「第1実施形態」
以下、図面を参照して、本開示の技術に係る実施形態の一例について説明する。図1において、携帯情報端末10は、例えばスマートフォンである。携帯情報端末10は、携帯電話として機能する他に、アプリなどと呼ばれる各種のアプリケーションプログラムを実行するコンピュータとして機能する。また、携帯情報端末10にはカメラ機能も搭載されており、携帯情報端末10で写真撮影を行うことも可能である。
携帯情報端末10は、本体の前面にタッチパネルディスプレイ(以下、タッチパネルという)12が設けられている。携帯情報端末10には、アプリの1つとして、電子アルバムアプリ30(図2及び図3参照)がインストールされている。電子アルバムアプリ30は、撮影した写真などの複数の画像Pをユーザ13が閲覧するための画像ビューアプログラムである。
電子アルバムアプリ30は、アルバム画面14を生成し、アルバム画面14をタッチパネル12に表示する。アルバム画面14には、複数の画像Pが一定の順序で配列されたアルバムページ14Aが表示される。アルバムページ14Aにおいては、各画像Pを1コマずつ配置する区画である画像表示セルCL(以下、単に表示セルという)が複数設けられている。各表示セルCLは、初期状態では、同じサイズでかつ同じ正方形状に設定されている。アルバムページ14Aにおいて、各表示セルCLは、複数行複数列のマトリックスに配置されており、各画像Pはこうした各表示セルCLに1コマずつ配置されることで、全体としてグリッド状に配列される。グリッド状とは、各表示セルCLの区画線BLが縦横に延びており、各表示セルCLがグリッドのマス目を構成している形態を意味する。アルバム画面14は画像配列画面の一例である。
電子アルバムアプリ30は、タッチパネル12に対するタッチ操作を受け付けて、アルバムページ14Aをスクロールする他、各画像Pを選択して拡大表示させることが可能である。ユーザ13は、こうした操作を行いながら、複数の画像Pを閲覧する。
ここで、電子アルバムとは、撮影画像など、デジタルデータとして記録される複数枚の画像群であって、表示又は保存をする場合に1つの単位として取り扱いができるようにまとめられた画像群をいう。電子アルバムは、デジタルフォトアルバムなどとも呼ばれる。例えば、旅行、スポーツ、お誕生日会、歓送迎会、展示会、各種教室(お料理教室、ヨガ教室又はサーフィン教室)などの各種のイベントにおいて撮影された写真をイベント単位でまとめた画像群は、それぞれのイベントの電子アルバムを構成する。アルバム画面14は、表示部の一例であるタッチパネル12に表示される画像配列画面の一例である。
また、電子アルバムアプリ30は、コンピュータである携帯情報端末10を画像表示制御装置として機能させるための画像表示制御装置の作動プログラムの一例である。
図2に示すように、携帯情報端末10は、CPU(Central Processing Unit)21、ワークメモリ22、ストレージデバイス23、通信I/F(Interface)24、及びタッチパネル12を備えている。これらはデータバス27を介して接続されている。
ワークメモリ22は、CPU21が処理を実行するためのメモリであり、RAM(Random Access Memory)で構成される。CPU21は、ストレージデバイス23に格納された制御プログラムをワークメモリ22へロードして、プログラムに従った処理を実行することにより、携帯情報端末10の各部を統括的に制御する。
通信I/F24は、例えば、無線通信用のインタフェースであり、無線通信に際しての伝送制御を行う。無線通信用のインタフェースには、移動体通信網に接続するモバイル通信インタフェース、無線ルータに接続するためのIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)802.11シリーズの無線LAN(Local Area Network)規格の無線インタフェース、赤外線などを使用する近距離無線通信用のインタフェースなどが含まれる。携帯情報端末10は、通信I/F24を通じて、移動体通信網やインターネットなどのネットワーク28に接続することができる。
タッチパネル12は、アルバム画面14を含む各種の操作画面などを表示する表示部12Aと、ユーザ13の指を使用したタッチ操作を操作指示として入力するための操作入力部12Bとからなる。
ストレージデバイス23は、例えば、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の半導体メモリであり、制御プログラムやアプリケーションプログラム(AP)29が格納される。アプリケーションプログラム29には、電子アルバムアプリ30を含む各種のアプリが含まれる。アプリケーションプログラム29は、携帯情報端末10にプリインストールされているものの他、インターネットなどのネットワーク28を通じて、ユーザ13が任意でアプリ配信サーバから携帯情報端末10にダウンロードしてインストールしたものも含まれる。
図3に示すように、ストレージデバイス23は、ユーザ13が撮影した写真などの画像Pの電子データが格納される画像格納部23Aを有している。また、ストレージデバイス23には、電子アルバムアプリ30が生成するアルバム管理情報30Aが格納される。
電子アルバムアプリ30が起動されると、CPU21は、操作受付部31及びアルバム編集部32として機能する。アルバム編集部32は、拡大処理部33、セル拡大エリア判定部33A、アルバム画面生成部34を備えている。
操作受付部31は、タッチパネル12に表示されるアルバム画面14などの操作画面を通じて入力されるタッチ操作による操作指示を受け付ける。タッチ操作には、アルバム画面14を叩くタップ操作やアルバム画面14を指でなぞるジェスチャなどが含まれる。すなわち、操作受付部31は、アルバム画面14を指でなぞるジェスチャを含むタッチ操作を受け付ける操作受付部として機能する。また、携帯情報端末10の本体には操作ボタン(図示せず)が設けられており、操作受付部31は、操作ボタンからの操作指示も受け付ける。
アルバム編集部32は、例えば、画像格納部23A内に格納された複数の画像Pを読み出して、読み出した複数の画像Pをアルバムページ14Aに配置する。アルバム編集部32は、こうして作成されたアルバムページ14Aを表示する画面としてアルバム画面14を生成する。
携帯情報端末10で撮影された写真は、画像格納部23Aに順次追加されて、追加された画像Pは、アルバムページ14Aに自動的に登録される。つまり、画像格納部23Aには、撮影されたすべての画像Pが撮影日時の順番で格納される。このような、ユーザ13による編集が行われていない画像群は、いわば、未編集のアルバムとも呼べるものである。ユーザ13は、この未編集の画像群の中から、編集方針に沿って画像Pを選択して、例えば、旅行、パーティといったイベント毎のアルバムを編集する。
アルバム編集部32は、初回起動時など、編集済みのアルバムが指定されていない状態では、画像格納部23Aに格納された撮影日時順のすべての画像群を読み出して、その画像群に基づいてアルバム画面14を生成する。そして、編集済みのアルバムが指定された場合には、そのアルバムに含まれる複数の画像Pに基づいてアルバム画面14を生成する。
図4に示すように、アルバムページ14Aには、複数の表示セルCLがグリッド状に設けられている。アルバム編集部32は、各表示セルCLに画像Pを配置する。この際に、アルバム編集部32は、表示セルCLの形状に合わせて画像Pをトリミングする。図4の例では、表示セルCLが初期状態の正方形状である。対して、画像Pは、アスペクト比が16対9の長方形である。アルバム編集部32は、例えば、表示セルCLの1辺の長さと画像Pの縦の長さが一致するように、画像Pのサイズを調整する。そして、表示セルCLに合わせて、画像Pの一部をトリミングする。トリミングされた部分が表示部分となり、トリミング後の画像Pがアルバムページ14Aに配置される。
電子アルバムアプリ30に対する操作指示は、主としてアルバムの編集に関わるアルバム編集指示であり、アルバム編集指示には、画像選択指示、画像退避指示、セル拡大指示などが含まれる。
画像選択指示は、アルバムページ14Aに配置する画像Pを選択する指示である。上述のとおり、電子アルバムアプリ30の初回起動時には、画像格納部23A内のすべての画像Pがアルバムページ14Aに配置され、すべての画像Pが選択画像とされる。この状態から、アルバムページ14A内の画像Pをアルバムページ14Aから退避する退避指示がされると、画像Pはアルバムページ14Aから退避される。退避された画像Pは、アルバムページ14Aから退避される退避画像として退避画像収容ページ14B(図5B参照、以下、単に退避ページという)に収容される。退避ページ14Bに退避された画像Pは、アルバムページ14Aでは表示されない。なお、退避ページは、図5Bにおいては下部に設けられているが、上部に設けてもよい。
画像選択指示は、退避ページ14B内の退避画像を再度アルバムページ14Aに配置する選択画像として選択する指示である。反対に、画像退避指示は、アルバムページ14A内の画像Pを退避ページ14Bに退避する指示である。
図5に示すように、画像選択指示や画像退避指示を行う場合には、編集メニュー14Cから操作が開始される。図5Aに示すように、編集メニュー14Cは、例えば、ユーザ13がアルバム画面14の上方に表示されるメニューバーの所定部分を指で叩くタップ操作がされると表示される。編集メニュー14Cには、選択/退避や画像位置変更といった項目が含まれている。
編集メニュー14Cにおいて、選択/退避の項目がタップ操作されると、例えば、図5Bに示すように、アルバム画面14が上下に2分割されて、分割領域にそれぞれ、アルバムページ14Aと退避ページ14Bが表示される。
なお、編集メニュー14Cにおいて、画像位置変更の項目は、画像Pの配置先である表示セルCLを変更する操作指示をするための項目である。画像位置変更の項目がタップ操作されると、指定した画像Pを、所定のタッチ操作を通じて、配置先を現在の表示セルCLから別の表示セルCLに移動することが可能となる。
図6は、編集メニュー14Cにおいて選択/退避の項目がタップ操作されて、アルバム画面14がアルバムページ14Aと退避ページ14Bに2分割された状態を示す。図5においては、画像Pは、被写体が描かれた状態で示されているが、図6においては、画像Pの被写体は省略されており、代わりに、各画像Pには、それぞれの識別番号であるP1、P2、P3・・・が付された状態で示されている。図6は、画像Pの配列状態を簡略化した状態で示すアルバム画面14の模式図である。
このようにアルバム画面14が2分割されて、アルバムページ14Aと退避ページ14Bとが並べて表示された状態においては、画像Pを指定して一方のページから他方のページに指定した画像Pを移動させる操作が可能となる。
例えば、図6Aに示すように、退避ページ14B内の画像P52を指Fでタッチして、タッチした接触状態を維持したままアルバムページ14A内に引き摺るドラッグ操作を行うことにより、指定された画像Pが退避ページ14Bからアルバムページ14Aに移動する。こうして画像選択指示が行われる。
一方、図6Bに示すように、画像選択とは反対に、アルバムページ14A内で指Fで指定された画像P12が、退避ページ14Bに向けてドラッグ操作されると、指定された画像P12がアルバムページ14Aから退避されて退避ページ14Bに収容される。
図3に戻って、アルバム管理情報30Aには、アルバムページ14Aに配置される画像Pである選択画像と、アルバムページ14Aから退避されて退避ページ14Bに収容された画像Pである退避画像の情報が登録される。アルバム画面生成部34は、アルバム管理情報30Aを参照して、画像格納部23A内の画像Pを読み出して、各画像Pをアルバムページ14A又は退避ページ14Bに配置する。こうして、アルバムページ14A及び退避ページ14B内における各画像Pのレイアウトが決定される。
図3のアルバム管理情報30Aの例では、選択画像は、P1、P2、P3・・・の画像が登録されており、各選択画像のレイアウト情報や撮影日時などの情報も登録されている。レイアウト情報には、アルバムページ14Aにおける表示セルCLの位置を示すセル番号CL11、CL12、CL13・・・や、表示セルCLのサイズSZ11などが含まれる。セル番号は、各表示セルCLの位置を特定するための識別情報である。
セル番号CL11、CL12、CL13・・・は、「CL」の後に続く二桁の数字のうち、二桁目が行を示し、一桁目が列を示す。例えば、CL11は、1行1列目に位置する表示セルCLのセル番号を示し、CL12は、1行2列目に位置する表示セルCLのセル番号を示す。すなわち、図3の例では、選択画像の1つである画像P1は、アルバムページ14A内の1行1列目のセル番号CL11の表示セルCLに配置されることを示している。同様に、画像P2は、アルバムページ14A内の1行2列目のセル番号CL12の表示セルCLに配置されることを示している。
サイズSZ11は、「SZ」に続く二桁の数字のうち、二桁目が縦サイズ、一桁目が横サイズを示す。表示セルCLは、サイズの拡大が可能であるが、任意のサイズに変化するのではなく、表示セルCLの最小サイズである基準サイズを単位として基準サイズのN倍に段階的に大きさが変化する。ここで、Nは1以上の自然数である。SZ11の場合は、基準サイズであり、縦横の長さが同じ正方形であることを示している。
基準サイズの2倍のサイズとは、基準サイズの表示セルCLの2マス分の大きさであり、この場合は、2マス分の表示セルCLが縦又は横に直列に配列された長方形、すなわち、2行1列の縦長の長方形、あるいは1行2列の横長の長方形になる。基準サイズの4倍のサイズとは、基準サイズの4マス分の大きさである。基準サイズの4倍のサイズとは、基準サイズの4マス分の大きさであり、4行1列の縦長の長方形又は1行4列の横長の長方形になる場合と、縦と横の長さの両方が基準サイズの2倍の2行2列の正方形になる場合がある。
