JP6982621B2 - 女性不妊の治療方法 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本願は、2016年9月30日に提出した米国特許仮出願第62/402,018号と、2016年9月30日に提出した米国特許仮出願第62/402,150号(これらの全体は、参照により、本明細書に援用される)に基づく利益を主張するものである。
配列表の参照
本願に付随の配列表は、紙のコピーの代わりにテキスト形式で提供されており、参照により、本明細書に援用される。配列表を含むテキストファイルの名称は、MYOV_017_01WOSeqList_ST25_txtである。このテキストファイルは、約4KBであり、2017年9月13日に作成したものであり、EFS−Webを介して、電子的に提出されている。
本開示は、生殖補助医療(ART)の分野におけるものであり、より具体的には、OHSSのリスクがある女性においてARTを行う方法と使用法と、卵子の成熟の促進、黄体期補助及び早発排卵の阻止を行う方法と使用法に対するものである。
生殖補助は、世界全体で、毎年、約150万サイクル行われている。さらに、不妊に悩む女性の約25%は、完全成熟卵(卵母細胞ともいう)を産生できないことや、または排卵できないことを含め、排卵に問題がある。不妊治療の専門科は、排卵の問題を一時的に修正して、女性が妊娠する可能性を高める薬物群を用いることによって、生殖を補助する。多くの生殖補助サイクルには、妊娠という最終目的の一部として、(1)卵胞の成熟(卵巣における卵子の排出を制御する)、(2)早発排卵の防止、(3)適切な時期での卵子成熟のトリガー、(4)採卵及び受精、ならびに(5)受精卵の移植と、その後の生化学的な妊娠検査という工程のうちの1つ以上が含まれる。しかしながら、他の重要なARTレジメンには、卵母細胞バンキングまたは卵母細胞の提供、トリガー後に排卵が起こるようにする月経周期調節(3)が含まれ、その後、所定の時期に、子宮腔内人工授精(IUI)または性交渉を行う。また、早発卵巣障害の女性(例えば、卵母細胞を成熟させることができなかったり、もしくはARTを行っても排卵できなかったりする女性)において、または代理出産手順の一部として、黄体期補助を伴う胚移植(ET)を用いてよく、この際、黄体期補助剤は、ETの前、ETと同時またはETの後に投与しても、ETの前、ETと同時またはETの後の1つ以上の時点に投与してもよい。
従来、ARTプロトコールでは、最初の刺激フェーズに、卵胞刺激ホルモン(FSH)及びヒト閉経期尿性ゴナドトロピン(hMG)のような薬剤が使われてきており、これらの薬剤の前に、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト(GnRHレセプターアゴニスト)を投与するか、またはGnRHアンタゴニスト(GnRHレセプターアンタゴニスト)を追加して、排卵を防止する(抑制する)とともに、黄体化ホルモン(LH)サージによる、未熟卵母細胞の排出を防止する。排卵を抑制して、卵子が成熟してから、(卵管の代わりに)卵巣から卵子を直接取り出すとともに、性交渉が行われた場合に、卵管において卵子が精子に暴露されることに起因し得る高次多胎妊娠を予防することができるようにする。同時に、FSHとGnRHアンタゴニストまたはGnRHアゴニストによるこの刺激プロセスは、調節卵巣刺激(COS)という。(1)性交渉もしくはIUIに備えて、卵子の最終成熟と、卵巣からの放出を促したり、または(2)移植工程(例えば体外受精(IVF))を含むARTレジメンにおいて、最終成熟と卵母細胞採取の後、子宮にETを行ったりするために、卵胞が所定の状態(多くの卵母細胞が、いつでも最終成熟できる状態)まで発達したら、卵母細胞成熟剤、すなわち、いわゆる「トリガー」剤(例えば、ヒト絨毛性ゴナドトロピンホルモン(hCGもしくはHCG)、GnRHアゴニストまたはこれらの両方)を使用する。卵母細胞の最終成熟の誘導は、卵母細胞を完全に発達させることによって、採取用の卵母細胞を好収率でもたらし、最適な妊娠機会を与えるCOSの一部として通常行う手順である。したがって、このトリガーは本質的に、LHサージ(その作用には、自然な月経周期において、卵母細胞の最終成熟後に、排卵することが含まれる)に代わるものである。IVFのサイクルでは、hCGの代わりに、GnRHアゴニストによって、卵母細胞の最終成熟をトリガーすることによって、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクが低下するが、出生率も低下する。卵母細胞の提供を伴うARTサイクルでは、hCGの代わりに、GnRHアゴニストを用いると、OHSSのリスクが低下し、出生率の違いに関するエビデンスも見られない。GnRHアゴニストとhCGによってトリガーするIVFサイクルでは、同程度の卵母細胞の収率と胚の質が得られる。
トリガー剤を投与した後、他の薬剤(例えば、hCG、エストラジオール及びプロゲスチン)を用いて、移植に備えて子宮(子宮内膜)を補助する(いわゆる黄体期補助)。黄体期補助は必須である。ゴナドトロピンによるCOSの後、超生理学的なステロイドホルモン濃度によって、視床下部−下垂体−性腺軸のレベルで、ネガティブフィードバックを介して、LHの分泌が阻害されることによる問題があるからである。LHレベルが低いため、黄体期補助を行わないと、プロゲステロンレベルが低下して、移植、すなわち妊娠が成功する見込みが低下することになる。
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は、LHとの構造的類似性と、LHレセプターを活性化する能力から、トリガーとして用いられており、かなりの量の成熟卵母細胞をもたらすトリガー剤として作用する。hCGの長い半減期(24〜36時間)と、LHレセプターを7〜10日間、場合によっては最長で16日間、活性化する能力により、hCGは、プロゲステロンを増加させることによって、黄体期補助も行う。したがって、hCGは、トリガー(卵母細胞成熟)療法及び/または黄体期補助のいずれでも使用できる。さらに、トリガー剤としてhCGを含む療法は、かなりの量の成熟卵母細胞を産生させることが知られている。しかしながら、いずれかの療法においてhCGを使用することは、OHSSのリスクが最も高くなることと関連付けられている。これにより、OHSSのリスクの高い女性では、安全面での懸念が生じるとともに、OHSSを緩和し得るが、ETと妊娠の時期を遅らせることになる分割凍結プロトコール(すなわち、胚を凍結保存した後、次の月経周期に、凍結融解胚を移植するプロトコール)を用いる必要性が増す可能性がある。下にさらに詳細に論じられているように、OHSSでは、卵巣が肥大することがあり、流体が腹腔に蓄積することがあり(腹水)、患者は、腹部膨満、腹痛、悪心及び下痢を起こすことがある。重症型のOHSSは、血液濃縮、血栓症、白血球数の増加、乏尿、腎不全、胸水、呼吸窮迫(急性呼吸窮迫症候群を含む)を起こすことがあり、死に至ることもある。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は、ARTの重大な合併症(副作用)である。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は、卵巣におけるLHレセプターの超生理学的なアゴニスト性により発症すると考えられており、このアゴニスト性は、多数の成熟卵胞を含む卵巣において、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(卵巣LHレセプターに直接作用する)と、ヒト絨毛性ゴナドトロピンほどではないが、GnRHレセプターアゴニスト(正常サイクルで観察されるLHサージを上回る内因性のLHサージをトリガーする)によってトリガーされる卵子成熟により生じる。臨床的に有意なOHSSの主な特徴は、血管透過性亢進の発現であり、血管透過性亢進により、流体が移動する。hCGの使用により、卵巣で黄体化過剰が起こり、大量のエストロゲン、プロゲステロン及び局所サイトカインが放出される。内因性hCGは、インビボで持続的な作用を有することができ、これらは、LHレセプターの長期の過剰活性化による可能性が高い。hCGの作用下で、卵胞から血管内皮増殖因子(VEGF)が産生されると、OHSSを引き起こす血管透過性亢進が増大し得る。重度のOHSSは、一般的な生殖補助集団では最大で2%、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の患者のように、OHSS発現リスクの高い患者では最大で20%が発症することが報告されている。
GnRHアゴニストをトリガー剤として使用することは、OHSS率の低下と関連付けられているが、GnRHアゴニストをトリガー剤として使用すると、特に、体外から投与する黄体期補助を行わないと、妊娠率も低下する。GnRHアゴニストトリガーを用いるプロトコールには、黄体期補助のための薬剤の投与が必要である。これらのトリガーによるLHサージは急激であり(例えば、ピークの振幅は、最終成熟をトリガーするのに充分であるが、波長が短い)、期間が短い(20時間未満または場合によっては24〜36時間)からである。さらに、LHの半減期(約60分)はhCGよりも短いので、GnRHアゴニストトリガー後のプロゲステロンとエストラジオールの循環血中レベルは、黄体期を通じて、hCGトリガー後に得られるレベルよりも有意に低い。GnRHアゴニストトリガーの後に、体外から投与する黄体期補助を行わないと、未熟な黄体退縮と移植の失敗が生じ得る。さらに、GnRHアゴニストをトリガー剤として用いることによって、OHSSのリスクが完全には取り除かれないとともに、OHSSのリスクを低下させるには、次の月経周期における凍結胚移植の方が依然として安全であると考えられている。さらに、OHSSのリスクを増大させずに、妊娠までの期間を短縮するために、女性はARTを受けることが求められている。現時点では、OHSSのリスクを軽減するとともに、所望の黄体期補助、成熟卵母細胞収率、妊娠率及び出生率を実現しつつ、新鮮胚移植の選択肢を与えるのは困難である。
安全性と有効性の両方を向上させる必要性に対して、ART用の新規なトリガー剤と、黄体期補助のために投与できる追加の薬剤を得ることが望ましい。
本開示は、不妊の問題を抱える女性を助けるための方法、使用法及び組成物に関するものである。別の態様では、本開示は、内因性LHのレベルを上昇させる必要のある女性の内因性LHのレベルを上昇させることに関するものである。いくつかの態様では、本開示は、現在の黄体期補助方法の代替策を提供することによって、ARTプロセスでの安全性と有効性を向上させる黄体期補助に関するものである。その女性は、ARTを受けていても受けていなくてもよい。これらの改良型の方法と使用法の考え得る利点の1つは、ARTを受けている女性において、OHSSのリスクを有意に低減できる点である。
本開示の一態様は、内因性LHレベルを上昇させる必要のある女性の内因性LHレベルを上昇させる方法であって、その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミド(本明細書では化合物1という)を初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含み、その女性が、ARTを受けているとともに、OHSSのリスクがあり、その初回用量を投与した後に、その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する方法に関するものである。
本開示の別の態様は、内因性LHレベルを上昇させる必要があり、ARTを受けている女性の内因性LHレベルを上昇させる方法であって、その女性に、化合物1を初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量で投与することを含み、その女性が、ARTを受けており、その初回用量を投与してから少なくとも36時間後に、その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する方法に関するものである。
本開示の一態様は、内因性LHレベルを上昇させる必要があり、ARTを受けている女性の内因性LHレベルを上昇させる方法であって、その女性に、化合物1を初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含み、その女性が、ARTを行っており、その初回用量の投与から少なくとも約12時間後に、最高血中内因性LHレベルになる方法に関するものである。
本開示の別の態様は、ARTを受けており、OHSSのリスクのある女性の内因性LHレベルを上昇させる方法で使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩であって、その方法が、その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩に関するものである。
本開示の一態様は、ARTを受けている女性の内因性LHレベルを上昇させる方法で使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩であって、その方法が、その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩に関するものである。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、初回用量の投与から約12時間〜約48時間後に、最高血中内因性LHレベルになる。
本開示の別の態様は、ARTを受けており、黄体期補助が必要な女性の内因性LHレベルを上昇させる方法であって、前記女性に、ARTレジメンの一部として、卵母細胞成熟剤をトリガー用量で投与した後に、その女性に、化合物1を初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む方法に関するものである。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の投与から約12時間〜約96時間後に、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の投与後、少なくとも36時間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。いくつかの実施形態では、血中内因性LHレベルは、約36時間〜約16日間または約36時間〜約12日間上昇する。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、初回用量を投与することによって、卵母細胞の成熟が促される。いくつかの実施形態では、卵母細胞の成熟は、外因性hCGまたは外因性LHを投与しなくても起こる。別の実施形態では、卵母細胞の成熟は、GnRHアゴニストまたは外因性hCGの投与後に起こる。いくつかの実施形態では、成熟卵母細胞の収率は、少なくとも50%である。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、女性は、初回用量の投与後、腹水、胸水及び腎灌流の減少からなる群から選択した1つ以上の症状を示さない。いくつかの実施形態では、初回用量の投与後、卵巣の大きさは、直径5cm超まで増大しないことができる。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、女性は、初回用量の投与後、OHSSの1つ以上の症状を示さない。いくつかの実施形態では、初回用量の投与後、女性は、OHSSの1つ以上の症状が悪化しない。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、超音波によって、少なくとも14mmの卵胞が少なくとも3個見えたら、または超音波によって、少なくとも18mmの卵胞が少なくとも3個見えたら、初回用量を投与する。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、血清中エストラジオール濃度が少なくとも0.49nmol/Lであったら、初回用量を投与する。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、本開示の方法または使用法はさらに、初回用量を投与する約5日〜約12日前に、FSHを投与することを含む。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、本開示の方法または使用法はさらに、初回用量を投与する約2日〜約10日前に、GnRHアンタゴニストを投与することを含む。いくつかの実施形態では、GnRHアンタゴニストは、レルゴリクス、エラゴリクス、セトロレリクス、ガニレリクス、アバレリクス、Nal−Blu、アンタイド、アザリンB、デガレリクス、D63153(オザレリクス)、OBE2109及びテベレリクスからなる群から選択されている。いくつかの実施形態では、本開示の方法または使用法はさらに、初回用量を投与する約14〜約28日前に、GnRHアゴニストを投与することを含む。上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、GnRHアゴニストは、リュープロレリンアセテート、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン及びレシレリンからなる群から選択されている。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、卵母細胞の採取前、卵母細胞の採取後、排卵前または排卵後に、初回用量を投与する。いくつかの実施形態では、GnRHアゴニストを卵母細胞成熟剤として投与した後に、初回用量を投与する。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、本開示の方法または使用法はさらに、化合物1を2回目の用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約8〜約60時間以内に投与する。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、本開示の方法または使用法はさらに、化合物1を3回目の用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約8〜約60時間以内に投与する。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、本開示の方法と使用法はさらに、化合物1を1〜5回、追加用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量の投与は、その前の用量を投与してから約8〜約60時間以内である。いくつかの実施形態では、初回用量、2回目の用量、3回目の用量または1〜5回の追加用量のうちの1つ以上は、黄体期補助を促す。いくつかの実施形態では、初回用量、2回目の用量、3回目の用量または1〜5回の追加用量のうちの1つ以上は、注射によって投与する。特定のこのような実施形態では、注射は、筋肉内または皮下注射である。上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、初回用量、2回目の用量、3回目の用量または1〜5回の追加用量のうちのいずれか1つ以上は、約0.0003mg〜約0.03mgである。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、本開示の方法または使用法はさらに、1回用量以上のプロゲストゲンを投与することを含む。上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、本開示の方法または使用法は、1回用量以上のプロゲストゲンを投与することを含まない。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、本開示の方法または使用法はさらに、卵母細胞の採取を含む。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、初回用量の投与前に、女性の下垂体をGnRHに対して脱感作する。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、本開示の方法または使用法はさらに、胚の移植を含む。いくつかの実施形態では、この移植は、初回用量の投与から約2〜約10日以内に行う。いくつかの実施形態では、この移植は、卵母細胞の採取から約1〜約7日以内に行う。いくつかの実施形態では、その胚は、凍結されていない。いくつかの実施形態では、その胚は、卵母細胞の採取と同じ月経周期で移植する。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、本開示の方法または使用法は、排卵を誘導する。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、女性は、少なくとも初回用量の投与後、性交渉またはIUIによって妊娠する。いくつかの実施形態では、女性は、少なくとも初回用量の投与後に、妊娠及び/または出産する。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、女性は、COSを受けている。いくつかの実施形態では、女性は、PCOS、血清中抗ミュラー管ホルモン(AMH)が15ピコモル/L超、超音波による総胞状卵胞数(AFC)が23個超、血清中エストラジオールE2が3000pg/mL超のうちの1つ以上であるか、または過去にOHSSエピソードを1回以上発現したことがある。いくつかの実施形態では、女性は、無排卵もしくは高齢出産のうちのいずれか1つ以上であるか、または二次的な卵巣機能不全、希発月経、無月経、子宮内膜症もしくはPCOSを罹患している。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、ART療法は、卵母細胞の提供、卵母細胞バンキング、卵細胞質内精子注入(ICSI)、IVF、胚移植(ET)プロセス、排卵誘導及びIUIからなる群から選択されている。
本開示の一態様は、卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導する必要のある女性において、卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導する方法であって、前記女性が、ARTを受けており、下垂体脱感作を受けたことがあり、ARTの一部として、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがあり、前記方法が、その女性に、化合物1を初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含み、その初回用量を投与した後、その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する方法に関するものである。
本開示の別の態様は、排卵を誘導する必要のある女性において、排卵を誘導する方法であって、前記女性が無排卵性不妊であり、前記不妊が、早発卵巣障害によるものではなく、前記方法が、その女性に、化合物1を初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含み、その初回用量を投与した後に、その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する方法に関するものである。
本開示の別の態様は、ARTを受けており、下垂体脱感作を受けたことがあり、ARTの一部として、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある女性において、卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導する方法で使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩であって、前記方法が、その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩に関するものである。
本開示の一態様は、無排卵性不妊である女性において、排卵を誘導する方法で使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩であって、前記不妊が、早発卵巣障害によるものではなく、前記方法が、その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを0.00003mg〜約0.030mgの初回用量、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩に関するものである。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、女性に、OHSSのリスクがある。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、女性は、早発卵巣障害を原因としない無排卵性不妊である。
上記または下記のいずれかの特定の実施形態では、本開示の方法と使用法は、その女性に、化合物1を初回用量の約0.001mg〜約0.003mg、約0.001mg〜約0.030mgもしくは約0.0003mg〜約0.003mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む。
本開示の一態様は、ARTを受けており、OHSSのリスクがある女性の内因性LHレベルを上昇させるための医薬の製造のための、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩の使用に関するものである。
本開示の別の態様は、ARTを受けている女性の内因性LHレベルを上昇させるための医薬の製造のための、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩の使用に関するものである。
本開示の一態様は、ARTを受けており、下垂体脱感作を受けたことがあり、ARTの一部として、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある女性において、卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導するための医薬の製造のための、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩の使用に関するものである。
本開示の別の態様は、無排卵性不妊である女性において、排卵を誘導するための医薬の製造のための、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩の使用であって、前記不妊が、早発卵巣障害によるものではない使用に関するものである。
本開示のさらなる実施形態は、下に記載されており、本開示のすべての実施形態ではなく、その一部が例示されている。
本明細書に開示されている各実施形態は、個別に用いても、本明細書に開示されているいずれかの他の実施形態と組み合わせて用いてもよい。
本願で言及されている刊行物、特許及び公開特許出願は、参照により、本明細書に具体的に援用される。
ARTプロトコールを例示した概略図を示している。この概略図は、限定するようには意図されていない。 実施例5に記載されているように、健常な欧州人男性に投与した時の72時間までの化合物1のモノアセテート(API−MA)の平均血漿中濃度を処置群ごとに示しているプロットを示している。 実施例6に記載されているように、健常な欧州人男性において14日間、0.5mg/日及び1.0mg/日のAPI−MAを2時間皮下(SC)投与後の化合物1のモノアセテート(API−MA)濃度の平均(±標準偏差[SD])を血漿−時間プロファイルで示しているプロットである。 実施例7に記載されているように、SCデポー注射を用いた場合の前立腺癌の欧州人男性における、1日目の12時間までの平均血漿中濃度−時間曲線を投与群ごとに示しているプロットである。 実施例7に記載されているように、SCデポー注射を用いた場合の前立腺癌の欧州人男性における、1カ月目の2日目から3カ月目までの平均血漿中濃度−時間曲線を投与群ごとに示しているプロットである。 実施例7に記載されているように、前立腺癌の欧州人男性において、API−MAを単回SCボーラス投与後の平均(SD)血清中LH濃度を示しているプロットである。 実施例7に記載されているように、API−MAを単回SCボーラス投与後の血清中FSH濃度の平均(SD)を示しているプロットである。 実施例7に記載されているように、LHの平均血清中濃度−時間プロファイルを示しているプロットである。 実施例7に記載されているように、FSHの平均血清中濃度−時間プロファイルを示しているプロットである。 実施例8に記載されているように、API−MAをSCボーラスによって投与し(1日目)、持続SC注入した(2〜14日目)後のLHの平均血清中濃度を示しているプロットである。 実施例8に記載されているように、API−MAをSCボーラスによって投与し(1日目)、持続SC注入した(2〜14日目)後のFSHの平均血清中濃度を示しているプロットである。 実施例8に記載されているように、API−MA0.5mg/日群のLHを対象(N=3)ごとに示しているプロットである。 実施例8に記載されているように、API−MA0.5mg/日群のFSHを対象(N=3)ごとに示しているプロットである。 実施例11、パート1に詳述されている試験設計を示している。 図15Aは、実施例11に記載されているように、9.6nmol/kgのキスペプチン−54(KP54)を18〜35歳の健常な女性に投与後、48時間にわたるLH、FSH、エストラジオール及びプロゲステロンの変化を示している。図15Bは、実施例11に記載されているように、0.003nmol/kgの化合物1を18〜35歳の健常な女性に投与後、48時間にわたるLH、FSH、エストラジオール及びプロゲステロンの変化を示している。図15Cは、実施例11に記載されているように、0.03nmol/kgの化合物1を投与後、48時間にわたるLH、FSH、エストラジオール及びプロゲステロンの変化を示している。 図16Aは、実施例11に記載されているように、9.6nmol/kgのキスペプチン−54(KP54)を18〜35歳の健常な女性に投与後、48時間にわたるLHの変化を示している。図16Bは、実施例11に記載されているように、0.003nmol/kgの化合物1を18〜35歳の健常な女性に投与後、48時間にわたるLHの変化を示している。図16Cは、実施例11に記載されているように、0.03nmol/kgの化合物1を18〜35歳の健常な女性に投与後、48時間にわたるLHの変化を示している。 実施例11に記載されているように、9.6nmol/kgのキスペプチン−54(KP54)、0.003nmol/kgの化合物1及び0.03nmol/kgの化合物1を18〜35歳の健常な女性に投与後、全員の対象における48時間にわたるLHの平均変化を示している。 実施例11に記載されているように、0.003nmol/kgの化合物1を18〜35歳の健常な女性に投与後、全員の対象における48時間にわたるLHの平均変化を示している。 実施例11に記載されているように、0.03nmol/kgの化合物1を18〜35歳の健常な女性に投与後、全員の対象における48時間にわたるLHの平均変化を示している。 図20Aは、実施例11に記載されているように、9.6nmol/kgのキスペプチン−54(KP54)、0.003nmol/kgの化合物1及び0.03nmol/kgの化合物1を18〜35歳の健常な女性に投与後、48時間にわたるFSHの変化を示している。図20Bは、実施例11に記載されているように、9.6nmol/kgのキスペプチン−54(KP54)、0.003nmol/kgの化合物1及び0.03nmol/kgの化合物1を18〜35歳の健常な女性に投与後、48時間にわたるエストラジオールの変化を示している。
生殖補助医療(ART)は複雑であり、各生殖補助サイクルは、慎重に編成したいくつかの工程から構成されている。これらの工程のいずれかを不適切に行うと、受精または妊娠できないことがある。加えて、ARTプロトコールの成功は、それぞれの女性によって大きく異なることから、複雑さが増している。ARTの典型的なフェーズには、制御下での卵胞の成長と発育を促進及び刺激する初期のCOSフェーズと、その後に、いわゆる「トリガー」剤を用いて、卵母細胞の最終成熟を促進/誘導することが含まれる。いくつかのARTレジメンでは、続いて、成熟卵母細胞を卵胞から取り出して、インビトロで、またはICSIによって受精させ、胚(複数可)を子宮に移植してよく、あるいは、卵子を卵胞から取り出す代わりに、排卵させて、性交渉またはIUIによって、成熟卵母細胞に受精させてもよい。代表的なARTレジメンの概略が図1に示されている。ART手順は、侵襲的で高価であり、マイナスの副作用がある場合があるので、受精の失敗または妊娠の失敗を防止したり、その可能性を軽減したりするのが重要である。
例えば、図1に概略的に示されているように、LHサージを抑制するためのロングGnRHアゴニスト法の実施は、トリガー剤を投与する月経周期の前の月経周期に開始する。ART治療プロトコールでは、GnRHアゴニストの投与を、FSHまたはFSH/hMG治療と組み合わせて、卵胞を刺激してよく、あるいは、ロングGnRHアゴニスト法を行わない状態で、FSHまたはFSH/hMG治療を開始してもよい。あるいは、GnRHアゴニストの代わりに、GnRHアンタゴニストを用いて、LHサージを抑制してよく、GnRHアンタゴニストは、FSHまたはFSH/hMG治療と組み合わせて使用する。このケースでは、GnRHアンタゴニストは、FSHまたはFSH/hMG併用治療を開始した月経周期と同じ月経周期内と、FSHまたはFSH/hMG併用治療を開始した後に投与する。この処置に続いて、トリガー、典型的には、GnRHアゴニスト、hCG、または本開示に詳述されているような化合物1、その代謝物もしくは前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してよい。ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)には、LHレセプターに作用して排卵を引き起こすLH様活性がある。典型的には、トリガーを投与してから30〜62時間後に、卵母細胞の採取または排卵を行う。そして、ARTを受けているヒト女性対象は、妊娠するように、IUIを行っても、性交渉を行ってもよい。トリガーの後、ET、IUIまたは性交渉を通じて、ヒト女性対象は、黄体期補助を受けても受けなくてもよく、黄体期補助としては、低用量hCG、プロゲストゲン、エストラジオール、または化合物1、その代謝物もしくは前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が挙げられるが、これらに限らない。
本明細書で開示するのは、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、ARTの方法と使用法である。本明細書で使用する場合、化合物1は、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−Lアスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)−ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドである。化合物2は、化合物1の代謝物である。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、生殖補助の最中に内因性LHの放出を誘導することによって、自然な生理作用を模倣でき、それによって、ホルモン刺激治療の現在の選択肢(hCGなど)に付随する重篤な副作用の可能性なしに、卵子(卵母細胞)の成熟が成功する確率と、場合によっては、その周期における適切な時点に排卵する確率が高くなる可能性がある。化合物1によるこれまでの研究は、前立腺癌の治療における化合物1の薬物動態学的特性または有効性を評価するために、男性または動物(ラット、イヌ及びサルなど)で行ったものである。化合物1のバイオアベイラビリティは、ラット(66.3%)とイヌ(92.4%)において、かなり異なる。化合物1では、ラットに単回皮下(SC)投与後、皮下初回通過代謝の増大により、非線形の薬物動態が見られた。化合物1では、1mg/kg及び10mg/kgの用量範囲でラットにSC投与後、用量比例性を下回る非線形の薬物動態が見られ、AUCは低下した。IV投与後の線形の薬物動態とは対照的に、SC投与後、用量比例性を下回る非線形の薬物動態が観察され、最高用量レベルで化合物1の吸収が限られていたことから、用量増加に伴い、SC代謝が増大することが示されている。プロテアーゼインヒビターを皮下に併用投与したところ、化合物1の体内吸収が回復したことから、初回通過代謝におけるSCプロテアーゼの関与が示唆されている。SCボーラスによって男性に投与したヒト用最高用量は、約0.008mg/kgに過ぎず、曝露は、この用量まで、用量比例的であった。SC注入でも、約0.1mg/kgまで比例的であった。デポー製剤では、約0.1mg/kg〜0.4mg/kgにわたって、比例を下回る暴露であった。本開示では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を女性で用いて、ARTを補助することについて説明する。本発明で使用する化合物1の用量は、ラットと男性で試験した用量よりもかなり少なく、最高用量は30μgまたは0.25μg/kgであるのに対して、ラットでは1mg/kg及び10mg/kg、男性では8μg/kg及び0.1mg/kg〜0.4mg/kgである。
化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、新鮮な成熟卵母細胞(または卵子(本明細書では同義的に使用する))の成熟、排出(排卵)及び卵巣からの採取を促進して、hCGトリガーと同程度の全妊娠率またはhCGトリガーを上回る全妊娠率を得ることができるのみならず、hCG及びGnRHアゴニストと比べて、OHSSのような重大な副作用のリスクを有意に緩和することもできる。加えて、現在利用可能なトリガー剤(特には、hCGベースのトリガー剤)と比べて、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、AMHレベルの高い患者またはFSH及びLHレセプター変異感受性を持つ患者を含むすべての患者において、OHSS率を有意に低下させるという利点をもたらすことができる。さらに、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、LHサージを自然なピークまで、長期間(20時間超、48時間の自然なLHサージを模倣)、OHSSのリスクの低い状態で活性化することによって、黄体期補助を行うことができる。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩のこの利点により、追加の黄体期補助(毎日のIMプロゲステロン注射または追加のhCG補充など)の必要性を排除でき、ARTプロトコールが簡潔化され、同じ月経周期に、「新鮮」胚を移植可能にもなり、妊娠までの期間が短縮される可能性がある。
現在利用可能なトリガー剤と比べて、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、妊娠までの期間を短縮させるという利点をもたらすことができる。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、新鮮胚移植率を向上可能にして、分割の必要性(採卵と移植との間に、卵子または胚を凍結させる必要性)を低減し得る。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の作用機序のおかげで、現在の治療法に比べて、子宮内膜に対する悪影響が少なくなり得る。したがって、子宮内膜は、卵子(卵母細胞)の採取直後に、移植できる状態になり得る(子宮内膜受容度が高くなる)。これにより、トリガー及び卵母細胞の採取と同じ月経周期に移植可能になり得る。hCGベースのトリガー剤(GnRHアゴニストとのデュアルトリガーを含む)と比べて、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩では、分割凍結プロトコールの必要性が減ることによって、IVFサイクルの数が減少し、許容可能な妊娠率を維持しながら、妊娠までの期間が短縮し、コストが軽減され、巨大児(在胎齢のわりに巨大であること)、癒着胎盤及び子癇前症などの副作用が低減することがあり、いずれの場合でも、OHSS率の有意な低下を伴う。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、分割を必要とする現在の治療法を上回る利点となる安全性属性及び有効性属性をもたらすことができる。
本開示は、ART(IVF、ICSI、卵母細胞の提供、卵母細胞バンキング、ヒト女性対象が、性交渉もしくはIUIによって妊娠できるようにする月経周期調節、排卵誘導及び/またはETプロセスなど)を行っているヒト女性対象において、内因性LHレベルを上昇させるために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法と使用法に関するものでもある。内因性LHレベルの上昇により、卵母細胞の成熟と黄体期補助の両方を補助できる。
本開示はさらに、初期のCOSフェーズ中に、排卵と卵母細胞の早期排出を阻害するために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法と使用法に関するものである。これらの方法と使用法は、初期のCOSフェーズ中に、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストまたはGnRHアンタゴニストのいずれかを用いるARTプロトコールに適用してよい。
本発明で提供するのは、本明細書に記載されている方法のいずれかに従って治療するための医薬の製造に、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を使用することである。本明細書に記載されている方法のいずれかで使用する化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩も提供する。
本開示の化合物
本明細書で使用する場合、化合物1は、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−Lアスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)−ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドである。その分子式はC58801614であり、分子量は1225.35である。化合物1は、遊離形態であり、Ac−D−Tyr−Hyp−Asn−Thr−Phe−AzaGly−Leu−Arg(Me)−Trp−NH(配列番号1)という配列と、下記の構造式によって表される。
Figure 0006982621
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、化合物1の代謝物である。特定のこのような実施形態では、この代謝物は、下記の構造式によって表される化合物2である。
