1)全体構成
以下、本発明にかかる遊技機1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1および図2を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。遊技領域902には、始動口904、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動口904は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(以下、当否判定情報と称することもある)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、公知の遊技機と同様に、大当たりとなる場合には、表示装置10に表示される識別図柄20が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となることによって報知され、それ以外の組み合わせが表示された場合にははずれとなる。
本実施形態では、上記当否判定のための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(識別図柄20(識別図柄群20g)の変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知が開始されていない数値(当該数値のそれぞれに対応するものが「保留(情報)」である。保留(情報)は当否判定情報の下位概念であるといえる)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動口904につき四つである。なお、本実施形態では、当否判定結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
本実施形態にかかる遊技機1では、記憶手段に記憶されている当否判定結果の報知が開始されていない取得された数値(当否判定情報)のそれぞれに対応するマークである保留図柄(図示せず)が表示装置10に表示される。本実施形態では、数値が取得されたタイミングが早いものから(いわゆる保留消化が早いものから)順に左から並ぶよう表示される。保留図柄を表示する専用の表示装置が設けられていてもよい。保留図柄の態様は常に同じであってもよいし、対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(以下、(大当たり)信頼度と称することもある)が高まったことを示唆する通常の保留図柄とは異なる態様の一または複数種の特殊図柄が設定されていてもよい。
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
2)表示装置
2-1)表示装置の基本的構成
上述したように、本実施形態にかかる遊技機1は、当否判定結果を報知するための識別図柄20や、各種演出が実行される表示装置10を備える。かかる表示装置10の詳細について説明する。図3に示すように、本実施形態にかかる遊技機1は、表示装置10として、第一表示装置11および第二表示装置12を備える。本実施形態における第一表示装置11および第二表示装置12は、ともに液晶表示装置である。第一表示装置11は、物理的な構成(有体物)として、表示領域(以下、第一表示領域111と称することもある)を構成する部分と、当該部分の周囲に設けられる枠部(以下、第一枠部112と称することもある)を有する。同様に、第二表示装置12は、物理的な構成(有体物)として、表示領域(以下、第二表示領域121と称することもある)を構成する部分と、当該部分の周囲に設けられる枠部(以下、第二枠部122と称することもある)を有する。
第一表示装置11は、第一表示領域111の表示面が前後方向に対して略直交するように(垂直方向に沿うように)、遊技機1の本体側に対して動かないように固定されたものである。遊技者に対して表示面が正対するものであるともいえる。一方、第二表示装置12は、第二表示領域121の表示面が傾斜した状態にあるものである。具体的には、一方側の側縁から他方側の側縁にかけて、次第に遊技者側(前側)から離れるように傾斜した状態で、遊技機1の本体側に対して動かないように固定されたものである。本実施形態における第二表示装置12の表示面は、その上側縁から下側縁にかけて、次第に遊技者側から離れるように傾斜した状態にある(図3(b)参照)。
第二表示装置12は、第一表示装置11の上方に設けられている。本実施形態では、第一表示装置11の上側縁(第一枠部112の上側縁)と、第二表示装置12の下側縁(第二枠部122の下側縁)が接触または近接するように配置されている。つまり、第一表示領域111と第二表示領域121が、第二表示領域121を上として上下に並ぶような状態にある。別の視点でいえば、第一枠部112の上側縁および第二枠部122の下側縁の少なくともいずれか一方(以下、当該部分を境界枠部14と称することもある)が間に位置した状態で第一表示領域111と第二表示領域121が上下に並ぶように配置されている。したがって、(境界枠部14の存在を無視すれば)第一表示領域111と第二表示領域121とによって、一つの大きな表示領域(以下、複合表示領域13と称することもある)が構築されているともいえる。複合表示領域13の表示面は、その下側の一部が前後方向に直交する平坦な面であり、その上側の一部が垂直面に対して傾斜した面であるといえる。表示面の上側の一部が前方に向かってせり上がるような形状であるともいえる。側方視においては、複合表示領域13は、上端から後方に向かうように傾斜し、途中で真っ直ぐ下端に向かって延びるような形状であるといえる。また、正面視(前後方向に直交する平面に投影した形状)においては、複合表示領域13は「縦長」の形状を呈する(後述するアスペクト比が1超である)ものである。
複合表示領域13の少なくとも一部は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認されるものである。つまり、開口901に重なる部分が遊技盤90に覆われずに露出することになる。そして、当該開口901に重なる位置に、境界枠部14が位置する(図2参照)。本実施形態では、第一表示装置11(第一表示領域111)と第二表示装置12(第二表示領域121)が並べて配置されるため、両者の間に位置する境界枠部14が遊技者に視認される(遊技盤90に形成された開口901を通じて視認される)状態となることは致し方がないことであるといえる。複合表示領域13のその他の一部は遊技盤90の透明な部分を通じて視認される。
また、本実施形態では、第一表示装置11の左側縁および右側縁(第一枠部112の左側縁および右側縁)は、それぞれ、第二表示装置12の左側縁および右側縁(第二枠部122の左側縁および右側縁)と左右方向(遊技者にとっての左右方向をいう。以下同じ)における位置が同じである(図2、図3(a)参照)。つまり、第一表示装置11の左側縁と第二表示装置12の左側縁が、正面視で上下に一直線となるように、かつ、第一表示装置11の右側縁と第二表示装置12の右側縁が、正面視で上下に一直線となるように配置されている。
図示されない表示制御手段により、表示装置10(第一表示装置11、第二表示装置12)に種々の画像(以下、「画像」というときは静止画、動画の両方を含むものとする)が表示される。表示制御手段は、第一表示装置11および第二表示装置12のそれぞれを独立して制御することも可能であるし、第一表示領域111と第二表示領域121に跨って画像が表示されるように、すなわち複合表示領域13に所定の画像が表示されるように第一表示装置11と第二表示装置12を制御することも可能である。
2-2)明度に関する制御
2-2-1)本実施形態では、第二表示装置12(第二表示領域121)に表示される画像の明度は、表示面全域に亘って均一ではない。具体的には、第二表示領域121の上側に表示される画像に比して、下側に表示される画像の方が、明度が高くなるように設定されている。つまり、前側(遊技者側)に表示される画像よりも、後側に表示される画像の方が、明度が高くなるように設定されている。仮に、第二表示領域121の上側の一部と、下側の一部に、全く同じ態様の画像が表されるとしても、上側の画像に比して下側の画像の方が、白みがかった(白が強い)態様とされる。
本実施形態では、第二表示装置12の表示面は「傾斜」しているのであるから、当該傾斜に合わせるように、下側に向かうにつれて明度が高くなるようにされている。換言すれば、下側に向かうにつれて「白」が強くなるようなグラデーションが施された構成とされている。より具体的にいえば、第二表示領域121を構成する複数の画素について、下側に位置する画素ほど「白」が強くなるようなグラデーションが施されているということである。このような構成としているのは次の理由による。
本実施形態における第二表示装置12は、上側が前方に、下側が後方に位置するようにして傾斜している。したがって、(上記のような明度調整が行われていない場合)第二表示装置12自身の上側部分が影となり、第二表示領域121の下側が暗くなる(図4(a)参照)。また、第二表示領域121の下側ほど、遊技者から離れているのであるから、より一層遊技者は下側に表示される画像が暗く見える。つまり、表示される画像が不均一に見えてしまうおそれがある。したがって、表示領域の下側に向かうにつれて明度が高くなるようなグラデーションを施すことにより、明度が不均一に見えてしまうこと(下側が暗く見えてしまうこと)を抑制する。
特に、本実施形態では、第二表示装置12の下方に、第一表示装置11が設けられている。すなわち、第一表示領域111と第二表示領域121が隣接して並べられている。したがって、前後方向に対して直交する表示面である第一表示領域111に表示される画像との比較により、第二表示領域121に表示される画像の不均一性が際立ってしまうおそれがあるところ、本実施形態では、上記のような措置を施しているため、第二表示領域121に表示される画像の不均一性を遊技者が感じてしまうおそれが低減される。
上記のようなグラデーションを施す手法としては種々考えられる。第二表示領域121の表示面が前後方向(正対する遊技者の視線)に対して直交するように配置されていると仮定した場合に、当該表示領域における下方ほど明度が高くなる(「白」が強くなる)ように見えるものであれば、どのような手法を用いてもよい。例えば、画像表示装置において複数の画像をレイヤとして重ねて出力する手法が公知であるところ、そのレイヤの一つとして、下方に向かうほど「白」が強くなるような透明なグラデーションレイヤG(図4(a)参照)を含ませることで、下方ほど明度が高くなるようにする手法が考えられる。また、下方に向かうほど「白」が強くなる(上方に向かうほど「黒」が強くなる)有体物としての光学シートを第二表示領域121に貼付するといった手法も考えられる。
2-2-2)本実施形態における構成はあくまで一例である。例えば以下のように変更、具体化等してもよい。
a)上記「グラデーション」は、第二表示領域121の全体に亘って施されていなくてもよい。第二表示領域121の下側の一部に施されていてもよい。つまり、第二表示領域121の上側の一部は、明度が均一であってもよい。
b)明度の変化態様は「グラデーション」であることに限られない。例えば、第二表示領域121の上側の一部(当該上側の一部においては明度は均一)よりも、下側の一部(当該下側の一部においては明度は均一)の方が、明度が高くなるようにしてもよい。つまり、第二表示領域121を上下方向において複数の大きな領域(複数の画素を含む領域)に区分けし、各領域において明度の差が設定された構成としてもよい。
c)第二表示装置12は、動かないように固定されたものではなくてもよい。例えば、表示面の角度が変化しうる表示装置であってもよい。ただし、常態において「傾斜」した態様であることが好ましい。ここで「常態」とは、原位置に位置するときにおける態様をいう。より具体的には、遊技が継続的に実行された場合に、当該常態にある時間が、一または複数の他の態様にある時間に比して長いものをいう。遊技者は、「常態」にあるときに表示される画像を最も長い時間見るのであるから、かかる「常態」において画像が不均一に見えてしまうことを抑制することが好ましい。また、表示面の角度は変化しないが、傾斜した状態のまま動きうる表示装置としてもよい。
d)第一表示装置11に相当する構成が設けられていなくてもよい。つまり、表示面が傾斜した表示装置のみが設けられた構成において、当該表示装置に対して上記の措置が施された構成としてもよい。また、本実施形態のように、第一表示領域111と第二表示領域121が隣り合う(遊技者の視点で隣り合う)構成でなくてもよい。ただし、上述したように、第一表示領域111と第二表示領域121が隣り合うような構成である場合、第一表示領域111に表示される画像との比較において、第二表示領域121に表示される画像の不均一性が際立つおそれがあるから、上記措置を施す意義が大きいといえる。
e)第二表示装置12の表示面の傾斜方向はあくまで一例である。表示面の一方側から他方側にかけて遊技者から離れる方向(後方)に傾斜しているのであれば、他方側に表示される画像が暗く見えてしまうおそれがあるのであるから、一方側に比して他方側に表示される画像の方が、明度が高くなるように制御すればよい。ただし、本実施形態のように、表示面の上側が前、下側が後となるように傾斜した態様であれば、表示装置自体が影となることによる影響が大きいため、上記措置を施す意義が大きいといえる。
3)識別図柄の表示
表示装置10には、当否判定結果を示す識別図柄20が表示される。以下、識別図柄20の表示態様(変動態様)について説明する。
3-1)第一特定変動
3-1-1)識別図柄20の変動態様の一つである第一特定変動(第一特定変動演出)について説明する。
ある当否判定結果を報知する演出(以下、報知演出と称することもある)に際し、複数の識別図柄群20gが変動表示される。各識別図柄群20gは複数種の識別図柄20を含む。本実施形態では、各識別図柄群20gは、「1」~「8」のいずれかの数字を含む複数の識別図柄20を含む。報知演出では、最終的に、一の識別図柄20が選択された上で各識別図柄群20gの変動が停止し、選択された識別図柄20の組み合わせにより当否判定結果が報知される。本実施形態では、三つの識別図柄群20g(第一識別図柄群21g、第二識別図柄群22g、第三識別図柄群23g)が設定されている。少なくとも以下の第一特定変動演出においては、第一識別図柄群21g、第二識別図柄群22g、第三識別図柄群23gの順で変動が停止する(最後に停止するのが第三識別図柄群23g)ものとする。
第一特定変動演出は、複数の識別図柄群20gのうち、一部が第一表示装置11(第一表示領域111)に表示され、他の一部が第二表示装置12(第二表示領域121)に表示されるというものである。図5に示すように、本実施形態では、第一識別図柄群21gと第二識別図柄群22gが第一表示装置11にて変動表示され、第三識別図柄群23gが第二表示装置12にて変動表示される。また、第一特定変動演出は、第一表示装置11にて変動表示される識別図柄群20gと、第二表示装置12にて変動表示される識別図柄群20gの変動方向が異なるものである。すなわち、第一識別図柄群21gおよび第二識別図柄群22gの変動方向と、第三識別図柄群23gの変動方向が異なる。つまり、第一識別図柄群21gや第二識別図柄群22gの変動方向に沿う線と、第三識別図柄群23gの変動方向に沿う線が交差するように設定されている。
また、第一特定変動演出時には、第一識別図柄群21gに含まれる各識別図柄(以下、第一識別図柄21と称することもある)および第二識別図柄群22gに含まれる各識別図柄(以下、第二識別図柄22と称することもある)は、キャラクタ部分と数字部分を含む。キャラクタ部分の態様はどのようなものであってもよい。本実施形態では、各識別図柄20の数字部分「1」~「7」のそれぞれに、キャラクタA~Gが対応づけられている。一方、第三識別図柄群23gに含まれる各識別図柄(以下、第三識別図柄23と称することもある)は、キャラクタ部分を含まず、数字部分を含む。基本的には、「数字」等から構成される主要素部により、各識別図柄20の種類が同一であるか否かが判断される(同じ数字が三つ揃いとなれば大当たり)ものであるため、「キャラクタ」等から構成される副要素部の有無は演出に応じて切り替えてもよい。そこで、本実施形態における第一特定変動演出においては、第一識別図柄21および第二識別図柄22がキャラクタ有り、第三識別図柄23をキャラクタ無しの図柄としている。
第一識別図柄群21gおよび第二識別図柄群22gの変動方向は、略縦方向である。ここで、略縦方向とは、上下方向に沿うような方向をいう。ただし、厳密に上下方向に沿う(上下方向に平行である)ことを要件とするものではない。基本的には、遊技者の視点で、大まかに見て縦方向に沿っているような印象を与えるものであればよい。厳密に定義するのであれば、変動する(移動する)識別図柄20のある時点の位置とそれ以降の別の時点の位置を比較し、縦方向(上下方向)における移動量d1の方が、横方向(左右方向)における移動量d2よりも大きい変動態様を、略縦方向の変動態様とする(図6(a)参照)。この条件を満たしているのであれば、変動方向(変動する識別図柄20の基準点が描く線)が傾斜していたり、曲がっていたりするような変動態様であってもよい。本実施形態では、遊技者の視点では、各識別図柄20が奥から手前に移動してくるような変動態様とされている。
一方、第三識別図柄群23gの変動方向は、略横方向である。ここで、略横方向とは、左右方向に沿うような方向をいう。ただし、厳密に左右方向に沿う(左右方向に平行である)ことを要件とするものではない。基本的には、遊技者の視点で、大まかに見て横方向に沿っているような印象を与えるものであればよい。厳密に定義するのであれば、変動する(移動する)識別図柄20のある時点の位置とそれ以降の別の時点の位置を比較し、横方向(左右方向)における移動量d2の方が、縦方向(上下方向)における移動量d1よりも大きい変動態様を、略縦方向の変動態様とする(図6(b)参照)。この条件を満たしているのであれば、変動方向(変動する識別図柄20の基準点が描く線)が傾斜していたり、曲がっていたりするような変動態様であってもよい。本実施形態では、各識別図柄20が左右の一方から他方に向かって移動するような(左右方向に沿う)変動態様とされている。つまり、第二表示領域121の左右の一方側から現れて、他方側で見切れる(表示領域外に移動する)ような変動態様とされている。
このように、第一特定変動演出は、複数種の識別図柄群20gのうちの一部の識別図柄群20gの変動方向と、他の一部の識別図柄群20gの変動方向が異なるというものであるため、変動する識別図柄20の見た目が斬新なものとなる。
しかも、変動方向が異なる識別図柄群20gのそれぞれは、異なる表示装置にて表示される(表示装置に対応づけた変動方向が設定されている)というものであるため、変動方向の違いが強調されることになる。
本実施形態では、第一表示装置11(第一表示領域111)と第二表示装置12(第二表示領域121)は、ともに略方形状であるが、アスペクト比が異なる。なお、本明細書におけるアスペクト比とは、「縦の長さ/横の長さ」で表されるとする。つまり、横長であればあるほど、アスペクト比の値は小さくなるものとする。また、表示領域が正確な方形状でない場合には、左・右・上・下の各側縁の位置(座標位置)は、各側縁を構成する点の座標位置を平均したものとする。これに基づき算出された各側縁の座標位置に基づき、縦の長さおよび横の長さを得るものとする。また、表示面が前後方向に直交する平面方向に沿っていないもの(本実施形態における第二表示装置12のように表示面が傾斜しているもの)については、表示面を前後方向に直交する平面に投影させた形状についての縦の長さおよび横の長さをいうものとする。
本実施形態では、第一表示装置11(第一表示領域111)よりも、第二表示装置12(第二表示領域121)の方が、アスペクト比が小さい。つまり、第一表示装置11よりも第二表示装置12の方が横長である(図3(a)、図5参照)。第一特定変動演出は、第一表示装置11に比して相対的に「横長」の表示装置である第二表示装置12において、第三識別図柄群23gを略横方向に変動させるというものである。このようにすることで、第一識別図柄群21gや第二識別図柄群22gとは異なる第三識別図柄群23gの変動方向(略横方向の変動)が強調されることになる。
特に、本実施形態では、第一表示装置11と第二表示装置12は、横方向における左右の側縁の位置が一致するようにして上下に並べられている。つまり、横方向の長さは全く同じであることが一目で分かるようになっている。したがって、第一表示装置11との比較により、第二表示装置12が「横長」であることが分かりやすい。換言すれば、本実施形態のような第一表示装置11と第二表示装置12の配置とすることで、第一表示装置11によって第二表示装置12の「横長」の形態が強調されるものである。なお、第一表示装置11(第一表示領域111)と第二表示装置12(第二表示領域121)の横方向の長さが同じであるのであるから、アスペクト比が小さい第二表示領域121の方が表示領域全体の面積(前後方向に直交する平面に投影された部分の面積)が小さいということになる。以下、表示領域の大小をいう場合は、特に明示した場合を除き、前後方向に直交する平面に投影させた形状での大小をいうものとする。
