JP7001568B2 - 灰溶融温度推定装置および灰溶融温度推定方法 - Google Patents

灰溶融温度推定装置および灰溶融温度推定方法 Download PDF

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Description

本開示は、複数種類の燃料の燃焼により生じる灰の溶融温度の推定方法に関する。
例えば石炭や重油などの化石燃料と、木質バイオマスや、廃棄物から製造される廃棄物固形燃料(RDF、RPF)などのバイオマス燃料とを混焼するボイラや、高品位炭と低品位炭とを混焼するボイラなど、2種類の燃料を混焼する石炭炊きボイラが知られている(例えば特許文献1~2)。環境問題や資源問題などの観点から、リサイクル燃料や低品位炭の混焼率が高い方が望ましいが、その混焼率が増大すると、混焼により生じた灰(燃焼灰)がボイラの火炉壁面(炉内)や、伝熱管、煙道などに付着し易くなり、伝熱阻害や、大塊クリンカの落下による炉底損傷、バーナの閉塞等など問題に発展する可能性がある。
通常、ボイラ内などに付着する灰の付着性は、灰の溶融温度に関係があることから、灰の付着性を予測するために、灰の溶融温度の評価がなされる。例えば、石炭類やコークス類の燃料における灰の溶融性試験方法としては、JIS M 8801(石炭類-試験方法)が知られている。また、関連する分析方法として、JIS M 8812(石炭類及びコークス類-工業分析方法)、JIS M 8815(石炭灰及びコークス灰の分析方法)等が挙げられる(特許文献3参照)。また、灰の溶融温度は、灰の化学組成(灰組成)により変化する。
特開2012-132602号公報 特開2013-87135号公報 特開2013-156228号公報
上述したように、複数種類の燃料(後述する対象燃料)の燃焼により生じる灰の付着性を予測するために、上記の溶融性試験方法などによりその溶融温度を評価する場合には、溶融温度の評価結果(計測値)を得るまでに多大な時間を要する。ところが、例えば、複数種類の燃料に、バイオマス燃料や廃棄物固形燃料など、燃料の性状(水分量、かさ密度、発熱量など)のばらつきが大きい燃料を含む場合には、定期的などに灰の付着性を評価するのが望ましい。そして、灰の付着性の評価結果を得るまでに要する時間やコストを考えると、上記の灰の溶融性試験方法などの従来手法よりも迅速に灰の溶融温度を求めることが可能な新たな手法が望まれる。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、複数種類の燃料の燃焼により生じる灰の溶融温度を迅速に推定可能な灰溶融温度推定装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る灰溶融温度推定装置は、
複数種類の燃料を含む対象燃料の燃焼により生じる灰の溶融温度を推定する灰溶融温度推定装置であって、
前記対象燃料に含まれる前記複数種類の燃料を所定の混合比率で混合した場合の前記灰の特定の灰成分に関する灰組成である理論灰組成を取得するよう構成される理論灰組成算出部と、
参照燃料の燃焼により生じた参照灰についての参照灰組成と参照溶融温度との関係を学習することにより作成した推定モデルを用いて、前記理論灰組成に応じた前記対象燃料の前記灰の溶融温度の推定値を算出するよう構成される溶融温度算出部と、を備える。
上記(1)の構成によれば、学習(機械学習)により作成された推定モデルを用いて、複数種類の燃料を混合比率で混合した対象燃料の理論灰組成から、対象燃料の灰の溶融温度を推定する。これによって、対象燃料の溶融温度を迅速に求めることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記理論灰組成算出部は、
前記混合比率を取得するよう構成される混合比率取得部と、
前記対象燃料に含まれる前記複数種類の燃料の各々の灰組成からなる複数の燃料別灰組成を取得するよう構成される燃料別灰組成取得部と、
前記混合比率および前記複数の燃料別灰組成に基づいて、前記理論灰組成を算出するよう構成される算出部と、を有する。
上記(2)の構成によれば、対象燃料に含まれる複数種類の燃料の各々の燃料別灰組成と、それらの混合比率に基づいて、理論灰組成を求めることができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)~(2)の構成において、
前記推定モデルを作成するよう構成される推定モデル作成部を、さらに備える。
上記(3)の構成によれば、灰溶融温度推定装置は推定モデルを作成する機能を備える。これによって、推定モデルを用いた対象燃料の灰の溶融温度の推定を確実に行うことができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、
前記推定モデル作成部は、
