以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
[情報配信システム100の概要]
図1は、情報配信システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、情報配信システム100は、例えば、端末情報収集サーバ120と、異常スコア配信サーバ140とを備える。
本実施形態において、情報配信システム100の各部は、通信ネットワーク10を介して、互いに情報を送受してよい。本実施形態において、通信ネットワーク10は、有線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。通信ネットワーク10は、無線パケット通信網、インターネット、P2Pネットワーク、専用回線、VPN、電力線通信回線、車車間通信回線、車路間通信回線などを含んでもよい。
通信ネットワーク10は、(i)携帯電話回線網などの移動体通信網を含んでもよく、(ii)無線MAN(例えば、WiMAX(登録商標)である。)、無線LAN(例えば、WiFi(登録商標)である。)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの無線通信網を含んでもよい。無線LAN、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、及び、NFCは、近距離無線通信の一例であってもよい。
本実施形態において、端末情報収集サーバ120は、通信ネットワーク10を介して、1以上の移動端末20のそれぞれから、当該移動端末の位置を示す情報を含むデータ(端末位置データと称される場合がある。)を収集する。端末情報収集サーバ120は、1以上の移動端末20のそれぞれから、複数の端末位置データを取得してよい。
上記の複数の端末位置データのそれぞれは、時刻を示す情報と、当該時刻における移動端末20の位置を示す情報とが対応付けられた情報であってよい。端末情報収集サーバ120は、1以上の移動端末20のそれぞれに関する複数の端末位置データを解析することで、1以上の移動端末20のそれぞれの移動履歴を特定してよい。
本実施形態において、端末情報収集サーバ120は、1以上の移動端末20のそれぞれに関する複数の端末位置データを解析することで、流動人口及び移動動向の少なくとも一方を推定する。端末情報収集サーバ120は、1以上の期間のそれぞれについて、1以上のエリアのそれぞれに関する流動人口及び移動動向の少なくとも一方を推定してよい。上記の1以上のエリアのそれぞれは、例えば、予め定められた形状及び大きさを有する地理的範囲を有する。
流動人口としては、流入人口、流出人口及び滞在人口の少なくとも1つが例示される。移動動向としては、移動手段、移動速度、移動方向及び滞在時間の少なくとも1つが例示される。移動手段としては、徒歩、車両、船舶、飛行体などが例示される。車両としては、自転車、自動車、自動二輪車、電車などが例示される。船舶としては、船、ホバークラフト、水上バイク、潜水艦、潜水艇、水中スクータなどが例示される。飛行体としては、飛行機、飛行船又は風船、気球、ヘリコプター、ドローンなどが例示される。
本実施形態において、端末情報収集サーバ120は、特定の期間における1以上の移動端末20のそれぞれに関する複数の端末位置データを解析することで、当該期間における流動人口及び移動動向の少なくとも一方に関する異常の程度を示す異常スコアを決定する。例えば、端末情報収集サーバ120は、特定の期間における流動人口及び移動動向の少なくとも一方を解析することで、当該期間における異常スコアを決定する。
例えば、端末情報収集サーバ120は、1以上の期間のそれぞれについて、1以上のエリアのそれぞれに関する流動人口及び移動動向に関する異常スコアを決定する。端末情報収集サーバ120は、期間を示す情報と、エリアを示す情報と、当該期間における当該エリアの異常スコアを示す情報とを対応付けて格納する。
端末情報収集サーバ120は、期間を示す情報と、エリアを示す情報と、当該期間における当該エリアの異常スコアを示す情報とが対応付けられた情報(スコアデータと称される場合がある。)を、異常スコア配信サーバ140に提供してよい。例えば、端末情報収集サーバ120は、異常スコア配信サーバ140からの要求に応じて、当該要求により示される期間及びエリアに関するスコアデータを、異常スコア配信サーバ140に提供する。
本実施形態において、異常スコア配信サーバ140は、異常スコアの配信サービスを提供する。例えば、異常スコア配信サーバ140は、クライアント端末40から、異常スコアの配信を要求する配信要求を取得する。配信要求には、期間及びエリアの少なくとも一方を指定する情報が含まれていてもよい。異常スコア配信サーバ140は、配信要求に対する応答として、配信要求により示された期間及びエリアの少なくとも一方に関する異常スコアに関する情報を、クライアント端末40に送信する。
例えば、異常スコア配信サーバ140は、異常スコアの地理的分布を示す情報と、異常スコアの時間変動を示す情報とが表示される画面を生成するための情報(画面データと称される場合がある。)を、クライアント端末40に送信する。クライアント端末40は、異常スコア配信サーバ140から受け取った画面データに基づいて画面を生成する。また、クライアント端末40は、上記の画面をクライアント端末40の入出力装置41に表示させる。これにより、異常スコア配信サーバ140は、異常スコアの配信を希望する配信希望者42に対して、異常スコアの地理的分布を示す情報と、異常スコアの時間変動を示す情報とを提供することができる。
本実施形態において、移動端末20は、無線通信機能を有し、通信ネットワーク10を介して、端末情報収集サーバ120との間で各種の情報を送受する。移動端末20は、例えば、予め定められたタイミング又は任意のタイミングで、端末位置データを端末情報収集サーバ120に送信する。予め定められたタイミングとしては、予め定められた時刻が到来したタイミング、前回の送信時刻から予め定められた期間が経過したタイミング、端末ユーザ22から予め定められた種類の指示が入力されたタイミング、移動端末20の移動距離が予め定められた値よりも大きくなったタイミングなどが例示される。
より具体的には、移動端末20は、例えば、GPS信号、無線信号の電波強度、移動端末20に配された内界センサの測定結果などを利用して、自己位置を推定する。移動端末20は、予め定められたタイミング又は任意のタイミングで、推定された自己位置に基づいて端末位置データを生成する。移動端末20は、上記の端末位置データを端末情報収集サーバ120に送信する。
本実施形態において、移動端末20は、移動可能又は携帯可能な通信端末であればよく、その詳細は特に限定されない。移動端末20としては、パーソナルコンピュータ、携帯端末などが例示される。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどが例示される。
本実施形態において、クライアント端末40は、通信機能を有し、通信ネットワーク10を介して、異常スコア配信サーバ140との間で各種の情報を送受する。また、クライアント端末40は、ユーザインターフェースとして機能する入出力装置41を備える。入出力装置41は、入力装置及び出力装置を有してよい。入力装置としては、タッチパネル、キーボード、ポインティングデバイス、マイク、カメラなどが例示される。出力装置としては、表示装置、音声出力装置などが例示される。表示装置としては、ディスプレイ、プロジェクタなどが例示される。音声出力装置としては、スピーカ、イヤホン、ヘッドホンなどが例示される。
本実施形態において、クライアント端末40は、異常スコアの配信を希望する配信希望者42が利用する通信端末であればよく、その詳細は特に限定されない。クライアント端末40としては、パーソナルコンピュータ、携帯端末などが例示される。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどが例示される。
[情報配信システム100の各部の具体的な構成]
情報配信システム100の各部は、ハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェアにより実現されてもよく、ハードウェア及びソフトウェアにより実現されてもよい。情報配信システム100の各部は、その少なくとも一部が、パーソナルコンピュータ又は携帯端末によって実現されてもよい。例えば、パーソナルコンピュータ又は携帯端末が、情報配信システム100のユーザインターフェースとして利用され得る。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウェアラブル・コンピュータなどが例示される。
