JP7005608B2 - コンピュータ支援遠隔操作手術システムおよび方法 - Google Patents

コンピュータ支援遠隔操作手術システムおよび方法 Download PDF

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Description

(著作権表示)
この特許文献の開示の一部は、著作権保護の対象となる内容を含む。著作権の所有者は、特許商標庁の包袋又は記録に現れるように、本特許文献又は特許開示が何れかの者によりファクシミリ複製されることに異存はないが、そうでなければ、どのようなものであれ、全ての著作権を留保する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により本出願に組み込まれる米国仮特許出願第62/404,069号(2016年10月4日出願)の優先権の利益を主張する。
(連邦政府支援の研究または開発に関する記述)
適用なし。
本出願は、コンピュータ支援遠隔操作手術システムおよび方法に関する。
遠隔操作手術システム(ロボット技術の使用のためにしばしば「ロボット」手術システムと呼ばれる)および他のコンピュータ支援装置は、手術作業部位でタスクを実行するための診断または治療ツールを操作するための1つまたは複数のツールマニピュレータと、手術作業部位の画像を取り込む画像取込ツールを支持するための少なくとも1つのマニピュレータとをしばしば含む。マニピュレータアームは、1つまたは複数の能動的に制御されるジョイントによって互いに結合された複数のリンクを含む。多くの実施形態では、複数の能動的に制御されるジョイントが設けられることがある。ロボットアームはまた、能動的に制御されていないが能動的に制御されているジョイントの動きに従う1つまたは複数の受動的なジョイントを含むことがある。そのような能動的および受動的なジョイントは、回転ジョイントおよび直動ジョイントを含む様々な種類であり得る。マニピュレータアームの運動学的姿勢は、ジョイントの位置、ならびにリンクの構造および結合に関する知識、ならびに既知の運動学的計算の適用によって決定され得る。
外科医が器用さを増し、外科医が離れた場所から患者を手術することを可能にするために、手術に使用するための低侵襲遠隔手術システムが開発されている。遠隔手術は、外科医が、手術ツールを直接手で持って動かすのではなく、何らかの形態の遠隔制御、例えばサーボ機構などを用いて手術ツールの動きを操作する手術システムの総称である。このような遠隔手術システムでは、外科医は遠隔位置の手術部位の画像を提供される。典型的には、適切なビューアまたはディスプレイ上で深さの錯覚をもたらす手術部位の立体画像を見ながら、外科医は、対応する遠隔操作ツールの動きを制御するマスタ制御入力装置を操作することによって患者に手術処置を施す。遠隔操作手術ツールは、患者の体内の手術部位で組織を治療するために小さい低侵襲手術用開口部または自然の開口部を通って挿入されることができ、しばしば観血手術技術によって手術作業部位にアクセスすることに一般的に関連する外傷を回避する。これらのコンピュータ支援遠隔操作システムは、手術ツールの作業端(エンドエフェクタ)を十分に器用に動かして、しばしば低侵襲開口部においてツールのシャフトを旋回させること、開口部を通るシャフトの軸方向のスライド、開口部内でのシャフトの回転などによって、極めて複雑な手術を行うことができる。
以下の概要は、基本的な理解を提供するために本発明の主題の特定の態様を紹介する。この概要は、本発明の主題の広範な概要ではなく、また、重要なまたは決定的な要素を特定することあるいは本発明の主題の範囲を線引きすることを意図していない。この概要は本発明の主題の様々な態様および実施形態に関連する情報を含むが、その唯一の目的は以下のより詳細な説明の前置きとしていくつかの態様および実施形態を一般的な形で提示することである。
一態様では、遠隔操作マニピュレータシステムは、取り付けベースと、回転ジョイントで取り付けベースに取り付けられたアームとを含む。アームは、取り付けベースを基準にヨー軸周りに回転する。アームの遠位部分はピッチ弧(pitch arc)を規定する。ツールアクチュエータアセンブリが、ピッチ弧に沿って並進移動するツールアクチュエータアセンブリカップリングに取り付けられる。ツールアクチュエータアセンブリは、ヨー軸と一致するピッチ軸の中心の周りを移動するようにピッチ弧に沿って駆動される。ツールアクチュエータアセンブリは、ピッチ弧の中心がヨー軸と一致するところでヨー軸と交差する挿入軸に沿ってツールを挿入する。
別の態様では、アームの遠位部分は、固定弓形セグメント(fixed
arcuate segment)と、固定弓形セグメントを基準に伸縮する可動弓形セグメント(movable arcuate segment)とを含む。ツールアクチュエータアセンブリがピッチ弧に沿って移動すると、ツールアクチュエータアセンブリカップリングは可動弓形セグメントに沿って移動し、可動弓形セグメントは固定弓形セグメントに沿って移動する。
さらなる態様では、本開示は、コンピュータ支援遠隔操作手術システム(「遠隔手術システム」)を使用する低侵襲ロボット手術のための装置および方法を提供する。例えば、本開示は遠隔手術システム用のマニピュレータを提供する。いくつかの実施形態では、各マニピュレータは、セットアップ構造に取り付け可能である取り付けベースに、ヨー軸周りに回転可能に結合されたアームを含む。アームは、それに沿ってツールアクチュエータアセンブリカップリングが移動する弓形(arcuate)経路を規定する。ツールアクチュエータアセンブリカップリングは、手術ツールアクチュエータアセンブリポッドを受容することができ、それは、挿入軸周りのポッドの回転ロール運動を駆動することができる。いくつかの実施形態では、挿入軸とヨー軸は、弓形経路の中心点と一致する点で互いに交差する。いくつかの実施形態では、モータ駆動リンクが、弓形経路に沿ってツールアクチュエータカップリングを駆動するために使用される。
一態様では、本開示は、遠隔手術システムのセットアップ構造と解放可能に結合するように構成された取り付けベースと;アームは、取り付けベースにヨー軸の周りで回転可能に結合されたアームであって、ピッチ弧を規定するアームと;挿入軸を規定し、遠隔操作ツールアクチュエータアセンブリと解放可能に結合するように構成されたツールアクチュエータアセンブリカップリングであって、ピッチ弧に沿って並進移動可能である、ツールアクチュエータアセンブリカップリングと;リンクであって、ツールアクチュエータカップリングに旋回可能に連結され、リンクがアームに沿って並進移動可能であるようにアームに移動可能に連結される、リンクと;を含む遠隔手術マニピュレータに関する。
そのような遠隔操作マニピュレータは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を任意選択で含み得る。挿入軸とヨー軸とはピッチ弧の中心で互いに交差し得る。いくつかの実施形態では、ピッチ弧に沿ったツールアクチュエータカップリングのすべての位置で、挿入軸とヨー軸とはピッチ弧の中心で互いに交差し得る。特定の実施形態では、取り付けベースに対するアームのヨー軸の周りの全ての位置において、挿入軸とヨー軸とはピッチ弧の中心で互いに交差し得る。いくつかの実施形態では、取り付けベースに対するアームのヨー軸の周りの任意の位置と組み合わせたピッチ弧に沿ったツールアクチュエータアセンブリカップリングのすべての位置において、挿入軸とヨー軸とは、ピッチ弧の中心で互いに交差する。アームに沿ったリンクの並進移動は、ピッチ弧に沿ったツールアクチュエータカップリングの曲線並進移動を引き起こす。リンクは、アームがリードねじの回転によってアームに沿って直線的に並進移動可能であるように、アームのリードねじにねじ式に(threadably)結合され得る。アームに沿ったリンクの並進移動は、ピッチ弧に沿ったツールアクチュエータアセンブリカップリングの曲線並進移動を引き起こす。アームは、リードねじの回転を駆動するピッチ調整モータを含み得る。ツールアクチュエータアセンブリカップリングは、挿入軸の周りで手術ツールアクチュエータアセンブリを回転可能に駆動するためのロール調整モータを含み得る。ツールアクチュエータアセンブリカップリングは、遠隔手術マニピュレータを使用して手術中に患者の体壁を通した外科的アクセスを提供するように構成されたカニューレと解放可能に結合するように構成され得る。アームは、取り付けベースによって画定された内部空間内に延びる突出部を含み得る。突出部はヨー軸を規定し得る。取り付けベースは、取り付けベースに対して静止した関係で固定されたセクタギアを含み得る。アームは、セクタギアと噛み合うヨー調整ギアを回転駆動するヨー調整モータを含み得る。アームは、固定弓形セグメントと、固定弓形セグメントと移動可能に結合された可動弓形セグメントとを含み得る。可動弓形セグメントと組み合わせた固定弓形セグメントはピッチ弧を規定し得る。
別の態様では、本開示は、取り付けベース;取り付けベースに回転可能に結合されたアーム;ツールアクチュエータアセンブリカップリングがアームに対して並進移動可能であるようにアームに移動可能に結合されたツールアクチュエータアセンブリカップリングであって、ツールアクチュエータカップリングは、遠隔手術ツールアクチュエータアセンブリと解放可能に結合するように構成される、ツールアクチュエータアセンブリカップリング;およびツールアクチュエータアセンブリカップリングとアームとの間に移動可能に結合されたリンク;を含む、遠隔手術マニピュレータに関する。
そのような遠隔操作マニピュレータ装置は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を任意選択で含み得る。リンクは、ツールアクチュエータアセンブリに旋回可能に結合され得るとともに、アームにねじ式に結合され得る。ツールアクチュエータアセンブリカップリングは、アームによって規定された弧に沿って並進移動可能であり得る。アームは、固定弓形セグメントと、固定弓形セグメントと移動可能に結合された可動弓形セグメントとを含み得る。可動弓形セグメントと組み合わせた固定弓形セグメントはピッチ弧を規定し得る。アームは、その中でツールアクチュエータカップリングが曲線経路に沿って並進移動可能である細長い開口部を画定し得る。
