以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す概略平面図である。図2は、作業機1の概略側面図である。本実施形態では、作業機1として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
図1、図2に示すように、作業機1は、機体(旋回台)2と、走行装置3と、作業装置4とを備えている。機体2上にはキャビン5が搭載されている。キャビン5の室内には、オペレータ(運転者)が着座する運転席(座席)6が設けられている。言い換えると、運転席6は機体2に搭載され、キャビン5は運転席6を包囲している。また、キャビン5は、運転席保護装置である。運転席保護装置としては、キャノピであってもよい。また、運転席6は、オペレータが座る部位である座部6Aと、オペレータの背を受ける部位である背もたれ部6Bとを有する。
本実施形態においては、作業機1の運転席6に着座したオペレータの前側(図1、図2の矢印A1方向)を前方、オペレータの後側(図1、図2の矢印A2方向)を後方、運転者の左側(図1の矢印B1方向)を左方、オペレータの右側(図1の矢印B2方向)を右方として説明する。
また、図1に示すように、前後方向K1に直交する方向である水平方向を機体幅方向K2(機体2の幅方向)として説明する。機体2の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体外方(機体幅方向の外方)として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向K2であって機体2の幅方向の中心から離れる方向のことである。機体外方とは反対の方向を、機体内方(機体幅方向の内方)として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向K2であって機体2の幅方向の中心に近づく方向である。
図1、図2に示すように、走行装置3は、機体2を走行可能に支持する装置である。この走行装置3は、走行フレーム3Aと、走行フレーム3Aの左側に設けられた第1走行装置3Lと、走行フレーム3Aの右側に設けられた第2走行装置3Rとを有する。第1走行装置3L及び第2走行装置3Rは、クローラ式の走行装置である。第1走行装置3Lは、第1走行モータM1によって駆動される。第2走行装置3Rは、第2走行モータM2によって駆動される。第1走行モータM1及び第2走行モータM2は、油圧モータ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。
走行装置3の前部には、ドーザ装置7が装着されている。ドーザ装置7は、ドーザシリンダ(油圧アクチュエータ)を伸縮することにより昇降(ブレードを上げ下げ)させることができる。
図2に示すように、機体2は、走行フレーム3A上に旋回ベアリング8を介して旋回軸心X1回りに旋回可能に支持されている。旋回軸心X1は、旋回ベアリング8の中心を通る上下方向に延伸する軸心である。
図1、図3に示すように、キャビン5は、機体2の幅方向K2の一側部(左側部)に搭載されている。このキャビン5は、旋回軸心X1を通り且つ前後方向K1に延伸する中央線Y1より機体幅方向K2の一側部(左側部)寄りに配置されている。また、キャビン5は、機体2の前部寄りに設けられている。
図1、図3に示すように、機体2の幅方向K2の他側部(右側部)には、原動機E1が搭載されている。原動機E1は、機体2に縦置きに搭載されている。縦置きとは、原動機E1のクランク軸の軸心が前後方向に延伸する状態に配置されることである。
原動機E1は、中央線Y1より機体幅方向K2の他側部(右側部)寄りに配置されている。原動機E1は、ディーゼルエンジンである。なお、原動機E1は、ガソリンエンジン、LPGエンジン又は電動モータであってもよいし、エンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。
原動機E1の後部には、油圧ポンプP1が設けられている。油圧ポンプP1は、原動機E1の動力によって駆動されて油圧駆動部に使用される作動油を加圧して吐出する。油圧駆動部は、例えば、作業機1に装備された油圧アクチュエータ等である。原動機E1の前方には、ラジエータR1、オイルクーラO1及びコンデンサD1が配置されて機体2に搭載されている。ラジエータR1は、原動機E1の冷却水を冷却する冷却機器であり、オイルクーラO1は、作動油を冷却する冷却機器である。また、コンデンサD1は、作業機1に装備された空調装置(エアコンディショナ)の冷媒を冷却する冷却機器(凝縮器)である。
ラジエータR1と原動機E1との間には、原動機E1を冷却する冷却風を発生させる冷却ファンF1が設けられている。冷却ファンF1は、原動機E1の動力によって駆動されて前方から後方に流れる冷却風を発生させる。
図2、図3に示すように、機体2は、旋回軸心X1回りに旋回する基板(以下、旋回基板という)9を有する。旋回基板9は、鋼板等から形成されており、機体2の底部を構成する。原動機E1は、この旋回基板9に搭載されている。旋回基板9の上面の中央側には、補強部材である縦リブ9L,9Rが前部から後部にわたって設けられている。縦リブ9Lは、機体2の幅方向K2の中央から一側寄りに配置され、縦リブ9Rは他側寄りに配置されている。また、旋回基板9に、縦リブ9L,9Rの他、機体2に搭載される機器等の搭載物を支持する支持部材等が設けられることにより、機体2の骨格となる旋回フレームが構成される。旋回フレームの水平方向の周囲は、旋回カバー12によって覆われる(図4、図5参照)。
機体2の後部には、ウエイト10が設けられている。ウエイト10は、機体2の後部に配置されて下部が旋回基板9に取り付けられている。また、ウエイト10は、旋回基板9から上方に突出状とされている。さらに、ウエイト10は、キャビン5及び運転席6より後方に配置されている。
図3、図4、図5に示すように、ウエイト10は、旋回基板9の後部の機体幅方向K2の幅よりも幅狭(機体2後部の幅の略1/2)に形成されていて旋回基板9の機体幅方向K2の中央側に配置されている。ウエイト10の上端は、キャビン5及び運転席6の上下中途部の高さ位置に位置している。即ち、ウエイト10は、旋回基板9からキャビン5及び運転席6の上下中途部位置までの高さに形成されている。
図1~図3に示すように、機体2の後部には、機体幅方向K2に沿って並べて配置された燃料タンクT1及び作動油タンクT2が搭載されている。燃料タンクT1は、原動機E1の燃料を貯留するタンクである。作動油タンクT2は、作動油を貯留するタンクである。燃料タンクT1及び作動油タンクT2は、ウエイト10と運転部42との間に配置されている。運転部42は、運転席6と、後述する操縦装置41とで構成されている。
燃料タンクT1及び作動油タンクT2の後方に、ウエイト10が配置されている。また、燃料タンクT1及び作動油タンクT2は、ウエイト10の機体幅方向K2の幅内に収まる形で該ウエイト10の前面に対向して配置されている。燃料タンクT1は作動油タンクT2に対して機体幅方向K2の一側(左側)に位置し、作動油タンクT2は燃料タンクT1に対して機体幅方向K2の他側(右側)に位置している。
図4~図6に示すように、キャビン5の下部の後方には、スペース46が設けられている。このスペース46は、キャビン5の後方の機体外方寄りに形成されている。スペース46は、第1形成面47と、第2形成面48と、ステップ49とを有して形成されている。
第1形成面47は、キャビン5より後方に配置された後部搭載部材の側面で形成されている。この後部搭載部材の側面は、キャビン5の下部の後方に位置し且つ機体外方を向く側面である。後部搭載部材は、本実施形態では、第1カバー18A及びウエイト10である。第1カバー18Aは、燃料タンクT1を覆うカバー部材であって、ウエイト10と運転部42との間に設けられている。また、第1カバー18Aは、燃料タンクT1の上方を覆う上壁部50と、燃料タンクT1の左の側方を覆う側壁部51とを有する。後部搭載部材の側面、即ち、第1形成面47は、第1カバー18Aの側面(側壁部51の外側面)と、ウエイト10の左の側面10aとで形成されている。第1形成面47は、キャビン5の機体幅方向K2の中央部より機体2の幅方向中央部寄りに位置している。なお、第1形成面47は、第1カバー18Aの側面とウエイト10の側面10aとで形成される構成に限らず、例えば、燃料タンク(後部搭載部材)T1の側壁によって形成してもよい。
第2形成面48は、キャビン5の背面である。
ステップ49は、キャビン5の下端部側に設けられていてスペース46の下面を形成する。即ち、ステップ(床面)49の上方空間がスペース46である。また、ステップ49は、機体2の上面を形成する部材であり、作業者が乗ることが可能である。また、ステップ49の近傍に燃料タンクT1が配置されている。
以上のように、スペース46は、第1形成面47、第2形成面48、ステップ49によって、キャビン5の下端部から上方に向けて且つ上方開放状に形成されている。また、スペース46は、左方(機体外方)及び後方にも開放状である。
図5に示すように、キャビン5の背面側には、室内からキャビン5の後方を視認可能な後部窓52が設けられている。この後部窓52は、キャビン5の背面の左部(機体外方側)で、且つスペース46の前方に設けられている。また、後部窓52は、キャビン5の上部から下部にわたって形成されている。後部窓52の機体幅方向K2の幅は、スペース46の前部の機体幅方向K2の一端部から他端部にわたる幅に形成され、後部窓52の下部は、スペース46に対応している。
後部窓52は、開閉可能である。図6に示すように、後部窓52は、右端側がヒンジ56によって縦軸心(上下方向に延伸する軸心)回りに回転可能に支持されている。これによって、後部窓52は、図6に仮想線で示すように、後方に向けて開き、且つスペース46内に侵入する。
また、ステップ49は、燃料タンクT1の側方に設けられている。図6に示すように、第1カバー18Aの上壁部50は、燃料タンクT1の上部(上壁)に設けられていて燃料を給油するための給油口の上方に形成された開口55を有する。開口55は、蓋部材54によって開閉可能に塞がれる。これにより、本実施形態では縦長形状の燃料タンクT1を搭載しているので燃料の給油口の位置が高くなるが、作業者がステップ49に乗って給油作業を行うことで容易に給油することができる。
図4に示すように、ステップ49の下方の機体2内には、燃料タンクT1に燃料を補給する燃料給油装置57を備えている。燃料給油装置57は、給油ポンプと、吸引ホースと、送油ホースとを有し、給油ポンプによって吸引ホースを介して燃料補給用の容器内の燃料を吸い込み、この吸い込んだ燃料を送油ホースによって燃料タンクT1に送る。
また、図4に示すように、ステップ49の下方の機体2内には、燃料に混入した水分を除去するセディメンタ58、原動機E1に燃料を送る燃料ポンプ59等が収容されている。
また、ステップ49は開閉可能であり、ステップ49を開くことで、燃料給油装置57、燃料ポンプ59、及びセディメンタ58等に容易にアクセスできる。
図6に示すように、キャビン5の機体外方側の側面(左側)には、ドア53が設けられている。ドア53は、後部がヒンジ61によって縦軸心回りに回転可能に支持されていて前部が機体幅方向K2に移動して乗降口62を開閉する。
図3に示すように、旋回基板9(機体2)の前部且つ機体幅方向K2の中央部には、旋回モータM3が配置され、この旋回モータM3によって旋回基板9が旋回軸心X1回りに旋回駆動される。旋回モータM3は、油圧モータ(油圧アクチュエータ、油圧機器)である
図1、図3に示すように、旋回軸心X1位置には、スイベルジョイント(油圧機器)S1が設けられている。スイベルジョイントS1は、作動油を流通させる油圧機器であって、機体2側の油圧機器と走行装置3側の油圧機器との間で作動油を流通させる回転継手(ロータリジョイント)である。スイベルジョイントS1の前方に旋回モータM3が配置されている。スイベルジョイントS1の後方にコントロールバルブ(油圧機器)V1が配置されている。
コントロールバルブV1は、上下方向に積み重ねて結合された複数の制御弁(バルブ)を有するセクショナルタイプの複合制御弁(油圧機器)である(図37参照)。
コントロールバルブV1を構成する制御弁は、作業機1に装備された油圧シリンダや油圧モータ等の油圧アクチュエータを制御する制御弁である。また、コントロールバルブV1を構成する制御弁は、後述の制御装置U1によって電気的に制御される制御弁であり、例えば、パイロット式の電磁弁が採用される。パイロット式の電磁弁は、ソレノイドによって制御されるパイロット圧によりメインスプールを動かして作動油の流れを制御する弁である。コントロールバルブV1を構成する制御弁は、例えば、第1走行モータM1、第2走行モータM2、旋回モータM3、ドーザシリンダ、スイングシリンダC2、ブームシリンダC3、アームシリンダC4、後述する作業具24を作動する作業具シリンダC5を制御する制御弁、作業具24に装備された油圧アクチュエータを制御する予備制御弁等である。予備制御弁は、詳しくは、油圧アクチュエータが装備された作業具24が装着された場合に、該油圧アクチュエータを制御する制御弁である。
コントロールバルブV1の後方に作動油タンクT2が配置されている。作動油タンクT2の右側方であって前部寄りに油圧ポンプP1が配置されている。
旋回モータM3からスイベルジョイントS1、コントロールバルブV1、作動油タンクT2を経て油圧ポンプP1に至る配置ゾーンが、これら油圧機器を配置する油圧機器配置部13である。また、言い換えると、キャビン5と原動機E1との間に油圧機器が配置される油圧機器配置部13が設けられ、該油圧機器配置部13に配置される油圧機器は、スイベルジョイントS1、旋回モータM3、コントロールバルブV1を含む。油圧機器配置部13は、スイベルジョイントS1、旋回モータM3、コントロールバルブV1を配置する第1配置部(配置部)13Aと、作動油タンクT2及び油圧ポンプP1を配置する第2配置部13Bとを有する(図1参照)。
図4に示すように、キャビン5の下方には、制御装置U1が設けられている。制御装置U1は、コントロールバルブV1を構成する制御弁を制御する。制御装置U1は、キャビン5の底部を構成する床部5Bに取り付けられている。図3に示すように、制御装置U1は、運転席6の左部の下方に配置されている。
スイベルジョイントS1、旋回モータM3、及びコントロールバルブV1は、これら各機器の一部または全部がキャビン5から機体幅方向K2に外れた位置に設けられている。これにより、メンテナンス時等において、キャビン5を下ろさずに上記各機器に、アクセスできる。
図1に示すように、機体2には、作業機1に設けられた搭載部材を覆うカバー装置14が設けられている。カバー装置14は、第1カバー体(カバー体)15、第2カバー体16、第3カバー体(カバー部材)17、第4カバー体(後部カバー体)18を有する。
第1カバー体15は、機体2の右部の前部に位置し、ラジエータR1、オイルクーラO1、コンデンサD1を覆っている。第1カバー体15の前部の側面には、第1カバー体15内に外気を取り入れる外気取入口19が設けられている。冷却ファンF1によって吸引されることにより外気取入口19から外気が取り入れられる。
第2カバー体16は、第1カバー体15の後方に位置し、原動機E1を覆っている。即ち、第2カバー体16は、原動機E1を収容する原動機室(エンジンルーム)ERを形成するボンネットである(以下、ボンネットという)。
第3カバー体17は、第1カバー体15及び第2カバー体16と、キャビン5(運転席6)との間に位置し、機器配置部13を覆っている。本実施形態では、第3カバー体17は、原動機E1とキャビン5との間の機器配置部13である第1配置部13Aを覆っている。即ち、第3カバー体17は、スイベルジョイントS1、旋回モータM3、及びコントロールバルブV1を覆っている。
第4カバー体18は、旋回基板9の後部に位置し、燃料タンクT1及び作動油タンクT2等を覆っている。第4カバー体18は、第1カバー18A、第2カバー18B、第3カバー18Cを有する。第1カバー18Aは、燃料タンクT1の上方及び左方を覆っている(図4参照)。第2カバー18Bは、作動油タンクT2及び油圧ポンプP1の一部の上方を覆っている。第3カバー18Cは、ウエイト10の右側に位置し、油圧ポンプP1の後方を覆っている。また、第2カバー18B及び第3カバー18Cは、開閉可能とされている。
図3に示すように、機体2は、機体幅方向K2の中央のやや右寄りの前部に支持ブラケット20を有している。支持ブラケット20は、縦リブ9L,9Rの前部に固定され、機体2から前方に突出状に設けられている。
図1、図2に示すように、支持ブラケット20の前部(機体2から突出した部分)には、スイング軸26を介してスイングブラケット21が縦軸心回りに揺動可能に取り付けられている。したがって、スイングブラケット21は、機体幅方向K2に(スイング軸26を中心として水平方向に)回動可能である。また、スイング軸26は、運転部42よりも機体幅方向K2の他方側に位置している。
図1に示すように、スイングブラケット21は、スイベルジョイントS1の前方に位置している。また、スイングブラケット21は、旋回軸心X1の前方で且つ後述するブーム22が機体正面方向(前方)を向いている状態のときに少なくとも一部が中央線Y1とオーバーラップする位置に配置されている。また、スイング軸26の軸心X2を通る前後方向の線Y2と、キャビン5の右側面5Aとの間(略中央)に中央線Y1が位置している。また、線Y2は、原動機E1と運転部42との間を通っている。