複数の前記参照灰の各々についての前記参照灰組成と前記参照溶融温度とを対応付けたデータからなる学習データを生成するよう構成される学習データ生成部と、
前記学習データの機械学習を実行することにより、前記推定モデルを作成する機械学習実行部と、を有する。
上記(4)の構成によれば、機械学習により推定モデルを作成することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記学習データ生成部は、第1の前記学習データを構成する任意の前記データにおいて対応付けられている前記参照灰組成と前記推定モデルとに基づいて算出した溶融温度の推定値と、前記任意のデータにおいて前記参照灰組成に対応付けられている前記参照溶融温度との差異が所定の閾値を超えた前記任意のデータを前記学習データから除外することにより、前記第1の学習データを第2の前記学習データに更新する学習データ更新部を有する。
上記(5)の構成によれば、上記の差異によって学習データの構成要素となるデータ(個別データ)を選別し、更新後の学習データを用いて推定モデルを作成することにより、推定モデルによる推定精度を向上させることができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)~(5)の構成において、
前記複数種類の燃料は、石炭燃料およびバイオマス燃料を含む。
上記(6)の構成によれば、高品位炭や低品位炭などの石炭燃料と、木質バイオマスや廃棄物固形燃料(RDF、RPF)などのバイオマス燃料とを含む対象燃料の灰の溶融温度を推定することができる。
(7)本発明の少なくとも一実施形態に係る灰溶融温度推定方法は、
複数種類の燃料を含む対象燃料の燃焼により生じる灰の溶融温度を推定する灰溶融温度推定方法であって、
前記対象燃料に含まれる前記複数種類の燃料を所定の混合比率で混合した場合の前記灰の特定の灰成分に関する灰組成である理論灰組成を取得するよう構成される理論灰組成算出ステップと、
参照燃料の燃焼により生じた参照灰についての参照灰組成と参照溶融温度との関係を学習することにより作成した推定モデルを用いて、前記理論灰組成に応じた前記対象燃料の前記灰の溶融温度の推定値を算出するよう構成される溶融温度算出ステップと、を備える。
上記(7)の構成によれば、上記(1)と同様の効果を奏する。
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記理論灰組成算出ステップは、
前記混合比率を取得するよう構成される混合比率取得ステップと、
前記対象燃料に含まれる前記複数種類の燃料の各々の灰組成からなる複数の燃料別灰組成を取得するよう構成される燃料別灰組成取得ステップと、
前記混合比率および前記複数の燃料別灰組成に基づいて、前記理論灰組成を算出するよう構成される算出ステップと、を有する。
上記(8)の構成によれば、上記(2)と同様の効果を奏する。
(9)幾つかの実施形態では、上記(7)~(8)の構成において、
前記推定モデルを作成するよう構成される推定モデル作成ステップを、さらに備える。
上記(9)の構成によれば、上記(3)と同様の効果を奏する。
(10)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、
前記推定モデル作成ステップは、
複数の前記参照灰の各々についての前記参照灰組成と前記参照溶融温度とを対応付けたデータからなる学習データを生成するよう構成される学習データ生成ステップと、
前記学習データの機械学習を実行することにより、前記推定モデルを作成する機械学習実行ステップと、を有する。
上記(10)の構成によれば、上記(4)と同様の効果を奏する。
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)の構成において、
前記学習データ生成ステップは、第1の前記学習データを構成する任意の前記データにおいて対応付けられている前記参照灰組成と前記推定モデルとに基づいて算出した溶融温度の推定値と、前記任意のデータにおいて前記参照灰組成に対応付けられている前記参照溶融温度との差異が所定の閾値を超えた前記任意のデータを前記学習データから除外することにより、前記第1の学習データを第2の前記学習データに更新する学習データ更新ステップを有する。
上記(11)の構成によれば、上記(5)と同様の効果を奏する。
(12)幾つかの実施形態では、上記(7)~(11)の構成において、
前記複数種類の燃料は、石炭燃料およびバイオマス燃料を含む。