Figure 0006982621
いくつかの実施形態では、化合物1及び/またはその代謝物の製薬学的に許容可能な塩を使用する。「生理学的に許容可能な」、「製薬学的に許容可能な」または「薬理学的に許容可能な」化合物及び組成物としては、生物学的に、または別段の形において有害でない物質を挙げてよい。例えば、その物質は、実質的に望ましくないいずれかの生物学的作用を及ぼしたり、またはその組成物の成分のうち、その組成物に含まれている成分のいずれかと有害な形で相互作用したりせずに、個体に投与することができる。特定の実施形態では、化合物1及び/またはその代謝物の製薬学的に許容可能な塩は、製薬学的に許容可能な酸付加塩である。このような塩としては、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など)との塩と、有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など)との塩が挙げられるが、これらに限らない。特定の実施形態では、化合物1及び/またはその代謝物の製薬学的に許容可能な塩は、製薬学的に許容可能な塩基付加塩である。このような塩としては、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニアなどのようなアルカリ金属及びアルカリ土類金属)または有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなど)が挙げられるが、これらに限らない。
本明細書で使用する場合、化合物1の形態は、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−Lアスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)−ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドモノアセテートである。このモノアセテート塩においては、分子式はC58801614・Cであり、分子量は1285.41である。構造式は、下記の式である。
Figure 0006982621
本開示を通じて、化合物1またはその代謝物の量は、製剤に存在する遊離形態の化合物1の量を指す。「対応する量」という用語は、本明細書で使用する場合、その製剤において示されている遊離形態の化合物1またはその代謝物の量を得るために必要な、化合物1またはその代謝物の製薬学的に許容可能な塩の量を指す。化合物の塩の「対応する量」(化合物1の製薬学的に許容可能な塩の対応する量など)を算出する方法は、遊離形態の化合物と塩形態との分子量の違いを考慮すれば、当業者には明らかであろう。例えば、10.0mgの化合物遊離形態は、10.5mgのモノアセテート塩に対応することになる。
化合物1またはその製薬学的に許容可能な塩と、化合物1またはその製薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物は、米国特許第7,960,348号及び同第8,404,643号(その開示内容は、参照により、本明細書に援用される)に記載されている方法によって作製してよい。
化合物1は、キスペプチンアナログとして説明されている。キスペプチン(KISS1遺伝子によってコードされる視床下部神経ペプチド)は、GnRH分泌の中心的な調節因子であり、最近発見されたホルモンであって、正常な思春期に不可欠なホルモンである。キスペプチンは、ヒトGタンパク質共役型レセプター54(GPR54)/KISS1レセプター(KISS1R)(依然はOT7T175/GPR54として知られていた)のペプチドリガンドアゴニストである。KISS1R遺伝子の変異またはノックアウトにより、思春期が開始されなくなる。キスペプチンは、視床下部において、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の分泌の量と拍動性を調節する際に重要な役割を果たす。ヒトを含む哺乳類動物でキスペプチンを投与すると、GnRHとゴナドトロピンの放出が誘導され、この作用は、最も有力には、そのペプチドがGnRHニューロンに及ぼす直接的作用である。GnRHは、視床下部−下垂体−性腺軸の重要な成分であり、生殖機能(精子形成、卵胞の成熟及び排卵、ならびにステロイド産生など)を制御する。したがって、キスペプチンは、GnRHニューロンの制御を介する、視床下部−下垂体−性腺軸の重大な調節因子である。GnRHの分泌には2つの機序がある。機序の1つは、精子形成、卵胞形成及びステロイド産生を主に調節する拍動性のGnRH分泌であり、これは、ステロイドホルモンによって(負に)調節されるフィードバックである。もう一方の機序は、GnRHサージであり、これにより、女性のみで観察されるLHサージが起こり、卵母細胞の最終成熟が誘導され、最終的に、排卵が起こる。視床下部のキスペプチンニューロンは、GnRH分泌の両方の機序を調節できる。薬理学的には、ヒトを含む複数の種において、キスペプチンへの急性的暴露を行うと、GnRH−ゴナドトロピンの分泌を刺激できる一方で、キスペプチンへの慢性的な(より高用量での)暴露を行うと、潜在的な抑制機構(GnRHレセプターの脱感作及び/またはGnRH予備能の枯渇など)により、GnRHの分泌と視床下部−下垂体−性腺軸を抑制できる。キスペプチンアナログの慢性投与により、固有のGnRHパルスと下流の下垂体性腺機能が抑制される。これは、内因性キスペプチン刺激に対するGnRHニューロンの応答性と、GnRHニューロンの刺激が減弱して、低レベルのGnRHが継続的に放出されることによると見られる。
キスペプチン−54は、半減期が32分であり、内因性GnRHの放出を刺激し、それにより、ゴナドトロピンの放出が刺激され、それに続き、性ホルモンが刺激される。健常なヒト男性及び女性のボランティアにキスペプチンを投与したところ、血漿中のLH、FSH及びテストステロンの濃度が有意に上昇したことが示され、ヒト女性ボランティアにキスペプチンを皮下投与したところ、月経周期のすべての段階において、血漿中LHが増大した。トリガー剤を典型的に投与すると、キスペプチンの作用は、排卵前期に最も大きく、月経周期の卵胞期に最も小さかった。キスペプチンは、IVF集団の女性と、OHSSリスクの高いIVF集団の両方で、GnRHアンタゴニストとFSHを含むARTプロトコールにおけるトリガーとしても実験で試した。キスペプチンは、GnRHアンタゴニストプロトコールを用いるARTサイクルにおけるトリガーとして用いられているに過ぎない。したがって、キスペプチンARTプロトコールでは、黄体期不全が増大し得る。典型的には、GnRHアンタゴニストプロトコールでは、hCGがトリガーではないと、黄体期不全が起こるからである。キスペプチンは、LHの内因性レベルを刺激することが分かったが、LHサージの持続期間は、hCGまたはGnRHアゴニストトリガーで観察されるサージよりもかなり短く、追加の外因性黄体期補助が必要になる。キスペプチン−54では、LHサージは、36時間までに収束する。何人かの女性では、十分なLHサージが観察されず、それにより、卵母細胞の収率が低下した。さらに、キスペプチンの用量を増やしたところ、妊娠率が低下し、理想的な用量はまだ分かっていない。実施例11(図15A及び16A)で報告されている追加の調査により、卵胞期(トリガー剤によるLHレベルへの影響が最も小さい時期)にキスペプチン−54を投与された女性対象において、LHが増加し、キスペプチントリガーを投与してから約4〜6時間後にピークに達したとともに、LHサージの持続時間は14時間未満であったことが示されている。キスペプチン−54を用いた調査では、そのデメリットにもかかわらず、OHSSリスクの高い女性において、新鮮胚移植(同じ月経周期での移植)が可能であることが示された。
化合物1またはその製薬学的に許容可能な塩は、半減期が最長で4時間である。実施例11(図16B、17及び18)に示されているように、女性において、卵胞期(トリガー剤によるLHレベルへの影響が最も小さい時期)に、0.003nmol/kgの用量の化合物1(約0.00022mg)を投与した後、血清中LHレベルは、投与してから14〜36時間後にピークになると推定され、LHサージは、少なくとも約48時間(自然なLHサージの持続時間)持続した。したがって、化合物1またはその製薬学的に許容可能な塩の投与により、卵母細胞の最終成熟をトリガーできるのみならず、黄体補充も行うことができる可能性があるので、移植が成功する可能性が高まる。驚くべきことに、化合物1で観察されたLHサージの曲線は、自然のLHサージの曲線と似ており、GnRHアゴニストトリガーによって誘導されるLHサージよりも幅広く、潜在的に長く持続するものであった。女性において、卵胞期のLHレベルが、化合物1からこのような大きな影響を受けたことも驚きであった。その影響は、キスペプチン−54からの影響よりも大きかったので、化合物1は、排卵前期にもLHレベルを急激に上昇させるはずであり、振幅も持続時間も、排卵前期にキスペプチン−54で観察された結果を上回る可能性があることが示されている。本明細書で使用する場合、排卵前期とは、女性の次の月経開始予定日の15〜16日前の期間を指してよい。
化合物1で観察されるLHサージの性質(より綿密に自然なサージを模倣している性質)により、化合物1またはその代謝物は、ARTプロトコールに含めるのに理想的な薬剤であり得る。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩をトリガーとして投与すると、黄体期補助の必要性を限定的にできる。新鮮胚移植の選択肢も可能にして、妊娠までの期間を大きく短縮できるとともに、複数ラウンドのARTと関連するコストを軽減できる。
化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩が、現在の治療法を上回るさらなる利点は、その作用が、女性のGnRHプールの内因性放出に依存することになる点である。これにより、より生理学的なゴナドトロピン刺激が行われ、現在の不妊治療を制限する過剰な刺激を防止できる。化合物1またはその代謝物は、女性の循環血液への内因性LHの放出を刺激するので、生命を脅かす可能性のあるOHSSの確率を大きく低下させる。
本開示の治療方法と化合物の使用法
本開示は、内因性LHレベルを上昇させる必要のある女性の内因性LHレベルを上昇させるための方法と使用法であって、その女性に、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を初回用量投与することを含む方法と使用法を提供する。いくつかの実施形態では、この女性は、ARTを受けており、OHSSのリスクがある。特定のこのような実施形態では、初回用量を投与した後、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。
本開示を通じて、本明細書に開示されている方法または使用法のいずれかで使用する化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の用量または量(例えば、約0.00003mg〜約0.030mg、約0.0003〜約0.003mg、約0.001mg〜約0.003mgもしくは約0.001mg〜約0.03mgの化合物1、または対応する量のその製薬学的に許容可能な塩)は、下に開示されている用量または量のいずれかであってよい。加えて、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を含む製剤または医薬組成物であって、本明細書に開示されている方法と使用法のいずれかで用いる製剤または医薬組成物は、下に開示されている製剤または医薬組成物のいずれかであってよい。本明細書に開示されている化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩と、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を含む製剤または医薬組成物の用量と量は、本明細書に開示されている投与方法のいずれかによって投与してよい。
本発明では、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルは、指定のLHサージ開始日の直前(すなわち、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する5日前)の5つのLH値の平均として算出してよい。上昇とは、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルを上回る上昇となる。上昇の終了とは、LHレベルが、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルに戻った時となる。本明細書で使用する場合、LHピークは、LH最高値であり、LH振幅は、ピークLH値と、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LH値との差であり、LHサージ上昇倍率は、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LH値で、ピークLH値を除した値である。COSの設定では、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LH値は、2〜10IU/Lの範囲であり、LHサージのピーク範囲は、20〜120IU/Lである(振幅=ピーク−初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベル)。上昇倍率は典型的には、2倍〜60倍である。大半の女性では、2倍〜11倍のLH上昇倍率が見込まれる(COSの設定または排卵前期に行った場合)。
当業者には明らかなように、ARTレジメンの成功は、治療レジメン全体、かつ女性の月経周期の各種時期における各種薬剤の投与のタイミングと投与量の両方に左右されることがある。本明細書に記載されているように、各種レジメンは、FSHまたはFSH/hMGを含む薬剤を慎重に投与して、卵母細胞の成熟を誘導することと、さらには、月経周期の所定の時期に、特定の用量で、追加の薬剤(例えば、GnRHアゴニストまたはGnRHアンタゴニスト)を投与して、同様の期間内に、複数の卵母細胞が成熟しているようにして、トリガー剤を投与した後、早発排卵する前に、例えば、卵母細胞バンキング、卵母細胞の提供、IVF、ICSIなどで使用するために、最終成熟した卵母細胞を採取できるように、または卵母細胞を排卵させた後、排卵予定日から所定の時期のうちに、IUIもしくは性交渉によって受精させるようにすることに依存する。ARTのこれらの局面のすべてにおいて重要なのは、LHレベルの制御である。例えば、卵母細胞の採取を成功させるのに充分な高い卵母細胞収率(例えば、充分な卵母細胞収率)を得るのに、すなわち、ICSIまたはIVFに利用できるように充分な量で、所定の期間内に複数の卵母細胞の最終成熟を刺激(「トリガー」)するためには、LHが充分に存在していなければならない。加えて、特に同じ月経周期にETを想定している場合には、黄体からのプロゲステロンの産生を維持させて、子宮内膜が補助されるように助けて(黄体補充ともいう)、それによって、胚移植の成功確率を高めて、妊娠と出生を成功に導くのに充分に、LHのレベルが上昇している必要がある。同様に、排卵の後に、IUIまたは性交渉を行う場合、同じ理由で、黄体補充と受容性の子宮内膜も重要である。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与のタイミングと投与量の制御に基づき、女性の内因性LHレベルを適切な量で適切な時点に上昇させるために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、本明細書に記載されている各種ARTレジメンにおいて、安全に用いることができる。本明細書に記載されているように、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を用いることによって、血中内因性LHレベルが上昇する。LHの供給源は、女性自身の腺性下垂体であるので、外因性LHまたはLHレセプターをアゴナイズする薬剤の代わりに、超生理学的な量のLHを刺激する(例えば、過剰刺激する)リスク(OHSSまたはその他の合併症を引き起こすことがある)が大きく低減される一方で、卵母細胞の採取時に、高い卵母細胞収率が可能になり、ETの際に、移植の成功を補佐する。
本開示は、生殖補助医療(IVF、ICSI、卵母細胞の提供、卵母細胞バンキング、性交渉もしくは子宮腔内人工授精(IUI)によってヒト女性対象が妊娠できるようにする月経周期調節、排卵誘導及び/またはETプロセスなど)において、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法と使用法を含む。
本明細書で使用する場合、「体外受精」(IVF)とは、卵子を採取することと、その卵子をインビボにおいて、精子で受精させることと、特定の程度まで卵割が進行したら、卵子を子宮腔に挿入することを含む方法を指してよい。すなわち、排卵誘導、採卵、IVF及び培養、ならびに胚移植のプロセスを含んでよい。IVFでは、最終成熟の誘導により、卵子(卵母細胞)が完全に成熟したときに、卵子(卵母細胞)を採取できるようにしてよい。さらに、IVFでは、最終成熟の誘導の前に、COSを行ってよい。
「胚移植」とは、IVFプロセスにおいて、胚を子宮腔に移植するプロセスを指してよい。子宮腔に挿入した1〜数個の胚は、子宮に移植されることがあり、それによって、妊娠に至る可能性がある。この用語には、凍結胚移植と、体外受精を伴わない卵管内配偶子移植(GIFT)も含めてよい。「胚移植プロセス」とは、子宮腔への胚または配偶子の挿入、胚または配偶子を子宮に移植する一連のプロセス、妊娠、妊娠を実現するための、胚移植前後の薬物投与などを行う期間全体を指してよい。
「卵細胞質内精子注入」(ICSI)とは、1つの精子を微細なガラス針で吸引し、それぞれの卵子に直接入れる、ラボでの手順を指してよい。従来のIVFでは、卵子と精子をシャーレで混ぜ合わせて、精子を「自然に」受精させる。しかしながら、これを行う機会を得るには、運動性の高い正常な精子が大量に必要となる。多くのカップルでは、利用できる適切な精子の数は、非常に限られていることがあり、あるいは、受精を阻む他の要因がある場合もあるので、従来のIVFは選択肢ではなく、ICSIが選択肢となる。ICSIとは、1つの精子を微細なガラス針で吸引し、それぞれの卵子に直接入れる、ラボでの手順を指す。これは、ラボで熟練のエンブリオロジストが専用の器具を用いて行う。必要な精子は非常に少なく、精子が卵子に侵入する能力は重要ではない。ICSI法によって補助されているからである。ICSIでは、受精が行われると保証されるわけではない。精子が卵子に入っても、受精の正常な細胞イベントが行われる必要があるからである。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、ARTは、卵母細胞の提供である。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、ARTは、卵母細胞バンキングである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、ARTは、ICSIである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、ARTは、IVFである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、ARTは、ETプロセスである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、ARTは、排卵誘導である。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、ARTは、IUIである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、ARTは、ヒト女性対象が性交渉によって妊娠できるようにする月経周期調節である。
本明細書に記載されている方法と使用法のヒト女性対象としては、妊娠を試みている女性を挙げてよい。本明細書に記載されている方法と使用法のヒト女性対象としては、排卵を試みている女性を挙げてよい。本明細書に記載されている方法と使用法のヒト女性対象としては、卵母細胞を提供または保存しようとしている女性(例えば卵子ドナー)を挙げてよい。本明細書に記載されている方法と使用法のヒト女性対象としては、代理母になろうとしている女性を挙げてよい。本明細書に記載されている方法と使用法のヒト女性対象としては、COSを受けている女性を挙げてよい。本明細書に記載されている方法と使用法のヒト女性対象としては、OHSSリスクのある女性も挙げてよい。本明細書に記載されている方法と使用法のヒト女性対象としては、不妊であるか、無排卵であるか、高齢出産である(すなわち、35歳超である)か、または二次的な卵巣機能不全、希発月経、無月経、子宮内膜症もしくは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)であるか、前記のいずれかが合わさっている女性も挙げてよい。本明細書に記載されている方法と使用法のヒト女性対象としては、早発卵巣障害を原因としない無排卵性不妊である女性を挙げてよい。本明細書に記載されている方法と使用法のヒト女性対象としては、早発卵巣障害による無排卵性不妊である女性を挙げてよい(例えば、その女性では、COSレジメンでも、卵母細胞の最終成熟または排卵を起こすことができない)。本明細書に記載されている方法と使用法のヒト女性対象としては、二次的な卵巣機能不全による無排卵性不妊である女性を挙げてよい。ヒト女性対象(複数可)と女性(複数可)は、本明細書では同義的に用いられている。
OHSSリスクのある女性としては、PCOS、血清中AMHが15ピコモル/L超、超音波による総AFCが23個超、血清中エストラジオール(E2)が3000pg/mL超のうちの1つ以上である女性、または過去にOHSSエピソードを1回以上発現したことのある女性を挙げてよいが、これらに限らない。いくつかの実施形態では、OHSSリスクのある女性は、AMHが30ピコモル/L超であり、いくつかの実施形態では、40ピコモル/L超である。いくつかの実施形態では、OHSSリスクのある女性は、血清中エストラジオールE2が3500pg/mL超である。別の実施形態では、血清中E2は、4000pg/mL超または5000pg/mL超である。さらに別の実施形態では、OHSSリスクのある女性は、血清中エストラジオールE2が6000pg/mL超である。OHSSリスクのある女性としては、30歳未満の女性、低(除脂肪)体重または低BMIの女性、E2レベルが急激に上昇している女性、卵胞の多い女性及び前記が合わさっている女性を挙げてよいが、これらに限らない。
調節卵巣刺激(COS)と調節卵巣過排卵刺激(COH)は、本明細書では同義的に用いられており、複数の卵胞の発育を誘導して、卵胞吸引で複数の卵母細胞を得るための医療を指してよい。COSは、1.複数の卵胞の発育を刺激する外因性ゴナドトロピンと、2.下垂体の機能を抑制して、早発排卵を防止するゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストまたはGnRHアンタゴニストのいずれかとの併用治療と、3.卵母細胞の採取前における、卵母細胞の最終成熟のトリガーという3つの基本的な要素を含んでよい。
ARTまたは黄体期補助で化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩をトリガー剤として用いると、特にhCGベースのトリガー剤と比べて、妊娠までの期間が短縮し得る。より多くのIVFサイクルが必要となる分割凍結プロトコールの必要性が低減されるはずであるからである。「トリガー」とは、本明細書で使用する場合、LHサージによって、第1減数分裂前期から、第2減数分裂中期での2回目の分裂停止(受精まで維持される)までの進行を誘導することを意味してよい。この最終成熟誘導は、最終的に排卵させる機構を開始させ、それによって、最初に人工的な卵母細胞採取を行わない場合に、卵母細胞が排卵に至るようにする。本明細書で使用する場合、「黄体期」は、排卵から、妊娠が確立されるかまたは2週間後に月経周期が開始されるかのいずれかまでの期間である。黄体期は、黄体の形成によって特徴付けられ、LHまたはhCGのいずれかによってLHレセプターを刺激して、ステロイドホルモンのエストロゲンとプロゲステロンを分泌することに依存する。移植後、発育胚盤胞はhCGを分泌して、黄体の機能を維持する。ARTにおける介入(GnRHアゴニストの投与など)によって、LHレベルが低下することがあり、その結果、プロゲステロンの不充分な産生、黄体期不全及び流産の可能性が生じる。「黄体期補助」は、LHレベルの上昇及び/またはLHレセプターの刺激によって、黄体期不全の解消を補助するので、黄体機能が維持され、及び/またはプロゲステロンが増加し、胚移植が促される。
本開示は、OHSS率を低下させるために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法と使用法も含む。特定のこのような実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与によって、相当な妊娠率または妊娠率の上昇と、妊娠までの期間の短縮と、早発排卵の抑制をもたらす。「早発排卵の抑制」とは、排卵を誘導する自然なLHサージにより、卵胞/卵母細胞が、早期に(すなわち、卵母細胞の成熟と、IVFまたはその他のARTレジメンにおける採卵のタイミングよりも早く)排出(排卵)することを抑制することを指してよい。自然な排卵が起きたら、卵子の外因的な採取は困難になることがあり、IVFまたはその他の受精技法を行えなくなるので、これらの状況では、自然な排卵を回避しなければならない。
上記のように、OHSSは、卵巣腫大と、血管外への体液の急激な移動によって特徴付けられる症候群である。症状としては、腹部膨満、腹部不快感、水胸症、腎灌流の減少、卵巣局在浮腫、卵巣直径が5cm超または8cm超、腹部内の遊離流体、ヘマトクリットが45%超、白血球数が15×109/L超、ALTまたはASTが2×ULN超、総タンパク質が80g/L超、クレアチニンが110モル/L超、またはさらに重篤なケースでは、腹水及び/または胸水、ならびに血液透過性の向上に起因するその後遺症を挙げてよいが、これらに限らない。OHSSの合併症としては、血液濃縮、循環血液量の減少及び電解質平衡異常を挙げてよいが、これらに限らない。軽度なOHSSは、グレード1(腹部膨満、腹部不快感、軽度から中度の腹痛、腹部膨満または腹囲増加、卵巣区域の圧痛、6.6ポンド(3キログラム)を超える突然の体重増加)と、グレード2(グレード1の症状に加えて、悪心、嘔吐及び/または下痢、ならびに5〜12cmの卵巣腫大)に分類してよい。中度のOHSSは、グレード3(軽度なOHSSの特徴に加えて、腹水の超音波検査によるエビデンス、腎灌流の減少及び腎機能低下)に分類してよい。重度のOHSSは、グレード4(中度のOHSSの特徴に加えて、腹水及び/または水胸症の臨床エビデンス、呼吸困難または息切れ、重度の腹痛、重度の悪心及び嘔吐、脚の血栓、尿量の減少、ならびに腹部の締め付けまたは腹部の肥大)と、グレード5(上記のすべてに加えて、血液量の変化、血液濃縮による血液粘性の向上、凝固異常及び急激な体重増加(5〜10日で33〜44ポンド(15〜20キログラム)など))に分類してよい。重篤なケースでは、OHSSにより、死に至ることがある。OHSSは、外因性hCGの作用を通常原因とする、血液透過性の向上に起因し得る。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法と使用法を用いて、OHSSを治療もしくは予防したり、またはOHSSの1つ以上の症状を治療もしくは予防したりしてよい。本明細書で使用する場合、状態(所定の疾患もしくは障害など)を「治療すること」または状態の「治療」には、その状態の1つ以上の症状を治療すること及び/またはその状態の発症を予防することを含めてよい。治療には、1つ以上の症状(例えば、痛み)を改善することまたは1つ以上の症状を予防すること(OHSSと関連する腹部の膨満と不快感を軽減または予防することなど)を含めてよい。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性は、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、OHSSの1つ以上の症状を示さないことができる。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、OHSSの1つ以上の症状を治療できる。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、女性は、OHSSの1つ以上の症状が悪化しないことができる。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、OHSSの1つ以上の症状が改善できる。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、女性は、腹水、胸水及び腎灌流の減少からなる群から選択した1つ以上の症状を示さないことができる。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、腹水、胸水及び腎灌流の減少からなる群から選択した1つ以上の症状を治療できる。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、卵巣の大きさが、直径5cm超まで増大しないことができる。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、卵巣の大きさが、直径8cm超まで増大しないことができる。
hCGを用いると、卵巣で黄体化過剰が起こり、大量のエストロゲン、プロゲステロン及び局所サイトカインが放出される。hCGの作用の下、卵胞からVEGF(血管内皮増殖因子)が産生されることにより、OHSSを引き起こす血管透過性亢進が進行することがある。本明細書に記載されている方法と使用法では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を用いることで、VEGFを阻害または低減できるので、OHSSと関連する血液透過性を低下させることができる。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、COSにおいて、hCGまたはVEGFのレベルを上昇させずに、排卵を誘導する能力を有することができる。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、VEGFレベルを上昇させずに、黄体期補助を行う能力も有することができる。
GnRHアゴニストは、トリガー剤として用いると、OHSSリスクの低下に関与するが、GnRHアゴニストにより、妊娠率も大きく低下する。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩をトリガー剤として用いると、GnRHアゴニストトリガーの場合よりも妊娠率が向上し得る。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩をトリガー剤として用いると、hCGトリガーの場合よりも妊娠率が向上し得る。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩をトリガー剤として用いると、生化学的妊娠率が40%超になることができる。生化学的妊娠とは、胚移植の11日後の血清中hCGが10mIU/mL超であることを指してよい。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩をトリガー剤として用いると、臨床妊娠率が40%超になることができる。臨床妊娠とは、妊娠6週目に、超音波で、心拍を伴う子宮内胎嚢が見られることを指してよい。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩をトリガー剤として用いると、出生率が40%超になることができる。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、卵胞でVEGFを過剰に産生させずに、hCGを持続的に増加させることと、LHレセプターを過剰に刺激させることをせずに、かつエストロゲン、プロゲステロンまたは局所サイトカインの量を過剰にせずに、排卵を誘導できるので、OHSSのリスクが緩和される可能性がある。トリガー剤としての化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩による卵母細胞の成熟と排卵誘導によって、最終的に、妊娠率は、現在利用可能なトリガー剤で見られる妊娠率と同程度か、これを上回ることができる。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状を緩和することもできる。卵巣機能不全の患者の排卵の正常化を刺激できるからである。
いくつかの実施形態では、ARTの際に、黄体期補助のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を用いると、OHSSのリスクが、従来の療法(すなわち、hCG黄体期補助)よりも有意に低下し得る。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、卵胞でVEGFを過剰に産生させずに、かつエストロゲン、プロゲステロンまたは局所サイトカインの量を過剰にせずに、黄体期補助を行うことができるので、OHSSのリスクが緩和される可能性がある。黄体期補助のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を用いると、最終的に、妊娠率は、現在利用可能な黄体期補助剤で見られる妊娠率と同程度になるか、またはこれを上回ることもできる。いくつかの実施形態では、黄体期補助のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を用いると、生化学的妊娠率が40%超になることができる。いくつかの実施形態では、黄体期補助のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を用いると、臨床妊娠率が40%超になることができる。いくつかの実施形態では、黄体期補助のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を用いると、出生率が40%超になることができる。
本開示は、hCGまたはGnRHアゴニストトリガー剤の代わりに、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩によって、排卵を誘導した後に、妊娠率を上昇させるための方法と使用法を提供する。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩をヒト女性対象にトリガー剤として投与し、投与後に、COSフェーズを行う。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、(i)VEGFの総血中濃度レベルを上昇させずに、または(ii)VEGFの総レベルの上昇を、投与後、24時間未満にすることによって、効果的に卵胞の成熟を促して、排卵を誘導することができる。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を黄体期補助のために用いて、妊娠率を上昇させる。
本開示は、トリガー剤によって排卵を誘導した後に、妊娠率を上昇させるための方法と使用法であって、黄体期補助のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法と使用法も提供する。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与は、トリガーの後、またはトリガーと実質的に同時に行う。特定のこのような実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩によって、(i)VEGFの総血中濃度レベルを上昇させずに、または(ii)VEGFの総レベルの上昇を、投与後、24時間未満にすることによって、黄体期補助を行うことができる。
プロゲストゲン(プロゲステロンなど)は、本明細書に記載されている方法と使用法の一環として投与してもしなくてもよい。いくつかの実施形態では、プロゲステロンは、本明細書に記載されている方法と使用法とともに投与しない。実際、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を複数回用量投与することの考えられる利点の1つは、黄体期補助に、プロゲストゲンが不要になり得る点である。これにより、ARTプロトコールが大幅に簡素化されることになる。多くの人々は、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)を毎日、多くの場合、注射によって投与する必要があるからである。採卵後、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)の投与が3カ月以上必要になる場合もある。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与を通じて、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)の必要性を排除または軽減すると、ARTによって課される負担が軽減され、プロトコールが簡素化することになる。
本開示はさらに、hCGを含むトリガーレジメンの代わりに、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩によって、排卵を誘導した後、OHSSを発現する可能性を低下させるための方法と使用法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示の方法または使用法の後に、COSのフェーズを行い、本開示の方法または使用法には、効果的に卵胞の成熟を促し、排卵を誘導できる化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩をトリガー剤としてヒト女性対象に投与することを伴う。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩をトリガー剤として用いると、(i)VEGFの総血中濃度レベルが上昇しないか、または(ii)VEGFの総レベルの上昇が、投与後、24時間未満となる。
本開示はさらに、黄体期補助のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を用いることによって、排卵を誘導した後に、OHSSが発現する可能性を低下させることを提供する。特定のこのような実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与は、トリガーの後、またはトリガーと実質的に同時に行う。いくつかの実施形態では、黄体期補助のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を用いると、(i)VEGFの総血中濃度レベルが上昇しないか、または(ii)VEGFの総レベルの上昇が、投与後、24時間未満となる。
本開示は、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を用いて、ARTを受けており、内因性LHレベルを上昇させる必要がある女性の内因性LHレベルを上昇させる方法であって、初回用量を投与してから少なくとも約36時間後、その女性の血中内因性LHレベルが、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する方法を提供する。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから少なくとも約24時間後に、女性の血中内因性LHレベルが、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから少なくとも約40時間後に、女性の血中内因性LHレベルが、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから少なくとも約44時間後に、女性の血中内因性LHレベルが、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから少なくとも約48時間後に、女性の血中内因性LHレベルが、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから少なくとも約52時間後に、女性の血中内因性LHレベルが、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。
本開示は、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を用いて、内因性LHレベルを上昇させる必要があり、ARTを受けている女性の内因性LHレベルを上昇させる方法であって、初回用量の投与から少なくとも約12時間後に、最高血中内因性LHレベルになる方法も提供する。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、最高血中内因性LHレベルには、初回用量の投与から約12時間〜約48時間後になる。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、最高血中内因性LHレベルには、初回用量の投与の約12時間〜約36時間後になる。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、最高血中内因性LHレベルには、初回用量の投与の約12時間〜約24時間後になる。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、最高血中内因性LHレベルには、初回用量の投与の約12時間〜約18時間後になる。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、最高血中内因性LHレベルには、初回用量の投与の約14時間後になる。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、最高血中内因性LHレベルには、初回用量の投与の約16時間後になる。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、最高血中内因性LHレベルには、初回用量の投与の約18時間後になる。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、最高血中内因性LHレベルには、初回用量の投与の約20時間後になる。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、最高血中内因性LHレベルには、初回用量の投与の約22時間後になる。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、最高血中内因性LHレベルには、初回用量の投与の約24時間後になる。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、最高血中内因性LHレベルには、初回用量の投与の約28時間後になる。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、最高血中内因性LHレベルには、初回用量の投与の約32時間後になる。いくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、最高血中内因性LHレベルには、初回用量の投与の約36時間後になる。
