以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る放送信号送信装置(放送局とも呼ぶ)100、放送信号受信装置(テレビジョン受信装置とも呼ぶ)140およびサービス事業者装置120からなるシステム全体の構成例を示す図である。
放送信号送信装置100は、放送番組サーバ101、第1のアプリケーション管理・配布部102、第1のアプリケーションサーバ103および第1の基本機能104を備える。
第1の基本機能104は、放送局100の基本的な機能であり、放送する番組の映像信号や音声信号等を符号化(エンコードとも言う)して多重化し、放送信号として送出する機能を持つ。
放送番組サーバ101は、放送局100として放送する番組、番組タイトル、番組ID、番組概要、出演者名、放送日時、その他のデータ等を予め保存しておくエリアである。
また放送局100は、放送する番組に、放送波によりHTML等のアプリケーション機能を同時に提供するデータコンテンツサービスを付加することができる。この場合放送局100は、放送する番組にアプリケーション機能が付加されていることを示す第1の指定情報を伝送制御信号に配置して、第1の基本機能104により放送信号として送出することができる。第1の指定情報は、例えば非特許文献1に記載の、MPT(MMT Package Table)の中に配置されているアプリケーションサービス記述子である。
第1のアプリケーション管理・配布部102は、第1のアプリケーションサーバ103に保存されている、放送番組にアプリケーション機能を付加するのに必要なデータの管理を行う。また第1のアプリケーション管理・配布部102は、管理しているアプリケーション機能を放送信号受信装置140への配布も行う。
第1のアプリケーションサーバ103は、放送番組にアプリケーション機能を付加するためのデータを予め保存するエリアである。
サービス事業者装置120は、放送局100と連携して、放送局100が放送する番組に、ネットワーク180を介してHTML等のアプリケーション機能を同時に提供するサービスを付加することができる。
サービス事業者装置120は、第2のアプリケーション管理・配布部121と第2のアプリケーションサーバ122を含む。
第2のアプリケーション管理・配布部121は、第2のアプリケーションサーバ122に保存されているコンテンツやアプリケーションの管理やテレビジョン受信装置140への配布を行う。
第2のアプリケーションサーバ122は、テレビジョン受信装置140に対して提供するコンテンツやアプリケーションを保存するエリアである。
サービス事業者装置120は、第1の指定情報を受信したテレビジョン受信装置140からの要求に対応して、第2のアプリケーションサーバ122に保存してあるアプリケーションやコンテンツを第2のアプリケーション管理・配布部121によりインターネット等のネットワーク180を経由して、テレビジョン受信装置140に送信する。
テレビジョン受信装置140は、デジタル放送の受信機能(第2の基本機能141)、通信制御部142、アプリケーション制御部(ファイル処理部とも呼ぶ)143を含む。またテレビジョン受信装置140は、ネットワーク180を経由してサービス事業者装置120からアプリケーションを取得して動作させたりすることができる。
第2の基本機能141は、テレビジョン受信装置としての基本的な機能であり、放送局100から送られてくる放送波を受信し、放送波に含まれる符号化された映像信号(映像ストリームとも呼ぶ)、符号化された音声信号(音声ストリームとも呼ぶ)、アプリケーションデータおよび伝送制御信号を分離し、映像信号および音声信号をデコードしたり、アプリケーションデータを受信したり、伝送制御信号を解析したりする機能を持つ。
また第2の基本機能141は、テレビジョン受信装置140に接続されている周辺機器、例えば表示器160、スピーカ161、テレビジョン受信装置140にバインドされているHDD(Hrad Disk Drive)162、リムーバルメディア170、との接続やデータの送受信の管理も行う。
通信制御部142は、テレビジョン受信装置140がネットワーク180を介してサービス事業者装置120と通信を行う際のデータの送受信の制御を行う。
アプリケーション制御部143は、アプリケーション伝送方式により放送局100から送られてくるMH-AIT、データ伝送メッセージ等の制御情報の管理、制御を行う。またアプリケーション制御部143は、キャッシュデータ部309にアクセスし、キャッシュされたデータから、データコンテンツサービスを行うために必要なファイルの取得も行う。
表示器160は、スピーカ161を内蔵しており、第2の基本機能141においてデコードされた映像信号を表示領域に表示したり、音声信号をスピーカ161に出力したりする。なお、表示器160に内蔵されているスピーカ161は、USB等のI/Fにより接続した外部のスピーカであってもよい。
