JP6981240B2 - 継目無鋼管及び継目無鋼管の製造方法 - Google Patents
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CEV=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Cu+Ni)/15
上式の元素記号には、それぞれの元素の含有量が質量%で代入される。
CEV=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Cu+Ni)/15
上式の元素記号には、それぞれの元素の含有量が質量%で代入される。
本実施形態による継目無鋼管は、以下に説明する化学組成を有する。以下の説明において、元素の含有量の「%」は、質量%を意味する。
炭素(C)は、鋼の強度を向上させる。C含有量が低すぎると、所望の強度を得るために低温での焼戻しが必要になり、その結果として靱性の低下を招く。一方、C含有量が高すぎると、鋼の加工性及び溶接性が低下する。したがって、C含有量は0.11〜0.20%である。C含有量の下限は、好ましくは0.12%である。C含有量の上限は、好ましくは0.19%であり、さらに好ましくは0.18%である。
シリコン(Si)は、鋼を脱酸する。Siはさらに、鋼の焼入れ性を高めて強度を向上させる。Si含有量が低すぎると、これらの効果が十分に得られない。一方、Si含有量が高すぎると、鋼の靱性が低下する。したがって、Si含有量は0.15〜0.35%である。Si含有量の下限は、好ましくは0.20%であり、さらに好ましくは0.23%である。Si含有量の上限は、好ましくは0.30%であり、さらに好ましくは0.28%である。
マンガン(Mn)は、鋼を脱酸する。Mnはさらに、鋼の焼入れ性を高めて強度を向上させる。Mn含有量が低すぎると、これらの効果が十分に得られない。一方、Mn含有量が高すぎると、MnSの粗大化が起こり鋼の靱性が低下する。したがって、Mn含有量は1.25〜1.50%である。Mn含有量の下限は、好ましくは1.30%であり、さらに好ましくは1.35%である。Mn含有量の上限は、好ましくは1.45%であり、さらに好ましくは1.40%である。
燐(P)は不純物である。Pは粒界に偏析して鋼の靱性を低下させる。したがって、P含有量は0.030%以下である。P含有量は、好ましく0.025%以下であり、さらに好ましくは0.020%以下である。
硫黄(S)は不純物である。S含有量が高すぎると、MnSの粗大化が起こり、鋼の靱性が低下する。したがって、S含有量は0.020%以下である。S含有量は、好ましくは0.015%以下であり、さらに好ましくは0.010%以下である。
クロム(Cr)は、鋼の焼入れ性及び焼戻し軟化抵抗を高め、鋼の強度と靱性とを向上させる。Cr含有量が低すぎると、これらの効果が十分に得られない。一方、Cr含有量が高すぎると、鋼の加工性及び溶接性が低下する。したがって、Cr含有量は0.10〜0.25%である。Cr含有量の下限は、好ましくは0.12%であり、さらに好ましくは0.15%である。Cr含有量の上限は、好ましくは0.22%であり、さらに好ましくは0.20%である。
バナジウム(V)は、析出強化によって鋼の強度を高める。V含有量が低すぎると、この効果が十分に得られない。一方、V含有量が高すぎると、鋼の加工性及び靱性が低下する。したがって、V含有量は0.01〜0.10%である。V含有量の下限は、好ましくは0.03%であり、さらに好ましくは0.05%である。V含有量の上限は、好ましくは0.08%である。
銅(Cu)は不純物である。Cuは鋼の熱間加工性を低下させる。Cu含有量は0.10%以下である。Cu含有量は、好ましくは0.05%以下であり、さらに好ましくは002%以下である。
ニッケル(Ni)は不純物である。Ni含有量は0.10%以下である。Ni含有量は、さらに好ましくは0.05%以下であり、さらに好ましくは0.02%以下である。
モリブデン(Mo)は不純物である。Mo含有量が高すぎると、鋼の溶接性及び靱性が低下する。したがって、Mo含有量は0.10%以下である。Mo含有量は、好ましくは0.05%以下であり、さらに好ましくは0.02%以下である。
ボロン(B)は不純物である。B含有量が高すぎると、靱性及び溶接性が低下する。したがって、B含有量は0.0020%以下である。B含有量は、好ましくは0.0018%以下であり、さらに好ましくは0.0015%以下である。
チタン(Ti)は、窒化物のピン止め効果によって結晶粒を微細化する。Tiが少しでも含有されていれば、この効果が得られる。一方、Ti含有量が高すぎると、窒化物が粗大化して靱性が低下する。したがって、Ti含有量は0〜0.03%である。Ti含有量の下限は、好ましくは0.01%であり、さらに好ましくは0.015%である。Ti含有量の上限は、好ましくは0.028%であり、さらに好ましくは0.025%である。
