JP6989103B2 - フォースプレート、移動体の計測方法 - Google Patents
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Description
発明1は、移動体を乗せ重量を計測するフォースプレートにおいて、3個又は4個のロードセルの上部にプレートを配し、プレート上で、3個又は4個のロードセルを頂点とする三角形又は四角形の面内を移動する1つの移動体によるロードセルの信号を測定する測定部と、信号をサンプリング周期毎に計測し、移動体のプレート上の位置座標、位置座標に応じた単位移動距離及びその累積値を計測する演算部と、を有することを特徴とするフォースプレートである。
発明2は、演算部において、測定部の出力信号に対して、周波数0.5〜1Hz以上の信号をカットするデジタルLPFを有することを特徴とする発明1に記載するフォースプレートである。
発明3は、デジタルLPFを介した出力信号から、サンプリング周期を1〜5秒として、位置座標、位置座標に応じた移動速度を計測し、移動速度に5〜10mm/sを範囲とする閾値を設定し、閾値以下をカットし、単位移動距離を計測する閾値処理と、を有することを特徴とする発明1又は2に記載するフォースプレートである。
発明4は、一匹の小動物を飼育する飼育ケージを上に乗せ、小動物の単位移動距離及びその累積値を計測することを特徴とする発明1至3のいずれか1項に記載するフォースプレートである。
発明5は、移動体を乗せ重量を計測するフォースプレートにおいて、3個又は4個のロードセルの上部にプレートを配し、プレート上で、3個又は4個のロードセルを頂点とする三角形又は四角形の面内を移動する1つの移動体によるロードセルの信号をサンプリング周期毎に計測し、移動体のプレート上の位置座標、位置座標に応じた単位移動距離及びその累積値を計測することを特徴とする移動体の計測方法である。
移動体の質量Wは、ロードセル11の出力をWi(i=1〜4)とすると、式(1)で示される。よって、長方形のプレート13の幅をl、高さをhとすると、プレート13の左下を原点とした場合の移動体の位置座標(x、y)は、式(2)、(3)で示される。Wi(i=1〜4)、幅l、高さhは、測定値である。
移動体の質量をW、ロードセル11の出力をWi(i=1〜3)とすると、、式(1)で示される。よって、直角三角形のプレート13の幅をl、高さをhとすると、プレート13の左下を原点とした場合の移動体の位置座標(x、y)は、式(2)、(3)で示される。Wi(i=1〜4)、幅l、高さhは、測定値である。
フォースプレート1は、測定部10と演算部20を有する。
ステップS201にて、計測用コンピュータ19に記録した計測データがホストPC25に転送される。ホストPC25は、演算部20を有する。ステップS202にて、移動体3特に小動物41が静止している状態でも出力信号に現れる振動を低減させるために、遮断周波数0.8HzのデジタルLPF21を用いる。ここで、遮断周波数は、高すぎると振動が低減できず、低すぎると移動距離の誤差が大きくなるため、0.5〜1.0Hz程度とする。ステップS203にて、測定周期毎の移動体の位置座標及び移動速度を計測する。ステップS204にて、このまま位置座標の差分を積算すると正しい移動距離が計測できないため、サンプリング周期2秒前の位置座標と現在の位置座標の差から単位時間当たりの移動速度を計測し、閾値処理23を用いて、閾値7.5mm/s以下の場合は移動距離を積算しない処理を行う。ここで、この閾値は、移動体3特に小動物41が停止している時と移動している時の実験データに基づき、5〜10mm/sの範囲から選択する。ステップS204にて、移動距離を計測する。
本実施形態では、移動速度を計測するサンプリング周期と計測した移動速度に閾値を用いて、ノイズの影響を更に小さくし重心動揺をカットして移動距離を計測した。
移動距離を計測するために一定のサンプリング周期(数秒前)と現在との位置の差分から移動速度を計測した。即ち、移動速度の計測は、距離を時間で割るが、サンプリング周期が5Hzなら0.2秒に1回、サンプリング周期が10Hzなら0.1秒に1回位置を計測する。
よって、測定部10の測定周期に対して演算部20のサンプリング周期は異なる値とし大きくさせた。即ち、測定周期毎の差分により移動速度も測定できるが、ノイズの影響の影響により、位置の計測値が大きくバラツキ、その結果として測定周期で測定した移動速度のバラつきが大きくなる。
よって、演算部20のサンプリング周期について、図11、12に示す鉄道模型を用いた実験により検証し、単位移動距離を計測するサンプリング周期として1〜5秒が適切であることを見出した。即ち、1〜5秒前の位置と現在位置から算出すると鉄道模型を用いた実測値に対して誤差を小さくすることができる。1秒以上であれば、サンプリング周期における移動距離、速のバラつきは小さい。また、5秒以内であれば、計測した移動速度から計測される距離と実際の移動距離との差が小さい。図9は、サンプリング周期を2秒とし、2秒前と現在の位置データから求めた移動速度を示す。これはノイズの影響を小さくしている。