図2に示すように、スイングブラケット21には、作業装置4が取り付けられている。作業装置4は、ブーム22と、アーム23と、作業具(バケット)24とを有している。ブーム22の基部22Aは、ブーム枢軸27を介してスイングブラケット21の上部に枢支されている。詳しくは、基部22Aは、ブーム22が機体正面方向を向く状態において、スイングブラケット21の上部に横軸心(機体幅方向K2に延伸する軸心)回りに回動可能に枢着されている。これによって、ブーム22が上下方向に揺動可能とされている。また、ブーム22は、図2に示す最上げ位置において、長手方向の中央部が後方に凸となるように屈曲している。
アーム23は、ブーム22の先端側にアーム枢軸23Aを介して枢支されている。詳しくは、アーム23は、ブーム22が機体正面方向を向く状態において、該ブーム22に横軸心回りに回動可能に枢着されている。これによって、アーム23は、前後方向K1或いは上下方向に揺動可能とされている。また、言い換えると、アーム23は、ブーム23に対して近接する方向(クラウド方向)及び離反する方向(ダンプ方向)に揺動可能である。
作業具24は、本実施形態では、作業装置4に標準装備として装着されるバケットが例示されている。以下、作業具24をバケットという場合もある。
作業具24は、アーム23の先端側に作業具枢軸24Aを介して枢支されている。詳しくは、作業具24は、ブーム22が機体正面方向を向く状態において、アーム23に横軸心回りに回動可能に枢着されている。これによって、作業具24は、アーム23に対して近接する方向(クラウド方向)及び離反する方向(ダンプ方向)に揺動可能である。また、言い換えると、バケット24は、アーム23に、スクイ動作及びダンプ動作可能に設けられている。スクイ動作とは、バケット24をブーム22に近づける方向に揺動させる動作であり、例えば、土砂等を掬う場合の動作である。また、ダンプ動作とは、バケット24をブーム22から遠ざける方向に揺動させる動作であり、例えば、掬った土砂等を落下(排出)させる場合の動作である。
バケット24としては、横幅(機体幅方向K2の幅)の異なる複数種のバケット24を選択的に装着可能である。また、バケット24の代わりに、パレットフォーク、マニアフォーク等の作業具(アタッチメント)や、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、スノウブロア、スイーパー、モアー、油圧ブレーカ等の油圧アクチュエータを有する作業具(油圧アタッチメント)を取り付け可能である。
スイングブラケット21は、機体2内に備えられたスイングシリンダC2の伸縮によって揺動可能である。ブーム22は、ブームシリンダC3の伸縮によって揺動可能である。アーム23は、アームシリンダC4の伸縮によって揺動可能である。作業具24は、作業具シリンダ(バケットシリンダ)C5の伸縮によって揺動可能である。スイングシリンダC2、ブームシリンダC3、アームシリンダC4、作業具シリンダC5は、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。
図1に示すように、ブーム22の基部22Aは、キャビン5よりも中央線Y1側に位置している。言い換えると、原動機E1とキャビン5との間の前方に、スイングブラケット21及びブーム22の基部22Aが配置されている。したがって、スイングブラケット21が前方(正面方向)を向く状態でブーム22を上昇させる(最上げ位置にする)と、側面視においてブーム22の下部がキャビン5とオーバーラップし(キャビン5の側方に位置し)、ブーム22とアーム23との接続部がスイングブラケット21の略鉛直上方に配置される(図2参照)。
また、ブーム22の最上げ位置において、バケット24をスクイ動作させた状態で、アーム23をブーム22に近づける方向に揺動させると、図2に実線で示すように、バケット24の略全体がドーザ装置7の前端よりも後方(A2方向)に配置され、バケット24の一部はスイングブラケット21の前端よりも後方に配置される。
このように、ブーム22の最上げ位置のときにバケット24の一部がスイングブラケット21の前端よりも後方に位置するように、アーム23及びバケット24を機体2に近づけることができるので、機体2を旋回させる際において、作業装置4を小さい半径で旋回動作させることができる。これにより、例えば、ダンプカーの荷台に土砂等を積む作業やアーム23の先端側に設けたフックに運搬物を吊って吊り作業を行う場合等に動作を安定させることができる。また、ブーム22の最上げ位置のときにバケット24の位置を機体2に近づけるとともに高くすることができるので、ダンプカーの荷台に土砂等を積む際に、作業機2を荷台に近づけることができ、作業性を高めることができる。また、図2に実線で示す状態からアーム23をブーム22から遠ざかる方向に揺動させると、バケット24の底部の軌跡が上向きとなるので、ダンプカーの荷台に土砂等を積む際のダンプ動作がスムーズに行える。
図7に示すように、作業機1は、スイングブラケット21の位置を検出するスイングセンサ261を有する。スイングセンサ261は、例えば、ポテンショメータによって形成されている。スイングセンサ261は、支持ブラケット20に取り付けられている。また、スイングセンサ261は、第1連動リンク機構262によってスイングブラケット21に連動連結されている。したがって、スイングセンサ261は、スイング軸26回りのスイングブラケット21の回転角度(スイング角)を検出する。つまり、スイングセンサ261は、支持ブラケット20(機体2)に対するスイングブラケット21の位置を検出する。
図8に示すように、作業機1は、作業装置4の状態を検出する作業装置センサ263を有する。作業装置センサ263は、ブーム22の位置を検出するブームセンサ263A、アーム23の位置を検出するアームセンサ263B及び作業具24の位置を検出する作業具センサ263Cを有する。ブームセンサ263A、アームセンサ263B及び作業具センサ263Cは、例えば、ポテンショメータによって形成されている。
ブームセンサ263Aは、スイングブラケット21に取り付けられている。また、ブームセンサ263Aは、第2連動リンク機構264によってブーム22に連動連結されている。したがって、ブームセンサ263Aは、ブーム枢軸27回りのブーム22の回転角度を検出する。つまり、ブームセンサ263Aは、スイングブラケット21に対するブーム22の位置を検出する。
アームセンサ263Bは、ブーム22に取り付けられている。また、アームセンサ263Bは、第3連動リンク機構265によってアーム23に連動連結されている。したがって、アームセンサ263Bは、アーム枢軸23A回りのアーム23の回転角度を検出する。つまり、アームセンサ263Bは、ブーム22に対するアーム23の位置を検出する。
作業具センサ263Cは、アーム23に取り付けられている。作業具センサ263Cは、第4連動リンク機構266によって作業具24に連動連結されている。したがって、作業具センサ263Cは、作業具枢軸24A回りの作業具24の回転角度を検出する。つまり、作業具センサ263Cは、アーム23に対する作業具24の位置を検出する。
作業装置センサ263は、ブームセンサ263Aがブーム22の位置を検出すると共に、アームセンサ263Bがアーム23の位置を検出し、且つ作業具センサ263Cが作業具24の位置を検出することにより作業装置4の状態(姿勢)を検出する。
図9は、スイングブラケット21及び作業装置4の制御システムを示す。制御システムは、制御装置U1と、スイング制御弁268と、ブーム制御弁269と、アーム制御弁270と、作業具制御弁271とを有する。
制御装置U1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などを備えたマイクロコンピュータを利用して構成される。
スイング制御弁268、ブーム制御弁269、アーム制御弁270及び作業具制御弁271は、コントロールバルブV1を構成する制御弁であり、前述したパイロット式の電磁弁によって構成されている。スイング制御弁268はスイングシリンダC2を制御し、ブーム制御弁269はブームシリンダC3を制御し、アーム制御弁270はアームシリンダC4を制御し、作業具制御弁271は作業具シリンダC5を制御する。
具体的には、スイング制御弁268は、第1ソレノイド268D及び第2ソレノイド268Eを励磁又は消磁することによって、中立位置268から第1位置268B又は第2位置268Cに切換可能である。第1位置268Bに切り換わると、スイングシリンダC2が伸長してスイングブラケット21は右方に揺動する。第2位置268Cに切り換わると、スイングシリンダC2が収縮してスイングブラケット21は左方に揺動する。
また、ブーム制御弁269は、第1ソレノイド269D及び第2ソレノイド269Eを励磁又は消磁することによって、中立位置269Aから第1位置269B又は第2位置269Cに切換可能である。第1位置269Bに切り換わると、ブームシリンダC3が伸長してブーム22は上方に揺動する。第2位置269Cに切り換わると、ブームシリンダC3が収縮してブーム22は下方に揺動する。
また、アーム制御弁270は、第1ソレノイド270D及び第2ソレノイド270Eを励磁又は消磁することによって、中立位置270Aから第1位置270B又は第2位置270Cに切換可能である。第1位置270Bに切り換わると、アームシリンダC4が伸長してアーム23はブーム22に近接する方向に揺動する。第2位置270Cに切り換わると、アームシリンダC4が収縮してアーム23はブーム22から離反する方向に揺動する。
また、作業具制御弁271は、第1ソレノイド271D及び第2ソレノイド271Eを励磁又は消磁することによって、中立位置271Aから第1位置271B又は第2位置271Cに切換可能である。第1位置271Bに切り換わると、作業具シリンダC5が伸長して作業具24はアーム23に近接する方向に揺動する。第2位置271Cに切り換わると、作業具シリンダC5が収縮して作業具24はアーム23から離反する方向に揺動する。
図9に示すように、制御装置U1は、スイング制御弁268を切換制御するスイング制御部272、ブーム制御弁269を切換制御するブーム制御部273、アーム制御弁270を切換制御するアーム制御部274及び作業具制御弁271を切換制御する作業具制御部275を有する。すなわち、制御装置U1は、スイングブラケット21、ブーム22、アーム23及びバケット24の動作を制御する。
図9に示すように、スイングセンサ261、ブームセンサ263A、アームセンサ263B及び作業具センサ263Cは、制御装置U1に接続されている。したがって、制御装置U1は、スイングセンサ261からの検出信号、ブームセンサ263Aからの検出信号、アームセンサ263Bからの検出信号及び作業具センサ263Cからの検出信号を取得する。
これにより、制御装置U1は、支持ブラケット20に対するスイングブラケット21の位置、スイングブラケット21に対するブーム22の位置、ブーム22に対するアーム23の位置、アーム23に対する作業具24の位置及び作業装置4の状態を把握(監視)する。また、制御装置U1は、支持ブラケット20に対するスイングブラケット21の位置と、スイングブラケット21に対するブーム22の位置とから、キャビン5に対するブーム22の位置を把握する。
図9に示すように、制御装置U1には、スイング操作具267が接続されている。スイング操作具267は、例えば、ペダルによって構成され、運転席6の前方で且つ床部5Bに設けられる。スイング操作具267は、操作方向及び操作量を検出するセンサ(ポジションセンサ)267Aを有している。該センサ267Aは、制御装置U1に接続されている。スイング操作具267を、例えば、左側に踏込み操作すると、スイング制御部272から出力される指令信号によってスイング制御弁268が第2位置268Cに切り換わり、スイングブラケット21が左方に揺動する。また、右側に踏込み操作すると、スイング制御部272から出力される指令信号によってスイング制御弁268が第1位置268Bに切り換わり、スイングブラケット21が右方に揺動する。
図9に示すように、制御装置U1には、操縦部材82が接続されている。操縦部材82は、運転席6の前方に配置された操縦台81(図4、図6参照)に設けられる。操縦部材82は、オペレータが把持して操作する部材(グリップ)である。操縦部材82は、第1操縦ハンドル82Lと、第2操縦ハンドル82Rとを含む。
第1操縦ハンドル82Lは、例えば、機体2を旋回操作可能であり且つアーム23を揺動操作可能である。第1操縦ハンドル82Lは、操作方向及び操作量を検出するセンサ(ポジションセンサ)82Aを有している。該センサ82Aは、制御装置U1に接続されている。したがって、制御装置U1は、センサ82Aからの検出信号に基づいて、旋回モータM3を制御する旋回制御弁(図示省略)及びアーム制御弁270を制御する。
また、第2操縦ハンドル82Rは、例えば、ブーム15を揺動操作可能であり且つ作業具24を揺動操作可能である。第2操縦ハンドル82Rは、操作方向及び操作量を検出するセンサ(ポジションセンサ)82Bを有している。該センサ82Bは、制御装置U1に接続されている。したがって、制御装置U1は、センサ82Bからの検出信号に基づいて、ブーム制御弁269及び作業具制御弁271を制御する。
例えば、幅広のバケット24や大型の作業具24を装着した場合、スイングブラケット21を左方に揺動すると、該幅広バケット24や大型の作業具24がキャビン5(運転部42)に干渉するおそれがある。
そこで、作業機1は、作業具24がキャビン5に干渉しない位置でスイングブラケット21の動作を停止させるスイング干渉防止機能を有する。このスイング干渉防止機能について説明する。
制御装置U1は、記憶部276と、揺動停止部277と、記憶解除部284とを有する。また、制御装置U1には、規制スイッチ281が接続されている。規制スイッチ281は、例えば、操縦台81に設けられる。規制スイッチ281は、押しボタンスイッチやロータリースイッチなどの物理的に操作されるハードウェアスイッチでもよいし、スイッチのオン・オフ切り替えをソフトウェアで行うソフトウェアスイッチでもよい。ソフトウェアスイッチは、例えば、操縦台81に設けられたモニタ84の表示部84A(図6参照)に表示される。
記憶部276は、規制スイッチ281をON操作することにより、スイングブラケット21の所定の位置を記憶する。詳しくは、先ず、スイング操作具267によってスイングブラケット21を揺動操作すると共に、該スイングブラケット21を任意の規制位置(スイングブラケット21を自動で停止させたい位置)に停止させる。この状態で規制スイッチ281をON操作すると、記憶部276は、該規制位置を記憶する。
揺動停止部277は、スイングブラケット21が揺動して記憶部276が記憶した規制位置に到達したときに、スイングブラケット21の揺動を停止させる指令信号(中立位置268Aに戻す信号)をスイング制御弁268に出力する。この指令信号によりスイングブラケット21が規制位置で停止する。つまり、スイング操作具267でスイングブラケット21を操作していても、設定した規制位置でスイングブラケット21を自動で強制的に停止させることができ、作業具24がキャビン5に干渉するのを防止することができる。
また、記憶部276は、作業装置4が所定の状態(所定の姿勢)であるときのスイングブラケット21の規制位置を記憶する。例えば、作業装置4を所定の状態にし、且つスイングブラケット21を機体正面方向よりも左方に揺動させて、作業具24がキャビン5に当たる手前の任意の位置でスイングブラケット21の揺動を停止させる。この位置を記憶部276に記憶させることにより、作業装置4がキャビン5(運転部42)等と干渉するのを防止することができる。
作業装置4の所定の状態としては、例えば、ブーム22を最上げ位置に揺動すると共にアーム23をブーム22に最も近接する位置に揺動し且つ作業具24をアーム23に最も近接する位置に揺動した状態である。この状態において作業具24がキャビンに干渉するおそれが高いので、この状態でスイングブラケット21の規制位置を記憶させるのが有効である。
以上のように、様々な作業具24を使用する際に、作業具24がキャビン5に干渉する手前のスイングブラケット21の位置を記憶させ、この記憶した位置にスイングブラケット21が到達したときにスイング動作(スイングブラケット21の揺動動作)を停止させるようにすることにより、オペレータは、作業具24とキャビン5との干渉を気にすることなくスイング操作をすることができる。
記憶解除部284は、記憶部276に記憶させた規制位置の記憶を解除する。詳しくは、記憶解除部284は、規制スイッチ281をOFF操作することにより、記憶部276に記憶させた規制位置の記憶を解除する。これにより、例えば、作業具24を付け替えたときに、該付け替えた作業具24の大きさに応じてスイングブラケット21の停止位置を再設定することができる。
なお、記憶解除部284による規制位置の記憶の解除は、規制スイッチ281とは別の規制解除スイッチによって行ってもよい。
また、規制位置の設定は、スイングブラケット21を、ブーム22が機体正面方向を向いている中央位置から運転部42側に揺動させた位置で行えるようにしてもよい。
