JP7015585B2 - パラグライダー - Google Patents

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Description

本発明は、パラグライダーに関し、より特定的には、推進ユニットを有するパラグライダーに関する。
スカイスポーツの中で人気があるスポーツとしてパラグライダーが知られている。パラグライダーは、一般的に潰れた状態のキャノピーに前縁に設けた開口部から空気を流入させて翼形状になるように膨らませながら、キャノピーを立ち上げる操作、いわゆるライズアップを行った後、山の斜面などを駆け下りて離陸し、滑空するスポーツである。基本的にパラグライダーは、山の斜面等を利用して下りながら離陸するものであって、平地から上空に向かって離陸することはできない。
そこで、平地からでも離陸できるパラグライダーとして、推進ユニットを取り付けたパラグライダーが利用されている。推進ユニットを取り付けたパラグライダーとしては、モーターによってプロペラを回転させ、その推進力を利用して飛ぶプロペラ式モーターパラグライダーが知られている。プロペラ式モーターパラグライダーには、モーターやプロペラ、プロペラに接触しないためのガードなどが備わっているため、キャノピー部を除いた推進ユニットの重量は軽いものでも20kg程度ある。プロペラ式モーターパラグライダーも、ライズアップを行った後、前進しながら離陸するが、風が弱く前進方向からの風力を利用できない場合には、20kg以上の装備を背負った状態で助走しながら離陸までの操作を行わなければならないため、大変である。
また、推進ユニットを取り付けた他のパラグライダーとして特許文献1に開示されているパラグライダーが知られている。該パラグライダーは、キャノピーの前縁上部に沿って水平管が配置されており、送風機(ブロワー)から送られてきた空気を該水平管に備え付けられた噴流口から吹出させている。噴流口より空気を吹出すことで、キャノピー上面の前方から後方に向けて気流を生じさせている。このように気流を生じさせると、キャノピー上面とキャノピー下面とで気圧差が生じる。これにより、キャノピーに揚力が生じるため、パラグライダーは飛ぶことができる。ただし、当該パラグライダーは、地面にキャノピーが広げられている状態では、噴流口から空気が吹出されても揚力が発生しない。キャノピーに揚力を発生させるためには、風を利用することによって、および/または助走することによって、自力でライズアップを行わなければならなかった。
実用新案登録第3207743号公報
プロペラ式モーターパラグライダー及び特許文献1に記載のパラグライダーは、風を利用する、および/または助走することによってライズアップを行う必要があった。その際、風の状況によってはキャノピーが適切に立ち上がらなかったり、助走が大変であったりして、ライズアップが困難な状況があった。
本発明は、かかる従来発明における課題に鑑みてされたものであり、風の状況に影響されることなくライズアップを行うとともに、キャノピー上面の前方から後方に向けて気流を生じさせることによってキャノピーに揚力を発生させて、容易に離陸することができるパラグライダーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも以下のような構成を備え、もしくは手順を実行する。
本発明の一局面に係るパラグライダーは、パラグライダーであって、内部に空気を取り込むことで膨張可能なキャノピーと、キャノピー内部に空気を送り込む送風機と、送風機から放出される空気を前記キャノピー内部に導く送風管と、キャノピー内部の空気をキャノピーの上面において前方から後方向に吹き出す噴流口とを備える。
かかる構成により、風の力に助けられることなくライズアップを行うとともに、キャノピー上面の前方から後方に向けて気流を生じさせることによってキャノピーに揚力を発生させて、容易に離陸することができる。
より好ましくは、噴流口は、キャノピーの上面における前縁部に配置されていることを特徴とする。
かかる構成により、噴流口からの噴流を、より確実に、キャノピー前縁部から後方向に流すことができる。その結果、効率良く、キャノピーに揚力を発生させることができる。
より好ましくは、噴流口は、キャノピーの幅方向において、複数配置されていることを特徴とする。
かかる構成により、キャノピー上に噴流をバランスよく分配させることができる。
より好ましくは、キャノピーの幅方向においてキャノピーの中央側に配置される噴流口は、キャノピーの両側に配置される噴流口よりも配置される数が多いことを特徴とする。
かかる構成により、パラグライダーに発生する揚力の効率を上げることができる。これは、飛行中のキャノピーの形状に理由がある。飛行中、キャノピーの両側は、中央側より下がっており、弧状となっている。そのため、キャノピーの両側から噴流が流れた場合、揚力は斜め上方向に働く。一方、キャノピーの中央側から噴流が流れた場合、揚力はほぼ真上方向に働く。したがって、両側に噴流口を設けるより、中央側に噴流口を設けた方がキャノピーに発生する揚力の効率が高くなる。
