JP6971933B2 - 画像処理装置及び撮像装置 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、画像から、被写体までの距離を精度良く取得できる画像処理装置及び撮像装置を提供することである。
この撮像装置1は、画像を撮像する撮像部11と、撮像された画像を処理する画像処理部12とを備える。撮像装置1は、撮像部11と画像処理部12とを備える一つの装置として実現されても良いし、撮像部11に相当する撮像処理装置と、画像処理部12に相当する画像処理装置とのような複数の装置で構成されるシステムであっても良い。撮像部11は、被写体の画像と当該被写体までの距離に関する情報とを一度の撮影で取得する機能を有する。撮像部11は、この機能により、例えば、撮像時の被写体までの距離情報が符号化された画像(以下では「距離画像」と称する)を取得する。また、画像処理部12は、例えば、コンピュータ、または各種電子機器に内蔵される組み込みシステムとして実現され得る。
図2に示すように、画像処理部12は、CPU31、RAM32、不揮発性メモリ33、入出力部34及び通信部35を有し、また、CPU31、RAM32、不揮発性メモリ33、入出力部34及び通信部35を相互に接続するバス36を有する。
フィルタ21は、互いに異なる光の波長帯域(色成分)を透過する複数のフィルタ領域を有し、2以上のフィルタ領域は、撮像装置1の光学中心213に対して非点対称な形状である。フィルタ21は、例えば、2色のカラーフィルタ領域である第1フィルタ領域211と第2フィルタ領域212とで構成される。フィルタ21の中心は、撮像装置1(レンズ22)の光学中心213と一致している。第1フィルタ領域211及び第2フィルタ領域212はそれぞれ、光学中心213に対して非点対称である形状を有している。また、例えば、二つのフィルタ領域211,212は重複せず、且つ二つのフィルタ領域211,212によってフィルタ21の全領域を構成している。図4に示す例では、第1フィルタ領域211及び第2フィルタ領域212はそれぞれ、円形のフィルタ21が光学中心213を通る線分で分割された半円の形状を有している。
例えば、図4に示したフィルタ21がカメラの開口部に配置されることにより、開口部が2色で2分割された構造開口であるカラー開口が構成される。このカラー開口を透過する光線に基づいて、イメージセンサ23は画像を生成する。イメージセンサ23に入射する光の光路上において、フィルタ21とイメージセンサ23との間にレンズ22が配置されても良い。イメージセンサ23に入射する光の光路上において、レンズ22とイメージセンサ23との間にフィルタ21が配置されても良い。レンズ22が複数設けられる場合、フィルタ21は、二つのレンズ22の間に配置されても良い。
被写体210が合焦距離dfよりも奥にある場合(d>df)、イメージセンサ23によって撮像された画像にはぼけが発生する。この画像のぼけの形状を示すぼけ関数(PSF: Point Spread Function)は、R画像、G画像及びB画像でそれぞれ異なっている。例えば、R画像のぼけ関数201Rは左側に偏ったぼけの形状を示し、G画像のぼけ関数201Gは偏りのないぼけの形状を示し、B画像のぼけ関数201Bは右側に偏ったぼけの形状を示している。
画像取得部41は、ぼけ関数が偏りのないぼけの形状を示すG画像を基準画像として取得する。また、画像取得部41は、ぼけ関数が偏ったぼけの形状を示すR画像及びB画像の一方または両方を対象画像として取得する。対象画像と基準画像とは、1つの撮像装置により同時刻に撮像された画像である。
図9は、ぼけ補正フィルタの一例を示す図である。なお、図9に示すぼけ補正フィルタは、図4に示したフィルタ21を用いた場合のぼけ補正フィルタである。図9に示すように、ぼけ補正フィルタは、第1フィルタ領域211と第2フィルタ領域212の境界の線分の中心点を通り、この線分に直交する直線上(直線付近)に分布する。その分布は、想定する距離毎にピーク点(直線上の位置、高さ)とピーク点からの広がり方とが異なる図9に示すような山状の分布となる。対象画像のぼけ形状は、ぼけ補正フィルタを用いて、任意の距離を想定した様々なぼけ形状に補正することができる。つまり、任意の距離を想定した補正画像を生成することができる。
また、距離推定部42は、推定した距離から距離マップ(距離画像)を生成する。距離画像は、例えば、各画素の画素値が距離を示す画像として生成される。例えば、合焦位置の手前から奥に向かって、波長の長い色を示す値(赤)から波長の短い色を示す値(紫)が割り当てられる。このように、距離画像は、被写体までの距離を示す情報が画像の領域に対応させてマッピングされたものであり、被写体までの距離を示す情報として画素値が用いられるものである。画像として生成される距離画像は、表示できるので、色で、例えば複数の被写体間の奥行き方向の位置関係を確認することができる。距離推定部42は、生成した距離画像を含む出力情報を生成し、これを統計強度算出部43に出力する。
