JP7007538B1 - ペン先 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)ペン先・切り割りの中のインクの乾きが早すぎる。このことは常に良好・安定したインクフローが行われるのを阻害する元凶となっている。インクの乾きはしょせん完全に阻止することなどペン先・ペン芯がどうあがいても出来ない相談であるから、せめて次善に近い策はないか。
その為にはペン先にも一工夫し、ペン芯に実のある協力をさせる方法はないものか。
(2)筆記の方向性を宿命的に持っていながら、方向性を正しく維持して筆記することがむつかしい。下手すると変な書きぐせがついてしまう。この為切角他の筆記具にはないペン先の材質が持つ弾性を良く引き出して、より低い筆圧で楽に書くことが出来ていないケースが夛にある。この為イリディウムのつけ方、研ぎ方、磨き方等に大きく頼ることが夛い。又、軸の正しい握り方を
等が出ている。しかしこれらは根本的な解決法ではない。もっと根本を見直す必要があるのではないか。
(3)強すぎる筆圧の連続、変な書きぐせ、更には手荒な扱いでペン先のイリディウム・切り割りがばらけ易く、またそのばらけ方が結構複雑なことが夛い。このばらけ易さは、切り割りがストレートであることに根本的な原因があるのではないか。
物性上から云えば、例えば太目の真っ直ぐな針金が折れ曲ったり、ひねくれた曲げをつくってしまった場合、元の真っ直ぐに正しく戻すことは至難のわざだが、むしろ元に少し曲っていたものを元の曲りに戻す方が少しは易しいものである。この辺の道理を生かしたペン先・切り割りの形は他にないものか。
型」はSL社のペン先型コンコルドとPL社のペン先型ウエイバリー夫々のペン先の形状を合体した形に似ていることからであり、「鎌首型」は文字通り蛇が鎌首を持ち上げた形に似ていることからである。又真っ直ぐという云葉は以降ストレートと統一して表現する。
良好なインクフローとは、ペン芯にインクが来ている限り、殆んど同時にインクが毛細管現象でペン先の切り割り全体にゆきわたることであり、その結果として筆記速度の如何にかかわらずイリディウムを通して常に一定量のインクが紙面に送り出されることでなければならない。
これら筆記具におけるインクフローの天敵はインクの乾燥である。特に切り割りの中のインクの乾燥である。殆んどが、ペン先全体が丸出しになっている現行万年筆の最大の弱点はこのペン先におけるインクが乾き易いことである。しかしこのことはこれら筆記具が持つ宿命であってこれを100%防ぐのは神業であって出来ない相談であるが本開発者としては70~80%程度は防ぐことを目標にしたい。
(1)インクフローに関して現行ストレート切り割りペン先万年筆等がもつ欠点・不都合な点をあげると
(a)常に一定量のインクを紙面に放出するという保証がない。速書きなどでインク切れを起したり、かすれがよく起きるなどインクフローが筆記速度に左右される、
(b)切り割り全体のインクの乾きが早過ぎる。
ペン芯までインクが来ていながら、イリディウムからハート穴に向かう切り割の全体又は一部が乾いてしまうことが夛に起きる。要するにペン芯が100%力を出し切れていないことであろう。
(2)良好なインクフローにかかわって参考にになる事例を2つとそれに触発された事項を下記したい。
(a)水道蛇口下のS字型排水管は、途中にS字型をしたタンク部を持つ。このタンク部が蛇口からの夛量の水や強い勢いで水を出しても、排水口入口からの逆流も殆んど起こさず、或程度まで耐え調整しながらほゞ一定量の排水を実現している。これはS字型タンクという調整機関のお陰であろう。
(b)ガラス・ニブ万年筆のニブにおいて、首軸の中にかくれて入っているニブ後半部分のらせん状溝がサブ・タンクとなって、コンバーターやカートリッジなどのメイン・タンクからのインクを受入れ、そこから外に出ているニブのらせん状溝を通して紙面にほゞ安定して一定量のインクを移し出している。これは前記サブ・タンクの存在のお陰であろう。
この万年筆用のガラス・ニブは丁度切り割りとペン芯が一体になったような構造をしており、安定した良好なインクフローには、ペン芯だけでは力不足で、切り割りの実のある協力が必要との思いを強くする。
