JP6992516B2 - ワイヤレス電力伝送装置およびワイヤレス電力伝送システム - Google Patents
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Description
このようなワイヤレス電力伝送技術では、電気的な接続部分である端子の露出がないことから、絶縁性の確保および防水性の確保が容易になる。このため、ワイヤレス電力伝送技術は、携帯機器あるいは電気自動車などの様々な商品に応用されることが期待されている。
一例として、ワイヤレス電力伝送技術が電気自動車の充電設備に適用された場合、送電側のコイルが屋外の地上に設置される。このため、送電側のコイルに意図しない外部衝撃が加えられる可能性があった。このような外部衝撃としては、例えば、送電側のコイルを備えたユニットに受電の対象となる電気自動車あるいは人などが乗り上げた場合における衝撃がある。
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、昼間に暖められた筐体内の空気の膨張については圧力調整弁により圧力調整が行われるものの、筐体内の温度上昇については何ら考慮されておらず、筐体内に搭載される電気部品に故障が発生する虞があった。
なお、電気自動車のシステムでは、送電側のコイルを収容する筐体の内部において、例えば、給電中の時間あるいは給電が終了してから一定時間が経過するまでの時間に、特に、温度が上昇する。さらに、給電が終了した後に電気自動車が送電側のコイルから離れたときに当該送電側のコイルを収容する筐体に直射日光が当たったときには、当該筐体の内部の温度が大きく上昇する。
図1は、本発明の一実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1の概略的な構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1は、送電側の電力伝送装置11と、受電側の電力伝送装置12を備える。
また、図1には、商用電源13を示してある。商用電源13は、交流電源である。本実施形態では、商用電源13は、ワイヤレス電力伝送システム1とは別に備えられている。
また、図1には、電気自動車14を示してある。本実施形態では、電気自動車14に受電側の電力伝送装置12が備えられているが、当該電力伝送装置12以外の電気自動車14の部分は、ワイヤレス電力伝送システム1とは別に備えられている。
送電コイルユニット22は、送電側のコイル314などを備える。ここで、図1では、送電コイルユニット22が備える機能部(図2~図5を参照。)について、送電側のコイル314以外の機能部については図示を省略してある。
制御ユニット21は、循環装置P1と、整流器51と、力率改善(PFC:Power Factor Correction)回路52と、インバーター(INV)53を備える。循環装置P1は、ポンプ41と、温度調節器(本実施形態では、「温調器」と呼ぶ。)42と、コンプレッサー43と、温度・圧力制御部(循環制御部の一例)44を備える。
本実施形態では、制御ユニット21は、送電コイルユニット22によるワイヤレスでの電力伝送を制御し、また、循環装置P1による空気の循環を制御する。
同様に、電力ケーブル211の一端は制御ユニット21と接続されており、電力ケーブル211の他端は送電コイルユニット22と接続されている。
同様に、電力ケーブル212の一端は制御ユニット21と接続されており、電力ケーブル212の他端は送電コイルユニット22と接続されている。
同様に、信号ケーブル213の一端は制御ユニット21と接続されており、信号ケーブル213の他端は送電コイルユニット22と接続されている。
同様に、電力ケーブル211は、例えば、制御ユニット21あるいは送電コイルユニット22に含まれると捉えられてもよい。
同様に、電力ケーブル212は、例えば、制御ユニット21あるいは送電コイルユニット22に含まれると捉えられてもよい。
同様に、信号ケーブル213は、例えば、制御ユニット21あるいは送電コイルユニット22に含まれると捉えられてもよい。
受電側の電力伝送装置12は、電力伝送に関する機能部として、受電コイルユニット111と、整流器112を備える。
電気自動車14は、電力伝送に関する機能部として、充電器113と、バッテリー114を備える。なお、電気自動車14は、これら以外に自動車としての機能部も備えているが、本実施形態では、説明を省略する。
受電コイルユニット111は、受電側のコイル131を備える。なお、受電コイルユニット111は、受電側のコイル131以外の機能部を備えてもよい。
また、本実施形態では、受電コイルユニット111は、電気自動車14において底面(地面の側の面)または底面の近くに配置させられている。