情報配信システム100を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウェアにより実現される場合、当該ソフトウェアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したプログラムを起動することにより実現されてよい。上記の情報処理装置は、例えば、(i)各種プロセッサ(プロセッサとしては、CPU、GPUなどが例示される)、ROM、RAM、通信インターフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)メモリ、HDDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備える。上記の情報処理装置は、(iii)キーボード、タッチパネル、カメラ、マイク、各種センサ、GPS受信機などの入力装置を備えてもよく、(iv)表示装置、スピーカ、振動装置などの出力装置を備えてもよい。
上記の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、プログラムを格納してよい。上記のプログラムに記述された情報処理は、例えば、当該プログラムがコンピュータに読込まれることにより、当該プログラムに関連するソフトウェアと、情報配信システム100の少なくとも一部を構成する各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、上記の具体的手段が、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、当該使用目的に応じた情報配信システム100又はその一部が構築される。
上記のプログラムは、コンピュータ可読媒体に格納されていてもよい。上記のプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されていてもよい。上記のプログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。上記のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、情報配信システム100の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。
上記のプログラムが実行されることにより、コンピュータが、情報配信システム100の各部の少なくとも一部として機能してもよい。上記のプログラムが実行されることにより、コンピュータが、情報配信システム100の少なくとも一部における情報処理方法を実行してもよい。
コンピュータを情報配信システム100の少なくとも一部として機能させるためのプログラムは、例えば、情報配信システム100の少なくとも一部の動作を規定したモジュールを備える。上記のプログラム又はモジュールが実行されると、上記のプログラム又はモジュールは、データ処理装置、入力装置、出力装置、記憶装置等に働きかけて、コンピュータを情報配信システム100の少なくとも一部として機能させたり、コンピュータに情報配信システム100の少なくとも一部における情報処理方法を実行させたりする。
上記の情報処理法は、ユーザの通信端末から、人口の流動状態及び移動動向の少なくとも一方に関する異常の程度を示す異常度に関する情報の配信を要求する配信要求を取得する要求取得段階を有する。上記の情報処理方法は、例えば、通信端末が、(i)異常度の地理的分布を示す分布情報が表示される分布情報表示領域及び(ii)異常度の時間変動を示す変動情報が表示される変動情報表示領域を含む画面を生成するための情報を、通信端末に送信する画面情報送信段階を有する。
本実施形態においては、異常スコア配信サーバ140が受信した配信要求に応答する場合を例として情報配信システム100の詳細が説明される。しかしながら、情報配信システム100は本実施形態に限定されない。他の実施形態において異常スコア配信サーバ140が受信した配信要求に対して、端末情報収集サーバ120及び異常スコア配信サーバ140が協働して応答してよい。
情報配信システム100は、情報処理装置の一例であってよい。異常スコア配信サーバ140は、情報処理装置の一例であってよい。また、異常スコア配信サーバ140が受信した配信要求に対して、端末情報収集サーバ120及び異常スコア配信サーバ140が協働して応答する場合、端末情報収集サーバ120は、情報処理装置の一例となり得る。
移動端末20は無線端末の一例であってよい。移動端末20に関する端末位置データは、位置情報の一例であってよい。クライアント端末40は、通信端末の一例であってよい。配信希望者42はユーザの一例であってよい。異常スコアは、異常度に関する情報の一例であってよい。
図2は、情報配信システム100の各部の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、端末情報収集サーバ120は、例えば、端末情報収集部222と、流動人口解析部224と、異常解析部226とを備える。本実施形態において、異常スコア配信サーバ140は、例えば、スコアデータ取得部242と、スコアデータ格納部244と、配信要求取得部246と、画面データ生成部248とを備える。
本実施形態において、端末情報収集部222は、1以上の移動端末20のそれぞれから、端末位置データを収集する。上述されたとおり、端末位置データは、時刻を示す情報と、当該時刻における移動端末20の位置を示す情報とを含む。
本実施形態において、流動人口解析部224は、端末情報収集部222が収集した複数の端末位置データを解析して、1以上の期間のそれぞれについて、1以上のエリアのそれぞれに関する流動人口及び移動動向の少なくとも一方を推定する。流動人口解析部224における情報処理の詳細は後述される。
本実施形態において、異常解析部226は、特定の期間における1以上の移動端末20のそれぞれに関する複数の端末位置データを解析することで、当該期間における流動人口及び移動動向の少なくとも一方に関する異常の程度を示す異常スコアを決定する。例えば、端末情報収集サーバ120は、特定の期間における流動人口及び移動動向の少なくとも一方を解析することで、当該期間における異常スコアを決定する。
例えば、異常解析部226は、予め定められた長さを有する単位期間ごとに、異常スコアを決定する。単位期間としては、15分、30分、1時間、2時間、3時間、6時間、12時間、1日、1週間、1カ月などが例示される。これにより、1以上の期間のそれぞれについて、1以上のエリアのそれぞれに関する流動人口及び移動動向に関する異常スコアが決定される。
異常解析部226は、期間を示す情報と、エリアを示す情報と、当該期間における当該エリアの異常スコアを示す情報とが対応付けられたスコアデータを生成してよい。異常解析部226は、スコアデータを異常スコア配信サーバ140に送信してよい。異常解析部226の詳細は後述される。
本実施形態において、スコアデータ取得部242は、異常解析部226からスコアデータを取得する。スコアデータ取得部242は、上記のスコアデータをスコアデータ格納部244に格納する。
本実施形態において、配信要求取得部246は、クライアント端末40から、配信要求を取得する。上述されたとおり、配信要求は、クライアント端末40が異常スコアに関する情報の配信を要求していることを示す情報であってよい。配信要求は、クライアント端末40が特定の期間における異常スコアに関する情報の配信を要求していることを示す情報を含んでよい。配信要求は、クライアント端末40が特定の期間における特定のエリアに関する異常スコアに関する情報の配信を要求していることを示す情報を含んでよい。
配信要求取得部246は、配信要求が取得されたことを示す情報を、画面データ生成部248に出力する。配信要求取得部246は、配信要求を画面データ生成部248に転送してもよい。
本実施形態において、画面データ生成部248は、クライアント端末40が画面を生成するために利用される画面データを生成する。画面データは、(i)クライアント端末40の入出力装置41に表示される画面の画像データであってもよく、(ii)クライアント端末40が画面を生成するために利用される各種のパラメータの値を示す情報であってもよい。