別の態様では、本開示は、フレームと解放可能に結合可能なセットアップ構造;マニピュレータ装置;およびツールアクチュエータアセンブリカップリングと解放可能に結合可能な遠隔手術ツールアクチュエータアセンブリ;を含む遠隔手術システムに関する。ツールアクチュエータアセンブリカップリングは、挿入軸の周りで手術ツールアクチュエータアセンブリを回転可能に駆動するためのロール調整モータを含む。マニピュレータ装置は:セットアップ構造と解放可能に結合可能な取り付けベース;取り付けベースに回転可能に結合されたアーム;ツールアクチュエータアセンブリカップリングがアームに対して並進移動可能であるようにアームに移動可能に結合されたツールアクチュエータアセンブリカップリングであって、ツールアクチュエータアセンブリカップリングは、挿入軸を規定する、ツールアクチュエータアセンブリカップリング;およびツールアクチュエータアセンブリカップリングとアームとの間に移動可能に結合されたリンク;を含む。
そのような遠隔手術システムは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を任意選択で含み得る。いくつかの実施形態において、ツールアクチュエータアセンブリの全体は、ロール調整モータによって回転可能に駆動可能である。アームと取り付けベースとの間の回転可能なカップリングはヨー軸を規定する。アームは、それに沿ってツールアクチュエータアセンブリカップリングが並進移動するピッチ弧を規定する。挿入軸とヨー軸とはピッチ弧の中心で互いに交差している。アームは、固定弓形セグメントと、固定弓形セグメントと移動可能に連結された可動弓形セグメントとを含み得る。可動弓形セグメントと組み合わせた固定弓形セグメントはピッチ弧を規定する。
本明細書に記載の実施形態のいくつかまたはすべては、以下の利点のうちの1つまたは複数を提供することができる。場合によっては、本明細書で提供される遠隔操作マニピュレータ装置は、ロープロファイル(low profile)を有するように、すなわち空間的にコンパクトであるように有利に構成されている。そのようなコンパクトな構成は、患者の上の遠隔操作手術マニピュレータによって占められる作業スペースが最小化され、外科医による患者のアクセスの向上を可能にするという点で有利である。さらに、コンパクトなマニピュレータの作業スペースによって、より大きい患者の視覚化(visualization)と手術チームメンバー間のコミュニケーションが容易になる。
さらに、マニピュレータ作業空間のサイズを小さくすることは、マニピュレータ間の衝突の可能性を減らすことができる。その結果、マニピュレータの冗長自由度の必要性が減少または排除される。したがって、マニピュレータの複雑さを場合によっては軽減できる。
本明細書に記載のコンパクトサイズの遠隔操作手術マニピュレータはまた、場合によっては、マニピュレータを手術台のレールに取り付けるのを有利に容易にすることができる。そのような場合、手術台が外科的アクセスを高めるように操作されるとき、台取り付けマニピュレータ装置は本質的に(inherently)それに従う。したがって、手術台の動きに応じてマニピュレータを再配置する必要性が有利に低減または排除される。
加えて、本明細書に記載の遠隔操作手術マニピュレータは、比較的低い質量および慣性を有するように有利に構成されている。加えて、質量分布は、慣性が実質的に一定であり、したがって予測可能であるように、実質的に一定である。
1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになろう。
遠隔手術システムの例示の操作サブシステムの斜視図である。 遠隔手術システムの例示のユーザ制御サブシステムの正面図である。 例示の遠隔手術システムマニピュレータアームアセンブリの側面図である。 遠隔手術システムの他のタイプの操作サブシステムの斜視図である。 第1の形態の例示の手術ツールの遠位端部分斜視図である。 第2の形態の図5の手術ツールの遠位端部分斜視図である。 第3の形態の図5の手術ツールの遠位端部分斜視図である。 いくつかの実施形態による例示の遠隔手術ニピュレータアセンブリに取り付けられる手術ツールアクチュエータアセンブリポットと結合された手術ツールを描く斜視図である。 いくつかの実施形態による例示の手術ツールアクチュエータアセンブリポットの斜視図である。 いくつかの実施形態による例示の遠隔手術システムマニピュレータの斜視図である。 図10に対応する部分透視図である。 図10の遠隔手術システムマニピュレータの側面図である。 図12に対応する部分透視図である。 図10の遠隔手術システムマニピュレータの上面図である。 図14に対応する部分透視図である。 マニピュレータのヨーモータを示す図10の遠隔手術システムマニピュレータの部分透視斜視図である。 マニピュレータのヨーモータを示す図10の遠隔手術システムマニピュレータの部分透視斜視図である。 マニピュレータのピッチモータを示す図10の遠隔手術システムマニピュレータの部分透視斜視図である。 マニピュレータのピッチモータを示す図10の遠隔手術システムマニピュレータの部分透視斜視図である。 マニピュレータのピッチモータを示す図10の遠隔手術システムマニピュレータの部分透視斜視図である。 いくつかの実施形態による他の例示の遠隔手術システムマニピュレータに取り付けられる手術ツールアクチュエータアセンブリポットと結合された手術ツールを描く斜視図である。 マニピュレータのピッチモータを示す図21の遠隔手術システムマニピュレータの部分透視斜視図である。 マニピュレータのピッチモータを示す図21の遠隔手術システムマニピュレータの部分透視斜視図である。 マニピュレータのピッチモータを示す図21の遠隔手術システムマニピュレータの部分透視斜視図である。
本発明の態様、実施形態、実装、または用途を示すこの説明および添付の図面は、限定として解釈されるべきではなく、特許請求の範囲が保護される発明を定義する。この説明および特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなく、様々な機械的、組成的、構造的、電気的、および動作上の変更を加えることができる。いくつかの例では、本発明を曖昧にしないために、よく知られている回路、構造、または技法は詳細に示されていないかまたは説明されていない。2つ以上の図中の類似の番号は、同一または類似の要素を表す。
さらに、1つまたは複数の実施形態および任意選択の要素または特徴を説明するために選択された特定の単語は、本発明を限定することを意図していない。例えば、「の下に(beneath)」、「より下の(below)」、「下方の(lower)」、「より上の(above)」、「上方の(upper)」、「近位の(proximal)」、「遠位の(distal)」などの空間的に相対的な用語は、図に示したように、ある要素または特徴の、他の要素または特徴との関係を記述するのに用いられ得る。これらの空間的相対的な用語は、図に示された位置および向きに加え、使用又は動作中の装置の異なる位置(すなわち並進配置)と向き(すなわち回転配置)を包含することを意図している。例えば、図中の装置がひっくり返された場合、他の要素または特徴「の下に(below)」または「より下に(beneath)」あるとして説明した要素は、他の要素または特徴「より上に(above)」または「上に(over)」なる。したがって、例示的な用語「下」は、上および下の位置および向きの両方を包含することができる。装置は他の方向を向いていてもよく(例えば、90度回転しているか、または他の方向に向いていてもよく)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに従って解釈される。同様に、様々な軸に沿った(並進)およびその周りの(回転)動きの説明は、様々な空間的な装置の位置および向きを含む。ボディの位置と向きの組み合わせはボディの姿勢(ポーズ(pose))を規定する。
同様に、「平行」、「垂直」、「丸い」、または「正方形」などの幾何学的用語は、文脈がそうでないことを示さない限り、絶対的な数学的精度を必要とすることを意図しない。代わりに、そのような幾何学的用語は製造または均等な機能による変動を許容する。例えば、要素が「丸い」または「概して丸い」として説明されている場合、正確に円形ではない構成要素(例えば、わずかに長円形または多面多角形であるもの)は、依然としてこの説明に含まれる。「含む」または「有する」という言葉は、含むがそれに限定されないことを意味する。
この説明は十分に明瞭、簡潔、かつ正確であるようになされているが、その説明は妥当な長さに保たれるべきであり、熟練した読者は背景と関連技術を理解する自明であるので、綿密で徹底的な言語精度は必ずしも可能ではないかまたは望ましいとは限らないことが理解されるべきである。例えば、ビデオ信号を考えると、当業者は、信号を表示すると記載されたオシロスコープが信号自体を表示するのではなく信号の表現を表示し、信号を表示すると記載されたビデオモニタは信号自体ではなく信号が運ぶビデオ情報を表示しないことを理解するであろう。
加えて、単数形“a”、“an”、および“the”は、文脈が他に指示しない限り、複数形も含むことを意図している。そして、用語「備える」、「含む」、「有する」などは、述べられた特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはグループの存在または追加を排除するものではない。そして、1つまたは複数の個々の列挙されたアイテムまたはそれらの各アイテムは、特に明記しない限りオプションと見なされるべきであり、したがってアイテムの様々な組み合わせが、可能な各組み合わせの網羅的なリストなしで説明される。補助動詞は、同様に、特徴、ステップ、動作、要素、または構成要素が任意選択であることを意味し得る。
一実施形態、実装、または適用に関して詳細に説明された要素は、任意選択で、実用的であるときはいつでも、それらが具体的に図示または説明されていない他の実施形態、実装、または適用に含まれ得る。例えば、ある要素が一実施形態を参照して詳細に説明されているが、第2の実施形態を参照して説明されていない場合、それにもかかわらず、その要素は第2の実施形態に含まれると主張することができる。したがって、以下の説明における不必要な繰り返しを避けるために、1つの実施形態、実施、または適用に関連して図示され説明された1つまたは複数の要素は、特に明記しない限り、実施形態若しくは実装を非機能的にしない限り、または要素の2つ以上が相反する機能を提供しない限り、他の実施形態、実装または態様に組み込まれ得る。
結合されていると記載された要素は、電気的または機械的に直接結合されていてもよく、あるいは1つまたは複数の中間構成要素を介して間接的に結合されていてもよい。