同様に、退避画像については、図3のアルバム管理情報30Aにおいて、画像P49、P50・・・が登録されており、各画像P49、P50・・・に対して、レイアウト情報や撮影日時が登録されている。レイアウト情報には、画像P49、P50・・・が配置される表示セルCLのセル番号SCL11、SCL12、サイズSZ11、SZ11の情報が登録されている。退避ページ14Bの表示セルCLのセル番号については、選択画像の表示セルCLのセル番号と区別するために、「SCL」の記号を付している。「SCL」に続く二桁の数字が行番号と列番号を示すことは選択画像の場合と同様である。
アルバム編集指示には、この他、アルバムページ14A内で選択した画像Pを一時的に拡大表示させるための一時拡大指示や、アルバムページ14Aをスクロールさせて非表示のページを表示させるスクロール指示などがある。一時拡大指示は、アルバムページ14Aにおいて所望の画像Pに対して2回連続して叩くダブルタップ操作が行われると、その画像Pが1コマだけ、タッチパネル12の画面一杯に拡大表示される。拡大表示を終了すると、元のアルバムページ14Aに復帰する。スクロール指示は、例えば、アルバムページ14Aを指Fでタッチして、アルバムページ14Aを上下方向にスワイプする操作によって行われる。
また、アルバム編集指示には、一時拡大指示とは別にセル拡大指示がある。セル拡大指示は、アルバムページ14A内において、アルバムページ14A内に設けられる表示セルCLのサイズを拡大する指示である。表示セルCLが拡大されると、表示セルCLに配置される画像Pも、拡大後の表示セルCLのサイズに応じて表示サイズが拡大される。セル拡大指示は、アルバム画面14において、図7及び図8に示すような指Fを使用したジェスチャが行われることによって入力される。
図7は、拡大処理の内容を示す説明図である。図7Aは拡大対象である表示セルCL(例示はCL32)と画像P(例示はP10)の拡大前の状態を示し、図7Bは、拡大対象の拡大後の状態を示す。図8は、図7に示す拡大処理の操作方法を図6と同様の模式図で表したものである。
上述のとおり、表示セルCLは、基準サイズを単位として、基準サイズのN倍に拡大することが可能である。図7の例は、図7Aに示す、基準サイズである1マス分の表示セルCL(例示はCL32)を、図7Bに示すように基準サイズの3倍の3マス分の大きさの1行3列の表示セルCLに拡大する例である。
図8Aに示すように、拡大対象の表示セルCLの指定は、拡大対象の表示セルCLに配置された画像Pを指Fで長押しする長押し操作で行われる。長押し操作は、画像Pを指Fでタッチして、タッチした状態を一定時間以上継続する操作をいう。長押し操作がされると、拡大対象となる表示セルCLと画像Pが指定される。この例では、始点Sで示されるように、表示セルCL32と画像P10が拡大対象として指定されている。
操作受付部31は、タッチ操作として長押し操作を受け付けると、長押し操作された位置の座標情報に基づいて、表示セルCLのうちの1つを拡大対象と判定する。すなわち、操作受付部31は、拡大対象判定部として機能する。
拡大対象が指定された後、図8Bに示すように、ユーザ13が指Fで拡大対象を再びタッチして、タッチした状態を維持したまま、アルバムページ14Aを指Fでなぞるスワイプジェスチャを行うことにより、拡大エリアの指定が行われる。ジェスチャは、具体的には、拡大対象の表示セルCLを始点Sとして、終点に向けてアルバムページ14Aを1本の指Fでなぞるスワイプジェスチャである。図8Bに示すように、本例のスワイプジェスチャの軌跡TRは、画像P10が配置される表示セルCL32を始点Sとして、終点Eとなる、画像P12が配置された表示セルCL34まで横方向に延びる直線である。
操作受付部31は、アルバム画面14に対するジェスチャが検出された場合、検出されたジェスチャがどのような操作指示に対応するかを判定する。操作受付部31は、図8Aに示すような長押し操作に続いて、図8Bに示すようなスワイプジェスチャが検出された場合には、そのジェスチャをセル拡大指示と判定する。操作受付部31は、セル拡大指示の情報として、軌跡TRを特定するための座標情報をアルバム編集部32に入力する。
上述のとおり、本例では、スワイプジェスチャに先立って行われる拡大対象の表示セルCLの指定が長押し操作で行われる。操作受付部31は、この長押し操作が行われた場合は、それに続くスワイプジェスチャを、アルバムページ14A全体がスクロールするスクロール操作と区別する。
なお、拡大対象の表示セルCLの指定操作は、長押し操作でなくてもよい。例えば、長押し操作の代わりに、拡大対象の表示セルCLを1回タップするシングルタップ操作でもよい。シングルタップ操作でも、それに続くスワイプジェスチャをスクロール操作と区別することが可能である。
また、拡大対象の表示セルCLの指定操作については、シングルタップ操作や長押し操作の他に、次のような方法も考えられる。例えば、表示セルCLを拡大する場合には、はじめに、操作メニュー画面(図示せず)を表示して、操作メニュー画面内の「表示セル拡大」といった操作項目を選択させるようにする。この操作項目を選択させる操作によって、操作受付部31は、表示セル拡大モードに移行する。操作受付部31は、それに続くスワイプジェスチャを通じて、拡大対象の判定とセル拡大エリアの判定を行う。この場合、操作受付部31は、表示セル拡大モードに移行した後のスワイプジェスチャにおける始点Sの位置に存在する表示セルCLを拡大対象と判定する。これによれば、拡大対象の指定操作としての長押し操作やシングルタップ操作が不要となる。
また、スワイプジャスチャとアルバムページ14Aのスクロール操作を区別するために次のような工夫をしてもよい。すなわち、アルバムページ14Aのスクロール操作については、アルバムページ14Aの端部にスクロールバーを設けて、このスクロールバーを通じて行うようにする。そして、この場合は、アルバムページ14A内の表示セルCLが存在する領域をどのようにタッチしてもスクロール操作として認識されないようにして、表示セルCLが存在する領域についてはスワイプジェスチャのみ受け付けるようにする。この場合の拡大対象の指定についても、長押し操作やシングルタップ操作によらないで、スワイプジェスチャの始点Sの位置にある表示セルCLを、拡大対象の表示セルCLとして受け付けてもよい。
このように、シングルタップ操作や長押し操作によって拡大対象の表示セルCLの指定を行わずとも、スワイプジェスチャのみで拡大対象の表示セルCLを指定することができる。
また、操作メニューから表示セル拡大モードを選択させる方法や、スクロールバーを設ける方法によれば、アルバムページ14Aのスクロール操作と表示セルCLを拡大するためのスワイプジェスチャとを区別することができる。後述する図12から図14に示す縦方向のスワイプジェスチャを行う場合には、アルバムページ14Aのスクロール操作と表示セルCLを拡大するためのスワイプジェスチャの区別が特に問題となるが、上述した方法により、スワイプジェスチャとスクロール操作を明確に区別することができる。
アルバム編集部32において、セル拡大エリア判定部33Aは、座標情報に基づいて特定された軌跡TRに応じて、拡大後の表示セルCLのサイズが、基準サイズを単位とする何個分のサイズであるかを判定する。また、セル拡大エリア判定部33Aは、拡大後の表示セルCLのサイズに加えて、軌跡TRに応じて、拡大後の表示セルCLのエリアである拡大エリアがどのような形状になるかを判定する。拡大処理部33は、表示セルCLの拡大後のサイズに応じて画像Pの拡大サイズを決定する。
本例においては、セル拡大エリア判定部33Aは、軌跡TRと重なる複数の表示セルCLが含まれるエリアを拡大エリアと判定する。
図8Bでは、軌跡TRと重なる表示セルCLの個数は3マス分であり、軌跡TRは、始点Sから終点Eまで横方向に延びる直線である。そのため、セル拡大エリア判定部33Aは、拡大エリアは基準サイズの3マス分の大きさであり、拡大エリアの形状は、縦が1マスで横が3マスの1行3列の横長の長方形であると判定する。また、セル拡大エリア判定部33Aは、拡大エリアのサイズに応じて画像Pの拡大サイズを決定する。
図8Cに示すように、拡大処理部33は、拡大前において、縦と横が1マスの1行1列の基準サイズの正方形であった表示セルC32を、判定した拡大エリアのサイズ及び形状に合わせて、1行3列の横長の長方形に拡大する。
また、このように表示セルCLのセル拡大が行われた場合は、アルバムページ14Aにおいて、拡大後の表示セルCLが占有する拡大エリア内に拡大前に存在していた表示セルCLは削除される。そして、削除された表示セルCLに配置されていた画像は、退避ページ14Bに退避される。
図7及び図8の例では、拡大対象は表示セルCL32である。アルバムページ14Aにおいて、表示セルCL32が拡大された後、拡大後の表示セルCL32が占有する拡大エリア内に、拡大前において表示セルCL33、CL34(図示せず)が存在する。そのため、表示セルCL32の拡大に伴って、表示セルCL33、CL34(図示せず)は削除される。そして、表示セルCL33、CL34に配置された画像P11、P12は、アルバムページ14Aから退避ページ14Bに退避される。
図9は、図7及び図8に示すセル拡大が行われた場合のアルバム管理情報30Aの変化を示す。図9Aは拡大前のアルバム管理情報30Aであり、図9Bは拡大後のアルバム管理情報30Aである。図9Aに示す拡大前のアルバム管理情報30Aには、選択画像として、画像P10、P11、P12・・・が登録されている。画像P10のレイアウト情報としては、セル番号がCL32で、表示セルCL32に配置されること、サイズはSZ11で、アスペクト比が1対1の1行1列の基準サイズの正方形であることが登録されている。また、画像P11、P12のレイアウト情報には、セル番号としてCL33、CL34、サイズとしてSZ11がそれぞれ登録されている。
また、退避ページ14Bには、画像P49、P50、及びP51・・・が登録されている。画像P49、P50、及びP51のレイアウト情報には、セル番号としてSCL11、SCL12、及びSCL13が、サイズとしてSZ11が登録されている。
これに対して、図9Bに示すように、図7及び図8に示すセル拡大後のアルバム管理情報30Aでは、画像P10の表示セルCL32について、サイズがSZ11からSZ13に変更されている。上述のとおり、SZ13は、サイズが1行3列の横長の長方形であることを示す。また、画像P11及び12は、アルバムページ14Aからは退避されて、退避ページ14Bに収容される。画像P11、P12の退避に伴って、アルバムページ14Aの表示セルCL33及び34は削除される。
一方、図9Bのアルバム管理情報30Aにおいて、退避ページ14Bには、画像P11及びP12が登録される。また、画像P11及びP12が退避ページ14Bの先頭から2マス分の表示セルSCL11及びSCL12に配置されることにより、画像P49からP51の表示セルSCLの位置が2コマずつ後にずらされている。具体的には、画像P49及びP51は、拡大前は、図9Aに示すように、表示セルSCL11及びSCL12に配置されていたのに対して、拡大後は、図9Bに示すように、表示セルSCL13及びSCL14に配置される。
また、図10に示すように、拡大処理部33は、拡大対象の画像P10については、拡大後の画像P10の一部を表示セルCL32の形状に合わせてトリミングして、表示セルCL32に配置する。
図10に示すように、画像P10の原画像の形状は、例えばアスペクト比が16:9の横長の画像である。対して、図7A、図8Aに示したとおり、拡大前の表示セルCL32は、SZ11(1マス)で示されるように、1マス分の基準サイズの正方形状である。このように表示セルCL32と画像P10のアスペクト比が異なる場合には、表示セルCL32の形状に合わせて画像P10の一部がトリミングされる。図10の例では、拡大前の例では、表示セルCL32の縦の長さに画像P10の縦の長さが一致するように、画像P10の表示サイズが決定されている。そして、表示セルCL32の横の長さに合わせて画像P10の一部がトリミングされる。こうして、アルバムページ14Aにおいて、表示セルCL32の形状に合わせて、画像P10の一部が部分的に表示される。
一方、拡大後においては、SZ13(3マス)で示されるように、表示セルCL32は、1行3列の横長の長方形に拡大される。この表示セルCL32のサイズ及び形状に合わせて、画像P10はアスペクト比を保った状態でサイズが拡大される。具体的には、表示セルCL32の横の長さと画像P10の横の長さが一致するように、画像P10が拡大される。そして、表示セルCL32の縦の長さに合わせて画像P10の一部がトリミングされる。
また、図11に示すように、表示セルCLの形状に合わせてトリミングされる画像P(例示は画像P10)の表示部分は、変更が可能である。アルバム画面14において、アルバムページ14A内のトリミング対象とする画像Pを指定する所定の操作を行うと、図11に示すトリミング位置調整画面14Dが表示される。ここで、所定の操作は、例えば、アルバムページ14A内において画像Pを2回連続して指Fで叩くダブルタップ操作である。
トリミング位置調整画面14Dにおいては、画像Pが原画像のアスペクト比で表示され、この画像Pと重ねて表示セルCL(例示は表示セルCL32)が表示される。表示セルCLの位置は固定されており、画像Pの位置は表示セルCLに対して縦と横に移動させることが可能である。図11A及び図11Bに示すように、指Fで画像Pにタッチしてその状態で画像Pをドラッグさせると、表示セルCLに対して画像Pの位置が移動する。こうした操作を通じて、画像Pの所望の表示部分が表示セルCL内に位置するように画像Pを移動させて、トリミングされる表示部分を調整することができる。トリミング位置の調整が完了したら、例えば、画像Pをダブルタップ操作すると、アルバムページ14Aに復帰する。アルバムページ14Aにおいては、表示セルCLにおいて、調整後の画像Pの表示部分が表示される。
なお、トリミング位置の調整については、画像解析処理によって自動的に行ってもよい。例えば、アルバム編集部32は、画像Pを画像解析して人の顔を認識する。そして画像P内において、認識した顔が存在する部分が表示セルCL内に収まるようにトリミング位置を決定する。
