JP6970674B2 - 窒化チタンの対電極としての利用 - Google Patents

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Description

近年の半導体産業における超小型化の進歩によって、生物工学者は、従来の大きな検知ツールをますます小さいフォームファクタに、いわゆるバイオチップ上にパッケージングすることを始められるようになった。バイオチップをより頑丈に、効率的にかつ費用効果的にするバイオチップの技術を開発することが、望ましいであろう。
本発明は、第1の電位であるように構成された窒化チタン(TiN)対電極と、第2の電位であるように構成された作用電極と、絶縁壁とを備え、絶縁壁および作用電極は、窒化チタン対電極の第1の電位と作用電極の第2の電位との間の電位差の少なくとも一部分である電圧で電解質を収容するように構成されるウェルの少なくとも一部分を形成する、ナノポアセルを提供する。対電極は、窒化チタンをスパッタリングされた基材を含み得る。
ナノポアセルは、ナノポアベースの配列決定システムの一部であってもよく、ナノポアベースの配列決定システムは、流体室構成要素および配列決定チップを含む。この場合、流体室構成要素は、曲がりくねった流体室の少なくとも一部分を形成する。さらに、窒化チタン対電極は、流体室構成要素上に含まれる。さらに、窒化チタンは、流体室構成要素の流路表面内部にスパッタリングされ得る。さらに、窒化チタンは、配列決定チップに結合された流体室構成要素の表面全体上にスパッタリングされ得る。さらに、流体室構成要素および配列決定チップは、中間金属層を加熱することによって、互いに結合される。さらに、配列決定チップは、複数の異なるナノポアセンサを含み、各々のナノポアセンサは、流体を受けるための表面を含む。そのうえ、流体室構成要素および配列決定チップは共に、流体を流体室内に送達する入口と、流体を流体室外に送達する出口とを有する流体室の少なくとも一部分を形成し得る。
本発明によるナノポアセルに関して、窒化チタンが、対電極と電位源またはシンクとの間の接続を形成するために利用される材料で利用され得る。共通電極が、複数の異なるナノポアセルの間で共有され得る。作用電極は、少なくとも部分的に窒化チタン(TiN)からなり得る。
作用電極は、導電性層の上に疎に離間されたTiN柱状構造またはTiN結晶柱を堆積するように条件が調整された堆積技術によって堆積されたスポンジ状で多孔質のTiN作用電極をさらに含み得る。この場合、作用電極は、実質的に同一の寸法を有する平坦なTiN作用電極の比表面積の10から1000倍の比表面積を有する。さらに、作用電極は、実質的に同一の寸法を有する平坦なTiN作用電極の電気化学的キャパシタンスの10から1000倍の電気化学的キャパシタンスを有し得る。さらに、堆積技術は、チタンターゲットからの直流(DC)反応性スパッタリングを含み得て、導電性層の上に疎に離間されたTiN柱状構造またはTiN結晶柱を堆積するように調整された条件は、スパッタリングに低い温度、低い基板バイアス電圧、および高い圧力を用いることを含み得る。
さらに、絶縁壁の一部は、作用電極の一部を覆い得て、ウェルは、作用電極の覆われていない部分の上に開口を有し得て、作用電極の基底表面積は、作用電極の覆われていない部分の上の開口の基底表面積よりも大きいことがある。ある実施形態では、作用電極の基底表面積および作用電極の覆われていない部分の上の開口の基底表面積は、作用電極に関連付けられるキャパシタンスと、開口の全体に及ぶ膜に関連付けられるキャパシタンスとの比に基づいて選択される。
ある特定の実施形態では、絶縁壁の一部は、作用電極の一部を覆い得て、ウェルは、作用電極の覆われていない部分の上に開口を有し得て、電解質は、疎に離間されたTiN柱状構造またはTiN結晶柱間の空間を通り拡散することができ、作用電極の覆われていない部分へ垂直下方向に、次に、作用電極の覆われた部分へ水平方向に拡散することができる。
本発明の各種実施形態は、以下の詳細な説明および添付の図面において開示される。
ナノポアベースの配列決定チップ内のセル100の一実施形態を示す図である。 ナノ−SBS技術を用いてヌクレオチド配列決定を実行するセル200の一実施形態を示す図である。 予め装填されたタグを用いたヌクレオチド配列決定を実行しようとしているセルの一実施形態を示す図である。 予め装填されたタグを用いた核酸配列決定のためのプロセス400の一実施形態を示す図である。 ナノポアベースの配列決定チップのセル内の回路500の一実施形態を示す図である。 ナノポアベースの配列決定チップのセル内の回路600の一実施形態を示す図であり、ナノポア全体に印加される電圧は、ナノポアが特定の検出可能な状態にある期間にわたり変化するように構成可能である。 ナノポアベースの配列決定チップのセル内の回路700の追加の実施形態を示す図であり、ナノポア全体に印加される電圧は、ナノポアが特定の検出可能な状態にある期間にわたり変化するように構成可能である。 ナノポアベースの配列決定チップのセル内の回路701の追加の実施形態を示す図であり、ナノポア全体に印加される電圧は、ナノポアが特定の検出可能な状態にある期間にわたり変化するように構成可能である。 導電性電極と隣接する液体電解質との間の任意の界面に形成される二重層を示す図である。示された実施例では、電極表面が、負に帯電され、その結果、電解質内の正の荷電種が蓄積される。別の実施例では、示されたすべての帯電の極性は、例示と逆方向でもよい。 導電性電極と隣接する液体電解質との間の界面において、図7Cでのような二重層形成と同時に形成され得る疑似キャパシタンス効果を示す図である。 膜内に挿入されているナノポア内の分子を分析するプロセス800の一実施形態を示す図である。 プロセス800が実行され、3回繰り返される時間に対する、ナノポア全体に印加される電圧のプロットの一実施形態を示す図である。 ナノポアが異なる状態にある時間に対する、ナノポア全体に印加される電圧のプロットの一実施形態を示す図である。 増大された電気化学的キャパシタンスを有するTiN作用電極を備えるナノポアベースの配列決定チップの非ファラデー性電気化学的セル1100の一実施形態を示す図である。 ナノポアベースの配列決定チップ内の複数のウェルの複数の円形開口1202の上面図である。 増大された電気化学的キャパシタンスを有するTiN作用電極を備えるナノポアベースの配列決定チップの非ファラデー性電気化学的セルの構成プロセスの一実施形態を示す図である。 金属層1404上に堆積されたスポンジ状で多孔質のTiN層1402の断面写真である。 孔表面から成長されたTiN柱状構造を有するスポンジ状で多孔質のTiN層1502の別の断面写真である。 流動室内に1つまたは複数の「不感」帯を有するナノポアベースの配列決定チップを示す図である。 流動室内に1つまたは複数の「不感」帯を有するナノポアベースの配列決定チップを示す図である。 蛇行流路を有するナノポアベースの配列決定システムの一実施形態を示す図である。 互いに結合され得る、ナノポアベースの配列決定チップ1904および流路構成要素1902の一実施形態の例示の図である。 互いに結合され得る、ナノポアベースの配列決定チップ2004および流路構成要素2002のある実施形態の2つの例示の図である。 互いに結合され得る、ナノポアベースの配列決定チップ2104および流路構成要素2102のある実施形態の例示の図である。
