JP6978990B2 - シリンダライナ、ブロックの製造方法及びシリンダライナの製造方法 - Google Patents

シリンダライナ、ブロックの製造方法及びシリンダライナの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、一気筒に対応するシリンダボアを画定するシリンダライナに関する。
多気筒エンジンにおける複数のシリンダボアを含むボアブロックが、例えば、特許文献1に開示されている。当該ボアブロックでは、直線上に並ぶ複数のシリンダボアにおいて、隣接するシリンダボア間に他の部位よりもシリンダボアを薄肉状に形成してスリットが配置されている。そして、ボアブロックをシリンダブロックに鋳込んだ際に、このスリットを利用して、ボアブロックの周囲にウォータジャケットに連通するボア間の冷却通路が形成される。このような構成によって、シリンダボアの冷却促進が期待されるとともに、ボアブロックにおけるボアピッチの短縮化が期待されている。
また、鋳込み用のシリンダライナに関する技術を開示する特許文献2は、シリンダブロックの本体側との密着性を高めるためにライナ表面に設けられたスパイニ(とげ)に起因して、シリンダボア間の距離が短い状態で鋳込みを行うとシリンダブロック側での亀裂を抑制するために、シリンダライナの外周面上のスパイニの一部を除去する技術に言及している。このスパイニの除去は、エンドミルなどの加工工具を用いてシリンダライナの長手方向に沿って行われる。
特開平5−321753号公報 特開2002−97998号公報
以前より、複数のシリンダボアを有する多気筒エンジンにおいて、そのエンジンサイズのコンパクト化と各シリンダボアでの効果的な冷却の両立が検討されている。一般にシリンダボア間のピッチが短縮化できれば、エンジンそのものの全長を短くすることが可能となるものの、シリンダボア間に十分な冷却用の空間、すなわち冷却水を流すためのウォータジャケット等の冷却通路用の空間を確保することが難しくなる。そこで、従来技術に示すボアブロックでは各シリンダボアの一部を薄肉状にすることで、シリンダボア間の距離を縮めつつシリンダボア間に冷却用の空間を確保している。
しかし、一気筒に対応するシリンダボアを画定するシリンダライナにおいては、シリンダブロックやボアブロック等(以下、単に「ブロック」という)の製造のための鋳込みの際にブロック側との密着性を高めるためにライナ外周面に突起が形成されている場合がある。このような場合、いたずらにシリンダライナの表面を加工すると密着性を確保するための突起数が低減し、ブロックでの不具合に繋がる虞がある。
本発明は、上記したような種々の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、多気筒エンジンを形成するためにシリンダライナがブロックに鋳込まれた際に、ブロックとの密着性を確保しつつ、シリンダボアの冷却とボア間ピッチの低減を両立可能とする技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本出願人は、ブロックに鋳込まれるシリンダライナにおい
て、その鋳込まれる際に隣接する他のシリンダボアと対向する、ライナ本体の外周面の限られた範囲に、冷却用の空間を確保するための、突起が存在しない領域を形成することとした。このような構成により、密着性の確保を担保しながらシリンダボアの冷却とボア間ピッチの低減の両立が可能となる。
より詳細には、本発明は、ブロックに鋳込まれて、一気筒に対応するシリンダボアを画定するシリンダライナであって、筒状のライナ本体と、前記ライナ本体の一部の外周面に複数の突起を有するように設けられた突起部と、前記ブロックに鋳込まれた際に隣接する他のシリンダボアと対向する、前記ライナ本体の外周面の所定範囲において、該ライナ本体の上側端部の外周面が、該上側端部より下方での外周面より該ライナ本体の内側に位置し、且つ該上側端部の外周面の少なくとも一部において前記突起が存在しないように形成されたボア隣接部と、を備える。なお、本発明のブロックとは、ライナが鋳込まれる対象でありボアブロックやシリンダブロック等が相当する。
本発明のシリンダライナは、その外周面に複数の突起を有する突起部と、少なくともその一部において突起が存在しないボア隣接部とを備えており、当該突起部に設けられた突起により、鋳込まれ時のブロックとの密着性が担保されている。当該突起の大きさや数、密度等については、必要とされる密着性に応じて適宜設定することができる。ボア隣接部については、ブロックに鋳込まれた際に隣接する他のシリンダボアと対向する、ライナ本体の外周面の所定範囲における、該ライナ本体の上側端部の限られた領域に形成される。このため、ボア隣接部が形成されることで鋳込まれ時のシリンダライナとブロックとの密着性が低下することを抑制することができる。なお、ボア隣接部において「突起が存在しない」とは、突起の全体が存在していない状態を表している。したがって、ボア隣接部では、少なくとも一部において「突起が存在しない」領域が含まれ、その他の領域では突起が全部又は部分的に存在していても構わない。別法として、ボア隣接部の全体において「突起が存在しない」状態であってもよい。
また、このボア隣接部については、ボア隣接部が形成されている上側端部の外周面は、その下方での外周面よりライナ本体の内側に位置しているため、ブロックに複数のシリンダライナが鋳込まれてシリンダボア間のピッチを短くしても、当該上側端部と、対向するシリンダボアとの間の空間をより広く確保することができ、以て、鋳込まれた際にシリンダボア間により多くの冷却用の冷媒を送り込むことが可能となる。このように本発明のシリンダライナによれば、ブロックとの密着性を確保しつつ、シリンダボアの冷却とボア間ピッチの低減を両立できる。
