以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。例えば、本実施の形態では、LTEのシステムを対象としているが、本発明はLTEに限らずに適用可能である。また、本明細書及び特許請求の範囲では、特に断らない限り、「LTE」の用語は3GPPの特定のRel(リリース)に限定されない。
(システム全体構成)
図4は、本発明の実施の形態における通信システムの構成例を示す図である。図4に示すように、本実施の形態の通信システムは、eNB10、eNB20、MME30、S-GW(Serving Gateway)40、UE50を含む。なお、図4は、コアネットワーク(EPC)に関して、本実施の形態に関連する部分のみを示している。
UE50は携帯電話機等のユーザ装置である。eNB10、20はそれぞれ基地局である。MME30は、eNBを収容し、位置登録、ページング、ハンドオーバ等のモビリティ制御、ベアラ確立/削除等を行うノード装置である。S-GW40は、ユーザデータ(U-Planeデータ)の中継を行うノード装置である。なお、MME30とS-GW40からなるシステムを通信制御装置と呼ぶ。また、MME30とS-GW40を1つの装置で構成し、それを通信制御装置と呼ぶこととしてもよい。
図4に示すように、MME30とeNB10、20間はS1-MMEインターフェースで接続され、S-GW40とeNB10、20間はS1-Uインターフェースで接続される。また、eNB間はX2インターフェースで接続される。
本実施の形態では、UE50がRRC接続状態から非RRC接続状態に遷移する場合でも、UE50のUEコンテクストが保持される方式を前提とする。前述したように、この方式は、シグナリング数削減を可能とする方式である。
本実施の形態では、上記の方式の例として、非特許文献3に記載されている方式であるRRC-Suspended(及びECM-Suspended)という新しいRRCの状態を定義する方式に基づく実施例を実施例1として説明し、新たなRRCの状態を定義することなくUEコンテクストの再利用を行う方式に基づく実施例を実施例2として説明する。
(実施例1)
まず、実施例1について説明する。上記のとおり、実施例1の方式では、従来のRRC-Idle(RRCアイドル状態)とRRC-Connected(RRC接続状態)に加えて、RRC-Suspended(RRC保留状態と呼ぶ)という状態が追加されている。RRC保留状態において、UEとeNBはそれぞれ、RRC保留状態になる前のRRC接続状態で接続に使用したUEコンテクストを保持する。そして、RRC保留状態からRRC接続状態に遷移するときに、当該保持したUEコンテクストを使用してRRC接続確立をする。
本実施の形態に係る実施例1では、UE50が、あるeNBの配下のセルでRRC接続状態からRRC保留状態になり、その状態のままで他のeNB配下のセルに移動する場合でも、UE50は、当該移動後のeNB配下のセルでUEコンテクストを再利用してRRC接続を確立すること(RRC接続状態に遷移すること)が可能である。
<実施例1:全体シーケンス例>
まず、実施例1における通信システム全体のシーケンス例として、UE50が、RRCアイドル状態からRRC保留状態(及びECM保留状態)に遷移する場合の処理シーケンスを図5を参照して説明する。なお、図5、及び図6に示す全体の処理シーケンス自体は非特許文献3に開示されている。
ステップ101において、eNB10は、RRC接続を保留することを決定する。ステップ102において、eNB10は、UE50のRRC接続が保留されたことを示すメッセージをMME30に送信する。MME30とeNB10はUEコンテクストを保持する。
ステップ103、104でのメッセージ送受信を経て、ステップ105において、MME30はステップ102に対するAckを返す。ステップ106で、MME30はECM-SUSPENDEDの状態に入る。
ステップ107では、eNB10はUE50にRRC connection suspendメッセージを送信し、UE50をRRC保留状態にする(ステップ108)。RRC connection suspendメッセージには、Resume ID(再開ID)が含まれる。Resume IDは、次にRRC接続を再開する場合に使用される識別子である。RRC保留状態において、UE50とeNB10はそれぞれ、UEコンテクストを格納する。
ここで、実施例1において、UE50とeNB10のそれぞれで保持されるUEコンテクストは、例えば、RRCコンフィギュレーション(RRC configuration)、ベアラコンフィギュレーション(bearer configuration: RoHC state information等を含む)、ASセキュリティコンテクスト(Access Stratum Security Context)、L2/L1パラメータ(MAC、PHYのコンフィギュレーション等)等である。
また、UE50とeNB10とでUEコンテクストとして同じ情報を保持してもよいし、UE50は、eNB10との接続に必要なUEコンテクストの情報のみを保持し、eNB10は、UE50との接続に必要なUEコンテクストの情報のみを保持してもよい。
より具体的には、例えば、UE50とeNB10はそれぞれ、RRC Connection Setupで運ばれるRadioResourceConfigDedicatedの情報、RRC Connection Setup Completeで運ばれる能力情報、及びセキュリティ関連情報(キー情報等)、RRC Security Mode Commandで運ばれるセキュリティ関連情報、RRC Connection Reconfigurationで運ばれるコンフィギュレーション情報等を、UEコンテクストとして保持する。なお、これらは一例であり、UEコンテクストとして保持する情報は、これらに限られず、追加で情報を保持してもよいし、これらの情報の一部を保持しないこととしてもよい。
UE50とeNB10はそれぞれUEコンテクストとして上記のような情報を保持することで、RRC保留状態からRRC接続状態に遷移する際に、RRC Connection Setup Complete、RRC Security Mode Command、RRC Security Mode Complete、RRC Connection Reconfiguration、RRC Connection Reconfiguration Complete、等のメッセージの送受信を行うことなくRRC接続確立を行うことができる。
次に、UE50が、RRC保留状態からRRC接続状態に遷移する場合のシーケンス例を図6を参照して説明する。図6は、RRC保留状態(ステップ151)にあるUE50が着信を受ける(ステップ152~155)ケースを示しているが、これは例であり、RRC保留状態にあるUE50が発信をする場合も、UEコンテクストの再利用に関しては同様の処理が行われる。
eNB10からページングを受信したUEにおいて、ステップ156では、EMMレイヤから、RRC再開手順(resume procedure)が起動される。ステップ157にてRandom Access PreambleがUE50からeNB10に送信され、ステップ158にて、Random Access ResponseがeNB10からUE50に返される。
ステップ159では、メッセージ3として、UE50は、RRC Connection Resume RequestメッセージをeNB10に送信する。
当該RRC Connection Resume Requestメッセージには、UE50がUEコンテクストを保持することを示す情報であるResume Id(再開ID)が含まれる。RRC Connection Resume Requestメッセージを受信したeNB10は、当該メッセージに含まれるResume Idに対応付けて格納されている、UE50のUEコンテクストを取得し、UEコンテクストの情報に基づき、ベアラの再開等を行う。なお、UE50のUEコンテクストが格納されていない場合には、後述するコンテクスト取得手順が実行される。
ステップ160では、eNB10は、UE50に対してResume Idを含むRRC Connection Resume Completeメッセージを送信する。
ステップ161では、UE50とeNB10は、格納したセキュリティコンテクストを再開する。そして、ステップ162~165において、MME30に対するUE50の状態変更の通知等が行われる。
<実施例1:UE50とeNB20との間の手順例>
上記の図5、図6に示した例では、UE50は、同一のeNB10の配下でRRC接続状態からRRC保留状態になり、その後、再びRRC接続状態になる。
以下では、UE50がeNB10の配下でRRC接続状態からRRC保留状態になり(図5の処理)、その後、UE50が、eNB10とは異なるeNB20の配下のセルの移動する場合について説明する。なお、eNB10とeNB20はそれぞれ、図5、図6で説明したようなコンテクスト保持機能を有するとともに、以下で説明するように、コンテクスト取得手順を実行する機能を有している。
―――例1―――
まず、UE50とeNB20との間の処理手順例1を図7を参照して説明する。図7の処理の前提として、UE50は、RRC保留状態にあり、eNB10との間の接続時におけるUEコンテクストをResume Idとともに保持している。そして、UE50は、RRC保留状態のままでeNB20配下のセルに移動し、発信を実施することを契機として、もしくは着信を受けたことを契機としてRRC再開手順(resume procedure)が起動された状況を想定する。
ステップ201にてRandom Access PreambleがUE50からeNB20に送信され、ステップ202にて、Random Access ResponseがeNB20からUE50に返される。
ステップ203において、UE50は、RRC Connection Resume RequestメッセージをeNB20に送信する。
