JP7007187B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、ぱちんこ遊技機(一般に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一般に「パチスロ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来、パチンコ機等の遊技機として、遊技場管理者による設定変更操作によって、当り確率等の設定状態を複数のいずれかに設定する遊技機が知られている。(例えば、特許文献1)。
特開平6-91049号公報
しかしながら、設定情報を有する従来の遊技機については、不正行為に対する対策に欠けるという問題があった。
本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、不正行為に対する抑止力の向上を図ることが可能な遊技機を提供することにある。
上述した目的を達成するために、請求項1に係る発明においては、
遊技球が流下可能な遊技領域が形成された遊技盤を備え、前記遊技領域を流下した遊技球が所定の始動口に入球することに基づいて抽選を行い、該抽選の結果に基づいて図柄の変動表示を行い、該図柄の変動表示の結果として当り結果が導出された場合に所定の当り遊技を実行可能であり、前記始動口を含めた所定の入賞口に遊技球が入賞することで所定数の賞球を遊技者に払い出すことが可能な遊技機において、
当該遊技機の電源投入に際して管理者による第1の操作が行われた場合に、前記当り結果が導出される確率に関する設定値を決定可能な設定決定モードを発生させる設定決定モード発生手段と、
当該遊技機の電源投入に際して管理者による第2の操作が行われた場合に、前記設定値を確認可能な設定確認モードを発生させる設定確認モード発生手段と、
特定の異常を判定する特定異常判定手段と、
前記特定の異常に対応する特定異常報知を行う特定異常報知手段と、を備え、
前記設定決定モードと前記設定確認モードは、いずれも管理者による終了操作が行われることで終了するものとし、該終了後に通常の遊技モードに移行可能であり、
前記通常の遊技モード中に限らず、前記設定決定モード中と前記設定確認モード中においても、前記特定異常判定手段による判定が可能であり、
前記特定異常報知は、複数の報知部を用いて実行可能であり、
前記複数の報知部には、前記賞球の払い出しを制御する払出制御基板に設けられる払出表示部と、遊技中の演出進行に応じて発光可能な発光部とが含まれ、
前記通常の遊技モード中に行う前記特定異常報知は、前記払出表示部と前記発光部の両方で実行されるが、前記設定決定モード中と前記設定確認モード中に行う前記特定異常報知は、前記発光部では実行されずに前記払出表示部で実行されるものであり、
さらに、前記設定確認モード発生手段は、遊技進行に関する処理を実行可能な割込処理が実行される前に前記設定確認モードを発生させるものであり、
前記割込処理は、前記設定確認モードの終了後に実行可能であり、
前記設定確認モードが終了して前記割込処理が実行された後には、少なくとも電源が再投入されるまで前記設定値の再確認が不能とされる
ことを特徴とする。
本発明によれば、従来に比べて不正行為に対する抑止力の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図である。 パチンコ機における扉枠の正面図である。 扉枠の左側面図である。 扉枠の右側面図である。 扉枠を右前から見た斜視図である。 扉枠を左前から見た斜視図である。 扉枠を上下方向中央で切断して上から見た断面図である。 扉枠下部ユニットを左右方向中央で切断して右から見た断面図である。 (a)は扉枠演出装置の第一可動部を上昇端へ移動させた状態を示す斜視図であり、(b)は(a)の状態から演出操作部を上昇端へ移動させた状態を示す斜視図である。 (a)は下部前面スピーカユニット付近の拡大正面図であり、(b)は(a)において下部前面スピーカグリル、グリル装飾枠、及び格子装飾部を取外した状態で示す拡大正面図である。 (a)は扉枠の上部の拡大正面図であり、(b)は(a)においてグリル装飾枠、及び格子装飾部を取外した状態で示す拡大正面図である。 扉枠の上皿に遊技球が貯留されている状態を示す扉枠下部ユニットの平面図である。 扉枠における周光領域を示す説明図である。 (a)は扉枠演出装置における扉枠演出表示装置と演出操作部との関係を模式的に示す説明図であり、(b)は扉枠演出表示装置の演出画像による演出操作部の装飾の一例を示す説明図であり、(c)は扉枠演出表示装置の演出画像と演出操作部の可動演出とによるコラボレーション演出の一例を示す説明図である。 パチンコ機において遊技パネル等を不透明にした遊技盤の正面図である。 図17の遊技盤を右前から見た斜視図である。 図17の遊技盤を左前から見た斜視図である。 遊技盤を右後ろから見た斜視図である。 遊技盤を左後ろから見た斜視図である。 遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 遊技パネル等を透明にした状態の遊技盤の正面図である。 (a)は遊技盤における前構成部材及び遊技パネルを前から見た斜視図であり、(b)は前構成部材及び遊技パネルを後ろから見た斜視図である。 (a)は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は遊技盤における表ユニットを後ろから見た斜視図である。 遊技パネルを不透明にすると共に遊技パネルの面と平行に表ユニットを切断して遊技球が流通する遊技領域内と障害釘とを現した状態で示す遊技盤の正面図である。 図27における右上隅の流通通路群の拡大正面図である。 図27における右下隅のアタッカユニットの拡大正面図である。 (a)は図28等とは異なるセンター役物の流通通路群の実施形態を示す要部拡大図であり、(b)は(a)とは更に異なるセンター役物の流通通路群の実施形態を示す要部拡大図である。 (a)は図30とは更に異なるセンター役物の流通通路群の実施形態を示す要部拡大図であり、(b)は更に異なるセンター役物の流通通路群の実施形態を示す要部拡大図である。 図30及び図31とは更に異なるセンター役物の流通通路群の実施形態を示す要部拡大図である。 遊技盤の裏ユニットを前から見た斜視図である。 遊技盤の裏ユニットを後ろから見た斜視図である。 裏ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 裏ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は裏ユニットの裏第一演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットの裏第一演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 裏第一演出ユニットにおける導光板と装飾基板との関係を示す正面図である。 裏ユニットの裏第二演出ユニットを前から見た斜視図である。 裏ユニットの裏第二演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 裏第二演出ユニットを主に構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 裏第二演出ユニットを主に構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 裏第二演出ユニットにおける駆動の機構を示す正面図である。 (a)~(d)は裏第二演出ユニットにおける複数の回転装飾体の動きを示す説明図である。 (e)~(g)は図44から続く裏第二演出ユニットにおける複数の回転装飾体の動きを示す説明図である。 裏第二演出ユニットにおけるLEDの配置を示す正面図である。 裏ユニットの裏第三演出ユニットを前から見た斜視図である。 裏ユニットの裏第三演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 裏第三演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 裏第三演出ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 左横リング装飾体及び右横リング装飾体を出現位置へ移動させた状態で裏第三演出ユニットにおける駆動の機構と装飾基板を示す正面図である。 裏第二演出ユニットにおける複数の回転装飾体を通常の状態から時計回りの方向へ自転させながら15度公転させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏第二演出ユニットにおける特別回転装飾体を特定位置に移動させた状態で遊技盤の下部を拡大して示す正面図である。 裏第三演出ユニットにおける上縦リング装飾体と下縦リング装飾体とを出現位置に移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏第三演出ユニットにおける左横リング装飾体と右横リング装飾体とを出現位置に移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏第三演出ユニットにおける上縦リング装飾体、下縦リング装飾体、左横リング装飾体、及び右横リング装飾体を出現位置に移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏第三演出ユニットにおける上縦リング装飾体と右横リング装飾体とを出現位置の途中まで移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏上第三演出ユニットにおいて不具合が発生した時における演出表示装置での演出画像の一例を示す遊技盤の正面図である。 裏ユニットにおける発光演出中に実行される影演出の一例を示す遊技盤の正面図である。 扉枠の扉窓から遊技盤が臨んでいる状態で示すパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。 主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 図62の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 設定変更処理の一例を示すフローチャートである。 設定値確認表示処理の一例を示すフローチャートである。 エラー表示処理の一例を示すフローチャートである。 払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 図68の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 図69に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される特別図柄及び特別電動役物制御処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一始動口通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される事前判定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第二始動口通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄プロセス処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄通常処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される大当り判定処理についてその手順を示すフローチャートである。 (A)は、大当りについての抽選処理に用いられる大当り判定テーブルであり、(B)は、大当りの種類についての抽選処理に用いられる図柄決定テーブルである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄停止図柄設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一変動パターン設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄変動処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄停止処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される大当り制御処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される大入賞口開閉処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第二受入口開閉処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される普通図柄及び普通電動役物制御処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行されるゲート部通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される普通図柄通常処理についてその手順を示すフローチャートである。 パチンコ機の電源投入時におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 主制御側電源投入時処理の変形例を示すフローチャートである。 パチンコ機の電源投入時におけるパチンコ機の挙動の変形例を示すタイムチャートである。 設定値の設定変更中におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 設定値の確認表示中におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 設定値の確認表示中におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートである。 設定値の設定変更中における不正行為の監視状態を示すタイムチャートである。 設定値の確認表示中における不正行為の監視状態を示すタイムチャートである。 パチンコ機の電源投入時におけるコマンドの送信タイミングを示すタイムチャートである。 主制御側電源投入時処理の変形例を示すフローチャートである。 パチンコ機の電源投入時における遊技情報コマンドの送信タイミングを示すタイムチャートである。 変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合を示すタイムチャートである。 変更許可状態や確認表示状態の終了後に演出部材の初期動作が行われる場合を示すタイムチャートである。 設定値の設定変更中や設定値の確認表示中における不正行為の監視状態の変形例を示すタイムチャートである。
[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1の全体構成について、図1乃至図3を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2は、パチンコ機の斜視図である。図3は、パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
外枠2は、図3に示すように、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。外枠2は、左右に離間しており上下に延びている外枠左部10及び外枠右部20と、外枠左部10及び外枠右部20の上端同士を連結している外枠上部30と、外枠左部10及び外枠右部20の下端同士を連結している外枠下部40と、外枠上部30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ部50と、外枠左部10の右側面下部と外枠下部40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部60と、を備えている。
外枠2は、パチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備に取付けられ、外枠上ヒンジ部50と外枠下ヒンジ部60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部310と本体枠下ヒンジ部320とを同軸上で回転可能に支持して、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けるためのものである。
扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖する遊技窓201と、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿130及び下皿140と、上皿130に貯留されている遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル111と、を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾している。扉枠3は、本体枠4の本体枠上ヒンジ部310と本体枠下ヒンジ部320とにより、本体枠4の前面を開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、前方へ開放された箱状に形成されている。本体枠4は、遊技盤5を前方から脱着可能に保持する遊技盤取付部301と、正面視左側の上端に設けられている本体枠上ヒンジ部310と、左側の下端に設けられている本体枠下ヒンジ部320と、遊技盤取付部301の下方で右側に設けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置330と、上皿130や下皿140へ遊技球Bを払出すための払出装置350と、外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット360と、を備えている。
本体枠4は、本体枠上ヒンジ部310及び本体枠下ヒンジ部320が、外枠上ヒンジ部50及び外枠下ヒンジ部60により外枠2に対して開閉可能に取付けられると共に、図示しない扉枠上ヒンジ部及び扉枠下ヒンジ部を介して扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に取付けている。
遊技盤5は、本体枠4の遊技盤取付部301に着脱可能に取付けられる。遊技盤5は、図示は省略するが、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口、第一始動口、ゲート部、第二始動口、及び大入賞口と、演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、を備えている。
[2.外枠]
パチンコ機1の外枠について、主に図3等を参照して詳細に説明する。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。
外枠2は、図示するように、左右に離間しており上下に延びている外枠左部10及び外枠右部20と、外枠左部10及び外枠右部20の上端同士を連結している外枠上部30と、外枠左部10及び外枠右部20の下端同士を連結している外枠下部40と、外枠上部30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ部50と、外枠左部10の右側面下部と外枠下部40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部60と、を備えている。
外枠2は、外枠上ヒンジ部50が、本体枠4の本体枠上ヒンジ部310を着脱可能に支持することができる。外枠2は、外枠上ヒンジ部50と外枠下ヒンジ部60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部310と本体枠下ヒンジ部320とを同軸上で回転可能に支持することができ、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けることができる。
[3.扉枠]
パチンコ機1における扉枠3について、主に図4乃至図9を参照して詳細に説明する。図4は、パチンコ機における扉枠の正面図である。図5は扉枠の左側面図であり、図6は扉枠の右側面図である。図7は扉枠を右前から見た斜視図であり、図8は扉枠を左前から見た斜視図である。図9は、扉枠を上下方向中央で切断して上から見た断面図である。
扉枠3は、外枠2の枠内と略同じ大きさで正面視において上下に延びた四角形に形成されており、本体枠4を介して外枠2の枠内を前側から開閉可能に取付けられている。扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖している遊技窓201と、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿130と、上皿130内の遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル111と、を備えている。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
扉枠3は、下端から全高の約1/4の高さまでの部位に設けられている扉枠下部ユニット100と、扉枠下部ユニット100の上側に設けられている扉枠上部ユニット200と、本体枠4の本体枠上ヒンジ部310及び本体枠下ヒンジ部320に回転可能、且つ、脱着可能に支持される扉枠上ヒンジ部及び扉枠下ヒンジ部(図示は省略)と、を備えている。
扉枠3の扉枠下部ユニット100は、遊技領域5a内に遊技球Bを打込むために遊技者が操作可能なハンドル111と、前方へ膨出している膨出部120と、膨出部120の上面に設けられており遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿130と、上皿130の下方に設けられており遊技球Bを貯留するための下皿140と、膨出部の上面に設けられており遊技者に所定の演出を提示するための扉枠演出装置150と、膨出部120の上面に設けられており上皿130内の遊技球Bを下皿へ放出する上皿球抜ボタン124と、膨出部120の上面に設けられている球貸ボタン125及び返却ボタン126と、球貸ボタン125及び返却ボタン126の後方に設けられている扉枠サブ表示部185と、膨出部120の前面に設けられている下部前面スピーカ191と、を備えている。
扉枠3の扉枠上部ユニット200は、遊技盤5の遊技領域5a内を前方から視認可能としている内周が逆U字形の遊技窓201と、遊技窓201を閉鎖している透明な閉鎖ガラス205と、遊技窓201の内周に沿って設けられている扉枠上部内装飾ユニット210と、扉枠上部内装飾ユニット210の外側に設けられている扉枠上部外装飾ユニット220と、扉枠上部内装飾ユニット210、及び扉枠上部外装飾ユニット220を覆っている扉枠上部外縁装飾ユニット230と、扉枠上部外縁装飾ユニット230の上部前面に設けられている上部スピーカユニット240と、を備えている。
また、扉枠3は、上皿130に貯留されている遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置330へ送るための球送給ユニット(図示は省略)を備えている。球送給ユニットは、払出制御基板370の発射制御部372により制御される球送給ソレノイド105(図17を参照)を備えている。
[3-1.扉枠下部ユニット]
次に、扉枠3の扉枠下部ユニット100について、主に図4乃至図12等を参照して詳細に説明する。図10は、扉枠下部ユニットを左右方向中央で切断して右から見た断面図である。図11(a)は扉枠演出装置の第一可動部を上昇端へ移動させた状態を示す斜視図であり、(b)は(a)の状態から演出操作部を上昇端へ移動させた状態を示す斜視図である。図12(a)は下部前面スピーカユニット付近の拡大正面図であり、(b)は(a)において下部前面スピーカグリル、グリル装飾枠、及び格子装飾部を取外した状態で示す拡大正面図である。
扉枠3の扉枠下部ユニット100は、本体枠4に保持された遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能に閉鎖している遊技窓201によりも下方に配置されている。扉枠下部ユニット100は、正面視において右下隅に設けられており遊技領域5a内に遊技球Bを打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット110と、ハンドルユニット110の上方及び左方において本体枠4の前面を閉鎖する面に対して前方へ膨出している膨出部120と、を備えている。
また、扉枠下部ユニット100は、膨出部120の上面で装置配置部123を囲むように設けられており遊技球Bを貯留するための上皿130と、上皿130の下方で左右方向中央より左側に設けられており遊技球Bを貯留するための下皿140と、膨出部120の上面における装置配置部123に設けられており遊技者に所定の演出を提示可能な扉枠演出装置150と、正面視において右上隅設けられている扉枠サブ表示部185と、膨出部120の前面に設けられている下部前面スピーカユニット190と、を備えている。
[3-1a.ハンドルユニット]
扉枠下部ユニット100のハンドルユニット110は、遊技者が掴んで回転操作することのできるハンドル111と、ハンドル111の前側に設けられているハンドルカバー112と、ハンドル111を回動可能に支持しているハンドルベース113と、を備えている。また、ハンドルユニット110は、ハンドルベース113内に設けられており、ハンドル111の回動角度を検知するハンドル回転検知センサ114(図17を参照)と、遊技者がハンドル111に触れていることを検知するハンドルタッチセンサ115と、ハンドル111を反時計回りの方向へ付勢しているハンドル復帰バネ(図示は省略)と、遊技者が押圧可能な単発ボタン116と、を備えている。
ハンドルユニット110は、ハンドル111の回転軸が、前方へ向かうに従って右方へ移動するように傾斜している。これにより、遊技者がハンドルユニット110のハンドル111が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。また、ハンドルユニット110は、ハンドルベース113が、ハンドル111の回転軸の延びている方向へ伸縮可能に構成されていると共に、所望の伸縮位置で保持することができる。これにより、ハンドル111の前後方向の位置を調整することができるため、遊技者の操作し易い位置でハンドル111を操作することができる。
ハンドル111は、所定角度範囲内でのみ回動可能にハンドルベース113に支持されている。ハンドル111は、周方向へ離隔し外周面から突出している複数(ここでは四つ)の突起を有している。ハンドルカバー112は、透光性を有しており、後方に配置されている複数のフルカラーLEDにより、様々な色で発光装飾することができる。
ハンドルユニット110のハンドル回転検知センサ114は、ハンドル111の回転角度に応じて内部抵抗が変化する可変抵抗器とされている。ハンドル111の回転操作により変化するハンドル回転検知センサ114の内部抵抗に応じて、後述する球発射装置330における発射ソレノイド331の駆動力が変化し、ハンドル111の回転角度に応じた強さで遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことができる。
ハンドルユニット110のハンドルタッチセンサは、ハンドル111等の静電気容量を検知するものである。遊技者がハンドル111等に接触すると、ハンドル111等の静電気容量が変化することから、ハンドルタッチセンサによりハンドル111等の静電気容量を検知することで、遊技者がハンドル111に触れているか否かを検知する。本実施形態では、ハンドルタッチセンサ115が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル111を回動させると、ハンドル回転検知センサ114の検知が受付けられ、ハンドル111の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド331の駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。
つまり、遊技者がハンドル111に触れずに、何らかの方法でハンドル111を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、ハンドルタッチセンサ115が遊技者の接触を検知していないことから、発射ソレノイド331は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル111を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
ハンドルユニット110の単発ボタン116は、遊技者がハンドル111を回転操作中に、を押圧すると、払出制御基板370の発射制御部372によって発射ソレノイド331の駆動が停止させられる。これにより、ハンドル111の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができる。そして、単発ボタン116の押圧操作を解除することで、単発ボタン116を操作する前の打込み強さで再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
[3-1b.膨出部]
扉枠3の膨出部120は、正面視の形状が、上下に延びている軸の短いT字状に形成されていると共に、平面視の形状が、後端側が扉枠3の左右方向の全幅の長さで前方へ向かうに従って幅が狭くなるような等脚台形状に形成されている(図9等を参照)。膨出部120は、左右方向の全幅の半分の長さよりも若干長く前方へ膨出している。膨出部120の上面は、水平面に対して、前方へ向かうに従って下方へ位置するように、僅かに傾斜している。
膨出部120は、左右方向において、扉枠3の全幅を三等分した中央部が、扉枠3の下端から上面までの全高に亘って前方へ膨出しており、残りの部位(左右両側の部位)が、扉枠3の下端から上面までの全高に対して上から約1/3の部位までが前方へ膨出している。これにより、膨出部120の正面視の形状が、T字状となっている。膨出部120は、前面中央の下部に四角く開口しているスピーカ取付口120aを有している。このスピーカ取付口120aに下部前面スピーカユニット190が取付けられる。
また、膨出部120は、正面視T字状における上下に延びている部位(スピーカ取付口120aが開口している部位)の左右両側面に、上下に延びている放音スリット120bと放熱スリット120cとが設けられている。放音スリット120bは、後述する下部前面スピーカ191からの音を外部へ放出させるためのものである。また、放熱スリット120cは、後述する扉枠演出装置150内の第一昇降駆動モータ175bや第二昇降駆動モータ182、下部前面スピーカ191等からの熱を外部へ放出させるためのものである。
膨出部120は、前面における上端縁に設けられている膨出部上装飾部121と、前面における下端縁に設けられている膨出部下装飾部122と、上面において左右方向中央部で後端側から前方へ突出するように設けられている装置配置部123と、上面に設けられており上皿130内の遊技球Bを下皿140へ放出する上皿球抜ボタン124と、上皿球抜ボタン124の後方に設けられている球貸ボタン125及び返却ボタン126と、を備えている。
膨出部上装飾部121及び膨出部下装飾部122は、透光性を有した乳白色で、半円柱状に形成されている。膨出部上装飾部121は、膨出部120の前面における上端縁に沿って延びており、述する上皿130の前側の上縁を装飾するように設けられている。膨出部上装飾部121は、内部に複数のLED121aを有している(図15を参照)。複数のLED121aは、膨出部上装飾部121の延びている方向へ一列に並べられている。これら複数のLED121aは、フルカラーLEDである。
膨出部上装飾部121は、左右方向へ離隔している二つの後端同士の間隔が、後述する扉枠上部ユニット200の扉枠上部内装飾ユニット210における左右方向へ離隔している上部内装飾部212の下端同士の間隔と一致している。この膨出部上装飾部121は、扉枠3に組立てた状態で、上部内装飾部212と一致するように形成されており、上部内装飾部212とで一つの連続した装飾を形成している。この膨出部上装飾部121は、上部内装飾部212とで、遊技窓201の周りを発光装飾する第一周光領域LA1を構成している。
また、膨出部上装飾部121は、上皿130の前周壁134の上端よりも上側を装飾していると共に、上皿130の前側の壁(前周壁134)を嵩上げしている。この膨出部上装飾部121は、LED121aからの光の一部が、上皿130内(貯留領域131内)へ照射されるように構成されており、貯留領域131内に貯留されている遊技球Bに光を照射して発光装飾させることができる。
膨出部下装飾部122は、膨出部120の前面における下端縁に沿うように延びている。膨出部下装飾部122は、内部に複数のLED122aを有している(図15を参照)。複数のLED122aは、膨出部下装飾部122の延びている方向へ一列に並べられている。これら複数のLED122aは、フルカラーLEDである。
装置配置部123は、平面視の形状が、左右に長い長方形と、その長方形の前辺を底辺とした等脚台形とを組み合わせたような形状に形成されている。装置配置部123は、後端側の左右方向の幅が、扉枠3の全幅の約1/2の長さである。装置配置部123は、膨出部120の上面において上方が開放されており、上方から膨出部120の内部へ延びた容器状に形成されている。
上皿球抜ボタン124は、上皿130よりも右側で膨出部120の上面の右隅に設けられている。上皿球抜ボタン124は、下方へ押圧することにより、上皿130に貯留されている遊技球Bを、送出口136から下皿140へ放出することができる。この上皿球抜ボタン124は、押圧している間だけ、上皿130内の遊技球Bを下皿140へ放出させ、押圧を解除すると、上方へ移動して元の状態に復帰すると共に、下皿140への放出を停止する。
上皿球抜ボタン124は、外形が正方形に形成されている。上皿球抜ボタン124は、下方に配置されたLEDにより発光する発光装飾部124aを有している。発光装飾部124aは、上皿球抜ボタン124の外周を囲むように配置されている。発光装飾部124aを発光させることで、上皿球抜ボタン124を発光装飾させることができる。
球貸ボタン125は、膨出部120の上面における上皿球抜ボタン124の後方に配置されている。球貸ボタン125は、外形が円形に形成されている。返却ボタン126は、膨出部120の上面における球貸ボタン125の右方に配置されている。返却ボタン126は、外形が正三角形に形成されている。
球貸ボタン125は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、押すことにより、所定数の遊技球Bを、上皿130内へ供給して、遊技球Bを遊技者に貸出すものである。返却ボタン126は、押すことにより、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却するものである。なお、球貸機に投入された現金やプリペイドカードの残量は、扉枠サブ表示部185に表示される。
[3-1c.上皿]
扉枠3の上皿130は、膨出部120の上面において下方へ窪んでおり、遊技球Bが貯留される貯留領域131を有している。貯留領域131は、装置配置部123の前方側のフロント領域131a(図14において一点鎖線で囲まれている部位)と、フロント領域131aにより互いに繋がれ装置配置部123の左右両外側のサイド領域131b(図14において二点鎖線で囲まれている部位)と、から構成されている。
フロント領域131aは、前後方向の幅が略一定で、左右方向へ延びている。左側のサイド領域131bは、後端側から前方のフロント領域131a側へ向かうに従って左右方向の幅が狭くなるように前後方向へ延びている。右側のサイド領域131bは、前端側のフロント領域131a側から途中まで後方へ向かうに従って左右方向の幅が広くなるように延びた後に、後端側へ向かって幅が狭くなるように、前後方向へ延びている。上皿130(貯留領域131)は、装置配置部123の前方側と左右両外側とを囲むように形成されている。
上皿130は、底面を形成している底壁132と、底壁132の後端から上方へ立上っている後周壁133と、底壁132の前端から上方へ立上っている前周壁134と、左側のサイド領域131bの後端において前方へ向かって開口している供給口135と、右側のサイド領域131bの後端において前方へ向かって開口している送出口136と、送出口136の近傍に設けられており送出口136へ向かって遊技球Bを整列させる整列部137と、を備えている。
上皿130の底壁132は、供給口135側から送出口136へ向かって低くなるように傾斜している。前周壁134及び後周壁133は、略垂直に立上っている。底壁132、後周壁133、及び前周壁134の表面は、鏡面状に形成されている。上皿130は、底壁132、後周壁133、及び前周壁134によって貯留領域131を形成している。上皿130の深さ(底壁132から後周壁133及び前周壁134の上端までの高さ)は、最も浅い部位(供給口135付近)でも、遊技球Bの直径より深く形成されている。
供給口135は、本体枠4の払出装置350から払出された遊技球Bを、貯留領域131内へ供給するためのものである。送出口136は、貯留領域131内に貯留された遊技球Bを貯留領域131から球発射装置330や下皿140へ送出するためのものである。整列部137は、平面視において長方形と等脚台形とを組み合わせた装置配置部123における長方形と等脚台形との境界付近で、底壁132が送出口136へ向かって低くなるように下方へ折れ曲がっている。
また、上皿130は、貯留領域131内へ向かって光を照射可能な複数のLED138aを有した貯留発光装飾部138を、備えている。貯留発光装飾部138の複数のLED138aは、後周壁133に設けられており、底壁132から遊技球Bの外径の半分よりも上方で、後周壁133の上端と略平行となる高さに設けられている。これらLED138aは、フルカラーLEDである。貯留発光装飾部138のLED138aを発光させることで、貯留領域131内や、貯留領域131内に貯留されている遊技球Bを発光装飾させることができる。
上皿130は、前周壁134の上端に膨出部120の膨出部上装飾部121が設けられており、膨出部上装飾部121により貯留領域131の前端側が嵩上げされて、より多くの遊技球Bを貯留させることができる。また、上皿130は、膨出部上装飾部121のLED121aからの光の一部が、貯留領域131内へ照射されるようになっており、膨出部上装飾部121からの光によっても貯留領域131内の遊技球Bが発光装飾される。
上皿130は、扉枠演出装置150が配置される装置配置部123の前方側のフロント領域131aと、左右両外側のサイド領域131bとを有しており、フロント領域131aにより扉枠演出装置150よりも前方側に遊技球Bを貯留させることができるため、上皿130内に貯留されている遊技球Bを遊技者から見え易くすることができる。また、上皿130において、フロント領域131aにより繋がれる二つのサイド領域131bは、前後に延びたような領域となるため、フロント領域131aに加えて、サイド領域131bに貯留されている遊技球Bも、遊技者側から視認し易くすることができる。
従って、上皿130内の遊技球Bが見え易くなることで、遊技者に対して遊技球Bの貯留量に対する意識を喚起させることができることから、遊技の進行により上皿130内の遊技球Bを消費して貯留量が少なくなっても、遊技者に対して貯留量の低下を認識させ易くして、上皿130内へ遊技球Bを補充させることができるため、遊技者が気付かないうちに遊技球Bが上皿130から無くなることを回避させて、突然の遊技の中断を阻止することができ、遊技の中断による遊技者の落胆を防止して、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上皿130では、フロント領域131a内や二つのサイド領域131b内の遊技球Bを遊技者側から見え易くすることができるため、遊技者が視線を、遊技領域5aから下方の扉枠演出装置150へ落とすだけで、フロント領域131a内に遊技球Bが有るか無いかを即座に認識させることができ、上皿130内における遊技球Bの有無を、遊技者が注意深く確認する必要はなく、遊技者を遊技に専念させ易くすることが可能となり、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、上皿130では、供給口135から貯留領域131内へ供給された遊技球Bが、フロント領域131aを通って送出口136から貯留領域131外へ送出されるため、遊技を行うことで上皿130内の遊技球Bを消費すると、遊技球Bが目の前(フロント領域131a)を流れることとなり、遊技者に対して遊技球Bの消費速度や消費量等を認識させ易くすることができ、上述した作用効果を奏し易いものとすることができる。
また、上皿130では、貯留領域131内へ光を照射する貯留発光装飾部138を設けており、貯留発光装飾部138(LED138a)からの光が遊技球Bにより上方へ反射されるため、貯留発光装飾部138からの光により上皿130に貯留されている遊技球Bをキラキラと輝かせて発光装飾させることができ、遊技者に対して遊技球Bの発光装飾を楽しませることができると共に、遊技者の関心を上皿130に貯留されている遊技球Bに強く引付けさせることができ、上皿130における遊技球Bの貯留量を確認させて上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上皿130では、底壁132、後周壁133、及び前周壁134等の内面を、鏡面状に形成していることから、上皿130内に貯留されている遊技球Bが、上皿130の周壁にうつるため、遊技者に対して周壁の向こうにも遊技球Bが貯留されているように錯覚させることができ、上皿130に多くの遊技球Bが貯留されているように見せることができる。
更に、上皿130では、送出口136の近傍に整列部137を設けて遊技球Bを整列させるようにしているため、送出口136の近傍において遊技球Bの詰りを防止することができ、上皿130に貯留されている遊技球Bを、送出口136からスムーズに球発射装置330や下皿140へ送出させることができる。従って、遊技球Bが詰まることによる遊技の中断を回避させることができ、遊技者に遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上皿130では、右側のサイド領域131bに配置されている送出口136を、前方から視認可能としているため、これまでのパチンコ機では見ることができなかった送出口136から遊技球Bが送出される様子を見ることができ、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[3-1d.下皿]
下皿140は、上皿130の下方で、膨出部120における前方へ膨出している中央部分よりも左側に設けられており、上方へ開放された浅い皿状に形成されている。下皿140と上皿130(膨出部120における左側の部位の下面)との間には、遊技者の手を挿入できる間隔があけられている。下皿140は、前面が、平面視において膨出部120の前面と略同じ形状に形成されている。
下皿140は、底壁の最も低くなっている部位に形成されており、開閉可能な下皿球抜孔141(図8を参照)と、下皿球抜孔141を開閉させて下皿140内の遊技球Bを下方へ排出するための下皿球抜ボタン142と、下皿140が遊技球Bで一杯になっていることを検知する満タン検知センサ143(図17を参照)と、を有している。
下皿140は、上皿球抜ボタン124の操作により上皿130内の遊技球Bが供給される。また、下皿140は、上皿130内において遊技球Bが一杯になった状態で、払出装置350から払出された遊技球Bが供給される。なお、下皿140内が遊技球Bで一杯になると、下皿140の満タンを満タン検知センサ143が検知し、下皿140の満タンが検知されると、払出装置350による遊技球Bの払出しが一時的に停止される。その後、下皿140内の満タンが解消される(満タン検知センサ143が非検知となる)と、払出しの一時停止が解除される。
下皿球抜ボタン142は、下皿140の前面に設けられており、外形が四角形に形成されている。下皿球抜ボタン142を、後方へ押圧すると、下皿球抜孔141が開くと共に、下皿球抜ボタン142が押圧されたままの状態で保持される。この状態で下皿球抜ボタン142を更に後方へ押圧すると、下皿球抜孔141が閉じると共に、下皿球抜ボタン142が前方へ移動して元の状態に復帰する。
下皿球抜ボタン142は、図示しないLEDにより発光する発光装飾部142aを有している。発光装飾部142aは、下皿球抜ボタン142の左右両側及び上側を囲むように配置されている。発光装飾部142aを発光させることで、下皿球抜ボタン142を発光装飾させることができる。例えば、多くの遊技球Bが払出される「大当り」遊技の時に、発光装飾部142aにより下皿球抜ボタン142を発光装飾させることで、遊技者の関心を下皿140に向けさせることができ、下皿球抜ボタン142を操作させて下皿140内の遊技球Bを下方のドル箱等に排出させることができ、下皿140が満タンとなって遊技球Bの払出しが一時停止されることを回避させることができる。
[3-1e.扉枠演出装置の全体構成]
扉枠演出装置150は、膨出部120の上面に設けられている装置配置部123に配置されている。扉枠演出装置150は、上方へ開放されている装置配置部123を閉鎖している透明な装置カバー151と、装置カバー151を通して前方から視認可能に設けられている扉枠演出表示装置152と、扉枠演出表示装置152の前方に設けられている下部スピーカユニット153と、下部スピーカユニット153の前方で上面が装置カバー151よりも上方へ昇降可能に設けられている第一可動部155と、第一可動部155に昇降可能に設けられており遊技者が押圧操作可能な演出操作部160と、第一可動部155を昇降させる第一昇降機構170と、演出操作部160を昇降させる第二昇降機構180と、を備えている。
[3-1e-1.装置カバー]
装置カバー151は、平面視の形状が、装置配置部123と同じ、左右に長い四角形と、その四角形の前辺を底辺とした等脚台形と、を組み合わせた形状に形成されている。装置カバー151は、等脚台形の部位において等脚台形状に大きく開口した開口部151aと、四角形の部位において前後方向の中央付近で後端側が上方となるように屈曲して傾斜している傾斜面部151bと、四角形の部位の前端付近において六角形状に貫通している複数のグリル孔151cと、を有している。装置カバー151は、前端側が低くなるように全体が傾斜している。装置カバー151の開口部151aには、第一可動部155が挿通される。
装置カバー151は、傾斜面部151bの上端が、扉枠上部ユニット200の扉枠上部カバー232の下端と一致している。また、装置カバー151は、傾斜面部151bよりも前側が、前方へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、装置カバー151の上面に遊技球Bが載っても、前方へ転動して上皿130内へ放出させることができる。
[3-1e-2.扉枠演出表示装置]
扉枠演出表示装置152は、演出画像を表示する表示画面が、左右に長い四角形に形成されており、左右方向の長さが、扉枠3の全幅の1/2よりも若干短い。扉枠演出表示装置152は、上辺に対して下辺が前方に位置するように、傾斜させた状態で設けられている。つまり、扉枠演出表示装置152は、本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭部付近に向けられている。扉枠演出表示装置152は、上辺が扉枠下部ユニット100の上端付近の高さに位置しており、下辺が上皿130におけるフロント領域131aの底面よりも下方の高さに位置している。また、扉枠演出表示装置152は、上辺が扉枠下部ユニット100(装置カバー151)の後端付近に位置しており、下辺が装置カバー151における傾斜面部151bの前端付近に位置している。扉枠演出表示装置152は、画面比率が16:9の液晶表示装置である。
[3-1e-3.下部スピーカユニット]
下部スピーカユニット153は、左右に離隔して配置されている一対の下部スピーカ153aと、一対の下部スピーカ153aを取付けている下部スピーカベース153bと、下部スピーカベース153bに取付けられており下部スピーカ153aの外周や下部スピーカ153a同士の間を装飾する下部スピーカ装飾部153cと、を有している。一対の下部スピーカ153aは、高音域のサウンドを出力するツイータである。
下部スピーカベース153bは、前辺に対して後辺が上方に位置するように傾斜している前面と、前面の後辺から前面に対して垂直に下方へ延びている後面とを有し、下方へ開放された左右に長い容器状に形成されている。また、下部スピーカベース153bは、前面に円形の取付孔が左右に離隔して形成されている。下部スピーカベース153bの前面は、水平からの傾斜角度が、扉枠演出表示装置152の水平からの傾斜角度よりも小さい角度で傾斜している(図10等を参照)。
下部スピーカ装飾部153cは、下部スピーカベース153bの前面に取付けられており、下部スピーカ153aの外周に配置されている円環状の部位と、一対の下部スピーカ153a同士の間に配置されている複数の円弧状の部位と、で構成されている。下部スピーカ装飾部153cは、透光性を有しており、図示しない、下部スピーカ装飾基板に実装されているLEDを発光させることで、発光装飾することができる。
下部スピーカユニット153は、一対の下部スピーカ153aが、下部スピーカベース153bの取付孔から前方へ臨むように、下部スピーカベース153bの内部に取付けられている。これにより、一対の下部スピーカ153aが、本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭部付近に向けられている。下部スピーカユニット153は、上端が扉枠演出表示装置152の上下方向中央よりも若干低い高さに位置しており、下端が扉枠演出表示装置152の下端よりも若干低い高さに位置している。
また、下部スピーカユニット153は、前端が装置カバー151の開口部151aの後端から前方寄り(演出操作部160から若干後方)に位置しており、後端が装置カバー151の傾斜面部151bの前端付近に位置している。下部スピーカユニット153は、透明な装置カバー151を通して視認することができる。また、一対の下部スピーカ153aから出力されたサウンドは、装置カバー151のグリル孔151c及び第一可動部本体156のグリル孔156bを通して、外部(パチンコ機1外)へ良好に放射させることができる。
また、下部スピーカユニット153は、図示しない、下部スピーカ装飾基板のLEDにより下部スピーカ装飾部153cを発光装飾させることで、下部スピーカ153aと下部スピーカ153aのスピーカグリル(装置カバー151及び第一可動部本体156の上壁)との間を発光装飾させることができ、これまでのパチンコ機では見られなかったスピーカ内部の発光装飾を遊技者に見せることができる。
[3-1e-4.第一可動部]
第一可動部155は、後方及び下方が開放された容器状で透明な第一可動部本体156と、第一可動部本体156の下側に取付けられている第一可動部ベース157と、第一可動部本体156の上面に取付けられている第一可動部カバー158と、第一可動部本体156の側面内側に取付けられている第一可動部装飾基板159と、を備えている(図10及び図11を参照)。第一可動部155は、装置カバー151の開口部151aに配置されている。第一可動部155は、第一昇降機構170により昇降可能に支持されていると共に、第一昇降機構170によって昇降させられる。
第一可動部本体156は、平面視の形状が、装置カバー151の開口部151aの形状と相似し、左右に長い四角形と、四角形の前辺を底辺とした等脚台形とを組み合わせたように形状に形成されている。第一可動部本体156は、四角形と等脚台形とを組み合わせたような形状の上壁と、上壁における後辺を除いた側辺から下方へ延びている側壁と、で後方及び下方が開放された容器状に形成されている。第一可動部本体156の上壁(上面)は、前側が低くなるように傾斜していると共に、左右方向中央が高くなるように湾曲している。
第一可動部本体156は、上壁における前端付近で左右に長い四角形状に貫通している開口部156aと、上壁の開口部156aを除いた部位において六角形状で貫通している複数のグリル孔156bと、側壁において周方向へ列設されており四角形状で貫通している複数の貫通孔156cと、を有している。開口部156aは、第一可動部カバー158の開口枠部158aの下端が挿入される。貫通孔156cは、第一可動部装飾基板159に実装されているLED159aが外側へ臨む大きさに形成されている。
第一可動部ベース157は、左右に長い平板状に形成されている。第一可動部ベース157は、前後方向の幅が、第一可動部本体156の開口部156aにおける前後方向の幅よりも短く形成されている。第一可動部ベース157は、前端が第一可動部本体156の開口部156aの前端と前後方向が略同じ位置となるように、第一可動部本体156に取付けられている。第一可動部ベース157は、水平な状態で第一可動部本体156に取付けられている。この第一可動部ベース157は、下面に、第一昇降機構170の一対の昇降スライダ172が取付けられと共に、上面に、第二昇降機構180の第二昇降ベース181が取付けられる。
第一可動部カバー158は、外形が、第一可動部本体156の上壁と同じ形状で、同じ大きさに形成されている。第一可動部カバー158は、第一可動部本体156の開口部156aと対応している横長四角形の開口枠部158aと、左右に延びており前後方向へ離隔している複数のルーバー部158bと、を有している。第一可動部カバー158は、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が設けられている。第一可動部カバー158の開口枠部158aは、下端が、ルーバー部158bの下端よりも下方へ突出しており、第一可動部本体156の開口部156a内に挿入される。開口枠部158aの枠内には、演出操作部160が挿入される。
第一可動部カバー158のルーバー部158bは、左右方向の両端部を除いた部位が一定の幅で延びており、左右方向の両端部が前方へ斜めに広がるような三角形状に形成されている。複数(ここでは五つ)のルーバー部158bは、前後方向へ遊技球Bの外径よりも若干大きい間隔をあけて設けられている。これにより、ルーバー部158b同士の間に、遊技球Bを貯留させることができる。因みに、前から一つ目のルーバー部158b同士の間には遊技球Bを一つ、二つ目のルーバー部158b同士の間には遊技球Bを二つ、三つ目のルーバー部158b同士の間には遊技球Bを三つ、夫々貯留することができる(図14を参照)。
第一可動部装飾基板159は、前面に複数のLED159aが実装されている。複数のLED159aは、第一可動部本体156の貫通孔156cと対応した位置に配置されている。第一可動部装飾基板159は、第一可動部本体156の側壁の内側に取付けられることで、実装されている複数のLED159aが、側壁の貫通孔156cから外側へ臨む。第一可動部装飾基板159のLED159aは、フルカラーLEDである。
この第一可動部装飾基板159は、第一可動部155を下降させた状態(通常の状態)でLED159aを発光させると、上皿130の後周壁133と第一可動部本体156の側壁との間を通して、上皿130の後周壁133の上部を発光装飾させることができ。また、第一可動部装飾基板159は、第一可動部155を上昇させた状態でLED159aを発光させると、第一可動部本体156の側壁を発光装飾させることができると共に、貯留領域131内や前方(遊技者側)へ光を照射させることができる。
[3-1e-5.演出操作部]
演出操作部160は、第一可動部155に対して昇降可能に設けられており、遊技者が押圧操作可能とされた、所謂、プッシュボタンである。演出操作部160は、第二昇降機構180により昇降可能に支持されていると共に、第二昇降機構180により昇降させられる(図10及び図11を参照)。
演出操作部160は、上面に「PUSH」の文字が形成された透光性を有する押圧操作部161と、押圧操作部161の下方に配置されており上面に複数のLEDが実装されている操作部装飾基板162と、上面に押圧操作部161及び操作部装飾基板162が取付けられている操作部可動ベース163と、操作部可動ベース163を昇降可能に支持しており下面が第二昇降機構180(第二昇降ベース181)を介して第一可動部155に取付けられている操作部ベース164と、操作部可動ベース163を上方へ付勢している操作部バネと、操作部バネの付勢力に抗した下方へ移動した押圧操作部161を検知する押圧検知センサ165(図17を参照)と、を備えている。
押圧操作部161は、左右に長い四角形で、上面に「PUSH」の文字がレリーフ状に形成されている。押圧操作部161は、外周形状が、第一可動部カバー158における開口枠部158aの枠内よりも若干小さく形成されている。
操作部装飾基板162の上面に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDである。操作部装飾基板162は、上方へ光を照射する第一LEDと、操作部装飾基板162の上面に沿った外方へ光を照射する第二LEDと、が上面に実装されている。操作部装飾基板162は、第一LEDを発光させることで、押圧操作部161(「PUSH」の文字)を発光装飾させることができる。また、第二LEDを発光させることで、操作部可動ベース163の周壁を発光装飾させることができると共に、演出操作部160が下降端の状態では、第一可動部カバー158の開口枠部158aを発光装飾させることができる。
操作部可動ベース163は、下方が開放された左右に長い箱状に形成されている。操作部可動ベース163は、押圧操作部161の外周よりも若干小さく形成されている。操作部可動ベース163の上面に、操作部装飾基板162を挟むように、押圧操作部161が取付けられている。操作部可動ベース163は、内部に下方から操作部ベース164が挿入される。
操作部ベース164は、操作部可動ベース163の内部に挿入可能な大きさで上方が開放された左右に長い箱状の部位と、箱状の部位から操作部可動ベース163の外周と同じ位置まで外方へ突出しているフランジ状の部位とで構成されている。操作部ベース164は、操作部可動ベース163を、所定の範囲内で昇降可能に支持している。この操作部ベース164の下面には、第二昇降機構180が取付けられる。
操作バネは、上端が操作部可動ベース163の上壁の下面に当接していると共に、下端が操作部ベース164の下壁の上面に当接している。押圧検知センサ165は、操作部ベース164の内部に取付けられており、操作部可動ベース163の図示しない検知片を検知することで、操作部可動ベース163を介して押圧操作部161の押圧操作を検知する。
[3-1e-6.第一昇降機構]
第一昇降機構170は、図10に示すように、膨出部120の内部に取付けられており、第一可動部155を昇降させるためのものである。第一昇降機構170は、膨出部120の内部に左右に離隔して取付けられ上下に延びている一対の昇降レール171と、一対の昇降レール171により夫々が上下方向へ案内される一対の昇降スライダ172と、一対の昇降スライダ172同士を連結している連結部173と、一端が昇降スライダ172に回転可能に取付けられており、他端が膨出部120に回転可能に取付けられている棹状の一対の昇降アーム174と、一対の昇降アーム174を夫々回転させる第一昇降駆動機構175と、昇降スライダ172(第一可動部155)の昇降位置を検知する第一昇降検知センサ176と、を備えている。
一対の昇降レール171は、演出操作部160(押圧操作部161)の左右方向の長さよりも長い間隔で、左右に離隔している。一対の昇降レール171は、垂直に延びるように膨出部120の内部に取付けられている。一対の昇降スライダ172は、夫々の上端が第一可動部155の第一可動部ベース157の下面に取付けられており、夫々の下端が連結部173に取付けられている。
一対の昇降アーム174は、対応する昇降スライダ172に対して、夫々の前端側が、左右方向へ延びた軸周り回転可能に取付けられていると共に昇降アーム174の長手方向へスライド可能に取付けられている。また、一対の昇降アーム174は、後端側が、膨出部120に対して、左右方向へ延びた軸周りに回転可能に取付けられている。一対の昇降アーム174は、長手方向の中央に対して前端寄りの位置に、長手方向へ延びているスリット174aを夫々有している。
第一昇降駆動機構175は、一対の昇降アーム174に対して、夫々設けられている。つまり、第一昇降駆動機構175は、一対設けられている。第一昇降機構170は、第一昇降駆動機構175により、一対の昇降アーム174の前端側が夫々上方へ移動する方向に、一対の昇降アーム174を夫々回転させることで、一対の昇降アーム174の先端が夫々取付けられている一対の昇降スライダ172を介して第一可動部155(演出操作部160)を昇降させることができる。
第一昇降駆動機構175について詳述すると、第一昇降駆動機構175は、昇降アーム174のスリット174a内にスライド可能に挿入されると共に、左右方向の延びた軸周りに対して公転する第一昇降ピン175aと、第一昇降ピン175aを公転させる第一昇降駆動モータ175bと、を有している。更に詳述すると、第一昇降駆動機構175は、膨出部120の内部に取付けられており前後方向及び上下方向に延びている平板状の駆動ベース175cと、駆動ベース175cに左右方向へ延びた軸周りに対して回転可能に取付けられていると共に、回転軸に対して偏芯した位置に第一昇降ピン175aが取付けられている平歯車状の昇降ギア175dと、昇降ギア175dと噛合し第一昇降駆動モータ175bの回転軸に取付けられている駆動ギア175eと、を有している。
本実施形態では、駆動ベース175cには、二つの第一昇降駆動モータ175bが取付けられており、夫々の第一昇降駆動モータ175bの回転軸に取付けられている駆動ギア175eが、昇降ギア175dに対して夫々噛合している。つまり、一つの昇降ギア175dを、二つの第一昇降駆動モータ175bにより回転させるようにしている。
この第一昇降駆動機構175は、二つの第一昇降駆動モータ175bの夫々の回転軸に取付けられている駆動ギア175eを同じ方向へ回転させると、夫々の駆動ギア175eが噛合している昇降ギア175dが回転すると共に、昇降ギア175dの軸芯を中心として第一昇降ピン175aが公転する。この第一昇降ピン175aが公転することで、第一昇降ピン175aが、昇降アーム174のスリット174a内を摺動すると共に、スリット174aの内部を上下方向へ押圧し、昇降アーム174が後端側を中心として回転(回動)することとなる。これにより、昇降アーム174の前端側が上下方向へ移動するため、昇降アーム174の前端側が取付けられている昇降スライダ172を介して第一可動部155を昇降させることができる。
第一昇降検知センサ176は、一対の昇降スライダ172が下方への移動端(下降端)に位置している時に、検知状態となる。つまり、第一昇降検知センサ176は、昇降スライダ172を介して、第一可動部155が下降端に位置していることを検知するものである。
[3-1e-7.第二昇降機構]
第二昇降機構180は、第一可動部155における第一可動部ベース157の上面に取付けられると共に、演出操作部160の操作部ベース164を昇降可能に支持している第二昇降ベース181と、第二昇降ベース181に取付けられている第二昇降駆動モータ182と、第二昇降駆動モータ182の回転軸に取付けられており回転軸に対して偏芯した位置で公転する第二昇降ピン183と、第二昇降ピン183が摺動可能に挿入される前後方向へ延びたスリット184aを有し上部が操作部ベース164に取付けられる昇降伝達片184と、第二昇降ベース181(演出操作部160)の昇降を検知する第二昇降検知センサ180aと、を備えている。
第二昇降機構180の第二昇降ベース181は、操作部ベース164を、押圧操作部161の上面に対して垂直な方向(上方へ向かうに従って前方へ位置するような傾斜した軸線の延びている方向)へ昇降可能に支持している。
第二昇降機構180は、第二昇降駆動モータ182により第二昇降ピン183を公転させると、第二昇降ピン183が昇降伝達片184のスリット184a内を摺動すると共に、スリット184aの内面を上下方向へ押圧し、昇降伝達片184が上下方向へ移動する。この昇降伝達片184には、演出操作部160の操作部ベース164が取付けられているため、昇降伝達片184を介して演出操作部160を昇降させることができる。
第二昇降機構180は、昇降伝達片184(演出操作部160)を下降端へ位置させている状態では、前後方向へ延びているスリット184aの後端付近に第二昇降ピン183が位置している。つまり、第二昇降ピン183が下死点に位置している。この状態から昇降伝達片184を上昇させる場合は、第二昇降駆動モータ182により第二昇降ピン183を、前方への移動ベクトルを有するように公転させる。これにより、第二昇降ピン183がスリット184a内を前方へ向かって摺動すると共に、第二昇降ピン183がスリット184aの内面を上方へ押圧して、昇降伝達片184が上方へ移動することとなる。
第二昇降ピン183が更に公転することで、第二昇降ピン183の中心と公転中心とを結んだ線がスリット184aの中心軸線を過ぎると、第二昇降ピン183が、スリット184aの内面を上方へ押圧しつつ、スリット184a内を後方へ向かって摺動する。そして、第二昇降ピン183が、スリット184aの後端付近に到達すると、第二昇降駆動モータ182の駆動が停止して、第二昇降ピン183の公転が停止する。この状態では、第二昇降ピン183が上死点に位置しており、昇降伝達片184が上昇端に位置している。
昇降伝達片184(演出操作部160)を上昇端に位置させた状態で、演出操作部160を押圧操作すること等により、昇降伝達片184を下方へ移動させようとする力が作用した場合、第二昇降ピン183が上死点に位置しているため、第二昇降ピン183に前後方向の力が作用することはない。従って、第二昇降ピン183が公転することはないため、昇降伝達片184が下方へ移動することはない。
また、昇降伝達片184を上昇端に位置させた状態で、演出操作部160が押圧操作されると、演出操作部160の前方に位置している遊技者が操作することから、演出操作部160に対して、下方への移動ベクトルに加えて、後方への移動ベクトルが作用することとなる。これに対して、上昇端の状態では、第二昇降ピン183がスリット184aの後端に位置していため、スリット184aを介して第二昇降ピン183に後方への移動ベクトルが作用しても、第二昇降ピン183がスリット184aの後方端に当接して、第二昇降ピン183の公転が阻止され、昇降伝達片184が下方へ移動することはなく、演出操作部160を上昇端の位置に維持させることができる。
第二昇降検知センサ180aは、第二昇降ベース181が下方への移動端(下降端)に位置している時に、検知状態となる。つまり、第二昇降検知センサ180aは、第二昇降ベース181を介して、演出操作部160が下降端に位置していることを検知するものである。
[3-1f.扉枠サブ表示部]
扉枠サブ表示部185は、扉枠演出装置150における扉枠演出表示装置152の右方で、上皿球抜ボタン124、球貸ボタン125及び返却ボタン126の後方に配置されている。扉枠サブ表示部185は、左右に並んだ三つの7セグメントLEDによって構成されている。扉枠サブ表示部185は、上端側に対して下端側が前方に位置するように、傾斜した状態で設けられている。扉枠サブ表示部185は、下端が、上皿球抜ボタン124、球貸ボタン125及び返却ボタン126が突出している膨出部120の上面と同じ高さに配置されている。
扉枠サブ表示部185は、三つの四角い7セグメントLEDの外周を発光装飾させる枠状のサブ表示部装飾枠186と、三つの7セグメントLED及びサブ表示部装飾枠186を覆い扉枠演出装置150における装置カバー151の傾斜面部151bと同じ角度で傾斜している透明なサブ表示部カバー187と、を備えている。
[3-1g.下部前面スピーカユニット]
下部前面スピーカユニット190は、図10及び図12に示すように、膨出部120のスピーカ取付口120aの後方に取付けられる下部前面スピーカ191と、複数のグリル孔が貫通しておりスピーカ取付口120aを閉鎖する下部前面スピーカグリル192と、下部前面スピーカグリル192の前方に配置されており膨出部120の前面に取付けられている横格子状のグリル装飾枠193と、グリル装飾枠193における各格子部の後側に夫々配置されている棒状の格子装飾部194と、各格子装飾部194の両端に設けられており格子装飾部194を発光装飾させる格子装飾LED195と、を備えている。
下部前面スピーカ191は、低音域のサウンドを出力するウーファーである。下部前面スピーカグリル192は、膨出部120の内側に取付けられている。下部前面スピーカグリル192は、パンチングメタルである。
グリル装飾枠193は、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が設けられている。グリル装飾枠193は、膨出部120のスピーカ取付口120aの内周に沿った四角形の枠部と、枠部の上下に延びている二辺同士を結び上下に離隔して配置されている複数の格子部と、から構成されている。グリル装飾枠193の左右に延びている格子部は、左右方向の両端部を除いた部位(一般部位)が一定の幅で延びており、左右方向の両端部が端部へ向かって下方へ斜めに広がった後に一定の幅で延びた台形状に形成されている。
格子装飾部194は、透光性を有しており、左右に長い円柱状に形成されている。格子装飾部194は、左右方向の両端がグリル装飾枠193における格子部の台形状の部位の後側に位置し、残りの部位が格子部の一般部位よりも下方に位置している。これにより、格子装飾部194は、両端を除いた部位を、前方から視認することができる。複数の格子装飾部194は、下部前面スピーカグリル192の前方に設けられている。格子装飾LED195は、フルカラーLEDである。
下部前面スピーカユニット190は、下部前面スピーカ191により、出力するサウンドのうち低音域(低周波数)のサウンドを出力することができる。この下部前面スピーカユニット190は、前方へ膨出している膨出部120の前面から前方へ臨んでいることから、本パチンコ機1の前面に着座している遊技者に対して、音圧を付与させることができる。また、下部前面スピーカユニット190は、複数の格子装飾LED195を適宜発光させることで、格子装飾部194を発光装飾させることができると共に、格子装飾部194を介してグリル装飾枠193内(下部前面スピーカグリル192の前面側)を発光装飾させることができる。
[3-2.扉枠上部ユニット]
続いて、扉枠3の扉枠上部ユニット200について、主に図4乃至図9、及び図13を参照して詳細に説明する。図13(a)は扉枠の上部の拡大正面図であり、(b)は(a)においてグリル装飾枠、及び格子装飾部を取外した状態で示す拡大正面図である。扉枠3の扉枠上部ユニット200は、扉枠3を本体枠4に対して閉じた時に本体枠4に保持されている遊技盤5の遊技領域5a内を前方から視認可能としている遊技窓201と、正面視において外周が上下に長い四角形で遊技窓201となる内周が下方へ開放された逆U字形に形成されている扉枠上部ユニットベース202と、扉枠上部ユニットベース202に設けられており扉枠上部ユニットベース202の逆U字形の内周(遊技窓201)を閉鎖している透明な閉鎖ガラス205と、を備えている。
また、扉枠上部ユニット200は、扉枠上部ユニットベース202の前面において遊技窓201の逆U字形の内周に沿って帯状に設けられている扉枠上部内装飾ユニット210と、扉枠上部ユニットベース202の前面で扉枠上部内装飾ユニット210の外側に設けられている扉枠上部外装飾ユニット220と、扉枠上部内装飾ユニット210、及び扉枠上部外装飾ユニット220を覆っている扉枠上部外縁装飾ユニット230と、扉枠上部ユニットベース202の上部前面に設けられている上部スピーカユニット240と、を備えている。
[3-2a.扉枠上部ユニットベース]
扉枠上部ユニットベース202は、扉枠上部ユニット200の後面を形成している(図9を参照)。扉枠上部ユニットベース202は、平板状で、下方に開放された門型に形成されている。扉枠上部ユニットベース202は、正面視において外周が上下に長い四角形に形成されており、内周が下方へ開放された逆U字形に形成されている。扉枠上部ユニットベース202の内周の大きさは、後方に配置される遊技盤5の遊技領域5aよりも大きく形成されている。
[3-2b.閉鎖ガラス]
閉鎖ガラス205は、扉枠上部ユニットベース202の内周内(遊技窓201)を閉鎖するように、扉枠上部ユニットベース202の後端に、脱着可能に設けられている(図9を参照)。この閉鎖ガラス205は、扉枠3を本体枠4対して閉じた時に、本体枠4に保持されている遊技盤5の遊技領域5a内から遊技球Bが前方へ脱落しないように、遊技領域5aの前側を閉鎖するためのものである。閉鎖ガラス205は、透明な強化ガラスである。
[3-2c.扉枠上部内装飾ユニット]
扉枠上部内装飾ユニット210は、一定の幅で扉枠上部ユニットベース202の内周に沿って延びていると共に前方へ突出している壁状の上部内ベース211と、上部内ベース211に沿って延びていると共に上部内ベース211の前端に設けられている半円柱状の上部内装飾部212と、上部内装飾部212の後方に設けられており前面に複数のLED213aが実装されている上部内装飾基板213と、を備えている。
上部内ベース211は、正面視の形状が逆U字形に形成されている。上部内ベース211の前端は、逆U字形における直線状に延びている一対の部分が、上下方向へ垂直に延びており、逆U字形における半円弧状に延びている部位が、上方へ向かうに従って前方へ突出するように湾曲している。この上部内ベース211は、不透光性に形成されている。上部内ベース211の下端における左右方向の間隔は、扉枠下部ユニット100の膨出部120における膨出部上装飾部121の左右に離隔している後端同士の間隔と一致している。
上部内装飾部212は、透光性を有した乳白色で、半円柱状に形成されている。上部内装飾基板213は、上部内ベース211に取付けられており、前面に実装されている複数のLED213aが、上部内装飾部212に沿うように列設されている。上部内装飾基板213の複数のLED213aは、フルカラーLEDである。上部内装飾基板213の複数のLED213aを適宜発光させることで、上部内装飾部212を発光装飾させることができる。
扉枠上部内装飾ユニット210は、扉枠3に組立てた状態で、上部内装飾部212の下端が、膨出部120の膨出部上装飾部121の後端と一致するように形成されており、上部内装飾部212と膨出部上装飾部121とが一つの連続した装飾を形成する。
この扉枠上部内装飾ユニット210の上部内装飾部212は、膨出部上装飾部121とで、遊技窓201の周りを発光装飾する第一周光領域LA1(図15において一点鎖線で囲まれている部位)を構成している。また、上部内装飾部212は、乳白色に形成されていることから、複数のLED213aからの光を低減させて外方へ放射させることができるため、上部内装飾部212により囲まれている遊技窓201内が眩しさで見え難くなることを防止することができ、遊技窓201を通して前方から遊技領域5aを良好な状態で視認させることができる。
[3-2d.扉枠上部外装飾ユニット]
扉枠上部外装飾ユニット220は、後端が扉枠上部ユニットベース202の前面に取付けられており、前方へ突出していると共に、上下方向へ間隔をあけて配置されている複数の突出ベース221と、突出ベース221の前端に設けられている上部外頂装飾部222と、突出ベース221同士の間に夫々配置されている上部外谷装飾部223と、上部外頂装飾部222の後方に夫々配置されている上部外頂LED224と、上部外谷装飾部223の後方に配置されている上部外谷LED225と、を備えている。
突出ベース221は、側面視の形状が二等辺三角形に形成されている。突出ベース221は、上部内ベース211の外周面から扉枠上部ユニットベース202の左右の側片付近まで左右方向へ延びており、上部内ベース211から外方へ延び出すように形成されている。突出ベース221は、前端が、上部内ベース211の接している部位の前端と略同じ位置まで前方へ突出している。
複数の上部外頂装飾部222は、左右方向へ延びた円柱状に形成されており、左右両端が半球状に形成されている。上部外頂装飾部222は、円柱の外径が、上部内装飾部212の外径の約1/3に形成されている。上部外頂装飾部222は、設けられている突出ベース221の左右方向の長さと対応した長さに夫々が形成されている。これら上部外頂装飾部222は、透光性を有している。
上部外谷装飾部223は、突出ベース221同士の間で扉枠上部ユニットベース202の前面と平行に延びている部位(垂直面部)と、当該部位の上辺や下辺から突出ベース221の下面や上面に沿って突出ベース221の前端付近まで斜めに延びている部位(斜面部)と、で構成されている。上部外谷装飾部223は、表面(前面)に鏡面状のメッキ層を有している。また、上部外谷装飾部223は、扉枠上部ユニットベース202の前面と平行に延びている部位に、後方に配置されている上部外谷LED225が前方へ臨むように、四角い開口部が形成されている。
上部外頂LED224は、フルカラーLEDである。上部外谷LED225は、高輝度のフルカラーLEDである。
扉枠上部外装飾ユニット220は、上部外頂LED224を適宜発光させることで、上部外頂装飾部222を発光装飾させることができる。また、扉枠上部外装飾ユニット220は、上部外谷LED225を適宜発光させることで、上部外谷装飾部223を発光装飾させることができると共に、上下方向に離隔している上部外頂装飾部222同士の間を明るく輝かせることができる。
扉枠上部外装飾ユニット220の上部外頂装飾部222及び上部外谷装飾部223は、遊技窓201の周りで第一周光領域LA1の外側を発光装飾する第二周光領域LA2(図15において二点鎖線で囲まれている部位)を構成している。また、扉枠上部外装飾ユニット220の上部外頂装飾部222及び上部外谷装飾部223は、前端が、扉枠上部内装飾ユニット210の上部内装飾部212の前端よりも後方に位置していることから、上部外頂LED224や上部外谷LED225から遊技窓201側へ照射された光が、上部内ベース211や上部内装飾部212によって遮られることとなり、上部外頂装飾部222及び上部外谷装飾部223を発光装飾させても遊技窓201内が眩しさで見え難くなることを防止され、遊技窓201を通して前方から遊技領域5aを良好な状態で視認させることができる。
[3-2e.扉枠上部外縁装飾ユニット]
扉枠上部外縁装飾ユニット230は、扉枠上部ユニットベース202の外周辺縁(左右両辺、及び上辺)に沿って列設されている複数の上部外縁LED231と、扉枠上部ユニットベース202の外周辺縁に取付けられ扉枠上部内装飾ユニット210及び扉枠上部外装飾ユニット220を覆う扉枠上部カバー232と、扉枠上部カバー232の左右両側壁に設けられている不透明装飾部233と、を備えている。複数の上部外縁LED231は、フルカラーLEDである。
扉枠上部カバー232は、扉枠上部ユニットベース202の左右両端付近の部位から前方へ延出している一対の側壁と、一対の側壁の上辺同士を連結し扉枠上部ユニットベース202の上端付近の部位から前方へ延出している上壁と、一対の側壁の前辺及び上壁の前辺を連結している前壁と、から構成されており、後方及び下方が開放された箱状に形成されている。扉枠上部カバー232は、全体が透明に形成されている。
扉枠上部カバー232は、側壁の前端が、上部内装飾部212の前端よりも僅かに前方に位置するように、上部内装飾部212の前端形状に沿った形状に形成されている。詳しくは、扉枠上部カバー232の側壁の前端が、下端から遊技窓201における逆U字形の直線状に延びている部位の上端付近の高さまで垂直に延び、そこから扉枠上部ユニットベース202の状態と略同じ高さまで上方へ向かうに従って前方へ位置するように円弧状に湾曲して延びている。また、扉枠上部カバー232の左右の側壁の前端は、上方へ向かって円弧状に湾曲している部位が、上方へ向かうに従って互いに接近する方向へ湾曲している。
扉枠上部カバー232は、前壁の上部の左右両隅に、上部スピーカユニット240のグリル装飾枠243等が取付けられる一対のスピーカ取付口232aが、形成されている。
不透明装飾部233は、扉枠上部カバー232の左右の側壁の外側面に設けられている。不透明装飾部233は、扉枠上部外装飾ユニット220における突出ベース221と同じ高さの位置に、前後に延びたスリット233aが形成されている。不透明装飾部233のスリット233aを通して、扉枠上部カバー232の透明な側壁の一部が外方へ臨んでいる。
扉枠上部外縁装飾ユニット230は、扉枠上部カバー232により、扉枠上部内装飾ユニット210及び扉枠上部外装飾ユニット220を前方から視認可能に被覆している。また、扉枠上部外縁装飾ユニット230は、複数の上部外縁LED231を適宜発光させることで、扉枠上部ユニットベース202の外縁と、扉枠上部カバー232の前壁の外縁(側壁及び上壁の夫々の前端)とを発光装飾させることができる。
また、扉枠上部外縁装飾ユニット230は、左右両外側に不透明装飾部233を有しているため、扉枠上部外装飾ユニット220の上部外頂LED224や上部外谷LED225からの光が、本パチンコ機1と隣接して配置された他のパチンコ機の前方に着座している他の遊技者に照射されることを防止することができる。
扉枠上部外縁装飾ユニット230の複数の上部外縁LED231(扉枠上部カバー232の前端外縁)は、遊技窓201の周りで第二周光領域LA2の外側を発光装飾する第三周光領域LA3(図15において破線で囲まれている部位)を構成している。また、扉枠上部外縁装飾ユニット230の複数の上部外縁LED231は、扉枠上部ユニットベース202の前面、つまり、扉枠上部内装飾ユニット210の上部内装飾部212の前端よりも後方に配置されていることから、上部外縁LED231から遊技窓201側へ照射された光が、上部内ベース211や上部内装飾部212によって遮られることとなり、複数の上部外縁LED231を発光させても遊技窓201内が眩しさで見え難くなることを防止され、遊技窓201を通して前方から遊技領域5aを良好な状態で視認させることができる。
[3-2f.上部スピーカユニット]
上部スピーカユニット240は、扉枠上部ユニットベース202の前面上部における左右両隅付近に夫々取付けられる上部スピーカ241と、夫々の上部スピーカ241の前方で扉枠上部カバー232のスピーカ取付口232aを閉鎖する上部スピーカグリル(図示は省略)と、上部スピーカグリルの前方に配置され扉枠上部カバー232の前壁に取付けられる横格子状のグリル装飾枠243と、グリル装飾枠243における各格子部と略同じ間隔で上部スピーカグリルの後方に配置されている棒状の格子装飾部244と、各格子装飾部244の左右方向の外側端に設けられており格子装飾部を発光装飾させる格子装飾LED245と、(図13を参照)を備えている。
上部スピーカ241は、夫々が、扉枠上部ユニット200の左右方向中央で、やや下方へ向くように斜めに取付けられている。上部スピーカ241は、扉枠上部外装飾ユニット220における隣接している上部外頂装飾部222よりも後方に取付けられている。上部スピーカ241は、低音から高音までの全音域のサウンドを出力するフルレンジスピーカである。上部スピーカグリルは、扉枠上部カバー232の内側(前壁の後面)に取付けられている。上部スピーカグリルは、パンチングメタルである。
グリル装飾枠243は、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が設けられている。グリル装飾枠243は、扉枠上部カバー232のスピーカ取付口232aの内周に沿った形状の枠部と、枠部の上下に延びている二辺同士を結び上下に離隔して配置されている複数の格子部と、から構成されている。グリル装飾枠243の左右に延びている格子部は、扉枠3の左右方向外側となる端部を除いた部位(一般部位)が一定の幅で延びており、左右方向の外側となる端部が端部へ向かって下方へ斜めに広がった後に一定の幅で延びた台形状に形成されている。
格子装飾部244は、透光性を有しており、左右に長い円柱状に形成されている。格子装飾部244は、上部スピーカグリルを通して前方から視認することができる。格子装飾LED245は、フルカラーLEDである。
上部スピーカユニット240は、本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭部に近く、遊技者に対して良質なステレオサウンドを出力することができる。また、上部スピーカユニット240は、複数の格子装飾LED245を適宜発光させることで、格子装飾部244を発光装飾させることができると共に、格子装飾部244を介してグリル装飾枠243内(上部スピーカグリルの後面側)を発光装飾させることができる。
また、上部スピーカユニット240は、正面視において、上部スピーカグリル(グリル装飾枠243)内に配置されている上部外頂装飾部222が、上部スピーカ241よりも前方に位置している。つまり、上部スピーカ241と上部スピーカグリルとの間に、発光装飾可能な格子装飾部244、上部外頂装飾部222が配置されている。これにより、当該上部外頂装飾部222や格子装飾部244を発光装飾させると、これまでのパチンコ機では見られなかった、スピーカグリルの内側が発光装飾される演出を遊技者に見せることができる。
[3-3.扉枠の全体構成]
続いて、扉枠3の全体構成について、図4乃至図15を参照して詳細に説明する。図14は、扉枠の上皿に遊技球が貯留されている状態を示す扉枠下部ユニットの平面図である。図15は、扉枠における周光領域を示す説明図である。扉枠3は、本体枠4の前面を閉鎖している状態で、遊技窓201を通して、本体枠4に保持されている遊技盤5の遊技領域5aを含む前面の殆どを前方から視認可能とすることができる。また、遊技窓201の閉鎖ガラス205により、遊技盤5(遊技領域5a)の前側を閉鎖することができる。
扉枠3は、図15等に示すように、膨出部上装飾部121と上部内装飾部212とが、環状に繋がっており、その環内に上皿130、扉枠演出装置150、及び遊技窓201等が配置されている。換言すると、上皿130、扉枠演出装置150、及び遊技窓201等が、膨出部上装飾部121と上部内装飾部212と(第一周光領域LA1)で、囲まれている。更に、上部内装飾部212の外側が、上部外頂装飾部222及び上部外谷装飾部223(第二周光領域LA2)と、上部外縁LED231(第三周光領域LA3)とで囲まれている。つまり、遊技窓201が、第一周光領域LA1、第二周光領域LA2、及び第三周光領域LA3、の三つの周光領域により三重に囲まれている。
扉枠3は、上皿130の貯留領域131が、扉枠演出装置150の前側及び左右両側を囲むように形成されており、供給口135から供給された遊技球Bが、膨出部120の前端縁に沿うように流通して送出口136から外部(下皿140又は球発射装置330)へ送出される。
扉枠3は、通常の状態では、扉枠演出装置150の第一可動部155と演出操作部160が下方への移動端(下降端)に夫々位置している。この状態では、第一可動部155(第一可動部本体156)の上面が、装置カバー151の開口部151aを通して、装置カバー151の上面よりも僅かに上方に位置している。また、演出操作部160は、押圧操作部161が、第一可動部本体156の開口部156aを通して、第一可動部本体156の上面よりも僅かに上方に位置している。
扉枠3は、上皿130の前周壁134の上端に、全長に亘って膨出部上装飾部121が設けられている。この膨出部上装飾部121によって上皿130における遊技球Bを貯留する壁の上端が嵩上げされている。膨出部上装飾部121の前側(フロント領域131a側)の上端は、通常の状態の扉枠演出装置150(第一可動部155)の上面の前端よりも高くなっている。これにより、上皿130内が遊技球Bで一杯になった時に、遊技球Bが扉枠演出装置150側へ溢れることとなり、遊技者に対して上皿130が遊技球Bで満杯であることを認識させ易くすることができると共に、上皿130から遊技球Bが前方へこぼれてしまうことを抑制させることができる。
扉枠3は、膨出部120の上面における上皿130よりも右側の右隅において、上皿球抜ボタン124、球貸ボタン125、及び返却ボタン126が、集約されている。上皿球抜ボタン124、球貸ボタン125、及び返却ボタン126が設けられている面は、上皿130よりも高く膨出部上装飾部121よりも低い位置に設けられていると共に、前方へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球抜ボタン124、球貸ボタン125、及び返却ボタン126が設けられている面上に遊技球Bが載った場合、当該面と膨出部上装飾部121とにより遊技球Bが上皿130側へ転動して、上皿130内に放出させることができる。
また、扉枠3は、上皿130を構成している底壁132、後周壁133、及び前周壁134の表面(つまり、上皿130の内面)が、鏡面状に形成されていることから、上皿130に貯留されている遊技球Bが、上皿130の内面にうつるため、写った遊技球Bが見えることで、上皿130に多くの遊技球Bが貯留されているように錯覚させることができると共に、上皿130の容積が大きいように見せることができる。
扉枠3は、上皿130において、供給口135から供給された遊技球Bが、まず、左側のサイド領域131b内で前方へ向かって転動した後に、フロント領域131aへ進入してフロント領域131a内を右方へ転動する。そして、フロント領域131aの右端から右側のサイド領域131bへ進入し、右側のサイド領域131b内で後方へ転動した後に、送出口136から外部へ送出されるような遊技球Bの流れを遊技者に見せることができる(図14を参照)。この際に、扉枠演出装置150よりも前側の遊技者に近いフロント領域131aを遊技球Bが流通するため、フロント領域131a内の遊技球Bを良好に視認することができ、上皿130内での遊技球Bの貯留量を容易に確認することができる。
また、扉枠3では、上皿130において遊技球Bが後方へ転動する右側のサイド領域131bの後端に送出口136を設けているため、遊技者側から送出口136を視認することができる。これにより、これまでのパチンコ機で見ることのできなかった、送出口136(上皿130)から遊技球Bが球発射装置330へ送られる様子を遊技者に見せることができる。
扉枠3は、透明な装置カバー151及び第一可動部本体156の上壁を通して、一対の下部スピーカ153aを視認することができると共に、下部スピーカ153aの後方に扉枠演出表示装置152を視認することができる。扉枠3は、扉枠演出表示装置152の上端が、扉枠下部ユニット100の上端、つまり、遊技窓201の下端に接近している。これにより、扉枠演出表示装置152と遊技盤5の演出表示装置1600とが接近した状態となるため、扉枠演出表示装置152と演出表示装置1600とで一つの画面を構成するような演出画像を表示させることができる。
扉枠3は、演出操作部160の後方に配置されている扉枠演出表示装置152において、下辺を演出操作部160の上部前端よりも下方へ位置させると共に、上辺を演出操作部160の上部前端よりも上方に位置させており、扉枠演出表示装置152の上部を演出操作部160よりも高くしている。これにより、扉枠演出表示装置152全体を演出操作部160よりも低くした場合と比較して、扉枠演出表示装置152を演出操作部160に接近させても遊技者側から扉枠演出表示装置152を見え易くすることができる。また、扉枠演出表示装置152にかかる前後方向の奥行を小さくすることができることから、膨出部120の前方への膨出量を抑制することができるため、膨出部120によって遊技者に圧迫感を与えてしまうことを回避させることができ、遊技者に対して快適な状態で遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3は、演出操作部160の後方に表示画面の垂直投影範囲VP(図10において二つの一点鎖線の間の範囲)が演出操作部160の近傍となるように斜めに配置した扉枠演出表示装置152を、設けていることから、遊技者側から扉枠演出表示装置152を見ると、扉枠演出表示装置152の下側の外縁付近に演出操作部160が見えることとなるため、扉枠演出表示装置152に演出操作部160を装飾するような演出画像を表示させることで、演出画像により演出操作部160を装飾することができると共に、演出画像を変化させることで演出操作部160の装飾を様々に変化させることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
更に、扉枠3は、演出操作部160の近傍に扉枠演出表示装置152の表示画面が見えるため、扉枠演出表示装置152に演出操作部160の画像を表示しなくても、演出操作部160へ向けた矢印や手等の画像を表示して、遊技者に対して演出操作部160の操作を促すことができるため、遊技者の視線を直ちに演出操作部160に向けさせることが可能となり、演出操作部160の操作タイミングを遅れ難くすることができ、遊技者に演出操作部160を操作する遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3は、下部前面スピーカユニット190の下部前面スピーカグリル192と、上部スピーカユニット240の上部スピーカグリルとにより、通常の状態では、下部前面スピーカ191及び上部スピーカ241が前方(遊技者側)から見え難くなっている。
[3-4.扉枠の発光演出]
次に、扉枠3による発光演出について説明する。扉枠3は、上皿130、扉枠演出装置150、及び遊技窓201等を、乳白色で円柱状に形成されている膨出部上装飾部121と上部内装飾部212と(第一周光領域LA1)で囲んでいる。膨出部上装飾部121の複数のLED121aと、上部内装飾部212の複数のLED213aは、夫々が延びている方向へ一列に配置されている。これにより、複数のLED121a及びLED213aを適宜発光させることで、遊技窓201等の周りを発光装飾させることができる。この際に、複数のLED121a及びLED213aを、順番に発光させると、遊技窓201の周りを光が回るような発光演出を遊技者に見せることができる。
また、扉枠3は、上部内装飾部212の外側に配置されている上部外頂装飾部222及び上部外谷装飾部223(第二周光領域LA2)を備えているため、上部外頂LED224及び上部外谷LED225により上部外頂装飾部222及び上部外谷装飾部223を発光装飾させることで、第一周光領域LA1の外側を発光装飾させることができ、遊技窓201の外側を二重に発光装飾させる発光演出を遊技者に見せることができる。
上部外頂装飾部222は、上下方向へ間隔をあけて複数配置されていることから、上下方向の一方側から順次発光させることで、レベルメータのような発光演出を遊技者に見せることができる。例えば、チャンスの到来等の際に、遊技に対する期待値をレベルメータとして遊技者に見せたり、出力される音楽に合わせたサウンドメータとして遊技者に見せたりすることができる。
また、上部外谷装飾部223は、鏡面状に形成されていることから、上部外谷LED225を発光させることで、上部外頂装飾部222同士の間を上部内装飾部212よりも強く輝かせることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることが可能な発光演出を遊技者に見せることができる。
この扉枠3は、扉枠上部ユニットベース202の外縁列設された複数の上部外縁LED231を備えているため、これら上部外縁LED231を発光させることで、これまでのパチンコ機1では見ることのできなかった扉枠3の外縁(第三周光領域LA3)が発光する発光演出を遊技者に見せることができる。
そして、扉枠3では、遊技窓201の外側に、第一周光領域LA1、第二周光領域LA2、及び第三周光領域LA3、の三重の周光領域を有しているため、夫々の周光領域を適宜発光させることで、遊技窓201の周りを回るような発光演出、外側から遊技窓201へ向かうような発光演出、遊技窓201から外側へ向かうような発光演出、等の様々な発光演出を遊技者に見せることができる。
また、扉枠3では、下部前面スピーカユニット190の格子装飾LED195や、上部スピーカユニット240の格子装飾LED245、を適宜発光させることで、グリル装飾枠193の格子部(格子装飾部194)や、グリル装飾枠243の格子部(格子装飾部244)、を発光装飾させることができ、下部前面スピーカユニット190のグリル装飾枠193や、上部スピーカユニット240のグリル装飾枠243を目立たせる発光演出を遊技者に見せることができる。
更に、扉枠3では、下部スピーカユニット153の下部スピーカ装飾部153c、上部スピーカユニット240の格子装飾部244、複数の上部外頂LED224及び上部外谷LED225における上部スピーカユニット240のグリル装飾枠243(上部スピーカグリル)の後方に位置している上部外頂LED224及び上部外谷LED225、を発光させることで、一対の下部スピーカ153aと第一可動部本体156の上壁との間、上部スピーカ241と上部スピーカグリルとの間、を発光装飾させることができ、スピーカとスピーカグリルとの間が発光装飾するこれまでのパチンコ機では見ることのできなかった発光演出を遊技者に見せることができる。
また、扉枠3では、上皿130の後周壁133に貯留発光装飾部138の複数のLED138aを備えているため、複数のLED138aを発光させることで、上皿130や、上皿130内に貯留されている遊技球Bを発光装飾させることができる。例えば、上皿130内に遊技球Bが貯留されていない状態で、複数のLED138aを発光させること、上皿130の内面が鏡面状に形成されていることから、上皿130内の全体が眩しく発光装飾される発光演出を遊技者に見せることができ、遊技するパチンコ機を選択中の遊技者に対して、本パチンコ機1の上皿130が眩しく輝くことで、本パチンコ機1への関心を強く引付けさせることができる。
この貯留発光装飾部138は、上皿130の底壁132から遊技球Bの外径の半分よりも上方に設けられているため、上皿130内に遊技球Bが貯留されている状態で複数のLED138aを発光させること、その光が、遊技球Bの上半分側に照射されて、上方側へ反射することとなり、上皿130の貯留されている遊技球Bがキラキラと輝く発光演出を遊技者に見せることができる。
なお、膨出部上装飾部121を発光装飾させると、その光の一部が上皿130内へも照射されるため、膨出部上装飾部121によっても上皿130内や上皿130に貯留されている遊技球Bが発光装飾する発光演出を遊技者に見せることができる。
また、扉枠3では、上皿球抜ボタン124の周囲を囲んでいる発光装飾部124aと、下皿球抜ボタン142の周囲を囲んでいる発光装飾部142aと、を備えているため、上皿球抜ボタン124の発光装飾部124aや、下皿球抜ボタン142の発光装飾部142aを発光させることで、上皿球抜ボタン124や下皿球抜ボタン142を発光装飾させることができる。従って、「大当り」遊技中等、多くの遊技球Bが払出される時に、上皿球抜ボタン124や下皿球抜ボタン142を発光装飾させることで、上皿130や下皿140が遊技球Bで満タンになることを回避させるように、遊技者に対して上皿球抜ボタン124や下皿球抜ボタン142の操作を促す発光演出を見せることができる。
このように、本実施形態の扉枠3は、様々な発光演出を遊技者に見せることができ、それらを適宜組合せることで、より多彩に演出を遊技者に提示することができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
[3-5.扉枠演出装置の演出]
次に、扉枠3の扉枠演出装置150による演出について、主に図16等を参照して説明する。図16(a)は扉枠演出装置における扉枠演出表示装置と演出操作部との関係を模式的に示す説明図であり、(b)は扉枠演出表示装置の演出画像による演出操作部の装飾の一例を示す説明図であり、(c)は扉枠演出表示装置の演出画像と演出操作部の可動演出とによるコラボレーション演出の一例を示す説明図である。
扉枠演出装置150は、通常の状態では、第一可動部155と演出操作部160とが、夫々下方の移動端(下降端)に位置している。この状態では、第一可動部155(第一可動部本体156)の上面が、装置カバー151の開口部151aを通して、装置カバー151の上面よりも僅かに上方に位置している。また、演出操作部160は、押圧操作部161が、第一可動部本体156の開口部156aを通して、第一可動部本体156の上面よりも僅かに上方に位置している。この通常の状態でも、演出操作部160における押圧操作部161を押圧操作することができる。
通常の状態で、操作部装飾基板162の第一LEDを発光させると、押圧操作部161の上面が発光装飾する発光演出を遊技者に見せることができる。また、通常の状態で、操作部装飾基板162の第二LEDを発光させると、押圧操作部161の外側を囲んでいる第一可動部カバー158の開口枠部158aが発光装飾する発光演出を遊技者に見せることができる。これらの発光演出により、遊技者の関心を押圧操作部161へ向けさせることができ、遊技者に対して押圧操作部161の押圧操作を促して、押圧操作部161を操作する遊技者参加型演出に参加させ易くすることができる。
また、通常の状態で、第一可動部装飾基板159の複数のLED159aを発光させると、第一可動部本体156の側壁を介して、上皿130の後周壁133と第一可動部本体156との間を発光装飾させることができる。つまり、上皿130の後周壁133の上端付近が発光装飾する発光演出を遊技者に見せることができる。
この通常の状態で、一対の下部スピーカ153aから所定のサウンドを出力させると、そのサウンドが、装置カバー151のグリル孔151cと第一可動部本体156のグリル孔156bとを通して遊技者側へ放射され、演出操作部160(押圧操作部161)の方向からサウンドが聞える音響演出を遊技者に聴かせることができる。これにより、下部スピーカ153aからのサウンドにより、遊技者の関心を押圧操作部161へ引付けさせることができ、遊技者に対して押圧操作部161の押圧操作を促して、押圧操作部161を操作する遊技者参加型演出に参加させ易くすることができる。
また、扉枠演出装置150は、通常の状態では、装置カバー151を通して扉枠演出表示装置152を遊技者側から良好な状態で視認することができ、扉枠演出表示装置152に表示されている演出画像によって遊技者を楽しませることができる(図16(a)等を参照)。
扉枠演出装置150は、通常の状態で、第一昇降機構170の四つの第一昇降駆動モータ175bにより第一昇降ピン175aを公転させることで、一対の昇降アーム174及び昇降スライダ172を介して、演出操作部160と一緒に第一可動部155が上方への移動端(上昇端)へ移動する可動演出を遊技者に見せることができる。これにより、演出操作部160と一緒に第一可動部155が上方へ飛び出してくるため、遊技者を驚かせることができ、遊技者に対して押圧操作部161の押圧操作を強く促すことができると共に、第一可動部155が上昇することで、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができる。
この第一可動部155を上昇端へ移動させた状態では、図11(a)に示すように、第一可動部本体156の側壁が、遊技者側から視認可能となる。この状態で、第一可動部装飾基板159の複数のLED159aを発光させると、第一可動部本体156の側壁が発光装飾する発光演出を遊技者に見せることができる。従って、第一可動部本体156の側壁を発光装飾させながら第一可動部155を下降端から上昇端へ移動させると、第一可動部155が光の中から上昇してくるような演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができる。
また、第一可動部155を上昇端へ移動させた状態で第一可動部装飾基板159の複数のLED159aを発光させると、その光の一部が上皿130に貯留されている遊技球Bに照射されるため、複数のLED159aによっても上皿130に貯留されている遊技球Bをキラキラ輝かせる発光演出を遊技者に見せることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、四つの第一昇降駆動モータ175bにより第一可動部155を昇降させることができるため、第一昇降駆動モータ175bを小刻みに正転・逆転を繰り返させることで、第一可動部155を振動させることができる。これにより、第一可動部155が振動している時に遊技者が第一可動部155や演出操作部160に触れると、その振動によって遊技者を驚かせることができる。また、演出操作部160(押圧操作部161)を押圧操作するタイミングで第一可動部155を振動させると、押圧操作の操作感を重くしたり軽くしたりして変化させることができ、遊技者を楽しませることができる。
更に、第一可動部155を下降端から上昇端側へ移動させると、第一可動部本体156の上壁に形成されている複数のグリル孔156bが上方へ移動するため、複数のグリル孔156bと一対の下部スピーカ153aとの間の空間の容積が増加することとなる。これにより、下部スピーカ153aとグリル孔156bとの間の容積が変化することで、当該部位の固有振動が変化し、下部スピーカ153aから出力されるサウンドの共振周波数が変化することとなるため、複数のグリル孔156bを通して遊技者側へ放射されるサウンドの音色が変化する音響演出を遊技者に聴かせることができる。
また、本パチンコ機1の前方に着座している遊技者からは、第一可動部155を下降端から上昇端へ移動させると、第一可動部155の上部が、扉枠演出表示装置152の表示画面の下部を覆うように見える。これにより、第一可動部155を上昇端へ移動させると、扉枠演出表示装置152に表示されている演出画像の一部が第一可動部155により遮られるため、遊技者に対して第一可動部155の上昇に気付かせることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
この際に、扉枠演出表示装置152に、例えば、所定のキャラクタにより第一可動部155を持ち上げるような演出画像、第一可動部155の上昇により所定のキャラクタが持上げられるような演出画像、等を表示させることで、第一可動部155の可動演出と演出画像とによるコラボレーション演出を遊技者に見せることができ、遊技者をおおいに楽しませることができる。
また、扉枠演出装置150は、通常の状態で、第二昇降機構180の第二昇降駆動モータ182により第二昇降ピン183を公転させると、昇降伝達片184を介して演出操作部160が上方の移動端(上昇端)へ移動する可動演出を遊技者に見せることができる。これにより、演出操作部160の押圧操作部161の上面が、第一可動部155の上面よりも大きく上方へ突出した状態となるため、遊技者の関心を押圧操作部161へ強く引付けさせることができ、遊技者に対して押圧操作部161の押圧操作を強く促すことができると共に、押圧操作部161が上昇することで、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができる。
演出操作部160を上昇端へ移動させた状態では、図11(b)に示すように、押圧操作部161の下側の操作部可動ベース163の周壁が、外部に露出した状態となる。この状態で、操作部装飾基板162の第二LEDを発光させると、操作部可動ベース163の周壁が発光装飾する発光演出を遊技者に見せることができる。従って、演出操作部160の操作部可動ベース163の周壁を発光装飾させながら演出操作部160を下降端から上昇端へ移動させると、演出操作部160が光の中から上昇してくるような演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができる。
また、第二昇降駆動モータ182により演出操作部160を昇降させることができるため、第二昇降駆動モータ182を小刻みに正転・逆転を繰り返させることで、演出操作部160を振動させることができる。これにより、演出操作部160が振動している時に遊技者が演出操作部160に触れると、その振動によって遊技者を驚かせることができる。また、演出操作部160(押圧操作部161)を押圧操作するタイミングで演出操作部160を振動させると、押圧操作の操作感を重くしたり軽くしたりして変化させることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、本パチンコ機1の前方に着座している遊技者からは、演出操作部160を下降端から上昇端へ移動させると、演出操作部160の上部が、扉枠演出表示装置152の表示画面の下部を覆うように見える。これにより、演出操作部160を上昇端へ移動させると、扉枠演出表示装置152に表示されている演出画像の一部が演出操作部160により遮られるため、遊技者に対して演出操作部160の上昇に気付かせることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
この際に、扉枠演出表示装置152に、例えば、演出操作部160の周りを装飾するような演出画像(図16(b)を参照)、所定のキャラクタにより演出操作部160を持ち上げるような演出画像、演出操作部160の上昇により所定のキャラクタが持上げられるような演出画像(図16(c)を参照)、等を表示させることで、演出操作部160の可動演出と演出画像とによるコラボレーション演出を遊技者に見せることができ、遊技者をおおいに楽しませることができる。
この演出操作部160は、第一可動部155が下降端の状態で上昇端へ移動させることができると共に、第一可動部155が上昇端の状態で上昇させることもできる(図11(b)の状態)。例えば、第一可動部155を下降端から上昇端へ移動させた後に、演出操作部160を下降端から上昇端へ移動させることで、演出操作部160が二段階に上昇する可動演出を遊技者に見せることができる。これにより、演出操作部160が二段階で上昇するため、遊技者に対して演出操作部160を操作すると、「大当り」遊技が開始される(特別抽選結果が「大当り」)と強く思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができると共に、遊技者に演出操作部160を操作させて遊技者参加型演出を楽しませることができる。
このように、扉枠演出装置150は、上述したような、発光演出、可動演出、画像演出、遊技者参加型演出、音響演出、等の様々な演出を遊技者に提示することができるため、それらを適宜組合せることで、より多彩に演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者を楽しませることができる。
[3-6.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技が行われる遊技領域5aの前方且つ下方に設けられている扉枠3の膨出部120の上面に、扉枠演出装置150が配置される装置配置部123の前方側のフロント領域131aと、左右両外側のサイド領域131bとにより、装置配置部123を囲む遊技球Bの貯留領域131を有した上皿130を設けているため、フロント領域131aにより扉枠演出装置150よりも前方側に遊技球Bが貯留されることとなり、上皿130内に貯留されている遊技球Bを遊技者から見え易くすることができる。また、フロント領域131aにより繋がれる二つのサイド領域131bは、前後に延びたような領域となるため、フロント領域131aに加えて、サイド領域131bに貯留されている遊技球Bも、遊技者側から視認し易くすることができる。
従って、上皿130内の遊技球Bが見え易くなることで、遊技者に対して遊技球Bの貯留量に対する意識を喚起させることができることから、遊技の進行により上皿130内の遊技球Bを消費して貯留量が少なくなっても、遊技者に対して貯留量の低下を認識させ易くして、上皿130内へ遊技球Bを補充させることができるため、遊技者が気付かないうちに遊技球Bが上皿130から無くなることを回避させて、突然の遊技の中断を阻止することができ、遊技の中断による遊技者の落胆を防止して、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上記のように、フロント領域131a内や二つのサイド領域131b内の遊技球Bを遊技者側から見え易くすることができるため、遊技者が視線を、遊技領域5aから下方の扉枠演出装置150へ落とすだけで、フロント領域131a内に遊技球Bが有るか無いかを即座に認識させることができ、上皿130内における遊技球Bの有無を、遊技者が注意深く確認する必要はなく、遊技者を遊技に専念させ易くすることが可能となり、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、フロント領域131aにより繋がれている二つのサイド領域131bの左側に供給口135を配置し、反対の右側に送出口136を配置していることから、フロント領域131aが、供給口135から送出口136までの途中に設けられることとなり、供給口135から貯留領域131内へ供給された遊技球Bが、フロント領域131aを通って送出口136から貯留領域131外へ送出されることとなるため、遊技を行うことで上皿130内の遊技球Bを消費すると、遊技球Bが目の前(フロント領域131a)を流れることとなり、遊技者に対して遊技球Bの消費速度や消費量等を認識させ易くすることができ、上述した作用効果を奏し易いものとすることができる。
更に、装置配置部123の左右両外側のサイド領域131bの左側に供給口135を配置し、右側に送出口136を配置していることから、供給口135と送出口136との左右方向の間を大きくすることができるため、蓋然的に、貯留領域131の左右方向も大きくなることから、上皿130における遊技球Bの貯留量をより多くすることができる。従って、上皿130に多くの遊技球Bを貯留させることができるため、遊技者に対して遊技球Bの貯留量を気にせずに遊技を行わせることができ、遊技者を遊技に専念させて遊技をより楽しませることができると共に、遊技者が視線を、遊技領域5aから下方の扉枠演出装置150へ落とすだけで、フロント領域131a内に遊技球Bが有るか無いかを即座に認識させることができ、上皿130内における遊技球Bの有無を、遊技者が注意深く確認する必要はなく、遊技者を遊技に専念させ易くすることが可能となり、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上皿130の底面(底壁132)から遊技球Bの外径の半分よりも上方に上皿130の貯留領域131内へ光を照射する貯留発光装飾部138を設けており、貯留領域131内に貯留されている遊技球Bの半分よりも上側の部位に、貯留発光装飾部138のLED138aからの光が照射されることとなるため、遊技球Bにより貯留発光装飾部138からの光を上方へ反射させることができる。従って、貯留発光装飾部138からの光により上皿130に貯留されている遊技球Bをキラキラと輝かせて発光装飾させることができ、遊技者に対して遊技球Bの発光装飾を楽しませることができると共に、遊技者の関心を上皿130に貯留されている遊技球Bに強く引付けさせることができ、上皿130における遊技球Bの貯留量を確認させて上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上皿130の後周壁133に貯留発光装飾部138を設けるようにしているため、貯留発光装飾部138のLED138aを発光させることで、上皿130の前方を向いた後周壁133が発光するこれまでのパチンコ機では見られない発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者の関心を上皿130(貯留領域131)へ向けさせることができ、遊技者に遊技球Bの貯留量を確認させて、上述した作用効果を確実に奏するものとすることができる。この際に、上皿130の内面を鏡面状に形成しているため、貯留発光装飾部138からの光、或いは、遊技球Bにおいて反射した貯留発光装飾部138からの光が、上皿130の内面において反射することにより、貯留発光装飾部138による貯留領域131内のキラキラ感を更に増させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、送出口136の近傍に整列部137を設けて遊技球Bを整列させるようにしているため、送出口136の近傍において遊技球Bの詰りを防止することができ、上皿130に貯留されている遊技球Bを、送出口136からスムーズに球発射装置330や下皿140へ送出させることができる。従って、遊技球Bが詰まることによる遊技の中断を回避させることができ、遊技者に遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、上皿130のサイド領域131bに配置されている送出口136を、前方から視認可能としているため、これまでのパチンコ機では見ることができなかった送出口136から遊技球Bが送出される様子を見ることができ、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
また、装置配置部123の前方側に、遊技球Bが貯留される貯留領域131におけるフロント領域131aが設けられているため、装置配置部123に設けられた扉枠演出装置150上に遊技球Bが載って前方へ向かって転動しても、フロント領域131a内へ落下することとなり、膨出部120から前方へ遊技球Bが落下することを防止することができる。
また、上皿130の底壁132、後周壁133、及び前周壁134等の内面を、鏡面状に形成していることから、上皿130内に貯留されている遊技球Bが、上皿130の周壁にうつるため、遊技者に対して周壁の向こうにも遊技球Bが貯留されているように錯覚させることができ、上皿130に多くの遊技球Bが貯留されているように見せることができる。
また、貯留領域131内へ光を照射する貯留発光装飾部138を備えているため、貯留発光装飾部138からの光、或いは、遊技球Bにおいて反射した貯留発光装飾部138からの光が、上皿130の内面において反射することにより、貯留発光装飾部138による貯留領域131内のキラキラ感を更に増させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、膨出部120の装置配置部123に扉枠演出装置150が配置されるため、扉枠演出装置150による演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態では、上皿130における遊技球Bが貯留される貯留領域131として、装置配置部123(扉枠演出装置150)の前方のフロント領域131aと、装置配置部123の左右両側の二つのサイド領域131bとで構成されているものを示したが、これに限定するものではなく、装置配置部123の前方のフロント領域と、装置配置部123の左方の一つのサイド領域、装置配置部123の後方のバック領域とで構成されたものとしても良い。或いは、装置配置部123の前方のフロント領域131aと、装置配置部123の左右両側の二つのサイド領域131bと、装置配置部123の後方のバック領域とで構成されたもの(装置配置部123が上皿130内に島状に設けられているもの)としても良い。なお、貯留領域131のバック領域は、遊技者側から遊技球Bが視認不能なトンネル状としても良い。また、貯留領域131のバック領域は、扉枠演出装置150における扉枠演出表示装置152と演出操作部160との間を通るようにしても良い。
また、上記の実施形態では、上皿130を、内面が鏡面状のものを示したが、これに限定するものではなく、上皿130の内面を、非鏡面状としても良い。
更に、上記の実施形態では、貯留発光装飾部138を上皿130の後周壁133に設けたものを示したが、これに限定するものではなく、貯留発光装飾部138を前周壁134に設けるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、扉枠演出装置150の第一可動部155において、第一可動部カバー158の複数のルーバー部158bにより第一可動部155の上面に、ある程度の数の遊技球Bを貯留させることができるものを示したが、これに限定するものではなく、扉枠演出装置150の上面を上皿130へ向かって低くなるように傾斜した状態とし、扉枠演出装置150の上面に載った遊技球Bを上皿130へ転動させて、扉枠演出装置150の上面に遊技球Bが貯留されない(載り続けない)ようにしても良い。
[4.本体枠]
パチンコ機1における本体枠4について、主に図3を参照して説明する。本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側(扉枠3の上皿130)へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット300と、本体枠ベースユニット300の正面視左側の上端に取付けられ外枠2の外枠上ヒンジ部50に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠上ヒンジ部が回転可能に取付けられる本体枠上ヒンジ部310と、本体枠ベースユニット300の正面視左側の下端に取付けられ外枠2の外枠下ヒンジ部60に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠下ヒンジ部が回転可能に取付けられる本体枠下ヒンジ部320と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベースユニット300の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置330と、本体枠ベースユニット300の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベースユニット340と、払出ベースユニット340の後側に取付けられており遊技者側(上皿130や下皿140)へ遊技球Bを払出すための払出装置350と、本体枠ベースユニット300の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット360と、を備えている。
本体枠4の本体枠ベースユニット300は、正面視において上端から下方へ全高の約3/4の高さの範囲で後方へ窪んでおり、遊技盤5が前側から着脱可能に挿入される遊技盤取付部301を有している。球発射装置330は、本体枠ベースユニット300の前面における遊技盤取付部301よりも下方の位置に取付けられている。
また、本体枠4の本体枠ベースユニット300は、施錠ユニット360の伝達シリンダが挿通されるシリンダ挿通口の下方の位置に、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出するための扉枠開放スイッチ4aが取り付けられている。扉枠開放スイッチ4aは、本体枠4に対して扉枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠3の開放を検出することができるようになっている。扉枠開放スイッチ4aからの検出信号は、払出制御基板633を介して、主制御基板1310へ入力されている。また、本体枠4の本体枠ベースユニット300は、扉枠開放スイッチ4aが取り付けられた位置よりも下方の後面において、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bが取り付けられている。本体枠開放スイッチ4bは、外枠2に対して本体枠4が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠4の開放を検出することができるようになっている。本体枠開放スイッチ4bからの検出信号は、払出制御基板633を介して、主制御基板1310へ入力されている。
[5.遊技盤の全体構成]
パチンコ機1における遊技盤5の全体構成について、主に図17乃至図24を参照して詳細に説明する。図17は、パチンコ機において遊技パネル等を不透明にした遊技盤の正面図である。図18は図17の遊技盤を右前から見た斜視図であり、図19は図17の遊技盤を左前から見た斜視図であり、図20は遊技盤を右後ろから見た斜視図であり、図21は遊技盤を左後ろから見た斜視図である。図22は遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図23は遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図24は、遊技パネル等を透明にした状態の遊技盤の正面図である。
パチンコ機1の遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット180のハンドル111を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005が備えられている。従って、遊技盤5は、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005等に、受入れられたり通過したりするように、ハンドル111の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、を備えている。遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘N(図27等を参照)が所定のゲージ配列で植設されている。また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図100及び図61等を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左上隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の後側に配置されている駆動基板ユニット1700と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。
裏ユニット3000の後面に演出表示装置1600が取付けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が取付けられている。また、演出表示装置1600の後方で裏ユニット3000の後面に、駆動基板ユニット1700が取付けられている。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120(図25等を参照)と、を備えている。
駆動基板ユニット1700は、主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続を中継しているパネル中継基板1710と、周辺制御基板1510からのコマンドに応じて表ユニット2000や裏ユニットに備えられている装飾基板及び駆動モータを駆動させる演出駆動基板1720と、パネル中継基板1710と演出駆動基板1720とを収容している駆動基板ボックス1730と、を備えている。駆動基板ボックス1730は、背面視左辺側が裏ユニット3000における裏箱3010の後面にヒンジ回転可能に取付けられていると共に、背面視右辺側が演出表示装置1600の後面に着脱可能に取付けられている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002及び一つの一般入賞口2001を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており二つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、第二始動口2004、及び大入賞口2005を有しているアタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに取付けられておりゲート部2003を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
始動口ユニット2100は、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101を備えている。アタッカユニット2400には、自身に備えられている一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ2401と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2402と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403と、を備えている。また、センター役物2500は、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2506と、不正に作用する磁気を検知する磁気センサ2470と、を備えている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。また、裏ユニット3000は、表ユニット2000の始動口ユニット2100及びサイドユニット2200に設けられている一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001を備えている(図61を参照)。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の前端に取付けられている裏第一演出ユニット3100と、裏第一演出ユニット3100の後方で裏箱3010内に取付けられている裏第二演出ユニット3200と、裏第二演出ユニット3200の後方で裏箱3010内に取付けられている裏第三演出ユニット3300と、裏第二演出ユニット3200の前面に取付けられており始動口ユニット2100及びサイドユニット2200の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを受取って下方へ放出させる裏左球排出ユニット3030と、アタッカユニット2400の一般入賞口2001、第二始動口2004、及び大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを受取って下方へ放出させる裏右球排出ユニット3040と、を備えている。
[5-1.前構成部材]
遊技盤5における前構成部材1000について、主に図25を参照して詳細に説明する。図25(a)は遊技盤における前構成部材及び遊技パネルを前から見た斜視図であり、(b)は前構成部材及び遊技パネルを後ろから見た斜視図である。
前構成部材1000は、全体が透明に形成されている。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口1008を備えている。アウト誘導部1003によって後方へ誘導された遊技球Bは、アウト口1008を通って前構成部材1000(遊技パネル1100)の後方へ排出される。
また、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1009を備えている。この防犯凹部1009は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー170の後方へ突出した後方突片172が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1010を備えている。この切欠部1010は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の切欠部1122と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
更に、前構成部材1000は、正面視において左上隅に形成されており、機能表示ユニット1400が取付けられる機能表示ユニット取付部1011と、左下隅に形成されている証紙貼付部1012と、を備えている。
また、前構成部材1000は、略全体が透明に形成されており、後側に配置されている遊技パネル1100のパネル板1110等を前方から視認することができる。
[5-2.遊技パネル]
遊技盤5における遊技パネル1100について、主に図25等を参照して詳細に説明する。遊技パネル1100は、前構成部材1000の後面に取付けられており、表ユニット2000及び裏ユニット3000が取付けられるものである。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダよりも薄く、障害釘Nを前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8~10mm)とされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
パネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となり前構成部材1000のアウト口1008と対応した位置に下端から上方へ窪んだアウト凹部1111が形成されている。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112が複数形成されている。
また、図示は省略するが、パネル板1110は、前後に貫通した丸孔及び短い長孔に形成されている複数の位置決孔と、上縁と下縁とにおいて夫々左右方向へ離隔しており板厚が薄く形成されている複数の係合段部と、を備えている。位置決孔は、パネルホルダ1120の突出ピン(図示は省略)が挿入されることで、パネルホルダ1120との位置決めをするためのものである。係合段部は、パネルホルダ1120の係合爪(図示は省略)や係合片(図示は省略)に係合されることで、パネルホルダ1120に対して着脱可能に取付けられるためのものである。
パネル板1110は、図25に示すように、センター役物2500を取付けるための大きな開口部1112が、正面視において中央よりも右上にオフセットしている。これにより、パネル板1110が枠状となっており、正面視において、遊技球Bの流通方向(枠状の周方向)に対して直交している幅が、中央より左側と下側が複数の遊技球Bが並ぶことが可能な広い幅となっており、上側と右側が複数の遊技球Bが並ぶことが不能な狭い幅となっている。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本例では、約20mm)形成されている。パネルホルダ1120は、透明な合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダ1120は、パネル板1110と略同じ大きさで前面側から後方側に向かって凹んでいる保持段部(図示は省略)と、保持段部を略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通している貫通口1121を備えている。
