本発明の実施形態にかかる遊技機の一例として、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機、および第3のパチンコ遊技機を例に挙げて説明する。
なお、この明細書において、特に断りがない限り、パチンコ遊技機の正面側を前方向、パチンコ遊技機の背面側を後方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの左側を左方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの右側を右方向、パチンコ遊技機の上側を上方向、パチンコ遊技機の下側を下方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの時計回りの方向を右回り方向、その逆に反時計回りの方向を左回り方向として定義する。
第1のパチンコ遊技機および第2のパチンコ遊技機は、いずれも、デジパチと称される所謂1種タイプのパチンコ遊技機である。このうち、第1のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるパチンコ遊技機である。これに対し、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機である。
また、第3のパチンコ遊技機は、デジパチと称される所謂1種タイプの遊技機と羽根モノと称される2種タイプの遊技機とを混合した1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機である。この明細書で説明する第3のパチンコ遊技機も、第1特別図柄および第2特別図柄を有するが、この明細書では、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるものを例に挙げて説明する。ただし、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能な1種2種混合機のパチンコ遊技機を排除する趣旨ではない。
なお、この明細書において、単に「特別図柄」と称するときは、とくに言及しない限り、第1特別図柄および第2特別図柄の両方を意味するものとする。
また、本明細書でいう「可変表示」とは、例えば、図柄が変動して表示される「変動表示」、および、図柄が停止して表示される「停止表示」等の両方を含む概念であり、変動表示の開始から停止表示されるまでの動作を1回の「可変表示」と称する。変動表示している図柄が停止表示(以下、「導出」とも称する)されると、後述する特別図柄の当り判定処理(以下、「特別図柄抽選」もと称する)の結果や普通図柄の当り判定処理(以下、「普通図柄抽選」とも称する)の結果が確定する。なお、図柄が見掛け上は停止しているように見えるものの、特別図柄の当り判定処理や普通図柄の当り判定処理の結果が確定しない態様(例えば仮停止した態様)で図柄が表示される場合もあるが、このような態様は上記の変動表示に含まれる。なお、図柄が例えば仮停止した場合であっても、この時点では特別図柄の当り判定処理や普通図柄の当り判定処理の結果が確定していないため、再び図柄を変動表示させることができる。
また、この明細書において、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機を説明するにあたり、いずれも特別図柄の数が2つ(第1特別図柄、第2特別図柄)の場合を例に挙げて説明する。ただし、第1のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機については、特別図柄の数は1つであっても良い。
[1.第1のパチンコ遊技機]
先ず、第1のパチンコ遊技機について説明する。
第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるパチンコ遊技機としては、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示が保留されている場合に、例えば第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立するパチンコ遊技機(以下、「優先変動機」と称する)と、第1始動口および第2始動口を含めて入賞順に始動条件が成立するパチンコ遊技機(以下、「順次変動機」と称する)とがある。
優先変動機では、第1特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、第2特別図柄の可変表示が保留されていないこと、並びに、第1特別図柄の可変表示が保留されていること等、一定の要件を全て満たす場合に成立する。また、優先変動機において、第2特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、並びに、第2特別図柄の可変表示が保留されていること等、一定の要件を全て満たす場合に成立する。
また、順次変動機では、第1特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、第1特別図柄の可変表示が保留されていること、並びに、最先の保留が第1特別図柄の可変表示の保留であること、を少なくとも全て満たす場合に成立する。また、順次変動機において、第2特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、第2特別図柄の可変表示が保留されていること、並びに、最先の保留が第2特別図柄の可変表示の保留であること、を少なくとも全て満たす場合に成立する。
以下では、優先変動機を例に挙げて説明する。
[1-1.外観構成]
図1は、第1のパチンコ遊技機を前方向右斜め上から見たときの外観を示す斜視図の一例である。図2は、第1のパチンコ遊技機を前方向右斜め上から見たときの分解斜視図の一例である。図3は、第1のパチンコ遊技機を後方向右斜め上から見たときの外観を示す斜視図の一例である。
[1-1-1.基本構成]
図1~図3に示されるように、第1のパチンコ遊技機は、外枠2、ベースドア3、ガラスドア4、皿ユニット5、発射装置6、表示装置7(図2参照)、払出ユニット8(図2、図3参照)、基板ユニット9(図2、図3参照)、および、遊技盤ユニット10(図2参照)等を備える。さらに、遊技盤ユニット10の右下部にはLEDユニット160(図2参照)が設けられている。ここでは、外枠2、ベースドア3、ガラスドア4、皿ユニット5、発射装置6、表示装置7、払出ユニット8および基板ユニット9について簡単に説明し、遊技盤ユニット10およびLEDユニット160についての詳細を後述する。なお、上記の括弧書きは、図1に図示がない構成についての参照図面を示している。
(外枠)
外枠2は、正面視略矩形状の枠体であり、前後方向に貫通する開口21を有する。この外枠2は、遊技場の島設備に固定して取り付けられる。外枠2の例えば左端部の前側には蝶番(参照符号なし)が設けられており、この蝶番には、ベースドア3が軸支されている。このようにすることで、蝶番を軸として外枠2に対してベースドア3を前方に回動させることが可能となっている。
なお、外枠2は、ベースドア3を介して、後述する払出ユニット8、基板ユニット9、表示装置7、遊技盤ユニット10、ガラスドア4および皿ユニット5等の多数の部材を支持するため、高い強度が必要とされる。その一方で、演出効果を高めることを目的として例えば表示装置7(図2参照)や遊技盤ユニット10の大型化が要求されている。そのため、外枠2を例えば薄板の金属で構成することにより、表示装置7や遊技盤ユニット10の大型化を図りつつ、高い強度を保つことができる。とくに外枠2をアルミ製にすれば、軽量化を図ることも可能となる。
(ベースドア)
ベースドア3は、裏面側に例えば払出ユニット8および基板ユニット9等が取り付けられており、これらを支持している。
ベースドア3の表面側には遊技盤ユニット10がはめ込まれる。また、ベースドア3の例えば左端部の前側には、上端部、上下方向略中央部よりも下方側の中途部、および、下端部のそれぞれに蝶番(参照符号なし)が設けられており、上端部および中途部の蝶番にガラスドア4が軸支され、中途部および下端部の蝶番に皿ユニット5がそれぞれ軸支されている。このようにすることで、蝶番を軸としてベースドア3に対してガラスドア4および皿ユニット5を一体でまたは個別に前方に回動させることが可能となっている。
また、ベースドア3の表面側の例えば右側下方には発射装置6が固定して取り付けられており、例えば上方側の左右のそれぞれには、スピーカ32(図2参照)が固定して取り付けられている。このスピーカ32からは、例えば、表示装置7に表示されるキャラクタ等の音声演出、楽曲、効果音、音声による告知、エラー報知等の演出音等が出力される。
さらに、ベースドア3の蝶番と反対側(すなわち右端部)には、施錠装置(不図示)が設けられている。この施錠装置は、外枠2に対してベースドア3を施錠したり、ベースドア3に対してガラスドア4を施錠したりする機能を備えている。
(ガラスドア)
ガラスドア4は、開口41が形成された枠状の部材である。この開口41には、透過性を有する保護ガラス43(図2参照)が後面側から取り付けられている。ガラスドア4がベースドア3に対して閉じられると、遊技盤ユニット10に形成される遊技領域105(後述の図4参照)と保護ガラス43とが対向する。このようにして、ガラスドア4がベースドア3に対して閉じられた状態で遊技領域105を前方から視認することができるとともに、遊技領域105を流下する遊技球が前方に飛び出さないようにすることができる。
なお、保護ガラス43は、複数枚(例えば2枚)のガラスを互いに間隙を有して取り付けるものであってもよいし、互いに間隙を有するように複数枚のガラスがユニット化されたものであってもよい。さらには、ユニット化されたものである場合、ガラスとガラスとの間に例えば導光板が備えられたものであってもよい。上記の保護ガラス43は、ガラス製に限られず、例えば透明樹脂製であってもよい。
また、ガラスドア4の下部には、遊技情報提供サービス(例えば、「ユニメモ(登録商標)」)の提供を受けるために例えば遊技者が操作することが可能な操作部66が設けられる。この操作部66は、遊技場の管理者等がホールメニュー画面上で操作することが可能な操作部として機能させることもできる。
また、ガラスドア4の上部には、上述したスピーカ32の前方に配置されるスピーカカバー45が設けられている。さらに、ガラスドア4の開口41の周縁部には、発光演出等に用いられる多数のLED群46が配置されており、これらのLED群46の前方にはLEDカバーが設けられている。図1および図2において図示される符号46は、厳密にいえばLEDカバーであるが、便宜上、LED群46として説明する。LED群46は、例えば、光での告知や、さまざまなバリエーションで発光演出等を行う演出用の発光手段であるが、このような発光演出等を実行できればLEDに限られず、例えば液晶やランプ等であってもよい。
(皿ユニット)
皿ユニット5は、上皿51と下皿52とをユニット化したものである。皿ユニット5は、ベースドア3の前下部であって、ガラスドア4の下方に配置される。この皿ユニット5は、例えば球詰まり等の発生時に遊技場の店員等が球詰まりを解消できるように、上述したとおり、ベースドア3に対して回動させて開閉できるように構成されている。なお、皿ユニット5は、必ずしも上皿51と下皿52とをそれぞれ設ける必要はなく、一体皿として構成してもよい。
上皿51は、遊技球を貯留可能に設けられており、上皿51に貯留された遊技球は、発射装置6から遊技領域105(後述の図4参照)に向けて発射される。上皿51には、払出口53および演出ボタン54等が設けられる。貸し出される遊技球や賞球として払い出される遊技球は、払出口53から上皿51に払い出される。演出ボタン54は、所謂「CHANCEボタン」や、「プッシュボタン」等と呼ばれるものである。演出ボタン54は、遊技者によって操作される操作機能の他、所定の演出機能を有してもよい。所定の演出機能としては、例えば特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて振動したり上方に突出するような機能が相当する。また、上記操作部66の機能を兼用するようにしてもよい。
下皿52は、主として上皿51から溢れた遊技球を貯留するためのものである。下皿52には上皿51と連通する払出口55が設けられており、上皿51から溢れた遊技球は払出口55から下皿52に払い出される。
下皿52の底面には、遊技者の操作によって開閉させることが可能な開口部(参照符号なし)が形成されている。下皿52の底面に形成された開口部を開状態にすると、下皿52に貯留されている遊技球を、下皿52の下方に載置された球箱に移すことができる。なお、所謂各台計数システムが各台に設けられている場合、球箱を必要としないだけでなく、各台計数システムで計数された遊技球を貯球し、貯球された遊技球を再び遊技に供することもできる。
(発射装置)
発射装置6は、上皿51に貯留された遊技球を、遊技領域105(後述の図4参照)に向けて発射するためのものである。発射装置6は、ベースドア3の前右下部であって、皿ユニット5の右下方に配置される。発射装置6は、パネル体61、駆動装置(不図示)および発射ハンドル62を備える。
パネル体61は、ベースドア3に対し皿ユニット5が閉じられた状態において、皿ユニット5と、ベースドア3に固定して取り付けられた発射装置6とが外観上一体となるように設けられる。
発射ハンドル62は、右回りまたは左回りに回動可能に構成されており、パネル体61の表面側に配置される。上記の駆動装置は、パネル体61の裏面側に配置され、例えば発射ソレノイド(図示せず)により構成される。遊技者によって発射ハンドル62が操作されると、駆動装置の動作により遊技球が発射される。なお、発射ハンドル62を操作する際に、右回りへの回動量(操作量)が大きいほど遊技球の発射強度が強くなる。
皿ユニット5の右下方に配置された発射装置6から発射された遊技球は、発射レール(不図示)を経てガイドレール110(後述の図4参照)に沿って円弧状に転動して遊技領域105(後述の図4参照)に打ち出される。なお、発射装置6の配置位置は、皿ユニット5の右下方に限られず、皿ユニット5の左下方であってもよい。この場合、上記の発射レールが不要となり、ガラスドア4の下方の領域を有効に利用することができ、汎用性を高めることが可能となる。
(表示装置)
表示装置7(図2参照)は、遊技に関する各種の演出画像を表示する表示領域を有するものであって、遊技パネル100の開口に上記の表示領域が臨むように取り付けられる。表示装置7は、例えば、液晶表示装置、7セグ表示装置、ドットマトリクス表示装置、エレクトロルミネッセンスで構成される表示装置等であってもよいし、プロジェクタ等の投影装置を用いて映像を投影するものであってもよい。表示装置7の表示領域には、例えば、演出用識別図柄(例えば、装飾図柄)を可変表示させて特別図柄の当り判定処理の結果を表示したり、特別図柄の当り判定処理の結果に応じた演出画像、大当り遊技状態中の演出画像、デモ演出画像、特別図柄の可変表示の保留状況を示す演出画像等が表示される。本実施例では、表示装置7が遊技盤ユニット10に取り付けられているが、表示装置7の表示領域が遊技パネル100の開口に臨むように配置されていれば、表示装置7はベースドア3に取り付けられるようにしてもよい。
なお、本実施例では、上記各種の演出画像を表示するものとして一つの表示装置7を備えているが、複数(例えば二つ)の表示装置を設けて、これら複数の表示装置を用いて演出画像を表示するようにしても良い。
(払出ユニット)
払出ユニット8(図2、図3参照)は、ベースドア3の背面側に配置されており、球通路81、払出装置82等で構成される。球通路81には、貯留タンク80(図2、図3参照)から遊技球が供給される。なお、貯留タンク80には、島設備(不図示)から遊技球が供給される。払出装置82は、払出条件が成立すると、貯留タンク80から球通路81に供給された遊技球のうち所定個数の遊技球を例えば上皿51に払い出す。また、払出ユニット8の背面側には、図3に示されるように電源スイッチ95が設けられる。
(基板ユニット)
基板ユニット9(図2、図3参照)は、ベースドア3の背面側に配置される。基板ユニット9には、各種制御基板等が設けられる。
具体的には、図3に示されるように、主制御回路200(後述の図6参照)が実装された主制御基板91、サブ制御回路300(後述の図6参照)が実装されたサブ制御基板92、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路400(後述の図6参照)が実装された払出・発射制御基板93、および、電源を供給する電源供給回路450(後述の図6参照)が実装された電源供給基板等が基板ユニット9に設けられている。
なお、図3では、便宜上、主制御基板91、サブ制御基板92、払出・発射制御基板93および電源供給基板94を参照符号として示しているが、これらの基板は、全て、基板ケースに収容されている。
また、本実施例では、サブ制御基板92を、ワンボード基板(1つの基板に1つの制御LSIまたは複数のLSIが設けられた基板)として構成する。ただし、これに限られず、例えば、後述する表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306および役物制御回路307(いずれも後述の図6参照)等の全部または一部を別個の基板とすることで、サブ制御基板92を複数の基板で構成してもよい。
[1-1-2.遊技盤ユニット]
図4は、第1のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット10の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット10の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成される。
図4に示されるように、遊技盤ユニット10は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成される遊技パネル100と、ガイドレール110と、遊技領域105の略中央部に配置されるセンター役物115と、第1始動口120と、一般入賞口122と、通過ゲートユニット125と、特別電動役物ユニット130と、第2始動口140と、普通電動役物ユニット145と、LEDユニット160と、アウト口178と、遊技盤ユニット10の後方に配置される裏ユニット(図示せず)とを備える。なお、上述したとおり、LEDユニット160については後述する。
(遊技パネル)
遊技パネル100には、表示装置7の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル100の前面には、ガイドレール110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール110から遊技領域105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
なお、本実施例では、裏ユニットを正面視で視認できるように遊技パネル100が透明樹脂で構成されているが、遊技パネル100の全部を透明としてもよいし、一部のみを透明としてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール110は、円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域105は、ガイドレール110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置6(後述の図6参照)から発射された遊技球を遊技領域105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物115は、遊技パネル100の開口(参照符号なし)にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール116を備えている。遊技領域105に向けて発射された遊技球は、センターレール116によって左右に振り分けられる。
この第1のパチンコ遊技機において、遊技領域105のうち、センター役物115よりも左側の領域を左側領域106と称し、センター役物115よりも右側の領域を右側領域107と称する。左側領域および右側領域の定義は、後述する第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機についても同様である。
発射装置6によって遊技領域105に向けて発射された遊技球は、左側領域106または右側領域107を流下する。左側領域106または右側領域107を流下する遊技球は、遊技パネル100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域106を流下する。一方、発射ハンドル62(図1参照)の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域107を流下する。
なお、この明細書において、発射ハンドル62の操作態様(打ち方)として、左側領域106を流下するように遊技球を発射させる打ち方を「左打ち」と称し、右側領域107を流下するように遊技球を発射させる打ち方を「右打ち」と称する。このように、遊技者によって左側領域106または右側領域107に向けて遊技球を打ち分け可能とされている。
また、センター役物115には、左側の外周縁部に、左側領域106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口117が形成されている。ワープ入口117に進入した遊技球は、センター役物115に形成されたステージ118に誘導可能に構成されている。ステージ118は、表示装置7の表示領域の下辺前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口119が形成されており、チャンス入口119に進入した遊技球は、第1始動口120の直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口119に進入した遊技球は、ワープ入口117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口117に進入したもののチャンス入口119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で第1始動口120に入賞(通過)するようになっている。
(第1始動口)
第1始動口120は、表示装置7の表示領域の下方に配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口120に遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ121(後述の図6参照)により検出される。なお、右打ちされた遊技球が第1始動口120に入賞可能であってもよい。また、上記の第1始動口120に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)な第1始動口を備えるようにしてもよい。
第1始動口スイッチ121(後述の図6参照)により第1始動口120への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄にかかる各種データ(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、第1特別図柄の始動条件(この明細書において「第1特別図柄の変動開始条件」とも称する)が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口120に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
この明細書において、第1始動口120への遊技球の入賞を第1特別図柄の始動入賞と称し、第1特別図柄にかかる各種データ(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)を第1特別図柄の始動情報と称する。また、始動条件が成立するまで第1特別図柄の始動情報を記憶することを保留と称する。第2特別図柄についても同様である。
(一般入賞口)
一般入賞口122は、表示装置7の表示領域の左下方に複数配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。複数の一般入賞口122のうちいずれかに遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ123(後述の図6参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ123(後述の図6参照)により一般入賞口122への遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口122への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。
また、本実施例において、一般入賞口122は、右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能となるように配置されているが、必ずしもこれに限られず、上記の一般入賞口122に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能な一般入賞口を備えてもよい。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット125は、右側領域107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように構成された通過ゲート126と、通過ゲート126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ127(後述の図6参照)とを一体化したユニット体である。
通過ゲートスイッチ127により通過ゲート126への遊技球の通過が検出されると、普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ127により通過ゲート126への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット125は、右側領域107に代えてまたは加えて左側領域106に配置されていてもよい。
この明細書において、通過ゲート126への遊技球の通過を始動通過と称し、通過ゲート126への遊技球の通過によって抽出された普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を普通図柄の始動情報と称する。また、始動条件が成立するまで普通図柄の始動情報を記憶することを保留と称する。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット130は、大入賞口131と、大入賞口131への遊技球の入賞(通過)を検出するカウントスイッチ132(後述の図6参照)と、特別電動役物133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット130は、右側領域107において、通過ゲートユニット125よりも下方に配置されている。
大入賞口131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大入賞口131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大入賞口を配置したり、センター役物115の上部において遊技球が入賞可能な大入賞口を配置するようにしてもよい。
また、大入賞口131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。カウントスイッチ132(後述の図6参照)により大入賞口131への遊技球の入賞が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、大入賞口131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
特別電動役物133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ134と、この特電用シャッタ134を作動させる特電用ソレノイド135(後述の図6参照)とを備える。特別電動役物133すなわち特電用シャッタ134は、大入賞口131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大入賞口131への遊技球の入賞(通過)が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、大当り遊技状態では、上記の閉鎖状態から開放状態への状態移行が所定のラウンド数にわたって行われる。すなわち、大当り遊技状態は、大入賞口131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
(第2始動口)
第2始動口140は、左側領域106(より詳しくは第1始動口120の左側下方)に配置されている。ただし、第2始動口140は、左打ちされた遊技球の入賞が例えば遊技釘等によって困難または不可能となっており、右打された遊技球が入賞可能となるように第2始動口140の近傍まで誘導されるように構成されている。ただし、第2始動口140をこのような構成とすることは必須ではなく、例えば右側領域107に設けてもよい。また、第2始動口140は、左打ちされた遊技球が入賞可能となるように構成されていてもよい。
第2始動口スイッチ141(後述の図6参照)により第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄にかかる各種データ(例えば、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、第2特別図柄の図柄乱数値、第2特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第2特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、第2特別図柄の始動条件(この明細書において「第2特別図柄の変動開始条件」とも称する)が成立すると、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口140に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口140への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット145は、左側領域106(より詳しくは第1始動口120の左側下方)に配置されており、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物146とを一体化したユニット体である。本実施例では、上記の入賞口を第2始動口140とし、上記のスイッチを第2始動口スイッチ141としている。
普通電動役物146は、所謂電チューと呼ばれる例えば羽根部材からなる普電用可動部材147と、この普電用可動部材147を作動させる普電用ソレノイド148(後述の図6参照)とを備える。普通電動役物146すなわち普電用可動部材147は、第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、第2始動口140への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、普電用可動部材147は、羽根型、扉型、突出板型等を含む。
(アウト口)
アウト口178は、遊技領域105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口120、第2始動口140、大入賞口131、一般入賞口122等)のいずれにも入賞しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口178に加えて、最下流側でない位置、例えば複数の一般入賞口122の間等にアウト口を設けて、遊技領域105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、遊技盤ユニット10を装飾するものであって、透過性のある遊技パネル100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、サブ制御回路300によって制御される可動役物等の演出用役物群58(後述の図6参照)を備える。演出用役物群58は、例えば表示装置7の表示領域の周囲に配置される。これらの演出用役物群58のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[1-1-3.LEDユニット]
LEDユニット160は、遊技盤ユニット10の右下部であって、遊技領域105の外側に配置される(例えば図4参照)。LEDユニット160は、各種の表示部を一体化したユニット体である。
図5は、第1のパチンコ遊技機が備えるLEDユニット160を示す正面図の一例である。
図5に示されるように、LEDユニット160は、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166、確変報知用表示部167、および時短報知用表示部168を備える。
(普通図柄表示部)
普通図柄表示部161は、普通図柄の当り判定処理の結果を表示するものであって、普通図柄表示LED161a,161bを備える。普通図柄の可変表示を開始するための条件(以下、「普通図柄の始動条件」と称する)が成立すると、普通図柄表示LED161a,161bが交互に点灯・消灯を繰り返す普通図柄の可変表示が開始される。普通図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示が停止し、普通図柄の当り判定処理の結果が導出される。
普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りである場合、普通図柄表示LED161a,161bの点灯・消灯の組み合わせが特定の停止表示態様となる。例えば、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りである場合、普通図柄表示LED161aが点灯するとともに普通図柄表示LED161bが消灯する。一方、普通図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合、例えば、普通図柄表示LED161aが消灯するとともに普通図柄表示LED161bが点灯する。ただし、普通図柄の当り判定処理の結果を示す普通図柄表示LED161a,161bの停止表示態様はこれに限られない。そして、普通図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、普通電動役物146を作動させることが決定し、普電用可動部材147が所定のパターンで開閉駆動し、第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が容易となる。
(普通図柄用保留表示部)
普通図柄用保留表示部162は、普通図柄の始動情報すなわち可変表示が保留されている場合、保留されている普通図柄の可変表示の数(以下、「普通図柄の保留数」と称する)を表示するものであって、普通図柄用保留表示LED162a,162bを備える。上記の「普通図柄の可変表示が保留されている」とは、通過ゲート126への遊技球の通過が検出されて普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)が抽出されてから、普通図柄の始動条件が成立するまでの状態をいう。なお、普通図柄の始動条件は、普通図柄が可変表示中でないこと、および、普通図柄の可変表示が保留されていること、を少なくとも全て満たす場合に成立する。
普通図柄用保留表示部162は、普通図柄用保留表示LED162a,162bの点灯・消灯の組み合わせによって普通図柄の可変表示の保留数を表示する。例えば、普通図柄の保留数が1個である場合、普通図柄用保留表示LED162aが点灯するとともに普通図柄用保留表示LED162bが消灯する。また、普通図柄の保留数が2個である場合、普通図柄用保留表示LED162a,162bの両方が点灯する。また、普通図柄の保留数が3個である場合、普通図柄用保留表示LED162aが点滅するとともに普通図柄用保留表示LED162bが点灯する。さらに、普通図柄の保留数が4個である場合、普通図柄用保留表示LED162a,162bの両方が点滅する。ただし、普通図柄の保留数を示す普通図柄用保留表示LED162a,162bの表示態様はこれに限られない。
(特別図柄表示部)
特別図柄表示部は、特別図柄の当り判定処理の結果を表示するものであって、第1特別図柄表示部163および第2特別図柄表示部164を備える。第1特別図柄表示部163は、例えば、8個のLED163a~163hからなる第1特別図柄表示LED群を備える。同様に、第2特別図柄表示部164も、例えば8個のLED164a~164hからなる第2特別図柄表示LED群を備える。
第1特別図柄の可変表示を開始するための条件(以下、「第1特別図柄の始動条件」と称する)が成立すると、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLED163a~163hの全部または一部が交互または相互に点灯・消灯を繰り返す第1特別図柄の可変表示が開始される。第1特別図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過すると、第1特別図柄の可変表示が停止し、第1特別図柄の当り判定処理の結果が導出される。
第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLED163a~163hの点灯・消灯の組み合わせが特定の停止表示態様となる。そして、第1特別図柄表示部163が特定の停止表示態様で停止表示されると、大当り遊技状態への移行が決定する。
第2特別図柄の可変表示を開始するための条件(以下、「第2特別図柄の始動条件」と称する)が成立すると、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLED164a~164hの全部または一部が交互または相互に点灯・消灯を繰り返す第2特別図柄の可変表示が開始される。第2特別図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過すると、第2特別図柄の可変表示が停止し、第2特別図柄の当り判定処理の結果が導出される。
第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLED164a~164hの点灯・消灯の組み合わせが特定の停止表示態様となる。そして、第2特別図柄表示部164が特定の停止表示態様で停止表示されると、大当り遊技状態への移行が決定する。
(特別図柄用保留表示部)
特別図柄用保留表示部は、特別図柄の始動情報すなわち可変表示が保留されている場合、保留されている特別図柄の可変表示の数(以下、「特別図柄の保留数」と称する)を表示するものであって、第1特別図柄用保留表示部165および第2特別図柄用保留表示部166を備える。
第1特別図柄用保留表示部165は、第1特別図柄の可変表示が保留されている場合、第1特別図柄の保留数を表示するものであって、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bを備える。「第1特別図柄の可変表示が保留されている」とは、第1始動口120への遊技球の入賞(通過)が検出されて第1特別図柄の始動情報が抽出されてから、第1特別図柄の始動条件が成立するまでの状態をいう。
第1特別図柄用保留表示部165は、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの点灯・消灯の組み合わせによって第1特別図柄の可変表示の保留数を表示する。例えば、第1特別図柄の保留数が1個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165aが点灯するとともに第1特別図柄用保留表示LED165bが消灯する。また、第1特別図柄の保留数が2個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの両方が点灯する。また、第1特別図柄の保留数が3個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165aが点滅するとともに第1特別図柄用保留表示LED165bが点灯する。さらに、第1特別図柄の保留数が4個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの両方が点滅する。ただし、第1特別図柄の保留数を示す第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの表示態様はこれに限られない。
第2特別図柄用保留表示部166は、第2特別図柄の可変表示が保留されている場合、第2特別図柄の保留数を表示するものであって、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bを備える。「第2特別図柄の可変表示が保留されている」とは、第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が検出されて第2特別図柄の始動情報が抽出されてから、第2特別図柄の始動条件が成立するまでの状態をいう。
第2特別図柄用保留表示部166は、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの点灯・消灯の組み合わせによって第2特別図柄の可変表示の保留数を表示する。例えば、第2特別図柄の保留数が1個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166aが点灯するとともに第2特別図柄用保留表示LED166bが消灯する。また、第2特別図柄の保留数が2個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの両方が点灯する。また、第2特別図柄の保留数が3個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166aが点滅するとともに第2特別図柄用保留表示LED166bが点灯する。さらに、第2特別図柄の保留数が4個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの両方が点滅する。ただし、第2特別図柄の保留数を示す第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの表示態様はこれに限られない。
(確変報知用表示部)
確変報知用表示部167は、後述の確変制御の実行中に点灯させることが可能であって、例えばLEDまたはランプで構成されている。
確変報知用表示部167は、確変制御の実行中に点灯させるようにしてもよいが、例えば、確変制御の実行中であることを外観で把握できないように点灯させないようにすることで、確変制御の実行中であることを秘匿にしてもよい。
ただし、確変制御の実行中に電源が遮断された際、後述するバックアップコンデンサ207の機能により、確変制御の実行中であることを示すデータは消失しない。よって、確変制御の実行中に電源が遮断され、その後電源が投入された場合、確変制御中であることを外観で把握できる態様で、確変報知用表示部167が点灯する。
なお、電源が遮断される前に、確変制御の実行中であるか否かが秘匿にされていた場合であっても、電源が投入された場合には、確変報知用表示部167を点灯させることで、確変制御の実行中であることを把握できるように構成されている。
(時短報知用表示部)
時短報知用表示部168は、後述の時短制御の実行中に点灯させることが可能であって、例えばLEDやランプ等で構成されている。
本実施例において、時短報知用表示部168は、例えば、第1時短報知用表示部168aおよび第2時短報知用表示部168bを有しているが、時短報知用表示部168の個数はこれに限られない。
また、詳細は後述するが、時短遊技状態には、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とが含まれている。そして、例えば、第1時短報知用表示部168aと第2時短報知用表示部168bとによる点灯または消灯の組合せによって、いずれの時短遊技状態であるかを把握できるように構成されている。
時短報知用表示部168は、実行中の時短制御に応じて第1時短報知用表示部168aまたは/および第2時短報知用表示部168bを点灯させるようにしてもよいが、例えば、時短制御の実行中であるか否かまたは実行中の時短制御の種類を外観で把握できない態様(例えば、全消灯、全点灯、実行中の時短制御とはかかわりのない態様)で点灯または消灯させることで、時短制御の実行中であることや、実行中の時短制御の種類を外観で把握できないように秘匿にしてもよい。とくに、時短制御の実行中であるか否かについては外観で把握できる可能性があるが、いずれの時短制御が実行されているかについては外観で把握することが困難である場合があるため、実行中の時短制御の種類を秘匿とすることで、興趣を高めることが可能である。
ただし、時短制御の実行中に電源が遮断された際、後述するバックアップコンデンサ207の機能により、時短制御の実行中であることを示すデータのみならず、実行中の時短制御の種類を示すデータについても消失しない。よって、時短制御の実行中に電源が遮断され、その後電源が投入された場合、時短制御中であることや、実行中の時短制御の種類を外観で把握できる態様で、時短報知用表示部168が点灯または消灯する。
なお、電源が遮断される前に、時短制御の実行中であることや、実行中の時短制御の種類を外観で把握できないように秘匿にされていた場合であっても、電源が投入された場合には、時短制御の実行中であることおよび実行中の時短制御の種類を外観で把握できる態様で、時短報知用表示部168を点灯または/および消灯させるように構成されている。
[1-2.電気的構成]
次に、図6を参照して、第1のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図6は、第1のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図6に示されるように、第1のパチンコ遊技機は、主に、遊技の制御を行う主制御回路200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路300と、払出・発射制御回路400と、電源供給回路450と、から構成される。
[1-2-1.主制御回路]
主制御回路200は、例えば電源投入時に実行される処理や遊技動作にかかわる処理等を制御するものであって、メインCPU201、メインROM202(読み出し専用メモリ)、メインRAM203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路204およびバックアップコンデンサ207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU201には、メインROM202、メインRAM203および初期リセット回路204等が接続される。メインCPU201は、動作を監視するWDT(watchdog timer)や不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM202には、メインCPU201により第1のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU201は、メインROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられている。このメインRAM203は、メインCPU201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路204は、メインCPU201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ207は、電断時等に、メインRAM203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート205、および、サブ制御回路300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート206等も備える。
また、主制御回路200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路200には、上述した普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166、確変報知用表示部167、時短報知用表示部168、普電用ソレノイド148、および、特電用ソレノイド135等が接続されている。また、主制御回路200には、これらの他、性能表示モニタ170およびエラー報知モニタ172等も接続されている。主制御回路200は、I/Oポート205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ170には、メインCPU201の制御により性能表示データや後述する設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ172には、エラーコードの他に、例えば後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄の表示として通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路200には、第1始動口スイッチ121、第2始動口スイッチ141、通過ゲートスイッチ127、カウントスイッチ132、および、一般入賞口スイッチ123等も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート205を介して主制御回路200に出力される。
さらに、主制御回路200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ186にデータ送信する際に用いる外部端子板184、後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー174、メインRAM203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なバックアップクリアスイッチ176等が接続されている。本実施例において、バックアップクリアスイッチ176は、後述する設定値を変更する際のスイッチも兼用しているが、これに限られず、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー174やバックアップクリアスイッチ176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の管理者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の管理者が設定キー174または/およびバックアップクリアスイッチ176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176は、主制御回路200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路400や電源供給回路450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の管理者以外の第三者が設定キー174やバックアップクリアスイッチ176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[1-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路300は、サブCPU301、プログラムROM302、ワークRAM303、表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306、役物制御回路307およびコマンド入力ポート308等を備える。サブ制御回路300は、主制御回路200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図6には示されていないが、サブ制御回路300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM302には、サブCPU301により第1のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU301は、プログラムROM302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU301は、主制御回路200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM303は、サブCPU301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路304は、表示装置7における表示制御を行うための回路である。表示制御回路304は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)や、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路304は、サブCPU301からの画像表示命令に応じて、表示装置7に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置7に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置7に供給する。表示装置7に画像信号が供給されると、表示装置7に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路304は、表示装置7に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路305は、スピーカ32から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ32から出力される音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU301からの音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ32から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路306は、装飾LED等を含むLED群46の制御を行うための回路である。LED制御回路306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路307は、各役物(例えば、演出用役物群58のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路307は、サブCPU301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート308は、コマンド出力ポート206と接続されており、主制御回路200から送信された各種コマンドを受信するものである。
[1-2-3.払出・発射制御回路]
払出・発射制御回路400は、賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路400には、遊技球を払い出すことが可能な払出装置82、遊技球を発射させることが可能な発射装置6、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット180等が接続されている。
払出・発射制御回路400は、主制御回路200から送信される賞球制御コマンドを受信すると、払出装置82に対して所定の信号を送信し、払出装置82に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット180には、球貸し操作パネル182が接続されている。球貸し操作パネル182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット180に送信される。払出・発射制御回路400は、カードユニット180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置82に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路400は、発射ハンドル62が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
[1-2-4.電源供給回路]
電源供給回路450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路200、サブ制御回路300、払出・発射制御回路400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路450には、電源スイッチ95等が接続されている。電源スイッチ95は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路200、サブ制御回路300、払出・発射制御回路400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[1-3.遊技フロー]
次に、図7および図8を参照して、遊技フローの一例について説明する。図7は、遊技フローの一例である。図8は、遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図の一例である。なお、図7に示される遊技フローは、制御上のフローではなく、外観で把握できるフローである。
図7に示されるように、パチンコゲームでは、遊技者等のユーザー操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞口(例えば、第1始動口120等)に入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われる。パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲームと、普通図柄を用いる普通図柄ゲームとが含まれる。特別図柄ゲームとは、例えば、始動口120,140への遊技球の入賞に基づいて特別図柄の当り判定処理を実行し、大当り遊技状態に移行させるか否か等を決定するゲームである。また、普通図柄ゲームとは、例えば、通過ゲート126への遊技球の通過に基づいて普通図柄の当り判定処理を実行し、普通電動役物146を作動させて入賞口(本実施例では第2始動口140)を開放状態とするか否か等を決定するゲームである。なお、この明細書において、「特別図柄ゲーム」を「遊技」と称する場合もあるが、「遊技」は広い概念で用いられる用語であり、例えば、普通図柄ゲームや演出ボタン54等の操作部(例えば図1参照)を使用する演出上のゲーム等も「遊技」に含まれる。
また、この明細書において、特別図柄の可変表示が開始されてから、この可変表示が終了して特別図柄の当り判定処理の結果が確定表示(導出)されるまで(より詳しくは、特別図柄確定時間が経過するまで)を1回の特別図柄ゲームとする。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が導出された後、大当り遊技状態に制御された場合は、大当り遊技状態の終了までを1回の特別図柄ゲームとする。なお、第1のパチンコ遊技機では小当りが特別図柄の当り判定処理の結果に含まれないが、小当りが特別図柄の当り判定処理の結果に含まれるパチンコ遊技機では、特別図柄の当り判定処理の結果が導出された後、小当り遊技状態に制御された場合、小当り遊技状態の終了までを1回の特別図柄ゲームとする。
特別図柄ゲームにおいて大当りを示す停止表示態様が第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に導出されると、大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態では、特別電動役物133の作動によって大入賞口131が所定時間(例えば最大30000msec)にわたって開放状態となるラウンド遊技が実行され、大入賞口131への入賞可能性が相対的に高められる。
また、普通図柄ゲームにおいて普通図柄当りを示す停止表示態様が普通図柄表示部161に導出されると、普通電動役物146の作動によって入賞口(例えば、本実施例では第2始動口140)が開放状態となり、例えば第2始動口140への入賞可能性が相対的に高められる。
なお、パチンコゲームにおいて実行可能なゲームは、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームに限られず、これらとは別の新たなゲームを実行可能であってもよい。
以下、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームの遊技フローの概要を説明する。
[1-3-1.特別図柄ゲーム]
図7に示されるように、特別図柄ゲームには、主として、第1始動口120または第2始動口140への入賞(通過)があった場合に行われる特別図柄始動入賞処理、および、特別図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる特別図柄制御処理、等が含まれる。
第1始動口120または第2始動口140への遊技球の入賞があった場合、特別図柄始動入賞処理が行われる。この特別図柄始動入賞処理では、特別図柄用の各種カウンタ(例えば、大当り判定用カウンタ、図柄決定用カウンタ等)から特別図柄にかかる各種データ(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、および、演出選択用乱数値等の各種乱数値等)がそれぞれ抽出(取得)される。抽出された各乱数値は始動情報として保留される。この特別図柄始動入賞処理は、特別図柄制御処理の実行中であっても行われる。
また、特別図柄制御処理では、特別図柄の始動条件が成立したか否かが判定される。特別図柄の始動条件が成立すると、特別図柄の大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値を参照し、「大当り」であるか否かを判定する特別図柄の当り判定処理が行われる。その後、停止図柄を決定する停止図柄決定処理が行われる。停止図柄決定処理では、特別図柄の図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、特別図柄の当り判定処理の結果とを参照し、停止表示させる特別図柄が決定される。
なお、本実施例では、確変フラグがオンであれば確変制御が実行される。上記の特別図柄の当り判定処理では、確変フラグがオフの場合は相対的に低い確率で「大当り」であると判定され、確変フラグがオンの場合は相対的に高い確率で「大当り」であると判定される。以下、この明細書において、「大当り」であると判定される確率を「大当り確率」と称する。
なお、確変フラグは、メインRAM203に格納される管理フラグの一つであり、確変制御を実行するか否かを管理するためのフラグである。確変フラグがオンの場合、確変制御が実行される遊技状態(例えば本実施例では高確時短遊技状態)において遊技が進行する。一方、確変フラグがオフの場合、確変制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態や低確時短遊技状態)において遊技が進行する。
次いで、特別図柄の変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値を抽出し、その乱数値と、上述した特別図柄の当り判定処理の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とを参照し、特別図柄の変動パターン(可変表示パターン)が決定される。そして、特別図柄の変動パターン決定処理の結果に基づいて特別図柄の可変表示制御処理が行われる。
特別図柄の変動パターンが決定されると、次に演出パターンを決定するための演出パターン決定処理が行われる。そして、演出パターン決定処理の結果に基づいて、表示装置7の表示領域に表示される例えば装飾図柄やキャラクタ演出等の表示演出、および、スピーカ32から出力される音声や効果音等の音演出等の演出制御処理が行われる。なお、演出制御処理はサブCPU301によって行われる。
そして、特別図柄の可変表示制御処理および演出制御処理が終了し、大当りである場合、大当り遊技制御処理が行われる。大当り遊技制御処理は、大当り遊技状態において実行される処理である。大当り遊技状態が終了すると、特別図柄ゲームが終了し、大当りでない非大当り遊技状態への遊技状態移行制御処理が行われる。この場合、大当りの種類に応じて遊技状態が移行する。例えば、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがオンにセットされる大当り種類である場合、大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に移行する。
一方、大当りでないすなわちハズレである場合、特別図柄ゲームが終了する。なお、第1のパチンコ遊技機では特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれるパチンコ遊技機では、小当りに当選すると小当り遊技制御処理が行われる。また、図7には示されていないが、後述する時短当りである場合は、時短遊技状態に移行する。
そして、特別図柄の始動条件が成立する都度、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、特別図柄制御処理中に始動口120,140への遊技球の入賞があった場合、特別図柄始動入賞処理が実行される。また、始動口120,140への遊技球の入賞時に抽出される特別図柄の始動情報(例えば、大当り判定用乱数値、特別図柄の図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、および、演出選択用乱数値等の各種乱数値等の各種データ)を、特別図柄の始動条件が成立するまで保留する。
また、第1のパチンコ遊技機では、第1特別図柄の始動情報の4個と第2特別図柄の始動情報の4個とで合計最大8個まで特別図柄の始動情報を保留することができるが、保留できる特別図柄の始動情報の数はこれに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報を第2特別図柄の始動情報よりも多く保留できるようにしてもよいし、第2特別図柄の始動情報を第1特別図柄の始動情報よりも多く保留できるようにしてもよい。
また、図7には示されていないが、特別図柄が始動入賞してから特別図柄の始動条件が成立するまでの間に、始動口120,140への遊技球の入賞(通過)時に抽出された始動情報に基づいて当落(「大当り」当選の有無)や変動パターンを特別図柄の当り判定処理に先だって判定する先読み判定(例えば、後述の図52のS396を参照)を行い、この先読み判定の結果に基づいて所定の演出を行う先読み演出機能を備えるようにしてもよい。なお、上記の先読み判定は、始動口120,140への遊技球の入賞によって抽出された始動情報が保留される前に行ってもよいし、保留された後に行ってもよい。
[1-3-2.普通図柄ゲーム]
図7に示されるように、普通図柄ゲームには、主として、通過ゲート126への遊技球の通過があった場合に行われる普通図柄始動通過処理、および、普通図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる普通図柄制御処理、等が含まれる。
通過ゲート126への遊技球の通過があった場合、普通図柄始動通過処理が実行される。この普通図柄始動通過処理では、普通図柄用の当り判定用カウンタから普通図柄の始動情報(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を抽出(取得)し、抽出した始動情報を保留する。
また、普通図柄制御処理では、メインCPU201は、普通図柄の始動条件が成立したか否かを判定する。普通図柄の可変表示を開始する場合、メインCPU201は、普通図柄用の当り判定用カウンタから抽出された普通図柄の当り判定用乱数値を参照し、「普通図柄当り」とするか否かの普通図柄の当り判定処理を実行し、その後、変動パターン決定処理を実行する。この処理では、普通図柄の当り判定処理の結果が参照され、普通図柄の変動パターンが決定される。
次いで、メインCPU201は、普通図柄の当り判定処理の結果、および、決定された普通図柄の変動パターンを参照し、普通図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、および、所定の演出を行う演出制御処理を実行する。なお、演出制御処理は実行されない場合もある。
そして、普通図柄の可変表示制御処理および演出制御処理が終了すると、メインCPU201は、「普通図柄当り」を示す普通当り図柄が普通図柄表示部161(図5、図6参照)に導出されたか否かを判定する。普通当りを示す停止表示態様が導出されたと判定すると、メインCPU201は、普通図柄当り遊技制御処理を実行する。この普通図柄当り遊技制御処理では、普通電動役物146(図4参照)が作動し、入賞口(例えば、本実施例では例えば第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態となる。一方、普通当りを示す停止表示態様が導出されなかったと判定すると、メインCPU201は、普通図柄当り遊技制御処理を実行せず、普通図柄制御処理を終了する。
なお、時短制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態)では、普通当りを示す停止表示態様が導出される確率を0にしてもよい。時短制御は、時短制御が実行されていないときと比べて、特別図柄の可変表示時間を短縮させる特図短縮制御、および、普通電動役物146を作動させて入賞口(本実施例では例えば第2始動口140(図4参照))を開放状態とする頻度を高める電サポ制御、のうち少なくともいずれか一方が行われる制御が相当する。この時短制御は、特図短縮制御および電サポ制御の両方を行う制御としてもよいし、特図短縮制御および電サポ制御のうちいずれか一方のみを行う制御としてもよい。
電サポ制御は、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、および普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)のうち少なくともいずれかの時短性能を向上させる制御である。時短性能とは、入賞口(例えば、本実施例では第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞の容易さを変更する性能であって、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、または/および普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間等)等をいう。また、時短性能を向上させるとは、例えば、入賞口(例えば、本実施例では例えば第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞をより容易にすることである。すなわち、電サポ制御が実行されると、電サポ制御が実行されていない場合と比べて、「普通図柄当り」の当選確率アップ、普通図柄の可変表示時間の短縮、または/および普通電動役物146による入賞容易化(開放回数アップ、開放時間延長、ウェイト時間短縮等)が行われる。
そして、普通図柄の始動条件が成立する都度、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、普通図柄制御処理中に通過ゲート126への遊技球の通過があった場合、普通図柄始動通過処理が実行される。また、通過ゲート126への遊技球の通過時に抽出される普通図柄の始動情報(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を、普通図柄の始動条件が成立するまで保留する。
なお、普通図柄の可変表示の開始は保留された順に行われ、普通図柄の始動条件が成立すると、保留されている普通図柄の始動情報のうち最先で保留された始動情報についての可変表示を実行する。
なお、各種乱数値(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、第2特別図柄の図柄乱数値、第2特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、普通図柄の当り判定用乱数値等)の抽出方式は、メインCPU201によりプログラムを実行することによって所定の範囲(幅)内で乱数値を生成するソフト乱数方式を用いてもよいし、所定周期で乱数が更新される乱数発生器におけるカウンタから乱数値を抽出するハード乱数方式を用いてもよい。
[1-3-3.遊技状態遷移]
図8に示されるように、遊技の状態は、非大当り遊技状態と大当り遊技状態とに大別することができる。非大当り遊技状態では、上述したとおり特別図柄ゲームを実行し、特別図柄の当り判定処理の結果として大当りが導出されると、非大当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態では、上述したとおりラウンド遊技が実行され、特別図柄の可変表示は実行されない。ただし、普通図柄の可変表示については、大当り遊技状態であっても実行可能とされている。なお、小当り遊技状態についての説明は省略するものとする。
非大当り遊技状態は、特別図柄の当り判定処理における大当りの当選確率が相対的に低い低確率状態と、特別図柄の当り判定処理における大当りの当選確率が相対的に高い高確遊技状態と、に大別することができる。
高確遊技状態には、時短制御が実行される高確時短遊技状態(高確高ベース)が含まれる。なお、第1のパチンコ遊技機における高確遊技状態には含まれないが、図8に示されるように、時短制御が実行されない高確非時短遊技状態(高確低ベース状態)が高確遊技状態に含まれる場合もある。
低確率状態には、時短制御が実行されない通常遊技状態(低確低ベース)と、時短制御が実行される時短遊技状態(低確高ベース)とが含まれる。
さらに、時短遊技状態には、A時短遊技状態と、B時短遊技状態と、C時短遊技状態とが含まれる。
A時短遊技状態は、特定の大当り遊技状態の終了後に移行可能な時短遊技状態であって、規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、A時短遊技状態が終了する。規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってA時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。
B時短遊技状態は、例えば、大当り遊技状態が終了し、非高確遊技状態(すなわち確変フラグがオフである遊技状態)における特別図柄の可変表示が開始されたことや、後述するRAMクリアされたこと等を起点とする特別図柄の可変表示回数(例えば、天井カウンタ)が天井値(例えば、1000回)に到達すると移行可能な時短遊技状態であって、規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、B時短遊技状態が終了する。規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってB時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。
C時短遊技状態は、低確率状態において行われた特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であり、時短当りの表示態様が導出されると移行可能な時短遊技状態であって、「時短当り」に当選したことによって決定された規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、C時短遊技状態が終了する。上記の規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってC時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。なお、例えば、複数の時短遊技状態が重複する場合には、上記の規定回数の特別図柄ゲームが実行されたとしても、通常遊技状態に移行するのではなくC時短遊技状態が継続する。
この明細書において、複数の時短遊技状態を重ねて実行するか否かにかかわらず、時短遊技状態において時短遊技状態への移行条件が成立したり、複数の時短遊技状態への移行条件が同時に成立することを、時短遊技状態が「重複する」と称する。そして、複数の時短遊技状態が重複した場合に、メインCPU201の制御により、内部的に、重複した複数の時短遊技状態のいずれをも作動させること、すなわち重複した複数の時短遊技状態を内部的に並行して作動させることを「重ねて実行」すると称する。ただし、メインCPU201が内部的には複数の時短遊技状態を重ねて実行したとしても、実際に実行される時短制御はいずれか一方の時短遊技状態に対応する時短制御のみである。すなわち、複数の時短遊技状態が重ねて実行されている場合であっても、遊技者からは、複数の時短遊技状態のうちいずれか一の時短遊技状態に制御されているものと把握される。
次に、遊技状態の移行について説明する。
通常遊技状態、時短遊技状態(A時短遊技状態、B時短遊技状態、C時短遊技状態)、および高確遊技状態(例えば高確時短遊技状態)に制御されている場合であっても、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであると、大当り遊技状態に移行する。
大当り遊技状態が終了すると、遊技仕様にもよるが、通常遊技状態、時短遊技状態、および高確遊技状態(例えば高確時短遊技状態)のいずれにも移行させることができる。ただし、大当り遊技状態が終了したときに移行できる時短遊技状態は、A時短遊技状態に限られる。
高確遊技状態に制御されている場合、所謂ST機やループ機等の一部のパチンコ遊技機を除いて、高確遊技状態から時短遊技状態または通常遊技状態には移行しない。同様に、時短遊技状態または通常遊技状態からは、大当り遊技状態を経由しない限り、高確遊技状態には移行しない。
通常遊技状態に制御されている場合、B時短遊技状態またはC時短遊技状態に移行可能であるものの、A時短遊技状態には、大当り遊技状態を経由しない限り、移行できない。ただし、A時短遊技状態において規定回数の特別図柄ゲームが実行されると通常遊技状態に移行するため、A時短遊技状態から通常遊技状態への移行は可能である。なお、B時短遊技状態およびC時短遊技状態のいずれに制御されている場合であっても、規定回数の特別図柄ゲームが実行されると通常遊技状態に移行するため、B時短遊技状態やC時短遊技状態から通常遊技状態への移行も可能である。
次に、時短遊技状態どうしの移行について説明する。
A時短遊技状態に制御されている場合、A時短遊技状態において実行可能な時短回数は、B時短遊技状態への移行条件である天井値よりも少ない回数に設定されるため、A時短遊技状態からB時短遊技状態に移行することはない。また、A時短遊技状態は大当り遊技状態を経由して制御されるため、B時短遊技状態からA時短遊技状態に移行することもない。一方、A時短遊技状態における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立するため、A時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。ただし、上述したようにA時短遊技状態は大当り遊技状態を経由して制御されるため、C時短遊技状態からA時短遊技状態に移行することはない。
B時短遊技状態に制御されている場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立し、B時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。また、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合も、C時短遊技状態とB時短遊技状態とが重複しうる。
C時短遊技状態に制御されている場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立し、C時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。
なお、時短遊技状態の重複についての詳細は後述する。
[1-4.基本仕様]
次に、図9~図19を参照して、第1のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。
第1のパチンコ遊技機では、確変制御および時短制御のいずれも実行されない通常遊技状態、確変制御および時短制御の両方が実行される高確時短遊技状態、並びに、確変制御は実行されないものの時短制御が実行される低確時短遊技状態が用意されており、メインCPU201は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。ただし、メインCPU201の制御によって進行される遊技状態はこれに限られない。
本実施例において、通常遊技状態では左打ちが正規な遊技態様とされ、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU301は、正規な遊技態様とされる打ち方を、例えば表示装置7の表示領域に表示する制御を実行する。なお、「正規な遊技態様」とは、複数の遊技態様(例えば発射態様)のうち遊技者にとって最も不利益とならない(遊技者にとって有利な)遊技態様が相当する。
[1-4-1.設定値毎の大当り確率]
図9は、第1のパチンコ遊技機における設定値毎の大当り確率(概算)を示すテーブルの一例である。図9に示されるように、第1のパチンコ遊技機では、上述の設定キー174やバックアップクリアスイッチ176(いずれも図6参照)等を用いて、例えば設定1~設定6といった複数の設定値のうちいずれか一の設定値にセットすることができる。このような設定機能付きパチンコ遊技機の場合、大当り確率は設定値に応じて異なっており、メインCPU201は、セットされた設定値に基づいて特別図柄の当り判定処理を実行する。
具体的には、確変制御が実行されない確変フラグがオフの遊技状態(本実施例では例えば通常遊技状態および低確時短遊技状態)における大当り確率は、第1特別図柄の当り判定処理および第2特別図柄の当り判定処理のいずれが実行された場合であっても、例えば、設定1で約319分の1、設定2で約314分の1、設定3で約309分の1、設定4で約304分の1、設定5で約299分の1、設定6で約294分の1となっている。また、確変制御が実行される確変フラグがオンの遊技状態(本実施例では例えば高確時短遊技状態)における大当り確率は、設定1で約77分の1、設定2で約76分の1、設定3で約75分の1、設定4で約74分の1、設定5で約73分の1、設定6で約72分の1となっている。
なお、時短当り確率は、大当り確率とは異なり全設定値で共通の確率となっている。例えば、第1特別図柄の当り判定処理が実行された場合の時短当り確率は160分の1、第2特別図柄の当り判定処理が実行された場合の時短当り確率は240分の1となっている。時短当り確率は、第1特別図柄の当り判定処理が実行された場合と第2特別図柄の当り判定処理が実行された場合とで異ならせてもよいが、同じとしてもよい。
ただし、時短当り確率が全設定値で共通の確率であったとしても、時短継続率(例えば、セットされる時短回数)については、設定値に応じて異ならせてもよい。例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、例えば、設定1の場合は時短回数として50回がセットされ、設定6の場合は時短回数として100回がセットされるようにしてもよい。
なお、第1のパチンコ遊技機では小当りが抽選対象に含まれていないが、小当りを抽選対象に含むようにしてもよい。小当りを抽選対象に含む場合、小当り確率を、全設定値で共通の確率とするとよい。また、小当りを抽選対象に含む場合、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち一方の特別図柄(例えば第2特別図柄)の当り判定処理が行われた場合に限り小当りに当選しうるようにしてもよい。この場合、他方の特別図柄(例えば第1特別図柄)の当り判定処理では、小当り当選したか否かの判定自体を行わない態様の他、小当り確率を0として小当り当選したか否かの判定を行う態様であってもよい。
上記の時短当り確率および小当りを抽選対象に含む場合の小当り確率は、上述したとおり全設定値で共通の確率となっているが、これに限られず、設定値に応じて異なる確率としてもよい。
また、本実施例では、全ての設定値においてそれぞれ大当り確率が異なっているが、これに限定されず、例えば、設定1と設定2とで共通の大当り確率、設定3と設定4とで共通の大当り確率、設定5と設定6とで共通の大当り確率といったように、複数の設定値で大当り確率を同じにしてもよい。
また、本実施例では、設定値に応じて大当り確率が異なっているが、遊技者にとっての有利度合いが設定値に応じて異なれば、設定値に応じて異なる対象が必ずしも大当り確率に限定されない。例えば、特定の入賞口に遊技球が入賞すると大当り遊技状態に制御されるようなパチンコ遊技機であれば、設定値に応じて特定の入賞口への入賞確率を異ならせるようにしてもよい。なお、パチンコ遊技機を、設定機能付きパチンコ遊技機とすることは必須ではない。
[1-4-2.特別図柄の当り判定テーブル]
図10は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている特別図柄の当り判定テーブルの一例である。なお、図10に示される特別図柄の当り判定テーブルは、図9に示される設定1の場合を一例として示したものである。
特別図柄の当り判定テーブルは、特別図柄の当り判定処理において参照されるテーブル、すなわち、始動口120,140に遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。なお、本実施例では、抽選対象は「時短当り」、「大当り」および「ハズレ」であり、他の抽選対象(例えば、小当り)が含まれていないが、第1始動口120または/および第2始動口140に遊技球が入賞した際に、他の抽選対象に決定されるようにしてもよい。
大当り判定用乱数値は、上述したとおり、特別図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、大当り判定用乱数値は、0~65535(65536種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
本実施例では、メインCPU201は、第1特別図柄の当り判定処理において、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第1特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
なお、本明細書において、確変フラグの値が「0」の場合、確変フラグがオフであり、確変フラグの値が「1」の場合、確変フラグがオンである。
また、メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理において、第1特別図柄の当り判定処理と同様、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第2特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
本実施例では、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、当落判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~613のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、当落判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が614~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~1259のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が1260~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
同様に、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~477のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が478~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~1123のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が1124~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施例では、例えば0~65535の範囲で発生する大当り判定用乱数値のうち、0から所定幅(例えば、第1特別図柄の当り判定処理であれば0~408)を、大当り判定値データおよびハズレ判定値データを除く他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データ)に割り当てている。また、所定値から最後尾(例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフの場合であれば614~65535)をハズレ判定値データに割り当てている。さらに、大当り判定値データとハズレ判定値データとを隣接して割り当てている。このようにすることで、例えば確変フラグがオフからオン(またはオンからオフ)になった場合に、大当り判定値データの幅を大きく(または小さく)した分だけハズレ判定値データの幅を小さく(または大きく)するだけで、他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データ)の幅を変更することなく、大当り確率を変更することが可能となる。
また、本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率と、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率とを異ならせることにより、遊技にバリエーションを持たせて興趣の低下を抑制できるようにしている。
とくに、図10に示されるように、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くすることにより、単調な遊技となりがちな通常遊技状態における興趣の低下を抑制することが可能となる。
ただし、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くしてもよい。この場合、例えば時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合に時短遊技状態を重ねて実行するようにすることで、時短遊技状態の終了間際に「時短当り」に当選すると、時短遊技状態が実質的に延長されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、図10に示されるように、本実施例では、確変フラグがオンおよびオフのいずれの場合であっても、「時短当り」に当選しうる。ただし、メインCPU201は、確変フラグがオフ(通常遊技状態、時短遊技状態)である場合、当り判定処理の結果が「時短当り」であれば時短遊技状態に制御するものの、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。
[1-4-3.特別図柄判定テーブル]
図11は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、始動口120,140に遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであった場合に、大当り種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図11に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば0~69である場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z0」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば70~96のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0~9のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が10~59のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。さらに、第1特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば0~96である場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA6」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z8」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA7」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~59のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z9」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA8」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z10」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA9」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z11」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA10」を選択する。
なお、本実施例では、特別図柄の当り判定テーブル(図10参照)を参照して、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し、その後、特別図柄判定テーブル(図11参照)を参照して、特別図柄の図柄乱数値に基づいて選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを決定するようにしているが、これに限られない。例えば、抽出された大当り判定用乱数値と特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の当落、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドをあわせて決定するようにしてもよい。
[1-4-4.特別図柄停止態様決定テーブル]
図12(A)は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている特別図柄停止態様決定テーブルの一例である。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄の可変表示が停止したときに第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164(図5参照)に導出される特別図柄の停止態様を、選択図柄コマンドに応じて決定する際に参照される。
図12(A)に示されるように、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164(図5参照)に導出される特別図柄の停止態様は、例えば0~7の領域で構成される1バイトの制御信号で構成される。第1特別図柄の0~7の各領域は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLED163a~163h(図5参照)のいずれかに1対1で対応している。例えば、第1特別図柄の領域0は163aに対応し、第1特別図柄の領域1は163bに対応し、第1特別図柄の領域2は163cに対応し、第1特別図柄の領域3は163dに対応し、第1特別図柄の領域4は163eに対応し、第1特別図柄の領域5は163fに対応し、第1特別図柄の領域6は163gに対応し、第1特別図柄の領域7は163hに対応している。
同様に、第2特別図柄の0~7の各領域は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLED164a~164h(図5参照)のいずれかに1対1で対応している。例えば、第2特別図柄の領域0は164aに対応し、第2特別図柄の領域1は164bに対応し、第2特別図柄の領域2は164cに対応し、第2特別図柄の領域3は164dに対応し、第2特別図柄の領域4は164eに対応し、第2特別図柄の領域5は164fに対応し、第2特別図柄の領域6は164gに対応し、第2特別図柄の領域7は164hに対応している。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄表示部163,164に導出されるLEDの表示態様(時短当りの表示態様)は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域0に対応するLED163aと、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z1」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域0に対応するLED163aと、第1特別図柄の領域1に対応するLED163bと、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z2」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域0に対応するLED163aと、第1特別図柄の領域2に対応するLED163cと、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。また、選択図柄コマンドが「z7」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域0に対応するLED164aと、第2特別図柄の領域1に対応するLED164bと、第2特別図柄の領域7に対応するLED164hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z8」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域0に対応するLED164aと、第2特別図柄の領域2に対応するLED164cと、第2特別図柄の領域7に対応するLED164hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、特別図柄表示部163,164に導出されるLEDの表示態様(大当りの表示態様)は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z3」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域3に対応するLED163dと、第1特別図柄の領域4に対応するLED163eと、第1特別図柄の領域6に対応するLED163gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z4」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域3に対応するLED163dと、第1特別図柄の領域5に対応するLED163fと、第1特別図柄の領域6に対応するLED163gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z5」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域3に対応するLED163dと、第1特別図柄の領域4に対応するLED163eと、第1特別図柄の領域5に対応するLED163fと、第1特別図柄の領域6に対応するLED163gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z9」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域3に対応するLED164dと、第2特別図柄の領域4に対応するLED164eと、第2特別図柄の領域6に対応するLED164gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z10」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域3に対応するLED164dと、第2特別図柄の領域5に対応するLED164fとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、特別図柄表示部163,164に導出されるLEDの表示態様(ハズレの表示態様)は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z6」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hのみを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z11」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域7に対応するLED164hのみを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。
メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて特別図柄の停止態様を決定すると、決定された態様に対応する制御信号を第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164を構成する各LEDに出力し、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に導出される特別図柄の停止態様を制御する。
なお、図12(A)では、第1特別図柄表示部163に導出されるLEDの表示態様と、第2特別図柄表示部164に導出されるLEDの表示態様とを、便宜上、同じテーブルにあらわしている。ただし、第1特別図柄表示部163と第2特別図柄表示部164とで、制御信号は別々に送信されるようにするとよい。
図12(B)は、第1のパチンコ遊技機が備えるサブ制御回路300のプログラムROMに記憶されている装飾図柄停止態様決定テーブルの一例である。装飾図柄停止態様決定テーブルは、表示装置7に表示される装飾図柄の可変表示が停止したときに導出される装飾図柄の停止態様(図柄組合せ)を、図柄指定コマンドに応じて決定する際に参照される。なお、図12(B)に示される「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。
なお、第1のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とうちいずれか一方のみが可変表示可能であるため、サブCPU1301は、第1特別図柄および第2特別図柄のうち可変表示されている特別図柄についての表示演出が表示装置7にて行われるよう制御する。この場合、サブCPU301は、可変表示されている特別図柄が第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかを把握できる態様で、表示演出を行うことが好ましい。
本実施例において、表示装置7に表示される装飾図柄は、左図柄が例えば1~9の9個の図柄で構成され、中図柄が例えば1~9及び時短図柄の10個の図柄で構成され、右図柄が例えば1~9の9個の図柄で構成される。時短図柄は、例えば特別図柄抽選の結果が時短当りである場合等、遊技状態が時短遊技状態に移行する際に停止表示される図柄である。中図柄を時短図柄で停止表示することにより、時短当りに当選したことを遊技者が把握することができる。また、本実施例では、奇数図柄を、偶数図柄と比べて遊技者にとっての有利度合いが高い図柄として規定しているが、これに限定されない。
なお、第1のパチンコ遊技機では特別図柄抽選の結果に小当りが含まれないが、特別図柄抽選の結果に小当りが含まれる場合は、例えば、中図柄を構成する図柄に、小当り図柄(特別図柄抽選の結果が小当りである場合に停止表示される図柄)を含めるようにしてもよい。この場合、特別図柄抽選の結果が小当りであると、サブCPU301は、中図柄を小当り図柄で停止表示するため、小当りに当選したことを遊技者が把握することができる。
図12(B)に示されるように、図柄指定コマンドが「zA1」または「zA6」である場合(特別図柄抽選の結果が「時短当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄及び右図柄を偶数図柄で停止させ、かつ中図柄を時短図柄で停止させる。
図柄指定コマンドが「zA2」または「zA7」である場合(特別図柄抽選の結果が「時短当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄及び右図柄を奇数図柄で停止させ、かつ中図柄を時短図柄で停止させる。なお、図柄指定コマンドが「zA2」または「zA7」である場合(選択図柄コマンドが「z2」または「z8」である場合)は、後述の図13を参照すると分かるように、図柄指定コマンドが「zA1」または「zA6」である場合(選択図柄コマンドが「z0」、「z1」または「z7」である場合)と比べてセットされる時短回数が多く、遊技者にとっての有利度合いが高い。
図柄指定コマンドが「zA3」または「zA8」である場合(特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄、右図柄及び中図柄を奇数図柄の揃い図柄(ぞろ目)で停止させる。
図柄指定コマンドが「zA4」または「zA9」である場合(特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄、右図柄及び中図柄を偶数図柄の揃い図柄(ぞろ目)で停止させる。なお、図柄指定コマンド「zA4」は、後述の図13を参照すると分かるように、大当り遊技状態の終了後、確変フラグがオンにセットされる場合(選択図柄コマンドが「z4」の場合)と、確変フラグがオンにセットされない場合(選択図柄コマンドが「z5」の場合)とがある。そこで、本実施例では、選択図柄コマンドが「z4」及び「z5」のいずれであったとしても、サブCPU301は、偶数図柄の揃い図柄(ぞろ目)で装飾図柄が停止するよう制御し、大当り遊技状態において、確変当り(確変フラグがオンにセットされる当り)であることを示す昇格演出を行うようにするとよい。
また、後述の図13を参照すると分かるように、図柄指定コマンドが「zA4」または「zA9」である場合は、後述の図13を参照すると分かるように、図柄指定コマンドが「zA3」または「zA8」である場合と比べて、大当り遊技状態の終了後に確変フラグがオンにセットされる期待値が小さい。この点において、図柄指定コマンドが「zA3」または「zA8」である場合、図柄指定コマンドが「zA4」または「zA9」である場合と比べて、遊技者にとっての有利度合いが高い。
なお、図柄指定コマンドが「zA5」または「zA10」である場合(特別図柄抽選の結果が「ハズレ」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄をばらけ目で停止させる。ばらけ目は、例えば、左図柄、右図柄及び中図柄のうち少なくとも一つの図柄が他の図柄と異なる停止態様が相当する。
図12(B)では、図柄指定コマンドに応じた装飾図柄の停止態様(例えば、図柄指定コマンドが「zA1」の場合、左図柄「2」、中図柄「時短」、右図柄「4」)を例示しているが、図12(B)の装飾図柄の停止態様の欄に示される停止態様はあくまでも例示であって、これに限られない。
[1-4-5.当り種類決定テーブル]
図13は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている当り種類決定テーブルの一例である。当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、大当り遊技状態の態様(より詳しくは例えばラウンド数)または/およびその後の遊技状態の態様、を決定する際に参照される。その後の遊技状態の態様は、大当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、大当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御されるため、その後の遊技状態の態様は、C時短遊技状態の態様を示す。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」の場合、メインCPU201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を10回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z1」の場合および「z7」の場合、メインCPU201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を50回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z2」の場合および「z8」の場合、メインCPU201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を100回にセットすることを決定する。特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合、メインCPU201は、上述した時短当りの表示態様を第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に導出した後、大当り遊技状態に制御することなく、時短フラグをオンにセットするとともに決定された時短回数をセットし、C時短遊技状態に制御可能となる。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合は大当り遊技状態に制御されないため、大当り遊技状態の態様は決定されない。なお、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、この特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態にかかわらず、セットされる時短回数を同じとしている。ただし、これに限られず、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態に応じて、セットされる時短回数を異ならせてもよい。
このように、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄の図柄乱数値に基づいて決定される選択図柄コマンドに応じて、セットされる時短回数が異なるようにしている。このようにすることで、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合に、その後の遊技の進行状況にバリエーションを持たせることが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、上述したとおり、メインCPU201は、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。例えば、メインCPU201は、確変フラグがオン(高確遊技状態)であったとしても、図10に示されるように「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、「時短当り」に当選したことを示す時短当りの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出するものの、C時短遊技状態に制御せずに、高確遊技状態を継続するようにしてもよい。
また、メインCPU201は、確変フラグがオンであるときに「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」であったとしても強制的にハズレの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出するようにしてもよい。
さらには、確変フラグがオンである場合、大当り判定用乱数値に対して時短当り判定値データを割り当てない、すなわち「時短当り」を抽選結果(特別図柄の当り判定処理の結果)に含まない当り判定処理が行われるようにしてもよい。この場合、大当り判定用乱数値に対して、確変フラグがオフであるときは時短当り判定値データを割り当て、確変フラグがオンであるときは時短当り判定値データを割り当てない。そのため、確変フラグがオフであるときに時短当り判定値データに割り当てられていた乱数値の幅は、時短当り判定値データの代わりに、ハズレ判定値データ、大当り判定値データ、又は、ハズレ判定値データと大当り判定値データとの両方、に割り当てられる。
なお、本実施例では、確変フラグがオンである場合には、C時短遊技状態に移行しないように構成しているが、これに限られない。例えば、確変フラグがオンであったとしても時短フラグがオフであるような高確非時短遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機においては、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には高確時短遊技状態に移行するようにしてもよい。
特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様は、次のとおり決定される。
例えば、選択図柄コマンドが「z3」の場合および「z9」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を10ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることを決定し、確変回数および時短回数をいずれも10000回にセットすることを決定する。これらの場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z4」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を4ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることを決定し、確変回数および時短回数をいずれも10000回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部163に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z5」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を4ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定する。また、セットする時短回数を例えば200回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部163に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、時短遊技状態に制御可能となる。ここで制御される時短遊技状態はA時短遊技状態である。
また、選択図柄コマンドが「z10」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を10ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定する。また、セットする時短回数を例えば300回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を第2特別図柄表示部164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、時短遊技状態に制御可能となる。ここで制御される時短遊技状態もA時短遊技状態である。
なお、高確時短遊技状態における時短性能は、A時短遊技状態における時短性能と同じとすることが好ましいが、A時短における時短性能と異ならせてもよい。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z6」の場合、および「z11」の場合)、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合、メインCPU201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z6」の場合、および「z11」の場合)、上述したように大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットされないため、本来、図13の当り種類決定テーブルに図示する必要がない。ただし、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれも決定されないことを明示するために、便宜上、図13に図示したものである。
このように、本実施例において、メインCPU201は、図10の特別図柄の当り判定テーブルを参照し、第1始動口120または第2始動口140に遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し(当落判定を行い)、当落(「時短当り」、「大当り」または「ハズレ」)を決定する。その後、メインCPU201は、図11の特別図柄判定テーブルを参照し、第1始動口120または第2始動口140に遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と上記の当落判定値データとに基づいて選択図柄コマンドを決定し、特別図柄表示部163,164に導出される表示態様の種類(時短当りの種類または大当りの種類)を決定するようにしている。なお、上記の当落判定および選択図柄コマンドの決定は、特別図柄の可変表示の開始時に行われるが、特別図柄の可変表示が開始されてから確定表示されるまでの間に行われることを排除する趣旨ではない。
また、図13に示されるように、本実施例では、大当り遊技状態の終了後に制御されるA時短遊技状態の時短回数は、例えば、200回(選択図柄コマンドが「z5」の場合)、または300回(選択図柄コマンドが「z10」の場合)である。これに対し、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合に制御されるC時短遊技状態の時短回数は、例えば、10回(選択図柄コマンドが「z0」の場合)、50回(選択図柄コマンドが「z1」、「z7」の場合)、または100回(選択図柄コマンドが「z2」、「z8」の場合)である。すなわち、A時短遊技状態における時短回数の期待値が、C時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高い。このように、A時短遊技状態をC時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「大当り」の位置づけを大きくすることができる。例えば、「大当り」に当選したにもかかわらず、「大当り」当選しなかった場合(「時短当り」に当選した場合)と比べて不利になることによって生じうる興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、A時短遊技状態における時短回数の期待値をC時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高いことに代えて、例えば図14に示されるように、C時短遊技状態における時短回数の期待値をA時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高くするようにしてもよい。図14は、図13に示される当り種類決定テーブルの変形例である。この図14では、A時短遊技状態の時短回数は、例えば、50回(選択図柄コマンドが「z5」、「z10」の場合)である。これに対し、C時短遊技状態の時短回数は、例えば、50回(選択図柄コマンドが「z0」の場合)、100回(選択図柄コマンドが「z1」、「z7」の場合)または200回(選択図柄コマンドが「z2」、「z8」の場合)である。このように、C時短遊技状態をA時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「時短当り」の位置づけを大きくすることができる。例えば、長期間にわたって「大当り」に当選しないような状態が続いたとしても、「時短当り」に当選した場合には相対的に有利なC時短遊技状態に制御されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、本明細書において、確変フラグの場合と同様に、時短フラグの値が「0」の場合が時短フラグオフであり、時短フラグの値が「1」の場合が時短フラグオンである。
時短フラグは、確変フラグと同様にメインRAM203に格納される管理フラグの一つであり、時短制御を実行するか否かを管理するためのフラグである。
また、時短回数は、時短制御を継続して実行可能な特別図柄の可変表示回数である。すなわち、例えば時短回数が「50」に決定された場合、この時短遊技状態において大当りに当選することなく50回の特別図柄の可変表示が行われると、この時短遊技状態が終了して非時短遊技状態(例えば、通常遊技状態)に移行する。
なお、図13等に示される確変回数および時短回数の「10000」は、大当り遊技状態終了後、大当りであると判定される(すなわち次回大当り)まで、確変制御を継続して実行できる趣旨である。
[1-4-6.特別図柄の変動パターンテーブル]
図15は、第1のパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。図15の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。図15の「備考」の欄に示される時短当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。同様に、大当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。さらに、共通リーチA,B,C,D,Eは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。なお、図15は確変フラグがオフである場合の特別図柄の変動パターンテーブルであり、確変フラグがオンである場合の特別図柄の変動パターンテーブルの図示は省略する。
メインCPU201は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づくときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口140への遊技球の入賞に基づくときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。図15の特別図柄の変動パターンテーブルは、後述の図28のS96の特別図柄の変動パターン決定処理を実行する際に参照されるテーブルである。
図15に示されるように、特別図柄の変動パターンは、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)、時短フラグの値(0または1)、リーチ判定用乱数値、または/および、演出選択用乱数値等に基づいて決定されるが、これに限られず、上記のいずれかに代えてまたは加えて他の値等に基づいて決定されるようにしてもよい。
リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU201は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。メインCPU201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドを受信したサブCPU301は、先読みフラグが設定されている場合、先読み演出を行う。
なお、本実施例では、メインCPU201は、時短フラグがオフである場合に先読みフラグを設定し、時短フラグがオンであったり確変フラグがオンである場合には先読みフラグを設定しない。
また、本実施例では、先読み演出を行うか否かをメインCPU201が決定しているが、これに限られず、サブCPU301が決定するようにしてもよい。
なお、メインCPU201は、時短フラグがオンである場合や確変フラグがオンである場合にも先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。また、第2特別図柄の変動パターンを決定する際にも、先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。
時短フラグがオンである場合、決定される特別図柄の変動パターンは、時短フラグがオフである場合と比べて単位時間あたりの変動回数の期待値が小さい。すなわち、時短フラグがオンである場合の特別図柄の変動時間は、時短フラグがオフである場合の特別図柄の変動時間と比べて短時間となりやすい。
決定された変動パターン情報は、コマンド出力ポート206を介してメインCPU201からサブCPU301のコマンド入力ポート308に送信される。サブCPU301は、メインCPU201から送信された変動パターン情報に基づいて、表示装置7の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ32から出力される音演出を制御する。
なお、図15には示されていないが、設定値毎に、例えば演出選択用乱数値の範囲を変えて、決定される特別図柄の変動パターン(可変表示時間)が異なるようにしてもよい。
また、本実施例では、例えば、当り判定処理の結果がハズレである場合、時短の種類にかかわらず時短フラグがオンであるか否かに応じて特別図柄の変動パターンを決定するようにしたが、これに限られない。例えば、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が時短の種類に応じて異なりうるようにしてもよい。例えば、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とで、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が異なるようにしてもよい。
[1-4-7.時短遊技状態]
上述したとおり、本実施例では、時短遊技状態として、A時短遊技状態と、B時短遊技状態と、C時短遊技状態とが用意されている。これらの時短遊技状態について、以下に説明する。
A時短遊技状態は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって、選択図柄コマンドが例えば「z5」または「z10」である場合に、大当り遊技状態終了後に制御される時短遊技状態である。すなわち、本実施例において、A時短遊技状態への移行条件は、大当り(選択図柄コマンドが「z5」または「z10」の大当り)に当選することである。ただし、A時短遊技状態への移行条件が成立したとしても、必ずA時短遊技状態に移行するのではなく、A時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合(例えば、バックアップクリアされた場合等)には、A時短遊技状態に移行させない。
また、A時短遊技状態の終了条件は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づく大当り遊技状態が開始される場合と、選択図柄コマンドに対応して決定された時短回数(以下「A時短規定回数」と称する)の特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が実行された場合(図13の「時短回数」の欄を参照)とのうち、いずれかの条件を満たした場合である。
B時短遊技状態は、例えば、大当り遊技状態が終了し、非高確遊技状態(本実施例では例えば通常遊技状態および低確時短遊技状態)における特別図柄の可変表示が開始されたとき等を起点として、天井カウンタを更新(1加算)し、天井カウンタが天井値に到達したときに制御される時短遊技状態である。すなわち、B時短遊技状態への移行条件は、天井カウンタが天井値に到達することである。B時短遊技状態への移行は、天井カウンタが天井値に到達するときの特別図柄の可変表示(以下「天井最終変動」と称する)が開始されたときとしてもよいし、天井最終変動が終了したときとしてもよいし、天井最終変動の次の特別図柄の可変表示が開始されたときとしてもよい。すなわち、B時短遊技状態への移行タイミングは、天井最終変動が開始されてから次の特別図柄の可変表示が開始されるまでの間であればよい。また、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、特別図柄表示部163,164にはハズレの表示態様が導出されるものの、B時短遊技状態に移行することとなる。この場合、サブCPU301は、B時短遊技状態への移行条件が成立したこと(例えば、本実施形態では天井カウンタが天井値に到達したこと)を遊技者に示す表示演出(例えば、装飾図柄を特殊図柄で停止させたり、キャラクタによる特殊演出を行ったり、又はこれらの両方が行われる演出)を、表示装置7に表示する制御を行ってもよい。なお、B時短遊技状態への移行条件が成立したとしても、必ずB時短遊技状態に移行するのではなく、B時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合(例えば、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合等)には、B時短遊技状態に移行させない。
天井カウンタは、確変フラグがオンである場合には更新されず、確変フラグがオフである場合は、時短フラグがオンであるかオフであるかにかかわらず常にカウントされる。天井カウンタが天井値に到達した場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」でない限りB時短遊技状態に制御される。特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機においては、天井カウンタが天井値に到達したときの特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合、小当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出されたときにB時短遊技状態が開始されるようにしてもよいし、小当り遊技状態の終了後にB時短遊技状態が開始されるようにしてもよい。すなわち、天井カウンタが天井値に到達したときの特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合には、特別図柄表示部163,164に小当りの表示態様が表示されるだけであり、上述したような天井カウンタが天井値に到達したことを遊技者に示す表示演出は表示されることがない。なお、設定機能付きパチンコ遊技機の場合、設定値に応じて天井値が異なるようにしてもよい。また、天井カウンタが天井値に到達したときの特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合には、B時短遊技状態に制御することなく大当り遊技状態に制御される。
なお、天井カウンタは、電源が投入された場合、大当り遊技状態に制御された場合、RAM203内の作業領域(揮発性領域)のクリア処理(バックアップクリア処理)が行われた場合、バックアップクリアスイッチ176とは別のスイッチ(例えば、設定キー174や専用のスイッチ)が操作された場合、普通図柄当り確率を変更可能な遊技機にあっては普通図柄当り確率の高確率が終了した場合等、所定の条件が成立するとリセットされる。そして、天井カウンタの更新が許容されると、特別図柄の可変表示が実行される都度、天井カウンタが更新される。例えば確変フラグがオンである場合、天井カウンタの更新が許容されない。
メインCPU201は、天井カウンタをクリアした後、次の特別図柄の可変表示から天井カウンタのカウントを開始する。なお、天井値は、天井カウンタがクリアされる都度、メインCPU201がセットするものとしてもよいし、都度セットするのではなく、パチンコ遊技機固有のものとして予め決められていてもよい。
大当り遊技状態に制御されたことによって天井カウンタがクリアされた場合、大当り遊技状態の終了後、確変フラグがオンでなければ、メインCPU201は、1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新(+1)する。また、大当り遊技状態の終了後、確変フラグがオンであれば、特別図柄の可変表示が行われても天井カウンタを更新しないが、例えばST機や確変転落抽選を行う仕様であれば、確変フラグがオフになった後の1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新する。なお、確変転落抽選を行う仕様の場合、特別図柄の可変表示の開始時に確変フラグがオンからオフに変更されるため、特別図柄の可変表示の終了時に天井カウンタの更新を行う場合、特別図柄の可変表示の終了時に確変フラグがオフであれば天井カウンタを更新するようにしてもよい。
なお、メインCPU201により確変転落抽選が行われる仕様のパチンコ遊技機の場合、サブCPU301は、メインCPU201から送信されたコマンドを受信すると、確変転落抽選に当選したことを示唆する演出や、高確遊技状態から低確遊技状態への移行を示唆する演出を行わないようにすることが好ましい。このようにすることで、天井カウンタによるカウントの開始時点、すなわちB時短遊技状態への移行タイミングを、表示装置7に表示される表示演出等に基づいて遊技者が把握することが困難となり、面白みのあるゲーム性を提供することが可能となる。B時短遊技状態への移行タイミングの把握が困難である場合、例えばB時短遊技状態への移行タイミングを示唆するカウントダウン演出やガセのカウントダウン演出を、サブCPU301による制御によって表示装置7に表示することにより、より一層興趣を高めることが可能となる。
また、RAM203内の作業領域(揮発性領域)のクリア処理(バックアップクリア処理)が行われた場合、メインCPU201は、RAM203内の作業領域のクリア処理後の1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新(+1)する。
さらに、バックアップクリアスイッチ176とは別のスイッチ(例えば、設定キー174や専用のスイッチ)が操作された場合、メインCPU201は、上記別のスイッチが操作された後の1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新(+1)する。
また、B時短遊技状態の終了条件は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づく大当り遊技状態が開始される場合と、予め定められた規定回数(以下「B時短規定回数」と称する)分の特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が実行された場合とのうち、いずれかの条件を満たした場合である。B時短遊技状態の終了条件の一つである「B時短規定回数分の特別図柄の可変表示が実行された場合」は、B時短規定回数目の特別図柄の可変表示(以下「B時短最終変動」と称する)が開始されたときとしてもよいし、B時短最終変動が終了したときとしてもよい。すなわち、B時短遊技状態の終了タイミングは、B時短最終変動が開始されてからこのB時短最終変動にかかる特別図柄の可変表示が終了するまでの間であればよい。
C時短遊技状態は、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合に制御される時短遊技状態である。すなわち、C時短遊技状態への移行条件は、時短当り(選択図柄コマンドが「z0」~「z2」、「z7」または「z8」の時短当り)に当選し、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出(確定表示)されることである。なお、C時短遊技状態への移行条件が成立したとしても、必ずC時短遊技状態に移行するのではなく、C時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合(例えば、B時短遊技状態とC時短遊技状態とが重ねて実行されない仕様(詳細は後述する)であって、B時短遊技状態における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合等)には、C時短遊技状態に移行させない。なお、C時短遊技状態への移行条件が成立したにもかかわらずC時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合、メインCPU201は、C時短遊技状態に移行させないにもかかわらず、時短当りの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出する制御を実行する。
また、C時短遊技状態の終了条件は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づく大当り遊技状態が開始される場合と、選択図柄コマンドに対応して決定された時短回数(以下「C時短規定回数」と称する)の特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が実行された場合(図13の「時短回数」の欄を参照)とのうち、いずれかの条件を満たした場合である。C時短遊技状態の終了条件の一つであるC時短規定回数は、選択図柄コマンドに対応して決定された時短回数目の特別図柄の可変表示(以下「C時短最終変動」と称する)が開始されたときとしてもよいし、C時短最終変動が終了したときとしてもよい。すなわち、C時短遊技状態の終了タイミングは、C時短最終変動が開始されてからこのC時短最終変動にかかる特別図柄の可変表示が終了するまでの間であればよい。
なお、時短性能は、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とで互いに異なるようにしてもよい。また、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうち、2つの時短遊技状態の時短性能を同じとし、これら2の時短遊技状態の時短性能と他の一つの時短遊技状態の時短性能とが異なるようにしてもよい。さらには、A時短遊技状態の時短性能と、B時短遊技状態の時短性能と、C時短遊技状態の時短性能とが同じとなるようにしてもよい。
また、A時短遊技状態の終了条件、B時短遊技状態の終了条件、およびC時短遊技状態の終了条件には、上記の他、例えば、第2特別図柄の可変表示回数が規定回数に到達したことや、普通電動役物146が所定回数開放したこと、普通電動役物146の開放態様として特定の開放態様が選択されたこと等を含めるようにしてもよい。また、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機においては、小当り回数が規定回数に到達したことを上記の終了条件に含めるようにしてもよい。さらには、時短転落抽選を行い、時短転落抽選に当選したことを、上記の終了条件に含めるようにしてもよい。
[1-4-8.普通図柄の当り判定テーブル]
図16は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている普通図柄の当り判定テーブルの一例である。
普通図柄の当り判定テーブルは、普通図柄の当り判定処理において参照されるテーブル、すなわち、遊技状態と、通過ゲート126(図4参照)を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄の当り判定用乱数値と、に基づいて「普通図柄当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際(すなわち、後述の図43のS295の普通図柄遊技判定処理を実行する際)に参照されるテーブルである。
普通図柄の当り判定用乱数値は、上述したとおり、普通図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、メインCPU201は、普通図柄の当り判定用乱数値を、0~99(100種類)の中から抽出する。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
本実施例では、普通図柄の当り判定処理において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて「普通図柄当り」または「ハズレ」に決定する。普通図柄の当り判定テーブルには、時短の種類毎に、「普通図柄当り」に決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する普通図柄当り判定値データとの関係、および、「ハズレ」に決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
本実施例では、非時短遊技状態(例えば通常遊技状態)において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~79のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、非時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が80~99のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、A時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~98のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、A時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が99である場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、B時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~79のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、B時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が80~99のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、C時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~79のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、C時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が80~99のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施例では、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態のなかで、A時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率(図16に示される選択率(概算))が最も高い。
また、B時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率(図16に示される選択率(概算))は、非時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率と同じである。同様に、C時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率(図16に示される選択率(概算))についても、非時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率と同じである。したがって、非時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態との間で遊技状態が移行したとしても、普通図柄の当選確率は変更されないこととなる。
なお、普通図柄当りの当選確率を、非時短遊技状態とA時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とで同じにしてもよい。この場合、普通図柄当りの当選確率を変えることなく、後述する普通図柄の種類の割合を状態毎で異ならせるようにするだけでよくなるため、制御処理を簡略化できる。
[1-4-9.普通図柄判定テーブル]
図17は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている普通図柄判定テーブルの一例である。
普通図柄判定テーブルは、時短の種類と、先述の当落判定値データと、通過ゲート126(図4参照)を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄の図柄乱数値と、に基づいて、普通図柄の停止図柄を決定付ける「普通図柄当り時選択図柄コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「普通図柄当り時選択図柄コマンド」は、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りであった場合に、普通図柄当り種類に応じて定められる普通図柄の当り図柄を指定するためのコマンドである。普通図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図17に示される普通図柄判定テーブルによれば、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、例えば、普通図柄当り時選択図柄コマンドは以下のように選択される。
例えば、非時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、普通図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであったとしても、メインCPU201は、普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz0」を選択する。
また、A時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が30~69のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz2」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が70~99のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz3」を選択する。
また、B時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz4」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が30~69のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz5」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が70~99のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz6」を選択する。
また、C時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz7」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が30~69のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz8」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が70~99のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz9」を選択する。
なお、本実施例において、メインCPU201は、先ず、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)を参照して、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し、その後、普通図柄判定テーブル(図17参照)を参照して、普通図柄の図柄乱数値に基づいて普通図柄当り時選択図柄コマンドを決定するようにしているが、これに限られない。例えば、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値と普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の当落、および普通図柄当り時選択図柄コマンドをあわせて決定するようにしてもよい。
[1-4-10.普通図柄当り種類決定テーブル]
図18は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている普通図柄当り種類決定テーブルの一例である。普通図柄当り種類決定テーブルは、普通図柄の図柄乱数値に対応して決定される普通図柄当り時選択図柄コマンドに応じて、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを決定する際(すなわち、後述の図43のS293の普通図柄の可変表示開始処理のなかで実行される普通電動役物146の開放パターン設定処理を実行する際)に参照される。
本実施例では、普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」であった場合、普通図柄当り種類は次のとおり決定される。例えば、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz0」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間1000msec、ウェイト時間なし、2回目の開放なし、に決定する。すなわち、普通電動役物146が1回だけ1000msec開放される開放パターンに決定される。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz1」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2000msec、ウェイト時間200msec、2回目の開放時間2000msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz2」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2500msec、ウェイト時間200msec、2回目の開放時間2500msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz3」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間3000msec、ウェイト時間200msec、2回目の開放時間3000msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz4」の場合および「fz7」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2500msec、ウェイト時間なし、2回目の開放なし、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz5」の場合および「fz8」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2000msec、ウェイト時間600msec、2回目の開放時間2000msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz6」の場合および「fz9」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2500msec、ウェイト時間600msec、2回目の開放時間2500msec、に決定する。
このように、本実施例では、非時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」であったとしても、普通電動役物146(図4参照)の開放パターンは、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態における普通電動役物146の開放パターンのなかで、最も有利度合いが不利な態様となる。
なお、普通電動役物146の開放パターンの有利度合いは、普通電動役物146が開放された場合、第2始動口140への遊技球の入賞のしやすさの度合いである。
A時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合、普通電動役物146(図4参照)の開放パターンは、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態における普通電動役物146の開放パターンのなかで最も有利度合いが有利な態様となる。
また、B時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合の普通電動役物146(図4参照)の開放パターンは、C時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合の普通電動役物146の開放パターンと、有利度合いが同じとなっているが、これに限られない。
[1-4-11.普通図柄の変動パターンテーブル]
図19は、第1のパチンコ遊技機の普通図柄の変動パターンテーブルの一例である。普通図柄の変動パターンテーブルは、普通図柄の変動パターンを決定する際(すなわち、後述の図43のS293の普通図柄の可変表示開始処理のなかで実行される普通図柄の変動パターン決定処理を実行する際)に参照される。メインCPU201は、普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、遊技状態と、通過ゲート126(図4参照)を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄演出選択用乱数値とに基づいて、普通図柄の変動パターンを決定する。普通図柄演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