また、上記シリンダライナは、前記ブロックに鋳込まれた際に、前記ボア隣接部が前記隣接する他のシリンダボアに対して対向する所定位置に位置決めされるように、前記ボア隣接部に対して所定の相対位置となるように設けられた位置決め部を、更に備えてもよい。本発明のシリンダライナにおいては、鋳込まれ時にボア隣接部が隣接する他のシリンダボアに対して対向した状態とならなければ、ボア隣接部におけるライナ本体の外周面と、当該他のシリンダボアとの間に、冷却用の空間を好適に形成することができなくなる。したがって、本発明のシリンダライナでは、鋳込まれ時におけるブロックに対するシリンダライナの相対的な位置関係が重要となる。そこで、上記位置決め部が、ボア隣接部に対して、予め定まった所定の相対位置となるように設けられる。当該位置決め部に対してボア隣接部は常に予め決まった位置関係を有することから、鋳込み時に当該位置決め部を利用することで、ブロックに対するシリンダライナの相対的な位置関係を容易に且つ確実に所望の状態とすることが可能となる。なお、位置決め部のボア隣接部に対する所定の相対位置については、特定の形態に限られるものではない。ブロックへの鋳込みが容易になるように、適切な相対位置関係を採用するのが好ましい。
ここで、上記のシリンダライナにおいて、前記ボア隣接部は、前記上側端部において、一方の側面部位と、該ライナ本体の中心軸を挟んで該一方の側面部位の反対側に位置する他方の側面部位とに対に設けられてもよい。そして、前記位置決め部は、前記ライナ本体の下側端部であって前記一方の側面部位と前記他方の側面部位の少なくとも一方に対応する部位に設けられてもよい。このようにボア隣接部をシリンダライナの上側端部に対となるように設けることで、特に、ブロックにシリンダボアが直列に形成される場合に使用されるシリンダライナとして有用である。
なお、上記の「ライナ本体の下側端部であって側面部位に対応する部位」とは、ライナ本体の下側端部において、側面部位との相対的な位置関係が定まっている部位であることを意味し、特定の部位に限定する意図はない。そして、位置決め部については、対となるボア隣接部の少なくとも一方に対応して設けられれば、その位置決め部を利用して対となるボア隣接部を、確実にブロックへの鋳込み時に所定位置に位置決めすることが可能である。
ここで、上記のシリンダライナにおいて、前記位置決め部は、前記ライナ本体の下側端部であって前記一方の側面部位と前記他方の側面部位のそれぞれの下方の部位に対に設けられてもよい。更に、前記対に設けられた前記ボア隣接部を結んで画定される仮想線と、前記対に設けられた前記位置決め部とを結んで画定される仮想線とが、前記ライナ本体の上方視において0度から90度の角度で交わるように、前記ボア隣接部及び前記位置決め部が設けられてもよい。上記の仮想線を画定するには、好ましくは対となるボア隣接部の中心点同士を結び、又は対となる位置決め部の中心点同士を結ぶ。このようにボア隣接部と位置決め部とが所定の相対位置関係をするように両者が配置されることで、位置決め部による位置決めを行った際にボア隣接部の位置を把握しやすくなり、ブロックへの鋳込み作業が行いやすくなる。そして、より好ましくは、前記対に設けられた前記ボア隣接部を結んで画定される仮想線と、前記対に設けられた前記位置決め部とを結んで画定される仮想線とが、前記ライナ本体の上方視において重なるように、すなわち、両仮想線が交わる角度が0度となるように、前記ボア隣接部及び前記位置決め部が設けられる。このような形態では、ボア隣接部と位置決め部とがライナ本体の軸方向に並んだ状態となり、以てブロックへの鋳込み作業がより行いやすくなる。
例えば、上記のシリンダライナを複数用いて、多気筒エンジン用のブロックを製造する場合、その製造方法は次の通りである。すなわち、当該製造方法は、直線状の位置決め軸に対して、前記複数のシリンダライナのそれぞれの前記位置決め部を接触させて、該複数のシリンダライナを所定の直線上に位置決めさせるステップと、前記位置決めされた前記複数のシリンダライナに対して、前記ブロックの本体側を鋳込むステップと、鋳込み後の前記ブロックの本体において、前記シリンダライナで画定された隣接する前記シリンダボアの間であって、対応する2つの前記シリンダライナのそれぞれが有する前記ボア隣接部に挟まれる位置に、冷却媒体が流れる通路を形成するステップと、を含む。このような製造方法によれば、位置決め軸に各シリンダライナの位置決め部を接触させるだけで、各シリンダライナのボア隣接部が所定位置に位置決めされるため、ブロックへの鋳込み作業の負担を大きく軽減することができる。そして、そのようにシリンダライナが位置決めされて鋳込まれて形成されたブロック本体に冷却媒体が流れる通路が形成されても、その通路とシリンダライナとの干渉を好適に回避できる。
ここで、本発明を、ブロックに鋳込まれて、一気筒に対応するシリンダボアを画定するシリンダライナの製造方法の側面から捉えることもできる。その場合、当該製造方法は、外周面に複数の突起を有する、筒状のライナ本体の基本部材を鋳造するステップと、前記ライナ本体の基本部材に対して、加工基準面を設けるステップと、前記加工基準面を基準として、前記ブロックに鋳込まれた際に隣接する他のシリンダボアと対向する、前記ライ
ナ本体の基本部材の上側端部における第1部位を決定するステップと、前記第1部位に対応する前記ライナ本体の基本部材の外表面を切削して、該上側端部の外周面が該上側端部より下方での外周面より該ライナ本体の内側に位置し、且つ該上側端部の外周面の少なくとも一部において前記突起を除去してボア隣接部を形成するステップと、を含む。上述までのシリンダライナに関して開示された技術的思想は、技術的な齟齬が生じない範囲で当該シリンダライナの製造方法にも適用できる。本発明のシリンダライナの製造方法によれば、加工基準面を基準として、ボア隣接部が形成される第1部位が決定され、その第1部位に、ライナ本体の基本部材の外表面を切削することでボア隣接部が形成される。なお、当該切削のための加工方法は、特定の方法に限られず、また使用される切削工具も特定の工具に限定されるものではない。当該製造方法に従って製造されたシリンダライナは、上述したように、ブロックとの密着性を確保しつつ、シリンダボアの冷却とボア間ピッチの低減の両立を可能とする。