図2は、本発明の一実施形態に係る送電コイルユニット22の外観を示す斜視図である。
図3は、本発明の一実施形態に係る送電コイルユニット22の筐体カバー311が除かれた場合における送電コイルユニット22の構造を示す斜視図である。
図4は、本発明の一実施形態に係る送電コイルユニット22の筐体カバー311が除かれた場合における送電コイルユニット22の構造を示す上面図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る送電コイルユニット22の構造を示すX-X矢視断面図(図4に示されるX-Xを参照。)である。
ここで、図2~図5では、送電コイルユニット22以外に、制御ユニット21および配管ケーブル31、電力ケーブル211、212、信号ケーブル213も示してある。
送電コイルユニット22は、外側の筐体として、筐体カバー311と、ベース部312を備える。送電コイルユニット22の筐体は、筐体カバー311とベース部312とが組み合わされて構成されている。当該筐体の内部は密閉される。例えば、筐体カバー311とベース部312との間にOリング(図示せず)などが備えられることで、防水性などが確保されてもよい。
ここで、図2には、送電コイルユニット22の筐体カバー311が付いた状態の外観を示してある。
本実施形態では、温度センサー331は、一例として、電気部品315と一体化されて備えられている。本実施形態では、温度センサー331と電気部品315との一体化の一例として、電気部品315が実装される基板353に温度センサー331も実装されており、これらは共通の基板353の上の異なる部分に実装されている。なお、他の例として、温度センサー331は、筐体の内部の任意のところに備えられてもよい。
ベース部312は、方形状の面を有する板状の部材である。
筐体カバー311は、ベース部312が有する方形状の面を覆う形状を有するカバー状の部材である。
筐体カバー311は、ベース部312と組み合された状態において、筐体カバー311とベース部312との間に隙間(領域)が形成される形状を有する。本実施形態では、当該領域は、送電コイルユニット22の内部(筐体の内部)の領域となる。
ここで、本実施形態では、送電コイルユニット22において、一例として、1個の磁性体313が備えられる構成を示すが、他の例として、磁性体ケース351の磁性体313を収容するために有する面(図4の例における視点で見た場合の面)に、複数の磁性体片が並べられて配置されることで、全体として磁性体313が構成されてもよい。
巻き線ケース352は、ベース部312が有する面よりも小さい方形状の面を有する略板状の部材であり、当該面にコイル314(巻き線)を収容することが可能なケースとなっている。
コイル314は、巻き線ケース352が有する2個の面のうち筐体カバー311の側の面(ベース部312の側とは反対側の面)に備えられている。
本実施形態では、コイル314は、1本の導線(例えば、金属線)が渦巻き状に巻かれた(巻き回された)構成を有する。ここで、コイル314は、例えば、複数の導体素線が撚り合わされたリッツ線が巻き回された構成を有してもよい。
本実施形態では、基板353は、ベース部312の面が有する4個の辺のうち、配管ケーブル31、電力ケーブル211、212および信号ケーブル213が接続される側の辺の近くに、備えられている。
温度センサー331は、本実施形態では、4個のケーブル(配管ケーブル31、電力ケーブル211、212および信号ケーブル213)のうちで、信号ケーブル213が接続される位置の近くに備えられている。
温度センサー331は、温度を検出する機能を有する。温度センサー331は、検出された温度を示す信号を、信号ケーブル213を介して、制御ユニット21に対して送信する。当該信号は、例えば、温度センサー331により直接的に送信される。
本実施形態では、信号ケーブル213が有するプラスのケーブルの端部とマイナスのケーブルの端部が基板353に接続されており、これらの端部と基板353に備えられた温度センサー331とが金属パターン(図示せず)を介して接続されている。
なお、信号ケーブル213には、温度センサー331以外に、他の信号系の回路が接続されてもよい。当該他の信号系の回路は、例えば、温度以外の物理量を検出するセンサーの回路であってもよい。
なお、流入管316と流出管317とがそれぞれ別々に制御ユニット21と送電コイルユニット22に接続される構成とされてもよい。
本実施形態では、送電コイルユニット22の内部において、流入管316は、ベース部312が有する面に備えられている。また、流入管316は、配管ケーブル31を通って、ベース部312の面が有する4個の辺のうちの1個の辺に到達し、そこから磁性体313の外側に沿って、当該辺に対向する辺の中央付近まで延びている。すなわち、流入管316は、磁性体313の面の周囲の半分程度を囲むように、略U字状に延びている。
