JP6977817B1 - 自動車のパネル部品の振動騒音低減解析装置及び解析方法 - Google Patents

自動車のパネル部品の振動騒音低減解析装置及び解析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自動車のパネル部品の振動騒音を低減させるために車体を軽量化する部位を特定する自動車のパネル部品の振動騒音低減解析装置及び解析方法を提供する。【解決手段】本発明は、車体モデル200を取得し(13)、車体モデル200に複数の区分領域を設定し(15)、振動騒音低減対象パネル部品モデルを設定し(17)、車体モデル200の振動解析により振動騒音低減対象パネル部品モデルの振動モードと等価放射パワーのピーク周波数を選定し(19)、一つ又は複数の区分領域の重量を変更して振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数を取得し(21)、取得した等価放射パワーのピーク周波数に対する各区分領域の重量の寄与度を算出し(S23)、各区分領域の重量の寄与度に基づいて、自動車のパネル部品からの振動騒音を低減するために車体を軽量化する部位を特定する(25)、ものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車のパネル部品の振動騒音低減解析装置及び解析方法に関し、特に、自動車の起振源からの振動に起因するパネル部品の振動騒音を低減させ、かつ車体を軽量化できる部位を特定する自動車のパネル部品の振動騒音低減解析装置及び解析方法に関する。
フロアパネル、ダッシュロアパネル及びルーフパネル等の自動車のパネル部品は、鋼板、アルミニウム合金板、またはこれらにZn合金等をめっきしたものをプレス成形してなる。これらパネル部品の振動は、ロードノイズやこもり音の原因となり、車室内騒音を悪化させる。そのため、車室内騒音の低減は、自動車の静粛性や商品価値を向上させる上で課題となっている。
図2に例示するような、車体骨格を構成する骨格部品101とパネル部品103とを備えてなる自動車100におけるパネル部品103の振動騒音は、(a)自動車100のエンジン105aや走行時に路面等からタイヤ105bを介して入力する振動が、(b)骨格部品101を伝達し、(c)パネル部品103を振動させることが原因である。
従来、(c)パネル部品103の振動騒音を低減する技術としては、当該パネル部品にビードを付与することが有効であるとされている。そして、非特許文献1には、振動騒音の低減対象とするパネル部品に付与するビードの最適な位置を求める技術がトポグラフィー最適化として開示されている。
しかしながら、意匠性が重要視される自動車においては、ルーフパネルのような外板パネル部品にビードを直接付与することは困難であり、また、隣接する内板パネル部品に干渉するため問題であった。その結果、自動車の振動伝達経路にある(b)骨格部品101に対策を施すことが求められていた。
そこで、自動車の振動伝達経路の骨格部品に対策を施してパネル部品の振動を低減する技術に関しても、これまでにいくつか提案されている。
例えば、特許文献1には、車体前後方向に所定の間隔で複数設けたルーフボウの上にルーフパネルが接合される車体のルーフ構造において、ある一つのルーフボウと該ルーフボウに隣接する少なくとも1つのルーフボウの車体幅方向における中央部の幅を、他のルーフボウの幅よりも幅広に形成することで、エンジン振動等によって車体骨格に共振が生じた場合でもルーフパネルの振動を抑制する技術が開示されている。
特開2007−186086号公報
"構造最適化設計ソフトウェア Altair OptiStruct"、[online]、[令和1年7月18日検索]、インターネット<URL:https://www.terrabyte.co.jp/Hyper/OptiStruct-3.htm>
しかしながら、特許文献1に開示されている技術は、ルーフボウの中央部を幅広に形成することで重量が大幅に増加してしまうという問題があり、また、骨格部品の形状を大きく変えると他の部品と干渉してしまって実現するのが難しい場合があった。
そのため、部品形状を大きく変えずに車体を軽量化しつつ、パネル部品の振動騒音を効率的に低減できる技術が望まれていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、自動車における起振源からの振動に起因するパネル部品の振動騒音を低減させ、かつ前記自動車の車体の軽量化ができる部位を特定する自動車のパネル部品の振動騒音低減解析装置及び解析方法を提案することを目的とする。
(1)本発明に係る自動車のパネル部品の振動騒音低減解析装置は、自動車における起振源からの振動に起因するパネル部品の振動騒音を低減させ、かつ前記自動車の車体の軽量化ができる部位を特定するものであって、
前記自動車の車体を構成する骨格部品とパネル部品のそれぞれをメッシュでモデル化した骨格部品モデルとパネル部品モデルを備えてなり、前記起振源からの振動を入力する加振部が設定された車体モデルを取得する車体モデル取得部と、
該車体モデルに、前記骨格部品モデル及び前記パネル部品モデルに基づいて区分した複数の区分領域を設定する区分領域設定部と、
操作者からの指示により、前記パネル部品モデルのうち、振動騒音の低減対象とするパネル部品モデルを振動騒音低減対象パネル部品モデルとして前記車体モデルに設定する振動騒音低減対象パネル部品モデル設定部と、
前記車体モデルを用いて振動解析を行い、振動騒音低減対象パネル部品モデルの振動挙動と振動騒音の指標である等価放射パワーの周波数特性とを求め、振動騒音への寄与の大きい振動モードと、該振動モードに対応する等価放射パワーのピーク周波数を選定する振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定部と、
前記車体モデルにおける一つ又は複数の区分領域の重量を変更し、前記車体モデルにおける前記区分領域の重量の組み合わせごとに振動解析を行い、前記振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定部による処理を行って選定した振動モードにおける前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数を取得する区分領域重量変更ピーク周波数取得部と、
前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数を目的変数とし、前記区分領域の重量を説明変数とする多変量解析を行い、前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数に対する前記区分領域の重量の寄与度を算出する区分領域重量寄与度算出部と、
該算出した前記各区分領域の寄与度に基づいて、振動騒音の低減対象とする前記パネル部品からの振動騒音を低減するために、前記自動車の車体における軽量化する部位を特定する振動騒音低減軽量化部位特定部と、を備えたことを特徴とするものである。
(2)本発明に係る自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法は、自動車における起振源からの振動に起因するパネル部品の振動騒音を低減させ、かつ前記自動車の車体の軽量化ができる部位を特定するために、コンピュータが以下の各ステップを行うものであって、