なお図1の例では、表示器160は、テレビジョン受信装置140と別体として記載しているが、テレビジョン受信装置140の1機能としてテレビジョン受信装置140と一体であってもよい。
図2は、図1の放送局100の第1の基本機能104の構成を概略的に示した図である。第1の基本機能104は、映像エンコーダ201、音声エンコーダ202、字幕エンコーダ203、アプリケーションデータ生成部204および伝送制御信号を生成する伝送制御信号生成部205を備える。
映像エンコーダ201は、これから放送する番組として放送番組サーバ101から読み出された番組Aの映像のエンコードを行う。なお映像エンコーダ201のコーデック種別は、MPEG-2、H.264(AVC:Advance Video Coding)、H.265(HEVC:High Efficiency Video Coding)のいずれでもよいものとする。またコーデック種別は、これに限るものではない。
音声エンコーダ202は、これから放送する番組として放送番組サーバ101から読み出した番組Aの音声のエンコードを行う。
字幕エンコーダ203は、これから放送する番組として放送番組サーバ101から読み出した番組Aの字幕のエンコードを行う。
アプリケーションデータ生成部204は、これから放送する番組として放送番組サーバ101から読み出した番組AにHTML等のアプリケーション機能を同時に提供するサービスを付加する場合に、このアプリケーション機能を構成するアプリケーションデータを生成する。アプリケーションデータは、複数のファイルから構成されており、アプリケーションデータ生成部204は、放送信号によりこれらのファイルを送信するために、各々のファイルのディレクトリ構成を決定する。
伝送制御信号生成部205は、放送局100が放送する放送波に含まれる映像ストリーム、音声ストリーム、伝送制御信号等から構成される放送波の構成に関する制御情報と、放送する番組の番組名称や放送時間等を含む放送される番組に関する制御情報とを生成する。また、伝送制御信号生成部205は、アプリケーションデータ生成部204が生成したアプリケーションデータに関する制御情報も生成する。伝送制御信号生成部205が生成するアプリケーションデータの制御情報については、図4を用いて説明する。
スクランブラ206は、映像エンコーダ201の出力、音声エンコーダ202の出力、字幕エンコーダ203の出力およびアプリケーションデータ生成部204の出力をそれぞれ必要に応じてスクランブルする。
伝送制御信号生成部205の出力と、スクランブラ206で必要に応じてスクランブルされた映像、音声、字幕、アプリケーションデータは、多重化部207で多重化して、多重化ストリームとして送信機208に送出され、送信機208により放送波によりアンテナから送信される。多重化部207が多重化する際の多重化方式は、MMT(Mpeg Media Transport)の方式を用いるものとする。
図3は、テレビジョン受信装置140の構成を概略的に示した図である。テレビジョン受信装置140は、放送波を受信する機能である第2の基本機能141、通信制御部142、アプリケーション制御部143を含む。またテレビジョン受信装置140は、表示器160とも接続している。表示器160は、スピーカ161を内蔵している。
第2の基本機能141は、放送チューナ301、デマルチプレクサ302、デスクランブラ304、映像デコーダ306、音声デコーダ307、字幕デコーダ308、キャッシュデータ部309、伝送制御信号解析部310を含む。
放送チューナ301は、放送波で送られてきたストリーム(放送信号)を復調する。復調されたストリーム(放送信号)は、デマルチプレクサ302に入力される。デマルチプレクサ302は、入力された多重化されているストリームを映像ストリーム、音声ストリーム、字幕ストリーム、アプリケーションデータ、伝送制御信号に分離し、映像ストリーム、音声ストリーム、字幕ストリーム、アプリケーションデータはデスクランブラ304に入力され、伝送制御信号は伝送制御信号解析部310に入力される。
デスクランブラ304は、必要に応じてそれぞれのストリームをデスクランブルして、映像ストリームを映像デコーダ306に、音声ストリームを音声デコーダ307に、字幕ストリームを字幕デコーダ308に、アプリケーションデータをキャッシュデータ部309にそれぞれ入力する。
映像ストリームは映像デコーダ306でデコードされ、音声ストリームは音声デコーダ307でデコードされ、字幕ストリームは字幕デコーダ308でデコードされる。
伝送制御信号解析部310は、伝送制御信号に含まれる各種制御情報の解析を行う。伝送制御信号解析部310は、また解析した伝送制御信号のうち、アプリケーションデータに関する制御情報であるMH-AIT、データ伝送メッセージ等を、アプリケーション制御部143に送り、さらに解析される。