第二表示装置12(第二表示領域121)のアスペクト比は、1未満であることが好ましい。つまり、第二表示領域121を(第一表示領域111との比較ではなく)単独で捉えたとしても、その見た目が「横長」であることが好ましい。これにより、第三識別図柄群23gの変動方向(略横方向の変動)がより強調されることになる。
また、第一特定変動演出においては、第二表示装置12に表示される第三識別図柄群23gは、最後に変動が停止するものである。第三識別図柄群23gから選択された一の第三識別図柄23が停止することにより、当否判定結果を示す識別図柄20の組み合わせが確定するというものであるため、最も重要な(遊技者が最も注目する)識別図柄群であるといえる。本実施形態は、かかる第三識別図柄群23g一つのみを、一つの表示装置(第二表示装置12)に、他の識別図柄群とは異なる変動方向に変動させて表示するという構成であるため、第三識別図柄群23gが重要な演出要素であることを強調することが可能となる。また、第二表示領域121は、第一表示領域111に比して小さいものであるため、その相対的に小さい表示領域を有する表示装置の方に、一つの識別図柄群のみを変動表示させているのであるから、当該一つの識別図柄群が強調されることになるともいえる。なお、逆の見方をすれば、第一識別図柄群21gや第二識別図柄群22gは、重要度としては第三識別図柄群23gよりも劣るものであるため、第一識別図柄群21gおよび第二識別図柄群22gの両方(重要度として劣る複数の識別図柄群20g)を、併せて一つの表示装置(第一表示装置11)に表示しているということがいえる。
また、第一特定変動演出においては、第三識別図柄群23gに含まれる第三識別図柄23は、第一識別図柄21や第二識別図柄22とは異なり、キャラクタ部分(副要素部)を含まない。つまり、第三識別図柄23は当否判定結果を報知する識別図柄20としての主要素部である「数字」部分が強調された図柄である。第一識別図柄21(群)や第二識別図柄22(群)に比して重要な第三識別図柄23をこのような態様として、他の識別図柄とは異なる表示装置(第二表示装置12)に表示される構成であるため、第三識別図柄23(群)がより目立つ態様となる。
一方、第一表示装置11(第一表示領域111)は、第二表示装置12(第二表示領域121)に比して相対的に「縦長」である。かかる第一表示装置11にて第一識別図柄群21gや第二識別図柄群22gを略縦方向に変動させるものであるため、第三識別図柄群23gとは異なる第一識別図柄群21gや第二識別図柄群22gの変動方向(略縦方向の変動)が強調されることになる。
第一表示装置11(第一表示領域111)のアスペクト比は、1を超えるものであることが好ましい。つまり、第一表示領域111を(第二表示領域121との比較ではなく)単独で捉えたとしても、その見た目が「縦長」であることが好ましい。これにより、第一識別図柄群21gや第二識別図柄群22gの変動方向(略縦方向の変動)がより強調されることになる。
3-1-1)本実施形態における構成はあくまで一例である。例えば以下のように変更、具体化等してもよい。
a)本実施形態は、表示装置10として、第一表示装置11および第二表示装置12という二つの表示装置が設けられたものであるが、三つ以上の表示装置が設けられた構成であってもよい。例えば、上記実施形態に則していえば、第一識別図柄群21gと第二識別図柄群22gの一方が、第一表示装置11や第二表示装置12とは異なる別の表示装置に表示される構成としてもよい。そして、各表示装置に表示される識別図柄群の変動方向が異なるように設定すればよい。
b)第二表示装置12は、表示面が前後方向に直交する平面に沿うものであってもよい。また、第一表示装置11は、表示面が前後方向に直交する平面に対し傾斜していてもよい。いずれにしても、上述したアスペクト比や面積等は、前後方向に直交する平面方向に投影した形状についていうものとする。
c)第一特定変動演出がいわゆる連続演出に用いられる構成としてもよい。連続演出としては、擬似連続演出や先読み連続演出を例示することができる。これらの演出は公知であるから詳細な説明を省略する。擬似連続演出は、一つの当否判定結果を報知する演出中に、変動する識別図柄群20gが擬似的に停止した後、再び変動することを一または複数回繰り返す演出である。先読み連続演出は、ある当否判定結果が大当たりとなる蓋然性を、それよりも先の当否判定結果を報知する演出中に示唆するものである。これらの演出の一例として、識別図柄20を所定の組み合わせ(いわゆるチャンス目)で擬似的に停止または停止させることにより、当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まったことを示唆するものが知られているところ、変動態様として第一特定変動(演出)が発生した場合には、(それ以外の変動態様となる場合に比して)いわゆるチャンス目が成立しやすい設定としてもよい。つまり、第一特定変動演出が、連続演出の発生を示唆するものとしてもよい。このような構成とすれば、斬新な変動態様である第一特定変動により、遊技者を図柄変動に注目させる意義が大きい。
また、例えば、第三識別図柄群23gから選択されて停止または擬似的に停止した第三識別図柄23が特定図柄(例えば数字の「7」を含む識別図柄20)である組み合わせ(大当たりとなる組み合わせを除く)がいわゆるチャンス目として設定されている構成(図7参照)とする場合には、第三識別図柄群23gから選択されて停止または擬似停止する第三識別図柄23の種類に遊技者は注目することになるから、本実施形態のように第二表示装置12にて第三識別図柄群23gのみを第一識別図柄群21gや第二識別図柄群22gとは異なる方向に変動表示する意義(第三識別図柄群23gを目立たせる意義)が大きいといえる。
d)識別図柄の一部が、第一表示装置11(第一表示領域111)と第二表示領域121(第二表示領域121)に跨るように表示される構成(図8参照)であってもよい。第一表示装置11(第一表示領域111)と第二表示領域121(第二表示領域121)に跨るように識別図柄が表示される場合、当該識別図柄を構成する部分のうち、第二表示領域121に表示される部分よりも第一表示領域111に表示される部分が大きい場合には、当該識別図柄は第一表示装置11(第一表示領域111)に表示されているものとし、第一表示領域111に表示される部分よりも第二表示領域121に表示される部分が大きい場合には、当該識別図柄は第二表示装置12(第二表示領域121)に表示されているものとする。つまり、第一表示装置11(第一表示領域111)に表示される識別図柄群20gとは、当該識別図柄群20gに含まれる各識別図柄20の全部または大部分が第一表示装置11に表示されているものであり、第二表示装置12(第二表示領域121)に表示される識別図柄群20gとは、当該識別図柄群20に含まれる各識別図柄20の全部または大部分が第二表示装置12に表示されているものであるとする。
第三識別図柄群23gに含まれる第三識別図柄23は、その全部が第二表示装置12に表示され、第一識別図柄群21gおよび第二識別図柄群22gに含まれる第一識別図柄21および第二識別図柄22は、その大部分が第一表示装置11に表示され、その他の部分が第一表示装置11に表示されるような構成(図8参照)にするとよい。このようにすることで、第二表示装置12のみによって表示される第三識別図柄群23gが強調されることになる。
3-2)第二特定変動
3-2-1)以下、識別図柄20の表示態様(変動態様)として設定された第二特定変動(第二特定変動演出)について説明する。
図9に示すように、第二特定変動演出は、各識別図柄群20gに含まれる識別図柄が、その変動方向に向かって次第に細くなるように表示されるものである。本実施形態における第二特定変動演出では、各識別図柄群20gが略上方に向かって(厳密には、後述する消失点Pに向かう方向)変動するよう表示されるため、各識別図柄20は上方に向かって細くなるよう表示される。大まかにみると、各識別図柄20は上下方向に細長い略三角形(三角形の上側の頂点を含む一部が切り取られたような形状)を呈する。
第二特定変動演出においては、各識別図柄20(群)は、第一表示装置11(第一表示領域111)と第二表示装置12(第二表示領域121)に跨って表示される。つまり、第一表示領域111と第二表示領域121を一つの表示領域とした複合表示領域13において各識別図柄群20gが変動表示される。複合表示領域13は、全体として「縦長」の表示領域であるため、略上方(略縦方向)に変動表示される各識別図柄20(群)は、当該複合表示領域13の長手方向に沿うように変動表示されるものであるといえる。
第二特定変動演出時における各識別図柄20の具体的な形態は次のようなものである。各識別図柄20は、キャラクタ部分と数字部分を含む。当該キャラクタおよび数字を含む画像(キャラクタの下側に数字が位置する)であって、これらを平面的に表したものを基準画像29(図10(a)参照)とする。各識別図柄20は、当該基準画像29を遠近法で描いたような態様を呈する(図9、図10(b)参照)。具体的には、複合表示領域13外に消失点Pが設定されたかのように描かれた画像である。消失点Pは、複合表示領域13の外側の領域であって各識別図柄群20gの変動方向側に設定されている(図9参照)。すなわち、本実施形態における各識別図柄20は、複合表示領域13よりも上方の領域に消失点Pが設定されたかのような態様を呈する。したがって、各識別図柄20は、上方(変動方向)に向かって次第に細くなるような態様となる。
また、本実施形態では、三つの識別図柄群20gが左右方向に並ぶように表示される。第一識別図柄群21g(第一識別図柄21)は左側、第二識別図柄群22g(第二識別図柄)は右側、第三識別図柄群23g(第三識別図柄23)は中央(第一識別図柄群21gと第二識別図柄群22gの間)に表示される。各識別図柄20の具体的な態様が認識できるのであれば、隣り合う各識別図柄20同士が互いに重なり合うように表示されていてもよい。三つの識別図柄群20gは、当否判定結果を報知するために最終的に変動が停止することになるが、当該変動が停止したときに表示される左右方向に並ぶ三つの識別図柄20のそれぞれについて設定される上記消失点Pは同じ位置とされる(図9参照)。かかる消失点Pの位置は、複合表示領域13よりも上方の領域であって、複合表示領域13を幅方向に二分する中央線を通る位置に設定される。
したがって、第一識別図柄21は、全体として、上下方向に沿う直線に対する傾斜角度が、左側の斜面の方が右側の斜面に比して大きい略三角形状を呈する。第二識別図柄22は、全体として、上下方向に沿う直線に対する傾斜角度が、右側の斜面の方が左側の斜面に比して大きい略三角形状を呈する。第三識別図柄23は、全体として、上下方向に沿う直線に対する傾斜角度が、左側の斜面と右側の斜面とで略同じである略三角形状(二等辺三角形状)を呈する(図9、図10(b)参照)。当否判定結果を報知する際に停止する位置で第一識別図柄21、第二識別図柄22、第三識別図柄23が左右方向に並んだ状態においては、これらの識別図柄20が全体として、上下方向に沿う直線に対する傾斜角度が、左側の斜面(第一識別図柄21の左側の斜面)と右側の斜面(第二識別図柄22の右側の斜面)とで略同じである略三角形状(二等辺三角形状)を呈する(図9参照)。
各識別図柄20は、上記消失点Pに向かうように、略上方に向かって変動する。厳密には、第一識別図柄21は右斜め上方に向かうように、第二識別図柄22は左斜め上方に向かうように、第三識別図柄23は真っすぐ上方に向かうように変動する(図9参照)。
このように、本実施形態における第二特定変動演出は、各識別図柄20(群)がその変動方向に向かって次第に細くなるように表示されるという斬新な表示態様であるから、遊技の趣向性向上に資する。
また、本実施形態では、各識別図柄20が複合表示領域13の表示領域外に消失点Pが設定されているかのような態様で描かれたものであるから、遊技者には各識別図柄20が立体的に見える。
また、第一識別図柄21、第二識別図柄22、第三識別図柄23は、それぞれについての消失点Pが同じ位置に設定されているかのように描かれたものであるから、これら複数の識別図柄20が相まって、各識別図柄20の立体感がさらに高められる。
また、第二特定変動演出では、各識別図柄20(群)は「縦長」の複合表示領域13の長手方向に沿うように変動表示される(略縦方向に変動表示される)ものであるから、各識別図柄20の立体感がさらに高められるとともに、キャラクタを含む各識別図柄20が迫力のあるものとなる。
また、複合表示領域13は、その表示面の上方の一部が、上側縁に向かって次第に遊技者側に位置するように傾斜したもの(以下、傾斜面と称することもある。第二表示領域121の表示面が当該傾斜面である)である。各識別図柄20(群)は上方に向かって変動表示されるものであるため、各識別図柄20が当該傾斜面に表示されているときには、あたかも各識別図柄20(キャラクタ)が次第に遊技者に近づいていくような面白みのある表示態様となる。
特に、本実施形態では、上記傾斜面は複合表示領域13の表示面における上側に位置する。したがって、遊技者に対し、各識別図柄20が自身の上方(頭上)を通過しているのではないかといった印象を与えることが可能である。
また、本実施形態では、複合表示領域13の表示面における下側(傾斜面の下方)は、前後方向に対して直交する平坦な面(以下、平坦面と称することもある。第一表示装置11の表示面が当該平坦面である)である。したがって、変動する各識別図柄20(群)は、平坦面から傾斜面に移行するように表示されることになる。これにより、各識別図柄20の変動を三次元的にみせることが可能となる。なお、各識別図柄20が、傾斜面から平坦面に移行するように表示される構成としても、各識別図柄群20gの変動は三次元的なものとなる。
3-2-2)本実施形態における構成はあくまで一例である。例えば以下のように変更、具体化等してもよい。
a)本実施形態では、各識別図柄20(群)は第一表示装置11および第二表示装置12から構成される複合表示領域13に表示されるものであるが、一つの表示装置の表示領域に表示される構成に対しても同様の技術思想が適用可能である。このような場合、当該一つの表示装置の表示領域は、上記複合表示領域13と同様に「縦長」の態様であるとよい。ただし、一の表示装置の表示領域に表示される構成とした場合には、各識別図柄20(群)が複合表示領域13に表示されることによって奏される作用(傾斜面による作用、傾斜面と平坦面による作用)は得られないものとなる。また、三つ以上の表示装置の表示領域が組み合わされてなる表示領域に表示される構成としてもよい。
b)本実施形態では、複数種の識別図柄20(第一識別図柄21(群)、第二識別図柄22(群)、第三識別図柄23(群))の全てが上述したような態様とされることを説明したが、複数種の識別図柄20のうちの一部のみが上述したような態様とされる構成としてもよい。
c)第二特定変動演出が発生した場合には、通常の変動態様(最も発生頻度が高い変動態様)による各識別図柄20(群)の表示がなされている場合に比して、いわゆる大当たり信頼度が高まる設定としてもよい。
3-3)特定画像表示時における識別図柄の表示
3-3-1)以下、特定画像40が表示されるときにおける識別図柄20の表示態様について説明する。
特定画像40(図11(a)参照)は、第一表示装置11に表示される画像である。かかる画像の具体的な態様は基本的にはどのようなものであってもよい。本実施形態における特定画像40は、第一表示領域111の全域に表示される画像であって、画像が表すキャラクタ等が三次元的に浮かび上がって見える画像である。このように、二次元の表示面に三次元的に見える画像を表示する手法は公知であるから説明を省略する。
第一表示装置11は、複数のレイヤが重ねられて画像として出力されるものであるところ、当該第一表示装置11のレイヤとして、少なくとも、識別図柄20を含む画像を表すためのレイヤ(以下、図柄レイヤ402と称することもある)と、特定画像40を表すレイヤ(以下、特定レイヤ401と称することもある)が設定されている。特定レイヤ401は、図柄レイヤ402よりも手前側に位置するよう設定されている(図11(b)参照)。したがって、特定レイヤ401により特定画像40が出力される(特定レイヤ401がONである)とき、図柄レイヤ402により識別図柄20が出力されるように(図柄レイヤ402をONと)しても、実際に第一表示装置11に出力される画像(遊技者に視認される画像)は特定画像40そのものになってしまう(識別図柄20は特定画像40に覆われて見えない)。
なお、特定レイヤ401よりも図柄レイヤ402の方が手前側に位置するようにして、特定画像40に重なるようにして識別図柄20が表示されるようにすることも考えられるが、このようにしてしまうと、特定画像40に重なる識別図柄20により、特定画像40が三次元的に見えなくなってしまうおそれがある。特定画像40に対し、他の画像を重ねた場合も同様である。かかる理由により、本実施形態では、第一表示装置11について設定される複数のレイヤのうち、特定レイヤ401を最も手前側に位置するレイヤとしている。つまり、背景画像を表示するレイヤや、いわゆる保留の存在を示す画像を表示するレイヤ等、その他のあらゆるレイヤよりも手前側に設定されている。
本実施形態では、第一表示装置11(第一表示領域111)に特定画像40が表示されているとき(特定レイヤ401がONであるとき)、第二表示装置12(第二表示領域121)に識別図柄20(群)が表示される。つまり、第一表示装置11に特定画像40が表示されているときには、第一表示装置11において識別図柄20が遊技者に視認可能となるようにすることができないから、識別図柄20を第二表示装置12に表示する。これにより、第一表示装置11に特定画像40が表示されているときであっても、遊技者は識別図柄(群)がどのような状態にあるのかを把握することが可能となる。
特定画像40が表示されることの意味は、遊技者に有利な状況であることを示すものであればどのようなものであってもよい。例えば、連続演出(連続演出については上述)において、いわゆるチャンス目となる組み合わせで識別図柄20が停止または擬似的に停止したことを示す画像として特定画像40が表示されるようにすることが考えられる。本実施形態では、擬似連続演出発生時に特定画像40が表示される。擬似的に停止した三つの識別図柄20のうち、中央の識別図柄20が数字の「7」を含む識別図柄20となった組み合わせがチャンス目として設定されている。
擬似連続演出発生時の流れは次のようなものとなる。ある当否判定結果を報知する報知演出において、当該当否判定結果を示すための識別図柄20(群)が変動表示される(図12(a)参照)。各識別図柄20(群)は、第一表示装置11(第一表示領域111)および第二表示装置12(第二表示領域121)の両方(すなわち、複合表示領域13)に表示された、または第一表示装置11(第一表示領域111)のみに表示された状態にある。つまり、少なくとも第一表示装置11を用いて識別図柄20が遊技者に対して示された状態にある。この状態で、各識別図柄群20gの変動が一旦擬似停止し、上記チャンス目が構築される(図12(b)参照)。本実施形態では、当該チャンス目が、第一表示装置11および第二表示装置12の両方、または第一表示装置11に表示される。つまり、一旦は変動する識別図柄群20gをそのまま擬似的に停止させ、チャンス目が構築されたことを示す。
その後、チャンス目が構築されたこと(すなわち擬似連続演出が発生すること)を示すため、第一表示装置11(第一表示領域111)に特定画像40を表示する。これとともに、チャンス目を構築する識別図柄20が、第二表示装置12(第二表示領域121)にのみ表示された状態とする(図12(c)参照)。つまり、識別図柄20(チャンス目)は、第一表示装置11および第二表示装置12の両方、または第一表示装置11に表示された状態から、第一表示装置11に特定画像40が表示されることを契機として、第二表示装置12にのみ表示された状態に移行する。その後、各識別図柄群20gが再び変動を開始する(図12(d)参照)。
なお、特定画像40が表示されているときに第二表示装置12に表示される識別図柄20は、少なくとも、識別図柄20の種類を区別するため主要素部(例えば、数字等から構成される部分)を含むものとされる。主要素部以外の部分(例えばキャラクタの部分)は、主要素部とともに表示されてもよいし、表示されなくてもよい。特定画像40が表示される前の状態における識別図柄20が、主要素部および主要素部以外の部分を含むように表示されるのであれば、特定画像40の表示を契機として各識別図柄20の基本的態様が切り替わる(図12(b)(c)参照)ということになる。
このようにすることで、遊技者は、特定画像40が表示されたということだけでなく、識別図柄20がチャンス目で擬似的に停止したということを容易に把握することが可能となる。特定画像40が第一表示装置11に表示されている状態であっても、第二表示装置12にて識別図柄20の状況を確認することができるのであるから、現在の状況を誤って認識してしまうこと(例えば、はずれが確定したのではないかと捉えてしまうこと)等も防止される。
3-3-2)本実施形態における構成はあくまで一例である。例えば以下のように変更、具体化等してもよい。
a)第一表示装置11が果たす役割と第二表示装置12が果たす役割を逆にしてもよい。つまり、第二表示装置12に特定画像40が表示されているとき、第一表示装置11に識別図柄20を表示する構成としてもよい。ただし、本実施形態のように、表示領域が相対的に大きい第一表示装置11に特定画像40が表示されるようにすることで、特定画像40の表示が強調されることとなる。