前記自動車の車体を構成する骨格部品とパネル部品のそれぞれをメッシュでモデル化した骨格部品モデルとパネル部品モデルを備えてなり、前記起振源からの振動を入力する加振部が設定された車体モデルを取得する車体モデル取得ステップと、
該車体モデルに、前記骨格部品モデル及び前記パネル部品モデルに基づいて区分した複数の区分領域を設定する区分領域設定ステップと、
前記パネル部品モデルのうち、振動騒音の低減対象とするパネル部品モデルを振動騒音低減対象パネル部品モデルとして前記車体モデルに設定する振動騒音低減対象パネル部品モデル設定ステップと、
前記車体モデルを用いて振動解析を行い、振動騒音低減対象パネル部品モデルの振動挙動と振動騒音の指標である等価放射パワーの周波数特性とを求め、振動騒音への寄与の大きい振動モードと、該振動モードに対応する等価放射パワーのピーク周波数を選定する振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定ステップと、
前記車体モデルにおける一つ又は複数の区分領域の重量を変更し、前記車体モデルにおける前記区分領域の重量の組み合わせごとに振動解析を行い、前記振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定ステップによる処理を行って選定した振動モードにおける前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数を取得する区分領域重量変更ピーク周波数取得ステップと、
前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数を目的変数とし、前記区分領域の重量を説明変数とする多変量解析を行い、前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数に対する前記区分領域の重量の寄与度を算出する区分領域重量寄与度算出ステップと、
該算出した前記各区分領域の寄与度に基づいて、振動騒音の低減対象とする前記パネル部品からの振動騒音を低減するために、前記自動車の車体における軽量化する部位を特定する振動騒音低減軽量化部位特定ステップと、を備えたことを特徴とするものである。
(3)本発明に係る自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法は、上記(2)に記載の自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法の前記区分領域重量寄与度算出ステップにおいて、前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数と前記各区分領域の重量との関係式を導出し、該導出した関係式に少なくとも一つ以上の前記各区分領域の重量を変更して与えることにより、前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数を予測し、自動車における起振源からの振動に起因するパネル部品の振動騒音を低減させるために前記自動車の車体における軽量化する部位を特定することを特徴とするものである。
(4)本発明に係る自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法は、上記(2)に記載の自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法の前記区分領域重量寄与度算出ステップにおいて、前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数と前記各区分領域の重量との関係式を導出し、該導出した関係式に板厚を算出したい一つの区分領域を除いた他の区分領域の重量と前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数とを与えて、前記選択した一つの区分領域の重量を算出し、該算出した前記一つの区分領域の重量に基づいて、該一つの区分領域を構成する前記骨格部品モデル及び/又はパネル部品モデルの板厚を算出することを特徴とするものである。
(5)上記(4)に記載のものにおいて、
前記関係式により前記選択した一つの区分領域の重量を算出するに際し、該一つの区分領域の重量の変化が前記等価放射パワーのピーク周波数に及ぼす影響を補正する補正値を前記関係式に与え、前記一つの区分領域の重量を算出することを特徴とするものである。
本発明においては、振動騒音の低減対象とするパネル部品に対応するパネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数に対する車体モデルに設定した区分領域の重量の寄与度を算出し、該算出した寄与度に基づいて、前記自動車の車体において軽量化することでパネル部品からの振動騒音の低減に寄与する部位を特定することができ、パネル部品からの振動騒音の低減と車体の軽量化とを両立させることができる。
本発明の実施の形態1に係る自動車のパネル部品の振動騒音低減解析装置のブロック図である。 本発明の課題である自動車の起振源から伝達した振動に起因するパネル部品の振動騒音を説明する図である。 本発明の実施の形態1〜実施の形態3において解析対象とした車体モデルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態1〜実施の形態3において解析対象とし、骨格部品モデルとパネル部品モデルとを備えてなる車体モデルを上方から見た斜視図である。 本発明の実施の形態1〜実施の形態3において解析対象とし、骨格部品モデルとパネル部品モデルとを備えてなる車体モデルを下方から見た斜視図である。 本発明の実施の形態1〜実施の形態3において、区分領域を設定した車体モデルを上方から見た斜視図である。 本発明の実施の形態において、区分領域を設定した車体モデルを下方から見た斜視図である。 本発明の実施の形態1〜実施の形態3において、車体モデルに生じた振動の変位の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1〜実施の形態3において、車体モデルのミドルフロアモデルの等価放射パワーの周波数特性の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法の処理の流れを示すフロー図である。
本発明の実施の形態に係る自動車のパネル部品の振動騒音低減解析装置及び解析方法について説明するに先立ち、本発明で解析対象とする自動車について説明する。
<対象とする自動車>
本発明で解析対象とする自動車100は、図2に示すように、骨格部品101及びパネル部品103と、自動車100の車体に振動(周期的な荷重)を与える起振源105を有する。
骨格部品101は、自動車の車体骨格を構成する部品であり、ルーフレール、Aピラ、Bピラ、Cピラ、サイドシルなどが例示される。
パネル部品103は、薄板構造の部品である外板パネルや内板パネルであり、ルーフパネルやフロアパネル(例えば、ミドルフロア、リアフロア)等が例示される。
起振源105は、エンジン105aやタイヤ105b等が例示され、自動車の走行時においては、路面からの振動がタイヤ105bを介してフロントサスペンション取付部106やリアサスペンション取付部107等の加振部に入力される。
以下に説明する本発明の実施の形態1〜実施の形態3は、自動車100のミドルフロア103aを振動騒音の低減対象とするパネル部品とする例についてのものである。もっとも、本発明は、他のパネル部品(ルーフやリアフロア)を振動騒音の低減対象とするものであってもよい。