内径が1ナノメートル程度のポアサイズを有するナノポア膜装置は、迅速なヌクレオチド配列決定において見込みを示してきた。電位が導電性流体に浸漬されたナノポア全体に印加されたとき、ナノポア全体のイオンの伝導に起因するわずかなイオン電流が観察可能である。電流の量は、ポアサイズに影響される。
ナノポアベースの配列決定チップは、DNA配列決定のために用いられてもよい。ナノポアベースの配列決定チップは、アレイとして構成される多数のセンサセルを組み込む。例えば、100万個のセルのアレイは、1000行×1000列のセルを含み得る。
図1は、ナノポアベースの配列決定チップ内のセル100の一実施形態を示す。膜102は、セルの表面にわたって形成される。いくつかの実施形態では、膜102は、脂質二重層である。タンパク質ナノポア膜貫通分子複合体(PNTMC)および対象の分析物を含むバルク電解質114は、セルの表面上に直接配置される。単一のPNTMC104は、電気穿孔法によって膜102内に挿入される。アレイ内の個々の膜は、化学的にも電気的にも互いに接続されていない。それゆえ、アレイ内の各セルは、独立した配列決定機械であり、PNTMCと結合した単一のポリマー分子に固有のデータを生成する。PNTMC104は、分析物上で作用し、そうでなければ不透過性の二重層を介してイオン電流を調節する。
図1を続けて参照すると、アナログ測定回路112は、電解質の薄膜108によって覆われた電極110に接続されている。電解質の薄膜108は、イオン不浸透性膜102によって、バルク電解質114から分離される。PNTMC104は、膜102を横切り、イオン電流がバルク液体から作用電極110へと流れるための唯一の経路を提供する。セルは、対電極(CE)116をさらに含む。セルは、電気化学的電位センサとしての役割を果たす基準電極117をさらに含む。
いくつかの実施形態では、ナノポアアレイは、合成による単分子ナノポアベースの配列決定(ナノ−SBS)技術を用いる並行配列決定を可能にする。図2は、ナノ−SBS技術を用いてヌクレオチド配列決定を実行するセル200の一実施形態を示す。ナノ−SBS技術では、配列決定されるべき鋳型202およびプライマーは、セル200に導入される。この鋳型−プライマー複合体に対して、異なってタグ付けされた4つのヌクレオチド208は、バルク水相に添加される。正しくタグ付けされたヌクレオチドがポリメラーゼ204と複合体を形成すると、タグの尾部は、ナノポア206の筒内に位置決めされる。ナノポア206の筒内に保たれるタグは、固有のイオン遮断信号210を生成し、それにより、付加された塩基を、タグの異なる化学構造により電子的に同定する。
図3は、予め装填されたタグを用いたヌクレオチド配列決定を実行しようとしているセルの一実施形態を示す。ナノポア301は、膜302内に形成される。酵素303(例えば、DNAポリメラーゼのようなポリメラーゼ)は、ナノポアと結合している。いくつかの場合では、ポリメラーゼ303は、ナノポア301に共有結合している。ポリメラーゼ303は、配列決定されるべき核酸分子304と結合している。いくつかの実施形態では、核酸分子304は環状である。いくつかの場合では、核酸分子304は線状である。いくつかの実施形態では、核酸プライマー305は、核酸分子304の一部にハイブリダイズしている。ポリメラーゼ303は、ヌクレオチド306のプライマー305上への、一本鎖核酸分子304を鋳型として用いる取り込みを触媒する。ヌクレオチド306は、タグ種(「タグ」)307を備える。
図4は、予め装填されたタグを用いた核酸配列決定のためのプロセス400の一実施形態を示す。段階Aにおいて、タグ付けされたヌクレオチド(4つの異なるタイプ:A、T、GまたはCのうちの1つ)は、ポリメラーゼと結合していない。段階Bにおいて、タグ付けされたヌクレオチドは、ポリメラーゼと結合している。段階Cにおいて、ポリメラーゼは、ナノポアにごく接近している。タグは、膜および/またはナノポア全体に印加される電圧により生成される電界によってナノポア内に引き込まれる。
結合したタグ付けされたヌクレオチドのいくつかは、核酸分子と塩基対合しない。これらの塩基対合しなかったヌクレオチドは、典型的には、正しく対合したヌクレオチドがポリメラーゼと結合したままである時間スケールより短い時間スケール内で、ポリメラーゼによって拒絶される。対合しなかったヌクレオチドは、一時的にのみポリメラーゼと結合するので、図4に示すプロセス400は、典型的には、段階Bを越えて進行しない。
ポリメラーゼがナノポアにドッキングする前、ナノポアのコンダクタンスは、約300ピコジーメンス(300pS)である。段階Cにおいて、ナノポアのコンダクタンスは、約60pS、80pS、100pSまたは120pSであり、タグ付けされたヌクレオチドの4つのタイプのうちの1つに対応する。ポリメラーゼは、異性化およびリン酸基転移反応を経て、ヌクレオチドを伸長している核酸分子内に組み込み、タグ分子を放出する。特に、タグがナノポア内に保たれるとき、固有のコンダクタンス信号(例えば、図2の信号210を参照)は、タグの異なる化学構造により生成され、それにより、付加された塩基を電子的に同定する。サイクル(すなわち、段階AからEまたは段階AからF)を繰り返すことにより、核酸分子の配列決定が可能になる。段階Dにおいて、放出されたタグは、ナノポアを通過する。