図9の計測した移動速度に対して閾値処理23による処理を導入する。こ処理により、移動速度に閾値を設けることで移動と停止の状況を判断し、移動していると判断された場合のみ単位移動距離を積算する。図11、12に示す鉄道模型を用いた実験により、閾値は、5〜10mm/sの範囲として、閾値以下をカットすることとした。即ち、5mm/s以下でカットを行うと、重心移動などの実際には動いていない移動速度を距離にカウントしてしまう。よって、計測値は実測値より大きくなった。一方、10mm/s以上では、動いた移動速度もカットしてしまう。よって、計測値は実測地より小さくなった。
図8において、飼育ケージ40に小動物41としてラットを一匹いれて、フォースプレート1(図3に示す測定部10使用)上に置いた場合の、4個のロードセル11の出力信号にデジタルLPF21の遮断周波数0.8Hzを適用し、式(2)、(3)より計測した小動物3の位置座標を示す。同時に小動物3の活動のビデオ撮影を行い小動物3の移動の有無を観察した。観察によると、時刻0秒〜70秒、150秒〜600秒は静止(移動していない)、70秒〜150秒は飼育ケージ40内をゆっくり移動していた。
図10に、閾値処理23により、デジタルLPF21の遮断周波数0.8Hz、サンプリング周期を2秒、閾値7.5mm/s以下をカットして単位移動距離を計測し、その累積した移動距離(累積値)を示す。小動物3が移動した時刻70秒〜150秒間の移動距離0.3mに対して、静止していた0秒〜70秒は0.01m、150秒〜600秒は0.03mとなった。この計測値は、ビデオ撮影による超動物3の移動状態と近似している。よって、閾値によるカットにより、重心動揺を抑制ができた。
図11は、フォースプレート1上に、レール31及び鉄道模型30を載置した状態を示す。 レール幅9mmのNゲージのレール31と鉄道模型30を用いた。フォースプレート1のプレート13の上にNゲージのレールを敷設した。半径103mmの曲線レールと長さ140mmの直線レールを組み合わせ、一周927mmの楕円軌道を作製した。また、鉄道模型30にはおもりを追加して重量を124gとした。移動距離の実測値(単位移動距離の累積値に相当)は、鉄道模型のレールの周回回数から計算した。また、計測値はフォースプレート1から計測した。
よって、図12に鉄道模型による移動・停止を繰り返した場合の移動距離の計測結果を示す。移動と停止は手動で制御し、繰り返し周期は約8秒で、約4秒間移動し、約4秒間停止を約20回(約160秒間)繰り返した。移動速度を計測するサンプリング周期は、範囲1〜5秒に対して2秒とした。閾値は、5〜10mm/sの範囲に対して、閾値7.5m/s以下をカットした。この場合、計測値は8.28m、実測値は8.34mであり、計測値は実測値によく一致した。
サンプリング周期は、ローパスフィルタと同じような効果があり、サンプリング周期を短くするとより短時間での周波数の高い変化を検知し、サンプリング周期を長くすると高周波は含まない平均的な移動速度が検知される。よって、2秒の計測結果(最も誤差が少ない状態と推定)に対する移動速度の計測誤差は、1秒にすると高めに数%、5秒にすると低めに数%誤差が出る。
閾値の範囲についての単位移動距離の累積値の計測値誤差を検討する。閾値7.5m/sの単位移動距離の累積値の計測値(最も誤差が少ない状態と推定)に対して、5m/sにすると計測値が長めに数%、10m/sにすると短めに数%誤差がでる。
単位移動速度及びその累積値を計測するサンプリング周期と閾値の値は関連する。よって、サンプリング周期の範囲を1〜5秒、及び閾値の範囲を5〜10mm/sとすることにより単位移動距離の累積値である計測値の実測値に他する誤差が10%以内にすることができる。
実験時間は150分とし、静止30分・移動45分・静止25分・移動40分、静止10分の5区間を連続して計測した。鉄道模型が停止していた時刻0分〜30分、75分〜100分、及び140分〜150分の区分では移動距離は計測されていない。鉄道模型が移動していた時刻30分〜75分の間は383周走行して実移動距離は355m(実測値)、計測移動距離(計測値)は365mで102.8%、時刻100分〜140分の間は309周走行して実移動距離(実測値)は286m、計測移動距離(計測値)は289mで101.0%、実験時間全体では150分の間に692周走行して実移動距離(実測値)が642m、計測移動距離(計測値)が654m、101.9%であった.150分の実験において計測移動距離(計測値)の誤差は2%程度であり、長時間の実験でも高い精度で移動距離が計測できることが確認できた。
フォースプレート1を用いることで、小動物41の移動距離を、明るさの変化や障害物の影響を受けず計測可能である。実施例3は、発明者らがラットやマウス等の小動物を用いて生理学的な研究を実施している研究者に依頼して行った。