[実施の形態1]
<自動車のパネル部品の振動騒音低減解析装置>
本発明の実施の形態1に係る自動車のパネル部品の振動騒音低減解析装置(以下、単に「振動騒音低減解析装置」という。)の構成について、以下に説明する。
本実施の形態に係る振動騒音低減解析装置1は、自動車100(図2)における起振源105からの振動に起因するパネル部品103からの振動騒音を低減させ、かつ自動車100の車体の軽量化ができる部位を特定するものであって、図1に例示するように、PC(パーソナルコンピュータ)等によって構成され、表示装置3、入力装置5、記憶装置7、作業用データメモリ9及び演算処理部11を有している。
そして、表示装置3、入力装置5、記憶装置7及び作業用データメモリ9は、演算処理部11に接続され、演算処理部11からの指令によってそれぞれの機能が実行される。
以下、自動車100のパネル部品103の一つであるミドルフロア103aを振動騒音の低減対象とする場合を例として、振動騒音低減解析装置1の各構成について説明する。
≪表示装置≫
表示装置3は、解析結果の表示等に用いられ、液晶モニター等で構成される。
≪入力装置≫
入力装置5は、車体モデルファイル30の表示指示や操作者の条件入力等に用いられ、キーボードやマウス等で構成される。
≪記憶装置≫
記憶装置7は、車体モデルファイル30等の各種ファイルの記憶等に用いられ、ハードディスク等で構成される。
車体モデル200(図3参照)とは、車体骨格構造を構成する複数の骨格部品をメッシュ(平面要素及び/又は立体要素)でモデル化した複数の骨格部品モデルと、パネル部品をメッシュ(平面要素)でモデル化したパネル部品モデルと、を備えてなり、自動車の起振源からの振動が入力する加振部が設定されたものである。
そして、車体モデルファイル30は、車体モデル200の各種情報が格納されたものであり、各種情報として、骨格部品モデル及びパネル部品モデルの要素及び節点に関する情報や材料特性に関する情報等が格納されている。
≪作業用データメモリ≫
作業用データメモリ9は、演算処理部11で使用するデータの一時保存(記憶)や演算に用いられ、RAM(Random Access Memory)等で構成される。
≪演算処理部≫
演算処理部11は、図1に示すように、車体モデル取得部13と、区分領域設定部15と、振動騒音低減対象パネル部品モデル設定部17と、振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定部19と、区分領域重量変更ピーク周波数取得部21と、区分領域重量寄与度算出部23と、振動騒音低減軽量化部位特定部25と、を備え、PC等のCPU(中央演算処理装置)によって構成される。これらの各部は、CPUが所定のプログラムを実行することによって機能する。
演算処理部11における上記の各部の機能を以下に説明する。
(車体モデル取得部)
車体モデル取得部13は、自動車100の骨格部品101とパネル部品103(図2)のそれぞれをメッシュ(平面要素及び/又は立体要素)でモデル化した骨格部品モデルとパネル部品モデルを備えるとともに、加振部が設定された車体モデル200を取得するものである。
図3〜図5に、骨格部品モデルとパネル部品モデルとを備えてなる車体モデル200の一例を示す。
骨格部品モデルの例として、ルーフレールモデル201、Aピラモデル203、Bピラモデル205、Cピラモデル207、ミドルフロアメンバモデル209、リアフロアサイドメンバモデル211、リアフロアクロスメンバモデル213を備え、これらは、平面要素及び/又は立体要素でモデル化されている。
パネル部品モデルの例として、本実施の形態において振動騒音の低減対象とするミドルフロアに対応するミドルフロアモデル221の他、ルーフモデル223、リアフロアモデル225を備え、これらは平面要素でモデル化されている。
加振部の例として、自動車のタイヤからの振動が入力するリアサスペンション取付部107に対応する部位231を備える。
車体モデル200は、記憶装置7に記憶された車体モデルファイル30から要素情報や材料特性情報を読み込むことにより取得することができる。
なお、車体モデル200における加振部231は、予め車体モデル200に設定された情報が車体モデルファイル30に格納されたものであってもよいし、車体モデルファイル30から車体モデル200を読み込んだ後、操作者の指示により車体モデル200に設定するものであってもよい。
(区分領域設定部)
区分領域設定部15は、骨格部品モデル及びパネル部品モデルに基づいて区分した複数の区分領域を車体モデル200に設定するものである。
図6及び図7に、車体モデル200に12個の区分領域D1〜D12を設定した例を示す。
D1.ルーフは、ルーフモデル223により区分した区分領域である。
D2.ルーフレールは、ルーフレールモデル201により区分した区分領域である。
D3.リアクウォータサイドは、ホイールハウスモデル247と、クウォータインナモデル245により区分した区分領域である。
D4.リアクウォータアッパは、アッパバックパネルモデル241により区分した区分領域である。
D5.トランクルーム開口部は、ロアバックパネルモデル243により区分した区分領域である。
D6.Bピラは、Bピラモデル205により区分した区分領域である。
D7.リアフロアは、リアフロアモデル225により区分した区分領域である。
D8.ミドルフロアは、ミドルフロアモデル221により区分した区分領域である。
D9.Aピラは、Aピラモデル203により区分した区分領域である。
D10.ミドルフロアメンバは、ミドルフロアメンバモデル209により区分した区分領域である。
D11.リアフロアサイドメンバは、リアフロアサイドメンバモデル211により区分した区分領域である。
D12.リアフロアクロスメンバは、リアフロアクロスメンバモデル213により区分した区分領域である。
D1.ルーフ、D7.リアフロア、D8.ミドルフロアは、いずれも、パネル部品モデルのみ区分された区分領域である。
D2.ルーフレール、D6.Bピラ、D9.Aピラ、D10.ミドルフロアメンバ、D11.リアフロアサイドメンバ、D12.リアフロアクロスメンバは、いずれも、骨格部品モデルのみで区分された区分領域である。
D3.リアクウォータサイド、D4.リアクウォータアッパ、D5.トランクルーム開口部、いずれも、パネル部品モデルと骨格部品モデルとを含む区分領域である。
区分領域設定部15により車体モデル200に設定する区分領域は、上記のように車体を製造する工程を考慮したASSY単位や、骨格部品モデル単位やパネル部品モデル単位としてもよい。あるいは、感度解析等のCAE解析手法を用いて車体モデル200に区分領域を設定するものであってもよい。
(振動騒音低減対象設定部)
振動騒音低減対象パネル部品モデル設定部17は、操作者からの指示により、パネル部品モデルのうち振動騒音の低減対象とするパネル部品モデルを振動騒音低減対象パネル部品モデルとして車体モデル200に設定するものである。本実施の形態では、自動車100のミドルフロア103a(図2)を振動騒音の低減対象とし、車体モデル200におけるパネル部品モデルのうち、ミドルフロアモデル221(図5)を振動騒音低減対象パネル部品モデルとして設定した。
(振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定部)