本開示は、ARTを受けており、黄体期補助が必要な女性の内因性LHレベルを上昇させるための方法と使用法であって、前記女性が、ARTレジメンの一部として、卵母細胞成熟剤をトリガー用量投与された後に、その女性に、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法と使用法を提供する。ARTレジメンにおいて、卵母細胞の採取の前に(例えば、IVF、ICSI)、または例えば、PCOSの治療の一部として、排卵前に、卵母細胞成熟剤またはトリガー剤を用いて、卵母細胞の最終成熟を促してよく、排卵前の場合には、排卵後に、IUIまたは性交渉のタイミングを合わせて、受精の機会を最大にする。卵母細胞成熟剤としては、例えば、化合物1、その代謝物もしくは前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩、hCG、組み換え黄体化ホルモン(rLH)またはGnRHアゴニストを挙げてよい。いくつかの実施形態では、GnRHアゴニストは、リュープロレリンアセテート、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン、レシレリンまたは前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩からなる群から選択されている。いくつかの実施形態では、黄体期補助が必要な女性に、卵母細胞の採取前、卵母細胞の採取後、または卵母細胞の採取の前と後の両方のいずれかに、1回用量以上の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してよい。同様に、卵母細胞の採取が組み込まれていないARTレジメンにおいて、黄体期補助が必要な女性に、排卵前、排卵後、排卵の前と後の両方のいずれかに、1回用量以上の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してよい。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから約12時間〜約96時間後に、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから約12時間〜約84時間後に、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから約12時間〜約72時間後に、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから約12時間〜約60時間後に、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから約12時間〜約48時間後に、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから約14時間〜約84時間後に、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから約14時間〜約72時間後に、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから約14時間〜約60時間後に、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから約14時間〜約48時間後に、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから約24時間〜約84時間後に、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから約24時間〜約72時間後に、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから約24時間〜約60時間後に、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから約24時間〜約48時間後に、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、少なくとも約36時間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、少なくとも約48時間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法の考えられる利点の1つは、現在のトリガーと比べて、LHレベルを36時間超、上昇させる利便性である。排卵が、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩から約48時間後に確実に行われる場合、本明細書に記載されている方法と使用法は、現在の標準ケアと比べて、ARTの予約スケジュールの調整に有益となる。現在は、トリガーを午後8時前後に投与したら、36時間後(午前8時)に採卵を行う。本開示に示されているように、採卵を約48時間の時点に確実に行うことができると、通常の診療時間中に、患者にトリガーを投与することと、採卵を行うことができる。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、少なくとも約48時間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約36時間〜約16日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約36時間〜約12日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約36時間〜約11日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約36時間〜約10日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約36時間〜約9日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約36時間〜約8日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約36時間〜約7日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約36時間〜約6日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約36時間〜約5日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約36時間〜約4日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約36時間〜約3日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約36時間〜約2日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約48時間〜約16日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約48時間〜約12日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約48時間〜約11日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約48時間〜約10日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約48時間〜約9日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約48時間〜約8日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約48時間〜約7日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約48時間〜約6日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約48時間〜約5日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約48時間〜約4日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約48時間〜約3日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約24時間〜約16日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約24時間〜約12日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約24時間〜約11日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約24時間〜約10日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約24時間〜約9日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約24時間〜約8日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約24時間〜約7日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約24時間〜約6日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約24時間〜約5日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約24時間〜約4日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約24時間〜約3日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約24時間〜約2日間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。
化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を用いて、卵細胞または卵子の成熟を促してよく、成熟後、取り出して、IVFまたはICSIによって受精させてから、子宮に移植してよい(ET)。あるいは、卵細胞または卵子を卵巣から排出させ(排卵の誘導)、その後、性交渉またはIUIによって受精させてよい。卵母細胞の適切な採取の成功のためには、まず、卵母細胞の成熟と、適切な時期における、それらの卵母細胞の誘導が行われなければならない。COSフェーズは、早発排卵を防止することを助けることができ、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩をトリガー剤として用いると、卵母細胞の成熟が助長されて、採卵、体外受精及び胚移植が可能になったり、あるいは、卵母細胞の排出(排卵)が誘導されて、性交渉またはIUIによる受精が可能になったりし得る。したがって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与により、現在の妊娠率と同程度であるか、または現在の妊娠率よりも高い妊娠率をもたらし、妊娠までの期間を短縮し、OHSSの発現リスクを低減できる。
本開示は、生殖補助医療(ART)において、卵母細胞の成熟を促したり、排卵をトリガーしたりするために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法と使用法を提供する。本明細書に記載されている方法と使用法により、ARTにおいて、卵母細胞の成熟を促したり、排卵をトリガーしたりするのに、別のトリガー剤(hCG、外因性LH及び/またはGnRHアゴニストなど)を投与せずに、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を使用可能にできる。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩によって、卵母細胞の成熟を促す。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、外因性hCGまたは外因性LHを投与しなくても、卵母細胞の成熟が起こる。特定のこのような実施形態では、成熟卵母細胞の収率は、少なくとも50%である。特定のこのような実施形態では、成熟卵母細胞の収率は、少なくとも75%である。卵母細胞収率とは、トリガー投与前の最後の超音波スキャン時に14mmの卵胞の数から採取した成熟(第2減数分裂中期、M2)卵母細胞の割合を指してよい。卵母細胞は独立して、第1極体と丸い卵質の存在によって、M2と分類してよい。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を含むトリガーを投与すると、hCGトリガーよりも、成熟卵母細胞の量が増加する。
本明細書で使用する場合、「成熟」卵母細胞とは、第2減数分裂中期(M2)に達した卵母細胞である。卵母細胞は、第1極体と丸い卵質の存在によって、M2と分類する。卵母細胞は、中期サイクルのLHサージに応答して、減数分裂成熟を再開する。この卵母細胞の最終成熟は医学的には、hCGまたはGnRHアゴニストのいずれかによって誘導できる。hCGは、LHレセプターと結合し、GnRHアゴニストは、下垂体からの内因性ゴナドトロピンの貯蓄の放出を促す。減数分裂の再開(いわゆる核成熟)は、LHサージの開始から14〜18時間後に行われ、第1減数分裂は、35時間以内に完了し、卵母細胞は、第2減数分裂中期(M2)に達する。一方、LHサージに応答して、卵丘細胞は、20時間までにほぼ完全に膨化し、続いて、排卵前に、成熟した卵丘細−卵母細胞複合体が、卵胞壁から剥離する。核の成熟と卵丘細胞の膨化には密接な関係があるが、これらの2つのプロセスを調節するのに、異なるLHレベルが必要であるかは不明である。
本開示によれば、いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与によって、ヒト女性対象において、(i)VEGFのレベルを上昇させずに、または(ii)VEGFのレベルの上昇が24時間未満となる状態で、卵母細胞の成熟を促し、排卵を誘導(トリガー)する。
本開示は、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を用いて、排卵を誘導するための方法と使用法を提供する。特定のこのような実施形態では、本開示の方法または使用法は、ヒト女性対象に、GnRHアゴニストまたはGnRHアンタゴニストと併せて、FSHなどをある量で投与して、ARTの初期のCOSフェーズを助長する工程を有してよい。いくつかの実施形態では、初期のCOSフェーズの後に、効果的に卵母細胞の成熟を促して、排卵を誘導するトリガー剤として、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してよい。いくつかの実施形態では、トリガー剤として、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することにより、(i)VEGFの総血中濃度レベルを上昇させずに、または(ii)VEGFの総レベルの上昇を24時間未満とすることによって、効果的に卵母細胞の成熟を促し、排卵を誘導する。いくつかの実施形態では、COSフェーズに、制御した形で排卵を抑制するように作用するのに充分な量と期間で、GnRHアンタゴニストまたはGnRHアゴニストを投与してよく、GnRHアンタゴニストまたはGnRHアゴニストは、FSHまたはFSHアナログと併せて投与する。いくつかの実施形態では、GnRHアンタゴニストは、レルゴリクスである。
本開示は、二次的な卵巣機能不全を罹患している無排卵のヒト女性対象において、排卵を誘導するために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法と使用法も提供する。二次的な卵巣機能不全は、視床下部と腺性下垂体に由来し、この際、視床下部と腺性下垂体は、卵巣をホルモンで刺激できず、それにより、卵巣機能を刺激できない。いくつかの実施形態では、本開示の方法または使用法は、(1)対象をヒトゴナドトロピンで前治療する工程と、(2)対象に、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。
本開示は、早発卵巣障害を罹患している無排卵のヒト女性対象において、黄体期補助を行うために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法と使用法も提供する。早発卵巣障害は、40歳以前の月経停止を伴う卵胞枯渇または機能不全である。「早発卵巣不全」は、米国国立衛生研究所が推奨する、早発卵巣障害よりも好ましい用語である。多くのケースでは、卵巣機能は、間欠的または予測不能であるからである。自然妊娠と出産を経験している早発卵巣不全の女性は5〜10%であるので、早発卵巣不全は、自然閉経と区別でき、卵巣予備能力の低下としても説明できる。いくつかの実施形態では、本開示の方法と使用法はさらに、ETプロセスを含んでよい。
本開示は、ARTを受けている女性において、卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導するために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法と使用法であって、前記女性が、下垂体脱感作を受けたことがあるとともに、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある方法と使用法を提供する。特定のこのような実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、ARTを受けている女性において卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導するためであり、前記女性が、下垂体脱感作を受けたことがあるとともに、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある方法と使用法のいくつかの実施形態では、その女性には、OHSSリスクがある。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、ARTを受けている女性において卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導するためであり、前記女性が、下垂体脱感作を受けたことがあるとともに、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある方法と使用法のいくつかの実施形態では、投与の少なくとも約36時間後に、女性の血中内因性LHレベルが、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、ARTを受けている女性において卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導するためであり、前記女性が、下垂体脱感作を受けたことがあるとともに、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから少なくとも約12時間後に、最高血中内因性LHレベルになる。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、ARTを受けている女性において卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導するためであり、前記女性が、下垂体脱感作を受けたことがあるとともに、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから約12時間〜約48時間後に、最高血中内因性LHレベルになる。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、ARTを受けている女性において卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導するためであり、前記女性が、下垂体脱感作を受けたことがあるとともに、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから約12時間〜約96時間後に、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、ARTを受けている女性において卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導するためであり、前記女性が、下垂体脱感作を受けたことがあるとともに、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、投与後、少なくとも約36時間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、ARTを受けている女性において卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導するためであり、前記女性が、下垂体脱感作を受けたことがあるとともに、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある方法と使用法のいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、少なくとも約24時間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、ARTを受けている女性において卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導するためであり、前記女性が、下垂体脱感作を受けたことがあるとともに、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある方法と使用法のいくつかの実施形態では、血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約36時間〜約16日間上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、ARTを受けている女性において卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導するためであり、前記女性が、下垂体脱感作を受けたことがあるとともに、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある方法と使用法のいくつかの実施形態では、血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約36時間〜約12日間上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、ARTを受けている女性において卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導するためであり、前記女性が、下垂体脱感作を受けたことがあるとともに、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある方法と使用法のいくつかの実施形態では、血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約24時間〜約16日間上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、ARTを受けている女性において卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導するためであり、前記女性が、下垂体脱感作を受けたことがあるとともに、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある方法と使用法のいくつかの実施形態では、血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、約24時間〜約12日間上昇する。
本開示は、無排卵性不妊である女性において排卵を誘導するために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法と使用であって、その不妊が、早発卵巣障害によるものではない方法と使用法を提供する。特定のこのような実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。
本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、無排卵性不妊である女性において排卵を誘導するためであり、その不妊が、早発卵巣障害によるものではないいくつかの実施形態では、その女性には、OHSSのリスクがある。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、無排卵性不妊である女性において排卵を誘導するためであり、その不妊が、早発卵巣障害によるものではないいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから少なくとも約36時間後に、女性の血中内因性LHレベルが、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、無排卵性不妊である女性において排卵を誘導するためであり、その不妊が、早発卵巣障害によるものではないいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから少なくとも約24時間後に、女性の血中内因性LHレベルが、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、無排卵性不妊である女性において排卵を誘導するためであり、その不妊が、早発卵巣障害によるものではないいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してから少なくとも約12時間後に、最高血中内因性LHレベルになる。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、無排卵性不妊である女性において排卵を誘導するためであり、その不妊が、早発卵巣障害によるものではないいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した約12時間〜約48時間後に、最高血中内因性LHレベルになる。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、無排卵性不妊である女性において排卵を誘導するためであり、その不妊が、早発卵巣障害によるものではないいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した約12時間〜約96時間後に、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、無排卵性不妊である女性において排卵を誘導するためであり、その不妊が、早発卵巣障害によるものではないいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、少なくとも約36時間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、無排卵性不妊である女性において排卵を誘導するためであり、その不妊が、早発卵巣障害によるものではないいくつかの実施形態では、血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の後、少なくとも約36時間〜約16日間上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、無排卵性不妊である女性において排卵を誘導するためであり、その不妊が、早発卵巣障害によるものではないいくつかの実施形態では、血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の後、少なくとも約36時間〜約12日間上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、無排卵性不妊である女性において排卵を誘導するためであり、その不妊が、早発卵巣障害によるものではないいくつかの実施形態では、女性の血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、少なくとも約24時間、初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、無排卵性不妊である女性において排卵を誘導するためであり、その不妊が、早発卵巣障害によるものではないいくつかの実施形態では、血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の後、少なくとも約24時間〜約16日間上昇する。本明細書に記載されている方法と使用法であって、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与が、無排卵性不妊である女性において排卵を誘導するためであり、その不妊が、早発卵巣障害によるものではないいくつかの実施形態では、血中内因性LHレベルは、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の後、少なくとも約24時間〜約12日間上昇する。
トリガー時の卵胞のサイズが大きいほど、成熟卵母細胞の収率が向上し得る。本開示は、ある用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することであって、超音波によって、少なくとも約14mmの卵胞が少なくとも3個見えたら、その初回用量を投与することを提供する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、超音波によって、少なくとも約18mmの卵胞が少なくとも3個が見えたら、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する。
本開示は、ある用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することであって、排卵後に初回用量を投与することも提供する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、排卵前に、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている方法と使用法は、卵母細胞の採取を含む。本開示は、ある用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することであって、卵母細胞の採取後に、その初回用量を投与することを提供する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、卵母細胞の採取前に、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する前に、初回用量の投与前に、女性の下垂体をGnRHに対して脱感作する。本明細書に記載されている方法と使用法の特定の実施形態では、血清中エストラジオール濃度が、少なくとも約0.49nmol/Lであるときに、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する。本明細書に記載されている方法と使用法の特定の実施形態では、血清中エストラジオール濃度が、少なくとも約0.91nmol/Lであるときに、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後に、胚を移植する。特定のこのような実施形態では、初回用量の投与から約2〜約10日(約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日または約10日など)以内に、移植を行う。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、卵母細胞の採取から約1〜約7日(約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日または約7日など)以内に、胚移植を行う。本明細書に記載されている方法と使用法の特定の実施形態では、胚は、新鮮である(すなわち、胚は、凍結されていない)。特定のこのような実施形態では、卵母細胞の採取と同じ月経周期で、胚を移植する。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の作用機序のおかげで、現在の治療法と比べて、子宮内膜への悪影響が少ないことができる。したがって、子宮内膜は、採卵直後に、移植可能な状態(子宮内膜受容度が高い状態)になることができる。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩では、hCGベースのトリガー剤またはGnRHアゴニストトリガー剤(GnRHアゴニストとのデュアルトリガーを含む)を用いないことによって、分割凍結プロトコールの必要性が低減し、それにより、IVFサイクルの数を減少させ、許容可能な妊娠率を維持したままで、妊娠までの期間を短縮し、コストを低減し、OHSS率の有意な低下を伴う形で、副作用(巨大児(在胎齢のわりに巨大であること)など)、癒着胎盤のリスク、及び子癇前症のリスクを軽減できる。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、分割を必要とする現在の治療法と比べて有意な点となる安全性属性及び有効性属性をもたらすことができる。
本開示の使用法と方法では、新鮮胚を用いることができるので、本開示は、hCGまたはGnRHアゴニストトリガー剤の代わりに、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩によって、排卵を誘導した後に、妊娠までの期間を短縮することも提供する。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩をヒト女性対象にトリガー剤として投与し、投与の後に、COSのフェーズを行う。特定のこのような実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、(i)VEGFの総血中濃度レベルを上昇させずに、または(ii)VEGFの総レベルの上昇を投与から24時間未満にすることによって、効果的に卵胞の成熟を促し、排卵を誘導できる。
本開示は、トリガー剤によって排卵を誘導した後に、妊娠までの期間を短縮するための方法と使用法であって、黄体期補助のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法と使用法も提供する。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与は、トリガーの後、またはトリガーと実質的に同時に行う。特定のこのような実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、(i)VEGFの総血中濃度レベルを上昇させずに、または(ii)VEGFの総レベルの上昇を投与から24時間未満にすることによって、黄体期補助を行うことができる。
本開示は、ある用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法と使用法であって、排卵を誘導する方法または使用法を提供する。特定のこのような実施形態では、少なくとも初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、ヒト女性対象は、性交渉またはIUIによって妊娠する。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与して、卵母細胞を採取せずに、卵母細胞の排出をトリガーすることにより、排卵時期が予測可能になり、投与から排卵までの時間は、投与から30〜62時間後、または投与から36〜48時間後の範囲である。これにより、性交渉またはIUIを都合よく排卵時にスケジュール可能になり、受精の機会を最大化できる。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与により、排卵を起こしにくい女性が、排卵して、性交渉またはIUIによって妊娠するのを助けることもできる。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を用いて、卵母細胞の排出をトリガーすることは、IUIを必要とするとともに、LHモニタリングが困難であるかまたは信頼できないことが分かっている女性に取っておくことができる。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を用いて、卵母細胞の排出をトリガーすることは、LHモニタリングによって、周期の18日目(周期の1日目は、前回の月経の初日である)までにLHサージが示されなかったとともに、サイズが20mm超の卵胞があるときに利用できる。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、少なくとも初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与した後、ヒト女性対象は、妊娠または出産する。いくつかの実施形態では、ヒト女性対象は、帝王切開によって出産する。いくつかの実施形態では、ヒト女性対象は、経膣出産する。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00003mg〜約0.030mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.001mg〜約0.030mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.001mg〜約0.003mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00003mg〜約0.0003mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00003mg〜約0.003mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00003mg〜約0.00006mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00003mg〜約0.00009mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00003mg〜約0.00015mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00003mg〜約0.0006mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00003mg〜約0.0009mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00003mg〜約0.0015mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00003mg〜約0.006mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00003mg〜約0.009mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00003mg〜約0.015mgである。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0003mg〜約0.030mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0003mg〜約0.0006mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0003mg〜約0.0009mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0003mg〜約0.0015mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0003mg〜約0.006mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0003mg〜約0.009mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0003mg〜約0.015mgである。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.003mg〜約0.030mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.003mg〜約0.006mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.003mg〜約0.009mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.003mg〜約0.015mgである。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0003mg〜約0.003mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0006mg〜約0.003mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0009mg〜約0.003mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0015mg〜約0.003mgである。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00006mg〜約0.030mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00009mg〜約0.030mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00015mg〜約0.030mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0006mg〜約0.030mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0009mg〜約0.030mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0015mg〜約0.030mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.006mg〜約0.030mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.009mg〜約0.030mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.015mg〜約0.030mgである。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00003mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.030mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0003mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.003mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00005mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0005mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.005mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.010mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量(初回用量など)、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0001mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.001mgである。