b)本実施形態では、特定画像40が連続演出発生時に表示されること(特定画像40が連続演出の発生を示すものであること)を説明したが、特定画像40が表示されるタイミングはこれに限定されるものではない。識別図柄20(群)が停止または擬似的に停止したタイミングではなく、変動している最中に特定画像40が表示されうる構成であってもよい。この場合には、第一表示装置11に特定画像40が表示されているときに、第二表示装置12に変動中の識別図柄20(群)が表示されることになる。遊技者は、第二表示装置12にて識別図柄20(群)が変動中であることが確認できるのであるから、当否判定結果が確定した(当否判定結果を示す識別図柄20の組み合わせが確定した)のではないかと誤って認識してしまうことが防止される。
c)特定画像40は、三次元的な画像に限られるものではない。識別図柄20が手前側に重ねて表示されることが好ましくない画像や、強調すべき画像が特定画像40として設定されていればよい。例えば、大当たり信頼度が高まったことを示す画像(カットイン画像等と称される)が表示されることがある遊技機が公知であるところ、当該カットイン画像を特定画像40として設定し、かかる画像が第一表示装置11に表示されている際には第二表示装置12に識別図柄20が表示されるようにする。これにより、遊技者に対し、カットイン画像が重要な画像であるという印象与えること(カットイン画像を強調すること)が可能となる。
d)特定画像40が複数種設けられた構成としてもよい。例えば、特定画像40として、第一特定画像と第二特定画像が設けられた構成とする。この場合、第一表示装置11のレイヤとして設定される、第一特定画像を構成するレイヤおよび第二特定画像を構成するレイヤの両方ともが、図柄レイヤ402よりも手前側に設定されていればよい。好ましくは、第一特定画像を構成するレイヤおよび第二特定画像を構成するレイヤの一方を手前から一番目に位置するレイヤ(最前のレイヤ)とし、他方を二番目の位置するレイヤとすればよい。
4)各種演出
以下、本実施形態にかかる遊技機1が実行可能な各種演出について説明する。
4-1)枠演出
4-1-1)本実施形態にかかる遊技機1が実行可能な枠演出は、表示装置が備える枠部を利用したものである。具体的には、第一表示領域111と第二表示領域121の間に位置する境界枠部14を利用したものである。上述したように、境界枠部14は、第一枠部112の上側および第二枠部122の下側の一方、または両方に相当する部分である。
枠演出は、境界枠部14を表示領域に表示される画像とみなして利用する演出である。具体的には、第一表示領域111と第二表示領域121を合わせた複合表示領域13を一つの表示領域とみなした場合、当該表示領域内に境界枠部14が位置することになるから、当該境界枠部14を擬似的な画像(以下、擬似画像と称することもある)として取り扱う。本実施形態における擬似画像は、複合表示領域13の左側縁から右側縁にかけて幅方向(左右方向)に真っすぐ延びる線状の画像であるということができる。
本実施形態にかかる遊技機1が実行可能な枠演出の一例について説明する。当該枠演出においては、境界枠部14(擬似画像)と関わり合う特定画像が表示される。本実施形態における特定画像はキャラクタの画像(以下、キャラ画像50と称する)である。キャラ画像50は、境界枠部14から下方に向かって延びる線状の画像(以下、線画像51と称する)の下端に固定されているかのように表示される。つまり、境界枠部14によって構成される擬似画像を「支柱」と見立て、線画像51の上端が当該支柱に固定され、線画像51の下端にキャラ画像50が固定されているかのように表示する(図13(a)参照)。これにより、キャラ画像50が表すキャラクタが、線画像51が表す紐状の部材(ロープ、ワイヤ等)を介して支柱にぶら下がっているかのような形態が構築される。例えば、線画像51に相当する画像を「ブランコ」を表す画像とすれば、キャラ画像50が表すキャラクタが、ブランコで遊んでいるかのような形態が構築される。
境界枠部14は、複合表示領域13を分割するように位置するものであって、境界枠部14の一方(本実施形態では下方)側に第一表示領域111が、他方(本実施形態では上方)側に第二表示領域121が位置する。それを利用して、本実施形態における枠演出では、キャラ画像50および線画像51が第一表示領域111および第二表示領域121の一方に表示された状態(図13(a)参照)から、他方に表示された状態(図13(b)参照)に遷移するような表示がなされる。遊技者には、キャラ画像50が表すキャラクタが、線画像51が表す紐状の部材を介して境界枠部14が表す支柱にぶら下がり、当該支柱を支点(支持部)として回転して遊んでいるかのように見えることとなる。
演出を分かりやすくする(境界枠部14が画像であるかような印象を高める)ため、キャラ画像50および線画像51は、第一表示領域111および第二表示領域121の一方に表示された状態から、他方に表示された状態に遷移し、さらに一方に表示された状態に遷移する、すなわち第一表示領域111と第二表示領域121間を一往復以上するような演出形態とすることが好ましい。
このように、本実施形態にかかる遊技機1は、第一表示装置11と第二表示装置12という二つの表示装置10が配置されているがゆえに生じてしまう境界枠部14(二つの表示領域の両方を視認可能とする場合には、境界枠部14を隠すことはできない)を、擬似画像と見立てて演出に利用しているという点において優れるものである。
また、境界枠部14が第一表示領域111と第二表示領域121の間に位置することを利用して、境界枠部14による擬似画像に対して関わり合うように表示される特定画像(キャラ画像50)が、一方の表示領域から他方の表示領域に遷移するような態様の演出が実行されるようにすることで、境界枠部14を画像と見立てた効果が高められる(境界枠部14がリアルな画像ではないかという印象を受ける)。
4-1-2)本実施形態における上記枠演出の構成はあくまで一例である。例えば以下のように変更、具体化等してもよい。
a)表示装置は一つであってもよい。かかる表示装置の枠部の少なくとも一部が遊技者に視認される位置に存在するのであれば、当該遊技者に視認される枠部を擬似画像と見立てた演出が実行されるようにしてもよい。ただし、本実施形態における枠演出は、境界枠部14が二つの表示領域の間に位置していることを利用したものである(擬似画像に関わり合う画像(キャラ画像50)が一方の表示領域に表示された状態から他方の表示領域に表示された状態に遷移するような演出を実行することが可能である)点において優れるものであるといえる。また、第一枠部112や第二枠部122における境界枠部14を構成する部分以外の部分が遊技者に視認されるのであれば、当該部分を擬似画像と見立てた演出が発生するようにしてもよい。また、三つ以上の表示装置を備える構成であっても、本実施形態と同様の技術思想が適用可能である。
b)枠演出としては、上述した演出以外にも種々の態様が考えられる。例えば、境界枠部14に向かって移動する物体が境界枠部14で跳ね返るような態様の演出が考えられる。つまり、境界枠部14を「壁」と見立てたような演出である。また、境界枠部14と同じ形態の画像(色や形状を同じにする)を複合表示領域13に一または複数表示することで、境界枠部14が表す板状の部材が増殖されたかのような態様の演出とすることも考えられる。
4-2)分岐演出
4-2-1)本実施形態にかかる遊技機1が実行可能な分岐演出60は、第一表示装置11と第二表示装置12を備えることを利用した演出である。具体的には、分岐演出60は、第一表示装置11にて実行される主演出61、第二表示装置12にて実行される副演出62を含む(図14参照)。
主演出61について説明する。主演出61は、第二表示装置12に比して表示領域が大きい第一表示装置11を利用して実行されるものであって、分岐演出60を構成する主要演出である。当該主演出61は、演出の途中に分岐点Qが設定されるものである。当該分岐点Qよりも前の演出を前半部分、後の演出を後半部分とすると、後半部分の態様がその都度(主演出61が発生する度に)変化しうるものである。なお、主演出61の前半部分は、毎回同じ態様であってもよいし、その都度(主演出61が発生する度に)変化しうるものとしてもよい。その都度変化しうるものとする場合には、前半部分によって信頼度が示唆されるようにするとよい。
主演出61の後半部分の態様は、図示されない記憶手段(演出記憶用のメモリ)に記憶されている複数種の態様(以下、基本態様と称する)のうちから選択されて設定される。本実施形態では、三つの基本態様(第一基本態様611、第二基本態様612、第三基本態様613)が設定されている(図17参照)。つまり、主演出61の後半部分は、当該三つの基本態様のうちのいずれかの演出態様とされる(図14参照)。つまり、主演出61は、前半部分が実行された後、分岐点Qに到達し、それ以降は第一基本態様611~第三基本態様613のいずれかが後半部分として実行されるという演出の流れとなる。なお、主演出61において、分岐点Qがどの位置であるかは遊技者には明確には示されない。つまり、初めて主演出61のみを最初から結末まで見た遊技者は、どの地点が分岐点Qか明確に把握することはできない。
本実施形態における主演出61は、所定のキャラクタが扉を開放する演出である。主演出61の前半部分として、当該キャラクタがどの扉に向かうか思案している様子等が示される(図15(a)~(c)参照)。主演出61の後半部分として、当該キャラクタが扉を開放する演出が実行される(図15(d)参照)。第一基本態様611は、キャラクタが青色の扉を開放する態様である。第二基本態様612は、キャラクタが赤色の扉を開放する態様である。第三基本態様613は、キャラクタが金色の扉を開放する態様である(図17参照)。
最終的な主演出61(分岐演出60)の結末として、宝を発見する成功結末(遊技者にとって有利な結末)と、何も発見できない失敗結末(遊技者にとって不利な結末)が設定されている(図16(e)参照)。本実施形態では、成功結末となるか失敗結末となるかによって当否判定結果が報知される。ただし、これはあくまで一例である。分岐演出60終了後に別の演出に進行する(いわゆる発展する)か、そのまま終了するかが主演出61の結末により示される構成としてもよい。
第一基本態様611~第三基本態様613のうちのいずれが選択されるかは、対象当否判定結果(報知演出の少なくとも一部として分岐演出60が発生する場合における、当該報知演出に対応する当否判定結果)を踏まえた抽選により決定される。本実施形態では、第一基本態様611(青色の扉)、第二基本態様612(赤色の扉)、第三基本態様613(金色の扉)の順で大当たり信頼度が高くなる(第三基本態様613が最も高い)ように設定されている。
本実施形態における主演出61は、第一表示装置11(第一表示領域111)のみにて実行されることもあれば、第一表示装置11および第二表示装置12(複合表示領域13)にて実行されることもある。つまり、演出を構成する画像が、演出を通じて、少なくとも第一表示領域111には表示され続けるものである。本実施形態では、詳細を後述する副演出62が実行されているときには、主演出61を構成する画像(映像)は第一表示領域111のみに表示され(図15(a)(c)参照)、副演出62が実行されていないときには、主演出61を構成する画像(映像)は複合表示領域13に(第一表示領域111と第二表示領域121に跨るように)表示される(図15(a)(d)、図16(e)参照)。これにより、表示領域(第一表示領域111、第二表示領域121)を余すことなく利用した一連の分岐演出60とすることができる。ただし、分岐演出60を通じて、主演出61を構成する画像が、第一表示領域111のみに表示され続ける構成とすることを否定するわけではない。
副演出62について説明する。副演出62は、第一表示装置11に比して表示領域が小さい第二表示装置12にて実行されるものであって、分岐演出60を構成する補助的な演出である。具体的には、副演出62は、分岐点Q以降に実行される主演出61の演出態様(主演出61の後半部分の態様)が一定ではないことを遊技者に対し示唆する演出である。副演出62は、主演出61が分岐点Qに到達するよりも前に実行される。つまり、主演出61の前半部分が実行されているときに、副演出62が実行される(図14参照)。なお、副演出62の長さは、主演出61の前半部分の長さと全く同じであってもよいし、主演出61の前半部分の長さよりも短くてもよい。副演出62の完了時点(結末時点)が、主演出61の分岐点Qよりも前に設定されていればよい。
副演出62は、実行中の主演出61の後半部分の演出態様を示唆するものである。上述したように、主演出61の後半部分は、複数種の基本態様のうちのいずれかが設定される。副演出62では、複数種の基本態様のうちの少なくともいずれかである二以上の態様を候補態様とし、当該候補態様を表す候補表示を表示する。例えば、主演出61の後半部分として、第二基本態様612が実行されることが決定されたとする。このとき、副演出62においては、第二基本態様612と、その他の態様を含む二以上の態様が候補態様とされる。例えば、第二基本態様612に加えて、第一基本態様611が候補態様とされた場合には、第一基本態様611を表す候補表示と、第二基本態様612を表す候補表示が表示される。つまり、本実施形態では、二つの候補表示が表示される(図15(b)参照)。当該二つの候補表示のうちのいずれかに対応する基本態様が、主演出61の後半部分として実行されることになる。
各候補表示は、対応する基本態様を直接的に示すものとしてもよいし、間接的に示すものとしてもよい。本実施形態では、第一基本態様611(青色の扉)に対応する候補表示(第一候補表示621)として「怪しい扉」という表示が、第二基本態様612(赤色の扉)に対応する候補表示(第二候補表示622)として「とても怪しい扉」という表示が、第三基本態様613(金色の扉)に対応する候補表示(第三候補表示623)として「最高に怪しい扉」という表示がなされる(図17参照)。つまり、各候補表示は、各基本態様に割り当てられた大当たり信頼度の差を「怪しさ」の度合で間接的に示したものであるということができる。また、各候補表示が色分けされていてもよい。すなわち、第一候補表示621自体またはその周囲等を青色、第二候補表示622自体またはその周囲等を赤色、第三候補表示623自体またはその周囲等を金色とすることで、各候補表示に信頼度が対応づけられていることを分かりやすくしてもよい。また、各候補表示は「扉」という共通する要素を含むものである。よって、副演出62において表示される二つの候補表示は、互いに関連付けられたものであることを遊技者が把握することが可能である。
副演出62では、最後に、予め決定されている主演出61の後半部分に相当する基本態様に応じた候補表示が選択されたことを示す表示がなされる(図15(c)参照)。上記例でいえば、第一候補表示621と第二候補表示622という二つの候補表示が表示された状態から、第二候補表示622が選択されたかのような状態に移行する(図15(d)参照)。当然ではあるが、当該副演出62における「選択」は、予め実行することが決定されている主演出61の後半部分の基本態様に対応したものが自動的に選ばれるというものである。すなわち、遊技者が直接関与する「選択」ではない。また、副演出62においては、表示される各候補表示に対応づけられた信頼度は必ず互いに異なるものとなる。したがって、候補表示の名称等により信頼度の差を把握した遊技者は、信頼度が高い方の候補表示が選択されることを願うことになる。本実施形態では、矢印を含む所定の画像(選択画像)が表示され、当該矢印がいずれかの候補表示を指し示す。
一部上記説明と重複するが、分岐演出60の大まかな流れは以下の通りである。まず、主演出61の前半部分が実行される。本実施形態では分岐演出60の冒頭は主演出61のみが複合表示領域13にて(第一表示装置11と第二表示装置12に跨って)実行される(図14、図15(a)参照)。その後、主演出61の前半部分および副演出62が行われる(図14、図15(b)参照)。つまり、第一表示領域111(第一表示装置11)にて主演出61の前半部分が、第二表示領域121(第二表示装置12)にて副演出62が実行される。その後、主演出61が分岐点Qに至るよりも前または分岐点Qに至ると同時に、副演出62が結末を迎える(図14、図15(c)参照)。つまり、二つの候補表示のうちのいずれかが選択された表示がなされる。そして、選択された候補表示に対応する基本態様が設定された主演出61の後半部分が実行される(図14、図15(d)参照)。本実施形態では、主演出61の後半部分は、既に副演出62が終了しているのであるから、複合表示領域13にて(第一表示装置11と第二表示装置12に跨って)実行される。
以上説明したように、本実施形態における分岐演出60は、「主」の演出として主演出61が実行され、「副」の演出として副演出62が実行されるものである。仮に、副演出62が実行されないと仮定すると、遊技者は、主演出61に分岐点Qが存在することを把握できないおそれがある。例えば、主演出61の後半部分として最も遊技者にとって好ましい第三基本態様613が実行された場合であっても、それが通常(デフォルト)であると捉えてしまうおそれがある。特に、初めて主演出61に接した遊技者は、主演出61がどのような内容の演出であるかを全く把握していないため、そのように捉えてしまう蓋然性が高い。これに対し本実施形態では、当該主演出61の分岐点Q以降に実行されうる主演出61の後半部分の態様(基本態様)として複数種の態様が設定されているということ(後半部分の態様がその都度変化しうるものであること)が、「候補表示を選択する」という態様の演出である副演出62により予め(分岐点Qに到達するよりも前に)示される。したがって、遊技者は、主演出61の後半部分の態様が一定ではないことを把握することができる。
「分岐点Q」が設定されていることを、演出の映像(本実施形態でいう主演出61の映像)にて示す(例えば、キャラクタがAとBとで迷っていることを示す)ことが考えられる。しかし、このような構成とすると、演出のパターンを多数用意しなければならなくなる。本実施形態では、副演出62にて、主演出61に「分岐点Q」が設定されていることが示されるのであるから、用意する主演出61のパターンが著しく増加してしまうことが抑制される。例えば、主演出61の前半部分が毎回同じ態様となるように設定することも可能である。
また、主演出61に分岐点Qが設定されていることを示す副演出62は、主演出61とは異なる表示装置にて実行される(少なくとも、副演出62が実行されているときには、主演出61と副演出62は異なる表示装置にて実行される)ものであるから、演出が分かりやすい。また、本実施形態のように副演出62を「選択演出」のような態様としても、当該副演出62は主演出61とは異なる表示装置を利用して実行されているのであるから、主演出61として表示される映像等の世界観が崩れてしまうといったことが抑制される。
また、本実施形態では、記憶手段に記憶されている基本態様の数、すなわち主演出61の後半部分のバリエーションの数(本実施形態では三つ)は、副演出62において選択肢のように表示される候補表示の数(本実施形態では二つ)よりも多い。このような構成とすることで、分岐演出60全体としての趣向性が向上する。例えば、主演出61の後半部分として第一基本態様611が設定されることが決定されているとき、副演出62として第一候補表示621と第二候補表示622が示される態様と、第一候補表示621と第三候補表示623が示される態様が発生しうることになる。つまり、「主」の演出である主演出61の後半部分の基本態様が同じである場合であっても、分岐演出60全体として異なる態様の演出とすることができ、演出の幅が広がる。
4-2-2)本実施形態における上記分岐演出60の構成はあくまで一例である。例えば以下のように変更、具体化等してもよい。
a)副演出62において表示される候補表示の数は(記憶手段に記憶された基本態様の数を最大として)適宜変更可能である。例えば、本実施形態のように三つの基本態様が設定された構成において、その三つ全ての候補表示が副演出62で表示されるようにしてもよい。ただし、上述したように、演出の幅を広げるという作用が奏されるようにするのであれば、副演出において表示される候補表示の数<基本態様の数とすることが好ましい。
また、副演出62において表示される候補表示の数が、分岐演出60発生の度に変化しうる構成としてもよい。例えば、本実施形態のように三つの基本態様が設定された構成においては、副演出62にて表示される候補表示の数が二つのケースだけでなく、三つのケースが発生しうるものとする。
b)主演出61は、分岐点Qから結末(成功結末または失敗結末)の直前に至るまで、毎回同じ態様の映像が出力されるものとすることができる。演出の途中に分岐点Qが設定されている場合、当該分岐点Q以降は異なる種類の映像が出力される等するのが通常であるところ、本実施形態では副演出62により分岐点Qの存在が示される(選択演出が実行される)ため、それをもって主演出61に変化が生じているかのようにみせることが可能となる。例えば、本実施形態に則していえば、主演出61においてキャラクタが扉を開放する映像が常に同じ映像が出力されるものとしても、副演出62においてキャラクタが選択した扉が「怪しい扉」、「とても怪しい扉」、「最高に怪しい扉」のいずれかであることが示されるのであるから、遊技者には(同じ映像であっても)キャラクタが選択する扉が毎回異なりうるものであるかのようにみえる。