より好ましくは、キャノピーは、キャノピー内部から噴流口まで送り込まれる空気を整流する整流部を備えていることを特徴とする。
かかる構成により、キャノピー後方にまで、より確実に安定して噴流を流すことができる。
より好ましくは、整流部は、キャノピー上面の形状に沿って形成されていることを特徴とする。
かかる構成により、キャノピー内の空気がキャノピー上面の形状に沿って整流部を流れるため、空気の流れる方向が安定する。結果、噴流口から吹き出した噴流はキャノピー上面の形状に沿うように流れ、気流の剥離を抑えることができる。
より好ましくは、送風管は2本であり、送風管の1本ずつが別々にキャノピーの両端部と繋がっていることを特徴とする。
かかる構成により、キャノピーをライズアップする際、キャノピーの両端部から空気が入っていくため、キャノピーが上手く立ち上がる。また、送風管が1本の場合と比較すると、流路断面積を大きくすることで圧力損失が少なくなる。
より好ましくは、送風管の断面形状は、楕円形状で、長径が進行方向に対して前後となる向きで配置されることを特徴とする。
かかる構成により、断面形状が真円の場合に比べて外部気流の風圧が加わる前面側の投影面積が小さくなるので飛行中、空気抵抗を減少させることができる。
より好ましくは、送風管の形状を楕円形状に保持するため、送風管の内部に保持部材を備えていることを特徴とする。
かかる構成により、送風管を通じてキャノピーに空気を送っている最中でも、送風管の形状を維持することができる。
内部に空気を取り込むことで膨張可能なキャノピーと、キャノピー内部に空気を送り込む送風機と、送風機から放出される空気を前記キャノピー内部に導く送風管と、キャノピー内部の空気をキャノピーの上面において前方から後方向に吹き出す噴流口とを備える、パラグライダーを用いて飛行する飛行方法であって、送風機から放出される空気をキャノピー内部に送り込むことによって前記キャノピーを膨張させる工程と、キャノピーを膨張させた後、キャノピー内部に取り込んだ空気を噴流口からキャノピーの上面において前方から後方向に吹き出す工程とを含む、飛行方法。
かかる構成により、風の力に助けられることなくライズアップを行うとともに、キャノピー上面の前方から後方に向けて気流を生じさせることによってキャノピーに揚力を発生させて、容易に離陸することができる。
以上のように、本発明によれば、風の力に助けられることなくライズアップを行うとともに、キャノピー上面の前方から後方に向けて気流を生じさせることによってキャノピーに揚力を発生させて、容易に離陸することができる。
本発明の第1の実施形態に係るパラグライダー100の斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るパラグライダー100の送風機150近傍を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るパラグライダー100の送風機150近傍を示す背面図である。 本発明の第1の実施形態に係るパラグライダー100の送風管160の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るパラグライダー100の平面図である。 本発明の第1の実施形態に係るパラグライダー100のキャノピー110の噴流口111近傍を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るパラグライダー100のキャノピー110の内部構造を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るパラグライダー100のキャノピー110の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るパラグライダーのキャノピー210の噴流口近傍を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るパラグライダーのキャノピー210の噴流口を示す拡大図である。 本発明の第2の実施形態に係るパラグライダーのキャノピー210の内部構造を示す斜視図である。
以下、本発明について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、あくまで、本発明を実施するための具体的な一例を挙げるものであって、本発明を限定的に解釈させるものではない。また、本発明に係るパラグライダーのキャノピーの中央側とは、幅方向において、中心から右方向約1/4及び中心から左方向約1/4までの範囲のことであり、キャノピーの両側とは、キャノピーの両端部から中心に向かって約1/4までの範囲のことである。