図14は、フォースプレート1上に、1匹の小動物41を入れた飼育ケージ40を載置した状態を示す。
図15の横軸は時刻を示し、縦軸は1時間ごとの単位移動距離の累積値を棒グラフで示した。ラットの24時間の総移動距離である単位移動距離の累積値は165mであった。実験開始後1時間、夜の21時から22時ころ、朝の4時から8時ころの活動が活発であること、それ以外の夜間も1時間当たり数m程度は活動しているのに対し、昼間の9時から18時の間は活動量が少ないようすが確認された。ラットが夜行性である特徴も示している。
従来、特定のフィールドや実験装置内での短時間の行動計測の結果は報告されているが、飼育ケージ40内での1日24時間の活動を記録した例は少なく、貴重な精度の高いデータである。
ここで、演算部20において、測定部10の出力信号に対して、周波数0.5〜1Hz以上の信号をカットするデジタルLPF21を有する。更にデジタルLPF21を介した出力信号から、サンプリング周期を1〜5秒として、位置座標、位置座標に応じた移動速度を計測し、移動速度に5〜10mm/sを範囲とする閾値を設定し、閾値以下をカットし、単位移動距離を計測する閾値処理23とを有する。これにより、計測した単位移動距離及びその累積値は、鉄道模型を用いた実測値と誤差が±10%以内とすることができる。
10 測定部 11 ロードセル
12 電源 13 プレート
15 増幅回路 17 LPF回路(ローパスフィルタ回路)
18 A/D変換回路 19 計測用コンピュータ
20 演算部 21 デジタルLPF
23 閾値処理 25 ホストPC
30 鉄道模型 31 レール
40 飼育ケージ 41 小動物
Claims (5)
- 移動体を乗せ重量を計測するフォースプレートにおいて、
3個又は4個のロードセルの上部にプレートを配し、
前記プレート上で、3個又は4個の前記ロードセルを頂点とする直角三角形又は長方形の面内を移動する1つの前記移動体による前記ロードセルの信号を測定する測定部と、
前記信号をサンプリング周期毎に計測し、
前記移動体の前記プレート上の位置座標(x、y)、
前記位置座標に応じた単位移動距離及びその累積値を計測する演算部と、
を有し、前記ロードセルが4個のときは、前記移動体の質量Wは式(1)、前記位置座標(x、y)は式(2)、(3)で示され、前記ロードセルが3個のときは、前記移動体の質量Wは式(4)、前記位置座標(x、y)は式(5)、(6)で示されることを特徴とするフォースプレート。
(式(1)においてWi(i=1〜4)はロードセルの出力、式(2)においてlは長方形のプレートの幅、式(3)においてhは長方形のプレートの高さ、式(4)においてWi(i=1〜3)はロードセルの出力、式(5)においてlは直角三角形のプレートの幅、式(6)においてhは直角三角形のプレートの高さをそれぞれ表す) - 前記演算部において、
前記測定部の出力信号に対して、周波数0.5〜1Hz以上の信号をカットするデジタルLPFを有することを特徴とする請求項1に記載するフォースプレート。 - 前記デジタルLPFを介した出力信号から、
前記サンプリング周期を1〜5秒として、前記位置座標、
前記位置座標に応じた移動速度を計測し、
前記移動速度に5〜10mm/sを範囲とする閾値を設定し、
前記閾値以下をカットし、前記単位移動距離を計測する閾値処理と、
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載するフォースプレート。 - 前記移動体は飼育ケージに入れられた一匹の小動物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載するフォースプレート。
- 移動体を乗せ重量を計測するフォースプレートにおいて、
3個又は4個のロードセルの上部にプレートを配し、
前記プレート上で、3個又は4個の前記ロードセルを頂点とする直角三角形又は長方形の面内を移動する1つの前記移動体による前記ロードセルの信号をサンプリング周期毎に計測し、
前記移動体の前記プレート上の位置座標(x、y)、前記位置座標に応じた単位移動距離及びその累積値を計測する移動体の計測方法であって、
前記ロードセルが4個のときは、前記移動体の質量Wは式(1)、前記位置座標(x、y)は式(2)、(3)で示され、前記ロードセルが3個のときは、前記移動体の質量Wは式(4)、前記位置座標(x、y)は式(5)、(6)で示されることを特徴とする移動体の計測方法。
(式(1)においてWi(i=1〜4)はロードセルの出力、式(2)においてlは長方形のプレートの幅、式(3)においてhは長方形のプレートの高さ、式(4)においてWi(i=1〜3)はロードセルの出力、式(5)においてlは直角三角形のプレートの幅、式(6)においてhは直角三角形のプレートの高さをそれぞれ表す)
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