機械的構造、構成要素、または構成要素アセンブリなどの部品に関連する用語「可撓性(flexible)」は、広く解釈されるべきである。本質的には、この用語は、部品に害を与えることなく、部品が繰り返し曲げられて元の形状に復元されることができることを意味する。多くの「剛性(rigid)」物体は、材料特性のためにわずかな固有の弾性の「曲げ性(bendiness)」を有するが、本明細書で使用されるとき、そのような物体は「可撓性」とは見なされない。可撓性部品は無限の自由度(DOF)を有し得る。そのような部品の例には、閉じた、曲げ可能なチューブ(例えば、NITINOL、ポリマー、軟質ゴムなどから作られる)、らせんコイルばねなどが含まれ、これらはしばしば著しい断面変形なしで様々な単純または複合曲線に曲げられることができる。他の可撓性部品は、一連の「椎骨」の蛇様配置に類似した一連の近接して離間された構成要素を使用することによって、そのような無限自由度部品に近似し得る。このような椎骨配置では、各構成要素は運動学的チェーン内の短いリンクであり、各リンク間の可動の機械的拘束(例えば、ピンヒンジ、カップとボール、ライブヒンジなど)は、リンク間の相対運動の1(例えばピッチ)または2(例えばピッチとヨー)DOFを可能にし得る。短い可撓性部品は、可撓性部品自体がいくつかの結合されたリンクで作られた運動学的チェーンであっても、運動学的チェーン内の2つのリンク間に1または複数のDOFを提供する単一の機械的拘束(ジョイント)として機能し、モデル化され得る。部品の可撓性は、その剛性によって表現され得ることを、知識のある人は理解するであろう。
本明細書において別段の定めがない限り、機械的構造、構成要素、または構成要素アセンブリなどの可撓性部品は、能動的または受動的のいずれかで可撓性であり得る。能動的な可撓性部品は、その部品自体に固有の関連する力を使用することによって曲げられ得る。たとえば、1つまたは複数のテンドンへの張力が部品または部品の一部を曲げさせるように、1つまたは複数のテンドンが部品に沿って且つ部品の長手方向軸からオフセットして、長さ方向に経路を決められ得る。能動的な可撓性部品を能動的に曲げる他の方法は、限定ではないが、空気圧または水力、ギア、電気活性ポリマー(より一般的には「人工筋肉」)などの使用を含む。受動的な可撓性部品は、その部品への外部の力(例えば、加えられた機械的力または電磁的力)を使用することによって曲げられる。受動的な可撓性部品は、再び曲げられるまでその曲げられた形状にとどまり得る、または部品を元の形状に復元する傾向がある固有の特性を有し得る。固有の剛性を有する受動的な可撓性部品の例は、プラスチックロッドまたは弾性ゴムチューブである。固有の関連する力によって作動されないとき、能動的な可撓性部品は受動的に可撓性であり得る。単一の部品が、直列の1つまたは複数の能動的および受動的な可撓性部品から作られ得る。
本発明の態様は、コンピュータ支援遠隔操作手術システムに関連している。遠隔操作手術システムの一例は、カリフォルニア州サニーベールのIntuitive Surgical、Inc.によって商品化されているda Vinci(登録商標)Surgical Systemである。当業者は、本明細書に開示される発明の態様が、完全にコンピュータ支援の並びに手動およびコンピュータ支援のハイブリッドの組み合わせの実施形態および実装を含む様々な方法で実施および実装され得ることを理解するだろう。適用可能な場合、本発明の態様は、比較的小型の手持ち式の手動装置および追加の機械的支持を有する比較的大型のシステムの両方、ならびにコンピュータ支援遠隔操作医療装置の他の実施形態で実施および実装され得る。加えて、発明の態様は、遠隔操作動作ではなく自律的な動作を含むコンピュータ支援手術システムの進歩に関連しているので、たとえ説明が遠隔操作システムに集中していても、遠隔操作および自律手術システムの両方が含まれる。
コンピュータは、プログラムされた命令に従って入力情報に対して数学的または論理的機能を実行し、処理された出力情報を生成する機械である。コンピュータは、数学的または論理的機能を実行する論理ユニットと、プログラムされた命令、入力情報、および出力情報を格納するメモリとを含む。「コンピュータ」という用語および「プロセッサ」または「コントローラ」または「制御システム」などの同様の用語は、集中型単一ロケーション実装と分散型実装の両方を含む。
本開示は、改善された手術用および遠隔手術用の装置、システム、および方法を提供する。本発明の概念は、手術中に複数の手術ツールが関連する複数の遠隔操作マニピュレータに取り付けられかつそれによって動かされる遠隔手術システムと共に使用するのに特に有利である。遠隔操作手術システムは多くの場合、マスタスレーブコントローラとして構成された1つまたは複数のプロセッサを含む遠隔ロボットシステム、遠隔手術システム、および/またはテレプレゼンスシステムを含む。比較的多数の自由度を有する関節式リンケージ(articulated linkages)を有するマニピュレータアセンブリを動かすように適切に構成されたプロセッサを使用する遠隔操作手術システムを提供することによって、リンケージの運動は、低侵襲アクセス部位を通る作業に適合されることができる。いくつかの自由度はまた、プロセッサがマニピュレータを位置決めしてこれらの移動構造間の干渉または衝突などを抑制することを可能にし得る。
本明細書に記載のマニピュレータアセンブリは、しばしば、遠隔操作マニピュレータおよびそれに取り付けられたツール(多くの場合、手術バージョンの手術器具を含むツール)を含むが、用語「マニピュレータアセンブリ」は、ツールが取り付けられていないマニピュレータも包含する。用語「ツール」は、一般的なまたは工業用のロボットツールおよび特殊なロボット手術器具の両方を包含し、手術器具は多くの場合、組織の操作、組織の治療、組織の撮像などに適したエンドエフェクタを含む。ツール/マニピュレータインタフェースは、多くの場合、ツールの迅速な取り外しおよび代替ツールとの交換を可能にする迅速取り外しツールホルダまたはカップリングである。マニピュレータアセンブリは、多くの場合、遠隔手術処置の少なくとも一部の間、空間に固定されるベースを有し、マニピュレータアセンブリは、ベースとツールのエンドエフェクタとの間にいくつかの自由度を含み得る。エンドエフェクタの作動(把持装置のジョーの開閉、電気手術パドルへの通電など)は、しばしば、これらのマニピュレータアセンブリの自由度とは別個であり、それに加えている。
エンドエフェクタは、典型的には、作業空間内で2から6自由度の間で動く。本明細書で使用されるとき、用語「姿勢(pose)」は位置と向きの両方を包含する。したがって、(たとえば)エンドエフェクタの姿勢の変化は、エンドエフェクタの第1の位置から第2の位置への並進、エンドエフェクタの第1の向きから第2の向きへの回転、または両方の組み合わせを含み得る。したがって、本明細書で使用されるとき、用語「エンドエフェクタ」は、その最も遠位の部分または複数の部分(例えば、ジョー(複数可)など)の向きまたは位置を変更する機能(例えば、「手首」機能、平行移動機能)を含むが、これらに限定されない。
低侵襲遠隔手術のために使用されるとき、マニピュレータアセンブリの動きは、ツールのシャフトまたは中間部分が低侵襲手術アクセス部位または他の開口部を通る安全な動きに拘束されるように、システムのプロセッサによって制御される。そのような運動は、例えば、開口部位を通るその長軸に沿ったシャフトの軸方向挿入、その長軸周りのシャフトの回転、およびアクセス部位に隣接するその長軸上のピボット点(動作の遠隔中心)周りのシャフトのピボット運動を含み得る。しかし、そのような動きは、多くの場合、そうでなければ開口部に隣接する組織を引き裂くか、または不注意でアクセス部位を拡大する可能性がある開口部におけるシャフトの過度の横方向の動きを妨げる。アクセス部位におけるマニピュレータの動きに対するそのような拘束の一部または全部は、望まれない動きを抑制する機械的なマニピュレータジョイントリンケージを使用することによって課され得る(すなわち、ハードウェアが動きを動作の遠隔中心に拘束する)、あるいは、拘束は、部分的にまたは完全にロボットデータ処理および制御技術を使用することによって課され得る(すなわち、ソフトウェア制御が動きを動作の遠隔中心に拘束する)。したがって、マニピュレータアセンブリのそのような低侵襲開口部拘束運動は、マニピュレータアセンブリのゼロから3自由度の間の自由度を採用することができる。
本明細書に記載の例示的なマニピュレータアセンブリの多くは、デカルト空間内の手術部位内でエンドエフェクタに姿勢を取らせ且つ動かすのに必要とされるよりも大きい自由度(例えば、7、8、9、10、またはそれより多く)を有するであろう。例えば、低侵襲開口部を通って内部手術部位においてデカルト空間内で手術エンドエフェクタを6自由度で移動させることができるマニピュレータアセンブリは、任意選択で9自由度(6つのエンドエフェクタ自由度 -位置について3および向きについて3-プラスアクセス部位拘束、衝突回避などに準拠するための3つの追加のマニピュレータアセンブリ自由度)を有し得る。所与のエンドエフェクタ姿勢に必要とされるよりも大きい自由度を有する高度に設定可能なマニピュレータアセンブリは、作業空間内のエンドエフェクタ姿勢に対してある範囲のジョイント状態を可能にするのに十分な自由度を有する、または提供すると記載されることができる。例えば、所与のエンドエフェクタ位置に対して、マニピュレータアセンブリは、任意の範囲の代替のマニピュレータリンケージ姿勢を取り得る(そしてその間で駆動され得る)。同様に、所与のエンドエフェクタ速度ベクトルに対して、マニピュレータアセンブリは、マニピュレータアセンブリの様々なジョイントについて、ある範囲の異なるジョイント移動速度を有し得る。
図1および図2を参照すると、遠隔手術システムは、任意選択で、操作サブシステム100(例えば、患者側ユニット)およびそこで操作サブシステム100内のツールの動きを制御するためにコマンドが入力されるユーザ制御サブシステム40(例えば外科医制御コンソール)を含む。
図示の実施形態では、操作サブシステム100は、ベース110と、第1のマニピュレータアームアセンブリ120と、第2のマニピュレータアームアセンブリ130と、第3のマニピュレータアームアセンブリ140と、第4のマニピュレータアームアセンブリ150とを含む。図示のように、ベース110は、床に載る部分と、ベースから垂直に延びる垂直コラムと、コラムの上部から延びる水平ブームとを含む。患者側ユニットを機械的に接地するための他のベース構成が任意選択で使用され得る(例えば、天井、壁、テーブル取り付けなど)。各マニピュレータアームアセンブリ120、130、140、および150は、ベース110に旋回可能に結合されている。いくつかの実施形態では、4つより少ないまたは4つより多いロボットマニピュレータアームアセンブリが、操作サブシステム100の一部として含まれ得る。図示された実施形態では、ベース110は容易な移動を可能にするためのキャスターを含むが、いくつかの実施形態では、操作サブシステム100は床、天井、手術台、構造的な骨組みなどに固定して取り付けられる。