<第1の実施形態>
〔パラグライダーの概要〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係るパラグライダー100の斜視図である。パラグライダー100は、キャノピー110、ライン120、ライザー130、ハーネス140を備えている。また、キャノピー110内部に空気を送り込むための送風機150および送風管160を備えている。送風機150から送り出した空気は、送風管160を通じてキャノピー110内部に入る。これにより、キャノピー110が膨らみ、パラグライダー100をライズアップすることができる。ライズアップした後、さらに送風機150によって空気を送り続けると、キャノピー110内部の空気が噴流口111から吹き出す。
なお、パラグライダー100は、既存の一般のものと異なりキャノピー110内部に外気を取り入れるための開口部であるエアインテークをキャノピー前縁部に備えていない。これは、送風機150によってキャノピー110内部に空気を送ることで、キャノピー110を膨張させ、キャノピー110を翼形状に保つ構造であるため、不要だからである。
〔送風機および送風管について〕
次に、送風機150および送風管160について詳しく説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係るパラグライダー100の送風機150近傍を示す側面図であり、図3は、本発明の第1の実施形態に係るパラグライダー100の送風機150近傍を示す背面図である。送風機150は、ハーネス140の後ろに固定されており、送風機150の燃料を入れておくための燃料タンク170がハーネス140の座席下に固定されている。
送風機150は、送風管160を介してキャノピー110に空気を送り込む。より具体的には、キャノピー110の両端部それぞれにおいて、送風管160の一方端が接続されており、他方端が送風機150に接続されている。
ライズアップする際は、送風機150を始動することによって、2つの送風管160を介して、地面に広げられた状態のキャノピー110の両端部それぞれから内部に空気を送り込む。これにより、キャノピー110が上手く立ち上がるため、無風の環境下でも、ライズアップを行うことができる。
また、飛行中、乱気流などによってキャノピー110が潰れた場合でも、送風機150によって空気を送ることでキャノピー110の翼形状を復元することができる。
なお、送風機150としては、ブロワーが好ましい。ブロワーは、外部に露出した箇所にプロペラなどの回転部材がないので、比較的安全である。また、軽量・コンパクトといった利点も有している。送風性能は、最大風量25m/min程度のものが好ましい。ただし、飛行重量や使用機材に応じた仕様・性能のものを適時選択すれば良い。
なお、ここでは、キャノピー110の両端部それぞれにおいて送風管160を配置することによって、送風機150からの空気をバランスよく送り込み、かつ送風管160が1本の場合と比較して送風流の圧力損失を少なくしていたが、送風管160は2つに限定されるものではない。例えば、構造をシンプルにして故障などのリスクを軽減したい場合は、送風管160を中央に1本だけ取り付ける構造にしてもよい。
また、送風管160は、空気が漏れにくい素材であるナイロンやポリエステル繊維で構成された布で作成されるが、その形状については、楕円形状が適している。図4は、本発明の第1の実施形態に係るパラグライダー100の送風管160の断面図である。図4において、送風管160の断面形状は、楕円形状で、長径が進行方向に対して前後となる向きで配置されている。送風管160の内部には、保持部材161が取り付けられている。送風機150から送風管160を通じてキャノピー110に空気が送られる際、送風管160の断面形状は、内圧によって円形に近づくが、保持部材161によって楕円形状に保持している。なお、保持部材161は、送風管160の一部として同じ材質のもので良いが、別途設けてもよい。
〔キャノピーおよび噴流口について〕
図5は、本発明の第1の実施形態に係るパラグライダー100の平面図である。図5において、キャノピー110内部の空気が噴流口111から吹き出され、当該吹き出された噴流Jを一点鎖点で示している。噴流Jは、キャノピー110上面に沿って前方から後方向に向かって流れている。噴流Jによりキャノピー110に揚力を発生させている。なお、キャノピー110は、ナイロンやポリエステルなどの軽くて丈夫な化学繊維で構成されており、キャノピー110内部に送り込まれた空気が噴流口以外から漏れないようになっている。また、キャノピー110は、十数個~数十個のセルが並列に並んで構成されている。