表示セルCLの拡大エリアの大きさや形状は、1行3列の横長形状でなくてもよく、任意である。例えば、図12から図14に示すように、1行1列の基準サイズの表示セルCL32を3行1列の縦長形状としてもよい。図12A及び図13Aに示すように、ユーザ13は、基準サイズの1行1列の表示セルCL32を長押し操作で拡大対象として指定する。この後、始点Sとなる表示セルCL32から表示セルCL52まで指Fを縦方向に直線的にスワイプする。
セル拡大エリア判定部33Aは、指Fの軌跡TRに基づいて、表示セルCL32の拡大エリアを、3行1列の縦長の長方形であると判定する。そして、図12B及び図13Bに示すように、表示セルCL32を縦長に拡大して、拡大後の表示セルCL32の拡大エリアに応じて画像P10のサイズを拡大する。
本例の画像P10の拡大及びトリミングについては、図14に示すように行われる。拡大処理部33は、拡大後の3行1列の表示セルCL32の縦の長さと画像P10の縦の長さが一致するように、アスペクト比を保った状態で画像P10を拡大する。そして、画像P10の一部を、基準サイズの3マス分のサイズ(SZ31)に相当する3行1列の縦長の表示セルCL32のサイズ及び形状に合わせてトリミングする。トリミングされた画像P10の一部が拡大後の表示セルCL32に表示される。
また、図15から図17に示すように、1行1列の基準サイズの表示セルCL32を2行3列の長方形に拡大することも可能である。この場合には、図15A及び図16Aに示すように、ユーザ13は、基準サイズの1行1列の表示セルCL32を長押し操作で拡大対象として指定した後、2行3列分の表示セルCLと重なるように楕円を描くようにスワイプする。具体的には、始点Sとなる表示セルCL32から、表示セルCL33、CL32、34、そしてCL44、CL43、CL42を通過して、始点Sと同じ表示セルCL32が終点となるように楕円を描くように指Fでスワイプする。
セル拡大エリア判定部33Aは、この指Fの軌跡TRに基づいて、表示セルCL32の拡大エリアを、2行3列の長方形であると判定する。そして、図15B及び図16Bに示すように、表示セルCL32を拡大して、拡大後の表示セルCL32の拡大エリアに応じて画像P10のサイズを拡大する。
本例の画像P10の拡大及びトリミングについては、図17に示すように行われる。拡大処理部33は、拡大後の2行3列の表示セルCL32の縦の長さと画像P10の縦の長さが一致するように、アスペクト比を保った状態で画像P10を拡大する。そして、画像P10の一部を、基準サイズの6マス分のサイズ(SZ23)に相当する2行3列の表示セルCL32のサイズ及び形状に合わせてトリミングする。トリミングされた画像P10の一部が拡大後の表示セルCL32に表示される。
上記構成による作用について、図18及び図19のフローチャートを参照しながら説明する。携帯情報端末10において、電子アルバムアプリ30が起動されると(ステップ(S)100)、図3で示した各部としてCPU21が機能する。アルバム画面生成部34は、アルバム画面14の生成を開始する(S110)。S110において、アルバム画面生成部34は、アルバム管理情報30Aを参照して、アルバム管理情報30Aに登録されている、画像格納部23A内の画像Pを読み出す。そして、アルバム画面生成部34は、アルバム管理情報30Aのレイアウト情報を参照して、読み出した画像Pのサイズを調整して、アルバムページ14A内の各表示セルCLに配置する。こうして、アルバム画面生成部34は、図1に示すようアルバム画面14を生成する。生成されたアルバム画面14は、タッチパネル12に表示される(S120)。
アルバム画面14が表示されると、操作受付部31は、タッチパネル12を通じたタッチ操作の受付を開始する(S130)。操作受付部31は、タッチ操作が入力されるのを監視する(S140)。S140において、タッチ操作が入力されると(S140でY)、操作受付部31は、タッチ操作を受け付けて、その内容を判定する。操作受付部31は、タッチ操作が電子アルバムアプリ終了指示か否かを判定する(S150)。S150において、電子アルバムアプリ終了指示と判定された場合は(S150でN)、電子アルバムアプリ30を終了する。
一方、S150において、タッチ操作が電子アルバムアプリ終了指示でない場合は、操作受付部31は、タッチ操作が拡大対象を指定する操作か否かを判定する(S160)。操作受付部31は、タッチ操作が、表示セルCLのいずれかに対する長押し操作である場合は、長押し操作を表示セルCLのうちの1つを拡大対象の指定操作として受け付ける。そして、操作受付部31は、長押し操作された位置の座標情報に基づいて、指定された表示セルCLを拡大対象と判定する(S160でY)。それ以外の操作の場合は、その他の編集処理と判定する(S160でN)。その他の編集処理と判定された場合は、タッチ操作の指示内容に応じたアルバム編集処理(S210)が行われる。
操作受付部31は、拡大対象を指定する操作である長押し操作に引き続き行われるタッチ操作が、拡大対象として指定された表示セルCL32に対するセル拡大指示か否かを判定する(S170)。操作受付部31は、タッチ操作が、表示セルCL32を始点とするスワイプジェスチャである場合には、セル拡大指示と判定する(S170でY)。
S170において、セル拡大指示で無い場合(S170でN)、例えば、画像Pの選択/退避の指示や、一時拡大表示指示などである場合は、その指示の内容に従って、アルバム編集処理が行われる(S210)。
操作指示がセル拡大指示であると判定された場合(S170でY)には、セル拡大エリア判定部33Aにおいて表示セルCLの拡大サイズが判定される。セル拡大エリア判定部33Aは、操作指示に基づいて、拡大対象として指定された表示セルCLの拡大エリアを判定する(S180)。
図19に示すように、S180において、セル拡大エリア判定部33Aは、操作指示に基づいて、スワイプジェスチャの軌跡TRを特定する(S181)。そして、軌跡TRに基づいて、表示セルCLの拡大エリアを判定する(S182)。本例では、軌跡TRと重なる表示セルCLが含まれるエリアを拡大エリアと判定する。
表示セルCLの拡大エリアの判定において、セル拡大エリア判定部33Aは、軌跡TRが、図7及び図8に示すような横方向の直線の軌跡TRの場合は、拡大エリアが1行3列の横長の長方形であると判定する。同様に、軌跡TRが、図12及び図13に示すような縦方向の直線の軌跡TRの場合は、拡大エリアが3行1列の縦長の長方形であると判定する。また、図15及び図16に示すような楕円状の軌跡TRの場合は、拡大エリアが2行3列の長方形であると判定する。
拡大処理部33は、図10、図14、及び図17に示したように、判定した拡大エリアに基づいて、画像Pの拡大サイズを判定する(S183)。
図18に戻って、拡大処理部33は、拡大処理を行う(S190)。S190において、拡大処理部33は、まず、判定した拡大エリアに応じて表示セルCLを拡大する。次に、判定した拡大サイズに応じて画像Pを拡大する。最後に、拡大処理部33は、図10、図14、図17に示したように、拡大後の表示セルCLのサイズ及び形状に合わせて画像Pの一部をトリミングして、トリミングした画像Pの一部を拡大後の表示セルCLに配置する。アルバム画面生成部34は、アルバム画面14を、表示セルCL及び画像Pを拡大したアルバムページ14Aが表示される画面に更新する(S200)。
以上のように、携帯情報端末10において、表示セルCLには、画像Pが1コマずつ配置される。表示セルCLは、基準サイズを単位として基準サイズのN倍に大きさが変化する。セル拡大エリア判定部33Aは、指Fのジェスチャの軌跡TRに応じて、拡大後のサイズが基準サイズを単位とする何個分のサイズであるかを判定し、かつ、拡大後の拡大エリアがどのような形状になるかを判定する。この判定に基づいて表示セルCLを基準サイズのN倍の大きさに拡大するので、指Fのジェスチャで画像Pを拡大する指示を行っても、区画線BLがずれることがない。そのため、グリッド状に配列された複数の表示セルCLの整列が乱されることなく、アルバム画面14における画像Pの配列状態に関して整然とした状態を維持することができる。その結果、アルバム画面14において、簡単に複数の画像Pを見栄え良く配列させることができる。
また、本例の拡大指示のジェスチャは、拡大対象の表示セルCLを始点として、アルバム画面14を1本の指でなぞるスワイプジェスチャである。そのため、1本の指Fで拡大指示が可能である。こうしたスワイプジェスチャは、携帯情報端末10がスマートフォンである場合のように、タッチパネル12の画面サイズが小さい場合に特に有効である。
また、セル拡大エリア判定部33Aは、スワイプジェスチャにおける指Fの軌跡TRと重なる複数の表示セルCLが含まれるエリアを拡大エリアと判定する。こうしたスワイプジェスチャは直感的な操作であるため、ユーザ13の意図通りの拡大サイズを指定しやすい。
また、上記例においては、アルバムページ14Aにおいて、表示セルCLが拡大された後、拡大後の表示セルCLが占有する拡大エリア内に、拡大前に存在していた表示セルCL内の画像Pは、退避ページ14Bに退避される。例えば、同じシーンについて何枚も連続して撮影した場合には、アルバムページ14Aには、類似の画像Pが何枚も連続して配列される場合がある。このような場合には、拡大対象の1コマの画像Pを残して隣接する他の画像Pをアルバムページ14Aから消去できるため、電子アルバム内の画像の整理がしやすい。
また、図7、図8、図12、図13、図15、及び図16に示したように、表示セルCLのサイズにおいて、基準サイズのN倍のサイズには、基準サイズを行又は列の単位として、1行×複数列、複数行×1列、及び複数行×複数列のサイズの少なくとも1つが含まれる。そのため、例えば、パノラマ撮影した画像Pがある場合において、この画像Pを横長で表示するなど、表示セルCLの形状を画像Pの形状に応じた適切な形状にすることが可能となる。
また、上記例において、図10、図14、及び図17に示したように、画像Pは、トリミングされることによって、表示セルCLのアスペクト比に合わせて、画像P内の一部が部分的に表示される。これにより、画像Pと表示セルCLのアスペクト比が異なっても、表示セルCL内に余白を生じさせずに画像Pを表示することができる。その結果、表示セルCLのサイズに応じてできるだけ大きなサイズで画像Pを表示することができる。
上記例において、図11に示したように、表示セルCLに部分的に表示される画像Pの表示部分は、変更可能である。そのため、画像P内の表示させたい部分だけを表示セルCLに表示することができる。
また、上記例において、拡大後の表示セルCLが占有する拡大エリア内に、拡大前に存在していた表示セルCL内の画像Pは、退避ページ14Bに退避する例で説明した。
しかし、図20に示すように、表示セルCLの拡大後において、拡大後の表示セルCLが占有する拡大エリア内に、拡大前に存在していた表示セルCL内の画像Pを、拡大エリアと重ならない表示セルCLに再配置してもよい。
図20の例では、図20Aに示すように、1行1列の基準サイズの表示セルCL32について、画像P10が配置される表示セルCL32を始点Sとする楕円状の軌跡TRによって、2行3列の拡大エリアが指定された場合を示している。
この場合、拡大後の表示セルCL32が占有する2行3列の拡大エリア内には、拡大前において表示セルCL32(画像P10)、CL33(画像P11)、CL34(画像P12)、CL42(画像P14)、CL43(画像P15)、及びCL44(画像P16)の6マスが存在していたことになる。このうち、拡大対象の表示セルCL32を除く5マスに配置されていた画像P11、P12、P14、P15、及びP16の5コマの画像Pは、図20Bに示すように、拡大対象の表示セルCL32の後の拡大エリアと重ならない表示セルCLに再配置される。つまり、画像P11、P12、P14、P15、及びP16の5コマの画像Pは、退避ページ14Bに退避されず、アルバムページ14Aに留まる。
「変形例1-1」
図21及び図22に示すように、アルバムページ14A内の複数の表示セルCLについて拡大を行うことも可能である。図21及び図22の例では、表示セルCL32に加えて、表示セルCL11を拡大する例である。本例では、表示セルCL11は、1行1列の基準サイズから、2行2列の表示セルCL11に拡大されている。表示セルCL11の拡大に伴って、画像P1が拡大される。また、拡大後の表示セルCL11と重なる表示セルCL12、CL21、CL22は削除される。また、これらに配置される画像P2、P5、P6は、退避ページ14Bに退避される。
また、図23及び図24に示すように、いったん拡大された表示セルCLを再度拡大してもよい。図23及び図24の例では、2行3列のサイズにいったん拡大された表示セルCL32を、さらに拡大して3行3列のサイズに再拡大する例である。指Fのスワイプジェスチャで拡大エリアを指定する要領は、上記例と同様である。
また、図25に示すように、拡大エリアの指定は、中央の表示セルCLを除いて、その表示セルCLの外周に配置される表示セルCLのみ指定されるというように、いわば中抜きの囲い枠形状の指定でもよい。例えば、図25Aの例では、中央に画像P10、P11、P14、P15が配置される4マスの表示セルCLがある。これら4マスの表示セルCLを除いて、4マスの表示セルCLの外周の画像P5、P6、P7・・・が配置される12マスの表示セルCLが軌跡TRによって拡大エリアとして指定される。この場合は、図25Bに示すように、軌跡TRの始点に位置する拡大対象の画像P5が、軌跡TRと重なる12マス分の大きさに拡大される。ただし、軌跡TRの内部に配置され、軌跡TRと重ならない4マス分の表示セルCLは拡大エリアに含まれない。そのため、画像P5は中抜きの状態で表示される。このように、拡大エリアの形状は、正方形又は長方形などの矩形以外でもよい。
矩形以外の形状としては、図25に示す囲い枠形状以外にも、例えば、図26及び図27に示すL字形状などのカギ型でもよい。図26Aにおいて、軌跡TRの始点に位置する拡大対象は、画像P7である。軌跡TRは、始点の画像P7から右側の画像P8に延び、画像P8の位置から方向を90°向きを変えて下方に延びて、終点の画像P16に達している。これにより、図26Bに示すように、軌跡TRと重なる、画像P7、P8、P12、及びP16が配置される4マスの表示セルCLが拡大エリアとして指定される。画像P7の拡大後の表示セルの形状は、全体としてL字形状のようなカギ型になる。このように、拡大エリアの形状は、矩形以外の形状でもよい。