典型的な用途では、マニピュレータアームアセンブリ120、130、140、または150のうちの2つはそれぞれ手術ツールを保持し、マニピュレータアームアセンブリ120、130、140、または150のうちの第3のものは立体内視鏡を保持する。残りのマニピュレータアームアセンブリは利用可能であるので、他のツールが作業部位に導入され得る。代替的には、残りのマニピュレータアームアセンブリは、第2の内視鏡または超音波トランスデューサなどの別の画像取込装置を作業部位に導入するために使用され得る。
マニピュレータアームアセンブリ120、130、140、および150のそれぞれは、互いに結合されて作動可能な(電動)ジョイントを介して操作されるリンクを含む。マニピュレータアームアセンブリ120、130、140、および150のそれぞれは、セットアップアーム部分とマニピュレータとを含む。セットアップアーム部分は、マニピュレータを、ツールが患者の身体の切開部または自然開口部に入るところの動作の遠隔中心に配置するように保持する。その後、装置マニピュレータはそのツールを操作する;そのためそれは動作の遠隔中心を中心に旋回し、エントリ開口部に挿入されそしてそこから後退され、そしてその長手方向シャフト軸の周りに回転し得る。
図示の実施形態では、ユーザ制御サブシステム40は、ユーザが操作サブシステム100の立体カメラによって取り込まれた画像から立体視で手術作業部位を見ることができるように立体視ディスプレイ45を含む。左右の接眼レンズ46および47は、ユーザがディスプレイ45内の左右の表示画面をユーザの左右の目でそれぞれ見ることができるように、立体視ディスプレイ45に設けられる。典型的には適切なビューアまたはディスプレイ上で手術部位の画像を見ながら、外科医は、1つまたは複数のマスタ入力装置を制御することによって患者に手術処置を行い、このマスタ入力装置は操作サブシステム内の対応するツールの動きを制御する。
ユーザ制御サブシステム40はまた、操作サブシステム100のマニピュレータアームアセンブリ120、130、140、および150によって保持されるツールを好ましくは6以上の自由度(「DOF」)で操作するようにユーザが左右の手それぞれで把持し得る、左右のマスタ入力装置41、42を含む。ユーザがフットペダルに関連する装置の動きおよび/または作動を制御することができるように、フットペダル44がユーザ制御サブシステム40に設けられる。システムへの追加の入力は、入力49によって示されるように、ボタン、タッチパッド、音声などの1つまたは複数の他の入力を介して行われ得る。
制御および他の目的のために、プロセッサ43がユーザ制御サブシステム40に設けられている。プロセッサ43は、遠隔手術システムの様々な機能を実行する。プロセッサ43によって実行される1つの機能は、ユーザが手術ツールおよび内視鏡カメラなどのツールを効果的に操作できるように、マスタ入力装置41、42の機械的運動を変換(translate)および伝達して、対応するマニピュレータアームアセンブリ120、130、140、および150のそれぞれのジョイントを作動させることである。プロセッサ43の別の機能は、本明細書に記載の方法、相互結合制御ロジック(cross-coupling control logic)、およびコントローラを実施することである。
プロセッサとして説明されているが、プロセッサ43は、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの任意の組み合わせによって実装され得ることが理解されるべきである。また、本明細書に記載されるその機能は、1つのユニットによって実行されてもよく、またはいくつかのサブユニット間で分割されてもよく、これらのそれぞれはハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの任意の組み合わせによって実施され得る。さらに、外科医制御ユニット40の一部としてまたは物理的に隣接して示されているが、プロセッサ43はまた、遠隔手術システム全体にわたってサブユニットとして分散されてもよい。したがって、本明細書で言及される制御態様は、集中形式または分散形式のいずれかでプロセッサ43を介して実施される。
図3を参照すると、ロボットマニピュレータアームアセンブリ120、130、140、および150は、低侵襲手術を実行するために手術ツールなどのツールを操作することができる。例えば、図示の構成では、マニピュレータアームアセンブリ120は、ツールホルダアセンブリ122を含む。カニューレ180および手術ツール200が、次に、ツールホルダアセンブリ122に解放可能に結合される。カニューレ180は、手術中は、患者インタフェース部位に配置される管状部材である。カニューレ180は、手術ツール200の細長いシャフト220が摺動可能に配置される管腔を画定する。
ツールホルダアセンブリ122は、スパー124、カニューレクランプ126、およびツールキャリッジ128を含む。図示の実施形態では、カニューレクランプ126は、スパー124の遠位端部に固定されている。カニューレクランプ126は、カニューレ180と結合されるように、またはそれから結合解除されるように作動されることができる。ツールホルダキャリッジ128は、スパー124に沿って直線的に並進移動して、キャリッジ128に結合されたツールを近位(引き抜き)または遠位(挿入)に移動させる。スパー124に沿ったツールホルダキャリッジ128の移動は、部分的にマスタ制御入力がツールの挿入および引き抜き移動を制御している間にプロセッサ43によって制御される。示されるように、ツールホルダキャリッジ128は、エンドエフェクタおよび他の構成要素の動きを制御するツール200上の機械的入力を駆動する電気モータを含む。
手術ツール200は、伝動(transmission)アセンブリ210、細長いシャフト220、およびエンドエフェクタ230を含む。伝動アセンブリ210は、ツールホルダキャリッジ128と解放可能に結合可能である。シャフト220は、伝動アセンブリ210から遠位に延びる。エンドエフェクタ230は、シャフト220の遠位端部に配置されている。
シャフト220は、カニューレ180の長手方向軸と一致する長手方向軸222を規定する。ツールホルダキャリッジ128がスパー124に沿って並進移動すると、手術ツール200の細長いシャフト220は長手方向軸に沿って移動する。このようにして、エンドエフェクタ230は、患者の体内の手術作業空間に挿入および/またはそこから後退されることができる。
図4も参照すると、遠隔手術用の別の例示的な操作サブシステム160は、それぞれ手術台10に取り付けられた第1のマニピュレータアームアセンブリ162および第2のロボットマニピュレータアームアセンブリ164を含む。場合によっては、操作システム160のこの構成は、図1の操作サブシステム100の代替として使用されることができる。2つのマニピュレータアームアセンブリ162および164しか示されていないが、1つまたは2つより多い(例えば、3、4、5、6、および6より多くの)マニピュレータアームアセンブリがいくつかの構成に含まれ得ることが理解されるべきである。
場合によっては、手術台10は手術中に移動または再設定され(reconfigured)得る。例えば、場合によっては、手術台10は、様々な軸周りに傾けられ、上げ下げされ、枢動され、回転等され得る。場合によっては、手術台10の向きを操作することによって、臨床医は、外科的アクセスの向上を促進する位置に患者の内臓を位置決めするために重力の影響(すなわち、重力後退(gravity retraction))を利用することができる。場合によっては、手術台10のそのような動きは、遠隔手術システムの一部として統合され、システムによって制御され得る。
図5乃至7も参照すると、異なる種類の様々な代替の遠隔手術ツールおよび異なるエンドエフェクタ230が使用されることができ、手術中にマニピュレータの少なくともいくつかのツールが取り外されて別のツールと交換される。マニピュレータが動くと、ツールは全体として動く。マニピュレータはまた、任意選択で、エンドエフェクタなどの1つまたは複数のツール構成要素を動かすために、ツールへの機械的入力を提供する。任意選択で、ツールは、関連する1つまたは複数のツール構成要素を動かす1つまたは複数のモータを含み得る。そして、いくつかのDOFは、ツール全体を動かすこと(例えば、動作の遠隔中心周りのツールのピッチ回転またはヨー回転、動作の遠隔中心を通るツールの挿入および引き込み)に関連し、いくつかのDOFは、ツール構成要素を動かすこと(例えば、シャフトを回転させることによりエンドエフェクタをロール回転させること、シャフトに対するエンドエフェクタのピッチ回転またはヨー回転など)に関連する。ツールのエンドエフェクタは、これら両方の種類のDOFによって動かされ、しばしば、空間の中の所望のエンドエフェクタ姿勢変更を実行するために協調して動作する。マニピュレータアームアセンブリ120、130、140、および150は、対応するマスタ入力装置によって命令されるように対応するツールエンドエフェクタを動かすために、手術処置中に患者の外側のかなりの動きをしばしば経験することが分かる。
エンドエフェクタは、一対のエンドエフェクタジョー、例えばDeBakey鉗子56i、マイクロ鉗子56ii、およびポッツ鋏56iiiを定めるように互いに対して枢動する第1および第2のエンドエフェクタ要素56a、56bを含み得る。他のエンドエフェクタは、単一のエンドエフェクタ要素、例えば、メスおよび電気焼灼要素を有し得る。エンドエフェクタジョーを有するツールに関して、ジョーは多くの場合、マスタ入力装置41、42のグリップ部材を絞ることによって作動される。他のエンドエフェクタの機械的DOFは、ステープル留め、クリップ留め、ナイフブレード移動などの機能を含み得る。
図8を参照すると、例示的な遠隔手術システム500は、手術ツール600、手術ツールアクチュエータアセンブリ700(本明細書で「ポッド」とも呼ばれる)、およびマニピュレータアセンブリ800を含む。ポッド700はツール600と互換性があり、ツール600はポッド700に取り外し可能に結合される。ポッド700はマニピュレータアセンブリ800に結合されている。いくつかの実施形態では、ポッド700は、ポッド700が別のポッドと都合よく交換することができるように、マニピュレータアセンブリ800から容易に取り外し可能である。マニピュレータアセンブリ800は、フレームまたは構造(図4のセットアップ構造172など)に調整可能に取り付けられることができる。マニピュレータアセンブリ800およびポッド700は共にマニピュレータを形成する。
手術ツール600がポッド700と結合されるとき、手術ツール600のシャフト640は、マニピュレータアセンブリ800に解放可能に結合されるカニューレ400を通ってスライド可能に延びる。使用時には、カニューレ400は患者の体壁または自然開口部を通って延びることができる。手術ツール600は、遠隔手術を実行するためにユーザがマスタ入力装置を操作することによって制御されるエンドエフェクタ650を含む。