c)副演出62において表示される二つの候補表示のうち、信頼度が高いもの(対応する基本態様の信頼度が高いもの)が選択される蓋然性の高さが示唆されるようにする。当該示唆の手法はどのようなものであってもよい。例えば、副演出62においては、矢印を含む所定の画像(選択画像)が表示され、当該矢印がいずれかの候補表示を指し示すことを説明したが、当該選択画像はキャラクタを含むものとする。そして、キャラクタの数がその都度変化しうる(例えば、1~3のいずれかに変化しうる)ものとして、キャラクタの数が多いほど、信頼度が高い候補表示が選択される蓋然性が高いものとする(図18参照)。
かかる示唆は、第二表示装置12にて行われるものとする(図18参照)。つまり、遊技者に有利な状況となる蓋然性の高低は、第一表示装置11ではなく、第二表示装置12にて示されるものとする。これにより、第一表示装置11にて主演出61として表示される映像等の世界観が崩れてしまうといったことが抑制される。
d)上記のような分岐演出60が複数回連続して発生しうるものとしてもよい。つまり、主演出61に複数の分岐点Qが設定されていることが示される(副演出62が複数回発生する)ようにしてもよい。この場合、一連の演出において複数回発生する副演出62の態様はそれぞれ異なるものとすることが好ましい。
複数回の副演出62が発生する場合、各副演出62において表示される候補表示の数が変化するような構成としてもよい。例えば、一回目の副演出62においては三つの候補表示が示され、二回目の副演出62においては二つの候補表示が示されるといった構成とする。
4-3)同時進行演出
4-3-1)本実施形態にかかる遊技機1が実行可能な同時進行演出70について説明する。同時進行演出70は、第一予告演出71および第二予告演出72を含む演出である(図19参照)。第一予告演出71および第二予告演出72は、ともに、前半部分から後半部分に移行することが遊技者にとって有利な事象となるものである。具体的には、第一予告演出71および第二予告演出72は、ともに後半部分の結末により遊技者に利益が付与されるか否かが報知されるものであるところ、後半部分に移行せずに終了すれば、その時点で利益が付与される可能性はなくなる。つまり、後半部分への移行は、利益が付与される可能性が残存しているという点で、(後半部分に移行せずに終了した場合に比して)遊技者にとって有利な事象の発生であるということができる。なお、本実施形態における上記「利益」は、大当たり(大当たり遊技の付与)に相当する。つまり、同時進行演出70は、第一予告演出71や第二予告演出72の後半部分の結末により、対象の当否判定結果が報知される演出であるということができる。上記「利益」として、大当たり以外のものが対象となっていてもよい。
本実施形態では、第一予告演出71は第一表示装置11(第一表示領域111)にて実行され、第二予告演出72は第二表示装置12(第二表示領域121)にて実行される。つまり、各予告演出は表示される表示領域により(境界枠部14により)区分けされる(図19参照)。
本実施形態における第一予告演出71および第二予告演出72の前半部分は、ともに、「扉」が閉まるかどうかを煽る演出態様(以下、扉演出と称することもある)である。最終的に当該「扉」が閉まる態様が後半部分への移行を示す結末として設定され、当該「扉」が閉まらない態様が後半部分への移行が成功しなかったことを示す結末として設定されている(図19参照)。同時進行演出70においては、第一予告演出71が前半部分から後半部分に移行するか否かの結末、第二予告演出72が前半部分から後半部分に移行するか否かの結末が略同時に示されるように構成されている。具体的には、第一表示装置11(第一表示領域111)に表示された「扉」(以下、第一扉711と称することもある)が閉まるか否かの結末と、第二表示装置12(第二表示領域121)に表示された「扉」(以下、第二扉721と称することもある)が閉まるか否かの結末が略同時に示される。
第一予告演出71と第二予告演出72とでは、扉の態様が異なる。本実施形態では、第一扉711が銀色の扉とされ、第二扉721が金色の扉とされている(図面においては当該態様の違いを図示しない)。詳細については後述するが、当該色の差は、遊技者に利益が付与される場合における当該利益の期待値の差を表すものとしている。つまり、本実施形態では、大当たりにより遊技者が得る利益の期待値の差を表すものであって、金色である第二扉721の方が、銀色である第一扉711よりも当該期待値が高くなるように設定されている。
発生しうる扉演出の結末のパターン(態様)は以下の通りである。
・第一態様(図19(a)から(b)に移行する態様)
第一扉711および第二扉721の両方が閉まる態様。すなわち、第一予告演出71および第二予告演出72の両方が前半部分から後半部分に移行する態様。
・第二態様(図19(a)から(c)に移行する態様)
第一扉711および第二扉721の一方が閉まり、他方が閉まらない態様。すなわち、第一予告演出71および第二予告演出72の一方が前半部分から後半部分へ移行し、他方が前半部分から後半部分に移行しない態様。
さらに、本態様は、第一扉711が閉まる態様(第一予告演出71が後半部分に移行する態様)(第二態様A)と、第二扉721が閉まる態様(第二予告演出72が後半部分に移行する態様)(第二態様B)とに区分けされる。
・第三態様(図19(a)から(c)に移行する態様)
第一扉711および第二扉721の両方が閉まらない態様。すなわち、第一予告演出71および第二予告演出72の両方とも前半部分から後半部分に移行しない態様。
第三態様は、第一予告演出71および第二予告演出72の両方ともが後半部分に移行しないというものであるから、遊技者にとって最も好ましくない態様であるといえる。また、本実施形態では、第二態様に比して第一態様の方が遊技者にとって喜ばしい態様として設定されている。すなわち、第一態様が発生した場合の方が、第二態様が発生した場合に比して、最終的に遊技者が享受する利益の期待値が大きくなるように設定されている。より具体的には、第一態様が発生した場合の方が、第二態様が発生した場合よりも、対象の当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高くなるように設定されている。また、大当たりに当選した場合、その大当たりは、遊技者が享受する利益が高い大当たりとなる蓋然性が高くなるように設定されている(詳細は後述)。
第一予告演出71および第二予告演出72の後半部分の態様について説明する。後半部分の演出は、遊技者に対し、押しボタン等の操作手段92(図1参照)の操作を促す操作演出である(図20~図22参照)。遊技者に操作することを求める操作手段92および操作態様はどのようなものであってもよい。本実施形態では、操作手段92を一回押圧操作することを求める。操作手段92を操作すべき時期であることを分かるように示す操作画像や、操作が演出上反映される操作有効期間の残り時間または経過時間を示すメータ画像等が表示されるようにするとよい。
基本的には、遊技者が操作手段92を操作すること、または操作有効期間が終了したことを契機として、成功結末(遊技者に有利な結末)または失敗結末(遊技者に不利な結末)のいずれかが実行されることとなる。成功結末となる場合には対象の当否判定結果が大当たりとなることが確定するというものである。本実施形態では、第一予告演出71および第二予告演出72の後半部分の態様は、扉(第一扉711または第二扉721)に固定されているかのように表示されるランプが点灯する(光る)か否かの演出であり、成功結末として当該ランプが点灯することが、失敗結末として当該ランプが点灯しないことが設定されている。
上述した第一態様が発生した場合の演出の流れについて説明する。第一扉711と第二扉721の両方が閉まり(図20(a)参照)、第一表示装置11(第一表示領域111)と第二表示装置12(第二表示領域121)のそれぞれにおいて、上述した操作画像およびメータ画像等が表示される(図20(b)参照)。つまり、第一表示装置11および第二表示装置12のそれぞれにおいて、遊技者に対し、操作手段92を操作することを促す指示が出される。第一表示装置11にて第一操作演出が、第二表示装置12にて第一操作演出とは異なる第二操作演出が発生した状態であるともいえる。
第一操作演出と第二操作演出のそれぞれにおいて、操作有効期間が設定される。本実施形態では、第一操作演出において設定される第一操作有効期間と、第二操作演出において設定される第一操作有効期間は、完全に一致している。つまり、第一操作有効期間の開始から終了までの期間の全体が、第二操作有効期間の開始から終了までの期間の全体と重複している。ただし、第一操作有効期間と第二操作有効期間を完全に一致させない構成とすることを否定するわけではない。
第一操作有効期間かつ第二操作有効期間中に操作手段92の操作が検出されたことを契機として、上記成功結末または失敗結末のいずれかが実行される。つまり、第一扉711に固定された第一ランプ712、第二扉721に固定された第二ランプ722が点灯するか否かの演出が発生するということである。第一操作演出および第二操作演出という複数の操作演出が発生した状況において、操作手段92の操作が一度に両演出において反映されるともいえる。なお、操作手段92の操作がなされずに操作有効期間(第一操作有効期間および第二操作有効期間)が終了した場合には、操作有効期間が終了したことを契機として、第一扉711に固定された第一ランプ712、第二扉721に固定された第二ランプ722が点灯するか否かの演出が発生する。
本実施形態では、大当たりとして、第一大当たりおよび第二大当たりが設定されている。第二大当たりは、第一大当たりよりも、当選したときに遊技者が享受する利益の期待値が大きいものである。なお、当該「利益」は種々の観点に基づき決定することができる。例えば、大当たり遊技中に獲得できる遊技球の数(いわゆる出玉)の期待値に基づき決定することができる(第一大当たりよりも第二大当たりの方が出玉の期待値が大きい)。また、大当たり遊技終了後の遊技状態が遊技者にとって有利なものとなるか否かに基づき決定することもできる(第一大当たり遊技終了後は低確率遊技状態であるが、第二大当たり遊技終了後は高確率遊技状態(いわゆる確率変動状態)となる)。いずれにせよ、遊技者にとって、第一大当たりに当選することよりも、第二大当たりに当選することの方が喜ばしい事象であるということである。
本実施形態では、「3」または「7」を含む識別図柄20(識別図柄20の三つ揃い)により大当たり当選が報知された場合には、第二大当たりとなることが確定する。一方、それ以外の識別図柄20により大当たり当選が報知された場合には、第一大当たりとなることもあれば、第二大当たりとなることもあるように設定されている。
対象の当否判定結果がはずれである場合には、第一ランプ712および第二ランプ722のいずれも点灯しない(図20(c-1)、(d-1)参照)。つまり、第一操作演出および第二操作演出の結末はいずれも失敗結末となる。
対象の当否判定結果が第一大当たりである場合には、第一ランプ712が点灯する(図20(c-2)、(d-2)参照)。ただし、第二ランプ722が点灯することはない。つまり、第一操作演出の結末が成功結末となり、第二操作演出の結末が失敗結末となる。対象の当否判定結果が第二大当たりである場合には、第一ランプ712が点灯する(図20(c-2)、(d-2)参照)こともあれば、第二ランプ722が点灯する(図20(c-3)、(d-3)参照)こともある。つまり、第一操作演出の結末が成功結末となることもあれば、第二操作演出の結末が成功結末となることもある。
すなわち、第二ランプ722が点灯した場合(図20(c-3)、(d-3)参照)には、第二大当たりが確定するということである。なお、第二ランプ722が点灯した場合、第二大当たりの当選が確定するのであるから、第一ランプ712および第二ランプ722の両方が点灯する態様は発生するようにしてもよいし、発生しないようにしてもよい。本実施形態では、第二ランプ722のみが点灯する構成としている。また、一旦第一大当たりに当選したようにみせかけて、その後第二大当たりに当選したことが報知されるような演出態様が発生するようにしてもよい。
一方、第一ランプ712が点灯した場合(図20(c-2)、(d-2)参照)には、当選した大当たりの種類は確定せず、第一大当たりおよび第二大当たりのいずれにも当選した可能性が残るということである。なお、最終的に当選した大当たりの種類を示す手法はどのようなものであってもよい。大当たり報知後に識別図柄20が再変動する演出(いわゆる再変動演出)によって報知される構成や、大当たり遊技中にいずれの大当たりに当選したのか報知される構成が考えられる。
このように、第一態様が発生した場合(第一扉711と第二扉721の両方が閉まった場合)には、遊技者は第一ランプ712と第二ランプ722のいずれかが点灯することを願う(大当たりに当選していることを願う)とともに、ランプが点灯するのであれば(大当たりに当選しているのであれば)第二ランプ722の方が点灯することを願うことになる。
上述した第二態様が発生した場合の演出の流れについて説明する。第一扉711が閉まる態様である第二態様Aが発生した場合(図21(a)参照)には、上述した第一操作演出に相当する演出のみが発生することになる。つまり、第一扉711に設けられたランプ(第一ランプ712)が操作手段92の操作を契機として(または操作有効期間が終了することを契機として)点灯するか否かの演出が発生することになる(図21(b)参照)。第一ランプ712が点灯した場合には大当たりに当選することが確定する(図21(c-2)、(d-2)参照)。第一ランプ712の点灯であるため、第一大当たりおよび第二大当たりのいずれにも当選した可能性がある。第一ランプ712が点灯しなかった場合にははずれとなる(図21(c-1)、(d-1)参照)。
第二扉721が閉まる態様である第二態様Bが発生した場合(図22(a)参照)には、上述した第二操作演出に相当する演出のみが発生することになる。つまり、第二扉721に設けられたランプ(第二ランプ722)が操作手段92の操作を契機として(または操作有効期間が終了することを契機として)点灯するか否かの演出が発生することになる(図22(b)参照)。第二ランプ722が点灯した場合には大当たりに当選することが確定する。第二ランプ722の点灯であるため、第二大当たりに当選したことが確定することになる(図22(c-2)、(d-2)参照)。第二ランプ722が点灯しなかった場合にははずれとなる(図22(c-1)、(d-1)参照)。
このように、第二態様が発生した場合には、一つのランプが点灯するか否かの演出となる。一方、第一態様が発生した場合には、二つのランプのいずれかが点灯するか否かの演出となる。本実施形態では、第二態様が発生した場合よりも、第一態様が発生した場合の方が、いずれかのランプが点灯する可能性、すなわち大当たりとなる蓋然性(大当たり信頼度)が高くなるように設定されている。つまり、第二態様が発生した場合の演出態様は大当たりを得るための機会が「一つ」のみであるかのように示すものであるのに対し、第一態様が発生した場合の演出態様は大当たりを得るための機会が「二つ」であるかのように示すものであるため、それに合わせて大当たり信頼度を設定している。
また、第二態様Bを経て大当たりに当選した場合には第二大当たりが確定することになるから、第二態様Aよりも第二態様Bの方が遊技者にとって喜ばしい事象であるといえる。
つまり、第一予告演出71および第二予告演出72の前半部分においては、遊技者は、第一扉711と第二扉721の両方が閉まることを願うことになる。また、一つの扉しか閉まらないのであれば、その扉が第二扉721になることを願う演出態様となる。
以上説明したように、本実施形態における同時進行演出70は、前半部分から後半部分に移行することが、遊技者に有利な事象として設定されている第一予告演出71および第二予告演出72について、前半部分から後半部分に移行するか否かの結果が略同時に示されるという面白みのあるものである。
また、前半部分から後半部分への移行の成否のパターンとして、上述した第一態様~第三態様が発生しうるものであるため、演出の幅が広がる。特に、大当たりの可能性が残されている態様として、第一態様と第二態様という複数種の態様が発生するものであるため、単純に「成功」と「失敗」に分岐されるような周知の演出とは異なるものとなる。しかも、第二態様のみをとってみても、第二態様Aと第二態様Bという複数種の態様が発生するという点で、面白みのあるものであるといえる。
また、第一予告演出71と第二予告演出72は異なる表示装置10にて実行されるものであるため、遊技者に対し、各演出が独立して進行しているかのような印象を与えることが可能となる。
また、第一態様が発生した場合には、第一操作演出と第二操作演出という二つの操作演出が同時発生するかのような演出態様となる。そして、操作手段92の操作が検出されたときには、それが一度に両操作演出に反映される(結果が一つずつ示されるのではなく、同時に示される)という点で面白みのあるものであるといえる。
4-3-2)本実施形態における上記同時進行演出70の構成はあくまで一例である。例えば以下のように変更、具体化等してもよい。
a)本実施形態では、第一予告演出71が第一表示装置11にて実行され、第二予告演出72が第二表示装置12にて実行されるものであることを説明したが、一の表示装置にて実行される演出としてもよい。つまり、一の表示装置の所定の領域にて第一予告演出71が実行(表示)され、それとは別の領域にて第二予告演出72が実行(表示)される構成としてもよい。
また、三つ以上の表示装置を備え、各表示装置のそれぞれにて予告演出が実行されるような構成としてもよい。
b)第一表示領域111と第二表示領域121を合わせた領域、すなわち複合表示領域13にて実行される一の演出(以下、特別演出73と称する)が発生しうる構成とする。つまり、上述した同時進行演出70は、第一表示領域111において実行される第一予告演出71と、第二表示領域121において実行される第二予告演出72とが同時に進行するような形態であるところ、これらが複合されたかのような演出である特別演出73(図23参照)が発生するようにする。当該特別演出73は、第一予告演出71や第二予告演出72のそれぞれと類似する形態とすることが好ましい。具体的には以下の通りである。
特別演出73においては、第一表示領域111と第二表示領域121に跨って一組の扉(一つの扉)が表示される。つまり、上記同時進行演出70は、第一表示領域111に第一扉711が、第二表示領域121に第二扉721が表示される(二組の扉が表示される)ものであるところ、特別演出73では複合表示領域13全体に一つの扉が表示される。具体的には、左側の扉と右側の扉の両方が第一表示領域111と第二表示領域121に跨って表示された一組の扉(以下、特別扉731と称する)が表示される。
そして、前半部分から後半部分に移行するか否かを示すものとして、当該特別扉731が閉まるかどうかの演出が実行される(図23(a)参照)。扉が閉まった場合、すなわち後半部分に移行した場合には、操作手段92の操作を促す操作演出が実行され(図23(b)参照)、その結果として遊技者に利益が付与されるか否か(大当たりの当選の有無)が報知される(図23(c)参照)。当該報知は、同時進行演出70と同様に、上記特別扉731に固定されているかのように表示されるランプ(特別ランプ732)の点灯の有無により示される。なお、特別演出73は、同時進行演出70よりも、いわゆる大当たり信頼度が高いものとすることが好ましい。特別演出73が発生した時点で大当たりが確定する(信頼度が100%である)構成としてもよい。また、特別演出73が発生した時点で第二大当たりが確定する構成としてもよい。
上述したように、同時進行演出70は、第一表示装置11にて実行される第一予告演出71と第二表示装置12にて実行される第二予告演出72が互いに独立して進行しているかのような印象を与えるものであるため、これとの比較において特別演出73は遊技者に対し驚きを与えるものとなる。このような効果を確実なものとするため、特別演出73が発生する蓋然性(発生頻度)は、同時進行演出70よりも低いものとすることが好ましい。
c)同時進行演出70が発生する契機を限定することが考えられる。例えば、始動口として、いわゆる特図1始動口と特図2始動口が設けられているものとする。通常遊技状態中(低ベース状態中)は、基本的には特図1始動口に遊技球が入球することを契機とした当否判定抽選による大当たり当選を目指すことになるが、所定条件を満たすことで特図2始動口が開放し、当該特図2始動口に遊技球が入球することを契機とした当否判定抽選を受けることができる場合があるとする。このような構成において、特図2始動口に遊技球が入球することを契機とした当否判定結果を報知する演出として、上記同時進行演出70(特別演出73)が発生しうるものとする。
特図1始動口に遊技球が入球することを契機として取得された第一当否判定情報(保留情報)よりも、特図2始動口に入球することを契機として取得された第二当否判定情報(保留情報)に対応する当否判定結果の報知の方が優先的に実行される構成とする場合(いわゆる特図2優先消化とする場合)には、複数の第二当否判定情報が取得されたとき、上記同時進行演出70が連続的に発生することになる。
