JP6989720B1 - 情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この際、テレビやラジオ等を含む報道機関は、被災地の被災状況を他の地域の人々に伝達する。
近年では、報道機関以外に、例えばソーシャルネットワークサービス(SNS)等を通じて噂やデマ等が発信されることも多い。
ところで、噂やデマが一度伝わると、その影響で、被災地だけでなくその近隣の地域において、実害を受けていないにもかかわらず、観光客が遠のき、観光や産業等に被害が生じる、いわゆる風評被害が発生するため、このような事態に対する救済策(保険や保証制度等)の導入が急務になっている。
従来、例えば既存又は建築予定の建物が地震により損傷したときに、建物の補修又は建て替えを保証する建物の保証方法に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、風評被害の定義があいまいであり、保証制度を導入することが難しく、風評被害を被った人を救済することができないのが現状である。
災害により被災した被災地の周辺の地域のうち、観光インフラの被害状況に応じて可変する、観光客、宿泊施設及び交通手段に関する1以上の指標のうちの被災後の観光客の減少に関する指標がこの指標に対応する基準を満たした上で、前記宿泊施設の被害に関する指標がこの指標に対応する基準を満たさない地域、又は前記交通手段の被害に関する指標がこの指標に対応する基準を満たさない地域を、観光風評被害地として特定する観光風評被害地特定手段、
を備える。
以下、本発明の第1実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る情報処理システムが適用される災害の事例を示す図である。
例えば地域E0において、地震が発生し、その周辺の観光地E1、E2、E3に繋がる公共交通機関(航空、鉄道、幹線道路等の交通手段)や観光地E1、E2、E3の地域内の宿泊施設(ホテルや旅館等)といった観光インフラが被災したものとする。
公共交通機関のうち、発地S方面の鉄道T3−1、幹線道路D3−1の一部が使えないものの80%以上が利用可能であったものとする。発地T方面の系統の鉄道T3−2、幹線道路D3−2は全く損害を受けておらず、90%以上が利用可能な状態であったものとする。従って発地Tからならば、通常通り観光地E3に人が行き来できる。また、観光地E3内の宿泊施設は全く損害を受けておらず、観光も通常通り可能であるものとする。
鉄道T3−2は、発地Tと観光地E3とを結ぶ高速鉄道であり、観光客は、発地Sから他の交通機関を経由して発地Tに行くことで、発地Tから観光地E3に入ることができる。
また、観光地E2は、発地T方面の公共交通機関も観光地E2内の宿泊施設も損害を受けていないものの、発地S方面の公共交通機関に大きな損害がでているため、首都圏からの交通機関が寸断といった報道があった場合、発地T方面からならば公共交通機関を使って観光地E2に入ることができるものの、報道の影響で観光地E2には観光客が来なくなる。
さらに、観光地E3は、発地T方面の公共交通機関も観光地E3内の宿泊施設も全く損害を受けていないものの、発地S方面の公共交通機関の一部に損害がでているため、報道等や噂の拡散等の影響を受けて、観光地E2と同様に実被災地と誤認されてしまい、観光客が減少し、観光需要の回復まで観光被害(観光収入の大幅な減収)を受けることになる。
図2に示す情報処理システムは、サービス提供者が操作するサーバ1と、本サービスの会員が操作する会員端末2と、保険会社の担当者が操作する保険会社端末3とが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されることで構成される。
会員端末2及び保険会社端末3は、会員や夫々の保険会社の担当者が操作する情報処理端末であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等を含む。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(図1の例では会員端末2、保険会社端末3等)との間で通信を行う。
また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
この他、会員DB31には、会員属性として、例えば保険加入者の住所、連絡先の情報(電話番号、SNSのアカウント(アドレス)等)、会員管理部41が提供する会員のためのウェブページ(会員ページ)にログインするためのログイン情報(会員アカウント、パスワード)等が記憶されている。
また、観光DB33には、月毎の地域宿泊の発地シェアが記憶されている。発地シェアとは、観光地(地区又は地域)から見た観光客の出発地の区域をポイントで順位付けしたものである。発地としては、例えば首都圏、関西圏等があり、首都圏から観光地への観光客数が多ければ発地シェア1位、関西圏から観光地への観光客数が次に多ければ2位となる。例えば観光地のA地区では発地シェア1位が首都圏、2位が関西圏…等といったように表される。観光DB33の情報は、定期的に更新される。
具体的には、災害情報取得部42により取得された災害情報は、災害情報DB32に記憶されるので、被災地特定部43は、災害情報DB32に記憶された災害情報を読み出し、読み出した災害情報に基づいて、被災地を特定する。
この他、災害情報は、自治体、交通機関、旅行会社等からも得られるため、被災地特定部43は、自治体等の発表、運輸運行状況、旅行会社の拠点からの情報を用いて被災地を特定する。
観光風評被害地は、観光地は被害を受けておらず、以前と同様に観光が可能であり、観光インフラの機能についてもほぼ機能している(機能していないインフラは一定未満)地域であり、災害について報道された内容の誤解、実際とは異なる噂やデマといった伝達情報の独り歩きの影響で観光客や観光収入が減少している地域をいう。