振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定部19は、車体モデル200を用いて振動解析を行い、振動騒音低減対象パネル部品モデルの振動挙動と振動騒音の指標である等価放射パワーの周波数特性とを求め、振動騒音への寄与の大きい振動モードと、該振動モードに対応する等価放射パワーのピーク周波数を選定するものである。
振動解析としては、例えば、周波数応答解析、振動モード解析や振動エネルギー解析を適用すればよい。
振動解析により求められた振動騒音低減対象パネル部品モデルの振動挙動には、固有周波数ごとに振動モードが存在するが、振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定部19により選定する振動モードは、振動騒音への寄与の大きい振動モードとすればよい。
また、等価放射パワーとは、振動するパネル面から放射される音響特性を表す指標であり、音響を放射するパネル面の面積と、該パネル面の振動速度の2乗の積に比例する。
そこで、振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定部19は、以下の式(1)を用い、振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーを算出する。
Figure 0006977817
式(1)において、ηは放射損失係数、Cは音速、RHOは振動騒音低減対象パネル部品モデルの材料密度、Aiは振動騒音低減対象パネル部品モデルにおけるメッシュiの面積、viはメッシュiの振動速度、である。そして、振動速度viは、振動解析により各メッシュiについて求めた値を与える。
図8に車体モデル200に生じた振動の変位を、図9にミドルフロアモデル221の等価放射パワーの周波数特性の結果の一例を示す。
本実施の形態では、図8に示すように、ミドルフロアモデル221の中央部が大きく振動する(変位が大きい)1次の振動モードを選定した。
そして、図9より、当該選定した振動モードに対応する等価放射パワーのピーク周波数(=39.6Hz)を選定した。
(区分領域重量変更ピーク周波数取得部)
区分領域重量変更ピーク周波数取得部21は、車体モデル200における一つ又は複数の区分領域の重量を変更し、区分領域の重量の組み合わせごとに振動解析を行い、振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定部19による処理を行って選定した振動モードにおける振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数を取得するものである。
表1に、車体モデル200における一つ又は複数の区分領域の重量を変更した組み合わせ(水準)の一例を示す。
Figure 0006977817
水準1は、区分領域D1〜区分領域D12のいずれについても重量を変更していない組み合わせである。
水準2〜水準11は、いずれか一つの区分領域の重量を変化させた組み合わせである。
水準12〜水準22は、複数の区分領域の重量を同時に変化させた組み合わせである。
また、表1中の各区分領域の欄に記載の数値は、元の車体モデル200における各区分領域の重量を基準とした重量比である。例えば、水準2は、区分領域D1.ルーフの重量について、元の車体モデル200におけるD1.ルーフの重量の0.75倍としたものである。
区分領域の重量の組み合わせの水準数は、車体モデル200に設定された区分領域の総数以上であればよく、車体モデルに設定された区分領域について総組み合わせで設定してもよいし、実験計画法を用いて効率的に設定してもよい。
(区分領域重量寄与度算出部)
区分領域重量寄与度算出部23は、振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数を目的変数とし、区分領域の重量を説明変数とする多変量解析を行い、振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数に対する区分領域の重量の寄与度を算出するものである。
多変量解析に用いる回帰モデル(関係式)は、目的変数であるピーク周波数(Y)と説明変数である区分領域Diの重量(Mi)で表されるものであればよく、例えば、以下の式(2)を挙げることができる。なお、式(2)中のMiは、式(3)で示すように、重量を変更する前の区分領域Diの重量ρaを基準とした区分領域Diの重量の倍率である。
また、Miは、重量を変更する前の区分領域Diの密度ρaを基準とした区分領域Diの密度ρbの倍率としてもよい。
Figure 0006977817
そして、多変量解析により求められた関係式(式(2))における偏回帰係数Aiの値を、ピーク周波数に対する各区分領域Diの寄与度として算出する。
なお、多変量解析での回帰モデルは、目的変数(Y)が説明変数(Mi)の線形和で表記される形式であればよく、例えば、以下の式(4)や式(5)を用いてもよい。
Figure 0006977817
また、区分領域重量寄与度算出部23により、回帰モデル(式(2)、式(4)、式(5)等)における偏回帰係数Aiを算出する際には、決定係数又は自由度調整済み決定係数を算出すると良い。決定係数又は自由度調整済み決定係数とは、回帰モデルに説明変数を代入して推定される目的変数の当てはまりの良さ(度合)を表す指標である。
本実施の形態においては、自由度調整済み決定係数が0.90以上であれば、区分領域の重量Miにより推定されるピーク周波数Yの推定において、回帰モデルの当てはまりは十分に良い。
(振動騒音低減軽量化部位特定部)
振動騒音低減軽量化部位特定部25は、区分領域重量寄与度算出部23により求められた各区分領域の寄与度に基づいて、振動騒音の低減対象とするパネル部品の振動騒音を低減するために自動車の車体における軽量化する部位を特定するものである。
すなわち、多変量解析により求めた関係式(例えば、式(2))の偏回帰係数Aiの値が大きい区分領域Diに対応する自動車における部位を、振動騒音の低減対象とするパネル部品の振動騒音を低減するために軽量化する部位として特定する。
このように特定された軽量化する部位に対しては、例えば、当該部位に含まれる骨格部品及び/又はパネル部品の板厚を薄くすればよい。そして、このように軽量化することで、振動騒音を低減対象とするパネル部品からの振動騒音のピーク周波数が高くなり、起振源からの振動との共振を防ぐことができ、また、人が感じやすい音域を外すことができて、前記パネル部品からの振動騒音を低減することが可能となる。
<自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法>
本発明の実施の形態1に係る自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法(以下、単に「振動騒音低減解析方法」という。)の構成について、以下に説明する。
本発明の実施の形態に係る振動騒音低減解析方法は、図2に示すように骨格部品とパネル部品とを備えてなる自動車における起振源からの振動に起因するパネル部品の振動騒音を低減させ、かつ前記自動車の車体の軽量化できる部位を特定するものであり、図10に示すように、車体モデル取得ステップS1と、区分領域設定ステップS3と、振動騒音低減対象パネル部品モデル設定ステップS5と、振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定ステップS7と、区分領域重量変更ピーク周波数取得ステップS9と、区分領域重量寄与度算出ステップS11と、振動騒音低減軽量化部位特定ステップS13と、含むものである。