また、同時進行演出70は、遊技者が享受する利益の期待値が異なる複数種の大当たり(本実施形態では第一大当たりと第二大当たり)を報知することが可能であるから、第二当否判定情報に基づく当否判定抽選に当選したときに発生する大当たり(いわゆる特図2の大当たり)の「大当たり振り分け」の設定は、一種類の大当たりが100%であるといった設定に限られるものではない。例えば、特図2大当たりとなった場合には、第一大当たりとなることもあれば、第二大当たりとなることもあるという設定であっても問題はない(第二大当たりが100%であるといった設定である必要はない)。
d)同時進行演出70を構成する各予告演出は、演出を構成する細かい要素がその都度変化しうる構成としてもよい。例えば、各予告演出は、扉が閉まるか否か、ランプが点灯するか否かという演出であるという点(主要な部分)においては不変であるものの、いわゆるチャンスアップの有無等、細部においてはその都度変化しうる構成としてもよい。
4-4)複合報知演出
4-4-1)本実施形態にかかる遊技機1が実行可能な複合報知演出75について説明する。複合報知演出75は、第一報知演出751とそれとは異なる態様の第二報知演出752を含む(図24、図25等参照)。第一報知演出751と第二報知演出752は、少なくとも一部が同時期に進行する。本実施形態では、演出が開始されてから後述する停止点Sに至るまでは、第一報知演出751と第二報知演出752の両方が進行する(図24、図25等参照)。
第一報知演出751および第二報知演出752は、互いに異なる表示装置10にて実行される。本実施形態では、基本的には(後述する停止点Sに至るまでは)、第一表示装置11(第一表示領域111)にて第一報知演出751が、第二表示装置12(第二表示領域121)にて第二報知演出752が実行される(図24参照)。第一報知演出751と第二報知演出752とは、互いに態様が異なるものであることを遊技者が区別することができればよく、各演出の具体的態様はどのようなものであってもよい。ただし、各演出を構成する要素の少なくとも一部が共通していることが好ましい。本実施形態における第一報知演出751と第二報知演出752は、ともに、味方側キャラクタと敵側キャラクタが戦う「バトル演出」である。「バトル」という演出構成要素において両演出は共通するということである。当該バトルを行うキャラクタが異なるため、遊技者は、両演出が異なるものであるということを把握することが可能である。本実施形態における第一報知演出751と第二報知演出752は、味方側キャラクタは同じであるが、敵側キャラクタが異なるものである。
第一報知演出751および第二報知演出752は、その結末として、遊技者にとって好ましい結末である勝利結末、および遊技者にとって好ましくない結末である敗北結末のいずれかが発生する。勝利結末は、味方側キャラクタが勝利する結末(一旦味方側キャラクタが敗北したかのように見せかけて復活等するいわゆる逆転演出の態様を含む)である。敗北結末は、味方側キャラクタが敗北する結末である。複合報知演出75では、第一報知演出751と第二報知演出752について、いずれかの結末が発生する。詳細を後述するように、複合報知演出75により報知される対象の当否判定結果が大当たりとなる場合には、第一報知演出751および第二報知演出752の少なくともいずれか一方が必ず勝率結末となる。
なお、第一報知演出751が実行されている第一表示装置11(第一表示領域111)、および第二報知演出752が実行されている第二表示装置12(第二表示領域121)の両方に、当否判定結果を示す識別図柄20が表示されるようにするとよい(図24等参照)。このようにすることで、遊技者に対し二つの当否判定結果が報知されるような印象(実際に報知されるのは一つの当否判定結果である)を与えることが可能となる。本実施形態では、いわゆるリーチ状態(三つの識別図柄20のうち、二つが同じ図柄である状態)を構築した識別図柄20が表示される。複合報知演出75により報知されるのは一つの当否判定結果であるから、第一表示装置11に表示されるリーチ状態と、第二表示装置12に表示されるリーチ状態は、同じリーチ状態(同じ識別図柄20によって構成されるリーチ状態)であることが好ましい。
複合報知演出75は次のように進行する。演出の開始(図25(a)の時点)から所定時間経過後の停止点S(図25(c)の時点)までは、第一報知演出751と第二報知演出752の両方が進行する(図24、図25等参照)。停止点Sは、結末が実行されるよりも前の時点(結末の直前の時点であることが好ましい)である。つまり、第一報知演出751の結末と第二報知演出752の結末が遊技者には分からない時点まで、両演出はともに進行する。
停止点Sに到達した時点で第一報知演出751と第二報知演出752の一方の進行が停止する(図24、図25(c)参照)。本実施形態では、第二表示装置12にて実行されている第二報知演出752の進行が停止する。第二報知演出752の進行が停止していることを示すような画像(停止表示76)が表示されるようにするとよい。一方、第一表示装置11にて実行されている第一報知演出751は停止点Sに到達してもそのまま進行する。そして、第一報知演出751の結末が実行される(図24、図26(a)(b)参照)。
第一報知演出751の結末が実行された後、進行が停止していた第二報知演出752が再開される(図24、図26(c)(d)参照)。つまり、停止点Sにて停止した箇所から再び進行する。第二報知演出752は、その再開と同時または再開してから所定時間経過後の時点(結末に至るよりも前の時点)で、第一表示装置11にて実行されるものに切り替わる。具体的には、第一報知演出751が第二表示装置12(第二表示領域121)に表示され、第二報知演出752が第一表示装置11(第一表示領域111)に表示された状態となる(切替演出の発生)(図25(c)(d)参照)。第一報知演出751は既に結末が実行されているのであるから、第二表示装置12においては、第一報知演出751の結末(勝利結末または敗北結末)の内容、および結末の内容に応じた識別図柄20(大当たりを示す組み合わせの識別図柄20またははずれを示す組み合わせの識別図柄20)の少なくともいずれか一方が表示された状態にある。その状態で、第一表示装置11においては第二報知演出752が結末に向かって進行する。そして、第一表示装置11において、第二報知演出752の結末が実行される(図24、図27(a)(b)、図28(a)(b)参照)。
つまり、本実施形態では、第一報知演出751の結末および第二報知演出752の結末のいずれもが、第一表示装置11(第一表示領域111)にて実行される。上述したように、第一表示装置11は第二表示装置12に比して表示領域が大きいものであるため、第一表示装置11は「主表示装置」と、第二表示装置12は「副表示装置」と捉えることができる。本実施形態では、「副表示装置」に比して目立つ表示装置(表示領域)である「主表示装置」にて、第一報知演出751および第二報知演出752の結末を示すために、上記切替演出を発生させるようにしている。
また、本実施形態では、第二報知演出752を一時的に停止させることにより、第一報知演出751の結末と第二報知演出752の結末が実行される時期をずらしている。詳細を後述するように、複合報知演出75は、いずれかの報知演出が勝利結末となれば大当たりとなるものであるため、遊技者に対し、あたかも大当たりを獲得するチャンスが複数回設定されているのではないかという印象を与えることが可能となる。
対象の当否判定結果を報知する態様(報知パターン)について、対象の当否判定結果の当否に応じて説明する。対象の当否判定結果がはずれとなる場合には、第一報知演出751の結末および第二報知演出752の結末は、いずれも敗北結末となる。第一報知演出751の敗北結末が実行されて、次に第二報知演出752の敗北結末が実行されるという流れ(図26(b)→図26(d)→図28(b)という流れ)となる。各報知演出(各表示装置10)において、識別図柄20ははずれであることを示す組み合わせで表示される。遊技者の視点でいえば、一回目の機会、および二回目の機会のいずれでも、大当たりを獲得することができなかったという流れの演出態様となる。
対象の当否判定結果が大当たりである場合には、第一報知演出751および第二報知演出752の少なくともいずれかが勝利結末となる。発生しうるパターン(様式)は以下の通りである。
・第一パターン
第一報知演出751の結末が敗北結末となり、第二報知演出752の結末が勝利結末となるパターン(図26(b)→図26(d)→図28(a)という流れ)
・第二パターン
第一報知演出751の結末が勝利結末となり、第二報知演出752の結末が敗北結末となるパターン(図26(a)→図26(c)→図27(b)という流れ)
・第三パターン
第一報知演出751の結末が勝利結末となり、第二報知演出752の結末が勝利結末となるパターン(図26(a)→図26(c)→図27(a)という流れ)
第一パターンの場合、第一報知演出751の結末は敗北結末となるため、当該時点においては大当たりに当選したことが報知されない(図26(b)参照)。第一報知演出751の結末が実行された第一表示領域111においては、はずれであることを示す組み合わせで識別図柄20が表示される。その後、第二報知演出752の結末が勝利結末となることにより、大当たりに当選したことが報知される(図28(a)参照)。第二報知演出752の結末が実行された第一表示装置11においては、大当たりであることを示す組み合わせで識別図柄20が表示される。
本実施形態では、かかる第一パターンが発生した場合、いずれの大当たりに当選したのか確定的に報知されないようにされる。すなわち、第二大当たりであることを確定させる識別図柄20(本実施形態では、「3」または「7」を含む識別図柄20)以外の図柄が表示されることにより大当たりの当選が報知される。これは、第二パターンや第三パターンのケースと比較考慮した設定である。つまり、詳細を後述するように、第二パターンや第三パターンが発生するケースでは、「大当たり当選を報知する演出」は第一報知演出751であって、かかる第一報知演出751にて第二大当たりに当選したことが確定的に報知されることがないように設定されているから、それに合わせて第一パターンにおいても「大当たり当選を報知する演出」である第二報知演出752においては、第二大当たりであることが確定的に報知されることがないようにしている。ただし、第二報知演出752の後、第二大当たりに当選したことを示すような演出が発生しうる設定としてもよい。例えば、大当たり遊技中に第二大当たりに当選したことを示すような演出が発生しうる設定としてもよい。また、第一パターンのケースが発生するときにおいて、第二報知演出752にて第二大当たりに当選したことを確定的に報知する、すなわち第二大当たりであることを確定させる図柄(本実施形態では、「3」または「7」を含む識別図柄20)が表示されることにより大当たりの当選が報知されることがあり得る設定とすることを否定するわけではない。
かかる第一パターンが発生した場合、遊技者の視点でいえば、一回目の機会では大当たりを獲得することができなかったものの、二回目の機会で大当たりを獲得することができたという流れの演出態様となる。
第二パターン、第三パターンではいずれも、第一報知演出751の結末が勝利結末となることにより、大当たりに当選したことが報知される(図26(a)参照)。つまり、第一報知演出751の結末が実行された時点で大当たりとなることが確定する。第一報知演出751の結末が実行された第一表示装置11においては、大当たりであることを示す組み合わせで識別図柄20が表示される。ここで、当該第二パターンや第三パターンにより大当たり当選が報知される場合、大当たりを示す識別図柄20は、第二大当たりであることを確定させる図柄(本実施形態では、「3」または「7」を含む識別図柄20)ではないように構成される。つまり、当該時点においては、遊技者が享受する利益の期待値が異なる複数種の大当たり(本実施形態では第一大当たりおよび第二大当たり)のうち、いずれの大当たりに当選したのか確定的に表示されないようにされる。
そして、第一報知演出751の結末(勝利結末)の後実行される第二報知演出752の結末は、いわゆる「昇格演出」として機能する。本実施形態では、第二大当たりであることが確定するか否か、すなわち大当たりを報知する識別図柄20が第二大当たりであることを確定させる図柄に変化するか否かが第二報知演出752の結末により示される。つまり、第一報知演出751にて大当たり付与(利益付与)が確定したときには、第二報知演出752にてその大当たりの種類が変化するか否か(利益の大きさが変化するか否か)が示されるというものである。なお、内部的には、いずれの種類の大当たりに当選したのかは予め決まっているものであるから、ここでいう大当たりの種類が変化するか否か(利益の大きさが変化するか否か)とは、遊技者視点(見た目)での種類の変化(大当たりを示す組み合わせで表示された識別図柄20の種類の変化)をいうものである。
第二報知演出752の結末が敗北結末(図27(b)参照)となる(第二パターン)のケースは、「昇格」が発生しないものである。すなわち、第二大当たりであることを確定させる識別図柄20の変化は発生しない。第二報知演出752の結末が勝利結末(図27(a)参照)となる(第三パターン)のケースは、「昇格」が発生するものである。すなわち、第二大当たりであることを確定させる識別図柄20の変化が発生する。なお、第二パターンのケースが発生した場合であっても、その後第二大当たりに当選したことを示すような演出が発生しうる設定としてもよい。例えば、大当たり遊技中に第二大当たりに当選したことを示すような演出が発生しうる設定としてもよい。
第二パターンが発生した場合、遊技者の視点でいえば、一回目の機会では大当たりを獲得することでき、二回目の機会で獲得した大当たりの昇格が発生しなかったという流れの演出態様となる。第三パターンが発生した場合、遊技者の視点でいえば、一回目の機会では大当たりを獲得することでき、二回目の機会で獲得した大当たりの昇格が発生したという流れの演出態様となる。
以上説明したように、本実施形態における複合報知演出75は、第一報知演出751および第二報知演出752が合わせて発生するものであって、大当たりに当選しているときには、いずれかの報知演出にて大当たり当選(利益付与)が報知されるという面白みのある演出である。
また、複合報知演出75は、第一報知演出751の結末が示された後、第二報知演出752の結末が示されるというものであるから、各報知演出の結末がどのようなものとなったのかが分かりやすい。また、第一報知演出751の結末と第二報知演出752の結末が実行されるタイミングをずらすために、第二報知演出752の進行を途中で一時的に停止させる(停止したかのように表示する)という構成とすることで、途中までは両演出が同時進行しているかのような態様を実現することが可能となる。
また、複合報知演出75は、第一報知演出751の結末により大当たり当選(利益付与)が報知されたときには、第二報知演出752の結末がいわゆる「昇格」の有無を報知するものとなるように構成されているから、第一報知演出751にて大当たりに当選して、第二報知演出752が無駄(無意味)になってしまったかのような印象を遊技者に与えることが防止される。
また、第一報知演出751および第二報知演出752は、互いに異なる表示装置10にて実行される演出であるから、同時期に進行する演出であっても、両者を区別しやすい。
また、複合報知演出75は、第一報知演出751が第一表示装置11にて、第二報知演出752が第二表示装置12にて実行された状態から、第一報知演出751が第二表示装置12にて、第二報知演出752が第一表示装置11にて実行された状態に切り替わるという斬新な演出形態である。
また、上記表示装置10の切替わりにより、両報知演出の結末は必ず第一表示装置11(主表示装置)にて実行されるようにしている。つまり、第二表示装置12(副表示装置)に比して目立つ表示装置(表示領域)である第一表示装置11にて必ず「結末」が示されるものであるから、当該「結末」がどのようなものとなったかが分かりやすい。
4-4-2)本実施形態における上記複合報知演出75の構成はあくまで一例である。例えば以下のように変更、具体化等してもよい。
a)本実施形態における複合報知演出75は、二つの報知演出を含むものであるが、三つ以上の報知演出を含む態様としてもよい。つまり、大当たりに当選している場合には、三つ以上の報知演出のいずれかにて大当たり当選(利益付与)が報知される構成とする。
b)複合報知演出75を構成する複数の報知演出の少なくともいずれかは、それ自体が単独で発生しうる構成とする。例えば、第一報知演出751が、第二報知演出752と一緒にはではなく、それ自体が単独で発生する(いわゆるスーパーリーチ演出の一種として発生する)構成とする。このような構成とすれば、遊技の趣向性を高めることが可能となる。なお、このような構成とする場合、複合報知演出75を構成しうるいずれかの報知演出が単独で発生した場合に比して、当該報知演出を含む複合報知演出75が発生した場合の方が、最終的に大当たりとなる蓋然性が高くなるように設定されていることが好ましい。複合報知演出75は、大当たり(利益)獲得の機会が複数設定されているかのように遊技者に示す演出であるからである。
c)複合報知演出75の種類が複数設定されている構成としてもよい。例えば、複合報知演出75を構成しうる報知演出として、三種類の報知演出(報知演出A、B、C)が設定されている構成とする。この場合には、複合報知演出75が含む二つの報知演出の組み合わせとして、「報知演出A、B」、「報知演出A、C」、「報知演出B、C」という組み合わせが考えられる。つまり、三種の複合報知演出75が発生しうる構成とすることができる。
d)複合報知演出75を構成する各報知演出は、演出を構成する細かい要素がその都度変化しうる構成としてもよい。例えば、第一報知演出751は、味方側キャラクタとある特定のキャラクタが戦う演出であるという点(主要な部分)においては不変であるものの、いわゆるチャンスアップの有無等、細部においては変化しうる構成としてもよい。
e)本実施形態では、第一報知演出751の結末にて大当たり当選が報知されなかったときには、第二報知演出752の結末にて再度大当たり当選の有無が報知される一方、第一報知演出751の結末にて大当たりに当選したことが報知されたときには、第二報知演出752の結末にていわゆる「昇格」の有無が報知されることを説明したが、前者のケースと後者のケースにおいて、第二報知演出752の結末の態様(停止点S以降の態様)を異ならせてもよい。前者のケースと後者のケースとでは、報知する対象が異なるからである。例えば、前者のケースでは「バトル」の勝敗により大当たり当選の有無が報知されるようにし、後者のケースでは「バトル」ではなく、その他の態様(例えば、図29参照)で「昇格」の有無が報知されるようにすることが考えられる。
f)本実施形態における複合報知演出75では、第一報知演出751と第二報知演出752は、(表示される表示装置10が切り替わる演出は発生するものの)最初から最後まで互いに異なる表示装置10にて実行されるものであることを説明したが、演出の途中で複合表示領域13に一の画像(複合画像77)が表示された状態が発生する構成としてもよい(図30参照)。つまり、複合報知演出75の途中で、第一報知演出751と第二報知演出752の区別がなくなる状態(図30(b)参照)が発生する構成としてもよい。
この場合、上記複合画像77が表示されることもあれば、表示されないこともある構成としてもよい。複合画像77が表示されるか否かに応じて、大当たり信頼度が異なる設定としてもよい。
4-5)ステップアップ演出
4-5-1)本実施形態にかかる遊技機1が実行可能なステップアップ演出80について説明する。ステップアップ演出80は、演出が段階的に進行していくものである。以下の説明では、各段階(各段階の演出)を第○段階(第○段階の演出)と称することもある。ステップアップ演出80が最大何段階まで進行するか(○の最大値)は適宜設定することができる。
ステップアップ演出80の基本的な構成について説明する。本実施形態では、各段階の演出においては、各段階に対応づけられた所定の演出画像(本実施形態では動画)が表示される(以下、当該演出画像を基本画像81と称する)(図31(a)参照)。各段階に対応づけられた基本画像81の具体的な態様は、各段階の基本画像81が互いに異なる態様であればどのようなものであってもよい。遊技者がどの段階まで進行したかを分かりやすくするため、各基本画像81には、段階の値を示す表示が含まれているとよい。本実施形態では各段階の基本画像81に「エピソード○」の文字が付加されている。○の値が現在の段階を示すものである。
本実施形態における基本画像81は、第一表示領域111や第二表示領域121よりも小さい略方形状の画像である。ステップアップ演出80は、基本的には、段階が進行するにつれて、当該基本画像81が変化していく(新たな基本画像81が表示される)というものである。本実施形態では、最終的に進行した段階が高くなればなるほど、ステップアップ演出80を含む一連の演出において当否判定結果が示される対象の当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高くなるよう設定されている。
かかるステップアップ演出80では、各段階(第N段階(Nは0を除く自然数))の演出において、次段階(第N+1段階)に移行するか否かを示す中途演出が実行される。当該中途演出により、次段階に移行するか、移行せずに現在の段階(第N段階)でステップアップが停止するかが示される。かかる中途演出の態様について以下詳細に説明する。