当該RRC Connection Resume Requestメッセージには、UE50がeNB10から取得したResume Id(再開ID)が含まれる。RRC Connection Resume Requestメッセージを受信したeNB20は、当該メッセージに含まれるResume Idに対応付けて格納されているUE50のUEコンテクストを検索するが、UE50のUEコンテクストを検出できない。あるいは、受信したResume IdとマッチするResume Idが存在しないため、UE50のUEコンテクストは存在しないと判断する。そのため、ステップ204において、eNB20は、UE50のUEコンテクストがeNB20において存在しないことを示す情報を含むRRC Connection Resume CompleteメッセージをUE50に送信する。なお、ステップ204でのメッセージは、RRC Connection Resume Completeメッセージに限らず、他のメッセージでもよい。
上記の情報を含むメッセージを受信したUE50は、eNB20にコンテクスト取得手順(Context Fetch procedure)を実行させるために、ステップ205において、RRC Connection Resume Complete-SecurityメッセージをeNB20に送信する。なお、ステップ205において送信するメッセージは、RRC Connection Resume Complete-Securityメッセージに限られず、他のメッセージでもよい。
ステップ205で送信するメッセージには、UE50が保持するUEコンテクストに対応するeNB側UEコンテクストを保持するeNB(ここではeNB10)を特定する情報と、当該UEコンテクストがUE50のものであることを特定(及び認証)するための情報(UE50のUEコンテクストを特定するための情報)とを含む。
図7の例では、eNB側のUEコンテクストを保持するeNB(ここではeNB10)を特定する情報として、PCI(eNB10を特定する物理セルID)が含まれる。なお、eNBを特定する情報はPCIに限らず、eNB ID等の他の情報でもよい。
また、UE50のUEコンテクストを特定するための情報としてAuthentication Token、Short MAC-I、(MTC)C-RNTIを含む。なお、UE50のUEコンテクストを特定するための情報としては、これらのうちの全部でなく、一部(1つ又は2つ)でもよい。また、これら以外の情報を使用してもよい。一般には、UE50のUEコンテクストを特定するための情報として、eNB10に保持されているUEコンテクストに含まれるUE50に対応する情報、あるいは、eNB10において当該UEコンテクストと対応付けて保持される情報(UE50に対応付けられた情報)を使用することができる。これらの情報は、UE50のID等に基づいて、UE50とeNB10において既知であるセキュリティ関連アルゴリズムで計算される情報であってもよい。
なお、実施例1の方式がMTC(Machine Type Communications)に関連するために、UE50を特定するための識別情報として(MTC)C-RNTI(MTC UEを特定するためのRNTI相当のASレイヤID)であることが示されているが、これは例であり、一般的なUEのC-RNTIを使用することとしてもよい。ここでのC-RNTIは、UE50がeNB10に接続しているときに取得されたC-RNTIである。
ここで送信されるAuthentication Tokenは、UE50が保持するUEコンテクストの一部であり、eNB10において、UE50のUEコンテクストにおけるセキュリティコンテクストを特定及び認証するために使用される。また、Short MAC-I及びC-RNTIは、eNB10において、UE50のUEコンテクストを特定及び認証するための使用される。なお、Authentication TokenやShort MAC-Iは、少なくともUEのASレイヤのセキュリティ・キーを用いて生成したビット列(ビット列の一部でもよい)である。
ステップ205のメッセージを受信したeNB20は、PCI等により特定されるeNB10との間でコンテクスト取得手順を実行する。コンテクスト取得手順の詳細は後述する。
なお、上記の例では、eNB20がUEコンテクストを保持するか否かを示す情報をUE50に通知しているが、このような通知を行わないこととしてもよい。その場合、UE50は、eNB20がUEコンテクストを保持するか否かに関わらずに、UEコンテクストを特定する特定情報(例:Authentication Token、Short MAC-I、(MTC)C-RNTI)をeNB20に送信する。eNB20は、当該特定情報に該当するUEコンテクストを自分自身が保持していないことを検知した場合に、後述するコンテクスト取得手順(context fetch procedure)を実行する。
―――例2―――
次に、UE50とeNB20との間の処理手順例2を図8を参照して説明する。前提は図7の場合と同じである。
ステップ251にてRandom Access PreambleがUE50からeNB20に送信され、ステップ252にて、Random Access ResponseがeNB20からUE50に返される。
ステップ253において、UE50は、RRC Connection Resume RequestメッセージをeNB20に送信する。例2では、RRC Connection Resume Requestメッセージの中に、UEコンテクストを保持するeNB(ここではeNB10)を特定する情報と、UE50のUEコンテクストを特定する情報が含まれる。これらの情報の内容については例1と同じである。つまり、例2では、UE50は、eNB20がUEコンテクストを保持するか否かを確認することなく、UEコンテクストを特定する特定情報をeNB20に送信する。
当該RRC Connection Resume Requestメッセージには、UE50がeNB10から取得したResume Id(再開ID)も含まれる。RRC Connection Resume Requestメッセージを受信したeNB20は、当該メッセージに含まれるResume Idに対応付けて格納されているUE50のUEコンテクストを検索するが、UE50のUEコンテクストを検出できない。あるいは、受信したResume IdとマッチするResume Idが存在しないため、UE50のUEコンテクストは存在しないと判断する。
そこで、eNB20は、RRC Connection Resume Requestメッセージに含まれている、UEコンテクストを保持するeNB(ここではeNB10)を特定する情報と、UE50のUEコンテクストを特定する情報とを用いてコンテクスト取得手順を実行する(ステップ254)。なお、仮に、eNB20がUE50のUEコンテクストを保持している場合には、コンテクスト取得手順を実行せずに、ステップ255に進む。
eNB20は、ステップ254により、UE50のUEコンテクストを取得し、当該UEコンテクストの情報に基づき、ベアラの再開等を行う。そして、ステップ255において、eNB20は、UE50に対してRRC Connection Resume Completeメッセージを送信する。これにより、UE50とeNB20との間で、UEコンテクストを再利用してRRC接続を確立できる。
<実施例1:コンテクスト取得手順例1>
次に、図7、図8で示したコンテクスト取得手順の内容例について、コンテクスト取得手順例1とコンテクスト取得手順例2について説明する。コンテクスト取得手順例1は、非特許文献5等に記載されているX2インターフェースを用いたeNB間通信に関わるメッセージを利用する手順例であり、コンテクスト取得手順例2はX2インターフェースを用いた新規のメッセージを利用する手順例である。
まず、コンテクスト取得手順例1について図9を参照して説明する。図9では、UE50とeNB20との間の手順の例2の場合について示しているが、例1の場合でもコンテクスト取得手順の内容は同じである。
ステップ301において、UE50は、RRC Connection Resume RequestメッセージをeNB20に送信する。RRC Connection Resume Requestメッセージの中には、UE50のUEコンテクストを保持するeNB(ここではeNB10)を特定する情報と、UE50のUEコンテクストを特定する情報が含まれる。具体的には、前述したとおり、PCI、Authentication Token、Short MAC-I、(MTC)C-RNTIが含まれる。
ステップ302において、eNB20は、PCIにより識別されるeNB10に対してRLF Indication (Radio Link Failure Indication:無線リンク障害指示)メッセージを送信する。当該RLF Indicationメッセージには、UE50から受信したUE50のUEコンテクストを保持するeNB(ここではeNB10)を特定する情報と、UE50のUEコンテクストを特定する情報が含まれる。すなわち、PCI、Authentication Token、Short MAC-I、(MTC)C-RNTIが含まれる。
ステップ302で、RLF Indicationメッセージを受信したeNB10は、UE50のUEコンテクストを特定する情報に基づいて、eNB10において記憶手段に保持されている複数のUEコンテクストの中から、UE50のUEコンテクストを取得する。
そして、ステップS303で、eNB10は、取得したUEコンテクストを含むHandover RequestメッセージをeNB20に送信する。なお、図9には、当該UEコンテクストの内容例としてUE RRM and security context(UEの無線リソース管理とセキュリティのコンテクスト)が示されている。
Handover Requestメッセージを受信したeNB20は、ステップ304において、Handover ResponseメッセージをeNB10に返す。
UE50のUEコンテクストを取得したeNB20は、ベアラの再開等を行うとともに、ステップ305において、UE50に対してResume Idを含むRRC Connection Resume Completeメッセージを送信する。これにより、UE50とeNB20は、UEコンテクストを再利用して、UE50とeNB20との間の接続を確立し、状態をRRC接続状態に遷移させる。
なお、eNB20が、コンテクスト取得手順を実行したが、目的のUEコンテクストを取得できなかった場合(ステップ306)、例えば、RRC Connection Releaseメッセージを送信し、UE50をRRCアイドル状態とする。なお、この場合、RRC Connection Resume Completeメッセージを送信してもよいし、送信しなくてもよい。
<実施例1:コンテクスト取得手順例2>