以下、図10に基づいて、上記の各ステップについて説明する。なお、以下の説明では、上記の各ステップとも、コンピュータによって構成された本発明の実施の形態1に係る振動騒音低減解析装置1(図1)を用いて実行する。
≪車体モデル取得ステップ≫
車体モデル取得ステップS1は、図3〜図5に一例として示すように、自動車100(図2)の骨格部品101とパネル部品103(図2)のそれぞれをメッシュ(平面要素及び/又は立体要素)でモデル化した骨格部品モデルとパネル部品モデルを備えるとともに、起振源からの振動が入力する加振部が設定された車体モデル200を取得するステップである。本実施の形態において、車体モデル取得ステップS1は、振動騒音低減解析装置1の車体モデル取得部13が行う。
≪区分領域設定ステップ≫
区分領域設定ステップS3は、骨格部品モデル及びパネル部品モデルに基づいて区分した複数の区分領域を車体モデル200に設定するステップである。本実施の形態において、区分領域設定ステップS3は、振動騒音低減解析装置1の区分領域設定部15が行う。
区分領域設定ステップS3において設定される車体モデル200の区分領域は、車体を製造する工程を考慮したASSY単位や、骨格部品モデルやパネル部品モデル単位とすればよい。あるいは、感度解析等のCAE解析手法を用いて車体モデル200に区分領域を設定してもよい。
≪振動騒音低減対象パネル部品モデル設定ステップ≫
振動騒音低減対象パネル部品モデル設定ステップS5は、車体モデル200におけるパネル部品モデルのうち振動騒音の低減対象とするパネル部品モデルを振動騒音低減対象パネル部品モデルとして設定するステップである。本実施の形態において、振動騒音低減対象パネル部品モデル設定ステップS5は、振動騒音低減解析装置1の振動騒音低減対象パネル部品モデル設定部17が行う。
≪振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定ステップ≫
振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定ステップS7は、車体モデル200を用いて振動解析を行い、振動騒音低減対象パネル部品モデルの振動挙動と振動騒音の指標である等価放射パワーの周波数特性とを求め、振動騒音への寄与の大きい振動モードと、該振動モードに対応する等価放射パワーのピーク周波数を選定するステップである。本実施の形態において、振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定ステップS7は、振動騒音低減解析装置1の振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定部19が行う。
振動解析としては、例えば、周波数応答解析、振動モード解析や振動エネルギー解析を適用することで、振動騒音低減対象パネル部品モデルの振動挙動を求めることができる。
振動解析により求められた振動騒音低減対象パネル部品モデルの振動挙動には、固有周波数ごとに振動モードが存在するが、振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定ステップS7においては、振動騒音への寄与の大きい振動モードを選定するものとし、例えば、振動騒音低減対象パネル部品モデルの中央部が大きく振動する1次の振動モードを選定するとよい。
また、等価放射パワーは、振動解析により求めた振動騒音低減対象パネル部品モデルの振動挙動の結果に基づいて、前述した式(1)により算出する。
≪区分領域重量変更ピーク周波数取得ステップ≫
区分領域重量変更ピーク周波数取得ステップS9は、車体モデル200における一つ又は複数の区分領域の重量を変更し、区分領域の重量の組み合わせごとに振動解析を行い、振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定ステップS7による処理を行って選定した振動モードにおける振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数を取得するステップである。本実施の形態1において、区分領域重量変更ピーク周波数取得ステップS9は、振動騒音低減解析装置1の区分領域重量変更ピーク周波数取得部21が行う。
車体モデル200における一つ又は複数の区分領域の重量を変更するとは、1つの区分領域について重量を変更することや、複数の区分領域について同時に重量を変更することをいう。
そして、車体モデルにおける区分領域の重量の組み合わせの水準数は、車体モデル200に設定された区分領域の総数以上であればよく、区分領域について総組み合わせで設定してもよいし、実験計画法を用いて効率的に設定してもよい。
≪区分領域重量寄与度算出ステップ≫
区分領域重量寄与度算出ステップS11は、振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数を目的変数とし、区分領域の重量を説明変数とする多変量解析を行い、振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数に対する区分領域の重量の寄与度を算出するステップである。本実施の形態1において、区分領域重量寄与度算出ステップS11は、振動騒音低減解析装置1の区分領域重量寄与度算出部23が行う。
多変量解析により導出する関係式(回帰モデル)は、目的変数であるピーク周波数(Y)と説明変数である区分領域Diの重量(Mi)で表されるものであればよく、例えば、前述した式(2)や、式(4)又は式(5)を挙げることができる。
そして、多変量解析により求めた式(2)、式(4)又は式(5)における偏回帰係数Aiを、ピーク周波数に対する各区分領域Diの寄与度として取得する。
また、区分領域重量寄与度算出ステップS11において回帰モデル(式(2)、式(4)、式(5)等)における偏回帰係数Aiを算出する際には、自由度調整済み決定係数が0.90以上であれば、区分領域の重量による等価放射パワーのピーク周波数の推定において、回帰モデルの当てはまりが十分に良い。
≪振動騒音低減軽量化部位特定ステップ≫
振動騒音低減軽量化部位特定ステップS13は、区分領域重量寄与度算出ステップS11により算出した各区分領域の寄与度に基づいて、振動騒音の低減対象とする前記パネル部品からの振動騒音を低減するために前記自動車の車体における軽量化する部位を特定するステップである。本実施の形態1において、振動騒音低減軽量化部位特定ステップS13は、振動騒音低減解析装置1の振動騒音低減軽量化部位特定部25が行う。
具体的には、区分領域重量寄与度算出ステップS11における多変量解析により求めた関係式(式(2)等)の偏回帰係数Aiの値が大きい区分領域Diに対応する自動車における部位を、振動騒音を低減するために車体における軽量化する部位として特定する。