一般的に、大気障害による影響は、光線が空気中を通過する距離が長い程顕著に現れる傾向がある。第1閾値はこの傾向を踏まえて設定される値であり、大気障害による影響が画像に顕著に現れ始めるとされる被写体までの距離であって、例えば200mに相当する画素値が第1閾値として設定される。なお、第1閾値はユーザによって任意に変更されても良いものとする。
しかる後、統計強度算出部43は、算出された統計強度を含む出力情報を生成し、これを統計処理部44に出力し(ステップS7)、統計強度算出処理を終了させる。
まず、統計処理部44は、距離推定部42によって推定された被写体までの距離を示す情報を含んだ距離画像と、統計強度算出部43によって算出された統計強度を示す出力情報とを取得する(ステップS11)。続いて、統計処理部44は、取得された出力情報によって示される統計強度に応じたサイズのフィルタ(この場合平均値フィルタ)を選択する(ステップS12)。なお、以下では、図13に示すように、3×3サイズの平均値フィルタFが選択された場合を想定して、説明する。また、この平均値フィルタFに設定されている重み係数W1〜W9は全て1であるものとする。
上記したステップS13の処理において、画像端に位置する画素に着目した場合、統計処理部44は、以下に示す方法のうちのいずれかを用いて上記したステップS14の処理を実行し、不足分の画素値を取得する。
・画像端に位置する画素には着目しない。
・不足分の画素値は全て0とみなした上で、不足分の画素値を取得する。
・不足分の画素値は、画像端に位置する画素の画素値と同一であるとみなした上で(換言すると、画像端に位置する画素の画素値でパディングして)、不足分の画素値を取得する。
・不足分の画素値は、当該画像には上下(または左右)が逆の画像がくっついていると仮定した上で、当該逆の画像から不足分の画素値を取得する。
一方で、大気障害による影響を受けていない画素P1の画素値は50から43に変化するので、統計処理前には生じていなかった誤差が生じてしまうことになる。同様に、大気障害による影響を受けていない画素P3の画素値もまた70から57に変化するので、統計処理前には生じていなかった誤差が生じてしまうことになる。さらに、画素P1と画素P3の画素値の差は、統計処理前は20であったにも関わらず、統計処理後は14になってしまっており、中間階調の画素が増えてしまっていることから、当該画像のコントラストは低下してしまうことになる。
すなわち、大気障害による影響を受けていない画素からすると、フィルタサイズが大きくなる程、多くの画素(離れた画素)の影響を受けることになるので、統計処理が実行されたことによって生じる誤差は大きくなってしまう可能性が高く、ひいては、画像のコントラストの低下を招いてしまうことになる。このため、本実施形態においては、統計強度算出部43において、現在生じている大気障害の度合いに適したサイズのフィルタを選択させるための統計強度が算出される。
なお、気象情報に基づいて統計強度を決定する手法は、ユーザの操作に基づいて統計強度を決定する手法と同様に、統計強度を決定する他の手法(例えば図10に示した一連の処理等)と併用されても良い。
なお、計測情報に基づいて統計強度を決定する手法は、ユーザの操作に基づいて統計強度を決定する手法や、気象情報に基づいて統計強度を決定する手法と同様に、統計強度を決定する他の手法と併用されても良い。
このように、現在撮影された画像に対する固有の統計強度Iが算出可能になることで、統計処理部44は、当該算出された統計強度Iを用いて、任意のサイズのフィルタを生成することが可能となる。
具体的には、ある程度の大きさを有した物体が被写体として写っている画像から、任意の1画素を選択して測距が行われた場合、大気障害による影響があると、実際の距離とは大幅にずれた距離が算出されてしまう可能性があるが、本実施形態に係る撮像装置1によれば、上記した統計処理により、大気障害に起因して画素(の画素値)に発生してしまっている誤差の分散を抑制することができるので、上記したように任意の1画素が選択されたとしても、正確な距離を測距できる可能性を高くすることができる。
以下、前述のような構成を有する撮像装置1が適用される応用例についていくつか説明する。