次に、コンテクスト取得手順例2について図10を参照して説明する。図10でも、UE50とeNB20との間の手順の例2の場合について示しているが、例1の場合でもコンテクスト取得手順の内容は同じである。
ステップ351において、UE50は、RRC Connection Resume RequestメッセージをeNB20に送信する。RRC Connection Resume Requestメッセージの中には、UE50のUEコンテクストを保持するeNB(ここではeNB10)を特定する情報と、UE50のUEコンテクストを特定する情報が含まれる。具体的には、前述したとおり、PCI、Authentication Token、Short MAC-I、(MTC)C-RNTIが含まれる。
ステップ352において、eNB20は、PCIにより識別されるeNB10に対してContext Requestメッセージ(コンテクスト要求メッセージ)を送信する。Context Requestメッセージには、UE50から受信したUE50のUEコンテクストを保持するeNB(ここではeNB10)を特定する情報と、UE50のUEコンテクストを特定する情報が含まれる。すなわち、PCI、Authentication Token、Short MAC-I、(MTC)C-RNTIが含まれる。なお、コンテクスト取得手順例1で用いたRLF Indicationメッセージについても、コンテクストを要求する機能を有するので、これをコンテクスト要求メッセージと呼んでもよい。
ステップ352で、Context Requestメッセージを受信したeNB10は、UE50のUEコンテクストを特定する情報に基づいて、eNB10において記憶手段に保持されている複数のUEコンテクストの中から、UE50のUEコンテクストを取得する。
そして、ステップS353で、eNB10は、取得したUEコンテクストを含むContext Responseメッセージ(コンテクスト応答メッセージ)をeNB20に送信する。なお、コンテクスト取得手順例1で用いたHandover Requestメッセージについても、コンテクストを応答する機能を有するので、これをコンテクスト応答メッセージと呼んでもよい。
Context ResponseメッセージによりUE50のUEコンテクストを取得したeNB20は、ベアラの再開等を行うとともに、ステップ354において、UE50に対してResume Idを含むRRC Connection Resume Completeメッセージを送信する。これにより、UE50とeNB20は、UEコンテクストを再利用して、UE50とeNB20との間の接続を確立し、状態をRRC接続状態に遷移させる。
なお、eNB20がコンテクスト取得手順を実行したが、目的のUEコンテクストを取得できなかった場合(ステップ355)、例えば、RRC Connection Releaseメッセージを送信し、UE50をRRCアイドル状態とする。なお、この場合、RRC Connection Resume Completeメッセージを送信してもよいし、送信しなくてもよい。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。前述したとおり、実施例2は、RRC-Suspendedのような新しい状態を定義することなく、RRCアイドル状態において、UEとeNBがUEコンテクストを保持し、RRC接続状態に遷移する際に、保持したUEコンテクストを再利用することで、シグナリング数削減を可能とする方式である。以下では、まず、実施例2で前提とする方式の内容について説明し、その後に、当該方式におけるコンテクスト取得手順等について説明する。
<実施例2:全体のシーケンス例>
まず、実施例2における通信システム全体のシーケンス例として、RRCアイドル状態のUE50に対する着信がある場合に、MME30からページングを行う方式について説明する。より具体的には、UE50がeNB10に接続してRRC接続状態となり、eNB10の配下のセルでRRCアイドル状態となり、同一セルで、その後に着信を受ける場合の処理シーケンスを図11を参照して説明する。
図11の処理の前提として、UE50はeNB10のセルにおいてRRC接続状態にあり、UE50に関するS1-C/Uのコネクションが確立されている状態とする。図11において、S1-Cコネクションは、eNB10とMME30との間のコネクションとMME30とS-GW40間のコネクションを含み、S1-Uコネクションは、eNB10とS-GW40間のコネクションを含む。コネクションが確立されている場合、コネクション確立信号等のコネクションセットアップのための手順を実行することなく、該当ノード装置間でUE50に係る信号(データ)を送受信できる。
図11の手順の説明に入る前に、UE50が最初にeNB10に接続する際の手順の一例の概要を説明しておく(非特許文献4)。なお、この最初の接続に係る手順は、実施例1にも適用できる。UE50のランダムアクセス時に、eNB10は、RRC Connection SetupをUE50に送信し、UE50をRRC接続状態とし、UE50からRRC Connection Setup Completeを受信する。その後、eNB10は、MME30からInitial Context Setup Requestを受信し、UE50に対してRRC Security Mode Commandを送信し、UE50からRRC Security Mode Completeを受信し、また、UE50に対してRRC Connection Reconfigurationを送信し、UE50からRRC Connection Reconfiguration Completeを受信し、MME30に対してInitial Context Setup Responseを送信する。このような手順を経て、UE50とeNB10におけるUEコンテクストの確立、保持等がなされる。
図11に示すように、RRC接続状態において、eNB10はMME30に対してコネクション維持指示信号を送信する(ステップ401)。また、MME30はコネクション維持指示信号をS-GW40に送信する(ステップ402)。
コネクション維持指示信号は、当該UE50に関するS1-C/Uコネクションを維持しながら、UE50への着信時に下りデータをS-GW40に保留して、MME30からページングを行うことを指示する信号である。
コネクション維持指示信号を受信したS-GW40は、指示を確認したことを示す確認応答をMME30に送信し(ステップ403)、MME30は、確認応答をeNB10に送信する(ステップ404)。
UE50に関するeNB10からMME30へのコネクション維持指示信号の送信は、例えば、eNB10において、UE50をRRCアイドル状態に遷移させる事象が発生したことをトリガーとして行ってもよいし、UE50が最初にeNB10の配下でRRC接続状態になり、当該UE50に関するS1-C/Uコネクションが確立された直後に行うこととしてもよい。
上記のRRCアイドル状態に遷移させる事象とは、例えば、所定のタイマ(例:UE Inactivity Timer)の満了によって、UE50との通信(上り下りのユーザデータ通信)が一定時間発生しないことを検知した場合であるが、これに限られるわけではない。
図11は、UE50との通信(上り下りのユーザデータ通信)が一定時間発生しないことを検知したことをトリガーとする場合を想定しており、ステップ401~404の後に、RRC接続解放(RRC Connection Release)をUE50に送信し、UE50をRRCアイドル状態に遷移させる(ステップ405)。
UE50が、RRCアイドル状態に遷移する場合でも、UE50とeNB10のそれぞれにおいて、RRC接続時に確立したUEコンテクストは保持される。
その後、UE50向けの下りデータが発生し、当該下りデータがS-GW40に到着する(ステップ406)。ここでは、S1-Uコネクションは確立済みであるが、ステップ402で受信したコネクション維持指示信号に基づき、S-GW40は、当該下りデータをeNB10に転送せずにバッファに保留しておく。
S-GW40は、下りデータ着信通知をMME30に送信し(ステップ407)、MME30はUE50向けのS1-APページングの信号をeNB10に送信する(ステップ408)。このページング自体は、既存のページングと同様であり、UE50のトラッキングエリアの各eNBに送信されるが、図11ではeNB10への送信を示している。
S1-APページングの信号を受信したeNB10は、配下のUE50にRRCページングの信号を送信する(ステップ409)。
RRCページング信号を受信したUE50は、RRC接続確立手順を実行し、RRC接続を確立させる(ステップ410)。その後、eNB10は、RRC接続の確立が完了したことを示す信号であるRRC接続確立完了をMME30に送信する(ステップ411)。なお、eNB10は、UE50とのRRC接続が確立したことを、例えば、eNB10がUE50からRRC Connection Setup Completeを受信したことで判別できる。
MME30はRRC接続確立完了の信号をS-GW40に送信する(ステップ412)。これにより、S-GW40はUE50とeNB10間のRRC接続が確立したと判断し、既に確立されているUE50に係るS1-Uコネクションを利用して、保留していた下りデータのeNB10への転送を開始する(ステップ413)。当該下りデータはeNB10からUE50に届く(ステップ414)。このようにしてUE50への下りデータの伝送が開始される。
図11のステップ410のRRC接続確立手順の詳細については後述する。当該RRC接続確立手順では、UE50とeNB10のそれぞれでRRC接続時に確立し、保持しておいたUEコンテクストが利用されるので、従来は必要であった、RRC Security Mode Command、RRC Security Mode Complete、RRC Connection Reconfiguration、RRC Connection Reconfiguration Complete、等のメッセージの送受信を行うことなくRRC接続確立を行うことができる。
ここで、UE50とeNB10のそれぞれで保持されるUEコンテクストは、例えば、RRCコンフィギュレーション(RRC configuration)、ベアラコンフィギュレーション(bearer configuration: RoHC state information等を含む)、ASセキュリティコンテクスト(Access Stratum Security Context)、L2/L1パラメータ(MAC、PHYのコンフィギュレーション等)等である。