アプリケーション制御部143は、伝送制御信号解析部310より送られてきた、アプリケーションデータに関する制御情報であるMH-AIT、データ伝送メッセージ等の制御情報の管理、制御を行う。
またアプリケーション制御部143は、キャッシュデータ部309に保存されたキャッシュされたデータを用いて、ブラウザ311を制御することでデータ放送の画面表示制御を行う。また、ブラウザ311は、字幕デコーダ308の出力データにより字幕の画面重畳データを生成する。
デコードされた映像信号および字幕、データ放送の表示内容は、合成器326で合成され表示器160に出力される。
また音声デコーダ307でデコードされた音声データは、表示器160に内蔵されているスピーカ161に出力される。
なお、映像デコーダ306のコーデック種別は、H.265とするが、これに限定されるものではなく、MPEG-2、H.264のいずれでもよい。またコーデック種別は、これに限るものではない。
通信制御部142は、通信ネットワーク180とのI/FであるネットワークI/F341と、リモートコントローラ(リモコン)352とのI/FであるリモコンI/F342を持つ。
通信制御部142は、ネットワークI/F341を介してネットワーク180を経由してサービス事業者装置120と接続することができる。通信制御部142は、サービス事業者装置120が管理しているアプリケーションやコンテンツを、ネットワーク180を経由して取得することができる。この取得したアプリケーションやコンテンツは、通信制御部142からブラウザ311に送られ、表示等に使用される。
図4は、データコンテンツサービスを行う場合の放送局の放送信号の送信の概要を示した図である。
映像コンポーネント401、音声コンポーネント402、字幕コンポーネント403からなる番組Bにデータコンテンツサービスを付加する場合、放送局100の伝送制御信号生成部205は、アプリケーションサービス記述子を配置したMPT410を生成し伝送制御信号として送信する。
さらに放送局100の伝送制御信号生成部205は、放送番組Bに付加したデータコンテンツサービスのアプリケーションのエントリーファイルを設定したMH-AIT420を生成し、送信する。
さらに伝送制御信号生成部205は、データコンテンツサービスを行うためのアプリケーションデータの送信に必要となる制御情報を生成し送信する。
このアプリケーションデータの送信に必要となる制御情報は、アプリケーションデータを構成するファイルのディレクトリ構成における、パスの情報を持つDDMT(Data Directory Management Table)421、アプリケーションデータが送られてくるMPUに関する情報を持つDAMT(Data Asset Management Table)422およびアプリケーションデータのPU(Presentation Unit)単位に関する情報を持つDCCT(Data Content Configuration Table)423を含む。
また放送局100のアプリケーションデータ生成部204は、伝送制御信号生成部205と連携して、アプリケーション管理・配布部102から読み出したアプリケーションデータを非同期型MPU430、431にカプセル化して送信する。
アプリケーションデータは、複数のファイルから構成されている。アプリケーションデータ生成部204は、放送信号によりアプリケーションデータを送信するために、各々のファイルのディレクトリ構成を決定する。アプリケーションデータを構成するファイルのディレクトリ構成におけるパス情報は、先に示したDDMT421によりテレビジョン受信装置140に送信される。アプリケーションデータの中には、さらに他のアプリケーションデータを参照する場合もある。この場合は、アプリケーションデータの中にさらに参照すべき他のアプリケーションデータのURL(Uniform Resource Locator)が記載される。
このようにデータコンテンツサービスにおいてファイルにアクセスするためのパス情報は、MH-AIT420に設定されているエントリーファイル情報やアプリケーションデータの中に設定されているURLに記載されて、テレビジョン受信装置140に送られるが、これらのファイルのディレクトリ構成におけるパス情報は、先に説明したようにDDMT421に設定されてテレビジョン受信装置140に送信される。
テレビジョン受信装置140は、受信したMH-AIT420によるデータ放送の起動、あるいは受信したアプリケーションデータからURLの内容を認識すると、DDMT421に設定されている情報を基づいて、必要なファイルを受信して、受信したファイルにアクセスしてデータコンテンツサービスを実行する。
MH-AIT420の中にエントリーファイルが設定されており、そのエントリーファイルに基づいてテレビジョン受信装置140がアクセスすべきアプリケーションデータは、放送信号で送られてくる以外に、通信制御部142を介してネットワーク180で接続されている、例えばサービス事業者装置120が管理しているアプリケーションデータ440であってもよい。この場合には、エントリーファイルの情報として、インターネット上のURLが指定される。