本実施形態では、送電コイルユニット22の内部において、流出管317は、ベース部312が有する面に備えられている。また、流出管317は、配管ケーブル31を通って、ベース部312の面が有する4個の辺のうちの1個の辺に到達し、そこから流入管316とは反対の側に所定の距離延びている。本実施形態では、当該所定の距離は、短い距離である。
なお、図2~図5の例のように流入管316が送電コイルユニット22の内部に入るところから奥まで届いている構成が好ましい一例であるが、他の構成が用いられてもよい。
2個の電力ケーブル211、212のうちの一方からコイル314を介して他方へ電流が流されることで、コイル314に電流が流れる。当該電流によりコイル314に磁界が発生し、当該磁界により受電コイルユニット111の受電側のコイル131に磁界が発生する。当該磁界により受電側のコイル131に電流が流れ、これにより、送電側のコイル314から受電側のコイル131に電力が伝送される。
信号ケーブル213は、送電コイルユニット22の側において、温度センサー331と接続されている。
本実施形態では、制御ユニット21と温度センサー331との間で、信号を伝送する。本実施形態では、当該信号は、温度センサー331による検出結果の情報を示す信号(検出された温度を示す信号)を含む。
循環装置P1は、コイル314を収容する送電コイルユニット22の内部の空気を入れ替える機能を有する。
ポンプ41は、オンの状態であるときに、外部から空気を取り込み、当該空気を流入管316を通じて送電コイルユニット22の内部に送り込んで流入させる。本実施形態では、外部からの空気として、外部の大気(外気)が用いられる。また、ポンプ41は、オンの状態であるときに、送電コイルユニット22の内部から空気を引き抜いて流出させ、当該空気を外部に排出する。さらに、ポンプ41は、空気を循環させる速度などの設定を切り替えることが可能であってもよい。
一方、ポンプ41は、オフの状態であるときには、動作しない。
なお、ポンプ41において、大気の代わりに、あらかじめ用意された他の空気が用いられてもよい。
温調器42は、オンの状態であるときに、空気の温度を調節する機能を有する。さらに、温調器42は、オンの状態であるときに、調節する温度などの設定を切り替えることが可能であってもよい。本実施形態では、温調器42は、ポンプ41から送電コイルユニット22の内部に送り込まれる空気の温度を調節する。
一方、温調器42は、オフの状態であるときには、動作しない。
なお、本実施形態では、温調器42により空気の温度が調節されていないときには、ポンプ41から送電コイルユニット22の内部に送り込まれる空気の温度は、大気の温度となる。
ここで、本実施形態では、温調器42は、冷却装置(冷却を行う熱交換装置)の機能を有し、空気を冷却して、当該空気の温度を低下させることが可能である。また、温調器42は、温度を調節する対象となる空気の温度を検出する機能(温度センサーの機能)を有する。
なお、温調器42は、加熱装置(加熱を行う熱交換装置)の機能を有してもよく、この場合、空気を加熱して、当該空気の温度を上昇させることが可能である。
コンプレッサー43は、オンの状態であるときに、外部から空気を取り込んで、当該空気を圧縮した空気(圧縮空気)を生成し、生成された圧縮空気を流入管316を通じて送電コイルユニット22の内部に送り込む(注入する)。本実施形態では、外部からの空気として、外部の大気(外気)が用いられ、これにより、圧縮空気として、当該大気の圧力(大気圧)より大きい圧力を有する空気が用いられる。さらに、コンプレッサー43は、空気を循環させる速度などの設定を切り替えることが可能であってもよい。
一方、コンプレッサー43は、オフの状態であるときには、動作しない。
なお、コンプレッサー43において、大気の代わりに、あらかじめ用意された他の空気が用いられてもよい。
具体的には、温度・圧力制御部44は、送電コイルユニット22に備えられた温度センサー331から出力される信号を信号ケーブル213を介して受信する。当該信号は、温度センサー331により検出された温度を示す情報を含む。
本実施形態では、温度センサー331は、検出された温度を示す情報を含む信号を、常に(所定の周期ごとでもよい。)、信号ケーブル213に出力する。これにより、温度・圧力制御部44は、常に(所定の周期ごとでもよい。)、当該信号を受信して、温度を示す情報を取得する。
また、温度・圧力制御部44は、温調器42を制御することで、ポンプ41から送電コイルユニット22の内部に送り込まれる空気の温度を制御する。本実施形態では、温度・圧力制御部44は、温調器42がオンである状態と、温調器42がオフである状態とを切り替える。さらに、温度・圧力制御部44は、温調器42の動作の態様を制御してもよい。