また、UE50とeNB10とでUEコンテクストとして同じ情報を保持してもよいし、UE50は、eNB10との接続に必要なUEコンテクストの情報のみを保持し、eNB10は、UE50との接続に必要なUEコンテクストの情報のみを保持してもよい。
より具体的には、例えば、UE50とeNB10はそれぞれ、RRC Connection Setupで運ばれるRadioResourceConfigDedicatedの情報、RRC Connection Setup Completeで運ばれる能力情報、及びセキュリティ関連情報(キー情報等)、 RRC Security Mode Commandで運ばれるセキュリティ関連情報、RRC Connection Reconfigurationで運ばれるコンフィギュレーション情報等を、UEコンテクストとして保持する。なお、これらは一例であり、UEコンテクストとして保持する情報は、これらに限られず、追加で情報を保持してもよいし、これらの情報の一部を保持しないこととしてもよい。
UE50とeNB10はそれぞれUEコンテクストとして上記のような情報を保持することで、RRCアイドル状態からRRC接続状態に遷移する際に、RRC Security Mode Command、RRC Security Mode Complete、RRC Connection Reconfiguration、RRC Connection Reconfiguration Complete、等のメッセージの送受信を行うことなくRRC接続確立を行うことができる。
また、実施例2では、eNB10は、UEコンテクストを、当該UEコンテクストに対応するUEの識別子(UE識別子)に対応付けて記憶手段に保持する。UE識別子の種類には限定はないが、実施例2では、一例として、UE識別子としてS-TMSI(SAE temporary mobile subscriber identity)を使用している。
<RRC接続確立手順の例>
次に、実施例2におけるUE50とeNB10との間のRRC接続確立手順について、図12のシーケンスを参照して説明する。なお、図12に示すシーケンスは、図11のステップ410の手順を想定しているが、これに限られない。例えば、図12に示すシーケンスが、UE50からの発信時のRRC接続確立手順におけるものであってもよい。
図12に示すシーケンスの前に、UE50からeNB10にRandom Access Preambleが送信され、eNB10からUE50にRandom Access Responseが送信されているとする。
UE50は、Random Access Responseに含まれるULグラントで割り当てられるリソースにより、ステップ501において、RRC Connection Requestメッセージ(RRC接続要求)をeNB10に送信する。実施例2では、ステップ501において、UE50は、RRC Connection Requestメッセージにおけるスペアビット(spare bit :1ビット)を使用して、UE50がUEコンテクストを保持していることをeNB10に通知する。例えば、ビットが立っている(1である)場合に、UE50はUEコンテクストを保持していることを示す。UE50がUEコンテクストを保持していることを示すこの情報をUEコンテクスト保持情報と呼ぶことにする。
また、RRC Connection Requestメッセージには、上記のビットに加えて、UE50を識別するUE識別子(具体的には、S-TMSI(SAE temporary mobile subscriber identity ))が含まれる。S-TMSIは、UE50固有の識別子から生成される一時的なUE50の識別子であり、UE50の位置登録時等にMME30から払い出されるものである。本実施の形態では、UE50と各eNBは、UE50を識別するためのS-TMSIを保持しているものとする。
ステップ501で上記RRC Connection Requestメッセージを受信したeNB10は、当該メッセージからUEコンテクスト保持情報とUE識別子を読み出すことで、UE識別子で識別されるUE50がUEコンテクストを保持していることを認識し、保持している複数のUEコンテクストの中から、当該UE識別子に対応するUEコンテクストを記憶手段から検索する。すなわち、UE識別子のマッチング処理を行う。
ステップ502において、eNB10は、検索の結果、UE識別子に対応するUEコンテクストを検出すると、RRC Connection Setupメッセージ(RRC接続確立メッセージ)により、eNB10がUE50のUEコンテクストを保持していることをUE50に通知するとともに、UE50の認証のための情報を送信するようにUE50に要求する。なお、ここではeNB10がUEコンテクストを保持している場合の例を説明している。eNB10がUEコンテクストを保持していない場合については後述する。
UE50のUEコンテクストを保持していることを示す情報が含まれるRRC Connection Setupメッセージを受信したUE50は、保持していたUEコンテクスト(ベアラ、security key、コンフィギュレーション等)を継続使用する。
また、RRC Connection Setupメッセージに含まれるRadioResourceConfigDedicatedには、ベアラ、MAC及びPHYコンフィギュレーション等に関するパラメータ値が含まれるが、ステップ502において上記の通知・要求を含むRRC Connection Setupメッセージを受信したUE50は、RadioResourceConfigDedicatedにより通知されるパラメータ値を無視し、保持していたUEコンテクストのパラメータ値を継続使用する。なお、RadioResourceConfigDedicatedにより通知されるパラメータ値を無視せずに、通知されたパラメータ値を使用することとしてもよい。これにより、既に保持しているパラメータ値がeNB10により変更された場合に、その変更を反映することができる。
次に、ステップ503において、UE50は、RRC Connection Setup Completeメッセージに、Authentication token、shortMAC-I等の認証情報を含めてeNB10に送信する。ここでのAuthentication token、shortMAC-I等の認証情報は、eNB10がUE50を認証するために使用される情報である。
RRC Connection Setup Completeメッセージを受信したeNB10は、当該メッセージに含まれる認証情報を使用して、UE50が、UE識別子により検索されたUEコンテクストに対応する正しいUEであることを認証する。その後、UE50とeNB10はそれぞれ、保持していたUEコンテクストを利用して接続を確立(再開)する。なお、保持していたUEコンテクストを利用して接続を確立(再開)するにあたって、ステップ503は必ずしも必須ではなく、ステップ503を実施しないこととしてもよい。
<RRC接続解放手順の例>
実施例2においては、UE50がeNB10からRRC Connection Releaseメッセージを受信してRRCアイドル状態に遷移する際に、常にUEコンテクストを保持することとしてもよいし、RRC Connection Releaseメッセージ内にUEコンテクストを保持することを指示する情報が含まれていた場合にのみUEコンテクストを保持することとしてもよい。後者の例を以下に説明する。
図13に示すように、eNB10がUE50をRRCアイドル状態に遷移させる場合に、eNB10はUE50に対してRRC Connection Releaseメッセージを送信する(ステップ601)。
当該RRC Connection Releaseメッセージには、RRCアイドル状態においてUEコンテクストを保持し続けることをUE50に指示する指示情報(indication)が含まれる。なお、指示情報については、新規のindicationをメッセージ中に含めても良いし、既存のrelease causeのスペアビットを用いることとしてもよい。具体例については後述する。
UE50は、RRC Connection Releaseメッセージから上記指示情報を検知した場合、RRCアイドル状態の間、RRCアイドル状態遷移時のUEコンテクスト(ベアラ情報,セキュリティ情報等)を保持し続ける。
<実施例2:システム全体の処理シーケンスの他の例>
図11に示した例では、UE50は、同じeNB10の下で、RRC接続状態とRRCアイドル状態との間の遷移を行ったが、ここでは別の例として、UE50がeNB10に接続してRRC接続状態となり、eNB10の配下のセルでRRCアイドル状態となり、その後に、UE50がeNB20の配下のセルに移動して、着信を受ける場合の処理シーケンスを図14を参照して説明する。
図11の場合と同様にして、eNB10はMME30に対してコネクション維持指示信号を送信する(ステップ701)。また、MME30はコネクション維持指示信号をS-GW40に送信する(ステップ702)。
コネクション維持指示信号を受信したS-GW40は、確認応答をMME30に送信し(ステップ703)、MME30は、確認応答をeNB10に送信する(ステップ704)。
eNB10は、ステップ701~704の後に、RRC接続解放(RRC Connection Release)をUE50に送信し、UE50をRRCアイドル状態に遷移させる(ステップ705)。この後に、UE50はeNB20配下のセルに移動する。当該RRC Connection Releaseメッセージには、UEコンテクストを保持する指示が含まれており、UE50及びeNB10は、UEコンテクストを保持する。ただし、このUEコンテクストは、eNB10との接続に利用された情報である。
その後、UE50向けの下りデータが発生し、当該下りデータがS-GW40に到着する(ステップ706)。ここでは、S1-Uコネクションは確立済みであるが、ステップ702で受信したコネクション維持指示信号に基づき、S-GW40は、当該下りデータをeNB10に転送せずにバッファに保留しておく。
S-GW40は、下りデータ着信通知をMME30に送信し(ステップ707)、MME30はUE50向けのS1-APページングの信号をeNB20に送信する(ステップ708)。
S1-APページングの信号を受信したeNB20は、配下のUE50にRRCページングの信号を送信する(ステップ709)。
