次に、実例となる実施形態の詳細な説明が、図を参照しながら説明されることができる。しかしながら、本発明は、代表的な実施形態に関連して説明されることがあるが、それに限定されず、他の実施形態が使用されてもよく、または、説明された実施形態に対して、本発明の同一の機能を、そこから逸脱することなく実行するように変更および追加がなされることができることを理解されたい。
この後、代表的な実施形態が、ワイヤレスネットワークアーキテクチャを使用して全体的に示されるが、任意数の別のネットワークアーキテクチャが、たとえば有線部品および/またはワイヤレス部品を用いるネットワークを含めて使用されることができる。
図1は、1つまたは複数の開示された実施形態が実施されることができる例示の通信システム100を示す図である。通信システム100は、複数のワイヤレスユーザに対して、音声、データ、ビデオ、メッセージ、宣伝などの内容を提供する多重アクセスシステムでよい。通信システム100は、複数のワイヤレスユーザが、ワイヤレス帯域幅を含むシステム資源を共有することによってそのような内容にアクセスすることを可能にすることができる。たとえば、通信システム100は、符号分割多重アクセス(CDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)、周波数分割多重アクセス(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、単一キャリアFDMA(SC-FDMA)などの1つまたは複数のチャネルアクセス方式を採用することができる。
図1に示されるように、通信システム100は、ワイヤレス送信/受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102dなどの電子デバイス、無線アクセスネットワーク(RAN)104、コアネットワーク106/107/109、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)108、インターネット110、および他のネットワーク112を含むことができるが、開示された実施形態は、任意数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワーク要素を企図するものであることが理解されよう。WTRU 102a、102b、102c、102dの各々は、ワイヤレス環境において動作し、かつ/または通信するように構成された任意のタイプのデバイスでよい。例として、「局」および/または「STA」と称されることがあるWTRU 102a、102b、102c、102dは、ワイヤレス信号を送信し、かつ/または受信するように構成されてよく、ユーザ機器(UE)、移動局、固定式または移動式の加入者ユニット、ポケットベル、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、ワイヤレスセンサ、民生用電子機器などを含むことができる。WTRU 102a、102b、102cおよび102dは、区別なくUEと称される。
通信システム100は、基地局114aおよび/または基地局114bなどの電子デバイスを含むことができる。基地局114a、114bの各々は、WTRU 102a、102b、102c、102dのうち少なくとも1つとワイヤレスで接続してコアネットワーク106/107/109、インターネット110、および/または他のネットワーク112などの1つまたは複数の通信ネットワークに対するアクセスを容易にするように構成された任意のタイプのデバイスでよい。例として、基地局114a、114bは、ベーストランシーバ局(BTS)、ノード-B、eNode B、ホームノードB、ホームeNode B、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、ワイヤレスルータなどでよい。基地局114a、114bはそれぞれが単一要素として表されているが、基地局114a、114bは、任意数の相互接続された基地局および/またはネットワーク要素を含むことができることが理解されよう。
基地局114aはRAN 103/104/105の一部分でよく、これらは、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、中継ノードなどの他の基地局および/またはネットワーク要素(図示せず)も含むこともできる。基地局114aおよび/または基地局114bは、セル(図示せず)と称されことがある特定の地理的領域の範囲内のワイヤレス信号を送信し、かつ/または受信するように構成されてよい。セルはセルセクタにさらに分割されてよい。たとえば、基地局114aに関連したセルが3つのセクタに分割されてよい。したがって、一実施形態では、基地局114aは、セルの各セクタに対して1つずつ、3つのトランシーバを含むことができる。別の実施形態では、基地局114aはMIMO技術を採用してよく、セルの各セクタに対して複数のトランシーバを利用することができる。
基地局114a、114bは、エアインターフェース115/116/117を通じてWTRU 102a、102b、102c、102dのうち1つまたは複数と通信することができ、エアインターフェースは任意の適切なワイヤレス通信リンク(たとえば無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光など)でよい。エアインターフェース115/116/117は、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使用して確立されてよい。
より具体的には、前述のように、通信システム100は多重アクセスシステムでよく、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMAなど1つまたは複数のチャネルアクセス方式を採用することができる。たとえば、RAN 103/104/105における基地局114aおよびWTRU 102a、102b、102cは、広帯域CDMA(WCDMA)を使用してエアインターフェース115/116/117を確立することができるユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)地上波無線アクセス(UTRA)などの無線技術を実施してよい。WCDMAは、高速パケットアクセス(HSPA)および/または発展型HSPA(HSPA+)などの通信プロトコルを含むことができる。HSPAは、高速ダウンリンク(DL)パケットアクセス(HSDPA)および/または高速ULパケットアクセス(HSUPA)を含むことができる。
別の実施形態では、基地局114aおよびWTRU 102a、102b、102cは、ロングタームエボリューション(LTE)および/またはLTEアドバンスト(LTE-A)を使用してエアインターフェース115/116/117を確立することができる発展型UMTS地上波無線アクセス(E-UTRA)などの無線技術を実施してよい。
他の実施形態では、基地局114aおよびWTRU 102a、102b、102cは、IEEE 802.11(すなわちワイヤレスフィデリティ(WiFi)、IEEE 802.16(すなわちワイマックス(WiMAX))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV-DO、暫定規格2000(IS-2000)、暫定規格95(IS-95)、暫定規格856(IS-856)、グローバル移動体通信システム(GSM)、GSM革新のための高速データレート(EDGE)、GSM EDGE(GERAN)などの無線技術を実施することができる。
図1の基地局114bは、たとえばワイヤレスルータ、ホームノードB、ホームeNode B、またはアクセスポイントでよく、事業所、自宅、乗物、キャンパスなどの局所における無線接続性を助長するために任意の適切なRATを利用することができる。一実施形態では、基地局114bおよびWTRU 102c、102dは、WLANを確立するためにIEEE 802.11などの無線技術を実施してよい。別の実施形態では、基地局114bおよびWTRU 102c、102dは、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)を確立するためにIEEE 802.15などの無線技術を実施してよい。さらに別の実施形態では、基地局114bおよびWTRU 102c、102dは、ピコセルまたはフェムトセルを確立するためにセルラーベースのRAT(たとえばWCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-Aなど)を利用することができる。図1に示されるように、基地局114bはインターネット110に対する直接接続を有することができる。したがって、基地局114bは、インターネット110にアクセスするのにコアネットワーク106/107/109を介する必要はない。
RAN 103/104/105はコアネットワーク106/107/109と通信することができ、コアネットワーク106/107/109は、WTRU 102a、102b、102c、102dのうち1つまたは複数に対して音声、データ、アプリケーション、および/またはボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)サービスを提供するように構成された任意のタイプのネットワークでよい。たとえば、コアネットワーク106/107/109は、呼制御、課金サービス、モバイルロケーションベースのサービス、プリペイドコーリング、インターネット接続、ビデオ配信などを提供してよく、かつ/またはユーザ確認など高レベルのセキュリティ機能を実行してもよい。図1には示されていないが、RAN 103/104/105および/またはコアネットワーク106/107/109は、RAN103/104/105と同一のRATまたは別のRATを採用する他のRANと直接的または間接的に通信してよいことが理解されよう。たとえば、コアネットワーク 106/107/109は、e-UTRA無線技術を利用している可能性があるRAN 103/104/105に接続されることに加えて、GSM、UMTS、CDMA 2000、WiMAXまたはWi-Fi無線技術を採用している別のRAN(図示せず)とも通信することができる。
コアネットワーク 106/107/109は、WTRU 102a、102b、102c、102dが、PSTN 108、インターネット110、および/または他のネットワーク112にアクセスするためのゲートウェイとしても働くことができる。PSTN 108は、一般電話サービス(POTS)を提供する回路交換の電話ネットワークを含むことができる。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコルスイートにおいて送信制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)および/またはインターネットプロトコル(IP)などの一般的な通信プロトコルを使用する、相互に接続されたコンピュータネットワークおよびデバイスの地球規模のシステムを含むことができる。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有され、かつ/または動作される、有線および/またはワイヤレスの通信ネットワークを含むことができる。たとえば、ネットワーク112は、RAN 103/104/105と同一のRATまたは別のRATを採用することができる1つまたは複数のRANに接続された別のコアネットワークを含むことができる。
通信システム100のWTRU 102a、102b、102c、102dのうちいくつかまたはすべてがマルチモード能力を含むことができる(たとえば、WTRU 102a、102b、102c、102dは、別のワイヤレスリンクを通じて別のワイヤレスネットワークと通信するための複数のトランシーバを含むことができる)。たとえば、図1に示されたWTRU 102cは、セルラーベースの無線技術を採用することができる基地局114a、およびIEEE 802無線技術を採用することができる基地局114bと通信するように構成されてよい。
図2は例示のWTRU 102を示すシステム図である。図2に示されるように、WTRU 102は、とりわけ、プロセッサ118、トランシーバ120、送信/受信要素122、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、取外し不能記憶装置130、取外し可能記憶装置132、電源134、全地球測位システム(GPS)チップセット136、および/または他の周辺装置138を含むことができる。WTRU 102は、実施形態との整合を保ちながら、前述の要素の任意の部分的組合せを含むことができることが理解されよう。
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、何らかの他のタイプの集積回路(IC)、ステートマシンなどでよい。プロセッサ118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入出力処理、および/またはWTRU 102がワイヤレス環境で動作することを可能にする何らかの他の機能を実行することができる。プロセッサ118は、送信/受信要素122に結合されることができるトランシーバ120に結合されてよい。図2は、プロセッサ118とトランシーバ120を分離した構成要素として表しているが、プロセッサ118とトランシーバ120が電子パッケージまたはチップにおいて一緒に統合されてよいことが理解されよう。
送信/受信要素122は、エアインターフェース115/116/117を通じて基地局(たとえば基地局114a)との間で信号を送信/受信するように構成されてよい。たとえば、一実施形態では、送信/受信要素122は、RF信号を送信および/または受信するように構成されたアンテナでよい。別の実施形態では、送信/受信要素122は、たとえば赤外線信号、UV信号、または可視光信号を送信し、かつ/または受信するように構成された放射源/検知器でよい。さらに別の実施形態では、送信/受信要素122は、RF信号と光信号の両方を送信および/または受信するように構成されてよい。送信/受信要素122は、ワイヤレス信号の任意の組合せを送信および/または受信するように構成されてよいことが理解されよう。