また、上記シリンダライナの製造方法は、前記ボア隣接部に対して所定の相対位置となる、前記ライナ本体の基本部材の下側端部における第2部位を決定するステップと、前記第2部位に対応する前記ライナ本体の基本部材をその半径方向に切削して、前記ブロックに鋳込まれた際に、前記ボア隣接部を前記隣接する他のシリンダボアに対して対向する所定位置に位置決めする位置決め部を形成するステップと、を更に含んでもよい。当該製造方法に従って製造されたシリンダライナは、上述したように、鋳込み時に当該位置決め部を利用することで、ブロックに対するシリンダライナの相対的な位置関係を容易に且つ確実に所望の状態とすることが可能となる。
本発明によれば、シリンダライナがブロックに鋳込まれた際に、ブロックとの密着性を確保しつつ、シリンダボアの冷却とボア間ピッチの低減の両立が可能となる。
本発明のシリンダライナを含んで構成されるボアブロックの上面図である。 図1Aに示すボアブロックの上面の一部(A部)に関する拡大図である。 図1Aに示すボアブロックのB−B’断面図である。 図1Aに示すボアブロックのC−C’断面図である。 本発明のシリンダライナの概略構成を示す図である。 図1Dに示すボアブロック断面の一部(D部)の拡大図である。 本発明のシリンダライナの製造の流れを示す図である。 本発明のシリンダライナを含んで構成されるボアブロックの製造の流れを示す図である。 高熱伝導被膜が設けられたシリンダライナの側面を示す図である。 高熱伝導被膜が設けられたシリンダライナの製造の流れを示す図である。 高熱伝導被膜と低熱伝導被膜とが設けられたシリンダライナの側面を示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<第1の実施形態>
図1A〜図1Dには、本実施形態のシリンダライナ10を装着したボアブロック1を示している。詳細には、図1Aはボアブロック1の上面図であり、図1Bは、ボアブロック
1において隣接するシリンダボア2の間の一部(図1Aに示すA部)を拡大した拡大図である。また、図1Cは、図1Aに示すB−B’断面における、ボアブロック1の断面図であり、図1Dは、図1Aに示すC−C’断面における、ボアブロック1の断面図である。ボアブロック1は、内燃機関のシリンダブロックの一部の構成であり、各シリンダライナ10によって内燃機関の気筒に対応するシリンダボア2が画定される。なお、本実施形態に示すボアブロック1は、3本のシリンダボアが直列に配列された形態を有しているが、それ以外のシリンダボアの配列形態を有するボアブロック1についても本実施形態のシリンダライナ10は適用可能である。
ボアブロック1の製造方法については後述し、先ずはボアブロック1の構造について説明する。ボアブロック1は、3本のシリンダライナ10をアルミニウム合金により鋳込むことで形成される。その鋳込まれたアルミニウム合金は、ボアブロック1のブロック本体3を形成する。そして、ボアブロック1においては、直列に配列された3つのシリンダボア2同士の間に、ボア間通路4が形成されている。これらのシリンダボアの配列方向(図1Aにおける左右方向でありC−C’断面の方向)をボアブロック1の長手方向と定義し、それに直交する方向(すなわち、図1Aにおける上下方向でありB−B’断面の方向)をボアブロック1の前後方向と定義する。そして、ボア間通路4は、図1Bに示すように、ブロック本体3の上面側に開口し、且つ、ボアブロック1の前後方向に延在するスリット形状を有している(図1B及び図1Cを参照)。このボア間通路4は、後述するようにボアブロック1が鋳込み形成された後に、所定の加工により形成される。そして、ボアブロック1は、詳細な図示は省略するが、組み込まれていわゆる内燃機関のシリンダブロックが形成される場合に、そのシリンダブロック内のウォータジャケットとボア間通路4とが接続され、完成後の内燃機関において冷却媒体(冷却水等)が流通可能な通路となる。
なお、ボアブロック1のブロック本体3の材料としては、軽量化及びコスト面を考慮して、例えば、JIS ADC10(関連規格:米国ASTM A380.0)、あるいはJIS ADC12(関連規格:米国ASTM A383.0)などのアルミニウム合金を採用できる。
次に、ボアブロック1に装着されるシリンダライナ10について、図2に基づいて説明する。図2の上段(a)にはシリンダライナ10の側面を示し、中段(b)にはシリンダライナ10の上面を示している。また、図2の下段(c)は、シリンダライナ10の外周面S1の拡大図である。シリンダライナ10は筒状の形状を有しており、ボアブロック1に装着されて、シリンダライナ10の内周面S2がシリンダボア2の壁面を形成する。なお、シリンダライナ10の材料としては、耐摩耗性、耐焼付性及び加工性を考慮して、例えば、JIS FC230などの鋳鉄が用いられる。鋳鉄の組成の一例は、T.C:2.9〜3.7(質量%、以下同じ)、Si:1.6〜2.8、Mn:0.5〜1.0、P:0.05〜0.4、残Feである。必要に応じて、Cr:0.05〜0.4(質量%、以下同じ)、B:0.03〜0.08、Cu:0.3〜0.5を添加してもよい。
