JP6974702B2 - 半導体発光装置の製造方法 - Google Patents
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Description
そのために、例えば、チップサイズの発光素子を有する発光装置において、個々の発光素子の半導体層の成長基板側に、チップサイズと同一サイズの透明部材を配置することが提案されている(例えば、特許文献1等)。
また、発光素子の半導体層の成長基板側に凹部を形成し、その凹部内に光学部材を配置した発光素子が提案されている(特許文献2等)。
成長基板の一面に複数の半導体積層構造を形成し、
前記成長基板のうち該半導体積層構造が形成された領域に対応する部分に、前記半導体積層構造におよぶ貫通孔を形成し、
該貫通孔内に透光性部材を形成し、
前記成長基板を除去することを含む。
このような半導体発光装置の製造方法では、さらに、半導体積層構造2を支持基板5に搭載してもよい(図1E)し、半導体積層構造2の周辺に光反射性部材6を形成してもよい(図1F)し、隣接する透光性部材4の間に遮光性部材7を形成してもよい(図1H)。
まず、図1Aに示すように、発光素子を構成する複数の半導体積層構造2を形成する。
半導体積層構造2は、通常、成長基板1の一面上に形成する。成長基板1としては、例えば、結晶性を有する基板であることが好ましく、サファイア(Al2O3)、スピネル(MgA12O4)等の絶縁性基板、シリコン、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)などの半導体基板が挙げられる。なかでも、シリコン基板がより好ましい。成長基板1の表面には、微細な凹凸が形成されていてもよい。
半導体積層構造2としては、n側半導体層と、活性層と、p側半導体層とがこの順に積層されて構成されるダブルヘテロ構造のものが挙げられる。活性層は、量子効果が生ずる薄膜に形成された単一量子井戸構造、多重量子井戸構造のいずれでもよい。半導体層の種類、材料は特に限定されるものではなく、例えばInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物半導体が好適に用いられる。これらのn型半導体層及びp型半導体層はいずれも、単層であってもよいし、2層以上の多層又は超格子等の積層構造であってもよい。n型半導体層、活性層及びp型半導体層ならびにこれらの積層体の厚みは、意図する特性、使用する材料等によって適宜調整することができる。
半導体積層構造2は、さらに、同一面側(例えば、p側半導体層の上面側)に、n側半導体層に電気的に接続されるn電極と、p側半導体層に電気的に接続されるp電極との双方を有する。
図1Bに示すように、成長基板1のうち半導体積層構造2が形成された領域に対応する部分に、半導体積層構造2におよぶ貫通孔3を形成する。
このような貫通孔3は、成長基板1の他面側から形成する。例えば、成長基板1の他面側において、フォトリソグラフィ及びエッチング工程において、半導体積層構造2に対応する部分に開口を有するマスクを形成し、このマスクを利用して、成長基板の厚み方向の全部を除去することにより、貫通孔3を形成することができる。成長基板の除去は、例えば、ウェットエッチング及びドライエッチング又はこれらを組み合わせて行ってもよいが、等方性エッチングを利用することが好ましく、反応性イオンエッチング(RIE)を利用することがより好ましい。これにより、サイドエッチによる加工バラツキ、基板の結晶方位によるエッチング形状の制約の発生を回避して、発光面と後述する透光性部材との位置ズレの発生、明るさ及び配光への悪影響を阻止することができる。また、エッチング条件を選択することによって、貫通孔の側面の形状又は傾斜を制御することができる。その結果、後述する透光性部材の形状、透光性部材の位置合わせの自由度が拡大し、要求される発光特性への対応が可能となる。
貫通孔3は、例えば、図2に示したように、マトリクス状に複数形成することが好ましい。貫通孔3の大きさは、5×5μm〜600×600μm、貫通孔3間の間隔は、5μm〜600μmとすることが好ましい。
図1C及び図1Dに示すように、成長基板1に貫通孔3を形成した後、貫通孔3内に透光性部材4を形成する。