したがって、化合物1の用量、または製薬学的に許容可能な塩の対応する量は例えば、(例えば実施例11に示されているように)nmol/kgまたはμg/kgで表されていることもある。例えば、概ね、0.003nmol/kgは、0.0037μg/kgの遊離形態の化合物1に、0.03nmol/kgは、0.037μg/kgの遊離形態の化合物1に換算される。60kgの女性では、0.003nmol/kgの用量は、約0.22μgまたは0.00022mgとなり、0.03nmol/kgの用量は、2.2μgまたは0.0022mgとなる。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の代謝物(化合物2など)の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00002mg〜約0.020mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の代謝物(化合物2など)の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.001mg〜約5mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の代謝物(化合物2など)の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00002mg〜約0.002mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の代謝物(化合物2など)の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0002mg〜約0.002mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の代謝物(化合物2など)の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.00002mg〜約5mgである。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1の代謝物(化合物2など)の投与量、使用量、投与用量もしくは使用用量、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する投与量もしくは使用量は、約0.0002mg〜約0.020mgである。
併用療法
上で簡潔に説明したように、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、ARTで用いられる他の薬剤と組み合わせて投与してよい。このような薬剤としては、COSフェーズで用いる薬剤(例えば、FSH、hMG、GnRHアゴニストまたはGnRHアンタゴニスト及びこれらを組み合わせたもの)、トリガー剤(GnRHアゴニスト、hCG及びこれらを組み合わせたもの)、ならびに胚移植、IUIまたは性交渉前の黄体期補助のためのhCG、エストラジオール、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)及びこれらを組み合わせたものを挙げてよい。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、互いに組み合わせて投与してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている方法と使用法において、複数回の順次用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与してよい。併用する薬剤の治療上有効な量は、投与方法、選択した薬剤及び女性ヒト対象の状態に応じて変動し得る。本明細書で使用する場合、「治療上有効な量」とは、特定の作用(例えば、卵母細胞の最終成熟のトリガー、子宮内膜の補助など)をもたらすのに充分な化合物量を指してよい。
これらの薬剤の併用投与は典型的には、所定の期間にわたって(通常、選択した組み合わせに応じて、数分、数時間、数日または数週間)行う。特定の実施形態では、それらの薬剤は、順次投与し、すなわち、各薬剤を異なる時点に投与し、これらの薬剤またはこれらの薬剤の少なくとも2つの投与は、実質的に同時に行う。実質的な同時投与は、例えば、ヒト女性対象に、各薬剤を一定の比率で有する単回注射剤を投与するか、または薬剤ごとに単回注射剤を複数回投与することによって行ってよい。各薬剤の順次投与または実質的な同時投与は、いずれかの適切な経路によって行ってよく、その経路としては、経口経路、静脈内経路、皮下、筋肉内経路及び粘膜組織を介した直接的吸収が挙げられるが、これらに限らない。薬剤は、同じ経路または異なる経路によって投与してよい。あるいは、例えば、すべての治療剤を静脈内注射によって投与してよい。注射するときには、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、患者に投与する注射の回数を減らすために、ARTで用いる他の薬剤と組み合わせてよい。
化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、ARTに含まれる多くの療法剤と組み合わせて用いてよい。これらの療法剤としては、ARTプロセスのCOSフェーズで用いる療法剤(例えば、卵母細胞の発育と成長を刺激するために用いる卵胞成長剤(FSH、hMGなど)と、卵巣刺激を制御して、早発排卵を防止するために用いるGnRHアゴニストもしくはGnRHアンタゴニスト、または前記のいずれかを組み合わせたもの)が挙げられるが、これらに限らない。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与前に、FSHを投与する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する約5日〜約12日前に、FSHを投与する。特定のこのような実施形態では、FSHの投与は、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する約5日前、約6日前、約7日前、約8日前、約9日前、約10日前、約11日前または約12日前である。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与前に、GnRHアンタゴニストを投与する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する約2日〜約10日前(初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する約3日〜約5日前など)に、GnRHアンタゴニストを投与する。特定のこのような実施形態では、GnRHアンタゴニストの投与は、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する約2日前、約3日前、約4日前、約5日前、約6日前、約7日前、約8日前、約9日前または約10日前である。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与前にGnRHアゴニストを投与する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する約14日〜約28日前(初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する約14日〜約17日前など)に、GnRHアゴニストを投与する。特定のこのような実施形態では、GnRHアゴニストの投与は、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する約14日前、約15日前、約16日前、約17日前、約18日前、約19日前、約20日前、約21日前、約22日前、約23日前、約24日前、約25日前、約26日前、約27日前または約28日前である。
ARTにおいて、早発排卵を防止するためのCOSフェーズの際に、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩と併用してよい上述のGnRHアゴニストに関しては、それらの薬剤には、GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)超活性アゴニスト(リュープロレリンアセテート、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン、レシレリンもしくは前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩など)、またはGnRHアンタゴニスト(セトロレリクス、ガニレリクス、アバレリクス、Nal−Blu、アンタイド、アザリンB、デガレリクス、D63153(オザレリクス)、OBE2109、テベレリクス、エラゴリクス、レルゴリクスもしくは前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩など)が含まれる。早発排卵を防止するためのCOSフェーズにおけるいくつかの実施形態では、GnRHアゴニストは、リュープロレリンアセテートである。
早発排卵を防止するためのCOSフェーズにおけるいくつかの実施形態では、GnRHアンタゴニストは、レルゴリクスまたはその製薬学的に許容可能な塩であってよい。レルゴリクスは、N−(4−(1−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−((ジメチルアミノ)メチル)−3−(6−メトキシ−3−ピリダジニル)−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル)フェニル)−N’−メトキシ尿素であり、下記の式によって表される。
Figure 0006982621
レルゴリクスは、経口活性を有し、下垂体前葉塩基好性細胞(分泌細胞)に存在するGnRHレセプターを介して、GnRHをアンタゴナイズし、それらの細胞から、GnRHの刺激によってLHとFSHが分泌されるのを阻害する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、レルゴリクスの用量またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する量は、約20mg〜約120mg(80mgなど)である。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、レルゴリクスの用量、またはその製薬学的に許容可能な塩の対応する量は、約20mg未満、約40mg未満、約80mg未満または約120mg未満である。
レルゴリクスまたはその製薬学的に許容可能な塩は、自然なLHサージを抑制することによって、早発排卵を防止するために、FSHまたはFSH/hMGとともに用いると、ARTのCOSフェーズにおいて有用であり得る経口投与可能なGnRHアンタゴニストである。そして、これにより、後の採卵、受精(体外受精)、ET、ICSI、卵母細胞の提供、卵母細胞バンキング、性交渉もしくはIUI、または排卵誘導に備えて、卵母細胞の成熟を促すために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩をトリガーとして利用可能にできる。
レルゴリクスは、(トリガー剤としての)化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩と併用すると、レルゴリクスの代わりにGnRHアゴニストを投与する場合よりも、OHSS率が低下し、妊娠率が向上し、妊娠までの期間が短縮し得る。加えて、いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を含む注射用製剤は、経口用FSHと経口用GnRHアンタゴニスト(レルゴリクスなど)とともに使用してよく、これにより、ARTサイクルが、多数回の注射を含む現在のプロトコールとは対照的に、主に経口によるものになる可能性がある。
化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、卵母細胞の成熟のための他のトリガー剤(すなわち、卵母細胞成熟剤)とともに用いてもよい。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、卵母細胞成熟剤としてのGnRHアゴニストの投与後に投与してよい。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、卵母細胞成熟剤としてのGnRHアゴニストの投与と同時に投与してよい。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、初回用量の化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、卵母細胞成熟剤としてのGnRHアゴニストの投与前に投与してよい。いくつかの実施形態では、GnRHアゴニストは、リュープロレリンアセテート、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン、レシレリンまたは前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩からなる群から選択されている。いくつかの実施形態では、卵母細胞の成熟は、GnRHアゴニストの投与後に起こる。特定のこのような実施形態では、成熟卵母細胞の収率は、少なくとも50%である。特定のこのような実施形態では、成熟卵母細胞の収率は、少なくとも75%である。上述のように、卵母細胞の収率とは、トリガー投与前の最後の超音波スキャン時に14mmの卵胞の数から採取した成熟卵母細胞の割合を指してよい。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を卵母細胞成熟剤としてのGnRHアゴニストと組み合わせて投与すると、ヒト女性対象において、OHSSの1つ以上の症状が悪化しないようにできることを本開示は提供する。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を卵母細胞成熟剤としてのGnRHアゴニストと組み合わせて投与すると、OHSSの1つ以上の症状を治療できることも本開示は提供する。
化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、卵母細胞成熟剤としてhCGとともに用いてよい。いくつかの実施形態では、hCGは、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与と同時に投与する。いくつかの実施形態では、hCGは、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与前に投与する。いくつかの実施形態では、hCGは、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与後に投与する。いくつかの実施形態では、hCGは、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与の24時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、hCGは、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与の48時間以内に投与する。排卵は、単回hCG注射の38〜40時間後に起こることになり、卵母細胞の経腟採取は典型的には、hCG注射の34〜36時間後、卵胞が破裂するとみられる時点の直前に行う。特定の実施形態では、卵母細胞の成熟は、外因性hCGの投与後に起こる。特定のこのような実施形態では、成熟卵母細胞の収率は、少なくとも50%である。特定のこのような実施形態では、成熟卵母細胞の収率は、少なくとも75%である。上述のように、卵母細胞の収率とは、トリガー投与前の最後の超音波スキャン時に14mmの卵胞の数から採取した成熟卵母細胞の割合を指してよい。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を卵母細胞成熟剤としてのhCGと組み合わせて投与すると、ヒト女性対象において、OHSSの1つ以上の症状が悪化しないようにできることを本開示は提供する。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を卵母細胞成熟剤としてのhCGと組み合わせて投与すると、OHSSの1つ以上の症状を治療できることも本開示は提供する。いくつかの実施形態では、ARTで用いるhCGは、組み換え体または尿由来のものであってよい。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、卵母細胞を成熟させるために、組み換え黄体化ホルモン(rLH)を用いてよい。特定のこのような実施形態では、rLHは、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩と同時に投与する。いくつかの実施形態では、rLHは、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の後に投与する。いくつかの実施形態では、rLHは、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の前に投与する。
本開示は、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を、卵母細胞成熟剤として組み合わせたGnRHアゴニストとhCGとともに使用することを提供する。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、GnRHアゴニストとhCGと同時に投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、GnRHアゴニストとhCGの前に投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、GnRHアゴニストとhCGの後に投与する。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、化合物1またはその製薬学的に許容可能な塩は、卵母細胞成熟剤としての、化合物1の代謝物(化合物2またはその製薬学的に許容可能な塩など)と併用する。本明細書に記載されている方法と使用法の特定の実施形態では、卵母細胞の成熟ために、化合物1またはその製薬学的に許容可能な塩を複数回用量、例えば2用量使用する。本明細書に記載されている方法と使用法の特定の実施形態では、卵母細胞の成熟のために、化合物1の代謝物(化合物2またはその製薬学的に許容可能な塩など)を複数回用量、例えば2用量使用する。
加えて、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、性交渉もしくはIUIによるETプロセス、または移植もしくは妊娠のための促進剤と組み合わせた排卵誘導(エストラジオール、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)、低用量hCGもしくはこれらを組み合わせたものによる黄体期補助など)で用いてよい。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、黄体期補助のために、エストラジオールとプロゲストゲン(プロゲステロンなど)を組み合わせたものを投与する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、黄体期補助のために、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)を化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩と組み合わせて投与する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、黄体期補助のために、エストラジオールを化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩と組み合わせて投与する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、黄体期補助のために、エストラジオールとプロゲストゲン(プロゲステロンなど)を化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩と組み合わせて投与する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、1回用量以上のプロゲストゲン(プロゲステロンなど)を黄体期補助のために投与する。特定の実施形態では、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)は、卵母細胞の採取時から、最長で採取の12週間後まで投与してよい。いくつかの実施形態では、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)は、卵母細胞の採取時に投与してよい。いくつかの実施形態では、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)は、卵母細胞の採取時から、採取の1週間後まで投与してよい。いくつかの実施形態では、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)は、卵母細胞の採取時から、採取の2週間後まで投与してよい。いくつかの実施形態では、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)は、卵母細胞の採取時から、採取の3週間後まで投与してよい。いくつかの実施形態では、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)は、卵母細胞の採取時から、採取の4週間後まで投与してよい。いくつかの実施形態では、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)は、卵母細胞の採取時から、採取の5週間後まで投与してよい。いくつかの実施形態では、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)は、卵母細胞の採取時から、採取の6週間後まで投与してよい。いくつかの実施形態では、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)は、卵母細胞の採取時から、採取の7週間後まで投与してよい。いくつかの実施形態では、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)は、卵母細胞の採取時から、採取の8週間後まで投与してよい。いくつかの実施形態では、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)は、卵母細胞の採取時から、採取の9週間後まで投与してよい。いくつかの実施形態では、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)は、卵母細胞の採取時から、採取の10週間後まで投与してよい。いくつかの実施形態では、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)は、卵母細胞の採取時から、採取の11週間後まで投与してよい。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、黄体補充のために、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)を化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩(トリガー)の投与後に投与する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、黄体補充のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩(トリガー)の投与後に、エストラジオールを投与する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、黄体補充のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩(トリガー)の投与後に、プロゲストゲン(プロゲステロンなど)とエストラジオールを投与する。
黄体期補助のために、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている方法と使用法において、プロゲステロン(P4)の天然調製物(ジドロゲステロン、メドロゲステロン及びプロゲステロン自体を含む)を用いることを提供する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、P4は、経口、筋肉内(IM)または経膣投与してよい。IM用プロゲストゲン(プロゲステロンなど)は、ゴマ油、ヤシ油またはラッカセイ油において調製してよく、投与量は、50mgを1日に1回である。プロゲストゲン(プロゲステロンなど)の経腟製剤は、ゲル剤、座剤及び挿入剤を含め、いくつか存在する。Prometrium(登録商標)を膣用調製剤として用いてよく、推奨用量の200mgを1日に3回、膣に挿入する。膣用ゲル剤Crinone(登録商標)8%(Columbia Laboratories Inc.;Livingston,New Jersey)は、1日に1回適用してよく、90mgのプロゲストゲン(プロゲステロンなど)を含む。100ミリグラムのEndometrin(登録商標)(Ferring Pharmaceuticals Inc.;Suffern,New York)は、1日に2回または3回、経膣投与してよい。
本明細書に記載されている方法と使用法の特定の実施形態では、黄体期補助のために、低用量hCGを投与する。本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、黄体期補助のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩(トリガー)の後に、低用量hCGを投与する。本明細書に記載されている方法と使用法の特定の実施形態では、黄体期補助のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩(トリガー)の後に、低用量hCGをプロゲストゲン(プロゲステロンなど)と組み合わせて投与する。本明細書に記載されている方法と使用法の特定の実施形態では、黄体期補助のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩(トリガー)の後に、低用量hCGをエストラジオールと組み合わせて投与する。本明細書に記載されている方法と使用法の特定の実施形態では、黄体期補助のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩(トリガー)の後に、低用量hCGをプロゲストゲン(プロゲステロンなど)とエストラジオールと組み合わせて投与する。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、黄体期補助のために、低用量hCGを化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩と組み合わせて投与する。本明細書に記載されている方法と使用法の特定の実施形態では、黄体期補助のために、低用量hCGを化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩とプロゲストゲン(プロゲステロンなど)と組み合わせて投与する。本明細書に記載されている方法と使用法の特定の実施形態では、黄体期補助のために、低用量hCGを化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩とエストラジオールと組み合わせて投与する。本明細書に記載されている方法と使用法の特定の実施形態では、黄体期補助のために、低用量hCGを化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩とプロゲストゲン(プロゲステロンなど)とエストラジオールと組み合わせて投与する。
いくつかの実施形態では、女性にhCGトリガーを投与した後、黄体補充のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する。いくつかの実施形態では、女性にGnRHアゴニストトリガーを投与した後、黄体補充のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する。いくつかの実施形態では、女性にhCGトリガーとGnRHアゴニストトリガーの両方を投与した後、黄体補充のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する。いくつかの実施形態では、女性に化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩(トリガー)を投与した後、黄体補充のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する。いくつかの実施形態では、女性にGnRHアゴニストトリガーと化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩(トリガー)を投与した後、黄体補充のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する。いくつかの実施形態では、女性にhCGトリガーと化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩(トリガー)の両方を投与した後、黄体補充のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する。いくつかの実施形態では、女性にhCGトリガーとGnRHアゴニストトリガーと化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩(トリガー)を投与した後、黄体補充のために、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を投与する。
本明細書に記載されている方法と使用法のいくつかの実施形態では、黄体期補助のために、化合物1またはその製薬学的に許容可能な塩を化合物1の代謝物(化合物2またはその製薬学的に許容可能な塩など)と併用する。本明細書に記載されている方法と使用法の特定の実施形態では、黄体期補助のために、化合物1またはその製薬学的に許容可能な塩を複数回用量、例えば2用量使用する。本明細書に記載されている方法と使用法の特定の実施形態では、黄体期補助のために、化合物1の代謝物(化合物2またはその製薬学的に許容可能な塩など)を複数回用量、例えば2用量使用する。
化合物1またはその製薬学的に許容可能な塩の利点は、排卵のトリガーとして使用してよいのみならず、黄体期補助のために追加的なLHをもたらすために、1回以上再投与してよい点である。これにより、プロゲステロン注射及び補充の必要性を低減し得る。現在のARTプロトコールでは典型的に、GnRHアゴニストトリガーを用いた後、黄体期補助のために低用量hCGを用いるが、これにより、OHSSのリスクが上昇する。1回用量以上の化合物1またはその製薬学的に許容可能な塩を投与することによって、現在のARTプロトコールに存在するOHSSリスクを軽減することができるとともに、卵母細胞の成熟のトリガーとして及び/または黄体期補助としての役割を果たすことができる。複数回用量の化合物1またはその製薬学的に許容可能な塩は、血清中VEGFの増加を防止し、それにより、血液透過性を低下させることによって、OHSSリスクを軽減できる。
いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩をプロテアーゼインヒビターと組み合わせて投与する。特定のこのような実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩と、プロテアーゼインヒビターとの併用投与は、黄体期補助のためである。特定のこのような実施形態では、投与する製剤は、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩と、プロテアーゼインヒビターの両方を含む。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩とプロテアーゼインヒビターの両方を含む製剤は、即放型、除放もしくは持続放出型、または遅延放出型である。特定のこのような実施形態では、この製剤は、即放性プロファイルを示してよい。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩とプロテアーゼインヒビターの両方を含む製剤は、除放または持続放出性プロファイルを示してよい。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩とプロテアーゼインヒビターの両方を含む製剤は、遅延放出プロファイルを示してよい。いくつかの実施形態では、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を含む製剤は、プロテアーゼインヒビターを含む製剤とは別に投与する。本開示の方法と使用法で用いてよい考え得るプロテアーゼインヒビターとしては、4−(2−アミノエチル)ベンゼンスルホニルフルオリドヒドロクロリド(AEBSF)、EDTA、ベスタチン、E−64、ロイペプチン(ロイペプチンヘミサルフェートモノハイドレートなど)、アプロチニン、(2S,3S)−3−カルボキシオキシラン−2−カルボニル]−L−ロイシン(4−グアニジノブチル)アミドヘミハイドレート及び前記のいずれかの塩が挙げられるが、これらに限らない。
製剤、用量及び投与
本開示は、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩と、製薬学的に許容可能な賦形剤または担体とを含む製剤または医薬組成物であって、本明細書に開示されている方法と使用法で用いるための製剤または医薬組成物を提供する。ARTにおいて、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、1つ以上の製薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含む製剤または医薬組成物として投与してよい。化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の投与量は、ヒト女性対象の体重、年齢及び病状によって変動し得る。本発明で使用する化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の治療上有効な量は、投与方法、選択した薬剤及び女性ヒト対象の状態に応じて変動し得る。
−20℃で保存及び再構成しなければならない多くのペプチド薬とは対照的に、化合物1またはその製薬学的に許容可能な塩は、4℃で安定しており、4℃で保存してよい。
本開示の製剤は、様々な放出速度(即放、除放もしくは持続放出、または遅延放出)となるように調合してよい。いくつかの実施形態では、本開示の製剤は、即放性プロファイルを示してよい。いくつかの実施形態では、本開示の製剤は、除放または持続放出性プロファイルを示してよい。いくつかの実施形態では、本開示の製剤は、遅延放出プロファイルを示してよい。
本開示の製剤の担体または賦形剤は、賦形剤のブレンドであってよく、本開示の製剤の有効性を最適化できる量であってよい。賦形剤としては、例えば、様々な有機または無機の賦形剤または担体物質が挙げられる。
化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を含む製剤は、注射によって、例えば、静脈内(IV)、筋肉内(IM)または皮下(SC)投与してよい。いくつかの実施形態では、注射はIMである。別の実施形態では、注射はSCである。いくつかの実施形態では、SC注射はボーラスである。いくつかの実施形態では、SC注射は注入である。注射には典型的には、個別的な量の液体組成物を皮下注射針及びシリンジまたは当該技術分野において知られているその他の注射器具によって送達することが伴う。注射の例としては、注入及び静脈内器具も挙げてよい。注射は、即座に、またはある期間にわたって行ってよい。
化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩を含む注射投与製剤は、ビヒクルまたは担体としての水または油ベースであってよい。ビヒクルまたは担体の例としては、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、コーン油、オリーブ油、植物油、綿実油、コーン油などが挙げられるが、これらに限らない。いくつかの実施形態では、ビヒクルまたは担体は、注射用水である。あるいは、注射投与製剤は、乳剤、懸濁剤または液剤の形態を取ってよい。注射投与製剤は、分散剤、溶解助剤、懸濁化剤、安定剤、界面活性剤、可溶化剤、界面活性剤、緩衝剤、等張化剤、pH調整剤及び無痛化剤のような他の成分を有してよい。好適な分散剤としては、Tween80(登録商標)(Atlas Powder Company USA)、HCO60(商標)(Nikko Chemicals Co.,Ltd.)、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムアルギネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストロース及びデキストリンが挙げられるが、これらに限らない。いくつかの実施形態では、分散剤はデキストロースである。好適な安定剤としては、アスコルビン酸及びナトリウムピロサルファイトが挙げられるが、これらに限らない。好適な界面活性剤としては、ポリソルベート80及びマクロゴールが挙げられるが、これらに限らない。好適な可溶化剤としては、グリセリン及びエタノールが挙げられるが、これらに限らない。好適な緩衝剤としては、リン酸またはそのアルカリ金属塩、クエン酸またはそのアルカリ金属塩、アセテート及びカーボネートが挙げられるが、これらに限らない。好適な等張化剤としては、ナトリウムクロリド、グリセリン、カリウムクロリド、マンニトール、ソルビトール、グリセロール及びグルコースが挙げられるが、これらに限らない。いくつかの実施形態では、等張化剤はマンニトールである。好適なpH調整剤としては、塩酸、酢酸及びナトリウムヒドロキシドが挙げられるが、これらに限らない。いくつかの実施形態では、pH調整剤は酢酸である。好適な保存剤としては、エチルp−オキシベンゾエート、安息香酸、メチルパラベン、プロピルパラベン及びベンジルアルコールが挙げられるが、これらに限らない。好適な可溶化剤としては、濃グリセリン及びメグルミンが挙げられるが、これらに限らない。好適な溶解助剤としては、プロピレングリコール及びサッカロースが挙げられるが、これらに限らない。好適な無痛化剤としては、グルコース及びベンジルアルコールが挙げられるが、これらに限らない。溶解助剤の例としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、ベンジルベンゾエート、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、ナトリウムカーボネート、ナトリウムシトレートなどが挙げられる。懸濁化剤の例としては、ステアリルトリエタノールアミン、ナトリウムラウリルサルフェート、ラウリルアミノプロピオネート、レシチン、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、グリセリンモノステアレートなどのような界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのような親水性ポリマーが挙げられる。用いてよい他の賦形剤としては、例えば、ラクトース、スクロース、デンプン、コーンスターチ、結晶性セルロース、無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。
保存剤、抗酸化剤及び着色剤のようなその他の添加剤も用いてよい。考え得る保存剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられるが、これらに限らない。考え得る抗酸化剤としては、サルファイト、アスコルビン酸などが挙げられるが、これらに限らない。考え得る着色剤としては、酸化第二鉄が挙げられるが、これらに限らない。