例えば発地シェア1位が首都圏であれば、首都圏から被害特定対象地域迄のインフラの被害状況や人の流入状況等が判定の対象になる。
観光被害地特定部44は、災害により被災した被災地の周辺の地域のうち、観光インフラの被害状況に応じて可変する、観光客、宿泊施設及び交通手段に関する1以上の指標(例えば被災後の宿泊客減少率、客室の稼働不能率、交通機関の復旧までの期間等)のうちの被災後の観光客の減少に関する指標(例えば被災後の宿泊客減少率)がこの指標に対応する基準(例えば30%以上)を満たした上で、宿泊施設の被害に関する指標(宿泊施設の総客室の被害状況(被害率))がこの指標に対応する基準(例えば30%以上)を満たさない地域、又は公共交通機関の被害に関する指標(例えば災害終了日から起算して交通機関が復旧するまでの期間)がこの指標に対応する基準(例えば8日以上)を満たさない地域を、少なくとも観光風評被害地として特定する。
具体的には、観光被害地特定部44は、災害により直接被災した被災地の周辺の地域のうち、過去の第1期間(例えば過去2か年の平均等)と、災害終了後の第2期間(例えば35日等)との対比で表される宿泊施設の宿泊客減少率を一つの指標とし、この指標がこの指標に対応する基準(例えば30%以上等)を満たす地域であって、宿泊施設の総客室の被害率で表される指標がこの指標に対応する基準(例えば30%以上等)を満たさない地域、又は災害終了後、交通機関の復旧までの期間で表される指標がこの指標に対応する基準(例えば8日以上等)を満たさない地域を、観光関連で風評被害にあった観光風評被害地として特定する。
また、観光被害地特定部44は、宿泊施設の宿泊客減少率が上記基準の30%以上を満たす地域であって、宿泊施設の総客室の被害率で表される指標がこの指標に対応する基準(例えば30%以上等)を満たす地域、又は災害終了後、交通機関の復旧までの期間で表される指標がこの指標に対応する基準(例えば8日以上等)を満たす地域を、観光関連で実際に被害を被った観光実被害地として特定する。
具体的には、観光実被害地特定部51は、災害により被災した被災地の周辺の地域のうち、宿泊施設と公共交通機関を含む観光インフラに一定値以上の被害(宿泊客減少率が50%以上、交通機関の復旧までの期間が8日以上のうち少なくとも一方)が生じた地域を観光実被害地として判定(特定)する。判定の対象となる交通機関は、発地シェア1位の地域又は地区(エリア)からの航空、電車、幹線道路とする。
これ以外に、例えば宿泊客減少率、地域の宿泊施設のうち客室が災害で稼働不能になった割合(稼働不能率)で表される指標が夫々の指標に対応する基準(宿泊客減少率30%以上、稼働不能率30%以上のうち少なくとも一方)を満たす地域を観光実被害地として特定する。稼働不能率は災害終了から35日経過時点とする。
観光風評被害地特定部52は、観光実被害地以外の観光地の候補の中から、流入状況計測部62により計測された観光客の流入状況を一つの指標として、この指標に基づいて、観光風評被害地を特定する。
例えば観光客の流入状況の指標が一定の基準(例えば前年同期比等で30%以下に減少)を満す場合、観光風評被害地特定部52は、風評被害を受けた地域と判定し、観光風評被害地と特定する。
この場合、観光風評被害地特定部52は、観光インフラの被害状況のうち、例えば災害終了後の35日間における宿泊客減少率が例えば30%以上の地域について、観光客の流入状況を前年同月と対比して、その対比結果として得られる減少傾向(客室の稼働不能率)に基づいて観光風評被害地を特定する。
なお、観光実被害地や観光風評被害地の判定には、観光DB33に登録されている過去2か年平均の個人宿泊客マーケットシェアが上位(例えば1位、又は1位、2位等)の地域から流入する観光客又は宿泊客の情報を用いる。
詳細に説明すると、候補選定部61は、災害により被災した被災地の周辺の地域のうち、観光インフラの被害状況に応じて可変する、観光客、宿泊施設及び交通手段に関する1以上の指標(被災後の宿泊客減少率、客室の稼働不能率、交通機関の復旧までの期間等)に基づいて、観光風評被害地として認定する地域の候補を選定する。なお、被災地周辺であって、観光マップ等の地図情報に基づいて観光実被害地以外の観光地を観光風評被害地の候補として選定してもよい。
流入状況計測部62は、例えば携帯キャリアの基地局で得られる携帯端末(スマートフォン等)の情報の一部を取得して、携帯端末の位置の時間的な推移を求めて、その推移の状況から住民と観光客とを識別し、観光客の流入状況を計測する。携帯端末の情報の一部とは、例えば端末の識別情報と位置情報等である。
このように人の個人情報ではなく、人が所持する機器の情報を取得することで、住民及び観光客の個人情報をシステム側で入手及び管理する必要がなくなり、個人情報を保護することができる。
なお、地域全体に存在する人の数から居住者の人数を差し引いて観光客の流入数を計測してもよい。
流入状況計測部62は、地域における全体の流入人数から居住者の流入を区別(除外)した観光客の流入人数や流入変化率等を、観光客の流入に関する指標の一つとして生成する。流入率は、居住者と観光客との比率ではなく、災害発生前と後で比較した観光客又は宿泊者の流入人数の変化率を言う。
即ち、流入状況計測部62は、地域の居住者と観光客を仕分けし、その仕分け結果として特定された観光客の流入状況を計測する。なお、会員DB31の会員情報に含まれる会員属性を基に居住者を特定し観光客と仕分けしてもよい。会員属性が得られない場合は、観光DB33に登録されている以前(例えば流入前1週間等)の観光客の滞留状況と現在の観光客の滞留状況とを比較して観光客の流入状況を計測してもよい。