送信/受信要素122は単一の要素として図2に表されているが、WTRU 102は任意数の送信/受信要素122を含むことができる。より具体的には、WTRU 102はMIMO技術を採用することができる。したがって、一実施形態では、WTRU 102は、エアインターフェース115/116/117を通じてワイヤレス信号を送信したり受信したりするための2つ以上の送信/受信要素122(たとえば複数のアンテナ)を含むことができる。
トランシーバ120は、送信/受信要素122によって送信される信号を変調したり、送信/受信要素122によって受信された信号を復調したりするように構成されてよい。前述のように、WTRU 102はマルチモード能力を有し得る。したがって、トランシーバ120は、WTRU 102が、たとえばUTRAおよびIEEE802.11など複数のRAT経由で通信することを可能にするための複数のトランシーバを含むことができる。
WTRU 102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128(たとえば液晶ディスプレイ(LCD)表示ユニットまたは有機発光ダイオード(OLED)表示ユニット)に結合されてユーザ入力データを受信することができる。プロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128に対してユーザデータを出力することもできる。加えて、プロセッサ118は、取外し不能記憶装置130および/または取外し可能記憶装置132など任意のタイプの適切な記憶装置に対して、情報にアクセスしたり、データを記憶させたりすることができる。取外し不能記憶装置130は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、ハードディスク、または何らかの他のタイプのメモリ記憶デバイスを含むことができる。取外し可能記憶装置132は、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、セキュアデジタル(SD)メモリカードなどを含むことができる。他の実施形態では、プロセッサ118は、サーバまたはホームコンピュータ(図示せず)など、WTRU 102上に物理的に配置されているわけではない記憶装置に対して、情報にアクセスしたり、データを記憶させたりすることができる。
プロセッサ118は、電源134から電力を受け取ってよく、WTRU 102における他の構成要素に対して電力を分配および/または制御するように構成されてよい。電源134は、WTRU 102に給電するための任意の適切なデバイスでよい。たとえば、電源134は、1つまたは複数の乾電池バッテリー(たとえばニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル亜鉛(NiZn)、ニッケル金属水素化物(NiMH)、リチウムイオン(Liイオン)など)、太陽電池、燃料電池などを含むことができる。
プロセッサ118は、WTRU 102の現在位置に関する位置情報(たとえば経度および緯度)を提供するように構成されることができるGPSチップセット136に結合されてもよい。WTRU 102は、GPSチップセット136からの情報に加えて、もしくはその代わりに、エアインターフェース115/116/117を通じて基地局(たとえば基地局114a、114b)から位置情報を受信してよく、かつ/または2つ以上の近くの基地局から受信されている信号のタイミングに基づいてその位置を決定してよい。WTRU 102は、実施形態との整合を保ちながら、任意の適切な位置決定方法によって位置情報を取得することができることが理解されよう。
プロセッサ118がさらに他の周辺装置138と結合されてよく、他の周辺装置138は、追加の特徴、機能および/または有線もしくはワイヤレスの接続性を提供する1つまたは複数のソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュールを含むことができる。たとえば、周辺装置138は、加速度計、電子コンパス、衛星トランシーバ、デジタルカメラ(写真および/またはビデオ用)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、振動デバイス、テレビジョントランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、ブルートゥース(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザなどを含むことができる。周辺装置138が1つまたは複数のセンサを含む場合には、センサは、ジャイロスコープ、加速度計、方位センサ、近接センサ、温度センサ、時間センサ、地理位置センサ、高度計、光センサ、タッチセンサ、磁力計、バロメータ、ジェスチャセンサ、および/または湿度センサのうち1つまたは複数でよい。
WTRU 102は全二重無線を含むことができ、全二重無線については、信号のいくつかまたはすべての送信と受信(たとえばUL(たとえば送信用)とダウンリンク(たとえば受信用))の両方のための特定のサブフレームに関連するものが、並行かつ/または同時でよい。全二重無線は、ハードウェア(たとえばチョーク)またはプロセッサ(たとえば個別のプロセッサ(図示せず)またはプロセッサ118)による信号処理のいずれかによって、自己干渉を低減し、および、または実質的に解消するための干渉管理ユニット139を含むことができる。
図3は、別の実施形態による、RAN 103およびコアネットワーク106を示すシステム図である。前述のように、RAN 103は、エアインターフェース115を通じてWTRU 102a、102b、102cと通信するためにUTRA無線技術を採用することができる。RAN 103は、コアネットワーク106とも通信することができる。図3に示されるように、RAN 103はノード-B 140a、140b、140cを含むことができ、ノード-B 140a、140b、140cは、それぞれが、エアインターフェース115を通じてWTRU 102a、102b、102cと通信するための1つまたは複数のトランシーバを含む。ノード-B 140a、140b、140cのそれぞれが、RAN 103の範囲内の特定のセル(図示せず)に関連付けられてよい。RAN 103はRNC 142a、142bも含むことができる。RAN 103は、実施形態との整合を保ちながら任意数のノード-BおよびRNCを含むことができることが理解されよう。
図3に示されるように、ノード-B 140a、140bはRNC 142aと通信することができる。加えて、ノード-B 140cはRNC 142bと通信することができる。ノード-B 140a、140b、140cは、Iubインターフェースを介して、それぞれのRNC 142a、142bと通信することができる。RNC 142aと142bは、Iurインターフェースを介して互いに通信することができる。RNC 142a、142bの各々が、それに接続されているノード-B 140a、140b、140cを制御するように構成されてよい。加えて、RNC 142a、142bの各々が、外側ループ電力制御、負荷制御、承認制御、パケットスケジューリング、ハンドオーバ制御、マクロダイバーシティ、セキュリティ機能、データ暗号化など他の機能を実行するかまたはサポートするように構成されてよい。
図3に示されたコアネットワーク106は、メディアゲートウェイ(MGW)144、移動交換センター(MSC)146、サービングGPRSサポートノード(SGSN)148、および/またはゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)150を含むことができる。前述の要素の各々がコアネットワーク106の一部分として表されているが、これらの要素のうちいかなるものもコアネットワークオペレータ以外のエンティティによって所有されてよく、かつ/または動作されてよいことが理解されよう。
RAN 103におけるRNC 142aは、IuCSインターフェースを介してコアネットワーク106のMSC 146に接続されてよい。MSC 146はMGW 144に接続されてよい。MSC 146およびMGW 144は、WTRU 102a、102b、102cに、PSTN 108など回路交換のネットワークへのアクセスを提供することができ、WTRU 102a、102b、102cと従来の陸線通信デバイスの間の通信を容易にする。
RAN 103におけるRNC 142aは、IuPSインターフェースを介してコアネットワーク106のSGSN 148にも接続されてよい。SGSN 148はGGSN 150に接続されてよい。SGSN 148およびGGSN 150は、WTRU 102a、102b、102cに、インターネット110などパケット交換のネットワークへのアクセスを提供することができ、WTRU 102a、102b、102cとIP対応デバイスの間の通信を容易にする。
前述のように、コアネットワーク106は、他のサービスプロバイダによって所有され、かつ/または動作される、他の有線ネットワークおよび/またはワイヤレスネットワークを含むことができる他のネットワーク112にも接続されてよい。
図4は、実施形態による、RAN 104およびコアネットワーク107を示すシステム図である。前述のように、RAN 104は、エアインターフェース116を通じてWTRU 102a、102b、102cと通信するためにE-UTRA無線技術を採用することができる。RAN 104は、コアネットワーク107とも通信することができる。
RAN 104は、eNode-B 160a、160b、160cを含むことができるが、RAN 104は、実施形態との整合を保ちながら任意数のeNode-Bを含むことができることが理解されよう。eNode-B 160a、160b、160cのそれぞれが、エアインターフェース116を通じてWTRU 102a、102b、102cと通信するための1つまたは複数のトランシーバを含むことができる。一実施形態では、eNode-B 160a、160b、160cはMIMO技術を実施することができる。したがって、eNode-B 160aは、たとえば、WTRU 102aへのワイヤレス信号の送信および/またはWTRU 102aからのワイヤレス信号の受信のために、複数のアンテナを使用することができる。
eNode-B 160a、160b、160cの各々が、特定のセル(図示せず)に関連付けられてよく、無線資源管理決定、ハンドオーバ決定、ULおよび/またはDLにおけるユーザのスケジューリングなどを扱うように構成されてよい。図4に示されるように、eNode-B 160a、160b、160cはX2インターフェースを通じて互いに通信することができる。
図4に示されたコアネットワーク107は、移動性管理エンティティ(MME)162、サービングゲートウェイ(SGW)164、およびパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(またはPGW)166を含むことができる。前述の要素の各々がコアネットワーク107の一部分として表されているが、これらの要素のうちいかなるものもコアネットワークオペレータ以外のエンティティによって所有されてよく、かつ/または動作されてよいことが理解されよう。
MME 162は、S1インターフェースを介してRAN 104におけるeNode-B 162a、162b、162cの各々に接続されてよく、制御ノードとして働くことができる。たとえば、MME 162は、WTRU 102a、102b、102cのユーザの認証、ベアラ活性化/非活性化、WTRU 102a、102b、102cの初期接続(initial attach)中の特定のサービングゲートウェイの選択などを担当することができる。MME 162は、RAN 104と、GSMおよび/またはWCDMAなど他の無線技術を採用する他のRAN(図示せず)との間を切り換えるための制御プレーン機能を提供することができる。
サービングゲートウェイ164は、S1インターフェースを介して、RAN 104におけるeNode B 160a、160b、160cの各々に接続されてよい。サービングゲートウェイ164は、WTRU 102a、102b、102cとの間で、ユーザデータパケットを全体的にルーティングしたり転送したりすることができる。サービングゲートウェイ164は、eNode B間のハンドオーバ中のユーザプレーンの固定、WTRU 102a、102b、102cに関するDLデータが有効なときのページングの起動、WTRU 102a、102b、102cのコンテキストの管理および記憶など他の機能を実行することができる。
サービングゲートウェイ164PDNゲートウェイ166に接続されることができ、PDNゲートウェイ166は、WTRU 102a、102b、102cに、インターネット110などパケット交換のネットワークへのアクセスを提供することができ、WTRU 102a、102b、102cとIP対応デバイスの間の通信を容易にする。
コアネットワーク107は、他のネットワークとの通信を容易にすることができる。たとえば、コアネットワーク107は、WTRU 102a、102b、102cに、PSTN 108など回路交換のネットワークへのアクセスを提供することができ、WTRU 102a、102b、102cと従来の陸線通信デバイスの間の通信を容易にする。たとえば、コアネットワーク107は、コアネットワーク107とPSTN 108の間のインターフェースとして働くIPゲートウェイ(たとえばIPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含んでよく、またはIPゲートウェイと通信してよい。加えて、コアネットワーク107は、WTRU 102a、102b、102cに、他のサービスプロバイダによって所有され、かつ/または動作される、他の有線ネットワークおよび/またはワイヤレスネットワークを含むことができる他のネットワーク112へのアクセスを提供することができる。
図5は、実施形態による、RAN 105およびコアネットワーク109を示すシステム図である。RAN 105は、エアインターフェース117を通じてWTRU 102a、102b、102cと通信するためにIEEE 802.16無線技術を採用するアクセスサービスネットワーク(ASN)でよい。以下でさらに論じられるように、WTRU 102a、102b、102c、RAN 105、およびコアネットワーク109の様々な機能エンティティ間の通信リンクは、基準点として定義されてよい。