図6は、本発明の第1の実施形態に係るパラグライダー100のキャノピー110の噴流口111近傍を示す斜視図である。噴流口111は、キャノピー110の上面における前縁部に並列して備わっている。また、噴流口111は、吹き出す空気の流れを整えるための整流部112を備えている。なお、噴流口111及び整流部112は、キャノピー110を構成しているセルとセルとの継目には、設けていない。
噴流口111は、仕切りによって細かく分割されており、複数の噴流口111が互いに隣接して配置されている。1つの噴流口111の大きさは幅3mm~10mm程度、高さ3mm~10mm程度であり、断面形状は、四角形もしくは三角形である。なお、1つ1つの噴流口111は、先細り形状のノズルになっていても構わない。噴流口111がノズルになっている場合、噴流Jの速度を向上させることができる。なお、噴流口111は比較的狭いが、コアンダ効果により噴流Jの周囲の空気が巻き込まれるため、噴流口111の下流では噴流Jよりも多くの風量が誘発される。
また、噴流口111はナイロンなどの布状素材で作成されているため、風によって舞いやすく、バタつきが懸念されるが、細かく分割して袋状にしているので、バタつきを抑えることができる。
また、噴流口111の出口開口面積が小さいため、キャノピー110内部のラム圧が外気圧より高くならないとキャノピー110内部の空気が噴出されにくい。そのため、キャノピー110が膨らむと、送風機150から空気を送らなくても、ある程度内圧が小さくなった状態(外気圧とほぼ等しくなった状態)で翼形状は保たれる。
噴流口111はナイロンなどの布状素材で形成されている。キャノピー110や送風管160も布状素材で構成されているため、それらを畳んだり、丸めたりすることで、パラグライダー100をコンパクトに収納することができる。
噴流口111は飛行重量、使用機材及び噴流口111の面積に応じて100個~1000個程度の範囲でキャノピー110上に配置されている。なお、噴流口111は、全てのセルに設ける必要はなく、噴流口111を有していないセルが存在していても構わない。この場合、噴流口111は、キャノピー110の両側よりも、キャノピー110の中央側の方に多く設けるように配置するのが好ましい。これは、中央側のセルに噴流口111を設けた方がキャノピー110に生じる揚力面での効率が高いためである。理由としては、ライズアップしてキャノピー110が操縦者の頭上で広がると、キャノピー110は正面から見ると円弧状になっており、キャノピー110の両側は、中央側より下がっているためである。この場合、キャノピー110の両側からの噴流Jによって生じる揚力は翼上面に対して垂直に、正面から見ると斜め上方向に働く。一方、キャノピー110の中央側から噴流Jが流れた場合、翼中央は水平位置であるため揚力はほぼ真上方向に働く。すなわち、両端部に近いところに噴流口111を設けるより、中央側に噴流口111を設けた方がキャノピー110に発生する揚力の効率が高くなるということである。
図7は、本発明の第1の実施形態に係るパラグライダー100のキャノピー110の内部構造を示す図である。整流部112は、長さ5cm~10cm程度であり、キャノピー110内部の上面の前縁に沿って配置されている。
図8は、本発明の第1の実施形態に係るパラグライダー100のキャノピー110の断面図である。キャノピー110の断面形状は、前方が丸く、後方になるにつれて先細り形状で、下面が平らになっている。いうなれば、涙滴型のような形状をしている。噴流口111をキャノピー上側の曲率が大きい場所に設けることで、噴流Jはキャノピー外表面に沿って大きく曲がり、大きな揚力を得ることができる。翼型においては、曲率の大きい前側上部で大きな負圧が発生し、翼表面に対して垂直方向の揚力を得られるため、このような形状を設定している。
キャノピー110の強度を高めるために、キャノピー110内部はリブ113によっていくつかのセルに区切られている。なお、送風機150から送られてきた空気を噴流口111に導くために、リブ113には連結孔114が備わっている。この連結孔114を通して空気が移動できるため、各セルのラム圧は、ほぼ等しくなっている。送風機150から送られる空気の圧力によって、各セルは膨張して球状に膨らもうとする。噴流Jによって生じる揚力の向きを、できるだけ鉛直方向にすることを考えると、キャノピー110の上下面はできるだけ平らな方がよい。そのためにはリブ113の間隔を狭く設定して膨らみを抑える方がよい。なお、連結孔114の面積は、セルの強度が許す限り大きくするのが好ましい。連結孔114の面積が大きいほど、キャノピー110内部の空気が流動しやすくなるためである。なお、連結孔114の面積を大きくする方法としては、連結孔114を複数設ける又は連結孔114を大きくするなどの方法が考えられる。
<第2の実施形態>