ポッド700は、手術ツール600を受容するように構成された空間を画定する。手術ツール600がポッド700に結合されるとき、ポッド700は、手術ツール600全体の動きおよびツールのボディを基準にしたエンドエフェクタ650の動きを作動することができる。例えば、ポッド700は、エンドエフェクタを挿入または後退させるようにポッド700の長手方向軸702に沿って手術ツールの並進運動を作動させることができる。したがって、長手方向軸702は挿入軸702とも呼ばれ、これはツール600の長軸と一致する。
マニピュレータアセンブリ800は、取り付けベース810、アーム820、ツールアクチュエータアセンブリカップリング840(「ポッドカップリング」)、および駆動リンク850を含む。取り付けベース810は、遠隔手術システムのセットアップ構造(図4のセットアップ構造172など)と解放可能に結合するように構成される。アーム820は、軸802周りに回転するように取り付けベース810に回転可能に結合される。
ポッドカップリング840は、ポッド700と解放可能に結合するように構成され、ポッドカップリング840がアーム820によって画定される弓形経路(「ピッチ弧」)に沿って並進移動可能であるようにアーム820と移動可能に結合される。示されるように、ピッチ弧842は、アーム820の遠位部分に画定される。
駆動リンク850は、アーム820とポッドカップリング840との間に移動可能に結合されている。リンク850の第1の端部はアーム820のアクチュエータに結合されている。リンク850の第2の端部はポッドカップリング840に結合されている。したがって、アーム820内のアクチュエータは、駆動リンク850を介してピッチ弧842に沿ってポッドカップリング840を駆動する。
遠隔手術システム500は、入力(例えば、図2を参照して説明したような制御サブシステム40を使用したユーザ入力)に応答して、手術ツール600のピッチ、ロール、およびヨー運動を作動させるように構成される。例えば、アーム820は、矢印804によって示されるように、アーム820が取り付けベース810に対してヨー軸802の周りに回転するように制御され得るように取り付けベース810に回転可能に結合される。加えて、ツールアクチュエータアセンブリカップリング840は矢印844で示すようにピッチ弧842に沿って並進するように制御され得るように、アーム820に移動可能に結合される。さらに、ポッドカップリング840において、ポッド700は、矢印704で示すようにアーム820に対して挿入軸702周りに回転可能である。示されるように、いくつかの実施形態では、ポッドカップリング840は、軸702の周りのポッド700の回転を駆動するモータ846を含む。
いくつかの実施形態(図示の実施形態など)では、挿入軸702およびヨー軸802は、動作の遠隔中心502を規定するように、ピッチ弧842の中心点で互いに交差する。動作の遠隔中心502は、その周りで上記のロール、ピッチ、ヨー運動が行われる空間における点である。例えば、アーム820が取り付けベース810に対して回転して手術ツール600のヨー運動を発生させるとき、ヨー軸802が動作の遠隔中心502を通過するので、動作の遠隔中心502の位置は変化しない。加えて、ポッドカップリング840がピッチ弧842に沿ってアーム820に対して並進移動して手術ツール600のピッチ運動を生成するとき、ピッチ弧842の中心点が動作の遠隔中心502に位置するので、動作の遠隔中心502の位置は変化しない。さらに、ポッド700が挿入軸702周りにアーム820に対して回転して手術ツール600のロール運動を発生させるとき、挿入軸702が動作の遠隔中心502を通過するので、動作の遠隔中心502の位置は変化しない。したがって、遠隔手術システム500はハードウェア拘束された動作の遠隔中心システムであると言える。
使用中、動作の遠隔中心502(典型的には、カニューレ400の領域と一致する位置にある)は、患者の体壁または自然の開口部に配置され得る。そのような配置の1つの利点は、手術ツール600がロール、ピッチ、およびヨー運動を受けている間に体壁と接するカニューレ400の部分(動作の遠隔中心502にある)は比較的小さい量動くので、手術ツール600がロール、ピッチ、およびヨー運動を受けている間、カニューレ400によって体壁に加えられる結果として生じる外傷は減少または排除されることである。
さらに、ハードウェア拘束された動作の遠隔中心に関して、ピッチ弧842に沿った全てのポッド840の位置において、挿入軸702とヨー軸802は、動作の遠隔中心502が位置するピッチ弧の中心で互いに交差することが理解されるべきである。加えて、取り付けベース810に対するアーム820のヨー軸802周りの全ての位置において、挿入軸702とヨー軸802は、動作の遠隔中心502が位置するピッチ弧の中心で互いに交差する。さらに、取り付けベース810に対するアーム820のヨー軸802の周りの任意の位置と組み合わせて、ピッチ弧802に沿ったポッドカップリング840のすべての位置において、挿入軸702とヨー軸802は、動作の遠隔中心502が位置するピッチ弧の中心で互いに交差する。
図9も参照すると、ポッド700は、手術ツール600およびマニピュレータアセンブリ800から分離して示されている。ポッド700は、近位端部704および遠位端部706を含み、長手方向軸702がこれらの近位端部と遠位端部との間に規定される。
図示の実施形態では、ポッド700は、近位端部プレート705、遠位端部プレート707、およびハウジング710を含む。ハウジング710は、近位端部704と遠位端部706との間に延びる。
図示の実施形態では、近位端部プレート705はC字形プレートであり、遠位端部プレート707は開放中心(open center)を画定する全周プレートである。近位端部プレート705の開放部(opening)は、ハウジング710によって画定されたスロット開放部(slot opening)712と整列する。スロット開放部712およびC字形近位端部プレート705の開放部は、手術ツール600がツール駆動システム700と結合されている間に手術ツール600のハンドル612がハウジング710から半径方向に突出するための隙間を提供する。
図示の実施形態では、ポッド700は、遠位端部706に配置されたロール被駆動ギア708も含む。ポッドのロール被駆動ギア708は、ポッド700がマニピュレータアセンブリ800と結合されるときポッドカップリング840のロール駆動モータ846に結合されるロール駆動ギア847(図13、17参照)と噛み合い、それによって駆動されることができる。ロール駆動ギア847がロール被駆動ギア708を駆動するとき、ポッド700全体が回転して長手方向軸702の周りにロールする。結果として、手術ツール600がポッド700と係合されるとき、手術ツール600も全体として長手方向軸702周り(すなわち、シャフト640周り)にロールするように回転する。代替的には、いくつかの実施形態では、(ロール駆動ギアが結合されている)ロール駆動モータはポッド700の構成要素であり、ロール被駆動ギアはポッドカップリング840の構成要素である。ロール被駆動ギアはいくつかの実施形態では、ポッドカップリング840に固定されることができる。このような構成では、ロール被駆動ギアがロール駆動モータによって駆動されるとき、ポッド700全体が長手方向軸702周りにロールするように回転する。ツール全体を回転させることは、ツールのエンドエフェクタを回転させるので、ツールは、ツールのメインボディに関してロールのためのエンドエフェクタDOFを排除することによって、単純化され得る。
図10、12、および14も参照すると、例示的マニピュレータアセンブリ800が、手術ツール600およびポッド700から分離して示されている。例示的実施形態では、取り付けベース810の近位端部は、遠隔手術システムのセットアップ構造(図4のセットアップ構造172など)の対応するソケットと解放可能に結合するように構成されたボールを含むことが分かる。ボールとソケットは、球面ジョイント(spherical joint)を形成し、それは有利には取り付けベースに様々な方法で姿勢をとらせて手術用のカニューレと整列させることを可能にする。他の実施形態では、マニピュレータとアームのセットアップ部分との間に他のジョイント構成が使用され得る。
図示の実施形態では、ポッドカップリング840は、ポッド700を駆動して挿入軸702周りに回転させるロール駆動モータ846を含む。ポッドカップリング840には、開放内部空間が画定されている。ポッド700がポッドカップリング702に取り付けられるとき、この開放空間は、ポッド700の遠位端部分706を受け入れるとともに挿入軸702と整列する。挿入ポッド700の遠位端部分706は、ポッドをロール駆動モータ846と係合させ、それは次にポッド700を駆動して挿入軸702周りにロールさせ得る。ロール駆動モータ846配置の詳細については以下でさらに論じる。
リンク850は、アーム820とポッドカップリング840との間に移動可能に結合されている。リンク850の第1の端部は、アーム820のアクチュエータ(例えば、リニアアクチュエータ)に結合されている。リンク850の第2の端部は、ポッドカップリング840に結合されている。したがって、ポッドカップリング840は、アーム820のアクチュエータによって駆動されるリンク850によってピッチ弧842の曲線経路に沿って駆動される。様々なリニアアクチュエータの種類が使用されることができ、ねじを回転させると並進移動するねじ付きナットとともにリードまたはボールねじを駆動するモータ、チェーンまたはベルト駆動装置、油圧または空気圧アクチュエータ、電磁または圧電リニア駆動装置などを含む。
図11、13、および15を参照すると、マニピュレータアセンブリ800の内部構成要素が視覚化されることができるように、例示的なマニピュレータアセンブリ800の一部が透明に示されている。