図5に示されるように、RAN 105は、基地局180a、180b、180c、およびASNゲートウェイ182を含むことができるが、実施形態との整合を保ちながら任意数の基地局およびASNゲートウェイを含むことができることが理解されよう。基地局180a、180b、180cのそれぞれが、RAN 105における特定のセル(図示せず)に関連付けられてよく、それぞれが、エアインターフェース117を通じてWTRU 102a、102b、102cと通信するための1つまたは複数のトランシーバを含むことができる。一実施形態では、基地局180a、180b、180cはMIMO技術を実施することができる。基地局180aは、たとえば、WTRU 102aへのワイヤレス信号の送信および/またはWTRU 102aからのワイヤレス信号の受信のために、複数のアンテナを使用することができる。基地局180a、180b、180cは、ハンドオフ起動、トンネル確立、無線資源管理、トラフィック分類、サービス品質(QoS)ポリシー実施など移動性管理機能も提供することができる。ASNゲートウェイ182は、トラフィック集合ポイントとして働くことができ、ページング、加入者プロファイルのキャッシング、コアネットワーク109へのルーティングなどを担当することができる。
WTRU 102a、102b、102cとRAN 105の間のエアインターフェース117は、IEEE 802.16規格を実施するR1基準点として定義されてよい。加えて、WTRU 102a、102b、102cの各々が、コアネットワーク109との論理インターフェース(図示せず)を確立することができる。WTRU 102a、102b、102cとコアネットワーク109の間の論理インターフェースは、証明、認証、IPホストコンフィギュレーション管理、および/または移動性管理として使用されることができるR2基準点として定義されてよい。
基地局180a、180b、180cの各々の間の通信リンクは、WTRUハンドオーバおよび基地局間のデータ転送を容易にするためのプロトコルを含むR8基準点として定義されてよい。基地局180a、180b、180cとASNゲートウェイ182の間の通信リンクは、R6基準点として定義されてよい。R6基準点は、WTRU 102a、102b、100cの各々関連した移動性イベントに基づいて移動性管理を容易にするためのプロトコルを含むことができる。
図5に示されるように、RAN 105はコアネットワーク109に接続されてよい。RAN 105とコアネットワーク109の間の通信リンクは、たとえば、データ転送能力および移動性管理能力を容易にするためのプロトコルを含むR3基準点として定義されてよい。コアネットワーク109は、モバイルIPホームエージェント(MIP-HA)184と、証明、認証、課金(AAA)サーバ186と、ゲートウェイ188とを含むことができる。前述の要素の各々がコアネットワーク109の一部分として表されているが、これらの要素のうちいかなるものもコアネットワークオペレータ以外のエンティティによって所有されてよく、かつ/または動作されてよいことが理解されよう。
MIP-HA 184は、IPアドレス管理を担当してよく、WTRU 102a、102b、102cが異なるASNの間および/または異なるコアネットワークの間をローミングすることを可能にすることができる。MIP-HA 184は、WTRU 102a、102b、102cに、インターネット110などパケット交換のネットワークへのアクセスを提供することができ、WTRU 102a、102b、102cとIP対応デバイスの間の通信を容易にする。AAAサーバ186は、ユーザ確認およびユーザサービスのサポートを担当することができる。ゲートウェイ188は、他のネットワークとの相互動作を容易にすることができる。たとえば、ゲートウェイ188は、WTRU 102a、102b、102cに、PSTN 108など回路交換のネットワークへのアクセスを提供することができ、WTRU 102a、102b、102cと従来の陸線通信デバイスの間の通信を容易にする。ゲートウェイ188は、WTRU 102a、102b、102cに、他のサービスプロバイダによって所有され、かつ/または動作される、他の有線ネットワークおよび/またはワイヤレスネットワークを含むことができる他のネットワーク112へのアクセスを提供することができる。
図5には示されていないが、RAN 105は、他のASN、他のRAN(たとえばRAN 103および/または104)に接続されてよく、かつ/または、コアネットワーク109は、他のコアネットワーク(たとえばコアネットワーク106および/または107)に接続されてよいことが理解されよう。RAN 105と他のASNの間の通信リンクは、RAN 105と他のASNの間のWTRU 102a、102b、102cの移動性を調整するためのプロトコルを含むことができるR4基準点として定義されてよい。コアネットワーク109と他のコアネットワークの間の通信リンクは、ホームコアネットワークと訪れたコアネットワークの間の相互作用を容易にするためのプロトコルを含むことができるR5基準として定義されてよい。
WTRUは図1~図5ではワイヤレス端末として説明されているが、特定の代表的な実施形態では、そのような端末が通信ネットワークに対する有線通信インターフェースを(たとえば一時的にまたは永久に)使用してよいことが企図される。
代表的な実施形態では、他のネットワーク112はWLANでよい。
インフラストラクチャ基本サービスセット(BSS)モードのWLANは、BSSのためのAPと、APに関連付けられた1つまたは複数のSTAとを有することができる。APは、分配システム(DS)に対するアクセスもしくはインターフェース、またはBSSとの間でトラフィックを搬送する別のタイプの有線/ワイヤレスのネットワークを有することができる。BSSの外部からのSTAへのトラフィックは、APを通って到達することができ、STAに配送されてよい。STAからBSSの外部の宛先へのトラフィックはAPに送られてよく、それぞれの宛先に配送される。BSSの範囲内のSTA間のトラフィックはAPを介して送られてよく、たとえば出所STAがAPにトラフィックを送ってよく、APが宛先STAにトラフィックを配送してよい。BSSの範囲内のSTA間のトラフィックは、ピアツーピアトラフィックと考えられてよく、かつ/またはピアツーピアトラフィックと称されてよい。ピアツーピアトラフィックは、直接リンクセットアップ(DLS)を用いて、出所STAと宛先STAの間で(たとえば直接)送られてよい。特定の代表的な実施形態では、DLSは、802.11e DLSまたは802.11zトンネルDLS(TDLS)を使用してよい。独立BSS(IBSS)モードを使用するWLANはAPを有しなくてよく、IBSSの範囲内のSTAまたはIBSSを使用しているSTA(たとえばSTAのすべて)は、互いに直接通信することができる。IBSSモードの通信は、本明細書では「アドホック」モードの通信と称されることがある。
802.11acインフラストラクチャモードの動作または類似のモードの動作を使用しているとき、APはプライマリチャネルなどの固定チャネルでビーコンを送信することができる。プライマリチャネルは、固定幅(たとえば20MHzの帯域幅)でよく、またはシグナリングによって動的に設定される幅でよい。プライマリチャネルはBSSの動作チャネルでよく、STAによってAPとの接続を確立するために使用されてよい。特定の代表的な実施形態では、たとえば802.11システムにおいて、キャリア感知多重アクセス/衝突回避方式(CSMA/CA)が実施されてよい。CSMA/CAについては、APを含むSTA(たとえばすべてのSTA)はプライマリチャネルを感知することができる。特定のSTAによって、プライマリチャネルがビジーであると感知され/検知され、かつ/または決定された場合、この特定のSTAは譲歩してよい。1つのSTA(たとえばたった1つの局)が、所与のBSSにおいて任意の所与の時間に送信することができる。
高スループット(HT)STAは、たとえば最初の20MHzのチャネルを隣接した20MHzのチャネルと組み合わせることにより40MHzの幅の連続したチャネルを形成して、通信のために40MHzの幅のチャネルを使用することができる。
超高スループット(VHT)STAは、20MHz、40MHz、80MHz、および/または160MHzの幅のチャネルをサポートすることができる。40MHzチャネルおよび/または80MHzチャネルは、連続した20MHzチャネルを組み合わせることによって形成されてよい。160MHzチャネルは、8つの連続した20MHzチャネルを組み合わせることにより、または2つの不連続の80MHzチャネルを組み合わせることによって形成されてよく、後者は80+80構成と称されることがある。80+80構成については、データは、チャネル符号化の後に、データを2つのストリームに分割することができるセグメントパーサを通されてよい。それぞれのストリームに対して、逆高速フーリエ変換(IFFT)処理と時間領域処理が別個に施されてよい。ストリームは2つの80MHzチャネルにマッピングされてよく、データは送信STAによって送信されてよい。受信STAの受信機において、80+80構成に関する前述の動作が逆にされてよく、組み合わされたデータは媒体アクセス制御(MAC)に送られてよい。
802.11afおよび802.11ahによってサブ1GHzの動作モードがサポートされている。802.11afおよび802.11ahでは、チャネル動作帯域幅およびキャリアが、802.11nおよび802.11acにおいて使用されるものに対して低減される。802.11afはテレビホワイトスペース(TVWS)スペクトルにおける5MHz、10MHzおよび20MHzの帯域幅をサポートし、802.11ahは非TVWSスペクトルを使用して、1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、および16MHzの帯域幅をサポートする。代表的な実施形態によれば、802.11ahは、マクロカバレッジエリアにおけるMTCデバイスなどのメータタイプ制御/マシンタイプ通信(MTC)をサポートすることができる。MTCデバイスは、たとえば、特定の帯域幅および/または限定された帯域幅をサポートする(たとえばその帯域幅のみサポートする)ことを含む限定された能力といった、特定の能力を有し得る。MTCデバイスは、閾値を上回るバッテリー寿命を有する(たとえば非常に長いバッテリー寿命を保つ)バッテリーを含むことができる。
マルチチャネルをサポートすることができるWLANシステム、ならびに802.11n、802.11ac、802.11af、および802.11ahなどのチャネル帯域幅は、プライマリチャネルとして指定されることができるチャネルを含む。プライマリチャネルは、BSSにおけるすべてのSTAによってサポートされる最大の共通の動作帯域幅に等しい帯域幅を有することができる。プライマリチャネルの帯域幅は、BSSにおいて動作するすべてのSTAの中から最も小さい帯域幅動作モードをサポートする特定のSTAによって設定され、かつ/または制限されてよい。802.11ahの例では、プライマリチャネルは、APおよびBSSにおける他のSTAが2MHz、4MHz 8MHz、16MHz、および/または他のチャネル帯域幅動作モードをサポートするとしても、1MHzモードをサポートする(たとえば1MHzモードしかサポートしない)STA(たとえばMTCタイプデバイス)を適応させるために、1MHzの幅でよい。キャリア感知および/またはネットワーク配分ベクトル(NAV)設定は、プライマリチャネルの状態に依拠してよい。プライマリチャネルが、たとえばAPに送信している(1MHzの動作モードしかサポートしない)STAのためにビジーであれば、周波数帯の大部分がアイドル状態のままで利用可能であったとしても、周波数帯の利用可能なセットの全体がビジーであると考えられてよい。
米国では、802.11ahによって使用されることができる利用可能な周波数帯は902MHzから928MHzである。韓国では、利用可能な周波数帯は917.5MHzから923.5MHzである。日本では、利用可能な周波数帯は916.5MHzから927.5MHzである。802.11ahに利用可能な全帯域幅は、国コードに依拠して6MHzから26MHzである。
802.11acシステムであるWLANのスペクトル効率は、たとえば同一のダウンリンクOFDMシンボル中および/または同一のシンボル時間に関するガード期間中といった同一のシンボル時間中に、複数のSTAに対してダウンリンクMU-MIMO送信を実行することによって改善されることができる。802.11acシステムによって実施されるダウンリンクMU-MIMOは、ダウンリンク送信を実行するのに同一のシンボル時間を使用してよく、言い換えれば、複数のSTAに対するダウンリンク送信の波形の干渉が問題にならないように、複数のSTAに対してシンボルを同時に送信してよい。しかしながら、APを用いるMU-MIMO送信に包含されるすべてのSTAは同一のチャネルまたは帯域を使用しなければならず、したがって、MU-MIMOダウンリンク送信の動作帯域幅は、APを用いるMU-MIMO送信に含まれているSTAによってサポートされるチャネル帯域幅のうち最小のものに制限されてよい。
WLANは802.11adシステムでよく、媒体アクセス制御(MAC)レイヤおよび物理(PHY)レイヤは60GHz帯においてVHT STAをサポートする。802.11adシステムは、7ギガビット/秒までのデータレートをサポートすることができ、スペクトル拡散モード、単一キャリアモード、およびOFDMモードを含む3つの異なる変調モードをサポートすることができる。その上、802.11adシステムは、世界的に利用可能な60GHzの無認可の帯域を使用することができる。60GHzにおいて波長は5mmであり、802.11adシステムはコンパクトなアンテナおよび/またはコンパクトなアンテナアレイを有することができる。そのようなアンテナおよび/またはアンテナアレイは、狭いRFビームを送信および/または受信することができ、このことは、802.11adシステムにおいて、受信可能範囲を効果的に増加させ、干渉を低減する。加えて、802.11adシステムのフレーム構造は、ビーム形成に関連した発見およびトラッキング動作を含むビーム形成トレーニングを可能にする。1つまたは複数の実施形態によれば、4つの異なるPHYフレーム構造が、異なるPHYフレーム構造の複数の部分において使用されることができるゴレイシーケンスなどのシーケンスの説明を含めて以下で説明される。