ここで、シリンダライナ10の外周面S1の大部分には突起13が複数形成されている。シリンダライナ10は鋳鉄により鋳造されるため、この外周面S1は鋳肌面である。外周面S1に突起13が形成されていることで、ボアブロック1の製造時にアルミニウム合金で鋳込まれた際にブロック本体3とシリンダライナ10との密着性を高めることができる。図2の下段(c)には、外周面S1に設けられている突起13として、先端が基底より拡径した形状の突起が例示されているが、突起13の形状はこれに限定されない。例えば、台形、四角形等の形状も採用できる。
また、外周面S1における突起13の寸法や分布については、ボアブロック1においてブロック本体3とシリンダライナ10との密着性を考慮して設定することができる。例え
ば、突起13の高さは0.2〜0.7mmで、突起の個数は1cm当たり10〜100個である。また、突起面積率は10〜50%が望ましい。突起面積率は、単位面積内に存在する突起13において突起13の基底から0.2mm位置における突起13の断面積の合計面積が単位面積に占める割合として算出される。突起面積率が10%未満では接合強度が低下する。50%を越えると突起が結合して鋳造性が低下し、空隙ができて密着性が低下し、熱伝導率が低下する。なお、上述の突起13の分布は、後述する平坦部11を除く、シリンダライナ10の外周面S1における数値である。
ここで、平坦部11について説明する。平坦部11は、平坦部11を除くシリンダライナ10の外周面S1とは異なり、上述した突起13がその表面上に形成されていない。更に、シリンダライナ10がボアブロック1に鋳込まれた際に、当該シリンダライナ10が装着されているシリンダボア2に隣接する他のシリンダボア2と対向する位置に設けられている。具体的には、平坦部11は、幅がW1で深さ(高さ)がD1となる矩形状に、且つ、シリンダライナ10の中心軸を挟んで対となるようにその上側端部の所定部位に設けられている(図2(b)を参照)。そして、平坦部11は、後述するように元々筒状のシリンダライナ10の基本部材から、平坦部11が形成される部位に対応する当該基本部材の外周面を切削することで形成されるため、平坦部11の外周面は、当該平坦部11より下方に位置するシリンダライナ10の外周面S1よりも、シリンダライナ10の内側に位置していることになる。すなわち、平坦部11の表面は、上方視のシリンダライナ10の半径方向において、シリンダライナ10の外周面S1よりも一段低い位置にある。以上より、平坦部11は本発明のボア隣接部に相当し、平坦部11以外のシリンダライナ10の外周面S1が本発明の突起部に相当する。なお、平坦部11は上記の通りシリンダライナ10の基本部材を切削により形成することで、その表面においては概ね上記の突起13が除去されて存在しない状態となっているが、その加工状態によっては、一部の突起13については部分的に削除され、例えばその土台部分だけが残っている状況もあり得る。すなわち、平坦部11については、少なくともその一部において突起13が完全に除去されていればよく、その全体において必ずしも突起13が完全に除去されている必要はない。
このように平坦部11がシリンダライナ10に設けられることで、シリンダライナ10がボアブロック1に鋳込まれた場合に、隣接するシリンダボア同士の間の構成は図3に示すようになる。図3は、図1Dに示すボアブロック1の断面における部位D(隣接するシリンダボア2で挟まれた部位)の拡大図である。この部位Dは、ボア間通路4を含む部位でもある。
上記の通り、平坦部11は、隣接するシリンダボア2に対向するように配置されている。そのため隣接するシリンダボア2同士の間に配置されるボア間通路4は、一方のシリンダボア2側のシリンダライナ10の平坦部11と、他方のシリンダボア2側のシリンダライナ10の平坦部11とに挟まれた状態となる。ここで、平坦部11の表面はその下方の外周面S1、すなわち突起13の先端部よりも低い位置にあるため、対向する平坦部11の間には、ボア間通路4を形成するための空間を確保しやすくなる。換言すれば、ボア間通路4とシリンダライナ10との干渉を回避でき、シリンダライナ10とボア間通路4との間により多くのブロック本体3が介在した状態を確立しやすくなる。このことは、シリンダボア2間のピッチをより小さくしながらもボア間通路4の断面積を大きくでき、各シリンダボア2内のシリンダライナ10を好適に冷却することを可能とする。なお、平坦部11の表面は必ずしもボア間通路4に平行である必要はなく、ボア間通路4とシリンダライナ10との干渉が回避できる限りにおいて、ボア間通路4に対する平坦部11の向きは適宜設定できる。
ここで、平坦部11の寸法について言及する。先ず、矩形状の平坦部11の深さ(高さ)であるD1は、ボアブロック1を含んでシリンダブロックが形成され、更にはエンジン
が構成されたときに、シリンダボア内のピストンが上死点に位置した際に形成される燃焼室の位置を考慮して決定される。すなわち、シリンダライナ10のうち比較的高温の環境に晒され、冷却媒体による冷却が特に必要とされる部位に対応して、D1が決定される。換言すれば、図3に示すようにシリンダボア2を冷却するためのボア間通路4の大きさに対応して、すなわちボア間通路4への熱の伝達が好適に行われるように、平坦部11の深さD1が決定される。なお、仮にボア間通路4の深さよりもいたずらに深くD1が決定されてしまうと、シリンダライナ10の外周面S1において突起13が形成されている面積が小さくなるため、シリンダライナ10とブロック本体3との密着性に好ましくない影響を与え得る。そのため、深さD1の寸法は、ボア間通路4との干渉回避、及び上記密着性の確保の観点から決定されるのが好ましい。