中途演出(図31(b)参照)においては、第N+1段階の演出態様を示唆する次段階画像821が表示される。当該次段階画像821は、第N+1段階の演出に進行したときに表示される基本画像81を直接的または間接的に表すものである。本実施形態における次段階画像821は、基本画像81を直接的に表すものであって、動画である基本画像81の初期画面を次段階画像821として表示する。基本画像81を間接的に表す例としては、基本画像81を端的に表した文字等(例えば、基本画像81のエピソードタイトル)を含む画像を次段階画像821として表示することが考えられる。このように、第N段階の中途演出においては、第N+1段階に移行した場合に実行される演出態様が予め示唆される。
また、中途演出においては、第N+1段階に移行しなかった場合の演出態様を示唆する非進行時画像822が表示される。本実施形態では、次段階に移行しなかった場合には、その時点でリーチ状態(リーチ状態については既述)を構築する識別図柄20が表示されるように構成されている。そのため、本実施形態における非進行時画像822は、リーチ状態を構築した識別図柄20とされる。つまり、本実施形態における非進行時画像822は、第N+1段階に移行しなかった場合の演出態様を直接的に表すものである。非進行時画像822を、第N+1段階に移行しなかった場合の演出態様を間接的に表すものとしてもよい。例えば、第N+1段階に移行しなかった場合の演出態様を端的に表した文字等(例えば、「発展」(ステップアップが進行せず、別の演出に移行するということを示す)といった文字)を含む画像を非進行時画像822として表示することが考えられる。
中途演出において、上記次段階画像821と非進行時画像822は合わせて複合表示領域13に表示される。本実施形態では、次段階画像821と非進行時画像822は互いに繋がっているかのように表示される。具体的には、次段階画像821と非進行時画像822を繋ぐ物体の画像(以下、接続画像823と主する)が表示される。接続画像823の具体的態様は、次段階画像821と非進行時画像822が物理的に繋がっているかのように示すものであればどのようなものであってもよい。本実施形態における接続画像823は、次段階画像821の周囲を囲む枠状の部分と、当該枠状の部分から延びて非進行時画像822を構成する識別図柄20(リーチ状態を構築する識別図柄20)に繋がる部分を含む画像とされている。このように、中途演出においては、次段階画像821と非進行時画像822が接続画像823によってひとまとまりとなったかのように表示される(以下、次段階画像821、非進行時画像822、接続画像823を含む画像を複合画像82と称することもある)。つまり、次の段階に移行することを示す画像と、次の段階に移行しないことを示す画像が、一緒に複合表示領域13に表示される(図31(b)参照)。
第N段階の演出が実行されているとき、当該段階であることを示す基本画像81は、複合表示領域13を構成する一部である第一表示領域111に表示される(図31(a)参照)。そして、中途演出では、複合画像82が複合表示領域13の上方から下方に向かって変位するように表示される。その後、非進行時画像822が第一表示領域111に、次段階画像821が第二表示領域121に表示された状態で、複合画像82がそのまま停止するか否かの煽りが発生する(図31(b)参照)。
かかる状態で複合画像82が停止せずにさらに下方に変位し、次段階画像821が第一表示領域111に表示された状態で停止された場合、次段階の演出に進行したことが示される。つまり、第N段階の演出から第N+1段階の演出に移行する場合には、中途演出は、非進行時画像822が複合表示領域13外に移動しつつ、次段階画像821が複合表示領域13(第一表示領域111)内に残ったかのような態様とされる(図31(d)参照)。より具体的には、第一表示領域111に表示されていた第N段階の演出であることを示す基本画像81が、第一表示領域111内に残った次段階画像821に覆われたかのような態様となる。第一表示領域111(第一表示装置11)は第二表示領域121(第二表示装置12)に比して表示領域が大きい「主表示装置」であるところ、第一表示領域111に次段階画像821が停止し、当該次段階画像821により第N段階の基本画像81が覆い隠されたことにより、次段階(第N+1段階)の演出に進行することが示される。
その後、第N+1段階の演出に進行したとき、第一表示領域111に表示された次段階画像821は、第N+1段階であることを示す基本画像81となる(図32(b)参照)。本実施形態における次段階画像821は、次段階の演出の基本画像81の初期画面を表したものであるため、そのまま基本画像81としての動画が表示される。すなわち、第N+1段階の演出が実行されることとなる。
一方、第N+1段階の演出への移行が発生しない場合、中途演出においては、複合画像82の全体が複合表示領域13内に残ったかのような態様となる。つまり、非進行時画像822が第一表示領域111に、次段階画像821が第二表示領域121に表示された状態で複合画像82が停止する(図31(c)参照)。第N段階の基本画像81は、第一表示領域111に表示される非進行時画像822で覆い隠されたような状態とされる。これにより、次段階の演出に進行せずに、「リーチ状態」が構築されたことが示される。つまり、「主表示装置」である第一表示領域111にリーチ状態を示す画像が停止したことにより、次段階の演出に移行せずに、リーチ状態が構築されたことを把握することが可能となる。この後(リーチ状態が構築された後)の進行はどのようなものであってもよい。
またこの場合、次段階画像821が第二表示領域121に表示された状態となる。第二表示領域121(第二表示装置12)は第一表示領域111(第一表示装置11)に比して表示領域が小さい「副表示装置」であるため、第二表示領域121に次段階画像821が停止したとしても、次段階の演出に移行したと勘違いしてしまうおそれは低い。第二表示領域121に表示された次段階画像821は、その後、基本画像81とは異なる態様の画像(動画)となる(図32(a)参照)。つまり、第N段階から第N+1段階に進行した場合には次段階画像821は第N+1段階を示す基本画像81(動画)に推移する一方、第N段階から第N+1段階に進行しなかった場合には次段階画像821は第N+1段階を示す基本画像81とは異なる態様の画像(以下、別画像83と称する)に推移する。当該別画像83(動画)は、次段階に進行しなかったことを示すため、最後にストーリーが完結するように構成されていることが好ましい。これにより、次段階に進行しなかったということを把握することが可能となる。一方、第N+1段階の基本画像81(動画)は、(第N+1段階がステップアップ演出80の最終段階でないのであれば)次の段階の基本画像81に繋がるストーリーとなるように構成されていることが好ましい。
このように、本実施形態におけるステップアップ演出80は、第N段階の演出から、第N段階の演出に移行するか否かを示す中途演出において、第N+1段階に移行したときに実行される演出を示唆する次段階画像821と、第N+1段階に移行しなかったときに実行される演出を示唆する非進行時画像822の両方が示される構成であるため、演出(今後の展開)が分かりやすいものとなる。
また、中途演出において表示される次段階画像821と非進行時画像822は、接続画像823により、互いに繋がっているかのように表示される。このような構成とすることで、中途演出において、次段階画像821と非進行時画像822が一緒に変位するものである(セットである)ことを明確に示すことが可能となる。
また、非進行時画像822は、識別図柄20を含む画像であるため、次段階の演出に移行しなかった場合、識別図柄20がどのような状態となるかを容易に把握することが可能となる。本実施形態では、非進行時画像822として、リーチ状態を構築する識別図柄20の画像が表示される。したがって、次段階の演出に移行しなかった場合には、リーチ状態が構築されることを容易に把握することが可能となる。
第N段階から第N+1段階に移行する場合、中途演出は、非進行時画像822が複合表示領域13の表示領域外に移動しつつ、次段階画像821が複合表示領域13内に残ったかのような態様となる。したがって、次段階(第N+1段階)に移行したということが分かりやすい。
また、第N段階から第N+1段階に移行する場合、複合表示領域13内に残ったかのように表示される次段階画像821は、第N段階の演出において表示されていた基本画像81を覆い隠す。したがって、次段階(第N+1段階)に移行したということが分かりやすい。
また、第N段階から第N+1段階に移行したときには、複合表示領域13内に残ったかのように表示される次段階画像821は、第N+1段階の演出において表示される基本画像81となる。したがって、次段階(第N+1段階)に移行したということが分かりやすい。
第N段階から第N+1段階への移行が発生しない場合、中途演出では、非進行時画像822が次段階画像821とともに複合表示領域13内に残ったかのような態様とされるため、次段階(第N+1段階)に移行しなかったということが分かりやすい。
第N段階から第N+1段階への移行が発生しなかったときには、複合表示領域13内に残った次段階画像821は、第N+1段階の基本画像81とは異なる態様の別画像83とされる。よって、次段階(第N+1段階)に移行しなかったということが分かりやすい。
本実施形態では、表示領域(複合表示領域13)は、第一表示領域111と第二表示領域121を含む。そして、第N段階から第N+1段階に移行する場合、中途演出は、次段階画像821が第一表示領域111に表示される態様となる一方、第N段階から第N+1段階への移行が発生しない場合、中途演出は、次段階画像821が第二表示領域121に表示され、非進行時画像822が第一表示領域111に表示される態様となる。つまり、次段階の演出に移行したか否かを示す画像は、必ず第一表示領域111(「主」の表示領域)に表示される態様とされるため、次段階の演出への移行の成否が分かりやすい。
4-5-2)本実施形態における上記ステップアップ演出80の構成はあくまで一例である。例えば以下のように変更、具体化等してもよい。
a)本実施形態では、上記ステップアップ演出80は第一表示領域111および第二表示領域121(複合表示領域13)に表示される各種画像により実行されるものであることを説明したが、第一表示領域111および第二表示領域121という複数の表示領域が設けられていることを前提とした構成以外の構成に関しては、一の表示領域(一の表示装置)において実行される演出に対しても適用することが可能である。
b)ステップアップ演出80を構成する各演出(各画像)は、演出(画像)を構成する細かい要素がその都度変化しうる構成としてもよい。例えば、次段階画像821や非進行時画像822は、ステップアップが次段階に移行した場合の演出態様と、移行しない場合の演出態様を示唆する画像であるという点(主要な部分)においては不変であるものの、いわゆるチャンスアップの有無等、細部においてはその都度変化しうる構成としてもよい。
c)本実施形態におけるステップアップ演出80は、中途演出において次段階画像821と非進行時画像822を含む複合画像82が表示されるものであるが、当該複合画像82の態様がその都度変化しうる設定としてもよい。具体的には、複合画像82を構成する接続画像823の態様(色や形態)が中途演出の度に異なりうる(複数種の接続画像823が設定された)構成とする。そして、接続画像823の態様により、次段階の演出に移行する蓋然性が示唆されるようにする。このような構成とすることで、演出の趣向性をさらに向上させることが可能となる。
d)本実施形態におけるステップアップ演出80は、最終的に到達する段階が高いほど、ステップアップ演出80を含む一連の演出において当否判定結果が示される対象の当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高くなるよう設定されていることを説明したが、これはあくまで一例である。最終的に到達する段階が低いほど、対象の当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が低くなるよう設定された構成としてもよい。また、特定の段階でステップアップが停止した場合は、その他の段階でステップアップが停止した場合に比して、対象の当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高くなるよう設定された構成としてもよい。
4-6)複合表示演出
4-6-1)本実施形態にかかる遊技機1が実行可能な複合表示演出85について説明する。複合表示演出85(図34等参照)は、第一演出851および第二演出852が組み合わされた演出である。第一演出851および第二演出852は、互いに関連付けられた演出であれば、具体的な態様は適宜変更可能である。本実施形態の複合表示演出85の態様(第一演出851および第二演出852の態様)は以下の通りである。
複合表示演出85は、複合表示領域13が複数の領域(以下、各領域を分割領域86と称することもある)に区画される演出である。各領域において、識別図柄20の変動が変動表示される。複合表示演出85により報知される当否判定結果は一つであるため、原則的には一組の識別図柄群20g(本実施形態では三つの識別図柄群20gからなる)が変動表示され、その組み合わせにより当否判定結果が報知されることになるところ、複合表示演出85においては擬似的に複数組の識別図柄群20gが各分割領域86において変動表示される(図34(a)参照)。
各分割領域86において表示される識別図柄群20gは、三つの識別図柄群20gのうち二つの変動が最終的に停止(擬似的な停止を含む)する。変動は各分割領域86において順に停止していくようにしてもよいし、同時に停止することがあってもよい。変動が停止したことによりリーチ状態が構築されたとき(図34(b)参照)には、当該分割領域86には今後の遊技の進行を示唆する示唆画像87が表示される。かかる示唆画像87は少なくとも二つ表示される(すなわち、リーチ状態は少なくとも二つ構築される)ように設定されており、表示された示唆画像87を用いたルーレット演出(選択演出)が実行される(図34(c)参照)。具体的には、表示された二以上の示唆画像87のうちのいずれかが選択され(図34(d)参照)、当該示唆画像87の内容に応じて遊技が進行する。なお、ルーレット演出において選択される示唆画像87は遊技者の意思によらず自動的に選択されるもの(選択される示唆画像87は内部的に決まっているもの)である。遊技者に押しボタン等の操作手段92を操作することを促し、当該操作手段92が操作されることを契機として(もしくは、操作有効期間が経過することを契機として)いずれかの示唆画像87が選択される構成としてもよいが、かかる構成とする場合であっても、選択される示唆画像87は予め決まっているものとされる。かかる点以外のルーレット演出の具体的態様はどのようなものであってもよい。例えば、一旦選択された示唆画像87が、別の示唆画像87に変化する、といった態様が発生しうるものとしてもよい。
示唆画像87として設定されうるものはどのようなものであってもよい。いわゆるスーパーリーチ演出が実行されることを示唆する画像(演出の内容が文字等により表された画像)等を例示することができる。また、本実施形態では、ルーレット演出が継続することを示す示唆画像87(例えば、「継続」という文字を含む画像)も設定されている。ルーレット演出において「継続」の示唆画像87が選択され、ルーレット演出が継続する回数が多くなるほど、対象の当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高くなるよう設定されている。なお、ルーレット演出において「継続」の示唆画像87が選択され、当該演出が継続することは、いわゆる擬似連続演出が発生することと同等である(同信頼度の演出)として設定されている。
第一演出851および第二演出852は、それぞれが一または複数の分割領域86を表示する演出である。具体的には、第一演出851は第一表示装置11(第一表示領域111)に、第二演出852は第二表示装置12(第二表示領域121)に、それぞれ一または複数の分割領域86を表示する。第一演出851として少なくとも一つの分割領域86が、第二演出852として少なくとも一つの分割領域86が表示されるものとすれば、表示領域全体(複合表示領域13全体)で、複数の分割領域86が表示されることとなる。
本実施形態では、複合表示領域13全体で五つの分割領域86が構築された第一分割態様(図33(a)参照)と、複合表示領域13全体で八つの分割領域86が構築された第二分割態様(図33(b)参照)が発生する。第一分割態様は、第一演出851として第一表示領域111に四つの分割領域86が、第二演出852として第二表示領域121に一つの分割領域86が構築された態様である。第二分割態様は、第一演出851として第一表示領域111に四つの分割領域86が、第二演出852として第二表示領域121に四つの分割領域86が構築された態様である。本実施形態では、基本的には、第二分割態様が設定される。演出の途中で分割領域86の数が変化することがあってもよい。
第一演出851および第二演出852のそれぞれにおいては、各分割領域86を区切る区切画像が表示される。例えば、第一演出851として第一表示領域111に四つの分割表示領域が構築された状態や、第二演出852として第二表示領域121に四つの分割表示領域が構築された状態においては、各表示領域を四つに分割するような区切画像(本実施形態では×の形態を呈する画像)が表示される。また、第二演出852として第二表示領域121に一つの分割領域86が構築された状態においては、第一表示領域111の外縁に沿うような区切画像が表示される。また、第一表示領域111と第二表示領域121の境界(境界枠部14)自体も、各分割領域86を区切る要素として機能する。
上記区切画像は、第一演出851を構成する一部の要素(第一演出要素)であり、第二演出852を構成する一部の要素(第二演出要素)であるといえる。本実施形態では、各演出の区切画像は、白の区切画像861、緑の区切画像862および赤の区切画像863(図33(c)参照)のいずれかとされる。つまり、第一演出要素と第二演出要素は、予め設定された複数種の候補要素(白、緑、赤の区切画像)のうちのいずれかが設定されるということである。緑の区切画像862は、白の区切画像861よりも、遊技者に有利な状況へ移行したこと(大当たり信頼度が高まったこと)を示す画像として設定されている。赤の区切画像863は、緑の区切画像862よりも、遊技者に有利な状況へ移行したことを示す画像として設定されている。つまり、赤の区切画像863は、複数種の候補要素のうち、遊技者にとって最も価値の高い画像として設定されている。
具体例をもとに、複合表示演出85の概要について説明する。初期状態において、第一演出851および第二演出852の双方が四つの分割領域86に区分けされて、第一演出要素として白の区切画像861が、第二演出要素として緑の区切り画像が設定されていたとする(図34(a)~(c)参照)。その後の一回目のルーレット演出において「継続」の示唆画像87が選択されたとき(図34(d)参照)、二回目のルーレット演出が開始される(図35(a)参照)。このとき、第一演出要素として緑の区切画像862が表示される。つまり、変化前には第二演出要素として設定されていた緑の区切画像862が、変化後に第一演出要素として設定された状態となる。つまり、「継続」の示唆画像87が選択されることは遊技者に有利な状況として設定されているところ、それを示す変化として、一回目のルーレット演出においては第二演出要素として設定されていたものが、二回目のルーレット演出においては第一演出要素に設定されたものとなる態様が設定されている。簡単にいえば、第二表示領域121に示されていた所定の演出要素が、第一表示領域111に移動するというような変化態様(以下、当該変化の態様を基本変化態様と称することもある)となる。
また、二回目のルーレット演出においては、第二演出要素として赤の区切画像863が設定された状態となる。つまり、第二演出要素もステップアップする。これにより、二回目のルーレット演出では、第一演出要素として緑の区切画像862が、第二演出要素として赤の区切り画像が設定された状態となる。
その後のルーレット演出において再び「継続」の示唆画像87が選択されたとする(図35(b)参照)。つまり、再びルーレット演出(三回目のルーレット演出)が開始されるとする(図35(c)参照)。この場合には、変化前には第二演出要素として設定されていた赤の区切画像863が、変化後に第一演出要素として設定された状態となる。つまり、一回目から二回目に切り替わる際の変化と同様に、第二表示領域121に示されていた所定の演出要素が、第一表示領域111に移動するというような基本変化態様が発生する。
また、三回目のルーレット演出においては、第二演出要素として赤の区切画像863が設定された状態となる。つまり、第二演出要素はステップアップしない。候補要素として設定された三種の区切画像のうち、赤の区切画像863は遊技者にとって最も価値が高いものとして設定されているから、これ以上ステップアップすることはない。
このように、本実施形態では、複合表示演出85(ルーレット演出)の継続という遊技者にとって有利な方向への変化を示すものとして、変化前に第二演出要素として設定されていた要素(候補要素)が、変化後に第一演出要素として設定されるという基本変化態様が設定されている。つまり、演出要素があたかも移動したかのような変化が発生するという斬新な演出である。