図10に実線で示すように、スイングブラケット21が機体正面方向を向く中央位置でブーム22を上昇させると、機体幅方向K2においてブーム22がキャビン5とオーバーラップする。即ち、ブーム22は、運転部42の側方まで上げ動作可能である。この状態から、矢印で示すように、スイングブラケット21を右側に揺動させると、ブーム22がキャビン5(運転部42)に近接して干渉するおそれがある。また、仮想線で示すように、スイングブラケット21を右側に揺動させた状態で、ブーム22を上昇させる場合においても、ブーム22はキャビン5(運転部42)に近接して干渉するおそれがある。
そこで、作業機1は、ブーム22がキャビン5(運転部42)と干渉するのを防止するブーム干渉防止機能を有する。このブーム干渉防止機能について説明する。
図9に示すように、制御装置U1は、位置検出部283と、ブーム停止部278とを有する。位置検出部283は、スイングセンサ261とブームセンサ263Aからの検出信号に基づいてキャビン5(運転部42)に対するブーム22の位置を検出する。即ち、支持ブラケット20に対するスイングブラケット21の位置と、スイングブラケット21に対するブーム22の位置とから、キャビン5に対するブーム22の位置が検出される。つまり、スイングセンサ261及びブームセンサ263Aは、運転部42に対するブーム22の位置を検出する検出センサ285を構成する。
ブーム停止部278は、位置検出部283によって検出されたブーム22の位置に基づいて、ブーム22がキャビン5(運転部42)に干渉する前に(ブーム22がキャビン5に近接した際に)ブーム22を停止させる指令信号(中立位置269Aに戻す信号)をブーム制御弁269に出力する。この指令信号によりブーム22が停止する。
具体的には、ブーム22を機体正面方向よりも所定角度以上右にスイングさせた状態から上昇させる操作が行われた場合、位置検出部283の検出結果に基づいて、ブーム停止部278は、ブーム22がキャビン5(運転部42)に近接するか否かを判断し、近接すると判断した場合にはブーム22がキャビン5(運転部42)に干渉しないようにブーム22の動作を停止する。
また、揺動停止部277は、位置検出部283によって検出されたブーム22の位置に基づいて、ブーム22がキャビン5(運転部42)に干渉する前に(ブーム22がキャビン5に近接した際に)スイング動作を停止させる指令信号をスイング制御弁268に出力する。この指令信号によりスイング動作が停止する。
具体的には、揺動停止部277は、ブーム22を所定角度以上上昇させた状態から機体正面方向よりも右にスイングさせる操作が行われた場合、位置検出部283の検出結果に基づいて、ブーム22がキャビン5(運転部42)に近接するか否かを判断し、近接すると判断した場合にはブーム22がキャビン5(運転部42)に干渉しないようにスイング動作を停止させる。
例えば、ブーム22を最上げ位置に上昇させる場合において、スイングブラケット21を、左斜め前方を向く状態から右方に揺動させて中央位置に停止させる際、あるいは右斜め前方を向く状態から左方に揺動させて中央位置に停止させる際に、スイングブラケット21が中央位置から若干右側に位置ずれした状態で止まると、ブーム22を上昇させたときに、前述したブーム干渉防止機能が働いて、ブーム22が途中で止まってしまう場合がある。このような場合、スイングブラケット21の位置を修正しなければならない。この操作が煩わしい。
そこで、作業機1は、スイングブラケット21を中央位置で停止させるスイング中央停止機能を有する。このスイング中央停止機能について説明する。
図9に示すように、制御装置U1は、スイング停止部279と、停止機能解除部280とを有する。また、制御装置U1には、停止解除スイッチ282が接続されている。停止解除スイッチ282は、例えば、操縦台81に設けられる。停止解除スイッチ282は、ハードウェアスイッチでもよいし、ソフトウェアスイッチでもよい。
スイング停止部279は、ブーム22が機体正面方向を向く中央位置にスイングブラケット21が揺動したときに、該スイングブラケットの揺動動作であるスイング動作を一時的に停止させる。詳しくは、スイングブラケット21を揺動させてブーム22が機体正面方向を向く中央位置にスイングブラケット21が位置したときに、スイング停止部279は、スイング制御弁268にスイング動作を一旦(所定時間)停止させる指令信号(中立位置268Aに戻す信号)を出力する。この指令信号により、スイングブラケット21は中央位置で所定時間停止する。これにより、スイングブラケット21が中央位置に位置したことをオペレータに認識させることができる。
スイング動作の停止時間は、限定されることはないが、例えば、1秒程度である。つまり、スイング停止部279は、スイング動作を停止してから所定時間を経過した後にスイング動作の停止の解除を行う。したがって、スイング動作が停止した後も、スイング操作具267を操作し続けていると、所定時間経過後にスイング動作が再開し、スイング動作を続けることができる。
また、このスイング動作が停止している間に、スイング操作具267の操作を解除すると、ブーム22が機体正面方向を向く中央位置にスイングブラケット21を正確に位置させることができる。これにより、ブーム干渉防止機能によってブーム22がオペレータの意図に反して停止することなく該ブーム22を最上げ位置に上昇させることができる。つまり、スイングブラケット21を中央位置からずれた位置から中央位置に戻す修正作業をなくすことができる。
なお、本実施形態では、スイングブラケット21を右方に揺動させる場合、及びスイングブラケット21を左方に揺動させる場合のいずれの場合においても、スイングブラケット21が中央位置にきたときに、スイング動作を一旦停止させる。
停止機能解除部280は、停止解除スイッチ282をON操作することで、スイング停止部279によるスイング動作の停止機能(スイング中央停止機能)を規制する。即ち、スイング停止部279によるスイング動作の停止を行わせない。これにより、スイング中央停止機能を必要としないオペレータが作業機1を快適に使用することができる。また、停止解除スイッチ282をOFF操作することで、スイング中央停止機能が作動する状態になる。
図4に示すように、運転席6は、キャビン5内の後部に配置されている。また、運転席6は、キャビン5の床部5Bに搭載されている。詳しくは、床部5B上で且つ機体幅方向K2の中央部にシート台76が取り付けられ、このシート台76上に、サスペンション装置77を介して運転席6が設けられている。
図4、図6に示すように、キャビン5内には、操縦装置41が設けられている。この操縦装置41は、運転席6の前方に設けられ、床部5Bに設置されている。運転席6と操縦装置41とで作業機1を運転(操縦)する運転部42が構成されている。なお、本実施形態では、運転部42がキャビン5内に配置されている構成(キャビン仕様)について説明するが、これに限らず、運転部42の前後方向K1及び機体幅方向K2が外部に開放され、上方が屋根で覆われた構成(キャノピ仕様)であってもよく、運転部42の前後方向K1、機体幅方向K2および上方が外部に開放された構成であってもよい。
図11、図12に示すように、操縦装置41は、操縦台81と、操縦部材82と、肘置き部材83と、モニタ84と、走行操作部材85と、ドーザレバー80とを有する。操縦台81は、運転席6の前方で且つキャビン5の機体幅方向K2の中央側に設けられている。操縦台81は、操縦部材82、肘置き部材83、モニタ84及びドーザレバー80等が取り付けられる取付台93と、取付台93を上下位置調整可能に支持する昇降装置86とを有する。
図11に示すように、取付台93は、操縦台81の上部に設けられている。取付台93は、板材によって形成され、板面が上下方向を向くように配置されている。図13に示すように、取付台93は、主部93Aと、第1延出部93Lと、第2延出部93Rとを有する。主部93Aは、機体幅方向K2に長い横長に形成されている。第1延出部93Lは、主部93Aの機体幅方向K2の一側部から後方に延びる。詳しくは、第1延出部93Lは、主部93Aの機体外方側の部位(左部)から後方に行くに従って機体外方に移行する傾斜方向に延出されている。第2延出部93Rは、主部93Aの機体幅方向K2の他側部から後方に延びる。詳しくは、第2延出部93Rは、主部93Aの機体内方側の部位(右部)から後方に行くに従って機体内方に移行する傾斜方向に延出されている。
主部93Aの中央部背面側の縁部、第1延出部93Lの右縁部、第2延出部93Rの左縁部によって、取付台93の後部側に後方に開放状の凹部93Bが形成されている。この凹部93Bは、後方に行くに従って拡開状とされている。図6に示すように、取付台93に凹部93Bを形成することにより、オペレータは、キャビン5の前面を構成する前窓5Cに容易に近づくことができ、上部ガラス68Aを容易に開閉操作することができる。詳しく説明すると、図4、図6に示すように、前窓5Cは、フロントガラス68を有する。フロントガラス68は、上下方向に直線状に可動可能な上部ガラス68Aと、固定状の下部ガラス68Bとを有する。上部ガラス68Aの上部には、該上部ガラス68Aを移動操作する際に把持する把持部60L,60Rが設けられている。把持部60Lは、上部ガラス68Aの左側に設けられ、把持部60Rは、上部ガラス68Aの右側に設けられている。上部ガラス68Aを上下動させることで、キャビン5の前面上部を開閉することができ、凹部93Bを形成することにより、この上部ガラス68Aの操作を容易に行える。
図12に示すように、昇降装置86は、取付台93の下方に位置している。図14に示すように、昇降装置86は、取付プレート286と、支持パイプ288と、ガスシリンダ287と、回り止め機構289と、昇降カバー290とを有する。
図12に示すように、取付プレート286は、取付台93の主部93Aの下面に取り付けられている。図14に示すように、取付台93の右部には、通し穴286aが上下方向に貫通状に形成されている。図15Aに示すように、通し穴286aの下方には、床部5Bを貫通して形成された通し穴5Dが形成されている。取付台93に取り付けられる機器(操縦部材82、モニタ84、スイッチ類等)に接続されるハーネスは、通し穴286a及び通し穴5Dを通って配策される。
図15Aに示すように、支持パイプ288は、上下方向に延伸する軸心を有する円筒状であって、床部5Bに立設されている。支持パイプ288の下部には、床部5Bに固定された補強リブ291が設けられている。支持パイプ288の下部で且つ前部には、取付ステー292が固定されている。
図15Aに示すように、ガスシリンダ287は、シリンダチューブ287Aと、ピストンロッド287Bとを有する。シリンダチューブ287Aは、支持パイプ288内に挿入され、上下方向に延伸する状態で支持パイプ288に支持されている。ピストンロッド287Bは、下部がシリンダチューブ287A内に挿入されていて、シリンダチューブ287Aに上下動可能に支持されている。つまり、ガスシリンダ287は、シリンダチューブ287Aに対してピストンロッド287Bが上下動(突出方向及び後退方向に移動)することで長さ方向に伸縮可能である。ピストンロッド287Bの上部は、取付台93に連結されている。
ガスシリンダ287は、ガススプリングとも呼称され、例えば、密閉されたシリンダチューブ287A内に窒素ガス等の不燃性高圧ガスを封印してあり、このガスの反力をバネとして利用してピストンロッド287Bをシリンダチューブ287Aから突出する方向に付勢する。また、ガスシリンダ287は、任意の長さで固定することができる(ガスシリンダ287の伸縮を任意の位置で固定できる)ストロークロック機構を備えたロック式ガスシリンダである。即ち、ピストンロッド287Bは、シリンダチューブ287Aに対して長さ方向の任意の位置で停止可能である。つまり、ガスシリンダ287は、無段階で長さが調整可能である。ガスシリンダ287の長さを調整することで、取付台93の高さを調整することができる。これにより、オペレータの身長に合わせて操縦部材82の高さを調整することができる。操縦部材82の高さを調整することで、オペレータの作業姿勢がよくなり、疲れにくくなる。
図15B、図15Cに示すように、昇降装置86は、ガスシリンダ287(シリンダチューブ287A)を支持パイプ288に固定する固定部361を有していてもよい。
固定部361は、例えば、支持パイプ288の右側の上部に設けられる。固定部361は、支持パイプ288に形成されたスリット362と、スリット362の幅方向の一側に隣接して設けられた第1部材363と、スリット362の幅方向の他側に隣接して設けられた第2部材364と、第1部材363と第2部材364とを近接させる固定具365とを有する。
スリット362は、支持パイプ288の上端から下方に向けて且つ支持パイプ288の軸心方向に沿って所定長さに形成されている。第1部材363及び第2部材364は、スリット362の上部側において該スリット362を挟むように対向配置されて支持パイプ288に固定されている。
第1部材363は、スリット362の幅方向と平行な方向に貫通して形成された挿通孔363aを有する。第2部材364は、スリット362の幅方向と平行な方向に貫通して形成されたネジ穴364aを有する。
固定具365は、ネジ軸部366と、ネジ軸部366に一体形成された当接部367と、当接部367から延出する延出部368と、延出部368に設けられた操作ハンドル369とを有する。ネジ軸部366は、ネジ穴364aにねじ込まれる雄ネジ部366aを有する。当接部367は、第1部材363における第2部材364に対向する面とは反対側の面に当接する。延出部368は、雄ネジ部366aとは反対側に延出している。
固定部361は、操作ハンドル369を把持してネジ軸部366を軸心回りにねじ込み方向に回転させることにより、第1部材363と第2部材364とを近接させることができる。これにより、支持パイプ288に対してガスシリンダ287を固定でき、ガスシリンダ287のガタツキを防止することができる。
なお、固定具365は、ネジの作用で第1部材363と第2部材364とを近接させるものに限定されることはない。例えば、固定具365は、操作ハンドル369を回すことにより、カムの作用等によって第1部材363と第2部材364とを近接させる構造のものであってもよい。
図14に示すように、ピストンロッド287Bの上部(先端部)には、ヘッド部287Cが設けられ、ヘッド部287Cは、取付プレート286の下面に取り付けられている。取付プレート286は、取付台93の下面に取り付けられている。したがって、ヘッド部287C及び取付プレート286を介して、ピストンロッド287Bが、取付台93に連結されている。図16Aに示すように、ヘッド部287Cには、ロック解除レバー287Dが設けられている。ロック解除レバー287Dは、シリンダチューブ287Aに対するピストンロッド287Bの停止の解除を行う部材である。詳しくは、ロック解除レバー287Dは、ピストンロッド287B内を挿通するロック解除用のピンに連動連結されており、ロック解除レバー287Dを引き下げる又は引き上げる等することにより、シリンダチューブ287Aに対するピストンロッド287Bの移動の拘束が解除され、シリンダチューブ287Aに対してピストンロッド287Bが移動可能となる。ロック解除レバー287Dに対する操作力を解除すると、ロック解除レバー287Dは、元の位置に戻り、シリンダチューブ287Aに対してピストンロッド287Bが移動不能となる。
図17に示すように、ロック解除レバー287Dは、ヘッド部材287Cから運転席6に向けて延びており、運転席6からオペレータが容易に操作できる。
図16Aに示すように、回り止め機構289は、支持パイプ288に取り付けられたガイド部材289Bと、取付プレート286に取り付けられたスライド部材289Aとを有する。ガイド部材289Bは、支持パイプ288の左側に上下方向に延伸して配置され、該支持パイプ288に固定されている。また、ガイド部材289Bは、支持パイプ288の上部から下部にわたって設けられている。
スライド部材289Aは、ガイド部材289Bの左側に配置されていると共にガイド部材289Bから上方に突出状に配置されている。ガイド部材289Bの上部は、取付プレート286の下面に取付部材293を介して取り付けられている。したがって、スライド部材289Aは、取付プレート286を介して取付台93に取り付けられていて、取付台93と一体的に上下動する。また、スライド部材289Aの右側には、右方に開口する係合溝284が上下方向に形成されている。この係合溝284にガイド部材289Bが上下方向に相対移動可能に嵌っている(図19参照)。これにより、スライド部材289Aがガイド部材289Bに上下方向に移動自在に案内されると共に、ピストンロッド287Bの軸心回りに取付プレート286及び取付台93が回転するのを規制している。
図14に示すように、昇降カバー290は、上部の可動カバー290Aと、下部の固定カバー290Bとを有する。可動カバー290Aは、ガスシリンダ287の上部を覆い、固定カバー290Bは、ガスシリンダ287の下部を覆っている。可動カバー290Aは、ガスシリンダ287の左及び右の側面並びに背面を覆う主カバー290Aaと、ガスシリンダ287の前面側を覆う前カバー290Abとを有する。可動カバー290Aは、取付プレート286に取り付けられていて、取付プレート286及び取付台93と一体的に上下動する。固定カバー290Bは、床部5B上に立設され、ガスシリンダ287の左及び右の側面並びに背面を覆っている。固定カバー290Bの前面は、開口している。また、固定カバー290Bの上部は、可動カバー290Aの下部内に挿入されていて、可動カバー290Aと固定カバー290Bとが、上下方向に相対移動可能にオーバーラップしている。