ここで放送で伝送するアプリケーションデータを参照する場合のURLは、以下のフォーマットであることが非特許文献3で規定されている。<base_url><base_directory_path><directory_node_path><file_name><base_directory_path>:DDMTに記載されるベースディレクトリパス<directory_node_path>:DDMTに記載されるディレクトリノードパス<file_name>:DDMTに記載されているファイル名
ここで、<base_directory_path>と<directory_node_path>において、文字列の最後は“/”で終わることが規定されているが、文字列の途中に“/”を入れることは禁止されていない。このため、ファイルの置かれるディレクトリ階層は必ずしも2階層ではなく、より深いディレクトリ階層とすることが可能となっている。
そこで本実施形態の放送信号送信装置100は、アプリケーションデータを構成するファイルのディレクトリ構成におけるパスに、さらに次の制限を設ける。(制限1)base_directory_pathの任意の2つのパスにおいて、前方一致かつ一方のパスが他方のパスの部分を構成するような設定を禁止。(制限2)base_directory_pathが同一である場合、継続するdirectory_node_pathの任意の2つのパスにおいて、前方一致かつ一方のパスが他方のパスの部分を構成するような設定を禁止。
この制限は、例えばデータ伝送セッションごとの制限でもよい。データ伝送セッションとは、非特許文献3に記載されているように、データコンテンツサービスを構成するアプリケーションデータ構成、およびディレクトリ構成が同一の期間である。
図5Aは、放送信号送信装置100が、アプリケーションデータを送信する際に、上記制限1および制限2を踏まえてアプリケーションデータを構成しているファイルのディレクトリ構成を決定し、この決定したディレクトリ構成に基づいてDDMT421に値を設定する処理フローを示している。
アプリケーションデータ生成部204は、テレビジョン受信装置140に送信するアプリケーションデータをアプリケーション管理・配布部102から読み出す(S501)。アプリケーションデータは、複数のファイルから構成されており、アプリケーションデータ生成部204は、読み出したアプリケーションデータの複数のファイルを、放送信号により送信するためにディレクトリ構成を決定する(S502)。アプリケーションデータ生成部204は、アプリケーションデータを構成するディレクトリを決定する際に、制限1および制限2を踏まえてディレクトリ構成を決定し、file_nameのリストをアプリケーションデータの一部として送るためのindex_itemを生成する。
また伝送制御信号生成部205は、アプリケーションデータ生成部204がディレクトリ構成を決定すると(S502)、この決定したディレクトリ構成の情報をもとにDDMT421のbase_directory_path、directory_node_path、file_nameを設定し(S503)処理を終了する(S504)。ただし、DAMT422にてMPUノード記述子で参照されるディレクトリノードにおいてはfile_nameを設定しない。
また伝送制御信号生成部205は、データコンテンツサービスのアプリケーションのエントリーファイル情報を、MH―AIT420に設定する。この場合伝送制御信号生成部205は、DDMT421に設定したbase_directory_pathの内容を、MH-AIT420に含まれるMH-伝送プロトコル記述子のURL_baseに、またDDMT421に設定したdirectory_node_path、file_nameの内容を、MH-AIT420に含まれるMH-簡易アプリケーションロケーション記述子のinitial_pathに、それぞれ設定する。
図5Bは、放送信号受信装置140が、放送番組を受信した際に、データコンテンツサービスが付加されている場合の、データコンテンツサービス起動の処理フローを示している。
放送信号受信装置140の伝送制御信号解析部310は、先に説明したように伝送制御信号としてMPT410を受信すると、データコンテンツサービス起動処理を開始する(S510)。
伝送制御信号解析部310は、受信したMPT410にアプリケーションサービス記述子が配置されているか(S511)を確認する。
伝送制御信号解析部310は、確認した結果MPT410にアプリケーションサービス記述子が配置されていることを認識した場合(S512のYes)、受信している放送波の番組にデータコンテンツサービスが付加されていると判断する。
伝送制御信号解析部310は、MPT410にアプリケーションサービス記述子が配置されていることを確認すると、続いて伝送制御信号としてMH-AIT420が送られてくるのを待つ。