図21は、撮像装置1を含む移動体60の機能構成例を示す。移動体60は、例えば、自動運転機能を有する自動車、無人航空機、自律型の移動ロボット等として実現され得る。無人航空機は、人が乗ることができない飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって、遠隔操作または自動操縦により飛行させることができるものであり、例えば、ドローン(マルチコプター)、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプター等を含む。自律型の移動ロボットは、無人搬送車(Automated Guided Vehicle: AGV)のような移動ロボット、床を掃除するための掃除ロボット、来場者に各種案内を行うコミュニケーションロボット等を含む。移動体60にはさらに、ロボット本体が移動するものだけでなく、ロボットアームのような、ロボットの一部分の移動・回転用の駆動機構を有する産業用ロボットも含まれ得る。
Claims (10)
- 単眼カメラによって撮像された画像を取得する取得手段と、
前記取得された画像に基づいて、被写体までの距離を推定する推定手段と、
前記取得された画像に影響を与えている大気障害を考慮し、前記推定された距離を対象にした統計処理を実行して、前記被写体までの距離を算出する算出手段と
を具備し、
前記算出手段は、
前記推定された距離に基づいて現在生じている大気障害の度合いを推定し、
前記推定された大気障害の度合いに基づいて前記統計処理の強度を算出し、
前記算出された統計処理の強度に応じたサイズのフィルタを用いて前記統計処理を実行して、前記被写体までの距離を算出する、画像処理装置。 - 前記算出手段は、
ユーザの操作に応じて指定された統計処理の強度に応じたサイズのフィルタを用いて前記統計処理を実行して、前記被写体までの距離を算出する、請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記算出手段は、
外部機器から取得される気象情報に基づいて前記統計処理の強度を算出し、
前記気象情報に基づいて算出された統計処理の強度に応じたサイズのフィルタを用いて前記統計処理を実行して、前記被写体までの距離を算出する、請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。 - 気温を計測する計測手段をさらに具備し、
前記算出手段は、
前記計測された気温に基づいて前記統計処理の強度を算出し、
前記気温に基づいて算出された統計処理の強度に応じたサイズのフィルタを用いて前記統計処理を実行して、前記被写体までの距離を算出する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記算出手段は、
予め用意された画像であって、前記大気障害による影響がない画像と、前記取得された画像とを比較した結果に基づいて、現在生じている大気障害の度合いを推定する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記推定された大気障害の度合いが閾値以上であった場合、前記被写体までの距離の測距を中止するようユーザに通知する通知手段をさらに具備する、請求項5に記載の画像処理装置。
- 前記推定手段は、
第1色成分の第1画像と、前記第1色成分とは異なり、ぼけ関数が非点対称に表された第2色成分の第2画像とを用いて、前記被写体までの距離を推定する、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記取得手段は、
ぼけ関数が偏りのないぼけの形状を示す第1画像と、前記ぼけ関数が偏ったぼけの形状を示す第2画像とを取得し、
前記推定手段は、
前記取得された第2画像に対して複数の異なるぼけを付加して、複数の第3画像を生成し、前記取得された第1画像と、前記生成された複数の第3画像との相関に応じて、前記被写体までの距離を推定する、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記取得手段は、
ぼけ関数が偏りのないぼけの形状を示す第1画像と、前記ぼけ関数が偏ったぼけの形状を示す第2画像とを取得し、
前記推定手段は、
前記取得された第1画像及び第2画像からエッジを抽出し、前記抽出された各画像のエッジ間の距離に基づいて前記各画像の色ずれ量を算出し、前記算出された色ずれ量に基づいて前記被写体までの距離を推定する、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
単眼カメラと
を具備する撮像装置。
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