上記のパラメータとしては、地図上に表示される地物又は地理的範囲に関するパラメータ、時系列期間を示すパラメータ、流動人口数を示すパラメータ、移動速度を示すパラメータ、異常スコアを示すパラメータ、異常の種別を示すパラメータなどが例示される。上記の地理的範囲に関するパラメータとしては、地図の座標系を示すパラメータ、1以上の地物のそれぞれの座標を示すパラメータ、地図上に仮想的に配された複数の区画(メッシュと称される場合がある。)のそれぞれを示すパラメータ、行政界を示すパラメータなどが例示される。メッシュを示すパラメータは、当該メッシュの識別情報、及び、当該メッシュの地図上の位置又は範囲を示す情報の少なくとも一方を含んでよい。行政界を示すパラメータは、当該行政界の識別情報、及び、当該行政界の地図上の位置又は範囲を示す情報の少なくとも一方を含んでよい。
本実施形態において、画面データ生成部248は、異常スコアの地理的分布を示す情報と、異常スコアの時間変動を示す情報とが表示される画面の画面データを生成する。上記の画面がユーザに提示されることで、当該ユーザは、地理的な異常度の認知に加え、表示エリア内での時間推移による傾向把握を同時に行うことができる。その結果、ユーザによる時空間的な把握及び視認性が向上する。
異常スコアの地理的分布を示す情報としては、1以上の位置又は領域(単にエリアと称する場合がある)のそれぞれにおける異常スコアの大きさを示す情報が、地図上の対応する位置に重畳表示された画像が例示される。一実施形態において、異常スコアの大きさは、地図上において、異常スコアの大きさに応じて定められる色、パターン又は模様により表現される。他の実施形態において、異常スコアの大きさは、地図上において、(i)当該異常スコアの大きさを示す数値、は(ii)当該異常スコアの大きさを段階的に示す区分の文字列若しくは記号により表現される。
異常スコアの時間変動を示す情報としては、異常スコアの時間変動を示すグラフが例示される。グラフの種類は特に限定されるものではないが、グラフの種類としては、棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフ、箱ひげ図などが例示される。
画面データ生成部248は、配信要求を送信したクライアント端末40に、当該配信要求に対する応答として、生成された画面データを送信する。画面データ生成部248の詳細は後述される。
配信要求取得部246は、要求取得部の一例であってよい。画面データ生成部248は、画面情報送信部の一例であってよい。異常スコアの地理的分布を示す情報は、分布情報の一例であってよい。異常スコアの時間変動を示す情報は、変動情報の一例であってよい。クライアント端末40が特定の期間における異常スコアに関する情報の配信を要求していることを示す情報は、期間指定要求の一例であってよい。クライアント端末40が特定の期間における特定のエリアに関する異常スコアに関する情報の配信を要求していることを示す情報は、期間指定要求の一例であってよい。
図3は、流動人口解析部224における情報処理の一例を概略的に示す。図3を用いて、流動人口解析部224における、人口の流動状態又は移動動向に関する解析処理の詳細が説明される。本実施形態において、流動人口解析部224は、端末情報収集部222が取得した複数の端末位置データ320を解析して、人口の流動状態及び移動動向の少なくとも一方を示す人流データ340を出力する。複数の端末位置データ320は、端末情報収集部222が複数の移動端末20から収集したデータであってよい。
本実施形態において、端末位置データ320は、例えば、1以上の移動端末20のそれぞれを識別するための端末ID322と、時刻を示す情報324と、当該時刻における各移動端末の位置を示す情報326と、各移動端末を利用する端末ユーザ22の属性を示す情報328とを対応づけて格納する。本実施形態においては、端末位置データ320が端末ユーザ22の属性を示す情報328を含む場合を例として、流動人口解析部224における解析処理の詳細が説明される。しかしながら、端末位置データ320は、本実施形態に限定されない。
他の実施形態において、端末位置データ320は、上記の端末ユーザ22の属性を示す情報328を含まなくてもよい。端末位置データ320が端末ユーザ22の属性を示す情報328を含まない場合、例えば、流動人口解析部224は、各移動端末の端末IDと、各移動端末を利用する端末ユーザの属性を示す情報とを対応付けて格納するデータベース(図示されていない。)にアクセスし、端末位置データ320に含まれる端末ID322をキーとして、端末ID322により識別される移動端末20を利用する端末ユーザ22の属性を示す情報を取得してよい。流動人口解析部224は、端末位置データ320を解析して、各移動端末を利用する端末ユーザの属性を推定してもよい。
本実施形態において、移動端末20の端末ID322は、(i)移動端末20に固有の識別情報であってもよく、(ii)特定の個人、法人又は団体により移動端末20に割り当てられた識別情報であってもよく、(iii)一時的に移動端末20を識別するための識別情報(テンポラリIDと称される場合がある。)であってもよい。端末ID322は、移動端末20を利用する端末ユーザ22を識別するための識別情報であってもよい。
移動端末20に固有の識別情報としては、移動端末20のMACアドレスが例示される。移動端末20に割り当てられた識別情報としては、特定のサービス提供者により移動端末20に割り当てられた識別情報、特定のサービス提供者により移動端末20上で動作するアプリケーションプログラムに割り当てられた識別情報などが例示される。特定のサービス提供者により移動端末20に割り当てられた識別情報は、電話番号であってもよい。特定のサービス提供者により移動端末20に割り当てられた識別情報は、端末情報収集サーバ120により移動端末20に割り当てられた識別情報であってもよい。
例えば、移動端末20の端末ID322として、移動端末20に割り当てられた識別情報が用いられた場合、端末情報収集サーバ120は、当該移動端末の位置データと、当該移動端末の端末固有IDとを結合させることなく、該移動端末の位置データを取得することができる。これにより、端末情報収集サーバ120は、個人の特定がより抑制された手法により、1以上の移動端末20の位置データを収集することができる。
テンポラリIDは、移動端末20に固有の識別情報と比較して短期間で変更される識別情報であってよい。テンポラリIDは1カ月以内に変更されてよい。テンポラリIDは1週間以内に変更されてよい。テンポラリIDは3日以内に変更されてよい。テンポラリIDは2日以内に変更されてよい。テンポラリIDは1日以内に変更されてよい。
これにより、流動人口解析部224は、端末ユーザ22が特定されることを防止しつつ、移動端末20の移動履歴を特定することができる。テンポラリIDは、例えば、移動端末20上で動作するアプリケーションプログラムによって生成される。テンポラリIDは、端末情報収集サーバ120により決定されてもよい。
本実施形態において、移動端末20の位置を示す情報326は、移動端末20の推定位置の位置座標であってもよく、移動端末20が存在するエリアを示す情報であってもよい。移動端末20の位置は、地図上に仮想的に配された複数の単位エリアのうち、移動端末20の推定位置を含む単位エリアの識別情報により示されてよい。
移動端末の位置が当該移動端末の推定位置の位置座標により示される場合、各時刻における移動端末の位置が地図上にプロットされる。これにより、移動端末の位置が上記の単位エリアの識別情報により示される場合と比較して、例えば、道路上での人流の可視化が可能になり、より詳細な分析が可能になる。
移動端末の位置が当該移動端末の推定位置の位置座標により示される場合、特定の移動端末の移動履歴が可視化され得る。そこで、流動人口解析部224は、移動端末の移動履歴の少なくとも一部を削除する、特定の移動端末の移動履歴の少なくとも一部を他の移動端末の移動履歴であるかのうように取り扱うなどの、セキュリティ対策又はプライバシー対策が実施されてよい。例えば、流動人口解析部224は、特定の移動端末の移動履歴を構成する複数の位置座標のうち、当該特定の移動端末のユーザの拠点との距離が予め定められた値よりも小さな位置座標のデータを削除した上で、解析処理を実行する。拠点としては、住居、職場などが例示される。