図27に示す画像P7の例のように、被写体のポーズによっては、カギ型の形状にフィットするポーズもあり得る。図27に示す画像P7の例は、被写体が立位姿勢の人で、人が右腕を横方向に伸ばしているポーズをとっている。このように、拡大エリアの形状を、矩形以外の形状も可能にすることで、被写体のポーズ又は被写体の形状に合わせた適切な形状とすることが可能となる。
このように、拡大エリアが矩形以外の場合でも、トリミングの方法は、図11で説明した場合と同様な方法で行うことができる。すなわち、例えば、図11で示したトリミング位置調整画面14Dにおいて、カギ型の表示セルと拡大対象である画像P7とが重ね合わせて表示される。この状態で、画像P7内の被写体が表示セル内に収まるようにトリミング位置が調整される。
このように、図7、図8、図12、図13、図15、図16、図21、図23、図24、図26及び図27に示す例では、セル拡大判定部33Aは、スワイプジェスチャにおける指Fの軌跡TRと重なる複数の表示セルCLのみが含まれるエリアを拡大エリアと判定する。
「変形例1-2」
図28に示すように、拡大エリアの指定に際して、軌跡TRが同じ画像Pを複数回通過してもよい。図28の例では、軌跡TRは、画像P8が配置される表示セルCLを始点Sとして、画像P7に向かって左側に延びた後、画像P7から180°向きを変えて、再び画像P8に向かって右側に延びる。この後、画像P8において90°向きを変えて下方に延び、画像P12を通過して画像P16に達する。画像P16において180°向きを変えて、上方に延びて、再び画像P12を通過して、始点Sと同じ画像P8が終点Eとなる。このように、拡大エリアの指定において、軌跡TRは、一度通過した表示セルCLを二度と通過しないという厳密な意味の一筆書きでなくてもよい。図28に示すように、始点Sを指定した後、指Fがタッチパネル12から離れるまでの間の軌跡TRと重なる表示セルCLが拡大エリアとして指定される。
このような拡大エリアの指定方法を許容することで、画像P8のように、拡大エリアの端以外に位置する画像Pを拡大対象として指定する操作が簡単になる。すなわち、図26に示した拡大対象は、画像P7であり、画像P7は、拡大エリアの一端に位置している。これに対して、図28に示した拡大対象は、画像P8であり、拡大エリアの端ではなく、中間に位置している。図28のように、軌跡TRが同じ画像Pを通過することを許容することで、画像P8のような拡大エリアの端以外に位置する画像Pを拡大対象にする場合の操作が簡単になる。
このような指定方法は、図28のカギ型の拡大エリアの場合の他、図7及び図8で示した1行3列のような拡大エリアの形状の場合にも有効である。図7及び図8に示す1行3列の場合も、真ん中にある画像P11を拡大対象としたい場合は、図28のような指定方法を許容しないと、操作が面倒になる。
例えば、図28に示すような拡大エリアの指定方法を許容せず、厳密な意味の一筆書きしか拡大エリアの指定方法として認めない場合でも、拡大エリアの端以外に位置する中間の画像Pを拡大対象とする方法としては、図29及び図31に示すようにいくつかの方法が考えられる。
図29は、二段階の拡大操作で、拡大エリアの端以外(中間)の画像P8を、拡大対象とする方法である。図29Aにおいて、まず、画像P8を拡大対象として指定して、画像P8の表示セルCLを始点として画像P7を終点とする、横方向に延びる直線的な軌跡TRのスワイプジェスチャを行う。これにより、図29Bに示すように、画像P8が1行2列に拡大される。ここで、さらに、画像P8を始点として画像P16を終点とする、下方に延びる直線的な軌跡TRのスワイプジェスチャを行う。これにより、図29Cに示すように、拡大エリアの中間に位置していた画像P8を拡大対象として、カギ型の形状に拡大することができる。
また、図30に示す方法でもよい。図30は、拡大と画像Pの入れ替えの二段階の操作で、拡大エリアの端以外(中間)の画像P8を、拡大対象とする方法である。図30では、まず、図30Aに示すように、図26と同じ方法で、拡大エリアの端に位置する画像P7を拡大する。この後、画像P7と画像P8の表示セルCLを入れ替えることにより、画像P8をカギ型に拡大する。画像P7と画像P8の入れ替えは、図6で示したドラッグ操作と同じ要領で行われる。
また、図31に示す方法も考えられる。図31に示す方法は、上記例で示した、まず、拡大対象を指定して、その後に、拡大エリアを指定するという方法とは、指定の順序を逆にして、まず、拡大エリアを指定して、その後に、拡大対象を指定するという方法である。図31Aに示すように、まず、カギ型の軌跡TRのスワイプジェスチャを行って、拡大エリアを指定する。次に、図31Bに示すように、指Fで拡大対象とする画像P8を指定する。これにより、図31Cに示すように、画像P8をカギ型の形状に拡大することができる。
なお、図31に示す方法は、図31Aに示す拡大エリアの指定の際に、軌跡TRのスワイプジェスチャと画面のスクロールの操作とが混同されるおそれがある。そのため、拡大エリアの指定に先立って、例えば、図5で示した編集メニュー14Cなどを用いて、画像Pを拡大する旨の指示を入力する必要がある。
このように、図28に示す方法を採用しない場合でも、図29から図31に示すような方法が考えられる。しかし、図28に示す方法は、1回のスワイプジェスチャだけで操作が可能となるため、図29から図31に示す方法と比べて、最も操作が簡単である。
図1から図31に示す内容から、以下の付記項に記載の画像表示制御装置を把握することができる。
「付記項A1」
画像が1コマずつ配置され、かつ、基準サイズを単位として基準サイズのN倍に大きさが変化する複数の画像表示セルをグリッド状に配列して、複数の画像を表示する画像配列画面を生成する画面生成部と、
画像表示セルのうちの1つを指定して、指定した画像表示セルのサイズの拡大を指示する操作であるジェスチャであって、画像配列画面を指でなぞるジェスチャを通じて画像表示セルを拡大するセル拡大指示を受け付ける操作受付部と、
拡大対象として指定された画像表示セルについて、ジェスチャにおける画像配列画面内の指の軌跡に応じて、拡大後のサイズが基準サイズを単位とする何個分のサイズであるかを判定し、かつ、拡大後の拡大エリアがどのような形状になるかを判定するセル拡大エリア判定部と、
拡大対象の画像表示セルと画像を、判定した拡大エリアに合わせて拡大する拡大処理部と、を備えた画像表示制御装置。
ここでNは1以上の自然数である。
「付記項A2」
ジェスチャは、画像配列画面において拡大対象の画像表示セルを始点として、画像配列画面を1本の指でなぞるスワイプジェスチャである付記項A1に記載の画像表示制御装置。
「付記項A3」
セル拡大エリア判定部は、指を画像配列画面にタッチしてから、指が画像配列画面から離れるまでの指の軌跡に基づいて、拡大エリアを判定する付記項A2に記載の画像表示制御装置。
「付記項A4」
セル拡大エリア判定部は、軌跡と重なった画像表示セルのみが含まれるエリアを拡大エリアと判定する付記項A3に記載の画像表示制御装置。
「付記項A5」
スワイプジェスチャにおいて、軌跡は、同じ画像表示セルを複数回通過することが許容される付記項A3又はA4に記載の画像表示制御装置。
「変形例1-3」
また、図32に示すように、セル拡大指示に際して、スワイプジェスチャが行われている間、指Fの軌跡TRと重なる拡大エリアについて、指Fの軌跡TRと重ならない他のエリアと識別可能な形態で表示してもよい。アルバム画面生成部34は、図32Aに示すように、スワイプジェスチャが行われている間、指Fの軌跡TRと重なる、表示セルCL32からCL34及び表示セルCL42からCL44の6マス分の拡大エリアについて、ハッチングで示すようにグレーアウトさせるなどして、他のエリアと識別可能な形態で表示する。
こうすれば、スワイプジェスチャの途中でも、軌跡TRと重なる拡大エリアがどの範囲かをユーザ13が直感的に把握しやすい。そのため、ユーザ13が所望する、図32Bに示す表示セルCL32のような最終的な拡大エリアを正確に指定することが容易となる。
「変形例1-4」
また図33に示すように、軌跡TRの始点Sに位置する拡大対象の表示セルCLについて、スワイプジェスチャが行われている間、他の表示セルCLと識別可能な形態で表示してもよい。図33Aに示す例では、画像P10が配置される表示セルCL32が拡大対象として指定されて、軌跡TRの始点Sとなっている。図33Bに示すように、スワイプジェスチャの軌跡TRは、始点Sが位置する表示セルCL32から、画像P11、P12、P16が配置される表示セルCLへ続く。
この際に、アルバム画面生成部34は、始点Sが位置する表示セルCL32を、画像P11、P12、P16が配置される表示セルCLと識別可能な形態で強調表示する。表示セルCL32の強調表示の形態としては、図33Bに示すように、例えば、表示セルCL32の外周を太枠で表示する形態である。このように拡大対象の表示セルCLを強調表示することで、スワイプジェスチャの途中でも、拡大対象の表示セルCLや画像Pを見失わずに済む。
また、図34に示すように、拡大対象の表示セルCLの強調表示の形態としては、種々のものが考えられる。例えば、図34Aに示すように、拡大対象の表示セルCL32を点滅させる形態、図34Bに示すように、拡大対象の表示セルCL32を振動させる形態、図34Cに示すように、拡大対象の表示セルCL32を伸縮させる形態などである。強調表示の形態としては、これらのいずれの形態でもよい。
なお、図33及び図34に示す例では、軌跡TRと重なる拡大エリア内の表示セルCLのうち、拡大対象の表示セル以外の他の表示セルCLについては、図32Aで示した例と同様に、グレーアウトさせて、拡大エリア以外の他の表示セルと識別可能な形態で表示している。
軌跡TRと重なる拡大エリア内の表示セルCLのうち、拡大対象の表示セル以外の他の表示セルCLの識別可能な表示形態としては、図35に示すような形態でもよい。すなわち、図35Aに示すように、拡大対象の表示セルCL(本例では表示セルCL32)は、表示セルCLの外周が太枠で表示される。そして、拡大エリアのうち、拡大対象以外の表示セルCLをグレーアウトさせることにより識別可能とする形態である。また、図35Bは、拡大対象の表示セルCLの外周を太枠で表示する点は図35Aと同様である。相違点は、軌跡TRそのものを表示して、拡大エリアを識別可能とする形態である。つまり、図35Aに示す軌跡TRは、便宜上、図示しているのに対して、図35Bにおいては、軌跡TRは、ユーザ13が視認できるようにアルバム画面14上に表示される。こうしても、ユーザ13は拡大エリアがどの範囲かを直感的に把握しやすい。
「第2実施形態」
図36及び図37に示す第2実施形態は、拡大エリアの指定方法が第1実施形態と異なる。その他の点は第1実施形態と同様であるので、相違点を中心に説明する。図36Aに示すように、拡大対象の表示セルCL(本例では表示セルCL32)が指定される。拡大対象の表示セルCLの指定方法は、指Fで表示セルCL32をタッチする操作である。拡大エリアの指定方法は、図36Aにおいてタッチした指Fを拡大対象の表示セルCL32から離さずに、図36Bに示すようなスワイプジェスチャによって行われる。図36Bに示すスワイプジェスチャは、拡大する方向に向かって指Fで拡大対象の表示セルCL11の一端を引き延ばす操作である。図36Bに示すように、スワイプジェスチャが行われている間、拡大対象の表示セルCL32及びそこに配置される画像P10は、指Fが移動する軌跡TRに沿って引き延ばされた状態で表示される。
第2実施形態において、セル拡大エリア判定部33Aは、指Fの軌跡TRの始点Sと終点Eの位置に基づいて拡大エリアを判定する。図36の例では、軌跡TRは横方向に延びる直線で、軌跡TRの始点Sから終点Eまでは、表示セルCLが3マス分存在する。セル拡大エリア判定部33Aは、こうした軌跡TRに基づいて、拡大エリアは1行3列と判定する。図36Cに示すように、表示セルCL32及びそこに配置される画像P10は、判定された1行3列の拡大エリアのサイズに拡大される。
図37に示す例は、1行1列の基準サイズの表示セルCL32が、2行3列の拡大エリアのサイズに拡大される例である。図37Aに示すように、表示セルCL32が指Fでタッチされて、拡大対象として指定される。この拡大対象ついて、図37Bに示すように、1本の指Fを用いて、タッチした始点Sからタッチした状態を維持しながら、拡大対象の一端を引き延ばすようにスワイプジャスチャが行われる。
図37Bに示すスワイプジェスチャの軌跡TRは、始点Sから円弧を描くように、いったん右側に進み、表示セルCL34を通過した後、下方に進路を変える。軌跡TRの終点Eは、表示セルCL44に達する。軌跡TRは、横方向において3マス分進み、縦方向において2マス分進む。こうした軌跡TRの始点Sと終点Eに基づいて、セル拡大エリア判定部33Aは、表示セルCL32の拡大エリアを2行3列分の6マスと判定する。拡大処理部33は、図37Cに示すように、拡大対象の表示セルCL32及び画像P10を、判定した拡大エリアのサイズに拡大する。
第2実施形態のように、スワイプジェスチャとして拡大対象の一端を引き延ばす操作によって拡大エリアを指定する場合でも、第1実施形態と同様に、1本の指Fで拡大指示が行われる。このため、タッチパネル12の画面サイズが小さい場合でも拡大指示がしやすい。また、第2実施形態においても直感的な操作であるため、第1実施形態と同様に、拡大エリアの指定をユーザ13の意図通りに行いやすい。また、スワイプジェスチャが行われている間、拡大対象の画像P10は、指Fの軌跡TRに沿って引き延ばされた状態で表示される。そのため、スワイプジェスチャが行われている間においても、拡大対象がどの画像Pかをユーザ13が認識しやすい。
「変形例2-1」
図38は、第1実施形態の図25と同様の軌跡TRのスワイプジェスチャを行う例である。第2実施形態においては、軌跡TRの始点Sと終点Eに基づいて拡大エリアを判定する。第1実施形態の図25においては、軌跡TRと重ならない中央の4マスの表示セルCLについては拡大エリアから除外されて、拡大エリアは中抜きの形態と判定される。