いくつかの場合では、図4の段階Fに見られるように、伸長している核酸分子内に組み込まれていないタグ付けされたヌクレオチドも、ナノポアを通過することになる。組み込まれていないヌクレオチドは、いくつかの例では、ナノポアによって検出され得るが、その方法は、組み込まれたヌクレオチドと組み込まれなかったヌクレオチドとを、ヌクレオチドがナノポア内で検出される時間に少なくとも部分的に基づいて区別するための手段を提供する。組み込まれなかったヌクレオチドに結合したタグは、ナノポアを迅速に通過し、短期間(例えば、10ms未満)の間検出され、一方、組み込まれたヌクレオチドに結合したタグは、ナノポア内に装填され、長期間(例えば、少なくとも10ms)の間検出される。
図5は、ナノポアベースの配列決定チップのセル内の回路500の一実施形態を示す。上述したように、タグがナノポア502内に保たれるとき、固有のコンダクタンス信号(例えば、図2の信号210参照)は、タグの異なる化学構造により生成され、それにより、付加された塩基を電子的に同定する。図5の回路は、電流が測定されるとき、ナノポア502全体の定電圧を維持する。特に、回路は、演算増幅器504およびパスデバイス506を含み、これらによって、ナノポア502全体にわたり、定電圧をVまたはVに維持する。ナノポア502を通じて流れる電流は、コンデンサncap508に蓄積され、アナログデジタル変換器(ADC)510により測定される。
しかしながら、回路500には、多くの欠点が存在する。欠点の1つは、回路500が一方向電流のみを測定するということである。他の欠点は、回路500の演算増幅器504が多くの性能問題を導入し得るということである。例えば、演算増幅器504のオフセット電圧および温度ドリフトによって、ナノポア502全体に印加される実際の電圧が、異なるセル全体にわたり変化する場合がある。ナノポア502全体に印加される実際の電圧は、目標値の上下に数十ミリボルトもドリフトし得るので、それにより、測定が著しく不正確になる。さらに、演算増幅器のノイズによって、さらなる検出エラーが生じる場合がある。他の欠点は、電流測定の間、ナノポア全体の定電圧を維持するための回路の部分が、領域集中的(area−intensive)であるということである。例えば、演算増幅器504は、他の構成要素より著しく多くのセル内の空間を占有する。ナノポアベースの配列決定チップが、ますます多くのセルを含むために拡大されるので、演算増幅器によって占有される領域は、到達不能なサイズに増加する場合がある。残念なことに、大型のアレイを有するナノポアベースの配列決定チップ内の演算増幅器のサイズを縮小することは、他の性能問題を引き起こす可能性がある。例えば、セル内のオフセットおよびノイズの問題をさらに悪化させ得る。
図6は、ナノポアベースの配列決定チップのセル内の回路600の一実施形態を示し、ナノポア全体に印加される電圧は、ナノポアが特定の検出可能な状態にある期間を通じて変化するように構成可能である。ナノポアの可能な状態の1つは、タグが取り付けられたポリホスフェートがナノポアの筒に存在しない場合、開放チャネル状態である。ナノポアの別の4つの可能な状態は、タグが取り付けられたポリホスフェートの4つの異なるタイプ(A、T、GまたはC)がナノポアの筒内に保たれるときの状態に対応する。ナノポアのさらに別の可能な状態は、膜が断裂するときである。図7Aおよび7Bは、ナノポアベースの配列決定チップのセル内の回路(700および701)の追加の実施形態を示し、ナノポア全体に印加される電圧は、ナノポアが特定の検出可能な状態にある期間を通じて変化するように構成可能である。上述した回路では、演算増幅器は、もはや必要ではない。
図6は、膜612内に挿入されるナノポア602を示し、ナノポア602および膜612は、セル作用電極614と対電極616との間にあり、その結果、電圧は、ナノポア602全体に印加される。ナノポア602は、バルク液体/電解質618とも接触する。ナノポア602および膜612が、図1のナノポアおよび膜と比較して、上下反対に描かれていることに留意されたい。以下、セルは、少なくとも膜、ナノポア、作用セル電極および関連回路を含むことを意味する。いくつかの実施形態では、対電極は、複数のセル間で共有され、それゆえ、共通電極とも称される。共通電極は、共通の電位を、測定セル内のナノポアと接触するバルク液体に印加するように構成可能である。共通の電位および共通電極は、測定セルのすべてに共通である(例えば、測定セルのすべての間で共有される)。共通電極とは対照的に、作用セル電極は、各測定セル内に存在し、作用セル電極614は、他の測定セル内の作用セル電極から独立して、異なる電位を印加するように構成可能である。
図7Aおよび7Bでは、膜内に挿入されるナノポアおよびナノポアを囲む液体を示す代わりに、ナノポアおよび膜の電気特性を表す電気モデル702、ならびに作用電極の電気特性を表す電気モデル714が示される。図7Aおよび7Bでは、それぞれの回路は、オンチップで作製の余分のコンデンサ(例えば、図5のncap508)を必要とせず、それにより、ナノポアベースの配列決定チップのサイズの減少を容易にする点に留意されたい。
電気モデル702は、異なる状態(例えば、開放チャネル状態またはナノポア内で異なるタイプのタグまたは分子を有することに対応する状態)において、膜(C)に関連付けられたキャパシタンスをモデル化するコンデンサ706と、ナノポアに関連付けられた抵抗をモデル化する抵抗器704と、を含む。電気モデル714は、作用電極に関連付けられるキャパシタンスをモデル化するコンデンサ716を含む。作用電極に関連付けられたキャパシタンスは、電気化学的キャパシタンス(C電気化学的)とも称される。作用電極に関連付けられる電気化学的キャパシタンスC電気化学的は、二重層キャパシタンスを含み、疑似キャパシタンスをさらに含み得る。
図7Cは、導電性電極と隣接する液体電解質との間の任意の界面に形成される二重層を示す。電圧が印加されたとき、電荷(正または負)が、電極内の導電性電極と隣接する液体電解質との間の界面に蓄積される。電極内の電荷は、界面近傍での双極子の再配向と、電解質内の極性が逆のイオンの蓄積とによって平衡する。電解質内の荷電種および溶媒の分子の有限のサイズによる短い距離だけ分離された、電極と電解質と間の界面の両側での電荷の蓄積は、従来のコンデンサでの誘電体と同様の役割を果たす。用語「二重層」は、電極と電解質との間の界面近傍での、電子およびイオンの電荷の分布の総体を示す。
図7Dは、導電性電極と隣接する液体電解質との間の界面において、図7Cでのような二重層形成と同時に形成され得る疑似キャパシタンス効果を示す。疑似コンデンサは、電極と電解質との間の電荷の移送によって電磁誘導的に電気エネルギーを蓄積する。このことは、電気的収着、酸化還元反応、または挿入のプロセスによって達成される。