4つの異なるPHYフレームタイプの構造
図6は実施形態による異なるPHYフレームタイプを示す。
図6を参照して、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11ad指向性マルチギガビット(DMG)PHY規格に従って動作する802.11adシステムなどのWLANは、フレームタイプ、パケットおよび/またはパケット構造とも称されることがある異なるPHYフレーム構造をサポートすることができる。実施形態によれば、802.11adシステムなど、WLANによってサポートされる4つの異なるPHYフレームタイプは、制御PHYフレームタイプ601、信号キャリアフレームタイプ602、低電力単一キャリアPHYフレームタイプ603、およびOFDM PHYフレームタイプ604を含むことができる。
図7は、実施形態によるプリアンブル構造を示す。
図6および図7を参照して、PHYフレームタイプ601~604は、ショートトレーニングフィールド(STF)605/705およびチャネル推定フィールド(CEF)606/706を含むプリアンブル構造を有することができる。STFフィールドとCEFフィールドの両方が、図7に示されるように、π/2(差動)バイナリ位相偏移キーイング((D)BPSK)変調された繰返しゴレイシーケンスから構築されてよい。特定の実施形態によれば、繰返しゴレイシーケンスのπ/2(D)BPSK変調が実行されてよい。しかしながら、本開示はそれに限定されず、π/2(D)BPSK変調は任意の適切な変形形態によって実行されてよい。
図8は実施形態によるビーム形成トレーニングフィールド構造を示す。
図8を参照して、ビーム形成トレーニングフィールド801は、PHYフレームの最後、すなわちPHYフレームのデータフィールドの後に、または後ろに含まれてよい。ビーム形成トレーニングフィールド801は、ビームリファインメントプロセスおよび/またはビームトレーニングプロセスとして使用されてよい。ビーム形成トレーニングフィールド801を含む、PHYフレームタイプ601~604のうちいずれか1つなどのパケットは、ビームリファインメントプロトコル(BRP)パケットと称されることもある。
図8を参照して、ビームトレーニングフィールド801の長さを指すことができるトレーニング長さはNによって指示されてよい。いくつかの実施形態では、図8に示されるように、PHYフレームのビーム形成トレーニングフィールド801は4N個の自動利得制御(AGC)サブフィールド802を含むことができ、トレーニング受信/送信(TRN-R/T)フィールド803は5N個のTRN-R/Tサブフィールド804を含む。チャネル推定(CE)サブフィールド805は、図6および図7に示されたCEF 606/706と類似のものおよび/または同一のものでよい。他の実施形態によれば、Nはトレーニングされるアンテナウェイトベクトルの数でよく、1つのAGCブロックは4つのサブフィールドを含むことができ、1つのTRN-R/Tブロックが、4つのR/Tシーケンスおよび1つのCEFなど、5つのサブフィールドを含むことができ、加えて、AGCサブフィールド802およびTRN-R/Tサブフィールド803を含むすべてのサブフィールドが、送信される前に、回転されるπ/2-BPSK変調を使用して変調されてよい。
CEFおよびSTFを構築するのに使用されるゴレイシーケンスは、以下によって定義されてよい。実施形態によれば、ρa(k)は、シーケンスa={a0,a1,・・・,aN-1}の非周期的自己相関でよく、ρa(k)は次式によって明示的に示され、
(・)*はその引数の共役である。そこで、(a,b)の対は、ρa(k)+ρb(k)=0、k≠0であればゴレイ相補対と称されてよい。
特定の実施形態によれば、ゴレイ相補対およびゴレイシーケンスは、その固有の特徴のために、ピーク対平均電力軽減、IQアンバランスパラメータの推定、およびチャネル推定として使用されてよい。ゴレイシーケンスの、位相外れの周期的自己相関がゼロになるという特性は、通信システムにおいて有益に使用されることができる。すなわち、ワイヤレス通信における多経路のために、ゴレイシーケンスの複数の遅れた複製、言い換えれば繰返しが受信機に到達する可能性がある。いくつかの実施形態では、チャネルを推定するために、ゴレイシーケンスのシフトされたバージョンは、同一のシーケンスの別のシフトされたバージョンに対して直交してよい。ゴレイシーケンスaの周期的自己相関は、以下に示されるようにca(k)で与えられる。
mod{a,N}はaのNを法とした剰余である。いくつかの実施形態によれば、ゴレイシーケンスaの周期的自己相関は、以下に示されるように、ゴレイシーケンスaの非周期的自己相関の定義を使用して表現されてもよい。
したがって、ゴレイ相補対に対して次の表現も当てはまる。
ca(k)+cb(k)=0、k≠0
ゴレイシーケンスaの周期的自己相関と非周期的自己相関の合計がゼロになるというゴレイ相補対のこの特性は、受信機により、相関演算を使用することによってそれぞれのチャネルタップを推定するのに使用されてよい。
長さN=2Mのビームトレーニングフィールドゴレイ相補対は、以下に示す再帰的プロシージャによって構築されてよい。
ここで
はクロネッカーのデルタであり、wmは回転ベクトルw=[w1 w2 ・・・ wM]のm番目の要素であって|wm|=1であり、dmは遅延ベクトルd=[d1 d2 ・・・ dM]のm番目の要素および[1 2 ・・・ 2M]の並べ替えである。
実施形態によれば、802.11adシステムであるWLANの場合には、対のゴレイ相補シーケンスは前述の方法に基づいて生成されてよく、(Ga32,Gb32)、(Ga64,Gb64)、および(Ga128,Gb128)の3つの対が考えられる。これらの対のパラメータは以下のように列挙される。
および
w=[-1 1 -1 1 -1]およびd=[1 4 8 2 16]
および
w=[1 1 -1 -1 1 -1]およびd=[2 1 4 8 16 32]
および
w=[-1 -1 -1 -1 1 -1 -1]およびd=[1 8 2 4 16 32 64]
ここでflip{・}はその引数の順番を逆にする関数である。別の実施形態によれば、802.11adシステムの場合には、ゴレイシーケンスは、SC PHYフレームのたとえばGa64によって指示された位置、および低電力SC PHYのたとえばGa64およびGb128によって指示された位置、ならびにビーム形成トレーニングフィールドにおいて使用されてよい。
IEEEは、IEEE 802.11のPHYレイヤとIEEE 802.11 MACレイヤの両方に対して、MACデータサービスアクセスポイントにおいて測定されたとき少なくとも20ギガバイト/秒の最大のスループットをサポートすることができる少なくとも1つの動作モードを可能にする一方で、局当たりの電力効率を保つかまたは改善する規格化された改良を定義する改正案を開発するために、タスクグループay(TGay)を承認した。この改正案は、45GHzより上でライセンスを免除する帯域に関する動作を定義する一方で、同一の帯域で動作する、IEEE 802.11ad-2012改正案によって定義されたレガシーの指向性マルチギガビット局との後方互換性および共存も保証するものである。
TGayの主要目的は、少なくとも20ギガバイト/秒の最大スループットであるが、移動性および屋外のサポートの含有も提案されている。スループット、待ち時間、動作環境および用途に関して、10を超える異なる使用事例が提案され、解析されている。802.11ayが従来の規格と同一の帯域において動作する可能性があるので、新技術は、同一の帯域において後方互換性およびレガシーとの共存を提供することが必要とされることがある。
802.11adおよび802.11ayで使用されるミリメートル波(mmW)帯域の最大スループット要件に到達するために、シングルユーザMIMO(SU-MIMO)、すなわちマルチストリーム、チャネル接合、高次変調および不均一な変調を含む複数の技術が提案されている。より多くの特徴、たとえば屋外および移動性使用事例といった、より広い使用法のシナリオおよび全体システム容量をサポートするために、たとえばマルチユーザMIMO(MU-MIMO)および強化された中継といった他の技術が802.11ayに含まれてよい。
図9はMIMO送信を実行する流れ図を示す。
図9を参照して、動作901において符号化データを生成するために、データ情報ビット900とも称されることがある情報ビット900が、エンコーダパーサ902と、エンコーダ904のうち1つまたは複数とに入力される。実施形態によれば、パケットサイズが非常に大きいときには複数のエンコーダが使用されてよい。エンコーダ904の各々の符号化速度は、変調および符号化方式(MCS)表から選択されてよい。
動作901で生成された符号化データは、動作903において、MIMO技術を使用して受信機へ同時に送信される複数の空間ストリーム(SS)908を生成するために空間パーサ906に提供されてよい。数量Nssは複数のSSにおけるSSの数を指示してよい。動作905において、複数のSS 908の各々のそれぞれのバイナリシーケンスは、コンスタレーションマッパ910によって複素領域にマッピングされる。実施形態によれば、コンスタレーションマッパ910は、QPSK変調方式、16QAM変調方式、π/2-BPSK変調方式、および/または何らかの他の類似かつ/または適切な変調方式のうちの1つまたは複数に基づいて複数のSS 908をマッピングしてよい。いくつかの実施形態では、複数のSS 908の異なるものに対して異なるコンスタレーション方式および/または変調方式が適用されてよく、適用されるコンスタレーション方式および/または変調方式はMCS表に基づいて決定されてよい。コンスタレーションマッパ910の出力は複素変調シンボルと称されることがあり、実施形態によれば、複素変調シンボルはPHYパケットなどのパケットのデータフィールドに含まれてよい。
動作907において、動作905で生成されたそれぞれのPHYパケットのデータフィールドに、ミッドアンブルおよび/またはポストアンブルでもよいプリアンブルが付加されてよく、このプリアンブルは、STF、CEF、およびヘッダフィールドのうち1つまたは複数を含む。実施形態によれば、データフィールドに適用される同一の複素変調または異なる複素変調が、プリアンブルに含まれるフィールドに適用されてよい。MIMO通信をサポートするいくつかの実施形態によれば、複数のSS 908の中の異なる空間ストリームなどの異なる空間ストリームに対して、直交するCEFまたは相互相関の低いCEFが使用されてよい。動作909において、空間マッパ912は、複数のSS 908のすべての空間ストリームの複素変調シンボルを処理する。空間マッパ912は、時空間ブロック符号化(STBC)、(サイクリックシフト(cyclic shifting)ダイバーシティのための)サイクリックシフト、ならびに空間多重再符号化(spatial multiplex recoding)およびビーム形成のうち1つまたは複数を実行することができる。空間マッパ912の出力は送信(TX)チェーンと称されることがある。
特定の実施形態によれば、PHYパケットがOFDM PHYパケットである場合には、空間マッパ912によって出力された各TXチェーンの複素シンボルは、動作911において、OFDMシンボルと、マルチキャリア変調器914による逆離散フーリエ変換(IDFT)演算に基づいて生成された時間領域信号とにマッピングされてよい。実施形態によれば、各OFDMシンボルについて時間領域サンプルにガードインターバル(GI)が付加されてよく、GIを付加した後にウィンドウ処理動作が実行されてよい。実施形態によれば、各TXチェーンの複素シンボルが1つまたは複数のDMGアンテナチェーンから送信されてよい。順次のBRP動作ではなく同時のBRP動作をサポートする実施形態によれば、動作913において、1つまたは複数のDMGアンテナチェーンの各々について、データフィールドに対して、トレーニング(TRN)フィールドと称されることがある直交するビーム形成トレーニングフィールドまたは相互相関の低いビームトレーニングフィールドが、それぞれのDMGアンテナチェーンのプリアンブルおよびヘッダフィールドと併せて付加されてよい。DMGアンテナチェーンが、異なるTXチェーンに対してTRNフィールドの同一のセットを使用する場合には、異なるTXチェーンに対するビームリファインメントプロセスは順次に行われてよい。
実施形態によれば、DMGアンテナチェーンの各々に対する動作913の出力が、動作915においてそれぞれのデジタル/アナログコンバータ916に提供され、動作917において、アナログ方式のDMGアンテナチェーンがそれぞれのアナログプリコーダ918によってビーム形成されてよい。アナログプリコーダ918はアナログビーム形成器と称されることがあり、独立して、かつ/または協力し合って動作することができる。
MIMO送信のための後方互換性のあるCEFを提供する方法
複数の送信アンテナによる20ギガバイト/秒スループットを提供するため、および/または上回るために、たとえばSU-MIMOといった複数の空間レイヤ送信技術が使用されてよい。SU-MIMOを可能にするためにCEFは互いに直交するべきであり、すなわち、各空間レイヤに対して1つのCEFが、互いに直交するCEFであるように生成され、かつ/または構築されるべきである。802.11ayについては後方互換性およびレガシー802.11adデバイスとの共存が必要とされるので、802.11ay用に使用されるCEFのうちの1つのタイプは、802.11adに使用されるCEFのタイプと同一または類似でよい。それゆえに、802.11ayシステムは、新規のCEFと802.11adのCEFが互いに直交し、しかも同一の特性および/または類似の特性を有するように、1つまたは複数のCEFを識別する必要がある。
実施形態によれば、2つのストリームが一緒に送信されてよく、言い換えれば同時に送信されてよい。そのような場合には、
および
は、それぞれ単一キャリアのSTFおよびCEFの最後の128個のサンプルを含むシーケンスと、IEEE 802.11adシステムにおけるOFDM送信を含むシーケンスとでよい。
は複素数のフィールドである。したがって、実施形態によれば、ベクトルsuvおよびsvuは次式で示されてよく、
ここで
は変調されたゴレイシーケンスであって次式で表現されてよく、
ここで
はIEEE 802.11ad規格によって定義されることができるゴレイベクトルであり、