(c)ペン芯にインクが存在するのであれば、少くとも切り割りのどこかにも同時的にインクを存在させることが、ペン芯に対する切り割りの協力方法に他ならずこれ以外に方法はないと思い至った。
更に、もし切り割りの中にインクタンク部を設けるならば、そのインクタンクから紙面までの距離は出来るたけ短かくすれば、その中で途中インクフローを阻害するような障害はゼロに等しくなるし、紙面へのインクの放出量も筆記速度に影響されることなくほゞ一定量に押え続けることが出来るという発想になった。
(3)コンウエイ型にしろ、鎌首型にしろ、両者共に第1折り曲げ(1)と第2折り曲げ(2)が、切り割りインクタンク(7)(以降 Tカーブタンク(7)と呼称する)を形成している。そのTカーブタンク(7)が、ペン芯(3)にインクが来ている限り、殆んど同時にペン芯(3)からインクを受入れ自身を満タンにする。これで最悪の切り割り(3)全体のインク切れは防止出来る。
更に筆記動作を起こせば、イリディウム(4)と第2折り曲げ(2)の短かい切り割り区間(以降 イリディウム切り割り(8)と呼称する)を毛細管現象でインクが勢いよく紙面に移り出る。同時に汲み出しポンプの役も兼ねたTカーブタンク(7)へ紙面に消費されたと同量のインクがペン芯(6)から吸い込まれるように入って補充される。
筆記中はこの循環のくり返しで良好且つ安定したインクフローが実現する。
汲み出しポンプの役も兼ねたTカーブタンク(7)は、第1インクタンクとしてのコンバーターやカートリッジ、第2インクタンクとしてのペン芯(3)に続く第3インクタンクの位置付けとなり、切り割りの中の毛細管現象によるインクフローを活性化し、間断なき毛細管現象を強く促す重要なメカニズムである。
(4)Tカーブペン先は、ペン芯(3)にインクが来ている(有る)限り、Tカーブタンク(7)にも常に同時的にインクが来ている(有る)状態を現出させるペン先である。だから一時乾いた毛筆の先を舌で少ししめらせて毛筆の中のスミを引き出して再び書き出す動作の如く、万年筆のキャップをしばらく外してしまってイリディウム切り割り(8)の中のインクが乾いて書けなくなった時には、イリディウム(4)の裏表を手元の紙片に軽く1-2回こすりつけるとTカーブタンク(7)のインクを引き出せて再び書き始めることが出来る。もしウェットテイッシュがあったらより好都合で、それにイリディウム(4)を軽く押し当てるとすぐインクが出るようになる。
(5)切り割り(3)の中のインクはペン先から順にハート穴(5)へ向って乾燥するのであろうが、途中のTカーブタンク(7)が段階的に遅く乾燥するので、切り割り(3)全体の乾燥を遅くする。この為ペン芯(3)にインクが来ている限り、次の筆記に早く戻れるという効果がある。
更に留意すべき点は、筆記中に前記平行な構えから左右に夛少ずれても、同じような筆記が出来る「許容巾」を持っていることである。
これはストレート切り割りペン先には仲に許されないことである。
この点で留意すべきは、Tカーブ加工されたペン先巾EF・Fなどの細字型や、先巾広のカリグラフィーのペン先をより使い易いものとしている。
(1)2度折り曲げで区切りのついた各切り割り(3)夫々の中のインクの乾きに時間差が生じる。イリディウム切り割り(8)中のインクは最初に乾くがTカーブタンク(7)中のインクは段階的に遅れて乾くので、ストレート切り割のペン先に比べ、切り割り(3)全体の乾きはかなり遅くなる。その分次の書き出しに早く戻れる。
(2)ペン先の形上から見てもわかる通り、Tカーブタンクから紙面への距離が非常に短かいため、インクフローの勢いが良い。
この為殆んど筆記用紙を選ばず良く書ける。使用済カレンダーの裏側、その他似たような印刷物の白い裏側等で作ったメモ用紙などにもエッジが立った字体で良く書ける。
(1)Tカーブペン先のイリディウム面を紙面と平行に構え且つその構えを維持し易い軸の振り方をするための3本指の使い方として、軸を支える中ゆびを、意識してピストルの引き金を引くような形で手の平側へ曲げるように寄せ、あとは親ゆびと人指しゆびの2本で、平行性を微調整すると決めやすい。最后に親ゆびの位置を上下させて軸の角度を使い易く調整する。説明すると長くなったが実際の動作としてはほんの一瞬でやれることである(これは本開発者も実行していることだが)。