具体的には、風評被害地判定部63は、予め記憶部18に設定された判定テーブル72や災害情報DB32、観光DB33を参照して、災害後の観光客の流入状況、つまり災害終了後、一定期間(例えば35日間等)における宿泊客減少率を一つの指標とし、宿泊客減少率が一定の基準(例えば30%以上)を満たした地域のうち、宿泊施設の総客室の被害状況(総客室に対する不稼働客室の割合:稼働不能率)が一定の基準(30%)以下の地域を、観光関連で風評被害を被った地域と判定し、その地域(観光地)を観光風評被害地と特定する。
なお、風評被害地判定部63により観光風評被害地と特定されなかった地域が観光実被害地となる。つまり、観光実被害地は、宿泊客減少率が30%以上を満たした地域のうち、稼働不能率が一定の基準(30%)以上の地域である。
より具体的には、保険情報生成部45は、観光風評被害地に居住する会員(保険加入者)を対象に、保険DB34の保険費用算定用の基礎データと、観光収入予測値に観光客又は観光収入の減少率を乗算した値(観光収入予測×減少率)とに基づいて、風評被害の損害に対する保険金の支払い金額を算定する。
保険情報生成部45には、保険料算定モデル等の機械学習モデル等を用いてもよく、保険料算定関数や保険料算定プログラム等を用いてもよい。
配信依頼部46は、保険情報生成部45により算定される保険金の少なくとも一部を原資として観光風評被害地の広告の配信を依頼する。
広告配信サーバは、配信依頼部46からの広告の配信依頼を受けて、観光風評被害地、交通手段及び宿泊施設のうち少なくとも1つに被害が出ていない旨の広告を、例えばSNS(Social Networking Service)等を利用して優先又は無線のネットワークN(図2参照)を通じて配信する。即ちこの例では、配信依頼部46と他の広告配信サーバとで配信手段を構成するものとする。
なお、広告配信サーバを介さずに、配信依頼部46が配信手段となり、広告を直接配信してもよい。
この場合、配信依頼部46は、会員DB31を参照して観光風評被害地として特定した観光地の会員の情報に含まれるSNSのアカウント(アドレス)から、当該観光地への流入ルートが確保されている地域に向けて、予め設定された広告(メッセージ)を配信する。ここで、「配信する」とは、広告配信サーバ等に依頼して、広告を配信してもらうことを含む概念である。
なお、流入ルートが確保されている地域のうち特に発地シェア上位(1位、2位、3位等)の地域に広告を配信することで、より大きな集客効果を得ることができる。
例えば一般のSNS利用者に対して、観光風評被害地が実害を受けておらず以前と変わらず観光が可能であることや「元気ですA地区」等のメッセージが配信される。
この他、会員に対して、観光風評被害を拡大させないための情報や観光風評被害に役立つ情報を配信してもよい。
保険情報生成部45が、保険料算定モデル等の機械学習モデル等を用いるものであれば、更新部47が、保険料算定モデルに新たな風評被害のデータを学習させることで、バランスのとれた適切な保険料を算定することができる。
保険情報生成部45が、保険料算定関数を用いるものであれば、更新部47が、広告の配信実績と観光客の流入に関する計測値とから得られる観光客復調傾向とのフィードバックの結果に基づいて、保険料算定パラメータを変更(更新)することにより、観光風評被害に対する適切な保険料を算定することができる。
図5は、図2の情報処理システムの動作を示すフローチャートである。
情報処理システムの場合、災害が発生すると、サーバ1では、災害情報取得部42が、インターネットや地上ディジタル放送等を通じて災害情報を取得する。
被災地の特定には、災害情報として、例えば自治体等から発表される災害の情報、交通機関から通知される運輸運行状況、旅行会社の拠点から得られる被災地の情報を活用する。
観光実被害地とは、地域住民の生活には損害が出ていないがその地域に通じる交通インフラの少なくとも一部が寸断されていたり、観光客(宿泊客)の宿泊施設の一部が破損して宿泊客を泊められない客室を持つ地域をいう。
一般に災害は、暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する原因により生ずる被害と定義される。
第1定義において、例えば観光インフラが被害を受けたこと、観光インフラは甚大な被害を受けていないこと等、観光インフラの被害の状況の定義があいまいのため、観光実被害地と観光風評被害地とを明確に区分することができない。
そこで、本実施形態では、図6の災害定義テーブル71に加えて、図7に示す判定テーブル72を設定することで、観光実被害地と観光風評被害地とを明確に区分するものである。
この他、観光実被害地に通じる幹線道路や鉄道等の交通インフラが通る観光地を選出してもよい。
具体的には、流入状況計測部62は、会員DB31の会員属性や住民情報と観光DB33の観光客の情報とに基づいて、地域の居住者と観光客を仕分けし特定された観光客の当該地域への流入状況を計測する。会員属性を用いない場合は、観光DB33の観光客の宿泊履歴、つまり観光客が流入する1週間前の人の滞留状況等から仕分けするものとする。
流入状況計測部62は、計測した地域への観光客の流入状況を前年同月等と対比し宿泊客減少率を算出する。
この際、風評被害地判定部63は、上記図6の災害定義テーブル71のうち、災害終了後、一定期間(例えば35日等)の宿泊客の減少率が一定の基準(30%以上)を満たした地域を観光被害地の候補として選出し、選出した候補を、宿泊施設の総客室の被害状況、又はシェア1位地域からの交通インフラの被害状況のいずれかに基づいて観光実被害地と観光風評被害地とに区分して夫々の地域を特定する。
具体的には、災害終了後、一定期間(例えば35日間等)における宿泊客減少率を一つの指標とし、流入状況計測部62により算出された宿泊客減少率が一定の基準(例えば30%以上)を満たした地域のうち、宿泊施設の総客室の被害状況(総客室に対する不稼働客室の割合:被害率)が一定の基準(30%)未満の地域を、風評被害を受けた地域と判定し、風評被害地と特定する。