次に本発明の第2の実施形態のパラグライダーのキャノピー210について図9~図11を用いて説明する。第2の実施形態のパラグライダーは、第1の実施形態のパラグライダー100と基本構成は同じであるが、キャノピーの構造が異なっている。そのため、本実施形態では、主に、第1の実施形態のキャノピー110と第2の実施形態のキャノピー210とで異なる構成について説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態に係るパラグライダーのキャノピー210の噴流口211近傍を示す斜視図である。噴流口211は、キャノピー210の上面における前縁部に独立して配置されている。この場合、噴流口211の大きさや配置する間隔などを自由に設計することができるため、噴流Jをキャノピー210上にバランスよく分配させることができる。
図10は、本発明の第2の実施形態に係るパラグライダーのキャノピー210の噴流口211を示す拡大図であり、図11は、本発明の第2の実施形態に係るパラグライダーのキャノピー210の内部構造を示す斜視図である。キャノピー210には、噴流口211から吹き出される空気の流れを整えるための整流部212がキャノピー210内部の上面の前縁に沿って配置されている。また、キャノピー210内部の空気が整流部212に入ってくる箇所の近傍には、湾曲部215が設けられている。湾曲部215同士は、離れて配置されており、その間からキャノピー210内部の空気が整流部212へ流入する構造となっている。湾曲部215は翼形状の外側に少し突出た整流部212と整流部212以外の窪んだ部分を繋いでおり、湾曲部215を設けることで翼前縁の形状を整えることができる。なお、噴流口211及び湾曲部215の輪郭は四角形状で図示しているが、柔らかい布状素材を用いるため使用中には周囲の圧力に応じて滑らかな丸みを帯びる。
以下、実施例に従って本発明に係るパラグライダー100に発生する揚力について説明する。揚力は、下記に記載の計算式(1)を用いる。
なお、下記の計算式は一般的な翼型を対象としており、前方からの風に対して翼全体で発生する揚力を求めるものであるが、揚力の大部分は負圧側の上面で発生しているとみなし、本式を適用している。
L=1/2×C×ρ×V×A・・・(1)
L:揚力
:揚力係数≒1(仮定値)
ρ:空気密度≒1.2kg/m
V:対気速度 m/s⇒(噴流の速度)≒20m/s(設定値)
:流れに垂直な方向から見た噴流が作用している面積 m≒5m(設定値)
の値は、キャノピー110の断面の形状及び風の方向に対する迎角によって変化するが、例えば、NACA23012翼型の場合、迎角8°でC≒1となる。Cの値は、迎角や後縁を変形させることで変えることも可能であるが、本発明では計算を容易にするため仮定値としてC≒1とする。ρは、空気密度で、高度、温度及び湿度によって変化するが、海抜0m付近の地上ではほぼ1.2kg/mである。Vは、対気速度であり、本計算では噴流Jの速度としている。送風機150から供給される風量が0.3m/s、噴流口111の大きさが高さ3mm幅5mm、噴流口111を1000箇所設けた場合、噴流Jは20m/sとなる。Aは、流れに垂直な方向から見た噴流Jが作用している面積である。キャノピー110の投影面積を20mとすると、噴流Jは、キャノピー110全面に及ぶわけではなく、限定的であり、作用する領域を5mと設定する。
これらの数値を上記(1)の式に入力すると揚力は、
L=1/2×1×1.2×20×5=1200N≒120kgfとなる。
なお、(1)の計算式から分かるように、揚力の計算において噴流Jの速度は2乗で作用するので影響が大きいことがわかる。
次に本発明に係るパラグライダー100に発生する推力Fについて計算式を用いて説明する。推力Fは、以下の式によって求めることができる。なお、各値について既に説明している箇所については、説明を省略する。
F=ρAV・・・(2)
F:推力
ρ:空気密度≒1.2kg/m
A:噴流口の断面積の合計≒0.015m(設定値)
V:対気速度 ⇒(噴流の速度)≒20m/s(設定値)
Aの値は、噴流口111の断面積の合計である。1つの噴流口111の大きさが高さ3mm幅5mmとすると、1つの噴流口111の断面積は、0.000015mである。噴流口111は1000箇所としているため、噴流口111の断面積の合計は、0.015mとなる。
数値を上記(2)の式に入力すると、
F=1.2×0.015×20=7.2Nとなる。
次に無風状態における本発明に係るパラグライダー100の前進速度Vdについて計算式を用いて説明する。パラグライダー100の前進速度Vdは翼の抗力に関する以下の(3)式を基本とし(4)式に変形することによって求めている。なお、各値について既に説明している箇所については、説明を省略する。また、パラグライダー100に働く抗力には、上記(2)の式で求めた推力Fの値を入れることで抗力と釣合うVdの値を求めている。
D=1/2×Cd×ρ×Vd×Ad・・・(3)
Vd= ((2×D)/(Cd×Ad×ρ))1/2・・・(4)
D:パラグライダーの抗力≒7.2N(推力Fと釣合う値)