また、平坦部の幅であるW1についても、深さD1と同様にボア間通路4との干渉回避、及び上記密着性の確保の観点から決定されるのが好ましい。深さD1が好適に設定されていても仮に幅W1がいたずらに大きく設定されてしまうと、突起13が形成されていない平坦部11の面積が大きくなってしまい、シリンダライナ10とブロック本体3との密着性が低下してしまう。また、幅W1がいたずらに小さく設定されると、結果的に平坦部11がその下方の外周面S1よりもシリンダライナ10の内側に位置する距離が小さくなってしまい、ボア間通路4との干渉回避を十分に図ることが難しくなる。これらの、ボア間通路4との干渉回避及びシリンダライナ10とブロック本体3との密着性に関する課題を考慮して、幅W1は決定される。更に、深さD1と幅W1は、シリンダライナ10の強度を考慮して決定されるのが好ましい。
次に、上記の平坦部11を隣接する他のシリンダボア2に対向させるために使用される位置決め溝12(本発明の位置決め部に相当)について説明する。位置決め溝12は、図2の上段(a)に示すように、平坦部11の中央部位の直下であって、シリンダライナ10の下側端部に形成されている。そして、平坦部11と位置決め溝12の相対的な位置関係については、シリンダライナ10の上側端部に設けられている対の平坦部11の中央部位を結んで画定される仮想線L1と、その下側端部に設けられている対の位置決め溝12の中央部位を結んで画定される仮想線L2とが、シリンダライナ10の上方視において重なるように、両者のそれぞれの位置が決定されている。このような構成により、位置決め溝12に基づいてボアブロック1におけるシリンダライナ10の位置を決めると、平坦部11の位置も当該位置決め溝12を基準として所定の位置に決められることになる。より具体的には、上記の通り仮想線L1とL2は重なっていることから、対となる位置決め溝12を用いてシリンダライナ10の位置を決めると、対となる位置決め溝12に並ぶように、対となる平坦部11の位置も決定されることになる。
また、別法として、仮想線L1と仮想線L2は重なる態様に代えて、上方視で仮想線L1と仮想線L2が0度〜90度の角度で交差するように、対となる平坦部11と対となる位置決め溝12のそれぞれの位置が決められてもよい。肝要なことは、仮想線L1と仮想線L2の相対的な位置関係が所定の関係に定まっていることである。このような構成によっても、位置決め溝12に基づいてボアブロック1におけるシリンダライナ10の位置を決めると、平坦部11の位置も所定の位置、すなわち隣接するシリンダボアに好適に対向する位置に決められることになる。
<シリンダライナ10の製造方法>
シリンダライナ10は遠心鋳造法により製造される。遠心鋳造法によれば、均一な複数の突起13を外周面S1に有するシリンダライナ10を生産性よく製造できる。以下、図4に基づいて、シリンダライナ10の製造方法を説明する。
先ず、S101では、シリンダライナ10の基本部材を鋳造する。当該基本部材は、突
起13が形成された外周面S1を有する、円筒状の構造物である。一例としては、平均粒径0.002〜0.02mmの珪藻土、ベントナイト(粘結剤)、水、及び界面活性剤を所定の割合で混合して塗型剤が作製される。200〜400℃に加熱されて回転する鋳型(金型)の内面に塗型剤が噴霧塗布され、塗型の内面に塗型層が形成される。塗型層の厚さは0.5〜1.1mmである。界面活性剤の作用により、塗型層内から発生する蒸気の泡によって塗型層に複数の凹穴が形成される。塗型層を乾燥後、回転する鋳型内に鋳鉄溶湯が鋳込まれる。このとき、塗型層の凹穴に溶湯が充填され、均一な複数の突起が形成される。溶湯が固化してシリンダライナ10が形成された後、塗型層とともにシリンダライナ10が鋳型から取り出される。ブラスト処理により塗型剤が除去され、均一な複数の突起13を外周面に有するシリンダライナ10の基本部材が製造される。
次に、S102では、シリンダライナ10の基本部材に対して、加工基準面が設けられる。具体的には、位置決め溝12が形成される、シリンダライナ10の下側端部の端面が加工基準面として切削形成される。続いて、S103では、平坦部11と位置決め溝12が形成される切削部位が決定される。位置決め溝12については、シリンダライナ10の下側端部において、シリンダライナ10の中心軸を挟む2つの位置が、位置決め溝12の切削部位(本発明の第2部位に相当)とされる。2つの位置決め溝12の切削部位を結ぶ直線は、上記の仮想線L2に相当し、シリンダライナ10の中心軸と交差する。また、平坦部11は、シリンダライナ10の上側端部に対となるように形成されるが、その対となる平坦部11については、シリンダライナ10の中心軸を挟んだ上側端部の位置が、平坦部11の切削部位(本発明の第1部位に相当)とされる。更に、2つの平坦部11の切削部位を結ぶ直線は、上記の仮想線L1に相当し、上述したように、シリンダライナ10の上方視において仮想線L2と重なるように、平坦部11の切削部位が決定されることになる。
そして、S104では、決定された上側端部の切削部位に、深さがD1で幅がW1の矩形状の平面が形成されるように、シリンダライナ10の基本構造の表面を切削加工し、平坦部11を形成する。次いで、S105では、決定された下側端部の切削部位で、シリンダライナ10の基本構造をその半径方向(外周面S1から内周面S2に向かう方向)に切削加工し、位置決め溝12を形成する。なお、位置決め溝12の形状は、ボアブロック1の製造過程においてシリンダライナ10の位置決めを行える限りにおいては特定の形状には限定されない。例えば、位置決め溝12は、位置決め用の治具が嵌るように、図2の上段(a)に示すように適度に丸みを帯びた凹部であってもよい。
なお、シリンダライナ10の製造方法については、図4に示す方法だけには限られない。例えば、位置決め溝12を先に形成し、その後に平坦部11を形成しても構わない。この場合も、上述した位置決め溝12と平坦部11との間の相対位置関係、すなわち上方視における仮想線L1とL2との重なりが考慮される。
<ボアブロック1の製造方法>