また、第一演出851は第一表示装置11(第一表示領域111)にて実行されるものであり、第二演出852は第二表示装置12(第二表示領域121)にて実行されるものであるから、両演出を明確に区分けすることが可能である。
表示領域の大小関係に基づき、第一表示装置11は「主表示装置」、第二表示装置12は「副表示装置」であると捉えられるところ、上記変化は、第二表示装置12にて表示されていた第二演出要素が、第一表示装置11に表示される第一演出要素に移行するという態様であるため、「主表示装置」である第一表示装置11にて実行されている演出を基準とすれば、遊技者は、基本変化態様は遊技者にとって喜ばしい方向への変化(ステップアップ)であるということを把握することが可能となる。
また、基本変化態様が発生する際、当該変化の前後で第二演出要素の種類も変化することがある(上記例でいえば、一回目のルーレット演出では緑の区切画像862であった第二演出要素が、二回目のルーレット演出では赤の区切画像863となる変化)。このような変化が発生することにより、基本変化態様は遊技者にとって喜ばしい方向への変化(ステップアップ)であるということをより明確に示すことが可能となる。ただし、候補要素として設定された三種の区切画像のうち、最も価値の高い区切画像(赤の区切画像863)が第二演出要素として設定された後は、次の複合表示演出85が発生した場合であっても、それ以上ステップアップすることはない。
本実施形態では、遊技者に有利な方向への変化を示す複合表示演出85の変化態様として、上記基本変化態様とは異なる特殊変化態様が設定されている。以下、特殊変化態様について説明する。
特殊変化態様は、第一演出要素および第二演出要素のいずれもが、遊技者にとって最も価値の高い候補要素(本実施形態では赤の区切画像863)に設定されたとき(図36(a)参照)に発生しうる変化態様である。換言すれば、これ以上基本変化態様に基づく変化を実行することができない状態となったときに発生しうる変化態様であるといえる。第一演出851および第二演出852の両方とも赤の区切画像863が表示された複合表示演出85のルーレットにおいて「継続」の示唆画像87が選択され(図36(b)参照)、次のルーレット演出が発生する(図36(c)参照)とする。この場合、特殊変化態様が発生することがある。
特殊変化態様は、基本変化態様と異なるものであれば基本的にはどのようなものであってもよい。本実施形態における特殊変化態様は、先のルーレット演出に比して、その後発生するルーレット演出(後のルーレット演出)の方が、遊技者に有利なものとなるという変化である。
その変化の一例としては、複数の示唆画像87が先のルーレット演出において表示されたとき、後のルーレット演出においては、先のルーレット演出において表示された示唆画像87の一部が排除された上で、当該後のルーレット演出において選択されうる示唆画像87として表示される態様が考えられる。つまり、ルーレット演出における「選択肢」が減少する変化である(図36(b)(c)参照)。このように、ルーレット演出における「選択肢」が減少するという変化が発生すると、遊技者は発展先が限定されることにより大当たりに近づいたのではないかという印象を受ける。つまり、上記基本変化態様に基づく変化を実行することができない状態(実行することが困難な状態)となった後も、遊技者は有利な状況に変化したことを把握することが可能である。
この場合、先のルーレット演出において表示された複数の示唆画像87のうち、選択されることが遊技者にとって不利な示唆画像87の少なくとも一部が排除されるようにするとよい。例えば、選択されたときに、対象の当否判定結果がはずれとなってしまうことが確定する示唆画像87(「残念」の示唆画像87)が必ず排除されるといった構成とすることが考えられる(図36(c)(d)参照)。
なお、特殊変化態様として、「選択肢」が増加する変化が設定されていてもよい。選択されることが遊技者にとって有利な示唆画像87が増加するような構成とすれば、遊技者は有利な状況に変化したことを把握することが可能となる。
4-6-2)本実施形態における上記複合表示演出85の構成はあくまで一例である。例えば以下のように変更、具体化等してもよい。
a)本実施形態における複合表示演出85は、第一演出851は第一表示装置11(第一表示領域111)にて、第二演出852は第二表示装置12(第二表示領域121)にて実行されるものであることを説明したが、一の表示装置にて実行されるものとしてもよい。つまり、一の表示装置における所定の領域にて第一演出851が実行され、他の領域にて第二演出852が実行される構成としてもよい。
b)本実施形態における複合表示演出85では、第一表示領域111に一または複数の分割領域86が、第二表示領域121に一または複数の分割領域86が表示されること(表示領域間の境界(境界枠部14)自体が、各分割領域86を区切る要素として機能すること)を説明したが、複数の分割領域86のうちのいずれかが第一表示領域111(第一表示装置11)と第二表示領域121(第二表示装置12)に跨るように表示されうる構成としてもよい(図37参照)。ルーレット演出(選択演出)に関していえば、複数の示唆画像87(選択肢)のうちのいずれかが第一表示領域111と第二表示領域121に跨って表示された状態となるということである。
本実施形態のように表示領域間の境界自体が分割領域86を区切る要素として機能した状態と、少なくとも一部の分割領域86が第一表示領域111と第二表示領域121に跨るように表示された状態とでは、遊技者の見た目の印象が大きく異なることから、演出の趣向性を高めることが可能となる。
c)本実施形態における複合表示演出85では、ルーレット演出において「継続」が選択されたときに、基本変化態様や特殊変化態様による変化が生じることを説明したが、これ以外のタイミングで変化が生じるようにしてもよい。
例えば、複合表示領域13全体に挿入画像89(図38(b)参照)を一時的に表示する。当該挿入画像89が表示されているときには、分割領域86に区分けされた状態が表示されないこととなるから、当該挿入画像89が表示される前後で、上記基本変化態様や特殊変化態様が生じるようにすることが考えられる。
また、挿入画像89が表示される前後で、上記基本変化態様や特殊変化態様とは異なるその他の変化が発生することがあるようにしてもよい。当該その他の変化としては、分割領域86の数が変化すること、例えば、上述した第一分岐態様と第二分岐態様の一方から他方に変化すること等が考えられる(図38参照)。
d)本実施形態における複合表示演出85は、基本的にはルーレット演出において選択された示唆画像87に応じたその後の展開が発生するものであることを説明したが、示唆画像87の選択を経ずに他の演出に移行することがあってもよい。例えば、ルーレット演出において遊技者に対し押しボタン等の操作手段92の操作を促し、当該操作手段92が操作されることを契機として(もしくは、操作有効期間が経過することを契機として)、別の演出に移行する。このようにすることで、遊技者に驚きを与えることが可能となる。
別の演出はどのようなものであってもよいが、上述した分岐演出、同時進行演出70、複合報知演出75といった、複数の表示装置10(第一表示装置11および第二表示装置12)を利用した演出であることが好ましい。本実施形態における複合表示演出85は複数の表示装置10を利用したものであるから、複数の表示装置10を利用した別の演出に突然移行するようにするとよい。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
○手段1-1
一方側から他方側にかけて次第に後方に向かうように表示面が傾斜した状態となることが可能な表示装置を備え、
前記表示面の一方側に表示される画像に比して、前記表示面の他方側に表示される画像の方が、明度が高くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。
このように構成することで、表示面の後方が遊技者に暗く見えてしまうのを抑制することが可能である。
○手段1-2
前記表示面の少なくとも一部に表示される画像が、前記他方側に近づくにつれて次第に明度が高くなるように設定されていることを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このように、他方側(後方)に向かって次第に明度が高くなるよう(グラデーション)にすることで、遊技者の視点での画像の均一性を高めることが可能である。
○手段1-3
前記一方側は前記表示面の上側であり、前記他方側は前記表示面の下側であることを特徴とする手段1-1または手段1-2に記載の遊技機。
上方から下方にかけて後方に位置するように表示面が傾斜していると、表示装置の上側部分が影となり、表示面の下側が暗く見えてしまうおそれが高まるところ、上記のような構成とすることでこのような状況となるおそれを低減することが可能である。
○手段1-4
前記表示装置とは異なる別の表示装置を備え、
前記表示装置は、その他方側が前記別の表示装置側に位置するように配置されていることを特徴とする手段1-1から手段1-3のいずれかに記載の遊技機。
○手段1-5
前記別の表示装置は、その表示面が前後方向に対して略直交するように配置されたものであることを特徴とする手段1-4に記載の遊技機。
このように、表示装置と別の表示装置が並ぶ構成である場合、別の表示装置に表示される画像との比較において表示装置に表示される画像の不均一性が目立ってしまうおそれが高まるところ、上記のような構成とすることでこのような状況となるおそれを低減することが可能である。
○手段1-6
前記表示装置は、常態においてその表示面が傾斜した状態にあるものであることを特徴とする手段1-1から手段1-5のいずれかに記載の遊技機。
○手段1-7
前記表示装置は、動かないように固定されたものであることを特徴とする手段1-1から手段1-6のいずれかに記載の遊技機。
表示面が傾斜した状態にないものに対し上記のような措置が施されると、逆に画像が不均一に見えてしまう。したがって、上記のような措置が施される対象の表示装置としては、表示装置が可動するものの場合には常態において表示面が傾斜した状態にあるものか、傾斜した状態で固定されているものであることが好ましい。
○手段2-1
複数の表示装置と、
それぞれが複数種の識別図柄を含む複数の識別図柄群を変動表示させ、それぞれの識別図柄群から選択されて停止した識別図柄の組み合わせにより当否判定結果を報知する報知手段と、
前記複数の識別図柄群のうちの一部と他の一部が、異なる表示装置にて変動表示される特定変動演出を実行することが可能な演出実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
このような構成とすることにより、変動する識別図柄の見た目を斬新なものとすることが可能である。
○手段2-2
前記特定変動演出は、各表示装置にて変動表示される識別図柄群の変動方向が互いに異なるものであることを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このように、変動方向が異なる識別図柄群のそれぞれは、異なる表示装置にて表示される(表示装置に対応づけた変動方向が設定されている)というものとすれば、変動方向の違いが強調されることになる。
○手段2-3
前記表示装置として、第一表示装置および当該第一表示装置よりもアスペクト比(縦の長さ/横の長さ)が小さい第二表示装置を備え、
前記特定変動演出において、前記第二表示装置に表示される識別図柄群は、略横方向に変動表示されることを特徴とする手段2-2に記載の遊技機。
このようにすることで、第二表示装置に表示される識別図柄群の変動方向(略横方向の変動)が強調されることになる。
○手段2-4
前記特定変動演出において、前記第一表示装置に表示される識別図柄群は、略縦方向に変動表示されることを特徴とする手段2-3に記載の遊技機。
このようにすることで、第一表示装置に表示される識別図柄群の変動方向(略縦方向の変動)が強調されることになる。
○手段2-5
前記第一表示装置および前記第二表示装置は、横方向における左右の側縁の位置を一致させるようにして、上下に並ぶように配置されていることを特徴とする手段2-2または手段2-4に記載の遊技機。
このような構成とすることで、第一表示装置と第二表示装置の一方が「横長」または「縦長」の形状であるということが、他方により強調されることとなる。
○手段2-6
前記第二表示装置に変動表示される識別図柄群は、最後に変動が停止されるものであることを特徴とする手段2-3から手段2-5のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすることで、遊技者が最も注目するであろう最後に変動が停止される識別図柄群が、第二表示装置に表示されることにより強調されることとなる。
○手段3-1
当否判定結果を報知するための識別図柄が変動表示される表示装置と、
前記識別図柄をその変動方向に向かって次第に細くなるように前記表示装置に表示することが可能な表示制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
このように、各識別図柄(群)がその変動方向に向かって次第に細くなるように表示されるという斬新な表示態様とすることで、遊技の趣向性向上につながる。
○手段3-2
前記識別図柄は、前記表示装置の表示領域外に消失点が設定されているかのように表示されることを特徴とする手段3-1に記載の遊技機。
このような構成とすることで、各識別図柄の立体感が高まる。
○手段3-3
複数の識別図柄の全てが、その変動方向に向かって次第に細くなるように、かつ、それぞれについて同じ位置に前記消失点が設定されているかのように表示されることを特徴とする手段3-2に記載の遊技機。
このように、複数の識別図柄の全てについての消失点が同じ位置に設定されているかのように各識別図柄が表示されるものとすれば、これら複数の識別図柄が相まって、各識別図柄の立体感がさらに高められる。
○手段3-4
前記表示装置の表示領域は、前記識別図柄の変動方向に交差する辺の長さよりも、前記識別図柄の変動方向に沿う辺の長さの方が長いことを特徴とする手段3-1から手段3-3のいずれかに記載の遊技機。
このように、「縦長」の表示領域の長手方向に沿うように識別図柄が変動表示されるようにすれば、識別図柄の立体感がさらに高められる。
○手段3-5
前記表示装置の表示面の少なくとも一部は、変動表示される前記識別図柄の進行方向に向かって次第に遊技者側に位置するように傾斜した傾斜面を含むことを特徴とする手段3-1から手段3-4のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすれば、識別図柄が傾斜面に表示されているときには、あたかも識別図柄が次第に遊技者に近づいていくような面白みのある表示態様となる。
○手段3-6
前記識別図柄は上方に向かうように変動表示され、
前記表示装置の表示面は、その上側に前記傾斜面を含むものであることを特徴とする手段3-5に記載の遊技機。
このような構成とすれば、遊技者に対し、識別図柄が自身の上方(頭上)を通過しているのではないかといった印象を与えることが可能である。
○手段3-7
前記表示装置の表示面は、前記傾斜面と、前後方向に対して直交する平坦面を含むことを特徴とする手段3-5または手段3-6に記載の遊技機。
このような構成とすることで、変動する各識別図柄(群)は、平坦面から傾斜面に移行するように表示されることになる。これにより、各識別図柄の変動を三次元的にみせることが可能となる。
○手段4-1
第一表示装置と、
前記第一表示装置よりも表示領域が小さい第二表示装置と、
前記第一表示装置に特定画像が表示されているとき、前記第二表示装置に当否判定結果を報知するための識別図柄を表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
このような構成とすることで、第一表示装置に特定画像が表示されているときであっても、遊技者は識別図柄がどのような状態にあるのかを把握することが可能となる。
○手段4-2
前記第一表示装置および前記第二表示装置の両方、または前記第一表示装置に前記識別図柄が表示された状態から、前記第一表示装置に前記特定画像が表示され、前記第二表示装置に前記識別図柄が表示された状態に移行することを特徴とする手段4-1に記載の遊技機。
このような構成とすることで、特定画像が突発的に表示されたかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。
○手段4-3
前記第一表示装置に表示される画像は、複数のレイヤが重ねられて出力されるものであり、
前記複数のレイヤとして、識別図柄を含む画像を表示する図柄レイヤ、および当該図柄レイヤよりも前側の前記特定画像を表示する特定レイヤが設定されていることを特徴とする手段4-1または手段4-2に記載の遊技機。
○手段4-4
前記特定レイヤは、前記複数のレイヤのうち最も前側に設定されるレイヤであることを特徴とする手段4-3に記載の遊技機。
○手段4-5
前記特定画像は、第一表示装置の表示領域の全域に表示される画像であることを特徴とする手段4-1から手段4-4のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とした場合、特定画像が出力されたときに識別図柄が出力されたとしてもそれは特定画像に覆われて見えない。したがって、特定画像が出力されているときには、第二表示装置にて識別図柄を表示する。
○手段4-6
前記特定画像は、三次元的な画像であることを特徴とする手段4-1から手段4-5のいずれかに記載の遊技機。
三次元的な画像に対し別の画像を重ねてしまうと、当該三次元的な画像が三次元的に見えなくなってしまうおそれがある。したがって、特定画像には別の画像が重ねて表示されないようにすることが好ましい。そして、このような構成としても、特定画像が第一表示装置に表示されているときには、識別図柄が第二表示装置に表示されることになるため、識別図柄がどのような状態にあるのかを把握することが可能である。
○手段4-7
前記第一表示装置に前記特定画像が表示されているとき、前記第二表示装置には、遊技者に有利な遊技の進行が発生することを示す組み合わせで前記識別図柄が表示される場合があることを特徴とする手段4-1から手段4-6のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすることで、遊技者に有利な遊技の進行が発生するときに特定画像が表示された場合であっても、識別図柄の状態(有利な遊技の進行を示す組み合わせ)を把握することが可能である。
○手段5-1
表示領域の側縁に沿って設けられた有体物である枠部を有する表示装置と、
前記枠部を前記表示領域に表示される画像とみなした枠演出を実行することが可能な演出実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
このような構成とすることで、表示装置の枠部を擬似的な画像と見立てた面白みのある演出を実行することが可能となる。
○手段5-2
前記表示装置として、第一表示装置および第二表示装置を備え、
前記第一表示装置と前記第二表示装置の少なくともいずれか一方に設けられた枠部が両表示装置の表示領域の間に位置していることを特徴とする手段5-1に記載の遊技機。
第一表示装置と第二表示装置の両方を視認可能とする場合、両表示装置の表示領域の間に位置する枠部を隠すことはできない。かかる枠部を擬似的な画像と見立てて演出に利用するとよい。
○手段5-3
前記枠演出は、画像とみなされた前記枠部と関わり合う特定画像が表示されるものであって、当該特定画像が前記第一表示装置および前記第二表示装置の一方の表示領域に表示された状態から他方の表示領域に表示された状態に遷移する演出であることを特徴とする手段5-1または手段5-2に記載の遊技機。
○手段5-4
前記枠演出は、画像とみなされた前記枠部を支持部として前記特定画像が変位するかのような表示がなされる演出であることを特徴とする手段5-3に記載の遊技機。
このような構成とすることで、画像と見立てた枠部の「画像であるかような印象」を高めることが可能である。
○手段5-5
前側に遊技領域が形成された遊技盤を備え、
前後方向において、前記遊技盤に形成された開口と前記枠部の少なくとも一部が重なるように前記表示装置が配置されていることを特徴とする手段5-1から手段5-4のいずれかに記載の遊技機。
このように、遊技盤の開口を通じて表示装置が配置される場合、表示装置の枠部の少なくとも一部が当該開口を通じて視認される状況となる。したがって、当該視認される枠部を擬似的な画像と見立てて演出に利用するとよい。
○手段6-1
第一表示装置および第二表示装置と、
少なくとも前記第一表示装置を利用して実行される演出であって、所定の分岐点以降に実行される演出態様がその都度変化しうる主演出、および、前記第二表示装置を利用して実行される演出であって、前記分岐点以降に実行される前記主演出の演出態様が一定でないことを遊技者に示唆する副演出を実行する演出実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