また、パネルホルダ1120は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1122を備えている。この切欠部1122は、前構成部材1000の切欠部1010と一致するように形成されており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
また、パネルホルダ1120は、図示は省略するが、保持段部から前方へ突出しておりパネル板1110の複数の位置決孔に夫々が挿入される複数の突出ピンと、保持段部よりも外側に配置されておりパネル板1110の上側と左下の傾斜している部位の係合段部に対して弾性係合する三つの係合爪と、保持段部の下外側から上方へ突出しておりパネル板1110の下辺の二つの係合段部と夫々係合する一対の係合片と、を備えている。パネルホルダ1120は、前方斜め上からパネル板1110の下辺の係合段部を、係合片に係合させた上で、パネル板1110の上部を後方へ移動させて、上側と左下の傾斜している部位の係合段部を係合爪に弾性係合させることで、パネル板1110を保持段部に収容した状態で着脱可能に取付けることができる。この際に、パネル板1110の位置決孔に、パネルホルダ1120の突出ピンが挿入され、パネル板1110がパネルホルダ1120に対して所定の位置に位置決めされる。
[5-3.基板ホルダ]
遊技盤5における基板ホルダ1200について、主に図22及び図23等を参照して詳細に説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。基板ホルダ1200は、底面における左右方向中央において、前端から後方へ向かって切欠かれている排出部1201を有している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側及び後側から覆っていると共に、後面に主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320が取付けられている。
基板ホルダ1200は、パチンコ機1に組立てた状態で、排出部1201が、本体枠4の基板ユニット620におけるベースユニット620bの排出球受部628の直上に位置している。これにより、アウト口1008を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球B、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球B、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方の排出球受部628へ排出させることができる。
[5-4.主制御基板ユニット]
遊技盤5における主制御ユニット1300について、主に図22乃至図23等を参照して詳細に説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する主制御基板1310(図61を参照)と、遊技性能を設定することができる設定変更基板1311と、主制御基板1310と設定変更基板1311とを収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、カバー体とベース体とから構成されている。カバー体とベース体とは、ポリカーボネートの樹脂製であり、透明に成型されている。カバー体とベース体とにより形成される内部空間には、主制御基板1310及び設定変更基板1311を収容することができるようになっている。カバー体とベース体とがポリカーボネートの樹脂製により透明に成型されていることにより、主制御基板1310及び設定変更基板1311の表面側や裏面側の状態(不正な改変が行われているか否か、又は不正ICが実装されているか否か)を、主制御基板ボックス1320の外側から確認することができるようになっている。また、主制御基板ボックス1320は、カバー体とベース体とにそれぞれ対応するように複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。したがって、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
主制御ユニット1300の主制御基板1310は、インターフェイス基板635、周辺制御基板1510、設定変更基板1311と、接続されている。また、主制御基板1310は、機能表示ユニット1400、第一始動口センサ2101、ゲートセンサ2506、第二始動口センサ2402、大入賞口センサ2403、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、一般入賞口センサ2401、一般入賞口センサ3001、磁気センサ2470、振動センサ3005、アウト口センサ3032、と接続されている。
主制御ユニット1300の設定変更基板1311は、パチンコ機1の設定値の切り替えと設定値の確認とを行うことができる設定キースイッチ1311a、設定値を選択して切り替えることができる設定切替ボタン1311b、パチンコ機1の設定値の切り替えが許可されている状態を示す設定変更許可ランプ1311cと、を備えている。設定変更基板1311のコネクタSMCNは、主制御基板1310のコネクタMSCNとコネクタ接続(基板間接続)されている(設定変更基板1311のコネクタSMCNと主制御基板1310のコネクタMSCNとのコネクタ間を、ハーネスを介して、電気的に接続してもよい)。このコネクタ接続(基板間接続)されることにより、設定キースイッチ1311aからの信号、設定切替ボタン1311bからの信号は、主制御基板1310と電気的に接続される。設定変更基板1311は、その右辺及び左辺の上下方向の距離寸法が主制御基板1310の右辺及び左辺の上下方向の距離寸法とほぼ同一であり、その左右方向の距離寸法が主制御基板1310の左右方向の距離寸法と比べて短く、主制御基板1310の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線と、設定変更基板1311の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線と、が合致している。
設定変更基板1311のコネクタSMCNは、設定変更基板1311の右辺に沿って、その上下方向の距離寸法の中心となる位置が中心線上に配置されているとともに、主制御基板1310のコネクタMSCNは、主制御基板1310の左辺に沿って、その上下方向の距離寸法の中心となる位置が中心線上に配置されている。設定変更基板1311の中心線より下方に設定キーが挿入されて回動操作される設定キーシリンダを有する設定キースイッチ1311aが配置され、設定変更基板1311の中心線より上方に押圧操作部を有する設定切替ボタン1311bが配置され、設定変更基板1311の中心線上であって設定キースイッチ1311aの左上方(設定切替ボタン1311bの左下方)に単色(例えば、赤色)に発光することができる設定変更許可ランプ1311cが配置されている。主制御基板1310の中心線より上方であってコネクタMSCNの近傍に小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器単体で構成される設定表示器1310gが配置され、主制御基板1310の中心線より下方であって中央から右辺へ向かって小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器が6つ一列に連なって構成されるベースモニタ1310hが配置され、主制御基板1310の下辺の中央寄りに押圧操作部を有するRAMクリアスイッチ1310fが配置されている。
本実施形態では、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダに形成される差し込み口に設定キーが差し込まれる準備が整っている位置(例えば、矩形状を有する差し込み口の長手方向が上下方向へ沿う位置)において、初期位置として設定キースイッチ1311aをOFFとする状態となっている。設定キーシリンダが初期位置にあるときにおいて、差し込み口に設定キーを差し込むことができるとともに、差し込み口から設定キーを抜き取ることができるようになっている。なお、本実施形態では、差し込み口に設定キーが差し込まれた状態のまま、外枠2に対して本体枠4を閉鎖したとしても、遊技ホールの島設備に背向かいで列設される他のパチンコ機の部材(又は遊技ホールの島設備の部材)と設定キーとが互いに干渉せずに損傷しないように設定キースイッチ1311aの奥行き方向の距離寸法を採用している。
設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができる。このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。
設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの前面、設定切替ボタン1311bの押圧操作部、及びRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部は、それぞれ対応する主制御基板ボックス1320のカバー体に形成される開口部を介して露出されているものの、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの前面、設定切替ボタン1311bの押圧操作部、及びRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部とそれぞれ対応する開口部とに形成される「すき間」から針金などを侵入して設定変更基板1311及び主制御基板1310を改変することができないように、これらの開口部に対して針金侵入防止部がカバー体にそれぞれ成型されている構造となっている。設定表示器1310g、及びベースモニタ1310hは、カバー体とベース体とにより形成される内部空間に収容されて全く触れることができないものの、カバー体が、上述したように、透明に成型されているため、カバー体を通して、設定表示器1310gが表示する設定値と、ベースモニタ1310hが表示する球数と、を視認することができるようになっている。
なお、不正な改変を防止するために、設定キースイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定キースイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターンと、設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターンと、の引き回しとして、設定変更基板1311において相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、設定変更基板1311のコネクタSMCNの端子(主制御基板1310のコネクタMSCNの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310においても、設定キースイッチ1311aからの各種信号が伝送される配線パターン(つまり、設定キースイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターン、及び設定キースイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターン)と設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されているとともに、RAMクリアスイッチ1310fからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。
設定キースイッチ1311a、設定切替ボタン1311b、及び設定表示器1310gについて簡単に説明する。ここで、まず設定値の設定変更を行う場合について簡単に説明し、現在の設定値の確認表示を行う場合について簡単に説明する。なお、設定キーは、設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる重要なキーであるため、遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2~3人に限定されている。
設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、かつRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されているという「予め定めた設定値変更許可条件」が成立する必要がある。つまり、実際に設定値の設定変更を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONし、続いてRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作しながら、パチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
設定値の設定変更を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとする。続いて図21のRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作しながら、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行う。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、その内蔵されているRAMの特定領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)を設定表示器1310gに表示し、設定変更許可ランプ1311cを消灯した状態から点灯する状態へと切り替える。
設定値の設定変更を行う者は、設定切替ボタン1311bの押圧操作部を押圧操作すると、設定変更基板1311の設定切替ボタン1311bからの検出信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。設定値の設定変更を行う者が設定切替ボタン1311bの押圧操作部を押圧操作するごとに、主制御MPU1310aは、設定変更基板1311の設定切替ボタン1311bからの検出信号に基づいて、現状の設定値から値1ずつ増加し、最大値である設定値6に達すると、初期値である設定値1へ戻り、再び値1ずつ増加し、設定値を設定表示器1310gに表示する制御を行う。
設定値の設定変更を行う者は、設定値を決定する場合には、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作する。この設定キーOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定変更して決定した設定値を主制御MPU1310aに内蔵されているRAMの特定領域に格納し、設定表示器1310gに対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替え、設定変更許可ランプ1311cを点灯する状態から消灯する状態へ切り替える。
設定値の設定変更を行う者は、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行い、設定値の設定変更の作業を完了する。
現在設定されている設定値の確認表示を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復された復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、かつRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていないという「予め定めた設定値表示許可条件」が成立する必要がある。つまり、実際に現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONし、続いてRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作することなく、パチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとする。続いてRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作することなく、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行う。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、その内蔵されているRAMの特定領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)を設定表示器1310gに表示する。このとき、設定変更許可ランプ1311cを消灯した状態が維持され、また現在設定されている設定値の確認表示を行う者が設定切替ボタン1311bの押圧操作部を押圧操作しても、この押圧操作に対応して設定値が全く変更されないし、設定表示器1310gに表示された内容も変更されない。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、現在設定されている設定値の確認を完了すると、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作する。この設定キーOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定表示器1310gに対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替える。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行い、現在設定されている設定値の確認表示の作業を完了する。
なお、予め定めた設定値変更許可条件は、上述したように、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作され、かつRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていることが必要であるのに対して、予め定めた設定値表示許可条件は、上述したように、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復された復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作され、かつRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていないことが必要である。このように、予め定めた設定値変更許可条件と予め定めた設定値表示許可条件とは、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作されているという点で共通する要件があり、予め定めた設定値変更許可条件には「パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時に、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていること」を要件とするのに対して、予め定めた設定値表示許可条件には「パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時に、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていること」を要件とする点で相違する。
ここで、設定値について簡単に説明すると、「設定値」とは、大当りか否かを抽選判定するための確率や小当りか否かを抽選判定するための確率のほかに、確変時から通常時へ移行する際に抽選判定するための確率、遊技者にとって有利となる領域への振り分け率等を変更することができるものであり、遊技者にとって有利となる(つまり、遊技者が獲得することができる遊技球の球数を増やすことができる)確率(有利度合い)が予め設定されているものである。本実施形態では、設定値として、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6が予め用意されており、設定値1から設定値6へ向かって遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定されている。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブル(例えば、大当りに当選したことを示す大当り判定値の割合が規定される大当り判定テーブル、大当り図柄の決定の判定値の割合が規定される大当り図柄決定テーブル、小当りに当選したことを示す小当り判定値の割合が規定される小当り判定テーブル、小当り図柄の決定の判定値の割合が規定される小当り図柄決定テーブル、確変時から通常時への移行決定の判定値の割合が規定される通常時移行判定テーブル等)を選択したり、設定値と対応付けた各種振り分け率で用いられる各種テーブル(例えば、振り分ける時間が規定される振り分けテーブル、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動を管理するブロック等)を選択したりする。設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブルには、各種判定値には所定の割合で割り振られている。なお、各種抽選判定で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定され、各種振り分け率で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定されているものもあれば、一の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルと他の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルとの関係性に基づいて値が異なるように設定されているものもある。また、上述した設定値としては、設定値1から設定値6までに亘る範囲の6つの設定値(整数)としていたが、これと比べて少ない範囲のものでもあってもよいし、多い範囲のものであってもよい。例えば、設定値1~設定値4までに亘る範囲の4つの設定値(整数)としてもよいし、設定値1~設定値8までに亘る範囲の8つの設定値(整数)としてもよい。
設定表示器1310gは、上述したように、設定値の表示を行うほかに、主制御MPU1310aが復電時に自身に内蔵されているRAMの内容をチェックして異常があるか否かを判定して異常があると判定した場合、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していない場合には、自身に内蔵されているRAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPU1310aがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
次に、ベースモニタ1310hについて簡単に説明すると、ベースモニタ1310hは、遊技領域5aに発射された遊技球のうち、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数が表示されるものである。遊技領域5aに発射された遊技球のうち、アウト口1008により回収された遊技球は、アウト口センサ3032で検出され、この検出信号がパネル中継基板1710を介して主制御MPU1310aへ入力される。
主制御MPU1310aは、アウト口1008により回収された遊技球の球数を計数し、計数結果(総数)を、その内蔵されているRAMの特定領域に格納するとともに、ベースモニタ1310hに表示するようになっている。
なお、上述した実施形態では、設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、設定キーON、及びOFFを伝える情報を、シリアル情報として、外部へシリアル出力することができるシリアル出力回路を、設定キースイッチ1311aに設けてもよい。これにより、設定キースイッチ1311aからの信号に対してセキュリティーを向上することができる。このシリアル出力回路が設けられる設定キースイッチ1311aは、設定変更基板1311に備えていたが、これに代えて、主制御基板1310に備えていてもよいし、払出制御基板633に備えていてもよい。このシリアル出力回路からシリアル出力されるシリアル情報が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されると、主制御MPU1310aは、受信したシリアル情報から設定キーON、及びOFFのうち、いずれを伝えるものであるかを判別することができる(シリアル回路を有する設定キースイッチ1311aの態様を「設定キーの変形例(1)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、設定キーON、及びOFFを伝える情報を、パルス信号として、外部へ出力することができるパルス出力回路を、設定キースイッチ1311aに設けてもよい。これにより、設定キースイッチ1311aからの信号に対してセキュリティーを向上することができる。このパルス出力回路が設けられる設定キースイッチ1311aは、設定変更基板1311に備えていたが、これに代えて、主制御基板1310に備えていてもよいし、払出制御基板633に備えていてもよい。このパルス出力回路から出力されるパルス信号は、例えば、設定キーONを伝える情報である場合にはパルス幅が1msに設定され、OFFを伝える情報である場合にはパルス幅が5msに設定される。このパルス出力回路から出力されるパルス信号は、設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されると、主制御MPU1310aは、入力されたパルス信号から設定キーON、及びOFFのうち、いずれを伝える情報であるかを判別することができる(パルス出力回路を有する設定キースイッチ1311aの態様を「設定キーの変形例(2)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、設定キーONの信号の電圧レベル、及びOFFの信号の電圧レベルを、設定変更基板1311から主制御基板1310までに亘る基板間において、中間電位(例えば、ゼロVから5Vまでのうち、2Vから3Vまでの電位)を用い、主制御基板1310においてコンパレータ回路を設けて、コンパレータ回路による比較結果が主制御MPU1310aへ入力されることで、主制御MPU1310aが設定キーONの信号のON/OFF、及びOFFの信号のON/OFFを判定してもよい。これにより、設定キースイッチ1311aからの信号に対してセキュリティーを向上することができる(中間電位を用いる設定キースイッチの態様を「設定キーの変形例(3)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、この設定キースイッチ1311aを主制御基板1310に備えるようにしてもよい(設定キースイッチの態様を「設定キーの変形例(4)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、カバー体とベース体とから構成されている主制御基板ボックス1320の内部空間に主制御基板1310及び設定変更基板1311が収容されていたが、設定変更基板1311を別体の設定変更基板ボックスに収容して主制御基板ボックス1320の周囲又は隣接して配置してもよい。主制御基板ボックス1320は、カバー体とベース体とがカシメ部のワンウェイネジ等によりカシメられている。このカシメ部は、封印機構であり、複数備えている。一つの封印機構を用いてカバー体とベース体とがカシメ部のワンウェイネジ等によりカシメられることで主制御基板ボックス1320を閉じることができ、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要がある。つまり、その封印機構を破壊しない限り、カバー体をベース体から取り外すことができない。このような主制御基板ボックス1320の構造は、設定変更基板ボックスの構造においても、適用することができる。この場合、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの前面、及び決定キーボタンの押圧操作部は、それぞれと対応する主制御基板ボックス1320のカバー体に形成される開口部を介して露出されているものの、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの前面、及び決定キーボタンの押圧操作部とそれぞれ対応する開口部とに形成される「すき間」から針金などを侵入して設定変更基板1311を改変することができないように、開口部に対して針金侵入防止部がカバー体に成型される構造となる。なお、設定変更基板ボックスの構造として、上述した主制御基板ボックス1320の構造と異なり、カバー体をベース体から開放又は閉鎖することができるように構成されている場合には、ベース体に対してカバー体の開放を検出することができる設定変更基板カバー体用開閉スイッチを設けてもよい。この場合、設定変更基板カバー体用開閉スイッチからの検出信号を主制御基板1310へ直接入力されるように構成してもよいし、設定変更基板1311を介して主制御基板1310へ(間接)入力されるように構成してもよい。設定変更基板カバー体用開閉スイッチからの検出信号に基づいて、カバー体をベース体から開放されている場合を、上述した予め定めた設定値変更許可条件に含むことができる(設定変更基板ボックスの態様を「設定キーの変形例(5)」と記載する場合がある)。
また、上述した設定キーの変形例(1)~(5)のうち、適宜選択して組み合わせた態様を採用してもよい(変形例の選択組み合わせの態様を「設定キーの変形例(6)」と記載する場合がある)。
また、上述した設定値では、大当りか否かを抽選判定するための確率や小当りか否かを抽選判定するための確率のほかに、確変時から通常時へ移行する際に抽選判定するための確率、遊技者にとって有利となる領域への振り分け率等を変更することができるものであり、遊技者にとって有利となる(つまり、遊技者が獲得することができる遊技球の球数を増やすことができる)確率(有利度合い)が予め設定されている。本実施形態では、設定値として、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6が予め用意されており、設定値1から設定値6へ向かって遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定されていた。ところで、本実施形態のパチンコ機1には、設定値1~設定値6までに亘って複数の設定値が存在するものの、他のパチンコ機には遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定される単一の設定値が存在するものもある。つまり、本実施形態のパチンコ機1のように遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め複数の設定値として存在して設定変更が必要な遊技仕様のものと、遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め単一の設定値のみが存在して設定変更が全く必要ない遊技仕様のものと、がある。ところが、このような遊技仕様に応じて主制御基板1310のハードウェア構成を設計変更するとともに、設定変更基板1311のハードウェア構成を設計変更又は不使用とすると、主制御基板1310及び設定変更基板1311が遊技仕様に依存されることとなるため、遊技仕様に応じてハードウェア構成が類似する又は異なる主制御基板1310及び設定変更基板1311を有することとなる。そこで、主制御基板1310及び設定変更基板1311を、遊技仕様に依存されない、つまりハードウェア構成の設計変更を伴わずに共通して使用することができるものが求められる。
例えば、遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め単一の設定値のみが存在して設定変更が全く必要ない遊技仕様においては、設定値を遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)として使用する必要が全くなくなるため、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6を、次のような内容として割り当てるソフトウェアによる設計変更により対応することができる。
例えば、主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域(RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)をクリアした後に実機確認動作パターンを複数設定することができる(RAMクリア後におけるパチンコ機1の起動方法にバリエーションを持たせることができる)設定値として使用することができる。この場合には、主制御MPU1310aが制御する対象となっている可動体(役物)の動作、ランプやLED等の発光体の点灯に対して、設定値1として「全動作(可動体(役物)の動作、発光体の点灯)」を指定する実機確認動作パターン1が割り当てられ、設定値2として「可動体(役物)の動作」を指定する実機確認動作パターン2が割り当てられ、設定値3として「発光体の点灯」を指定する実機確認動作パターン3が割り当てられ、設定値4として「可動体(役物)の詳細動作(移動速度の可変、作動領域全体に亘る移動、他の構造体や他の可動体(役物)との干渉チェック、他の可動体(役物)との作動順番などの動作)」を指定する実機確認動作パターン4が割り当てられ、設定値5として「発光体1ポート単位(主制御MPU1310aの所定の出力ポート単位(つまり、1つの出力ポートごと)による発光体の点灯)の点灯」を指定する実機確認動作パターン5が割り当てられ、設定値6として「動作なし」を指定する実機確認動作パターン6が割り当てられる(RAMクリア後の実機確認動作の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(1)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aは、RAMクリア後の実機確認動作を、後述する主制御側タイマ割り込み処理を繰り返し行うことにより可動体(役物)の動作、ランプやLED等の発光体の点灯を行う。主制御MPU1310aからの設定変更コマンド(図65には設定変更完了コマンドと記載)を受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じた内容(実機確認動作パターン)で周辺制御基板1510が制御する対象となっている可動体(役物)の動作、発光体の点灯を行うことができる。このRAMクリア後の実機確認動作の変更設定の態様により、RAMクリア後におけるパチンコ機1の起動方法にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、図柄の変動終了後からデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)となるまでの時間を複数設定することができる設定値として使用することができる。この場合には、設定値1として「10秒」を指定する時間設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「15秒」を指定する時間設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「20秒」を指定する時間設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「25秒」を指定する時間設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「30秒」を指定する時間設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「35秒」を指定する時間設定パターン6が割り当てられる(図柄の変動終了後から遊技者待ち状態となるでの時間の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(2)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じた時間(時間設定パターン)でデモンストレーションを開始することができる。この図柄の変動終了後から遊技者待ち状態となるでの時間の変更設定の態様により、図柄の変動終了後からデモンストレーションとなるまでの時間にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、図柄の変動終了後に行われるデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)の内容を複数設定することができる設定値として使用することができる。この場合には、設定値1として「コミカル演出」を指定するデモ演出設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「コミカル演出、可動体(役物)の動作演出」を指定するデモ演出設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「シリアス演出」を指定するデモ演出設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「シリアル演出、可動体(役物)の動作演出」を指定するデモ演出設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「時代劇風演出」を指定するデモ演出設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「時代劇風演出、可動体(役物)」を指定するデモ演出設定パターン6が割り当てられる(デモ演出の内容の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(3)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたデモ演出(デモ演出設定パターン)でデモンストレーションを行うことができる。このデモ演出の内容の変更設定の態様により、図柄の変動終了後に行われるデモ演出の内容にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチにより調整されるデフォルト音量を複数設定することができる設定値として使用することができる。音量調整スイッチが回転操作されることでデフォルト音量から音量を大きくしたり、小さくしたりすることができる。この場合には、設定値1として「音量1」を指定する音量設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「音量2」を指定する音量設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「音量3」を指定する音量設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「音量4」を指定する音量設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「音量5」を指定する音量設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「音量6」を指定する音量設定パターン6が割り当てられる(デフォルト音量の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(4)」と記載する場合がある)。なお、設定値1から設定値6へ向かって音量が大きくなるように設定されている。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じた音量(音量設定パターン)でデフォルト音量が設定される。また、設定値1に割り当てられる「音量1」のデフォルト音量は、音量調整スイッチが音量を小さくする方向へ移動され(音量を大きくする方向と反対方向へ移動され)、音量最小側末端へ移動完了されて最小側音量に調整されたときには、消音となるようにしてもよいし、パチンコ機の前面で立ち止まると、音を認識することができる音量としてもよい。また、設定値6に割り当てられる「音量6」のデフォルト音量は、音量調整スイッチが音量を大きくする方向へ移動され(音量を小さくする方向と反対方向へ移動され)、音量最大側末端へ移動完了されて最大側音量に調整されたときには、最大音量としてもよいし、最大音量の所定割合(例えば、85%)の音量としてもよい。このデフォルト音量の変更設定の態様により、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチにより調整されるデフォルト音量にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、各種の不具合、ゴト、及びエラー等のエラー報知におけるエラー報知音の音量を複数設定することができる設定値として使用することができる。各種エラー報知音は、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチの操作により調整することができないもの(つまり、依存されないもの)であり、最大音量とすることでエラー報知音が発するパチンコ機を遊技ホールの店員等の係員が気付きやすいものの、他のパチンコ機で遊技を行っている遊技者に対して、耳障りに感じる場合もある。そこで、各種エラー報知音の音量を調整することができるものも求められる。この場合には、設定値1として「エラー報知音量1」を指定するエラー報知音量設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「エラー報知音量2」を指定するエラー報知音量設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「エラー報知音量3」を指定するエラー報知音量設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「音量4」を指定するエラー報知音量設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「エラー報知音量5」を指定するエラー報知音量設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「エラー報知音量6(最大音量)」を指定するエラー報知音量設定パターン6が割り当てられる(エラー報知音の音量の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(5)」と記載する場合がある)。なお、設定値1(消音とならない音量であって、エラー報知音を発するパチンコ機の前面で立ち止まると、そのエラー報知音を認識することができる音量)から設定値6(最大音量であって、エラー報知音を発するパチンコ機から数メートル離れてもそのエラー報知音を十分に認識することができる音量)へ向かってエラー報知音の音量が大きくなるように設定されている。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたエラー報知音の音量(エラー報知音量設定パターン)でエラー報知音を発する制御を行う。このエラー報知音の音量の変更設定の態様により、エラー報知におけるエラー報知音の音量にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、ランプやLED等の発光体のデフォルト輝度を複数設定することができる設定値として使用することができる。主制御MPU1310aが制御する対象となっている発光体に対して、デフォルト輝度から輝度を高くしたり、低くしたりすることができる。この場合には、設定値1として「輝度1」を指定するデフォルト輝度設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「輝度2」を指定するデフォルト輝度設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「輝度3」を指定するデフォルト輝度設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「輝度4」を指定するデフォルト輝度設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「輝度5」を指定するデフォルト輝度設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「輝度6」を指定するデフォルト輝度設定パターン6が割り当てられる(デフォルト輝度の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(6)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aは、デフォルト輝度の変更設定を、後述する主制御側タイマ割り込み処理を繰り返し行うことにより発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行う。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたデフォルト輝度(デフォルト輝度設定パターン)に基づいて周辺制御基板1510が制御する対象となっている発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行うことができる。このデフォルト輝度の内容の変更設定の態様により、ランプやLED等の発光体のデフォルト輝度にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、各種の不具合、ゴト、及びエラー等のエラー報知におけるランプやLED等の発光体の輝度を複数設定することができる設定値として使用することができる。主制御MPU1310aが制御する対象となっているランプに対して、設定値1として「エラー報知輝度1」を指定するエラー報知輝度設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「エラー報知輝度2」を指定するエラー報知輝度設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「エラー報知輝度3」を指定するエラー報知輝度設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「エラー報知輝度4」を指定するエラー報知輝度設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「エラー報知輝度5」を指定するエラー報知輝度設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「エラー報知輝度6(最大輝度)」を指定するエラー報知輝度設定パターン6が割り当てられる(エラー報知における発光体の輝度の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(7)」と記載する場合がある)。なお、設定値1(消灯とならないものの、ランプの輝度が低く、パチンコ機の前面で立ち止まると、エラー報知を認識することができるランプの輝度)から設定値6(最大輝度)へ向かってランプの輝度が高くなるように設定されている。主制御MPU1310aは、エラー報知における発光体の輝度の変更設定を、後述する主制御側タイマ割り込み処理を繰り返し行うことにより発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行う。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたエラー報知輝度(エラー報知輝度設定パターン)に基づいて周辺制御基板1510が制御する対象となっている発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行うことができる。このエラー報知における発光体の輝度の変更設定の態様により、エラー報知におけるランプやLED等の発光体の輝度にバリエーションを持たせることができる。
また、上述した共通ハードウェア構成による変形例(1)~(7)に割り当てられる各種設定値は、主制御MPU1310aが行う後述する設定値確認表示処理において予め定めた設定値表示許可条件が成立したときに設定表示器1310gに表示されるようになっているが、パチンコ機1の電源投入後から電源遮断時までに亘って常に設定表示器1310gに表示されるようにしてもよい(設定値表示の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(8)」と記載する場合がある)。
また、上述した共通ハードウェア構成による変形例(1)~(8)のうち、いずれか1つを適宜選択して、上述した設定キーの変形例(6)に採用してもよい。
また、上述した実施形態では、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作されていることを前提として、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されているときには、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において設定変更処理を行って主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアし、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行するのに対して、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されていないときには、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において設定値確認表示処理を行い、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行する。この態様を採用することにより、主制御MPU1310aは、遊技の進行を開始すると、設定値確認表示処理が一度も行われない。つまり、主制御MPU1310aは、割り込み許可設定などを行うことで遊技の進行を開始すると、設定されている現状の設定値を設定表示器1310gに表示することが一度もない。主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理の球数計数処理において遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数を計数して後述する主制御側電源投入時処理のポート出力処理においてベースモニタ1310hに出力してアウト口1008により回収された遊技球の球数をベースモニタ1310hに表示する。そこで、設定表示器1310gが表示する設定されている現状の設定値を、上述したベースモニタ1310hに表示するようにしてもよい。これにより、主制御MPU1310aは、ベースモニタ1310hを用いて、復電してから割り込み許可設定などを行うことで遊技の進行を開始するまでの期間において、設定されている現状の設定値を表示することができるとともに、復電してから割り込み許可設定などを行うことで遊技の進行を開始すると、アウト口1008により回収された遊技球の球数を表示することができるため、設定表示器1310gを設ける必要がなくなりコスト削減に寄与することができる。
[5-5.機能表示ユニット]
遊技盤5における機能表示ユニット1400について、主に図17等を参照して詳細に説明する。機能表示ユニット1400は、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の扉窓101aを通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略脛が、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器と、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5-6.周辺制御ユニット]
遊技盤5における周辺制御ユニット1500について、主に図20及び図21等を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(図61を参照)と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510は、主制御基板1310、演出操作ユニット300、扉枠3側の各種装飾基板、演出表示装置1600、等と接続されている。
[5-7.演出表示装置]
遊技盤5における演出表示装置1600について、主に図22及び図23等を参照して説明する。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした19inchのフルカラーの液晶表示装置である。演出表示装置は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
演出表示装置1600は、上面から外方へ突出している二つの上固定片1601と、下面から外方へ突出している下固定片1602と、を備えている。この演出表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部3010b内の上内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの上固定片1601を挿入した上で、下固定片1602側を前方へ移動させて、下固定片1602をロック機構3020の開口部内に挿入し、ロック機構3020を背面視において右方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5-8.表ユニットの全体構成]
遊技盤5における表ユニット2000について、主に図26乃至図29等を参照して詳細に説明する。図26(a)は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は遊技盤における表ユニットを後ろから見た斜視図である。図27は、遊技パネルを不透明にすると共に遊技パネルの面と平行に表ユニットを切断して遊技球が流通する遊技領域内と障害釘とを現した状態で示す遊技盤の正面図である。図28は図27における右上隅の流通通路群の拡大正面図であり、図29は図27における右下隅のアタッカユニットの拡大正面図である。
表ユニット2000は、遊技パネル1100のパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端の一部がパネル板1110の開口部1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005と、を備えている。
複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の上下方向中央よりも下側に配置されており、左右方向中央に対して左側に三つ、右側に一つ夫々配置されている。左側の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の下部に配置されており、右側の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の右端付近で、上下方向中央よりも下寄りに配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央で最下端にあるアウト口1008の直上に配置されている。ゲート部2003は、右側の一般入賞口2001の上方で上下方向の略中央に配置されている。第二始動口2004は、右側の一般入賞口2001の下方で第一始動口2002よりも高い位置に配置されている。大入賞口2005は、第二始動口2004の左側で、第一始動口2002よりも若干低い高さに配置されている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002及び一つの一般入賞口2001を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており二つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、第二始動口2004、及び大入賞口2005を有しているアタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに取付けられておりゲート部2003を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
[5-8a.始動口ユニット]
表ユニット2000の始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1008の直上に配置されており、パネル板1110に前方から取付けられている。始動口ユニット2100は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2002と、第一始動口2002の左下で遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している一つの一般入賞口2001と、を有している。始動口ユニット2100は、全体が透明に形成されており、後側(裏ユニット3000)を視認することができる(図24等を参照)。
始動口ユニット2100は、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101(図27等を参照)と、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bをパネル板1110の後方に誘導した上で、下方(基板ホルダ1200上)へ排出する誘導路2102(図26を参照)と、を備えている。
始動口ユニット2100は、パネル板1110に取付けることで、一般入賞口2001がパネル板1110の前面よりも前方に突出した上で、上方へ開放された状態となり、第一始動口2002が後述するセンター役物2500のステージ2503の中央の直下に位置する。従って、ステージ2503の中央から下方へ遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
始動口ユニット2100は、遊技盤5に組立てた状態で、第一始動口2002が、後述するセンター役物2500におけるステージ2503の中央放出部2503aの直下に位置しており、ステージ2503の中央放出部2503aから放出された遊技球Bが第一始動口2002に極めて高い確率で受入れられるように構成されている。
[5-8b.サイドユニット]
表ユニット2000のサイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延びており、パネル板1110に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している二つの一般入賞口2001と、二つの一般入賞口2001の左上で右端が低くなるように傾斜している第一棚部2201と、二つの一般入賞口2001の上部において右端が低くなるように傾斜している第二棚部2202と、を備えている。サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001は、内レール1002に沿うように円弧状に列設されている。
サイドユニット2200は、二つの一般入賞口2001が、第一始動口2002と始動口ユニット2100の一般入賞口2001との間の高さの位置に設けられている。二つの一般入賞口2001は、左右に並ぶように、互いに背向して設けられている。左側の一般入賞口2001は、左上方に向かって開口しており、右側の一般入賞口2001は、右方に向かって開口している。
サイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態で、第一棚部2201の左端が、遊技領域5aの周縁付近に位置しており、センター役物2500の左側の領域を流下してきた遊技球Bを、右方へ誘導させることができる。この第一棚部2201は、上面の延長線が、第一始動口2002とステージ2503との間を通るように傾斜している。第二棚部2202は、上面の延長線が、始動口ユニット2100の一般入賞口2001の開口している部位を通るように傾斜している。
サイドユニット2200は、全体が透明に形成されており、後側(裏ユニット3000)を視認することができる(図24等を参照)。サイドユニット2200は、パネル板1110の前面に取付けることで、二つの一般入賞口2001、第一棚部2201、及び第二棚部2202が、パネル板1110の前面よりも前方へ突出した状態となる。このサイドユニット2200は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球を、パネル板1110の後方に誘導し、裏ユニット3000の誘導路に受け渡すことができる。一般入賞口2001に受入れられた遊技球は、裏ユニット3000に備えられている一般入賞口センサ3001に検知される(図61を参照)。
[5-8c.アタッカユニット]
表ユニット2000のアタッカユニット2400は、遊技領域5a内において、正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に配置されており、パネル板1110の前面に前方から取付けられている。アタッカユニット2400は、略全体が透明に形成されており、後側(裏ユニット3000)を視認することができる(図24等を参照)。このアタッカユニット2400は、四つの一般入賞口2001のうちの一つの一般入賞口2001、第二始動口2004、及び大入賞口2005を備えている(図29等を参照)。
アタッカユニット2400は、正面視における外形形状が、左右方向の略中央から右側の上端が上方へ延びたL字状に形成されている。このアタッカユニット2400では、一般入賞口2001が右上隅において上方へ向かって常時開口しており、第二始動口2004が一般入賞口2001の左下で上方へ向かって開口可能としており、大入賞口2005が第二始動口2004の左下で上方へ向かって開口可能としている。
アタッカユニット2400は、一般入賞口2001が遊技球Bよりも若干大きい大きさで開口している。また、アタッカユニット2400は、第二始動口2004が遊技球よりも若干大きい大きさで上方へ向かって開口していると共に、大入賞口2005が左右方向へ遊技球の外径の約3倍~5倍の幅で上方へ向かって開口している。
アタッカユニット2400は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ2401と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2402と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403と、を備えている(図61等を参照)。
アタッカユニット2400は、第二始動口2004を開閉可能な第二始動口扉2411と、第二始動口扉2411をゲート部2003の遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果に応じて開閉させる始動口ソレノイド2412と、大入賞口2005を開閉可能な大入賞口扉2413と、大入賞口扉2413を第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて開閉させるアタッカソレノイド2414と、を備えている。
アタッカユニット2400は、図29等に示すように、右上に配置されている一般入賞口2001の左右両側に遊技球Bが下方へ流通可能なアタッカ左通路2421及びアタッカ右通路2422と、アタッカ左通路2421の直下から左方へ向かって低くなるように傾斜しており途中に第二始動口2004が開口している第二始動口誘導棚2423と、第二始動口誘導棚2423の下方で第二始動口誘導棚2423の左端から左方へ間隔をあけた位置から左方へ向かって低くなるように傾斜しており途中に大入賞口2005が開口している大入賞口誘導棚2424と、を備えている。
また、アタッカユニット2400は、第二始動口誘導棚2423の右端側でアタッカ右通路2422と連通している連通口2425と、第二始動口誘導棚2423の右端側から大入賞口2005よりも下方へ延びた後に左方へ向かって低くなるように大入賞口誘導棚2424の左端まで延びているアタッカ右下通路2426と、第二始動口誘導棚2423と大入賞口誘導棚2424との間から大入賞口2005よりも下方へ延びてアタッカ右下通路2426と連通している中間通路2427と、を備えている。
更に、アタッカユニット2400は、一般入賞口2001の下端から下方へ延びておりアタッカ左通路2421とアタッカ右通路2422とを仕切ると共に、下端と第二始動口誘導棚2423との間で連通口2425を形成する仕切部2428と、仕切部2428の下端から上方へ向かうに従って左方へ位置するように傾斜している傾斜部2429と、を備えている。
第二始動口誘導棚2423において開口している第二始動口2004を開閉可能としている第二始動口扉2411は、前後に延びていると共に、左端が低くなるように左右に延びた板状に形成されており、左端側が前後に延びた軸周りに対して回転可能に設けられている。この第二始動口扉2411は、右端側を、水平に対して上方で、第二始動口2004の開口の右端よりも若干低い位置の状態とすることで、第二始動口2004への遊技球Bの受入れを不能として、第二始動口2004を閉鎖することができる。第二始動口扉2411は、第二始動口2004を閉鎖している状態では、上流側(右方側)から第二始動口誘導棚2423を流通してきた遊技球Bを、左方へ誘導することができる。
第二始動口扉2411は、第二始動口2004を閉鎖している状態から、左端側を中心として右端側が上方へ移動するように反時計回りの方向へ回動させた状態とすることで、第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能として、第二始動口2004を開放(開く)することができる。第二始動口扉2411は、右端側を上昇するように立上げて第二始動口2004を開状態にすると、第二始動口扉2411が、第二始動口誘導棚2423から立上った状態となり、第二始動口誘導棚2423上を転動している遊技球Bの進路を阻害して、当該遊技球Bを第二始動口2004へ受入れさせることができる。第二始動口扉2411は、始動口ソレノイド2412がOFF(非通電時)の時は第二始動口2004を閉鎖し、始動口ソレノイド2412がON(通電時)の時は第二始動口2004を開放させる。
大入賞口誘導棚2424において開口している大入賞口2005を開閉可能としている大入賞口扉2413は、前後に延びていると共に、左端が低くなるように左右に延びた板状に形成されており、前後に進退することで上方へ開口している大入賞口2005を開閉可能としている。大入賞口扉2413は、前進することで大入賞口2005を閉鎖することができ、大入賞口2005を閉鎖している状態では、大入賞口誘導棚2424を上流側(右方側)から流通してきた遊技球Bを、左方へ誘導することができる。また、大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414の駆動によって後退することで大入賞口2005を開放して、センター役物2500の第二始動口誘導棚2423及び大入賞口誘導棚2424を流通してきた遊技球Bを、大入賞口2005に受入れさせることができる。この大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414がOFF(非通電時)の時は大入賞口2005を閉鎖し、アタッカソレノイド2414がON(通電時)の時は大入賞口2005を開放させる。
なお、アタッカユニット2400は、図示しないが、大入賞口2005の内部において、上方へ向かって開口可能な第一受入口2007が配置されていると共に、第一受入口2007の右側で上方へ向かって常時開口している第二受入口2008が配置されている。また、アタッカユニット2400は、第一受入口2007に受入れられた遊技球Bを検知する第一受入口センサ2404と、第二受入口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二受入口センサ2405と、第一受入口2007を開閉する(大入賞口2005に受入れられて内部を流通する遊技球Bを第一受入口2007又は第二受入口2008の何れかに振分ける)振分片2415と、振分片2415を第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて開閉させる振分ソレノイド2416と、を備えている。振分片2415は、大入賞口2005の内部において、前後に延びていると共に、右端が低くなるように左右に延びている板状に形成されており、前後に進退することで上方へ開口している第一受入口2007(V入賞口)を開閉可能としている。振分片2415は、前進することで第一受入口2007を閉鎖し、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを右方へ誘導して常時上方へ向かって開口している第二受入口2008へ受入れさせることができる。また、振分片2415は、振分ソレノイド2416の駆動によって、後退することで第一受入口2007を開放し、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを、高い確率で第一受入口2007に受入れさせることができる。この振分片2415は、振分ソレノイド2416がOFF(非通電時)の時は第一受入口2007を閉鎖し、振分ソレノイド2416がON(通電時)の時は第一受入口2007を開放させる。換言すると、振分片2415は、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを、第一受入口2007又は第二受入口2008の何れかに受入れられるように振分けることができる。
このアタッカユニット2400は、パネル板1110の前面に取付けた状態で、一般入賞口2001が、後述するセンター役物2500における流通通路群2520及びゲート部2003の下流側でゲート部2003の下方(直下よりもやや右寄り)に位置しており、第二始動口2004がセンター役物2500のステージ2503と始動口ユニット2100の第一始動口2002との間の高さに位置していると共に、大入賞口2005が始動口ユニット2100の第一始動口2002よりも下方に位置している。また、パネル板1110に取付けた状態では、センター役物2500の流通通路群2520の下端と、上端(一般入賞口2001)との間には、複数の障害釘Nが、存在している。
続いて、アタッカユニット2400における遊技球Bの流れについて説明する。遊技盤5に組立てた状態で、アタッカユニット2400の一般入賞口2001や第二始動口2004が、センター役物2500のステージ2503よりも上方に位置していることから、ステージ2503から遊技球Bが放出されてもアタッカユニット2400の一般入賞口2001や第二始動口2004に受入れられることはない。従って、センター役物2500の右側(流通通路群2520)を流下した遊技球Bのみ、アタッカユニット2400の一般入賞口2001や第二始動口2004に受入れられる可能がある。センター役物2500の流通通路群2520の下流には、アタッカ左通路2421、一般入賞口2001、及びアタッカ右通路2422が左から並んで開口しており、センター役物2500の右側を流下した遊技球Bは、それらの何れかに進入することとなる。
センター役物2500の流通通路群2520を通ってアタッカユニット2400の一般入賞口2001の上方に供給された遊技球Bが、一般入賞口2001に受入れられると、一般入賞口センサ2401により検知された後に、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。遊技球Bが、一般入賞口2001に受入れられずに、一般入賞口2001の左側のアタッカ左通路2421に進入すると、第二始動口誘導棚2423上に落下し、第二始動口誘導棚2423の傾斜に従って、第二始動口2004側(左側)へ流通する。第二始動口2004が第二始動口扉2411により閉鎖されている状態では、第二始動口扉2411上を左方へ流通し、第二始動口誘導棚2423の左端から左方へ放出される。遊技球Bが第二始動口誘導棚2423を通る際に、第二始動口2004が開放されていれば、遊技球Bが第二始動口2004へ極めて高い確率で受入れられる。
第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、第二始動口センサ2402により検知された後、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。センター役物2500の右側を流下した遊技球Bが、第二始動口2004に受入れられなかった場合、第二始動口誘導棚2423を介して左方の大入賞口2005側へ放出される。
第二始動口誘導棚2423の左方には複数の障害釘Nが植設されているため、第二始動口誘導棚2423から左方へ放出された遊技球Bは、大入賞口2005側、又は中間通路2427側の何れかに流下することとなる。大入賞口2005側へ流下した際に、大入賞口2005が大入賞口扉2413により閉鎖されている場合は、大入賞口扉2413により左方へ誘導され、大入賞口誘導棚2424の左端から左方へ放出される。大入賞口2005を閉鎖している大入賞口扉2413が後退して大入賞口2005が開いている場合は、第二始動口誘導棚2423から大入賞口2005側へ流下した遊技球Bが、大入賞口2005に受入れられる。大入賞口2005に受入れられた遊技球Bは、大入賞口センサ2403に検知された後、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。
第二始動口誘導棚2423から中間通路2427へ進入した遊技球B、及び、大入賞口誘導棚2424から左方へ放出された遊技球Bは、アウト口1008を通って遊技パネル1100の後側で下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。
一方、センター役物2500の流通通路群2520を通ってアタッカユニット2400の一般入賞口2001の上方に供給された遊技球Bが、一般入賞口2001に受入れられずに、一般入賞口2001の右側のアタッカ右通路2422に進入すると、右レール1005の段部1005aに当接して、左方へ跳ね返る。本実施形態では、第二始動口誘導棚2423の延長線が、右レール1005の段部1005aと一致するように、第二始動口誘導棚2423が設けられているため、アタッカ右通路2422に進入して右レール1005の段部1005aで跳ね返った遊技球Bが、高い確率で連通口2425を通って第二始動口誘導棚2423上へ落下(流通)することとなる。
アタッカ右通路2422に進入して右レール1005の段部1005aに当接した遊技球Bが、連通口2425よりも上方へ跳ね返った場合、連通口2425の上端側を形成している仕切部2428の下端に傾斜部2429が設けられているため、遊技球Bが傾斜部2429に当接することとなる。この傾斜部2429は、下端に対して上端が右方に位置するように傾斜しているため、傾斜部2429に当接した遊技球Bは、下方へのアタッカ右下通路2426側へ反射し、アタッカ右下通路2426に進入することとなる。また、右レール1005の段部1005aに当接した遊技球Bが、連通口2425よりも下方へ跳ね返った場合は、アタッカ右下通路2426に進入することとなる。
アタッカ右下通路2426に進入した遊技球Bは、第二始動口2004、及び、大入賞口2005に受入られる機会もなく、アウト口1008から遊技領域5a外へ排出される。
また、アタッカユニット2400は、第二始動口2004の上方にサブ機能表示部2450を、備えている。サブ機能表示部2450は、複数(ここでは六つ)のフルカラーLEDを有している。サブ機能表示部2450は、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器、第一特別図柄表示器、及び第二特別図柄表示器と連動しており、LEDの点灯・点滅、発光色等により、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過により抽選された普通抽選結果、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものである。
更に、アタッカユニット2400は、磁気を検知する磁気センサ2470を備えている(図61を参照)。この磁気センサ2470は、磁石を用いた不正行為を検知するためのものである。
[5-8d.センター役物]
表ユニット2000のセンター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置された演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている各種演出ユニット等を前方から視認することができる。また、センター役物2500は、略全体が透明に形成されており、後側(裏ユニット3000)を視認することができる。
枠状のセンター役物2500は、下辺を除いた全周が、遊技パネル1100のパネル板1110の前面よりも前方へ突出しており、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bが、枠内に侵入できないようになっている。
センター役物2500は、正面視左側の外周面に、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口しているワープ入口2501と、ワープ入口2501に進入した遊技球Bを放出可能とされ枠内に開口しているワープ出口2502と、ワープ出口2502から放出された遊技球Bを左右方向に転動させた後に遊技領域5a内へ放出可能なステージ2503と、を備えている。
センター役物2500のステージ2503は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100(パネル板1110)に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状(W字状)に形成されている。このステージ2503は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(中央放出部2503a)と、その左右両側の最も低くなっている部位(サイド放出部2503b)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
センター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、ステージ2503の左右方向中央の高くなっている部位(中央放出部2503a)が、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上に位置している。これにより、ステージ2503の中央の中央放出部2503aから遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
センター役物2500は、上下方向の中央よりも下寄りで、右側の外周面よりも右方の位置に設けられているゲート部2003を備えている。ゲート部2003は、遊技球Bが一つのみ通過可能な大きさで上下に貫通しており、遊技球の通過を検知するゲートセンサ2506が設けられている。ゲート部2003は、センター役物2500の枠状の外周面との間に、遊技球Bが一つのみ通過可能な間隔をあけて設けられている。
また、センター役物2500は、上側の外周面の一部を構成しており、左右方向の中央よりも左寄りの位置から右方へ向かって低くなるように傾斜している上右周壁部2510と、右上隅に設けられており遊技球Bが流通可能な複数の通路からなる流通通路群2520と、を備えている。流通通路群2520は、上右周壁部2510の右端付近からゲート部2003の上方まで上下に延びている。
流通通路群2520は、図27及び図28等に示すように、センター役物2500の枠外に設けられており、第一流通通路2521と、第一流通通路2521の左側に隣接して設けられている第二流通通路2522と、から構成されている。第一流通通路2521は、上端の入口側から下方へ遊技領域5aの周縁(右レール1005)に沿って円弧状に延びており、下端付近が左方へクランク状に屈曲して、出口が下方へ向かって開口している。第一流通通路2521の下端の出口は、ゲート部2003の直上に対してやや右寄りに位置している。
第二流通通路2522は、上端の入口が、第一流通通路2521の入口に対して左方へ間隔をあけて開口しており、上端付近で右方へクランク状に屈曲した上で、第一流通通路2521に隣接して下方へ円弧状に延び、下端付近において左方へクランク状に屈曲した後に右方へクランク状に屈曲して、出口が第一流通通路2521の出口と隣接して下方へ向かって開口している。これにより、第二流通通路2522は、第一流通通路2521よりも遊技球Bの流通速度を減衰させることができる。なお、第一流通通路2521及び第二流通通路2522には、夫々遊技球Bの流通方向へ間隔をあけて複数の突条2523が設けられており、遊技球Bが突条2523に当接することで、その流通速度を抑制させることができる。
このセンター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、上右周壁部2510と前構成部材1000の外レール1001(遊技領域5aの周縁)との間に、流通通路群2520の上流側となり、遊技球Bが流通可能な上流空間部2511が形成される。また、遊技盤5に組立てた状態では、流通通路群2520の第一流通通路2521の上端の入口が衝止部1006の直下に位置していると共に、第一流通通路2521が右レール1005(遊技領域5aの周縁)に沿って延びている。更に、センター役物2500のゲート部2003と右レール1005(遊技領域5aの周縁)との間には、遊技球Bが通過可能な隙間が形成されている。
[5-8e.センター役物の流通通路群による遊技球の流れ]
次に、遊技領域5a内におけるセンター役物2500の流通通路群2520による遊技球Bの流れについて、図27乃至図29等を参照して詳細に説明する。遊技盤5に組立てた状態では、センター役物2500の流通通路群2520とゲート部2003との間、及び、ゲート部2003とアタッカユニット2400の一般入賞口2001との間に、複数の障害釘Nが植設されている。流通通路群2520とゲート部2003との間に植設されている複数の障害釘Nは、第一流通通路2521を流通した遊技球Bが、ゲート部2003の右側(ゲート部2003と右レール1005との間)を、高い確率で流通するように調整されている。また、流通通路群2520とゲート部2003との間に植設されている複数の障害釘Nは、第二流通通路2522を流通した遊技球Bが、ゲート部2003を高い確率で通過するように調整されている。更に、流通通路群2520とゲート部2003との間に植設されている複数の障害釘Nは、第二流通通路2522を流通した遊技球Bが、ゲート部2003の次に高い確率でゲート部2003の左側を流通するように調節されている。
一方、ゲート部2003とアタッカユニット2400の一般入賞口2001との間に植設されている複数の障害釘Nは、ゲート部2003の右側を流通した遊技球Bが、高い確率でアタッカユニット2400のアタッカ右通路2422に進入するように調整されている。また、ゲート部2003とアタッカユニット2400の一般入賞口2001との間に植設されている複数の障害釘Nは、ゲート部2003又はゲート部2003の左側を流通した遊技球Bが、高い確率でアタッカユニット2400の一般入賞口2001の左側のアタッカ左通路2421に進入するように調整されており、アタッカ左通路2421の次に高い確率で一般入賞口2001に受入れられるように調整されている。
本実施形態の遊技盤5では、センター役物2500の上右周壁部2510の上方(上流空間部2511)に遊技球Bが進入する強さで遊技球Bを打込むと、流通通路群2520の第一流通通路2521又は第二流通通路2522の何れかを遊技球Bが流通する。具体的に詳述すると、遊技球Bを、遊技領域5aの周縁の一部を構成する外レール1001から内方へ突出している衝止部1006に当接する強さで打込む(所謂、右打ちする)と、衝止部1006に当接した遊技球Bが第一流通通路2521に進入する。この第一流通通路2521に進入した遊技球Bは、第一流通通路2521の下流端とゲート部2003との間に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でゲート部2003の右側を通過する。そして、ゲート部2003の右側を通過した遊技球Bは、ゲート部2003とアタッカユニット2400との間に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でアタッカ右通路2422に進入する。アタッカ右通路2422に進入した遊技球Bは、第二始動口誘導棚2423又はアタッカ右下通路2426の何れかを流通することとなる。
上記のように、第一流通通路2521を流通した遊技球Bは、ゲート部2003をあまり通過しないため、遊技球Bのゲート部2003の通過により実施される普通抽選結果の抽選があまり行われず、第二始動口2004が開状態となる普通抽選結果が抽選される可能性が低い。従って、第一流通通路2521を流通した遊技球Bが、アタッカ右通路2422を介して第二始動口誘導棚2423を流通しても、第二始動口2004が閉じていることが多く第二始動口2004にあまり受入れられないため、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで第二特別抽選結果の抽選や遊技球Bの払出し等の特典が付与される機会が少ない。従って、遊技球Bが第一流通通路2521を流通した場合、遊技者に付与される特典が相対的に少ないものとなる。
なお、上記では、右打ちした場合を説明したが、上右周壁部2510の右端付近で開口している第二流通通路2522の入口を飛び越えるような強さで打込まれた遊技球Bも、第一流通通路2521に進入することとなり、上記と同様の結果となる。
一方、上流空間部2511に打込まれた遊技球Bが第二流通通路2522に進入して、第二流通通路2522を流通すると、第二流通通路2522の下流端とゲート部2003との間に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でゲート部2003を通過して、普通抽選結果の抽選が行われる。ゲート部2003を通過した遊技球Bは、ゲート部2003とアタッカユニット2400との間に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でアタッカ左通路2421に進入し、アタッカ左通路2421から第二始動口誘導棚2423を流通する。
この際に、ゲート部2003を遊技球Bが通過して普通抽選結果が抽選されていることから、抽選された普通抽選結果が「普通当り」であれば、第二始動口2004が所定のパターンで開状態となるため、遊技球Bが第二始動口2004に受入れられる可能性がある。そして、遊技球Bが第二始動口2004に受入れられると、第二特別抽選結果の抽選が行われると共に所定数の遊技球Bが払出される等の特典が付与される。従って、遊技球Bが第二流通通路2522を流通した場合、遊技者に付与される特典が相対的に高い(多い)ものとなる。
このようなことから、遊技者は、第二流通通路2522の方が、特典が付与される可能性が高いため、上流空間部2511に遊技球Bが進入する打込強さで、且つ、遊技球Bが第二流通通路2522に進入する打込強さで、遊技球Bが遊技領域5a内に打込まれるように、遊技球Bの打込強さを調整することとなり、遊技球Bの打込操作に対して変化を付与させることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者に対して第二流通通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
なお、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が、有利遊技状態を発生させる「大当り」等の場合、大入賞口2005が所定の開閉パターンで遊技球Bの受入れが可能な状態となると共に、大入賞口2005に遊技球Bが受入れられると多くの遊技球Bが払出されることとなる。このような有利遊技状態(「大当り遊技状態」)の時に、遊技者に対して遊技球Bの打込強さの調整が要求されると、遊技者によっては焦りや苛立ちを感じてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。しかしながら、本実施形態では、遊技球Bを右打ちして第一流通通路2521を流通させると、ゲート部2003の右側、及びアタッカ右通路2422を流通した後に、右レール1005の段部1005aで連通口2425へ向かって跳ね返り、連通口2425を通って第二始動口誘導棚2423に落下することにより、遊技球Bを大入賞口誘導棚2424側(大入賞口2005側)へ流通させることができるため、微妙な打込操作の調整をしなくても楽な打込操作で遊技球Bを大入賞口2005へ受入れさせることができ、有利遊技状態での遊技を遊技者に楽しませることができると共に、遊技状態に応じて遊技球Bの打込操作にメリハリを付けることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
[5-8f.センター役物の流通通路群の別の実施形態]
続いて、上記とは異なる実施形態のセンター役物2500の流通通路群2520について、主に図30乃至図32を参照して詳細に説明する。図30(a)は図28等とは異なるセンター役物の流通通路群の実施形態を示す要部拡大図であり、(b)は(a)とは更に異なるセンター役物の流通通路群の実施形態を示す要部拡大図である。図31(a)は図30とは更に異なるセンター役物の流通通路群の実施形態を示す要部拡大図であり、(b)は更に異なるセンター役物の流通通路群の実施形態を示す要部拡大図である。図32は、図30及び図31とは更に異なるセンター役物の流通通路群の実施形態を示す要部拡大図である。なお、図30及び図31では、上記と同様の構成部分については、同一の符号を付している。
図30(a)に示す実施形態は、図28と比較して、第二流通通路2522の上端の入口を、第一流通通路2521の入口に対して左方への離隔している距離を流したものである。この流通通路群2520によっても上記と同様の作用効果を奏することができる。
図30(b)に示す実施形態は、前構成部材1000における衝止部1006を、当接した遊技球Bが第二流通通路2522の入口側へ跳ね返り易くなるように、衝止部1006の角度を変更していると共に、上右周壁部2510における第一流通通路2521の入口と第二流通通路2522の入口との間の部位を、第二流通通路2522側(左側)が低くなるように傾斜させたものである。これにより、第二流通通路2522側へ遊技球Bが進入し易くなることから、第二流通通路2522に遊技球Bが進入する遊技球Bの打込強さの調整範囲が広くなるため、第二流通通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を行い易いものとすることができる。
図31(a)に示す実施形態は、図28や図30の流通通路群2520では、第一流通通路2521や第二流通通路2522の夫々の入口を上方へ向けて開口させているのに対して、第一流通通路2521及び第二流通通路2522の上流側を、センター役物2500の上方の左右方向中央付近まで延び出させて、夫々の入口を上下に並んだ状態で左方へ向けて開口させるようにしたものである。
この実施形態では、外レール1001(遊技領域5aの周縁)の一部が第一流通通路2521の一部を構成していると共に、上右周壁部2510の一部が第二流通通路2522の一部を構成している。また、この実施形態では、上右周壁部2510と外レール1001(遊技領域5aの周縁)との間の上流空間部2511の左右方向の長さが、上右周壁部2510の左端から第一流通通路2521及び第二流通通路2522の夫々の入口までの長さとなり、図28や図30に示す上流空間部2511よりも狭くなっている。
この実施形態では、遊技球Bを第二流通通路2522の入口に進入させるためには、上右周壁部2510における第二流通通路2522の入口よりも左側の狭い部位に当接する打込強さか、左方へ向かって開口している第二流通通路2522の入口に直接進入する打込強さで、遊技球Bを打込む必要があるため、図28や図30の実施形態と比較して、遊技球Bの打込強さの調整範囲が狭くなる。また、第一流通通路2521の入口と第二流通通路2522の入口の左方の上流空間部2511に打込まれた遊技球Bが、第一流通通路2521と第二流通通路2522とを仕切っている壁部の左端(二つの入口の間の部位)に当接した場合、跳ね返った遊技球Bの左方への勢いや角度によっては上流空間部2511から逸脱する可能性がある。つまり、上流空間部2511へ進入する強さで遊技球Bを打込んでも、上流空間部2511から左方へ逸脱して第一流通通路2521及び第二流通通路2522の何れにも進入することなくセンター役物2500の左側を流通してしまう可能性がある。このようなことから、遊技球Bの打込操作に対する難易度が高くなるため、遊技者の遊技球Bの打込操作に対する意欲を高めさせることができ、遊技者に対して遊技媒体の打込操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
図31(b)に示す実施形態は、図31(a)の実施形態において、第一流通通路2521の途中に、第二流通通路2522と一方通行で連通している分岐部2524を設けたものである。分岐部2524は、第二流通通路2522における左右に延びている部位(上右周壁部2510)の右端から下方へ折れ曲がっている部位の直上に設けられている。この実施形態では、第一流通通路2521へ進入する強さで遊技球Bを打込んでも、その打込強さによっては(打込強さが弱いと)分岐部2524において遊技球Bが第二流通通路2522側へ分岐するため、第二流通通路2522に対する遊技球Bの流通の難易度を、図31(a)の実施形態よりも低くすることができる。
なお、第二流通通路2522に遊技球Bを進入させるためには、第一流通通路2521へ進入される遊技球Bの打込強さよりも弱く打込む必要があると共に、第一流通通路2521と連通している分岐部2524が、第二流通通路2522における下方へ折れ曲がっている部位の上方に設けられているため、第二流通通路2522に進入した遊技球Bが、下方へ折れ曲がっている部位で上方(分岐部2524側)へ跳ねることはなく、分岐部2524を通って第一流通通路2521側へ進入することはない。つまり、分岐部2524は、第一流通通路2521から第二流通通路2522へ一方通行で連通している。
また、この実施形態では、途中に分岐部2524を有している第一流通通路2521の入口に進入して第一流通通路2521を流通すると、分岐部2524の部位において、第一流通通路2521側又は第二流通通路2522側の何れかに分岐することとなるため、分岐部2524において遊技球Bが何れの側へ分岐するか否かにより遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、第一流通通路2521内での遊技球Bの流れを楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、この実施形態では、遊技者が、第二流通通路2522を狙って遊技球Bを打込んだのにも関わらず、第一流通通路2521の入口に遊技球Bが進入してしまっても、第一流通通路2521の分岐部2524において、第二流通通路2522側へ分岐する可能性があるため、分岐部2524において第二流通通路2522側へ分岐するか否かで、遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができると共に、分岐部2524において第二流通通路2522側へ分岐すると、遊技者の打込操作のミスがカバーされて所望の第二流通通路2522を遊技球Bが流通することとなり、遊技者に対して得した気分にさせることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
図32に示す実施形態は、第二流通通路2522に、センター役物2500の枠内を横断するバイパス部2525を有するようにしたものである。この実施形態では、第二流通通路2522の入口が、上右周壁部2510の左端よりも左方の位置で、上方へ向かって開口している。従って、上右周壁部2510の上方の上流空間部2511に打込まれた遊技球Bは全て第一流通通路2521を流通することとなる。この実施形態によれば、遊技球Bが第二流通通路2522の入口に進入してバイパス部2525を流通すると、その遊技球Bがセンター役物2500の枠内を横断することから、遊技者側から遊技球Bの流通を目立たせることができるため、遊技者に対して遊技球Bがバイパス部2525を流通すると、その後に何か良いことがあるのではないかと思わせることが可能となり、遊技者にバイパス部2525を有した第二流通通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を行わせることができ、遊技球Bの打込操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[5-9.裏ユニット]
遊技盤5における裏ユニット3000について、主に図33乃至図36等を参照して説明する。図33は遊技盤の裏ユニットを前から見た斜視図であり、図34は遊技盤の裏ユニットを後ろから見た斜視図である。図35は裏ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図36は裏ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられており、後側に周辺制御ユニット1500、演出表示装置1600、及び駆動基板ユニット1700が取付けられている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。また、裏ユニット3000は、表ユニット2000の始動口ユニット2100及びサイドユニット2200に設けられている一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001を備えている(図61を参照)。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の前端に取付けられている裏第一演出ユニット3100と、裏第一演出ユニット3100の後方で裏箱3010内に取付けられている裏第二演出ユニット3200と、裏第二演出ユニット3200の後方で裏箱3010内に取付けられている裏第三演出ユニット3300と、裏第二演出ユニット3200の前面に取付けられており始動口ユニット2100及びサイドユニット2200の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを受取って下方へ放出させる裏左球排出ユニット3030と、アタッカユニット2400の一般入賞口2001、第二始動口2004、及び大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを受取って下方へ放出させる裏右球排出ユニット3040と、を備えている。
裏ユニット3000の裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの周縁から間隔を開けて後方へ突出している平板枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける上辺において枠内の内側から上方へ向かって窪んでおり演出表示装置1600の上固定片1601が挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの下辺の左右方向中央付近において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれロック機構3020が取付けられる切欠部3010dと、を備えている(図35及び図36等を参照)。
裏箱3010の開口部3010aは、演出表示装置1600の表示画面と略同じ大きさに形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内に演出表示装置1600を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構3020が左右にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100のパネルホルダ1120の後面に当接した状態で、パネルホルダ1120に取付けられる。裏箱3010は、各可動演出ユニット等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
更に、裏箱3010は、左右両側面における上下方向の中央付近で、前端から後方へ凹むように切欠かれている挿通口3011を有している。挿通口3011は、遊技盤5に組立てた状態で、後述する裏第一演出ユニット3100における導光板3110よりも後方の空間と、裏箱3010の外部とを連通するように構成されている。この挿通口3011は、遊技盤5を輸送する際に、裏箱3010の側面側から回転装飾体3210同士の間に詰め物を挿入することで、輸送等よる振動によって、裏第二演出ユニット3200の回転装飾体3210が動かないようにすることができる。或いは、裏第二演出ユニット3200の回転装飾体3210の動きに不具合が生じた際に、挿通口3011を通して指や工具等を挿入して、不具合を解消させることができる。
[5-9a.裏第一演出ユニット]
次に、裏ユニットにおける裏第一演出ユニット3100について、主に図37及び図38等を参照して詳細に説明する。図37(a)は裏ユニットの裏第一演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットの裏第一演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図38は、裏第一演出ユニットにおける導光板と装飾基板との関係を示す正面図である。裏ユニット3000の裏第一演出ユニット3100は、裏箱3010の前端で、前方へ開放されている開口を閉鎖するように取付けられている。
裏第一演出ユニット3100は、裏箱3010の前端開口を閉鎖する透明平板状の導光板3110と、導光板3110の上方に配置されており導光板3110の上面へ向かって光を照射する複数のLED3121が実装されている裏第一上装飾基板3120と、導光板3110の左方に配置されており導光板3110の左面へ向かって光を照射する複数のLED3131が実装されている裏第一左装飾基板3130と、裏第一左装飾基板3130の複数のLED3131と導光板3110の左面との間に設けられており、LED3131からの光を拡散させて導光板3110の左面に照射させる拡散レンズ3140と、を備えている。
また、裏第一演出ユニット3100は、導光板3110の前面上縁に取付けられている透明平板状の上部ベース3151と、上部ベース3151後側に取付けられて導光板3110を挟持していると共に裏第一上装飾基板3120が取付けられている透明な上部後カバー3152と、導光板3110の前面左縁に取付けられている透明平板状の左部ベース3153と、左部ベース3153の後側に取付けられて導光板3110を挟持していると共に裏第一左装飾基板3130及び拡散レンズ3140が取付けられている透明な左部後カバー3154と、導光板3110の前面右縁に取付けられている透明平板状の右部ベース3155と、右部ベース3155の後側に取付けられて導光板3110を挟持している透明な右部後カバー3156と、を備えている。
また、裏第一演出ユニット3100は、上部ベース3151の前面に取付けられており、レリーフ状の装飾が形成されている裏第一上装飾体3161と、左部ベース3153の前面に取付けられており、レリーフ状の装飾が形成されている裏第一左装飾体3162と、右部ベース3155の前面に取付けられており、レリーフ状の装飾が形成されている裏第一右装飾体3163と、導光板3110の前面下縁の左右方向中央に取付けられており、レリーフ状の装飾が形成されている裏第一下装飾体3164と、裏第一下装飾体3164の後側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLED3171が実装されている裏第一下装飾基板3170と、を備えている。
裏第一演出ユニット3100の導光板3110は、正面視の形状が略四角形で、下縁における左右方向の中央に、半円弧状に上方へ切欠かれた切欠部3111を有している。この導光板3110は、図示は省略するが、上面から照射された光により発光する第一絵柄と、左面から照射された光により発光する第二絵柄と、を備えている。第一絵柄と第二絵柄とは、互いに異なる絵柄である。また、図示は省略するは、第一絵柄は、裏第一上装飾基板3120の複数のLED3121のうち、発光させたLED3121によって発光態様が異なるように形成されている。
裏第一上装飾基板3120及び裏第一左装飾基板3130は、夫々に実装されているLED3121及びLED3131が、フルカラーLEDである。また、裏第一左装飾基板3130は、上下方向へ三つに分割されている。この裏第一左装飾基板3130が三つに分割されていることで、拡散レンズ3140も対応するように上下方向へ三つに分割されている。裏第一上装飾基板3120のLED3121を発光させることで、導光板3110の第一絵柄を発光させることができ、裏第一左装飾基板3130のLED3131を発光させることで、導光板3110の第二絵柄を発光させることができる。
裏第一上装飾体3161、裏第一左装飾体3162、及び、裏第一右装飾体3163は、金属光沢を有するメッキ層を備えている。裏第一上装飾体3161、裏第一左装飾体3162、及び、裏第一右装飾体3163は、導光板3110の上辺、左辺、及び、右辺に沿うように、帯板状に形成されている。
裏第一下装飾体3164は、導光板3110の下縁中央の切欠部3111の円弧と同心円で上下方向へ円弧状に延びている一対の部位を有しており、上方及び下方が開放された略円環状に形成されている。裏第一下装飾体3164は、前面に複数の三つ巴の装飾が円弧状に列設されている。また、裏第一下装飾体3164は、夫々の三つ巴の装飾の部位を通るように放射状に延びている突起を有している。これら放射状に延びている突起は、三つ巴の装飾から外方へは長く、中心側へは短く延びている。この裏第一下装飾体3164は、透明な部材に、所定の色の金属光沢を有すると共に透光性を有している蒸着層を施したものである。裏第一下装飾体3164は、裏第一下装飾基板3170のLED3171を発光させていない状態では、金属光沢の蒸着層により、表側の装飾を遊技者側から良好な状態で視認することができる。
裏第一下装飾基板3170は、裏第一下装飾体3164における三つ巴の装飾の部位の後方となる位置にLED3171が実装されている。裏第一下装飾基板3170の複数のLED3171を発光させると、裏第一下装飾体3164の全体を発光装飾させることができると共に、三つ巴の装飾の部位をより明るく発光装飾させることができる。裏第一下装飾基板3170の複数のLED3171は、フルカラーLEDである。
裏第一演出ユニット3100は、遊技盤5に組立てた状態で、導光板3110が、透明なパネル板1110の後方で、センター役物2500のステージ2503の上方の略前面に及んで、第一絵柄や第二絵柄を発光表示させることができる。また、裏第一演出ユニット3100は、遊技盤5に組立てた状態で、図24等に示すように、裏第一上装飾体3161、裏第一左装飾体3162、裏第一右装飾体3163が、夫々遊技領域5a内の、上縁、左縁、右縁、付近に位置している。
また、裏第一下装飾体3164は、アウト口1008の直上に位置しており、略円環状の裏第一下装飾体3164の中心が、第一始動口2002の位置と略一致している。この裏第一下装飾体3164は、裏第二演出ユニット3200の複数の回転装飾体3210のうち、最も下方となる特定位置に位置している回転装飾体3210の外側を装飾することができる。従って、裏第一下装飾体3164により、特定位置の回転装飾体3210に対して、スペシャル感(或いは、プレミアム感)を付与することができる。
[5-9b.裏第二演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏第二演出ユニット3200について、主に図39乃至図46等を参照して詳細に説明する。図39は裏ユニットの裏第二演出ユニットを前から見た斜視図であり、図40は裏ユニットの裏第二演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図41は裏第二演出ユニットを主に構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図42は裏第二演出ユニットを主に構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図43は裏第二演出ユニットにおける駆動の機構を示す正面図である。図44(a)~(d)は裏第二演出ユニットにおける複数の回転装飾体の動きを示す説明図であり、図45(e)~(g)は図44から続く裏第二演出ユニットにおける複数の回転装飾体の動きを示す説明図である。図46は、裏第二演出ユニットにおけるLEDの配置を示す正面図である。
裏ユニット3000の裏第二演出ユニット3200は、裏第一演出ユニット3100と裏第三演出ユニット3300との間で、裏箱3010内に取付けられている。裏第二演出ユニット3200は、所定の円周上に列設されており、自転しながら公転する円盤状の複数(ここでは12個)の回転装飾体3210を備えている。複数の回転装飾体3210は、後面の中央から後方へ円柱状に突出している軸部3210aを、夫々有している。複数の回転装飾体3210は、透光性を有している。複数の回転装飾体3210は、後述する裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229の前方に設けられている。
複数の回転装飾体3210は、複数(ここでは四個)の特別回転装飾体3211と、残り(ここでは8個)の普通回転装飾体3212と、で構成されている。特別回転装飾体3211は、一定数(ここでは二個)の普通回転装飾体3212を間にして周方向へ等間隔に配置されている。本実施形態において、特別回転装飾体3211は、三つ巴の装飾が施されている。特別回転装飾体3211は、巴の部位が赤色で、その他の部位が金属光沢を有した金色に形成されており、全体が透光性を有している。普通回転装飾体3212は、花弁の装飾が施されている。普通回転装飾体3212は、花弁の部位が金属光沢を有した桃色に形成されていると共に、その他の縁取りの部位が白色に形成されており、全体が透光性を有している。
裏第二演出ユニット3200は、外形が四角形で中央に多角形の貫通孔3220a、及び貫通孔3220aよりも大きい直径で円環状の固定ギア部3220b、を有しているユニットベース3220と、ユニットベース3220の前面に回転可能に取付けられ、ユニットベース3220の固定ギア部3220bよりも大きい同一円周上において周方向へ一定の間隔で前後に貫通しており回転装飾体3210の軸部3210aが回転可能に挿入される複数の軸孔3221a、複数の軸孔3221aよりも外側に設けられている円環状のリングギア部3221b、を有している円環状の駆動リング3221と、を備えている。
また、裏第二演出ユニット3200は、ユニットベース3220における右上隅の後面に取付けられており、回転軸がユニットベース3220を貫通して前方へ突出している裏第二駆動モータ3222と、裏第二駆動モータ3222の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3223と、駆動ギア3223と噛合していると共に、駆動リング3221のリングギア部3221bと噛合しており、ユニットベース3220に回転可能に取付けられている平歯車状の伝達ギア3224と、複数の回転装飾体3210の軸部3210aの後端に夫々固定されており、ユニットベース3220の固定ギア部3220bと噛合する回転体ギア3225と、を備えている。
また、裏第二演出ユニット3200は、駆動リング3221の前方に設けられていると共にユニットベース3220に取付けられており、外形が四角形で駆動リング3221の外径よりも若干小さい直径の貫通孔3226aを有している外側ベース3226と、外側ベース3226の貫通孔3226a内において駆動リング3221の前方に設けられていると共にユニットベース3220に取付けられており、外形が駆動リング3221の内径よりも若干大きい円形で中央に多角形の貫通孔3227aを有している内側ベース3227と、外側ベース3226の前面に取付けられており、外形が外側ベース3226の外形と略同じ四角形で外側ベース3226の貫通孔3226aよりも小さい直径の貫通孔3228aを有している裏第二外側装飾体3228と、裏第二外側装飾体3228の貫通孔3228a内において内側ベース3227の前面に取付けられており、外形が内側ベース3227の外径よりも大きい円形で中央に多角形の貫通孔3229aを有している裏第二内側装飾体3229と、裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229aに挿入されていると共にユニットベース3220に取付けられている環状の裏第二内周装飾体3230と、を備えている。
更に、裏第二演出ユニット3200は、自転しながら公転する回転装飾体3210が最も下方となる特定位置に位置していることを検知するための回転位置検知センサ3231と、自転しながら公転する特別回転装飾体3211が最も下方となる特定位置に位置していることを検知するための特別回転位置検知センサ3232と、を備えている。
また、裏第二演出ユニット3200は、外側ベース3226及び内側ベース3227と、裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229との間で、外側ベース3226及び内側ベース3227に取付けられており、前面に複数のLED3241が実装されている裏第二装飾基板3240を備えている。裏第二装飾基板3240のLED3241を適宜発光させることで、回転装飾体3210、裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229を発光装飾させることができる。
ユニットベース3220は、透明で平板状に形成されている。駆動リング3221は、複数の軸孔3221aが、複数の回転装飾体3210と同じ数だけ形成されている。ユニットベース3220の貫通孔3220aの内周形状は、中心側へ突出した台形の部位が、周方向へ一定の間隔で並んだ形状である。この台形に突出した部位は、回転装飾体3210と同じ数(ここでは12個)が設けられている。本実施形態では、12個の台形に突出した部位が、円周の上端の位置から時計回りの方向へ30度の角度ずつ設けられている。
駆動リング3221は、複数の軸孔3221aと対応する部位の内周から中心へ向かって突出している複数の検知片3221cを有している。また、駆動リング3221は、複数の検知片3221cにおいて、一定数(ここでは二つ)の検知片3221cを間にして周方向へ等間隔に配置されている検知片3221cから更に中心側へ延出している複数(ここでは四つ)の特別検知片3221dを有している。つまり、本実施形態の駆動リング3221は、回転装飾体3210と同じ数(12個)の検知片3221cを有していると共に、特別回転装飾体3211と同じ数(4個)の特別検知片3221dを有している。この駆動リング3221は、図示は省略するが、ユニットベース3220に設けられている複数のローラにより回転可能に支持されている。
外側ベース3226の外形は、ユニットベース3220の外形と同じ大きさに形成されている。外側ベース3226は、透明で平板状に形成されている。この外側ベース3226は、貫通孔3226aの中心を通る垂直線と水平線とを境にして、四つに分割されており、夫々がユニットベース3220に取付けられている。
内側ベース3227は、多角形の貫通孔3227aの内周形状が、ユニットベース3220の貫通孔3220aの内周形状と同じ形状で同じ大きさに形成されている。内側ベース3227は、透明で平板状に形成されている。この内側ベース3227は、中心を通る垂直線と水平線を、時計回りの方向へ約20度回転させた十字線を境にして、四つに分割されており、夫々がユニットベース3220に取付けられている。本実施形態では、四つに分割されている内側ベース3227の分割部位を、外側ベース3226の分割部位と異ならせているため、夫々の分割部位を同じとした場合と比較して、ユニットベース3220に外側ベース3226と内側ベース3227とを取付けた時の強度・剛性を向上させることができる。
裏第二外側装飾体3228は、外形が外側ベース3226の外形と同じ形状で同じ大きさに形成されている。裏第二外側装飾体3228は、貫通孔3228aの内径が、駆動リング3221における複数の軸孔3221aが列設されている同一円周よりも若干大きい径に形成されている。裏第二外側装飾体3228は、貫通孔3227aから外側へ一定の幅で円環状に設けられている赤色の環状装飾部3228bと、環状装飾部3228bの外側で四隅のうちの上側の二つの隅に設けられている隅装飾部3228cと、を有している。環状装飾部3228bは、図案化された植物の葉を一定のパターンで周方向に配列した装飾が施されている。隅装飾部3228cは、唐破風を模した装飾が施されている。裏第二外側装飾体3228は、表面にレリーフ状の装飾が形成されている。この裏第二外側装飾体3228は、金属光沢を有すると共に透光性を有している蒸着層を備えている。裏第二外側装飾体3228は、外側ベース3226と同様に四つに分割されている。
裏第二内側装飾体3229は、円形の外径が、駆動リング3221における複数の軸孔3221aが列設されている同一円周よりも若干小さい径に形成されている。裏第二内側装飾体3229は、貫通孔3229aの内周形状が内側ベース3227の貫通孔3227aの内周形状と略同じ形状で同じ大きさに形成されている。裏第二内側装飾体3229は、裏第二外側装飾体3228の環状装飾部3228bに対して組となるように、図案化された植物の葉を一定のパターンで周方向に配列した赤色の装飾が施されている。裏第二内側装飾体3229は、表面にレリーフ状の装飾が形成されている。この裏第二内側装飾体3229は、金属光沢を有すると共に透光性を有している蒸着層を備えている。裏第二内側装飾体3229は、内側ベース3227と同様に四つに分割されている。
裏第二内周装飾体3230は、前後方向が、ユニットベース3220の貫通孔3220aの周縁と、裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229aの周縁とを結ぶ長さに形成されており、ユニットベース3220と裏第二内側装飾体3229との間の内周側を閉鎖している。この裏第二内周装飾体3230は、金属光沢を有すると共に透光性を有している蒸着層を備えている。
回転位置検知センサ3231は、裏第二装飾基板3240の後面に取付けられている。この回転位置検知センサ3231は、駆動リング3221の複数の検知片3221cのうち、最も下方に位置している検知片3221cを検知するものである(図43を参照)。
特別回転位置検知センサ3232は、ユニットベース3220と内側ベース3227との間に取付けられており、駆動リング3221の特別検知片3221dを検知するためのものである。更に詳述すると、特別回転位置検知センサ3232は、ユニットベース3220の貫通孔3220aにおける複数の台形に突出している部位のうち、最も下端の部位から時計回りの方向へ一つ移動した(30度回転した)位置で突出している台形の部位に取付けられている(図43を参照)。
裏第二装飾基板3240は、前面に実装されている複数のLED3241が、フルカラーLEDである。裏第二装飾基板3240は、外形が四角形で、中央に多角形の貫通孔3240aが形成されている。また、裏第二装飾基板3240は、貫通孔3240aよりも外周側に円環状に貫通している挿通孔3240bが形成されている。この裏第二装飾基板3240は、挿通孔3240bよりも外側の部位が外側ベース3226に取付けられており、挿通孔3240bよりも内側の部位が内側ベース3227に取付けられている。裏第二装飾基板3240は、夫々四つに分割されている外側ベース3226及び内側ベース3227の夫々の分割体と対応するように、八つに分割されている。
続いて、裏第二演出ユニット3200における複数の回転装飾体3210の動きについて説明する。まず、裏第二演出ユニット3200は、複数の回転装飾体3210の夫々から後方へ突出している軸部3210aが、前方から、裏第二外側装飾体3228の内周と裏第二内側装飾体3229の外周との間、裏第二装飾基板3240の挿通孔3240b、及び、外側ベース3226の内周と内側ベース3227の外周との間、を通って、駆動リング3221の軸孔3221aに回転可能に挿入されていると共に、後端が軸孔3221aを貫通して駆動リング3221から後方へ突出している。そして、回転装飾体3210の軸部3210aの後端には、ユニットベース3220の固定ギア部3220bと噛合している回転体ギア3225が固定されている。
複数の回転装飾体3210のうち、4個の特別回転装飾体3211は、正面視において、駆動リング3221における特別検知片3221dと対応している軸孔3221aから、反時計回りの方向へ一つ移動した軸孔3221aに、特別回転装飾体3211の軸部3210aが挿通されている。残りの8個の普通回転装飾体3212は、特別回転装飾体3211の軸部3210aが挿入されていない残りの軸孔に、夫々の軸部3210aが挿入されている。
本実施形態の裏第二演出ユニット3200は、通常の状態では、図24及び図43等に示すように、12個の回転装飾体3210のうち4個の特別回転装飾体3211が、公転軌道の円周上における上下方向の両端と、左右方向の両端とに位置している。換言すると、4個の特別回転装飾体3211は、時計において、3時、6時、9時、及び、12時、の部位に位置しており、残りの8個の普通回転装飾体3212は、1時、2時、4時、5時、7時、8時、10時、11時、の部位に位置している。本実施形態では、6時の部位の位置を、回転装飾体3210の特定位置としている。
この通常の状態では、回転位置検知センサ3231が、駆動リング3221の検知片3221cを検知していると共に、特別回転位置検知センサ3232が、駆動リング3221の特別検知片3221dを検知している(図43を参照)。
裏第二演出ユニット3200は、遊技盤5に組立てた状態では、図24等に示すように、複数の回転装飾体3210が、遊技領域5aの周縁に沿って円形に並んでおり、左右両端側を除いて、全ての回転装飾体3210を前方から良好な状態で視認することができる。また、遊技盤5に組立てた状態では、裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229a(裏第二内周装飾体3230)を通して、後方に配置されている演出表示装置1600の表示画面を前方から良好な状態で視認することができる。
そして、通常の状態では、最も下端となった6時の部位の特定位置に位置している回転装飾体3210が、裏第一演出ユニット3100における略円環状の裏第一下装飾体3164の中央に位置しており、外側が裏第一下装飾体3164により装飾された状態となっている。また、特定位置の回転装飾体3210は、第一始動口2002の後方に位置しており、第一始動口2002の後方を装飾することができる。
この通常の状態で、裏第二駆動モータ3222により駆動ギア3223を時計回りの方向へ回転させると、駆動ギア3223と噛合している伝達ギア3224、伝達ギア3224と噛合しているリングギア部3221bを介して、駆動リング3221が時計回りの方向へ回転することとなる。この駆動リング3221が回転すると、駆動リング3221の軸孔3221aも周方向へ移動することとなり、軸孔3221aに挿入されている軸部3210aを介して回転装飾体3210も周方向へ移動することとなる。
この際に、回転装飾体3210の軸部3210aに固定されている回転体ギア3225が、ユニットベース3220の固定ギア部3220bに噛合しているため、軸部3210aの周方向への移動に伴って回転体ギア3225が、軸部3210aを中心として駆動リング3221の回転方向と同じ方向(ここでは時計回りの方向)へ回転することとなる。これにより、裏第二駆動モータ3222により駆動リング3221を時計回りの方向へ回転させると、複数の回転装飾体3210が、夫々時計回りの方向へ自転しながら、時計回りの方向へ公転することとなる。
本実施形態では、ユニットベース3220の固定ギア部3220bと、回転体ギア3225とのギア比が、駆動リング3221が30度回転すると、各回転装飾体3210が1回転自転するように構成されている。
上記のように、駆動リング3221が時計回りの方向へ回転することで、複数の回転装飾体3210が自転しながら公転し、特定位置に普通回転装飾体3212が位置している状態では、回転位置検知センサ3231が駆動リング3221の検知片3221cを検知していると共に、特別回転位置検知センサ3232が駆動リング3221の特別検知片3221dを検知していない(図44(a)を参照)。
そして、駆動リング3221が更に時計回りの方向へ回転して、特別回転装飾体3211が特定位置に接近すると、駆動リング3221の回転方向に対して特別回転装飾体3211の一つ前の普通回転装飾体3212の軸部3210aが挿入されている軸孔3221aと対応した特別検知片3221dが、特別回転位置検知センサ3232に接近することとなる(図44(b)~(d)及び図45(e),(f)を参照)。
駆動リング3221が更に時計回りの方向へ回転して、特別回転装飾体3211が特定位置に到達すると、当該特別回転装飾体3211の軸部3210aが挿入されている駆動リング3221の軸孔3221aと対応している検知片3221cが、回転位置検知センサ3231に検知されると共に、当該特別回転装飾体3211の回転方向の一つ前の普通回転装飾体3212の軸部3210aが挿入されている軸孔3221aと対応している検知片3221cから突出している特別検知片3221dが、特別回転位置検知センサ3232に検知される(図45(g)を参照)。つまり、特別回転位置検知センサ3232により特別検知片3221dが検知されることで、特別回転装飾体3211が特定位置に位置していることが検知される。
この裏第二演出ユニット3200は、裏第二駆動モータ3222を、上記とは逆方向へ回転駆動させることで、複数の回転装飾体3210を、上記とは反対に、反時計回りの方向へ自転しながら反時計回りの方向へ公転させることもできる。
続いて、裏第二演出ユニット3200における裏第二装飾基板3240の複数のLED3241による発光演出について、主に図46等を参照して説明する。裏第二装飾基板3240に実装されている複数のLED3241は、夫々が高輝度のフルカラーLEDである。これらLED3241は、前側に配置されている回転装飾体3210、裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229の装飾色に関係なく、発光させた色を遊技者側へ照射させることができる。つまり、LED3241の発光色によって、回転装飾体3210、裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229を、適宜の色で発光装飾させることができる。
裏第二装飾基板3240の複数のLED3241は、特定位置に回転装飾体3210が停止している状態(通常の状態)で、夫々の回転装飾体3210の後方となる部位に設けられている12個の回転装飾体LED群3250と、各回転装飾体LED群3250同士の間に夫々設けられている12個の中間LED群3255と、裏第二外側装飾体3228の隅装飾部3228cの後方との位置となる部位に設けられている左上隅LED群3256及び右上隅LED群3257と、サイドユニット2200の後方となり左下隅の部位に設けられている左下隅LED群3258と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200の夫々の一般入賞口2001の後方となる部位に設けられている入賞口LED群3259と、から構成されている。
12個の回転装飾体LED群3250は、最も下方の特定位置の後方となる部位を第一回転装飾体LED群3250aとして、時計回りの方向へ、第二回転装飾体LED群3250b、第三回転装飾体LED群3250c、第四回転装飾体LED群3250d、第五回転装飾体LED群3250e、第六回転装飾体LED群3250f、第七回転装飾体LED群3250g、第八回転装飾体LED群3250h、第九回転装飾体LED群3250i、第十回転装飾体LED群3250j、第十一回転装飾体LED群3250k、第十二回転装飾体LED群3250lまで設けられている。12個の回転装飾体LED群3250は、夫々に設けられているLED3241が、独立して発光可能とされている
12個の回転装飾体LED群3250は、夫々において、回転装飾体3210の公転中心から回転装飾体3210自転中心を通る放射線と、回転装飾体3210の公転中心を中心として回転装飾体3210の自転中心を通る円弧線と、第一LED群3251、第二LED群3252、第三LED群3253、及び第四LED群3254の四つに分割されている。一つの回転装飾体LED群3250を構成している四つの第一LED群3251、第二LED群3252、第三LED群3253、及び第四LED群3254は、夫々に設けられているLED3241が、独立して発光可能とされている
回転装飾体LED群3250の第一LED群3251は、回転装飾体3210の自転中心よりも公転中心側(内側)で、回転装飾体3210の自転中心を通る放射線の反時計回りの公転方向側に位置している。第二LED群3252は、第一LED群3251に対して、回転装飾体3210の自転中心よりも公転中心側とは反対側(外側)に位置している。第三LED群3253は、第一LED群3251に対して、回転装飾体3210の自転中心を通る放射線の反対側(時計回りの方向の側)に位置している。第四LED群3254は、第三LED群3253に対して回転装飾体3210の自転中心よりも公転中心側とは反対側(外側)に位置している。
12個の中間LED群3255は、最も下方の特定位置に対して時計回りの方向に隣接している部位を、第一中間LED群3255aとして、時計回りの方向へ、第二中間LED群3255b、第三中間LED群3255c、第四中間LED群3255d、第五中間LED群3255e、第六中間LED群3255f、第七中間LED群3255g、第八中間LED群3255h、第九中間LED群3255i、第十中間LED群3255j、第十一中間LED群3255k、第十二中間LED群3255l、まで設けられている。
本実施形態の裏第二演出ユニット3200は、通常の状態において、裏第二装飾基板3240に実装されている複数のLED3241のうち、回転装飾体LED群3250のLED3241を発光させることで、複数の回転装飾体3210を発光装飾させることができる。つまり、円周上に並んだ12個の円形の発光装飾を遊技者に見せることができる。この際に、回転装飾体3210毎に異なる色で発光装飾させたり、普通回転装飾体3212に対して特別回転装飾体3211を異なる色で発光装飾させたりすることができる。
また、12個の回転装飾体LED群3250を、周方向へ順番に発光させることで、周方向へ光が回転する発光演出を遊技者に見せることができる。この際に、次の回転装飾体LED群3250を発光させる前に、その回転装飾体LED群3250との間に位置している中間LED群3255を発光させるようにしても良い。これにより、回転装飾体LED群3250同士の間の発光が、中間LED群3255の発光によって補われることとなり、よりスムーズに旋回する発光演出を遊技者に見せることができる。
また、夫々の回転装飾体LED群3250では、第一LED群3251、第二LED群3252、第三LED群3253、及び第四LED群3254の四つに分割されているため、例えば、第一LED群3251及び第二LED群3252を発光させた後に、第三LED群3253及び第四LED群3254を発光させ、続いて、その第三LED群3253及び第四LED群3254に隣接している中間LED群3255を発光させるようにした場合、よりスムーズに旋回する発光演出や、小刻みに旋回する発光演出を、遊技者に見せることができる。そして、複数の回転装飾体3210を自転させながら公転させている時に、上記のような発光演出を、回転装飾体3210の公転速度に合わせて行うと、恰も回転装飾体3210自身にLEDが設けられているかの如く、回転装飾体3210が発光しながら公転しているような演出を遊技者に見せることができる。
更に、夫々の回転装飾体LED群3250において、例えば、第一LED群3251、第二LED群3252、第三LED群3253、第四LED群3254、第一LED群3251、・・・、のような順番で発光させることで、一ヶ所の回転装飾体LED群3250において光が回転しているような発光演出を遊技者に見せることができる。これにより、回転装飾体3210を通常の状態で、停止させている時に、第一LED群3251、第二LED群3252、第三LED群3253、及び第四LED群3254を順番に発光させると、遊技者に対して、回転装飾体3210が公転していない状態で回転(自転)しているように錯覚させることができる。