RRCページングを受信したUE50は、RRC接続確立手順を実行し、RRC接続を確立させる(ステップ710)。また、eNB20とコアNW側(図14ではS-GW40)との間でNAS接続手順が実行され、eNB20についてのS1-C/Uコネクションが確立される(ステップ711)。
上記により、UE50とS-GW40とのコネクションが確立されるため、S-GW40は、UE50への下りデータの送信を開始する(ステップ712、S713)。また、eNB10とMME30間でのUEコンテクストが解放されるとともに、eNB10についてのS1-C/Uコネクションが解放される(ステップ714)。
上記の例では、ステップ710のRRC接続確立手順において、UE50は、図12のステップ501のメッセージを送信するが、eNB20は、UE50に対応するUEコンテクストを保持していないと判断するため、後述するコンテクスト取得手順が実行される。当該コンテクスト取得手順で取得したUEコンテクストを利用するため、シグナリング数を削減してeNB20とUE50間のRRC接続を確立できる。
<仕様変更例>
次に、図12、図13で説明した各種の通知を行う場合における3GPP仕様書(3GPP TS 36.331、非特許文献4)の記載例(抜粋)を図15~図19に示す。図15~図19において、非特許文献4からの変更箇所に下線が引かれている。
図15Aは、図12のステップ501でUE50から送信されるRRC Connection Requestメッセージの例を示す。図15Aに示すように、ue-ContextStoring(例:1ビット)が追加されている。図15Bに示すように、ue-ContextStoringは、UE50が、前回のRRC接続において使用したUEコンテクストを保持していることを示す情報である。また、図15Aに示すとおり、S-TMSIが含まれている。
図16Aは、図12のステップ502でeNB10から送信されるRRC Connection Setupメッセージの例を示す。図16Aに示すように、ue-ContextStoredとue-AuthenticationInfoReqが追加されている。
図16Bに示すように、ue-AuthenticationInfoReqは、UEに対して認証情報を送信するよう要求する情報である。ue-ContextStoredは、eNBが、RRC Connection Setupの対象するUEのUEコンテクストを保持することを示す情報である。UEは、この情報(フィールド)が存在することを検出した場合、当該RRC Connection Setupメッセージにより通知されるradioRecourceConfigDedicatedフィールドを無視する。なお、前述したとおり、radioRecourceConfigDedicatedフィールドを無視せずに、これにより通知されたパラメータ値を適用することとしてもよい。
図17は、図12のステップ503においてUE50から送信されるRRC Connection Setup Completeメッセージの例を示す。図17に示すとおり、認証情報であるue-AuthenticationToken及びue-AuthenticationInfoが追加されている。
図18~図19は、図13のステップ601においてeNB10から送信されるRRC Connection Releaseメッセージの例1、2を示す。
図18A,Bは、Cause valueを使用してUEコンテクスト保持指示を行う例(例1)を示す。この場合、図18Aに示すように、ReleaseCause内にUEcontextHoldingが追加される。図18Bに示すとおり、ue-ContextHoldingの値は、UEがRRCアイドル状態の間、UEコンテクストを保持し続ける指示を示す。
図19A、Bは、新規indicationを使用してUEコンテクスト保持指示を行う例(例2)を示す。図19Aに示すように、新規indicationとしてue-ContextHoldingが追加されている。図19Bに示すとおり、ue-ContextHoldingは、UEがRRCアイドル状態の間、UEコンテクストを保持し続ける指示を示す。
<実施例2:UE50とeNB20との間の手順例>
以下では、UE50がeNB10の配下でRRC接続状態からRRCアイドル状態になり、その後、UE50が、eNB10とは異なるeNB20の配下のセルの移動する場合(例:図14に示したケース)について、eNB20がUEコンテクストを取得するための処理について説明する。なお、eNB10とeNB20はそれぞれ、コンテクスト保持機能を有するとともに、以下で説明するように、コンテクスト取得手順を実行する機能を有している。
まず、UE50とeNB20との間の処理手順について、図20を参照して説明する。図20の処理の前提として、UE50は、RRCアイドル状態にあり、eNB10との間の接続時におけるUEコンテクストを保持している。そして、UE50は、RRCアイドル状態のままでeNB20配下のセルに移動し、発信を実施することを契機として、もしくは着信を受けたことを契機としてRRC接続状態への遷移手順が起動された状況を想定する。また、以下で説明する動作は、図12を参照して説明した動作をベースとするが、以下の動作は、図12の場合と異なり、eNB20がUE50のUEコンテクストを保持しない場合の動作である。
ステップ801にてRandom Access PreambleがUE50からeNB20に送信され、ステップ802にて、Random Access ResponseがeNB20からUE50に返される。
ステップ803において、UE50は、RRC Connection RequestメッセージをeNB20に送信する。
当該RRC Connection Requestメッセージには、UE50がUEコンテクストを保持していることを示す情報と、UE識別子(S-TMSI)が含まれている。RRC Connection Requestメッセージを受信したeNB20は、当該メッセージに含まれるUE識別子に対応付けて格納されている、UE50のUEコンテクストを検索するが、UE50のUEコンテクストを検出できない。
そのため、ステップ804では、eNB20は、UE50のUEコンテクストがeNB20において存在しないことを示す情報を含む(あるいは、UE50のUEコンテクストがeNB20において存在することを示す情報を含まない)RRC Connection SetupメッセージをUE50に送信する。
上記の情報を含むメッセージを受信したUE50は、eNB20がUEコンテクストを保持しないことを認識し、eNB20にコンテクスト取得手順(Context Fetch procedure)を実行させるために、ステップ805において、RRC Connection Setup CompleteメッセージをeNB20に送信する。
ステップ805で送信するメッセージには、UE50が保持するUEコンテクストに対応するeNB側のUEコンテクストを保持するeNB(ここではeNB10)を特定する情報と、当該UEコンテクストがUE50のものであることを特定(及び/又は認証)するための情報(UE50のUEコンテクストを特定するための情報)とを含む。具体的な情報の内容の説明は、実施例1での説明と同じである。
ステップ805のメッセージを受信したeNB20は、PCI等により特定されるeNB10との間でコンテクスト取得手順を実行する(ステップ806)。
なお、上記の例では、eNB20がUEコンテクストを保持するか否かを示す情報をUE50に通知しているが、このような通知を行わないこととしてもよい。その場合、UE50は、eNB20がUEコンテクストを保持するか否かに関わらずに、UEコンテクストを特定する特定情報(例:Authentication Token、Short MAC-I、(MTC)C-RNTI)をeNB20に送信する。eNB20は、当該特定情報に該当するUEコンテクストを自分自身が保持していないことを検知した場合に、後述するコンテクスト取得手順(context fetch procedure)を実行する。
<実施例2:コンテクスト取得手順例1>
次に、図20で示したコンテクスト取得手順の例について、コンテクスト取得手順例1とコンテクスト取得手順例2について説明する。コンテクスト取得手順例1は、非特許文献5等に記載されているX2インターフェースを用いたeNB間通信に関わるメッセージを利用する手順例であり、コンテクスト取得手順例2はX2インターフェースを用いた新規のメッセージを利用する手順例である。
まず、コンテクスト取得手順例1について図21を参照して説明する。ステップ901において、UE50は、RRC Connection Setup CompleteメッセージをeNB20に送信する。RRC Connection Setup Completeメッセージの中には、UE50のUEコンテクストを保持するeNB(ここではeNB10)を特定する情報と、UE50のUEコンテクストを特定する情報が含まれる。具体的には、PCI、Authentication Token、Short MAC-I、(MTC)C-RNTIが含まれる。
ステップ902において、eNB20は、PCIにより識別されるeNB10に対してRLF Indication (Radio Link Failure Indication:無線リンク障害指示)メッセージを送信する。当該RLF Indicationメッセージには、UE50から受信した、UE50のUEコンテクストを保持するeNB(ここではeNB10)を特定する情報と、UE50のUEコンテクストを特定する情報が含まれる。すなわち、PCI、Authentication Token、Short MAC-I、(MTC)C-RNTIが含まれる。
ステップ902で、RLF Indicationメッセージを受信したeNB10は、UE50のUEコンテクストを特定する情報に基づいて、eNB10において記憶手段に保持されている複数のUEコンテクストの中から、UE50のUEコンテクストを取得する。
そして、ステップS903で、eNB10は、取得したUEコンテクストを含むHandover RequestメッセージをeNB20に送信する。Handover Requestメッセージを受信したeNB20は、ステップ904において、Handover ResponseメッセージをeNB10に返す。