は実数のフィールド
であって、複素平面においてゴレイベクトルの入力を回転させるためのものであり、
はアダマール積である。
図10は、実施形態による、単一キャリア送信のマルチストリーム用のCEFを示す。
図10を参照して、ストリーム1のための第1のシーケンスは従来のSTFおよび従来のCEF(複数可)に由来するものでよい。ストリーム1のための第1のシーケンスはMSプリアンブルに由来するものでよい。いくつかの実施形態では、ベクトルsuvは802.11adの単一キャリア(SC)送信のためのSTFおよびCEFの最後の部分を含む第1のシーケンスに対応してよく、svuは、802.11ad OFDM送信のSTFおよびCEFの最後の部分のための第2のシーケンスに対応してよい。多経路チャネルの場合、ベクトルsuvおよびsvuの右側と左側に配置されたベクトル
および
は、シフトされたバージョンsuvおよびsvuが
および
に対する循環シフトをもたらすことを可能にする。
特定の実施形態によれば、2つの並行のストリームが送信される場合には、送信機は、802.11ad規格で定義されたシーケンスすなわちsuvおよびsvuならびにそれらの共役すなわち
および
を使用することにより、STFの最後の128個のサンプルを含むストリームのCEFを生成してよい。より詳細には、suvおよび
はSC送信のストリームのために使用されてよく、また、svuおよび
はOFDM送信のストリームのために使用されてよい。その上、suvと
の対またはsvuと
の対を使用することによってストリーム間の最大の分離が達成されてよく、ストリーム間の最大の分離は次の観測によって示され、
circshift{a,n}は、シーケンスaに対して左から右へn回の循環シフトを適用する演算子である。
特定の実施形態では、2つのデータストリーム送信のために、CEF用に使用される変調されたシンボルシーケンスが設計されてよい。たとえば、第1のストリーム用のCEFはフォーマット[mGu512,mGv512-mGb128]を有することができ、第2のストリーム用のCEFはフォーマット[mGu512
*,mGv512
*-mGb128
*]を有することができる。第1のストリーム用のCEFおよび第2のストリーム用のCEFに使用される変調されたシンボルは表Aに示されている。第1の列は、π/2 BPSK変調を伴う、第1のストリーム用のCEFに対応する第1の変調されたシンボルを示すことができる。第2の列は、π/2 BPSK変調を伴う、第2のストリーム用のCEFに対応する第2の変調されたシンボルを示すことができる。第3の列は、π/2 BPSK変調なしの、第1のストリーム用のCEFに対応する第1の変調されたシンボルを示すことができる。第4の列は、π/2 BPSK変調なしの、第2のストリーム用のCEFに対応する第2の変調されたシンボルを示すことができる。演算子
はアダマール積に対応する。
図11は、実施形態による、シーケンスsuvおよびsvuの自己相関ゾーンおよび相互相関ゾーンを示す。
図11を参照して、(a)~(d)に示された動作は、
とそれらの共役がゼロ自己相関ゾーンを有することを指示することができ、(e)~(f)に示された動作は、
と
の対および
と
の対がゼロ相互相関ゾーンを有することを指示することができる。ベクトル
の要素の数が512であるので、ゼロ自己相関ゾーンのサイズは256であり、ゼロ相互相関ゾーンのサイズは256である。したがって、実施形態によれば、提案されたシーケンスはすべての利用可能な自由度を利用することができ、シーケンス間の最大の分離をもたらすことができる。実施形態によれば、シーケンスsuvとsvuが最大の分離を有するので、802.11ad受信機と802.11ay受信機の両方が、ゴレイ相関器を使用することによって±128タップを有するチャネルを推定することができる。
特定の実施形態によれば、MIMOシステムにおいて、かつ/またはMIMOシステムの設計に関して、複数のTXアンテナ用のCEF(たとえばパイロット信号および/または基準シーケンス)の直交性が、時空間符号化に類似の技術に基づいて実施され、実行され、かつ/または達成されてよい。いくつかの実施形態では、単一のTXアンテナの場合には、CEFの送信時間はNT倍(NTはTXアンテナの数である)だけ増加されてよい。他の実施形態では、たとえばNT=2といった複数のTXアンテナの場合には、2つのCEFを使用する代わりに1つのCEF(たとえば増加された送信時間を有することができる)が使用されてよい。特定の実施形態によれば、以下で論じられるように、CEFの送信時間を増加させることは、NT=4の場合などNT>2の場合に拡張されてよく、かつ/または適用されてよい。
図12は、実施形態による、マルチストリーム用の拡張されたCEFを示す。
図12を参照して、推定されるチャネルの信号対雑音比(SNR)が増加されることができる。実施形態によれば、CEFの部分(たとえばCEFの
部分)は、CEFの
および
を追加することにより、かつ/または繰り返すことによって拡張されてよい。特定の実施形態によれば、拡張されたCEFは特定の場合に使用されてよいが、拡張されていないCEF(複数可)は、たとえば多くの場合に使用されるように、デフォルトCEF構造および/またはベースラインCEF構造であると考えられてよい。特定の実施形態によれば、CEFの部分は、対応するサイクリックサフィックス(cyclic suffix)(たとえばCEFの
および/または
)を追加することによって拡張されてよい。図12は、部分(a)および(b)におけるCEFのそれぞれの拡張を示す。しかしながら、本開示はそれに限定されず、低減されたCEFは、SNRを増加させるために任意の適切な要素および/または類似の要素を含むことができる。
図13は、実施形態による、マルチストリーム用の低減されたCEFを示す。
図13を参照すると、チャネルおよび/または信号に関連した待ち時間が低減されることができる。実施形態によれば、関連する待ち時間を低減するために、低減されたCEFが使用されてよい。たとえば、低減されたCEFは、
または
しか含まなくてよい。しかしながら、本開示はそれに限定されず、低減されたCEFは、待ち時間を低減するために任意の適切な要素および/または類似の要素を含むことができる。
複数の送信アンテナを用いてプリアンブルおよびヘッダを送信する方法
802.11ayシステムのレガシー802.11adシステムに対する後方互換性を提供するために、STFおよびCEFを含むプリアンブルと、パケットのヘッダ部分との送信方法を定義する必要がある。
図14は、実施形態による、802.11adシステムと802.11ayシステムの相互運用性を示す。
図14を参照すると、802.11ad STAでよい802.11ad受信機1401と、802.11ay APでよい802.11ay送信機1402と、802.11ay STAでよい802.11ay受信機1403とが示されている。実施形態によれば、802.11ad受信機1401がうまく復号するために、言い換えれば受信信号を正確に復号するために、ストリーム1の交差チャネルすなわちh11ad、およびMIMOチャネルすなわちh11、h12、h21、およびh22は、それぞれ802.11ad受信機1401および802.11ay受信機1402において推定されてよい。
図15は802.11ad受信機のチャネル推定結果を示し、図16は、実施形態による、802.11ay受信機のチャネル推定結果を示す。
図14、図15および図16を参照して、ゴレイシーケンスの前述のゼロ相関ゾーン特性を使用する実施形態により、ランダムな指数関数的遅延チャネルに対して、802.11ad受信機1401において推定されるチャネル結果が図15に示されており、802.11ay受信機1403において推定されるチャネル結果が図16に示されている。実施形態によれば、交差チャネルとMIMOチャネルの両方に対して、完全なチャネル推定が達成されることができる。
図17は実施形態による802.11ayパケットのヘッダを示す。
図17を参照して、実施形態によれば、ストリームに関連した情報を送信するために、ゴレイシーケンスの前述のゼロ相関ゾーン特性を使用する実施形態については、SU-MIMO送信のための最小のオーバヘッド設計を提供する一方で追加のヘッダフィールドが含まれてよい。図17に示されるように、第1のストリーム1701および第2のストリーム1702に関連したヘッダ情報は、第1のストリーム1701と第2のストリーム1702の両方によって送信される。802.11ayパケットのオーバヘッドを最小化するために、レガシーヘッダ1703に既存のビットが第1のストリーム1701用に使用されてよい。たとえばSU-MIMOに関連した情報といった、802.11ayの新規の特徴に関連した情報は、第2のストリーム1702によって送信されてよい。実施形態によれば、レガシーヘッダ1703が802.11ad受信機において復号されるように、レガシーヘッダ1703のフォーマットは一定に保たれてよく、第2のストリーム1702のエネルギーレベルは第1のストリーム1701のものよりも低く保たれてよい。
マルチストリームに対するビームトラッキング用のCEFを提供する方法
実施形態によれば、1対のSTAの間に必要とされるリンクバジェット(link budget)を提供するためにBRPが使用されてよい。たとえば、802.11adシステムであるWLANは、対のSTAの両方の、受信機トレーニングと、送信機と受信機の両方のアンテナ設定の反復改善とのために、BRPを使用してよい。BRPについては、802.11ad用に定義されたチャネル推定フィールドが採用されてよく、ビームトレーニング中および/またはビームリファインメント動作中に繰り返し送信されてよい。マルチストリームがサポートされる場合には、既存のBRPの使用を可能にするCEFが必要とされることがある。
図18は、実施形態による、2つのストリーム用のチャネル推定フィールド(CEF)を示す。
図17および図18を参照すると、第1のストリーム1801および第2のストリーム1802が、BRPによって使用されてよく、言い換えればBRPメッセージに含まれてよい。実施形態によれば、たとえば802.11ay STA、802.11ay APといった受信機、および/または何らかの他の適切かつ/または類似のデバイスは同時に2つのビームを追跡することができる。そのような場合には、第2のストリーム1802の第2のCEF 1804はBRP用に使用され、言い換えれば、BRPメッセージに含まれる第2のストリーム、およびセクタレベルスイープ(SLS)メッセージに対応する。第2のCEFは、BRPおよびSLS用に使用される第1のストリーム1801の第1のCEF 1803の共役である。実施形態によれば、2×2 MIMOシステムが考えられるとき、上記で説明されたように、第2のストリーム1802用に共役CEFを使用すると、第1のストリーム1801と第2のストリーム1802の間の最大の分離を可能にすることができ、アンテナポート、送信アンテナポートの対、および/または送信機のデジタルプリコーダの入力、ならびに受信アンテナポートおよび/または受信機のデジタルプリコーダの出力について、完全な、かつ/またはほぼ完全なチャネル推定をもたらすことができる。しかしながら、本開示はそれに限定されず、2つ以上のストリームが、BRP用に使用されてよく、かつ/またはBRPメッセージに含まれてよい。
より詳細には、第1のCEF 1603および/または第2のCEF 1604などのCEFは、以下で説明されるようにN≧2であるとき、N個のデータストリームMIMO送信を可能にするように拡張されてよい。実施形態によれば、図23および図24に示されたCEFは、ビームトレーニングフィールドで使用されるCEF、言い換えればBRP用に使用されるCEFおよび/またはBRPメッセージに含まれるCEFとして使用されてよく、かつ/または同CEFに類似のものである。
MIMO用のCEF設計
実施形態によれば、複数のストリームを追跡する方法は、N個(N≧2)のデータストリームMIMO送信に適用されてよく、SU-MIMOおよびMU-MIMO送信に適用されてよい。
図19は実施形態による追加のCEFを示す。
実施形態によれば、空間ストリームと称されることも、データストリームおよび/またはストリームを指すこともある時空間ストリームの数が、2つ以上のとき、MIMOチャネル推定用に追加のCEFが挿入されてよく、かつ/または使用されてよい。CEF1と称されることがある、CEF1として示された追加のCEFは、802.11adで定義された基本的なCEFシーケンスに基づいて構築されてよい。他の実施形態によれば、CEF1は、図19に示されるように、STFからの最後の128個のシンボルを先頭に追加することによって拡張されてよい。特定の実施形態によれば、第1のCEF1 1901はsuvと称されてよく、かつ/または
によって決定されてよく、SCフレームタイプおよび/またはPHYフレームタイプに使用されてよい。第2のCEF1 1902はsvuと称されてよく、かつ/またはOFDMフレームタイプ用に
によって決定されてよい。いくつかの実施形態によれば、CEF1と称されることもある追加のCEFは複素変調シンボルでよい。本明細書では、以下、追加のCEFという用語は、図19を参照しながら説明されたCEF1の変形形態から構成されることができるフィールドを指してよい。しかしながら、本開示はそれに限定されず、追加のCEFは、図19を参照しながら説明されたCEF1に基づくものではない変形形態によって構成されてよく、決定されてよく、かつ/または生成されてよい。
本明細書で説明され、かつ/または図示された実施形態を含む特定の実施形態によれば、CEF1とCEFは交換可能でよい。たとえばCEF1はCEFによって置換されてよく、その逆も成立する。
図20は、実施形態による、マルチストリーム用のCEFを示す。
実施形態によれば、CEFは、様々なやり方、タイプで、かつ/または1つまたは複数のパラメータに基づいて構築されてよい(たとえば構成されてよい、設計されてよい、など)。特定の実施形態によれば、CEFのサイズは多様でよく、たとえば変化されてよい。特定の実施形態によれば、CEF1のサイズは変化されてよく、かつ/または構造に従って構築されてよい。たとえば、CEF1のサイズは、特定のパラメータに関する構造(たとえば適切な構造)に調和して変化されてよい。
特定の実施形態によれば、推定されるチャネルのSNRを改善するために、CEF1)における
および/または