上記(12)の構成によれば、上記(6)と同様の効果を奏する。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、複数種類の燃料の燃焼により生じる灰の溶融温度を迅速に推定可能な灰溶融温度推定装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る灰溶融温度推定装置の構成を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る対象燃料を燃料とするボイラシステムの構成を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る複数種類の燃料の燃焼により生じた灰の溶融温度特性を示す図であり、燃料aが石炭燃料、燃料bがバイオマス燃料である場合を示す。 本発明の一実施形態に係る灰溶融温度推定方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る推定モデル作成部の機能を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るニューラルネットワークによる機械学習により推定モデルを作成するフロー図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る灰溶融温度推定装置1の構成を概略的に示す図である。図2は、本発明の一実施形態に係る対象燃料Fを燃料とするボイラシステム8の構成を概略的に示す図である。また、図3は、本発明の一実施形態に係る複数種類の燃料の燃焼により生じた灰の溶融温度特性を示す図であり、燃料aが石炭燃料Fc、燃料bがバイオマス燃料Fbである場合を示す。
灰溶融温度推定装置1は、複数種類の燃料を含む対象燃料Fの燃焼により生じる灰の溶融温度Tを推定するための装置である。この対象燃料Fは、例えば図2に示すような、複数種類の燃料を用いた運転が可能なボイラシステム8の燃料として用いられる。ボイラシステム8は、ボイラ9の内部に形成された燃焼室9f(火炉)に燃焼バーナ91(91c、91r)を介して複数種類の燃料を供給し、燃焼室9fで燃焼させることで、伝熱管群92の内部を流れる水などの流体を加熱するように構成される。そして、ボイラシステム8は、伝熱管群92の流体を加熱してお湯を供給する給湯システムや、伝熱管群92の流体の加熱により発生させた蒸気によってタービン(不図示)を駆動して発電を行う発電システムなどとして用いられる。
図2に示す実施形態のボイラシステム8は、バイオマス燃料Fbおよび石炭燃料Fcなどの化石燃料を用いた運転を行うようになっている。石炭燃料Fcは、高品位炭、低品位炭などである。バイオマス燃料Fbは、再生可能な生物由来の有機性資源であって化石資源を除いたものを原料とする燃料であり、ペレットやチップに加工された木質バイオマスや、RDF(Refuse Derived Fuel)、RPF(Refuse Paper and Plastic Fuel)などである。ボイラシステム8の用いる複数種類の燃料には、2種類以上であれば良く、上述したバイオマス燃料Fbの少なくとも1つが含まれていても良いし、高品位炭、低品位炭などの石炭に関する複数種類の燃料の少なくとも1つが含まれていても良い。あるいは、ボイラシステム8の用いる複数種類の全てが複数種類のバイオマス燃料Fb若しくは複数種類の石炭燃料Fcであっても良い。
より詳細には、図2のボイラシステム8は、石炭燃料Fcとバイオマス燃料Fbとをそれぞれ単独で粉砕する単独粉砕方式のシステムである。すなわち、ボイラシステム8は、石炭燃料Fcを粉砕して石炭粉体を得る石炭粉砕装置84cと、バイオマス燃料Fbを粉砕してバイオマス粉体を得るバイオマス粉砕装置84rと、石炭粉体およびバイオマス粉体が供給されるボイラ9と、を備えている。なお、他のいくつかの実施形態では、ボイラシステム8は、石炭燃料Fcとバイオマス燃料Fbとを混合してから粉砕する混合粉砕方式のシステムであっても良い。
石炭粉砕装置84cには、石炭貯蔵設備81cに貯蔵された石炭燃料Fcが、石炭ホッパ82c、石炭供給装置83c(スクリューフィーダなど)を経て供給されるようになっており、石炭粉砕装置84cは供給された石炭燃料Fcを所望の粒径(例えば数μm~数百μm程度)に粉砕するようになっている。他方、バイオマス粉砕装置84rには、バイオマス貯蔵設備81rに貯蔵されたバイオマス燃料Fbが、バイオマスホッパ82r、バイオマス供給装置83r(スクリューフィーダなど)を経て供給されるようになっており、バイオマス粉砕装置84rは供給されたバイオマス燃料Fbを所望の粒径(例えば、平均粒径が0.5mm~1mm程度など)に粉砕するようになっている。また、石炭粉砕装置84cおよびバイオマス粉砕装置84rは、それぞれ、微粉燃料管Lfを介してボイラ9に設置された燃焼バーナ91に接続されており、粉砕燃料は、搬送用空気A1の力によって、粉砕装置84から燃焼バーナ91に供給されるようになっている。
