JP6969588B2 - 異常検出装置、異常検出方法、およびコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
この構成によれば、現在のデータと、過去のデータとの依存性を仮定しない経時的に取得されたデータの異常を検出できる。
この構成によれば、階差のデータの集合から相関係数が算出されるため、経時的に取得された変数のデータに発生する見せかけの相関を排除できる。
この構成によれば、単位根が存在する変数データ群が特定され、変数データ群間における見せかけの相関を排除できる。
この構成によれば、複数の変数データ群の内に1つでも単位根が存在する場合に全ての変数データ群に前処理を行うため、算出される相関係数の精度が向上する。これにより、異常検出の精度が向上する。
この構成によれば、単位根が存在する変数データ群を特定でき、変数データ群間における見せかけの相関が排除される。
図1は、本発明の一実施形態としての異常検出装置1のブロック図である。異常検出装置1は、所定の変数についての複数のデータの集合である変数データ群を含むデータセットを取得し、取得した複数の変数データ群間における相関係数を用いて、新たに取得した判定対象のデータについての異常判定を行う装置である。図1に示されるように、異常検出装置1は、CPU(Central Processing Unit)10と、ROM(Read Only Memory)20と、RAM(Random Access Memory)30と、記憶部40とを備えている。CPU10は、ROM20に格納されているコンピュータプログラムをRAM30に展開して実行することにより、取得部(データ取得部)11、処理部(データ処理部)12、判定部13、および推定部14として機能する。
a(x’)=(x’−μ)TΣ-1(X’−μ)/M・・・(1)
x’:異常度の判定対象であるデータ
μ:変数データ群の標本平均
Σ:変数データ群の分散共分散行列
判定部13は、MT法により算出された異常度を用いて、異常検出時に用いる閾値を決定する。判定部13は、判定対象のデータx’と、閾値とを比較することによって、データx’が異常であるか否かを判定する。具体的には、データx’が閾値以上の場合に異常であると判定され、データx’が閾値未満の場合に正常であると判定される。なお、データx’は、異常検出時において新たに取得されたデータとも換言できる。
X1についてのデータx1 t+1=x1 t+ε1,ε1〜N(0,1)
X2についてのデータx2 t+1=x2 t+ε2,ε2〜N(0,1)
X3についてのデータx3 t=ε3,ε3〜N(0,1)
X4についてのデータx4 t=scale(X3 t+ε4),ε4〜N(0,1)
ε1,ε2,ε3,ε4:平均0,分散1の正規分布からランダムに得られた値(各変数のデータを生成するために用いる正規分布は全て独立)
以上の定義から、変数X1,X2についての各データx1 t,x2 tは、平均0,分散1の正規分布からランダムに得られた累積和である。変数X3についての各データx3 tは、平均0,分散1の正規分布からランダムに得られた値である。変数X4についての各データx4 tは、変数X3と、平均0,分散1の正規分布からランダムに得られた値の和とを標準化した値である。
x1 t’=x1 t+1−x1 t・・・(2)
x2 t’=x2 t+1−x2 t・・・(3)
x3 t’=x3 t+1−x3 t・・・(4)
x4 t’=x4 t+1−x4 t・・・(5)
(x1’,x2’,x3’,x4’)=(0,0,0,0)・・・(6)
別の判定対象のデータとして、下記関係式(7)に示されるデータが入力された場合の異常度は、1.3となる。この異常度は、関係式(6)から算出された異常度よりも大きくなるものの、設定された閾値の4未満であるため、正常値の範囲内である。
(x1’,x2’,x3’,x4’)=(1,−1,1,−1)・・・(7)
別の判定対象のデータとして、下記関係式(8)に示されるデータが入力された場合の異常度は、22.9となる。X4’=10は、変数データ群CX4の分布から外れているため、異常として検出される。
(x1’,x2’,x3’,x4’)=(1,−1,1,10)・・・(8)
なお、製造工程の異常検出で本検出フローを用いる場合には、1回の異常検出により工程異常と判断されてもよいし、数回の異常検出により工程異常と判断されてもよい。
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態の異常検出装置1の構成および異常検出装置1が行う制御については、一例であり、種々変形可能である。異常検出装置1のCPU10は、取得部11、処理部12、および判定部13として機能していればよく、推定部14として機能していなくてもよい。取得部11が取得する変数データ群CX1〜Cx4は、記憶部40の代わりに他の装置から取得されてもよい。閾値データ42は、記憶部40に記憶されておらず、判定部13が異常検出を行う度に算出してもよいし、その他の記憶装置に記憶されていてもよい。判定対象のデータx1’〜x4’の異常が検出された場合に、モニタの画像表示およびスピーカーの警告音出力以外の態様によって、異常検出が報知されてもよい。