の対は、図20の部分(a)および(b)に示されるように複製されてよい(たとえば拡張されてよい)。他の実施形態によれば、推定されるチャネルのSNRを改善するために、CEF1における
および/または
の対は、図20の部分(c)から(e)に示されるように、
と
の間で低減されてよい(たとえば短縮されてよい)。特定の実施形態によれば、上記の実施形態の要素のいかなる組合せも、推定されるチャネルのSNRを改善するために組み合わされてよい。
特定の実施形態によれば、CEF1は、様々なやり方、タイプで、かつ/または1つもしくは複数のパラメータに基づいて構成されてよく、かつ/または構築されてよい。そのような場合には、送信機は、CEF1が構築されている構成および/または構造に関連した情報を伝えてよい。特定の実施形態によれば、CEF1の構成および/または構造に関連した情報は、以下で論じられることになる新規のヘッダフィールドに含まれてよい。図20に関連した実施形態のいかなるものにおいても、CEF1はCEFによって置換されてよい。
図21は、実施形態による、MIMO送信のプリアンブルおよびPHYヘッダを示し、図22は、別の実施形態による、MIMO送信のプリアンブルおよびPHYヘッダを示す。
図21および図22を参照して、1つまたは複数の実施形態によれば、プリアンブルおよびPHYヘッダは、4つのデータストリームを含むMIMO送信用でよい。しかしながら、本開示はそれに限定されず、プリアンブルおよびPHYヘッダはN個のデータストリームを含むMIMO送信用でよい。実施形態によれば、レガシーSTF(L-STF)フィールド、レガシーCEF(L-CEF)フィールドおよびレガシーヘッダ(L-Header)フィールドは、802.11adで使用されるものと同一でよい。あるいは、2番目、3番目、および/または4番目のデータストリームのL-STFフィールド、L-CEFフィールド、およびL-Headerフィールドには、異なるサイクリックシフトが適用されてよい。
実施形態によれば、L-Headerフィールドの後に、マルチストリーム(MS)ヘッダと称されることもある新規のヘッダが挿入されてよい。新規のヘッダは、受信機が、新規のヘッダはデータ送信の一部分ではないと認めるように、言い換えれば決定するように、802.11adで定義されたデータフィールドから明示的に異なるように符号化されてよい。特定の実施形態によれば、新規のヘッダフィールドおよび/またはMSヘッダフィールドと称されることもある新規のヘッダは、データ送信の前に、新規のヘッダフィールドに追加のCEFがいくつ続くかを伝えるのに使用されるパラメータを包含することができる。特定の実施形態によれば、新規のヘッダは、たとえば図21に示されたCEFの異なる構成のいずれかに関連した情報といった、CEF1の構成および/または構造に関連した情報を包含することができる。
実施形態によれば、新規のヘッダフィールドの後に、CEF1と称されることもある追加のCEFが挿入されてよい。受信機は、MIMOチャネル推定のために、追加のCEFをレガシーCEFとともに使用してもよい。使用される追加のCEFの数は時空間ストリームの数に基づいてよい。他の実施形態によれば、M個の時空間ストリームが送信される場合、N個の追加のCEFが使用されてよく、N≧M-1である。たとえば、2つの時空間ストリームが送信される場合、Nは1に等しくてよく、4つの時空間ストリームが送信される場合、Nは3に等しくてよく、3つの時空間ストリームが送信される場合、Nは2または3でよい。しかしながら、本開示はそれに限定されず、Nは、Mに対して適切に対応する任意の値でよい。
L-STFフィールドおよびL-CEFフィールドからの最後の128個のシンボルと、追加のCEFとを含むことができる拡張L-CEFフィールドを含んでいるCEFフィールドは、図19に示されるように、サイズ(N+1)×(N+1)を有する直交マトリクスVを掛けられてよい。より詳細には、実施形態によれば、j番目の時空間ストリーム用のi番目のCEFフィールドにおけるすべてのシンボルは定数Vijを掛けられてよく、第1のCEFフィールドは前述の拡張L-CEFフィールドでよく、k番目のCEFフィールドは、k>1としてk-1番目のCEF1でよい。Vマトリクスは以下のように定義されてよい。
実施形態によれば、Vマトリクスの第1の列は1に固定されてよい。そのような場合には、異なるストリーム用のレガシーCEFは変更されなくてよく、レガシーデバイスはレガシーヘッダを復号することができる。加えて、Vマトリクスは、たとえば
または
といった直交マトリクスとして設計されてよい。しかしながら、本開示はそれに限定されず、他の直交マトリクスが同様に使用されてよい。
実施形態によれば、図22を参照して、空間ストリーム間の直交性を生成するために共役複素数演算子が使用されてよい。しかしながら、本開示は、図22に示されるような追加のCEFフィールドの選択には限定されない。たとえば、図22に示された構成に対して、ストリームに対応する行が交換されてよく、言い換えれば、第3のストリーム2203用の行が第1のストリーム2201と第2のストリーム2202の間に配設されてよく、一方、第4のストリーム2204が第2のストリーム1902に隣接して配設されてよい。
図23は、他の実施形態による、MIMO送信のプリアンブルおよびPHYヘッダを示す。
図23を参照して、図22に示された実施形態は、直交マトリクスVを使用する図21に示された実施形態に対する代替形態と考えられてよい。実施形態によれば、直交マトリクスVの第1の列は1に固定されなくてよい。したがって、第2のストリームから開始して、L-CEFが続くL-STFを送信する代わりに、L-STFおよびL-CEFからの最後の128個のシンボルを含んでいる拡張L-CEFフィールドが、直交Vマトリクスからの係数を掛けられてよい。それゆえに、Vk1*(拡張L-CEF)が送信され、kはストリームインデックスである。同様に、すべてのストリームを通して、L-Headerを直接送信する代わりに、Vk1*L-Headerが送信される。したがって、L-Headerフィールドのアンテナ構成がL-CEFフィールドのものと調和し、レガシーデバイスはL-Headerを復号することができる。実施形態によれば、類似の計略が新規のヘッダフィールドにも適用されてよく、Vは、たとえば
といった802.11n/acで利用されるPマトリクスなど任意の直交マトリクスでよい。
図24は、さらに別の実施形態による、プリアンブルおよびPHYヘッダを示す。
図24を参照して、レガシーCEFは、MIMOチャネル推定用の追加のCEFと組み合わされなくてよい。したがって、実施形態によれば、M個のストリーム送信の場合には、N=Mの新規のCEFフィールドが使用されてよい。
図25は、実施形態による、プリアンブルおよびPHYヘッダを示す。
図25を参照して、図10に示された実施形態に対してより小さいオーバヘッドをもたらすCEFが考えられる。特定の実施形態によれば、4つのストリームが送信されることができる場合には、MSプリアンブルにおいて新規のヘッダフィールドの後に挿入されるCEFは2つだけである。第1のストリームと第2のストリームの間の直交性は、サイズ2×2を有する直交マトリクスVによって保たれることができる。第1のストリームは、図10の実施形態に示されたCEFの特性のために、第3のストリームに対して直交する。第1のストリームと第4のストリームは、直交マトリクスVおよび共役複素数演算子が適用されるので相互に直交する。第1、第2、第3、および第4のストリームは任意の順番で配置されてよい。その上、他のストリームは、類似のルールによって相互に直交する。
図25の実施形態によれば、Vは、たとえば
といった任意の2×2直交マトリクスでよい。ストリームインデックス(たとえば図25のストリーム1~ストリーム4)ならびに共役演算および直交マトリクス演算の適用は、任意の順番で交換されてよい。たとえば、第1のストリームは、図10に示されるようなCEFの特性のために第2のストリームと直交する。第1のストリームと第3のストリームは、直交マトリクスVおよび共役複素数演算子が適用されるので相互に直交する。その上、他のストリームは、類似のルールによって相互に直交する。この設計は、異なるサイズの直交マトリクスVを使用することによって任意数の空間ストリーム事例に拡張されてよい。
図26は、別の実施形態による、プリアンブルおよびPHYヘッダを示す。
図26を参照して、追加のCEFによるオーバヘッドはさらに低減されることができる。実施形態によれば、拡張L-CEFフィールドが使用され、MIMOチャネル推定用の追加のCEFと組み合わされてよい。図23には、CEFおよびヘッダ設計を示すために4つのストリーム送信が示されており、必要な追加のCEFは1つだけでよい。図23の実施形態によれば、Vマトリクスは(1)(上記を参照されたい)として定義されてよく、第1の列の要素は1である。したがって、第1のストリームおよび第2のストリームによって送信されるL-STFおよびL-CEFフィールドは、802.11adで使用されるものと同一でよい。第3のストリームおよび第4のストリームの拡張L-CEFは、共役複素数演算を実行することによって変更されてよい。第1のストリームおよび第2のストリームのL-Headerは802.11adで使用されるものと同一でよく、第3のストリームおよび第4のストリームはL-Headerを送信しなくてよい。Vマトリクスおよび共役複素数演算子の第2の列は、図26に示されるようにCEF1に対して適用されてよい。
MIMO送信用のプリアンブルおよびPHYヘッダを含む、上記で論じられた実施形態によれば、MIMO送信に含まれるすべてのストリームにわたって新規のヘッダフィールドが使用されてよく、言い換えれば利用されてよい。しかしながら、本開示はそれに限定されず、新規のヘッダフィールドはストリーム固有のものでよい。
近接近のマルチストリームユーザのチャネルを推定する方法
複数ユーザに対する送信の場合には、各空間レイヤおよび各ユーザ用に、互いに直交するCEFを使用する必要があり、したがって、適切な直交方法を識別して利用するための方法およびプロシージャが必要とされる。
図27は、実施形態による、大きな分離度を有するMU送信を示す。
図28は、実施形態による、大きな分離度を有するMU送信のためのフレーム構造を示す。
図29は、実施形態による、小さな分離度を有するMU送信を示す。
図30は、実施形態による、小さな分離度を有するMU送信のためのフレーム構造を示す
図27および図28を参照して、MU送信に関しては、各ユーザに向けられているストリームを分離するために、アナログビーム形成、デジタルビーム形成またはハイブリッドビーム形成が使用されてよい。実施形態によれば、各ユーザに向けられているストリームが分離される程度は、ユーザの分離の程度に依拠してよく、分離度は、ユーザの空間的分離およびビーム形成方式の有効性によって決定されてよい。実施形態によれば、MU送信で使用されるCEFは、ユーザの分離度に基づいて適合されてよく、MU送信シナリオのために最も効率的なCEFが送られることを可能にする。
実施形態によれば、分離度が大きい場合には、それぞれがCEFのそれぞれのセットを有する独立したストリームが、それぞれのユーザ、すなわちそれぞれのSTAへ同時に送られてよく、STAはチャネル推定をうまく実行することができ、レガシーSTAは送信とうまく共存することができてよく、すなわち、図27および図28に示されるように、ヘッダを復号して、パケットがそれら向けではないと判断することができてよい。
図29および図30を参照して、別の実施形態によれば、たとえば複数のSTAが同一のビームまたは隣接したビームに存在する可能性がある場合といった、分離度が小さい場合には、CEFが分離可能であってデータが復号可能であることを保証するために追加措置が必要とされることがある。分離可能なCEFは、図29および図30に示されるように、上記で論じられた実施形態に関して詳述された方法およびプロシージャを使用して設計されてよい。実施形態によれば、ヘッダは、各ユーザすなわちSTAを正しいストリームへマッピングする、それぞれのSTAに対応する固有のIDなどの情報を包含することができる。実施形態によれば、各受信機において次式の信号が受信され、
y=hdesiredsdesired+hundesiredsundesired+n
特に、望ましくない信号のエネルギーが、送信ビーム形成に基づく部分的な空間直交性のために所望の信号よりも小さい場合には、hdesiredおよびhundesiredは分離可能なCEFに基づいて知られてよく、所望の信号は各受信機において復号されることができる。
そのような場合には、実施形態によれば、次のプロシージャが実行されてよい。APは、すべてのSTAに対する最善のビームを識別するために、セクタレベルスイープおよびビームリファインメントプロトコルを実行してよい。APは、STA1およびSTA2を、隣接したビームに存在するものとして識別することができる。APは、図24に示されたフレーム構成を使用して、STA1およびSTA2にマルチユーザ送信を送ってよい。APは、両方のストリームでレガシーSTF、LTFおよびSIGを送信してよい。この場合、各STAは、情報を、大きな遅延の拡散チャネルにおいて送信されているものと理解してよく、言い換えれば、受信し、かつ/または決定してよい。APは、ユーザの数の情報、特定のユーザ情報、および各ユーザが関連付けられているストリームをシグナリングする共通ヘッダを送信してよい。次いで、APは各ユーザにデータを送信してよく、各ユーザにユーザ固有の情報を送信してよい。
同時のビームトレーニングとMIMO送信のためのトレーニングフィールドを提供する方法
802.11adでは、送信機は複数のDMGアンテナを有することができ、その各々がフェーズドアレイ(phased array)、単一要素アンテナ、またはクワジオムニ(quasi-omni)アンテナパターンによってカバーされるスイッチトビーム(switched beam)アンテナのセットであり得る。802.11adが単一ストリーム送信をサポートするので、各トランシーバにはTX/RXチェーンが1つしかない。したがって、複数のDMGアンテナがあるとき、ビームトレーニングは、各DMGアンテナに対して順次に行われなければならない。加えて、802.11ayでは、複数の空間レイヤが同時に送信され、かつ受信されてよい。これは、複数の空間レイヤに対して、ステアリングベクトルのリファインメントおよび/またはトレーニングのための機会も同時に提供する。この機能をサポートするために、ビームトレーニングフィールドは再設計されなければならない。