これに対して、第2実施形態においては、始点Sと終点Eに基づいて拡大エリアを判定するため、軌跡TRと重ならない部分があっても、拡大エリアとして判定することが可能である。図38Aの例では、セル拡大エリア判定部33Aは、軌跡TRに取り囲まれた中央の4マス分の表示セルCLについても、拡大エリアとして判定する。これにより、図38Bに示すように、拡大前において1行1列の基準サイズの表示セルCL21の拡大エリアは、軌跡TRと重なる12マス分に中央の4マスを加えた、4行4列の正方形のエリアと判定される。
図25に示すように、軌跡TRと重なる表示セルCLのみを拡大エリアとして判定するモードと、図38に示すように、軌跡TRと重ならない表示セルCLがあっても、軌跡TRに取り囲まれた表示セルCLについては、その表示セルCLも拡大エリアとして判定するモードとを切り替え可能として、両方のモードを使い分けられるようにしてもよい。この場合、セル拡大エリア判定部33Aは、どちらのモードが設定されているかに応じて、拡大エリアの判定方法を切り替える。
「変形例2-2」
第2実施形態において、拡大エリアを指定するジェスチャとして、1本の指Fを使用するスワイプジェスチャを例に説明したが、例えば、拡大対象の表示セルCL上で2本の指Fを広げるピンチアウトでもよい。もちろん、タッチパネル12の画面が小さい場合は、1本の指Fのジェスチャであることが好ましい。
上記各実施形態において、表示セルCLの基準サイズの形状を正方形とした例で説明したが、正方形に限らず長方形でもよい。長方形としては、例えば、アスペクト比が縦3×横4や、縦9×横16などの長方形が考えられる。こうした写真に標準的に用いられるアスペクト比であれば、表示セルCLに写真の画像を配置した場合にトリミングが不要となる。
また、初期状態において、全ての表示セルCLが同じサイズでなくてもよく、例えば、特定の画像が配置される表示セルCLについては、他の画像が配置される表示セルCLよりも大きなサイズとしてもよい。特定の画像の判定方法としては、例えば、画像データに付随するEXIF(Exchangeable image file format)データの内容(日付や撮影場所の情報など)に基づいて自動的に判定を行ってもよい。
また、画像解析により画像を評価する技術を用いて、評価値が高い画像を特定の画像として判定してもよい。画像解析により画像を評価する手法としては、例えば、特許第5655112号に記載されているような画像評価技術を用いて、人物が写っている画像やピントが合っている画像に対して高評価を付与する手法がある。このような画像評価技術を用いて高評価が付与された画像が特定の画像と判定される。
初期状態における特定の画像が配置される表示セルCLの大きさは、例えば、基準サイズの2行2列分の大きさである。このような大きさとすることにより、特定の画像を他の画像よりも目立たせることができる。
「第3実施形態」
第3実施形態の携帯情報端末10は、スクロール処理として、画像配列画面の一例であるアルバム画面14に配置する画像Pの配置位置を1コマずつ入れ替えるスクロール処理を実行する。ここで、1コマずつ入れ替えるスクロール処理を、1コマスクロールと呼ぶ。なお、上記各実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図39に示すように、携帯情報端末10のCPU21は、作動プログラムが起動されることにより、拡大処理部33及びアルバム画面生成部34に加えて、スクロール処理部35として機能する。スクロール処理部35は、第1実施形態で説明したアルバムページ14Aの通常のスクロールに加えて、本実施形態の1コマスクロールを実行する。ここで、通常のスクロールとは、図40に示す行単位のスクロール又は図41に示す連続的なページスクロールをいう。
図40に示すように、例えば、アルバム画面14に、6行×4列で合計24コマの画像Pが表示されている場合を考える。24コマの画像Pは、例えば、撮影日時順に表示されている。タッチパネル12には24コマの画像Pのみが表示されているが、24コマ以外にも、その前後の撮影日時を有する非表示の画像Pが存在している。図40において、タッチパネル12に表示中の画像Pについては、タッチパネル12の枠内に実線で示し、タッチパネル12に表示されていない非表示の画像Pについては、タッチパネル12の枠外に二点鎖線で示す。
図40において、例えば、アルバム画面14に対して指Fのスワイプジェスチャが行われると、タッチパネル12を通じて操作受付部31に対してスクロールの実行指示が入力される。スクロール処理部35は、操作受付部31が受け付けた実行指示を受信する。スクロール処理部35は、タッチパネル12に対する24コマの表示セルCLの配列状態を維持したまま、24コマの画像Pのそれぞれの配置位置を行単位でずらす行単位スクロールを実行する。
すなわち、画像P22からP45の24コマの画像がタッチパネル12に表示されている図40Bの状態から、例えば、指Fによってアルバム画面14を下方に送り込むように、軽く払うフリックジェスチャを、タッチパネル12に対して下向きに行う。そうすると、図40Aに示すように、表示中の画像Pよりも過去の画像P、本例では、画像P22よりも過去の撮影日時を持ち、図40Bの状態では非表示であった画像P18からP21の1行分の4コマの画像Pが、タッチパネル12に表示される。その代わりに、画像P41よりも新しい撮影日時を持ち、かつ、図40Bの状態では表示されていた、画像P42からP45の1行分の4コマの画像Pが、タッチパネル12の枠外に隠れて非表示になる。このようにフリックジェスチャを下向きに行うと、表示される画像Pが過去に遡る戻し方向のスクロールが行われる。
反対に、図40Bの状態から、指Fによってアルバム画面14を上方に送り込むように、タッチパネル12に対して上向きのフリックジェスチャをする。そうすると、図40Cに示すように、表示中の画像Pよりも撮影日時が新しい画像P、本例では、画像P45よりも新しい撮影日時を持ち、図40Bの状態では非表示であった画像P46からP49の1行分の4コマの画像Pが、タッチパネル12に表示される。その代わりに、画像P26よりも過去の撮影日時を持ち、かつ、図40Bの状態では表示されていた、画像P22からP25の1行分の4コマの画像Pが、タッチパネル12の枠外に隠れて非表示になる。このようにフリックジェスチャを上向きに行うと、表示される画像Pが新しくなる送り方向のスクロールが行われる。
行単位スクロールでは、タッチパネル12に表示されるアルバム画面14において、タッチパネル12に対する複数の画像セルCL(本例では24コマ)の配列状態を維持したまま、24コマの画像Pのそれぞれの配置位置が行単位でずらされる。
また、もう1つの通常のスクロールである、図41に示す連続的なページスクロールは、アルバムページ14A全体をタッチパネル12に対して相対的に移動させるスクロールである。図41において、24コマの画像Pがアルバム画面14に配置されて、タッチパネル12に表示されているという前提条件は、図40と同様であり、加えて、下向き又は上向きのフリックジェスチャによってスクロールが行われるという操作方法も同様である。
図41Bの状態から、指Fによって下向きのフリックジェスチャが行われると、図41Aに示すように、アルバムページ14Aがタッチパネル12に対して下向きに移動する。これにより、タッチパネル12に表示される画像Pが古い画像Pに入れ替わる戻し方向のスクロールが行われる。連続的なページスクロールでは、1行単位ではなく、アルバムページ14A全体がタッチパネル12に対して連続的に移動する。そのため、非表示の画像P18から画像P21は、徐々にタッチパネル12の表示領域に進入し、アルバムページ14Aが1行分移動したところで、1行分の4コマの画像P18から画像P21の全体が表示される。
また、図41Bの状態から、指Fによって上向きのフリックジェスチャが行われると、図41Cに示すように、アルバムページ14Aがタッチパネル12に対して上向きに移動する。これにより、タッチパネル12に表示される画像Pが新しい画像Pに入れ替わる送り方向のスクロールが行われる。連続的なページスクロールでは、上述のとおり、非表示の画像P46から画像P49は、徐々にタッチパネル12の表示領域に進入し、アルバムページ14Aが1行分移動したところで、1行分の4コマの画像P46から画像P49の全体が表示される。
図41に示す連続的なページスクロールは、図40に示す行単位のスクロールと異なり、アルバムページ14A上に存在する複数の表示セルCLを含めて、アルバムページ14A全体が、タッチパネル12に対して相対的に移動する。しかも、アルバムページ14A全体の連続的な移動であるため、例えば、図41A又は図41Cに示すように、行の途中でスクロールを停止することも可能である。このため、連続的なページスクロールでは、図40に示す行単位スクロールと異なり、タッチパネル12に対する表示セルCLの配列状態は維持されない。
スクロール処理部35は、こうした行単位スクロール及び連続的なページスクロールに加えて、図42から図47に示す1コマスクロールを実行する。
図42に示すように、アルバム画面14には、1コマスクロールの操作部であるリール部46が設けられる。リール部46は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI:Graphical User Interface)で構成される操作部である。リール部46は、回転体であるリール又は歯車(ギヤ)を模した形状であり、円形部を有している。回転体を模した形状であるため、リール部46に対するタッチ操作は、リール部46をタッチした状態で、指を回転させる回転ジェスチャである。ここで、リール部46をタッチした状態には、リール部46の周囲(例えば外周から10mm程度の範囲)をタッチした状態も含まれる。
リール部46に対するタッチ操作が行われると、1コマスクロールの実行指示が操作受付部31に入力される。このように、操作受付部31は、リール部46に対するタッチ操作を通じて、1コマスクロール(スクロール処理)の実行指示を受け付ける。
スクロール処理部35は、操作受付部31が実行指示を受け付けた場合に、1コマスクロールを実行する。
また、操作受付部31は、リール部46に対する回転ジェスチャを受け付けた際に、回転ジェスチャに合わせてリール部46を回転させる演出を行う。具体的には、操作受付部31は、タッチパネル12に表示されているリール部46を画像処理によって回転させて、あたかも指Fの回転ジェスチャによってリール部46が回転しているような視覚上の演出を行う。
図43から図45に示すように、1コマスクロールは、タッチパネル12に対する複数の表示セルCLの配列状態を維持したまま、複数の画像Pのそれぞれの配置位置を1コマずつずらすスクロール処理である。1コマスクロールは、表示セルCLの配列状態を維持したまま、アルバム画面14内に配列される複数の表示セルCLに配置する画像Pを入れ替える処理であるという点については、図40に示した行単位スクロールと同様である。しかし、1コマスクロールは、複数の画像Pのそれぞれの配置位置を、行単位ではなく、1コマずつコマ単位で移動するという点が、図40に示す行単位スクロールと異なる。
図43及び図44において、矢印は1コマスクロールにおける各画像Pの移動経路を示す。図43に示す矢印は、リール部46を時計方向に回転させる回転ジェスチャをした場合の画像Pの移動経路を示す。図43の例は戻り方向のスクロールの場合の移動経路を示している。戻り方向のスクロールでは、タッチパネル12に表示される画像Pは、1コマずつ撮影日時が古い画像Pに入れ替わる。そして、撮影日時が古い画像Pと入れ替わりに、撮影日時が新しい画像Pは最新の画像Pから非表示領域に退避する。
図43に示す例では、画像P22よりも古い画像P21、20、19・・・が1コマずつ表示領域内に進入し、最新の画像P45から、順に非表示領域に退避する。そして、タッチパネル12に表示中のアルバム画面14内の複数の表示セルCLにおいては、各画像Pの配置位置が矢印で示す移動経路に沿って1コマずつ移動する。
反対に、図44に示す矢印は、リール部46を反時計方向に回転させる回転ジェスチャをした場合の画像Pの移動経路を示す。図44の例は送り方向のスクロールの場合の移動経路を示している。送り方向のスクロールでは、タッチパネル12に表示される画像Pは、1コマずつ撮影日時が新しい画像Pに入れ替わる。そして、撮影日時が新しい画像Pと入れ替わりに、撮影日時が古い画像Pは非表示領域に退避する。
図44に示す例では、画像P45よりも新しい画像P46、47、48・・・が1コマずつ表示領域内に進入し、最も古い画像P22から、順に非表示領域に退避する。そして、タッチパネル12に表示中のアルバム画面14内の複数の表示セルCLにおいては、各画像Pの配置位置が矢印で示す移動経路に沿って1コマずつ移動する。
本例の移動形態は、アルバム画面14全体として、Z字状をしている。具体的には、
アルバム画面14は、複数の表示セルCLが配列された行を、複数行有している。本例では、表示セルCLが4つ配列された行が、6行ある。
スクロール処理部35は、1コマスクロール(スクロール処理)において、行内の一方の端に位置する表示セルCLに配置される画像Pを、隣接する次の行の端に位置する表示セルCLに移動する。より具体的には、本例では、スクロール処理部35は、行の端に位置する画像Pを次の行に移動する場合に、次の行において、移動前の行の端とは反対側の端に移動する。
図43に示す戻し方向のスクロールでは、1コマ分のスクロールが行われた場合、1行目の画像P25は、1行目に隣接する次の行である2行目に移動する。この際に、1行目において右端に位置していた画像P25は、2行目に移動する場合は、2行目において、移動前の1行目の右端とは反対側の左端に移動する。
そして、スクロール処理部35は、一方の端に位置する表示セルCLに配置される画像P以外のその他の画像Pについては、行内において隣接する表示セルCLに1コマずつ移動させる。例えば、図43に示す1行目においては、2行目に移動する左端に位置する表示セルCLに配置される画像P25以外の画像P22からP24は、1行目において、それぞれに隣接する右隣の表示セルCLに1コマずつ移動する。