上記の方法に従って製造されたシリンダライナ10を用いた、図1A等に示すボアブロック1の製造方法について、図5に基づいて説明する。先ず、S201では、ボアブロック1用の鋳型内で、そこで形成されるシリンダボア数に応じた数のシリンダライナ10の位置決め(本実施形態では、3本のシリンダライナ10の位置決め)が行われる。具体的には、各シリンダライナ10の下側端部に設けられている位置決め溝12を用いて、3本のシリンダライナ10の位置決めが行われる。位置決めのための治具は、直線状の位置決め軸である。3本のシリンダライナ10のそれぞれの位置決め溝12を、この位置決め軸に嵌め合わせることで、3本のシリンダライナ10を一直線上に位置決めすることができる。このとき、各シリンダライナ10の平坦部11も、位置決め軸に沿って一直線上に並べられることになる。そして、上記位置決め軸は、ボアブロック1の長手方向に沿って鋳
型に対して位置決めされているため、シリンダライナ10が当該位置決め軸により位置決めされると、各平坦部11が隣接するシリンダボアに対向した状態に置かれることになる。
次に、S201で3本のシリンダライナ10が鋳型内で位置決めされると、S202では、その鋳型内にブロック本体3を形成するアルミニウム合金溶湯が充填されることにより、シリンダライナ10が鋳込まれてボアブロック1の基本構造体が形成される。そして、S203では、その基本構造体に対して、ボア間通路4を形成するための切削加工が行われる。ボア間通路4の幅は、例えば、3mm、深さは10〜30mmとされる。その他に、シリンダライナ10の内周面S2の仕上げ加工も行われる。加工終了後において、シリンダライナ10の肉厚は、例えば1.0〜2.5mmとされる。
このようなボアブロック1の製造方法において、鋳込み後にボア間通路4が切削加工される場合でも、図3に示すように、その切削部位にはシリンダライナ10の平坦部11が対向するように配置されているため、ボア間通路4とシリンダライナ10との干渉を好適に回避することができる。このようなシリンダライナ10の構成は、ボアブロック1のボア間ピッチを小さくする場合には、特に有用である。また、シリンダライナ10における平坦部11の形成部位を、所定範囲に限定しているため、鋳込み後のシリンダライナ10とブロック本体3との密着性がいたずらに低下することを避けることができる。
<変形例1>
上記のシリンダライナ10においては、平坦部11はその上側端部に対に設けられているが、その態様に代えて平坦部11は上側端部に1つ設けられてもよい。例えば、図1A等に示すボアブロック1に形成されている3本のシリンダボア2のうち、右側もしくは左側の端に位置するシリンダボア2は、その左右の何れか一方にのみ隣接する他のシリンダボアが位置する。そのようなシリンダボア2に含まれるシリンダライナ10については、平坦部11は1つだけ設けられても、当該平坦部11が、隣接する他のシリンダボア2に対向するように配置されれば支障はない。
また、位置決め溝12は、必ずしもシリンダライナ10の下側端部に対に設けられる必要はなく、位置決め用の治具との相互作用において、鋳型内でシリンダライナ10を、平坦部11が隣接する他のシリンダボア2に対して対向する所定位置に位置決めできれば、位置決め溝12の数や形状は特定のものに限られない。また、位置決め溝12の下側端部における配置も、必ずしも平坦部11の直下である必要はなく、上記のように鋳型内でシリンダライナ10を所定位置に位置決めできれば特定の位置に限られない。
<変形例2>
シリンダライナ10の外周面のうち、少なくとも平坦部11及びその周辺の部位には、高熱伝導被膜14が設けられてもよい。例えば、図6に示すように、シリンダライナ10の外周面のうち、上側端部からシリンダライナ10の軸方向(高さ方向)における中間部までの範囲には、高熱伝導被膜14が設けられてもよい。高熱伝導被膜14は、平坦部11及び突起13の表面を含め、シリンダライナの周方向全体にわたって設けられる。なお、図6に示す例では、シリンダライナ10の軸方向における高熱伝導被膜14の下端は、平坦部11の下端より下側に位置しているが、高熱伝導被膜14の下端が平坦部11の下端と同等の位置になるように定められてもよい。要するに、シリンダライナ10の外周面のうち、平坦部11及びその周辺を含む部位であって、且つ内燃機関の運転時にシリンダボア2内で発生する熱を受けやすい部位に、高熱伝導被膜14が形成されればよい。
ここで、高熱伝導被膜14は、該高熱伝導被膜14が形成されていない状態に比べ、シリンダライナ10とブロック本体3との間の熱伝導性を高めることができる素材により形
成される。具体的には、高熱伝導被膜14は、アルミニウム、アルミニウム合金(Al−Si合金、Al−Si―Cu合金、Al−Cu合金等)、銅、又は銅合金の溶射層により構成される。なお、溶射層の素材としては、以下の(A)又は(B)の少なくとも一方の条件を満たす材料であれば、上記以外の材料を用いることができる。
(A)ブロック本体3の鋳造材料の溶湯温度以下の融点を有する材料、又はそのような材料を含有する材料。ここでいう「溶湯温度」は、シリンダライナ10をブロック本体3の鋳造材料で鋳込む際に、鋳型内に充填される鋳造材料の溶湯の温度である。
(B)ブロック本体3の鋳造材料と冶金的に接合する材料、又はそのような材料を含む材料。