図31は、2つのストリームのための受信/送信(R/T)シーケンスを示す。
図31を参照して、実施形態によれば、新規のビームトレーニングフィールドは、ステアリングベクトルの同時のリファインメントおよび/またはトレーニングを可能にすることができる。ステアリングベクトルの同時のリファインメントおよび/またはトレーニングを提供する実施形態によれば、受信機は、送信アンテナポートの各対の間のチャネル、および/または送信機のデジタルプリコーダの入力、ならびに受信アンテナポート、および/または受信機のデジタルプリコーダの出力を推定することができ、一方、送信機/受信機はそれ自体のステアリングベクトルを変化させる。このために、ビームトレーニングフィールドにおける完全な自己相関特性および相互相関特性を有するシーケンスは、正確なチャネル推定のために大いに望ましい。シーケンスの最大利用を達成するために、図8に関して上記で論じられた802.11adの変調されたR/Tシーケンスおよびそれらの共役複素数がストリームに採用されてよい。実施形態によれば、シーケンスの最大利用を達成する構成が図31に示されている。
図31を参照して、実施形態によれば、TおよびRは、802.11adのR/T用のシーケンスであって、ベクトルTおよびベクトルRは
T=R=[scp smain]
であることを表し、
および
であるものとする。そこで、それぞれの送信アンテナポートの対の間のチャネル推定、または送信機のデジタルプリコーダの入力のチャネル推定、ならびに受信アンテナポートのチャネル推定、または受信機のデジタルプリコーダの出力のチャネル推定を可能にする以下の引数(a)から(c)が当てはまらなければならない。
(a)circshift{smain,τ}⊥smain|τ|≦128、τ≠0
引数(a)および(b)は、実施形態によれば、シーケンスが、送信アンテナポートの個々の対または送信機のデジタルプリコーダの入力の完全なチャネル推定、ならびに受信アンテナポート、または受信機のデジタルプリコーダの出力の完全なチャネル推定を可能にすることを保証することができるが、引数(c)は、相関(correlation)の後には、受信機において、異なるチャネル間に相互干渉がないことを保証することができる。
図32は、実施形態による、引数(a)および(b)のゼロ自己相関ゾーンならびに引数(c)のゼロ相互相関ゾーンを示す。
図32を参照して、提案されたシーケンス、すなわちTおよびT*(またはRおよびR*)に対する引数(a)、(b)、および(c)の結果が示されている。
図33は、実施形態による、R/Tシーケンスの共役複素数を使用するビームトレーニングフィールドを示す。
図34は、実施形態による、直交Vマトリクスに基づくR/Tシーケンスを使用するビームトレーニングフィールドを示す。
図33および図34を参照して、実施形態によれば、図31および図32を参照しながら上記で説明された方法は、前述の直交VマトリクスでよいVマトリクスを使用することにより、N個のデータストリームMIMO送信用のビームトレーニングフィールドを可能にするために拡張されてよい。実施形態によれば、複数のアンテナが使用される場合には、802.11ayシステムは複数のアンテナをグループに分割することを選択してよい。各グループの範囲内のアンテナに対して、同時のビームトレーニングと称されることもある並行のビームトレーニングが行われてよく、アンテナのグループは順次にトレーニングされてよい。いくつかの実施形態では、4つのアンテナA1、A2、A3、A4を有する場合には、アンテナA1およびA2は第1のグループG1でよく、アンテナA3およびA4は第2のグループG2でよい。第1のグループG1から送信される信号は、図28に示されるようにビームトレーニングフィールドを使用し、同一の方法が第2のグループG2に適用されてよい。次いで、第1のグループG1のアンテナが最初にトレーニングされ、第2のグループG2のアンテナが後にトレーニングされる。しかしながら、本開示はそれに限定されず、アンテナは任意の適切なやり方でグループ化されてよく、任意の適切なシーケンスで、かつ/または並行してトレーニングされてよい。
シグナリングおよび/または自動検知ビームトレーニングのための方法
順次BRP、同時BRP、または組合せBRPが使用されるかどうかをシグナリングするための方法およびプロシージャが、以下で説明される。実施形態によれば、多重ストリーム用の同時のビーム形成トレーニングが提供される場合には、ビーム形成トレーニングが順次に行われるのか、同時に行われるのか、および/または順次方式と並行方式の組合せとして行われるのか、検知することおよび/または決定することが必要とされる。その上、多重ストリーム用の同時のビーム形成トレーニングをサポートする1つまたは複数のシーケンスが使用されているとシグナリングすることおよび/または指示することも必要とされる。上記で言及された決定および/または指示を行う明示的方法および暗示的方法が、1つまたは複数の実施形態に従って以下で論じられる。
実施形態によれば、制御PHYフレームのレガシーヘッダフィールド、低電力SC PHYフレーム、SC PHYフレーム、および/またはOFDM PHYフレームにおける予約ビットを再解釈し、かつ/または再利用すると、上記で言及された決定および/または指示を提供することができる。実施形態によれば、複数の予約ビットの場合には、これらのビットは連続的な予約ビット、言い換えれば連続した予約ビットおよび/または隣接した予約ビットでよく、不連続の予約ビットでよく、または連続的な予約ビットと不連続の予約ビットの組合せでよい。実施形態によれば、制御PHYヘッダの場合には、2つの予約ビット(開始形式ビット22)が、後方能力を保つために0に設定されるように使用されてよく、受信機に対してレガシーの順次のビーム形成トレーニングのみの使用を指示してよい。2つの予約ビットは、たとえば1、2または3といったゼロでない値のうちいずれかに設定されているとき、同時のビーム形成トレーニングが並行方式および/または順次方式と並行方式の組合せのいずれかによって行われるはずであることを暗示的にシグナリングしてよい。そのような場合には、多重ストリーム用の同時のビーム形成トレーニングをサポートする1つまたは複数のシーケンスのシグナリングは、以下の方法の1つまたは任意の組合せによって実施されてよい。実施形態によれば、第1の方法では、第1の予約ビットは、R/Tシーケンスの共役複素数が使用されるかどうかを指示するために1または0に等しく設定されてよく、同時のビーム形成トレーニングをサポートする。他の実施形態によれば、第2の方法では、第2の予約ビットは、どのVマトリクスが使用されるかを指示するために0または1に等しく設定されてよく、ビーム形成トレーニングを同時にサポートする。たとえば、0および1は、それぞれV2×2マトリクスおよびV4×4マトリクスのインデックスとしてあらかじめ定義されてよい。さらに他の実施形態によれば、第3の方法では、2つの予約ビットのゼロでない値は、R/Tシーケンスの共役複素数が許されなければ、3つのあらかじめ定義されたVマトリクスを指示してよい。
実施形態によれば、OFDM PHYヘッダの場合には、OFDM PHYヘッダもビット46から始まる2つの予約ビットを有するので、制御PHYヘッダに関して説明されたものと類似の方法および/または同一の方法がOFDM PHYヘッダに適用されてよい。
実施形態によれば、低電力(LP)の単一キャリア(SC)PHYヘッダまたはSC PHYヘッダの場合には、ビット44から始まる4つの予約ビットがある。制御PHYヘッダおよびOFDM PHYヘッダに対する適合性を保つために4つの予約ビットのうち2つが再利用される場合には、制御PHYヘッダ向けに提案されたものと同一の方法が、LP SC/SC PHYヘッダに適用されてよい。4つの予約ビットのすべてが再利用されるかまたは再解釈される場合には、ビーム形成トレーニングを同時にシグナリングすることは以下のように実施されてよい。実施形態によれば、4つの予約ビットは、後方能力を保ち、かつレガシーの順次のビーム形成トレーニングが実行されることを指示するために、0に設定されてよい。他の実施形態によれば、4つの予約ビットは、同時のビーム形成トレーニングが並行方式および/または順次方式と並行方式の組合せのいずれかによって行われるはずであることを暗示的にシグナリングするために、4つの予約ビットに対してたとえば1、2、...、15といったゼロでない値に設定されてよい。そこで、多重ストリーム用の同時のビーム形成トレーニングをサポートする1つまたは複数のシーケンスのシグナリングは、以下で説明される方法のうち1つまたは任意の組合せによって実施されてよい。
実施形態によれば、第1の方法では、たとえば1または0に設定された第1の予約ビットといった、4つの予約ビットのうち任意のものが、同時のビーム形成トレーニングをサポートするためにR/Tシーケンスの共役複素数が使用されるかどうかを指示してよい。他の実施形態によれば、第2の方法では、第1の方法においてR/Tシーケンスの共役複素数を指示するために使用される予約ビットとは別の、残りの予約ビットのうち任意のものが、同時のビーム形成トレーニングをサポートするように使用される対応するVマトリクスを指示するために、1に設定されてよい。他の実施形態では、第2、第3、および第4の予約ビットのうち任意の1つまたは複数が、それぞれV2×2、V4×4およびV8×8マトリクスのインデックスとしてあらかじめ定義されてよい。さらに別の実施形態によれば、第3の方法では、4つの予約ビットのゼロでない値は、R/Tシーケンスの共役複素数が許されなければ、15のあらかじめ定義されたVマトリクスのうち任意の1つまたは複数を指示してよく、あるいは、R/Tシーケンスの共役複素数の使用を可能にする一方で、14のあらかじめ定義されたVマトリクスのうち1つまたは複数を指示してもよい。
他の実施形態によれば、新規のヘッダフィールドは、順次に、または並行して、または両方の任意の組合せでトレーニングされるビームに関する情報を指示するために使用されてよい。新規のヘッダは、N個のグループ化されたビームが順次にトレーニングされ、グループ化されたビームの各々の中のM個のストリームが並行してトレーニングされるといった具合に、順次方式と並行方式の両方の組合せをサポートしてよい。Mが1つのストリームを指示する場合には、本実施形態は、既存の802.11ad順次のビーム形成トレーニングを実行してよい。N=1の場合には、本実施形態はビーム形成トレーニングを並行してよい。順次トレーニング方式と並行トレーニング方式のこの種の組合せをサポートするために、M個のストリーム用のレガシーヘッダフィールドの後に新規のヘッダが挿入されてよく、かつ/または新規のヘッダフィールドが、N個のグループ化されたビームの各々に対するM個の同時のビーム形成トレーニング用に使用される新規のシーケンスをシグナリングするのに使用されるパラメータを包含してよい。レガシーヘッダは、802.11adにおける、N個のグループ化されたビームが順次にトレーニングされることをシグナリングし、かつ/または指示するためのものと同一でよい。
図35は、実施形態による、順次のビーム形成トレーニングと並行のビーム形成トレーニングの組合せのためのPHYヘッダを示す。
図35を参照して、順次のビーム形成トレーニングと並行のビーム形成トレーニングとの組合せ用のPHYヘッダは、実施形態によれば、N個のグループ化されたビームが順次にトレーニングされることを指示するレガシーヘッダを含むことができ、N個のグループ化されたビームの各々について、N個のグループ化されたビームの各々の2つのストリームが同時にトレーニングされるように、M=2であることを指示する新規のヘッダを含むことができる。
他の実施形態によれば、ビーム形成トレーニング方法の自動検知は、ストリームのビーム形成トレーニングが順次に行われるのか同時に行われるのかを暗示的にシグナリングしてよく、かつ/または順次のトレーニングと同時のトレーニングの組合せをシグナリングしてよい。並行のビーム形成トレーニングまたは順次のビーム形成トレーニングと並行のビーム形成トレーニングの組合せを、レガシーの順次のビーム形成トレーニングから区別するために、レガシーヘッダ用と新規のヘッダ用の異なる変調間の切換えが、ビーム形成トレーニングのために選択された方法を暗示的にシグナリングするビーム形成トレーニング方法の自動検知の使用を指示してよく、かつ/またはシグナリングしてよい。たとえば、ビーム形成トレーニング方法の自動検知は、LP-SC/SCヘッダ、制御PHYヘッダ、およびOFDM PHYヘッダに対して、異なるPHYヘッダにおける新規のヘッダフィールドの対応する変調の位相の同一または異なる程度の回転および/またはシフト、すなわち、それぞれπ/2-BPSK変調、π/2-DBPSK変調、QPSK-OFDM変調を、シグナリングしてよく、かつ/または指示してよい。
図36は、実施形態による、LP-SC/SC PHYヘッダのための同時のビーム形成トレーニングの自動検知を示す。
図36を参照して、LP-SCフレームまたはSC PHYフレームにおいて、レガシーヘッダはπ/2-BPSKによって変調され、新規のヘッダは、π/2-BPSKに対してπ/4だけシフトされ、かつ/または回転されるように、シグナリングされ、かつ/または指示される。π/4シフトされたπ/2-BPSKは、MS SC PHYフレームのレガシーヘッダに対して45°だけ回転された新規のヘッダのコンスタレーションをもたらす。受信機は、π/2-BPSKがπ/4だけ回転されていることを検知し、かつ/または決定したとき、並行のビーム形成トレーニングおよび/または順次のビーム形成トレーニングと並行のビーム形成トレーニングの組合せのいずれかでよい同時のビーム形成トレーニングを行うように暗示的にシグナリングされる。
他の実施形態によれば、ストリームはBRPの自動利得制御(AGC)フィールドによってインデックスを付けられてよく、受信機は、AGCフィールドにおいてシーケンスを検査し、かつ/または決定することにより、トレーニングされるべきストリームを識別してよい。そのような場合には、
c=[c1 c2 c3 c4]
であり、
ci∈{1,2,...,16}
である。そこで、4つの各ストリームを有するシーケンスは、
sstream(c)=[s(c1) s(c2) s(c3) s(c4)]
となるはずであり、
であり、sign(・)は符号関数であって、flip{・}はその引数のシーケンスの順番を逆にするものである。
図37は、AGCフィールドにおいて異なるシーケンスを使用することによってトレーニングされるビームの暗黙の検知を示す。