図19に示されるように、非時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~99のいずれであっても、普通図柄の可変表示時間が例えば300000msecに決定される。非時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間は、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態のなかで最も長い。
また、A時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~89のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば500msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が90~99のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば800msecに決定される。
また、B時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~39のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば500msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が40~79のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1000msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が80~99のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1500msecに決定される。
また、C時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~39のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば500msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が40~79のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1000msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が80~99のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1500msecに決定される。
このように、1回の可変表示あたりの普通図柄の可変表示時間は、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間のうち、A時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間の期待値が最も短い。そのため、A時短遊技状態は、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態のなかで、普通電動役物146が開放されるまでの時間が最も短い。
また、B時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間の期待値は、C時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間の期待値と同じとなっているが、これに限られない。
[1-5.時短遊技状態にかかわる処理の詳細]
[1-5-1.時短当り時にセットされる時短回数]
上述の説明では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態にかかわらず、セットされる時短回数を同じとしている。ただし、これに限られず、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合にセットされる時短回数は、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態に応じて決定するようにしてもよい。
また、確変フラグがオンにセットされる高確遊技状態であっても、特別図柄の当り判定処理の結果に「時短当り」を含むようにしてもよい。この場合、メインCPUは、特別図柄表示部に時短当りの表示態様を導出するものの、時短遊技状態に移行させる制御を実行せず、継続して高確遊技状態に制御する。ところで、例えば所謂ST機と呼ばれるパチンコ遊技機のように、規定回数にわたって特別図柄の可変表示が実行されると、確変フラグをオンからオフにする遊技機が知られている。このようなST機において、高確遊技状態としての最終ゲームで行われる特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合、確変フラグをオフにする処理よりも、時短当りの表示態様を導出する処理の方が後であるときには、メインCPUは、時短当りの表示態様を導出した後、C時短遊技状態に制御するようにしてもよい。
[1-5-2.時短遊技状態の重複]
時短遊技状態を複数設けた場合、時短遊技状態が重複することがある。例えば、A時短遊技状態において、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、A時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複することとなる。また、例えば、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達すると、C時短遊技状態とB時短遊技状態とが重複することとなる。このように時短遊技状態が重複した場合、時短遊技状態を重ねて実行するようにしてもよいし、時短遊技状態を重ねない(すなわち「時短当り」を無視する)ようにしてもよい。なお、A時短遊技状態とB時短遊技状態とが重複しないように、A時短遊技状態の終了条件であるA時短規定回数が、B時短遊技状態への移行条件である天井値よりも小さくなるように規定されている。
時短遊技状態が重複したとき、時短遊技状態を重ねて実行する態様と、時短遊技状態を重ねない態様とについて、以下に説明する。
[1-5-2-1.時短遊技状態を重ねて実行する態様]
時短遊技状態が重複したときに時短遊技状態を重ねて実行する態様としては、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において時短当りに当選したときにC時短遊技状態を重ねて実行する態様と、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したときにB時短遊技状態を重ねて実行する態様とが考えられる。
[1-5-2-1-1.一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行する態様]
A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合、メインCPU201は、特別図柄表示部163,164に、時短当りの表示態様を導出する。この場合、メインCPU201は、一の時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、時短遊技状態の終了条件が成立するまでに実行可能な特別図柄の可変表示回数が多い方を時短回数として採用する。
例えば、A時短遊技状態において「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数よりもA時短遊技状態の時短残回数の方が多い場合、メインCPU201は、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、A時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、A時短遊技状態の時短残回数が200回である場合に「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数が50回である場合、特別図柄表示部163,164に時短当りの表示態様が導出されるものの、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り200回である。したがって、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において「時短当り」に当選したとしても、時短回数および時短性能についての外観上は、「時短当り」に当選せずにA時短遊技状態が継続される場合と同様である。
一方、例えばA時短遊技状態において「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数の方がA時短遊技状態の時短残回数よりも多い場合、メインCPU201は、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、「時短当り」に基づいてセットされた時短回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、A時短遊技状態の時短残回数が20回である場合に「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数が50回である場合、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り50回である。すなわち、A時短遊技状態の時短残回数である20回にわたって特別図柄の可変表示が実行されたとしても、その後、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、両者の差分の30回にわたって特別図柄の可変表示がさらに実行される。
[1-5-2-1-2.C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行する態様]
C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合、メインCPU201は、天井最終変動において特別図柄表示部163,164に導出される表示態様(すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果)に応じた制御を実行する。
なお、第1のパチンコ遊技機では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、以下では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれる場合も含めて説明する。
先ず、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」または「ハズレ」である場合について説明する。
C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したときに、B時短規定回数よりもC時短遊技状態の時短残回数の方が多い場合、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、C時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、C時短遊技状態の時短残回数が300回である場合に天井カウンタが天井値に到達し、B時短規定回数が200回である場合、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り300回である。したがって、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したとしても、時短回数および時短性能についての外観上は、天井カウンタが天井値に到達することなくC時短遊技状態が継続される場合と同様である。
一方、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合に、B時短規定回数の方がC時短遊技状態の時短残回数よりも多い場合、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、B時短規定回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、C時短遊技状態の時短残回数が20回である場合に天井カウンタが天井値に到達し、B時短遊技状態として実行可能な時短回数が300回である場合、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り300回である。すなわち、C時短遊技状態の時短残回数である20回にわたって特別図柄の可変表示が実行されたとしても、その後、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、両者の差分の280回にわたって特別図柄の可変表示がさらに実行される。
なお、天井最終変動において特別図柄の可変表示が終了すると、メインCPU201は、特別図柄表示部163,164に、特別図柄の当り判定処理の結果に応じた表示態様を導出する。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合は小当り表示態様が導出され、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合はハズレ表示態様が導出される。小当り表示態様が導出されると小当り遊技状態に制御されるが、メインCPU201は、小当り遊技状態中も時短フラグをオンに維持する。
次に、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、すなわち、天井最終変動においてB時短遊技状態への移行条件とC時短遊技状態への移行条件とが成立する場合について説明する。この場合、メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出される前にB時短遊技状態の制御を開始する場合と、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出された後にB時短遊技状態の制御を開始する場合とで、異なる制御を実行しうる。
先ず、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出される前にB時短遊技状態の制御を開始する場合、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時点ですでにB時短遊技状態に制御されている。そのため、メインCPU201は、B時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、B時短規定回数とC時短遊技状態の時短回数とのうち多い方の時短回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。
次に、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出された後にB時短遊技状態の制御を開始する場合、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時点では未だB時短遊技状態に制御されていない。そのため、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、時短遊技状態の終了条件(例えば、大当りの表示態様の導出、小当りまたは特定の小当りの表示態様の導出等)が成立しない限り、B時短規定回数とC時短遊技状態の時短回数とのうち多い方の時短回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。この場合、時短性能が維持又は実行された時短遊技状態の終了条件が成立すると、時短遊技状態が終了するようにするとよい。
なお、天井最終変動においてB時短遊技状態への移行条件とC時短遊技状態への移行条件とが成立した場合、サブCPU301は、B時短遊技状態への移行条件のみが成立した場合に行うB時短移行表示演出、及びC時短遊技状態への移行条件のみが成立した場合に行うC時短移行表示演出とは異なる特別な表示演出を行うようにしてもよい。また、これに代えて、例えば、B時短遊技状態の時短性能が維持される場合にはB時短移行表示演出を行い、C時短遊技状態の時短性能が維持される場合にはC時短移行表示演出を行う等、B時短移行表示演出及びC時短移行表示演出のうちいずれかの表示演出を優先して行うこととしてもよい。
なお、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達し、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、メインCPU201は、C時短遊技状態を終了し、B時短遊技状態にも制御することなく大当り遊技状態に制御する。
[1-5-2-1-3.複数の時短遊技状態を重ねて実行する場合の時短性能]
以上、一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行する態様、および、C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行する態様について説明した。
このように複数の時短遊技状態を重ねて実行できる仕様である場合、先に実行されていた時短遊技状態の時短性能が維持される。このような仕様のパチンコ遊技機では、重ねて実行可能な複数の時短遊技状態の時短性能はそれぞれ異なってもよいが、重ねて実行可能な複数の時短遊技状態の時短性能を同じにすることが好ましい。
例えば、一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行できる仕様である場合は、一の時短遊技状態の時短性能と、C時短遊技状態の時短性能とを同じにすることが好ましい。また、C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行できる仕様である場合は、C時短遊技状態の時短性能と、B時短遊技状態の時短性能とを同じにすることが好ましい。
また、複数の時短遊技状態を重ねて実行できる仕様のパチンコ遊技機において、先に実行されている時短遊技状態に対して後から重ねて実行できる時短遊技状態については、例えば、先に実行されている時短遊技状態と同じ一の時短性能と、この一の時短性能とは異なる他の時短性能とを備えるようにしてもよい。そして、先に実行されている時短遊技状態に対して時短遊技状態を重ねて実行する場合は一の時短性能を発動させ、通常遊技状態において時短遊技状態を発動させる場合のように時短遊技状態を重ねて実行しない場合は他の時短性能を発動させるようにしてもよい。
例えば、C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行できる仕様のパチンコ遊技機である場合、B時短遊技状態の時短性能を、C時短遊技状態と同じ一の時短性能と、この一の時短性能とは異なる他の時短性能との例えば2つの時短性能を設ける。そして、C時短遊技状態において例えば天井カウンタが天井値に到達した場合は一の時短性能を発動させ、いずれの時短遊技状態でもない通常遊技状態において例えば天井カウンタが天井値に到達した場合は他の時短性能を発動させるようにしてもよい。
[1-5-3.時短遊技状態を重ねて実行しない態様]
時短遊技状態を重ねて実行しない態様としては、時短遊技状態において「時短当り」を抽選対象に含まないように当り判定処理を行う態様と、時短遊技状態において「時短当り」を抽選対象に含むように当り判定処理を行い、時短遊技状態が重複したとしても時短遊技状態を重ねて実行しない態様(以下「後者の態様」と称する)とが考えられる。後者の態様としては、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において時短当りに当選したとしてもこれを無視してC時短遊技状態を重ねて実行しない態様と、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したとしてもこれを無視してB時短遊技状態を重ねて実行しない態様との2態様が考えられる。以下に、後者の態様として考えられる上記の2態様について説明する。
[1-5-3-1.一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行しない態様]
A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合、上述したとおり、メインCPU201は、特別図柄表示部163,164に、時短当りの表示態様を導出する。ただし、メインCPU201は、一の時短遊技状態における最後の特別図柄の可変表示(以下「時短最終変動」と称する)でない限り、「時短当り」に基づくC時短遊技状態に制御することなく、一の時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで、一の時短遊技状態に制御する。この場合、一の時短遊技状態に制御されていること(時短最終変動を除く)は、C時短遊技状態への移行を妨げる条件となる。
一方、一の時短遊技状態における時短最終変動において「時短当り」に当選した場合、メインCPU201は、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出される前に一の時短遊技状態が終了する場合と、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時に一の時短遊技状態が終了する場合とで、異なる制御を実行しうる。
先ず、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出される前に一の時短遊技状態が終了する場合、メインCPU201は、時短当りの表示態様を導出した後、C時短遊技状態の制御を開始する。
次に、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時に一の時短遊技状態が終了する場合、すなわち、時短当りの表示態様の導出と一の時短遊技状態の終了とが同じ割込処理内で行われる場合、メインCPU201は、プログラムの処理に応じて、C時短遊技状態の制御を開始する場合と開始しない場合とがある。具体的には、時短当りの表示態様を導出(確定表示)する処理が一の時短遊技状態の終了処理よりも先に行われる場合、メインCPU201は、C時短遊技状態に制御することなく一の時短遊技状態を終了する。この場合、時短当りの表示態様を導出する処理を一の時短遊技状態の終了処理よりも先に行うことは、C時短遊技状態への移行を妨げる条件となる。
一方、時短当りの表示態様を導出(確定表示)する処理が一の時短遊技状態の終了処理よりも後に行われる場合、メインCPU201は、一の時短遊技状態を終了するとともにC時短遊技状態に制御する。この場合、メインCPU201は、一の時短遊技状態の時短性能を維持するのではなく、C時短遊技状態の時短性能とする。すなわち、メインCPU201は、時短当りの表示態様が導出された時点において、一の時短遊技状態の終了処理が未処理であればC時短遊技状態に制御することなく一の時短遊技状態を終了し、一の時短遊技状態の終了処理がすでに行われていればC時短遊技状態に制御する。
[1-5-3-2.C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行しない態様]
C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合、メインCPU201は、天井最終変動において特別図柄表示部163,164に導出される表示態様(すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果)に応じた制御を実行する。
先ず、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」、「小当り」または「ハズレ」である場合について説明する。
C時短遊技状態において、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」、「小当り」または「ハズレ」である場合、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで、C時短遊技状態に制御する。
ただし、天井最終変動においてC時短遊技状態の時短残回数が0である場合、メインCPU201は、プログラムの処理に応じて、B時短遊技状態の制御を開始する場合と開始しない場合とがある。具体的には、C時短遊技状態の終了処理がB時短遊技状態の開始処理よりも先に行われる場合、メインCPU201は、C時短遊技状態を終了するとともにB時短遊技状態に制御する。一方、C時短遊技状態の終了処理がB時短遊技状態の開始処理の後に行われる場合、メインCPU201は、B時短遊技状態に制御することなくC時短遊技状態を終了する。すなわち、メインCPU201は、B時短遊技状態を開始しようとする時点において、C時短遊技状態の終了処理が未処理であればB時短遊技状態に制御することなくC時短遊技状態を終了し、C時短遊技状態の終了処理がすでに行われていればB時短遊技状態に制御する。この場合、C時短遊技状態の終了処理をB時短遊技状態の開始処理の後に行うことは、B時短遊技状態への移行を妨げる条件となる。
なお、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、メインCPU201は、C時短遊技状態を終了し、大当り遊技状態の制御を開始する。
[1-6.主制御処理]
次に、主制御回路200のメインCPU201により実行される各種処理(各種モジュール)の内容について説明する。
[1-6-1.主制御メイン処理]
先ず、図20~図23を参照して、メインCPU201により実行されるメイン処理(主制御メイン処理)について説明する。図20~図23は、第1のパチンコ遊技機における主制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、電断信号がHighレベルであるか否かを判定する(S11)。なお、図示しないが、メインCPU201は、スタックポインタの設定や割込みベクタテーブルのアドレスの設定をS11に先だって行うことは言うまでもない。
S11において電断信号がHighレベルでないと判定された場合(S11がNO判定の場合)、メインCPU201は、S11の判定処理を繰り返す。
一方、S11において電断信号がHighレベルであると判定された場合(S11がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S12に移す。
S12において、メインCPU201は、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のフラグ管理処理を行う(S12)。この処理では、バックアップクリアスイッチ176のオン/オフ状態、および、設定キー174のオン/オフ状態の退避処理が行われる。すなわち、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のオン/オフ状態を、メインRAM203内の起動制御フラグ領域に格納する。また、この処理では、遊技許可フラグがオフにセットされる。メインCPU201は、S12の処理を実行した後、処理を、S13に移す。
S13において、メインCPU201は、ウェイト処理を行う。この処理では、サブ制御回路300側の起動待ちが行われる。この場合の起動待ち時間(ウェイト期間)は、例えば12000.07msecである。メインCPU201は、S13の処理を実行した後、処理を、S14に移す。
なお、サブ制御回路300側の起動待ちを行っている間、メインCPU201は、例えば、割込要求信号のチェック処理、割込要求信号発生時のWDTの出力処理、所定のタイミングでの各種センサ初期化信号の出力処理等を行うようにしてもよい。
S14において、メインCPU201は、起動前(前回)の電断が正常電断であったか否かを判定する。この処理では、メインRAM203内の電断検知フラグ領域に格納された値に基づいて、正常電断であるか異常電断であるかが判定される。
S14において正常電断でなかったと判定された場合(S14がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S18に移す。
一方、S14において正常電断であったと判定された場合(S14がYES判定の場合)、メインCPU201は、メインRAM203内に格納された作業領域のチェックサム値を算出し(S15)、その後、作業領域のチェックサム値の照合処理を行う(S16)。メインCPU201は、S16の処理を実行した後、処理を、S17に移す。
S17において、メインCPU201は、照合結果が異常であるか否かを判定する。
S17において照合結果が異常でないすなわち正常であると判定された場合(S17がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S22に移す。なお、S22以降の処理については後述する。
一方、S17において照合結果が異常であるすなわち正常でないと判定された場合(S17がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S18に移す。
S18において、メインCPU201は、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のうち、少なくともいずれか一方がオフであるか否かを判定する。すなわち、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の両方がオンである場合はNO判定となり、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の両方がオフである場合、並びに、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のいずれか一方がオフである場合はYES判定となる。
S18において設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の少なくともいずれか一方がオフでないすなわち両方ともオンであると判定された場合(S18がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S21に移す。なお、S21の処理については後述する。
一方、S18において設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のうち少なくともいずれか一方がオフであると判定された場合(S18がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S19に移す。
S19において、メインCPU201は、外部端子のセキュリティ信号をオンにセットする。メインCPU201は、S19の処理を実行した後、処理を、S20に移す。
S20において、メインCPU201は、性能表示モニタ170(図6参照)にエラー表示処理を行う。この処理は、性能表示モニタ170に信号が出力されるI/Oポート205の出力ポートに、エラー表示用のデータをセットする。これにより、性能表示モニタ170内の所定のLEDが点灯し、エラー表示が行われる。メインCPU201は、S20の処理を実行した後、永久ループに入る。
このように、前回の電断が正常電断でなかった場合や、メインRAM203内に格納された作業領域のチェックサム値の照合結果が正常でなかった場合には、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の両方がオンであると判定されるまで、第1のパチンコ遊技機において遊技の実行が可能とならない。
次に、S21の処理について説明する。S21において、メインCPU201は、設定変更であることを示す値をメインRAM203内の起動制御フラグ領域に格納する。この処理は、異常起動時に行われる処理であり、設定変更であることを示す値を再度格納するようにしたものである。メインCPU201は、S21の処理を実行した後、処理を、S22に移す。
S22において、メインCPU201は、メインRAM203内のXINT検知フラグ領域および電断検知フラグ領域のクリア処理を行う。メインCPU201は、S22の処理を実行した後、処理を、S23に移す。
S23において、メインCPU201は、起動状態判定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の起動制御フラグ領域に格納された起動制御フラグの値に基づいて、現在の起動状態(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)を判定する。メインCPU201は、S23の処理を実行した後、処理を、S24に移す。
S24において、メインCPU201は、起動時のRAM設定処理を行う。この処理では、フラグ等を管理するメインRAM203内の作業領域(揮発性領域)のクリア処理(例えば作業領域の構築およびアドレス設定等)が行われる。なお、この処理は、電断復帰時と初期化時とで共通して行われるものであって、バックアップ領域はクリアされない。メインCPU201は、S24の処理を実行した後、処理を、S25に移す。
S25において、メインCPU201は、起動時初期設定処理を行う。この処理では、現在の起動状態(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)に応じた初期設定処理が行われる。なお、起動時初期設定処理の詳細については、図24を参照して後述する。メインCPU201は、S25の処理を実行した後、処理を、S26に移す。
S26において、メインCPU201は、割込禁止処理を行う。メインCPU201は、S26の処理を実行した後、処理を、S27に移す。
S27において、メインCPU201は、電断処理を行う。メインCPU201は、S27の処理を実行した後、処理を、S28に移す。なお、電断処理の詳細については、図25を参照して後述する。
S28において、メインCPU201は、初期値乱数の更新処理を行う。この処理では、各種乱数カウンタ(例えば、特別図柄の大当り判定用乱数カウンタ等)の初期値乱数の更新処理が行われる。メインCPU201は、S28の処理を実行した後、処理を、S29に移す。
S29において、メインCPU201は、遊技許可状態であるか否かを判定する。この判定処理は、遊技許可フラグの値に基づいて行われる。
S29において遊技許可状態でないと判定された場合(S29がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S30に移す。
一方、S29において遊技許可状態であると判定された場合(S29がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S31に移す。
S30において、メインCPU201は、割込許可処理を行う。メインCPU201は、S30の処理を実行した後、処理を、S26に戻し、S26以降の処理を行う。
S31において、メインCPU201は、レジスタの退避処理を行う。メインCPU201は、S31の処理を実行した後、処理を、S32に移す。
S32において、メインCPU201は、性能表示モニタ集計演算処理を行う。この処理では、各種ベース値の算出および更新が行われる。また、この処理は、メインRAM203内の作業領域とは別の領域(領域外)を使用して行われる。メインCPU201は、S32の処理を実行した後、処理を、S33に移す。
S33において、メインCPU201は、S31で退避させたレジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S33の処理を実行した後、処理を、S34に移す。
S34において、メインCPU201は、割込許可処理を行う。メインCPU201は、S34の処理を実行した後、処理を、S35に移す。
S35において、メインCPU201は、システム周期時間が経過したか否かを判定する。システム周期時間は、例えば、割込み周期(例えば2msec)の3倍である6msecである。
S35においてシステム周期時間が経過していないと判定された場合(S35がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS26の処理に戻し、S26以降の処理を行う。
一方、S35においてシステム周期時間が経過したと判定された場合(S35がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S36に移す。
S36において、メインCPU201は、メインRAM203の割込みカウンタ領域に格納された割込みカウンタの値から1減算する処理を3回行う。この処理により、主制御メイン処理内の割込禁止区間を管理する割込みカウンタの値がリセットされる。メインCPU201は、S36の処理を実行した後、処理を、S37に移す。
なお、本実施例では、主制御メイン処理内において、後述する遊技制御に関する各種処理(例えば、S37~S44の処理)の実行前に、例えば6msecの割込禁止区間(S26~S35の処理区間)が設けられる。それゆえ、本実施例では、後述する遊技制御に関する各種処理が例えば6msec毎(システム周期毎)に実行されることになる。なお、本実施例では、割込禁止区間を割込み周期の3倍とする例を説明したが、これに限られない。
S37において、メインCPU201は、システムタイマの更新処理を行う。システムタイマは、システム周期(例えば6msec)を管理するタイマである。システムタイマの値は、メインRAM203の作業領域内のシステム周期管理タイマ領域に格納される。メインCPU201は、S37の処理を実行した後、処理を、S38に移す。
S38において、メインCPU201は、主制御コマンド送受信処理を行う。この処理では、主として、払出制御のコマンド送受信処理が行われる。メインCPU201は、S38の処理を実行した後、処理を、S39に移す。
S39において、メインCPU201は、特別図柄制御処理を行う。この処理では、特別図柄ゲームにかかわる処理が行われる。この特別図柄制御処理の詳細については、図26を参照して後述する。メインCPU201は、S39の処理を実行した後、処理を、S40に移す。
S40において、メインCPU201は、普通図柄制御処理を行う。この処理にでは、普通図柄ゲームにかかわる処理が行われる。この普通図柄制御処理の詳細については、図43を参照して後述する。メインCPU201は、S40の処理を実行した後、処理を、S41に移す。
S41において、メインCPU201は、遊技動作表示ユニット制御処理を行う。この処理では、LEDユニット160の各表示部(例えば、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164等)に出力する表示データの設定処理が行われる。メインCPU201は、S41の処理を実行した後、処理を、S42に移す。
S42において、メインCPU201は、遊技情報データ生成処理を行う。この処理では、外部端子板パルス信号の制御処理、出力データの設定処理、試射試験信号の生成処理等が行われる。なお、試射試験信号の生成処理は、メインRAM203内の作業領域とは別の領域(領域外)を使用して行われる。メインCPU201は、S42の処理を実行した後、処理を、S43に移す。
S43において、メインCPU201は、ポート出力処理を行う。この処理では、コマンド出力ポート206(図6参照)への出力データのセット(転送)が行われる。メインCPU201は、S43の処理を実行した後、処理を、S44に移す。
S44において、メインCPU201は、状態監視処理を行う。この処理では、発射位置判定処理、遊技異常検知判定処理および払出異常検知判定処理等が行われる。発射位置判定処理では、発射位置(例えば、右打ちまたは左打ち)に変化があれば、発射位置コマンドが送信予約される。遊技異常検知判定処理では、異常があれば、遊技異常検知コマンドが送信予約される。払出異常検知判定処理では、異常があれば、払出異常検知コマンドが送信予約される。メインCPU201は、S44の処理を実行した後、処理を、S26に戻し、S26以降の処理を行う。
[1-6-2.起動時初期設定処理]
次に、図24を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS25で行われる起動時初期設定処理について説明する。図24は、第1のパチンコ遊技機における起動時初期設定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、起動制御フラグをロードする処理を行う(S51)。メインCPU201は、S51の処理を実行した後、処理を、S52に移す。
S52において、メインCPU201は、起動制御フラグの値が電断復帰を示す値であるか否かを判定する。
S52において起動制御フラグの値が電断復帰を示す値でないと判定された場合(S52がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S54に移す。
一方、S52において起動制御フラグの値が電断復帰を示す値であると判定された場合(S52がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S53に移す。
S53において、メインCPU201は、第2通常遊技前処理を行う。この第2通常遊技前処理の詳細については、図50を参照して後述する。第2通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。メインCPU201は、S53の処理を実行した後、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
S54において、メインCPU201は、起動制御フラグの値が設定変更または設定確認を示す値であるか否かを判定する。
S54において起動状態フラグの値が設定変更または設定確認を示す値でないすなわちRAMクリアを示す値であると判定された場合(S54がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S56に移す。
一方、S54において起動状態フラグの値が設定変更または設定確認を示す値であると判定された場合(S54がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S55に移す。
S55において、メインCPU201は、設定操作コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された設定操作コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図46のS336参照)で、サブ制御回路300に向けて送信される。メインCPU201は、S55の処理を実行した後、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
S56において、メインCPU201は、第1通常遊技前処理を行う。この第1通常遊技前処理の詳細については、図49を参照して後述する。第1通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。メインCPU201は、S56の処理を実行した後、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
[1-6-3.電断処理]
次に、図25を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS27で行われる電断処理について説明する。図25は、第1のパチンコ遊技機における電断処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、XINT検知フラグがオンであるか否かを判定する(S61)。
S61においてXINT検知フラグがオンでないと判定された場合(S61がNO判定の場合)、メインCPU201は、電断処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S61においてXINT検知フラグがオンであると判定された場合(S61がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S62に移す。
S62において、メインCPU201は、チェックサム値の算出処理を行う。メインCPU201は、S62の処理を実行した後、処理を、S63に移す。
S63において、メインCPU201は、チェックサム値および電断検知フラグの値を、メインRAM203内の対応する所定の格納領域にそれぞれ格納する。この場合、メインRAM203のバックアップ領域に格納される。メインCPU201は、S63の処理を実行した後、処理を、S64に移す。
S64において、メインCPU201は、XINT検知フラグのクリア処理を行う。そして、S64の処理を実行した後、メインCPU201は、RAMアクセス禁止値設定処理を行う(S65)を行う。メインCPU201は、S65の処理を実行した後、処理を、S66に移す。
S66において、メインCPU201は、電断まで、CPUリセット待ち処理を繰り返す。
[1-6-4.特別図柄制御処理]
次に、図26を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理について説明する。図26は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図26に示されるように、メインCPU201は、先ず、S71において、特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU201は、S71の処理を実行した後、処理を、S72に移す。
なお、図示しないが、メインCPU201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S71の処理に先だって、メインRAM203内の特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
また、同じく図示しないが、メインCPU201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数をチェックする処理も行う。そして、メインCPU201は、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数のいずれもが一定時間以上にわたって「0」である場合、デモ表示コマンド送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路300が受信すると、サブCPU301はデモ表示演出を行う。
S72において、メインCPU201は、S71でロードした特別図柄の制御状態番号が0であるか否か、すなわち特別図柄の可変表示待ち状態であるか否かを判定する。
S72において特別図柄の制御番号が0でないと判定された場合(S72がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S75に移す。
一方、S72において特別図柄の制御番号が0であると判定された場合(S72がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S73に移す。
S73において、メインCPU201は、第2特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S73において第2特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S73がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S74に移す。
S74において、メインCPU201は、第1特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S74において第1特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S74がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S74において第1特別図柄が可変表示開始である、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S74がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S75に移す。
S73に戻って、第2特別図柄が可変表示開始である、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S73がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S75に移す。
S75において、メインCPU201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図27を参照して後述する。メインCPU201は、S75の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S71~S75)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施例では、第1のパチンコ遊技機として、第2特別図柄の始動情報が保留されている場合、第1特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S75)が実行される優先変動機について説明したが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報が保留されている場合、第2特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S75)が実行される優先変動機としてもよいし、第1始動口120または第2始動口140への入賞順に特別図柄管理処理が実行される順次変動機としてもよい。
[1-6-5.特別図柄管理処理]
次に、図27を参照して、特別図柄制御処理(図26参照)中のS75でメインCPU201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図27は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
なお、制御状態番号が「0」の場合(S72がYES判定の場合)、特別図柄管理処理は、S73がYES判定の場合は第2特別図柄が処理対象であり、S74がYES判定の場合は第1特別図柄が処理対象である。また、制御状態番号が「0」でない場合(S72がNO判定の場合)、特別図柄管理処理は、実行中の特別図柄が処理対象である。
また、図27に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「5」)は、特別図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S81)。
S81において特別図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S81がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図26参照)に戻す。
一方、S81において特別図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S81がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S82に移す。
S82において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、S82の処理を実行した後、処理を、S83に移す。なお、メインCPU201は、S82の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S83以降の処理を行う。
S83において、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS83の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図28を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S84に移す。
S84において、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS84の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図29を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S85に移す。
S85において、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS85の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図30を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S86に移す。
S86において、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS86の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図40を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S87に移す。
S87において、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS87の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図41を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S88に移す。
S88において、メインCPU201は、大当り終了処理を行う。このS88の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大当り終了処理の詳細については、図42を参照して後述する。
メインCPU201は、S83~S88の処理を終了後、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図26参照)に戻す。
[1-6-6.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図28を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS83でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図28は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
図28に示されるように、メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S91)。
S91において特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合(S91がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S91において特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合(S91がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S92に移す。
S92において、メインCPU201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。メインCPU201は、S92の処理を実行した後、処理を、S93に移す。
S93において、メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定テーブル(図10参照)を参照し、特別図柄の大当り判定用乱数値を用いて特別図柄の当り判定が行われる。また、メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は時短当りフラグをオンにセットし、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合は大当りフラグをオンにセットする。第1のパチンコ遊技機では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれるパチンコ遊技機であれば、特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合は小当りフラグをオンにセットする。メインCPU201は、S93の処理を実行した後、処理を、S94に移す。なお、時短当りフラグはC時短遊技状態への移行時にオフにされ、大当りフラグは大当り遊技状態の開始時にオフにされる。特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれるパチンコ遊技機であれば、小当りフラグは小当り遊技状態の開始時にオフにされる。
特別図柄の当り判定処理(S93参照)では、まず、大当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で大当りでないと判定された場合に時短当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で時短当りでないと判定された場合にハズレであると判定される。
S94において、メインCPU201は、特別図柄決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(S93)の結果(例えば、時短当り、大当りまたはハズレ)に対応する特別図柄の停止図柄を判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄判定テーブル(図11参照)を参照し、特別図柄の図柄乱数値を用いて、上述の「選択図柄コマンド」や「図柄指定コマンド」が判定される。メインCPU201は、S94の処理を実行した後、処理を、S95に移す。
S95において、メインCPU201は、当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の結果が例えば当り(時短当り、大当り)である場合に、かかる当りの種類を判定乃至決定する処理である。この処理では、当り種類決定テーブル(図13参照)を参照し、特別図柄決定処理(S94)で判定された「選択図柄コマンド」に応じて当りの種類が決定される。なお、本実施例では、当りの種類を複数種類としているが、大当りの種類は1つであってもよいし、時短当りの種類も1つであってよい。さらには、当りの種類を複数種類とすることに代えてまたは加えて、ハズレの種類を複数設けるようにしてもよい。また、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むようにし、かかる小当りの種類を複数設けてもよい。メインCPU201は、S95の処理を実行した後、処理を、S96に移す。
S96において、メインCPU201は、特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理は、特別図柄の変動パターンを判定乃至決定する処理である。この処理では、変動パターンテーブル(図15参照)を参照し、例えば、特別図柄の種類、特別図柄の当り判定処理(S93)の結果、時短フラグの値(0または1)、リーチ判定用乱数値または/および演出選択用乱数値等に応じて、特別図柄の変動パターンが決定される。なお、遊技状態等に応じて、特別図柄の変動パターン決定処理を行う際に参照する変動パターンテーブルが異なるようにしてもよい。メインCPU201は、S96の処理を実行した後、処理を、S97に移す。
S97において、メインCPU201は、特別図柄の可変表示時間設定処理を行う。この処理では、変動パターンテーブル(図15参照)を参照し、特別図柄の変動パターン決定処理(S96)で決定された変動パターンに対応する変動時間が、特別図柄の変動時間として決定される。メインCPU201は、S97の処理を実行した後、処理を、S98に移す。
S98において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図27のS84参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S98の処理を実行した後、処理を、S99に移す。
S99において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータ(例えば、確変残回数や時短残回数等)の更新処理等が行われる。メインCPU201は、S99の処理を実行した後、処理を、S100に移す。
S100において、メインCPU201は、遊技状態管理処理を行う。この処理では、主に、遊技状態の管理に関する各種フラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ等)の更新処理を行う。メインCPU201は、S100の処理を実行した後、処理を、S101に移す。
S101において、メインCPU201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理(とくに、遊技状態管理処理(S100)、特別図柄演出開始コマンド送信予約処理(S101))を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[1-6-7.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図29を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS84でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図29は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S111)。
S111において特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定された場合(S111がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S111において特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定された場合(S111がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S112に移す。
S112において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図27のS85参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S112の処理を実行した後、処理を、S113に移す。
S113において、メインCPU201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄の可変表示を停止させる処理も行われる。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S113の処理を実行した後、処理を、S114に移す。
S114において、メインCPU201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであり、その計数値は、メインRAM203内の所定領域に格納される。例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理するカウンタを設けてもよいが、図柄確定数カウンタにより特定状態下での特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU201は、S114の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
[1-6-8.特別図柄遊技判定処理]
次に、図30を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS85でメインCPU201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図30は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S121)。
S121において特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定された場合(S121がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S121において特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定された場合(S121がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S122に移す。
S122において、メインCPU201は、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S122において、大当りであるすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S122がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S123に移す。
S123において、メインCPU201は、大当り遊技制御処理の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板184を介してホールコンピュータ186(いずれも図6参照)に出力される信号(例えば、大当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄にかかわる信号である。メインCPU201は、S123の処理を実行した後、処理を、S124に移す。なお、外部端子板184を介して例えばホールコンピュータ186や島コンピュータに出力される信号については後述する。
また、S123の大当り遊技制御の開始設定処理において、メインCPU201は、確変フラグ、確変カウンタ、時短フラグ、および時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S124において、メインCPU201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU201は、例えば、大入賞口131の開放回数の上限値をセットする処理(S125)、外部端子板184への大当り信号セット処理(S126)、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S127)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S128)、および、大当り開始表示コマンドの送信予約処理(S129)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S127)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図27のS86参照)が行われることとなる。その後、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
S122に戻って、このS122において大当りでないすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様でないと判定された場合(S122がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S130に移す。
S130において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図31を参照して後述する。なお、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S121~S130)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[1-6-9.特別図柄遊技終了処理]
次に、図31を参照して、特別図柄遊技判定処理(図30参照)中のS130でメインCPU201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図31は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短管理処理を行う(S131)。この時短管理処理の詳細については、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して後述する。メインCPU201は、S131の処理を実行した後、処理を、S132に移す。
S132において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU201は、S132の処理を実行した後、処理を、S133に移す。
S133において、メインCPU201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理(S134)を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S134の処理後、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を、特別図柄遊技判定処理(図30参照)に戻す。
なお、特別図柄の当り判定処理(図28のS93参照)の結果がハズレである場合、メインCPU201は、確変フラグおよび時短フラグのいずれについてもセットまたはリセットしない。そのため、ハズレの表示態様が導出されたとしても遊技状態は移行しない。
[1-6-10.時短管理処理]
次に、図32を参照して、メインCPU201により実行される時短管理処理について説明する。図32は、第1のパチンコ遊技機において、特別図柄遊技終了処理(図31参照)中のS131でメインCPU201により実行される時短管理処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、カウンタ更新処理を行う(S141)。このカウンタ更新処理の詳細については、図33を参照して後述する。メインCPU201は、S141の処理を実行した後、処理を、S142に移す。
S142において、メインCPU201は、カウンタ判定処理を行う。このカウンタ判定処理の詳細については、図36を参照して後述する。メインCPU201は、S142の処理を実行した後、時短管理処理を終了し、処理を、特別図柄遊技終了処理(図31参照)に戻す。
[1-6-11.カウンタ更新処理]
次に、図33を参照して、メインCPU201により実行されるカウンタ更新処理について説明する。図33は、第1のパチンコ遊技機において、時短管理処理(図32参照)中のS141でメインCPU201により実行されるカウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短カウンタ更新処理を行う(S151)。この時短カウンタ更新処理の詳細については、図34を参照して後述する。メインCPU201は、S151の処理を実行した後、処理を、S152に移す。
S152において、メインCPU201は、天井カウンタ更新処理を行う。この天井カウンタ更新処理の詳細については、図35を参照して後述する。メインCPU201は、S152の処理を実行した後、カウンタ更新処理を終了し、処理を、時短管理処理(図32参照)に戻す。
[1-6-12.時短カウンタ更新処理]
次に、図34を参照して、メインCPU201により実行される時短カウンタ更新処理について説明する。図34は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ更新処理(図33参照)中のS151でメインCPU201により実行される時短カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
なお、図34に示される時短カウンタ更新処理は、複数の時短遊技状態が重複した場合に、複数の時短遊技状態が重ねて実行される場合の処理を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短フラグオン且つ時短カウンタが0より大きいか否かを判定する(S161)。この処理では、時短フラグオンと、時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たした場合にYES判定され、いずれか一方でも満たしていなければNO判定される。
時短フラグは、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態に移行させるときに、オンにセットされる。なお、高確遊技状態に移行させるときには確変フラグをオンにセットする。
時短カウンタは、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態において、それぞれ実行される時短回数を示す。
A時短遊技状態、B時短遊技状態または/およびC時短遊技状態への移行条件が成立した場合、移行条件が成立した時短遊技状態についての時短カウンタがセットされる。
なお、本実施例では、特別図柄の可変表示が終了したときに時短カウンタを減算し、時短カウンタが0になったときに時短遊技状態を終了する減算方式を採用しているが、これに限られず、特別図柄の可変表示が終了したときに時短カウンタを加算し、時短カウンタがセットされた時短回数になったときに時短遊技状態を終了する加算方式を採用してもよい。また、特別図柄の可変表示が終了したときに時短カウンタを更新(減算又は加算)することに代えて、特別図柄の可変表示の開始時に時短カウンタを更新し、時短カウンタが0になったとき(減算方式の場合)又は時短カウンタがセットされた時短回数になったとき(加算方式の場合)に、時短遊技状態を修了するようにしてもよい。
S161において、時短フラグオンと、時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たしていないと判定された場合(S161がNO判定の場合)、メインCPU201は、時短カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33)に戻す。
一方、S161において時短フラグオン且つ時短カウンタが0より大きいと判定された場合(S161がYES判定の場合)、メインCPU201は、時短カウンタから1を減算する処理を行う(S162)。メインCPU201は、S162の処理を実行した後、処理を、S163に移す。
S163において、メインCPU201は、時短モード=3且つC時短カウンタが0より大きいか否かを判定する。この処理では、時短モード=3であって、C時短カウンタが0より大きい場合にYES判定される。S163がYES判定の場合、メインCPU201は、処理を、S164に移す。
なお、C時短カウンタは、時短遊技状態中にC時短遊技状態への移行条件が成立した場合にセットされるカウンタである。このC時短カウンタは、フローチャートでは図示していないが、後述するB時短カウンタがセットされた場合、メインCPU201によりリセットされる。
時短モードは、複数の時短遊技状態が重ねて実行される場合に設定されるフラグである。本実施例では、時短モードを例えば2bitで構成し、先に実行されている時短遊技状態に対してC時短遊技状態が重ねて実行される場合、「時短モード=3」に設定される。また、先に実行されている時短遊技状態に対してB時短遊技状態が重ねて実行される場合、「時短モード=2」に設定される。
一方、S163において、時短モード=3とC時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たしていないと判定された場合(S163がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S165に移す。
S164において、メインCPU201は、C時短カウンタから1を減算する処理を行う。この処理も、減算方式に変えて加算方式を採用してもよい。メインCPU201は、S164の処理を実行した後、処理を、S165に移す。
S165において、メインCPU201は、時短モード=2且つB時短カウンタが0より大きいか否かを判定する。この処理では、時短モード=2であって、B時短カウンタが0より大きい場合にYES判定される。S165がYES判定の場合、メインCPU201は、処理を、S166に移す。
なお、B時短カウンタは、時短遊技状態中(本実施例ではC時短遊技状態中)にB時短遊技状態への移行条件が成立した場合にセットされるカウンタである。このB時短カウンタは、フローチャートでは図示していないが、C時短カウンタがセットされた場合、メインCPU201によりリセットされる。
一方、S165において、時短モード=2とB時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たしていないと判定された場合(S165がNO判定の場合)、メインCPU201は、時短カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
S166において、メインCPU201は、B時短カウンタから1を減算する処理を行う。この処理も、減算方式に変えて加算方式を採用してもよい。メインCPU201は、S166の処理を実行した後、時短カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
なお、図示していないが、S164の処理を行った結果としてC時短カウンタ=0となった場合や、S166の処理を行った結果としてB時短カウンタ=0となった場合、メインCPU201は、時短モードをオフ(=0)にセットする。
ところで、複数の時短遊技状態を重ねて実行する場合、二つの時短遊技状態を重ねるだけにとどまらず、三つ以上の時短遊技状態を重ねて実行してもよい。この場合、上述したようにA時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複することがないため、三つ以上の時短遊技状態が重複する場合とは、A時短遊技状態またはB時短遊技状態と二つ以上のC時短遊技状態とが重複する場合、および三つ以上のC時短遊技状態が重複する場合が相当する。
[1-6-13.天井カウンタ更新処理]
次に、図35を参照して、メインCPU201により実行される天井カウンタ更新処理について説明する。図38は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ更新処理(図33参照)中のS152でメインCPU201により実行される天井カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、天井カウント禁止フラグがオフであるか否かを判定する(S171)。天井カウント禁止フラグは、確変フラグがオンにセットされるとき、および天井カウンタが天井値に到達したときにオンにセットされるフラグである。すなわち、確変フラグがオフである場合であって且つ天井カウンタが天井値に到達していない場合、天井カウント禁止フラグはオフである。天井カウンタの値は、メインRAM203に保存される。
なお、天井値は、B時短遊技状態への移行条件として、パチンコ遊技機固有の値として予め決められている。ただし、これに代えて、大当り遊技状態が終了したとき、バックアップクリア処理が行われたとき、天井カウンタの値をリセットする専用の操作手段が操作されたとき等に、メインCPU201が天井値をセットする処理を行うようにしてもよい。
S171において、天井カウント禁止フラグがオフでない場合(S171がNO判定の場合)、すなわち天井カウント禁止フラグがオンである場合、メインCPU201は、天井カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
S171において、天井カウント禁止フラグがオフである場合(S171がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S172に移す。
S172において、メインCPU201は、天井カウンタに1を加算する処理を行う。メインCPU201は、S172の処理を実行した後、天井カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
[1-6-14.カウンタ判定処理]
次に、図36を参照して、メインCPU201により実行されるカウンタ判定処理について説明する。図36は、第1のパチンコ遊技機において、時短管理処理(図32参照)中のS142でメインCPU201により実行されるカウンタ判定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短移行判定処理を行う(S181)。この時短移行判定処理の詳細については、図37を参照して後述する。メインCPU201は、S181の処理を実行した後、処理を、S182に移す。
S182において、メインCPU201は、時短移行処理を行う。この時短移行処理の詳細については、図38を参照して後述する。メインCPU201は、S182の処理を実行した後、処理を、S183に移す。
S183において、メインCPU201は、時短カウンタが1より小さいか否かを判定する。
S183において、時短カウンタが1より小さくないと判定された場合(S183がNO判定)、すなわち時短カウンタが1以上である場合、メインCPU201は、処理を、S185に移す。
一方、S183において、時短カウンタが1より小さいと判定された場合(S183がYES判定)、メインCPU201は、処理を、S184に移す。
S184において、メインCPU201は、時短フラグをオフにする。メインCPU201は、S184の処理を実行した後、処理を、S185に移す。
なお、S183において時短カウンタが1より小さいと判定された場合(S183がYES判定の場合)、B時短カウンタ及びC時短カウンタはいずれも1より小さいはずである(すなわち0のはずである)。しかし、メインCPU201による処理を実行する上で何らかの不具合が生じる可能性があり得ることに鑑みて、例えば、S183がYES判定であるにもかかわらずB時短カウンタまたは時短カウンタが1以上である場合に、異常警報を出力したりする等の異常時処理を実行するようにしてもよい。また、この異常時処理に代えてまたは加えて、S183がYES判定された場合に、時短フラグをオフにするだけでなく(S184参照)、B時短カウンタ及びC時短カウンタをリセットすることにより、時短カウンタとB時短カウンタとC時短カウンタとの整合性を図るようにしてもよい。
S185において、メインCPU201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU201は、時短移行コマンドの送信予約処理(S186)を行う。なお、この処理で送信予約された時短移行コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S186の処理後、メインCPU201は、カウンタ判定処理を終了し、処理を、時短管理処理(図32参照)に戻す。
[1-6-15.時短移行判定処理]
次に、図37を参照して、メインCPU201により実行される時短移行判定処理について説明する。この処理では、天井カウンタが天井値に到達した場合に、B時短遊技状態に移行させるための判定処理が行われる。図37は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ判定処理(図36参照)中のS181でメインCPU201により実行される時短移行判定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、確変フラグがオフであるか否かを判定する(S191)。
S191において、確変フラグがオフでないと判定された場合(S191がNO判定の場合)、すなわち確変フラグがオンである場合、メインCPU201は、時短移行判定処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。すなわち、確変フラグがオンである場合、B時短遊技状態に移行させないようにすることができる。
一方、S191において、確変フラグがオフであると判定された場合(S191がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S192に移す。
S192において、メインCPU201は、天井カウンタが天井値であるか否かを判定する。
S192において、天井カウンタが天井値でないと判定された場合(S192がNO判定の場合)、メインCPU201は、時短移行判定処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
一方、S192において、天井カウンタが天井値であると判定された場合(S192がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S193に移す。
S193において、メインCPU201は、天井カウント禁止フラグをオンにセットする。メインCPU201は、S193の処理を実行した後、処理を、S194に移す。
S194において、メインCPU201は、天井フラグをオンにセットする。天井フラグは、天井カウンタが天井値に到達したことを示すフラグである。メインCPU201は、S194の処理を実行した後、処理を、S196に移す。
S196において、メインCPU201は、天井カウンタをクリアする。メインCPU201は、S196の処理を実行した後、時短移行判定処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
[1-6-16.時短移行処理]
次に、図38を参照して、メインCPU201により実行される時短移行処理について説明する。図38は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ判定処理(図36参照)中のS182でメインCPU201により実行される時短移行処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、確変フラグがオフであるか否かを判定する(S202)。
S202において、確変フラグがオフでないと判定された場合(S202がNO判定の場合)、すなわち確変フラグがオンである場合、メインCPU201は、時短移行処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。このようにすることで、確変フラグがオンである場合には、B時短遊技状態およびC時短遊技状態のいずれも、開始されないようにすることができる。
一方、S202において、確変フラグがオフであると判定された場合(S202がYES判定)、メインCPU201は、処理を、S203に移す。
S203において、メインCPU201は、天井フラグがONであるか否かを判定する。
S203において、天井フラグがオンでないと判定された場合(S203がNO判定の場合)、すなわち天井フラグがオフである場合、メインCPU201は、処理を、S206に移す。
一方、S203において、天井フラグがオンであると判定された場合(S203がYES判定)、メインCPU201は、処理を、S205に移す。
S205において、メインCPU201は、B時短遊技状態への移行にかかわる処理として、B時短制御態様決定処理を実行する。この処理では、B時短カウンタにセットする時短回数と、時短モードを2にセットすることと、時短性能等を決定する。メインCPU201は、S205の処理を実行した後、処理を、S208に移す。
なお、B時短カウンタにセットされる時短回数は、予め定められた回数である。また、時短性能のうち、「普通図柄当り」の当選確率は、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)に示されるとおりである。また、時短性能のうち、普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)は、普通図柄判定テーブル(図17参照)および普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)に示されるとおりである。さらに、時短性能のうち、普通図柄の可変表示時間は、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)に示されるとおりである。
S206において、メインCPU201は、時短当りフラグがオンであるか否かを判定する。
S206において、時短当りフラグがオンでないと判定された場合(S206がNO判定の場合)、すなわち時短当りフラグがオフである場合、メインCPU201は、時短移行処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
一方、S206において、時短当りフラグがオンであると判定された場合(S206がYES判定)、メインCPU201は、処理を、S207に移す。
S207において、メインCPU201は、C時短遊技状態への移行にかかわる処理として、C時短制御態様決定処理を実行する。この処理では、C時短カウンタにセットする時短回数と、時短モードを3にセットすることと、時短性能等を決定する。メインCPU201は、S207の処理を実行した後、処理を、S208に移す。
なお、C時短カウンタにセットされる時短回数は、当り種類決定テーブル(例えば図13参照)を参照して選択図柄コマンドに応じて決定される。また、時短性能のうち、「普通図柄当り」の当選確率は、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)に示されるとおりである。また、時短性能のうち、普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)は、普通図柄判定テーブル(図17参照)および普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)に示されるとおりである。さらに、時短性能のうち、普通図柄の可変表示時間は、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)に示されるとおりである。
S208において、メインCPU201は、時短設定処理を行う。この時短設定処理の詳細については、図39を参照して後述する。メインCPU201は、S208の処理を実行した後、時短移行処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
[1-6-17.時短設定処理]
次に、図39を参照して、メインCPU201により実行される時短設定処理について説明する。図39は、第1のパチンコ遊技機において、時短移行処理(図38参照)中のS208でメインCPU201により実行される時短設定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短フラグがオンであるか否かを判定する(S211)。
S211において、時短フラグがオンであると判定された場合(S211がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S212に移す。
S211がYES判定の場合とは、確変フラグがオフであって、例えば、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合(天井カウンタ=天井値となった場合)や、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合(「時短当り」に当選した場合)が相当する。
なお、図示しないが、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合、メインCPU201は、「時短モード=2」をセットするとともに、S205で決定されたB時短カウンタをセットする。また、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合、メインCPU201は、「時短モード=3」にセットするとともに、S207で決定されたC時短カウンタをセットする。
S211において、時短フラグがオンでないと判定された場合(S211がNO判定)、すなわち時短フラグがオフである場合、メインCPU201は、処理を、S214に移す。
S212において、メインCPU201は、現状の時短カウンタ(先に実行されていた時短遊技状態の時短残回数)と、新たな時短回数(S205またはS207で決定された時短回数)とを比較し、現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも小さいか否かを判定する。
S212において、現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも小さくないと判定された場合(S212がNO判定の場合)、すなわち現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも大きい場合、メインCPU201は、時短設定処理を終了し、処理を、時短移行処理(図38を参照)に戻す。
一方、S212において、現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも大きいと判定された場合(S212がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S213に移す。
S213において、メインCPU201は、時短カウンタ再設定処理を行う。この処理では、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合や、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合、現状の時短カウンタの値(すなわち時短残回数)と新たな時短回数とのうち多い方の時短回数が、新たな時短カウンタとして再設定される。ただし、時短カウンタ再設定処理(S213)が行われたとしても、メインCPU201は、B時短カウンタおよびC時短カウンタをリセットしない。メインCPU201は、S213の処理を実行した後、時短設定処理を終了し、処理を、時短移行処理(図38)に戻す。
なお、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合や、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合、メインCPU201は、先に実行されていた時短遊技状態の時短性能を維持する。すなわち、先に実行されていた時短遊技状態の時短性能から新たな時短遊技状態の時短性能に変更したり、現状の時短カウンタと新たな時短回数とのうち多い方の時短回数に対応する時短遊技状態の時短性能に変更されたりはしない。
時短性能とは、上述したとおり、入賞口(例えば、本実施例では第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞の容易さを変更する性能であって、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、または/および普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間等)等をいう。
ところで、本実施例では、B時短カウンタ及びC時短カウンタを設けることにより、内部的に二つの時短遊技状態が重ねて実行されていることを管理できるようにしている。そして、上記の時短カウンタ再設定処理(S213)において、現状の時短カウンタの値と新たな時短回数とのうち多い方の時短回数を、新たな時短カウンタとして再設定するようにしている。しかし、内部的に二つの時短遊技状態が重ねて実行されていたとしても、表面的にあらわれる(遊技者が把握できる)時短性能は、内部的に重ねて実行されている上記二つの時短遊技状態のうち、いずれか一つの時短遊技状態についての時短性能のみである。そのため、内部的に二つの時短遊技状態が重ねて実行されていることを管理せずに(すなわちB時短カウンタ及びC時短カウンタを設けずに)、複数の時短遊技状態を重ねて実行する場合に、現状の時短カウンタの値と新たな時短回数とのうち多い方の時短回数を、新たな時短カウンタとして再設定するようにしてもよい。
S214において、メインCPU201は、時短態様設定処理を行う。この処理は、S211がNO判定の場合、すなわち、非時短遊技状態からB時短遊技状態に移行させて実行する場合(天井カウンタ=天井値となった場合)や、非時短遊技状態からC時短遊技状態に移行させて実行する場合(「時短当り」に当選した場合)に行われる処理である。この処理では、B時短制御態様決定処理(S205)またはC時短制御態様決定処理(S207)で決定された時短回数と時短性能とが設定される。メインCPU201は、S214の処理を実行した後、処理を、S215に移す。
S215において、メインCPU201は、時短フラグをオンにセットする。メインCPU201は、S215の処理を実行した後、時短設定処理を終了し、処理を、時短移行処理(図38)に戻す。
このように、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理において、メインCPU201は、B時短遊技状態への移行処理を、天井最終変動としての特別図柄の可変表示が終了したときに行っている。本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、当り判定処理の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機の場合、天井最終変動における第1特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合が生じうる。このように、天井最終変動における第1特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合、メインCPU201は、小当り遊技状態が終了したことに基づいて、B時短遊技状態に移行させる処理を行うとよい。
また、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理では、メインCPU201は、B時短遊技状態への移行処理を、天井最終変動としての特別図柄の可変表示が終了したときに行っているが、これに限られず、天井最終変動としての特別図柄の可変表示を開始したことに基づいて、B時短遊技状態への移行処理を行うようにしてもよい。とくに、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能な第1のパチンコ遊技機においては、天井最終変動としての特別図柄の可変表示を開始したことに基づいて、B時短遊技状態への移行処理を行うことが好ましい。なぜなら、天井最終変動としての特別図柄の可変表示が終了したときにB時短遊技状態に移行するようにすると、天井最終変動としてのいずれか一方の特別図柄の可変表示中に他方の特別図柄の可変表示が開始された場合、この他方の特別図柄の可変表示については、B時短遊技状態としての恩恵を受けることができなくなり、興趣が低下するおそれがあるからである。なお、第1のパチンコ遊技機では、特別図柄の可変表示が例えば600000msecといった長変動で行われることはない。ただし、このような長変動で特別図柄の可変表示が行われうるパチンコ遊技機においては、天井最終変動としての特別図柄の可変表示を開始したことに基づいてB時短遊技状態への移行処理を行うことにより、とくに天井最終変動である特別図柄の可変表示が長変動で行われる場合であっても、B時短遊技状態の開始の遅延を回避することができる。
また、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理では、B時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのB時短制御態様決定処理(S205)を、C時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのC時短制御態様決定処理(S207)よりも優先して行うようにしている(図38のS203~S207を参照)が、これに限られない。例えば、C時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのC時短制御態様決定処理(S207)を、B時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのB時短制御態様決定処理(S205)よりも優先して行うようにしてもよい。
また、図35を参照して説明した上述の天井カウンタ更新処理では、天井カウント禁止フラグがオフでない場合(図35のS171がNO判定)、天井カウンタを更新しないようにしているが、これに限られない。例えばST機や確変転落抽選を行うパチンコ遊技機では、確変フラグがオンである場合であっても特別図柄の可変表示が行われると天井カウンタを更新するようにしてもよい。この場合、天井カウンタが天井値に到達したとしても、B時短遊技状態に移行せず、天井カウンタと確変カウンタとの差が天井値となった場合に、B時短遊技状態に移行するようにしてもよい。この場合、メインCPU201は、「天井カウンタ=天井値」となっただけではB時短遊技状態に移行させず、天井カウンタと確変カウンタとの差が天井値となった場合に、B時短遊技状態に移行させる処理を行うこととなる。
また、B時短遊技状態への移行条件である天井値は、確変フラグがオフである場合の大当り確率の分母の所定範囲内(例えば、2.5~3.0倍)であることが好ましい。本実施例では、例えば特別図柄の当り判定テーブル(図10参照)に示されるように、確変フラグがオフである場合の大当り確率が319分の1(設定値1の場合)であるから、天井値は、319×2.5~319×3.0(倍)の範囲内であることが好ましい。
また、B時短遊技状態の終了条件であるB時短規定回数の上限は、確変フラグがオフである場合の大当り確率の分母の規定倍数(例えば3.8倍)までとすることが好ましい。同様に、C時短遊技状態の終了条件であるC時短規定回数の上限についても、確変フラグがオフである場合の大当り確率の分母に規定数を乗じた値まで(例えば大当り確率の分母の3.8倍まで)とすることが好ましい。本実施例では、確変フラグがオフである場合の大当り確率が319分の1(設定値1の場合)であるから、B時短規定回数およびC時短規定回数は、いずれも、概ね1212(319×3.8)を上限とすることが好ましい。なお、B時短規定回数の上限とC時短規定回数の上限とを同じ値とすることは必須ではない。
ところで、第1のパチンコ遊技機のように、例えば設定1~設定6といった大当り確率が異なる複数の設定値のうちいずれか一の設定値にセット可能であるパチンコ遊技機である場合、上述したとおり、時短当り確率は全設定値で共通の確率となっている。このような場合、B時短遊技状態への移行条件である天井値を、設定値にかかわらず大当り確率(確変フラグがオフである場合)の分母に規定数(例えば3.0)を乗じた値とした場合、設定値に応じて天井値が異なることとなり、セットされている設定値が遊技者に看破されてしまうおそれがある。そこで、本実施例では、セットされた設定値がいずれであったとしても、天井値を、大当り確率(確変フラグがオフである場合)の分母に対して規定数を乗じて決定するのではなく、設定値にかかわらず同じ値とすることが好ましい。
[1-6-18.時短管理処理にかかわる変形例]
なお、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理(以下「本実施例の時短管理処理」と称する)では、天井カウンタ更新処理(図35参照)を、特別図柄遊技終了処理(図31参照)において実行している。また、B時短遊技状態への移行にかかわる処理を、C時短遊技状態への移行にかかわる処理よりも優先して行うようにしている。さらに、B時短遊技状態への移行フラグ(天井フラグ)とC時短遊技状態への移行フラグ(時短当りフラグ)とを別個に設け、天井フラグがオンである場合にB時短遊技状態に移行させ、時短当りフラグがオンである場合にC時短遊技状態に移行させるようにしている。ただし、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミング、B時短遊技状態への移行とC時短遊技状態への移行との優先順位、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個にするか共通にするか、については、上記に限られず、様々なバリエーションで時短管理処理を行うことができる。
例えば、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動停止時とし、移行時の処理をB時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をB時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をC時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をB時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを共通のフラグとして設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をC時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを共通のフラグとして設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動停止時とし、移行時の処理をC時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動停止時とし、天井到達時に「時短当り」が非当選であることを確認した上でB時短遊技状態に移行させるようにしてもよい。
さらに、複数の時短遊技状態が重ねて実行されない場合、メインCPU201は、時短フラグオン且つ時短カウンタが0より大きい場合に時短カウンタから1を減算する処理を行い、それ以外の場合には時短カウンタから1を減算しないようにするとよい。
[1-7.大入賞口開放準備処理]
次に、図40を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS86でメインCPU201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図40は、第1のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する(S251)。
S251において特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定された場合(S251がNO判定の場合)、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S251において特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定された場合(S251がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S252に移す。
S252において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値をロードする。ラウンドカウンタは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。なお、ラウンドカウンタの計数値(ラウンドカウンタ値)は、メインRAM203内の所定領域に格納される。メインCPU201は、S252の処理を実行した後、処理を、S253に移す。
S253において、メインCPU201は、大入賞口の開放回数が上限値であるか否かを判定する。この処理では、大当り遊技状態において実行されたラウンド遊技の実行回数が上限値であるか否かが判定される。
S253において大入賞口の開放回数が上限値であると判定された場合(S253がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S254に移す。一方、S253において大入賞口の開放回数が上限値でないと判定された場合(S253がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S257に移す。
S254において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S254)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り終了処理(図27のS88参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S254の処理を実行した後、処理を、S255に移す。
S255において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う(S256)。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S256の処理後、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
S257において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、S257の処理を実行した後、処理を、S258に移す。
S258において、メインCPU201は、大入賞口関連各種設定処理を行う。この処理では、例えば、大入賞口131の開放回数、大入賞口131の最大開放時間、大入賞口131への最大入賞個数、大入賞口131への入賞時の賞球数等がセットされる。大入賞口131の開放回数はラウンド数が相当する。なお、1ラウンドにおいて大入賞口が複数回開放されるものを排除する趣旨ではない。ただしこの場合は、ラウンド数を管理する制御と、大入賞口の開閉回数を管理する制御とを、別の処理として行うことが好ましい。メインCPU201は、S258の処理を実行した後、処理を、S259に移す。
S259において、メインCPU201は、大入賞口開閉制御処理を行う。この処理では、大入賞口131の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU201は、S259の処理を実行した後、処理を、S260に移す。
S260において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理(S260)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図27のS87参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S260の処理を実行した後、処理を、S261に移す。
S261において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU201は、S261の処理を実行した後、処理を、S262に移す。
S262において、メインCPU201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S262の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
[1-7-1.大入賞口開放制御処理]
次に、図41を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS87でメインCPU201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図41は、第1のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する(S271)。
S271において特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定された場合(S271がNO判定の場合)、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S271において特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定された場合(S271がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S272に移す。
S272において、メインCPU201は、大入賞口131に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、大入賞口131への遊技球の入賞個数を計数するカウントスイッチ132(図6参照)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、カウントスイッチ132により計数された大入賞口入賞カウンタの値は、メインRAM203内の所定領域に格納される。
S272において、大入賞口131に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S272がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S273に移す。
一方、S272において、大入賞口131に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S272がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S274に移す。
S273において、メインCPU201は、大入賞口131の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、大入賞口関連各種設定処理(図40のS258参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S273において大入賞口131の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S273がNO判定の場合)、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S273において大入賞口131の最大開放時間が経過していると判定された場合(S273がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S274に移す。
S274において、メインCPU201は、大入賞口131の閉鎖設定処理を行う。メインCPU201は、S274の処理を実行した後、処理を、S275に移す。
S275において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S275)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図27のS86参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S275の処理を実行した後、処理を、S276に移す。
S276において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU201は、S276の処理を実行した後、処理を、S277に移す。
S277において、メインCPU201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S277の処理後、メインCPU201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
[1-7-2.大当り終了処理]
次に、図42を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS88でメインCPU201により実行される大当り終了処理について説明する。図42は、第1のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する(S281)。
S281において特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定された場合(S281がNO判定の場合)、メインCPU201は、大当り終了処理を終了し、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
S281において特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定された場合(S281がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S282に移す。
S282において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了設定処理を行う。この処理では、各種フラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ等)のセットや、各種カウンタ(例えば、確変カウンタ、時短カウンタ、図柄確定数カウンタ、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。メインCPU201は、S282の処理を実行した後、処理を、S283に移す。
S283において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図31を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、S283の処理を実行した後、大当り終了処理を終了し、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り終了処理を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[1-7-3.普通図柄制御処理]
次に、図43を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS40でメインCPU201により実行される普通図柄制御処理について説明する。なお、図43に示される普通図柄制御処理に先だって、メインCPU201は、特別図柄制御処理と同様に、普通図柄の始動条件が成立しているか否かの判定を行っていることは言うまでもない。
図43は、第1のパチンコ遊技機における普通図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図43に示すフローチャート中の各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「4」)は、普通図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。なお、図43に示される各処理は、便宜上、サブルーチンとして図示していない。
メインCPU201は、先ず、普通図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S291)。
S291において普通図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S291がNO判定の場合)、メインCPU201は、普通図柄制御処理を終了し、処理を、S41(図23参照)に戻す。
一方、S291において普通図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S291がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S292に移す。
S292において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、S292の処理を実行した後、処理を、S293に移す。なお、メインCPU201は、S292の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S293以降の処理を行う。
S293において、メインCPU201は、普通図柄の可変表示開始処理を行う。このS293の処理は、普通図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この普通図柄の可変表示開始処理において、メインCPU201は、普通図柄の当り判定処理、普通図柄の変動パターン決定処理、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りである場合には普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)設定処理を行う。なお、普通図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S294に移す。
S294において、メインCPU201は、普通図柄の可変表示終了処理を行う。このS294の処理は、普通図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この処理においてメインCPU201は、普通図柄の可変表示を終了する際の各種処理を行う。なお、普通図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S295に移す。
S295において、メインCPU201は、普通図柄遊技判定処理を行う。このS295の処理は、普通図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この普通図柄遊技判定処理では、普通図柄の導出結果(例えば、普通図柄当りまたはハズレ)の判定処理を行う。なお、普通図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S296に移す。
S296において、メインCPU201は、普通電動役物開放処理を行う。このS296の処理は、普通図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この処理では、例えば、予め定められた態様で、普通電動役物146の開放処理が行われる。なお、普通図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S297に移す。
S297において、メインCPU201は、普通図柄当り終了処理を行う。このS297の処理は、普通図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。メインCPU201は、この普通図柄当り終了処理を終了すると、普通図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、本実施例では、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)に示されるように、普通図柄の当り判定用乱数を例えば0~99の範囲(幅)で発生させ、例えば0~79を普通図柄当り判定値データとしている(非時短遊技状態の場合)。普通図柄当り確率は、普通図柄の当り判定用乱数の総乱数に対する普通図柄当り判定値データの数によって定められるため、例えば普通図柄の当り確率は、本実施例では100分の80である。この普通図柄当り確率は、本実施例では、時短制御が実行される場合と時短制御が実行されない場合と異なっているが、同じまたはほぼ同じとしてもよい。また、普通図柄の可変表示は、時短制御が実行されない非時短遊技状態では例えば600000msecと相対的に長時間にわたって実行されるのに対し、時短制御が実行される遊技状態では例えば1000msecと相対的に短時間しか実行されない。このようにして、時短制御が実行されると、普通電動役物開放処理の実行頻度すなわち第2始動口140への遊技球の入賞頻度が高められる。
[1-7-4.外部マスカブル割込処理]
次に、図44を参照して、メインCPU201の制御により実行される外部マスカブル割込処理について説明する。この処理は、例えば電断時等に発生する外部割込み要求に応じて行われる割込処理である。なお、図44は、第1のパチンコ遊技機における外部マスカブル割込処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、保護レジスタの退避処理を行う(S301)。メインCPU201は、S301の処理を実行した後、処理を、S302に移す。
S302において、メインCPU201は、I/Oポート205の所定の入力ポートの状態を読み出す。上記の所定の入力ポートは、例えば、電断検知ライン、バックアップクリアスイッチライン、センサ異常検知ライン、電波センサライン、開放検知ライン、磁気センサライン、振動センサライン、ソレノイド監視センサライン等の状態がセットされる入力ポートである。メインCPU201は、S302の処理を実行した後、処理を、S303に移す。
S303において、メインCPU201は、電断検知であるか否かを判定する。
S303において電断検知でないと判定された場合(S303がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS305に移す。一方、S303において電断検知であると判定された場合(S303がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS304に移す。
S304において、メインCPU201は、XINT検知フラグをセット(オンに)する。XINT検知フラグは電断することを示すフラグであり、XINT検知フラグの値は、メインRAM203の作業領域内のXINT検知フラグ領域に格納される。メインCPU201は、S304の処理を実行した後、処理を、S305に移す。
S305において、メインCPU201は、S301で退避させた保護レジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S305の処理を実行した後、処理を、S306に移す。
S306において、メインCPU201は、割込許可処理を行う。この処理を実行した後、メインCPU201は、外部マスカブル割込処理を終了する。
[1-7-5.システムタイマ割込処理]
次に、図45を参照して、メインCPU201により、例えば2msecの割込み周期で実行されるシステムタイマ割込処理について説明する。なお、図45は、第1のパチンコ遊技機において実行されるシステムタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、保護レジスタの退避処理を行う(S311)。
次いで、メインCPU201は、XINT検知フラグがオフであるか否かを判定する(S312)。XINT検知フラグがオフでない(すなわち電断検知時である)と判定された場合(S312がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS326に移す。一方、XINT検知フラグがオフである(すなわち電断非検知時である)と判定された場合(S312がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS313に移す。
S313において、メインCPU201は割込許可処理を行う。その後、メインCPU201は、I/Oポート205の入力ポートの状態の読込処理を行い(S314)、処理を、S315に移す。
S315において、メインCPU201は、遊技許可状態であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU201は、例えば起動制御フラグの値等に基づいて、遊技許可状態であるか否かを判定する。起動制御フラグは、電源投入時の起動状態が、電断復帰、設定変更、設定確認およびRAMクリア等のうちのいずれの状態であるかを判定するためのフラグである。例えば、電断復帰の場合は遊技許可状態であると判定され、設定変更、設定確認およびRAMクリア等である場合は遊技許可状態でないと判定される。
なお、起動制御フラグは、電源投入時における設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のオン/オフ情報の組合せで構成される。例えば、電源投入時に、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の両方がオフであれば電断復帰、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の両方がオンであれば設定変更、バックアップクリアスイッチ176がオフ且つ設定キー174がオンであれば設定確認、バックアップクリアスイッチ176がオン且つ設定キー174がオフであればRAMクリアと判定される。
S315において遊技許可状態でないと判定された場合(S315がNO判定の場合)、メインCPU201は、設定制御処理を行う(S316)。この設定制御処理では、設定変更処理または設定確認処理が行われる。すなわち、本実施例では、設定変更処理および設定確認処理は、例えば2msec周期で行われるシステムタイマ割込処理内で行われ、遊技許可状態でない場合すなわち遊技不許可状態である場合に行われる。設定制御処理(S316)を実行した後、メインCPU201は、処理を、S326に移す。なお、S316の設定制御処理の詳細については、図46を参照して後述する。
なお、遊技許可状態でない場合(S315がNO判定の場合)、メインCPU201は、発射装置6(図6参照)からの遊技球の発射禁止、特定のスイッチ(例えば、設定キー174、バックアップクリアスイッチ176等)を除く各種スイッチの無効化、払出装置82からの賞球の払い出し禁止等を設定することが好ましい。
一方、S315において遊技許可状態であると判定された場合(S315がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S317に移す。
S317において、メインCPU201は、割込みカウンタの値を1加算する処理を実行する。割込みカウンタは、主制御メイン処理(図20~図23参照)中の割込禁止区間を計数(管理)するためのカウンタであり、割込みカウンタの計数値は、メインRAM203の作業領域内の割込カウンタ領域に格納される。メインCPU201は、S317の処理を実行した後、処理を、S318に移す。
S318において、メインCPU201は、割込み周期タイマの更新処理を行う。メインCPU201は、S318の処理を実行した後、処理を、S319に移す。なお、割込み周期タイマは、割込み周期(例えば2msec)管理用のタイマであり、割込み周期タイマの計数値は、メインRAM203の作業領域内の割込み周期管理タイマ領域に格納される。
S319において、メインCPU201は乱数更新処理を行う。この乱数更新処理では、各種乱数カウンタ(例えば、特別図柄の大当り判定用乱数カウンタ等)の更新処理が行われる。このように、所定周期(本実施例では2msec)で乱数更新処理を行うことにより、出玉にかかわる重要な要素である各種乱数の信頼性を担保することが可能となる。メインCPU201は、S319の処理を実行した後、処理を、S320に移す。
S320において、メインCPU201は、スイッチ入力検出処理を行う。このスイッチ入力検出処理の詳細については、図51を参照して後述する。メインCPU201は、S320の処理を実行した後、処理を、S321に移す。
S321において、メインCPU201は、入賞情報コマンド設定処理を行う。この処理では、入賞情報コマンド(払出情報)の設定処理が行われる。メインCPU201は、S321の処理を実行した後、処理を、S322に移す。
S322において、メインCPU201は、演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、送信予約されているコマンドが主制御回路200からサブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S322の処理を実行した後、処理を、S323に移す。
S323において、メインCPU201は、レジスタ退避処理を行う。メインCPU201は、S323の処理を実行した後、処理を、S324に移す。
S324において、メインCPU201は、性能表示モニタ制御処理を行う。この処理では、遊技判定処理、賞球加算判定処理、性能表示モニタ170(図6参照)の表示内容更新処理等が行われる。この処理で格納されるデータは、遊技の進行に必要なデータが格納される作業領域とは別の領域(領域外)、すなわちバックアップされる領域内であって例えばRAMクリアされた場合であってもデータがクリアされない領域に格納される。メインCPU201は、S324の処理を実行した後、処理を、S325に移す。
S325において、メインCPU201は、S323で退避させたレジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S325の処理を実行した後、処理を、S326に移す。
S326において、メインCPU201は、S311で退避させた保護レジスタの復帰処理を行い、システムタイマ割込処理を終了する。
[1-7-6.設定制御処理]
次に、図46を参照して、システムタイマ割込処理(図45参照)中のS316で行われる設定制御処理について説明する。図46は、第1のパチンコ遊技機における設定制御処理の一例を示すフローチャートである。
図46に示されるように、メインCPU201は、先ず、起動制御フラグの値が設定変更を示す値であるか否かを判定する(S331)。
S331において起動制御フラグの値が設定変更を示す値であると判定された場合(S331がYES判定の場合)、メインCPU201は設定変更処理を行う(S332)。この設定変更処理の詳細については、図47を参照して後述する。設定変更処理(S332)の実行後、メインCPU201は、処理を、S335に移す。
一方、S331において起動制御フラグの値が設定変更を示す値でないと判定された場合(S331がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S333に移す。
S333において、メインCPU201は、起動制御フラグの値が設定確認を示す値であるか否かを判定する。
S333において起動制御フラグの値が設定確認を示す値であると判定された場合(S333がYES判定の場合)、メインCPU201は設定確認処理を行う(S334)。この設定確認処理の詳細については、図48を参照して後述する。設定確認処理(S334)の実行後、メインCPU201は、処理をS335に移す。
一方、S333において起動制御フラグの値が設定確認を示す値でないと判定された場合すなわちRAMクリアであると判定された場合(S333がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S337に移す。
S335において、メインCPU201は、設定操作表示処理を行う。この処理では、現在、セットされている設定値の表示処理が行われる。メインCPU201は、S335の処理を実行した後、処理を、S336に移す。
S336において、メインCPU201は、演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、設定変更処理(S332)、設定確認処理(S334)または起動時初期設定処理(図25参照)内で送信予約されているコマンド(初期化コマンド、電断復帰コマンドまたは設定操作コマンド)がサブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S336の処理を実行した後、処理を、S337に移す。
S337において、メインCPU201は、WDT(watchdog timer)の出力処理を行う。この処理(WDT出力処理)では、WDTクリアレジスタアドレスの読込処理、WDTのクリア処理およびWDTのリスタート処理がこの順で行われる。なお、他の処理では記載していないが、このWDT出力処理は適宜行われる。そして、S337の処理後、メインCPU201は、設定制御処理を終了し、処理を、システムタイマ割込処理(図45参照)に戻す。
[1-7-7.設定変更処理]
次に、図47を参照して、設定制御処理(図46参照)中のS332で行われる設定変更処理について説明する。なお、図47は、第1のパチンコ遊技機における設定変更処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、バックアップクリアスイッチ176が押下されたか否かを判定する(S341)。この処理は、I/Oポート205の入力ポートにセットされている情報を読み出して行われる。
S341においてバックアップクリアスイッチ176が押下されていないと判定された場合(S341がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS343に移す。一方、バックアップクリアスイッチ176が押下されたと判定された場合(S341がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S342に移す。
S342において、メインCPU201は、設定値の範囲内更新処理を行う。メインCPU201は、S342の処理を実行した後、処理を、S343に移す。
なお、本実施例では、設定変更処理において、バックアップクリアスイッチ176を操作することによって設定値を変更できるようにしたが、これに代えてまたは加えて、例えば設定スイッチを設けて、この設定スイッチを操作することによって設定値を変更できるようにしてもよい。
S343において、メインCPU201は、設定キー174がオフにされたか否かを判定する(S343)。
S343において設定キー174がオフにされていないと判定された場合(S343がNO判定の場合)、メインCPU201は、設定変更処理を終了し、処理を、設定制御処理(図46参照)に戻す。一方、S343において設定キー174がオフにされたと判定された場合(S343がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S344に移す。
S344において、メインCPU201は、第1通常遊技前処理を行う。この第1通常遊技前処理の詳細については、図49を参照して後述する。なお、上述したとおり、この第1通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。第1通常遊技前処理(S344)の実行後、メインCPU201は、設定変更処理を終了し、処理を、設定制御処理(図46参照)に戻す。
[1-7-8.設定確認処理]
次に、図48を参照して、設定制御処理(図46参照)中のS334で行われる設定確認処理について説明する。なお、図48は、第1のパチンコ遊技機における設定確認処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、設定キー174がオフにされたか否かを判定する(S351)。この判定処理は、上述した設定変更処理(図47参照)中のS343の処理と同様にして行われる。
S351において設定キー174がオフにされていないと判定された場合(S351がNO判定の場合)、メインCPU201は、設定確認処理を終了し、処理を、設定制御処理(図46参照)に戻す。
一方、S351において設定キー174がオフにされたと判定された場合(S351がYES判定の場合)、メインCPU201は、第2通常遊技前処理を行う(S352)。この第2通常遊技前処理の詳細については、図50を参照して後述する。なお、上述したとおり、この第2通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。第2通常遊技前処理(S352)の実行後、メインCPU201は、設定確認処理を終了し、処理を、設定制御処理(図46参照)に戻す。
[1-7-9.第1通常遊技前処理]
次に、図49を参照して、設定変更処理(図47参照)中のS344で行われる第1通常遊技前処理について説明する。図49は、第1のパチンコ遊技機における第1通常遊技前処理の一例を示すフローチャートである。なお、この第1通常遊技前処理は、起動時初期設定処理(図24参照)において、電断復帰、設定変更および設定確認のいずれでもない場合、すなわちRAMクリア時の初期設定処理としても行われる。
メインCPU201は、先ず、初期化時RAM設定処理を行う(S361)。この処理では、電断時にバックアップデータが格納されるメインRAM203内の領域(以下、「バックアップ領域」と称する)のクリア処理(例えば作業領域の構築およびアドレス設定等)が行われる。なお、性能表示モニタ制御処理(図45のS324参照)でデータが格納される領域はクリアされない。また、この処理では、初期データが生成され、生成された初期データは、それぞれ、構築されたメインRAM203内の作業領域に格納される。すなわち、電断時にバックアップされたデータは消去され、遊技状態を、初期化された状態に戻すことが可能となる。なお、図示しないが、この処理では、遊技状態が初期化された状態に戻されることで遊技を開始することが可能となり、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。初期化時RAM設定処理(S361)の実行後、メインCPU201は、処理を、S362に移す。
S362において、メインCPU201は、初期化コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された初期化コマンドは、設定制御処理(図46参照)中の演出制御コマンド送信処理(S336)においてサブ制御回路300に送信される。S362の処理を実行すると、メインCPU201は、第1通常遊技前処理を終了する。この第1通常遊技前処理を終了すると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。
[1-7-10.第2通常遊技前処理]
次に、図50を参照して、設定確認処理(図48参照)中のS352で行われる第2通常遊技前処理について説明する。図50は、第1のパチンコ遊技機における第2通常遊技前処理の一例を示すフローチャートである。なお、この第2通常遊技前処理は、起動時初期設定処理(図24参照)において、電断復帰時の初期設定処理としても実行される。
メインCPU201は、先ず、電断復帰時RAM設定処理を行う(S371)。この処理では、例えば、メインRAM203内のバックアップ領域に格納されているデータが読み出され、読み出されたデータは、それぞれ、構築されたメインRAM203内の作業領域に格納される。上記データは、例えば、遊技状態情報、特別図柄や普通図柄の当りフラグのオン/オフ状態や保留数情報等、遊技を進行する上で必要となる各種情報である。すなわち、電断時にバックアップされたデータを再びメインRAM203内の作業領域に復帰させることで、電断前と同じ遊技状態に戻すことが可能となる。なお、図示しないが、この処理では、電断前と同じ遊技状態に戻されることで遊技を開始することが可能となり、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。メインCPU201は、電断復帰時RAM設定処理(S371)の実行後、処理を、S372に移す。
S372において、メインCPU201は、確変フラグがオンであるか否かを判定する。この処理は、メインRAM203内の作業領域に格納されたデータを読み込んで行われる。
S372において確変フラグがオンでないと判定された場合(S372がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS374に移す。
一方。S372において確変フラグがオンであると判定された場合(S372がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S373に移す。
S373において、メインCPU201は、確変報知フラグをオンにセットする。これは、電断復帰時における確変フラグの状態を報知するために行われる。確変報知フラグがオンである場合、メインCPU201は、例えば確変報知LED(不図示)が点灯されるよう制御する。これにより、電断復帰時に確変フラグがオンであるか否かを外観で把握することが可能となる。メインCPU201は、S373の処理を実行した後、処理を、S374に移す。
S374において、メインCPU201は、電断復帰コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された電断復帰コマンドは、設定制御処理(図46参照)中の演出制御コマンド送信処理(S336)においてサブ制御回路300に送信される。S374の処理を実行すると、メインCPU201は、第2通常遊技前処理を終了する。
[1-7-11.スイッチ入力検出処理]
図51は、メインCPU201によるスイッチ入力検出処理の一例を示すフローチャートである。スイッチ入力検出処理は、上述したシステムタイマ割込処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。図51に示すように、メインCPU201は、始動口入賞検出処理を実行する(S381)。メインCPU201は、S381の処理を実行した後、処理を、S382に移す。始動口入賞検出処理については、図52を参照して後述する。
次に、メインCPU201は、一般入賞口通過検出処理を行う(S382)。一般入賞口通過検出処理では、例えば一般入賞口122への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。メインCPU201は、S382の処理を実行した後、処理を、S383に移す。
次に、メインCPU201は、大入賞口通過検出処理を行う(S383)。大入賞口通過検出処理では、例えば大入賞口131への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。メインCPU201は、S383の処理を実行した後、処理を、S384に移す。
次に、メインCPU201は、球通過検出処理を行う(S384)。球通過検出処理では、通過ゲート126への遊技球の通過検出を通過ゲートスイッチ127に検出されたことに基づいて普通図柄についての各種乱数値(普通図柄の当り判定用乱数値等)を抽出する。なお、メインRAM203は、通過ゲート126への遊技球の通過に基づいて抽出された各種乱数値(普通図柄の当り判定用乱数値等)を、普通図柄の始動条件が成立するまで保留する普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)を有する。そして、球通過検出処理では、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否か、すなわち、通過ゲート126への遊技球の通過に基づいて抽出された普通図柄の保留個数が例えば4個未満であるか否かの判定も行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、スイッチ入力検出処理を終了する。
[1-7-12.始動口入賞検出処理]
図52は、メインCPU201による始動口入賞検出処理の一例を示すフローチャートである。始動口入賞検出処理は、上述したスイッチ入力検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。
図52に示すように、メインCPU201は、先ず、第1始動口スイッチ121で遊技球を検出したか否かを判定する(S391)。
第1始動口スイッチ121で遊技球を検出していないと判定された場合(S391がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S398に移す。
一方、第1始動口スイッチ121で遊技球を検出したと判定された場合(S391がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S392に移す。
S392において、メインCPU201は、各種乱数値(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)を抽出するとともに、第1始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。メインCPU201は、S392の処理を実行した後、処理を、S393に移す。
S393において、メインCPU201は、第1始動口120への入賞に基づいて抽出された第1特別図柄の保留個数が例えば4個未満であるか否かを判定する。メインRAM203は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて抽出された各種乱数を、始動条件が成立するまで保留する第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)を有しており、この処理では、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かが判定される。なお、メインRAM203は、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)の他に第1特別図柄始動記憶領域(0)も有するが、これについては後述する。
第1特別図柄の保留個数が4個未満でない、すなわち上限の4個である場合(S393がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S398に移す。
一方、第1特別図柄の保留個数が4個未満である場合(S393がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S394に移す。
S394において、メインCPU201は、第1特別図柄の保留個数を1加算する処理を行う。メインCPU201は、S394の処理を実行した後、処理を、S395に移す。
S395において、メインCPU201は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数値を、第1特別図柄の変動開始条件が成立するまでメインRAM203に格納する処理を行う。これにより、抽出した乱数についての第1特別図柄の変動表示が、変動開始条件が成立するまで保留される。メインCPU201は、S395の処理を実行した後、処理を、S396に移す。
S396において、メインCPU201は、先読み判定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(図28のS93参照)に先だって、S392で抽出した乱数値を用いて、特別図柄の変動パターンを決定したり、当り判定処理等を行う処理である。また、先読みフラグが設定されているか否かも判定する。
なお、先読み判定処理は、S392で乱数値を抽出してから特別図柄の当り判定処理が実行されるまでの間であれば、任意のタイミングで行ってよいが、特別図柄の可変表示が開始されるまでに、サブ制御回路300により先読み演出を行うことに鑑みると、例えばS395の処理の前後付近で行うことが好ましい。メインCPU201は、S396の処理を実行した後、処理を、S397に移す。
S397において、メインCPU201は、第1特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う。第1特別図柄の入賞コマンドは、第1特別図柄の保留個数を1増加する情報や、第1特別図柄の変動パターン情報(すなわち特別図柄の変動パターンコマンド)等を含むコマンドであり、この処理で送信予約された第1特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S397の処理を実行した後、処理を、S398に移す。
S398において、メインCPU201は、第2始動口スイッチ141で遊技球を検出したか否かを判定する。
第2始動口スイッチ141で遊技球を検出していないと判定された場合(S398がNO判定の場合)、メインCPU201は、始動口入賞検出処理を終了し、処理を、スイッチ入力検出処理(図51参照)に戻す。
一方、第2始動口スイッチ141で遊技球を検出したと判定された場合(S398がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S399に移す。
S399において、メインCPU201は、各種乱数値(例えば、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、第2特別図柄の図柄乱数値、第2特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第2特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)を抽出するとともに、第2始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。メインCPU201は、S399の処理を実行した後、処理を、S400に移す。
S400において、メインCPU201は、第2始動口140への入賞に基づいて抽出された第2特別図柄の保留個数が例えば4個未満であるか否かを判定する。
なお、メインRAM203は、第2始動口140への遊技球の入賞に基づいて抽出された各種乱数値を、始動条件が成立するまで保留する第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)を有しており、この処理では、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かが判定される。なお、メインRAM203は、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)の他に第2特別図柄始動記憶領域(0)も有するが、これについては後述する。
第2特別図柄の保留個数が4個未満でない、すなわち上限の4個である場合(S400がNO判定の場合)、メインCPU201は、始動口入賞検出処理を終了し、処理を、スイッチ入力検出処理(図51参照)に戻す。
一方、第2特別図柄の保留個数が4個未満である場合(S400がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S401に移す。
S401において、メインCPU201は、第2特別図柄の保留個数を1加算する処理を行う。メインCPU201は、S401の処理を実行した後、処理を、S402に移す。
S402において、メインCPU201は、第2始動口140への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数値を、第2特別図柄の変動開始条件が成立するまでメインRAM203に格納する処理を行う。これにより、抽出した乱数についての第2特別図柄の変動表示が、変動開始条件が成立するまで保留される。メインCPU201は、S402の処理を実行した後、処理を、S403に移す。
S403において、メインCPU201は、第2特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う(S403)。第2特別図柄の入賞コマンドは、第2特別図柄の保留個数を1増加する情報や、第2特別図柄の変動パターン情報等を含むコマンドであり、この処理で送信予約された第2特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S403の処理を実行した後、始動口入賞検出処理を終了し、処理を、スイッチ入力検出処理(図51参照)に戻す。
[1-8.サブ制御処理]
次に、図53を参照して、サブ制御回路300のサブCPU301により実行される各種処理の内容について説明する。
図53は、第1のパチンコ遊技機におけるサブ制御回路処理の一例を示すフローチャートである。
図53に示すように、サブCPU301は、先ず、初期化処理を行う(S501)。この初期化処理では、例えば、RAMアクセス許可、作業領域の初期化、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化、バックアップ復帰初期化等といった初期化処理が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S502に移す。