UE50のUEコンテクストを取得したeNB20は、ステップ905において、RRC Connection ReconfigurationメッセージをUE50に送信する。また、ステップ906において、UE50は、RRC Connection Reconfiguration CompleteメッセージをeNB20に送信する。これにより、UE50とeNB20は、UEコンテクストを再利用して、UE50とeNB20との間の接続を確立し、状態をRRC接続状態に遷移させる。
なお、UE50とeNB20は、保持/取得したUEコンテクストを再利用することでUE50とeNB20との間のRRC接続を確立できるので、ステップ905とステップ906を実行しないこととしてもよい。もしくは、UE50は、RRC Connection Reconfigurationメッセージで受信するコンフィギュレーション情報のうちの一部又は全部を無視してもよい。また、無視せずに、RRC Connection Reconfigurationメッセージで受信するコンフィギュレーション情報を適用してもよい。
なお、eNB20が、コンテクスト取得手順を実行したが、目的のUEコンテクストを取得できなかった場合(ステップ907)、例えば、RRC Connection Releaseメッセージを送信し、UE50をRRCアイドル状態とする。
<実施例2:コンテクスト取得手順例2>
次に、コンテクスト取得手順例2について図22を参照して説明する。ステップ951において、UE50は、RRC Connection Setup CompleteメッセージをeNB20に送信する。RRC Connection Resume Requestメッセージの中には、UE50のUEコンテクストを保持するeNB(ここではeNB10)を特定する情報と、UE50のUEコンテクストを特定する情報が含まれる。具体的には、PCI、Authentication Token、Short MAC-I、(MTC)C-RNTIが含まれる。
ステップ952において、eNB20は、PCIにより識別されるeNB10に対してContext Requestメッセージ(コンテクスト要求メッセージ)を送信する。Context Requestメッセージには、UE50から受信した、UE50のUEコンテクストを保持するeNB(ここではeNB10)を特定する情報と、UE50のUEコンテクストを特定する情報が含まれる。すなわち、PCI、Authentication Token、Short MAC-I、(MTC)C-RNTIが含まれる。なお、コンテクスト取得手順例1で用いたRLF Indicationメッセージについても、コンテクストを要求する機能を有するので、これをコンテクスト要求メッセージと呼んでもよい。
ステップ952で、Context Requestメッセージを受信したeNB10は、UE50のUEコンテクストを特定する情報に基づいて、eNB10において記憶手段に保持されている複数のUEコンテクストの中から、UE50のUEコンテクストを取得する。
そして、ステップS953で、eNB10は、取得したUEコンテクストを含むContext Responseメッセージ(コンテクスト応答メッセージ)をeNB20に送信する。なお、コンテクスト取得手順例1で用いたHandover Requestメッセージについても、コンテクストを応答する機能を有するので、これをコンテクスト応答メッセージと呼んでもよい。
UE50のUEコンテクストを取得したeNB20は、ステップ954において、RRC Connection ReconfigurationメッセージをUE50に送信する。また、ステップ955において、UE50は、RRC Connection Reconfiguration CompleteメッセージをeNB20に送信する。これにより、UE50とeNB20は、UEコンテクストを再利用して、UE50とeNB20との間の接続を確立し、状態をRRC接続状態に遷移させる。
なお、UE50とeNB20は、保持/取得したUEコンテクストを再利用することでUE50とeNB20との間のRRC接続を確立できるので、ステップ954とステップ955を実行しないこととしてもよい。もしくは、UE50は、RRC Connection Reconfigurationメッセージで受信するコンフィギュレーション情報のうちの一部又は全部を無視してもよい。また、無視せずに、RRC Connection Reconfigurationメッセージで受信するコンフィギュレーション情報を適用してもよい。
なお、eNB20が、コンテクスト取得手順を実行したが、目的のUEコンテクストを取得できなかった場合(ステップ956)、例えば、RRC Connection Releaseメッセージを送信し、UE50をRRCアイドル状態とする(ステップ957)。
<実施例2:eNBの特定情報を通知する方法の変形例1>
実施例2において、図20を参照して説明した方法では、RRC Connection Setup CompleteメッセージにeNBの特定情報を含めて送信しているが、これは一例であり、他のメッセージでeNBの特定情報を送信することも可能である。変形例1では、RRC Connection RequestメッセージにeNBの特定情報を含めて送信する。変形例1を図23、図24を参照して説明する。
まず、図23に示す処理の前提として、UE50は、RRCアイドル状態にあり、eNB10との間の接続時におけるUEコンテクストを保持している。そして、UE50は、RRCアイドル状態のままでeNB20配下のセルに移動し、発信を実施することを契機として、もしくは着信を受けたことを契機としてRRC接続状態への遷移手順が起動された状況を想定する。
ステップ1001にてRandom Access PreambleがUE50からeNB20に送信され、ステップ1002にて、Random Access ResponseがeNB20からUE50に返される。
ステップ1003において、UE50は、RRC Connection RequestメッセージをeNB20に送信する。ステップ1003で送信するメッセージには、UE50が保持するUEコンテクストに対応するeNB側のUEコンテクストを保持するeNB(ここではeNB10)を特定する情報と、当該UEコンテクストがUE50のものであることを特定(及び/又は認証)するための情報(UE50のUEコンテクストを特定するための情報)とを含む。具体的な情報の内容の説明は、実施例1での説明と同様である。図23の例では、PCIとeNB IDの両方を含むが、いずれか一方のみを含めることとしてもよい。
ステップ1004では、eNB20は、UE50にRRC Connection SetupメッセージをUE50に送信する。ステップ1005において、UE50は、RRC Connection Setup CompleteメッセージをeNB20に送信する。
ステップ1006において、eNB20は、ステップS1003で受信したPCI等により特定されるeNB10との間でコンテクスト取得手順を実行する。コンテクスト取得手順の内容は、図21、図22を参照して説明したとおりである。
ステップS1003におけるRRC Connection Requestメッセージの送信を行う場合における3GPP仕様書(3GPP TS 36.331、非特許文献4)の記載例(抜粋)を図24に示す。
図24に示すように、criticalExtensionsFutureとして、RRCConnectionRequest-r13-IEsが追加される。RRCConnectionRequest-r13-IEsは、UE-AS-ConfigIdenity-r13を含み、UE-AS-ConfigIdenity-r13は、Authentication Token ID、前回接続時(eNB10との接続時)のeNB-ID、C-RNTI、PCI、Short MAC-Iを含む。
<実施例2:eNBの特定情報を通知する方法の変形例2>
変形例2では、RRC Connection Reestablishment RequestメッセージにeNBの特定情報を含めて送信する。変形例2を図25、図26を参照して説明する。なお、RRC Connection Reestablishment(接続再確立)手順は、無線リンク故障(radio link failure)、ハンドオーバ失敗(Handover failure)等の場合に実行される手順である。
図23に示す処理の前提として、UE50は、eNB10との間の接続時におけるUEコンテクストを保持している。そして、UE50は、RRCアイドル状態のままでeNB20配下のセルに移動するが、無線リンク故障が生じた状況を想定する。
ステップ1101にてRandom Access PreambleがUE50からeNB20に送信され、ステップ1102にて、Random Access ResponseがeNB20からUE50に返される。
ステップ1103において、UE50は、RRC Connection Reestablishment RequestメッセージをeNB20に送信する。ステップ1103で送信するメッセージには、UE50が保持するUEコンテクストに対応するeNB側のUEコンテクストを保持するeNB(ここではeNB10)を特定する情報と、当該UEコンテクストがUE50のものであることを特定(及び/又は認証)するための情報(UE50のUEコンテクストを特定するための情報)とを含む。具体的な情報の内容の説明は、実施例1での説明と同様である。図24の例では、PCIとeNB IDの両方を含むが、いずれか一方のみを含めることとしてもよい。
ステップ1104において、eNB20は、ステップS1103で受信したPCI等により特定されるeNB10との間でコンテクスト取得手順を実行する。コンテクスト取得手順の内容は、図21、図22を参照して説明したとおりである。
コンテクスト取得手順によりUEコンテクストを取得したeNB20は、ステップ1105において、RRC Connection ReestablishmentメッセージをUE50に送信する。
なお、UE50は、コンテクストを保持しているので、RRC Connection Reestablishmentメッセージで受信するコンフィギュレーション情報(radioResourceConfigDedicated等)のうちの一部又は全部を無視してもよい。また、無視せずに、RRC Connection Reestablishmentメッセージで受信するコンフィギュレーション情報を適用してもよい。