図16B、図16Cに示すように、昇降装置86は、ガスシリンダ287の伸長限界及び収縮限界を規制する上下限規制部371を有していてもよい。
上下限規制部371は、例えば、回り止め機構289に設けられる。詳しくは、上下限規制部371は、スライド部材289Aに形成された長穴372と、ガイド部材289Bに取り付けられた規制部材373とを有する。
長穴372は、スライド部材289Aの長さ方向(上下方向)に所定長さで形成されている。また、長穴372は、スライド部材289Aを貫通して形成されている。
規制部材373は、長穴372を挿通してガイド部材289Bの側面(左側面)に当接している。規制部材373は、ボルト374によってガイド部材289Bに取り付けられている。ボルト374は規制部材373を貫通すると共にガイド部材289Aに形成されたネジ穴375にねじ込まれている。規制部材373は、長穴372からガイド部材289Bとは反対側に若干突出しており、ボルト374の締め付け力がスライド部材289Aに及ばないように形成されている。なお、規制部材373は、溶接やリベット等によってガイド部材289Bに取り付けられていてもよい。
この上下限規制部371にあっては、長穴372の下端が規制部材373の下端に当接することでガスシリンダ287の伸長限界を規制し、長穴372の上端が規制部材373の上端に当接することでガスシリンダ287の収縮限界を規制する。また、ガスシリンダ287の伸長限界が規制されることで、取付台93の上昇限界位置が所定位置に規制され、ガスシリンダ287の収縮限界が規制されることで、取付台93の下昇限界位置が所定位置に規制される。したがって、上下限規制部371は、取付台93の上昇限界位置と下降限界位置とを所定位置に規制する。
図13に示すように、操縦部材82を構成する第1操縦ハンドル82Lは、主部93Aの機体幅方向K2の中心部よりも一方側(左部)に設けられている。第2操縦ハンドル82Rは、主部93Aの機体幅方向K2の中心部よりも他方側(右部)であって第1操縦ハンドル82Lの側方に設けられている。第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82Rは、取付台93に揺動操作可能に支持され、前及び後(前後方向K1)と、左及び右(機体幅方向K2)と、前後方向K1と機体幅方向K2との間の任意の斜め方向に操作可能である。
図12に示すように、第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82Rの揺動支点W1は、ハンドルの内部に設けられている。したがって、第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82R並びにこれらを支持する支持機構等を含む構造体は、高さの低いコンパクトな構造とされている。これにより、第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82Rは、手元操作量を小さくすることができ、機体2が揺れた場合でも、安定して操作をすることができるハンドル構造とされている。
肘置き部材83は、オペレータが肘を置く部材である。図13に示すように、肘置き部材83は、取付台93に設けられている。肘置き部材83は、取付台93(操縦台81)から運転席6に向けて延びる。本実施形態では、肘置き部材83は、操縦部材82の後側から後方に延びる。
肘置き部材83は、第1アームレスト83Lと、第2アームレスト83Rとを含む。第1アームレスト83Lは、第1操縦ハンドル82Lの後側から後方に延びる。詳しくは、第1アームレスト83Lは、第1操縦ハンドル82Lの後側から後方に行くに従って機体外方(左方)に移行する傾斜方向に延びる。また、第1アームレスト83Lは、第1延出部93Lの上方に該第1延出部93Lに沿って配置されている。第1アームレスト83Lは、第1延出部93Lに支持部材103Lを介して取り付けられている。
第2アームレスト83Rは、第2操縦ハンドル82Rの後側から後方に延びる。詳しくは、第2アームレスト83Rは、第2操縦ハンドル82Rの後側から後方に行くに従って機体内方(右方)に移行する傾斜方向に延びる。また、第2アームレスト83Rは、第2延出部93Rの上方に該第2延出部93Rに沿って配置されている。第2アームレスト83Rは、第2延出部93Rに支持部材103Rを介して取り付けられている。
本実施形態の操縦装置41では、オペレータは、第1アームレスト83Lに左腕の肘を置くと共に左手で第1操縦ハンドル82Lを把持し、第2アームレスト83Rに右腕の肘を置くと共に右手で第2操縦ハンドル82Rを把持する。したがって、オペレータは、運転席6に座した状態において上体を前傾姿勢とした状態で操縦部材82を操作することになる。これにより、オペレータは、上体をキャビン5の前面側に近づける状態で第1操縦ハンドル83L及び第2操縦ハンドル83Rを操作する姿勢となる。また、操縦部材82及び肘置き部材83を運転席6の前方に位置させることで、キャビン5の左及び右の側面を運転席6に近づけ、キャビン5の機体幅方向K2の寸法をコンパクトにしている。また、操縦装置41(操縦台81)と運転席6とを前後方向で近接して配置し、且つ操縦装置41に運転席6を近づけることにより、運転部42(キャビン5)を前後にコンパクトに構成している。
図13に示すように、モニタ84は、取付台93における第1操縦ハンドル82Lと第2操縦ハンドル82Rとの間に設けられている。また、モニタ84は、第1操縦ハンドル82L及び第2操縦ハンドル82Rを把持して前傾姿勢で作業機1を運転するオペレータの正面に位置する。モニタ84は、後面(運転席6側)に、表示を行う表示部(画面)84Aを設けている。表示部84Aは、作業機1の基本情報や、作業機1の周囲の画像や、作業機1の様々な設定を行うのに必要な情報等が表示される。基本情報は、例えば、運転状況、モード変更、各種設定、ワーニング、燃料残量、時間(時刻)等である。作業機1の周囲の画像としては、例えば、作業機1の後方の画像である。作業機1の様々な設定を行うのに必要な情報は、例えば、高さ制御設定、AI制御設定、アーム制限設定等の機械設定に必要な情報である。
モニタ84の表示部84Aの運転席6側には、複数の操作スイッチ(第1スイッチ84B、第2スイッチ84C、第3スイッチ84D)が設けられている。第1スイッチ84Bは、例えば、原動機E1の回転数を変更するスイッチである。第2スイッチ84Cは、例えば、作業機1の作業速度を設定するスイッチである。作業速度は、例えば、ブーム22、アーム23、バケット24、スイングブラケット21の揺動速度や、機体2の旋回速度である。第3スイッチ84Dは、作業機1に装備されたライト、例えば、ブーム灯、前照灯、後照灯等を点灯及び消灯するスイッチである。
図13に示すように、第1操縦ハンドル82L(モニタ84)の左側方には、画面に表示される表示項目の操作をする複数の操作具(第1操作具40A、第2操作具40B、第3操作具40C)が設けられている。例えば、第1操作具40Aは、回転操作を行うことにより、表示部84Aに表示される複数の選択項目のうちの選択項目候補を変更する。第3操作具40Cを押圧操作することにより選択項目を決定する。また、第2操作具40Bは、押圧操作することにより決定した選択項目のキャンセルを行う。オペレータは、肘置き部材83に肘をついたまま(肘を中心として)、操縦部材82からモニタ84(表示部84A、第1スイッチ84B、第2スイッチ84C又は第3スイッチ84D等)に容易に手を移動させることができる。また、肘置き部材83に肘をついたまま、表示部84A、第1スイッチ84B、第2スイッチ84C又は第3スイッチ84D等を操作することができる。 第2操縦ハンドル82R(モニタ84)の右側方には、原動機E1を停止させる停止スイッチ102が設けられている。
走行操作部材85は、足踏み操作により走行装置3を操作するペダルである。 図13に示すように、走行操作部材85は、運転席6の機体幅方向K2の一側部の前方に配置された第1走行ペダル85Lと、運転席6の機体幅方向K2の他側部の前方に配置された第2走行ペダル85Rとを含む。第1走行ペダル85Lは、第1走行装置3L(第1走行モータM1)を操作するペダルである。第2走行ペダル85Rは、第2走行装置3R(第2走行モータM2)を操作するペダルである。即ち、第1走行ペダル85L及び第2走行ペダル85Rは、作業機1の前進及び後進の操作、操向の操作を行うペダルである。
図13に示すように、第1操縦ハンドル82Lに作業機1の走行速度の減速を行う減速スイッチ106が設けられ、第2操縦ハンドル82Rに作業機1の走行速度の増速を行う増速スイッチ107が設けられている。
図4、図6に示すように、運転席6(シート台77)の側方の床部5B上には、オペレータの足を置くための足置き部79が設けられている。足置き部79は、運転席6及びシート台77の一側方(左の側方)の第1部分79Lと、運転席6及びシート台77の他側方(右の側方)の第2部分79Rとを含む。
図6に示すように、第1走行ペダル85Lは、第1部分79Lの前方に位置し、第2走行ペダル85Rは、第2部分79Rの前方に位置する。第1走行ペダル85Lと第1部分79Lとの間には、足の移動の妨げとなるものはなく、第1走行ペダル85Lから第1部分79Lへ床部5B上を足が移動可能である。また、第2走行ペダル85Rと第2部分79Rとの間にも、足の移動の妨げとなるものはなく、第2走行ペダル85Rから第2部分79Rへ床部5B上を足が移動可能である。
ドーザレバー80は、ドーザ装置7を操作する操作レバーである。
図4に示すように、運転席6の下方には、空調装置の本体であるエアコン本体63が設けられている。エアコン本体63は、床部5Bに設置される。エアコン本体63は、エバポレータ及び送風ファンを有する。エアコン本体63から吹き出された空調空気は、ダクト構造体296を流通して前窓5Cの内面に吹き出される。ダクト構造体296は、操縦装置41(操縦台81)の下方を通って前方に延伸すると共に操縦装置41と前窓5Cとの間に立ち上がる。
ダクト構造体296を詳しく説明すると、図4、図18A、図18Bに示すように、ダクト構造体296は、エアコン本体63の吹出し口63aに接続される第1ダクト297と、床部5Bの下方に配置されていて第1ダクト297に連通すると共に前方に延伸する第2ダクト298と、操縦装置41と前窓5Cとの間に設けられていて第2ダクト298に連通する第3ダクト299とを有する。図18Aに矢印で示すように、エアコン本体63から吹き出された空調空気は、第1ダクト297から第2ダクト298を経て第3ダクト299に流れ、前窓5Cに吹き出される。
図18Bに示すように、第1ダクト297は、上部に、後方に向けて開口すると共に吹出し口63aに接続される接続部(第1接続部)297aを有する。また、第1ダクト297は、下部に、下方に向けて開口する接続部(第2接続部297b)を有する。第2接続部297bは、床部5Bに当接している。図19に示すように、第1ダクト297は、第2接続部297bから左に延出する延出するフランジ部297c及び右に延出するフランジ部297dを有し、これらフランジ部297c、297dはボルト302によって床部5Bに取り付けられている。
図18Bに示すように、第2接続部297bは、床部5Bを貫通して形成された矩形状の第1開口300に連通している。また、第2接続部297bの内側には、第1開口300を取り囲む矩形環状の水止め部材301が設けられている。水止め部材301は、床部5Bに固定されている。この水止め部材301によって、水が第1開口300を介して下方に落下する(第2ダクト298内に侵入する)のを防止することができる。
図18Bに示すように、第2ダクト298は、床部5Bの下面側に配置され、床部5Bに固定されている。なお、本実施形態では床部5Bは第2ダクト298の上壁を兼ねている。また、第2ダクト298は、第1開口300と、床部5Bの前部を貫通して形成された横長矩形状の第2開口303とを連通している。第2開口303は、図15に示すように、昇降装置86の前方に形成されている。図18Aに示すように、第2ダクト298は、エアコン本体63側から操縦装置41の下方を通って前方に延伸している。また、第2ダクト298は、延伸方向に垂直な断面の断面形状が、床部5Bの下面に沿う方向の方が床部5Bの下面に垂直な方向よりも長い幅広の矩形形状になっている。
図20に示すように、第2ダクト298は、底板部304と、前板部305と、後板部306と、第1側板部307と、第2側板部308とを有し、上方に開口している。図18Bに示すように、底板部304は、第1開口300の下方から第2開口303の下方にわたって設けられている。底板部304は、後部304aが前部304bよりも下方に位置している。後部304aと前部304bとは、前方に向かうに従って上方に移行する傾斜状の傾斜壁304cで接続されている。
図18Bに示すように、前板部305は、底板部304の前端から一体的に立ち上がっている。前板部305は、第2開口303の前縁に当接して固定されていると共に第2開口305より上方に突出する突出部(第1突出部という)305aを有する。後板部306は、底板部304の後端から一体的に立ち上がっている。後板部306の上端は、第1開口300の後縁の後方側で床部5Bの下面に当接して固定されている。
図20に示すように、第1側板部307は、底板部304の左端部に立設されて固定されている。第1側板部307の前端部は、前板部305に固定され、後端部は、後板部306に固定されている。第1側板部307は、図14に示すように、前部に第2開口303よりも上方に突出する突出部(第2突出部という)307aを有する。第1側板部307の上端は、第2突出部307aより後方が床部5Bの下面に当接して固定されている。
第2側板部308は、底板部304の右端部に立設されて固定されている。第2側板部308の前端部は、前板部305に固定され、後端部は、後板部306に固定されている。第2側板部308は、図14に示すように、前部に第2開口303よりも上方に突出する突出部(第3突出部という)308aを有する。第2側板部308の上端は、第3突出部308aより後方が床部5Bの下面に当接して固定されている。
以上のように、第2ダクト298は、前部が第2開口303に連通すると共に後部が第1開口300に連通し、且つ第1開口300より前方且つ第2開口303より後方の上端開口が床部5Bによって塞がれている。
図21に示すように、第1側板部307と第2側板部308との間隔は、第1開口300の前端から前方に向かうに従って徐々に幅広になると共に、通し穴5Dの前方で急激に広がっている。
図19に示すように、床部5Bの上面で且つ第2開口303の後縁側には、第2突出部307aと第3突出部308aとを連結する連結板309が設けられている。図14に示すように、第1突出部305a、第2突出部307a、第3突出部308a及び連結部309によって、矩形環状の水止め部が構成されている。この水止め部によって、水が第2開口303を介して下方に落下する(第2ダクト298内に侵入する)のを防止することができる。
図22に示すように、第3ダクト299は、操縦台81(昇降カバー290)の前方に近接して設けられている。また、第3ダクト299は、図18Aに示すように、前窓5Cに近接して配置されている。即ち、第3ダクト299は、操縦装置41と前窓5Cとの間に配置されている。
図22に示すように、第3ダクト299は、前壁部299aと、後壁部299bと、第1側壁部299cと、第2側壁部299dと、上壁部299eとを有し、下端は開口している。図19に示すように、第3ダクト299の下部は、第1突出部305a、第2突出部307a、第3突出部308a及び連結部309を囲むように配置されて床部5Bに当接している。前壁部299aの下部は、第1突出部305aにボルト311A及びボルト311Bによって固定されている。図23に示すように、後壁部292dの下部は、取付ステー292にボルト312A及びボルト312Bによって固定されていて、支持パイプ288に支持されている。図18B、図22に示すように、前壁部299aは、下部に、該前壁部299aを貫通して形成された開口299hを有し、この開口299hを介してボルト312A及びボルト312Bを締め付けることができる。この開口299hは、後壁部292dを取付ステー292にボルト固定した後、蓋板360によって閉塞される。
図18Aに示すように、上壁部299eは、後方に向かうに従って上方に移行する傾斜状に形成されている。また、上壁部299eは、該上壁部299eを貫通して形成された矩形の開口からなる吹出し部(第1吹出し部という)299gを有する(図22参照)。第3ダクト299を流通する空調空気は、第1吹出し部299gからフロントガラス68(上部ガラス68A)へ吹き出される。
ダクト構造体296は、前窓5Cに近接した位置から空調空気を吹き出すことができるので、デミスト時やデフロスト時における前窓5Cの視界確保を速やかに行うことができる。
図18Aに示すように、後壁部299dは、上部299d1が下部299d2よりも前方に位置し、上部299d1と下部299d2とは、上方に向かうに従って前方に移行する傾斜状の中間壁299d3によって連結されている。また、図22に示すように、前壁部299aは、平板状である。したがって、第3ダクト299は、上部の機体前後方向K1の前後幅が下部に対して幅狭に形成されている。また、図22に示すように、第3ダクト299は、機体幅方向K2の横幅が上部から下部にわたって略同幅である。