なお、上述の初期化処理(S501)は、電源投入時やバックアップクリア時に実行される処理であり、電源投入後は、後述のS502~S508の処理が繰り返し実行される。
S502において、サブCPU301は、コマンド入力ポート308(図6参照)の読込処理を行う。この処理では、コマンド入力ポート308にセットされている主制御回路200(図6参照)から送信されたコマンドを読み出して行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S503に移す。
S503において、サブCPU301は、コマンド解析処理を実行する。この処理では、S502の処理で読み込まれたコマンドの解析が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S504に移す。
S504において、サブCPU301は、演出態様決定処理を実行する。この処理では、例えば、メインCPU201から送信された入賞コマンドに基づいて、表示装置7(図4、図6参照)に表示される表示演出の態様や、スピーカ32(図6参照)から出力される音演出の態様等が決定される。
演出態様決定処理(S504)において、サブCPU301は、演出内容の指定情報を含むアニメーションリクエストを生成し、生成されたアニメーションリクエストに基づいて、各種演出装置を動作させるための各種リクエスト(例えば、描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト、および、役物リクエスト等)を生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S505に移す。
S505において、サブCPU301は、描画制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、描画リクエストを表示制御回路304(図6参照)に送信する。表示制御回路304は、サブCPU301から送信されたメッセージ(描画リクエスト)に基づいて、表示装置7の表示領域に画像を表示させるための描画制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S506に移す。
S506において、サブCPU301は、音声制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、サウンドリクエストを音声制御回路305(図6参照)に送信する。音声制御回路305は、サブCPU301から送信されたメッセージ(サウンドリクエスト)に基づいて、スピーカ32に音声を出力させるための音声制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S507に移す。
S507において、サブCPU301は、LED制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、LEDリクエストをLED制御回路306(図6参照)に送信する。LED制御回路306は、サブCPU301から送信されたメッセージ(LEDリクエスト)に基づいて、LED群46を構成するLEDの全部または一部を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S508に移す。
S508において、サブCPU301は、役物制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、役物リクエストを役物制御回路307(図6参照)に送信する。役物制御回路307は、サブCPU301から送信されたメッセージ(役物リクエスト)に基づいて、演出用役物群58を構成する全部または一部の役物にかかる演出用駆動モータ(不図示)を動作させるための駆動制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、サブ制御回路メイン処理を終了する。
[1-9.サブ制御回路による演出態様決定処理の具体例]
サブ制御回路300(より詳しくはサブCPU301)は、主制御回路200から送信された入賞コマンドに基づいて、演出態様決定処理(図53のS504を参照)を行う。
サブCPU301は、演出態様決定処理において行われる各種処理のうちの一処理として、例えば、今回の特別図柄変動(以下「当該変動」と称する)に対応するサブ変動演出の演出パターン(以下「サブ変動演出パターン」と称する)を決定するサブ変動演出パターン決定処理や、先読み演出の演出パターン(以下「先読み演出パターン」と称する)を決定する先読み演出パターン決定処理等を行う。また、演出態様決定処理では、天井カウンタが天井値に近付いていることを示唆する例えばカウントダウン演出の演出態様や、天井カウンタが天井値に到達したことを示唆するB時短遊技状態移行演出の演出態様の決定処理等、遊技の進行にかかわる様々な演出態様の決定処理についても行われる。
サブ変動演出パターン決定処理は、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて行われる。サブ変動演出パターンは、当該変動の結果期待度を示す演出として、特別図柄の可変表示に伴ってサブCPU301により表示装置7の表示領域にて行われる演出パターン(例えば、装飾図柄の変動パターンやキャラクタ演出のパターン等)である。
サブ変動演出では、実行されるサブ変動演出パターンに応じて、特別図柄の可変表示が開始されてから特別図柄が停止するまでの時間の経過に伴って、特別図柄の当り判定処理の結果に対する期待度が維持または上昇することを示すことが可能である。
サブ変動演出パターンには、例えば後述の図54に示されるように、時短当り系リーチA,B,C、大当り系リーチA,B,C、および共通リーチA,B,C,D,E等が含まれる。上述したとおり、時短当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理(図28のS93参照)の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。大当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。共通リーチA,B,C,D,Eは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。
なお、例えば、B時短遊技状態への移行タイミングを示唆するカウントダウン演出の実行タイミングと、リーチ演出の実行タイミングとが重なった場合、サブCPU301は、いずれかの演出を優先して実行するようにするとよい。
先読み演出パターン決定処理は、先読み判定処理の結果として決定された例えば特別図柄の変動パターンに基づいて行われる。先読み演出は、先読み判定処理の結果に対する期待度を示す演出として、保留状態にあるとき(すなわち、第1始動口120に入賞した後、この入賞に基づいて抽出された各種乱数値等の始動情報が特別図柄の当り判定処理に供される(特別図柄の可変表示が開始される)までの間)に、サブCPU301により表示装置7の表示領域にて行われる演出パターンである。
先読み演出では、実行される先読み演出パターンに応じて、保留状態にあるときに、時間の経過(より詳しくは、先行して保留された始動情報についての可変表示の進行)に伴って、先読み判定処理の結果に対する期待度が維持または上昇することを示すことが可能である。
先読み演出は、例えば、表示装置7に表示される保留画像を用いて行われる。保留画像は、現在の保留状況を示す画像である。
先読み演出パターンには、先読み判定処理すなわち特別図柄の当り判定処理の結果種別(時短当りであるか大当りであるか)に対する期待値を示唆することが可能な先読み当り種別演出パターンと、特別図柄の当り判定処理の結果が当り(大当りまたは時短当り)であることに対する期待値を示唆することが可能な先読み期待値演出パターンとが含まれる。すなわち、先読み演出では、特別図柄の当り判定処理の結果種別に対する期待値と、特別図柄の当り判定処理の結果が当りであることに対する期待値と、の両方またはいずれか一方を示唆することが可能である。また、先読み演出パターン決定処理(後述の図59参照)では、先読み当り種別演出パターン決定処理(後述の図59のS3006参照)と、先読み期待値演出パターン決定処理(後述の図59のS3008、S3009参照)とが行われる。先読み当り種別演出パターン、先読み期待値演出パターン、先読み当り種別演出パターン決定処理、および先読み期待値演出パターン決定処理の具体例については後述する。
[1ー9-1.サブ変動演出パターン決定処理]
先ず、サブ変動演出パターン決定処理について説明する。図54は、時短フラグがオフの遊技状態(通常遊技状態)におけるサブ変動演出パターン決定テーブル(詳細な説明は省略)の一例である。このサブ変動演出パターン決定テーブルは、第1のパチンコ遊技機が備えるサブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている。なお、プログラムROM302には、時短フラグがオンの遊技状態(高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)におけるサブ変動演出パターン決定テーブルも記憶されているが、ここでは説明を省略する。
サブCPU301は、図54の通常遊技状態におけるサブ変動演出パターン決定テーブルを参照し、主制御回路200から送信された特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、当該変動に対応する変動演出パターンとして、表示装置7に表示されるサブ変動演出パターン(図54において「変動パターン」と図示されている)を決定する。上述したとおり、本実施例では、サブ変動演出パターンに、時短当り系リーチA,B,C、大当り系リーチA,B,C、および共通リーチA,B,C,D,Eが含まれている。
時短当り系リーチA,B,Cは、上述したとおり時短当りの可能性があることを示すリーチ演出であり、外観上も、時短当りの可能性があることを把握できるリーチ演出である。時短当り系リーチAは、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレや大当りである場合には表示されず、「時短当り」である場合に限り表示される時短当り確定リーチ演出である(図15参照)。この時短当り系リーチAは、先読み対象のサブ変動演出パターンではないが、これに限られず、先読み態様のサブ変動演出パターンとしてもよい。時短当り系リーチBと時短当り系リーチCとは、外観上の演出態様は同じまたは略同じである。ただし、時短当り系リーチBは先読み対象のサブ変動演出パターンでないのに対し、時短当り系リーチCは先読み対象のサブ変動演出パターンである(図15の「先読みフラグ」の欄、図54、および後述の図55を参照)。
大当り系リーチA,B,Cは、上述したとおり大当りの可能性があることを示すリーチ演出であり、外観上も、大当りの可能性があることを把握できるリーチ演出である。大当り系リーチAは、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレや「時短当り」である場合には表示されず、「時短当り」である場合に限り表示される大当り確定リーチ演出である(図15参照)。この大当り系リーチAは、先読み対象のサブ変動演出パターンではないが、これに限られず、先読み態様のサブ変動演出パターンとしてもよい。大当り系リーチBと大当り系リーチCとは、外観上の演出態様は同じまたは略同じである。ただし、大当り系リーチBは先読み対象のサブ変動演出パターンでないのに対し、大当り系リーチCは先読み対象のサブ変動演出パターンである(図15の「先読みフラグ」の欄を参照)。
共通リーチA,B,C,D,Eは、上述したとおり大当りおよび時短当りの何れの可能性もあることを示すリーチ演出であり、外観上は、時短当りの可能性があるのか大当りの可能性があるのかを把握することが困難なリーチ演出態様である。共通リーチAは、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合には表示されず、大当りまたは「時短当り」である場合に限り表示される当り(大当り、時短当り)確定リーチ演出である(図15参照)。共通リーチBと共通リーチCとは、外観上の演出態様は同じまたは略同じである。また、共通リーチDは、共通リーチCから時短当り系リーチCに発展する演出である。さらに、共通リーチEは、共通リーチCから大当り系リーチCに発展する演出である。なお、共通リーチAおよび共通リーチBは先読み対象のサブ変動演出パターンでないのに対し、共通リーチC、共通リーチD、および共通リーチEは先読み対象のサブ変動演出パターンである(図15の「先読みフラグ」の欄を参照)。
このように、サブCPU301は、サブ変動演出パターン決定テーブル(図54参照)を参照し、メインCPU201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、サブ変動演出パターンを決定する。そして、サブCPU301は、決定されたサブ変動演出パターンが表示装置7に表示されるよう制御する。
[1-9-2.先読み演出パターン決定処理]
次に、先読み演出パターン決定処理として行われる、先読み当り種別演出パターン決定処理、および先読み期待値演出パターン決定処理について説明する。
なお、ワークRAM303(図6参照)には、メインRAM203に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)、第1特別図柄始動記憶領域(1)、第1特別図柄始動記憶領域(2)、第1特別図柄始動記憶領域(3)、および第1特別図柄始動記憶領域(4)のそれぞれに対応する領域として、第1サブ保留領域(0)、第1サブ保留領域(1)、第1サブ保留領域(2)、第1サブ保留領域(3)、および第1サブ保留領域(4)が設けられている。第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)、および第1サブ保留領域(1)~第1サブ保留領域(4)には、抽出した乱数値にかかわる各種保留情報が格納されている。また、第1特別図柄始動記憶領域(0)および第1サブ保留領域(0)には、当該変動に対応する情報が格納されている。サブCPU301は、第1始動口入賞の入賞コマンドを受信すると、受信した情報を、今回の第1特別図柄始動記憶領域に対応する第1サブ保留領域に格納する。
また、ワークRAM303には、メインRAM203に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)、第2特別図柄始動記憶領域(1)、第2特別図柄始動記憶領域(2)、第2特別図柄始動記憶領域(3)、および第2特別図柄始動記憶領域(4)のそれぞれに対応する領域として、第2サブ保留領域(0)、第2サブ保留領域(1)、第2サブ保留領域(2)、第2サブ保留領域(3)、および第2サブ保留領域(4)が設けられている。
本実施例では、通常遊技状態において第1特別図柄についての先読み演出が行われるものとするが、これに限られず、他の遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)で行われるようにしてもよいし、第2特別図柄について行われるようにしてもよい。
先読み演出は、例えば、表示装置7の表示領域に表示される保留画像を用いて行われる。表示装置7の表示領域には、保留画像を表示する領域として、第1サブ保留領域(0)に対応する第0領域、第1サブ保留領域(1)に対応する第1保留領域、第1サブ保留領域(2)に対応する第2保留領域、第1サブ保留領域(3)に対応する第3保留領域、および第1サブ保留領域(4)に対応する第4保留領域が設けられている。
[1-9-2-1.先読み当り種別演出パターン決定処理において参照されるテーブル]
先ず、先読み当り種別演出パターン決定処理において参照されるテーブルについて説明する。
ところで、決定された先読み当り種別演出パターンで先読み演出が実行される保留画像の形態には、時短当りの可能性があることを示す時短当り系先読み演出形態と、大当りの可能性があることを示す大当り系先読み演出形態と、時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態とが含まれる。
先読み当り種別演出パターンは、保留画像の形態を、例えば、共通当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に変化させたり、共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化させたりすることにより、特別図柄の当り判定処理の結果種別に対する期待値の変化を示唆することが可能な演出パターンである。
図55は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブルの一例である。この図55では、図54に示される変動パターンのうち先読み対象の変動パターンのみを示している。また、図56は、先読み当り種別演出パターン決定テーブルの一例である。なお、これらのテーブルは、第1のパチンコ遊技機が備えるサブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている。
図55の先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブルに示されるように、先読みフラグが設定されている変動パターンをサブCPU301が受信すると、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号を、例えば、変動パターンと保留数とに基づいて決定する。ここでいう保留数は、先読み対象の始動情報を含む。すなわち、第1始動口120への入賞に基づいて抽出された始動情報が保留された場合、保留後の保留数が、図55に示される保留数に相当する。
例えば、変動パターンが「03H」であって保留数が「3」の場合、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号は「3」に決定される。また、例えば変動パターンが「0EH」であって保留数が「2」の場合、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号は「22」に決定される。
先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が決定されると、サブCPU301は、図56の先読み当り種別演出パターン決定テーブルを参照し、先読み当り種別演出パターンを決定する。詳述すると、図56の先読み当り種別演出パターン決定テーブルに示されるように、例えば、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号と、サブ演出選択用乱数値1とに基づいて、先読み当り種別演出パターンが決定される。
なお、図56では、便宜上、「先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号」を「SASPT番号」と示し、「先読み当り種別演出パターン」を「SAS演出パターン」と示している。サブ演出選択用乱数値1は、例えば特別図柄の変動パターンコマンドを受信したとき等、所定の契機に基づいてサブCPU301により抽出される乱数値である。
例えば、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が「3」であって抽出したサブ演出選択用乱数値1が「55」の場合、先読み当り種別演出パターンは「07H」に決定される。また、例えば先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が「7」であって抽出したサブ演出選択用乱数値1が「77」の場合、先読み当り種別演出パターンは「16H」に決定される。
なお、図56の備考(保留対応)の欄に示される「1」~「4」は、それぞれ、第1保留領域~第4保留領域を示す。
また、図56の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号とサブ演出選択用乱数値1とに対応して示される「A」は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性があることを示す時短当り系先読み演出形態で保留画像が表示されることを示す。時短当り系先読み演出形態で保留画像が表示されると、外観上、時短当りの可能性があることを把握できる。
また、図56の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号とサブ演出選択用乱数値1とに対応して示される「B」は、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性があることを示す大当り系先読み演出形態で保留画像が表示されることを示す。大当り系先読み演出形態で保留画像が表示されると、外観上、大当りの可能性があることを把握できる。
また、図56の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号とサブ演出選択用乱数値1とに対応して示される「C」は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態で保留画像が表示されることを示す。共通当り系先読み演出形態で保留画像が表示されると、外観上、時短当りの可能性があるのか大当りの可能性があるのかを把握することが困難である。
例えば、先読み当り種別演出パターンが例えば「07H」に決定された場合、第3保留領域では共通当り系先読み演出形態が表示され、第3保留領域からシフト後の第2保留領域においても共通当り系先読み演出形態が表示される。そして、第2保留領域から第1保留領域にシフトする際に共通当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に変化し、第1保留領域では「A」の時短当り系先読み演出形態が表示される。
また、先読み当り種別演出パターンが例えば「16H」に決定された場合、第3保留領域では「C」の共通当り系先読み演出形態が表示される。そして、第3保留領域から第2保留領域にシフトする際に共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化、第2保留領域、および第2保留領域からシフトされた後の第1保留領域では、「B」の大当り系先読み演出形態が表示される。
すなわち、先読み当り種別演出パターンには、図56に示されるように、以下のイ)~ホ)のパターンが含まれる。なお、本実施例では、大当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に変化するパターン、および時短当り系先読み演出形態から大短当り先読み演出形態に変化するパターンについては、先読み当り種別演出パターンに含まれないが、これらのパターンを先読み当り種別演出パターンに含むようにしてもよい。
イ)保留された時点で時短当り系先読み演出形態が表示され、その後も演出形態が変化することなく、時短当り系先読み演出形態が表示される先読み時短当り演出パターン(例えば、先読み当り種別演出パターン「09H」)。
ロ)保留された時点で大当り系先読み演出形態が表示され、その後も演出形態が変化することなく、大当り系先読み演出形態が表示される先読み大当り演出パターン(例えば、先読み当り種別演出パターン「17H」)。
ハ)保留された時点では共通当り系先読み演出形態が表示され、その後、時短当り系先読み演出形態に変化する先読み共通当り演出パターンA(例えば、先読み当り種別演出パターン「24H」)。
ニ)保留された時点では共通当り系先読み演出形態で表示され、その後、大当り系先読み演出形態に変化する先読み共通当り演出パターンB(例えば、先読み当り種別演出パターン「12H」)。
ホ)保留された時点では共通当り系先読み演出形態で表示され、その後も演出形態が変化することなく、共通当り系先読み演出形態が表示される先読み共通当り演出パターンC(例えば、先読み当り種別演出パターン「06H」)。
このように、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブル(例えば、図55参照)を参照し、変動パターンと保留数とに基づいて、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号(SASPT番号)を決定する。そして、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル(図56参照)を参照し、決定された先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号(SASPT番号)とサブ演出選択用乱数値1とに基づいて、先読み当り種別演出パターン(SAS演出パターン)を決定する。
なお、図56では、保留された時点では「A」の時短当り系先読み演出形態が表示され、その後、「B」の大当り系先読み演出形態に変化する先読み当り種別演出パターンについては示されていないが、このように、「A」の時短当り系先読み演出形態から「B」の大当り系先読み演出形態に変化する先読み当り種別演出パターンがサブCPU301により決定されるようにしてもよい。このようにすることで、先読み演出によって遊技者に与えうる興趣を高めることが可能となる。
また、図56では、「B」の大当り系先読み演出形態は、上述したとおり、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(すなわちハズレの場合もある)ことを示す大当り系先読み演出形態であるが、これに加えて、特別図柄の当り判定処理の結果が大当り確定であることを示す大当り確定先読み演出形態が表示されるようにしてもよい。この場合、サブCPU301により決定される先読み当り種別演出パターンに、以下のヘ)~チ)の先読み種別演出パターンのいずれかまたは全部が含まれるようにしてもよい。
ヘ)保留された時点で大当り確定先読み演出形態が表示され、その後も演出形態が変化することなく、大当り確定先読み演出形態が表示される先読み大当り確定演出パターンA。
ト)保留された時点では他の先読み演出形態(例えば、「A」の時短当り系先読み演出形態、「B」の大当り系先読み演出形態、「C」の共通当り系先読み演出形態等)が表示され、その後、大当り確定先読み演出形態に変化する先読み大当り確定演出パターンB。
チ)保留された時点では他の先読み演出形態(例えば、「A」の時短当り系先読み演出形態、「C」の共通当り系先読み演出形態等)が表示され、その後、「B」の大当り系先読み演出形態が表示され、さらにその後、大当り確定先読み演出形態に変化する先読み大当り確定演出パターンC。
また、図56では、「A」の時短当り系先読み演出形態と「B」の大当り系先読み演出形態と「C」の共通当り系先読み演出形態とのうち、保留された時点では「C」の共通当り系先読み演出形態の表示頻度が最も高いが、これに限られない。例えば、保留された時点では「A」の時短当り系先読み演出形態の表示頻度が最も高くなるようにしてもよいし、保留された時点では「B」の大当り系先読み演出形態の表示頻度が最も高くなるようにしてもよい。さらには、保留された時点では「C」の共通当り系先読み演出形態の表示頻度が最も低くなるようにしてもよい。
また、図56では、全ての「先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号(SASPT番号)」に対して所定幅のサブ演出選択用乱数値1を割り当てているが、これに限られず、特定のSASPT番号に対してのみサブ演出選択用乱数値を割り当てない(すなわち、特定のSASPT番号の振分率を0にして選択されない)ようにしてもよい。
[1-9-2-2.先読み期待値演出パターン決定処理において参照されるテーブル]
次に、先読み期待値演出パターン決定処理において参照されるテーブルについて説明する。
図57は、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合に参照される、先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)の一例である。また、図58は、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合に参照される、先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)の一例である。
ところで、決定された先読み期待値演出パターンで先読み演出が実行される保留画像の形態は、当り(時短当り、大当り)に対する期待値に応じて演出形態が異なる。
時短当り系先読み演出形態として保留画像が表示される場合、例えば、通常は三角形であらわされる保留画像を、「四角形<五角形<六角形<円<星」といったように保留画像の形状を変化させることによって期待値の変化をあらわすことができる。この場合、保留画像が四角形である場合に期待値が最も低く、星である場合に期待値が最も高い。
また、大当り系先読み演出形態として保留画像が表示される場合、例えば、通常は白であらわされる保留画像を、「青<黄<緑<赤<虹」といったように保留画像の色を変化させることによって期待値の変化をあらわすことができる。この場合、保留画像が青である場合には期待値が最も低く、保留画像が虹である場合には期待値が最も高い。
なお、詳細は後述するが、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態として保留画像が表示される場合については、保留画像を、例えば、大当りに対する期待値レベルを示す色と、時短当りに対する期待値レベルを示す形状との両方であらわすようにしてもよいし、専用の共通当り系先読み演出形態であらわすようにしてもよい。
先読み演出が行われる保留画像は、期待値が相対的に低い演出形態から期待値が相対的に高い演出形態に変化可能であるものの、期待値が相対的に高い演出形態から期待値が相対的に低い演出形態には変化しない方が好ましい。また、保留画像の演出形態を変化させる際、必ずしも、「四角形<五角形<六角形<円<星」や「青<黄<緑<赤<虹」の順に1つずつ変化させていく必要はなく、例えば「五角形→円」や「黄→虹」に変化させてもよい。また、保留画像の形態を、必ずしも、最も期待値の低い四角形や青から開始させる必要はなく、例えば円や赤から開始させるようにしてもよい。
なお、図57の備考(保留対応)の欄に示される「1」~「4」は、図56と同様に、それぞれ、第1保留領域~第4保留領域を示す。
また、図57の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号と、サブ演出選択用乱数値2とに対応して示される「0」~「5」は、当り(時短当り、大当り)に対する期待値の高さを示している。例えば、上述の「三角形」および「白」が「0」に相当し、上述の「四角形」および「青」が「1」に相当し、上述の「五角形」および「黄」が「2」に相当し、上述の「六角形」および「緑」が「3」に相当し、上述の「円」および「赤」が「4」に相当し、上述の「星」および「虹」が「5」に相当する。
以下、図57の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号と、サブ演出選択用乱数値2とに対応して示される「0」~「5」を、期待値レベル「0」~「5」と称する。
特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合の先読み期待値演出パターンは、図57の先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)に示されるように、例えば、保留数と、サブ演出選択用乱数値2とに基づいて決定される。同様に、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合、先読み期待値演出パターンは、図58の先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)に示されるように、例えば、保留数と、サブ演出選択用乱数値2とに基づいて決定される。サブ演出選択用乱数値2は、例えば特別図柄の変動パターンコマンドを受信したとき等、所定の契機に基づいてサブCPU301により抽出される乱数値である。なお、図57および図58では、保留数が「1」~「3」の場合についてのみ図示し、保留数が「4」の場合の図示を、便宜上、省略している。
例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであって、保留数が「3」、サブ演出選択用乱数値2が「750」の場合、先読み期待値演出パターンは「43H」に決定される。先読み期待値演出パターンが例えば「43H」に決定された場合、第3保留領域では期待値レベルが「2」、第3保留領域から第2保留領域にシフトする際に期待値レベルが「2」から「3」に変化し、第2保留領域から第1保留領域にシフトする際に期待値レベルが「3」から「5」に変化する。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであって、保留数が「3」、サブ演出選択用乱数値2が「680」の場合、先読み期待値演出パターンは「3FH」に決定される。先読み期待値演出パターンが例えば「3FH」に決定された場合、第3保留領域では期待値レベルが「2」、第2保留領域では期待値レベルが「2」、第2保留領域から第1保留領域にシフトする際に期待値レベルが「2」から「4」に変化する。
このように、サブCPU301は、特別図柄当り判定処理の結果に基づいて、先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)(図57参照)または先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)(図58参照)を参照し、保留数とサブ演出選択用乱数値2とに基づいて、先読み期待値演出パターンを決定する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合、各先読み期待値演出パターンの振分率は、図57に示される振分率に限られず、適宜変更可能である。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、期待値レベルが相対的に低い先読み期待値演出パターン(例えば、「01H」や「0BH」等)の選択率を高くする等により偏りを持たせているが、これに限られず、例えば均等振分にする等、適宜変更可能である。
また、図57や図58では、全ての「先読み期待値演出パターン」に対して所定幅のサブ演出選択用乱数値2を割り当てているが、これに限られず、特定の「先読み期待値演出パターン」に対してのみサブ演出選択用乱数値2を割り当てない(すなわち、特定の「先読み期待値演出パターン」の振分率を0にして選択されない)ようにしてもよい。
[1-9-3.先読み演出パターン決定処理]
次に、図54~図58の各テーブルを参照してサブCPU301により実行される先読み演出パターン決定処理について、図59を参照して説明する。図59は、サブCPU301により実行される先読み演出パターン決定処理を示すフローチャートの一例である。なお、上述したとおり、本実施例において、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態においてのみ実行するが、これに限定されるものではない。
サブCPU301は、先ず、メインCPU201から送信される入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S3001)。
入賞コマンドを受信していない場合(S3001がNO判定の場合)、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を終了する。
一方、入賞コマンドを受信したと判定された場合(S3001がYES判定の場合)、サブCPU301は、処理を、S3002に移す。
S3002において、サブCPU301は、先読み対象の保留が現時点でないか否か、すなわち、現在の保留に対して先読み演出が実行されているか否かを判定する。保留が複数存在する場合、複数の保留画像において先読み演出を行ってもよいが、本実施例では、1個の保留画像に対してのみ先読み演出を行うようにしている。
現在の保留に対して先読み演出が実行されている場合(S3002がNO判定の場合)、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を終了する。
一方、現在の保留に対して先読み演出が実行されていない場合(S3002がYES判定の場合)、サブCPU301は、処理を、S3003に移す。
S3003において、サブCPU301は、入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象であるか否か(図55参照)を判定する。
入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象でない場合(S3003がNO判定の場合)、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を終了する。
一方、入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象である場合(S3003がYES判定の場合)、サブCPU301は、処理を、S3004に移す。
S3004において、サブCPU301は、天井値と天井カウンタとの差が例えば保留可能な上限数(例えば、4または8)より大きいか否かを判定する。この処理は、先読み演出を行ったにもかかわらず、先読み演出を行った保留について特別図柄の可変表示が実行される前に、B時短遊技状態に移行してしまうことを回避するためである。これにより、興趣の低下を抑制することが可能となる。サブCPU301は、この処理を実行した後、処理を、S3005に移す。
なお、本実施例では、S3004において、天井値と天井カウンタとの差が保留可能な上限数よりも大きいか否かを判定しているが、これに限られず、入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象である場合(S3003がYES判定である場合)に、先読み対象を含めた保留数よりも大きいか否かを判定するようにしてもよい。また、天井値および天井カウンタは、メインCPU201から情報をコマンドとして受信してもよいし、メインCPU201とは別にサブCPU301が管理してもよい。
S3005において、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定処理を行う。この処理では、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブル(図55参照)を参照し、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が決定される。サブCPU301は、この処理を実行した後、処理を、S3006に移す。
S3006において、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定処理を行う。この処理では、先読み当り種別演出パターン決定テーブル(図56参照)を参照し、先読み当り種別演出パターンが決定される。サブCPU301は、この処理を実行した後、処理を、S3007に移す。
S3007において、サブCPU301は、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」であるか否かを判定する。この処理では、メインCPU201から送信された入賞コマンドで受け取った変動パターン情報に基づいて特別図柄の当り判定処理の結果を判定し、この結果が「時短当り」または「大当り」である場合にYES判定される。ただしこれに限られず、特別図柄の当落情報をメインCPU201からサブCPU301に送信することで、「時短当り」または「大当り」を判定するようにしてもよい。
特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合(S3007がYES判定)、サブCPU301は、処理を、S3008に移す。
一方、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」および「大当り」のいずれでもない場合(S3007がNO判定)、サブCPU301は、処理を、S3009に移す。
S3008において、サブCPU301は、先読み期待値演出パターン(当り時)決定処理を行う。この処理では、図57の先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)を参照し、先読み演出パターン(当り時)を決定する。サブCPU301は、この処理を実行した後、先読み演出パターン決定処理を修了する。
また、S3009において、サブCPU301は、ハズレ時先読み演出パターン決定処理を行う。この処理では、図58の先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)を参照し、先読み期待値演出パターン(ハズレ時)を決定する。サブCPU301は、この処理を実行した後、先読み演出パターン決定処理を修了する。
[1-9-4.先読み演出が行われることによる作用効果、先読み演出の拡張例]
上述した先読み演出では、保留画像の形態変化により、大当り系先読み演出形態と時短当り系先読み演出形態とのいずれに変化していくのかといった面白みのみならず、当り(大当り、時短当り)の期待値レベルを変化させることが可能であり、これまでにない新たな演出を行うことにより興趣を高めることが可能となる。なお、保留画像の形態を変化させるタイミングは、保留がシフトする際に限られず、例えば当該変動の特別図柄の可変表示中であってもよい。
また、先読み演出として行われる保留画像の形態(例えば、第1サブ保留領域(4)~第1サブ保留領域(1)の範囲内で表示される保留画像の形態)については第1始動口120への入賞時に決定し、当該変動の特別図柄の可変表示における保留画像の形態については特別図柄の可変表示の開始時に決定するようにしてもよい。
ところで、先読み時短当り演出パターンで先読み演出が実行される変動パターン(図54の例えば「03H」、「0EH」を参照)に決定される確率と、先読み大当り演出パターンで先読み演出が実行される変動パターン(図54の例えば「06H」、「11H」を参照)に決定される確率とを比較すると、前者の確率の方が高い(例えば、図15参照)。すなわち、先読み演出の実行割合は、先読み大当り演出パターンでの先読み演出の実行割合よりも、先読み時短当り演出パターンでの先読み演出の実行割合の方が高い。したがって、大当りの可能性がある場合にのみ先読み演出が行われていた従来のパチンコ遊技機と比べて、当りの期待値の低下を抑制しつつ先読み演出の実行頻度を高めることができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、先読み大当り演出パターンでの先読み演出の実行割合を、先読み時短当り演出パターンでの先読み演出の実行割合よりも高くしてもよい。この場合、先読み演出が実行されると、時短当りに対する期待値よりも大当りに対する期待値の方が高いため、興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例では、確変フラグがオフの遊技状態(本実施例では、通常遊技状態、低確時短遊技状態)において、特別図柄の当り判定処理において「時短当り」に当選しうる(図10参照)。ただし、本実施例では、通常遊技状態では先読み演出が行われるものの、低確時短遊技状態では先読み演出が行われない。低確時短遊技状態における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、A時短遊技状態に対してC時短遊技状態を重ねて実行する場合、およびA時短遊技状態に対してC時短遊技状態を重ねて実行しない場合のいずれにおいても、時短回数が増加する可能性は低い。そのため、A時短遊技状態において「時短当り」に当選した可能性があることを、極力遊技者に知られないようにすることで、「時短当り」に当選したことによって遊技者に与える落胆を軽減することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ただし、低確時短遊技状態では先読み演出が行われないようにすることは必須ではなく、通常遊技状態のみならず低確時短遊技状態や高確低時短遊技状態においても先読み演出が行われるようにしてもよい。また、本実施例では、第1特別図柄についてのみ先読み演出が行われるようにしているが、これに限られず、第2特別図柄についても先読み演出が行われるようにしてもよい。
また、本実施例では、上述したとおり、サブ変動演出パターンとして、時短当り系リーチ、大当り系リーチ、または共通リーチが実行されうる。本実施例では、図15、図54~図56を参照すると分かるように、サブCPU301は、先読み時短当り演出パターンで先読み演出を実行した場合は、サブ変動演出パターンとして、時短当り系リーチを実行し、大当り系リーチを実行しない。また、サブCPU301は、先読み大当り演出パターンで先読み演出を実行した場合は、サブ変動演出パターンとして、大当り系リーチを実行し、時短当り系リーチを実行しない。
また、本実施例において、サブCPU301は、先読み時短当り演出パターンまたは先読み共通当り演出パターンで先読み演出を実行した場合、サブ変動演出パターンとして時短当り系リーチを実行可能である。ただし、サブCPU301は、先読み大当り演出パターンで先読み演出を実行した場合、サブ変動演出パターンとして時短当り系リーチを実行しない。
また、先読み大当り演出パターン(例えば、図56に示される先読み当り種別演出パターン(SAS演出パターン)「37H」)と、先読み時短当り演出パターン(例えば、図56に示される先読み当り種別演出パターン「29H」)と、先読み共通当り演出パターン(例えば、図56に示される先読み演出パターン(SAS演出パターン)「27H」)とのいずれが実行された場合であっても、サブCPU301は、サブ変動演出パターンとして共通リーチ(例えば、図55に示されるサブ変動演出パターン「0AH」、「0BH」)を実行するようにしてもよい。
また、時短当り系リーチを実行し、該時短当り系リーチでハズレを明示した後に、大当り系リーチを実行する演出パターンを設けてもよい。この場合、利益率の高い大当り系リーチが実行されるか否かを最後まで遊技者が期待感をもって遊技を行うことができるようになるため、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、図15に示されるように、先読み演出が実行された始動情報について行われる特別図柄の可変表示(以下「ターゲット変動」と称する)において、共通リーチEが実行された場合、共通リーチCと共通する演出が表示された後、大当り系リーチCと共通する演出に移行可能である。一方、共通リーチCと共通する演出が何ら実行されなかった場合、大当り系リーチCに移行しない。同様に、ターゲット変動において、共通リーチEが実行された場合、共通リーチCと共通する演出が表示された後、時短当り系リーチCと共通する演出に移行可能である。一方、共通リーチCと共通する演出が何ら実行されなかった場合、時短当り系リーチCに移行しない。
ところで、本実施例では、1個の保留画像に対してのみ先読み演出を行うようにしている(S3002を参照)。そのため、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである可能性があることを示す先読み演出態様(以下「大当り先読み演出」と称する)がすでに実行されている場合にも、サブCPU301は、新たな先読み演出を実行しない。なお、複数の保留画像において先読み演出が行われるパチンコ遊技機であったとしても、大当り先読み演出がすでに実行されている場合には、新たな先読み演出を実行しないことが好ましい。
例えば、任意の一の保留(以下「第1の保留」と称する)と、この第1の保留よりも後に特別図柄の可変表示が開始される他の保留(以下「第2の保留」と称する)とを含む複数の保留が存在し、第1の保留において先読み大当り演出パターン(例えば、図56の先読み当り種別演出パターン「17H」)が実行されている場合、第2の保留において先読み演出が実行されたとしても、この第2の保留における先読み演出が意味をなさないものとなる可能性がある。とくに、第1の保留について大当りが導出されて大当り遊技状態に制御され、この大当り遊技状態の終了後にA時短遊技状態に制御された場合、第2の保留について例えば「時短当り」が導出されたとしても、この「時短当り」の恩恵を遊技者が受けることができない可能性があり、この場合、興趣の低下が著しい。そこで、大当り先読み演出がすでに実行されている場合には、大当り先読み演出が実行されている保留よりも後に消化される保留についての先読み演出を実行しないようにすることが好ましい。
なお、第1の保留が大当りの保留(大当りが導出される保留)であったとしても、第1の保留について先読み演出が実行されていない場合には、第2の保留において先読み演出を実行してもよいし、実行しなくてもよい。
また、第1の保留においてガセの大当り先読み演出(例えば、図56の先読み当り種別演出パターン「53H」)が実行されている場合にも、第2の保留において先読み演出を実行しないことが好ましい。
ただし、第1の保留において時短当り先読み演出(例えば、図56の先読み当り種別演出パターン「05H」)が実行されている場合は、第2の保留において大当り先読み演出または時短当り先読み演出を実行してもよい。第1の保留について仮に時短当りが導出されたとしても、それよりも遊技者にとっての利益度合いが高い大当りを期待させることが可能となるためである。
また、第1のパチンコ遊技機では特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含まないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機においては、第1の保留において小当り先読み演出が実行されている場合にも、第2の保留において大当り先読み演出または時短当り先読み演出を実行してもよい。第1の保留について仮に小当りが導出されたとしても、それよりも遊技者にとっての利益度合いが高い大当りを期待させることが可能となるためである。
また、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含む場合、特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである可能性があることを示す先読み演出態様(以下「小当り先読み演出」と称する)が第1の保留において実行されている場合、第2の保留において大当り先読み演出または時短当り先読み演出が実行されるようにしてもよい。第1の保留について仮に小当りが導出されたとしても、それよりも遊技者にとっての利益度合いが高い小当りを期待させることが可能となるためである。
また、サブ変動演出パターンとして大当り系リーチの実行中に例えば第1始動口120に入賞して始動情報が保留された場合、サブCPU301は、この保留について先読み演出を実行しない。
また、本実施例において、サブCPU301は、通常遊技状態でのみ先読み演出を実行する。そのため、特別図柄の可変表示が終了して大当り表示態様が導出されたときに、メインCPU201により行われた先読み判定により「時短当り」であると判定された始動情報が保留されている場合(この段落においてこの保留を「特定保留」と称する)、この特定保留について先読み演出が実行された場合および先読み演出が実行されていない場合のいずれであっても、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了後、通常遊技状態でなければ、特定保留に対して先読み演出を実行しない。ただし、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了後、通常遊技状態であったとしても、特定保留に対して先読み演出を実行しないことを可能ならしめてもよい。さらには、通常遊技状態以外の遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)において先読み演出を実行するパチンコ遊技機であったとしても、大当り表示態様が導出されたときに特定保留がある場合、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了後、特定保留に対して先読み演出を実行しないことを可能ならしめてもよい。
また、特別図柄の可変表示が終了して大当り表示態様が導出されたときに、メインCPU201により行われた先読み判定により「時短当り」であると判定された始動情報が保留されている場合(この段落においてこの保留を「特定保留」と称する)、この特定保留がたとえ「時短当り」の保留であったとしても、メインCPU201は、大当り遊技状態の終了後、「時短当り」に基づくC時短遊技状態に制御されないようにしてもよい。例えば、時短遊技状態が重複した場合に複数の時短遊技状態を重ねて実行しない仕様であって、大当り遊技状態の終了後にA時短遊技状態に制御される場合であれば、特定保留が「時短当り」の保留であったとしても、メインCPU201は、「時短当り」に基づくC時短遊技状態を実行しないこととなる。
[1-10.先読み演出の具体例]
以下に、先読み演出の具体例について、図60~図64を参照して説明する。本実施例では、サブCPU301は、メインCPU201から送信されたコマンドに基づいて、保留画像を用いた先読み演出を実行可能となっている。
[1-10-1.先読み大当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例]
上述したとおり、先読み演出パターンには、先読み当り種別演出パターンと、先読み期待値演出パターンとが含まれる。ここでは先ず、上記の先読み当り種別演出パターンとして、先読み大当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例について、図60を参照して説明する。
図60(a)~図60(f)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、大当りの可能性があることを示す大当り系先読み演出形態が変化する過程を示す図である。なお、図60(a)~図60(f)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「1CH」、「3CH」、「58H」、または「78H」に相当する。また、図60(a)~図60(f)に示される先読み期待値演出パターンに相当する先読み期待値演出パターンは、図57で図示が省略されている。
図60(a)~図60(f)に示されるように、表示装置7の表示領域7aには、第1保留領域411~第4保留領域414が表示されている。上述したとおり、第1保留領域411~第4保留領域414は、それぞれ、第1サブ保留領域(1)~第1サブ保留領域(4)に保留情報が記憶されているか否かを示す領域である。また、第0領域410は、当該変動に対応する情報が記憶されている第1サブ保留領域(0)に対応する領域である。
本実施例では、第1サブ保留領域に保留情報が記憶されている場合、サブCPU301は、保留情報が記憶されている第1サブ保留領域に対応する保留領域411~414を、三角形で示される保留画像(以下、単に「保留画像」と称する)で表示するようにしている。また、第1サブ保留領域に保留情報が記憶されていない場合、サブCPU301は、保留画像を表示せず、保留領域の枠のみを表示するようにしている。
図60(a)では、第1保留領域411~第3保留領域413に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。これは、第1サブ保留領域(1)~(3)に保留情報が記憶されており、第1サブ保留領域(4)には保留情報が記憶されていないことを示す。
図60(b)では、図60(a)に示される状態から、第4保留領域414に保留画像が新たに表示されている。これは、図60(a)に示される状態から、第1サブ保留領域(4)に保留情報が新たに記憶されたことを示す。
サブCPU301は、上述したとおり、第1保留領域411~第4保留領域414に示される保留画像の形態(例えば色)を、大当りに対する期待値に応じて異なるように表示している。本実施例では、虹を除いて、色の違いを色の濃淡で図示している。
本実施例では、図60(b)において、第1保留領域411~第3保留領域413に示される保留画像の色は白(期待値レベル「0」)であり、第4保留領域414に示される保留画像の色は青(期待値レベル「1」)である。
図60(c)は、図60(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(b)において第4保留領域414に表示されていた保留画像の色が、第3保留領域413にシフトされる際に、青から黄(期待値レベル「2」)に変化したことを示す画像である。
図60(d)は、図60(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(c)において第3保留領域413に表示されていた保留画像の色が、第2保留領域412にシフトされる際に、黄から緑(期待値レベル「3」)に変化したことを示す画像である。
図60(e)は、図60(d)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(d)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の色が、第1保留領域411にシフトされる際に、緑から赤(期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
図60(f)は、図60(e)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(e)において第1保留領域411に表示されていた保留画像の色が、第0領域410にシフトされる際に、赤から虹(期待値レベル「5」)に変化したことを示す画像である。
また、大当りに対する期待値を示す保留画像の色(期待値レベル)は、必ずしも、保留がシフトする際に変化させる必要はなく、例えば、当該変動の特別図柄の可変表示中に変化させてもよい。
また、図60では、大当り系先読み演出形態を変化させて、大当りが導出される期待値の変化を示すようにしたが、これに代えてまたは加えて、大当り系先読み演出形態から大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出がサブCPU301により実行されるようにしてもよい。この場合、大当り確定先読み演出形態に変化する前であれば、期待値レベルもあわせて変化させるようにしてもよい。
[1-10-2.先読み時短当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例]
次に、上記の先読み当り種別演出パターンとして、先読み時短当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例について、図61を参照して説明する。
図61(a)~図61(f)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、時短当りの可能性があることを示す時短当り系先読み演出形態が変化する過程を示す図である。なお、図61(a)~図61(f)に示される先読み時短当り種別演出パターンは、図56の「0EH」、「2EH」、「4AH」、または「6AH」に相当する。また、図61(a)~図61(f)に示される先読み期待値演出パターンに相当する先読み期待値演出パターンは、図57で図示が省略されている。
図61(a)では、第1保留領域411~第3保留領域413に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。
図61(b)では、図61(a)に示される状態から、第4保留領域414に保留画像が新たに表示されている。サブCPU301は、上述したとおり、第1保留領域411~第4保留領域414に示される保留画像の形態(例えば形状)を、時短当りに対する期待値に応じて異なるように表示している。
このように、本実施例では、大当りに対する期待値については保留画像の色であらわし、時短当りに対する期待値については保留画像の形状であらわしている。
本実施例では、図61(b)において、第1保留領域411~第3保留領域413に示される保留画像の形状は三角形(期待値レベル「0」)であり、第4保留領域414に示される保留画像の形状は四角形(期待値レベル「1」)である。
図61(c)は、図61(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(b)において第4保留領域414に表示されていた保留画像の形状が、第3保留領域413にシフトされる際に、四角形から五角形(期待値レベル「2」)に変化したことを示す画像である。
図61(d)は、図61(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(c)において第3保留領域413に表示されていた保留画像の形状が、第2保留領域412にシフトされる際に、五角形から六角形(期待値レベル「3」)に変化したことを示す画像である。
図61(e)は、図61(d)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(d)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形状が、第1保留領域411にシフトされる際に、六角形から円(期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
図61(f)は、図61(e)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(e)において第1保留領域411に表示されていた保留画像の形状が、第0領域410にシフトされる際に、円から星(期待値レベル「5」)に変化したことを示す画像である。
なお、時短当りに対する期待値を示す保留画像の形状は、必ずしも、「四角形<五角形<六角形<円<星」の順に1つずつ変化させていく必要はなく、例えば「五角形→円」に変化させてもよい。
また、時短当りに対する期待値を示す保留画像の形状(期待値レベル)は、必ずしも、保留がシフトする際に変化させる必要はなく、例えば、当該変動の特別図柄の可変表示中に変化させてもよい。
また、図61では、時短当り系先読み演出形態を変化させて、時短当りが導出される期待値の変化を示すようにしたが、これに代えてまたは加えて、例えば以下に示される先読み演出がサブCPU301により実行されるようにしてもよい。この場合、大当り確定先読み演出形態に変化する前であれば、期待値レベルもあわせて変化させるようにしてもよい。
・時短当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化する先読み演出。
・時短当り系先読み演出形態から大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
・時短当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化し、さらにその後、大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
[1-10-3.先読み共通当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例]
次に、上記の先読み当り種別演出パターンとして、先読み共通当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例について、図62を参照して説明する。
図62(a)~図62(d)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。共通当り系先読み演出形態の変化には、当り(時短当り、大当り)の期待値レベルが変化するものと、当りの種類が大当りであるか時短当りであるかが明瞭なものに変化するものとが含まれる。なお、図62(a)~図62(d)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「15H」、「35H」、「51H」、または「71H」に相当し、図62(a)~図62(d)に示される先読み期待値演出パターンは、図57の「43H」に相当する。
本実施例では、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態として、大当りに対する期待値レベルを示す色と、時短当りに対する期待値レベルを示す形状との両方を表示することで、あらわしている。
図62(a)では、第1保留領域411および第2保留領域412に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第3保留領域413および第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。
図62(b)では、図62(a)に示される状態から、第3保留領域413に保留画像が新たに表示されている。サブCPU301は、第1保留領域411~第4保留領域414に示される保留画像の形態(例えば色および形状)を、当り(大当りまたは時短当り)に対する期待値に応じて異なるように表示している。本実施例では、先読み演出が実行されない場合または当りに対する期待値が最も低い場合、保留画像を白の三角形で表示し、「青の四角形<黄の五角形<緑の六角形<赤の円<虹の星」の順で短当りに対する期待値が高くなる。
本実施例では、図62(b)において、第1保留領域411および第2保留領域412に示される保留画像の形態は、白の三角形(期待値レベル「0」)であり、第3保留領域413に示される保留画像の形態は、黄の五角形(期待値レベル「2」)である。
図62(c)は、図62(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図62(b)において第3保留領域413に表示されていた保留画像の形態が、第2保留領域412にシフトされる際に、黄の五角形から緑の六角形(期待値レベル「3」)に変化したことを示す画像である。
図62(d)は、図62(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図62(c)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形態が、第1保留領域411にシフトされる際に、緑の六角形(期待値レベル「3」の共通当り系先読み演出形態)から虹の三角形(期待値レベル「5」の大当り系先読み演出形態)に変化したことを示す画像である。
すなわち、図62(b)および図62(c)に示される先読み演出は、保留画像の形態が大当りに対する期待値を示す形態であるのか時短当りに対する期待値を示す形態であるのかを、保留画像の形態から把握することが困難な演出である。これに対し、図62(d)に示される先読み演出は、保留画像の形態が大当りに対する期待値を示すものであって、しかもその期待値が極めて高い形態(例えば期待値レベル「5」)であることを把握することが可能なものである。
このように、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果に応じて、先読み演出を、時短当りに対する期待値を示す先読み時短当り演出パターンと、大当りに対する期待値を示す先読み大当り演出パターンと、当り(大当りまたは時短当り)に対する期待値を示す先読み共通当り演出パターンとのうち、いずれかのパターンで先読み演出を実行可能に構成されている。そして、先読み共通当り演出パターンで先読み演出が実行された場合には、大当り系先読み演出形態と時短当り系先読み演出形態とのいずれに保留画像が変化していくのかといった面白みを遊技者に持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、時短当りに対する期待値を示す保留画像の形態は、必ずしも、「青の四角形<黄の五角形<緑の六角形<赤の円<虹の星」の順に1つずつ変化させていく必要はなく、例えば、「黄の五角形(共通当り系先読み演出形態)→赤の三角形(大当り系先読み演出形態)」に変化させてもよいし、「緑の六角形(共通当り系先読み演出形態)→三角形の星(時短当り系先読み演出形態)」に変化させてもよい。また、当りに対する期待値を示す保留画像の形態を、必ずしも、最も期待値の低い青の四角形から開始させる必要はなく、例えば赤の円から開始させるようにしてもよい。
また、当りに対する期待値を示す保留画像の形態は、必ずしも、保留がシフトする際に変化させる必要はなく、例えば、当該変動の特別図柄の可変表示中に変化させてもよい。
また、図62では、共通当り系先読み演出形態を変化させて、いずれかの当り(大当りまたは時短当り)が導出される期待値を変化させたり、期待できる当りが不明の状態から大当りに変化させたりしているが、これに代えてまたは加えて、例えば以下に示される先読み演出がサブCPU301により実行されるようにしてもよい。この場合、大当り確定先読み演出形態に変化する前であれば、期待値レベルもあわせて変化させるようにしてもよい。
・共通当り系先読み演出形態から大当り確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
・共通当り系先読み演出形態からから大当り系先読み演出形態に変化し、さらにその後、大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
[1-10-4.共通当り系先読み演出形態の変形例]
なお、保留画像の形態として、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態は、必ずしも、大当りに対する期待値を示す色と、時短当りに対する期待値を示す形状との両方であらわす形態に限定されない。これに代えて、例えば、専用の共通当り系先読み演出形態を設けるようにしてもよい。専用の共通当り系先読み演出形態を設ける場合、大当りと時短当りとの両方に期待感を持てることができるようになるとともに、それぞれの期待値が不明であることから、今後の演出態様の変化に期待感を持って遊技を行うことができるようになり、興趣を向上することができる。
図63(a)~図63(d)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、専用の共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。なお、図63(a)~図63(d)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「15H」、「35H」、「51H」、または「71H」に相当し、図63(a)~図63(d)に示される先読み期待値演出パターンは、図57または図58の「31H」に相当する。
また、図64(a)~図64(d)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、専用の共通当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。なお、図64(a)~図64(d)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「07H」、「27H」、「43H」、または「63H」に相当し、図64(a)~図64(d)に示される先読み期待値演出パターンは、図57または図58の「31H」に相当する。
図63(a)および図64(a)では、第1保留領域411および第2保留領域412に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第3保留領域413および第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。
図63(b)では、図63(a)に示される状態から、第3保留領域413に保留画像が新たに表示されている。
同様に、図64(b)では、図64(a)に示される状態から、第3保留領域413に保留画像が新たに表示されている。
図63(b)および図64(b)でのいずれにおいても、第3保留領域413に示される保留画像の形態は、専用の共通当り系先読み演出形態であって、例えば光り輝く形態である。光の輝度の度合いを変更することにより、期待値レベルを変えることができる。
図63(c)は、図63(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図63(b)において第3保留領域413に表示されていた専用の共通当り系先読み演出形態が、そのままの形態で第2保留領域412にシフトされていることを示す画像である。
同様に、図64(c)は、図64(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図64(b)において第3保留領域413に表示されていた専用の共通当り系先読み演出形態が、そのままの形態で第2保留領域412にシフトされていることを示す画像である。
図63(d)は、図63(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図63(c)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形態が、第1保留領域411にシフトされる際に、専用の共通当り系先読み演出形態から赤の三角形(大当りの期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
一方、図64(d)は、図64(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図64(c)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形態が、第1保留領域411にシフトされる際に、専用の共通当り系先読み演出形態から白の円(時短当りの期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
このように、先読み演出形態を専用の共通当り系先読み演出形態であらわすようにした場合であっても、専用の共通当り系先読み演出形態から、大当り系先読み演出形態および時短当り系先読み演出形態のいずれに変化していくのかといった面白みを遊技者に持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
[1-11.機外に出力される信号]
次に、外部端子板184(図6参照)から第1のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)、各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号について説明する。なお、本実施例では、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号について説明するが、第1のパチンコ遊技機の機外からの信号を入力可能であってもよい。
本実施例において、外部端子板184(図6参照)は、第1のパチンコ遊技機の機外に信号を出力するためのコネクタとしてCH1~CH12を有する。外部端子板184の各CHから第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号は、例えば、「賞球情報1」、「扉・枠開放」、「外部情報1」~「外部情報8」、「賞球情報2」および「セキュリティ」の各種信号である。ただし、各CHから第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号の種類は、これらに限られず、これらの信号の他に機外に出力される信号があってもよいし、これらのうちのいずれかの信号が出力されないように構成されていてもよい。
図65は、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号の出力条件の一例を示す表である。図65に示されるように、CN1からは「賞球情報1」の信号が出力され、CH2からは「扉・枠開放」の信号が出力され、CH3~CH10からはそれぞれ「外部情報1」~「外部情報8」の各信号が出力され、CH11からは「賞球情報2」の信号が出力され、CH12からは「セキュリティ」の信号が出力される。なお、第1のパチンコ遊技機から機外への信号の出力条件は、図65に示されるとおりである。
次に、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号のタイミングチャートの一例を、「賞球情報1」の信号を例に挙げて説明する。なお、図65に示されるように、本実施例では、「賞球情報1」の信号は、賞球払出10個毎に120msec出力される。
図66は、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号のうち、「賞球情報1」の信号のタイミングチャートの一例である。
図66に示されるように、払出検出スイッチ(不図示)は、賞球が1個払い出される都度、オフからオンになる。なお、上述したとおり、本実施例では、大入賞口131(図4参照)に遊技球が入賞した場合は例えば10個の賞球が払い出され、始動口(第1始動口120または第2始動口140(いずれも図4参照))に遊技球が入賞した場合は例えば3個の賞球が払い出され、一般入賞口122(図4参照)に遊技球が入賞した場合は例えば4個の賞球が払い出される。
そして、メインCPU201(図6参照)は、賞球が10個払い出される都度、「賞球情報1」の信号を、例えば120msecの間、第1のパチンコ遊技機の機外に出力する。より詳しくは、メインCPU201は、「賞球情報1」の信号の前回の出力時を起点として10個目の賞球の払出検出スイッチがオンになったタイミングで、例えば120msecの間、「賞球情報1」の信号を出力する。なお、「賞球情報1」の信号を、10個目の賞球の払出検出スイッチがオンになったタイミングで出力することは一例にすぎず、例えば10個目の賞球の払出検出スイッチがオンになってからオフになるまでの間であればよい。また、「賞球情報1」の信号を、賞球が10個払い出される都度出力したり120msecの間出力することについても一例にすぎず、「賞球情報1」の信号の出力タイミングや出力時間については適宜設定することができる。
次に、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号の一つである「セキュリティ」の信号の一例について説明する。「セキュリティ」の信号は、主としてエラー発生時に出力される信号である。
図67は、第1のパチンコ遊技機におけるエラーの概要の一例を示す表であって、より詳しくは、エラー名称毎に、主制御回路200での発生契機、主制御回路200(図6参照)での解除契機、「セキュリティ」の信号(図67では「セキュリティ信号」と図示)の出力時間および備考を示す表である。
なお、第1のパチンコ遊技機は小当り用大入賞口を備えないが、図67には、便宜上、小当り用大入賞口異常入賞エラーについても記載している。また、図67では、大入賞口131を大当り用大入賞口と記載している。
なお、図67に示されるエラーの概要は一例であって、これらのうちの一部のみをエラーであると判断するようにしてもよいし、例えば、図67に示されないものをエラーと判断するようにしてもよい。図67に示されないもののエラーと判断されるものとしては、例えば、ソレノイド監視センサ(不図示)が所定時間以上にわたってオンまたはオフであったりした場合のソレノイド監視センサエラー、大入賞口(大当り用大入賞口または小当り用大入賞口)の内部に未排出の遊技球があったり大入賞口未開放時に大入賞口内に入賞があった場合の大入賞口入排出異常エラー、振動センサが所定時間にわたってオンである場合の振動センサエラー等が相当する。また、例えば大当り用大入賞口内に特定領域を設け、大当り遊技制御の実行中に特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、大当り遊技制御の終了後に確変制御が実行される仕様である場合には、特定領域への通過異常や、大当り用大入賞口の内部に未排出の遊技球が存在しないにもかかわらず特定領域を遊技球が通過した場合等にも、エラーと判断するように構成すると好ましい。
メインCPU201(図6参照)は、エラーが発生したと判断すると、サブCPU301(図6参照)に不正検知関連コマンドを送信する。不正検知関連を受信したサブCPU301は、エラーの内容に応じた報知制御を実行する。
以下に、大当り用大入賞口異常入賞エラーが発生した場合を例に挙げて、メインCPU201およびサブCPU301(いずれも図6参照)による制御について簡単に説明する。
図67に示されるように、例えば、初期電源投入後、1回目の大当り用大入賞口が開放される前に1個の入賞検出があると、メインCPU201(図6参照)は、大当り用大入賞口異常入賞エラーが発生したと判断し、「セキュリティ」の信号を、12秒の間出力する。また、大当り用大入賞口異常入賞エラーが発生したことを示す不正検知関連コマンドをサブCPU301(図6参照)に送信する。
なお、本実施例では、図67に示されるように、いずれのエラーであっても「セキュリティ」の信号の出力時間が12秒であるため、機外の装置(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)や島コンピュータ(不図示))は、「セキュリティ」の信号を受信することによってエラーの発生を把握することはできるものの、エラーの内容まで把握することができない。ただし、これに限られず、例えば、「セキュリティ」の信号の出力時間をエラーの内容に応じて変える等により、「セキュリティ」の信号を受信した機外の装置がエラーの内容を把握できるようにしてもよい。
サブCPU301(図6参照)は、例えば大当り用大入賞口異常入賞エラーを示す不正検知関連コマンドを受信すると、例えば以下に示す報知制御の全部または一部を実行し、不正検知関連コマンドを受信してから例えば30秒経過すると、以下に示す報知制御を終了する。
・表示制御回路304を介して表示装置7(いずれも例えば図6参照)に例えば「大入賞口異常入賞エラー」の文字を表示する報知制御。
・音声制御回路305を介してスピーカ32(いずれも例えば図6参照)から例えば「大入賞口異常入賞エラーです」の音声を出力する報知制御。
・音声制御回路305を介してスピーカ32から例えばビープ音を出力する報知制御。
・LED制御回路306を介してLED群46(いずれも例えば図6参照)を例えば赤色で全点灯させる報知制御。
なお、不正検知関連コマンドを受信してから例えば30秒経過する前に電断があった場合、サブCPU301は、上述の報知制御を終了する。
また、サブCPU301は、例えば、大当り用大入賞口異常入賞エラーの発生を示す上述の報知制御の実行中に、大当り用大入賞口異常入賞エラーを示す不正検知関連コマンドを受信した場合、上述の報知制御を再度実行し直す。
次に、遊技状態に応じて第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号について、図68を参照して説明する。図68は、第1のパチンコ遊技機において、遊技状態に応じて機外に出力される信号の出力条件の一例を示す表である。図68において、出力される信号を〇で示し、出力されない信号を×で示す。
図68に示されるように、本実施例では、メインCPU201により制御される遊技の状態に応じて、出力される信号が異なっている。例えば、通常遊技状態中(大当り・小当り中以外、確変・時短中以外)はいずれの信号も出力されず、低確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)は「外部情報3」および「外部情報7」の信号が出力され、高確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)は「外部情報3」、「外部情報5」および「外部情報7」の信号が出力され。また、高確非時短遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機では、高確非時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)は「外部情報3」および「外部情報6」の信号が出力される。
このように、メインCPU201により制御される遊技の状態に応じて出力される信号が異ならせることにより、信号を受信可能な機外の装置(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)や島コンピュータ(不図示))は、外部情報送信元のパチンコ遊技機における遊技の状態を把握することが可能となる。
なお、本実施例では、図68に示されるように、小当り遊技制御処理中(通常遊技状態中)に出力される信号は、通常遊技状態中(大当り・小当り中以外、確変・時短中以外)に出力される信号と同じである。同様に、小当り遊技制御処理中(低確時短遊技状態中)に出力される信号は、低確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)に出力される信号と同じであり、小当り遊技制御処理中(高確時短遊技状態中)に出力される信号は、高確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)に出力される信号と同じであり、小当り遊技制御処理中(高確非時短遊技状態中)に出力される信号は、高確非時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)に出力される信号と同じである。すなわち、信号を受信可能な機外の装置(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)や島コンピュータ(不図示))は、外部情報送信元のパチンコ遊技機において、小当り遊技制御処理が実行されているか否かを把握することができない。ただし、これに代えて、小当り遊技制御処理中に出力される信号を、小当り遊技制御処理中でない場合に出力される信号と異ならせることにより、外部情報送信元のパチンコ遊技機において小当り遊技制御処理が実行されているか否かを、信号を受信可能な機外の装置側で把握できるようにしてもよい。
また、図68に示される低確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)、高確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)、小当り遊技制御処理中(低確時短遊技状態中)および小当り遊技制御処理中(高確時短遊技状態中)は、時短制御の実行中に出力される信号である。この場合、電サポ制御および特図短縮制御の両方が実行されている場合に時短制御の実行中であるとしてもよいし、電サポ制御および特図短縮制御のうち電サポ制御のみが実行されている場合に時短制御の実行中であるとしてもよいし、電サポ制御および特図短縮制御のうち特図短縮制御のみが実行されている場合に時短制御の実行中であるとしてもよい。
また、上述の第1のパチンコ遊技機についての説明では、メインCPUの制御により、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とに制御可能である(A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能が搭載されている)ことを前提として説明したが、これに限られない。例えば、A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能のうち、いずれか一つの機能(例えば、A時短遊技状態の機能)のみを搭載し、他の機能(例えば、B時短遊技状態の機能及びC時短遊技状態の機能)については搭載しないパチンコ遊技機であってもよい。また、A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能のうち、二つの機能(例えば、A時短遊技状態の機能、及び、B時短遊技状態の機能またはC時短遊技状態の機能)のみを搭載し、他の機能(例えば、B時短遊技状態の機能またはC時短遊技状態の機能)については搭載しないパチンコ遊技機であってもよい。
また、例えばST機と呼ばれるパチンコ遊技機のように、大当り遊技状態の終了後、100%の確率で確変フラグがオンにセットされるパチンコ遊技機では、A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能のいずれも搭載しないように構成してもよい。
[2.第2のパチンコ遊技機]
次に、第2のパチンコ遊技機について説明する。第2のパチンコ遊技機は、上述したとおり、デジパチと称される所謂1種タイプのパチンコ遊技機である。ただし、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能である点において第1のパチンコ遊技機と異なる。それ故、遊技盤ユニットおよび電気的構成についても、第1のパチンコ遊技機と異なる点がある。
以下、第2のパチンコ遊技機を説明するにあたり、例えば外枠2およびベースドア3等の基本構成等、並びに、外部端子板1184(後述の図70参照)から第2のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ1186(後述の図70参照)や各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号等のように、機能、形状および配置位置等が第1のパチンコ遊技機と共通する点については極力説明を省略するものとする。
また、第2のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機の説明で用いた図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と同じ符号およびステップ番号を用いて説明する。ただし、第2のパチンコ遊技機の説明において新たに採用した図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と機能等が共通する構成であったとしても、第1のパチンコ遊技機と異なる符号およびステップ番号を用いて説明するものとする。
ところで、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機としては、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示が保留されている場合に、例えば第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立するパチンコ遊技機(以下、「優先変動機」と称する)と、第1始動口および第2始動口を含めて入賞順に始動条件が成立するパチンコ遊技機(以下、「順次変動機」と称する)とがある。
[2-1.遊技盤ユニット]
図69は、第2のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット1010の外観を示す正面図の一例である。図69に示されるように、遊技盤ユニット1010には遊技領域1105が形成されている。
なお、第2のパチンコ遊技機の遊技領域1105に配置される各種部材(例えば第1始動口1120等)は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105(図4参照)に配置される各種部材と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図69に示されるように、遊技盤ユニット1010は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域1105が形成される遊技パネル1100と、ガイドレール1110と、遊技領域1105の略中央部に配置されるセンター役物1115と、第1始動口1120と、一般入賞口1122と、通過ゲートユニット1125と、特別電動役物ユニット1130と、第2始動口1140A,1140Bと、普通電動役物ユニット1145と、小当りユニット1150と、LEDユニット1160と、アウト口1178と、遊技盤ユニット1010の後方に配置される裏ユニット(図示せず)とを備える。なお、LEDユニット1160については第1のパチンコ遊技機のLEDユニット160と同様であり、この第2のパチンコ遊技機では説明を省略する。
(遊技パネル)
遊技パネル1100には、表示装置1007の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル1100の前面には、ガイドレール1110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール1110から遊技領域1105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域1105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル1100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル1100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル1100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル1100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール1110は、円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域1105は、ガイドレール1110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置1006(後述の図70参照)から発射された遊技球を遊技領域1105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物1115は、遊技パネル1100の開口(参照符号なし)にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール1116を備えている。遊技領域1105に向けて発射された遊技球は、センターレール1116によって左右に振り分けられる。
発射装置1006によって遊技領域1105に向けて発射された遊技球は、左側領域1106または右側領域1107を流下する。左側領域1106または右側領域1107を流下する遊技球は、遊技パネル1100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域1106を流下する。一方、発射ハンドル62の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域1107を流下する。
また、センター役物1115には、左側の外周縁部に、左側領域1106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口1117が形成されている。ワープ入口1117に進入した遊技球は、センター役物1115に形成されたステージ1118に誘導可能に構成されている。ステージ1118は、表示装置1007の表示領域の下方前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ1118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ1118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口1119が形成されており、チャンス入口1119に進入した遊技球は、第1始動口1120の直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口1119に進入した遊技球は、ワープ入口1117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口1117に進入したもののチャンス入口1119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で第1始動口1120に入賞(通過)するようになっている。
(第1始動口)
第1始動口1120は、表示装置1007の表示領域の下方に配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口1120に遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ1121(後述の図70参照)により検出される。なお、右打ちされた遊技球が第1始動口1120に入賞可能であってもよい。また、上記の第1始動口1120に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)な第1始動口を備えるようにしてもよい。
第1始動口スイッチ1121(後述の図70参照)により第1始動口1120への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、始動条件が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口1120に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(一般入賞動口)
一般入賞口1122は、表示装置1007の表示領域の左下方に複数配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。一般入賞口1122に遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ1123(後述の図70参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ1123(後述の図70参照)により一般入賞口1122への遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口1122への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。
また、本実施例において、一般入賞口1122は、右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能となるように配置されているが、必ずしもこれに限られず、上記の一般入賞口1122に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能な一般入賞口を備えてもよい。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット1125は、右側領域1107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように構成された通過ゲート1126と、通過ゲート1126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ1127(後述の図70参照)とを一体化したユニット体である。
通過ゲートスイッチ1127により通過ゲート1126への遊技球の通過が検出されると、普通図柄の始動情報が抽出され、抽出された普通図柄の始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された普通図柄の始動情報は、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ1127により通過ゲート1126への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット1125は、右側領域1107に代えてまたは加えて左側領域1106に配置されていてもよい。
また、通過ゲート1126を、役物連続作動装置を作動させるための契機となるように機能させてもよい。すなわち、大当りでない遊技状態(例えば通常遊技状態等)から大当り遊技状態への移行条件は、条件装置および役物連続作動装置の両方が作動することであるが、大当りであることを示す停止表示態様(図柄組合せ)が導出された際に、条件装置については作動させるものの役物連続作動装置については作動させないようにすることができる。そして、条件装置が作動していることを前提として、通過ゲート1126への遊技球の通過すなわち通過ゲートスイッチ1127(後述の図70参照)により遊技球が検出されたことをもって役物連続作動装置を作動させて、大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット1130は、大当り用大入賞口1131と、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞(通過)を検出する大当り用大入賞口カウントスイッチ1132(後述の図70参照)と、特別電動役物1133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット1130は、右側領域1107において、通過ゲートユニット1125よりも下方に配置されている。
大当り用大入賞口1131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大当り用大入賞口1131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大当り用大入賞口を配置したり、センター役物1115の上部において遊技球が入賞可能な大当り用大入賞口を配置するようにしてもよい。
また、大当り用大入賞口1131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。大当り用大入賞口カウントスイッチ1132(後述の図70参照)により大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
特別電動役物1133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ1134と、この特電用シャッタ1134を作動させる特電用ソレノイド1135(後述の図70参照)とを備える。特別電動役物1133すなわち特電用シャッタ1134は、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞(通過)が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、大当り用大入賞口1131の閉鎖状態から開放状態への状態移行は、所定のラウンド数にわたって行われる。すなわち、大当り遊技状態は、大当り用大入賞口1131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
(第2始動口)
本実施例では、第2始動口として、第2始動口1140Aおよび第2始動口1140Bが遊技領域1105に配置されており、これらの第2始動口1140A,1140Bは、いずれも、右打された遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となっている。ただし、これに限られず、左打ちされた遊技球が第2始動口1140Aまたは/および第2始動口1140Bに入賞可能であってもよい。
第2始動口1140Aに遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ1141A(後述の図70参照)により検出される。また、第2始動口1140Bに遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ1141B(後述の図70参照)により検出される。第2始動口1140A,1140Bのいずれに遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄の当り判定処理の契機となる。
第2始動口スイッチ1141A,1141B(後述の図70参照)により第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口1140Aに遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。一方、第2始動口1140Bに遊技球が入賞すると例えば1個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
ところで、本実施例では、右打ちされたものの大当り用大入賞口1131に入賞しなかった遊技球の流下方向としての下流側には、遊技球の流下経路として上下に2つの流下経路1107a,1107bが形成されている。右打ちされて大当り用大入賞口1131に入賞せずにさらに下流側に向けて流下した遊技球は、例えば図69に示される分岐釘1108によって、上方の流下経路1107aまたは下方の流下経路1107bに振り分けられる。
第2始動口1140Aは、上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球が入賞可能に配置されており、上方の流下経路1107aを流下する遊技球の殆どが入賞可能となっている。ただし、上方の流下経路1107aを流下する遊技球の殆どが第2始動口1140Aに入賞するように構成することは必須ではなく、例えば、第2始動口1140Aへの入賞が殆ど期待できない構成であってもよいし、上方の流下経路1107aを流下する遊技球のうち所定の期待値(例えば、概ね3分の1~5分の1)で入賞可能な構成であってもよい。なお、上方の流下経路1107aを流下したものの第2始動口1140Aに入賞しなかった遊技球は、アウト口1178から機外に排出されるように構成されている。
第2始動口1140Bは、下方の流下経路1107bに振り分けられた遊技球が入賞可能に配置されているが、その詳細については普通電動役物ユニット1145の説明において後述する。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット1145は、下方の流下経路1107b側に配置されており、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物1146とを一体化したユニット体である。本実施例では、上記の入賞口を第2始動口1140Bとし、上記のスイッチを第2始動口スイッチ1141Bとしている。ただし、上記の入賞口を第2始動口1140Bとすることは必須ではなく、例えば第1始動口を上記の入賞口としてもよい。
普通電動役物1146は、前後方向に進退可能な突出板型の普電用シャッタ1147と、この普電用シャッタ1147を作動させる普電用ソレノイド1148(後述の図70参照)とを備える。普通電動役物1146すなわち普電用シャッタ1147は、第2始動口1140Bへの遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、第2始動口1140Bへの遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ1147に代えて、所謂電動チューリップと呼ばれる例えば羽根部材からなる可動部材を採用してもよい。また、可動部材は、一対に限られず、羽根型、扉型、突出板型等を含む。
(小当りユニット)
小当りユニット1150は、小当り用大入賞口1151と、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞(通過)を検出する小当り用大入賞口カウントスイッチ1152(後述の図70参照)と、前後方向に進退可能な小当り用シャッタ1153と、この小当り用シャッタ1153を作動させることが可能な小当り用ソレノイド1154とを一体化したユニット体である。
小当り用シャッタ1153は、前後方向に進退させることで、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。
小当り用大入賞口1151が開放されたときに遊技球が入賞すると、入賞した遊技球が小当り用大入賞口カウントスイッチ1152(後述の図70参照)に検出される。小当り用大入賞口カウントスイッチ1152に遊技球が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
また、小当りユニット1150は、下方の流下経路1107bであって普通電動役物ユニット1145の下流側に配置されている。したがって、普通電動役物1146の作動によって第2始動口1140Bが開放されている場合、たとえ小当り用大入賞口1151が開放されていたとしても、下方の流下経路1107bを流下した遊技球は小当り用大入賞口1151に到達する前に、上流側に設けられる第2始動口1140Bに入賞するため、小当り用大入賞口1151に入賞することが困難(または不可能)となる。
なお、本実施例では、大当り用大入賞口1131と小当り用大入賞口1151とをそれぞれ別に設けているが、これに限られず、大当り遊技制御処理の実行時に開放される大入賞口と、小当り遊技制御処理の実行時に開放される大入賞口とを、同じ大入賞口としてもよい。
(アウト口)
アウト口1178は、遊技領域1105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口1120、第2始動口1140A,1140B、大当り用大入賞口1131、一般入賞口1122等)のいずれにも入賞しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口1178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域1105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口1178に加えて、最下流側でない位置、例えば複数の一般入賞口1122の間や普通電動役物ユニット1145と小当りユニット1150との間等にアウト口を設けて、遊技領域1105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、装飾体を有するものであって、上述したように、透過性のある遊技パネル1100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、サブ制御回路1300(後述の図70参照)によって制御される可動役物等の演出用役物群1058を備える。演出用役物群1058は、例えば表示装置1007の表示領域の周囲に配置される。これらの演出用役物群1058のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[2-2.電気的構成]
次に、図70を参照して、第2のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図70は、第2のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。なお、第2のパチンコ遊技機の制御回路は、第1のパチンコ遊技機の制御回路と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図70に示されるように、第2のパチンコ遊技機は、主に、遊技の制御を行う主制御回路1200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路1300と、払出・発射制御回路1400と、電源供給回路1450と、から構成される。
[2-2-1.主制御回路]
主制御回路1200は、例えば電源投入時に実行される処理や遊技動作にかかわる処理等を制御するものであって、メインCPU1201、メインROM1202(読み出し専用メモリ)、メインRAM1203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路1204およびバックアップコンデンサ1207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU1201には、メインROM1202、メインRAM1203および初期リセット回路1204等が接続される。メインCPU1201は、動作を監視するWDT(watchdog timer)や不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM1202には、メインCPU1201により第2のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU1201は、メインROM1202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM1203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられている。このメインRAM1203は、メインCPU1201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU1201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路1204は、メインCPU1201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ1207は、電断時等に、メインRAM1203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路1200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート1205、および、サブ制御回路1300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート1206等も備える。
また、主制御回路1200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路1200には、普通図柄表示部1161、普通図柄用保留表示部1162、第1特別図柄表示部1163、第2特別図柄表示部1164、第1特別図柄用保留表示部1165、第2特別図柄用保留表示部1166、確変報知用表示部1167、時短報知用表示部1168、普電用ソレノイド1148、特電用ソレノイド1135、および、小当り用ソレノイド1154等が接続されている。また、主制御回路1200には、これらの他、性能表示モニタ1170およびエラー報知モニタ1172等も接続されている。主制御回路1200は、I/Oポート1205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ1170には、メインCPU1201の制御により性能表示データや後述する設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ1172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ1172には、エラーコードの他に、例えば後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄の表示として通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路1200には、第1始動口スイッチ1121、第2始動口スイッチ1141A,1141B、通過ゲートスイッチ1127、大当り用大入賞口カウントスイッチ1132、一般入賞口スイッチ1123および小当り用大入賞口カウントスイッチ1152等も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート1205を介して主制御回路1200に出力される。
さらに、主制御回路1200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ1186にデータ送信する際に用いる外部端子板1184、後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー1174、メインRAM1203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なバックアップクリアスイッチ1176等が接続されている。本実施例において、バックアップクリアスイッチ1176は、後述する設定値を変更する際のスイッチも兼用しているが、これに限られず、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー1174およびバックアップクリアスイッチ1176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー1174やバックアップクリアスイッチ1176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー1174およびバックアップクリアスイッチ1176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の管理者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の管理者が設定キー1174または/およびバックアップクリアスイッチ1176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー1174およびバックアップクリアスイッチ1176は、主制御回路1200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路1400や電源供給回路1450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の管理者以外の第三者が設定キー1174やバックアップクリアスイッチ1176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[2-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路1300は、サブCPU1301、プログラムROM1302、ワークRAM1303、表示制御回路1304、音声制御回路1305、LED制御回路1306、役物制御回路1307およびコマンド入力ポート1308等を備える。サブ制御回路1300は、主制御回路1200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図70には示されていないが、サブ制御回路1300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM1302には、サブCPU1301により第2のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU1301は、プログラムROM1302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU1301は、主制御回路1200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM1303は、サブCPU1301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路1304は、表示装置1007における表示制御を行うための回路である。表示制御回路1304は、VDPや、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路1304は、サブCPU1301からの画像表示命令に応じて、表示装置1007に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置1007に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路1304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置1007に供給する。表示装置1007に画像信号が供給されると、表示装置1007に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路1304は、表示装置1007に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路1305は、スピーカ1032から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路1305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ1032から出力される音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU1301からの音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ1032から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路1306は、装飾LED等を含むLED群1046の制御を行うための回路である。LED制御回路1306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路1307は、各役物(例えば、演出用役物群1058のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路1307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路1307は、サブCPU1301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU1301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート1308は、コマンド出力ポート1206と接続されており、主制御回路1200から送信された各種コマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路1400は、賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路1400には、遊技球を払い出すことが可能な払出装置1082、遊技球を発射させることが可能な発射装置1006、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット1180等が接続されている。
払出・発射制御回路1400は、主制御回路1200から送信される賞球制御コマンドを受信すると、払出装置1082に対して所定の信号を送信し、払出装置1082に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット1180には、球貸し操作パネル1182が接続されている。球貸し操作パネル1182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット1180に送信される。払出・発射制御回路1400は、カードユニット1180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置1082に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル1182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット1180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路1400は、発射ハンドル62(図1、図2参照)が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
電源供給回路1450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路1200、サブ制御回路1300、払出・発射制御回路1400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路1450には、電源スイッチ1095等が接続されている。電源スイッチ1095は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路1200、サブ制御回路1300、払出・発射制御回路1400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[2-3.基本仕様]
次に、図71~図75を参照して、第2のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。第2のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
第2のパチンコ遊技機では、確変制御および時短制御のいずれも実行されない通常遊技状態、確変制御および時短制御の両方が実行される高確時短遊技状態、確変制御は実行されるものの時短制御が実行されない高確非時短遊技状態、並びに、確変制御は実行されないものの時短制御が実行される低確時短遊技状態が用意されており、メインCPU1201は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。ただし、メインCPU1201の制御によって進行される遊技状態はこれに限られず、通常遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちいずれかの遊技状態については進行されないようにしてもよい。例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技が進行するようにし、高確非時短遊技状態において遊技が進行しないようにする等してもよい。
本実施例において、通常遊技状態では左打ちが正規な遊技態様とされ、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU1301は、正規な遊技態様(例えば、右打ちすべきか左打ちすべきか)を、例えば表示装置1007の表示領域に表示する制御を実行する。
[2-3-1.特別図柄の当り判定テーブル]
図71は、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている特別図柄の当り判定テーブルの一例である。
特別図柄の当り判定テーブルは、特別図柄の当り判定処理(後述の図78のS1034参照)において参照されるテーブル、すなわち、第1始動口1120または第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「小当り」、「大当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。なお、本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理における抽選対象は「時短当り」、「大当り」、および「ハズレ」であり、「小当り」は抽選対象に含まれていない。これに対し、第2特別図柄の当り判定処理における抽選対象は「時短当り」、「小当り」、「大当り」、および「ハズレ」である。ただし、第1特別図柄の当り判定処理における抽選対象に「小当り」を含めるようにしてもよい。
大当り判定用乱数値は、上述したとおり、特別図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、大当り判定用乱数値は、0~65535(65536種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
本実施例では、メインCPU1201は、第1特別図柄の当り判定処理において、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第1特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
また、メインCPU1201は、第2特別図柄の当り判定処理において、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「小当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第2特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「小当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する小当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定される。
本実施例では、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、当落判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~613のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、当落判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が614~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~1259のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が1260~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
同様に、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~22117のいずれかである場合、メインCPU1201は、「小当り」と判定し、判定値データを「小当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が22118~22322のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が22323~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~22117のいずれかである場合、メインCPU1201は、「小当り」と判定し、判定値データを「小当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が22118~22968のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が22969~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施例では、例えば0~65535の範囲で発生する大当り判定用乱数値のうち、0から所定幅(例えば、第2特別図柄の当り判定処理であれば0~22117)を、大当り判定値データおよびハズレ判定値データを除く他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データおよび小当り判定値データ)に割り当てている。また、所定値から最後尾(例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフの場合であれば22323~65535)をハズレ判定値データに割り当てている。さらに、大当り判定値データとハズレ判定値データとを隣接して割り当てている。このようにすることで、例えば確変フラグがOFFからON(またはONからOFF)になった場合に、大当り判定値データの幅を大きく(または小さく)した分だけハズレ判定値データの幅を小さく(または大きく)するだけで、他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データおよび小当り判定値データ)の幅を変更することなく、大当り確率を変更することが可能となる。
また、本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率と、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率とを異ならせることにより、遊技にバリエーションを持たせて興趣の低下を抑制できるようにしている。
とくに、図71に示されるように、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くすることにより、単調な遊技となりがちな通常遊技状態における興趣の低下を抑制することが可能となる。
ただし、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くしてもよい。この場合、例えば時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合に時短遊技状態を重ねるようにすることで、時短遊技状態の終了間際に「時短当り」に当選すると、時短遊技状態が実質的に延長されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、図71に示されるように、本実施例では、確変フラグがオンおよびオフのいずれの場合であっても、メインCPU1201は、当り判定処理の結果が「時短当り」であると決定しうる。ただし、メインCPU1201は、確変フラグがオフ(通常遊技状態、時短遊技状態)である場合、当り判定処理の結果が「時短当り」であれば時短遊技状態に制御するものの、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。
[2-3-2.特別図柄判定テーブル]
図72は、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、第1始動口1120または第2始動口1140A、1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の当落判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際(すなわち、後述の図78のS1035の特別図柄決定処理を実行する際)に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果に応じて定められる図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図72に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、メインCPU1201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば0~69である場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z0」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば70~96のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、メインCPU1201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0または1である場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が2~9のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が10~59のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。さらに、第1特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、例えば、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば0~96である場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z8」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA6」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z9」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA7」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られた場合、例えば、特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z10」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA8」を選択する。
なお、第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られると、メインCPU1201は、小当り遊技制御処理を実行する。小当り遊技制御処理では、例えば小当り用シャッタ1153(図69参照)を作動させて、小当り用大入賞口1151(図69参照)への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態となる制御を実行し、賞球が払い出され得る。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z11」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA9」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が30~59のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z12」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA10」を選択する。さらに、第2特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z13」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA10」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z14」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA11」を選択する。
なお、本実施例では、特別図柄の当り判定テーブル(図71参照)を参照して、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し、その後、特別図柄判定テーブル(図72参照)を参照して、特別図柄の図柄乱数値に基づいて選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを決定するようにしているが、これに限られない。例えば、抽出された大当り判定用乱数値と特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の当落、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドをあわせて決定するようにしてもよい。
なお、第2のパチンコ遊技機では説明を省略するが、主制御回路1200のメインROM1202には、第1のパチンコ遊技機において説明した特別図柄停止態様決定テーブル(図12(A)参照)に相当する特別図柄停止態様決定テーブルが記憶されている。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄の可変表示が停止したときに第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164(図70参照)に導出される特別図柄の停止態様を、選択図柄コマンドに応じて決定する際に参照されるテーブルである。また、特別図柄表示部1163,1164には、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて、時短当りの表示態様、大当りの表示態様、小当りの表示態様またはハズレの表示態様が導出される。また、第1のパチンコ遊技機において説明した装飾図柄停止態様決定テーブル(図12(B)参照)に相当する装飾図柄停止態様決定テーブルについても、サブ制御回路1300のプログラムROM1302に記憶されている。
[2-3-3.当り種類決定テーブル]
図73は、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている当り種類決定テーブルの一例である。当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、当り遊技状態の態様または/およびその後の遊技状態の態様、を決定する際(すなわち、後述の図78のS1036の当り種類決定処理を実行する際)に参照される。図73に示される当り遊技状態の態様は、大当り遊技状態の態様または小当り遊技状態の態様を示す。また、その後の遊技状態の態様は、当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御されるため、その後の遊技状態の態様は、C時短遊技状態の態様を示す。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」の場合、メインCPU1201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を10回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z1」の場合および「z8」の場合、メインCPU1201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を50回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z2」の場合および「z9」の場合、メインCPU1201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を100回にセットすることを決定する。特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合、メインCPU1201は、上述した時短当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態に制御することなく、時短フラグをオンにセットするとともに決定された時短回数をセットし、C時短遊技状態に制御可能となる。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合は当り遊技状態に制御されないため、当り遊技状態の態様は決定されない。本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、この特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態にかかわらず、セットされる時短回数を同じとしている。ただし、これに限られず、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態に応じて、セットされる時短回数を異ならせてもよい。
このように、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄の図柄乱数値に基づいて決定される選択図柄コマンドに応じて、セットされる時短回数が異なるようにしている。このようにすることで、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合に、その後の遊技の進行状況にバリエーションを持たせることが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、上述したとおり、メインCPU1201は、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。例えば、メインCPU1201は、確変フラグがオン(高確遊技状態)であったとしても、図72に示されるように「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、「時短当り」に当選したことを示す時短当りの表示態様を特別図柄表示部1163,1164に導出するものの、C時短遊技状態に制御しない。また、メインCPU1201は、確変フラグがオンであったとしても「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、強制的にハズレの表示態様を特別図柄表示部1163,1164に導出するようにしてもよい。さらには、確変フラグがオンである場合、大当り判定用乱数値に対して時短当り判定値データを割り当てない、すなわち「時短当り」を抽選結果に含まない当り判定処理が行われるようにしてもよい。
なお、本実施例では、確変フラグがオンである場合には、C時短遊技状態に移行しないように構成しているが、これに限られない。例えば、確変フラグがオンであったとしても時短フラグがオフであるような高確非時短遊技状態において、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には高確時短遊技状態に移行するようにしてもよい。
特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z10」の場合、メインCPU1201は、小当り遊技状態の態様として、小当り用大入賞口1151(図69参照)の開放回数を1回に決定する。特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」であった場合、メインCPU1201は、上述した小当りの表示態様を第2特別図柄表示部1164に導出した後、決定された小当り用大入賞口1151の開放回数をセットし、小当り遊技状態に制御可能となる。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合、小当り遊技状態の終了後、メインCPU1201は、確変フラグおよび時短フラグをいずれも変更せず、小当り遊技状態に制御される直前の遊技状態に戻す。
特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様は、次のとおり決定される。
例えば、選択図柄コマンドが「z3」の場合および「z11」の場合、メインCPU1201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を10ラウンドに決定し、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち確変フラグのみをオンにセットすることを決定し、確変回数を10000回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU1201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態の終了後、高確非時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z4」の場合、「z5」の場合、および「z12」の場合、メインCPU1201は、大当り遊技状態の態様として、それぞれ、ラウンド数を10ラウンド、4ラウンド、および10ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、いずれの場合も、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることを決定し、確変回数および時短回数をいずれも10000回にセットすることを決定する。これらの場合、メインCPU1201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z6」の場合、および「z13」の場合、メインCPU1201は、大当り遊技状態の態様として、それぞれ、ラウンド数を4ラウンド、および10に決定する。また、その後の遊技状態の態様として、いずれの場合も、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定する。また、セットする時短回数は、選択図柄コマンドが「z6」の場合は例えば200回にセットすることを決定し、選択図柄コマンドが「z13」の場合は例えば300回にセットすることを決定する。これらの場合、メインCPU1201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、時短遊技状態に制御可能となる。ここで制御される時短遊技状態はA時短遊技状態である。なお、高確時短遊技状態における時短制御の態様(以下「時短性能」とも称する)は、A時短遊技状態における時短性能と同じとすることが好ましいが、A時短における時短性能と異ならせてもよい。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z7」の場合、および「z14」の場合)、メインCPU1201は、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合、メインCPU1201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z7」の場合、および「z14」の場合)、上述したように当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットされないため、本来、図73の当り種類決定テーブルに図示する必要がない。ただし、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれも決定されないことを明示するために、便宜上、図73に図示したものである。
このように、本実施例において、メインCPU1201は、図71の特別図柄の当り判定テーブルを参照し、第1始動口1120または第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し(当落判定を行い)、当落(「時短当り」、「小当り」、「大当り」または「ハズレ」)を決定する。その後、メインCPU1201は、図72の特別図柄判定テーブルを参照し、第1始動口1120または第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と上記の当落判定値データとに基づいて選択図柄コマンドを決定し、特別図柄表示部1163,1164に導出される表示態様の種類(例えば、時短当りの種類、大当りの種類)を決定するようにしている。なお、上記の当落判定および選択図柄コマンドの決定は、特別図柄の可変表示の開始時に行われるが、特別図柄の可変表示が開始されてから確定表示されるまでの間に行われることを排除する趣旨ではない。
また、図73に示されるように、本実施例では、大当り遊技状態の終了後に制御されるA時短遊技状態の時短回数は、例えば、200回(選択図柄コマンドが「z6」の場合)または300回(選択図柄コマンドが「z13」の場合)である。これに対し、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合に制御されるC時短遊技状態の時短回数は、例えば、10回(選択図柄コマンドが「z0」の場合)、50回(選択図柄コマンドが「z1」の場合)または100回(選択図柄コマンドが「z2」の場合)である。すなわち、A時短遊技状態における時短回数の期待値が、C時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高い。このように、A時短遊技状態をC時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「大当り」の位置づけを大きくすることができる。例えば、「大当り」に当選したにもかかわらず、「大当り」当選しなかった場合(「時短当り」に当選した場合)と比べて不利になることによって生じうる興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、A時短遊技状態における時短回数の期待値をC時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高いことに代えて、C時短遊技状態における時短回数の期待値をA時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高くするようにしてもよい。このように、C時短遊技状態をA時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「時短当り」の位置づけを大きくすることができる。例えば、長期間にわたって「大当り」に当選しないような状態が続いたとしても、「時短当り」に当選した場合には相対的に有利なC時短遊技状態に制御されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[2-3-4.特別図柄の変動パターンテーブル]
図74は、第2のパチンコ遊技機の低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。また、図75は、第2のパチンコ遊技機の高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。これらのテーブルは、いずれも、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている。なお、図74および図75の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。メインCPU1201は、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づくときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞に基づくときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。図74および図75の特別図柄の変動パターンテーブルは、後述の図78のS1037の特別図柄の変動パターン決定処理を実行する際に参照されるテーブルである。
左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態では、例えば図74に示される低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンが決定される。
図74の低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルに示されるように、メインCPU1201は、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。メインCPU1201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドを受信したサブCPU1301は、先読みフラグが設定されている場合、先読み演出を行う。
なお、本実施例では、先読み演出を行うか否かをメインCPU1201が決定しているが、これに限られず、サブCPU1301が決定するようにしてもよい。
一方、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態、すなわち、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態または低確時短遊技状態では、例えば図75に示される高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンが決定される。
なお、本実施例では、メインCPU1201は、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する際には、先読みフラグを設定しないが、これに限られない。