力率改善回路52は、整流器51から入力される電力の波形を整形することで力率を改善し、力率が改善された電力をインバーター53に出力する。
インバーター53は、力率改善回路52から入力される電力を直流電力から高周波の交流電力に変換し、変換された高周波の交流電力を電力ケーブル211、212を介してコイル314に出力する。これにより、送電コイルユニット22のコイル314に電力が供給され、当該コイル314から外部にワイヤレスで電力を供給することが可能となる。
本実施形態では、受電側の電力伝送装置12の整流器112と電気自動車14の充電器113とが接続されている。
受電コイルユニット111のコイル131は、所定の配置で送電コイルユニット22のコイル314と対向させられた状態で、当該コイル314からワイヤレスで供給(送電)される電力を受電する。受電コイルユニット111のコイル131により受電された電力(交流電力)は、整流器112に供給される。
充電器113は、整流器112から入力される電力によりバッテリー114を充電する。
バッテリー114は、電気自動車14が走行などするための電力を供給する電力源である。バッテリー114は、例えば、複数の二次電池が接続されて構成されている。
本実施形態では、制御ユニット21において、3個の異なる動作モード(第1動作モード、第2動作モード、第3動作モード)を、ユーザの手動により、または、自動的に、切り替えることが可能である。動作モードの切り替えがユーザの手動により行われる場合、制御ユニット21は、例えば、動作モードの切り替えをユーザの手動により行うことが可能なキーあるいはスイッチなどの操作部(図示せず)を備える。また、動作モードの切り替えが制御ユニット21により自動的に行われる場合には、動作モードの切り替えの条件があらかじめ制御ユニット21の温度・圧力制御部44に記憶され、当該温度・圧力制御部44が当該条件に基づいて切り替えを行う。
また、本実施形態では、制御ユニット21において、コンプレッサー43は第3動作モードにおいて使用されるため、第3動作モードの動作が行われない場合には、コンプレッサー43が備えられなくてもよい。なお、制御ユニット21において、第3動作モード以外の動作モードでコンプレッサー43が使用されてもよく、この場合には、コンプレッサー43が備えられる。
本フローの処理が開始すると、制御ユニット21は次の処理を実行する。
温度・圧力制御部44は、温度センサー331から送信されてくる信号に基づいて、温度センサー331により検出された温度(以下で、「センサー温度」ともいう。)の情報を取得する。そして、温度・圧力制御部44は、センサー温度が所定の閾値(本実施形態において、「第1閾値」ともいう。)より高い(第1閾値を超えた)か否かを判定する。
この判定の結果、温度・圧力制御部44は、センサー温度が第1閾値より高いと判定した場合には(ステップS1:YES)、ステップS2の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、温度・圧力制御部44は、センサー温度が第1閾値より高くない(つまり、第1閾値以下である)と判定した場合には(ステップS1:NO)、ステップS1の処理を繰り返して行う。
なお、第1閾値としては、他の温度が設定されてもよい。
温度・圧力制御部44は、センサー温度が第1閾値より高いと判定した場合、ポンプ41をオンの状態に切り替える。これにより、ポンプ41が動作して、送電コイルユニット22の内部の空気が循環させられることで、当該空気の温度が低下させられる。ここで、ポンプ41から送電コイルユニット22の内部に送られる空気の温度は、第1閾値以下である。
温度・圧力制御部44は、温度センサー331から送信されてくる信号に基づいて、温度センサー331により検出された温度(センサー温度)の情報を取得する。そして、温度・圧力制御部44は、センサー温度が所定の閾値(本実施形態において、「第1A閾値」ともいう。)以下であるか否かを判定する。ここで、第1A閾値は、第1閾値よりも低い値であり、例えば、送電コイルユニット22の内部の温度が十分に低下したとみなすことができる温度の値である。なお、他の例として、第1A閾値として、第1閾値と同じ値が用いられてもよい。
この判定の結果、温度・圧力制御部44は、センサー温度が第1A閾値以下であると判定した場合には(ステップS3:YES)、ステップS4の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、温度・圧力制御部44は、センサー温度が第1A閾値以下ではない(つまり、第1A閾値より大きい)と判定した場合には(ステップS3:NO)、ステップS2の処理に戻る。この場合、既にポンプ41がオンの状態であるときには、温度・圧力制御部44は、ポンプ41をオンの状態のまま維持する(ステップS2)。