図8は、膜内に挿入されているナノポア内の分子を分析するプロセス800の一実施形態を示す。プロセス800は、図6、7Aまたは7Bに示される回路を用いて実行されてもよい。図9は、プロセス800が実行され、3回繰り返される時間に対する、ナノポア全体に印加される電圧のプロットの一実施形態を示す。ナノポア全体の電圧は、時間とともに変化する。電圧減衰率(すなわち、時間に対するナノポア全体の電圧のプロットの傾きの程度)は、セル抵抗(例えば、図7Aの抵抗器704の抵抗)に依存する。より詳しくは、異なる状態(例えば、ナノポア内の異なるタイプの分子を有することに対応する状態)のナノポアに関連付けられた抵抗が、分子の異なる化学構造により異なるので、異なる対応する電圧減衰率が観察され得るようになり、それゆえ、ナノポアの分子を同定するために用いられてもよい。
図10は、ナノポアが異なる状態にある時間に対する、ナノポア全体に印加される電圧のプロットを示す。カーブ1002は、開放チャネル状態の間の電圧減衰率を示す。いくつかの実施形態では、開放チャネル状態のナノポアに関連付けられた抵抗は、100Mohmから20Gohmまでの範囲内にある。4つの異なるタイプのタグが取り付けられたポリホスフェート(A、T、GまたはC)がナノポアの筒内に保たれるとき、カーブ1004、1006、1008および1010は、4つの捕獲状態に対応する異なる電圧減衰率を示す。いくつかの実施形態では、捕獲状態のナノポアに関連付けられた抵抗は、200Mohmから40Gohmまでの範囲内にある。プロットの各々の傾きが互いに区別可能であることに留意されたい。
ナノポア全体に印加される電圧を、ナノポアが特定の検出可能な状態にある期間を通じて減衰することを可能にすることは、多くの利点を有する。利点の1つは、そうでなければセル回路内にオンチップ作製される演算増幅器、パスデバイスおよび、コンデンサ(例えば、図5のncap508)をなくすことにより、ナノポアベースの配列決定チップ内の単一のセルの設置面積を著しく減少させることであり、それにより、(例えば、ナノポアベースの配列決定チップ内の数百万ものセルを組み込む)ますます多くのセルを含むためにナノポアベースの配列決定チップの拡大を容易にする。ナノポアに並列させたキャパシタンスは、2つの部分、すなわち、膜に関連付けられたキャパシタンスおよび集積チップ(IC)に関連付けられたキャパシタンスを含む。膜の薄い形状のため、膜に関連付けられたキャパシタンスのみで、追加のオンチップのキャパシタンスを必要とすることなく必要なRC時定数を生み出すのに十分とすることができ、それにより、セルサイズおよびチップサイズの著しい減少を可能にする。
他の利点は、Vpreが任意の介在回路なく、作用電極に直接印加されるので、セルの回路がオフセットされた不正確性を被らないということである。他の利点は、スイッチが測定間隔の間に開閉されていないので、電荷注入量が最小化されるということである。
さらに、上述した技術は、正電圧または負電圧を用いて同じように良好に動作する。二方向測定は、分子複合体を特徴付けるのに有効なことを示した。例えば、それらは、ACの非ファラデー性動作から発生するベースラインドリフトを補正するために使用することができる。
ナノポアベースの配列決定チップの向上されるセル性能は、作用電極に関連付けられた電気化学的キャパシタンス(図7Aおよび7BのC電気化学的716を参照のこと)を最大化することによって、達成され得る。C電気化学的を最大化することによって、図6、7A、または7Bで示した回路によって測定される情報信号が、より安定的になり、情報信号上に巻き込まれている不要な信号が、最小化される。C電気化学的は、C電気化学的に関連付けられるインピーダンスが、C(図7Aおよび7BのC706を参照のこと)に関連付けられるインピーダンスと比較して、AC(交流)短絡回路に近づくように、最大化される。
本出願では、増大された電気化学的キャパシタンスを有する窒化チタン(TiN)作用電極を含む核酸配列決定用非ファラデー性電気化学的セルが、開示される。以下で詳述するように、TiN作用電極は、TiNの疎に離間された柱状構造を有する、粗面を呈するスポンジ状で多孔質の電極が形成されるように、成長され堆積される。
図11は、増大された電気化学的キャパシタンスを有するTiN作用電極を備えるナノポアベースの配列決定チップの非ファラデー性電気化学的セル1100の一実施形態を示す。セル1100は、導電性または金属層1101を含む。金属層1101は、セル1100をナノポアベースの配列決定チップの残りの部分に接続する。いくつかの実施形態では、金属層1101は、金属6層(M6)である。セル1100は、金属層1101より高い位置に作用電極1102および誘電体層1103をさらに含む。いくつかの実施形態では、作用電極1102は、円形または八角形であり、誘電体層1103は、作用電極1102を囲む壁を形成する。セル1100は、作用電極1102の上の誘電体層1104、および誘電体層1103をさらに含む。誘電体層1104は、ウェル1105を囲む絶縁壁を形成する。いくつかの実施形態では、誘電体層1103および誘電体層1104は共に、単体の誘電体を形成する。誘電体層1103は、作用電極1102に隣接して水平に堆積された部分であり、誘電体層1104は、作用電極の一部の上に堆積されて、この部分を覆う部分である。いくつかの実施形態では、誘電体層1103および誘電体層1104は、別々の誘電体であり、それらは別々に成長され得る。ウェル1105は、作用電極の覆いのない部分上の開口を有する。いくつかの実施形態では、作用電極の覆いのない部分上の開口は、円形または八角形である。図12は、ナノポアベースの配列決定チップ内の複数のウェルの複数の円形開口1202の上面図を示す。
ウェル1105の内側では、塩類溶液/電解質1106の薄膜が、作用電極1102の上に堆積される。塩類溶液1106は、以下の、塩化リチウム(LiCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、グルタミン酸リチウム、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、塩化カルシウム(CaCl)、塩化ストロンチウム(SrCl)、塩化マンガン(MnCl)、および塩化マグネシウム(MgCl)、のうちの1つを含み得る。いくつかの実施形態では、塩類溶液1106の薄膜は、約3マイクロメートル(μm)の厚さを有する。塩類溶液1106の薄膜の厚さは、0から5マイクロメートルまでの範囲であり得る。