図9は、変形例における異常検出方法を示すフローチャートである。上記実施形態では、異常検出装置1は、判定対象のデータの異常判定を行うために、学習フロー(図3)と、検出フロー(図6)とを個別に実施していたが、図9に示されるフローによって判定対象のデータの異常を検出してもよい。変形例の異常検出方法では、初めに、取得部11がデータセット41を取得するデータ取得工程を実施する(ステップS21)。処理部12は、データセット41に含まれる変数X1〜X4に依存する変数データ群CX1〜CX4間における相関係数を算出するデータ処理工程を実施する(ステップS22)。データ処理工程では、処理部12は、変数データ群CX1〜CX4の内の少なくとも1つに単位根が存在する場合に、全ての変数データ群CX1〜CX4に、相関係数を算出する前に例えば階差の算出などの前処理を行う。なお、前処理は階差の算出でなくてもよいし、前処理を行われる変数データ群は、少なくとも単位根が存在する変数データ群CX1,CX2であってもよい。データ処理工程後に、判定部13は、算出された相関係数を用いて、新たに取得された変数X1〜X4に依存するデータの異常判定を行う判定工程を実施し(ステップS23)、異常検出方法が終了する。
10…CPU
11…取得部(データ取得部)
12…処理部(データ処理部)
13…判定部
14…推定部
20…ROM
30…RAM
40…記憶部
41…データセット
42…閾値データ
CX1〜CX4…変数データ群
CX1’〜CX4’…処理後変数データ群
X1〜X4…変数
x1 1,x2 1,x3 1,x4 1,x1 t,x2 t…データ
x’,x1’〜x4’…判定対象のデータ(新たに取得されたデータ)
Claims (9)
- 異常検出装置であって、
所定の変数についての複数のデータの集合である変数データ群であって、複数の前記変数についての前記変数データ群を含むデータセットを取得するデータ取得部と、
複数の前記変数データ群間における相関係数を算出するデータ処理部と、
前記相関係数を用いて、新たに取得された前記変数に依存するデータの異常判定を行う判定部と、を備え、
前記データ処理部は、
複数の前記変数データ群の内の少なくとも1つに単位根が存在する場合に、前記相関係数の算出に先立ち、少なくとも単位根が存在する前記変数データ群に対して前処理を行い、
複数の前記変数データ群間における前記相関係数を算出するために相関係数行列または分散共分散行列を用いる、異常検出装置。
異常検出装置。 - 請求項1に記載の異常検出装置であって、
前記変数データ群には、前記変数について経時的に取得された複数のデータが含まれる、異常検出装置。 - 請求項2に記載の異常検出装置であって、
前記データ処理部は、前記前処理として、単位根が存在する前記変数データ群における経時的に取得された複数のデータの各階差を算出し、算出された階差のデータの集合である処理後変数データ群を用いて相関係数を算出する、異常検出装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の異常検出装置であって、さらに、
複数の前記変数データ群のそれぞれに対して単位根の存在を推定する推定部を備える、異常検出装置。 - 請求項4に記載の異常検出装置であって、
前記データ処理部は、前記推定部により少なくとも1つの前記変数データ群に単位根が存在すると推定された場合に、全ての複数の変数データ群のそれぞれに対して前記前処理を行う、異常検出装置。 - 請求項4または請求項5に記載の異常検出装置であって、
前記推定部は、複数の前記変数データ群のそれぞれに対して、単位根検定を 用いて単位根の存在を推定する、異常検出装置。 - 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の異常検出装置であって、
前記判定部は、ホテリング理論、マハラノビス・タグチ法(MT法)、カルバックライブラーダイバージェンス、マハラノビス距離、へリンジャー距離、決定木、ランダムフォレスト、およびXgboostの少なくとも1つを用いてデータの異常判定を行う、異常検出装置。 - 異常検出方法であって、
所定の変数についての複数のデータの集合である変数データ群であって、複数の前記変数についての前記変数データ群を含むデータセットを取得するデータ取得工程と、
複数の前記変数データ群間における相関係数を算出するデータ処理工程と、
前記相関係数を用いて、新たに取得された前記変数に依存するデータの異常判定を行う判定工程と、を備え、
前記データ処理工程では、
複数の前記変数データ群の内の少なくとも1つに単位根が存在する場合に、前記相関係数の算出に先立ち、少なくとも単位根が存在する前記変数データ群に対して前処理を行い、
複数の前記変数データ群間における前記相関係数を算出するために相関係数行列または分散共分散行列を用いる、異常検出方法。 - コンピュータプログラムであって、
所定の変数についての複数のデータの集合である変数データ群であって、複数の前記変数についての前記変数データ群を含むデータセットを取得するデータ取得機能と、
複数の前記変数データ群間における相関係数を算出するデータ処理機能と、
前記相関係数を用いて、新たに取得された前記変数に依存するデータの異常判定を行う判定機能と、をコンピュータに実現させ、
前記データ処理機能は、
複数の前記変数データ群の内の少なくとも1つに単位根が存在する場合に、前記相関係数の算出に先立ち、少なくとも単位根が存在する前記変数データ群に対して前処理を行い、
複数の前記変数データ群間における前記相関係数を算出するために相関係数行列または分散共分散行列を用いる、コンピュータプログラム。
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JP2019085117A JP6969588B2 (ja) | 2019-04-26 | 2019-04-26 | 異常検出装置、異常検出方法、およびコンピュータプログラム |
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