また、夫々の回転装飾体LED群3250において、例えば、第一LED群3251及び第三LED群3253を発光させた後に、第二LED群3252及び第四LED群3254を発光させると、中心から外側へ移動して広がるような発光演出を遊技者に見せることができる。或いは、第二LED群3252及び第四LED群3254を発光させた後に、第一LED群3251及び第三LED群3253を発光させると、外側から中心へ収束するような発光演出を遊技者に見せることができる。
また、回転装飾体LED群3250と中間LED群3255との夫々のLED3241を同時に発光させると、円環状の発光装飾を遊技者に見せることができる。この際に、発光装飾の輝度を高くすることで、回転装飾体3210等の形状を遊技者に認識させ難くする(見え難くする)ことができる。これにより、例えば、輝度を高くすることで回転装飾体3210を見え難くして環状に発光させた状態で、回転装飾体3210を自転させながら公転させて特別回転装飾体3211の位置を変更し、その後、輝度を低くする、或いは、消灯することで、回転装飾体3210を見え易くすることで、回転装飾体3210がいつの間にか移動しているような演出を遊技者に見せることができる。
このように、本実施形態の裏第二演出ユニット3200によれば、複数の回転装飾体3210により様々な可動演出を行うことができると共に、裏第二装飾基板3240の複数のLED3241により様々な発光演出を行うことができる。また、それら可動演出と発光演出とを適宜組合せることで、多彩な演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
[5-9c.裏第三演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏第三演出ユニット3300について、主に図47乃至図51等を参照して詳細に説明する。図47は裏ユニットの裏第三演出ユニットを前から見た斜視図であり、図48は裏ユニットの裏第三演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図49は裏第三演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図50は裏第三演出ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図51は、左横リング装飾体及び右横リング装飾体を出現位置へ移動させた状態で裏第三演出ユニットにおける駆動の機構と装飾基板を示す正面図である。裏ユニット3000の裏第三演出ユニット3300は、裏第二演出ユニット3200の後方で裏箱3010内に取付けられているものである。
裏ユニット3000の裏第三演出ユニット3300は、裏箱3010内に取付けられ、四角形で枠状のユニットベース3301と、ユニットベース3301の前面の上部に設けられている上部ユニット3310と、ユニットベース3301の前面の下部に設けられている下部ユニット3330と、ユニットベース3301の前面の左部に設けられている左部ユニット3350と、ユニットベース3301の前面の右部に設けられている右部ユニット3370と、を備えている。
裏第三演出ユニット3300の上部ユニット3310は、ユニットベース3301の上部における左右方向中央付近において開閉可能に取付けられている上縦リング装飾体3311と、上縦リング装飾体3311の後側に取付けられている上縦リング装飾基板3315と、ユニットベース3301の前面における右上隅に取付けられており、回転軸がユニットベース3301の後方に突出している裏第三上駆動モータ3320と、裏第三上駆動モータ3320の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3321と、駆動ギア3321の回転により回転しユニットベース3301に回転可能に取付けられている回転リンク部材3322と、回転リンク部材3322の回転により左右方向へスライドして上縦リング装飾体3311を開閉させるスライドリンク部材3323と、を備えている。
また、上部ユニット3310は、上縦リング装飾体3311の開閉位置を検知する上検知センサ3324と、上縦リング装飾体3311の一部を前側から覆うようにユニットベース3301の前面に取付けられている前カバー3325と、駆動ギア3321を後方から覆うようにユニットベース3301の後面に取付けられているギアカバー3326と、上縦リング装飾体3311が閉鎖する方向へスライドリンク部材3323を付勢している上部用バネ3327と、を備えている。
上縦リング装飾体3311は、基端側が前後に延びた軸周りに対して回動可能にユニットベース3301に取付けられている第一装飾体3312と、第一装飾体3312の基端側の右側で基端側が前後に延びた軸周りに対して回動可能にユニットベース3301に取付けられている第二装飾体3313と、から構成されている。第一装飾体3312と第二装飾体3313は、一部を除いて、垂直線に対して左右対称に形成されている。第一装飾体3312及び第二装飾体3313は、基端側から直線状に短く延びた上で、その先端から直線状の部位の延長線が弦の腹の内側を向くように略半円状に基端側から遠ざかる方向へ延びた後に、更に弦の腹を同じ方向へ向けて約1/2半円弧状に基端側から遠ざかる方向へ延びた波状に形成されている。
第一装飾体3312及び第二装飾体3313は、基端側から先端側まで略一定の幅で延びている。第一装飾体3312及び第二装飾体3313は、延びている方向に沿って、三つの直径の大きな大径装飾部3311aと、六つの直径の小さな小径装飾部3311bと、を有している。
第一装飾体3312は、基端側においてユニットベース3301に回動可能に支持される軸孔3312aと、軸孔3312aを中心として第二装飾体3313側を向くように円弧状に設けられている第一ギア部3312bと、基端側から先端側とは反対側へ突出しているリンク片3312cと、リンク片3312cを貫通しており軸孔3312aへ向かって延びている長孔状のリンクスリット3312dと、を有している。リンクスリット3312dは、内部に、後述するスライドリンク部材3323の伝達ピン3323bが、摺動可能に挿入される。
第二装飾体3313は、基端側においてユニットベース3301に回動可能に支持される軸孔3313aと、軸孔3313aを中心として第一装飾体3312側を向くように円弧状に設けられていると共に第一ギア部3312bと噛合する第二ギア部3313bと、を有している。第二装飾体3313は、第一装飾体3312を回動させると、第一ギア部3312bと第二ギア部3313bとの噛合により、第一装飾体3312とは反対方向へ回動する。これにより、上縦リング装飾体3311は、第一装飾体3312と第二装飾体3313とが、基端側を中心として先端側が開閉するように可動する。
上縦リング装飾基板3315は、第一装飾体3312及び第二装飾体3313の夫々の後面に取付けられており、大径装飾部3311aの後方となる第一LED3316と、小径装飾部3311bの後方となる第二LED3317と、が実装されている。本実施形態では、第一LED3316がフルカラーLEDであり、第二LED3317が単色LEDである。
裏第三上駆動モータ3320は、駆動トルクの高いモータを用いている。回転リンク部材3322は、裏第三上駆動モータ3320の左方における裏第三上駆動モータ3320の回転軸と同じ高さの位置において、ユニットベース3301に回転可能に取付けられている。回転リンク部材3322は、駆動ギア3321と噛合する平歯車状の伝達ギア部3322aと、偏芯した位置から前方へ円柱状に突出しているクランクピン3322bと、を備えている。回転リンク部材3322のクランクピン3322bは、後述するスライドリンク部材3323の伝達スリット3323a内に摺動可能に挿入される。
スライドリンク部材3323は、基端側が裏第三上駆動モータ3320付近に位置していると共に、先端側がユニットベース3301の左右方向中央(上縦リング装飾体3311の回動可能に支持されている部位)付近まで、左右方向へ延びていると共に、ユニットベース3301に対して左右方向へスライド可能に取付けられている。スライドリンク部材3323は、回転リンク部材3322の回転中心よりも上方に設けられている。スライドリンク部材3323は、基端側において上下に延びていると共に回転リンク部材3322のクランクピン3322bが摺動可能に挿入される伝達スリット3323aと、先端側において前方へ円柱状に突出しており第一装飾体3312のリンクスリット3312d内に摺動可能に挿入される伝達ピン3323bと、基端側において上検知センサ3324により検知される検知片3323cと、を有している。
スライドリンク部材3323の伝達スリット3323aは、回転リンク部材3322の回転中心よりも右方に位置しており、下端が回転リンク部材3322の回転中心よりも下方に位置していると共に、先端側へ向かうように屈曲している。また、スライドリンク部材3323は、上部用バネ3327の一端側(左端側)が掛止される鉤部3323dを有している。スライドリンク部材3323は、鉤部3323dに掛止された上部用バネ3327により、常時、右方へ付勢されている。
上部ユニット3310は、通常の状態では、スライドリンク部材3323が右方への移動端に位置しており、第一装飾体3312と第二装飾体3313の互いの先端同士が最も離れて上縦リング装飾体3311が最も開いた待機位置の状態にしていている。上縦リング装飾体3311が待機位置の状態では、第一装飾体3312と第二装飾体3313とが、枠状のユニットベース3301における枠内の上縁付近に夫々が位置している。また、通常の状態では、回転リンク部材3322のクランクピン3322bが、スライドリンク部材3323における伝達スリット3323aの下端の屈曲している部位に位置している。更に、通常の状態では、スライドリンク部材3323の検知片3323cが、上検知センサ3324により検知されている。
この通常の状態では、上縦リング装飾体3311の第一装飾体3312及び第二装飾体3313における夫々の先端側が、夫々の回動中心を通る垂直線から遠ざかっているため、夫々にかかる重力によって夫々の先端側が互いに接近しようとする回転モーメントが作用しており、その回転モーメントにより、第一装飾体3312のリンクスリット3312d及びスライドリンク部材3323の伝達ピン3323bを介して、スライドリンク部材3323を左方へ移動させようとする力が作用している。このスライドリンク部材3323を左方へ移動させようとする力により、スライドリンク部材3323の伝達スリット3323a介してクランクピン3322bに左方へ移動させようとする力が作用することとなる。
そして、通常の状態では、クランクピン3322bが公転中心(回転リンク部材3322の回転中心)に対して下方に位置していることから、クランクピン3322bが下方且つ左方へ移動するように時計回りの方向へ公転しようとするが、クランクピン3322bが伝達スリット3323aの下端に位置しているため、クランクピン3322bがこれ以上、時計回りの方向へ公転することができず、クランクピン3322bが公転することはない。つまり、通常の状態では、上縦リング装飾体3311側からの力が作用しても、上縦リング装飾体3311が閉じる(出現位置側へ移動する)ことはなく、開いたままの待機位置の状態でロックされており、上縦リング装飾体3311側から裏第三上駆動モータ3320への負荷が遮断されている。
この通常の状態で、裏第三上駆動モータ3320により駆動ギア3321を介して回転リンク部材3322を反時計回りの方向へ回転させると、回転リンク部材3322のクランクピン3322bが伝達スリット3323a内を上昇する方向へ摺動するように公転し、スライドリンク部材3323が上部用バネ3327の付勢力に抗して左方へスライドする。このスライドリンク部材3323が左方へ移動すると、先端の伝達ピン3323bによりリンクスリット3312dを介して第一装飾体3312が、その先端側が下方へ移動するように軸孔3312aを中心として反時計周りの方向へ回動すると共に、第一ギア部3312bと噛合している第二ギア部3313bにより、第二装飾体3313が軸孔3313aを中心として時計回りの方向へ回動することとなる。つまり、第一装飾体3312の先端と第二装飾体3313の先端とが、互いに接近する(上縦リング装飾体3311が閉じるように)ように夫々が回動する。
また、スライドリンク部材3323が左方へスライドすることで、検知片3323cも左方へ一緒に移動するため、上検知センサ3324が非検知の状態となる。
そして、回転リンク部材3322のクランクピン3322bが、反時計回りの方向へ公転することで、クランクピン3322bが伝達スリット3323a内を上方へ摺動した後に下方へ摺動し、クランクピン3322bが通常の状態から180度以上公転して、伝達スリット3323aの下端付近(公転中心よりも下方)に位置すると、裏第三上駆動モータ3320の駆動が停止する。この状態では、上縦リング装飾体3311が閉じるように、第一装飾体3312と第二装飾体3313の夫々の先端同士が接近した出現位置の状態となっている。この出現位置の状態は、待機位置の状態から、第一装飾体3312及び第二装飾体3313が夫々50度回動した状態である。
この出現位置の状態では、上部用バネ3327の付勢力により、スライドリンク部材3323を右方へ移動させようする力が作用しているため、スライドリンク部材3323の伝達スリット3323a介してクランクピン3322bに右方へ移動させようとする力が作用している。この出現位置の状態では、クランクピン3322bが公転中心(回転リンク部材3322の回転中心)に対して下方に位置していることから、クランクピン3322bが下方且つ右方へ移動するように反時計回りの方向へ公転しようとするが、クランクピン3322bが伝達スリット3323aの下端に位置しているため、クランクピン3322bがこれ以上、反時計回りの方向へ公転することができず、クランクピン3322bが公転することはない。つまり、出現位置の状態では、上部用バネ3327等からの力が作用しても、上縦リング装飾体3311が開く(待機位置側へ移動する)ことはなく、閉じたままの出現位置の状態でロックされており、上縦リング装飾体3311側から裏第三上駆動モータ3320への負荷が遮断されている。
本実施形態では、第一装飾体3312及び第二装飾体3313は、夫々の先端同士が接するまで回動することはなく、通常の状態(待機位置)の状態から、夫々50度回動した位置(出現位置)で停止する。上縦リング装飾体3311を、待機位置から出現位置側へ移動させると、上縦リング装飾体3311(第一装飾体3312及び第二装飾体3313)が、枠状のユニットベース3301の枠内に位置した状態となる。なお、上縦リング装飾体3311を、出現位置から待機位置へ移動させる場合は、スライドリンク部材3323の検知片3323cが上検知センサ3324により検知されるまで、裏第三上駆動モータ3320を上記とは逆方向に駆動させることで、待機位置の状態に復帰させることができる。
このように、上部ユニット3310では、裏第三上駆動モータ3320により上縦リング装飾体3311を、開いた待機位置の状態と、閉じた出現位置の状態との間で開閉させることができる。
また、本実施形態では、裏第三上駆動モータ3320を定電流駆動方式にて駆動させることで、高トルクで駆動ギア3321を回転させており、上縦リング装飾体3311を待機位置と出現位置との間で、650msと言う極めて短い時間で移動(開閉)させることができる。
裏第三演出ユニット3300の下部ユニット3330は、ユニットベース3301の下部における左右方向中央付近において開閉可能に取付けられている下縦リング装飾体3331と、下縦リング装飾体3331の後側に取付けられている下縦リング装飾基板3335と、ユニットベース3301の前面における左下隅に取付けられており、回転軸がユニットベース3301の後方に突出している裏第三下駆動モータ3340と、裏第三下駆動モータ3340の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3341と、駆動ギア3341の回転により回転しユニットベース3301に回転可能に取付けられている回転リンク部材3342と、回転リンク部材3342の回転により左右方向へスライドして下縦リング装飾体3331を開閉させるスライドリンク部材3343と、を備えている。
また、下部ユニット3330は、下縦リング装飾体3331の開閉位置を検知する下検知センサ3344と、下縦リング装飾体3331の一部を前側から覆うようにユニットベース3301の前面に取付けられている前カバー3345と、駆動ギア3341を後方から覆うようにユニットベース3301の後面に取付けられているギアカバー3346と、下縦リング装飾体3331が閉鎖する方向へスライドリンク部材3343を付勢している下部用バネ3347と、を備えている。
下縦リング装飾体3331は、基端側が前後に延びた軸周りに対して回動可能にユニットベース3301に取付けられている第一装飾体3332と、第一装飾体3332の基端側の左側で基端側が前後に延びた軸周りに対して回動可能にユニットベース3301に取付けられている第二装飾体3333と、から構成されている。第一装飾体3332と第二装飾体3333は、一部を除いて、垂直線に対して左右対称に形成されている。第一装飾体3332及び第二装飾体3333は、基端側から直線状に短く延びた上で、その先端から直線状の部位の延長線が弦の腹の内側を向くように略半円状に基端側から遠ざかる方向へ延びた後に、更に弦の腹を同じ方向へ向けて約1/2半円弧状に基端側から遠ざかる方向へ延びた波状に形成されている。
第一装飾体3332及び第二装飾体3333は、基端側から先端側まで略一定の幅で延びている。第一装飾体3332及び第二装飾体3333は、延びている方向に沿って、三つの直径の大きな大径装飾部3331aと、六つの直径の小さな小径装飾部3331bと、を有している。
第一装飾体3332は、基端側においてユニットベース3301に回動可能に支持される軸孔3332aと、軸孔3332aを中心として第二装飾体3333側を向くように円弧状に設けられている第一ギア部3332bと、基端側から先端側とは反対側へ突出しているリンク片3332cと、リンク片3332cを貫通しており軸孔3312aへ向かって延びている長孔状のリンクスリット3332dと、を有している。リンクスリット3332dは、内部に、後述するスライドリンク部材3343の伝達ピン3343bが、摺動可能に挿入される。
第二装飾体3333は、基端側においてユニットベース3301に回動可能に支持される軸孔3333aと、軸孔3333aを中心として第一装飾体3332側を向くように円弧状に設けられていると共に第一ギア部3332bと噛合する第二ギア部3333bと、を有している。第二装飾体3333は、第一装飾体3332を回動させると、第一ギア部3332bと第二ギア部3333bとの噛合により、第一装飾体3332とは反対方向へ回動する。これにより、下縦リング装飾体3331は、第一装飾体3332と第二装飾体3333とが、基端側を中心として先端側が開閉するように可動する。
下縦リング装飾基板3335は、第一装飾体3332及び第二装飾体3333の夫々の後面に取付けられており、大径装飾部3331aの後方となる第一LED3336と、小径装飾部3331bの後方となる第二LED3337と、が実装されている。本実施形態では、第一LED3336がフルカラーLEDであり、第二LED3337が単色LEDである。
裏第三下駆動モータ3340は、駆動トルクの高いモータを用いている。回転リンク部材3342は、裏第三下駆動モータ3340の右方における裏第三下駆動モータ3340の回転軸と同じ高さの位置において、ユニットベース3301に回転可能に取付けられている。回転リンク部材3342は、駆動ギア3341と噛合する平歯車状の伝達ギア部3342aと、偏芯した位置から前方へ円柱状に突出しているクランクピン3342bと、を備えている。回転リンク部材3342のクランクピン3342bは、後述するスライドリンク部材3343の伝達スリット3343a内に摺動可能に挿入される。
スライドリンク部材3343は、基端側が裏第三下駆動モータ3340付近に位置していると共に、先端側がユニットベース3301の左右方向中央(下縦リング装飾体3331の回動可能に支持されている部位)付近まで、左右方向へ延びていると共に、ユニットベース3301に対して左右方向へスライド可能に取付けられている。スライドリンク部材3343は、回転リンク部材3342の回転中心よりも下方に設けられている。スライドリンク部材3343は、基端側において上下に延びていると共に回転リンク部材3342のクランクピン3342bが摺動可能に挿入される伝達スリット3343aと、先端側において前方へ円柱状に突出しており第一装飾体3332のリンクスリット3332d内に摺動可能に挿入される伝達ピン3343bと、基端側において下検知センサ3344により検知される検知片3343cと、を有している。
スライドリンク部材3343の伝達スリット3343aは、回転リンク部材3342の回転中心よりも左方に位置しており、上端が回転リンク部材3342の回転中心よりも上方に位置していると共に、先端側へ向かうように屈曲している。また、スライドリンク部材3343は、下部用バネ3347の一端側(左端側)が掛止される鉤部3343dを有している。スライドリンク部材3343は、鉤部3343dに掛止された下部用バネ3347により、常時、左方へ付勢されている。
下部ユニット3330は、通常の状態では、スライドリンク部材3343が左方への移動端に位置しており、第一装飾体3332と第二装飾体3333の互いの先端同士が最も離れて下縦リング装飾体3331が最も開いた待機位置の状態にしていている。下縦リング装飾体3331が待機位置の状態では、第一装飾体3332と第二装飾体3333とが、枠状のユニットベース3301における枠内の下縁付近に夫々が位置している。また、通常の状態では、回転リンク部材3342のクランクピン3342bが、スライドリンク部材3343における伝達スリット3343aの上端の屈曲している部位に位置している。更に、通常の状態では、スライドリンク部材3343の検知片3343cが、下検知センサ3344により検知されている。
この通常の状態では、下縦リング装飾体3331の第一装飾体3332及び第二装飾体3333における夫々の先端側が、夫々の回動中心を通る垂直線から遠ざかっているため、夫々にかかる重力によって夫々の先端側が互いに接近しようとする回転モーメントが作用しており、その回転モーメントにより、第一装飾体3332のリンクスリット3332d及びスライドリンク部材3343の伝達ピン3343bを介して、スライドリンク部材3343を右方へ移動させようとする力が作用している。このスライドリンク部材3343を右方へ移動させようとする力により、スライドリンク部材3343の伝達スリット3343a介してクランクピン3342bに右方へ移動させようとする力が作用することとなる。
そして、通常の状態では、クランクピン3342bが公転中心(回転リンク部材3342の回転中心)に対して上方に位置していることから、クランクピン3342bが上方且つ右方へ移動するように時計回りの方向へ公転しようとするが、クランクピン3342bが伝達スリット3343aの上端に位置しているため、クランクピン3342bがこれ以上、時計回りの方向へ公転することができず、クランクピン3342bが公転することはない。つまり、通常の状態では、下縦リング装飾体3331側からの力が作用しても、下縦リング装飾体3331が更に開くことはなく、待機位置のままの状態でロックされており、下縦リング装飾体3331側から裏第三下駆動モータ3340への負荷が遮断されている。
この通常の状態で、裏第三下駆動モータ3340により駆動ギア3341を介して回転リンク部材3342を反時計回りの方向へ回転させると、回転リンク部材3342のクランクピン3342bが伝達スリット3343a内を下降する方向へ摺動するように公転し、スライドリンク部材3343が下部用バネ3347の付勢力に抗して右方へスライドする。このスライドリンク部材3343が右方へ移動すると、先端の伝達ピン3343bによりリンクスリット3332dを介して第一装飾体3332が、その先端側が上方へ移動するように軸孔3332aを中心として反時計周りの方向へ回動すると共に、第一ギア部3332bと噛合している第二ギア部3333bにより、第二装飾体3333が軸孔3333aを中心として時計回りの方向へ回動することとなる。つまり、第一装飾体3332の先端と第二装飾体3333の先端とが、互いに接近する(下縦リング装飾体3331が閉じるように)ように夫々が回動する。
また、スライドリンク部材3343が右方へスライドすることで、検知片3343cも右方へ一緒に移動するため、下検知センサ3344が非検知の状態となる。
そして、回転リンク部材3342のクランクピン3342bが、反時計回りの方向へ公転することで、クランクピン3342bが伝達スリット3343a内を下方へ摺動した後に上方へ摺動し、クランクピン3342bが通常の状態から180度以上公転して、伝達スリット3343aの上端付近(公転中心よりも上方)に位置すると、裏第三下駆動モータ3340の駆動が停止する。この状態では、下縦リング装飾体3331が閉じるように、第一装飾体3332と第二装飾体3333の夫々の先端同士が接近した出現位置の状態となっている。この出現位置の状態は、待機位置の状態から、第一装飾体3332及び第二装飾体3333が夫々50度回動した状態である。
この出現位置の状態では、下部用バネ3347の付勢力により、スライドリンク部材3343を左方へ移動させようする力が作用しているため、スライドリンク部材3343の伝達スリット3343a介してクランクピン3342bに左方へ移動させようとする力が作用している。この出現位置の状態では、クランクピン3342bが公転中心(回転リンク部材3342の回転中心)に対して上方に位置していることから、クランクピン3342bが上方且つ左方へ移動するように反時計回りの方向へ公転しようとするが、クランクピン3342bが伝達スリット3343aの上端に位置しているため、クランクピン3342bがこれ以上、反時計回りの方向へ公転することができず、クランクピン3342bが公転することはない。つまり、出現位置の状態では、下部用バネ3347等からの力が作用しても、下縦リング装飾体3331が開く(待機位置側へ移動する)ことはなく、閉じたままの出現位置の状態でロックされており、下縦リング装飾体3331側から裏第三下駆動モータ3340への負荷が遮断されている。
本実施形態では、第一装飾体3332及び第二装飾体3333は、夫々の先端同士が接するまで回動することはなく、通常の状態(待機位置)の状態から、夫々50度回動した位置(出現位置)で停止する。下縦リング装飾体3331を、待機位置から出現位置側へ移動させると、下縦リング装飾体3331(第一装飾体3332及び第二装飾体3333)が、枠状のユニットベース3301の枠内に位置した状態となる。なお、下縦リング装飾体3331を、出現位置から待機位置へ移動させる場合は、スライドリンク部材3343の検知片3343cが下検知センサ3344により検知されるまで、裏第三下駆動モータ3340を上記とは逆方向に駆動させることで、待機位置の状態に復帰させることができる。
このように、下部ユニット3330では、裏第三下駆動モータ3340により下縦リング装飾体3331を、開いた待機位置の状態と、閉じた出現位置の状態との間で開閉させることができる。
また、本実施形態では、裏第三下駆動モータ3340を定電流駆動方式にて駆動させることで、高トルクで駆動ギア3341を回転させており、下縦リング装飾体3331を待機位置と出現位置との間で、650msと言う極めて短い時間で移動(開閉)させることができる。
裏第三演出ユニット3300の左部ユニット3350は、ユニットベース3301の左部における上下方向中央付近において開閉可能に取付けられている左横リング装飾体3351と、左横リング装飾体3351の後側に取付けられている左横リング装飾基板3355と、ユニットベース3301の前面における左上隅に取付けられており、回転軸がユニットベース3301の後方に突出している裏第三左駆動モータ3360と、裏第三左駆動モータ3360の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3361と、駆動ギア3361の回転により回転しユニットベース3301に回転可能に取付けられている回転リンク部材3362と、回転リンク部材3362の回転により上下方向へスライドして左横リング装飾体3351を開閉させるスライドリンク部材3363と、を備えている。
また、左部ユニット3350は、左横リング装飾体3351の開閉位置を検知する左検知センサ3364と、左横リング装飾体3351の一部を前側から覆うようにユニットベース3301の前面に取付けられている前カバー3365と、駆動ギア3361を後方から覆うようにユニットベース3301の後面に取付けられているギアカバー3366と、を備えている。
左横リング装飾体3351は、基端側が前後に延びた軸周りに対して回動可能にユニットベース3301に取付けられている第一装飾体3352と、第一装飾体3352の基端側の上側で基端側が前後に延びた軸周りに対して回動可能にユニットベース3301に取付けられている第二装飾体3353と、から構成されている。第一装飾体3352と第二装飾体3353は、一部を除いて、水平線に対して上下対称に形成されている。第一装飾体3352及び第二装飾体3353は、基端側から直線状に短く延びた上で、その先端から直線状の部位の延長線が弦の腹の内側を向くように略半円状に基端側から遠ざかる方向へ延びた後に、更に弦の腹を同じ方向へ向けて約1/2半円弧状に基端側から遠ざかる方向へ延びた波状に形成されている。
第一装飾体3352及び第二装飾体3353は、基端側から先端側まで略一定の幅で延びている。第一装飾体3352及び第二装飾体3353は、延びている方向に沿って、三つの直径の大きな大径装飾部3351aと、六つの直径の小さな小径装飾部3351bと、を有している。
第一装飾体3352は、基端側においてユニットベース3301に回動可能に支持される軸孔3352aと、軸孔3352aを中心として第二装飾体3353側を向くように円弧状に設けられている第一ギア部3352bと、基端側から先端側とは反対側へ突出しているリンク片3352cと、リンク片3352cを貫通しており軸孔3352aへ向かって延びている長孔状のリンクスリット3352dと、を有している。リンクスリット3352dは、内部に、後述するスライドリンク部材3363の伝達ピン3363bが、摺動可能に挿入される。
第二装飾体3353は、基端側においてユニットベース3301に回動可能に支持される軸孔3353aと、軸孔3353aを中心として第一装飾体3352側を向くように円弧状に設けられていると共に第一ギア部3352bと噛合する第二ギア部3353bと、を有している。第二装飾体3353は、第一装飾体3352を回動させると、第一ギア部3352bと第二ギア部3353bとの噛合により、第一装飾体3352とは反対方向へ回動する。これにより、左横リング装飾体3351は、第一装飾体3352と第二装飾体3353とが、基端側を中心として先端側が開閉するように可動する。
左横リング装飾基板3355は、第一装飾体3352及び第二装飾体3353の夫々の後面に取付けられており、大径装飾部3351aの後方となる第一LED3356と、小径装飾部3351bの後方となる第二LED3357と、が実装されている。本実施形態では、第一LED3356がフルカラーLEDであり、第二LED3357が単色LEDである。
裏第三左駆動モータ3360は、駆動トルクの高いモータを用いている。回転リンク部材3362は、裏第三左駆動モータ3360の下方における裏第三左駆動モータ3360の回転軸を通る垂直線上の位置において、ユニットベース3301に回転可能に取付けられている。回転リンク部材3362は、駆動ギア3361と噛合する平歯車状の伝達ギア部3362aと、偏芯した位置から前方へ円柱状に突出しているクランクピン3362bと、を備えている。回転リンク部材3362のクランクピン3362bは、後述するスライドリンク部材3363の伝達スリット3363a内に摺動可能に挿入される。
スライドリンク部材3363は、基端側が裏第三左駆動モータ3360付近に位置していると共に、先端側がユニットベース3301の上下方向中央(左横リング装飾体3351の回動可能に支持されている部位)付近まで、上下方向へ延びていると共に、ユニットベース3301に対して上下方向へスライド可能に取付けられている。スライドリンク部材3363は、回転リンク部材3362の回転中心よりも左方に設けられている。スライドリンク部材3363は、基端側において左右に延びていると共に回転リンク部材3362のクランクピン3362bが摺動可能に挿入される伝達スリット3363aと、先端側において前方へ円柱状に突出しており第一装飾体3352のリンクスリット3352d内に摺動可能に挿入される伝達ピン3363bと、基端側において左検知センサ3364により検知される検知片3363cと、を有している。
スライドリンク部材3363の伝達スリット3363aは、回転リンク部材3362の回転中心よりも下方に位置しており、右端が回転リンク部材3362の回転中心よりも右方に位置していると共に、先端側へ向かうように屈曲している。
左部ユニット3350は、通常の状態では、スライドリンク部材3363が上方への移動端に位置しており、第一装飾体3352と第二装飾体3353の互いの先端同士が最も離れて左横リング装飾体3351が最も開いた待機位置の状態にしていている。左横リング装飾体3351が待機位置の状態では、第一装飾体3352と第二装飾体3353とが、枠状のユニットベース3301における枠内の左縁付近に夫々が位置している。また、通常の状態では、回転リンク部材3362のクランクピン3362bが、スライドリンク部材3363における伝達スリット3363aの右端に位置している。更に、通常の状態では、スライドリンク部材3363の検知片3363cが、左検知センサ3364により検知されている。
この通常の状態では、左横リング装飾体3351の第一装飾体3352及び第二装飾体3353における夫々の先端側が、夫々の回動中心を通る垂直線に接近して重心が回動中心よりも右方に位置している。そのため、第一装飾体3352及び第二装飾体3353では、時計回りの方向へ回動しようとする回転モーメントが夫々に作用することとなるが、第一装飾体3352の第一ギア部3352bと第二装飾体3353の第二ギア部3353bとが噛合していることから、夫々にかかる回転モーメントが相殺され、待機位置の状態で維持される。これにより、左横リング装飾体3351側からは、リンクスリット3352d及び伝達ピン3363bを介して、スライドリンク部材3323を上下方向へスライドさせようとする力が殆ど作用することはなく、左横リング装飾体3351側から裏第三左駆動モータ3360へ負荷がかかることは殆どない。
この通常の状態で、裏第三左駆動モータ3360により駆動ギア3361を介して回転リンク部材3362を反時計回りの方向へ回転させると、回転リンク部材3362のクランクピン3362bが伝達スリット3363a内を左方向へ摺動するように公転し、スライドリンク部材3363が下方へスライドする。このスライドリンク部材3363が下方へ移動すると、先端の伝達ピン3363bによりリンクスリット3352dを介して第一装飾体3352が、その先端側が上方へ移動するように軸孔3352aを中心として反時計周りの方向へ回動すると共に、第一ギア部3352bと噛合している第二ギア部3353bにより、第二装飾体3353が軸孔3353aを中心として時計回りの方向へ回動することとなる。つまり、第一装飾体3352の先端と第二装飾体3353の先端とが、互いに接近する(左横リング装飾体3351が閉じるように)ように夫々が回動する。
また、スライドリンク部材3363が下方へスライドすることで、検知片3363cも下方へ一緒に移動するため、左検知センサ3364が非検知の状態となる。
そして、回転リンク部材3362のクランクピン3362bが、反時計回りの方向へ公転することで、クランクピン3362bが伝達スリット3363a内を左方へ摺動した後に右方へ摺動し、クランクピン3362bが通常の状態から180度以上公転して、伝達スリット3363aの右端付近(公転中心よりも右方)に位置すると、裏第三左駆動モータ3360の駆動が停止する。この状態では、左横リング装飾体3351が閉じるように、第一装飾体3352と第二装飾体3353の夫々の先端同士が接近した出現位置の状態となっている。この出現位置の状態は、待機位置の状態から、第一装飾体3352及び第二装飾体3353が夫々50度回動した状態である。
この出現位置の状態では、左横リング装飾体3351の第一装飾体3352及び第二装飾体3353が、夫々の回動中心から右方へ延びた状態となっているため、第一装飾体3352及び第二装飾体3353に対して、時計回りの方向へ回動しようとする回転モーメントが夫々に作用することとなるが、第一装飾体3352の第一ギア部3352bと第二装飾体3353の第二ギア部3353bとが噛合していることから、夫々にかかる回転モーメントが相殺され、出現位置の状態で維持される。これにより、左横リング装飾体3351側からは、リンクスリット3352d及び伝達ピン3363bを介して、スライドリンク部材3323を上下方向へスライドさせようとする力が殆ど作用することはなく、左横リング装飾体3351側から裏第三左駆動モータ3360へ負荷がかかることは殆どない。
本実施形態では、第一装飾体3352及び第二装飾体3353は、夫々の先端同士が接するまで回動することはなく、通常の状態(待機位置)の状態から、夫々50度回動した位置(出現位置)で停止する。左横リング装飾体3351を、待機位置から出現位置側へ移動させると、左横リング装飾体3351(第一装飾体3352及び第二装飾体3353)が、枠状のユニットベース3301の枠内に位置した状態となる。なお、左横リング装飾体3351を、出現位置から待機位置へ移動させる場合は、スライドリンク部材3363の検知片3363cが左検知センサ3364により検知されるまで、裏第三左駆動モータ3360を上記とは逆方向に駆動させることで、待機位置の状態に復帰させることができる。
このように、左部ユニット3350では、裏第三上駆動モータ3320により左横リング装飾体3351を、開いた待機位置の状態と、閉じた出現位置の状態との間で開閉させることができる。
また、本実施形態では、裏第三左駆動モータ3360を定電流駆動方式にて駆動させることで、高トルクで駆動ギア3361を回転させており、左横リング装飾体3351を待機位置と出現位置との間で、650msと言う極めて短い時間で移動(開閉)させることができる。
裏第三演出ユニット3300の右部ユニット3370は、ユニットベース3301の右部における上下方向中央付近において開閉可能に取付けられている右横リング装飾体3371と、右横リング装飾体3371の後側に取付けられている右横リング装飾基板3375と、ユニットベース3301の前面における右下隅に取付けられており、回転軸がユニットベース3301の後方に突出している裏第三右駆動モータ3380と、裏第三右駆動モータ3380の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3381と、駆動ギア3381の回転により回転しユニットベース3301に回転可能に取付けられている回転リンク部材3382と、回転リンク部材3382の回転により上下方向へスライドして右横リング装飾体3371を開閉させるスライドリンク部材3383と、を備えている。
また、右部ユニット3370は、右横リング装飾体3371の開閉位置を検知する右検知センサ3384と、右横リング装飾体3371の一部を前側から覆うようにユニットベース3301の前面に取付けられている前カバー3385と、駆動ギア3381を後方から覆うようにユニットベース3301の後面に取付けられているギアカバー3386と、を備えている。
右横リング装飾体3371は、基端側が前後に延びた軸周りに対して回動可能にユニットベース3301に取付けられている第一装飾体3372と、第一装飾体3372の基端側の上側で基端側が前後に延びた軸周りに対して回動可能にユニットベース3301に取付けられている第二装飾体3373と、から構成されている。第一装飾体3372と第二装飾体3373は、一部を除いて、水平線に対して上下対称に形成されている。第一装飾体3372及び第二装飾体3373は、基端側から直線状に短く延びた上で、その先端から直線状の部位の延長線が弦の腹の内側を向くように略半円状に基端側から遠ざかる方向へ延びた後に、更に弦の腹を同じ方向へ向けて約1/2半円弧状に基端側から遠ざかる方向へ延びた波状に形成されている。
第一装飾体3372及び第二装飾体3373は、基端側から先端側まで略一定の幅で延びている。第一装飾体3372及び第二装飾体3373は、延びている方向に沿って、三つの直径の大きな大径装飾部3371aと、六つの直径の小さな小径装飾部3371bと、を有している。
第一装飾体3372は、基端側においてユニットベース3301に回動可能に支持される軸孔3372aと、軸孔3372aを中心として第二装飾体3373側を向くように円弧状に設けられている第一ギア部3372bと、基端側から先端側とは反対側へ突出しているリンク片3372cと、リンク片3372cを貫通しており軸孔3372aへ向かって延びている長孔状のリンクスリット3372dと、を有している。リンクスリット3372dは、内部に、後述するスライドリンク部材3383の伝達ピン3383bが、摺動可能に挿入される。
第二装飾体3373は、基端側においてユニットベース3301に回動可能に支持される軸孔3373aと、軸孔3373aを中心として第一装飾体3372側を向くように円弧状に設けられていると共に第一ギア部3372bと噛合する第二ギア部3373bと、を有している。第二装飾体3373は、第一装飾体3372を回動させると、第一ギア部3372bと第二ギア部3373bとの噛合により、第一装飾体3372とは反対方向へ回動する。これにより、右横リング装飾体3371は、第一装飾体3372と第二装飾体3373とが、基端側を中心として先端側が開閉するように可動する。
右横リング装飾基板3375は、第一装飾体3372及び第二装飾体3373の夫々の後面に取付けられており、大径装飾部3371aの後方となる第一LED3376と、小径装飾部3371bの後方となる第二LED3377と、が実装されている。本実施形態では、第一LED3376がフルカラーLEDであり、第二LED3377が単色LEDである。
裏第三右駆動モータ3380は、駆動トルクの高いモータを用いている。回転リンク部材3382は、裏第三右駆動モータ3380の上方における裏第三右駆動モータ3380の回転軸を通る垂直線上の位置において、ユニットベース3301に回転可能に取付けられている。回転リンク部材3382は、駆動ギア3381と噛合する平歯車状の伝達ギア部3382aと、偏芯した位置から前方へ円柱状に突出しているクランクピン3382bと、を備えている。回転リンク部材3382のクランクピン3382bは、後述するスライドリンク部材3383の伝達スリット3383a内に摺動可能に挿入される。
スライドリンク部材3383は、基端側が裏第三右駆動モータ3380付近に位置していると共に、先端側がユニットベース3301の上下方向中央(右横リング装飾体3371の回動可能に支持されている部位)付近まで、上下方向へ延びていると共に、ユニットベース3301に対して上下方向へスライド可能に取付けられている。スライドリンク部材3383は、回転リンク部材3382の回転中心よりも右方に設けられている。スライドリンク部材3383は、基端側において左右に延びていると共に回転リンク部材3382のクランクピン3382bが摺動可能に挿入される伝達スリット3383aと、先端側において前方へ円柱状に突出しており第一装飾体3372のリンクスリット3372d内に摺動可能に挿入される伝達ピン3383bと、基端側において右検知センサ3384により検知される検知片3383cと、を有している。
スライドリンク部材3383の伝達スリット3383aは、回転リンク部材3382の回転中心よりも上方に位置しており、左端が回転リンク部材3382の回転中心よりも左方に位置していると共に、先端側とは反対側へ向かうように屈曲している。
右部ユニット3370は、通常の状態では、スライドリンク部材3383が上方への移動端に位置しており、第一装飾体3372と第二装飾体3373の互いの先端同士が最も離れて右横リング装飾体3371が最も開いた待機位置の状態にしていている。右横リング装飾体3371が待機位置の状態では、第一装飾体3372と第二装飾体3373とが、枠状のユニットベース3301における枠内の右縁付近に夫々が位置している。また、通常の状態では、回転リンク部材3382のクランクピン3382bが、スライドリンク部材3383における伝達スリット3383aの左端に位置している。更に、通常の状態では、スライドリンク部材3383の検知片3383cが、右検知センサ3384により検知されている。
この通常の状態では、右横リング装飾体3371の第一装飾体3372及び第二装飾体3373における夫々の先端側が、夫々の回動中心を通る垂直線に接近して重心が回動中心よりも左方に位置している。そのため、第一装飾体3372及び第二装飾体3373では、反時計回りの方向へ回動しようとする回転モーメントが夫々に作用することとなるが、第一装飾体3372の第一ギア部3372bと第二装飾体3373の第二ギア部3373bとが噛合していることから、夫々にかかる回転モーメントが相殺され、待機位置の状態で維持される。これにより、右横リング装飾体3371側からは、リンクスリット3382d及び伝達ピン3383bを介して、スライドリンク部材3383を上下方向へスライドさせようとする力が殆ど作用することはなく、右横リング装飾体3371側から裏第三右駆動モータ3380へ負荷がかかることは殆どない。
この通常の状態で、裏第三右駆動モータ3380により駆動ギア3381を介して回転リンク部材3382を時計回りの方向へ回転させると、回転リンク部材3382のクランクピン3382bが伝達スリット3383a内を右方向へ摺動するように公転し、スライドリンク部材3383が下方へスライドする。このスライドリンク部材3383が下方へ移動すると、先端の伝達ピン3383bによりリンクスリット3372dを介して第一装飾体3372が、その先端側が上方へ移動するように軸孔3372aを中心として時計周りの方向へ回動すると共に、第一ギア部3372bと噛合している第二ギア部3373bにより、第二装飾体3373が軸孔3373aを中心として反時計回りの方向へ回動することとなる。つまり、第一装飾体3372の先端と第二装飾体3373の先端とが、互いに接近する(右横リング装飾体3371が閉じるように)ように夫々が回動する。
また、スライドリンク部材3383が下方へスライドすることで、検知片3383cも下方へ一緒に移動するため、右検知センサ3384が非検知の状態となる。
そして、回転リンク部材3382のクランクピン3382bが、時計回りの方向へ公転することで、クランクピン3382bが伝達スリット3383a内を右方へ摺動した後に左方へ摺動し、クランクピン3382bが通常の状態から180度以上公転して、伝達スリット3383aの左端付近(公転中心よりも左方)に位置すると、裏第三右駆動モータ3380の駆動が停止する。この状態では、右横リング装飾体3371が閉じるように、第一装飾体3372と第二装飾体3373の夫々の先端同士が接近した出現位置の状態となっている。この出現位置の状態は、待機位置の状態から、第一装飾体3372及び第二装飾体3373が夫々50度回動した状態である。
この出現位置の状態では、右横リング装飾体3371の第一装飾体3372及び第二装飾体3373が、夫々の回動中心から左方へ延びた状態となっているため、第一装飾体3372及び第二装飾体3373に対して、反時計回りの方向へ回動しようとする回転モーメントが夫々に作用することとなるが、第一装飾体3372の第一ギア部3372bと第二装飾体3373の第二ギア部3373bとが噛合していることから、夫々にかかる回転モーメントが相殺され、出現位置の状態で維持される。これにより、右横リング装飾体3371側からは、リンクスリット3372d及び伝達ピン3383bを介して、スライドリンク部材3383を上下方向へスライドさせようとする力が殆ど作用することはなく、右横リング装飾体3371側から裏第三右駆動モータ3380へ負荷がかかることは殆どない。
本実施形態では、第一装飾体3372及び第二装飾体3373は、夫々の先端同士が接するまで回動することはなく、通常の状態(待機位置)の状態から、夫々50度回動した位置(出現位置)で停止する。右横リング装飾体3371を、待機位置から出現位置側へ移動させると、右横リング装飾体3371(第一装飾体3372及び第二装飾体3373)が、枠状のユニットベース3301の枠内に位置した状態となる。なお、右横リング装飾体3371を、出現位置から待機位置へ移動させる場合は、スライドリンク部材3383の検知片3383cが右検知センサ3384により検知されるまで、裏第三右駆動モータ3380を上記とは逆方向に駆動させることで、待機位置の状態に復帰させることができる。
このように、右部ユニット3370では、裏第三右駆動モータ3380により右横リング装飾体3371を、開いた待機位置の状態と、閉じた出現位置の状態との間で開閉させることができる。
また、本実施形態では、裏第三右駆動モータ3380を定電流駆動方式にて駆動させることで、高トルクで駆動ギア3381を回転させており、右横リング装飾体3371を待機位置と出現位置との間で、650msと言う極めて短い時間で移動(開閉)させることができる。
本実施形態の裏第三演出ユニット3300は、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が、同じ形状に形成されている。裏第三演出ユニット3300の上縦リング装飾体3311と下縦リング装飾体3331とは、前後方向が同じ位置に設けられている。また、左横リング装飾体3351と右横リング装飾体3371とは、前後方向が同じ位置に設けられている。また、裏第三演出ユニット3300では、左横リング装飾体3351及び右横リング装飾体3371が、上縦リング装飾体3311及び下縦リング装飾体3331によりも後方に設けられている。
なお、本実施形態では、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380として、2相のステッピングモータを用いている。
また、本実施形態では、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を装着した状態で、200pps(1パルスの幅は5ms)で駆動することになっており、さらに停止状態から、スローアップ処理なしで200ppsのパルスで励磁しても自起動可能である。
また、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の待機位置から出現位置まで、130stepで移動を完了するので、[130step×5ms=650ms]となり、650msで出現させたり退避させたり(出現/退避)することが可能である。
続いて、裏第三演出ユニット3300における上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を用いた可動演出について説明する。裏第三演出ユニット3300の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371は、通常の状態では、夫々が待機位置の状態となっている。上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が待機位置の状態では、前方に配置されている裏第二演出ユニット3200の裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229aよりも外側に位置しており、前方(遊技者側)から視認不能な状態となっている。
この通常の状態で、裏第三上駆動モータ3320及び裏第三下駆動モータ3340を駆動させて、上縦リング装飾体3311及び下縦リング装飾体3331を待機位置から出現位置へ移動させると、正面視においてユニットベース3301の枠内の中央で、上縦リング装飾体3311の先端と下縦リング装飾体3331の先端とが接近した状態となり、三つのリングが縦(上下)に並んだ装飾を遊技者に見せることができる(図54を参照)。
また、通常の状態で、裏第三左駆動モータ3360及び裏第三右駆動モータ3380を駆動させて、左横リング装飾体3351及び右横リング装飾体3371を待機位置から出現位置へ移動させると、正面視においてユニットベース3301の枠内の中央で、左横リング装飾体3351の先端と右横リング装飾体3371の先端とが接近した状態となり、三つのリングが横(左右)に並んだ装飾を遊技者に見せることができる(図55を参照)。
更に、通常の状態で、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を駆動させて、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、夫々待機位置から出現位置へ移動させると、正面視においてユニットベース3301の枠内の中央で、上縦リング装飾体3311の先端と下縦リング装飾体3331の先端とが接近した状態となると共に、左横リング装飾体3351の先端と右横リング装飾体3371の先端とが接近した状態となり、五つのリングが縦横の十字に並んだ装飾を遊技者に見せることができる(図56を参照)。
また、裏第三演出ユニット3300では、通常の状態で、例えば、裏第三上駆動モータ3320及び裏第三右駆動モータ3380を駆動させて、上縦リング装飾体3311及び右横リング装飾体3371を、待機位置から出現位置への途中の位置まで移動させると、上縦リング装飾体3311(第一装飾体3312及び第二装飾体3313)の先端部分と、右横リング装飾体3371(第一装飾体3372及び第二装飾体3373)の先端部分とが、正面視において裏第二演出ユニット3200における裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229aの内側に位置して、部分的に遊技者側から視認できる(図57を参照)。この状態では、上縦リング装飾体3311の二つの先端が、裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229a内における四隅のうち上側の左右の隅に出現すると共に、右横リング装飾体3371の二つの先端が、裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229a内における四隅のうち右側の上下の隅に出現するため、裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229aの内周形状を変化させることができる。
このように、本実施形態の裏第三演出ユニット3300によれば、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を適宜の組合せで出現位置へ移動させることで、縦、横、或いは、十字、に並んだリングの装飾を出現させることができ、多彩な可動演出を遊技者に見せることができる。
また、上縦リング装飾基板3315の第一LED3316及び第二LED3317、下縦リング装飾基板3335の第一LED3336及び第二LED3337、左横リング装飾基板3355の第一LED3356及び第二LED3357、右横リング装飾基板3375の第一LED3376及び第二LED3377を、適宜発光させることで、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を発光装飾させることができるため、様々な発光演出を遊技者に見せることができる。
[5-10.遊技盤における演出]
次に、遊技盤5における主な演出について、主に図52乃至図60等を参照して詳細に説明する。図52は、裏第二演出ユニットにおける複数の回転装飾体を通常の状態から時計回りの方向へ自転させながら15度公転させた状態で示す遊技盤の正面図である。図53は、裏第二演出ユニットにおける特別回転装飾体を特定位置に移動させた状態で遊技盤の下部を拡大して示す正面図である。図54は、裏第三演出ユニットにおける上縦リング装飾体と下縦リング装飾体とを出現位置に移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図55は、裏第三演出ユニットにおける左横リング装飾体と右横リング装飾体とを出現位置に移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図56は、裏第三演出ユニットにおける上縦リング装飾体、下縦リング装飾体、左横リング装飾体、及び右横リング装飾体を出現位置に移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図57は、裏第三演出ユニットにおける上縦リング装飾体と右横リング装飾体とを出現位置の途中まで移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。
また、図58は、裏上第三演出ユニットにおいて不具合が発生した時における演出表示装置での演出画像の一例を示す遊技盤の正面図である。図59は、裏ユニットにおける発光演出中に実行される影演出の一例を示す遊技盤の正面図である。図60は、扉枠の遊技窓から遊技盤が臨んでいる状態で示すパチンコ機の正面図である。
遊技盤5は、遊技領域5aの後端を区画している遊技パネル1100のパネル板1110、始動口ユニット2100、サイドユニット、2200、アタッカユニット2400、及びセンター役物2500等が、略全体的に透明に形成されていることから、通常の状態では、図24等に示すように、それらを通して、遊技パネル1100の後方に配置されている演出表示装置1600に表示されている演出画像、裏ユニット3000における裏第一演出ユニット3100の裏第一上装飾体3161、裏第一左装飾体3162、裏第一右装飾体3163、裏第一下装飾体3164、裏第二演出ユニット3200における複数の回転装飾体3210(特別回転装飾体3211及び普通回転装飾体3212)、裏第二外側装飾体3228、裏第二内側装飾体3229、及び裏第二内周装飾体3230、等を良好に視認することができる。
通常の状態では、図24等の示すように、裏第二演出ユニット3200における複数の回転装飾体3210のうち4個の特別回転装飾体3211が、公転軌道の円周上における上下方向の両端と、左右方向の両端とに位置している。つまり、1個の特別回転装飾体3211が、公転軌道上における最も下方となる特定位置(時計における6時の部位)に位置している。この特定位置に位置している特別回転装飾体3211は、裏第一演出ユニット3100における略円環状の裏第一下装飾体3164の中央に位置しており、外側が裏第一下装飾体3164により装飾された状態となっている。また、特定位置の特別回転装飾体3211(回転装飾体3210)は、第一始動口2002の後方に位置しており、第一始動口2002の後方を装飾している(図53を参照)。
また、通常の状態では、裏第三演出ユニット3300の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が、夫々待機位置の状態となっており、正面視において裏第二演出ユニット3200における裏第二内周装飾体3230よりも外側に位置していることで、前方が複数の回転装飾体3210、駆動リング3221、裏第二外側装飾体3228、裏第二内側装飾体3229等で覆われて、遊技者側から視認不能な状態となっている。
この通常の状態では、裏第二演出ユニット3200における裏第二内周装飾体3230の内側を通して、後方に配置されている演出表示装置1600に表示されている演出画像を、遊技者側(前方)から良好な状態で視認することができる。
遊技盤5は、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、裏ユニット3000の裏第一演出ユニット3100、裏第二演出ユニット3200、及び裏第三演出ユニット3300が、所定の可動演出を行う。
まず、裏第二演出ユニット3200を用いた演出について、主に図52及び図53等を参照して説明する。裏第二演出ユニット3200の複数の回転装飾体3210を用いた演出としては、例えば、図52に示すように、裏第二駆動モータ3222の駆動により駆動リング3221を時計回りの方向へ回転させると、複数(12個)の回転装飾体3210が時計回りの方向へ自転しながら、時計回りの方向へ公転する可動演出を行うことができる。これにより、複数の回転装飾体3210が、自転しながら裏第二内周装飾体3230の内側を通して見える演出画像の周りを公転(周回)するため、グルグル回る複数の回転装飾体3210により、遊技領域5aを賑やかな感じにすることができ、遊技者を楽しませることができる。
上記のように、複数の回転装飾体3210を自転させながら公転させている状態で、例えば、裏第一演出ユニット3100における裏第一下装飾基板3170のLED3171を発光させると、後方を回転装飾体3210が周回している略円環状の裏第一下装飾体3164が発光するため、遊技者の関心を裏第一下装飾体3164へ向けさせることができる。また、裏第一下装飾体3164が目立つことから、遊技者に対して裏第一下装飾体3164の円環内(特定位置)に、所望の回転装飾体3210(特別回転装飾体3211)が公転停止するか否かによって、遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。
この際に、回転装飾体LED群3250のうち特定位置に対応している第一回転装飾体LED群3250aのみを点灯させた状態としても良い。これにより、裏第一下装飾体3164の円環内の後側を通る回転装飾体3210のみが良好に視認でき、その他の回転装飾体3210が視認し難くなるため、裏第一下装飾体3164の円環内を窓とした、ルーレット、或いは、スロット、のような演出を遊技者に見せることができ、特定位置に所望の回転装飾体3210が停止するか否かのドキドキ感をより高めることができる。
そして、裏第一下装飾体3164の円環内(特定位置)で所望の回転装飾体3210(特別回転装飾体3211)が停止すると、図53に示すように、その前方には始動口ユニット2100の第一始動口2002が設けられているため、遊技者に対して第一始動口2002に遊技球Bを受入れさせると、「大当り」が抽選される可能性が極めて高いのではないかと思わせることができ、遊技者に対して第一始動口2002を狙った遊技球Bの打込操作を促すことができると共に、遊技球Bの打込操作を楽しませることができる。
また、複数の回転装飾体3210を裏第二駆動モータ3222の駆動により自転させながら公転させる際に、各回転装飾体3210の移動位置に合わせて、裏第二装飾基板3240の複数のLED3241を適宜発光させるようにしても良い。例えば、一つの回転装飾体3210が特定位置に位置している時には、各回転装飾体LED群3250の第一LED群3251、第二LED群3252、第三LED群3253、第四LED群3254を点灯させると共に、各中間LED群3255を消灯させる。続いて、回転装飾体3210が時計回りの方向へ約7度公転すると、回転装飾体LED群3250の第三LED群3253と第四LED群3254を点灯させたままで、第一LED群3251と第二LED群3252を消灯させると共に、中間LED群3255を点灯させる。更に、回転装飾体3210が初めの位置から15度公転すると、第三LED群3253と第四LED群3254も消灯させて回転装飾体LED群3250を消灯させると共に、中間LED群3255のみを点灯させたままとする。
続いて、回転装飾体3210が最初の位置から約22度公転すると、回転装飾体LED群3250の第一LED群3251と第二LED群3252を点灯させて第三LED群3253と第四LED群3254を消灯させたままとすると共に、中間LED群3255を点灯させたままとする。そして、回転装飾体3210が最初の位置から30度公転する(次の回転装飾体3210が特定位置に位置する)と、第三LED群3253と第四LED群3254を点灯させて回転装飾体LED群3250を点灯させると共に、中間LED群3255を消灯させる。これにより、前方に回転装飾体3210が位置しているLED3241を点灯させるようにしていると共に、前方に回転装飾体3210が位置していないLED3241を消灯させるようにしているため、恰も回転装飾体3210自身にLEDが設けられているかの如く、回転装飾体3210が発光しながら公転しているような演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏第二演出ユニット3200では、通常の状態で、全ての回転装飾体LED群3250及び中間LED群3255を、高輝度で発光させた上で、裏第二駆動モータ3222により複数の回転装飾体3210を自転&公転させ、通常の状態とは異なる状態で複数の回転装飾体3210の自転&公転を停止させて、回転装飾体LED群3250及び中間LED群3255を消灯又は減光させるようにしても良い。これにより、全ての回転装飾体LED群3250及び中間LED群3255が高輝度で発光することにより、遊技者から複数の回転装飾体3210を視認し難くすることができるため、その状態で回転装飾体3210の位置を変えることで、遊技者が知らないうちに回転装飾体3210が移動する演出を遊技者に見せることができ、遊技者を驚かせて楽しませることができる。
また、裏第二演出ユニット3200では、裏第二装飾基板3240に実装されている複数のLED3241を適宜発光させることができるため、回転装飾体LED群3250を、第一回転装飾体LED群3250aから、第二回転装飾体LED群3250b、第三回転装飾体LED群3250c、第四回転装飾体LED群3250d、第五回転装飾体LED群3250e、第六回転装飾体LED群3250f、第七回転装飾体LED群3250g、第八回転装飾体LED群3250h、第九回転装飾体LED群3250i、第十回転装飾体LED群3250j、第十一回転装飾体LED群3250k、第十二回転装飾体LED群3250l、のように順番に発光(点灯)させることで、光が所定方向へ回転しているような発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。この光の回転を停止させる際に、どの位置で光の回転が停止するか否かによって、遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技者を楽しませることができる。
なお、光りの回転を停止させる際に、光の回転速度を徐々に低下させると共に、回転装飾体LED群3250において、第一LED群3251と第二LED群3252、第三LED群3253と第四LED群3254、更には、中間LED群3255、と順番に点灯させて、回転方向へ小刻みに光が移動してゆっくり停止するようにしても良い。これにより、光が停止する位置が細かくなるため、遊技者に対して、どの位置で光の回転が停止するのかを予測し難くすることができ、遊技者をハラハラさせて楽しませることができる。
また、上記のように、光を回転(周回)させることができるため、周方向へ順番に点灯させたり、消灯させたりすることで、時計のように時間を計測する発光演出や、残り時間を示唆する発光演出等も行うことができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、夫々の回転装飾体LED群3250において、例えば、第一LED群3251、第二LED群3252、第三LED群3253、第四LED群3254、第一LED群3251、・・・、のような順番で発光させるようにしても良い。これにより、一ヶ所の回転装飾体LED群3250において光が回転しているような発光演出を遊技者に見せることができると共に、遊技者に対して、回転装飾体3210が公転していない状態で回転(自転)しているように錯覚させることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、夫々の回転装飾体LED群3250において、例えば、第一LED群3251及び第三LED群3253を発光させた後に、第二LED群3252及び第四LED群3254を発光させると、中心から外側へ移動して広がるような発光演出を遊技者に見せることができる。或いは、第二LED群3252及び第四LED群3254を発光させた後に、第一LED群3251及び第三LED群3253を発光させると、外側から中心へ収束するような発光演出を遊技者に見せることができる。
続いて、裏第三演出ユニット3300を用いた演出について、主に図54乃至図58を参照して説明する。まず、例えば、図54に示すように、通常の状態から、裏第三上駆動モータ3320及び裏第三下駆動モータ3340を駆動させて、上縦リング装飾体3311及び下縦リング装飾体3331を待機位置から出現位置へ移動させる。これにより、正面視において裏第二内周装飾体3230の内側の中央で、上縦リング装飾体3311の先端と下縦リング装飾体3331の先端とが接近した状態となり、三つのリングが縦(上下)に並んだ装飾を遊技者に見せることができる。
また、裏第三演出ユニット3300を用いた演出として、図55に示すように、通常の状態から、裏第三左駆動モータ3360及び裏第三右駆動モータ3380を駆動させて、左横リング装飾体3351及び右横リング装飾体3371を待機位置から出現位置へ移動させる。これにより、正面視において裏第二内周装飾体3230の内側の中央で、左横リング装飾体3351の先端と右横リング装飾体3371の先端とが接近した状態となり、三つのリングが横(左右)に並んだ装飾を遊技者に見せることができる。
本実施形態では、裏第三演出ユニット3300の左横リング装飾体3351及び右横リング装飾体3371を出現位置に移動させて、三つのリングが横に並んだ装飾を形成させた状態で、演出表示装置1600において三つのリングの夫々の中となる部位に、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を示唆するための、三つの図柄列の変動表示を行うことができる。これにより、左横リング装飾体3351及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させていない状態で、三つの図柄列を変動表示された場合と比較して、三つの図柄列の上下が、出現位置の左横リング装飾体3351及び右横リング装飾体3371により物理的に装飾されている状態となるため、遊技者に対して、変動表示されている図柄列が、「大当り」等の遊技者が有利となる図柄の組合せで停止表示される可能性が高いと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができる。
更に、裏第三演出ユニット3300を用いた演出として、図56に示すように、通常の状態から、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を駆動させて、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、夫々待機位置から出現位置へ移動させる。これにより、裏第二内周装飾体3230の内側の中央で、上縦リング装飾体3311の先端と下縦リング装飾体3331の先端とが接近した状態となると共に、左横リング装飾体3351の先端と右横リング装飾体3371の先端とが接近した状態となり、五つのリングが縦横の十字に並んだ装飾を遊技者に見せることができる。
また、図56に示すように、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、全て待機位置から出現位置へ移動させると、演出表示装置1600の表示画面の前方に、五つのリングが十字に並んだ装飾が形成されるため、遊技者に対して、「大当り」等の遊技者が有利となる有利遊技状態が発生すると思わせることができ、「大当り」遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏第三演出ユニット3300では、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、適宜の順番や組合せ順に、待機位置から出現位置へ移動させるようにしても良い。例えば、上縦リング装飾体3311、右横リング装飾体3371、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、の順番に出現位置へ移動させたり、上縦リング装飾体3311及び下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351及び右横リング装飾体3371、の順番に出現位置へ移動させたりしても良い。これにより、多段階を経て、五つのリングが十字に並んだ状態となるため、夫々の段階において、次の段階に移行するか否かによって遊技者をドキドキ・ワクワクさせることができ、遊技者を楽しませることができる。
ところで、裏第三演出ユニット3300では、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を、定電流駆動方式により高トルクで駆動させているため、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、一秒以下の極めて短い時間(ここでは、650ms)で、待機位置から出現位置まで、或いは、出現位置から待機位置まで、移動させることができる。これにより、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が、一瞬で出現したり消えたりするため、遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませることができる。
更に、裏第三演出ユニット3300では、例えば、図57に示すように、通常の状態から、裏第三上駆動モータ3320及び裏第三右駆動モータ3380を駆動させて、上縦リング装飾体3311及び右横リング装飾体3371を、待機位置から出現位置への途中の位置まで移動させる。これにより、上縦リング装飾体3311(第一装飾体3312及び第二装飾体3313)の先端部分と、右横リング装飾体3371(第一装飾体3372及び第二装飾体3373)の先端部分とが、正面視において裏第二内周装飾体3230の内側に位置して、部分的に遊技者側から視認することができる。
詳述すると、図57の状態では、上縦リング装飾体3311の二つの先端が、裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229a内における四隅のうち上側の左右の隅に出現していると共に、右横リング装飾体3371の二つの先端が、裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229a内における四隅のうち右側の上下の隅に出現している。これにより、後方に演出表示装置1600の表示画面が臨んでいる裏第二内周装飾体3230の内側の形状が変化するため、遊技者に対して上縦リング装飾体3311及び右横リング装飾体3371の移動に気付かせ易くすることができ、遊技者に対して何か起きるのではないかと予感させて遊技に対する期待感を高めさせることができる。
なお、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を待機位置から出現位置へ移動させる際に、まず、先端部分のみが視認できるように途中まで移動させ、次の段階として出現位置まで移動させるようにしても良い。これにより、完全に出現位置まで移動するか否かによって遊技者をドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。この出現位置の途中まで移動させる際に、待機位置との間で小刻みに往復移動させるようにしても良く、裏第二内周装飾体3230の内側の形状が小刻みに変化することで、遊技者に対してより気付かせ易くすることができる。
裏第三演出ユニット3300では、上縦リング装飾基板3315の第一LED3316及び第二LED3317、下縦リング装飾基板3335の第一LED3336及び第二LED3337、左横リング装飾基板3355の第一LED3356及び第二LED3357、右横リング装飾基板3375の第一LED3376及び第二LED3377を、適宜発光させること、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を適宜発光装飾させることができる。これにより、出現位置側へ移動した上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、様々な発光態様で発光装飾させることができ、遊技者を楽しませることができる。
ところで、本実施形態では、裏第三演出ユニット3300において、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させた時に、演出表示装置1600に表示される演出画像として、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の真後ろとなる部位に、それらと同じような装飾画像3390を表示させるようにしている(図58を参照)。
また、本実施形態では、何らかの原因により、裏第三演出ユニット3300の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の少なくとも一つが、出現位置へ移動することができなくなった場合、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を移動させる演出が実行されても、それらを待機位置のままとして出現位置側へ移動させないようにしていると共に、演出表示装置1600には装飾画像3390を表示させるようにしている(図58を参照)。これにより、裏第三演出ユニット3300において不具合が発生しても、装飾画像3390が見えることで、遊技者に対して不具合の発生を認識させ難くすることができるため、遊技者が不具合の発生を認識することで、遊技を中断させなければならなくなって不快感を覚えてしまうことを回避させることができ、遊技者に対して引き続き遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、裏ユニット3000を用いた演出としては、裏第二演出ユニット3200による演出と、裏第三演出ユニット3300による演出とを、適宜組合せた演出も行うことができる。これにより、より多彩な演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。また、より多段階の演出を遊技者に見せることが可能となるため、各段階において遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者の期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏ユニット3000を用いた演出として、例えば、裏第一演出ユニット3100、裏第二演出ユニット3200、及び裏第三演出ユニット3300を用いて適宜の発光演出を実行している時に、特定のライン上に位置しているLEDを消灯させると共に、当該ラインを、所定方向の一方側から他方側へ遊技領域5aを横切るように短時間(一秒以下)で移動させる影演出を行うことができる(図59を参照)。これにより、特定のライン上のLEDを消灯させることで、遊技領域5a内にライン上に暗い部分(影部3050)が表れると共に、その影部3050が短時間で遊技領域5a内を横切るこことなるため、遊技者に対して「ハッ」とさせることができ、何かが起こるのではないかと予感させて遊技に集中させることができる。なお、影部3050は、上下方向の他に、左右方向や斜め方向へも移動させることができる。
また、上記の影演出は、回転装飾体3210、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371、等による可動演出の時や、演出表示装置1600に表示されている演出画像の切換わりの時、等の際に実行することもできる。これにより、影演出を区切りとして、次の可動演出や演出画像等に対して遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態の遊技盤5は、パチンコ機1に組立てた状態では、図60に示すように、扉枠3の扉窓101aを通して遊技領域5a内を遊技者側から視認することができる。そして、扉枠3では、扉窓101aの外周を、半チューブ状の皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453により囲んでいる。また、扉枠3では、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453の後方に、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が配置されているため、それら装飾基板のLEDを適宜発光させることで、扉窓101a(遊技領域5a)の外周全体を発光装飾させることができると共に、扉窓101aの外周に沿って光を移動させることができる。
そして、上述したように、本実施形態の遊技盤5では、様々な発光演出を行うことができるため、例えば、裏第二演出ユニット3200の第一LED群3251及び第三LED群3253、第二LED群3252及び第四LED群3254、扉枠3の各装飾基板のLED、の順番に発光させると、中心から外側へ移動して広がるような発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を遊技領域5aの外側へ向けさせることができる。或いは、扉枠3の各装飾基板のLED、裏第二演出ユニット3200の第二LED群3252及び第四LED群3254、第一LED群3251及び第三LED群3253、の順番で発光させると、外側から中心へ収束するような発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を遊技領域5aの中央に向けさせることができる。
また、裏第二演出ユニット3200において、上述したように、複数の回転装飾体LED群3250や中間LED群3255による周方向へ光が回転(旋回)する発光演出の際に、扉枠3側においても、扉窓101aの周方向へ光が回転する発光演出を実行するようにしても良い。これにより、遊技領域5aの中央を中心としてパチンコ機1の全体で光がグルグル回るような発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、遊技者を楽しませることができ、興趣の低下を抑制せることができる。
なお、本実施形態の遊技盤5では、上記したような可動演出と発光演出とを適宜組合せることができる共に、演出表示装置1600の表示画面に表示される演出画像(表示演出)とも組合せることができる。これにより、発光演出、可動演出、表示演出、等を適宜組合せることで多彩なパターンの演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、各種の演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[5-11.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、通常の状態では、裏ユニット3000における裏第三演出ユニット3300の上部ユニット3310の上縦リング装飾体3311、下部ユニット3330の下縦リング装飾体3331、左部ユニット3350の左横リング装飾体3351、及び右部ユニット3370の右横リング装飾体3371を、遊技領域5aの中央部(ここでは、裏第二演出ユニット3200の裏第二内周装飾体3230の内周)よりも外側に回動させて退避位置の状態とすることで、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が、裏第二演出ユニット3200の回転装飾体3210、裏第二外側装飾体3228、裏第二内側装飾体3229、及び裏第二内周装飾体3230の後方に位置することとなり、回転装飾体3210、裏第二外側装飾体3228、裏第二内側装飾体3229、及び裏第二内周装飾体3230により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を遊技者側(前方)から視認不能とすることができ、遊技者に対して上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の存在に気付かせ難くすることができると共に、遊技領域5aの中央に臨んでいる演出表示装置1600に表示されている演出画像を、遊技者側(前方)から良好に視認させることができ、遊技者に演出画像を楽しませることができる。
この通常の状態で、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が0.5秒~1.0秒の範囲内(本実施形態では650ms(0.65秒))で退避位置から出現位置まで回動(移動)するように、周辺制御基板1510により、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を、定電流駆動方式にて駆動して上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を回動させると、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が高いトルクで回動させられることとなり、トルクが高いことで停止していた上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371に大きな回転モーメントが作用し、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を極めて速いスピードで出現位置へ回動させることができるため、遊技者が認識していなかった上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が、遊技領域5aの中央部に、突然出現したような演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が突然瞬時に出現することで遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと強く思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、周辺制御基板1510によって裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を定電流駆動方式にて駆動することにより高いトルクで上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を回動させると、退避位置から出現位置へ素早く回動(移動)した上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371により演出表示装置1600に表示されている演出画像の一部が遮られることとなるため、遊技者に対して出現位置への上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の移動を即座に認識させることができ、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の移動により遊技者を大いに驚かせることができる。
更に、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371における基端側と先端側との間の部位を、退避位置から出現位置へ回動する時における基端側と先端側とを結んだ直線の後側に位置するようにしていることから、基端側と先端側との間を非直線状に延びた形状(ここでは円弧形状)としているため、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を退避位置から出現位置へ回動(移動)させると、初めに上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の先端側が視認可能となる。この際に、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371における前方から視認可能となっている部位(先端側)は、基端側と先端側との間が非直線形状であるため、裏第二内周装飾体3230から内側に突出している方向が、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の基端側の方向とは異なる方向となる。従って、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、出現位置側への途中で回動を停止させて先端側のみが視認可能となる演出を実行すると(図57を参照)、遊技者に対して上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371とは異なる別の装飾体が出現しているように錯覚させることができるため、より多彩な演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、基端側を遊技領域5aの中央部(裏第二内周装飾体3230)よりも外側で回動可能に支持し、出現位置の時に先端側を遊技領域5aの中央部まで延出するような細長いフレーム状としていることから、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ回動させると、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の先端側が遊技領域5aの中央部に位置するため、出現位置の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を目立たせることができ、遊技者の関心を上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371に強く引付けさせることができる。
また、周辺制御基板1510により裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を定電流駆動方式にて駆動することによって、高いトルクにより上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を退避位置から出現位置まで回動させた時の時間を、0.5秒~1.0秒の範囲内としているため、必要以上にトルクの高い大型の駆動モータを用いる必要が無く、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380に必要なスペースの増加を抑制させることができ、相対的に、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371や他の部材を配置するためのスペースを確保し易くすることができると共に、確保したスペースにより上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371等をより大きくすることができ、大型の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371等により遊技者をより楽しませられるパチンコ機1とすることができる。また、必要以上にトルクの高い大型の駆動モータを用いたり、高いトルクを出力させるための複雑な制御回路を用いたりする必要がないため、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、遊技領域5aの中央に演出画像を表示可能な演出表示装置1600を設けるようにしており、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を退避位置から出現位置、或いは、出現位置から退避位置、に回動(移動)させる際に、表示画面を一時的に暗くすることで、遊技者に対して上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の移動を見辛くすることができるため、その後に表示画面を明るくすることで、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が突然、中央部に出現したり中央部からいなくなったりするような演出を遊技者に見せることができ、遊技者を驚かせることができると共に、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371により遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を定電流駆動方式にて駆動することにより、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を高いトルクで回動させていることから、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380や、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371等が早期に疲労することで不具合が発生し易くなる恐れがあるが、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させる演出の実行により、演出表示装置1600に装飾画像3390を表示させるようにしているため、それらに不具合が発生して、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現位置へ移動(回動)することができなくても、装飾画像3390により、遊技者に対して恰も上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現位置へ移動したかのように錯覚させることができ、装飾画像3390により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371による演出と同じ演出を遊技者に見せて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、通常の状態では、周辺制御基板1510(周辺制御部1511及び演出表示制御部1512)により、裏ユニット3000における裏第三演出ユニット3300の上部ユニット3310の上縦リング装飾体3311、下部ユニット3330の下縦リング装飾体3331、左部ユニット3350の左横リング装飾体3351、及び右部ユニット3370の右横リング装飾体3371が、遊技者側から視認不能な退避位置に移動しているため、演出表示装置1600に表示されている演出画像を良好に視認することができ、遊技者に演出画像を楽しませることができる。そして、周辺制御基板1510により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させる演出が実行されると、適宜の数の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が、退避位置から出現位置へ移動するタイミングで、演出表示装置1600において、出現位置の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の後方となる部位に装飾画像3390が表示されると共に、フレーム状の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371により区画される部位に特定演出画像(例えば、抽選された特別抽選結果を示唆するための複数の図柄列)が表示されるため、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371により特定演出画像が明確に区画され、特定演出画像を目立たせることができ、特定演出画像による演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
そして、何らかの理由により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371のうちの一つでも出現位置へ移動することができない不具合を上検知センサ3324、下検知センサ3344、左検知センサ3364、及び右検知センサ3384の何れかにより検知すると、周辺制御基板1510により全ての上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の移動制御のみを休止させるようにしているため、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させる演出が実行されると、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が退避位置から移動せずに、演出表示装置1600に、出現位置の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の後方となる部位に装飾画像3390が表示されると共に、出現位置の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371(装飾画像3390)により区画される部位に特定演出画像が表示されるため、遊技者に対して恰も上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現位置へ移動したかのように錯覚させることができ、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371に類似した装飾画像3390により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371による演出と同じ演出を遊技者に見せることができる。従って、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371に不具合が生じて出現位置へ移動することができなくても、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371に類似した装飾画像3390を遊技者に見せることができ、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371による演出と同等の演出を装飾画像3390によって遊技者に見せることができると共に、装飾画像3390により特定演出画像を目立たせることができ、遊技者に特定演出画像による演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371のうち、一つでも出現位置へ移動することができない不具合が発生した場合、全ての上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の移動制御を休止させて、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させないようにしているため、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ同時に移動させる演出を行った時に、出現位置へ移動した上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の何れかと不具合により出現位置へ移動しないことで視認可能となる装飾画像3390とが、混在して見える演出が行われることを回避させることができ、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止して遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させる演出を実行すると、演出表示装置1600に装飾画像3390を表示させるようにしており、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現位置へ移動しない不具合の有無に関わらず、装飾画像3390を表示させるようにしているため、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371に不具合が発生した時用の画像を別途設ける必要が無く、装飾画像3390を含む演出画像の表示にかかる負荷を軽減させることができる。
また、周辺制御基板1510において、上検知センサ3324、下検知センサ3344、左検知センサ3364、及び右検知センサ3384により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が移動しない不具合が検知されると、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の移動制御を休止させるようにしているため、不具合により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が中途半端な位置で停止する等して不完全な演出となることを回避させることができ、遊技者に対して不快感を与えてしまうことを防止することができると共に、移動制御のみを休止しており、演出表示装置1600には装飾画像3390が表示されるため、装飾画像3390により遊技者を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
更に、不具合の検知により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の移動制御を休止させるようにしているため、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を移動させるための裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380に過負荷が作用することはなく、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371や他の部材が破損してしまうことを防止することができ、不具合が拡大してしまうことを回避させることができる。
また、退避位置の状態では上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を視認不能としているため、何らかの理由により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現位置へ移動することができない不具合が生じていても、上述したように、演出表示装置1600に装飾画像3390が表示されるため、装飾画像3390による演出を楽しませることができると共に、退避位置の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が見えないことから上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が移動しない不具合が発生していることを遊技者に気付かせ難くすることができ、遊技者に不安感を与えてしまうことを防止して興趣の低下を抑制させることができる。
また、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を退避位置へ移動させた状態(通常の状態)では、遊技者側から上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を視認することができないことから、退避位置の状態では遊技者に上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の存在を気付かせ難くすることができるため、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させると、見えていなかった上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現することで遊技者を大いに驚かせることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上検知センサ3324、下検知センサ3344、左検知センサ3364、及び右検知センサ3384により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現位置へ移動しない不具合を検知させるようにしており、退避位置の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、上検知センサ3324、下検知センサ3344、左検知センサ3364、及び右検知センサ3384により検知させるようにしているため、周辺制御基板1510によって上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動制御させた際に、上検知センサ3324、下検知センサ3344、左検知センサ3364、及び右検知センサ3384が、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を検知したままであれば、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が移動していないこととなり、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現位置へ移動しない不具合を検知することができ、上述した作用効果を奏する遊技機を具現化することができる。
なお、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371と類似した装飾画像3390は、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の大きさよりも、大きくても良いし、小さくても良い。装飾画像3390を上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371よりも大きくした場合は、演出表示装置1600に表示されている装飾画像3390により、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を更に装飾することができると言う利点がある。一方、装飾画像3390を上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371よりも小さくした場合は、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させる演出を実行した時に、不具合の発生により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の移動制御を休止させない限り、遊技者に装飾画像3390を認識されないと言う利点がある。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技盤5の裏ユニット3000の裏第二演出ユニット3200において、裏第二外側装飾体3228及び前後に貫通している貫通孔3329aを有している裏第二内側装飾体3229の前方において、通常の状態では、特別な装飾が施されている4個の特別回転装飾体3211と、特別回転装飾体3211とは異なる装飾が施されている残り6個の普通回転装飾体3212とで構成されている平板状で透光性を有する12個の回転装飾体3210が、貫通孔3229aの外周を装飾するように、前後に延びた軸線を中心とした公転円周上に並んでいると共に、貫通孔3229aから後方に設けられている演出表示装置1600の表示画面が臨んでいる。この状態で、裏第二駆動モータ3222により駆動リング3221を回転させると、各回転装飾体3210から後方に延びている軸部3210aが、駆動リング3221の軸孔3221aに挿入されていることから、軸部3210aと共に回転装飾体3210と軸部3210aの後端に設けられている回転体ギア3225とが、駆動リング3221の回転中心から軸孔3221aまでの距離を半径とした円周上(公転円周上)を移動(公転)する。この際に、軸部3210aの後端に設けられている回転体ギア3225は、ユニットベース3220における公転円よりも公転中心側に設けられている固定ギア部3220bと噛合していることから、回転体ギア3225が公転すると、回転体ギア3225が固定ギア部3220bを転動して回転体ギア3225の公転方向と同じ方向に回転することとなり、回転体ギア3225が軸部3210a及び回転装飾体3210と一緒に、軸部3210aの前後に延びた軸周りに回転(自転)することとなる。従って、裏第二駆動モータ3222により駆動リング3221を回転させることで、複数(12個)の回転装飾体3210が自転しながら同じ方向へ公転するため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、前後に延びた軸周りに自転しながら公転する複数の回転装飾体3210を平板状としていることから、回転装飾体3210の面を前方へ向けており、回転装飾体3210の全体が遊技者側から見え易くなっているため、これら回転装飾体3210が自転しながら公転すると、複数の回転装飾体3210がグルグルと回転する様子を遊技者に見せることができ、賑やかな感じの演出を遊技者に見せることができると共に、遊技者に強いインパクトを与えて大いに楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、複数の回転装飾体3210、裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229の後方で、回転装飾体3210の公転軌跡の範囲内に、公転円周上の停止位置(一つの回転装飾体3210が特定位置で公転停止する位置)で公転停止している複数の回転装飾体3210の後方となり公転方向に分割されている複数(12個)の回転装飾体LED群3250と、各回転装飾体LED群3250同士の間に位置している中間LED群3255と、で構成された裏第二装飾基板3240の複数のLED3241を備えていることから、複数の回転装飾体3210が停止位置の状態で、回転装飾体LED群3250のLED3241を発光させると、回転装飾体3210を発光装飾させることができ、複数の回転装飾体3210が停止位置同士の間の状態で、中間LED群3255のLED3241を発光させると、回転装飾体3210を発光装飾させることができる。従って、複数の回転装飾体3210を自転させながら公転させている時に、回転装飾体3210の公転に合わせて回転装飾体LED群3250のLED3241や中間LED群3255のLED3241を適宜発光させると、発光しているLED3241が、回転装飾体3210の公転と一緒に移動することとなるため、LED3241からの光が透光性を有した裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229と回転装飾体3210とを通して前方(遊技者側)へ照射されることで、恰も回転装飾体3210にLED3241が設けられているように回転装飾体3210を発光装飾させることができ、発光装飾されている複数の回転装飾体3210が自転しながら公転する演出を遊技者に見せることで、遊技者を大いに楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
この際に、回転装飾体LED群3250を構成している複数のLED3241を、回転装飾体3210の公転方向に第一LED群3251及び第二LED群3252と第三LED群3253及び第四LED群3254とに分割していることから、回転装飾体3210の公転に合わせてきめ細かく回転装飾体LED群3250のLED3241を発光させることができるようになるため、回転装飾体3210の後方に位置するLED3241のみを発光させ易くすることができ、自転しながら公転する回転装飾体3210にLED3241が設けられていると遊技者に対して強く錯覚させることができると共に、発光装飾された回転装飾体3210の動きをより楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、回転装飾体3210の公転軌跡の範囲内に回転装飾体LED群3250と中間LED群3255とで構成された複数のLED3241を備えていることから、複数のLED3241が円環状に配置されており、左上隅LED群3256、右上隅LED群3257、左下隅LED群3258、及び入賞口LED群3259に含まれるLED3241を除いた全てのLED3241を発光させると、円環状の発光演出を遊技者に見せることができる。また、回転装飾体LED群3250と中間LED群3255とが、回転装飾体3210の公転方向(周方向)へ交互に設けられていため、回転装飾体LED群3250と中間LED群3255をと円周方向へ交互に順番に発光させると、光が円周上を回転する発光装飾を遊技者に見せることができる。更に、回転装飾体3210の公転軌跡の範囲内に複数のLED3241を備えていることから、複数のLED3241が所定の幅で円環状に配置されることとなるため、複数のLED3241を円環の内側から外側へ順番に発光させることで、光の輪が外側へ広がるような発光演出を遊技者に見せたり、複数のLED3241を円環の外側から内側へ順番に発光させることで、光の輪が内側へ収束するような発光演出を遊技者に見せたり、することができる。このように、様々な発光演出を遊技者に見せることができるため、多彩な演出により遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転装飾体3210の公転方向へ光が回転するような発光演出を行う際に、各回転装飾体LED群3250が回転装飾体3210の公転方向へ第一LED群3251及び第二LED群3252と第三LED群3253及び第四LED群3254と分割されていることから、公転方向への光の移動をより細かくすることが可能となるため、光がより滑らかに回転する発光演出を遊技者に見せることができる。また、回転装飾体3210の公転方向への光の移動が細かくなるため、周方向へ回転する光の回転速度をより遅くすることができ、多彩な発光演出により遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したような複数のLED3241による発光演出と、回転装飾体3210を自転させながら公転させる可動演出とを適宜組合せることで、これまでのパチンコ機では見ることのできなかった演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、複数のLED3241を、複数の回転装飾体LED群3250と複数の中間LED群3255とに纏めているため、各回転装飾体LED群3250や中間LED群3255毎に制御して発光させるようにすることで、複数のLED3241を一つずつ制御して発光させるようにした場合と比較して、制御にかかる負荷を軽減させることができ、過負荷の発生により不具合が発生して遊技者の興趣を低下させてしまうことを回避させることができると共に、周辺制御基板1510等での制御回路をシンプルにすることができ、コストダウンをすることができる。
更に、回転装飾体LED群3250と中間LED群3255とを、回転装飾体3210の公転方向(周方向)へ交互に設けているため、例えば、一定の時間間隔で回転装飾体LED群3250のみを周方向へ順番に発光させた場合と、同じ時間間隔で回転装飾体LED群3250と中間LED群3255とを周方向へ交互に発光させた場合とでは、周方向へ回転する光りの速度を異ならせることができ、発光演出の制御にかかる負荷を軽減させることができる共に、光が異なる速度で回転する発光演出を遊技者に楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、複数の回転装飾体3210と複数のLED3241との間に透光性を有する裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229を設けていることから、裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229により前方から裏第二装飾基板3240のLED3241が視認し難くなることから、遊技者に対して回転装飾体3210とは別に設けられているLED3241の存在に気付かせ難くすることができるため、回転装飾体3210にLED3241が設けられているように錯覚させ易くすることができ、自転しながら公転する回転装飾体3210の発光装飾によるインパクトをより高めることができると共に、回転装飾体3210による演出をより楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、複数の回転装飾体3210の中に、特別な装飾(三つ巴の装飾)が施されている特別回転装飾体3211を有するようにしているため、複数の回転装飾体3210を自転させながら公転させた時に、特別回転装飾体3211が、特定位置で公転停止するか否かによって、遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者に複数の回転装飾体3210による可動演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、一つの回転装飾体3210が停止位置を含む公転円周上の特定位置に位置していることを検知する回転位置検知センサ3231と、一つの特別回転装飾体3211が特定位置に位置していることを検知する特別回転位置検知センサ3232と、を備えていることから、複数の回転装飾体3210のうち、普通回転装飾体3212が特定位置に位置している時には、回転位置検知センサ3231のみが検知し、特別回転装飾体3211が特定位置に位置している時には、回転位置検知センサ3231と特別回転位置検知センサ3232とが検知することとなるため、回転位置検知センサ3231による検知と特別回転位置検知センサ3232による検知の組合せにより、特定位置に普通回転装飾体3212又は特別回転装飾体3211の何れが位置しているのかを検知することができる。従って、複数の回転装飾体3210の一つのを特定位置で公転停止させる際に、回転位置検知センサ3231と特別回転位置検知センサ3232とを用いることで、自転しながら公転している普通回転装飾体3212及び特別回転装飾体3211の何れかを、特定位置において公転停止させることができるため、特定位置において特別回転装飾体3211が公転停止するか否かという演出を遊技者に見せることが可能となり、遊技者をハラハラ・ドキドキさせて楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、特定位置に位置している普通回転装飾体3212及び特別回転装飾体3211を検知するための検知片3221cと、特定位置に位置している特別回転装飾体3211を検知するための特別検知片3221dとを、駆動リング3221に設けているため、回転装飾体3210に検知片や特別検知片を設けるようにした場合と比較して、検知片3221cや特別検知片3221dが自転することはないため、検知片3221cや特別検知片3221dの構成を簡単にものとすることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を具現化し易くすることができる。
また、一つの裏第二駆動モータ3222により複数の回転装飾体3210を、自転させながら公転させることができるため、回転装飾体3210の自転と公転とを別々の駆動モータで駆動させるようにした場合比較して、複数の回転装飾体3210にかかる駆動機構の構成を簡単なものとすることができ、当該駆動機構を小さくすることができると共に、複数の回転装飾体3210の可動演出にかかる制御の負荷を軽減させることができる。また、上述したように、複数の回転装飾体3210にかかる駆動機構を小さくすることができることから、相対的に複数の回転装飾体3210を配置するためのスペースを広くすることが可能となるため、回転装飾体3210をより大きくして遊技者側から目立たせることができ、複数の回転装飾体3210に遊技者の関心を強く引付けさせることができる。
更に、軸部3210aをLED3241よりも後方へ突出させていることから、後端に設けられる回転体ギア3225がLED3241よりも後方となり、自ずと固定ギア部3220bや駆動リング3221もLED3241の後方となるため、回転体ギア3225、固定ギア部3220b、及び駆動リング3221等が、LED3241から前方へ照射される光を遮ることはなく、複数の回転装飾体3210を確実に発光装飾させることができる。
また、駆動リング3221を回転させる裏第二駆動モータ3222を、駆動リング3221の外側に設けており、固定ギア部3220bの内側(貫通孔3229aの内側)を広く取ることができるため、内側に臨む演出表示装置1600の表示画面をより見え易くすることができ、演出画像による演出効果をより発揮させ易くすることができる。
また、固定ギア部3220bの外側に駆動リング3221を設けると共に、駆動リング3221の外側に裏第二駆動モータ3222を設けていることから、駆動リング3221の前後方向の位置と略同じ位置に裏第二駆動モータ3222を設けることができるため、複数の回転装飾体3210にかかる駆動機構の厚さの増加を抑制させることができる。また、複数の回転装飾体3210を平板状としており、複数の回転装飾体3210にかかる前後方向の厚さを薄くすることができる。これらのことから、前後方向の厚さを薄くすることができるため、相対的に複数の回転装飾体3210を配置するためのスペースを広くすることで、回転装飾体3210の直径をより大きくして遊技者側から目立たせることができ、複数の回転装飾体3210に遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、複数の回転装飾体3210の前方や後方に他の部材を設けることが可能となり、設けた他の部材を用いて演出を行うようにすることで、より多彩な演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、左方側から周縁に沿って遊技領域5a内の上部に打込まれた遊技球Bが、遊技領域5aに設けられている特典付与部としてのゲート部2003を通過する又は特典付与部としてのアタッカユニット2400の一般入賞口2001、第二始動口2004、及び大入賞口2005に受入れられると、所定の特典(例えば、遊技者が有利となる普通抽選結果や特別抽選結果の抽選、所定数の遊技球Bの払出し、等)が付与されるため、遊技者に対してゲート部2003等の特典付与部を狙った遊技球Bの打込操作をさせる遊技を行うことができる。
この遊技領域5a内には、枠状のセンター役物2500の上方の左右方向の右側の上右周壁部2510の上方に上流空間部2511が設けられていると共に、上流空間部2511の下流側に打込強さに応じて異なるルートで遊技球Bが流通しゲート部2003の上流側に設けられている流通通路群2520が設けられているため、流通通路群2520を構成している第一流通通路2521及び第二流通通路2522毎に、遊技球Bが下流側のゲート部2003を通過する確率が異なることとなる。従って、遊技者が、上流空間部2511に遊技球Bが進入する打込強さで、且つ、遊技球Bがゲート部2003を通過する確率の高い第二流通通路2522の入口に、遊技球Bが進入する打込強さで、遊技球Bが遊技領域5a内に打込まれるように、遊技球Bの打込強さを調整しなければならず、遊技球Bの打込操作に対して変化を付与させることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者に対して所望の第二流通通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上流空間部2511の右方側の端部付近に遊技領域5aの周縁から衝止部1006が内方へ突出していると共に、衝止部1006の近傍に第一流通通路2521の入口が設けられているため、衝止部1006に当接する強さ(例えば、遊技領域5aの周縁に沿って遊技球Bが流通(転動)する特定以上の打込強さ)で遊技球Bを打込むと、衝止部1006に当接した遊技球Bが、流通通路群2520のうち衝止部1006の近傍の第一流通通路2521の入口に高い確率で進入することとなる。従って、当該第一流通通路2521を狙う場合は、衝止部1006に当接する強さで遊技球Bを打込み、その他の第二流通通路2522を狙う場合、衝止部1006に当接しない強さで遊技球Bを打込めば良く、遊技球Bの打込操作にメリハリを付けることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
そして、衝止部1006の近傍に入口が設けられている第一流通通路2521を流通した遊技球Bが、下流側のゲート部2003を通過する確率を低くして、特典が付与される機会もなく遊技領域5a外へ排出されるようにしているため、遊技者に対して、当該第一流通通路2521の入口に遊技球Bが進入しないように、遊技球Bの打込強さを調整させて、遊技球Bの打込操作に対して変化を付与させることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者に対して残りの第二流通通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技球Bが打込まれる方向に流通通路群2520を設けているため、遊技球Bの打込強さに応じて異なるルートで流通する流通通路群2520(第一流通通路2521及び第二流通通路2522)を、確実に具現化することができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1とすることができる。
また、流通通路群2520の上流側に上流空間部2511を設けているため、遊技者が所望の第一流通通路2521又は第二流通通路2522の入口に遊技球Bを進入させるためには、上流空間部2511に進入する打込強さで、なお且つ、所望の第一流通通路2521又は第二流通通路2522に進入する打込強さで、遊技球Bを遊技領域5a内へ打込む必要があり、遊技球Bの打込操作の難易度を更に高めることができ、遊技者に遊技球Bの打込操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、第一流通通路2521と第二流通通路2522とを隣接させていることから、それらの入口が隣接することとなるため、遊技球Bの打込強さの僅かな違いにより、遊技球Bが進入する流通通路の入口が異なり易くなるため、遊技者による遊技球Bの打込操作の難易度を高めることができ、遊技者に遊技球Bの打込操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、第一流通通路2521と第二流通通路2522とを隣接させていることから、第一流通通路2521と第二流通通路2522とがある程度集約されることとなるため、遊技領域5a内やセンター役物2500の枠内を相対的に広くすることができ、遊技領域5a内での遊技や、センター役物2500の枠内での演出を遊技者に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態では、流通通路群2520として、第一流通通路2521及び第二流通通路2522の二つの流通通路により構成されているものを示したが、これに限定するものではなく、三つの流通通路により構成されているものとしても良い。
また、上記の実施形態では、アタッカユニット2400のアタッカ右通路2422に進入した遊技球Bが、右レール1005の段部1005aへの当接により高い確率で第二始動口誘導棚2423上へ誘導されるものを示したが、これに限定するものではなく、アタッカ右通路2422に進入した遊技球Bが、高い確率でアタッカ右下通路2426へ誘導されるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、裏ユニット3000の裏第二演出ユニット3200において、複数の回転装飾体3210が自転する方向と同じ方向へ公転するものを示したが、これに限定するものではなく、自転する方向と反対方向へ公転するものとしても良い。
更に、上記の実施形態では、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現位置へ移動しない不具合の有無に関わらず、それらを用いた演出を実行させる際に、装飾画像3390を表示させるものを示したが、これに限定するものではなく、それらに不具合が発生していない状態では、装飾画像3390のない演出画像を表示、それらに不具合が発生した時のみ、装飾画像3390を表示させるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を定電流駆動方式にて駆動させるものを示したが、これに限定するものではなく、それらがステッピングモータであることから、2-2相励磁方式にて駆動させるようにしても良く、高いトルクを発生させることができる。
更に、上記の実施形態では、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を、ステッピングモータとしたものを示したが、これに限定するものではなく、起動トルクの大きなDCモータとしても良い。
また、上記の実施形態では、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を回動させるものとして、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380等の駆動モータを示したが、これに限定するものではなく、ソレノイドやロータリーソレノイド等としても良い。
[6.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、図61を参照して説明する。図61は、パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。パチンコ機1の主な制御構成は、図示するように、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御する。周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部1511と、周辺制御部1511からのコマンドに基づいて扉枠演出表示装置152、扉枠サブ表示部185、及び演出表示装置1600での演出画像の表示を制御する演出表示制御部1512と、を備えている。払出制御基板633は、遊技球Bの払出し等を制御する払出制御部633aと、ハンドル111の回転操作による遊技球Bの発射を制御する発射制御部633bと、を備えている。
[6-1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板1310は、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPUと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポートと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路と、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路と、主制御MPUに内蔵されているRAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチ1310fと、設定値の表示やエラー表示を行うための設定表示器1310g、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数を表示するためのベースモニタ1310hと、を備えている。主制御MPUは、その内蔵されたROMやRAMのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPUには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ(以下、「主制御内蔵WDT」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPUは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPUを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPUは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPUは、電気的なノイズの影響を受けると、ハードウェアによって強制的にリセットがかかる回路も内蔵されている(以下、「内蔵リセット回路」と記載する)。内蔵リセット回路は、主制御MPUの所定のレジスタの内容を監視して、つじつまの合わない内容にレジスタが変化した場合に、電気的なノイズの影響を受けたとして、主制御MPUを強制的にリセットする回路である。このような内蔵リセット回路による強制リセットは、ユーザプログラムによって制御して無効化することができない仕組みとなっている。このため、主制御MPUは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、後述する主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、後述する主制御側電源投入時処理を実行することとなる。この場合、主制御側電源断時処理が実行されていないため、後述するように、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなるため、主制御内蔵RAMの内容が完全に消去(クリア)されることとなる。なお、主制御MPUが内蔵リセット回路により強制リセットがかかったとしても、主制御MPUの内蔵リセット回路から払出制御基板633に対してリセット信号を出力することがないため、主制御基板1310(主制御MPU)のみが再起動することとなり、払出制御基板633は起動した状態が維持されている。
また、主制御MPUは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路」と記載する。)が内蔵されている。この主制御内蔵ハード乱数回路は、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0~最大値として値65535という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されず(つまり、初期値が固定されず)、主制御MPUがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPUがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPUに入力されるクロック信号(主制御MPUと別体に設けた図示しない水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰り返し行い、主制御MPUは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