ある演出に初めて接した遊技者は、当該演出がどのような内容の演出であるか全く知らないため、演出の途中に分岐点が設定されていることを把握できないおそれがある。上記のような構成とすれば、副演出により主演出に分岐点が存在することが示されるため、遊技者は主演出の分岐点以降の態様が毎回同じではないことを把握することが可能となる。
○手段6-2
前記主演出における前記分岐点以降の演出態様は、記憶手段に記憶されている複数種の基本態様のうちのいずれかから選択されて設定されるものであり、
前記副演出は、前記複数種の基本態様のうちの少なくとも一部である二以上の態様を実行中の主演出の分岐点以降の演出態様として設定される可能性がある候補態様とし、当該候補態様を表す候補表示を前記第二表示装置に表示した上で、当該実行中の主演出の分岐点以降の演出態様として実行される候補態様に対応する候補表示を選択する演出であることを特徴とする手段6-1に記載の遊技機。
このような構成とすることで、主演出の分岐点以降の態様が分かりやすいものとなる。
○手段6-3
前記記憶手段に記憶されている前記基本態様の数は、前記副演出において表示される前記候補表示の数よりも多いことを特徴とする手段6-2に記載の遊技機。
このような構成とすることで、演出の幅が広がる。
○手段6-4
前記副演出において表示される二以上の前記候補表示は、選択されたときに遊技者が有利な状況となる蓋然性である信頼度が互いに異なるものであることを特徴とする手段6-1から手段6-3のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすることで、主演出が途中で信頼度が異なる態様に分岐する演出であるということを把握することが可能となる。
○手段6-5
前記副演出において、前記副演出において表示される二以上の前記候補表示のうち、信頼度が最も高い候補表示が選択される蓋然性が、当該副演出の一部として前記第二表示装置にて示唆されることを特徴とする手段6-4に記載の遊技機。
このような構成とすることで、副演出に対する遊技者の注目の度合が高まる。また、「信頼度が最も高い候補表示が選択される蓋然性」は第二表示装置にて示唆される(第一表示装置にて示唆されるものではない)ため、主演出の世界観が崩れてしまうことが抑制される。
○手段7-1
前半部分から後半部分に移行することが、遊技者に有利な事象として設定されている第一予告演出および第二予告演出を実行する演出実行手段を備え、
前記第一予告演出が前半部分から後半部分に移行するか否かの結末、および前記第二予告演出が前半部分から後半部分に移行するか否かの結末が略同時に示されることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、前半部分から後半部分に移行することが、遊技者に有利な事象として設定されている第一予告演出および第二予告演出について、前半部分から後半部分に移行するか否かの結果が略同時に示されるという面白みのある演出を実行することが可能である。
○手段7-2
前記第一予告演出および前記第二予告演出の一方が前半部分から後半部分へ移行し、他方が前半部分から後半部分に移行しない態様が発生しうることを特徴とする手段7-1に記載の遊技機。
○手段7-3
前記第一予告演出および前記第二予告演出の両方が前半部分から後半部分へ移行する態様が発生しうることを特徴とする手段7-1または手段7-2に記載の遊技機。
○手段7-4
前記第一予告演出および前記第二予告演出の両方が前半部分から後半部分へ移行しない態様が発生しうることを特徴とする手段7-1から手段7-3のいずれかに記載の遊技機。
前半部分から後半部分への移行の成否の態様として、上記のような態様が発生するようにすれば、演出の幅が広がる。
○手段7-5
前記第一予告演出および前記第二予告演出の後半部分の結末により、遊技者に利益が付与されるか否かが報知されることを特徴とする手段7-1から手段7-4のいずれかに記載の遊技機。
このように、後半部分に移行した場合にはその結末により利益が付与されるか否かが報知されるようにすれば、前半部分から後半部分に移行するか否かという点に対する遊技者の注目の度合が高まる。
○手段7-6
前記第一予告演出の後半部分の結末により遊技者に利益が付与されることが報知された場合と、前記第二予告演出の後半部分の結末により遊技者に利益が付与されることが報知された場合とでは、遊技者が享受する利益の期待値が異なることを特徴とする手段7-5に記載の遊技機。
○手段7-7
前記第一予告演出および前記第二予告演出の後半部分の結末により、大当たりに当選したか否かが報知されるよう構成され、
前記大当たりとして、第一大当たりおよび当該第一大当たりよりも遊技者が享受する利益が大きい第二大当たりが設定されており、
前記第二予告演出の後半部分の結末により大当たりに当選したことが報知された場合には、当該大当たりが第二大当たりとなることが確定することを特徴とする手段7-6に記載の遊技機。
このような構成とすれば、いずれの予告演出が後半部分に移行するかということに対する遊技者の関心が高まることになる。
○手段7-8
前記第一予告演出および前記第二予告演出は、異なる表示装置にて実行されることを特徴とする手段7-1から手段7-7のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすれば、遊技者に対し、各予告演出が独立して進行しているかのような印象を与えることが可能となる。
○手段7-9
前記第一予告演出が実行される領域と前記第二予告演出が実行される領域を合わせた領域において、前記第一予告演出および前記第二予告演出と同様に前半部分から後半部分に移行することが遊技者に有利な事象として設定されている、一の演出である特別演出が実行される場合があることを特徴とする手段7-1から手段7-8のいずれかに記載の遊技機。
第一表示装置にて実行される第一予告演出と第二表示装置にて実行される第二予告演出が互いに独立して進行しているかのような印象を与える演出との比較において、上記特別演出は遊技者に対し驚きを与えるものとなる。
○手段7-10
操作手段と、
前記操作手段の操作が演出に反映される操作演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、第一操作演出および第二操作演出を同時に発生させることが可能であり、両演出の操作有効期間中に前記操作手段の操作が検出されたときには、当該操作が両演出において反映されることを特徴とする遊技機。
このよに、操作手段の操作が検出されたときに、当該操作が一度に両操作演出に反映されるようにすることで、操作演出の趣向性を高めることが可能となる。
○手段8-1
遊技者に利益が付与されるか否かを報知する報知演出が実行される遊技機であって、
少なくとも一部が同時期に進行する互いに異なる態様の複数の報知演出が実行される演出であって、遊技者に利益が付与される場合には当該複数の報知演出の少なくともいずれかにて遊技者に利益が付与されることが報知される複合報知演出を実行することが可能な演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機における複合報知演出は、第一報知演出および第二報知演出が合わせて発生するものであって、遊技者に利益が付与される場合には、いずれかの報知演出にて当該利益付与が報知されるという面白みのある演出である。
○手段8-2
前記複合報知演出は、第一報知演出および第二報知演出を含み、
先に前記第一報知演出の結末が示され、次に前記第二報知演出の結末が示されることを特徴とする手段8-1に記載の遊技機。
このように、複合報知演出を、第一報知演出の結末が示された後、第二報知演出の結末が示されるというものとすれば、各報知演出の結末がどのようなものとなったのかが分かりやすい。
○手段8-3
前記第二報知演出は、途中で演出の進行が一定期間停止するものであることを特徴とする手段8-2に記載の遊技機。
このように、第一報知演出の結末と第二報知演出の結末が実行されるタイミングをずらすために、第二報知演出の進行を途中で一時的に停止させる(停止したかのように表示する)という構成とすることで、途中までは両演出が同時進行しているかのような態様を実現することが可能となる。
○手段8-4
前記第一報知演出の結末にて遊技者に利益が付与されることが報知された場合、前記第二報知演出の結末によりその利益の大きさが変化するか否かが報知されることを特徴とする手段8-2または手段8-3に記載の遊技機。
このような構成とすれば、第一報知演出の結末により利益付与が報知されたときには、第二報知演出の結末がいわゆる「昇格」の有無を報知するものとなるから、第一報知演出にて大当たりに当選して、第二報知演出が無駄(無意味)になってしまったかのような印象を遊技者に与えることが防止される。
○手段8-5
前記第一報知演出の結末にて遊技者に利益が付与されることが報知されなかった場合、前記第二報知演出の結末により再度遊技者に利益が付与されるか否かが報知されることを特徴とする手段8-2から手段8-4のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすることで、利益を得るための機会が複数回設定されているかのような印象を遊技者に対し与えることが可能となる。
○手段8-6
複数の表示装置を備え、
前記複合報知演出は、前記複数の表示装置のそれぞれにて互いに異なる態様の報知演出が実行されるように構成されていることを特徴とする手段8-1から手段8-5のいずれかに記載の遊技機。
このように、第一報知演出および第二報知演出が互いに異なる表示装置にて実行されるものとすれば、同時期に進行する演出であっても、両者を区別しやすくなる。
○手段8-7
ある表示装置にて実行されていた報知演出が、所定のタイミングにて、当該ある表示装置とは異なる別の表示装置にて実行されるものに切り替わる切替演出が発生しうることを特徴とする手段8-6に記載の遊技機。
このように、第一報知演出が第一表示装置にて、第二報知演出が第二表示装置にて実行された状態から、第一報知演出が第二表示装置にて、第二報知演出が第一表示装置にて実行された状態に切り替わるものとすれば、演出の態様が斬新なものとなる。
○手段8-8
前記複数の表示装置のうちの一つが主表示装置として設定され、
前記複合報知演出が含む各報知演出は、異なるタイミングにて結末が示されるものであって、前記切替演出により各報知演出の結末が前記主表示装置にて実行されるように設定されていることを特徴とする手段8-7に記載の遊技機。
このように、「表示装置の切替わり」により、両報知演出の結末が必ず主表示装置にて示されるようにすれば、当該「結末」がどのようなものとなったかが分かりやすい。
○手段9-1
表示装置と、
演出が段階的に進行するステップアップ演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記ステップアップ演出における、第N段階(Nは0を除く自然数である)から第N+1段階に移行するか否かを示す中途演出において、
当該第N+1段階の演出態様を直接的または間接的に表す次段階画像と、
当該第N+1段階に移行しなかった場合の演出態様を直接的または間接的に表す非進行時画像と、
が併せて前記表示装置に表示されることを特徴とする遊技機。
このように、上記ステップアップ演出は、第N段階の演出から、第N段階の演出に移行するか否かを示す中途演出において、第N+1段階に移行したときに実行される演出を示唆する次段階画像と、第N+1段階に移行しなかったときに実行される演出を示唆する非進行時画像の両方が示される構成であるため、演出(今後の展開)が分かりやすいものとなる。
○手段9-2
前記中途演出において、前記次段階画像と前記非進行時画像は、互いに繋がっているかのように表示されることを特徴とする手段9-1に記載の遊技機。
このように、中途演出において表示される次段階画像と非進行時画像が互いに繋がっているかのように表示されるようにすることで、中途演出において、次段階画像と非進行時画像が一緒に変位するものである(セットである)ことを明確に示すことが可能となる。
○手段9-3
前記非進行時画像は、当否判定結果を示す識別図柄を含む画像であることを特徴とする手段9-1または手段9-2に記載の遊技機。
このように、非進行時画像が識別図柄を含む画像とすれば、次段階の演出に移行しなかった場合、識別図柄がどのような状態となるかを容易に把握することが可能となる。
○手段9-4
前記非進行時画像は、前記識別図柄がリーチ状態を構築しているものを含む画像であることを特徴とする手段9-3に記載の遊技機。
このような構成とすることで、次段階の演出に移行しなかった場合には、リーチ状態が構築されることを容易に把握することが可能となる。
○手段9-5
第N段階から第N+1段階に移行する場合、前記中途演出は、前記非進行時画像が前記表示装置の表示領域外に移動しつつ、前記次段階画像が前記表示装置の表示領域内に残ったかのような態様となることを特徴とする手段9-1から手段9-4のいずれかに記載の遊技機。
このように、第N段階から第N+1段階に移行する場合に、非進行時画像が複合表示領域の表示領域外に移動しつつ、次段階画像が複合表示領域内に残ったかのような態様となるようにすれば、次段階(第N+1段階)に移行したということが分かりやすい。
○手段9-6
第N段階から第N+1段階に移行する場合、前記表示装置の表示領域内に残った前記次段階画像が、第N段階の演出において表示されていた所定の画像を覆い隠すことを特徴とする手段9-5に記載の遊技機。
このように、第N段階から第N+1段階に移行する場合、複合表示領域内に残ったかのように表示される次段階画像が、第N段階の演出において表示されていた画像を覆い隠すようにすれば、次段階(第N+1段階)に移行したということが分かりやすい。
○手段9-7
第N段階から第N+1段階に移行したときには、前記中途演出において前記表示装置の表示領域内に残った前記次段階画像が第N+1段階の演出において表示される演出画像となることを特徴とする手段9-5または手段9-6に記載の遊技機。
このように、第N段階から第N+1段階に移行したときには、複合表示領域内に残ったかのように表示される次段階画像が、第N+1段階の演出において表示される演出画像となるようにすれば、次段階(第N+1段階)に移行したということが分かりやすい。
○手段9-8
第N段階から第N+1段階への移行が発生しない場合、前記中途演出は、前記非進行時画像が前記次段階画像とともに前記表示装置の表示領域内に残ったかのような態様となることを特徴とする手段9-1から手段9-7のいずれかに記載の遊技機。
第N段階から第N+1段階への移行が発生しない場合、中途演出では、非進行時画像が次段階画像とともに複合表示領域内に残ったかのような態様とされるため、次段階(第N+1段階)に移行しなかったということが分かりやすい。
○手段9-9
第N段階から第N+1段階への移行が発生しなかったときには、前記中途演出において前記表示装置の表示領域内に残った前記次段階画像が前記演出画像とは異なる特定画像となる手段9-7を引用する手段9-8に記載の遊技機。
このように、第N段階から第N+1段階への移行が発生しなかったときには、複合表示領域内に残った次段階画像が、第N+1段階の演出画像とは異なる態様の別画像(特定画像)とされるようにすれば、次段階(第N+1段階)に移行しなかったということが分かりやすい。
○手段9-10
前記表示装置として、第一表示装置および第二表示装置を備え、
第N段階から第N+1段階に移行する場合、前記中途演出は、前記非進行時画像が前記第一表示装置および前記第二表示装置のいずれの表示領域にも表示されない、かつ、前記次段階画像が前記第一表示装置の表示領域に表示された態様となる一方、
第N段階から第N+1段階への移行が発生しない場合、前記中途演出は、前記非進行時画像が前記第一表示装置の表示領域に表示され、かつ、前記次段階画像が前記第二表示装置の表示領域に表示された態様となる
ことを特徴とする手段9-5から手段9-7のいずれかを引用する手段9-8、または手段9-9に記載の遊技機。
このように、第N段階から第N+1段階に移行する場合、次段階画像が第一表示装置に表示される態様となる一方、第N段階から第N+1段階への移行が発生しない場合、次段階画像が第二表示装置に表示され、非進行時画像が第一表示装置に表示される態様となるようにすれば、次段階の演出に移行したか否かを示す画像は、必ず第一表示装置に表示される態様とされるため、次段階の演出への移行の成否が分かりやすい。
○手段10-1
第一演出要素を含む第一演出、第二演出要素を含む第二演出が組み合わされた複合表示演出を実行する演出実行手段を備え、
前記第一演出要素および前記第二演出要素は、ともに、予め設定された複数種の候補要素のうちのいずれかが設定されるものであり、
遊技者に有利な方向への変化を示す前記複合表示演出の変化態様として、変化前において第二演出要素として設定されていた候補要素が、変化後に第一演出要素として設定される基本変化態様が設定されていることを特徴とする遊技機。
上記遊技機における複合表示演出は、遊技者にとって有利な方向への変化を示すものとして、変化前に第二演出要素として設定されていた要素(候補要素)が、変化後に第一演出要素として設定されるという基本変化態様が設定されている。つまり、演出要素が第二演出から第一演出へあたかも移動したかのような変化が発生するという斬新な演出である。
○手段10-2
前記第一演出が実行される第一表示装置、および前記第二演出が実行される第二表示装置を備えることを特徴とする手段10-1に記載の遊技機。
このように、第一演出が第一表示装置にて、第二演出が第二表示装置にて実行されるようにすれば、両演出を明確に区分けすることが可能である。
○手段10-3
前記基本変化態様の発生により、ある候補要素が前記第二演出要素として設定された状態から、当該ある候補要素とは異なる種類の候補要素が前記第二演出要素として設定された状態に変化する場合があることを特徴とする手段10-1または手段10-2に記載の遊技機。
このように、基本変化態様が発生する際、当該変化の前後で第二演出要素の種類も変化することがあるようにすれば、基本変化態様は遊技者にとって喜ばしい方向への変化(ステップアップ)であるということをより明確に示すことが可能となる。
○手段10-4
前記基本変化態様が発生した場合であっても、前記第二演出要素が変化しない場合があることを特徴とする手段10-1から手段10-3のいずれかに記載の遊技機。
例えば、第二演出要素として、遊技者にとって最も価値が高い候補要素が設定されている場合には、第二演出要素を変化させないほうがよい。
○手段10-5
前記第一演出要素および前記第二演出要素が同じである場合には、遊技者に有利な方向への変化を示す前記複合表示演出の変化態様として、前記基本変化態様とは異なる特殊変化態様が設定されていることを特徴とする手段10-1から手段10-4のいずれかに記載の遊技機。
○手段10-6
前記複数種の候補要素のうち、遊技者にとっての価値が最も高い候補要素が前記第一演出要素および前記第二演出要素として設定されている場合には、遊技者に有利な方向への変化を示す前記複合表示演出の変化態様として、前記基本変化態様とは異なる特殊変化態様が設定されていることを特徴とする手段10-1から手段10-4のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすれば、基本変化態様に基づく変化を実行することができない状態(実行することが困難な状態)となった後も、遊技者は有利な状況に変化したことを把握することが可能である。
○手段10-7
前記複合表示演出は、複数の分割領域を表示する演出であって、前記第一演出および前記第二演出のそれぞれが一または複数の分割領域を表示するものであり、
前記第一演出要素および前記第二演出要素は、各分割領域を区切る区切画像の態様であることを特徴とする手段10-1から手段10-6のいずれかに記載の遊技機。
このように、分割領域を区切る区切画像の態様が第一演出要素および第二演出要素として設定された構成とすれば、演出が斬新なものとなる。
○手段10-8
前記特殊変化態様は、前記複数の分割領域の態様が、遊技者にとって有利な方向に変化するものであることを特徴とする手段10-5を引用する手段10-7、または手段10-6を引用する手段10-7に記載の遊技機。
このように、特殊変化態様として、分割領域の態様が変化することを設定することができる。
○手段10-9
前記第一演出として示される前記分割領域の数と、前記第二演出として示される前記分割領域の数が異なるものとなる場合があることを特徴とする手段10-7または手段10-8に記載の遊技機。
○手段10-10
前記第一演出および前記第二演出の少なくともいずれか一方が、一の分割領域のみを示すものとなる場合があることを特徴とする手段10-7から手段10-9のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすれば、演出が斬新なものとなる。
○手段10-11
第一表示装置および第二表示装置と、
前記第一表示装置および前記第二表示装置に複数の分割領域が表示される分割表示演出を実行することが可能な演出実行手段と、
を備え、
前記分割表示演出において、前記複数の分割領域のうちの少なくともいずれかが、前記第一表示装置と第二表示装置に跨って表示されることを特徴とする遊技機。
表示装置毎に分割領域が示された状態と、複数の分割領域のうちのいずれかが第一表示装置と第二表示装置に跨って表示された状態とでは、遊技者の見た目の印象が大きく異なることから、演出の趣向性を高めることが可能となる。