いくつかの実施形態では、本開示の注射製剤は、化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩、マンニトール、酢酸及び注射用水を含む。特定のこのような実施形態では、この製剤はさらに、グルコース及び/またはデキストロースを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の注射製剤は、pH調整剤を加えることによって、pH2〜12、好ましくは2.5〜8.0に調整してよい。
注射投与製剤での投与量は、ART(IVF、ICSI、卵母細胞の提供、卵母細胞バンキング、ヒト女性対象が性交渉またはIUIによって妊娠できるようにする月経周期調節、排卵誘導及び/またはETプロセスなど)において、卵子の成熟を促すのに有効な量であってよい。いくつかの実施形態では、本開示の注射製剤は、単回用量として投与してよい。いくつかの実施形態では、成熟卵母細胞の排出と採取が望ましいとき(トリガーフェーズ、卵巣からの卵母細胞の採取前、IVF、ICSI、卵母細胞の提供、卵母細胞バンキング、ヒト女性対象が性交渉またはIUIによって妊娠できるようにする月経周期調節、及び子宮への受精胚の移植の際など)に、注射を行ってよい。いくつかの実施形態では、本開示の注射製剤は、単回用量として投与してよい。いくつかの実施形態では、本開示の注射製剤は、分割用量として投与してよい。いくつかの実施形態では、本開示の注射製剤を2用量投与してよい。いくつかの実施形態では、2回目の注射用量は、初回用量の投与から約8〜約60時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、本開示の注射製剤を3用量投与してよい。いくつかの実施形態では、3回目の注射用量は、2回目の用量の投与から約8〜約60時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の注射用量を投与してから、1〜5回の追加の注射用量を投与する。3回目の注射用量を投与してから、1〜5回の追加の注射用量を投与するいくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量の投与は、その前の用量を投与してから約8〜約60時間以内である。
化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、デポー製剤で投与してもよい。注射デポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリド、ポリ(オルトエステル)、ポリ(アンハイドライド)及び(ポリ)グリコール(PEGなど)のような生分解性ポリマーにおいて薬物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって作製してよい。ポリマーに対する薬物の比率と、用いる具体的なポリマーの性質に応じて、薬物放出速度を制御してよい。注射デポー製剤は、体の組織と適合するリポソームまたはマイクロエマルジョンに薬物を封入することによって調製してもよい。
本開示の注射製剤は、例えば、使用直前に、細菌保持フィルターでろ過することによって、または滅菌水もしくはその他の注射用滅菌媒体に溶解もしくは分散し得る無菌の固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって滅菌してよい。
化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩は、鼻腔内製剤で投与してもよい。この製剤は、鼻孔内に噴霧できるように、液体の形態を取ってよいが、鼻腔内クリームのような半固体製剤も可能であり得る。液体の鼻腔内製剤は、液剤、懸濁剤または乳剤の形態を取ってよく、水性であっても非水性であってもよい。当該技術分野において知られている方法に従って、注射用剤形に関して上で列挙した成分を用いて、鼻腔内製剤を調製してもよい。
化合物1、その代謝物または前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩の鼻腔内投与量は、ART(IVF、ICSI、卵母細胞の提供、卵母細胞バンキング、ヒト女性対象が性交渉またはIUIによって妊娠できるようにする月経周期調節もしくは排卵誘導及び/またはETプロセスなど)において、卵子の成熟を促すのに有効な量であってよい。いくつかの実施形態では、本開示の鼻腔内製剤は、単回用量で投与してよい。いくつかの実施形態では、成熟卵母細胞の放出と採取が望ましいとき(トリガーフェーズ、卵巣からの卵母細胞の採取前、IVF、ICSI、卵母細胞の提供、卵母細胞バンキング、ヒト女性対象が性交渉またはIUIによって妊娠できるようにする月経周期調節、ならびに子宮への受精胚の移植の際など)に、鼻腔内投与を行ってよい。いくつかの実施形態では、本開示の鼻腔内製剤は、単回用量で投与してよい。いくつかの実施形態では、本開示の鼻腔内製剤は、分割用量で投与してよい。いくつかの実施形態では、本開示の鼻腔内製剤を2用量投与してよい。いくつかの実施形態では、初回用量の投与から約8〜約60時間以内に、2回目の鼻腔内用量を投与する。いくつかの実施形態では、本開示の鼻腔内製剤を3用量投与してよい。いくつかの実施形態では、2回目の用量の投与から約8〜約60時間以内に、3回目の鼻腔内用量を投与する。いくつかの実施形態では、3回目の鼻腔内用量を投与してから、1〜5回の追加の鼻腔内用量を投与する。3回目の鼻腔内用量を投与してから、1〜5回の追加の鼻腔内用量を投与するいくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量の投与は、その前の用量を投与してから約8〜約60時間以内である。
加えて、必要な場合、保存剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤などのような従来の添加剤を好適な量で、あらゆる剤形において、適切に用いてよい。考え得る保存剤としては、例えば、p−ヒドロキシベンゾエート、パラオキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸、エチルp−オキシベンゾエート、安息香酸、メチルパラベン、プロピルパラベンなどが挙げられる。考え得る抗酸化剤としては、例えば、サルファイト、アスコルビン酸、α−トコフェロールなどが挙げられる。
化合物1と、その製薬学的に許容可能な塩を含む剤形は、例えば、米国特許出願公開第2012/0302508号、同第2013/0210742号、同第2011/0312898号及び同第2011/0212890号に開示されており、その開示内容は、参照により、本明細書に援用される。これらの刊行物には、化合物1の様々な適応と最終用途も開示されている。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.001mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.001mg〜約0.003mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00003mg〜約0.0003mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00003mg〜約0.003mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00003mg〜約0.00006mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00003mg〜約0.00009mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00003mg〜約0.00015mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00003mg〜約0.0006mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00003mg〜約0.0009mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00003mg〜約0.0015mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00003mg〜約0.006mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00003mg〜約0.009mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00003mg〜約0.015mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0003mg〜約0.0006mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0003mg〜約0.0009mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0003mg〜約0.0015mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0003mg〜約0.006mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0003mg〜約0.009mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0003mg〜約0.015mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.003mg〜約0.006mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.003mg〜約0.009mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.003mg〜約0.015mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0003mg〜約0.003mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0006mg〜約0.003mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0009mg〜約0.003mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0015mg〜約0.003mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00006mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00009mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00015mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0006mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0009mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0015mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.006mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.009mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.015mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00003mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0003mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.003mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.00005mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0005mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.005mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.010mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.0001mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1を約0.001mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1の代謝物(化合物2など)を約0.00002mg〜約0.020mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1の代謝物(化合物2など)を約0.001mg〜約5mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1の代謝物(化合物2など)を約0.00002mg〜約0.002mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1の代謝物(化合物2など)を約0.0002mg〜約0.002mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1の代謝物(化合物2など)を約0.00002mg〜約5mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、化合物1の代謝物(化合物2など)を約0.0002mg〜約0.020mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量含む。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、単回用量で投与してよい。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、分割用量で投与してよい。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、初回用量で、黄体期補助を行う。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、初回用量で、卵母細胞の成熟のトリガーとなる。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、2用量投与してよい。本開示の製剤または医薬組成物は、2回目の用量によって、一部の女性において、卵母細胞の生存性と妊娠率を向上させることができる。さらに、2回目の用量は、充分なLHサージをもたらして、成熟卵母細胞を得るために必要となる場合があり、卵母細胞の提供及び卵母細胞バンキング、ならびにIVF/ICSIサイクルの両方で投与することができる。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、黄体期補助のために必要となる場合がある。特定のこのような実施形態では、2回目の用量は、胚の新鮮胚移植を伴うARTプロトコールで必要となる場合がある。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約8〜約60時間以内に投与する。特定のこのような実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約8〜約12時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約8〜約16時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約8〜約24時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約8〜約32時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約8〜約40時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約8〜約48時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約8〜約54時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約12〜約16時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約12〜約24時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約12〜約32時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約12〜約40時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約12〜約48時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約12〜約54時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約24〜約36時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約24〜約48時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約24〜約60時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約36〜約48時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約36〜約60時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、2回目の用量は、初回用量の投与から約48〜約60時間以内に投与する。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、3用量投与してよい。いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、3回目の用量で、黄体期補助を行う。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約8〜約60時間以内に投与する。特定のこのような実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約8〜約12時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約8〜約16時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約8〜約24時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約8〜約32時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約8〜約40時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約8〜約48時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約8〜約54時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約12〜約16時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約12〜約24時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約12〜約32時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約12〜約40時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約12〜約48時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約12〜約54時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約24〜約36時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約24〜約48時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約24〜約60時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約36〜約48時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約36〜約60時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量は、2回目の用量の投与から約48〜約60時間以内に投与する。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤または医薬組成物は、3回目の用量を投与してから、1〜5回の追加用量を投与する。いくつかの実施形態では、3回目の用量での本開示の製剤または医薬組成物の後に投与する1〜5回の追加用量での本開示の製剤または医薬組成物は、黄体期補助を行う。いくつかの実施形態では、3回目の用量での本開示の製剤または医薬組成物の後に投与する1〜5回の追加用量での本開示の製剤または医薬組成物は、卵母細胞の採取後に投与する。本開示の製剤または医薬組成物を3回目の用量で投与してから、1〜5回の追加用量を投与するいくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量の投与は、その前の用量を投与してから約8〜約60時間以内である。特定のこのような実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約8〜約12時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約8〜約16時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約8〜約24時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約8〜約32時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約8〜約40時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約8〜約48時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約8〜約54時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約12〜約16時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約12〜約24時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約12〜約32時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約12〜約40時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約12〜約48時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約12〜約54時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約24〜約36時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約24〜約48時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約24〜約60時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約36〜約48時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約36〜約60時間以内に投与する。いくつかの実施形態では、1〜5回の追加用量は、その前の用量の投与から約48〜約60時間以内に投与する。
以下は、本開示の実施形態の実施例であり、限定するものとして解釈すべきではない。
図面と実施例の全体を通じて、「API−FB」という用語は、化合物1の遊離形態を指す目的で用いられている。「API−MA」という用語は、化合物1のモノアセテート塩形態を指す目的で用いられている。
加えて、図面と実施例の全体を通じて、用いられている投与量は、製剤に存在するAPI−FBの量を指す。API−FBの量の算出方法は、API−FBとAPI−MAとの分子量の違いを考慮すれば、当業者には明らかであろう。例えば、10.0mgのAPI−FBは、10.5mgのAPI−MAに相当することになる。
実施例で言及されているベースラインレベルは、本開示の化合物を1回用量以上投与する前の個体のホルモンレベルを指す。
一連の薬理試験において、API−MAの活性をインビトロ及びインビボで調べた。
インビトロレセプター結合試験によって、API−MAは、ヒトKISS1Rに対する親和性が高く、平均IC50値が230ピコモル/Lであることが示された。ヒトGPR54−カルシウム動員アッセイでは、API−MAのアゴニスト活性の濃度は、50%効果濃度(EC50)を266ピコモル/Lとする濃度であった。キスペプチン(45−54)のEC50は、314ピコモル/Lであった。
実施例1:インビトロでの薬理
KISS1Rに対するAPI−MAの結合親和性:競合結合アッセイにおいて、KISS1R発現組み換え細胞の膜画分へのAPI−MAの結合親和性を調べた。様々な濃度のAPI−MAと125I−キスペプチン(45−54)を、ラット、イヌ、サル及びヒトKISS1R発現組み換え細胞の膜画分とともにインキュベートした。
レセプター結合試験の結果から、試験した種によって、KISS1Rに対するAPI−MAの結合親和性は異なり、IC50値は、230〜870ピコモル/Lの範囲であったことが示された。ヒトKISS1R発現組み換えチャイニーズハムスター卵巣細胞(細胞株h175−KB34)では、API−MAのIC50値は、キスペプチン(45−54)(キスペプチンのC末端の10個のアミノ酸残基ペプチド)のIC50値よりも約2.5倍高く、キスペプチン(45−54)のIC50値が93ピコモル/Lであったのに対して、API−MAのIC50値は230ピコモル/Lであった。
実施例2:API−MAが、KISS1R発現チャイニーズハムスター卵巣細胞の細胞内Ca2+レベルに及ぼす作用
蛍光イメージングプレートリーダーアッセイを行うことによって、API−MAが、KISS1R発現組み換え細胞の細胞内Ca2+動員に及ぼす作用を評価した。API−MAは、ラット、イヌ、サルまたはヒトKISS1R発現チャイニーズハムスター卵巣ジヒドロ葉酸レダクターゼ陰性細胞の細胞内Ca2+レベルを濃度依存的に上昇させた。API−MAのEC50値は、ラット型レセプター発現細胞では632ピコモル/L、イヌ型レセプター発現細胞では2010ピコモル/L、サル型レセプター発現細胞では74.0ピコモル/L、ヒト型レセプター発現細胞では266ピコモル/Lであった。対照化合物のキスペプチン(45−54)では、EC50値は、ラット型では310ピコモル/L、イヌ型では1680ピコモル/L、サル型では78.7ピコモル/L、ヒト型では314ピコモル/Lであった。キスペプチン(45−54)のEC50値に対するAPI−MAのEC50値の比率は、ラット型レセプターを発現している細胞では2.0、イヌ型レセプターを発現している細胞では1.2、サル型レセプターを発現している細胞では0.94、ヒト型レセプターを発現している細胞では0.85であった。これらの結果から、KISS1Rに対するAPI−MAのアゴニスト活性は、キスペプチン(45−54)のアゴニスト活性と同様に強力であることが示唆されている。
副次的薬理:一連の127個の酵素及び放射線リガンド結合アッセイでは、10μモル/LのAPI−MAによっては、示されている酵素及びレセプター結合アッセイにおいて、いずれの有意な阻害作用も見られなかった。
実施例3:動物における薬物動態と薬物代謝
API−MAのPKをラット、イヌ及びサルにおいて調べた。API−MAは、SC投与後、速やかに吸収され、API−MAのバイオアベイラビリティは、すべての種において良好であった(55%超)。
インビトロ分布及び代謝試験:血液細胞への[14C]API−MAのインビトロ分布比は、ラットでは、0.01μg/mLのAPI−FB(遊離形態)という濃度で7.8%、0.1μg/mLのAPI−FB(遊離形態)という濃度で8.0%、1μg/mLのAPI−FB(遊離形態)という濃度で7.1%、及び10μg/mLのAPI−FB(遊離形態)という濃度で4.8%、イヌでは、0.01μg/mLのAPI−FB(遊離形態)という濃度で2.4%、0.1μg/mLのAPI−FB(遊離形態)という濃度で2.0%、1μg/mLのAPI−FB(遊離形態)という濃度で1.6%及び10μg/mLのAPI−FB(遊離形態)という濃度で1.2%、ヒトでは、0.01μg/mLのAPI−FB(遊離形態)という濃度で2.0%、0.1μg/mLのAPI−FB(遊離形態)という濃度で0.0%、1μg/mLのAPI−FB(遊離形態)という濃度で0.0%及び10μg/mLのAPI−FB(遊離形態)という濃度で0.5%であった。これらの結果によって、ラット、イヌ及びヒトにおいて、血液細胞へのAPI−FBの分布比は低く、0.01〜10μg/mLのAPI−FBという濃度範囲においてほぼ一定であったことが示された。ラット、イヌ、サル及びヒトにおける[14C]API−FBのインビトロ血漿タンパク質結合比率を超遠心分離法によって割り出した。加えて、ヒト血清アルブミン(HSA)、α−酸性糖タンパク質(AGP)及びHSA/AGPに対するタンパク質結合を調べた。この試験から得られた結果によって、API−FBの血漿タンパク質結合は、調べたすべての種において、中程度(55.3%〜73.3%の範囲)であったことが示された。ラットとイヌでは、0.1〜1.0μg/mLのAPI−FBという濃度範囲において、やや低い結合比率が観察された。サルとヒトでは、結合は、0.01〜10μg/mLのAPI−FBという薬物濃度とは無関係であった。HSA/AGP混合物における結合比率は、ヒト血漿におけるよりも低く、ヒト血漿とは異なり、その比率は、濃度依存的に低下する傾向があったことから、API−FBが、アルブミンとα−酸性糖タンパク質のみならず、ヒト血漿中の他のタンパク質(複数可)にも結合したことが示唆されている。
組み換えCYPを用いて、API−MAによるCYPの阻害をインビトロで評価した。そのデータ(IC50値>10μg/L)によって、API−MAが、CYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6またはCYP3A4のインヒビターである可能性が低いことが示されている。
ラットにおける薬物動態:SC及びIV投与後のラットにおいて、API−MAのPKを試験した。ラットにおけるAPI−MAのPKプロファイルは、表1にまとめられている。
API−MAを1mg/kg及び10mg/kgの用量でSC投与後、血漿におけるAPI−FBの最高血漿中観察濃度(Cmax)の上昇は、用量比例性を下回った(約2.3倍の上昇)。平均値は、1mg/kgでは381.3ng/mL、10mg/kgでは284.6ng/mLであった。一方、10mg/kgをSC投与後のAPI−FBの0〜24時間の血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC(0−24))の増大は、1mg/kgで観察された値の2.5分の1未満であった。10mg/kgの用量における平均値は309ng.hr/mLで、1mg/kgの用量における平均値は804ng.hr/mLであった。ラットにおけるCmaxとAUC値が用量に比例しない理由は不明である。しかしながら、最高血漿中観察濃度到達時間(Tmax)は、すべての試験用量において概ね一定で、その値は、0.3〜0.9時間であった。データポイント数が限られていたので、最終消失半減期(T1/2)は求めなかった。
API−MAを1mg/kgの用量でIV投与後、5分時点の血漿中濃度(C5min)は2672.3ng/mLであった。その後、濃度は二相性に低下し、α相において、T1/2は0.5時間であった。データポイント数が限られていたので、β相のT1/2は算出しなかった。AUC(0−24)値は、1457ng.hr/mLであった。
ラットにおいて1mg/kgのAPI−MAをSC投与した場合のバイオアベイラビリティは良好であった(55.3%)。
IV投与後のラットにおいて、API−MAのPK線形性も調べた。血漿中C5minとAUC(0−24)の値は、用量比例的に上昇した。血漿中C5minの値は、0.01mg/kgの用量で24.1ng/mL、0.1mg/kgの用量で250.0ng/mL、1mg/kgの用量で2577.8ng/mLであったとともに、AUC(0−24)の値は、0.01mg/kgの用量で14ng.hr/mL、0.1mg/kgの用量で140ng.hr/mL、1mg/kgの用量で1390ng.hr/mLであった。消失T1/2値は、0.01mg/kgと0.1mg/kgにおいて0.4時間、1mg/kgにおいて0.5時間であった。これらの知見から、0.01〜1mg/kgの用量範囲にわたって、単回IV投与後のラットにおいて、API−FBのPKは線形であったことが示されている。SC投与による初回通過動態が、用量比例性を上回って増大すると、SC投与後のラットにおける非線形のPKが示されることになる。
Figure 0006982621
14C]API−MAを1.049mg/kgで(1mg/kgのAPI−FB)単回IV投与後、雄の白色ラットと有色ラットの組織における放射活性物の濃度を調べた。この試験結果によって、API−MA関連の化合物が組織内に広く分布したとともに、濃度は、腎臓と膀胱を除く大半の組織において、血漿中よりも低かったことが示された。API−MAをIV投与後、白色ラットで測定された放射活性は、すべての組織から速やかに消失した。API−MA関連の化合物は、インビボにおいて、メラニンに対する親和性がほとんどないことも示された。
2回の試験において、[14C]API−MAを1.049mg/kg(1mg/kgのAPI−FB)で雄スプラーグドーリーラットに単回SCまたはIV投与後、投与した放射活性物の尿中、糞中、胆汁中及び呼気中排泄を調べた。
最初の試験では、尿中、糞中及び胆汁中排泄を調べた。SCまたはIV投与後、API−MAは主に尿(SC投与で84.7%、IV投与で76.6%)に排泄された後、投与後24時間の時点に、胆汁(SC投与で15.5%、IV投与で20.7%)と糞(SC投与で0.2%、IV投与で0.3%)に排泄された。
2回目の試験では、尿中、糞中及び呼気中排泄を調べた。SCまたはIV投与後、API−MAは、投与後48時間の時点に、主に尿(SC投与で78.1%、IV投与で70.0%)と糞(SC投与で20.4%、IV投与で28.2%)に排泄された。呼気による排泄は最小限であった。この試験結果から、[14C]API−MAをラットにSCまたはIV投与後、排泄は、投与後48時間までにほぼ完了したことも示されている。
イヌにおける薬物動態:SC及びIV投与後のイヌにおいて、API−MAのPKを試験した。イヌにおけるAPI−MAのPKプロファイルは、下記の表2にまとめられている。
API−MAをイヌにSC投与後、血漿中CmaxとAUC(0−24)の値は、0.1〜10mg/kgの用量範囲にわたって、用量比例的に上昇した。血漿中Cmax値は、0.1mg/kgの用量で86.6ng/mL、1mg/kgの用量で882.7ng/mL、10mg/kgの用量で8842.5ng/mLであったとともに、血漿AUC(0−24)値は、0.1mg/kgの用量で252ng.hr/mL、1mg/kgの用量で2596ng.hr/mL、10mg/kgの用量で28,626ng.hr/mLであった。血漿中Tmax値は、試験した用量において、0.8〜1.0時間以内であった。
API−MAを1mg/kgの用量でボーラスIV投与後、血漿中C5min値は4254.4ng/mLであったとともに、濃度は、三相の経時変化で低下した。消失T1/2値は3.0時間であった。AUC(0−24)値は3093ng.hr/mLであった。
SC投与後のAPI−MAのバイオアベイラビリティは良好で、推定値は、0.1mg/kgの用量で81.5%、1mg/kgの用量で84.0%、10mg/kgの用量で92.7%であった。
これらの結果に基づき、SC投与したAPI−MAは、吸収前に、わずかに初回通過動態を受けるが、API−MAは、イヌにおいて充分に吸収され、API−MAのPKは、0.1〜10mg/kgの用量範囲において、用量比例的な上昇を示した。
Figure 0006982621
サルにおける薬物動態:SC及びIV投与後のサルにおいて、API−MAのPKを試験した。サルにおけるAPI−MAのPKプロファイルは、下記の表3にまとめられている。
サルにSC投与後、CmaxとAUC(0−24)の値は、0.1〜10mg/kgの用量範囲にわたって、用量比例的に上昇した。血漿中Cmax値は、0.1mg/kgの用量で122.6ng/mL、1mg/kgの用量で1323.4ng/mL、10mg/kgの用量で12,089.6ng/mLであったとともに、血漿中AUC(0−24)の値は、0.1mg/kgの用量で295ng.hr/mL、1mg/kgの用量で2791ng.hr/mL、10mg/kgの用量で31,576ng.hr/mLであった。Tmax値は、試験した用量において、0.3〜0.4時間以内であった。Cmaxに到達後、濃度は低下した。IV投与後には、多重指数的な低下が認められ、平均最終消失T1/2は約2.6時間で、これは、IV投与後に観察された値と同程度であった。SC投与後、急な分布相は明らかには認められなかった。SC注射部位からのAPI−MAの吸収が遅いことによって、分布相が部分的に隠されたためである。
API−MAを1mg/kgの用量でボーラスIV投与後、血漿中C5min値は、5027.0ng/mLであったとともに、濃度は、三相の経時変化で低下した。消失T1/2値は、3.2時間であった。AUC(0−24)値は、3160ng.hr/mLであった。
API−MAのSCバイオアベイラビリティは良好で、値は、0.1mg/kgの用量で94.9%、1.0mg/kgの用量で90.1%、10mg/kgの用量で101.9%であった。
これらの結果から、API−MAがサルにおいて充分に吸収されたことと、SC投与すると、API−MAが、吸収前、最小限の初回通過効果を受けたか、または初回通過効果受けなかったことが示されている。サルにおいて、API−MAのPKは、0.1〜10mg/kgの用量範囲で、用量比例的な上昇が見られた。
Figure 0006982621
薬物動態と産物代謝:適宜、API−MAの投与後の血漿中及び尿中API−MAについて、下記のPKパラメーターがまとめられている。
max:最高観察血漿中濃度
max:Cmax到達時間
ss:定常状態血漿中濃度
AUC(0−24):0時点〜24時間時点の血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC)
AUC(0−inf):0時点〜無限大時間のAUC
1/2:最終消失半減期
CL/F:見かけクリアランス(皮下[SC]投与後)
Fe:尿中に排泄された用量の割合
実施例4:試験の概要
単回用量のPK−概要:日本人男性において、API−MAへの全身暴露量(Cmax及びAUC(0−inf)として測定)は、調べた単回用量範囲(0.001〜0.5mg)にわたって、用量比例的に上昇した。平均CL/Fは、13.7〜19.8L/時の範囲であった。SCボーラス投与のAPI−MAのTmax中央値は、0.375〜0.750時間の範囲であったことから、API−MAがSC投与部位から速やかに全身へ取り込まれることが示唆されている。概して、平均T1/2値は、用量の増加に伴って上昇した。これは、API−MA濃度が、アッセイの定量限界未満であった結果、低用量のAPI−MAの投与後、T1/2と、このパラメーターの見かけ用量依存性が過小評価されたことに起因し得る。試験した最高用量(0.25mg及び0.5mg)では、平均T1/2は、3.77〜4.27時間であった。0.004〜0.5mgの用量において、平均Feは、投与用量の4.24%〜7.10%の範囲であった。
欧州人男性において行った、API−MAの第1相試験から得たPKデータに基づくと、0.001mg〜0.3mgの単回SC投与後と、1mg、3mg及び6mgの2時間SC注入後、AUC(0−inf)は、用量比例的に上昇した。API−MAの単回SCボーラス投与後と2時間注入後、CL/F値は、18.9〜27.1L/時の範囲であった。SCボーラス投与のAPI−MAのTmax中央値は、0.5〜0.750時間の範囲であったことから、API−MAがSC投与部位から速やかに全身へ取り込まれることが示され、この値は、この試験で評価したSC用量範囲にわたって、用量依存的ではなかった。試験した最高用量(3mg及び6mg)では、平均T1/2は約5.2時間で、概ね、用量の増加に伴って延長した。0.003〜6mgの用量において、Feは、投与用量の3.09%〜5.40%の範囲であった。
複数回用量のPK−概要:API−MAを長期(13日連続)SC注入した第1相試験では、API−MAのCssは、見かけ上、用量比例的に上昇し、平均CL/F値は、評価した用量範囲(0.01〜1mg)にわたって、17.7〜20.6L/時の範囲であった。ホルモンナイーブな日本人前立腺癌患者の試験では、API−MAは、0.5または1.0mg/日の用量で、2時間SC注入として14日間投与した。API−MAの血漿中濃度は上昇し、注入終了直後にCmaxに到達した後、低下し、平均T1/2値は、両方の用量で、1日目と14日目の両方において、約3〜4時間であった。API−MA暴露量は、SC注入によって、0.5mg/日と1.0mg/日の用量において、概ね用量比例的に増加した。14日間、複数回SC投与後、API−MAの蓄積は観察されなかった。