図74および図75に示されるように、特別図柄の変動パターンは、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)、リーチ判定用乱数値、および、演出選択用乱数値に基づいて決定される。ただし、これに限られず、上記のいずれかに代えてまたは加えて他の値等に基づいて決定されるようにしてもよい。
なお、リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
図75の高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定した場合、図74の低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定した場合と比べて、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が大きい。とくに、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する場合、第2特別図柄は、例えば概ね600000msec(例えば、長変動A~C)と極めて長時間にわたって可変表示が行われる。一方、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する場合、第2特別図柄は、例えば1000msec(例えば、超速変動)と極めて短時間だけ可変表示が行われる。
メインCPU1201は、決定した変動パターン情報をサブCPU1301に送信する。サブCPU1301は、メインCPU1201から送信された変動パターン情報に基づいて、表示装置1007の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ1032から出力される音演出を制御する。
なお、図74および図75には示されていないが、設定値毎に、例えば演出選択用乱数値の範囲を変えて、決定される特別図柄の変動パターン(可変表示時間)が異なるようにしてもよい。
また、本実施例では、例えば通常遊技状態では低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図74参照)を参照して特別図柄の変動パターンを決定し、例えば高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態、および低確時短遊技状態では高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図75参照)を参照して特別図柄の変動パターンを決定するようにしたが、これに限られない。例えば、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルとして、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が異なる複数の変動パターンテーブルを設けて、例えば時短遊技状態の種類に応じて、特別図柄の変動パターンの決定に際して参照するテーブルを異ならせるようにしてもよい。
また、図74および図75の「備考」の欄に示される時短当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。同様に、大当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。さらに、共通リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。
また、第2のパチンコ遊技機では説明を省略するが、第1のパチンコ遊技機と同様に、主制御回路1200のメインROM1202には普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)、普通図柄判定テーブル(図17参照)、普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)が記憶されている。そして、メインCPU1201は、普通電動役物1146(図69参照)の開放パターンを第1のパチンコ遊技機と同様に決定し、これに基づいて普通電動役物1146の作動態様を制御する。
[2-4.主制御処理]
第2のパチンコ遊技機において、主制御回路1200のメインCPU1201により実行される各種処理(各種モジュール)は、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理が異なるものの、その他の処理については同様である。そこで、以下では、特別図柄制御処理について説明し、メインCPU1201により実行されるその他の処理についての説明は省略する。なお、第2のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理において行われる処理には、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理もあるが(例えば、大当り終了処理(図42、図86)等)、以下では、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理も含めて、ステップ番号を代えて、特別図柄制御処理について改めて説明する。
[2-4-1.特別図柄制御処理]
次に、図76を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理について説明する。図76は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図76に示されるように、メインCPU1201は、先ず、S1001において、第2特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、各特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU1201は、S1001の処理を実行した後、処理を、S1002に移す。
なお、図示しないが、メインCPU1201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S1001の処理に先だって、メインRAM1203内の各特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
また、同じく図示しないが、メインCPU1201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数をチェックする処理も行う。そして、メインCPU1201は、第1特別図柄の保留数が一定時間以上にわたって「0」である場合、第1特別図柄についてのデモ表示コマンド送信予約処理を行い、第2特別図柄の保留数が一定時間以上にわたって「0」である場合、第2特別図柄についてのデモ表示コマンド送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路1300が受信すると、かかるデモ表示コマンドが主特別図柄のデモ表示コマンドである場合、サブCPU1301はデモ表示演出を行う。
なお、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能であるものの、サブCPU1301は、第1特別図柄および第2特別図柄のうちいずれか一方の特別図柄を主特別図柄とするとともに他方を副特別図柄とし、主特別図柄についての演出制御を主として行う。本実施例では、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態では第1特別図柄が主特別図柄とされ、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態、低確時短遊技状態)では第2特別図柄が主特別図柄とされる。そして、サブCPU1301は、主特別図柄についての装飾図柄の可変表示およびキャラクタ等の表示演出や、主特別図柄についての音声演出等を行う。例えば副特別図柄の当り判定処理の結果が例えば大当り等である場合には、例えば、主特別図柄の演出を行いつつ副特別図柄の演出も行うようにしてもよい。なお、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態のうち、低確時短遊技状態では、主特別図柄である第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の可変表示に代えて他の演出画像(例えば、時短遊技状態が終了するまでの時短残回数をカウントダウン演出)が表示されるようにしてもよい。
S1002において、メインCPU1201は、S1001でロードした第2特別図柄の制御状態番号に基づいて、第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1002において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1002がNO判定の場合)、すなわち第2特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、メインCPU1201は、処理を、S1003に移す。例えば、第2特別図柄の当り判定処理の結果に基づく大当り遊技制御処理の実行中は、S1002においてNO判定される。
一方、S1002において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1002がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1004に移す。
S1003において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1003の処理を実行した後、処理を、S1004に移す。
S1004において、メインCPU1201は、第1特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1004の処理を実行した後、処理を、S1005に移す。
S1005において、メインCPU1201は、S1004でロードした第1特別図柄の制御状態番号に基づいて、第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1005において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1005がNO判定の場合)、すなわち第1特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、メインCPU1201は、処理を、S1006に移す。例えば、第1特別図柄の当り判定処理の結果に基づく大当り遊技制御処理の実行中は、S1005においてNO判定される。
一方、S1005において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1005がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1007に移す。
S1006において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。上述したとおり、特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1006の処理を実行した後、処理を、S1007に移す。
S1007において、メインCPU1201は、第2特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1007の処理を実行した後、処理を、S1008に移す。
S1008において、メインCPU1201は、S1007でロードした第2特別図柄の制御状態番号に基づいて、第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1008において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1008がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1010に移す。
一方、S1008において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1008がYES判定の場合)、すなわち第2特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、メインCPU1201は、処理をS1009に移す。
S1009において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。上述したとおり、特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1009の処理を実行した後、処理を、S1010に移す。
S1010において、メインCPU1201は、第1特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1010の処理を実行した後、処理を、S1011に移す。
S1011において、メインCPU1201は、S1010でロードした第1特別図柄の制御状態番号に基づいて、第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1011において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1011がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S1011において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1011がYES判定の場合)、すなわち第1特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、メインCPU1201は、処理をS1012に移す。
S1012において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。上述したとおり、特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1012の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S1001~S1012)を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施例では、第2特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、第1特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、第2特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、第1特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、の優先順位で、後述の特別図柄管理処理が実行されるようにしている。
[2-4-2.特別図柄管理処理]
次に、図77を参照して、特別図柄制御処理(図76参照)中のS1003、S1006、S1009、S1012でメインCPU1201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図77は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
なお、例えば、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS1003またはS1009で呼び出されて実行される場合には第2特別図柄が処理対象となり、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS1006またはS1012で呼び出されて実行される場合には第1特別図柄が処理対象となる。
また、図77に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「5」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号である。メインCPU1201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S1021)。
S1021において特別図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S1021がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図76参照)に戻す。
一方、S1021において特別図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S1021がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1022に移す。
S1022において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1022の処理を実行した後、処理を、S1023に移す。なお、メインCPU1201は、S1022の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S1023以降の処理を行う。
S1023において、メインCPU1201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS1023の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図78を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1024に移す。
S1024において、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS1024の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図79および図80を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1025に移す。
S1025において、メインCPU1201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS1025の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図81および図82を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1026に移す。
S1026において、メインCPU1201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS1026の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図84を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1027に移す。
S1027において、メインCPU1201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS1027の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図85を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1028に移す。
S1028において、メインCPU1201は、大当り終了処理を行う。このS1028の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大当り終了処理の詳細については、図86を参照して後述する。
メインCPU1201は、S1023~S1028の処理を終了後、処理を、特別図柄制御処理(図76参照)に戻す。なお、メインCPU1201は、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS1003で呼び出されている場合には処理をS1004に戻し、S1006で呼び出されている場合には処理をS1007に戻し、S1009で呼び出されている場合には処理をS1010に戻し、S1012で呼び出されている場合には、特別図柄制御処理も終了する。
[2-4-3.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図78を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1023でメインCPU1201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図78は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示開始処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1023で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示開始処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1023で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
図78に示されるように、メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S1031)。
S1031において特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合(S1031がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1031において特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合(S1031がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1032に移す。
S1032において、メインCPU1201は、特別図柄休止フラグがオフであるか否かを判定する。特別図柄休止フラグは、次の処理に進まないように遊技の進行を止めるフラグである。したがって、このS1032では、たとえS1031がYES判定であったとしても(すなわち、特別図柄の始動条件が成立していたとしても)、特別図柄休止フラグがオフでないすなわちオンである場合(S1032がNO判定である場合)、特別図柄可変表示開始処理が進行せずに終了する。
S1032において特別図柄休止フラグがオフでないすなわちオンであると判定された場合(S1032がNO判定の場合)、上述したとおり、特別図柄可変表示開始処理が進行せず、メインCPU1201は、特別図柄可変表示開始処理を終了する。その後、メインCPU1201は、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1032において特別図柄休止フラグがオフであると判定された場合(S1032がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1033に移す。
S1033において、メインCPU1201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。メインCPU1201は、S1033の処理を実行した後、処理を、S1034に移す。
S1034において、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定テーブル(図71参照)を参照し、特別図柄の大当り判定用乱数値を用いて特別図柄の当り判定処理が行われる。本実施例では、第1特別図柄については、時短当り、大当り、およびハズレのうちいずれであるかが判定され、第2特別図柄については、時短当り、小当り、大当り、およびハズレのうちいずれであるかが判定される。また、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は時短当りフラグをオンにセットし、特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合は小当りフラグをオンにセットし、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合は大当りフラグをオンにセットする。メインCPU1201は、S1034の処理を実行した後、処理を、S1035に移す。なお、時短当りフラグはC時短遊技状態への移行時にオフにし、小当りフラグは小当り遊技状態の開始時にオフにし、大当りフラグは大当り遊技状態の開始時にオフにされる。
上記の特別図柄の当り判定処理(S1034参照)では、まず、大当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で大当りでないと判定された場合に小当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で小当りでないと判定された場合に時短当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で時短当りでないと判定された場合にハズレであると判定される。
S1035において、メインCPU1201は、特別図柄決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(S1034)の結果(例えば、時短当り、小当り、大当り、またはハズレ)に対応する特別図柄の停止図柄を判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄判定テーブル(図72参照)を参照し、特別図柄の図柄乱数値を用いて、上述の「選択図柄コマンド」や「図柄指定コマンド」が判定される。本実施例では、ハズレの種類が1種類であるため、特別図柄の当り判定処理がハズレの場合に停止図柄を決定する必要がないが、ハズレを複数種類設けて、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合に停止図柄を決定するようにしてもよい。メインCPU1201は、S1035の処理を実行した後、処理を、S1036に移す。
S1036において、メインCPU1201は、当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の結果が例えば当り(時短当り、小当り、または大当り)である場合に、かかる当りの種類を判定乃至決定する処理である。この処理では、当り種類決定テーブル(図73参照)を参照し、特別図柄決定処理(S1035)で判定された「選択図柄コマンド」に応じて当りの種類が決定される。なお、本実施例では、当りの種類を複数種類としているが、大当りの種類は1つであってもよいし、時短当りの種類も1つであってよい。さらには、当りの種類を複数種類とすることに代えてまたは加えて、他の当り(例えば、小当り)の種類を複数設けるようにしてもよいし、ハズレの種類を複数設けるようにしてもよい。メインCPU1201は、S1036の処理を実行した後、処理を、S1037に移す。
S1037において、メインCPU1201は、特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理は、特別図柄の変動パターンを判定乃至決定する処理である。この処理では、変動パターンテーブル(図74、図75参照)を参照し、例えば、特別図柄の種類、特別図柄の当り判定処理(S1034)の結果、リーチ判定用乱数値または/および演出選択用乱数値等に応じて、特別図柄の変動パターンが決定される。なお、本実施例では、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態では、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図74参照)を参照して特別図柄の変動パターンが決定され、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態、低確時短遊技状態)では、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図75参照)を参照して特別図柄の変動パターンが決定される。メインCPU1201は、S1037の処理を実行した後、処理を、S1038に移す。
S1038において、メインCPU1201は、特別図柄の可変表示時間設定処理を行う。この処理では、変動パターンテーブル(図74、図75参照)を参照し、特別図柄の変動パターン決定処理(S1037)で決定された変動パターンに対応する変動時間が、特別図柄の変動時間として決定される。メインCPU1201は、S1038の処理を実行した後、処理を、S1039に移す。
S1039において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図77のS1024参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1039の処理を実行した後、処理を、S1040に移す。
S1040において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM1203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの更新処理等が行われる。メインCPU1201は、S1040の処理を実行した後、処理を、S1041に移す。
S1041において、メインCPU1201は、遊技状態管理処理を行う。この処理では、主に、遊技状態の管理に関する各種フラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ等)の更新処理を行う。メインCPU1201は、S1041の処理を実行した後、処理を、S1042に移す。
S1042において、メインCPU1201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理(とくに、遊技状態管理処理(S1041)および特別図柄演出開始コマンド送信予約処理(S1042))を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[2-4-4.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図79および図80を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1024でメインCPU1201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図79および図80は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示終了処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1024で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示終了処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1024で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。また、以下に説明する特別図柄可変表示終了処理において、処理対象である方の特別図柄を単に「特別図柄」と称し、処理対象でない方の特別図柄を「他方の特別図柄」と称する。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S1051)。
S1051において特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定された場合(S1051がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1051において特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定された場合(S1051がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1052に移す。
S1052において、メインCPU1201は、特別図柄休止フラグ値をロードする。メインCPU1201は、S1052の処理を実行した後、処理を、S1053に移す。
S1053において、メインCPU1201は、S1052でロードした特別図柄休止フラグ値に基づいて、特別図柄休止フラグがオフであるか否かを判定する。
S1053において特別図柄休止フラグがオフでないすなわちオンであると判定された場合(S1053がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1053において特別図柄休止フラグがオフであると判定された場合(S1053がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1054に移す。
S1054において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図77のS1025参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1054の処理を実行した後、処理を、S1055に移す。
S1055において、メインCPU1201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄の可変表示を停止させる処理も行われる。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU1201は、S1055の処理を実行した後、処理を、S1056に移す。
S1056において、メインCPU1201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであり、その計数値は、メインRAM1203内の所定領域に格納される。例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理するカウンタを設けてもよいが、図柄確定数カウンタにより特定状態下での特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU1201は、S1056の処理を実行した後、処理を、S1057に移す。
S1057において、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が小当りであるか否かを判定する。
S1057において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が小当りでないと判定された場合(S1057がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1059に移す。
一方、S1057において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が小当りであると判定された場合(S1057がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1058に移す。
S1058において、メインCPU1201は、他方の特別図柄に対して特別図柄休止フラグをセットする。この処理が行われることにより、小当り遊技制御処理の実行中に他方の特別図柄の可変表示を開始乃至停止しないようにすることができる。メインCPU1201は、S1058の処理を実行した後、処理を、S1059に移す。
S1059において、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りであるか否かを判定する。
S1059において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りでないと判定された場合(S1059がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1059において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りであると判定された場合(S1059がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1060に移す。
S1060において、メインCPU1201は、他方の特別図柄に対して特別図柄休止フラグをセットする。この処理が行われることにより、大当り遊技制御処理の実行中に他方の特別図柄の可変表示を開始しないようにすることができる。メインCPU1201は、S1060の処理を実行した後、処理を、S1061に移す。
S1061において、メインCPU1201は、他方の特別図柄が可変表示中であるか否かを判定する。
S1061において他方の特別図柄が可変表示中でないと判定された場合(S1061がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1061において他方の特別図柄が可変表示中であると判定された場合(S1061がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1062に移す。
S1062において、メインCPU1201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。メインCPU1201は、S1062の処理を実行した後、処理を、S1063に移す。
S1063において、メインCPU1201は、可変表示停止フラグをセットする。この処理が行われると、試射試験信号が外部に出力されるようになる。この試射試験信号は、他方の特別図柄が強制的にハズレで停止されたことを示す信号である。メインCPU1201は、S1063の処理を実行した後、処理を、S1064に移す。
S1064において、メインCPU1201は、他方の特別図柄の当りフラグを強制的にハズレに変えてセットする。この処理を行うことにより、処理対象の特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りである場合、他方の特別図柄が可変表示中であって、この他方の特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであったとしても、他方の特別図柄が強制的にハズレで停止することとなる。メインCPU1201は、S1064の処理を実行した後、処理を、S1065に移す。
S1065において、メインCPU1201は、他方の特別図柄の可変表示に関連する作業領域をクリアする処理を行う。メインCPU1201は、S1065の処理を実行した後、処理を、S1066に移す。
S1066において、メインCPU1201は、他方の特別図柄のタイマに、所定の確定待ち時間をセットする処理を行う。この処理では、特別図柄が大当りを示す停止表示態様で停止したときに他方の特別図柄がハズレを示す停止表示態様で停止するように、確定待ち時間がセットされる。メインCPU1201は、S1066の処理を実行した後、処理を、S1067に移す。
S1067において、メインCPU1201は、他方の特別図柄の制御状態番号に「2」をセットする。メインCPU1201は、S1067の処理を実行した後、処理を、S1068に移す。
S1068において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU1201は、S1068の処理を実行した後、処理を、S1069に移す。
S1069において、メインCPU1201は、他方の特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された他方の特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU1201は、S1069の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
このように、本実施例の特別図柄可変表示終了処理では、処理対象である特別図柄に対して特別図柄休止フラグがセットされておらず、この特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りであり、且つ、他方の特別図柄が可変表示中である場合には、他方の特別図柄の可変表示を強制的にハズレにする処理が行われる。
[2-4-5.特別図柄遊技判定処理]
次に、図81および図82を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1025でメインCPU1201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図81および図82は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この特別図柄遊技判定処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1025で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄遊技判定処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1025で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S1071)。
S1071において特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定された場合(S1071がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1071において特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定された場合(S1071がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1072に移す。
S1072において、メインCPU1201は、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S1072において、大当りでないすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様でないと判定された場合(S1072がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1073に移す。一方、S1072において、大当りであるすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S1072がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1075に移す。
S1073において、メインCPU1201は、小当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が小当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S1073において、小当りでないすなわち停止した特別図柄がハズレを示す停止表示態様であると判定された場合(S1073がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1074に移す。
S1074において、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図83を参照して後述する。なお、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1073において、小当りであるすなわち停止した特別図柄が小当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S1073がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1075に移す。
S1075において、メインCPU1201は、大当り遊技制御処理または小当り遊技制御処理の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板1184を介して例えばホールコンピュータ1186(いずれも図70参照)や島コンピュータ(不図示)に出力される信号の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄にかかわる信号である。メインCPU1201は、S1075の処理を行った後、処理を、S1076に移す。
また、S1075の大当り遊技制御処理の開始設定処理において、メインCPU1201は、確変フラグ、確変カウンタ、時短フラグ、および時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S1076において、メインCPU1201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU1201は、例えば、開放される大入賞口(例えば、大当り用大入賞口1131または小当り用大入賞口1151)の開放回数の上限値をセットする処理(S1077)、外部端子板1184への大当り信号セット処理(S1078)、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S1079)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S1080)、および、大当り開始表示コマンドの送信予約処理(S1081)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S1079)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図77のS1026参照)が行われることとなる。その後、メインCPU1201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S1071~S1081)を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[2-4-6.特別図柄遊技終了処理]
次に、図83を参照して、特別図柄遊技判定処理(図81および図82参照)中のS1074でメインCPU1201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図83は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU1201は、先ず、時短管理処理を行う(S1091)。この時短管理処理の詳細については、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して説明した処理と同様であるため、説明を省略する。メインCPU1201は、S1091の処理を実行した後、処理を、S1092に移す。
S1092において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理が行われると、次回の特別図柄遊技の実行が可能となる。メインCPU1201は、S1092の処理を実行した後、処理を、S1093に移す。
S1093において、メインCPU1201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理(S1094)を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、S1094の処理後、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を、特別図柄遊技判定処理(図81参照)に戻す。
なお、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果がハズレである場合、メインCPU1201は、確変フラグおよび時短フラグのいずれについてもセットまたはリセットしない。そのため、ハズレの表示態様が導出されたとしても遊技状態は移行しない。
[2-4-7.大入賞口開放準備処理]
次に、図84を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1026でメインCPU1201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図84は、第2のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この大入賞口開放準備処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1026で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、大入賞口開放準備処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1026で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する(S1101)。
S1101において特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定された場合(S1101がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1101において特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定された場合(S1101がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1102に移す。
S1102において、メインCPU1201は、大入賞口開放回数カウンタ値をロードする。大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技制御処理の実行時であれば、大当り遊技状態において実行されたラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタが相当し、小当り遊技制御処理の実行時であれば、小当り遊技制御処理の実行回数を計数するカウンタが相当する。なお、大入賞口開放回数カウンタの計数値(大入賞口開放回数カウンタ値)は、メインRAM1203内の所定領域に格納される。メインCPU1201は、S1102の処理を実行した後、処理を、S1103に移す。
S1103において、メインCPU1201は、大入賞口(例えば、大当り用大入賞口1131または小当り用大入賞口1151)の開放回数が上限値であるか否かを判定する。なお、本実施例では、大当り遊技状態において開放される大当り用大入賞口1131の開放回数であるラウンド数の上限値は、例えば当り種類決定テーブル(図73参照)に示されるように4ラウンドまたは10ラウンドである。一方、小当り遊技状態において開放される小当り用大入賞口1151の開放回数の上限値は例えば1回である。
S1103において大入賞口の開放回数が上限値であると判定された場合(S1103がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1104に移す。
S1104において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S1104)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り終了処理(図77のS1028参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1104の処理を実行した後、処理を、S1105に移す。
S1105において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU1201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う(S1106)。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、S1106の処理後、メインCPU1201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
S1103に戻って、大入賞口の開放回数が上限値でないと判定された場合(S1103がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1107に移す。
S1107において、メインCPU1201は、大入賞口開放回数カウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU1201は、S1107の処理を実行した後、処理を、S1108に移す。
S1108において、メインCPU1201は、開放する大入賞口の選択処理を行う。この処理では、開放する大入賞口として、大当り遊技制御処理の実行時であれば大当り用大入賞口1131(図69参照)が選択され、小当り遊技制御処理の実行時であれば小当り用大入賞口1151(図69参照)が選択される。メインCPU1201は、S1108の処理を実行した後、処理を、S1109に移す。
S1109において、メインCPU1201は、大入賞口関連各種設定処理を行う。この処理では、例えば、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の開放回数、大入賞口の最大開放時間、大入賞口への最大入賞個数、大入賞口入賞時の賞球数等がセットされる。大入賞口の開放回数は、大当り遊技制御処理の実行時であればラウンド数が相当し、小当り遊技制御処理の実行時であれば小当り用大入賞口1151の開放回数が相当する。なお、1ラウンドまたは小当り遊技制御処理において大入賞口が複数回開放されるものを排除する趣旨ではない。ただしこの場合は、ラウンド数を管理する制御と、大入賞口の開閉回数を管理する制御とを、別の処理として行うことが好ましい。メインCPU1201は、S1109の処理を実行した後、処理を、S1110に移す。
なお、本実施例において、大入賞口の最大開放時間は、大当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大30000msecにセットされ、小当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大1800msecにセットされる。大入賞口への最大入賞個数は、大当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大10個にセットされ、小当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大5個にセットされる。大入賞口入賞時の賞球数は、例えば、大当り用大入賞口1131および小当り用大入賞口1151のいずれについても10個にセットされる。ただし、大入賞口関連各種設定処理においてセットされる値は上記に限られない。
S1110において、メインCPU1201は、大入賞口開閉制御処理を行う。この処理では、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU1201は、S1110の処理を実行した後、処理を、S1111に移す。
S1111において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理(S1111)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図77のS1027参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1111の処理を実行した後、処理を、S1112に移す。
S1112において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU1201は、S1112の処理を実行した後、処理を、S1113に移す。
S1113において、メインCPU1201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU1201は、S1113の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
[2-4-8.大入賞口開放制御処理]
次に、図85を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1027でメインCPU1201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図85は、第2のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この大入賞口開放制御処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1027で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、大入賞口開放制御処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1027で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する(S1121)。
S1121において特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定された場合(S1121がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1121において特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定された場合(S1121がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1122に移す。
S1122において、メインCPU1201は、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、大入賞口への遊技球の入賞個数を計数する大入賞口入賞カウンタ(例えば、大当り用大入賞口カウントスイッチ1132、小当り用大入賞口カウントスイッチ1152(いずれも図70参照)等)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、大入賞口入賞カウンタにより計数された大入賞口入賞カウンタ値は、メインRAM1203内の所定領域に格納される。
S1122において、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S1122がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1123に移す。
一方、S1122において、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S1122がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1124に移す。
S1123において、メインCPU1201は、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、大入賞口関連各種設定処理(図84のS1109参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S1123において大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S1123がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1123において大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の最大開放時間が経過していると判定された場合(S1123がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1124に移す。
S1124において、メインCPU1201は、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の閉鎖処理を行う。メインCPU1201は、S1124の処理を実行した後、処理を、S1125に移す。
S1125において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S1125)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図77のS1026参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1125の処理を実行した後、処理を、S1126に移す。
S1126において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU1201は、S1126の処理を実行した後、処理を、S1127に移す。
S1127において、メインCPU1201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、S1127の処理後、メインCPU1201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
[2-4-9.大当り終了処理]
次に、図86を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1028でメインCPU1201により実行される大当り終了処理について説明する。図86は、第2のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この大当り終了処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1028で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、大当り終了処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1028で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する(S1131)。
S1131において特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定された場合(S1131がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大当り終了処理を終了するとともに特別図柄管理処理(図77参照)も終了し、処理を、特別図柄制御処理(図76参照)に戻す。この場合、特別図柄管理処理が呼び出された処理に戻す。
一方、S1131において特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定された場合(S1131がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1132に移す。
S1132において、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了設定処理を行う。この処理では、各種フラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ、天井カウント禁止フラグ等)の値をセットまたはリセットや、各種カウンタ(例えば、確変カウンタ、時短カウンタ、図柄確定数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、天井カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。なお、特別図柄休止フラグおよび天井カウンタは、いずれも、特別図柄遊技終了設定処理(S1132)においてリセットされる。また、確変フラグがオンにセットされる場合、天井カウント禁止フラグもオンにセットされる。これにより、確変フラグがオンの高確遊技状態では、天井カウンタの更新が行われないようになる。メインCPU1201は、S1132の処理を実行した後、処理を、S1133に移す。
S1133において、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図31を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU1201は、S1133の処理を実行した後、大当り終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り終了処理を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[2-5.小当りラッシュ]
上述した第2のパチンコ遊技機では、所謂小当りラッシュを実現することができる。以下に、小当りラッシュについて説明する。
第2のパチンコ遊技機では、上述したとおり、通常遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態が用意されており、メインCPU1201は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態に制御する。なお、上述したとおり、通常遊技状態では、左打ちが正規な遊技態様とされるため、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄ゲームが主として実行される。また、その他の遊技状態(高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態)では、右打ちが正規な遊技態様とされるため、第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞に基づく第2特別図柄ゲームが主として実行される。なお、普通電動役物ユニット1145に含まれる入賞口を第1始動口とした場合には、通常遊技状態、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちのいずれかの遊技状態では第1特別図柄ゲームが主として実行され、高確非時短遊技状態では第2特別図柄ゲームが主として実行される。
本実施例では、高確非時短遊技状態において、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞頻度が他の遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)と比べて高められることによって、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値が1を超えうる小当りラッシュとなる。
ここで、小当りラッシュの仕組みの一例について説明する。先ず、右打ちされた遊技球は、ほぼ通過ゲート1126を通過する。高確非時短遊技状態では、普通電動役物1146を作動させて入賞口(本実施例では例えば第2始動口1140B)を開放状態とする頻度を高める電サポ制御が実行されない。また、大当り遊技制御処理が実行されない限り大当り用大入賞口1131も開放状態とならないため、高確非時短遊技状態において第2始動口1140Bが開放状態となる頻度は、時短制御が実行される遊技状態と比べて低い。そのため、小当り用大入賞口1151が開放されていれば、右打ちされ且つ下方の流下経路1107bに振り分けられた遊技球が小当り用大入賞口1151に入賞可能となる。小当り用大入賞口1151に遊技球が入賞すると、上述したように例えば10個の賞球が払い出される。また、右打ちされ且つ上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球は、第2始動口1140Aに入賞可能である。第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞すると、例えば、特別図柄の当り判定テーブル(図71参照)に示されるように3分の1(概算)といった比較的高い確率で小当りを示す停止表示態様が導出されるだけでなく、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図75参照)に示されるように超速変動(例えば、可変表示時間1000msec)が実行されるため、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞頻度が他の遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)と比べて高められる。このようにして、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値が1を超えうる小当りラッシュの実現が可能となっている。
一方、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)では、電サポ制御が実行されることによって第2始動口1140Bが開放状態となり、右打ちされ且つ下方の流下経路1107bに振り分けられた遊技球の殆どが第2始動口1140Bに入賞してしまう。そのため、たとえ小当り用大入賞口1151が開放されていたとしても、小当り用大入賞口1151に遊技球が入賞する期待値は低い。しかも、上述したように、第2始動口1140Bに遊技球が入賞したとしても例えば1個の賞球しか払い出されない。右打ちされ且つ上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球が第2始動口1140Aに入賞すると例えば3個の賞球が払い出されるものの、第2始動口1140Aには、右打ちされ且つ上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球のうち概ね3分の1~5分の1の遊技球しか入賞しない。このように、時短制御が実行される遊技状態では、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値が1を超えないようになっている。
また、通常遊技状態では、左打ちが正規な遊技態様とされるが、仮に右打ちを行った場合、右打ちされた遊技球が通過ゲート1126を通過して普通図柄当りを示す停止表示態様が導出されると普通電動役物1146が作動し、第2始動口1140Bに遊技球が入賞することによって小当り用大入賞口1151が開放される可能性がある。ただし、通常遊技状態では、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図74参照)を参照して特別図柄の変動パターンが決定されるため、仮に第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞したとしても、変動時間が極めて長い長変動A~Cのいずれかで第2特別図柄の可変表示が行われ、小当り用大入賞口1151が開放される頻度は極めて小さい。そのため、通常遊技状態において遊技者が右打ちを行う実益はない。なお、普通電動役物ユニット1145に含まれる入賞口を第1始動口とした場合、通常遊技状態における普通図柄の当り確率を例えば0にすることにより、右打ちを行う実益を生じさせないようにしてもよい。通常遊技状態では、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値は、1を超えないことは勿論、時短制御が実行される遊技状態よりも小さい。
なお、本実施例では、高確非時短遊技状態において小当りラッシュとなるように構成したが、これに限られない。例えば、電サポ制御を実行せずに特別図柄の可変表示時間を短縮させる特図短縮制御が実行される高確時短遊技状態において小当りラッシュとなるようにしてもよい。
[3.第3のパチンコ遊技機]
次に、第3のパチンコ遊技機について説明する。第3のパチンコ遊技機は、上述したとおり、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機であり、大当り遊技状態に制御されるまでのルートとして、第1のルートと第2のルートとがある。第1のルートは、特別図柄当り判定処理の結果が「大当り」であることを示す停止表示態様が導出された場合である。第2のルートは、特別図柄判定の結果が「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたことによってVアタッカーが開放し、開放されたVアタッカーに進入した遊技球がVアタッカー内のV入賞口に入賞した場合である。
なお、第3のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して可変表示させず、第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立する優先変動機である。ただし、これに限られず、上述した順次変動機としてもよい。
以下、第3のパチンコ遊技機について説明するにあたり、例えば外枠2およびベースドア3等の基本構成等、並びに、外部端子板2184(後述の図88参照)から第3のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ2186(後述の図88参照)や各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号等のように、機能、形状および配置位置等が第1のパチンコ遊技機と共通する点については極力説明を省略するものとする。
なお、第3のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機の説明で用いた図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と同じ符号およびステップ番号を用いて説明する。ただし、第3のパチンコ遊技機の説明において新たに採用された図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と機能等が共通する構成であったとしても、第1のパチンコ遊技機と異なる符号およびステップ番号を用いて説明するものとする。
[3-1.遊技盤ユニット]
図87を参照して、第3のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット2010について説明する。この遊技盤ユニット2010も、第1のパチンコ遊技機と同様に、保護ガラス43(図2参照)の後方に位置するようにベースドア3(図2参照)の前方に配置される。
図87は、第3のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット2010の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット2010の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域2105が形成される。
なお、第3のパチンコ遊技機の遊技領域2105に配置される各種部材(例えば第1始動口2120等)は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される各種部材と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図87に示されるように、遊技盤ユニット2010は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域2105が形成される遊技パネル2100と、ガイドレール2110と、遊技領域2105の略中央部に配置されるセンター役物2115と、第1始動口2120と、第2始動口2140と、一般入賞口2122と、通過ゲートユニット2125と、特別電動役物ユニット2130と、普通電動役物ユニット2145と、LEDユニット2160と、V入賞装置2150と、アウト口2178と、裏ユニット(不図示)とを備える。なお、LEDユニット2160については第1のパチンコ遊技機のLEDユニット160と同様であり、この第3のパチンコ遊技機では説明を省略する。
(遊技パネル)
遊技パネル2100には、表示装置2007の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル2100の前面には、ガイドレール2110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール2110から遊技領域2105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域2105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル2100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル2100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル2100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル2100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール2110は、第1のパチンコ遊技機と同様に円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域2105は、ガイドレール2110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置2006(後述の図88参照)から発射された遊技球を遊技領域2105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物2115は、遊技パネル2100の開口(参照符号なし)にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール2116を備えている。遊技領域2105に向けて発射された遊技球は、センターレール2116によって左右に振り分けられる。
発射装置2006によって遊技領域2105に向けて発射された遊技球は、左側領域2106または右側領域2107を流下する。左側領域2106または右側領域2107を流下する遊技球は、遊技パネル2100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域2106を流下する。一方、発射ハンドル62の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域2107を流下する。
また、センター役物2115には、左側の外周縁部に、左側領域2106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口2117が形成されている。ワープ入口2117に進入した遊技球は、センター役物2115に形成されたステージ2118に誘導可能に構成されている。ステージ2118は、表示装置2007の表示領域の下辺前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ2118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ2118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口2119が形成されており、チャンス入口2119に進入した遊技球は、第1始動口2120の直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口2119に進入した遊技球は、ワープ入口2117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口2117に進入したもののチャンス入口2119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で第1始動口2120に入賞(通過)するようになっている。
(第1始動口)
第1始動口2120は、表示装置2007の表示領域の下方に配置されており、左打された遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口2120に遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ2121(後述の図88参照)により検出される。なお、右打ちされた遊技球が第1始動口2120に入賞可能であってもよい。また、上記の第1始動口2120に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)な第1始動口を備えるようにしてもよい。
第1始動口スイッチ2121(後述の図88参照)により第1始動口2120への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、始動条件が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口2120に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第1始動口2120への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は3個に限られない。
(第2始動口)
第2始動口2140は、右打された遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)に配置されている。ただし、これに限られず、左打ちされた遊技球が第2始動口2140に入賞可能であってもよい。
第2始動口2140に遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ2141により検出される。第2始動口スイッチ2141(後述の図88参照)により第2始動口2140への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口2140に遊技球が入賞すると例えば1個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口2140への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(一般入賞動口)
一般入賞口2122は、表示装置2007の表示領域の左下方に複数配置されており、左打された遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。複数の一般入賞口2122のうちいずれかに遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ2123(後述の図88参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ2123(後述の図88参照)により一般入賞口2122への遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口2122への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。
また、本実施例において、一般入賞口2122は、右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能となるように配置されているが、必ずしもこれに限られず、上記の一般入賞口2122に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能な一般入賞口を備えてもよい。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット2125は、右側領域2107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように構成された通過ゲート2126と、通過ゲート2126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ2127(後述の図88参照)とを一体化したユニット体である。通過ゲート2126への遊技球の通過を検出すると、普通図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された各種データは、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ2127により通過ゲート2126への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット2125は、右側領域2107に代えてまたは加えて左側領域2106に配置されていてもよい。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット2130は、大入賞口2131と、大入賞口2131への遊技球の入賞(通過)を検出する大入賞口カウントスイッチ2132(後述の図88参照)と、特別電動役物2133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット2130は、右側領域2107において、通過ゲートユニット2125よりも下方に配置されている。
大入賞口2131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大入賞口2131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大入賞口を配置したり、センター役物2115の上部において遊技球が入賞可能な大入賞口を配置するようにしてもよい。
大入賞口2131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。大入賞口カウントスイッチ2132(後述の図88参照)により大入賞口2131への遊技球の入賞が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、大入賞口2131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
特別電動役物2133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ2134と、この特電用シャッタ2134を作動させる特電用ソレノイド2135(後述の図88参照)とを備える。特別電動役物2133すなわち特電用シャッタ2134は、大入賞口2131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大入賞口2131への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に移行可能に構成される。大入賞口2131が閉鎖状態から開放状態に移行するのは、上述した第1のルートを経て大当り遊技状態となった場合である。上述した第1のルートを経て大当り遊技状態となった場合、上記の閉鎖状態から開放状態への状態移行が所定のラウンド数にわたって行われる。なわち、第1のルートを経た大当り遊技状態は、大入賞口2131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット2145は、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物2146とを一体化したユニット体であって、右側領域2107に配置されている。本実施例では、上記の入賞口を第2始動口2140とし、上記のスイッチを第2始動口スイッチ2141としている。
普通電動役物2146は、前後方向に進退可能な突出板型の普電用シャッタ2147と、この普電用シャッタ2147を作動させる普電用ソレノイド2148(後述の図88参照)とを備える。普通電動役物2146すなわち普電用シャッタ2147は、第2始動口2140への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、第2始動口2140への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ2147に代えて、所謂電チューと呼ばれる可動部材を採用してもよい。
(V入賞装置)
V入賞装置2150は、右側領域2107において通過ゲート2126の下流側に設けられている。V入賞装置2150は、V入賞装置2150の内部に遊技球が進入できるように開口された開閉入賞口2151と、開閉入賞口2151を開閉させることが可能なVアタッカー2152と、このVアタッカー2152を作動させて開閉入賞口2151を開閉させるVアタッカー用ソレノイド2154と、Vアタッカー2152の作動により開閉入賞口2151が開放されたときにV入賞装置2150の内部に遊技球が進入したことを検出するVアタッカーカウントスイッチ2153と、開閉入賞口2151からV入賞装置2150の内部に進入した遊技球が通過可能なV入賞口2155と、開閉入賞口2151からV入賞装置2150の内部に進入した遊技球がV入賞口2155に遊技球が進入(通過)したことを検出するV入賞口スイッチ2156と、開閉入賞口2151からV入賞装置2150の内部に進入した遊技球のうちV入賞口2155に進入しなかった遊技球が進入(通過)可能なハズレ口2157と、V入賞口2155を開閉させるVシャッター2158と、このVシャッター2158を作動させてV入賞口2155を開閉させるVシャッター用ソレノイド2159と、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球のうち1球のみを保持することができる係止部材2160とを備える。なお、V入賞装置2150は、通過ゲート2126よりも上流側に設けられていてもよいし、左側領域2106に設けられていてもよい。
Vアタッカー2152は、弧状に沿った部材からなり、常には開閉入賞口2151を閉鎖する閉鎖状態である。そして、特別図柄の可変表示が終了して後述する「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されると、特別図柄の可変表示が終了するとほぼ同時に、Vアタッカー用ソレノイド2154(後述の図88参照)の作動によりVアタッカー2152が例えば1回作動する。Vアタッカー2152は、1回作動すると開閉入賞口2151が例えば1800msec開放する開放状態となる。そして、Vアタッカー2152の作動により開閉入賞口2151が開放している間、V入賞装置2150の内部に進入可能な遊技球は、1回の開放あたり最大で例えば10個である。
なお、「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたときにVアタッカー2152を開放させる態様は、上記に限られず、例えば、900msecの開放を2回行ってもよいし、所定個(例えば1個)の遊技球がV入賞装置2150の内部に進入したことに基づいて閉鎖するようにしてもよい。
Vアタッカーカウントスイッチ2153は、V入賞装置2150の内部への遊技球の進入を検出するものである。Vアタッカーカウントスイッチ2153によりV入賞装置2150の内部への遊技球の進入が検出されると、メインCPU2201は、払出・発射制御回路2400を介して例えば10個の賞球を払い出し、メインCPU2201の機能であるVアタッカー入賞カウンタの値を加算する。Vアタッカー入賞カウンタが規定値に到達すると、開閉入賞口2151を開放することができる最大時間(例えば1800msec)が経過していなくても、Vアタッカー用ソレノイド2154によりVアタッカー2152が作動して開閉入賞口2151が閉鎖される。
V入賞口2155は、遊技球が通過したことを条件に、Vアタッカー2152の開放制御が継続される。すなわち、V入賞口2155は、上述した第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される契機となる入賞口である。
V入賞口スイッチ2156は、V入賞口2155への遊技球の通過を検出するものである。メインCPU2201(図88参照)は、Vアタッカー2152が開放してから所定時間(例えば4000msec)内にV入賞口2155への遊技球の通過を検出すると、Vアタッカー2152の開放制御を継続する。すなわち、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される。第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、Vアタッカー2152が閉鎖状態から開放状態に移行するラウンド遊技が所定のラウンド数にわたって行われる。
このように、本実施例では、第1のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合は大入賞口2131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行されるのに対し、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合はVアタッカー2152を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行される。ただし、これに限られず、例えば第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、1ラウンド目はVアタッカー2152を閉鎖状態から開放状態へ移行させるものの、ラウンド遊技の途中から例えば大入賞口2131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技を実行してもよい。
また、例えば特別電動役物2133の内部(すなわち、特電用シャッタ2134が開放状態となったときに遊技球の進入が可能となる領域)にV入賞口を設ける等によって、V入賞口および大当り遊技状態において開放されるアタッカーを一つずつとしてもよい。この場合、「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されると特電用シャッタ2134が開放状態とされ、特別電動役物2133の内部に設けられたV入賞口2155に遊技球が進入すると、大当り遊技状態(第2のルートを経た大当り遊技状態)に制御される。
ハズレ口2157は、V入賞装置2150の内部に進入したもののV入賞口2155を通過しなかった遊技球が進入(通過)するよう構成されたものである。ハズレ口2157を通過した遊技球は機外に排出される。なお、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球の全部がハズレ口2157を通過し、V入賞口2155への遊技球の通過がなかった場合、Vアタッカー2152の開放制御が継続されずに終了する。
Vシャッター2158は、Vシャッター用ソレノイド2159(後述の図88参照)の作動により、V入賞口2155への遊技球の通過が不可能(又は困難)な閉鎖態様と、V入賞口2155への遊技球の通過が可能(又は容易)な開放態様との間で、常時一定動作を行っている。本実施例では、例えば、「6000msec閉鎖⇒1000msec開放⇒6000msec閉鎖」の動作を繰り返す7000msecのサイクル(周期)でVシャッター2158が常時一定動作を行っている。
係止部材2160は、V入賞口2155の上方に設けられており、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球のうち例えば1球のみを保持することができるように構成されている。V入賞装置2150に進入したものの係止部材2160により保持されなかった遊技球は、ハズレ口2157から機外に排出される。V入賞装置2150に複数の遊技球が進入した場合であっても、係止部材2160により保持されなかった遊技球は、全て、ハズレ口2157から機外に排出される。
また、係止部材2160は、Vアタッカー2152が作動してから一定時間(例えば3000msec)経過後に、図示しない係止用ソレノイドの作動により遊技球の係止が解除される。係止部材2160における係止が解除された遊技球は、V入賞口2155に向けて落下し、このタイミングでV入賞口2155が開放されていればV入賞口2155に入賞(通過)し、このタイミングでV入賞口2155が閉鎖していればハズレ口2157を通過する。なお、係止部材2160を設けずに、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球を、V入賞口2155またはハズレ口2157に振り分けるようにしてもよい。
(アウト口)
アウト口2178は、遊技領域2105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口2120、第2始動口2140、大入賞口2131、V入賞装置2150、一般入賞口2122等)のいずれにも入賞または進入しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口2178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域2105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口2178に加えて、最下流側でない位置、例えば複数の一般入賞口2122の間や特別電動役物ユニット2130と第2始動口2140との間等にアウト口を設けて、遊技領域2105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、第1のパチンコ遊技機と同様、遊技盤ユニット2010を装飾するものであって、遊技パネル2100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、表示装置2007の表示領域の周囲に配置され、サブ制御回路2300によって制御される可動役物等の演出用役物群2058を備える。これらの演出用役物群2058のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[3-2.電気的構成]
次に、図88を参照して、第3のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図88は、第3のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。なお、第3のパチンコ遊技機の制御回路は、第1のパチンコ遊技機の制御回路と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図88に示されるように、第3のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と同様、主に、遊技の制御を行う主制御回路2200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路2300と、払出・発射制御回路2400と、電源供給回路2450と、から構成される。
[3-2-1.主制御回路]
主制御回路2200は、メインCPU2201、メインROM2202(読み出し専用メモリ)およびメインRAM2203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路2204およびバックアップコンデンサ2207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU2201には、メインROM2202、メインRAM2203および初期リセット回路2204等が接続される。メインCPU2201は、動作を監視するWDTや不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM2202には、メインCPU2201により第3のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU2201は、メインROM2202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM2203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられており、このメインRAM2203は、メインCPU2201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU2201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路2204は、メインCPU2201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ2207は、電断時等に、メインRAM2203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路2200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート2205、および、サブ制御回路2300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート2206等も備える。
また、主制御回路2200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路2200には、普通図柄表示部2161、普通図柄用保留表示部2162、第1特別図柄表示部2163、第2特別図柄表示部2164、第1特別図柄用保留表示部2165、第2特別図柄用保留表示部2166、時短報知用表示部2168、普電用ソレノイド2148、特電用ソレノイド2135、Vアタッカー用ソレノイド2154、および、Vシャッター用ソレノイド2159等が接続されている。また、主制御回路2200には、これらの他、性能表示モニタ2170およびエラー報知モニタ2172等も接続されている。主制御回路2200は、I/Oポート2205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ2170には、メインCPU2201の制御により性能表示データや設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ2172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ2172には、エラーコードの他に、例えば設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄の表示として通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路2200には、第1始動口スイッチ2121、第2始動口スイッチ2141、通過ゲートスイッチ2127、大入賞口カウントスイッチ2132、Vアタッカーカウントスイッチ2153、V入賞口スイッチ2156、および、一般入賞口スイッチ2123も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート2205を介して主制御回路2200に送信される。
さらに、主制御回路2200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ2186にデータ送信する際に用いる外部端子板2184、設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー2174、メインRAM2203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なバックアップクリアスイッチ2176等が接続されている。なお、設定機能付きパチンコ遊技機であれば、バックアップクリアスイッチ2176を、設定値を変更する際のスイッチと兼用するようにしてもよいし、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー2174およびバックアップクリアスイッチ2176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー2174やバックアップクリアスイッチ2176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー2174およびバックアップクリアスイッチ2176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の責任者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の責任者が設定キー2174または/およびバックアップクリアスイッチ2176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー2174およびバックアップクリアスイッチ2176は、主制御回路2200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路2400や電源供給回路2450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の責任者以外の第三者が設定キー2174やバックアップクリアスイッチ2176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[3-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路2300は、サブCPU2301、プログラムROM2302、ワークRAM2303、表示制御回路2304、音声制御回路2305、LED制御回路2306、役物制御回路2307およびコマンド入力ポート2308等を備える。サブ制御回路2300は、主制御回路2200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図88には示されていないが、第1のパチンコ遊技機と同様、サブ制御回路2300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM2302には、サブCPU2301により第3のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU2301は、プログラムROM2302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU2301は、主制御回路2200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM2303は、サブCPU2301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路2304は、表示装置2007における表示制御を行うための回路である。表示制御回路2304は、VDPや、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路2304は、サブCPU2301からの画像表示命令に応じて、表示装置2007に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置2007に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路2304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置2007に供給する。表示装置2007に画像信号が供給されると、表示装置2007に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路2304は、表示装置2007に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路2305は、スピーカ2032から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路2305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ2032から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU2301から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ2032から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路2306は、装飾LED等を含むLED群2046の制御を行うための回路である。LED制御回路2306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路2307は、各役物(例えば、演出用役物群2058のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路2307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路2307は、サブCPU2301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU2301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート2308は、コマンド出力ポート2206と接続されており、主制御回路2200から送信されたコマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路2400は、パチンコ遊技機からの賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路2400には、遊技球を払い出すための払出装置2082、遊技球を発射するための発射装置2006、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット2180等が接続されている。
払出・発射制御回路2400は、主制御回路2200から供給される賞球制御コマンドを受け取ると、払出装置2082に対して所定の信号を送信し、払出装置2082に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット2180には、球貸し操作パネル2182が接続されている。球貸し操作パネル2182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット2180に送信される。払出・発射制御回路2400は、カードユニット2180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置2082に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル2182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット2180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路2400は、発射ハンドル62(図1、図2参照)が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
電源供給回路2450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路2200、サブ制御回路2300、払出・発射制御回路2400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路2450には、電源スイッチ2095等が接続されている。電源スイッチ2095は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路2200、サブ制御回路2300、払出・発射制御回路2400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[3-3.基本仕様]
次に、図89~図92を参照して、第3のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。なお、第3のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
なお、第3のパチンコ遊技機では、確変制御が実行されない。また、第3のパチンコ遊技機では、時短制御が実行されない通常遊技状態および時短制御が実行される時短遊技状態が用意されており、メインCPU2201は、通常遊技状態または時短遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。
本実施例において、通常遊技状態では左打ちが正規な遊技態様とされ、時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU2301は、正規な遊技態様とされる打ち方を、例えば表示装置2007の表示領域に表示する制御を実行する。
[3-3-1.特別図柄の当り判定テーブル]
図89は、第3のパチンコ遊技機が備える主制御回路2200のメインROM2202に記憶されている特別図柄の当り判定テーブルの一例である。
図89に示されるとおり、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)した場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第1特別図柄の当り判定処理に基づいて、特別図柄の当り判定処理の結果を、「時短当り」、「大当り」または「ハズレ」に決定する。また、第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)した場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第2特別図柄の当り判定処理に基づいて、特別図柄の当り判定処理の結果を、「時短当り」、「大当り」または「役物開放当り」に決定する。
なお、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合に「役物開放当り」が決定されないようにすることは必須ではないが、「役物開放当り」に決定されるようにしたとしても、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合と比べて極めて低い確率(例えば、「大当り」と同等か「大当り」よりも低い確率)でしか決定されないようにすることが好ましい。また、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合に「ハズレ」に決定されないようにすることは必須ではないが、「ハズレ」に決定されるようにした場合、「役物開放当り」に決定される確率よりも高くなるようにしてもよいし、「役物開放当り」に決定される確率よりも低くなるようにしてもよい。
メインROM2202に記憶される特別図柄の当り判定テーブルには、第1始動口2120への入賞に基づいて実行される第1特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「時短当り」、「大当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「時短当り判定値データ」、「大当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。また、第2始動口2140への入賞に基づいて実行される第2特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「時短当り」、「大当り」又は「役物開放当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「時短当り判定値データ」、「大当り判定値データ」、「役物開放当り判定値データ」)との関係が規定されている。
なお、この第3のパチンコ遊技機では、「大当り」に決定される大当り確率を変更する機能を有していないが、これは必須ではなく、例えば大当りの種類等に応じて確変フラグがオンにセットされるようにして大当り確率が高められるようにしてもよい。
また、この第3のパチンコ遊技機では、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数値の総乱数値は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数値は0~65535の範囲(幅)で発生する。
なお、第3のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機である場合、例えば、大当り確率または/および役物開放当り確率を、低設定よりも高設定の方が高くなるようにするとよい。この場合、例えば、大当り確率および役物開放当り確率の両方を、低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよいし、役物開放当り確率を設定値にかかわらず一定とし、大当り確率を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよいし、大当り確率を設定値にかかわらず一定とし、役物開放当り確率を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよい。ただし、第3のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機であったとしても、例えば、時短当り確率については、全設定で共通する確率とすることが好ましい。
また、設定値に応じて大当り確率や役物開放当り確率を変えることに代えてまたは加えて、例えば、Vアタッカー2152の開放時間を設定値毎に変えてV入賞装置2150への入賞率を変えたり、V入賞口2155の開放頻度や開放時間を設定値毎に変えてV入賞口2155への通過率を変えたり、時短継続回数を設定値毎に変えたりする等してもよい。すなわち、大当り確率、役物開放当り確率、V入賞口2155の開放頻度(すなわちVアタッカー2152の作動頻度)や開放時間および時短継続回数等、遊技者にとっての有利度合いを変更しうる条件のうちの一つまたは二つ以上を採用することにより、大当り遊技状態に制御される期待値が低設定よりも高設定の方が高くなるように構成してもよい。
[3-3-2.特別図柄判定テーブル]
図90は、第3のパチンコ遊技機が備える主制御回路2200のメインROM2202に記憶されている特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、始動口2120,2140に遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであった場合に、大当り種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図90に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば0~99のいずれであっても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z0」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、メインCPU2201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0~3のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が4~60のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。さらに、第1特別図柄の図柄乱数値が61~99のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれかであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれかであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
さらに、第2特別図柄の当り判定処理の結果として役物開放当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA6」を選択する。
なお、第3のパチンコ遊技機では説明を省略するが、主制御回路2200のメインROM2202には、第1のパチンコ遊技機において説明した特別図柄停止態様決定テーブル(図12(A)参照)に相当する特別図柄停止態様決定テーブルが記憶されている。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄の可変表示が停止したときに第1特別図柄表示部2163または第2特別図柄表示部2164(図88参照)に導出される特別図柄の停止態様を、選択図柄コマンドに応じて決定する際に参照されるテーブルである。また、特別図柄表示部2163,2164には、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて、時短当りの表示態様、大当りの表示態様、役物開放当りの表示態様またはハズレの表示態様が導出される。また、第1のパチンコ遊技機において説明した装飾図柄停止態様決定テーブル(図12(B)参照)に相当する装飾図柄停止態様決定テーブルについても、サブ制御回路2300のプログラムROM2302に記憶されている。
[3-3-3.当り種類決定テーブル]
図91は、第3のパチンコ遊技機が備える主制御回路2200のメインROM2202に記憶されている当り種類決定テーブルの一例である。当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、大当り遊技状態の態様(より詳しくはラウンド数)と、その後の遊技状態の態様(より詳しくは時短フラグおよび時短の終了条件)と、を決定する際に参照される。その後の遊技状態の態様は、大当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、大当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御される。図91の時短の終了条件に欄に示される「L」は、第1特別図柄の可変表示回数と第2特別図柄の可変表示回数との和を示す。同様に、「M」は第2特別図柄の可変表示回数を示し、「N」は役物開放当り回数を示す。なお、図91の備考欄は、分かりやすいように便宜上記載したものである。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」である場合、メインCPU2201は、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=30、M=6、N=3に決定する。また、選択図柄コマンドが「z5」である場合、メインCPU2201は、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=30、M=3、N=3に決定する。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、大当り遊技状態の態様としてのラウンド数は決定されない。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、大当り遊技状態の態様としてのラウンド数、およびその後の遊技状態(A時短遊技状態)の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z1」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=2に決定する。また、選択図柄コマンドが「z2」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を4ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=1に決定する。また、選択図柄コマンドが「z3」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を4ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットしないことを決定する。また、選択図柄コマンドが「z6」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=2に決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放り」(例えば、選択図柄コマンドが「z7」)であって、第2のルートを経た大当り遊技状態に制御された場合、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=2に決定する。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放り」であったとしても、第2のルートを経た大当り遊技状態に制御されなかった場合には、メインCPU2201は、大当り遊技状態を実行しないだけでなく、時短フラグもオンにセットせず、役物開放当りに基づく制御を実行した後、役物開放当り直前の遊技状態に戻す。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z4」の場合)、メインCPU2201は、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合、メインCPU2201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z4」の場合)、上述したように大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットされないため、本来、図91の当り種類決定テーブルに図示する必要がない。ただし、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれも決定されないことを明示するために、便宜上、図91に図示したものである。
また、図91の時短の終了条件の欄に示される「L」、「M」、および「N」は、いずれも遊技状態にかかわらず同じ条件であるが、これに限られず、遊技状態に応じて異なる条件としてもよい。例えば、終了条件「L」、「M」、および「N」の全部を、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とでそれぞれ異ならせてもよいし、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態でのみ異ならせてもよい。また、終了条件「L」、「M」、および「N」のうちいずれか一の終了条件のみを、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とでそれぞれ異ならせてもよいし、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態でのみ異ならせてもよい。すなわち、終了条件「L」、「M」、および「N」のうち少なくともいずれか一の終了条件を、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうち少なくともいずれか一の時短遊技状態において異ならせてもよい。
[3-3-4.特別図柄の変動パターンテーブル]
図92は、第3のパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。なお、図92中の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。メインCPU2201は、第1始動口2120への遊技球の入賞に基づくときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口2140への遊技球の入賞に基づくときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。
図92に示されるように、メインCPU2201は、第1始動口2120に遊技球が入賞したときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口2140に遊技球が入賞したときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。
図92に示されるように、第1特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、時短フラグの値、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)したときに抽出されたリーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて決定する。なお、時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされるため第1始動口2120に遊技球が入賞することは殆どないと考えられる。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
また、第2特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンを、第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
第2特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であって且つ時短フラグの値が「1」である場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンを、第2始動口2140に遊技球が入賞したときに抽出されたリーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて第2特別図柄の変動パターンを決定する。
一方、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であって且つ時短フラグの値が「0」である場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンを、変動時間が例えば600000msecと極めて長い長変動演出に決定する。時短フラグの値が「0」である場合、基本的に第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)することはないが、不測の事態が発生して仮に万一第2始動口2140に遊技球が入賞した場合であっても、有利者に与えうる利益を最小限にとどめるようにするためこのようにしたものであるが、このようにすることは必ずしも必須ではない。
なお、リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU2201は、第1始動口2120への遊技球の入賞に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。メインCPU2201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドを受信したサブCPU2301は、先読みフラグが設定されている場合、先読み演出を行う。
なお、便宜上、図92の特別図柄の変動パターンテーブルにはあらわれていないが、本実施例では、メインCPU2201は、時短フラグがオフである場合に先読みフラグを設定し、時短フラグがオンであったり確変フラグがオンである場合には先読みフラグを設定しない。
また、本実施例では、先読み演出を行うか否かをメインCPU2201が決定しているが、これに限られず、サブCPU2301が決定するようにしてもよい。
なお、メインCPU2201は、時短フラグがオンである場合や確変フラグがオンである場合にも先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。また、第2特別図柄の変動パターンを決定する際にも、先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。
時短フラグがオンである場合、決定される特別図柄の変動パターンは、時短フラグがオフである場合と比べて単位時間あたりの変動回数の期待値が小さい。すなわち、時短フラグがオンである場合の特別図柄の変動時間は、時短フラグがオフである場合の特別図柄の変動時間と比べて短時間となりやすい。
メインCPU2201は、決定した変動パターン情報をサブCPU2301に送信する。サブCPU2301は、メインCPU2201から送信された変動パターン情報に基づいて、表示装置2007の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ2032から出力される音演出を制御する。
また、図92の「備考」の欄に示される時短当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。同様に、大当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。さらに、共通リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。
また、第3のパチンコ遊技機では説明を省略するが、第1のパチンコ遊技機と同様に、主制御回路2200のメインROM2202には普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)、普通図柄判定テーブル(図17参照)、普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)が記憶されている。そして、メインCPU2201は、普通電動役物2146(図87参照)の開放パターンを第1のパチンコ遊技機と同様に決定し、これに基づいて普通電動役物2146の作動態様を制御する。
[3-4.主制御処理]
第3のパチンコ遊技機において、主制御回路2200のメインCPU2201により実行される各種処理(各種モジュール)は、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理が異なるものの、その他の処理については同様である。そこで、以下では、特別図柄制御処理について説明し、メインCPU2201により実行されるその他の処理についての説明は省略する。なお、第3のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理において行われる処理には、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理もあるが(例えば、大当り終了処理(図42、図103)等)、以下では、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理も含めて、ステップ番号を代えて改めて説明する。
[3-4-1.特別図柄制御処理]
次に、図93を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理について説明する。図93は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図93に示されるように、メインCPU2201は、先ず、S2001において、特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU2201は、S2001の処理を実行した後、処理を、S2002に移す。
なお、図示しないが、メインCPU2201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S2001の処理に先だって、メインRAM2203内の特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
また、同じく図示しないが、メインCPU2201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数をチェックする処理も行う。そして、メインCPU2201は、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数のいずれもが一定時間以上にわたって「0」である場合、デモ表示コマンド送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路2300が受信すると、サブCPU2301はデモ表示演出を行う。なお、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機でないため、第1のパチンコ遊技機において説明したような主特別図柄の概念がない。
S2002において、メインCPU2201は、S2001でロードした特別図柄の制御状態番号が0であるか否か、すなわち特別図柄の可変表示待ち状態であるか否かを判定する。
S2002において特別図柄の制御番号が0でないと判定された場合(S2002がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2005に移す。
一方、S2002において特別図柄の制御番号が0であると判定された場合(S2002がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2003に移す。
S2003において、メインCPU2201は、第2特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S2003において第2特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S2003がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2004に移す。
S2004において、メインCPU2201は、第1特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S2004において第1特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S2004がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S2004において第1特別図柄が可変表示開始である、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S2004がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2005に移す。
S2003に戻って、第2特別図柄が可変表示開始である、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S2003がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2005に移す。
S2005において、メインCPU2201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図94を参照して後述する。メインCPU2201は、S2003の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU2201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S2001~S2005)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施例では、第3のパチンコ遊技機として、第2特別図柄の始動情報が保留されている場合、第1特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S2005)が実行される優先変動機について説明したが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報が保留されている場合、第2特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S2005)が実行される優先変動機としてもよいし、第1始動口2120または第2始動口2140への入賞順に特別図柄管理処理が実行される順次変動機としてもよい。
[3-4-2.特別図柄管理処理]
次に、図94を参照して、特別図柄制御処理(図93参照)中のS2005でメインCPU2201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図94は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
なお、制御状態番号が0の場合(S2002がYES判定の場合)、特別図柄管理処理は、S2003がYES判定の場合は第2特別図柄が処理対象であり、S2004がYES判定の場合は第1特別図柄が処理対象である。また、制御状態番号が0でない場合(S2002がNO判定の場合)、特別図柄管理処理は、実行中の特別図柄が処理対象である。
また、図94に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「7」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号である。メインCPU2201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S2011)。
S2011において特別図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S2011がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。
一方、S2011において特別図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S2011がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2012に移す。
S2012において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。そして、メインCPU2201は、S2012の処理を実行した後、処理を、S2013に移す。なお、メインCPU2201は、S2012の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S2013以降の処理を行う。
S2013において、メインCPU2201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS2013の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図95を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2014に移す。
S2014において、メインCPU2201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS2014の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図96を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2015に移す。
S2015において、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS2015の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図97を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2016に移す。
S2016において、メインCPU2201は、V入賞装置開放準備処理を行う。このS2016の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。このV入賞装置開放準備処理の詳細については、図99を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2017に移す。
S2017において、メインCPU2201は、V入賞装置開放制御処理を行う。このS2017の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。このV入賞装置開放制御処理の詳細については、図100を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2018に移す。
S2018において、メインCPU2201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS2018の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図101を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「5」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2019に移す。
S2019において、メインCPU2201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS2019の処理は、特別図柄の制御状態番号が「6」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図102を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「6」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2020に移す。
S2020において、メインCPU2201は、大当り終了処理を行う。このS2020の処理は、特別図柄の制御状態番号が「7」である場合に行われる処理である。この大当り終了処理の詳細については、図103を参照して後述する。
メインCPU2201は、S2013~S2020の処理を終了後、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。この場合、特別図柄管理処理が呼び出された処理に戻す。
[3-4-3.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図95を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2013でメインCPU2201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図95は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示開始処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2013で呼び出された処理である場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示開始処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2013で呼び出された処理である場合、第2特別図柄が処理対象となる。
図95に示されるように、メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S2021)。
S2021において特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合(S2021がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄可変表示開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2021において特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合(S2021がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2022に移す。
S2022において、メインCPU2201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。メインCPU2201は、S2022の処理を実行した後、処理を、S2023に移す。
S2023において、メインCPU2201は、特別図柄の当り判定処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定テーブル(図89参照)を参照し、特別図柄の大当り判定用乱数値を用いて特別図柄の当り判定が行われる。本実施例では、第1特別図柄が処理対象であれば、時短当り、大当り、およびハズレのうちいずれであるかが判定される。また、第2特別図柄が処理対象であれば、時短当り、大当り、および役物開放当りのうちいずれであるかが判定される。メインCPU2201は、S2023の処理を実行した後、処理を、S2024に移す。
S2024において、メインCPU2201は、特別図柄決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(S2023)の結果(例えば、時短当り、大当り、役物開放当りまたはハズレ)に対応する特別図柄の停止図柄を判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄判定テーブル(図90参照)を参照し、特別図柄の図柄乱数値を用いて、上述の「選択図柄コマンド」や「図柄指定コマンド」が判定される。メインCPU2201は、S2024の処理を実行した後、処理を、S2025に移す。
S2025において、メインCPU2201は、大当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の結果が当り(時短当り、大当り、役物開放当り)である場合に、当りの種類を判定乃至決定する処理である。この処理では、当り種類決定テーブル(図91参照)を参照し、特別図柄決定処理(S2024)で判定された「選択図柄コマンド」に応じて当りの種類が決定される。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が例えば役物開放当りである場合に決定される当りの種類は、役物開放当りに基づいて開放されたV入賞口2155に遊技球が通過したことによって大当り遊技制御処理が実行された場合の大当りの種類である。また、本実施例では、時短当り、大当り、および役物開放当りの種類をいずれも複数種類としているが、時短当り、大当り、または/および役物開放当りの種類は1つであってもよい。さらには、時短当り、大当り、または/および役物開放当りの種類を複数種類とすることに代えてまたは加えて、ハズレの種類を複数設けるようにしてもよい。メインCPU2201は、S2025の処理を実行した後、処理を、S2026に移す。
S2026において、メインCPU2201は、特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理は、特別図柄の変動パターンを判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄の変動パターンテーブル(図92参照)を参照し、例えば、特別図柄の種類、特別図柄の当り判定処理(S2023)の結果、時短フラグの値、リーチ判定用乱数値または/および演出選択用乱数値等に応じて、特別図柄の変動パターンが決定される。メインCPU2201は、S2026の処理を実行した後、処理を、S2027に移す。
S2027において、メインCPU2201は、特別図柄の可変表示時間設定処理を行う。この処理では、変動パターンテーブル(図92参照)を参照し、特別図柄の変動パターン決定処理(S2026)で決定された変動パターンに対応する変動時間が、特別図柄の変動時間として決定される。メインCPU2201は、S2027の処理を実行した後、処理を、S2028に移す。
S2028において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図94のS2014参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2028の処理を実行した後、処理を、S2029に移す。
S2029において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM2203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータ(例えば、確変残回数や時短残回数等)の更新処理等が行われる。メインCPU2201は、S2029の処理を実行した後、処理を、S2030に移す。
S2030において、メインCPU2201は、遊技状態管理処理を行う。この処理では、主に、遊技状態の管理に関する各種フラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ等)の更新処理を行う。メインCPU2201は、S2030の処理を実行した後、処理を、S2031に移す。
S2031において、メインCPU2201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。
なお、メインCPU2201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理(とくに、遊技状態管理処理(S2030)、特別図柄演出開始コマンド送信予約処理(S2031))を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[3-4-4.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図96を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2014でメインCPU2201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図96は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示終了処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2014で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示終了処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2014で呼び出された処理である場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S2041)。
S2041において特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定された場合(S2041がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2041において特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定された場合(S2041がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2042に移す。
S2042において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図94のS2015参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2042の処理を実行した後、処理を、S2043に移す。
S2043において、メインCPU2201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄の可変表示を停止させる処理も行われる。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。メインCPU2201は、S2043の処理を実行した後、処理を、S2044に移す。