伝送制御信号解析部310は、MH-AIT420を受信(S513)すると、MH-AIT420のapplication_control_codeがAUTOSTARTと設定されている初期起動アプリケーションのエントリーファイル情報であるMH-伝送プロトコル記述子のURL_base およびMH-簡易アプリケーションロケーション記述子のinitial_path、を取り出し(S514)、アプリケーション制御部143に通知する。なお先に説明したように、MH-伝送プロトコル記述子のURL_baseには、DDMT421に設定されているbase_directory_pathが、またMH-簡易アプリケーションロケーション記述子のinitial_pathには、DDMT421に設定されているdirectory_node_path、file_nameが設定されている。
伝送制御信号解析部310は、初期起動アプリケーションが放送波で送られてきたかどうか確認し(S515)、放送波で送られてきた場合(S516のYes)はDDMT421、DAMT422が送られてくるのを待つ。
伝送制御信号解析部310は、DDMT421、DAMT422を受信(S517)すると、エントリーファイル情報に該当するものをDDMT421内で検索し、これに該当するMPUをDAMT422を参照して特定する。また、MPT410に含まれるMH-ストリーム識別記述子を参照してcomponent_tagに該当するアセットのロケーション情報を取り出して、MPU_sequence_numberと合わせてデマルチプレクサ302に設定して、アプリケーションデータが受信できるのを待つ。
伝送制御信号解析部310は、アプリケーションデータを受信(S518)すると、アプリケーション制御部143に通知する。
この通知を受けたアプリケーション制御部143は、エントリーファイルの情報をブラウザ311に通知して、データコンテンツサービスの起動を行う(S519)。
ブラウザ311は、キャッシュデータ部309から読み出したアプリケーションデータから、表示部160に表示する内容を生成し、この生成した内容を表示器160に表示して(S520)処理を終了する(S521)。
アプリケーション制御部143は、S519の処理においてエントリーファイル情報であるMH-伝送プロトコル記述子のURL_baseおよびMH-簡易アプリケーションロケーション記述子のinitial_pathに基づいてデータコンテンツサービスの起動を行う。
この際にアプリケーション制御部143は、MH-伝送プロトコル記述子のURL_baseからDDMT421に記載されているbase_directory_pathは一意に特定できるが、MH-簡易アプリケーションロケーション記述子のinitial_pathからDDMT421に記載されているdirectory_node_path、file_nameの情報とのマッチングは、DDMT421のdirectory_node_path、file_nameが先に説明した制限2にもとづいて設定されていると、効率的に行うことが可能である。
またアプリケーション制御部143は、キャッシュデータ部309から読み出したアプリケーションデータを解析した結果、さらに参照すべきURLを認識する場合もある。アプリケーション制御部143は、認識したURLの情報に基づいて、キャッシュデータ部309に一時保存されているアプリケーションデータにアクセスし、該当するファイルのデータコンテンツサービスを実行する。あるいはアプリケーション制御部143は、認識したURLの情報に基づいて、通信制御部142を介してネットワーク180で接続されている、例えばサービス事業者装置120が管理しているアプリケーションデータにアクセスしてもよい。ここで、URLで指定されたファイルを、放送信号中から受信して新たにキャッシュデータ部309に保存することもある。
なお、エントリーファイル情報に基づいて、キャッシュデータ部309に一時保存するアプリケーションデータを決定する場合、あるいはアプリケーションデータを解析した結果参照すべきURLの文字列の情報を認識して、キャッシュデータ部309に新たに一時保存するアプリケーションデータを決定する場合、アプリケーション制御部143は、エントリーファイル情報、あるいは認識したURLの文字列の情報と、DDMT421に記載されているbase_directory_path、directory_node_path、file_nameの情報とのマッチングを行い、さらにDAMT422との照合を行うことで、受信するMPUを特定する。DAMT422にてMPUノード記述子で参照されるディレクトリノードにおいては、DDMT421のbase_directory_path、directory_node_pathの情報とのマッチングを行いDAMT422との照合を行うことで、受信するMPUを特定する。