誘電体層1103および1104を形成するために使用される誘電体材料は、ガラス、酸化物、シリコン一窒化物(SiN)、その他を含む。誘電体層1104の上面は、シラン処理され得る。シラン処理は、誘電体層1104の上面の上に撥水性層1120を形成する。いくつかの実施形態では、撥水性層1120は、約1.5ナノメートル(nm)の厚さを有する。別法として、ハフニウム酸化物などの撥水性である誘電体材料が、誘電体層1104を形成するために用いられ得る。
図11に示すように、膜は、誘電体層1104の上面の上に形成され、ウェル1105全体に及ぶ。例えば、膜は、撥水性層1120上に形成された脂質単一層1118を含み、膜がウェル1105の開口に達したとき、脂質単一層は、ウェルの開口全体に及ぶ脂質二重層1114に遷移する。撥水性層1120は、誘電体層1104の上の脂質単一層1118の形成、および脂質単一層から脂質二重層への遷移を支援する。タンパク質ナノポア膜貫通分子複合体(PNTMC)および対象の分析物を含むバルク電解質1108は、ウェルの上に直接配置される。単一のPNTMC/ナノポア1116は、電気穿孔法によって、脂質二重層1114内に挿入される。ナノポア1116は、脂質二重層1114を横切り、バルク電解質1108から作用電極1102へのイオン電流のための唯一の経路を提供する。バルク電解質1108は、以下の、塩化リチウム(LiCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、グルタミン酸リチウム、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、塩化カルシウム(CaCl)、塩化ストロンチウム(SrCl)、塩化マンガン(MnCl)、および塩化マグネシウム(MgCl)、のうちの1つをさらに含み得る。
作用電極1102は、増大された電気化学的キャパシタンスを有する窒化チタン(TiN)作用電極である。作用電極1102に関連付けられる電気化学的キャパシタンスは、電極の比表面積を最大化することによって、増大し得る。作用電極1102の比表面積は、重量単位毎(例えば、m/kg)または体積単位毎(例えば、m/mまたはm−1)または底部面積毎(例えば、m/m)の電極表面の総面積である。表面積が増加するので、作用電極の電気化学的キャパシタンスが増加し、コンデンサが充電済みになる前に、より多くのイオン量が、同一の印加電位により変位される。作用電極1102の表面積は、TiN電極を「スポンジ状」または多孔質にすることで、増大され得る。TiNスポンジは、電解質を吸収し、電解質と接触する大きな有効表面積を形成する。
セル1100は、対電極(CE)1110を含む。セル1100は、電気化学的電位センサとしての役割を果たす基準電極1112をさらに含む。いくつかの実施形態では、対電極1110は、複数のセル間で共有され、それゆえ、共通電極とも称される。共通電極は、共通の電位を、測定セル内のナノポアと接触するバルク液体に印加するように構成可能である。共通の電位および共通電極は、すべての測定セルに共通である。いくつかの実施形態では、対電極1110は、少なくとも部分的に窒化チタン(TiN)からなる。例えば、TiNは、対電極1110を形成するために基材(例えば、ガラス、ステンレス鋼、金属など)の上にスパッタリングされている。対電極を形成するためにTiNを用いることは、いくつかの利点を有する。TiNは、その有益な電気化学的特性、既存の標準的な半導体製造プロセスでのその汎用性および既存の標準的な半導体製造プロセスとのその互換性、生物学的および化学的な試薬とのその適合性、ならびにその相対的に低いコストのために利用され得る。
膜に関連付けられるキャパシタンス(図7Aおよび7BのC706を参照のこと)と、作用電極に関連付けられるキャパシタンス(図7Aおよび7BのC電気化学的716を参照のこと)との比は、最適な全体のシステム性能を達成するために調整され得る。向上されたシステム性能は、C電気化学的を最大化する一方でCを低減することによって達成され得る。Cは、追加のオンチップのキャパシタンスを必要とすることなく必要なRC時定数を生み出すために調整され、それにより、セルサイズおよびチップサイズの著しい削減を可能にする。
セル1100では、ウェル1105の開口の基底表面積(脂質二重層1114の基底表面積と同一である)および作用電極1102の基底表面積が、それぞれ誘電体層1104および誘電体層1103の寸法によって、決定される。作用電極1102の基底表面積は、ウェル1105の開口の基底表面積に対して、より大きいか等しい。したがって、2つの基底表面積は、所望されるCおよびC電気化学的との間の比を提供するために、別々に最適化され得る。図11で示すように、作用電極1102の一部は、誘電体1104によって覆われており、それゆえ覆われた部分は、塩類溶液/電解質1106と直接接触しない。スポンジ状で多孔質のTiN作用電極を用いることによって、電解質は、柱状TiN構造間の空間を通り拡散することができ、作用電極の覆われていない部分へ垂直下方向に、次に、誘電体層1104の下の作用電極1102の覆われた部分へ水平方向に拡散することができる。その結果、電解質と接触するTiNの有効表面積が、最大化され、C電気化学的は、最大化される。
図13は、増大された電気化学的キャパシタンスを有するTiN作用電極を備えるナノポアベースの配列決定チップの非ファラデー性電気化学的セルの構成プロセスの一実施形態を示す。
ステップAでは、誘電体1304(例えば、SiO)の層が、導電性層1302(例えば、M6)の上に堆積される。導電性層は、セルからチップの残部へ信号を送達する回路を含む。例えば、回路は、セルから積分コンデンサへ信号を送達する。いくつかの実施形態では、誘電体1304の層は、約400nmの厚さを有する。
ステップBでは、誘電体1304の層は、孔1306を形成するためにエッチングされる。孔1306は、スポンジ状で多孔質のTiN電極を成長させるための空間を提供する。