温度・圧力制御部44は、センサー温度が第1A閾値以下であると判定した場合、ポンプ41をオフの状態に切り替え、そして、本フローの処理を終了する。
本例では、制御ユニット21は、センサー温度が第1閾値より高い場合に、センサー温度が第1A閾値以下になるまで、送電コイルユニット22の内部の温度を低下させる。
このように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1では、送電側の電力伝送装置11において、ワイヤレスの電力伝送に使用されるコイル(本実施形態では、コイル314)を備えるユニット(本実施形態では、送電コイルユニット22)の内部の温度の上昇を抑制することができる。
また、本実施形態では、制御ユニット21において、一例として、送電コイルユニット22に大気(大気の温度を有する空気)を送る構成としたが、他の例として、大気を温調器42により冷却した空気(大気の温度よりも低い温度を有する空気)を送る構成が用いられてもよい。
なお、他の例として、大気を温調器42により加熱した空気(大気の温度よりも高い温度を有する空気)を送る構成が用いられてもよい。
本フローの処理が開始すると、制御ユニット21は次の処理を実行する。
温度・圧力制御部44は、温度センサー331から送信されてくる信号に基づいて、温度センサー331により検出された温度(センサー温度)の情報を取得する。そして、温度・圧力制御部44は、センサー温度が所定の閾値(本実施形態において、「第2閾値」ともいう。)より高い(第2閾値を超えた)か否かを判定する。
この判定の結果、温度・圧力制御部44は、センサー温度が第2閾値より高いと判定した場合には(ステップS21:YES)、ステップS22の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、温度・圧力制御部44は、センサー温度が第2閾値より高くない(つまり、第2閾値以下である)と判定した場合には(ステップS21:NO)、ステップS21の処理を繰り返して行う。
なお、第2閾値としては、他の温度が設定されてもよい。
温度・圧力制御部44は、センサー温度が第2閾値より高いと判定した場合、ポンプ41をオンの状態に切り替える。これにより、ポンプ41が動作して、送電コイルユニット22の内部の空気が循環させられることで、当該空気の温度が低下させられる。ここで、ポンプ41から送電コイルユニット22の内部に送られる空気の温度は、第2閾値以下である。
温度・圧力制御部44は、ポンプ41をオフの状態に切り替える。
そして、温度・圧力制御部44は、温調器42をオンの状態に切り替えて制御することで、ポンプ41により送られる空気の温度を、より低い温度へ、変化させる。
(ステップS24)
温度・圧力制御部44は、ポンプ41をオンの状態に切り替える。
一例として、ポンプ41から送電コイルユニット22の内部に送り込まれる空気の温度に関し、温度・圧力制御部44は、1回目は当該空気の温度を大気の温度のままとし、2回目以降は温調器42により当該空気の温度を段階的に低下させていく。
他の例として、ポンプ41から送電コイルユニット22の内部に送り込まれる空気の温度に関し、温度・圧力制御部44は、1回目から温調器42により当該空気の温度を大気の温度よりも低い温度とし、2回目以降は温調器42により当該空気の温度をさらに段階的に低下させていく。
なお、空気の温度を段階的に低下させていく場合における毎回の温度の態様としては、様々な態様が用いられてもよい。
温度・圧力制御部44は、温度センサー331から送信されてくる信号に基づいて、温度センサー331により検出された温度(センサー温度)の情報を取得する。そして、温度・圧力制御部44は、センサー温度が所定の閾値(本実施形態において、「第2A閾値」ともいう。)以下であるか否かを判定する。ここで、第2A閾値は、第2閾値よりも低い値であり、例えば、送電コイルユニット22の内部の温度が十分に低下したとみなすことができる温度の値である。なお、他の例として、第2A閾値として、第2閾値と同じ値が用いられてもよい。
この判定の結果、温度・圧力制御部44は、センサー温度が第2A閾値以下であると判定した場合には(ステップS25:YES)、ステップS26の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、温度・圧力制御部44は、センサー温度が第2A閾値以下ではない(つまり、第2A閾値より大きい)と判定した場合には(ステップS25:NO)、ステップS22の処理に戻る。この場合、既にポンプ41がオンの状態であるときには、温度・圧力制御部44は、ポンプ41をオンの状態のまま維持する(ステップS22)。