まず、マニピュレータアセンブリ800のヨー運動に用いられる機構が説明される。アーム820は、取り付けベース810によって画定された内部空間内に延在し、アームと取り付けベースとの間にロールジョイントを形成する円筒形突出部822を含む。離間したヨーベアリング824aおよび824bが、ベース810とアーム820との間の回転可能なインタフェース(interface)を提供するために、突出部822と取り付けベース810によって画定された内部空間との間に配置されている。円筒形突出部822の長手方向軸は、ヨー軸802を規定する。ヨー調整モータ826が、ヨー軸802と平行且つヨー軸802からオフセットされた回転軸を備えて、アーム820内に配置されている。ヨー駆動ギア828は、ヨー調整モータ826によって駆動される。ヨー駆動ギア828は、取り付けベース810に静止した関係で且つヨー軸802の周りに固定されたヨー被駆動ギア806と噛み合う。図示の実施形態では、ヨー被駆動ギア806は、所望のヨー動作範囲に適応するのに十分なセクタギア(例えば、弓形ギアラック)である。取り付けベース810がセットアップ構造によって静止して保持されている間、ヨー調整モータ826の作動はヨー駆動ギア828を回転させ、それは次にヨー被駆動ギア806の周りの(すなわち、ヨー軸802の周りの)円形経路に沿って移動させる。結果として、アーム820は、取り付けベース810に対してヨー軸802周りに回転する。しかし、任意選択で、突出部がベース810からアーム820内に延びてもよく、それに応じて上記の構成要素が修正される。そして、任意選択で、モータおよび駆動ギアは、ベース810内で静止し且つアーム820を回転するように駆動してもよい。
ここで、マニピュレータアセンブリ800のピッチ運動に使用される機構が説明される。アーム820はピッチ調整モータ830を含む。図示の実施形態では、より大きいトルクのために2つのピッチ調整モータ830が一緒に連動しているが、2つのモータがすべての実施形態で必要とされるわけではない。いくつかの実施形態では、単一のピッチ調整モータ830が含まれる。ピッチ調整モータ830のシャフトに結合されたピッチ駆動ギア832が、ピッチ調整モータ830によって回転される。ピッチ被駆動ギア834が、ピッチ駆動ギア832によって駆動される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の中間ギアが、ピッチ駆動ギア832とピッチ被駆動ギア834との間に配置され得る。ピッチ被駆動ギア834は、アーム820内に回転可能に結合されているリードねじ836に固定されている。したがって、リードねじ836は、ピッチ被駆動ギア834がピッチ駆動ギア832(ピッチ調整モータ830によって回転する)によって回転するとき、その長手方向軸回りに回転する。ナット838がリードねじ836と螺合される。ナット838は、リードねじ836が回転しているときに、リードねじ836と共に回転するのを抑制される。したがって、リードねじ836が回転すると、ナット838はリードねじ836の長手方向軸に沿って並進移動する。リンク850の第1の端部852はナット838に枢動可能に(pivotably)結合される。リンク850の第2の端部854はポッドカップリング840に枢動可能に結合される。したがって、ナット838がリードねじ836の長手方向軸に沿って並進移動すると、リンク850の第2の端部854はポッドカップリング840の並進移動を駆動する。ポッドカップリング840の並進移動は、ピッチ弧842の曲線経路をたどる。これは、ポッドカップリング840がアーム820内に画定された弓形溝821内を移動する4つのベアリング848を含むためである。弓形溝821はピッチ弧842を画定する。他の実施形態は、任意選択で、1つまたは複数のベアリングを持つ単一の弓形溝、両側にベアリングを持つ1つまたは複数の弓形レール、各レール内に個別のベアリングを持つ1つまたは複数の平行な弓形レール、かみ合いピニオンを持つ1つまたは複数の弓形ギアラック、ロッド上をスライドする1つまたは複数のベアリングを持つ1つまたは複数の弓形ロッドなどのような、他のピッチ弧設計を使用する。そして、上述のように、他の種類のリニアアクチュエータが使用され得る。
図16および17を参照すると、例示的なマニピュレータ装置800のヨー運動(矢印804によって表されるように)をさらに視覚化することができる。取り付けベース810は静止しており(例えば、セットアップ構造に結合されており)、アーム820は、取り付けベース810に対してヨー軸802周りに回転可能である。
アーム820は、ヨー調整モータ826を含む。ヨー駆動ギア828は、ヨー調整モータ826のシャフトに堅固に結合されている。したがって、ヨー調整モータ826の作動は、ヨー駆動ギア828を回転させる。ヨー調整モータ826は双方向に回転することができる。
ヨー駆動ギア828は、ヨー軸の802周りで取り付けベース810に対して静止した関係で固定されているヨー被駆動ギア806と噛み合っている。取り付けベース810はセットアップ構造によって静止して保持されるので、(ヨー駆動ギア828を回転させる)ヨー調整モータ826の作動は、ヨー駆動ギア828をヨー被駆動ギア806の周りの円形経路に沿って移動させる。その結果、アーム820は、取り付けベース810に対してヨー軸802周りに回転する。
図示の実施形態では、マニピュレータ装置800は、約160°のヨー動作の範囲を通して回転可能に調整されることができる。すなわち、アーム820は、取り付けベース810に対してヨー軸802周りに約160°の行程にわたって回転することができる。いくつかの実施形態では、マニピュレータ装置800は、約90°から約130°、約100°から約140°、約110°から約150°、約120°から約160°、約130°から約170°、または約140°から約180°のヨー動作の範囲を促進するように構成される。ヨー動作範囲は、ハードウェア(例えば、弓形ラックの端部、ベースとアームとの間の物理的なハードストップなど)によって拘束され得るまたはモータ826のソフトウェア制御によって拘束され得る。
マニピュレータアセンブリヨーおよびピッチアクチュエータモータをアーム820内に配置することは、ベース810が比較的短くなることを可能にし、ピッチ駆動部がそれ自体の上に折り返されることを可能にし、そして全体的にコンパクトなアームとマニピュレータアセンブリの設計のためにヨー駆動部がピッチ駆動部と同じ長さを占有することを可能にする。
図18-20を参照すると、例示のマニピュレータアセンブリ800のピッチ運動(矢印844によって表される)をさらに視覚化することができる。マニピュレータアセンブリ800のピッチ運動は、矢印844によって示されるように、ピッチ弧842に沿ったポッドカップリング840の曲線並進運動(curvilinear translational movements)を伴う。
アームは、リードねじ836を双方向に回転可能に駆動する1つまたは複数のピッチ調整モータ830を含む。ナット838は、リードねじ836にねじ式に結合され、リードねじ836の回転がナット838の並進運動をもたらすように回転が拘束される。リンク850の第1の端部852はナット838に枢動可能に結合されている。リンク850の第2の端部854はポッドカップリング840に枢動可能に結合されている。したがって、ナット838がリードねじ836の長手方向軸に沿って並進移動するとき、リンク850の第2の端部854は、ポッドカップリング840の並進移動を駆動する。ポッドカップリング840が、アーム820内に画定される弓形溝821(図11および13)内を移動する4つのベアリング848を含むので、ポッドカップリング840の並進移動はピッチ弧842の曲線経路をたどる。弓形溝821はピッチ弧842を画定する。4つのベアリング848は、有利には、構造的安定性およびアーム820に対するポッドカップリング840の剛性を提供するために互いに離間されている。
挿入軸702とほぼ平行である手術ツール600および/またはカニューレ400(図8)からの力は、アーム820内に画定された弓形溝821内を移動する4つの離間したベアリング848を介してアーム820に伝達される。挿入軸702を横切る手術ツール600および/またはカニューレ400からの力、ならびに手術ツール600および/またはカニューレ400からのねじり力は、複数のベアリング849を介してアーム820に伝達される。ベアリング849は、ポッドカップリング840に回転可能に結合され、アーム820の内側平面上を転がる。図示の実施形態では、8つのベアリング849が含まれる(アーム820の遠位作動部分内に乗るポッドカップリング840の各側に4つずつ)。アーム820に対するポッドカップリング840の構造的安定性および剛性を有利に提供するために、これら8つのベアリング849は互いに離間している。いくつかの実施形態では、8つより多いまたは少ないベアリング849が含まれる。例えば、いくつかの実施形態では、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、または12を超えるベアリング849が含まれる。
ピッチ弧842の半径843の中心点は、動作の遠隔中心502と一致する。したがって、ピッチ弧842の半径843の中心点が、動作の遠隔中心502と一致するので、マニピュレータ装置800のピッチ運動は、動作の遠隔中心502周りに行われる。
図示の実施形態では、マニピュレータ装置800は、約80°のピッチ運動の範囲を通じて調整することができる。すなわち、ポッドカップリング840は、約80°の行程にわたって、ピッチ弧842に沿ってアーム820に対して並進移動することができる。いくつかの実施形態では、マニピュレータ装置800は、約50°から約70°、約60°から約80°、約70°から約90°、約80°から約100°、約90°から約110°、または約100°から約120°のピッチ運動範囲を容易にするように構成される。可動域は、弓形溝の端部や専用の機械的な停止部に到達するなど、物理的なハードストップによって拘束され得る、またはモータのソフトウェア制御によって拘束され得る。
マニピュレータ装置800のピッチ運動の範囲は、リンク850の構成によって部分的に有利に促進される。すなわち、リンク850の第2の端部854は、図10、11、14-16および18-20に示されるように、ポッドカップリング840がアーム820に対して位置決めされている間に、フォークの間の空間内を移動するようにロール調整モータ846のためのクリアランスを提供するために分岐される。ロール駆動モータ846をポッドカップリング820上で近位に配置することは、手術ツールがその全ピッチバック動作範囲限度(full pitch-back range of motion limit)まで駆動されるときにモータが遠位に突出して別のマニピュレータまたは手術ツールまたは臨床従事者と干渉することを防止し、リンク850を分岐させることは、モータがリンク内を移動して、手術ツールの全ピッチフォワード動作範囲限度(full pitch-forward range of motion limit)を増大させることを可能にする。しかし、代替的には、ロール駆動モータは、遠位にまたはポッドカップリングの側部に配置されてもよい。そして、リンク850を分岐させるのではなく、モータ846の側部にオフセットされた非分岐単一リンク、またはリンク846の両側の2つのリンクが、任意選択で使用されてもよい。