そして、特定された部位の軽量化としては、例えば、当該部位を構成する骨格部品及び/又はパネル部品の板厚を薄くして重量を軽くすればよい。そして、このような対策を施すことで、振動騒音を低減対象とするパネル部品からの振動騒音のピーク周波数を高くすることができ、起振源からの振動との共振を防ぎ、また、人が感じやすい音域を外すことで振動騒音を低減することが可能となる。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2に係る自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法は、前述した本発明の実施の形態1に係る自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法の区分領域重量寄与度算出ステップS11において前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数と前記各区分領域の重量との関係式を導出し、該導出した関係式に少なくとも一つ以上の前記各区分領域の重量を関係式導出時とは変更して与えて前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数を予測し、自動車における起振源からの振動に起因するパネル部品の振動騒音を低減させるために前記自動車の車体における軽量化する部位を特定するものである。
これにより、予め車体モデルに設定した一つ又は複数の区分領域の重量を変更して振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーの周波数特性を求める振動解析を一回行って関係式を求めておくことで、自動車の骨格部品やパネル部品を含む部位の重量を減少することにより、振動騒音の低減対象とするパネル部品からの振動騒音の指標となる等価放射パワーのピーク周波数をどの程度高くすることができるかの指標を容易に得ることができる。
なお、振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数と車体モデルに設定された区分領域の重量との関係式は、前述の実施の形態1で示した式(2)や式(4)、式(5)のいずれであってもよく、特に限定はない。
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3に係る自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法は、前述した実施の形態1の区分領域重量寄与度算出ステップS11において前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数と前記各区分領域の重量との関係式を導出し、該導出した関係式を用いて板厚を算出したい一つの区分領域について、他の区分領域の重量と前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数とを与えて、前記一つの区分領域の重量を算出し、該算出した前記一つの区分領域の重量に基づいて、該一つの区分領域を構成する前記骨格部品モデル及び/又はパネル部品モデルの板厚を算出するものである。
このように、等価放射パワーのピーク周波数と区分領域の重量の関係式を用いることで、振動騒音の低減対策として軽量化する一つ又は複数の部位を選定しやすくなるだけでなく、振動騒音の低減対策として自動車の車体における一つ又は複数の部位の重量を減らすことによる等価放射パワーのピーク周波数の向上効果を推定することが可能となり、パネル部品からの振動騒音の低減と自動車の軽量化の双方を達成した車体設計を容易に行うことが可能となる。
なお、等価放射パワーのピーク周波数と車体モデルに設定された区分領域の重量との関係式は、前述した実施の形態2と同様に、振動騒音低減対象パネル部品モデルの前述の実施の形態1で示した式(2)や式(4)、式(5)のいずれであってもよく、特に限定はない。
もっとも、関係式に与える等価放射パワーのピーク周波数が、各区分領域の重量を変更する前の車体モデルを用いて求めた等価放射パワーのピーク周波数に比べて高すぎる場合は、区分領域の重量変更に伴う剛性の変化(例えば板厚を薄くしすぎて部品の剛性が低下するなど)が振動騒音低減対象パネル部品モデルの振動挙動に大きく影響しすぎて、式(2)等の関係式における等価放射パワーのピーク周波数(Y)と区分領域の重量(Mi)との相関(予測値の精度)が低下する場合がある。
そこで、本実施の形態3に係る自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法の他の態様として、等価放射パワーのピーク周波数と区分領域の重量との関係式である式(2)に、重量を変更する区分領域Diの軽量化による等価放射パワーのピーク周波数への影響を補正する補正値αiを与えた式(6)に、等価放射パワーのピーク周波数と、板厚を算出したい一つの区分領域を除いた他の区分領域の重量と、を与え、一つの区分領域の重量を算出することが好ましい。
この場合、区分領域の板厚を予め数条件変更して関係式から算出された予測値と、振動解析で得られた計算値との残差平方和が最小となる補正値αiを求めて設定するとよい。
Figure 0006977817
補正値αiは、重量を求めるために選択する一つの区分領域ごとに、上述の方法等により求めることが望ましい。
式(6)において、他の区分領域の重量に関しては補正せずにαi=1を与えてもよいし、大きく変更した重量を与える他の区分領域に関しては補正値αiを適宜与えてもよい。
このように、本実施の形態3に係る自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法の他の態様により、振動騒音の低減対策を施す部位の重量を減らしたことによる剛性の変化を考慮しつつ当該部位の板厚を精度良く推算し、パネル部品の振動騒音の低減と車体の軽量化の双方を達成することができる。
本発明に係る自動車のパネル部品の振動騒音低減解析装置及び解析方法の効果を検証するための数値実験を行ったので、以下、これについて説明する。
数値実験では、図3〜図5に示すように、自動車100の骨格部品101とパネル部品103(図2)のそれぞれをメッシュ(平面要素及び/又は立体要素)でモデル化したパネル部品モデルと骨格部品モデルとともに、自動車100のリアサスペンション取付部107(図2)に対応する部位を加振部231として設定した車体モデル200を解析対象とした。
そして、自動車100のミドルフロア103aを振動騒音の低減対象とし、車体モデル200におけるミドルフロアモデル221を振動騒音低減対象パネル部品モデルとした。
なお、車体モデル200における骨格部品モデル及びパネル部品モデルには、いずれも、表2に示す物性値を設定した。
Figure 0006977817
さらに、車体モデル200に対し、図4及び図5に示すように、区分領域D1〜D12を設定した。
各区分領域D1〜D12を構成する骨格部品モデル及びパネル部品モデルについては、実施の形態1で述べたとおりである。
そして、自動車100のミドルフロア103aからの振動騒音の低減と車体の軽量化をするための解析として、A.振動騒音低減軽量化部位の特定、B.車体モデルにおけるミドルフロアモデルの等価放射パワーのピーク周波数の予測、及び、C.振動騒音低減軽量化部位の板厚の算出、を行った。以下、A〜Cについて、順に説明する。
[A.振動騒音低減軽量化部位の特定]
車体モデル200のミドルフロアモデル221の振動騒音の低減に寄与する区分領域である自動車における車体を軽量化する部位を特定した。
まず、車体モデル200を用いて周波数応答解析を行い、ミドルフロアモデルの振動挙動と等価放射パワーの周波数特性を求めた。
そして、振動解析の結果から、前述の実施の形態1で示したように、ミドルフロアモデルの中央部が大きく振動する振動モードを選定し、該振動モードに対応する等価放射パワーのピーク周波数を取得した。