温度・圧力制御部44は、センサー温度が第2A閾値以下であると判定した場合、ポンプ41をオフの状態に切り替え、そして、本フローの処理を終了する。
本例では、制御ユニット21は、センサー温度が第2閾値より高い場合に、センサー温度が第2A閾値以下になるまで、ポンプ41から送られる空気の温度を段階的に低下させながら、送電コイルユニット22の内部の温度を低下させる。
他の例として、温度・圧力制御部44は、ポンプ41をオンの状態に維持したまま、ポンプ41から送られる空気の温度を段階的に変更する(本実施形態では、低下させる)ことが行われてもよい。
また、他の例として、温度・圧力制御部44は、ポンプ41をオンの状態に維持したまま、ポンプ41から送られる空気の温度を連続的に変更する(本実施形態では、低下させる)ことが行われてもよい。
他の例として、送電側の電力伝送装置11において、送電コイルユニット22の内部に空気を送り続けながら、当該空気の温度を低下させていく。
このように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1では、送電側の電力伝送装置11において、ワイヤレスの電力伝送に使用されるコイル(本実施形態では、コイル314)を備えるユニット(本実施形態では、送電コイルユニット22)の内部の温度の上昇を抑制することができる。
例えば、ワイヤレス電力伝送システム1では、冬あるいは寒冷地などにおいて使用される場合を想定すると、大気の温度が非常に低いときもあり、まずは、温調器42によって大気を加熱した空気(つまり、大気よりも高い温度を有する空気)を送電コイルユニット22の内部に流入させてもよく、そこから次第に当該空気の温度を徐々に低下させてもよい。
本フローの処理が開始すると、制御ユニット21は次の処理を実行する。
温度・圧力制御部44は、制御ユニット21から送電コイルユニット22に電力を送電(給電)していない状態であるか否かを判定する。
この判定の結果、温度・圧力制御部44は、制御ユニット21から送電コイルユニット22に電力を給電していない状態であると判定した場合には(ステップS41:YES)、ステップS42の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、温度・圧力制御部44は、制御ユニット21から送電コイルユニット22に電力を給電していない状態ではない(つまり、給電している状態である)と判定した場合には(ステップS41:NO)、ステップS41の処理を繰り返して行う。
温度・圧力制御部44は、制御ユニット21から送電コイルユニット22に電力を給電していない状態であると判定した場合、コンプレッサー43をオンの状態に切り替え、ステップS43の処理へ移行する。
温度・圧力制御部44は、温度センサー331から送信されてくる信号に基づいて、温度センサー331により検出された温度(センサー温度)の情報を取得する。そして、温度・圧力制御部44は、センサー温度が所定の閾値(本実施形態において、「第3閾値」ともいう。)より高い(第3閾値を超えた)か否かを判定する。
この判定の結果、温度・圧力制御部44は、センサー温度が第3閾値より高いと判定した場合には(ステップS43:YES)、ステップS44の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、温度・圧力制御部44は、センサー温度が第3閾値より高くない(つまり、第3閾値以下である)と判定した場合には(ステップS43:NO)、ステップS42の処理に戻る。この場合、既にコンプレッサー43がオンの状態であるときには、温度・圧力制御部44は、コンプレッサー43をオンの状態のまま維持する(ステップS42)。
なお、第3閾値としては、他の温度が設定されてもよい。
温度・圧力制御部44は、センサー温度が第3閾値より高いと判定した場合、コンプレッサー43をオフの状態に切り替え、ステップS45の処理へ移行する。
温度・圧力制御部44は、センサー温度が第3閾値より高いと判定した場合、ポンプ41をオンの状態に切り替える。これにより、ポンプ41が動作して、送電コイルユニット22の内部の空気が循環させられることで、当該空気の温度が低下させられる。ここで、ポンプ41から送電コイルユニット22の内部に送られる空気の温度は、第3閾値以下である。