主制御入力回路は、その各種入力端子に各種センサからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路は、図示しない主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路は、その各種入力端子に入力されている各種センサからの検出信号に基づく情報が主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御基板1310の主制御MPUは、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検出する第一始動口センサ2101、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検出する第二始動口センサ2402、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検出する一般入賞口センサ2401や一般入賞口センサ3001、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2506、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403、大入賞口センサ2403に検知された後に第一受入口2007に受入れられた遊技球Bを検知する第一受入口センサ2404、大入賞口センサ2403に検知された後に第二受入口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二受入口センサ2405、遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ2470、遊技領域5a内における不正な振動を検知する振動センサ3005、及び遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収される遊技球Bを検出するアウト口センサ3032、等からの検出信号が夫々主制御I/Oポートを介して入力される。
また、設定変更基板1311に備える設定キー1311a、設定切替ボタン1311bからのそれぞれの検出信号は、主制御入力回路を介して主制御I/Oポートの入力端子に入力されている。
また、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号と本体枠開放スイッチ4bからの検出信号とは、払出制御基板633を介して(経由して、つまり、後述する、払出制御入力回路、そして払出制御出力回路を介すことなく、そのまま)、主制御基板1310へそれぞれ入力されると、主制御入力回路を介して、主制御I/Oポートの入力端子にそれぞれ入力されている。
なお、第一始動口センサ2101、及び第二始動口センサ2402からのそれぞれの検出信号は、他の基板を介すことなく、つまり直接、主制御基板1310に入力され、主制御入力回路を介して主制御I/Oポートの入力端子に入力されている。これに対して、一般入賞口センサ3001、一般入賞口センサ2401、大入賞口センサ2403、第一受入口センサ2404、第二受入口センサ2405、磁気センサ2470、振動センサ3005、及びアウト口センサ3032からのそれぞれの検出信号は、パネル中継基板1710を介して、つまり間接的に、主制御基板1310に入力され、主制御入力回路を介して主制御I/Oポートの入力端子に入力されている。
主制御MPUは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポートの出力端子から主制御ソレノイド駆動回路に制御信号を出力することにより、主制御ソレノイド駆動回路から始動口ソレノイド2412、及びアタッカソレノイド2414、へそれぞれの駆動信号を、パネル中継基板1710を介して、つまり間接的に、出力したり、主制御I/Oポートの出力端子から機能表示ユニット1400の状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器、等へそれぞれの駆動信号を、他の基板を介すことなく、つまり直接、出力したりする。また、主制御MPUは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポートの出力端子から駆動信号を出力することにより、設定変更基板1311の設定変更許可ランプ1311cへ駆動信号を出力する。
また、主制御MPUは、主制御I/Oポートの出力端子から遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、払出制御基板633に対して遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、主制御I/Oポートの出力端子から信号(停電クリア信号)を出力することにより、停電監視回路に対して信号(停電クリア信号)を出力したり、主制御I/Oポートの出力端子から遊技球Bの発射を許可する旨を伝える発射許可信号を出力することにより、払出制御基板633に対して遊技球Bの発射を許可する旨を伝える発射許可信号を出力したりする。この発射を許可する旨を伝える発射許可信号の論理は、発射を許可するときには発射許可論理に設定される一方、発射を許可しないときには発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定される。なお、発射許可信号の論理は、初期値(デフォルト)として、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されるようにリセット機能付き主制御出力回路を含むハードウェアにより構成されているが、パチンコ機1が電源投入された後(復電した後)には、発射許可論理に設定されるようにしている。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2402、ゲートセンサ2506、及び大入賞口センサ2403には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ2401、及び一般入賞口センサ3001には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球Bが、第一始動口2002や第二始動口2004に頻繁に入球すると共に、ゲート部2003を頻繁に通過するため、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2506による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2506には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技、等)が発生すると、大入賞口2005が開放されて遊技球Bが頻繁に入球するため、大入賞口センサ2403による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、大入賞口センサ2403にも、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技領域5aに発射された遊技球Bは、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により多量に回収されるため、アウト口センサ3032による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、アウト口センサ3032に対しても、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球Bが頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ2401及び一般入賞口センサ3001による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ2401及び一般入賞口センサ3001には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。なお、一般入賞口2001に遊技球Bが頻繁に入球するしないに関係なく、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いてもよい。
また、主制御MPUは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板633に送信したり、この払出制御基板633からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPUは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポートを介して周辺制御基板1510の周辺制御部1511に送信したりする。なお、主制御MPUは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板633からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部1511に送信する。
主制御基板1310には、詳細な説明は後述するが、基板ユニット620の電源基板630から各種電圧が供給されている。この主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板630は、パチンコ機1の電源投入を行うことができる電源スイッチ630aのほかに、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチ1310fが操作されると、RAMから完全に消去(クリア)される。このRAMクリアスイッチ1310fの操作信号(検出信号)は、払出制御基板633にも出力される。
また、主制御基板1310には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板630から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力する。この停電予告信号は、主制御I/Oポートを介して主制御MPUに入力される他に、払出制御基板633等にも出力されている。
[6-2.払出制御基板]
遊技球Bの払出し等を制御する払出制御基板633は、払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aと、発射ソレノイド542による発射制御を行うとともに、球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bと、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器と、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチと、メンテナンスの際に、球タンク552、タンクレール553、球誘導ユニット570、及び払出装置580内の遊技球Bを、パチンコ機1の外部(上皿130)に排出して、球抜き動作を開始するための球抜スイッチと、を備えている。
[6-2a.払出制御部]
払出制御基板633における払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aは、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPUと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポートと、払出制御MPUが正常に動作しているか否かを監視するための外部WDT(外部ウォッチドックタイマ)と、払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路と、払出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路と、を備えている。払出制御MPUには、その内蔵されたROMやRAMのほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部633aの払出制御MPUは、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポートを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板1310からのRAMクリアスイッチ1310fの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポートを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ154からの検出信号が入力されたり、球切検知センサ574、払出検知センサ591、及び羽根回転検知センサ590からの検出信号が入力される。
球誘導ユニット570の球切検知センサ574、払出装置580の払出検知センサ591及び羽根回転検知センサ590からの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、ファールカバーユニット150の満タン検知センサ154からの検出信号、主制御基板1310の停電監視回路からの停電予告信号、エラー解除スイッチからのエラー解除信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
払出制御MPUは、払出モータ584を駆動するための駆動信号を、払出制御I/Oを介して払出モータ584に出力したり、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器に表示するための信号を、払出制御I/Oポートを介してエラーLED表示器に出力したり、パチンコ機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポートを介して主制御基板1310にシリアル方式で送信したり、実際に払出した遊技球Bの球数を払出制御I/Oポートを介して外部端子板558に出力したりする。この外部端子板558は、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球Bの球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器(図示は省略)は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「-」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切検知センサ574からの検出信号に基づいて払出装置580内に遊技球Bがない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて払出装置580の払出通路580aと払出羽根589との間に遊技球Bがかみ込んで払出羽根589が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ591からの検出信号に基づいて払出検知センサ591に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ154からの検出信号に基づいてファールカバーユニット150内に貯留された遊技球Bで満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板633からCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払出していない遊技球Bの球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸ボタン224からの遊技球Bの球貸要求信号、及び返却ボタン225からのプリペイドカードの返却要求信号は、CRユニットに入力される。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球Bの球数を指定した信号を、払出制御基板633にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポートで受信されて払出制御MPUに入力される。またCRユニットは、貸出した遊技球Bの球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度の表示信号を球貸操作ユニット220へ出力し、この信号が球貸操作ユニット220の球貸表示部に入力されて表示される。
[6-2b.発射制御部]
発射制御部633bは、発射ソレノイド542による発射制御と、球送給ソレノイド145による球送給制御と、を行う。発射制御部633bは、詳細に図示は省略するが、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路と、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路と、このクロック信号に基づいて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路と、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド542に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路と、発射基準パルスに基づいて球送給ソレノイド145に駆動信号を出力する球送給ソレノイド駆動回路と、を備えている。発射タイミング制御回路は、発振回路からのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球Bが遊技領域5aに向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路に出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送給ソレノイド駆動回路に出力する。
ハンドルユニット110の関係では、ハンドル111に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192、及び遊技者の意志によって遊技球Bの打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。またCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路に入力され、発射タイミング制御回路に入力される。遊技球Bの発射を許可する旨を伝える主制御基板1310からの発射許可信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。ハンドル111の回転位置に応じて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出す強度を電気的に調節するハンドル回転検知センサ189からの信号は、発射ソレノイド駆動回路に入力され。
発射タイミング制御回路は、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号に基づいてハンドル111に手のひらや指が触れているという発射条件1が成立し、CR接続信号に基づいてCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されるという発射条件2が成立し、主制御基板1310からの発射許可信号に基づいて遊技球Bの発射が許可されているという発射条件3が成立しなければ、遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力しないため、例えば、発射ソレノイド駆動回路が発射ソレノイド542に駆動信号を出力せず遊技球Bを発射することができない。
この発射ソレノイド駆動回路は、ハンドル回転検知センサ189からの信号に基づいて、ハンドル111の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド542に出力する。一方、球送給ソレノイド駆動回路は、球送基準パルスが入力されたことを契機として、球送給ソレノイド145に一定電流を出力することにより、扉枠3の上皿130に貯留された遊技球Bを球送給ユニット140内に1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る。このように、発射ソレノイド駆動回路から発射ソレノイド542に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送給ソレノイド駆動回路から球送給ソレノイド145に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板633に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御基板633のRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチ1310fが操作されると、払出制御基板633のRAMから完全に消去(クリア)される。
また、本実施形態では、発射ソレノイド542による発射制御を行うと共に球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bを、払出制御基板633に備えたが、電源基板630に備えるように構成してもよい。この場合、主制御基板1310からの発射許可信号は、電源基板630に直接入力されるように構成してもよいし、払出制御基板633を介して電源基板630へ入力されてもよいし、図示しない中継基板を介して電源基板630へ入力されてもよい。
[6-3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、図61に示すように、主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部1511と、この周辺制御部1511からの制御データに基づいて、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600の描画制御を行う演出表示制御部1512と、を備えている。
[6-3a.周辺制御部]
周辺制御基板1510における演出制御を行う周辺制御部1511は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPUと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROMと、高音質の演奏を行う音源ICと、この音源ICが参照する音楽、音声、及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMと、を備えている。
周辺制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の各装飾基板に送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の駆動モータ或いは駆動ソレノイドに送信したり、扉枠3に設けられた第一昇降駆動モータ175b、第二昇降駆動モータ182等への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したり、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を表示制御部用シリアルI/Oポートから演出表示制御部1512に送信したり、するほかに、音ROMから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源ICに出力したりする。
遊技盤5に設けられた裏ユニット3000における裏第二演出ユニット3200の複数の回転装飾体3210、裏第三演出ユニット3300の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371、等の回転位置や移動位置等を検知するための各種検知センサからの検知信号は、周辺制御MPUに入力されている。
また、扉枠3に設けられた扉枠演出装置150における演出操作部160の押圧検知センサ165からの検知信号は、周辺制御MPUに入力されている。また周辺制御MPUは、演出表示制御部1512が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が演出表示制御部1512から入力されており、この動作信号に基づいて演出表示制御部1512の動作を監視している。
音源ICは、周辺制御MPUからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROMから音情報を抽出し、扉枠3に設けられた下部スピーカ153a、下部前面スピーカ191、及び上部スピーカ241等から各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが出力されるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510が収容された周辺制御基板ボックスから後方へ突出しているボリュームを回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。本実施形態では、扉枠3の下部スピーカ153a、下部前面スピーカ191、及び上部スピーカ241に、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、或いは、4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができる。
なお、周辺制御部1511は、周辺制御MPUに内蔵された内蔵WDT(ウォッチドックタイマ)のほかに、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)も備えており、周辺制御MPUは、内蔵WDTと外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御MPUから演出表示制御部1512に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPUから遊技盤5の演出駆動基板1720に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド等は、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
演出駆動基板1720は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基づいた点灯信号又は点滅信号を、扉枠3に備えられた各装飾基板のLED(LED121a、LED122a、LED138a、LED153c、LED159a、格子装飾LED195、LED213a、上部外頂LED224、上部外谷LED225、上部外縁LED231、格子装飾LED245等)に出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基づいた点灯信号又は点滅信号を遊技盤5に備えられた各装飾基板のLEDに出力したりする。
また、演出駆動基板1720は、受信した駆動コマンドに基づいた駆動信号を、扉枠3に備えられた第一昇降駆動モータ175b及び第二昇降駆動モータ182や、遊技盤5に備えられた各駆動モータ等に出力したりする。
[6-3b.演出表示制御部]
演出表示制御部1512は、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600の描画制御を行うものである。演出表示制御部1512は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての表示制御MPUと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する表示制御ROMと、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)と、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に表示される画面の各種データを記憶する画像ROMと、この画像ROMに記憶されている各種データが転送されてコピーされる画像RAMと、を備えている。
この表示制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDPを制御して扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600の描画制御を行っている。なお、表示制御MPUは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部1511に出力する。また表示制御MPUは、VDPから実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
表示制御ROMは、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、画像ROMに記憶されている各種データを画像RAMの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に描画される画面データを、前もって、画像ROMから画像RAMの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
表示制御MPUは、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。このように、表示制御MPUは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。
VDPは、表示制御MPUから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて画像RAMからスプライトデータを抽出して扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に出力する。またVDPは、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600が、表示制御MPUからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を表示制御MPUに出力する。なお、VDPは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に出力する方式である。
画像ROMには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。画像ROMの容量が大きくなると、つまり、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に描画するスプライトの数が多くなると、画像ROMのアクセス速度が無視できなくなり、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速い画像RAMに、画像ROMに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、この画像RAMからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態で画像ROMに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に、纏まった単位として表示されるイメージである。例えば、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に、種々の人物(キャラクタ)を表示させる場合には、夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に複数人の人物を表示させる場合には、複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「スプライトキャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのスプライトキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。このように、スプライトキャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動される。扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600は、演出表示制御部1512から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[7.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図27乃至図29等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット180のハンドル111を遊技者が回転操作することで、扉枠3の上皿130に貯留された遊技球Bが、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球Bによる遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球Bは、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球Bの打込強さは、ハンドル111の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球B、つまり、0.6秒間隔で遊技球Bを打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に植設されており、遊技球Bが障害釘Nに当接することで、遊技球Bの流下速度が抑制されると共に、遊技球Bに様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘Nの他に、遊技球Bの当接により回転する風車がサイドユニット2200の第一棚部2201とワープ入口2501との間の位置に設けられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球Bは、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側(上右周壁部2510よりも左側)へ進入すると、複数の障害釘Nに当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球Bが、センター役物2500の外周面に開口しているワープ入口2501に進入すると、ワープ出口2502からステージ2503に供給される。
ステージ2503に供給された遊技球Bは、ステージ2503上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央部分から前方へ放出される。ステージ2503の中央の中央放出部2503aから遊技球Bが遊技領域5a内に放出されると、その中央放出部2503aが第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、3個)の遊技球Bが、上皿130に払出される。
センター役物2500のステージ2503から遊技領域5a内に放出された遊技球Bは、始動口ユニット2100の第一始動口2002や一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球Bが、ワープ入口2501に進入しなかった場合、サイドユニット2200の第一棚部2201や障害釘Nにより左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット2200の一般入賞口2001、或いは、始動口ユニット2100の第一始動口2002や一般入賞口2001等、に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、10個)の遊技球Bが、上皿130に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球Bが、センター役物2500の外周面の最も高くなった部位よりも右側(上右周壁部2510の上方の上流空間部2511)に進入すると、センター役物2500の流通通路群2520の第一流通通路2521又は第二流通通路2522の何れかを通って、センター役物2500のゲート部2003の上方に放出され、ゲート部2003の上方に植設されている複数の障害釘Nに当接した上で、ある程度の確率でゲート部2003を通過する。
センター役物2500の流通通路群2520は、衝止部1006の近傍に入口が開口している第一流通通路2521と、第一流通通路2521の入口から左方へ間隔をあけて入口が開口している第二流通通路2522と、から構成されている。これにより、衝止部1006に当接する強さで遊技球Bを打込む(所謂、右打ちする)と、第一流通通路2521に進入し、上流空間部2511に進入し衝止部1006に当接しない強さ(右打ちよりもある程度弱い強さ)で遊技球Bを打込むと、高い確率で第二流通通路2522に進入する。つまり、上流空間部2511内に打込まれた遊技球Bは、その打込強さに応じて、第一流通通路2521又は第二流通通路2522の何れかを流通する。
一方、第一流通通路2521を流通した遊技球Bは、ゲート部2003の上方に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でゲート部2003の右側へ誘導され、ゲート部2003をあまり通過することはなく、ゲート部2003の右側を流通する。一方、第二流通通路2522を流通した遊技球Bは、ゲート部2003の上方に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でゲート部2003の右側よりも左方へ誘導され、高い確率でゲート部2003を通過する。
このゲート部2003を遊技球Bが通過してゲートセンサ2506により検知されると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、アタッカユニット2400における閉鎖されている第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3~10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。
本実施形態では、ゲート部2003を遊技球Bが通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01~60秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400やサブ機能表示部2450に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。
なお、遊技球Bがゲート部2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球Bがゲート部2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003を遊技球Bが通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
ゲート部2003の右側を通過した遊技球Bは、ゲート部2003とアタッカユニット2400との間に植設されている複数の障害釘Nにより、極めて高い確率でアタッカユニット2400の一般入賞口2001の右側のアタッカ右通路2422に進入する。一方、ゲート部2003を通過した遊技球B、又は、ゲート部2003の左側を通過した遊技球Bは、ゲート部2003とアタッカユニット2400との間に植設されている複数の障害釘Nにより、極めて高い確率でアタッカ右通路2422よりも左方へ誘導されて、高い確率でアタッカ左通路2421に進入する。
なお、アタッカ右通路2422の左方には、アタッカユニット2400の一般入賞口2001が配置されており、この一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられて一般入賞口センサ2401に検知されると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、10個)の遊技球Bが、上皿130に払出される。
アタッカ右通路2422に進入した遊技球Bは、右レール1005の段部1005aに当接することで、高い確率で連通口2425を通って第二始動口誘導棚2423上に進入して、閉状態の第二始動口扉2411上を流通する。アタッカ右通路2422に進入した遊技球Bが、第二始動口誘導棚2423上に進入しなかった場合は、アタッカ右下通路2426に進入し、第二始動口2004や大入賞口2005に関わることなくアウト口1008から遊技領域5a外に排出される。また、アタッカ左通路2421に進入した遊技球Bは、第二始動口誘導棚2423上に進入して、閉状態の第二始動口扉2411上を流通する。
そして、遊技球Bが第二始動口誘導棚2423上に進入した時に、ゲート部2003での遊技球Bの通過により抽選された普通抽選結果が「普通当り」で、第二始動口扉2411が開状態となっていると、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられる。この第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、4個)の遊技球Bが、上皿130に払出される。
第二始動口誘導棚2423上に進入し第二始動口2004に受入れられなかった遊技球Bは、大入賞口誘導棚2424側へ放出され、閉状態の大入賞口扉2413上を転動した後に、遊技領域5a内に放出され、アウト口1008から遊技領域5a外へ排出される。なお、第二始動口誘導棚2423と大入賞口誘導棚2424との間には、複数の障害釘Nが植設されていると共に、中間通路2427が開口しているため、第二始動口誘導棚2423から大入賞口誘導棚2424側へ放出された遊技球Bが、低い確率で中間通路2427に進入する。この中間通路2427に進入した遊技球Bは、大入賞口2005に関わることなくアウト口1008から遊技領域5a外に排出される。
上記のようなことから、第一流通通路2521を流通した遊技球Bは、ゲート部2003をあまり通過することはないため、遊技球Bのゲート部2003の通過により第二始動口2004が開状態となる普通抽選結果が抽選されることはあまりないと共に、第二始動口2004に遊技球Bがあまり受入れられない。一方、第二流通通路2522を流通した遊技球Bは、高い確率でゲート部2003を通過するため、遊技球Bのゲート部2003の通過により第二始動口2004が開状態となる普通抽選結果(「普通当り」)が抽選される可能性が高いと共に、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられる可能性が高い。
このようなことから、遊技者が、第二流通通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を行うようになることから、上流空間部2511に遊技球Bが進入する打込強さで、且つ、遊技球Bが第二流通通路2522に進入する打込強さで、遊技球Bが遊技領域5a内に打込まれるように、遊技球Bの打込強さを調整しなければならないため、遊技球Bの打込操作に対して変化を付与させて遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者に対して遊技球Bの打込操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」)を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1~360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「15R大当りA」、「15R大当りB」、等がある。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果の場合、特別変動時間の経過後に、大入賞口2005が所定の開閉パターンで遊技球Bの受入れが可能な状態となる。大入賞口2005が開状態の時に、大入賞口2005に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、上皿130に払出される。従って、大入賞口2005が遊技球Bを受入可能としている時に、大入賞口2005に遊技球Bを受入れさせることで、多くの遊技球Bを払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
特別抽選結果が「大当り」の場合、大入賞口2005が、遊技球Bを受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球Bの受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「15R大当り」であれば15ラウンド繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技状態によって大入賞口2005が開状態の時に、大入賞口2005に受入れられた遊技球が、振分片2415によって第二受入口2008に振り分けられると、大当り遊技状態の終了後に、有利遊技状態としてST(スペシャル・タイム)を発生させる。このSTとは、予め決められた特定の変動回数の間、「大当り」等の特別抽選結果が抽選される確率を変更する確変や、特別抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更する時短の状態を維持するものである。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
なお、上記のように、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別抽選結果によって、大入賞口2005が開状態となった時に、第二流通通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を行うと、打込操作を微妙に調整しなければならないことから、せっかくのチャンスの到来に対して、遊技者によっては焦りや苛立ちを感じてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。しかしながら、本実施形態では、遊技球Bを右打ちして第一流通通路2521を流通させると、ゲート部2003の右側、アタッカ右通路2422、右レール1005の段部1005a、連通口2425、及び第二始動口誘導棚2423を介して、遊技球Bを大入賞口誘導棚2424側(大入賞口2005側)へ流通させることができるため、微妙な打込操作の調整をしなくても楽な打込操作で遊技球Bを大入賞口2005へ受入れさせることができ、有利遊技状態での遊技を遊技者に楽しませることができると共に、遊技状態に応じて遊技球Bの打込操作にメリハリを付けることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400やサブ機能表示部2450では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別抽選結果を示唆する。
一方、演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基づいて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の絵柄からなる絵柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各絵柄列を変動させ、変動表示されている絵柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの絵柄列の絵柄が、特別抽選結果と対応した組合せとなるように夫々の絵柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの絵柄列が停止して各絵柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、15R大当り遊技A、15R大当り遊技B、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(絵柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400やサブ機能表示部2450の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作部160の押圧操作部161を操作させる遊技者参加型演出を行うことができる。遊技者参加型演出では、第一昇降駆動モータ180a及び第二昇降駆動モータ182により押圧操作部161を上昇させて目立たせることができ、演出操作部160の操作により遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、周辺制御基板1510では、扉枠3に備えられている各装飾基板や、遊技盤5に備えられている各装飾基板及び裏ユニット3000の裏第一演出ユニット3100、裏第二演出ユニット3200、及び裏第三演出ユニット3300等を適宜用いて、発光演出や可動演出等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、遊技盤5における裏ユニット3000の裏第一演出ユニット3100、裏第二演出ユニット3200、及び裏第三演出ユニット3300等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[8.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技の進行に応じて、図61に示した主制御基板1310が行う各種制御処理について、図62~図67を参照して説明する。図62は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図63は図62の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図64は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図65は設定変更処理の一例を示すフローチャートであり、図66は設定値確認表示処理の一例を示すフローチャートであり、図67はエラー表示処理の一例を示すフローチャートである。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて初期値更新型のカウンタの動き、主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理、設定変更処理、エラー表示処理、設定値確認表示処理について説明する。
[8-1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態や小当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための特別乱数と、この特別乱数の初期値の決定に用いるための当り判定用初期値決定乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチ(リーチはずれ)を発生させるか否かの決定に用いるためのリーチ判定用乱数と、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器で変動表示される特別図柄の変動表示パターンの決定に用いるための変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器で導出表示される大当り図柄や小当り図柄の決定(当り種別の決定)に用いるための図柄乱数と、この図柄乱数の初期値の決定に用いるための大当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。またこれらの乱数に加えて、第二始動口2004の遊技球の受け入れが可能とする可動片を開閉動作させるか否かの決定に用いるための普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定乱数と、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で変動表示される普通図柄の変動表示パターンの決定に用いるための普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
このような遊技制御に用いられる各種乱数のうち、特別乱数はハードウェアにより更新されるのに対して、他の各種乱数はソフトウェアにより更新されるようになっている。
例えば、特別乱数は、主制御MPUに内蔵される主制御内蔵ハード乱数回路によりハードウェアにより直接更新されるようになっている。この主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPUがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰り返し行い、主制御MPUは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を特別乱数としてセットするようになっている。
これに対して、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。このカウンタは、普通図柄当り判定用初期値決定乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、普通図柄当り判定用初期値決定乱数は更新される。このようなカウンタの更新方法を「初期値更新型のカウンタ」という。普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御基板1310のRAMクリアスイッチ1310fが電源投入時に操作された場合や、後述する、主制御側電源投入時処理において主制御MPUの主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出して得たチェックサムの値(サム値)が主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致していない場合など、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてをクリアする場合には、普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、主制御MPUがその内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この導出した固定値がセットされる仕組みとなっている。つまり、普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、初期値導出処理の実行によりIDコードに基づいて導出された同一の固定値が常に上書き更新されるようになっている。このように、普通図柄当り判定用初期値決定乱数にセットされる値は、IDコードを利用して導出されており、主制御MPUを製造したメーカによって主制御MPUに内蔵する不揮発性のRAMにIDコードを記憶させるとIDコードが外部装置を用いても書き換えられないという第1のセキュリティー対策と、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてをクリアする場合に初期値導出処理を実行することによってIDコードに基づいて同一の固定値を導出するという第2のセキュリティー対策と、による2段階のセキュリティー対策が講じられることよって解析されるのを防止している。
ここで、主制御MPUに内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードを普通図柄当り判定用初期値決定乱数として用いる利点について説明する。例えば、賞球として払い出される遊技球を不正に獲得しようとする者が何らかの方法で遊技盤5を入手して分解し、主制御MPUに内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードを不正に取得し、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングを把握することができたとしても、そのIDコードが個体を識別するためのユニークな符号が付されたものであるため、他の遊技盤5’に備える主制御MPU’に内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードとまったく異なるものとなる。つまり他の遊技盤5’においては、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングも、入手した遊技盤5のものとまったく異なる。換言すると、入手した遊技盤5を分解して解析して得たIDコードは、他の遊技盤5’、つまり他のパチンコ機1’において、まったく役に立たないものであるため、分解して解析した得た所定間隔ごとに瞬停を発生させ、その所定間隔ごとに、ゲート部2003に遊技球を通過させたとしても、可動片を開閉動作させて第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態を発生させることができない。
[8-2.主制御側電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、デフォルトとして予め定めたアドレスにスタックポインタが設定されるように主制御MPUが回路構成されている。このスタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。
主制御MPUによる制御の下、図62及び図63に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、主制御MPUは、RAMアクセス許可の設定を行う(ステップS10)。このRAMアクセス許可の設定により主制御内蔵RAMに対する更新を行うことができる。
ステップS10に続いて、主制御MPUは、停電クリア処理を行う(ステップS12)。この停電クリア処理では、ウェイトタイマ処理を行い、停電監視回路1310eからの停電予告信号が入力されているか否かを判定する。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。
ステップS12に続いて、主制御MPUは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されているか否かを判定する(ステップS14)。この判定では、主制御MPUは、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がHIであるときにはRAMクリアを行うと判断してRAMクリアスイッチ1310fが操作されていないと判定する一方、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がLOWであるときにはRAMクリアを行うと判断してRAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定する。なお、本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始されてからステップS14の判定までに亘る期間内において、極めて短時間であるため、実際には、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作する者は、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
ステップS14の判定において、主制御MPUは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットする(ステップS16A)。一方、ステップS14の判定において、主制御MPUは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値0をセットする(ステップS16B)。つまり、主制御MPUは、電源投入時から所定時間に亘って、主制御MPUに内蔵されたRAM(つまり、主制御内蔵RAM)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする。上述したRAMクリア報知フラグRCL-FLGは、主制御MPUの主制御内蔵RAMに記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報を消去するか否かを示すフラグであり、各種情報を消去するとき値1、各種情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS16A及びステップS16BでセットされたRAMクリア報知フラグRCL-FLGの値は、主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS16A又はステップS16Bに続いて、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定する(ステップS18)。この判定では、主制御MPUは、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bからの検出信号と、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、設定キースイッチ1311aからの設定キーONの信号と、に基づいて行う。なお、本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始されてからステップS18の判定までに亘る期間内において、極めて短時間であるため、実際には、設定キースイッチ1311aをON操作する者は、設定キースイッチ1311aをON操作したのちにパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
ステップS18の判定において、主制御MPUは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定したときには、設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットする(ステップS20A)。一方、ステップS18の判定において、主制御MPUは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定したときには、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットする(ステップS20B)。設定キーONフラグCS-FLGは、主制御MPUの主制御内蔵RAMの所定領域(後述する、特定領域における設定値専用領域)に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)の設定変更や確認表示を行うことを許可するか否かを示すフラグであり、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可するとき値1、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS20A及びステップS20Bでセットされた設定キーONフラグCS-FLGの値は、主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS20A又はステップS20Bに続いて、主制御MPUは、ウェイト時間待機処理を行う(ステップS22)。このウェイト時間待機処理では、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として10秒(s)が設定されている。周辺制御基板1510は、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点において、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態となっている。なお、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点において、払出制御基板633が周辺制御基板1510と比べて短時間でブート完了するため、払出制御基板633は、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態となっている。
ステップS22に続いて、主制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS24)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路1310eから入力される。ステップS24の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。ステップS24の判定において、主制御MPUは、停電予告信号の入力があると判定したときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行う。なお、ステップS24の判定がステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS24の判定において、主制御MPUは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS25)。主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したことによって、予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定する。
ステップS25の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1でないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS26)。主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であると判定したことによって、予め定めた設定値変更許可条件が成立していないが、予め定めた設定値変更許可条件が成立した場合と同様に各種情報を消去すると判定する。
ステップS26の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0でないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS27)。主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したことによって、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定する。
ステップS27の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるとして、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定したときには、設定値確認表示処理を行う(ステップS28)。この設定値確認表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を設定表示器1310gに表示する。
ステップS28に続いて、又はステップS27の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1でない(RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0である)と判定したときには、チェックサムの算出を行う(ステップS29)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS29に続いて、主制御MPUは、算出したチェックサムの値(サム値)が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS30)。ステップS30において、主制御MPUは、一致していると判定したときには、バックアップフラグBK-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS32)。このバックアップフラグBK-FLGは、各種情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK-FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、主制御基板1310の製造ラインの検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS29のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、についての詳細な説明を後述する。
ステップS30の判定において、主制御MPUは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS32の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK-FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、エラー表示処理を行い(ステップS33)、無限ループに入る。この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPUがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
なお、パチンコ機1の電源遮断を行い、外枠2に対して本体枠4が開放し、かつ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作してON操作したのちに、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うことにより、再び本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始される。主制御MPUは、上述したステップS14の判定において、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定して、上述したステップS16Aにおいて、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットするとともに、上述したステップS18の判定において、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定して、上述したステップS20Aにおいて、設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットするため、上述したステップS25の判定において、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるとして、予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定して、後述するステップS37の設定変更処理に続いて、後述するステップS38の処理において、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることによりRAMエラーを解除して遊技を進行することができるようになっている(以下、「第1のRAMエラー解除方法」と記載する)。
この第1のRAMエラー解除方法とは別の方法として、パチンコ機1の電源遮断を行い、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)のままで、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うことにより、再び本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始される。主制御MPUは、上述したステップS14の判定において、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定して、上述したステップS16Aにおいて、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットするのに対し、上述したステップS18において、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定して、上述したステップS20Bにおいて、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットするため、上述したステップS26の判定において、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であるとして、つまり予め定めた設定値変更許可条件が成立していないが、予め定めた設定値変更許可条件が成立した場合と同様に各種情報を消去すると判定して、後述するステップS38の処理において、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることによりRAMエラーを解除して遊技を進行することができるようになっている(以下、「第2のRAMエラー解除方法」と記載する)。
このように、本実施形態では、ステップS30の判定において、主制御MPUは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS32の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK-FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS33のエラー表示を行って、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)の旨を伝える場合には、第1のRAMエラー解除方法と第2のRAMエラー解除方法との2つの解除方法により行うことができるようになっている。これにより、設定値の設定変更を全く行う必要がない場合には、RAMクリアスイッチ1310fによる第2のRAMエラー解除方法を行うことによりRAMエラーを解除することができるようになっている。
一方、ステップS32の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK-FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、復電時として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS34)。この設定は、主制御MPUに内蔵されたROM(つまり、主制御内蔵ROM)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。これにより、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。また、主制御MPUは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値に基づいて遊技を進行することとなる。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態、不正手段(例えば、不正行為者が腕の裾に隠した高周波出力装置)からの高周波が主制御基板1310に照射されて主制御MPU自体がリセットし、その後に復帰した状態も含める。
ステップS34に続いて、主制御MPUは、バックアップフラグBK-FLGに値0をセットする(ステップS36)。これにより、これ以後の各種処理が行われることにより各種情報、チェックサムの値(サム値)等が変更されるため、後述する主制御側電源断時処理を正常に終了してバックアップフラグBK-FLGに値1がセットされないと、後述するように、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてがクリアされることとなる。
一方、ステップS25の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したとき、つまり予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定したときには、設定変更処理を行う(ステップS37)。この設定変更処理では、その詳細な説明を後述するが、設定変更基板1311の設定切替ボタン1311bからの検出信号に基づいて、設定変更基板1311の設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されるごとに、設定値を変更して設定表示器1310gに表示し、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダがON操作からOFF操作されたことで設定キースイッチ1311aからのOFFの信号に基づいて、変更した設定値を決定し、主制御MPUに内蔵されているRAMの所定領域に格納する。
ステップS37の処理、又はステップS26の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であると判定したとき、つまり予め定めた設定値変更許可条件が成立していないが、予め定めた設定値変更許可条件が成立した場合と同様に各種情報を消去すると判定したときには、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアする(ステップS38)。ここでは、主制御MPUは、値0を主制御内蔵RAMの所定領域(主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)に書き込むことよって行う。本実施形態では、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0でない(値1である)とき、つまり各種情報を消去すると判定したときに加えて、設定変更処理を終了すると、必ず、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて(主制御内蔵RAMの所定領域(主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)を)クリアするようになっている。ここで、「特定領域」とは、設定値が格納される設定値専用領域と、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)が格納されるアウト球計数専用領域と、から構成されている。設定値専用領域は、後述する設定変更処理において設定変更される設定値が格納され、アウト球計数専用領域は、後述する球数計数処理において計数されるアウト口1008により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)が格納される。
なお、主制御MPUは、初期値として主制御内蔵ROMから所定値を読み出して、セットしてもよい。また、主制御MPUは、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がRAMクリアを指示するもので各種情報を消去するとき、サム値が一致していないとき、又は主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御MPUの不揮発性のRAMに予め記憶された固有のIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を行い、この固定値を、上述した普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定乱数にセットする。
ステップS38に続いて、主制御MPUは、初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS40)。この設定は、主制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットされることにより実施される。これにより、遊技バックアップ情報が初期化され、例えばメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値は、初期値である値0に設定(セット)される。また、主制御MPUは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値に基づいて遊技を進行することとなる。
ステップS36又はステップS40に続いて、主制御MPUは、主制御内蔵WDTの初期値設定及び起動設定を行う(ステップS41)。ここでは、主制御MPUの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視する主制御内蔵WDTに初期値を設定するために主制御MPUに内蔵されるウォッチドックタイマコントロールレジスタ(以下、「WDTコントロールレジスタ」と記載する。)にタイマ設定値を設定して主制御内蔵WDTを起動させて主制御MPUをリセットするまでの計時を開始する。主制御内蔵WDTが起動すると、主制御内蔵WDTによる計時が開始され、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでに、主制御MPUに内蔵されるウォッチドックタイマクリアレジスタ(以下、「WDTクリアレジスタ」と記載する。)にタイマクリア設定値をセットしないと、主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットされるようになっている。これに対して、主制御内蔵WDTが起動して計時が開始されると、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでにWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすると、主制御内蔵WDTによる計時がクリアされて、再び計時が開始されるようになっている。このように、主制御内蔵WDTによる計時をタイマ設定値で設定された時間に達するまでにクリアして再び計時を開始するという処理を繰り返し行うことにより主制御MPUの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視することができる。
ステップS41に続いて、主制御MPUは、割り込み初期設定を行う(ステップS42)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、4ミリ秒(ms)に設定されている。
ステップS42に続いて、主制御MPUは、シリアル通信初期設定を行う(ステップS44)。ここでは、主制御MPUに内蔵される各種シリアル入出力ポート(例えば、払出制御基板633に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)、周辺制御基板1510に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)に対応する、送信シリアルポートプリスケーラに通信速度の設定やパリティ有無の設定等を行うとともに、送信シリアルポートコントロールレジスタに送信回路の初期化の設定や送信許可の設定等を行う。
ステップS44に続いて、主制御MPUは、試験信号出力ポート初期化設定を行う(ステップS46)。ここでは、遊技機の試験機関において、各種検査情報を出力するための図示しない試験信号出力ポートを、電源投入時に初期化設定(OFFデータ出力に設定)等を行う。
ステップS46に続いて、主制御MPUは、主制御内蔵ハード乱数回路の起動設定を行う(ステップS48)。ここでは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための特別乱数を、ハードウェアにより更新するために主制御MPUに内蔵されるハード乱数コントロールレジスタに乱数をラッチして取得するという設定等を行うとともに、ハード乱数設定レジスタに主制御内蔵ハード乱数回路の起動等を設定する。これらの設定により主制御内蔵ハード乱数回路が起動すると、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。なお、主制御MPUは、主制御内蔵ハード乱数回路から乱数(乱数値)を取得するときには、主制御内蔵ハード乱数回路にラッチ信号を出力し、このラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した乱数(乱数値)を、主制御MPUに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得するようになっている。主制御MPUは、この取得した乱数値を特別乱数としてセットする。
ステップS48に続いて、主制御MPUは、電源投入時に送信するコマンドの予約設定を行う(ステップS50)。ここでは、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず各種情報のうち遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されることとなる。これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。なお、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS50に続いて、主制御MPUは、割り込み許可設定を行う(ステップS52)。この設定によりステップS42で設定した割り込み周期、つまり4msごとに後述する主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS52に続いて、主制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS54)。パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、上述したように、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路から主制御MPUに入力される。ステップS54の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS54の判定において、主制御MPUは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、非当落乱数更新処理を行う(ステップS56)。この非当落乱数更新処理では、上述した、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数をソフトウェアにより更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定乱数及び普通図柄変動表示パターン用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。
ステップS56に続いて、再びステップS54に戻り、主制御MPUは、停電予告信号の入力があるか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS56で非当落乱数更新処理を行い、ステップS54~ステップS56を繰り返し行う。なお、このステップS54~ステップS56の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS54の判定において、主制御MPUは、停電予告信号の入力があったと判定したときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS58)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した、遊技情報、及びその他の情報を含む各種情報の書き換えを保護している。
ステップS58に続いて、主制御MPUは、停電クリア信号を出力開始する(ステップS60)。ここでは、ステップS12の停電クリア処理において停電クリア信号を出力開始した処理と同一の処理を行う。
ステップS60に続いて、主制御MPUは、例えば、機能表示ユニット1400の各種表示器、始動口ソレノイド2404、アタッカソレノイド2405、ベースモニタ1310h等に出力している駆動信号を停止する(ステップS62)。
ステップS62に続いて、主制御MPUは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS64)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK-FLGの値の記憶領域を除く、主制御内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS64に続いて、主制御MPUは、バックアップフラグBK-FLGに値1をセットする(ステップS66)。これにより、遊技バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS66に続いて、主制御MPUは、RAMアクセス禁止の設定を行う(ステップS68)。このRAMアクセス禁止の設定により主制御内蔵RAMに対するアクセスが行うことができなくなることよって主制御内蔵RAMの内容の更新を防止することができる。
ステップS68に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、ステップS41において起動した主制御内蔵WDTに対して主制御MPUに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDTによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットされることとなる。その後、主制御MPUは、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS58~ステップS68の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
主制御MPUは、上述したように、電気的なノイズの影響を受けると、内蔵リセット回路による強制リセットがかかる。この場合、主制御MPUは、ステップS54の判定を行うことができず、主制御側電源断時処理を行うことができない。このため、主制御MPUは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、主制御側電源投入時処理を実行することとなる。つまり、主制御側電源断時処理が実行されないことにより、内蔵リセット回路による強制リセットがかかる直前に基づく主制御側電源断時処理におけるチェックサムの値(サム値)が記憶されていないため、前回電源遮断時において主制御側電源断時処理が実行されて記憶されたチェックサムの値(サム値)と、内蔵リセット回路による強制リセットがかかって再起動するときにステップS29で算出したチェックサムの値(サム値)と、が一致するはずがなく、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなって、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)されることとなる。
パチンコ機1(主制御MPU)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により、この主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS30では主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS32では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報を2重にチェックすることにより遊技バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
また、ステップS25の判定において、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるとして、予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定したときには、ステップS37の設定変更処理を行い、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)し、ステップS26の判定において、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であるとして、つまり予め定めた設定値変更許可条件が成立していないが、予め定めた設定値変更許可条件が成立した場合と同様に各種情報を消去すると判定したときには、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)する。このように、復電時に押圧操作部が操作されている場合(正確には、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合)には、設定値を変更決定することができる設定変更を行う場合(主制御MPUが設定変更処理を行った場合)でなくても、主制御MPUが主制御内蔵RAMの所定領域を必ずクリアする。これは、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作される場合には、例えば、遊技ホールの営業が終了した際に、パチンコ機1が遊技者にとって有利な状態(例えば、確率変動(確変)当りとなっている状態等)である場合には、次の営業開始までに、上述した遊技バックアップ情報を消去(クリア)する必要があるため、遊技ホールの店員等の係員は、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入する必要がある。また、設定値を変更決定する場合には、設定変更処理が行われると、結果的に現状の設定値が維持される場合であっても、設定変更処理が行われる前の設定値により得た遊技情報等の各種情報を含む遊技バックアップ情報を主制御内蔵RAMから消去(クリア)する必要がある。設定キーは、上述したように、設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる重要なキーであるため、遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2~3人に限定されている。本実施形態では、設定値が変更決定されなくても、つまり限定された特定の者だけが所持する設定キーがなくても、遊技ホールの店員等の係員は、遊技バックアップ情報を消去(クリア)する必要があるときにRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うことにより、遊技バックアップ情報を主制御内蔵RAMから消去(クリア)することができるようになっている。
ここで、ステップS24の停電予告信号の有無の判定をステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行う点について説明する。まず、ステップS24の停電予告信号の有無の判定がない場合における問題点について、つまりステップS22のウェイト時間待機処理の後に、ステップS26以降の処理をすすめる場合における問題点について説明する。
主制御MPUの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って直流+5Vとして印加されるようになっている。つまり、瞬停や停電により遊技ホールの島設備からの電源が遮断された状態であっても、電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が直流+5Vとして印加されることにより、遊技ホールの島設備からの電源が遮断されてから約7msという時間が経過するまでの期間内に、主制御側電源断時処理を完了することができるようになっている。これは、遊技者が遊技を行っている際に、つまり、主制御側メイン処理又は後述する主制御側タイマ割り込み処理を行っている際に、停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合において、主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。
ところが、極めて稀な現象として、復電時にステップS22のウェイト時間待機処理において、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)までの待機時間(ブートタイマ:本実施形態では、2.5秒が設定されている。)を計時開始し、その待機時間に達する直前で、仮に瞬停又は停電が発生すると、主制御MPUの電源端子であるVDD端子に電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が直流+5Vとして印加されるものの、約7msという期間内に、ステップS42で割り込み初期設定が行われ、その後、ステップS52で割り込み許可設定が行われることにより、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われて、主制御内蔵RAMの内容が更新されても、主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を完了することができなくなる場合がある。このため、主制御内蔵RAMの内容に基づく、チェックサムを算出した値が記憶されることなく再び復電時に主制御側電源投入時処理を開始することとなる。
そうすると、今回の復電時において主制御側電源投入時処理を開始して、瞬停や停電が発生することなく、ステップS22のウェイト時間待機処理を完了し、その後、ステップS29で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出した値と、瞬停又は停電が発生した直前における主制御内蔵RAMに記憶されている値と、をステップS30で比較判定すると、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることなる。換言すると、復電時にRAMクリアスイッチ1310fが遊技ホールの店員等の係員により操作されてRAMクリアという遊技ホールの店員等の係員による意思表示がなくても、強制的に主制御内蔵RAMに記憶されている上述した遊技バックアップ情報を消去(クリア)することとなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うようになっている。これにより、遊技の進行を行うことができないようになっている。ステップS22のウェイト時間待機処理を行う前に、ステップS16A又はステップS16BにおいてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値が設定されるものの、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値は、上述したように、主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶されるため、ステップS10でRAMアクセス許可の設定が行われていても、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されない。
このように、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されているときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されるとステップS24の判定により判定されたときには)、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、遊技の進行を行うことができず、遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報が更新されることを防止することができ、チェックサムの算出結果に変動が生ずることがないようになっている。これにより、主制御基板1310の主制御MPUは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。したがって、復電時において、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報が初期化されることを防止することができる。
また、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されていないときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されないとステップS24の判定により判別されたときには)、主制御基板1310の主制御MPUが遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断されても、主制御MPUの電源端子であるVDD端子に、電解コンデンサMC2による電源の供給により、この遊技の進行による遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報を記憶するためのバックアップ処理であるステップS58~ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPUが完了することができるようになっているため、主制御MPUの主制御MPUは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、バックアップ処理においてチェックサムの算出結果(つまり、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値)と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。つまり、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報に復元されて主制御基板1310を起動することができるようになっている。
更に、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていると判定したときには主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットさせることで主制御内蔵RAMの内容を全く更新することなく再び主制御側電源断時処理を開始することができる一方、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていないと判定したときにはこれまで通りハードウェアによる約7msという「瞬停又は停電時電源確保期間」以内に主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。つまり、本実施形態では、復電時に主制御側電源投入時処理を行っている際に瞬停や停電が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合であって、主制御MPUの電源端子であるVDD端子に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って直流+5Vとして印加されるようになっているため、電解コンデンサMC2というハードウェアによる約7msという「瞬停又は電源確保期間」内において主制御側電源断時処理を完了することができない場合においては、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後におけるステップS24で停電予告信号が入力されているか否かの判定を行い、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、遊技の進行を行うことができないようになっている。
このようなソフトウェアにより遊技の進行が行うことができないようにされることでステップS24より後のステップ(具体的には、ステップS42で割り込み初期設定を行って、その後に、ステップS52で割り込み許可を設定して後述する主制御側タイマ割り込み処理を開始するという制御フロー)への進行を阻止することで主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が更新されることを回避することができるという仕組みを採用した。このように停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された際に、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が全く変更されないようにソフトウェアで賄う部分と、主制御側電源断時処理を確実に完了して主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が全く変更されないようにハードウェアで賄う部分と、に2つに分けて構成することにより、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が変更されることを確実に防止することができるようになっている。
次に、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点について説明する。ステップS50では、上述したように、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。この電源投入時主制御復帰先コマンドは、始動口ソレノイド2404の駆動状態を指示する情報と、アタッカソレノイド2405の駆動状態を指示する情報と、から主として構成されている。ここでは、まず電源投入時主制御復帰先コマンドに、始動口ソレノイド2404の駆動状態を指示する情報と、アタッカソレノイド2405の駆動状態を指示する情報と、が含まれていない場合における問題点、つまり、ステップS50において電源投入時主制御復帰先コマンドが電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われない場合における問題点について説明する。
例えば、周辺制御基板1510が大当り遊技状態の画面(例えば、大当り遊技演出の画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310がアタッカソレノイド2405を駆動して大入賞口2005が開閉部材により開放されているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、アタッカソレノイド2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として大当り遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、大当り遊技状態のどのラウンドであるか全く表示することができない。つまり、例えば大入賞口2005に遊技球が入球して大入賞口センサ2403によって検出され、大入賞口2005に入球した遊技球の球数を伝える大入賞口1カウント表示コマンドを主制御基板1310が周辺制御基板1510に送信して周辺制御基板1510が受信したとしても、周辺制御基板1510は、確率及び時短状態に応じて画面に大入賞口2005に入球した遊技球の球数が演出表示装置1600の表示領域に表示することができても、大当り遊技状態のどのラウンド(つまり、何回目のラウンド)であるか全く表示することができない。
このような状況において、主制御基板1310は、例えば大当り遊技状態の4ラウンド(4回目のラウンド)を終了するときには、アタッカソレノイド2405の駆動を停止して大入賞口2005が開閉部材により開放されている状態から閉鎖されている状態へ移行する旨(つまり、アタッカユニット2100の大入賞口2005のラウンド間の閉鎖開始)を指示する大入賞口1閉鎖表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信し、主制御基板1310が大当り遊技状態の5ラウンド(5回目のラウンド)を開始するときには、アタッカソレノイド2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨(つまり、大入賞口2005の5回目のラウンドの開放開始)を指示する大入賞口開放5回目表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信する。これにより、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の5ラウンドの開始という画面を、上述した確率及び時短状態に応じた画面からようやく切り替えて演出表示装置1600の表示領域に表示することとなる。
また、例えば、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面(例えば、可動片が開いている旨を遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310が始動口ソレノイド2404を駆動して可動片を開動作させて第二始動口2004を開放する状態となっているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、始動口ソレノイド2404の駆動を開始して可動片を閉動作させて第二始動口2004を閉鎖する状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に全く表示することができない。このため、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生したことに驚いて、復電時において、瞬停や停電が発生する直前における第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態であることを忘れている場合もあり、このような場合には、復電時における遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態に復帰されているにもかかわらず、復電時に演出表示装置1600の表示領域に遊技を指示する画面(つまり、第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示する画面)が表示されないことにより、遊技者がどのような遊技を行えば分からなくなるという問題もあった。
このように、上述した2つの例においては、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができないという問題があった。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いするという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、周辺制御基板1510は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとに基づいて、例えば、上述した例では、大当り遊技状態の4ラウンドにおいて、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、アタッカソレノイド2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨を周辺制御基板1510に伝えることができるため、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の4ラウンドである旨を特定した画面(つまり、何回目のラウンドであるかを示す画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示することができないものの、大当り遊技状態であってアタッカソレノイド2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により開放されている状態である旨を伝える画面(例えば、「大当りです。大入賞口が開放されています。大入賞口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において大入賞口2005に遊技球を入球させるという遊技を指示することができるし、また例えば、上述した例では、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている状態において、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、始動口ソレノイド2404の駆動を開始して可動片を開動作させて第二始動口2004を開放させた状態となっている旨を伝える画面(例えば、「可動片が開いています。第二始動口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示することができる。
これにより、瞬停や停電が発して、その後に復電する際に、周辺制御基板1510の復帰先を主制御基板1310側で細かく指示することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができる。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いすることを防止することができる。
次に、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS29のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、について説明する。主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述した、バックアップ処理であるステップS58~ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPUは、一度も実行していない状態であるため、ステップS29で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出しても、ステップS30で比較判定において、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて必ずクリアすることなる。
これにより、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドという3つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となる。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において、まず電源投入時状態コマンドが送信され、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドが送信され、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されるようになっている。これを利用して、主制御基板検査工程においては、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、主制御基板1310から最初のコマンドとして電源投入時状態コマンドが主制御基板検査工程の検査装置へ送信されることとなる。
ところで、電源投入時状態コマンドは、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、RAMクリアスイッチ1310fが操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。ここでは、電源投入時状態コマンドにパチンコ機の機種コードを示す情報が含まれていない場合における問題点について説明する。
パチンコ機の機種コードは、パチンコ機1(正確には、主制御基板1310)として、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など))であるのか、を特定することができるものである。
パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいては、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在する場合がある。そうすると、製造ラインの作業者は、複数種類の作品の版権(例えば、映画A、映画B、ドラマC、映画D、漫画E、及び漫画Fという作品の版権)のうち、どの作品の版権に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているのか分からなくなったり、複数種類の作品の版権のうち、一の版権(例えば、映画Dという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているにもかかわらず、他の版権(例えば、漫画Fという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているという思い込みや勘違いもある。
このため、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、製造ラインの作業者は、製造ラインで製造した主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを確認することができないし、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを確認することもできない。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在したまま、遊技盤5に主制御基板1310を取り付けるための遊技盤組立ラインへ送られることとなる。このため、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付ける場合もあった。これにより、結果として、遊技盤5の生産効率が低下するという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、パチンコ機の機種コードを示す情報を含む電源投入時状態コマンドを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインの作業者は、製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、主制御基板1310を電源投入することにより、検査装置が主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、検査モニタに表示する詳細な機種情報を目視することにより、主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを判別することができるとともに、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを判別することもできるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在しても、製造ラインの主制御基板検査工程の作業者は、検査モニタを目視して主制御基板1310の機種タイプ、作品の版権、及び遊技仕様を正確に判別することができることによって、作品の版権に対する主制御基板1310ごとに分別して後続の遊技盤組立ラインへ送ることができる。そして、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応する主制御基板1310を遊技盤5に確実に取り付けることができ、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付けるという作業によって生ずる遊技盤5の生産効率の低下を防止することができる。したがって、遊技盤5の生産効率の向上に寄与することができる。
[8-3.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図62及び図63に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御MPUは、図64に示すように、レジスタバンクの切替を行う(ステップS100)。主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)には、第1のレジスタバンクと第2のレジスタバンクとから構成される2つのレジスタバンクがある。第1のレジスタバンクは上述した主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用される一方、第2のレジスタバンクは本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において使用される。ステップS100では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において第2のレジスタバンクを使用するため、主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用されている第1のレジスタバンクから第2のレジスタタンクへのレジスタバンクの切り替えを行う。なお、本実施形態では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理が開始されるときに、各レジスタをスタックに退避する処理は必要ないようになっている。
ステップS100に続いて、主制御MPUは、タイマ減算処理を行う(ステップS102)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器が点灯する時間のほかに、主制御基板1310(主制御MPU)が送信した各種コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払主ACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間が100msに設定されている。このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS102に続いて、主制御MPUは、スイッチ入力処理を行う(ステップS104)。このスイッチ入力処理では、主制御MPUの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。具体的には、主制御MPUは、例えば、一般入賞口センサ2401からの検出信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、第一始動口センサ2101からの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号、大入賞口センサ2403からの検出信号、アウト口センサ3032からの検出信号、磁気センサ2470からの検出信号、振動センサ3005からの検出信号、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号、設定キースイッチ1311aからの信号、設定切替ボタン1311bからの信号、後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払出制御基板633からの払主ACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。また、第一始動口センサ2101からの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号をそれぞれ読み取ると、これと対応するその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。つまり、第一始動口センサ2101からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶されるし、第二始動口センサ2402からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶されるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御MPUの各種入力ポートのすべての入力端子に入力されている状態(空き端子処理が施されているものも含める。)は、このスイッチ入力処理が開始されると、まず1回目としてそれぞれ読み取られ、所定時間(例えば、10μs)経過した後、2回目としてそれぞれ再び読み取られる。そして、この2回目に読み取られた結果と、1回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを判定する。同結果でないものについては、さらに、3回目として再び読み取られ、この3回目に読み取られた結果と、2回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果でないものについては、さらに、4回目として再び読み取られ、この4回目に読み取られた結果と、3回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果とならいものについては、遊技球の入球がないものとして、又は入力を無視するものとして扱う。
このように、スイッチ入力処理では、主制御MPUの各種入力ポートのすべての入力端子に入力されている状態(空き端子処理が施されているものも含める。)を、1回目~3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目~4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避することができるようになっているため、一般入賞口センサ2401からの検出信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、第一始動口センサ2101からの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号、大入賞口センサ2403からの検出信号、アウト口センサ3032からの検出信号、磁気センサ3005からの検出信号、振動センサ3005からの検出信号、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号、設定キースイッチ1311aからの信号、設定切替ボタン1311bからの信号、後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払出制御基板633からの払主ACK信号の信頼性を高めることができる。
ステップS104に続いて、主制御MPUは、入力端子不具合監視処理を行う(ステップS105)。この入力端子不具合監視処理では、主制御MPUの各種入力ポートの入力端子のうち、空き端子処理が施されているものの状態を、ステップS104のスイッチ入力処理において取得した情報に基づいて行う。具体的には、例えば、主制御MPUの入力ポートPAの入力端子PA7は、空き端子処理としてグランド(GND)に接地されているため、常に論理状態がLOWとなっている。そこで、入力端子不具合監視処理では、各種入力ポートの入力端子のうち、空き端子処理が施されている入力端子の論理状態がLOWとなっているか否かをステップS104のスイッチ入力処理において取得した情報に基づいて行う。主制御MPUは、空き端子処理が施されている入力端子の論理状態がLOWとなっていないと判定したときには、主制御MPUの周辺回路に不具合が発生している旨を伝える報知表示に区分される不具合コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS105に続いて、主制御MPUは、当落乱数更新処理を行う(ステップS106)。この当落乱数更新処理では、上述した、図柄乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図63に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理で更新される、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。これらの大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。これに対して、図柄乱数は、当落判定(当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。
例えば、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、上述したように、初期値更新型のカウンタであり、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、この主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。普通図柄当り判定用初期値決定乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により当り判定用初期値決定乱数は更新される。普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
本実施形態では、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数を、図63に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理、及び本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS106の当落乱数更新処理でそれぞれ更新しているが、割り込みタイマが発生するごとに本ルーチンの処理時間にムラが生じて次の割り込みタイマが発生するまでの残り時間内において主制御側メイン処理を繰り返し実行することによりステップS56の非当落乱数更新処理の実行回数がランダムとなる場合には、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数をステップS56の非当落乱数更新処理においてのみ更新する仕組みとしてもよい。
ステップS106に続いて、主制御MPUは、球数計数処理を行う(ステップS107)。この球数計数処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、アウト口センサ3032からの検出信号が入力されて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球をアウト口センサ3032が検出した場合にはアウト口1008により回収された遊技球の球数の計数をカウントする回収球カウンタの値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行う。主制御MPUは、演算結果である回収球カウンタの値を、アウト口1008により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)として、主制御内蔵RAMの特定領域におけるアウト球計数専用領域に格納するとともに、ベースモニタ1310hに表示する点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶する。また、主制御MPUは、回収球カウンタの値が値10で割り切れる場合、つまり、アウト口1008で回収される遊技球の球数が10球に達するごとに、その旨を伝える球回収コマンドを作成し、送信情報として出力情報記憶領域に記憶する。なお、主制御MPUは、演算結果である回収球カウンタの値が最大値(本実施形態では、値65535)に達して、さらに回収球カウンタの値に値1だけ加算(インクリメント)すると、回収球カウンタの値がオーバーフローして値0となり、この値0から加算する演算を行う。
ステップS107に続いて、主制御MPUは、賞球制御処理を行う(ステップS108)。この賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出すための賞球コマンドを作成したり、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続状態を確認するためのセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを主払シリアルデータとして払出制御基板633に送信する。例えば、大入賞口2005に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成するとともに、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているため、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶し、賞球コマンドを払出制御基板633に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板633に送信したりする。
