JP6993210B2 - アーク制御装置、アーク溶接システム、制御プログラム及びアーク溶接方法 - Google Patents
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Description
(実施形態1)
図1は、本実施形態1に係るアーク溶接システムの一構成例を示す模式図である。本実施形態1に係るアーク溶接システムは、300A以上の大電流埋もれアーク溶接が可能な消耗電極式のガスシールドアーク溶接機であり、溶接トーチ11及びワイヤ送給部12が取り付けられた溶接ロボット1と、溶接電源2と、溶接システム制御装置3とを備える。図1中、太線は給電ケーブル、細線は制御通信線である。溶接システム制御装置3は、動作制御信号を溶接ロボット1へ出力すると共に、所定のタイミングで溶接制御信号を溶接電源2へ出力することによって、溶接ロボット1及び溶接電源2の動作を制御する。特に本実施形態1に係るアーク溶接方法は、埋もれアーク溶接において、埋もれ空間6aの状態を予測し、埋もれ空間6aの状態に応じてアーク発生点を制御することにより、埋もれアーク7の安定化を向上させるものである(図5参照)。
なお、溶接ロボット1は溶接トーチ移動装置の一例である。溶接トーチ移動装置は、溶接トーチを上下に移動させる機構を有する自動台車等でも良い。
本実施形態1に係るアーク溶接方法を実施する場合、溶接電流Iの平均電流値は、300A以上、好ましくは300A以上1000A以下、より好ましくは500A以上800A以下である。
開口縮小判定部22fは、アーク電圧値Vdと、閾値とを比較することにより、埋もれ空間6aが縮小した状態にあるか否かを判定する機能部である。
トーチ位置調整部22gは、上記判定結果に応じて、溶接トーチ11の上下位置を調整する機能部である。具体的には、トーチ位置調整部22gは、アーク電圧値Vdが閾値未満になった場合、溶接トーチ11を上方へ移動させることにより、溶接ワイヤ5の先端部5aを引き上げ、埋もれ空間6aの開口を拡大させる。溶接トーチ11を上方へ移動させた結果、上記開口縮小判定部22fによって、埋もれ空間6aが拡大したと判定された場合、トーチ位置調整部22gは、溶接トーチ11を下方へ移動させることにより、溶接ワイヤ5の先端部5aを再び、埋もれ空間6aに進入させる。
なお、本実施形態1に係る制御プログラム26aは、記録媒体26にコンピュータ読み取り可能に記録された態様でも良い。記憶部223は、図示しない読出装置によって記録媒体26から読み出された制御プログラム26aを記憶する。記録媒体26はCD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)等の光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク等の磁気ディスク、磁気光ディスク、半導体メモリ等である。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータから本実施形態1に係る制御プログラム26aをダウンロードし、記憶部223に記憶させても良い。
母材4の板厚が19mm、ワイヤ径が1.4mm、ワイヤ送給速度が22m/分、溶接電流Iの設定電流値が600A、設定電圧値Erが48Vの溶接条件でビードオンプレート溶接を行った場合、図4中白丸プロットで示すように、溶接中、埋もれ空間6aの開口径が頻繁に変化していることが分かる。一方、図4中黒丸プロットで示すように、アーク電圧値Vdは、埋もれ空間6aの開口径の増減に合わせて同様に増減しており、良い対応関係を示していることが分かる。つまり、アーク電圧値Vdと、埋もれ空間6aの開口は正の相関を有していることが分かる。
本実施形態1に係る溶接電源2は、埋もれ空間6aの開口が縮小したことを検知した場合、溶接トーチ11を引き上げる制御を行うことにより、溶接ワイヤ5の先端部5a、即ちアーク発生点を引き上げる。アーク発生点を引き上げることにより、閉塞しそうな埋もれ空間6aの側壁を効果的に支えることが可能となり、埋もれ空間6aを安定化させることができる(図5参照)。
図6は埋もれ空間6aを安定化させるアーク制御の処理手順を示すフローチャートである。埋もれアーク溶接が行われている際、アーク制御部22は以下の処理を実行する。アーク制御部22は、アーク電圧値Vdの検出タイミングであるか否かを判定する(ステップS11)。アーク制御部22は、例えば50m秒以下の所定周期で、アーク電圧値Vdを取得する。ここでは5m秒周期でアーク電圧値Vdを取得するものとする。
実施形態2に係るアーク溶接システムは、埋もれ空間6aの開口が縮小したときの溶接ワイヤ5の引き上げ方法が実施形態1と異なるため以下では主に上記相違点を説明する。その他の構成及び作用効果は実施形態と同様であるため、対応する箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
その後、アーク電圧値Vdが第2閾値以上になった場合、溶接ワイヤ5の送給速度を加速させることを指示するための送給速度調整信号を送給速度制御部25へ出力する。送給速度の加速を示す送給速度調整信号を受信した送給速度制御部25は、溶接ワイヤ5の送給速度を、再び通常時の送給速度に戻す。その結果、溶接ワイヤ5の先端部5aが再び埋もれ空間6aに進入する。