又は、地域への観光客の流入状況を前年同月等と対比し得られる宿泊客減少率が一定の基準(例えば30%以上)を満たした地域のうち、公共交通機関の被害状況(シェア1位地域からの交通インフラ(航空、鉄道、幹線道路等)の被害状況(災害終了後、復旧までの期間))が一定の基準(7日)以内の地域を、風評被害を受けた地域と判定し、風評被害地と特定する。
保険情報生成部45が保険算定モデルを備えるものであれば、基礎データと観光収入予測値と宿泊客減少率とを保険算定モデルに入力して、保険算定モデルは例えば観光収入予測×減少率等で当該保険加入者の保険の支払い額(保険金)を算定しその算定結果として得られた金額を出力する。
具体的には、配信依頼部46は、ステップS15(保険金算定ステップ)において保険情報生成部45により算定された保険金の少なくとも一部を原資として、当該保険加入者の宿泊施設の広告の配信を広告配信サーバへ依頼する。
広告の配信依頼を受けた広告配信サーバは、例えばSNS等のインターネットを活用したメッセージ通信により観光風評被害地の保険加入者を広告主として広告を配信する。
広告の一例としては、広告主が例えば観光風評被害地の旅館であれば、例えば「○○旅館は元気です」等といったメッセージを配信する。
なお、観光DB33の情報から、発地の属性(首都圏や関西圏等)が判明する場合は、観光風評被害地への流入が「減少」した観光客の発地をターゲットとしてSNSメッセージを配信する。
また、配信依頼部46及び広告配信サーバは、算定された保険金の少なくとも一部を原資として、当該保険加入者の宿泊施設の広告「○○旅館は元気です」等を、SNS等を活用して配信することで、発地の人々に風評被害地の健全な状況が直接伝えられるので、観光需要が早期に回復するようになる。
図8は、観光風評被害の認定事例の一例[事例1]を示す図である。図9は、観光風評被害の認定事例の他の一例[事例2]を示す図である。
図8に示すように、[事例1]において、観光風評被害地を認定するための入力フォーマット73には、1.風評被害の認定候補地域として、例えば都道府県名、地区名等の入力欄、2.個人宿泊客マーケットシェア1位と2位の入力欄、3.被災状況として、客室稼働不能率の入力欄、シェア1位地区からの交通機関の被害状況として、航空利用、鉄道利用、幹線道路利用等の入力欄、4.宿泊客減少率の入力欄が設けられている。個人宿泊客マーケットシェアとは、上述した発地シェアと同意である。
この例では、例えば「XO県/A地区」等が入力される。
この例では、発地シェア1位は首都圏32%、発地シェア2位は関西圏20%等が入力される。
基準値の30%以上ならば、「元気ですA地区」と言えないため、観光実被害地に認定される。この例では、稼働できない客室がないとする0%が入力されたものとする。
この例では、航空利用の欄に85%被害なし、鉄道利用の欄に15%被害なし、幹線道路利用の欄に0%被害なしが入力されたものとする。
この例では、65%が入力されたものとする。
また、シェア1位地区からの交通機関の被害状況として航空利用の欄に0%被害なし、鉄道利用の欄に45%被害なし、幹線道路利用の欄に55%10日不通が入力され、シェア2位地区からの交通機関の被害状況として航空利用の欄に0%被害なし、鉄道利用の欄に15%被害なし、幹線道路利用の欄に85%被害なしが入力されたものとする。
この例の場合、シェア1位の首都圏からの幹線道路が10日不通となったが、シェア2位の東海圏からは問題なくアクセスが可能であった。つまりこの観光地「XX県/B地区」は、首都圏から見れば「観光実被害地」であり、東海圏から見れば「観光風評被害地」であるという2面性が存在する。
宿泊客減少率の入力欄には65%が入力されたものとする。
即ち、本実施形態では、観光風評被害地と観光実被害地とを定義し、夫々の地域における被災度合いと宿泊客減少の相関関係を数値化して、対象地域の候補に対して、観光風評被害地又は観光実被害地と認定することで、保険料の算定及び支払いが可能になり、観光地において、災害により実害を受けていないものの風評被害により損害を被った人を救済することができる。
また、被災度合いと宿泊客回復までの所要期間との相関関係を数値化することで、災害で被った損害に対する補償の額を設定できるので、保険商品の設定が可能になる。
さらに、災害終了後からの、近年の復興割の資金投下と宿泊客増との相関関係を数値化することで、上記同様に保険商品の設定が可能になる。
上述の第1実施形態では、観光風評被害地を特定する例について説明したが、第2実施形態では、観光地における観光風評被害の発生を予測する例について説明する。具体的には、災害後、実際に観光風評被害が発生する前に、報道やSNS等の内容に基づいて、観光地における観光風評被害の発生を予測する。
なお、本実施形態における情報処理システムは、第1実施形態の図2の構成に加えて、広告会社の担当者が操作する広告会社端末4、及び旅行会社の担当者が操作する旅行会社端末5がインターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されることで構成される。
なお、図示はしないが、図10の情報処理システムのうち、サーバ1、会員端末2、保険会社端末3、広告会社端末4、及び旅行会社端末5のそれぞれは、第1実施形態の図3に示すハードウェア構成を有している。
なお、正確な情報であれば、いかなる形態の情報でもよいが、即時掲載可能なテキスト(完成テキスト)であると好適である。なぜならば、旅行会社端末5側で受け取ったテキストを編集する必要がないので、宿泊予約サイト上に正確な情報を早期に掲載することができるためである。
なお、所定の日数は特に限定されないが、例えば、災害発生後7日以内や20日以内とするとよい。これにより、観光風評被害地における宿泊キャンセルを抑制したり、新規予約を促すことができる。