シリンダライナ10の外周面に上記高熱伝導被膜14が形成された状態で、該シリンダライナ10がブロック本体3に鋳込まれると、シリンダライナ10の上部とブロック本体3とは、高熱伝導被膜14を介して接合されることになる。その際の接合強度及び密着性は、シリンダライナ10の上部とブロック本体3とが高熱伝導被膜14を介さずに接合された場合よりも高いものとなる。このようにしてシリンダライナ10の上部とブロック本体3との密着性が高められると、シリンダライナ10の上部とブロック本体3との間の熱伝導性が向上する。特に、シリンダライナ10の上部に平坦部11が設けられる構成においては、該平坦部11に突起13が形成されないことで、平坦部11及びその周辺におけるシリンダライナ10とブロック本体3との接合強度、密着性、及び熱伝導性が低下する可能性があるが、平坦部11及びその周辺の部位が高熱伝導被膜14を介してブロック本体3と接合されることで、平坦部11が設けられることに起因する、シリンダライナ10とブロック本体3との接合強度、密着性、及び熱伝導性の低下を抑制することが可能となる。
<シリンダライナ10の製造方法>
以下、図7に基づいて、本変形例におけるシリンダライナ10の製造方法を説明する。図7中、前述の図4と同様の工程には同一の符号を付している。
図7に示す例では、S105の工程が終了した後に、S1001の工程が行われる。このS1001の工程では、シリンダライナ10の外周面のうち、上側端部から軸方向の中間部までの範囲において、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、又は銅合金等を、プラズマ溶射、アーク溶射、又はHVOF溶射することで、高熱伝導被膜14を形成する。その際の「中間部」は、上記したように、シリンダライナ10の軸方向における平坦部11の下端と同等の位置、又は該下端より下側の位置であって、内燃機関の運転時にシリンダボア2内で発生する熱を受けやすい部位の外周面を高熱伝導被膜14で覆うことが可能な位置に定められる。また、高熱伝導被膜14の厚さは、隣接する突起13間に形成される窪みが該高熱伝導被膜14によって埋められないように定められるものとする。すなわち、ブロック本体3の鋳造材料によってシリンダライナ10を鋳ぐるむ際に、ブロック本体3の鋳造材料が上記の窪みに流れ込むことで、突起13によるアンカー効果が得られるように、高熱伝導被膜14の厚さが定められる。
なお、本変形例では、高熱伝導被膜14が溶射によって形成される例について述べたが、高熱伝導被膜14がショットコーティング、又はめっきにより形成されてもよい。高熱伝導被膜14をショットコーティングにより形成する場合は、該高熱伝導被膜14の材料として、亜鉛、すず、アルミニウム、又は亜鉛とすずの少なくとも一方を含む合金等を用いることができる。ショットコーティングにおいては、コーティング材料を溶融させることなく高熱伝導被膜14を形成することができるため、高熱伝導被膜14内に酸化物が含まれ難くなる。それにより、酸化物の含有に起因する高熱伝導被膜14の熱伝導性の低下を抑制することができる。高熱伝導被膜14をめっきにより形成する場合は、該高熱伝導被膜14の材料として、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、又は銅合金等を用いるこ
とができる。
また、本変形例では、シリンダライナ10の外周面に高熱伝導被膜14のみが設けられる例について述べたが、高熱伝導被膜14に加え、低熱伝導被膜15が設けられてもよい。具体的には、低熱伝導被膜15は、図8に示すように、シリンダライナ10の軸方向における上記中間部から下側端部にかけて、シリンダライナ10の外周面の周方向全体に設けられればよい。ここでいう「低熱伝導被膜15」は、該低熱伝導被膜15が形成されていない状態に比べ、シリンダライナ10とブロック本体3との間の熱伝導性を低下させることができる素材により形成されている。具体的には、低熱伝導被膜15は、セラミック材料(アルミナ、ジルコニア等)の溶射層、酸化物及び気孔を多数含む鉄系材料の溶射層、塗装を通じて形成したダイカスト用の離型剤(バーミキュライトとヒタゾールと水ガラスとを調合した離型剤、又はシリコンを主成分とした液状材料と水ガラスとを調合した離型剤等)の層、塗装を通じて形成した金型遠心鋳造用の塗型剤(珪藻土を主成分として調合した塗型剤、又は黒鉛を主成分として調合した塗型剤等)の層、塗装を通じて形成したメタリック塗料の層、塗装を通じて形成した低密着剤(黒鉛と水ガラスと水とを調合した低密着剤、又は窒化ボロンと水ガラスとを調合した低密着剤等)の層、樹脂コーティングを通じて形成した耐熱樹脂の層、化成処理を通じて形成した化成処理層(りん酸塩の化成処理層、又は四三酸化鉄の化成処理層等)等によって構成される。シリンダライナ10の外周面に高熱伝導被膜14と低熱伝導被膜15とが設けられると、シリンダライナ10のうち、シリンダボア2内で発生する熱を受けやすい部位(シリンダライナ10の軸方向における中間部より上側の部位)の熱が高熱伝導被膜14を通じてブロック本体3へ放熱され易くなる一方で、シリンダボア2内で発生する熱を受け難い部位(シリンダライナ10の軸方向における中間部より下側の部位)からブロック本体3への放熱が低熱伝導被膜15によって抑制されるようになる。これにより、シリンダライナ10の軸方向における温度分布を均一に近づけることができる。
1 :ボアブロック
2 :シリンダボア
3 :ブロック本体
4 :ボア間通路
10 :シリンダライナ
11 :平坦部
12 :位置決め溝
13 :突起
14 :高熱伝導被膜
15 :低熱伝導被膜
L1 :仮想線
L2 :仮想線
S1 :外周面
S2 :内周面

Claims (10)

  1. ブロックに鋳込まれて、一気筒に対応するシリンダボアを画定するシリンダライナであって、
    筒状のライナ本体と、
    前記ライナ本体の一部の外周面に複数の突起を有するように設けられた突起部と、
    前記ブロックに鋳込まれた際に隣接する他のシリンダライナと対向する、前記ライナ本体の外周面の所定範囲において、該ライナ本体の上側端部の外周面が、該上側端部より下方での外周面より該ライナ本体の内側に位置し、且つ該上側端部の外周面において前記突起が存在しないように形成された平坦部と、