1カ月のデポー注射の概要:別の試験では、GnRHアゴニスト療法を受けているか、またはGnRHアゴニスト療法を今後受ける可能性のある候補であるかのいずれかであった前立腺癌患者に、6mg、12mgまたは24mgのいずれかを単回1カ月のデポー注射として投与した(投与群当たりのN=3)。デポー注射の投与から数時間以内に、API−MA薬物濃度の高バースト的放出が観察された。AUC(0−24)は、0時点から最終定量可能時間までの観察濃度から得た血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC(0−tlqc))の60%超を構成していたことから、バースト相の間に、製剤から薬物が有意に放出されたことが示されている。その後の数日間にわたって、非常に低レベルの薬物濃度が見られ、その後、ゆっくり上昇したが、これは、製剤から遅延放出と徐放が行われるという推定と一致していた。いずれのケースにおいても、API−MAは、投与から8週間後までに検出できなくなった。
単回用量のAPI−MAの薬物動態:この試験は、日本で、無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間漸増用量試験として行って、単回SCボーラス(0.001〜0.5mg)投与または2時間SC注入(0.25〜0.5mg)(テストステロンレベルを刺激すると見られる)の後のAPI−MAの安全性、血漿及び尿中のPK、ならびに内分泌のPD作用を評価した。50〜74歳の健常な日本人男性対象37人を9つのコホートに登録した。最初の7つのコホートに登録した対象に、0.001mg、0.004mg、0.01mg、0.04mg、0.1mg、0.25mgもしくは0.5mgのAPI−MAまたはプラセボを単回SCボーラスによって投与した。0.001mgコホートでは、3人の対象にAPI−MAを投与し、2人にプラセボを投与した。残りのコホートでは、3人の対象にAPI−MAを投与し、1人にプラセボを投与した。第8及び第9コホートに登録した対象には、0.25mgもしくは0.5mgのAPI−MAまたはプラセボを単回の2時間SC注入によって投与した。両方のコホートにおいて、3人の対象にAPI−MAを投与し、1人にプラセボを投与した。血漿中PK解析セットは、31人の対象(ボーラスコホート:25人、注入コホート:6人)で構成させ、尿中PK解析セットは、35人の対象(ボーラスコホート:27人、注入コホート:8人)で構成させた。
SCボーラスコホートの対象におけるAPI−MAの血漿中濃度を測定するために、投与前、投与の0.083時間後、投与の0.25時間後、投与の0.5時間後、投与の0.75時間後、投与の1時間後、投与の2時間後、投与の3時間後、投与の4時間後、投与の6時間後、投与の8時間後、投与の12時間後、投与の16時間後、投与の24時間後、投与の36時間後、投与の48時間及び投与後72時間という名目時間に、血液検体を採取した。API−MAの尿中排泄を測定するために、投与前、投与の0〜4時間後、投与の4〜8時間後、投与の8〜12時間後、投与の12〜24時間後、投与の24〜36時間後、投与の36〜48時間及び投与の48〜72時間後という名目時間に、尿検体を採取した。
SC注入コホートの対象におけるAPI−MAの血漿中濃度を測定するために、投与前、注入開始の0.25時間後、注入開始の0.5時間後、注入開始の1時間後、注入開始の2時間後、注入開始の2.25時間後、注入開始の2.5時間後、注入開始の2.75時間後、注入開始の3時間後、注入開始の4時間後、注入開始の5時間後、注入開始の6時間後、注入開始の8時間後、注入開始の10時間後、注入開始の14時間後、注入開始の24時間後、注入開始の36時間後、注入開始の48時間後及び注入開始の72時間という名目時間に、血液検体を採取した。API−MAの尿中排泄を測定するために、投与前、注入開始の0〜4時間後、注入開始の4〜8時間後、注入開始の8〜12時間後、注入開始の12〜24時間後、注入開始の24〜36時間後、注入開始の36〜48時間及び注入開始の48〜72時間後という名目時間に、尿検体を採取した。
SCボーラスによって投与した単回用量のAPI−MAと、2時間SC注入によって投与した単回用量のAPI−MAにおけるにおける血漿及び尿中の平均PKパラメーター値は、下記の表4に列挙されている。
Figure 0006982621
API−MAの単回SCボーラス後、API−MAへの全身暴露量(CmaxとAUC(0−inf)として測定)は、調べた用量範囲(0.001〜0.5mg)にわたって、用量比例的に上昇した。パワーモデルをそのデータにフィッティングすることによって、用量比例性を形式的に評価した。冪指数の点推定は、Cmaxでは1.023(95%信頼区間[CI]:0.970〜1.076)、AUC(0−inf)では1.027(95%CI:0.979〜1.075)であった。0.5mgのAPI−MAを2時間SC注入後のCmaxとAUC(0−inf)の平均値は、SCボーラス後の平均値と同程度であった(Cmaxは9050pg/mLに対して8230pg/mL、AUC(0−inf)は29970hr・pg/mLに対して34650hr・pg/mL)。0.25mg注入コホートの対象は1人のみであったことに留意されたい。API−MAの単回ボーラス投与後と2時間SC注入後、平均CL/Fは、13.7〜19.8L/時の範囲であった。
SCボーラス投与のAPI−MAのTmax中央値は、0.375〜0.750時間の範囲であったことから、API−MAがSC投与部位から速やかに全身へ取り込まれたことが示唆されている。API−MAの速やかな取り込みは、用量依存的ではないようであった。
概して、平均T1/2値は、用量の増加に伴って延長した。これは、API−MA濃度が、アッセイの定量限界未満であった結果、低用量のAPI−MAの投与後、T1/2と、このパラメーターの見かけ用量依存性が過小評価されたことに起因し得る。試験した最高用量(0.25mg及び0.5mg)では、平均T1/2は、3.77〜4.27時間であった。
0.001mgのAPI−MAを単回SCボーラス後、尿中ではAPI−MAは検出されなかった。用量の多いボーラスコホートと注入コホート(0.004〜0.5mg)にわたり、平均単回用量Feは、API−MAの投与用量の4.24%〜7.10%の範囲であった。API−MAの累積的尿中排泄量のプロットにより、排泄が本質的に24時間までに完了したことが示された。
実施例5:SCボーラスとして投与したAPI−MAの薬物動力作用
別の試験は、SCボーラス(0.001〜0.3mg)または2時間SC注入(1〜6mg)として投与したAPI−MA(テストステロンレベルを刺激すると見られる)の安全性、忍容性、血漿及び尿中のPK、ならびに内分泌の薬物動力作用の第1相無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間漸増用量試験であった。この試験は、フランスで行った。
50〜76歳の健常な欧州人男性対象82人を9つのコホートに登録した。82人中81人の対象(98.8%)は白人であり、82人中1人の対象(1.2%)は黒人/アフリカ系米国人であった。最初の6つのコホートに登録した対象に、0.001mg、0.003mg、0.01mg、0.03mg、0.1mgもしくは0.3mgのAPI−MAまたはプラセボを単回SCボーラスによって投与した。0.3mgコホートでは、6人の対象にAPI−MAを投与し、2人にプラセボを投与した。残りのコホートでは、7人の対象にAPI−MAを投与し、3人にプラセボを投与した。第7、第8及び第9コホートに登録した対象には、1mg、3mgもしくは6mgのAPI−MAまたはプラセボを単回2時間SC注入によって投与した。これらのコホートでは、6人の対象にAPI−MAを投与し、2人にプラセボを投与した。
SCボーラスコホートの対象におけるAPI−MAの血漿中濃度を測定するために、投与前、投与の0.083時間後、投与の0.25時間後、投与の0.5時間後、投与の0.75時間後、投与の1時間後、投与の2時間後、投与の3時間後、投与の4時間後、投与の6時間、投与の8時間後、投与の12時間後、16時間後、投与の24時間後、投与の36時間後、投与の48時間後及び投与の72時間後という名目時間に、血液検体を採取した。API−MAの尿中排泄を測定するために、投与の12時間前から投与まで、投与の0〜6時間後、投与の6〜12時間後、投与の12〜24時間後、投与の24〜48時間後及び投与の48〜72時間後という名目時間に、尿検体を採取した。
SC注入コホートの対象におけるAPI−MAの血漿中濃度を測定するために、投与前、注入開始の0.5時間後、注入開始の1時間後、注入開始の1.5時間後、注入開始の2時間後、注入開始の2.25時間後、注入開始の2.5時間後、注入開始の3時間後、注入開始の4時間後、注入開始の6時間後、注入開始の8時間後、注入開始の10時間後、注入開始の14時間後、注入開始の18時間後、注入開始の26時間後、注入開始の50時間後及び注入開始の74時間後という名目時間に、血液検体を採取した。API−MAの尿中排泄を測定するために、投与の12時間前から投与まで、注入開始の0〜6時間後、注入開始の6〜12時間後、注入開始の12〜24時間後、注入開始の24〜48時間後及び注入開始の48〜72時間後という名目時間に、尿検体を採取した。
API−MAを0.001〜6mgの範囲の用量で単回SC投与後の血漿中平均API−MA濃度−時間曲線が図2に示されている。SCボーラスによって投与した単回用量のAPI−MAと、2時間SC注入によって投与した単回用量のAPI−MAにおける血漿及び尿中のPKパラメーター値の平均変動係数(%CV)が、下記の表5〜8に列挙されている。
Figure 0006982621
Figure 0006982621
Figure 0006982621
Figure 0006982621
0.001〜0.3mgの範囲の単回SCボーラス用量の投与後、API−MA(Cmax)のピーク濃度は、用量比例的に上昇した。0.001〜0.3mgの単回SC用量の投与後と、1mg、3mg及び6mgの2時間SC注入後に、API−MAの全身暴露量(AUC(0−inf)として測定)は、用量比例的に上昇した。累乗式の推定べき指数は、Cmaxでは1.003(95%CI:0.956〜1.050)、AUC(0−inf)では1.019(95%CI:0.997〜1.040)であった。API−MAの単回SCボーラス投与後と2時間注入後のCL/F値は、18.9〜27.1L/時の範囲であった。
SCボーラス投与のAPI−MAのTmax中央値は、0.5〜0.750時間の範囲であったことから、API−MAがSC投与部位から速やかに全身へ取り込まれたことが示されている。API−MAの速やかなSC取り込みは、この試験で評価したSC用量範囲にわたって、用量依存的ではなかった。
概して、平均T1/2値は、用量の増加に伴って上昇した。図2の調査によって、T1/2が長い考え得る理由は、アッセイ感度と、高用量において、T1/2の推定の際に、曲線の末端部分で、測定可能なAPI−MA濃度が含まれていることに起因し得る可能性のあることが示唆されている。したがって、このパラメーターの用量依存性が観察されたことによっては、API−MAの非線形の薬物動態は表されない。試験した最高用量(3mg及び6mg)では、平均T1/2は約5.2時間であった。
0.001mgのAPI−MAの単回SCボーラス投与後、尿中では、少量のAPI−MAが検出されたに過ぎなかった。このコホートにおけるFeの平均(CV%)は、3.466%であった。他の用量のボーラス及び注入コホート(0.003〜6mg)では、平均単回用量Feは、API−MAの投与用量の2.997%〜5.380%の範囲であった。
実施例6:API−MAの複数回用量の薬物動態
別の試験は、API−MAの複数回用量の投与の第1相臨床試験であった。この試験は、フランスで行った。この試験は、1日目にSCボーラス(0.1mg)として投与した後、2日目〜14日目に持続SC注入(すなわち24時間/日)した(0.01mg、0.1mg、0.3mgまたは1.0mg/日)API−MA(テストステロンを抑制すると見られる)の安全性、忍容性、血漿中PK及び内分泌の薬物動力作用の無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間漸増用量試験であった。50〜78歳の健常な欧州人男性対象30人を4つのコホートに登録し、30人中29人の対象(96.7%)は白人で、1人の対象(3.3%)は黒人であった。
SCボーラス投与後、API−MAの血漿中濃度を測定するために、投与前、投与の0.083時間後、投与の0.25時間後、投与の0.5時間後、投与の0.75時間後、投与の1時間後、投与の2時間後、投与の4時間後、投与の6時間後、投与の12時間後、投与の16時間後及び投与の24時間後という名目時間に、血液検体を採取した。SC注入中、注入開始の6時間後、注入開始の12時間後、注入開始の24時間後、注入開始の54時間後、注入開始の60時間後、注入開始の72時間後、注入開始の150時間後、注入開始の156時間後、注入開始の168時間後、注入開始の222時間後、注入開始の228時間後、注入開始の240時間後、注入開始の294時間後、注入開始の300時間後及び注入開始の312時間後という名目時間に、血液検体を採取した。
比較のために、表7に示されているように、2〜14日目における13日連続のSC注入後の値とともに、SCボーラスによって投与した単回用量のAPI−MAの血漿中平均PKパラメーター値が、投与群ごとに表9に列挙されている。API−MAの単回用量PKは、API−MAの注入を開始する前、24時間のみ評価できたので、推定できたPKパラメーターは、Cmax、Tmax及びAUC(0−24)だけであった。PKパラメーターの個体間でのばらつきは概ね小さく、%CVは58%以下であった。
Figure 0006982621
2〜14日目に13日連続のSC注入によって投与したAPI−MAの血漿中平均PKパラメーター値が、表7に列挙されている。Cssは、調べた用量範囲(0.01〜1.0mg)にわたって、明らかに用量比例的に上昇した。コホート全体にわたり、CL/Fは、17.7〜20.6L/時の範囲であった。PKパラメーターの個体間でのばらつきは小さく、CV%は40%以下であった。
Figure 0006982621
別の試験は、API−MAの複数回用量投与の第1相臨床試験であった。この試験は、2時間SC注入によって、14日間、1日に1回投与したAPI−MA(ホルモンナイーブな日本人前立腺癌患者において、テストステロンを抑制すると見られる)のオープンラベル漸増用量試験であった。患者6人にAPI−MAを14日間、1日に0.5mg(3人の患者)及び1.0mg(3人の患者)の用量で投与した。
API−MAの血漿中濃度を測定するために、1日目(投与前、投与の2時間後、投与の4時間後、投与の6時間後、投与の10時間後)と、2日目、4日目、6日目、8日目、10日目及び12日目(投与前)と、14日目(投与前、投与の2時間後、投与の4時間後、投与の6時間後、投与の10時間後、投与の24時間後、投与の48時間後)と、21日目、ならびに28日目という時点に、血液検体を採取した。API−MAの尿中排泄を測定するために、1日目(投与前、投与の0〜4時間後、投与の4〜8時間後、投与の8〜12時間後、投与の12〜24時間後)と、14日目(投与の0〜4時間後、投与の4〜8時間後、投与の8〜12時間後、投与の12〜24時間後)という時点に、尿検体を採取した。
API−MAを0.5mg/日及び1.0mg/日で14日間、複数回SC投与した時の血漿−時間プロファイルにおける平均[±SD]API−FB濃度が、図3に示されている。2つの用量における1日目と14日目のPKパラメーターの概要が、下記の表11に示されている。CmaxとAUCは、1日目と14日目において同程度であったことから、ペプチドの蓄積は示されなかった。CmaxとAUCは、用量比例的であった。
Figure 0006982621
API−MAを0.5mg/日及び1.0mg/日で14日間、SC投与後、1日目と14日目において、2時間の注入の終了直後に、Cmaxが観察された後、低下し、平均T1/2値は、1日目と14日目の両方で、両方の用量において約3〜4時間であった。0.5mg/日では、平均CL/F値は、1日目には13.4L/時、14日目には12.6L/時であり、1.0mg/日では、1日目には13.6L/時、14日目には13.4L/時であったことから、API−FBの見かけクリアランスは、両方の用量においてほぼ同じであったことが示されている。API−FBのVz/Fも、両方の用量レベルにおいて同程度であった。複数回用量投与後のAUC(0−tau)/単回用量投与後のAUC(0−inf)の比率を用いて算出した推定蓄積指数(AI)と、複数回用量投与後のAUC(0−tau)/単回用量投与後のAUC(0−tau)の比率として算出したRはいずれも、約1であったことから、API−FBのPKが時間と無関係であり、0.5mgと1mgの用量で毎日、14日間、2時間SC注入後、薬物の蓄積が最小限であったかまたは見られなかったが示されている。
API−MAを0.5mg/日または1.0mg/日で14日間、SC投与後、API−FBの尿中排泄は、1日目と14日目において、投与の8時間後までに、ほぼ完了した。投与の24時間後における平均累積排泄率(%)は、0.5mg/日の用量では、1日目には6.50%、14日目には8.99%、1.0mg/日の用量では、1日目には8.86%、14日目には9.41%であった。これらの知見から、腎排泄が、API−FBのクリアランスにあまり寄与していないことが示唆されている。
実施例7:API−MAの1カ月のデポー投与の薬物動態
スクリーニングの少なくとも6カ月前に前立腺癌の一次治療が終了したとともに、GnRH療法を受けているか、または将来GnRH療法を受ける可能性のある候補者である前立腺癌患者を別の試験に登録した。9人の患者を各投与群(6mg、12mg及び24mg)に3人ずつ登録した。全員、白人男性であった。患者にAPI−MAを単回1カ月のデポーSC注射(API−MAの高バースト的放出と、視床下部−下垂体−性腺軸の速やかな刺激の両方を開始するように意図されているとともに、テストステロンを抑制すると見られる)として、腹部に投与した。全体として、9人中4人の患者に、GnRH療法を併用して行った。API−MAの血漿中濃度を測定するために、投与前と、1カ月のデポー注射後、1カ月目(0.25時間後、0.5時間後、0.75時間後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、12時間後、2日目、3日目、5日目、8日目、15日目、22日目及び29日目)と、2カ月目(8日目、15日目、22日目及び29日目)と、3カ月目という名目時間に、血液検体を採取した。
図4及び5には、投与群ごとに、1日目(12時間目まで)と完全プロファイル(3カ月目まで)の血漿中平均濃度−時間曲線が示されている。デポー注射の投与から数時間以内に、API−MA薬物濃度の高バースト的放出が観察された。AUC(0−24)は、観察されたAUC(0−tlqc)の60%超を構成していたことから、バースト相の間に、製剤から薬物が有意に放出されたことが示されている。薬物濃度は、その後の数日間にわたって非常に低く、その後、ゆっくりと上昇したことから、連続的なAPI−MAの投入後、製剤から遅延放出と徐放が行われたとともに、脱感作が開始されたことが示唆されている。いずれのケースにおいても、API−MAは、投与から8週間後までに検出できなくなった。
表12には、投与群ごとに、Cmax、Tmax、AUC(0−24)、1カ月目の0日目から29日目までの血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC(0−29d))、AUC(0−tlqc)及び最終定量可能濃度までの時間(Tlqc)のPKパラメーターを含め、記述統計量が示されている。薬物暴露量を表す平均値は概して、用量に比例するレベルをやや下回って上昇した。
Figure 0006982621
全体としては、API−MAの低い血漿中濃度、投与後1カ月にわたる遅延放出プロファイル、1カ月のデポー製剤の患者間でのばらつきが大きいことは、前立腺癌患者におけるさらなる臨床開発には、許容できないものと認められた。さらに、これらの結果は、視床下部機能低下症患者に用いることになる投与策には適用不可能である。テストステロンの抑制を引き起こさずに、視床下部−下垂体−性腺軸を刺激するのが望ましいからである。
薬物動力:単回用量の薬物動力の概要:API−MAを単回用量、37人の日本人男性に投与後、血清中のLH濃度とFSH濃度が上昇した。LH濃度とFSH濃度は、12〜24時間にピークに達し、72時間までにベースラインに戻った。このホルモン濃度の上昇度は、用量範囲(0.001〜0.5mg)にわたって同程度であった。82人の欧州人男性で行ったAPI−MAの単回用量第1相試験では、API−MAの投与により、血清中のLH濃度とFSH濃度が上昇し、これらの濃度は、6〜12時間にピークに達し、72時間までにベースラインに戻った。ホルモン濃度の上昇度と上昇期間は、用量範囲(0.001〜6mg)にわたって同程度であった。
複数回用量の薬物動力の概要:2つの複数回用量試験では、予測どおりに、使用したいずれの用量でも、最終的にLHレベルが抑制された。試験C18001では、健常な欧州人男性30人に、0.1mgの単回SC注射を行ってから、API−MAを0.01mg/日、0.1mg/日、0.3mg/日及び1.0mg/日の用量で長期に(13日連続で)SC注入した。ゴナドトロピンの濃度は、1日目に、0.1mgボーラス注射の24時間後にピークに達し、他の単回用量第1相試験と一致していた。API−MAの長期注入の間、血清中のLH濃度とFSH濃度は、ベースライン未満の値まで低下し、投与から7日以内にベースライン値に戻った。大半の対象において、血清中LH濃度は、低い値まで低下した。0.1mg/日と0.3mg/日のコホートの対象全員のLH濃度は、SC注入中のかなりの部分の時間、正常値下限を下回っていた。API−MAによって、血清中のLHレベルとFSHレベルは、一過性に上昇した後、低下し、この阻害は、投与中、維持された。血清中PSAレベルは、API−MAの投与後、低下し、この低下は、API−MAを1.0mg/日で投与した患者において、より顕著であった。
API−MAの単回用量の薬物動力作用:API−MAの第1相臨床試験では、最初の7つのコホートに登録した対象に、0.001mg、0.004mg、0.01mg、0.04mg、0.1mg、0.25mgもしくは0.5mgのAPI−MAまたはプラセボの単回SCボーラス投与を行った。第8及び第9コホートに登録した対象には、0.25mgもしくは0.5mgのAPI−MAまたはプラセボの単回SC注入を行った。LH、FSH、ジヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA−S)、成長ホルモン(GH)、プロラクチン(PRL)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)及び副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)というホルモンの薬物動力を評価した。薬物動力解析セットは、37人の対象(ボーラスコホート:29人、注入コホート:8人)で構成させた。ボーラスコホートと注入コホートの両方の対象におけるホルモンの血清中濃度を測定するために、投与前、投与の2時間後、投与の4時間後、投与の6時間後、投与の8時間後、投与の12時間後、投与の24時間後、投与の48時間後、投与の72時間後及び投与の312時間後という名目時間に、血液検体を採取した。加えて、LHとFSHの測定のために、API−MAの投与前日に、血液検体を採取した。API−MAを0.001mg〜0.5mgの範囲の用量で単回SCボーラス投与後の平均血清中LH濃度の経時変化が、図6に示されている。LH濃度は、12〜24時間にピークに達し、投与の72時間後までに、ベースラインに概ね戻った。LH濃度の上昇度と上昇期間は、用量範囲(0.001〜0.5mg)にわたって同程度であった。LHの経時変化は、API−MAの単回の2時間SC注入後、同程度であった(データは示されていない)。
図7に示されているように、API−MAを単回SCボーラス投与後、血清中FSH濃度が、プラセボよりも上昇した。FSHの上昇は、24時間以内にピークに達し、注射の72時間後までに、投与前レベルに概ね戻った。LH濃度とFSH濃度の上昇度と上昇期間は、用量範囲(0.001〜0.5mg)にわたって同程度であった。API−MAの単回の2時間SC注入後、LHとFSHの経時変化は、同程度であった(データは示されていない)。
別の試験は、50〜76歳の健常な男性におけるAPI−MAの単回用量第1相臨床試験であった。最初の7つのコホートに登録した対象には、0.001mg、0.003mg、0.01mg、0.03mg、0.1mgもしくは0.3mgのAPI−MAまたはプラセボを単回SCボーラスによって投与した。第7、第8及び第9コホートに登録した対象には、1mg、3mgもしくは6mgのAPI−MAまたはプラセボを単回2時間SC注入によって投与した。LHとFSHという各ホルモンの薬物動力を評価した。投与前日と4日目(最終診察)に、PRL、TSH、コルチゾール、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)及び血漿中ACTH(コルチコトロピンとしても知られている)の濃度を測定した。ボーラスコホートにおいて、LHとFSHの血清中濃度を測定するために、投与の前日、投与前、投与の0.083時間後、投与の0.25時間後、投与の0.75時間後、投与の1時間後、投与の2時間後、投与の3時間後、投与の4時間後、投与の6時間後、投与の8時間後、投与の12時間後、投与の16時間後、投与の24時間後、投与の36時間後、投与の48時間後及び投与の72時間後という名目時間に、血液検体を採取した。注入コホートでは、投与の前日、投与または注入開始の前、注入開始の0.5時間後、注入開始の1時間後、注入開始の1.5時間後、注入開始の2時間後(注入終了時)、注入開始の2.25時間後、注入開始の2.5時間後、注入開始の3時間後、注入開始の4時間後、注入開始の6時間後、注入開始の8時間後、注入開始の10時間後、注入開始の14時間後、注入開始の18時間後、注入開始の26時間後、注入開始の50時間後及び注入開始の74時間後という名目時間に、血液検体を採取した。経時的な血清中LH濃度が、図8に示されている。API−MAの単回SCボーラス後と、API−MAの単回の2時間SC注入後に、血清中LH濃度は上昇した。この濃度は、6〜12時間にピークに達し、72時間までにベースラインに戻った。LH濃度の上昇度と上昇期間は、用量範囲(0.001〜6mg)にわたって同程度であった。
図9に示されているように、API−MAの投与によって概して、すべての用量レベルにおいて、平均FSH中濃度は、初期に中程度上昇してから、72時間までにベースラインレベルに向かって低下した。これらの上昇は、用量依存的ではなかった。すべての用量レベルによって、ピーク値には概して、約12時間で到達した。いずれの用量レベルでも、API−MAの投与後、SHBG、プロラクチン、TSH、コルチコトロピンまたはコルチゾールの血清中濃度が、関連して変化したことは認められなかった。
実施例8:API−MAの複数回用量の薬物動力作用
この試験は、50歳超の健常な欧州人男性30人にAPI−MAを複数の日数、持続SC注入した第1相試験であった。4つのコホートに登録した対象に、API−MAを0.1mgまたはプラセボを単回SCボーラス投与した(1日目)後、0.01mg/日、0.1mg/日、0.3mg/日もしくは1.0mg/日のAPI−MAまたはプラセボを持続SC注入によって、13日(2〜14日目)にわたって投与した。各用量レベルコホートにおいて、5〜6人の男性に、活性API−MAを投与し、1〜2人の男性に、プラセボを投与した。LHとFSHというホルモンの薬物動力を評価した。
LHとFSHの血清中濃度を測定するために、API−MAの投与の前日、SCボーラス投与の−24時間(24時間前)、−16時間(16時間前)及び−12時間(12時間前)、SCボーラス投与の直前、ボーラス投与の6時間後、ボーラス投与の12時間後、ボーラス投与の24時間後、ボーラス投与の30時間後、ボーラス投与の36時間後、ボーラス投与の48時間後、ボーラス投与の78時間後、ボーラス投与の84時間後、ボーラス投与の96時間後、ボーラス投与の174時間後、ボーラス投与の180時間後、ボーラス投与の192時間後、ボーラス投与の246時間後、ボーラス投与の252時間後、ボーラス投与の264時間後、ボーラス投与の318時間後、ボーラス投与の324時間後及びボーラス投与の336時間後という名目時間に、血液検体を採取した。SC注入は、ボーラス注射の24時間後に開始し、24時間時点の後に採取したすべての検体は、SC注入中に採取した。血液検体は、ホルモン濃度のベースライン値への戻りをモニタリングするために、16日目、17日目、21日目、28日目及び44日目にも採取した。
図10及び11に示されているように、すべての活性治療群において、LHとFSHの平均血清中濃度は、1日目に、0.1mgのAPI−MAのSCボーラス投与後に上昇した。API−MAを13日間、SC注入中、血清中の平均LH濃度と平均FSH濃度は、ベースライン未満の値まで低下し、投与から7日以内に、ベースライン値近くまで戻った。大半の対象では、血清中LH濃度は、低い値まで低下した。0.1mg/日コホートと0.3mg/日コホートの対象全員のLH濃度は、SC注入処置期間の大半において、正常値下限未満であった。対照的に、プラセボ処置群の対象では、LHとFSHの平均血清中濃度は、試験全体を通じて、正常範囲内に留まった。
この試験は、ホルモンナイーブな日本人前立腺癌患者における第1相試験であった。6人の患者に、1日に1回、14日間、API−MAを0.5mg(3人の患者)と1.0mg(3人の患者)の用量で、2時間のSC注入によって投与した。LH、FSH、GH、PRL及びTSHの血清中濃度の要約統計量と、ACTHの血漿中濃度と、前立腺特異的抗原(PSA)の血清中濃度(ベースラインにおける濃度、各評価ポイントにおける濃度、ベースラインからの変化)を用量ごとに算出し、そのデータ(個々の値と、平均±標準偏差)を用量ごとに、時間に対してプロットした。API−MA0.5mg/日投与群について、血清中LHプロファイルが図12に示されている。血清中LHレベルは、2日目に急上昇し、4日目までにベースラインレベルに戻った。これらのレベルは、6日目から16日目までに完全に抑えられ、最後の投与の1週間後までに、ベースラインレベルに戻った。血清中LHの変化は、0.5mgと1.0mgのAPI−MAにおいて同程度であった(API−MA1.0mg/日投与群のデータは示されていない)。
血清中FSHプロファイルは、API−MA0.5mg/日投与群について図13に示されている。血清中FSHレベルも、2日目に急上昇し、4日目までにベースラインレベルに戻った。これらのレベルは、6日目から16日目まで完全に抑えられ、最後の投与の1週間後までにベースラインレベルに戻った。血清中FSHの変化は、0.5mgと1.0mgのAPI−MAにおいて同程度であった(API−MA1.0mg/日投与群のデータは示されていない)。
血清中PSAレベルは、API−MAの投与後に低下し、低いPSAレベルは、全員の対象において、最後の投与の1週間後まで維持された。血清中PSAレベルは、0.5mgのAPI−MAを投与した患者において、ベースラインレベルと比べて約40%低下し、1.0mgのAPI−MAを投与した患者では、より顕著なことに、約50%〜60%低下した。
実施例9:API−MAの1カ月のデポー投与の作用
前立腺癌患者9人を別の試験に登録し、各投与群(6mg、12mg及び24mg)に3人登録した。患者にAPI−MAを単回の1カ月のデポー注射として投与し、この投与は、API−MAの高バースト的放出と、視床下部−下垂体−性腺軸の速やかな刺激の両方を開始するように意図されていた。全体としては、9人中4人の患者に、GnRH療法を併用して行った。薬物動力の評価には、LH濃度と血清中PSA濃度を含めた。結果は、GnRH療法を併用して行った患者と、GnRH療法を併用して行わなかった患者に基づき、グループ化した。
GnRHナイーブ患者では、テストステロンの変化に対応した、LHの減少が観察された。スクリーニング後の血清中LH濃度は、6mg投与群では0.1〜0.5mIU/mLの範囲、12mg投与群では0.1〜7.9mIU未満/mLの範囲、24mg投与群では0.3〜9.8mIU/mLの範囲で、フォローアップ期間を通じて、患者間で個々のばらつきが見られた。GnRHアナログ療法を併用して行った、9人中2人の患者(1人は6mg投与群、1人は12mg投与群)のPSA濃度は、0.01ng未満/mLで、試験全体を通じて、1つの測定値を除いて、いずれの値でも、ベースラインからの検出可能な変化率は認められなかった。残りの7人の患者では、PSAのベースラインからの最大変化率は、1カ月目の29日目に見られた(6mg投与群の患者では8%及び19%、12mg投与群の患者では25%及び62%、24mg投与群の患者では74%、79%及び88%)。ベースラインからの変化率のさらなる低下は、3人の患者(6mg投与群で1人、12mg投与群で1人及び24mg投与群で1人)で、2カ月目の29日目に見られ、PSAの最大の低下(91%)は、24mg投与群の患者で観察された。
実施例10:ARTにおける化合物1とレルゴリクスの使用
IVF及び/またはETプロセスのようなARTにおいて、安全性と有効性効果の両方を向上させる取り組みにおいて、そのプロセスの重要な工程のいくつかに対する重要な修正が本発明で述べられており、その修正には、化合物1とレルゴリクスの使用が伴う。
従来のIVFプロトコールは、COSとして知られている初期フェーズで始まる。このフェーズでは、患者の月経の2日目または3日目に、FSHを投与して、卵胞の成長と発育を促し、排卵が起こるまで(約14日目)、この投与を継続する。FSHを開始してから約3〜5日後に、GnRHアゴニストまたはGnRHアンタゴニスト(現在では、こちらの方が一般的である)のいずれかをレジメンに加えて、早発排卵(LHサージによる、未成熟卵胞の排出)を防止し、排卵が起こるまで、同様のFSHを継続する。これらのプロトコールで現在用いられている一般的なGnRHアンタゴニストは、注射用セトロレリクスであるが、この特定の先進的実施例では、経口GnRHアンタゴニストのレルゴリクスを使用する。IVF及び/またはETプロセスのようなARTにおいて、頻回注射数を減少させるとともに、注射剤よりも、GnRHアンタゴニスト活性を細かく調整可能になり得るからである。残存GnRHアンタゴニスト活性の向上により、トリガー(下記の化合物1)に対するLHの応答が向上し、それにより、最終的に、移植率が上昇し得る。レルゴリクスは、早発排卵を抑制及び防止でき、卵子を成熟させ、その後、(卵管ではなく)卵巣から取り出せるようにする。性交渉が行われた場合に、卵管において、卵子が精子に暴露されることに起因し得る高次多胎妊娠も、レルゴリクスは予防することができる。併せて、FSHとGnRHアンタゴニストのレルゴリクスによるこの刺激プロセスは、COSという。
卵胞が所定の状態(主席卵胞の測定値が14mm超になった状態)まで進行したら、子宮へのIVFとETに備えて、いわゆる「トリガー」剤を用いて、卵子の最終成熟、排出及び卵巣からの採取を促す。化合物1(2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩及び製薬学的に許容可能な賦形剤)をトリガー剤として用いる。後の採卵、受精(インビトロ)及びETに備えて、化合物1をトリガーとして用いて、卵母細胞の成熟を促し、排卵を誘導する。他の薬剤(例えば、エストラジオール及びプロゲスチン)も用いて、移植に備えて、子宮(子宮内膜)を補助する(いわゆる黄体期補助)。
IVF及び/またはETプロセスを含むARTと関連する主なリスクの1つは、OHSSの発症である。患者の中には、OHSSの発症リスクが高い者がいるが、hCGベースのトリガー剤(すなわち、hCG単独またはhCGとGnRHアゴニスト)の使用は、OHSSのリスクを上昇させることが知られている。化合物1は、OHSSのリスクを有意に低下させると見られている。
化合物1をトリガー剤として用いると、hCGベースのトリガー剤またはGnRHアゴニストトリガー剤と比べて、同程度の妊娠率が得られるか、または妊娠率が向上すると見られている。化合物1は、新鮮な成熟卵母細胞(卵子)の成熟、排出(排卵)及び卵巣からの採取を助長して、それにより、妊娠率が向上する一方で、OHSSのような重大な副作用のリスクが有意に緩和される。
hCGベースのトリガー剤の使用は、胚移植を遅延させる分割凍結プロトコールの必要性を増大させることが知られている。化合物1のMOAのおかげで、子宮内膜に対する悪影響が、現在の治療法よりも小さい。したがって、子宮内膜は、採卵直後に、移植できる状態になっている(子宮内膜受容度が高い)ので、分割の必要性(採卵と移植との間に、卵子または胚を凍結する必要性)が低減される。採卵後、卵子を精子で受精させ、新鮮胚を子宮内膜に移植し、妊娠が起こる。化合物1により、分割凍結プロトコールの必要性を低減することによって、IVFサイクル数が減少し、妊娠までの期間が短縮する一方で、許容可能な妊娠率が維持され、OHSS率が有意に低下する。
実施例11:化合物1の、女性における生理的作用の調査
パート1:化合物1の用量範囲の特定
キスペプチン−54は以前に、IVF試験において、卵母細胞の成熟のトリガーとして、臨床上有効であることが示されている。この試験では、LHの応答を刺激できる用量を特定できるようにするとともに、キスペプチン−54のLH応答性の類似性と相違を比較するように、月経周期の初期卵胞期中に投与する化合物1の用量を解析した。
BMIが18〜30kg/mで、医学上の問題がなく、いずれかの薬物を服用したり、ホルモン避妊法を受けたりしていない18〜35歳の健常な女性を試験集団に含めた。3人の健常な女性対象を選択し、無作為に分けて、下記の3つの試験レジメンのそれぞれの単回用量を投与した(試験期間当たり1つのレジメン)。全員の女性に対して、(月経周期の卵胞期ごとに)試験1日目の診察を3回設定した。各対象には、試験期間ごとに(試験期間は、合わせて3つ)、試験1日目の診察の際に、下記の3つの試験レジメンの1つを単回用量投与して、この試験パートの最後に、各対象に、下記の試験レジメン3つをすべて投与してあるようにした(1つの試験期間に1つ)。
・キスペプチン−54(KP54)、9.6nmol/kg
・化合物1、0.003nmol/kgまたは0.00368mcg/kg
・化合物1、0.03nmol/kgまたは0.0368mcg/kg
*例えば、0.003nmol/kgの用量の化合物1を投与する60kgの女性には、0.18nmolまたは0.221mcgを投与することになる。対象に、3つの試験レジメンの1つを投与する順序は、ランダム化行列によって定めた。
化合物1のバイアルは4℃で保存し、2000mcl(2mL)中に200mcg(0.2mg)で構成されていた(すなわち、0.1mcg/mcl(0.1mg/mL))。凍結乾燥キスペプチン−54(バイアル当たり600nmol)は、皮下注射に備えて、0.5〜1mLの生理食塩水で再構成した(表13)。
Figure 0006982621
この試験には、参加者の完全な病歴を収集し、一般検診と血液検査を行うためのスクリーニング診察を含めた。3つの試験期間はそれぞれ、試験期間当たり3回の試験診察の予定で構成した(スクリーニングとフォローアップを除く)。各試験期間の試験1日目(SD1)の診察は、月経周期の卵胞期(1〜4日目)に行い、SD2の診察は、投与の24時間後に、SD3の診察は投与の48時間後に行った(図14)。各試験期間において、投与の7〜10日後に、フォローアップの電話を行った。
試験1日目、尿中妊娠検査が陰性であることを確認後、0時点に、化合物1(0.003nmol/kgもしくは0.03nmol/kg)またはキスペプチン−54(9.6nmol/kg)のいずれかを単回用量(皮下注射によって腹部に)投与した。
投与直後に、血清中のLH、FSH、E2(エストラジオール)、P(プロゲステロン)及びSHBGのレベルを30分間隔で、最長14時間、評価した(図15A〜15C、16A〜16C、17、18、19、20A及び20B)。これらのPD変数も、投与の24時間後(試験2日目)と48時間後(試験3日目)に評価した。SHBGの変化は、それほど速くなく、3時間置きに測定したところ、血液体積が減少した。
血清中生殖ホルモンレベル(LH、FSH、E2及びP)の測定には、最大で3mLの血液体積が必要であった。血清解析用の血液試料は、プレーン真空採血管(Beckton Dickson,Franklin Lakes,NJ,USA)に採取し、凝固後(室温で約1時間)、10分間、3000rpmで回転した。その後、血清は、血清中生殖ホルモンレベルのアッセイまで、ロックしたフリーザーにおいて、−20℃で保存した。
最初の6時間、化合物1とキスペプチン−54の血漿中レベルを評価して、余分な血液体積の引き抜きを最小限にした。
図15A及び16Aに示されているように、キスペプチン−54を投与した対象では、LHの上昇が見られ、その上昇は、キスペプチン−54の投与の4〜6時間後にピークに達し、LHサージは、約14時間継続した。0.003nmol/kgの化合物1(図15C及び16B)と0.03nmol/kgの化合物1(図15B及び16C)を投与した対象でも、化合物1の投与後、LHの増大が見られたが、ピークLHレベルには、キスペプチン−54を投与した際に観察された場合よりもかなり後に到達し、LHサージも、キスペプチン−54を投与した場合よりもかなり長く継続した(図17〜19)。0.003nmol/kgの化合物1を投与後、ピーク血清中LHレベルは、投与の14〜36時間後に観察され、LHサージは、約48時間継続した。0.03nmol/kgの用量の化合物1では、最初にLHが低下した後、ピーク血清中LHレベルは、投与の18〜20時間後に観察され、LHサージは、約14時間継続し、投与の28時間後に終了した。卵母細胞の成熟を促すために、IVFでは、LHサージは長いほど好ましい。さらに、とりわけ、キスペプチン−54でのLHサージは、14時間しか継続しなかったのに対して、0.003nmol/kgの用量の化合物1では、約48時間のサージが観察されたので、初期卵胞期に長期のLHサージが観察されることは、予想外であった。
化合物1の投与後にE2が少し上昇したのは、キスペプチン−54での観察結果と同様であったとともに、ゴナドトロピンと性ホルモンの放出を刺激する作用機序が同様であることの裏付けとなっている(図20B)。驚くべきことに、FSHの応答は、LHの応答よりも非常に小さかったが、これは、男性で観察された結果(LHとFSHの両方で活発な応答が明らかに認められた)とは大きく異なる(図20A及び実施例7、図8及び9)。加えて、24時間時点と48時間時点に、FSHの応答の潜在的な脱感作が幾分見られたが、これも、男性では、あまり認められなかった(図9及び20A)。
0.003nmol/kgの用量の化合物1では、2人の対象の結果しか得られなかった。3人目の対象は、微量の月経出血後、周期の4日目と思われた日に受診したからである(図16B)。彼女の実際の周期は、数日後に到来し、血清中プロゲステロンレベルによって、彼女が、試験診察の際、実際には、前の周期の黄体期(36日目)であったことが確認された。
パート2:健常な女性において化合物1の作用を調べるための無作為化オープンラベルクロスオーバー試験