第3ダクト299は、上部の前後幅が下部に対して幅狭に形成されているので、第1吹出し部299gから吹き出される空調空気の流速が遅くなるのを抑制することができる。
また、図18Aに示すように、後壁部299dの上部299d1の背面側に、可動カバー290Aの前カバー290Abが位置している。これにより、第3ダクト299を操縦台81に近接させることができ、第3ダクト299を操縦台81と前窓5Cとの間にコンパクトに配置することができる。
図24、図25、図26は、ダクト構造体296の変形例を示す。
図24~図26に示すように、ダクト構造体296は、第3ダクト299から分岐された第4ダクト313と、第4ダクト313に設けられた吹出し部(第2吹出し部という)314を有する。第4ダクト313は、第1構成体313Aと、第2構成体313Bとを有する。第1構成体313Aは、第3ダクト299の下部の右側に接続されている。また、第1構成体313Aは、第3ダクト299から右方に突出している。第2構成体313Bは、第3ダクト299の右方に立設されている。第2吹出し部314は、第4ダクト313を流通する空調空気を運転席6側に向けて吹出し可能である。また、第2吹出し部314は、第2構成体313B(第4ダクト313)に伸縮管315を介して接続されている。これにより、第2吹出し部314は、第2構成体313Bから取り外して移動させることが可能であり、且つオペレータ295に近接させることができる。また、伸縮管315は伸縮及び湾曲が可能であり、第2吹出し部314の位置及び向きを任意に変更できる。これにより、オペレータ295が所望の箇所に空調空気を当てることができる。
図27は、機体2の骨格を構成する旋回フレームを示す斜視図である。図27に示すように、旋回基板9の機体幅方向K2の他側部(右部)には、前支持フレーム(支持フレーム)146と、後支持フレーム(支持フレーム)147とが設けられている。前支持フレーム146は、旋回基板9の前部側に設けられ、後支持フレーム147は、旋回基板9の後部側に設けられている。これら前支持フレーム146及び後支持フレーム147にカバー装置14等が支持される。
前支持フレーム146は、機体幅方向K2で並べて配置された第1前支柱146A及び第2前支柱146Bと、第1前支柱146Aと第2前支柱146Bとの上部同士を連結する前梁部材146Cとを有する。
後支持フレーム147は、機体2に立設された立設フレーム316と、立設フレーム316とウエイト10とを連結する連結フレーム317と、立設フレーム316から前方に突出する突出フレーム318とを有する。立設フレーム316は、第1縦部材316Aと、第2縦部材316Bと、第3縦部材316Cと、第1横部材316Dと、第2横部材316Eとを有する。
第1縦部材316A、第2縦部材316B及び第3縦部材316Cは、機体幅方向K2に並べて配置されて、旋回基板9に立設されている。第1縦部材316Aは、ウエイト10の機体幅方向K2中央部の前方に配置されている。第2縦部材316Bは、第1縦部材316Aの右側方に間隔をあけて配置されている。第3縦部材316Cは、第2縦部材316Bの右側方に間隔をあけて配置されている。
第1横部材316Dは、第1縦部材316Aと第2縦部材316Bの上部同士を連結している。第2横部材316Eは、第2縦部材316Bと第3縦部材316Cの上部同士を連結している。連結フレーム317は、第1横部材316Dの左部とウエイト10の上端の機体幅方向K2中央部とを連結している。突出フレーム318は、第1縦部材316Aの上部からバルブ受台319の上方に向けて突出している。
前支持フレーム146と、後支持フレーム147の右部(第2縦部材316B、第3縦部材316C及び第2横部材316Eで構成されるフレーム体)との間は、原動機E1が搭載される原動機配置部320とされている。
図28に示すように、原動機配置部320には、複数の取付部材(第1取付部材321A~第4取付部材321D)が設けられている。第1取付部材321A及び第2取付部材321Bは、原動機配置部320の前部に機体幅方向K2に間隔をあけて設けられている。第3取付部材321C及び第4取付部材321Dは、原動機配置部320の後部に機体幅方向K2に間隔をあけて設けられている。
第1取付部材321A~第4取付部材321Dの各々に、マウント支持台が取り付けられ、各マウント支持台に原動機マウントを介して原動機E1が防振支持される。
図29に示すように、原動機E1の前部の右側には、オイルフィルタ322が取り付けられている。オイルフィルタ322は、原動機E1の潤滑油である原動機オイル(エンジンオイル)に含まれる不純物を取り除くフィルタである。
図30に示すように、原動機E1の前部の右側には、フィルタ接合部323が設けられている。このフィルタ接合部323にオイルフィルタ322の基部322aが着脱可能に取り付けられる。フィルタ接合部323及びオイルフィルタ322の下方には、支持台325が設けられている。この支持台325には、原動機E1の前部の右側を防振支持する原動機マウント(マウント部材)324が取り付けられる。
図30、図31、図32に示すように、支持台325は、第1プレート325Aと、第2プレート325Bとを有する。第1プレート325Aは、板面が機体幅方向K2を向く縦向きに配置されて原動機E1の右側面に複数のボルト326によって取り付けられている。また、第1プレート325Aは、フィルタ接合部323の後方に取り付けられている。
第2プレート325Bは、板面が上下方向を向く横向きに配置され、後部が第1プレート325Aの上下方向の中途部に固定されている。したがって、第2プレート325Bは、第1プレート325Aから前方に突出している。また、第2プレート325Bは、フィルタ接合部323及びオイルフィルタ322の下方に位置している。第2プレート325Bの上面の後部には、第1補強部330Aと、第2補強部材330Bが固定されている。第1補強部330Aは、第1プレート325Aから右方に突出している。第2補強部材330Bは、第1補強部330Aの右端から前方に突出している。
第2プレート325Bは、前部に原動機マウント(マウント部材)324が取り付けられるマウント取付部327を有する。図32に示すように、この支持台325に取り付けられた原動機マウント324は、第2取付部材321Bに取り付けられたマウント支持台328に、上下方向に貫通するボルト329によって取り付けられている。
図30に示すように、フィルタ接合部323及びオイルフィルタ322の下方には、オイルフィルタ322を外す際に流れ落ちるオイルを受ける受け皿331が設けられている。
図31、図33に示すように、受け皿331は、底壁331aと、底壁331aの前端から立ち上がる前壁331bと、底壁331aの後端から立ち上がる後壁331cと、底壁331aの左端から立ち上がる第1側壁331dと、底壁331aの右端前部から立ち上がる第2側壁331eと、底壁331aの右端後部から立ち上がる第3側壁331gとを有する。
図32に示すように、前壁331bは、底壁331aから前方に向かうに従って上方に移行する傾斜方向に延出している。後壁331cは、底壁331aから法線方向に延出している。図35に示すように、第1側壁331dは、底壁331aから法線方向に延出している。図34に示すように、第2側壁331eは、底壁331aから法線方向に延出している。図35に示すように、第3側壁331gは、底壁331aから法線方向に延出している。
前壁331bと第1側壁331d及び第2側壁331eとは、溶接によって相互に連結され、後壁331cと第1側壁331d及び第3側壁331gとは、溶接によって相互に連結され、第2側壁331eと第3側壁331gとは、溶接によって相互に連結される。受け皿331を構成する各壁の相互間の隙間は、溶接によって塞がれる。したがって、受け皿331は、受けたオイルを保留可能である。
図34に示すように、底壁331aの下面には、複数の係合ピン(第1係合ピン332A、第2係合ピン332B)が下方に突出状に固定されている。第1係合ピン332A及び第2係合ピン332Bは、前後方向K1に間隔をあけて並べて設けられている。
また、第1係合ピン332A及び第2係合ピン332Bは、図35に示すように、底壁331aの中央部から機体外方側(右側)に偏倚して設けられている。言い換えると、第1係合ピン332A及び第2係合ピン332Bは、受け皿331の幅方向(機体幅方向K2)の中心よりも原動機E1から遠い側に設けられている。さらに、別の言い方をすると、第1係合ピン332A及び第2係合ピン332Bは、フィルタ接合部323よりも、オイルフィルタ322の頭部(フィルタ頭部)322b寄りに設けられている。フィルタ頭部322bとは、オイルフィルタ322における基部322aとは反対側の部位である。
以下の説明において、第1係合ピン332A、第2係合ピン332Bを纏めて係合ピン332ともいう。
図34に示すように、第2プレート325B(支持台325)には、複数の挿通穴(第1挿通穴333A、第2挿通穴333B)が形成されている。第1挿通穴333A及び第2挿通穴333Bは、第2プレート325Bを貫通して形成されている。第1挿通穴333Aは、第1係合ピン332Aが挿通する穴である。第2挿通穴333Bは、第2係合ピン332Bが挿通する穴である。
以下の説明において、第1挿通穴333Aと第2挿通穴333Bとを纏めて挿通穴332ともいう。
係合ピン332に係合ピン332を挿通することで、受け皿331が支持台325に取り付けられている。即ち、受け皿331は支持台325に取り外し可能に設けられている。また、受け皿331を上下方向に移動するだけで簡単に取り付け又は取り外すことができる。
図35に示すように、オイルフィルタ322をフィルタ接合部323に取り付けた状態では、受け皿331を上方に移動すると、仮想線G1で示すように、受け皿331がオイルフィルタ322に干渉(当接)するので、係合ピン332を挿通穴333から抜脱(離脱)することができない。即ち、オイルフィルタ322を取り付けた状態では、受け皿331は、オイルフィルタ322によって支持台325からの取り外しが規制され、取り外すことができない。これにより、受け皿331は、取り付け、取り外しが簡単でありながら、支持台325から容易に離脱することがない。
また、オイルフィルタ322を取り外すことにより、係合ピン332が挿通穴333から抜脱する位置まで、受け皿331を持ち上げることができる。したがって、オイルフィルタ322を取り外すことにより、受け皿331を支持台325から取り外すことができる。即ち、オイルフィルタ322の交換の際に(必要なときに)、受け皿331を取り外すことができる。オイルフィルタ322の交換の際に、オイルフィルタ322及びフィルタ接合部323から流れ落ちて受け皿331で受けたオイルは、受け皿331を取り外すことで廃棄することができる。
また、係合ピン332がフィルタ接合部323よりもフィルタ頭部322b寄りに設けられているので、受け皿331の取り付けが容易である。即ち、受け皿331を取り付ける際において、係合ピン332及び挿通穴333を視認しやすく、係合ピン332及び挿通穴333を見ながら係合ピン332を挿通穴333に容易に挿通することができる。また、図35に仮想線G2で示すように、受け皿331を取り付ける際に、フィルタ接合部323の下方に挿入する側(奥側)よりも係合ピン332側(手前側)が高くなるように該受け皿331を傾けて移動させることにより、係合ピン332及び挿通穴333の視認を容易にすることができる。
また、図34に示すように、第1挿通穴333A及び第2挿通穴333Bの上部には、ガイド面333aが形成されている。ガイド面333aは、挿通穴333の上端から下方に向かうに従って先窄まりとなるテーパ状(円錐状)に形成されている。これにより、係合ピン332を挿通穴333に挿通する際に、係合ピン332がガイド面333aに案内され、係合ピン332を挿通穴333に容易に挿通することができる。
また、原動機マウント324が取り付けられる支持台325を利用して受け皿331を取り付けることにより、部材の兼用化によるコストダウンを図ることができる。
なお、ボンネット16は、機体外方側の側面に開閉可能な開閉カバーを有しており、該開閉カバーを開くことにより、オイルフィルタ322及び受け皿331に容易にアクセスすることができる。
図28に示すように、スイベルジョイントS1の後方にコントロールバルブV1を支持するバルブ受台319が設けられている。バルブ受台319は、第1台座319Aと、第1台座319Aの後方に配置された第2台座319Bとを有する。バルブ受台319は、右端が縦リブ9Rの側面に固定され、左部が下方に向けて屈曲されて旋回基板9に固定されている。バルブ受台319には、複数のバルブマウント(第1バルブマウント336A~第4バルブマウント336D)が設けられている。第1バルブマウント336Aは、第1台座319Aの左部に取り付けられ、第2バルブマウント336Bは、第1台座319Aの右部に取り付けられている。第3バルブマウント336Cは、第2台座319Bの左部に取り付けられ、第4バルブマウント336Dは、第2台座319Bの右部に取り付けられている。第1バルブマウント336A~第4バルブマウント336Dは、防振ゴム(弾性部材)を有し、コントロールバルブV1を防振支持する。
図37に示すように、コントロールバルブV1は、前述したようにセクショナルタイプ(分離型)の複合制御弁であり、上下方向に積み重ねられた多数のセクション(第1セクションVS1~第14セクションVS14)によって構成されている。第1セクションVS1~第14セクションVS14は、上から順に配置されている。したがって、第1セクションVS1は、最上部のセクションであり、第14セクションVS14は、最下部のセクションである。第1セクションVS1と第14セクションVS14との間のセクションが制御弁である。また、第1セクションVS1~第14セクションVS14は、これらを上下方向に貫通する複数本のボルト334(図39参照)によって結合されている。
図36、図37に示すように、バルブ受台319にバルブ台337が取り付けられ、このバルブ台337にコントロールバルブV1が取り付けられている。バルブ台337は、ベース板338と、縦板339とを有する。
図37に示すように、ベース板338は、矩形の板材によって形成され、板面が上下方向を向くように配置されて第1バルブマウント336A~第4バルブマウント336Dに載置され且つ第1バルブマウント336A~第4バルブマウント336Dを介してバルブ受台319に取り付けられている。つまり、ベース板338は、機体2に取り付けられている。
図37に示すように、縦板339は、メインプレート340と、連結プレート341とを有する。メインプレート340は、上下方向に長い矩形の板材によって形成され、板面が機体幅方向K2を向くようにベース板338の左部の上方に、ベース板338との間に隙間を隔てて配置されている(図38参照)。
図37に示すように、連結プレート341は、メインプレート340の上部の左側面に固定された第1板部341aと、第1板部341aの上端からメインプレート340より右方に延出する第2板部341bとを有する。図40に示すように、第1板部341aと第2板部341bとのコーナ部に、複数の係合部(第1係合部342A、第2係合部342B)が前後方向K1に間隔をあけて形成されている。第1係合部342A及び第2係合部342Bは、連結プレート341を貫通して形成された穴によって形成されている。
図38に示すように、第14セクションVS14(最下部のセクション)は、ベース板338に載置されている。これにより、コントロールバルブV1からの荷重は、ベース板338で受ける。また、コントロールバルブV1に作用する力は、第14セクションVS14を介してベース板338に作用する。
図38に示すように、第14セクションVS14は、機体幅方向K2に間隔をあけて並べて配置されたボルト344A及びボルト344Bによってベース板338に連結されている。ボルト344Aは、ベース板338に形成された挿通穴346Aを下方から挿通して第14セクションVS14に形成されたネジ穴346Aにねじ込まれている。ボルト344Bは、ベース板338に形成された挿通穴346Bを下方から挿通して第14セクションVS14に形成されたネジ穴346Bにねじ込まれている。
図38に示すように、第14セクションVS14は、前後方向K1に間隔をあけて並べて配置されたボルト346A及びボルト346Bによってメインプレート340(縦板339)に連結されている(図36参照)。ボルト346Aは、メインプレート340に形成された挿通穴347Aを左側方から挿通して第14セクションVS14に形成されたネジ穴348Aにねじ込まれている。ボルト346Bは、メインプレート340に形成された挿通穴347Bを左側方から挿通して第14セクションVS14に形成されたネジ穴348Bにねじ込まれている。なお、ネジ穴は、内周面に雌ネジを形成した穴である。
図36、図37に示すように、第1セクションVS1は、前後方向K1に間隔をあけて並べて配置されたボルト349A及びボルト349Bによってメインプレート340に連結されている。第4セクションVS4は、前後方向K1に間隔をあけて並べて配置されたボルト350A及びボルト350Bによってメインプレート340に連結されている。第11セクションVS11は、前後方向K1に間隔をあけて並べて配置されたボルト351A及びボルト351Bによってメインプレート340に連結されている。