実施形態3に係るアーク溶接システムは、埋もれ空間6aの開口が縮小したときの溶接ワイヤ5の引き上げ方法が実施形態1と異なるため以下では主に上記相違点を説明する。その他の構成及び作用効果は実施形態と同様であるため、対応する箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
その後、アーク電圧値Vdが第2閾値以上になった場合、設定電圧値Erを減少させることを指示するための設定電圧調整信号を出力電圧設定部22aへ出力する。設定電圧値Erの減少を示す設定電圧調整信号を受信した出力電圧設定部22aは、設定電圧値Erを再び元の値に戻す。その結果、溶接ワイヤ5の先端部5aが再び埋もれ空間6aに進入する。
2 溶接電源
3 溶接システム制御装置
4 母材
5 溶接ワイヤ
5a 先端部
6 溶融部分
6a 埋もれ空間
61 底部
62 側壁部
7 アーク
11 溶接トーチ
12 ワイヤ送給部
13 基部
14 アーム
21 電源回路
22 アーク制御部
22a 出力電圧設定部
22b 定電圧制御部
22c 差分増幅部
22d 先端位置制御部
22e 閾値算出部
22f 開口縮小判定部
22g トーチ位置調整部
22h 送給速度調整部
22i 設定電圧調整部
23 電圧検出部
24 電流検出部
25 送給速度制御部
26 記録媒体
26a 制御プログラム
221 CPU
222 RAM
223 記憶部
224 第1入力部
225 第2入力部
226 出力部
227 通信部
I 溶接電流
Id 溶接電流値
V 溶接電圧
Vd アーク電圧値
E 設定電圧
Er 設定電圧値
ΔI 差分値
Irc 溶接電流制御設定値
Claims (5)
- 母材の被溶接部に溶接ワイヤを送給すると共に、該溶接ワイヤに溶接電流を供給することによって、前記溶接ワイヤの先端部及び前記被溶接部間にアークを発生させ、該アークにより前記母材に形成される凹状の溶融部分によって囲まれる空間に前記先端部を進入させて前記母材を溶接する消耗電極式のアーク溶接を制御するアーク制御装置であって、
前記溶接ワイヤ及び前記母材間のアーク電圧値を取得する電圧値取得部と、
該電圧値取得部にて取得したアーク電圧値が閾値未満になった場合、前記空間に進入した前記先端部を、前記溶融部分の開口側へ移動させる制御を行う先端位置制御部と
を備え、
前記先端位置制御部は、
前記溶接ワイヤを前記被溶接部へ案内する溶接トーチを、溶接トーチ移動装置に引き上げさせるためのトーチ位置調整信号を出力することにより、前記先端部を前記溶融部分の開口側へ移動させるアーク制御装置。 - 母材の被溶接部に溶接ワイヤを送給すると共に、該溶接ワイヤに溶接電流を供給することによって、前記溶接ワイヤの先端部及び前記被溶接部間にアークを発生させ、該アークにより前記母材に形成される凹状の溶融部分によって囲まれる空間に前記先端部を進入させて前記母材を溶接する消耗電極式のアーク溶接を制御するアーク制御装置であって、
前記溶接ワイヤ及び前記母材間のアーク電圧値を取得する電圧値取得部と、
該電圧値取得部にて取得したアーク電圧値が閾値未満になった場合、前記空間に進入した前記先端部を、前記溶融部分の開口側へ移動させる制御を行う先端位置制御部と
を備え、
前記先端位置制御部は、
前記溶接ワイヤを前記被溶接部へ送給する速度を減少させるための送給速度調整信号を出力することにより、前記先端部を前記溶融部分の開口側へ移動させるアーク制御装置。 - 前記先端位置制御部は、
前記溶接電流に係る設定電圧値を上昇させるための設定電圧調整信号を出力することにより、前記先端部を前記溶融部分の開口側へ移動させる
請求項1又は請求項2に記載のアーク制御装置。 - 前記先端位置制御部は、
前記電圧値取得部にて取得した複数のアーク電圧値の移動平均に基づいて前記閾値を算出する
請求項1~請求項3までのいずれか一項に記載のアーク制御装置。 - 前記先端位置制御部は、
50m秒以下の周期で前記先端部の位置を制御する
請求項1~請求項4までのいずれか一項に記載のアーク制御装置。
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JP2017245346A JP6993210B2 (ja) | 2017-12-21 | 2017-12-21 | アーク制御装置、アーク溶接システム、制御プログラム及びアーク溶接方法 |
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JPS54107448A (en) * | 1978-02-10 | 1979-08-23 | Kobe Steel Ltd | Arc welding |
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2017
- 2017-12-21 JP JP2017245346A patent/JP6993210B2/ja active Active
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