地図上に仮想的に配された複数の単位エリアのそれぞれは、予め定められた形状及び大きさを有する。複数の単位エリアの形状及び大きさは、同一であってもよく、異なってもよい。各単位エリアの形状及び大きさは、行政区画(行政界と称される場合がある。)に基づいて決定されてもよく、行政区画とは異なる基準により決定されてよい。単位エリアの形状としては、多角形、円形又は楕円形が例示される。多角形としては、矩形、五角形、六角形、八角形などが例示される。複数の単位エリアは、隣接する2つの単位エリアが重複しないように配されてもよく、隣接する2つの単位エリアの一部が重複するように配されてもよい。
一実施形態において、単位エリアは、仮想的な格子状の境界線により区画された矩形の領域であってよい。他の実施形態において、単位エリアは、仮想的なハニカム状の境界線により区画された六角形の領域であってよい。これらの実施形態においては、複数の単位エリアの形状及び大きさは同一であり、隣接する2つの単位エリアが重複しないように複数の単位エリアが配される。
本実施形態において、端末ユーザ22の属性を示す情報328としては、端末ユーザ22の性別、国籍、職業、趣味及び嗜好の少なくとも1つが例示される。端末ユーザ22の属性は、例えば、端末ユーザ22移動端末20上で動作するアプリケーションプログラム又は端末情報収集サーバ120に入力又は登録した事項に基づいて決定される。
なお、上述されたとおり、他の実施形態において、端末位置データ320が端末ユーザ22の属性を示す情報328を含まない場合がある。この場合、流動人口解析部224は、例えば、端末位置データ320に含まれる他のデータを解析して、各移動端末を利用する端末ユーザの属性を推定してよい。これにより、個人の特定がより抑制され得る。
本実施形態において、流動人口解析部224は、まず、端末情報収集部222が取得した複数の端末位置データ320を端末ID322ごとに解析して、複数の移動端末20のそれぞれの移動履歴を特定する。次に、流動人口解析部224は、複数の移動端末20のそれぞれの移動履歴に基づいて、予め定められた期間ごとに、各エリアから流出した移動端末20の個数、各エリアに流入した移動端末20の個数、及び、各エリアに滞留した移動端末20の個数を決定する。
次に、流動人口解析部224は、各期間に各エリアから流出した移動端末20の個数に、予め定められた係数を乗じることで、各期間に各エリアから流出した人口を推定する。同様に、流動人口解析部224は、各期間に各エリアに流入した移動端末20の個数に、予め定められた係数を乗じることで、各期間に各エリアに流入した人口を推定する。また、流動人口解析部224は、各期間に各エリアに滞留した移動端末20の個数に、予め定められた係数を乗じることで、各期間に各エリアに滞留した人口を推定する。これにより、流動人口が推定される。
また、流動人口解析部224は、複数の移動端末20のそれぞれの移動履歴に基づいて、複数の移動端末20のそれぞれの移動速度、移動方向、及び/又は、各エリア内の滞在時間を決定する。流動人口解析部224は、複数の移動端末20のそれぞれの移動速度に基づいて、複数の移動端末20のそれぞれの移動手段を特定してよい。流動人口解析部224は、複数の移動端末20のそれぞれの移動速度及び移動経路に基づいて移動手段を決定してもよい。
流動人口解析部224は、各期間に各エリアに存在した1以上の移動端末20を、移動速度に応じて分類する。例えば、流動人口解析部224は、各期間に各エリアに存在した1以上の移動端末20を、移動速度に応じて段階的に設けられた複数の区分のうちの何れか1つに分類する。流動人口解析部224は、各区分に分類された移動端末20の個数に、予め定められた係数を乗じることで、移動速度ごとの人口を推定する。
流動人口解析部224は、各期間に各エリアに存在した1以上の移動端末20を、移動手段に応じて分類する。流動人口解析部224は、各移動手段に分類された移動端末20の個数に、予め定められた係数を乗じることで、移動手段ごとの人口を推定する。
流動人口解析部224は、各期間に各エリアに存在した1以上の移動端末20を、移動方向に応じて分類する。例えば、流動人口解析部224は、各期間に各エリアに存在した1以上の移動端末20を、移動方向に応じて段階的に設けられた複数の区分のうちの何れか1つに分類する。上記の区分は、東西南北の4個の区分であってもよく、上記の4つの区分がさらに細分化された8個の区分であってもよい。流動人口解析部224は、各区分に分類された移動端末20の個数に、予め定められた係数を乗じることで、移動方向ごとの人口を推定する。
流動人口解析部224は、各期間に各エリアに存在した1以上の移動端末20を、当該エリア内の滞在時間に応じて分類する。例えば、流動人口解析部224は、各期間に各エリアに存在した1以上の移動端末20を、当該エリア内の滞在時間に応じて段階的に設けられた複数の区分のうちの何れか1つに分類する。流動人口解析部224は、各区分に分類された移動端末20の個数に、予め定められた係数を乗じることで、滞在時間ごとの人口を推定する。
本実施形態において、流動人口解析部224は、上述された解析結果に基づいて、人流データ340を出力する。流動人口解析部224は、各期間における各エリアに関する人流データ340を出力してよい。本実施形態において、人流データ340は、例えば、各期間を示す情報342と、各エリアのエリアID344と、当該期間及び当該エリアにおける人口の流動状態を示す流動人口情報346と、当該期間及び当該エリアにおける人口の移動動向を示す移動動向情報348とを対応づけて格納する。
流動人口情報346としては、(i)各期間における各エリアへの流入人口、(ii)各期間における各エリアからの流出人口、(iii)各期間における各エリアの滞留人口などが例示される。上記の人口は推定値であってよい。移動動向情報348としては、(i)各期間及び各エリアにおける移動速度ごとの人口、(ii)各期間及び各エリアにおける移動手段ごとの人口、(iii)各期間及び各エリアにおける移動方向ごとの人口、(iv)各期間及び各エリアにおける滞在時間ごとの人口などが例示される。
図4は、異常解析部226の内部構造の一例を概略的に示す。本実施形態において、異常解析部226は、設定部420と、比較データ抽出部430と、統計処理部440と、異常スコア決定部450と、人流データ格納部462と、スコアデータ格納部464とを備える。本実施形態において、設定部420は、評価項目設定部422と、評価手法設定部424とを有する。本実施形態において、統計処理部440は、相加平均算出部442と、移動平均算出部444と、比較基準決定部446とを有する。
本実施形態においては、説明を簡単にすることを目的として、異常解析部226が、予め定められた期間ごとに、全てのエリアの異常スコアを決定する場合を例として、異常解析部226の詳細が説明される。例えば、異常解析部226は、1時間ごとに、全てのエリアの異常スコアを決定する。
しかしながら、異常解析部226が本実施形態に限定されないことに留意されたい。他の実施形態において、異常解析部226は、異常スコア配信サーバ140から指定された期間における、異常スコア配信サーバ140から指定されたエリアの異常スコアを算出する。この場合において、異常解析部226は、異常スコア配信サーバ140から指定された期間における単位期間ごとの異常スコアを算出してもよい。
本実施形態において、設定部420は、比較データ抽出部430、統計処理部440及び異常スコア決定部450における処理に関する設定の内容を決定する。設定部420は、クライアント端末40に入力された配信希望者42の指示に基づいて、各種の設定の内容を決定してよい。
本実施形態において、評価項目設定部422は、異常スコアを算出する対象(評価項目と称される場合がある。)を決定する。評価項目としては、人口の流動状態、人口の移動動向などが例示される。人口の流動状態としては、流入人口、流出人口、滞留人口などが例示される。人口の移動動向としては、移動速度別の人口、移動手段別の人口、移動方向別の人口、滞留時間別の人口などが例示される。
本実施形態において、評価手法設定部424は、異常スコアを算出する手法(評価手法を称される場合がある。)を決定する。上述されたとおり、特定の期間における流動人口及び移動動向の少なくとも一方に関する異常の程度を示す。異常スコアの値は、例えば、評価対象となるデータ(対象データと称される場合がある。)と、特定の基準(比較基準と称される場合がある)との乖離の程度に基づいて決定される。