また、ステップS108の賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している場合には、その旨を伝えるためにその他に区分されるメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶する。メイン賞球数情報出力コマンドは、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に基づいて作成されるようになっている。このメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値は、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、つまり遊技盤5に設けられる一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、及び大入賞口2005等の各種入賞口(以下、「遊技盤5に設けられる各種入賞口」と記載する。)に入球した遊技球に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数をカウントするものであり、ステップS108の賞球制御処理において、主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。ステップS108の賞球制御処理では、主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶されるメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出したメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数を加算し、この加算した球数を示す値が値10を超えているときには(つまり、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているときには)、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として出力情報記憶領域に記憶するとともに、その超えた球数を示す値を、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値として、上述した主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶更新するようになっている。
ステップS108に続いて、主制御MPUは、枠コマンド受信処理を行う(ステップS110)。払出制御基板633は、状態表示に区分される1バイト(8ビット)の各種コマンド(例えば、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を送信する。枠コマンド受信処理では、各種コマンドを払主シリアルデータとして正常に受信すると、その旨を払出制御基板633に伝える情報を、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、主制御MPUは、その正常に払主シリアルデータとして受信したコマンドを2バイト(16ビット)のコマンドに整形し(状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド))、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS110に続いて、主制御MPUは、不正行為検出処理を行う(ステップS112)。この不正行為検出処理では、第二始動口扉2411が開放状態でないにもかかわらず第二始動口2004に遊技球Bへの入球があったり、大入賞口扉2413が開放状態でないにもかかわらず大入賞口2005への遊技球Bの入球があったり等、賞球に関する異常状態の有無を確認する。また、本実施形態では、不正行為検出処理において賞球に関する異常状態が発生していると判断されたときには、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力することにより、遊技ホールの店員等の係員が賞球に関する異常状態を早い段階で発見することができることに寄与することができるようになっている。なお、賞球に関する異常状態が発生していると判断されたときに出力されるセキュリティ信号は、後述する磁石ゴトが行われていると判断されたときに出力されるセキュリティ信号や、後述する振動ゴトが行われていると判断されたときに出力されるセキュリティ信号と同じ信号である。また、セキュリティ信号は、主制御MPUが払出制御基板633及びその払出制御基板633に接続されている外部端子板558を介して、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して出力するようにしているが、主制御MPUがセキュリティ信号の出力を指示するコマンドを払出制御基板633に送信した後、払出制御MPUによって、その払出制御基板633に接続されている外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、セキュリティ信号を出力するようにしてもよい。
また、ステップS112の不正行為検出処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、磁気センサ2470からの検出信号が入力されているときには、磁石を用いた不正行為(以下、「磁石ゴト」と記載する。)が行われていると判断し、磁石ゴトカウンタの値を値1だけ加算(インクリメント)する。この磁石ゴトカウンタの値は、不正行為検出処理において磁石ゴトが行われると判断されるごとに、インクリメントされるものであり、遊技バックアップ情報に含まれるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。磁石ゴトカウンタの値が上限値に達すると(本実施形態では、不正行為検出処理が主制御側タイマ割り込み処理が行われる割り込み周期である4msに基づいて、上限値として値250が設定されている。)、磁石ゴトが行われている旨を伝える報知表示に区分される磁石ゴト報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。また、本実施形態では、不正行為検出処理において磁石ゴトが行われていると判断されたときには、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力することにより、遊技ホールの店員等の係員が磁石ゴトを早い段階で発見することができることに寄与することができるようになっている。
また、ステップS112の不正行為検出処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、振動センサ3005からの検出信号が入力されているときには、振動による不正行為(以下、「振動ゴト」と記載する。)が行われていると判断し、振動ゴトカウンタの値を値1だけ加算(インクリメント)する。この振動ゴトカウンタの値は、不正行為検出処理において振動ゴトが行われると判断されるごとに、インクリメントされるものであり、遊技バックアップ情報に含まれるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。振動ゴトカウンタの値が上限値に達すると(本実施形態では、不正行為検出処理が主制御側タイマ割り込み処理が行われる割り込み周期である4msに基づいて、上限値として値250が設定されている。)、振動ゴトが行われている旨を伝える報知表示に区分される振動ゴト報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。また、本実施形態では、不正行為検出処理において振動ゴトが行われていると判断されたときには、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力することにより、遊技ホールの店員等の係員が振動ゴトを早い段階で発見することができることに寄与することができるようになっている。
また、ステップS112の不正行為検出処理では、例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、大当り遊技状態でない場合に大入賞口センサ2403からの検出信号が入力されているとき(大入賞口2005に遊技球が入球するとき)等の大入賞口異常入賞発生には、異常状態として報知表示に区分される入賞異常表示コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
なお、ステップS112の不正行為検出処理では、磁石ゴト及び/又は、振動ゴトを検出したときには、不正行為の検出として不正行為検出フラグFD-FLGに値1をセットする一方、磁石ゴト及び振動ゴトを検出していないときには、不正行為の未検出として不正行為検出フラグFD-FLGに値0をセットする。この不正行為検出フラグFD-FLGは、遊技バックアップ情報に含まれるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。また、大入賞口異常入賞発生を検出したときにも、不正行為の検出として、不正行為検出フラグFD-FLGに値1をセットするようにしてもよい。
ステップS112に続いて、主制御MPUは、発射許可信号設定処理を行う(ステップS113)。この発射許可信号設定処理では、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定する。具体的には、主制御MPUは、上述した不正行為検出フラグFD-FLGの値に基づいて、不正行為検出フラグFD-FLGが値0であるとき、つまり不正行為の未検出であると判定したときには発射許可信号の論理として発射許可論理に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、不正行為検出フラグFD-FLGが値0でない(値1である)とき、つまり不正行為の検出であると判定したときには発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、発射許可信号の論理は、初期値(デフォルト)として、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されるようにリセット機能付き主制御出力回路を含むハードウェアにより構成されているが、パチンコ機1が電源投入された後(復電した後)には、発射許可論理に設定されるようにしている。
ステップS113に続いて、主制御MPUは、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS114)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、主制御内蔵ハード乱数回路にラッチ信号を出力し、ラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した乱数(乱数値)を、主制御MPUに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得し、この取得した乱数値を特別乱数としてセットする。そして特別乱数(つまり、主制御MPUに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定(大当り遊技状態を発生させるか否かを判定(「特別抽選」という。))したり、図柄乱数を更新するカウンタの値を取り出して主制御内蔵ROMに大当り種別や小当り種別に応じて予め記憶されている当り種別判定値のいずれと一致するか否かを判定(当り種別を決定)したりする。
これらの判定結果(抽選結果)が第一始動口センサ2101によるものである場合には特図1同調演出関連の各種コマンドを作成する一方、その判定結果(抽選結果)が第二始動口センサ2402によるものである場合には特図2同調演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、特別図柄の変動表示パターンを上述した変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、その決定した特別図柄の変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば大当り遊技状態となるときには、大当り関連に区分される各種コマンド(大当りオープニングコマンド、大入賞口1開放N回目表示コマンド、大入賞口1閉鎖表示コマンド、大入賞口1カウント表示コマンド、大当りエンディングコマンド、及び大当り図柄表示コマンド)を作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶したり、例えば、開閉部材を開閉動作させるようアタッカソレノイド2414への駆動信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、大入賞口2005が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回であるときには、機能表示ユニット1400のラウンド表示器の2ラウンド表示ランプを点灯させるよう2ラウンド表示ランプへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、ラウンドが15回であるときには、機能表示ユニット1400のラウンド表示器の15ラウンド表示ランプを点灯させるよう15ラウンド表示ランプへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、時短発生の有無を所定の色で点灯させるよう機能表示ユニット1400の状態表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したりする。
ステップS114に続いて、主制御MPUは、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS116)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて普通入賞口入賞処理を行う。この普通入賞口入賞処理では、入力情報からゲートセンサ2506からの検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出して普通入賞口入賞情報として主制御内蔵RAMの普通入賞口入賞情報記憶領域に記憶する。
この普通入賞口入賞情報記憶領域には、第0区画~第3区画(4つの区画)が設けられており、第0区画、第1区画、第2区画、そして第3区画の順に普通入賞口入賞情報が格納されるようになっている。例えば普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第0区画~第2区画に格納されている場合、ゲートセンサ2506からの検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたときには普通入賞口入賞情報を普通入賞口入賞情報記憶の第3区画に格納する。
普通入賞口入賞情報は普通入賞口入賞情報記憶の第0区画に格納されているものが主制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。この普通入賞口入賞情報がセットされると、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第0区画に、普通入賞口入賞情報記憶の第2区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第1区画に、普通入賞口入賞情報記憶の第3区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第2区画に、それぞれシフトされて普通入賞口入賞情報記憶の第3区画が空き領域となる。例えば、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画~第2区画に普通入賞口入賞情報が記憶されている場合には、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第0区画に、普通入賞口入賞情報記憶の第2区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第1区画にそれぞれシフトされて普通入賞口入賞情報記憶の第2区画及び普通入賞口入賞情報記憶の第3区画が空き領域となる。ここで、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画~第3区画に普通入賞口入賞情報が格納されていると、格納された普通入賞口入賞情報の総数を保留球として機能表示ユニット1400の普通保留表示器を点灯させるよう、上述した普通入賞口入賞情報に基づいて機能表示ユニット1400の普通保留表示器の点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
普通入賞口入賞処理に続いて、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた普通入賞口入賞情報を読み出し、この読み出した普通入賞口入賞情報から普通図柄当り判定用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致するか否かを判定する(「普通抽選」という)。この判定結果(普通抽選による抽選結果)により可動片を開閉動作させるか否かが決定する。この決定で開閉動作をさせる場合には、可動片が開動作した状態となることで第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態なる。この決定と対応する普通図柄の変動表示パターンを上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄の変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の普通図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
また、例えばその取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致しているときには、普通電役演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、可動片を開閉動作させるよう始動口ソレノイド2412への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、その取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致していないときには、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定し、普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の普通図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、本例では普通抽選の当選確率(普通当りとなる確率)は2分の1となっている。
ステップS116に続いて、主制御MPUは、ポート出力処理を行う(ステップS118)。このポート出力処理では、主制御MPUの各種出力ポートの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。この主制御MPUは、例えば、出力情報に基づいて主制御MPUの所定の出力ポートの出力端子から、払出制御基板633からの各種コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板633に出力したり、大当り遊技状態であるときには大入賞口2005の開閉部材の開閉動作を行うアタッカソレノイド2414に駆動信号を出力したり、可動片の開閉動作を行う始動口ソレノイド2412に駆動信号を出力したりするほかに、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、小当り情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)信号を払出制御基板633に出力したり、発射許可論理又は発射停止論理(発射非許可論理)に設定された発射許可信号を払出制御基板633に出力したり、アウト口1008により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)を表示するベースモニタ1310hに表示信号を出力したり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を出力したりする。
ステップS118に続いて、主制御MPUは、周辺制御基板コマンド送信処理を行う(ステップS120)。この周辺制御基板コマンド送信処理では、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する。この送信情報には、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理で作成した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド(例えば、大入賞口2005に入球した遊技球を検出した際に大入賞口センサ2403からの検出信号に基づいて大入賞口カウントコマンドに相当する大入賞口1カウント表示コマンド)、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンド(例えば、主制御基板1310が遊技盤5に設けられる各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨をメイン賞球数情報としてメイン賞球数情報出力信号を、外部端子板558を介して、ホールコンピュータへ伝えることを指示するメイン賞球数情報出力コマンドなど)、及び特定履歴に区分される各種コマンド(例えば、アウト口1008で回収される遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える球回収コマンド、設定値が設定変更された旨を伝える設定変更コマンド、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)旨を伝えるエラー表示コマンド、主制御内蔵RAMの特定領域における後述する設定値専用領域に格納されている設定値を確認する旨を伝える設定値確認表示コマンド等)が記憶されている。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されている。具体的には、主周シリアルデータは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、ステータス及びモードを数値とみなしてその合計を算出したサム値と、から構成されており、このサム値は、送信時に作成されている。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、主周シリアルデータとして各種コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。主制御MPUの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生した場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が直流+5Vとして印加されるようになっているため、主制御MPUに内蔵される主周シリアル送信ポートは、少なくとも、その送信バッファレジスタにセットされたコマンドをシリアル管理部により送信シフトレジスタに転送して送信シフトレジスタから主周シリアルデータとして送信完了することができるようになっている。パチンコ機1への電源投入するときや、電源投入後に停電又は瞬停が発生して電力が回復する復電時には、図63に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、復電した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶しているため、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。なお、主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、主制御側電源投入時処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず各種情報のうち遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されることとなる。
なお、アウト口1008で回収される遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える球回収コマンドを周辺制御基板1510へ送信すると、周辺制御基板1510における周辺制御MPUは、受信した球回収コマンドごとに、アウト口1008で回収される遊技球の球数を計数して、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される球回収情報(計数した値(つまりアウト口1008で回収される遊技球の球数の総数)と更新した日時とを対応付けた情報)を更新する。なお、球回収コマンドを受信できずに、遊技ホールの営業時間が終了してパチンコ機1が電源遮断されると、結果的に、最後に計数した値(つまりアウト口1008で回収される遊技球の球数の総数)と更新した日時とを対応付けた球回収情報が図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される。遊技ホールの営業を開始するときにパチンコ機1が電源投入されると、周辺制御基板1510における周辺制御MPUは、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される球回収情報を、営業開始した日から再び球回収情報を作成するようになっており、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに球回収情報が球回収履歴情報として記憶保持されるようになっている。なお、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに球回収情報として記憶保持される計数した値は、その日に値0(ゼロ)から計数した値を用いてもよいし、その日に値0(ゼロ)から計数した値とこれまでの計数した値の総和との両方を用いてもよい。
ステップS120に続いて、主制御MPUは、主制御内蔵WDTのクリアを行い(ステップS122)、このルーチンを終了する。ステップS122の主制御内蔵WDTのクリアは、主制御MPUに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすることにより行う。これにより、主制御内蔵WDTによる計時がクリアされる。そして、主制御内蔵WDTによる計時が再び開始されることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットされずに済む。
なお、主制御基板1310は、上述したように、遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断される前に、遊技の進行による遊技情報を記憶するための上述したバックアップ処理を実行して完了することができるとともに、復電時において、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先として、バックアップ処理を実行した遊技情報に基づいて、パチンコ機1への電源が遮断される際における、本ルーチンにおけるステップS118のポート出力処理による電気的駆動源である始動口ソレノイド2412やアタッカソレノイド2414の駆動状態を指示する電源投入時主制御復帰先コマンドを周辺制御基板1510へ出力することができるようになっている。つまり、主制御基板1310は、図63に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、図62に示した同処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。
このため、周辺制御基板1510は、主制御基板1310からの電源投入時主制御復帰先コマンドに基づいて、復電時における主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を演出表示装置1600の表示領域において演出表示することができる。これにより、遊技者が遊技を行っている際に、瞬停や停電が発生して、その後に復電するときに、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができるとともに、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を演出表示装置1600の表示領域において演出表示して報知することができるため、パチンコ機1のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に遊技者に見えて故障したと勘違いされることを防止することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することにより、遊技者に故障したと勘違いされることを防止することができる。
また、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述したように、図62に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて必ずクリアすることなる。これにより、図63に示した同処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドという3つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となり、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信する。主制御基板検査工程の検査装置は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、主制御基板検査工程の検査モニタに詳細な機種情報を表示するようになっている。
[8-4.設定変更処理]
次に、設定変更処理について説明する。この設定変更処理は、図62に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理である。
設定変更処理が開始されると、主制御MPUは、図65に示すように、現状の設置値を取得する(ステップS200)。ここでは、主制御MPUは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取得する。この設定値を取得するときには、読み出してもよいし、取り出してもよいが、設定値を取り出す場合には、取り出した設定値を所定領域にセットする。
ステップS200に続いて、主制御MPUは、チェックサムの算出を行う(ステップS202)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出するものであり、図62に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS28において行われるチェックサムの算出と同一の処理である。
ステップS202に続いて、主制御MPUは、算出したチェックサムの値(サム値)が図63に示した主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS204)。ステップS204において、主制御MPUは、一致していると判定したときには、バックアップフラグBK-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS206)。ステップS204の判定、及びステップS206の判定は、図62に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS30の判定、及びステップS32の判定とそれぞれ同一の判定である。バックアップフラグBK-FLGは、上述したように、各種情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK-FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS204の判定において、主制御MPUは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS206の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK-FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS200で取得した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS208)。ここで、「正常範囲」とは、設定値が設定変更することができる値であり、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS208の判定へフローチャートがすすむことにより、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合となっているため、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)。そこで、ステップS208の判定において、主制御MPUは、ステップS200で取得した、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値が正常範囲である設定値1~設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
一方、ステップS208の判定において、主制御MPUは、正常範囲でないと判定したときにはステップS200で取得した設定値に対して初期値である設定値1を設定する(ステップS210)。なお、ステップS208の判定では、ステップS200で取得した、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値が正常範囲である設定値1~設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定しているが、このステップS208の判定を行わずに、ステップS204の判定において、主制御MPUは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS206の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK-FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS210の処理にすすみ、ステップS200で取得した設定値に対して初期値である設定値1を設定するようにしてもよい。
ステップS206の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK-FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、又はステップS208の判定において、主制御MPUは、正常範囲であると判定したときには、又はステップS210に続いて、主制御MPUは、設定変更許可ランプ1311cに点灯信号を出力して設定変更許可ランプ1311cを点灯する(ステップS212)。
ステップS212に続いて、主制御MPUは、設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して設定値を表示する(ステップS214)。
ステップS214に続いて、主制御MPUは、設定切替ボタン1311bが操作されているか否かを判定する(ステップS216)。この判定は、設定切替ボタン1311bからの検出信号を読み取り、設定切替ボタン1311bからの検出信号が入力されているか否かを判定する。主制御MPUは、設定切替ボタン1311bからの検出信号が入力されているときには設定切替ボタン1311bが操作されていると判定する一方、設定切替ボタン1311bからの検出信号が入力されていないときには設定切替ボタン1311bが操作されていないと判定する。
ステップS216の判定において、主制御MPUは、設定切替ボタン1311bが操作されていると判定したときには、設定値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行って更新する(ステップS218)。このとき、ステップS200で設定値を取得するときにおいて、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取り出して所定領域にセットしている場合には、この所定領域にセットした設定値に値1を加算する(インクリメントする)こととなる。
ステップS218に続いて、主制御MPUは、ステップS216で更新した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して更新した設定値を表示する(ステップS220)。
ステップS220に続いて、又はステップS216の判定において、主制御MPUは、設定切替ボタン1311bが操作されていないと判定したときには、主制御MPUは、設定キーのOFF操作があるか否かを判定する(ステップS222)。この判定では、主制御MPUは、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作することで設定キースイッチ1311aがOFFされ、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号に基づいて行い、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されているときには設定キーがOFF操作されたと判定する一方、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されていないときには設定キーがOFF操作されていないと判定する。
ステップS222の判定において、主制御MPUは、設定キーがOFF操作されていないと判定したときには、ステップS216の判定に再び戻り、設定切替ボタン1311bが操作されているか否かを判定する。ステップS216の判定において、主制御MPUは、設定切替ボタン1311bが操作されていると判定したときには、ステップS218、そしてステップS220の処理を再び行い、ステップS222の判定を行い、設定キーがOFF操作されていないと判定したときには、ステップS216の判定に再び戻り、設定キーがOFF操作されるまで、設定切替ボタン1311bが操作されると、操作されるごとに設定値が値1ずつ加算され更新されて設定表示器1310gに表示され、設定切替ボタン1311bが操作されないと、直前に設定切替ボタン1311bが操作され更新された設定値が設定表示器1310gに表示される。なお、ステップS222の判定で設定キーがOFF操作されたと判定されるまでに、仮に停電や瞬停が発生して復電しても、停電や瞬停が発生する直前に更新した設定値が主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されないため、破棄され、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納される設定値が変更されない。
一方、ステップS222の判定において、主制御MPUは、設定キーがOFF操作されたと判定したときには、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に更新した設定値を格納する(ステップS224)。このとき、ステップS200で設定値を取得するときにおいて、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取り出して所定領域にセットしている場合には、この所定領域にセットした設定値に対して更新されるため、この更新された設定値を、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域へ戻すこととなる。このステップS224の処理完了の後に、仮に停電や瞬停が発生して復電しても、停電や瞬停が発生する前に決定キーが操作されたときにおける更新した設定値が主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている。
ステップS224に続いて、主制御MPUは、更新した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号の設定表示器1310gへの出力を停止して設定表示器1310gに対して更新した設定値を非表示とする(ステップS228)。
ステップS228に続いて、主制御MPUは、設定変更許可ランプ1311cへの点灯信号を停止して設定変更許可ランプ1311cを消灯する(ステップS230)。
ステップS230に続いて、主制御MPUは、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットする(ステップS232)。この設定キーONフラグCS-FLGは、上述したように、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)の設定変更や確認表示を行うことを許可するか否かを示すフラグであり、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可するとき値1、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS232の処理では、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットすることにより、これより以後、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可しない。
ステップS232に続いて、主制御MPUは、ステップS224で格納した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS233)。「正常範囲」とは、ステップS208の判定のものと同一であり、上述したように、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS233の判定において、主制御MPUは、設定値が異常な値となっていないか再確認するために、ステップS224で主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納した設定値が正常範囲である設定値1~設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
ステップS233の判定において、主制御MPUは、正常範囲であると判定したときにはシリアル通信初期設定を行い(ステップS234)、続いて、設定変更コマンドを作成して送信情報を設定し(ステップS236)、続いて、ステップS236で設定した送信情報(設定変更コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する周辺制御基板送信コマンド送信処理を行い(ステップS238)、本ルーチンを終了する。ステップS234のシリアル通信初期設定は、図63に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS44のシリアル通信初期設定と同一の処理であり、ステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理は、図64に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板送信コマンド送信処理と同一の処理である。ここで、ステップS234のシリアル通信初期設では、ステップS44のシリアル通信初期設より先に行って、ステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理においてステップS236で設定した送信情報(設定変更コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信しているが、これは、図63に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定される前に、優先して、設定値が設定変更された旨を設定変更コマンドにより周辺制御基板1510へ伝えるためである。なお、設定変更コマンドは、設定変更された設定値と設定値格納完了とを伝えるコマンドである。周辺制御基板1510における周辺制御MPUは、設定変更コマンドを受信すると、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される設定値履歴情報(設定値と日時とを対応付けた情報)を更新する。
一方、ステップS233の判定において、主制御MPUは、正常範囲でないと判定したときにはエラー表示処理を行い(ステップS240)、無限ループに入る。この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPUがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
[8-5.設定値確認表示処理]
次に、設定値確認表示処理について説明する。この設定値確認表示処理は、図62に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS28において行われる処理である。
設定値確認表示処理が開始されると、主制御MPUは、図66に示すように、現状の設置値を取得する(ステップS350)。ここでは、主制御MPUは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取得する。
ステップS350に続いて、主制御MPUは、ステップS350で取得した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS352)。「正常範囲」とは、図81の設定変更処理におけるステップS208の判定、及びステップS233の判定のものと同一であり、上述したように、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS357の判定において、主制御MPUは、設定値が異常な値となっていないか再確認するために、ステップS350で取得した設定値(つまり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値)が正常範囲である設定値1~設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
ステップS352の判定において、主制御MPUは、正常範囲であると判定したときにはステップS350で取得した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して設定値を表示する(ステップS354)。
一方、ステップS352の判定において、主制御MPUは、正常範囲でないと判定したときにはエラー表示処理を行い(ステップS356)、無限ループに入る。この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPUがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
ステップS354に続いて、主制御MPUは、設定キーのOFF操作があるか否かを判定する(ステップS358)。この判定では、主制御MPUは、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてしてOFF操作することで設定キースイッチ1311aがOFFされ、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号に基づいて行い、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されているときには設定キーがOFF操作されたと判定する一方、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されていないときには設定キーがOFF操作されていないと判定する。
ステップS358の判定において、主制御MPUは、設定キーがOFF操作されていないと判定したときには、ステップS358の判定に再び戻り、設定キーがOFF操作されるまで、ステップS358の判定を繰り返し行う。
一方、ステップS358の判定において、主制御MPUは、設定キーがOFF操作されたと判定したときには、ステップS350で取得した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号の設定表示器1310gへの出力を停止して設定表示器1310gに対してその取得した設定値を非表示とする(ステップS360)。
ステップS360に続いて、主制御MPUは、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットする(ステップS361)。この設定キーONフラグCS-FLGは、上述したように、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)の設定変更や確認表示を行うことを許可するか否かを示すフラグであり、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可するとき値1、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS232の処理では、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットすることにより、これより以後、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可しない。
ステップS361に続いて、主制御MPUは、シリアル通信初期設定を行い(ステップS362)、続いて、設定値確認表示コマンドを作成して送信情報を設定し(ステップS364)、続いて、ステップS364で設定した送信情報(設定値確認表示コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する周辺制御基板送信コマンド送信処理を行い(ステップS366)、本ルーチンを終了する。ステップS362のシリアル通信初期設定は、図63に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS44のシリアル通信初期設定と同一の処理であり、ステップS366の周辺制御基板送信コマンド送信処理は、図64に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板送信コマンド送信処理と同一の処理である。ここで、ステップS362のシリアル通信初期設では、ステップS44のシリアル通信初期設より先に行って、ステップS366の周辺制御基板送信コマンド送信処理においてステップS364で設定した送信情報(設定値確認表示コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信しているが、これは、図63に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定される前に、優先して、設定値を確認完了した旨を設定値確認表示コマンドにより周辺制御基板1510へ伝えるためである。なお、設定値確認表示コマンドは、本ルーチンである設定値確認表示処理が終了された旨(つまり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を確認完了した旨)を伝えるコマンドである。
[8-6.エラー表示処理]
次に、エラー表示処理について説明する。このエラー表示処理は、図62に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理であり、図62に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理(図65に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)であり、図62に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS28において行われる処理(図66に示した設定値確認表示処理におけるステップS356において行われる処理である。
エラー表示処理が開始されると、主制御MPUは、図67に示すように、発射許可信号の停止を行う(ステップS400)。発射許可信号は、上述したように、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝えるものであり、その論理が発射許可論理に設定されると、発射を許可する旨を伝えることができる一方、その論理が発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されると、発射を停止(非許可)する旨を伝えることができる。
本ルーチンであるエラー表示処理が図62に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理、図62に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理の一処理(具体的には、図65に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)又は図62に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS28において行われる処理(具体的には、図66に示した設定値確認表示処理におけるステップS356において行われる処理)として開始されると、主制御MPUは、図63に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS52の割り込み許可設定を行うことができないため、図64に示した主制御側タイマ割り込み処理を行うことができず、同処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理を行うことができない。発射許可信号は、主制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路を介して払出制御基板633の発射制御部633bに出力されるため、復電時において、リセット機能付き主制御出力回路がリセットされ、その論理は、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)となっている。
そこで、本ルーチンであるエラー表示処理が図62に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理、図62に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理の一処理(具体的には、図65に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)又は図62に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS28において行われる処理(具体的には、図66に示した設定値確認表示処理におけるステップS356において行われる処理)として開始されると、主制御MPUは、ステップS400において、復電してから本ルーチンであるエラー表示処理が開始された後においても、遊技球Bが発射されることを確実に防止するために、発射許可信号の論理を発射停止論理(発射非許可論理)に設定して、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路を介して払出制御基板633の発射制御部633bに出力する。
ステップS400に続いて、エラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対してエラー表示する(ステップS402)。
ステップS402に続いて、主制御MPUは、機能表示ユニット1400に対してエラー表示を行う(ステップS404)。このステップS404では、機能表示ユニット1400の各種表示器をすべて点灯するための点灯信号を機能表示ユニット1400に出力して、機能表示ユニット1400に対してエラー表示する。
ステップS404に続いて、主制御MPUは、シリアル通信初期設定を行い(ステップS406)、続いて、エラー表示コマンドを作成して送信情報を設定し(ステップS408)、続いて、ステップS406で設定した送信情報(エラー表示コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する周辺制御基板送信コマンド送信処理を行い(ステップS410)、本ルーチンを終了する。
ステップS406のシリアル通信初期設定は、図65に示した設定変更処理におけるステップS234のシリアル通信初期設定と、図66に示した設定値確認表示処理におけるステップS362のシリアル通信初期設定と、図63に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS44のシリアル通信初期設定と、同一の処理であり、ステップS410の周辺制御基板送信コマンド送信処理は、図65に示した設定変更処理におけるステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理と、図66に示した設定値確認表示処理におけるステップS366の周辺制御基板送信コマンド送信処理と、図64に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板送信コマンド送信処理と同一の処理である。本ルーチンであるエラー表示処理が図62に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理、図62に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理(図65に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)、及び図66に示した設定値確認表示処理におけるステップS356において行われる処理としてそれぞれ開始されて終了すると、上述したように、無限ループに入り、この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となる。
そこで、本実施形態では、ステップS406のシリアル通信初期設を行って、ステップS410の周辺制御基板送信コマンド送信処理においてステップS408で設定した送信情報(エラー表示コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信している。
なお、エラー表示コマンドは、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)旨を伝えるコマンドである。周辺制御基板1510における周辺制御MPUは、エラー表示コマンドを受信すると、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持されるエラー表示履歴情報(エラー表示コマンドと受信した日時とを対応付けた情報)を更新する。
また、周辺制御基板1510における周辺制御MPUは、エラー表示コマンドを受信すると、演出表示装置1600の表示領域に、青色の背景画像に「RAMエラーが発生しました。係員をお呼びください。」という白色の文字のメッセージ画像を表示する制御を行うとともに、「RAMエラーが発生しました。係員をお呼びください。」というアナウンスを、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチが回転操作されることにより調整された音量に依存されず、最大音量となるように強制的に設定して各種スピーカ(振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464、本体枠スピーカ622等)から流す制御を行う。エラー表示コマンドによるRAMエラー報知を行う処理は、優先順位が最も高い処理であり、周辺制御基板1510における周辺制御MPUが他のエラーを伝えるコマンドを受信した後にエラー表示コマンドを受信すると、RAMエラー報知を最優先で行う。
[9.払出制御基板の各種制御処理]
次に、図137に示した払出制御基板633が行う各種制御処理について、図68~図71を参照して説明する。図68は払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図69は図68の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図70は図69に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図71は払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、払出制御部電源投入時処理について説明し、続いて払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。
[9-1.払出制御部電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御MPUによる制御の下、図68~図70に示すように、払出制御部電源投入時処理を行う。この払出制御部電源投入時処理が開始されると、払出制御MPUは、割り込みモードの設定を行う(ステップS500)。この割り込みモードは、払出制御MPUの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この払出制御部タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理を行う。
ステップS500に続いて、払出制御MPUは、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS502)。このI/Oの入出力設定では、払出制御MPUの各種入力ポート及び各種出力ポートの設定等を行う。
ステップS502に続いて、払出制御MPUは、ウェイトタイマ処理1を行い(ステップS506)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS508)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、主制御基板1310の停電監視回路から停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると主制御基板1310の停電監視回路から停電予告信号が入力される。そこで、ステップS506のウェイトタイマ処理1は、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS508の判定では、主制御基板1310の停電監視回路からの停電予告信号に基づいて行う。
ステップS508に続いて、払出制御MPUは、主制御基板1310のRAMクリアスイッチ1310fが操作されているか否かを判定する(ステップS512)。この判定は、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号の論理に基づいて、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がHIであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断してRAMクリアスイッチ1310fが操作されていないと判定する一方、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がLOWであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものであると判断してRAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定する。
ステップS512の判定において、払出制御MPUは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定したときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGに値1をセットする(ステップS514)。つまり、払出制御MPUは、電源投入時から所定時間に亘って、払出制御MPUに内蔵されたRAM(つまり、払出制御内蔵RAM)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする。
一方、ステップS512の判定において、払出制御MPUは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていないと判定したときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGに値0をセットする(ステップS516)。この払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGは、払出制御MPUの払出制御内蔵RAMに記憶されている、例えば、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報を消去するか否かを示すフラグであり、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS514及びステップS516でセットされた払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGは、払出制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS514又はステップS516に続いて、払出制御MPUは、払出制御内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS518)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスができ、例えば払出情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。
ステップS518に続いて、払出制御MPUは、スタックポインタの設定を行う(ステップS520)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS520では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS520に続いて、払出制御MPUは、払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGが値0である否かを判定する(ステップS522)。払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGは、上述したように、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS522の判定において、払出制御MPUは、払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGが値0であるとき、つまり払出情報を消去しないと判定したときには、チェックサムの算出を行う(ステップS524)。このチェックサムは、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS524に続いて、払出制御MPUは、算出したチェックサムの値が後述する払出制御部電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS526)。ステップS526において、払出制御MPUは、一致していると判定したときには、払出バックアップフラグHBK-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS528)。この払出バックアップフラグHBK-FLGは、払出情報、チェックサムの値等の払出バックアップ情報を後述する払出制御部電源断時処理において払出制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、払出制御部電源断時処理を正常に終了したとき値1、払出制御部電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS528の判定において、払出制御MPUは、払出バックアップフラグHBK-FLGが値1であるとき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、復電時として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS530)。この設定では、払出バックアップフラグHBK-FLGに値0がセットされるほかに、払出制御MPUに内蔵されたROM(つまり、払出制御内蔵ROM)から復電時情報が読み出され、この復電時情報が払出制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている上述した払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報、時間管理情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタリセット判定時間等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。
一方、ステップS522の判定において、払出制御MPUは、払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGが値0でない(値1である)とき、つまり払出情報を消去すると判定したときには、又はステップS526の判定において、払出制御MPUは、チェックサムの値が一致していないと判定したときには、又はステップS528の判定において、払出制御MPUは、払出バックアップフラグHBK-FLGが値1でない(値0である)とき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS532)。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報がクリアされる。
ステップS532に続いて、払出制御MPUは、初期設定として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS534)。この設定は、払出制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を払出制御内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS530又はステップS534に続いて、払出制御MPUは、割り込み初期設定を行う(ステップS536)。この設定は、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、2msに設定されている。
ステップS536に続いて、払出制御MPUは、割り込み許可設定を行う(ステップS538)。この設定によりステップS536で設定した割り込み周期、つまり2msごとに払出制御部タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS538に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットする(ステップS539)。このウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS539に続いて、払出制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS540)。パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、上述したように、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が主制御基板1310の停電監視回路から入力される。ステップS540の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS540の判定において、払出制御MPUは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、2ms経過フラグHT-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS542)。この2ms経過フラグHT-FLGは、後述する、2msごとに処理される払出制御部タイマ割り込み処理で2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS542の判定において、払出制御MPUは、2ms経過フラグHT-FLGが値0であるとき、つまり2ms経過していないと判定したときには、ステップS540に戻り、払出制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。
一方、ステップS542の判定において、払出制御MPUは、2ms経過フラグHT-FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したと判定したときには、2ms経過フラグHT-FLGに値0をセットする(ステップS544)。
ステップS544に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットする(ステップS546)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS539においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS546に続いて、払出制御MPUは、ポート出力処理を行う(ステップS548)。このポート出力処理では、払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域から各種情報を読み出してこの各種情報に基づいて各種信号を払出制御MPUの各種出力ポートの出力端子から出力する。出力情報記憶領域には、例えば、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンド(賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を正常に受信した旨を伝える払主ACK情報、払出モータ584への駆動制御を行う駆動情報、払出モータ584が実際に遊技球を払い出した球数の賞球数情報、エラーLED表示器に表示するLED表示情報等の各種情報が記憶されており、この出力情報に基づいて払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子から、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信したときには払主ACK信号を主制御基板1310に出力したり、払出モータ584に駆動信号を出力したり、払出モータ584が実際に遊技球を払い出した球数を賞球数情報出力信号として外部端子板558に出力したり(本実施形態では、払出モータ584が実際に10個の遊技球を払い出すごとに外部端子板558に賞球数情報出力信号を出力している。
具体的には、賞球数情報を出力するか否かを判定するための賞球数情報出力判定用カウンタが設けられており、この賞球数情報出力判定用カウンタは、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を、後述するステップS550のポート入力処理で払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、カウントするものであり、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)により払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。
この払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)では、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶される賞球数情報出力判定用カウンタの値に、後述するステップS550のポート入力処理で払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を加算して記憶更新する。
ステップS548のポート出力処理では、この賞球情報記憶領域から賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出した賞球数情報出力判定用カウンタの値が値10を超えているときには(つまり、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数が10球に達しているときには)外部端子板558に賞球数情報出力信号を出力するとともに(このとき、その超えた球数を示す値を、賞球数情報出力判定用カウンタの値として上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新する。)、エラーLED表示器に表示信号を出力する。
ステップS548に続いて、払出制御MPUは、ポート入力処理を行う(ステップS550)。このポート入力処理では、払出制御MPUの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、RAMクリアスイッチ1310fの操作信号(RAMクリア信号)、羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、満タン検知センサ154からの検出信号、CRユニットからのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号、後述するコマンド送信処理で送信した各種コマンドを主制御基板1310が正常に受信した旨を伝える主制御基板1310からの主払ACK信号等、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS550に続いて、払出制御MPUは、タイマ更新処理を行う(ステップS552)。このタイマ更新処理では、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出羽根589による球ガミ状態が生じているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球ガミ判定時間、払出羽根589の定位置判定を行わない際に設定されているスキップ判定時間、下皿202が貯留された遊技球で満タンであるか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている満タン判定時間、球切検知センサ574からの検出信号により球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球切れ判定時間等の時間管理を行うほかに、払出羽根589の球収容部589bに受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に払出検知センサ591で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを監視するための不整合カウンタINCCをリセットするか否かの判定を行う際にその判定条件と設定されている不整合カウンタリセット判定時間の時間管理を行う。例えば、球ガミ判定時間が5005msに設定されているときには、タイマ割り込み周期が2msに設定されているので、このタイマ更新処理を行うごとに球ガミ判定時間を2msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球ガミ判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種判定時間は、時間管理情報として払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS552に続いて、払出制御MPUは、CR通信処理を行う(ステップS554)。このCR通信処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、CRユニットからの各種信号(BRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号)が入力されているか否かを判定する。CRユニットからの各種信号に基づいて、払出制御MPUは、CRユニットと各種信号のやり取りを行う。ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。
この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元することができる。これにより、払出装置580による遊技球の払出動作を実行している際に、瞬停又は停電して払出動作を続行することができなくなっても、復電時に、その払出動作を続行することができるため、過不足なく遊技球を上皿201や下皿202に払い出すことができる。換言すれば、払出制御MPUは、CR通信処理において、CRユニットと各種信号のやり取りを行いながら、遊技球を上皿201や下皿202に払い出している際に、瞬停又は停電してCRユニットと各種信号のやり取りが遮断され、遊技球の払い出しを続行することができなくなっても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値が、払出バックアップ情報として記憶された、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元されることによって、瞬停又は停電する直前における、パチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号のやり取りを、復電時から継続することができるとともに、遊技球の払い出しを引き続き行うことができるようになっている。
このように、パチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号のやり取りは、瞬停又は停止しても、復電時に、瞬停又は停止する直前の状態に復元されるようになっており、瞬停又は停止による影響によってパチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号が変化しないようになっている。したがって、パチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号のやり取りの信頼性を高めることができる。
また、CR通信情報記憶領域に記憶される各種情報は、払出バックアップ情報に含まれている。CR通信処理では、復電時に、ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において設定された、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、例えば貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、そのPRDY信号を払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。そして、主要動作設定処理の一処理として行われる、例えばリトライ動作監視処理において、払出バックアップ情報に含まれている、払出制御内蔵RAMに記憶されている賞球情報記憶領域の不整合カウンタINCCの値に基づいて、この不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かを判定し、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断して、つまり払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態であると判断して、リトライエラーフラグRTERR-FLGに値1をセットし、払出球ガミ動作判定設定処理において、CRユニットへのエラー状態の出力の設定として、例えばCRユニットと通信中でないときには貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態(LOW)をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。
これにより、CR通信処理では、復電時から次のタイマ割り込みで、このPRDY信号の論理の状態を、CR通信情報記憶領域から読み出してそのPRDY信号を払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。このように、例えば、瞬停する直前において、払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態であった場合には、復電時に、その状態が復元されるため、復電してから極めて早い段階で、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号を払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力することができ、CRユニットに払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態である旨を伝えることができる。これにより、復電時から極めて早い段階で、CRユニットからの無駄な貸球要求信号であるBRDYが出力されるのを防止することができる。
また、CR通信処理では、ステップS550のポート入力処理で、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域からCR接続信号を読み出してこのCR接続信号に基づいて、その論理がHIであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されているときには、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をHIとして払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する一方、その論理がLOWであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されていないときには、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をLOWとして払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。なお、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号の論理の状態は、EXS信号出力設定情報として払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域に記憶され、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されているか否かを伝えるCR接続信号は、CR接続情報として状態情報記憶領域に記憶されるようになっている。
ステップS554に続いて、払出制御MPUは、満タン及び球切れチェック処理を行う(ステップS556)。この満タン及び球切れチェック処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、満タン検知センサ154からの検出信号により上述した下皿202が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを判定したり、球切検知センサ574からの検出信号により上述した球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かを判定したりする。例えば、下皿202が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かの判定は、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がOFFとなったとき、つまり満タン検知センサ154からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した満タン判定時間の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で満タン判定時間が値0となったとき、つまり満タン判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、満タン検知センサ154からの検出信号がONであるときには、下皿202が貯留された遊技球で満タンであるとしてその旨を伝える満タン情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。一方、満タン検知センサ154からの検出信号がOFFであるときには、下皿202が貯留された遊技球で満タンでないとしてその旨を伝える満タン情報を状態情報記憶領域域に記憶する。
球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定も、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がOFFとなったとき、つまり球切検知センサ574からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した球切れ判定時間の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で球切れ判定時間が値0となったとき、つまり球切れ判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で球切検知センサ574からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、球切検知センサ574からの検出信号がONであるときには、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上であるとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、球切検知センサ574からの検出信号がOFFであるときには、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS556に続いて、払出制御MPUは、コマンド受信処理を行う(ステップS558)。このコマンド受信処理では、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンド(賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を受信する。この各種コマンドを正常に受信したときには、その旨を伝える払主ACK情報を上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、各種コマンドを正常に受信できなかったときには、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続に異常が生じている(各種コマンド信号に異常が生じている)旨を伝える接続異常情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS558に続いて、払出制御MPUは、コマンド解析処理を行う(ステップS560)。このコマンド解析処理では、ステップS558で受信したコマンドの解析を行い、その解析したコマンドを受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶する。
ステップS560に続いて、払出制御MPUは、主要動作設定処理を行う(ステップS562)。この主要動作設定処理では、賞球、貸球、球抜き及び球ガミ等の動作設定を行ったり、リトライ動作の判定を行ったり、未払い出しの球数(賞球ストック数)を監視したりする。
ステップS562に続いて、払出制御MPUは、LED表示データ作成処理を行う(ステップS564)。このLED表示データ作成処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、払出制御基板633のエラーLED表示器に表示する表示データを作成してLED表示情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。例えば、状態情報記憶領域から上述した球切れ情報を読み出し、この球切れ情報に基づいて、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、対応する表示データ(本実施形態では、表示値1(数字「1」))を作成してLED表示情報を出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS564に続いて、払出制御MPUは、コマンド送信処理を行う(ステップS566)。このコマンド送信処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、この各種情報に基づいて状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンド)を作成して主制御基板1310に送信する。例えば、状態情報記憶領域から球切れ情報を読み出すと、この球切れ情報に基づいて、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、枠状態1コマンドを作成して主制御基板1310に送信したりする。
ステップS566に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットする(ステップS568)。ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cがセットされることにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS546においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS568に続いて、再びステップS539に戻り、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットし、ステップS540で停電予告信号が入力されているか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS542で2ms経過フラグHT-FLGが値1であるか否かを判定し、この2ms経過フラグHT-FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したときには、ステップS544で2ms経過フラグHT-FLGに値0をセットし、ステップS546でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットし、ステップS548でポート出力処理を行い、ステップS550でポート入力処理を行い、ステップS552でタイマ更新処理を行い、ステップS554でCR通信処理を行い、ステップS556で満タン及び球切れチェック処理を行い、ステップS558でコマンド受信処理を行い、ステップS560でコマンド解析処理を行い、ステップS562で主要動作設定処理を行い、ステップS564でLED表示データ作成処理を行い、ステップS566でコマンド送信処理を行い、ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットし、ステップS539~ステップS568を繰り返し行う。なお、このステップS539~ステップS568の処理を「払出制御部メイン処理」という。
主制御基板1310による遊技の進行に応じて払出制御部メイン処理の処理内容が異なってくる。このため、払出制御MPUの処理に要する時間が変動することとなる。そこで、払出制御MPUは、ステップS548のポート出力処理において、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝える払主ACK信号を、優先して主制御基板1310に出力している。これにより、払出制御MPUは、変動する他の処理を十分に行えるよう、その処理時間を確保している。
一方、ステップS540の判定において、払出制御MPUは、停電予告信号の入力があったと判定したときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS570)。この設定により後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われなくなり、払出制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した払出情報の書き換えを保護している。
ステップS570に続いて、払出制御MPUは、払出モータ584への駆動信号の出力を停止する(ステップS574)。これにより、遊技球の払い出しを停止する。
ステップS574に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマのクリア設定を行う(ステップS576)。このクリア設定は、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。
ステップS576に続いて、払出制御MPUは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS578)。このチェックサムは、ステップS524で算出したチェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK-FLGの値の記憶領域を除く、払出制御内蔵RAMの作業領域の払出情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS578に続いて、払出制御MPUは、払出バックアップフラグHBK-FLGに値1をセットする(ステップS580)。これにより、払出バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS580に続いて、払出制御MPUは、払出制御内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS582)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が保護される。
ステップS582に続いて、払出制御MPUは、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリア設定されなくなる。このため、払出制御MPUにリセットがかかり、その後、この払出制御部電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS570~ステップS582の処理及び無限ループを「払出制御部電源断時処理」という。
パチンコ機1(払出制御MPU)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により払出制御部電源投入時処理を行う。
なお、ステップS526では払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS528では払出制御部電源断時処理が正常に終了されたか否かを検査している。このように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報を2重にチェックすることにより払出バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[9-2.払出制御部タイマ割り込み処理]
次に、払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。この払出制御部タイマ割り込み処理は、図68~図70に示した払出制御部電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、2ms)ごとに繰り返し行われる。
払出制御部タイマ割り込み処理が開始されると、払出制御MPUは、図71に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS590)。ここでは、上述した払出制御部メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを払出制御部タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS590に続いて、払出制御MPUは、2ms経過フラグHT-FLGに値1をセットする(ステップS592)。この2ms経過フラグHT-FLGは、この払出制御部タイマ割り込み処理が行われるごとに、つまり2msごとに2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS592に続いて、払出制御MPUは、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS594)。この復帰は、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタから汎用記憶素子(汎用レジスタ)に切り替える。この汎用レジスタを払出制御部メイン処理で使用することにより補助レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS594に続いて、払出制御MPUは、割り込み許可の設定を行い(ステップS596)、このルーチンを終了する。
[10.周辺制御基板の各種制御処理]
次に、図137に示した、主制御基板1310(主制御MPU)から各種コマンドを受信する周辺制御基板1510の各種処理について、図72~図76を参照して説明する。図72は周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図73は周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図74は周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図75は周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図76は周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、周辺制御部電源投入時処理について説明し、続いて周辺制御部Vブランク割り込み処理、周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。なお、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部停電予告信号割り込み処理が最も高く設定され、続いて周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、そして周辺制御部Vブランク割り込み処理という順番に設定されている。
周辺制御基板1510の周辺制御MPUは、上述したように、CPU、RAM、VDP、VRAM、音源、SATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積されている。
[10-1.周辺制御部電源投入時処理]
まず、周辺制御部電源投入時処理について、図72を参照して説明する。パチンコ機1に電源が投入されると、周辺制御基板1510の周辺制御MPUによる制御の下、図72に示すように、周辺制御部電源投入時処理を行う。この周辺制御部電源投入時処理が開始されると、周辺制御MPUは、初期設定処理を行う(ステップS1000)。この初期設定処理では、周辺制御MPU自身を初期化する処理と、ホットスタート/コールドスタートの判定処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理、各種の制御情報(周辺データ)を転送する処理等を行う。周辺制御MPUは、まず周辺制御MPU自身を初期化する処理を行うが、周辺制御MPUを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御MPUを初期化することができる。これにより、周辺制御MPUは、割り込み許可が設定された状態となることによって、例えば、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、主制御基板1310から出力される、遊技演出の制御に関するコマンドやパチンコ機1の状態に関するコマンド等の各種コマンドを受信することができる状態となる。
ステップS1000に続いて、周辺制御MPUは、現在時刻情報取得処理を行う(ステップS1002)。この現在時刻情報取得処理では、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMから、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して、周辺制御MPUのRAMに、現在のカレンダー情報、現在の時刻情報をセットする。
本実施形態では、周辺制御MPUがリアルタイムクロックICの内蔵RAMからカレンダー情報と時刻情報とを取得するのは、電源投入時の1回のみとなっている。また周辺制御MPUは、この現在時刻情報取得処理を行った後に、図示しない外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御MPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1002に続いて、周辺制御MPUは、Vブランク信号検出フラグVB-FLGに値0をセットする(ステップS1004)。このVブランク信号検出フラグVB-FLGは、後述する周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。Vブランク信号検出フラグVB-FLGは、周辺制御MPUからの画面データ(画面の構成を規定する情報)を受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御MPUのVDPから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。このステップS1004では、Vブランク信号検出フラグVB-FLGに値0をセットすることによりVブランク信号検出フラグVB-FLGを一度初期化している。また周辺制御MPUは、このVブランク信号検出フラグVB-FLGに値0をセットした後に、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御MPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1004に続いて、周辺制御MPUは、Vブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS1006)。周辺制御MPUは、Vブランク信号検出フラグVB-FLGが値1でない(値0である)と判定したときには、再びステップS1006に戻ってVブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であるか否かを繰り返し判定する。このような判定を繰り返すことにより、周辺制御部定常処理を実行するまで待機する状態となる。また周辺制御MPUは、このVブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であるか否かを判定した後に、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御MPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1006の判定において、周辺制御MPUは、Vブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行すると判定したときには、まず定常処理中フラグSP-FLGに値1をセットする(ステップS1008)。この定常処理中フラグSP-FLGは、周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1008に続いて、周辺制御MPUは、1ms割り込みタイマ起動処理を行う(ステップS1010)。この1ms割り込みタイマ起動処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行するための1ms割り込みタイマを起動するとともに、この1ms割り込みタイマが起動して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするための1msタイマ割り込み実行回数STNに値1をセットして1msタイマ割り込み実行回数STNの初期化も行う。この1msタイマ割り込み実行回数STNは周辺制御部1msタイマ割り込み処理で更新される。
ステップS1010に続いて、周辺制御MPUは、演出操作ユニット監視処理を行う(ステップS1014)。この演出操作ユニット監視処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における演出操作ユニット情報取得処理において、演出操作ユニット300に設けられた第一回転検知センサ347、第二回転検知センサ348、押圧検知センサ381、昇降検知センサ382等の各種検知センサ(以下、「演出操作ユニット300に設けられた各種センサ」と記載する。)からの検出信号に基づいて回転操作部302の回転(回転方向)及び押圧操作部303の操作等を取得した各種情報(例えば、演出操作ユニット300に設けられた各種センサからの検出信号に基づいて作成する回転操作部302の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部303の操作履歴情報など。)がセットされる周辺制御MPUのRAMに基づいて、回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作有無を監視し、回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作の状態を遊技演出に反映するか否かを適宜決定する。具体的には、演出操作ユニット情報取得処理で音量が調節されていれば調節後の音量に応じて音生成用スケジュールデータを書き換え、輝度が調節されていれば調節後の輝度に応じて発光態様生成用スケジュールデータを書き換る。これにより、音量や輝度の調節がリアルタイムに反映されて調節後の音量や輝度で演出が進行するようになる。
なお、周辺制御MPUは、演出操作ユニット監視処理の一処理としてランプパレット設定処理も行う。ランプパレット設定処理では、輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する。演出の進行中において、ランプパレット設定処理を実行して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定した場合には、その設定した輝度指定値となるように、周辺制御MPUのRAMにセットした上述した階調情報を更新することができるようになっている。
ここで、ランプパレット設定テーブルを構成する輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値について簡単に説明する。輝度指定値は、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定値を設定することができる値であり、第0(ゼロ)輝度指定値~第31輝度指定値と対応して後述する通常パレット値、及び特殊パレット値がそれぞれ予め設定されている。遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、操作可能な演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定することができる。
例えば、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、回転操作部302を時計回りに回転操作する場合であって現状の輝度が仮に最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値に設定されているときには、第1輝度指定値から最大輝度である第31輝度指定値へ向かって予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を高くするように変化する一方、回転操作部302を反時計回りに回転操作する場合であって現状の輝度が最大輝度に設定されているときには、最大輝度である第31輝度指定値から第1輝度指定値へ向かって予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を低くするように変化する。遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302を回転操作して所望の輝度を選択して押圧操作部303を押圧操作すると、選択した所望の輝度が確定する。なお、本実施形態では、演出の進行中において、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が輝度を設定できる場合が予め用意されており、このときに、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作により所望の輝度に設定することができるようになっている。また、演出の進行中における演出表示装置1600の表示領域の所定位置には、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302を操作すると、第1輝度指定値~第31輝度指定値までの位置を示す棒状のインジケータが表示されることで、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)の所望の輝度がどの程度のものであるかを画像として視覚的に示すことができるようになっている。また、本実施形態では、初期値(デフォルト)として第14輝度指定値が設定されるようになっている。
通常パレット値は、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度が上述した階調情報として設定されるものである。通常パレット値は、最小値である最小パレット値(20%)から最大値である最大パレット値(100%)へ向かって5%刻みで17段階のうち、一の段階が選択され、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値~第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿ってそれぞれ設定されている。
最小パレット値(20%)は、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値~第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応する最大パレット値(100%)に対して20%の値であり、他のパレット値も同様に、括弧書きに記載される値(%)が、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値~第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応する最大パレット値(100%)に対しての値となる。
本実施形態では、通常パレット値は、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に対して、最大パレット値(100%)が予め選択され上述した階調情報として設定されていると共に、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板のうち、図示しない特定の装飾基板(遊技者に眩しく感じられるLED)に対して、パレット値(50%)が予め選択され上述した階調情報として設定されている。
特殊パレット値は、間接光として照射される導光板に利用される各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度が上述した階調情報として設定されるものである。特殊パレット値は、通常パレット値と異なり、1段階のみ存在し、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値~第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って上述した階調情報として設定されている。
間接光として用いられるLEDの輝度は、上述したように、直接光として用いられるLEDの輝度と同一のものとすると、導光板による間接光が直接光と比べて暗くなる。そこで、本実施形態では、間接光として用いられるLEDの輝度は、直接光として用いられるLEDの輝度に対して設定される通常パレット値を用いず、特殊パレット値を用いて設定されるようになっており、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値を、導光板が間接光により発光している状態を視認することができる最低の輝度として、通常パレット値が最大パレット値(100%)に設定された場合における第18輝度指定値とほぼ等しい値に設定され、第1輝度指定値から第31輝度指定値までの範囲のうち、一の輝度指定値と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って設定されるようになっている。
このように、ランプパレット設定処理では、輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する際に、直接光として用いられるLEDの輝度に対して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作による輝度指定値と対応する通常パレット値に沿って設定される一方、間接光として用いられるLEDの輝度に対して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作による輝度指定値と対応する特殊パレット値に沿って設定されるようになっている。これにより、直接光として用いられるLEDの輝度が眩しいと感じて、その輝度を小さくするために、遊技者が回転操作部302、及び押圧操作部303を操作して設定する場合において、直接光として用いられるLEDの輝度を最も小さい輝度(つまり、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値)に設定し、これに連動して、間接光として用いられるLEDの輝度も最も小さい輝度(つまり、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値)に設定したとしても、間接光として用いられるLEDの輝度は、通常パレット値が最大パレット値(100%)に設定された場合における第18輝度指定値とほぼ等しい値に設定されるようになっているため、導光板が間接光により発光している状態を視認することができる最低の輝度が設定される。
また、発光態様を設計するプログラマーは、直接光として用いられるLEDに対して、遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度を個別に設定しなくても、演出の流れに伴う発光態様を設定して、遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの発光態様による演出の流れを見てから、眩しすぎる(又は、少し暗い輝度の方が演出効果をより発揮できる)特定の装飾基板に対して通常パレット値を小さいパレット値(例えば、50%)に設定するとともに、他の装飾基板に対して通常パレット値を最大パレット値(100%)に設定することで、全体の発光態様のバランスを極めて簡単に変更することができる。つまり、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、操作可能な演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定したとしても、特定の装飾基板に対しては一の輝度指定値と対応する小さいパレット値(例えば、50%)が設定されるのに対して、他の装飾基板に対しては一の輝度指定値と対応する最大パレット値(100%)がそれぞれ設定されるようになっているため、相互に設定された発光態様の関係(明るい、又は暗いという関係)を崩すことなく、極めて簡単に輝度調整を行うことができる。
更に、導光板による間接光は、直接光と比べて輝度の調整が難しいものの、間接光として用いられるLEDに対しては、通常パレット値と異なる(つまり、通常パレット値と独立した)特殊パレット値により輝度を設定することができるようになっている。これにより、間接光として用いられるLEDの輝度は特殊パレット値により管理されるとともに、直接光として用いられるLEDの輝度は通常パレット値により管理されるようになっているため、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を容易にそれぞれ調整することができる。
ステップS1014に続いて、周辺制御MPUは、表示データ出力処理を行う(ステップS1016)。この表示データ出力処理では、後述する表示データ作成処理において、周辺制御MPUのVDPが周辺制御MPUからの指示に基づいてSDRAMから画像データを読み出して周辺制御MPUのVRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを液晶出力基板1530に出力する。これにより、演出表示装置1600にさまざまな画面(画像)が描画(表示)される。なお、表示データ出力処理では、周辺制御MPUのVDPの描画能力を超える描画を行った場合には、生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを出力することをキャンセルするようになっている。これにより、処理時間の遅れを防止することができるが、いわゆるコマ落ちが発生することとなるものの、後述する音データ出力処理による、振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464、本体枠スピーカ622等の各種スピーカ(以下、「各種スピーカ」と記載する。)から各種演出に合わせた音楽や効果音等の演出音による演出を優先することができる仕組みとなっている。
ステップS1016に続いて、周辺制御MPUは、音データ出力処理を行う(ステップS1018)。この音データ出力処理では、後述する音データ作成処理において、周辺制御MPUの音源が周辺制御MPUからの指示に基づいてSDRAMから音データを読み出し、設定される出力チャンネルから各種スピーカに出力する。これにより、各種スピーカから各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れる。
ステップS1018に続いて、周辺制御MPUは、スケジューラ更新処理を行う(ステップS1020)。このスケジューラ更新処理では、周辺制御MPUのRAMにセットされた各種スケジュールデータを更新する。例えば、スケジューラ更新処理では、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを周辺制御MPUのVDPに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、先頭の発光データから何番目の発光データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された、音楽や効果音等の演出音の音データ、報知音や告知音の音データを指示する音指令データのうち、先頭の音指令データから何番目の音指令データを周辺制御MPUの音源に出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、先頭の駆動データから何番目の駆動データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データは、後述する、1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理で更新される。この1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行されるモータ及びソレノイド駆動処理では、ポインタが指示する駆動データに従ってモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、自身の処理を実行するごとに、ポインタを更新する。つまり、モータ及びソレノイド駆動処理において更新したポインタの指示する駆動データは、スケジューラ更新処理において強制的に更新される仕組みとなっているため、仮に、モータ及びソレノイド駆動処理においてポインタが何らかの原因で本来指示するはずの駆動データから他の駆動データを指示することとなっても、スケジューラ更新処理において本来指示するはずの駆動データに指示するように強制的に更新されるようになっている。
ステップS1020に続いて、周辺制御MPUは、受信コマンド解析処理を行う(ステップS1022)。この受信コマンド解析処理では、主制御基板1310から送信された各種コマンドを、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において受信してその受信した各種コマンドの解析を行うとともに、演出の各種設定に用いられる乱数(例えば保留先読み関連の演出に用いられる乱数)の更新を行う。主制御基板1310からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて周辺制御MPUのRAMに記憶されるようになっており、この受信コマンド解析処理では、周辺制御MPUのRAMに記憶された各種コマンドの解析を行う。周辺制御MPUは、解析した各種コマンドに基づいて、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御MPUのRAMにセットする。
なお、周辺制御MPUは、受信コマンド解析処理の一処理としてランプパレット設定処理も行う。ランプパレット設定処理では、上述した輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する。周辺制御MPUは、主制御基板1310からの各種コマンドを解析し、この解析した各種コマンドに基づいて、発光態様生成用スケジュールデータを周辺制御ROMから読み出して(抽出して)、ランプパレット設定処理を実行して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、上述した、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定した場合には、その設定した輝度指定値となるように、上述した階調情報を更新して周辺制御MPUのRAMにセットすることができるようになっている。
また、周辺制御MPUは、この周辺制御部コマンド割り込み処理で受信された主制御基板1310からのコマンドが、例えば、始動口入賞演出の開始を指示するための始動口入賞コマンド、普通図柄の保留数(0~4個)を識別するための普通図柄記憶コマンド、特別図柄の変動表示に同期して演出表示装置1600において装飾図柄の変動表示等の変動演出の開始を指示するための変動パターンコマンド、始動保留数が変化すると出力される図柄記憶コマンド、大入賞口2005に遊技球が受け入れられる度に出力された大入賞口1カウント表示コマンドであるか否かを解析し、現在、どの遊技状態であるかを認識する。
主制御基板1310からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて周辺制御MPUのRAMに記憶されるようになっており、受信コマンド解析処理では、周辺制御MPUのRAMに記憶された各種コマンドの解析を行う。各種コマンドには、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドがある。また、周辺制御基板1510は受信したコマンドに基づいて予告等に関する抽選処理を実行し、該抽選結果に基づいて画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御MPUのRAMにセットする。これにより周辺制御基板1510の抽選結果に応じた演出が実行されるようになる。
なお、周辺制御ROMには、周辺制御部1511、演出表示制御部1511等を制御する各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータが予め記憶されている。各種スケジュールデータには、演出表示装置1600に描画する画面を生成する画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等の演出音を生成する音生成用スケジュールデータ、及びモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する電気的駆動源スケジュールデータ等がある。画面生成用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、演出表示装置1600に描画する画面の順序が規定されている。発光態様生成用スケジュールデータは、各種LEDの発光態様を規定する発光態様データが時系列に配列されて構成されている。音生成用スケジュールデータは、音指令データが時系列に配列されて構成されており、音楽や効果音が流れる順番が規定されている。この音指令データには、周辺制御MPUの内蔵音源における複数の出力チャンネルのうち、どの出力チャンネルを使用するのかを指示するための出力チャンネル番号と、周辺制御MPUの内蔵音源における複数のトラックのうち、どのトラックに音楽及び効果音等の音データを組み込むのかを指示するためのトラック番号と、が規定されている。電気的駆動源スケジュールデータは、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データが時系列に配列されて構成されており、モータやソレノイド等の電気的駆動源の動作が規定されている。
ステップS1022に続いて、周辺制御MPUは、警告処理を行う(ステップS1024)。この警告処理では、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析したコマンドに、報知表示に区分される各種コマンドが含まれているときには、各種異常報知を実行するための異常表示態様に設定されている、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御MPUのRAMにセットする。なお、警告処理では、複数の異常が同時に発生した場合には、予め登録した優先度の高い順から異常報知から行われ、その異常が解決して残っている他の異常報知に自動的に遷移するようになっている。これにより、一の異常が発生した後であってその異常を解決する前に他の異常が発生して一の異常が発生しているという情報を失うことなく、複数の異常を同時に監視することができる。
ステップS1024に続いて、周辺制御MPUは、RCT取得情報更新処理を行う(ステップS1026)。このRTC取得情報更新処理では、ステップS1002の現在時刻情報取得処理で取得して周辺制御MPUのRAMに記憶されたカレンダー情報と時刻情報とを更新する。このRCT取得情報更新処理により、周辺制御MPUのRAMに記憶される時刻情報である時分秒が更新され、この更新される時刻情報に基づいて周辺制御MPUのRAMに記憶されるカレンダー情報である年月日が更新される。
ステップS1026に続いて、周辺制御MPUは、表示データ作成処理を行う(ステップS1030)。この表示データ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御MPUのVDPに出力する。
周辺制御MPUのVDPは、周辺制御MPUから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、SDRAMから画像データを読み出して演出表示装置1600に描画(表示)する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAMに生成する。
ステップS1030に続いて、周辺制御MPUは、音データ作成処理を行う(ステップS1032)。この音データ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、そのポインタが指示する音指令データを、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御MPUのRAMにセットする。周辺制御MPUの音源は、周辺制御MPUから音指令データが入力されると、SDRAMから音データを読み出して音指令データに規定されたトラック番号に従って音楽及び効果音等の音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定する。
なお、音データ作成処理では、この音データ作成処理を行うごとに(つまり、周辺制御部定常処理を行うごとに)、音量調整スイッチからの音量調整操作信号に基づいて、音量調整スイッチの回転位置を特定している。周辺制御MPUは、音量調整スイッチの回転位置と対応する音量となるように、周辺制御MPUの音源を制御して、ステップS1018の音データ出力処理において、この音データ作成処理で設定した出力チャンネルから音データを各種スピーカに出力する。これにより、各種スピーカから各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるようになっている。