また、ボイラ9における対象燃料Fの燃焼により生じる排ガスGは、上述したボイラ9の煙道9pに連通された排ガス配管85を通って外部に排出されるようになっている。この排ガス配管85には、排ガスGから窒素酸化物を除去する脱硝装置86や、排ガスGの熱により、空気供給管L(後述)を通る外気Aを例えば200℃~300℃の範囲に昇温する空気加熱器87(後述)、熱回収後の排ガスGに含まれる煤塵を除去する電気集塵器88、除塵後の排ガスG中の硫黄酸化物を除去するための脱硫装置(不図示)など、排ガスGを処理する装置が設置されており、排ガスGは、これらの装置による処理を経て煙突(不図示)から外部に排出される。上記の空気供給管Lは、空気加熱器87の下流において、石炭粉砕装置84cおよびバイオマス粉砕装置84rにそれぞれ接続される搬送用空気供給管L1と、ボイラ9に接続される燃焼用空気供給管L2に分岐されている。これによって、外気Aは、搬送用空気A1(一次空気)として搬送用空気供給管L1から粉砕装置(84c、84r)に供給され、燃焼用空気A2(二次空気)として燃焼用空気供給管L2からボイラ9に供給される。
上述したような構成を備えるボイラシステム8などでの燃焼など、複数種類の燃料を同時期に燃焼する場合には、その燃焼により生じる灰の溶融温度T(融点)は、灰の組成(化学組成)により変化する(図3参照)。図3の例示では、燃料aが石炭燃料Fcであり、燃料bがバイオマス燃料Fbであるが、燃料aに対して燃料bを増やしていくと、溶融温度Tは、全体としての灰の組成の変化に伴って2次曲線状に減少した後、再度、増大するというように変化している。このように、燃料性状が相対的に優れた燃料(燃料a)に対して、燃料性状が相対的に劣る燃料(燃料b)の割合を多くすると、燃料全体としての灰の溶融温度Tは、全体的な灰組成の変化に伴って、非線形的に変化する。なお、ボイラ9で燃料として用いる場合には、溶融温度Tが所定の温度(閾値Th)よりも大きい必要があり、図3では、ボイラ9で使用するためには、燃料aの灰分および燃料bの灰分の存在比率の値が比率Rhに対応する混合比率R(後述)よりも、燃料aの比率を多くする必要がある。
そして、灰の溶融温度Tは、ボイラ9の内部などへの灰の付着性の評価指標であるが、例えば、バイオマス燃料Fbは、原料の違いなどに応じて化学組成(特に灰分)の変動が生じ易い。よって、このような複数種類の燃料から生じる灰の挙動をボイラ9の運転前などに溶融性試験方法(JIS M 8801など)といった従来手法により燃料の種類毎に調べるとなると、多大な時間やコストを要する。そこで、複数種類の燃料の燃焼により生じる灰の溶融温度Tを、次に説明する灰溶融温度推定装置1により迅速に求める。
次に、上述した灰溶融温度推定装置1について図1を用いて説明する。
図1に示すように、灰溶融温度推定装置1は、理論灰組成算出部2と、溶融温度算出部3と、を備える。この灰溶融温度推定装置1は、コンピュータで構成されている。具体的には、灰溶融温度推定装置1は、図示しないCPU(プロセッサ)や、ROMやRAMといったメモリ(記憶部m)などを備えている。そして、記憶部mの主記憶装置にロードされたプログラム(灰溶融温度推定プログラム)の命令に従ってCPUが動作(データの演算など)することで、上記の各機能部を実現する。灰溶融温度推定装置1が備える各機能部について、それぞれ説明する。
理論灰組成算出部2は、対象燃料Fに含まれる複数種類の燃料を所定の混合比率Rで混合した場合の灰の特定の灰成分に関する組成(以下、灰組成)である理論灰組成Ctを取得するよう構成された機能部である。上記の特定の灰成分には、SiO、Al、TiO、Fe、CaO、MgO、NaO、KO、P、SOの10成分のうちの少なくとも1つの成分(灰成分)が含まれていても良い。図1に示す実施形態では、上記の10成分の全てを特定の灰成分としており、理論灰組成Ctは、この10成分の対象燃料Fの重量に対する重量%となっている。なお、他の幾つかの実施形態では、特定の灰成分には、上記の10成分以外の灰成分が含まれていても良いし、灰に分類される全ての灰成分が含まれていても良い。
また、図1に示す実施形態では、理論灰組成算出部2は、混合比率取得部21と、燃料別灰組成取得部22と、算出部23と、を有する。
混合比率取得部21は、上記の混合比率Rを取得するよう構成された機能部である。この混合比率Rは、対象燃料Fに含まれる複数種類の燃料の混ぜる割合である。換言すれば、混合比率Rは、対象燃料Fを構成する複数種類の燃料の種類毎の構成割合である。例えば、混合比率Rは、対象燃料Fを構成する複数種類の燃料の各々の重量比であっても良いし、あるいは体積比であっても良い。
より具体的には、図2に示すような単独粉砕方式のボイラシステム8の場合は、ボイラ9の内部に単位時間に同時に供給される複数種類の燃料(図2では石炭燃料Fcおよびバイオマス燃料Fb)の供給量の割合であっても良い。他方、混合粉砕方式のシステムの場合は、粉砕して得られる対象燃料Fの単位量あたりに含まれる複数種類の燃料の割合であっても良く、粉砕前の供給割合であっても良い。図1に示す実施形態では、混合比率取得部21は、本装置を操作するユーザなど外部から入力された混合比率Rを取得する。