このマッチング作業は、DDMT421のbase_directory_path、directory_node_pathが、先に説明した制限1および制限2に基づいて設定されていると、効率的に行うことが可能である。
図6は、あるセッションにおいてDDMT1(601)とDDMT2(602)との2つのDDMT421が送信された場合の、base_directory_path、directory_node_pathが、制限1および制限2に基づいて設定されている例を示している。base_directory_pathは、DDMT1(601)およびDDMT2(602)において、制限1を満たしている。またDDMT1(601)において、directory_node_pathは制限2を満たしている。
図7は、これに対してDDMT421のbase_directory_path、directory_node_pathが、制限1および制限2にもとづいて設定されていない場合で、いずれのディレクトリノードもDAMT422にてMPUノード記述子で参照される場合にURL=http://localhost/d1/d2/d3/f1で表されるファイルを新たにキャッシュする場合にMPUの特定に困る例を示している。base_directory_pathは、DDMT1(701)およびDDMT2(702)において、制限1を満たしていない。またDDMT1(701)において、directory_node_pathは制限2を満たしてない。
アプリケーション制御部143は、base_directory_pathとdirectory_node_pathおよびfile_nameの境界が分からないため、図7に示すDDMT421に設定されているbase_directory_path、directory_node_pathの組み合わせのどれに対応するノードをDAMT422と照合して受信すればよいかが、DDMT421の情報を参照しただけでは判断をすることができない。
このためアプリケーション制御部143は、さらにDAMT422を参照して、いずれかのnode_tagに対応するMPUを取得し、この中のindex_itemを確認して、期待値のファイル名が含まれていた場合に初めてそのMPUを受信してファイルをキャッシュできると判断することが可能となる。index_itemに期待値のファイル名が含まれていない場合には、他のノードのMPUの受信を試みることになる。
アプリケーション制御部143が、エントリーファイル情報の文字列、あるいは参照すべきURLの文字列と一致するDDMT421に設定されているディレクトリ構成におけるパスを検索する場合、ディレクトリの階層の数が大きく(多く)なるにつれて、検索すべきDDMT421の情報の組み合わせ数も多くなることが考えられ、正しいディレクトリノードで所望のファイルを取得するまでに時間を要したり、マッチする可能性あるDDMT421に設定されているディレクトリノードに対応するMPUを順次取得する処理に失敗して、所望のファイルを取得できなかったりする可能性がある。
これに対して、本実施形態の放送信号受信装置140は、図6に示すようにDDMT421に設定されている情報が制限1、制限2に基づいて設定されているため、DDMT421の情報を参照するだけで、エントリーファイル情報、あるいは参照すべきURLの文字列がDDMT422のどのディレクトリノードにマッチするかを一意に判断することが可能である。
このように本実施形態の放送信号受信装置140は、DDMT421に設定されるbase_directory_path、directory_node_pathの情報が、制限1および制限2に基づいて設定されているため、DDMT421の情報を参照するだけで、データコンテンツサービスの所望のファイルを含むディレクトリノードを特定することが可能となり、所望のファイルの取得を効率的に行うことが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。さらにまた、請求項の各構成要素において、構成要素を分割して表現した場合、或いは複数を合わせて表現した場合、或いはこれらを組み合わせて表現した場合であっても本発明の範疇である。また、複数の実施形態を組み合わせてもよく、この組み合わせで構成される実施例も発明の範疇である。
また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。また請求項を制御ロジックとして表現した場合、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして表現した場合、及び前記インストラクションを記載したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現した場合でも本発明の装置を適用したものである。また、使用している名称や用語についても限定されるものではなく、他の表現であっても実質的に同一内容、同趣旨であれば、本発明に含まれるものである。