評価手法としては、比較基準の決定手法、比較基準との比較手法などが例示される。比較基準の決定手法としては、比較基準を決定するための標本集団の決定手法、比較基準を決定するための統計量の算出手法、比較基準を決定するための標本集団を線形・非線形写像で変換する手法(例えば、入力値を予め定められた規則に従って変換する手法である)、比較基準を決定するための対象時点の予測値の算出手法などが例示される。比較基準との比較手法としては、計算時間の少ないアルゴリズム、誤差の少ないアルゴリズム、汎化性能の高いアルゴリズム、分散処理・並列処理が可能なアルゴリズムなどが例示される。
上記の標本集団の決定手法としては、過去の実績値として人流データ格納部462に格納されている複数の人流データ340の中から、比較基準の決定処理に用いられる人流データ340を抽出する手順又は条件が例示される。一実施形態において、解析対象となるエリアに関する過去の人流データ340であって、過去の特定の期間に関する人流データ340が抽出される。例えば、過去8週間分の人流データ340が抽出される。
他の実施形態において、解析対象となるエリアに関する過去の人流データ340であって、過去の特定の期間に関する人流データ340のうち、特定の時間帯、曜日及び/又は種別に関する人流データ340が抽出される。上記の種別としては、休日、平日などが例示される。例えば、過去8週間分の人流データ340のうち、異常スコアの決定処理の対象となる人流データ340と同一の曜日及び同一の時間帯に関する人流データ340が抽出される。
上記の統計量の算出手法としては、相加平均、移動平均、重み付き移動平均などが例示される。例えば、上記の統計量の算出手法として重み付き移動平均が利用された場合、上記の統計量の算出手法として相加平均が利用された場合と比較して、異常スコアの妥当性が向上する。
上記の統計量として重み付き移動平均が利用される場合、一実施形態において、統計処理の対象となる複数の過去の人流データ340のそれぞれについて、重みが決定される。このとき、例えば、異常スコアの決定処理の対象となる人流データ340の期間と、上記の過去の人流データ340の期間とが近いほど重みが大きくなるように、上記の重みが決定される。
上記の統計量として重み付き移動平均が利用される場合、他の実施形態において、統計処理の対象となる複数の過去の人流データ340のそれぞれと、比較基準を決定するための対象時点における予測値とについて、重みが決定される。このとき、例えば、異常スコアの決定処理の対象となる人流データ340の期間と、上記の過去の人流データ340の期間とが近いほど重みが大きくなるように、上記の重みが決定される。また、対象時点の予測値が、上記の複数の過去の人流データ340よりも異常スコアの決定処理の対象となる人流データ340の期間に近いものとして、対象時点の予測値の重みが決定される。
上記の標本集団を線形・非線形写像で変換する手法としては、対数変換、ガウスカーネル変換などが例示される。上記の変換式とし対数変換が利用される場合、統計処理の対象となる複数の過去の人流データ340のそれぞれについて、常用対数(10を底とする対数である。)を乗じた値が、比較基準として用いられる。このとき、例えば、抽出された標本集団の桁数に大きな偏りがあった場合であっても、標本集団の値が対数変換により異なる写像に変換されるので、偏りを加味した比較基準が作成され得る。これにより、異常スコアの妥当性が向上する。
上記の計算時間の少ないアルゴリズムとしては、相加平均及び移動平均の一方を比較基準として利用して、異常スコアの決定処理の対象となる人流データ340と、当該比較基準との乖離の程度に基づいて異常スコアを決定するアルゴリズムが例示される。上記の誤差の少ないアルゴリズムとしては、(i)相加平均及び移動平均の両方を比較基準として利用して、判定対象となる人流データ340と、当該比較基準との乖離の程度に基づいて異常スコアを決定するアルゴリズム、(ii)相加平均及び移動平均の両方を比較基準として利用して、判定対象となる人流データ340及び上述された対象時点の予測値と、当該比較基準との乖離の程度に基づいて異常スコアを決定するアルゴリズムなどが例示される。例えば、比較基準の決定処理において抽出された標本集団のデータの傾向に基づいて、相加平均及び移動平均を使い分けることで、異常スコアが精度よく決定され得る。
上記の対象時点の予測値の算出方法としては、トレンド推定、季節性推定などの時系列分析の手法が例示される。上記の算出方法としてトレンド推定が利用される場合、複数の過去の人流データ340を学習データとして、対象時点でのトレンドを予測値として活用される。このとき、例えば、抽出された標本にトレンドがあった場合や何かしらの傾向がある場合に、トレンドを推定し予測値を算出することで、母集団分布により近いデータを構築することができる。これにより、異常スコアの妥当性が向上する。
本実施形態において、比較データ抽出部430は、人流データ格納部462に格納されている過去の人流データ340の中から、比較基準を決定するための標本集団となる人流データ340を抽出する。例えば、比較データ抽出部430は、評価手法設定部424により決定された設定に基づいて、比較基準を決定するための標本集団となる人流データ340を抽出する。比較データ抽出部430は、抽出された人流データ340を統計処理部440に出力してよい。
本実施形態において、統計処理部440は、比較データ抽出部430が抽出した1以上の人流データ340に関する統計量を算出する。例えば、統計処理部440は、人流データ340に含まれる各種の情報のうち、評価項目設定部422により決定された評価項目に関する統計量を算出する。
本実施形態において、相加平均算出部442は、比較データ抽出部430が抽出した1以上の人流データ340につき、評価項目設定部422により決定された評価項目に関する相加平均を算出する。本実施形態において、移動平均算出部444は、比較データ抽出部430が抽出した1以上の人流データ340につき、評価項目設定部422により決定された評価項目に関す移動平均を算出する。上記の移動平均は重み付き移動平均であってもよい。
本実施形態において、比較基準決定部446は、異常スコア決定部450が異常スコアを決定するために用いられる比較基準を決定する。例えば、比較基準決定部446は、相加平均算出部442が算出した相加平均の値、及び、比較基準決定部446が算出した移動平均の値の何れを、比較基準として用いるかを決定する。
本実施形態において、異常スコア決定部450は、特定の期間及び特定のエリアに関する人流データ340(対象データと称される場合がある。)の異常スコアを決定する。異常スコア決定部450は、人口の流動状態又は移動動向の過去の実績値に関する統計量に基づいて、対象データに関する異常スコアを決定する。異常スコア決定部450は、人口の流動状態又は移動動向の過去の実績値、及び、対象時点の予測値に関する統計量に基づいて、対象データに関する異常スコアを決定してもよい。異常スコア決定部450は、評価項目設定部422により決定された評価項目に関する異常スコアを決定してよい。
異常スコア決定部450は、比較基準決定部446が決定した比較基準と、対象データとの差が大きいほど異常スコアが大きくなるように、異常スコアの大きさを決定する。より具体的には、異常スコア決定部450は、例えば、対象データと、真値を推定した統計量との差を算出する。異常スコア決定部450は、対象データと、真値を推定した統計量との差を、標本の標準偏差で除する。異常スコア決定部450は、対象データと、真値を推定した統計量との差を、予め定められた値で除してもよい。これにより、対象データの異常スコアの大きさが決定される。異常スコアの大きさは、連続的な数値により表されてもよく、段階的な区分により表されてもよい。
上記の手順により算出された異常スコアは、正の値、0、又は、負の値となる。これにより、異常スコア決定部450異常の程度だけでなく、異常スコアの種別に関する情報が得られる。異常スコアの値が正である場合、当該異常スコアは正の異常スコアと称される場合がある。異常スコアの値が負である場合、当該異常スコアは負の異常スコアと称される場合がある。