温度・圧力制御部44は、温度センサー331から送信されてくる信号に基づいて、温度センサー331により検出された温度(センサー温度)の情報を取得する。そして、温度・圧力制御部44は、センサー温度が所定の閾値(本実施形態において、「第3A閾値」ともいう。)以下であるか否かを判定する。ここで、第3A閾値は、第3閾値よりも低い値であり、例えば、送電コイルユニット22の内部の温度が十分に低下したとみなすことができる温度の値である。なお、他の例として、第3A閾値として、第3閾値と同じ値が用いられてもよい。
この判定の結果、温度・圧力制御部44は、センサー温度が第3A閾値以下であると判定した場合には(ステップS46:YES)、ステップS47の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、温度・圧力制御部44は、センサー温度が第3A閾値以下ではない(つまり、第3A閾値より大きい)と判定した場合には(ステップS46:NO)、ステップS45の処理に戻る。この場合、既にポンプ41がオンの状態であるときには、温度・圧力制御部44は、ポンプ41をオンの状態のまま維持する(ステップS45)。
温度・圧力制御部44は、センサー温度が第3A閾値以下であると判定した場合、ポンプ41をオフの状態に切り替え、ステップS48の処理へ移行する。
温度・圧力制御部44は、制御ユニット21から送電コイルユニット22に電力を送電(給電)していない状態であるか否かを判定する。
この判定の結果、温度・圧力制御部44は、制御ユニット21から送電コイルユニット22に電力を給電していない状態であると判定した場合には(ステップS48:YES)、ステップS49の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、温度・圧力制御部44は、制御ユニット21から送電コイルユニット22に電力を給電していない状態ではない(つまり、給電している状態である)と判定した場合には(ステップS48:NO)、ステップS43の処理に戻る。
温度・圧力制御部44は、制御ユニット21から送電コイルユニット22に電力を給電していない状態であると判定した場合、コンプレッサー43をオンの状態に切り替え、そして、本フローの処理を終了する。
本例では、制御ユニット21は、センサー温度が第3閾値より高い場合に、センサー温度が第3A閾値以下になるまで、ポンプ41により、送電コイルユニット22の内部の温度を低下させる。また、本例では、制御ユニット21は、送電コイルユニット22への給電が行われていない状態において、コンプレッサー43により、圧縮空気を送電コイルユニット22の内部に送る。
このように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1では、送電側の電力伝送装置11において、ワイヤレスの電力伝送に使用されるコイル(本実施形態では、コイル314)を備えるユニット(本実施形態では、送電コイルユニット22)の内部の温度の上昇を抑制することができる。
これにより、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1では、送電側の電力伝送装置11において、例えば、次回の給電(充電)を待機しているときに、送電コイルユニット22の内部に圧縮空気を注入することで、送電コイルユニット22の強度(筐体の強度)を高めることができる。
なお、送電コイルユニット22の内部に圧縮空気が送られる期間としては、様々な期間が用いられてもよく、例えば、電力伝送の終了から次の電力伝送の開始までの期間(つまり、電力伝送していない期間)のうちの一部または全部が用いられてもよい。
また、本実施形態では、制御ユニット21において、一例として、送電コイルユニット22の内部の空気の入れ替えに際して、送電コイルユニット22に大気(大気の温度を有する空気)を送る構成としたが、他の例として、大気を温調器42により冷却した空気(大気の温度よりも低い温度を有する空気)、あるいは、大気を温調器42により加熱した空気(大気の温度よりも高い温度を有する空気)を送る構成が用いられてもよい。
また、図8に示される処理フローは、例えば、図6に示される処理フローと組み合わされて実行されてもよく、あるいは、図7に示される処理フローと組み合わされて実行されてもよい。
このような構成は、送電側のワイヤレス電力伝送装置(本実施形態では、送電側の電力伝送装置11)に適用されてもよく、受電側のワイヤレス電力伝送装置(本実施形態では、受電側の電力伝送装置12)に適用されてもよく、あるいは、送電側の機能と受電側の機能との両方を備えるワイヤレス電力伝送装置に適用されてもよい。また、このような構成は、少なくとも送電の機能を有するワイヤレス電力伝送装置(説明の便宜上、「ワイヤレス電力伝送装置Q1」という。)と、少なくとも受電の機能を有する他のワイヤレス電力伝送装置(説明の便宜上、「ワイヤレス電力伝送装置Q2」という。)と、を備えて、少なくともワイヤレス電力伝送装置Q1からワイヤレス電力伝送装置Q2の向きにワイヤレスで電力伝送を行うワイヤレス電力伝送システムに適用されてもよい。