燃料別灰組成取得部22は、対象燃料Fに含まれる複数燃料の各々の灰組成からなる複数の燃料別灰組成Cnを取得するよう構成された機能部である。つまり、複数の燃料別灰組成Cnの各々は、対象燃料Fに含まれる複数燃料の各々の灰組成のいずれかに相当する。燃料別灰組成取得部22は、対象燃料Fに含まれる複数種類の燃料の各々の灰組成の分析を通して得られる燃料別灰組成Cnを取得する。
算出部23は、上述した混合比率Rおよび複数の燃料別灰組成Cnに基づいて、理論灰組成Ctを算出するよう構成された機能部である。図1に示す実施形態では、算出部23は、混合比率取得部21と、燃料別灰組成取得部22とにそれぞれ接続され、混合比率Rおよび複数の燃料別灰組成Cnが入力されるようになっており、これらの入力がなされると理論灰組成Ctを算出するようになっている。
溶融温度算出部3は、参照燃料Frの燃焼により生じた灰(以下、参照灰)についての灰組成(以下、参照灰組成Cr)と溶融温度(以下、参照溶融温度Tr)との関係を学習することにより作成した推定モデルMを用いて、理論灰組成Ctに応じた対象燃料Fの灰の溶融温度Tの推定値を算出するよう構成された機能部である。ここで、参照燃料Frは、その参照燃料Frの灰(つまり、参照灰)の溶融温度T(つまり、参照溶融温度Tr)および灰組成(つまり、参照灰組成Cr)が計測(分析)などにより得られている燃料である。換言すれば、参照燃料Frは、対象燃料Fの灰の溶融温度Tの推定値を算出よりも前(過去)にボイラ9あるいは実験室などで燃焼されている過去の燃料(試料)である。参照燃料Frは、対象燃料Fと同様に、複数種類の燃料で構成されていても良いし、1種類の燃料で構成されていても良い。
つまり、推定モデルMは、入力された任意の灰組成に応じた溶融温度Tを出力する学習モデルであり、理論灰組成Ctを推定モデルMに入力することにより得られる溶融温度Tが、理論灰組成Ctを有する対象燃料Fを燃焼させた場合に生じる灰の溶融温度Tの推定値となる。推定モデルMは、対象燃料Fの灰の溶融温度Tの推定値を計算により求めるので、溶融性試験方法のような実施に専門性を要する実験により溶融温度Tを求めるよりも、迅速に、かつ、容易に、対象燃料Fの灰の溶融温度Tを求めることが可能となる。
図1に示す実施形態では、灰溶融温度推定装置1は、上記の推定モデルMを機械学習の手法を用いて作成するよう構成される推定モデル作成部4を、さらに備えている。この推定モデル作成部4に関する詳細は後述するが、図1に示す実施形態では、推定モデル作成部4が作成した推定モデルMを灰溶融温度推定装置1の記憶部mに事前に保存しておき、溶融温度算出部3は、上記の記憶部mに記憶された推定モデルMを用いて、溶融温度Tの推定値を算出するように構成されている。また、溶融温度算出部3による算出結果は、ディスプレイ6に出力されて、表示されるようになっている。
なお、灰溶融温度推定装置1において、理論灰組成算出部2と、溶融温度算出部3とが、通信ネットワーク(不図示)を介して接続されていても良い。例えば、ユーザが、灰溶融温度推定装置1が提供する入力画面などのHMIを介して理論灰組成Ct、あるいは混合比率Rおよび燃料別灰組成Cnを入力すると、その入力情報が通信ネットワークを介して溶融温度算出部3に送信され、溶融温度算出部3による算出結果が、再度、通信ネットワークを介して送信されることで、ユーザが見ているディスプレイ6に表示されても良い。
次に、上述した灰溶融温度推定装置1が実行する処理に対応する灰溶融温度推定方法について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る灰溶融温度推定方法を示すフロー図である。
灰溶融温度推定方法は、複数種類の燃料を含む対象燃料Fの燃焼により生じる灰の溶融温度Tを推定する方法である。図4に示すように、灰溶融温度推定方法は、理論灰組成算出ステップ(S1)と、溶融温度算出ステップ(S2)と、を備える。
図4のステップ順に灰溶融温度推定方法を説明する。
図4のステップS1において、理論灰組成算出ステップを実行する。理論灰組成算出ステップ(S1)は、対象燃料Fに含まれる複数種類の燃料を混合比率Rで混合した場合の灰の特定の灰成分に関する灰組成である理論灰組成Ctを取得するステップである。理論灰組成算出ステップ(S1)は、既に説明した理論灰組成算出部2が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