コントロールバルブV1の最下部のセクション(第14セクションVS14)をベース板338及びメインプレート340に連結し且つコントロールバルブV1を構成する複数のセクション(第1セクションVS1、第4セクションVS4、第11セクションVS11)をメインプレート340(縦板339)に連結することで、コントロールバルブV1のセクションをずらす様な力が作用するのを防止(抑制)することができる。また、コントロールバルブV1からの荷重をベース板338で受けるので、縦板339に大きな荷重が作用しなく、バルブ台337を軽量化することができる。即ち、縦板339は、コントロールバルブV1がねじれない程度の強度があれば十分であり、コントロールバルブV1を支持するために板厚を厚くするという必要がないので、バルブ台337を軽量化できる。
また、例えば、縦板339(メインプレート340)をベース板338に溶接によって固定すると、溶接部分に歪み(変形)が生じることから、ベース板338に対して縦板339を正確に(垂直に)固定することが困難である。ベース板338に対して縦板339が正確に固定されていないと、第14セクションVS14をベース板338及び縦板339に固定するボルトを締め付けた際に、第14セクションVS14にストレス(応力)が作用する。これに対し、本実施形態では、縦板339は、ベース板338に溶接されていなく、ベース板338から離間しているので、第14セクションVS14にストレスがかかるのを防止することができる。
図36、図37に示すように、縦板339(バルブ台337)の上部は、振れ止め部材352によって突出フレーム318(支持フレーム147)に連結されている。振れ止め部材352は、バルブ台337が水平方向に振れるのを防止する。
図39、図40、図41に示すように、振れ止め部材352は、取付ステー353と、保持筒354と、防振ブッシュ355と、取付具356とを有する。
図41に示すように、取付ステー353は、突出フレーム318に取り付けられる。詳しくは、取付ステー353は、突出フレーム318に重ねられて固定具358によって取り付けられる取付壁353Aと、取付壁353Aの下端から右方に延出する支持壁353Bとを有する。固定具358は、取付壁353A及び突出フレーム318を挿通するボルト358Aと、該ボルト358Aに螺合するナット358Bとを有する。
図41に示すように、保持筒354は、上下方向に延伸する軸心を有する円筒形に形成され、支持壁353Bに固定されている。防振ブッシュ355は、外筒355Aと、外筒355A内に固着された筒状の弾性部材355Bと、弾性部材355B内に固着されたスリーブ355Cとを有する。
図41に示すように、取付具356は、第2板部341bに設けられた取付壁341cを下方から挿通すると共にスリーブ355Cを挿通するボルト356Aと、ボルト356Aに螺合されたナット356Bとを有する。
振れ止め部材352は、防振ブッシュ355によってバルブ台337及びコントロールバルブV1の水平方向の振動を吸収しながら該バルブ台337及びコントロールバルブV1の水平方向の振れを抑制する。
図42に示すように、連結プレート341に形成された第1係合部342A及び第2係合部342Bは、バルブ台337を吊り上げるための吊り具359を係合する部位である。吊り具359は、第1係合部342Aに挿通される第1引掛け部359Aと、第2係合部342Bに挿通される第2引掛け部359Bとを有する。連結プレート341に吊り具359を係合する係合部342A、342Bを形成することで、部材の兼用化による構造の簡素化を図ることができる。
図43~図60は、他の実施形態を示している。
図43~図48は、昇降装置86の他の実施形態を示している。
図45、図46に示すように、昇降装置86は、取付プレート286と、支持パイプ288と、昇降筒376と、連結部材377と、ガススプリング378とを有する。取付プレート286は、取付台93に取り付けられる。支持パイプ288は、上下方向に延伸する軸心を有し且つ上端及び下端が開口した円筒状であって、床部5Bに立設されている。支持パイプ288の下部には、床部5Bに固定された補強リブ291(図43参照)が設けられている。
図46、図47に示すように、支持パイプ288の下部は、床部5B及び床部5Bの下面に固定された補強板379を貫通する貫通孔380を挿通している。したがって、支持パイプ288の下端開口は、床部5Bの下方側の空間に連通している。
図45~図47に示すように、昇降筒376は、支持パイプ288よりも若干小径で且つ上端及び下端が開口した円筒状であり、支持パイプ288内に挿入されている。昇降筒376は、支持パイプ288に対して軸心方向(上下方向)に相対移動可能である。
図45、図46に示すように、連結部材377は、下壁377aと、下壁377aの前部から上方に延びる前壁377bと、下壁377aの後部から上方に延びる後壁377cとを有する。下壁377aの下面に昇降筒376の上端が固定されている。前壁377b及び後壁377cの上端は、取付プレート286の下面に固定されている。したがって、取付プレート286は、連結部材377を介して昇降筒376に取り付けられており、昇降筒376は、取付台93と共に昇降(上下動)する。また、昇降筒376を昇降させることにより、取付台93の上下位置を調整することができる。
図45に示すように、連結部材377の下壁377aには、昇降筒376の上端開口と連通する連通開口381が形成されている。この他の実施形態にあっては、取付台93に取り付けられる機器(操縦部材82、モニタ84、スイッチ類等)に接続されるハーネス382は、取付台93側の機器側から取付プレート286に形成された切欠き部286a(図43参照)、連通開口381及び昇降筒376の上端開口を通して昇降筒376内に配策される。昇降筒376内に配策されたハーネス382は、昇降筒376の下端開口及び支持パイプ288の下端開口を通って床部5Bの下方に配策される。ハーネス382は、取付台93に取り付けられる機器の上下移動を許容すべく、床部5Bの下方において撓ませている。
図45に示すように、昇降装置86は、昇降筒376(取付台93)の上下位置を調整する位置調整部383を有する。位置調整部383は、昇降装置86の後部側(運転席6側)に設けられている。位置調整部383は、昇降筒376に形成された複数のロック穴384と、支持パイプ288に設けられていて複数のロック穴384に選択的に挿入可能なロックピン385とを有する。複数のロック穴384は、上下方向に間隔をあけて形成されている。ロックピン385をロック穴384に挿入することで、支持パイプ288に対する昇降筒376の上下動が規制される。ロックピン385をロック穴384から抜脱することで、支持パイプ288に対する昇降筒376の上下動が許容される。取付台93の上下位置を調整するには、ロックピン385をロック穴384から抜脱し、昇降筒376を上下動させて取付台93の位置を調整すると共に、調整した位置でロックピン385をロック穴384に挿入して昇降筒376の上下動を規制する。本実施形態では、ロック穴384は、6つ形成されている。つまり、本実施形態では、6段階で取付台93の上下位置を調整することができる。
図47に示すように、位置調整部383は、ロックピン385を支持する支持ブラケット386と、ロックピン385を操作する操作部材387とを有する。支持ブラケット386は、支持パイプ288に固定されている。詳しくは、支持ブラケット386は、支持パイプ288の後方に間隔をあけて配置された第1壁386aと、第1壁386aの左端部から支持パイプ288へと延びると共に該支持パイプ288に固定された第2壁386bと、第1壁386aの右端部から支持パイプへ288と延びると共に該支持パイプ288に固定された第3壁386cとを有する。第1壁386aには、ロックピン385の一端側(後部)が挿通されて支持される支持穴388が貫通して形成されている。
図48に示すように、第2壁386には、規制溝389が上端から下方に向けて形成されている。規制溝389の上部は、上方に向かうにつれて溝幅が広くなるテーパ状に形成され、下部は、上下方向にストレート状に形成されている。ロックピン385の他端側(前部)は、支持パイプ288に貫通形成された貫通穴390を挿通してロック穴383に挿通される。ロックピン385は、支持穴388及び貫通穴390に軸心方向移動可能に支持されている。
操作部材387は、ロックピン385に取り付けられる杆部材387aと、杆部材387aに固定された摘み部387bとを有する。杆部材387aは、一端側にロックピン385の中途部(中央部)を交差状(直交状)に貫通する貫通部387cを有する。摘み部387bは、杆部材387aの他端側に固定されている。杆部材387aは、ロックピン385の前部がロック穴384に挿通された状態で、貫通部387cと摘み部387bとの間の部位(規制部位)387dが規制溝389に挿入可能である。規制部位387dが規制溝389に嵌ることで、ロックピン385の軸心方向(前後方向)の移動が規制され、ロックピン385がロック穴384に対して抜止めされる。摘み部387bを把持して操作部材387をロックピン385の軸心回りに上方に回転することにより、図48に仮想線で示すように、規制部位387d(杆部材387)が規制溝389から離脱する。これにより、ロックピン385の軸心方向の移動が許容される。この状態から、図48に矢印で示すように、操作部材387を支持パイプ288から遠ざかる方向に移動させることで、ロックピン385をロック穴384から抜脱させることができる。
ガススプリング378は、昇降筒376及び取付プレート286を上方に付勢するスプリングであって、昇降筒376及び取付プレート286の上方移動を補助するスプリングである。図46、図47に示すように、ガススプリング378は、シリンダチューブ378Aと、シリンダチューブ378Aに対して突出及び挿入可能に設けられたピストンロッド378Bとを有し、長さ方向に伸縮可能である。このガススプリング378は、ピストンロッド378Bを突出方向に付勢する圧縮ガスの反力を活用したスプリングであって、ガススプリング378の伸縮を任意の位置で固定することのできないスプリングである。つまり、他の実施形態のガススプリング378は、ピストンロッド378Bをシリンダチューブ378Aに対して長さ方向の任意の位置で停止させることができない安価な(廉価型の)スプリングである。
図45、図46に示すように、ガススプリング378は、ピストンロッド378Bを上方にさせる状態で昇降筒376内に軸心方向に沿って挿入されている。図47に示すように、ガススプリング378は、昇降筒376の中心C1から偏倚した位置(本実施形態では、前方に偏倚した位置)に配置されている。したがって、昇降筒376の後部側にハーネス382を配策(挿通)する配策スペースが設けられている。
図46に示すように、シリンダチューブ378Aの下端部(ガススプリング378の一端側)には、枢支片(第1枢支片という)391Aが固定されている。第1枢支片391Aは、補強板379に固定された少なくとも1つの支持片392に枢支ピン393によって枢支されている。本実施形態では、支持片392は、2つ設けられ、機体幅方向K2で並べて配置されている。枢支ピン393は、機体幅方向K2の軸心を有する。
図46に示すように、ピストンロッド378Bの上端部(ガススプリング378の他端部)には、枢支片(第2枢支片という)391Bが固定されている。第2枢支片391Bは、連結部材377(下壁377a)に固定された少なくとも1つの支持片394に枢支ピン395によって枢支されている。本実施形態では、支持片394は、2つ設けられ、機体幅方向K2で並べて配置されている。枢支ピン395は、機体幅方向K2の軸心を有する。
図44、図46及び図47図に示すように、昇降装置86は、昇降筒376を支持パイプ288に固定して昇降筒376のガタツキを防止する固定部396を有している。固定部396は、前記一実施形態で説明した固定部361と同様に構成されているので、同様の構成部材及び部位に同様の符号を付して説明を省略する。
図44、図45に示すように、昇降装置86は、ガススプリング378の上昇限界及び下降限界を規制する上下限規制部397を有している。上下限規制部397は、昇降装置86の前部に設けられている。上下限規制部397は、支持パイプ288に形成された長穴398と、昇降筒376に取り付けられた規制部材399とを有する。長穴398は、支持パイプ288の前部且つ上部に形成されている。長穴398は、上下方向に長い長穴であって、支持パイプ288を貫通して形成されている。
規制部材399は、長穴398を挿通して昇降筒376の前面に当接している。規制部材373は、長穴398の長さ方向に長い直方体形状に形成され、第1ボルト400A及び第2ボルト400Bによって昇降筒376に取り付けられている。第1ボルト400Aは規制部材399を貫通すると共に昇降筒376に形成されたネジ穴401Aにねじ込まれている。第2ボルト400Aは、第1ボルト400Aの下方に位置し、規制部材399を貫通すると共に昇降筒376に形成されたネジ穴401Bにねじ込まれている。規制部材399は、長穴398から昇降筒376とは反対側に若干突出しており、第1ボルト400A及び第2ボルト400Bの締め付け力が支持パイプ288に及ばないように形成されている。なお、規制部材373は、溶接やリベット等によって昇降筒376に取り付けられていてもよい。
この上下限規制部397にあっては、規制部材399の上端が長穴398の上端に当接することでガススプリング378の伸長限界を規制し、規制部材399の下端が長穴398の下端に当接することでガススプリング378の収縮限界を規制する。これにより、ガススプリング378の伸び過ぎ及び縮み過ぎを防止することができ、取付台93の上下方向の位置調整を容易に行うことができる。また、ガススプリング378の伸長限界が規制されることで、取付台93の上昇限界位置が所定位置に規制され、ガススプリング378の収縮限界が規制されることで、取付台93の下昇限界位置が所定位置に規制される。したがって、上下限規制部397は、取付台93の上昇限界位置と下降限界位置とを所定位置に規制する。また、上下限規制部397は、支持パイプ288に対して昇降筒376が軸心回りに回るのを規制する回り止め機能を有する。
なお、上下限規制部397は、種々の変更をすることができる。例えば、長穴398を昇降筒に形成し、規制部材399を支持パイプ288に取り付けてもよい。
図49~図53は、ダクト構造体296の他の実施形態を示している。
先ず、他の実施形態のダクト構造体296の概要を説明する。このダクト構造体296は、図49に示すように、エアコン本体63から床部5Bの上方を通って前方に延伸すると共に操縦装置41と前窓5Cとの間に立ち上がっている。この他の実施形態にあっては、ダクト構造体296を床部5Bの上方に配設することにより、床部5Bの下方空間に配策されるハーネス382の配策経路を確保することができると共にハーネス382の撓み代を十分にとることができる。また、ダクト構造体296は、図51に示すように、操縦装置41の後方側で分岐して該操縦装置41の左側と右側を通り、その後、操縦装置41の前方側で合流(図50参照)している。これにより、運転席6の前方に操縦装置41があっても、ダクト構造体296を運転席6下方のエアコン本体63から操縦装置41と前窓5Cとの間に短い距離で延ばすことができ、風量低下を抑制することができる。
以下、このダクト構造体296を詳細に説明する。
図49に示すように、ダクト構造体296は、エアコン本体63の吹出し口63aに接続される第1ダクト406と、第1ダクト406に連通すると共に床部5Bの上方に配置されて第1ダクト406から前方に延伸する第2ダクト407と、操縦装置41と前窓5Cとの間に設けられていて第2ダクト407に連通する第3ダクト408とを有する。
図49、図50、図53に示すように、第1ダクト406は、接続口409と、主ダクト部位410と、側部ダクト部位411とを有する。接続口409は、背面視(断面)矩形状に形成され、エアコン本体63の吹出し口63aに接続されている。主ダクト部位410は、接続口409の下部から前方に延伸して第2ダクト407に接続されている。側部ダクト部位411は、接続口409の上部から分岐している。また、側部ダクト部位411は、接続口409から後方に向けて折り返されて、エアコン本体63の上方且つ運転席6の下方を後方に向けて延びている。側部ダクト部位411の後部411bは、運転席6の後部下方において、側方(右側方)に向けて延びていると共に、運転席6の側方に開口している。したがって、側部ダクト部位411は、エアコン本体63からの空調空気を運転席6の側方に吹き出す。
図51に示すように、側部ダクト部位411は、空調空気を吹き出す第2吹出部411cを有し、第2吹出部411cは、第2走行ペダル85Rよりも機体内方側に位置している。これにより、オペレータが足を第2走行ペダル85Rの後方に移動させる際に、オペレータの足が側部ダクト部位411に接触するのを防止することができる。
図53に示すように、接続口409に連通する主ダクト部位410の連通口410aの開口面積は、接続口409に連通する側部ダクト部位411の連通口411aの開口面積よりも大である。