本実施形態においては、異常スコア決定部450により決定される異常スコアが、正の値、0、又は、負の値となる場合を例として、異常スコア決定部450の詳細が説明された。しかしながら、異常スコア決定部450は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、異常スコア決定部450は、対象データと、真値を推定した統計量との差の絶対値を、標本の標準偏差又は予め定められた値で除することで、対象データの異常スコアの大きさが決定してよい。
上述されたとおり、対象データ、及び、比較基準決定部446が決定した比較基準は、複数の移動端末20の端末位置データに含まれる各移動端末の推定位置に基づいて決定される。これにより、情報配信システム100は、自動的に収集されるビックデータに基づいて、人口の流動状態及び/又は移動動向の過去の傾向とは異なる挙動を迅速に検出することができる。そのため、配信希望者42は、情報配信システム100により配信されるデータを、(i)イベント開催時におけるイベント参加者の誘導、(ii)事件、事故、災害などの発生の検出、(iii)事件、事故、災害などの発生時における人流の制御若しくは誘導、救援若しくは救助、又は、支援物資の配送、(iv)事件、事故、災害などの発生時又はイベント開催時に実施された各種の政策の効果測定などに利用することができる。
異常スコア決定部450は、対象データとなった人流データ340の期間を示す情報と、上記の人流データ340のエリアを示す情報と、異常スコア決定部450が決定した異常スコアの大きさを示す情報とを対応付けて、スコアデータを生成する。異常スコア決定部450は、生成されたスコアデータを、例えばスコアデータ格納部464に格納する。異常スコア決定部450は、生成されたスコアデータを、異常スコア配信サーバ140に提供してもよい。
本実施形態において、人流データ格納部462は、流動人口解析部224が出力した1以上の人流データ340を格納する。本実施形態において、スコアデータ格納部464は、異常スコア決定部450が生成した1以上のスコアデータを格納する。
本実施形態においては、異常解析部226が、予め定められた期間ごとに、全てのエリアの異常スコアを決定する場合を例として、異常解析部226の詳細が説明されたしかしながら、異常解析部226が本実施形態に限定されない。他の実施形態において、異常解析部226は、異常スコア配信サーバ140から指定された期間における、異常スコア配信サーバ140から指定されたエリアの異常スコアを算出する。この場合において、異常解析部226は、異常スコア配信サーバ140から指定された期間における単位期間ごとの異常スコアを算出してもよい。
図5は、スコアデータ500のデータ構造の一例を概略的に示す。本実施形態において、スコアデータ500は、期間を示す情報522と、エリアID524と、異常スコアを示す情報526とを対応づけて格納する。本実施形態において、異常スコアを示す情報526は、1以上の評価項目532のそれぞれに関する異常スコアの大きさを示す情報を含んでよい。
1以上の評価項目532のそれぞれに関する異常スコアの大きさを示す情報は、異常スコアの合計値542を示す情報を含んでよい。1以上の評価項目532のそれぞれに関する異常スコアの大きさを示す情報は、正の異常スコア544の大きさを示す情報を含んでもよく、負の異常スコア546の大きさを示す情報を含んでもよい。
図6は、配信要求600のデータ構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、配信要求600は、期間指定情報622と、エリア指定情報624と、評価項目指定情報626とを含む。配信要求600は、表示項目指定情報632を含んでもよい。配信要求600は、表示態様指定情報634を含んでもよい。
本実施形態において、期間指定情報622は、スコアデータが要求される期間を指定する。上記の期間の長さは、異常スコア決定部450がスコアデータを生成する単位期間の長さ以上であることが好ましい。
本実施形態において、エリア指定情報624は、スコアデータが要求されるエリアを指定する。エリア指定情報624は、スコアデータが要求される1以上の単位エリアの識別情報を含んでよい。エリア指定情報624は、単一又は複数の単位エリアの識別情報と、縮尺を示す情報とを含んでよい。エリア指定情報624は、(i)単一又は複数の単位エリアの識別情報、(ii)スコアデータが要求されるエリアの形状及び大きさを示す情報、及び、(iii)上記の単一又は複数の単位エリアと、スコアデータが要求されるエリアとの位置関係を示す情報を含んでもよい。
本実施形態において、評価項目指定情報626は、異常スコアが要求される評価項目を指定する。評価項目指定情報626により、複数の評価項目が指定されてもよい。これにより、特定の期間及び特定のエリアにおける特定の評価項目に関する異常スコアの送信が要求される。
本実施形態において、表示項目指定情報は、画面に表示される項目を指定する。画面に指定される項目としては、異常スコアの地理的分布を示す情報(分布データと称される場合がある)、異常スコアの時間変動を示す情報(時系列データと称される場合がある)、異常スコアの詳細情報、異常スコアのランキング情報などが例示される。これらの項目の詳細は後述される。
本実施形態において、表示態様指定情報634は、上記の画面に表示される各項目の表示態様を指定する。分布データの表示態様としては、地図の縮尺、グリッドの表示の要否、異常スコアの表示方法などが例示される。異常スコアの表示方法としは、(i)異常スコアの大きさに応じて定まる色、パターン又は模様と、異常スコアの大きさとの対応関係、(ii)透明度の設定などが例示される。
時系列データの表示態様としては、グラフの設定、表示されるグラフの個数、イベント名称の表示の要否、異常スコアの合計値の表示の有無、正の異常スコアの表示の有無、負の異常スコアの表示の有無などが例示される。例えば、表示されるグラフの個数が複数である場合、表示期間の異なる複数のグラフが表示されたり、種類の異なる複数のグラフが表示されたりする。グラフの設定としては、グラフの種類に関する設定、縦軸及び横軸の少なくとも一方の目盛りに関する設定などが例示される。
異常スコアの詳細情報の表示態様としては、詳細情報が表示されるオブジェクトの画面上における位置及び大きさ、当該オブジェクトの形状、当該オブジェクトの透明度などが例示される。異常スコアのランキング情報の表示態様としては、昇順又は降順、表示されるデータの個数、異常スコアの種別などが例示される。
図7は、画面データ生成部248の内部構造の一例を概略的に示す。本実施形態において、画面データ生成部248は、分布データ生成部722と、時系列データ生成部724と、画面データ送信部726を備える。
本実施形態において、分布データ生成部722は、異常スコアの地理的分布を示す情報(分布データと称される場合がある。)を生成する。分布データ生成部722は、例えば、配信要求600に基づいて分布データを生成する。
例えば、分布データ生成部722は、期間指定情報622により示される期間における、エリア指定情報624により示されるエリアの異常スコアに関する分布データを生成する。分布データ生成部722は、評価項目指定情報626により示される評価項目に関する異常スコアについて分布データを生成してよい。
また、分布データ生成部722は、表示態様指定情報634に基づいて、分布データに含まれる情報の種類を決定してよい。例えば、分布データ生成部722は、異常スコアの詳細情報、及び、異常スコアのランキング情報の少なくとも一方が地図上に重畳表示された分布データを生成することを決定する。分布データ生成部722は、表示態様指定情報634に基づいて、画面を生成するために利用されるパラメータの値を決定してよい。例えば、分布データ生成部722は、グリッドの表示の要否を決定する。
本実施形態において、時系列データ生成部724は、異常スコアの時間変動を示す情報(時系列データと称される場合がある。)を生成する。時系列データ生成部724は、例えば、配信要求600に基づいて時系列データを生成する。
例えば、時系列データ生成部724は、期間指定情報622により示される期間における、エリア指定情報624により示されるエリアの異常スコアに関する時系列データを生成する。時系列データ生成部724は、評価項目指定情報626により示される評価項目に関する異常スコアについて時系列データを生成してよい。