ステップS1103におけるRRC Connection Reestablishment Requestメッセージの送信を行う場合における3GPP仕様書(3GPP TS 36.331、非特許文献4)の記載例(抜粋)を図26に示す。
図26に示すように、criticalExtensionsFutureとして、RRCConnectionReestablishmentRequest-r13-IEsが追加される。RRCConnectionReestablishmentRequest-r13-IEsは、ReestabUE-Identity-r13を含み、ReestabUE-Identity-r13は、Authentication Token ID、前回接続時(eNB10との接続時)のeNB-ID、C-RNTI、PCI、Short MAC-Iを含む。
(装置構成例)
次に、本発明の実施の形態における装置の構成例を説明する。以下で説明する各装置の構成は、発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTE(EPCを含む意味のLTE)に準拠した通信システムにおける装置として動作するための図示しない機能も有するものである。また、各図に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分や機能部の名称はどのようなものでもよい。
各装置は、実施例1と実施例2の両方の機能を備えてもよいし、実施例1と実施例2のうちのいずれか一方を備えることとしてもよい。以下の説明では、各装置は実施例1と実施例2の両方の機能を備えるものとする。
<MME、S-GWの構成例>
まず、図27を参照して、MME30とS-GW40の構成例を説明する。図27に示すように、MME30は、eNB通信部31、SGW通信部32、通信制御部33を含む。
eNB通信部31は、eNBとの間でS1-MMEインターフェースによる制御信号の送受信を行う機能を含む。SGW通信部32は、S-GWとの間でS11インターフェースによる制御信号の送受信を行う機能を含む。
また、S-GW40は、eNB通信部41、MME通信部42、NW通信部43、通信制御部44を含む。eNB通信部41は、eNBとの間でS1-Uインターフェースによるデータの送受信を行う機能を含む。MME通信部42は、MMEとの間でS11インターフェースによる制御信号の送受信を行う機能を含む。NW通信部43は、コアNW側のノード装置との間で制御信号の送受信及びデータの送受信を行う機能を含む。
なお、ここまでの説明は実施例1と実施例2で共通である。以下では特に、実施例2(非特許文献3とは異なる方式)についての機能を説明する。
通信制御部33は、eNBからコネクション維持指示信号を受信した場合に、当該コネクション維持指示信号をS-GWに送信するようSGW通信部32に指示するとともに、S-GWから確認応答を受信した場合に、当該確認応答をeNBに送信するようSGW通信部32に指示する機能を含む。
通信制御部44は、MMEからコネクション維持指示信号を受信した場合に、確認応答をMMEに送信するようMME通信部42に指示する機能を含む。また、通信制御部44は、MMEからコネクション維持指示信号を受信している場合において、該当UEへの下りデータを受信した場合に、当該下りデータをバッファに保留しておくようにNW通信部43に指示し、RRC接続確立完了をeNBから受信した場合に、当該下りデータを送信するようにNW通信部43に指示する機能を含む。
なお、MME30とS-GW40を1つの装置として構成することもできる。その場合、SGW通信部32とMME通信部42間のS11インターフェースの通信は、装置内部の通信となる。
次に、本発明の実施の形態(実施例1と実施例2を含む)におけるUE50とeNB10の構成例を説明する。なお、eNB10とeNB20は、同じ機能を備えており、ここでは例としてeNB10を挙げている。
<ユーザ装置UE>
図28に、ユーザ装置(UE50)の機能構成図を示す。図28に示すように、UE50は、DL信号受信部51、UL信号送信部52、RRC処理部53、UEコンテクスト管理部54を備える。なお、図28は、UE50において本発明に特に関連する機能部のみを示すものであり、UE50は、少なくともLTEに準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。
DL信号受信部51は、基地局eNBから各種の下り信号を受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの情報を取得する機能を含み、UL信号送信部52は、UE50から送信されるべき上位のレイヤの情報から、物理レイヤの各種信号を生成し、基地局eNBに対して送信する機能を含む。
RRC処理部53は、図7~図10、図12、図13、図15~図26等を参照して説明した、UE側の判定処理、RRCメッセージの生成・送信(送信はUL信号送信部52を介した送信)、DL信号受信部51により受信したRRCメッセージの解釈等を行う。また、RRC処理部53は、UEコンテクスト管理部54に保持しておいたUEコンテクストを利用してRRC接続を再開する機能等も含む。
UEコンテクスト管理部54は、メモリ等の記憶手段を含み、例えば、図5のステップ107、図13等で説明した指示に基づいて、RRC保留状態/RRCアイドル状態においてUEコンテクスト及びUE識別子(S-TMSI等)を保持する。また、図12に示す手順においては、UEコンテクストの保持の有無を判断し、UEコンテクストを保持している場合には、UEコンテクストを保持していることを示す情報を通知するよう、RRC処理部53に指示する。
図28に示すUE50の構成は、全体をハードウェア回路(例:1つ又は複数のICチップ)で実現してもよいし、一部をハードウェア回路で構成し、その他の部分をCPUとプログラムとで実現してもよい。
図29は、UE50のハードウェア(HW)構成の例を示す図である。図29は、図28よりも実装例に近い構成を示している。図29に示すように、UEは、無線信号に関する処理を行うRE(Radio Equipment)モジュール151と、ベースバンド信号処理を行うBB(Base Band)処理モジュール152と、上位レイヤ等の処理を行う装置制御モジュール153と、USIMカードにアクセスするインタフェースであるUSIMスロット154とを有する。
REモジュール151は、BB処理モジュール152から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A(Digital-to-Analog)変換、変調、周波数変換、及び電力増幅等を行うことでアンテナから送信すべき無線信号を生成する。また、受信した無線信号に対して、周波数変換、A/D(Analog to Digital)変換、復調等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成し、BB処理モジュール152に渡す。REモジュール151は、例えば、図28のDL信号受信部51及びUL信号送信部52における物理レイヤ等の機能を含む。
BB処理モジュール152は、IPパケットとデジタルベースバンド信号とを相互に変換する処理を行う。DSP(Digital Signal Processor)162は、BB処理モジュール152における信号処理を行うプロセッサである。メモリ172は、DSP162のワークエリアとして使用される。BB処理モジュール152は、例えば、図28のDL信号受信部51及びUL信号送信部52におけるレイヤ2等の機能、RRC処理部53及びUEコンテクスト管理部54を含む。なお、RRC処理部53及びUEコンテクスト管理部54の機能の全部又は一部を装置制御モジュール153に含めることとしてもよい。
装置制御モジュール153は、IPレイヤのプロトコル処理、各種アプリケーションの処理等を行う。プロセッサ163は、装置制御モジュール153が行う処理を行うプロセッサである。メモリ173は、プロセッサ163のワークエリアとして使用される。また、プロセッサ163は、USIMスロット154を介してUSIMとの間でデータの読出し及び書込みを行う。
<基地局eNB>
図30に、基地局eNB(eNB10)の機能構成図を示す。図30に示すように、eNB10は、DL信号送信部11、UL信号受信部12、RRC処理部13、UEコンテクスト管理部14、認証部15、UEコンテクスト取得部16、NW通信部17を備える。なお、図30は、eNB10において本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、eNB10は、少なくともLTE方式に準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。
DL信号送信部11は、eNB10から送信されるべき上位のレイヤの情報から、物理レイヤの各種信号を生成し、送信する機能を含む。UL信号受信部12は、ユーザ装置UEから各種の上り信号を受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。
RRC処理部13は、図7~図10、図12、図13、図15~図26等を参照して説明した、eNB側の判定処理、RRCメッセージの生成・送信(送信はDL信号送信部11を介した送信)、UL信号受信部12により受信したRRCメッセージの解釈等を行う。また、RRC処理部13は、UEコンテクスト管理部14に保持しておいたUEコンテクストを利用してRRC接続を再開する機能等も含む。
UEコンテクスト管理部14は、メモリ等の記憶手段を含み、例えば、図5のステップ107、図13等で説明した指示の送信に基づいて、RRC保留状態/RRCアイドル状態においてUEコンテクスト及びUE識別子(S-TMSI等)を保持する。また、図12に示す手順においては、UEから受信するUE識別子に基づいて、UEコンテクストを検索し、UEコンテクストが保持されていることを確認したら、UEコンテクストが保持されていることを示す通知、及び、認証情報の要求をRRC処理部13に指示する。
認証部15は、図12に示したステップ503において、UEから認証情報を受信し、UEの認証を行う機能を含む。