この試験パートでの目的は、健常な女性において最適な安全性、忍容性及びPDプロファイル(すなわち、LH応答性)をもたらす、化合物1(月経周期の卵胞期に投与)の用量を特定することである。パート1で特定した化合物1の用量範囲に及ぶ低用量、中程度の用量及び高用量の化合物1と、過去の研究で、IVF処置の際に卵母細胞の成熟をトリガーするのに有効であることが分かっている用量のキスペプチン−54(9.6nmol/kg)とを比較することになり、今回も、キスペプチン−54を投与した場合と比べて、ピークLH応答を約10〜20%上昇させることを目的とする。今回の試験により、後に、IVF療法においてトリガー剤として使用し得る化合物1の用量を速やかに特定可能になる。また、IVF療法において卵母細胞の成熟をトリガーする目的で現在用いられている皮下用量のGnRHアゴニスト(トリプトレリン0.2mg)を用いて、化合物1と比較することになる。
上述のように、この試験のパート1では、月経周期の卵胞期に化合物1を投与したが、今回のフェーズでは、IVF前のARTの一部として、COSセッティングで行う。したがって、LHサージの振幅は、卵胞期に化合物1を投与した時に観察されたLHサージの振幅とは異なると見られる。
試験集団には、BMIが18〜30kg/mであり、医学上の問題がなく、いずれかの薬物を服用したり、ホルモン避妊法を受けたりしていない18〜35歳の健常な女性を8人含めることになる。この試験のスクリーニング診察では、パート1で詳述したものと同じ情報を収集することになる。
この試験パートは、6つの試験期間で構成することになる。各試験期間において、投与から7〜10日以内にフォローアップ診察を行うことになる。8人の対象を無作為に分けて、6つの試験レジメンのそれぞれの単回用量を投与することになる(試験期間当たりに1つのレジメン)。全員の女性に対して、(月経周期の卵胞期ごとに)試験1日目の診察を6回設定することになる。各対象に、試験期間ごとに、試験1日目の診察の際に、下記の6つの試験レジメンの1つを単回用量投与し、この試験パートの最後に、各対象に、下記の試験レジメン6つをすべて投与してあるようにする(1つの試験期間に1つ)。
・生理食塩水(0.9%)、100μL
・化合物1、低用量、例えば、0.003nmol/kgもしくは0.00368mcg/kg(またはパート1後に確認した代わりの低用量)
・化合物1、中程度の用量、例えば、0.01nmol/kgもしくは0.0123mcg/kg(またはパート1後に確認した代わりの中程度の用量)
・化合物1、高用量、例えば、0.03nmol/kgもしくは0.0368mcg/kg(またはパート1後に確認した代わりの高用量)
・キスペプチン−54、9.6nmol/kg
・GnRHアゴニスト(トリプトレリン、0.2mg、SC)
*例えば、0.003nmol/kgの用量の化合物1を投与する60kgの女性には、0.18nmolまたは0.221mcgを投与することになる。個々の女性に、6つの試験レジメンの1つを投与する順序は、ランダム化行列によって定めることになる。
試験1日目、尿中妊娠検査が陰性であることを確認後、0時点に、化合物1(低用量、例えば0.003nmol/kg、中程度の用量、例えば0.01nmol/kg、または高用量、例えば0.03nmol/kg)、キスペプチン−54(9.6nmol/kg)、GnRHアゴニスト(トリプトレリン0.2mg)または生理食塩水(0.9%、100μl)のいずれかを単回用量(皮下注射によって腹部に)投与することになる。
血液の採取、検査、薬物の保存及び用量の調製は、パート1と同様にして行うことになる。
パート3:無排卵性PCOSの女性における化合物1の作用を評価するための無作為化オープンラベルクロスオーバー試験
この試験パートでの目的は、最適用量(健常な女性においてパート2で特定)の化合物1のPK/PDプロファイル(特に、LH応答とFSH応答)と、無排卵性PCOSの女性で見られるPK/PDプロファイルを比較することである。女性は、希発月経(月経周期の長さが35日超)であり、血清中AMHが増加している(35ピコモル超/L)か、もしくは超音波での胞状卵胞数が23個超であり、及び/またはアンドロゲン過剰症の臨床上もしくはホルモン上のエビデンスがある場合に、無排卵性PCOSと診断することになる。キスペプチン−54を用いた過去の研究に基づき、LH応答は、PCOSの女性では、健常な女性と同程度であるが、やや高いことが予測される。単回用量の化合物1に対する応答も、GnRHアゴニスト(トリプトレリン0.2mg)(PCOSの女性で、卵母細胞の成熟をトリガーするために一般的に用いられている療法剤)の場合と比較することになる。これにより、最適な用量(パート2で事前に同定)の化合物1と、現在の標準療法を比較可能になる。
試験集団は、無排卵性PCOSである18〜35歳の女性となる。
この試験でのスクリーニング診察では、パート1で詳述した情報と同じ情報を収集することになるが、1)SD1前に、女性をProveraで誘導する(SD1の直前に、10mgをBIDで、1週間投与する)ことと、2)Proveraの誘導による導入後、パート1及び2で行ったように、女性において、各試験期間を開始する(Proveraの誘導による月経周期(卵胞期)の1〜4日目に開始する)ことという2つの追加事項も行うことになる。
ランダム化行列に従って、8人の対象を無作為に分けて、4つの試験薬物レジメンのそれぞれの単回用量を投与することになる(試験期間当たり1つのレジメン)。全員の女性に対して、(数カ月連続で、月経周期の卵胞期ごとに)試験1日目の診察を4回設定することになる。各対象に、試験期間ごとに、試験1日目の診察の際に、下記の4つの試験レジメンの1つを単回用量投与して、この試験パートの最後に、各対象に、下記の試験レジメン4つをすべて投与してあるようにする(1つの試験期間に1つ)。
・生理食塩水(0.9%)、100μL
・化合物1
・KP54、9.6nmol/kg、SC
・GnRHアゴニスト(トリプトレリン0.2mg、SC)
*化合物1の用量は、この試験のパート2(健常なボランティア)で確認し、各試験レジメン後のPD解析用の血液の採取期間は、この試験のパート1の後に確認することになり、例えば、化合物1の後の血液の採取期間は、14時間から8〜12時間に、キスペプチン−54の後は8〜10時間に、生理食塩水の後は6〜8時間に短縮し得る。
試験1日目、尿中妊娠検査が陰性であることを確認後、0時点に、最適な用量の化合物1(この試験のパート2で決定)、キスペプチン−54(9.6nmol/kg)、GnRHアゴニスト(0.2mgのトリプトレリン)または生理食塩水(0.9%、100μl)を単回用量(皮下注射によって腹部に)投与することになる。
血液の採取、検査、薬物の保存及び薬物の調製は、パート1及び2と同様にして行うことになる。
実施形態の列挙
本開示のいくつかの実施形態は、下記の実施形態Iに関するものである。
実施形態I−1.IVFまたは胚移植(ET)プロセスのような生殖補助医療(ART)における卵子成熟の促進及び排卵の誘導方法であって、女性ヒト対象に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを治療上有効な量の約0.001mg〜約600mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む方法。
実施形態I−2.その製薬学的に許容可能な塩が、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドモノアセテートである、実施形態I−1に記載の方法。
実施形態I−3.2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを治療上有効な量の約0.001mg〜約600mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量、注射によって投与する、実施形態I−1に記載の方法。
実施形態I−4.2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを治療上有効な量の約0.001mg〜約600mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量、遅延放出型の単回用量の形態で投与する、実施形態I−1に記載の方法。
実施形態I−5.その2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドが、下記の式によって表される、実施形態I−1に記載の方法。
Figure 0006982621
実施形態I−6.その2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドモノアセテートが、下記の式によって表される、実施形態I−2に記載の方法。
Figure 0006982621
実施形態I−7.2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩の投与によって、(i)VEGFのレベルを上昇させずに、または(ii)VEGFのレベルの上昇が24時間未満となる状態で、ヒト女性対象の排卵をトリガーする、実施形態I−1に記載の方法。
実施形態I−8.IVFまたはETプロセスのようなARTにおける卵子成熟の促進方法であって、女性ヒト対象に、注射によって、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを治療上有効な量の約0.001mg〜約5mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む方法。
実施形態I−9.その製薬学的に許容可能な塩が、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドモノアセテートである、実施形態I−8に記載の方法。
実施形態I−10.その投与が皮下投与である、実施形態I−8に記載の方法。
実施形態I−11.その投与が筋肉内投与である、実施形態I−8に記載の方法。
実施形態I−12.その投与が静脈内投与である、実施形態I−8に記載の方法。
実施形態I−13.2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドが、下記の式によって表される、実施形態I−8に記載の方法。
Figure 0006982621
実施形態I−14.2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドモノアセテートが、下記の式によって表される、実施形態I−8に記載の方法。
Figure 0006982621
実施形態I−15.IVFまたはETプロセスのようなARTにおける卵子成熟の促進方法であって、女性ヒト対象に、鼻腔内経路によって、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを治療上有効な量の約0.001mg〜約5mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む方法。
実施形態I−16.その製薬学的に許容可能な塩が、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドモノアセテートである、実施形態I−15に記載の方法。
実施形態I−17.2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドが、下記の式によって表される、実施形態I−15に記載の方法。
Figure 0006982621
実施形態I−18.2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドモノアセテートが、下記の式によって表される、実施形態I−15に記載の方法。
Figure 0006982621
実施形態I−19.IVFのまたはETプロセスようなARTにおける排卵の誘導方法であって、IVF及び/またはETプロセスのようなARTにおいて、ヒト女性対象に、1つ以上のヒトゴナドトロピンを、GnRHアゴニストまたはGnRHアンタゴニストとともに(約2〜3日後)投与して、初期のCOSフェーズを助長するとともに、早発排卵を防止することを含み、その初期のCOSフェーズの後に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩を投与して、(i)VEGFの総血中濃度レベルを上昇させずに、または(ii)VEGFの総レベルの上昇を24時間未満にすることによって、効果的に卵母細胞の成熟を促すとともに、排卵を誘導する方法。
実施形態I−20.その製薬学的に許容可能な塩が、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドモノアセテートである、実施形態I−19に記載の方法。
実施形態I−21.2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを約0.001mg〜約600mgの量、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与する、実施形態I−19に記載の方法。
実施形態I−22.2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを約0.001mg〜約5mgの量、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量、注射によって投与する、実施形態I−19に記載の方法。
実施形態I−23.2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを約0.001mg〜約5mgの量、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量、鼻腔内投与する、実施形態I−19に記載の方法。
実施形態I−24.その1つ以上のヒトゴナドトロピンを経口投与または注射によって投与し、その1つ以上のヒトゴナドトロピンが、卵胞刺激ホルモン、黄体化ホルモンまたはこれらを組み合わせたものからなる、実施形態I−19に記載の方法。
実施形態I−25.2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩(トリガー剤としてのもの)と同じプロトコールにおいて、GnRHアゴニストをCOSフェーズで使用する場合、そのGnRHアゴニストが、リュープロレリンアセテートを組み合わせたものであり、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩(トリガー剤としてのもの)と同じプロトコールにおいて、GnRHアンタゴニストをCOSフェーズで使用する場合、そのGnRHアンタゴニストが、ガニレリクス、セトロレリクス、レルゴリクス及び前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩からなる群から選択されている、実施形態I−19に記載の方法。
実施形態I−26.そのGnRHアゴニストが、リュープロレリンアセテート、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン、レシレリン及び前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩からなる群から選択されている、実施形態I−19に記載の方法。
実施形態I−27.そのGnRHアンタゴニストが、レルゴリクスまたはその製薬学的に許容可能な塩である、実施形態I−19に記載の方法。
実施形態I−28.そのGnRHアンタゴニストが、セトロレリクス、ガニレリクス、アバレリクス、Nal−Blu、アンタイド、アザリンB、デガレリクス、D63153、レルゴリクス、テベレリクス及び前記のいずれかの製薬学的に許容可能な塩からなる群から選択されている、実施形態I−19に記載の方法。
実施形態I−29.IVFまたはETプロセスのようなARTにおいて、hCGベースのトリガー剤と比べて、OHSS率を低下させる方法であって、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩をトリガー剤として使用する方法。
実施形態I−30.IVFまたはETプロセスのようなARTにおいて、GnRHアゴニストまたはhCGベースのトリガー剤の場合と同程度またはそれを上回る妊娠率の実現方法であって、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩をトリガー剤として使用する方法。
実施形態I−31.IVFまたはETプロセスのようなARTにおいて、hCGベースのトリガー剤と比べて、妊娠までの期間を短縮させる方法であって、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩をトリガー剤として使用する方法。
実施形態I−32.二次的な卵巣機能不全を罹患している無排卵のヒト女性対象の排卵を誘導する方法であって、(1)その対象に、1つ以上のヒトゴナドトロピンによって前治療を行う工程と、(2)その対象に、治療上有効な量の2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む方法。
実施形態I−33.IVF及び/またはETプロセスのようなARTにおけるCOSフェーズ中に、早発排卵を防止する方法であって、そのCOSフェーズにおいて、GnRHアゴニストを使用するのとは対照的に、レルゴリクスまたはその製薬学的に許容可能な塩を使用する方法。
本開示のいくつかの実施形態は、下記の実施形態IIに関するものである。
実施形態II−1.内因性LHレベルを上昇させる必要のある女性の内因性LHレベルを上昇させる方法であって、その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含み、その女性が、ARTを受けているとともに、OHSSのリスクがあり、その初回用量を投与した後、その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する方法。
実施形態II−2.内因性LHレベルを上昇させる必要があり、ARTを受けている女性の内因性LHレベルを上昇させる方法であって、その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含み、その女性が、ARTを受けており、その初回用量を投与してから少なくとも36時間後に、その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する方法。
実施形態II−3.内因性LHレベルを上昇させる必要があり、ARTを受けている女性の内因性LHレベルを上昇させる方法であって、その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含み、
その女性が、ARTを受けており、その初回用量の投与から少なくとも約12時間後に、最高血中内因性LHレベルになる方法。
実施形態II−4.その初回用量の投与から約12時間〜約48時間後に、その最高血中内因性LHレベルになる、実施形態II−3に記載の方法。
実施形態II−5.ARTを受けており、黄体期補助が必要な女性の内因性LHレベルを上昇させる方法であって、前記女性に、ARTレジメンの一部として、トリガー用量の卵母細胞成熟剤を投与した後、その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む方法。
実施形態II−6.その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量の投与から約12時間〜約96時間後に、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−7.その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量の投与から少なくとも36時間、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−8.その血中内因性LHレベルが、約36時間〜約16日間上昇する、実施形態II−7に記載の方法。
実施形態II−9.その血中内因性LHレベルが、約36時間〜約12日間上昇する、実施形態II−7に記載の方法。
実施形態II−10.その初回用量の投与によって、卵母細胞の成熟を促す、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−11.外因性hCGまたは外因性LHの投与なしに、卵母細胞の成熟が起こる、実施形態II−10に記載の方法。
実施形態II−12.GnRHアゴニストの投与後に、卵母細胞の成熟が起こる、実施形態II−10またはII−11に記載の方法。
実施形態II−13.外因性hCGの投与後に、卵母細胞の成熟が起こる、実施形態II−10に記載の方法。
実施形態II−14.成熟卵母細胞の収率が少なくとも50%である、実施形態II−10〜II−13のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−15.その初回用量の投与後、その女性が、腹水、胸水及び腎灌流の減少からなる群から選択した1つ以上の症状を示さない、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−16.その初回用量の投与後、卵巣の大きさが、直径5cm超まで増大しないことができる、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−17.その初回用量の投与後、その女性が、OHSSの1つ以上の症状を示さない、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−18.その初回用量の投与後、その女性のOHSSの1つ以上の症状が悪化しない、実施形態II−1〜II−16のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−19.超音波によって、少なくとも14mmの卵胞が少なくとも3個見えたら、その初回用量を投与する、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−20.超音波によって、少なくとも18mmの卵胞が少なくとも3個見えたら、その初回用量を投与する、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−21.血清中エストラジオール濃度が少なくとも0.49nmol/Lであったら、その初回用量を投与する、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−22.その初回用量の投与の約5日〜約12日前に、FSHを投与することをさらに含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−23.その初回用量の投与の約2日〜約10日前に、GnRHアンタゴニストを投与することをさらに含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−24.そのGnRHアンタゴニストが、レルゴリクス、エラゴリクス、セトロレリクス、ガニレリクス、アバレリクス、Nal−Blu、アンタイド、アザリンB、デガレリクス、D63153(オザレリクス)、OBE2109及びテベレリクスからなる群から選択されている、実施形態II−23に記載の方法。
実施形態II−25.その初回用量の投与の約14〜約28日前に、GnRHアゴニストを投与することをさらに含む、実施形態II−1〜II−24のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−26.そのGnRHアゴニストが、リュープロレリンアセテート、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン及びレシレリンからなる群から選択されている、実施形態II−25に記載の方法。
実施形態II−27.卵母細胞の採取前に、その初回用量を投与する、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−28.卵母細胞の採取後に、その初回用量を投与する、実施形態II−1〜II−27のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−29.排卵前に、その初回用量を投与する、実施形態II−1〜II−27のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−30.排卵後に、その初回用量を投与する、実施形態II−1〜II−27のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−31.GnRHアゴニストを卵母細胞成熟剤として投与した後に、その初回用量を投与する、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−32.そのGnRHアゴニストが、リュープロレリンアセテート、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン及びレシレリンからなる群から選択されている、実施形態II−31に記載の方法。
実施形態II−33.2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを2回目の用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することをさらに含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−34.その2回目の用量を、その初回用量の投与から約8〜約60時間以内に投与する、実施形態II−33に記載の方法。
実施形態II−35.2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを3回目の用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することをさらに含む、実施形態II−33またはII−34に記載の方法。
実施形態II−36.その3回目の用量を、2回目の用量の投与から約8〜約60時間以内に投与する、実施形態II−35に記載の方法。
実施形態II−37.2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを1〜5回、追加用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することをさらに含む、実施形態II−35またはII−36に記載の方法。
実施形態II−38.その1〜5回の追加用量の投与が、その前の用量を投与してから約8〜約60時間以内である、実施形態II−37に記載の方法。
実施形態II−39.1回用量以上のプロゲストゲンを投与することをさらに含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−40.1回用量以上のプロゲストゲンを投与することを含まない、実施形態II−1〜II−38のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−41.卵母細胞の採取をさらに含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−42.その初回用量の投与前に、その女性の下垂体をGnRHに対して脱感作する、実施形態II−41に記載の方法。
実施形態II−43.胚の移植をさらに含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−44.その移植を、その初回用量の投与から約2〜約10日以内に行う、実施形態II−43に記載の方法。
実施形態II−45.その移植を、卵母細胞の採取から約1〜約7日以内に行う、実施形態II−43またはII−44に記載の方法。
実施形態II−46.その胚が凍結されていない、実施形態II−43〜II−45のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−47.卵母細胞の採取と同じ月経周期で、その胚を移植する、実施形態II−46に記載の方法。
実施形態II−48.排卵を誘導する、実施形態II−1〜II−23、II−25〜II−26またはII−28〜II−30のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−49.少なくとも初回用量の投与後、その女性が性交渉または子宮腔内人工授精によって妊娠する、実施形態II−48に記載の方法。
実施形態II−50.少なくとも初回用量の投与後、その女性が妊娠及び/または出産する、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−51.その初回用量、2回目の用量、3回目の用量または1〜5回の追加用量の1つ以上によって、黄体期補助を促す、実施形態II−1〜II−4またはII−6〜II−50のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−52.その初回用量、2回目の用量、3回目の用量または1〜5回の追加用量の1つ以上を注射によって投与する、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−53.その注射が筋肉内または皮下注射である、実施形態II−52に記載の方法。
実施形態II−54.その初回用量、2回目の用量、3回目の用量または1〜5回の追加用量のいずれか1つ以上が、約0.0003mg〜約0.03mgである、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−55.その女性が、COSを受けている、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−56.そのART療法が、卵母細胞の提供、卵母細胞バンキング、卵細胞質内精子注入(ICSI)、IVF、胚移植(ET)プロセス、排卵誘導及び子宮腔内人工授精からなる群から選択されている、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−57.その女性が、PCOS、血清中AMHが15ピコモル/L超、超音波による総AFCが23個超、血清中エストラジオールE2が3000pg/mL超のうちの1つ以上であるか、または過去にOHSSエピソードを1回以上発現したことがある、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−58.その女性が、無排卵もしくは高齢出産のいずれか1つ以上であるか、または二次的な卵巣機能不全、希発月経、無月経、子宮内膜症もしくは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を罹患している、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−59.卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導する必要のある女性において、卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導する方法であって、前記女性が、ARTを受けていて、下垂体脱感作を受けたことがあり、ARTの一部として、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがあり、前記方法が、その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含み、その初回用量を投与した後、その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する方法。
実施形態II−60.排卵を誘導する必要のある女性において排卵を誘導する方法であって、前記女性が、無排卵性不妊であり、前記不妊が、早発卵巣障害によるものではなく、前記方法が、その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含み、その初回用量を投与した後、その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する方法。
実施形態II−61.その女性に、OHSSのリスクがある、実施形態II−59またはII−60に記載の方法。
実施形態II−62.その初回用量を投与してから少なくとも36時間後に、その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、実施形態II−59〜II−61のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−63.その初回用量の投与から少なくとも約12時間後に、その最高血中内因性LHレベルになる、実施形態II−59〜II−62のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−64.その初回用量の投与から約12時間〜約48時間後に、その最高血中内因性LHレベルになる、実施形態II−63に記載の方法。
実施形態II−65.その初回用量の投与から約12時間〜約96時間後に、その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、実施形態II−59〜II−64のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−66.その初回用量の投与後、少なくとも36時間、その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、実施形態II−59〜II−65のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−67.その血中内因性LHレベルが、約36時間〜約16日間上昇する、実施形態II−66に記載の方法。
実施形態II−68.その血中内因性LHレベルが、約36時間〜約12日間上昇する、実施形態II−66に記載の方法。
実施形態II−69.その女性が、早発卵巣障害を原因としない無排卵性不妊である、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−70.その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.001mg〜約0.003mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−71.その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.001mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む、実施形態II−1〜II−69のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−72.その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.0003mg〜約0.003mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む、実施形態II−1〜II−69のいずれか1つに記載の方法。
実施形態II−73.ARTを受けており、OHSSのリスクがある女性の内因性LHレベルを上昇させる方法で使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩であって、その方法が、
その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−74.その初回用量を投与した後、その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、実施形態II−73に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−75.ARTを受けている女性の内因性LHレベルを上昇させる方法で使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩であって、その方法が、
その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−76.その初回用量を投与してから少なくとも36時間後に、その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、実施形態II−75に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−77.その初回用量の投与から少なくとも約12時間後に、その最高血中内因性LHレベルになる、実施形態II−75に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−78.その初回用量の2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩の投与前に、ARTレジメンの一部として、その女性に、トリガー用量の卵母細胞成熟剤が投与されている、実施形態II−75に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−79.超音波によって、少なくとも14mmの卵胞が少なくとも3個見えたら、その初回用量を投与する、先行実施形態のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−80.超音波によって、少なくとも18mmの卵胞が少なくとも3個見えたら、その初回用量を投与する、先行実施形態のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−81.血清中エストラジオール濃度が少なくとも0.49nmol/Lであったら、その初回用量を投与する、先行実施形態のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−82.その方法が、その初回用量の投与の約5日〜約12日前に、FSHを投与することをさらに含む、先行実施形態のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−83.その方法が、その初回用量の投与の約2日〜約10日前に、GnRHアンタゴニストを投与することをさらに含む、先行実施形態のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−84.そのGnRHアンタゴニストが、レルゴリクス、エラゴリクス、セトロレリクス、ガニレリクス、アバレリクス、Nal−Blu、アンタイド、アザリンB、デガレリクス、D63153(オザレリクス)、OBE2109及びテベレリクスからなる群から選択されている、実施形態II−83に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−85.その方法が、その初回用量の投与の約14〜約28日前に、GnRHアゴニストを投与することをさらに含む、実施形態II−73〜II−84のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−86.そのGnRHアゴニストが、リュープロレリンアセテート、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン及びレシレリンからなる群から選択されている、実施形態II−85に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−87.卵母細胞の採取前に、その初回用量を投与する、先行実施形態のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−88.卵母細胞の採取後に、その初回用量を投与する、実施形態II−73〜II−87のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−89.排卵前に、その初回用量を投与する、実施形態II−73〜II−87のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−90.排卵後に、その初回用量を投与する、実施形態II−73〜II−87のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−91.GnRHアゴニストを卵母細胞成熟剤として投与した後に、その初回用量を投与する、先行実施形態のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−92.そのGnRHアゴニストが、リュープロレリンアセテート、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン及びレシレリンからなる群から選択されている、実施形態II−91に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−93.その方法が、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを2回目の用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することをさらに含む、先行実施形態のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−94.その初回用量の投与から約8〜約60時間以内に、2回目の用量を投与する、実施形態II−93に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−95.その方法が、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを3回目の用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することをさらに含む、実施形態II−93またはII−94に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−96.2回目の用量の投与から約8〜約60時間以内に、3回目の用量を投与する、実施形態II−95に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−97.その方法が、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを1〜5回、追加用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することをさらに含む、実施形態II−95またはII−96に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−98.その1〜5回の追加用量の投与が、その前の用量を投与してから約8〜約60時間以内である、実施形態II−97に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−99.その方法が、1回用量以上のプロゲストゲンを投与することをさらに含む、先行実施形態のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−100.その方法が、1回用量以上のプロゲストゲンを投与することを含まない、実施形態II−73〜II−98のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−101.その初回用量、2回目の用量、3回目の用量または1〜5回の追加用量の1つ以上を注射によって投与する、先行実施形態のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−102.その注射が、筋肉内または皮下注射である、実施形態II−101に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−103.その初回用量、2回目の用量、3回目の用量または1〜5回の追加用量のいずれか1つ以上が、約0.0003mg〜約0.03mgである、先行実施形態のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−104.その女性が、COSを受けている、先行実施形態のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−105.そのART療法が、卵母細胞の提供、卵母細胞バンキング、ICSI、IVF、ETプロセス、排卵誘導及び子宮腔内人工授精からなる群から選択されている、先行実施形態のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−106.その女性が、PCOS、血清中AMHが15ピコモル/L超、超音波による総AFCが23個超、血清中エストラジオールE2が3000pg/mL超のうちの1つ以上であるか、または過去にOHSSエピソードを1回以上発現したことがある、先行実施形態のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−107.その女性が、無排卵もしくは高齢出産のいずれか1つ以上であるか、または二次的な卵巣機能不全、希発月経、無月経、子宮内膜症もしくは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を罹患している、先行実施形態のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−108.ARTを受けており、下垂体脱感作を受けたことがあり、ARTの一部として、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある女性において、卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導する方法で使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩であって、前記方法が、その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−109.その初回用量を投与した後、その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、実施形態II−108に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−110.無排卵性不妊である女性において排卵を誘導する方法で使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩であって、前記不妊が、早発卵巣障害によるものではなく、前記方法が、その女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−111.その初回用量を投与した後、その女性の血中内因性LHレベルが、その初回用量を投与する前の女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、実施形態II−110に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−112.その女性に、OHSSのリスクがある、実施形態II−108〜II−111のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−113.その初回用量が、0.001mg〜約0.003mgの2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたは対応する量のその製薬学的に許容可能な塩である、先行実施形態のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−114.その初回用量が、0.001mg〜約0.030mgの2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたは対応する量のその製薬学的に許容可能な塩である、実施形態II−73〜II−112のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−115.その初回用量が、0.0003mg〜約0.003mgの2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたは対応する量のその製薬学的に許容可能な塩である、実施形態II−73〜II−112のいずれか1つに従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