続いて、一つ又は複数の区分領域D1〜D12の重量を変更して周波数応答解析を行い、区分領域の重量の組み合わせごとに、等価放射パワーのピーク周波数を求めた。ここで、区分領域D1〜D12の重量の組み合わせの水準数は52とした。前述の表1に、区分領域の重量の組み合わせの一部を示す。
そして、振動解析の結果に基づいて求めた等価放射パワーのピーク周波数(Y)を目的変数とし、区分領域Diの重量(Mi)を説明変数として多変量解析を行い、等価放射パワーのピーク周波数Yと区分領域の重量Miとの関係式を求めた。
ここで、多変量解析として重回帰分析を行い、回帰モデルには式(2)を用いた。
多変量解析により求めた関係式を式(7)に示す。また、表3に、式(7)における偏回帰係数Aiと、多変量解析により求めた標準偏回帰係数をあわせて示す。
Figure 0006977817
Figure 0006977817
式(7)及び表3より、偏回帰係数Aiの値が大きい区分領域D8(ミドルフロア、A8=1.81)と区分領域D10(ミドルフロアメンバ、A10=3.57)の重量は、ミドルフロアモデル221の等価放射パワーのピーク周波数に対する寄与度が大きいことが分かる。
これに対し、偏回帰係数の値の小さい区分領域、例えば、D1(ルーフ、A1=-0.07)やD11(リアフロアサイドメンバ、A11=0.001)の重量は、ミドルフロアモデル221の等価放射パワーのピーク周波数に対する寄与度が小さいことが分かる。
以上の結果から、区分領域D8.ミドルフロア及び区分領域D10.ミドルフロアメンバのそれぞれに対応する車体における部位を、振動騒音の低減対策として軽量化する部位として特定することができた。
[B.等価放射パワーのピーク周波数の予測]
次に、等価放射パワーのピーク周波数の予測を行った。
等価放射パワーのピーク周波数と区分領域の重量との関係式として、前述した式(7)を用いた。
そして、車体モデル200(図4及び図5参照)におけるミドルフロアモデル221の等価放射パワーのピーク周波数への寄与の高い区分領域であるD10.ミドルフロアメンバと、寄与の低い区分領域であるD11.リアフロアサイドメンバのそれぞれの重量を変更し、等価放射パワーのピーク周波数(予測値)を求めた。
一方、比較対象として、区分領域D10.ミドルフロアメンバ、又は、区分領域D11.リアフロアサイドメンバの重量を変更した車体モデル200について周波数応答解析を行い、ミドルフロアモデル221の等価放射パワーの周波数応答を求め、ミドルフロアモデル221の中央部が大きく変形する振動モード(1次モード)となるピーク周波数(計算値)を求めた。
表4に、区分領域D10.ミドルフロアメンバ及び区分領域D11.リアフロアサイドメンバの重量と、式(7)によりピーク周波数を予測した結果(予測値)を示す。また、表4には、元の車体モデル200を用いてミドルフロアモデル221の等価放射パワーのピーク周波数を求めた結果(計算値)もあわせて示す。
Figure 0006977817
表4において、No.1は、元の車体モデル200を用いて周波数応答解析行った場合、No.2は、区分領域D11.リアフロアメンバの重量を0.5倍とした場合、No.3は、区分領域D10.ミドルフロアメンバの重量を0.5倍とした場合である。
表4に示すように、式(7)により求めた等価放射パワーのピーク周波数の予測値は、車体モデル200について振動解析により求めた等価放射パワーのピーク周波数の計算値とほぼ等しい結果であった。
寄与度の低い区分領域D1リアフロアサイドメンバの重量を変更(0.5倍)した場合(No.2)、等価放射パワーのピーク周波数の予測値及び計算値はともに、リアフロアサイドメンバの重量を変更する前の車体モデル200の振動解析により求めた等価放射パワーのピーク周波数とほぼ同等であった。
一方、寄与度の高い区分領域D10.ミドルフロアメンバの重量を変更した場合、等価放射パワーのピーク周波数の予測値及び計算値はともに、元の車体モデルのピーク周波数よりも3.2Hz及び3.5Hz高い結果となった。
これよりも、ミドルフロアモデルの等価放射パワーのピーク周波数への寄与度の低いD11.リアフロアサイドメンバの重量を変更しても振動騒音のピーク周波数はほぼ変わらないのに対し、寄与度の高いD10.ミドルフロアメンバの重量を0.5倍とすることで、ピーク周波数を3Hz以上高くでき、車体の軽量化と振動騒音の低減の双方を達成できることが示された。
[振動騒音低減軽量化部位の板厚の算出]
続いて、振動騒音低減軽量化部位のピーク周波数に対する板厚の影響について検討した。
ここでは、等価放射パワーのピーク周波数と区分領域の重量との関係式として、前述した式(7)を用い、区分領域D10.ミドルフロアメンバモデルの板厚を変更したときのミドルフロアモデル221(図4及び図5参照)の等価放射パワーのピーク周波数を予測した。
さらに、区分領域D10.ミドルフロアメンバモデルを軽量化したことによる剛性変化を考慮する補正値αを与えた場合についても、ピーク周波数を予測した。
表5に、ピーク周波数の予測値と計算値を示す。
Figure 0006977817
表5において、No.1は、元の車体モデル200におけるD10.ミドルフロアメンバの重量とした場合、No.4及びNo.5は、それぞれ、区分領域D10.ミドルフロアメンバを構成する部品の板厚を1.2mmから0.9mm及び0.8mmに薄くして軽量化した場合である。
表5よりも、区分領域D10.ミドルフロアメンバの板厚を変更したことによりピーク周波数の予測値と計算値は、いずれも、元の車体よりも高くなり、板厚を薄くするほど、すなわち、重量を減少するほどピーク周波数は高くなった。
また、予測値に関して、前述の式(6)の軽量化による剛性変化の補正値αiを与えることで、計算値に近づき良好な結果となった。
上記の結果は、振動騒音低減対象パネル部品モデルの振動騒音への寄与度の大きい区分領域の板厚を変更してピーク周波数を求めるものであったが、ピーク周波数を与えて区分領域の板厚を求める場合であっても、所定のピーク周波数を満たすように板厚を求めることができ、振動騒音の低減と軽量化を達成することができる。さらに、区分領域の重量変更による剛性変化に係る補正値を与えることで、区分領域の板厚をより精度よく推算することが可能となる。
1 振動騒音低減解析装置
3 表示装置
5 入力装置
7 記憶装置
9 作業用データメモリ
11 演算処理部
13 車体モデル取得部
15 区分領域設定部
17 振動騒音低減対象パネル部品モデル設定部
19 振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定部
21 区分領域重量変更ピーク周波数取得部
23 区分領域重量寄与度算出部
25 振動騒音低減軽量化部位特定部
30 車体モデルファイル
100 自動車
101 骨格部品
103 パネル部品
103a ミドルフロア
105 起振源
105a エンジン
105b タイヤ
106 フロントサスペンション取付部
107 リアサスペンション取付部
200 車体モデル
201 ルーフレールモデル
203 Aピラモデル
205 Bピラモデル
207 Cピラモデル
209 ミドルフロアメンバモデル
211 リアフロアサイドメンバモデル
213 リアフロアクロスメンバモデル
221 ミドルフロアモデル
223 ルーフモデル
225 リアフロアモデル
231 加振部
241 アッパバックパネルモデル
243 ロアバックパネルモデル
245 クウォータインナモデル
247 ホイールハウスモデル