図4に示す実施形態では、理論灰組成算出ステップ(S1)は、上述した混合比率Rを取得する混合比率取得ステップ(S11)と、対象燃料Fに含まれる複数燃料の各々の灰組成からなる複数の燃料別灰組成Cnを取得する燃料別灰組成取得ステップ(S12)と、混合比率Rおよび複数の燃料別灰組成Cnに基づいて、理論灰組成Ctを算出する算出ステップ(S13)と、を有する。混合比率取得ステップ(S11)、燃料別灰組成取得ステップ(S12)、および算出ステップ(S13)は、それぞれ、既に説明した混合比率取得部21、燃料別灰組成取得部22、算出部23が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。なお、混合比率取得ステップ(S11)よりも前に燃料別灰組成取得ステップ(S12)を実行しても良い。
ステップS2において、溶融温度算出ステップを実行する。溶融温度算出ステップ(S2)は、上述した推定モデルMを用いて、理論灰組成Ctに応じた対象燃料Fの灰の溶融温度Tの推定値を算出するステップである。溶融温度算出ステップ(S2)は、既に説明した溶融温度算出部3が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
上記の構成によれば、学習(機械学習)により作成された推定モデルMを用いて、複数種類の燃料を混合比率で混合した対象燃料Fの理論灰組成Ctから、対象燃料Fの灰の溶融温度Tを推定する。これによって、対象燃料Fの溶融温度Tを迅速に求めることができる。
次に、上述した推定モデルMを作成する推定モデル作成部4の詳細について、図5を用いて説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る推定モデル作成部4の機能を示すブロック図である。
幾つかの実施形態では、図1に示すように、灰溶融温度推定装置1は、上述した推定モデルMを作成するよう構成される推定モデル作成部4を、さらに備えていても良い。より詳細には、図5に示すように、推定モデル作成部4は、複数の参照灰の各々についての参照灰組成Crと参照溶融温度Trとを対応付けたデータ(以下、個別データ)からなる学習データD(教師データ)を生成するよう構成される学習データ生成部41と、学習データDの機械学習を実行することにより、推定モデルMを作成する機械学習実行部42と、を有しても良い。
より具体的には、上記の学習データDを構成する各個別データは、各参照灰に関する参照灰組成Crおよび参照溶融温度Trを含む情報セット(1レコード)である。また、上記の学習データ生成部41は、複数の個別データを記憶部mなどから取得することにより学習データDを生成しても良い。上記の機械学習実行部42は、ニューラルネットワークなどの周知な機械学習の手法(アルゴリズム)のいずれかの手法による機械学習を行う。図5に示す実施形態では、推定モデル作成部4は、ニューラルネットワーク(NN)による機械学習を行うように構成されている。
図5に示す実施形態では、学習データ生成部41は、相対的に時間的に前の段階で作成された第1の学習データDaを構成する任意の個別データにおいて対応付けられている参照灰組成Craと推定モデルMとに基づいて算出した溶融温度Tの推定値と、この任意の個別データにおいて上記の参照灰組成Craに対応付けられている参照溶融温度Traとの差異が所定の閾値を超えた上記の任意の個別データを学習データDから除外することにより、上記の第1の学習データDaを第2の学習データDbに更新する学習データ更新部41aを有する。このように、上記の差異によって学習データDの構成要素となる個別データを選別し、更新後の学習データDを用いて推定モデルMを作成することにより、推定モデルMによる推定精度を向上させることができる(下記参照)。上記の所定の閾値は、例えば、差異が±10%などの所定の割合に対応する値であっても良い。
上述した推定モデル作成部4が実行する処理に対応する方法の一例について、推定モデル作成部4がニューラルネットワークによる機械学習を実行する場合を例として、図6を用いて説明する。図6は、本発明の一実施形態に係るニューラルネットワークによる機械学習により推定モデルを作成するフロー図である。
図6に示すように、幾つかの実施形態では、灰溶融温度推定方法は、上述した推定モデルMを作成する推定モデル作成ステップ(S6)を、さらに備えていても良い。より詳細には、図6に示すように、推定モデル作成ステップ(S6)は、上述した学習データDを生成する学習データ生成ステップ(S61)と、学習データDの機械学習を実行することにより、推定モデルMを作成する機械学習実行ステップ(S62~S67)と、を有しても良い。
上記の学習データ生成ステップ(S61)と、機械学習実行ステップ(S62~S67)とは、既に説明した学習データ生成部41と、機械学習実行部42とが実行する処理内容とそれぞれ同様であるため、詳細は省略する。なお、図6に示すように、推定モデル作成ステップ(S6)は、上述した学習データ更新部41aと同様な処理内容となる学習データ更新ステップ(S63~S66)を有していても良い。