S2044において、メインCPU2201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。第1のパチンコ遊技機および第2のパチンコ遊技機の説明において上述したように、図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであるが、例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU2201は、S2044の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-5.特別図柄遊技判定処理]
次に、図97を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2015でメインCPU2201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図97は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この特別図柄遊技判定処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2015で呼び出された処理である場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄遊技判定処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2015で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S2051)。
S2051において特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定された場合(S2051がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2051において特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定された場合(S2051がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2052に移す。
S2052において、メインCPU2201は、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S2052において、大当りでないすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様でないと判定された場合(S2052がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2060に移す。一方、S2052において、大当りであるすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S2052がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2053に移す。なお、特別図柄が役物開放当りを示す停止表示態様である場合、および、特別図柄がハズレを示す停止表示態様である場合、S2052においてNO判定される。
S2053において、メインCPU2201は、大当り遊技制御処理の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板2184を介してホールコンピュータ2186(いずれも図88参照)に出力される信号(例えば、大当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄の当り信号である。メインCPU2201は、S2053の処理を実行した後、処理を、S2054に移す。
また、S2053の大当り遊技制御の開始設定処理において、メインCPU2201は、時短フラグや時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S2054において、メインCPU2201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU2201は、例えば、大入賞口2131の開放回数の上限値をセットする処理(S2055)、外部端子板2184への大当り信号セット処理(S2056)、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2057)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S2058)、および、大当り開始表示コマンドの送信予約処理(S2059)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2057)を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図94のS2018参照)が行われることとなる。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2060において、メインCPU2201は、役物開放当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が役物開放当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S2060において、役物開放当りでないすなわち停止した特別図柄がハズレを示す停止表示態様であると判定された場合(S2060がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2061に移す。一方、S2060において、役物開放当りであるすなわち停止した特別図柄が役物開放当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S2060がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2061に移す。
S2061において、メインCPU2201は、役物開放当り遊技制御の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板2184を介してホールコンピュータ2186(いずれも図88参照)に出力される信号(例えば、役物開放当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄にかかわる信号である。メインCPU2201は、S2061の処理を実行した後、処理を、S2062に移す。
S2062において、メインCPU2201は、V入賞装置2150の開放回数の上限値をセットする処理を行う。本実施例では、この処理でセットされるV入賞装置2150の開放回数の上限値は例えば1回である。メインCPU2201は、S2062の処理を実行した後、処理を、S2063に移す。
S2062において、メインCPU2201は、外部端子板2184への役物開放当り信号セット処理(S2063)、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S2064)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S2065)、および、役物開放当り開始表示コマンドの送信予約処理(S2066)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S2064)を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、V入賞装置開放準備処理(図94のS2016参照)が行われることとなる。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2067において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図98を参照して後述する。なお、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
なお、メインCPU2201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S2051~S2067)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[3-4-6.特別図柄遊技終了処理]
次に、図98を参照して、特別図柄遊技判定処理(図97参照)中のS2067でメインCPU2201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図98は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、時短管理処理を行う(S2071)。1種2種混合機と称される第3のパチンコ遊技機では高確遊技状態に制御されないため、第3のパチンコ遊技機において実行される時短管理処理は、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して説明した処理と異なる点がある。具体的には、第1のパチンコ遊技機では、確変フラグがオンにセットされるとき、および天井カウンタが天井値に到達したときに、天井カウント禁止フラグをオンにセットする旨を説明したが、第3のパチンコ遊技機では、高確遊技状態に制御されない。そのため、確変フラグがオンにセットされるとき、および天井カウンタが天井値に到達したときに、天井カウント禁止フラグをオンにセットに代えて、天井カウンタが天井値に到達したときにのみオンにセットする点で異なる。また、第1のパチンコ遊技機では、時短移行判定処理(図37参照)において、確変フラグがオフであるか否かを判定した上で(S191参照)、確変フラグがオフであることを条件としてS192の処理を行っているが、第3のパチンコ遊技機では、上述したとおり高確遊技状態に制御されないため、S191の処理を行わずに、S192の処理を行う点で異なる。時短管理処理におけるその他の処理については、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して説明した処理と同様である。メインCPU2201は、S2071の処理を実行した後、処理を、S2072に移す。
S2072において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより今回の特別図柄遊技が終了し、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU2201は、S2072の処理を実行した後、処理を、S2073に移す。
S2073において、メインCPU2201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理(S2074)を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、S2074の処理後、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を、特別図柄遊技判定処理(図97参照)に戻す。
[3-4-7.V入賞装置開放準備処理]
次に、図99を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2016でメインCPU2201により実行されるV入賞装置開放準備処理について説明する。図99は、第3のパチンコ遊技機におけるV入賞装置開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する(S2081)。
S2081において特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定された場合(S2081がNO判定の場合)、メインCPU2201は、V入賞装置開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2081において特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定された場合(S2081がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2082に移す。
S2082において、メインCPU2201は、V入賞装置2150の開放パターン(すなわち、Vアタッカー2152の作動パターン)として、例えば、最大開放時間および最大開放回数等をセットする。本実施例では、最大1800msecの開放を1回だけ行う開放パターンにセットされるが、開放パターンはこれに限られず、例えば、1回あたり最大900msecの開放を最大2回行うようにしてもよいし、1回目を例えば最大600msec開放し、2回目を例えば最大1200msec開放するようにしてもよい。さらには、1回の役物開放当りにつきトータルで規定時間(例えば1800msec)を超えない範囲で複数の開放パターンを設け、これら複数の開放パターンのうち、例えば特別図柄の図柄乱数値に基づいていずれか一の開放パターンにセットされるようにしてもよい。メインCPU2201は、S2082の処理を実行した後、処理を、S2083に移す。
S2083において、メインCPU2201は、V入賞装置開閉制御処理を行う。この処理では、V入賞口2155の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU2201は、S2083の処理を実行した後、処理を、S2084に移す。
S2084において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理(S2084)を行うことにより、このV入賞装置開放準備処理の終了後に、V入賞装置開放制御処理(図94のS2017参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2084の処理を実行した後、処理を、S2085に移す。
S2085において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU2201は、S2085の処理を実行した後、処理を、S2086に移す。
S2086において、メインCPU2201は、V入賞装置開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたV入賞装置開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。メインCPU2201は、S2086の処理を実行した後、V入賞装置開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-8.V入賞装置開放制御処理]
次に、図100を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2017でメインCPU2201により実行されるV入賞装置開放制御処理について説明する。図100は、第3のパチンコ遊技機におけるV入賞装置開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する(S2091)。
S2091において特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定された場合(S2091がNO判定の場合)、メインCPU2201は、V入賞装置開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2091において特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定された場合(S2091がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2092に移す。
S2092において、メインCPU2201は、Vアタッカー2152の作動により開閉入賞口2151が開放されたときにV入賞装置2150の内部に進入した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球の入賞個数を計数するVアタッカーカウントスイッチ2153(図88参照)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、Vアタッカーカウントスイッチ2153により計数されたVアタッカー入賞カウンタの値は、メインRAM2203内の所定領域に格納される。
S2092において、V入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S2092がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2093に移す。
一方、S2092において、V入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S2092がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2094に移す。
S2093において、メインCPU2201は、V入賞装置2150の最大開放時間(すなわち開閉入賞口2151の最大開放時間)が経過したか否かを判定する。この処理では、S2082の処理(図99参照)でセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S2093においてV入賞装置2150の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S2093がNO判定の場合)、メインCPU2201は、V入賞装置開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2093においてV入賞装置2150の最大開放時間が経過していると判定された場合(S2093がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2094に移す。
S2094において、メインCPU2201は、V入賞装置2150(すなわち開閉入賞口2151)の閉鎖処理を行う。メインCPU2201は、S2094の処理を実行した後、処理を、S2095に移す。
S2095において、メインCPU2201は、V入賞検出があるか否かを判定する。この処理では、規定時間内に、V入賞口2155への遊技球の通過があったか否か(すなわち、V入賞口スイッチ2156による検出があったか否か)を判定する。なお、上記の規定時間はV入賞装置2150の内部への遊技球の進入にかかわる時間であればよく、例えば、Vアタッカー2152の作動が開始してから規定時間内、係止部材2160による遊技球の係止が解除されてから規定時間内等を、上記の規定時間とすることができる。
S2095においてV入賞検出があったと判定された場合(S2095がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2096に移す。
S2096において、メインCPU2201は、V当り遊技制御の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板2184を介してホールコンピュータ2186(いずれも図88参照)に出力される信号(例えば、V当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄の当り信号である。ところで、V当り遊技制御が実行されると、当り種類決定テーブル(図91参照)に示されるように例えば15ラウンドのラウンド遊技が実行されるため、遊技者は、大当り遊技制御処理が実行された場合と同様に多量の賞球を獲得しうる。本実施例では、説明の便宜上、V当り遊技制御と大当り遊技制御処理とを区別して称呼しているが、V当り遊技制御を大当り遊技制御処理と称呼することもできる。メインCPU2201は、S2096の処理を実行した後、処理を、S2097に移す。
また、S2096のV当り遊技制御の開始設定処理において、メインCPU2201は、時短フラグや時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S2097において、メインCPU2201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。この処理を行うことにより、役物開放当りに基づいて最初に実行されたV入賞装置2150の開放(すなわちVアタッカー2152の作動)が、1ラウンド目のラウンド遊技として処理される。すなわち、V入賞検出があったと判定された(S2095がYES判定された)ことによって実行されるV当り遊技制御は、2ラウンド目のラウンド遊技から開始されることとなる。メインCPU2201は、S2097の処理を実行した後、処理を、S2098に移す。
S2098において、メインCPU2201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU2201は、例えば、V入賞装置2150の開放回数(すなわち。Vアタッカー2152の作動回数)の上限値をセットする処理(S2099)、外部端子板2184へのV当り信号セット処理(S2100)、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2101)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S2102)、および、V当り開始表示コマンドの送信予約処理(S2103)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2101)を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図94のS2018参照)が行われることとなる。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2095に戻って、このS2095においてV入賞検出がなかったと判定された場合(S2095がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2104に移す。
S2104において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図98を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU2201は、S2104の処理を実行した後、V入賞装置開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-9.大入賞口開放準備処理]
次に、図101を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2018でメインCPU2201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図101は、第3のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する(S2111)。
S2111において特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定された場合(S2111がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2111において特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定された場合(S2111がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2112に移す。
S2112において、メインCPU2201は、ラウンドカウンタ値をロードする。ラウンドカウンタは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。なお、ラウンドカウンタの計数値(ラウンドカウンタ値)は、メインRAM2203内の所定領域に格納される。メインCPU2201は、S2112の処理を実行した後、処理を、S2113に移す。
S2113において、メインCPU2201は、大入賞口の開放回数が上限値であるか否かを判定する。この処理では、大当り遊技状態において実行されたラウンド遊技の実行回数が上限値であるか否かが判定される。
S2113において大入賞口の開放回数が上限値であると判定された場合(S2113がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2114に移す。
S2114において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする処理(S2114)を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り終了処理(図94のS2020参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2114の処理を実行した後、処理を、S2115に移す。
S2115において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU2201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う(S2116)。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、S2116の処理後、メインCPU2201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2113に戻って、大入賞口の開放回数が上限値でないと判定された場合(S2113がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2117に移す。
S2117において、メインCPU2201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU2201は、S2117の処理を実行した後、処理を、S2118に移す。
S2118において、メインCPU2201は、開放する大入賞口の選択処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定処理(図95のS2023参照)の結果が大当りであって、大当りを示す停止表示態様が導出された(図97のS2052がYES判定された)ことによって開始された大当り遊技制御処理である場合、開放する大入賞口として大入賞口2131が選択される。一方、特別図柄の当り判定処理の結果が役物開放当りであって、役物開放りを示す停止表示態様が導出され(図97のS2060がYES判定され)、さらにV入賞検出された(図100のS2095がYES判定された)ことによって開始されたV当り遊技制御である場合、開放する大入賞口としてV入賞装置2150(すなわち開閉入賞口2151)が選択される。メインCPU2201は、S2118の処理を実行した後、処理を、S2119に移す。
S2119において、メインCPU2201は、大入賞口関連各種設定処理を行う。この処理では、例えば、大入賞口2131またはV入賞装置2150の開放回数、大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間、大入賞口2131またはV入賞装置2150への最大入賞個数、大入賞口2131またはV入賞装置2150への入賞時の賞球数等がセットされる。大入賞口2131またはV入賞装置2150の開放回数はラウンド数が相当する。なお、1ラウンドにおいて大入賞口2131またはV入賞装置2150が複数回開放されるものを排除する趣旨ではない。ただしこの場合は、ラウンド数を管理する制御と、大入賞口2131またはV入賞装置2150の開閉回数を管理する制御とを、別の処理として行うことが好ましい。メインCPU2201は、S2119の処理を実行した後、処理を、S2120に移す。
なお、上記の「大入賞口2131またはV入賞装置2150」は、大入賞口2131およびV入賞装置2150のうち、開放する大入賞口としてS2118で選択された大入賞口が相当する。以下の処理においても同様である。
S2120において、メインCPU2201は、大入賞口開閉制御処理を行う。この処理では、大入賞口2131またはV入賞装置2150の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU2201は、S2120の処理を実行した後、処理を、S2121に移す。
S2121において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする処理(S2121)を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図94のS2019参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2121の処理を実行した後、処理を、S2122に移す。
S2122において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU2201は、S2122の処理を実行した後、処理を、S2123に移す。
S2123において、メインCPU2201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。メインCPU2201は、S2123の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-10.大入賞口開放制御処理]
次に、図102を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2019でメインCPU2201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図102は、第3のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「6」であるか否かを判定する(S2131)。
S2131において特別図柄の制御状態番号が「6」でないと判定された場合(S2131がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2131において特別図柄の制御状態番号が「6」であると判定された場合(S2131がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2132に移す。
S2132において、メインCPU2201は、大入賞口2131またはV入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、大入賞口2131への遊技球の入賞個数を計数する大入賞口カウントスイッチ2132(図88参照)またはV入賞装置2150の内部への遊技球の進入個数を計数するVアタッカーカウントスイッチ2153(図88参照)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、大入賞口カウントスイッチ2132またはVアタッカーカウントスイッチ2153により計数されたVアタッカー入賞カウンタの値は、メインRAM2203内の所定領域に格納される。
S2132において、大入賞口2131またはV入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S2132がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2133に移す。
一方、S2132において、大入賞口2131またはV入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S2132がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2134に移す。
S2133において、メインCPU2201は、大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、大入賞口関連各種設定処理(図101のS2119参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S2133において大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S2133がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2133において大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間が経過していると判定された場合(S2133がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2134に移す。
S2134において、メインCPU2201は、大入賞口2131またはV入賞装置2150の閉鎖処理を行う。メインCPU2201は、S2134の処理を実行した後、処理を、S2135に移す。
S2135において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2135)を行うことにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図94のS2018参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2135の処理を実行した後、処理を、S2136に移す。
S2136において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU2201は、S2136の処理を実行した後、処理を、S2137に移す。
S2137において、メインCPU2201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、S2137の処理後、メインCPU2201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-11.大当り終了処理]
次に、図103を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2020でメインCPU2201により実行される大当り終了処理について説明する。図103は、第3のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「7」であるか否かを判定する(S2141)。
S2141において特別図柄の制御状態番号が「7」でないと判定された場合(S2141がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大当り終了処理を終了するとともに特別図柄管理処理(図94参照)も終了し、処理を、特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。この場合、大当り終了処理が呼び出された処理に戻す。
S2141において特別図柄の制御状態番号が「7」であると判定された場合(S2141がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2142に移す。
S2142において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了設定処理を行う。この処理では、各種フラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ等)のセットや、各種カウンタ(例えば、確変カウンタ、時短カウンタ、図柄確定数カウンタ、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。メインCPU2201は、S2142の処理を実行した後、処理を、S2143に移す。
S2143において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図98を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU2201は、S2143の処理を実行した後、大当り終了処理を終了するとともに特別図柄管理処理(図94参照)も終了し、処理を、特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。この場合、上述したとおり、大当り終了処理が呼び出された処理に戻す。
なお、メインCPU2201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り終了処理を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[4.拡張例]
以下に、上述した第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機に共通する拡張例について説明する。なお、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機に応じて各構成に付された符号が異なるため、以下の説明では、特定のパチンコ遊技機(とくに第3のパチンコ遊技機)に限る説明である場合を除き、符号を省略する。
[4-1.確変制御の拡張例]
第1のパチンコ遊技機および第2のパチンコ遊技機では、大当りの種類に応じて確変フラグをオンにセットするか否かを決定し、確変フラグがオンにセットされる場合に確変回数を決めているが、これに限られず、例えば、以下の態様であってもよい。
例えば、大当り遊技制御処理の実行中に、例えば大入賞口内に設けられた特定領域を通過したか否かを判定し、特定領域を少なくとも1個の遊技球が通過したと判定された場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグをオンにセットする所謂V確変機であってもよい。なお、上記の特定領域は、例えば、大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において可動部材が作動することによって、遊技球の通過が可能または容易な開放状態と、遊技球の進入が不可能または困難な閉鎖状態とに変位させることが可能となっている。
このようなV確変機では、例えば、図104~図107を参照して後述するように、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合と、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合とで、大当り遊技制御処理の実行中に上記の特定領域への遊技球の通過のしやすさ、すなわち大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる確率を異ならせてもよい。
図104は、拡張例の大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、大入賞口の開放タイミングと特定領域の開放タイミングとの関係を示すタイムチャートの一例であって、(A)特定領域の開放態様が第1開放態様である場合、(B)特定領域の開放態様が第2開放態様である場合、(C)特定領域の開放態様が第3開放態様である場合、を示す図である。なお、第1開放態様および第2開放態様は、特定領域への遊技球の通過が容易な態様であり、第3開放態様は、特定領域への遊技球の通過が困難な態様である。なお、図104に示される一例では、特定領域は時間制御によって開放状態となるように制御される。
なお、図104では、大入賞口が短開放された後に長開放される態様が示されているが、大入賞口の開放態様はこれに限られない。
図104(A)に示されるように、第1開放態様では、大入賞口の長開放が開始された後の所定時間を除いて、大入賞口が開放状態である間は特定領域も開放状態となっている。そのため、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされやすい。ただし、特定領域が開放状態であるにもかかわらず遊技球が1個も特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグはオンにセットされない。
また、図104(B)に示されるように、第2開放態様では、大入賞口の短開放が開始されてから大入賞口の長開放が終了するまでの間、特定領域が開放状態となっている。そのため、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することは極めて容易である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグが極めて容易にオンにセットされる。ただし、上述したように、特定領域が開放状態であるにもかかわらず遊技球が1個も特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグはオンにセットされない。
一方、図104(C)に示されるように、第3開放態様では、大入賞口が短開放中および大入賞口の長開放が開始された後の所定時間(この2回はいずれも短時間)を除いて、特定領域が閉鎖状態となっている。そのため、大当り遊技制御の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが、第1開放態様および第2開放態様のいずれと比べても困難である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされ難い。ただし、大当り遊技制御の実行中に特定領域を遊技球が通過することが困難であったとしても、タイミングよく特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる。
なお、図104では、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易な特定領域の開放態様の例として、第1開放態様および第2開放態様の2態様を設ける例について説明した。ただし、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易な特定領域の開放態様数は、2態様に限られず、1態様だけとしてもよいし、3態様以上としてもよい。
また、図104では、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが困難な特定領域の開放態様の例として、第3開放態様を設ける例について説明した。ただし、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが困難な特定領域の開放態様数は、1態様に限られず、2態様以上設けてもよい。
図105は、拡張例における特別図柄判定テーブルの一例である。この図105に示される特別図柄判定テーブルによれば、当落判定値データが「大当り判定値データ」である場合(特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合)、第1特別図柄および第2特別図柄の当り時選択図柄コマンドは、次のように選択される。すなわち、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、当り時選択図柄コマンドは、例えば、40%の選択率で「z0」が選択され、10%の選択率で「z1」が選択され、50%の選択率で「z2」が選択される。また、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、当り時選択図柄コマンドは、例えば、15%の選択率で「z3」が選択され、50%の選択率で「z4」が選択され、35%の選択率で「z5」が選択される。
図106は、拡張例における大当り種類決定テーブルの一例である。この図106に示される大当り種類決定テーブルによれば、大当りの種類(例えば、ラウンド数、特定領域の開放態様等)は、次のように決定される。すなわち、当り時選択図柄コマンドが「z0」の場合、ラウンド数が「3」で特定領域の開放態様が第3開放態様の大当り(3R通常大当りA)に決定される。また、当り時選択図柄コマンドが「z1」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第3開放態様の大当り(10R通常大当りA)に決定される。また、当り時選択図柄コマンドが「z2」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第1開放態様の大当り(10R確変大当りA)に決定される。また、当り時選択図柄コマンドが「z3」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第3開放態様の大当り(10R通常大当りB)に決定される。当り時選択図柄コマンドが「z4」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第1開放態様の大当り(10R確変大当りB)に決定される。当り時選択図柄コマンドが「z5」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第2開放態様の大当り(10R確変大当りC)に決定される。
すなわち、上記の図104~図106によれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、大当りの種類は、40%の選択率で3R通常大当りAに決定され、10%の選択率で10R通常大当りAに決定され、50%の選択率で10R確変大当りAに決定される。一方、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、大当りの種類は、15%の選択率で10R通常大当りBに決定され、50%の選択率で10R確変大当りBに決定され、35の選択率で10R確変大当りCに決定される。このようにして、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合と、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合とで、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる確率を異ならせることが可能となる。
なお、大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、特定領域は、図104(A)~(C)に示されるように時間制御によって開放状態となる態様に限られず、例えば、後述の図107に示されるように、大入賞口への遊技球の入賞に応じて開放状態となる態様であってもよい。
図107は、拡張例の大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、大入賞口の開放タイミングと特定領域の開放タイミングとの関係を示すタイムチャートの他の例(特定領域が大入賞口への入賞に基づいて開放状態となるように制御される例)であって、(A)特定領域の開放態様が第1開放態様である場合、(B)特定領域の開放態様が第2開放態様である場合、を示す図である。
図107(A)に示されるように、他の例の第1開放態様では、大入賞口が開放状態となった後、大入賞口に1個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより1個目の遊技球の入賞が検出されると、この検出に基づいて、特定領域が一定時間だけ開放状態となる。そして、大入賞口に2個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより2個目の遊技球の入賞が検出されると、この検出に基づいて、大入賞口が閉鎖状態となるまでの間、特定領域が開放状態となる。そのため、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされやすい。ただし、上述したとおり、特定領域が開放状態であるにもかかわらず遊技球が1個も特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグはオンにセットされない。
また、図107(B)に示されるように、他の例の第2開放態様では、大入賞口が開放状態となった後、大入賞口に1個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより1個目の遊技球の入賞が検出された場合に限り、特定領域が一定時間だけ開放状態となる。そして、大入賞口に2個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより2個目の遊技球の入賞が検出されたとしても、入賞口が閉鎖状態となるまでの間、特定領域は開放状態とならず、閉鎖状態が継続する。そのため、大当り遊技制御の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが、第1開放態様と比べて困難である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされ難い。ただし、この場合も、大当り遊技制御の実行中に特定領域を遊技球が通過することが困難であったとしても、タイミングよく特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる。
なお、上記では、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる例について説明したが、これに限られず、例えば、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に時短フラグがオンにセットされるようにしてもよい。このような仕様は、とくに、例えば第3のパチンコ遊技機のような1種2種混合機である場合に有効である。
また、上記では、第1特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合と、第2特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合とで、特定領域の開放態様として同じ開放態様を設ける例について説明したが、これに限られず、例えば、第1特別図柄専用の開放態様や第2特別図柄専用の開放態様を設けるようにしてもよい。
また、上記では、第1特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合および第2特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合のいずれにおいても、特定領域への遊技球の通過が困難な第3態様に決定されうる例について説明したが、これに限られず、いずれか一方の特別図柄(例えば第2特別図柄)の当り判定処理の結果が当りである場合には、少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易な態様(第1態様または第2態様)のみに決定されるように構成してもよい。
また、上記では、特定領域への遊技球の通過が困難な第3態様において、特定領域は、大入賞口が短開放中および大入賞口の長開放が開始された後の所定時間の2回(いずれも短時間)にわたって開放状態となっているが、特定領域への遊技球の通過が困難であれば、特定領域が開放状態とされる回数は1回であってもよいし複数回であってもよい。
また、特定領域の閉鎖は、予め定められた開放時間の経過や、特定領域が開放するラウンドの終了に応じて閉鎖したり、規定回数の大入賞口や特定領域への入賞に応じて閉鎖するなどするように制御してもよい。また、閉鎖する条件が一つ乃至複数複合していてもよい。
また、大当り遊技状態と、確変制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態等)とが、所定の上限回数(以下、「リミッタ回数」と称する)に到達するまで交互に繰り返し実行される所謂リミッタ機であってもよい。このようなリミッタ機では、上記の繰り返し回数(以下、「ループ回数」と称する)が所定のリミッタ回数に到達すると、大当り遊技制御処理が終了したのちの遊技状態が、確変制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態、時短遊技状態等)に制御される。このとき、ループ回数もリセットされる。なお、このような遊技機において、リミッタ回数は、一定の回数であってもよいし、例えば、特別図柄の図柄乱数値に応じて決定したり、所定の抽選により決定してもよい。また、設定機であれば、設定値に応じてリミッタ回数が異なるようにしてもよい。
なお、上記では、大当り遊技状態と、確変制御が実行される遊技状態とがリミッタ回数に到達するまで交互に繰り返し実行される所謂リミッタ機について説明したが、これに限られず、例えば、大当り遊技状態と、時短制御が実行される遊技状態とがリミッタ回数に到達するまで交互に繰り返し実行されるようにしてもよい。とくに、例えば第3のパチンコ遊技機のような1種2種混合機である場合に有効である。
また、上述したV確変機である場合には、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合に、確変制御が実行される遊技状態が継続される。そのため、このようなV確変機では、リミッタ回数を例えばN回とすると、N回目の大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合、所定のリミッタ回数に到達したものとして、大当り遊技制御処理が終了したのちの遊技状態が、確変制御が実行されない遊技状態に制御される。一方、N回目の大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過しなかった場合、所定のリミッタ回数に到達したものとはならないものの、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過していないため、このような場合も、大当り遊技制御処理が終了したのちの遊技状態が、確変制御が実行されない遊技状態に制御されることとなる。なお、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合に、大当り遊技制御処理の終了時に時短フラグがオンにセットされる遊技機においても同様である。
また、大当り遊技制御処理の終了後、所定回数の特別図柄ゲームが行われるまで確変制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態等)に制御され、所定回数の特別図柄ゲームが行われると、確変制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態、時短遊技状態等)に移行する所謂ST機であってもよい。このような遊技機において、確変制御が実行される特別図柄ゲームの回数(以下、「ST回数」と称する)を、一定回数としてもよいし、都度異なるようにしてもよい。また、設定機であれば、設定値に応じてST回数の期待値が異なるようにしてもよい。さらには、例えば転落抽選を行い、転落抽選の結果に基づいて確変制御が終了する所謂転落タイプの遊技機であってもよいし、例えば大当り遊技状態中に特定領域を遊技球が通過した場合に、大当り遊技状態の終了後に確変制御が実行される所謂V確変タイプの遊技機であってもよい。
[4-2.時短制御の拡張例]
第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機では、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合に、大当り遊技制御処理の終了後、時短制御が実行されうるようにしたが、特別図柄当り判定処理の結果が大当りでない場合であっても、時短制御が実行されうるようにしてもよい。
例えば、特別図柄当り判定処理の結果が小当りやハズレであったとしても、始動口への遊技球の入賞に基づいて抽出された乱数値のうち特定の乱数値(例えば、特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄の図柄乱数値等)を用いて、特別図柄当り判定処理とは別に、時短制御を実行するか否かを決める時短当落判定処理を行うようにしてもよい。特別図柄当り判定処理の結果が小当りやハズレである場合に時短当落判定を行う場合、例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて抽出された特別図柄の図柄乱数値が特定の図柄乱数値である場合に、時短制御が実行される「時短当り」に決定することができる。なお、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合に時短当落判定処理を行ってもよい。
また、特別図柄当り判定処理とは別に時短当落判定処理を行う場合、時短当落判定処理を、同一フレームにおいて特別図柄当り判定処理に先だって実行してもよい。
また、上記の時短当落判定処理を行う場合、専ら時短当落判定処理に供される時短当落判定用乱数を所定の範囲で発生させて、例えば始動口への遊技球の入賞に基づいて時短当落用乱数値を抽出し、抽出された時短当落用乱数値を用いて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。
また、時短当落判定処理に供される乱数値は、始動口に遊技球が入賞したことに基づいて抽出されることは必須ではなく、他の領域(例えば、一般入賞口、小当り入賞口、大入賞口等)に遊技球が入賞したことに基づいて抽出されるようにしてもよい。さらには、例えば時短当落判定処理の実行契機となる専用の領域を設けて、この専用の領域を遊技球が例えば通過したことに基づいて、時短当落判定処理に供される乱数値が抽出されるようにしてもよい。
ところで、例えば、時短当落判定処理と特別図柄当り判定処理とが別のタイミングで実行される場合、確定表示すると大当りを示す停止表示態様が導出される特別図柄の可変表示中に時短当落判定処理が実行され、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」となる場合がある。このような場合、メインCPUは、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるにもかかわらず、例えば、強制的に「時短ハズレ」を示す表示態様を導出するとよい。
また、サブCPUは、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を、表示装置に表示する制御を実行することが好ましい。この場合、特別図柄当り判定処理の結果とは別に、時短当落判定処理の結果が表示装置に表示されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を表示装置に表示することに代えて、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を表示装置に表示する制御を実行してもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が開示されるまで、興趣を維持することが可能となる。
また、一般的なパチンコ遊技機では、特別図柄当り判定処理の結果が大当りであった場合、サブCPUは、大当り遊技状態において推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が表示装置(例えば液晶表示装置)に表示されるよう制御する。この点、本実施例では、特別図柄当り判定処理の結果が大当りでなかったとしても、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、サブCPUは、時短制御が実行される場合に推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が表示装置に表示されるよう制御する。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、時短制御が実行される場合に推奨される遊技球の発射方法を示す演出画像を、常に表示装置に表示するようにしてもよいが、特定条件が成立した場合に限り表示するようにしてもよい。例えば、「時短当り」に基づいてセットされる時短回数が、所定回数以上(例えば2回以上)である場合には表示し、所定回数未満(例えば2回未満)である場合等には表示しないようにしてもよい。なお、上記の特定条件は、時短回数を条件とするものに限られず、適宜、任意の条件とすることができる。
また、特別図柄当り判定処理が実行される前に時短当落判定処理が実行される場合、サブCPUは、「時短当り」となった状況下(すなわち、時短フラグがオンにセットされた状況下)で特別図柄当り判定処理が実行されるのか否かを、外観で把握可能または把握容易な演出画像を表示装置に表示する制御を実行してもよい。
なお、時短当落判定処理に用いる乱数値の種類、時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出タイミング、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件、時短当落判定処理の実行タイミング、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態、時短遊技状態の態様、時短当り時にセットされる時短回数、時短遊技状態の開始タイミング、時短遊技状態の終了タイミング、時短回数書き換えタイミング、時短当り確率、および、時短当落判定処理の結果表示、等の時短にかかわる処理をまとめると以下のとおりである。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の種類)
時短当落判定処理に用いられる乱数値は、例えば、特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄決定用乱数値、普通当り判定用乱数値、普通図柄決定用乱数値、特別図柄転落判定用乱数値および専用の時短当落判定用乱数値等の複数種類の乱数値のうち、いずれかの乱数値であってもよい。また、設定機であれば、設定変更時に、変更後の設定値を用いて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。
また、時短当落判定処理に用いる乱数値は、1種類(例えば、時短当落判定用乱数値のみ)に限られず、複数種類の乱数値(例えば、特別図柄当り判定用乱数値および図柄決定用乱数値)を用いて決定するようにしてもよい。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出タイミング)
時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出タイミングは、特別図柄当り判定処理の契機となる始動口への遊技球の入賞時、普通図柄当り判定処理の実行契機となる通過ゲートへの遊技球の通過時、時短当落判定処理の実行契機となる専用の領域への遊技球の通過時等、任意のタイミングであってよい。なお、時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出は、賞球の払い出しがある特定の入賞口等への入賞に基づいて行ってもよいし、賞球の払い出しがない特定のゲートや特定のアウト口等への通過に基づいて行ってもよい。
なお、時短当落判定処理用乱数値を始動口への遊技球の入賞(通過)に基づいて抽出するようにした場合、第1始動口および第2始動口のいずれに遊技球が入賞した場合であっても時短当落判定用乱数値を抽出してもよいし、いずれか一方の特定の始動口に遊技球が入賞した場合にのみ、時短当落判定用乱数値を抽出するようにしてもよい。
(時短当落判定処理において時短当りと判定される条件)
抽出した時短当落判定処理用乱数値を用いて時短当落判定処理を行う場合は、抽出した時短当落判定用乱数値が特定の時短当落判定用乱数値(例えば、特定の時短当り判定値データ)であるときに時短当りと判定されるようにするとよい。また、特別図柄当り判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定のハズレ判定値データ、特定の小当り判定値データまたは/および特定の大当り判定値データであるときに時短当りと判定されるようにするとよい。また、特別図柄の図柄乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定のハズレ図柄、特定の小当り図柄、特定の大当り図柄であるときに時短当たりと判定されるようにするとよい。また、特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定の特別図柄転落判定用乱数値データであるときに時短当りと判定されるようにするとよい。さらに、変更後の設定値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定の設定値に変更された場合に時短当りと判定されるようにするとよい。普通当り判定用乱数値や普通図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を行う場合も同様である。さらには、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件は、上記の条件に限らず、さまざまな条件に任意に決めることができる。
なお、第3のパチンコ遊技機においては、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、特別図柄当り判定処理(図68のS2023参照)の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー2152が開放したときにV入賞装置2150内に進入した遊技球がV入賞口2155を通過した場合は、役物開放当りの種類に応じて時短制御の実行有無および時短回数を決定するようにするとよい。そして、特別図柄当り判定処理の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー2152が開放したにもかかわらずV入賞口2155への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技制御処理が実行されなかった場合、メインCPU2201は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であれば、「時短当り」に基づいて時短制御の実行有無および時短回数を決定するとよい。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」であり、特別図柄当り判定処理の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー2152が開放したときにV入賞装置2150内に進入した遊技球がV入賞口2155を通過しなかった場合は、時短制御が実行されない。
(時短当落判定処理の実行タイミング)
始動口の遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した時短当落判定用乱数値を用いて特別図柄の可変表示の開始時に時短当落判定処理を実行する場合、メインCPUは、特別図柄の始動情報と同様に、取得した時短当落判定用乱数値を保留するとよい。
また、メインCPUは、時短当落判定処理に供される乱数値を抽出するとただちに(例えば保留される前に)時短当落判定処理を実行するようにしてもよいし、抽出した乱数値を保留し、特別図柄の可変表示が開始されるまでの間に時短当落判定処理を実行するようにしてもよいし、特別図柄の可変表示の開始時に時短当落判定処理を実行するようにしてもよい。
(時短当落判定処理を実行可能な遊技状態)
時短当落判定処理は、通常遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および時短遊技状態のいずれにおいても実行するようにしてもよいし、時短制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確非時短遊技状態等)においてのみ実行されるようにしてもよい。また、例えば、いずれの遊技状態においても時短当落判定処理を実行する、特定の遊技状態においてのみ時短当落判定処理を実行する、といった時短当落判定処理を実行するための条件を予め定めて、この定められた条件を満たす場合に時短当落判定処理が実行されるようにしてもよい。
(時短制御の態様)
大当りの種類に応じて実行される時短制御の態様と、時短当落判定処理の結果に応じて実行される時短制御の態様とを、同じ態様としてもよいし、異なる態様としてもよい。例えば、第1の時短フラグおよび第2の時短フラグを用意し、大当り種類に応じて時短制御が実行される場合は第1の時短フラグをオンにセットし、時短当落判定処理の結果に基づいて時短制御が実行される場合は第2の時短フラグをオンにセットするようにしてもよい。この場合、第1の時短フラグがオンにセットされた場合と第2の時短フラグがオンにセットされた場合とで、機能が異なる時短制御が実行されるようにするとよい。例えば、第1の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御の両方を行い、第2の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御のうちいずれか一方のみを行うようにすることができる。また、第1の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御のうち特図短縮制御のみが行われる第1時短遊技状態に制御し、第2の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御のうち電サポ制御のみが行われる第2時短遊技状態に制御されるようにしてもよい。ただし、複数の時短フラグのうちいずれの時短フラグをオンにセットするかについては、上記に限られず、例えば、時短当落判定処理の結果に基づいて決定してもよいし、時短当落判定処理が実行されたときの遊技状態に応じて決定してもよい。
(時短当り時にセットされる時短回数)
時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合にセットされる時短回数は、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態に応じて決定することが好ましい。ただし、これに限られず、例えば、複数の時短当落判定用乱数値が時短当り判定値データとして規定されている場合、セットされる時短回数を、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態に代えてまたは加えて、抽出された時短当落判定用乱数値に応じて決定するようにしてもよい。例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて抽出された時短当落判定用乱数値が、第1の時短当り判定値データである場合は時短回数を「100」に決定し、第2の時短当り判定値データである場合は時短回数を「50」に決定すること等が相当する。
また、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)であっても時短当落判定処理が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に代えて新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。この場合、新たにセットされる時短回数が時短残回数よりも多いか少ないかによって遊技者にとっての利益度合いが変わることとなってゲーム性の幅が広がり、時短フラグがオンの時短遊技状態に面白みを持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)であっても時短当落判定処理が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に加算するようにしてもよい。この場合、現在の時短残回数よりも少なくなることがないため、遊技者は、時短制御が実行される遊技状態において安心して遊技を行うことができる。
また、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)であっても時短当落判定処理が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に代えて新たにセットする処理と、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算する処理とのうち、予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
なお、第1の時短フラグがオンにセットされた場合と第2の時短フラグがオンにセットされた場合とで機能が異なる時短制御が実行されるようにしたパチンコ遊技機において、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であった場合、メインCPUは、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが、同じ機能の時短制御である場合と異なる機能の時短制御である場合とで、時短回数をセットする処理を変えるようにしてもよい。例えば、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが同じ機能の時短制御である場合には、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算し、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが異なる機能の時短制御である場合には、実行中の時短残回数に代えて、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。また、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが異なる機能の時短制御である場合、実行中の時短残回数を全て消化した後に、「時短当り」に基づく時短制御を実行するようにしてもよい。
なお、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて時短回数をセットする場合、時短回数が「0」にセットされる場合があり得るようにしてもよい。すなわち、セットされる時短回数が「0」に決定された場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるにもかかわらず、時短フラグがオンにセットされる。また、時短制御の実行中に行われた時短当落判定処理の結果が「時短当り」であって且つ時短回数が「0」にセットされる場合、実行中の時短制御が終了することとなる。
(時短制御の開始タイミング)
時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングは、特別図柄ゲームの終了時とすることができる。例えば、特別図柄当り判定処理の結果がハズレである場合、特別図柄が確定する特別図柄確定時間が経過したことに基づいて時短制御を開始することができる。また、特別図柄当り判定処理の結果が小当りである場合、小当り遊技制御処理の終了に基づいて時短制御を開始することができる。また、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、大当り遊技制御処理の終了に基づいて時短制御を開始することができる。
時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングが特別図柄ゲームの終了時であって、同一フレームにおいて時短当落判定処理が特別図柄当り判定処理に先だって行われる場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合には「時短当り」を無効にし(「時短当り」に基づいて時短フラグがオンにセットされず)、当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをオンにセットする(大当りの種類に応じて時短フラグがオンにセットされない場合もある)ことが好ましい。
また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングは、特別図柄ゲームの終了時に限られない。例えば、同一フレームにおいて時短当落判定処理を特別図柄当り判定処理に先だって行う場合、時短当落判定処理の結果に基づいて、ただちに(特別図柄当り判定処理が行われる前)に時短制御を開始してもよい。この場合、時短当落判定処理に用いられる乱数値の抽出時と、時短当落判定処理の実行時とで、遊技状態(すなわち、時短制御の実行有無)が異なる場合が生じ、興趣を高めることが可能となる。
さらに、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングを、所定回数のゲームが実行された後としてもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」となった後、時短制御が開始されるまでの間、時短制御が開始されるか否かの煽り演出をサブCPUにより実行することで、興趣を高めることが可能となる。
なお、第3のパチンコ遊技機において、特別図柄の当り判定処理の結果が大当り(時短制御が実行される大当り)であることに基づいて大当り遊技制御が実行される場合、この大当り遊技制御の終了に基づいて、大当りに基づく時短制御が開始されるようにするとよい。また、特別図柄の当り判定処理の結果が役物開放当り(時短制御が実行される役物開放当り)であって且つVアタッカー2152が開放したときにV入賞口2155への遊技球の通過が検出されたことによって大当り遊技制御が実行された場合も、大当り遊技制御の終了に基づいて時短制御が開始されるようにするとよい。また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であって、特別図柄当り判定処理(図68のS2023参照)の結果が役物開放当りであることに基づいてVアタッカー2152が開放したにもかかわらずV入賞口2155への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技制御が実行されなかった場合、メインCPUは、開閉入賞口2151が閉鎖したことに基づいて、「時短当り」に基づく時短制御を開始するようにするとよい。
(時短遊技状態の終了タイミング)
時短遊技状態が終了するタイミングは、例えば、「時短制御が実行される遊技状態において、セットされた時短回数にわたって特別図柄の可変表示が実行された場合」、「時短制御が実行される遊技状態において、特別図柄当り判定処理の結果に基づいて大当り遊技状態に制御された場合」または「時短当落判定処理の結果が時短当りであったにもかかわらず時短回数が0回にセットされた場合」等である。
なお、時短制御が実行される遊技状態において、特別図柄当り判定処理の結果に基づいて小当り遊技制御処理が実行された場合は、小当り遊技制御処理の終了後も時短制御が継続して実行される。
なお、第3のパチンコ遊技機においては、時短制御の実行中に、特別図柄の当り判定処理が役物開放当りであることを示す停止図柄態様が導出されたことによって開閉入賞口2151が開放されたものの、Vアタッカー2152が開放したときにV入賞口2155への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技制御処理が開始されなかった場合、メインCPU2201は、開閉入賞口2151が閉鎖した後も時短制御を継続して実行する。
(時短回数書き換え)
時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)において時短当落判定処理を実行し、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、時短回数を書き換えてもよいし、時短回数の書き換えを行わない(すなわち、実行中の時短制御における時短回数を消化するまで時短制御を実行する)ようにしてもよい。
なお、時短回数を書き換える場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、実行中の時短制御における時短回数を消化した時点で書き換えて(セットして)もよいし、特別図柄当り判定処理の実行時にセットしてもよいし、特別図柄の可変表示の開始時や停止時にセットしてもよいし、時短当落判定処理時にセットしてもよいし、さまざまなタイミングでセットすることができる。なお、時短当落判定処理時にセットする場合、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、実行中の時短制御における時短回数に上書きすることとなる。また、「時短回数を書き換える」および「従前の時短回数に加算する」のうち予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
(時短当り確率)
第1始動口または第2始動口への遊技球の入賞に基づいて時短当落判定処理を行う場合、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて行われる時短当落判定処理(以下、「第1時短当落判定処理」と称する)と、第2始動口への遊技球の入賞に基づいて行われる時短当落判定処理(以下、「第2時短当落判定処理」と称する)とで、時短当り確率が異なるようにしてもよい。例えば、第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率を高くしてもよいし、第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率を高くしてもよいし、第1時短当落判定処理が行われた場合と第2時短当落判定処理が行われた場合とで時短当り確率を同じまたはほぼ同じ確率としてもよい。
(時短当落判定処理の結果表示)
時短当落判定処理の結果(時短当りであるか時短ハズレであるか)を表示する時短当落判定結果表示部、または/および、時短当落判定処理の結果(時短当り)に基づいて決定された時短回数を表示する当選時短回数表示部を設けてもよい。時短当落判定結果表示部または/および当選時短回数表示部は、特別図柄表示部等を備えるLED表示群に設けて、メインCPUにより制御されるようにするとよい。ただし、これに代えてまたは加えて、サブCPUにより、例えば液晶表示装置等の表示装置に、時短当落判定処理の結果または/および時短当りに基づいて決定された時短回数を表示するようにしてもよい。
(インターバル)
特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、当該ゲームにおいて特別図柄の可変表示を停止した後のインターバル時間を、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」である場合の上記のインターバル時間よりも長くしてもよい。なお、装飾図柄の可変表示は特別図柄の可変表示と同期するため、この場合、サブCPUは、上記のインターバル時間が経過するまでの間、「時短当り」であることを示す演出画像を例えば液晶表示装置等の表示装置に表示することが好ましい。
また、第3のパチンコ遊技機において、特別図柄の当り判定処理の結果が役物開放当りであって且つこの役物開放当りに基づいて大当り遊技制御処理が実行されない場合、メインCPU2201は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるときの役物開放当りにかかる動作終了後のインターバル時間を、時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」であるときの上記のインターバル時間よりも長くしてもよいし、同じまたは略同じ時間としてもよい。
[4-3.遊技媒体の管理にかかわる拡張例]
本明細書に記載された第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機は、遊技媒体を用いて遊技を行い、その遊技の結果に基づいて特典(例えば、賞球、賞データ等)が付与される形態全ての遊技機に適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体(例えば、遊技球、メダル等)が発射されたり投入されたりすることで遊技を行い、その遊技の結果に基づいて遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、封入された遊技球を循環させて行う遊技やメダルレスで行う遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
封入された遊技球を循環させて遊技を行う遊技機の場合、遊技媒体としての遊技球が外部に排出されずに遊技可能に構成されているため、入賞したとき、賞球が払い出されることに代えて遊技媒体としての賞球データが付与される。この明細書において、「払い出される遊技価値」には、賞球および賞球データのいずれの意味も含まれる。例えば、賞球数が15個の入賞口に入賞した場合、封入式の遊技機であれば、15個の賞球に対応する価値の賞球データが付与される。また、遊技価値は、必ずしも賞球や賞球データに限定されず、賞球や賞球データに相当するものであればよい。
また、主制御回路に接続された遊技媒体管理装置が管理する場合、遊技媒体管理装置は、ROMおよびRWM(あるいはRAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱い装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信機能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、または遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチンコ遊技機の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることができる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合の他、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられている場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンタ等に持っていくか、または他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機または遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金または現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしてもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機または遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置または遊技媒体管理装置に対し遊技媒体または有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知り得ない情報を設定することや遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記録するようにしてもよい。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチンコ遊技機に適用する場合について説明しているが、パチスロ機や、遊技球を用いるスロットマシンや、封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部の部品点数を減らすことができ、遊技機の原価および製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、部品を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
また、遊技媒体が外部に排出されずに遊技可能に構成された封入式の遊技機と、該遊技機に対して、遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータを通信ケーブルを介して光信号によって送受信が可能に接続された遊技媒体管理装置と、を有する遊技システムに本発明を適用した場合には、遊技システムを以下のように構成してもよい。
以下に、封入式の遊技機の概略を説明する。封入式の遊技機において、発射装置は、遊技領域の上方に位置し、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射する。遊技者がハンドルを操作すると、払出制御回路により球送りソレノイドが駆動させられ、球送り杵が発射台の方向へと、待機状態の遊技球を押し出す。これにより、遊技球が発射台へ移動する。また、待機位置から発射台への経路には減算センサが設けられており、発射台へ移動する遊技球を検出する。減算センサによって遊技球が検出された場合には、持ち球数が1減算される。このように、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射するように構成されているため、封入式の遊技機ではいわゆる戻り球(ファール球)を回避することができる。そして、遊技領域を転動した後に遊技領域から排出された遊技球は、球磨き装置によって磨かれる。球磨き装置によって磨かれた遊技球は、揚送装置によって上方へと搬送され、発射装置に導かれる。遊技球は封入式の遊技機の外部に排出されずに、当該遊技機において一定数(例えば、50個)の遊技球が一連の経路を循環するように構成されている。また、球磨き装置を設けずに、遊技球を遊技機の外部に排出する排出機構と、遊技機の外部で磨き上げた遊技球を遊技球の内部に取り込む取込機構とを設けるようにしてもよい。この場合、取込機構は、取込専用の樋を設けてもよいし、遊技領域に設けられた入賞口から取り込むように構成してもよい。
封入式の遊技機では、遊技球が遊技機の外部に排出されないため、遊技球を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。封入式の遊技機では遊技球が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球が実際にあるわけではなく、遊技を行うことにより遊技球が現実に増減するわけではない。封入式の遊技機において、遊技者は遊技媒体管理装置からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。ここで、持ち球を得るとは、遊技者が、データ管理上、遊技媒体を得ることをいう。そして、発射装置から遊技球が発射されることにより持ち球が消費され、持ち球数が減少する。また、遊技球が遊技領域に設けられた各入賞口等を通過することにより、入賞口に応じて設定された条件に従った数だけ払出が行われ、持ち球数が増加する。さらに、遊技媒体管理装置からの貸出によっても、持ち球数が増加する。また、例えば、遊技の終了によって封入式の遊技機に記憶される遊技価値(すなわち持ち球)の全部を清算したり、持ち球の一部を遊技媒体管理装置に送信する操作を行ったりすることによって、持ち球の全部または一部が遊技媒体管理装置で管理される遊技価値に統合される場合、封入式の遊技機に記憶される遊技価値は、減算またはクリアされ、持ち球数は減少する。さらに、遊技領域の上方から遊技球が発射されるタイプの遊技機にはファール球の概念がないが、従来の遊技機のように下方から遊技球が発射される場合にはファール球が発生しうる。そのため、下方から遊技球が発射されるタイプの遊技機の場合、ファール球の発生有無によっても、持ち球数の増減が発生する。なお、「遊技媒体の消費、貸出および払出」とは、持ち球の消費、貸出および払出が行われることを示す。また、「遊技媒体の増減」とは、消費、貸出および払出によって持ち球数が増減することを示す。また、「遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータ」とは遊技球が発射されることによる持ち球の減少と、貸出および払出による持ち球の増加とに関するデータである。
封入式の遊技機は、払出制御回路およびタッチパネル式である液晶表示装置を有している。払出制御回路は、遊技球が各入賞口等の通過を検出する各種センサに接続されている。払出制御回路は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球が各入賞口を通過した場合には、そのことによる遊技球の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球が発射されると持ち球数を減算する。払出制御回路は、遊技者の操作により、持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置へ送信する。また、上記の液晶表示装置は遊技機の上部に位置し、遊技媒体管理装置で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付ける。そして、これらの要求を遊技媒体管理装置を介して払出制御回路に伝え、払出制御回路が現在の持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置に送信するように指示する。ここで、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示す。なお、この第2実施形態において、遊技媒体管理装置は、いわゆるCRユニットであり、紙幣およびプリペイド媒体等を受付可能に構成されている。また、計数された持ち球は、遊技システムが設置される遊技場などにおいて、景品交換等に用いることができる。
また、封入式の遊技機は、バックアップ電源を有している。これにより、夜間等に電源をOFFにした場合であっても、OFFにする直前のデータを保持することができる。また、このバックアップ電源により、例えば、扉開放センサによる扉枠開放の検出を継続して実行させてもよい。これにより、夜間に不正行為を行われることも防止することができる。なお、この場合は、扉枠が開放された回数等の情報を記憶するものであってもよい。さらに、電源が投入された際に、扉枠が開放された回数等の情報を、遊技機の液晶表示装置等に出力するものであってもよい。
なお、封入式の遊技機は、遊技者が遊技球に触れることができないように構成されていればよく、例えば、遊技球を島設備で循環させずに当該遊技機のみで循環させるタイプのもの、および、遊技球が島設備を循環するものの遊技者が遊技球に触れることができないタイプのもの等も、封入式の遊技機に含まれる。
遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を有している。遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を介して、遊技機とのデータ(送信信号)の送受信を行うように構成されている。送受信されるデータは、主制御回路に設けられたCPUの固有ID、払出制御回路に設けられたCPUの固有ID、遊技機に記憶された遊技機製造業者コード、セキュリティチップの製造業者コード、遊技機の型式コードなどの情報である。そして、遊技機および前記遊技媒体管理装置のいずれか一方を送信元とし他方を送信先として、送信元が送信信号を送信した際に、上記送信信号を受信した送信先が上記送信信号と同じ信号である確認用信号を上記送信元に送信し、上記送信元は、上記送信信号と上記確認用信号とを比較して、これらが同一か否かを判別するようにしている。
このように、送信元において、送信先から送信された確認用信号を送信信号と比較して、これらが同一か否かを判別することにより、送信元から送信した信号が改ざんされることなく、送信元に送信されていることを確認することができる。これにより、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信元は信号を変調する変調部を有し、該変調部により変調された信号を上記送信信号として送信し、上記送信先は上記変調部により変調された信号を復調する復調部を有することとしてもよい。
これにより、仮に、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を読み取られたとしても、この信号の解読は困難であり、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信先は、上記送信元からの上記送信信号を受信した際に、上記送信信号を受信したことを示す信号である承認信号を、上記確認用信号とは別に上記送信元に送信することとしてもよい。
これにより、送信信号と確認用信号とを比較することにより、正規の信号の送受信が行われたことを確認するだけでなく、承認信号に基づいて正規の信号の送受信が行われたことを確認することができるので、不正行為の抑制をより強化することができる。また、主制御回路と遊技媒体管理装置とを直接通信接続するのではなく、主制御回路と遊技媒体管理装置との間に枠制御回路を設けて、枠制御回路を経由して主制御回路と遊技媒体管理装置とを通信接続するようにしてもよい。また、主制御回路とは別に発射制御回路を設け、発射制御回路と遊技媒体管理装置との間に枠制御回路を設けるように構成してもよい。この場合、主制御回路や発射制御回路のエラー制御を枠制御回路で行うようにしてもよい。
また、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とが並行して行われる場合、メインCPUは、第1特別図柄および第2特別図柄の両方が大当り図柄を示す図柄組合せで停止することがないように処理を行う。
詳述すると、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、他方の特別図柄を、特別抽選の結果にかかわらずハズレを示す図柄組合せで強制的に停止させる制御を行う。一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止すると、上述したとおり一般遊技状態から大当り遊技状態に移行するが、この大当り遊技状態では、第1特別図柄の始動条件および第2特別図柄の始動条件のいずれも成立せず、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示のいずれも新たに行わない。
また、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、一般遊技状態から小当り遊技状態への移行(小当り図柄を示す図柄組合せで停止したこと)に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を中断し、小当り遊技状態から一般遊技状態への移行(小当り遊技の終了)に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を再開する処理を行う。一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止すると、上述したとおり一般遊技状態から小当り遊技状態に移行するが、この小当り遊技状態では、第1特別図柄の始動条件および第2特別図柄の始動条件のいずれも成立せず、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示のいずれも新たに行わない。ただし、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合、メインCPUは、可変表示中の他方の特別図柄について、見掛け上は可変表示中と同様の態様でLED群で構成される特別図柄の可変表示を行うが、上述したとおり変動時間の計時は中断する。
[4-4.その他の拡張例]
本明細書では、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、本明細書に記載された技術を、例えばパチスロ等、他の遊技機に適用することができる。
本明細書に記載された技術をパチンコ遊技機およびパチスロのいずれに適用した場合であっても、図柄の仮停止を伴う演出については、リールによる仮停止を含んでも良い。なお、図柄の「停止」には本停止と仮停止があり、「停止」の解釈はいずれであってもよい。また、遊技者による遊技を行うための操作には、レバー、ハンドル、ボタンなどの操作、タッチ等、いずれであってもよい。
パチンコ遊技機では、演出ボタンを操作することによって遊技機の管理者が演出等の設定を行う場合があるが、当該演出ボタンによる設定の後、遊技者が遊技を開始するよう運用される場合がある。この場合、結果的に、管理者による操作が、遊技者が遊技を行うための操作となる場合も想定される。同様にパチスロでは、管理者が2ベット遊技を行い、2ベット遊技に応じたBBフラグが成立した状態で、遊技者が3ベット遊技を行う運用を想定する場合がある。この場合、遊技者が2ベット遊技と3ベット遊技とのいずれでも遊技を行うことができるものの、2ベット遊技を遊技機の管理者が行う場合があるため、管理者が行う遊技(例えば、2ベット遊技等)やホールメニューの選択等が、遊技者が遊技を行うための操作であってもよい。
パチンコ遊技機では、メインCPUの制御により右打ちか左打ちかを報知することで遊技者の遊技方法を管理し、遊技者の遊技方法が意図するものではない場合、エラーや警告等の遊技が意図しないものであることをサブCPUの制御により報知するようにしてもよい。
パチスロでは、遊技者による押し順(アシスト)等、遊技者の遊技方法をメインCPUの制御により管理する場合があるが、遊技者の遊技方法が意図するものではない場合に、エラーや警告等の遊技が意図しないものであることをサブCPUの制御により報知するようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機では、主制御基板と払出制御基板とが別基板で搭載されているが、1ボードであってもよい。パチスロでは、払出制御基板が存在しない場合があるが、主制御基板で払出が制御されていてもよいし、主制御基板と払出制御基板とに分かれていてもよい。
また、パチスロは、通常、種々の遊技に必要な装置を内部に収納した矩形の筐体、及び筐体に対して開閉可能な扉を備えているが、パチスロにおける筐体を枠としてとらえることが可能である。一方、パチンコにおいては、外枠を筐体ととらえること、外枠及びベースドアを筐体ととらえること、外枠、ベースドア、ガラスドア及び皿ユニットからなる遊技機全体を筐体ととらえること等が可能である。なお、筐体と扉との間や、枠と扉との間に、各種制御基板が設けられたユニット、中枠、中間部などが存在していてもよいし、扉、枠、筐体等に、各種制御基板や表示手段、装飾部、役物等が存在していてもよい。
以下では、本発明の第2実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤P1100について説明する。なお、先述した実施形態に係るものと同一又は類似の構成要素については、同一名称や同一符号を付する等してその説明を省略する。
図108に示す遊技盤P1100は、透明板ユニットP1110、遊技領域P1120、球発射通路P1130、ワープ通路P1140、ステージP1150、一般入賞口ユニットP1160、上アタッカ部P1170、下アタッカ部P1180、アウト口P1190、上部可動演出役物P2000及び回転役物P3000等を具備する。
図108に示す透明板ユニットP1110は、遊技盤P1100の前側に位置するように設けられる。透明板ユニットP1110は、遊技盤P1100の中央に開口された開口領域1dの前方も含めて、遊技盤P1100の前側全体を覆うように形成される。透明板ユニットP1110には、開口領域1dの周囲に位置する台板P1111や、台板P1210(図113等参照)、導光板ユニットの導光板P1112(透明パネル)等が含まれる。導光板P1112は、開口領域1dの前方に配置され、複数のLEDから照射した光によって発光演出を行うことができる。
図108、図111、図113等に示す遊技領域P1120は、遊技球が転動可能な領域である。遊技領域P1120は、透明板ユニットP1110の前面に形成される。遊技領域P1120は、開口領域1dの周囲を囲うように形成される。
図108に示す球発射通路P1130は、図1等に示す発射装置6から発射された遊技球を遊技領域P1120へと案内する通路である。球発射通路P1130は、外レールP1131及び内レールP1132により区画形成される。球発射通路P1130は、遊技領域P1120の左方に形成される。
図108に示すワープ通路P1140は、遊技球を後述するステージP1150へと導く通路である。ワープ通路P1140は、内部を遊技球が転動可能なトンネル状に形成される。ワープ通路P1140は、開口領域1dの左下縁部に沿うように形成される。ワープ通路P1140の上端部は、遊技領域P1120を臨むように開口される。ワープ通路P1140の下端部は、後述するステージP1150を臨むように開口される。
図108に示すステージP1150は、遊技領域P1120における遊技球の流化領域を振り分けるものである。ステージP1150は、開口領域1dの下縁部に形成される。ステージP1150は、遊技球が左右方向に転動可能な上面を有する。ステージP1150の上面の左右中央部、左部及び右部は、下方へ凹むと共に前方に傾斜するように形成される。これによって、ステージP1150の上面を転動する遊技球は、左右中央部、左部及び右部のいずれかから下方(下側の遊技領域P1120)へと落下する。
図108に示す一般入賞口ユニットP1160は、遊技球が入賞可能な後述する一般入賞口P1161aを有するものである。一般入賞口ユニットP1160は、遊技領域P1120の左下部(開口領域1dの左下方)に配置される。一般入賞口ユニットP1160の詳細については後述する。
図108に示す上アタッカ部P1170は、遊技球が入賞可能な後述する第1大入賞口P1176等を有する部分である。上アタッカ部P1170は、遊技領域P1120の右上部(開口領域1dの右上方)に位置する。上アタッカ部P1170には、遊技領域P1120から前方へ立設される複数の壁部や、後述するカバーP1171から後方へ立設される複数の壁部等により、後述する遊技球の流路(流路P1172)が形成される。上アタッカ部P1170の詳細については後述する。
図108に示す下アタッカ部P1180は、遊技球が入賞可能な後述する第2大入賞口P1300や、第1始動口P1350、上第2始動口P1250、下第2始動口P1360等を有する部分である。下アタッカ部P1180は、遊技領域P1120の右下部(開口領域1dの右下方)に配置される。下アタッカ部P1180には、後述するカバーP1220から後方へ立設される複数の壁部等により、後述する遊技球の流路(流路P1230)が形成される。下アタッカ部P1180の詳細については後述する。
図108に示すアウト口P1190は、いずれの入賞口や始動口にも入賞(入球)しなかった遊技球が最終的に流入する部分である。アウト口P1190は、遊技領域P1120の左右中央部における下端部に形成される。
図108に示す上部可動演出役物P2000は、上下方向に移動可能な役物である。上部可動演出役物P2000は、後述する回転役物P3000の後方(背後)に配置される。上部可動演出役物P2000の動作は、例えば図6に示したサブ制御回路300(より詳細には、役物制御回路307)により制御される。上部可動演出役物P2000の詳細については後述する。
図108に示す回転役物P3000は、回転移動可能な役物である。回転役物P3000は、正面視で開口領域1dの上部に配置される。また、回転役物P3000は、上部可動演出役物P2000の前方に配置される。回転役物P3000の動作は、例えば図6に示したサブ制御回路300により制御される。回転役物P3000の詳細については後述する。
以下では、図109及び図110を用いて、一般入賞口ユニットP1160の詳細について説明する。
一般入賞口ユニットP1160は、本体部P1161、リフレクタP1162、左側発光基盤P1163及び右側発光基盤P1164を具備する。
本体部P1161は、正面視略扇状に形成される。本体部P1161は、透光性を有する(光を透過可能な)材料によって構成される。本体部P1161の前面には、当該本体部P1161を装飾するためのシール(不図示)が貼り付けられる。本体部P1161は、一般入賞口P1161aを具備する。
一般入賞口P1161aは、遊技球が入球した場合に、抽選を行わずに所定数の賞球を払い出すためのものである。一般入賞口P1161aは、本体部P1161の上面における左右中央部が凹むことで形成される。
リフレクタP1162は、後述する発光部P1163a・P1164aからの光を前方へと導くためのものである。リフレクタP1162は、本体部P1161の後方に配置される。リフレクタP1162は、透光性を有さない(光を透過しない)材料によって構成される。リフレクタP1162は、透明板ユニットP1110を前後方向に貫通するように設けられる。リフレクタP1162は、左側導光部P1162a及び右側導光部P1162bを具備する。
左側導光部P1162a及び右側導光部P1162bは、軸線方向を前後方向に向けた略筒状に形成される。左側導光部P1162aは、正面断面視において、一般入賞口P1161aの左方に配置される。右側導光部P1162bは、正面断面視において、一般入賞口P1161aの右方に配置される。
左側発光基盤P1163及び右側発光基盤P1164は、リフレクタP1162の後方において、光を発するためのものである。左側発光基盤P1163及び右側発光基盤P1164は、それぞれ発光部P1163a・P1164aを具備する。
発光部P1163aは、前方(本体部P1161側)へ光を照射可能に左側発光基盤P1163に取り付けられる。発光部P1163aは、リフレクタP1162の左側導光部P1162aの後方に配置される。発光部P1163aは、正面断面視において、左側導光部P1162aの内側に配置される。発光部P1163aは、例えば、LED等によって構成される。
発光部P1164aは、前方(本体部P1161側)へ光を照射可能に右側発光基盤P1164に取り付けられる。発光部P1164aは、リフレクタP1162の右側導光部P1162bの後方に配置される。発光部P1164aは、正面断面視において、右側導光部P1162bの内側に配置される。発光部P1164aは、例えば、LED等によって構成される。
このように構成される一般入賞口ユニットP1160は、所定のタイミングで発光部P1163a・P1164aから前方へ向けて光を照射する。当該光は、リフレクタP1162の左側導光部P1162a内及び右側導光部P1162b内を通過して本体部P1161内へ入射する。当該光は、本体部P1161内を前方へ進んで本体部P1161外へと出射する。これによって、本体部P1161を当該光によって発光させることができる。
本実施形態においては、光を透過不能なリフレクタP1162を介して、発光部P1163a・P1164aから照射された光を本体部P1161内へと導くようにしている。これによれば、発光部P1163a・P1164aから照射された光が、本体部P1161内へと導かれる前に拡散してしまうのを抑制することができる。こうして、左右の発光部P1163a・P1164aにより、本体部P1161を狙い通りに発光させ易くすることができる。
以下では、図108及び図111を用いて、上アタッカ部P1170の詳細について説明する。
図108及び図111に示す上アタッカ部P1170は、カバーP1171、流路P1172、迂回路入口P1173、迂回路出口P1174、迂回路P1175、第1大入賞口P1176及びシャッタP1177等を具備する。
図108に示すカバーP1171は、上アタッカ部P1170の前側に位置する略板状の部材である。カバーP1171は、後方へ立設される複数の壁部を有する。カバーP1171は、遊技領域P1120(台板P1111)から前方へ立設される複数の壁部等とにより、後述する流路P1172を形成する。
図111に示す流路P1172は、上アタッカ部P1170における遊技球の流路である。流路P1172は、遊技領域P1120に含まれる。流路P1172は、上アタッカ部P1170の上端部に形成された流路入口P1172aから、下端部に形成された流路出口P1172bまで、所定の経路を経由するよう、遊技球を案内可能に形成される。
図111に示す迂回路入口P1173は、後述する迂回路P1175への遊技球の入口となる孔である。迂回路入口P1173は、台板P1111を前後方向に貫通するように形成される。迂回路入口P1173は、流路入口P1172aの真下方に形成される。迂回路入口P1173の上側を除く周囲には、壁部が形成される。
図111に示す迂回路出口P1174は、後述する迂回路P1175からの遊技球の出口となる孔である。迂回路出口P1174は、台板P1111を前後方向に貫通するように形成される。迂回路出口P1174は、迂回路入口P1173の左下方に形成される。迂回路出口P1174の下方には、概ね上下方向に板面を向けた板状の壁部が形成される。
図111に示す迂回路P1175は、遊技球を遊技領域P1120の裏側へ迂回させるものである。迂回路P1175は、台板P1111の裏側に固定される所定の部材等により形成される。迂回路P1175は、遊技領域P1120の裏側を遊技球が流通するトンネル状に形成される。迂回路P1175は、正面視で略矩形状に形成され、右上左下となる姿勢で配置される。迂回路P1175の右端部は、迂回路入口P1173に接続される。迂回路P1175の左端部は、迂回路出口P1174に接続される。
図108及び図111に示す第1大入賞口P1176は、遊技球が入賞(入球)することで、所定数の賞球を払い出すためのものである。第1大入賞口P1176は、複数の壁部等により上方が開放された正面視で略箱状に形成される。第1大入賞口P1176の上端部は、左右方向に比較的大きく開口されている。
また、第1大入賞口P1176は、迂回路出口P1174の真下方に形成される。具体的には、第1大入賞口P1176の左上端部は、迂回路出口P1174よりも左方に位置する。第1大入賞口P1176の右上端部は、迂回路出口P1174よりも右方に位置する。第1大入賞口P1176の上下方向中途部には、第1大入賞口カウントスイッチP1176aが配置される。第1大入賞口P1176の下端部(第1大入賞口カウントスイッチP1176aの下方)には、透明板ユニットP1110を前後方向に貫通する回収口P1178が形成される。
図111に示すシャッタP1177は、第1大入賞口P1176を開閉するものである。シャッタP1177は、板面を上下方向へ向けた略板状に形成される。シャッタP1177は、第1大入賞口P1176の上端部の開口を塞ぐように、長手方向を概ね左右方向へ向けて配置される。シャッタP1177は、図示しないソレノイドによって、遊技領域P1120よりも前方へ突出した状態と、遊技領域P1120よりも後方へ退避した状態と、に切り替え可能に構成される。シャッタP1177は、前方に突出した状態で、第1大入賞口P1176を閉状態とする。また、シャッタP1177は、後方に退避した状態で、第1大入賞口P1176を開状態とする。
以下では、図108、図112から図122を用いて、下アタッカ部P1180の詳細について説明する。
図108及び図112に示す下アタッカ部P1180は、台板P1210、カバーP1220、流路P1230、通過ゲートP1240、上第2始動口P1250、開閉ユニットP1260(羽根部材P1261)、上迂回路入口P1270、上迂回路出口P1280、上迂回路P1290、第2大入賞口P1300、下アタッカユニットP1310(シャッタP1311)、下迂回路入口P1320、下迂回路出口P1330、下迂回路P1340、第1始動口P1350及び下第2始動口P1360等を具備する。
図112から図117に示す台板P1210は、下アタッカ部P1180のベースとなる板状の部材である。台板P1210は、板面を前後方向に向けて配置される。台板P1210は、正面視で略L字状に形成される。台板P1210は、透明板ユニットP1110の右下部に配置される。台板P1210には、後述する第1始動口P1350が形成される。また、台板P1210には、前後方向に貫通する複数の孔が形成される。前記複数の孔の一部には、後述する羽根部材P1261や、シャッタP1311、通過ゲートスイッチP1241等の部材が設けられる。また、前記複数の孔の(その他の)一部は、後述する上迂回路入口P1270等を構成する。
図108及び図112に示すカバーP1220は、下アタッカ部P1180の前側に位置する略板状の部材である。カバーP1220は、台板P1210に対応した形状に形成される。図118に示すように、カバーP1220は、後方へ立設される複数の壁部を有する。カバーP1220は、上記複数の壁部等により、後述する流路P1230を形成する。
図113に示す流路P1230は、下アタッカ部P1180における遊技球の流路である。流路P1230は、遊技領域P1120に含まれる。流路P1230は、下アタッカ部P1180の上端部に形成された流路入口P1231から概ね左下方へ向けて、所定の経路を経由するよう、遊技球を案内可能に形成される。
また、流路P1230は、カバーP1220の壁部(壁部P1232)により、大きく2つの領域に区画される。壁部P1232は、左右方向中央部よりも左側において、下アタッカ部P1180を上下方向に亘るように形成される。すなわち、流路P1230は、正面視で壁部P1232を挟んで、右側の領域と左側の領域とに区画される。流路P1230の右側の領域から左側の領域へは、後述する下迂回路P1340を介して遊技球が移動可能に構成される。
図113、図118及び図119に示す通過ゲートP1240は、遊技球が通過することを条件に、普通図柄抽選の契機を与えるためのものである。通過ゲートP1240は、カバーP1220の壁部等により、遊技球が通過可能な通路状に形成される。図113に示すように、通過ゲートP1240は、流路入口P1231のすぐ下方に形成される。通過ゲートP1240のすぐ下方には、通過ゲートスイッチP1241が配置される。
図108、図113、図118及び図119に示す上第2始動口P1250は、遊技球が入賞(入球)することを条件に、当り抽選の契機を与えるためのものである。上第2始動口P1250は、複数の壁部等により上方が開放された正面視で略箱状に形成される。上第2始動口P1250の上端部は、左右方向に比較的大きく開口されている。
また、上第2始動口P1250は、通過ゲートP1240の下方に形成される。上第2始動口P1250の上下方向中途部には、上第2始動口カウントスイッチP1251が配置される。上第2始動口P1250の下端部(上第2始動口カウントスイッチP1251の下方)には、台板P1210を前後方向に貫通する回収口P1252が形成される。
図116及び図117に示す開閉ユニットP1260は、羽根部材P1261を有すると共に、図示しないソレノイドによって羽根部材P1261を開閉動作可能に構成するものである。開閉ユニットP1260は、台板P1210の後面に固定される。
図113、図116、図118及び図119に示す羽根部材P1261は、上第2始動口P1250を開閉するものである。羽根部材P1261は、板面を上下方向へ向けた略板状に形成される。より詳細には、羽根部材P1261は、右方から左方にいくに従って下がる傾斜状に形成される。羽根部材P1261は、上第2始動口P1250の上端部の開口を塞ぐように、長手方向を概ね左右方向へ向けて配置される。羽根部材P1261は、開閉ユニットP1260に設けられたソレノイドによって、遊技領域P1120よりも前方へ突出した状態と、遊技領域P1120よりも後方へ退避した状態と、に切り替え可能に構成される。羽根部材P1261は、前方に突出した状態で、上第2始動口P1250を閉状態とする。また、羽根部材P1261は、後方に退避した状態で、上第2始動口P1250を開状態とする。
図113から図116に示す上迂回路入口P1270は、後述する上迂回路P1290への遊技球の入口となる孔である。上迂回路入口P1270は、透明板ユニットP1110の台板P1210を前後方向に貫通するように形成される。図113に示すように、上迂回路入口P1270は、羽根部材P1261の右側部分のすぐ上方に形成される。
図113から図116に示す上迂回路出口P1280は、後述する上迂回路P1290からの遊技球の出口となる孔である。上迂回路出口P1280は、透明板ユニットP1110の台板P1210を前後方向に貫通するように形成される。図113に示すように、上迂回路出口P1280は、羽根部材P1261の左側部分のすぐ上方に形成される。
なお、上迂回路入口P1270及び上迂回路出口P1280は、台板P1210において、一つの孔として形成される。そして、図113に示すように、カバーP1220の壁部等により正面視で右側と左側とに区画され、当該右側に区画された部分が上迂回路入口P1270として形成されている。また、当該左側に区画された部分が上迂回路出口P1280として形成されている。
図113及び図117に示す上迂回路P1290は、遊技球を遊技領域P1120の裏側へ迂回させるものである。上迂回路P1290は、台板P1210の裏側に固定される所定の部材により形成される。上迂回路P1290は、遊技領域P1120の裏側を遊技球が流通するトンネル状に形成される。上迂回路P1290は、正面視で略矩形状に形成され、右上左下となる姿勢で配置される。上迂回路P1290の右端部は、上迂回路入口P1270に接続される。上迂回路P1290の左端部は、上迂回路出口P1280に接続される。
図108、図113、図118及び図119に示す第2大入賞口P1300は、遊技球が入賞(入球)することで、所定数の賞球を払い出すためのものである。第2大入賞口P1300は、複数の壁部等により上方が開放された正面視で略箱状に形成される。第2大入賞口P1300の上端部は、左右方向に比較的大きく開口されている。
また、第2大入賞口P1300は、上第2始動口P1250の左下方に形成される。第2大入賞口P1300は、上第2始動口P1250と離間した位置に形成される。第2大入賞口P1300の上下方向中途部には、第2大入賞口カウントスイッチP1301が配置される。第2大入賞口P1300の下端部(第2大入賞口カウントスイッチP1301の下方)には、台板P1210を前後方向に貫通する回収口P1302が形成される。
図117に示す下アタッカユニットP1310は、シャッタP1311を有すると共に、図示しないソレノイドによってシャッタP1311を開閉動作可能に構成するものである。下アタッカユニットP1310は、台板P1210の後面に固定される。
図113、図116、図118及び図119に示すシャッタP1311は、第2大入賞口P1300を開閉するものである。シャッタP1311は、板面を上下方向へ向けた略板状に形成される。シャッタP1311は、第2大入賞口P1300の上端部の開口を塞ぐように、長手方向を概ね左右方向へ向けて配置される。シャッタP1311は、下アタッカユニットP1310に設けられたソレノイドによって、遊技領域P1120よりも前方へ突出した状態と、遊技領域P1120よりも後方へ退避した状態と、に切り替え可能に構成される。シャッタP1311は、前方に突出した状態で、第2大入賞口P1300を閉状態とする。また、シャッタP1311は、後方に退避した状態で、第2大入賞口P1300を開状態とする。
図113から図116に示す下迂回路入口P1320は、後述する下迂回路P1340への遊技球の入口となる孔である。下迂回路入口P1320は、台板P1210を前後方向に貫通するように形成される。下迂回路入口P1320は、シャッタP1311の左下方に形成される。
なお、下迂回路入口P1320の左方には、壁部P1232が形成される。すなわち、上述の如く通過ゲートP1240、上第2始動口P1250、開閉ユニットP1260(羽根部材P1261)、上迂回路入口P1270、上迂回路出口P1280、上迂回路P1290、第2大入賞口P1300、下アタッカユニットP1310(シャッタP1311)及び下迂回路入口P1320は、壁部P1232により区画された流路P1230の右側の領域に形成される。
図113から図116に示す下迂回路出口P1330は、後述する下迂回路P1340からの遊技球の出口となる孔である。下迂回路出口P1330は、台板P1210を前後方向に貫通するように形成される。下迂回路出口P1330は、台板P1210の左下部に形成される。下迂回路出口P1330は、上下方向位置が下迂回路入口P1320よりも下方に位置するように形成される。
図113に示す下迂回路P1340は、遊技球を遊技領域P1120の裏側へ迂回させるものである。下迂回路P1340は、台板P1210の裏側に固定される所定の部材により形成される。後側案内部P1341の詳細については後述する。
図108、図113から図117に示す第1始動口P1350は、遊技球が入賞(入球)することを条件に、当り抽選の契機を与えるためのものである。第1始動口P1350は、台板P1210の左下部であって、下迂回路出口P1330の上方に形成される。第1始動口P1350は、上方が開口された略箱状に形成される。第1始動口P1350の後側は、台板P1210に形成された切欠部と接続される。第1始動口P1350には、図示しない第1始動口カウントスイッチが設けられる。
図108、図113、図118及び図119に示す下第2始動口P1360は、遊技球が入賞(入球)することを条件に、当り抽選の契機を与えるためのものである。下第2始動口P1360は、下迂回路出口P1330のすぐ下方に形成される。下第2始動口P1360は、上側が開放された略箱状に形成される。下第2始動口P1360の後側は、台板P1210を前後方向に貫通するように形成された孔と接続される。下第2始動口P1360には、図示しない下第2始動口カウントスイッチが設けられる。
こうして、下迂回路出口P1330、第1始動口P1350及び下第2始動口P1360は、壁部P1232により区画された流路P1230の左側の領域に形成される。より詳細には、下迂回路出口P1330、第1始動口P1350及び下第2始動口P1360は、壁部P1232から左方に離間した位置に形成される。なお、下迂回路出口P1330、第1始動口P1350及び下第2始動口P1360付近の部材の位置関係の詳細は後述する。
また、下迂回路P1340は、遊技領域P1120の裏側で、壁部P1232を左右方向に跨ぐように、すなわち流路P1230の右側の領域と左側の領域とに亘るように形成される。以下では、図120から図122を用いて、下迂回路P1340の後側案内部P1341の詳細について説明する。
図120から図122に示す後側案内部P1341は、下迂回路P1340において下迂回路入口P1320から下迂回路出口P1330へと遊技球を案内する部材である。後側案内部P1341は、台板P1210の後面に固定される。後側案内部P1341は、長手状に形成される。後側案内部P1341は、正面視で長手方向を右上左下へ向けた若干傾斜した姿勢で配置される。後側案内部P1341は、前側が開口された略箱状に形成される。後側案内部P1341の底板P1343(下側面)の上面は、遊技球が転動可能に形成される。後側案内部P1341は、第一傾斜部P1344、第二傾斜部P1345、右側ガイド部P1346及び左側ガイド部P1347を具備する。
第一傾斜部P1344は、底板P1343のうち上面が左下方に傾斜している部分である。第一傾斜部P1344は、底板P1343の右端部から左端部近傍に亘るように形成される。
第二傾斜部P1345は、底板P1343のうち上面が前下方に傾斜している部分である。第二傾斜部P1345は、底板P1343の左端部に形成される。第二傾斜部P1345は、第一傾斜部P1344の左方に当該第一傾斜部P1344と左右方向に連続するように形成される。第二傾斜部P1345と第一傾斜部P1344との接続部分には、上下方向に段差が設けられる。第二傾斜部P1345は、底板P1343の上面において他の部分と比べて最も高さが低くなるように形成される。第二傾斜部P1345の前端部は、第一傾斜部P1344の前端部よりも前方に突出するように形成される。
右側ガイド部P1346は、後側案内部P1341内において、遊技球を左下方へ向けて案内するための部分である。右側ガイド部P1346は、斜辺となる面を左前方に向けた平面視略直角三角形状に形成される。右側ガイド部P1346は、第一傾斜部P1344の右後端部に形成される。
左側ガイド部P1347は、後側案内部P1341内において、遊技球を前方へ向けて案内するための部分である。左側ガイド部P1347は、斜辺となる面を右前方に向けた平面視略直角三角形状に形成される。左側ガイド部P1347は、第二傾斜部P1345の左端部に形成される。
こうして、下迂回路P1340は、遊技領域P1120の裏側で、壁部P1232を左右方向に跨ぐように、すなわち流路P1230の右側の領域と左側の領域とに亘るように形成される。
以下では、図123を用いて、第1始動口P1350、下迂回路出口P1330及び下第2始動口P1360付近の部材の位置関係の詳細について説明する。なお以下では便宜上、第1始動口P1350、下迂回路出口P1330及び下第2始動口P1360を、「3つの口」と称する場合がある。
図123に示すように、3つの口は、上下方向に略隙間無く連続するように配置される。具体的には、3つの口においては、第1始動口P1350、下迂回路出口P1330及び下第2始動口P1360が、上側から下側に順番に配置される。3つの口の上方には、ステージP1150、より詳細にはステージP1150の下方へ凹んだ左右中央部(以下では「ステージ中央部P1151」と称する)が配置される。
また、3つの口は、下アタッカ部P1180の壁部P1232から左方に離間した位置に配置される。具体的には、3つの口は、壁部P1232から左方に、少なくとも遊技球の外径以上の幅をあけて配置される。3つの口と壁部P1232との間には、遊技領域P1120が形成される。また、3つの口と壁部P1232との間の、遊技領域P1120の後側には、下迂回路P1340(後側案内部P1341)が配置される。また、3つの口と下アタッカ部P1180との間の上方には、ステージP1150、より詳細にはステージP1150のうち、下方へ凹んだ右部(以下では「ステージ右部P1152」と称する)が配置される。
また、3つの口は、一般入賞口ユニットP1160から右方に離間した位置に配置される。具体的には、3つの口は、一般入賞口ユニットP1160から右方に、少なくとも遊技球の外径以上の幅をあけて配置される。3つの口と一般入賞口ユニットP1160との間には、遊技領域P1120が形成される。また、3つの口と下アタッカ部P1180との間の上方には、ステージP1150、より詳細にはステージP1150のうち、下方へ凹んだ左部(以下では「ステージ左部P1153」と称する)が配置される。
以下では、図124から図128を用いて、遊技における遊技球の主たる流れについて説明する。なお、図124から図128に示す黒太線(実線及び点線)の矢印は、遊技球の流れの一例を示している。また、図124に示す黒太線の点線の矢印は、ワープ通路P1140における遊技球の流れの一例を示している。また、図125から図128に示す黒太線の点線の矢印は、各種の迂回路における遊技球の流れ(遊技領域P1120の裏側における遊技球の流れ)の一例を示している。
図124に示すように、図1等に示す発射装置6から発射された遊技球は、球発射通路P1130により遊技領域P1120へ案内される。そして、打ち出された遊技球の勢いに応じて、開口領域1dよりも左側の領域、あるいは、開口領域1dよりも右側の領域を流れていく。なお便宜上、図示を省略しているが、遊技領域P1120には多数の遊技釘が設けられている。こうして、遊技領域P1120へと案内された遊技球は、繰り返し遊技釘に衝突して種々の方向へ跳ね返りながら、当該遊技領域P1120を落下していく。
遊技球が開口領域1dよりも左側の遊技領域P1120を落下する場合(いわゆる左打ちが行われた場合)、一部の遊技球は、ワープ通路P1140の内部に入り込み、当該ワープ通路P1140によりステージP1150へ案内される。ステージP1150へ案内された遊技球は、後述するように、ステージP1150の左右中央部、左部及び右部のいずれかから下方(下側の遊技領域P1120)へと落下する。
また、遊技球が開口領域1dよりも右側の遊技領域P1120を落下する場合(いわゆる右打ちが行われた場合)、遊技球は、まず上アタッカ部P1170へ案内される。
図125に示すように、上アタッカ部P1170へ案内された遊技球は、流路入口P1172aから上アタッカ部P1170の内部に流入する。そして、遊技球は、迂回路入口P1173から迂回路P1175へ案内され、当該迂回路P1175(すなわち、遊技領域P1120の裏側)を転動する。次に、迂回路P1175を転動した遊技球は、迂回路出口P1174から再び遊技領域P1120へ戻され、シャッタP1177を転動する。なおこの際、シャッタP1177が開状態になれば、遊技球は第1大入賞口P1176に入賞する。また、シャッタP1177を転動した遊技球は、下方へ落下し、流路出口P1172bから上アタッカ部P1170の外部へ排出される。そして、上アタッカ部P1170の外部へ排出された遊技球は、下アタッカ部P1180へ案内される。
図126及び図127に示すように、下アタッカ部P1180へ案内された遊技球は、流路入口P1231から下アタッカ部P1180の内部へ流入する。そして、遊技球は、下アタッカ部P1180の内部を落下していき、上第2始動口P1250の箇所で2方向へ振り分けられる(黒太矢印R1a及びR1b参照)。そして、黒太矢印R1aに示す左方向に振り分けられた遊技球は、羽根部材P1261を転動する共に、途中で上迂回路入口P1270から上迂回路P1290へ案内され、当該上迂回路P1290(すなわち、遊技領域P1120の裏側)を転動する。そして、上迂回路P1290を転動した遊技球は、上迂回路出口P1280から再び遊技領域P1120へ戻され、羽根部材P1261を転動する。なおこの際、羽根部材P1261が開状態になれば、遊技球は上第2始動口P1250に入球する。
そして、羽根部材P1261を転動した遊技球は、落下していき、第2大入賞口P1300の箇所で2方向へ振り分けられる(黒太矢印R2a及びR2b参照)。そして、黒太矢印R2aに示す左方向に振り分けられた遊技球は、シャッタP1311を転動する。なおこの際、シャッタP1311が開状態になれば、遊技球は第2大入賞口P1300に入賞する。そして、シャッタP1311を転動した遊技球は、下迂回路入口P1320から下迂回路P1340(遊技盤P1100の背面方向)へ案内され、当該下迂回路P1340の後側案内部P1341(すなわち、遊技領域P1120の裏側)を転動する。そして、下迂回路P1340を転動した遊技球は、下迂回路出口P1330から再び遊技領域P1120側(遊技盤P1100の前面方向)へ戻される。
上述の如く、下迂回路出口P1330のすぐ下方には、下第2始動口P1360が配置されている。したがって、図128に示すように、遊技球が下迂回路出口P1330から再び遊技領域P1120側へ戻された場合、黒太矢印R3に示すように、当該遊技球は下第2始動口P1360に容易に入球されることとなる。
なお、下迂回路出口P1330及び下第2始動口P1360には、右側の遊技領域P1120から流れてきた遊技球(すなわち、下アタッカ部P1180から下迂回路P1340を介して流れてきた遊技球)だけでなく、左側の遊技領域P1120から流れてきた遊技球も落下してくる。例えば、ステージP1150を転動した遊技球が落下してくる。
具体的には、図128に示すように、ステージP1150のステージ左部P1153から落下した遊技球は、黒太矢印R4に示すように、第1始動口P1350、下迂回路出口P1330及び下第2始動口P1360の左方を落下していく。また、ステージP1150のステージ右部P1152から落下した遊技球は、黒太矢印R5に示すように、第1始動口P1350、下迂回路出口P1330及び下第2始動口P1360の右方(すなわち、3つの口と壁部P1232との間の領域)を落下していく。
また、ステージP1150のステージ中央部P1151から落下した遊技球は、黒太矢印R6に示すように、真下方に配置された第1始動口P1350へと落下していく。そして、当該落下した遊技球は、図示しない遊技釘の間をすり抜けることができれば、第1始動口P1350に入賞することとなる。
また、また、ステージ中央部P1151から落下した遊技球であっても、例えば図示しない遊技釘に衝突した場合、例えば黒太矢印R6bに示すように左方へと弾かれ、前記3つの口(第1始動口P1350、下迂回路出口P1330及び下第2始動口P1360)と一般入賞口ユニットP1160との間の遊技領域P1120を落下していく。
また、ステージ中央部P1151から落下した遊技球であっても、図示しない遊技釘に衝突した場合、例えば黒太矢印R6aに示すように右方へと弾かれ、前記3つの口(第1始動口P1350、下迂回路出口P1330及び下第2始動口P1360)と壁部P1232との間の遊技領域P1120を落下していく。
このように、前記3つの口と壁部P1232との間の遊技領域P1120においては、右打ちを行った場合の遊技球が右方から左方へと流れてくるにもかかわらず、当該遊技球が遊技領域P1120の裏側で下迂回路P1340を転動してくるため、上方から落下してくる遊技球(黒太矢印R5及びR6a参照)との衝突を防止することができる。すなわち、2つの方向(右方向及び下方向)に遊技球が転動する領域を正面視で重複させることができるため、遊技球の転動領域の省スペース化を図ることができ、例えば複数の入賞口を形成することができる等、遊技部品の配置スペースを確保し易くすることができる。
また、下迂回路出口P1330の左右にも遊技領域P1220を確保できるので、下迂回路出口P1330から排出してくる遊技球を一律に下第2始動口P1360へ導くのではなく、下第2始動口P1360へ入賞しないハズレ球を発生させることもでき、遊技性を高めることができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、遊技盤の右側に打ち出された遊技球を大入賞口へと導く誘導路を有する大入賞口ユニットを備えた遊技機が開示されている。例えば、特開2017-35176号公報に記載の如くである。
しかしながら、大入賞口は入賞領域を広く確保する必要があるために比較的大型に形成されることが多く、大入賞口の近傍に他の入賞口を形成しようとしても配置スペースが確保しにくい問題点があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、入賞口の配置スペースを確保し易くすることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、第2実施形態に係る遊技機は、
前面側に遊技球が転動可能な遊技領域P1120を有する遊技盤P1100を備えた遊技機であって、
前記遊技盤P1100は、
前記遊技領域P1120に設けられた第1の入賞口(第1始動口P1350)と、
前記遊技盤の前面側に設けられ遊技球が転動可能な第1の球通路(例えば、上アタッカ部P1170の流路P1172や、下アタッカ部P1180の流路P1230)と、
前記第1の球通路の下流側に設けられ、遊技球を前記遊技盤P1100の背面方向に誘導する流入口(下迂回路入口P1320)と、
前記流入口(下迂回路入口P1320)から流入した遊技球が転動可能な第2の球通路(下迂回路P1340)と、
前記第2の球通路(下迂回路P1340)の下流側に設けられ、遊技球を前記遊技盤P1100の前面方向に誘導する排出口(下迂回路出口P1330)と、
前記遊技領域P1120に設けられ前記排出口(下迂回路出口P1330)の下方に設けられた第2の入賞口(下第2始動口P1360)と、を備え、
前記第2の入賞口(下第2始動口P1360)は、前記第1の入賞口(第1始動口P1350)の下方に設けられており、
前記第1の入賞口(第1始動口P1350)の左右には、前記第1の入賞口(第1始動口P1350)に流入しなかった遊技球が下方へ転動可能な遊技領域P1120が形成されており、
前記第1の入賞口(第1始動口P1350)の左右に形成された遊技領域P1120うち、少なくともいずれか一方の遊技領域は、前記第2の球通路(下迂回路P1340)の遊技盤前面側に形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、入賞口の配置スペースを確保し易くすることができる。
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施系形態においては、「第1の入賞口」を第1始動口P1350とし、「第2の入賞口」を下第2始動口P1360としたが、これに限定するものではない。
また、後側案内部P1341の構成は、本実施形態に係るものに限定されない。例えば後側案内部P1341は、正面視で湾曲や屈曲するような形状を有する等、種々の構成が想定される。
以下では、図129から図148を用いて、上部可動演出役物P2000及び上部役物昇降機構P2300について説明する。
[上部可動演出役物P2000]
上部可動演出役物P2000は、移動することで演出を行うものである。具体的には、上部可動演出役物P2000は、後述する第一演出部P2110及び第二演出部P2120を用いて演出を行う。なお、詳細は後述するが、上部可動演出役物P2000は左右方向に延びる軸線回りに回動して演出を行うものであるが、以下では、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)を前方に向けた状態を基準に説明を行う。
上部可動演出役物P2000は、略直方体状に形成される。上部可動演出役物P2000は、長手方向を左右に向けて配置される。上部可動演出役物P2000は、主として第一演出部P2110、第二演出部P2120、被昇降部P2140及び駆動機構P2200を具備する。
[第一演出部P2110]
図129から図131及び図135等に示す第一演出部P2110は、適宜の装飾が施されており、移動されることによって演出を行うものである。具体的には、第一演出部P2110は、人の左右両側の瞳及び眉を模した装飾が施されている。第一演出部P2110は、上部可動演出役物P2000の前面に設けられる。第一演出部P2110は、主として眉可動体P2111、可動体支持アームP2112、瞳装飾体P2113、役物電飾基板P2114、後部カバーP2115、アウターレンズP2116、拡散シートP2117、導光レンズP2118及びインナーレンズP2119を具備する。
図129から図131及び図135に示す眉可動体P2111は、演出を行う際に可動する部分である。眉可動体P2111は、人の眉を模した形状に形成されている。眉可動体P2111は、第一演出部P2110の前部に左右一対設けられる。左側の眉可動体P2111は、長手方向が右下がりとなるように設けられる。右側の眉可動体P2111は、長手方向が左下がりとなるように設けられる。左右の眉可動体P2111は、互いに左右対称となるように設けられる。眉可動体P2111の後部には、眉軸部P2111aが設けられる(図131参照)。眉軸部P2111aは、軸線を前後方向に向けて、眉可動体P2111から後方に延びるように設けられる。
図131に示す可動体支持アームP2112は、眉可動体P2111を支持するものである。可動体支持アームP2112は、アーム状に形成される。可動体支持アームP2112は、眉可動体P2111の後方に左右一対設けられる。左側の可動体支持アームP2112は、長手方向が右下がりとなるように設けられる。右側の可動体支持アームP2112は、長手方向が左下がりとなるように設けられる。左右の可動体支持アームP2112は、互いに左右対称となるように設けられる。以下では左側の可動体支持アームP2112について説明を行い、右側の可動体支持アームP2112については説明を省略する。
可動体支持アームP2112の前面には、挿通孔(不図示)が形成されている。前記挿通孔は、可動体支持アームP2112の左端部近傍に設けられる。前記挿通孔には、眉可動体P2111の眉軸部P2111aが挿通される。
また、可動体支持アームP2112の後面には、アーム軸部P2112aが形成されている。アーム軸部P2112aは、可動体支持アームP2112の右端部近傍に設けられる。アーム軸部P2112aは、軸線を前後方向に向けて、可動体支持アームP2112の後面から後方に延びるように設けられている。アーム軸部P2112aは、後述する駆動機構P2200に支持されている。
このようにして、可動体支持アームP2112は、眉可動体P2111を眉軸部P2111a回りに回動可能に支持する。
図129から図131及び図135に示す瞳装飾体P2113は、第一演出部P2110の前面を構成する部分である。瞳装飾体P2113は、正面視略矩形状に形成される。瞳装飾体P2113は、長手方向を左右方向に向けて、眉可動体P2111の後方に設けられる。瞳装飾体P2113には、瞳貫通孔P2113aが形成される(図131参照)。瞳貫通孔P2113aは、正面視において人の瞳を模した形状に形成される。瞳貫通孔P2113aは左右一対形成され、左右の瞳貫通孔P2113aは互いに左右対称となるように形成される。瞳装飾体P2113の表面(前面)が、本発明に係る「第1の演出面」を構成する。
図131に示す役物電飾基板P2114は、略矩形板状に形成される。役物電飾基板P2114は、その板面を前後に向けると共に、長手方向を左右に向けて設けられる。役物電飾基板P2114の前面には、当該役物電飾基板P2114の左右略全域に亘って複数のLED(不図示)が設けられる。当該LEDを発光させることで、役物電飾基板P2114の前方へと光を照射することができる。
図131に示す後部カバーP2115は、第一演出部P2110の後部を構成する部分である。後部カバーP2115は、正面視略矩形状に形成される。後部カバーP2115は、長手方向を左右方向に向けて役物電飾基板P2114の後方に設けられ、役物電飾基板P2114を支持する。
瞳装飾体P2113と役物電飾基板P2114との間には、アウターレンズP2116、拡散シートP2117、導光レンズP2118及びインナーレンズP2119が、前から順に設けられる(図131参照)。これらアウターレンズP2116等は、瞳装飾体P2113の瞳貫通孔P2113aに対応する位置に、左右一対設けられる。これらアウターレンズP2116等が設けられることにより、役物電飾基板P2114の前記LEDから光を照射することで、瞳貫通孔P2113aが形成された部分を全体的に光らせることができる。
[第二演出部P2120]
図132及び図133に示す第二演出部P2120は、適宜の装飾が施されており、移動されることによって演出を行うものである。具体的には、第二演出部P2120は、人の左右片側の瞳及び眉を模した装飾が施されている。第二演出部P2120は、上部可動演出役物P2000の下面に設けられる。第二演出部P2120は、主として眉装飾体P2121、役物電飾基板P2122、導光レンズP2123、上部カバーP2124及び瞳可動体ユニットP2130を具備する。
図132及び図133に示す眉装飾体P2121は、第二演出部P2120の下面を構成する部分である。眉装飾体P2121は、底面視略矩形状に形成される。眉装飾体P2121は、長手方向を左右方向に向けて、第二演出部P2120の下部に設けられる。眉装飾体P2121は、底面視において人の左右片側の眉を模した形状に形成される。眉装飾体P2121の表面(下面)が、本発明に係る「第2の演出面」を構成する。
図133に示す役物電飾基板P2122は、略矩形板状に形成される。役物電飾基板P2122は、その板面を上下に向けると共に、長手方向を左右に向けて設けられる。役物電飾基板P2122の下面には、当該役物電飾基板P2122の左右略全域に亘って複数のLED(不図示)が設けられる。当該LEDを発光させることで、眉装飾体P2121側へと光を照射することができる。
眉装飾体P2121と役物電飾基板P2122との間には、導光レンズP2123が設けられる(図133参照)。導光レンズP2123が設けられることにより、役物電飾基板P2122の前記LEDから光を照射することで、眉装飾体P2121を全体的に光らせることができる。
図133に示す上部カバーP2124は、第二演出部P2120の上部を構成する部分である。上部カバーP2124は、底面視略矩形状に形成される。上部カバーP2124は、長手方向を左右方向に向けて役物電飾基板P2122の上方に設けられ、役物電飾基板P2122を支持する。
図133及び図134に示す瞳可動体ユニットP2130は、演出を行う際に可動する部分である。瞳可動体ユニットP2130は、上部カバーP2124の上方に左右一対設けられる。瞳可動体ユニットP2130は、瞳可動体P2131、電飾基板P2132及び導光レンズP2133を具備する。なお、左右の瞳可動体ユニットP2130は、互いに概ね左右対称となるように形成される。このため、以下では、左側の瞳可動体ユニットP2130について説明を行い、右側の瞳可動体ユニットP2130については説明を省略する。
図133及び図134に示す瞳可動体P2131は、底面視において人の左右片側の瞳の一部(半部)を模した形状に形成されている。瞳可動体P2131は、瞳可動体ユニットP2130の最も下側に設けられる。
図134に示す電飾基板P2132は、略矩形板状に形成される。電飾基板P2132は、瞳可動体P2131の上方において、その板面を上下に向けて設けられる。電飾基板P2132の下面には、当該電飾基板P2132の左右略全域に亘って複数のLED(不図示)が設けられる。当該LEDを発光させることで、電飾基板P2132の下方へと光を照射することができる。
瞳可動体P2131と電飾基板P2132との間には、導光レンズP2133が設けられる(図134参照)。導光レンズP2133が設けられることにより、電飾基板P2132の前記LEDから光を照射することで、瞳可動体P2131を全体的に光らせることができる。
瞳可動体P2131、電飾基板P2132及び導光レンズP2133は、互いに固定されてユニット化されている。なお、左側の瞳可動体ユニットP2130には、後述する左瞳カバーP2231も固定されている(図134参照)。また、右側の瞳可動体ユニットP2130には、後述する右瞳カバーP2232も固定されている(図134参照)。
[被昇降部P2140]
図130、図132及び図135に示す被昇降部P2140は、後述する上部役物昇降機構P2300によって昇降される部分である。被昇降部P2140は、第一演出部P2110及び第二演出部P2120と、後述する上部役物昇降機構P2300との間に介在するように設けられる。被昇降部P2140は、主としてベース部材P2141、左取付軸部材P2142、右取付軸部材P2143、左取付ガイドP2144、右取付ガイドP2145、左キャリッジP2146及び右キャリッジP2147を具備する。
図130及び図135等に示すベース部材P2141は、被昇降部P2140の左右中央部を構成するものである。ベース部材P2141は、第一演出部P2110及び第二演出部P2120の後方において左右方向に延びて、その左右両端が前方に屈曲するように形成される。ベース部材P2141の左右幅は、第一演出部P2110及び第二演出部P2120と略同じとなるように形成される。
図135及び図136に示す左取付軸部材P2142は、上部可動演出役物P2000の左側の回動軸(後述する挿通部材P2213)を取り付けるものである。左取付軸部材P2142は、ベース部材P2141の左端部に固定される。
図135及び図137に示す右取付軸部材P2143は、上部可動演出役物P2000の右側の回動軸(後述する回動軸P2143a)を取り付けるものである。右取付軸部材P2143は、ベース部材P2141の右端部に固定される。右取付軸部材P2143には、回動軸P2143aが設けられる。回動軸P2143aは、軸線を左右方向に向けて、右取付軸部材P2143から左方に延びるように設けられる。回動軸P2143aは、ベース部材P2141の右端部に設けられた貫通孔に挿通される。
図135及び図136に示す左取付ガイドP2144は、後述する左キャリッジP2146を左取付軸部材P2142に取り付けるための部材である。左取付ガイドP2144は、左取付軸部材P2142の左側に固定される。左取付ガイドP2144には、軸孔P2144a及び長孔P2144bが形成される。
図136に示す軸孔P2144aは、左取付ガイドP2144の上端部近傍を前後方向に貫通するように形成される。
図136に示す長孔P2144bは、延伸方向を略左右方向に向けて、軸孔P2144aの下方に設けられる。長孔P2144bは、正面視において後述する第一ピンP2146aを中心とする円弧状に形成される。
図135及び図137に示す右取付ガイドP2145は、後述する右キャリッジP2147を右取付軸部材P2143に取り付けるための部材である。右取付ガイドP2145は、右取付軸部材P2143の右側に固定される。
図129、図130及び図135に示す左キャリッジP2146は、後述する上部役物昇降機構P2300(左側案内部P2310)に取り付けられる部分である。左キャリッジP2146は、左取付ガイドP2144に固定される。左キャリッジP2146は、左側案内部P2310に沿って上下に移動可能に形成される。左キャリッジP2146には、第一ピンP2146a及び第二ピンP2146bが設けられる。
第一ピンP2146a及び第二ピンP2146bはともに、左キャリッジP2146から前方に延びるように設けられる。第一ピンP2146aは第二ピンP2146bの上方に設けられる。第一ピンP2146aは軸孔P2144aに挿通され、第二ピンP2146bは長孔P2144bに挿通される(図136参照)。
図129、図130及び図135に示す右キャリッジP2147は、後述する上部役物昇降機構P2300(右側案内部P2320)に取り付けられる部分である。右キャリッジP2147は、右取付ガイドP2145に固定される。右キャリッジP2147は、右側案内部P2320に沿って上下に移動可能に形成される。右キャリッジP2147には、押さえ部材P2147aが設けられている。
図135に示す押さえ部材P2147aは、右取付ガイドP2145の前方への移動を規制するものである。押さえ部材P2147aは、正面視略L字状に形成される。より詳細には、押さえ部材P2147aは、上下方向に延びる部分と、当該部分の下端から左方に延びる部分とにより構成される。押さえ部材P2147aは、右取付ガイドP2145の前方に設けられる。
[駆動機構P2200]
駆動機構P2200は、第一演出部P2110及び第二演出部P2120を駆動させるものである。駆動機構P2200は、役物回転駆動部P2210、眉回転駆動部P2220及び瞳回転駆動部P2230を具備する。
[役物回転駆動部P2210]
図139から図141に示す役物回転駆動部P2210は、上部可動演出役物P2000を回転駆動させるものである。役物回転駆動部P2210は、主として左軸穴部材P2211、回転ブッシュP2212、挿通部材P2213、伝達ギヤP2214、モータギヤP2215、回転駆動モータP2216及び右軸穴部材P2217を具備する。
図139及び図140に示す左軸穴部材P2211は、板面を左右方向に向けた板状部P2211aを具備しており、板状部P2211aが左取付軸部材P2142の右方に位置するように設けられる(図140参照)。左軸穴部材P2211は、役物電飾基板P2122の左端に載置されるとともに、眉装飾体P2121に固定される。左軸穴部材P2211には、軸孔P2211b及びガイドP2211cが形成される。
図140に示す軸孔P2211bは、板状部P2211aを貫通するように形成される。また、板状部P2211aの左方を向く面には、ガイドP2211cが形成される。ガイドP2211cは、板状部P2211aから左方に突出するように形成される。ガイドP2211cは、左側面視において軸孔P2211bと同心の円弧状に形成される。ガイドP2211cは、左側面視において軸孔P2211bの後上方において、左取付軸部材P2142の外周面に沿うように形成される。
図140に示す回転ブッシュP2212は、略円筒状に形成される。回転ブッシュP2212は、軸線を左右方向に向けて、軸孔P2211bに軸線回りに回動可能に設けられる。回転ブッシュP2212の内周面には、突起部(不図示)が形成される。回転ブッシュP2212は、その軸線が回動軸P2143aの軸線と一致するように設けられる。
図139及び図140に示す挿通部材P2213は、略円柱状に形成され、軸線を左右方向に向けて回転ブッシュP2212の内周面に挿通される。挿通部材P2213の外周面には、溝部P2213aが形成される。溝部P2213aには、回転ブッシュP2212の前記突起部(不図示)が係合される。挿通部材P2213の左端部は、左取付軸部材P2142に固定される。