Claims (5)

  1. 自動車における起振源からの振動に起因するパネル部品の振動騒音を低減させ、かつ前記自動車の車体の軽量化ができる部位を特定する自動車のパネル部品の振動騒音低減解析装置であって、
    前記自動車の車体を構成する骨格部品とパネル部品のそれぞれをメッシュでモデル化した骨格部品モデルとパネル部品モデルを備えてなり、前記起振源からの振動を入力する加振部が設定された車体モデルを取得する車体モデル取得部と、
    該車体モデルに、前記骨格部品モデル及び前記パネル部品モデルに基づいて区分した複数の区分領域を設定する区分領域設定部と、
    操作者からの指示により、前記パネル部品モデルのうち振動騒音の低減対象とするパネル部品モデルを振動騒音低減対象パネル部品モデルとして前記車体モデルに設定する振動騒音低減対象パネル部品モデル設定部と、
    前記車体モデルを用いて振動解析を行い、振動騒音低減対象パネル部品モデルの振動挙動と振動騒音の指標である等価放射パワーの周波数特性とを求め、振動騒音への寄与の大きい振動モードと、該振動モードに対応する等価放射パワーのピーク周波数を選定する振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定部と、
    前記車体モデルにおける一つ又は複数の区分領域の重量を変更し、前記車体モデルにおける前記区分領域の重量の組み合わせごとに振動解析を行い、前記振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定部による処理を行って選定した振動モードにおける前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数を取得する区分領域重量変更ピーク周波数取得部と、
    前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数を目的変数とし、前記区分領域の重量を説明変数とする多変量解析を行い、前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数に対する前記区分領域の重量の寄与度を算出する区分領域重量寄与度算出部と、
    該算出した前記各区分領域の寄与度に基づいて、振動騒音の低減対象とする前記パネル部品からの振動騒音を低減するために前記自動車の車体における軽量化する部位を特定する振動騒音低減軽量化部位特定部と、を備えたことを特徴とする自動車のパネル部品の振動騒音低減解析装置。
  2. 自動車における起振源からの振動に起因するパネル部品の振動騒音を低減させ、かつ前記自動車の車体の軽量化ができる部位を特定するために、コンピュータが以下の各ステップを行う自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法であって、
    前記自動車の車体を構成する骨格部品とパネル部品のそれぞれをメッシュでモデル化した骨格部品モデルとパネル部品モデルを備えてなり、前記起振源からの振動を入力する加振部が設定された車体モデルを取得する車体モデル取得ステップと、
    該車体モデルに、前記骨格部品モデル及び前記パネル部品モデルに基づいて区分した複数の区分領域を設定する区分領域設定ステップと、
    前記パネル部品モデルのうち、振動騒音の低減対象とするパネル部品モデルを振動騒音低減対象パネル部品モデルとして前記車体モデルに設定する振動騒音低減対象パネル部品モデル設定ステップと、
    前記車体モデルを用いて振動解析を行い、振動騒音低減対象パネル部品モデルの振動挙動と振動騒音の指標である等価放射パワーの周波数特性とを求め、振動騒音への寄与の大きい振動モードと、該振動モードに対応する等価放射パワーのピーク周波数を選定する振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定ステップと、
    前記車体モデルにおける一つ又は複数の区分領域の重量を変更し、前記車体モデルにおける前記区分領域の重量の組み合わせごとに振動解析を行い、前記振動モード・等価放射パワーピーク周波数選定ステップによる処理を行って選定した振動モードにおける前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数を取得する区分領域重量変更ピーク周波数取得ステップと、
    前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数を目的変数とし、前記区分領域の重量を説明変数とする多変量解析を行い、前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数に対する前記区分領域の重量の寄与度を算出する区分領域重量寄与度算出ステップと、
    該算出した前記各区分領域の寄与度に基づいて、振動騒音の低減対象とする前記パネル部品からの振動騒音を低減するために前記自動車の車体における軽量化する部位を特定する振動騒音低減軽量化部位特定ステップと、を備えたことを特徴とする自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法。
  3. 請求項2に記載の自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法の前記区分領域重量寄与度算出ステップにおいて、前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数と前記各区分領域の重量との関係式を導出し、該導出された関係式に少なくとも一つ以上の前記各区分領域の重量を変更して与えることにより前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数を予測し、自動車における起振源からの振動に起因するパネル部品の振動騒音を低減させるために前記自動車の車体における軽量化する部位を特定することを特徴とする自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法。
  4. 請求項2に記載の自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法の前記区分領域重量寄与度算出ステップにおいて、前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数と前記各区分領域の重量との関係式を導出し、該導出された関係式に板厚を算出したい一つの区分領域を除いた他の区分領域の重量と前記振動騒音低減対象パネル部品モデルの等価放射パワーのピーク周波数とを与えて、前記選択した一つの区分領域の重量を算出し、該算出した前記一つの区分領域の重量に基づいて、該一つの区分領域を構成する前記骨格部品モデル及び/又はパネル部品モデルの板厚を算出することを特徴とする自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法。
  5. 前記関係式により前記選択した一つの区分領域の重量を算出するに際し、該一つの区分領域の重量の変化が前記等価放射パワーのピーク周波数に及ぼす影響を補正する補正値を前記関係式に与え、前記一つの区分領域の重量を算出することを特徴とする請求項4記載の自動車のパネル部品の振動騒音低減解析方法。
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