また、時系列データ生成部724は、表示態様指定情報634に基づいて、時系列データのグラフの種類及び個数を決定してよい。分布データ生成部722は、表示態様指定情報634に基づいて、画面を生成するために利用されるパラメータの値を決定してよい。例えば、時系列データ生成部724は、グラフの目盛りに関するパラメータの値を決定する。
本実施形態において、画面データ送信部726は、分布データ生成部722が生成した分布データと、時系列データ生成部724が生成した時系列データとを含む画面データを生成する。画面データ送信部726は、上記の画面データを、配信要求を送信したクライアント端末40に送信する。
一実施形態において、画面データ送信部726は、分布データの画像データと、時系列データの画像データとを含む画面の画像データを含む情報を、画面データとして生成する。他の実施形態において、画面データ送信部726は、クライアント端末40が分布データ及び時系列データを含む画面を生成するために利用される各種のパラメータの値を含む情報を、画面データとして生成する。
画面データ送信部726は、画面情報送信部の一例であってよい。分布データは、分布情報の一例であってよい。時系列データは、変動情報の一例であってよい。
図8は、クライアント端末40の入出力装置41に表示される画面800の一例を概略的に示す。本実施形態において、画面800は、地図表示領域820と、時系列表示領域840と、操作領域860とを含む。操作領域860には、1以上のアイコン862が配される。1以上のアイコン862のそれぞれには、クライアント端末40を操作して画面800を変更するための処理と対応付けられる。
本実施形態において、地図表示領域820には、異常スコア配信サーバ140から配信された画面データに含まれる分布データに基づいて生成された画像が表示される。また、時系列表示領域840には、異常スコア配信サーバ140から配信された画面データに含まれる時系列データに基づいて生成された画像が表示される。これらの画像の詳細は後述される。
地図表示領域820は、分布情報表示領域の一例であってよい。時系列表示領域840は、変動情報表示領域の一例であってよい。
図9は、画像900の一例を概略的に示す。画像900は、分布データに基づいて生成された画像の一例であってよい。本実施形態において、画像900は、地図画像910の上に、特定の期間における特定の項目に関する異常スコアの大きさを示す情報が重畳表示された画像であってよい。より具体的には、地図画像910において、グリッド920により定められる複数の単位エリア930のうち、異常スコアの大きさが予め定められた値よりも大きな単位エリア932に相当する位置の色、パターン又は模様が、地図の画像から、当該異常スコアの大きさに応じて予め定められた色、パターン又は模様に変更される。これにより、異常スコアの地理的分布が、単位エリアごとに表示される。
なお、本実施形態において、アイコン940は、クライアント端末40が地図910を拡大又は縮小するための処理を実行するために用いられる。例えば、配信希望者42が、クライアント端末40を操作して画像900上におけるアイコン940の位置を調整し、地図画像910上の特定の位置でクリック操作を実行すると、クライアント端末40は、アイコン940により示された位置を中心として、地図画像910の縮尺を変更する。
地図画像910の縮尺が大きくなると、縮尺の小さな画像900における単位エリアは、さらに複数の単位エリアに分割されてよい。これにより、縮尺の小さな画像900における単位エリアの内部における異常スコアの地理的分布が詳細に表示され得る。同様に、地図画像910の縮尺が小さくなると、縮尺の大きな画像900における複数の単位エリアが、単一の単位エリアに統合されてよい。このとき、縮尺の大きな画像900における複数の単位エリアの異常スコアの値が合計されて、縮尺の小さな画像900における単位エリアの異常スコアの大きさが決定される。
図10は、画像1000の一例を概略的に示す。画像1000は、時系列データに基づいて生成された画像の一例であってよい。本実施形態において、画像1000は、時系列グラフ1020と、イベント情報1022とを含む。イベント情報1022は、時系列グラフ1020におけるイベントの開催時期に相当する位置に配される。イベント情報1022は、イベントに関する各種の情報を含む。イベント情報1022は、例えば、イベントの名称を含む。
なお、本実施形態において、アイコン1040は、クライアント端末40が時系列グラフ1020の表示範囲を調整するための処理を実行するために用いられる。例えば、配信希望者42が、クライアント端末40を操作して画像1000上におけるアイコン940の位置を調整し、時系列グラフ1020の特定の位置でクリック操作を実行すると、クライアント端末40は、アイコン1040により示された位置を中心として、時系列グラフ1020に表示される期間の範囲を大きくしたり、小さくしたりする。
時系列グラフ1020に表示される期間の範囲が大きくなると、異常スコアの長期的な変動の様子が表示される(縮小表示と称される場合がある)。一方、時系列グラフ1020に表示される期間の範囲が小さくなると、異常スコアの変動の詳細が表示される(拡大表示と称される場合がある)。
配信希望者42によるアイコン1040の操作は、時系列グラフ1020に表示される期間を指定する操作の一例であってよい。他の実施形態において、配信希望者42は、時系列グラフ1020に表示される期間を具体的に指定してよい。
配信希望者42がアイコン1040を操作した場合、例えば、クライアント端末40は、異常スコア配信サーバ140に対して新たな画面データを要求する。より具体的には、クライアント端末40は、上記のアイコン操作により指定された期間を示す情報を異常スコア配信サーバ140に送信し、当該期間における画面データの送信を要求する。異常スコア配信サーバ140は、上記の要求を受信すると、指定された期間に対応する新たな画面データを生成し、クライアント端末40に送信する。これにより、クライアント端末40は、異常スコア配信サーバ140が生成した新たな画面データに基づいて新たな画像1000を表示することができる。
なお、配信希望者42がアイコン1040を操作した場合、クライアント端末40は異常スコア配信サーバ140に対して新たな画面データを要求することなく、クライアント端末40が過去に取得した画面データに基づいて新たな画像1000を表示してもよい。例えば、アイコン操作による拡大倍率が予め定められた値よりも小さい場合、クライアント端末40は異常スコア配信サーバ140に対して新たな画面データを要求することなく、新たな画像1000を表示する。
図11は、画像900の他の例を概略的に示す。図11の実施形態においては、アイコン1150により示された単位エリアに関する詳細情報1160が表示される点で、図9に関連して説明された画像900と相違する。なお、図11の実施形態において、詳細情報1160に表示されている平常時の換算人口は、ユーザにより指定された7月15日が月曜日である場合、過去の一定期間の月曜日における流動人口の推定値を示す。平常時の換算人口は、例えば、移動端末20の台数に、換算係数を乗じて算出される。平常時の換算人口は、比較基準の一例であってよい。
本実施形態によれば、詳細情報1160として、アイコン1150により示された単位エリアの識別情報、当該単位エリアの属する行政区画を示す情報、異常スコアの値、比較基準の流動人口の推定値、配信希望者42により指定された特定の期間における流動人口の推定値などが、配信希望者42に提示される。詳細情報1160として提示される情報は本実施形態に限定されない。
図12は、画像900の他の例を概略的に示す。図12の実施形態においては、地図画像910の表示範囲内に含まれる複数の単位エリアの異常スコアに関するランキング情報1260が表示される点で、図9に関連して説明された画像900と相違する。
本実施形態において、ランキング情報1260は、地図画像910の上に重畳表示される。ランキング情報1260は、異常スコアの大きさが予め定められた値よりも大きな単位エリア932と重ならない位置に配されてよい。
ランキング情報1260は、上記の複数の単位エリアのうち、異常スコアが予め定められた条件を満足する1以上の単位エリアに関する情報を含む。予め定められた条件としては、(i)複数の単位エリアの中で、異常スコアの大きさに関する順位が予め定められた値よりも上位であるという条件、(ii複数の単位エリアの中で、異常スコアの大きさに関する順位が予め定められた値よりも下位であるという条件などが例示される。