具体的には、音量調整スイッチを回動操作することにより抵抗値が可変し、音量スイッチの回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0~値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0~6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0~6に設定された音量となるように周辺制御MPUの音源を制御して扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から音楽や効果音が流れるようになっている。このように、音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整により扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から音楽や効果音が流れるようになっている。
なお、音指令データには、音データを組み込むトラックの音量を調節するためのサブボリューム値も含まれており、周辺制御MPUの内蔵音源における複数のトラックには、音楽や効果音等の演出音の音データとその音量を調節するサブボリューム値のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音の音データとその音量を調節するサブボリューム値が組み込まれる。
具体的には、演出音に対しては、上述した、音量調整スイッチが回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として設定され、報知音に対しては、音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量がサブボリューム値として設定されるようになっている。演出音のサブボリューム値は、電源投入後の所定期間(具体的には周辺制御部が初期設定処理(ステップS1000)及び現在時刻設定処理(ステップS1002)を終了するまでの期間)や特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)において特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始又は停止するときの一定期間(この例では周辺制御部にて変動パターンコマンドを受信してから装飾図柄の変動表示開始後に0.5秒経過するまでや、周辺制御部にて停止表示コマンドを受信してから装飾図柄の確定表示後に0.5秒経過するまで)を除き、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作することで調節することができるようになっている。
このように、本例のパチンコ機1では電源投入後の所定期間(具体的には周辺制御部が初期設定処理(ステップS1000)及び現在時刻設定処理(ステップS1002)を終了するまでの期間)や特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)において特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始又は停止するときの一定期間(この例では周辺制御部にて変動パターンコマンドを受信してから装飾図柄の変動表示開始後に0.5秒経過するまでや、周辺制御部にて停止表示コマンドを受信してから装飾図柄の確定表示後に0.5秒経過するまで)を除き、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作することで、音データ作成処理において音量調整スイッチの回転位置における抵抗値により分圧された電圧を基板ボリューム0~6の7段階の値に変換し、さらに音量調整スイッチの回転位置における抵抗値により分圧された電圧に対して、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりして基板ボリュームを設定することで演出音のサブボリューム値を調節できるようになっている。
また、音指定データには、出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値も含まれており、周辺制御MPUの内蔵音源における複数の出力チャンネルには、周辺制御MPUの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとして出力するようになっている。
本実施形態では、マスターボリューム値は一定値に設定されており、合成した演出音の音量が最大音量であるときに、マスターボリューム値まで増幅されることにより、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音量が許容最大音量となるように設定されている。具体的には、演出音に対しては、周辺制御MPUの内蔵音源における複数のトラックのうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整スイッチが回動操作されて調節された基板ボリュームと、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとして出力し、報知音に対しては、使用するトラックに組み込まれた報知音の音データと、使用するトラックに組み込まれた報知音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量と、を合成して、この合成した報知音の音量を、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した報知音をシリアル化してオーディオデータとして出力する。
ここで、演出音が扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音を流す制御について簡単に説明すると、まず演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定し、この演出音が組み込まれたトラックの音データと、その消音に設定したサブボリューム値と、報知音が組み込まれたトラックの音データと、報知音の音量が最大音量に設定されたサブボリューム値と、を合成し、この合成した演出音の音量と報知音の音量とを、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音及び報知音をシリアル化してオーディオデータとして出力する。つまり、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音は、最大音量の報知音だけが流れることとなる。このとき、演出音は消音となっているため、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れないものの、演出音は、上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。
本実施形態では、報知音は所定期間(例えば、90秒)だけ扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れるようになっており、この所定期間経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している演出音の音量が、音量調整スイッチが回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として再び設定され(このとき、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作することで演出音の音量が調節されている場合には、その調節された演出音のサブボリューム値に設定され)、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れるようになっている。
このように、演出音が扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音が流れるときには、演出音の音量が消音になって報知音が扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れるものの、この消音となった演出音は、音生成用スケジュールデータに従って進行しているため、報知音が所定期間経過して扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れなくなると、演出音は、報知音が流れ始めたところから再び流れ始めるのではなく、報知音が流れ始めて所定期間経過した時点まで音生成用スケジュールデータに従って進行したところから再び流れ始めるようになっている。
また、報知音や告知音は、音量調整スイッチの回転操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより周辺制御MPUが周辺制御MPUの音源を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。例えば、遊技ホールの店員等の係員が音量調整スイッチを回転操作して音量を小さく設定した場合であっても、各種スピーカから流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音により遊技ホールの店員等の係員が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
ステップS1032に続いて、周辺制御MPUは、バックアップ処理を行う(ステップS1034)。このバックアップ処理では、周辺制御MPUのRAMに記憶されている内容を周辺制御MPUのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップするとともに、SDRAMに記憶されている内容をSDRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。
ステップS1034に続いて、周辺制御MPUは、WDTクリア処理を行う(ステップS1036)。このWDTクリア処理では、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御MPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1036に続いて、周辺制御MPUは、周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP-FLGに値0をセットし(ステップS1038)、再びステップS1004に戻り、Vブランク信号検出フラグVB-FLGに値0をセットして初期化し、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理においてVブランク信号検出フラグVB-FLGに値1がセットされるまで、ステップS1006の判定を繰り返し行う。つまりステップS1006では、Vブランク信号検出フラグVB-FLGに値1がセットされるまで待機し、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であると判定されると、ステップS1008~ステップS1038の処理を行い、再びステップS1004に戻る。このように、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であると判定されると、ステップS1008~ステップS1038の処理を行うようになっている。ステップS1008~ステップS1038の処理を「周辺制御部定常処理」という。
この周辺制御部定常処理では、まずステップS1008で周辺制御部定常処理を実行中であるとして定常処理中フラグSP-FLGに値1をセットすることから開始し、ステップS1010で1ms割り込みタイマ起動処理を行い、ステップS1014、・・・、そしてステップS1036の各処理を行って最後にステップS1038において周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP-FLGに値0をセットすると、完了することとなる。周辺制御部定常処理は、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であるときに実行される。このVブランク信号検出フラグVB-FLGは、上述したように、周辺制御MPUからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御MPUのVDPから周辺制御MPUに入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。本実施形態では、演出表示装置1600のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっている。
[10-2.周辺制御部Vブランク信号割り込み処理]
次に、周辺制御MPUからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御MPUのVDPから入力されたことを契機として実行する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部Vブランク信号割り込み処理が開始されると、周辺制御MPUは、図73に示すように、定常処理中フラグSP-FLGが値0であるかを判定する(ステップS1045)。この定常処理中フラグSP-FLGは、上述したように、図72の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008~ステップS1038の周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1045の判定において、周辺制御MPUは、定常処理中フラグSP-FLGが値0でない(値1である)とき、つまり周辺制御部定常処理を実行中であると判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS1045の判定において、周辺制御MPUは、定常処理中フラグSP-FLGが値0であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したと判定したときには、Vブランク信号検出フラグVB-FLGに値1をセットし(ステップS1050)、このルーチンを終了する。このVブランク信号検出フラグVB-FLGは、上述したように、周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。
本実施形態では、ステップS1045の判定で定常処理中フラグSP-FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定し、周辺制御部定常処理を実行完了したときにはステップS1050でVブランク信号検出フラグVB-FLGに値1をセットするようになっているが、これは、周辺制御部定常処理を実行中であるときに、Vブランク信号が入力されてVブランク信号検出フラグVB-FLGに値1をセットすると、図72の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1006の判定で周辺制御部定常処理を実行するものとして、現在実行中の周辺制御部定常処理を途中で強制的にキャンセルして周辺制御部定常処理を最初から実行開始するため、これを防止する目的で、図72の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1008で定常処理中フラグSP-FLGに値1をセットすることで周辺制御部定常処理を実行中である旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えるとともに、図72の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1038で定常処理中フラグSP-FLGに値0をセットすることで周辺制御部定常処理を実行完了した旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えることにより、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理におけるステップS1045の判定で定常処理中フラグSP-FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定するようになっている。換言すると、Vブランク信号が入力されて次のVブランク信号が入力されるまでに周辺制御部定常処理を実行完了することができず、いわゆる処理落ちした場合の処置である。
これにより、今回の周辺制御部定常処理においては、約33.3msという時間でその処理を完了できず処理落ちした場合には、図72の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1006の判定で次回のVブランク信号が入力されるまで待機する状態となる。つまり、処理落ちした今回の周辺制御部定常処理を実行するための時間が約66.6msとなる。通常、図72の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理は1回の周辺制御部定常処理に対して32回だけ実行されるものの、上述した処理落ちした今回の周辺制御部定常処理が存在する場合には、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が64回ではなく、32回だけ実行されるようになっている。つまり、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても演出の進行状態を確実に整合させることができる。
[10-3.周辺制御部1msタイマ割り込み処理]
次に、図72の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する周辺制御部1msタイマ割り込み処理について説明する。この周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されると、周辺制御MPUは、図74に示すように、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいか否かを判定する(ステップS1100)。この1msタイマ割り込み実行回数STNは、上述したように、図72の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするカウンタである。本実施形態では、演出表示装置1600のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっているため、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを起動した後、次の周辺制御部定常処理が実行されるまでに、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が32回だけ実行されるようになっている。具体的には、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマが起動されると、まず1回目の1msタイマ割り込みが発生し、2回目、・・・、そして32回目の1msタイマ割り込みが順次発生することとなる。
ステップS1100の判定において、周辺制御MPUは、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部1msタイマ割り込み処理の方が周辺制御部Vブランク割り込み処理と比べて高く設定されているものの、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルするようになっている。換言すると、本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。そして、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。
一方、ステップS1100の判定において、周辺制御MPUは、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいと判定したときには、1msタイマ割り込み実行回数STNに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1102)。この1msタイマ割り込み実行回数STNに値1が足されることにより、図72の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数が1回分だけ増えることとなる。
ステップS1102に続いて、モータ及びソレノイド駆動処理を行う(ステップS1104)。このモータ及びソレノイド駆動処理では、周辺制御MPUのRAMにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、モータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、このモータ及びソレノイド駆動処理を実行するごとに、ポインタを更新する。これにより、周辺制御MPUが管理するモータやソレノイド等の電気的駆動源(例えば、扉枠3に設けられる電気的駆動源や遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える電気的駆動源等)は、電気的駆動源スケジュールデータに従って駆動される。
ステップS1104に続いて、周辺制御MPUは、可動体情報取得処理を行う(ステップS1106)。この可動体情報取得処理では、遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など。)を作成し、周辺制御MPUのRAMにセットする。周辺制御MPUは、周辺制御MPUのRAMにセットされる各種センサからの検出信号の履歴情報に基づいて、遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える各種可動体の原位置(待機位置)を設定したり、可動位置を取得したりすることにより、可動位置を把握する。
ステップS1106に続いて、周辺制御MPUは、演出操作ユニット情報取得処理を行う(ステップS1108)。この演出操作ユニット情報取得処理では、演出操作ユニット300に設けられた各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報(例えば、回転操作部302の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部303の操作履歴情報など。)を作成し、周辺制御MPUのRAMにセットする。周辺制御MPUのRAMにセットされる各種センサからの検出信号の履歴情報から回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作有無を取得することができる。本実施形態のパチンコ機1では、演出操作部301を操作することにより、振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622から出力される演出音の音量を調節したり、扉枠3や遊技盤5に備える各種装飾基板に複数実装される各種LEDの輝度を調節したりすることができるようになっている。
ステップS1108に続いて、周辺制御MPUは、バックアップ処理を行い(ステップS1110)、このルーチンを終了する。このバックアップ処理では、周辺制御MPUのRAMに記憶されている内容を周辺制御MPUのRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップするとともに、SDRAMに記憶されている内容をSDRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。なお、本実施形態では、周辺制御MPUのRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域と、周辺制御MPUのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域と、は異なる領域に設定されているとともに、SDRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域と、SDRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域と、は異なる領域に設定されている。
このように、周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、1msという期間内において、演出の進行としてステップS1104~ステップS1108の演出に関する各種処理を実行している。これに対して、図72の周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理では、約33.3msという期間内において、演出の進行としてステップS1014~ステップS1032の演出に関する各種処理を実行している。周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが値33より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了するようになっているため、仮に、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合でも、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルし、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。つまり、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、演出の進行状態を確実に整合させることができる。
また、上述したように、Vブランク信号が出力される間隔は、演出表示装置1600の液晶サイズによって多少変化するし、周辺制御MPUが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合もある。本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。つまり本実施形態では、Vブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合であっても、33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルすることによって、このVブランク信号が出力される間隔が多少変化することによる時間ズレを吸収することができるようになっている。
[10-4.周辺制御部コマンド受信割り込み処理]
次に、主制御基板1310からの各種コマンドを受信する周辺制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。周辺制御MPUは、主制御基板1310からの各種コマンドがシリアルデータとして送信開始されると、これを契機として、主周シリアルデータを周辺制御MPUのシリアルI/Oポートで1バイト(8ビット)の情報を受信バッファに取り込み、この取り込みが完了すると、これを契機として割り込みが発生し、周辺制御部コマンド受信割り込み処理を行う。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されており、1バイト目としてステータスが割り振られ、2バイト目としてモードが割り振られ、3バイト目としてステータスとモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。
周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されると、周辺制御MPUは、図75に示すように、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1200)。この1バイト受信期間タイマは、主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を設定するものである。
ステップS1200の判定において、周辺制御MPUは、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間内であると判定したときには、周辺制御MPUのシリアルI/Oポートの受信バッファから受信した1バイトの情報を取り込み(ステップS1202)、受信カウンタSRXCに値1を加える(インクリメントする、ステップS1204)。この受信カウンタSRXCは、受信バッファから取り出した回数を示すカウンタであり、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスを受信バッファから取り出すと値1、主周シリアルデータの2バイト目であるモードを受信バッファから取り出すと値2、主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出すと値3となる。なお、受信カウンタSRXCは、電源投入時等に初期値0がセットされる。
ステップS1204に続いて、受信カウンタSRXCが値3であるか否か、つまり主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出したか否かを判定する(ステップS1206)。この判定では、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したか否かを判定している。
ステップS1206の判定において、周辺制御MPUは、受信カウンタSRXCが値3でないとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、まだ主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出していないと判定したときには、1バイト受信期間タイマのセットを行い(ステップS1208)、このルーチンを終了する。ステップS1208で1バイト受信期間タイマがセットされることで、主周シリアルデータの2バイト目であるモード又は主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信し得る期間が設定される。
一方、ステップS1206の判定において、周辺制御MPUは、受信カウンタSRXCが値3であるとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したと判定したときには、受信カウンタSRXCに初期値0をセットし(ステップS1210)、サム値を算出する(ステップS1212)。この算出は、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスと、主周シリアルデータの2バイト目であるモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出する。
ステップS1212に続いて、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているか否かを判定する(ステップS1214)。ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値は、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値であるため、ステップS1212で算出したサム値と一致しているはずである。ところが、パチンコ機1は、遊技ホールの島設備から遊技球が供給されており、遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生するため、パチンコ機1はノイズの影響を受けやすり環境下にある。
そこで、本実施形態では、周辺制御基板1510側において、受信した主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値が、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値と一致しているか否かを判定している。これにより、周辺制御MPUは、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間において、主周シリアルデータがノイズの影響を受けて正規と異なる主周シリアルデータに変化したか否かを判定することができる。
ステップS1214の判定において、周辺制御MPUは、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していると判定したときには、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとを、周辺制御MPUのRAMに記憶し(ステップS1216)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS1200の判定において、周辺制御MPUは、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を超えていると判定したときには、又はステップS1214の判定において、周辺制御MPUは、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していないと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。
[10-5.周辺制御部停電予告信号割り込み処理]
次に、主制御基板1310の停電監視回路からの停電予告信号が主制御基板1310から入力されたことを契機として実行する周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されると周辺制御MPUは、図76に示すように、まず2マイクロ秒タイマを起動し(ステップS1300)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS1302)。ステップS1302の判定において、周辺制御MPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1302の判定において、周辺制御MPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、2マイクロ秒経過したか否かを判定する(ステップS1304)。この判定では、ステップS1300で起動したタイマが2マイクロ秒経過した否かを判定している。ステップS1304の判定において、周辺制御MPUは、2マクロ秒経過していないときには、ステップS1302に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、停電予告信号が入力されていないと判定したときにはそのままこのルーチンを終了する一方、停電予告信号が入力されていると判定したときには、再びステップS1304で2マイクロ秒経過したか否かを判定する。つまりステップS1304の判定では、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているか否かを判定している。
ステップS1304の判定において、周辺制御MPUは、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けていると判定したときには、節電処理を行う(ステップS1306)。この節電処理では、演出表示装置1600のバックライトの消灯、遊技盤5に設けられるモータやソレノイドへの励磁OFF、各種LEDの消灯等を順次実行することによりパチンコ機1のシステム全体の消費電力を抑えることによって、パチンコ機1の電力が遮断されても周辺制御MPUが動作可能な時間である20ミリ秒の期間だけ安定動作を確保している。
ステップS1306に続いて、周辺制御MPUは、コマンド受信待機処理を行う(ステップS1308)。このコマンド受信待機処理では、主制御基板1310が送信中の各種コマンドがある場合を想定して、送信中のコマンドを周辺制御MPUが受信することができるように、少なくとも、17ミリ秒の期間だけ待機するようになっている。コマンドを受信すると、上述した、周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されて周辺制御MPUのRAMに受信したコマンドが記憶される。
ステップS1308に続いて、周辺制御MPUは、コマンドのバックアップ処理を行う(ステップS1310)。このコマンドのバックアップ処理では、周辺制御MPUのRAMに記憶されているコマンドを周辺制御MPUのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。
ステップS1310に続いて、周辺制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS1312)。ステップS1312の判定において、周辺制御MPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、WDTクリア処理を行う(ステップS1314)。このWDTクリア処理では、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御MPUにリセットがかからないようにする。
一方、ステップS1312の判定において、周辺制御MPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したとき、又はステップS1314に続いて、再びステップS1312に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。つまり、停電予告信号が入力されているか否かを無限に判定し続けることとなる。このように無限に判定し続けることにより、ステップS1312の判定において、周辺制御MPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したときには、外部WDTにクリア信号を出力することができなくなり、周辺制御MPUにリセットがかかる一方、ステップS1312の判定において、周辺制御MPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、ステップS1314でWDTクリア処理を行い、周辺制御MPUにリセットがかからない。なお、周辺制御MPUにリセットがかかると、図72に示した周辺制御部電源投入時処理が再び開始されることとなる。
このように、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続する場合には、ステップS1314でWDTクリア処理が実行されることによって停電状態になる直前で周辺制御MPUにリセットがかからないようになっている。これに対して、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、WDTクリア処理が実行されないため、外部WDTにクリア信号を出力が中断されるようになっている。これにより、ノイズなどで本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が誤って開始され、そのノイズが2マイクロ秒の期間を超えて発生することでステップS1302の判定を通過したとしても、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、ステップS1314のWDTクリア処理が実行されないことにより周辺制御MPUにリセットがかかるようになっているため、そのようなノイズに対して自動的にリセット復帰することで対応することができるようになっている。
[11.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板1310(特に主制御MPU)で実行される制御処理の例について説明する。図77は、上記特別図柄及び特別電動役物制御処理(ステップS114)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図77に示されるように、この主制御基板1310の主制御MPUはまず、上記第一始動口センサ2101による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS2031)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS2032)。また、上記第二始動口センサ2402による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS2033)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS2034)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS2035)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS2039)を実行する。なお、大当り制御処理では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「15R大当りA」を示唆する態様となったときに、15R大当り遊技状態Aに応じて大入賞口2005を開閉制御し、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第一受入口2007または第二受入口2008のいずれかに振り分ける振分片2415を駆動制御し、第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることが可能な15ラウンド目に有効状態に設定する処理を実行する。また、「15R大当りB」を示唆する態様となったときに、15R大当り遊技状態Bに応じて大入賞口2005を開閉制御し、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第一受入口2007または第二受入口2008のいずれかに振り分ける振分片2415を駆動制御し、第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることが可能な15ラウンド目に有効状態に設定する処理を実行する。
ここで、「有効状態」及び「無効状態」について説明する。先ず、本実施形態では、第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられるときの状態として、「有効状態」を有している。ここで、「有効状態」は、第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることが可能な15ラウンド目において、第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することが許容される(有効化される)状態である。よって、「有効状態」で第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることによって、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御されることととなる。また、本実施形態では、第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることがない状態として、「有効状態」とは異なる「無効状態」を有している。ここで、「無効状態」は、第一受入口2007に遊技球Bを振り分ける1~14ラウンド目など、原則として第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることがない状態であり、仮に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することが許容されない(無効化される)状態である。よって、「無効状態」で第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御されることはない。また、「無効状態」は、不正行為などの異常が発生することにより第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられた場合において、そのような異常発生に関する情報をホール管理側に通知可能とするため、第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたか否かについて監視される期間とされている。なお、本実施形態では、第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることを可能とする所定のラウンド(15ラウンド目)には「有効状態」に設定するようにし、第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたときには必ず、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するようにしている。また、第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることがない所定のラウンド(1~14ラウンド目)には「無効状態」に設定しているが、「有効状態」に設定してもよい。このように大当り遊技状態中の全てのラウンドで「有効状態」に設定したとしても、1~14ラウンド目には原則として第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることがないため、1~14ラウンド目に「無効状態」に設定する場合と同じく、「有効状態」に設定した15ラウンド目に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられるか否かが重要となっている。
また、大当り制御処理(ステップS2041)では、大入賞口2005の開放制御を行った後、高確率フラグ、時短フラグ、及び時短回数カウンタの各セット処理を実行する。高確率フラグは、高確率状態であることを示すフラグである。大当り(15R大当りA、15R大当りB)に基づいた大当り遊技状態の実行中において、大入賞口2005を開放する1~15ラウンド目のうち第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることが可能な15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に高確率状態(高確率時短状態)に制御することから高確率フラグがセットされるが、その15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に高確率状態(高確率時短状態)に制御しないことから高確率フラグがセットされない。そして、高確率フラグがセットされた場合には、次に大当りとなったとき、又は時短回数カウンタのカウンタ値が「0」になったときに後述する図126に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理で高確率フラグがリセットされる。
また、時短フラグは、時短状態であることを示すフラグであり、大当り遊技状態の終了後に時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当り(15R大当りA、15R大当りB)に基づいた大当り遊技状態を終了するときにセットされる。そして、時短フラグは、次に大当りとなったとき、又は時短回数カウンタのカウンタ値が「0」になったときに後述する図126に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
また、時短回数カウンタは、時短状態の継続回数としての特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示の残り回数を示すカウンタであり、大当り遊技状態の終了後に時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当り(15R大当りA、15R大当りB)に基づいた大当り遊技状態を終了するときに、その時短状態の継続回数がセットされる、そして、時短回数カウンタは、そのカウンタ値が「0」になるまで特別図柄の変動表示を実行するごとにカウントダウンされるが、カウンタ値が「0」になるよりも前に次の大当りとなったときには、後述する図126に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる(カウンタ値を「0」に戻す)。
また、大当り実行中フラグがセットされていなければ、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS2036)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS2037)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS2036)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS2038)。このようにこの例では、第二特別保留数カウンタの値が「0」でないときには第二特別図柄の変動表示を優先的に実行するように構成されている。
図78は、上記第一始動口通過処理(ステップS2032)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS2031の処理において、上記第一始動口センサ2101がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球Bの入球があったと判断されたとすると、同図78に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS2041の処理として、まず、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、第一特別図柄保留記憶領域に記憶される第一特別乱数の個数を示す第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS2042)。このステップS2042の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS2043~S2045の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS2043の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS2044の処理として、上記ステップS2041で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
また、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS2041で取得した上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数に基づいて、第一特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別(変動パターンの種別)などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に判定する演出事前判定処理を実行した後(ステップS2045)、処理を終了する。
一方、上記ステップS2042の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS2043~ステップS2045の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第一始動口2002へ遊技球Bが入球したことに基づいて第一保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第一特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第一保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記記憶処理(ステップS20)にて第一保留記憶数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0~4)をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御MPUは第一保留数指定コマンド0~4を受信したことに基づいて第一保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
図79は、上記演出事前判定処理(ステップS2045)についてその手順を示すフローチャートである。主制御基板1310の主制御MPUは、演出事前判定処理を開始すると、図示しない事前判定テーブルと上記ステップS2041で取得した乱数、具体的には第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数とを比較することにより大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別、を特定する(ステップS2061)。
そして、特定した事前判定情報(大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別など)と、取得した特別乱数の種別(第一特別乱数)と、取得した特別乱数に対応して記憶される保留記憶数(保留数カウンタの値)と、に応じた事前判定コマンドをセットする。例えば、第一始動口通過処理のステップS2045で実行される第一特別図柄に関する演出事前判定処理では、特定した事前判定情報と、第一特別乱数を取得したことと、第一保留記憶数(第一特別保留数カウンタの値)と、に応じた第一特別図柄事前判定コマンドをセットする(ステップS2062)。
そして、上記特別図柄コマンド制御処理(ステップS16)で主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前判定コマンドが送信されることにより、始動入賞が発生した第一始動口2002に対応して記憶される保留記憶数に加え、発生した始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUが把握できるようになる。
なお、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUは主制御基板1310から事前判定コマンドを受信すると、受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を記憶するようになっている。具体的には、周辺制御MPUのRAMには、第一特別図柄の変動表示に関する事前判定情報を記憶する第一保留記憶領域が設けられている。
また、第一保留記憶領域は保留記憶数に対応する1~4の記憶領域を有しており、周辺制御MPUは受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を1番目(最先)の記憶領域から順に格納する。そして、n番目(n=1~3)の記憶領域に事前判定情報が格納されている場合に事前判定コマンドを受信するとn+1番目(n=1~3)の記憶領域に通知された事前判定情報を格納し、第一特別図柄の変動表示開始を通知する第一変動パターンコマンドを受信すると受信した第一変動パターンコマンドに応じて第一保留記憶領域の1番目の記憶領域に格納されている事前判定情報を破棄してN番目(N=2~4)の記憶領域に格納されている事前判定情報をN-1番目(N=2~4)番目の記憶領域に移動させる(保留記憶領域に格納されている事前判定情報をシフトする)。これにより、上記第一特別図柄の事前判定情報が、変動表示開始の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の事前判定情報から順に破棄されるようになる。
このように変動表示制御が保留の状態とされた時点では、その変動表示制御を未実行の状態(保留状態)にて維持するにもかかわらず、その変動表示制御の大当り期待度(疑似当選確率)についてはこれを先行して、例えば、その保留表示の新規出力時や保留消化に応じた保留表示のシフト表示時などの予め定められたタイミングにて報知することが可能とされるようになる。
図80は、上記第二始動口通過処理(ステップS2034)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS2033の処理において、上記第二始動口センサ2402がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球Bの入球があったと判断されたとすると、同図80に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS2051の処理として、まず、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第二保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS2052)。このステップS2052の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS2053~S2054の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS2053の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS2054の処理として、上記ステップS2051で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
一方、上記ステップS2052の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS2053~ステップS2054の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第二始動口2004へ遊技球Bが入球したことに基づいて第二保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第二特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第二保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記記憶処理(ステップS20)にて第二保留記憶数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0~1)をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御MPUは第二保留数指定コマンド0~4を受信したことに基づいて第二保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
図81は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS2037)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS2037で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS2038で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS2037で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上述の第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御MPUのRAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS2080)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS2081)
3.変動乱数に基づいて上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記演出表示装置1600に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS2082)
4.機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS2083)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS2084)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図173参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS2080)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図82は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS2080)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図82に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS2101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS2102の処理として、上記主制御MPUのRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS2103及びS2104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPUのRAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First-In First-Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1~4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1~3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1~3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2~4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN-1番目(N=2~4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS2105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である大当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS2081)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS2106)、この処理を終了する。
図83は、上記大当り判定処理(ステップS2105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS2111)、図84(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS2112)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS2111)、図84(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS2113)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS2102で読み出した第一特別乱数とを比較する(ステップS2114)。
図84(A)に示す大当り判定テーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶され、遊技状態が低確率時(通常状態(低確率非時短状態)及び時短状態(低確率時短状態))の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、低確率時の大当り判定テーブルでは、設定値1である場合に1/319、設定値2である場合に1/309、設定値3である場合に1/299、設定値4である場合に1/289、設定値5である場合に1/279、設定値6である場合に1/269の大当り確率で第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、それ以外の第一特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている。なお、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS2038で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、第一特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルと同様に、設定値1である場合に1/319、設定値2である場合に1/309、設定値3である場合に1/299、設定値4である場合に1/289、設定値5である場合に1/279、設定値6である場合に1/269の大当り確率で第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、それ以外の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、高確率時の大当り判定テーブルでは、設定値1である場合に1/31.9、設定値2である場合に1/30.9、設定値3である場合に1/29.9、設定値4である場合に1/28.9、設定値5である場合に1/27.9、設定値6である場合に1/26.9の大当り確率で第一特別乱数(低確率時の大当り判定テーブルに設定される第一特別乱数と同一の第一特別乱数を含む。)が大当り判定値と一致し、それ以外の第一特別乱数がはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、高確率状態(高確率時短状態)では、設定値ごとに、大当りに当選したことを示す大当り判定値が低確率時(通常状態(低確率非時短状態)及び時短状態(低確率時短状態))の10倍に高められる。なお、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS2038で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、第一特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルと同様に、設定値1である場合に1/31.9、設定値2である場合に1/30.9、設定値3である場合に1/29.9、設定値4である場合に1/28.9、設定値5である場合に1/27.9、設定値6である場合に1/26.9の大当り確率で第二特別乱数(低確率時の大当り判定テーブルに設定される第二特別乱数と同一の第二特別乱数を含む。)が大当り判定値と一致し、それ以外の第二特別乱数がはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS2102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS2115)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットして処理を終了し(ステップS2116)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS2102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、図示しないリーチ判定テーブルとステップS2102で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS2117)。そして、リーチ判定テーブルとステップS2102で読み出したリーチ乱数との比較の結果、リーチはずれとすると判定した場合には(ステップS2118)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS2119)。
図85は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS2081)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図85に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記大当り判定処理(ステップS2105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS2121)を判別することにより行う。
主制御MPUは、ステップS2121で大当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄通常処理のステップS2102で読み出した第一図柄乱数と図84(B)に示す図柄決定テーブルとを比較することにより(ステップS2122)、大当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定する(ステップS2123)。一方、ステップS2121で大当りフラグがセットされていなければ、第一特別図柄の変動停止時の態様としてはずれ図柄に決定する(ステップS2124)。
図84(B)に示すように、図柄決定テーブルには、判定結果毎(15R大当りA、15R大当りB)に図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板1310の主制御MPUでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率とが異なるように設定している。
具体的には、
1.15R大当り遊技状態Aに応じて大入賞口2005を開閉制御するものであって、15ラウンド目で大入賞口2005を短時間開放(遊技球Bが入球困難な開放。例えば、0.5秒)及び長時間開放(遊技球Bが入球可能(容易)な開放。例えば、20秒)するときに有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定し、15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで高確率時短状態に制御する一方、15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで低確率時短状態に制御する15R大当りA
2.15R大当り遊技状態Bに応じて大入賞口2005を開閉制御するものであって、15ラウンド目で大入賞口2005を短時間開放(遊技球Bが入球困難な開放。例えば、0.5秒)するときに有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定し、15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで高確率時短状態に制御する一方、15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで低確率時短状態に制御する15R大当りB、の2種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
本例の15R大当り遊技状態Aでは、15ラウンド目における大入賞口2005の動作スケジュールとして、大入賞口2005を短時間開放(0.5秒)し、ラウンド内インターバル時間として所定時間(4.5秒)が経過した後に大入賞口2005を長時間開放(20秒)するように設定されている。また、15ラウンド目における振分片2415の動作スケジュールとして、大入賞口2005の短時間開放(0.5秒)を開始するときには、振分片2415の短時間作動(0.2秒)を開始し、大入賞口2005の長時間開放(20秒)を開始するときには、振分片2415の長時間作動(10秒)を開始し、それら振分片2415の作動期間中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れ可能となるように設定されている。また、15ラウンド目における第二受入口2008の状態設定スケジュールとして、有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されている。
一方、本例の15R大当り遊技状態Bでは、15ラウンド目における大入賞口2005の動作スケジュールとして、大入賞口2005を短時間開放(0.5秒)するように設定されている。また、15ラウンド目における振分片2415の動作スケジュールとして、大入賞口2005の短時間開放(0.5秒)を開始するときには、振分片2415の短時間作動(0.2秒)を開始し、その振分片2415の作動期間中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れ可能となるように設定されている。また、15ラウンド目における第二受入口2008の状態設定スケジュールとして、有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されている。
上記したように、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bのいずれも15ラウンド目に有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されているが、15R大当り遊技状態Aでは、15ラウンド目における大入賞口2005の2回目の開放時に長時間開放(20秒)するため、大入賞口2005に遊技球Bが受け入れられることが極めて容易であり、さらに大入賞口2005を長時間開放(20秒)する期間中に振分片2415を長時間作動(10秒)するため、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bが第二受入口2008に振り分けられる(受け入れられる)ことが極めて容易となっている。このように、15R大当り遊技状態Aでは、有効状態に設定された15ラウンド目で第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられる確率が極めて高いため、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率も極めて高くなっている。一方、15R大当り遊技状態Bでは、15ラウンド目に大入賞口2005を短時間開放(0.5秒)しかしないため、大入賞口2005に遊技球Bが受け入れられることが極めて困難であり、さらに大入賞口2005を短時間開放(0.5秒)する期間中に振分片2415を短時間作動(0.2秒)しかしないため、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bが第二受入口2008に振り分けられる(受け入れられる)ことが極めて困難となっている。このように、15R大当り遊技状態Bでは、有効状態に設定された15ラウンド目で第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられる確率が極めて低いため、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率も極めて低くなっている。
また、振分片2415の動作スケジュールとしては、振分片2415を短時間作動(0.2秒)し、所定時間(4.8秒)が経過した後に振分片2415を長時間開放(10秒)するように設定されている単一の動作スケジュールを有しており、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bにおける15ラウンド目を開始するときに、そのような振分片2415の動作スケジュールを開始するようにしている。このように、振分片2415の動作スケジュールを単一の動作スケジュールとすることで、振分片2415の動作スケジュールに関するデータ量を極力増加させないようにしている。
なお、本例の15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bでは、1~14ラウンド目の各々のラウンドにおける大入賞口2005の動作スケジュールとして、大入賞口2005を長時間開放(20秒)するように設定されている。また、1~14ラウンド目の各々のラウンドにおける振分片2415の動作スケジュールとして、振分片2415を作動させず、その期間中に第二受入口2008ではなく第一受入口2007に遊技球Bが受け入れられるように設定されている。また、1~14ラウンド目の各々のラウンドにおける第二受入口2008の状態設定スケジュールとして、無効状態(原則として第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることがなく、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)に設定されている。このように、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bのいずれも1~14ラウンド目では、15ラウンド目のような大入賞口2005の開放時に第二受入口2008に遊技球Bが振り分けられる(受け入れられる)かどうかの遊技を行うことがなく、単純に、大入賞口2005の開放時に遊技球Bが受け入れられるかどうかの遊技を行うようになっている。
本例では、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルとを備えている。そして、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと比べて判定値の振分けが異なるように設定されており、各々の大当りの決定割合が異なるようにしている。具体的には、図84(B)に示すように、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいて、15R大当りA及び15R大当りBのうち、遊技者に比較的有利な15R大当りA(15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当り)に対して50個の判定値の振分けが設定されているのに対し、遊技者に比較的不利な15R大当りB(15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられる確率が低く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が低い大当り)に対して50個の判定値の振分けが設定されている。一方、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいては、15R大当りA及び15R大当りBのうち、遊技者に比較的有利な15R大当りAに対して65個の判定値の振分けが設定されているのに対し、遊技者に比較的不利な15R大当りBに対して35個の判定値の振分けが設定されている。このように、第一特別図柄側の大当り時には、遊技者の有利度合いが異なる15R大当りA又は15R大当りBのいずれかを決定することから、初大当り時にどのような大当りの種類が決定されるかに注目させることができる。また、大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態では、第二特別図柄側の遊技(第二始動口2004への遊技球Bの入球を可能とする遊技)が行われるが、第二特別図柄側の大当り時には、第一特別図柄側の大当り時よりも高い確率で15R大当り遊技Aに決定することから、連荘時にどの程度の賞球量を獲得することができるかに注目させることができる。したがって、初大当り時と連荘時とでゲーム性が変化するため、遊技が単調とはならない。
また、大当りの種類を決定すると大当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、15R大当りAに決定した場合には大当り図柄として15R大当りA図柄に決定し、15R大当りBに決定した場合には大当り図柄として15R大当りB図柄に決定する。なお、図示しない第二特別図柄停止図柄設定処理において、15R大当りAに決定した場合には大当り図柄として15R大当りA図柄に決定する。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、ステップS2125の処理として、これら抽選結果(大当りの種類、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS2126の処理として、上記第一変動パターン設定処理(ステップS2082)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。周辺制御MPUは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始し、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示するように演出表示装置1600を表示制御する。
具体的には、周辺制御MPUは、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから第一特別図柄に関連した大当りのうち15R大当りAを特定した場合には15R大当りA図柄(同一の装飾図柄の組合せ)に決定し、15R大当りBを特定した場合には15R大当りB図柄(15R大当りA図柄と共通)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(リーチ演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。このように、演出表示装置1600に表示される装飾図柄が15R大当りA図柄または15R大当りB図柄のいずれかで変動停止されたときには、その装飾図柄の停止図柄から大当りであることを判別することができるが、15R大当りA図柄及び15R大当りB図柄として共通の図柄を用いているため、15R大当りAまたは15R大当りBのいずれかを判別することができない。
また、周辺制御MPUは、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドからリーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の装飾図柄が同一)に決定し、はずれを特定した場合にはリーチを伴わないはずれ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の装飾図柄が非同一)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。
図86は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS2082)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図86に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS2141)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS2123で決定した大当りの種類、及び現在の遊技状態に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS2142)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS2143)、現在の遊技状態に応じたリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS2144)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS2145)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS2102で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS2146)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS2147)。また、主制御MPUは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS2148)。これにより、こうして決定された変動時間だけ機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び上記演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPUは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS2102で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、リーチ演出のうちスーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、スーパーリーチ演出が実行されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、第一特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS2149の処理として、上記第一特別図柄変動処理(ステップS2083)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
本例では、はずれ時の変動パターンテーブルにおいて、時短時には1秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が上記特別図柄乱数(第一特別図柄、第二特別図柄)に関連付けされる一方、非時短時には12秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が上記特別図柄乱数(第一特別図柄、第二特別図柄)に関連付けされるかたちで、特別図柄の変動パターンが設定されている。すなわち、時短時に選択されるはずれ時の変動パターンには、非時短時に選択されるはずれ時の変動パターンと比べると、上記特別図柄の変動表示制御に要する時間が極めて短時間となるよう、上記特別図柄の変動時間情報が設定されている。
図87は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS2083)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図87に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS2171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS2082)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS2172)、次にステップS2173の処理に移行する。すなわち、このステップS2173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS2084)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図88は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS2084)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図88に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS2181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示させるための表示制御を行うとともに、上記演出表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS2182)。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記時短フラグがセットされているとともに、時短状態の継続回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する(ステップS2183)。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS2184)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS2185)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記時短フラグをリセットし、さらに上記高確率フラグがセットされている場合には該高確率フラグをリセットする(ステップS2186)。なお、上記ステップS2183の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合や、上記ステップS2185の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点でステップS2187の処理に移行する。
また、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS2187)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS2189)、大当り遊技状態を開始(大当りラウンド開始コマンドをセット)するまでの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う期間)をインターバルタイマにセットする(ステップS2190)。そして次に、上記高確率フラグがセットされている場合には該高確率フラグをリセットし、上記時短フラグがセットされている場合には該時短フラグをリセットし、さらに時短回数カウンタのカウンタ値が「0」でない場合には同カウンタ値をリセット(「0」に戻す)した後、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットし(ステップS2191)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS2192)、この処理を終了する。
なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類(15R大当りA、15R大当りB)に応じて個々に用意されている。ステップS2189では、大当りの種類に応じた大当り開始コマンド(15R大当りA開始コマンド、15R大当りB開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。
図89は、上記大当り制御処理(ステップS2039)についてその手順を示すフローチャートである。
上記ステップS2189では、大当り遊技状態を開始するまでの待機時間をインターバルタイマにセットしているが、ステップS2401の処理において、このインターバルタイマにセットされた待機時間を経過した後には、同図89に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、大入賞口2005を開閉制御するとともに、15ラウンド目に有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定する大入賞口開閉処理(ステップS2402)と、15ラウンド目に大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第二受入口2008に振り分けることが可能となるように振分片2415を駆動制御するとともに、15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたか否かを監視する第二受入口開閉処理(ステップS2403)と、を順に実行する。
図90は、上記大入賞口開閉処理(ステップS2402)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS2411の処理において、上記大入賞口2005が開放状態にあると判断されるとすると、同図90に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大入賞口2005の動作スケジュールに従って、上記大入賞口2005の開放状態から所定時間(例えば、長時間開放のときに20秒、短時間開放のときに0.5秒)が経過したとき(ステップS2412)、あるいは、開放状態の上記大入賞口2005に遊技球Bが最大入賞数(例えば、9個)入賞したときには(ステップS2413)、開放状態の上記大入賞口2005を閉鎖状態に制御する(ステップS2414)。そして、上記大入賞口2005を閉鎖状態に制御することにより現在のラウンドを終了すると判断された場合には(ステップS2415)、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして大当りの種類及び現在のラウンド数に応じた大当りラウンド終了コマンドをセットし(ステップS2416)、ステップS2428に移行する。
また、ステップS2411の処理において、上記大入賞口2005が閉鎖状態にあると判断されるとすると、同図90に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大入賞口2005の動作スケジュールに従って、上記大入賞口2005を開放状態とするタイミングになったときに(ステップS2417)、上記大入賞口2005を開放状態に制御することにより新たなラウンドを開始すると判断された場合には(ステップS2418)、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして大当りの種類及び新たなラウンド数に応じた大当りラウンド開始コマンドをセットする(ステップS2419)。そして、上記第二受入口2008の状態設定スケジュールに従って、有効状態フラグをセットするタイミングであると判断された場合、すなわち、上記大入賞口2005を開放する1~15ラウンド目のうち15ラウンド目の開始時である場合には(ステップS2420)、有効状態フラグをセットする(ステップS2421)。なお、ステップS2420で15ラウンド目の開始時に有効状態フラグがセットされた場合には、15ラウンド目の終了時において、その有効状態フラグをリセットする必要がある。そして、閉鎖状態の上記大入賞口2005又は上記大入賞口2005を開放状態に制御し(ステップS2422)、ステップS2428に移行する。なお、上記大入賞口2005を開放状態に制御することにより新たなラウンドを開始することにならない(同じラウンド内における2回目の開放など)と判断された場合(ステップS2418)、あるいは、有効状態フラグをセットするタイミングではないと判断された場合(15ラウンド目の開始時ではない場合)には(ステップS2420)、閉鎖状態の上記大入賞口2005を開放状態に制御し(ステップS2422)、ステップS2428に移行する。これにより、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドによって指示された大当りの種類及び現在のラウンド数に応じた演出を演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行することができる。
なお、有効状態フラグは、有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定された状態であることを示すフラグである。上記大入賞口2005を開放する1~15ラウンド目のうち15ラウンド目では、後述する第二受入口開閉処理(ステップS2403)で大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第一受入口2007または第二受入口2008のいずれかに振り分ける振分片2415を駆動制御することにより第二受入口2008に遊技球Bを受け入れ可能にするとともに、有効状態に設定するようにしている。
また、ステップS2428の処理において、上記大入賞口2005に遊技球Bが受け入れられたと判断されるとすると、同図90に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして大入賞口入球コマンドをセットし(ステップS2429)、この処理を終了する。これにより、大入賞口入球コマンドが周辺制御基板1510側に送信されたときに、上記大入賞口2005への遊技球Bの受け入れに応じた演出を演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行することができる。
また、ステップS2417の処理において、上記大入賞口2005を開放状態とするタイミングではないと判断されるとすると、同図90に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大入賞口2005の開放状態と閉鎖状態とを繰り返すことにより全てのラウンド数を終了したときに(ステップS2423)、大当り実行中フラグをリセットする(ステップS2424)。そして、後述する第二受入口通過フラグがセットされていると判断された場合には(ステップS2425)、高確率フラグをセットし(ステップS2426)、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタのカウンタ値に時短状態の継続回数として初期値(例えば、100回)をセットした時点で(ステップS2427)、この処理を終了する。なお、第二受入口通過フラグがセットされていないと判断された場合には(ステップS2425)、高確率フラグをセットすることがなく、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタのカウンタ値に時短状態の継続回数として初期値(例えば、100回)をセットした時点で(ステップS2427)、この処理を終了する。このように、第二受入口通過フラグがセットされている(15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられた)と判断された場合には、高確率フラグ及び時短フラグをセットし、高確率時短状態に制御するが、第二受入口通過フラグがセットされていない(15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられなかった)と判断された場合には、時短フラグのみをセットし、低確率時短状態に制御するようになる。
図91は、上記第二受入口開閉処理(ステップS2403)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS2431の処理において、上記第二受入口2008が開放状態(振分片2415により第二受入口2008側に遊技球Bが振り分けられる状態)にあると判断されるとすると、同図91に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記振分片2415の動作スケジュールに従って、上記第二受入口2008の開放状態から所定時間(例えば、長時間開放のときに10秒、短時間開放のときに0.2秒)が経過したとき(ステップS2432)、あるいは、上記大入賞口2005を閉鎖状態に制御することにより現在のラウンド(15ラウンド目)を終了するときには(ステップS2433)、開放状態の上記第二受入口2008を閉鎖状態(振分片2415により第一受入口2007側に遊技球Bが振り分けられる状態)に制御する(ステップS2434)。
また、ステップS2431の処理において、上記第二受入口2008が閉鎖状態にあると判断されるとすると、同図91に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記振分片2415の動作スケジュールに従って、上記第二受入口2008を開放状態とするタイミングになったときには(ステップS2435)、閉鎖状態の上記第二受入口2008を開放状態に制御する(ステップS2436)。
次に、ステップS2437の処理において、開放状態の上記第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたと判断されるとすると、同図91に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、有効状態フラグのセット中で、15ラウンド目での有効状態中に上記第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたか否かを判断する(ステップS2438)。そして、15ラウンド目での有効状態中に上記第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたと判断された場合には(ステップS2438)、その15ラウンド目での有効状態中に上記第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたことを示す第二受入口通過フラグがセットされていない場合に(ステップS2439)該第二受入口通過フラグをセットし(ステップS2440)、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして第二受入口通過コマンドをセットした時点で(ステップS2441)、この処理を終了する。このように、15ラウンド目での有効状態中に上記第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられない限りは、第二受入口通過フラグがセットされることがなく、ステップS2426で高確率フラグがセットされないため、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することがない。また、第二受入口通過コマンドが周辺制御基板1510側に送信されたときに、上記第二受入口2008への遊技球Bの受け入れに応じた演出を演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行することができる。
図92は、上記普通図柄及び普通電動役物制御処理(ステップS116)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS2801の処理において、上記ゲートセンサ2506による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、同図92に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS2802の処理として、まず、普通図柄の普通乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどのゲート部通過処理を実行する。
次いで、普通図柄及び普通電動役物制御処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPUのRAMに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて上記普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS2803)
2.普図変動乱数に基づいて上記機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動時間決定処理(ステップS2804)
3.機能表示ユニット1400の普通図柄表示器における上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS2805)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が上記機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS2806)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、上記第二始動口扉2411が回動して第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS2807)
なお、上記普通図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図173参照)において、上記普通図柄通常処理(ステップS2803)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図93は、上記ゲート部通過処理(ステップS2802)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS2801の処理において、上記ゲートセンサ2506による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、同図93に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS2811の処理として、まず、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPUのRAMから取得し、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS2812)。このステップS2812の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS2813~S2814の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS2813の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS2814の処理として、上記ステップS2811で取得された各乱数を、上記主制御MPUのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS2812の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS2813~ステップS2814の処理を実行しないことで、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図94は、上記普通図柄通常処理(ステップS2803)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図94に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS2821の処理として、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS2822の処理として、上記主制御MPUのRAMの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS2823及びS2824の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPUのRAMの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First-In First-Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、普通図柄保留記憶領域は1~4の4つの記憶領域を有し、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1~3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に上記ゲート部2003に遊技球Bが通過するとn+1番目(n=1~3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2~4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN-1番目(N=2~4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPUは、現在の遊技状態が時短状態(低確率時短状態、高確率時短状態)であれば(ステップS2826)、時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS2826)、現在の遊技状態が非時短状態(低確率非時短状態)であれば(ステップS2825)、非時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS2827)、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS2822で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS2828)。
なお、普図当り判定テーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶され、遊技状態が時短時(低確率時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する時短時の普図当り判定テーブルと、遊技状態が非時短時(低確率非時短状態)の場合に使用する非時短時の普図当り判定テーブルと、を備えている。そして、普通乱数と比較するために参照される時短時の普図当り判定テーブルでは、251種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致し、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致することがないように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、時短時では、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったとき、普図当りに必ず当選し、上記第二始動口扉2411が回動して第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能に制御している。
また、普通乱数と比較するために参照される非時短時の普図当り判定テーブルでは、251種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致することがなく、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致するように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、非時短時では、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったとしても、普図当りに当選することがないため、上記第二始動口扉2411が回動して第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能に制御することがない。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS2822で読み出した普通乱数との比較の結果、普図当りとすると判定した場合には(ステップS2829)、当該変動が普図当りに当選していることを示す普図当りフラグをセットした後(ステップS2830)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図当り図柄を決定する(ステップS2831)、一方、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS2822で読み出した普通乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図はずれ図柄を決定する(ステップS2832)。そしてその後、上記普通図柄変動時間決定処理(ステップS2804)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS2833)、この処理を終了する。
本例では、上記時短状態の制御において、上記普通図柄の当選確率を251/251に設定し、上記普通図柄の抽選結果が常に当りとなるとともに、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を極端に短い所定時間(例えば、0.3秒)に短縮している。そして、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記第二始動口2004を極端に長い所定時間(例えば、5.5秒)の間、開状態として閉鎖する開閉パターンで制御している。つまり、上記時短状態の制御中には、上記普通図柄の抽選結果が当りとなる確率が極めて高く、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間が一定で短く、上記第二始動口2004の開状態の時間が長いこと等により、上記第二始動口2004へ遊技球Bを入賞させることを格段に容易とし、上記第一始動口2002よりも上記第二始動口2004を狙ったほうが効率良く遊技球Bを入賞させることができる。なお、上記非時短状態の制御においては、上記普通図柄の当選確率を0/251に設定し、上記普通図柄の抽選結果が常に当りとなることがなく、上記第二始動口2004を狙ったとしても上記第二始動口2004に遊技球Bを入賞させることができない。
上記したように、上記非時短状態の制御中には、上記第二始動口2004を狙ったとしても上記第二始動口2004に遊技球Bを入賞させることができないため、上記第一始動口2002に遊技球Bが入賞するように、上記センター役物2500の左側を狙って遊技球Bを発射(いわゆる「左打ち」)しなければならない。また、上記センター役物2500の左側の遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが遊技パネル1100の前面に植設されており、遊技球Bがその障害釘Nに当接することで、遊技球Bに様々な動きが付与されて流下するようになっている。このため、上記第一始動口2002を狙って上記センター役物2500の左側に遊技球Bを打ち込んだとしても、上記第一始動口2002に入賞するとは限らず、上記第一始動口2002に入賞しなかった遊技球Bは、遊技領域5aの左右方向中央下端に設けられたアウト口1008から外部に排出される。
一方、上記時短状態の制御中には、上記第一始動口2002よりも上記第二始動口2004を狙ったほうが効率良く遊技球Bを入賞させることができるため、上記第二始動口2004に遊技球Bが入賞するように、上記センター役物2500の右側を狙って遊技球Bを発射(いわゆる「右打ち」)しなければならない。また、遊技盤5の構造上、上記第二始動口2004を開放したときに、上記第二始動口2004を狙って上記センター役物2500の右側に遊技球Bを打ち込むと、上記ゲート部2003を通過した遊技球Bが、上記第二始動口2004に極めて高い確率で入賞するようになっている。このため、上記時短状態の制御中では、上記センター役物2500の右側に打ち込んだ遊技球Bが無駄となる(アウト口1008から外部に排出される)ことが殆どなく、上記非時短状態の制御中における上記第一始動口2002と比べて、遊技球Bが極めて効率良く上記第二始動口2004に入賞するようになる。
また、上記時短状態の制御中には、遊技盤5の構造に加え、上記ゲート部2003を通過したときに、上記普通図柄の抽選結果が当りとなる確率が極めて高く、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間が一定で短く、上記第二始動口2004の開放状態の時間が長いこと等により、上記第二始動口2004へ遊技球Bが入賞しやすく、さらに、上記第二始動口2004へ遊技球Bが入賞したときに、上記特別図柄の変動表示制御に要する時間を1秒程度とし、上記非時短状態の制御中における10~120秒の範囲と比べて極めて短くなるため、短時間で上記特別図柄の変動表示制御(上記特別図柄の変動表示制御の保留)を消化することができる。すなわち、大当り遊技状態の終了後に上記時短状態に制御した場合には、上記第二始動口2004を狙って上記センター役物2500の右側に遊技球Bを打ち込むことで、短時間で再び大当りとなって大当り遊技状態に制御し、多くの遊技球Bの獲得を期待することができる。なお、上記したように本実施形態では、上記第二始動口2004への遊技球Bの入賞により払出される遊技球Bの数を、1個としているので、上記第二始動口2004への遊技球Bの入賞が頻繁に起きたとしても、遊技者の興趣を高めつつ遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
[12.電源投入時におけるパチンコ機の挙動]
本実施形態では、パチンコ機1の機能として、設定値の設定変更を行う機能や、設定値の確認表示を行う機能が搭載されている。具体的には、上述したステップS37の設定変更処理の実行によって、設定値の設定変更が行われることを可能とし、上述したステップS28の設定値確認表示処理の実行によって、設定値の確認表示が行われることを可能にしている。このような設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時において、電源スイッチ630aを操作する他に、RAMクリアスイッチ1310f及び設定キースイッチ1311aを操作する必要があり、設定値の確認表示を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時において、電源スイッチ630aを操作する他に、RAMクリアスイッチ1310fを操作することなく設定キースイッチ1311aを操作する必要がある。
まず、パチンコ機1の電源投入時におけるパチンコ機1の挙動について、図95を参照して説明する。図95(A)は、パチンコ機1の電源投入時に主制御内蔵RAMの初期化を行う場合におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートであり、図95(B)は、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更を行う場合におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートであり、図95(C)は、パチンコ機1の電源投入時に設定値の確認表示を行う場合におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートである。
図95に示すように、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入されると、主制御MPUは、図62に示した主制御側電源投入時処理を開始する。つまり、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入されると、主制御MPUは、RAMアクセス許可の設定を行い(ステップS10)、続いて停電クリア処理を行う(ステップS12)。この停電クリア処理では、ウェイトタイマ処理を行い、停電監視回路1310eからの停電予告信号が入力されているか否かを判定する。上述したように、ウェイトタイマ処理では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。
タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点では、ステップS12に続いて、主制御MPUは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されているか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14の判定において、主制御MPUは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットする(ステップS16A)。一方、ステップS14の判定において、主制御MPUは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値0をセットする(ステップS16B)。そして、ステップS16A又はステップS16Bに続いて、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18の判定において、主制御MPUは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定したときには、設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットする(ステップS20A)。一方、ステップS18の判定において、主制御MPUは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定したときには、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットする(ステップS20B)。つまり、タイミングtxの時点では、RAMクリアスイッチ1310fが操作されているか否かを判定するとともに、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定し、それらの判定結果を操作情報として主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶している。なお、タイミングt3からタイミングtxまでの期間については、極めて短時間であるため、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作する者は、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う必要があり、設定キースイッチ1311aをON操作する者は、設定キースイッチ1311aをON操作したのちにパチンコ機1の電源投入を行う必要がある。
タイミングtxで操作情報が記憶された後には、ステップS20A又はステップS20Bに続いて、主制御MPUは、ウェイト時間待機処理を行う(ステップS22)。このウェイト時間待機処理では、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として10秒(s)が設定されている。周辺制御基板1510(周辺制御MPU)は、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点であるタイミングtyよりも前に、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)ための初期化処理を完了し、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態としている。
主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングtyの時点では、ステップS22に続いて、主制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定し(ステップS24)、停電予告信号の入力がないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値、及び、設定キーONフラグCS-FLGの値がいずれの組み合わせであるのかを判定する(ステップS25~S27)。ステップS25の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したときには、予め定めた設定値変更許可条件が成立することによって、設定変更処理(ステップS37)を行う。また、ステップS26の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であると判定したときには、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行う。また、ステップS27の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したときには、予め定めた設定値表示許可条件が成立することによって、設定値確認表示処理(ステップS28)を行う。つまり、タイミングtxの時点では、RAMクリアスイッチ1310fが操作されているか否かを判定するとともに、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定し、それらの判定結果を操作情報として主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶しているが、その後に主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点であるタイミングtyが到来するまでの間、操作情報の記憶を維持することとしている。そして、タイミングtyの時点では、その操作情報の記憶に基づいて、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うか、設定変更処理(ステップS37)を行うか、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うか、を決定することとしている。
図95(A)に示すように、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合には、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている必要がある一方、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要がない。このように、タイミングtxの時点で、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている場合には、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットし、設定キースイッチ1311aがON操作されていない場合には、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットし、それらの操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。そして、タイミングtyの時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うことを決定し、タイミングtyの時点から、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うこととしている。
なお、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合には、タイミングtxの時点で、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている必要があるが、タイミングtyの時点では、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている必要がない。つまり、タイミングtxで操作情報が記憶された後には、タイミングtyが到来するまでの間、タイミングtxで記憶された操作情報が維持されるため、タイミングtyが到来する前であっても、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている状態から、操作していない状態にすることが可能になっている。
また、本例では、タイミングtxの時点で、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットし、タイミングtyの時点で、そのRAMクリア報知フラグRCL-FLGを値0にリセットしているが、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値は、タイミングtyから主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)が完了するまでの間に、値0にリセットするものであればよい。
図95(B)に示すように、設定値の設定変更を行う場合には、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている必要があり、且つ、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要がある。このように、タイミングtxの時点で、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている場合には、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットし、設定キースイッチ1311aがON操作されている場合には、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットし、それらの操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。そして、タイミングtyの時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、設定変更処理(ステップS37)を行うことを決定し、タイミングtyの時点から、設定変更処理(ステップS37)を行うこととしている。また、タイミングtyで設定変更処理(ステップS37)を開始した後、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にした場合には、設定変更処理(ステップS37)を完了することとしている(タイミングt4)。
なお、設定値の設定変更を行う場合には、タイミングtxの時点で、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている必要があり、且つ、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要があるが、タイミングtyの時点では、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている必要がなく、同様に、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要がない。つまり、タイミングtxで操作情報が記憶された後には、タイミングtyが到来するまでの間、タイミングtxで記憶された操作情報が維持されるため、タイミングtyが到来する前であっても、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている状態から、操作していない状態にすることが可能であり、同様に、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にすることが可能になっている。ただし、タイミングtyが到来する前に、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にした場合には、タイミングtyで設定変更処理(ステップS37)を開始した後に、再び設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にし、さらに設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にする必要がある。これは、設定変更処理のステップS222の判定において、主制御MPUは、設定キーのOFF操作があるか否かを判定しているが、この判定では、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にしたときに、設定キースイッチ1311aからOFFの信号を入力するようになっているためである。
また、本例では、タイミングtxの時点で、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットし、タイミングtyの時点で、そのRAMクリア報知フラグRCL-FLGを値0にリセットしているが、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値は、タイミングtyから設定変更処理(ステップS37)後に主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)が完了するまでの間に、値0にリセットするものであればよい。また、本例では、タイミングtxの時点で、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットし、設定変更処理(ステップS37)が完了するタイミングt4の時点で、その設定キーONフラグCS-FLGを値0にリセットしているが、設定キーONフラグCS-FLGの値は、タイミングtyから設定変更処理(ステップS37)後に主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)が完了するまでの間に、値0にリセットするものであればよい。
図95(C)に示すように、設定値の確認表示を行う場合には、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている必要がない一方、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要がある。このように、タイミングtxの時点で、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていない場合には、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値0をセットし、設定キースイッチ1311aがON操作されている場合には、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットし、それらの操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。そして、タイミングtyの時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うことを決定し、タイミングtyの時点から、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うこととしている。また、タイミングtyで設定値確認表示処理(ステップS28)を開始した後、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にした場合には、設定値確認表示処理(ステップS28)を完了することとしている(タイミングt4)。