図139及び図141から図143に示す伝達ギヤP2214は、軸線を左右方向に向けて挿通部材P2213の右方に設けられ、当該挿通部材P2213に固定される。伝達ギヤP2214は、その軸線が回動軸P2143aと軸線が一致するように設けられる。
図139、図141及び図142に示すモータギヤP2215は、伝達ギヤP2214に駆動力を伝達するものである。モータギヤP2215は、伝達ギヤP2214の後上方に軸線を左右方向に向けて設けられる。モータギヤP2215は、伝達ギヤP2214と噛み合うように設けられる。
図139及び図141に示す回転駆動モータP2216は、モータギヤP2215を回転させるものである。回転駆動モータP2216は、出力軸P2216aを左方に向けてモータギヤP2215の右方に設けられる。出力軸P2216aの左端にはモータギヤP2215が固定される。回転駆動モータP2216は、図示せぬモータブラケットに支持される。前記モータブラケットは、役物電飾基板P2122に載置されるとともに、眉装飾体P2121に固定される。
図138に示す右軸穴部材P2217は、右取付軸部材P2143の左方に位置するように設けられる。右軸穴部材P2217は、役物電飾基板P2122の右端に載置されるとともに、眉装飾体P2121に固定される。右軸穴部材P2217には、軸孔(不図示)が形成され、当該軸孔には右取付軸部材P2143の回動軸P2143aが挿通される。
このように役物回転駆動部P2210が構成されることにより、上部可動演出役物P2000を、回動軸P2143a回りに回動させることができる。以下、図139及び図141を参照して具体的に説明する。
まず、回転駆動モータP2216を駆動させる。回転駆動モータP2216が駆動すると、モータギヤP2215が回転する。ここで、伝達ギヤP2214は挿通部材P2213を介して左取付軸部材P2142に固定されている。このため、伝達ギヤP2214と噛み合うモータギヤP2215が回転すると、回転駆動モータP2216ひいては上部可動演出役物P2000(の挿通部材P2213及び被昇降部P2140以外の部分)が、回動軸P2143a及び回転ブッシュP2212の軸線回りに回転する。
[眉回転駆動部P2220]
図139及び図141から図143に示す眉回転駆動部P2220は、眉可動体P2111を可動させるものである。眉回転駆動部P2220は、主として可動ラックP2221、アイドルギヤP2222、第一ベベルギヤP2223、第二ベベルギヤP2224、ベベルギヤシャフトP2225、シャフトギヤP2226、伝達ギヤP2214、モータギヤP2215及び回転駆動モータP2216を具備する。なお、伝達ギヤP2214、モータギヤP2215及び回転駆動モータP2216は、前述の如く役物回転駆動部P2210に属するものであるが、眉回転駆動部P2220にも属するものとする。
図139、図141及び図142に示す可動ラックP2221は、瞳装飾体P2113の後方において、長手方向を左右方向に向けて設けられる。可動ラックP2221は、後部カバーP2115(図131参照)に、左右方向に移動可能に支持されている。可動ラックP2221には、長孔P2221a、案内孔P2221b、ギヤP2221c及び係合部P2221dが形成される。
図142に示す長孔P2221aは、長手方向を左右方向に向けて、可動ラックP2221の左右端部近傍にそれぞれ形成される。長孔P2221aには、後部カバーP2115の突起部P2115aが挿通される。これにより、可動ラックP2221が後部カバーP2115に左右方向に移動可能に支持される。
図142に示す案内孔P2221bは、可動体支持アームP2112を案内するものである。案内孔P2221bは、正面視において左方に延びた後、左上方に延び、さらに左方に延びるように形成される。案内孔P2221bは、左右一対形成される。案内孔P2221bには、可動体支持アームP2112が挿通される。
図142に示すギヤP2221cは、案内孔P2221bの左方において、可動ラックP2221の上端部に形成される。
図139に示す係合部P2221dは、後述する可動ラックP2234と係合する部分である。係合部P2221dは、可動ラックP2221の左右中途部から後方に突出するように形成される。
図139、図141及び図142に示すアイドルギヤP2222は、ギヤP2221cに駆動力を伝達するものである。アイドルギヤP2222は、軸線を前後方向に向けて、ギヤP2221cと噛み合うように設けられる。
図139、図142及び図143に示す第一ベベルギヤP2223は、アイドルギヤP2222に駆動力を伝達するものである。第一ベベルギヤP2223は、軸線を前後方向に向けてアイドルギヤP2222の左上方に設けられる。第一ベベルギヤP2223は、アイドルギヤP2222と噛み合うように設けられる。
図139及び図142に示す第二ベベルギヤP2224は、第一ベベルギヤP2223に駆動力を伝達するものである。第二ベベルギヤP2224は、軸線を左右方向に向けて第一ベベルギヤP2223の後方に設けられる。第二ベベルギヤP2224は、第一ベベルギヤP2223と噛み合うように設けられる。
図139、図141及び図142に示すベベルギヤシャフトP2225は、第二ベベルギヤP2224に駆動力を伝達するものである。ベベルギヤシャフトP2225は、延伸方向を左右方向に向けて設けられる。ベベルギヤシャフトP2225の右端部は、第二ベベルギヤP2224に固定される。
図139、図141及び図142に示すシャフトギヤP2226は、ベベルギヤシャフトP2225(第二ベベルギヤP2224)に駆動力を伝達するものである。シャフトギヤP2226は、軸線を左右方向に向けてベベルギヤシャフトP2225の左端に固定される。シャフトギヤP2226は、伝達ギヤP2214の上方において、当該伝達ギヤP2214と噛み合うように設けられる。
伝達ギヤP2214、モータギヤP2215及び回転駆動モータP2216については前述したので、ここでは説明を省略する。
このように眉回転駆動部P2220が構成されることにより、眉可動体P2111を回動させることができる。以下、図139、図141及び図142を参照して具体的に説明する。
まず、回転駆動モータP2216を駆動させると、前述の如く、上部可動演出役物P2000(の挿通部材P2213及び被昇降部P2140以外の部分)が、回動軸P2143a及び回転ブッシュP2212の軸線回りに回転する。すると、シャフトギヤP2226が伝達ギヤP2214の外周に沿って移動することとなる。シャフトギヤP2226と伝達ギヤP2214とは互いに噛み合っているので、左取付軸部材P2142に固定された伝達ギヤP2214に対してシャフトギヤP2226が回転する。これによりベベルギヤシャフトP2225及び第二ベベルギヤP2224も回転する。すると、第二ベベルギヤP2224に噛み合う第一ベベルギヤP2223も回転し、第一ベベルギヤP2223に噛み合うアイドルギヤP2222も回転する。アイドルギヤP2222が回転することにより、当該アイドルギヤP2222と噛み合う可動ラックP2221は左右方向に移動する。これにより、可動体支持アームP2112及び当該可動体支持アームP2112に固定される眉可動体P2111が、案内孔P2221bに案内されて眉軸部P2111a回りに回転する。このようにして、上部可動演出役物P2000(の被昇降部P2140等以外の部分)の回転と同時に、眉可動体P2111も回転する。
[瞳回転駆動部P2230]
図134、図139及び図143に示す瞳回転駆動部P2230は、瞳可動体ユニットP2130を可動させるものである。瞳回転駆動部P2230は、主として左瞳カバーP2231、右瞳カバーP2232、可動ギヤP2233、可動ラックP2234、可動ラックP2221、アイドルギヤP2222、第一ベベルギヤP2223、第二ベベルギヤP2224、ベベルギヤシャフトP2225、シャフトギヤP2226、伝達ギヤP2214、モータギヤP2215及び回転駆動モータP2216を具備する。なお、伝達ギヤP2214、モータギヤP2215及び回転駆動モータP2216は、前述の如く役物回転駆動部P2210及び眉回転駆動部P2220に属するものであり、可動ラックP2221、アイドルギヤP2222、第一ベベルギヤP2223、第二ベベルギヤP2224、ベベルギヤシャフトP2225及びシャフトギヤP2226は、眉回転駆動部P2220に属するものであるが、瞳回転駆動部P2230にも属するものとする。
図134、図139及び図143に示す左瞳カバーP2231は、左側の瞳可動体ユニットP2130を上方から覆うものである。左瞳カバーP2231には、左伝達ギヤP2231aが形成されている。
左伝達ギヤP2231aは、軸線を上下方向に向けて、左瞳カバーP2231の右後部に設けられる。
右瞳カバーP2232は、右側の瞳可動体ユニットP2130を上方から覆うものである。右瞳カバーP2232には、第一右伝達ギヤP2232a及び第二右伝達ギヤP2232bが形成されている。
第一右伝達ギヤP2232aは、軸線を上下方向に向けて、右瞳カバーP2232の左後部に設けられる。第一右伝達ギヤP2232aは、左伝達ギヤP2231aと噛み合うように設けられる。
第二右伝達ギヤP2232bは、軸線を上下方向に向けて、第一右伝達ギヤP2232aの上方に設けられる。第二右伝達ギヤP2232bは、第一右伝達ギヤP2232aと一体化されている。
図139及び図143に示す可動ギヤP2233は、軸線を上下方向に向けて、第二右伝達ギヤP2232bの前方に設けられる。可動ギヤP2233は、第二右伝達ギヤP2232bに噛み合うように設けられる。
図139及び図143に示す可動ラックP2234は、可動ギヤP2233に駆動力を伝達するものである。可動ラックP2234は、平面視略矩形状に形成される。可動ラックP2234は、長手方向を左右方向に向けて、可動ギヤP2233の上方に設けられる。可動ラックP2234に形成された長孔には、可動ギヤP2233の突出部が挿通され、当該突出部において可動ギヤP2233と係合する。可動ラックP2234は、その前部において可動ラックP2221の係合部P2221dと係合する。
伝達ギヤP2214、モータギヤP2215及び回転駆動モータP2216については前述したので、ここでは説明を省略する。
このように瞳回転駆動部P2230が構成されることにより、瞳可動体ユニットP2130を回動させることができる。以下、図139及び図143を参照して具体的に説明する。
まず、回転駆動モータP2216を駆動させると、前述の如く、上部可動演出役物P2000(の挿通部材P2213及び被昇降部P2140以外の部分)が、回動軸P2143a及び回転ブッシュP2212の軸線回りに回転する。すると、シャフトギヤP2226が伝達ギヤP2214の外周に沿って移動することとなる。シャフトギヤP2226と伝達ギヤP2214とは互いに噛み合っているので、左取付軸部材P2142に固定された伝達ギヤP2214に対してシャフトギヤP2226が回転する。これによりベベルギヤシャフトP2225及び第二ベベルギヤP2224も回転する。すると、第二ベベルギヤP2224に噛み合う第一ベベルギヤP2223も回転し、第一ベベルギヤP2223に噛み合うアイドルギヤP2222も回転する。アイドルギヤP2222が回転することにより、当該アイドルギヤP2222と噛み合う可動ラックP2221は左右方向に移動する。すると、可動ラックP2221と係合する可動ラックP2234も左右方向に移動し、可動ギヤP2233が回転する。すると、第二右伝達ギヤP2232b及び第一右伝達ギヤP2232aが回転し、第一右伝達ギヤP2232aと噛み合う左伝達ギヤP2231aも回転する。これにより、瞳可動体ユニットP2130が回転する。このようにして、上部可動演出役物P2000(の被昇降部P2140等以外の部分)の回転及び眉可動体P2111の回転と同時に、瞳可動体ユニットP2130も回転する。
[上部役物昇降機構P2300]
図129及び図144から図148に示す上部役物昇降機構P2300は、上部可動演出役物P2000及び下部可動演出役物(不図示)を昇降駆動させるものである。上部役物昇降機構P2300は、主として左側案内部P2310、右側案内部P2320、左側駆動機構P2330及び右側駆動機構P2340を具備する。
図144に示す左側案内部P2310は、上部可動演出役物P2000及び下部可動演出役物(不図示)を上下に案内するものである。左側案内部P2310は、長手方向を上下に向けて、遊技盤P1100に設けられる。左側案内部P2310の右側面には、その下端部から上端部に亘って上下方向に延びる左側昇降シャフトP2311が形成される。左側昇降シャフトP2311は、左キャリッジP2146の内側に挿通されることにより、左キャリッジP2146(ひいては上部可動演出役物P2000)を上下に案内する。
図147に示す右側案内部P2320は、上部可動演出役物P2000及び下部可動演出役物(不図示)を上下に案内するものである。右側案内部P2320は、長手方向を上下に向けて、遊技盤P1100に設けられる。右側案内部P2320の左側面には、その下端部から上端部に亘って上下方向に延びる右側昇降シャフトP2321が形成される。右側昇降シャフトP2321は、右キャリッジP2147の内側に挿通されることにより、右キャリッジP2147(ひいては上部可動演出役物P2000)を上下に案内する。
図144から図146に示す左側駆動機構P2330は、上部可動演出役物P2000を上下に昇降駆動するものである。左側駆動機構P2330は、主として上部プーリP2331、下部プーリP2332、ベルトP2333、伝達ギヤP2334及び昇降駆動モータP2335を具備する。
図145に示す上部プーリP2331は、略円形板状に形成される部材である。上部プーリP2331は、左側案内部P2310の右面の上端部近傍に回動可能に支持される。
図146に示す下部プーリP2332は、略円形板状に形成される部材である。下部プーリP2332は、左側案内部P2310の右面の下端部近傍(上部プーリP2331の下方)に回動可能に支持される。下部プーリP2332には、ギヤP2332aが形成される。
図145及び図146に示すベルトP2333は、上部可動演出役物P2000を支持するものである。ベルトP2333は、上部プーリP2331及び下部プーリP2332に巻回される。
図146に示す伝達ギヤP2334は、下部プーリP2332に駆動力を伝達するものである。伝達ギヤP2334は、下部プーリP2332に形成されたギヤP2332aと噛み合うように配置される。
図146に示す昇降駆動モータP2335は、上部可動演出役物P2000を上下に昇降させるための駆動源である。昇降駆動モータP2335は、左側案内部P2310の右面の下端部近傍に設けられる。昇降駆動モータP2335の図示しない出力軸からの駆動力は、伝達ギヤP2334に伝達される。昇降駆動モータP2335の駆動力によって伝達ギヤP2334が回動すると、当該伝達ギヤP2334の回動に伴って下部プーリP2332が回動する。これによって、ベルトP2333が上部プーリP2331と下部プーリP2332の間を回動する。
図147及び図148に示す右側駆動機構P2340は、上部可動演出役物P2000を上下に昇降駆動するものである。右側駆動機構P2340は、主として上部プーリ(不図示)、下部プーリP2342、ベルトP2343、伝達ギヤP2344及び昇降駆動モータP2345を具備する。なお、右側駆動機構P2340は、左側駆動機構P2330と略同様(略左右対称)に構成されているため、以下ではその構成を簡単に説明する。
上部プーリ(不図示)及び下部プーリP2342は、右側案内部P2320の左面に設けられる。上部プーリ(不図示)及び下部プーリP2342には、ベルトP2343が巻回される。下部プーリP2342には、伝達ギヤP2344を介して昇降駆動モータP2345の駆動力が伝達される。昇降駆動モータP2345の駆動力によって、ベルトP2343が回動する。
このように上部役物昇降機構P2300が構成されることにより、上部可動演出役物P2000を昇降及び傾動させることができる。具体的には、ベルトP2333及びベルトP2343が回動することにより、当該ベルトP2333に固定された左キャリッジP2146、及びベルトP2343に固定された右キャリッジP2147が昇降し、ひいては上部可動演出役物P2000を昇降及び傾動させることができる。
[演出時の上部可動演出役物P2000の動作]
以下、演出を行う際の上部可動演出役物P2000の動作について説明する。
上部可動演出役物P2000は、演出を行う前の状態(初期位置)においては、回転役物P3000の後方に位置しており、遊技者には視認されない(図108参照)。
演出を行うに際し、まず、左側駆動機構P2330の昇降駆動モータP2335を駆動させて、ベルトP2333を回動させ、左キャリッジP2146を下降させる。同様に、右側駆動機構P2340の昇降駆動モータP2345を駆動させて、ベルトP2343を回動させ、右キャリッジP2147を下降させる。
そうすることで、図149に示すように、上部可動演出役物P2000が、遊技者に視認可能な位置まで下降する。これにより、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)が遊技者に視認容易な演出位置に移動する。このとき、眉可動体P2111の少なくとも一部は、正面視において瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)の端部より外側(上方)に突出している。
次に、回転駆動モータP2216を駆動させて、上部可動演出役物P2000(被昇降部P2140等以外の部分)を左側面視反時計回りに回転させる(図139等参照)。
そうすることで、図150に示すように、上部可動演出役物P2000の眉装飾体P2121が前方(正面)に向けられる。これにより、眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)が遊技者に視認容易な演出位置に移動する。このとき、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)は、上方に向けられ、すなわち遊技者に視認困難な待機位置に移動する。
このとき、回転駆動モータP2216が駆動することで、可動ラックP2221が移動し、可動ギヤP2233が回転する。これにより、瞳可動体ユニットP2130が回転する(図143等参照)。
すると、図150に示すように、左右の瞳可動体ユニットP2130(瞳可動体P2131)はそれぞれ、眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)の端部の内側から外側(下方)に飛び出す。これにより、左右の瞳可動体ユニットP2130によって、正面視において左右片側の瞳を模した形状を構成する。
このように上部可動演出役物P2000を回転させることにより、遊技者が視認する演出面は、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)から眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)に変更される。また、瞳可動体ユニットP2130が遊技者に視認可能に移動(回動)する。これにより、遊技者に対する興趣を向上させることができる。
また、回転駆動モータP2216が駆動して可動ラックP2221が移動することで、可動体支持アームP2112及び当該可動体支持アームP2112に固定される眉可動体P2111が回転(瞳装飾体P2113の表面に対して平行に移動)する(図142等参照)。
すると、図151に示すように、左右の眉可動体P2111は、平面視において瞳装飾体P2113の外周端部より内側に収まるように移動する。
このように、上部可動演出役物P2000が回転する際、回転と同時に第一演出部P2110の眉可動体P2111が回動して内側に引っ込むので、上部可動演出役物P2000の後方に位置する液晶に眉可動体P2111が当ってしまうのを防止することができる。
また、回転駆動モータP2216を駆動させることにより、上部可動演出役物P2000(被昇降部P2140等以外の部分)を眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)が遊技者に視認可能となるように回転させ、かつ、瞳可動体ユニットP2130を眉装飾体P2121から下方に飛び出すように移動させ、かつ、眉可動体P2111を瞳装飾体P2113の内側に収まるように移動させることができる。すなわち、1つの駆動源により、様々な動きを表現することができ、多様な演出を行うことができる。
次に、図152及び図153に示すように、上部可動演出役物P2000を傾動させる。具体的には、右キャリッジP2147が上昇するように昇降駆動モータP2345を駆動させ、左キャリッジP2146が下降するように昇降駆動モータP2335を駆動させる。すると、上部可動演出役物P2000(被昇降部P2140等以外の部分)は、第一ピンP2146a(図136参照)回りに正面視反時計回りに回動する。この回動範囲は、第二ピンP2146bと長孔P2144bによって規制されており、上部可動演出役物P2000(被昇降部P2140等以外の部分)は、所定の角度まで傾動することとなる。なお、上部可動演出役物P2000を傾動させる際、右キャリッジP2147が上昇するように昇降駆動モータP2345のみを駆動させて、昇降駆動モータP2335を駆動させなくてもよい。
ここで、導光板P1112は、部分的な表面加工により光を前方へと反射可能な発光領域P1112aを有している。発光領域P1112aは、瞳可動体ユニットP2130の周囲(眉装飾体P2121の周囲の少なくとも一部)に設けられている。発光領域P1112aは、正面視において左右片側の瞳及び眉を模した形状に形成されている(図153参照)。上部可動演出役物P2000が傾動した状態において、電飾基板P2132から前方の導光板P1112に光を照射することにより発光領域P1112aにおいて最も強く光が前方に反射されるため、遊技者に対して、より人の瞳及び眉を想起させるような面白みのある演出を行うことができる。
また、上部可動演出役物P2000が傾動することにより、眉装飾体P2121の長手方向の角度は、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)が前方に向けられた状態(図149参照)の眉可動体P2111の長手方向の角度と概ね同じとなる。これにより、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)が遊技者に視認可能な状態(第1の態様)と、眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)が遊技者に視認可能な状態(第2の態様)との関連性を高めることができる。
また、図153に示すように、上部可動演出役物P2000は右上りに傾動すると、上部可動演出役物P2000の右部に設けられた右取付ガイドP2145等は、左方に引っ張り出されることとなる。このとき、押さえ部材P2147aは、その下端から左方に延びるように形成されているので、右取付ガイドP2145が左方に引っ張り出されても、この左方に延びる部分によって右取付ガイドP2145を前方から押えることができる。よって、右取付ガイドP2145の前方への移動を規制することができる。
演出終了時には、これまで説明した動作と反対の動作をすることにより、上部可動演出役物P2000は、初期位置(図108参照)に戻る。その際、眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)が下方を向く(遊技者に視認困難な待機位置に移動する)ように上部可動演出役物P2000が回転すると、左右の瞳可動体ユニットP2130は、眉装飾体P2121(第2の演出面)の裏面側において当該眉装飾体P2121の外周端部より内側に収まるように移動する。
このように、上部可動演出役物P2000が回転する際、回転と同時に瞳可動体ユニットP2130が回動して内側に引っ込むので、上部可動演出役物P2000の後方に位置する液晶に瞳可動体ユニットP2130が当ってしまうのを防止することができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵し複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかし、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、演出内容の面白みを向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
第1の演出面(瞳装飾体P2113の表面)と、前記第1の演出面とは異なる演出面である第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)とを含む複数の演出面を有する上部可動演出役物P2000(演出装置)を備えた遊技機であって、
遊技者に視認困難な待機位置と遊技者に視認容易な演出位置とに前記第1の演出面又は前記第2の演出面を移動制御可能な演出動作制御回路89(演出面制御手段)と、
前記第1の演出面に設けられた眉可動体P2111(可動体)と、
前記眉可動体P2111を移動制御可能な演出動作制御回路89(可動体制御手段)と、を備え、
前記演出動作制御回路89(可動体制御手段)は、
前記第1の演出面を前記待機位置から前記演出位置に移動制御する場合、前記待機位置において前記第1の演出面の端部より内側に収まっている前記眉可動体P2111の少なくとも一部を前記第1の演出面の端部の内側から外側に突出するように移動制御し、
前記第1の演出面を前記演出位置から前記待機位置に移動制御する場合、前記演出位置において前記第1の演出面の端部より外側に突出している前記眉可動体P2111の少なくとも一部を前記第1の演出面の端部より内側に収まるように移動制御するものである。
このような構成によれば、演出内容の面白みを向上させることができる。さらには、演出面が待機位置に移動制御された際に、他の部材との干渉を防止することができる。
具体的には、上部可動演出役物P2000が第1の演出面が視認可能な状態から第2の演出面が視認可能な状態となるように回転する際、回転と同時に第一演出部P2110の眉可動体P2111が回動して瞳装飾体P2113の表面より内側に収まるので、上部可動演出役物P2000の後方に位置する液晶に眉可動体P2111が当ってしまうのを防止することができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵し複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかし、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、演出内容の面白みを向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
第1の演出面(瞳装飾体P2113の表面)と、前記第1の演出面とは異なる演出面である第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)とを含む複数の演出面を有する上部可動演出役物P2000(演出装置)を備えた遊技機であって、
遊技者に視認困難な待機位置と遊技者に視認容易な演出位置とに前記第1の演出面又は前記第2の演出面を移動制御可能な演出動作制御回路89(演出面制御手段)と、
前記第1の演出面に設けられた眉可動体P2111(可動体)と、
前記眉可動体P2111を移動制御可能な演出動作制御回路89(可動体制御手段)と、を備え、
前記演出動作制御回路89(可動体制御手段)は、
前記演出動作制御回路89(演出面制御手段)により前記第1の演出面が前記演出位置に移動制御される場合、前記眉可動体P2111を前記第1の演出面に対して平行に移動させることにより、前記待機位置において前記第1の演出面の端部より内側に収まっている前記眉可動体P2111の少なくとも一部を前記第1の演出面の端部の内側から外側に突出するように移動制御するものである。
即ち、遊技者に視認容易な演出位置に前記第1の演出面と前記第2の演出面とを切り替えて移動制御可能な演出動作制御回路89(演出面制御手段)を備えるものである。ここで演出面を切り替えるとは、第1の演出面が視認容易であり第2の演出面が視認困難な状態から、第1の演出面が視認困難であり第2の演出面が視認容易となるように可動体を移動制御することである。
このような構成によれば、演出内容の面白みを向上させることができる。さらには、演出装置の前後方向幅が広がることなく演出を実行できる。
具体的には、眉可動体P2111は、第1の演出面(瞳装飾体P2113の表面)に対して平行に移動するように形成されているので、眉可動体P2111の移動によって上部可動演出役物P2000の前後方向幅が広がることがなく、部材同士の干渉を抑制することができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵し複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかし、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、演出内容の面白みを向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
第1の演出面(瞳装飾体P2113の表面)と、前記第1の演出面とは異なる演出面である第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)とを含む複数の演出面を有する上部可動演出役物P2000(演出装置)を備えた遊技機であって、
遊技者に視認困難な待機位置と遊技者に視認容易な演出位置とに前記第1の演出面又は前記第2の演出面を移動制御可能な演出動作制御回路89(演出面制御手段)と、
前記第2の演出面に設けられた瞳可動体P2131(可動体)と、
前記瞳可動体P2131を移動制御可能な演出動作制御回路89(可動体制御手段)と、を備え、
前記演出動作制御回路89(可動体制御手段)は、
前記演出動作制御回路89(演出面制御手段)により前記第2の演出面が前記演出位置に移動制御される場合、前記瞳可動体P2131の少なくとも一部を前記第2の演出面の端部より外側に突出するように移動制御し、
前記演出動作制御回路89(演出面制御手段)により前記第2の演出面が前記待機位置に移動制御される場合、前記演出位置において前記第2の演出面の端部より外側に突出している前記瞳可動体P2131の少なくとも一部を前記第2の演出面の裏面側において当該第2の演出面の端部より内側に収まるように移動制御するものである。
このような構成によれば、演出内容の面白みを向上させることができる。さらには、演出面が待機位置に移動制御された際に、他の部材との干渉を防止することができる。
具体的には、瞳可動体P2131は、眉装飾体P2121と同じ面ではなく、眉装飾体P2121よりも上方に設けられている(図133参照)。よって、第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)が遊技者に視認容易な状態においては、瞳可動体P2131は、眉装飾体P2121の裏面側(後方)に位置することとなる。よって、瞳可動体P2131を用いて奥行きのある演出を行うことができる。そして、第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)が遊技者に視認困難な状態(眉装飾体P2121の表面が下方へ向けられた状態)においては、瞳可動体P2131は眉装飾体P2121の裏面側において眉装飾体P2121の外周端部より内側に収まるので、他の部材に対する干渉の防止を図ることができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵し複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかし、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、演出内容の面白みを向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
第1の演出面(瞳装飾体P2113の表面)と、前記第1の演出面とは異なる演出面である第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)とを含む複数の演出面を有する上部可動演出役物P2000(演出装置)と、前記上部可動演出役物P2000の前面側に設けられた導光板P1112(表示手段)と、を備えた遊技機であって、
遊技者に視認容易な演出位置に前記第1の演出面又は前記第2の演出面を移動制御可能な演出動作制御回路89(演出面制御手段)を備え、
前記第1の演出面には、第1の態様の装飾部(人の左右両側の瞳及び眉を模した装飾)が含まれ、
前記第2の演出面には、前記第1の態様の一部に関連した第2の態様の装飾部(人の左右片側の瞳の一部及び眉を模した装飾)が含まれ、
前記導光板P1112(表示手段)は、前記第2の演出面の周囲の少なくとも一部に前記第1の態様の一部に関連した第3の態様の演出(人の左右片側の瞳の他部を模した発光領域P1112aを用いた演出)を表示するものである。
このような構成によれば、演出内容の面白みを向上させることができる。さらには、第1の演出面(瞳装飾体P2113の表面)で表示された演出と関連した演出を第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)と表示手段(導光板P1112)とを用いて実行することで斬新な演出を実現できる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵し複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかし、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、演出内容の面白みを向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
第1の演出面(瞳装飾体P2113の表面)と、前記第1の演出面とは異なる演出面である第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)とを含む複数の演出面を有する上部可動演出役物P2000(演出装置)を備えた遊技機であって、
遊技者に視認容易な演出位置に前記第1の演出面又は前記第2の演出面を移動制御可能な演出動作制御回路89(演出面制御手段)を備え、
前記第1の演出面には、第1の態様の装飾部が含まれ、
前記第2の演出面には、前記第1の態様の一部に関連した第2の態様の装飾部が含まれ、
前記第2の演出面が遊技者に視認容易な演出位置に移動制御されている場合、前記上部可動演出役物P2000を傾斜させる上部役物昇降機構P2300(傾斜手段)を備えるものである。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記演出装置を傾斜させても、前記第1の態様の一部と前記第2の態様との関連性が維持されるものである。
このような構成によれば、第1の演出面で表示された演出と関連した演出を第2の演出面と表示手段とを用いて実行することで斬新な演出を実現できる。
具体的には、上部可動演出役物P2000が傾動することにより、眉装飾体P2121の長手方向の角度は、第1の演出面で表示された演出における眉可動体P2111の長手方向の角度と概ね同じとなる。これにより、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)が遊技者に視認可能な状態(第1の態様)と、眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)が遊技者に視認可能な状態(第2の態様)との関連性を高め、遊技者に対して面白みのある演出を行うことができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵し複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかし、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、演出内容の面白みを向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
第1の演出面(瞳装飾体P2113の表面)と、前記第1の演出面とは異なる演出面である第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)とを含む複数の演出面を有する上部可動演出役物P2000(演出装置)を備えた遊技機であって、
遊技者に視認容易な演出位置に前記第1の演出面又は前記第2の演出面を移動制御可能な演出動作制御回路89(演出面制御手段)と、
前記第1の演出面に設けられた眉可動体P2111(可動体)と、を備え、
前記第1の演出面には、第1の態様の装飾部が含まれ、
前記第2の演出面には、前記第1の態様の一部に関連した第2の態様の装飾部が含まれ、
前記第1の態様においては、前記眉可動体P2111が一の方向に移動し、
前記第2の態様においては、前記第2の演出面が前記一の方向に移動するものである。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記第2の演出面が前記第一の方向に移動しても、前記第1の態様の一部と前記第2の態様との関連性が維持されるものである。
このような構成によれば、演出内容の面白みを向上させることができる。さらには、第1の演出面で表示された演出と関連した演出を第2の演出面と表示手段とを用いて実行することで斬新な演出を実現できる。
具体的には、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)が遊技者に視認可能な状態(第1の態様)において右側の眉可動体P2111は右上りに傾動する方向に移動制御されている。そして、眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)が遊技者に視認可能な状態(第2の態様)においては上部可動演出役物P2000は右上りに傾動する方向に移動制御される。すなわち、第1の態様における右側の眉可動体P2111と第2の態様における上部可動演出役物P2000とが略同一方向に移動制御されているため、第1の態様の演出と第2の演出との関連性をより高めることができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、第一演出部P2110及び第二演出部P2120は、人の瞳及び眉を模した装飾が施されているものとしたが、当該装飾は任意のものとすることができる。
また、本実施形態においては、1つの駆動源(回転駆動モータP2216)により、上部可動演出役物P2000(被昇降部P2140等以外の部分)の回転と、瞳可動体ユニットP2130の移動と、眉可動体P2111の移動とを行うものとしたが、これらの各動作は別々の駆動源によって行われるものであってもよい。
また、本実施形態においては、眉可動体P2111は、図108に示す初期位置及び図149に示す演出位置のいずれにおいても、正面視において瞳装飾体P2113の外周端部から突出しているものとしたが、上述の如く上部可動演出役物P2000(被昇降部P2140等以外の部分)の回転のための駆動源と眉可動体P2111の移動のための駆動源とを別の駆動源とし、眉可動体P2111が初期位置(図108)においては瞳装飾体P2113の外周端部の内側に収まっており、演出位置(図149)まで移動したときに(移動するにつれて)瞳装飾体P2113の外周端部の内側から外側に突出するように移動するものとしてもよい。
このようにすることで、右側の眉可動体P2111が移動するのを遊技者が視認することとなる。ここで、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)が遊技者に視認可能な状態(第1の態様)において右側の眉可動体P2111は右上りに傾動する方向に移動する。そして、眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)が遊技者に視認可能な状態(第2の態様)においては上部可動演出役物P2000は右上りに傾動する方向に移動する。すなわち、第1の態様における右側の眉可動体P2111と第2の態様における上部可動演出役物P2000とが略同一方向に移動するのを遊技者が視認することとなるため、第1の態様の演出と第2の演出との関連性をより高めることができる。
以下では、図154から図170を用いて、回転役物P3000について説明する。
回転役物P3000は、後述する回転体P3400を回転させると共に、発光手段P3300を発光させることで、所定の演出を行うものである。回転役物P3000は、遊技盤P1100の上部に配置される。回転役物P3000は、主として左側支持部P3100、右側支持部P3200、発光手段P3300、回転体P3400、駆動手段P3500及び遮蔽手段P3600を具備する。
図154から図156に示す左側支持部P3100は、遊技盤P1100に対して固定される部材である。左側支持部P3100は、板面を左右に向けた略板状に形成される。左側支持部P3100の後部は、ビス等により遊技盤P1100に対して固定される。
右側支持部P3200は、遊技盤P1100に対して固定される部材である。右側支持部P3200は、板面を左右に向けた略板状に形成される。右側支持部P3200は、左側支持部P3100との間に所定の間隔を空けて、左側支持部P3100の右方に配置される。右側支持部P3200の後部は、ビス等により遊技盤P1100に対して固定される。
左側支持部P3100及び右側支持部P3200の間には、後述する回転体P3400等が配置される。左側支持部P3100及び右側支持部P3200によって、回転体P3400等が遊技盤P1100に対して固定される。
図155から図159に示す発光手段P3300は、後述する回転体P3400の内側に光を照射することで、当該回転体P3400の外部方向に光を照射するものである。発光手段P3300は、主として支軸P3310、基板支持部P3320、基板P3330、発光部P3340及び回転支持部P3350を具備する。
図156、図158及び図159に示す支軸P3310は、後述する基板支持部P3320等を支持する部材である。支軸P3310は、略円柱状に形成される。支軸P3310は、長手方向を左右に向けて配置される。支軸P3310の左右両端部は、左側支持部P3100及び右側支持部P3200にそれぞれ支持される。支軸P3310は、左側支持部P3100及び右側支持部P3200に対して回転不能となるように固定される。
基板支持部P3320は、後述する基板P3330を支持する部材である。基板支持部P3320は、主として支持板部P3321及びボス部P3322を具備する。
支持板部P3321は、板面を前後方向に向けた略板状に形成される部分である。支持板部P3321は、背面視において、長手方向を左右に向けた略矩形状に形成される。支持板部P3321には、凹部P3321aが形成される。
凹部P3321aは、支持板部P3321の背面を前方に向かって凹ませるようにして形成された部分である。凹部P3321aは、支持板部P3321の上下中途部(上下略中央)に形成される。凹部P3321aは、支持板部P3321の左端から右端に亘って、当該支持板部P3321の長手方向(左右方向)に沿うように形成される。支持板部P3321の凹部P3321a内には、支軸P3310が嵌め込まれるように配置される。このようにして、支軸P3310によって、支持板部P3321(基板支持部P3320)が支持される。
ボス部P3322は、支持板部P3321に後述する基板P3330を取り付けるための部分である。ボス部P3322は、略円柱状に形成される。ボス部P3322は、長手方向を前後に向けて配置される。ボス部P3322は、支持板部P3321の前面から前方に向かって突出するように形成される。ボス部P3322は、支持板部P3321に複数設けられる。
図155から図159に示す基板P3330は、後述する発光部P3340が設けられる部材である。基板P3330は、板面を前後方向に向けた略板状に形成される。基板P3330は、正面視略矩形状に形成される。基板P3330の上下幅及び左右幅は、支持板部P3321の上下幅及び左右幅と略同一となるように形成される。基板P3330は、支持板部P3321の前方に配置される。基板P3330は、ビス等によりボス部P3322に固定される。これによって、基板P3330は基板支持部P3320に支持される。
発光部P3340は、発光可能な部材である。発光部P3340としては、例えば適宜の色に発光可能なLEDが用いられる。発光部P3340は、基板P3330の前面に設けられる。発光部P3340は、基板P3330の前面の略全域に複数設けられる。
図155、図157及び図158に示す回転支持部P3350は、後述する回転体P3400を回転可能に支持する部分である。回転支持部P3350は、側面視円形状に形成される。回転支持部P3350は、基板支持部P3320及び基板P3330の左方に配置される。回転支持部P3350は、基板支持部P3320の左端部に固定される。回転支持部P3350の中心には、支軸P3310が相対回転不能となるように挿通される。
図155、図156、図159、図160及び図161に示す回転体P3400は、複数(本実施形態では、2つ)の演出面を有し、回転可能なものである。回転体P3400は、主として第1の演出面P3410、第1のレンズ部材P3420、第2の演出面P3430、第2のレンズ部材P3440、第1の連結面P3450、第2の連結面P3460、左側面P3470及び右側面P3480を具備する。即ち、本実施形態では、第1の演出部の一例として第1の演出面P3410と、第2の演出部の一例として第2の演出面P3430を具備する。なお、演出部は、平面形状以外でもよく、凸凹に形成された演出部であったり、曲線形状に形成された演出部であってもよい。
なお、後述するように、回転体P3400は回転可能となるように設けられる。そこで以下では、図155、図156、図159、図160及び図161等に示すように、第1の演出面P3410が前方に向けられ、かつ第2の演出面P3430が後方に向けられた状態に基づいて、回転体P3400の構成を説明する。
図155、図156、図159及び図160に示す第1の演出面P3410は、適宜の装飾が施された部分である。第1の演出面P3410は、長手方向を左右に向けた略矩形板状に形成される。第1の演出面P3410は、板面を前後に向けて配置される。第1の演出面P3410の前面には、適宜の文字、図形、記号、着色等が装飾として施される。第1の演出面P3410には、光を透過させることが可能な部分(第1の透光部)が形成される。本実施形態においては、第1の演出面P3410全体が第1の透光部となるように形成されている。
図156及び図159に示す第1のレンズ部材P3420は、第1の演出面P3410に照射される光を適宜案内(拡散等)させるための部材である。第1のレンズ部材P3420は、長手方向を左右に向けた略矩形板状に形成される。第1のレンズ部材P3420は、板面を前後に向けて配置される。第1のレンズ部材P3420は、第1の演出面P3410の後面に固定される。
図155、図156、図159、図160及び図161に示す第2の演出面P3430は、適宜の装飾が施された部分である。第2の演出面P3430は、長手方向を左右に向けた略矩形板状に形成される。第2の演出面P3430は、板面を前後に向けて配置される。第2の演出面P3430は、第1の演出面P3410の後方に配置される。第2の演出面P3430の後面には、適宜の文字、図形、記号、着色等が装飾として施される。第2の演出面P3430には、第1の演出面P3410とは異なる装飾が施される。第2の演出面P3430には、光を透過させることが可能な部分(第2の透光部)が形成される。本実施形態においては、第2の演出面P3430全体が第2の透光部となるように形成されている。すなわち、第2の演出面P3430(第2の透光部)は、第1の演出面P3410(第1の透光部)と、形状、文字、図形、記号、着色等のいずれかが異なるように形成されている。
図155、図159、図160及び図161に示す第2のレンズ部材P3440は、第2の演出面P3430に照射される光を適宜案内(拡散等)させるための部材である。第2のレンズ部材P3440は、長手方向を左右に向けた略矩形板状に形成される。第2のレンズ部材P3440は、板面を前後に向けて配置される。第2のレンズ部材P3440は、第2の演出面P3430の前面に固定される。
図155、図156、図159、図160及び図161に示す第1の連結面P3450は、第1の演出面P3410と第2の演出面P3430を連結する部分である。第1の連結面P3450は、長手方向を左右に向けた略矩形板状に形成される。第1の連結面P3450は、板面を上下に向けて配置される。第1の連結面P3450の前端部は、第1の演出面P3410の上端部に固定される。第1の連結面P3450の後端部は、第2の演出面P3430の上端部に固定される。これによって第1の連結面P3450は、第1の演出面P3410と第2の演出面P3430の上端部同士を連結する。第1の連結面P3450の上面には、適宜の装飾が施される。本実施形態においては、第1の連結面P3450は、光が透過不能となるように形成されている。
第2の連結面P3460は、第1の演出面P3410と第2の演出面P3430を連結する部分である。第2の連結面P3460は、長手方向を左右に向けた略矩形板状に形成される。第2の連結面P3460は、板面を上下に向けて配置される。第2の連結面P3460の前端部は、第1の演出面P3410の下端部に固定される。第2の連結面P3460の後端部は、第2の演出面P3430の下端部に固定される。これによって第2の連結面P3460は、第1の演出面P3410と第2の演出面P3430の下端部同士を連結する。第2の連結面P3460の下面には、適宜の装飾が施される。本実施形態においては、第2の連結面P3460は、光が透過不能となるように形成されている。
図155、図156、図160及び図161に示す左側面P3470は、回転体P3400の左側部を形成する部分である。左側面P3470は、板面を左右に向けた略矩形板状に形成される。左側面P3470は、第1の演出面P3410、第2の演出面P3430、第1の連結面P3450及び第2の連結面P3460の左端部に固定される。左側面P3470には、円形孔P3471が形成される。
円形孔P3471は、左側面P3470を左右に貫通する孔である。円形孔P3471は、側面視円形状に形成される。
右側面P3480は、回転体P3400の右側部を形成する部分である。右側面P3480は、板面を左右に向けた略矩形板状に形成される。右側面P3480は、第1の演出面P3410、第2の演出面P3430、第1の連結面P3450及び第2の連結面P3460の右端部に固定される。右側面P3480には、ギヤP3481が形成される。
ギヤP3481は、後述する駆動手段P3500からの駆動力が伝達されるものである。ギヤP3481は、軸線を左右に向けて、右側面P3480の右面に一体的に形成される。
このように回転体P3400は、第1の演出面P3410、第2の演出面P3430、第1の連結面P3450、第2の連結面P3460、左側面P3470及び右側面P3480によって、6面を有する略直方体状に形成される。
図155、図156、図158及び図159に示すように、回転体P3400は、発光手段P3300の基板支持部P3320、基板P3330及び発光部P3340を収容する。図158に示すように、回転体P3400の左側面P3470(図160に示す円形孔P3471)には、発光手段P3300の回転支持部P3350が相対回転可能に挿通される。回転体P3400の右側面P3480(ギヤP3481の中心部分)には、発光手段P3300の支軸P3310が相対回転可能に挿通される。右側面P3480のギヤP3481は、後述する駆動手段P3500の収容部P3510内に挿入される。このように回転体P3400は、基板P3330等を収容すると共に、支軸P3310を中心として回転可能となるように配置される。
図155、図156及び図162に示す駆動手段P3500は、回転体P3400の回転を制御するものである。駆動手段P3500は、主として収容部P3510、モータP3520、駆動ギヤP3530、第1の検出ギヤP3540、第2の検出ギヤP3550、第1の検出センサP3560及び第2の検出センサP3570を具備する。
収容部P3510は、後述する駆動ギヤP3530、第1の検出ギヤP3540及び第2の検出ギヤP3550を収容するものである。収容部P3510は、内部空間を有する箱状に形成される。収容部P3510は、右側支持部P3200に固定される。なお、図162においては、収容部P3510の内部(駆動ギヤP3530等)を示すために、収容部P3510の右部を開放した状態を示している。
モータP3520は、回転体P3400を回転駆動させるための駆動力を発生するもの(駆動源)である。モータP3520は、収容部P3510の右側面に固定される。
図162に示す駆動ギヤP3530は、モータP3520の駆動力により回転するものである。駆動ギヤP3530は、軸線を左右に向けて収容部P3510の内部に配置される。駆動ギヤP3530は、モータP3520の出力軸(不図示)に固定される。駆動ギヤP3530は、収容部P3510に挿入された回転体P3400のギヤP3481の後下方に配置される。駆動ギヤP3530は、ギヤP3481と歯合される。
第1の検出ギヤP3540は、回転体P3400の回転位置を検出するためのものである。第1の検出ギヤP3540は、軸線を左右に向けて収容部P3510の内部に配置される。第1の検出ギヤP3540は、ギヤP3481の後上方に配置される。第1の検出ギヤP3540は、ギヤP3481と歯合される。
第2の検出ギヤP3550は、回転体P3400の回転位置を検出するためのものである。第2の検出ギヤP3550は、軸線を左右に向けて収容部P3510の内部に配置される。第2の検出ギヤP3550は、ギヤP3481の前下方に配置される。第2の検出ギヤP3550は、ギヤP3481と歯合される。
図155及び図156に示す第1の検出センサP3560は、第1の検出ギヤP3540が所定の回転位置にあるか否かを検出するものである。第1の検出センサP3560は、収容部P3510の上部に固定される。第1の検出センサP3560の一部(検出部)は収容部P3510内に挿入され、第1の検出ギヤP3540が所定の回転位置にあるか否かを検出することができる。
図155に示す第2の検出センサP3570は、第2の検出ギヤP3550が所定の回転位置にあるか否かを検出するものである。第2の検出センサP3570は、収容部P3510の下部に固定される。第2の検出センサP3570の一部(検出部)は収容部P3510内に挿入され、第2の検出ギヤP3550が所定の回転位置にあるか否かを検出することができる。
このように構成された駆動手段P3500において、モータP3520が駆動すると、当該モータP3520の駆動力は、駆動ギヤP3530を介して回転体P3400のギヤP3481に伝達される。これによって、回転体P3400は、発光手段P3300の支軸P3310を中心として回転する。
また、回転体P3400の回転に伴って、第1の検出ギヤP3540及び第2の検出ギヤP3550が回転する。第1の検出センサP3560及び第2の検出センサP3570によって、第1の検出ギヤP3540及び第2の検出ギヤP3550が所定の回転位置にあるか否かを検出することで、回転体P3400の回転位置を検出することができる。
具体的には、回転体P3400が第1の演出面P3410を正面(前方)に向けた状態、すなわち第1の演出面P3410が遊技者から視認可能な位置(以下、この位置を単に「演出位置」と称する)に位置するまで回転した状態において、第1の検出センサP3560は、第1の検出ギヤP3540が所定の回転位置にあることを検出する。すなわち、第1の検出センサP3560は、第1の演出面P3410が演出位置にあることを検出することができる。
また、回転体P3400が第2の演出面P3430を正面(前方)に向けた状態、すなわち第2の演出面P3430が演出位置に位置するまで回転した状態において、第2の検出センサP3570は、第2の検出ギヤP3550が所定の回転位置にあることを検出する。すなわち、第2の検出センサP3570は、第2の演出面P3430が演出位置にあることを検出することができる。
このように、第1の検出センサP3560及び第2の検出センサP3570によって、第1の演出面P3410又は第2の演出面P3430のどちらかが演出位置に位置していることを検出することができる。当該検出に基づいてモータP3520を駆動又は停止させることで、第1の演出面P3410又は第2の演出面P3430のいずれか一方を任意に演出位置に回転移動させることができる。
図159、及び図163から図166までに示す遮蔽手段P3600は、発光手段P3300から回転体P3400の内側面に照射される光の照射範囲を所定の範囲に制限するものである。遮蔽手段P3600は、主として発光手段側遮蔽手段P3610及び回転体側遮蔽手段P3620を具備する。
図159、図163、図164及び図166に示す発光手段側遮蔽手段P3610は、発光手段P3300に固定される部材である。発光手段側遮蔽手段P3610は、主として左遮蔽部P3611、右遮蔽部P3612、上連結部P3613、下連結部P3614、左固定部P3615及び右固定部P3616を具備する。
左遮蔽部P3611は、発光手段側遮蔽手段P3610の左部を形成する部分である。左遮蔽部P3611は、板面を左右に向けた略板状に形成される。左遮蔽部P3611の後端部の上下幅は、発光手段P3300の基板P3330の上下幅と略同一となるように形成される。左遮蔽部P3611の前端部は、後端部から前方に向かって膨出するような側面視円弧状に形成される。より具体的には、後述するように発光手段側遮蔽手段P3610が基板P3330に取り付けられた際に、左遮蔽部P3611の前端部は、側面視において支軸P3310を中心とする円弧状となるように形成される(図159参照)。左遮蔽部P3611は、正面視において適宜の形状に形成される。本実施形態に係る左遮蔽部P3611は、正面視において概ね上下に延びるように形成されると共に、上部に比べて下部が左方に位置するように、上下中途部に段差(屈曲部分)が形成されている。
右遮蔽部P3612は、発光手段側遮蔽手段P3610の右部を形成する部分である。右遮蔽部P3612は、板面を左右に向けた略板状に形成される。右遮蔽部P3612は、左遮蔽部P3611の右方に配置される。右遮蔽部P3612は、側面視において左遮蔽部P3611と略同一形状となるように形成される。右遮蔽部P3612は、正面視において適宜の形状に形成される。本実施形態に係る右遮蔽部P3612は、正面視において上下中途部が上下両端部に比べて内側(左方)に位置するように、上下両端部から上下中途部に向かって左方に傾斜するように形成されている。
上連結部P3613は、左遮蔽部P3611と右遮蔽部P3612を連結する部分である。上連結部P3613は、長手方向を左右に向けた長手状に形成される。上連結部P3613の左右両端部は、左遮蔽部P3611及び右遮蔽部P3612の上端部にそれぞれ連結される。これによって上連結部P3613は、左遮蔽部P3611と右遮蔽部P3612の上端部同士を連結する。
下連結部P3614は、左遮蔽部P3611と右遮蔽部P3612を連結する部分である。下連結部P3614は、長手方向を左右に向けた長手状に形成される。下連結部P3614の左右両端部は、左遮蔽部P3611及び右遮蔽部P3612の下端部にそれぞれ連結される。これによって下連結部P3614は、左遮蔽部P3611と右遮蔽部P3612の下端部同士を連結する。
左固定部P3615は、基板P3330に対して固定される部分である。左固定部P3615は、長手方向を上下に向けた長手状に形成される。左固定部P3615の上下両端部は、上連結部P3613及び下連結部P3614の左部にそれぞれ連結される。
右固定部P3616は、基板P3330に対して固定される部分である。右固定部P3616は、長手方向を上下に向けた長手状に形成される。右固定部P3616の上下両端部は、上連結部P3613及び下連結部P3614の右部にそれぞれ連結される。
図159及び図163に示すように、左固定部P3615及び右固定部P3616は、ビス等により基板P3330の前面に固定される。これによって、発光手段側遮蔽手段P3610が基板P3330の左右中央部に取り付けられる。この際、基板P3330に設けられた複数の発光部P3340のうち、基板P3330の左右中央部に配置された発光部P3340が、発光手段側遮蔽手段P3610の内側(正面視において、左遮蔽部P3611、右遮蔽部P3612、上連結部P3613及び下連結部P3614によって囲まれた範囲)に配置される。
図159、図163、図165及び図166に示す回転体側遮蔽手段P3620は、回転体P3400に固定される部材である。回転体側遮蔽手段P3620は、主として左遮蔽部P3621、右遮蔽部P3622、第1の連結部P3623及び第2の連結部P3624を具備する。
左遮蔽部P3621は、回転体側遮蔽手段P3620の左部を形成する部分である。左遮蔽部P3621は、板面を左右に向けた略板状に形成される。左遮蔽部P3621の後端部の上下幅は、第2のレンズ部材P3440の上下幅と略同一となるように形成される。左遮蔽部P3621は、正面視において適宜の形状に形成される。本実施形態に係る左遮蔽部P3621は、正面視において概ね上下に延びるように形成されると共に、下部に比べて上部が左方に位置するように、上下中途部に段差(屈曲部分)が形成されている。左遮蔽部P3621には、凹部P3621aが形成される。
凹部P3621aは、左遮蔽部P3621の前端部を後方に向かって凹ませるようにして形成される。凹部P3621aは、左遮蔽部P3621の前端部の上下略中央部に形成される。凹部P3621aは、側面視略円弧状に形成される。より具体的には、後述するように回転体側遮蔽手段P3620が第2のレンズ部材P3440に取り付けられた際に、凹部P3621aは、側面視において支軸P3310を中心とする円弧状となるように形成される(図159参照)。また、凹部P3621aの半径は、発光手段側遮蔽手段P3610の左遮蔽部P3611の円弧状の半径と略同一となるように(厳密には、若干大きくなるように)形成される。
右遮蔽部P3622は、回転体側遮蔽手段P3620の右部を形成する部分である。右遮蔽部P3622は、板面を左右に向けた略板状に形成される。右遮蔽部P3622は、左遮蔽部P3621の右方に配置される。左遮蔽部P3621と右遮蔽部P3622の間隔(左右の間隔)は、発光手段側遮蔽手段P3610の左遮蔽部P3611と右遮蔽部P3612の間隔と略同一となるように形成される。右遮蔽部P3622は、側面視において左遮蔽部P3621と略同一形状となるように形成される。右遮蔽部P3622は、正面視において適宜の形状に形成される。本実施形態に係る右遮蔽部P3622は、正面視において上下中途部が上下両端部に比べて内側(左方)に位置するように、上下両端部から上下中途部に向かって左方に傾斜するように形成されている。右遮蔽部P3622には、凹部P3622aが形成される。
凹部P3622aは、右遮蔽部P3622の前端部を後方に向かって凹ませるようにして形成される。凹部P3622aは、右遮蔽部P3622の前端部の上下略中央部に形成される。凹部P3622aは、側面視において、左遮蔽部P3621の凹部P3621aと略同一形状となるように形成される。
第1の連結部P3623は、左遮蔽部P3621と右遮蔽部P3622を連結する部分である。第1の連結部P3623は、板面を上下に向けた略矩形板状に形成される。第1の連結部P3623の左右両端部は、左遮蔽部P3621及び右遮蔽部P3622の上端部にそれぞれ連結される。これによって第1の連結部P3623は、左遮蔽部P3621と右遮蔽部P3622の上端部同士を連結する。
第2の連結部P3624は、左遮蔽部P3621と右遮蔽部P3622を連結する部分である。第2の連結部P3624は、板面を上下に向けた略矩形板状に形成される。第2の連結部P3624の左右両端部は、左遮蔽部P3621及び右遮蔽部P3622の下端部にそれぞれ連結される。これによって第2の連結部P3624は、左遮蔽部P3621と右遮蔽部P3622の下端部同士を連結する。
図159及び図163に示すように、第1の連結部P3623及び第2の連結部P3624は、ビス等により第2のレンズ部材P3440の前面に固定される。これによって、回転体側遮蔽手段P3620が第2のレンズ部材P3440の左右中央部(左右方向において、発光手段側遮蔽手段P3610と同一位置)に取り付けられる。
以下では、上述の如く構成された回転役物P3000による演出態様について説明する。
まず、図159及び図166に示すように、回転体P3400の演出面のうち、第1の演出面P3410が正面を向く位置(演出位置)に位置している場合について説明する。
この場合、遊技者からは第1の演出面P3410が視認容易となっている。また、第2の演出面P3430は後方を向いているため、遊技者からは視認困難となっている。この際、第2の演出面P3430(第2のレンズ部材P3440)の内側に固定された回転体側遮蔽手段P3620は、発光手段P3300の基板P3330の後方に位置している。
この状態では、基板P3330の前面に固定された発光手段側遮蔽手段P3610と、第2の演出面P3430の内側に固定された回転体側遮蔽手段P3620は、別々に分離された状態(以下、単に「分離状態」と称する)となる。分離状態では、発光手段側遮蔽手段P3610と回転体P3400の第1の演出面P3410との間には大きな隙間が形成されている。このため、基板P3330に設けられた複数の発光部P3340からの光は、発光手段側遮蔽手段P3610と回転体P3400の第1の演出面P3410との間の隙間を介して、回転体P3400の第1のレンズ部材P3420全域に照射される。当該第1のレンズ部材P3420を透過した光は、第1の演出面P3410の内側全域に照射される。これによって、図167に示すように、第1の演出面P3410全体から外部に略均一に光が照射され、第1の演出面P3410全体が、略均一に発光することになる。すなわちこの場合、第1の演出面P3410(第1の透光部)に応じて、発光手段P3300から第1の演出面P3410の内面側の全体(第1の照射範囲)に光が照射される。
次に、図168及び図169に示すように、回転体P3400の演出面のうち、第2の演出面P3430が正面を向く位置(演出位置)に位置している場合について説明する。
この場合、遊技者からは第2の演出面P3430が視認容易となっている。また、第1の演出面P3410は後方を向いているため、遊技者からは視認困難となっている。この際、第2の演出面P3430(第2のレンズ部材P3440)の内側に固定された回転体側遮蔽手段P3620は、発光手段P3300の基板P3330の前方に位置している。
この状態では、基板P3330の前面に固定された発光手段側遮蔽手段P3610の前端が、第2の演出面P3430の内側に固定された回転体側遮蔽手段P3620の凹部(凹部P3621a及び凹部P3622a)に嵌り込むように位置している。このようにして、発光手段側遮蔽手段P3610と回転体側遮蔽手段P3620とによって、基板P3330から第2の演出面P3430まで延びる1つの筒状の部材が形成された状態(以下、単に「制限状態」と称する)となる。制限状態では、遮蔽手段P3600によって、基板P3330に設けられた複数の発光部P3340からの光の照射範囲が、所定の範囲に制限される。
具体的には、複数の発光部P3340のうち、遮蔽手段P3600(発光手段側遮蔽手段P3610)の内側に配置された発光部P3340から照射された光は、当該遮蔽手段P3600の外側に出ることができない。このため、当該発光部P3340から照射された光は、第2の演出面P3430のうち、正面視で遮蔽手段P3600の内側に位置する範囲にのみ照射される(図170参照)。
一方、複数の発光部P3340のうち、遮蔽手段P3600(発光手段側遮蔽手段P3610)の外側に配置された発光部P3340から照射された光は、当該遮蔽手段P3600の内側に入ることができない。このため、当該発光部P3340から照射された光は、第2の演出面P3430のうち、正面視で遮蔽手段P3600の外側に位置する範囲にのみ照射される(図170参照)。
このように、第2の演出面P3430が演出位置に移動制御されている場合、遮蔽手段P3600が制限状態となり、発光部P3340から第2の演出面P3430の内側に照射される光の照射範囲を所定の範囲(正面視において遮蔽手段P3600の内側に位置する範囲、又は外側に位置する範囲)に制限することができる。すなわち、第1の演出面P3410が演出位置に移動制御された場合の光の照射範囲(第1の照射範囲)と、第2の演出面P3430が演出位置に移動制御された場合の光の照射範囲(第2の照射範囲)と、を異ならせることができる。これによって、例えば、遮蔽手段P3600の内側の発光部P3340と外側の発光部P3340を異なる態様(例えば、異なる明るさ、色、タイミング等)で発光させることで、第2の演出面P3430を非均一に発光させることができる。
特に本実施形態では、正面視における遮蔽手段P3600の形状を、第2の演出面P3430に施された装飾と対応する形状となるように形成することを想定している。これによって、発光手段P3300から照射される光の照射範囲(第2の照射範囲)を第2の演出面P3430(第2の透光部)に応じたものとし、第2の演出面P3430の装飾をより引き立てるように発光させることができる。例えば、第2の演出面P3430に施された文字と、遮蔽手段P3600と、が正面視において一致するように形成することで、当該文字をその他の装飾と異なる態様で発光させることができる。
また本実施形態では、制限状態において、回転体側遮蔽手段P3620の後端部は、基板P3330よりも後方に位置している(図168参照)。これによって、基板P3330の前面に設けられた発光部P3340から照射された光が遮蔽手段P3600の後方から回り込む(遮蔽手段P3600の内側から外側へ、又は外側から内側へ照射される)のを効果的に抑制することができる。
また本実施形態では、図168等に示すように、発光手段側遮蔽手段P3610を、支軸P3310(回転体P3400の回転中心)を中心とする円弧状に膨出する形状とすると共に、回転体側遮蔽手段P3620を、支軸P3310を中心とする円弧状に凹む形状としている。これによって、回転体P3400が回転する際の部材同士の干渉をなくしながらも、制限状態となった遮蔽手段P3600(発光手段側遮蔽手段P3610及び回転体側遮蔽手段P3620)の隙間を小さくすることができる。
すなわち、発光手段側遮蔽手段P3610及び回転体側遮蔽手段P3620に、回転体P3400の回転軌跡に沿う円弧状の部分を形成することで、当該発光手段側遮蔽手段P3610と回転体側遮蔽手段P3620との干渉を回避することができる。またこのように構成することで、発光手段側遮蔽手段P3610と回転体側遮蔽手段P3620とが対向する部分(円弧状に形成された部分)を近づけて隙間を小さくすることができ、光の遮蔽性を向上することができる。これによって、発光部P3340から照射された光が遮蔽手段P3600を超えて漏れ出すのを効果的に抑制することができる。
このように、演出位置に移動制御されている演出面(第1の演出面P3410又は第2の演出面P3430)の種別によって、発光手段P3300による装飾面の発光態様を異ならせることができる。これによって、装飾面の種別に応じた異なる演出(発光演出)を行い、回転役物P3000による演出の興趣を向上させることができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵すると共に複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機では、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
透光部を有し遊技者から視認可能な複数の演出面(演出部)から形成される回転体P3400を備えた遊技機であって、
前記回転体P3400の内部に設けられ、少なくとも一つの演出面の内面側に光を照射することで前記透光部を介して前記回転体P3400の外部方向に光を照射可能な発光手段P3300と、
前記発光手段P3300から演出面の内面側に照射される光の照射範囲を所定の範囲に制限する遮蔽手段P3600と、
前記回転体P3400を回転させ前記複数の演出面のうちいずれかの演出面を遊技者から視認容易な演出位置に移動制御する駆動手段P3500と、を備え、
前記複数の演出面は、
第1の演出面P3410と、
前記第1の演出面P3410とは別の演出面である第2の演出面P3430と、を含み、
前記回転体P3400は、前記遮蔽手段P3600により、前記第1の演出面P3410が前記演出位置に移動制御されている場合と、前記第2の演出面P3430が前記演出位置に移動制御されている場合とで、前記演出面の内面側に照射される光の照射範囲が異なることを特徴とするものである。
また、本実施形態に係る遮蔽手段P3600は、
前記回転体P3400に設けられる回転体側遮蔽手段P3620と、
前記発光手段P3300に設けられる発光手段側遮蔽手段P3610と、
を含み、
前記遮蔽手段P3600は、
前記回転体P3400の回転に伴って前記回転体側遮蔽手段P3620が移動することにより、前記発光手段側遮蔽手段P3610と共に前記発光手段P3300から前記演出面(演出部)の内面側に照射される光の照射範囲を所定の範囲に制限可能であり、
前記第1の演出面P3410が前記演出位置に移動制御された場合、前記発光手段P3300から前記第1の演出面P3410の内面側に照射される光の照射範囲が第1の照射範囲となり、前記第2の演出面P3430が前記演出位置に移動制御された場合に、前記発光手段P3300から前記第2の演出面P3430の内面側に照射される光の照射範囲が前記第1の照射範囲とは異なる第2の照射範囲となることを特徴とするものである。
このような構成によれば、遊技機の興趣を向上させることができる。
具体的には、第1の演出面P3410が演出位置に移動制御された場合と、第2の演出面P3430が演出位置に移動制御された場合とで、発光手段P3300による演出面の発光態様を異ならせることができる。すなわち、演出位置に移動制御されている演出面の種別によって、異なる発光演出が可能となり、ひいては遊技機の興趣を向上させることができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵すると共に複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機では、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
透光部を有し遊技者から視認可能な複数の演出部から形成される回転体を備えた遊技機であって、
前記回転体の内部に設けられ、少なくとも一つの演出部の内面側に光を照射することで前記透光部を介して前記回転体の外部方向に光を照射可能な発光手段と、
前記発光手段から演出部の内面側に照射される光の照射範囲を所定の範囲に制限する遮蔽手段と、
前記回転体を回転させ前記複数の演出部のうちいずれかの演出部を遊技者から視認容易な演出位置に移動制御する駆動手段と、を備え、
前記複数の演出面は、
第1の演出面P3410と、
前記第1の演出面P3410とは別の演出面である第2の演出面P3430と、を含み、
前記遮蔽手段P3600は、
前記回転体P3400に設けられる回転体側遮蔽手段P3620を含み、
前記回転体側遮蔽手段P3620は、
前記回転体P3400の回転に伴って移動することにより、前記第1の演出面P3410が前記演出位置に移動制御されている場合と、前記第2の演出面P3430が前記演出位置に移動制御されている場合とで、前記演出面の内面側に照射される光の照射範囲を異ならせることを特徴とするものである。
また、本実施形態に係る前記第1の演出面P3410は、
所定の形状で形成される第1の透光部を有し、
前記第2の演出面P3430は、
前記第1の透光部とは異なる形状で形成される第2の透光部を有し、
前記回転体側遮蔽手段P3620は、
前記回転体P3400の回転に伴って移動することにより、前記第1の演出面P3410が前記演出位置に移動制御されている場合は、前記発光手段P3300から照射される光の照射範囲が前記第1の透光部に応じた第1の照射範囲となることで前記第1の透光部が発光し、前記第2の演出面P3430が前記演出位置に移動制御されている場合は、前記発光手段P3300から照射される光の照射範囲が前記第2の透光部に応じた第2の照射範囲となることで前記第2の透光部が発光することを特徴とするものである。
このような構成によれば、遊技機の興趣を向上させることができる。
具体的には、第1の演出面P3410が演出位置に移動制御された場合と、第2の演出面P3430が演出位置に移動制御された場合とで、発光手段P3300による演出面の発光態様を異ならせることができる。すなわち、演出位置に移動制御されている演出面の種別によって、異なる発光演出が可能となり、ひいては遊技機の興趣を向上させることができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵すると共に複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機では、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
透光部を有し遊技者から視認可能な複数の演出部から形成される回転体を備えた遊技機であって、
前記回転体の内部に設けられ、少なくとも一つの演出部の内面側に光を照射することで前記透光部を介して前記回転体の外部方向に光を照射可能な発光手段と、
前記発光手段から演出部の内面側に照射される光の照射範囲を所定の範囲に制限する遮蔽手段と、
前記回転体を回転させ前記複数の演出部のうちいずれかの演出部を遊技者から視認容易な演出位置に移動制御する駆動手段と、を備え、
前記遮蔽手段P3600は、
前記回転体P3400に設けられる回転体側遮蔽手段P3620と、
前記発光手段P3300に設けられる発光手段側遮蔽手段P3610と、
を含み、
前記遮蔽手段P3600は、
前記回転体P3400の回転に伴って前記回転体側遮蔽手段P3620が移動することにより、前記発光手段側遮蔽手段P3610と共に前記発光手段P3300から前記演出面の内面側に照射される光の照射範囲を所定の範囲に制限する状態と、前記発光手段から前記演出面の内面側に照射される光の照射範囲を制限しない状態と、に切り替えられることを特徴とするものである。
このような構成によれば、遊技機の興趣を向上させることができる。
具体的には、第1の演出面P3410が演出位置に移動制御された場合と、第2の演出面P3430が演出位置に移動制御された場合とで、発光手段P3300による演出面の発光態様を異ならせることができる。すなわち、回転体P3400の回転に応じて、異なる発光演出が可能となり、ひいては遊技機の興趣を向上させることができる。
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、駆動手段P3500による回転体P3400の移動(回転)と、発光手段P3300による光の照射は、任意に制御することができる。両者のタイミングを適宜設定することで、種々の態様の演出を行うことができる。
また、本実施形態では第1の演出面P3410及び第2の演出面P3430の全体が透光部となっている(全体的に光が透過可能である)例を示したが、第1の演出面P3410及び第2の演出面P3430の一部のみを透光部とする(一部のみ光を透過可能とする)ことも可能である。例えば、第1の演出面P3410を、表面に施される装飾に応じて、透光性を有する部材と、透光性を有さない部材と、を組み合わせて形成することも可能である。
また、遮蔽手段P3600として、回転体側遮蔽手段P3620のみを用いることも可能である。すなわち、発光手段側遮蔽手段P3610を省略することも可能である。この場合、第2の演出面P3430が演出位置に移動制御された場合、回転体側遮蔽手段P3620によって光の照射範囲が制限される。
また、遮蔽手段P3600の構成(形状、大きさ等)は、上記実施形態に限るものではない。例えば、演出面に施された装飾に応じて適宜の形状、大きさ等とすることが可能である。
また、遮蔽手段P3600は、本実施形態の回転体側遮蔽手段P3620のように、必ずしも回転体P3400に設けられている必要はない。すなわち、遮蔽手段P3600は、回転体P3400の移動制御(回転)に応じて、光の照射範囲を制限する状態と、制限しない状態と、に切り替え可能なものであればよい。例えば、回転体P3400の移動制御に応じて、別途設けられた駆動手段によって(若しくは、駆動手段P3500の駆動力を用いて)、光の照射範囲を制限する位置と、制限しない位置と、に移動可能な部材を遮蔽手段P3600とすることも可能である。
以下では、図171から図191を用いて、演出装置P4000について説明する。
図171に示す演出装置P4000は、適宜のタイミングで動作することで、遊技者に視覚的な印象(インパクト)を与えるものである。なお便宜上、演出装置P4000は、本発明の第2実施形態に係るパチンコ遊技機の別例の遊技盤P1100に設けられているものとする。
演出装置P4000は、遊技盤P1100に設置される。演出装置P4000は、遊技盤P1100の開口領域1dにおいて遊技者が視認可能な位置で可動体P4300を移動制御することで、遊技者に視覚的な印象を与える。演出装置P4000は、移動制御機構P4010、可動体P4300及び補強カバーP4400を具備している。
移動制御機構P4010は、可動体P4300を、遊技者から視認し難い位置である図171に示す待機位置と、遊技者から視認可能な位置である図185から図187までに示す演出位置と、に移動制御するものである。なお、可動体P4300の詳細な説明については後述する。
本実施形態では、図171に示すように、待機位置を、遊技盤P1100の開口領域1dよりも下方(遊技盤P1100の下側部分と重複する位置)としている。また、図185から図187までに示すように、演出位置を開口領域1dにおける下側部分としている。移動制御機構P4010は、昇降移動制御機構P4100及び左右移動制御機構P4200を具備する。
図171及び図172、図185に示す昇降移動制御機構P4100は、可動体P4300を上下方向に移動制御するものである。ここで、可動体P4300は、後述する左右移動制御機構P4200に設けられており、昇降移動制御機構P4100は、左右移動制御機構P4200を介して、可動体P4300を移動制御する。すなわち、昇降移動制御機構P4100は、直接的には、左右移動制御機構P4200を上下方向に移動制御する。なお、左右移動制御機構P4200の詳細な説明については後述する。
昇降移動制御機構P4100は、図171及び図185に示すように、待機位置と演出位置との間において左右移動制御機構P4200(可動体P4300)を移動制御する。なお、以下では、主として、可動体P4300を待機位置に位置させた状態を基準として、昇降移動制御機構P4100の構成について説明する。昇降移動制御機構P4100は、左側移動ユニットP4110及び右側移動ユニットP4160を具備する。
左側移動ユニットP4110は、遊技盤P1100の左側において左右移動制御機構P4200を上下方向に移動させると共に、上下方向の移動をガイドするものである。左側移動ユニットP4110は、ベース部P4120、第1のモータP4130、第1の伝達部P4140及び昇降シャフトP4150を具備する。
ベース部P4120は、後述する第1のモータP4130、第1の伝達部P4140及び昇降シャフトP4150が設置されるものである。ベース部P4120は、遊技盤P1100の左側部分に固定される。ベース部P4120は、後方に向けて開口する略箱形状とされている。また、ベース部P4120は、正面視において上下方向に長尺な略矩形状とされている。
図171に示す第1のモータP4130は、左右移動制御機構P4200を上下方向に移動させるための駆動源である。第1のモータP4130は、ベース部P4120の上側部分に設置される。また、第1のモータP4130は、ベース部P4120の左側部分に設置される。第1のモータP4130は、図172に示すように、出力軸P4131が、ベース部P4120を前後に貫通して後方へと突出するように設けられる。
図172に示す第1の伝達部P4140は、第1のモータP4130で発生した駆動力を、左右移動制御機構P4200側へと伝達するものである。第1の伝達部P4140は、ベース部P4120の左側部分に設置される。第1の伝達部P4140は、出力ギヤP4141、第1のギヤP4142及び第2のギヤP4143を具備する。
出力ギヤP4141は、第1のモータP4130の駆動力を取り出すものである。出力ギヤP4141は、第1のモータP4130の出力軸P4131の後端部に固定される。
第1のギヤP4142は、出力ギヤP4141の略下方に配置され、出力ギヤP4141と歯合する。第1のギヤP4142は、ベース部P4120の後面において、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。
第2のギヤP4143は、第1のギヤP4142の略下方に配置され、第1のギヤP4142と歯合する。第2のギヤP4143は、ベース部P4120の後面において、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。
昇降シャフトP4150は、左右移動制御機構P4200の上下方向の移動をガイドするものである。昇降シャフトP4150は、上下方向に長尺な略円柱形状とされている。昇降シャフトP4150は、ベース部P4120の右側部分に設置される。また、昇降シャフトP4150は、ベース部P4120の後面から離間するように設置される。
右側移動ユニットP4160は、遊技盤P1100の右側において、左右移動制御機構P4200の上下方向の移動をガイドするものである。右側移動ユニットP4160は、ベース部P4170及び昇降シャフトP4180を具備する。
ベース部P4170は、後述する昇降シャフトP4180が設置されるものである。ベース部P4170は、遊技盤P1100の右側部分に固定される。ベース部P4170は、後方に向けて開口する略箱形状とされている。また、ベース部P4170は、正面視において上下方向に長尺な略矩形状とされている。
昇降シャフトP4180は、左右移動制御機構P4200の上下方向の移動をガイドするものである。昇降シャフトP4180は、上下方向に長尺な略円柱形状とされている。昇降シャフトP4150は、ベース部P4170の左側部分に設置される。また、昇降シャフトP4180は、ベース部P4170の後面から離間するように設置される。
図171から図178、図185から図187までに示す左右移動制御機構P4200は、可動体P4300を支持すると共に、可動体P4300を左右方向に移動制御するものである。左右移動制御機構P4200は、図185から図187までに示すように、演出位置において、可動体P4300を移動制御する。また、左右移動制御機構P4200は、昇降移動制御機構P4100により、上下方向に移動制御される。左右移動制御機構P4200は、左側移動ユニットP4110と右側移動ユニットP4160との間に配置される。左右移動制御機構P4200は、ベース部P4210、カバー部P4220、連結部P4230、ラック部P4240、ガイド部P4250、第2のモータP4260及び第2の伝達部P4270を具備する。
図172、図174から図178までに示すベース部P4210は、後述する第2のモータP4260や第2の伝達部P4270が設置されるものである。ベース部P4210は、本体部P4211及び支持部P4219を具備する。
図175に示す本体部P4211は、ベース部P4210の大部分を構成するものである。本体部P4211は、後方に向けて開口する略箱形状とされている。また、本体部P4211は、正面視において左右方向に長尺な略矩形状とされている。本体部P4211は、前壁部P4212、上壁部P4215、下壁部P4216、左壁部P4217及び右壁部P4218を具備する。
前壁部P4212は、本体部P4211の前側部分を構成するものである。前壁部P4212は、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。前壁部P4212は、ガイド孔部P4213及び第1の付勢部受け部P4214を具備する。
図174及び図177に示すガイド孔部P4213は、可動体P4300の左右方向の移動をガイドするものである。ガイド孔部P4213は、前壁部P4212を前後に貫通するように形成される。ガイド孔部P4213は、前壁部P4212の上下方向略中央部分に形成される。ガイド孔部P4213は、左右方向に長尺な形状とされる。
図178に示す第1の付勢部受け部P4214は、後述する付勢部の付勢力を受けるものである。第1の付勢部受け部P4214は、前壁部P4212の右側部分において、後方へ突出するように設けられる。
図175に示す上壁部P4215は、本体部P4211の上側部分を構成するものである。上壁部P4215は、前壁部P4212の上端部に設けられる。上壁部P4215は、厚さ方向を上下方向に向けた略板形状とされている。上壁部P4215は、切欠部P4215aを具備する。
切欠部P4215aは、上壁部P4215の後側部分を切り欠いたものである。切欠部P4215aは、上壁部P4215の左右方向中央部分に形成される。
下壁部P4216は、本体部P4211の下側部分を構成するものである。下壁部P4216は、前壁部P4212の下端部に設けられる。下壁部P4216は、厚さ方向を上下方向に向けた略板形状とされている。
左壁部P4217は、本体部P4211の左側部分を構成するものである。左壁部P4217は、前壁部P4212の左端部に設けられる。左壁部P4217は、厚さ方向を左右方向に向けた略板形状とされている。
右壁部P4218は、本体部P4211の右側部分を構成するものである。右壁部P4218は、右壁部P4218の右端部に設けられる。右壁部P4218は、厚さ方向を左右方向に向けた略板形状とされている。
支持部P4219は、後述するガイド部P4250を支持するものである。支持部P4219は、本体部P4211の右端部から上方に延びるように形成される。
図172に示すカバー部P4220は、本体部P4211の開口を覆うものである。カバー部P4220は、厚さ方向を前後方向に向けた、左右方向に長尺な板形状とされる。カバー部P4220は、本体部P4211とによって、後述する第2の伝達部P4270を収容するハウジングを構成する。
連結部P4230は、カバー部P4220(ベース部P4210)と、後述するラック部P4240とを連結するものである。連結部P4230は、厚さ方向を前後方向に向けた板形状とされる。連結部P4230は、右側部分が、カバー部P4220の後面における左側端部に固定される。また、連結部P4230は、左側部分が、カバー部P4220の左側端部よりも左方に突出する。
図172から図174までに示すラック部P4240は、第1の伝達部P4140が伝達する回転を、左右移動制御機構P4200の上下方向の移動に変換するものである。ラック部P4240は、連結部P4230の左側部分に固定される。ラック部P4240は、本体部P4241、ガイド孔部P4242及びラック歯部P4243を具備する。
図173及び図174に示す本体部P4241は、ラック部P4240の大部分を構成するものである。本体部P4241は、厚さ方向を前後方向に向けた板形状とされる。本体部P4241は、正面視において、上下方向に長尺な略矩形状とされる。本体部P4241は、下側部分が、連結部P4230の左側部分の前面に固定される。
ガイド孔部P4242は、本体部P4241を上下方向に貫通する孔である。ガイド孔部P4242には、左側移動ユニットP4110の昇降シャフトP4150が挿通される。ガイド孔部P4242に昇降シャフトP4150が挿通されることで、左右移動制御機構P4200の左側部分において、左右移動制御機構P4200の上下方向の移動がガイドされる。
ラック歯部P4243は、第1の伝達部P4140の第2のギヤP4143と歯合するものである。ラック歯部P4243は、本体部P4241の左端部に設けられる。ラック歯部P4243は、ガイド孔部P4242に昇降シャフトP4150が挿通された状態で第2のギヤP4143と歯合する。
図173及び図174に示すガイド部P4250は、左右移動制御機構P4200の上下方向の移動をガイドするものである。ガイド部P4250は、支持部P4219の上端部に固定される。ガイド部P4250は、厚さ方向を前後方向に向けた板形状とされる。ガイド部P4250は、正面視において略矩形状とされる。ガイド部P4250は、ガイド孔部P4251を具備する。
ガイド孔部P4251は、ガイド部P4250を上下方向に貫通する孔である。ガイド孔部P4251には、右側移動ユニットP4160の昇降シャフトP4180が挿通される。ガイド孔部P4251に昇降シャフトP4180が挿通されることで、左右移動制御機構P4200の右側部分において、左右移動制御機構P4200の上下方向の移動がガイドされる。
図173に示す第2のモータP4260は、可動体P4300を左右方向に移動させるための駆動源である。第2のモータP4260は、ベース部P4210(本体部P4211)の左側部分に設置される。第2のモータP4260は、図176に示すように、出力軸P4261が、ベース部P4210を前後に貫通して後方へと突出するように設けられる。
図174から図178までに示す第2の伝達部P4270は、第2のモータP4260で発生した駆動力を、可動体P4300へと伝達するものである。第2の伝達部P4270は、出力ギヤP4271、第1のギヤP4272、第2のギヤP4273、ベルトP4274、テンションプーリP4275、張力付与部P4276、第1のプーリP4277及び第2のプーリP4278を具備する。
図174から図176までに示す出力ギヤP4271は、第2のモータP4260の駆動力を取り出すものである。出力ギヤP4271は、第2のモータP4260の出力軸P4261の後端部に固定される。
第1のギヤP4272は、出力ギヤP4271の略下方に配置され、出力ギヤP4271と歯合する。第1のギヤP4272は、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。
第2のギヤP4273は、第1のギヤP4272の略右方に配置され、第1のギヤP4272と歯合する。第2のギヤP4273は、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。また、第2のギヤP4273には、後述するベルトP4274が巻回される。
図174から図178までに示すベルトP4274は、無端状に形成され、第2のギヤP4273と、後述するテンションプーリP4275と、に巻回されるものである。ベルトP4274は、前壁部P4212において、ガイド孔部P4213の上方に、左右方向に延びるように配置される。
ベルトP4274は、第2のギヤP4273の回転に伴い回転する。ベルトP4274は、内周面(第2のギヤP4273に対向する面)の一部に、ラック状の歯部P4274aが形成されている。歯部P4274aは、第2のギヤP4273に歯合する。
図178に示すテンションプーリP4275は、ベルトP4274が巻回されるものである。テンションプーリP4275は、前壁部P4212の右側部分において、後述する張力付与部P4276を介して、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。
張力付与部P4276は、テンションプーリP4275を回転可能に支持すると共に、ベルトP4274に張力を付与するものである。張力付与部P4276は、前壁部P4212の右側部分に配置される。張力付与部P4276は、テンションプーリ支持部P4276a及び付勢部P4276dを具備する。
テンションプーリ支持部P4276aは、テンションプーリP4275を回転可能に支持するものである。テンションプーリ支持部P4276aは、左右方向に移動可能に支持される。テンションプーリ支持部P4276aは、左側部分においてテンションプーリP4275を支持する構成とされている。また、テンションプーリ支持部P4276aは、孔部P4276b及び第2の付勢部受け部P4276cを具備する。
孔部P4276bは、テンションプーリ支持部P4276aを前後に貫通する孔である。孔部P4276bは、テンションプーリ支持部P4276aの右側部分に形成される。孔部P4276bは、左右方向に長尺な長孔形状とされている。孔部P4276bには、前壁部P4212に形成された第1の付勢部受け部P4214が挿通される。
第2の付勢部受け部P4276cは、後述する付勢部P4276dの付勢力を受けるものである。第2の付勢部受け部P4276cは、テンションプーリ支持部P4276aの右端部から、後方へ突出するように設けられる。
付勢部P4276dは、テンションプーリ支持部P4276aを右方に付勢するものである。付勢部P4276dによりテンションプーリ支持部P4276aを介してテンションプーリP4275を右方に付勢することで、ベルトP4274に一定の張力を付与することができる。付勢部P4276dは、第1の付勢部受け部P4214と、テンションプーリ支持部P4276aの第2の付勢部受け部P4276cと、の間に介在され、第1の付勢部受け部P4214及び第2の付勢部受け部P4276cを互いに離間させるように付勢する圧縮ばねを構成する。
図174、図176及び図177までに示す第1のプーリP4277は、第2のギヤP4273の略右方に配置される。第1のプーリP4277は、ベルトP4274の下方において、ベルトP4274の外周面に当接するように配置される。また、第1のプーリP4277は、上端部が第2のギヤP4273の下端部よりも上方に位置するように配置される。第1のプーリP4277は、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。第1のプーリP4277は、ベルトP4274の回転に応じて回転する。
図174、図177及び図178に示す第2のプーリP4278は、テンションプーリP4275の略左方に配置される。第2のプーリP4278は、ベルトP4274の下方において、ベルトP4274の外周面に当接するように配置される。第2のプーリP4278は、上端部がテンションプーリP4275の下端部よりも上方に位置するように配置される。また、第2のプーリP4278は、第1のプーリP4277と略同高さに配置される。第2のプーリP4278は、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。第2のプーリP4278は、ベルトP4274の回転に応じて回転する。
図173から図182までに示す可動体P4300は、昇降移動制御機構P4100及び左右移動制御機構P4200による移動制御により、上下方向及び左右方向に移動可能なものである。可動体P4300は、左右移動制御機構P4200に対して左右方向に移動可能に設置される。可動体P4300は、正面視において略三角形状とされている。また、可動体P4300は、戦闘機を模した形状とされている。可動体P4300は、ベース部P4310、係合部P4320、基板P4330及びカバー部P4340を具備する。
図179に示すベース部P4310は、後述する基板P4330及びカバー部P4340を保持するものである。ベース部P4310は、左右移動制御機構P4200に設置される。ベース部P4310は、本体部P4311、ローラ収容部P4312及び被ガイド部P4313を具備する。
本体部P4311は、ベース部P4310の大部分を構成するものである。本体部P4311は、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。本体部P4311は、正面視において略三角形状とされている。
ローラ収容部P4312は、後述するローラP4322を収容するものである。ローラ収容部P4312は、本体部P4311の下側部分における左右方向両側に一対配置される。ローラ収容部P4312は、後方及び下方に向けて開口している。
図177、図179、図181、図182までに示す被ガイド部P4313は、左右移動制御機構P4200のガイド孔部P4213によって左右方向にガイドされる部分である。被ガイド部P4313は、本体部P4311の下側部分における左右方向中央部分から、下方に延びるように設けられる。被ガイド部P4313は、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。被ガイド部P4313は、突部P4314及び拡径部P4315を具備する。
図181及び図182に示す突部P4314は、被ガイド部P4313の後面から後方に向けて突出するものである。突部P4314は、左右方向に間隔を空けて一対設けられる。突部P4314は、略円柱形状とされている。突部P4314は、ガイド孔部P4213に挿通される。
拡径部P4315は、突部P4314の後端部に設けられるものである。拡径部P4315は、突部P4314よりも拡径した形状とされている。拡径部P4315の外径は、ガイド孔部P4213の上下寸法よりも大きく形成されている。
上述した突部P4314がガイド孔部P4213に挿通されることで、ガイド孔部P4213に沿って可動体P4300の左右方向の移動をガイドすることができる。また、上述した拡径部P4315が突部P4314の後端部に設けられることで、ガイド孔部P4213に対する突部P4314の抜けを防止することができる。
図179から図182までに示す係合部P4320は、ベース部P4310に固定されると共に、ベルトP4274に係合するものである。係合部P4320は、固定部P4321、ローラP4322及び係合ガイド部P4323を具備する。
固定部P4321は、ベース部P4310の後面に固定されるものである。固定部P4321は、左右方向に長尺な形状とされている。固定部P4321は、適宜の止具を介してベース部P4310に固定される。
図179及び図180に示すローラP4322は、固定部P4321に対して、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支されるものである。ローラP4322は、円盤形状とされている。ローラP4322は、固定部P4321の前面における左右方向両端部にそれぞれ設けられる。ローラP4322は、固定部P4321がベース部P4310に固定された状態で、ローラ収容部P4312に収容される。また、ローラP4322は、図182に示すように、ベース部P4210(本体部P4211)の上壁部P4215の上面に接地する。
図179から図182に示す係合ガイド部P4323は、ベルトP4274に係合すると共に、可動体P4300の左右方向の移動をガイドするものである。係合ガイド部P4323は、固定部P4321の下面における左右方向中央部分に設けられる。係合ガイド部P4323は、ガイド部P4324、係合部P4325及び係合維持部P4326を具備する。
図180から図182までに示すガイド部P4324は、可動体P4300の左右方向の移動をガイドするものである。ガイド部P4324は、左右方向に長尺な形状とされている。ガイド部P4324の左右寸法は、固定部P4321の左右寸法よりも小さく形成されている。ガイド部P4324は、鉛直部P4324a及び水平部P4324bを具備する。
図182に示す鉛直部P4324aは、固定部P4321の下面における後端部から、下方に突出する部分である。鉛直部P4324aは、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。
水平部P4324bは、鉛直部P4324aの下端部から前方に突出する部分である。水平部P4324bは、厚さ方向を上下方向に向けた略板形状とされている。
上述したガイド部P4324は、断面視(側面視)において略L字形状とされている。ガイド部P4324は、図182に示すように、水平部P4324bの上面が、ベース部P4210(本体部P4211)の上壁部P4215の下面に対向する。これにより、ガイド部P4324は、ローラP4322と共に上壁部P4215を挟むことで、可動体P4300の左右方向の移動をガイドすることができる。
図181及び図182に示す係合部P4325は、ベルトP4274に係合するものである。係合部P4325は、ガイド部P4324の下面における左右方向中央部分に設けられる。係合部P4325は、鉛直部P4325a及び水平部P4325bを具備する。
図182に示す鉛直部P4325aは、ガイド部P4324の下面における前端部から、下方に突出する部分である。鉛直部P4325aは、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。
水平部P4325bは、鉛直部P4325aの下端部から後方に突出する部分である。水平部P4325bは、厚さ方向を上下方向に向けた略板形状とされている。水平部P4325bの上面には、ベルトP4274の歯部P4274aに歯合する歯部P4325cが形成されている。
上述した係合部P4325は、断面視(側面視)において略L字形状とされている。係合部P4325は、図182に示すように、ガイド部P4324の下面と、水平部P4325bの上面と、によってベルトP4274を上下に挟み込むように保持する。また、この状態では、係合部P4325の歯部P4325cと、ベルトP4274の歯部P4274aと、が歯合する。これにより、係合部P4325をベルトP4274に係合させ、ベルトP4274の動作を可動体P4300に伝達することができる。
図181及び図182に示す係合維持部P4326は、係合部P4325とベルトP4274との係合を維持するものである。係合維持部P4326は、ガイド部P4324の下面に設けられる。また、係合維持部P4326は、係合部P4325の左右方向両側に一対設けられる。係合維持部P4326は、鉛直部P4326a及び水平部P4326bを具備する。
図182に示す鉛直部P4326aは、ガイド部P4324の下面における後端部から、下方に突出する部分である。鉛直部P4326aは、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。
水平部P4326bは、鉛直部P4326aの下端部から前方に突出する部分である。水平部P4326bは、厚さ方向を上下方向に向けた略板形状とされている。
上述した係合維持部P4326は、断面視(側面視)において略L字形状とされている。係合維持部P4326は、図182に示すように、ガイド部P4324の下面と、水平部P4326bの上面と、によってベルトP4274を上下に挟み込むように保持する。また、係合維持部P4326の鉛直部P4326aによって、係合部P4325に係合されたベルトP4274の後方への移動を規制することができる。これにより、ベルトP4274が係合部P4325から外れることを抑制することができる。
図179に示す基板P4330は、適宜の電子部品(機能部品)が実装されるものである。基板P4330は、ベース部P4310の前面に固定される。基板P4330は、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。基板P4330は、正面視において略三角形状とされている。基板P4330は、前面が、適宜の発光手段が実装される実装面とされている。
カバー部P4340は、可動体P4300の正面視における外観を構成するものである。カバー部P4340は、ベース部P4310及び基板P4330を覆うように、ベース部P4310の前面に固定される。カバー部P4340は、本体部P4341、当接部P4342及び位置決め突部P4343を具備する。
本体部P4341は、カバー部P4340の大部分を構成するものである。本体部P4341は、後方に向けて開口する略箱形状とされている。また、本体部P4341は、正面視において略三角形状とされている。本体部P4341は、基板P4330に設けられた発光手段による光を透過可能な透過性部材によって形成されている。
当接部P4342は、本体部P4341の前面において前方に突出するものである。当接部P4342は、本体部P4341の下端部における左端部に配置される。当接部P4342は、図177に示すように、係合部P4320のガイド部P4324よりも左方に配置される。また、当接部P4342は、ガイド部P4324よりも下方に配置される。当接部P4342は、略円柱状とされている。
位置決め突部P4343は、本体部P4341の下端部から下方に突出するものである。位置決め突部P4343は、本体部P4341の左右方向中央部分に設けられている。位置決め突部P4343は、正面視において、下方に向かうに従い左右寸法が小さくなる形状とされている。
図171、図183及び図184に示す補強カバーP4400は、左側移動ユニットP4110及び右側移動ユニットP4160を連結するものである。補強カバーP4400は、遊技盤P1100の後面における下側部分に配置される。また、補強カバーP4400は、可動体P4300よりも前方に配置される。補強カバーP4400は、本体部P4410、規制手段P4420及び切欠部P4430を具備する。
本体部P4410は、補強カバーP4400の大部分を構成するものである。本体部P4410は、厚さ方向を前後方向に向けた板形状とされている。また、本体部P4410は、左右方向に長尺な形状とされている。本体部P4410は、左右方向両端部が左側移動ユニットP4110の下側部分及び右側移動ユニットP4160の下側部分に、適宜の止具を介してそれぞれ固定される。
規制手段P4420は、所定の場合に、可動体P4300の当接部P4342と当接することで、可動体P4300の左右方行への移動を所定の移動範囲内に制限するものである。規制手段P4420は、左右方向に離間した一対の壁部を構成する。規制手段P4420は、本体部P4410の後面において後方に突出するように設けられる。また、規制手段P4420は、本体部P4410の左右方向中央部分よりも左方に配置される。また、規制手段P4420は、図171に示すように、遊技盤P1100の開口領域1dにおける左右方向中央部分よりも左方に位置する。規制手段P4420は、第1の壁部P4421、第2の壁部P4422及び第3の壁部P4423を具備する。
第1の壁部P4421は、規制手段P4420の上側部分を構成するものである。第1の壁部P4421は、演出位置における可動体P4300の左右方向の移動を、左右の第1の壁部P4421の間の範囲である第1の範囲R1内に制限可能とする。第1の壁部P4421は、待機位置よりも演出位置寄りに形成される。
第1の壁部P4421は、上下方向に直線状に延びる形状とされる。第1の壁部P4421の上下寸法は、左右の第1の壁部P4421の間の距離よりも小さく形成される。すなわち、第1の範囲R1は、正面視において左右方向に長尺な形状とされている。また、第1の壁部P4421の上下寸法は、当接部P4342の正面視における外径よりも大きく形成されている。
第2の壁部P4422は、規制手段P4420の下側部分を構成するものである。第2の壁部P4422は、待機位置から規制手段P4420における上下方向略中央部分までの間を上下方向に移動する可動体P4300の左右方向の移動を、左右の第2の壁部P4422の間の範囲である第2の範囲R2内に制限可能とする。第2の壁部P4422は、演出位置よりも待機位置寄りに形成される。
第2の壁部P4422は、上下方向に直線状に延びる形状とされる。左右の第2の壁部P4422の間の距離は、左右の第1の壁部P4421の間の距離よりも小さく形成される。すなわち、第2の範囲R2の左右方向の幅は、第1の範囲R1の左右方向の幅よりも小さく形成される。また、第2の壁部P4422上下寸法は、左右の第2の壁部P4422の間の距離よりも大きく形成される。すなわち、第2の範囲R2は、正面視において上下方向に長尺な形状とされている。また、左右の第2の壁部P4422の間の距離は、当接部P4342の正面視における外径よりも大きく形成されている。
第3の壁部P4423は、第1の壁部P4421と第2の壁部P4422との間の部分を構成するものである。第3の壁部P4423は、第1の範囲R1と第2の範囲R2との間を上下方向に移動する可動体P4300の左右方向の移動を、左右の第3の壁部P4423の間の範囲である第3の範囲R3内に制限可能とする。
第3の壁部P4423は、第1の壁部P4421の下端部と第2の壁部P4422の上端部とに連続する。第3の壁部P4423は、左右の第3の壁部P4423の間の距離が下方に向かうに従い徐々に小さくなるように(第3の範囲R3の幅が狭くなるように)湾曲した形状とされる。また、第3の壁部P4423は、正面視において、第3の範囲R3の左右方向中央に向かって凸となる円弧形状とされる。また、第3の壁部P4423の内面と、第2の壁部P4422の内面と、は角が形成されないように連続している。また、第3の壁部P4423の上下寸法及び左右の第3の壁部P4423の間の距離は、当接部P4342の正面視における外径よりも大きく形成されている。
切欠部P4430は、本体部P4410の下端部において切欠状に形成された部分である。切欠部P4430は、本体部P4410の左右方向略中央部分に形成される。図171に示すように、切欠部P4430には、遊技球が入賞(通過)する始動口(第1始動口P1350)が配置される。
図171に示す第1始動口P1350は、遊技盤P1100の開口領域1dにおける左右方向略中央部分に位置する。また、遊技盤P1100の後面における第1始動口P1350の下方には、待機状態における可動体P4300の位置決め突部P4343を受け入れる位置決め凹部P4001が設けられる。位置決め凹部P4001によって位置決め突部P4343を受け入れることで、待機状態における可動体P4300の位置決めが可能となる。
以下では、上述の如く構成された演出装置P4000の移動制御について説明する。なお、以下では、待機位置とされた可動体P4300を演出位置で移動させる移動制御について説明する。
図171に示す待機位置においては、可動体P4300は、正面視において遊技盤P1100の開口領域1dよりも下方(遊技盤P1100の下側部分と重複する位置)に位置する。待機位置において、可動体P4300は、遊技盤P1100の背後に隠れ、遊技者から視認し難い位置となる。この状態では、図171及び図189(a)に示すように、可動体P4300の当接部P4342は、規制手段P4420における第2の範囲R2に位置する。
まず、昇降移動制御機構P4100による移動制御について説明する。第1のモータP4130を駆動させれば、図172に示す互いに歯合する出力ギヤP4141及び第1のギヤP4142を介して第2のギヤP4143が軸心回りに回転する。
第2のギヤP4143の回転は、左右移動制御機構P4200のラック部P4240に伝達される。これにより、図185及び図189(b)に示すように、左右移動制御機構P4200を介して可動体P4300が上方へ移動する。
上述のように、可動体P4300を上方に移動制御する際には、可動体P4300の当接部P4342は、規制手段P4420における第2の範囲R2及び第3の範囲R3を上方に移動する。
上述のように移動制御したことで、可動体P4300は演出位置となる。演出位置において、可動体P4300は、開口領域1dにおける下側部分において、遊技者が視認可能な位置となる。また、図185に示す状態では、可動体P4300は、開口領域1dにおける左右方向略中央部分に位置する。
次に、左右移動制御機構P4200による移動制御について説明する。第2のモータP4260を駆動させれば、図176に示す互いに歯合する出力ギヤP4271及び第1のギヤP4272を介して及び第2のギヤP4273が軸心回りに回転する。第2のギヤP4273の回転は、当該第2のギヤP4273及びテンションプーリP4275に巻回されたベルトP4274に伝達され、当該ベルトP4274が回転する。これにより、ベルトP4274に係合する可動体P4300が、例えば、図186及び図190(a)に示すように右方に移動制御される。
また、上記第2のモータP4260を、上記した移動制御と逆回転となるように駆動させれば、可動体P4300は、図187及び図190(b)に示すように、左方に移動制御される。このように、演出位置においては、可動体P4300を左右方向に移動制御可能となる。
上述のように、演出位置における可動体P4300を左右方向に移動制御する際には、可動体P4300の当接部P4342は、規制手段P4420における第1の範囲R1を左右方向に移動する。なお、可動体P4300は、当接部P4342が左右の第1の壁部P4421に接触しないように左右方向に移動制御される。なお、規制手段P4420は、可動体P4300の上下方向の可動範囲全てにわたって、可動体P4300左右方向の移動が所定の範囲内となるように規制するように構成してもよい。例えば、可動体P4300が演出位置のどの場所に存在していたとしても、可動体P4300の左右方向への移動が第1の壁部P4421によって第1の範囲R1内に制限されるような形状に規制手段P4420を形成してもよい。また規制する範囲は可動体P4300が位置する場所によって異なる範囲となるようにしてもよい。
次に、演出位置とされた可動体P4300を待機位置とする移動制御について説明する。なお、以下の例では、図187及び図190(b)に示すように、演出位置において左方に移動制御された可動体P4300を待機位置へ移動制御する。
本実施形態では、図188及び図191に示すように、演出位置とされた可動体P4300を待機位置とする際に、可動体P4300を斜め下方に移動させる構成としている。この際には、左右移動制御機構P4200による右方への移動制御と、昇降移動制御機構P4100による下方への移動制御と、を同時に行う。
上述のように、可動体P4300を斜め下方に移動制御する際には、可動体P4300の当接部P4342は、規制手段P4420における第3の範囲R3を斜め下方に移動する。なお、可動体P4300は、当接部P4342が左右の第3の壁部P4423に接触しないように移動制御される。
上述のように、可動体P4300を斜め下方に移動させることで、可動体P4300を開口領域1dの左右方向略中央部分に位置させることができる。次に、可動体P4300は、昇降移動制御機構P4100により、待機位置となるように下方に移動制御される。
上述のように、可動体P4300を下方に移動制御する際には、可動体P4300の当接部P4342は、規制手段P4420における第2の範囲R2を下方に移動する。
上述の如き演出装置P4000によれば、可動体P4300が左右方向に移動可能な範囲を、規制手段P4420を構成する左右の壁部(第1の壁部P4421、第2の壁部P4422及び第3の壁部P4423)の間の範囲(第1の範囲R1、第2の範囲R2及び第3の範囲R3)に制限することができる。これにより、遊技機に衝撃が加わったり可動体P4300に外力が加わった場合でも、規制手段P4420により、可動体P4300の左右方向の移動を所定の範囲内に制限することができ、可動体P4300が遊技盤P1100の他の部材に接触することを防止できる。
また、規制手段P4420における第1の範囲R1の幅よりも第2の範囲R2の幅を狭くしている。これにより、可動体P4300を待機位置に位置させた状態では、比較的狭い範囲内に可動体P4300の移動を規制することで、規制手段P4420の周囲において他の部材の配置スペースを確保することができると共に、演出位置では可動体P4300の左右方向へ移動可能な範囲を広くすることで、演出態様を多彩にできる。
また、規制手段P4420第3の壁部P4423を曲面形状としているので、第3の壁部P4423の内面と第2の壁部P4422の内面とを角が形成されないように連続させることができる。これにより、可動体P4300が演出位置と待機位置との間を移動する際に、遊技機に衝撃が加わったり可動体P4300に外力が加わり、可動体P4300の当接部P4342が第3の壁部P4423と当接した場合に、当該可動体P4300の移動を第3の壁部P4423によりスムーズにガイドすることができる。また、本実施形態では、第3の壁部P4423を、第3の範囲R3の左右方向中央に向かって凸となる円弧形状としている。これにより、第3の壁部P4423の外側において、他の部材の配置スペースを比較的広く確保することができる。
また、可動体P4300の当接部P4342は、当該可動体P4300のガイド部P4324と重ならない位置(ガイド部P4324よりも左右方向(左方側)にずれた位置)に配置されている。これにより、当接部P4342とガイド部P4324が重なって可動体P4300の厚みが増してしまい、前後方向(奥行方向)に余分な移動スペースが必要になるようなことがなくなり、そのスペースに他の部材を配置することができる。また、当接部P4342と規制手段P4420が当接したときの衝撃がガイド部P4324に直接加わることがなくなるので、ガイド部P4324が破損したり、ガイド部P4324とベルトP4274との係合に不具合が生じることを防止できる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、移動可能に構成された役物(可動体)を備える遊技機の技術は公知となっている。例えば、特開2010-11934号公報に記載の如くである。
特開2010-11934号公報には、可動役物と、当該可動役物を収容可能な箱状の役物収容ケースと、を備え、可動役物を役物収容ケース内に収容可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、このような遊技機においては、遊技機に衝撃が加わったり可動役物に外力が加わった場合などに、役物収容ケースや他の遊技部材等に接触して破損してしまう恐れがあった。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、可動体が他の部材に接触することを防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
待機位置と演出位置とを移動可能な可動体P4300と、
前記可動体P4300を移動制御可能な移動制御機構P4010と、
前記可動体P4300の移動を規制する規制手段P4420と、
を備えた遊技機であって、
前記可動体P4300は、前記待機位置から前記演出位置への移動方向である上下方向(第1の方向)、及び、前記演出位置において前記上下方向とは異なる左右方向(第2の方向)、に移動可能であり、
前記可動体P4300は、前記規制手段P4420と当接可能な当接部P4342を有し、
前記規制手段P4420は、前記当接部P4342と当接することで、前記可動体P4300が前記左右方向へ移動することが可能な距離を所定の範囲内に制限するものであり、
前記所定の範囲は、前記可動体P4300が前記演出位置から前記待機位置に移動するのに伴って狭くなるものである。
このような構成により、可動体P4300が他の部材に接触することを防止することができる。すなわち、遊技機に衝撃が加わったり可動体P4300に外力が加わった場合でも、規制手段P4420により、可動体P4300の左右方向の移動を所定の範囲内に制限することができ、可動体P4300が遊技盤P1100の他の部材に接触することを防止できる。
また、規制手段P4420における第1の範囲R1の幅よりも第2の範囲R2の幅を狭くしている。これにより、可動体P4300を待機位置に位置させた状態では、比較的狭い範囲内に可動体P4300の移動を規制することで、規制手段P4420の周囲において他の部材の配置スペースを確保することができると共に、演出位置では可動体P4300の左右方向へ移動可能な範囲を広くすることで、演出態様を多彩にできる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、移動可能に構成された役物(可動体)を備える遊技機の技術は公知となっている。例えば、特開2010-11934号公報に記載の如くである。
特開2010-11934号公報には、可動役物と、当該可動役物を収容可能な箱状の役物収容ケースと、を備え、可動役物を役物収容ケース内に収容可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、このような遊技機においては、遊技機に衝撃が加わったり可動役物に外力が加わった場合などに、役物収容ケースや他の遊技部材等に接触して破損してしまう恐れがあった。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、可動体が他の部材に接触することを防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
待機位置と演出位置とを移動可能な可動体P4300と、
前記可動体P4300を移動制御可能な移動制御機構P4010と、
前記可動体P4300の移動を規制する規制手段P4420と、
を備えた遊技機であって、
前記移動制御機構P4010は、
前記可動体P4300を上下方向に移動制御することにより、前記待機位置から前記演出位置に移動制御可能な昇降移動制御機構P4100(第1の移動制御手段)と、
前記可動体P4300を左右方向に移動制御可能な左右移動制御機構P4200(第2の移動制御手段)と、
を含み、
前記可動体P4300は、前記規制手段P4420と当接可能な当接部P4342を有し、
前記規制手段P4420は、前記当接部P4342と当接することで前記可動体P4300の左右方向の移動を制限可能であり、前記待機位置よりも前記演出位置寄りに形成され、前記可動体P4300の左右方向の移動を第1の範囲R1内に制限可能な第1の壁部P4421と、前記演出位置よりも前記待機位置寄りに形成され、前記可動体P4300の左右方向の移動を前記第1の範囲R1よりも左右方向の幅が小さい第2の範囲R2内に制限可能な第2の壁部P4422と、前記第1の壁部P4421と前記第2の壁部P4422とに連続する曲面を有する第3の壁部P4423と、を有するものである。
このような構成により、可動体P4300が他の部材に接触することを防止することができる。すなわち、遊技機に衝撃が加わったり可動体P4300に外力が加わった場合でも、規制手段P4420により、可動体P4300の左右方向の移動を所定の範囲内に制限することができ、可動体P4300が遊技盤P1100の他の部材に接触することを防止できる。
また、第3の壁部P4423を曲面形状としたことで、第3の壁部P4423の内面と第2の壁部P4422の内面とを角が形成されないように連続させることができる。これにより、可動体P4300が演出位置と待機位置との間を移動する際に、遊技機に衝撃が加わったり可動体P4300に外力が加わり、可動体P4300の当接部P4342が第3の壁部P4423と当接した場合に、当該可動体P4300の移動を第3の壁部P4423によりスムーズにガイドすることができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、移動可能に構成された役物(可動体)を備える遊技機の技術は公知となっている。例えば、特開2010-11934号公報に記載の如くである。
特開2010-11934号公報には、可動役物と、当該可動役物を収容可能な箱状の役物収容ケースと、を備え、可動役物を役物収容ケース内に収容可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、このような遊技機においては、遊技機に衝撃が加わったり可動役物に外力が加わった場合などに、役物収容ケースや他の遊技部材等に接触して破損してしまう恐れがあった。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、可動体が他の部材に接触することを防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
待機位置と演出位置とを移動可能な可動体P4300と、
前記可動体P4300を移動制御可能な移動制御機構P4010と、
前記可動体P4300の移動を規制する規制手段P4420と、
を備えた遊技機であって、
前記移動制御機構P4010は、
前記可動体P4300を上下方向(第1の方向)に移動制御することにより、前記待機位置から前記演出位置に移動制御可能な昇降移動制御機構P4100(第1の移動制御手段)と、
前記可動体P4300を前記昇降移動制御機構P4100による移動制御の方向とは異なる左右方向(第2の方向)に移動制御可能な左右移動制御機構P4200(第2の移動制御手段)と、を含み、
前記可動体P4300は、前記規制手段P4420と当接可能な当接部P4342と、前記左右方向に案内されるためのガイド部P4324と、を有し、
前記規制手段P4420は、前記当接部P4342と当接することで、前記可動体P4300が前記左右方向へ移動することが可能な距離を所定の範囲内に制限するものであり、
前記当接部P4342は、前記可動体P4300において、前記ガイド部P4324と重ならない位置に設けられるものである。
このような構成により、可動体P4300が他の部材に接触することを防止することができる。すなわち、遊技機に衝撃が加わったり可動体P4300に外力が加わった場合でも、規制手段P4420により、可動体P4300の左右方向の移動を所定の範囲内に制限することができ、可動体P4300が遊技盤P1100の他の部材に接触することを防止できる。
また、可動体P4300が移動可能な範囲を確保可能であると共に、可動体P4300が待機位置に位置した状態で、ガイド部P4324よりも下方側の空間を有効に利用することができる。すなわち、当接部P4342及び規制手段P4420を、ガイド部P4324と重ならない位置(ガイド部P4324に対して左右方向にずれた位置)に設けたことで、奥行方向に不必要な移動スペースを設ける必要がなくなり、他の部材を配置することができる。
なお、昇降移動制御機構P4100は、第1の移動制御手段の一形態である。
また、左右移動制御機構P4200は、第2の移動制御手段の一形態である。
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、昇降移動制御機構P4100による移動制御及び左右移動制御機構P4200による移動制御は、上述した態様に限られない。例えば、各移動制御の順番を適宜、入れ替えてもよい。
また、本実施形態では、可動体P4300を、上下方向及び左右方向に移動制御するものとしたが、このような態様に限られない。例えば、可動体P4300を斜め方向に移動制御可能なものとしてもよく、可動体P4300を移動制御する方向は、種々の方向を採用可能である。
また、本実施形態では、可動体P4300を戦闘機を模したものとしたが、可動体P4300の形状としてはこのような態様に限られず、種々の形状を採用可能である。
以下では、本発明の第3実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤P1100について説明する。なお、先述した実施形態に係るものと同一又は類似の構成要素については、同一名称や同一符号を付する等してその説明を省略する。
第3実施形態に係るパチンコ遊技機においては、上部可動演出役物P2000及び回転役物P3000とは異なる役物を有する点で、第2実施形態に係るパチンコ遊技機と大きく異なる。具体的には、第3実施形態に係るパチンコ遊技機は、役物として、可動演出役物P5000(下部役物装置P5100、右部役物装置P5200及び左上部役物装置P5300)及び演出装置P6000を具備する。
以下では、図192から図204を用いて、本実施形態に係る可動演出役物P5000について説明する。
なお、図195においては、便宜上、役物装飾体P5111の図示を省略している。また、図197においては、便宜上、ベース部材P5130の図示を省略している。また、図201(及び後述する図205から図207)においては、便宜上、リンクアームP5120及びベース部材P5130の図示を省略している。また、図202から図204においては、便宜上、役物装飾体P5111の図示を省略している。
図192に示す可動演出役物P5000は、上述の如く、下部役物装置P5100、右部役物装置P5200及び左上部役物装置P5300を具備する。
[下部役物装置P5100]
まず、下部役物装置P5100の構成について説明する。
図192から図198に示す下部役物装置P5100は、適宜のタイミングで動作することで、遊技者に視覚的な印象(インパクト)を与えるものである。下部役物装置P5100は、遊技盤P1100の下部に長手方向を左右方向に向けて設けられる。下部役物装置P5100は、下部役物P5110、リンクアームP5120、ベース部材P5130、クランクギヤP5140、モータギヤP5150、回転駆動モータP5160、カバー部材P5170及びビスP5180を具備する。なお、詳細は後述するが、下部役物装置P5100は、下部役物P5110が待機位置と演出位置とに変位可能に形成されるものであるが、以下では、下部役物P5110が待機位置にある状態を基準に説明を行う。
図193から図200及び図202に示す下部役物P5110は、移動することで演出を行うものである。下部役物P5110は、役物装飾体P5111、役物電飾基板P5112、後部カバーP5113及び役物制御アームP5114を具備する。
図194及び図200等に示す役物装飾体P5111は、下部役物P5110の前部を構成するものであって、遊技者に視認される部分である。役物装飾体P5111は、光透過性の材料(レンズ)により構成される。役物装飾体P5111は、長手方向を略左右方向に向けて(より詳細には、やや右下がりとなるように)設けられる。役物装飾体P5111には、適宜の装飾が施されている。
図195及び図200に示す役物電飾基板P5112は、その板面を前後方向に向けると共に、長手方向がやや右下がりとなるように設けられる。役物電飾基板P5112は、役物装飾体P5111の後方に設けられる。役物電飾基板P5112の前面には、当該役物電飾基板P5112の略全域に亘って複数のLEDP5112aが設けられる。当該LEDP5112aを発光させることで、役物電飾基板P5112の前方へと光を照射することができる。役物電飾基板P5112のLEDP5112aから光を照射することで、役物装飾体P5111を全体的に光らせることができる。
図195から図200及び図202に示す後部カバーP5113は、下部役物P5110の後部を構成する部分である。後部カバーP5113は、役物電飾基板P5112の後方に設けられ、役物電飾基板P5112を支持する。後部カバーP5113は、後部カバー本体P5113A、アーム部P5113B、第一ボス部P5113a、第二ボス部P5113b、第三ボス部P5113c及び第四ボス部P5113dを具備する。
図200及び図202に示す後部カバー本体P5113Aは、後部カバーP5113の主たる構造体を構成するものである。後部カバー本体P5113Aは、長手方向を左右方向に向けて設けられる。
図200及び図202に示すアーム部P5113Bは、後部カバー本体P5113Aの左右略中央から下方に延びるように形成される。
図198から図200及び図202に示す第一ボス部P5113aは、後述するリンクアームP5120の第一長孔P5122及び後述するベース部材P5130の第一制御孔P5131に挿通されるものである。第一ボス部P5113aは、後部カバー本体P5113Aの左部から後方に突出するように形成される。第一ボス部P5113aは、軸線を前後方向に向けた円柱状に形成される。
図198から図200及び図202に示す第二ボス部P5113bは、後述するベース部材P5130の第二制御孔P5132に挿通されるものである。第二ボス部P5113bは、アーム部P5113Bの上下中途部から後方に突出するように形成される。第二ボス部P5113bは、軸線を前後方向に向けた円柱状に形成される。第二ボス部P5113bは、第一ボス部P5113aの右下方に設けられる。
図199、図200及び図202に示す第三ボス部P5113cは、後述する役物制御アームP5114の回動軸孔P5114aに挿通されるものである。第三ボス部P5113cは、後部カバー本体P5113Aの略中央部から後方に突出するように形成される。第三ボス部P5113cは、軸線を前後方向に向けた円柱状に形成される。第三ボス部P5113cは、第一ボス部P5113aよりも右方、かつ第二ボス部P5113bよりも上方に設けられる。
図199、図200及び図202に示す第四ボス部P5113dは、後述する役物制御アームP5114の制御孔P5114bに挿通されるものである。第四ボス部P5113dは、後部カバー本体P5113Aの右部から後方に突出するように形成される。第四ボス部P5113dは、軸線を前後方向に向けた円柱状に形成される。第四ボス部P5113dは、第三ボス部P5113c(及び第一ボス部P5113a)よりも右方かつ下方、かつ第二ボス部P5113bよりも上方に設けられる。
図197から図200及び図202に示す役物制御アームP5114は、下部役物P5110をスムーズに移動させるためのものである。役物制御アームP5114は、後部カバーP5113の後方に設けられる。役物制御アームP5114は、回動軸孔P5114a、制御孔P5114b及びボス部P5114cを具備する。
図199、図200及び図202に示す回動軸孔P5114aは、役物制御アームP5114の左部に設けられる。回動軸孔P5114aは、役物制御アームP5114を前後方向に貫通するように形成される。回動軸孔P5114aには、後部カバーP5113の第三ボス部P5113cが挿通される(図200参照)。
図199、図200及び図202に示す制御孔P5114bは、背面視において回動軸孔P5114aを中心とした円弧状(部分円環状)に形成される。制御孔P5114bは、役物制御アームP5114を前後方向に貫通するように形成される。制御孔P5114bは、回動軸孔P5114aの右方に設けられる。制御孔P5114bには、後部カバーP5113の第四ボス部P5113dが挿通される(図200及び図202参照)。
図199、図200及び図202に示すボス部P5114cは、後述するベース部材P5130の第二制御孔P5132に挿通されるものである。ボス部P5114cは、役物制御アームP5114の右部から後方に突出するように形成される。ボス部P5114cは、回動軸孔P5114a及び制御孔P5114bよりも右方かつ下方に設けられる。
このようにして、役物制御アームP5114は、後部カバーP5113に対して、回動軸孔P5114aに挿入された第三ボス部P5113cの軸線を中心として回動可能に設けられる。
図194、図195、図197から図199及び図202に示すリンクアームP5120は、下部役物P5110に駆動力を伝達するものである。リンクアームP5120は、長手方向を略上下方向に向けて設けられる。リンクアームP5120は、下部役物P5110の左部の後方に設けられる。リンクアームP5120は、回動軸P5121、第一長孔P5122及び第二長孔P5123を具備する。
図197から図199及び図202に示す回動軸P5121は、リンクアームP5120の回転中心となる部分である。回動軸P5121は、リンクアームP5120の下部から後方に突出するように形成される。回動軸P5121は、軸線を前後方向に向けた円柱状に形成される。回動軸P5121は、貫通孔P5121aを具備する。
図198及び図199に示す貫通孔P5121aは、後述するベース部材P5130に設けられたシャフトP5133が挿通されるものである。貫通孔P5121aは、回動軸P5121の中心にリンクアームP5120を前後方向に貫通するように形成される。
図197から図199及び図202に示す第一長孔P5122は、リンクアームP5120の上部において上下に延びる長孔である。第一長孔P5122は、リンクアームP5120を前後方向に貫通するように形成される。第一長孔P5122には、後部カバーP5113の第一ボス部P5113aが挿入される(図198及び図202参照)。
図197から図199及び図202に示す第二長孔P5123は、後述するクランクギヤP5140のクランク部P5142が挿通されるものである。第二長孔P5123は、リンクアームP5120の下部において略上下に延びる長孔である。より詳細には、第二長孔P5123は、その上部が少し左方に傾くように形成される。第二長孔P5123は、リンクアームP5120を前後方向に貫通するように形成される。第二長孔P5123は、第一長孔P5122の下方に設けられる。
図194から図196及び図198に示すベース部材P5130は、下部役物装置P5100の後部を構成するものである。ベース部材P5130は、長手方向を左右方向に向けて設けられる。ベース部材P5130は、第一制御孔P5131、第二制御孔P5132及びシャフトP5133を具備する。
図196及び図198及び図202に示す第一制御孔P5131は、ベース部材P5130の左右方向略中央に形成される長孔である。第一制御孔P5131は、長手方向(延伸方向)を略左右方向に向けた直線状に形成される。より詳細には、第一制御孔P5131は、やや右下がりとなるように形成される。第一制御孔P5131は、ベース部材P5130を前後に貫通するように形成される。第一制御孔P5131には、後部カバーP5113の第一ボス部P5113aが挿通される(図198及び図202参照)。
図196及び図198及び図202に示す第二制御孔P5132は、背面視において左下がりの円弧状に形成される。第二制御孔P5132は、その右端(上端)が第一制御孔P5131よりも右方かつ上方に位置するように形成される。第二制御孔P5132は、その左端(下端)が第一制御孔P5131よりも下方に、かつ、左右方向において第一制御孔P5131の右端と左端の間に位置するように形成される。第二制御孔P5132には、後部カバーP5113の第二ボス部P5113bが挿通される。また、第二制御孔P5132には、役物制御アームP5114のボス部P5114cが挿通される(図196及び図202参照)。
図195及び図198に示すシャフトP5133は、円柱状に形成される。シャフトP5133は、軸線を前後方向に向けて設けられる。シャフトP5133は、ベース部材P5130から前方に突出するようにベース部材P5130に嵌合される。シャフトP5133は、リンクアームP5120の回動軸P5121の貫通孔P5121aに挿通される(図198参照)。
このようにして、ベース部材P5130は、リンクアームP5120をシャフトP5133の軸線を中心として左右に揺動可能に支持する。
図195、図197から図199及び図202に示すクランクギヤP5140は、リンクアームP5120に駆動力を伝達するものである。クランクギヤP5140は、軸線を前後方向に向けて設けられる。クランクギヤP5140は、歯車部P5141及びクランク部P5142を具備する。
図199及び図201に示す歯車部P5141は、後述するモータギヤP5150と噛み合う部分である。歯車部P5141は、略円柱状に形成されるとともに、その外周面に歯が設けられるように形成される。歯車部P5141は、軸線を前後方向に向けてクランクギヤP5140の右部に設けられる。歯車部P5141は、貫通孔P5141aを具備する。
図201及び図202に示す貫通孔P5141aは、後述するカバー部材P5170の軸部P5173が挿通されるものである。貫通孔P5141aは、クランクギヤP5140の右部(歯車部P5141の中央)に設けられる。貫通孔P5141aは、歯車部P5141を前後に貫通するように形成される。
図202に示すクランク部P5142は、クランクギヤP5140の左部から後方に突出するように形成される。クランク部P5142は、貫通孔P5141aの左下方に設けられる。クランク部P5142は、リンクアームP5120の第二長孔P5123に挿通される。
図197から図199及び図202に示すモータギヤP5150は、クランクギヤP5140に駆動力を伝達するものである。モータギヤP5150は、クランクギヤP5140の右下方に、軸線を前後方向に向けて設けられる。モータギヤP5150は、クランクギヤP5140の歯車部P5141と噛み合うように設けられる。
図193から図195及び図198に示す回転駆動モータP5160は、モータギヤP5150を回転させるものである。回転駆動モータP5160は、出力軸P5161を後方に向けてモータギヤP5150の前方に設けられる。出力軸P5161の後端にはモータギヤP5150が固定される。回転駆動モータP5160は、後述するカバー部材P5170に固定される。
図193から図195、図197、図198及び図201に示すカバー部材P5170は、下部役物装置P5100の前部を構成するものである。カバー部材P5170は、長手方向を左右方向に向けて設けられる。カバー部材P5170は、ベース部材P5130の下部を前方から覆うように設けられ、当該ベース部材P5130に固定される。カバー部材P5170は、カバー本体P5171、軸受部P5172、軸部P5173、ビス孔P5174及びリブP5175を具備する。
図198及び図201に示すカバー本体P5171は、カバー部材P5170の主たる構造体を構成するものである。カバー本体P5171は、板面を前後方向に、かつ長手方向を左右方向に向けて設けられる。
図198に示す軸受部P5172は、ベース部材P5130に設けられたシャフトP5133の軸受となるものである。軸受部P5172は、カバー本体P5171から後方に突出する円筒状に形成される。軸受部P5172はベース部材P5130に設けられたシャフトP5133と対応する位置に設けられ、軸受部P5172の内周面側にシャフトP5133が嵌合される。
図198及び図201に示す軸部P5173は、円柱状に形成される。軸部P5173は、軸線を前後方向に向けて設けられる。軸部P5173は、カバー本体P5171の内底面P5171a(図201参照)から後方に突出するように形成される。軸部P5173は、カバー本体P5171と一体成型されている。軸部P5173は、クランクギヤP5140の貫通孔P5141aに挿通される。このとき、クランクギヤP5140は、クランクギヤP5140の後面P5140aが軸部P5173の頂部(後端部)よりも前方に位置するようにして、軸部P5173に挿通される。
図201に示すビス孔P5174は、後述するビスP5180が挿入されるものである。ビス孔P5174は、軸部P5173の背面視中央部に形成される。ビス孔P5174の内周面には、めねじ部が形成される。ビス孔P5174は、軸部P5173の後端部から前方に延びるように形成される。ビス孔P5174の一部は、カバー本体P5171に形成される。より詳細には、ビス孔P5174は、軸部P5173の後端部から、カバー本体P5171の内底面P5171aよりも前方まで、かつ、カバー本体P5171の外底面P5171bよりも後方まで延びるように形成される。すなわち、ビス孔P5174は、軸部P5173からカバー本体P5171にわたって形成される。
図198及び図201に示すリブP5175は、軸部P5173の周囲から後方に突出するように形成される。リブP5175は、背面視において軸部P5173の軸線を中心とした円環状に形成される。リブP5175の高さは、軸部P5173の高さよりも低くなるように形成される。リブP5175は、歯車部P5141の前面と当接可能に設けられる。
図198及び図201に示すビスP5180は、クランクギヤP5140をカバー部材P5170に対し回動可能な状態で固定するものである。ビスP5180は、ビス軸部P5181及びビス頭部P5182を具備する。
ビス軸部P5181の外周面には、おねじ部が形成される。ビス軸部P5181は、ビス孔P5174に挿入され、当該ビス孔P5174に螺合される。ビス軸部P5181は、ビス孔P5174と略同じ長さに形成される。
これにより、ビス軸部P5181は、ビス孔P5174の内周面のうち軸部P5173に設けられる部分(後部及び前後中途部)、及びビス孔P5174の内周面のうちカバー本体P5171に設けられる部分(前部)の双方と当接する。すなわち、ビス軸部P5181(ビスP5180)は、軸部P5173及びカバー本体P5171の双方にまたがるように設けられる。また、ビス軸部P5181の先端(前端)は、ビス孔P5174の底面と当接する(図201参照)。
ビス頭部P5182は、その径が軸部P5173の径よりも大きくなるように形成される。ビス頭部P5182は、軸部P5173の先端(後端)に当接するように設けられる。このとき、ビス頭部P5174aとクランクギヤP5140の後面P5140aとの間には隙間が設けられる。
このように形成されたカバー部材P5170及びビスP5180は、クランクギヤP5140を軸部P5173回りに回動可能に支持(固定)する。
[右部役物装置P5200]
図192に示す右部役物装置P5200は、遊技盤P1100の右部に長手方向を上下方向に向けて設けられている。右部役物装置P5200の構成は、概ね下部役物装置P5100と同じであるので、説明を省略する。
[左上部役物装置P5300]
図192に示す左上部役物装置P5300は、遊技盤P1100の左上部に長手方向を略上下方向に向けて設けられている。左上部役物装置P5300の構成は、概ね下部役物装置P5100と同じであるので、説明を省略する。
[演出時の下部役物装置P5100の動作]
以下、図202から図204を用いて、演出を行う際の下部役物装置P5100の動作について説明する。
下部役物装置P5100の下部役物P5110は、演出を行う前の状態(図202参照)と演出を行っている状態(図204参照)とに変位可能である。以下では、演出を行う前の状態(図202参照)の下部役物P5110、リンクアームP5120及びクランクギヤP5140の位置をそれぞれ、「役物待機位置」、「アーム待機位置」及び「ギヤ待機位置」と称する。また、演出を行っている状態(図204参照)の下部役物P5110、リンクアームP5120及びクランクギヤP5140の位置をそれぞれ、「役物演出位置」、「アーム演出位置」及び「ギヤ演出位置」と称する。
下部役物P5110は、図202に示す役物待機位置においては、その大部分が遊技盤P1100の後方に位置しており、一部のみしか遊技者には視認されない。
演出を行うに際し、まず、回転駆動モータP5160(図198等参照)を駆動させる。これにより、回転駆動モータP5160の出力軸P5161に固定されたモータギヤP5150が回転する。すると、モータギヤP5150と噛み合うクランクギヤP5140(ギヤ待機位置にあるクランクギヤP5140)が、貫通孔P5141a(カバー部材P5170の軸部P5173)の軸線を中心として、背面視反時計回りに回転する。
すると、クランクギヤP5140のクランク部P5142が、アーム待機位置にあるリンクアームP5120の第二長孔P5123の内側を略上方に移動する。クランク部P5142が第二長孔P5123の内周面を押圧することで、リンクアームP5120が回動軸P5121(ベース部材P5130に設けられたシャフトP5133)の軸線を中心として、背面視反時計回りに回転する(図203参照)。
すると、リンクアームP5120の第一長孔P5122に挿入された後部カバーP5113の第一ボス部P5113aが略右方に押圧される。このようにして、リンクアームP5120が回転駆動モータP5160の駆動力を下部役物P5110(後部カバーP5113)に伝達することにより、下部役物P5110の第一ボス部P5113aは、第一制御孔P5131の内側を当該第一制御孔P5131の延出方向に沿うように(右下方に)移動する。また、下部役物P5110の第二ボス部P5113bは、第二制御孔P5132の内側を当該第二制御孔P5132の延出方向に沿うように(右上方に)移動する。そうすることで、役物待機位置にあった下部役物P5110は、当該下部役物P5110の右部の高さが高くなるように傾きを変えながら右上方に移動する(図203参照)。
さらに下部役物P5110が傾きを変えながら右上方に移動すると、役物制御アームP5114は、回動軸孔P5114aに挿入された後部カバーP5113の第三ボス部P5113cの軸線を中心として、後部カバーP5113に対して背面視反時計回りに回転する。役物制御アームP5114が後部カバーP5113に対して回動することで、下部役物P5110のスムーズな移動が可能となる。後部カバーP5113に対する役物制御アームP5114の相対的な移動は、制御孔P5114b及び後部カバーP5113の第四ボス部P5113dによって規制される。
このようにして、クランクギヤP5140が図204に示すギヤ演出位置に移動し、リンクアームP5120が図204に示すアーム演出位置に移動することにより、下部役物P5110を、図204に示す役物演出位置まで移動させることができる。下部役物P5110は、図204に示す役物演出位置においては、その大部分が遊技者に視認可能となる。
演出を終了する際には、下部役物P5110、リンクアームP5120及びクランクギヤP5140はそれぞれ、待機位置(役物待機位置、アーム待機位置及びギヤ待機位置)から演出位置(役物演出位置、アーム演出位置及びギヤ演出位置)に移動する場合と反対の動作を行う。これにより、下部役物P5110は、図204に示す役物演出位置から図202に示す役物待機位置に移動する。
以上のように、リンクアームP5120は、演出の実行及び終了のたびに、アーム待機位置(図202参照)とアーム演出位置(図204参照)との間を変位するため、カバー部材P5170の軸部P5173回りに何度も揺動を繰り返す。そうすると、リンクアームP5120の揺動により軸部P5173に大きな力が加わることとなる。
ここで本実施形態においては、ビスP5180が軸部P5173とカバー本体P5171の双方と当接し(軸部P5173及びカバー本体P5171の双方にまたがるようにして)クランクギヤP5140を固定している。このため、軸部P5173の根元に加わる力をビスP5180によって受けることができる。したがって、軸部P5173に加わる力を分散することができ、ひいては軸部P5173が根元から折れてしまうのを防ぐことができる。なお、軸部P5173とカバー本体P5171を別部材で構成して両者を固着するように構成してもよい。また軸部P5173とカバー本体P5171は、それぞれ別の部材に固着するように構成してもよい。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、例えばパチンコ機などの遊技機の技術は公知となっている。例えば、特開2019-180975号公報に記載の如くである。
特開2019-180975号公報には、所定部材に設けられた軸受部に可動体に設けられた軸部が挿入されることで、所定部材に対し可動体が回動可能な遊技機が開示されている。
このような遊技機において、遊技者に対する興趣をさらに向上させることが望まれている。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、遊技者に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
クランクギヤP5140(可動体)と、
前記クランクギヤP5140を装着可能なカバー部材P5170(ベース部)と、
前記カバー部材P5170に設けられ前記クランクギヤP5140が取付可能な軸部P5173(受部)と、
前記クランクギヤP5140が前記カバー部材P5170に対し動作可能な状態で固定可能なビスP5180(固定手段)と、
を備えたものである。
このような構成によれば、遊技者に対する興趣を向上させることができる。
また本実施形態においては、クランクギヤP5140が軸部P5173に対して回動可能な状態で固定されている。そして、クランクギヤP5140が回動することにより下部役物P5110を遊技者に視認可能な位置(演出位置)に移動させることができる。したがって、演出内容の面白みを向上させることができる。
また、前記軸部P5173は、前記カバー部材P5170(カバー本体P5171)から立設される軸部P5173であり、
前記クランクギヤP5140は、前記軸部P5173に軸支され、
前記ビスP5180は、前記軸部P5173と前記カバー部材P5170の双方と当接し前記クランクギヤP5140を固定するものである。
このような構成によれば、軸部P5173に加わる力を分散することで、軸部P5173の破損を抑制することができる。
また本実施形態においては、ビス軸部P5181は、ビス孔P5174の内周面のうち軸部P5173に設けられる部分、及びビス孔P5174の内周面のうちカバー本体P5171に設けられる部分の双方と当接する。これにより、軸部P5173に加わる力を分散することができ、ひいては軸部P5173が根元から折れてしまうのを防ぐことができる。
また、前記軸部P5173は、前記カバー部材P5170(カバー本体P5171)と一体成型されているものである。
このような構成によれば、部材点数の低減を図ることができる。