本実施形態において、ランキング情報1260は、上記の異常スコアが予め定められた条件を満足する1以上の単位エリアのそれぞれに関する概要情報1262と、異常スコア1264とを含む。概要情報1262は、例えば、単位エリアの日時及び場所を示す情報を含む。
ランキング情報1260は、特定エリア情報の一例であってよい。画像900のランキング情報1260が表示される領域は、特定エリア表示領域の一例であってよい。地図画像910の表示範囲内に含まれる複数の単位エリアは、分布情報表示領域に表示される地理的範囲に含まれる複数の単位エリアの一例であってよい。異常スコア1264は、異常度が予め定められた条件を満足する1以上の単位エリアのそれぞれにおける異常度の大きさを示す情報の一例であってよい。
図13は、画像1000の他の例を概略的に示す。図13の実施形態においては、時系列表示領域840に複数のグラフが含まれる点で、図10に関連して説明された画像1000と相違する。本実施形態によれば、時系列表示領域840が、長期グラフ表示領域1320と、短期グラフ表示領域1340とを含む。長期グラフ表示領域1320には、比較的長期間の時系列グラフ1020が表示される。短期グラフ表示領域1340には、比較的短期間の時系列グラフ1020が表示される。
図14は、画像1000の他の例を概略的に示す。図14の実施形態においては、異常スコアの合計値だけでなく、正の異常スコア及び負の異常スコアを示す時系列グラフ1420が表示される点で、図10に関連して説明された画像1000と相違する。本実施形態において、正の異常スコア1422及び負の異常スコア1424の時間変動は棒グラフで示され、異常スコアの合計値1426の時間変動は折れ線グラフで示される。
図15は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されてよいコンピュータ3000の一例を示す。情報配信システム100の少なくとも一部は、コンピュータ3000により実現されてよい。例えば、端末情報収集サーバ120の少なくとも一部が、コンピュータ3000により実現される。例えば、異常スコア配信サーバ140の少なくとも一部が、コンピュータ3000により実現される。
コンピュータ3000にインストールされたプログラムは、コンピュータ3000に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該装置の1又は複数の「部」として機能させ、又は当該オペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ3000に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ3000に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU3012によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ3000は、CPU3012、RAM3014、グラフィックコントローラ3016、及びディスプレイデバイス3018を含み、それらはホストコントローラ3010によって相互に接続されている。コンピュータ3000はまた、通信インターフェース3022、ハードディスクドライブ3024、DVD−ROMドライブ3026、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ3020を介してホストコントローラ3010に接続されている。コンピュータはまた、ROM3030及びキーボード3042のようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ3040を介して入出力コントローラ3020に接続されている。
CPU3012は、ROM3030及びRAM3014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ3016は、RAM3014内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU3012によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス3018上に表示されるようにする。
通信インターフェース3022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ3024は、コンピュータ3000内のCPU3012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD−ROMドライブ3026は、プログラム又はデータをDVD−ROM3001から読み取り、ハードディスクドライブ3024にRAM3014を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
ROM3030はその中に、アクティブ化時にコンピュータ3000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ3000のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ3040はまた、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ3020に接続してよい。
プログラムが、DVD−ROM3001又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもあるハードディスクドライブ3024、RAM3014、又はROM3030にインストールされ、CPU3012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ3000に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ3000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ3000及び外部デバイス間で実行される場合、CPU3012は、RAM3014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェース3022に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェース3022は、CPU3012の制御の下、RAM3014、ハードディスクドライブ3024、DVD−ROM3001、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
また、CPU3012は、ハードディスクドライブ3024、DVD−ROMドライブ3026(DVD−ROM3001)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM3014に読み取られるようにし、RAM3014上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU3012は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU3012は、RAM3014から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM3014に対しライトバックする。また、CPU3012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU3012は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ3000上又はコンピュータ3000近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それにより、上記のプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ3000に提供する。
上記実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。また、各構成要素は、名称が同一で、参照符号が異なる他の構成要素と同様の特徴を有してもよい。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。