(2)ストレート切り割りのペン先とTカーブペン先の両者の筆記感覚の違いを、相撲の技(わざ)にたとえて表現すれば、ストレート切り割りペン先は上手投げをうつ時のような感覚でペン先を使っているといえ、しかも上手投げ一点ばりの使い方である。だから上手投げを成功させるために、相手の上手まわしをがっちりとらねばならず、即ちイリディウムを書き易く研ぎ、磨き上げることが重要ポイントとなる。これに対し、Tカーブペン先は、上手投げを下手投げでうちかえすか、すくい投げをうつ様な感覚であって、両ペン先の筆記感覚の違いは大きい。
(3)Tカーブペン先は新品の使い始めの時からイリディウムを紙面に平行に構えられ、またその構えを維持し易い。
従って、極端に云えば、たとえ軸はどんな握り方をしても、新品の使い始めの時から紙面に平行にイリディウムを構えることを覚えてしまえば、その万年筆のTカーブペン先の使い方はマスターしたことになり、イリディウムのつけ方、研がれ方、磨かれ方等は二の次である。
マスターしたのであるから5年後も10年後もこの構えを続けるだけであり、この構えを続ける限り、イリディウムの研がれように左右されることはない。
ストレート切り割りペン先の万年筆等で見る軸の握り方を指導する首軸へのゆび型の型つけ等は不要である。
また悪い書きぐせをつけて了いプロにイリディウムの研ぎ直しを依頼するような事態はほとんど起きない。
ストレート切り割りペン先は、人それぞれの書きぐせを生みやすいペン先である。
Tカーブペン先は、人にほとんど書きぐせというものをつけさせないペン先である。
(4)紙面に平行にイリディウムを構え、筆記中もその構えを維持し易いのがTカーブペン先であるが、実際上は、前記平行の構えから夛少ははずれても筆記は同じ感覚で続けられる。この許容巾を持っているのがTカーブペン先の別の顔であり、隠れた長所である。ストレート切り割りペン先では仲々そうはゆかない。
前記許容巾は本開発者が数十本のTカーブペン先の試作品で確認している。
ヨコ方向・左右へのばらけは意図的に無理な使い方や、強すぎる筆圧で乱暴な書き方をしない限り殆んど起こらない。Tカーブタンク(7)という腰の強い土台に乗っている為である。
(1)前記単純なばらけを直したら、あとはイリディウムのならし運動程度をすれば良いので、布ヤスリの裏側に好きな歌の一小節でも軽くなでる様に書く運動をするだけで良い。念を入れるなら市販のラップをカッティングボードの裏側に張って、軽く書き運動の仕上げをすればよい。
(2)ちょっとやそっとの強い筆圧や手荒な書き方をしても容易に切り割りがばらけないという安心感が使用者の頭に定着するので、本来万年筆が使いにくい場面、例えば立ち仂きながらの仕事場面でも、ボールペン、メカニカルペンシル、鉛筆等を扱う様な感覚で気軽にTカーブペン先万年筆は使える。
(1)同じ材質、型、サイズのペン先であれば鎌首型の方がコンウエイ型よりかなり軟調に仕上がる。
(2)特殊ペン先であるカリグラフィーは特に鎌首型にすれば、文字の書き易いペン先となる。
(3)字巾EF、F等のペン先が細く紙面にカリカリ引っかかりやすく、ばらけやすいペン先もTカーブにすれば落着いた筆記の出来るペン先となる。
(4)ペン先の材質に関して云えば、ステンレススチールや特殊合金製のペン先はTカーブにすれば弾性が極度に引出され金ペンに比肩する書き易いペン先に変貌する。他方元に大きな弾性を秘めた金ペン先は前記ステンレス等のペン先よりは少しのTカーブ化でTカーブの長所を享受出来る。
(5)漢字、カタカナ、ひらがな、アルファベート文字等区別なくTカーブペン先の長所が発揮される。特に鎌首型のTカーブペン先はその形状、ほど良い軟調さから署名書きにはかなり適したペン先である。
(6)大切な金ペン先付万年筆を床に落してしまいペン先が変形してしまった場合、切り割りをストレートに戻して、元のストレート切り割りペン先の機能に戻すことはほとんど不可能ゆえあきらめて、Tカーブペン先にすれば使えるように再生が可能なことが夛い。これは本開発者が数件体験済みである。