なお、設定値の確認表示を行う場合には、タイミングtxの時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要があるが、タイミングtyの時点では、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要がない。つまり、タイミングtxで操作情報が記憶された後には、タイミングtyが到来するまでの間、タイミングtxで記憶された操作情報が維持されるため、タイミングtyが到来する前であっても、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にすることが可能になっている。ただし、タイミングtyが到来する前に、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にした場合には、タイミングtyで設定値確認表示処理(ステップS28)を開始した後に、再び設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にし、さらに設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にする必要がある。これは、設定値確認表示処理のステップS358の判定において、主制御MPUは、設定キーのOFF操作があるか否かを判定しているが、この判定では、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にしたときに、設定キースイッチ1311aからOFFの信号を入力するようになっているためである。
また、本例では、タイミングtxの時点で、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットし、設定値確認表示処理(ステップS28)が完了するタイミングt4の時点で、その設定キーONフラグCS-FLGを値0にリセットしているが、設定キーONフラグCS-FLGの値は、タイミングtyから設定値確認表示処理(ステップS28)が完了するタイミングt4までの間に、値0にリセットするものであればよい。
また、本例では、主制御側電源投入時処理のステップS18に記載したように、外枠2に対して本体枠4が開放されているなかで設定キースイッチ1311aがON操作されていることを条件に、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットすることとしており、図95(B),(C)は、外枠2に対して本体枠4が開放されている状況が継続していることを前提としたものである。この点、タイミングtxが到来するまでの間に外枠2に対して本体枠4が一度も開放されていない状況や、タイミングt3からタイミングtxまでの間に外枠2に対して本体枠4が閉鎖された状況では、設定キースイッチ1311aがON操作されていても、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットしないように(値0をセットするように)制限している。これは、遊技ホールの営業時間内等に、外枠2に対して本体枠4が閉鎖された状況下(遊技ホールの管理者が気付き難い状況下)で不正に設定変更されたり、不正に設定確認されることを防止するためである。一方で、本例では、主制御側電源投入時処理のステップS14にて、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットする条件として、外枠2に対して本体枠4が開放されていることを問わないようにしており、タイミングtxが到来するまでの間に外枠2に対して本体枠4が一度も開放されていない状況や、タイミングt3からタイミングtxまでの間に外枠2に対して本体枠4が閉鎖された状況であっても、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットすることとしている。これによれば、仮に本体枠開放スイッチ4bに何らかの異常や不具合が生じ、外枠2に対して本体枠4が開放しているかどうかが認識できなくなってしまっている場合であっても、RAMクリア報知フラグRCL-FLGへの値1のセットを可能にして、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)が実行不能になることを防止することができる。そして、本体枠開放スイッチ4bに何らかの異常や不具合が生じても、遊技開始そのものに支障が生じることを最低限防止することができる。
本実施形態では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGの値、及び、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGの値をセットし、それらの操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶している。そして、タイミングtxで操作情報が記憶された後には、タイミングtyが到来するまでの間、タイミングtxで記憶された操作情報を維持するようにし、タイミングtyの時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うか、設定変更処理(ステップS37)を行うか、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うか、を決定し、その決定した処理を行うようにしている。つまり、タイミングtxで操作情報が記憶された後、タイミングtyが到来するまでの間には、RAMクリアスイッチ1310fの操作態様、及び、設定キースイッチ1311aの操作態様を変更した場合であっても、タイミングtxで記憶された操作情報を変更することがなく維持するようにしている。これにより、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxで操作情報が記憶された後には、ホール管理者が誤ってRAMクリアスイッチ1310fの操作態様や設定キースイッチ1311aの操作態様を変更した場合であっても、タイミングtxで記憶された操作情報を変更することがないように維持することで、新たにパチンコ機1の電源投入をし直す必要がなく、パチンコ機1の電源投入後にホール管理者が意図する処理(主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)、設定変更処理(ステップS37)、設定値確認表示処理(ステップS28)のいずれか)を速やかに実行することができる。
また、パチンコ機1の電源投入時において、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合には、電源スイッチ630aを操作する他に、設定キースイッチ1311aを操作することなくRAMクリアスイッチ1310fを操作する必要があり、設定値の設定変更を行う場合には、電源スイッチ630aを操作する他に、RAMクリアスイッチ1310f及び設定キースイッチ1311aを操作する必要があり、設定値の確認表示を行う場合には、電源スイッチ630aを操作する他に、RAMクリアスイッチ1310fを操作することなく設定キースイッチ1311aを操作する必要がある。そして、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点では、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGの値、及び、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGの値をセットし、それらの操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶するようにし、タイミングtyの時点で、それらの操作情報の組み合わせがいずれであるかによって、ホール管理者が意図する処理(主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)、設定変更処理(ステップS37)、設定値確認表示処理(ステップS28)のいずれか)を実行するようにしている。例えば、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合、設定値の設定変更を行う場合、設定値の確認表示を行う場合のそれぞれに対応して操作部を設けた場合には、電源スイッチ630aの他に3つの操作部を設けることが必要となるが、操作情報の組み合わせによってパチンコ機1の電源投入後に実行される処理を異ならせることで、電源スイッチ630aの他にRAMクリアスイッチ1310f及び設定キースイッチ1311aの2つの操作部を設ければよく、操作部にかかる部品点数を節約することができる。
また、本例では、主制御側電源投入時処理のステップS18に記載したように、外枠2に対して本体枠4が開放されているなかで設定キースイッチ1311aがON操作されていることを条件に、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットすることとしており、図95(B),(C)に示すように、タイミングtxからタイミングtyまでの期間については、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGのセット状態を保持することとし、外枠2に対して本体枠4が開放されていることを問わないようにしている。つまり、タイミングtxからタイミングtyまでの期間については、外枠2に対して本体枠4の開閉を何度でも繰り返すことが可能になっている。これに対し、タイミングtxで第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットした後であって、タイミングtyが到来するまでの期間内に外枠2に対して本体枠4が閉鎖された場合に、タイミングtxでセットした第2操作情報としての設定キーONフラグCS-FLGの値をリセットして、タイミングtyの時点で、設定変更処理(ステップS37)や設定値確認表示処理(ステップS28)を行わないようにしたり、タイミングtxでセットした第2操作情報としての設定キーONフラグCS-FLGの値をリセットすることなく、タイミングtyの時点で、設定変更処理(ステップS37)や設定値確認表示処理(ステップS28)を行うと判定しないようにしてもよい。つまり、タイミングtxで外枠2に対して本体枠4が開放されている状況であっても、タイミングtyが到来するまでの期間内に外枠2に対して本体枠4が閉鎖された場合には、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行いえないように制限してもよい。これによれば、上述したとおり、遊技ホールの営業時間内等に、外枠2に対して本体枠4が閉鎖された状況下(遊技ホールの管理者が気付き難い状況下)で不正に設定変更されたり、不正に設定確認されることを防止することができる。
また、本例では、主制御側電源投入時処理のステップS14にて、一時的にでもRAMクリアスイッチ1310fが操作されていることを条件として、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットしているが、所定時間(例えば2~3秒)にわたってRAMクリアスイッチ1310fが操作されている、すなわちRAMクリアスイッチ1310fが長押しされていることを条件としてもよい。同様に、主制御側電源投入時処理のステップS18にて、一時的にでも設定キースイッチ1311aがON操作されていることを条件として、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットしているが、所定時間(例えば2~3秒)にわたって設定キースイッチ1311aがON操作されていることを条件としてもよい。これにより、パチンコ機1の電源投入時において、ホール管理者が誤ってRAMクリアスイッチ1310fや設定キースイッチ1311aに一時的に触れてしまったとしても、ホール管理者が意図しない処理が実行されることを防止することができる。
また、詳しくは後述するが、タイミングt3からタイミングt4までの期間には、磁気センサ3003を用いての不正行為の監視や、振動センサ2005を用いての不正監視を実行しないように制限している。つまり、タイミングt3からタイミングtyまでの期間には、ホール管理者が、RAMクリアスイッチ1310fが操作されている状態から操作されていない状態にしたり、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態からOFF操作されている状態にしたりすることが可能であるが、磁気センサ3003を用いての不正行為の監視や、振動センサ2005を用いての不正監視を実行しないように制限している。これにより、RAMクリアスイッチ1310fや設定キースイッチ1311aを操作する際に、ホール管理者が磁気を発生しうるものを有していたり振動を加えてしまったとしても、不正行為として検出されてることを防止し、正規の作業の阻害を抑制することができる。
[12-1.電源投入時におけるパチンコ機の挙動の変形例]
上記した実施形態では、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合、設定値の設定変更を行う場合、設定値の確認表示を行う場合のそれぞれで、RAMクリアスイッチ1310fが操作されているか否かを判定するタイミングと、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定するタイミングと、を同じにしているが、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定するタイミングについては、RAMクリアスイッチ1310fが操作されているか否かを判定するタイミングと異なるようにしてもよい。このようなパチンコ機1の電源投入時におけるパチンコ機1の挙動の変形例について、図96及び図97を参照して説明する。図96は、主制御側電源投入時処理の変形例を示すフローチャートである。また、図97(A)は、パチンコ機1の電源投入時に主制御内蔵RAMの初期化を行う場合におけるパチンコ機1の挙動の変形例を示すタイムチャートであり、図97(B)は、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更を行う場合におけるパチンコ機1の挙動の変形例を示すタイムチャートであり、図97(C)は、パチンコ機1の電源投入時に設定値の確認表示を行う場合におけるパチンコ機1の挙動の変形例を示すタイムチャートである。
図97に示すように、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入されると、主制御MPUは、図96に示した主制御側電源投入時処理を開始する。つまり、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入されると、主制御MPUは、RAMアクセス許可の設定を行い(ステップS10)、続いて停電クリア処理を行う(ステップS12)。この停電クリア処理では、ウェイトタイマ処理を行い、停電監視回路1310eからの停電予告信号が入力されているか否かを判定する。上述したように、ウェイトタイマ処理では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。
タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点では、ステップS12に続いて、主制御MPUは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されているか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14の判定において、主制御MPUは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットする(ステップS16A)。一方、ステップS14の判定において、主制御MPUは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値0をセットする(ステップS16B)。つまり、タイミングtxの時点では、RAMクリアスイッチ1310fが操作されているか否かを判定し、その判定結果を第1操作情報として主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶している。なお、タイミングt3からタイミングtxまでの期間については、極めて短時間であるため、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作する者は、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う必要がある。
タイミングtxで第1操作情報が記憶された後には、ステップS16A又はステップS16Bに続いて、主制御MPUは、ウェイト時間待機処理を行う(ステップS22)。このウェイト時間待機処理では、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として10秒(s)が設定されている。周辺制御基板1510(周辺制御MPU)は、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点であるタイミングtyよりも前に、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)ための初期化処理を完了し、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態としている。
主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングty1の時点では、ステップS22に続いて、主制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定し(ステップS24)、停電予告信号の入力がないと判定したときには、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18の判定において、主制御MPUは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定したときには、設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットする(ステップS20A)。一方、ステップS18の判定において、主制御MPUは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定したときには、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットする(ステップS20B)。つまり、タイミングty1の時点では、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定し、その判定結果を第2操作情報として主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶している。このように変形例では、主制御MPUがウェイト時間待機処理を開始する前のタイミングtxで第1操作情報が記憶されるのに対し、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングty1の時点で第2操作情報が記憶されている。なお、タイミングt3からタイミングty1までの期間として、少なくともウェイト時間待機処理(ステップS22)におけるブートするまでの待機時間(ブートタイマ)である10秒(s)が設定されているため、設定キースイッチ1311aをON操作する者は、タイミングt3でパチンコ機1の電源投入を行うよりも前から設定キースイッチ1311aをON操作してもよいが、タイミングt3でパチンコ機1の電源投入を行った後、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングty1が到来するまでの間に、設定キースイッチ1311aをON操作してもよい。
タイミングty1で第2操作情報が記憶された後のタイミングty2の時点では、ステップS20A又はステップS20Bに続いて、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値、及び、設定キーONフラグCS-FLGの値がいずれの組み合わせであるのかを判定する(ステップS25~S27)。ステップS25の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したときには、予め定めた設定値変更許可条件が成立することによって、設定変更処理(ステップS37)を行う。また、ステップS26の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であると判定したときには、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行う。また、ステップS27の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したときには、予め定めた設定値表示許可条件が成立することによって、設定値確認表示処理(ステップS28)を行う。つまり、タイミングtxの時点では、RAMクリアスイッチ1310fが操作されているか否かを判定し、その判定結果を第1操作情報として主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶しているが、その後に主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点であるタイミングty2が到来するまでの間、第1操作情報の記憶を維持することとしている。一方、タイミングty1の時点では、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定し、その判定結果を第2操作情報として主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶しているが、その後に主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点であるタイミングty2が到来するまでの間、第2操作情報の記憶を維持することとしている。そして、タイミングty2の時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うか、設定変更処理(ステップS37)を行うか、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うか、を決定することとしている。
図97(A)に示すように、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合には、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている必要がある。このように、タイミングtxの時点で、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている場合には、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットし、その第1操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。一方、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合には、タイミングtxの後に主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されていない必要がある。このように、タイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されていない場合には、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットし、その第2操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。そして、タイミングty2の時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うことを決定し、タイミングty2の時点から、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うこととしている。
なお、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合には、タイミングtxの時点で、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている必要があるが、タイミングty1やタイミングty2の時点では、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている必要がない。つまり、タイミングtxで第1操作情報が記憶された後には、タイミングty2が到来するまでの間、タイミングtxで記憶された第1操作情報が維持されるため、タイミングty2が到来する前であっても、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている状態から、操作していない状態にすることが可能になっている。
また、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合には、タイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されていない必要があるが、タイミングtxやタイミングty2の時点では、設定キースイッチ1311aがON操作されていてもよい。つまり、タイミングty1で第2操作情報が記憶された後には、タイミングty2が到来するまでの間、タイミングty1で記憶された第2操作情報が維持されるが、タイミングty1の時点で、第2操作情報が記憶されるため、タイミングtxからタイミングty1までの期間には、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態と、OFF操作されている状態と、を自由に変更することが可能になっている。
また、本例では、タイミングtxの時点で、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットし、タイミングty2の時点で、そのRAMクリア報知フラグRCL-FLGを値0にリセットしているが、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値は、タイミングty2から主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)が完了するまでの間に、値0にリセットするものであればよい。
図97(B)に示すように、設定値の設定変更を行う場合には、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている必要がある。このように、タイミングtxの時点で、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている場合には、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットし、その第1操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。一方、設定値の設定変更を行う場合には、タイミングtxの後に主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要がある。このように、タイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されている場合には、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットし、その第2操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。そして、タイミングty2の時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、設定変更処理(ステップS37)を行うことを決定し、タイミングty2の時点から、設定変更処理(ステップS37)を行うこととしている。また、タイミングty2で設定変更処理(ステップS37)を開始した後、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にした場合には、設定変更処理(ステップS37)を完了することとしている(タイミングt4)。
なお、設定値の設定変更を行う場合には、タイミングtxの時点で、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている必要があるが、タイミングty1やタイミングty2の時点では、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている必要がない。つまり、タイミングtxで第1操作情報が記憶された後には、タイミングty2が到来するまでの間、タイミングtxで記憶された第1操作情報が維持されるため、タイミングty2が到来する前であっても、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されている状態から、操作していない状態にすることが可能になっている。
また、設定値の設定変更を行う場合には、タイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要があるが、タイミングtxやタイミングty2の時点では、設定キースイッチ1311aがON操作されていなくてもよい。つまり、タイミングty1で第2操作情報が記憶された後には、タイミングty2が到来するまでの間、タイミングty1で記憶された第2操作情報が維持されるが、タイミングty1の時点で、第2操作情報が記憶されるため、タイミングtxからタイミングty1までの期間には、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態と、OFF操作されている状態と、を自由に変更することが可能になっている。
また、本例では、タイミングtxの時点で、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットし、タイミングty2の時点で、そのRAMクリア報知フラグRCL-FLGを値0にリセットしているが、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値は、タイミングty2から主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)が完了するまでの間に、値0にリセットするものであればよい。また、本例では、タイミングty1の時点で、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットし、設定変更処理(ステップS37)が完了するタイミングt4の時点で、その設定キーONフラグCS-FLGを値0にリセットしているが、設定キーONフラグCS-FLGの値は、タイミングty2から設定変更処理(ステップS37)後に主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)が完了するまでの間に、値0にリセットするものであればよい。
図97(C)に示すように、設定値の確認表示を行う場合には、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていない必要がある。このように、タイミングtxの時点で、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていない場合には、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値0をセットし、その第1操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。一方、設定値の確認表示を行う場合には、タイミングtxの後に主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要がある。このように、タイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されている場合には、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットし、その第2操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。そして、タイミングty2の時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うことを決定し、タイミングty2の時点から、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うこととしている。また、タイミングty2で設定値確認表示処理(ステップS28)を開始した後、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にした場合には、設定値確認表示処理(ステップS28)を完了することとしている(タイミングt4)。
なお、設定値の確認表示を行う場合には、タイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要があるが、タイミングtxやタイミングty2の時点では、設定キースイッチ1311aがON操作されていなくてもよい。つまり、タイミングty1で第2操作情報が記憶された後には、タイミングty2が到来するまでの間、タイミングty1で記憶された第2操作情報が維持されるが、タイミングty1の時点で、第2操作情報が記憶されるため、タイミングtxからタイミングty1までの期間には、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態と、OFF操作されている状態と、を自由に変更することが可能になっている。
また、本例では、タイミングty1の時点で、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットし、設定値確認表示処理(ステップS28)が完了するタイミングt4の時点で、その設定キーONフラグCS-FLGを値0にリセットしているが、設定キーONフラグCS-FLGの値は、タイミングty2から設定値確認表示処理(ステップS28)が完了するまでの間に、値0にリセットするものであればよい。
また、本例では、主制御側電源投入時処理のステップS18に記載したように、外枠2に対して本体枠4が開放されているなかで設定キースイッチ1311aがON操作されていることを条件に、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットすることとしており、図97(B),(C)は、外枠2に対して本体枠4が開放されている状況が継続していることを前提としたものである。この点、タイミングty1が到来するまでの間に外枠2に対して本体枠4が一度も開放されていない状況や、タイミングt3からタイミングty1までの間に外枠2に対して本体枠4が閉鎖された状況では、設定キースイッチ1311aがON操作されていても、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットしないように(値0をセットするように)制限している。これは、遊技ホールの営業時間内等に、外枠2に対して本体枠4が閉鎖された状況下(遊技ホールの管理者が気付き難い状況下)で不正に設定変更されたり、不正に設定確認されることを防止するためである。一方で、本例では、主制御側電源投入時処理のステップS14にて、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットする条件として、外枠2に対して本体枠4が開放されていることを問わないようにしており、タイミングtxが到来するまでの間に外枠2に対して本体枠4が一度も開放されていない状況や、タイミングt3からタイミングtxまでの間に外枠2に対して本体枠4が閉鎖された状況であっても、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットすることとしている。これによれば、仮に本体枠開放スイッチ4bに何らかの異常や不具合が生じ、外枠2に対して本体枠4が開放しているかどうかが認識できなくなってしまっている場合であっても、RAMクリア報知フラグRCL-FLGへの値1のセットを可能にして、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)が実行不能になることを防止することができる。そして、本体枠開放スイッチ4bに何らかの異常や不具合が生じても、遊技開始そのものに支障が生じることを最低限防止することができる。
本実施形態では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGの値をセットし、その第1操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶し、タイミングty2が到来するまでの間、タイミングtxで記憶された第1操作情報を維持するようにしている。また、タイミングtxの後に主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングty1の時点では、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGの値をセットし、その第2操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶し、タイミングty2が到来するまでの間、タイミングty1で記憶された第2操作情報を維持するようにしている。そして、タイミングty2の時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うか、設定変更処理(ステップS37)を行うか、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うか、を決定し、その決定した処理を行うようにしている。つまり、タイミングtxで第1操作情報が記憶された後、第2操作情報が記憶されるタイミングty1が到来するまでの期間には、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態と、OFF操作されている状態と、を自由に変更することが可能になっている。そして、タイミングty1の時点では、タイミングtxからタイミングty1までの期間に変更された設定キースイッチ1311aの操作状態を反映するように、第2操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶し、その後のタイミングty2の時点で、それらの操作情報の記憶に基づいて、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うか、設定変更処理(ステップS37)を行うか、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うか、を決定し、その決定した処理を行うようにしている。これにより、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う場合において、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、ホール管理者が誤って設定キースイッチ1311aをON操作するのを忘れていたとしても、第2操作情報が記憶されるタイミングty1が到来するまでの期間に、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態に変更することで、新たにパチンコ機1の電源投入をし直す必要がなく、パチンコ機1の電源投入後にホール管理者が意図する処理(主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)、設定変更処理(ステップS37)、設定値確認表示処理(ステップS28)のいずれか)を速やかに実行することができる。また、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合において、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、ホール管理者が誤って設定キースイッチ1311aをON操作したとしても、第2操作情報が記憶されるタイミングty1が到来するまでの期間に、設定キースイッチ1311aがOFF操作されている状態に変更することで、設定値の設定変更をし直す必要がなく、パチンコ機1の電源投入後にホール管理者が意図する処理(主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)、設定変更処理(ステップS37)、設定値確認表示処理(ステップS28)のいずれか)を速やかに実行することができる。
上記したように、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後、第2操作情報が記憶されるタイミングty1が到来するまでの期間については、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後、第1操作情報が記憶されるタイミングtxが到来するまでの期間よりも長くなるように構成されている。これにより、パチンコ機1の電源投入時において、RAMクリアスイッチ1310f及び設定キースイッチ1311aを同時に操作する必要がなく、RAMクリアスイッチ1310fを操作した後に設定キースイッチ1311aをON操作することが可能であり、複数の操作部に対するホール管理者の操作を容易にすることができる。
なお、パチンコ機1の電源投入時において、主制御内蔵RAMの初期化や設定値の設定変更を行う場合には、RAMクリアスイッチ1310fを操作する必要があるが、そのRAMクリアスイッチ1310fを操作するタイミングについては、パチンコ機1が電源投入された直後のタイミングtxの時点とし、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングty1の時点としていない。これは、RAMクリアスイッチ1310fについては、操作状態が維持されない押下式のスイッチで構成されており、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後、タイミングty1が到来するまでの間、RAMクリアスイッチ1310fを操作し続けようとしても、タイミングty1が到来したか否かが不明確であることもあって、ホール管理者がRAMクリアスイッチ1310fの操作を止めてしまう可能性がある。このため、RAMクリアスイッチ1310fを操作するタイミングについては、パチンコ機1が電源投入された直後のタイミングtxの時点とすることで、RAMクリアスイッチ1310fを長期間にわたって操作し続ける必要がなくなり、ホール管理者が意図するように、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)や設定変更処理(ステップS37)を確実に実行することができる。
また、上記したように、。周辺制御基板1510(周辺制御MPU)は、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点であるタイミングtyよりも前に、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)ための初期化処理を完了し、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態としている。このような周辺制御基板1510の初期化処理を完了する時点で、タイミングty1での設定キーのON操作があるか否かの判定待ちであることを特定するコマンドを主制御基板1310(主制御MPU)から受信することによって、周辺制御基板1510の初期化処理を完了した後、タイミングty1が到来するまでの期間には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態に変更可能であることを通知する設定キー操作可能報知を実行している。この設定キー操作可能報知としては、「設定キー操作可能中です」を繰り返す音声と、「設定キー操作可能中!」というメッセージ表示、選択操作過程における1~6の設定値設定キースイッチ1311aがON操作されている状態であるか否かに対応した色でのランプ発光を実行することとしている。
また、詳しくは後述するが、タイミングt3からタイミングt4までの期間には、磁気センサ3003を用いての不正行為の監視や、振動センサ2005を用いての不正監視を実行しないように制限している。つまり、タイミングt3からタイミングty2までの期間には、ホール管理者が、RAMクリアスイッチ1310fが操作されている状態から操作されていない状態にしたり、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態からOFF操作されている状態や、OFF操作されている状態からON操作されている状態にしたりすることが可能であるが、磁気センサ3003を用いての不正行為の監視や、振動センサ2005を用いての不正監視を実行しないように制限している。これにより、RAMクリアスイッチ1310fや設定キースイッチ1311aを操作する際に、ホール管理者が磁気を発生しうるものを有していたり振動を加えてしまったとしても、不正行為として検出されることを防止し、正規の作業の阻害を抑制することができる。
[13.変更許可状態や確認表示状態におけるパチンコ機の挙動]
次に、設定値の変更許可や設定値の確認表示が行われている状態におけるパチンコ機1の挙動について、図98乃至図100を参照して説明する。図98は、設定値の設定変更中におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートであり、図99及び図100は、設定値の確認表示中におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートである。このような設定値の設定変更や設定値の確認表示が行われている状態では、設定値の設定変更や設定値の確認表示が行われていない状態と比べて、パチンコ機1の挙動が異なるものとなっている。また、設定値の確認表示中におけるパチンコ機1の挙動については、設定値の設定変更中におけるパチンコ機1の挙動と略同じであるが、パチンコ機1の電源投入を行う際にRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作していないため、パチンコ機1の電源投入後にも、電源を遮断する時点での各種情報を保持している点で異なるものとなっている。
図98に示すように、設定値の設定変更を行う場合には、まず、パチンコ機1が電源投入されている状態であるか否かを確認し、パチンコ機1が電源投入されている状態である場合には、そのパチンコ機1の電源を遮断する必要がある(タイミングt0)。そして、パチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)において、外枠2に対して本体枠4が閉鎖している状態である場合には、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い(タイミングt1)、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとする(タイミングt2)。そして、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作しながら電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行うことで(タイミングt3)、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)となる。このような変更許可状態では、設定切替ボタン1311bの押圧操作部を押圧操作するごとに、設定値(設定値1~6)を変更することが可能であり、その後に設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置へ戻すように設定キーシリンダを反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することにより設定キースイッチ1311aをOFFとする(タイミングt4)。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間については、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)であり、設定キースイッチ1311aをOFFとしたタイミングt4の後には、設定値の設定変更を行うことが不能な状態(変更不能状態)となる。そして、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行うことで(タイミングt5)、遊技者が遊技を行うことが可能な状態となる。
なお、設定値の設定変更を行う場合には、タイミングt3でのパチンコ機1の電源投入時において、主制御MPUが主制御電源投入時処理を開始するが、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとするまでは、ステップS37の設定変更処理を終了しないようにし(設定変更処理のステップS222で設定キースイッチ1311aのOFF操作があったと判断しない)、タイミングt3からタイミングt4までの期間には、その後のステップS52の割り込み許可設定が行われないように禁則し、通常の電源投入に比べてステップS52の割り込み許可設定の実行タイミングを遅延させている。そして、ステップS52の割り込み許可設定が行われるまでは、主制御側タイマ割り込み処理を開始しないため、主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理、ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理、ステップS116の普通図柄及び普通電動役物制御処理などが未実行とされて待機された状態となる。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間については、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)であるが、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に検出信号の入力を有効なものとしないようにし、また、特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、第二始動口扉2411の開放動作、大入賞口扉2413の開放動作、振分片2415の振分動作などを行わない特殊な期間としている。
図99に示すように、現在設定されている設定値の確認表示を行う場合には、まず、パチンコ機1が電源投入されている状態であるか否かを確認し、パチンコ機1が電源投入されている状態である場合には、そのパチンコ機1の電源を遮断する必要がある(タイミングt0)。そして、パチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)において、外枠2に対して本体枠4が閉鎖している状態である場合には、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い(タイミングt1)、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとする(タイミングt2)。そして、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作することなく電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行うことで(タイミングt3)、設定値の確認表示を行うことが可能な状態(確認表示状態)となる。このような確認表示状態では、設定表示器1310gにおいて、現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)を表示するようにし、その後に設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することで(タイミングt4)、設定表示器1310gに対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替える。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間については、設定値の確認表示を行うことが可能な状態(確認表示状態)であり、設定キースイッチ1311aをOFFとしたタイミングt4の後には、設定値の確認表示を行うことが不能な状態(確認不能状態)となる。そして、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行うことで(タイミングt5)、遊技者が遊技を行うことが可能な状態となる。
なお、現在設定されている設定値の確認表示を行う場合には、タイミングt3でのパチンコ機1の電源投入時において、主制御MPUが主制御電源投入時処理を開始するが、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとするまでは、ステップS28の設定値確認表示処理を終了しないようにし(設定値確認表示処理のステップS358で設定キースイッチ1311aのOFF操作があったと判断しない)、タイミングt3からタイミングt4までの期間には、その後のステップS52の割り込み許可設定が行われないように禁則し、通常の電源投入に比べてステップS52の割り込み許可設定の実行タイミングを遅延させている。そして、ステップS52の割り込み許可設定が行われるまでは、主制御側タイマ割り込み処理を開始しないため、主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理、ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理、ステップS116の普通図柄及び普通電動役物制御処理などが未実行とされて待機された状態となる。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間については、設定値の確認表示を行うことが可能な状態(確認表示状態)であるが、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に検出信号の入力を有効なものとしないようにし、また、特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、第二始動口扉2411の開放動作、大入賞口扉2413の開放動作、振分片2415の振分動作などを行わない特殊な期間としている。
[13-1.特別図柄、各種入球検知、払出装置について]
図98に示すように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始していないため、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)における特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)となる。そして、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始するようにし、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な状態(変動可能状態)となる。
なお、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした後、タイミングt6で大当り遊技を開始する場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとしながらも、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態B)となる。このように、変動不能状態Aと変動不能状態Bとでは、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態である点で同じであるが、変動不能状態Aでは、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとしないのに対し、変動不能状態Bでは、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとする点で異なっている。
また、タイミングt0で電源を遮断する時点で、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示が行われている場合や、特別図柄の変動表示が保留として記憶されている場合には、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、主制御電源投入時処理のステップS37の設定変更処理を終了するようにし、続いてステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることから、特別図柄の変動表示に関する情報が失われることとなる。このため、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態の終了後には、変動可能状態になるものの、電源を遮断した時点で中断されている特別図柄の変動表示を再開することがなく、また、電源を遮断した時点で保留として記憶されている特別図柄の変動表示を行うことがないようになっている。
また、変動可能状態において、何らかの不正行為が行われて特別図柄の変動表示などの遊技を行うことが不能となる不正関連エラー(例えば、磁気検出時や振動検出時における重度のエラー)が発生した場合には、周辺制御MPUによって、所定の表示器(例えば、演出表示装置1600)に対して、その旨を通知する不正関連エラー情報の表示処理を行ったり、所定の発光装置(例えば、複数のLED121aや複数のLED213aなど)に対して、その旨を通知する不正関連エラー態様の発光処理を行ったり、所定の音出力装置(例えば、下部スピーカ153aなど)に対して、その旨を通知する不正関連エラー音の出力処理を行う不正関連エラー出力処理を行うようにしているが、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)であるものの、上述した不正関連エラー出力処理を行わないようにしている。これは、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、ホール店員が外枠2に対して本体枠4を開放して設定値の設定変更を行っていることが想定され、周囲への示唆を意図する不正関連エラー出力処理の必要性よりも、ホール店員の作業効率を重視し、その作業を阻害するような事象の発生を抑制するためである。なお、不正関連エラー出力処理の行わないようにする点については、上述した不正関連エラー情報の表示処理、不正関連エラー態様の発光処理、不正関連エラー音の出力処理の全てを行わないようにしてもよいが、ホール店員の作業を阻害するような事象の発生を抑制することを鑑みれば、不正関連エラー出力処理のうちの少なくとも一部の処理だけを行わないようにしてもよい。例えば、大音量で作業者の作業効率を低下させうる不正関連エラー音の出力処理については行わないようにしつつ、他の処理については通常通りに行うようにすること等が例示できる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS104のスイッチ入力処理)を開始していないため、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがなく、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしている。なお、検出センサによる遊技球Bの検出自体を行わないようにしたり、検出センサからの検出信号を入力しながらも無効なものとして扱うようにしたりしてもよい。このように、遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入球したとしても、抽選、図柄変動(特別図柄の変動表示)、遊技球Bの払出しの何れについても行われることがなくなり、これにより、設定値の設定変更を行う正規の作業中に何らかの事情で遊技球Bが第一始動口2002や第二始動口2004に入球したとしても、それによる遊技進行を抑制することができる。同様に、遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に遊技球Bが入球したとしても、遊技球Bの払出し、高確率状態の付与の何れについても行われることがなくなり、これにより、設定値の確認表示を行う正規の作業中に何らかの事情で遊技球Bが大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に入球したとしても、それによる遊技進行を抑制することができる。
なお、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、各種入賞口やゲート部(ゲート)などの各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがないのと同時に、アウト口1008に対応する検出センサからの検出信号も主制御MPUが入力することがないようにして、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしている。このように、アウト口1008から排出される遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、変更許可状態にて遊技領域5aから排出された遊技球Bについて、上記したベースモニタ1310hによる計測対象(アウト数カウンタへの加算対象)から除外することが可能になり、遊技領域5a内に玉掛かり(球詰まり)等で残存していた遊技球Bが変更許可状態で検出されてベースモニタ1310hに計測(アウト数カウンタに加算)されてしまう、といった事態を回避することができる。
一方、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS104のスイッチ入力処理)を開始するようにし、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力し、遊技球Bの検出を有効なものとして扱うようにしている。このように、遊技球Bの検出を有効とする場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入球したときに、抽選、図柄変動(特別図柄の変動表示)、遊技球Bの払出しが行われることを可能としている。同様に、遊技球Bの検出を有効とする場合には、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に遊技球Bが入球したときに、遊技球Bの払出し、高確率状態の付与(上述したように第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられるときの状態として「有効状態」に設定されている場合)が行われることを可能としている。
なお、本例では、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点、つまり変更許可状態の終了時点から、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、遊技球Bの検出を有効なものとして扱うようにしているが、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖した時点や、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとしてから所定時間が経過した時点で、遊技球Bの検出を有効なものとして扱うようにしてもよい。これは、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖する前には、ハンドル182を操作して遊技球Bを発射することが困難で、実質的に遊技を開始することが困難であるためである。
また、本例では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、払出制御MPUが払出制御電源投入時処理を開始するようにし、払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力することを可能とし、払出装置580から遊技球Bの払出しが行われることを可能としている。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、払出装置580から遊技球Bの払出しが行われることを可能としている。ただし、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、上述したように各種入賞口やゲート部(ゲート)などの各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがないため、例えば、変更許可状態にて第一始動口2002や第二始動口2004、大入賞口2005に遊技球Bが入球したとしても、遊技球Bの払出しが行われることがない。
なお、タイミングt0で電源を遮断する時点で、各種入賞口に遊技球Bが入球して払出装置580から遊技球Bの払出しが行われている場合には、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作しながらタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、主制御基板1310から払出制御基板633にRAMクリアスイッチ1310fの操作信号(検出信号)を入力するようにし、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアすることから、遊技球Bの払出しに関する情報が失われることとなる。このため、タイミングt3でのパチンコ機1の電源投入後には、払出装置580から遊技球Bの払出しを行うことが可能になるものの、電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの払出しを再開することがないようになっている。
図99に示すように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始していないため、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)における特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)となる。そして、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始するようにし、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な状態(変動可能状態)となる。
なお、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした後、タイミングt6で大当り遊技を開始する場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとしながらも、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態B)となる。このように、変動不能状態Aと変動不能状態Bとでは、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態である点で同じであるが、変動不能状態Aでは、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとしないのに対し、変動不能状態Bでは、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとする点で異なっている。
また、タイミングt0で電源を遮断する時点で、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示が行われている場合や、特別図柄の変動表示が保留として記憶されている場合には、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作しながらタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された場合(設定値の設定変更を行う場合)であると、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、主制御電源投入時処理のステップS37の設定変更処理を終了するようにし、続いてステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることから、特別図柄の変動表示に関する情報が失われるのに対し、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作することなくタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された場合(設定値の確認表示を行う場合)であると、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、主制御電源投入時処理のステップS28の設定値確認表示処理を終了するが、ステップS37の設定変更処理後のように主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアするステップS38の処理を実行しないことから、特別図柄の変動表示に関する情報が保持されることとなる。このため、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態の終了後には、変動可能状態になることを契機として、電源を遮断した時点で中断されている特別図柄の変動表示を再開するようにし、また、電源を遮断した時点で保留として記憶されている特別図柄の変動表示を行うようになっている。
また、上述したように、変動可能状態において、何らかの不正行為が行われて特別図柄の変動表示などの遊技を行うことが不能となる不正関連エラー(例えば、磁気検出時や振動検出時における重度のエラー)が発生した場合には、周辺制御MPUによって、所定の表示器(例えば、演出表示装置1600)に対して、その旨を通知する不正関連エラー情報の表示処理を行ったり、所定の発光装置(例えば、複数のLED121aや複数のLED213aなど)に対して、その旨を通知する不正関連エラー態様の発光処理を行ったり、所定の音出力装置(例えば、下部スピーカ153aなど)に対して、その旨を通知する不正関連エラー音の出力処理を行う不正関連エラー出力処理を行うようにしているが、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態のときと同様に、特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)であるものの、上述した不正関連エラー出力処理を行わないようにしている。これは、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、ホール店員が外枠2に対して本体枠4を開放して設定値の確認表示を行っていることが想定され、周囲への示唆を意図する不正関連エラー出力処理の必要性よりも、ホール店員の作業効率を重視し、その作業を阻害するような事象の発生を抑制するためである。なお、不正関連エラー出力処理の行わないようにする点については、上述した不正関連エラー情報の表示処理、不正関連エラー態様の発光処理、不正関連エラー音の出力処理の全てを行わないようにしてもよいが、ホール店員の作業を阻害するような事象の発生を抑制することを鑑みれば、不正関連エラー出力処理のうちの少なくとも一部の処理だけを行わないようにしてもよい。例えば、大音量で作業者の作業効率を低下させうる不正関連エラー音の出力処理については行わないようにしつつ、他の処理については通常通りに行うようにすること等が例示できる。また、不正関連エラー出力処理を行わないようにするにあたっては、前述した変更許可状態のときに行う制御との間で、ホール店員の作業を阻害するような事象の違いに応じて、禁則する処理の種類や数等を相違させるようにしてもよい。例えば、変更許可状態では、何らかの不正関連エラーが発生した場合に不正関連エラー出力処理の全てを行わないようにする一方で、確認表示状態では、何らかの不正関連エラーが発生した場合に不正関連エラー出力処理の一部のみを行わないようにしたり、あるいは、変更許可状態では、何らかの不正関連のエラーが発生した場合に全ての不正関連エラー出力処理の全てを行わないようにする一方で、確認表示状態では、何らかの不正関連のエラーが発生した場合に不正関連エラー出力処理の一部を行わないようにすること等が例示できる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS104のスイッチ入力処理)を開始していないため、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがなく、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしている。なお、検出センサによる遊技球Bの検出自体を行わないようにしたり、検出センサからの検出信号を入力しながらも無効なものとして扱うようにしたりしてもよい。このように、遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入球したとしても、抽選、図柄変動(特別図柄の変動表示)、遊技球Bの払出しの何れについても行われることがなくなり、これにより、設定値の確認表示を行う正規の作業中に何らかの事情で遊技球Bが第一始動口2002や第二始動口2004に入球したとしても、それによる遊技進行を抑制することができる。同様に、遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に遊技球Bが入球したとしても、遊技球Bの払出し、高確率状態の付与の何れについても行われることがなくなり、これにより、設定値の確認表示を行う正規の作業中に何らかの事情で遊技球Bが大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に入球したとしても、それによる遊技進行を抑制することができる。
なお、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、各種入賞口やゲート部(ゲート)などの各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがないのと同時に、アウト口1008に対応する検出センサからの検出信号も主制御MPUが入力することがないようにして、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしている。このように、アウト口1008から排出される遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、確認表示状態にて遊技領域5aから排出された遊技球Bについて、上記したベースモニタ1310hによる計測対象(アウト数カウンタへの加算対象)から除外することが可能になり、遊技領域5a内に玉掛かり(球詰まり)等で残存していた遊技球Bが確認表示状態で検出されてベースモニタ1310hに計測(アウト数カウンタに加算)されてしまう、といった事態を回避することができる。
一方、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS104のスイッチ入力処理)を開始するようにし、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力し、遊技球Bの検出を有効なものとして扱うようにしている。このように、遊技球Bの検出を有効とする場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入球したときに、抽選、図柄変動(特別図柄の変動表示)、遊技球Bの払出しが行われることを可能としている。同様に、遊技球Bの検出を有効とする場合には、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に遊技球Bが入球したときに、遊技球Bの払出し、高確率状態の付与(上述したように第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられるときの状態として「有効状態」に設定されている場合)が行われることを可能としている。
なお、本例では、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点、つまり確認表示状態の終了時点から、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、遊技球Bの検出を有効なものとして扱うようにしているが、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖した時点や、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとしてから所定時間が経過した時点で、遊技球Bの検出を有効なものとして扱うようにしてもよい。これは、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖する前には、ハンドル182を操作して遊技球Bを発射することが困難で、実質的に遊技を開始することが困難であるためである。
また、本例では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、払出制御MPUが払出制御電源投入時処理を開始するようにし、払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力することを可能とし、払出装置580から遊技球Bの払出しが行われることを可能としている。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、払出装置580から遊技球Bの払出しが行われることを可能としている。ただし、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、上述したように各種入賞口やゲート部(ゲート)などの各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがないため、例えば、確認表示状態にて第一始動口2002や第二始動口2004、大入賞口2005に遊技球Bが入球したとしても、遊技球Bの払出しが行われることがない。
なお、タイミングt0で電源を遮断する時点で、各種入賞口に遊技球Bが入球して払出装置580から遊技球Bの払出しが行われている場合には、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作しながらタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された場合(設定値の設定変更を行う場合)であると、その時点で、主制御基板1310から払出制御基板633にRAMクリアスイッチ1310fの操作信号(検出信号)を入力するようにし、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアすることから、遊技球Bの払出しに関する情報が失われるのに対し、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作することなくタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された場合(設定値の確認表示を行う場合)であると、その時点で、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアする処理を実行しないことから、遊技球Bの払出しに関する情報が保持されることとなる。このため、タイミングt3でのパチンコ機1の電源投入後には、払出装置580から遊技球Bの払出しを行うことが可能になることを契機として、電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの払出しを再開するようになっている。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、設定表示器1310gにおいて、現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)を表示しているが、上記したように電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの払出しが行われている確認表示状態において、球切れなどの払出関連エラーが発生した場合には、払出制御MPUによって、設定表示器1310gとは別の表示器(例えば、払出制御基板633に設けられた7セグメントLED)に対して、その旨を通知する払出関連エラー情報の表示処理を行ったり、所定の発光装置(例えば、複数のLED121aや複数のLED213aなど)に対して、その旨を通知する払出関連エラー態様の発光処理を行う払出関連エラー出力処理を行うようにしている。これにより、確認表示状態において、電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの払出しが完了しているのか、球切れなどの払出関連エラーが発生して遊技球Bの払出しが行われていないのか、を判別することができ、遊技者に損失が発生することを防止することができる。なお、払出関連エラー処理については、後に遊技を円滑に行う上で重要な事象であることから、ホール店員の作業効率を問わずに払出メンテナンスを重視することとし、前述した不正関連エラー処理のような禁則を設けず、一切の抑制を行わずに通常時と同様の処理を行うようにしている。
上記したように、タイミングt0で電源を遮断する時点で、各種入賞口に遊技球Bが入球して払出装置580から遊技球Bの払出しが行われている場合には、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作することなくタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された場合(設定値の確認表示を行う場合)であると、その時点で、電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの払出しを再開することができる。一方、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)における特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)であるため、タイミングt0で電源を遮断する時点で、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示が行われている場合や、特別図柄の変動表示が保留として記憶されている場合には、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作することなくタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された場合(設定値の確認表示を行う場合)であると、その時点で、電源を遮断した時点で中断されている特別図柄の変動表示を再開したり、電源を遮断した時点で保留として記憶されている特別図柄の変動表示を行ったりすることがない。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、電源を遮断した時点で中断されている特別図柄の変動表示を再開したり、電源を遮断した時点で保留として記憶されている特別図柄の変動表示を行ったりすることがなく、それによる遊技進行を阻止しながらも、電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの払出しのみを行うことが可能な期間となっている。例えば、ホールの閉店時において、各種入賞口に遊技球Bが入球して払出装置580から遊技球Bの払出しが行われている状態でありながらも、電源を遮断すると、電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの分だけ遊技者に損失が発生してしまうが、その後にパチンコ機1を電源投入して確認表示状態にすることで、電源を遮断した以降の遊技進行を阻止しつつ、電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの払出しのみを行うことができ、遊技者に損失が発生することを防止することができる。
なお、上記の変形例として、設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、且つ、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作することなくパチンコ機1が電源投入された場合には、設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとするまでの間、特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態とし、電源を遮断した以降の遊技進行を阻止しつつ、電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの払出しのみを行うことが可能な期間とする一方、設定値の確認表示を行わないようにしてもよい。また、設定キースイッチ1311aやRAMクリアスイッチ1310f、電源スイッチ630aとは別の操作部を設けるようにし、その別の操作部をホール店員が操作ONとした場合には、操作OFFとするまでの間、特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態とし、ホール店員が操作ONとした以降の遊技進行を阻止しつつ、ホール店員が操作ONとした時点で未払出しである遊技球Bの払出しのみを行うことが可能な期間としてもよい。このような場合にも、例えば、ホールの閉店時においては、ホール店員が操作ONとした期間の遊技進行を阻止しつつ、ホール店員が操作ONとした時点で未払出しである遊技球Bの払出しのみを行うことができ、遊技者に損失が発生することを防止することができる。
上記したように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態の終了後には、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な変動可能状態になるものの、電源を遮断した時点で保留として記憶されている特別図柄の変動表示を行うことがないのに対し、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態の終了後には、変動可能状態になることを契機として、電源を遮断した時点で保留として記憶されている特別図柄の変動表示を行うようにしている。より詳細には、特別図柄の変動表示中に第一始動口2002や第二始動口2004に入球した場合には、主制御内蔵RAMに保留として特別乱数が記憶されるが、タイミングt0で電源を遮断する時点で、主制御内蔵RAMに保留として特別乱数が記憶されている場合には、主制御側電源断時処理において、その特別乱数が遊技バックアップ情報として記憶保持される。そして、タイミングt3でのパチンコ機1の電源投入後に変更許可状態に移行した場合には、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとし、変更許可状態を終了する時点で、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報をクリアすることから、保留として記憶されている特別乱数についても失われることとなる。
なお、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態では、電源遮断前に保留として記憶されている特別乱数を消去することから、演出表示装置1600での保留表示に加えて機能表示ユニット1400の保留数表示器における保留表示が非表示状態になっている。また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、第一始動口2002や第二始動口2004に入球したとしても、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うことから、新たな保留として特別乱数が記憶されることがない。
ところで、変更許可状態の終了時において、電源遮断前に保留として記憶されている特別乱数を消去しなかった場合には、以下の弊害が生じることとなる。本例では、設定値1~6のうち設定値が高くなるほど、大当り確率が高くなるように大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値の数が増加するものとなっているが、例えば、変更許可状態にて設定値の設定変更を行う際に、低い設定値(例えば、設定値1)から高い設定値(例えば、設定値6)に変更した場合には、大当り判定の結果が大当りとされる特別乱数が増加して大当り確率が高くなることから、電源遮断前の設定値では外れであった特別乱数が、変更許可状態の終了後の設定値では大当りになる可能性がある。一方、変更許可状態にて設定値の設定変更を行う際に、高い設定値(例えば、設定値6)から低い設定値(例えば、設定値1)に変更した場合には、大当り判定の結果が大当りとされる特別乱数が減少して大当り確率が低くなることから、電源遮断前の設定値では大当りであった特別乱数が、変更許可状態の終了後の設定値では外れになる可能性がある。この点、本例では、変更許可状態の終了時において、保留として記憶されている特別乱数を消去することで、電源遮断前と変更許可状態の終了後とで大当り判定の結果が変更されるといった公平性を欠く状況が発生することを防止することができる。特に、ホール管理者ではない者が、不正行為により変更許可状態にて設定値の設定変更を行う場合には、高い設定値(例えば、設定値6)に変更しようとするが、高い設定値(例えば、設定値6)に変更した場合であっても、大当り判定の結果が大当りに変更されることがなく、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように抑止することができる。なお、ホール管理者が変更許可状態にて設定値の設定変更を行う場合には、電源遮断前に保留として記憶されている特別乱数が消去されるため、遊技者に不利益を与えないように保留がない状態で電源を遮断し、その後に変更許可状態にて設定値の設定変更を行うことが好ましい。
また、変更許可状態にて設定値の設定変更を行う際に、電源遮断前の低い設定値(例えば、設定値1)から高い設定値(例えば、設定値6)に変更した場合だけでなく、電源遮断前の設定値を維持した場合にも、変更許可状態の終了時において、保留として記憶されている特別乱数を消去することとしている。例えば、ホール管理者ではない者が、不正行為により変更許可状態にて設定値の設定変更を行う場合には、高い設定値(例えば、設定値6)に変更しようとするが、既に電源遮断前の設定値が高い設定値であり、その高い設定値を変更する必要がない可能性がある。このような場合にも、電源遮断前に保留として記憶されている特別乱数を変更許可状態の終了時に消去することで、電源遮断前の高い設定値で大当りになる可能性が高かった特別乱数に基づく大当り判定を行う機会が失われることから、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように抑止することができる。
一方、タイミングt3でのパチンコ機1の電源投入後に確認表示状態に移行した場合には、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとし、確認表示状態を終了する時点で、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報をクリアしないことから、電源遮断前に保留として記憶されている特別乱数を保持することとなる。なお、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、第一始動口2002や第二始動口2004に入球したとしても、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うことから、新たな保留として特別乱数が記憶されることがない。このような確認表示状態では、設定値の設定確認を行うのみであって、変更許可状態のように設定値が変更されることがない。つまり、ホール管理者ではない者が、不正行為により確認表示状態にて設定値の設定確認を行う場合であっても、保留として記憶されている特別乱数については、電源遮断前と確認表示状態の終了後とで大当り判定の結果が変更されることがなく、不正行為により利益を得ることがないため、電源遮断前に保留として記憶されている特別乱数を確認表示状態の終了時にも保持することとしている。
また、ホール管理者ではない者が、不正行為により確認表示状態にて設定値の設定確認を行う場合には、通常に遊技をしている振りをしながら何らかの方法でパチンコ機1の裏面にアクセスして不正な設定確認を行うことが予測され、そうして不正に確認した設定値が不利な設定内容(例えば、もっとも大当り確率が低い設定値1)であった場合は、有利な設定内容(例えば、もっとも大当り確率が高い設定値6)のパチンコ機1を求めて直ちに離席することが考えられる。この点、本例では、確認表示状態にて設定値の設定確認を行う場合において、保留を消去することなく保持していることから、不正な設定確認を行った後に「保留が残っているのに離席する」という違和感のある行動を取り難くすることができ、また、そのような違和感のある行動を監視することで、不正な設定確認を行う者を捕まえ易くすることができる。結果、ホール管理者以外が不正な設定確認を行うことがないように抑止することができる。
また、不正行為の抑止力を一層高めるために、確認表示状態では、電源遮断前に保留として記憶されている特別乱数を保持しつつも、演出表示装置1600での保留表示に加えて機能表示ユニット1400の保留数表示器における保留表示をも一時的に非表示状態にし、変更許可状態と同様に保留として記憶されている特別乱数が存在しなくなったかのように表示するようにしている。これにより、不正行為者に保留が消えたものと勘違いさせ、不正に設定確認を行った後の遊技継続を断念させることができる。なお、こうした不正行為の抑止効果を効果的に発揮させるためには、確認表示状態だけでなく、確認表示状態の終了後にも所定の復帰タイミング(例えば、本体枠4を閉鎖したときや所定の時間経過など)が到来するまでの期間に亘って保留表示を非表示状態にするようにしてもよい。
[13-2.大当り遊技や発射装置について]
図98に示すように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始していないため、大入賞口2005を開閉可能な大入賞口扉2413や、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第一受入口2007又は第二受入口2008の何れかに振り分ける振分片2415を動作することが不能な状態となる。そして、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始するようにし、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態となる。これにより、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした後、タイミングt6で大当り遊技を開始する場合には、その大当り遊技として大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能であり、大入賞口2005に遊技球Bを入球させたり、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第二受入口2008に振り分けたりすることができる。
なお、タイミングt0で電源を遮断する時点で、大当り遊技の実行中で大入賞口扉2413や振分片2415が動作している場合には、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、主制御電源投入時処理のステップS37の設定変更処理を終了するようにし、続いてステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることから、大当り遊技の実行中(大入賞口扉2413や振分片2415の動作中)に関する情報が失われることとなる。このため、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態の終了後には、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態になるものの、電源を遮断した時点で中断されている大当り遊技を再開することがなく、大入賞口扉2413や振分片2415を動作しないようになっている。
上記したように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS104のスイッチ入力処理)を開始していないため、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがなく、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしている。このように、遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に遊技球Bが入球したとしても、遊技球Bの払出し、高確率状態の付与の何れについても行われることがなくなり、これにより、設定値の設定変更を行う正規の作業中に何らかの事情で遊技球Bが大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に入球したとしても、それによる遊技進行を抑制することができる。
また、本例では、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点、つまり変更許可状態の終了時点から、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態としているが、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖した時点や、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとしてから所定時間が経過した時点で、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態としてもよい。これは、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖する前には、ハンドル182を操作して遊技球Bを発射することが困難で、実質的に遊技を開始することが困難であるためである。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS113の発射許可信号設定処理)を開始していないが、変更許可状態にてハンドル182による発射操作の点検等を行うことを考慮して、その期間で、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定するようにし、ハンドル182を操作したときに遊技球Bの発射を可能としている。また、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS113の発射許可信号設定処理)を開始するようにし、変更許可状態の終了後にも、ハンドル182を操作したときに遊技球Bの発射が可能な状態を継続するようにしている。このように、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖する前からハンドル182を操作して遊技球Bの発射を準備することも可能であり、外枠2に対して本体枠4を閉鎖した直後から遊技を開始することができる。
図99に示すように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始していないため、大入賞口2005を開閉可能な大入賞口扉2413や、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第一受入口2007又は第二受入口2008の何れかに振り分ける振分片2415を動作することが不能な状態となる。そして、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始するようにし、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態となる。これにより、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした後、タイミングt6で大当り遊技を開始する場合には、その大当り遊技として大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能であり、大入賞口2005に遊技球Bを入球させたり、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第二受入口2008に振り分けたりすることができる。
なお、タイミングt0で電源を遮断する時点で、大当り遊技の実行中で大入賞口扉2413や振分片2415が動作している場合には、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作しながらタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された場合(設定値の設定変更を行う場合)であると、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、主制御電源投入時処理のステップS37の設定変更処理を終了するようにし、続いてステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることから、大当り遊技の実行中(大入賞口扉2413や振分片2415の動作中)に関する情報が失われるのに対し、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作することなくタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された場合(設定値の確認表示を行う場合)であると、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、主制御電源投入時処理のステップS28の設定値確認表示処理を終了するが、ステップS37の設定変更処理後のように主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアするステップS38の処理を実行しないことから、大当り遊技の実行中(大入賞口扉2413や振分片2415の動作中)に関する情報が保持されることとなる。このため、図100に示すように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態の終了後には、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態になることを契機として、電源を遮断した時点で中断されている大当り遊技を再開し、大入賞口扉2413や振分片2415を動作するようになっている。また、後述するように、タイミングt5で電源を遮断した時点で中断されている大当り遊技を再開するよりも前にハンドル182を操作して遊技球Bの発射を準備することが可能であり、大当り遊技を再開した直後から効率よく大入賞口2007や第二受入口2008に遊技球Bを入球させることができる。
上記したように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS104のスイッチ入力処理)を開始していないため、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがなく、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしている。このように、遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に遊技球Bが入球したとしても、遊技球Bの払出し、高確率状態の付与の何れについても行われることがなくなり、これにより、設定値の確認表示を行う正規の作業中に何らかの事情で遊技球Bが大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に入球したとしても、それによる遊技進行を抑制することができる。
また、本例では、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点、つまり確認表示状態の終了時点から、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態としているが、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖した時点や、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとしてから所定時間が経過した時点で、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態としてもよい。これは、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖する前には、ハンドル182を操作して遊技球Bを発射することが困難で、実質的に遊技を開始することが困難であるためである。また、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点、つまり確認表示状態の終了時点から、電源を遮断した時点で中断されている大当り遊技を再開すると、その大当り遊技を再開するよりも前にハンドル182を操作して遊技球Bの発射を準備することが困難であるが、電源を遮断した時点で中断されている大当り遊技の再開を遅延させることで、その大当り遊技を再開するよりも前にハンドル182を操作して遊技球Bの発射を準備することが容易となり、大当り遊技を再開した直後から効率よく大入賞口2007や第二受入口2008に遊技球Bを入球させることができる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS113の発射許可信号設定処理)を開始していないが、確認表示状態にてハンドル182による発射操作の点検等を行うことを考慮して、その期間で、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定するようにし、ハンドル182を操作したときに遊技球Bの発射を可能としている。また、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS113の発射許可信号設定処理)を開始するようにし、変更許可状態の終了後にも、ハンドル182を操作したときに遊技球Bの発射が可能な状態を継続するようにしている。このように、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖する前からハンドル182を操作して遊技球Bの発射を準備することが可能であり、外枠2に対して本体枠4を閉鎖した直後から遊技を開始することができる。
[13-3.演出装置や演出部材について]
図98に示すように、本例では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、周辺制御MPUが周辺制御電源投入時処理を開始するようにし、演出表示装置1600の画面に所定の画像を表示することを可能としている。そして、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、演出表示装置1600の画面における図柄表示(装飾図柄表示)を消去し、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、設定値の設定変更中であることを通知する設定変更中報知を実行している。この設定変更中報知としては、「設定変更中です」を繰り返す音声と、「設定変更中!」というメッセージ表示、選択操作過程における1~6の設定値に対応した色でのランプ発光を実行することとしている。また、設定変更中報知は、変更許可状態でのみ行われる報知(演出)であり、外枠2に対して本体枠4が開放した状態で行われる本体枠開放報知よりも優先して実行される。すなわち、外枠2に対して本体枠4が開放した状態では、通常では本体枠開放報知(「枠が開いています」の表示や音声など)を行うものの、変更許可状態では、本体枠開放報知を行うことなく設定変更中報知を最優先に実行することとしている。なお、本体枠開放報知と設定変更中報知とを並行して実行するようにし、設定変更中報知を本体枠開放報知よりも優先して、設定変更中報知が終了した後に本体枠開放報知を行う形態も例示できる。そして、タイミングt4での変更許可状態の終了後には、所定期間(例えば、20秒程度)が経過するまでの間、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、図柄変動や大当り遊技などの遊技を開始することが可能になったことを通知する遊技開始報知を実行している。
なお、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、上記した設定変更中報知として、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力に加えて、機能表示ユニット1400による通知も実行している。具体的には、機能表示ユニット1400には、図示は省略するが、状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器に加えて、設定値の設定変更中(変更許可状態)であることを表示する1つのLEDからなる設定変更中表示器、設定値の確認表示中(確認表示状態)であることを表示する1つのLEDからなる確認表示中表示器が備えられている。そして、変更許可状態には、機能表示ユニット1400における設定変更中表示器のLEDのみを点灯させ、それ以外の表示器のLEDを全て消灯させるようになっている。これにより、変更許可状態では、機能表示ユニット1400による通知によって、遊技が進行しないことを把握することができる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力したとしても、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしているが、そのような検出信号を入力した場合には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、変更許可状態で遊技を行うべき期間でないにもかかわらず、各種入賞口やゲート部に遊技球Bが入球していることを通知する警告演出Aを実行している。この警告演出Aは、設定変更中報知や本体枠開放報知よりも優先して実行される。すなわち、警告演出Aの実行時には、設定変更中報知や本体枠開放報知を行うことなく警告演出Aを最優先に実行することとしている。
また、外枠2に対して本体枠4を閉鎖している通常時については、設定キースイッチ1311aを設定キーONとする状態にならない期間であるが、そのような設定キーONとする状態になった場合には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、不正に設定キーONとする状態になったことを通知する警告演出B,Cを実行している。具体的には、通常時に図柄変動が行われている状態で、設定キースイッチ1311aを設定キーONとする状態になった場合には、その設定キースイッチ1311aが設定キーOFFに戻るまでの間、警告演出Bを実行している。同様に、通常時に図柄変動が行われていない状態で、設定キースイッチ1311aを設定キーONとする状態になった場合には、その設定キースイッチ1311aが設定キーOFFに戻るまでの間、警告演出Cを実行している。また、この警告演出B,Cは、実行中の演出よりも優先して実行される。すなわち、警告演出B,Cの実行時には、図柄変動が行われているか否かにかかわらず実行中の演出を停止して警告演出B,Cを最優先に実行することとしている。なお、警告演出B,Cは、同じ態様で演出を実行しているが、図柄変動が行われている状態であるか否かを判別しうるように異なる態様で演出を実行してもよい。
また 本例では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、周辺制御MPUが周辺制御電源投入時処理を開始するようにし、演出操作部160(押圧操作部161)の操作を検出可能にして、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を段階的に調整することを可能としている。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、演出操作部160(押圧操作部161)の操作を検出可能にして、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を段階的に調整することを可能としている。具体的には、演出操作部160(押圧操作部161)を長押しすることで演出表示装置1600に調整用の画像(長押しする時間によって、5段階の調整状況を表す音量ゲージ画像と、光量ゲージ画像のいずれか)を表示した後、さらに演出操作部160(押圧操作部161)を短押しするごとに音量や光量を段階的に調整(1→2→3→4→5→1→2・・・)し、演出操作部160(押圧操作部161)を所定時間操作しないことで音量や光量を確定させることを可能としている。ただし、図柄変動中における演出操作部160を用いた演出が実行されている期間には、その演出に対して演出操作部160が操作されることを待機した状態であるため、演出操作部160を操作したとしても、音量や光量を調整することができない禁止期間としている。
また、本例では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、周辺制御MPUが周辺制御電源投入時処理を開始するようにし、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)としつつ、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。このような演出部材は、各々が初期位置と動作位置との間で動作することが可能な部材であり、演出部材の初期動作では、演出部材が初期位置から動作位置に向けて正常に動作するかの確認や、演出部材が初期位置で待機するように正確な位置合わせなどを行うこととしている。そして、タイミングt4での変更許可状態の終了後には、演出部材を用いた演出が実行されることを可能としている。例えば、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターン(変動パターンコマンド)として、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、図柄変動中の所定のタイミングで、演出部材を初期位置から動作位置に動作するようにしている。
なお、パチンコ機1の電源投入を行う際に設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることなく、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行わない場合には、変動許可状態や確認表示状態のようにステップS52の割り込み許可設定の実行タイミングを遅延させることがなく、その割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理を開始することから、パチンコ機1の電源投入後に直ぐに、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な状態(変動可能状態)となる。しかしながら、このような場合、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材の初期動作の完了を待つことなく変動可能状態に移行しているため、例えば、パチンコ機1の電源投入後の演出部材の初期動作中において、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、その変動パターンに基づいて演出部材を初期位置から動作位置に動作することができず、演出部材の動作機会が失われてしまうことがある。これに対し、本例では、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態において、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)としつつ、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材の初期動作が行われているため、変更許可状態の終了後に変動可能状態に移行したときには、演出部材の初期動作を完了している可能性が高くなっている。これにより、変更許可状態を終了した後、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合であっても、演出部材の初期動作に影響されることなく、その変動パターンに基づいて演出部材を初期位置から動作位置に動作することができ、その演出内容から得られる情報を逃すことがないようになっている。
ただし、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材の初期動作については、完了するまでに所定の時間(例えば、30秒)が必要となる。このため、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態において、演出部材の初期動作が完了するよりも前に、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした場合には、演出部材の初期動作の完了を待って、演出部材を用いた演出の実行を可能にすることとなる。つまり、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとする時期については、演出部材の初期動作の完了前であっても、完了後であってもよく、いずれの場合にも、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、図柄変動を行うことが可能となっている。
図99に示すように 本例では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、周辺制御MPUが周辺制御電源投入時処理を開始するようにし、演出表示装置1600の画面に所定の画像を表示することを可能としている。そして、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、演出表示装置1600の画面における図柄表示(装飾図柄表示)を消去し、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、設定値の確認表示中であることを通知する確認表示中報知を実行している。この確認表示中報知としては、「確認表示中です」を繰り返す音声と、「確認表示中!」というメッセージ表示、設定されている1~6の設定値に対応した色でのランプ発光を実行することとしている。また、確認表示中報知は、確認表示状態でのみ行われる報知(演出)であり、外枠2に対して本体枠4が開放した状態で行われる本体枠開放報知よりも優先して実行される。すなわち、外枠2に対して本体枠4が開放した状態では、通常では本体枠開放報知(「枠が開いています」の表示や音声など)を行うものの、確認表示状態では、本体枠開放報知を行うことなく確認表示中報知を最優先に実行することとしている。なお、本体枠開放報知と確認表示中報知とを並行して実行するようにし、確認表示中報知を本体枠開放報知よりも優先して、確認表示中報知が終了した後に本体枠開放報知を行う形態も例示できる。そして、タイミングt4での確認表示状態の終了後には、所定期間(例えば、20秒程度)が経過するまでの間、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、図柄変動や大当り遊技などの遊技を開始することが可能になったことを通知する遊技開始報知を実行している。
また、タイミングt4での確認表示状態の終了後には、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態になることを契機として、電源を遮断した時点で中断されている大当り遊技を再開し、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することを可能としているが、図100に示すように、このような大当り遊技の再開時には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、電源を遮断した時点で中断されている大当り遊技を再開して大入賞口扉2413や振分片2415を動作することを通知する大当り遊技再開報知を実行している。なお、大当り遊技の再開前には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、電源を遮断した時点で中断されている大当り遊技の実行待機中、つまり大入賞口扉2413や振分片2415の動作待機中であることを通知する大当り遊技待機報知を実行してもよい。これにより、大当り遊技の再開前からハンドル182を操作して遊技球Bの発射を準備することが可能であり、大当り遊技を再開した直後から効率よく大入賞口2007や第二受入口2008に遊技球Bを入球させることができる。
なお、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、上記した確認表示中報知として、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力に加えて、機能表示ユニット1400による通知も実行している。具体的には、機能表示ユニット1400には、図示は省略するが、状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器に加えて、設定値の設定変更中(変更許可状態)であることを表示する1つのLEDからなる設定変更中表示器、設定値の確認表示中(確認表示状態)であることを表示する1つのLEDからなる確認表示中表示器が備えられている。そして、確認表示状態には、機能表示ユニット1400における確認表示中表示器のLEDのみを点灯させ、それ以外の表示器のLEDを全て消灯させるようになっている。これにより、確認表示状態では、機能表示ユニット1400による通知によって、遊技が進行しないことを把握することができる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力したとしても、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしているが、そのような検出信号を入力した場合には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、確認表示状態で遊技を行うべき期間でないにもかかわらず、各種入賞口やゲート部に遊技球Bが入球していることを通知する警告演出Aを実行している。この警告演出Aは、確認表示中報知や本体枠開放報知よりも優先して実行される。すなわち、警告演出Aの実行時には、確認表示中報知や本体枠開放報知を行うことなく警告演出Aを最優先に実行することとしている。
また、外枠2に対して本体枠4を閉鎖している通常時については、設定キースイッチ1311aを設定キーONとする状態にならない期間であるが、そのような設定キーONとする状態になった場合には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、不正に設定キーONとする状態になったことを通知する警告演出B,Cを実行している。具体的には、通常時に図柄変動が行われている状態で、設定キースイッチ1311aを設定キーONとする状態になった場合には、その設定キースイッチ1311aが設定キーOFFに戻るまでの間、警告演出Bを実行している。同様に、通常時に図柄変動が行われていない状態で、設定キースイッチ1311aを設定キーONとする状態になった場合には、その設定キースイッチ1311aが設定キーOFFに戻るまでの間、警告演出Cを実行している。また、この警告演出B,Cは、実行中の演出よりも優先して実行される。すなわち、警告演出B,Cの実行時には、図柄変動が行われているか否かにかかわらず実行中の演出を停止して警告演出B,Cを最優先に実行することとしている。なお、警告演出B,Cは、同じ態様で演出を実行しているが、図柄変動が行われている状態であるか否かを判別しうるように異なる態様で演出を実行してもよい。
また、本例では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、周辺制御MPUが周辺制御電源投入時処理を開始するようにし、演出操作部160(押圧操作部161)の操作を検出可能にして、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を段階的に調整することを可能としている。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、演出操作部160(押圧操作部161)の操作を検出可能にして、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を段階的に調整することを可能としている。具体的には、演出操作部160(押圧操作部161)を長押しすることで演出表示装置1600に調整用の画像(長押しする時間によって、5段階の調整状況を表す音量ゲージ画像と、光量ゲージ画像のいずれか)を表示した後、さらに演出操作部160(押圧操作部161)を短押しするごとに音量や光量を段階的に調整(1→2→3→4→5→1→2・・・)し、演出操作部160(押圧操作部161)を所定時間操作しないことで音量や光量を確定させることを可能としている。ただし、図柄変動中における演出操作部160を用いた演出が実行されている期間には、その演出に対して演出操作部160が操作されることを待機した状態であるため、演出操作部160を操作したとしても、音量や光量を調整することができない禁止期間としている。
また、本例では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、周辺制御MPUが周辺制御電源投入時処理を開始するようにし、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)としつつ、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。このような演出部材は、各々が初期位置と動作位置との間で動作することが可能な部材であり、演出部材の初期動作では、予め定められた動作パターンで演出部材の各々を順次あるいは同時に動作させることで、演出部材が初期位置から動作位置に向けて正常に動作するかの確認や、演出部材が初期位置で待機するように正確な位置合わせなどを行うこととしている。そして、タイミングt4での確認表示状態の終了後には、演出部材を用いた演出が実行されることを可能としている。例えば、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターン(変動パターンコマンド)として、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、図柄変動中の所定のタイミングで、演出部材を初期位置から動作位置に動作するようにしている。
なお、パチンコ機1の電源投入を行う際に設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることなく、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行わない場合には、変動許可状態や確認表示状態のようにステップS52の割り込み許可設定の実行タイミングを遅延させることがなく、その割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理を開始することから、パチンコ機1の電源投入後に直ぐに、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な状態(変動可能状態)となる。しかしながら、このような場合、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材の初期動作の完了を待つことなく変動可能状態に移行しているため、例えば、パチンコ機1の電源投入後の演出部材の初期動作中において、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、その変動パターンに基づいて演出部材を初期位置から動作位置に動作することができず、演出部材の動作機会が失われてしまうことがある。これに対し、本例では、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態において、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)としつつ、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材の初期動作が行われているため、確認表示状態の終了後に変動可能状態に移行したときには、演出部材の初期動作を完了している可能性が高くなっている。これにより、確認表示状態を終了した後、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合であっても、演出部材の初期動作に影響されることなく、その変動パターンに基づいて演出部材を初期位置から動作位置に動作することができ、その演出内容から得られる情報を逃すことがないようになっている。
ただし、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材の初期動作については、完了するまでに所定の時間(例えば、30秒)が必要となる。このため、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態において、演出部材の初期動作が完了するよりも前に、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした場合には、演出部材の初期動作の完了を待って、演出部材を用いた演出の実行を可能にすることとなる。つまり、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとする時期については、演出部材の初期動作の完了前であっても、完了後であってもよく、いずれの場合にも、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、図柄変動を行うことが可能となっている。
また、本体枠4と遊技盤5に各々演出部材が搭載されている場合には、少なくとも遊技盤5に搭載されている演出部材の初期動作を先行して実行するようにし、本体枠4に搭載されている演出部材の初期動作を「タイミングt5での本体枠4の閉鎖後」まで遅延させるようにしてもよい。これは、設定値の設定変更中や設定値の確認表示中には本体枠4が開放状態とされ、設定値の設定変更や設定値の確認表示の終了後における本体枠4の閉鎖動作によって本体枠4に衝撃が発生することとなる。このため、本体枠4の閉鎖動作時には、本体枠4に搭載されている演出部材が正常に動作しなくなったり、初期位置に位置ズレが生じたりする等の事態が発生する可能性があるが、本体枠4に搭載されている演出部材の初期動作については、本体枠4の閉鎖後に開始することで、そのような事態が発生した場合にも対処できるようになる。