実施形態II−116.ARTを受けており、OHSSのリスクがある女性の内因性LHレベルを上昇させるための医薬の製造のための、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩の使用。
実施形態II−117.ARTを受けている女性の内因性LHレベルを上昇させるための医薬の製造のための、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩の使用。
実施形態II−118.ARTを受けており、下垂体脱感作を受けたことがあり、ARTの一部として、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある女性において、卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導するための医薬の製造のための、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩の使用。
実施形態II−119.無排卵性不妊である女性において、排卵を誘導するための医薬の製造のための、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩の使用であって、前記不妊が、早発卵巣障害によるものではない使用。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
生殖補助医療(ART)を受けており、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクがある女性の内因性黄体化ホルモン(LH)レベルを上昇させる方法で使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩であって、前記方法が、
前記女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、または前記その製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む前記2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目2)
前記初回用量を投与した後、前記女性の血中内因性LHレベルが、前記初回用量を投与する前の前記女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、項目1に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目3)
生殖補助医療(ART)を受けている女性の内因性黄体化ホルモン(LH)レベルを上昇させる方法で使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩であって、前記方法が、
前記女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、または前記その製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む前記2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目4)
前記初回用量を投与してから少なくとも36時間後に、前記女性の血中内因性LHレベルが、前記初回用量を投与する前の前記女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、項目3に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目5)
前記初回用量の投与から少なくとも約12時間後に、最高血中内因性LHレベルになる、項目3に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目6)
前記初回用量の2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたは前記その製薬学的に許容可能な塩の投与前に、ARTレジメンの一部として、前記女性に、トリガー用量の卵母細胞成熟剤が投与されている、項目3に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目7)
超音波によって、少なくとも14mmの卵胞が少なくとも3個見えたら、前記初回用量を投与する、先行項目のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目8)
超音波によって、少なくとも18mmの卵胞が少なくとも3個見えたら、その初回用量を投与する、先行項目のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目9)
血清中エストラジオール濃度が少なくとも0.49nmol/Lであったら、前記初回用量を投与する、先行項目のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目10)
前記方法が、前記初回用量の投与の約5日〜約12日前に、卵胞刺激ホルモン(FSH)を投与することをさらに含む、先行項目のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目11)
前記方法が、前記初回用量の投与の約2日〜約10日前に、GnRHアンタゴニストを投与することをさらに含む、先行項目のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目12)
前記GnRHアンタゴニストが、レルゴリクス、エラゴリクス、セトロレリクス、ガニレリクス、アバレリクス、Nal−Blu、アンタイド、アザリンB、デガレリクス、D63153(オザレリクス)、OBE2109及びテベレリクスからなる群から選択されている、項目11に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目13)
前記方法が、前記初回用量の投与の約14〜約28日前に、GnRHアゴニストを投与することをさらに含む、項目1〜12のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目14)
前記GnRHアゴニストが、リュープロレリンアセテート、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン及びレシレリンからなる群から選択されている、項目13に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目15)
卵母細胞の採取前に、前記初回用量を投与する、先行項目のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目16)
卵母細胞の採取後に、前記初回用量を投与する、項目1〜15のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目17)
排卵前に、前記初回用量を投与する、項目1〜15のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目18)
排卵後に、前記初回用量を投与する、項目1〜15のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目19)
GnRHアゴニストを卵母細胞成熟剤として投与した後に、前記初回用量を投与する、先行項目のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目20)
前記GnRHアゴニストが、リュープロレリンアセテート、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン及びレシレリンからなる群から選択されている、項目19に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目21)
前記方法が、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを2回目の用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することをさらに含む、先行項目のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目22)
前記2回目の用量を、前記初回用量の投与から約8〜約60時間以内に投与する、項目21に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目23)
前記方法が、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを3回目の用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することをさらに含む、項目21または22に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目24)
前記3回目の用量を、前記2回目の用量の投与から約8〜約60時間以内に投与する、項目23に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目25)
前記方法が、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを1〜5回、追加用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することをさらに含む、項目23または24に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目26)
前記1〜5回の追加用量の投与が、その前の用量を投与してから約8〜約60時間以内である、項目25に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目27)
前記方法が、1回用量以上のプロゲストゲンを投与することをさらに含む、先行項目のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目28)
前記方法が、1回用量以上のプロゲストゲンを投与することを含まない、項目1〜26のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目29)
前記初回用量、2回目の用量、3回目の用量または1〜5回の追加用量の1つ以上を注射によって投与する、先行項目のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目30)
前記注射が、筋肉内または皮下注射である、項目29に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目31)
前記初回用量、2回目の用量、3回目の用量または1〜5回の追加用量のいずれか1つ以上が、約0.0003mg〜約0.03mgである、先行項目のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目32)
前記女性が、調節卵巣刺激(COS)を受けている、先行項目のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目33)
前記ART療法が、卵母細胞の提供、卵母細胞バンキング、卵細胞質内精子注入(ICSI)、体外受精(IVF)、胚移植(ET)プロセス、排卵誘導及び子宮腔内人工授精からなる群から選択されている、先行項目のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目34)
前記女性が、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、血清中抗ミュラー管ホルモン(AMH)が15ピコモル/L超、超音波による総胞状卵胞数(AFC)が23個超、血清中エストラジオールE2が3000pg/mL超のうちの1つ以上であるか、または過去にOHSSエピソードを1回以上発現したことがある、先行項目のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目35)
前記女性が、無排卵もしくは高齢出産のいずれか1つ以上であるか、または二次的な卵巣機能不全、希発月経、無月経、子宮内膜症もしくは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を罹患している、先行項目のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目36)
生殖補助医療(ART)を受けており、下垂体脱感作を受けたことがあり、生殖補助医療(ART)の一部として、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある女性において、卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導する方法で使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩であって、前記方法が、前記女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、または前記その製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む前記2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目37)
前記初回用量を投与した後、前記女性の血中内因性LHレベルが、前記初回用量を投与する前の前記女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、項目36に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目38)
無排卵性不妊である女性において排卵を誘導する方法で使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩であって、前記不妊が、早発卵巣障害によるものではなく、前記方法が、前記女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の0.00003mg〜約0.030mg、または前記その製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む前記2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目39)
前記初回用量を投与した後、前記女性の血中内因性LHレベルが、前記初回用量を投与する前の前記女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、項目38に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目40)
前記女性に、OHSSのリスクがある、項目36〜39のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目41)
前記初回用量が、0.001mg〜約0.003mgの2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたは対応する量のその製薬学的に許容可能な塩である、先行項目のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目42)
前記初回用量が、0.001mg〜約0.030mgの2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたは対応する量のその製薬学的に許容可能な塩である、項目1〜40のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目43)
前記初回用量が、0.0003mg〜約0.003mgの2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたは対応する量のその製薬学的に許容可能な塩である、項目1〜40のいずれか1項に従って使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩。
(項目44)
内因性黄体化ホルモン(LH)レベルを上昇させる必要のある女性の内因性黄体化ホルモン(LH)レベルの上昇方法であって、
前記女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含み、
前記女性が、生殖補助医療(ART)を受けていて、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクがあり、前記初回用量を投与した後、前記女性の血中内因性LHレベルが、前記初回用量を投与する前の前記女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する前記方法。
(項目45)
内因性黄体化ホルモン(LH)レベルを上昇させる必要があり、ARTを受けている女性の内因性黄体化ホルモン(LH)レベルの上昇方法であって、
前記女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含み、
前記女性が、生殖補助医療(ART)を受けており、前記初回用量を投与してから少なくとも36時間後に、前記女性の血中内因性LHレベルが、前記初回用量を投与する前の前記女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する前記方法。
(項目46)
内因性黄体化ホルモン(LH)レベルを上昇させる必要があり、ARTを受けている女性の内因性黄体化ホルモン(LH)レベルの上昇方法であって、
前記女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含み、
前記女性が、生殖補助医療(ART)を受けており、前記初回用量の投与から少なくとも約12時間後に、最高血中内因性LHレベルになる前記方法。
(項目47)
前記初回用量の投与から約12時間〜約48時間後に、最高血中内因性LHレベルになる、項目46に記載の方法。
(項目48)
ARTを受けていて、黄体期補助が必要な女性の内因性黄体化ホルモン(LH)レベルの上昇方法であって、
ARTレジメンの一部として、前記女性に、トリガー用量の卵母細胞成熟剤を投与した後、前記女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与すること含む前記方法。
(項目49)
前記女性の血中内因性LHレベルが、前記初回用量の投与から約12時間〜約96時間後に、前記初回用量を投与する前の前記女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、項目44〜48のいずれか1項に記載の方法。
(項目50)
前記女性の血中内因性LHレベルが、前記初回用量の投与後、少なくとも36時間、前記初回用量を投与する前の前記女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、項目44〜49のいずれか1項に記載の方法。
(項目51)
前記血中内因性LHレベルが、約36時間〜約16日間上昇する、項目50に記載の方法。
(項目52)
前記血中内因性LHレベルが、約36時間〜約12日間上昇する、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記初回用量の投与によって、卵母細胞の成熟を促す、項目44〜52のいずれか1項に記載の方法。
(項目54)
外因性ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCGもしくはhCG)または外因性LHの投与なしに、卵母細胞の成熟が起こる、項目53に記載の方法。
(項目55)
GnRHアゴニストの投与後、卵母細胞の成熟が起こる、項目53または54に記載の方法。
(項目56)
外因性hCGの投与後に、卵母細胞の成熟が起こる、項目53に記載の方法。
(項目57)
成熟卵母細胞の収率が、少なくとも50%である、項目53〜56のいずれか1項に記載の方法。
(項目58)
前記初回用量の投与後、前記女性が、腹水、胸水及び腎灌流の減少からなる群から選択した1つ以上の症状を示さない、項目44〜57のいずれか1項に記載の方法。
(項目59)
前記初回用量の投与後、卵巣の大きさが、直径5cm超まで増大しないことができる、項目44〜58のいずれか1項に記載の方法。
(項目60)
前記初回用量の投与後、前記女性が、OHSSの1つ以上の症状を示さない、項目44〜59のいずれか1項に記載の方法。
(項目61)
前記初回用量の投与後、前記女性のOHSSの1つ以上の症状が悪化しない、項目44〜59のいずれか1項に記載の方法。
(項目62)
超音波によって、少なくとも14mmの卵胞が少なくとも3個見えたら、前記初回用量を投与する、項目44〜61のいずれか1項に記載の方法。
(項目63)
超音波によって、少なくとも18mmの卵胞が少なくとも3個見えたら、前記初回用量を投与する、項目44〜62のいずれか1項に記載の方法。
(項目64)
血清中エストラジオール濃度が少なくとも0.49nmol/Lであったら、前記初回用量を投与する、項目44〜63のいずれか1項に記載の方法。
(項目65)
前記初回用量の投与の約5日〜約12日前に、FSHを投与することをさらに含む、項目44〜64のいずれか1項に記載の方法。
(項目66)
前記初回用量の投与の約2日〜約10日前に、GnRHアンタゴニストを投与することをさらに含む、項目44〜64のいずれか1項に記載の方法。
(項目67)
前記GnRHアンタゴニストが、レルゴリクス、エラゴリクス、セトロレリクス、ガニレリクス、アバレリクス、Nal−Blu、アンタイド、アザリンB、デガレリクス、D63153(オザレリクス)、OBE2109及びテベレリクスからなる群から選択されている、項目66に記載の方法。
(項目68)
前記初回用量の投与の約14〜約28日前に、GnRHアゴニストを投与することをさらに含む、項目44〜67のいずれか1項に記載の方法。
(項目69)
前記GnRHアゴニストが、リュープロレリンアセテート、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン及びレシレリンからなる群から選択されている、項目68に記載の方法。
(項目70)
卵母細胞の採取前に、前記初回用量を投与する、項目44〜69のいずれか1項に記載の方法。
(項目71)
卵母細胞の採取後に、前記初回用量を投与する、項目44〜70のいずれか1項に記載の方法。
(項目72)
排卵前に、前記初回用量を投与する、項目44〜70のいずれか1項に記載の方法。
(項目73)
排卵後に、前記初回用量を投与する、項目44〜70のいずれか1項に記載の方法。
(項目74)
GnRHアゴニストを卵母細胞成熟剤として投与した後に、前記初回用量を投与する、項目44〜73のいずれか1項に記載の方法。
(項目75)
前記GnRHアゴニストが、リュープロレリンアセテート、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン及びレシレリンからなる群から選択されている、項目74に記載の方法。
(項目76)
2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを2回目の用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することをさらに含む、項目44〜75のいずれか1項に記載の方法。
(項目77)
前記2回目の用量を、前記初回用量の投与から約8〜約60時間以内に投与する、項目76に記載の方法。
(項目78)
2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを3回目の用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することをさらに含む、項目76または77に記載の方法。
(項目79)
前記3回目の用量を、前記2回目の用量の投与から約8〜約60時間以内に投与する、項目78に記載の方法。
(項目80)
2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを1〜5回、追加用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することをさらに含む、項目78または79に記載の方法。
(項目81)
前記1〜5回の追加用量の投与が、その前の用量を投与してから約8〜約60時間以内である、項目80に記載の方法。
(項目82)
1回用量以上のプロゲストゲンを投与することをさらに含む、項目44〜81のいずれか1項に記載の方法。
(項目83)
1回用量以上のプロゲストゲンを投与することを含まない、項目44〜81のいずれか1項に記載の方法。
(項目84)
卵母細胞の採取をさらに含む、項目44〜83のいずれか1項に記載の方法。
(項目85)
前記初回用量の投与前に、前記女性の下垂体をGnRHに対して脱感作する、項目84に記載の方法。
(項目86)
胚の移植をさらに含む、項目44〜85のいずれか1項に記載の方法。
(項目87)
前記移植を、前記初回用量の投与から約2〜約10日以内に行う、項目86に記載の方法。
(項目88)
前記移植を、卵母細胞の採取から約1〜約7日以内に行う、項目86または87に記載の方法。
(項目89)
前記胚が凍結されていない、項目86〜88のいずれか1項に記載の方法。
(項目90)
卵母細胞の採取と同じ月経周期で、前記胚を移植する、項目89に記載の方法。
(項目91)
排卵を誘導する、項目44〜66、68〜69または71〜73のいずれか1項に記載の方法。
(項目92)
少なくとも前記初回用量の投与後、前記女性が、性交渉または子宮腔内人工授精によって妊娠する、項目91に記載の方法。
(項目93)
少なくとも前記初回用量の投与後、前記女性が妊娠及び/または出産する、項目44〜92のいずれか1項に記載の方法。
(項目94)
前記初回用量、2回目の用量、3回目の用量または1〜5回の追加用量の1つ以上によって、黄体期補助を促す、項目44〜47または49〜93のいずれか1項に記載の方法。
(項目95)
前記初回用量、2回目の用量、3回目の用量または1〜5回の追加用量の1つ以上を注射によって投与する、項目44〜94のいずれか1項に記載の方法。
(項目96)
前記注射が、筋肉内または皮下注射である、項目95に記載の方法。
(項目97)
前記初回用量、2回目の用量、3回目の用量または1〜5回の追加用量のいずれか1つ以上が、約0.0003mg〜約0.03mgである、項目44〜96のいずれか1項に記載の方法。
(項目98)
前記女性が、調節卵巣刺激(COS)を受けている、項目44〜97のいずれか1項に記載の方法。
(項目99)
前記ART療法が、卵母細胞の提供、卵母細胞バンキング、卵細胞質内精子注入(ICSI)、体外受精(IVF)、胚移植(ET)プロセス、排卵誘導及び子宮腔内人工授精からなる群から選択されている、項目44〜98のいずれか1項に記載の方法。
(項目100)
前記女性が、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、血清中抗ミュラー管ホルモン(AMH)が15ピコモル/L超、超音波による総胞状卵胞数(AFC)が23個超、血清中エストラジオールE2が3000pg/mL超のうちの1つ以上であるか、または過去にOHSSエピソードを1回以上発現したことがある、項目44〜99のいずれか1項に記載の方法。
(項目101)
前記女性が、無排卵もしくは高齢出産のいずれか1つ以上であるか、または二次的な卵巣機能不全、希発月経、無月経、子宮内膜症もしくは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を罹患している、項目44〜100のいずれか1項に記載の方法。
(項目102)
卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導する必要がある女性における卵胞の最終成熟と早期黄体化の誘導方法であって、前記女性が、生殖補助医療(ART)を受けており、下垂体脱感作を受けたことがあり、生殖補助医療(ART)の一部として、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがあり、前記方法が、前記女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含み、前記初回用量を投与した後、前記女性の血中内因性黄体化ホルモン(LH)レベルが、前記初回用量を投与する前の前記女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する前記方法。
(項目103)
排卵を誘導する必要がある女性における排卵の誘導方法であって、前記女性が、無排卵性不妊であり、前記不妊が、早発卵巣障害によるものではなく、前記方法が、前記女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含み、前記初回用量を投与した後、前記女性の血中内因性黄体化ホルモン(LH)レベルが、前記初回用量を投与する前の前記女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する前記方法。
(項目104)
前記女性に、OHSSのリスクがある、項目102または103に記載の方法。
(項目105)
前記初回用量を投与してから少なくとも36時間後に、前記女性の血中内因性LHレベルが、前記初回用量を投与する前の前記女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、項目102〜104のいずれか1項に記載の方法。
(項目106)
前記初回用量の投与から少なくとも約12時間後に、最高血中内因性LHレベルになる、項目102〜105のいずれか1項に記載の方法。
(項目107)
前記初回用量の投与から約12時間〜約48時間後に、最高血中内因性LHレベルになる、項目106に記載の方法。
(項目108)
前記女性の血中内因性LHレベルが、前記初回用量の投与から約12時間〜約96時間後に、前記初回用量を投与する前の前記女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、項目102〜107のいずれか1項に記載の方法。
(項目109)
前記女性の血中内因性LHレベルが、前記初回用量の投与後、少なくとも36時間、前記初回用量を投与する前の前記女性の血中内因性LHレベルよりも上昇する、項目102〜108のいずれか1項に記載の方法。
(項目110)
前記血中内因性LHレベルが、約36時間〜約16日間上昇する、項目109に記載の方法。
(項目111)
前記血中内因性LHレベルが、約36時間〜約12日間上昇する、項目109に記載の方法。
(項目112)
前記女性が、早発卵巣障害を原因としない無排卵性不妊である、項目44〜112のいずれか1項に記載の方法。
(項目113)
前記女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の0.001mg〜約0.003mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む、項目44〜112のいずれか1項に記載の方法。
(項目114)
前記女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の0.001mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む、項目44〜112のいずれか1項に記載の方法。
(項目115)
前記女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の0.0003mg〜約0.003mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む、項目44〜112のいずれか1項に記載の方法。
(項目116)
生殖補助医療(ART)を受けており、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクがある女性の内因性黄体化ホルモン(LH)レベルを上昇させるための医薬の製造のための、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩の使用。
(項目117)
生殖補助医療(ART)を受けている女性の内因性黄体化ホルモン(LH)レベルを上昇させるための医薬の製造のための、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩の使用。
(項目118)
生殖補助医療(ART)を受けており、下垂体脱感作を受けたことがあり、生殖補助医療(ART)の一部として、卵胞刺激ホルモンによる前治療を受けたことがある女性において、卵胞の最終成熟と早期黄体化を誘導するための医薬の製造のための、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩の使用。
(項目119)
無排卵性不妊である女性において、排卵を誘導するための医薬の製造のための、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩の使用であって、前記不妊が、早発卵巣障害によるものではない前記使用。

Claims (17)

  1. 生殖補助医療を受けている女性の内因性黄体化ホルモン(LH)レベルを上昇させる方法で使用するための2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドまたはその製薬学的に許容可能な塩を含む組成物であって、前記方法が、
    前記女性に、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを初回用量の0.00003mg〜0.030mg、または前記その製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含む、組成物
  2. 前記初回用量の投与から少なくとも約12時間後に、最高血中内因性LHレベルになる、請求項1に記載の組成物
  3. 前記初回用量の投与から12時間〜48時間後に、最高血中内因性LHレベルになる、請求項1または請求項2に記載の組成物
  4. 外因性ヒト絨毛性ゴナドトロピンまたは外因性LHの投与なしに、卵母細胞の成熟が起こる、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物
  5. 超音波によって、少なくとも14mmの卵胞が少なくとも3個見えたら、前記初回用量投与され、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物
  6. 超音波によって、少なくとも18mmの卵胞が少なくとも3個見えたら、その初回用量投与され、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物
  7. 血清中エストラジオール濃度が少なくとも0.49nmol/Lであったら、前記初回用量投与され、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物
  8. 前記方法が、前記初回用量の投与の2〜10日前に、GnRHアンタゴニストを投与することを含、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物
  9. 前記GnRHアンタゴニストが、レルゴリクス、エラゴリクス、セトロレリクス、ガニレリクス、アバレリクス、Nal−Blu、アンタイド、アザリンB、デガレリクス、D63153(オザレリクス)、OBE2109及びテベレリクスからなる群から選択されている、請求項8に記載の組成物
  10. 卵母細胞の採取前に、前記初回用量投与され、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物
  11. 卵母細胞の採取後に、前記初回用量投与される、請求項1〜1のいずれか1項に記載の組成物
  12. 前記方法が、2−(N−アセチル−D−チロシル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−フェニルアラニル)ヒドラジノカルボニル−L−ロイシル−Nω−メチル−L−アルギニル−L−トリプトファンアミドを2回目の用量の約0.00003mg〜約0.030mg、またはその製薬学的に許容可能な塩を対応する量投与することを含、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物
  13. 前記女性が、多嚢胞性卵巣症候群、血清中抗ミュラー管ホルモンが15ピコモル/L超、超音波による総胞状卵胞数が23個超、血清中エストラジオールE2が3000pg/mL超のうちの1つ以上であるか、または過去に卵巣過剰刺激症候群エピソードを1回以上発現したことがある、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物
  14. 前記女性が、無排卵もしくは高齢出産のいずれか1つ以上であるか、または二次的な卵巣機能不全、希発月経、無月経、子宮内膜症もしくは多嚢胞性卵巣症候群を罹患している、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物
  15. 前記女性が、卵巣過剰刺激症候群のリスクがある、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物
  16. 前記初回用量の投与後、前記女性が、卵巣過剰刺激症候群の1つ以上の症状を示さない、請求項15のいずれか1項に記載の組成物
  17. 前記女性が卵巣過剰刺激症候群を有し、前記初回用量の投与後、前記女性の卵巣過剰刺激症候群の1つ以上の症状が悪化しない、請求項16のいずれか1項に記載の組成物
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