UEコンテクストを保持するUE(RRC保留状態/RRCアイドル状態)との間でRRC接続を確立するために必要なUEコンテクストがUEコンテクスト管理部14に格納されていない場合に、UEコンテクスト取得部16は、これまでに説明したようにコンテクスト取得手順を実行する(図9、10、21、22等)。また、UEコンテクスト取得部16は、他の基地局から、コンテクスト要求メッセージを受信したときに、対象のUEコンテクストを特定する情報に基づいて、当該UEコンテクストをUEコンテクスト管理部14から取得して、当該他の基地局に返す機能を有する。
NW通信部17は、S1-MMEインターフェースでMMEとの間で制御信号を送受信する機能、及び、S1-UインターフェースでS-GWとの間でデータを送受信する機能、コネクション維持指示信号の送信機能、RRC接続確立完了の送信の送信機能等を含む。
図30に示すeNB10の構成は、全体をハードウェア回路(例:1つ又は複数のICチップ)で実現してもよいし、一部をハードウェア回路で構成し、その他の部分をCPUとプログラムとで実現してもよい。
図31は、eNB10のハードウェア(HW)構成の例を示す図である。図31は、図30よりも実装例に近い構成を示している。図31に示すように、eNB10は、無線信号に関する処理を行うREモジュール251と、ベースバンド信号処理を行うBB処理モジュール252と、上位レイヤ等の処理を行う装置制御モジュール253と、ネットワークと接続するためのインタフェースである通信IF254とを有する。
REモジュール251は、BB処理モジュール252から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A変換、変調、周波数変換、及び電力増幅等を行うことでアンテナから送信すべき無線信号を生成する。また、受信した無線信号に対して、周波数変換、A/D変換、復調等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成し、BB処理モジュール252に渡す。REモジュール251は、例えば、図30のDL信号送信部11及びUL信号受信部12における物理レイヤ等の機能を含む。
BB処理モジュール252は、IPパケットとデジタルベースバンド信号とを相互に変換する処理を行う。DSP262は、BB処理モジュール252における信号処理を行うプロセッサである。メモリ272は、DSP252のワークエリアとして使用される。BB処理モジュール252は、例えば、図30のDL信号送信部11及びUL信号受信部12におけるレイヤ2等の機能、RRC処理部13、UEコンテクスト管理部14、認証部15、UEコンテクスト取得部16を含む。なお、RRC処理部13、UEコンテクスト管理部14、認証部15、UEコンテクスト取得部16の機能の全部又は一部を装置制御モジュール253に含めることとしてもよい。
装置制御モジュール253は、IPレイヤのプロトコル処理、OAM処理等を行う。プロセッサ263は、装置制御モジュール253が行う処理を行うプロセッサである。メモリ273は、プロセッサ263のワークエリアとして使用される。補助記憶装置283は、例えばHDD等であり、基地局eNB自身が動作するための各種設定情報等が格納される。
なお、図27~図31に示す装置の構成(機能区分)は、本実施の形態(実施例1と実施例2を含む)で説明する処理を実現する構成の一例に過ぎない。本実施の形態(実施例1と実施例2を含む)で説明する処理を実現できるのであれば、その実装方法(具体的な機能部の配置、名称等)は、特定の実装方法に限定されない。
(実施の形態のまとめ)
以上、説明したように、本実施の形態により、ユーザ装置と基地局のそれぞれに保持されるコンテクスト情報を再利用して接続確立を行う機能をサポートする移動通信システムにおける前記ユーザ装置であって、前記ユーザ装置がユーザ装置側コンテクスト情報を保持している場合に、当該ユーザ装置の基地局側コンテクスト情報を保持する保持基地局を特定する第1特定情報と、当該基地局側コンテクスト情報を特定する第2特定情報とを、前記基地局に送信する送信手段と、前記基地局により、前記保持基地局から前記基地局側コンテクスト情報が取得された後に、前記ユーザ装置側コンテクスト情報を利用して、前記基地局との間で接続を確立する接続手段とを備えるユーザ装置が提供される。
上記の構成により、ユーザ装置と基地局のそれぞれに保持されるコンテクスト情報を再利用して接続確立を行う機能をサポートする移動通信システムにおいて、接続状態にないユーザ装置がセル間を移動する場合でも、当該ユーザ装置がコンテクスト情報を再利用して基地局と接続することが可能となる。
前記ユーザ装置は、前記基地局が前記基地局側コンテクスト情報を保持していないことを示す情報を、当該基地局から受信する受信手段を備えてもよく、前記受信手段により、前記基地局側コンテクスト情報を保持していないことを示す情報を受信した場合に、前記送信手段は、前記第1特定情報と前記第2特定情報とを前記基地局に送信することとしてもよい。この構成により、基地局が基地局側コンテクスト情報を保持していないことを確認できた場合に、第1特定情報と第2特定情報とを基地局に送信できるので、無駄な情報送信を回避できる。
また、前記基地局が前記基地局側コンテクスト情報を保持しているか否かを示す情報を受信しない場合でも、前記送信手段は、前記第1特定情報と前記第2特定情報とを前記基地局に送信することとしてもよい。この構成によれば、ユーザ装置は、前記基地局が前記基地局側コンテクスト情報を保持しているか否かを確認する処理を行うことなく、迅速に第1特定情報と第2特定情報とを基地局に送信できる。
また、本実施の形態により、ユーザ装置と基地局のそれぞれに保持されるコンテクスト情報を再利用して接続確立を行う機能をサポートする移動通信システムにおける前記基地局であって、ユーザ装置側コンテクスト情報を保持する前記ユーザ装置から、当該ユーザ装置の基地局側コンテクスト情報を保持する保持基地局を特定する第1特定情報と、当該基地局側コンテクスト情報を特定する第2特定情報とを受信する受信手段と、前記第1特定情報により特定される前記保持基地局に対して、前記第2特定情報を含むコンテクスト要求メッセージを送信し、当該コンテクスト要求メッセージに応じて前記保持基地局から送信される前記基地局側コンテクスト情報を取得するコンテクスト取得手段とを備える基地局が提供される。
上記の構成により、ユーザ装置と基地局のそれぞれに保持されるコンテクスト情報を再利用して接続確立を行う機能をサポートする移動通信システムにおいて、接続状態にないユーザ装置がセル間を移動する場合でも、当該ユーザ装置がコンテクスト情報を再利用して基地局と接続することが可能となる。
前記基地局は、前記受信手段により、前記ユーザ装置から、前記ユーザ装置が前記ユーザ装置側コンテクスト情報を保持することを示す情報を受信した場合に、前記基地局が前記基地局側コンテクスト情報を保持していないことを示す情報を、前記ユーザ装置に送信する送信手段を備え、前記送信手段により、前記基地局側コンテクスト情報を保持していないことを示す情報を送信した後に、前記受信手段は、前記第1特定情報と前記第2特定情報とを前記ユーザ装置から受信することとしてもよい。この構成により、ユーザ装置は、基地局が基地局側コンテクスト情報を保持していないことを確認できた場合に、第1特定情報と第2特定情報とを基地局に送信できるので、無駄な情報送信を回避できる。
また、前記基地局が前記基地局側コンテクスト情報を保持しているか否かを示す情報を送信しない場合でも、前記受信手段は、前記第1特定情報と前記第2特定情報とを前記ユーザ装置から受信することとしてもよい。この構成によれば、基地局は、第1特定情報と第2特定情報とを受信してから、第2特定情報を使用して、自分自身が基地局側コンテクスト情報を保持しているかどうかを確認できる。
前記コンテクスト取得手段は、前記基地局側コンテクスト情報を取得できない場合に、前記ユーザ装置に対して接続解放メッセージを送信することとしてもよい。この構成により、ユーザ装置に対して、コンテクスト情報を再利用しない通常の方法で接続を確立させることを促すことができる。
前記コンテクスト取得手段は、他の基地局から、当該他の基地局配下のユーザ装置のためのコンテクスト要求メッセージを受信した場合に、当該他の基地局配下のユーザ装置に対する基地局側コンテクスト情報を記憶手段から取得し、当該基地局側コンテクスト情報を前記他の基地局に送信することとしてもよい。この構成により、他の基地局からの要求に応じて、基地局側コンテクスト情報を他の基地局に提供できる。
なお、上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。説明の便宜上、各装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って当該装置が有するプロセッサにより動作するソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD-ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
<実施形態の補足>
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、MACシグナリング、ブロードキャスト情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCメッセージは、RRCシグナリングと呼ばれてもよい。また、RRCメッセージは、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
判定又は判断は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。
UEは、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
また、本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンスなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わないこと)によって行われてもよい。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
本特許出願は2015年11月5日に出願した日本国特許出願第2015-218016号、及び2016年2月4日に出願した日本国特許出願第2016-020322号に基づきその優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2015-218016号、及び日本国特許出願第2016-020322号の全内容を本願に援用する。