前述のように、ナット838は回転することを拘束されている。それによってナット838がそのように拘束される1つの機構はまた、有利には、リードねじ836への望ましくない横方向の力の作用を防止または低減するのに役立つ。特に、アーム820は、リードねじ836の両側でリードねじ836に平行に延びる2つの細長い直線チャネル839(図13参照)を画定する。2つのベアリング853は、2つの細長い直線チャネル839内で移動可能に係合される。2つのベアリング853は、ナット838またはリンク850の第1の端部852と回転可能に結合されることができる。この配置は、(そうでなければ横方向にリードねじ836に及ぼされるであろう)リンク850からの力を、ベアリング853を介して細長い直線チャネル839に伝達する。
いくつかの実施形態において、マニピュレータアセンブリ800は、様々な有利な目的のために電子センサなどを含み得る。例えば、エンコーダが、電動ピッチ、ロール、および/またはヨー調整機構のドライブトレインに結合され得る。いくつかの実施形態では、マニピュレータ装置800の可動構成要素の位置を明確に識別することができる位置センサが使用され得る。
図21を参照すると、別の例示的な遠隔手術システムマニピュレータ1100は、互換性のある手術ツールアクチュエータアセンブリ1000(この場合も同様に「ポッド」)と選択的に結合可能な手術ツール600を含み、この手術ツールアクチュエータアセンブリは遠隔操作ツールマニピュレータを形成するように例示のマニピュレータアセンブリ900と互換性がある。手術ツール600の構成は上記の通りであり、上記のポッド700の説明は概してポッド1000に当てはまるが、以下の説明ではいくつかの相違点が指摘される。マニピュレータアセンブリ900およびその構成要素は、上述のマニピュレータアセンブリ800およびその構成要素(例えば、ベース、アーム、ポッドカップリング)と概して同様であるが、以下の説明ではいくつかの相違点が指摘される。カニューレ1200およびその取り付けは、概して、上記のカニューレ400と同様である。動作の遠隔中心502および関連するヨー、ピッチ、および挿入軸は上記の通りである。
図21に示されるように、手術ツールアクチュエータアセンブリカップリング940(ここでもまた「ポッドカップリング」)は、ポッドカップリング940がアーム920に遠位部分によって規定される弓形経路942(ここでもまた「ピッチ弧」)に沿って並進移動するように、アーム920と移動可能に結合されている。図示の実施形態では、弓形経路942は、固定弓形セグメント922(すなわち、アーム920の他の主要部分に対して固定されている)と可動弓形セグメント942との組み合わせによって規定されている。可動弓形セグメント926は、図22-24を参照して以下でさらに説明されるように、伸縮構成で固定弓形セグメント922に移動可能に結合されている。
リンク950は、リンク850と同様であり、アーム920とポッドカップリング940との間に移動可能に結合されている。リンク950の第1の端部は、アーム820のピッチ調整アクチュエータと同様のアーム920のアクチュエータに結合されている。リンク950の第2の端部はポッドカップリング940に結合されている。したがって、ポッド940は、アーム920のアクチュエータによって駆動されるリンク950によってピッチ弧942の曲線経路に沿って駆動される。
遠隔手術システム1100は、上述のようにユーザ入力に応答して手術ツール600のヨー、ピッチ、およびロール運動を作動させるように構成され、アーム820は関連するヨー軸902の周りを回転し(矢印904)、ポッドカップリング940はピッチ弧942に沿って並進移動し(矢印944)、ポッド1000は挿入軸1002の周りを回転する(矢印1004)。上述のように、ポッド1000は、軸1002に沿ったツールの挿入および引き抜き、ならびにツール600の遠位構成要素の動きを制御する。
図22-24も参照すると、例示的マニピュレータアセンブリ900の(矢印944によって表される)ピッチ運動がここでさらに説明される。マニピュレータ装置900のピッチ運動は、矢印944によって示されるピッチ弧942に沿ったポッドカップリング940の曲線的な並進運動を伴う。これらの図において、アーム920の内部の機構が視覚化され得るようにアーム920は透明に示される。
図示の実施形態では、弓形経路942は、第1の固定弓形セグメント922と第2の可動弓形セグメント926との組み合わせによって規定される。可動弓形セグメント926は、可動セグメント926が固定セグメント922に対して遠位に伸縮する(telescopes)ように、固定弓形セグメント922に移動可能に結合されている。示されるように、可動セグメント926は、固定セグメント922の内側に位置決めされかつ並進移動し、任意選択で、可動セグメント926は、固定セグメント922の外側に位置決めされかつ並進移動する。このような伸縮構成は利点を提供する。例えば、図22および23に示すように、弓形セグメント922および926の伸縮構成は、同じピッチ動作範囲を持つ固定弓形部分のみを有するアームと比較して、マニピュレータアセンブリ900の全長がより短くされることを可能にする。より短い全長を有することは、マニピュレータアセンブリ間の衝突の可能性を有利に低減することができる(例えば、図4に示されるように手術中に2つ以上のマニピュレータアセンブリが使用されるとき)。加えて、マニピュレータアセンブリ900の全長を短くすることは、臨床職員によるより向上した患者アクセス、および患者に対するマニピュレータの位置決めのより大きい柔軟性を可能にする。
アーム820について上述したように、アーム920は、リードねじ936を双方向に回転可能に駆動する1つまたは複数のピッチ調整モータ930を含む。ナット938は、リードねじ936にねじ式に結合され、リードねじ936の回転がナット938の並進運動をもたらすように回転が拘束される。リンク950の第1の端部952はナット938に枢動可能に結合されている。リンク950の第2の端部954はポッド940に枢動可能に結合されている。したがって、ナット938がリードねじ936の長手方向軸に沿って並進移動すると、リンク950の第2の端部954は、ピッチ弧942の曲線経路をたどるようにポッドカップリング940の並進移動を駆動する。一連の図22-24は、ピッチ弧942に沿って並進移動するポッドカップリング940と、固定セグメント922に対して伸縮する可動セグメント926とを示している。
図22に示すように、手術ツールの全ピッチフォワード構成では、ポッドカップリング940は可動弓形セグメント926に対してその近位端部動作範囲限度に配置され、可動弓形セグメント926は、固定弓形セグメント922に対してその近位端部動作範囲限度に配置される。リンク950がアーム920に対して遠位に駆動されると、ポッドカップリング940は、最初に、可動弓形セグメントによって規定される曲線経路に沿って遠位に並進移動し始め、一方、可動弓形セグメント926は固定弓形セグメント922に対して静止したままである。図23に示されるように、ポッドカップリング940が可動弓形セグメント926に対してその遠位可動範囲限度に達した構成では、可動弓形セグメント926は、固定弓形セグメント922に対して遠位に動き始める。リンク950がアーム920に対してさらに遠位方向に駆動されると、可動弓形セグメント926は、ポッドカップリング940が可動弓形セグメント926に対してその遠位可動範囲限度に留まった状態で、図24に示すように、可動弓形セグメント926が固定弓形セグメント922に対してその遠位可動範囲限度に達するまで、固定弓形セグメント922によって規定された曲線経路に沿って遠位に並進移動する。
可動弓形セグメント926およびポッドカップリング940のそれらの近位動作範囲限度への近位の後退(例えば、図24の構成から図23の構成に向かって、さらに図22の構成に向かって移動させること)は、上述した一連の遠位運動の逆として起こり得る。いくつかの実施形態では、可動弓形セグメント926は、固定弓形セグメント922に対してその近位端部動作範囲限度に向かってばね付勢される。したがって、リンク950がポッドカップリング940をポッドカップリングの全ピッチ動作範囲(例えば、図22)の近位部分を通して駆動するとき、可動セグメント926はその近位動作範囲限度に留まる。リンク950が可動リンク926(例えば、図23)内でその遠位動作範囲限度を超えてポッドカップリング940を駆動すると、ピッチ調整アクチュエータはばね付勢力を克服し、可動リンク926およびポッドカップリング940は固定セグメント922に沿って一緒に遠位に並進移動し始め、ポッドカップリング940の全ピッチ動作範囲(例えば、図24)の遠位部分を通してポッドカップリング940を移動させる。
後退中、リンク950は(図24の構成から開始して)近位に後退され、ばね付勢がポッドカップリング940に対して可動弓形セグメント926を保持する。可動弓形セグメント926が固定弓形セグメント922に対してその近位動作範囲限度に達すると、ポッドカップリング940は、ポッドカップリング940が可動弓形セグメント926に対してその近位動作範囲限度に達するまで、可動弓形セグメント926によって規定される曲線経路に沿って近位に並進移動し始める。
いくつかの実施形態では、固定弓形セグメント922に対する可動弓形セグメント926の伸縮運動は電動化することができる。別個の電動リニアアクチュエータが、その弓形の動作範囲を通して可動弓形セグメントを駆動する。いくつかの実施形態では、他の伸縮式または伸縮式アクチュエータ装置が、ポッドカップリングが固定および可動セグメントに対して遠位および近位に動かされるときに、固定セグメントに対して可動セグメントの位置を制御するために使用されてもよい。
ポッドカップリング940を可動弓形セグメント926に移動可能に結合し、可動弓形セグメント926を固定弓形セグメント922に移動可能に結合するために使用されるベアリング配置は、マニピュレータアセンブリ800を参照して上述したように、ポッドカップリング840をアーム820に移動可能に結合するために使用されるベアリング配置と類似している(例えば、図18-20参照)。すなわち、複数のベアリングの第1のグループ(例えば、4つのベアリング)がポッドカップリング940に取り付けられて可動セグメント926に規定された弓形溝内を移動し、複数のベアリングの第2のグループ(例えば、4つのベアリング)が可動セグメント926に取り付けられて固定されて固定セグメント922に規定された弓形溝内を移動する。同様に、横方向ベアリング(lateral bearings)の第1のグループ(例えば4つのベアリング)がポッドカップリング940に取り付けられて、可動セグメント926の1つまたは複数の内側平面に当接し(bear against)、横方向ベアリングの第2のグループ(例えば、4つ)が、可動セグメント926に取り付けられて、固定セグメント922の1つまたは複数の内側平面に当接する。このようなベアリング配置は、有利には、(ポッドカップリング840とアーム820との間のベアリング配置に関して上述したように)可動弓形セグメント926に対してポッドカップリング940の、および固定弓形セグメント922に対する可動弓形セグメント926の構造安定性および剛性を提供することができる。