ステップCでは、スポンジ状で多孔質のTiN電極1308が、ステップBで形成された孔1306を充填するために堆積される。スポンジ状で多孔質のTiN電極1308は、電解質に接触可能な高い比表面積を提供する粗く疎に離間されたTiN柱状構造またはTiN結晶柱を形成するように成長、堆積される。スポンジ状で多孔質のTiN電極1308の層は、原子層堆積、化学気相堆積、物理蒸着(PVD)スパッタリング堆積などの異なる堆積技術を使用して堆積され得る。例えば、層1308は、窒素を含む前駆体(例えば、NHまたはN)と組み合わせてTiClを使用した化学気相堆積によって、堆積されてもよい。層1308はまた、チタンおよび窒素を含む前駆体(例えば、テトラキス−(ジメチルアミド)チタン(TDMAT)またはテトラキス−(ジエチルアミド)チタン(TDEAT))と組み合わせてTiClを使用した化学気相堆積によって、堆積されてもよい。層1308はまた、PVDスパッタリング堆積によって堆積され得る。例えば、チタンは、N環境で反応性スパッタリングされても、またはTiNターゲットから直接スパッタリングされてもよい。各々の堆積方法の条件は、疎に離間されたTiN柱状構造またはTiN結晶柱を堆積するような方法に調整され得る。例えば、層1308が、チタン(Ti)ターゲットからDC(直流)反応性マグネトロンスパッタリングによって堆積されるとき、堆積システムは、TiNが、より低速でより緩やかに堆積されTiN結晶柱を形成するように、低温、低基板バイアス電圧(シリコン基板とTiターゲットとの間のDC電圧)、および高圧力(例えば、25mT)を使用するように調整され得る。いくつかの実施形態では、堆積される層1308の深さは、孔1306の深さの約1.5倍である。堆積される層1308の深さは、500オングストロームと3マイクロメートルとの間の厚さである。堆積される層1308の直径または幅は、20nmと100マイクロメートルとの間にある。
図14は、金属層1404上に堆積されたスポンジ状で多孔質のTiN層1402の断面写真を示す。図14に示すように、スポンジ状で多孔質のTiN層1402は、ガラスのような柱状構造を含む。図15は、孔表面から成長されたTiN柱状構造を有するスポンジ状で多孔質のTiN層1502の別の断面写真を示す。
図13を続けて参照すると、ステップDでは、過剰なTiN層が除去される。例えば、過剰なTiN層は、化学機械研磨(CMP)技術を使用して除去されてもよい。孔1306内に堆積された残りのTiNは、スポンジ状で多孔質のTiN作用電極1310を形成する。作用電極1310が形成された後、誘電体1312(例えば、SiO2)の層が誘電体1304および作用電極1310の上に堆積される。いくつかの実施形態では、誘電体1312の深さは、100nmと5マイクロメートルとの間にある。
ステップEでは、誘電体1312の層は、作用電極の上側基底表面積の一部だけを露出させたウェル1314を形成するためにエッチングされる。例えば、ウェルは、反応性イオンエッチング(RIE)によってエッチングされ得る。ウェルの開口の基底表面積(例えば、π×(d1/2))が、作用電極の基底表面積(例えば、π×(d2/2))から独立しているので、セル内のCおよびC電気化学的は、所望のCとC電気化学的との比を得るために精密に調整され得る。いくつかの実施形態では、ウェル1314の直径(d2)は、20nmと100マイクロメートルとの間である。
スポンジ状TiN作用電極を備えるナノポアベースの配列決定チップの非ファラデー性電気化学的セル1100を構築することは、多くの利点を有する。TiN電極(例えば、500オングストロームから3マイクロメートルの厚さ)の厚さにより、スポンジ状TiN作用電極の比表面積およびその電気化学的キャパシタンス(例えば、基底面積の平方マイクロメートル毎に5ピコファラドから500ピコファラド)は、実質的に同一の寸法(例えば、実質的に同一の厚さおよび基底表面積)を有する平坦なTiN作用電極よりも10〜1000倍向上する。スポンジ状TiN作用電極により電解質が容易に拡散通過することが可能になるので、スポンジ状TiN作用電極の直径/幅は、ウェルの直径/幅を越えて拡張し得て、その結果、ウェルおよび作用電極の基底表面積は、改善されたシステム性能のための所望のCとC電気化学的との間の比を提供するために別々に最適化され得る。TiNを使用する他の利点は、パターニングおよびエッチングの、白金などの他の電極材料と比較した、そのコストの低さおよび容易さを含む。
図16および17は、ナノポアベースの配列決定チップを横断する流体の流れの例を示す。いくつかの実施形態では、著しく異なる特性(例えば、圧縮性、撥水性、および粘性)を有する複数の流体が、ナノポアベースの配列決定チップ表面上のセンサアレイの上を流される。改善された効率のために、アレイ内のセンサの各々は、流体またはガスへ安定した方法で露出させられなければならない。例えば、異なるタイプの流体の各々は、流体またはガスが、セルの各々の表面を均一に覆い接触するようにチップへ送達され、次に、チップ外に送達され得るように、ナノポアベースの配列決定チップ上を流されなければならない。上述の通り、ナノポアベースの配列決定チップは、アレイとして構成される多数のセンサセルを組み込む。ナノポアベースの配列決定チップは、ますます多くのセルを含むために拡大されるので、チップのセル全体における異なるタイプの流体またはガスの均一な流れを達成することは、さらに難しくなる。
図16では、入口(例えば、管)1604が、流体をナノポアベースの配列決定チップ1602に送達し、出口1606が、流体またはガスをチップ外に送達する。入口とナノポアベースの配列決定チップとの間の幅の違いにより、流体またはガスがチップ1602に入るとき、流体またはガスは、外周に近いセルを覆う経路を通り流れるが、チップの中央部分のセルを覆う経路には流れない。
図17では、入口1710が、流体をナノポアベースの配列決定チップ1708に送達し、出口1712が、流体またはガスをチップ外に送達する。流体またはガスがチップ1708に入るとき、流体またはガスは、チップの中央部分に近いセルを覆う経路を通り流れるが、チップの外周に近いセルを覆う経路は流れない。
図16および図17で示すように、ナノポアベースの配列決定チップは、流動室内に1つまたは複数の「不感」帯を有する。図16で示した実施形態では、不感帯は、チップの中央近くに分布する。図17で示した実施形態では、不感帯は、チップの外周近くに分布する。不感帯下のチップアレイ内のセンサは、少量の流体または遅い流れの流体に曝され、一方、不感帯外のセンサは、過剰なまたは速い流れの流体に曝される。
