)
表面を備え、
前記表面の少なくとも一部が、反対の荷電の高分子電解質を含む反応生成物でコーティングされ、前記反応生成物が液滴をピン留めすることが可能である、物品。
(項4)
本質的に同時に表面を、
第1の電荷を伴う第1の種を含む第1の組成物と第2の電荷を伴う第2の種を含む第2の組成物とに暴露するステップを含み、前記第2の電荷が前記第1の電荷と符号が反対であり、前記表面を前記第1の組成物および前記第2の組成物に暴露するステップが、前記第1の種および前記第2の種を両方とも含む反応生成物を形成させ、前記反応生成物が前記表面の少なくとも一部の上に形成される、方法。
(項5)
本質的に同時に表面を、
第1の種を含む第1の組成物と、
第2の種を含む第2の組成物とに暴露するステップを含み、
前記表面が前記第1の組成物または前記第2の組成物のいずれかの等価な量に暴露されるときの表面被覆率に対する、前記表面が前記第1の組成物および前記第2の組成物の両方に本質的に同時に暴露されるときの表面被覆率の比が1を上回る、方法。
(項6)
本質的に同時に、反対電荷の2つの高分子電解質を表面に付与するステップと、
前記表面上で反応生成物を形成するために、前記2つの高分子電解質が前記表面に近接して反応することを可能にするステップと、を含む、方法。
(項7)
2つまたはそれを上回る高分子電解質の反応生成物を含む超疎水性表面であって、水性流体が前記表面の5%を上回るまたはそれと等しい部分をコーティングするように、前記水性流体と接触している超疎水性表面を含む、物品。
(項8)
前記反応生成物が、液滴を部分的にピン留めすることが可能である、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項9)
前記反応生成物が、液滴を完全にピン留めすることが可能である、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項10)
表面上に組成物を噴霧するステップが、0.01を上回るまたはそれと等しく、かつ10未満またはそれと等しいピン留め数で液滴を形成するステップを含む、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項11)
前記表面を前記第1の組成物および前記第2の組成物に暴露するステップの前のロールオフ角に対して、前記表面を前記第1の組成物および前記第2の組成物に暴露した後のロールオフ角の比が1を上回る、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項12)
前記表面を1つまたはそれを上回る種に暴露するステップが、前記表面上に前記種を噴霧することを含む、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項13)
前記表面を前記第1の組成物に暴露するステップ、および前記表面を前記第2の組成物に暴露するステップが、少なくとも部分的に時間的に重複する、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項14)
前記表面を前記第1の組成物に暴露するステップおよび前記表面を前記第2の組成物に暴露するステップが、時間的に重複しない、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項15)
前記第1の組成物の蒸発時間未満またはそれと等しい時間が、前記第1の組成物への前記表面の前記暴露の終了と前記第2の組成物の前記暴露の開始との間に経過する、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項16)
前記表面の少なくとも一部を第3の組成物に暴露するステップを含む、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項17)
前記上記項のいずれか1項の少なくとも一部の上に溶液を噴霧するステップを含む、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項18)
前記第1の組成物および前記第2の組成物の噴霧と同時に第3の組成物を噴霧するステップを含む、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項19)
前記第3の組成物が、活性剤を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項20)
前記第1の組成物が、活性剤を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項21)
前記第2の組成物が、活性剤を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項22)
前記表面を前記第1の組成物および前記第2の組成物のいずれかに暴露するステップの前に、水と前記表面との間の接触角が90°を上回るまたはそれと等しい、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項23)
前記表面を前記第1の組成物および前記第2の組成物のいずれかに暴露するステップの前に、水と前記表面との間の接触角が50°を上回るまたはそれと等しい、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項24)
前記表面を前記第1の組成物および前記第2の組成物のいずれかに暴露するステップの前に、水と前記表面との間の接触角が10°を上回るまたはそれと等しい、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項25)
前記表面を前記第1の組成物および前記第2の組成物のいずれかに暴露するステップの前に、前記表面が超疎水性表面である、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項26)
前記表面の前記第1の部分および前記表面の前記第2の部分が、少なくとも部分的に重複する、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項27)
反応生成物を形成するステップが、高分子電解質錯体を形成するステップを含む、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項28)
前記反応生成物が、前記表面の25%未満またはそれと等しく、かつ前記表面の0%を上回る部分を被覆する、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項29)
前記表面が、植物の表面を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項30)
前記表面が、葉または花の表面を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項31)
前記表面が、果物または野菜の表面を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項32)
前記表面が、植生の形態の表面を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項33)
前記第1の種および前記第2の種のうちの少なくとも1つが、高分子電解質を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項34)
前記高分子電解質は、生分解性高分子電解質を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項35)
前記高分子電解質は、非毒性高分子電解質を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項36)
前記高分子電解質は、多糖を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項37)
前記高分子電解質は、核酸、ポリ(L-リジン)、ポリ(L-グルタミン酸)、カラギーナン、ヘパリン、アルギネート、アルギン酸、ヒアルロン酸、ペクチン、キトサン、セルロース系高分子電解質、デンプン系高分子電解質、デキストラン系高分子電解質、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム)、ポリ(4-ビニル-N-アルキルピリジニウム)、ポリ(アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウム)、ポリ(アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(イタコン酸)、およびリンゴ酸ジアリルアミンコポリマーのうちの1つまたはそれを上回るものを含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項38)
前記第1の種の前記ゼータ電位の絶対値が、0mVを上回るまたはそれと等しく、かつ100mV未満またはそれと等しい、前記上記項のいずれか1項に記載の方法。
(項39)
前記第2の種の前記ゼータ電位の絶対値が、0mVを上回るまたはそれと等しく、かつ100mV未満またはそれと等しい、前記上記項のいずれか1項に記載の方法。
(項40)
前記第1の組成物および前記第2の組成物のうちの少なくとも1つが、水を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項41)
前記第1の組成物が、前記第2の組成物と異なる正味電荷を有する、前記いずれかの上記項に記載の方法。
(項42)
前記活性剤は、殺虫剤を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項43)
前記活性剤は、除草剤を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項44)
前記活性剤は、農薬を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項45)
前記活性剤は、農業用化学物質を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項46)
前記活性剤は、農薬を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項47)
前記農薬は、p,p’-ジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT),ヘキサクロロシクロヘキサン(HCH)、およびペンタクロロフェノール(PCP)のうちの1つ以上を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項48)
前記活性剤は、塗料を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項49)
前記活性剤は、香味料を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項50)
前記活性剤は、化粧品を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項51)
前記活性剤は、難燃性種を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項52)
前記活性剤は、薬学的活性剤を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項53)
前記第1の組成物および前記第2の組成物のうちの少なくとも1つは、キャリア流体を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項54)
前記第1の組成物および前記第2の組成物は両方とも、キャリア流体を含む、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項55)
前記方法または物品のうちのいずれかが、植物の防霜に使用され得る、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項56)
前記方法または物品のうちのいずれかが、氷結防止噴霧として使用され得る、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。
(項57)
前記方法または物品のうちのいずれかが、森林火災を処理するために使用され得る、前記いずれかの上記項に記載の方法または物品。