具体例として、電気自動車に備えられたコイル(送電コイルユニットのコイル)から外部へワイヤレスで給電する場合もあり得る。また、電気自動車に備えられたコイル(送電および受電の両方を行うコイルユニットのコイル)により外部と双方向でワイヤレスで電力を伝送する場合もあり得る。
一構成例として、ワイヤレス電力伝送装置(図1の例では、送電側の電力伝送装置11)は、屋外に露出されてワイヤレスで電力伝送を行うコイルユニット(図1の例では、送電コイルユニット22)と、電力伝送を制御する制御ユニット(図1の例では、制御ユニット21)と、を備える。コイルユニットは、コイル(図2~図5の例では、コイル314)と、電気部品(図2~図5の例では、電気部品315)と、温度検出部(図2~図5の例では、温度センサー331)と、コイルと電気部品と温度検出部を収容する筐体(図2~図5の例では、ベース部312と筐体カバー311とが組み合わされた筐体)と、を備える。制御ユニットは、空気を循環させる循環装置(図1の例では、循環装置P1)と、循環装置を制御する循環制御部(図1の例では、温度・圧力制御部44)と、を備える。循環制御部は、温度検出部により検出された温度が所定の閾値を超えた場合に、当該閾値以下の低い温度を有する空気を循環装置によりコイルユニットの筐体の内部に流入させる(例えば、図6に示される処理フロー、あるいは、図7に示される処理フロー)。
一構成例として、循環装置は、圧縮空気を生成するコンプレッサー(図1の例では、コンプレッサー43)を有する。循環制御部は、コイルユニットにより電力伝送が行われる期間以外の期間(つまり、コイルユニットにより電力伝送が行われていない期間)に、コンプレッサーにより生成される圧縮空気をコイルユニットの筐体の内部に流入させる。
一構成例として、ワイヤレス電力伝送システム(図1の例では、ワイヤレス電力伝送システム1)では、以上のうちのいずれかのワイヤレス電力伝送装置(ここで、説明の便宜上、「一のワイヤレス電力伝送装置」という。)と、他のワイヤレス電力伝送装置と、を備える。一のワイヤレス電力伝送装置が備えるコイルユニットと、他のワイヤレス電力伝送装置が備えるコイルユニットとの間でワイヤレスで電力伝送を行う。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティング・システム(OS:Operating System)或いは周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また、記録媒体としては、例えば、一時的にデータを記録する記録媒体であってもよい。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、或いは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)或いは電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
Claims (3)
- 屋外に露出されてワイヤレスで電力伝送を行うコイルユニットと、前記電力伝送を制御する制御ユニットと、を備え、
前記コイルユニットは、コイルと、電気部品と、温度検出部と、前記コイルと前記電気部品と前記温度検出部を収容する筐体と、を備え、
前記制御ユニットは、空気を循環させる循環装置と、前記循環装置を制御する循環制御部と、を備え、
前記循環制御部は、前記温度検出部により検出された温度が所定の閾値を超えた場合に、当該閾値以下の低い温度を有する前記空気を前記循環装置により前記コイルユニットの前記筐体の内部に流入させ、
前記循環装置は、圧縮空気を生成するコンプレッサーを有し、
前記循環制御部は、前記コイルユニットにより前記電力伝送が行われる期間以外の期間に、前記コンプレッサーにより生成される前記圧縮空気を前記コイルユニットの前記筐体の内部に流入させる、
ワイヤレス電力伝送装置。 - 前記循環装置は、温度調節器を有し、
前記循環制御部は、段階的あるいは連続的に前記閾値以下の低い温度を有する前記空気の温度を低下させて前記コイルユニットの前記筐体の内部に流入させる、
請求項1に記載のワイヤレス電力伝送装置。 - 請求項1または請求項2に記載のワイヤレス電力伝送装置と、他のワイヤレス電力伝送装置と、を備え、
前記ワイヤレス電力伝送装置が備える前記コイルユニットと、前記他のワイヤレス電力伝送装置が備えるコイルユニットとの間でワイヤレスで前記電力伝送を行う、
ワイヤレス電力伝送システム。
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