透光性部材4は、上述した半導体積層構造2から出射される光の60%以上を通過させる材料、70%以上又は80%以上を通過させる材料により形成することができる。
透光性部材4は、例えば、透光性樹脂、蛍光体の結晶又は焼結体等を用いて形成することができる。
蛍光体の形状は、破砕状、球状、中空及び多孔質等のいずれでもよい。
蛍光体が透光性樹脂に含有される場合は、例えば、蛍光体の平均粒径(メジアン径)は、0.08〜10μm程度が挙げられる。蛍光体は、透光性部材の重量に対して10〜60重量%含有されていることが好ましい。
透光性部材4は、さらに、充填材(例えば、拡散剤、着色剤等)を含んでいてもよい。例えば、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化クロム、酸化マンガン、ガラス、カーボンブラック等が挙げられる。なかでも、酸化チタンは、水分などに対して比較的安定で且つ高屈折率であり、また熱伝導性にも優れるため、好ましい。
後工程の成長基板を除去する前に、図1Eに示したように、半導体積層構造2を支持基板5に搭載することが好ましい。ただし、支持基板5への搭載は、半導体積層構造2を形成した後であれば、どの段階でもよく、例えば、透光性部材4を形成した後が挙げられる。
このような支持基板に半導体積層構造を搭載することにより、後述する成長基板の除去後において、複数の半導体積層構造を一体的に保持することができる。
図1Fに示したように、各半導体積層構造2の側面を被覆する光反射性部材6を形成することが好ましい。ただし、光反射性部材6は、複数の半導体積層構造2を形成した後であれば、成長基板に貫通孔を形成する前後、透光性部材を形成する前後等、任意の段階で形成することができる。成長基板に貫通孔を形成する前に光反射性部材6を形成することにより、複数の半導体積層構造の保持力を高めることができるとともに、半導体積層構造の側面及び下面のエッチングによるダメージを低減することができるため、好ましい。
このように、光反射性部材6を形成することにより、隣接する半導体発光素子の間での見切り性を顕著にすることが可能となる。
ここでの各半導体積層構造の側面の被覆とは、各半導体積層構造の全ての側面を被覆することが好ましいが、一部のみ側面を被覆するものでもよい。また、光反射性部材は、半導体積層構造の側面に接触して形成することが好ましいが、一部又は全部において、透光性部材等を介して被覆していてもよい。
また、光反射性部材6は、半導体積層構造を形成した後、成長基板1を有した状態で、n電極及びp電極等を含む半導体積層構造2の全部を埋設し、その後、n電極及びp電極の表面を露出するように研磨等して形成してもよい。特に、光反射性部材6は、半導体積層構造2を支持基板5に搭載した後に形成することが好ましく、半導体積層構造2を支持基板5に搭載した後であって、さらに成長基板1を除去する前に形成することがより好ましい。
図1Gに示したように、透光性部材4を形成した後、成長基板1を除去する。
成長基板1は、成長基板1の他面側からエッチングすることにより除去することができる。なかでも、成長基板を、透光性部材と成長基板との選択比の差に基づくドライエッチングによって除去することが好ましく、成長基板がシリコン基板である場合には、透光性部材とシリコンとの選択比の差に基づくエッチングによって除去することがより好ましい。なかでも、そのようなエッチングとして、成長基板の材料と、透光性部材を構成する樹脂との間で、選択比が20以上異なるエッチャント、より好ましくは、30以上異なるエッチャントを用いるエッチングを利用することが好ましく、ドライエッチングを利用することが好ましい。この場合のエッチャントとしては、例えば、SF6、CF4等を用いることができる。
このような方法により成長基板を除去する場合には、透光性部材を損傷することなく、かつ、成長基板を確実に除去することができる。特に、成長基板がシリコンによって形成されている場合には、シリコンは半導体積層構造によって構成される半導体発光素子から出射される光を吸収しやすい。よって、成長基板を確実に除去することは、光の取り出し効率を向上させるために好ましい。
図1Hに示すように、成長基板1を除去した後、さらに、隣接する透光性部材4間に遮光性部材7を形成することが好ましい。このような遮光性部材7を形成することにより、隣接する半導体発光素子間での見切り性をより顕著なものとすることができる。