マニピュレータアセンブリ820について上述したように、他の実施形態では、2つ以上の弓形溝、または1つ若しくは複数の弓形レール、または1つ若しくは複数の弓形ロッドなどを含む他の弓形機構が使用されてもよい。
図示の実施形態では、マニピュレータ装置900は、約80°のピッチ運動の範囲で調整することができる。すなわち、ポッドカップリング940は、ピッチ弧942に沿ってアーム920に対して約80°の行程にわたって並進移動することができる。いくつかの実施形態では、マニピュレータ装置900は、約50°から約70°、約60°から約80°、約70°から約90°、約80°から約100°、約90°から約110°、または約100°から120°のピッチ運動の範囲を容易にするように構成される。
前述のように、ナット938は回転が拘束されている。ナット938がそのように拘束される1つの機構はまた、リードねじ936への望ましくない横方向の力の作用を防止または低減するのに有利に役立つ。特に、アーム920は、ねじ936の両側でリードねじ936と平行に延びる2つの細長い直線チャネルを画定する。2つのベアリング953は、2つの細長い直線チャネル939内で移動可能に係合している。2つのベアリング953は、ナット938またはリンク950の第1の端部952と回転可能に結合されることができる。この配置は、ベアリング953を介してアーム920の細長い線形チャネルに(そうでなければ、リードねじ936に横方向に及ぼされる)リンクからの力を伝達する。
再び図21を参照すると、図示のマニピュレータ1100は、例えば上記の図8に示したモータ846に類似したポッドロールモータを明示的には示していないことが分かる。明示的には示されていないが、いくつかの実施形態では類似のポッドロールモータが実装され得る。そして、固定ピッチ弧と伸縮ピッチ弧の両方を有するいくつかの実施形態では、内部ポッドロールモータが使用され得る。例えば、ポッド1000がポッドカップリング940(またはポッド700がポッドカップリング840)に取り付けられるとき、内部ポッドロールモータはポッドを挿入軸周りにロールさせる。
いくつかの実施形態では、マニピュレータ装置900は、様々な有利な目的のために電子センサなどを含み得る。例えば、エンコーダが、電動ピッチ、ロール、および/またはヨー調整機構のドライブトレインに結合され得る。いくつかの実施形態では、マニピュレータ装置900の可動構成要素の位置を積極的に(positively)識別することができる位置センサが使用され得る。
本明細書は多くの具体的な実施の詳細を含むが、これらはいかなる発明の範囲または請求項に記載され得るものに対する限定としてではなく、むしろ特定の発明の特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。本明細書において別々の実施形態の文脈で説明されているいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴は、別々にまたは任意の適切なサブコンビネーションで複数の実施形態でも実施することができる。さらに、本明細書では特徴を特定の組合せで作用するものとして説明し、最初はそのように請求項に記載することもできるが、請求項に記載される組合せからの1つまたは複数の特徴を組合せから切り取ることができ、請求項に記載される組合せをサブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形に向けてもよい。
同様に、動作が特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示された特定の順序で、または連続的な順序で実行されること、あるいは全ての示された動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。さらに、本明細書に記載された実施形態における様々なシステムモジュールおよび構成要素の分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とすると理解されるべきではなく、記載されたプログラム構成要素およびシステムが、概して、単一の製品に一緒に統合されるまたは複数の製品にパッケージ化され得ることが理解されるべきである。
主題の特定の実施形態が説明された。
他の実施形態は添付の請求項の範囲内にある。例えば、請求項に記載されている動作は、異なる順序で実行されることができ、依然として望ましい結果を達成することができる。一例として、添付の図面に示されたプロセスは、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序、または連続的な順序を必ずしも必要としない。特定の実装形態では、マルチタスク処理および並列処理が有利であり得る。

Claims (14)

  1. 遠隔操作マニピュレータシステムであって:
    取り付けベースと;
    遠位ピッチ弧部分、ピッチ調整アクチュエータ、および可動リンクを有するアームであって、前記アームはヨー軸周りに回転するように前記取り付けベースに結合され、前記可動リンクは近位端部および遠位端部を有し、前記可動リンクの前記近位端部は前記ピッチ調整アクチュエータに結合され、前記遠位ピッチ弧部分は中心を有するピッチ弧を規定する、アームと;
    前記アームの前記遠位ピッチ弧部分の曲線経路を並進移動するように結合されたツールアクチュエータアセンブリカップリングであって、前記アームの前記可動リンクの前記遠位端部は前記ツールアクチュエータアセンブリカップリングに結合されている、ツールアクチュエータアセンブリカップリングと;
    前記ツールアクチュエータアセンブリカップリングに結合されたツールアクチュエータアセンブリであって、前記ツールアクチュエータアセンブリの長軸がツール挿入軸を規定する、ツールアクチュエータアセンブリと;
    を有し、
    前記ヨー軸、前記ピッチ弧の前記中心、および前記ツール挿入軸は、一致しかつ前記遠隔操作マニピュレータシステムの動作の遠隔中心を規定し、
    前記アームの前記遠位ピッチ弧部分は、固定弓形セグメントと、前記固定弓形セグメントに結合された可動弓形セグメントを有し、前記固定弓形セグメントおよび前記可動弓形セグメントは一緒に前記ピッチ弧を規定し、
    前記可動弓形セグメントは、前記固定弓形セグメントの曲線経路を並進移動するように結合され、
    前記ツールアクチュエータアセンブリカップリングは、前記可動弓形セグメントの曲線経路を並進移動するように結合される、
    遠隔操作マニピュレータシステム。
  2. 前記アームは、前記固定弓形セグメントの前記曲線経路上の前記可動弓形セグメントの動作範囲の近位端部に前記可動弓形セグメントを付勢するように配置されたばねを有する、
    請求項に記載の遠隔操作マニピュレータシステム。
  3. 前記ピッチ調整アクチュエータはリニアアクチュエータを含む、
    請求項1又は2に記載の遠隔操作マニピュレータシステム。
  4. 前記アームは、回転軸を有するロールジョイントを定めるように前記取り付けベース内に延びる突出部を有し、
    前記ロールジョイントの前記回転軸は前記ヨー軸を規定する、
    請求項1又は2に記載の遠隔操作マニピュレータシステム。
  5. 前記取り付けベースは、セクタギアを有し、
    前記アームは、ヨー調整モータと、前記ヨー調整モータに結合されたピニオンギアを有し、前記ピニオンギアは、前記取り付けベースの前記セクタギアと噛み合い、
    前記ヨー調整モータは、前記アームを前記ヨー軸周りに駆動する、
    請求項1又は2に記載の遠隔操作マニピュレータシステム。
  6. 前記アームは、前記ヨー軸と平行かつ前記ヨー軸からオフセットされた回転軸を有するヨー調整モータを有し、
    前記ヨー調整モータは、前記アームを前記ヨー軸周りに駆動する、
    請求項1又は2に記載の遠隔操作マニピュレータシステム。
  7. 前記取り付けベースは、前記取り付けベースを空間内に静止して保持するように構成されたセットアップアームに解放可能に結合するように構成される、
    請求項1又は2に記載の遠隔操作マニピュレータシステム。
  8. 前記ピッチ調整アクチュエータは、複数の連動モータを有する、
    請求項1又は2に記載の遠隔操作マニピュレータシステム。
  9. 前記ツールアクチュエータアセンブリカップリングは、ロール調整アクチュエータを有し、前記ロール調整アクチュエータは、前記ツールアクチュエータアセンブリを前記ツール挿入軸周りに回転するよう駆動するために前記ツールアクチュエータアセンブリに結合される、
    請求項1又は2に記載の遠隔操作マニピュレータシステム。
  10. 前記ツールアクチュエータアセンブリカップリングは、ロール調整アクチュエータと、前記ロール調整アクチュエータに結合された第1のギアを有し、
    前記ツールアクチュエータアセンブリは、前記第1のギアに結合された第2のギアを有し、
    前記第1のギアの回転は、前記ツール挿入軸周りに回転するように前記ツールアクチュエータアセンブリを駆動する、
    請求項1又は2に記載の遠隔操作マニピュレータシステム。
  11. 前記ツールアクチュエータアセンブリは、前記ツールアクチュエータアセンブリが第2のツールアクチュエータアセンブリと交換可能であるように、前記ツールアクチュエータアセンブリカップリングに交換可能に結合される
    請求項1又は2に記載の遠隔操作マニピュレータシステム。
  12. 前記ツールアクチュエータアセンブリは、前記ツール挿入軸に沿ってツールを並進移動させるように構成される、
    請求項1又は2に記載の遠隔操作マニピュレータシステム。
  13. 前記ツールアクチュエータアセンブリは、前記ツールアクチュエータアセンブリに取り付けられたツールの可動構成要素を作動させるように構成される、
    請求項1又は2に記載の遠隔操作マニピュレータシステム。
  14. カニューレであって、前記カニューレが前記遠位ピッチ弧部分に対して前記ツールアクチュエータアセンブリの反対側に配置されるように、前記ツールアクチュエータアセンブリカップリングに解放可能に結合されたカニューレをさらに有する、
    請求項1又は2に記載の遠隔操作マニピュレータシステム。
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