図44に示す送り方向のスクロールの場合も移動方向が異なるだけで図43と同様である。すなわち、図44に示す例では、1コマ分のスクロールが行われた場合、6行目の画像P42は、6行目に隣接する次の行である5行目に移動する。この際に、6行目において左端に位置していた画像P42は、6行目の次の行の5行目に移動する場合は、5行目において、移動前の6行目の左端とは反対側の右端に移動する。
そして、スクロール処理部35は、一方の端に位置する表示セルCLに配置される画像P以外のその他の画像Pについては、行内において隣接する表示セルCLに1コマずつ移動させる。例えば、図44に示す6行目においては、5行目に移動する左端に位置する表示セルCLに配置される画像P42以外の画像P43からP45は、6行目において、それぞれに隣接する左隣の表示セルCLに1コマずつ移動する。こうして、全体としてZ字状に各画像Pが1コマずつ移動する。
図45に示すように、図45Bの状態で、リール部46に対して時計方向に指Fで回転ジェスチャを1コマ分行うと、戻し方向のスクロールが行われる。これにより、図45Bで表示中の画像P22よりも過去の画像P21がタッチパネル12の表示領域内に進入する。そして、図45Bで表示されていた最新の画像P45は非表示領域に退避する。反対に、図45Bの状態で、リール部46に対して反時計方向に指Fで回転ジェスチャを1コマ分行うと、送り方向のスクロールが行われる。これにより、図45Bで表示中の最新の画像P45よりも新しい画像P46がタッチパネル12の表示領域内に進入する。図45Bで表示されていた最も古い過去の画像P22は、図45Aにおいて非表示領域に退避する。
こうした1コマスクロールにより、図46及び図47に示すような効果が得られる。図46に示す例では、アルバム画面14に表示される画像Pの大半は、家族で山にハイキングに行ったときに写した写真である。しかし、6行目の右側の2コマの画像Pは、子供が水泳をしている写真であり、境界線KLを境に、ハイキングの写真とはグループが異なる。また、図46の左上に二点鎖線で示すように、非表示領域には、ハイキングの写真がちょうど2コマ存在しており、それ以前には、境界線KLで示すように、また別のグループの写真が存在しているとする。
このように異なるイベントの写真がアルバム画面14内に混在している場合において、1画面に含まれる写真を同じイベントでまとめたい場合もある。例えば、ハイキングの写真を配列したアルバム画面14をプリントする場合など、アルバム画面14内の写真をハイキングの写真のみでまとめて、それ以外のイベントの写真を排除したい場合である。図46に示す例では、図40に示した行単位スクロール又は図41に示した連続的なページスクロールでは、行単位でしかスクロールできないため、スクロール操作だけでは、境界線KLで区切られた別のイベントの写真を排除することができない。
これに対して、本例の1コマスクロールによれば、戻り方向のスクロールを2コマ分行うことで、図47に示すように、アルバム画面14をハイキングの写真だけにまとめることができる。
携帯情報端末10のように、操作指示の入力が、タッチパネル12に対するタッチ操作による入力が中心の場合は、関連する画像群をまとめるために、複雑な操作を行いにくい。本開示の技術によれば、スクロール操作という簡単な操作のみで、タッチパネル12に表示する画像群を、関連する画像群にまとめやすい。
また、1コマスクロールのタッチ操作は、操作部の一例であるリール部46をタッチした状態で、指Fを回転させる回転ジェスチャである。このような回転ジェスチャによって、画像Pを1コマずつ巻き取るような直感的な操作が可能となり、ユーザ13は良好な操作感を得ることができる。
また、1コマスクロールのタッチ操作を回転ジェスチャとすることで、次のようなメリットもある。すなわち、スクロールのタッチ操作としては、上述の行単位スクロール(図40参照)について説明したとおり、タッチパネル12の画面にタッチした状態で指Fを軽く払うフリックジェスチャが一般的である。こうしたフリックジェスチャは、表示セルCLの拡大エリアを指定するタッチ操作として図13等で示したスワイプジェスチャと似ている。そのため、タッチパネル12の性能によっては、携帯情報端末10において、フリックジェスチャとスワイプジェスチャを区別するのが難しい場合もある。
後述するように、携帯情報端末10において、1コマスクロールの機能と表示セルCLの拡大機能とを組み合わせることは、もちろん可能である。回転ジェスチャは、フリックジェスチャと比較して、スワイプジェスチャとの違いは大きい。そのため、1コマスクロールの機能と表示セルCLの拡大機能とを組み合わせた場合でも、1コマスクロールのタッチ操作を回転ジェスチャとすることで、拡大エリアを指定するタッチ操作であるスワイプジェスチャとの区別が容易になる。これにより、携帯情報端末10が、1コマスクロールのタッチ操作と表示セルCLの拡大エリアの指定操作とを誤認識するおそれが低減される。
また、操作受付部31は、回転ジェスチャを受け付けた際に、回転ジェスチャに合わせてリール部46を回転させる演出を行う。回転ジェスチャに合わせてリール部46が回転するため、ユーザ13は視覚的にも操作をしている感触が得られるため、さらに良好な操作感を得ることができる。また、リール部46は、円形部を有している。そのため、回転ジェスチャとのマッチングがよく、視覚的な違和感が少ない。もちろん、操作部としてリール部46を表示させるのみで、回転させる演出を行わなくてもよい。
なお、1コマスクロールのタッチ操作については、回転ジェスチャに限らず他のジェスチャでもよい。また、操作部の形態もリール部46のように歯が形成されていなくてもよく、単なる円形でもよい。また、タッチ操作が回転ジェスチャ以外の場合は、操作部も円形でなくてもよく、操作部の形状は、例えば、レバー形状又は左右一対の矢印形状でもよい。このように1コマスクロールのタッチ操作が回転ジェスチャ以外の場合でも、そのジェスチャが、スワイプジェスチャとの区別が明確なジェスチャであれば、表示セルCLの拡大エリアの指定操作であるスワイプジェスチャとの誤認識が低減される、というメリットは得られる。
また、本例では、1コマスクロールにおいて、図43及び図44に示したように、画像PをZ字状に移動させている。そのため、画像Pの移動の仕方が自然であり、違和感が少ない。
「変形例3-1」
図48及び図49は、1コマスクロール(スクロール処理)の途中の過渡的な期間において、視覚上の演出を実行する形態である。具体的には、リール部46に対するタッチ操作が開始される前の表示セルCLの配列状態を初期の状態とした場合において、スクロール処理部35は、指Fがリール部46に接触することによるタッチ操作の開始後、指Fがリール部46から離れることによるタッチ操作の終了までの間、配列状態を初期の状態から変化させる視覚上の演出を実行する。そして、スクロール処理部35は、タッチ操作の終了後において、配列状態を初期の状態に戻すことにより、1コマスクロールの前後において配列状態を維持する。
図48Aは、指Fがリール部46に触れておらず、1コマスクロールのためのタッチ操作の開始前の状態である。この配列状態が初期の状態である。図48Bは、指Fがリール部46に接触しており、タッチ操作が開始されている。しかし、図48Bにおいては、回転ジェスチャが行われる前の段階を示す。図48Bに示す状態から過渡的な期間に入り、スクロール処理部35は視覚上の演出を開始する。
図48Bの状態において、スクロール処理部35は、アルバム画面14内の表示セルCL及び画像Pの大きさを、図48Aに示す初期の状態と比較して、縮小する。表示セルCL及び画像Pの縮小状態は、1コマスクロールが完了するまで継続される。この図48Bに示す状態から回転ジェスチャが行われると、スクロール処理部35は、1コマスクロールを開始する。
図49Aは、図48Bに示す状態から1コマスクロールが開始された後、指Fがリール部46から離れていない1コマ分のスクロールの途中の状態を示す。スクロール処理部35は、指Fがリール部46にタッチされて、指Fによって回転ジェスチャが行われている間は、リール部46に対する指Fの動きに応じて、図49Aに示すような演出を行う。すなわち、表示セルCL及び画像Pの各列を中央に接近させるか、又は、逆に各列の間隔を離すといった視覚上の演出である。
スクロール処理部35は、指Fの回転ジェスチャを受け付ける際に、指Fの操作量が予め設定された閾値を超えた場合に1コマ分のスクロールの実行を行い、かつ、その状態で指Fがリール部46から離れた場合に、実行したスクロールを確定される。そのため、例えば、ユーザ13が、指Fをリール部46にタッチした状態で、時計方向又は反時計方向の回転ジェスチャを繰り返しているような状態では、スクロール処理部35は、スクロールを行うものの、そのスクロールを最終的には確定しない。
こうした過渡的な期間において、スクロール処理部35は、回転ジェスチャの操作量に応じて、図49Aに示す演出を行いつつ、画像Pの配置位置の入れ替え、すなわち、1コマ分のスクロールを実行する。その後、指Fがリール部46から離れることにより、タッチ操作が終了した段階でスクロールを確定させて、かつ、図49Bに示すように、スクロール完了後の表示セルCLを、図48Aと同様の初期の状態に戻す。
このように、スクロール処理部35が、表示セルCLの配列状態を維持したまま、1コマスクロールを実行するとは、少なくとも、図48Aに示すスクロールの開始前と、図49Bに示すスクロールの完了後において、表示セルCLの配列状態が維持されていることを意味する。そして、図48B及び図49Aに示すように、スクロール処理の途中においては、スクロール処理部35は、表示セルCLの配列状態を乱して、表示上の演出を行う。
このように、1コマスクロールの途中に、表示セルCL及び画像Pのサイズを縮小したり、表示セルCLの配列状態を乱す演出を行うことで、スクロールが実行されていることをユーザ13に明確に認識させるという効果が得られる。というのも、1コマスクロールにおいては、スクロールの開始前と完了後において配列状態が維持されている。そして、画像Pの移動量も1コマ単位と少なく、スクロール前後のアルバム画面14の変化が少ない。そのため、このような視覚上の演出が行われる。これにより、ユーザ13は、1コマスクロールが行われていることを認識しやすいため、1コマスクロールにおいて、このような視覚上の演出は非常に有効である。
なお、図48B及び図49Aに示す演出は、一例であり、他の演出でもよい。例えば、各画像Pをカードに見立てて、表裏が反転するように回転させる演出、アルバム画面14内において、各画像Pがランダムに散乱する演出など各種の演出が考えられる。いずれの演出を加えてもよい。
「変形例3-2」
また、スクロール処理部35は、1コマスクロールの速度を変化させてもよい。1コマスクロールの速度とは、例えば、単位時間当たりの画像Pの配置位置の入れ替わり回数をいう。1コマスクロールは、コマ単位で画像Pが切り替わるため、図40に示す行単位スクロール又は図41に示す連続的なページスクロールと比較して、スクロールの速度が遅い。そのため、離れた位置にある画像Pを探す場合には、スクロールに時間がかかる。スクロールの速度を上げることで、スクロール時間を短縮させることができる。
1コマスクロールの速度を変化させるトリガーとしては、 まずは、回転ジェスチャの単位時間当たりの操作量が考えられる。回転ジェスチャの単位時間当たりの操作量、すなわち、回転ジェスチャを早く行うと、スクロール処理の速度を上げるようにする。
この場合は、例えば、図50に示すように、スクロール処理部35は、タッチパネル12から、リール部46に対する回転ジェスチャの操作信号を操作受付部31を通じて取得する。そして、スクロール処理部35は、操作信号に基づいて、単位時間当たりの操作量を計算し、計算結果に基づいて、スクロール速度を判定する。判定結果に応じてスクロールの速度を上げる。
また、1コマスクロールの速度を変化させる別のトリガーとしては、例えば、リール部46の長押し操作などが考えられる。リール部46を予め設定された時間長押しすることで、回転ジェスチャの場合と比較して、1コマスクロールの速度が上がるようにする。長押しが継続されている間、1コマスクロールも継続する。ユーザ13が指Fをリール部46から離して長押しを終了すると、1コマスクロールも終了する。
「変形例3-3」
1コマスクロールの移動形態について、図43及び図44に示すZ字状を例に説明したが、Z字状以外でも、図51及び図52に示すS字状、又は図53に示す渦巻き状などが考えられる。これらのいずれを採用してもよい。
「変形例3-3-1」
図51及び図52に示すS字状は、Z字状と同様に、スクロール処理部35は、1コマスクロール(スクロール処理)において、行内の一方の端に位置する表示セルCLに配置される画像Pを、隣接する次の行の端に位置する表示セルCLに移動する。そして、その他の画像Pを、行内において隣接する表示セルCLに1コマずつ移動する。しかし、図51及び図52に示すS字状の場合は、Z字状と異なり、スクロール処理部35は、行内の一方の端に位置する画像Pを、次の行に移動する場合に、次の行において、移動前の行の端と同じ側の端に移動する。
例えば、図51に示すように、1行目の左端に位置する画像P25を次の2行目に移動する場合には、移動前の1行目と同じ左端に移動する。これにより、各画像Pが全体としてS字状に移動する。
図51に示す矢印は、図43と同様に、リール部46を時計方向に回転させる回転ジェスチャをした場合の画像Pの移動経路を示す。図51の例は戻り方向のスクロールの場合の移動経路を示している。戻り方向のスクロールでは、画像P22よりも古い画像P21、P20・・・が1コマずつタッチパネル12の表示領域に進入する。反対に、図52は、図44と同様に、リール部46を反時計方向に回転させる回転ジェスチャをした場合の画像Pの移動経路を示す。図52の例は送り方向のスクロールの場合の移動経路を示している。送り方向のスクロールでは、画像P45よりも新しい画像P46、P47・・・が1コマずつタッチパネル12の表示領域に進入する。