本実施形態による継目無鋼管は、化学組成を下記の式に代入して得られる炭素当量CEVが0.36〜0.43である。
CEV=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Cu+Ni)/15
上記の式の元素記号には、それぞれの元素の含有量が質量%で代入される。
本実施形態による継目無鋼管は、焼戻しマルテンサイトを主相とする組織を有する。本実施形態による継目無鋼管は、焼戻しマルテンサイトの面積率が好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上である。
本実施形態による継目無鋼管は、引張強さが700MPa以上であり、伸びが25%以上である。
以下、本発明の一実施形態による継目無鋼管の製造方法を説明する。図1は、本実施形態による継目無鋼管の製造方法のフロー図である。本実施形態による継目無鋼管の製造方法は、素管を準備する工程(ステップS1)、素管を焼入れする工程(ステップS2)、及び焼入れした素管を焼戻しする工程(ステップS3)を備えている。
上述した化学組成を有する素管を準備する。素管(継目無鋼管)は例えば、マンネスマン−マンドレル法や、ユジーン−セジュルネ法によって製造されたものを用いることができる。
上記で準備した素管を焼入れする。素管を焼入れする工程は、加熱工程(ステップS2−1)と、冷却工程(ステップS2−2)とを含んでいる。
焼入れした素管を、引張強さが700MPa以上になるように焼戻しする。既述のように、引張強さを大きくするには、焼戻し温度を低くするか、あるいは保持時間を短くすればよい。一方、焼戻し温度を低くしたり、保持時間を短くしたりすると、靱性が低下する。そのため、700MPa以上の強度を確保した上で、要求される引張強さと靱性の程度に応じて、焼戻し条件を調整する。
Claims (6)
- 化学組成が、質量%で、
C :0.11〜0.20%、
Si:0.15〜0.35%、
Mn:1.25〜1.50%、
P :0.030%以下、
S :0.020%以下、
Cr:0.10〜0.25%、
V :0.01〜0.10%、
Cu:0.10%以下、
Ni:0.10%以下、
Mo:0.10%以下、
B :0.0020%以下、
Ti:0〜0.03%、
残部:Fe及び不純物であり、
前記化学組成を下記の式に代入して得られる炭素当量CEVが0.36〜0.43であり、
旧オーステナイト粒の大きさが、ASTM E112−13に準拠した結晶粒度番号で9.0以上で、かつ焼戻しマルテンサイトの面積率が95%以上である組織を有し、
引張強さが、700MPa以上であり、
伸びが、25%以上である、継目無鋼管。
CEV=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Cu+Ni)/15
上式の元素記号には、それぞれの元素の含有量が質量%で代入される。 - 請求項1に記載の継目無鋼管であって、
前記化学組成が、質量%で、
Ti:0.01〜0.03%、
を含む、継目無鋼管。 - 請求項1又は2に記載の継目無鋼管であって、
シャルピー衝撃試験によって得られる破面遷移温度vTrsが、−40℃以下である、継目無鋼管。 - 化学組成が、質量%で、C:0.11〜0.20%、Si:0.15〜0.35%、Mn:1.25〜1.50%、P:0.030%以下、S:0.020%以下、Cr:0.10〜0.25%、V:0.01〜0.10%、Cu:0.10%以下、Ni:0.10%以下、Mo:0.10%以下、B:0.0020%以下、Ti:0〜0.03%、残部:Fe及び不純物である素管を準備する工程と、
前記素管を、50℃/秒以上の昇温速度でAc3点以上の温度に加熱した後、少なくとも850〜500℃の温度範囲の冷却速度が50℃/秒以上になるように冷却して焼入れする工程と、
前記焼入れした素管を、引張強さが700MPa以上になるように焼戻しする工程とを備え、
前記化学組成を下記の式に代入して得られる炭素当量CEVが0.36〜0.43である、請求項1に記載の継目無鋼管の製造方法。
CEV=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Cu+Ni)/15
上式の元素記号には、それぞれの元素の含有量が質量%で代入される。 - 請求項4に記載の継目無鋼管の製造方法であって、
前記化学組成が、質量%で、
Ti:0.01〜0.03%、
を含む、継目無鋼管の製造方法。 - 請求項4又は5に記載の継目無鋼管の製造方法であって、
シャルピー衝撃試験によって得られる破面遷移温度vTrsが、−40℃以下である、継目無鋼管の製造方法。
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