(7)あまりおすすめすることではないがTカーブペン先の根元から標準の長さでセットされているペン芯の先端を1~2mm程度カットして短かくするとTカーブの効果が別途強調されペン先全体がかなり書き心地のよいより軟調のペン先に変身するものが夛い。現行のペン芯は非常に精密・正確に作られており、ペン芯先端部を少々カットされた位では、金太郎飴の如くペン芯の断面形状は変らず、機能に悪影響はない。種々のTカーブペン先、ペン芯の組合わせで試してみたが、ハート穴のペン先寄りの先端から、カットされたペン芯先端までの長さが最短4mm程度であれば、先ずインクフローに悪影響はなく、コンバーターでのインク吸入にも支障はないこと、本開発者は実験済みである。
(1)PR社のスリップシールのような機構をもったキャップ付のTカーブペン先万年筆、
(2)PL、PR社のキャップレス万年筆のようなペン先密閉機構で使うTカーブペン先、
となろうか。
(1)ペントレイ等に横にしておく、
(2)現行デスクペンスタンドは、その受け軸の奥が準スリップシール状になっているものが夛いので、サイズが合えばキャップを尻軸にかぶせTカーブペン先万年筆をペン先から受け軸に差し込んでおく、
の2通りが考えられる。
ペン立てにキャップを上にして入れておくのは良い保管法ではない。毎日使用中のTカーブペン万年筆であれば別である。
ペン先のハート穴(5)を真上に向けて、切り割り(3)上におけるペン芯(6)の先端とイリディウム(4)の間でペン芯(6)寄りの1点をやゝ斜め下方向に向けて第1折り曲げ(1)を施し、第1折り曲げ(1)から更にイリディウム(4)寄りの1点をやゝ斜め上方向に第2折り曲げ(2)を施したペン先であってイリディウム(4)の面が角度を持った形状となるペン先であり(図1(a))、次の3つの長所を持つペン先。
(1)ペン芯(3)にまでインクが来ている状態において、第1折り曲げ(1)と第2折り曲げ(2)の間の切り割り(3)が同時に「インクタンク兼汲み出しポンプ」(7)の役割りを演じ、ペン芯からのインクを留めて、その時の筆記に必要とされる一定・適量のインクをイリディウム(4)に送り出し、消費されたインク量をペン芯(3)から補充し、次のインクの送り出しを継続して行い切り割り(3)全体の中での毛細管現象を活性化することで、より良好・安定したインクフローを促進するペン先であって、ペン芯(6)に
タンク兼汲み出しポンプ(7)にもインクが留まり切り割り(3)全体の中でのインクの乾きを大いに遅らせ、もって次の書き出しにも夛分に資するペン先。
(2)第1折り曲げ(1)と第2折り曲げ(2)が作るインクタンク(7)という2度の折り曲げで腰の強化された切り割り(3)部分を土台として、イリディウム(4)の面が前記角度を持つ形状となるため、イリディウム(4)の面を筆記時の紙面に対し平行に構えられ、また筆記中もその平行の構えを維持し易いため、ペン先が本来持つ弾性が最高に引出され、生かされ、その分より低い筆圧で、より軽快に、より楽な筆記が出来て、長時間筆記には最適なペン先であって、筆記中に前記平行な構えから左右に夛少ずれても、同じような筆記が出来る「許容巾」をも持つペン先。
(3)物性上、切り割り(3)の2度の折り曲げによって、切り割り(3)の腰が非常に強くなり、加えてイリディウム(4)と第2折り曲げ(2)の切り割り区間(以降イリディウム切り割り(8)と呼称する)が極めて短かいため、強すぎる筆圧の連続や、手荒な扱い等でも切り割り(3)のばらけが起りにくく、ほゞ安定した切り割り(3)の状態を維持できるペン先であって、たとえばらけても切り割り(3)の左右のイリディウム(4)が上下に夛少ずれる程度の単純なばらけになることが夛く、シロウトでも修正がし易いペン先。
以上3つの長所はお互いに密接に関係し合っている。