    前記ブロックに鋳込まれた際に、前記平坦部が前記隣接する他のシリンダライナに対して対向する所定位置に位置決めされるように、前記平坦部に対して所定の相対位置となるように設けられた、前記ライナ本体の下側端部に形成された溝である位置決め部と、を備え、
    前記ブロックに鋳込まれた際に隣接する他のシリンダライナと対向する、前記ライナ本体の外周面の前記所定範囲における、該ライナ本体の該上側端部よりも下方での外周面は、前記突起部として形成されている、
    シリンダライナ。
  2. 前記ライナ本体の外周面のうち、少なくとも前記平坦部及びその周辺の部位には、高熱伝導被膜であって、該高熱伝導被膜が形成されていない状態に比べ、前記シリンダライナと前記ブロックとの間の熱伝導性を高めることが可能な高熱伝導被膜が形成されている、
    請求項1に記載のシリンダライナ。
  3. 前記高熱伝導被膜は、前記ライナ本体の外周面のうち、前記シリンダライナの軸方向における上側端部から中間部までの範囲において形成され、
    前記ライナ本体の外周面のうち、前記中間部から下側端部にかけて、低熱伝導被膜であって、該低熱伝導被膜が形成されていない状態に比べ、前記シリンダライナと前記ブロッ
    クとの間の熱伝導性を低下させることが可能な低熱伝導被膜が形成されている、請求項2に記載のシリンダライナ。
  4. 前記平坦部は、前記上側端部において、一方の側面部位と、該ライナ本体の中心軸を挟んで該一方の側面部位の反対側に位置する他方の側面部位とに対に設けられ、
    前記位置決め部は、前記ライナ本体の下側端部であって前記一方の側面部位と前記他方の側面部位の少なくとも一方に対応する部位に設けられる、
    請求項3に記載のシリンダライナ。
  5. 前記位置決め部は、前記ライナ本体の下側端部であって前記一方の側面部位と前記他方の側面部位のそれぞれの下方の部位に対に設けられ、
    前記対に設けられた前記平坦部を結んで画定される仮想線と、前記対に設けられた前記位置決め部とを結んで画定される仮想線とが、前記ライナ本体の上方視において0度から90度の角度で交わるように、前記平坦部及び前記位置決め部が設けられる、
    請求項4に記載のシリンダライナ。
  6. 前記対に設けられた前記平坦部を結んで画定される仮想線と、前記対に設けられた前記位置決め部とを結んで画定される仮想線とが、前記ライナ本体の上方視において重なるように、前記平坦部及び前記位置決め部が設けられる、
    請求項5に記載のシリンダライナ。
  7. 請求項6に記載のシリンダライナを複数用いて、多気筒エンジン用のブロックを製造する方法であって、
    直線状の位置決め軸に対して、前記複数のシリンダライナのそれぞれの前記位置決め部を接触させて、該複数のシリンダライナを所定の直線上に位置決めさせるステップと、
    前記位置決めされた前記複数のシリンダライナに対して、前記ブロックの本体側を鋳込むステップと、
    鋳込み後の前記ブロックの本体において、前記シリンダライナで画定された隣接する前記シリンダライナの間であって、対応する2つの前記シリンダライナのそれぞれが有する前記平坦部に挟まれる位置に、冷却媒体が流れる通路を形成するステップと、
    を含むブロックの製造方法。
  8. ブロックに鋳込まれて、一気筒に対応するシリンダボアを画定するシリンダライナの製造方法であって、
    外周面に複数の突起を有する、筒状のライナ本体の基本部材を鋳造するステップと、
    前記ライナ本体の基本部材に対して、加工基準面を設けるステップと、
    前記加工基準面を基準として、前記ブロックに鋳込まれた際に隣接する他のシリンダライナと対向する、前記ライナ本体の基本部材の上側端部における第1部位を決定するステップと、
    前記第1部位に対応する前記ライナ本体の基本部材の外表面を切削して、該上側端部の外周面が該上側端部より下方での外周面より該ライナ本体の内側に位置し、且つ該上側端部の外周面において前記突起を除去して平坦部を形成するステップと、
    前記平坦部に対して所定の相対位置となる、前記ライナ本体の基本部材の下側端部における第2部位を決定するステップと、
    前記第2部位に対応する前記ライナ本体の基本部材をその半径方向に切削して、前記ブロックに鋳込まれた際に、前記平坦部を前記隣接する他のシリンダライナに対して対向する所定位置に位置決めする位置決め部を前記ライナ本体の下側端部に溝として形成するステップと、
    を含み、
    前記平坦部を形成するステップでは、前記ブロックに鋳込まれた際に隣接する他のシリ
    ンダライナと対向すると共に該上端部よりも下方の外周面において、複数の前記突起が存在するように、前記平坦部を形成する、
    シリンダライナの製造方法。
  9. 前記ライナ本体の外周面のうち、少なくとも前記平坦部及びその周辺の部位に、高熱伝導被膜であって、該高熱伝導被膜が形成されていない状態に比べ、前記シリンダライナと前記ブロックとの間の熱伝導性を高めることが可能な該高熱伝導被膜を形成するステップを更に含む、
    請求項8に記載のシリンダライナの製造方法。
  10. 前記高熱伝導被膜は、前記ライナ本体の外周面のうち、前記シリンダライナの軸方向における上側端部から中間部までの範囲において形成され、
    前記ライナ本体の外周面のうち、前記中間部から下側端部にかけて、低熱伝導被膜であって、該低熱伝導被膜が形成されていない状態に比べ、前記シリンダライナと前記ブロックとの間の熱伝導性を低下させることが可能な低熱伝導被膜を形成するステップを更に含む、
    請求項9に記載のシリンダライナの製造方法。
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