なお、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材の各々を順次に、あるいは同時に初期動作させた後に、演出部材の各々の初期動作が正常に完了しなかった場合(各々の演出部材の初期位置を検出する原点検出センサによって、所定時期に初期位置で検出されていない演出部材がある場合、あるいは、所定時期に初期位置で検出されていない演出部材がある場合に行われる再度の初期動作やリトライ動作を行った後の所定時期にも、初期位置で検出されていない演出部材がある場合など)には、その正常に完了しなかった演出部材を用いた演出を図柄変動中に実行しないように制限することとしている。ここで、前述したように、パチンコ機1の電源投入を行う際に設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることなく、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行わない場合には、パチンコ機1の電源投入後に直ぐに、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な状態(変動可能状態)となり、且つ、演出部材の初期動作が行われる状態となる。本例では、こうした状況下での演出部材の初期動作が正常に完了しなかった場合には、特別図柄の変動表示中に演出部材が初期位置と異なる位置で停止したままとなる違和感を遊技者に与えてしまうといった興趣低下を招きかねないことから、パチンコ機1の電源投入を行う際に設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることなく、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行わない場合には、パチンコ機1の電源投入後の所定時期(各々の演出部材の初期動作が終了して初期位置に位置すると想定される時期)において、いずれかの演出部材が初期位置で検出されていないときに、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、外部への初期位置エラー報知を行うこととしている。
一方、設定値の設定変更中(変更許可状態)や設定値の確認表示中(確認表示状態)に初期動作により演出部材が初期位置で検出されていない場合には、正規の設定変更や確認表示の作業の阻害を避けるべく、演出部材が初期位置と異なる位置で停止したままの状態になっても、初期位置エラー報知を行わないように抑制することとしている。そして、変更許可状態や確認表示状態の終了後には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、外部への初期位置エラー報知を行うようにしている。なお、初期位置エラー報知については、変更許可状態や確認表示状態の終了後に開始するようにしているが、初期動作により演出部材が初期位置で検出されていない時点から予め開始させておく仕様であってもよい。また、初期動作により演出部材が初期位置で検出されていない時点では、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力のうち、正規の設定変更や確認表示の作業を阻害しない態様の報知(例えば、ランプ)のみ先行して実行する仕様であってもよい。
なお、上記の変形例として、設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、且つ、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作するか否かにかかわらずパチンコ機1が電源投入された場合には、特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態とし、遊技進行を阻止しつつ、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われる期間とする一方、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行わないようにしてもよい。また、設定キースイッチ1311aやRAMクリアスイッチ1310f、電源スイッチ630aとは別の操作部を設けるようにし、その別の操作部をホール店員が操作ONとした場合には、操作OFFとするまでの間、特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態とし、ホール店員が操作ONとした以降の遊技進行を阻止しつつ、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材の初期動作が行われる期間としてもよい。このような場合にも、ホール店員が操作OFFとした後、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合であっても、演出部材の初期動作に影響されることなく、その変動パターンに基づいて演出部材を初期位置から動作位置に動作することができ、その演出内容から得られる情報を逃さないようにすることがきる。
上記したように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を調整することを可能としている。より詳細には、設定値の設定変更や設定値の設定確認を行う場合には、タイミングt3でのパチンコ機1の電源投入時において、主制御MPUが主制御電源投入時処理を開始するが、ステップS37の設定変更処理やステップS28の設定値確認表示処理を開始するよりも前に、ステップS22のウェイト時間待機処理を行っている。このウェイト時間待機処理では、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として10秒(s)が設定されている。周辺制御基板1510(周辺制御MPU)は、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するよりも前に、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)ための初期化処理を完了し、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態としている。このように、変更許可状態や確認表示状態の開始時において、周辺制御MPUは、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)ための初期化処理を既に完了しているため、演出操作部160(押圧操作部161)の操作を検出可能となり、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を調整することが可能になっている。
また、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量については、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、電源遮断前の音量や光量に関する情報が保持されておらず、初期状態(例えば、音量や光量が中央値となる状態)に戻されることとなる。このため、電源投入後の音量や光量については、電源遮断前に調整していた音量や光量とは異なる状態に変化することとなる。
また、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、変更許可状態や確認表示状態を終了し、変更許可状態や確認表示状態の終了後には、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な変動可能状態に移行している。つまり、変動可能状態にて遊技者が遊技を開始することが可能な状態になるのに先行して、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を調整することを可能としている。例えば、変更許可状態や確認表示状態の終了後において、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターン(変動パターンコマンド)として、図柄変動中に所定の演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、図柄変動中に、演出に設定されている情報に基づいてスピーカから音(遊技音)を出力したり、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から光を出力したりするが、そのような演出が光量や音量の調整前に開始されると、音量や光量が初期状態で出力することとなり、遊技者が不快に感じる可能性がある。この点、本例では、変動可能状態にて遊技者が遊技を開始することが可能な状態になるのに先行して、音量や光量の調整を可能にすることで、遊技者が遊技を開始するまでの間に、音量や光量を初期状態から変更することができ、遊技者による遊技の開始後において、初期状態の音量や光量により遊技者が不快に感じることを防止することができる。
なお、本例では、演出操作部160(押圧操作部161)を長押しすることで演出表示装置1600に調整用の画像(長押しする時間によって、5段階の調整状況を表す音量ゲージ画像と、光量ゲージ画像のいずれか)を表示した後、さらに演出操作部160(押圧操作部161)を短押しするごとに音量や光量を段階的に調整(1→2→3→4→5→1→2・・・)し、演出操作部160(押圧操作部161)を所定時間操作しないことで音量や光量を確定させることを可能としている。そして、変動可能状態においては、演出操作部160(押圧操作部161)を操作した際に、音量や光量を変更するのに伴い、スピーカから所定の変更音を出力している。これに対し、変更許可状態や確認表示状態の終了前においては、演出操作部160(押圧操作部161)を操作した際に、音量や光量を変更することが可能であるものの、スピーカから所定の変更音を出力しないようにしている。これは、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、ホール管理者が設定値の設定変更や設定値の確認表示を行っていることが想定され、遊技者に音量や光量を変更したことを知らせる変更音を出力する必要性よりも、ホール管理者の作業効率を重視し、その作業を阻害するような事象の発生を抑制するためである。なお、演出操作部160(押圧操作部161)を操作した際に、光量を変更するのに伴い、その変更した光量で、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から光を出力することについては、ホール管理者の作業を阻害するような事象ではないため、変更許可状態や確認表示状態であっても禁止していない。
また、本例では、変動表示状態において、演出操作部160(押圧操作部161)を用いて音量や光量を変更する操作を行った場合には、その時点で、調整後の音量や光量で出力するように直ぐに反映している。これに対し、変更許可状態や確認表示状態の終了前においては、演出操作部160(押圧操作部161)を用いて音量や光量を変更する操作を行うことが可能であるものの、その時点で、調整後の音量や光量で出力するように反映することがなく、変更許可状態や確認表示状態の終了後において、調整後の音量や光量で出力するように反映している。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、詳しくは後述するように、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように外部に向けて警戒報知を実行しているが、そのような警戒報知として実行中の演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力については、調整後の音量や光量とすることを不可として固定の音量や光量とするようにしている。これにより、変更許可状態や確認表示状態において、演出操作部160(押圧操作部161)を用いて音量や光量を変更する操作を行ったとしても、実行中の警戒報知に気付き難くなるような状況が発生するのを防止し、不正監視体制が弱くなることを防止することができる。
上記したように、変更許可状態や確認表示状態においては、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように外部に向けて警戒報知を実行しているが、詳しくは後述するように、変更許可状態や確認表示状態の終了後にも、その警戒報知を延長して実行することを可能にしている。そして、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合には、その延長した警戒報知の実行中にも、演出操作部160(押圧操作部161)を用いて音量や光量を変更する操作を行うことを可能とするが、その時点で、調整後の音量や光量で出力するように反映することがなく、延長した警戒報知の終了後において、調整後の音量や光量で出力するように反映している。つまり、警戒報知を延長して実行中の演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力についても、調整後の音量や光量とすることを不可として固定の音量や光量とするようにしている。これにより、変更許可状態や確認表示状態と同様に、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合において、演出操作部160(押圧操作部161)を用いて音量や光量を変更する操作を行ったとしても、延長して実行中の警戒報知に気付き難くなるような状況が発生するのを防止し、不正監視体制が弱くなることを防止することができる。
また、変更許可状態や確認表示状態においては、演出操作部160(押圧操作部161)を用いて音量や光量を変更する操作を行うことを可能とし、変更許可状態や確認表示状態の終了後において、調整後の音量や光量で出力するように反映しているが、複数のランプのうち一部のランプについては、音量や光量を変更する操作を行った時点で、調整後の音量や光量で出力するように反映してもよい。例えば、複数のランプのうち、警戒報知に用いられるランプについては、音量や光量を変更する操作を行った時点で、不正監視体制を維持するために調整後の音量や光量で出力するように反映しないようにし、警戒報知に用いられないランプの全部あるいはその一部については、音量や光量を変更する操作を行った時点で、調整後の音量や光量で出力するように反映してもよい。
[13-4.不正監視について]
本実施形態では、上述したステップS112の不正行為検出処理において、各種の不正行為が監視されている。具体的には、パチンコ機1に磁石を近づけて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球Bの進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させるなどの不正行為を検知する磁気センサ3003が設けられており、主制御MPUが磁気センサ3003からの検出信号に基づいて不正行為の有無を判定し、磁石による不正行為を監視し、周辺制御MPUに対してその監視結果を送信し、周辺制御MPUに不正関連エラー処理を行わせるようにしている。加えて、パチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加えて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球Bの進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させるなどの不正行為を検知する振動センサを設けることで、主制御MPUが振動センサからの検出信号に基づいて不正行為の有無を判定し、振動による不正行為を監視し、周辺制御MPUに対してその監視結果を送信し、周辺制御MPUに不正関連エラー処理を行わせるようにしている。これらの不正行為の監視については、通常時(設定値の設定変更や設定値の確認表示が行われていない状態)と、設定値の設定変更や設定値の確認表示が行われている状態とで、監視する態様を異ならせている。
本例では、磁石による不正行為を検知する磁気センサ3003として、磁気の発生した箇所(遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺であるのか、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方であるのか)を特定することが可能な1つの磁気センサが設けられている。そして、通常時には、磁気センサ3003によって、パチンコ機1の裏面側における設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して、本来発生するはずのない磁気(不正なアクセスによる磁気)が発生したか(磁石が近づいたか)を監視し、設定値の設定変更や確認表示を行う者以外がその設定変更や確認表示しようとするなどの不正行為を監視するとともに、遊技領域5aの前方の領域に対して、本来発生するはずのない磁気(不正なアクセスによる磁気)が発生したか(磁石が近づいたか)を監視し、遊技領域5aを流下する遊技球Bの進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させるなどの不正行為を監視している。なお、磁石を用いたパチンコ機1の裏面側に対する不正行為としては、例えば、パチンコ機1が設置される島設備内(パチンコ機1の裏面側が露呈される空間内)に金属製の不正器具と、その金属製の不正器具を間接的に操作する磁石とを仕込んでおき、パチンコ機1と島設備内との僅かな隙間やパチンコ機1の一部を破壊した開口を通じて磁石および金属製の不正器具を操作し、パチンコ機1の裏面側における設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aに不正にアクセスする行為が考えられる。
なお、ステップS112の不正行為検出処理において、磁気センサ3003からの検出信号が入力されたときには、磁石を用いた不正行為が行われていると判断している。そして、磁石を用いた不正行為が行われていると判断した場合には、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力し、その不正行為が行われていることをホール店員が把握しうるようにしている。
また、本例の磁気センサ3003は、図示は省略するが、矩形箱状のセンサ体で構成されており、一方側の側面に対して垂直方向に感度が強い指向性を有する第1の磁気検出領域内での磁気検出と、その反対側である他方側の側面に対して垂直方向に感度が強い指向性を有する第2の磁気検出領域内での磁気検出とを行うことができるようになっている。なお、「垂直方向に感度が強い」とは、各側面に対して水平方向と比べて垂直方向に感度が強いという意味であって、水平方向に感度が全くないという意味ではない。換言すると、各側面から発せられる磁気検出領域は、それぞれ球体状に囲まれた広域な領域となっている。そして、磁気センサ3003は、こうしたセンサ体の側面から発する第1の磁気検出領域と第2の磁気検出領域とがパチンコ機1の正面視で前後方向に広がるように配置され、一方の磁気検出領域がパチンコ機1の表面側を包含し、磁気検出領域がパチンコ機1の表面側における第一始動口2002、第二始動口2004、普通入賞口2003、大入賞口2005などの入賞口や、その他球流路の主要部位などのうちの複数箇所を監視できるようにし、他方の磁気検出領域がパチンコ機1の裏面側を包含し、パチンコ機1の裏面側における設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域を監視できるようにしている。このような構成によって、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して磁石が近づいたかや、遊技領域5aの前方の領域に対して磁石が近づいたかをそれぞれ監視することができる。
また、本例では、振動による不正行為を検知する振動センサ3005として、遊技盤5に設けられた大入賞口2005の内部の振分片2415の周辺における振動の発生を検知することが可能な振動センサ3004が設けられている。そして、通常時のうち大当り遊技中のみ、振動センサ3005を用いて不正行為を監視し、大当り遊技以外では、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を行っていない。これは、大当り遊技では、振分片2415により大入賞口2005に受入れられて内部を流通する遊技球Bを第一受入口2007又は第二受入口2008の何れかに振分けるようにしているが、振分片2415に対して振動が加えられると、大入賞口2005の内部における遊技球Bの進路を変更して第二受入口2008に遊技球Bを入球させることが可能になってしまい、そのような不正行為を防止するためである。つまり、通常時のうち大当り遊技中には、振動センサ3005によって、大入賞口2005の内部の振分片2415の周辺に対して、本来発生するはずのない振動(不正なアクセスによる振動)が加えられたかを監視し、大入賞口2005の内部における遊技球Bの進路を変更して第二受入口2008に遊技球Bを入球させるなどの不正行為を監視している。
なお、ステップS112の不正行為検出処理において、振動センサ3005からの検出信号が入力されたときには、大入賞口2005の内部の振分片2415の周辺に対して振動による不正行為が行われていると判断している。そして、大入賞口2005の内部の振分片2415の周辺に対して振動による不正行為が行われていると判断した場合には、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力し、その不正行為が行われていることをホール店員が把握しうるようにしている。
また、振動による不正行為が行われていると判断した場合に出力されるセキュリティ信号は、磁石を用いた不正行為が行われていると判断した場合に出力されるセキュリティ信号と同一の信号である。しかしながら、振動による不正行為が行われていると判断してセキュリティ信号が出力される場合と、磁石を用いた不正行為が行われていると判断してセキュリティ信号が出力される場合とでは、周辺制御MPUによって制御される不正関連エラー処理にて外部報知が行われる際の報知態様が相違している。すなわち、振動による不正行為が行われていると判断してセキュリティ信号が出力される場合には、振動による不正行為であることに対応する態様で、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による報知が行われるのに対し、磁石を用いた不正行為が行われていると判断してセキュリティ信号が出力される場合には、磁石による不正行為であることに対応する態様で、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による報知が行われることにより、いずれの不正行為が行われているのかを区別できるようになっている。
次に、設定値の設定変更中や設定値の確認表示中における不正行為の監視について、図101及び図102を参照して説明する。図101は、設定値の設定変更中における不正行為の監視状態を示すタイムチャートであり、図102は、設定値の確認表示中における不正行為の監視状態を示すタイムチャートである。
図101に示すように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、磁気センサ3003を用いての不正行為の監視を実行しないようにしている。これは、変更許可状態では、設定値の設定変更を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aや設定切替ボタン1311bを操作しており、設定値の設定変更を行う正規の作業者以外が、磁石を用いた不正行為を行う余地がないためである。また、設定値の設定変更を行う際に、その設定変更を行う正規の作業者が磁気を発生しうるものを有していたとしても、磁石を用いた不正行為として検出されることを防止し、正規の設定変更作業の阻害を抑制することができる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行しないようにしている。これは、変更許可状態では、設定値の設定変更を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aや設定切替ボタン1311bを操作しており、その設定変更を行う正規の作業者以外が、振動による不正行為を行う余地がないためである。また、設定値の設定変更を行う際に、その設定変更を行う正規の作業者が振動を加えてしまったとしても、振動による不正行為として検出されることを防止し、正規の設定変更作業の阻害を抑制することができる。
また、本例では、設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作しながら電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行うことで、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)となるが、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点、つまり変更許可状態を開始する時点で、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力している。これに加え、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点、つまり変更許可状態を終了する時点でも、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力している。つまり、設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入が行われた後にホールコンピュータに対してセキュリティ信号を2回、出力することとなる。このセキュリティ信号は、磁気センサ3003を用いて磁石による不正行為を監視している状態において、磁気センサ3003からの検出信号が入力されて、振動による不正行為が行われていると判断した場合や、振動センサ3005を用いて振動による不正行為を監視している状態において、振動センサ3005からの検出信号が入力されて、振動による不正行為が行われていると判断した場合において、ホールコンピュータに対して出力される信号と同じ信号である。しかしながら、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、磁気センサ3003を用いての不正行為の監視や、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行していない状態であり、そのような不正行為の監視を実行していない状態でありながらも、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号を出力することで、ホールコンピュータを通じて当該パチンコ機1への監視を警告し、正規に設定値の設定変更が行われていることをホールコンピュータを通じてホール店員に把握させることできる。つまり、ホール店員は、ホールコンピュータを通じて不正行為を行う者により設定値の設定変更が行われていないことをホールコンピュータを通じて監視することができる。また、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点で、主制御MPUが2回目のセキュリティ信号を出力しており、この2回目のセキュリティ信号により、設定値の設定変更が完了したことをホールコンピュータを通じてホール店員に把握させることができる。
なお、セキュリティ信号については、ホールコンピュータが認識しうる時間だけそのホールコンピュータに対して出力されるものであればよく、タイミングt3からタイミングt3’までの時間が短時間(例えば、1秒以下)であってもよいし、長時間(例えば、10秒以上)であってもよい。しかしながら、セキュリティ信号の出力時間が長時間である場合には、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点、つまり変更許可状態を開始する時点で出力された1回目のセキュリティ信号が、その後にタイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点、つまり変更許可状態を終了する時点で終了していない可能性がある。つまり、1回目のセキュリティ信号の出力が終了するタイミングt3’が到来するよりも前に、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとする可能性がある。このように、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点、つまり変更許可状態を終了する時点で、1回目のセキュリティ信号の出力が終了していない場合には、その1回目のセキュリティ信号の出力が終了した後、所定のインターバル時間(例えば、1秒)を経て、2回目のセキュリティ信号を出力するようにしている。つまり、1回目のセキュリティ信号の出力が終了するまでの間、2回目のセキュリティ信号の出力が遅延されることとなる。これにより、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点、つまり変更許可状態を終了する時点で、1回目のセキュリティ信号の出力が終了していない場合であっても、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号を2回、確実に出力することができる。
なお、上記した所定のインターバル期間を設けない場合の別例として、次のようにしてもよい。すなわち、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点、つまり変更許可状態を終了する時点で、1回目のセキュリティ信号の出力が終了していない場合には、その時点から新たにセキュリティ信号の計時を開始する(信号出力時間をカウントするタイマを再度セットする)とともに、1回目のセキュリティ信号と2回目のセキュリティ信号とを継続させるかたちで出力するようにしてもよい。この場合、予め定められた最大出力時間(1回目のセキュリティ信号の出力時間)を越える長期に亘ってセキュリティ信号が出力されることとなり、2回目のセキュリティ信号を出力するときと同様に、設定値の設定変更が完了したことを長期に亘るセキュリティ信号の出力を通じてホール店員に把握させることができる。なお、遊技ホールの環境等によって、セキュリティ信号の出力態様を用いて設定変更が完了したことをホールコンピュータを通じてホール店員に把握させる必要がない場合には、所定の切換スイッチ等の操作に基づいて、2回目のセキュリティ信号自体を出力しないでキャンセルできるようにしてもよい。
図102に示すように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、磁気センサ3003を用いての不正行為の監視を実行しないようにしている。これは、確認表示状態では、設定値の確認表示を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aを操作しており、設定値の確認表示を行う正規の作業者以外が、磁石を用いた不正行為を行う余地がないためである。また、設定値の確認表示を行う際に、その確認表示を行う正規の作業者が磁気を発生しうるものを有していたとしても、磁石を用いた不正行為として検出されることを防止し、正規の確認表示作業の阻害を抑制することができる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行しないようにしている。これは、確認表示状態では、設定値の確認表示を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aを操作しており、その確認表示を行う正規の作業者以外が、振動による不正行為を行う余地がないためである。また、設定値の確認表示を行う際に、その確認表示を行う正規の作業者が振動を加えてしまったとしても、振動による不正行為として検出されることを防止し、正規の確認表示作業の阻害を抑制することができる。
また、本例では、設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作することなく電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行うことで、設定値の確認表示を行うことが可能な状態(確認表示状態)となるが、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点、つまり確認表示状態を開始する時点で、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力している。一方、変更許可状態の終了時には、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点で、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力するのに対し、確認表示状態の終了時には、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点で、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力していない。つまり、設定値の設定変更を行う場合には、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号を2回、出力するのに対し、設定値の確認表示を行う場合には、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号を1回のみ、出力することとなる。これにより、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、磁気センサ3003を用いての不正行為の監視や、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行していない状態であり、そのような不正行為の監視を実行していない状態でありながらも、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号を出力することで、ホールコンピュータを通じて当該パチンコ機1への監視を警告し、正規に設定値の確認表示が行われていることをホールコンピュータを通じてホール店員に把握させることできる。つまり、ホール店員は、ホールコンピュータを通じて不正行為を行う者により設定値の確認表示が行われていないことをホールコンピュータを通じて監視することができる。なお、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点では、変更許可状態のように主制御MPUが2回目のセキュリティ信号を出力することがないことにより、設定値の設定変更と設定値の確認表示とのいずれが行われていたのかを区別できるようになっている。
また、磁石や振動による不正行為が行われていると判断してホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力される場合には、主制御MPUから周辺制御MPUへの監視結果の送信に基づき、周辺制御MPUによって制御されるエラー関連処理での外部報知として演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による報知が行われるのに対し、設定値の設定変更時(変更許可状態)や設定値の設定確認時(確認表示状態)にホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力される場合には、周辺制御MPUへの監視結果に関する何らの情報も送信しないようにし、周辺制御MPUによって制御されるエラー関連処理での外部報知として演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による一切の報知が行われないようにしている。これによっても、正規の設定変更や確認表示の作業を阻害しないようにできる。
なお、上記の変形例として、設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、且つ、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を操作するか否かにかかわらずパチンコ機1が電源投入された場合には、設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとするまでの間、磁気センサ3003や振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行しない期間とする一方、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行わないようにしてもよい。また、設定キースイッチ1311aやRAMクリアスイッチ1310f、電源スイッチ630aとは別の操作部を設けるようにし、その別の操作部をホール店員が操作ONとした場合には、磁気センサ3003や振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行しない期間としてもよい。このような場合にも、パチンコ機1の点検作業を行う際に、その点検作業を行う正規の作業者が磁石を近づけたり振動を加えたりしたとしても、磁石や振動による不正行為として検出されることを防止し、正規の点検作業の阻害を抑制することができる。また、磁気センサ3003や振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行しない期間についての少なくとも開始時には、変更許可状態や確認表示状態の開始時と同じく、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号を出力することで、ホールコンピュータを通じて当該パチンコ機1への監視を警告し、正規に点検作業が行われていることをホールコンピュータを通じてホール店員に把握させることできる。
なお、本例では、磁石による不正行為を検知する磁気センサ3003として、磁気の発生した箇所(遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺であるのか、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方であるのか)を特定することが可能な1つの磁気センサが設けられているが、複数の磁気センサを設けるようにし、例えば、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方や、遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺において、それぞれの磁気センサが磁気の発生を検知可能としてもよい。このような構成では、上記した1つの磁気センサ3003である構成と同様に、通常時において、複数の磁気センサを用いての不正行為の監視を実行するのに対し、変更許可状態や確認表示状態において、複数の磁気センサを用いての不正行為の監視を実行しないようにしてもよいが、変更許可状態や確認表示状態においては、複数の磁気センサのうち一部の磁気センサ(例えば、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺に設けられた磁気センサ)のみ用いての不正行為の監視を実行するようにしてもよい。
同様に、本例では、振動による不正行為を検知する振動センサ3005として、遊技盤5に設けられた大入賞口2005の内部の振分片2415の周辺における振動の発生を検知することが可能な1つの振動センサが設けられているが、複数の振動センサを設けるようにし、例えば、大入賞口2005の内部の振分片2415の周辺に加えて、遊技盤5の前側に位置する大入賞口2005以外の入球口の周辺や、遊技盤5の後側に位置する設定変更基板13111や設定キースイッチ1311aの周辺においても、それぞれの振動センサが振動の発生を検知可能としてもよい。このような構成では、通常時において、複数の振動センサを用いての不正行為の監視を実行する(ただし、大入賞口2005の内部の振分片2415の周辺に設けられた振動センサについては、大当り遊技中のみ)のに対し、変更許可状態や確認表示状態において、複数の振動センサを用いての不正行為の監視を実行しないようにしてもよいが、変更許可状態や確認表示状態においては、複数の振動センサのうち一部の振動センサ(例えば、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺に設けられた振動センサ)のみ用いての不正行為の監視を実行するようにしてもよい。
また、変更許可状態や確認表示状態が終了した直後(不正行為の監視を開始した直後)のセキュリティ信号送信中に磁石や振動による不正行為を検知することもあり、そのような場合には、不正行為の検知に基づく重要なセキュリティ信号が出力できずに、不正監視体制が弱体化してしまうような事態の発生が懸念される。こうした事態を防ぐために、以下のようにしてもよい。すなわち、変更許可状態における2回目のセキュリティ信号の出力期間や、確認表示状態における1回目のセキュリティ信号の出力期間が経過するまで遅延させるように、不正行為の検知に基づくセキュリティ信号の出力時期を遅延させ、不正行為の検知に基づくセキュリティ信号の出力時期が重ならないようにしておくことが例示できる。具体的には、変更許可状態や確認表示状態が終了した後に、不正行為の監視を直ちに開始するものの、変更許可状態における2回目のセキュリティ信号の出力期間や、確認表示状態における1回目のセキュリティ信号の出力期間内に新たなセキュリティ信号が出力される契機(不正行為の検知)が発生した場合には、新たなセキュリティ信号の出力を破棄せずに、先行して出力されているセキュリティ信号の出力が完了するまで新たなセキュリティ信号の出力情報を記憶保持し、本来の出力時期よりも遅延させるかたちで新たなセキュリティ信号を出力するようにしてもよい。このような実施形態によれば、本来の不正行為の検知に基づくセキュリティ信号の出力が破棄されず、不正監視体制が弱体化してしまうような事態の発生を抑制することができる。また、別例として、不正監視の開始時期そのものを変更許可状態における2回目のセキュリティ信号の出力期間や、確認表示状態における1回目のセキュリティ信号の出力期間が終了するまで延長するようにしておくこととしてもよい。このような実施形態によっても、本来の不正行為の検知に基づくセキュリティ信号の出力が破棄されてしまうことがなく、不正監視体制が弱体化してしまうような事態の発生を抑制することができる。
[14.コマンド送信処理について]
上述したように、パチンコ機1の主な制御構成は、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。このうち、主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御するのに対し、周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御している。具体的には、主制御基板1310の主制御MPUは、所定のタイミングで、遊技演出の制御に関する情報やパチンコ機1の状態に関する情報を各種コマンドとして主制御内蔵RAMの所定記憶領域(コマンドを記憶する専有領域、コマンドバッファ)にセットし、それらのセットしたコマンドを周辺制御基板1510に順次送信することで、周辺制御基板1510側でも、遊技演出の制御に関する情報やパチンコ機1の状態に関する情報を把握することができる。ただし、パチンコ機1の電源投入時において、設定値の設定変更や設置値の確認表示を行う際には、遊技演出の制御に関する情報やパチンコ機1の状態に関する情報を各種コマンドとして主制御内蔵RAMの所定記憶領域にセットしながらも、変更許可状態や確認表示状態の実行中に一部のコマンドだけを周辺制御基板1510に直ちに送信し、残りのコマンドについては、変更許可状態や確認表示状態の終了後に周辺制御基板1510に送信するようにしている。
まず、パチンコ機1の電源投入時におけるコマンドの送信タイミングについて、図103を参照して説明する。図103(A)は、パチンコ機1の通常の電源投入時(設定値の設定変更や設定値の確認表示を行わない場合)におけるコマンドの送信タイミングを示すタイムチャートであり、図103(B)は、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う場合におけるコマンドの送信タイミングを示すタイムチャートである。なお、本例では、変更許可状態や確認表示状態の開始時において、少なくとも主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理を開始するようにし、各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力するものとして記載している。
図103に示すように、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入されると、主制御MPUは、図62に示した主制御側電源投入時処理を開始する。そして、タイミングt3からタイミングtyまでの期間には、上述した[電源投入時におけるパチンコ機の挙動]で説明したように、主制御側電源投入時処理のステップS10~S24の処理を実行し、タイミングtyが到来した時点で、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値、及び、設定キーONフラグCS-FLGの値がいずれの組み合わせであるのかを判定する(ステップS25~S27)。ステップS25の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したときには、予め定めた設定値変更許可条件が成立することによって、ステップS37の設定変更処理に移行して設定許可状態にする。また、ステップS26の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であると判定したときには、ステップS38の主制御内蔵RAMの初期化を行った後に変動可能状態にする。また、ステップS27の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したときには、予め定めた設定値表示許可条件が成立することによって、ステップS28の設定値確認表示処理に移行して確認表示状態にする。また、ステップS27の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であると判定したときには、ステップS38の主制御内蔵RAMの初期化を行うことなく変動可能状態にする。なお、変動可能状態とは、上述したように、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始することで、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能となる状態である。
なお、上述したが、周辺制御基板1510(周辺制御MPU)は、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点であるタイミングtyよりも前に、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)ための初期化処理を完了しているため、タイミングtyの時点以降には、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態となっている。
図103(A)に示すように、タイミングt3の時点で設定キースイッチ1311aがON操作されておらず、通常の電源投入時であるとして、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行わない場合には、同じくタイミングt3の時点でRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていると、タイミングtyの時点から、ステップS38の主制御内蔵RAMの初期化を行った後に変動可能状態にする一方、タイミングt3の時点でRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていないと、タイミングtyの時点から、ステップS38の主制御内蔵RAMの初期化を行うことなく変動可能状態にする。このような変動可能状態では、主制御MPUは、遊技演出の制御に関する情報やパチンコ機1の状態に関する情報を各種コマンドとして主制御内蔵RAMのコマンドバッファにセットすることが可能であり、それらのコマンドをセットすると直ちに周辺制御基板1510に送信することとなる。
例えば、タイミングtyの時点で本体枠4が開放している場合には、主制御MPUは、本体枠4が開放していることを特定するドア開放時コマンドをコマンドバッファにセットし、そのドア開放時コマンドをセットすると直ちに周辺制御基板1510に送信する。そして、周辺制御MPUは、主制御基板1310(主制御MPU)からドア開放時コマンドを受信することによって、本体枠4を閉鎖する時点であるタイミングt5が到来するまでの期間には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、本体枠4が開放していることを通知するドア開放時報知を実行している。このドア開放時報知としては、「ドア開放中です」を繰り返す音声と、「ドア開放中!」というメッセージ表示、通常時よりも高い輝度でのランプ発光を実行することとしている。このように、本体枠4の開放中には、外部に向けてドア開放時報知を実行することで、本体枠4が開放していることをホール管理者が直ぐに把握することができ、本体枠4の開放中において、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように監視体制を強めることができる。
図103(B)に示すように、タイミングt3の時点で設定キースイッチ1311aがON操作されており、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う場合には、同じくタイミングt3の時点でRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていると、タイミングtyの時点から、設定値の設定変更を行うことが可能な変更許可状態にする一方、タイミングt3の時点でRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていないと、タイミングtyの時点から、設定値の確認表示を行うことが可能な確認表示状態にする。そして、変更許可状態では、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4の時点で、変更許可状態を終了し、そのタイミングt4の時点から、ステップS38の主制御内蔵RAMの初期化を行った後に変動可能状態にする。一方、確認表示状態では、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4の時点で、確認表示状態を終了し、そのタイミングt4の時点から、ステップS38の主制御内蔵RAMの初期化を行うことなく変動可能状態にする。
上記した変更許可状態や確認表示状態では、主制御MPUは、遊技演出の制御に関する情報やパチンコ機1の状態に関する情報を各種コマンドとして主制御内蔵RAMの所定記憶領域(コマンドバッファ)にセットするものの、そのコマンドの種類によって、セットする主制御内蔵RAMの記憶領域を異ならせている。具体的には、少なくとも変更許可状態や確認表示状態には、主制御内蔵RAMの記憶領域(コマンドバッファ)として、第1記憶領域(第1コマンドバッファ)と第2記憶領域(第2コマンドバッファ)とを設けるようにし、第1コマンドバッファにコマンドをセットした場合には、そのコマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信する一方、第2コマンドバッファにコマンドをセットした場合には、そのセットしたコマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信することなく、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットしたコマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットしたコマンドを周辺制御基板1510に送信するようにしている。つまり、少なくとも変更許可状態や確認表示状態において、第1コマンドバッファには、直ちに周辺制御基板1510に送信することを要するコマンドをセットする一方、第2コマンドバッファには、タイミングt4で変更許可状態や確認表示状態を終了した後に周辺制御基板1510に送信することを要するコマンドをセットするようにしている。
なお、変更許可状態や確認表示状態を除いては、主制御MPUは、遊技演出の制御に関する情報やパチンコ機1の状態に関する情報を各種コマンドとして第1コマンドバッファにセットし、第1コマンドバッファにコマンドをセットした場合には、そのコマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信するようにしている。つまり、変更許可状態や確認表示状態においては、第1コマンドバッファと第2コマンドバッファとのいずれかにコマンドをセットしているが、変更許可状態や確認表示状態を除いては、全てのコマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信するように、第1コマンドバッファのみにコマンドをセットしている。ただし、変更許可状態や確認表示状態を除いては、第1コマンドバッファと第2コマンドバッファとを区分しないようにし、その区分していないコマンドバッファにコマンドをセットした場合には、そのコマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信するようにしてもよい。
まず、変更許可状態や確認表示状態において、第2コマンドバッファにセットされるコマンドとしては、不正監視に関するコマンドとして、本体枠4が開放していることを特定するドア開放時コマンドや、各種入賞口(第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005など)やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に検出信号の入力を無効な期間としながらも検出自体(異常入球)があったことを特定する異常入球時コマンドなどが挙げられる。具体的には、ドア開放時コマンドは、変更許可状態や確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で、本体枠4が開放している場合に第2コマンドバッファにセットし、第2コマンドバッファにドア開放時コマンドをセットした場合には、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットしたドア開放時コマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットしたドア開放時コマンドを周辺制御基板1510に送信する。また、異常入球時コマンドは、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態において遊技球Bの検出(異常入球)があった時点で、第2コマンドバッファにセットし、第2コマンドバッファに異常入球時コマンドをセットした場合には、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットした異常入球時コマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットした異常入球時コマンドを周辺制御基板1510に送信する。
そして、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)からドア開放時コマンドを受信することによって、本体枠4を閉鎖する時点であるタイミングt5が到来するまでの期間には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、本体枠4が開放していることを通知するドア開放時報知を実行している。このドア開放時報知としては、「ドア開放中です」を繰り返す音声と、「ドア開放中!」というメッセージ表示、通常時よりも高い輝度でのランプ発光を実行することとしている。また、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)から異常入球時コマンドを受信することによって、タイミングt4から所定期間にわたって、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、各種入賞口やゲート部2003に異常入球があったことを通知する異常入球時報知を実行している。この異常入球時報知としては、「異常入球」を繰り返す音声と、「異常入球あり!」というメッセージ表示、通常時よりも高い輝度でのランプ発光を実行することとしている。このように、変更許可状態や確認表示状態においては、本体枠4が開放しているか否かや、各種入賞口やゲート部2003に異常入球があったか否かを監視し、変更許可状態や確認表示状態の終了後には、外部に向けてドア開放時報知や異常入球時報知を実行することで、本体枠4が開放していることや、各種入賞口やゲート部2003に異常入球があったことをホール管理者が把握することができる。なお、変更許可状態や確認表示状態の終了後においては、ドア開放時報知や異常入球時報知を同時に実行することも可能であるが、重度の不正が疑われる報知(例えば、異常入球時報知)を優先して実行するようにしてもよい。
上記したように、ドア開放時コマンドや異常入賞時コマンドなどの不正監視に関するコマンドについては、変更許可状態や確認表示状態において第2コマンドバッファにセットし、そのセットしたコマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信することなく、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットしたコマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットしたコマンドを周辺制御基板1510に送信するようにしている。これにより、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う際に、ホール管理者が意図しない不正検知によりドア開放時報知や異常入球時報知が実行されることを防止し、正規の作業の阻害を抑制することができる。
一方、変更許可状態や確認表示状態において、第1コマンドバッファにセットされるコマンドとしては、設定に関するコマンドとして、変更許可状態の開始時であることを特定する設定変更コマンドや、確認表示状態の開始時であることを特定する設定確認コマンド、変更許可状態の終了時であることを特定する設定変更完了コマンド、確認表示状態の終了時であることを特定する設定値確認表示完了コマンドなどが挙げられる。具体的には、設定変更コマンドは、変更許可状態の開始時であるタイミングtyの時点で、第1コマンドバッファにセットし、設定確認コマンドは、確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で、第1コマンドバッファにセットし、いずれのコマンドも、セットすると直ちに周辺制御基板1510に送信する。同様に、設定変更完了コマンドは、変更許可状態の終了時であるタイミングt4の時点で、第1コマンドバッファにセットし、設定値確認表示完了コマンドは、確認表示状態の終了時であるタイミングt4の時点で、第1コマンドバッファにセットし、いずれのコマンドも、セットすると直ちに周辺制御基板1510に送信する。
そして、周辺制御MPUは、タイミングtyの時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更コマンドや設定確認コマンドを受信することによって、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの期間には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行している。つまり、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行している。設定変更コマンドに対応した警戒報知としては、「設定変更中です」を繰り返す音声と、「設定変更中!」というメッセージ表示、設定値の設定変更中に対応した色でのランプ発光を実行することとしている。また、設定確認コマンドに対応した警戒報知としては、「設定確認中です」という音声と、「設定確認中!」というメッセージ表示、設定値の設定確認中に対応した色でのランプ発光(設定値の設定変更中に対応した色でのランプ発光とは異なる発光態様)を実行することとしている。このように、変更許可状態や確認表示状態においては、外部に向けて警戒報知を実行することで、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行うことが可能であることをホール管理者が直ぐに把握することができ、変更許可状態や確認表示状態において、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように監視体制を強めることができる。
上記したように、設定変更コマンドや設定確認コマンドなどの設定に関するコマンドについては、変更許可状態や確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で第1コマンドバッファにセットし、そのセットしたコマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信している。変更許可状態や確認表示状態においては、本体枠4が開放していたり各種入賞口やゲート部2003に異常入球があったとしても、変更許可状態や確認表示状態の終了後までドア開放時報知や異常入球時報知が実行されることを遅延させているため、通常の不正監視体制でない状況であるが、第2コマンドバッファにセットしたコマンドに先行して、設定変更コマンドや設定確認コマンドなどの設定に関するコマンド(警戒用の特定コマンド)を周辺制御基板1510に送信することで、変更許可状態や確認表示状態においても、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように監視体制を強めることができる。
また、周辺制御MPUは、タイミングtyの時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更コマンドや設定確認コマンドを受信した際に、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行している。変更許可状態においては、設定値の設定変更を行うことが可能な状態であり、確認表示状態と比べて、ホール管理者以外が不正に設定値の設定変更を行うことがないように特に監視体制を強くする必要があるが、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行することで、監視体制を強くする必要があるか否かをホール管理者が的確に判断することができる。
また、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)からドア開放時コマンドや異常入球時コマンドを受信した際に、ドア開放時報知や異常入球時報知を実行しているが、これらの報知では、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって所定のメッセージ内容を報知するだけでなく、スピーカから「ビービービー」などの警告音を音声に加えて出力し(「ドアが開いています、ビービービー、ドアが開いています、・・・」など)、「メッセージ+警告音」の組み合わせで実行するようにしている。これに対し、タイミングtyの時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更コマンドや設定確認コマンドを受信した際には、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行しているが、これらの報知では、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって所定のメッセージ内容を報知しているが、スピーカから出力する音については、警告音を出力せずに音声のみで実行するようにしている。これにより、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う際に、コマンドの種類に対応した警戒演出を実行したとしても、ドア開放時報知や異常入球時報知と比べて外部に向けたアピールを抑制することができ、正規の作業の阻害を抑制することができる。
[14-1.遊技情報コマンドの送信タイミングについて]
上記した実施形態では、パチンコ機1の電源投入時において、設定値の確認表示を行う場合には、ステップS28の設定値確認表示処理を行った後に、ステップS29~S36の処理を行っている。つまり、確認表示状態の終了時点(設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4の時点)で、ステップS34において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた遊技情報コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域(コマンドバッファ)にセットし、そのセットした遊技情報コマンドを周辺制御基板1510に順次送信することで、周辺制御基板1510側でも、電源を遮断する前の遊技に関する情報を把握することができる。これにより、確認表示状態の終了後には、現在の遊技状態、電源を遮断した時点で中断されている特別図柄の変動表示、電源を遮断した時点で記憶されている保留数などを周辺制御基板1510の周辺制御MPUが把握することによって、周辺制御MPUは、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による演出を復帰させ、例えば、電源を遮断した時点で中断されている装飾図柄の変動表示を再開したり、電源を遮断した時点で記憶されている保留数の表示を再開したりできるようになっている。
この点、遊技情報コマンドについては、確認表示状態の終了時点(設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4の時点)ではなく、確認表示状態の開始時点(タイミングtyの時点)で、第2コマンドバッファにセットするようにし、第2コマンドバッファに遊技情報コマンドをセットした場合には、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットした遊技情報コマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットした遊技情報コマンドを周辺制御基板1510に送信するようにしてもよい。このような遊技バックアップ情報を遊技情報コマンドとして送信する場合における遊技情報コマンドのセットタイミング及び送信タイミングについて、図104及び図105を参照して説明する。図104は、主制御側電源投入時処理の変形例を示すフローチャートである。また、図105(A)は、パチンコ機1の通常の電源投入時(RAMクリアスイッチ1310f及び設定キースイッチ1311aを操作しない場合)における遊技情報コマンドの送信タイミングを示すタイムチャートであり、図105(B)は、パチンコ機1の電源投入時に設定値の確認表示を行う場合における遊技情報コマンドの送信タイミングを示すタイムチャートである。
なお、本例では、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチ1310fを操作しておらず、遊技バックアップ情報を遊技情報コマンドとして送信する場合について説明しているが、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチ1310fを操作し、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合や設定値の設定変更を行う場合には、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることから、遊技バックアップ情報が失われることとなり、遊技バックアップ情報を遊技情報コマンドとして送信することがない。
図104に示すように、本例の主制御電源投入時処理では、ステップS26の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0でないと判定したときには、まず、ステップS29~S36の処理を行う。このステップS29~S36の処理のうち、ステップ32においては、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた遊技情報コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域(コマンドバッファ)にセットしている。そして、ステップS29~S36の処理に続いて、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS27)。ステップS27の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるとして、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定したときには、設定値確認表示処理を行う(ステップS28)。つまり、ステップS28の設定値確認表示処理を行うよりも前にステップS32の処理を行い、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた遊技情報コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域(コマンドバッファ)にセットしている。また、ステップS28の設定値確認表示処理を行った後にステップS29~S36の処理を行う場合には、ステップS29でチェックサムの算出を行う時間や、ステップS30でチェックサムの値(サム値)が主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する時間の分だけ、遊技の再開が遅延することとなるが、ステップS28の設定値確認表示処理を行うよりも前にステップS29~S36の処理を行うことで、ステップS28の設定値確認表示処理を行った後に遊技が再開されるまでの時間を短縮することができるようになる。
図105(A)に示すように、通常の電源投入時である場合、つまりタイミングt3の時点でRAMクリアスイッチ1310f及び設定キースイッチ1311aが操作されていない場合には、タイミングtyの時点から、ステップS38の主制御内蔵RAMの初期化を行うことなく変動可能状態にする。このような変動可能状態の開始時であるタイミングtyの時点で、主制御MPUは、遊技バックアップ情報を遊技情報コマンドとして主制御内蔵RAMの所定記憶領域にセットし、その遊技情報コマンドをセットすると直ちに周辺制御基板1510に送信することとなる。これにより、周辺制御MPUは、変動可能状態の開始時であるタイミングtyの時点で、電源を遮断した時点での演出(演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力)を迅速に復帰させることができる。
なお、周辺制御MPUは、タイミングtyの時点で主制御基板1310(主制御MPU)から遊技情報コマンドを受信した際に、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。つまり、変動可能状態の開始時であるタイミングtyの時点からは、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。このような演出部材は、各々が初期位置と動作位置との間で動作することが可能な部材であり、演出部材の初期動作では、演出部材が初期位置から動作位置に向けて正常に動作するかの確認や、演出部材が初期位置で待機するように正確な位置合わせなどを行うこととしている。これにより、変動可能状態の開始時であるタイミングtyの時点で、演出部材が初期位置からずれた位置にあったとしても、初期動作を行うことで、演出部材を初期位置に戻すことができ、1回の初期動作で演出部材が初期位置に戻らなかった場合には、演出部材が初期位置に戻るための制御を幾度か繰り返すことで、演出部材が初期位置からずれた位置で待機することを防止することができる。そして、演出部材の初期動作の終了後には、演出部材を用いた演出が実行されることを可能としている。例えば、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターンコマンドとして、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、図柄変動中の所定のタイミングで、演出部材を初期位置から動作位置に動作するようにしている。
図105(B)に示すように、設定値の確認表示を行う場合、つまりタイミングt3の時点で設定キースイッチ1311aがON操作されており、且つ、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていない場合には、タイミングtyの時点から、設定値の確認表示を行うことが可能な確認表示状態にする。そして、確認表示状態では、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4の時点で、確認表示状態を終了し、そのタイミングt4の時点から、ステップS38の主制御内蔵RAMの初期化を行うことなく変動可能状態にする。このような場合には、確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で、主制御MPUは、遊技バックアップ情報を遊技情報コマンドとして第2コマンドバッファにセットし、第2コマンドバッファに遊技情報コマンドをセットした場合には、そのセットした遊技情報コマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信することなく、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットした遊技情報コマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットした遊技情報コマンドを周辺制御基板1510に送信する。これにより、周辺制御MPUは、変動可能状態の開始時であるタイミングtyの時点で、電源を遮断した時点での演出(演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力)を復帰させることができる。
上記したように、遊技情報コマンドについては、確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で第2コマンドバッファにセットし、そのセットした遊技情報コマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信することなく、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットした遊技情報コマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットした遊技情報コマンドを周辺制御基板1510に送信するようにしている。これにより、設定値の確認表示を行う際に、電源を遮断した時点での演出(演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力)が復帰することを防止し、正規の作業の阻害を抑制することができる。また、確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で、既に遊技バックアップ情報を遊技情報コマンドとして第2コマンドバッファにセットしているため、タイミングtyからタイミングt4までの期間である確認表示状態においてノイズが発生して遊技バックアップ情報が破壊されたとしても、遊技情報コマンドを周辺制御基板1510に確実に送信することができる。
また、設定確認コマンドについては、確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で第1コマンドバッファにセットし、そのセットした設定確認コマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信している。そして、周辺制御MPUは、タイミングtyの時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定確認コマンドを受信した際に、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。このような演出部材は、各々が初期位置と動作位置との間で動作することが可能な部材であり、演出部材の初期動作では、演出部材が初期位置から動作位置に向けて正常に動作するかの確認や、演出部材が初期位置で待機するように正確な位置合わせなどを行うこととしている。これにより、確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で、演出部材が初期位置からずれた位置にあったとしても、初期動作を行うことで、演出部材を初期位置に戻すことができ、1回の初期動作で演出部材が初期位置に戻らなかった場合には、演出部材が初期位置に戻るための制御を幾度か繰り返すことで、演出部材が初期位置からずれた位置で待機することを防止することができる。そして、タイミングt4での確認表示状態の終了後には、演出部材を用いた演出が実行されることを可能としている。例えば、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターンコマンドとして、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、図柄変動中の所定のタイミングで、演出部材を初期位置から動作位置に動作するようにしている。
上記したように、タイミングt4での確認表示状態の終了後には、主制御基板1310から周辺制御基板1510に変動パターンコマンドを送信することが可能である一方、タイミングtyからタイミングt4までの期間である確認表示状態には、その変動パターンを送信することがない。このため、タイミングtyからタイミングt4までの期間である確認表示状態には、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されることによって演出部材が動作することがなく、演出部材の故障によって動作していないのか否かを判別することができない。この点、タイミングtyからタイミングt4までの期間である確認表示状態には、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われることで、「演出部材は正常であるが遊技に伴していない状況であること」を外部に向けて知らせることができ、演出部材の故障ではないと判別することができる。なお、本例では、タイミングtyからタイミングt4までの期間である確認表示状態において、演出部材の初期動作が行われているが、演出部材が故障ではないことを知らせるために動作が行われるものであればよく、例えば、タイミングtyからタイミングt4までの期間である確認表示状態には、初期動作とは別に演出部材の仮動作が行われるのみであって、タイミングt4での確認表示状態の終了後に、演出部材の初期動作が行われるものであってもよい。なお、演出部材の仮動作は、初期動作とは異なる動作であっても良いし、初期動作と同じ動作であっても良い。
なお、設定値の設定変更を行う場合には、変更許可状態の開始時であるタイミングtyの時点で第1コマンドバッファに設定変更コマンドをセットし、そのセットした設定変更コマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信している。そして、周辺制御MPUは、タイミングtyの時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更コマンドを受信した際に、設定確認コマンドを受信した際と同じく、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。このように、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態においても、確認表示状態と同じく、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われることで、「演出部材は正常であるが遊技に伴していない状況であること」を外部に向けて知らせることができ、演出部材の故障ではないと判別することができる。
[14-2.変更許可状態や確認表示状態の終了後における警戒報知の延長について]
上記した実施形態では、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行しているが、変更許可状態や確認表示状態の終了後にも、その警戒報知を延長して実行するようにしてもよい。このような変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合について、図106を参照して説明する。図106は、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合を示すタイムチャートである。
図106に示すように、詳細は上述したが、タイミングtyでの変更許可状態の開始時には、第1コマンドバッファに設定変更コマンドをセットし、タイミングtyでの確認表示状態の終了時には、第1コマンドバッファに設定確認コマンドをセットし、いずれのコマンドも、セットすると直ちに周辺制御基板1510に送信する。そして、周辺制御MPUは、タイミングtyの時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更コマンドや設定確認コマンドを受信することによって、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの期間には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行している。
また、タイミングt4での変更許可状態の終了時には、第1コマンドバッファに設定変更完了コマンドをセットし、タイミングt4での確認表示状態の開始時には、第1コマンドバッファに設定値確認表示完了コマンドをセットし、いずれのコマンドも、セットすると直ちに周辺制御基板1510に送信する。このとき、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更完了コマンドや設定値確認表示完了コマンドを受信することによって、タイミングt4の時点から所定時間(例えば、30秒間)が経過したタイミングt4’が到来するまでの期間には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、タイミングtyの時点から実行中の警戒報知を継続して実行している。つまり、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行しているが、変更許可状態や確認表示状態の終了後にも、タイミングt4からタイミングt4’までの期間である所定時間(例えば、30秒間)の分だけ、その警戒報知を延長して実行している。この警戒報知の延長は、警戒報知の延長終了条件を設定し、その設定した延長終了条件が満たされることで終了するものである。具体的には、警戒報知の延長期間として所定時間(例えば、30秒間)で終了する場合は、その所定時間(例えば30秒間)を特定のタイマ部に設定し、そのタイマ部が所定時間の計時を開始して時間満了になることで終了するものである。また、別例としては、警戒報知の延長期間として所定回数の音声の報知(例えば、5回のメッセージ音声のループ)で終了する場合は、その所定回数を特定のカウント部に設定し、そのカウント部が所定回数の計数を開始して回数満了になることで終了するようにしてもよい。
上記したように、変更許可状態や確認表示状態の実行時には、タイミングtyからタイミングt4までの期間だけでなく、タイミングt4の時点から所定時間(例えば、30秒間)が経過したタイミングt4’が到来するまでの期間、警戒報知を延長して実行している。例えば、変更許可状態や確認表示状態の実行時のみ警戒報知を実行する場合には、変更許可状態や確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点から短時間(例えば、1~2秒)で設定キースイッチ1311aをOFF操作すると、タイミングtyからタイミングt4までの期間である警戒報知を実行する時間が短くなることから、ホール管理者以外が短時間で不正に設定値の設定変更や設定値の確認表示を行った場合には、ホール管理者が気付かない可能性がある。特に、設定値の確認表示を行う場合については、設定値を設定変更する必要がないことから、ホール管理者以外が短時間で不正に設定値の確認表示を行うことが可能であり、ホール管理者が気付かない可能性がある。これに対し、変更許可状態や確認表示状態の終了後にも警戒報知を延長して実行する場合には、変更許可状態や確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点から短時間(例えば、1~2秒)で設定キースイッチ1311aをOFF操作したとしても、警戒報知を実行する時間として、タイミングt4からタイミングt4’までの期間が確保されることとなる。このため、ホール管理者以外が短時間で不正に設定値の設定変更や設定値の確認表示を行った場合であっても、ホール管理者が気付きやすく、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように監視体制を強めることができる。
また、詳しくは上述したが、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行している。設定変更コマンドに対応した警戒報知としては、「設定変更中です」を繰り返す音声と、「設定変更中!」というメッセージ表示、設定値の設定変更中に対応した色でのランプ発光を実行することとしている。また、設定確認コマンドに対応した警戒報知としては、「設定確認中です」という音声と、「設定確認中!」というメッセージ表示、設定値の設定確認中に対応した色でのランプ発光を実行することとしている。そして、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合には、変更許可状態や確認表示状態中における警戒報知のメッセージ内容を維持するようにしてもよいが、変更許可状態や確認表示状態とは別のメッセージ内容としてもよい。例えば、変更許可状態や確認表示状態の終了後の警戒報知では、変更許可状態や確認表示状態中におけるメッセージ内容とは別のメッセージ内容である「設定変更が完了しました」や「設定確認が完了しました」といったメッセージをループさせて出力する構成にしてもよい。これにより、上述した不正行為の対策だけでなく、正規に変更許可状態や確認表示状態が終了した場合にもホール管理者にその旨を気付き易くすることができる。また、変更許可状態や確認表示状態中における警戒報知のメッセージ内容を維持する場合には、警戒報知の延長時との切り換わりタイミングであるt4にて一時的な報知の分断が起きないようにしてもよい。例えば、変更許可状態や確認表示状態にてコマンドの種類に対応して実行される警戒報知のうちの少なくともスピーカから出力される音声については、その音声が中途で終了しないように完結するまで継続出力するように制御し、延長される警戒報知における音声については、継続出力された警戒報知の音声の完了後に、音声の先頭から改めて実行するようにすることが例示できる。
また、警戒報知については、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって所定のメッセージ内容を報知しているが、スピーカから出力する音については、ドア開放時報知や異常入球時報知として出力される「ビービービー」などの警告音については出力しておらず、音声のみで実行するようにしている。また、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な変動不能状態であるのに対し、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態の終了後には、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な変動可能状態となり、例えば、主制御基板1310から周辺制御基板1510に変動パターンコマンドが送信されることによって、各種の演出音がスピーカから出力されることとなる。この点、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合であっても、警告報知としてスピーカから警告音の出力がないことで、音声を出力するために有限に設けられたチャンネルに余裕をもたせることができ、各種の演出音を出力するために有限に設けられたチャンネルに対する割り当てを行う際に、その有限に設けられたチャンネルに空き(未使用チャンネル)がない状況を極力回避することができる。
また、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)からドア開放時コマンドや異常入球時コマンドを受信しているが、タイミングt4の時点でドア開放時報知や異常入球時報知を実行することなく、延長して実行した警戒報知の終了時であるタイミングt4’の時点からドア開放時報知や異常入球時報知を実行している。つまり、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合には、ドア開放時報知や異常入球時報知よりも優先して、延長した警告報知を実行している。これにより、ホール管理者以外が短時間で不正に設定値の設定変更や設定値の確認表示を行った場合であっても、延長した警告報知を優先して実行することで、ホール管理者が気付きやすく、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように監視体制を強めることができる。なお、重度の不正が疑われる報知(例えば、異常入球時報知)については、延長して実行した警戒報知の終了時であるタイミングt4’の時点ではなく、延長した警告報知の実行中ではあるが、タイミングt4の時点で実行するようにしてもよい。
また、ドア開放時報知や異常入球時報知については、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって所定のメッセージ内容を報知するだけでなく、スピーカから「ビービービー」などの警告音を出力し、「メッセージ+警告音」の組み合わせで実行するようにしている。このドア開放時報知や異常入球時報知については、ドア開放時報知や異常入球時報知の実行中に継続して出力するものであるが、所定時間(例えば、10秒間)だけ出力する構成としてもよい。しかしながら、本例では、延長して実行した警戒報知の終了時であるタイミングt4’の時点からドア開放時報知や異常入球時報知を実行しているため、例えば、警戒報知の延長時間(タイミングt4からタイミングt4’までの期間)のほうがドア開放時報知や異常入球時報知の出力時間(例えば、10秒間)よりも長い、あるいは同じとされる場合には、そのドア開放時報知や異常入球時報知が出力されないようになってしまう。この報知頻度の低下による問題を鑑みて、警戒報知の延長時間(タイミングt4からタイミングt4’までの期間)のほうが警告音の出力時間(例えば、10秒間)よりも長い、あるいは同じとされる場合には、ドア開放時報知や異常入球時報知の出力時間のうち警戒報知の延長時間後の残り時間だけ、そのドア開放時報知や異常入球時報知を出力するように構成してもよい。また、警戒報知の延長時間後に新たにドア開放時報知や異常入球時報知を開始するように構成してもよい。
また、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合、延長して実行した警戒報知の終了時であるタイミングt4’の時点からドア開放時報知を実行しているが、本体枠4を閉鎖したタイミングt5がタイミングt4’よりも前に到来したときには、ドア開放時報知を実行しないようにしている。つまり、延長した警戒報知の実行中に本体枠4を閉鎖した場合には、ドア開放時報知を実行しないようにしている。ただし、延長した警戒報知の実行中に本体枠4を閉鎖し、タイミングt4’よりも前に再び本体枠4を開放した場合には、その延長した警告報知を終了して、ドア開放時報知を実行している。これは、通常であれば、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行った後には、本体枠4を閉鎖するのみであって、再び本体枠4を開放することがないが、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行った直後に再び本体枠4を開放するという不可解な状況が生じた場合には、「メッセージ+警告音」の組み合わせからなるドア開放時報知を警戒報知に優先して実行することで、不正等の疑いがある不可解な状況が生じて本体枠4が開放していることにホール管理者が気付きやすく、本体枠4が開放している状況が継続することがないように監視体制を強めることができる。
また、詳しくは上述したが、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、磁気センサ3003や振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行していないのに対し、変更許可状態や確認表示状態の終了後には、磁気センサ3003や振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行している(ただし、振動センサ3005を用いての不正行為の監視については、大当り遊技中のみ)。そして、磁石や振動による不正行為が行われていると判断した場合には、外部報知として演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による不正報知を実行している。このとき、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合であっても、その延長した警戒報知よりも優先して、不正報知を実行している。このように、磁石や振動のように重度の不正が疑われる不正報知については、延長した警戒報知よりも優先することで、ホール管理者が気付きやすく、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように監視体制を強めることができる。
また、警戒報知では、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって所定のメッセージ内容を報知しているが、例えば、ランプ、スピーカからの出力によって所定のメッセージ内容を報知し、演出表示装置1600の画像については出力しない構成としてもよい。このように複数の報知部材(演出表示装置1600、ランプ、スピーカ)のうちの一部を用いて警戒報知を行う構成において、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合には、延長中の警戒報知として演出表示装置1600の画像から出力していないが、磁石や振動による不正行為が行われていると判断した場合には、延長中の警戒報知として出力していない演出表示装置1600の画像のみによって(複数の報知部材のうちの使用していない報知部材のみを用いた報知によって)、不正報知を実行するようにしてもよい。これにより、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合において、その延長した警戒報知を中止することなく、不正が疑われる不正報知をホール管理者に気付かせることができる。なお、ドア開放時報知や異常入賞時報知についても同様に、延長中の警戒報知として出力していない演出表示装置1600の画像のみによって(複数の報知部材のうちの使用していない報知部材のみを用いた報知によって)、そのドア開放時報知や異常入賞時報知を実行するようにしてもよい。
また、本例では、変更許可状態や確認表示状態の終了後のいずれであっても、警戒報知を延長して実行しているが、確認表示状態の終了後のみ、警戒報知を延長して実行する構成としてもよい。例えば、設定値の設定変更を行う場合には、変更許可状態の終了後に主制御内蔵RAMの初期化を行う(ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアする)こととなるが、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更完了コマンドを受信することによって、タイミングt4の時点から所定時間(例えば、30秒間)が経過したタイミングt4’が到来するまでの期間には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、警戒報知の延長ではなく、RAMクリアがあったことを通知するRAMクリア報知を実行する構成としてもよい。これにより、変更許可状態の終了後においては、RAMクリアがあったことをホール管理者が把握することができる。
[14-3.変更許可状態や確認表示状態の終了後に演出部材の初期動作が行われる場合について]
上記した実施形態では、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われているが、変更許可状態や確認表示状態の終了後において、その演出部材の初期動作が行われるようにしてもよい。このような変更許可状態や確認表示状態の終了後に演出部材の初期動作が行われる場合について、図107を参照して説明する。図107は、変更許可状態や確認表示状態の終了後に演出部材の初期動作が行われる場合を示すタイムチャートである。
図107に示すように、タイミングt4での変更許可状態の終了時には、第1コマンドバッファに設定変更完了コマンドをセットし、タイミングt4での確認表示状態の終了時には、第1コマンドバッファに設定値確認表示完了コマンドをセットし、いずれのコマンドも、セットすると直ちに周辺制御基板1510に送信する。このとき、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更完了コマンドや設定値確認表示完了コマンドを受信することによって、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作を開始している。つまり、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、演出部材の初期動作を行うことなく、タイミングt4での変更許可状態や確認表示状態の終了後において、演出部材の初期動作を行うようにしている。
上記した演出部材には、各々が初期位置と動作位置との間で動作することが可能な部材として、演出操作部160や複数の回転装飾体3210が含まれる。このような演出部材の初期動作では、演出部材が初期位置で待機するように正確な位置合わせを行う復帰処理と、演出部材が初期位置から動作位置に向けて正常に動作するかの確認を行う確認処理と、を順に実行している。例えば、パチンコ機1の電源を遮断した時点で演出部材が動作中である場合には、演出部材が初期位置からずれた位置で停止してしまい、その後に電源投入した時点でも、演出部材が初期位置からずれた位置にある。この点、パチンコ機1の電源を投入した後、変更許可状態や確認表示状態の終了時であるタイミングt4の時点で、演出部材が初期位置からずれた位置にあったとしても、復帰処理を行うことで、演出部材を初期位置に戻すことができ、1回の復帰処理で演出部材が初期位置に戻らなかった場合には、演出部材が初期位置に戻るための復帰処理を幾度か繰り返すことで、演出部材が初期位置からずれた位置で待機することを防止することができる。また、確認処理では、演出部材が初期位置から動作位置へ動作した後、動作位置から再び初期位置へ戻るように動作することで、演出部材が正常に動作するかを確認することができる。なお、復帰処理を幾度か繰り返したとしても演出部材が初期位置に戻らなかった場合や、確認処理にて演出部材が動作位置や初期位置に正常に動作しなかった場合には、演出部材に異常が発生していることを外部報知するようになっている。そして、演出部材の初期動作の終了後には、演出部材を用いた演出が実行されることを可能としている。例えば、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターンコマンドとして、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、図柄変動中の所定のタイミングで、演出部材を初期位置から動作位置に動作するようにしている。
また、演出部材には、光の照射により第一絵柄や第二絵柄を発光装飾することが可能な導光板3110が含まれる。このような導光板3110の初期動作では、導光板3110が正常に発光装飾されるかの確認を行う確認処理を実行している。つまり、確認処理では、導光板3110に第一絵柄を発光装飾するように光を照射する処理と、導光板3110に第二絵柄を発光装飾するように光を照射する処理とを幾度か繰り返すことで、導光板3110が正常に発光装飾されるかを確認することができる。なお、演出操作部160や複数の回転装飾体3210の初期動作と、導光板3110の初期動作とは、変更許可状態や確認表示状態の終了時であるタイミングt4の時点から並行して実行するようにしている。そして、導光板3110の初期動作の終了後には、導光板3110を用いた演出が実行されることを可能としている。例えば、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターンコマンドとして、図柄変動中に導光板3110を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、図柄変動中の所定のタイミングで、導光板3110に第一絵柄や第二絵柄を発光装飾するようにしている。
上記したように、本例では、パチンコ機1の電源を投入した後、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、演出部材の初期動作を行うことなく、設定値の設定変更や設定値の確認表示のみを行い、タイミングt4での変更許可状態や確認表示状態の終了後において、演出部材の初期動作を行うようにしている。例えば、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態において、演出部材の初期動作を行った場合には、工場で確認作業する際に、設定値の設定変更や設定値の確認表示が正常に機能するかの確認を行うのと同時に、演出部材の初期動作によって演出部材が正常に動作するかの確認を行う必要があり、工場で確認作業する者にとって確認に困難を伴う。しかしながら、タイミングt4での変更許可状態や確認表示状態の終了後において、演出部材の初期動作を行うことで、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、設定値の設定変更や設定値の確認表示のみを行い、タイミングt4での変更許可状態や確認表示状態の終了後には、演出部材の初期動作によって演出部材が正常に動作するかの確認のみを行うことができ、工場で確認作業する者にとって同時に確認する必要がないことから、確認の確実性を増すことができる。
なお、上記では、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更完了コマンドや設定値確認表示完了コマンドを受信した際に、演出部材の初期動作を行うようにしているが、設定変更完了コマンドや設定値確認表示完了コマンドとは別に、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)から演出部材の初期動作を行うための初期動作コマンドを受信した際に、演出部材の初期動作を行うようにしてもよい。このような初期動作コマンドについては、変更許可状態や確認表示状態の終了時であるタイミングt4の時点で第1コマンドバッファにセットし、その初期動作コマンドをセットすると直ちに周辺制御基板1510に送信するものとする。これに対し、初期動作コマンドについては、変更許可状態や確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で第2コマンドバッファにセットし、そのセットした初期動作コマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信することなく、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットした初期動作コマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットした初期動作コマンドを周辺制御基板1510に送信するようにしてもよい。このような場合には、変更許可状態や確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で初期動作コマンドをセットしながらも、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、演出部材の初期動作を遅延させ、変更許可状態や確認表示状態の終了後において、演出部材の初期動作を行うことができる。
また、変更許可状態や確認表示状態の実行時には、タイミングtyからタイミングt4までの期間だけでなく、タイミングt4の時点から所定時間(例えば、30秒間)が経過したタイミングt4’が到来するまでの期間、警戒報知を延長して実行する場合には、演出部材の初期動作が行われる時間よりも時間が長くなるように警戒報知の延長時間を設定している。つまり、変更許可状態や確認表示状態の終了後に延長して実行した警戒報知を終了するよりも前に、変更許可状態や確認表示状態の終了後に行われる演出部材の初期動作を終了することとしている。上記したように、変更許可状態や確認表示状態の終了後には、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な変動可能状態に移行し、遊技者が遊技を行うことが可能になるものの、警戒報知を延長して実行している期間には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による報知を実行しており、外部の警戒を高めた状態としている。このため、警戒報知を延長して実行している期間については、遊技者に対して遊技開始を躊躇させて、実質的に、遊技者が遊技を開始しようとする期間となっていない。この点、警戒報知を延長して実行している期間中に演出部材の初期動作を終了させることで、その延長して実行した警戒報知を終了し、遊技者が遊技を開始しようとした時点で、既に演出部材の初期動作を終了している。このため、変更許可状態や確認表示状態の終了後に延長して実行した警戒報知の終了後には、演出部材の初期動作に影響されることなく、演出部材を用いた演出を実行することが可能となり、その演出内容から得られる情報を逃さないようにすることができる。なお、警戒報知を延長して実行している期間には、遊技者が遊技開始しないことを促進するために、延長して実行する警戒報知の内容を「遊技開始は、もう少し待ってください」等の遊技待機を促すような特殊なメッセージを含む態様で実行するようにしてもよい。
なお、変更許可状態や確認表示状態の終了後に演出部材の初期動作を行う際に、復帰処理を幾度か繰り返したとしても演出部材が初期位置に戻らなかった場合や、確認処理にて演出部材が動作位置や初期位置に正常に動作しなかった場合には、演出部材に異常が発生していることを外部報知するように、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による役物異常報知を実行している。このとき、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合であっても、その延長した警戒報知よりも優先して、役物異常報知を実行している。このように、役物異常報知については、延長した警戒報知よりも優先することで、ホール管理者が気付きやすく、演出部材が正常に動作するかの確認を容易に行うことができる。
また、警戒報知では、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって所定のメッセージ内容を報知しているが、例えば、ランプ、スピーカからの出力によって所定のメッセージ内容を報知し、演出表示装置1600の画像については出力しない構成としてもよい。このように複数の報知部材(演出表示装置1600、ランプ、スピーカ)のうちの一部を用いて警戒報知を行う構成において、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合には、延長中の警戒報知として演出表示装置1600の画像から出力していないが、演出部材に異常が発生していると判断した場合には、延長中の警戒報知として出力していない演出表示装置1600の画像のみによって(複数の報知部材のうちの使用していない報知部材のみを用いた報知によって)、役物異常報知を実行するようにしてもよい。これにより、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合において、その延長した警戒報知を中止することなく、役物異常報知にホール管理者に気付かせることができる。
また、本例では、変更許可状態や確認表示状態の終了後に演出部材の初期動作として、演出部材が初期位置で待機するように正確な位置合わせを行う復帰処理と、演出部材が初期位置から動作位置に向けて正常に動作するかの確認を行う確認処理と、を順に実行しているが、復帰処理については、変更許可状態や確認表示状態にて先行して実行するようにしてもよい。つまり、タイミングtyでの変更許可状態や確認表示状態の開始時から、演出部材の初期動作のうち復帰処理のみを実行し、タイミングt4での変更許可状態や確認表示状態の終了後において、演出部材の初期動作のうち確認処理を実行するようにしてもよい。ここで、復帰処理については、1回の復帰処理で演出部材が初期位置に戻らなかった場合には、演出部材が初期位置に戻るための復帰処理を幾度か繰り返すことから、長い時間が必要となる場合がある。この点、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態において、復帰処理を先行して実行することで、復帰処理に長い時間が必要となった場合であっても、変更許可状態や確認表示状態の終了後に演出部材の初期動作としての確認処理が完了するまでの時間に影響を与えることがない。このため、変更許可状態や確認表示状態の終了後には、比較的早く演出部材の初期動作を完了させ、その後に変動パターンに基づく演出部材を用いた演出を実行することができる。
また、本例では、タイミングtyの時点で、変更許可状態や確認表示状態のいずれに移行する場合にも、タイミングt4での変更許可状態や確認表示状態の終了後において、演出部材の初期動作を行うようにしているが、確認表示状態に移行する場合には、その確認表示状態において、演出部材の初期動作を先行して行うようにしてもよい。つまり、変更許可状態に移行する場合には、タイミングt4での変更許可状態や確認表示状態の終了後において、演出部材の初期動作を行うのに対し、確認表示状態に移行する場合には、タイミングtyでの確認表示状態の開始時から、演出部材の初期動作を行うようにしてもよい。ここで、確認表示状態では、変更許可状態のように設定値の設定変更を行うことがなく、設定値の設定確認を行うのみであることから、比較的短時間で確認表示状態を終了させることが可能である。この点、確認表示状態に移行する場合には、その確認表示状態において、演出部材の初期動作を先行して行うことで、確認表示状態が終了するまでの間に、演出部材の初期動作を完了させることができる。このため、確認表示状態の終了後には、変動パターンに基づく演出部材を用いた演出を実行することができ、確認表示状態を比較的短時間で終了させながらも、演出部材の初期動作が完了していないことで遊技者が遊技を開始しにくいといった状況を防止することができる。
[14-4.不正監視の変形例について]
上記した実施形態では、磁石による不正行為を検知する磁気センサ3003として、磁気の発生した箇所(遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺であるのか、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方であるのか)を特定することが可能な1つの磁気センサが設けられているが、複数の磁気センサを設けるようにし、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方や、遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺において、それぞれの磁気センサが磁気の発生を検知可能としてもよい。そして、変更許可状態や確認表示状態においては、複数の磁気センサのうち一部の磁気センサ(例えば、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺に設けられた磁気センサ)のみ用いての不正行為の監視を実行するようにしてもよい。このような設定値の設定変更中や設定値の確認表示中における不正行為の監視の変形例について、図108を参照して説明する。図108は、設定値の設定変更中や設定値の確認表示中における不正行為の監視状態の変形例を示すタイムチャートである。
本例では、磁石による不正行為を検知する磁気センサ3003として、遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺における磁気の発生を検知することが可能な設定操作部磁気センサ3003aと、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方における磁気の発生を検知することが可能な遊技領域部磁気センサ3003bと、が設けられている。そして、通常時には、設定操作部磁気センサ3003aを用いてパチンコ機1の裏面側の所定領域に対する不正行為を監視している。つまり、通常時には、設定操作部磁気センサ3003aによって、パチンコ機1の裏面側における設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して、本来発生するはずのない磁気(不正なアクセスによる磁気)が発生したか(磁石が近づいたか)を監視し、設定値の設定変更や確認表示を行う者以外がその設定変更や確認表示しようとするなどの不正行為を監視している。磁石を用いたパチンコ機1の裏面側に対する不正行為としては、例えば、パチンコ機1が設置される島設備内(パチンコ機1の裏面側が露呈される空間内)に金属製の不正器具と、その金属製の不正器具を間接的に操作する磁石とを仕込んでおき、パチンコ機1と島設備内との僅かな隙間やパチンコ機1の一部を破壊した開口を通じて磁石および金属製の不正器具を操作し、パチンコ機1の裏面側における設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aに不正にアクセスする行為が考えられる。なお、ステップS112の不正行為検出処理において、設定操作部磁気センサ3003aからの検出信号が入力されたときには、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して磁石を用いた不正行為が行われていると判断している。
同様に、通常時には、遊技領域部磁気センサ3003bを用いてパチンコ機1の表面側の所定領域に対する不正行為を監視している。つまり、通常時には、遊技領域部磁気センサ3003bによって、遊技領域5aの前方の領域に対して、本来発生するはずのない磁気(不正なアクセスによる磁気)が発生したか(磁石が近づいたか)を監視し、遊技領域5aを流下する遊技球Bの進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させるなどの不正行為を監視している。なお、ステップS112の不正行為検出処理において、遊技領域部磁気センサ3003bからの検出信号が入力されたときには、遊技領域5aの前方の領域に対して磁石を用いた不正行為が行われていると判断している。
なお、本例では、磁石による不正行為を検知する磁気センサ3003として、設定操作部磁気センサ3003aと、遊技領域部磁気センサ3003bと、の2つの磁気センサが設けられているが、これら2つの磁気センサ3003a、3003bは同一の性能を有するものでもよい。すなわち、この2つの磁気センサ3003a、3003bは、図示は省略するが、矩形箱状のセンサ体で構成されており、一方側の側面に対して垂直方向に感度が強い指向性を有する第1の磁気検出領域内での磁気検出と、その反対側である他方側の側面に対して垂直方向に感度が強い指向性を有する第2の磁気検出領域内での磁気検出とを行うことができるようになっている。なお、「垂直方向に感度が強い」とは、各側面に対して水平方向と比べて垂直方向に感度が強いという意味であって、水平方向に感度が全くないという意味ではない。換言すると、各側面から発せられる磁気検出領域は、それぞれ球体状に囲まれた広域な領域となっている。そして、遊技領域部磁気センサ3003bは、こうしたセンサ体の側面から発する第1の磁気検出領域と第2の磁気検出領域とがパチンコ機1の正面視で左右方向あるいは上下方向に広がるように配置され、パチンコ機1の表面側の広範(例えば第一始動口2002、第二始動口2004、普通入賞口2003、大入賞口2005などの入賞口や、その他球流路の主要部位などのうちの複数箇所)を監視できるようにしている。一方で、設定操作部磁気センサ3003aは、上述のセンサ体の側面から発する第1の磁気検出領域と第2の磁気検出領域とがパチンコ機1の正面視で前後方向に広がるように、且つ、一方の磁気検出領域がパチンコ機1の裏面側を包含するように配置され、パチンコ機1の裏面側における設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域を監視できるようにしている。
図108に示すように、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、設定操作部磁気センサ3003aを用いてパチンコ機1の裏面側の所定領域に対する不正行為の監視を実行しないのに対し、遊技領域部磁気センサ3003bを用いてパチンコ機1の表面側の所定領域に対する不正行為の監視を実行するようにしている。これは、変更許可状態や確認表示状態において、パチンコ機1の裏面側に対しては、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aを操作しており、そのような正規の作業者以外が、磁石を用いた不正行為を行う余地がないのに対し、パチンコ機1の表面側に対しては、正規の作業者から視認しえない位置となり、そのような正規の作業者以外が、磁石を用いた不正行為を行う可能性があるためである。また、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う正規の作業者が磁気を発生しうるものを有している場合には、遊技領域部磁気センサ3003bが磁気の発生を検出する可能性が低いのに対し、設定操作部磁気センサ3003aが磁気の発生を検出する可能性が高くなっているが、磁石を用いた不正行為として設定操作部磁気センサ3003aが磁気の発生を検出することを防止し、正規の設定変更や確認表示作業の阻害を抑制することができる。
また、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行しないようにしている。これは、変更許可状態や確認表示状態において、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aを操作している場合には、設定キースイッチ1311aがパチンコ機1の裏面側に設けられているものの、パチンコ機1の表面側に設けられた振動センサ3005に対して振動が伝わる可能性があるためである。つまり、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う正規の作業者が振動を加えてしまったとしても、振動による不正行為として振動センサ3005が振動の発生を検出することを防止し、正規の設定変更や確認表示作業の阻害を抑制することができる。なお、本例では、通常時のうち大当り遊技中のみ、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行しているが、磁石による不正行為を検知する磁気センサ3003と同様に、大当り遊技中だけでなく変動可能状態においても、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行するようにしてもよい。そして、変動可能状態や大当り遊技中において、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行する場合であっても、変動可能状態に移行するよりも前の変更許可状態や確認表示状態には、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行しないようにしている。つまり、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、遊技領域部磁気センサ3003bを用いての磁気に関する不正行為の監視を実行しているのに対し、振動センサ3005を用いての振動に関する不正行為の監視を実行しないようにしている。
なお、本例では、設定操作部磁気センサ3003aと、遊技領域部磁気センサ3003bと、の2つの磁気センサが設けられているが、遊技領域部磁気センサ3003bのみ設けるようにし、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方における磁気の発生のみ検知可能としてもよい。このような構成では、上記した2つの磁気センサである構成と同様に、通常時だけでなく変更許可状態や確認表示状態においても、遊技領域部磁気センサ3003bを用いてパチンコ機1の表面側の所定領域に対する不正行為を監視している。また、遊技領域部磁気センサ3003bとして、1つの磁気センサではなく複数の磁気センサを設けるようにし、その複数の磁気センサによって、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方における全体の領域を監視するようにしてもよい。例えば、パチンコ機1の表面側における第一始動口2002、第二始動口2004、普通入賞口2003、大入賞口2005などの入賞口や、その他球流路の主要部位などのうちの複数箇所に対して、複数の磁気センサのうちのそれぞれの磁気センサが対応するように磁気の発生を検知可能とし、不正行為を監視している。このような構成では、通常時だけでなく変更許可状態や確認表示状態においても、遊技領域部磁気センサ3003bとしての複数の磁気センサの全てを用いて、パチンコ機1の表面側の全体の領域に対する不正行為を監視している。ただし、変更許可状態や確認表示状態においては、遊技領域部磁気センサ3003bとしての複数の磁気センサのうちの一部の磁気センサのみ用いて、パチンコ機1の表面側のうちの重要な領域(例えば、第一始動口2002、第二始動口2004、普通入賞口2003、大入賞口2005などの入賞口の部位)に対する不正行為のみ監視するようにしてもよい。
また、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態において、遊技領域部磁気センサ3003bが磁気の発生を検知した場合には、パチンコ機1の表面側の所定領域に対して不正行為が行われていると判断している。また、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態において、遊技領域部磁気センサ3003bが磁気の発生を検知した場合には、その時点で、遊技領域部磁気センサ3003bが磁気の発生を検知したことを特定する磁気発生時コマンドを第2コマンドバッファにセットし、第2コマンドバッファに磁気発生時コマンドをセットした場合には、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットした磁気発生時コマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットした磁気発生時コマンドを周辺制御基板1510に送信する。また、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)から磁気発生時コマンドを受信することによって、タイミングt4から所定期間にわたって、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、パチンコ機1の表面側の所定領域に対して磁気の発生を検知したことを通知する磁気発生時報知を実行している。この磁気発生時報知としては、「磁気検出異常」を繰り返す音声と、「磁気検出異常あり!」というメッセージ表示、通常時よりも高い輝度でのランプ発光を実行することとしている。このように、変更許可状態や確認表示状態においては、パチンコ機1の表面側の所定領域に対して磁気の発生を検知したか否かを監視し、変更許可状態や確認表示状態の終了後には、外部に向けて磁気検出時報知を実行することで、本体枠4が開放していることや、パチンコ機1の表面側の所定領域に対して磁気の発生を検知したことをホール管理者が把握することができる。なお、変更許可状態や確認表示状態の終了後においては、上記したドア開放時報知や異常入球時報知を同時に実行することも可能であるが、遊技領域部磁気センサ3003bが磁気の発生を検知した場合には、重度の不正が疑われるとして、磁気発生時報知を優先して実行するようにしてもよい。
上記したように、磁気発生時コマンドなどの不正監視に関するコマンドについては、上記したドア開放時コマンドや異常入賞時コマンドと同様に、変更許可状態や確認表示状態において第2コマンドバッファにセットし、そのセットしたコマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信することなく、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットしたコマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットしたコマンドを周辺制御基板1510に送信するようにしている。これにより、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う際に、磁石を用いた不正行為として設定操作部磁気センサ3003aが磁気の発生を検出したとしても、磁気発生時報知が実行されることを防止し、正規の作業の阻害を抑制することができる。
なお、上記では、変更許可状態や確認表示状態において遊技領域部磁気センサ3003bが磁気の発生を検知した場合に、その時点で磁気発生時報知を実行することなく、変更許可状態や確認表示状態の終了後に磁気発生時報知を実行するようにしているが、正規の作業の阻害にならない程度の報知であれば、変更許可状態や確認表示状態の期間中に先行して実行するようにしてもよい。例えば、変更許可状態や確認表示状態において遊技領域部磁気センサ3003bが磁気の発生を検知した場合には、スピーカからの大音量での出力による報知を抑制するなど、周辺制御基板1510(周辺制御MPU)側で演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による報知を遅延させるのに対し、スピーカから出力はしないが払出制御基板633上に設けられた7セグにエラー表示のみ行うなど、主制御基板1310(主制御MPU)側で簡易的な報知については遅延させることなく先行して実行することが例示できる。
また、本例では、変更許可状態や確認表示状態において、遊技領域部磁気センサ3003bを用いてパチンコ機1の表面側の所定領域に対する不正行為の監視を実行しているが、確認表示状態のみ、遊技領域部磁気センサ3003bを用いてパチンコ機1の表面側の所定領域に対する不正行為の監視を実行するようにしてもよい。つまり、確認表示状態においては、短期作業により設定値の確認表示を行うことが可能であるため、正規の作業者を起因として遊技領域部磁気センサ3003bが磁気の発生を検出する可能性が低く、遊技領域部磁気センサ3003bを用いてパチンコ機1の表面側の所定領域に対する不正行為の監視を強化するのに対し、変更許可状態においては、長期作業により設定値の設定変更を行うこととなるため、正規の作業者を起因として遊技領域部磁気センサ3003bが磁気の発生を検出する可能性が高く、正規の作業者の作業性を重視して、遊技領域部磁気センサ3003bを用いてパチンコ機1の表面側の所定領域に対する不正行為の監視を実行しないようにしてもよい。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機(パロット機)に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
1 パチンコ機
3 扉枠
4 本体枠
5 遊技盤
5a 遊技領域
100 扉枠下部ユニット
120 膨出部
123 装置配置部
130 上皿(貯留皿)
131 貯留領域
131a フロント領域
131b サイド領域
132 底壁
133 後周壁(周壁)
134 前周壁
135 供給口
136 送出口
137 整列部
138 貯留発光装飾部(発光装飾部)
138a LED
150 扉枠演出装置(演出装置)
1000 前構成部材
1100 遊技パネル
1110 パネル板
1120 パネルホルダ
1300 主制御ユニット
1310 主制御基板
1500 周辺制御ユニット
1510 周辺制御基板(演出制御手段)
1511 周辺制御部(演出制御手段)
1512 演出表示制御部(演出制御手段)
1600 演出表示装置(演出表示手段)
3000 裏ユニット
3200 裏第二演出ユニット(前装飾体)
3210 回転装飾体(前装飾体)
3228 裏第二外側装飾体(前装飾体)
3229 裏第二内側装飾体(前装飾体)
3230 裏第二内周装飾体(前装飾体)
3300 裏第三演出ユニット
3310 上部ユニット
3311 上縦リング装飾体(可動装飾体)
3312 第一装飾体
3313 第二装飾体
3320 裏第三上駆動モータ(駆動モータ)
3330 下部ユニット
3331 下縦リング装飾体(可動装飾体)
3332 第一装飾体
3333 第二装飾体
3340 裏第三下駆動モータ(駆動モータ)
3350 左部ユニット
3351 左横リング装飾体(可動装飾体)
3352 第一装飾体
3353 第二装飾体
3360 裏第三左駆動モータ(駆動モータ)
3370 右部ユニット
3371 右横リング装飾体(可動装飾体)
3372 第一装飾体
3373 第二装飾体
3380 裏第三右駆動モータ(駆動モータ)

Claims (1)

  1. 遊技球が流下可能な遊技領域が形成された遊技盤を備え、前記遊技領域を流下した遊技球が所定の始動口に入球することに基づいて抽選を行い、該抽選の結果に基づいて図柄の変動表示を行い、該図柄の変動表示の結果として当り結果が導出された場合に所定の当り遊技を実行可能であり、前記始動口を含めた所定の入賞口に遊技球が入賞することで所定数の賞球を遊技者に払い出すことが可能な遊技機において、
    当該遊技機の電源投入に際して管理者による第1の操作が行われた場合に、前記当り結果が導出される確率に関する設定値を決定可能な設定決定モードを発生させる設定決定モード発生手段と、
    当該遊技機の電源投入に際して管理者による第2の操作が行われた場合に、前記設定値を確認可能な設定確認モードを発生させる設定確認モード発生手段と、
    特定の異常を判定する特定異常判定手段と、
    前記特定の異常に対応する特定異常報知を行う特定異常報知手段と、を備え、
    前記設定決定モードと前記設定確認モードは、いずれも管理者による終了操作が行われることで終了するものとし、該終了後に通常の遊技モードに移行可能であり、
    前記通常の遊技モード中に限らず、前記設定決定モード中と前記設定確認モード中においても、前記特定異常判定手段による判定が可能であり、
    前記特定異常報知は、複数の報知部を用いて実行可能であり、
    前記複数の報知部には、前記賞球の払い出しを制御する払出制御基板に設けられる払出表示部と、遊技中の演出進行に応じて発光可能な発光部とが含まれ、
    前記通常の遊技モード中に行う前記特定異常報知は、前記払出表示部と前記発光部の両方で実行されるが、前記設定決定モード中と前記設定確認モード中に行う前記特定異常報知は、前記発光部では実行されずに前記払出表示部で実行されるものであり、
    さらに、前記設定確認モード発生手段は、遊技進行に関する処理を実行可能な割込処理が実行される前に前記設定確認モードを発生させるものであり、
    前記割込処理は、前記設定確認モードの終了後に実行可能であり、
    前記設定確認モードが終了して前記割込処理が実行された後には、少なくとも電源が再投入されるまで前記設定値の再確認が不能とされる
    ことを特徴とする遊技機。
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Title
9 設定を搭載したぱちんこ遊技機の電源投入時動作(案),日本遊技機工業組合提供資料(「確率設定」に関する技術資料) ,日本,日本遊技機工業組合,2017年10月05日

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