図6に示す推定モデルMの作成フローをステップ順に説明する。
図6のステップS61において、学習データ生成ステップを実行することにより学習データDを生成した後、ステップS62~S67において、機械学習実行ステップする。具体的には、ステップS61において、記憶部mなどから必要な複数の個別データを取得し、学習データD(第1の学習データDa)を生成した後、ステップS62において、ステップS61で生成した学習データDを用いて推定モデルM(仮推定モデル)を作成する。
次に、ステップS63において、ステップS62で生成した仮推定モデルを用いて、学習データDを構成する複数の個別データのうちから任意の個別データを選択し、選択した個別データが有する参照灰組成Crに応じた溶融温度Tの推定値を算出する。ステップS64において、上記のステップS63で算出した溶融温度Tの推定値と、同ステップ(S63)で用いたのと同一の個別データが有する参照溶融温度Trとを比較する。その結果、ステップS65において両者の差異が±α%以内になければ、ステップS66において学習データDからその個別データを除外(削除)し、ステップS62に戻る。すなわち、ステップS66で更新された学習データD(第2の学習データDb)を用いて、再度、新たな仮推定モデルを作成する。
逆に、上記のステップS65において、両者の差異が±α%以内であれば、ステップS67において、その際の仮推定モデルの推定モデルMの完成版とする。なお、学習データDを構成する例えば全ての個別データなど、1以上の個別データについてステップS63~S65を実行した場合に、ステップS67に移るものとしても良い。
上述したように、推定モデルMを用いて算出した溶融温度Tと参照溶融温度Trとの差異に基づいて個別データを選別した理由について述べると、両者の差異が±α%を超えた個別データを検討したところ、参照灰組成Crにおける少なくとも1つの構成成分(上記の10成分のうちの1つ)の比率から経験的などに基づいて想定される溶融温度Tが、参照溶融温度Trとは大きく異なっていることが分かったことによる。より具体的には、例えば所定の灰成分に着目すると、複数の個別データを比較することにより、その比率に対する溶融温度の傾向を知ることができるが、例えば、両者の差異が±α%を超えた個別データは逆の傾向となっているなど、本来あるべき傾向とは異なっていた。
つまり、そのような個別データは、参照溶融温度Tr(実測値)が信頼できないものとみなすことができ、上記のように両者の差異に応じて学習データDを構成する個別で、このような信頼できない個別データを見つけることが可能となる。そして、このような場合には、その個別データに信頼性が無い(その個別データが正確ではない)として学習データDから除外し、信頼性のある個別データで構成される学習データDを機械学習することにより、推定モデルMによる推定精度を高めることができる。
なお、他の幾つかの実施形態では、灰溶融温度推定装置1は、推定モデル作成部4を備えていなくても良い。この場合には、灰溶融温度推定装置1とは異なる他の装置(推定モデル作成装置など)により作成された推定モデルMを、通信ネットワーク経由や、USBメモリなどの持ち運び可能な記憶媒体を用いて、灰溶融温度推定装置1の記憶部mにインストールしても良い。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 灰溶融温度推定装置
m 記憶部
2 理論灰組成算出部
21 混合比率取得部
22 燃料別灰組成取得部
23 算出部
3 溶融温度算出部
4 推定モデル作成部
41 学習データ生成部
41a 学習データ更新部
42 機械学習実行部
6 ディスプレイ
8 ボイラシステム
81c 石炭貯蔵設備
81r バイオマス貯蔵設備
82c 石炭ホッパ
82r バイオマスホッパ
83c 石炭供給装置
83r バイオマス供給装置
84 粉砕装置
84c 石炭粉砕装置
84r バイオマス粉砕装置
85 排ガス配管
86 脱硝装置
87 空気加熱器
88 電気集塵器
9 ボイラ
9f 燃焼室
9p 煙道
91 燃焼バーナ
92 伝熱管群

T 溶融温度
Th 閾値
F 対象燃料
Fb バイオマス燃料
Fc 石炭燃料
Fr 参照燃料
R 混合比率
Rh 比率
Cn 燃料別灰組成
Ct 理論灰組成
Cr 参照灰組成
Tr 参照溶融温度
D 学習データ
M 推定モデル
A 外気
A1 搬送用空気
A2 燃焼用空気
G 排ガス
L 空気供給管
L1 搬送用空気供給管
L2 燃焼用空気供給管
Lf 微粉燃料管

Claims (12)

  1. 複数種類の燃料を含む対象燃料の燃焼により生じる灰の溶融温度を推定する灰溶融温度推定装置であって、
    前記対象燃料に含まれる前記複数種類の燃料を所定の混合比率で混合した場合の前記灰の特定の灰成分に関する灰組成である理論灰組成を取得するよう構成される理論灰組成算出部と、