また、災害発生後、7日以内に上記の情報が提供される場合は、現地のヒアリングデータを用いて上記情報が生成されるとよい。
なお、報知部48によって報知される被害状況には、被害がある場合の実際の被害情報や被害がない旨の情報が含まれる。
具体的には例えば、予測部49は、テレビメタデータ等に含まれる被災地の災害情報に基づいて、同一の所定地域において、所定の回数以上の災害に関するワードが出現した場合に、当該所定地域が被災地の周辺であれば、当該所定地域において観光風評被害が発生すると予測する。
また、例えば、予測部49は、各種報道やSNSのテキストを取得する。そして、予測部49は、形態素解析を行い、上述のテキストから地域の名称、災害に関するワード、およびあいまいな表見を含むワードを取得する。災害に関するワードとは、自然災害や人為災害に関するワードであって、例えば、「雨」、「洪水」、「大雪」、「風」、「雷」、「火災」、「倒壊」、「津波」、「地震」、「余震」、「火山」、「噴火」、「事故」、「紛争」等が挙げられる。あいまいな表現を含むワードとは、推量や伝聞等の意味を含むワードであって、例えば、「らしい」、「みたい」、「ようだ」等が挙げられる。
例えば、SNSにおいて、下記の発言Aがなされた場合、予測部49は、「○○地域」、「倒壊」、「みたい」をそれぞれ地域の名称、災害に関するワード、あいまいな表現を含むワードとして取得する。そして、予測部49は、同一の地域において、上記の表現を含むテキストを、所定の回数以上取得した場合に、当該地域において観光風評被害が発生すると予測する。
発言A:「○○地域でも建物の倒壊が発生しているみたいだよ。」
なお、広告枠拡大依頼部81は、一定の条件を設けて、当該条件を満たす広告主(観光地等)を対象に、上述のように広い広告枠に対して広告の配信依頼を行ってもよい。ここで、一定の条件としては、例えば、観光地の保険に加入していること、オプションを付帯していること、特約付きインターネット広告を配信または契約していること等が挙げられる。
なお、広告枠拡大依頼部81は、上述の広い広告枠に対して、無償で広告を配信するよう依頼してもよい。これにより、広告主との契約や、広告主の予算に関わらず、即座に広告を配信できるため、観光風評被害を早期に抑制または解消することができる。
本実施形態では、観光風評被害の発生を事前に予測し警告することにより、被災後、実際に観光風評被害が発生する前に、観光風評被害への対応を行うことができる。具体的には例えば、正確な情報を早期に発信する準備を行うことができたり、観光客の来訪を見越して準備している仕入発注および製造ラインの弾力的な受発注対応を行うことができる。また、例えば、従業員等の柔軟な勤務シフトが作成できたり、行政や関連団体における支援策の実施準備を早期に行うことができたり、金融機関による事業者の資金繰りに対して早期に対応することができる。
また、本実施形態では、観光風評被害が発生した場合に、大量の広告枠を瞬時に無償で利用できるよう依頼することで、実際に被害が生じていない旨の情報や、正確な被害状況を伝える広告を配信することができ、観光客の減少を抑制することができる。
さらに、宿泊予約サイト等に対して、観光風評被害の発生後(または災害発生後)、速やかに正確な情報を載せることで、観光風評被害地における宿泊キャンセルの抑止および新規予約を促すことができる。
即ち、重要な点は、「保険加入者である」という点である。つまり、このような点を含むものであれば、必ずしもシステムにより実装される必要はなく、本サービスの一部又は全てのプロセスは、上述の情報処理システムを介さずに提供されてもよい。
例えば図1に示した災害の事例において、発地S方面から観光地E3に行く交通手段が寸断されている、という大まかな情報が広まると、観光客は、発地S方面から観光地E2や観光地E3に行くことができないものと錯覚するが、実は発地T方面からは自由に来られるため、発地Tにターゲットを絞ってSNSを配信することで、観光客の呼び寄せ効果が期待でき、より有効である。
また、発地Sの観光客に対しても、発地Tを経由することで、観光地E2や観光地E3に行くことができる旨(例えば「発地T方面からの電車でお越いただけます」等といったルート案内)をSNSで配信することで、発地Sの観光客を呼び寄せることができる効果が期待できる。
また、公共交通機関(交通インフラ)と一纏めにするのではなく、鉄道や幹線道路等の地上のインフラは損害を受けているが、空のインフラ(航空インフラ)は正常な場合、飛行機を利用して観光地に行ける旨や航空旅行プラン等をSNSで配信することで、発地や発地の近隣に航空インフラのある観光客を呼び寄せることができる。
さらに、同じ系統の鉄道の中でも、在来線は不通だが高速鉄道は利用可能という場合もあるため、高速鉄道を利用すれば観光地に来られる旨をSNSにて配信してもよい。また、バスはだめだがタクシーならばOKという場合もあり、より正確な情報をより具体的に配信することで、より大きな観光客呼び寄せ効果を得ることができる。
また、観光客の流入に関する減少率についてもこれ以外に観光客の流出の増加率や観光客の流入と流出の割合としてもよい。
上記第1実施形態では、宿泊施設に関する指標の一例として客室稼働不能率を例示したが、これ以外に、客室稼働率としてもよい。この場合、基準が逆(30%以上が30%未満)になる。
上記第1実施形態では、指標に対応する基準の一例として、例えば30%以上等としたが、ここで示した数値は、一例にしか過ぎず、基準の値は、例えば35%以上、40%以上、45%以上、50%以上等であってもよく、第1実施形態で示した数値のみに限定されるものではない。
上記第1実施形態では、公共交通機関に関する指標の一例として、災害終了後、交通機関の復旧までの期間が8日以上としたが、これは一例にしかすぎず、例えば道路であれば車が一部区間を迂回して通行できる程度に通れればよい。また鉄道であれば、全線復旧しなくても一部振り替え輸送等で人を輸送できればよい。