「変形例3-3-2」
図53は、1コマスクロールの移動形態が渦巻き状の場合を示す。図53の例では、スクロール処理部35は、1コマスクロール(スクロール処理)において、アルバム画面14の中央に位置する表示セルCLを中心として渦巻き状に画像Pを1コマずつ移動する。図53の例では、アルバム画面14の中央に位置する画像P22が配置される表示セルCLを中心として、全体として渦巻き状に各画像Pをずらす。
渦巻きの中心に位置する画像P22は、表示中の画像Pの中で最も古い画像Pである。戻り方向の1コマスクロールが行われると、この中心に位置する表示セルCLに、画像P22よりも古い画像Pが進入してくる。また、図53の例では、下端の左隅の画像P41が最新の画像Pであり、戻り方向の1コマスクロールが行われると、画像P41の位置から最新の画像Pが非表示領域に退避する。
図示は省略したが、逆に、送り方向の1コマスクロールが行われると、中心の表示セルCL(画像P22の位置)から1コマずつ画像Pが非表示領域に退避し、画像P41よりも新しい画像Pが画像P41の位置から、表示領域に進入する。
このように1コマスクロールの移動形態を、S字状又は渦巻き状とすることで、Z字状と比較して、画像Pが珍しい動きをすることになる。そのため、ユーザ13を視覚的に楽しませる効果が期待できる。また、これらの移動形態を設定によって変更できるように
このように、1コマスクロールの移動形態は、Z字状、S字状、又は渦巻き状などの各種の移動形態が考えられる。今回説明した移動形態では、すべて、アルバム画面14内の複数の表示セルCLに、複数の画像Pが、時系列に従って一続きに配置されている。そして、スクロール処理部35は、1コマスクロール(スクロール処理)において、画像Pのそれぞれの配置位置を、時系列に従って1コマずつ移動する。このように、複数の画像Pが時系列に従って一続きに配置されている場合には、移動形態は、時系列に従っていればよく、上記移動形態以外の形態でもよい。
「変形例3-4」
また、図54に示すように、アルバム画面14内に拡大された表示セルCL及び画像Pが有る場合でも、1コマスクロールは可能である。図54において、図54Bは基準状態である。図54Bにおいて、画像P27が2行×2列の4マスに拡大されている。この状態で、図54Aに示すように、過去に向かう1コマスクロールが行われると、拡大された画像P27が、画像P26に入れ替わる。逆に、図54Cに示すように、未来に向かう1コマスクロールが行われると、画像P27が画像P28に入れ替わる。
「第4実施形態」
図55から図62に示す第4実施形態の携帯情報端末10は、スクロールロックが可能な形態である。すなわち、スクロール処理部35は、アルバム画面14におけるスクロールの際に、指定操作された画像Pに関してアルバム画面14内における配置位置を固定するスクロールロックをする。このスクロールロックをした状態で、アルバム画面14内の他の画像Pについてスクロール処理を実行する。第4実施形態においても、上記各実施形態と同様の構成については同一符号を示し、相違点を中心に説明する。
図55は、アルバム画面14内の画像P27がスクロールロックされた状態を示す。操作受付部31は、アルバム画面14内の少なくとも1つの表示セルCLに配置された画像Pを、スクロールロックの対象となるロック対象として指定する指定操作を受け付ける。操作受付部31は、画像指定受付部として機能する。
ロック対象の指定操作は、例えば、図5に示す編集メニュー14Cからスクロールロックの項目を選択し、その後に、アルバム画面14内の画像Pを指Fで軽く1回叩くシングルタップを行うことによりなされる。また、図55の画像P27に示すように、画像Pが拡大された場合には、拡大対象の画像Pについてロック対象の指定操作がなされたとみなしてもよい。
操作受付部31は、こうしたロック対象の指定操作がされた場合は、その指定操作を受け付ける。操作受付部31は、指定された画像Pをロック対象として設定する指示を、スクロール処理部35に送信する。スクロール処理部35は、操作受付部31からの指示に基づいて、指定された画像Pについてアルバム画面14内における配置位置を固定するスクロールロックをする。
スクロール処理部35は、スクロールロックをした場合、ロック対象の画像Pの情報をワークメモリ22又はストレージデバイス23に記録する。
スクロール処理部35は、第3実施形態と同様に、操作受付部31がスクロール処理の実行指示を受け付けた場合に、スクロール処理を実行する。スクロール処理部35は、ロック対象として指定操作された画像P(図55では画像P27)に関して、スクロールロックを行う。
スクロール処理部35は、アルバム画面14において、スクロールロックされている画像Pと、それ以外の画像Pとを識別可能に表示する。本例では、パドロックを模式的に表したロックマーク47をロック対象の画像Pの右上隅に表示する。本例では、ロック対象の画像P27内にロックマーク47が表示されている。ロックマーク47の表示により、ロック対象の画像P27とそれ以外の画像Pとを識別することができる。
スクロールロックは、ロック対象の画像Pのロックマーク47の位置をシングルタップすることにより、解除される。スクロールロックが解除されると、ロックマーク47の表示が消える。
スクロール処理部35は、ロック対象の画像Pについてスクロールロックした状態で、アルバム画面14内の他の画像Pについてはスクロール処理を実行する。
図56に示す例では、画像P27にスクロールロックが掛かっている。この場合、図56Bに示す基準状態から、リール部46に対する回転ジェスチャにより、戻し方向に1コマ分の1コマスクロールが行われると、図56Aに示す状態になる。図56Aにおいて、スクロールロックされている画像P27を除いて、各画像Pの配置位置が1コマずつ移動している。図56Aにおいては、図54Aのように、拡大された画像P27が画像P26に入れ替わることなく、画像P27が拡大対象であり続ける。
図56Cに示すように、図56Bを基準として送り方向にスクロールが行われた場合も同様に、スクロールロックされた画像P27はスクロールされず、画像P27以外の画像Pの配置位置が1コマずつ移動する。
このように、指定した画像Pに関してスクロールロックができるため、携帯情報端末10のタッチパネル12のように画像Pを表示する画面が小さくても、複数の画像Pの検索がしやすい。例えば、お気に入りの画像Pを1つ見つけた後に、その画像Pに対してスクロールロックをかけておけば、次の画像Pを探すためのスクロールを行っても、最初に見つけたお気に入りの画像Pをタッチパネル12に表示させておくことができる。そのため、最初に見つけたお気に入りの画像Pを見失うことがない。このようなスクロールロックによれば、お気に入りの画像Pを配置しておくための画面分割なども不要である。そのため、携帯情報端末10のように、画面が小さくても、複数の画像の検索がしやすい。
第4実施形態のスクロールロック機能と組み合わせるスクロール処理は、1コマスクロールに限定されない。例えば、図40に示した行単位スクロールでもよいし、図41に示した連続的なページスクロールでもよい。
しかし、アルバム画面14のように複数の画像Pがグリッド状に配列されている場合は、スクロールロックと1コマスクロールとを組み合わせると、スクロール時の画面の見栄えをよくすることができる。
例えば、図57に示す例は、スクロールロックと行単位スクロールとを組み合わせた例である。図57において、図56と同様に、画像P27は拡大されており、かつ、画像P27に対してスクロールロックが掛けられている。図57Bを基準状態として、図57Aは、1行分の戻し方向のスクロールを行った状態を示し、図57Cは、1行分の送り方向のスクロールを行った状態を示す。
図57A及び図57Cに示すように、行単位スクロールでは、スクロールロックが掛かっている画像Pがあると、スクロールロックの影響により、歯抜け部分が生じてしまう。
図57において、画像P27は2行目と3行目に存在している。図57Bの状態で戻し方向の1行分のスクロールが行われると、図57Aに示すように、図57Bの3行目の画像P29及びP30が、画像P27が存在しない4行目に移動する。そうすると、画像P27はスクロールロックされているため、画像P27が移動しないことにより、図57Aに示すように、画像P29及びP30の間の2マスが歯抜け状態になってしまう。
反対に、図57Bの状態で送り方向の1行分のスクロールが行われると、図57Cに示すように、図57Bの2行目の画像P26及びP28が、画像P27が存在しない1行目に移動する。そうすると、画像P27はスクロールロックされているため、画像P27が移動しないことにより、画像P26及びP28の間の2マスが歯抜け状態になってしまう。
これに対して、図56に示すように1コマスクロールの場合は、画像Pが1コマずつ移動するため、図57に示すように歯抜けのマスが生じることがない。このように、スクロールロックと1コマスクロールとを組み合わせると、スクロールをした場合に、歯抜けのマスが生じることがなく、スクロール時のアルバム画面14の見栄えをよくすることができる。
また、図57に示すように、スクロールロックをした画像Pがある場合に、行単位スクロールを行うと、ロック対象の影に隠れて見えなくなってしまう画像Pも生じる。例えば、図57Aにおいては、画像P23及びP24が、ロック対象の画像P27の影に隠れてしまう。また、図57Cにおいては、画像P32及びP33が、ロック対象の画像P27の影に隠れてしまう。スクロールロックと1コマスクロールとを組み合わせることで、こうした不都合も解消することができる。
また、図56に示す例では、ロック対象が拡大された画像Pの例で説明したが、もちろん、図58に示すように、ロック対象の画像Pは拡大されていなくてもよい。図58は、図56に示す例と同様に、画像P27がロック対象であるが、画像P27は拡大されていない。図58において、図58Bは基準状態を示す。図58Aは、図58Bを基準として戻し方向の1コマ分のスクロールを行った状態を示す。図58Cは、図58Bを基準として送り方向の1コマ分のスクロールを行った状態を示す。
なお、本例では、スクロールロックされている間、ロック対象の画像Pにロックマーク47を表示する例で説明している。しかし、ロックマーク47は、スクロールロックされている全期間において表示していなくてもよい。ロック対象を識別可能にする目的は、少なくともスクロール処理が実行されている間に、ロック対象の画像Pとそれ以外の画像Pを区別することである。そのため、ロックマーク47は、少なくともスクロール処理が実行されている間に表示されていればよい。
もちろん、本例で示したように、スクロールロックが掛かっている全期間に渡ってロックマーク47を表示しておくことが好ましい。スクロールが行われていない状態でも、ロック対象がどれかがすぐにわかるためである。
また、ロック対象の画像Pとそれ以外の画像Pとを識別可能に表示する態様としては、ロックマーク47に限られない。例えば、ロック対象の画像Pを他の画像Pよりも縮小して表示する方法、ロック対象の画像Pを、半透明にする方法、ハッチングを付す方法、点滅させる方法などがある。また、画像Pを小刻みに動かして画像Pが視覚的に振動しているような演出を施すバイブレーションなどの方法もある。これらのいずれの方法を用いてもよい。
「変形例4-1」
図59に示す第4実施形態の変形例は、画像レイアウト編集機能を充実させた操作画面を有する例である。以下に示すとおり、スクロールロックは、アルバム画面14のように、複数の画像Pがグリッド状に配列された画像配列画面で画像レイアウト編集を行う場合に、より効果を発揮する。
本例に示すように、アルバム画面14を利用して、複数の画像Pが配置されたダイレクトメール用のポストカードを作成することができる。図59に示すアルバム画面14には、こうしたポストカードを作成しやすいように、画像レイアウト編集において有用な各種の操作部が設けられている。
例えば、符号51は、ゴミ箱アイコンであり、不要な画像Pをゴミ箱アイコン51にドラッグすることで、不要な画像Pをアルバム画面14から削除することができる。また、プリンタアイコン52は、編集済みのアルバム画面14をプリンタに出力する指示を行う操作部である。このように、携帯情報端末10は、アルバム画面14をプリントする指示を発行する機能を有している。
また、保存及び読み出しアイコン53は、編集済みのアルバムのデータの保存、又は各種のデータの読み出しの際に、ストレージデバイス23内の各種のフォルダを開くために利用される操作部である。各種のデータとしては、アルバムのデータの他、例えば、後述するロゴマークのように、写真以外のマーク又は文字列を表す画像が含まれる。後述するように、こうした写真以外の画像をアルバム画面14の表示セルCLに配置することも可能である。また、テンプレートアイコン54は、作成済みのテンプレートの読み出し、又は作成済みのテンプレートの保存のために、テンプレートフォルダを開くための操作部である。
このような操作部が設けられたアルバム画面14は、例えば、編集メニュー14Cから、画像レイアウト編集モードを選択して、選択した画像レイアウト編集モードに移行することにより表示される。
本例の携帯情報端末10は、上述した例と同様に、画像レイアウトを編集する機能を有している。編集機能には、アルバム画面14内における画像Pの拡大、アルバム画面14からの画像Pの削除、及びアルバム画面14内における画像Pの配置位置の移動がある。画像Pの配置位置の移動は、例えば、図6に示した例と同様の要領で行う。すなわち、アルバム画面14内において移動したい画像Pを、指Fで長押しすることにより移動対象として指定する。指Fを移動対象の画像Pから離さずに、移動した位置に画像Pをドラッグすると、移動先の画像Pとの間で配置位置が入れ替わる。これにより、移動が完了する。拡大、削除、移動といった編集処理は、アルバム編集部32が実行する。
図59では、例えば、スキー教室の主催者であるユーザ13が、スキー教室の模様を写した写真を利用して、ポストカードを作成する例で説明する。ポストカードは、例えば、スキー教室の参加者に対するお礼状、次回以降に利用できる優待情報などを盛り込むことで、商機につなげるために利用される。参加者の写真をポストカードに利用することで、ポストカードは、参加者にとっては、思い出が記録されたアルバムにもなる。