また本実施形態においては、ビス孔P5174が、軸部P5173からカバー部材P5170(カバー本体P5171)にわたって形成されている。したがって、軸部P5173がカバー部材P5170と一体成形されることにより、ビス孔P5174のうちカバー本体P5171側の部分と、ビス孔P5174のうち軸部P5173側の部分との位置ズレが生じるのが抑制され、ひいては軸部P5173の破損を抑制することができる。
また、前記軸部P5173は、前記ビスP5180を挿入可能なビス孔P5174(孔部)を備え、
前記クランクギヤP5140は、前記ビスP5180が前記ビス孔P5174に挿入されることで前記カバー部材P5170に固定されるものである。
このような構成によれば、クランクギヤP5140を容易にカバー部材P5170に固定することができる。
また本実施形態においては、ビス孔P5174が、軸部P5173からカバー部材P5170(カバー本体P5171)にわたって形成されている。このように形成されたビス孔P5174にビスP5180が挿入されることで、ビスP5180がビス孔P5174の内周面のうち軸部P5173に設けられる部分、及びビス孔P5174の内周面のうちカバー本体P5171に設けられる部分の双方と当接した状態でクランクギヤP5140を固定し易くすることができる。
また、前記孔部は、ビス孔P5174であり、
前記ビスP5180は、前記ビス孔P5174に挿入されるビスであり、前記ビスP5180のビス頭部P5182によって前記クランクギヤP5140が固定されているものである。
このような構成によれば、ビスP5180のビス頭部P5182によってクランクギヤP5140を容易にカバー部材P5170に固定することができる。
また本実施形態においては、クランクギヤP5140は、クランクギヤP5140の後面P5140aが軸部P5173の頂部(後端部)よりも前方に位置するようにして、軸部P5173に挿通されている。したがって、ビス頭部P5182が軸部P5173の頂部(後端部)に当接することで、クランクギヤP5140を動作不能な状態ではなく、回動可能な状態で固定することができる。
また本実施形態においては、リブP5175が歯車部P5141の前面と当接可能に設けられている。したがって、ビス頭部P5182及びリブP5175により、クランクギヤP5140の前後方向の位置を規制することができる。またリブP5175によりクランクギヤP5140からの力を受けることで、軸部P5173に加わる力(負担)を低減させることができる。
また、前記ビス孔P5174は、前記軸部P5173から前記カバー部材P5170(カバー本体P5171)にわたって形成されているものである。
このような構成によれば、ビスP5180をビス孔P5174に挿入することでビスP5180を軸部P5173とカバー本体P5171の双方と当接し易くさせることができる。
また本実施形態においては、ビス軸部P5181は、ビス孔P5174の内周面のうち軸部P5173に設けられる部分、及びビス孔P5174の内周面のうちカバー本体P5171に設けられる部分の双方に当接するとともに、当該ビス軸部P5181の先端(前端)がビス孔P5174の底面と当接するように設けられる。これにより、ビス孔P5174の空間部分を埋めることができ、軸部P5173に加わる力をビス軸部P5181の外周面及び底面の双方で受けることができる。したがって、軸部P5173の破損を抑制することができる。
また、前記クランクギヤP5140は、図202に示すギヤ待機位置(第1の位置)と図204に示すギヤ演出位置(第2の位置)とに動作可能なクランク部P5142(クランク部)が設けられた回転ギヤである。
このような構成によれば、クランクギヤP5140を動作させることで、クランク部P5142によって他の部材を動作させることができる。
また本実施形態においては、回転駆動モータP5160によってモータギヤP5150を回転させることにより、クランクギヤP5140をギヤ待機位置(第1の位置)とギヤ演出位置(第2の位置)とに変位させることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、前記クランク部P5142に当接することで、図202に示すアーム待機位置(第3の位置)と図204に示すアーム演出位置(第4の位置)とに移動可能なリンクアームP5120(第2の可動体)を備えるものである。
このような構成によれば、クランクギヤP5140を動作させることで、クランク部P5142によってリンクアームP5120を動作させることができる。
また本実施形態においては、クランクギヤP5140をギヤ待機位置(第1の位置)とギヤ演出位置(第2の位置)とに変位させることにより、リンクアームP5120をアーム待機位置(第3の位置)とアーム演出位置(第4の位置)とに変位させることができる。
また、前記リンクアームP5120は、当該リンクアームP5120と当接することで、当該リンクアームP5120の動作に応じて図202に示す役物待機位置(第5の位置)と図204に示す役物演出位置(第6の位置)とに動作可能な下部役物P5110(第3の可動体)を備えるものである。
このような構成によれば、リンクアームP5120を動作させることにより、下部役物P5110を動作させることができる。
また本実施形態においては、ベース部材P5130の第一制御孔P5131は直線状に形成され、第二制御孔P5132は円弧状に形成されている。そして、下部役物P5110の第一ボス部P5113aは第一制御孔P5131に挿入され、第二ボス部P5113b及びボス部P5114cは第二制御孔P5132に挿入されている。このようにして直線状の孔と円弧状の孔によって下部役物P5110の動作が制御されることにより、下部役物P5110は傾きを変えながら遊技者に視認可能な位置へと移動する。したがって、演出の面白みを向上させることができる。
また本実施形態においては、下部役物P5110は後部カバーP5113に対して回動可能に設けられた役物制御アームP5114を備えており、後部カバーP5113(の第二ボス部P5113b)と役物制御アームP5114(のボス部P5114c)とによってベース部材P5130の第二制御孔P5132に支持されている。これにより、下部役物P5110を第二制御孔P5132に沿ってスムーズに移動させることが可能となる。また、下部役物P5110が第一制御孔P5131及び第二制御孔P5132に対して複数の箇所(第一ボス部P5113a、第二ボス部P5113b及びボス部P5114cの3点)で支持されることにより、下部役物P5110の姿勢の安定性を向上させることができる。
また、前記リンクアームP5120は、揺動運動する揺動部材であるものである。
このような構成によれば、クランクギヤP5140を動作させることで、クランク部P5142によってリンクアームP5120を揺動させることができる。
また本実施形態においては、リンクアームP5120は、アーム待機位置(図202参照)からアーム演出位置(図204参照)へと移動する際、役物待機位置(図202参照)にある下部役物P5110の側(背面視において当該下部役物P5110と概ね重複する位置)へと回動する。よって、リンクアームP5120の揺動のために新たなスペースを設ける必要がないため、省スペース化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、ビス軸部P5181の先端(前端)は、ビス孔P5174の底面と当接するものとしたが、ビス軸部P5181がビス孔P5174の内周面のうち軸部P5173に設けられる部分、及びビス孔P5174の内周面のうちカバー本体P5171に設けられる部分の双方と当接していれば(軸部P5173及びカバー本体P5171の双方にまたがるように設けられていれば)、図205に示すように、ビス孔P5174の底面と当接していなくてもよい。
また、本実施形態においては、カバー部材P5170の軸部P5173のビス孔P5174は、カバー本体P5171の内底面P5171aよりも前方まで、かつ、カバー本体P5171の外底面P5171bよりも後方まで延びるように形成されるものとしたが、図206に示すように、カバー本体P5171を貫通するように(カバー本体P5171の外底面P5171bまで延びるように)形成されるものとしてもよい。これにより、ビス孔P5174の加工を容易とすることができる。
このとき、ビスP5180は、図206に示すように、カバー本体P5171の外底面P5171bよりも前方まで突き抜けるように設けられていてもよい。これにより、軸部P5173に加わる力をビスP5180で受け易くすることができる。或いは、ビス孔P5174がカバー本体P5171を貫通している場合であっても、ビスP5180は、図207に示すように、カバー本体P5171の内底面P5171aよりも前方まで、かつ、カバー本体P5171の外底面P5171bよりも後方まで延びるように設けられていてもよい。
以上の如く、本実施形態の別例においては、前記ビス孔P5174は、前記カバー部材P5170を貫通して設けられているものである。
このような構成によれば、ビス孔P5174の加工を容易とすることができる。
また図206に示す例においては、ビスP5180はカバー本体P5171の外底面P5171bよりも前方まで突き抜けるように設けられている。これにより、軸部P5173に加わる力をビスP5180で受け易くすることができ、ひいては軸部P5173の破損を抑制することができる。
また、本実施形態においては、本発明に係る固定手段(ビスP5180)は、軸部(軸部P5173)に対して回動可能な状態で可動体(クランクギヤP5140)を固定するものとしたが、固定手段の固定対象である可動体は、回動可能なものに限定されず、任意の動作(例えば直線移動)が可能なものであってもよい。例えば、本発明に係る固定手段は、リンクアームP5120とクランクギヤP5140のクランク部P5142との固定に適用することも可能である。また、本発明に係る固定手段は、ベース部材P5130と下部役物P5110との固定に適用することも可能である。
[演出装置P6000]
以下では、図192、図208から図233までを用いて、本実施形態に係る演出装置P6000について説明する。
なお、以降の説明で用いる図面(例えば図213等)においては、各部材の外郭を明確とするため、便宜上、当該部材に適宜色を付している場合がある。
演出装置P6000は、適宜のタイミングで動作することで、遊技者に視覚的な印象(インパクト)を与えるものである。演出装置P6000は、図192に示すように、遊技盤P1100に設置される。より詳細には、演出装置P6000は、遊技盤P1100の開口領域1dの上方に設置される。演出装置P6000は、後述する開閉役物P6300及び装飾役物P6600を移動制御することで、遊技者に視覚的な印象を与える。演出装置P6000は、図208から図213までに示すように、ベース部P6100、開閉制御手段P6200、開閉役物P6300、弾丸制御手段P6400、弾丸役物P6500、装飾役物P6600及び固定装飾部P6700を具備する。
図208から図214までに示すベース部P6100は、開閉制御手段P6200、開閉役物P6300、弾丸制御手段P6400、弾丸役物P6500、装飾役物P6600及び固定装飾部P6700が設けられるものである。なお、開閉制御手段P6200、開閉役物P6300、弾丸制御手段P6400及び弾丸役物P6500の詳細な説明については後述する。ベース部P6100は、第1のベース部P6110、第2のベース部P6120及び第3のベース部P6130を具備する。
図210、図211、図213及び図214に示す第1のベース部P6110は、ベース部P6100の前部を構成するものである(図213参照)。また、第1のベース部P6110は、弾丸制御手段P6400の一部(後述する駆動伝達ギヤP6420及びガイドギヤP6430)や、開閉役物P6300(後述する右側ロゴ役物P6310及び左側ロゴ役物P6320)が設けられる(図211参照)。第1のベース部P6110は、後方に向けて開口する略箱形状とされている。第1のベース部P6110は、左右方向に長尺な形状とされている。第1のベース部P6110は、軸受開口部P6111、右側シャフト軸受部P6112及び左側シャフト軸受部P6113を具備する。
図214に示す軸受開口部P6111は、第1のベース部P6110を前後方向に貫通するものである。軸受開口部P6111は、第1のベース部P6110の左右方向略中央かつ上下方向略中央に位置する。軸受開口部P6111は、後述するガイドギヤP6430を前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支する。
図211に示す右側シャフト軸受部P6112は、第1のベース部P6110を前後方向に貫通するものである。右側シャフト軸受部P6112は、第1のベース部P6110の右側部分における上部に位置する。右側シャフト軸受部P6112は、後述する右側ロゴ役物P6310の右側クランクシャフトP6312(メインシャフトP6312a)を軸支する。
左側シャフト軸受部P6113は、第1のベース部P6110を前後方向に貫通するものである。左側シャフト軸受部P6113は、第1のベース部P6110の左側部分における上部に位置する。左側シャフト軸受部P6113は、後述する左側ロゴ役物P6320の左側クランクシャフトP6322(メインシャフトP6322a)を軸支する。
図210、図213及び図214に示す第2のベース部P6120は、第1のベース部P6110の後側を覆うと共に、弾丸役物P6500を収容するものである。第2のベース部P6120は、カバー部P6121及びホルダー部P6122を具備する。
カバー部P6121は、第1のベース部P6110の後側の開口を覆うものである。カバー部P6121は、厚さ方向を前後方向に向けた板形状とされている。カバー部P6121は、左右方向に長尺な形状とされている。カバー部P6121は、第1のベース部P6110の後部に固定される。
ホルダー部P6122は、弾丸役物P6500を収容するものである。ホルダー部P6122は、前方に開口する有底略円筒形状とされている。ホルダー部P6122は、カバー部P6121から後方に突出するように形成される。ホルダー部P6122は、カバー部P6121の左右方向略中央かつ上下方向略中央に位置する。また、ホルダー部P6122は、背面視において、第1のベース部P6110の軸受開口部P6111と重複する位置とされる。ホルダー部P6122は、底部P6122a及び側部P6122cを具備する。
図213及び図214に示す底部P6122aは、ホルダー部P6122の底壁を構成するものである。底部P6122aは、ホルダー部P6122の後端に位置する。底部P6122aは、軸受部P6122bを具備する。
軸受部P6122bは、弾丸役物P6500(後述する規制部P6530)を、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支するものである。軸受部P6122bは、底部P6122aを前後方向に貫通する。
側部P6122cは、ホルダー部P6122の側壁を構成するものである。側部P6122cは、開口部P6122dを具備する。
開口部P6122dは、側部P6122cにおいて開口する部分である。開口部P6122dは、側部P6122cの上部及び下部を切り欠いた形状とされる。図例では、開口部P6122dを、底部P6122aの近傍に設けた例を示している。
図208から図214までに示す第3のベース部P6130は、開閉制御手段P6200が設けられるものである。第3のベース部P6130は、厚さ方向を前後方向に向けた板形状とされている。第3のベース部P6130は、第1のベース部P6110の後部に固定される。第3のベース部P6130は、第2のベース部P6120のカバー部P6121の後方に配置される(図213参照)。第3のベース部P6130は、開口部P6131、右側ガイドピン貫通孔P6132及び左側ガイドピン貫通孔P6133を具備する。
図212及び図214に示す開口部P6131は、第3のベース部P6130を前後方向に貫通するものである。開口部P6131は、第3のベース部P6130の左右方向略中央かつ上下方向略中央に位置する。開口部P6131は、前方からホルダー部P6122が挿通される(図214参照)。また、開口部P6131は、後述するように、カバー部P6121においてホルダー部P6122の右方に設けられる前後センサP6450が挿通される。
右側ガイドピン貫通孔P6132は、第3のベース部P6130を前後方向に貫通するものである。右側ガイドピン貫通孔P6132は、第3のベース部P6130の右側部分における上部に位置する。右側ガイドピン貫通孔P6132は、背面視において右下方向へ傾斜する円弧形状の長孔とされている。右側ガイドピン貫通孔P6132は、後述する右側クランクシャフトP6312の右側クランクガイドピンP6312cが挿通される。右側ガイドピン貫通孔P6132は、右側クランクガイドピンP6312cの移動をガイドする。
左側ガイドピン貫通孔P6133は、第3のベース部P6130を前後方向に貫通するものである。左側ガイドピン貫通孔P6133は、第3のベース部P6130の左側部分における上部に位置する。左側ガイドピン貫通孔P6133は、背面視において右下方向へ傾斜する円弧形状の長孔とされている。左側ガイドピン貫通孔P6133は、後述する左側クランクシャフトP6322の左側クランクガイドピンP6322cが挿通される。左側ガイドピン貫通孔P6133は、左側クランクガイドピンP6322cの移動をガイドする。
図210及び図212に示す開閉制御手段P6200は、開閉役物P6300を、図208及び図209に示す閉鎖位置と、図215及び図216に示す開放位置と、に移動制御するものである。また、開閉制御手段P6200は、後述する弾丸役物P6500(規制部P6530)の回転動作を規制する。なお、開閉役物P6300の詳細な説明については後述する。
開閉制御手段P6200は、演出装置制御回路338(制御手段)からの制御信号に応じて、開閉役物P6300を移動制御する。開閉制御手段P6200は、第1のモータP6210、出力ギヤP6220、ガイド部P6230、スライドラックP6240及びスライドセンサP6250を具備する。
図212に示す第1のモータP6210は、開閉役物P6300を開閉させるための駆動源である。第1のモータP6210は、第3のベース部P6130の前面の左側部分に設けられる。第1のモータP6210は、出力軸が、第3のベース部P6130を前後に貫通して後方へと突出するように設けられる。
出力ギヤP6220は、第1のモータP6210の駆動力を取り出すものである。出力ギヤP6220は、第1のモータP6210の出力軸の後端部に固定される。出力ギヤP6220を介して伝達された駆動力により、スライドラックP6240が左右方向にスライドする。なお、スライドラックP6240の詳細な説明については後述する。
図212に示すガイド部P6230は、スライドラックP6240の左右方向のスライドをガイドするものである。ガイド部P6230は、右側ガイドピンP6231及び左側ガイドピンP6232を具備する。
右側ガイドピンP6231は、スライドラックP6240の右側部分をガイドするものである。右側ガイドピンP6231は、後述するスライドラックP6240の右側ガイド孔P6242に挿通される。右側ガイドピンP6231は、第3のベース部P6130の後面において後方に突出する。右側ガイドピンP6231は、軸心を前後方向に向けた略円柱形状とされる。右側ガイドピンP6231は、第3のベース部P6130の右側部分における上部に設けられる。右側ガイドピンP6231の後端部には、右側ガイド孔P6242からの脱落防止のためのワッシャが設けられている。
左側ガイドピンP6232は、スライドラックP6240の左側部分をガイドするものである。左側ガイドピンP6232は、後述するスライドラックP6240の左側ガイド孔P6243に挿通される。左側ガイドピンP6232は、第3のベース部P6130の後面において後方に突出する。左側ガイドピンP6232は、軸心を前後方向に向けた略円柱形状とされる。左側ガイドピンP6232は、第3のベース部P6130の左側部分における上下方向略中央に設けられる。左側ガイドピンP6232の後端部には、左側ガイド孔P6243からの脱落防止のためのワッシャが設けられている。
図210、図212、図217及び図218に示すスライドラックP6240は、第3のベース部P6130に対して左右方向にスライドすることで、開閉役物P6300の移動と、弾丸役物P6500(規制部P6530)の回転動作の規制と、が可能なものである。スライドラックP6240は、図212に示すスライド方向左側に位置する閉鎖状態と、図217に示すスライド方向中途部に位置する開放/ロック状態と、図218に示すスライド方向右側に位置する開放/ロック解除状態と、にスライド可能である。なお、閉鎖状態、開放/ロック状態及び開放/ロック解除状態の詳細な説明については後述する。
スライドラックP6240は、厚さ方向を前後方向に向けた板形状とされている。スライドラックP6240は、第3のベース部P6130の後方に配置される。スライドラックP6240は、ラック歯部P6241、右側ガイド孔P6242、左側ガイド孔P6243、右側クランクガイド孔P6244、左側クランクガイド孔P6245、開口部P6246、ロック部P6247及び被検知部P6248を具備する。
ラック歯部P6241は、出力ギヤP6220と歯合するものである。ラック歯部P6241は、スライドラックP6240の左側部分における下部に位置する。ラック歯部P6241に出力ギヤP6220が伝達する回転(駆動力)が伝達されることで、スライドラックP6240が左右方向に移動可能とされる。
右側ガイド孔P6242は、右側ガイドピンP6231が挿通されるものである。右側ガイド孔P6242は、スライドラックP6240を前後方向に貫通する。右側ガイド孔P6242は、左右方向に長尺な長孔形状とされている。右側ガイド孔P6242の幅寸法(上下寸法)は、右側ガイドピンP6231のワッシャの外径よりも小さい。右側ガイド孔P6242は、スライドラックP6240の右側部分における上部に位置する。
左側ガイド孔P6243は、左側ガイドピンP6232が挿通されるものである。左側ガイド孔P6243は、スライドラックP6240を前後方向に貫通する。左側ガイド孔P6243は、左右方向に長尺な長孔形状とされている。左側ガイド孔P6243の幅寸法(上下寸法)は、左側ガイドピンP6232のワッシャの外径よりも小さい。左側ガイド孔P6243は、スライドラックP6240の左側部分において、ラック歯部P6241の上方に位置する。
右側クランクガイド孔P6244は、後述する右側クランクシャフトP6312の右側クランクガイドピンP6312cが挿通されるものである。右側クランクガイド孔P6244は、スライドラックP6240を前後方向に貫通する。
右側クランクガイド孔P6244は、背面視において略S字状に屈曲した長孔とされている。より詳細には、右側クランクガイド孔P6244は、右側部分が左右方向に延びる形状とされ、中央部分(傾斜部分)が斜め左下方に延びる形状とされ、左側部分が左右方向に延びる形状とされている。右側クランクガイド孔P6244は、スライドラックP6240の右側部分において、右側ガイド孔P6242の下方に位置する。
左側クランクガイド孔P6245は、後述する左側クランクシャフトP6322の左側クランクガイドピンP6322cが挿通されるものである。左側クランクガイド孔P6245は、スライドラックP6240を前後方向に貫通する。
左側クランクガイド孔P6245は、背面視において略S字状に屈曲した長孔とされている。より詳細には、左側クランクガイド孔P6245は、右側部分が左右方向に延びる形状とされ、中央部分(傾斜部分)が斜め左下方に延びる形状とされ、左側部分が左右方向に延びる形状とされている。左側クランクガイド孔P6245は、スライドラックP6240の左側部分において、左側ガイド孔P6243の上方に位置する。
開口部P6246は、ホルダー部P6122及び後述する前後センサP6450が挿通されるものである。開口部P6246は、スライドラックP6240を前後方向に貫通する。開口部P6246は、左右方向に長尺な形状とされている。また、開口部P6246は、左右方向中途部が背面視において略円形状とされている。開口部P6246は、スライドラックP6240の左右方向略中央かつ上下方向略中央に位置する。
ロック部P6247は、弾丸役物P6500の動作の一部をロックするものである。なお、弾丸役物P6500の動作の詳細な説明については後述する。ロック部P6247は、スライドラックP6240の後面から後方に突出している。ロック部P6247は、背面視において左右に長尺な形状とされている。ロック部P6247は、開口部P6246を挟んで、上下に一対設けられている。ロック部P6247は、開口部P6246の左右方向略中央に位置する。
図212に示す被検知部P6248は、後述するスライドセンサP6250により検知される部分である。被検知部P6248は、スライドラックP6240の下部において、下方に突出する。被検知部P6248は、厚さ方向を前後方向に向けた板形状とされている。被検知部P6248は、スライドラックP6240の左右方向中央に位置する。被検知部P6248は、第1の被検知部P6248a、第2の被検知部P6248b及び第3の被検知部P6248cを具備する。
第1の被検知部P6248aは、被検知部P6248の右側部分を構成する。
第2の被検知部P6248bは、被検知部P6248の左右方向中央部分を構成する。第2の被検知部P6248bの下端部は、第1の被検知部P6248aよりも上方に位置する。
第3の被検知部P6248cは、被検知部P6248の左側部分を構成する。第3の被検知部P6248cの下端部は、第2の被検知部P6248bよりも上方に位置する。
スライドセンサP6250は、被検知部P6248を検知可能なものである。スライドセンサP6250は、被検知部P6248の下方に設けられる。スライドセンサP6250は、第1のスライドセンサP6251、第2のスライドセンサP6252及び第3のスライドセンサP6253を具備する。
第1のスライドセンサP6251は、第1の被検知部P6248aを検知可能なものである。第1のスライドセンサP6251は、背面視において第1の被検知部P6248aと重複した場合に、第1の被検知部P6248aを検知する。第1のスライドセンサP6251は、図212に示す閉鎖状態のスライドラックP6240の第1の被検知部P6248aと重複する位置(検知可能な位置)に配置される。本実施形態では、第1のスライドセンサP6251を、閉鎖状態のスライドラックP6240の第1の被検知部P6248aの左端部と重複する位置に配置している。これにより、第1のスライドセンサP6251は、スライドラックP6240が閉鎖状態より右方にスライドすれば、第1の被検知部P6248aと重複しなくなる(検知不能となる)。
第2のスライドセンサP6252は、第2の被検知部P6248bを検知可能なものである。第2のスライドセンサP6252は、背面視において第2の被検知部P6248bと重複した場合に、第2の被検知部P6248bを検知する。第2のスライドセンサP6252は、図212に示す閉鎖状態のスライドラックP6240の第2の被検知部P6248bと重複する位置(検知可能な位置)に配置される。また、第2のスライドセンサP6252は、閉鎖状態のスライドラックP6240が右方へとスライドし、図217に示す開放/ロック状態に到達した時点で、第2の被検知部P6248bと重複しなくなる位置(検知不能となる位置)に配置される。これにより、第2のスライドセンサP6252は、スライドラックP6240が閉鎖状態から開放/ロック状態となる直前まで第2の被検知部P6248bを検知可能となり、スライドラックP6240が開放/ロック状態となれば第2の被検知部P6248bを検知不能となる。
第3のスライドセンサP6253は、第3の被検知部P6248cを検知可能なものである。第3のスライドセンサP6253は、背面視において第3の被検知部P6248cと重複した場合に、第3の被検知部P6248cを検知する。第3のスライドセンサP6253は、図212に示す閉鎖状態及び図217に示す開放/ロック状態のスライドラックP6240の第3の被検知部P6248cと重複する位置(検知可能な位置)に配置される。また、第3のスライドセンサP6253は、開放/ロック解除状態のスライドラックP6240が右方へとスライドし、図218に示す開放/ロック解除状態に到達した時点で、第3の被検知部P6248cと重複しなくなる位置(検知不能となる位置)に配置される。これにより、第3のスライドセンサP6253は、スライドラックP6240が閉鎖状態から開放/ロック解除状態となる直前まで第3の被検知部P6248cを検知可能となり、スライドラックP6240が開放/ロック解除状態となれば第3の被検知部P6248cを検知不能となる。
第1のスライドセンサP6251、第2のスライドセンサP6252及び第3のスライドセンサP6253は、例えばフォトセンサ等、被検知部P6248を検知可能な種々のセンサを採用可能である。
図208から図213に示す開閉役物P6300は、開閉制御手段P6200による移動制御により、閉鎖位置と開放位置とに移動可能なものである。開閉役物P6300は、右側ロゴ役物P6310及び左側ロゴ役物P6320を具備する。
右側ロゴ役物P6310は、開閉役物P6300の右側部分を構成するものである。右側ロゴ役物P6310は、第1のベース部P6110の右側部分において、前後方向に向く軸回りに回動可能に連結される。右側ロゴ役物P6310は、右側役物本体P6311及び右側クランクシャフトP6312を具備する。
図213に示す右側役物本体P6311は、回動動作により遊技者に視覚的な印象を与えるものである。右側役物本体P6311は、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。右側役物本体P6311の前面には、ロゴを模した模様が設けられている。
図211に示す右側クランクシャフトP6312は、スライドラックP6240の左右方向の動作を右側役物本体P6311に伝達するものである。右側クランクシャフトP6312は、第1のベース部P6110に回動可能に軸支される。右側クランクシャフトP6312は、メインシャフトP6312a、アームP6312b及び右側クランクガイドピンP6312cを具備する。
メインシャフトP6312aは、第1のベース部P6110の右側シャフト軸受部P6112に挿通されるものである。メインシャフトP6312aは、右側シャフト軸受部P6112に、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。メインシャフトP6312aは、前端部が右側役物本体P6311に固定される。
アームP6312bは、メインシャフトP6312aと、後述する右側クランクガイドピンP6312cと、を接続するものである。アームP6312bは、メインシャフトP6312aの後端部から、前後方向に直交する方向(図211においては左方向)に延びるように形成される。
右側クランクガイドピンP6312cは、図212に示すように、第3のベース部P6130の右側ガイドピン貫通孔P6132及びスライドラックP6240の右側クランクガイド孔P6244に挿通されるものである。右側クランクガイドピンP6312cは、アームP6312bの先端部(反メインシャフトP6312a側の端部)から後方に突出する。右側クランクガイドピンP6312cは、軸心を前後方向に向けた略円柱形状とされる。
右側クランクガイドピンP6312cの後端部には、右側クランクガイド孔P6244からの脱落防止のためのワッシャが設けられている。上記ワッシャの外径は、右側ガイドピン貫通孔P6132及び右側クランクガイド孔P6244の幅寸法(背面視において長手方向に直交する寸法)よりも大きい。
左側ロゴ役物P6320は、開閉役物P6300の左側部分を構成するものである。左側ロゴ役物P6320は、第1のベース部P6110の左側部分において、前後方向に向く軸回りに回動可能に連結される。左側ロゴ役物P6320は、左側役物本体P6321及び左側クランクシャフトP6322を具備する。
図213に示す左側役物本体P6321は、回動動作により遊技者に視覚的な印象を与えるものである。左側役物本体P6321は、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。左側役物本体P6321の前面には、ロゴを模した模様が設けられている。
図211に示す左側クランクシャフトP6322は、スライドラックP6240の左右方向の動作を左側役物本体P6321に伝達するものである。左側クランクシャフトP6322は、第1のベース部P6110に回動可能に軸支される。左側クランクシャフトP6322は、メインシャフトP6322a、アームP6322b及び左側クランクガイドピンP6322cを具備する。
メインシャフトP6322aは、第1のベース部P6110の左側シャフト軸受部P6113に挿通されるものである。メインシャフトP6322aは、左側シャフト軸受部P6113に、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。メインシャフトP6322aは、前端部が左側役物本体P6321に固定される。
アームP6322bは、メインシャフトP6322aと、後述する左側クランクガイドピンP6322cと、を接続するものである。アームP6322bは、メインシャフトP6322aの後端部から、前後方向に直交する方向(図211においては左方向)に延びるように形成される。
左側クランクガイドピンP6322cは、第3のベース部P6130の左側ガイドピン貫通孔P6133及びスライドラックP6240の左側クランクガイド孔P6245に挿通されるものである。左側クランクガイドピンP6322cは、アームP6322bの先端部(反メインシャフトP6322a側の端部)から後方に突出する。左側クランクガイドピンP6322cは、軸心を前後方向に向けた略円柱形状とされる。
左側クランクガイドピンP6322cの後端部には、左側クランクガイド孔P6245からの脱落防止のためのワッシャが設けられている。上記ワッシャの外径は、左側ガイドピン貫通孔P6133及び左側クランクガイド孔P6245の幅寸法(背面視において長手方向に直交する寸法)よりも大きい。
以下では、上述の如き開閉役物P6300の閉鎖位置及び開放位置について説明する。
閉鎖位置は、図208及び図209に示すように、右側ロゴ役物P6310及び左側ロゴ役物P6320が、第1のベース部P6110の前面における左右方向中央部(後述する弾丸役物P6500)を、遊技者から視認し難いように、正面視において覆う位置である。閉鎖位置においては、右側ロゴ役物P6310及び左側ロゴ役物P6320の前面のロゴが組み合わされて、特定の意味が生じるように連続するロゴ(文字)を表示する。
開放位置は、図215及び図216に示すように、右側ロゴ役物P6310及び左側ロゴ役物P6320が、第1のベース部P6110の前面における左右方向中央部(弾丸制御手段P6400が位置する部分)を、遊技者から視認可能なように、正面視において露出する位置である。
右側ロゴ役物P6310及び左側ロゴ役物P6320は、開閉制御手段P6200のスライドラックP6240のスライドに伴い、メインシャフトP6312a及びメインシャフトP6322aの軸心回りに回動することで、閉鎖位置及び開放位置に移動する。
右側ロゴ役物P6310及び左側ロゴ役物P6320は、スライドラックP6240が閉鎖状態にあるときに閉鎖位置となる。また、右側ロゴ役物P6310及び左側ロゴ役物P6320は、スライドラックP6240が開放/ロック状態及び開放/ロック解除状態にあるときに開放位置となる。
以下では、図212、図217及び図218を用いて、スライドラックP6240を閉鎖状態、開放/ロック状態及び開放/ロック解除状態とした演出装置P6000の状態についてそれぞれ説明する。
図212に示す閉鎖状態において、スライドラックP6240はスライド方向左側に位置する。閉鎖状態においては、開閉役物P6300(右側ロゴ役物P6310及び左側ロゴ役物P6320)は、閉鎖位置とされる。
閉鎖状態においては、右側ガイド孔P6242及び左側ガイド孔P6243の右端部に、右側ガイドピンP6231及び左側ガイドピンP6232が位置する。また、閉鎖状態においては、右側クランクガイド孔P6244及び左側クランクガイド孔P6245の右端部に、右側クランクガイドピンP6312c及び左側クランクガイドピンP6322cが位置する。
また、閉鎖状態においては、被検知部P6248の第1の被検知部P6248a、第2の被検知部P6248b及び第3の被検知部P6248cのそれぞれが、スライドセンサP6250の第1のスライドセンサP6251、第2のスライドセンサP6252及び第3のスライドセンサP6253によって検知可能な位置に位置する。
図217に示す開放/ロック状態において、スライドラックP6240はスライド方向中途部に位置する。開放/ロック状態において、開閉役物P6300(右側ロゴ役物P6310及び左側ロゴ役物P6320)は開放位置となる。
開放/ロック状態においては、右側ガイド孔P6242及び左側ガイド孔P6243の左右方向中途部に、右側ガイドピンP6231及び左側ガイドピンP6232が位置する。また、開放/ロック状態においては、右側クランクガイド孔P6244及び左側クランクガイド孔P6245の傾斜部分における左端部に、右側クランクガイドピンP6312c及び左側クランクガイドピンP6322cが位置する。
また、開放/ロック状態においては、第1の被検知部P6248a及び第2の被検知部P6248bは、第1のスライドセンサP6251及び第2のスライドセンサP6252によって検知不能な位置に位置する。また、第3の被検知部P6248cは、第3のスライドセンサP6253によって検知可能な位置に位置する。
図218に示す開放/ロック解除状態において、スライドラックP6240はスライド方向右側に位置する。開放/ロック解除状態においては、開閉役物P6300(右側ロゴ役物P6310及び左側ロゴ役物P6320)は開放位置となる。
開放/ロック解除状態においては、右側ガイド孔P6242及び左側ガイド孔P6243の左端部に、右側ガイドピンP6231及び左側ガイドピンP6232が位置する。また、閉鎖状態においては、右側クランクガイド孔P6244及び左側クランクガイド孔P6245の左端部に、右側クランクガイドピンP6312c及び左側クランクガイドピンP6322cが位置する。
また、開放/ロック解除状態においては、被検知部P6248の第1の被検知部P6248a、第2の被検知部P6248b及び第3の被検知部P6248cのそれぞれが、スライドセンサP6250の第1のスライドセンサP6251、第2のスライドセンサP6252及び第3のスライドセンサP6253によって検知不能な位置に位置する。
制御手段は、スライドセンサP6250による被検知部P6248の検知に関する情報を基に、スライドラックP6240の位置を判断することができる。
図211、図214、図225から図227までに示す弾丸制御手段P6400は、弾丸役物P6500を、図213から図215までに示す待機位置と、図219及び図220に示すように待機位置から前方に移動した演出位置と、に移動させる動作を制御するものである。なお、弾丸役物P6500の詳細な説明については後述する。弾丸制御手段P6400は、演出装置制御回路338(制御手段)からの制御信号に応じて、弾丸役物P6500を移動制御する。弾丸制御手段P6400は、第2のモータP6410、駆動伝達ギヤP6420、ガイドギヤP6430、回動センサP6440及び前後センサP6450を具備する。
図211に示す第2のモータP6410は、弾丸役物P6500を動作させるための駆動源である。第2のモータP6410は、第2のベース部P6120(図211では図示省略)の右側部分に設けられる。第2のモータP6410は、出力軸が、第2のベース部P6120を前後に貫通して前方へと突出するように設けられる。
駆動伝達ギヤP6420は、第2のモータP6410の駆動力を取り出すと共に、当該駆動力を、後述するガイドギヤP6430へと伝達するものである。駆動伝達ギヤP6420は、出力ギヤP6421、第1のギヤP6422、第2のギヤP6423及び第3のギヤP6424を具備する。
出力ギヤP6421は、第2のモータP6410の駆動力を取り出すものである。出力ギヤP6421は、第2のモータP6410の出力軸の前端部に固定される。
第1のギヤP6422は、出力ギヤP6421の略左方に配置され、出力ギヤP6421と歯合する。第1のギヤP6422は、第1のベース部P6110の後面において、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。
第2のギヤP6423は、第1のギヤP6422の略左上方に配置され、第1のギヤP6422と歯合する。第2のギヤP6423は、第1のベース部P6110の後面において、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。
第3のギヤP6424は、第2のギヤP6423の略左下方に配置され、第2のギヤP6423と歯合する。第3のギヤP6424は、第1のベース部P6110の後面において、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。
図211、図214、図225から図227までに示すガイドギヤP6430は、駆動伝達ギヤP6420を介して伝達された駆動力を、弾丸役物P6500に伝達するものである。ガイドギヤP6430は、第1のベース部P6110の軸受開口部P6111に、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。ガイドギヤP6430は、略円筒形状とされる。ガイドギヤP6430は、開口方向を前後方向に向けて配置される。ガイドギヤP6430の後方には、第2のベース部P6120のカバー部P6121が互いに摺動可能に設けられる(図214参照)。ガイドギヤP6430は、嵌合部P6431、ギヤ部P6432、突起部P6433及び被検知部P6434を具備する。
図225から図227までに示す嵌合部P6431は、第1のベース部P6110の軸受開口部P6111に、前後方向に向く軸心回りに回転自在に嵌合されるものである(図214参照)。嵌合部P6431は、ガイドギヤP6430の前側部分を構成する。
ギヤ部P6432は、第3のギヤP6424と歯合するものである。ギヤ部P6432は、ガイドギヤP6430の後側部分の外面に設けられる。
突起部P6433は、ガイドギヤP6430の内面において突出するものである。突起部P6433は、ガイドギヤP6430の内面において一対設けられる。突起部P6433は、嵌合部P6431の内面に設けられる。
被検知部P6434は、後述する回動センサP6440に検知されるものである。被検知部P6434は、ガイドギヤP6430の外面において突出する。被検知部P6434は、厚さ方向を前後方向に向けた板形状とされている。被検知部P6434は、ガイドギヤP6430の後側部分の外面に設けられる。
図211に示す回動センサP6440は、被検知部P6434を検知するものである。回動センサP6440は、第1のベース部P6110の後面において、ガイドギヤP6430の左側に配置される。回動センサP6440は、弾丸役物P6500が後述するロック可能位置に位置する状態で、被検知部P6434を検知可能に配置される。回動センサP6440は、例えばフォトセンサ等、被検知部P6434を検知可能な種々のセンサを採用可能である。
図210に示す前後センサP6450は、後述する弾丸役物P6500の外側スパイラル部材P6510の位置を検知可能なものである。前後センサP6450は、後方への押圧を検知するレバー部(不図示)を有する。後述するように、弾丸役物P6500が後方へ移動すれば、当該レバー部が当該弾丸役物P6500(押圧部P6513a)に押圧され、前後センサP6450は、弾丸役物P6500が所定の前後位置(後述する待機位置)にあることを検知することができる。前後センサP6450は、第2のベース部P6120のカバー部P6121の後面において、ホルダー部P6122の右方に設けられる。
図214、図221から図229までに示す弾丸役物P6500は、弾丸制御手段P6400による移動制御により、待機位置と演出位置とに移動可能なものである。弾丸役物P6500は、前後方向に長尺な形状とされている。弾丸役物P6500は、前後方向に移動する直進動作(前後動作)と、前後方向に向く軸心回りに回転する回転動作(回動動作)と、が可能とされている。弾丸役物P6500は、外側スパイラル部材P6510、内側スパイラル部材P6520、規制部P6530及び発光部P6540を具備する。
図225、図226、図228及び図229に示す外側スパイラル部材P6510は、弾丸役物P6500の外側部分を構成するものである。外側スパイラル部材P6510は、前後方向に長尺な形状とされている。外側スパイラル部材P6510は、中空形状とされている。外側スパイラル部材P6510は、外側胴部P6511、突起部P6512、後部P6513、弾丸部P6514及び第1のばねP6515を具備する。
外側胴部P6511は、弾丸役物P6500の胴体部分を構成するものである。外側胴部P6511は、前後方向に開口する略円筒形状とされている。外側胴部P6511は、ガイドギヤP6430の内側に配置される。外側胴部P6511は、外側螺旋溝部P6511a及び前後溝部P6511bを具備する。
図226(a)、図228及び図229に示す外側螺旋溝部P6511aは、外側胴部P6511の外面に形成される螺旋状(スパイラル状)の溝である。外側螺旋溝部P6511aは、外側胴部P6511の外面において、前後方向の略全体に亘って形成される。本実施形態では、外側螺旋溝部P6511aを平行する2本の螺旋状の溝(二重螺旋状の溝)としている。また、本実施形態では、外側螺旋溝部P6511aを、外側胴部P6511の外面を概ね1周する長さとしている。外側螺旋溝部P6511aの長さ等の形状は、弾丸役物P6500の動作に応じて適宜設定される。外側螺旋溝部P6511aは、図226(a)に示すように、ガイドギヤP6430の一対の突起部P6433が係合される。
図228及び図229に示す前後溝部P6511bは、外側胴部P6511の外面に形成される直線状の溝である。前後溝部P6511bは、外側胴部P6511の外面において、当該外側胴部P6511の前端部から、前後方向途中部分に亘って形成される。前後溝部P6511bは、外側胴部P6511の外面において、一対設けられる。前後溝部P6511bは、当接面P6511cを有する。
当接面P6511cは、前後溝部P6511bにおいて前方を向く面である。当接面P6511cは、前後溝部P6511bの後端部(終端部)を構成する。
図226(b)及び図229に示す突起部P6512は、外側胴部P6511の内面において突出するものである。突起部P6512は、外側胴部P6511の内面において一対設けられる。突起部P6512は、外側胴部P6511の内面における後側部分に設けられる。
図228に示す後部P6513は、弾丸役物P6500の後側部分を構成するものである。後部P6513は、前後方向に開口する環状とされている。後部P6513は、外側胴部P6511の後端部に固定される。後部P6513は、押圧部P6513aを具備する。
押圧部P6513aは、前後センサP6450のレバー部を押圧するものである。押圧部P6513aは、後方に向けて開口する凹形状とされている。押圧部P6513aは、後部P6513の右側部分に位置する。押圧部P6513aは、弾丸役物P6500が待機位置に位置する状態で前後センサP6450のレバー部を押圧する。
弾丸部P6514は、弾丸役物P6500の前側部分を構成するものである。弾丸部P6514は、光を透過可能な透過性部材によって形成されている。弾丸部P6514は、弾丸本体部P6514a及び鍔部P6514bを具備する。
弾丸本体部P6514aは、弾丸部P6514の大部分を構成するものである。弾丸本体部P6514aは、弾丸(弾頭)を模した形状とされている。具体的には、弾丸本体部P6514aは、後側部分が略円柱形状とされ、前側部分が前方へ向かうに従い尖った形状とされる。
鍔部P6514bは、弾丸部P6514の後側部分を構成するものである。鍔部P6514bは、弾丸本体部P6514aの後側部分よりも拡径した略円盤形状とされる。鍔部P6514bの外径は、外側胴部P6511の外径よりも大きい。鍔部P6514bは、外側胴部P6511の先端部に設けられる。
第1のばねP6515は、外側胴部P6511に嵌装されるばねである。第1のばねP6515は、圧縮コイルばねを構成する。第1のばねP6515の一端部(前端部)は、鍔部P6514bに当接する。
図226(b)、図228及び図229に示す内側スパイラル部材P6520は、外側スパイラル部材P6510の内部に収容可能なものである。内側スパイラル部材P6520は、略円柱形状とされる。内側スパイラル部材P6520は、中空形状とされている。内側スパイラル部材P6520の外径は、外側スパイラル部材P6510の外側胴部P6511の内径よりも小さい。内側スパイラル部材P6520は、内側螺旋溝部P6521を具備する。
内側螺旋溝部P6521は、内側スパイラル部材P6520の外面に形成される螺旋状(スパイラル状)の溝である。内側螺旋溝部P6521は、内側スパイラル部材P6520の外面において、前後方向の略全体に亘って形成される。内側螺旋溝部P6521は、外側螺旋溝部P6511aとは逆方向の螺旋とされる。本実施形態では、内側螺旋溝部P6521を平行する2本の螺旋状の溝(二重螺旋状の溝)としている。本実施形態では、内側螺旋溝部P6521を、内側スパイラル部材P6520の外面を概ね1周する長さとしている。内側螺旋溝部P6521の長さ等の形状は、弾丸役物P6500の動作に応じて適宜設定される。内側螺旋溝部P6521は、図226(b)に示すように、外側胴部P6511の一対の突起部P6512が係合される。
図212から図214まで、図228に示す規制部P6530は、第2のベース部P6120のホルダー部P6122に対して、弾丸役物P6500(内側スパイラル部材P6520)を回転自在に軸支すると共に、弾丸役物P6500(内側スパイラル部材P6520)の回転動作を規制可能なものである。規制部P6530は、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。規制部P6530は、正面視において、円形の上部及び下部を切り欠いた形状とされる。規制部P6530は、内側スパイラル部材P6520の後端部に固定される。規制部P6530は、軸部P6531、規制片部P6532及び開口部P6533を具備する。
軸部P6531は、第2のベース部P6120のホルダー部P6122に軸支される部分である(図214参照)。軸部P6531は、軸心を前後方向に向けた略円柱形状とされる。軸部P6531は、ホルダー部P6122の底部P6122aの軸受部P6122bに、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。これにより、内側スパイラル部材P6520は、規制部P6530の軸部P6531を介して、第2のベース部P6120のホルダー部P6122に回転自在に軸支される。
規制片部P6532は、弾丸役物P6500の回転動作を規制可能な部分である。規制片部P6532は、規制部P6530の上端部及び下端部を構成する。規制片部P6532は、平坦面状とされている。図213及び図214に示すように、規制片部P6532は、ホルダー部P6122の側部P6122cの開口部P6122dを介して露出する。すなわち、規制片部P6532は、平面視(底面視)において、開口部P6122dと重複する。規制片部P6532が、一対のロック部P6247に当接することで、規制部P6530(内側スパイラル部材P6520)の回転が規制される。
図228に示す開口部P6533は、規制部P6530を前後方向に貫通するものである。図例では、開口部P6533を上下に長尺な形状としている。
図228に示す発光部P6540は、弾丸部P6514を発光させるものである。発光部P6540は、第2のベース部P6120のホルダー部P6122の底部P6122aに設けられる。発光部P6540は、制御手段からの制御信号に応じて発光する。発光部P6540は、基板P6541及びインナーレンズP6542を具備する。
基板P6541は、適宜の発光手段が実装されるものである。
インナーレンズP6542は、発光手段の光を前方に導光するものである。図例では、インナーレンズP6542を、上下方向及び左右方向中央部が前方に突出する形状としている。インナーレンズP6542は、上記前方に突出する部分が、規制部P6530の開口部P6533に挿通される。
図221から図225まで、図227に示す装飾役物P6600は、弾丸役物P6500の動作に伴い、移動可能なものである。装飾役物P6600は、前後方向に2層の積層構造(独立した2部材(後述する第1の装飾役物P6610及び第2の装飾役物P6620)が、前後方向に視て少なくとも一部が互いに重複するように配置される構造)とされている。装飾役物P6600は、第1の装飾役物P6610及び第2の装飾役物P6620を具備する。
第1の装飾役物P6610は、装飾役物P6600の前方側の層(1層目)を構成するものである。第1の装飾役物P6610は、外側スパイラル部材P6510の外側胴部P6511に嵌装される。第1の装飾役物P6610は、弾丸役物P6500の動作に伴い、前後動作及び回転動作が可能とされる。第1の装飾役物P6610は、第1の装飾ベース部P6611及び第1の装飾部P6612を具備する。
図225及び図227(c)に示す第1の装飾ベース部P6611は、外側スパイラル部材P6510の外側胴部P6511に嵌装される。第1の装飾ベース部P6611は、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。第1の装飾ベース部P6611は、正面視において略円形状とされている。第1の装飾ベース部P6611は、開口部P6611a、突起部P6611b、ばね受け部P6611c、シャフト部P6611d及び第2のばねP6611fを具備する。
開口部P6611aは、第1の装飾ベース部P6611を前後方向に貫通するものである。開口部P6611aの内径は、外側スパイラル部材P6510の外側胴部P6511の外径よりも大きい。また、開口部P6611aの内径は、弾丸部P6514の鍔部P6514bの外径よりも小さい。開口部P6611aは、外側胴部P6511が挿通される。
突起部P6611bは、開口部P6611aの内面において突出するものである。突起部P6611bは、開口部P6611aの内面において一対設けられる。突起部P6611bは、外側スパイラル部材P6510(外側胴部P6511)の前後溝部P6511bに、当該前後溝部P6511b内を前後方向に相対的に移動可能に係合される(図230参照)。また、突起部P6611bは、前後溝部P6511bに、外側スパイラル部材P6510の周方向に相対的に移動不能に係合される。
ばね受け部P6611cは、第1のばねP6515を受けるものである。ばね受け部P6611cは、第1の装飾ベース部P6611の前面において、後方に凹んだ形状とされる。ばね受け部P6611cは、開口部P6611aの周囲に設けられる。ばね受け部P6611cは、第1のばねP6515の他端部(後端部)が当接する。
シャフト部P6611dは、第1の装飾ベース部P6611の後方に突出するものである。シャフト部P6611dは、軸心を前後方向に向けた略円柱形状とされる。シャフト部P6611dは、第1の装飾ベース部P6611の外側部分において、周方向に互いに間隔を空けて複数(本実施形態においては3つ)設けられる。シャフト部P6611dの後端部には、他の部分よりも拡径する拡径部P6611eが設けられている。
第2のばねP6611fは、シャフト部P6611dに嵌装されるばねである。第2のばねP6611fは、圧縮コイルばねを構成する。第2のばねP6611fの一端部(前端部)は、第1の装飾ベース部P6611の後面に当接する。
図221及び図223に示す第1の装飾部P6612は、第1の装飾役物P6610における装飾を構成するものである。第1の装飾部P6612は、弾丸部P6514を中心とした渦(螺旋)を模した形状とされる。第1の装飾部P6612は、第1の装飾ベース部P6611の前面に設けられる。第1の装飾部P6612は、第1の装飾ベース部P6611の外側部分において、周方向に互いに間隔を空けて複数設けられる。
第2の装飾役物P6620は、装飾役物P6600の後方側の層(2層目)を構成するものである。第2の装飾役物P6620は、外側スパイラル部材P6510の外側胴部P6511に嵌装される。第2の装飾役物P6620は、第1の装飾役物P6610の後方に配置される。第2の装飾役物P6620は、正面視において、少なくとも一部が第1の装飾役物P6610と重複するように配置される。第2の装飾役物P6620は、第1の装飾役物P6610の動作に伴い、前後動作及び回転動作が可能とされる。第2の装飾役物P6620は、第2の装飾ベース部P6621及び第2の装飾部P6622を具備する。
図225及び図227(d)に示す第2の装飾ベース部P6621は、外側スパイラル部材P6510の外側胴部P6511に対して支持されると共に、第1の装飾ベース部P6611と連結されるものである。第2の装飾ベース部P6621は、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。第2の装飾ベース部P6621は、正面視において略円形状とされている。第2の装飾ベース部P6621の外径は、第1の装飾ベース部P6611の外径よりも大きい。第2の装飾ベース部P6621は、開口部P6621a及びシャフト受け部P6621bを具備する。
開口部P6621aは、第2の装飾ベース部P6621を前後方向に貫通するものである。開口部P6621aの内径は、外側スパイラル部材P6510の外側胴部P6511の外径よりも大きい。開口部P6621aは、外側胴部P6511が挿通される。
シャフト受け部P6621bは、第2の装飾ベース部P6621を前後方向に貫通するものである。シャフト受け部P6621bは、シャフト部P6611d(拡径部P6611eを除く部分)が挿通される。シャフト受け部P6621bは、シャフト部P6611dに応じた数(本実施形態においては3つ)設けられる。シャフト受け部P6621bの内径は、拡径部P6611eの外径よりも小さい。
図230に示すように、第2の装飾ベース部P6621は、シャフト部P6611dを介して第1の装飾ベース部P6611と連結される。第2の装飾ベース部P6621の前面におけるシャフト受け部P6621bの周囲の部分は、第2のばねP6611fの他端部(後端部)が当接する。また、第2の装飾ベース部P6621の後面におけるシャフト受け部P6621bの周囲の部分は、拡径部P6611eに当接可能とされる。
図221及び図223に示す第2の装飾部P6622は、第2の装飾役物P6620における装飾を構成するものである。第2の装飾部P6622は、弾丸部P6514を中心とした渦(螺旋)を模した形状とされる。第2の装飾部P6622は、第2の装飾ベース部P6621の前面に設けられる。第2の装飾部P6622は、第2の装飾ベース部P6621の外側部分において、周方向に互いに間隔を空けて複数設けられる。
図209に示す固定装飾部P6700は、ベース部P6100の前面に固定される装飾である。固定装飾部P6700は、弾丸部P6514を中心とした渦(螺旋)を模した形状とされる。固定装飾部P6700は、正面視において、第2の装飾部P6622の外側に配置される。固定装飾部P6700は、互いに間隔を空けて複数設けられる。
以下では、上述の如き弾丸役物P6500及び装飾役物P6600の待機位置及び演出位置での状態について説明する。
待機位置は、図208から図210、図213、図214、図221及び図222までに示すように、弾丸役物P6500及び装飾役物P6600の前後方向に移動可能な範囲のうちの最も後方側の位置である。待機位置では、弾丸役物P6500及び装飾役物P6600は、右側ロゴ役物P6310(右側役物本体P6311)及び左側ロゴ役物P6320(左側役物本体P6321)よりも後方に位置する。待機位置においては、弾丸役物P6500の弾丸部P6514、第1の装飾役物P6610及び第2の装飾役物P6620が、互いに近接した状態となる。
待機位置においては、開閉役物P6300が閉鎖位置とされれば、正面視において、弾丸役物P6500及び装飾役物P6600が開閉役物P6300に覆われて、遊技者から視認し難くなる。
なお、以下では、待機位置における弾丸役物P6500の位置を弾丸役物待機位置、待機位置における第1の装飾役物P6610の位置を第1の装飾役物待機位置、待機位置における第2の装飾役物P6620の位置を第2の装飾役物待機位置と称して説明する。
図214、図221及び図230(a)に示すように、弾丸役物P6500は、弾丸役物待機位置において、内側スパイラル部材P6520の略全体が、外側スパイラル部材P6510(外側胴部P6511)の内部に収容される。
図214及び図230(a)に示すように、第1の装飾役物P6610は、第1のばねP6515の付勢力により後方へ押し付けられることで、第1の装飾役物待機位置に位置する。より詳細には、第1の装飾役物P6610は、第1のばねP6515を介して、弾丸部P6514の鍔部P6514bに押圧されることで、第1の装飾役物待機位置に位置する。この際、第1の装飾役物P6610(第1の装飾ベース部P6611)の後面が、第2の装飾役物P6620の第2の装飾ベース部P6621の前面に当接することで、第1の装飾役物P6610の後方へのさらなる移動が規制される。第1の装飾役物待機位置においては、第1のばねP6515は、ばね受け部P6611cに収容される。
第2の装飾役物P6620は、第2のばねP6611fの付勢力により後方へ押し付けられることで、第2の装飾役物待機位置に位置する。より詳細には、第2の装飾役物P6620は、第2のばねP6611fを介して、第1の装飾ベース部P6611に押圧されることで、第2の装飾役物待機位置に位置する。この際、第2の装飾役物P6620の第2の装飾ベース部P6621の後面が、第1のベース部P6110の前面に当接することで、第2の装飾役物P6620の後方へのさらなる移動が規制される。
演出位置は、図219、図220、図223及び図224に示すように、弾丸役物P6500及び装飾役物P6600の前後方向に移動可能な範囲のうちの最も前方側の位置である。演出位置では、弾丸役物P6500の弾丸部P6514は、右側ロゴ役物P6310(右側役物本体P6311)及び左側ロゴ役物P6320(左側役物本体P6321)よりも前方に位置する。また、演出位置においては、弾丸役物P6500の弾丸部P6514、第1の装飾役物P6610及び第2の装飾役物P6620が、互いに離間した状態となる。
演出位置においては、弾丸役物P6500及び装飾役物P6600が前方へ移動することで、遊技者に視覚的な印象(インパクト)を与えることができる。
なお、本実施形態では、図213に示す待機位置では、第1の装飾役物P6610(第1の装飾部P6612)の前端部及び第2の装飾役物P6620(第2の装飾部P6622)の前端部は、概ね前後位置が一致する。また、待機位置では、第1の装飾役物P6610の前端部及び第2の装飾役物P6620の前端部は、固定装飾部P6700の前端部よりも後方に位置する。また、図219に示す演出位置では、第1の装飾役物P6610の前端部は、第2の装飾役物P6620の前端部よりも前方に位置し、第2の装飾役物P6620の前端部は、固定装飾部P6700の前端部よりも前方に位置する。これにより、第1の装飾役物P6610及び第2の装飾役物P6620が前方に大きく飛び出すような印象を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
以下では、演出位置における弾丸役物P6500の位置を弾丸役物演出位置、演出位置における第1の装飾役物P6610の位置を第1の装飾役物演出位置、演出位置における第2の装飾役物P6620の位置を第2の装飾役物演出位置と称して説明する。
弾丸役物P6500は、図220及び図231(b)に示すように、弾丸役物演出位置において、内側スパイラル部材P6520の前側部分を除く部分が、外側スパイラル部材P6510(外側胴部P6511)の外部に位置する。
図231(b)に示すように、第1の装飾役物P6610は、内側スパイラル部材P6520に対して前方に移動すると共に、第1のばねP6515の付勢力により後方へ押し付けられることで、第1の装飾役物演出位置に位置する。より詳細には、第1の装飾役物P6610は、第1のばねP6515を介して、弾丸部P6514の鍔部P6514bに押圧されることで、第1の装飾役物演出位置に位置する。この際、第1の装飾役物P6610(第1の装飾ベース部P6611)の突起部P6611bが、外側スパイラル部材P6510(外側胴部P6511)の前後溝部P6511bの当接面P6511cに当接することで、第1の装飾役物P6610の後方へのさらなる移動が規制される。
第2の装飾役物P6620は、内側スパイラル部材P6520に対して前方に移動すると共に、第2のばねP6611fの付勢力により後方へ押し付けられることで、第2の装飾役物演出位置に位置する。より詳細には、第2の装飾役物P6620は、第2のばねP6611fを介して、第1の装飾ベース部P6611に押圧されることで、第2の装飾役物演出位置に位置する。この際、第2の装飾役物P6620の第2の装飾ベース部P6621の後面が、第1の装飾役物P6610のシャフト部P6611dの拡径部P6611eに当接することで、第2の装飾役物P6620の後方へのさらなる移動が規制される。
以下では、上述の如く構成された演出装置P6000の動作について説明する。すなわち、開閉制御手段P6200の動作制御による開閉役物P6300の動作と、弾丸制御手段P6400の動作制御による弾丸役物P6500及び装飾役物P6600の動作と、について説明する。
まず、閉鎖位置の開閉役物P6300を開放位置とすると共に、待機位置の弾丸役物P6500及び装飾役物P6600を演出位置に移動する動作を説明する。
閉鎖状態では、図212に示すように、弾丸役物P6500の規制部P6530は、一対のロック部P6247の間に位置する。この状態では、一対のロック部P6247に規制片部P6532が当接することで、規制部P6530の回転が規制される。これにより、内側スパイラル部材P6520の回転が規制される。
第1のモータP6210を駆動させれば、図212に示す出力ギヤP6220が回転する。これにより、出力ギヤP6220に歯合するラック歯部P6241を介して第1のモータP6210の駆動力が伝達され、スライドラックP6240が右方に移動する。上記第1のモータP6210の駆動は、制御手段の制御信号に応じて行われる。
スライドラックP6240が右方に移動する際には、右側ロゴ役物P6310の右側クランクガイドピンP6312c及び左側ロゴ役物P6320の左側クランクガイドピンP6322cが、スライドラックP6240の右側クランクガイド孔P6244及び左側クランクガイド孔P6245に沿ってガイドされる。
この際には、図212及び図217に示すように、右側クランクガイドピンP6312c及び左側クランクガイドピンP6322cは、右側クランクガイド孔P6244及び左側クランクガイド孔P6245の傾斜部分(斜め左下方に延びる部分)にガイドされて、下方に移動する。これに伴い、右側ロゴ役物P6310及び左側ロゴ役物P6320は、メインシャフトP6312a及びメインシャフトP6322aの軸心回りに、正面視反時計回りに回動する。
制御手段は、スライドラックP6240の右方への移動により、スライドラックP6240が図217に示す開放/ロック状態となれば、第1のモータP6210の駆動を停止する。この状態では、右側ロゴ役物P6310及び左側ロゴ役物P6320は、開放位置となり、弾丸役物P6500の前後動作が可能となる。
開放/ロック状態では、弾丸役物P6500の規制部P6530の一部分(右端部)は、一対のロック部P6247の間に位置する。この状態では、閉鎖位置の場合と同様、規制部P6530(内側スパイラル部材P6520)の回転が規制される。
第2のモータP6410を駆動させれば、図211に示す出力ギヤP6421が回転する。出力ギヤP6421の回転は、第1のギヤP6422、第2のギヤP6423及び第3のギヤP6424を介して、ガイドギヤP6430に伝達される。上記第2のモータP6410の駆動は、制御手段の制御信号に応じて行われる。
ここで、図226(a)に示すように、ガイドギヤP6430の突起部P6433は、外側スパイラル部材P6510の外側螺旋溝部P6511aに係合している。ガイドギヤP6430の回転は、突起部P6433が外側螺旋溝部P6511aを相対的に移動することにより、外側スパイラル部材P6510の直線動作に変換される。これにより、ガイドギヤP6430の回転に伴い外側スパイラル部材P6510が前方に移動する。
ここで、スライドラックP6240が開放/ロック状態である場合は、規制部P6530の回転が規制される。これにより、内側スパイラル部材P6520の回転が規制される。すなわち、内側スパイラル部材P6520が固定された状態で、外側スパイラル部材P6510が前方に移動する。
また、図226(b)に示すように、外側スパイラル部材P6510の突起部P6512は、内側スパイラル部材P6520の内側螺旋溝部P6521に係合している。これにより、外側スパイラル部材P6510は、前方への移動に伴い、内側螺旋溝部P6521にガイドされて、前後方向を向く回転軸回りに回転動作する。
ここで、図230(a)に示すように、外側スパイラル部材P6510の前後溝部P6511bには、第1の装飾役物P6610(第1の装飾ベース部P6611)の突起部P6611bが周方向に相対的に移動不能に係合している。上記突起部P6611bを介して、第1の装飾役物P6610には、外側スパイラル部材P6510の回転が伝達される。
また、第1の装飾役物P6610は、シャフト部P6611dを介して第2の装飾役物P6620(第2の装飾ベース部P6621)と連結されている。上記シャフト部P6611dを介して、第2の装飾役物P6620に、第1の装飾役物P6610の回転が伝達される。
以上から、第1の装飾役物P6610及び第2の装飾役物P6620は、外側スパイラル部材P6510の動作に応じて回転する。
また、外側スパイラル部材P6510が前方へ移動すれば、図230(b)に示すように、第1のばねP6515及び第2のばねP6611fが伸長する。第1の装飾役物P6610は、第2のばねP6611fの伸長に伴い前方へ移動する。この際、第1の装飾役物P6610(第1の装飾ベース部P6611)の突起部P6611bは、前後溝部P6511b内を相対的に移動する。また、第1の装飾役物P6610が前方へ移動する際には、シャフト部P6611dは、第2の装飾役物P6620(第2の装飾ベース部P6621)のシャフト受け部P6621b内を前方へ相対的に移動する。
外側スパイラル部材P6510が所定距離前方に移動すれば、図231(a)に示すように、前後溝部P6511bの当接面P6511cが、突起部P6611bに当接する。また、シャフト受け部P6621bの拡径部P6611eが、第2の装飾ベース部P6621に当接する。
この状態では、さらなる外側スパイラル部材P6510の前方への移動に伴い、突起部P6611bが当接面P6511cに押圧される。これにより、第1の装飾役物P6610に、外側スパイラル部材P6510の前方への動作が伝達され、第1の装飾役物P6610が前方へと移動する。また、この状態では、さらなる第1の装飾役物P6610の前方への移動に伴い、第2の装飾ベース部P6621が拡径部P6611eに押圧される。これにより、第2の装飾役物P6620に、第1の装飾役物P6610の前方への動作が伝達され、第2の装飾役物P6620が前方へと移動する。
なお、上記説明では、便宜的に、第1のばねP6515及び第2のばねP6611fが概ね同じタイミングで伸長するような例を挙げたが、第1のばねP6515及び第2のばねP6611fが伸長するタイミングとしては、上記した例に限られない。上記各ばねが伸長するタイミングとしては、各ばねのばね定数等に応じて種々の態様を採用可能である。
図231(b)に示すように、外側スパイラル部材P6510が、突起部P6512が内側螺旋溝部P6521の前端部に位置するまで前方へ移動すれば、弾丸役物P6500及び装飾役物P6600は演出位置となる。この状態では、弾丸役物P6500、第1の装飾役物P6610及び第2の装飾役物P6620は、それぞれ弾丸役物演出位置、第1の装飾役物演出位置及び第2の装飾役物演出位置に位置する。
図232に示すように、弾丸役物P6500の前後方向への移動距離L1は、第1の装飾役物P6610の前後方向への移動距離L2より大きい。また、第1の装飾役物P6610の前後方向への移動距離L2は、第2の装飾役物P6620の前後方向への移動距離L3より大きい。
上記構成としたことで、演出位置において、第1の装飾役物P6610及び第2の装飾役物P6620を前後方向に互いに離間させた立体的な演出が可能なり、遊技の興趣を向上させることができる。
制御手段は、弾丸役物P6500を演出位置へ移動するように弾丸制御手段P6400の動作を制御した後、スライドラックP6240が開放/ロック解除状態となるように、再び第1のモータP6210を駆動させる。これにより、スライドラックP6240が右方へ移動する。
また、制御手段は、スライドラックP6240の右方への移動により、スライドラックP6240が開放/ロック解除状態となれば、第1のモータP6210の駆動を停止する。
開放/ロック解除状態では、図218に示すように、弾丸役物P6500の規制部P6530は、ロック部P6247よりも左方に位置する。この状態では、規制部P6530のロック部P6247による回転の規制が解除される。これにより、内側スパイラル部材P6520の回転が許容される。
開放/ロック解除状態において、第2のモータP6410を駆動させれば、内側螺旋溝部P6521の前端部に位置する突起部P6512を介して、外側スパイラル部材P6510の回転が内側スパイラル部材P6520に伝達される。これにより、外側スパイラル部材P6510の回転に伴い内側スパイラル部材P6520が回転する。
上記構成としたことで、演出位置において、外側スパイラル部材P6510、第1の装飾役物P6610及び第2の装飾役物P6620を回転させることができる。すなわち、内側スパイラル部材P6520の回転を規制した状態では、外側スパイラル部材P6510の突起部P6512が内側螺旋溝部P6521の前端部に位置する演出位置においては、外側スパイラル部材P6510の更なる回転が不能となる。一方、内側スパイラル部材P6520の回転を許容すれば、外側スパイラル部材P6510の回転に伴い内側スパイラル部材P6520が回転することで、演出位置における外側スパイラル部材P6510、第1の装飾役物P6610及び第2の装飾役物P6620の回転動作が可能となる。
次に、演出位置の弾丸役物P6500及び装飾役物P6600を待機位置に移動すると共に、開放位置の開閉役物P6300を閉鎖位置とする動作を説明する。
まず、制御手段は、弾丸役物P6500の回転位置がロック可能位置で停止するように、第2のモータP6410の駆動を停止する。ここで、ロック可能位置とは、図212及び図218に示すように、開放/ロック状態及び閉鎖状態のスライドラックP6240により、規制部P6530の回転が規制可能な弾丸役物P6500の回転位置である。ロック可能位置において、規制部P6530の上下の規制片部P6532の上面及び下面は、それぞれ上方及び下方を向く。弾丸役物P6500がロック可能位置となれば、回動センサP6440が被検知部P6434を検知する。これにより、制御手段は、弾丸役物P6500がロック可能位置となったことを検知することができる。
第1のモータP6210を、上述した移動制御と逆回転となるように駆動させれば、図218に示す出力ギヤP6220が逆回転する。これにより、スライドラックP6240が左方に移動する。
制御手段は、スライドラックP6240の左方への移動により、スライドラックP6240が開放/ロック状態となれば、第1のモータP6210の駆動を停止する。
開放/ロック解除状態において、第2のモータP6410を、上述した移動制御と逆回転となるように駆動させれば、ガイドギヤP6430の回転に伴い、外側スパイラル部材P6510が後方に移動する。
ここで、開放/ロック解除状態では、図217に示すように、規制部P6530の回転が規制される。これにより、内側スパイラル部材P6520の回転が規制される。これにより、外側スパイラル部材P6510は、後方への移動に伴い、内側螺旋溝部P6521にガイドされて、前後方向を向く回転軸回りに回転動作する。
この際、外側スパイラル部材P6510の回転に応じて、第1の装飾役物P6610及び第2の装飾役物P6620も回転する。
外側スパイラル部材P6510が後方へ移動する際には、図233(a)に示すように、第1の装飾役物P6610は、収縮する第1のばねP6515を介して後方へ押圧される。これにより、第1の装飾役物P6610に、外側スパイラル部材P6510の後方への動作が伝達される。この際、第1の装飾役物P6610(第1の装飾ベース部P6611)の突起部P6611bは、前後溝部P6511b内を相対的に移動する。
また、外側スパイラル部材P6510が後方へ移動する際には、第2の装飾役物P6620は、収縮する第2のばねP6611fを介して後方へ押圧される。これにより、第2の装飾役物P6620に、第1の装飾役物P6610の後方への動作が伝達される。この際、第1の装飾役物P6610のシャフト部P6611dは、第2の装飾役物P6620(第2の装飾ベース部P6621)のシャフト受け部P6621b内を後方へ相対的に移動する。
なお、上記説明では、便宜的に、第1のばねP6515及び第2のばねP6611fが概ね同じタイミングで収縮するような例を挙げたが、第1のばねP6515及び第2のばねP6611fが収縮するタイミングとしては、上記した例に限られない。上記各ばねが収縮するタイミングとしては、各ばねのばね定数等に応じて種々の態様を採用可能である。
外側スパイラル部材P6510が、突起部P6512が内側螺旋溝部P6521の後端部に位置するまで後方へ移動すれば、弾丸役物P6500及び装飾役物P6600は待機位置となる。この状態では、弾丸役物P6500、第1の装飾役物P6610及び第2の装飾役物P6620は、それぞれ弾丸役物待機位置、第1の装飾役物待機位置及び第2の装飾役物待機位置に位置する。
弾丸役物P6500が待機位置となれば、前後センサP6450のレバー部が、押圧部P6513aにより押圧される。これにより、制御手段は、弾丸役物P6500が待機位置となったことを検知することができる。
制御手段は、弾丸役物P6500が待機位置となれば、第2のモータP6410の駆動を停止する。また、制御手段は、第1のモータP6210を駆動させ、スライドラックP6240を左方に移動させる。
この際には、右側クランクガイドピンP6312c及び左側クランクガイドピンP6322cは、右側クランクガイド孔P6244及び左側クランクガイド孔P6245の傾斜部分(斜め左下方に延びる部分)にガイドされて、上方に移動する。これに伴い、右側ロゴ役物P6310及び左側ロゴ役物P6320は、メインシャフトP6312a及びメインシャフトP6322aの軸心回りに、正面視時計回りに回動する。
制御手段は、スライドラックP6240の左方への移動により、スライドラックP6240が閉鎖状態となれば、第1のモータP6210の駆動を停止する。この状態では、右側ロゴ役物P6310及び左側ロゴ役物P6320は、閉鎖位置となる。
上述の如き演出装置P6000によれば、演出態様を多彩にし、遊技の興趣を向上させることができる。すなわち、弾丸役物P6500及び装飾役物P6600を、直進動作及び回転動作の複数の動作態様で動作させることができる。
また、本実施形態に係る弾丸制御手段P6400は、単一のモータ(第2のモータP6410)の駆動力で、弾丸役物P6500の直進動作及び回転動作を可能としている。これにより、機構の簡素化を図ることができる。また、弾丸役物P6500の動作に伴って、装飾役物P6600(第1の装飾役物P6610及び第2の装飾役物P6620)を動作させる構成としているので、更なる機構の簡素化を図ることができる。
また、本実施形態に係る弾丸制御手段P6400は、内側スパイラル部材P6520の回転を規制する状態(開放/ロック状態)と回転を許容する状態(開放/ロック解除状態)とに切り替え可能としている。これにより、内側スパイラル部材P6520の回転を規制して、外側スパイラル部材P6510を前後方向に移動させながら回転させる動作と、外側スパイラル部材P6510を前後方向に移動させずに回転させる動作と、が可能となる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、例えばパチンコ機などの遊技機は公知となっている。例えば、特開2016-59498号公報に記載の如くである。
特開2016-59498号公報には、回転動作を行うことで所定の可動演出を行う可動演出役物を備えた遊技機が開示されている。
このような遊技機において、遊技の興趣をさらに向上させることが望まれている。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
第1の可動体(弾丸役物P6500)と第2の可動体(第1の装飾役物P6610)とを備え、
前記第1の可動体(弾丸役物P6500)は、第1の位置(弾丸役物待機位置)から第2の位置(弾丸役物演出位置)へ動作可能であり、
前記第2の可動体(第1の装飾役物P6610)は、前記第1の可動体(弾丸役物P6500)の動作に伴い前記第1の可動体(弾丸役物P6500)に当接されることで動作することを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様を多彩にし、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記第2の可動体(第1の装飾役物P6610)の動作に伴って動作する第3の可動体(第2の装飾役物P6620)を備え、
前記第2の可動体(第1の装飾役物P6610)と前記第3の可動体(第2の装飾役物P6620)とは動作距離が異なることを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様をより多彩にすることができる。
また、前記第2の可動体(第1の装飾役物P6610)は、
前記第1の可動体(弾丸役物P6500)が前記第1の位置(弾丸役物待機位置)から前記第2の位置(弾丸役物演出位置)に動作する場合は前記第1の可動体(弾丸役物P6500)の第1の部位(当接面P6511c)に当接することで動作し、
前記第1の可動体(弾丸役物P6500)が前記第2の位置(弾丸役物演出位置)から前記第1の位置(弾丸役物待機位置)に動作する場合は前記第1の可動体(弾丸役物P6500)の第2の部位(第1のばねP6515)に当接することで動作することを特徴とするものである。
このような構成により、第1の可動体(弾丸役物P6500)の動作を利用して第2の可動体(第1の装飾役物P6610)を動作させることができる。
また、前記第1の可動体(弾丸役物P6500)は、
前記第1の位置(弾丸役物待機位置)から前記第2の位置(弾丸役物演出位置)に動作する際に、異なる複数の動作態様(直進動作と回転動作)で動作可能であることを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様をより多彩にすることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記第2の可動体(第1の装飾役物P6610)の動作に伴って動作する第3の可動体(第2の装飾役物P6620)を備え、
前記第3の可動体(第2の装飾役物P6620)は、
前記第2の可動体(第1の装飾役物P6610)の前記第1の可動体(弾丸役物P6500)との位置関係に応じて付勢手段(第1のばねP6515及び第2のばねP6613f)の付勢力により第3の位置(第2の装飾役物待機位置)にあり、前記第1の可動体(弾丸役物P6500)が前記第1の位置(弾丸役物待機位置)から前記第2の位置(弾丸役物演出位置)に動作するのに伴い前記第3の位置(第2の装飾役物待機位置)から第4の位置(第2の装飾役物演出位置)に動作することを特徴とするものである。
このような構成により、第1の可動体(弾丸役物P6500)の動作を利用して第3の可動体(第2の装飾役物P6620)を動作させることができる。
また、前記第2の可動体(第1の装飾役物P6610)は、
前記第3の位置(第2の装飾役物待機位置)から前記第4の位置(第2の装飾役物演出位置)に動作する際に、異なる複数の動作態様(前後動作と回転動作)で動作可能であることを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様をより多彩にすることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記第2の可動体(第1の装飾役物P6610)の動作に伴って動作する第3の可動体(第2の装飾役物P6620)を備え、
前記第3の可動体(第2の装飾役物P6620)は、
前記第2の可動体(第1の装飾役物P6610)が前記第3の位置(第2の装飾役物待機位置)から前記第4の位置(第2の装飾役物演出位置)に動作する際に、異なる複数の動作態様(前後動作と回転動作)で動作可能であることを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様をより多彩にすることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記第2の可動体(第1の装飾役物P6610)の動作に伴って動作する第3の可動体(第2の装飾役物P6620)を備え、
前記第2の可動体(第1の装飾役物P6610)と前記第3の可動体(第2の装飾役物P6620)とは、積層構造となっていることを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様をより多彩にすることができる。
また、前記第1の可動体(弾丸役物P6500)は、
前記第1の位置(弾丸役物待機位置)から前記第2の位置(弾丸役物演出位置)に動作する際に、異なる複数の動作態様で動作可能であり、
前記複数の動作態様は、少なくとも直進動作を含むことを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様をより多彩にすることができる。
また、前記第1の可動体(弾丸役物P6500)は、
前記第1の位置(弾丸役物待機位置)から前記第2の位置(弾丸役物演出位置)に動作する際に、異なる複数の動作態様で動作可能であり、
前記複数の動作態様は、直進動作と回転動作であることを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様をより多彩にすることができる。
また、前記第1の可動体(弾丸役物P6500)は、前記第2の位置(弾丸役物演出位置)に位置する場合、回転動作を行うが直進動作(前後動作)は行わないことを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様をより多彩にすることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記第1の可動体(弾丸役物P6500)の外面にはスパイラル状の第1の溝部(外側螺旋溝部P6511a)が設けられ、
前記第1の溝部(外側螺旋溝部P6511a)が、前記第1の可動体(弾丸役物P6500)の外側に設けられたガイドギヤP6430の第1の突起部(突起部P6433)と当接して前記ガイドギヤP6430へ駆動手段(第2のモータP6410)からの回転駆動力が伝達されることで前記第1の可動体(弾丸役物P6500)が直進動作することを特徴とするものである。
このような構成により、駆動手段の回転駆動力を用いた多彩な演出が可能となる。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記第1の可動体(弾丸役物P6500)の内部に収容されると共に、外面にはスパイラル状の第2の溝部(内側螺旋溝部P6521)が設けられた内部スパイラル部材(内側スパイラル部材P6520)を備え、
前記第1の可動体(弾丸役物P6500)の内面には第2の突起部(突起部P6512)が設けられ、
前記第2の突起部(突起部P6512)が前記第2の溝部(内側螺旋溝部P6521)に当接した状態での前記第1の可動体(弾丸役物P6500)の直進動作に伴って、当該第1の可動体(弾丸役物P6500)が回転動作することを特徴とするものである。
このような構成により、駆動手段(第2のモータP6410)の回転駆動力を用いたより多彩な演出が可能となる。
なお、弾丸役物P6500は、第1の可動体の一形態である。
また、外側螺旋溝部P6511aは、第1の溝部の一形態である。
また、第1のばねP6515は、付勢手段の一形態である。
また、内側スパイラル部材P6520は、内部スパイラル部材の一形態である。
また、内側螺旋溝部P6521は、第2の溝部の一形態である。
また、第1の装飾役物P6610は、第2の可動体の一形態である。
また、第2のばねP6613fは、付勢手段の一形態である。
また、第2の装飾役物P6620は、第3の可動体の一形態である。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、例えばパチンコ機などの遊技機は公知となっている。例えば、特開2016-59498号公報に記載の如くである。
特開2016-59498号公報には、回転動作を行うことで所定の可動演出を行う可動演出役物を備えた遊技機が開示されている。
このような遊技機において、遊技の興趣をさらに向上させることが望まれている。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)と第2の可動体(内側スパイラル部材P6520)とを備え、
前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)が第1の位置(待機位置)と第2の位置(演出位置)との間にある状態では前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)が動作可能かつ前記第2の可動体(内側スパイラル部材P6520)が動作不能であり、
前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)が前記第2の位置(演出位置)にある状態では前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)と前記第2の可動体(内側スパイラル部材P6520)とが共に動作可能であることを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様を多彩にし、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記第2の可動体(内側スパイラル部材P6520)の動作をロックするロック手段(スライドラックP6240)を備え、
前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)が前記第1の位置(待機位置)から前記第2の位置(演出位置)までの間にある状態で、前記ロック手段(スライドラックP6240)が第3の位置(開放/ロック状態)にあると前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)が動作可能かつ前記第2の可動体(内側スパイラル部材P6520)が動作不能となり、
前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)が前記第2の位置(演出位置)にある状態で、前記ロック手段が第4の位置(開放/ロック解除状態)にあると前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)と前記第2の可動体(内側スパイラル部材P6520)とが共に動作可能となることを特徴とするものである。
このような構成により、ロック手段(スライドラックP6240)を用いた第2の可動体(内側スパイラル部材P6520)の動作の切り替えが可能となる。
また、前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)は、
第1の動作(回転動作)と、前記第1の動作とは異なる第2の動作(直進動作)と、を実行可能であることを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様をより多彩にすることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記第2の可動体(内側スパイラル部材P6520)は前記第1の動作(回転動作)を実行可能であり、
前記第2の可動体(内側スパイラル部材P6520)には前記第1の動作(回転動作)を規制する規制部材(規制部P6530)が設けられ、
前記ロック手段(スライドラックP6240)は前記第3の位置(開放/ロック状態)において前記規制部材(規制部P6530)と当接することで前記第2の可動体(内側スパイラル部材P6520)の前記第1の動作(回転動作)をロックすることを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様をより多彩にすることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記ロック手段(スライドラックP6240)が前記第2の可動体(内側スパイラル部材P6520)の前記第1の動作(回転動作)をロックした状態で、前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)は前記第2の動作(直進動作)が可能であることを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様をより多彩にすることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記第1の動作は回転動作であり、前記第2の動作は直進動作であることを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様をより多彩にすることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)にはスパイラル状の第1の溝部(外側螺旋溝部P6511a)が設けられ、
前記第1の溝部(外側螺旋溝部P6511a)に当接した状態で、駆動手段(第2のモータP6410)からの回転駆動力を伝達し前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)を直進動作させるガイドギヤP6430を備えることを特徴とするものである。
このような構成により、駆動手段(第2のモータP6410)の回転駆動力を用いた多彩な演出が可能となる。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)には、突起部P6611bが設けられ、
前記第2の可動体(内側スパイラル部材P6520)にはスパイラル状の第2の溝部(内側螺旋溝部P6521)が設けられ、
前記突起部P6611bと前記第2の溝部(内側螺旋溝部P6521)とが当接した状態で、前記第2の可動体(内側スパイラル部材P6520)に対し前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)が直進動作することで当該第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)が回転動作可能であることを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様をより多彩にすることができる。
また、前記第2の可動体(内側スパイラル部材P6520)は、前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)が前記第1の位置(待機位置)にある状態で当該第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)の内部に収容され、前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)が前記第2の位置(演出位置)にある状態で当該第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)の外部に位置することを特徴とするものである。
このような構成により、第1の位置(待機位置)においてコンパクト化を図ることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記ロック手段(スライドラックP6240)の動作に伴って動作する第3の可動体(開閉役物P6300)を備えることを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様をより多彩にすることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)が前記第1の位置(待機位置)から前記第2の位置(演出位置)へ動作するのに伴って動作する第4の可動体(装飾役物P6600)を備えることを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様をより多彩にすることができる。
また、前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)は、
第1の動作(回転動作)と、前記第1の動作とは異なる第2の動作(直進動作)と、を実行可能であり、
前記第4の可動体(装飾役物P6600)は、前記第1の動作及び前記第2の動作を実行可能であることを特徴とするものである。
このような構成により、演出態様をより多彩にすることができる。
また、前記第4の可動体(装飾役物P6600)は、
前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)の前記第1の位置(待機位置)から前記第2の位置(演出位置)への動作に伴い前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)に当接されることで動作し、
前記第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)との位置関係に応じて付勢手段(第1のばねP6515及び第2のばねP6613f)の付勢力により前記第1の位置(待機位置)へと付勢されることを特徴とするものである。
このような構成により、第1の可動体(外側スパイラル部材P6510)の動作を利用して第4の可動体(装飾役物P6600)を動作させることができる。
なお、外側スパイラル部材P6510は、第1の可動体の一形態である。
また、外側螺旋溝部P6511aは、第1の溝部の一形態である。
また、第1のばねP6515は、付勢手段の一形態である。
また、内側スパイラル部材P6520は、第2の可動体の一形態である。
また、内側螺旋溝部P6521は、第2の溝部の一形態である。
また、規制部P6530は、規制部材の一形態である。
また、スライドラックP6240は、ロック手段の一形態である。
また、開閉役物P6300は、第3の可動体の一形態である。
また、装飾役物P6600は、第4の可動体の一形態である。
また、第2のばねP6613fは、付勢手段の一形態である。
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態では、弾丸役物P6500及び装飾役物P6600を待機位置から演出位置に移動させる際に、第1の装飾役物P6610は、まず第2のばねP6611fの伸長に伴い前方へ移動し、外側スパイラル部材P6510が所定距離前方に移動すれば、突起部P6611bが当接面P6511cに押圧されることにより前方へ移動する構成としたが、このような態様に限られない。例えば、第1の装飾役物P6610を、待機位置から演出位置までの全体に亘って、突起部P6611bが当接面P6511cに押圧されることにより前方へ移動する構成としてもよい。
また、本実施形態では、待機位置において、装飾役物P6600(第1の装飾役物P6610及び第2の装飾役物P6620)を、第1のばねP6515及び第2のばねP6611fを介して、後方へ押し付ける構成としたが、このような態様に限られない。例えば、待機位置において、弾丸役物P6500により、付勢部材を介さずに直接的に第1の装飾役物P6610を後方へ押し付ける構成としてもよい。また、待機位置において、第1の装飾役物P6610により、直接的に第2の装飾役物P6620を後方へ押し付ける構成としてもよい。
また、本実施形態では、弾丸役物P6500の直進動作を、前後方向の動作としたが、このような態様に限られない。弾丸役物P6500の直進動作としては種々の方向を採用可能である。
また、本実施形態では、第1の可動体を弾丸を模したものとしたが、第1の可動体の形状としてはこのような態様に限られず、種々の形状を採用可能である。
また、本実施形態では、装飾役物P6600を渦を模したものとしたが、装飾役物P6600の形状としてはこのような態様に限られず、種々の形状を採用可能である。
以下では、本発明の第4実施形態に係るパチンコ遊技機について説明する。なお、先述した実施形態に係るものと同一又は類似の構成要素については、同一名称や同一符号を付する等してその説明を省略する。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機は、演出装置P7000を有する点で、第1~第3実施形態に係るパチンコ遊技機と大きく異なる。以下では、図234から図272までを用いて、演出装置P7000について説明する。
演出装置P7000は、適宜のタイミングで動作することで、遊技者に視覚的な印象(インパクト)を与えるものである。演出装置P7000は、図234に示すように、遊技盤P1100に設けられる。演出装置P7000は、前側部分が遊技盤P1100の前面よりも前方に突出した状態で、当該遊技盤P1100の開口領域1dに嵌め込まれている。演出装置P7000は、遊技領域P1120を転動する遊技球を内部に導入可能に構成されると共に、当該遊技球を、例えば後述する特定領域P7911側又は非特定領域P7912側へ振り分けることができる。演出装置P7000には、遊技者が視認可能な部分の各所に、塔の壁面を模した装飾が施されている。なお、図例では、装飾の図示を適宜省略している。
演出装置P7000は、前カバー部P7100、後カバー部P7200、駆動ユニットP7300、塔役物P7400及び特定領域ユニットP7900を具備する。
まず、演出装置P7000の前カバー部P7100の構成について説明する。
図234から図236までに示す前カバー部P7100は、後述する駆動ユニットP7300、塔役物P7400及び特定領域ユニットP7900を前方から覆うものである。前カバー部P7100は、後方に向けて開口する略箱形状に形成されている。前カバー部P7100は、正面視において、上下方向に長尺な略矩形状に形成されている。また、前カバー部P7100は、上側部分の幅寸法(左右寸法)が小さくなるように形成されている。前カバー部P7100は、前壁部P7110、側壁部P7120、外部排出通路P7130及び飾り部P7140を具備する。
前壁部P7110は、前カバー部P7100の前壁を構成するものである。前壁部P7110は、厚さ方向を前後方向に向けた板形状に形成されている。前壁部P7110は、上窓部P7111及び下窓部P7112を具備する。
図236に示す上窓部P7111は、前壁部P7110の上側部分に設けられた窓部である。上窓部P7111は、透明な材料で形成されている。遊技者は、上窓部P7111を介して、後述する駆動ユニットP7300を視認することができる。なお、図234及び図235では、上窓部P7111の図示を省略している。
図236に示す下窓部P7112は、上窓部P7111の下方に設けられた窓部である。下窓部P7112は、透明な材料で形成されている。遊技者は、下窓部P7112を介して、後述する塔役物P7400を視認することができる。なお、図234及び図235では、下窓部P7112の図示を省略している。
図235及び図236に示す側壁部P7120は、前カバー部P7100の上下左右の側壁を構成するものである。側壁部P7120は、供給部P7121、排出部P7122及び回収部P7123を具備する。
供給部P7121は、遊技領域P1120を転動する遊技球の入口となるものである。供給部P7121を介して、演出装置P7000の内部に遊技球が供給(導入)される。供給部P7121は、側壁部P7120を厚さ方向に貫通した通路状に形成される。供給部P7121は、側壁部P7120の上側部分に設けられている。供給部P7121は、側壁部P7120の左右両側にそれぞれ位置するように一対設けられる。
排出部P7122は、演出装置P7000の内部に供給された遊技球の一部を外部に排出する出口である。排出部P7122は、供給部P7121よりも下側に設けられる。排出部P7122は、側壁部P7120の左右両側部に設けられる。右側の排出部P7122は、側壁部P7120の右側部を左右方向に貫通した部分と、概ね前後方向に延びた通路状の部分と、を含んで形成されている。右側の排出部P7122は、遊技盤P1100の裏側(後面)へ遊技球を排出する。また、図示せぬ左側の排出部P7122は、側壁部P7120の左側部を左右方向に貫通した部分を含んで形成され、遊技球を遊技領域P1120に排出する。なお、右側の排出部P7122も左側の排出部P7122と同様に、遊技球を遊技領域P1120に排出する構成としてもよい。
回収部P7123は、遊技領域P1120を転動する遊技球を回収するものである。具体的には、回収部P7123は、遊技領域P1120の左側及び右側の領域をそれぞれ転動し終わった遊技球を回収するものである。このように、回収部P7123は、いわゆるアウト口としての役割を有する。回収部P7123は、側壁部P7120の下側部分の左右両側にそれぞれ位置するように一対設けられる。こうして、遊技領域P1120を転動する遊技球は、各種の入賞口等に入賞されない場合、回収部P7123から演出装置P7000の内部へと回収される。
図234に示す外部排出通路P7130は、回収部P7123から回収された遊技球や、後述する特定領域ユニットP7900の非特定領域P7912を通過した遊技球を、遊技盤P1100の裏側へ排出する通路である。外部排出通路P7130は、前壁部P7110後方側(裏側)に位置し、遊技者に視認不能に設けられる。
図235及び図236に示す飾り部P7140は、塔役物P7400の側方を覆うものである。飾り部P7140は、側壁部P7120の後方に設けられる。飾り部P7140は、厚さ方向を左右方向に向けた板形状に形成されている。
次に、図235及び図236を用いて、演出装置P7000の後カバー部P7200の構成について説明する。
後カバー部P7200は、駆動ユニットP7300、塔役物P7400及び特定領域ユニットP7900を後方から覆うものである。後カバー部P7200は、前方に向けて開口する略箱形状に形成されている。後カバー部P7200は、正面視(背面視)において略矩形状に形成されている。
次に、演出装置P7000の駆動ユニットP7300の構成について説明する。
図236、図241から図245まで、及び図250に示す駆動ユニットP7300は、塔役物P7400を動作させると共に、演出装置P7000に供給された遊技球を振り分けるものである。駆動ユニットP7300は、前カバー部P7100の上側部分の後方に配置される。駆動ユニットP7300は、前カバー部P7100及び後カバー部P7200の上側部分に固定される。駆動ユニットP7300は、上カバー部P7310、クルーン部P7320、駆動ベース部P7330、排出ガイド部P7340、駆動部P7350、振分部P7360、駆動ギヤP7370及び円盤部P7380を具備する。
図235、図241及び図242に示す上カバー部P7310は、後述するクルーン部P7320や駆動ベース部P7330等を上方から覆うものである。上カバー部P7310は、前方及び下方が開放された蓋状に形成されている。上カバー部P7310は、駆動ユニットP7300の最上部に配置される。上カバー部P7310は、センサ部P7311を具備する。
センサ部P7311は、前カバー部P7100の供給部P7121を介して供給された遊技球の通過を検知するものである。すなわち、センサ部P7311は、遊技領域P1120から演出装置P7000の内部に供給された遊技球を検知するものである。センサ部P7311は、前カバー部P7100の一対の供給部P7121の内側(下流側)にそれぞれ配置される。
図241、図242、図246、図247及び図250に示すクルーン部P7320は、供給部P7121を介して供給された遊技球が転動するものである。すなわち、クルーン部P7320は、遊技領域P1120から演出装置P7000の内部に供給された遊技球を、振り分けるためのものである。クルーン部P7320は、クルーン本体P7321、供給通路部P7322及びクルーン支持部P7323を具備する。
クルーン本体P7321は、遊技球が転動する部分である。クルーン本体P7321は、上方に向けて開口する略皿形状に形成されている。また、クルーン本体P7321は、平面視において略円形状に形成されている。クルーン本体P7321の上面は、外側部分から中央部へ向けて高さが徐々に低くなるように形成されている。クルーン本体P7321は、孔部P7321aを具備する。
孔部P7321aは、クルーン本体P7321を上下に貫通する孔である。クルーン本体P7321を転動する遊技球は、孔部P7321aを通過して下方に落下する。孔部P7321aは、クルーン本体P7321の平面視略中央に形成されている。孔部P7321aは、周方向に等間隔を空けて、3つ形成されている。具体的には、3つの孔部P7321aのうち1つの孔部P7321aは、クルーン本体P7321の左右方向中央部に形成されている。また、他の2つの孔部P7321aは、左右方向中央部に形成された孔部P7321aの左右前方(クルーン本体P7321の左右方向中央部から左右にずれた位置)にそれぞれ形成されている。こうして、クルーン本体P7321を転動する遊技球は、3つの孔部P7321aの何れかから落下する(何れかの孔部P7321aに振り分けられる)。
供給通路部P7322は、供給部P7121を介して供給された遊技球を、クルーン本体P7321へ誘導する通路である。供給通路部P7322の上流側は、供給部P7121に接続される(不図示)。供給通路部P7322の下流側は、クルーン本体P7321に接続される。また、供給通路部P7322の下流側は、平面視で、クルーン本体P7321の外側部分において周方向に沿う方向へ開口されている。こうして、供給通路部P7322からクルーン本体P7321へ誘導された遊技球は、まずはクルーン本体P7321の外側部分を周方向へ転動する。供給通路部P7322は、一対のセンサ部P7311を通過した遊技球を誘導可能なように、クルーン本体P7321の左右両側方に一対設けられる。
クルーン支持部P7323は、クルーン本体P7321及び供給通路部P7322を支持するものである。クルーン支持部P7323は、クルーン本体P7321及び供給通路部P7322の下方に設けられる。クルーン支持部P7323は、後述する駆動ベース部P7330の上部に固定される。
図241、図242、図246、図247及び図250に示す駆動ベース部P7330は、前カバー部P7100及び後カバー部P7200の上側部分に固定されるものである。駆動ベース部P7330は、駆動ベース本体部P7331、支持部P7332及び揺動センサP7333を具備する。
駆動ベース本体部P7331は、駆動ベース部P7330の上側部分を構成するものである。駆動ベース本体部P7331は、上方に向けて開口する略箱形状に形成されている。駆動ベース本体部P7331は、平面視において略矩形状に形成されている。駆動ベース本体部P7331の上部には、クルーン支持部P7323が固定される。駆動ベース本体部P7331の底部は、クルーン支持部P7323に支持されたクルーン本体P7321(より詳細には、3つの孔部P7321a)の下方に位置するように設けられる。これにより、クルーン本体P7321の孔部P7321aを通過した遊技球は、駆動ベース本体部P7331の底部に落下する。駆動ベース本体部P7331の底部は、左右方向中央部の高さが低くなるように傾斜している。駆動ベース本体部P7331の底部の前側部分の左右両側には、上方へ凸状に形成された凸部が設けられる。駆動ベース本体部P7331の後部には、演出装置P7000の制御に関する信号を中継する中継基板が設けられる。駆動ベース本体部P7331は、転動ガイド部P7331aを具備する。
転動ガイド部P7331aは、駆動ベース本体部P7331の底部において、遊技球を前方に転動するようにガイドするものである。転動ガイド部P7331aは、左右の凸部の間で、前後方向に延びる溝形状に形成されている。転動ガイド部P7331a及び左右の凸部は、平面視においてクルーン本体P7321の3つの孔部P7321aよりも前方に位置するように形成されている。転動ガイド部P7331aは、駆動ベース本体部P7331の左右方向中央部に形成される。転動ガイド部P7331aは、前端部側の高さが後端部よりも低くなるように傾斜している。
こうして、駆動ベース本体部P7331は、クルーン本体P7321の孔部P7321aから落下してきた遊技球を、当該駆動ベース本体部P7331の底部(より詳細には、底部のうち、転動ガイド部P7331aよりも後方部分)で受けると共に、当該底部で転動させる。そして、駆動ベース本体部P7331の底部を転動する遊技球は、当該底部のうち転動ガイド部P7331aを前端部側へ転動する。転動ガイド部P7331aを前端部側へ転動する遊技球は、当該前端部に到達すると下方に落下する。
支持部P7332は、後述する排出ガイド部P7340を支持するものである。支持部P7332は、駆動ベース部P7330の下側部分を構成する。支持部P7332は、駆動ベース本体部P7331の前側部分において、左右方向両側に突出するように、左右に一対設けられている。支持部P7332は、下方に向けて開口する略箱形状に形成されている。支持部P7332は、平面視において略矩形状に形成されている。
また、左右の支持部P7332は、左右方向に互いに離間している。ここで、上述の如く左右の支持部P7332の間の上側には、駆動ベース本体部P7331が配置されている。また、左右の支持部P7332の間の下側には、後述する排出ガイド部P7340が配置されている。こうして、左右の支持部P7332の間には、左右方向に長尺な正面視で略矩形状の開口部P7332aが形成されている。
揺動センサP7333は、後述する振分部P7360の被検知部P7363aを検知可能なものである。揺動センサP7333は、駆動ベース本体部P7331の下部に設けられる。本実施形態では、揺動センサP7333は、図269に示すように、振分部P7360が左方を向いた状態での被検知部P7363aを検知可能な位置に設けられる。
排出ガイド部P7340は、駆動ベース部P7330の転動ガイド部P7331aから落下してきた遊技球の一部を受けると共に前カバー部P7100の外部に排出するようにガイドするものである。排出ガイド部P7340は、左右方向に長尺な形状に形成されている。排出ガイド部P7340の上面は、略板状に形成されている。また、排出ガイド部P7340の上面は、正面視において左右方向中央部から左右方向両端部側へ斜め下方へ傾斜するように形成されている。排出ガイド部P7340は、駆動ベース部P7330の一対の支持部P7332の前端部に固定される。排出ガイド部P7340は、正面視において駆動ベース部P7330の転動ガイド部P7331aよりも、開口部P7332aを介して下方に位置するように設けられる。排出ガイド部P7340の右端部は、前カバー部P7100の右側の排出部P7122と連通する。また、排出ガイド部P7340の左端部は、前カバー部P7100の図示せぬ左側の排出部P7122と連通する。排出ガイド部P7340は、センサ部P7341を具備する。
センサ部P7341は、排出ガイド部P7340を転動する(左右の排出部P7122を介して排出される)遊技球の通過を検知するものである。センサ部P7341は、排出ガイド部P7340の左右両端部にそれぞれ(一対)設けられる。
こうして、排出ガイド部P7340は、駆動ベース部P7330の転動ガイド部P7331aから落下してきた遊技球を受けた場合には、当該遊技球を排出ガイド部P7340の左右方向両端部側へ転動させる。そして、排出ガイド部P7340の左端部側へと転動する遊技球は、前カバー部P7100の図示せぬ左側の排出部P7122を介して再び遊技領域P1120へと排出される。また、排出ガイド部P7340の右端部側へと転動する遊技球は、前カバー部P7100の右側の排出部P7122を介して遊技盤P1100の裏側(後面)へ排出される。
図241、図243から図245までに示す駆動部P7350は、後述する塔役物P7400や振分部P7360を駆動するものである。駆動部P7350は、図241に示すように、駆動ベース部P7330(駆動ベース本体部P7331)の下部に固定される。すなわち、駆動部P7350は、駆動ベース部P7330を介して、前カバー部P7100及び後カバー部P7200の上側部分に固定される。駆動部P7350は、駆動フレームP7351、ばね部P7352、第1のモータP7353、出力ギヤP7354及び揺動軸部P7355を具備する。
駆動フレームP7351は、駆動ベース本体部P7331に固定されるものである。駆動フレームP7351は、平面視において略円環形状に形成される。駆動フレームP7351は、係止部P7351aを具備する。
係止部P7351aは、後述するばね部P7352を係止するものである。係止部P7351aは、駆動フレームP7351の上面から上方に突出する。係止部P7351aは、駆動フレームP7351の上面における右後部に設けられる。
ばね部P7352は、後述する振分部P7360を右方に付勢するものである。ばね部P7352は、一端部が、駆動フレームP7351の係止部P7351aに係止され、他端部が、後述する振分部P7360の係止部P7362aに係止される。ばね部P7352は、引張りばねを構成する。
第1のモータP7353は、塔役物P7400や振分部P7360の駆動源である。第1のモータP7353は、駆動フレームP7351の上面の左後部に設けられる。第1のモータP7353は、出力軸が、駆動フレームP7351を上下に貫通して下方へと突出するように設けられる。
図245に示す出力ギヤP7354は、第1のモータP7353の駆動力を取り出すものである。出力ギヤP7354は、第1のモータP7353の出力軸の下端部に固定される。
図243、図244及び図251に示す揺動軸部P7355は、振分部P7360の揺動の中心となる軸である。揺動軸部P7355は、長尺な形状に形成され、軸線方向を上下方向に向けて配置される。揺動軸部P7355は、平面視で駆動フレームP7351の内側(駆動フレームP7351から離間した位置)に設けられる。具体的には、揺動軸部P7355は、駆動フレームP7351の内側における後部に位置するように設けられる。揺動軸部P7355は、上端部が、駆動ベース本体部P7331の下部に固定される。揺動軸部P7355は、駆動ベース本体部P7331から下方へ延出するように設けられる。
図235、図241、図243、図244及び図250に示す振分部P7360は、駆動ベース部P7330の転動ガイド部P7331aから落下してきた遊技球の一部を所定のタイミングで受けると共に後述する特定領域P7911側(入賞可能な部分)へとガイドするものである。振分部P7360は、揺動軸部P7355を揺動中心として左右に揺動可能に設けられる(図244、図269から図271までを参照)。このように、振分部P7360は、移動式の入賞口を構成する(図250を参照)。振分部P7360は、前側部分を除いた大部分が駆動ベース部P7330の駆動ベース本体部P7331の下方に設けられる。振分部P7360の前側部分は、駆動ベース本体部P7331よりも前方に位置すると共に、排出ガイド部P7340の上方に位置するように設けられる。
また、振分部P7360は、揺動軸部P7355を介して、駆動ベース部P7330(駆動ベース本体部P7331)に吊るされるように設けられる。また、振分部P7360は、揺動軸部P7355を揺動中心として、振分部P7360の先端部(前端部)が、図269に示す斜め前左方を向く位置から、図271に示す斜め前右方を向く位置までの範囲を揺動可能に設けられる。なお、以下では、振分部P7360の先端部が、図244に示す前方を向く位置を基準として、当該振分部P7360の形状等について説明する。振分部P7360は、振分本体部P7361、板部P7362、装飾部P7363及び傾斜部P7364を具備する。
振分本体部P7361は、振分部P7360の主たる構造体である。振分本体部P7361は、前後方向に長尺に形成されている。振分本体部P7361は、軸受部P7361a、通路部P7361b、孔部P7361c及びガイド溝部P7361dを具備する。
軸受部P7361aは、揺動軸部P7355が挿通される部分である。軸受部P7361aは、振分本体部P7361の後端部において、上下に貫通するように形成される。
通路部P7361bは、転動ガイド部P7331aから落下した遊技球を受けると共に、塔役物P7400側へ転動するようにガイドするものである。通路部P7361bは、上方に向けて開口すると共に、前後方向に延びる溝形状に形成されている。通路部P7361bは、振分本体部P7361の前後方向の略全体に亘って形成される。通路部P7361bの底部は、後端部の高さが前端部よりも低くなるように傾斜している。これにより、通路部P7361b内に位置する遊技球は、当該通路部P7361bの後端部側へ転動する。通路部P7361bの先端部(前端部)は、左右の支持部P7332の間の開口部P7332aを介して前方に突出されている(図244及び図246参照)。こうして、通路部P7361bの先端部は、駆動ベース本体部P7331よりも前方に位置すると共に、排出ガイド部P7340の上方に位置するように設けられる。
図244に示す孔部P7361cは、通路部P7361bの底部の後端部において、上下に貫通する孔である。通路部P7361bを転動する遊技球は、孔部P7361cを通過して下方に落下する。
図244に示すガイド溝部P7361dは、後述する塔役物P7400の揺動伝達部P7413eを受け入れると共に、揺動伝達部P7413eを介した駆動が伝達されるものである。ガイド溝部P7361dは、通路部P7361bの下方に、平面視で概ね重複する位置に形成される。ガイド溝部P7361dは、下方に向けて開口すると共に、前後方向に延びる溝形状に形成されている。ガイド溝部P7361dは、振分本体部P7361の前後方向の中途部に形成される。
図243及び図244に示す板部P7362は、振分本体部P7361の後部の左右方向両側において、左右方向外側にそれぞれ突出するものである。板部P7362は、厚さ方向を上下方向に向けた板形状に形成されている。板部P7362は、係止部P7362aを具備する。
係止部P7362aは、ばね部P7352を係止するものである。係止部P7362aは、左右の板部P7362のうち、右側の板部P7362の上面から上方に向けて突出する。係止部P7362aは、ばね部P7352の他端部(係止部P7351aに係止される側とは逆側の端部)を係止する。係止部P7362aにばね部P7352が係止されることで、振分部P7360は、ばね部P7352により右方に付勢される。
装飾部P7363は、振分本体部P7361の前部の左右方向両側において、左右方向外側にそれぞれ突出するものである。装飾部P7363は、平面視において、揺動軸部P7355を円心とした円弧形状に形成される。装飾部P7363の前面は、塔の壁を模した装飾が施されている。装飾部P7363は、振分部P7360が左右に揺動した場合であっても、当該振分部P7360の後側部分が遊技者に視認されるのを防止することができる。装飾部P7363は、被検知部P7363aを具備する。
被検知部P7363aは、揺動センサP7333により検知される部分である。被検知部P7363aは、左右の装飾部P7363のうち、左側の装飾部P7363の後面から後方に向けて突出する。図269に示すように、被検知部P7363aは、振分部P7360が左方を向いた状態になると(斜め前左方を向く位置にある場合に)揺動センサP7333により検知される。
傾斜部P7364は、転動ガイド部P7331aから落下した遊技球を、排出ガイド部P7340側へ転動するようにガイドするものである。傾斜部P7364は、振分本体部P7361の前端部の左右方向両側において、左右方向外側にそれぞれ突出する。傾斜部P7364は、平面視において、排出ガイド部P7340と重複する位置に設けられる。傾斜部P7364は、上面が、突出方向先端部の高さが低くなるように傾斜している。これにより、傾斜部P7364上に位置する遊技球は、当該傾斜部P7364の突出方向先端部側へ転動する。また、傾斜部P7364を転動する遊技球は、当該傾斜部P7364の突出方向先端部から下方(排出ガイド部P7340側)に落下する。
ここで、振分部P7360は、上述の如く揺動軸部P7355を揺動中心として左右に揺動可能に設けられる。すなわち、振分部P7360のうち、駆動ベース本体部P7331よりも前方に位置する部分(排出ガイド部P7340の上方に位置する部分)、具体的には通路部P7361bの先端部(前端部)及び左右の傾斜部P7364は、駆動ベース本体部P7331の転動ガイド部P7331aとの相対的な位置関係が常に変化している。つまり、振分部P7360が左右に揺動することによって、転動ガイド部P7331aの前方に振分部P7360の通路部P7361bが左右方向にズレることなく位置する状態(転動ガイド部P7331aから落下してきた遊技球が通路部P7361bに入球可能な状態)と、ズレて位置する状態(転動ガイド部P7331aから落下してきた遊技球が通路部P7361bに入球不能な状態)と、に転動ガイド部P7331aと振分部P7360(通路部P7361b)との連通状態が常に変化することとなる。
こうして、振分部P7360は、駆動ベース部P7330の転動ガイド部P7331aから落下してきた遊技球を、通路部P7361bで受けた場合、当該通路部P7361b及び孔部P7361cを介して、塔役物P7400側(後述する特定領域P7911側又は非特定領域P7912側)へ誘導する。また、振分部P7360は、転動ガイド部P7331aから落下した遊技球を、通路部P7361bで受けれず、傾斜部P7364で受けた場合、当該傾斜部P7364を介して、排出ガイド部P7340側(演出装置P7000の外部に排出する側)へ誘導する。
図243及び図245に示す駆動ギヤP7370は、駆動部P7350の出力ギヤP7354からの駆動力が伝達されるものである。駆動ギヤP7370は、略円盤形状に形成されている。駆動ギヤP7370は、駆動フレームP7351の下部に、当該駆動フレームP7351と相対的に回転可能に取付られる。駆動ギヤP7370は、ギヤ部P7371及び開口部P7372を具備する。
ギヤ部P7371は、出力ギヤP7354と歯合する部分である。ギヤ部P7371は、駆動ギヤP7370の外周に形成される。
開口部P7372は、駆動ギヤP7370を上下に貫通する開口である。開口部P7372は、平面視円形状に形成されている。開口部P7372は、平面視において、駆動ギヤP7370の円心に対して偏心した位置に形成されている。具体的には、開口部P7372の中心位置は、駆動ギヤP7370の中心位置に対して前方にずれた位置に設けられる。
図238、図243及び図245に示す円盤部P7380は、駆動ギヤP7370の開口部P7372内に設けられるものである。円盤部P7380は、略円盤形状に形成されている。円盤部P7380の外径は、駆動ギヤP7370の開口部P7372の内径よりも僅かに小さく形成されている。円盤部P7380は、駆動ギヤP7370の開口部P7372内に配置された状態で、当該駆動ギヤP7370と相対的に回転可能に設けられる。円盤部P7380は、後述する塔役物P7400の上端部P7413(本体部P7413a)の上面に固定される。円盤部P7380は、開口部P7381と壁部P7382を具備する。
開口部P7381は、円盤部P7380を上下に貫通する開口である。開口部P7381は、平面視において、前後方向に長尺な楕円形状に形成される。開口部P7381には、後述する塔役物P7400の嵌合部P7413bが嵌合される。開口部P7381は、振分部P7360が左右に揺動した場合であっても、平面視において当該振分部P7360の孔部P7361cと重複するように形成されている。
壁部P7382は、円盤部P7380における開口部P7381の後部から、上方に突出する壁である。壁部P7382は、平面視において、開口部P7381の後部に応じた円弧形状に形成されている。
次に、演出装置P7000の塔役物P7400の構成について説明する。
図237から図240まで、図268に示す塔役物P7400は、駆動ユニットP7300の駆動力により動作が可能なものである。塔役物P7400は、図237に示すように、上下方向に長尺な略円錐台形状に形成されている。塔役物P7400は、塔を模した外観を有している。塔役物P7400は、下端部における平面視(底面視)略中央部が、後述する特定領域ユニットP7900に回転可能に軸支されるとともに、上端部が円を描くように回転する動作(旋回動作、首振り動作)が可能とされる(図268を参照)。
塔役物P7400は、駆動ユニットP7300からの遊技球を、当該塔役物P7400の上段、中段及び下段に位置する、第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700に順番に転動させて、後述する特定領域ユニットP7900に導出する。なお、第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700の詳細な説明は後述する。塔役物P7400は、後フレームP7410、前フレームP7420、第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600、第3のステージ部P7700及びカバー部P7800を具備する。
まず、塔役物P7400の後フレームP7410の構成について説明する。
図239、図240及び図248に示す後フレームP7410は、塔役物P7400の後側部分を構成すると共に、駆動ユニットP7300と相対的に動作可能に連結されるものである。後フレームP7410は、フレームカバー部P7411、後支柱部P7412及び上端部P7413を具備する。
フレームカバー部P7411は、略円錐台形状の後側半分と同様の外郭を有したカバー状の部材である。フレームカバー部P7411は、前方及び下方が開放されている。フレームカバー部P7411は、後述する第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700を後方から覆う。フレームカバー部P7411には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。こうして、図248に示すように、後述する第1のステージベース部P7510の板部P7514や第1の駆動伝達部P7540の一部が前記開口部を介してフレームカバー部P7411の外方へ露出されている。図248に示すように、後述する第2のステージベース部P7610の板部P7613や第2の駆動伝達部P7640の一部が前記開口部を介してフレームカバー部P7411の外方へ露出されている。フレームカバー部P7411は、揺動軸部P7411aを具備する。
図252及び図253に示す揺動軸部P7411aは、後述する第1のステージ部P7500(支持部P7520及び第1のステージ本体P7530)の揺動動作の揺動の中心となる軸である。揺動軸部P7411aは、長尺な形状に形成され、軸線方向を前後方向に向けて配置される。揺動軸部P7411aは、フレームカバー部P7411の前面において、前方に突出するように設けられる。
図239及び図240に示す後支柱部P7412は、後フレームP7410の支柱を構成するものである。後支柱部P7412は、フレームカバー部P7411の左右方向両側にそれぞれ(一対)設けられる。後支柱部P7412は、正面視において、上下方向に長尺な略矩形状に形成されている。また、後支柱部P7412は、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状に形成されている。一対の後支柱部P7412は、上端側に向かうに従い互いに近接するように傾けて設けられる。
図237から図240、図250及び図251に示す上端部P7413は、後フレームP7410の上端部を構成するものである。上端部P7413は、図239及び図240に示すように、フレームカバー部P7411及び後支柱部P7412とは別部材に形成されている。上端部P7413は、フレームカバー部P7411の上端部(略半円盤形状の部分)に固定されている。上端部P7413は、本体部P7413a、嵌合部P7413b、孔部P7413c、センサ部P7413d及び揺動伝達部P7413eを具備する。
図237に示す本体部P7413aは、上端部P7413の主たる構造体である。本体部P7413aは、厚さ方向を上下方向に向けた略円盤形状に形成されている。本体部P7413aの上面には、図238に示すように、駆動ユニットP7300の円盤部P7380が固定される。
嵌合部P7413bは、円盤部P7380の開口部P7381に嵌合する部分である。嵌合部P7413bは、本体部P7413aの上面から上方に突出する壁状に形成されている。嵌合部P7413bは、平面視において、円盤部P7380の壁部P7382と共に、開口部P7381の形状に応じた楕円形状の壁を構成する円弧形状に形成されている。
本体部P7413aの上面において、円盤部P7380の壁部P7382、嵌合部P7413bと、により囲まれた楕円形状の壁の内側部分は、振分部P7360の孔部P7361cを通過して下方に落下した遊技球が転動する。
孔部P7413cは、本体部P7413aを上下に貫通する孔である。孔部P7413cは、円盤部P7380の壁部P7382と、嵌合部P7413bと、により囲まれた楕円形状の壁の内側部分に形成される。本体部P7413aの上面を転動する遊技球は、孔部P7413cを通過して下方に落下する。
図250及び図251に示すセンサ部P7413dは、孔部P7413cを介して落下した遊技球の通過を検知するものである。センサ部P7413dは、孔部P7413cの下方に設けられる。
図237、図245、図250及び図251に示す揺動伝達部P7413eは、塔役物P7400の回転動作を、振分部P7360に伝達するものである。揺動伝達部P7413eは、本体部P7413aの上面において、上方に突出するように形成される。揺動伝達部P7413eは、軸心を上下方向に向けた略円柱形状に形成されている。揺動伝達部P7413eは、嵌合部P7413bよりも前方に設けられる。揺動伝達部P7413eの上端部は、振分部P7360のガイド溝部P7361dに受け入れられる。
次に、塔役物P7400の前フレームP7420の構成について説明する。
図239、図240及び図249に示す前フレームP7420は、塔役物P7400の前側部分を構成するものである。前フレームP7420は、前支柱部P7421、第1のガイド部P7422、第2のガイド部P7423及び第3のガイド部P7424を具備する。
図239及び図240に示す前支柱部P7421は、前フレームP7420の支柱を構成するものである。前支柱部P7421は、後フレームP7410の一対の後支柱部P7412の前方にそれぞれ(一対)設けられる。前支柱部P7421は、正面視において、後支柱部P7412に対応した形状に形成される。前支柱部P7421は、排出通路P7421a、第1のセンサ部P7421b及び第2のセンサ部P7421cを具備する。
図240、図249、図259及び図267に示す排出通路P7421aは、遊技球を後述する特定領域ユニットP7900(非特定領域P7912)側に導出する通路である。排出通路P7421aは、前支柱部P7421の概ね全体に亘って形成される。排出通路P7421aは、後方へ開口された部分が後フレームP7410の後支柱部P7412により閉塞され、全体として概ね上下方向へ延びた通路状に形成されている。こうして、排出通路P7421aは、前支柱部P7421の内部において、上端部から下端部までに亘って連通するように形成されている。
図249及び図258に示す第1のセンサ部P7421bは、排出通路P7421a内において、第1のステージ部P7500と第2のステージ部P7600との間の位置に設けられ、当該位置における遊技球の通過を検知するものである。
図249及び図266に示す第2のセンサ部P7421cは、排出通路P7421a内において、第2のステージ部P7600と第3のステージ部P7700との間の位置に設けられ、当該位置における遊技球の通過を検知するものである。
図240、図252から図255までに示す第1のガイド部P7422は、第1のステージ部P7500を転動した遊技球を、第2のステージ部P7600側や、排出通路P7421a側へガイドするものである。第1のガイド部P7422は、第1のステージ部P7500を前方から下方に亘って覆うように設けられる。第1のガイド部P7422は、第2のステージ部側ガイド部P7422a及び排出通路側ガイド部P7422bを具備する。
図240、図252及び図253に示す第2のステージ部側ガイド部P7422aは、第1のステージ部P7500を転動した遊技球の一部(後述する第1のステージ本体P7530の第1の壁部P7532から落下した遊技球)を受け入れると共に、当該遊技球を、第2のステージ部P7600側(後述する第1のステージベース部P7510の通路部P7512)へ転動するようにガイドするものである。第2のステージ部側ガイド部P7422aは、前後方向に延びる溝形状に形成されている。第2のステージ部側ガイド部P7422aの底部は、後端部の高さが低くなるように傾斜している。これにより、第2のステージ部側ガイド部P7422a内に位置する遊技球は、当該第2のステージ部側ガイド部P7422aの後端部側へ転動する。
図240及び図252に示す排出通路側ガイド部P7422bは、第1のステージ部P7500を転動した遊技球の一部(後述する第1のステージ本体P7530の第2の壁部P7533から落下した遊技球)を受け入れると共に、当該遊技球を、排出通路P7421a側へ転動するようにガイドするものである。排出通路側ガイド部P7422bは、第2のステージ部側ガイド部P7422aの左右両側にそれぞれ(一対)設けられる。一対の排出通路側ガイド部P7422bは、図240に示すように、それぞれ一対の排出通路P7421aの上端部と連通する。
図252、図253、図258及び図259に示す第2のガイド部P7423は、第2のステージ部P7600を前方から下方に亘って覆うと共に、当該第2のステージ部P7600を転動した遊技球を排出通路P7421a側にガイドするものである。第2のガイド部P7423は、カバー部P7423a及び排出通路側ガイド部P7423bを具備する。
カバー部P7423aは、第2のステージ部P7600の左右方向中央部を前方から下方に亘って覆うものである。
排出通路側ガイド部P7423bは、第2のステージ部P7600を転動した遊技球を排出通路P7421a側にガイドするものである。排出通路側ガイド部P7423bは、上方が開放された溝状に形成されている。排出通路側ガイド部P7423bは、平面視で外方に凸となる略円弧状に形成されている。排出通路側ガイド部P7423bは、カバー部P7423aの左右両側に位置するように、一対設けられている。一対の排出通路側ガイド部P7423bの下流側(第2のステージ部P7600と反対側)は、それぞれ一対の排出通路P7421aの上下方向中途部と連通する。
図263、図264、図266及び図267に示す第3のガイド部P7424は、第3のステージ部P7700を転動した遊技球を、後述する特定領域P7911側や、非特定領域P7912側へガイドするものである。第3のガイド部P7424は、第3のステージ部P7700を、前方から覆うように設けられる。第3のガイド部P7424は、特定領域側ガイド部P7424a及び非特定領域側ガイド部P7424bを具備する。
特定領域側ガイド部P7424aは、第3のステージ部P7700を転動した遊技球を後述する特定領域P7911側へガイドするものである。特定領域側ガイド部P7424aは、上下方向及び後方が開口する箱形状に形成される。特定領域側ガイド部P7424aは、第3のガイド部P7424の左右方向中央部に設けられる。特定領域側ガイド部P7424aは、第3のステージ部P7700の左右方向中央部と、後述する特定領域P7911と、を連通する。
非特定領域側ガイド部P7424bは、第3のステージ部P7700を転動した遊技球を非特定領域P7912側へガイドするものである。非特定領域側ガイド部P7424bは、概ね上下方向に延びると共に、下端部が左右方向内側に湾曲するように形成されている(図263参照)。また、非特定領域側ガイド部P7424bの延出方向の中途部には、排出通路P7421aの下端部が接続される(図240参照)。非特定領域側ガイド部P7424bは、特定領域側ガイド部P7424aの左右両側にそれぞれ(一対)設けられる。非特定領域側ガイド部P7424bは、第3のステージ部P7700の右部と、右側の非特定領域P7912と、を連通する。また、非特定領域側ガイド部P7424bは、第3のステージ部P7700の左部と、左側の非特定領域P7912と、を連通する(図263を参照)。
次に、塔役物P7400の第1のステージ部P7500の構成について説明する。
図252から図256までに示す第1のステージ部P7500は、後フレームP7410の孔部P7413cを通過した遊技球が転動すると共に、当該遊技球を、第2のステージ部P7600側又は排出通路P7421a側に振り分けるものである。第1のステージ部P7500は、塔役物P7400の上段部に設けられる。第1のステージ部P7500は、第1のステージベース部P7510、支持部P7520、第1のステージ本体P7530及び第1の駆動伝達部P7540を具備する。
図252及び図253に示す第1のステージベース部P7510は、後フレームP7410のフレームカバー部P7411に固定されると共に、後述する支持部P7520、第1のステージ本体P7530及び第1の駆動伝達部P7540が設けられるものである。第1のステージベース部P7510は、固定部P7511、通路部P7512、揺動軸部P7513、板部P7514を具備する。
固定部P7511は、後フレームP7410のフレームカバー部P7411に固定される部分である。固定部P7511は、第1のステージベース部P7510の後端部を構成する。固定部P7511がフレームカバー部P7411に固定されることにより、第1のステージベース部P7510が後フレームP7410に固定される。
通路部P7512は、第1のガイド部P7422の第2のステージ部側ガイド部P7422aを転動した遊技球を、第2のステージ部P7600側へ転動するようにガイドするものである。通路部P7512は、固定部P7511の前方に設けられる。また、通路部P7512は、第2のステージ部側ガイド部P7422aと連通するように、当該第2のステージ部側ガイド部P7422aの後方に位置するように設けられる。通路部P7512は、前後方向に延びる溝形状に形成されている。通路部P7512の底部は、後端部の高さが前端部よりも低くなるように傾斜している。これにより、通路部P7512内に位置する遊技球は、当該通路部P7512の後端部側へ転動する。通路部P7512は、孔部P7512aを具備する。
孔部P7512aは、通路部P7512の底部の後端部において、上下に貫通する孔である。通路部P7512を転動する遊技球は、孔部P7512aを通過して下方に落下する。
揺動軸部P7513は、後述する支持部P7520及び第1のステージ本体P7530の揺動動作の揺動の中心となる軸である。揺動軸部P7513は、通路部P7512の上方において、後方に突出するように設けられる。揺動軸部P7513は、軸線方向を前後方向に向けて配置される。揺動軸部P7513の軸線は、後フレームP7410の揺動軸部P7411aと前後方向において重複するように設けられる。
図248、図249、図255及び図256に示す板部P7514は、第1のステージベース部P7510の左側部分を構成すると共に、後述する第1の駆動伝達部P7540が設けられる部分である。板部P7514は、厚さ方向を上下方向に向けた略板形状に形成されている。板部P7514は、図248に示すように、フレームカバー部P7411に形成された開口を介して、当該フレームカバー部P7411の外側に突出している。板部P7514には、後述する第1の駆動伝達部P7540の第1のシャフトP7541の上側部分が挿通される孔部が形成されている。板部P7514は、回転センサP7514aを具備する。
図249に示す回転センサP7514aは、後述する第1のシャフトP7541の被検知部P7541aを検知可能なものである。回転センサP7514aは、板部P7514の下部に設けられる。
図252、図253、図256及び図272に示す支持部P7520は、第1のステージベース部P7510に設けられると共に、後述する第1のステージ本体P7530を支持するものである。支持部P7520は、揺動軸受部P7521、固定部P7522及び係合部P7523を具備する。
揺動軸受部P7521は、後フレームP7410の揺動軸部P7411aと、第1のステージベース部P7510の揺動軸部P7513と、に軸支される部分である。揺動軸受部P7521は、前後方向に開口するように形成される。揺動軸受部P7521は、前後に一対設けられる。一対の揺動軸受部P7521は、揺動軸部P7411a及び揺動軸部P7513がそれぞれ挿通され、所定の軸受部材やネジ等を介して当該揺動軸部P7411a及び揺動軸部P7513と相対的に回転可能に連結される。
固定部P7522は、後述する第1のステージ本体P7530が固定される部分である。固定部P7522は、厚さ方向を上下方向に向けた略板形状に形成される。固定部P7522は、揺動軸受部P7521の上部に一体的に形成されている。
図256、図257及び図272に示す係合部P7523は、後述する第1の駆動伝達部P7540の揺動伝達部P7543が相対的に移動可能に係合する部分である。係合部P7523は、後方に向けて開口する溝形状に形成されている。係合部P7523は、固定部P7522の下面において、揺動軸受部P7521の左方(すなわち、第1のステージ本体P7530の揺動中心となる位置から左方にズレた位置)に設けられる。係合部P7523は、固定部P7522と一体的に形成されている。
支持部P7520は、後述する第1の駆動伝達部P7540の揺動伝達部P7543の動作が、係合部P7523を介して伝達されることで、図272に示すように、揺動軸部P7411a及び(図272において不図示の)揺動軸部P7513を軸として、左右に繰り返し交互に傾くように揺動する。なお、第1の駆動伝達部P7540を介した支持部P7520の揺動動作の詳細な説明は後述する。
図252から図255までに示す第1のステージ本体P7530は、支持部P7520に支持されると共に、後フレームP7410の孔部P7413cを通過した遊技球が上面を転動する部分である。第1のステージ本体P7530は、支持部P7520の固定部P7522に載置された状態で固定される。第1のステージ本体P7530は、支持部P7520の揺動動作に伴い当該支持部P7520と一体的に揺動する。
第1のステージ本体P7530は、平面視において略円形状に形成される。第1のステージ本体P7530の上面は、左右方向中央部の高さが低くなるように傾斜すると共に、前端部の高さが後端部よりも低くなるように傾斜している。これにより、第1のステージ本体P7530に位置する遊技球は、当該第1のステージ本体P7530の左右方向中央部側へ転動すると共に、前端部側へ転動する。また、第1のステージ本体P7530は、通過部P7531、第1の壁部P7532及び第2の壁部P7533を具備する。
通過部P7531は、第1のステージ本体P7530の上面を転動する遊技球を、第1のガイド部P7422の第2のステージ部側ガイド部P7422a側へ通過させる部分である。通過部P7531は、平面視で略矩形状に形成されている。通過部P7531は、遊技球を下方へ通過可能なように上下に開口している。通過部P7531は、第1のステージ本体P7530の前端部(左右方向中央部)に前方へ突出した状態で設けられる。通過部P7531は、平面視で第1のガイド部P7422の第2のステージ部側ガイド部P7422aの前端部と重複するように形成されている。通過部P7531は、センサ部P7531aを具備する。
図252及び図253に示すセンサ部P7531aは、通過部P7531を通過する遊技球を検知するものである。センサ部P7531aは、通過部P7531の下方に設けられる。
図254及び図255に示す第1の壁部P7532は、第1のステージ本体P7530上を転動する遊技球を、通過部P7531側へガイドするものである。第1の壁部P7532は、第1のステージ本体P7530の上面において、当該第1のステージ本体P7530の前端部から前後方向中途部に亘って、前後方向に延びるように形成される。第1の壁部P7532は、左右方向に間隔を空けて一対形成される。一対の第1の壁部P7532は、第1のステージ本体P7530の左右方向中央部に位置する。一対の第1の壁部P7532は、第1のステージ本体P7530の上面に、通過部P7531と連通する通路を形成する。
図254及び図255に示す第2の壁部P7533は、第1のステージ本体P7530の上面の一部を前後に区画するものである。第2の壁部P7533は、第1のステージ本体P7530の上面において、第1の壁部P7532よりも後方に設けられる。第2の壁部P7533は、左右に間隔を空けて一対設けられる。一対の第2の壁部P7533は、左右方向外側端部が、第1のガイド部P7422の排出通路側ガイド部P7422bの左右方向外側部に対応する位置に設けられる。一対の第2の壁部P7533は、平面視において、斜め後方に凸となる円弧形状に形成されている。一対の第2の壁部P7533は、第1のステージ本体P7530の上面において、一対の第1の壁部P7532との間に排出通路側ガイド部P7422bと連通する通路を形成する。
図249、図255及び図256に示す第1の駆動伝達部P7540は、後述する第2のモータP7741の駆動力を、支持部P7520及び第1のステージ本体P7530に伝達するものである。第1の駆動伝達部P7540は、第1のステージベース部P7510の板部P7514に設けられる。第1の駆動伝達部P7540は、第1のシャフトP7541、第1のステージギヤ部P7542及び揺動伝達部P7543を具備する。
第1のシャフトP7541は、後述する第2の駆動伝達部P7640を介して、第2のモータP7741の駆動力が伝達される部分である。第1のシャフトP7541は、上下に長尺な円柱形状に形成されている。第1のシャフトP7541は、上側部分が板部P7514の孔部に挿通され、上下方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。第1のシャフトP7541は、被検知部P7541aを具備する。
図249に示す被検知部P7541aは、回転センサP7514aにより検知される部分である。被検知部P7541aは、第1のシャフトP7541において、板部P7514の下方に位置するように固定される。被検知部P7541aは、第1のシャフトP7541の径方向に沿う所定の方向に突出する。被検知部P7541aは、第1のシャフトP7541が所定の回転位置となった状態で、回転センサP7514aにより検知される。
第1のステージギヤ部P7542は、第1のシャフトP7541の上端部に固定されるものである。第1のステージギヤ部P7542は、第1のシャフトP7541の回転に伴い、当該第1のシャフトP7541と一体的に上下方向に向く軸心回りに回転する。
図255から図257まで、及び図272に示す揺動伝達部P7543は、第1のステージギヤ部P7542から伝達された駆動力を、支持部P7520に伝達するものである。揺動伝達部P7543は、第1のステージギヤ部P7542の前方に配置される。揺動伝達部P7543は、板部P7514の上面に、上下方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。揺動伝達部P7543は、本体部P7543a、ギヤ部P7543b及びスパイラル部P7543cを具備する。
本体部P7543aは、揺動伝達部P7543の主たる構造体である。本体部P7543aは、厚さ方向を上下方向に向けた略円盤形状に形成される。
ギヤ部P7543bは、第1のステージギヤ部P7542と歯合するものである。ギヤ部P7543bは、本体部P7543aの下部に固定される。
図256、図257及び図272に示すスパイラル部P7543cは、支持部P7520の係合部P7523と相対的に動作可能に係合する部分である。スパイラル部P7543cは、本体部P7543aと一体的に形成され、当該本体部P7543aの径方向外周面から径方向外方側に突出するように設けられる。スパイラル部P7543cは、図256及び図257に示すように、前端部の高さが後端部の高さよりも高くなり、かつ、互いに左右対称な一対の半円弧形状の螺旋を組み合わせた形状に形成される。スパイラル部P7543cは、図256に示すように、支持部P7520の係合部P7523に形成された溝に受け入れられ、当該係合部P7523と摺動可能に係合する。
次に、塔役物P7400の第2のステージ部P7600の構成について説明する。
図252、図253、図258及び図259に示す第2のステージ部P7600は、第1のステージ部P7500の孔部P7512aを通過した遊技球が転動すると共に、当該遊技球を、第3のステージ部P7700側又は排出通路P7421a側に振り分けるものである。第2のステージ部P7600は、塔役物P7400の中段部に設けられる。第2のステージ部P7600は、第2のステージベース部P7610、第2のステージ本体P7620、第2のステージ回転部P7630、第2の駆動伝達部P7640及び回転カバー部P7650を具備する。
図252及び図253に示す第2のステージベース部P7610は、後フレームP7410のフレームカバー部P7411に固定されると共に、後述する第2のステージ本体P7620、第2のステージ回転部P7630及び第2の駆動伝達部P7640が設けられるものである。第2のステージベース部P7610は、固定部P7611、通路部P7612及び板部P7613を具備する。
固定部P7611は、後フレームP7410のフレームカバー部P7411に固定される部分である。固定部P7611は、第2のステージベース部P7610の後端部を構成する。固定部P7611がフレームカバー部P7411に固定されることにより、第2のステージベース部P7610が後フレームP7410に固定される。
通路部P7612は、後述する第2のステージ本体P7620の通過部P7621を通過した遊技球を、第3のステージ部P7700側へ転動するようにガイドするものである。通路部P7612は、固定部P7611の前方に設けられる。通路部P7612は、上端部(前端部)から後下方へ湾曲しながら延びる溝形状に形成されている。通路部P7612の前端部は、上方へ開放されている。通路部P7612の底部は、後端部の高さが前端部よりも低くなるように傾斜している。これにより、通路部P7612内に位置する遊技球は、当該通路部P7612の後端部側へ転動する。通路部P7612は、孔部P7612aを具備する。
孔部P7612aは、通路部P7612の底部の後端部において、当該通路部P7612を上下に貫通する孔である。通路部P7612を転動する遊技球は、孔部P7612aを通過して下方に落下する。
図259に示す板部P7613は、第2のステージベース部P7610の左側部分を構成すると共に、後述する第2の駆動伝達部P7640が設けられる部分である。板部P7613は、厚さ方向を上下方向に向けた略板形状に形成されている。板部P7613は、図248に示すように、フレームカバー部P7411に形成された開口を介して、当該フレームカバー部P7411の外側に突出している。板部P7613には、第1の駆動伝達部P7540の第1のシャフトP7541の下端部が挿通される孔部と、後述する第2の駆動伝達部P7640の第2のシャフトP7641の上側部分が挿通される孔部と、が形成されている。