    参照燃料の燃焼により生じた参照灰についての参照灰組成と参照溶融温度との関係を学習することにより作成した推定モデルを用いて、前記理論灰組成に応じた前記対象燃料の前記灰の溶融温度の推定値を算出するよう構成される溶融温度算出部と、を備えることを特徴とする灰溶融温度推定装置。
  2. 前記理論灰組成算出部は、
    前記混合比率を取得するよう構成される混合比率取得部と、
    前記対象燃料に含まれる前記複数種類の燃料の各々の灰組成からなる複数の燃料別灰組成を取得するよう構成される燃料別灰組成取得部と、
    前記混合比率および前記複数の燃料別灰組成に基づいて、前記理論灰組成を算出するよう構成される算出部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の灰溶融温度推定装置。
  3. 前記推定モデルを作成するよう構成される推定モデル作成部を、さらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の灰溶融温度推定装置。
  4. 前記推定モデル作成部は、
    複数の前記参照灰の各々についての前記参照灰組成と前記参照溶融温度とを対応付けたデータからなる学習データを生成するよう構成される学習データ生成部と、
    前記学習データの機械学習を実行することにより、前記推定モデルを作成する機械学習実行部と、を有することを特徴とする請求項3に記載の灰溶融温度推定装置。
  5. 前記学習データ生成部は、第1の前記学習データを構成する任意の前記データにおいて対応付けられている前記参照灰組成と前記推定モデルとに基づいて算出した溶融温度の推定値と、前記任意のデータにおいて前記参照灰組成に対応付けられている前記参照溶融温度との差異が所定の閾値を超えた前記任意のデータを前記学習データから除外することにより、前記第1の学習データを第2の前記学習データに更新する学習データ更新部を有することを特徴とする請求項4に記載の灰溶融温度推定装置。
  6. 前記複数種類の燃料は、石炭燃料およびバイオマス燃料を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の灰溶融温度推定装置。
  7. 複数種類の燃料を含む対象燃料の燃焼により生じる灰の溶融温度を推定する灰溶融温度推定方法であって、
    前記対象燃料に含まれる前記複数種類の燃料を所定の混合比率で混合した場合の前記灰の特定の灰成分に関する灰組成である理論灰組成を取得するよう構成される理論灰組成算出ステップと、
    参照燃料の燃焼により生じた参照灰についての参照灰組成と参照溶融温度との関係を学習することにより作成した推定モデルを用いて、前記理論灰組成に応じた前記対象燃料の前記灰の溶融温度の推定値を算出するよう構成される溶融温度算出ステップと、を備えることを特徴とする灰溶融温度推定方法
  8. 前記理論灰組成算出ステップは、
    前記混合比率を取得するよう構成される混合比率取得ステップと、
    前記対象燃料に含まれる前記複数種類の燃料の各々の灰組成からなる複数の燃料別灰組成を取得するよう構成される燃料別灰組成取得ステップと、
    前記混合比率および前記複数の燃料別灰組成に基づいて、前記理論灰組成を算出するよう構成される算出ステップと、を有することを特徴とする請求項7に記載の灰溶融温度推定方法
  9. 前記推定モデルを作成するよう構成される推定モデル作成ステップを、さらに備えることを特徴とする請求項7または8に記載の灰溶融温度推定方法
  10. 前記推定モデル作成ステップは、
    複数の前記参照灰の各々についての前記参照灰組成と前記参照溶融温度とを対応付けたデータからなる学習データを生成するよう構成される学習データ生成ステップと、
    前記学習データの機械学習を実行することにより、前記推定モデルを作成する機械学習実行ステップと、を有することを特徴とする請求項9に記載の灰溶融温度推定方法
  11. 前記学習データ生成ステップは、第1の前記学習データを構成する任意の前記データにおいて対応付けられている前記参照灰組成と前記推定モデルとに基づいて算出した溶融温度の推定値と、前記任意のデータにおいて前記参照灰組成に対応付けられている前記参照溶融温度との差異が所定の閾値を超えた前記任意のデータを前記学習データから除外することにより、前記第1の学習データを第2の前記学習データに更新する学習データ更新ステップを有することを特徴とする請求項10に記載の灰溶融温度推定方法
  12. 前記複数種類の燃料は、石炭燃料およびバイオマス燃料を含むことを特徴とする請求項7~11のいずれか1項に記載の灰溶融温度推定方法
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