図49に示すように、主ダクト部位410及び第2ダクト407の後部側(昇降装置86よりも後方側の部分)は、走行ペダル85を支持すべく床部5Bに立設されたペダルブラケット412の上端よりも低い位置に設けられている。これにより、オペレータが乗り降りする際に、ダクト構造体296が邪魔ものとなるのを防止することができる。
図51に示すように、第2ダクト407は、後部側に主ダクト部位410の前部位410bに接続される後部位407aを有する。また、第2ダクト407は、後部位407aから分岐した第1分岐部位407b及び第2分岐部位407cを有する。
第1分岐部位407bは、後部位407aの左側から前方に延出している。また、第1分岐部位407bは、昇降装置86(操縦装置41)の左側方(側方)を通って昇降装置86の前方側に延出している。また、第1分岐部位407bは、昇降装置86の左側方で立ち上がっている。
第2分岐部位407cは、後部位407aの右側から前方に延出している。また、第2分岐部位407cは、昇降装置86(操縦装置41)の右側方(側方)を通って昇降装置86の前方側に延出している。また、第2分岐部位407cは、昇降装置86の右側方で立ち上がっている。
図51に示すように、第1ダクト406及び第2ダクト407の機体幅方向K2の間隔は、後部位407aから前方(昇降装置86)に向かうにつれて徐々に広がるように形成されていると共に昇降装置86を挟む位置から前方に向けて略同間隔に形成されている。また、図53に示すように、第1分岐部位407bは、上方に向かうにしたがって前方に移行する傾斜状に立ち上がっており、第2分岐部位407cは、上方に向かうにしたがって前方に移行する湾曲状に立ち上がっている。これらにより、第2ダクト407内を空調空気が滑らか(スムーズ)に流れる。
図51に示すように、ダクト構成体296(第1ダクト406及び第2ダクト407)は、第1走行ペダル85Lと第2走行ペダル85Rとの間に配置されている。第2ダクト407を、昇降装置86の左側を通る第1分岐部位407bと昇降装置86の右側を通る第2分岐部位407cとに分岐して前方に延出することにより、第2ダクト407を走行ペダル85(第1走行ペダル85L、第2走行ペダル85R)から離して(昇降装置86側に寄せて)配置することができる。これにより、ダクト構成体296(第2ダクト407)が走行ペダル85の操作を妨げるのを防止できる。
図52、図53に示すように、第3ダクト408は、上端に後方に向かうに従って上方に移行する傾斜に形成された矩形の開口からなる第1吹出し部408aを有する。図49に示すように、第3ダクト408は、上部408bの機体前後方向K1の前後幅が下部408cに対して幅狭に形成されている。これにより、他の実施形態における第3ダクト408においても、第1吹出し部408aから吹き出される空調空気の流速が遅くなるのを抑制することができる。
図50に示すように、第3ダクト408は、下部408cに二股部408dを有する。二股部408dは、第1分岐部位407bの立上り部分407dに接続する第1接続部408eと、第2分岐部位407cの立上り部分407eに接続する第2接続部408fとを有する。また、第3ダクト408の後面408gには、機体幅方向K2に並べて配置された一対の取付片413が、上下方向に二組設けられている。図51に示すように、取付片413は、昇降装置86(支持パイプ288)に固定された取付ステー414にボルト等によって取り付けられている。
図54~図60は、オイルフィルタ322を外す際に流れ落ちるオイルを受ける受け皿331の他の実施形態を示している。
他の実施形態において、支持台325は、前記一実施形態と略同様に構成されている。即ち、図54、図55、図56に示すように、支持台325は、原動機E1の右側面に複数のボルトによって取り付けられる第1プレート325Aと、後部が第1プレート325Aの側面に固定された第2プレート325Bとを有する。また、第2プレート325Bは、前部にマウント取付部327を有し、第2プレート325Bの後部には、第1補強部330A及び第2補強部材330Bが固定されている。
第2プレート325Bの後部には、後述する係止具417が取り付けられる取付台416が固定されている。取付台416は、第1プレート325Aと第2補強部材330Bとの間に設けられている。取付台416は、上壁部416aと、上壁部416aの左端から下方に延出されて第2プレート325Bに固定された第1側壁部416bと、上壁部416aの右端から下方に延出されて第2プレート325Bに固定された第2側壁部416cとを有する。
図55に示すように、受け皿331は、上端が開口する箱形に形成されている。詳しくは、受け皿331は、矩形状の底壁331aと、底壁331aの前端から立ち上がる前壁331bと、底壁331aの後端から立ち上がる後壁331cと、底壁331aの左端から立ち上がる第1側壁331dと、底壁331aの右端前部から立ち上がる第2側壁331eとを有する。
図57に示すように、後壁331cには、取付ステー418と、引っ掛け具419とが設けられている。取付ステー418は、後壁331cの後面に固定された縦壁418aと、縦壁418aの上端から後方に延出された横壁418bとを有する。図55に示すように、取付ステー418は、受け皿331の機体幅方向K2中央部から機体外方に偏倚した位置に設けられている。
図57に示すように、引っ掛け具419は、前部が取付ステー418の横壁418bに取り付けられ、後部にフック状の引掛け部419aを有する。
図54、図55に示すように、第2側壁331eには、受け皿331を持つための持ち手420が設けられている。持ち手420は、棒材によって形成されている。持ち手420は、第2側壁331eの右側面に固定されていて前後方向に間隔をあけて配置された第1杆部420a及び第2杆部420bと、第1杆部420aの上端から第2補強部材330Bの上方を通って機体外方に延出された第3杆部420cと、第2杆部420bの上端から第2補強部材330Bの上方を通って機体外方に延出された第4杆部420dと、第3杆部420cと第4杆部420dの機体外方側の端部同士を連結する第5杆部420eとを有する。第5杆部420eが把持部分である。
図57に示すように、受け皿331は、底壁331aから下方に突出する一つの係合ピン421を有する。図55に示すように、係合ピン421は、受け皿331の機体幅方向K2の中央部から機体外方に偏倚した位置に設けられ、取付ステー418及び引っ掛け具419の前方に位置している。
図57、図58に示すように、係合ピン421は、ピン本体423と、ピン本体423に設けられた押付部424とを有する。ピン本体423は、上下方向に延伸する軸心を有する四角柱状に形成されている。ピン本体423の上部は、底壁331aを貫通し、且つ底壁331aに固定されている。押付部424は、ピン本体423の下部後面から後方に突出している。押付部424は、上面に上方に向かうにつれて前方(水平方向)に移行する傾斜状の押付面424aを有する。
図57に示すように、第2プレート325Bは、受け皿331が載置された状態で係合ピン421が挿通する挿通穴422を有する。
図57、図58に示すように、挿通穴422は、第1穴部422aと、第2穴部422bとを有する。第1穴部422aは、第2プレート325Bを上下方向に貫通して形成された四角柱状の穴である。この第1穴部422aに係合ピン421が上方から挿通可能である。第2穴部422bは、第1穴部422aの後面の上下方向中途部から下端にかけて形成され、且つ第1穴部422aから後方に向けて形成されている。
図57に示すように、挿通穴422は、内面側に、係合ピン421を挿通した状態で押付部424(押付面424a)が当接可能な当接部422cを有する。当接部422cは、第1穴部422aの後面422dと第2穴部422bの上面422eとのコーナ部によって構成されている。押付面424aは、係合ピン421を挿通穴422(第1穴部422a)に挿通した後に、受け皿331を後方に移動させることにより、当接部422cに当接可能である。
なお、第2穴部422bの機体幅方向K2の穴幅は、第1穴部422aの機体幅方向K2の穴幅よりも大に形成されているが、第1穴部422aと第2穴部422bの機体幅方向K2の穴幅を同幅に形成してもよい。
この他の実施形態にあっては、図55、図56に示すように、係合ピン421を挿通穴422の内面側に押し付けることで受け皿331を支持台325に対して固定する固定機構426を備えている。固定機構426は、前記当接部422cと、前記押付部424と、係止具417とを有する。
図59、図60に示すように、係止具417は、所謂パッチン錠で形成されている。係止具417は、取付ステー418及び引っ掛け具419の後方に配置され、取付台416に取り付けられている。係止具417は、取付ベース427と、操作体428と、左及び右のアーム部429と、掛止ピン430とを有する。
取付ベース417は、取付台416(上壁部416a)にボルト等によって取り付けられている。
操作体428は、取付ベース417に機体幅方向K2に延伸する第1軸心X3回りに回転可能に支持されている。
左のアーム部429は、操作体428の左方に配置され、右のアーム部429は、操作体428の右方に配置されている。アーム部429は、機体内方側の第1アーム429aと、機体外方側の第2アーム429bとを有する。第1アーム429aは、後部が操作体428に機体幅方向K2に延伸する第2軸心X4回りに回転可能に取り付けられている。第2軸心X4は、第1軸心X3の後方に位置している。第1アーム429aは、前部にバネ受け429cを有する。第2アーム428bは、後部にバネ受け429dを有する。バネ受け429cとバネ受け429dとの間に、付勢部材431が設けられている。付勢部材431は、コイルバネで形成され、第1アーム429aと第2アーム429bとの重ね合わされた部分に外嵌めされている。左のアーム部429の第2アーム429bと右のアーム部429の第2アーム429bとの前部間に支軸432が設けられている。
掛止ピン430は、筒状に形成され、支軸432に外嵌めされている。
前記構成の固定機構426は、以下に説明する操作で受け皿331を固定する。
図57に示すように、第2プレート325Bに載置されると共に挿通穴422に係合ピン421が挿通された状態の受け皿331に対し、操作体428を起こした状態で掛止ピン430を引掛け部419aに引っ掛ける。その後、操作体428を第1軸心X3回りに下方に揺動させると、受け皿331が後方に引かれ、押付部424(押付面424a)が当接部422cに押し付けられる。これにより、受け皿331の上方移動及び水平移動が規制され、受け皿331が支持台325にガタツキなく固定される。
なお、他の実施形態においても、受け皿331は、オイルフィルタ322によって取り外しが規制され、且つオイルフィルタ322を外すことにより取り外しが可能である。
また、係合ピン421は、受け皿331の上方移動がオイルフィルタ322によって規制されることで、挿通穴422からの離脱が規制される。
他の実施形態のその他の構成は、前記一実施形態と同様に構成される。
本実施形態の作業機1は、以下の効果を奏する。
作業機1は、機体2と、機体2に前方突出状に設けられた支持ブラケット20と、支持ブラケット20に水平方向に揺動可能に枢支されたスイングブラケット21と、スイングブラケット21に取り付けられた作業装置4と、スイングブラケット21の位置を検出するスイングセンサ261と、スイングセンサ261からの検出信号を取得可能で且つスイングブラケット21の揺動動作を制御可能な制御装置U1と、制御装置U1に接続された規制スイッチ281と、を備え、制御装置U1は、スイングブラケット21を任意の規制位置に停止させて規制スイッチ281をON操作することにより該規制位置を記憶する記憶部276と、スイングブラケット21が規制位置に到達したことをスイングセンサ261が検出したときにスイングブラケット21の揺動動作を停止させる揺動停止部277とを有する。
この構成によれば、作業装置4が機体2あるいは機体2に搭載された運転部等に干渉するのを防止することができる。
また、制御装置U1は、規制スイッチ281をOFF操作したとき、または規制スイッチ281とは別の規制解除スイッチを操作したときに、記憶部276の記憶を解除する記憶解除部284を有する。
この構成によれば、例えば、作業装置4に異なる作業具24を装着したときなどにおいて、規制位置を再設定することができる。
また、作業装置4の状態を検出する作業装置4センサを備え、制御装置U1は、作業装置4センサからの検出信号を取得可能であり、記憶部276は、作業装置4が所定の状態であるときのスイングブラケット21の規制位置を記憶する。
この構成によれば、作業装置4の状態に応じて規制位置を設定することができる。
また、作業装置4は、スイングブラケット21に上下方向に揺動可能に枢支されたブーム22と、ブーム22に近接方向及び離反方向に揺動可能に枢支されたアーム23と、アーム23に近接方向及び離反方向に揺動可能に枢支された作業具24とを有し、作業装置4の前記所定の状態は、ブーム22を最上げ位置に揺動すると共にアーム23をブーム22に最も近接する位置に揺動し且つ作業具24をアーム23に最も近接する位置に揺動した状態である。
この構成によれば、干渉のおそれの高い作業装置4の状態における規制位置を設定することにより、運転部42に対する作業装置4の干渉防止を行うことができる。
また、機体2に搭載された運転席6及び操縦装置41を有する運転部42を備え、規制位置の設定は、スイングブラケット21を、ブーム22が機体2正面方向を向いている中央位置から運転部42側に揺動させた位置で行える。
この構成によれば、運転部42に対して干渉するおそれの高い領域での作業装置4の干渉防止を行うことができる。
また、大きさの異なる作業具24を選択的に装着可能である。
この構成によれば、装着する作業具24に応じて作業具24を停止させる位置を設定することができ、様々な作業具24を使用する際に、作業具24が運転部42に干渉するのを気にする必要なくオペレータが作業を行うことができる。
また、機体2に搭載された運転席6及び操縦装置41を有する運転部42と、ブーム22の揺動角度を検出するブームセンサ263Aとを備え、制御装置U1は、ブーム22を運転部42の側方まで上げた状態でスイングブラケット21を揺動動作させる場合に、スイングセンサ261及びブームセンサ263Aの検出結果に基づいてブーム22の位置を判断し、ブーム22が運転部42に干渉する前にスイングブラケット21の揺動動作を停止させる。
この構成によれば、ブーム22が運転部42に干渉するのを防止することができる。
また、機体2に搭載された運転席6及び操縦装置41を有する運転部42と、ブーム22の揺動角度を検出するブームセンサ263Aとを備え、制御装置U1は、スイングブラケット21をブーム22が機体正面方向を向く中央位置よりも運転部42から遠い側に揺動させた状態でブーム22を上げ動作させる場合に、スイングセンサ261及びブームセンサ263Aの検出結果に基づいてブーム22の位置を判断し、ブーム22が運転部42に干渉する前にブーム22の上げ動作を停止させる。
この構成によれば、ブーム22が運転部42に干渉するのを防止することができる。
また、機体2と、機体2に前方突出状に設けられた支持ブラケット20と、支持ブラケット20に水平方向に揺動可能に枢支されたスイングブラケット21と、スイングブラケット21に取り付けられた作業装置4と、スイングブラケット21の位置を検出するスイングセンサ261と、機体2に搭載された運転席6及び操縦装置41を有する運転部42と、ブーム22の揺動角度を検出するブームセンサ263Aと、スイングセンサ261からの検出信号及びブームセンサ263Aからの検出信号を取得可能な制御装置U1とを備え、ブーム22は、運転部42の側方まで上げ動作可能であり、制御装置U1は、ブーム22を運転部42の側方まで上げた状態でスイングブラケット21を揺動動作させる場合に、スイングセンサ261及びブームセンサ263Aの検出結果に基づいてブーム22の位置を判断し、ブーム22が運転部42に干渉する前にスイングブラケット21の揺動動作を停止させる。
この構成によれば、ブーム22が運転部42に干渉するのを防止することができる。
また、機体2と、機体2に前方突出状に設けられた支持ブラケット20と、支持ブラケット20に水平方向に揺動可能に枢支されたスイングブラケット21と、スイングブラケット21に取り付けられた作業装置4と、スイングブラケット21の位置を検出するスイングセンサ261と、機体2に搭載された運転席6及び操縦装置41を有する運転部42と、ブーム22の揺動角度を検出するブームセンサ263Aと、スイングセンサ261からの検出信号及びブームセンサ263Aからの検出信号を取得可能な制御装置U1とを備え、ブーム22は、運転部42の側方まで上げ動作可能であり、スイングブラケット21をブーム22が機体正面方向を向く中央位置よりも運転部42から遠い側に揺動させた状態でブーム22を上げ動作させる場合に、スイングセンサ261及びブームセンサ263Aの検出結果に基づいてブーム22の位置を判断し、ブーム22が運転部42に干渉する前にブーム22の上げ動作を停止させる。
この構成によれば、ブーム22が運転部42に干渉するのを防止することができる。