また、上記第1実施形態では、災害による損害を一例に説明したが、この他、疫病等の風評被害の損害にも適用でき、例示した災害に限らない損害についても適用される。
上記第1実施形態では、観光DB33等を利用して宿泊客の流入を計測したが、これ以外に、例えばGPS等の位置特定システムを活用して観光客の位置を特定することで、地元の住民や業者等を排除でき、地域へ流入する観光客(宿泊客)の正確な流入人数をより確実に把握することができる。
また、損害保険の対象とするエリアを予め設定してもよい。また、エリアを大まかに指定し、対象エリアの観光客の過去の位置データを抽出し、位置データの過去変動(変動履歴)から保険料を算出してもよい。
上記第1実施形態では、広告をSNSで配信する一例を記載したが、SNS以外に、例えば電子メールであってもよく、有線放送でもよく、さらには、旅行会社の旅行予約サイトや国内インターネット宿泊予約サイト等のウェブサイトであってもよい。つまり広告の配信手段は、SNSのみに限定されるものではなく、無線又は有線のネットワークを介して配信するものであれば足りる。
具体的には、観光客(旅行予約者)が予約した観光(旅行及び宿泊のうち少なくとも一方)の取り消し操作を受け付けることが可能な上記ウェブサイトを介して、旅行予約者が予約した場所が、観光風評被害地に該当する場合、その旨を少なくとも取り消し操作を受け付ける前に、旅行予約者に報知する報知部をサーバ1に備える。
そして、観光風評被害地が特定できた際に、旅行会社の旅行予約サイト等において、「観光地Xは観光風評被害地であり元気です」等の情報をいち早く提供する。
こうすることで、旅行予約者がうわさの影響で旅行や宿泊の予約を取り消そうとして予約サイトを閲覧した際に、旅行予約サイトにおいて、予約した観光地の正確な情報で旅行に行けることが分かり、予約の取り消しを思い直すので、予約の取り消しを回避することができる。つまり観光風評被害地において頻繁に生じる可能性がある宿泊の取り消し行為をできる限り阻止することができる。
上記第1実施形態では、ステップS11において被災地特定部43が被災地を特定したが、これ以外に、公的な機関によって被災地として指定される情報を取得してもよい。つまり被災地は、自ら特定してもよく、被災地として指定された情報を取得してもよい。
補償対象の変動が生じた場合に、それを検出し、保険担当者か保険契約者に通知してもよい。
広告費用補償は、適時に補償しないと、観光シーズンを逸したりするため、可能であれば適時且つ迅速に補償し、可能であれば、Web広告を自動的に配信してもよい。
また、観光風評被害地と認定された観光地に対して被災前の前年同月の個人宿泊客マーケットシェアを分析することで、広告対象をターゲティングする仕組みを構築することができる。
前年観光収入実績や観光客数の統計に基づいて保険金を算定することで、保険料を適切な金額に設定することができる。
上記第1実施形態では、観光の一例として、例えば旅行や宿泊等を記載したが、旅行には日帰り旅行等が含まれ、その予約には、日帰り旅行で立ち寄る宿泊施設の食事や休憩等を予約する場合も含まれる。
換言すると、図4および図10の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図2の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図4および図10に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバの機能ブロックを会員端末又は保険会社端末等に移譲させてもよい。逆に会員端末又は保険会社端末の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。
また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
即ち、本発明が適用される情報処理システムの情報処理装置(例えば図4のサーバ1等)は、
災害により被災した被災地の周辺の地域のうち、観光インフラの被害状況に応じて可変する、観光客、宿泊施設及び交通手段に関する1以上の指標(被災後の宿泊客減少率、客室の稼働不能率、交通機関の復旧までの期間等)のうちの被災後の観光客の減少に関する指標(被災後の宿泊客減少率)がこの指標に対応する基準(閾値30%以上)を満たした上で、前記宿泊施設の被害に関する指標(宿泊施設の総客室の被害状況)がこの指標に対応する基準(閾値30%以上)を満たさない地域、又は前記交通手段の被害に関する指標(災害終了日から起算して交通機関が復旧するまでの期間)がこの指標に対応する基準(閾値8日以上)を満たさない地域を、観光風評被害地として特定する観光風評被害地特定手段、
を備える。
このように観光客、宿泊施設及び交通手段に関する1以上の指標のうち、特に観光客の減少に関する指標から、観光風評被害地の候補を抽出し、抽出した候補に対して、他の宿泊施設に関する指標(宿泊施設の総客室の被害状況)、又は交通手段に関する指標(交通手段の被害状況)とその基準を設定し、少なくとも一方の基準(宿泊施設の総客室の被害率が30%以上、交通機関の復旧までの期間が8日以上)を満たさない地域を観光風評被害地として特定することで、観光風評被害地を明確に定義することができる。
また、情報処理装置(例えば図4のサーバ1等)は、
災害により被災した被災地の周辺の地域のうち、観光インフラの被害状況に応じて可変する、宿泊施設と交通手段の少なくとも一方に関する1以上の指標(被災後の宿泊客減少率、客室の稼働不能率、交通機関の復旧までの期間等)が夫々の指標に対応する基準(50%以上、30%以上、8日以上)を満たした地域を、観光実被害地として特定する観光実被害地特定手段(例えば図4の観光実被害地特定部51等)と、