遮光性部材7は、例えば、上述した透光性の樹脂に、遮光性物質としては、二酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、酸化亜鉛、硫酸バリウム、各種希土類酸化物(例えば、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム)などの光反射材、光散乱材又はカーボンブラック等の着色材、無機フィラー等の添加物を含有させたものが挙げられる。
また、遮光性部材7は、Al、Ag等の金属又は合金の単層又は積層構造の層として形成してもよい。なかでも、AlCuを用いることが好ましい。
また、遮光性部材7を、透光性部材4の全部を埋設するように形成し、その後、透光性部材4の表面を露出するように研磨等して形成してもよい。
また、遮光性部材7を、透光性部材4の全部を埋設するように形成し、フォトリソグラフィの適用により、隣接する透光性部材4の間に遮光性部材7を残すようにして形成してもよい。
あるいは、上述した光反射性部材を透光性部材4の間に配置し、光反射性部材に溝を形成し、その溝内に遮光性部材を配置してもよい。
この実施形態では、図3に示すように、成長基板1に形成する貫通孔33を、成長基板1の一面から他面に向かって、略広がる形状となるように、ドライエッチングにて形成した。これにより、発光面からの配光を広げることができる。
上記以外の半導体発光装置の製造方法は、実質的に上記の実施形態と同様であり、上述した製造方法と同様の効果を有する。
この実施形態では、図4に示すように、成長基板1に形成する貫通孔43を、成長基板1の一面から他面に向かって、ほぼ一定の寸法を有する形状となるように、ドライエッチングにて形成した。これにより、横方向への光の広がりを抑えることができる。
上記以外の半導体発光装置の製造方法は、実質的に上記の実施形態と同様であり、上述した製造方法と同様の効果を有する。
2 半導体積層構造
3、33、43 貫通孔
4 透光性部材
4a 波長変換層
4b 透光層
5 支持基板
6 光反射性部材
7 遮光性部材
Claims (9)
- 成長基板の一面に、互いに分離された複数の半導体積層構造を形成し、
前記複数の半導体積層構造を形成した後、前記複数の半導体積層構造の側面の全体を被覆して、該複数の半導体積層構造を一体的に保持する光反射部材を形成し、
前記成長基板のうち該半導体積層構造が形成された領域に対応する部分に、前記半導体積層構造におよぶ貫通孔を形成し、
該貫通孔内に透光性部材を形成し、
前記成長基板の全部を除去することを含む半導体発光装置の製造方法。 - 前記成長基板を除去する前に、さらに、前記半導体積層構造を支持基板に搭載する請求項1に記載の半導体発光装置の製造方法。
- 前記成長基板を除去する前に、前記光反射性部材を形成する請求項1又は2に記載の半導体発光装置の製造方法。
- 前記透光性部材を形成する際、
前記半導体積層構造に接して、蛍光体を含む波長変換層を形成し、
前記半導体積層構造に接する面以外の波長変換層の表面を、透光層で被覆する請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体発光装置の製造方法。 - 前記成長基板は、シリコン基板である請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体発光装置の製造方法。
- 前記成長基板を除去する際、前記成長基板を、前記透光性部材と前記成長基板との選択比の差に基づくドライエッチングによって除去する請求項5のいずれか1つに記載の半導体発光装置の製造方法。
- 前記貫通孔が前記成長基板の一面から該一面とは反対側の面に向かって広がる領域を有するように、前記貫通孔を形成する請求項1〜6のいずれか1つに記載の半導体発光装置の製造方法。
- 前記成長基板を除去した後、さらに、隣接する前記透光性部材の間に遮光性部材を形成する請求項1〜7のいずれか1つに記載の半導体発光装置の製造方法。
- 前記光反射性部材の上に前記遮光性部材を形成する請求項8に記載の半導体発光装置の製造方法。
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