また、作業機1は、機体2と、機体2に前方突出状に設けられた支持ブラケット20と、支持ブラケット20に水平方向に揺動可能に枢支されたスイングブラケット21と、スイングブラケット21に上下方向に揺動可能に枢支されたブーム22と、スイングブラケット21の位置を検出するスイングセンサ261と、スイングセンサ261からの検出信号を取得可能で且つスイングブラケット21の揺動動作であるスイング動作を制御可能な制御装置U1と、を備え、制御装置U1は、ブーム22が機体2正面方向を向く中央位置にスイングブラケット21が揺動したときにスイング動作を停止させるスイング停止部279を有する。
この構成によれば、スイングブラケット21が中央位置にきたときにスイング動作が停止することにより、スイングブラケット21が中央位置に位置したことをオペレータに認識させることができ、これにより、スイングブラケット21を中央位置に確実に位置させることができる。
また、スイング停止部279は、スイング動作を停止してから所定時間を経過した後にスイング動作の停止を解除する。
この構成によれば、スイングブラケット21を中央位置に停止させる必要のない場合に、続けて作業をすることができる。
また、制御装置U1に接続された停止解除スイッチ282を備え、制御装置U1は、停止解除スイッチ282を操作することで、スイング停止部279によるスイング動作の停止を行わせない停止機能解除部280を有する。
この構成によれば、スイング動作の中央停止機能を必要としないオペレータが作業機1を快適に使用することができる。
また、機体2に搭載された運転席6及び操縦装置41を有する運転部42と、運転部42に対するブーム22の位置を検出する検出センサ285と、を備え、制御装置U1は、検出センサ285からの信号を取得可能であり、且つブーム22が運転部42に干渉する前にブーム22を停止させるブーム停止部278を有する。
この構成によれば、ブーム22が運転部42に干渉する前にブーム22を停止させることができる。
また、作業機1は、原動機E1と、原動機E1に取り付けられるオイルフィルタ322と、オイルフィルタ322の下方に設けられた支持台325と、支持台325に取り外し可能に設けられ、且つオイルフィルタ322を外す際に流れ落ちるオイルを受けることが可能であると共に該受けたオイルを保留可能な受け皿331と、を備えている。
この構成によれば、オイルフィルタ322を外す際に流れ落ちるオイルを、受け皿331で受けて保留することができ、該保留したオイルを、受け皿331を支持台325から取り外すことにより廃棄できる。したがって、受け皿331に残留したオイルが滴下して周囲が汚れるのを防止することができる。
また、受け皿331は、オイルフィルタ322によって支持台325からの取り外しが規制され、且つオイルフィルタ322を外すことにより取り外しが可能である。
この構成によれば、オイルフィルタ322の交換時などの必要なとき以外は、受け皿331を外すことができず、受け皿331の紛失を防止することができる。
また、受け皿331は、支持台325に形成された挿通穴(第1挿通穴333A、第2挿通穴333B、挿通穴422)に挿通される係合ピン(第1係合ピン332A、第2係合ピン332B、係合ピン421)を有し、係合ピンは、受け皿331の上方移動がオイルフィルタ322によって規制されることで、挿通穴からの離脱が規制される。
この構成によれば、簡単な構成で、受け皿331の取り付け、取り外し及び取り外しの規制を行うことができる。
また、係合ピン421を挿通穴422の内面側に形成された当接部422cに押し付けることで受け皿331を支持台325に対して固定する固定機構426を備えている。
この構成によれば、機体2の振動等によって受け皿331が、がたつくのを防止することができる。
また、固定機構426は、係合ピン421に設けられていて係合ピン421を挿通穴422に挿通した状態で当接部422cに当接可能な押付部424と、押付部424を当接部422cに押し付ける係止具417とを有し、押付部424は、当接部422cに押し付けられる面であって、上方に向かうにつれて水平方向に移行する傾斜状の押付面424aを有する。
この構成によれば、受け皿331の上方移動及び水平方向の移動を簡単な構成で規制することができる。
また、原動機E1は、オイルフィルタ322の基部322aを接合するフィルタ接合部323を有し、係合ピンは、フィルタ接合部323よりも、オイルフィルタ322における基部322aとは反対側であるフィルタ頭部322b寄りに設けられている。
この構成によれば、係合ピン及び挿通穴の視認を容易に行え、受け皿331の取り付けを容易に行える。
また、原動機E1が搭載される機体2を備え、支持台325は、原動機E1に取り付けられ、且つ機体2に、原動機E1を防振支持するマウント部材(原動機マウント324)を介して支持される。
この構成によれば、部材の兼用化による構造の簡素化をすることができる。
また、作業機1は、機体2と、機体2に取り付けられるベース板338を有するバルブ台337と、バルブ台337に取り付けられるコントロールバルブV1と、機体2に設けられた支持フレーム(後支持フレーム147)と、ベース板338の上方にベース板338と離間して配置される縦板339と、縦板339の上部を支持フレーム(後支持フレーム147)に連結する振れ止め部材352と、を備え、コントロールバルブV1は、上下方向に積み重ねて結合された複数の制御弁を有するセクショナルタイプの複合制御弁であり、最下部のセクション(第14セクションVS14)がベース板338に載置されてボルト固定されると共に、複数のセクションが縦板339にボルト固定される。
この構成によれば、コントロールバルブV1に作用する力は、最下部のセクションを介してベース板338に作用するので、縦板339に大きな荷重が作用せず、バルブ台337を軽量化することができる。また、複数のセクションを縦板に固定することにより、セクション同士がずれることを防止できる。
また、コントロールバルブV1の最下部のセクションが縦板339にボルト固定されている。
この構成によれば、セクション同士がずれることをより適切に防止することができる。
また、機体2に取り付けられたウエイト10を備え、支持フレームは、機体2に立設された立設フレーム316と、立設フレーム316とウエイト10とを連結する連結フレーム317と、立設フレーム316からバルブ台337の上方に向けて突出する突出フレーム318とを有し、振れ止め部材352は、突出フレーム318と縦板339とを連結している。
この構成によれば、バルブ台337の上部を確りと支持することができる。
また、縦板339は、上部に連結プレート341を有し、振れ止め部材352は、突出フレーム318に取り付けられる取付ステー353と、取付ステー353に固定された保持筒354と、保持筒354内に保持された防振ブッシュ355と、防振ブッシュ355を連結プレート341に取り付ける取付具359とを有する。
この構成によれば、簡単な構成でバルブ台337の振れ止めを行うことができる。
また、連結プレート341は、バルブ台337を吊り上げるための吊り具359を係合する係合部(第1係合部342A、第2係合部342B)を有する。
この構成によれば、部材の兼用化による構造の簡素化を図ることができる。
また、機体2に固定されたバルブ受台319と、バルブ受台319にベース板338を防振支持するバルブマウント(第1バルブマウント336A~第4バルブマウント336D)と、を備えている。
この構成によれば、コントロールバルブV1の振動を有効に抑制することができる。
また、作業機1は、運転席6と、運転席6の前方に配置された操縦装置41と、操縦装置41の前方に設けられた前窓5Cと、運転席6の下方に配置されたエアコン本体63と、エアコン本体63から前方に延伸すると共に操縦装置41と前窓5Cとの間に立ち上がるダクト構造体296と、備えている。
この構成によれば、エアコン本体63から吹き出される空調空気を流通させるダクト構造体296を操縦装置41と前窓5Cとの間で立ち上げることにより、ダクト構造体296を前窓5Cに近づけることができ、デミストやデフロスト時における前窓5Cの視界確保を速やかに行うことができる。また、ダクト構造体296を前方に延伸させて操縦装置41と前窓5Cとの間に立ち上げることにより、ダクト構造体296を短い距離で操縦装置41と前窓5Cとの間に延ばすことができ、風量低下を抑制することができる。
また、ダクト構造体296は、操縦装置41の後方側で分岐して操縦装置41の左側と右側を通り、操縦装置41の前方側で合流している。
この構成によれば、床部5Bの上方において、操縦装置41を避けて短い距離でダクト構造体296をエアコン本体63から操縦装置41と前窓5Cとの間に延ばすことができる。
また、運転席6、操縦装置41、及びエアコン本体63が設置される運転部42を備え、ダクト構造体296は、エアコン本体63の吹出し口63aに接続される第1ダクト406と、第1ダクト406に連通すると共に運転部42の床部5Bの上方に配置されて前方に延伸する第2ダクト407と、操縦装置41と前窓5Cとの間に設けられていて第2ダクト407に連通する第3ダクト408とを有し、第2ダクト407は、操縦装置41の左側を通って第3ダクト408に接続される第1分岐部位407bと、操縦装置41の右側を通って第3ダクト408に接続される第2分岐部位407cとを有する。
この構成によれば、操縦装置41が床部5Bに立設された状態で、第2ダクト407を容易に組み付けることができる。
また、第1分岐部位407b及び第2分岐部位407cは、操縦装置41の前方側において上方に立ち上がっており、第3ダクト408は、第1分岐部位407bに接続する第1接続部408eと、第2分岐部位407cに接続する第2接続部408fとを有する。
この構成によれば、操縦装置41が床部5Bに立設された状態で、第3ダクト408を容易に組み付けることができる。
また、第1ダクト406は、エアコン本体63の吹出し口63aに接続される接続口409と、接続口409から前方に延伸して第2ダクト407に接続される主ダクト部位410と、接続口409から分岐して後方に延びると共に空調空気を運転席6の側方に吹き出す側部ダクト部位411とを有する。
この構成によれば、空調空気を運転席6の側方に吹き出す側部ダクト部位411を、エアコン本体63の吹出し口63aから短い経路で配設することができる。
また、運転席6、操縦装置41、及びエアコン本体63が設置される運転部42を備え、ダクト構造体296は、エアコン本体63の吹出し口63aに接続される第1ダクト297と、運転部42の床部5Bの下方に配置されていて第1ダクト297に連通すると共に前方に延伸する第2ダクト298と、操縦装置41と前窓5Cとの間に設けられていて第2ダクト298に連通する第3ダクト299とを有する。
この構成によれば、ダクト構造体296を床部5Bの下方を通すことで運転席6周りの居住空間を広くすることができる。
また、第2ダクト298は、延伸方向に垂直な断面形状が、床部5Bに沿う方向の長さの方が床部5Bに垂直な方向の長さよりも長い矩形形状であってもよい。
上記の構成によれば、第2ダクト298を床部5bの下方の限られたスペースに配置する場合であっても第2ダクト298の流路面積を大きく確保することができるので、空調空気の流路抵抗を小さくして風量を大きくすることができる。
また、第3ダクト299、408は、上端に設けられていて前窓5Cに向けて空調空気を吹き出す第1吹出し部299g、408aを有し、且つ機体2幅方向の横幅が上部から下部にわたって略同幅であると共に上部の機体2前後方向の前後幅が下部に対して幅狭に形成されている。
この構成によれば、第1吹出し部299g、408aから吹き出される空調空気の流速が遅くなるのを抑制することができる。
また、ダクト構造体296は、第3ダクト299から分岐された第4ダクト313と、第4ダクト313を流通する空調空気を運転席6側に向けて吹出し可能な第2吹出し部314とを有する。
この構成によれば、空調空気を運転席6側に供給することができる。
また、第2吹出し部314は、第4ダクト313に伸縮管315を介して接続されている。
この構成によれば、第2吹出し部314をオペレータに近づけることができる。
また、第2吹出し部314は、第4ダクト313に対して着脱可能である。
この構成によれば、必要に応じて、第2吹出し部314を、第4ダクト313に取り付けた位置とオペレータ295に近接させる位置とに位置変更でき、至便である。
また、伸縮管315は湾曲可能であり、伸縮管315を湾曲させることで第2吹出し部314の向きを任意に設定可能である。
この構成によれば、第2吹出し部314の位置及び向きを任意に変更できる。これにより、オペレータ295が所望の箇所に空調空気を当てることができる。
また、作業機1は、機体2に搭載された運転席6と、運転席6の近傍に配置されて機体2に立設された操縦装置41と、機体2の前部に設けられた作業装置4と、を備え、操縦装置41は、作業装置4を操縦する操縦部材82と、操縦部材82が取り付けられる取付台93と、取付台93を上下位置調整可能に支持する昇降装置86とを有する。
この構成によれば、オペレータの身長等に応じて操縦部材82の高さを調整することができる。
また、昇降装置86は、機体2に立設された支持パイプ288と、支持パイプ288に昇降可能に挿入され且つ取付台93が取り付けられた昇降筒376と、昇降筒376を上方に付勢するガススプリング378と、支持パイプ288に対して昇降筒376を上下方向に位置調整する位置調整部383とを有する。
この構成によれば、取付台93の高さ位置をガススプリング378の付勢力を用いて容易に調整することができる。
また、昇降筒376内に、取付台93に取り付けられる機器に接続されるハーネス382が配策されている。
この構成によれば、ハーネス382の配策経路を容易に確保することができると共に、ハーネス382を保護することができる。
また、ガススプリング378は、昇降筒376の内部に、該昇降筒376の中心C1に対して偏倚した位置に設けられている。
この構成によれば、昇降筒376内の空間を有効利用することができる。例えば、昇降筒376内にハーネス382を配策する場合、ハーネス382の配置スペースを容易に確保することができ、また、ハーネス382がガススプリング378に接触するのを防止することができる。
また、位置調整部383は、昇降筒376に上下方向に間隔をあけて形成された複数のロック穴384と、支持パイプ288に設けられていて複数のロック穴384に選択的に挿入可能なロックピン385とを有する。
この構成によれば、位置調整部383を簡単に構成することができる。
また、昇降装置86は、ガススプリング378の伸長限界及び収縮限界を規制する上下限規制部397を有し、上下限規制部397は、支持パイプ288又は昇降筒376の一方に形成された上下方向に長い長穴398と、長穴398を挿通し且つ支持パイプ288又は昇降筒376の他方に取り付けられた規制部材399とを有する。
この構成によれば、ガススプリング378の伸び過ぎ及び縮み過ぎを防止することができ、取付台93の上下方向の位置調整を容易に行うことができる。
昇降装置86は、支持パイプ288の上端から下方に向けて形成されたスリット362と、スリット362の幅方向の一側で支持パイプ288に固定された第1部材363と、スリット362の幅方向の他側で支持パイプ288に固定された第2部材364と、第1部材363と第2部材364とを近接させる固定具365とを有する。
この構成によれば、支持パイプ288に昇降筒376を固定することができ、昇降筒376のガタツキを防止することができる。
また、昇降装置86は、上下方向に延伸して設けられたシリンダチューブ287Aと、シリンダチューブ287Aに上下動可能に支持されたピストンロッド287Bとを含むガスシリンダ287を有し、ピストンロッド287Bは、取付台93に連結されると共に、シリンダチューブ287Aに封印されたガスの圧力によって上方に付勢され、且つシリンダチューブ287Aに対して任意の位置で停止可能である。
この構成によれば、簡単な構成で操縦部材82の高さ調整をすることができる。
また、昇降装置86は、機体2に立設されていてシリンダチューブ287Aを支持する支持パイプ288と、支持パイプ288に取り付けられたガイド部材289Bと、取付台93に取り付けられていてガイド部材289Bに上下方向に案内されるスライド部材289Aとを有する。
この構成によれば、取付台93の回り止めを行うことができる。
また、ガスシリンダ287は、ピストンロッド287Bの先端側に設けられて取付台93に取り付けられたヘッド部材287Cと、シリンダチューブ287Aに対するピストンロッド287Bの停止を解除するロック解除レバー287Dとを有し、ロック解除レバー287Dは、ヘッド部材287Cから運転席6に向けて延びている。
この構成によれば、操縦部材82の高さ調整を運転席6から容易に行うことができる。
また、操縦装置41は、運転席6の前方に配置され、且つ肘置き部材83を有し、操縦部材82は、第1操縦ハンドル82Lと、第1操縦ハンドル82Lの側方に位置する第2操縦ハンドル82Rとを含み、肘置き部材83は、第1操縦ハンドル82Lの後側から後方に延びる第1アームレスト83Lと、第2操縦ハンドル82Rの後側から後方に延びる第2アームレスト83Rとを含む。
この構成によれば、操縦部材82と共に肘置き部材83も同時に高さ調整をすることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。