前記被災地の周辺の地域のうち、前記1以上の指標のうちの被災後の宿泊客減少率の指標がこの指標に対応する基準(例えば30%以上)を満たした上で、前記宿泊施設の総客室の被害率の指標がこの指標に対応する基準(例えば30%以上)を満たさない地域、又は前記1以上の指標のうちの前記交通手段の復旧までの期間の指標がこの指標に対応する基準(例えば復旧までの期間が8日以上)を満たさない地域を、観光風評被害地として特定する観光風評被害地特定手段(例えば図4の観光風評被害地特定部52等)と、
を備える。
換言すると、災害により被災した被災地の周辺の地域のうち、宿泊施設と交通手段を含む観光インフラに一定値以上の被害(例えば宿泊施設の被害率が30%以上、交通機関の復旧までの期間が8日以上等)が生じた地域であって、宿泊客減少率、客室不稼働率で表される指標が、夫々の基準(例えば宿泊客減少率30%以上、客室の稼働不能率30%以上等)を満たす地域を観光実被害地として特定する観光実被害地特定手段(例えば図4の観光実被害地特定部51等)と、
前記被災地の周辺の地域で、かつ前記観光インフラの被害が一定値未満(宿泊施設の被害率が例えば30%未満、交通機関の復旧までの期間が例えば8日未満(7日以下))の地域であって、前記観光実被害地と同様に前記指標が夫々の基準を満たす地域を、観光風評被害地として特定する観光風評被害地特定手段(例えば図4の観光被害地特定部44等)と、
を備える。
このように被災後の宿泊客減少率、客室の稼働不能率、交通機関の復旧までの期間等を一つの指標にして、この指標が対応する基準を満たすか否かを判定し、このうち、宿泊客減少率の指標が対応する基準(例えば30%以上)を満たす地域を抽出し、抽出した地域について、宿泊施設の総客室の被害状況、又は交通手段の被害状況を他の指標として、この他の指標に夫々対応する基準(宿泊施設の総客室の被害率が例えば30%以上、交通機関の復旧までの期間が例えば8日以上)を満たさない地域を風評被害地として特定することで、観光風評被害地を明確に特定することができる。
即ち、観光風評被害の定義(例えば閾値又は範囲)が明確になり、観光風評被害に対する保険を設けることで、その地域において、災害により実害を受けていないものの風評被害により損害を被った人を救済することができる。
災害により被災した被災地の周辺の地域のうち、観光インフラの被害状況に応じて可変する、観光客、宿泊施設及び交通手段に関する1以上の指標(例えば被災後の宿泊客減少率、客室の稼働不能率、交通機関の復旧までの期間等)に基づいて、前記観光風評被害地として認定する地域の候補を選定する候補選定手段(例えば図4の候補選定部61等)と、
前記観光客の流入に関する指標に基づいて、前記候補の中から、前記観光風評被害地を判定する観光風評被害地判定手段(例えば図4の風評被害地判定部63等)と、
を備える。
即ち、前記観光風評被害地特定手段(例えば図4の観光被害地特定部44等)は、
前記1以上の指標(例えば被災後の宿泊客減少率、観光客の流入に関する指標、客室の稼働不能率、交通機関の復旧までの期間等)に基づいて、前記観光風評被害地の候補を選定する候補選定手段(例えば図4の候補選定部61等)と、
前記1以上の指標のうちの観光客の流入に関する指標に基づいて、前記候補の中から、前記観光風評被害地を判定する観光風評被害地判定手段(例えば図4の風評被害地判定部63等)と、
を有する。
このように、観光風評被害地の候補を選定した中から、観光客の流入に関する指標の基準を満たす観光風評被害地を判定することで、実際に観光風評被害を受けている観光風評被害地を特定することができる。なお、初めに観光実被害地を特定し、観光実被害地を除いた被災地周辺の観光地を候補として選出することで、観光風評被害地の判別が付きにくい地域も認定対象とすることができる。
全体の流入から居住者の流入を区別(除外)した観光客の流入に関する指標(観光客の流入状況の計測値)を生成する指標生成手段(例えば図4の流入状況計測部62等)を有し、
前記観光被害地判定手段(例えば図4の風評被害地判定部63等)は、
前記指標生成手段(例えば図4の流入状況計測部62等)により生成された前記指標(例えば観光客の流入状況の計測値)に基づいて、前記候補の中から、前記観光風評被害地を判定する。
即ち指標生成手段(例えば図4の流入状況計測部62等)は、観光客の流入に関する指標(例えば観光客の流入状況の計測値)を、全体の流入から前記地域に居住する居住者の流入を区別して生成する。
このように観光客の流入に関する指標として、地域における全体の流入から居住者の流入を区別(除外)した観光客の流入状況の計測値を用いることで、地域において実際に観光客が減少した状況を把握し、観光風評被害地を正しく判定することができる。
を備える、
ことで、観光風評被害保険に加入した会員に対して、適切な保険金の金額を算定し保険金を支払うことができる。
をさらに備えることで、観光風評被害地が健全であることを他の地域の人々に伝達することができる。特に、観光DB33に登録されている観光風評被害地に過去に訪れたことのある観光客の発地シェアを基に、その発地に向けて情報を発信することで、観光客の呼び寄せ効果を向上することができる。
このように、前記配信手段(例えば図4の配信依頼部46及び広告配信サーバ等)は、
前記保険金算定手段(例えば図4の保険情報生成部45等)により算定される保険金の一部を原資として前記観光風評被害地の広告を配信する、
ことで、観光風評被害で損失を被った観光風評被害地の居住者から、広告配信のための資金を気にすることなく、他の地域の人々に広告を配信することができる。
前記観光風評被害地、前記交通手段及び前記宿泊施設のうち少なくとも1つに被害が出ていない旨の前記広告(例えば「元気ですA地区」、「発地T方面からの電車でお越いただけます」、「○○旅館は元気です」、等といった情報)を、例えば有線又は無線等のネットワークNを通じて配信する、