図252、図253、図258及び図259に示す第2のステージ本体P7620は、第1のステージ部P7500の孔部P7512aを通過した遊技球が上面を転動する部分である。第2のステージ本体P7620は、第2のステージベース部P7610の上部に固定される。第2のステージ本体P7620は、平面視において略円形状に形成されている。また、第2のステージ本体P7620の上面は、中央側が下方へ傾斜する略皿形状に形成されている。第2のステージ本体P7620の上面(より詳細には、上面の後側部分)は、平面視で第1のステージ部P7500の孔部P7512aと重複するように形成されている。また、第2のステージ本体P7620は、前フレームP7420の一対の第2のガイド部P7423と連通する。より詳細には、第2のステージ本体P7620の上面の右前端部及び左前端部は、それぞれ前フレームP7420に設けられた左右の排出通路側ガイド部P7423bの上流側と連通する。第2のステージ本体P7620は、通過部P7621を具備する。
通過部P7621は、第2のステージ本体P7620を上下に貫通する孔である。通過部P7621は、第2のステージ本体P7620の平面視における略中央に形成される。通過部P7621は、遊技球を下方へ通過可能な通路を構成する。通過部P7621は、センサ部P7621aを具備する。通過部P7621は、後述するセンサ部P7621aを介して通路部P7612の上端部(前端部)と連通する。
図252及び図253に示すセンサ部P7621aは、通過部P7621を通過する遊技球を検知するものである。センサ部P7621aは、通過部P7621の下方に設けられる。
図258から図261までに示す第2のステージ回転部P7630は、第2のステージ本体P7620の径方向外方において、上下方向に向く軸心回りに回転するものである。第2のステージ回転部P7630は、平面視において略円環形状に形成される。第2のステージ回転部P7630は、開口部P7631、ギヤ部P7632及び転動阻害部P7633を具備する。
図259から図261までに示す開口部P7631は、第2のステージ回転部P7630を上下に貫通する開口である。開口部P7631の内径は、第2のステージ本体P7620の外径よりも大きく形成される。開口部P7631は、当該第2のステージ本体P7620を相対的に動作可能に受け入れている。
図249、図260及び図261に示すギヤ部P7632は、後述する第2の駆動伝達部P7640の駆動力が伝達される部分である。ギヤ部P7632は、第2のステージ回転部P7630の径方向外周面に形成される。ギヤ部P7632は、図249に示すように、後述する第2の駆動伝達部P7640の第2のステージギヤ部P7642(第3のギヤP7642c)と歯合する。
図260から図262までに示す転動阻害部P7633は、第2のステージ本体P7620上を転動する遊技球と接触することで、当該遊技球の転動速度を減少させるものである。転動阻害部P7633は、第2のステージ回転部P7630の周方向に互いに等間隔を空けて、複数(本実施形態では4個)設けられる。なお、図262では、複数の転動阻害部P7633のうち前部に位置するものを示している。転動阻害部P7633は、垂直部P7633a及び突出部P7633cを具備する。
垂直部P7633aは、第2のステージ回転部P7630の上部から上方に突出する部分である。垂直部P7633aは、厚さ方向を第2のステージ回転部P7630の径方向に向けた略板形状に形成される。また、垂直部P7633aは、第2のステージ回転部P7630の径方向に見て、略台形状に形成される。垂直部P7633aは、孔部P7633bを具備する。
孔部P7633bは、垂直部P7633aを厚さ方向に貫通する孔である。孔部P7633bは、垂直部P7633aの厚さ方向に見て略矩形状に形成される。孔部P7633bの上端部は、第2のステージ本体P7620よりも上方に位置する。
突出部P7633cは、垂直部P7633aの上端部から、第2のステージ回転部P7630の径方向内側に突出するものである。突出部P7633cは、平面視において、第2のステージ本体P7620の外側部分と重複する。突出部P7633cは、第2のステージ本体P7620の上面よりも若干上方に位置する。突出部P7633cは、平面視において略三角形状に形成されている。突出部P7633cが、第2のステージ本体P7620上を転動する遊技球と接触することで、当該遊技球の転動速度を減少させることができる。突出部P7633cは、切欠部P7633dを具備する。
切欠部P7633dは、突出部P7633cの突出方向先端部における上側部分を切り欠いたものである。
上述の如き第2のステージ回転部P7630は、開口部P7631により第2のステージ本体P7620を受け入れるようにして、当該第2のステージ本体P7620に嵌装される。また、第2のステージ回転部P7630は、第2のステージ本体P7620に対して、上下方向に向く軸心回りに回転自在に設けられる。すなわち、第2のステージ本体P7620の外側部分の直ぐ上方において、4つの突出部P7633cを周方向に移動させることができる。
これにより、第2のステージ本体P7620の上面を転動する遊技球を、当該第2のステージ本体P7620の外側部分を周方向に移動する突出部P7633cと衝突させることができる。また、垂直部P7633aには孔部P7633bが形成されているため、遊技球が転動阻害部P7633の背後に位置する場合であっても、当該孔部P7633bを介して遊技球を遊技者に視認させることができる。すなわち、転動阻害部P7633(突出部P7633c)が遊技球と接触し、当該遊技球の転動速度を減少させる様子を、遊技者に視認させることができる。
図249及び図259に示す第2の駆動伝達部P7640は、後述する第2のモータP7741の駆動力を、第2のステージ回転部P7630及び第1の駆動伝達部P7540に伝達するものである。第2の駆動伝達部P7640は、第2のステージベース部P7610の板部P7613に設けられる。第2の駆動伝達部P7640は、第2のシャフトP7641及び第2のステージギヤ部P7642を具備する。
第2のシャフトP7641は、後述する第3の駆動伝達部P7740を介して、第2のモータP7741の駆動力が伝達される部分である。第2のシャフトP7641は、上下に長尺な円柱形状に形成されている。第2のシャフトP7641は、上側部分が板部P7613の孔部に挿通され、上下方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。
第2のステージギヤ部P7642は、第2のシャフトP7641の駆動力を第2のステージ回転部P7630に伝達するものである。第2のステージギヤ部P7642は、第1のギヤP7642a、第2のギヤP7642b及び第3のギヤP7642cを具備する。
第1のギヤP7642aは、第2のシャフトP7641の上端部に固定されるものである。第1のギヤP7642aは、第2のシャフトP7641の回転に伴い、当該第2のシャフトP7641と一体的に上下方向に向く軸心回りに回転する。
第2のギヤP7642bは、第1のギヤP7642aの後方に配置されるものである。第2のギヤP7642bは、第1のギヤP7642a及び後述する第3のギヤP7642cと歯合する2段ギヤを構成する。第2のギヤP7642bは、板部P7613の上面において、上下方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。
第3のギヤP7642cは、第1のシャフトP7541の下側部分に固定されるものである。第3のギヤP7642cは、第2のギヤP7642bと歯合する。また、第3のギヤP7642cは、第2のステージ回転部P7630のギヤ部P7632と歯合する。第3のギヤP7642cは、第1のシャフトP7541と一体的に回転する。
図252、図253及び図260に示す回転カバー部P7650は、第2のステージ回転部P7630を前方から覆うものである。回転カバー部P7650は、転動阻害部P7633を除く第2のステージ回転部P7630の前側部分(前半部)を覆うように形成される。回転カバー部P7650は、第2のステージ本体P7620の前側部分に固定される。
次に、塔役物P7400の第3のステージ部P7700の構成について説明する。
図263から図267までに示す第3のステージ部P7700は、第2のステージ部P7600の孔部P7612aを通過した遊技球が転動すると共に、当該遊技球を、後述する特定領域ユニットP7900の特定領域P7911側又は非特定領域P7912側に振り分けるものである。第3のステージ部P7700は、塔役物P7400の下段部に設けられる。第3のステージ部P7700は、第3のステージベース部P7710、第3のステージ本体P7720、第3のステージ回転部P7730、第3の駆動伝達部P7740及び回転カバー部P7750を具備する。
図263から図265までに示す第3のステージベース部P7710は、後フレームP7410のフレームカバー部P7411に固定されると共に、後述する第3のステージ本体P7720、第3のステージ回転部P7730及び第3の駆動伝達部P7740が設けられるものである。第3のステージベース部P7710は、塔役物P7400の底部を構成する。第3のステージベース部P7710は、厚さ方向を上下方向に向けた略板形状に形成されている。第3のステージベース部P7710は、固定部P7711、ギヤ保持部P7712、連結部P7713及び回転規制軸部P7714を具備する。
図263及び図264に示す固定部P7711は、後フレームP7410のフレームカバー部P7411に固定される部分である。固定部P7711は、第3のステージベース部P7710の後端部を構成する。固定部P7711がフレームカバー部P7411に固定されることにより、第3のステージベース部P7710が後フレームP7410に固定される。
図267に示すギヤ保持部P7712は、第3のステージベース部P7710の左側部分を構成すると共に、後述する第3の駆動伝達部P7740が設けられる部分である。ギヤ保持部P7712には、第2のシャフトP7641の下端部が挿通される孔部が形成される。
図263から図265までに示す連結部P7713は、後述する特定領域ユニットP7900に設けられる支持部P7920のボール軸部P7921に連結される部分である。連結部P7713は、第3のステージベース部P7710を上下に貫通する。連結部P7713は、平面視において、塔役物P7400の第3のステージ部P7700の略中央に設けられる。
図237及び図268に示す回転規制軸部P7714は、後述するボール軸部P7921(支持部P7920)を軸心とした塔役物P7400の周方向への回転(換言すれば、平面視における塔役物P7400の自転)を規制するものである。回転規制軸部P7714は、第3のステージベース部P7710の下面から下方に突出する。回転規制軸部P7714は、軸心を上下方向に向けた略円柱形状に形成されている。回転規制軸部P7714は、下端部がその他の部分よりも拡径している。回転規制軸部P7714は、連結部P7713の右後方に位置するように設けられる。
図263、図264、図266及び図267に示す第3のステージ本体P7720は、第2のステージ部P7600の孔部P7612aを通過した遊技球が上面を転動する部分である。第3のステージ本体P7720は、第3のステージベース部P7710の上部に固定される。第3のステージ本体P7720は、平面視において略円形状に形成されている。第3のステージ本体P7720の上面は、前端部が前下方に傾斜するように形成されている。第3のステージ本体P7720の上面(より詳細には、上面の後側部分)は、平面視で第2のステージ部P7600の通路部P7612の後端部(孔部P7612a)と重複するように形成されている。第3のステージ本体P7720は、前フレームP7420の第3のガイド部P7424と連通する。より詳細には、第3のステージ本体P7720の上面の前端部は、第3のガイド部P7424の特定領域側ガイド部P7424aの上端部と連通する。また、第3のステージ本体P7720の上面の右前端部及び左前端部は、それぞれ第3のガイド部P7424の左右の非特定領域側ガイド部P7424bの上端部と連通する。第3のステージ本体P7720は、突起部P7721を具備する。
突起部P7721は、第3のステージ本体P7720の上面において上方に突出するものである。突起部P7721は、複数(図例では10個)設けられる。また、図例では、第3のステージ本体P7720の正面視における中央部に、突起部P7721を設けていない例を示している。上記突起部P7721によれば、第3のステージ本体P7720上を転動する遊技球と接触することで、当該遊技球の転動速度を減少させることができる。
図260、図261、図266及び図267に示す第3のステージ回転部P7730は、第3のステージ本体P7720の径方向外方において、上下方向に向く軸心回りに回転するものである。第3のステージ回転部P7730は、平面視において略円環形状に形成される。第3のステージ回転部P7730は、開口部P7731、ギヤ部P7732及び転動阻害部P7733を具備する。
図260及び図261に示す開口部P7731は、第3のステージ回転部P7730を上下に貫通する開口である。開口部P7731の内径は、第3のステージ本体P7720の外径よりも大きく形成される。開口部P7731は、当該第3のステージ本体P7720を相対的に動作可能に受け入れている。
ギヤ部P7732は、後述する第3の駆動伝達部P7740の駆動力が伝達される部分である。ギヤ部P7732は、第3のステージ回転部P7730の径方向外周面に形成される。ギヤ部P7732は、後述する第3の駆動伝達部P7740の第3のステージギヤ部P7743と歯合する。
転動阻害部P7733は、第3のステージ本体P7720上を転動する遊技球と接触することで、当該遊技球の転動速度を減少させるものである。転動阻害部P7733は、第3のステージ回転部P7730の周方向に互いに等間隔を空けて、複数(本実施形態では7個)設けられる。転動阻害部P7733は、垂直部P7733a及び突出部P7733bを具備する。
垂直部P7733aは、第3のステージ回転部P7730の上部から上方に突出する部分である。垂直部P7733aは、厚さ方向を第3のステージ回転部P7730の径方向に向けた略板形状に形成される。また、垂直部P7733aは、第3のステージ回転部P7730の径方向に見て、略台形状に形成される。
突出部P7733bは、垂直部P7733aの上端部から、第3のステージ回転部P7730の径方向内側に突出するものである。突出部P7733bは、平面視において、第3のステージ本体P7720の外側部分と重複する。突出部P7733bは、第3のステージ本体P7720の上面よりも若干上方に位置する。突出部P7733bは、平面視において略三角形状に形成されている。突出部P7733bが、第3のステージ本体P7720上を転動する遊技球と接触することで、当該遊技球の転動速度を減少させることができる。
上述の如き第3のステージ回転部P7730は、開口部P7731により第3のステージ本体P7720を受け入れるようにして、当該第3のステージ本体P7720に嵌装される。また、第3のステージ回転部P7730は、第3のステージ本体P7720に対して、上下方向に向く軸心回りに回転自在に設けられる。すなわち、第3のステージ本体P7720の外側部分の直ぐ上方において、複数の突出部P7733bを周方向に移動させることができる。これにより、第3のステージ本体P7720の上面を転動する遊技球を、当該第3のステージ本体P7720の外側部分を周方向に移動する突出部P7733bと衝突させることができる。
図249及び図267に示す第3の駆動伝達部P7740は、後述する第2のモータP7741の駆動力を、第3のステージ回転部P7730及び第2の駆動伝達部P7640に伝達するものである。第3の駆動伝達部P7740は、第3のステージベース部P7710のギヤ保持部P7712に設けられる。第3の駆動伝達部P7740は、第2のモータP7741、出力ギヤP7742及び第3のステージギヤ部P7743を具備する。
第2のモータP7741は、第1のステージ本体P7530(支持部P7520)、第2のステージ回転部P7630及び第3のステージ回転部P7730の駆動源である。第2のモータP7741は、ギヤ保持部P7712の下面の後部に設けられる。第2のモータP7741は、出力軸が、ギヤ保持部P7712を上下に貫通して上方へと突出するように設けられる。
出力ギヤP7742は、第2のモータP7741の駆動力を取り出すものである。出力ギヤP7742は、第2のモータP7741の出力軸の上端部に固定される。
第3のステージギヤ部P7743は、出力ギヤP7742の駆動力を第3のステージ回転部P7730に伝達するものである。第3のステージギヤ部P7743は、第3のステージ回転部P7730のギヤ部P7732と歯合する。第3のステージギヤ部P7743は、第2のシャフトP7641の下側部分に固定される。また、第3のステージギヤ部P7743の回転に伴い、第2のシャフトP7641が、上下方向に向く軸心回りに回転する。
図260、図263及び図264に示す回転カバー部P7750は、第3のステージ回転部P7730を前方から覆うものである。回転カバー部P7750は、転動阻害部P7733を除く第3のステージ回転部P7730の前側部分(前半部)を覆うように形成される。回転カバー部P7750は、第3のステージ本体P7720の前側部分に固定される。
次に、塔役物P7400のカバー部P7800の構成について説明する。
図237に示すカバー部P7800は、後フレームP7410及び前フレームP7420を覆う装飾である。カバー部P7800は、後カバー部P7810、左カバー部P7820及び右カバー部P7830を具備する。
後カバー部P7810は、後フレームP7410の全体を覆うものである。後カバー部P7810は、塔の外観を模した装飾が施されている。後カバー部P7810には、複数の開口が形成されている。
左カバー部P7820は、前フレームP7420の左側部分を覆うものである。左カバー部P7820は、塔の外観を模した装飾が施されている。左カバー部P7820には、複数の開口が形成されている。
右カバー部P7830は、前フレームP7420の右側部分を覆うものである。右カバー部P7830は、塔の外観を模した装飾が施されている。右カバー部P7830には、複数の開口が形成されている。
次に、演出装置P7000の特定領域ユニットP7900の構成について説明する。
図263から図267までに示す特定領域ユニットP7900は、特定領域P7911及び非特定領域P7912を有すると共に、塔役物P7400を下方から支持するものである。特定領域ユニットP7900は、ベース部P7910及び支持部P7920を具備する。
ベース部P7910は、演出装置P7000の下側部分を構成するものである。ベース部P7910は、上方に開口する略箱形状に形成される。また、ベース部P7910は、平面視において略矩形状に形成される。ベース部P7910は、前カバー部P7100及び後カバー部P7200の下側部分に固定される(図236参照)。すなわち、ベース部P7910(ひいては、特定領域ユニットP7900)は、前カバー部P7100及び後カバー部P7200に対して相対的に動作不能に構成される。ベース部P7910は、特定領域P7911、非特定領域P7912及び排出通路P7913を具備する。
特定領域P7911は、大当り遊技状態において、遊技者にとって有利な遊技状態に移行可能なV入賞に関する遊技球の通過を検出するものである。特定領域P7911は、上下方向に開口する。特定領域P7911は、第3のガイド部P7424の特定領域側ガイド部P7424aの下方に位置する。また、特定領域P7911は、上側部分が、特定領域側ガイド部P7424aと連通する。また、特定領域P7911は、下側部分が、後述する排出通路P7913と連通する。特定領域P7911は、センサ部P7911aを具備する。
センサ部P7911aは、特定領域P7911を通過する遊技球を検知するものである。センサ部P7911aは、特定領域P7911の下方に設けられる。
非特定領域P7912は、V入賞とはならない遊技球の通過を検出するものである。非特定領域P7912は、上下方向に開口する。非特定領域P7912は、特定領域P7911の左右方向両側にそれぞれ(一対)設けられる。非特定領域P7912は、上側部分が、一対の非特定領域側ガイド部P7424bと連通する(図263を参照)。すなわち、非特定領域P7912の上方には、非特定領域側ガイド部P7424bの下端部(下流側の端部)が配置される。また、非特定領域P7912は、下側部分が、図234に示す前カバー部P7100に設けられた外部排出通路P7130と連通する。非特定領域P7912は、センサ部P7912aを具備する。
センサ部P7912aは、非特定領域P7912を通過する遊技球を検知するものである。センサ部P7912aは、非特定領域P7912の下方に設けられる。
図263及び図264に示す排出通路P7913は、特定領域P7911を通過した遊技球を、特定領域ユニットP7900の外部に排出する通路である。排出通路P7913は、上端部から後下方へ向けて湾曲した通路状に形成されている。排出通路P7913により排出された遊技球は、適宜の通路を介して、遊技盤P1100の外部へ排出される。
図264及び図265に示す支持部P7920は、塔役物P7400を支持するものである。支持部P7920は、ベース部P7910の上部に設けられる。支持部P7920は、ボール軸部P7921、軸受部P7922及び回転規制軸受部P7923を具備する。
ボール軸部P7921は、塔役物P7400に連結されると共に、塔役物P7400の旋回動作(首振り動作)の軸となる部分である。ボール軸部P7921は、ボール部P7921a、下側軸部P7921b及び上側軸部P7921cを具備する。
ボール部P7921aは、球体状に形成される部分である。ボール部P7921aは、ボール軸部P7921の下側部分を構成する。
下側軸部P7921bは、ボール軸部P7921から下方に突出する部分である。下側軸部P7921bは、軸心を略上下方向に向けた略円柱形状に形成されている。
上側軸部P7921cは、ボール軸部P7921から上方に突出する部分である。上側軸部P7921cは、軸心を略上下方向に向けた略円柱形状に形成されている。上側軸部P7921cは、塔役物P7400の連結部P7713に挿通した状態で当該連結部P7713と固定される。こうして、上側軸部P7921cが連結部P7713と固定されることにより、ボール軸部P7921を介して特定領域ユニットP7900と塔役物P7400とが互いに連結される。
図265に示す軸受部P7922は、ボール軸部P7921を旋回動作(首振り動作)可能に受け入れる部分である。軸受部P7922は、下側軸受部P7922a及び上側軸受部P7922bを具備する。
下側軸受部P7922aは、軸受部P7922の下側部分を構成するものである。下側軸受部P7922aは、上方に向けて凹む凹部が形成されている。下側軸受部P7922aの凹部は、ボール部P7921aの下側部分(球体の下半分)に応じた形状に形成されている。また、下側軸受部P7922aは、下側軸部P7921bが挿通されると共に、ボール軸部P7921の回転動作を許容する孔部が形成されている。
上側軸受部P7922bは、軸受部P7922の上側部分を構成するものである。上側軸受部P7922bは、下方に向けて凹む凹部が形成されている。上側軸受部P7922bの凹部は、ボール部P7921aの上側部分(球体の上半分)に応じた形状に形成されている。また、上側軸受部P7922bは、上側軸部P7921cが挿通されると共に、ボール軸部P7921の回転動作を許容する孔部が形成されている。
図265に示すように、ボール軸部P7921を軸受部P7922に受け入れた状態においては、ボール軸部P7921は、上側軸部P7921cを介して軸受部P7922に対して旋回動作可能に保持されている。すなわち、上記ボール軸部P7921の上側軸部P7921cを塔役物P7400の連結部P7713に連結(固定)することにより、塔役物P7400が特定領域ユニットP7900に対して旋回動作可能に保持されている。
図237及び図268に示す回転規制軸受部P7923は、塔役物P7400の回転規制軸部P7714を受け入れるものである。回転規制軸受部P7923は、特定領域ユニットP7900(より詳細には、支持部P7920)の上面が下方へ凹んだ凹状に形成されている。回転規制軸受部P7923は、ボール軸部P7921の右後方に位置するように形成されている。すなわち、回転規制軸受部P7923は、平面視において塔役物P7400の旋回動作の中心となる位置から離れた位置に形成されている。
回転規制軸受部P7923は、塔役物P7400の回転規制軸部P7714を受け入れた状態で、塔役物P7400の旋回動作を許容するように形成される。また、回転規制軸受部P7923に回転規制軸部P7714を受け入れた状態では、当該回転規制軸受部P7923の開口の内部に回転規制軸部P7714が当接することで、支持部P7920を軸心とした塔役物P7400の周方向への回転(自転)が規制される。これにより、塔役物P7400の前面側(前フレームP7420側)が常に前方(遊技者側)を向いた状態で、当該塔役物P7400を旋回させることができる。
以下では、上述の如く構成された演出装置P7000の動作について説明する。
演出装置P7000においては、各種の部材が各々動作を実行可能に構成される。具体的には、図268に示すように、塔役物P7400が、上端部が円を描くように旋回する動作(首振り動作)が実行される。また、図244、図269から図271までに示すように、駆動ユニットP7300の振分部P7360が、揺動軸部P7355を中心として左右方向に揺動する動作が実行される。また、塔役物P7400の各ステージ(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)が揺動したり(図272を参照)、回転する(図259及び図267を参照)動作が実行される。以下では、上述したそれぞれの動作について説明する。
まず、塔役物P7400の旋回動作(首振り動作)を説明する。
駆動ユニットP7300に設けられた図245等に示す第1のモータP7353を駆動させれば、出力ギヤP7354が回転する。これにより、出力ギヤP7354に歯合する駆動ギヤP7370が回転する。上記第1のモータP7353の駆動は、所定の制御手段の制御信号に応じて行われる。
図245等に示すように、駆動ギヤP7370の円心に対して偏心した位置に設けられた開口部P7372内には、円盤部P7380が設けられている。駆動ギヤP7370の回転に伴い、上記開口部P7372内に設けられた円盤部P7380は、図244及び図269から図271までに示すように、開口部P7372と摺動しながら、駆動ギヤP7370の円心周りを平面視で円状の軌跡を描くように移動する。図例では、円盤部P7380を平面視において時計回りに移動させた例を示している。
こうして、円盤部P7380が移動すると、当該円盤部P7380に固定された塔役物P7400(後フレームP7410)の上端部P7413(図238等参照)は、当該円盤部P7380と共に駆動ギヤP7370の円心周りを平面視で円状の軌跡を描くように移動する。また一方で、図265等に示すように、塔役物P7400の下端部(第3のステージ部P7700)は、ボール軸部P7921を介して(すなわち、前記下端部の略中央を中心として)特定領域ユニットP7900の支持部P7920に旋回動作可能に保持されている。これにより、塔役物P7400の上端部P7413が駆動ギヤP7370の円心周りを移動すると、塔役物P7400は、特定領域ユニットP7900の支持部P7920を中心として、図268に示すように、前後左右に傾くように(塔役物P7400の長手方向に延びる軸線を垂直方向に対して傾斜させた状態で)旋回する。
また、この際には、塔役物P7400の回転規制軸部P7714が回転規制軸受部P7923の開口の内部と当接することで、支持部P7920を軸心とした塔役物P7400の周方向への回転(自転)が規制される。これにより、塔役物P7400は、前面側(前フレームP7420側)が常に前方(遊技者側)を向いた状態で旋回する。
塔役物P7400の旋回動作(首振り動作)を実行することで、当該塔役物P7400の第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700上を転動する遊技球の動きに変化を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、駆動ユニットP7300の振分部P7360の揺動動作を説明する。
塔役物P7400の旋回動作に伴い、当該塔役物P7400の上端部P7413に設けられた揺動伝達部P7413eが旋回動作することで、振分部P7360は、揺動軸部P7355を中心として左右方向に揺動する。以下では、図244及び図269から図271を用いて、塔役物P7400が平面視において時計回りに旋回する場合における振分部P7360の動作について説明する。
図244では、塔役物P7400が前傾する状態(上端部P7413が前方に位置する状態)を示している。この状態では、揺動伝達部P7413eは、振分部P7360のガイド溝部P7361dの前端部に位置する。また、この状態では、振分部P7360は、前方を向いた状態となる。ここで、振分部P7360は、ばね部P7352により右方に付勢されている。また、振分部P7360は、ガイド溝部P7361dの右方を向く面が揺動伝達部P7413eと当接していることで、ばね部P7352の付勢力による右方への移動が規制されている。
図269に示すように、塔役物P7400が左傾する(上端部P7413が左方に位置する)ように動作した場合には、揺動伝達部P7413eが、ガイド溝部P7361d内を後端部側へ向かって相対的に移動(摺動)すると共に、ばね部P7352の付勢力に抗してガイド溝部P7361d内を左方に押圧する。図269に示す状態では、揺動伝達部P7413eは、振分部P7360のガイド溝部P7361dの前後方向中途部に位置する。また、揺動伝達部P7413eは、左右方向位置において、図244に示す位置(振分部P7360が前方を向いた状態となる位置)よりも左方に位置する。このように、揺動伝達部P7413eの動作に伴い押圧されることで、振分部P7360は、左方を向くように揺動する。
また、図270に示すように、塔役物P7400が後傾する(上端部P7413が後方に位置する)ように動作した場合には、揺動伝達部P7413eが、ガイド溝部P7361d内を後端部側へ向かって相対的に移動(摺動)する。図270に示す状態では、揺動伝達部P7413eは、振分部P7360のガイド溝部P7361dの後端部に位置する。また、揺動伝達部P7413eは、左右方向位置において、図244に示す位置(振分部P7360が前方を向いた状態となる位置)と同じ位置に位置する。こうして、揺動伝達部P7413eが、図269に示す位置から図270に示すように後方へ移動することで、振分部P7360の右方への移動が許容される。これにより、振分部P7360は、ばね部P7352の付勢力により、前方を向くように揺動する。
また、図271に示すように、塔役物P7400が右傾する(上端部P7413が右方に位置する)ように動作した場合には、揺動伝達部P7413eが、ガイド溝部P7361d内を前端部側へ向かって相対的に移動(摺動)する。図271に示す状態では、揺動伝達部P7413eは、振分部P7360のガイド溝部P7361dの前後方向中途部に位置する。また、揺動伝達部P7413eは、左右方向位置において、図244に示す位置(振分部P7360が前方を向いた状態となる位置)よりも右方に位置する。こうして、揺動伝達部P7413eが、図270に示す位置から図271に示すように前方へ移動することで、振分部P7360の更なる右方への移動が許容される。これにより、振分部P7360は、ばね部P7352の付勢力により、右方を向くように揺動する。
本実施形態では、図244に示すばね部P7352により振分部P7360を右方に付勢しているので、振分部P7360のガイド溝部P7361dを、揺動伝達部P7413eに対して常時当接させることができる。これにより、例えば揺動伝達部P7413eのガイド溝部P7361d内を押圧する方向が変更される場合に振分部P7360の動作にガタが生じるのを防止することができ、揺動伝達部P7413eを介した振分部P7360に対する駆動力の伝達を滑らかに行うことができる。
次に、塔役物P7400の各ステージ(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)の動作を説明する。
図249及び図267等に示す第3のステージ部P7700の第3の駆動伝達部P7740に設けられた第2のモータP7741を駆動させれば、出力ギヤP7742が回転する。上記第2のモータP7741の駆動は、所定の制御手段の制御信号に応じて行われる。
出力ギヤP7742の回転は、第3のステージギヤ部P7743を介して第3のステージ回転部P7730に伝達される。これにより、第3のステージ回転部P7730は、第3のステージ本体P7720に対して回転する。すなわち、第3のステージ回転部P7730の転動阻害部P7733(突出部P7733b)が、第3のステージ本体P7720の外側部分を周方向に移動(回転)する。
上述の如く回転する第3のステージ回転部P7730の転動阻害部P7733(突出部P7733b)が、第3のステージ本体P7720上の遊技球に当たった場合には、当該遊技球の動きに変化を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第3のステージギヤ部P7743の回転は、第2のシャフトP7641を介して、図249及び図259に示す第2のステージ部P7600の第2の駆動伝達部P7640に伝達される。すなわち、第2の駆動伝達部P7640(第2のステージギヤ部P7642)の第1のギヤP7642aは、第2のシャフトP7641の回転に伴い回転する。第1のギヤP7642aの回転は、第2のギヤP7642b及び第3のギヤP7642cを介して、第2のステージ回転部P7630に伝達される。これにより、第2のステージ回転部P7630は、第2のステージ本体P7620に対して回転する。すなわち、第2のステージ回転部P7630の転動阻害部P7633(突出部P7633c)が、第2のステージ本体P7620の外側部分を周方向に移動(回転)する。
上述の如く回転する第2のステージ回転部P7630の転動阻害部P7633(突出部P7633c)が、第2のステージ本体P7620上の遊技球に当たった場合には、当該遊技球の動きに変化を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第3のギヤP7642cの回転は、第1のシャフトP7541を介して、図255及び図256に示す第1のステージ部P7500の第1の駆動伝達部P7540に伝達される。すなわち、第1の駆動伝達部P7540の第1のステージギヤ部P7542は、第1のシャフトP7541の回転に伴い回転する。第1のステージギヤ部P7542の回転は、揺動伝達部P7543に伝達される。これにより、揺動伝達部P7543は、上下方向に向く軸心回りに回転する。
ここで、図256、図257及び図272に示すように、支持部P7520の係合部P7523は、揺動伝達部P7543のスパイラル部P7543cと係合している。揺動伝達部P7543が回転することで、スパイラル部P7543cは、係合部P7523と係合した状態で、当該係合部P7523に対して摺動する。この際に、スパイラル部P7543cは螺旋形状に形成されていることから、揺動伝達部P7543の回転に伴い、スパイラル部P7543cと係合部P7523とが係合する部分の高さ位置(すなわち、係合部P7523の高さ位置)が変化する。ここで、係合部P7523は、第1のステージ本体P7530の揺動中心となる位置から左方にズレた位置)に設けられている。したがって、支持部P7520及び第1のステージ本体P7530は、係合部P7523の高さ位置の変化に伴い、図253に示す揺動軸部P7411a及び揺動軸部P7513を軸として揺動する。
具体的には、図272(a)に示すように、係合部P7523の位置が最も高い位置となる場合、支持部P7520及び第1のステージ本体P7530は、右傾する(右側部が下方に移動する)ように揺動する。また、図272(b)に示すように、係合部P7523の位置が最も低い位置となる場合、支持部P7520及び第1のステージ本体P7530は、左傾する(左側部が下方に移動する)ように揺動する。このように、支持部P7520及び第1のステージ本体P7530は、揺動伝達部P7543が半回転するごとに、右に傾いたり左に傾いたりするように揺動する。これにより、第1のステージ本体P7530上の遊技球の動きに変化を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
こうして、種々の動作を実行する演出装置P7000においては、上述の如く、遊技領域P1120を転動する遊技球を内部に導入可能に構成されると共に、当該遊技球を特定領域P7911側や非特定領域P7912側等へ振り分けることができる。以下では、演出装置P7000内に導入された遊技球の転動の態様について説明する。
まず、演出装置P7000のうち、駆動ユニットP7300内における遊技球の転動の態様について説明する。
遊技領域P1120を転動する遊技球は、図235等に示す供給部P7121から演出装置P7000の内部に導入される。そして、図250等に示すように、供給部P7121から導入された遊技球は、まずクルーン部P7320へと誘導される。具体的には、供給部P7121から導入された遊技球は、クルーン部P7320の供給通路部P7322を通過してクルーン本体P7321へ誘導される。
ここで、供給通路部P7322の下流側は、平面視で、クルーン本体P7321の外側部分において周方向に沿う方向へ開口されている。したがって、供給通路部P7322からクルーン本体P7321へ誘導された遊技球は、クルーン本体P7321(3つの孔部P7321aの周囲)を周方向に回転するように転動する。そして、遊技球の転動する勢いが低下すると共に、当該遊技球はクルーン本体P7321の中心側(3つの孔部P7321a側)へと近づき、最終的に3つの孔部P7321aの何れかから下方へ落下する。
クルーン本体P7321(3つの孔部P7321a)から落下する遊技球は、次に駆動ベース部P7330へと誘導される。具体的には、3つの孔部P7321aから落下する遊技球は、駆動ベース部P7330の駆動ベース本体部P7331の底部で受けられ、当該底部を転動する。
ここで、駆動ベース本体部P7331の底部には、3つの孔部P7321aから落下する遊技球を受けた場所よりも前方(すなわち、受けた遊技球が転動する方向)に、転動ガイド部P7331a及び(転動ガイド部P7331aの左右に)凸部が形成されている。したがって、駆動ベース本体部P7331を転動する遊技球は、例えば左右の凸部に衝突しながら転動ガイド部P7331aを前方へと移動する。
本実施形態においては、クルーン本体P7321の3つの孔部P7321aのうち、左右方向中央部の孔部P7321aから落下した遊技球は、凸部と比較的衝突し難いため、転動ガイド部P7331aを前方へとスムーズに(比較的真っ直ぐ)に移動し易い。これに対して、他の2つの孔部P7321aから落下した遊技球は、凸部と比較的衝突し易いため、転動ガイド部P7331aを前方へとスムーズに移動し難い。こうして、転動ガイド部P7331aの前端部へと転動した遊技球は、転動ガイド部P7331aの前端部から落下する。
ここで、転動ガイド部P7331aの前端部の下方には、振分部P7360の前端部(より詳細には、振分部P7360の通路部P7361bの前端部、及び、左右の傾斜部P7364)が配置されている。また、振分部P7360の前端部の下方には、排出ガイド部P7340が配置されている。そして、振分部P7360は、左右に揺動するものである。したがって、転動ガイド部P7331aの前端部から落下する遊技球は、タイミング(遊技球が落下する位置と、落下する際の振分部P7360の位置)に応じて行き先が変更されることとなる。
具体的には、遊技球が落下する際、当該遊技球の落下した位置に振分部P7360の通路部P7361bが位置している場合は、落下した遊技球は通路部P7361b(振分部P7360)に受けられる。これに対して、遊技球が落下する際、当該遊技球の落下した位置に振分部P7360の通路部P7361bが位置していない(左右にズレている)場合(図269及び図271参照)は、落下した遊技球は通路部P7361bに受けられず、通路部P7361bの縁部(側板)や左右の傾斜部P7364と衝突し、排出ガイド部P7340へと誘導される。このように、転動ガイド部P7331aから落下する遊技球は、タイミングに応じて行き先が変更される(振り分けられる)。
なお、排出ガイド部P7340へと誘導された遊技球のうち、排出ガイド部P7340の左端部側へと転動する遊技球は、前カバー部P7100の図示せぬ左側の排出部P7122を介して再び遊技領域P1120へと排出される。また、排出ガイド部P7340の右端部側へと転動する遊技球は、前カバー部P7100の右側の排出部P7122を介して遊技盤P1100の裏側(後面)へ排出される。
また、通路部P7361b(振分部P7360)に受けられた遊技球は、当該通路部P7361bの後端部側へ転動する。そして、遊技球は、通路部P7361bの後端部へ到達すると、孔部P7361cを通過して下方に落下する。振分部P7360(孔部P7361c)から落下する遊技球は、次に円盤部P7380の開口部P7381を介して塔役物P7400の上端部P7413へと誘導される。すなわち、振分部P7360(孔部P7361c)から落下する遊技球は、駆動ユニットP7300から排出されて、次に塔役物P7400へと導入される。
次に、演出装置P7000のうち、塔役物P7400内における遊技球の転動の態様について説明する。
図250に示すように、塔役物P7400の上端部P7413へと誘導された遊技球は、上端部P7413の本体部P7413aの上面を転動した後、孔部P7413cを通過して下方に落下する。
上端部P7413(孔部P7413c)から落下する遊技球は、次に第1のステージ部P7500へと誘導される。具体的には、孔部P7413cから落下する遊技球は、第1のステージ部P7500の第1のステージ本体P7530で受けられ、当該第1のステージ本体P7530を転動する。
ここで、図252に示すように、第1のステージ本体P7530には、孔部P7413cから落下する遊技球を受けた場所よりも前方(すなわち、受けた遊技球が転動する方向)に、第1の壁部P7532及び第2の壁部P7533が形成されている。また、塔役物P7400及び第1のステージ部P7500は、それぞれ互いに異なる動作(旋回動作及び揺動動作)を実行している。したがって、第1のステージ本体P7530を前方へ移動する遊技球は、塔役物P7400及び第1のステージ部P7500の動作に影響を受けながら、第1の壁部P7532や第2の壁部P7533に衝突しつつ(不規則な方向へ移動しながら徐々に)前方へ移動する。
第1のステージ本体P7530の左右中央の前端部へと転動した遊技球は、当該第1のステージ本体P7530の通過部P7531から下方へ落下する。これに対して、第1のステージ本体P7530の左右中央から左右にズレた前端部へと転動した遊技球は、(通過部P7531ではなく)通過部P7531の左右にズレた位置から下方へ落下する。
ここで、第1のステージ本体P7530の通過部P7531の下方には、第1のガイド部P7422の第2のステージ部側ガイド部P7422aが配置されている。こうして、通過部P7531から落下した遊技球は、第2のステージ部側ガイド部P7422aに受けられ、当該第2のステージ部側ガイド部P7422aを後方へと転動する。第2のステージ部側ガイド部P7422aを後方へと転動した遊技球は、通路部P7512により誘導され、孔部P7512aを通過して落下する。
これに対して、第1のステージ本体P7530の通過部P7531の左右にズレた位置の下方には、第1のガイド部P7422の排出通路側ガイド部P7422bが配置されている。こうして、通過部P7531の左右にズレた位置から落下した遊技球は、排出通路側ガイド部P7422bに受けられ、当該排出通路側ガイド部P7422bにより(図240等に示す)前支柱部P7421の排出通路P7421aへ誘導される。このように、第1のステージ部P7500へと誘導された遊技球は、第1のステージ本体P7530から落下する場所に応じて行き先が変更される(振り分けられる)。なお、排出通路P7421aへ誘導された遊技球は、第3のステージ部P7700の非特定領域側ガイド部P7424bを介して特定領域ユニットP7900の非特定領域P7912へと誘導される。
第1のステージ部P7500の孔部P7512aから落下する遊技球は、次に第2のステージ部P7600へと誘導される。具体的には、孔部P7512aから落下する遊技球は、第2のステージ部P7600の第2のステージ本体P7620で受けられ、当該第2のステージ本体P7620を転動する。
ここで、第2のステージ本体P7620の上面は、中央側が下方へ傾斜する略皿形状に形成されている。また、第2のステージ本体P7620の外側部分の直ぐ上方には、転動阻害部P7633の4つの突出部P7633cが周方向に移動している。また、塔役物P7400は、旋回動作を実行している。したがって、第2のステージ本体P7620を転動する遊技球は、塔役物P7400の動作に影響を受けながら、第2のステージ本体P7620の傾斜に応じて中央側へ転動したり、移動する突出部P7633cに衝突したりすることにより不規則な方向へ移動する。こうして、第2のステージ本体P7620を転動する遊技球は、最終的に通過部P7621を通過して下方へ落下するか、または第2のステージ本体P7620の右前端部及び左前端部から排出通路側ガイド部P7423bへと落下する。
こうして、通過部P7621から落下した遊技球は、第2のステージベース部P7610の通路部P7612に受けられ、当該通路部P7612を後方へと転動する。通路部P7612を後方へと転動した遊技球は、孔部P7612aを通過して下方に落下する。これに対して、排出通路側ガイド部P7423bへと移動した遊技球は、当該排出通路側ガイド部P7423bにより(図240等に示す)前支柱部P7421の排出通路P7421aへ誘導される。このように、第2のステージ部P7600へと誘導された遊技球は、第2のステージ本体P7620から落下する場所に応じて行き先が変更される(振り分けられる)。
図252及び図263に示すように、第2のステージ部P7600の孔部P7612aから落下する遊技球は、次に第3のステージ部P7700へと誘導される。具体的には、孔部P7612aから落下する遊技球は、第3のステージ部P7700の第3のステージ本体P7720で受けられ、当該第3のステージ本体P7720を転動する。
ここで、図263に示すように、第3のステージ本体P7720の上面は、前端部が前下方に傾斜すると共に複数の突起部P7721が形成されている。また、第3のステージ本体P7720の外側部分の直ぐ上方には、転動阻害部P7733の複数の突出部P7733bが周方向に移動している。また、塔役物P7400は、旋回動作を実行している。したがって、第3のステージ本体P7720を転動する遊技球は、塔役物P7400の動作に影響を受けながら、第3のステージ本体P7720の傾斜に応じて前方へ転動しつつ、突起部P7721や移動する突出部P7733bに衝突することにより不規則な方向へ移動する。こうして、第3のステージ本体P7720を転動する遊技球は、第3のステージ本体P7720の前端部から第3のガイド部P7424の特定領域側ガイド部P7424aへと落下するか、または第3のステージ本体P7720の前端部及び左前端部から第3のガイド部P7424の非特定領域側ガイド部P7424bへと落下する。
こうして、特定領域側ガイド部P7424aへと落下した遊技球は、当該特定領域側ガイド部P7424aにより、特定領域ユニットP7900の特定領域P7911へと誘導される。これに対して、非特定領域側ガイド部P7424bへと落下した遊技球は、当該非特定領域側ガイド部P7424bにより、特定領域ユニットP7900の非特定領域P7912へと誘導される。このように、第3のステージ部P7700へと誘導された遊技球は第3のステージ本体P7720から落下する場所に応じて行き先が変更される(振り分けられる)。
このように、演出装置P7000においては、各種の部材が各々動作を実行可能に構成しながら、内部に導入した遊技球を特定領域P7911側や非特定領域P7912側へ多段階的に振り分けることができる。これにより、遊技者の興趣を向上させることができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、例えばパチンコ機などの遊技機は公知となっている(特開2016-59498号公報参照)。
上記公報には、回転動作を行うことで所定の可動演出を行う可動演出役物を備えた遊技機が開示されている。
このような遊技機において、遊技の興趣をさらに向上させることが望まれている。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
第1の可動体(駆動ギヤP7370)と、第2の可動体(塔役物P7400)と、第3の可動体(振分部P7360)と、を備え、
前記第1の可動体(駆動ギヤP7370)は、第1の駆動源(第1のモータP7353)からの駆動力により動作が可能であり、
前記第2の可動体(塔役物P7400)は、前記第1の可動体(駆動ギヤP7370)に接すると共に、当該第1の可動体(駆動ギヤP7370)の動作に伴い動作が可能であり、
前記第3の可動体(振分部P7360)は、前記第2の可動体(塔役物P7400)に接すると共に、当該第2の可動体(塔役物P7400)の動作に伴い動作が可能であり、
前記第2の可動体(塔役物P7400)と、前記第3の可動体(振分部P7360)とは、異なる動作態様で動作するものである。
このような構成により、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前記第2の可動体(塔役物P7400)は、所定の部分(前側部分)が常に遊技者側を向いた状態で動作が可能であるものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第1の可動体(駆動ギヤP7370)と、前記第2の可動体(塔役物P7400)と、は互いに摺接しているものである。
このような構成により、第1の可動体(駆動ギヤP7370)の動作を利用して第2の可動体(塔役物P7400)を動作させることができる。
また、前記第2の可動体(塔役物P7400)と、前記第3の可動体(振分部P7360)と、は互いに摺接しているものである。
このような構成により、第2の可動体(塔役物P7400)の動作を利用して第3の可動体(振分部P7360)を動作させることができる。
また、前記第2の可動体(塔役物P7400)は、当該第2の可動体(塔役物P7400)に供給された遊技球の流路を備え、
前記第3の可動体(振分部P7360)は、遊技球を前記第2の可動体(塔役物P7400)に誘導する誘導路(通路部P7361b)を備えているものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第2の可動体(塔役物P7400)の動作態様は、回転動作又は揺動動作であるものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第3の可動体(振分部P7360)の動作態様は、揺動動作であるものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第3の可動体(振分部P7360)は、当該第3の可動体(振分部P7360)の動作に応じた所定のタイミングで到達した遊技球を、前記誘導路(通路部P7361b)を介して前記第2の可動体(塔役物P7400)へ誘導するものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第2の可動体(塔役物P7400)の流路を通過した遊技球の入賞を検出可能な入賞装置(特定領域ユニットP7900)を備え、
前記第2の可動体(塔役物P7400)は、第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)と、前記第1の流路とは異なる第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)と、を備え、
前記入賞装置(特定領域ユニットP7900)は、前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)を通過した遊技球の入賞を検出する第1の検出部(特定領域P7911)と、前記第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)を通過した遊技球の入賞を検出する第2の検出部(非特定領域P7912)と、を備えるものである。
このような構成により、遊技球の振り分けが可能となる。
また、前記第2の可動体(塔役物P7400)の流路を通過した遊技球の入賞を検出可能な入賞装置(特定領域ユニットP7900)を備え、
前記第2の可動体(塔役物P7400)は、上側部分において前記第1の可動体(駆動ギヤP7370)と接し、下側部分において前記入賞装置(特定領域ユニットP7900)に対して動作可能に支持されるものである。
このような構成により、第2の可動体(塔役物P7400)を通過した遊技球を入賞させ易くすることができる。
また、前記第2の可動体(塔役物P7400)は、第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)と、前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)とは異なる第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)と、を備えると共に、第2の駆動源(第2のモータP7741)からの駆動力により動作が可能であり、当該第2の可動体(塔役物P7400)に供給された遊技球を前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)又は前記第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)へ振り分け可能な振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)を備えるものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第2の可動体(塔役物P7400)は、第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)と、前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)とは異なる第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)と、を備えると共に、当該第2の可動体(塔役物P7400)に供給された遊技球を前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)又は前記第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)へ振り分け可能な振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)を備え、
前記振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)は、上下方向に複数設けられるものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第2の可動体(塔役物P7400)は、第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)と、前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)とは異なる第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)と、を備えると共に、当該第2の可動体(塔役物P7400)に供給された遊技球を前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)又は前記第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)へ振り分け可能な振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)を備え、
前記振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)は、上下方向に複数設けられ、
前記複数の振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)は、異なる複数の動作態様で動作するものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第2の可動体(塔役物P7400)は、第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)と、前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)とは異なる第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)と、を備えると共に、当該第2の可動体(塔役物P7400)に供給された遊技球を前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)又は前記第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)へ振り分け可能な振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)を備え、
前記振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)は、上下方向に複数設けられ、
前記複数の振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)は、異なる複数の動作態様で動作し、
前記複数の動作態様は、少なくとも回転動作を含むものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第2の可動体(塔役物P7400)は、第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)と、前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)とは異なる第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)と、を備えると共に、当該第2の可動体(塔役物P7400)に供給された遊技球を前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)又は前記第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)へ振り分け可能な振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)を備え、
前記振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)は、上下方向に複数設けられ、
前記複数の振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)は、異なる複数の動作態様で動作し、
前記複数の動作態様は、少なくとも揺動動作を含むものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
上記記載の括弧書きの如く、
駆動ギヤP7370は、第1の可動体の一形態である。
また、塔役物P7400は、第2の可動体の一形態である。
また、振分部P7360は、第3の可動体の一形態である。
また、通路部P7361bは、誘導路の一形態である。
また、第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700は、振分部の一形態である。
また、特定領域ユニットP7900は、入賞装置の一形態である。
また、特定領域P7911は、第1の検出部の一形態である。
また、非特定領域P7912は、第2の検出部の一形態である。
また、本実施形態に係る遊技機は、
第1の部分(塔役物P7400)と、第2の部分(振分部P7360)と、ベース部(特定領域ユニットP7900)と、を備えた構造部を有する遊技機であって、
前記第1の部分(塔役物P7400)は、当該第1の部分(塔役物P7400)に供給された遊技球の流路を備え、
前記第2の部分(振分部P7360)は、遊技球を前記第1の部分(塔役物P7400)へ誘導する誘導路(通路部P7361b)を備え、
前記ベース部(特定領域ユニットP7900)は、前記第1の部分(塔役物P7400)の流路を通過した遊技球の入賞を検出可能な検出手段(センサ部P7911a)を備え、
前記第1の部分(塔役物P7400)及び前記第2の部分(振分部P7360)の少なくとも一方は、前記ベース部(特定領域ユニットP7900)に対して移動可能であるものである。
このような構成により、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記第1の部分(塔役物P7400)及び前記第2の部分(振分部P7360)の両方が、前記ベース部(特定領域ユニットP7900)に対して移動可能であるものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第2の部分(振分部P7360)は、前記ベース部(特定領域ユニットP7900)に対して移動可能であり、
当該第2の部分(振分部P7360)に所定のタイミングで到達した遊技球を、前記誘導路(通路部P7361b)を介して前記第1の部分(塔役物P7400)へ誘導するものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第1の部分(塔役物P7400)は、第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)と、前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)とは異なる第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)を備えるものである。
このような構成により、遊技球の振り分けが可能となる。
また、前記第1の部分(塔役物P7400)は、第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)と、前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)とは異なる第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)を備え、当該第1の部分(塔役物P7400)に供給された遊技球を前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)又は前記第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)へ振り分け可能な振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)を備えるものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第1の部分(塔役物P7400)は、第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)と、前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)とは異なる第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)を備え、当該第1の部分(塔役物P7400)に供給された遊技球を前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)又は前記第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)へ振り分け可能な振分部を備え、
前記振分部は、複数設けられ、
前記複数の振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)のうち上流側の振分部の前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)を通過した遊技球を、下流側の振分部に移行可能であるものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第1の部分(塔役物P7400)は、第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)と、前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)とは異なる第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)を備え、当該第1の部分(塔役物P7400)に供給された遊技球を前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)又は前記第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)へ振り分け可能な振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)を備え、
前記振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)は、当該振分部を転動する遊技球の転動速度を減少させる減速部(転動阻害部P7633)を備えるものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第1の部分(塔役物P7400)は、第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)と、前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)とは異なる第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)を備え、当該第1の部分(塔役物P7400)に供給された遊技球を前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)又は前記第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)へ振り分け可能な振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)を備え、
前記振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)は、当該振分部を転動する遊技球の転動速度を減少させる減速部(転動阻害部P7633、突起部P7721、転動阻害部P7733)を備え、
前記減速部(転動阻害部P7633、突起部P7721、転動阻害部P7733)は、前記振分部を転動する遊技球に接することで、当該遊技球の転動速度を減少させるものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第1の部分(塔役物P7400)は、第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)と、前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)とは異なる第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)を備え、当該第1の部分(塔役物P7400)に供給された遊技球を前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)又は前記第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)へ振り分け可能な振分部(第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)を備え、
前記振分部(第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)は、当該振分部を転動する遊技球の転動速度を減少させる減速部(転動阻害部P7633、突起部P7721、転動阻害部P7733)を備え、
前記減速部(転動阻害部P7633、突起部P7721、転動阻害部P7733)は、一方向に突出する突起形状に形成されているものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第1の部分(塔役物P7400)は、第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)と、前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)とは異なる第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)を備え、当該第1の部分(塔役物P7400)に供給された遊技球を前記第1の流路(特定領域P7911へ連通する流路)又は前記第2の流路(非特定領域P7912へ連通する流路)へ振り分け可能な振分部(第2のステージ部P7600)を備え、
前記振分部(第2のステージ部P7600)は、当該振分部を転動する遊技球の転動速度を減少させる減速部(転動阻害部P7633)を備え、
前記振分部(第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700)は、前記減速部(転動阻害部P7633)により転動速度が減少された遊技球を、遊技者に視認させることが可能な視認部(孔部P7633b)を備えるものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、前記第1の部分(塔役物P7400)と、前記第2の部分(振分部P7360)と、前記ベース部(特定領域ユニットP7900)と、は別部材であるものである。
このような構成により、動作可能な部材と、動作不能な部材と、を別部材とすることができる。
上記記載の括弧書きの如く、
塔役物P7400は、第1の部分の一形態である。
また、振分部P7360は、第2の部分の一形態である。
また、通路部P7361bは、誘導路の一形態である。
また、第1のステージ部P7500、第2のステージ部P7600及び第3のステージ部P7700は、振分部の一形態である。
また、転動阻害部P7633、突起部P7721、転動阻害部P7733は、減速部の一形態である。
また、孔部P7633bは、視認部の一形態である。
また、特定領域ユニットP7900は、ベース部の一形態である。
また、特定領域P7911は、第1の検出部の一形態である。
また、非特定領域P7912は、第2の検出部の一形態である。
以上、本発明の第4実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態では、特定領域ユニットP7900に対して、塔役物P7400及び振分部P7360の両方を動作させる例を示したが、このような態様に限られない。例えば、塔役物P7400及び振分部P7360のうちの一方を、特定領域ユニットP7900に対して、動作させる構成としてもよい。
また、本実施形態では、塔役物P7400を旋回動作(首振り動作)可能な構成としたが、このような態様に限られない。塔役物P7400の動作としては、例えば、揺動動作や回転動作、往復動作等、遊技球を振り分け可能な種々の動作を採用可能である。
また、本実施形態では、振分部P7360を揺動動作可能な構成としたが、このような態様に限られない。振分部P7360の動作としては、例えば、旋回動作や回転動作、往復動作等、遊技球を振り分け可能な種々の動作を採用可能である。
また、本実施形態では、遊技球の転動を阻害するものとして、第2のステージ部P7600の転動阻害部P7633や、第3のステージ部P7700の転動阻害部P7733及び突起部P7721を設けた例を示したが、このような態様に限られない。遊技球の転動を阻害するものとしては、例えば、遊技領域P1120の前面(転動面)から板面を上下方向へ向けて、当該前面から進退可能に構成された板状の部材(例えばシャッタ)のように、遊技球の転動を阻害可能な種々の構成を採用可能である。
また、本実施形態では、第2のステージ部P7600の転動阻害部P7633に、孔部P7633bを設けたことで、当該孔部P7633bを介して第2のステージ本体P7620上を転動する遊技球の視認を可能とした例を示したが、このような態様に限られない。ステージ(例えば第2のステージ部P7600)上の遊技球の視認を可能とする構成としては、例えば、転動阻害部P7633の全体又は一部を、透過性を有する材料で形成したり、入賞口ユニットやアタッカユニットのように遊技領域P1120に配置される各種のユニットにおける前側面を透過性を有する材料で形成したりする等、種々の構成を採用可能である。
また、本実施形態では、可動する役物(塔役物P7400)を、塔を模したものとしたが、可動する役物の形状としてはこのような態様に限られず、種々の形状を採用可能である。
また、本実施形態では、演出画像や装飾図柄を表示するため、図4に示すような表示装置7を設けることもできる。すなわち、表示装置7に、装飾図柄を可変表示させて特別図柄の当り判定処理の結果を表示したり、特別図柄の当り判定処理の結果に応じた演出画像、大当り遊技状態中の演出画像、デモ演出画像、特別図柄の可変表示の保留状況を示す演出画像等を表示することができる。
また、本実施形態の可動する役物(塔役物P7400)は、1種タイプや1種2種混合機のパチンコ遊技機に搭載するのではなく、いわゆる2種タイプのパチンコ遊技機に搭載することもできる。
また、本実施形態では、所定のタイミングで受けた遊技球を(入賞可能な)特定領域P7911側へとガイドすることをもって、振分部P7360を「移動式の入賞口」とする構成を例示したが、このような構成に限られない。例えば、振分部P7360の通路部P7361bの先端部で遊技球を受けたこと自体(すなわち、所定のセンサによる通路部P7361bの先端部で遊技球を受けたとの検知)を入賞としてもよい。またその場合、振分部P7360への入賞とは、第1又は第2始動口への入賞としてもよく、また特定領域への入賞としてもよい。
また、本実施形態では、演出装置P7000の下端部にあるユニット(特定領域ユニットP7900)として、入賞可能な特定領域を有する構成を例示したが、このような構成に限られない。例えば、演出装置P7000の下端部にあるユニットは、入賞可能な第1又は第2始動口を有する構成としてもよい。
以下では、本発明の第5実施形態に係るパチンコ遊技機について説明する。なお、先述した実施形態に係るものと同一又は類似の構成要素については、同一名称や同一符号を付する等してその説明を省略する。
第5実施形態に係るパチンコ遊技機は、演出装置C1000を有する点で、第1~第4実施形態に係るパチンコ遊技機と大きく異なる。以下では、図273から図288までを用いて、演出装置C1000の構成について説明する。なお、上記図面においては、説明の便宜上、部材の図示を適宜省略している。例えば、図276から図278においては、ロゴ役物C1500の図示を省略している。
演出装置C1000は、適宜のタイミングで動作することで、遊技者に視覚的な印象(インパクト)を与えるものである。演出装置C1000は、遊技盤P1100の上部に設置される。演出装置C1000は、主として可動演出役物C1100、駆動機構C1200、保持機構C1300、衝撃吸収手段C1400及びロゴ役物C1500を具備する。
図273から図275に示すロゴ役物C1500は、適宜の装飾がされたものである。具体的には、ロゴ役物C1500は、適宜の文字(例えば「ABC」)からなるロゴを模した装飾が施されている。ロゴ役物C1500は、可動演出役物C1100の前方に配置されている。なお、ロゴ役物C1500及び可動演出役物C1100は、互いに相対的に動作可能に構成される。
図273から図279等に示す可動演出役物C1100は、動作することで演出を行うものである。具体的には、可動演出役物C1100は、後述する駆動機構C1200によって昇降可能に設けられる。可動演出役物C1100は、長手方向を左右に向けて設けられる。可動演出役物C1100の動作は、演出動作制御回路89によって制御される。詳細は後述するが、可動演出役物C1100は、演出を行う前の状態の位置(図289に示す待機位置)、演出を行っている状態であって前記待機位置よりも下方の位置(図291に示す中間位置)、演出を行っている状態であって前記中間位置よりも下方の位置(図295に示す突出位置)に移動可能に設けられる。可動演出役物C1100は、主として銛役物C1120及び支持体C1130を具備する。
図276から図279等に示す銛役物C1120は、適宜の装飾が施されており、動作することによって演出を行うものである。具体的には、銛役物C1120は、銛を模した装飾が施されている。銛役物C1120は、ロゴ役物C1500の後方に設けられる。銛役物C1120は、主として役物装飾体C1121、導光板C1122、役物電飾基板C1123及びベース部C1124を具備する。
図276、図278及び図279に示す役物装飾体C1121は、適宜の装飾が施されて、演出を行う際に可動する部分である。役物装飾体C1121は、銛を模した形状に形成されている。役物装飾体C1121は、主として第一装飾体C1121a、第二装飾体C1121b及び第一装飾レンズC1121cを具備する。
第一装飾体C1121aは、銛を模した形状に形成されている。第一装飾体C1121aは、長手方向を上下に向けて設けられる。第一装飾体C1121aは、役物装飾体C1121の左右中央に設けられる。第一装飾体C1121aの正面視略中央には、当該第一装飾体C1121aを前後に貫通する開口部が形成されており、当該開口部に透過性の材料によって形成される第二装飾レンズC1121dが設けられている。第二装飾レンズC1121dは、正面視略ひし形状に形成される。
第二装飾体C1121bは、銛を模した形状に形成されている。第二装飾体C1121bは、長手方向を上下に向けて設けられる。第二装飾体C1121bは、第一装飾体C1121aの左側及び右側それぞれに設けられる。第二装飾体C1121bは、図示せぬ駆動機構によって、当該第二装飾体C1121bの上部を中心として正面視時計回り及び反時計回りに回動可能に形成されている。
第一装飾レンズC1121cは、透過性の材料によって形成される。第一装飾レンズC1121cは、第一装飾体C1121aと左右の第二装飾体C1121bとの間にそれぞれ設けられる。
図279等に示す導光板C1122は、光を拡散するものである。導光板C1122は、その板面を前後に向けると共に、長手方向を左右に向けて設けられる。導光板C1122は、役物装飾体C1121の後方に設けられる。
図279に示す役物電飾基板C1123は、略矩形板状に形成される。役物電飾基板C1123は、その板面を前後に向けると共に、長手方向を左右に向けて設けられる。役物電飾基板C1123は、導光板C1122の後方に設けられる。役物電飾基板C1123の前面には、当該役物電飾基板C1123の左右略全域に亘って複数の発光部C1123aが設けられる。発光部C1123aはLEDにより構成される。当該発光部C1123aを発光させることで、役物電飾基板C1123の前方へと光を照射することができる。
図279等に示すベース部C1124は、役物装飾体C1121、導光板C1122及び役物電飾基板C1123を支持するものである。ベース部C1124は、略直方体状に形成される。ベース部C1124は、長手方向を左右に向けて設けられる。ベース部C1124には、被案内部C1124aが形成される。
図279(及び図294)に示す被案内部C1124aは、後述する傾斜案内部C1230によって案内される部分である。被案内部C1124aは、軸線を左右に向けた円柱状に形成される。被案内部C1124aは、ベース部C1124の左端に設けられる。
このように形成された銛役物C1120においては、役物電飾基板C1123の発光部C1123aから光を照射することで、第一装飾レンズC1121c及び第二装飾レンズC1121dを光らせることができる。
図278等に示す支持体C1130は、銛役物C1120を回動可能に支持するものである。支持体C1130は、銛役物C1120の後方に設けられる。支持体C1130は、主としてベース部材C1131、回動軸C1132及びスライダC1133を具備する。
ベース部材C1131は、略矩形の板状に形成される。ベース部材C1131は、その板面を前後に向けると共に、長手方向を左右に向けて設けられる。ベース部材C1131は、銛役物C1120の上部の後方に設けられる。
回動軸C1132は、銛役物C1120の回動中心となる部分である。回動軸C1132は、軸線を左右に向けて、銛役物C1120に挿通されるとともに、ベース部材C1131に回動可能に設けられる。回動軸C1132は、左右一対設けられる。
スライダC1133は、後述するシャフトC1217及びシャフトC1227によりガイドされる部分である。スライダC1133は、ベース部材C1131の左端部及び右端部にそれぞれ設けられる。左側のスライダC1133(の貫通孔)には、後述するシャフトC1217が挿通される。右側のスライダC1133(の貫通孔)には、後述するシャフトC1227が挿通される。左側のスライダC1133は、右側のスライダC1133よりも高い位置に設けられる。
図275から図278及び図280から図286等に示す駆動機構C1200は、可動演出役物C1100を駆動させるものである。駆動機構C1200は、左側昇降機構C1210、右側昇降機構C1220及び傾斜案内部C1230を具備する。
図276から図278、図280及び図281等に示す左側昇降機構C1210は、可動演出役物C1100を上下に昇降駆動する昇降機構の左部を構成するものである。左側昇降機構C1210は、主としてベース部C1211、上部プーリC1212、下部プーリC1213、ベルトC1214、伝達ギヤC1215、昇降駆動モータC1216、シャフトC1217及びキャリッジC1218を具備する。
図277及び図280から図286等に示すベース部C1211は、左側昇降機構C1210の各種部材を支持するものである。ベース部C1211は、略矩形板状に形成される。ベース部C1211は、その板面を前後に向けると共に、長手方向を上下に向けて設けられる。ベース部C1211には、ピンC1211aが設けられる。
図286に示すピンC1211aは、ベース部C1211の前面に固定され、当該ベース部C1211から前方に突出するように設けられる。ピンC1211aは、後述する溝部C1333aと対応する位置に3ヶ所、後述する溝部C1411と対応する位置に2ヶ所設けられる。
図281及び図282に示す上部プーリC1212は、略円形板状に形成される部材である。上部プーリC1212は、ベース部C1211の前面の上端部近傍に回動可能に支持される。上部プーリC1212には、ギヤ(不図示)が形成される。
図281、図283及び図284に示す下部プーリC1213は、略円形板状に形成される部材である。下部プーリC1213は、ベース部C1211の前面の下端部近傍(上部プーリC1212の下方)に回動可能に支持される。
図278及び図280から図284等に示すベルトC1214は、後述するキャリッジC1218を上下に移動させるためのものである。ベルトC1214は、上部プーリC1212及び下部プーリC1213に巻回される。
図281及び図282に示す伝達ギヤC1215は、上部プーリC1212に駆動力を伝達するものである。伝達ギヤC1215は、上部プーリC1212に形成されたギヤ(不図示)と噛み合うように配置される。
図278、図281及び図282に示す昇降駆動モータC1216は、可動演出役物C1100を上昇させるための駆動源である。昇降駆動モータC1216は、ベース部C1211の上部に固定される。昇降駆動モータC1216の図示しない出力軸からの駆動力は、伝達ギヤC1215に伝達される。昇降駆動モータC1216の駆動力によって伝達ギヤC1215が回動すると、当該伝達ギヤC1215の回動に伴って上部プーリC1212が回動する。これによって、ベルトC1214が上部プーリC1212と下部プーリC1213の間を回動する。
図278及び図280から図284等に示すシャフトC1217は、可動演出役物C1100を上下に案内するものである。シャフトC1217は、ベース部C1211の後方に左右一対設けられる。シャフトC1217は、ベース部C1211の下端部近傍から上端部近傍に亘って上下方向に延びるように形成される。シャフトC1217は、左側のスライダC1133(の貫通孔)に挿通されることにより、スライダC1133、ひいては可動演出役物C1100を上下に案内する。
図280、図281、図283及び図284に示すキャリッジC1218は、可動演出役物C1100を上方に移動させるためのものである。図284に示すように、キャリッジC1218は、ベルトC1214を挟み込むように形成され、これにより当該ベルトC1214に固定される。キャリッジC1218の内側には、シャフトC1217が挿通される。このように形成されたキャリッジC1218は、ベルトC1214が上部プーリC1212と下部プーリC1213の間を回動することにより、シャフトC1217に沿って上下に移動することができる。
図276から図278及び図280に示す右側昇降機構C1220は、可動演出役物C1100を上下に昇降駆動する昇降機構の右部を構成するものである。右側昇降機構C1220は、主としてベース部C1221、上部プーリ(不図示)、下部プーリ(不図示)、ベルトC1224、伝達ギヤ(不図示)、昇降駆動モータC1226、シャフトC1227及びキャリッジC1228を具備する。なお、右側昇降機構C1220は、左側昇降機構C1210と略同様(略左右対称)に構成されているため、以下ではその構成を簡単に説明する。
上部プーリ(不図示)及び下部プーリ(不図示)には、ベルトC1224が巻回されており、昇降駆動モータC1226の駆動力によって、ベルトC1224が回動する。
シャフトC1227は、右側のスライダC1133の内側に挿通されることにより、スライダC1133、ひいては可動演出役物C1100を上下に案内する。キャリッジC1228の内側には、シャフトC1227が挿通され、ベルトC1224が上部プーリ(不図示)及び下部プーリ(不図示)の間を回動することにより、キャリッジC1228がシャフトC1227に沿って上方に移動する。
図275から図278及び図285に示す傾斜案内部C1230は、銛役物C1120を回動軸C1132回りに回動させて傾斜するように案内するものである。傾斜案内部C1230は、左側昇降機構C1210の下部の右側部に設けられる。傾斜案内部C1230は、案内面C1231及び折り返し部C1232を具備する。
図278及び図285に示す案内面C1231は、可動演出役物C1100を案内する面である。案内面C1231は、前下がりに傾斜するように形成される。
図278及び図285に示す折り返し部C1232は、案内面C1231の前端が後上方に折り返されるように形成される。
図275から図278、図280、図281及び図285から図287に示す保持機構C1300は、可動演出役物C1100を所定の位置で保持するものである。具体的には、保持機構C1300は、可動演出役物C1100を、演出を行う前の状態の位置(図289に示す待機位置)、及び演出を行っている状態であって前記待機位置よりも下方の位置(図291に示す中間位置)で保持する。保持機構C1300は、左上保持部C1310、右上保持部C1320、左下保持部C1330及び右下保持部C1340を具備する。
図277及び図280等に示す左上保持部C1310及び右上保持部C1320は、可動演出役物C1100を待機位置で保持するものである。左上保持部C1310は、左側昇降機構C1210のベース部C1211の上部に設けられる。右上保持部C1320は、右側昇降機構C1220のベース部C1221の上部に設けられる。左上保持部C1310は、右上保持部C1320よりも上方に設けられる。
図277及び図280等に示す左下保持部C1330及び右下保持部C1340は、可動演出役物C1100を中間位置で保持するものである。左下保持部C1330は、左側昇降機構C1210のベース部C1211の下部(左上保持部C1310の下方)に設けられる。右上保持部C1320は、右側昇降機構C1220のベース部C1221の下部(右上保持部C1320の下方)に設けられる。左下保持部C1330は、右下保持部C1340よりも上方に設けられる。
左上保持部C1310、右上保持部C1320、左下保持部C1330及び右下保持部C1340は、概ね同じ構成を有している。よって、以下では、左下保持部C1330の構成について説明し、左上保持部C1310、右上保持部C1320及び右下保持部C1340の構成については、説明を省略する。
図287に示すように、左下保持部C1330は、爪部C1331、ソレノイドC1332及びソレノイドホルダC1333を具備する。
図277、図285及び図287に示す爪部C1331は、可動演出役物C1100が載置される部分である。より詳細には、図285に示すように、爪部C1331には、可動演出役物C1100のスライダC1133が載置される。図287に示すように、爪部C1331は、本体部C1331a、回動ピンC1331b及び係合部C1331cを具備する。
図287に示す本体部C1331aは、爪部C1331の主たる構造体を形成するものである。本体部C1331aは、側面視略L字状に形成される。より詳細には、本体部C1331aは、主として、上下方向に延びる部分と、当該部分の下端部から後方に延びる部分とによって構成される。本体部C1331aは、その一部(前記前方に延びる部分)がベース部C1211から後方に突出するように設けられる。
図287に示す回動ピンC1331bは、爪部C1331の回動中心となる部分である。回動ピンC1331bは、軸線を左右に向けた状態で、本体部C1331aの上部に挿通される。また、回動ピンC1331bは、後述するソレノイドホルダC1333に挿通される。
図287に示す係合部C1331cは、本体部C1331aの上部に設けられたアーム状の部分から右方(遊技盤P1100の左右中央側)へ向けて延びるように形成される。係合部C1331cは、回動ピンC1331bの前方に設けられる。
このように形成された爪部C1331は、回動ピンC1331bの軸線を中心として回動可能に形成される。
図287に示すソレノイドC1332は、爪部C1331の駆動源である。ソレノイドC1332は、ベース部C1211の前側に設けられる。ソレノイドC1332は、励磁されることにより、プランジャホルダC1332aを吸引する。これにより、プランジャホルダC1332aは、上方に移動する。また、プランジャホルダC1332aは、ソレノイドC1332の励磁が解除されることにより、付勢手段C1332bの付勢力によって元の位置に戻る。プランジャホルダC1332aには、凹部C1332cが形成される。
凹部C1332cは、プランジャホルダC1332aの左面が右方に凹むように形成される。凹部C1332cは、係合部C1331cが入り込むように形成される。
図278及び図285から図287に示すソレノイドホルダC1333は、ソレノイドC1332を支持するとともに、当該ソレノイドC1332を覆うものである。ソレノイドホルダC1333は、ベース部C1211の前方に設けられる。ソレノイドホルダC1333は、後面が開放された箱状に形成される。ソレノイドホルダC1333には、溝部C1333aが形成される。
図286に示す溝部C1333aは、長手方向を上下に向けた正面視略長孔状に形成される。溝部C1333aは、ソレノイドホルダC1333を前後方向に貫通するように形成される。溝部C1333aは、ソレノイドホルダC1333の右部に1箇所、ソレノイドホルダC1333の左部に上下に並ぶように2箇所設けられる。これら計3箇所の溝部C1333aは、ピンC1211aの一部と対応する位置に設けられ、当該ピンC1211aが挿通される。これにより、左下保持部C1330の移動方向を上下方向に規制することができ、また移動可能な範囲を規制することができる。
このように構成された左下保持部C1330においては、図290に示すように、ソレノイドC1332が励磁されてプランジャホルダC1332aが上方に移動することにより、爪部C1331の係合部C1331cが凹部C1332cの下面と係合(当接)する。そして、プランジャホルダC1332aの凹部C1332cが爪部C1331の係合部C1331cを押し上げることにより、爪部C1331は、回動ピンC1331bの軸線を中心として、左側面視反時計回りに回動する。これにより、爪部C1331(のベース部C1211から後方に突出する部分)が、ベース部C1211の後面より前方に引っ込むこととなる。
図275から図278、図285及び図286に示す衝撃吸収手段C1400は、可動演出役物C1100から保持機構C1300が受ける衝撃を吸収するものである。
衝撃吸収手段C1400は、左下保持部C1330及び右下保持部C1340の直ぐ下方にそれぞれ設けられる。衝撃吸収手段C1400は、左側昇降機構C1210のベース部C1211及び右側昇降機構C1220のベース部C1221にそれぞれ設けられる。衝撃吸収手段C1400は、受け部C1410、支持部C1420及び付勢手段C1430を具備する。以下では、左下保持部C1330の直ぐ下方の衝撃吸収手段C1400に着目して説明を行う。
図285、図286及び図288に示す受け部C1410は、保持機構C1300を下方から支持するものである。より詳細には、図285及び図286に示すように、受け部C1410には、左下保持部C1330のソレノイドホルダC1333が載置される。受け部C1410は、側面視略L字状に形成される。より詳細には、受け部C1410は、主として、正面視略矩形板状の部分と、当該部分の上端部から前方に延びる部分とによって構成される。受け部C1410は、溝部C1411及びピンC1412を具備する。
図286及び図288に示す溝部C1411は、長手方向を上下に向けた正面視略長孔状に形成される。溝部C1411は、受け部C1410を前後方向に貫通するように形成される。溝部C1411は、左右に間隔をおいて並ぶように2箇所形成される。当該2箇所の溝部C1411は、ピンC1211aの一部と対応する位置に設けられ、当該ピンC1211aが挿通される。これにより、受け部C1410の移動方向を上下方向に規制することができ、また移動可能な範囲を規制することができる。
図288に示すピンC1412は、長手方向を上下に向けた円柱状に形成される。ピンC1412は、受け部C1410の左右略中央に固定され、受け部C1410から下方に延びるように設けられる。
図285、図286及び図288に示す支持部C1420は、受け部C1410の下方に設けられるものである。支持部C1420は、ベース部C1211に固定されている。支持部C1420には、貫通孔C1421が形成される。
図288に示す貫通孔C1421は、支持部C1420の中心を上下に貫通するように形成される。貫通孔C1421には、ピンC1412が挿通される。貫通孔C1421は、ピンC1412が摺動可能な大きさ(径)に形成される。
図285、図286及び図288に示す付勢手段C1430は、受け部C1410を上方に付勢するものである。付勢手段C1430は、例えば圧縮コイルばねである。付勢手段C1430は、受け部C1410と支持部C1420との間に設けられる。付勢手段C1430は、その中心にピンC1412が挿通されるように設けられる。このように形成された付勢手段C1430は、受け部C1410を上方に付勢する。
このように構成された衝撃吸収手段C1400においては、付勢手段C1430の付勢力により、移動可能な範囲のうち最も上方に押し上げられている。これにより、左下保持部C1330も、移動可能な範囲のうち最も上方に押し上げられている。
以下、W017からW025までを用いて、演出を行う際の可動演出役物C1100の動作について説明する。
図289に示すように、可動演出役物C1100は、演出を行う前には、待機位置に位置している。なお、可動演出役物C1100は、待機位置に位置しているときには、ロゴ役物C1500の後方に位置し、遊技者は視認することができない(図W01、図W02参照)。このとき、可動演出役物C1100は、左上保持部C1310及び右上保持部C1320の爪部C1331(のベース部C1211及びベース部C1221から後方に突出する部分)にスライダC1133が載置されており(図285等参照)、これにより待機位置で保持されている(図277等参照)。このとき、銛役物C1120は、演出面(銛役物C1120の前面)を前方に向けた姿勢(以下、「垂直姿勢」という)で保持されている。
可動演出役物C1100を待機位置から中間位置に移動させる際には、まず、左上保持部C1310及び右上保持部C1320のソレノイドC1332を一時的に励磁させる。これにより、図290に示すように、左上保持部C1310及び右上保持部C1320の爪部C1331が回動し、それぞれベース部C1211及びベース部C1221の後面よりも前方に引っ込む。そうすると、左上保持部C1310及び右上保持部C1320の爪部C1331は、可動演出役物C1100のスライダC1133を支持できない状態となる。
そうすると、可動演出役物C1100は自由落下し、中間位置(図291及び図292参照)に移動する。そして、可動演出役物C1100は、左下保持部C1330及び右下保持部C1340の爪部C1331によって受け止められる(図293等参照)。
このとき、左下保持部C1330及び右下保持部C1340は、可動演出役物C1100から下方への力を受ける(図285及び図286参照)。そうすると、左下保持部C1330及び右下保持部C1340は、受け部C1410を下方に押圧する。受け部C1410は、付勢手段C1430の付勢力に抗して、溝部C1411及びピンC1211aによって案内されて、左下保持部C1330及び右下保持部C1340とともにベース部C1211に沿って下方に移動する。そして、付勢手段C1430の弾性力により、可動演出役物C1100が中間位置に動作するときに保持機構C1300が受ける衝撃を吸収することができる。可動演出役物C1100は、左下保持部C1330及び右下保持部C1340によって中間位置で保持される(図291から図293参照)。
可動演出役物C1100を中間位置から突出位置に移動させる際には、左下保持部C1330及び右下保持部C1340のソレノイドC1332を一時的に励磁させる。これにより、左下保持部C1330及び右下保持部C1340の爪部C1331が回動し、それぞれベース部C1211及びベース部C1221の後面よりも前方に引っ込む。そうすると、左下保持部C1330及び右下保持部C1340の爪部C1331は、可動演出役物C1100のスライダC1133を支持できない状態となる。
そうすると、可動演出役物C1100は自由落下し、可動演出役物C1100のベース部C1124の被案内部C1124aが、傾斜案内部C1230の案内面C1231に上方から当接することとなる(図294の二点鎖線参照)。そして、被案内部C1124aが案内面C1231に案内されることにより、銛役物C1120は、支持体C1130に対して回動軸C1132の軸線を中心として前上がり(左側面視反時計回り)に回動する。
さらに、被案内部C1124aが案内面C1231に沿って前下方に移動することにより、可動演出役物C1100は、その下部が前方に突出するように傾斜する。そして、被案内部C1124aが折り返し部C1232に当接することにより、可動演出役物C1100の下部の前下方への移動が規制される。このようにして、可動演出役物C1100は、突出位置に移動する(図294から図297参照)。このとき、銛役物C1120は、演出面(銛役物C1120の前面)を前上方に向けた姿勢(以下、「傾斜姿勢」という)で保持されている。
なお、ソレノイドC1332への励磁は一時的であり、可動演出役物C1100が爪部C1331から落下した後、ソレノイドC1332の励磁が解除される。そうすると、プランジャホルダC1332aは、付勢手段C1332bの付勢力によって下方に移動し、爪部C1331の前面を下方に押圧する。これにより、爪部C1331は、回動ピンC1331bの軸線を中心として左側面視時計回りに回動し、元の位置(図287(a)に示す位置)に戻る。
また、可動演出役物C1100は、突出位置(図295参照)から中間位置(図291参照)又は待機位置(図289参照)に移動する際には、左側昇降機構C1210の昇降駆動モータC1216を駆動させて、ベルトC1214を回動させ、キャリッジC1218を上昇させる(図281参照)。これと同時に、右側昇降機構C1220の昇降駆動モータC1226を駆動させて、ベルトC1224を回動させ、キャリッジC1228を上昇させる。
そうすることで、キャリッジC1218及びキャリッジC1228は、可動演出役物C1100のスライダC1133を押上げる(図281参照)。これにより、可動演出役物C1100は、シャフトC1217及びシャフトC1227に沿って上方に移動する。このようにして、可動演出役物C1100は、突出位置から中間位置又は待機位置に移動することができる。可動演出役物C1100が中間位置から待機位置に移動する際も同様である。
なお、可動演出役物C1100は、上方へ移動して中間位置又は待機位置へと到達する際、爪部C1331に下方から当接される。そして、可動演出役物C1100がさらに上方へ移動すると、爪部C1331が回動し、それぞれベース部C1211及びベース部C1221の後面よりも前方に引っ込む。すなわち、可動演出役物C1100のスライダC1133は、上方へ移動する際に、爪部C1331により移動が規制されることがない。
以上の如く構成された第5実施形態に係る遊技機においては、衝撃吸収手段C1400が、可動演出役物C1100(銛役物C1120)が待機位置から中間位置に動作(自由落下)するときに保持機構C1300が受ける衝撃を吸収するように形成されている。したがって、可動演出役物C1100や保持機構C1300の故障を抑制することができる。また、このとき、可動演出役物C1100は、可動演出役物C1100の重力(下方への力)と、衝撃吸収手段C1400の付勢手段C1430の付勢力(上方への力)とによって、上下に何度か弾むように動作する。このような可動演出役物C1100の面白みのある動作により、遊技者の興趣を向上させることができる。また、付勢手段C1430の付勢力により、受け部C1410を元の位置に戻すことができる。
また、保持機構C1300は、ソレノイドC1332を励磁させることで爪部C1331を引っ込めることで、可動演出役物C1100(銛役物C1120)を自由落下により下方に移動させることができる。
また、銛役物C1120は、待機位置(図289参照)から中間位置(図291参照)へは下方に動作し、中間位置から突出位置(図295参照)へは前下方向に動作する。そして、銛役物C1120は、待機位置及び中間位置においては垂直姿勢であり、突出位置への動作中に回動することで傾斜姿勢に姿勢を変化させる。このように、銛役物C1120の動作方向や姿勢を変えることで、銛役物C1120の動きに変化を付けることができ、ひいては遊技の興趣を向上させることができる。また、傾斜案内部C1230が設けられていることにより、銛役物C1120を中間位置から突出位置へ確実に動作させることができる。
また、第5実施形態に係る遊技機においては、保持機構C1300は駆動機構C1200の背面側に設けられ、一方、衝撃吸収手段C1400は、駆動機構C1200の前面側に設けられている。このように保持機構C1300と衝撃吸収手段C1400とを反対側に配置することで、他の部材の配置スペースの確保を図ることができる。また、保持機構C1300は、待機位置及び中間位置において、可動演出役物C1100(銛役物C1120)を左右で異なる高さで保持している。このようにすることで、他の部材の配置スペースの確保を図ることができる。
次に、図279及び図298から図301までを用いて、第二装飾レンズC1121dと発光部C1123aとの配置について説明する。以下では、複数の発光部C1123aのうちの一つである発光部C1123a1に着目する。
図298は、銛役物C1120が垂直姿勢にある状態の役物電飾基板C1123と第二装飾レンズC1121dの位置関係を示す左側面図である。図279及び図298に示すように、役物電飾基板C1123は、第二装飾レンズC1121dよりも後方に配置されている。そして、図298に示すように、第二装飾レンズC1121dは、役物電飾基板C1123に対して下方にずれた位置に配置されている。より詳細には、第二装飾レンズC1121dは、役物電飾基板C1123に実装された発光部C1123a1よりも、全体が下方に位置している。したがって、発光部C1123a1と、当該発光部C1123a1と同じ高さの視点を有する遊技者Zの当該視点との間には、透過性を有する第二装飾レンズC1121dではなく、第二装飾レンズC1121dよりも透過性が低い第一装飾体C1121aが介在している。これにより、遊技者Zは、発光部C1123a1を、第二装飾レンズC1121dを介して視認することができない。
図299は、銛役物C1120が傾斜姿勢にある状態の役物電飾基板C1123と第二装飾レンズC1121dの位置関係を示す左側面図である。図299に示すように、銛役物C1120の下部が前方に突出するように当該銛役物C1120が傾斜することにより、発光部C1123a1の上下中心と第二装飾レンズC1121dの上下中心との間の高さ方向の距離が近づく。そして、発光部C1123a1と遊技者Zの視点との間には、透過性を有する第二装飾レンズC1121dが介在することとなる。これにより、遊技者Zは、発光部C1123a1を、第二装飾レンズC1121dを介して視認することが可能となる。
このように、銛役物C1120が垂直姿勢から傾斜姿勢に姿勢を変えることで、遊技者Zが第二装飾レンズC1121dを介して視認容易な発光部C1123a1からの光の見え方を変化させることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
また、銛役物C1120が垂直姿勢(図298参照)から傾斜姿勢(図299参照)に姿勢を変えると、第二装飾レンズC1121dと同じ高さにある発光部C1123aの数が増加する。これにより、第二装飾レンズC1121dを介して視認容易な発光部C1123aからの光を増大させることができ、第二装飾レンズC1121dをより光らせることができる。
図300及び図301に示す例は、図298及び図299に示す例と比べて、役物電飾基板C1123と第二装飾レンズC1121dとの間の前後の距離が長く設定されている。なお、図279等においては、第一装飾レンズC1121cは、第二装飾レンズC1121dの左右に配置されているが、図300及び図301に示す変形例においては、第一装飾レンズC1121cの左右位置は、第二装飾レンズC1121dの左右位置と略同じとなるように配置されているものとする。
図300に示すように、銛役物C1120が垂直姿勢にあるときには、発光部C1123a1は第一装飾レンズC1121cの上下中心と略同じ高さに位置している。これにより、遊技者Zは、発光部C1123a1を、第一装飾レンズC1121cを介して視認することができる。
図301に示すように、銛役物C1120が傾斜姿勢となると、発光部C1123a1は第二装飾レンズC1121dの上下中心と略同じ高さに位置しているようになる。これにより、遊技者Zは、発光部C1123a1を、第二装飾レンズC1121dを介して視認することができる。
このように、図300及び図301に示す例においては、銛役物C1120が垂直姿勢にある場合と傾斜姿勢にある場合とで、異なる透過性部材(第一装飾レンズC1121c又は第二装飾レンズC1121d)を介して発光部C1123a1からの光を視認容易とすることができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、例えばパチンコ機などの遊技機は公知となっている(特開2016-59498号公報参照)。
上記公報には、回転動作を行うことで所定の可動演出を行う可動演出役物を備えた遊技機が開示されている。
このような遊技機において、遊技の興趣をさらに向上させることが望まれている。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
第二装飾レンズC1121d(透過性部材)を有する役物装飾体C1121(可動部)、及び前記役物装飾体C1121よりも背面側に設けられた発光部C1123a(発光手段)を有する銛役物C1120(可動装置)と、
前記銛役物C1120を支持する支持体C1130と、
前記支持体C1130に対して前記銛役物C1120を垂直姿勢(第1の姿勢)から傾斜姿勢(第2の姿勢)に傾斜させることが可能な傾斜駆動部(傾斜案内部C1230及び回動軸C1132)と、
を備え、
前記発光部C1123aは、発光部C1123a1(第一の発光手段)を含み、
前記銛役物C1120は、
前記垂直姿勢から前記傾斜姿勢に傾斜すると、前記発光部C1123a1と前記第二装飾レンズC1121dとの間の高さ方向の距離が近づくように形成されているものである。
このような構成により、遊技の興趣を向上させることができる。具体的には、遊技者が第二装飾レンズC1121dを介して視認容易な発光部C1123a1からの光の見え方を変化させることができる。
また、前記銛役物C1120が前記垂直姿勢にあるときは、前記発光部C1123a1からの光が前記第二装飾レンズC1121dを介して遊技者に視認困難であり、
前記銛役物C1120が前記傾斜姿勢にあるときは、前記発光部C1123a1からの光が前記第二装飾レンズC1121dを介して遊技者に視認容易となるものである。
このような構成により、発光部C1123a1を点滅させなくても、第二装飾レンズC1121dを介した発光部C1123a1からの光の視認の可能/不可能を変化させることができる。
また、前記銛役物C1120が前記垂直姿勢にあるときは、前記第二装飾レンズC1121dは前記発光部C1123a1よりも下方に位置し、
前記銛役物C1120の下部が前方に突出して前記傾斜姿勢に傾斜することにより、前記発光部C1123a1と前記第二装飾レンズC1121dとの間の高さ方向の距離が近づくものである。
このような構成により、銛役物C1120の下部が前方に突出したときに遊技者が第二装飾レンズC1121dを介して発光部C1123a1からの光を視認し易くさせることができる。
また、透過性部材は、
第一装飾レンズC1121c(第1の透過性部材)と、前記第一装飾レンズC1121cよりも下方に設けられた第二装飾レンズC1121d(第2の透過性部材)とを含み、
前記発光部C1123aは、発光部C1123a1(第二の発光手段)を含み、
前記発光部C1123a1は、
前記銛役物C1120が前記垂直姿勢にあるときには、正面視において前記第一装飾レンズC1121cと略同じ高さに位置し、
前記銛役物C1120が前記傾斜姿勢にあるときには、正面視において前記第二装飾レンズC1121dと略同じ高さに位置するものである。
このような構成により、垂直姿勢と傾斜姿勢とで、異なる透過性部材を介して発光部C1123aからの光を視認容易とすることができる。
また、前記第二装飾レンズC1121dは、
左右一対の前記第一装飾レンズC1121cの間に設けられるものである。
このような構成により、銛役物C1120を傾斜姿勢としたときに、遊技者が視認し易い中央側の透過性部材を介して発光部C1123aからの光を視認し易くさせることができる。
また、前記発光部C1123aが実装された役物電飾基板C1123(基板)を備え、
前記銛役物C1120が前記傾斜姿勢にあるときには、前記垂直姿勢にあるときと比べて、正面視において前記役物電飾基板C1123と前記第二装飾レンズC1121dとが重複する面積が増加するものである。
このような構成により、銛役物C1120が傾斜姿勢にあるときに、垂直姿勢にあるときと比べて、第二装飾レンズC1121dを介して視認容易な発光部C1123aからの光を増大させ易くすることができる。
また、前記発光部C1123aは、複数設けられ、
前記銛役物C1120が前記傾斜姿勢にあるときには、前記垂直姿勢にあるときと比べて、前記第二装飾レンズC1121dと同じ高さにある前記発光部C1123aの数が増加するものである。
このような構成により、銛役物C1120が傾斜姿勢にあるときに、垂直姿勢にあるときと比べて、第二装飾レンズC1121dを介して視認容易な発光部C1123aからの光を増大させ易くすることができる。
また、前記銛役物C1120を昇降させることが可能な左側昇降機構C1210及び右側昇降機構C1220(昇降機構)を備え、
前記傾斜駆動部は、
前記左側昇降機構C1210に対して前記銛役物C1120を回動させることにより、前記垂直姿勢から前記傾斜姿勢に傾斜させるものである。
このような構成により、銛役物C1120の動きを多様化させることができる。
また、前記左側昇降機構C1210及び右側昇降機構C1220は、
遊技者から視認困難な待機位置と遊技者から視認容易な演出位置(中間位置及び突出位置)との間で前記銛役物C1120を昇降させることができ、
前記傾斜駆動部は、
前記銛役物C1120が前記演出位置にあるときに当該銛役物C1120を前記傾斜姿勢に傾斜可能であるものである。
このような構成により、第二装飾レンズC1121dを介して視認される発光部C1123aからの光の見え方や銛役物C1120の動きを多様化させることができる。
また、前記左側昇降機構C1210及び右側昇降機構C1220は、
前記演出位置である中間位置(第1の位置)と、前記演出位置であって前記中間位置とは異なる突出位置(第2の位置)との間で前記銛役物C1120を昇降させることができ、
前記傾斜駆動部は、
前記銛役物C1120が前記中間位置にあるときは前記垂直姿勢とし、前記突出位置にあるときは前記傾斜姿勢に傾斜させるものである。
このような構成により、第二装飾レンズC1121dを介して視認される発光部C1123aからの光の見え方や銛役物C1120の動きを多様化させることができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、例えばパチンコ機などの遊技機は公知となっている(特開2016-59498号公報参照)。
上記公報には、回転動作を行うことで所定の可動演出を行う可動演出役物を備えた遊技機が開示されている。
このような遊技機において、遊技の興趣をさらに向上させることが望まれている。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
待機位置(第1の位置)と中間位置(第2の位置)とに動作可能な銛役物C1120と、
前記銛役物C1120を前記待機位置及び前記中間位置で保持する保持機構C1300(保持部)と、
前記銛役物C1120が前記中間位置に動作するときに前記保持機構C1300が受ける衝撃を吸収する衝撃吸収手段C1400と、
を備えるものである。
このような構成により、遊技の興趣を向上させることができる。具体的には、衝撃の吸収によって銛役物C1120の動きに変化を付けることができる。
また、前記保持機構C1300は、
前記銛役物C1120を支持する支持位置と、前記銛役物C1120を支持しない非支持位置とに移動可能な爪部C1331と、
前記爪部C1331を移動させるソレノイドC1332(駆動手段)と、
を備えるものである。
このような構成により、爪部C1331を非支持位置に移動させることで、爪部C1331に保持された銛役物C1120を動作し易い状態とすることができる。
また、前記衝撃吸収手段C1400は、
前記保持機構C1300(爪部C1331)を受けるように、かつ、上下方向に移動可能に形成された受け部C1410と、
前記受け部C1410を上方に付勢する付勢手段C1430と、
を備えるものである。
このような構成により、衝撃を吸収しつつ、受け部C1410を元の位置に戻すことができる。
また、突出したピンC1211a(突出部)を有し、前記受け部C1410を移動可能に支持するベース部C1211(支持部)を備え、
前記受け部C1410は、
上下方向に延びる溝部C1411を有し、
前記溝部C1411に前記ピンC1211aが挿通されることで移動方向が規制されているものである。
このような構成により、受け部C1410の移動を案内することができる。
また、前記保持機構C1300は、前記銛役物C1120の動作方向と同じ方向に動作可能であるものである。
このような構成により、衝撃を効果的に吸収することができる。
また、前記銛役物C1120は、
前記待機位置及び前記中間位置とは異なる突出位置(第3の位置)に動作可能であり、
前記中間位置から前記突出位置へは、前記待機位置から前記中間位置までの動作方向と異なる方向に動作するものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。具体的には、銛役物C1120の動作方向を変えることで、銛役物C1120の動きに変化を付けることができる。
また、前記銛役物C1120を動作させる駆動機構C1200(動作機構)を備え、
前記銛役物C1120は、
前記待機位置及び前記中間位置とは異なる突出位置に動作可能であり、
前記駆動機構C1200に対して回動可能に形成されており、前記中間位置から前記突出位置への動作中に、回動することで姿勢を変化させるものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。具体的には、銛役物C1120の姿勢を変えることで、銛役物C1120の動きに変化を付けることができる。
また、前記銛役物C1120の前記中間位置から前記突出位置への動作を案内する傾斜案内部C1230(案内部)を備えるものである。
このような構成により、銛役物C1120を中間位置から突出位置へ確実に動作させることができる。
また、前記銛役物C1120を動作させる駆動機構C1200(動作機構)を備え、
前記保持機構C1300は、前記駆動機構C1200の背面側に設けられるものである。
このような構成により、遊技の興趣をより向上させることができる。具体的には、保持機構C1300が遊技者に視認し難い状態で、銛役物C1120を保持することができる。
また、前記衝撃吸収手段C1400は、前記駆動機構C1200の前面側に設けられるものである。
このような構成により、駆動機構C1200の背面側のスペースを確保し易くすることができる。
また、前記中間位置は前記待機位置と異なる高さに位置し、
前記衝撃吸収手段C1400は、
前記銛役物C1120の一側で衝撃を吸収する左側の衝撃吸収手段C1400(第一吸収部)と、
前記銛役物C1120の他側で衝撃を吸収し、前記左側の衝撃吸収手段C1400と異なる高さに設けられた右側の衝撃吸収手段C1400(第二吸収部)と、
を備えるものである。
このような構成により、他の部材の配置スペースの確保をし易くすることができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、役物装飾体C1121は、銛を模した装飾が施されているものとしたが、当該装飾は任意のものとすることができる。
また、本実施形態においては、可動演出役物C1100は、自由落下により下方に動作するものとしたが、昇降駆動モータC1216及び昇降駆動モータC1226を駆動源として動作するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、衝撃吸収手段C1400は、左下保持部C1330及び右下保持部C1340の直ぐ下方に設けられるものとしたが、左下保持部C1330又は右下保持部C1340のいすれか一方の直ぐ下方に設けられるようにしてもよい。また左上保持部C1310及び右上保持部C1320の直ぐ下方にも設けられるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、可動演出役物C1100は上下方向に移動するものとしたが、移動方向はこれに限定されるものではなく、任意の方向(例えば左右方向)とすることができる。銛役物C1120の移動方向も任意の方向(例えば左右方向)とすることができる。
以下では、本発明の第6実施形態に係るパチンコ遊技機について説明する。なお、先述した実施形態に係るものと同一又は類似の構成要素については、同一名称や同一符号を付する等してその説明を省略する。
第6実施形態に係るパチンコ遊技機は、上部役物C2000を有する点で、第1~第5実施形態に係るパチンコ遊技機と大きく異なる。以下では、図302から図320までを用いて、上部役物C2000について説明する。
図302から図304に示す上部役物C2000は、適宜のタイミングで動作することで、遊技者に視覚的な印象(インパクト)を与えるものである。上部役物C2000は、遊技盤P1100の上部に設置される。より詳細には、上部役物C2000は、遊技盤P1100の上部に設置された所定の役物C2100よりも後方に設置される。上部役物C2000は、図303から図305までに示すように、ベース部材C2010、第1の役物C2020、第2の役物C2030及び駆動機構C2040を具備する。
ベース部材C2010は、後述する第1の役物C2020等が設けられるものである。ベース部材C2010は、枠状に形成される。ベース部材C2010は、遊技者が視認不能となるように遊技盤P1100に設けられる(図302参照)。ベース部材C2010は、フレームC2011、支持部材C2012、ガイド部C2013、ストッパC2014及びバネC2015を具備する。
フレームC2011は、左右一対設けられる。フレームC2011は、長手方向を上下方向に向けた長尺な形状に形成される。
支持部材C2012は、後述する駆動機構C2040のモータC2041等を支持する部材である。支持部材C2012は、板面を前後方向へ向けた略板状に形成される。支持部材C2012は、左右のフレームC2011に亘るように形成される。支持部材C2012の左端部及び右端部は、左右一対のフレームC2011の上端部に固定される。
ガイド部C2013は、後述する第1の役物C2020をガイド(案内)する部材である。図303及び図304に示すように、ガイド部C2013は、左右一対のフレームC2011にそれぞれ設けられる。ガイド部C2013は、軸線方向を上下方向に向けた略円柱状に形成される。ガイド部C2013の上端部は、フレームC2011の上端部に取り付けられる。ガイド部C2013の下端部は、フレームC2011の下端部に取り付けられる。
ストッパC2014は、第1の役物C2020の下方への移動を所定の範囲で規制するためのものである。ストッパC2014は、左右一対のフレームC2011にそれぞれ設けられる。ストッパC2014は、長手方向を上下方向に向けた正面視略矩形状に形成される。ストッパC2014は、フレームC2011の下部に固定される。ストッパC2014は、下側挿通部C2014a、上側挿通部C2014b及び当接部C2014cを具備する。
下側挿通部C2014aは、ストッパC2014の下端部において、ガイド部C2013が挿通される部分である。
上側挿通部C2014bは、ストッパC2014の上下中途部において、ガイド部C2013が挿通される部分である。
当接部C2014cは、後述する第1の役物C2020と当接可能な部分である。当接部C2014cは、板状に形成された弾性部材(ゴム等)によって構成される。当接部C2014cは、上側挿通部C2014bに載置される。
バネC2015は、第1の役物C2020を上方へ付勢するためのものである。バネC2015は、左右のガイド部C2013にそれぞれ設けられる。バネC2015は、ガイド部C2013に外嵌される。バネC2015の下端部は、ストッパC2014の下側挿通部C2014aと当接される。バネC2015の上端部は、第1の役物C2020と当接される。
第1の役物C2020は、動作することで遊技者に視覚的な印象を与えるものである。第1の役物C2020は、ベース部材C2010の支持部材C2012よりも前方に配置される。図306から図308までに示すように、第1の役物C2020は、第1の装飾部材C2021、第1の電飾基板C2022、第1の閉塞部材C2023及び第2の閉塞部材C2024を具備する。なお、詳細は後述するが、第1の役物C2020は、後述する駆動機構C2040により上下方向にスライド可能に設けられる。図302から図314までは、第1の役物C2020が最も上方へスライドされた状態を示している。以下では、この状態を基準に第1の役物C2020、第2の役物C2030及び駆動機構C2040の説明を行う。
第1の装飾部材C2021は、光を透過可能な部材である。第1の装飾部材C2021は、光透過性の材料(レンズ)により構成される。図309及び図310に示すように、第1の装飾部材C2021は、長手方向を左右方向に向けた正面視略矩形状に形成される。また、第1の装飾部材C2021は、後部が開口する薄型のケース状(外縁部が僅かに後方へ延出するような形状)に形成される。第1の装飾部材C2021は、ベース部材C2010の左端部から右端部に亘るように形成される。第1の装飾部材C2021は、装飾部C2021a、縦孔C2021b、上側切欠部C2021c及び下側切欠部C2021d(図312参照)を具備する。
装飾部C2021aは、第1の装飾部材C2021において装飾(例えば、所定のキャラクタを模した装飾等)が施される部分である。装飾部C2021aは、第1の装飾部材C2021の前側面における左右中途部に形成される。装飾部C2021aは、例えば、図柄が印刷されると共に、当該印刷箇所(図柄)を光が透過可能なシートが第1の装飾部材C2021に固定されること等によって形成される。
縦孔C2021bは、長手方向を上下方向に向けた長孔である。縦孔C2021bは、第1の装飾部材C2021を前後に貫通するように形成される。縦孔C2021bは、装飾部C2021aの左方及び右方にそれぞれ形成される。
上側切欠部C2021cは、図310から図312に示すように、第1の装飾部材C2021の上端部を切り欠いたものである。上側切欠部C2021cは、第1の装飾部材C2021に複数形成される。なお、図312においては、第1の役物C2020を模式的に示している。
下側切欠部C2021dは、第1の装飾部材C2021の下端部を切り欠いたものである。下側切欠部C2021dは、第1の装飾部材C2021に複数形成される。
第1の電飾基板C2022は、図309及び図311に示すように、略矩形板状に形成される。第1の電飾基板C2022は、その板面を前後に向けると共に、長手方向を左右に向けて設けられる。第1の電飾基板C2022の前面には、複数のLED(不図示)が設けられる。当該LEDを発光させることで、第1の電飾基板C2022の前方へと光を照射することができる。第1の電飾基板C2022は、第1の装飾部材C2021に収容されると共に、当該第1の装飾部材C2021に固定される。
第1の閉塞部材C2023は、図308及び図309に示すように、第1の装飾部材C2021の左部及び右部を後方から閉塞する部材である。第1の閉塞部材C2023は、左右一対設けられる。第1の閉塞部材C2023は、板面を前後に向けた略板状に形成される。第1の閉塞部材C2023は、第1の装飾部材C2021に固定される。第1の閉塞部材C2023は、縦孔C2023a及び挿通部C2023bを具備する。
縦孔C2023aは、長手方向を上下方向に向けた長孔である。縦孔C2023aは、第1の閉塞部材C2023を前後に貫通するように形成される。縦孔C2023aは、第1の閉塞部材C2023の左右方向における一側(第1の装飾部材C2021の左右中央部に近い側)に形成される。
挿通部C2023bは、ベース部材C2010のガイド部C2013(図303参照)に挿通される部材である。挿通部C2023bは、第1の閉塞部材C2023の左右方向における他側(第1の装飾部材C2021の左右外側部に近い側)に形成される。
第2の閉塞部材C2024は、第1の装飾部材C2021の左右中途部を後方から閉塞する部材である。第2の閉塞部材C2024は、左右の第1の閉塞部材C2023の間に配置される。第2の閉塞部材C2024は、板面を前後に向けた略板状に形成される。第2の閉塞部材C2024は、第1の装飾部材C2021に固定される。第2の閉塞部材C2024は、スリットC2024aを具備する。
スリットC2024aは、長手方向を上下方向に向けた長孔である。スリットC2024aは、第2の閉塞部材C2024を前後に貫通するように形成される。スリットC2024aは、互いに間隔をあけて複数形成される。
第2の役物C2030は、動作することで遊技者に視覚的な印象を与えるものである。図306及び図308に示すように、第2の役物C2030は、第1の役物C2020を前後から挟むように設けられる。第2の役物C2030は、第2の装飾部材C2031、装飾支持部材C2032及び第2の電飾基板C2033を具備する。
第2の装飾部材C2031は、光を透過可能な部材である。また、第2の装飾部材C2031は、第2の役物C2030の前側を構成する部材である。第2の装飾部材C2031は、光透過性の材料(レンズ)によって構成され、光を透過可能に構成される。第2の装飾部材C2031は、略板状に形成される。第2の装飾部材C2031は、その板面を前後に向けると共に、第1の装飾部材C2021の左右の縦孔C2021bに亘るように形成される。第2の装飾部材C2031には、所定の装飾(例えば、所定の文字等を模した装飾)が施される。第2の装飾部材C2031は、第1の役物C2020よりも前方に配置される。より詳細には、第2の装飾部材C2031は、図306及び図308に示す状態において、第1の役物C2020と正面視で重複する(互いに積層する)ように配置される。第2の装飾部材C2031は、突出部C2031a及び縦孔挿通部C2031bを具備する。
突出部C2031aは、後方へ突出する部分である。突出部C2031aは、左右に間隔をあけて複数形成される。突出部C2031aは、第2の装飾部材C2031の下端部における左右中途部に形成される。突出部C2031aは、軸線方向を前後方向へ向けた略円筒状に形成される。
縦孔挿通部C2031bは、第1の役物C2020の左右の縦孔C2021bに挿通される部分である。縦孔挿通部C2031bは、第2の装飾部材C2031の左端部及び右端部にそれぞれ形成される。左右の縦孔挿通部C2031bは、それぞれ上下に間隔をあけて2つ形成される。縦孔挿通部C2031bは、軸線方向を前後方向へ向けた略円筒状に形成される。縦孔挿通部C2031bは、第2の装飾部材C2031の後面から後方へ突出するように形成される。
装飾支持部材C2032は、第2の装飾部材C2031を支持する部材である。また、装飾支持部材C2032は、第2の役物C2030の後側を構成する部材である。装飾支持部材C2032は、略板状に形成される。装飾支持部材C2032は、その板面を前後に向けると共に、左側の第1の閉塞部材C2023から右側の第1の閉塞部材C2023に亘るように形成される。装飾支持部材C2032は、第1の役物C2020よりも後方に配置される。より詳細には、装飾支持部材C2032は、図306及び図308に示す状態において、第1の役物C2020と正面視で重複するように配置される。装飾支持部材C2032は、固定部C2032a、縦孔挿通部C2032b及び横孔C2032cを具備する。
固定部C2032aは、第2の装飾部材C2031の突出部C2031aが固定される部分である。固定部C2032aは、左右に間隔をあけて複数形成される。固定部C2032aは、第2の装飾部材C2031の下端部における左右中途部に形成される。固定部C2032aは、軸線方向を前後方向へ向けた略円筒状に形成される。固定部C2032aは、装飾支持部材C2032の前面から前方へ突出するように形成される。固定部C2032aには、突出部C2031aが挿通されて固定される。これにより、装飾支持部材C2032は、第2の装飾部材C2031を支持する。
縦孔挿通部C2032bは、左右の第1の閉塞部材C2023の縦孔C2023aに挿通される部分である。縦孔挿通部C2032bは、装飾支持部材C2032の左部及び右部にそれぞれ形成される。左右の縦孔挿通部C2032bは、それぞれ上下に間隔をあけて2つ形成される。図306及び図314に示すように、縦孔挿通部C2032bは、装飾支持部材C2032の前面から前方へ突出するように形成される。
横孔C2032cは、長手方向を左右方向に向けた長孔である。横孔C2032cは、左右の縦孔挿通部C2032bの上方にそれぞれ形成される。横孔C2032cは、装飾支持部材C2032を前後に貫通するように形成される。
第2の電飾基板C2033は、略矩形板状に形成される。第2の電飾基板C2033は、その板面を前後に向けると共に、長手方向を左右に向けて設けられる。第2の電飾基板C2033の前面には、複数のLED(不図示)が設けられる。当該LEDを発光させることで、第2の電飾基板C2033の前方へと光を照射することができる。第2の電飾基板C2033は、装飾支持部材C2032の前面における左右中途部(固定部C2032aの上方)に固定される。このように、第2の電飾基板C2033は、第2の装飾部材C2031ではなく、装飾支持部材C2032に固定されている。これによって、第1の装飾部材C2021と第2の装飾部材C2031との間に第2の電飾基板C2033が介在しないようにして、第1の装飾部材C2021と第2の装飾部材C2031とを互いに前後に隣接するように配置している。
上述の如く構成される第2の役物C2030は、縦孔挿通部C2031b・C2032bが第1の役物C2020の縦孔C2021b・C2023aに挿通されると共に、縦孔挿通部C2032bが縦孔C2023aに対して下方から当接する。こうして、第2の役物C2030は、縦孔挿通部C2032bが縦孔C2023aに引っ掛かり、当該縦孔挿通部C2032bで第1の役物C2020を支持することができる。また、第2の役物C2030は、縦孔挿通部C2031b・C2032bが第1の役物C2020の縦孔C2021b・C2023aに沿って移動することで、第1の役物C2020に対して上下方向へ相対的にスライド可能に構成される。
駆動機構C2040は、第1の役物C2020及び第2の役物C2030を動作(スライド)させるためのものである。図305及び図313に示すように、駆動機構C2040は、モータC2041及びアームC2042を具備する。
モータC2041は、動力を発生させるもの(駆動源)である。モータC2041は、ベース部材C2010の支持部材C2012の後面に固定される。モータC2041は、支持部材C2012の左端部及び右端部にそれぞれ設けられる。モータC2041は、軸線方向を前後方向に向けた駆動軸(不図示)を回転させることができる。
アームC2042は、モータC2041の動力を第2の役物C2030へ伝達するためのものである。アームC2042は、ベース部材C2010の支持部材C2012の前面に設けられる。アームC2042は、支持部材C2012の左部及び右部にそれぞれ設けられる。左右のアームC2042は、背面視において、左右のモータC2041の近傍に配置される。図313及び図314に示すように、アームC2042は、ギヤ部C2042a及び延出部C2042bを具備する。
ギヤ部C2042aは、略円板状に形成されるとともに、その外周面に歯が設けられるように形成される。ギヤ部C2042aは、回転軸C2042cを介して支持部材C2012に回転可能に支持される(図305参照)。ギヤ部C2042aは、モータC2041の駆動軸に固定されたモータギヤ(不図示)とかみ合うように設けられる。
延出部C2042bは、ギヤ部C2042aから径方向外側へ延出する部分である。延出部C2042bは、ギヤ部C2042aから上方へ延出するように形成される。本実施形態においては、ギヤ部C2042aから延出部C2042bが延出する方向を、「アームC2042の向き」と称する場合がある。延出部C2042bの先端部(上端部)には、ピンC2042dが設けられる。当該ピンC2042dは、第2の役物C2030の装飾支持部材C2032の横孔C2032cに挿通される。ピンC2042dは、横孔C2032cを摺動可能に設けられる。アームC2042は、ピンC2042dによって第2の役物C2030を支持する。また、アームC2042は、第2の役物C2030を介して第1の役物C2020を支持する。
上述の如く構成された上部役物C2000においては、第2の装飾部材C2031が最も前方に配置される(図307参照)。当該第2の装飾部材C2031のさらに前方には、所定の役物C2100が正面視で重複するように配置される(図302参照)。こうして、第1の装飾部材C2021及び第2の装飾部材C2031等は、所定の役物C2100で隠されて、遊技者に視認不能となっている。なお、本実施形態において視認不能とは、遊技者にとって視認することが困難な状態を指すものとする。視認することが困難な状態には、例えば、全ての部位が視認不能な状態(完全に視認不能な状態)と、ごく一部の部位のみが視認可能な状態(大部分が視認不能な状態)と、が含まれる。以下では、このような第1の装飾部材C2021及び第2の装飾部材C2031が視認不能な状態を「待機状態」と称する。
図313に示すように、待機状態において、アームC2042は、上方を向いている。このような構成により、第1の役物C2020及び第2の役物C2030の自重によってアームC2042にトルク(回転力)が作用しなくなるため、待機状態において、第1の役物C2020及び第2の役物C2030を安定した状態で支持することができる。
以下では、上述の如く構成された上部役物C2000の動作について説明する。
上部役物C2000においては、駆動機構C2040のモータC2041の動力により、図304、図316及び図319に示すように、第1の役物C2020及び第2の役物C2030が上下にスライドする動作が実行される。以下では、図304に示す待機状態から第1の役物C2020及び第2の役物C2030を下方へスライドさせる場合を例に挙げて、上部役物C2000の動作について説明する。
第1の装飾部材C2021及び第2の装飾部材C2031は、待機状態から第1の役物C2020及び第2の役物C2030が下方へスライドすることで、第1のスライド状態(図315及び図316)に遷移することができる。また、第1の装飾部材C2021及び第2の装飾部材C2031は、第1のスライド状態から第2の役物C2030のみが下方へスライドすることで、第2のスライド状態(図318及び図319)へ遷移することができる。
まず、待機状態から第1のスライド状態へ遷移するまでの動作について説明する。
図313に示す待機状態においてモータC2041が駆動すると、当該モータC2041のモータギヤとかみ合うアームC2042のギヤ部C2042aが回転する。このとき、左側のギヤ部C2042aは、図313における反時計回り方向へ回転する。また、右側のギヤ部C2042aは、図313における時計回り方向へ回転する。上記モータC2041の駆動は、演出動作制御回路89により制御される。
図313及び図317に示すように、左右のギヤ部C2042aの回転に伴い、左右の延出部C2042bは、先端部(ピンC2042d)が装飾支持部材C2032の横孔C2032cを摺動しながら、回転軸C2042cを中心に回動する。こうしてアームC2042は、図316及び図317に示すように、横孔C2032cが形成された装飾支持部材C2032にモータC2041の動力を伝達し、第2の役物C2030を下方へスライドさせる。第1の役物C2020は、第2の役物C2030が下方へスライドする際に、自重によりバネC2015の付勢力に抗して下方へスライドする。このとき、第1の役物C2020の挿通部C2023bは、ガイド部C2013に沿って下方へと移動する。こうして、第1の役物C2020は、ガイド部C2013にガイドされながら、第2の役物C2030と一体的に下方へスライドする。
モータC2041は、第1の役物C2020の挿通部C2023bがストッパC2014の当接部C2014cと当接した際に(アームC2042が略左右方向を向く位置で)停止される。当該第1の役物C2020及び第2の役物C2030は、互いに前後に重複した状態で所定の役物C2100(図315参照)よりも低い位置に配置される。こうして、図315に示すように、第1の役物C2020及び第2の役物C2030の中で最も前方に配置された第2の装飾部材C2031が、遊技者に視認可能な第1のスライド状態となる。
当該第1のスライド状態において、第1の装飾部材C2021内の第1の電飾基板C2022から照射された光は、第1の装飾部材C2021及び第2の装飾部材C2031を順番に透過し、遊技盤P1100の前方へ出射される。こうして、第1のスライド状態では、第1の装飾部材C2021を介した第1の電飾基板C2022からの光により、第2の装飾部材C2031を遊技者に視認可能に発光させることができる。また、第1の装飾部材C2021及び第2の装飾部材C2031を前後に重複させて、第1の装飾部材C2021を隠した状態で、第2の装飾部材C2031を発光させることができる。
次に、第1のスライド状態から第2のスライド状態へ遷移するまでの動作について説明する。
第1のスライド状態からモータC2041を駆動させ、ギヤ部C2042aを回転させる。図319及び図320に示すように、モータC2041は、アームC2042が下方を向くまで回動すると停止する。第2の役物C2030は、アームC2042の回動に伴って下方へスライドする。
上述の如く、第1の役物C2020は、第1のスライド状態において挿通部C2023bがストッパC2014の当接部C2014cと当接し、下方へスライド不能な状態となっている。したがって、装飾支持部材C2032の縦孔挿通部C2032b(図314参照)は、アームC2042の駆動に伴って、第1の閉塞部材C2023の縦孔C2023aに沿って下方へスライドする。また、第2の装飾部材C2031の縦孔挿通部C2031b(図308参照)は、アームC2042の駆動に伴って、第1の役物C2020の第1の装飾部材C2021の縦孔C2021bに沿って下方へスライドする。こうして第2の役物C2030が第1の役物C2020に対して相対的に下方へスライドし、第2の役物C2030が第1のスライド状態よりも低い位置に配置される。このようにして、第1のスライド状態から第2のスライド状態へと遷移する。
図318及び図319に示すように、第2のスライド状態において、第2の装飾部材C2031は、第1の装飾部材C2021とほとんど重複しない位置に配置される。こうして、第1のスライド状態では隠されていた第1の装飾部材C2021が、第2のスライド状態において露出された状態(遊技者に視認可能)となる。
第2のスライド状態において、第1の電飾基板C2022からの光は、第1の装飾部材C2021を透過し、遊技盤P1100の前方へ出射される。これによれば、第2のスライド状態において、第1の電飾基板C2022からの光により第1の装飾部材C2021を遊技者に視認可能に発光させることができる。
また、上述の如く、第1のスライド状態においては、第1の電飾基板C2022からの光により第2の装飾部材C2031を発光させていた。これに対し、第2のスライド状態においては、第2の装飾部材C2031ではなく、第1の装飾部材C2021を第1の電飾基板C2022からの光で発光させることができる。当該構成においては、第1のスライド状態と第2のスライド状態とを切り替えることで、第1の電飾基板C2022からの光で発光させる部材を異ならせることができる(図315及び図318参照)。こうして第1の電飾基板C2022による発光態様を異ならせ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第2のスライド状態において、第2の装飾部材C2031は、図318に示すように、遊技者が視認可能な位置(遊技盤P1100の中央部)に配置される。また、第2の装飾部材C2031は、第2の電飾基板C2033の前方に配置される。こうして、第2のスライド状態においては、第1の装飾部材C2021だけではなく、第2の装飾部材C2031も遊技者に視認可能に発光できる状態となっている。当該構成によれば、第2のスライド状態において2つの部材(第1の装飾部材C2021及び第2の装飾部材C2031)を同時に発光させることができ、遊技の興趣を効果的に向上させることができる。
なお、第1の装飾部材C2021及び第2の装飾部材C2031は、第1の役物C2020及び第2の役物C2030が上方へスライド動作することにより、第2のスライド状態から第1のスライド状態、待機状態へと順番に遷移する。バネC2015は、第1の役物C2020を上方へ付勢することで、第2の役物C2030の上方へのスライド動作を補助することができる。
ここで、図311及び図312に示すように、第1の電飾基板C2022は、第1の装飾部材C2021に収容されている。第1の役物C2020は、当該第1の電飾基板C2022が光を発光する際に生じる熱を、第2の閉塞部材C2024のスリットC2024aから排出することができる。しかしながら、スリットC2024aは、第1の装飾部材C2021及び第2の装飾部材C2031の状態によっては、他の部材で閉塞される可能性がある。例えば、本実施形態では、図305に示す待機状態において、ベース部材C2010の支持部材C2012等でスリットC2024aが閉塞される可能性がある。そこで、本実施形態では、第1の装飾部材C2021に上側切欠部C2021c及び下側切欠部C2021dを形成し、スリットC2024aが閉塞された場合でも、第1の電飾基板C2022で発生した熱を排出し易い構成としている。
具体的には、図311及び図312に示すように、上側切欠部C2021cにより、第1の装飾部材C2021の上部において、第1の装飾部材C2021の内外へと空気が流通可能な状態となっている。また、下側切欠部C2021dにより、第1の装飾部材C2021の下部において、第1の装飾部材C2021の内外へと空気が流通可能な状態となっている。当該構成によれば、第1の装飾部材C2021の温度が上昇した場合に、第1の装飾部材C2021内の熱を上側切欠部C2021cから排出すると共に、下側切欠部C2021dを介して外部から空気を流入させる(煙突効果を生じさせる)ことができる。これにより、スリットC2024aが閉塞された場合でも、第1の装飾部材C2021内の熱を効率よく排出し、第1の装飾部材C2021内の温度上昇を抑制することができる。これによって、第1の電飾基板C2022への負荷を低減することができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、例えばパチンコ機などの遊技機は公知となっている(特開2016-59498号公報参照)。
上記公報には、回転動作を行うことで所定の可動演出を行う可動演出役物を備えた遊技機が開示されている。
このような遊技機において、遊技の興趣をさらに向上させることが望まれている。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
透光性を有する第1の可動体(第1の装飾部材C2021)と、
透光性を有し、前記第1の可動体(第1の装飾部材C2021)よりも前方に設けられた第2の可動体(第2の装飾部材C2031)と、
前記第1の可動体(第1の装飾部材C2021)よりも後方に設けられた第1の発光手段(第1の電飾基板C2022)と、
を備え、
前記第1の可動体(第1の装飾部材C2021)及び前記第2の可動体(第2の装飾部材C2031)は、前記第1の可動体(第1の装飾部材C2021)を介した前記第1の発光手段(第1の電飾基板C2022)からの光により前記第2の可動体(第2の装飾部材C2031)が前方から視認可能に発光する第1の状態(第1のスライド状態)と、前記第1の発光手段(第1の電飾基板C2022)からの光により前記第1の可動体(第1の装飾部材C2021)が前方から視認可能に発光する第2の状態(第2のスライド状態)と、に動作可能である。
このような構成により、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前記第1の状態(第1のスライド状態)である前記第1の可動体(第1の装飾部材C2021)及び前記第2の可動体(第2の装飾部材C2031)は、互いに前後に重複するように位置するものである。
このような構成により、第1の可動体(第1の装飾部材C2021)を背後に隠したまま第2の可動体(第2の装飾部材C2031)を発光させることができる。
また、前記第2の状態(第2のスライド状態)である前記第1の可動体(第1の装飾部材C2021)及び前記第2の可動体(第2の装飾部材C2031)は、互いに前後に重複しないように位置するものである。
このような構成により、第2の状態(第2のスライド状態)において、発光する第1の可動体(第1の装飾部材C2021)を視認させ易くすることができる。
また、前記第2の可動体(第2の装飾部材C2031)は、前記第1の可動体(第1の装飾部材C2021)に対してスライド移動可能に取り付けられるものである。
このような構成により、第1の状態(第1のスライド状態)と第2の状態(第2のスライド状態)とを簡単に変更することができる。
また、前記第1の可動体(第1の装飾部材C2021)及び前記第2の可動体(第2の装飾部材C2031)は、前記第1の状態(第1のスライド状態)である前記第2の可動体(第2の装飾部材C2031)が前記第1の可動体(第1の装飾部材C2021)に対して相対的に動作することにより前記第2の状態(第2のスライド状態)となるものである。
このような構成により、第1の可動体(第1の装飾部材C2021)を動作させることで、第2の状態(第2のスライド状態)に簡単に変更することができる。
また、前記第1の可動体(第1の装飾部材C2021)及び前記第2の可動体(第2の装飾部材C2031)は、当該第1の可動体(第1の装飾部材C2021)及び当該第2の可動体(第2の装飾部材C2031)が前方から視認不能な第3の状態(待機状態)に動作可能である。
このような構成により、必要に応じて第1の可動体(第1の装飾部材C2021)又は第2の可動体(第2の装飾部材C2031)を視認させることができ、遊技機の興趣を効果的に向上させることができる。
また、前記第3の状態(待機状態)である前記第1の可動体(第1の装飾部材C2021)及び前記第2の可動体(第2の装飾部材C2031)は、互いに一体的に動作することにより前記第2の状態(第2のスライド状態)となるものである。
このような構成により、第1の可動体(第1の装飾部材C2021)及び第2の可動体(第2の装飾部材C2031)を一体的に移動させ、第2の状態(第2のスライド状態)と第3の状態(待機状態)とを簡単に変更することができる。
また、前記第1の発光手段(第1の電飾基板C2022)は、前記第1の可動体(第1の装飾部材C2021)と一体的に動作するものである。
このような構成により、第1の発光手段(第1の電飾基板C2022)を第1の可動体(第1の装飾部材C2021)と一体的に動作させることで、これらの部材を動作させる機構を集約し、構成の簡素化を図ることができる。
また、動力を発生させる駆動源(モータC2041)と、
前記駆動源(モータC2041)からの動力を前記第2の可動体(第2の装飾部材C2031)へ伝達する伝達手段(アームC2042)と、
を備え、
前記第1の可動体(第1の装飾部材C2021)は、前記第2の可動体(第2の装飾部材C2031)を介して前記駆動源(モータC2041)からの動力が伝達されるものである。
このような構成により、駆動源(モータC2041)から第2の可動体(第2の装飾部材C2031)への動力を用いて第1の可動体(第1の装飾部材C2021)も動作させることができる。これにより、構成の簡素化を図ることができる。
また、前記第2の状態(第2のスライド状態)である前記第2の可動体(第2の装飾部材C2031)を発光させる第2の発光手段(第2の電飾基板C2033)を備えるものである。
このような構成により、遊技機の興趣を効果的に向上させることができる。
また、前記第2の発光手段(第2の電飾基板C2033)は、前記第1の発光手段(第1の電飾基板C2022)よりも後方に設けられると共に、前記第2の可動体(第2の装飾部材C2031)と一体的に動作するものである。
このような構成により、前後方向における第1の可動体(第1の装飾部材C2021)と第2の可動体(第2の装飾部材C2031)との距離を近づけることができ、第1の可動体(第1の装飾部材C2021)及び第2の可動体(第2の装飾部材C2031)の全体としての一体感を向上させることができる。
上記記載の括弧書きの如く、
第1の装飾部材C2021は、第1の可動部の一形態である。
また、第2の装飾部材C2031は、第2の可動体の一形態である。
また、第1の電飾基板C2022は、第1の発光手段の一形態である。
また、モータC2041は、駆動源の一形態である。
また、アームC2042は、伝達手段の一形態である。
また、第2の電飾基板C2033は、第2の発光手段の一形態である。
以上、本発明の第6実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、第1のスライド状態において、第1の電飾基板C2022からの光で第2の装飾部材C2031を発光させる構成は、本実施形態のような構成に限られない。すなわち、本実施形態では、第1の装飾部材C2021及び第2の装飾部材C2031を前後に重複させた状態で第2の装飾部材C2031を発光させたが、このような構成に限られず、種々の構成で発光可能である。例えば、第1の装飾部材C2021に対して上下方向や左右方向にずれた位置に配置された第2の装飾部材C2031に向けて光を照射して、第1の装飾部材C2021と重複しない状態で第2の装飾部材C2031を発光させてもよい。
また、第2のスライド状態において、第1の電飾基板C2022からの光で第1の装飾部材C2021を発光させる構成は、本実施形態のような構成に限られない。すなわち、本実施形態では、第2の装飾部材C2031を第1の装飾部材C2021の下方にずらした状態で第1の装飾部材C2021を発光させたが、このような構成に限られず、種々の構成で発光可能である。例えば、第2の装飾部材C2031を第1の装飾部材C2021に対して上方や左右方向にずらした状態や、第1のスライド状態から第1の装飾部材C2021と第2の装飾部材C2031との前後位置を入れ替えた状態で第1の装飾部材C2021を発光させてもよい。
また、本実施形態では、第1の役物C2020に対して第2の役物C2030がスライド可能であったが、このような構成に限られず、例えば、第2の役物C2030に対して第1の役物C2020が回動可能な構成としてもよい。
また、本実施形態では、第1のスライド状態から第2の役物C2030を移動させることで、第2のスライド状態に遷移したが、第2のスライド状態に遷移させるための構成はこのような構成に限られない。例えば、第1の役物C2020を移動させることで第2のスライド状態へ遷移する構成としてもよい。また、例えば、第1の役物C2020及び第2の役物C2030をそれぞれ移動させることで、第2のスライド状態へ遷移する構成としてもよい。
また、本実施形態では、第1の装飾部材C2021及び第2の装飾部材C2031を遊技者が視認不能な待機状態に変更可能であったが、このような構成に限られず、例えば、待機状態に変更不能(常に遊技者が視認可能)な構成としてもよい。
また、本実施形態では、第1の役物C2020及び第2の役物C2030を一体的に移動させることで、待機状態から第1のスライド状態へ遷移したが、待機状態から第1のスライド状態へ遷移させるための構成はこのような構成に限られない。例えば、第1の役物C2020及び第2の役物C2030を別々に移動させることで、待機状態から第1のスライド状態へ遷移する構成としてもよい。
また、本実施形態では、第1の装飾部材C2021と第1の電飾基板C2022とが一体的に移動するものとしたが、このような構成に限られず、例えば、第1の装飾部材C2021に対して第1の電飾基板C2022が相対移動可能な構成としてもよい。
また、本実施形態では、第2の役物C2030を介して第1の役物C2020にモータC2041の動力が伝達されるものとしたが、第1の役物C2020及び第2の役物C2030を動作させるための構成はこのような構成に限られない。例えば、第2の役物C2030と第1の役物C2020とを互いに異なる駆動源からの動力で動作させる構成としてもよい。
また、本実施形態では、第2の電飾基板C2033は、第1の電飾基板C2022よりも後方に配置されるものとしたが、このような構成に限られず、例えば、第1の電飾基板C2022よりも前方に配置される構成としてもよい。
また、本実施形態では、バネC2015により第1の役物C2020を上方へ付勢するものとしたが、このような構成に限られず、例えば、第1の役物C2020を下方へ付勢してもよい。当該構成により、第1の役物C2020の下方へのスライド動作を補助することができる。