ポストカードの作成に際しては、まず、主催者であるユーザ13は、携帯情報端末10を使用して、スキー教室に参加した参加者の写真を撮影する。図59に示す複数の画像Pは、スキー教室の様子を撮影した写真の例である。これらの画像Pは、画像格納部23Aに格納されている。ポストカードを作成する際には、これらの画像Pがアルバム編集部32によって読み出されて、読み出された複数の画像Pが、図59に示すように、アルバム画面14に時系列に配列される。
図59に示すアルバム画面14において、ユーザ13は、1コマスクロール及びスクロールロックの機能を使用しながら、ポストカードに使用する画像Pを選択する。例えば、ユーザ13は、1コマスクロールを行って、必要な画像Pを選択する。そして、選択した画像Pに対してスクロールロックを掛けて、再び1コマスクロールを行って、次の画像Pを検索する。また、画像Pを必要に応じて拡大する。加えて、時系列に並んでいる複数の画像Pの配置位置を移動する。ユーザ13は、アルバム画面14に表示される複数の画像Pに対して、このような画像レイアウト編集を行って、ポストカードを作成する。
図60は、ポストカード用に編集されたアルバム画面14の例である。図60に示すように、複数の画像Pのうちの1つは拡大されており、写真の他に、マーク又は文字列を表す画像PMも含まれている。画像PMには、「THANK YOU」といったお礼のメッセージ(文字列に相当する)、「富士スキー教室」といったスキー教室の名称が表示されたロゴマーク、及び次回以降に利用できる「優待券」の内容を表示する文字列を表す画像が含まれている。ここで、画像PMに表示されるマークには、文字、図形、模様及びこれらのうち選択された2以上の組み合わせのうちの少なくとも1つが含まれる。
これらの画像PMは、各種のデータに含まれており、ストレージデバイス23内に格納されている。これらの画像PMは、保存及び読み出しアイコン53を操作して、ストレージデバイス23から読み出して、アルバム画面14内の任意の表示セルCLに配置することができる。こうした画像PMについても、表示セルCLに配置された場合は、写真の画像Pと同様に、拡大、移動、及び削除といった画像レイアウト編集が可能である。また、画像PMに対してもスクロールロックを掛けることも可能である。
このように、携帯情報端末10を使用することで、ユーザ13は、撮影した画像Pを配列して表示する、図59に示すアルバム画面14をベースに画像レイアウト編集を行うことができる。これにより、図60に示すような、ポストカード用の画像P及び画像PMの編集を行うことができる。携帯情報端末10は、1コマスクロール及びスクロールロックの機能を備えているため、アルバム画面14をダイレクトに編集しやすい。
というのも、携帯情報端末10のように、タッチパネル12の画面が小さい場合は、画面分割をすると視認性が低下する。そのため、携帯情報端末10では、画面分割機能を利用する画像レイアウト編集を行いにくい。1コマスクロール及びスクロールロックを用いることで、アルバム画面14において、必要な画像Pのレイアウトを決めて、レイアウトが決定した画像Pに対してはスクロールロックを掛けて、次の画像Pの選択及びレイアウトの決定を行うといった編集作業を簡単に行うことができる。レイアウトが決定した画像Pに対してはスクロールロックを掛ければ、アルバム画面14において決定したレイアウトを確認しながら、次の画像Pの検索を行うことができる。このように、アルバム画面14に対するダイレクトな編集が容易になるため、画面分割機能を利用しなくても画像レイアウト編集がしやすい。そのため、1コマスクロール及びスクロールロックを用いた画像レイアウト編集機能は、携帯情報端末10に好適である。
しかも、デスクトップ型パソコンのような機器を使用することなく、携帯情報端末10だけで画像レイアウト編集を行うことができるため、例えば、スキー教室を開催した当日中にポストカードを作成して、参加者に渡す又はデータを送信するといったことも可能となる。スキー教室以外でも、お料理教室、ヨガ教室、又はサーフィン教室など、個人でこういった教室を主催する主催者は増加傾向にある。手軽に利用できる携帯情報端末10は、このような主催者がポストカードなどのメッセージカードを作成する場合に非常に有用である。もちろん、携帯情報端末10の画像レイアウト編集機能は、こうした用途に限らず、例えば、お誕生日会又は歓送迎会などの各種パーティのお礼状の作成などの他の用途に使用することも可能である。
また、表示セルCLに対して、写真の画像Pの他に、マーク又は文字列を表す画像PMを配置可能とすることで、図60に示すように、アルバム画面14に写真とロゴを混在させることができる。このため、案内状又はお礼状のポストカードを作成する際に便利である。
また、スクロールロックがされた画像Pに対しては、拡大、削除、及び移動といった編集が禁止されるようにしてもよい。ロック対象の画像Pは、必要な画像Pとして選択された画像と考えられる。また、スクロールロックがされた画像Pは、一応の編集が済んだ画像とも考えられる。そのため、スクロールロックに加えて、編集を禁止することで、不用意に編集が行われることを抑制することができる。もちろん、編集の禁止は解除可能であり、禁止を解除すれば、編集が禁止された画像Pに対する編集が可能になる。また、上述のとおり、拡大された画像Pに対して自動的にスクロールロックが掛るようにしてもよい。拡大された画像も一応編集が済んだ画像Pと考えられるためである。
図61に示すように、テンプレート58を保存できるようにしてもよい。テンプレート58は、配置する画像Pが指定されていない表示セルCLを含み、かつ、アルバム画面14内における表示セルCLのレイアウトだけ決定された状態のアルバム画面14のデータである。アルバム編集部32は、こうしたテンプレート58のデータをテンプレートデータとして保存することができる。
図61に示すテンプレート58は、マーク又は文字列を表す画像PMのみが配置されており、画像Pを配置する表示セルCLについては、レイアウト及び拡大サイズが決定されているだけで、配置する画像Pについては指定されていない。このテンプレート58のように、画像Pを配置するすべての表示セルCLについて画像Pが未指定であってもよい。このようなテンプレート58を保存できれば、同様のポストカードを次回作成する際に便利である。
また、図62に示すように、一部の表示セルCLについては、配置する画像Pが指定されており、残りの表示セルCLについては、配置する画像Pが未指定のテンプレート59を保存できるようにしてもよい。テンプレート59では、拡大された表示セルCLの1コマだけ、配置する画像Pが未指定であり、残りの表示セルCLについては配置する画像Pが指定されている。テンプレート59の利用方法としては、例えば、画像Pが未指定の表示セルCLに対しては、例えば、ポストカードの送り先の参加者毎に、異なる画像P(例えば個々の参加者の顔画像など)を配置する。このようなテンプレート59を保存できれば、参加者毎に写真を差し替えたポストカードを作成しやすい。
図63に示すように、テンプレート58及びテンプレート59などのテンプレートデータは、ストレージデバイス23内のアルバムフォルダに、アルバムテンプレート(図63の例ではT201)として、保存される。アルバムテンプレートのテンプレート管理情報(図63の例ではT201)は、図3及び図9に示したアルバム管理情報30Aと同様に、選択画像、及びレイアウト情報(セル番号、サイズ等)が記録されたデータである。
また、編集済みのポストカードなどのデータは、アルバム管理情報を含むアルバムのデータとして保存される。編集済みのポストカードのデータは、例えば、プリンタ60に出力されてプリントされる。もちろん、編集済みのポストカードのデータを、電子メールの形態で宛先に送信してもよい。
また、第4実施形態のスクロール処理の実行指示については、タッチ操作を通じて受け付けなくてもよく、例えば、携帯情報端末10に設けられたダイヤルなどの機械式の操作部を通じて受け付けてもよい。
また、第4実施形態のスクロールロックについては、グリッド状に表示セルCLが配列された画像配列画面の一例であるアルバム画面14に限定されない。例えば、1行又は1列内に複数の画像Pが配列された画像配列画面にスクロール処理を実行する場合に、スクロールロックを適用してもよい。
上記実施形態において、携帯情報端末10は、スマートフォンの他、タブレット型コンピュータやノート型パソコンなどでもよい。
また、画像格納部を携帯情報端末10のストレージデバイス23に設けた例で説明したが、画像格納部をインターネットなどのネットワーク上に存在する画像サーバに配置してもよい。この場合には、携帯情報端末10はネットワーク経由で画像サーバにアクセスして画像Pを読み出す。
また、上記実施形態では、携帯情報端末10を画像表示制御装置として機能させる例で説明したが、図64に示すデータ処理サーバ61を画像表示制御装置として機能させてもよい。データ処理サーバ61は、コンピュータであり、基本的な構成は、図2と同様である。もちろん、CPUの処理能力は携帯情報端末10と比較して格段に高く、ワークメモリやストレージデバイスの容量も格段に大きい。
こうしたデータ処理サーバ61のCPUで電子アルバムアプリ30を実行することにより、操作受付部31、アルバム編集部32、拡大処理部33、セル拡大エリア判定部33A、アルバム画面生成部34、スクロール処理部35を実現する。携帯情報端末10にはブラウザがインストールされている。携帯情報端末10は、ブラウザを通じてデータ処理サーバ61にアクセスすることにより、アルバム画面14をデータ処理サーバ61からダウンロードする。ダウンロードされたアルバム画面14は、タッチパネル12に表示される。
携帯情報端末10は、タッチパネル12を通じてタッチ操作が行われると、その操作指示をデータ処理サーバ61に送信する。データ処理サーバ61は受信した操作指示に基づいてアルバム編集処理を実行してアルバム画面14を更新し、更新したアルバム画面14を携帯情報端末10に配信する。こうすれば、データ処理サーバ61を画像表示制御装置として機能させることができる。
また、携帯情報端末10に操作受付部31とアルバム画面生成部34を設けて、残りをデータ処理サーバ61に設けるというように、携帯情報端末10とデータ処理サーバ61に構成要素を分散させてもよい。この場合には、携帯情報端末10とデータ処理サーバ61で構成されるコンピュータシステムが画像表示制御装置として機能する。
上記各実施形態において、例えば、操作受付部31、アルバム編集部32、拡大処理部33、セル拡大エリア判定部33A、アルバム画面生成部34、スクロール処理部35といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。
各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、専用電気回路などが含まれる。CPUは、周知のとおりソフトウエア(作動プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサである。PLDは、FPGA (Field Programmable Gate Array) などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサである。専用電気回路は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである。
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合せ(例えば、複数のFPGAや、CPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウエアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
上記記載から、以下の付記項に記載の画像表示制御装置を把握することができる。
「付記項B1」
画像が1コマずつ配置される複数の画像表示セルがグリッド状に配列され、表示部に表示される画像配列画面を生成する画面生成プロセッサと、
グラフィカルユーザインタフェースで構成される操作部に対するタッチ操作を通じて、画像配列画面に配置する画像を入れ替えるスクロール処理の実行指示を受け付ける操作受付プロセッサと、
操作受付部が実行指示を受け付けた場合に、スクロール処理を実行するスクロールプロセッサであって、表示部に対する複数の画像表示セルの配列状態を維持したまま、複数の画像のそれぞれの配置位置を1コマずつずらしてスクロール処理を実行するスクロールプロセッサと、
を備えている画像表示制御装置。
「付記項C1」
画像が1コマずつ配置される複数の画像表示セルが配列され、表示部に表示される画像配列画面を生成する画面生成プロセッサと、
画像配列画面内の少なくとも1つの画像表示セルに配置された画像を指定する指定操作を受け付ける画像指定受付プロセッサと、
画像配列画面に配置する画像を入れ替えるスクロール処理の実行指示を受け付ける操作受付プロセッサと、
操作受付部が実行指示を受け付けた場合に、スクロール処理を実行するスクロールプロセッサであって、指定操作された画像に関して画像配列画面内における配置位置を固定するスクロールロックをした状態で、画像配列画面内の他の画像についてスクロール処理を実行するスクロールプロセッサと、
を備えている画像表示制御装置。
本開示の技術は、上記各実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の構成を採り得ることはもちろんである。また、上述の種々の実施形態や種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、本開示の技術は、画像表示制御装置の作動プログラムに加えて、画像表示制御装置の作動プログラムを非一時的に記憶するコンピュータで読み取り可能な記憶媒体(USBメモリ又はDVD(Digital Versatile Disc)-ROM(Read Only Memory)など)にもおよぶ。