図18は、蛇行流路を有するナノポアベースの配列決定システムの一実施形態を示す図である。いくつかの実施形態では、ナノポアベースの配列決定システムは、流体を流路の長さ方向に沿ったチップの異なるセンサ上を横切るように誘導する蛇行流体流路を有する改善された流動室を含む。図18は、液体およびガスがチップ表面上のセンサの上を通りセンサと接触することを可能にする、シリコンチップを取り囲む改善された流動室を有するナノポアベースの配列決定システム1800の上面図を示す。流動室は、蛇行状または曲がりくねった流路1808を備え、それにより、流体をセンサバンク1806の1つの列(または1つの行)の直上をチップの一方の端部から反対の端部まで流れるように誘導し、次に、流体を繰り返し折り返して、すべてのセンサバンクが、少なくとも1回横切られるまで、センサバンクの他の隣接した列の直上を流れるように誘導する。図18で示すように、システム1800は、入口1802および出口1804を備え、蛇行状または曲がりくねった流路1808は、入口1802から出口1804まですべての16個のセンサバンク1806の上を流れるように流体を誘導する。
図18を参照すると、流体は、入口1802を通りシステム1800内へと誘導される。入口1802は、管または針であってもよい。例えば、管または針は、1ミリメートルの直径を有し得る。流体またはガスを直接、単一の連続した空間を有する広い流動室内へ給送する代わりに、入口1802は、流体またはガスを蛇行流路1808内へと給送し、それにより、流体またはガスを、蛇行流路1808を通り直列に互いに接続されたセンサバンク1806の列の直上を流れるように誘導する。蛇行流路1808は、上板と、流動室を蛇行流路になるように仕切る仕切り1810を有するガスケットとを互いに積層して流路構成要素を形成し、次に、流路構成要素をチップの上に取り付けることによって、形成され得る。流体またはガス流れは、蛇行流路1808を通過して流れた後に、出口1804に至るまで導かれ、システム1800の外に導かれる。
システム1800によって、流体が、チップ表面上のすべてのセンサの上を、より均一に流れることが可能になる。流路幅は、十分狭く、毛細管現象が効果をもつように構成される。より詳細には、表面張力(これは流体内の凝集によって生じる)および流体と取り囲む表面との間の粘着力が、流体をまとめて保持する役割を果たし、それにより流体または気泡が崩壊し不感帯が形成されることを防止する。例えば、流路は、1ミリメートルまたはそれより短い幅を有し得る。狭小な流路は、流体の制御された流動を可能にし、先行する流体またはガスの流動からの残余を最小化する。
いくつかの実施形態では、流路構成要素は、常温接合を使用して、チップ上面の上に接合され得る。常温接合は、中間金属層を熱することによって、2つの材料を接着する。2つの材料は、類似する材料であっても類似しない材料であってよい。中間金属層は、局部的加熱域を形成するレーザによって照射される。高温領域は、2つの材料を互いに融合する。
図19は、互いに結合され得る、ナノポアベースの配列決定チップ1904および流路構成要素1902の一実施形態の例示の図である。ナノポアベースの配列決定チップ1904および流路構成要素1902は、図18のシステム1800内に含まれ得る。いくつかの実施形態では、流路構成要素1902は、上板と、流動室を蛇行流路になるように仕切る仕切りを有するガスケットとを互いに積層することによって形成される。対電極1906は、上板の底面上に配置される。対電極の蛇行状の形状は、ガスケットの蛇行流路と一致し、その結果、対電極は、ガスケットの仕切りによって妨害されることなくセンサバンクの直上に配置される。仕切りが、センサバンク上の流体またはガスの流れを妨害しないように、仕切りは、センサバンク間に配置される。いくつかの実施形態では、流路構成要素1902は、ガラス材料を使用して形成される単一のユニットである。対電極1906(例えば、示された蛇行流路内部の上面)は、基材(例えば、ステンレス鋼、窒化チタン以外の金属、など)を、窒化チタン(TiN)をスパッタリングまたはコーティングすることによって形成される。対電極を形成するためにTiNを用いることは、いくつかの利点を有し得る。いくつかの実施形態では、TiNは、そのある種の有益な電気化学的特性、既存の標準的な半導体製造プロセスでのその汎用性および既存の標準的な半導体製造プロセスとのその互換性、生物学的および化学的な試薬とのその適合性、ならびにその相対的に低いコストのために好ましい材料である。
流路構成要素内に堆積される追加の材料は、潜在的に試薬と反応する可能性があり、このことは、生体適合性の制限を含む新たな制限を強いることがあるため、一般に問題を含む。それゆえ、流路構成要素の形成に使用される材料の数を制限することが、好ましい。したがって、流路構成要素をダイ/チップに取り付けるために、上述の融合プロセスにTiNをさらに使用することは、有益であり得る。
図20は、互いに結合され得る、ナノポアベースの配列決定チップ2004および流路構成要素2002のある実施形態の2つの例示の図である。配列決定チップ2004および流路構成要素2002は、図18のシステム1800内に含まれ得る。対電極2006は、流路構成要素2002の流路内の上面上に配置される。対電極2006(例えば、示された蛇行流路内部の少なくとも上面)は、窒化チタン(TiN)をスパッタリングすることによって形成される。ナノポアベースの配列決定チップ2004と、流路構成要素2002とを互いに融合するためのTiN金属は、配列決定チップ2004の表面2008(例えば、示された網掛けの表面)上に堆積される。このことは、下方の半導体ダイ内の回路を破壊せずに融合を成立させるために、レーザ出力レベルの広範囲を許容する一定の利点を有し得る。
図21は、互いに結合され得る、ナノポアベースの配列決定チップ2104および流路構成要素2102のある実施形態の例示の図である。配列決定チップ2104および流路構成要素2102は、図18のシステム1800内に含まれ得る。TiNは、流路の底部、壁、および融合面を含む流路構成要素2102(例えば、ガラス、金属、ゴム、などからなる)の底面2106上へスパッタされ、それにより、エッチングされた流路内の対電極と、流路間の範囲内の融合のための金属の堆積層とを1工程で形成する。その結果、製造プロセスが簡易化され、コストがより少なくなる。