Cd:抗力係数≒0.1(キャノピーの断面形状を流線形とみなして設定した値)
ρ:空気密度≒1.2kg/m
Ad:流れの方向から見たキャノピーの投影面積≒3m(設定値)
Vd:無風状態における本発明に係るパラグライダーの前進飛行速度
これらの数値を上記(4)の式に入力し計算するとVd=6.3m/sとなる。
以上の計算式から本発明の実施形態に係るパラグライダー100において、揚力は120kgf程度発生し、無風状態では、6m/s程度で水平飛行することができる。通常、パラグライダー100で飛行する際、強風下での飛行は不慮の事故に遭遇する確率が高くなるので避けることとし、無風から微風の環境で6m/s程度の推進速度で飛行することができれば十分である。そのため、本発明に係るパラグライダー100は、レジャー目的として十分な性能を有することができる。
以上により、本発明によれば、パラグライダー100のライズアップを送風機150による風力を用いて半自動的に行うと同時に、キャノピー110に揚力を発生させ、離陸を容易に行い、飛行することができる。
本発明に係るパラグライダーは、スカイスポーツをより手軽に行うことができるため有用である。
100 パラグライダー
110 キャノピー
210 キャノピー
111 噴流口
211 噴流口
112 整流部
212 整流部
113 リブ
114 連結孔
215 湾曲部
120 ライン
130 ライザー
140 ハーネス
150 送風機
160 送風管
161 保持部材
170 燃料タンク
J 噴流

Claims (10)

  1. パラグライダーであって、
    内部に空気を取り込むことで膨張可能なキャノピーと、
    前記キャノピー内部に空気を送り込む送風機と、
    前記送風機から放出される空気を前記キャノピー内部に導く送風管と、
    前記キャノピー内部の空気を前記キャノピーの上面において前方から後方向に吹き出す噴流口とを備え
    前記キャノピーは、前記キャノピー内部から前記噴流口まで送り込まれる空気を整流する整流部を備えていることを特徴とするパラグライダー。
  2. 前記整流部は、キャノピー上面の形状に沿って形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のパラグライダー。
  3. パラグライダーであって、
    内部に空気を取り込むことで膨張可能なキャノピーと、
    前記キャノピー内部に空気を送り込む送風機と、
    前記送風機から放出される空気を前記キャノピー内部に導く送風管と、
    前記キャノピー内部の空気を前記キャノピーの上面において前方から後方向に吹き出す噴流口とを備え
    前記送風管の断面形状は、楕円形状で、長径が進行方向に対して前後となる向きで配置されることを特徴とするパラグライダー。
  4. 前記送風管の形状を楕円形状に保持するため、前記送風管の内部に保持部材を備えていることを特徴とする請求項に記載のパラグライダー。
  5. 前記噴流口は、前記キャノピーの上面における前縁部に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のパラグライダー。
  6. 前記噴流口は、前記キャノピーの幅方向において、複数配置されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のパラグライダー。
  7. 前記キャノピーの幅方向において前記キャノピーの中央側に配置される前記噴流口は、前記キャノピーの両側に配置される前記噴流口よりも配置される数が多いことを特徴とする、請求項1乃至請求項のいずれかに記載のパラグライダー。
  8. 前記送風管は2本であり、前記送風管の1本ずつが別々に前記キャノピーの両端部と繋がっていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のパラグライダー。
  9. 請求項1に記載のパラグライダーを用いて飛行する飛行方法であって、
    前記送風機から放出される空気を前記キャノピー内部に送り込むことによって前記キャノピーを膨張させる工程と、
    前記キャノピーを膨張させた後、前記キャノピー内部に取り込んだ空気を前記噴流口から前記キャノピーの上面において前方から後方向に吹き出す工程とを含む、飛行方法。
  10. 請求項3に記載のパラグライダーを用いて飛行する飛行方法であって、
    前記送風機から放出される空気を前記キャノピー内部に送り込むことによって前記キャノピーを膨張させる工程と、
    前記キャノピーを膨張させた後、前記キャノピー内部に取り込んだ空気を前記噴流口から前記キャノピーの上面において前方から後方向に吹き出す工程とを含む、飛行方法。
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