図37を参照して、異なるs(c)も考えられてよく、受信機は、トレーニングされるべき1つまたは複数のビームを識別するために1つまたは複数のシーケンスを検査してよく、かつ/または決定してよい。たとえば、sstream1([1 2 2 2])およびsstream2([2 2 2 2])のシーケンスを有する2つのストリームがある場合、対応するシーケンスは、それぞれ
および
として得られる。
そのような場合には、実施形態によれば、受信機は、Ga64が存在するかどうかを検査し、かつ/または決定する。Ga64はsstream1の第一象限に出現するので、受信機は、ストリーム1に関連したビームのみがトレーニングされることになると理解し、かつ/または決定する。シーケンスの位置は図34に示されている。実施形態によれば、ベクトルcのサイズは実装形態およびゴレイシーケンスの違い(different)に依拠して変化してよく、たとえば、s(c)に関して、異なるサイズを有するゴレイシーケンスが考えられてよい。加えて、シグナリングにおけるオーバヘッドの小さな増加で自動検知プロセスを簡単にするために、前述のビームトレーニング方法の自動検知の明示的方法および暗示的方法が連帯的に使用されてよい。たとえば、受信機が、より小さい検索空間でAGCフィールド構成を検知することができるように、s(c)が2つのグループに分割されてよく、どちらのグループが使用されるかを指示するためにシグナリングが使用されてよい。
図38は、ワイヤレスネットワークにおけるMIMO通信用の複数のチャネルに対するチャネル推定のための情報を送信するステップの例示的流れ図を示す。
図38を参照して、BRPによって使用される、またはBRPメッセージに含まれる、2つのストリームがあると想定されている。実施形態によれば、STA(たとえば802.11ay STA)、AP(たとえば802.11ay AP)、および/または何らかの他の適切なデバイスが2つのストリームを同時に追跡してよい。たとえば、電子デバイスは、動作3810において、第1のチャネルに関連付けられた第1のチャネル推定信号を備える複素数の第1のセットを決定するように構成されてよい。
電子デバイスは、動作3820において、第2のチャネルに関連付けられた第2のチャネル推定信号を備える複素数の第2のセットを決定するように構成されてもよい。特定の実施形態によれば、複素数の第2のセットは複素数の第1のセットの共役複素数である。いくつかの実施形態によれば、第2のストリームに対して共役複素数を使用すると、第1のストリームと第2のストリームの間の最大の分離を可能にすることができる。たとえば、2×2 MIMOシステムの場合には、第2のストリームに対して共役複素数を使用すると、アンテナポート、送信アンテナポートの対、および/または送信機のデジタルプリコーダの入力、ならびに受信アンテナポートおよび/または受信機のデジタルプリコーダの出力についての完全な、かつ/またはほぼ完全なチャネル推定をもたらすことができる。
電子デバイスは、動作3830において、物理レイヤ(PHY)フレームによって複素数の第1のセットおよび複素数の第2のセットに構成されてよい。しかしながら、本開示はそれに限定されず、3つ以上のストリームがBRP用に使用されてよく、かつ/またはBRPメッセージに含まれてよい。
図39は、ワイヤレスネットワークにおけるMIMO通信用の複数のチャネルのチャネル推定を実行するステップの例示的流れ図を示す。
実施形態によれば、STA(たとえば802.11ay STA)の受信機、AP(たとえば802.11ay AP)、および/または何らかの他の適切なデバイスが2つのストリームを同時に追跡してよい。図39を参照して、電子デバイスは、動作3910において、第1のチャネル推定信号を備える複素数の第1のセットと、第2のチャネル推定信号を備える複素数の第2のセットとを受信するように構成されてよい。
電子デバイスは、次いで、動作3920において、第1のチャネル推定信号に基づいて第1のチャネルを決定し、第2のチャネル推定信号に基づいて第2のチャネルを決定するように構成されてよい。いくつかの実施形態によれば、複素数の第1のセットおよび複素数の第2のセットは、たとえば物理レイヤ(PHY)フレームによって受信されてよい。別の実施形態によれば、複素数の第2のセットは複素数の第1のセットの複素共役数でよい。実施形態によれば、2×2 MIMOシステムが考えられるとき、上記で説明されたように、第2のストリーム用に共役複素数を使用すると、第1のストリームと第2のストリームの間の最大の分離を可能にすることができ、アンテナポート、送信アンテナポートの対、および/または送信機のデジタルプリコーダの入力、ならびに受信アンテナポートおよび/または受信機のデジタルプリコーダの出力について、完全な、かつ/またはほぼ完全なチャネル推定をもたらすことができる。
図40は、ワイヤレスネットワークにおけるMIMO通信用の送信ビーム形成を実行するステップの別の例示的流れ図を示す。実施形態によれば、STA(たとえば802.11ay STA)、AP、および/または何らかの他の適切か類似のデバイスが、ビーム形成のこれらの方法を実行するように構成されてよい。
図40を参照して、電子デバイスは、動作4010において、SLSおよびBRPを実行して、1つまたは複数のSTAのうち任意のものおよび/またはすべてのためのビームを識別するように構成されてよい。
電子デバイスは、動作4020において、隣接したビームに配設された第1のSTAおよび第2のSTAを識別するように構成されてよい。実施形態によれば、ヘッダは、各ユーザ(たとえばSTA)を正しいストリームへマッピングする、それぞれのSTAに対応する固有のIDなどの情報を包含することができる。実施形態によれば、各受信機において、次式の信号が受信されてよく、
y=hdesiredsdesired+hundsiredsundesired+n
特に、望ましくない信号のエネルギーが、送信ビーム形成に基づく部分的な空間直交性のために所望の信号よりも小さい場合には、hdesiredおよびhundesiredは分離可能なCEFに基づいて知られることができ、所望の信号は各受信機において復号されることができる。
電子デバイスは、動作4030において、第1のチャネルに対応する第1のストリームの情報および第2のチャネルに対応する第2のストリームの情報を含むPHYフレームを使用して、第1のSTAおよび第2のSTAへマルチユーザ送信を送信するように構成されてよい。
電子デバイスは、動作4040において、ユーザ固有の情報を、第1のSTAおよび第2のSTAへ、PHYフレームにおいて同時に送信するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、PHYフレームは、第1のストリームと第2のストリームの両方に、レガシーSTF、LTF、およびSIGを含むことができる。特定の実施形態によれば、PHYフレームは、1つまたは複数のSTAの情報と、第1のストリームを第1のSTAに関連付けるとともに第2のストリームを第2のSTAに関連付ける情報とを含んでいる共通ヘッダを含むことができる。
本明細書で説明された解決策は、802.11特有のプロトコルを考えるものであるが、このシナリオに限定されず、他のワイヤレスシステムに対して同様に適用可能であることが理解される。実施形態によれば、図1~図40を参照しながら本明細書で説明された、MIMO通信用のチャネル推定および同時のビーム形成トレーニングのための方法、装置、およびシステムは、任意の適切な、かつ/または類似のワイヤレスシステム、通信システム、および/または無線インターフェースに適用されてよい。
解決策および提供された例を通じて、たとえば図14および図18の第2のストリームのホワイトスペースといった図のブランク領域は、この領域に対する制約がなく、任意の解決策がそこに採用されることができることを意味してよい。
特定の組合せにおける特徴および要素が上記で説明されているが、当業者なら、それぞれの特徴または要素が、単独で、または他の特徴および要素との任意の組合せで使用されることができるのを理解するであろう。加えて、本明細書で説明された方法は、コンピュータプログラム、ソフトウェア、またはコンピュータもしくはプロセッサによって実行するようにコンピュータ可読媒体に組み込まれたファームウェアで実施されてよい。非一時的コンピュータ可読記憶媒体の例は、それだけではないが、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリ素子、内部ハードディスクおよび取外し可能ディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、およびCD-ROMディスクなどの光媒体、およびデジタル多用途ディスク(DVD)を含む。WRTU、UE、端末、基地局、RNC、または任意のホストコンピュータに用いる無線周波数トランシーバを実施するために、ソフトウェアと連携するプロセッサが使用されてよい。
その上、前述の実施形態では、処理プラットホーム、コンピューティングシステム、コントローラ、およびプロセッサを包含している他のデバイスが注目される。これらのデバイスは、少なくとも1つの中央処理装置(「CPU」)および記憶装置を包含することができる。コンピュータプログラミングの当業者の慣行によれば、行為への参照と、動作または命令の象徴的表現とは、様々なCPUおよび記憶装置によって実行されてよい。そのような行為ならびに動作または命令は、「実行される」、または「コンピュータ実行される」または「CPU実行される」と称されることがある。
当業者なら、行為ならびに象徴的に表された動作または命令は、CPUによる電気信号の操作を含むことを理解するであろう。電気システムが表すデータビットは、電気信号の変換または低減ならびに記憶システムの記憶場所におけるデータビットの維持をもたらすことができ、それによってCPUの動作ならびに信号の他の処理を再構成し、そうでなければ変更する。データビットが保たれる記憶場所は、データビットに対応する、またはデータビットを表す、特定の電気特性、磁気特性、光学的特性、有機特性を有する物理的位置である。
データビットは、磁気ディスク、光ディスク、およびCPU可読の何らかの他の揮発性大容量記憶システム(たとえばランダムアクセスメモリ(「RAM」))もしくは不揮発性大容量記憶システム(たとえば読取り専用メモリ(「ROM」))を含むコンピュータ可読媒体に保たれてもよい。コンピュータ可読媒体は、協働するかまたは相互に接続されたコンピュータ可読媒体を含むことができ、これは、もっぱら処理システム上に存在するか、あるいは、処理システムに対してローカルまたはリモートでよい複数の相互に接続された処理システムの間に分散している。代表的な実施形態は前述の記憶装置に限定されず、他のプラットホームおよび記憶装置が、説明された方法をサポートしてよいことが理解される。
本出願の説明で使用された要素、行為または命令は、明示的に説明されたのでなければ、本発明にとって重要なものまたは必須のものと解釈されるべきではない。加えて、冠詞「ある(a)」は、本明細書で使用されたとき、1つまたは複数の項目を含むように意図されている。1つだけの項目が意図されている場合には、「1つの」という用語または類似の言語が使用される。さらに、複数の項目および/または複数のカテゴリの項目の列挙に続く「のいずれか」という用語は、本明細書で使用されたとき、それらの項目および/または項目のカテゴリの、単独あるいは他の項目および/または他のカテゴリの項目「のいずれか」、「の任意の組合せ」、「の任意の複数」および/または「の複数の任意の組合せ」を含むことが意図されている。さらに、「セット」という用語は、本明細書で使用されたとき、ゼロを含めて任意数の項目を含むように意図されている。さらに、「数」という用語は、本明細書で使用されたとき、ゼロを含めて任意の数を含むように意図されている。
その上、特許請求の範囲は、説明された順番または要素に(その効果が明示されていなければ)限定されるように読み取られるべきではない。加えて、いずれかの請求項における「手段」という用語の使用は、米国特許法第112条第6段落を引用するように意図されており、「手段」という単語を伴わないいかなる請求項も、そのようには意図されていない。
適切なプロセッサは、例として、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、何らかの他のタイプの集積回路(IC)、および/またはステートマシンを含む。
ソフトウェアと連携するプロセッサは、ワイヤレス送受信ユニット(WRTU)で用いる無線周波数トランシーバ、ユーザ機器(UE)、端末、基地局、移動性管理エンティティ(MME)もしくは発展型パケットコア(EPC)、または任意のホストコンピュータを実施するように使用されてよい。WRTUは、ソフトウェア無線(SDR)と、カメラ、ビデオカメラモジュール、テレビ電話、スピーカフォン、振動デバイス、スピーカ、マイクロフォン、テレビジョントランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、キーボード、ブルートゥース(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、近距離無線通信(NFC)モジュール、液晶ディスプレイ(LCD)表示ユニット、有機発光ダイオード(OLED)表示ユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、および/または任意のWLANもしくはウルトラワイドバンド(UWB)モジュールなどの他の構成要素とを含む、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実施されているモジュールとともに使用されてもよい。
本発明は通信システムに関して説明されてきたが、これらのシステムはマイクロプロセッサ/汎用コンピュータ(図示せず)上のソフトウェアで実施されてよいように企図されている。特定の実施形態では、様々な構成要素の機能のうち1つまたは複数は、汎用コンピュータを制御するソフトウェアで実施されてよい。
加えて、本明細書では、本発明が特定の実施形態を参照しながら示され、かつ説明されているが、本発明は、示された細部に限定されるようには意図されていない。むしろ、様々な修正形態が、本発明から逸脱することなく、特許請求の範囲の等価物の限界および範囲の範囲内で、細部において作製されることができる。