いくつかの実施形態では、材料上のTiNは、対電極から、外部の電位、電圧、および/または電流の供給源、ならびに/あるいはシンクへの直接接続を形成するために利用される。例えば、図19の流路構成要素1902のために、流路構成要素1902内に含まれる上板または基板が、対電極1906と導通接触する導電性材料(例えば、金属)からなるとき、少なくとも部分的にTiN(例えば、異なる金属材料上を被覆するTiN)からなる電気的接続体が、流路構成要素1902の上板/基板と、外部の電位、電圧、および/または電流の供給源、ならびに/あるいはシンクに接続された構成要素(例えば、回路基板の接点)との接続を形成するために利用される。流路構成要素1902の上板/基板が、非導電性の材料(例えば、ガラス)からなるとき、対電極1906への導電経路(例えば、少なくとも部分的にTiNを使用した)は、上板/基板を介してまたはその周りで(例えば、上板を通過するバイアを利用し、このバイアは、流路構成要素1902の流路からの漏洩を許さない流体密封性を有する)形成される。少なくとも部分的にTiNからなる電気的接続体を使用し、この導電経路は、外部の電位、電圧、および/または電流の供給源、ならびに/あるいはシンクに接続された構成要素(例えば、回路基板の接点)に接続され得る。
図20の流路構成要素2002の場合も同様に、流路構成要素2002内に含まれる上板または基板が、対電極2006と導通接触する導電性材料(例えば、金属)からなるとき、少なくとも部分的にTiN(例えば、異なる金属材料上を被覆するTiN)からなる電気的接続体が、流路構成要素2002の上板/基板と、外部の電位、電圧、および/または電流の供給源、ならびに/あるいはシンクに接続された構成要素(例えば、回路基板の接点)との接続を形成するために利用される。流路構成要素2002の上板/基板が、非導電性の材料(例えば、ガラス)からなるとき、対電極2006への導電経路(例えば、少なくとも部分的にTiNを使用した)は、上板/基板を介してまたはその周りで(例えば、基板を通過するバイアを利用し、このバイアは、流路構成要素2002の流路からの漏洩を許さない流体密封性を有する)形成される。少なくとも部分的にTiNからなる電気的接続体を使用し、この導電経路は、外部の電位、電圧、および/または電流の供給源、ならびに/あるいはシンクに接続された構成要素(例えば、回路基板の接点)に接続され得る。
いくつかの実施形態では、TiN材料は、(i)対電極(例えば、図19の対電極1906または図20の対電極2006)として、および/または(ii)配列決定チップへの接合を支援する層として、使用され、対電極から、外部の電位、電圧、および/または電流の供給源、ならびに/あるいはシンクへの直接接続を形成することに利用される。

Claims (17)

  1. 第1の電位であるように構成された窒化チタン(TiN)対電極、
    第2の電位であるように構成された作用電極、および、
    絶縁壁、を備えるナノポアセルであって、
    前記絶縁壁および前記作用電極は、電解質を収容するためのウェルの少なくとも一部分を形成し、前記窒化チタン対電極の前記第1の電位と前記作用電極の前記第2の電位との間の電位差の少なくとも一部分が、前記電解質に電圧を印加することで生じ、
    前記作用電極が、導電性層の上に疎に離間されたTiN柱状構造またはTiN結晶柱を堆積するように条件が調整された堆積技術によって堆積されたスポンジ状で多孔質のTiN作用電極を備える、
    前記ナノポアセル。
  2. 前記対電極が、窒化チタンをスパッタリングされた基材を含む、請求項1に記載のナノポアセル。
  3. 前記ナノポアセルが、ナノポアベースの配列決定システムの一部であり、前記ナノポアベースの配列決定システムが、流体室構成要素および配列決定チップを備える、請求項1または2に記載のナノポアセル。
  4. 前記流体室構成要素が、曲がりくねった流体室の少なくとも一部分を形成する、請求項3に記載のナノポアセル。
  5. 前記窒化チタン対電極が、前記流体室構成要素上に含まれる、請求項3または4に記載のナノポアセル。
  6. 窒化チタンが、前記流体室構成要素の流路表面内でスパッタリングされる、請求項3〜5のいずれか1項に記載のナノポアセル。
  7. 窒化チタンが、前記配列決定チップに結合された前記流体室構成要素の表面全体にスパッタリングされる、請求項3〜6のいずれか1項に記載のナノポアセル。
  8. 前記流体室構成要素および前記配列決定チップが、中間金属層を加熱することによって、互いに結合される、請求項3〜7のいずれか1項に記載のナノポアセル。
  9. 前記配列決定チップが、複数の異なるナノポアセンサを含み、各々のナノポアセンサは、流体を受けるための表面を含む、請求項3〜8のいずれか1項に記載のナノポアセル。
  10. 前記流体室構成要素および前記配列決定チップが共に、流体を流体室内に送達する入口と、前記流体を前記流体室外に送達する出口とを有する前記流体室の少なくとも一部分を形成する、請求項3〜9のいずれか1項に記載のナノポアセル。
  11. 窒化チタンが、前記対電極と電位源またはシンクとの間の接続を形成するために利用される材料で利用される、請求項1〜10のいずれか1項に記載のナノポアセル。
  12. 共通電極が、複数の異なるナノポアセルの間で共有される、請求項1〜11のいずれか1項に記載のナノポアセル。
  13. 前記作用電極が、少なくとも部分的に窒化チタン(TiN)からなる、請求項1〜12のいずれか1項に記載のナノポアセル。
  14. 前記スポンジ状で多孔質のTiN作用電極が、実質的に同一の寸法を有する平坦なTiN作用電極の比表面積の10から1000倍の比表面積を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載のナノポアセル。
  15. 前記スポンジ状で多孔質のTiN作用電極が、実質的に同一の寸法を有する平坦なTiN作用電極の電気化学的キャパシタンスの10から1000倍の電気化学的キャパシタンスを有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載のナノポアセル。
  16. 前記絶縁壁の一部が、前記作用電極の一部を覆い、前記ウェルが、前記作用電極の覆われていない部分の上に開口を有し、前記作用電極の基底表面積は、前記作用電極の前記覆われていない部分の上の前記開口の基底表面積よりも大きい、請求項1〜15のいずれか1項に記載のナノポアセル。
  17. 前記絶縁壁の一部が、前記作用電極の一部を覆い、前記ウェルが、前記作用電極の覆われていない部分の上に開口を有し、前記電解質が、疎に離間されたTiN柱状構造またはTiN結晶柱の間の空間を通り拡散することができ、前記作用電極の前記覆われていない部分へ垂直下方向に、次に、前記作用電極の前記覆われた部分へ水平方向に拡散することができる、請求項1〜16のいずれか1項に記載のナノポアセル。
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