ことで、被災から遅延することなく、発地の人々に観光風評被害地の情報や観光風評被害地への観光を促すための情報(例えば迂回ルートの情報や利用可能な交通インフラの情報等)を伝えることができる。
をさらに備えることで、広告の配信実績と観光客復調傾向との関係を保険金算定モデルに学習させたり、保険金算定関数や保険金算定プログラムのパラメータを修正することで、今後の保険料算定の精度向上や広告配信に活用することができ、収支バランスや広告配信効率を向上することができる。
これにより、例えば旅行会社の旅行予約サイトや国内のインターネット宿泊予約サイト等のように観光客が予約した観光(旅行及び宿泊のうち少なくとも一方)の取り消しの操作を受け付けることが可能なウェブサイトにおいて、観光客が予約した場所が観光風評被害地であり実被害を受けていないことを報知することで、うわさ等の風評被害で観光予約の取り消しが頻発することを抑止することができる。
Claims (12)
- 災害情報を取得する災害情報取得手段と、
前記災害情報を記憶する災害情報記憶手段と、
前記災害情報記憶手段に記憶される前記災害情報に基づいて、災害により被災した被災地の周辺の地域のうち、観光インフラの被害状況に応じて可変する、観光客、宿泊施設及び交通手段に関する1以上の指標を取得する指標取得手段と、
前記観光客、宿泊施設及び交通手段に関する各指標に対応した基準を記憶する基準記憶手段と、
前記指標のうちの被災後の観光客の減少に関する指標がこの指標に対応する前記基準を満たした上で、前記宿泊施設の被害に関する指標がこの指標に対応する前記基準を満たさない地域、又は前記交通手段の被害に関する指標がこの指標に対応する前記基準を満たさない地域を、観光風評被害地として判定する風評被害地判定手段と、
を備える情報処理装置。 - 災害情報を取得する災害情報取得手段と、
前記災害情報を記憶する災害情報記憶手段と、
前記災害情報記憶手段に記憶される前記災害情報に基づいて、災害により被災した被災地の周辺の地域のうち、観光インフラの被害状況に応じて可変する、観光客、宿泊施設及び交通手段に関する1以上の指標を取得する指標取得手段と、
前記観光客、宿泊施設及び交通手段に関する各指標に対応した基準を記憶する基準記憶手段と、
1以上の前記指標に基づいて、観光風評被害地として認定する地域の候補地を選定する候補選定手段と、
選定された前記候補地のうち、前記観光客に関する指標が対応する前記基準を満たし、かつ前記宿泊施設に関する指標又は前記交通手段の被害に関する指標が対応する前記基準を満たさない候補地を、観光風評被害地として判定する風評被害地判定手段と、
を備える情報処理装置において、
前記観光客に関する指標は、観光客の流入に関する指標である、
ことを特徴とする情報処理装置。 - 前記観光客の流入に関する指標を取得する指標取得手段は、全体の流入から前記地域に居住する居住者の流入を区別して生成する指標生成手段である、
請求項2に記載の情報処理装置。 - 地域ごとの観光収入を記憶する観光情報記憶手段をさらに有し、
前記観光風評被害地における、前記観光収入に基づく今後の観光収入の予測値と観光客又は観光収入の減少率とに基づいて、当該観光風評被害地の保険加入者に対して支払うべき保険金を算定する保険金算定手段、
を備える請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の情報処理装置。 - 前記観光風評被害地への観光を促すための広告を配信するよう所定の端末に対して依頼する配信手段、
をさらに備える請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の情報処理装置。 - 前記保険金算定手段により算定される保険金の少なくとも一部を原資として前記観光風評被害地への観光を促すための広告を配信するよう所定の端末に対して依頼する配信手段、
を備える請求項4に記載の情報処理装置。 - 前記配信手段は、
前記観光風評被害地、前記交通手段及び前記宿泊施設のうち少なくとも1つに被害が出ていない旨の前記広告を配信する、
請求項5又は6に記載の情報処理装置。 - 前記配信手段は、観光地への観光を促すための広告を配信している期間に、前記観光地が前記観光風評被害地に該当した場合、当該広告より広い広告枠に対して広告を配信する、
請求項5乃至7のうち何れか1項に記載の情報処理装置。 - 前記観光客が予約した観光の取り消しの操作を受け付けることが可能なウェブサイトを介して、前記観光客が予約した場所が前記観光風評被害地に該当する場合、前記観光風評被害地、前記交通手段及び前記宿泊施設のうち少なくとも1つに被害が出ていない旨を、少なくとも前記操作を受け付ける前に当該観光客に報知する第1報知手段、
をさらに備える請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の情報処理装置。 - 宿泊の予約を受け付けることが可能なウェブサイトを介して、前記観光風評被害地における被害状況を報知する第2報知手段、
をさらに備える請求項1乃至9のうち何れか1項に記載の情報処理装置。 - 災害により被災した被災地または当該被災地の周辺の地域の被害状況に基づいて、当該被災地の周辺の地域における観光風評被害の発生を予測する予測手段、
をさらに備える請求項1乃至10のうち何れか1項に記載の情報処理装置。 - 前記予測手段によって前記観光風評被害が発生すると予測された場合は、前記観光風評被害が発生すると予測された前記周辺の地域のうち少なくとも一部に対して、前記観光風評被害が発生する旨の警告を送信する警告手段、
をさらに備える請求項11に記載の情報処理装置。
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