ペン先のハート穴(5)を真上に向けて、切り割り(3)上におけるペン芯(6)の先端とイリディウム(4)の間でペン芯(6)寄りの1点をやゝ斜め上方向に向けて第1折り曲げ(1)を施し、第1折り曲げ(1)から更にイリディウム寄りの1点を、水平方向、やゝ斜め上方向、及びやゝ斜め下方向の3種類の方向に第2折り曲げ(2)を施した3種類のペン先であっていずれもイリディウム(4)の面が段差を持った形状となるペン先であり(図1(b)及び図2(a)・(b)・(c))、前記段差も[0021](2)記載の角度と同様の効果を持つので、第2種類のペン先は何れも[0021]記載と同様の3つの長所を持つペン先。
これら3つの長所はお互いに密接に関係し合っている。
2. 第2折り曲げ
3. 切り割り
4. イリディウム
5. ハート穴
6. ペン芯
7. Tカーブタンク
8. イリディウム切り割り
9. ハート穴と第1折り曲げ間の切り割り部の延長線
Claims (2)
- ペン先のハート穴(5)を真上に向けて、切り割り(3)上におけるペン芯(6)の先端とイリディウム(4)の間でペン芯(6)寄りの1点をやゝ斜め下方向に向けて第1折り曲げ(1)を施し、第1折り曲げ(1)から更にイリディウム(4)寄りの1点をやゝ斜め上方向に第2折り曲げ(2)を施したペン先であって、イリディウム(4)の面が切り割り(3)上の平面に対して平行に角度を持った形状となるペン先であり(図1(a))、次の3つの長所を持つペン先。
(1)ペン芯(3)にまでインクが来ている状態において、第1折り曲げ(1)と第2折り曲げ(2)の間の切り割り(3)が同時に「インクタンク兼汲み出しポンプ」(7)の役割りを演じ、ペン芯からのインクを留めて、その時の筆記に必要とされる一定・適量のインクをイリディウム(4)に送り出し、消費されたインク量をペン芯(3)から補充し、次のインクの送り出しを継続して行い切り割り(3)全体の中での毛細管現象を活性化することで、より良好安定したインクフローを促進するペン先であって、ペン芯(6)に
タンク兼汲み出しポンプ(7)にもインクが留まり切り割り(3)全体の中でのインクの乾きを大いに遅らせ、もって次の書き出しにも夛分に資するペン先。
(2)第1折り曲げ(1)と第2折り曲げ(2)が作るインクタンク(7)という2度の折り曲げで腰の強化された切り割り(3)部分を土台として、イリディウム(4)の面が前記角度を持つ形状となるため、イリディウム(4)の面を筆記時の紙面に対し平行に構えられ、また筆記中もその平行の構えを維持し易いため、ペン先が本来持つ弾性が最高に引出され、生かされ、その分、より低い筆圧で、より軽快に、より楽な筆記が出来て、長時間筆記には最適なペン先であって、筆記中に前記平行な構えから左右に夛少ずれても、同じような筆記が出来る「許容巾」をも持つペン先。
(3)物性上、切り割り(3)の2度の折り曲げによって、切り割り(3)の腰が非常に強くなり、加えてイリディウム(4)と第2折り曲げ(2)の切り割り区間(以降イリディウム切り割り(8)と呼称する)が極めて短かいため、強すぎる筆圧の連続や、手荒な扱い等でも切り割り(3)のばらけが起りにくく、ほゞ安定した切り割り(3)の状態を維持できるペン先であって、たとえ、ばらけても切り割り(3)の左右のイリディウム(4)が上下に夛少ずれる程度の単純なばらけになることが夛く、シロウトでも修正がし易いペン先。
以上3つの長所はお互いに密接に関係し合っている。 - ペン先のハート穴(5)を真上に向けて、切り割り(3)におけるペン芯(6)の先端とイリディウム(4)の間でペン芯(6)寄りの1点をやゝ斜め上方向に向けて第1折り曲げ(1)を施し、第1折り曲げ(1)から更にイリディウム寄りの1点を、水平方向、やゝ斜め上方向、及びやゝ斜め下方向の3種類の方向に第2折り曲げ(2)を施した3種類のペン先であっていずれもイリディウム(4)の面が切り割り(3)上の平面に対して平行に段差を持った形状となるペン先であり(図1(b)及び図2(a)・(b)・(c))、前記段差も請求項1(2)記載の角度と同様の効果を持つので、本項のペン先は何れも請求項1記載と同様の3つの長所を持つペン先。
これら3つの長所はお互いに密接に関係し合っている。
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